連載「今、デザイナーができること」Vol.28 内田文郁「先の未来を想像できるよう表現を続けること」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中で不透明な状況が続いている。そんなときに、ファッションは何ができるのか。生産者から販売員まで業界全体が不安を抱えている状況に、ファッションデザイナーたちは何を思うのか。日々変化する状況に対応しながら、それでもファッションの力を信じ続けるデザイナーたちの声を連載で紹介する。今回は、ビンテージウエアのバイヤーを経て、2014年に「フミカ_ウチダ(FUMIKA_UCHIDA)」を立ち上げた内田文郁デザイナーが登場。

FUMIKA_UCHIDA
内田文郁

Q. 不安が続く状況下で、ファッションデザイナーが人々にできることは?

 今できることは、先の未来を想像できるように表現を続けること。制限された環境は人の想像力を高めることができると思う。

 自分が自由で居れる大切な表現の一つにファッションというものがある。私自身も自分を保つために服を着ているんだと改めて感じ、それと同時に服を通しての人との交流にどれだけエネルギーをもらっていたことにも気付いた。

 大きな変化を受け入れて、どういうブランドでありたいのか、どのような服を作っていきたいのか、今、原点に戻って考える大事な時期になっている。新しい価値観を構築できるチャンスであるとポジティブにとらえ、今後の発表の方法などアプローチを再考したい。

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ドイツの“Gビューティ”はクリーンが人気 ベルリン発新鋭ブランドは新型コロナ禍でも前向き

 スタートアップ企業が集まるドイツ・ベルリン。ビューティ業界でも、ロレアル(L'OREAL)などの大手企業は(ドイツ)本社をデュッセルドルフに構える中、ベルリン発のブランドが次々と誕生している。中でも注目の新進気鋭なブランドには、いくつか共通点がある。(1)効能に科学的な根拠を持つ自然由来の成分を配合する、(2)サステナビリティに積極的に取り組む、(3)ドイツらしいデザインを物語るミニマリスティックなパッケージを特徴としつつ、カラフルな色や感性に訴えかける香りを採用する、(4)使いやすさを重視するーー。こういったこだわりは環境や健康に強い責任感を持つ若年層に強く響き、支持を得ている。

 また新型コロナウイルスは経済に大きな影響を与えているが、ベルリン発のビューティスタートアップは上記のようなこだわりを強く打ち出しながら、前向きな姿勢を保っている。ドイツでは少しずつさまざまな規制が緩和されてきており、ほとんどのサロンも営業を再開している。スキンケアやメイクアップ、フレグランス企業は、明るい未来に向けて着々と前に進んでいるようにみえる。

 ここでは、そんな“G(ジャーマン)ビューティ”の新星とも言うベき、ブランドや小売店を5つ紹介しつつ、それぞれに新型コロナ禍の影響についても聞いた。

アメイジングリー(AMAZINGLY)

 ベルリン発のオーガニック・ナチュラル化粧品専門店。2011年にオランダ人のフローリス(Floris)とイングリッド・ヴァン・オンナ(Ingrid Van Onna)が立ち上げ、自社ブランドに加え、国内外のナチュラル化粧品を数多くそろえる。立ち上げて数年はECでのみ展開していたが、17年にはベルリンに路面店をオープンした。

 ヴァン・オンナ創業者は「ドイツの化粧品市場は飽和状態ともいえる。国外のブランドの多くはドイツへの進出を簡単だと思っているが、現実はそんなに甘くない。マス市場は価格競争が起き、プレステージ市場はそこまで大きくない」とドイツの化粧品市場について語る。「しかし、厳しいレギュレーションのもとで作られたドイツ産の化粧品は海外でも高い評価を得ている。“メード・イン・ジャーマニー”は、かなりポテンシャルがある」。

 新型コロナは、17人の従業員を抱える同社にも大きな打撃を与えた。「店舗が閉まったとき、卸しの売り上げは75%ほど落ちた。その一方で、オンライン売り上げは25%増えた。そのおかげで解雇をせずにすみ、倉庫の従業員にはボーナスを支給した」。また、新型コロナ禍でもよく動いている製品はあるという。「ここ数カ月の間では、『FYIコスメティックス(FYI COSMETICS)』の美容液『スクワラン』と日焼け止め『プロテクティブ デイリー モイスチャライザー SPF 30』が爆発的に売れている。特に日焼け止めは紫外線だけでなくポリューションやブルーライトなどから肌を守り、デイリー使いにぴったり」。

エール(AER)

 100%ボタニカル成分を用い、ベルリンで手作りしているフレグランスブランド。「グッチ(GUCCI)」や「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」でフレグランスのディレクターを務めた経験を持つテッド・ヤンイン(Ted Young-Ing)とヘア・ビューティコンサルタントのステファン・ケール(Stefan Kehl)が18年に設立。ヤングイング創業者は「ドイツ人は流行よりも質を重視するので、ナチュラルな原料で作られた上質な化粧品を求める。『エール』では全て手作業で生産し、原料もなるべくドイツ国内で調達している」と語る。ラグジュアリーなガラスボトルのフレグランスはオンラインだけでなく、新型コロナの蔓延前はドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)などの実店舗でも取り扱われていた。

 「売り上げは正直激減した。2月ごろから新型コロナの影響を受け、3月は状況が悪化し、4月は底をつく状態に。売り上げのビジネスが卸なので、リテーラーが閉店している限りはわれわれのビジネスも止まっている。本当は新しい香りと新ブランドを発表する予定だったが、その計画も頓挫してしまった。今はこの状況を乗り越えられるように、既存ビジネスの存続に注力している」と厳しい現状を語った。一方で、「キャンドルやホームフレグランスが好調なほか、美しい香りのハンド消毒液を作り、売り上げをけん引している」という。

 ベルリンで起きている“アヴァンギャルドフレグランス”ブームをけん引する2人はポジティブに前を向く。「ベルリンでは今、インディペンデントな調香師や新規ブランドが多く頭角を現している。少しずつ他国からも注目を集めており、今後(ベルリンのフレグランス市場の)ポテンシャルは大きく花開くと思う」とケール創業者。

ギッティ(GITTI)

 全成分が天然由来で、そのうち55%が水というナチュラルなネイルポリッシュブランド。19年にジェニファー・バウム・ミンクス(Jennifer Baum-Minkus)が立ち上げ、処方はビーガン、パッケージもサステナブルな素材を用いている。「ドイツではクリーンでナチュラルな製品が人気で、クリーンビューティブランドが次々と誕生している。『ギッティ』はベルリン発だが、ネイルの色は世界中の文化からインスパイアされており、インターナショナルなブランドだと考えている」。

 バウム・ミンクス創業者は「この非常事態の中、チームのメンバー同士は今までよりも距離が近くなった。今は9人の従業員が在宅勤務しているが、完全にデジタルで仕事ができるように環境を整えた」と話す。また、新型コロナウイルス流行で健康に気を使う人が増える中、クリーンビューティのニーズも高まっていると感じているようだ。「今こそ、ノントキシック(無毒)な処方のネイルをみんな求めているわ。そして在宅でネイルケアをする人が増え、売り上げは伸びた」と話す。

メルム(MERME)

 元モデルでオーストリア出身のクレア・ラルストン(Claire Ralston)が手掛ける「メルム」は、人工成分や香料などを一切使わないスキンケアブランド。美容液からフェイスミストまで、ほとんどの製品は1つの原料だけで作るという究極のシンプルケアを提唱し、手頃な価格帯でも人気を集めている。「Gビューティは高品質とハイパフォーマンスでありながらもアフォーダブルなことで知られる。また、サステナビリティやエコフレンドリーな取り組みはインターナショナルな市場に影響を与える」と語るラルストン創業者。

 「新型コロナウイルスは世界を大きく変えた。われわれはこのグローバルな危機を乗り越え、より意識を高く持って協力的な会社でいようと努めている。メルムでは全てのオペレーションをデジタルにシフトし、従業員も在宅勤務をしている。ブランドのファンがさらに満足できるように、ビジネスの方針を見直し、新たなスタートを切った」と希望を口にした。

ケス(KESS)

 インクルーシビティーをうたう米国ブランドにインスパイアされ、あらゆる人が使えるメイクアップ製品をそろえる「ケス」。コンサートやイベントのチケット販売を行うイベントニム(EVENTNIM)が展開するブランドで、製品はいたってシンプルでありながらマルチな機能性を持ち、デイリー使いできることで人気だ。ビーガン処方で、パッケージもミニマル。ベストセラーの「ザ デュオ スティック」はチークとハイライトが一つになっており、スティックタイプで誰でも使いやすい。

 ヴィクトリア・シンフ(Victoria Schimpf)=コミュニケーションディレクターは「ドイツの消費者の目は厳しく、必ず成分や効能をチェックする。(成功するには)そんな彼らの信頼を得るのはマストだ」と説明する。現在はオンラインのみで展開しているため、店舗の臨時休業や閉店は行う必要がなかったという。またオンラインストアでは、ここ数カ月は継続してハイライターが人気だったという。「この厳しい状況の中、ベルリンの小規模なブランドは互いに支え合っている。みんな競合相手だが、競争は感じないわ」と、ベルリンのスターツアップカルチャーについて話す。

 新型コロナウイルスの影響でサステナビリティへの取り組みは加速すると予想されているが、それはビューティ業界においても間違いなく言えることだろう。Gビューティの中でもユニークなコンセプトや社会と環境に強い責任感を抱くベルリンのスタートアップは、次世代のビューティブランドと感じている。そんなベルリン発のGビューティブランドに、ぜひ注目してほしい。

Laura Dunkelmann(ローラ・ダンケルマン) : ドイツ・ハンブルク生まれ。ファッションジャーナリズムを学び、雑誌編集者に。現在「タッシュ(TUSH)」マガジンのビューティディレクターを務めながら、フリーランスエディターやビューティブランドのクリエイティブコンサルタントとしても活躍中

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@tokyoart_event 展示会&アートイベントbot

【4月9日まで|スヌーピーミュージアム】 第2回展覧会 史上最大のスヌーピー展「もういちど、はじめましてスヌーピー。」 誕生秘話から、約50年間大きな変遷を遂げていく様子を、原画約80点と映像で紹介 詳しくはこちら→

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@itbuyer_fun 展示会IT・ハードバイヤーコミュニティ

昔こういうのも流行ったけど、これでいう論理力と実際の仕事で必要な論理力とどれほど相関性があるのか。まあ、よくある話だな。

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就任から2年で売上高3倍に トップが語る「パコ ラバンヌ」好調の背景

 ヨーロッパを中心に、プーチグループ傘下の「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」の評価が高まっている。ジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)=クリエイティブ・ディレクターによるクリエイションがさえているだけでなく、バスティアン・ダグザン(Bastien Daguzan)=ジェネラル・ディレクターの指揮するリブランディングが功を奏し、売り上げは2017年から2年で3倍に伸びた。そして新たな一手として、パリコレ期間中の3月3日にはフォーブールサントノレ通りにテクノロジーを生かした新コンセプトの店舗をオープン。カンボン通りの旗艦店と百貨店のインショップ2店と合わせ、パリだけで4店舗態勢になった。3月中旬からは新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンの影響を受けて一時休業していたが、5月13日からアポイントメント制で同店と旗艦店の営業を再開。今、大きな変革期に立ち向かうダグザン=ジェネラル・ディレクターに、好調の背景やビジネスの現状から今後の展望までを聞いた。

――新店舗をオープンしたフォーブルサントノレ通りは、旗艦店を構えるカンボン通りにも近い。どのような違いがあるのか?

バスティアン・ダグザン=パコ ラバンヌCEO(以下、ダグザン):新店舗はカンボン通りの店を補完するもので、新たな方法での顧客体験をより重視した店になっている。今はアクセサリーやメンズなど商品ラインアップが拡大しているので、150平方メートルの店内はブランドの世界観に浸れる空間になっている。また従来のようなグローバルで統一された内装以上に調度品と「パコ ラバンヌ」ならではのオブジェを融合することによって、異なる小売りの在り方を探求するプロセスでもある。

――ヨーロッパでは約2カ月間店舗の一時休業が余儀なくされたが、ビジネスへの影響は?

ダグザン::3月中旬からヨーロッパでは店舗での販売をストップしていたが、その一方でオンラインは好調だった。新型コロナによる危機はどのブランドにも等しく影響を与えている。その中でまず私たちが向き合わなければいけないのは、小売り網と卸し先における20年春夏シーズンの過剰在庫だ。20-21年秋冬のオーダーに関しては前年同期に比べると伸びているが、新型コロナの影響で予算をカットしたクライアントもいてキャンセルが発生した。そして21年春夏に関して言うと、クリエイティビティーは維持しながらもソーシングやコレクションの規模など、これまでにないほど多くの問題を含めて取り組み方を再考する必要がある。セールスに関しては新たにオンラインショールームを準備しているし、従来型のランウエイショーというよりも、臨機応変なプレゼンテーションのような計画を進めている。

――最新の業績と伸張率は?

具体的な数字については明かせないが、一つ言えるのは17年から19年までの2年間で売上高が200%増になったということ。今年に関しては計画を見直すが、考え方としてはポジティブなままだ。特にオンラインでの売り上げが全体の50%を占めており、ブランドの成長を支えていることは間違いない。その背景には、より若い顧客の増加がある。

――現在の小売りと卸の割合は?そして、理想的なバランスとは?

ダグザン:現在も売り上げの大部分は卸だが、私たちはもちろん小売りを成長のチャンスととらえている。そのためこの半年間、ファッションとフレグランスを扱う自社ECの開設と新店舗や百貨店のインショップのオープンに取り組んできた。個人的には、この2つのチャネルのハイブリッドが現実的なオムニチャネルアプローチの上で有効な方法だと考えている。またブランドにとってのいい目標と見据えているのは、オンラインとオフラインのグローバルな小売り網で売り上げ全体の半分以上を生み出すこと。そのためにポップアップの戦略が重要であるのは明らかで、つまりそれは卸のネットワークの中で消費者に語りかけるとともに、ブランドの確固たる存在感を築いていくための方法だ。その結果によって、百貨店のインショップや単独店へと発展することができる。

――アクセサリーのラインアップも充実し、20年春夏にはメンズウエアもスタートした。商品開発についてはどのような考えか?

ダグザン:まずは、クリエイティブ・ディレクターのジュリアンとグローバルなクリエイションのプロセスについて深く建設的な話し合いをした。最初に決めたのは、ルック単位で考える前にアイテムを作るということ。そして、クリエイティビティーとより商業的なアイテムをどのように融合させるかを議論することが次のステップになり、消費者にとって価値のあるクリエイティブな提案を行うために私たちの関心を融合させる方法を生み出した。またリソースの配分に関する課題もあったので、新しいカテゴリーを本格的に始める前にウィメンズウエアにフォーカスすることに。その中で、アイコニックな商品を頂点に置いたピラミッドをつくり、クリエイティビティーの自由を探求するファッション性の高いアイテムからイージーウエア、アクティブウエアまでをそろえた。これらの柱ができたことによって、大幅なポジショニングの変更とソーシングの再配に加え、ウエア同様の方法でアクセサリーラインを探求することも可能になった。メンズウエアに関しては、ブランドとしてクリエイティブの新たな領域を開拓するための自然な流れだ。商品開発は長期的なプロセスであり、適切に行うためには次に進む前に明確な節目を定義することが重要だった。

――「パコ ラバンヌ」といえば、メタルパーツをつなぎ合わせたウエアやバッグの印象が強い。そういった象徴的なアイテムの重要性とは?

ダグザン:私たちの提案の中には“アイコンズ”と“エッセンシャルズ”という定番商品のカテゴリーがある。顧客はそれらの商品を求めて私たちのところに来てくれているので、新しいものを求め続ける既存のファッションシステムであっても、象徴的なアイテムを提案し続けるのは自然なことだ。「パコ ラバンヌ」のストーリーは長い旅路であり、ブランドとして毎シーズンのコレクションは新しい本ではなく、その中の新たな一章だと考えている。このような継続性があるからこそ、私たちは顧客の習慣との結びつきを強めるとともに、シーズンごとのクリエイティビティーを“アイコンズ”や“エッセンシャルズ”の中に組み込むことができる。また未来に向けた新たな意志を形にするため、自由なクリエイションを保つことにも配慮している。

――今は高い服を売るのがなかなか難しい時代だが、価格設定についてはどのように考えるか?

ダグザン:もちろん価格設定は重要。私たちは、17年から市場に出回るボリュームと効率性を高めるために価格帯を見直した。目指したのは、顧客にとっての適正価格を保ちつつ、クリエイティビティーを維持すること。また、より若い世代にも訴求したいと考えていた。その点において市場で正しい価値を持った商品でない限り、価格は明らかな障壁になる。最も難しいのは、提案と顧客にもたらす価値の妥当なポイントを見極めることだ。

――「パコ ラバンヌ」が属するプーチ(PUIG)グループには「ニナ リッチ(NINA RICCI)」や「ドリス ヴァンノッテン(DRIES VAN NOTEN)」もあり、全体的にアクセサリーよりもウエアに強い印象だ。グループ内での「パコ ラバンヌ」の位置づけとは?

ダグザン:「パコ ラバンヌ」らしさは明確だ。私たちは、ブランドのDNAに忠実なアイコニックな商品から大きな収益を生み出している。また、最初の拡大計画としてウエアに注力したが、現在はバッグやジュエリーといったアクセサリーが急速に成長していて、提案する商品、ボリューム、売上高のバランスがよくなっている。とはいえ、ビジネスの大部分を占めているのがウエアであることは変わらない。

――現在日本ではエドストローム オフィス(EDSTROM OFFICE)がセールスとPRを手掛けている。日本市場での拡大についてはどのように考えている?

ダグザン:日本では既存のパートナー(卸し先)と協力しながら、一歩ずつブランドを発展させていきたい。またオーガニックな販路拡大のため、パートナーたちと信頼関係を築いている。例えば、18年に私たちはドーバー ストリート マーケット ギンザ((DOVER STREET MARKET GINZA)とタッグを組み、日本の消費者に「パコ ラバンヌ」の世界観を体験してもらう素晴らしい機会を設けた。今後のステップとしては、オンラインまたはオフラインで消費者に直接アプローチすることが考えられる。しかし国際的な展開の前に、まずパリの新しい小売りモデルから私たちは学ぶ必要があるだろう。

――新型コロナ終息後の見通しは?

ダグザン:ファッションはこれからも私たちの身近なモノであるだろうけれど、スケジュールについてはアプローチを変えなければならない。実際、複雑なサプライチェーンのエコシステムの中で、時間を要するクリエイティブのプロセスとどんどん新しいものを求める流通のニーズの間には対立があるが、新型コロナのパンデミックの状況下でこのシステムはもはや有効ではなくなった。私たちは、そんなシステムを押し付け続けるよりもむしろ需要に適応しなければならない。さらに、ますます早期化するデリバリーに応えるという義務から脱して、よりタイムレスな方向へと移行する必要がある。私たちが考えなければいけないのは、長期的な価値、オーセンティシティー(真正性)、そして顧客エンゲージメントだ。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。 詳しくはこちら→

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“新常態”下の時計ビジネス 「ブライトリング」は「年に一度の新作発表にこだわらない」

 「WWDジャパン」6月1日号は「時計特集」。100年以上の歴史を持つ世界最大の時計見本市「バーゼル・ワールド(BASEL WORLD)」が事実上崩壊し、一方でジュネーブに新たな秩序が生まれようとしている。“激動”という言葉がぴたりと当てはまり、各社がそのうねりに対応すべくデジタル化、D2C化などさまざまにアクションを起こしている。0.25歩先を行く時計業界にファッションが学べることとは?「WWD JAPAN.com」は紙面と連係して、経営トップの肉声を伝える。スイスの時計ブランド「ブライトリング(BREITLING)」は、2019年に「バーゼル・ワールド」との決別を表明。今年は8月26~29日の予定で、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の「ブルガリ(BVLGARI)」や、ケリング(KERING)傘下の「ユリス・ナルダン(ULYSSE NARDIN)」「ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)」、さらに独立系ブランドと共に展示会「ジュネーブ ウォッチ デイズ(GENEVA WATCH DAYS)」を開く。ジョージ・カーン(Georges Kern)最高経営責任者(CEO)が見る時計業界の未来とは?

WWD:「バーゼル・ワールド」が事実上崩壊し、年に1度、各社がそろって新作を発表することに懐疑的な意見も出ている。「ブライトリング」の新作の見せ方に変化はある?

ジョージ・カーン=ブライトリングCEO(以下、カーン):新作発表については18年から、開催時期や場所を柔軟に決定してきた。それがバイヤー向けのローカルロードショーであり、メディア向けのブライトリング・サミットだ。これによりブランド、バイヤー、メディア、そして顧客の距離が縮まり、発表から発売までの間隔も短縮できた。顧客は、新作発表後すぐの購入を期待している。「ブライトリング」は“年に1度”にこだわらず、定期的に新作を発表するつもりだ。ブライトリング・サミットは新作のテーマと市場動向を考慮しながら開催時期と場所を決定しているが、現在は今秋と来春の開催に向けてさまざまなプランを検討している。

WWD:“コロナショック”により、高級時計の主たる購入者である富裕層にも変化があるはずだ。資産価値の高い時計にいっそう注目が集まるのでは?という予測もある。

カーン:コロナショック以前からラグジュアリー市場は大きな変化したが、今後はより“インフォーマル”で多様でサステナブル、目的意識が高くて意義深いことに重点を置くようになるだろう。「ブライトリング」は、かねてから海洋保護団体のオーシャン・コンサーバンシー(OCEAN CONSERVANCY)や国際慈善団体のクベカ(QHUBEKA)とパートナーシップを結び、海を守り、そしてアフリカの人々に自転車を届けてきた。また、世の中は少しスローダウンするはずだ。これは時計業界にとってポジティブなことだ。人々が、機械式時計などクラフツマンシップあふれるアイテムに真の価値を見いだすからだ。これらの社会変化に対応できないブランドは失速するだろう。

WWD:混迷の時代に「ブライトリング」が行う打開策とは?

カーン:バイヤー、メディア、顧客とのコミュニケーションを維持するため、また新作を紹介するために、4月16日に初めてウェブキャスト・サミットを実施した。私自身がプレゼンテーションを行い、現在もブランド公式サイト上で公開している。

WWD:女性向けのプロモーションを強化している印象だ。「ブライトリング」のアンバサダーユニット“スクワッド”を日本向けに女性で結成するとしたら、どんな人選になる?

カーン:スクワッドはシネマ、探検家、航空、スポーツなどさまざまなジャンルの人で構成されているが、必ずしもメンバーは有名である必要はない。しかし、彼らは間違いなく情熱を共有するプロフェッショナルたちだ。だからこそフォロワーは共感する。日本人女性によるスクワッドを結成するのであれば、同様のアプローチになるだろう。

WWD:新作として、女性向けの“ナビタイマー オートマッチック 35”を発表した。レディスウオッチの戦略について教えてほしい。

カーン:多くの女性を魅了することは重要なミッションの一つだ。雑誌、ウェブサイト、SNS、そしてスクワッドを通じてアピールしてきた。例えばシネマ・スクワッドでは、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、アダム・ドライバー(Adam Driver)とシャーリーズ・セロン(Charlize Theron)が共演する。“ナビタイマー オートマッチック 35”の発売に際しては、中国人女優のヤオ・チェン(Yao Chen)を迎えた。彼女は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使も務める。彼女と共にアジアマーケットを刺激したい。

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