「ハレ(HARE)」が20221年春夏コレクションを東京で発表した。
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バイヤー向けにトピックスを拾います。
「ハレ(HARE)」が20221年春夏コレクションを東京で発表した。
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※この記事は2020年9月3日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
TBSラジオのヘビーリスナーだからでしょうか?ドラマ「半沢直樹」の話をよく聞くし、スポーツクラブでお会いする“お兄さま”“お姉さま”は一様に夢中です。実は、一度もちゃんと見たことがない私。先日チラッと見ましたが、終始「圧」なドラマですね(笑)。目力120%、血管浮き出まくり。率直に申し上げれば、「日曜の夜には、疲れそうなドラマだなぁ」と思ってしまいました(笑)。
長年ドラマは朝ドラだけでしたが、今シーズンはもう1つ、楽しみな作品がありました。「私の家政夫ナギサさん」です。主演は、大好き多部未華子。ドラマの舞台は、我が街横浜(主人公の自宅は都筑区でしたw)。主人公は、「こんなMR(医薬情報担当者)いるの?」と軽く炎上するほど、「ステラ マッカートニー」のバッグや「TASAKI」のパールジュエリー(“デインジャー”がおそろいなのが嬉しかったのですw)、「カルティエ」の腕時計などファッション・コンシャス。と、この時点ですでに楽しいのですが、一番「今っぽいなぁ」と思ったのは、登場人物がステレオタイプではないことです。ある意味、半沢直樹の真逆な気がします。まず主人公は、家事全般が苦手な女性。そこに来る“家政夫”は文字通り男性で終始「たおやか」、「お母さんになりたかった」と言い出します。「ゲイなのか?」と思いましたが、最終回では主人公と結ばれたので、そうでもないみたいです。そのほかにも、主人公が勤務する製薬会社の支店長は女性。そこに研修で配属された新入社員は頼りなさそうな男性で、女性の先輩がキッチリ指導。主人公のお母さんは主人公同様に家事全般が大の苦手で、お父さんの方がよっぽどお上手。「ジェンダー・バイアスにとらわれない」が裏テーマなの?と思うくらい、随所の設定が新しいドラマでした。
さらに「良いねぇ」と思ったのは、そんな新しい設定が主題ではないことです。普通、主役の家政夫に「お母さんになりたかった」なんて性格を付与したら、例えば、その源泉となる親子関係を回想したり、「お母さんになれなかった」あの時を描いたり、最後は「お母さんになれた」喜びを表現して大団円で締めくくったりすることでしょう。なのに「お母さんになりたかった」から話が膨らむことは、ほとんどナシ!!脚本家やプロデューサーにインタビューしたら、「え!?ナギサさんは『お母さんになりたかった』。以上です」と言われて終わっちゃいそうです(笑)。ここが、実に今っぽい。
以前もどこかでお話したと思いますが、5年くらい前までは「既成概念」に対して抗うというか、ファイティングポーズを取ることで新しい時代を切り開く先駆者が多かったように思います。でも今の開拓者は、その「既成概念」に抗うのではなく、ファイティングポーズも取らず、ハナっからその存在を意識していない。「え!?俺、既成概念に抗っているんですか?単純に、それがやりたいことだったんです」と言いつつ、結果として「既成概念」にとらわれていないクリエイターが多いように感じます。世界で言えば、「グッチ」のアレッサンドロ・ミケーレや「ルイ・ヴィトン」のヴァージル・アブロー、「ディオール」のキム・ジョーンズは、そんな感じ。「コム デ ギャルソン」の川久保玲とは、「既成概念」に対する意識が違っているように思えます(もちろん、ファイティングポーズを取り続けることも意義深いことです)。
「私の家政夫ナギサさん」は、そんなカンジでした。「ジェンダー・バイアス」には結果挑んでいるものの、それはテーマじゃない。ハナっから意識してないから、結果解放された。それが心地よく思えたのです。
視聴率も良かったみたいですね。大勢が、この「既成概念にとらわれない」を楽しみ、自分に生かしてくれたら。面白い世の中になりそうです!!
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「ヨハン・クー ゴールド レーベル(JOHAN KU GOLD LABEL)」が2020年春夏コレクションを東京で発表した。
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「エトヴォス(ETVOS)」は11月4日、2020年クリスマスコフレ(8000円)を数量限定で発売する。今年のコンセプトは“Winter GO”で、ウィンタースポーツや雪が降ってきた時の高揚感をイメージした。オンラインストアや百貨店、直営店で予約を受け付けている。
今年のコフレは、白を基調にしたヒョウ柄のパッケージでそろえたカラーパレット、フェイスパウダー、リッププランパーにポーチをセットにした。カラーパレットは、ローズピンクとライムゴールド2色のアイバーム、プラム系4色のアイシャドウ、サーモンピンクのカラーバームをセレクト。フェイスパウダーはUVケア(SPF20・PA++)を搭載し、艶肌をかなえる。リッププランパーは、青みピンクを加えたレッド系でグリッターパールがきらめく唇を演出する。
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「エトヴォス(ETVOS)」は11月4日、2020年クリスマスコフレ(8000円)を数量限定で発売する。今年のコンセプトは“Winter GO”で、ウィンタースポーツや雪が降ってきた時の高揚感をイメージした。オンラインストアや百貨店、直営店で予約を受け付けている。
今年のコフレは、白を基調にしたヒョウ柄のパッケージでそろえたカラーパレット、フェイスパウダー、リッププランパーにポーチをセットにした。カラーパレットは、ローズピンクとライムゴールド2色のアイバーム、プラム系4色のアイシャドウ、サーモンピンクのカラーバームをセレクト。フェイスパウダーはUVケア(SPF20・PA++)を搭載し、艶肌をかなえる。リッププランパーは、青みピンクを加えたレッド系でグリッターパールがきらめく唇を演出する。
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「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」が20210年春夏コレクションを東京で開催した。
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「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」が20210年春夏コレクションを東京で開催した。
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「イン(IHNN)」が2021年春夏コレクションを東京で発表した。
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最上級品質の素材使いで知られるイタリアブランド「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」は、デジタルアートインスタレーション「An Odyssey of Touch」を東京・銀座のロロ・ピアーナ銀座店で10月25日まで開催中だ。ロンドンを拠点にするビジュアルアーティストのウィアードコア(Weirdcore)が、ブランドを代表する素材の手触りを視覚と聴覚で表現している。オリジナルの楽曲は坂本龍一が手掛けた。
展示は「ネイチャー(Nature)」「インフィニット コネクション(Infinite Connection)」「クラウド シティ(Cloud City)」の3つの空間に分けて演出を行っている。「ネイチャー」では、蓮の繊維からできた希少なテキスタイル“ロータス・フラワー”から着想し、デジタルスクリーンを水面に見立てて秋の木の葉と蓮の花が揺れ動く様子を映し出す。「インフィニット コネクション」ではカシミヤ繊維のありのままの美しさにフォーカスし、カシミヤ原毛の塊に光を当てて、鏡張りの四面体の中で輝く姿を見ることができる。「クラウド シティ」では窓のようなスクリーンを設置して、デジタル上の銀座の街を映し出している。カシミヤを雲のように表現した。
今回のインスタレーションを手掛けたウィアードコアは、音と映像を組み合わせた作品を手掛けており、著名なミュージシャンに作品を提供してきた。これまでにもレディオヘッド(Radiohead)、グウェン・ステファニー(Gwen Stefani)、テーム・インパラ(Tame Impala)、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)ら有名アーティストとコラボレーションをしている。
■An Odyssey of Touch by Weirdcore
会期:10月16~25日
時間:11:00-20:00
場所:ロロ・ピアーナ 銀座店4階
住所:東京都中央区銀座3-5-8
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毎週月曜21時放送のドラマ「SUITS/スーツ2」(フジテレビ系)が10月19日にいよいよ最終回を迎えます。織田裕二さん演じる敏腕弁護士の甲斐正午と、その相棒役の中島裕翔さん演じる鈴木大輔の小気味良いやりとりや、弁護士同士や検事との頭脳戦、スマートで知的、かつユーモアも加えながらテンポよく進んでいくストーリー展開に毎回釘づけです。
甲斐と鈴木の上司であり、「幸村・上杉法律事務所」の代表を務めるのが、鈴木保奈美さん演じる幸村チカです。敏腕で頭の切れる雪村チカですが、上品かつ華やかな衣装も毎回楽しみの一つ。「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」「セリーヌ(CELINE)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」といったバイブランドを颯爽と着こなしているのが印象的です。
視聴者から雪村チカのファッションについて詳しく知りたいといった反響があったことから、「SUITS/スーツ2」の公式アカウントとは別に、雪村チカの秘書「さやかゴールドマン」という架空の存在が雪村チカのファッションについて語っているアカウントを作ったそうなのですが、実は鈴木保奈美さん自身が考えた設定で、ご自身でコメントを考えているそうなのです(この事実はこれまで明かしておらず、本邦初公開です!)。
ということで、最終回を目前に鈴木保奈美さんと今作の保奈美さんの専属スタイリストである犬走比佐乃さんに雪村チカのファッションや、さやかゴールドマンのアカウント裏話を聞いてみました。
WWD:さやかゴールドマンという、幸村チカの秘書の設定でチカのファッションスタイルを紹介しているアカウントは鈴木保奈美さんご本人が考えられたとのことですが、始めることになったきっかけは?
鈴木保奈美(以下、鈴木):視聴者の皆様から、幸村チカのファッションについてもっと知りたい、コーディネートのポイントや具体的なブランド名も知りたいという声が届いていると聞き、「SUITS」の世界観を壊さずに情報をお届けするには?と考えたのがきっかけです。ドラマには登場しない雪村代表の秘書、さやかゴールドマンという架空の存在が勝手にまとめている記録という設定にすることで、ブランドリストだけでなく、どのような場面に合わせたファッションなのか、そのコーディネートを選んだチカの心情、また撮影の裏話的なこともかなり自由にお伝えしています。もちろんこれは初めての試みです。
WWD:さやかゴールドマンという名前もご自身で考えられたのですか?イメージする人物像がありましたらお聞かせください。
鈴木:公表はしていませんが、さやかのキャラクターも設定しています。母は横浜生まれの日本人、父はハーバード大学で教えているアメリカ人で、父の教え子であるチカと当時中学生のさやかはボストンで出会っています。さやかは成人して日本人男性と結婚し、日本で暮らしていたのですが、結婚生活が破綻してボストンへ帰ろうかと悩んでいたところをチカに一緒に働かないかとスカウトされたのです。
WWD:今回の幸村チカのファッションのポイントやこだわりは?スタイリストの犬走比佐乃さんとはどのようなやりとりをしていましたか?
鈴木:実際に犬走さんと相談して決めているチカの衣装は、まずファーム内の男性陣のスーツ姿に負けないボリューム、インパクトがあること。リアリティーにとらわれず、着る人も見る人も楽しめるものであること。体型的な長所をいかし、着ることでパフォーマンスを上げられるようなファッションであること。ですから心情的に弱っているシーンで、敢えて華やかな色を選んだりしています。
犬走比佐乃スタイリスト(以下、犬走):大事なシーンなどは事前に教えてもらい、それに合わせた衣装を用意して、保奈美さんと最終的にどんなスタイルにするか決めていきました。ファームの中において男性と対等でありながら、華のあるスタイルを心掛けました。結果的にパンツスタイルは1回しか登場しなかったのではないでしょうか。タイトスカートに華やかなブラウス、足元は8.5cmのヒールを合わせるのが雪村チカの基本スタイルです。記者会見の際はセットアップを着用したり、時にはドレスアップスタイルにしたりするなどTPOに合わせたスタイルでも登場します。
WWD:ジュエリーや時計などのアクセサリーも「ティファニー(TIFFANY)」「ブシュロン(BOUCHERON)」「ブルガリ(BVLGARI)」「ピアジェ(PIAGET)」といったハイブランドを身に着けているのも印象的でした。
犬走:ハイブランドのジュエリーを身に着けることでインパクトもあり、さらにラグジュアリーな印象になりますよね。「ティファニー」の“ハードウエア”シリーズのジュエリーも反響は大きかったです。
WWD:幸村チカのような女性エクゼクティブへ向けて、ファッションにおけるアドバイスはありますか?
犬走:部下の女性が「素敵だな」と思うようなスタイルを心掛けるといいかもしれないですね。色を取り入れてみたり、シルクのブラウスを取り入れてみたり、“華やかだけどシック”な印象になるとよいのではと思います。ここ数シーズン、ボウタイやシルクのブラウスが多く登場しているので、これからのシーズンはコートの下にそのようなブラウスを合わせるのもおすすめです。あとは大前提として仕事をする上ではサイズが合っていて、着心地が良いということはもちろん大切ですね。
――このようなドラマのキャラクターに合わせた衣装の裏話をお伺いすると、さらにまた違ったドラマの楽しみ方ができますね。そして印象的だったのは「心情的に弱っているシーンで、敢えて華やかな色を選んだりしています」という鈴木保奈美さんの言葉です。ファッションとは着る人を勇気づけたり、鼓舞したり、時には自らを優しく包み込んでくれるものでもあると改めて再認識しました。いよいよ「スーツ2」も最終回、ストーリーもさることながら、雪村チカのファッションも楽しみにしたいと思います。
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「無印良品」はこのほど、生理用ナプキンを発売した。10月7日から銀座店、新宿店、渋谷西武などを中心に一部の店舗で販売し、16日から公式オンラインストアでの取り扱いも開始した。
生理用ナプキンは肌に触れる面の表側にオーガニックコットンを使用し、厚みのある仕様。羽あり(約21cm)と羽なし(約23cm)の2種類で、2個入り(190円)、12個入り(399円)をそろえる。パッケージは「無印良品」らしいシンプルなデザインだ。
担当者によると「発売以降、SNSを中心に話題となり現在たくさんの問い合わせがきている」という。今後は顧客からの要望を踏まえながら、取扱店舗の拡充を検討していく。
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アメリカ・ニューヨーク発のバッグブランド「レスポートサック(LESPORTSAC)」は「メルシーボークー、(MERCIBEAUCOUP,)」とのコラボコレクションを販売している。
ベージュのボストンバッグ(1万9500円)、ショルダーバッグ(8000円)、ポーチ(3200円)、3段ポーチ(3300円)とブラックのデイパック(1万8500円)、ショルダーバッグ(9500円)を用意した。
ベージュ、ブラックどちらも“心の波動”をテーマにした、ウェーブ状に「メルシーボークー、」のロゴが連なるプリントを使用。タグには両ブランドの名前がプリントされている。ボストンバッグやショルダーバッグなどユニセックスに使用できるアイテムも多い。
全国の「メルシーボークー、」店舗とユーモア ショップ(HUMOR SHOP)、そして公式ECサイトで取り扱っている。
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昨今、持続可能な事業活動に向けてサステナビリティ戦略を打ち出す国内アパレル企業が増えてきた。リサイクル素材の活用など製品の環境負荷の軽減に向けて取り組む例が多いが、見落とされがちなのがサプライチェーンにおける労働人権問題だ。
2017年に放送された「ガイアの夜明け」で、国内の縫製工場における外国人技能実習生の労務問題が大きく報道されたことなどをきっかけに、国内にも労働搾取の現状があることが広く認知された。
特に日本のアパレルビジネスはサプライチェーンが細かく分断されており、商社が介在するケースも多いために現場の実態を把握することが難しいとされる。しかし、「商社に任せているから何も知らないというのではブランドホルダーとして失格だ」と話すのは、国内企業の労働人権問題に関する取り組みをサポートする一般社団法人ザ・グローバル・アライアンス・フォー・ サステイナブル・サプライチェーン(The Global Alliance for Sustainable Supply Chain、以下ASSC)の杉本泰樹シニア・オフィサーだ。現在アパレル業界ではファーストリテイリングやアシックス、帝人、アダストリア、三井物産アイファッションなどがASSCの会員となっている。自身も国内アパレル関連企業に20年以上務め、CSR調達(企業が調達先の選定や調達条件を設定する際に、社会的責任の観点から基準を設定すること。また、調達先に社会的責任を果たすよう要求すること)に従事してきた経歴を持つ杉本氏に日本のアパレルビジネスの労働人権問題について聞いた。
WWD:外国人技能実習生(以下、実習生)が国内縫製工場で最低賃金以下で長時間働かされていたり、狭い部屋で何人も暮らすような環境を強いられていたりといった問題がここ数年で広く知られるようになった。こうした労務問題はいつ頃からあったのか?
杉本泰樹シニア・オフィサー(以下、杉本):外国人技能実習生制度は1993年に制度化されました。2000年代以降、労働人権問題は発生していたと推測します。本来同制度は技術の海外移転を目的とし、実習生は技術を習得してお金を稼ぐことができ、人手不足の日本は労働力を確保できるというウィンウィンの関係が成り立つべきものでした。しかし、10年に法改正が行われ、それまでは3年間の実習期間のうち1年目は研修代として最低賃金を払う必要がなかった部分が1年目から最低賃金を払わなければいけなくなりました。それをうまく導入できなかったところから労務問題が起き始め、地方紙などでは当時からよく取り上げられていました。
WWD:具体的にどんな問題がある?
杉本:特に深刻なのが、実習生に入国の際に膨大な手数料を支払わせることによって起きる債務労働です。国を出る時の手数料や航空運賃が監理団体を経由することでどんどん大きくなっていき、実習生は来た時から借金を抱えた状態になるわけです。もともとは実習実施機関である日本の縫製工場だった企業が、監理団体を運営した方が手数料等でもうかるということで、縫製工場をやめて監理団体になったといった事例も聞きました。ただ、(縫製工場だけが悪いというのではなく)実習生の側が工場に最低賃金を払わなくても良いから土日も働きたいと申し出るケースもある。そのほか実習生が宿泊する寮の設備が整っていないなどの労働環境の問題もあります。
WWD:コロナ禍で実習生にはどんな影響があった?
杉本:出身国への帰国ができないなか、特別措置で延長して働くことは可能ですが、仕事がなくて寮で待機していたという可能性も考えられます。本来であればその際の日本での生活費は監理団体や受け入れ先工場が保証するべきですが、そうなっていたかどうかは分かりません。
WWD:実習生は農業や漁業、工業など他産業も受け入れているのに、特にアパレル分野で法令違反が多数報告されているのはなぜ?
杉本:アパレルは労働集約型産業であるということと、できるだけコストを抑えるコスト至上主義の体制が起因しているでしょう。工場は慢性的な人手不足や高齢化を抱えているのが実態で、苦しい胸の内を聞くこともよくあります。
WWD:問題が広く知られるようになって以降、状況は改善しているのか?
杉本:改善は見られます。企業によっては実習生が日本に来るために払う手数料を負担するところも出てきました。しかし、まだ一部の企業です。もちろん、当初からしっかりとした受け入れ体制をとっていた工場も存在します。実習生を受け入れるにあたり、寮の建て直しをしたり、1人部屋を設けたりしたといった工場の話も聞きました。ある工場では実習生の能力を適正に評価し、工場内で一番高い給料がその実習生に支払われていました。監理団体側も適正な運営を行うところが増えている印象です。
WWD:国際社会からは日本はどんな評価をされている?
杉本:日本でも実際に工場を視察して、労務問題の有無や実態を調査している企業があるにも関わらず、調査した内容をきちんと世の中に公表しているところが少ない。今年6月に米国務省が世界の人身売買防止への取り組みを評価した報告書を発表しましたが、日本は昨年から評価が1段階下がっています。その時も外国人の技能実習制度については「強制労働の告発が続いているにもかかわらず、人身取引事案を1件も認知しなかった」と指摘されています。調査した結果を公に出すことで信頼を得られるということの理解がまだまだ進んでいないようです。
WWD:アパレル産業は細かく分断されているという構造上、サプライチェーン全体の把握が難しいが企業はどんな対策を取るべきか?
杉本:問題が発覚した時に「あそこの工場のことは商社に任せています」という回答はブランドホルダーとして失格です。自分たちが消費者に対して商品を提供している以上、自社で工場を持っている企業はもちろん、下請け工場の現場にまで足を運ぶ必要があります。アパレルに限らず日本はESG(環境・社会・ガバナンス)のうち、環境に対する取り組みはできていても人権の部分が弱いと言われています。島国の日本では、欧米と比較して人権に関する意識が醸成されてこなかった。だからこそ、現場に行って労働者の声を聞く努力を怠ってはいけないと思います。
WWD:日本の縫製企業は日々工場を稼働させることに精一杯で、CSR調達まで手が回らないところも多い。
杉本:中小、もしくは零細企業こそCSR調達の重要性を理解することが大切です。例えば認定団体の監査に費用をかけるくらいなら、オーダーは取らなくて良いという工場もありますが、実際にはそういう監査を受けて正しい運用をすることが将来性につながります。CSR調達とは環境や社会問題を解決するだけでなく、生産計画、品質やコストの改善につながるものです。
WWD:経済的にもCSR調達に取り組むメリットは大きい?
杉本:はい。例えば中国であれば旧正月前にオーダーが集中し、現場では残業が出てきて残業代を払わなければいけない。繁忙期に重ならないように生産計画を組めば、実際には残業の割増賃金を払う必要がなくコストが落ち着く。きちんと管理された労働時間で適正な賃金をもらえれば、働く側も生活が安定し、良いものを作ろうというやる気が出て品質も上がる、という理論です。そこまで見据えて取り組めている企業はまだ少ない印象です。
WWD:ASSCではどんな取り組みを行っている?
杉本:アパレルのみならず幅広い業界の企業活動をサポートしています。サプライチェーンの労務問題についてASSC主催のウェビナーや会員企業用のセミナーなどを実施したり、会員企業が取り引きしている工場の実態調査も手伝います。また企業の意見交換を目的とした「外国人労働者ラウンドテーブル」はASSCの正会員に限らず参加が可能です。さらに11月16日に、ラウンドテーブルから発展して国際協力機構(JICA)とASSCが事務局となり「責任ある外国人労働者の受け入れプラットフォーム」を立ち上げます。そこでは行政や企業を巻き込んできちんとした情報提供をしていきます。改善には個別の企業だけでは難しいこともありますのでASSCの専門性を活かしながらNGOや市民団体とも連携して適正なサプライチェーンの構築のために活用してほしいです。
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