第71回「エミー賞」授賞式 レッドカーペットを彩る鮮やかなドレスに注目

 9月23日に米ロサンゼルスで、第71回「エミー賞(Emmy Awards)」の授賞式が開催された。アメリカのテレビ作品に与えられるエミー賞は、映画の「アカデミー賞(Academy Awards)」に匹敵するアワード。

 ドラマ部門の作品賞は「ゲーム・オブ・スローンズ(GAME OF THRONES)」、主演男優賞は「ポーズ(POSE)」に出演したビリー・ポーター(Billy Porter)、主演女優賞は「キリング・イヴ(KILLING EVE)」からジョディ・カマー(Jodi Comer)が選出された。コメディー部門の作品賞は「フリーバッグ(FLEABAG)」、主演男優賞は「バリー(BARRY)」に出演のビル・ヘイダー(Bill Hader)、主演女優賞は「ブリーバッグ」のフィービー・ウォーラー・ブリッジ(Phoebe Waller-Bridge)にそれぞれ与えられた。

 今年の授賞式のファッショントレンドはピンクと赤を組み合わせたドレスで、マンディ・ムーア(Mandy Moore)やタラジ・P・ヘンソン(Taraji P. Henson)、ゾーイ・カザン(Zoe Kazan)らがさまざまなドレスで登場した。

 また、今年の授賞式でのスピーチでは、セレブリティーたちが性的少数者や有色人種、HIV感染者や女性の人権などについて多くの問題提起を行った。

 LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー等の性的少数者)に触れたスピーチを行ったラバーン・コックス(Laverne Cox)は、「エディー パーカー(EDIE PARKER)」のレインボーカラーでカスタム仕様のクラッチを持って登場。ビリー・ポーターのレッドカーペットでのファッションは豪華でいつも注目の的だが、今年の「エミー賞」では、同性愛者であることをオープンにしている黒人俳優として史上初の主演男優賞を受賞したことで話題となった。

The post 第71回「エミー賞」授賞式 レッドカーペットを彩る鮮やかなドレスに注目 appeared first on WWD JAPAN.com.

「ハイダー アッカーマン」2020年春夏パリ・コレクション

 「ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「ハイダー アッカーマン」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

「ハイダー アッカーマン」2020年春夏パリ・コレクション

 「ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「ハイダー アッカーマン」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン」2020年春夏パリ・コレクション

 「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME DES GARCONS)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

「アンダーアーマー」はロゴではなく製品のスーパーパワーが強み 米創業者が語るブランド哲学

 米アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)の創業者であるケビン・プランク(Kevin Plank)最高経営責任者(CEO)が来日し、今月13日に開店した国内最大店「アンダーアーマー ブランドハウス 新宿」で29日、同ブランドの日本総代理店であるドームの安田秀一CEOとの記者会見に登壇した。安田CEOは1998年にプランクCEOが会社を設立して以来の盟友。2人はこれまでを振り返りつつ、ブランド哲学などを語った。

 共にアメフト選手だった2人が出会ったのは、プランクCEOが26歳、安田CEOが28歳のとき。後に同ブランドの代名詞になった高機能アンダーウエアが開発されて間もないころだった。プランクCEOは「シュウ(安田CEO)は当時から『自分は大きなビジネスにする自信がある』と語っていた。私と似たタイプの男だと思った」と振り返る。以降、日米で緊密に連携を取りながら、売上高51億9300万ドル(約5556億円、2018年12月期)のグローバルブランドに育て上げた。

 安田CEOは両者の20年にわたる関係をシルクロードにたとえる。「シルクロードの交易でさまざまなものが運ばれて、新しい文化が広まったように、僕とケビンは交流し、互いを刺激しながら、新しいものを生み出してきた」。

 技術革新を重視するプランクCEOは、「一度体感してしまったら手放せなくなる製品が何よりの強み」と繰り返した。その上で「『アンダーアーマー』とはブランドのロゴではなく、製品に秘められたスーパーパワーを指す。少年少女が着用して、パフォーマンスが向上する自信と力を与えるものでなくてはならない」と話した。

The post 「アンダーアーマー」はロゴではなく製品のスーパーパワーが強み 米創業者が語るブランド哲学 appeared first on WWD JAPAN.com.

新デザイナー近藤悟史が考える「イッセイ ミヤケ」イズムとは? ブランドの原点を軽やかに表現

 「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」が、新デザイナー近藤悟史による初のコレクションを2020年春夏のパリ・ファッション・ウイークで披露した。日の光が差し込む空間でダンスと共に見せたショーは、タイトルが“センス・オブ・ジョイ”。三宅一生が追求したコンセプト“一枚の布”に立ち返った内容に、ベテランジャーナリストからは「昔の一生さんのショーを見ているかのよう」といった声も聞かれたが、単に昔をなぞるのではなく、現代流に、そしてハッピーに表現しているのがポイントだ。

 会場は、パリ中心地からやや距離がある19区。「なぜこんな遠い場所で?」といった声もあったが、会場に行ってみて納得。現代アートやグラフィックなどを扱う公共の文化施設は、気がきいていておしゃれなムード。広く明るい倉庫のような空間の会場を見上げると、丸い3枚の生地が天井にセットされている。

 きれいな電子音とアーティストのクリーンな歌声が重なる中でまず登場したのは、淡いピンクのドレープたっぷりのコート姿のモデル。和装のように四角い布を体に巻き付けて美しい造形を追求したパターンは、まさに“一枚の布”を象徴するものだ。その後に続くのは、ジャージーのドレスやスカートを身に着けた笑顔のモデルたち。手をつないでくるくる輪になって踊ると、スカートやドレスの裾がひらひら広がって揺れる。

 その後もダンサーによるパフォーマンスが続き、マクラメ編みのフリンジが揺れたり、パラシュートクロスのような極薄生地のドレスが花が開くように広がったり。極薄生地のつなぎ姿のモデルがスケボーに乗って現れると、風を受けてつなぎは凧のように広がる。マクラメ編みに見えたものはブランドらしい一体成型のニットでできており、パラシュートクロスも恐らく最新技術を盛り込んで作られたもの。原点回帰に思えても、それを支える素材は進化して表現に広がりを持たせている。ただし、そういった技術面を全面に押し出すのではなく、まず純粋に「楽しい」と感じさせるショーだ。これまでに比べてぐっと軽やかになった色合いも、それを後押しする。

 盛り上がりの最高潮は、天井に吊るされていた丸い生地がモデルのもとに下りてくる仕掛け。ニットでできた生地がモデルの体を通ってドレスになると、ダンスに合わせてピョンピョン飛び跳ねるように生地が揺れる。最後はモデルたち全員が手をつないで輪になって踊る演出だ。

 ショー後の取材で近藤は、「原点に回帰したというつもりはないけれど」と前置きしつつ、「僕なりに、『イッセイ ミヤケ』イズムを現代的に表現した」とコメント。イズムとは何か?と聞かれると、「人種や年齢を問わず、さまざまな人に届けるエネルギー」だと即答。輪になって踊る演出や笑顔のモデルは、まさにそれを表現するものだ。「社会に向き合いながら服を作っていくことがこの会社では大切。そこに僕なりのユーモアを取り入れていきたい」と抱負を語った。「(近藤のクリエイションに対し)今すぐ何かを求めるというよりも、何シーズンか重ねて、こういうことだったのかと分かるようになれば」と、伊勢孝彦イッセイ ミヤケ社長も話した。

The post 新デザイナー近藤悟史が考える「イッセイ ミヤケ」イズムとは? ブランドの原点を軽やかに表現 appeared first on WWD JAPAN.com.

「PS ポール・スミス」と「コンバース」が初コラボ 日本限定発売のスニーカー

 「ポール・スミス(PAUL SMITH)」が展開する「PS ポール・スミス(PS PAUL SMITH)」は10月5日、「コンバース(CONVERSE)」との初となるコラボスニーカーを日本限定発売する。価格は1万6000円で、サイズは22.5〜30.0cmのユニセックス展開。

 コラボスニーカーのベースには、「コンバース」の“オールスター”100周年を記念して2017年に発売した“オールスター 100 ハイ(ALL STAR 100 HI)”のホワイトを採用する。「PS ポール・スミス」のデザインシグネチャーである“スポーツストライプ”をヒール部分やアンクルパッチの星に加え、カラフルでスポーティーなデザインに仕上げる。「ポール・スミス」全国直営店や公式オンラインストアで取り扱う。

The post 「PS ポール・スミス」と「コンバース」が初コラボ 日本限定発売のスニーカー appeared first on WWD JAPAN.com.

渡辺直美も注目する“イタリアン・カワイイ”「GCDS」のスゴさとは? けみおのランウエイデビューも

 イタリア発の「GCDS」は、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しているストリートウエアブランドです。名前は「God Can't Destroy Streetwear(神はストリートウエアを破壊できない)」の頭文字。31歳のデザイナー、ジュリアーノ・カルツァ(Giuliano Calza)と、33歳の兄でビジネスを担うジョルダーノ(Giordano)がブランドを開始して4年目ですが、世界中で400店舗以上の取り扱いがあり、売上高は1000万ユーロ(約11億8000万円)を超えています。

 ベラ・ハディド(Bella Hadid)らセレブモデルの心も掴んでおり、少し毛色は異なりますがヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE ℅ VIRGIL ABLOH)」のような成長で、ジュリアーノによるド派手なデザインは、“ネクスト ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)”の呼び声も高いです。日本での知名度はまだ高くないものの、ミラノ・ファッション・ウイークで行ったショーのフロントローには渡辺直美の姿がありました。このブランドがなぜそんなにスゴイのか、2020年春夏のショーから解説していきたいと思います。

上海でファッションを学んだアジア好きデザイナー

 「GCDS」のジュリアーノは31歳のイタリア人でポップカルチャーが大好物。上海の大学でデザインを学んだという背景もあり、アジア文化に大きな影響を受けています。1年前の19年春夏では「ポケモン」、今回はサンリオのハローキティとマイメロディとのコラボも発表しています。天井に巨大なタコ足が張り巡らされた会場入口を抜けると、大きなGCDSのサイン前でスナップ撮影が行われていて、ハローキティのバブルティースタンドがありました。メニューはタピオカミルクティーもあれば、フルーツフレーバーのゼリー入りドリンクなど数種類などが自由に楽しめます。また、招待状は本物のココナツで、ストロー付きで飲むことができました。私はコレクション期間中にお腹を壊すのを恐れて飲みませんでしたが、会場では「あれ飲んだ?」という会話を何度も聞きました(笑)。このドリンクにまつわる仕掛けは序の口で、その先にはさらなるサプライズが待っていました。

しっぽを振った恐竜現わる キティやジュラシック・パークのコラボ祭り

 「K-HAWAII」と題したショーは文字通り、ハワイの南国感と日本のカワイイカルチャーのミックス。会場は大きなホールで、デジタルサイネージには金魚の泳ぐ姿が映し出されていて、ランウエイの真ん中には大きな箱が置かれています。ショーが開始すると恐竜の鳴き声と共に、箱の中からティラノサウルスが出現。これには度肝を抜かれました(笑)。会場内がザワザワと写真撮影を開始する中、アメリカ発のクマのキャラクター「ケアベア(Care Bears)」の顔型をかたどったビキニを着たモデルが登場します。そこから、ハローキティのバッグやマイメロディのトップス、映画「ジュラシック・パーク」のロゴを使ったTシャツやブーツなどのコラボのオンパレード。終盤には“ストリートウエアは永久不滅”と書かれたアダルトアニメ風のアキバ系プリントのウエアを着た、人気インフルエンサーのけみおもランウエイを歩いていました。

 コラボアイテムのほか、ショーではブランドの認知度を押し上げた定番人気のロゴ入りセーターやソックスなどのストリートウエアもしっかりとラインアップ。テイストも、テーマの“カワイイ”を象徴するフリルなどの要素に、イタリアらしい色気のあるクロップドカシュクール、オフショルダーのトップス、ドレスもそろえています。アメリカや日本の文化を融合しながらも、モノ作りは100%地元のイタリア生産にこだわっているのも特徴です。ショーには出てきていませんが、キッズラインもあります。

アニメの目を再現した!? コスプレーヤー風メイク

 4年目のブランドと思わせないのは、すでにコスメラインもローンチしていること。昨年末に発表されたイタリアのカラーコスメメーカーのインターコス(INTERCOS)との協業によるリップスティックとネイルはコンパクトなラインアップですが、今季のショーでも使用されていていました。ネイルチップにはブランド名のチャームを装着。ヘア&メイクはコスプレーヤーを意識したのでしょう。アニメのキャラクターになりきるかのように、ほぼ全員のモデルに真っ黒のカラーコンタクトを入れ、黒目の位置にアイラインを引いて強調。ヘアも現実離れしたツヤのあるハーフツインテールやボブのウィッグで、モデルたちを人形顔に変身させていました。

 ウエアもメイクも海外目線のジャポニズムの解釈でしたが、私の感想は嫌な気持ちになることもなく、ファニーな世界観を楽しめました。20年春夏は全体的に脱ストリートウエアの傾向が見られます。「GCDS」の急成長は間違いなくこの数年間のストリートブームが追い風になっていますが、ショーの仕掛けやSNS、商品のコラボレーション、ドロップ形式の商品販売を見る限り、ブランド力を強く感じるので、独自の発信力でファンを魅了するのではないでしょうか。

 また、ある日本人来場者はショー会場を出た後に、外で待機していたブランドファンに「何でもいいから、会場内でもらった紙をくれませんか?」とねだられたと言います。そんな熱狂的ファンを抱えるジュリアーノが、どのようにブランドを成長させていくのか今後も興味深いです。

The post 渡辺直美も注目する“イタリアン・カワイイ”「GCDS」のスゴさとは? けみおのランウエイデビューも appeared first on WWD JAPAN.com.

渡辺直美も注目する“イタリアン・カワイイ”「GCDS」のスゴさとは? けみおのランウエイデビューも

 イタリア発の「GCDS」は、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長しているストリートウエアブランドです。名前は「God Can't Destroy Streetwear(神はストリートウエアを破壊できない)」の頭文字。31歳のデザイナー、ジュリアーノ・カルツァ(Giuliano Calza)と、33歳の兄でビジネスを担うジョルダーノ(Giordano)がブランドを開始して4年目ですが、世界中で400店舗以上の取り扱いがあり、売上高は1000万ユーロ(約11億8000万円)を超えています。

 ベラ・ハディド(Bella Hadid)らセレブモデルの心も掴んでおり、少し毛色は異なりますがヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE ℅ VIRGIL ABLOH)」のような成長で、ジュリアーノによるド派手なデザインは、“ネクスト ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)”の呼び声も高いです。日本での知名度はまだ高くないものの、ミラノ・ファッション・ウイークで行ったショーのフロントローには渡辺直美の姿がありました。このブランドがなぜそんなにスゴイのか、2020年春夏のショーから解説していきたいと思います。

上海でファッションを学んだアジア好きデザイナー

 「GCDS」のジュリアーノは31歳のイタリア人でポップカルチャーが大好物。上海の大学でデザインを学んだという背景もあり、アジア文化に大きな影響を受けています。1年前の19年春夏では「ポケモン」、今回はサンリオのハローキティとマイメロディとのコラボも発表しています。天井に巨大なタコ足が張り巡らされた会場入口を抜けると、大きなGCDSのサイン前でスナップ撮影が行われていて、ハローキティのバブルティースタンドがありました。メニューはタピオカミルクティーもあれば、フルーツフレーバーのゼリー入りドリンクなど数種類などが自由に楽しめます。また、招待状は本物のココナツで、ストロー付きで飲むことができました。私はコレクション期間中にお腹を壊すのを恐れて飲みませんでしたが、会場では「あれ飲んだ?」という会話を何度も聞きました(笑)。このドリンクにまつわる仕掛けは序の口で、その先にはさらなるサプライズが待っていました。

しっぽを振った恐竜現わる キティやジュラシック・パークのコラボ祭り

 「K-HAWAII」と題したショーは文字通り、ハワイの南国感と日本のカワイイカルチャーのミックス。会場は大きなホールで、デジタルサイネージには金魚の泳ぐ姿が映し出されていて、ランウエイの真ん中には大きな箱が置かれています。ショーが開始すると恐竜の鳴き声と共に、箱の中からティラノサウルスが出現。これには度肝を抜かれました(笑)。会場内がザワザワと写真撮影を開始する中、アメリカ発のクマのキャラクター「ケアベア(Care Bears)」の顔型をかたどったビキニを着たモデルが登場します。そこから、ハローキティのバッグやマイメロディのトップス、映画「ジュラシック・パーク」のロゴを使ったTシャツやブーツなどのコラボのオンパレード。終盤には“ストリートウエアは永久不滅”と書かれたアダルトアニメ風のアキバ系プリントのウエアを着た、人気インフルエンサーのけみおもランウエイを歩いていました。

 コラボアイテムのほか、ショーではブランドの認知度を押し上げた定番人気のロゴ入りセーターやソックスなどのストリートウエアもしっかりとラインアップ。テイストも、テーマの“カワイイ”を象徴するフリルなどの要素に、イタリアらしい色気のあるクロップドカシュクール、オフショルダーのトップス、ドレスもそろえています。アメリカや日本の文化を融合しながらも、モノ作りは100%地元のイタリア生産にこだわっているのも特徴です。ショーには出てきていませんが、キッズラインもあります。

アニメの目を再現した!? コスプレーヤー風メイク

 4年目のブランドと思わせないのは、すでにコスメラインもローンチしていること。昨年末に発表されたイタリアのカラーコスメメーカーのインターコス(INTERCOS)との協業によるリップスティックとネイルはコンパクトなラインアップですが、今季のショーでも使用されていていました。ネイルチップにはブランド名のチャームを装着。ヘア&メイクはコスプレーヤーを意識したのでしょう。アニメのキャラクターになりきるかのように、ほぼ全員のモデルに真っ黒のカラーコンタクトを入れ、黒目の位置にアイラインを引いて強調。ヘアも現実離れしたツヤのあるハーフツインテールやボブのウィッグで、モデルたちを人形顔に変身させていました。

 ウエアもメイクも海外目線のジャポニズムの解釈でしたが、私の感想は嫌な気持ちになることもなく、ファニーな世界観を楽しめました。20年春夏は全体的に脱ストリートウエアの傾向が見られます。「GCDS」の急成長は間違いなくこの数年間のストリートブームが追い風になっていますが、ショーの仕掛けやSNS、商品のコラボレーション、ドロップ形式の商品販売を見る限り、ブランド力を強く感じるので、独自の発信力でファンを魅了するのではないでしょうか。

 また、ある日本人来場者はショー会場を出た後に、外で待機していたブランドファンに「何でもいいから、会場内でもらった紙をくれませんか?」とねだられたと言います。そんな熱狂的ファンを抱えるジュリアーノが、どのようにブランドを成長させていくのか今後も興味深いです。

The post 渡辺直美も注目する“イタリアン・カワイイ”「GCDS」のスゴさとは? けみおのランウエイデビューも appeared first on WWD JAPAN.com.

「グッチ」、コレクションを中国でライブ配信 リアルタイム視聴者数は1600万

 「グッチ(GUCCI)」は、9月22日に発表した2020年春夏ミラノ・コレクションを中国版のツイッター、ウェイボー(微博、WEIBO)でライブ配信した。同ブランドが中国でショーのストリーミングを行ったのはこれが初めてだが、ウェイボーによればおよそ1600万のユーザーがリアルタイムで視聴し、後から再生された分も含めると26日現在で2200万回再生されたという。また17万9000のユーザーがコメントを投稿し、“いいね”の数は42万1000に上った。

 「グッチ」は中国市場での展開に力を入れており、9月16日に上海のショッピングモール、プラザ66(PLAZA 66)に出店したことに続いて、11月6日には高級百貨店のSKP北京に新たなコンセプトショップをオープンする。また、同月には新たなメイクアップラインを中国で発売するという。

 アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターの監修の下、2019年5月に発売した新リップスティックが1カ月で100万本を売り上げるなど絶好調の「グッチ」は、ソーシャルメディアでも存在感を増しており、インスタグラムでのフォロワー数は3690万とファッションブランドで1位を獲得している。2位は僅差の3680万で「シャネル(CHANEL)」となっているが、これはそのままメディアバリューにも反映されているようだ。米データ分析会社トライブ・ダイナミクス(TRIBE DYNAMICS)によれば、ファッションブランドのメディアバリューを数値化したリストで、19年8月は「グッチ」が前月比2%増の2670万ドル(約28億5690万円)でトップに立ったという。2位は「シャネル」で同7%減の2350万ドル(約25億1450万円)、3位は「ディオール(DIOR)」で同7%減の2180万ドル(約23億3260万円)だった。

 環境保全に関する先駆的な取り組みで知られるケリング(KERING)を親会社に持つ「グッチ」は、サステイナビリティーの推進に熱心なブランドでもある。今回のショーも、温室効果ガスの排出を相殺するべく、イベント運営が環境、経済、社会に与える影響を測定して管理する国際規格ISO 20121に準拠して開催された。

The post 「グッチ」、コレクションを中国でライブ配信 リアルタイム視聴者数は1600万 appeared first on WWD JAPAN.com.

「ディーゼル」のコラボプロジェクトに細川雄太が手掛ける「レディメイド」 250点限定全て1点もので販売

 「ディーゼル(DIESEL)」は、新世代のデザイナーを招いて「ディーゼル」のDNAを再解釈する「レッドタグ プロジェクト(Red Tag Project)」の第5弾として、細川雄太が手掛けるブランド、「レディメイド(READYMADE)」とのコラボコレクションをパリで発表した。

 大阪を拠点にする「レディメイド」は、反戦の意味も込めてビンテージのミリタリーアイテムを解体しアップサイクリングすることで知られるブランドだが、今回のプロジェクトで伝えたかったのは「環境保護」と細川。「繊維廃棄物が多く排出されていることを知り、『ディーゼル』のアイコンでもあるデニム生地をリサイクルして制作した。今回『ディーゼル』とコラボすることで、より多くの人に環境保護というメッセージを伝えたい」と語る。

 コラボは、「ディーゼル」創始者のレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長が、「レディメイド」に興味を持ち、小木“POGGY”基史ファッション・ディレクターを介してアプローチしたことからスタートしたという。

 コレクションは複雑なパッチをあしらったウエスタン調のカラー付きジャケット、ユーティリティジャケット、ダッフルバッグ、キャップ、ウィメンズのテーパードレッグジーンズとメンズのワイドレッグジーンズの6アイテム250点だ。細川自らリメイクしたため、全て1点ものとなり、予定価格は約4万5000〜48万円。Gジャン1点に約6枚の古着を使用している。コレクションは2020年1月から日本の「ディーゼル」限定店舗などで販売する。

 「レッドタグ プロジェクト」は、これまで「フッド バイ エア(HOOD BY AIR)」の共同設立者でデザイナーのシェーン・オリバー(Shayne Oliver)や「ワイプロジェクト(Y/PROJECT)」でデザイナーを務めるグレン・マーティンス(Glenn Martens)、「GR ユニフォーマ(GR UNIFORMA)」を手掛けるゴーシャ・ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)、「ア コールド ウォール(A-COLD-WALL)」のサミュエル・ロス(Samuel Ross)を招へいしてきた。

The post 「ディーゼル」のコラボプロジェクトに細川雄太が手掛ける「レディメイド」 250点限定全て1点もので販売 appeared first on WWD JAPAN.com.

@tokyoart_event 展示会&アートイベントbot

【4月9日まで|スヌーピーミュージアム】 第2回展覧会 史上最大のスヌーピー展「もういちど、はじめましてスヌーピー。」 誕生秘話から、約50年間大きな変遷を遂げていく様子を、原画約80点と映像で紹介 詳しくはこちら→

Posted in 未分類

「アンドリュー ゲン」2020年春夏パリ・コレクション

 「アンドリュー ゲン(ANDREW GN)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「アンドリュー ゲン」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

「ジーユー」の“マシュマロパンプス”に新色ペールパープル登場 2万を超える投票数から最も欲しい色に

 「ジーユー(GU)」は、人気のパンプスシリーズ“マシュマロパンプス”の新色を決める総選挙で50色の中から最も欲しい色に選ばれたペールパープルを来春発売する。同アイテムでは初のカラーリングとなる。総選挙には合計2万4252票が集まった。

 “マシュマロパンプス”(2490円)は、顧客の意見を生かした商品開発プロジェクト「ジーユー シューズ ラボ(GU SHOES LAB)」の第1弾として2018年に誕生した。かかとやつま先に低反発と高反発のクッション材を施し、柔らかな履き心地とフィット感を実現した。

The post 「ジーユー」の“マシュマロパンプス”に新色ペールパープル登場 2万を超える投票数から最も欲しい色に appeared first on WWD JAPAN.com.

「オリヴィエ ティスケンス」2020年春夏パリ・コレクション

 「オリヴィエ ティスケンス(OLIVIER THEYSKENS)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「オリヴィエ ティスケンス」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」2020年春夏パリ・コレクション バックステージ

 「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。ランウエイショーのバックステージに潜入!

The post 「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」2020年春夏パリ・コレクション バックステージ appeared first on WWD JAPAN.com.

@tokyoart_event 展示会&アートイベントbot

【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響まで。 詳細はこちら→

Posted in 未分類

「クリスチャン ワイナンツ」2020年春夏パリ・コレクション

 「クリスチャン ワイナンツ(CHRISTIAN WIJNANTS)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「クリスチャン ワイナンツ」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

「イッセイ ミヤケ」2020年春夏パリ・コレクション

 「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「イッセイ ミヤケ」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

ジュエリーブランド「ヒロタカ」の2店舗目となる直営店が丸の内ブリックスクエアにオープン

 ジュエリーブランド「ヒロタカ(HIROTAKA)」は10月19日、2店舗目の直営店を東京・丸の内ブリックスクエアにオープンする。「ヒロタカ」丸の内店は本店として、コアコレクションをはじめアート性に富んだ限定コレクションやカラーストーンアイテムをそろえる。また、オープン記念としてクリスマスに向けた新作コレクションを先行発売する。

 天井高4メートルの店内空間には床に天然石を敷き詰め、壁には巨大な鏡を配置する。「ヒロタカ」のインスピレーション源でもある花の芯や動物の角、触覚をほうふつとさせる照明のオブジェをディスプレーし、店舗正面にはランの花に擬態するカマキリの姿を模した“カモフラージュ(Camouflage)”モチーフをエンブレムとして掲げている。プライベートな中庭や美術館の小部屋を散策するような体験を演出する。

 同ブランドの1店舗目は2016年に表参道ヒルズ地下1階にオープンした。

The post ジュエリーブランド「ヒロタカ」の2店舗目となる直営店が丸の内ブリックスクエアにオープン appeared first on WWD JAPAN.com.

「セリーヌ」2020年春夏パリ・コレクション

 「セリーヌ(CELINE)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「セリーヌ」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

「バルマン」2020年春夏パリ・コレクション

 「バルマン(BALMAIN)」が2020年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「バルマン」2020年春夏パリ・コレクション appeared first on WWD JAPAN.com.

編集長はパリコレで何した?Vol.3 「マルジェラ」で“モード”注入、「ドリス」が最高!そしてケイト・モスに翻弄される

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向(むこう)千鶴です。パリコレ3日目はおしゃれするも雨に打たれる朝に始まり、ケイト・モス(Kate Moss)の大幅遅刻で予定が大幅に狂う夜で終わるという、パリコレらしい一日に。そんなあれこれも「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」の会心作を見ればすべて帳消しになるのもまた、パリコレです!

9月25日(水)9:30
確立されてきた“カワイイ”
新「ランバン」像

 「ランバン(LANVIN)」のショー会場となったケ・ブランリ美術館の庭は素敵な空間なのですが、いかんせん雨で座席もしっとり。ブランドロゴがプリントされたカッパを着てショーを見ました。

 「ランバン」は、ブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)体制で2シーズン目。そのデザインはカワイイのですが、彼が「ロエベ(LOEWE)」でジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)直属のメンズウエア・デザイン・ディレクターだったというキャリアから、どうしても“ジョナサンっぽい、果たして「ランバン」とは?”と言いたくなります。が、先日知り合った彼の元同僚いわく「まさにあれが彼の持ち味だから当然」とのこと。なるほど。2シーズン目にしてブルーノ流“カワイイ”「ランバン」像が確立されており、新しい顧客を獲得しそうです。

12:00
「メゾン マルジェラ」でモード注入

 「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は全ルックが熱量が高く、見るだけで“モード注入完了!”というテンションに。穴が開いた服だからといって、“抜け感がある”とは大違いで、むしろその逆です。モデルも前のめりで速足。特にハイヒールブーツをはいた彼のウォーキングは凄い迫力で、見ているこちらも思わず前のめりに。情熱は人を巻き込むのです!

13:00
「カルティエ」でダイヤの
力をもらう

 ジュエリーは疲れている時より、元気な時に見た方がよい、が自論です。パワーがある時はそれが倍増するし、弱っている時は負けちゃう気がするから。「カルティエ(CARTIER)」の“パンテール”とくればなおさら。上の動画は、リングからバングルまで、ひとつひとつの“パンテール”と目を合わせながら撮影をしたので彼らに飲み込まれないよう、座してごらんください。

13:30
「ショーメ」で若手カメラマンの
仕事に惚れる

 「ショーメ(CHAUMET)」がサンジェルマン通り165番地のブティックで開催中の展覧会「オートルモン」へ。ジュエリーを髪に飾るなどスタイリングで遊んでいるのですが、注目の次世代フォトグラファー、ジュリア・ヘッタ(Julia Hetta)の写真はファッション写真というより一人の人物を切り取った肖像画みたい。引き込まれて5分滞在の予定がオーバーし、焦る。

14:00
「ネヘラ」のフィナーレに駆け込み

 「ネヘラ(NEHERA)」独特の優しい生地&色使いのフィナーレにドタバタをしばし忘れてホッとしました。

15:00
「ドリス ヴァン ノッテン」の
コラボ相手は……

 ランウェイの作り方にもトレンドがあり、最近はフラット&自然光が主流です。だから「ドリス ヴァン ノッテン」が今回採用した、客席からモデルを仰ぎ見る高いランウェイは、ザ・ファッションショー&90年代的であり、久しぶりです。

 そしてドリスが協業のために迎えたのはなんと、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)でした。フィナーレに2人が登場した時には、意外な組み合わせに思わず「え!」と声を上げましたが、10秒後には「なるほど!」と納得。プリントや刺しゅうを得意とするドリスの感性に、同じく色彩使いが巧みなラクロワの感性が重なるという、いわば職人と職人の協業は、見事なハーモニーを奏でていまいた。いわば、井上陽水と玉置浩二の「夏の終わりのハーモニー」的な?デヴィッド・ボウイ(David Bowie)とビング・クロスビー(Bing Crosby)のクリスマスソング的な?というのは冗談ですが、王道なファッションショーを通じて美しい服をキチンと見せようというドリスの意思が伝わってきます。ジャカードやプリントで色柄を大胆に合わせた美しい服をぜひ動画でどうぞ。

17:30
大阪・上田安子の学生たちを応援に

 年に何度か講義を持っている大阪の上田安子服飾専門学校がショーを開くというので応援に行きました。学校と言っても彼らは合同展示会トラノイに出展をして3年目で、世界15か国に取引先を持ち利益を出しているところがポイント。ショーでは日本の産地とコラボレーションし、一枚の四角い布から生まれる造形をコンテンポラリーダンサーが着て表現していました。

 授業参観の親みたいな気持ちで見てはいかん、私はプロなのだ、と思うものの、知った顔の若者がいたって真面目にプレゼンをしている姿を見るとどうにもバイヤスがかかり、ニヤニヤしてしまう。学生諸君、お疲れ様でした。ちゃんと伝わったよ。次は仕事の現場で会いましょう!

18:30
「エルメス」のシューズ展示会

 ピエール・アルディ(Pierre Hardy)による「エルメス(HERMES)」のシューズの展示会で、シャトレのオペラ座へ。日焼けしたらHの跡が残りそうなこの定番サンダル、好きです。こんな大胆な柄が登場します。“シェーヌダンクル”モチーフを使ったハイヒールなど太めハイヒールも充実していました。展示会後、お手洗いを探して館の中を歩き、扉を開けるとそこは劇場でした。誰もいない劇場ってなんか、ロマンチック。

19:00
「ディオール」のオープニングで
モナちゃんに会う

 「ディオール(DIOR)」がシャンゼリゼ大通りにオープンした新店のオープニングへ。3層の店内は開放的で、入りやすい雰囲気です。店頭のインスタレーションには大勢の観光客が集まっていました。店内の中央でDJをしていたのは松岡モナちゃん!NY暮らしが長くなったモナちゃんだから会うのは久しぶり。笑顔をありがとう。

20:00
ケイト・モスの
“ファッション・レイト”で
夜の計画崩壊!

 「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」のスペシャルゲストのケイト・モスが来場したのは、オンタイムから1時間が過ぎてから。そしてショーが始まったのは21時10分という、1時間押しに。結果、行きたかったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)へのトリビュートイベンなどに行けず(来場した村上隆さんに会いたかった!!)、ディナーの相手を待ちぼうけにさせることに。パリコレの夜はこんなものでもあるし、私の読みが甘かったと言えばそれまでだけど、でもケイトに一言モノ申したい!時間は誰にも平等に重要なのよ(泣)。

The post 編集長はパリコレで何した?Vol.3 「マルジェラ」で“モード”注入、「ドリス」が最高!そしてケイト・モスに翻弄される appeared first on WWD JAPAN.com.

ベスコス本命からプチプラまで、今「発酵コスメ」がアツい理由とは?!

 今シーズンは「発酵コスメ」がアツイ。ベストコスメの本命と思われる大型のエイジングケアを筆頭に、プチプラのスキンケア含め「あ、これも発酵由来の成分、こっちも発酵に注目している製品」と、目を引く新製品が続々登場している。

 発酵とは、微生物がある物質からまったく別の「体に有用な物質(発酵代謝物)」を生成すること。その歴史は古く、世界最古の発酵食品が誕生したのは約8000年前。コーカサス地方(旧グルジア)のワインと言われている。以降世界各国には独自の発酵食品が存在し、現在では化粧品の成分としても広く用いられている。最も有名なのは、1980年に登場した「SK-Ⅱ フェイシャルトリートメントエッセンス」の「SK-Ⅱピテラ」だろう。

 人工的に合成する成分とは違い、発酵には微生物……つまり「生き物」が介在するため、ある種自然の成り行きに任せざるを得ない面がある。1980年代頃までは、微生物と発酵条件の組み合わせを総当たり的に検証し、肌に有効な発酵代謝物を見出す(そして量産する)手法が中心だった。現在は、この発酵に関する技術が飛躍的に進化。微生物に関する遺伝子レベルの研究や、発酵条件に関する膨大なデータが蓄積され、これらを背景に登場したのが冒頭の発酵コスメたちだ。

 たとえば、「ランコム(LANCOME)」の“ジェニフィック”シリーズには、効率良く発酵由来成分を抽出する独自のプロセスが採用されている。ビフィズス菌エキスを超音波によって粉砕し、イースト菌エキスを酵素によって加水分解して、熱を加えずに粒子を極小化。濾過したのち糖類を大きさ別に分類することで、速やかな浸透感や肌への働きの向上が期待できる。

 この秋登場した「ジェニフィック アドバンスト N」はさらに一歩進んで、肌表面の常在菌バランス(マイクロバイオーム)に注目。若い肌と加齢した肌の常在菌バランスを研究し、新たに2種類の発酵由来成分と、常在菌の栄養となる3種類のプロバイオティクスを配合。加齢によって偏りがちな肌の常在菌バランスを、健やかな状態へと導くことを目的とした、新発想の美容液だ。

 自然の営みである発酵に対し「計画的な発酵」に挑んだのが、「アルビオン(ALBION)」の「フローラドリップ」である。注目したのは、バイオ×ITを融合した「スマートセルインダストリー」の考え方。これは「生物が何かを生み出す力」を高度にデザインする技術のことで、現在エネルギー、農業、医療等の分野において、産学協同で推進されている。

 「アルビオン」が行ったのはまず、ゴールとなる「肌への効果」の設定だ。そのために必要な発酵代謝物を検証し、それらを生み出す微生物を選定。発酵条件をシミュレートした上で、実際の成分開発を行った。具体的には、白神山地の自社研究所で育った5種類のハーブを、純白麹を用いて高度な管理下で発酵。ハーブだけでも十分肌に有用な成分を含むが、この発酵から得られた成分には、キメ、ハリ、ツヤなど肌のあらゆる美しさに関与する働きが認められるという。開発においては、しばしば思い通りの結果を得られないこともあるが、ほぼ当初の狙い通りの成分が開発できたというのも驚きだ。植物の抽出や人工的に合成した既存の成分とは全く違う、次世代の画期的な開発手法といえる。

 発酵が難しい素材に対して、果敢に挑戦したのは、はちみつのエキスパートである「ハッチ(HACCI)」。はちみつは糖度が高く水分をほぼ含有しないため、微生物が活動しにくい……。つまり発酵しにくい性質を持つ(それが腐りにくいという利点でもあるのだけれど)。そもそもはちみつ自体栄養価が高く、肌に有用な成分を豊富に含んでいる。

 さらに「はちみつの新たな可能性を探りたい」という情熱のもと、「ハッチ」は京都の老舗発酵屋と協力。新鮮なフルーツを花酵母で発酵させ、そのままでは発酵が難しいはちみつの媒介役となる「発酵母液」を開発。この母液にベストなタイミングではちみつを加え、試行錯誤の結果はちみつ発酵液の開発に成功した。この発酵液にはヒアルロン酸の産生力やバリア機能を改善する働きが認められ、「ハッチ 発酵液シリーズ」の全製品に配合されている。

 さらにプチプラのスキンケアでも、発酵由来成分を取り入れた注目のアイテムが登場する。マンダムの「バリアリペア メンテナンスマスク」は、「うるおうチカラ乳酸菌」という外箱のコピー通り、シートには牛乳タンパク質を乳酸桿菌で発酵させた乳発酵液を含ませている。この発酵液はアミノ酸などの天然保湿因子が豊富で、マスクのシールド感との相乗効果により、自ら潤う肌へと導く効果が期待できる。乾燥の気になる季節に、発酵コスメの恵みを試したい方に最適だ。

 インナーケアで注目したいのは、たかくら新産業の「だいじょうぶなもの 植物発酵エキス」だ。発酵素材を用いた美容飲料がすでに沢山存在するなかで、有機JAS認証を得た初の発酵エキスだ。原料となる32種類の野菜や果物はすべて有機栽培、工場の環境やパッケージング方法に至るまで、有機JASの厳しい条件をすべてクリアしている。新鮮な原料を丸ごと1種類ずつじっくり抽出し、それぞれ自らが持つ酵母で発酵。最終的にそれらを1つの樽に入れ、ITOプロバイオ酵母によって追発酵&熟成させる。原料から製品として完成するまでに、実に1年以上を費やすという。この秋は携帯に便利な個包装タイプが登場し、職場や旅先でも気軽に手に取れるのが魅力だ。

 たかくら新産業のように、伝統的な発酵技術を用い、オーガニックという付加価値を追求した製品が登場したこと。加えて個人的には、「アルビオン」や「ハッチ」など国内メーカーの開発に、日本の老舗企業が技術提携している点が興味深い。古くは酒や味噌造りに必要な微生物を提供し、現在はバイオ企業に転身した会社もある「麹屋(もしくは発酵屋)」の技術と、先端のテクノロジーの融合が、発酵由来成分の可能性を広げているように思う。

 伝統の技と先端技術から誕生し、肌への効果まで検証した進化型の発酵コスメ。今回は今シーズン注目のエイジングケアから、プチプラのスキンケア、インナーケアまで、気になる製品をセレクトしてみた。エイジングサインが気になる方、肌本来の保湿力を内側から立て直したい方、ぜひ試してみては?

宇野ナミコ:美容ライター。1972年静岡生まれ。日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、ウェブなどで美容の記事を執筆。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア、フレグランス、美容医療まで担当分野は幅広く、美容のトレンドを発信する一方で丹念な取材をもとにしたインタビュー記事も手掛ける

The post ベスコス本命からプチプラまで、今「発酵コスメ」がアツい理由とは?! appeared first on WWD JAPAN.com.

ベスコス本命からプチプラまで、今「発酵コスメ」がアツい理由とは?!

 今シーズンは「発酵コスメ」がアツイ。ベストコスメの本命と思われる大型のエイジングケアを筆頭に、プチプラのスキンケア含め「あ、これも発酵由来の成分、こっちも発酵に注目している製品」と、目を引く新製品が続々登場している。

 発酵とは、微生物がある物質からまったく別の「体に有用な物質(発酵代謝物)」を生成すること。その歴史は古く、世界最古の発酵食品が誕生したのは約8000年前。コーカサス地方(旧グルジア)のワインと言われている。以降世界各国には独自の発酵食品が存在し、現在では化粧品の成分としても広く用いられている。最も有名なのは、1980年に登場した「SK-Ⅱ フェイシャルトリートメントエッセンス」の「SK-Ⅱピテラ」だろう。

 人工的に合成する成分とは違い、発酵には微生物……つまり「生き物」が介在するため、ある種自然の成り行きに任せざるを得ない面がある。1980年代頃までは、微生物と発酵条件の組み合わせを総当たり的に検証し、肌に有効な発酵代謝物を見出す(そして量産する)手法が中心だった。現在は、この発酵に関する技術が飛躍的に進化。微生物に関する遺伝子レベルの研究や、発酵条件に関する膨大なデータが蓄積され、これらを背景に登場したのが冒頭の発酵コスメたちだ。

 たとえば、「ランコム(LANCOME)」の“ジェニフィック”シリーズには、効率良く発酵由来成分を抽出する独自のプロセスが採用されている。ビフィズス菌エキスを超音波によって粉砕し、イースト菌エキスを酵素によって加水分解して、熱を加えずに粒子を極小化。濾過したのち糖類を大きさ別に分類することで、速やかな浸透感や肌への働きの向上が期待できる。

 この秋登場した「ジェニフィック アドバンスト N」はさらに一歩進んで、肌表面の常在菌バランス(マイクロバイオーム)に注目。若い肌と加齢した肌の常在菌バランスを研究し、新たに2種類の発酵由来成分と、常在菌の栄養となる3種類のプロバイオティクスを配合。加齢によって偏りがちな肌の常在菌バランスを、健やかな状態へと導くことを目的とした、新発想の美容液だ。

 自然の営みである発酵に対し「計画的な発酵」に挑んだのが、「アルビオン(ALBION)」の「フローラドリップ」である。注目したのは、バイオ×ITを融合した「スマートセルインダストリー」の考え方。これは「生物が何かを生み出す力」を高度にデザインする技術のことで、現在エネルギー、農業、医療等の分野において、産学協同で推進されている。

 「アルビオン」が行ったのはまず、ゴールとなる「肌への効果」の設定だ。そのために必要な発酵代謝物を検証し、それらを生み出す微生物を選定。発酵条件をシミュレートした上で、実際の成分開発を行った。具体的には、白神山地の自社研究所で育った5種類のハーブを、純白麹を用いて高度な管理下で発酵。ハーブだけでも十分肌に有用な成分を含むが、この発酵から得られた成分には、キメ、ハリ、ツヤなど肌のあらゆる美しさに関与する働きが認められるという。開発においては、しばしば思い通りの結果を得られないこともあるが、ほぼ当初の狙い通りの成分が開発できたというのも驚きだ。植物の抽出や人工的に合成した既存の成分とは全く違う、次世代の画期的な開発手法といえる。

 発酵が難しい素材に対して、果敢に挑戦したのは、はちみつのエキスパートである「ハッチ(HACCI)」。はちみつは糖度が高く水分をほぼ含有しないため、微生物が活動しにくい……。つまり発酵しにくい性質を持つ(それが腐りにくいという利点でもあるのだけれど)。そもそもはちみつ自体栄養価が高く、肌に有用な成分を豊富に含んでいる。

 さらに「はちみつの新たな可能性を探りたい」という情熱のもと、「ハッチ」は京都の老舗発酵屋と協力。新鮮なフルーツを花酵母で発酵させ、そのままでは発酵が難しいはちみつの媒介役となる「発酵母液」を開発。この母液にベストなタイミングではちみつを加え、試行錯誤の結果はちみつ発酵液の開発に成功した。この発酵液にはヒアルロン酸の産生力やバリア機能を改善する働きが認められ、「ハッチ 発酵液シリーズ」の全製品に配合されている。

 さらにプチプラのスキンケアでも、発酵由来成分を取り入れた注目のアイテムが登場する。マンダムの「バリアリペア メンテナンスマスク」は、「うるおうチカラ乳酸菌」という外箱のコピー通り、シートには牛乳タンパク質を乳酸桿菌で発酵させた乳発酵液を含ませている。この発酵液はアミノ酸などの天然保湿因子が豊富で、マスクのシールド感との相乗効果により、自ら潤う肌へと導く効果が期待できる。乾燥の気になる季節に、発酵コスメの恵みを試したい方に最適だ。

 インナーケアで注目したいのは、たかくら新産業の「だいじょうぶなもの 植物発酵エキス」だ。発酵素材を用いた美容飲料がすでに沢山存在するなかで、有機JAS認証を得た初の発酵エキスだ。原料となる32種類の野菜や果物はすべて有機栽培、工場の環境やパッケージング方法に至るまで、有機JASの厳しい条件をすべてクリアしている。新鮮な原料を丸ごと1種類ずつじっくり抽出し、それぞれ自らが持つ酵母で発酵。最終的にそれらを1つの樽に入れ、ITOプロバイオ酵母によって追発酵&熟成させる。原料から製品として完成するまでに、実に1年以上を費やすという。この秋は携帯に便利な個包装タイプが登場し、職場や旅先でも気軽に手に取れるのが魅力だ。

 たかくら新産業のように、伝統的な発酵技術を用い、オーガニックという付加価値を追求した製品が登場したこと。加えて個人的には、「アルビオン」や「ハッチ」など国内メーカーの開発に、日本の老舗企業が技術提携している点が興味深い。古くは酒や味噌造りに必要な微生物を提供し、現在はバイオ企業に転身した会社もある「麹屋(もしくは発酵屋)」の技術と、先端のテクノロジーの融合が、発酵由来成分の可能性を広げているように思う。

 伝統の技と先端技術から誕生し、肌への効果まで検証した進化型の発酵コスメ。今回は今シーズン注目のエイジングケアから、プチプラのスキンケア、インナーケアまで、気になる製品をセレクトしてみた。エイジングサインが気になる方、肌本来の保湿力を内側から立て直したい方、ぜひ試してみては?

宇野ナミコ:美容ライター。1972年静岡生まれ。日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、ウェブなどで美容の記事を執筆。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア、フレグランス、美容医療まで担当分野は幅広く、美容のトレンドを発信する一方で丹念な取材をもとにしたインタビュー記事も手掛ける

The post ベスコス本命からプチプラまで、今「発酵コスメ」がアツい理由とは?! appeared first on WWD JAPAN.com.