「LV」メンズ東京のショーは、アニメとの融合にアフリカンなブラックカルチャーをプラス

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は9月2日、間もなくオープンする東京の海の玄関、東京国際クルーズターミナルで2021年春夏コレクションのチャプター2を発表した。8月に中国・上海で発表したチャプター1の半分強を入れ替えた。メンズのアーティスティック・ディレクターを務めるヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)は、新型コロナウイルスのパンデミックを1つの契機として、シーズンに関係なくコレクションを発表することを表明。世界の各都市を巡回しながら、新作と、既に発表済みのコレクション、さらには過去のアーカイブのアップサイクルを一緒に見せるスタンスを表明している。

 上海で発表したコレクションは、メゾンが“ダミエ”と呼ぶ市松模様や原色などでインパクト絶大な構築的なフォーマルだ。ストリートの旗手ながら最近はエレガンスを舵を切るヴァージルらしい正統派のスタイルに、キャッチーな色柄が映える。そこに今期は、パリのメンズ・デジタル・ファッション・ウイークで発表したアニメキャラのZooomと、その仲間たちの“ぬいぐるみ”をプラスした。

 「ふざけている」と思う人もいるだろうか?だが、こうした遊び心は、今のファッションの世界に必要なものだ。特に男性、それも若い世代にはファッションとアニメの間に上下関係なんて存在しないし、「ベアブリック(BE@RBRICK)」などのオモチャは既にファッション界のスタンダード。それに今は、LINEのスタンプやオンラインMTGの背景など、ファッションを洋服以外に拡張すべき時だ。そんな姿勢を、「ルイ・ヴィトン」のような世界規模のメガメゾンがハッキリ示すことに意味がある。“ぬいぐるみ”がいっぱいのチェスターコートを着たモデル、“ぬいぐるみ”が顔を出している小さなボストンバッグを手に持つ男性は、こんなご時世だからか非常に愛らしいし、ファッションの新しい可能性を見せてくれる。アニメーションのようなキャラと色柄、そして誇張したシルエットで、ファッションがカルチャーと融合した。

 東京で新たに加えた新作で際立ったのは、アフリカに着想を得たカラフルなコレクションだ。上海で発表したフューシャピンクやオーシャンブルーは、他の色と混じり合い、アフリカ大陸の黒人のスタイルを思わせるカラフルなコレクションに進化する。「ルイ・ヴィトン」のロゴは、デビューシーズンとは異なる配色のレインボーカラーに彩られ、厚手のニットなどに描かれた。ブラウンをベージュとした落ち着いた色合いのフォーマルも、東京で加えた新作だろう。

 これから積極的に取り組むアップサイクルな洋服作りにおいては、特に19-20年秋冬のフランネル調のカシミヤを用いたプリーツスカートを含むフォーマルと、20-21年秋冬の青空にインスピレーションを得たコレクションに手を加えて付加価値をプラスした。例えば19-20年秋冬のプリーツスカートは、異素材とパッチワークしたり、そこに無数のクリスタルを縫い付けてロゴを描いたり。上述のアフリカンな七色のニットや、アップサイクルしたカシミヤのスカートは、春夏の商品とは呼び難いが、これもシーズンレス体制に移行した意思表明なのだろう。

 上海のコレクションは1500人を招いたのに対して、東京のショーのゲストはわずか180人。ゲストにはアップサイクルしたマスクカバーが招待状がわりに配られ、座席も左右が2m・前後が1mの感覚を開けたソーシャル・ディスタンシングな配置だ。パリで開かれていた、これまでの「LV」メンズのショーのような大熱狂は存在しない。しかし会場には、デジタル・ファッション・ウイークで発表したムービーに登場するコンテナが何段も積まれ、Zoooomなどのキャラクターのバルーンが踊り、ヴァージルの「アリガト」のメッセージの後には花火が上がるなど終始エモーショナル。ファッションショーの新しいあり方を提起する。

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大坂なおみからフェデラー、スタン・スミスまで 写真で振り返るテニス界のファッション

 米ニューヨーク州で開催された「ウエスタン・アンド・サザン・オープン(Western & Southern Open)」は、パンデミックの影響を考慮して無観客で行われた。日本にも大きな衝撃をもたらしたのは、8月23日にウィスコンシン州ケノーシャで起きた警察官による黒人男性銃撃事件を受けて、大坂なおみ選手が人種的平等を訴え準決勝を棄権して行動を起こしたことだ。その後大会は抗議に賛同の意を示し、全試合の1日休止を決めたことで大坂選手は試合に出場すると発表した。28日の試合当日には、大坂選手はBLM(Black Lives Matter=黒人の命は大切)運動のスローガンが記されたTシャツ姿でコートに登場した。

 この大会は無観客ではあったが、カジュアルな観客からプロムナードの座席に座る熱心なファンまで、国際的なテニス大会は隠れたファッションショーの舞台でもある。2019年のシーズンでは、2週間にわたる試合の各種メディアでの平均視聴者数は127万人で、選手のウエアはデザイナーやファンを魅了する一つの要素でもある。また、プロテニスプレーヤーのビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)選手によると、選手らのウエアの選択は社会的変化を反映しているともいう。

 ここでは社会的意味合いにおいても注目度が高い、テニス業界のファッションの歴史を見てみよう。

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大坂なおみからフェデラー、スタン・スミスまで 写真で振り返るテニス界のファッション

 米ニューヨーク州で開催された「ウエスタン・アンド・サザン・オープン(Western & Southern Open)」は、パンデミックの影響を考慮して無観客で行われた。日本にも大きな衝撃をもたらしたのは、8月23日にウィスコンシン州ケノーシャで起きた警察官による黒人男性銃撃事件を受けて、大坂なおみ選手が人種的平等を訴え準決勝を棄権して行動を起こしたことだ。その後大会は抗議に賛同の意を示し、全試合の1日休止を決めたことで大坂選手は試合に出場すると発表した。28日の試合当日には、大坂選手はBLM(Black Lives Matter=黒人の命は大切)運動のスローガンが記されたTシャツ姿でコートに登場した。

 この大会は無観客ではあったが、カジュアルな観客からプロムナードの座席に座る熱心なファンまで、国際的なテニス大会は隠れたファッションショーの舞台でもある。2019年のシーズンでは、2週間にわたる試合の各種メディアでの平均視聴者数は127万人で、選手のウエアはデザイナーやファンを魅了する一つの要素でもある。また、プロテニスプレーヤーのビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)選手によると、選手らのウエアの選択は社会的変化を反映しているともいう。

 ここでは社会的意味合いにおいても注目度が高い、テニス業界のファッションの歴史を見てみよう。

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新木優子が登場 日本限定“ディオール ブルー ドット”のポップアップストアが伊勢丹新宿にオープン

 「ディオール(DIOR)」は9月2日、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による2020-21年秋冬コレクションのポップアップストアを伊勢丹新宿本店にオープンした。期間は9月15日まで。

 会場となる本館1階ザ・ステージでは、ブルーのポルカドットを配した日本限定のカプセルコレクション“ディオール ブルー ドット(DIOR BLUE DOT)”を先行発売。中でも、アイコンバッグの“ブック トート”(29万円)と“ジャディオール(J’ADIOR)”のパンプス(11万4000円)は同店限定アイテムとなる。オープンに際し、会場には「ディオール」のジャパンアンバサダーを務める女優の新木優子も来場した。

 なお、同カプセルコレクションは、「ディオール」銀座店と公式オンラインストアでは9月9日から販売する。

■日本限定カプセルコレクション“ディオール ブルー ドット”
日程:9月2〜15日
場所:伊勢丹新宿本店 本館1階 ザ・ステージ

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「アミ」が“9周年”を大事にする理由 デザイナーに聞く9つの質問

 「アミ アレクサンドル マテュッシ(AMI ALEXANDRE MATTIUSSI以下、アミ)」は、ブランド創立9周年を記念して制作した2020-21年秋冬シーズンのキャンペーンビジュアルを発表した。撮影は、「ヴォーグ(VOGUE)」「i-D」「W マガジン(W MAGAZINE)」など名だたる雑誌で活動する写真家パオロ・ロヴェルシ(Paolo Roversi)が手掛けた。

 周年というと節目となる数字が一般的だが、デザイナーのアレクサンドル・マテュッシにとって“9”には特別な思いがあるという。彼はブランドのこれまでをどう振り返り、これからをどう展望するのか?なぜ9がラッキーナンバーなのか?これらを知るため、9つの質問をアレクサンドル=デザイナーに投げかけてみた。


WWD:なぜ「9」がラッキーナンバーなのか教えてください。

アレクサンドル・マテュッシ=「アミ」デザイナー(以下、アレクサンドル):9は私の人生の重要な場面でいつも登場する数字なんです。私は1980年9月18日生まれで、全ての数字を足すと9、また9の倍数になりますし、私の名前の「Alexandre」「Mattiussi」もそれぞれ9つの文字でできています。ほかにもいろいろありますが、きりがないのでこれくらいにしておきます(笑)。

WWD:9周年のキャンペーンビジュアルで特別にこだわったポイントは?

アレクサンドル:フォトグラファーの人選には特に思い入れがあります。撮影を手掛けたパオロの作品には以前から魅力を感じていて、一緒に仕事をしたいと思っていました。9周年という特別な節目に仕事をお願いできたのはとれもうれしかったですね。パリにある彼のスタジオで行った撮影の様子は、まるで魔法のようにワクワクするものでしたよ。この経験は、ブランドとしてもかけがえのない思い出になるでしょう。

WWD:ブランド立ち上げから9年間で最もハッピーだったエピソードは?

アレクサンドル:ファッションショーは私にとって最もエキサイティングなことのひとつです。モデルがランウエイを歩く瞬間はもちろん、ショー直前のドキドキ感や最後のルックが通り過ぎたときの満足感はほかにありません。

WWD:服作りについて、ブランド立ち上げから変わったことは?逆に変わらないことは?

アレクサンドル:あまり変化していないと言ったらおかしいでしょうか?メンズウエアブランドとして始まり、2年前にウィメンズのコレクションも作り始めたという点ではたしかに変化しています。しかし、「シンプルであると同時にエレガントな作品を作り続けたい」という私の願望は変わりません。きれいなカッティングのコートやシンプルなタートルネック、キャロットパンツなどをバージンウールやコーデュロイ、ポプリンコットンなどで仕上げるというクリエイションの姿勢はどのコレクションにも通じています。最新コレクションとデビューコレクションを比べても、類似点が見つかると思います。

WWD:コロナでファッションの考え方はどう変わった?

アレクサンドル:漠然とクリエイションを続けるのではなく、自分はなぜこれがやりたいのか、誰のためにどれだけの期間でやるべきかなど、多角的に分析をする必要があると気づきました。ファッションを含むさまざまな業界がコロナの影響を受け、それまでと異なる機能を求められることは明白です。それでも私は「ファッション業界はよりよくなる」という希望を持ち、ポジティブに活動していきます。

WWD:ハートのキャッチーなロゴにはどんな思いが込められている?

アレクサンドル:「Ami de Cœur」(ロゴの名称)を直訳すると「ハートのアミ」という意味になります。私は友達や家族にメッセージなどを贈る際に、自分のイニシャル「A」の上に控えめなハートを添えてサインしていて、これがロゴの原点です。お客さまに対するフレンドリーなアプローチを象徴するものでもありますね。

WWD::あなたにとって日本はどんな存在ですか?

アレクサンドル:日本は素晴らしい人々と文化が存在する魅力的な場所。特に東京は、絶え間ない刺激と素晴らしいクリエイティビティのあるほかにない街です。そんな日本で、長くブランドを支持してもらえているのはとてもうれしいこと。ブランド初の海外ブティックが東京だったのも偶然とは思えません。最後に日本に訪れたのは1年前で、ウィメンズウエアの発表記念パーティーのために東京で数日過ごしました。また早く東京に行きたいですね。

WWD:次の9年でどんなブランドに成長させたい?そのためにどんな仕掛けを考えている?

アレクサンドル: 「アミ」がより多くの国や街に届いているとうれしいですね。クリエイションではバッグや靴、ジュエリーなどのラインアップをもっと豊富にしたいし、美容やキッズラインなど全く新しいカテゴリーにも挑戦したいです。ただ、どのコレクションでもブランド立ち上げの際に掲げた「友情」「真実性」「包括性」というバリューはこれからも発信し続けますよ。それが一番大切なことです。

WWD:最後にファンへのメッセージをお願いします。

アレクサンドル:ブランド初期のころから「アミ」をサポートしてくれてとてもうれしく思います。物理的に離れていても、日本のファンが「アミ」をタグ付けしてインスタグラムに投稿してくれるたび、この国とつながっていることを実感しています。ありがとう、日本。

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「ロエベ」が初のホームフレグランス 植物の香りのキャンドルやディフューザーが登場

 「ロエベ(LOEWE)」は9月3日、初のホームセンス・コレクションを発売する。クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が自身のガーデニングへの情熱と植物のユニークな香りを、調香師のヌリア・クルエレス(Nuria Cruelles)と共に具現化した。

 商品はキャンドル、ホームフレグランス、ラタンディフューザーの3タイプ。キャンドルとホームフレグランスは、ハニーサックル、ビートルート、ジュニパーベリー、トマトリーフ、コリアンダー、リコリス、ラシャス・ペア、オレガノ、サイプレスボール、アイビーの10種類の香りを用意。ディフューザーはアイビー、トマトリーフ、リコリスの3つの香りから選ぶことができる。

 キャンドルとディフューザーの容器は、アンダーソンが数年前にオークションで購入した紀元前5世紀のギリシャの器から着想した。ラインの入ったポットに“LOEWE”のブランドロゴとスペイン製であることを示す文字が刻まれる。

 パッケージにもこだわりが詰まっている。写真は自然界の美しさを捉えるエルワン・フロティン(Erwan Frotin)が撮影。写真製版印刷の先駆者で、明治から大正時代に活動した写真家の小川一眞の作品を再解釈して、植物の写真に鮮やかなカラーをのせている。

 アンダーソンは「私が『ロエベ』に加わったときから、すでにキャンドルや香りを伴った商品を作ろうと考えていました。香りのセレクションは個人的な痕跡。それらは嗅覚のスケッチであり、子ども時代、私がたどったさまざまな旅路を思い起こさせます。ビクトリアン・ガーデンや薬局の香りの一部、そういった科学的なものとセンチメンタルの香りのミックスです」とコメントしている。

 価格はキャンドルのレギュラーサイズが9500円、ミドルサイズが2万円、ラージサイズが4万2000円。ホームフレグランス(150mL)は1万800円、ディフューザー(245mL)は2万7000円。「ロエベ」の一部店舗と公式オンラインストアで取り扱う。

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ユニクロの8月度売上高は29.8%増 ニューノーマルの好不調企業が定着?

 専門店チェーン、セレクトショップの2020年8月度売上高(既存店ベース)は、7月に続いて明暗がくっきり別れた。夏物ニーズをがっちりつかんだユニクロは、店舗とECの合計売上高が前年同月比29.8%増という大幅な伸び。一方で、ユナイテッドアローズの店舗とECの合計売上高は同14.7%減、アダストリアの売上高は同12.7%だった。消費がなかなか回復しない中で、企業の好不調が定着してきた印象もある。外出減が続く中でも、好調企業はしっかり客数を伸ばしている。

 ユニクロは昨年8月も一昨年同月比9.9%増と好調だったが、そこからさらに30%近く伸長。「夏のコア商品と『UT』で仕掛けたコラボアイテムの2軸で売り上げを伸ばした」と広報担当者。夏のコア商品とは“エアリズム”や、在宅需要にも適した“ウルトラストレッチアクティブパンツ”“スカートパンツ”など。『UT』は米津玄師や人気漫画「鬼滅の刃」とのコラボ商品が売れた。客数は同26.1%増だった。
 ワークマンも同10.9%増と好調だったが、20%増以上が続いてきたこの間に比べるとやや抑えめ。ただし、昨年8月は猛暑の影響で一昨年同月比54.7%増だったうえでの数字だ。気温の高さを受けて、今年も空調ファン付きウエアや冷感素材のアイテムなどが売れた。客数は同15.5%増。

 「無印良品」も直営店、卸、ECの合計売上高は10.5%増と2ケタ増。特にレトルトカレーがけん引する食品カテゴリーは同65.9%増という伸びだった。客数も同18.4%増となっており、来店頻度増が狙える食品がフックとなり、集客につながっている。また、掃除用具、キッチン用品などが好調な生活雑貨も同23.3%増。一方で衣服・雑貨は同9.4%減だった。

 「ファッションセンターしまむら」の売上高は同4.5%減(7月21日~8月20日)と、6月の休業明け以来の昇り調子にややブレーキがかかった。客数も同4.7%減。水着や浴衣、お出かけ着の売り上げ減が要因。機能性素材の肌着や寝具などは好調だった。

 アダストリアの売上高は同12.7%減で、は、客数(同14.2%減)とほぼ比例している。「休業していた期間中の春夏物の在庫は既にきれいになっているので、値引きなどの施策で無理に売り上げを作るという考え方はない」と広報担当者。

 ユナイテッドアローズ(UA)は店舗とECの合計売上高が同14.7%減。客数は3.8%減ながら、引き続き春夏物のセールが中心だったため客単価が下がった。ただし、「昨年は消費増税前の駆け込み需要で8月から高額ダウンが売れていた」(広報担当者)ことで、一昨年同月比12.3%増と伸ばしており、その影響もある。

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「バレンシアガ」新キャンペーンにカーディ・Bを起用

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は2020-21年秋冬の広告キャンペーンに、ラッパーのカーディ・B(Cardi B)を起用した。同広告の看板はパリのルーブル美術館に隣接する建物に9月いっぱい掲げられ、ほかにも台湾、中国、韓国、シンガポール、タイといった国々の屋外広告にも掲出される予定だ。

 8月4日にミーガン・ジー・スタリオン(Megan Thee Stallion)とのコラボレーションとなる新曲「WAP」を公開し注目を集めているカーディ・Bは、広告で黒髪のボブにネイビーのドレスを着用。黄色い子ども用のおもちゃに囲まれて草の上に横たわり、ポーズを決めている。また、おもちゃに交じって同ブランドの新作“ネオ クラシック”バッグが置かれている。

 カーディ・Bは「バレンシアガ」を一顧客として愛用してきたというが、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=クリエイティブ・ディレクターとコラボレートするのは今回が初めて。ルックはデムナが選んだ。

 撮影はロックダウン中にロサンゼルス在住のカーディ・B自身によって行われた。「バレンシアガ」は、「典型的なキャンペーン制作からいくつかの過程を省くことで、現代的なファッションビジュアルが実現した。ファンタジーと実体験のギャップを埋めるようなものができた。なじみのある場所を使って、無制限の創造性を解放している。カーディ・Bは自分自身のため、もしくは遠く離れたままつながるために一人でドレスアップをすることの感情的な側面を共有している」とコメントした。

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伊勢丹新宿本店1階にライフスタイル型自主編集売り場 雑貨、化粧品、書籍など100ブランドを買い付け

 伊勢丹新宿本店は2日、本館1階にライフスタイル型の自主編集売り場「イセタン シード」をオープンした。もともと傘、ハンカチなど婦人雑貨の売り場だった約100平方メートルの区画を改装した。カテゴリーの枠を取り払い、ファッション雑貨から化粧品、書籍、食品に至るまで100ブランド約1300点を並べた。改装後の売上高目標は非公開。

 「コロナ禍でお客様が安心・安全を求める心理へ変化する中、『ここに来れば欲しいものが見つかる』という売り場が必要だと考えた」と小林嵩同店婦人雑貨バイヤー。定期的にポップアップイベントも開催するなど、この売り場を起点とした来店頻度向上と買い回り促進も視野に入れる。

 各カテゴリーのバイヤーが買い付けた定番品や名品などのほか、鮮度の高いトレンドアイテムも並ぶ。展開ブランドはファッション雑貨が「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」「ナナナナ(NANA-NANA)」、コスメが「ウカ(UKA)」「ダヴィネス(DAVINES)」、文具は「ラミー(LAMY)」など。デジタル機器は「家電量販店にはない、百貨店らしいもの」(小林バイヤー)の提案として藤原ヒロシや「サカイ(SACAI)」とコラボしたポラロイドカメラなども買い付けた。食品ゾーンでは、同社が運営する食品のオウンドメディア「フーディー」で読者が選んだ食品100選を陳列している。

 膨大な商品群を抱える同店において「コンビニのような快適さ、利便性のある売り場を目指した」(小林バイヤー)。陳列棚にはタブレット型端末も数台設置されており、これらは同社の公式アプリ「三越伊勢丹アプリ」と連携している。詳しい商品説明を調べたり、ECでの購入から自宅で受け取ったりすることも可能だ。

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GET IT RIGHT!スタッフのオーダーアイテムご紹介 #1

今週末9月4日(金)より順次スタートする、バーニーズ ニューヨークのメンズオーダーイベント MADE TO MEASURE

秋のイベントでは、<ベルベスト>・<フライ>・<フランコ ミヌッチ>でオーダーを承っています。

このオーダーイベントはバーニーズ ニューヨークにとって大切なイベントの一つ。長きにわたりお客様にお楽しみいただいています。

既製品ではない生地やこだわりを詰め込んだ“あなただけの一着”をお作りいただけるチャンスは、スタッフにとっても貴重な機会。

このブログでは、オーダーイベントの開催期間中を通して数回にわたり、バーニーズ ニューヨークのスタッフが実際にオーダーしたアイテムをそのこだわりとともにご紹介していきます。

 

今日まずご紹介するのは神戸店シニアセリングスーパーバイザー 山縣淳平の一着。

スーツは<ベルベスト>、ドレスシャツは<フライ>でそれぞれオーダーしたアイテムです。<ベルベスト>のオーダーでは、遊び心のある柄やスペシャルなファブリックなど多数の生地からからお選びいただけます。

 GET IT RIGHT!スタッフのオーダーアイテムご紹介 #1

 GET IT RIGHT!スタッフのオーダーアイテムご紹介 #1

「トレンドであるブラックを採り入れたコーディネートを考えていたところ、絶妙な色加減のオンブレチェック風の生地が目に留まりオーダーしました。モデルは<ベルベスト>でも定番の645。3つボタン段返りのナチュラルショルダーが自然で美しいシルエットを作り出します。

ドレスシャツの襟型はバーニーズ ニューヨーク限定の“TAMIGI(タミジ)”ではなくあえて“LIONE(リオーネ)”をチョイス。羽根のロールが綺麗なワイドカラーで、襟の収まり具合やタイとのバランスのよさが気に入っています」

 

新宿店マネージャー 羽鳥慎二は<フライ>のドレスシャツと<フランコ ミヌッチ>のタイでVゾーンをコーディネート。

IMG 5398 GET IT RIGHT!スタッフのオーダーアイテムご紹介 #1

IMG 5446 GET IT RIGHT!スタッフのオーダーアイテムご紹介 #1

「ベーシックで合わせやすさを意識しつつ、数ある生地の中から一番最初に目に留まった生地をチョイスしてオーダーしました。<フライ>の襟型はバーニーズ ニューヨークエクスクルーシヴのセミワイドカラーTAMIJI(タミジ)を、<フランコ ミヌッチ>のタイは“FRANK(フランク)”という、立体的でクラシカルなシルエットを実現するセミボトルタイプ。基本的に、オーダー時はインスピレーションで決めるスタイルです」

 

お好みの生地をセレクトいただける<フライ>のオーダーはストライプ・無地・濃色など豊富なラインナップが魅力。シーズナルの生地もご用意していますので見逃せません。

 

 

銀座本店セールスアソシエイトの山﨑大輔は<フランコ ミヌッチ>の代名詞とも言えるセッテピエゲ(7つ折り)タイをオーダーしています。

 GET IT RIGHT!スタッフのオーダーアイテムご紹介 #1

 GET IT RIGHT!スタッフのオーダーアイテムご紹介 #1

 

「一見ネイビーに見えますが、ありそうでない絶妙なグリーンがかったカラーに惹かれました。ストライプのグリーン×ピンクの配色も気に入っています。このコーディネートは暖色のドレスシャツとシンプルにまとめました。素材感のあるブラウンのスーツに軽やかなセッテピエゲタイとドレスシャツ のボタンダウンをあえて外し、肩の力を少し抜いたスタイリングです」

 

通常店頭でご覧いただけるレディメイド(既製)のラインナップとは異なるモデルや数ある生地の中からお気に入りを見つけだし、特別なアイテムをお作りいただけるバーニーズ ニューヨークのオーダーイベント MADE TO MEASURE

このほかのスタッフのオーダーアイテムも順次ご紹介していきますのでお楽しみに!

 

FALL 2020

MADE TO MEASURE

FRAY

9/4 FRI. – 9/13 SUN. 銀座本店1F / 横浜店4F

9/4 FRI. – 9/14 MON. 新宿店5F

9/15 TUE. – 9/27 SUN. 六本木店2F

9/19 SAT. – 9/27 SUN. 神戸店1F / 福岡店1F

 

 

BELVEST

9/10 THUR. – 9/12 SAT. 銀座本店B1

9/13 SUN. 横浜店5F

9/14 MON. 新宿店6F

9/15 TUE. 六本木店2F

9/19 SAT. – 9/21 MON. 神戸店B1

9/22 TUE. 福岡店B1

 

FRANCO MINUCCI

9/10 THUR. – 9/12 SAT. 銀座本店1F

9/13 SUN. 横浜店4F

9/14 MON. 新宿店6F

9/15 TUE. 六本木店2F

9/19 SAT. – 9/21 MON. 神戸店B1

9/22 TUE. – 9/27 SUN. 福岡店B1

ティンバーランドが「“使った以上”を自然に還元」、意欲的な環境宣言

 ティンバーランド(TIMBERLAND)は9月1日、2030年までに製品作りにおいてネット・ポジティブ(プラスの成果を生む)になるという目標を発表した。これは、自然から消費した以上のものを自然に還元する製品作りをするというもの。この目標を達成するために、「循環型デザイン」と「環境再生型農業」を通してイノベーションを推進していく。

 循環型デザインでは廃棄ゼロを目指し、ペットボトルやスクラップレザー、スクラップウールなど通常廃棄される材料を用いて製品開発を行い、使用後に再びリサイクルできるようにデザインする。

 再生可能型農業では、商品に使用する天然素材の100%を環境再生型農業から調達する。環境再生型農業はありのままの自然を模倣して動物を放牧したりすることで、土地に休息と回復の機会を与え、自然界に見られる多様性を再現しながら、多彩な作物を確保する方法。これにより、大地が大気中から炭素を吸収して効率的に地中に蓄えることができるようになる。それにより土壌の構造が再構築されて健康で潤いのある肥沃な土地になり、最終的には土地と農家にポジティブな影響が及ぶというものだ。

 ティンバーランドは米国、オーストラリア、ブラジルでリサイクルレザーのサプライチェーンの構築に取り組み、最近では環境保護団体のセイヴォリー研究所(Savory Institute)との提携を発表し、再生農業の具体的なメリットを研究するための資金を援助している。

 この秋には、初となるリサイクルレザーを使用したブーツのコレクションを発表し、今後さらにスケールアップしていく。このレザーは、調達パートナーであるアザー・ハーフ・プロセシング(OTHER HALF PROCESSING)社を通じて、米国のサウザンドヒルズ・ライフタイム・グレーズド(Thousand Hills Lifetime Grazed)再生牧場から調達している。また目標を達成するために、レザーだけでなく、先駆的な再生農家と協力し、再生農業によるラバー、コットン、ウール、サトウキビの新しいサプライチェーンを試験的に構築することにも取り組んでいる。

 コリーン・ヴィエン(Colleen Vien)=サステナビリティ ディレクターは、「現在の自然環境の悪化は、ファッションブランドとしての私たちにもその責任がある。何十年にもわたり、ティンバーランドは環境に及ぼす影響を最小限に抑えることに取り組んできたが、より積極的な対策を講じる必要がある。私たちは、循環型デザインと環境再生型農業に焦点を当てることで、サステナビリティを超えて今の状況を一変させ、自然がよりいっそう豊かになることに貢献するために、ネット・ポジティブな影響を及ぼすことを目指す。私たちはこの活動を通して業界全体を啓発し、未来を変えていく。自然はチャンスが与えられれば自らを修復し再生する本来の力を持っている。そして、今こそ私たちが手を差し伸べる必要がある。これが炭素を本来あるべき場所に戻し、最終的には消費した以上のものを土壌に還元するという2030年に向けたティンバーランドのビジョンだ」とコメントを発表した。

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ストックホルム・ファッション・ウイークがデジタル形式で復活 オープニングでは王室メンバーによるスピーチも

 2019年にスウェーデン・ファッション・カウンシル(Swedish Fashion Council)によって中止が発表されたストックホルム・ファッション・ウイークが8月25〜27日の会期で復活し、デジタル形式で開催された。参加したのは「ロジャー(RODEBJER)」「スタンド スタジオ(STAND STUDIO)」「アーケット(ARKET)」「ハウス オブ ダグマー(HOUSE OF DAGMAR)」「ATP アトリエ(ATP ATELIER)」など23ブランド。

 オープニングではスウェーデンのビクトリア皇太子がスピーチを行い、気候変動に対して警鐘を鳴らすとともに、より意識的な消費活動にシフトするよう呼び掛けた。会期中は、各ブランドのデジタルプレゼンテーションやデザイナーとの質疑応答、主要産業が抱える問題や地球環境を平等に共有することについてのパネルディスカッションもあったほか、音楽パフォーマンスやアバ(ABBA)のステージ衣装を手掛けたデザイナーによるスタイリング・セッションなども行われた。

 ストックホルム・ファッション・ウイークのオーガナイザーでもあるスウェーデン・ファッション協会(Swedish Fashion Association)のカタリーナ・ミッドビー(Catarina Midby)事務局長は、「経済的な理由によりファッション・ウイークを中止したが、デジタルイノベーションを活用したデジタル・ファッション・ウイークはスウェーデンにぴったりだと判断し、復活に至った。ファッション業界における優先事項がサステナビリティ、デジタルイノベーション、および季節にとらわれないタイムレスなデザインへとシフトしていく中で、スウェーデンのファッションとの適合性を見出した」と語った。

 また「スウェーデンのファッションをサポートし、業界内での位置付けを確立していきたい」とし、新型コロナウイルスの危機を乗り越えて生き残るために、デザイナーやエンターテイナー、サステナビリティの専門家、さらにはスウェーデンの王室メンバーからの支援を集めることで業界の活性化を図った。

 昨年、ストックホルム・ファッション・ウイークの中止が決定した理由として、先進的な方法を模索し、サステナブルな産業に生まれ変わるためのアクションを起こすことが挙げられた。その際、今後は北欧地域のファッションイベントとして国際的にも認知度の高いデンマークのコペンハーゲン・ファッション・ウイークに組み入れられることも発表されていた。

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ラグビー日本代表、松田力也選手が「ジースター ロゥ」のアンバサダーに 豊富なサイズ展開をアピール

 オランダ・アムステルダム発のデニムブランド「ジースター ロゥ(G-STAR RAW)」は2020-21年秋冬コレクションから、パナソニックワイルドナイツ所属でラグビー日本代表の松田力也選手をアンバサダーに起用すると発表した。1年間の契約だ。

 9月3日に発売する同コレクションはデニム・オン・デニムのスタイリングを提案する「ハードコア・デニム(Hardcore Denim)」キャンペーンの一環で、ジーンズ、デニムジャケット、デニムの帽子などを取りそろえた。

 松田選手は「アスリートは体形に合った洋服がないが、ジースターはその悩みを解決できる」とコメントし、「ジースター ロゥ」の豊富なサイズ展開、ストレッチ感のある素材と立体的なデザインをアピールした。

 9月14日には松田選手とのコラボコンテンツが視聴できる特設ページをブランドの公式ウエブサイト内で公開する。おすすめアイテムやアスリート体形ならではの着こなしを動画で紹介する予定だ。

 日本で「ジースター ロゥ」がアスリートとアンバサダー契約を結ぶのは初めてだという。

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下着売り場の概念を覆すワコールメゾンがギンザ シックスに登場 邸宅のような空間でショッピングが可能に

 ワコールはギンザ シックス(GINZA SIX)4階に8月26日、新業態「ワコールメゾン(WACOAL MAISON)」をオープンした。メゾン=家という名のとおり、254平方メートルの広々とした店舗は邸宅風の作りで、一見ランジェリーショップには見えない。エントランスには多くの観葉植物が置かれ、「ここは何のショップだろう」と思わず入りたくなるようなリラックス感がある。

 ショップに入ると、右手にライブラリー、左手にサンルームをイメージした空間がある。リビングルームを想定した中央の空間にはビンテージのワードローブが置かれ、ソファのある左右の売り場スペースと合わせるとまるで大きなウオークインクローゼットのようにも見える。その奥にはサロンがあり、左手にはゆったりしたフィッティングルーム、その奥のシャワールーム風の空間には3Dボディー スキャナーが置かれている。自分の体をさらさなければならないデジタル計測やフィッティングも、まるでシャワーを浴びてワードローブ選びをするような演出を施すなど、すみずみに気配りが感じられる。右手のVIPルームはさらに広々としており、自然光の入るプライベートな空間でゆったりとランジェリー選びができるようになっている。もちろんVIPルーム専用の3D ボディー スキャナーも設置されている。ワコールメゾンのビューティアドバイザーは、航空会社のファーストクラスのキャビンアテンダントと同レベルのホスピタリティートレーニングを受けており、VIP顧客の購入履歴などのデータをもとにVIPルームに顧客の好みに合いそうな商品をそろえて提案することも可能だという。

 ワコールメゾンで販売されるブランドはワコールのプレステージブランドが中心で、「ワコール ディア(WACOAL DIA)」「トレフル(TREFLE)」「サルート(SALUTE)」、インポートインナーの「ハンロ(HANRO)」のほか、一部「ストゥディオファイブ(STUDIO FIVE)」やカスタムオーダーの「デューブルベ(DUBELVE)」も取り扱う。サンルームは店舗の外から見える空間なのでプロモーション的な役割を果たし、今は「ワコール ディア」のブラックのランジェリーが展示されている。ライブラリーは、カップルや家族の来店者がゆったりくつろげるようにアートや下着関連の書籍が置かれているほか、メンズラインもある「ハンロ」のコーナーを設ける。リビングルームは、カラー別にブランドミックスで構成されている。百貨店の下着売り場に見られるボディーはサンルームの展示空間とワードローブ横に1体だけだ。

 ワコールメゾンのコンセプトに関して、ワコールの井上博文・執行役員 卸売り事業本部 販売統括一部長は、「世界中を旅した女性の邸宅がコンセプト。住みたくなるような空間、その日の気分でワードローブを選べるような雰囲気にした。基本的に家にないものは置かず、什器やインテリアにもこだわった。心地よく下着選びをしてもらえる空間になっている」と話す。通常なら狭いフィッティングルームもこの店舗では23平方メートルと広々としている。消費者が下着売り場やフィッティングルームの狭さに対して満足していないという仮説を立て、“メゾン=家”というコンセプトを打ち出したという。「ギンザ シックス内の他店舗との親和性も考えて空間を構成した。2年をめどに採算が取れるようにしたい。まずは、ワコールメゾンの顧客づくりからだ。ゆくゆくは多店舗化も視野に入れている」と井上執行役員。

 ギンザ シックス リテールマネジメント営業部の篠丸由紀氏は、「ギンザ シックスの顧客の7割が20~40代で富裕層が多く、リピート率も高い。テナントの半分が旗艦店ということもあり、空間の心地良さを体験してもらっている。今まで館内にランジェリーショップがなく問い合わせが多くあった。世界的ブランドである『ワコール』の出店が実現し、今後が楽しみだ」と言う。新型コロナウイルス感染拡大でインバウンド客が激減したとはいえ、都内や地方の富裕層の高い支持があるようだ。

 コロナ感染拡大でソーシャル・ディスタンシングが重要視される今、オンラインでのショッピングが増えているが、ワコールメゾンのラグジュアリーな空間で久々に実店舗におけるショッピングの高揚感を味わってみてはいかがだろう?

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King & Princeの永瀬廉が「ヒルマイルド」の新CMに登場 「一緒にしっとり肌になりましょう!」 

 健栄製薬は乾燥肌治療薬「ヒルマイルド」の新CMにジャニーズ事務所のアイドルグループ、King & Princeの永瀬廉を起用する。記者会見に永瀬廉が登壇し、新CMのお披露目とトークショーが行われた。新CMは9月12日から放送する。

 「ヒルマイルド」は医療機関でも乾燥肌治療薬として繁用されているヘパリン類似物質を0.3%配合した第2類医薬品で、クリームとローションをラインアップする。滝野六郎代表取締役社長は「ヘパリン類似物質を0.3%配合した医薬品は乾燥肌に非常に効果が高く、皮膚科でも多く使われている。永瀬廉さん出演の新CMで乾燥肌に悩む多くの人に『ヒルマイルド』を知っていただきたい」と新CMへの期待を述べた。

 永瀬廉は今回が初の単独CM出演で、撮影時の感想を問われると「いつもグループでにぎやかに撮影しているので少しさみしい気持ちもありましたが、逆に一人だったのでとてもスムーズでした(笑)。ヒルマイルドポーズにこだわったので、注目してください」と、CM内で披露した「ヒルマイルド」をアピールするポーズで会場の笑いを誘った。さらに、「CMを通じて乾燥肌に悩む人に『ヒルマイルド』を知っていただきたいです。一緒にしっとり肌になりましょう!しっとり肌がめっちゃ好きやねん」とメッセージを送った。

 永瀬廉はKing & Princeでの活動のほか、テレビドラマの出演や、8月14日に公開した映画「弱虫ペダル」の主演を務めるなど俳優としても活躍の場を広げている。

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賀来賢人が日本人初「ブルックス ブラザーズ」のスタイルアイコンに就任

 「ブルックス ブラザーズ」は、日本人初のブランドのスタイルアイコン「ブルックスブラザーズマン」に俳優の賀来賢人を起用する。1818年の創業以来、伝統を守りながら常に新たな挑戦を続ける同ブランドが、さまざまなキャリアを築きながら、新しい役柄に挑む賀来の姿勢に共感したことから実現した。

 就任ついて賀来は、「とても光栄に思う。『ブルックス ブラザーズ』のクラシックなスタイルが似合う大人の男になれたのかなと自信につながった。今回の就任をきっかけに、仕事だけでなくプライベートでもジャケットやスーツなどのファッションを楽しんで、さらりと着こなせる男性を目指したい」とコメントした。

 「ブルックス ブラザーズ」は9月4日、表参道店をオープンする。8月30日に閉店した青山店の重厚感のあるイメージを一新し、全面ガラス張りのモダンな外観が特徴だ。地下1階~地上2階までの3層構造で、地下1階にメンズ ドレス、1 階にウィメンズ、2 階にメンズ カジュアルカテゴリーを展開する。オープン時には購入したシャツに無料で刺しゅうを施しポップアップコーナー「シャツ ラボ」を併設する。

 「ブルックス ブラザーズ」は、1818年に米・NYで創業した米国でもっとも長い歴史を持つアパレルブランド。過去にはエイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)やジョン・F・ケネディ(John F Kennedy)など40人の歴代米大統領や、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)などのアーティストが着用するなど数多くの著名人が愛用している。

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ヨンアのブランド「コエル」が秋冬物のショー映像を公開 米倉涼子や山田優が登場

 モデルのヨンアが手掛けるEC主軸のブランド「コエル(COEL)」(ディーエムアイ)は、米倉涼子や山田優などを起用して2020-21年秋冬物のショー映像を作成した。「コエル」の自社ECサイトと、ユーチューブのヨンアのチャンネルで9月2日正午に公開した。

 ショーは8月11日に無観客で開催した。ラメ混ツイードのセットアップやフェイクレザーのビッグジャケットとフリルスカートのコーディネートなど20ルックで構成。米倉や山田に加え、ヨンア本人や人気モデルのケリーなど豪華メンバーが登場する点も服とともに見どころだ。

 同ブランドは18-19年秋冬にスタート。自社ECやポップアップストアを主販路にしており、8月26日~9月8日には、伊勢丹新宿本店2階でポップアップストアを開催。同会場でもショー映像は公開している。

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入手困難な「テルファー」の人気バッグ、24時間限定の受注販売が好評

 米アパレルブランド「テルファー(TELFAR)」は8月19日に、人気のあまり入手困難なことで話題のアイテム“ザ・ショッピング・バッグ(THE SHOPPING BAG)”の受注販売を24時間限定で行った。

 「テルファー」は、デザイナーのテルファー・クレメンス(Telfar Clemens)が2004年に立ち上げたジェンダーレスなブランドで、17年にはCFDA/ヴォーグ ファッション基金アワード(CFDA/Vogue Fashion Fund Award)を受賞している。

 14年に発表されたこのアイコニックなバッグは、植物由来のビーガンレザー製で3サイズ展開。ブルックリンの注目エリア、ブッシュウィックにいるような感度の高い若者が持ち歩いていることから、海外メディアでは“ブッシュウィック・バーキン(Bushwick Birkin)”とも呼ばれている。セレブリティーにも人気で、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)やベラ・ハディッド(Bella Hadid)が愛用していることでも知られているが、価格は150〜257ドル(約1万5000〜2万6000円)と手に取りやすい価格帯だ。

 こうした手頃な価格やサステナブルな素材で作られていること、またクレメンスがリビア系アメリカ人かつ同性愛者で、ブランドとしても包括性や多様性の推進を打ち出していることから、「テルファー」のバッグは若者を中心に人気を集めるようになった。同ブランドの公式インスタグラムでは、有名人だけでなく、商品を着用した一般消費者の写真もリポスト(再投稿)するなど顧客と積極的に交流し、熱狂的なファンベースを築き上げている。19年後半ごろからは人気がさらに加速し、公式オンラインストアではバッグが入荷するたびに数分で完売するようになった上に、アクセスが集中してサイトがダウンすることも。バッグを数倍の値段で転売する業者も現れるようになったため、希望者全員が公正に購入できる方法として24時間限定の受注販売を行ったという。

 同ブランドはオンラインストアでの販売も継続するが、顧客が必ずバッグを入手できる方法として、今後も受注販売を取り入れていく意向だ。希少性はアイテムやブランドの価値を高める要因の一つであり、多くのラグジュアリーブランドでも需給のバランスには非常に気を使っている。一方で、転売などによって真贋が不確かな商品が流通することも、ブランドにとって望ましい状態ではないだろう。

 ボストン・コンサルティング・グループ(BOSTON CONSULTING GROUP)のサラ・ウィラースドルフ(Sarah Willersdorf)=ラグジュアリー部門ヘッドは、「希少性は購買意欲を喚起する大きな要因であり、ブランドは今後も限定品などを発売するだろう。しかし新型コロナウイルスを機に、ファッション業界では過剰供給を見直す機運が高まっている。受注販売であれば需要をより正確に把握できるため、余剰在庫を抱えるリスクが低くなるほか、生産コストも抑えられる。これはサステナビリティの観点からも推奨されることなので、若年層を引き付ける要因にもなる。今後は、こうした手法を取るブランドが増えていくのではないか」と語った。

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ローソンがプラ削減の一環で洗剤の量り売り開始 マッシュ傘下、ニュージーランド発自然派ブランド「エコストア」で

 コンビニ大手のローソンはこのほど、ナチュラルローソンで洗剤の量り売りのテスト販売を開始した。ニュージーランドの自然派洗剤ブランド「エコストア(ECOSTORE)」の食器用洗剤、洗濯用洗剤、デリケート用洗剤、柔軟剤の4種類が対象だ。直営店の東京・芝浦海岸通店、神宮外苑西店を皮切りに、9月には病院内に展開するナチュラルローソン店舗への導入も予定する。

 今回の量り売りはセルフ方式で、客自身が売り場に設置してあるはかりで必要な量・価格を確認しながら商品を充塡し、充塡後に発行されるシールを容器に貼りレジで会計をする。容器は市販品など持参したものを使用することができ、マイボトルを持たない人向けに無料の容器を3種類、今回のサービス向けに用意した。専用に開発したはかりは一般の人でも扱いやすいよう、また洗剤の種類など視覚的にも操作しやすいように工夫を凝らした。ボトル満杯でなくても少量から購入することができ、香りを確認するためのお試しニーズにも対応する。

 ナチュラルローソンでは昨年9月から「エコストア」の取り扱いを開始。主な購買層は20~40代の女性で女性比率が8割を占め、コロナ禍で在宅時間が増加した影響もあり、7月度の洗剤カテゴリーの売上高は前年同月比2倍以上に伸長している。

 ローソンでは2030年までに17年度比で容器包装プラスチック使用量を30%削減することを目標としており、これまでにマチカフェの飲料商品の一部を紙コップに変更したほか、おにぎり包材を変更するなどプラスチックの削減に取り組んでいる。今回その一環として、量り売りの知見を持つ「エコストア」のセルフ方式によるテスト販売導入に至った。半年をトライアル期間とし、洗剤の量り売り導入店舗の拡大や、さらにナッツ類など食品や他のカテゴリーへの拡大も検討する。

 「エコストア」はマッシュホールディングス傘下のエコストアジャパンが展開する。「エコストア」としては、取扱店舗の中で量り売りを提供しているのは直営8店舗に限られ、充塡も販売スタッフが行っている。セルフオペレーションが確立されコンビニでの利用者が増えれば、同ブランドが目指す量り売り文化の普及に向けた大きな一歩となる。

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【激白】DDを離れた山本勇太・元GM社長「噂は漏れるもんですね」これから何をやる?資金は?

 8月末でゴールデンマジック(GM)の社長を退任したことを明らかにした山本勇太氏。今後どうするのか? 独立するにしても、DDグループの後ろ盾を失った今、決して楽な道ではないはず。何を目指していくのか? 勝算は? 独占インタビュー後編。
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【激白】DDを離れた山本勇太・元GM社長「独立して100店を目指します」何をやる?資金は?

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オンライン発表会でもサプライズはほしい 製品を送る時の工夫で変わるかも? エディターズレター(2020年7月13日配信分)

※この記事は2020年7月13日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

オンライン発表会でもサプライズはほしい 製品を送る時の工夫で変わるかも?

 リモートワークが定着し、ここ数週間で一気に化粧品のオンライン発表会やファッションのオンライン展示会が増えました。「WWDビューティ」編集部に在籍する私も、スキンケアやメイクアップの新作発表会にいくつか参加しました。

 発表はZoomやマイクロソフトチームスなどの動画会議プラットフォームを用いることが多かったのですが、最近はユーチューブやインスタグラムを選ぶブランドも増え、形式も多岐にわたっています。いろいろ参加してみて思ったのは、発表するアイテムやコンテンツ、対象者に合わせて使い分けるのはやっぱり必要なこと。例えばメイクアップは色味や細かいハウツーを見せる必要があり、そうなると画質がきれいに映るユーチューブが断然よかったり、研究発表やプレゼンなどが必要なスキンケアなどはその場で質問が聞けるZoomがよかったり。

 化粧品の発表会ではよく新作をイメージしたスイーツや食事が提供されるのですが、そういった体験を自宅でも味わえるように、発表会の時間に合わせてウーバーイーツで食事を参加者に届けたブランドがあったとも聞きました。さすがにそれにはびっくりしましたが、同時に、ブランドにとっては発表会は本当に大事なイベントで、多くの時間とコストをかけていることを改めて感じました。発表会はただ新作の説明をするだけの場ではなく、参加者はその製品やブランドの世界観を“体験”し、それを発信できるように会場が作り込まれていることが多いです。

 ただ自宅だと、製品が手元に届いても、発表会会場と同様の体験を味わうことは正直難しいですね。発表会会場では製品が“映える”ような凝ったフォトスポットも必ず設けてありますが、自宅だとどうしてもきれいに製品が撮れないのも悩みポイントです。そこで、写真映えするようなボックスに入れて製品を送ったり、製品をその上に配置すればきれいに撮れるような“背景紙”を同封したりするのはいかがでしょうか?韓国ブランドの「ラカ」が韓国でプレスやインフルエンサーに向けて超(!)ミニサイズの新作を特別に作り、さらにそれをミニサイズの段ボール箱に入れて送り、SNSでかなり話題になりました。おもちゃみたいな見た目でとってもかわいかったです。あまりの反響で、数量限定で一般消費者にも提供し、SNSにはミニサイズの開封動画がたくさん上がりました。そのほかにも「ラネージュ」がビタミンC入りのクリームを発売したときに、わざわざビタミン剤大手メーカーとコラボしてビタミンCサプリのパロディーを作ったり、「ドクタージャルト+」は新作クリームの形をした犬猫用のおもちゃを同封してペット好きで話題になったり、やっぱりKビューティはそういうのが上手だなぁと思います。

 リアルな発表会が開催できない今は、いかに自宅やオフィスに同じような体験を届けられるかが一つの課題と感じました。製品を送るにも、思わず写真を撮りたくなるような仕掛けだったり、クスッとするようなユーモアを添えたり、何かサプライズがあるといいなぁと思いました。そしてそれがサステナブルだとなおさら良いですね。ここまで勝手な思い付きをいろいろ書いてきましたが(笑)、参加する側ももちろんいろいろ工夫したり、考えたりする必要もありますね。

#MILLENIALMIND:ミレニアル世代の記者が、普段の取材や、日頃から気になっているファッション&ビューティのニュースやトピックスをピックアップします。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在9種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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コロナ禍で「銀だこ」、「ゴーゴーカレー」が大忙し?

 コラボレーションは、「共に働く」「協力する」の意味で、「共演」「合作」「共同作業」「利的協力」を指す語である。日本語ではコラボと略されることも多い。テレビや映画の番宣、アニメキャラクターの認知度アップなど、飲食店を媒体としてメニューのコラボレーションは定着しているが、コロナ禍で居酒屋を中心としたメニューコラボが活発化している。
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壁に当たった都心型ブランドとファッションシステム 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。小売店のコロナ禍からの回復は、立地や業態によって大きな差が生じている。その背景と今後を詳細に分析してみた。

 コロナ禍の長期休業が明けた6月はセールの前倒しと定額給付金効果で回復したアパレル消費も7月は一転して冷え込み、商品の性格や価格帯、店舗の立地で明暗が際立っている。明暗を分ける要素は何か、それは秋冬以降も続くのか、ファッションビジネスはどう変わるべきかを検証してみたい。

都心と地方や郊外の効率格差が急激に縮まった

 6月、7月の販売結果を見ると、大都市中心部の百貨店や駅ビル、ファッションビルの落ち込みが大きい一方、地方や郊外の百貨店やSC(ショッピングセンター)は回復が早かった。上場アパレル企業の売り上げを見ても、主力とする出店立地によって同様の傾向が見られる。まとまった傾向がはっきり見えるのが、日本ショッピングセンター協会(以下、SC協会)が発表している月次情報だ。

 SCテナント全体の売り上げが前年実績に比べて4月76.2%減、5月69.1%減、6月17.1%減、7月19.9%減と推移する中、大都市中心地域のテナントは4月85.2%減、5月82.6%減、6月30.5%減、7月32.5%減と落ち込みが大きい一方、周辺地域のテナントは4月74.3%減、5月64.5%減、6月12.4%減、7月15.0%減と落ち込みが小さく回復も早かった。結果、大都市中心地域テナントに対する周辺地域テナントの坪あたり販売効率の格差も、18年通年の46.7%、19年通年の47.9%から20年1〜7月は単純平均で57.9%まで縮まり、コロナ禍の3月以降に限れば62.8%まで接近している。

 同じくSC協会が毎年発表している「SC白書」20年版(19年集計)の物販テナント平均総合賃料(共益費なども含む)では、中心地域駅ビル(大都市と限っていない)の月坪5万968円に対して周辺地域商業ビル(主に郊外SC)は月坪1万3321円と大差があるから、販売効率の格差が縮まっていけば周辺地域施設の方が採算をとりやすくなる。

衣料消費は都心集中から生活圏へ分散

 企業別や施設別の売り上げを見ていくと、「都心」から「郊外」だけでなく、郊外でも「大型モール」から「生活センター」へ、「商業施設」から「フリースタンディング」へという消費の移行が見える。

 SC協会には「生活センター」という区分はなく、広域型の重装備な大規模モール(鉄骨鉄筋コンクリート建築で家賃も管理費も高くて客数も密)に対して、生活圏型の軽装備な中小規模ショッピングセンター(軽量鉄骨建築で家賃も管理費も安く客数は疎)を指して使ってみた。米国では前者を「クローズドモール」、後者を「オープンエアセンター」と区分しているが、空室率はコロナ前からクローズドモールの方が高かった。

 ロックダウン中もオープンエアセンターは食品スーパーやドラッグストアなど「エッセンシャルストア」(生活必需品店)の入居比率が高いこともあって営業を継続した施設が多く、ロックダウンで長期休業してテナントの退店が広がったクローズドモールとの格差は一段と広がった。エアロゾル感染リスクが低く3密回避のソーシャル・ディスタンシングも取りやすいオープンエアセンターの優位はロックダウン解除後も変わらず、ウイズコロナが長引く中、家賃の格段の安さと営業の自由度もあってクローズドモールからシフトするテナントチェーンが増えている。

 オープンエアセンターの多くは平面駐車場を多数の店舗が囲む「ストリップモール」でもあり、各店舗に直接に車を乗り付けられるから、カーブサイド・ピックアップ(ネットで注文・決済して店舗の駐車場で受け取るクリック&コレクトサービス)にも容易に対応できる。クローズドモールでは店舗がグラウンドフロアにあってダイレクトパーキングが可能でも、日本ではSCの出入り自体に大変な時間を要するから、設計段階からカーブサイド・ピックアップ用のバイパスレーンを設けないと実現は難しい。私はもう何年も前から大手SCデベロッパーに提言しているが、誰も聞き入れてはくれなかった。

 家賃※1.も格段に安く営業の自由度が高いのが生活道路沿いのフリースタンディングで、客数が限られ3密とは無縁だが、販売効率が低くても儲かる仕組みを作れば砂漠のサボテンのような強さを確立できる。ウイズコロナでも既存店が伸び続けるワークマンや西松屋、急浮上のファッションセンターしまむらがその典型で、ユニクロも90年代まではローカルのロードサイドに布陣していた。銀座で6月に開店した「ユニクロ トウキョウ」など過度な都心シフトはコスト体質をインフレさせる失策と危ぶまれる。

 コロナ前までは家賃が高くても集客してくれる「館」に依存するメリットがあったが、ウイズコロナで3密回避が続き生活圏への消費分散が進むと採算が取れなくなる。都心から郊外へ、大型モールから生活センターへ、究極は生活道路のフリースタンディングへと衣料消費の場が移り、販売効率と不動産コストのバランスも一変していく。

 ※1.ロードサイド店舗は、かつては15〜25年のリースバック(地主に保証金を入れて建ててもらう)が多かったが、借地借家法の改正以降は定期借地契約(借り手が借地に自分で建てる)が主流となった。定期借地契約の残存期間を転貸するケースも多く、割安に借りられる。

ライフスタイルもファッションも変わる

 衣料消費の場が生活圏に分散する契機は、緊急事態宣言下で都心の仕事軸から郊外の生活軸へライフスタイルが一変したことだが、コロナ以前から衣料品のカジュアル化とファッション離れはじりじりと進んでいた。

 ビジネスシーンでスーツが「ジャケット+スラックス」の“ビジカジ”になったかと思うまもなく「ブルゾン+カジュアルパンツ」の“カジビジ”やトラックスーツ同然の“アクティブスーツ”になり、今や非正規労働者の通勤着は「マンパ(マウンテンパーカ)+ジャージーパンツ」の“アスビジ”(アスレジャービジネス)となった感がある。それは革靴やパンプスからスニーカーへという通勤靴の劇的変化を見ても明らかだ。もはや革靴やパンプスの強要はパワハラと批判されかねない段階まできており、スーツや“ビジカジ”を要求するのも難しくなりつつある。

 カジュアル化と並行して進んだのが「服装マウンティング」の衰退であり、コロナ禍を契機に劇的な変化を見せている。

 都心の仕事社会やナイトシーンで所得と感性の服装マウンティングを競う必要は急激に薄れ、トレンドやクリエイションを追ってお洒落する意味もなくなりつつある。生活圏でライフスタイルを謳歌するのにマウンティングを競うおしゃれは不要で、シーンと仲間になじむ普段着のおしゃれや機能性が求められる。そんなアフターコロナ社会ではファッションの役割が一変し、高価なブランド服や服飾品(高級腕時計の売り上げは激減している)、仲間から浮いてしまうデザイナー服の需要は急速に細っていくだろう。

 ならば、都心の百貨店や駅ビル、ファッションビルに感染リスクを冒してまで出かける必要はないし、普段着のおしゃれならECや生活圏の店舗で充分だ。となれば、衣料品に使う費用も単価もこれまで以上に下がっていく。

価格の常識もコストも急速にデフレしていく

 アパレル商品の価格帯を、カジュアルパンツを例にざっくり分けてみると、以下のような7段階になるのではないか。

(A)ラグジュアリーブランド級……6万円〜
(B)ベターブランド級……2万5000〜4万5000円
(C)ナショナルブランド級……1万2000〜2万2000円
(D)駅ビルブランド級……5800〜9800円
(E)SCブランド級……2900〜4900円
(F)ホームセンターブランド級……1480〜1980円
(G)プライスライン オフプライスストア級……580〜980円

 今日のマスマーケットはユニクロに代表される(E)SCブランド級が主流で、これより上にはワンブランドで売り上げ1000億円以上のブランドは存在しない。(D)駅ビルブランド級はせいぜい200億円が限界で、法外に割高と認識されるようになった(B)ベターブランド級や(C)ナショナルブランド級は急速に市場がしぼんでいる。(A)ラグジュアリーブランド級とて、インバウンドが復活しない限り衰退は避けられない。

 アフターコロナ社会で新たなマスマーケットとなるのは、ユニクロが高すぎると感じる多くの顧客を吸収する(F)ホームセンターブランド級だ。ワークマンがその代表格だが現状ワーク&アウトドアに偏っており、今後はフェミニン&ナチュラル系など1000億円級のブランドがいくつか台頭するに違いない。
ホームセンターブランド級でも手が届かないという人々は(G)プライスライン・オフプライスストア級に流れるだろう。ホームセンター級ブランドを半額程度のオフプライスで売る業態で、西東京圏郊外に展開するタカハシが注目される。SCブランド級以上の名の知れたブランドを「正価」からのオフ率で訴求する一般のオフプライスストアとは根本的にニーズが異なり、ブランドではなくアイテムの絶対安価が求められる。

 コロナ禍で所得や雇用が脅かされた人々は社会保障への不信感もあって貯蓄性向を高めており、とりわけコロナ以前から消費性向が低下していた20〜30代の独身者に顕著だ。ファッション消費を支えてきた20〜30代が生活防衛でファッション離れし、普段着と低価格品(あるいは古着)にシフトしていけば、最も打撃を受けるのは(D)駅ビルブランド級だ。衣料消費が都心のターミナルから生活圏にシフトし、ワンランクあるいはツーランク下に移行するとすれば、アパレルビジネスのコストバランスは一変してしまう。

 価格帯が低くなる分、家賃などコストの安い立地に店舗を移し、ECと一体に店在庫を引き当てるクリッック&コレクトで顧客利便と在庫効率を高め、低価格でも期待以上の品質を確保すべく歩留まり率が高まるよう、調達ロットを小口化してリードタイムを短縮するか、スマートファクトリー軸のVMI※2.を仕組み、大ロット一括調達なら来シーズンも定価が通る定番に限定する。どちらにしても値引き販売でなくEDLP(常時低価格販売)に徹し、クリック&コレクトとテザリング※3.で在庫効率と物流効率を最大化するべきだ。

 駅ビルやSCで調達原価率を16〜27%に抑えて当初「正価」を割高に設定し、値引き販売が常態化しているようなアパレルチェーンがアフターコロナ時代に生き残る可能性は限りなくゼロに近い。抜本から禊いでコスト構造を変えるか、破綻して悲劇を広げる前に事業を手仕舞うべきだろう。

※2.VMI(Vendor Managed Inventory)…あらかじめ定めた棚割に基づいてベンダーに補給と在庫管理を委任する取引形態
※3.テザリング…店舗間で在庫を融通して在庫効率を高めるローカル・ディストリビューション手法で、修理加工の集約やC&Cの店出荷と連携される

「多産多死のインフレ・ファッションシステム」から「需給一致のデフレ・サステナブルシステム」へ

 コロナの終息が見えずウイズコロナの生活が長引く中、人々は都心の仕事軸から郊外の生活軸へと一変したライフスタイルを当分継続するしかない。そんな生活が続けば人間関係も社会関係も変わり、いずれ人生観まで変わっていくから、消費スタイルも根底から変わってしまう。

 その変化は「使い捨て大量消費のインフレ人生」から「エシカル消費のサステナブル人生」へといえるのではないだろうか。

 日本の経済も社会も青春期は1973年(石油ショック)までで、働き盛りも91年(バブル崩壊)で終わり、2008年(リーマンショック)で定年退職して年金生活に入るはずだったのが、少子高齢化で急速に老いていくのを無理押しインフレ政策で老体にむち打ったのがアベノミクスだった。コロナショックでそれも破綻し、雇用も生計も根底から脅かされ、財政も太平洋戦争敗戦時(国家負債はGDPの250%)まで悪化した。

 もはやこれ以上老体にむち打つのは困難で、無理せず雇用と生計と社会インフラを維持することに注力するしかない。となれば投資も消費も抑制し、ポスト・アポカリプスなリサイクル文明の構築を急ぐべきだろう。建前の美辞麗句でなく、社会と生活の根元からサステナビリティの実現が問われているのだ。

 ならばファッションビジネスも、付加価値を増幅し使い捨てをあおる時代錯誤な「多産多死インフレ・ファッションシステム」を卒業し、エシカル消費の「需給一致デフレ・サステナブルシステム」に転換するべきではないか。もはや付加価値をあおってもコストに見合わず、値引きと売れ残り在庫に苦しむだけだとしたら、抜本から思考を切り替えた方がよい。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。近著は店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)

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