「N°21」がメイクアップやビーガンスイーツをローンチ 元「ADDICTION」ディレクターのAYAKOらとコラボ

 アレッサンドロ・デラクア(Alessandro Dell’Acqua)が手掛ける「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」はブランド設立10周年を記念したプロジェクト「ガラージュ ヴェントゥーノ」を始動する。ファッションショーの会場としても使用されたミラノ本社内のスペース「ガラージュ ヴェントゥーノ」をイメージし、ブランド初のビューティアイテムやフードをそろえる。世界初の旗艦店を東京・表参道にオープンしたことから日本限定で行い、11月4〜10日に阪急うめだ本店1階コトコトステージ 11、11月11日〜2021年1月31日に同店3階イベントスペースで展開する。

 ビューティアイテムは元「アディクション(ADDICTION)」ディレクターで、グローバルに活躍するメイクアップアーティストのAYAKOとコラボレーションし、メイクアップやスキンケアアイテムをラインアップ。「ヌメロ ヴェントゥーノ」のコレクションに度々用いてきたブラックとヌードからインスパイアされ、ヌードとブラックのプロダクトを5つずつ、セットにしている。“ヌード コレクション”(2万1000円)”はローズウオーター配合のスキンケアマスク、ベルベットのような質感のアイシャドウ・チークパウダー、ペンシルアイライナー、シアーな仕上がりのリップスティック、ネイルポリッシュをエコレザーのトートバッグに入れたセット。“ブラック コレクション”(2万1000円)はチャコール入りの洗い流すフェイスマスクにリキッドアイライナー、リップグロス、リップスティック、マットなネイルポリッシュを同じくエコレザーのトートバッグに入れて販売。ベルベットパウダーを除く全ての製品はビーガン処方でパラベンフリー、さらに動物実験も行わず体・環境に配慮した処方を用いている。

 フードはマドンナ(Madonna)のパーソナルシェフとしてマクロビオティックを世界に広めた西邨マユミが監修したビーガンエナジーバーが登場。デーツを主成分にしたチョコブラウニーで、100%植物原料から作られ、さらに保存料や着色料、香料などの添加物を含まない。今回はエナジーバー6本とエコレザーポーチをセットにして、9000円で販売する。イタリアの「24ボトルズ(24BOTTLES)」とコラボした水筒(1万3000円)もブラックカラーに染まり、限定で登場する。

 また、手持ちと肩掛けと2種のハンドルを備えた“トートバッグ”(1万3000円)はリサイクルポリエステルを100%用い、限定のバッグストラップ(9000円)はビューティアイテムやフードのセットのトートバッグ・ポーチにも装着が可能になっている。

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2020年のホリデーネイル5選 今年は“品格のある輝き”がキーワード

 ホリデーコレクションの発売時期となり、例年であればキラキラと輝く限定色や限定デザインのアイテムを心躍らせながら眺めているはず。しかし「今年は、消費者の方のリアルな“気分”はどうなんだろう」と、少々気になっている。マスク生活が続く限り、ファンデーションや口紅のニーズは減少するはずなので、可愛いリップキットを見かけると「いつもなら争奪戦だろうに」と、ちょっと切ない気持ちになる。一方で、コロナ禍を経てスキンケアへの関心が高まっているのは事実だが、スキンケアキットはお値段もそれなりに張るものが多い。

 しかし、現実的に考えすぎかもしれない。今年は世界中の誰もがライフスタイルの変化を余儀なくされた。さまざまなストレスと対峙した1年だったからこそ、ホリデーシーズンには「気分が上がる色を」「キラキラしたアイテムを」身につけたいというのも、素直な気持ちであるのは間違いない。この「楽しい」「ワクワクする」という高揚感こそ、美容が持つ偉大な力の1つでもある。

 そこで、2020年のホリデーコレクションで大人の女性におすすめするなら、断然「ネイル」だ。まず、ネイルはメイクアップアイテムの中で唯一視界に入る(鏡に映さなくても自分自身で見て楽しめる)アイテムであること。不思議なもので、指先にダークな色をつけるとそれだけでモードな雰囲気を演出することが出来るし、強い意志を持って行動する気持ちになる。鮮烈な赤をつけると気分が引き締まり、手元の動きが女性らしく見えたりもする。私が単純なだけかもしれないけど、視界に入る色が「気分」や「所作」にまで(大なり小なり)影響する効果は、案外見逃しにできないと思う。

 そして何より、今年のホリデーネイルは、これまでのキラキラ感とは一線を画す「奥行きのあるシックな輝き」が特徴なのだ。大小の変形パールを巧みに組み合わせたり、微細なカラーパールの力で角度によって色のニュアンスが変わったり。アンティーク風の落ち着いたゴールドや、工芸品のように格調高いシルバーなど、大人の女性にこそ似合う質感が充実している。今回はそんな大人のための、珠玉のホリデーネイルをご紹介したい。

シャネル
温かみのある発色、
格調高いアンティーク調ゴールド

 「シャネル(CHANEL)」のホリデーは、同ブランドを代表する“ゴールドのチェーン”にインスパイアされたコレクションだ。中でも「今までこんなゴールドのネイルは見たことがない……!」と息をのんだのが“ヴェルニ ロング トゥニュ 773”。年代を経たアンティークのように落ち着きのある質感で、華やかでありながら、同時に荘厳な趣もある。発色は温かみのあるローズゴールドで、手元に女性らしさを添えてくれるはず。シンプルなシャツにもドレスアップした装いにも、そして和装にも映える、大人のためのゴールドといえる。

ディオール
まるで雪の結晶のよう。
幻想的にゆらめく繊細なゴールド

 雪の結晶が揺らめく、幻想的な世界を表現した「ディオール(DIOR)」のホリデーコレクション。“ディオリフィック グリッター トップ コート 001”は、まるで雪の結晶のような、多角形のラメをぎっしり閉じ込めた1品だ。ボトル中では白っぽく見えるけれど、実際に塗ってみると“ゴールデン スノー”の名前の通り、淡いゴールドの輝きを放つ。トップコートとして重ねてもいいし、単品で使用すると、薄型のラメが重なり合い澄んだ輝きが美しい。指先が動くたびに、チラチラと舞う雪片のように繊細な光をまき散らす。

THREE
グラムロックにインスパイア
された、大人の辛口シルバー

70年代グラムロックの衣装にインスパイアされた「スリー(THREE)」のホリデーは、ゴージャスかつまばゆい輝きあふれるコレクションだ。特に“ネイルポリッシュ X38”は、大人の女性に似合うメタリックシルバー。これまでもあったつるんと鏡のようなシルバーから、一歩先を行くざらりとした砂糖菓子風の質感へと進化。銀細工の工芸品のように格調高いカラーを実現した一方で、輝きはどこまでも澄んだクリアな質感。シック×ピュアのバランス感が絶妙で、モノトーンの装いには華やかさを、カラフルな装いにはクールな雰囲気を添えてくれる。

アナ スイ
女性らしさが匂い立つ、
官能的なダークカラー

 「今つけているネイル、どこの?」と、最近最も聞かれたのが、「アナ スイ コスメティックス(ANNA SUI COSMETICS)の“ネイルカラー 020”だ。11月1日にリニューアルするネイルの中で、ひときわ存在感を放つ1色。ダークカラーのベースに大粒のゴールドラメ、微細なゴールド&コッパーを散りばめ、角度によって赤みを帯びた発色に。ベースの影とラメの光のコントラストで、奥行き感を演出し、ダークカラーなのに女性らしいという希有なカラーでもある。ドレスアップ時も、日常のスタイルにも、モードな印象をプラスしたい。

ジルスチュアート
ゴールドの粒子を散りばめ、
指先に宝石の輝きを

 最後は年末年始の気分を上げる、クリスマスらしいゴールドラメを。「ジルスチュアート(JILLSTUART)」のホリデーは、暗がりの中でまばゆい光を放つ“サーカス”がテーマ。“ネイルラッカー ダズリングワンダーランド 05”は、透明なベースに大粒の多角形ラメと、サイズが違うゴールドの粒子を散りばめた、ラグジュアリーな1品。単色でリッチなゴールドの質感を楽しむもよし、どんなカラーとも相性が良く、お気に入りのネイルに重ねてジュエリーのような輝きを添えるのも一案。手元が動くたびにスパークする光を楽しみたい。

 今回ご紹介したのは、いずれも洗練された質感と輝きを誇る、大人のための「キラキラ」ネイル。1500~3200円という価格帯で、指先に輝きを添え、視界から気分を上げるという意味では、ホリデーアイテムの中で最もコストパフォーマンスが優秀だと思う。

 余談になるけれど、我が家のアシスタントは、普段ネイルを全くつけない学生だ。しかしここ数ヶ月というもの、鮮やかな原色やラメのネイルをつけているので、理由を聞いてみると、「外出自粛期間以来、もう1つの飲食系のアルバイトがお休みなんです。仕事中はネイルできないから、この機会に楽しもうって。キレイな色をつけると、めっちゃ気分が上がりますね~」という答えが返ってきた。

 「ああ、このひと言に尽きるな」と、改めて思ってしまった。

 接客業や飲食業など、仕事上の制約で、普段ネイルをつけられない方も多いだろう。職種によるけれど、一般的に職場で華やかなネイルは控えるのがマナーとされている。オフィシャルな人間関係から解放される年末年始の休暇こそ、あえて「自分のために」指先に大人のキラキラネイルをまとってみてはいかがだろう?

 視界から明るい気分を呼び覚まし、希望を持って新たな1年をスタートできるかもしれない。

宇野ナミコ:美容ライター。1972年静岡生まれ。日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、ウェブなどで美容の記事を執筆。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア、フレグランス、美容医療まで担当分野は幅広く、美容のトレンドを発信する一方で丹念な取材をもとにしたインタビュー記事も手掛ける

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「オールバーズ」からアパレルライン カニ殻由来の抗菌素材Tシャツなど

 サンフランシスコ発のサステナブルシューズブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」は20日、アパレルライン“オールバーズ アパレル(ALLBIRDS APPAREL)”を発売した。Tシャツやセーター、パファージャケットなどをそろえ、日本では原宿の店舗とオンラインで取り扱う。価格は6300〜3万3000円。

 これまでシューズだけでなく下着や靴下も販売していたがアパレルアイテムは今回が初めて。モダンミニマリズムのコンセプトをシューズ製品からさらに広げ、各製品には原材料の調達から廃棄・リサイクルに至るまでに排出される温室効果ガスをCO2に換算して把握することができるカーボンフットプリントが記載されている。同ラインの理念は“目的のあるアパレル(apparel with purpose)”だ。

 “TrinoXO Tシャツ”には“XO”という使われなくなったカニ殻に含まれるキトサンという抗菌性のある繊維を使用。亜鉛や銀などを使用せずに抗菌状態を保つことができる。“Trinoパファー”の表面はメリノとテンセルをブレンドした素材にフッ素ゼロで耐久力の高いはっ水加工が施されており、中にはリサイクルされたポリエステルが使われている。

 「オールバーズ」の創業者であるティム・ブラウン(Tim Brown)は、「消費者は素晴らしい製品と体験を求めている。サステナブルな商品だけでなく、品質とフィット感に妥協していない。ファッションの未来は、自分自身と地球にとって良いものにある。2020年には最も現代的な生き方が自然に近い生活を送ることだということが明確になった」と述べた。

 「オールバーズ」は、サッカーの元ニュージーランド代表ティム・ブラウンとバイオテクノロジーの専門家ジョーイ・ズウィリンジャー(Joey Zwillinger)が2016年にスタート。カーボンニュートラルを掲げ、環境問題を考慮した商品開発を行っている。9月には新たに1億ドル(約105億円)を調達し、企業価値は17億ドル(約1785億円)になったと米「ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)」が報じた。

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LGBTQ+の元就活生と「自分らしさを表現できる就活」を考える 「パンテーン」の「#PrideHair」プロジェクトが始動

 P&Gが展開するヘアケアブランド「パンテーン(PANTENE)」は、就職活動を経験したLGBTQ+の人たちと“自分を偽らず、自分らしさを表現できる就活”を考える“#PrideHair”プロジェクトを始動した。

 同プロジェクトは“#PrideHair”というハッシュタグのもと、広告を通じて実際の体験談を伝えていくことで、皆でよりよい就活のあり方について考え、多くの人が前向きな一歩を踏み出せる後押しとなることを目的とする。

 「パンテーン」は“あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする”ことをブランドの理念としている。2018年からはブランドメッセージ「#HairWeGo さあ、この髪でいこう。」を掲げ、就職活動における個性の尊重などをテーマに、自分らしい髪で一歩を踏み出す全ての人を応援してきた。

 プロジェクトの背景について、「LGBTQ+の就活生の多くが『型にはまらなければ不採用にされてしまうのでは?』『自分らしさを出したいのに隠している』といった不安や不満を抱えている。私たちが独自に行った調査では、76%のLGBTQ+の元就活生が『就職活動でセクシュアル・マイノリティであることを選考企業に隠したことがある』と回答。その理由として最も多かったのが『選考に影響があると思ったため』だった。今回、LGBTQ+の元就活生との対話を通して、自分を偽らずに自分らしさを表現することの大切さ、そして髪がその小さな一歩となれるということを感じた」と、P&Gの大倉佳晃チーフ・マーケティング・オフィサーはコメント。

 なおP&Gでは、役員や人事部門、面接官に対してLGBTQ+をはじめ、多様性への理解を深める研修を実施している。さらに面接を行う社員の先入観を少しでも排除するため、14年からエントリーシートの写真欄を削除、19年には性別欄に“その他”という選択肢を設定した。21年には生年月日情報も削除することで、年齢による先入観も排除するという。

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中国の化粧品やファッションの”あだ名”クイズ 「元彼マスク」って何?

 中国では人気のファッションやコスメアイテムに、消費者があだ名を付ける文化がある。日本でも“婚活リップ”として「エスティ ローダー」の“ピュアカラー クリスタルシアー リップスティック”や、“諭吉ファンデ”と呼ばれる「スック」の“エクストラ リッチ クリームファンデーション”が話題になったがそのように商品の特徴を抜き出したあだ名が付けられているのだ。しかも消費者は、本当の商品名をほぼ覚えておらず、ECサイトやSNSでもあだ名で投稿や検索がされている。しかし中には、その由来を聞かないとアイテムが連想できない難しいネーミングも。そこで今回は、クイズ形式で有名な“あだ名アイテム”を紹介する(画像の右をクリックすると答えを見ることができます)。

第1問<神仙水>

 多くの消費者がこのスキンケアを使用した後、その魔法のような効果に衝撃を受けて「妖精の水(神仙水)」だと崇められたことがきっかけ。使用することで妖精のような美しさを手に入れられると評判だ。

第2問<小黒瓶>

 そのあだ名の通り、ボトルが小さな黒い瓶であることから名付けられた。このように見た目をそのままあだ名とする例は数多く、「シセイドウ(SHISEIDO)」の“アルティミューン パワライジング コンセントレート N”は赤くボトルの腰の部分に曲線があることから「紅腰子」、「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」の“アドバンス ナイトリペア SMR コンプレックス”は小さな茶色い瓶なので「小棕瓶」と呼ばれる。

第3問<キラーバッグ(殺手包)>

 2012年に公開された映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」でレア・セドゥ(Lea Seydoux)が演じた女暗殺者がこのバッグを持っていたことから。中国では映画やドラマの影響が強く、今年流行ったドラマ「三十而已(まだ30歳)」では劇中に登場した「エルメス(HERMES)」のバッグが爆売れ。

第4問<元彼マスク(前男友面膜)>

 このアイテムを使用することで、元彼が別れたことを後悔してしまうほどの効果があるという意味が込められている。また、「1度使って捨てる」という意味も含まれているそう。

第5問<小さな鉄(小熨斗)>

 鉄のようにシワが一切ない肌になれるという意味で名付けられた。ほかにも鉄をあだ名に入れているものはエイジングケアの作用を持つものが多く、「ロレアル パリ(LOREAL PARIS)」の人気製品”リバイタリフトフィラー ヒアルロン酸アイクリーム“のあだ名も「パープルアイアン(紫熨斗)」だ。

第6問<野菜カゴ(菜篮子)>

 小さいながらたっぷりと収納が可能な樽型のバッグは、実際に野菜を入れている人はいないが、見た目以上に大容量で実用的だという特徴は一緒。高級なバッグに名付ける名前として相応しくはないが、分かりやすさ重視であだ名が広まった。

第7問<反重力エッセンス(反重力精華)>

 重力に反するかのようなリフトアップ効果が感じられると評判になったことから。中国では肌の衰えを感じる前からエイジングケアを取り入れて対策を行う人が多く、20代後半からのエイジングケア製品として人気が高い。

第8問<黒と白の包帯(黑白绷带)>

 エイジングケアのための包帯と言われている2つのクリーム。包帯と名付けられたのは、まるで医療のように、肌の修復と保護をしてくれることから。中国では朝使うものと夜使うものを分けている人も多く、このクリームも昼夜でセットで使う。

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“Airpods”ピアスが登場 イヤホン使用をオシャレで快適に

 インド発のジュエリーブランド「ミショー(MISHO)」が、アップル(APPLE)社のワイヤレスイヤホン“エアーポッズ(AirPods)”専用ピアスを発売した。商品名は“ペブル・ポッド(pebble pod)”で、ピアスをつけたままイヤホンを支えられるようになっている。よりデザイン性の高いものから、運動時の使用に適したミニマルなものまで3種類をそろえた。価格は67〜122ドル(約7000〜1万2000円)で、「ミショー」の公式サイトで購入可能だ。

 「ミショー」のスハニ・パレク(Suhani Parekh)=クリエイティブ・ディレクターは新型コロナウイルスのパンデミックによって生活様式が大きくデジタル化され、ビデオ会議を多くするようになったことからインスピレーションを得たという。イヤホンを使用するためにピアスを取りはずすのではなく、機能性とファッション性の両方を兼ねたアイテムが完成した。

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“Airpods”ピアスが登場 イヤホン使用をオシャレで快適に

 インド発のジュエリーブランド「ミショー(MISHO)」が、アップル(APPLE)社のワイヤレスイヤホン“エアーポッズ(AirPods)”専用ピアスを発売した。商品名は“ペブル・ポッド(pebble pod)”で、ピアスをつけたままイヤホンを支えられるようになっている。よりデザイン性の高いものから、運動時の使用に適したミニマルなものまで3種類をそろえた。価格は67〜122ドル(約7000〜1万2000円)で、「ミショー」の公式サイトで購入可能だ。

 「ミショー」のスハニ・パレク(Suhani Parekh)=クリエイティブ・ディレクターは新型コロナウイルスのパンデミックによって生活様式が大きくデジタル化され、ビデオ会議を多くするようになったことからインスピレーションを得たという。イヤホンを使用するためにピアスを取りはずすのではなく、機能性とファッション性の両方を兼ねたアイテムが完成した。

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インスタとテックを駆使、28歳の“雑草系起業家”野田貴司が目指す「アパレルDX革命」

 28歳で現在、「ステラヴィアナ(STELLA VIANA)」「リーンモーメント(LEANN MOMENT)」など6つのD2Cブランドを運営するグッドバイブスオンリー(GOOD VIBES ONLY以下、GVO)の野田貴司CEOは、一言で表すなら“雑草系起業家”だ。

 野田は、野球進学した九州産業大学を2年生のときに中退して単身で上京。最初の2カ月はネットカフェ暮らしと路上生活を交互に繰り返すような有様だった。体力を生かし運送やパチンコ屋のアルバイトを経て、ようやく家賃5万円のアパートを借りた後はホームページの制作を個人で請け負うようになった。いろいろな企業に出入りするようになっていた4年前、ある関西の事業家と知り合いになり、紹介されたのが「エイミーイストワール(EIMY ISTORE)」を準備中の藤井亮輔(現ドットワンCEO)氏だった。藤井氏は全くのアパレル未経験だった野田をなぜか気に入り、新ブランドの立ち上げメンバーに加えた。藤井氏とともに宮地洋州(現ワンセックCEO)氏の率いる3ミニッツに合流した野田は、2人の下で寝食を忘れて仕事に打ち込んだ。それから1年半後に会社を辞めるまで、文字通り毎日会社に寝泊まりして働いたので、賃貸していたアパートを解約するほどだったという。「アパレル未経験でまともな職歴もない僕を藤井さんが誘ってくれたのは、単にガッツと体力がありそうだったから(笑)。でも、D2Cブランドの先駆者である『エイミーイストワール』で“20時間365日”くらいの勢いで死ぬ気で働いて得たことは、本当に多かった。1年半と短い期間だったけど服をどう作ってどう売るか、インスタグラムをどう使うかといったことから、インフルエンサーとの接し方や話し方まで、ファッションビジネスに関わるありとあらゆることを学ばせてもらいました」という。

 野田は知人が18年4月に創業していたGVOの株式を引き取り、19年9月にCEOに就任。6ブランド合計の直近の月商は、3000万円を超えるまでになった。8月にはシードラウンドで丸井グループのディーツーシーアンドカンパニー(D2C&CO.)から5000万円、その他エンジェル投資家の出資などで合計1億円を調達。その大半を、革新的なアパレルの3DグラフィックCADシステムとライブコマースプラットフォームに投じる。

 GVOの強みは、インスタグラムを駆使した需要予測のノウハウだ。GVOはディレクターを務めるインフルエンサーや元販売員の投稿に対するいいねや保存数、リーチ数などを基に販売数を決めている。「例えばあるブランドの場合は保存数に対して28.3%が発注枚数。つまり保存数が100あれば28着を発注する。このほかにも10項目ほどのKPIを設定して、発注枚数を決めている。僕らはインスタに先に商品を投稿して、そのリアクションを見てから発注するから当然、売れ残ることはほとんどないし、在庫の回転率も高い」。GVOの在庫日数はおおよそ50日間ほどで、これはしまむらとほぼ同水準だ。「しかもインスタの情報発信をベースにしているのでウェブ広告費をほとんど使っておらず、損益分岐点がかなり低い。GVOの場合は1ブランドあたり月商400万円が損益分岐点になっている」。

 GVOは、アパレルビジネスのデジタル・トランスフォーメーション(DX)革命を掲げる。自社ブランドで蓄積してきたSNSのノウハウに加え、3Dグラフィックを駆使したバーチャルサンプルによるネット販売を、外部にも提供を始めた。その第一弾が、インフルエンサーのAMIAYAがプロデュースする「ジュエティ()」と協業だ。ロングスリーブTシャツやオーバーサイズのパーカなど4アイテムを、3Dグラフィックで制作したバーチャルサンプルを通販サイトに掲載し、販売する。「3Dグラフィックを使えば、AMIAYAの1枚の写真を使って全部のアイテムを着せ替えることだってできる。実際に『ジュエティ』で販売した4アイテムはAMIAYAからマネキンの着用画像まですべてを3Dグラフィックで制作した。この仕組みを使えばインスタで先に画像を公開し、人気のあるものだけを作るということも可能」という。

 ただ、実は現在でもどんな高性能のアパレルCADソフトウエアでも、3Dグラフィックで制作したデータを2次元のパターンデータに落とし込むことはできない。GVOもインスタグラムのインサイトから必要な発注枚数を推測できても、シームレスに生産現場とつなぐことはできていない。だが野田はそこに大きな商機があると感じている。「実はアパレルCAD会社のKLO、東証マザーズ上場のテック開発ベンチャーのサンアスタリスクと組んで、この部分の開発を進めている。世界中の優れたCAD会社が取り組んでいてもまだ実現できていないほど難しいことはわかっている。ただ、だからこそ挑戦したい」と意気込む。

 来年4月には出資を受けた丸井と組んで、新宿マルイに新たなライブコマース売り場の開設を計画する。先行して販売員1000人を採用しライブコマース型のECモールを開設、30坪ほどの新宿マルイの売り場には端末と試着サンプルを配し、これまでにないライブコマース売り場をスタートさせる計画だ。

 野田CEOは今、来年3月をめどにシリーズAラウンドの資金調達のため、投資家たちを訪ね歩いている。すでにいくつもの自社ブランドを持ち、安定した収益構造を持つGVOは大風呂敷を広げがちな他のスタートアップとは一線を画す。つい数年前までアパレルの知識も経験もなく、それどころかまともな職歴すらなかった28歳の野田CEOが、アパレル業界の経験豊富なベテランこそが直感する、“2次元と3次元を融合した完全なアパレル3DCAD”を軸にしたアパレルDX革命という大本命の答えに行き着いたのは、現場で泥臭く仕事をしてきたからだ。雑草発アパレルDX革命のゆくえに注目したい。

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「ユニクロ ユー」が“ヒートテック”を初めて販売 Tシャツとしても着られるデザイン

 「ユニクロ(UNIQLO)」は10月26日から、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)率いるパリR&D(リサーチ&ディベロップメント)センターがデザインする「ユニクロ U(UNIQLO U)」で、初めて“ヒートテック”を販売する。色数豊富に展開し、機能性インナーとしてだけでなく通常のロングスリーブTシャツとしても着られるようにした点がポイントだ。

 表面をコットン100%にすることでをTシャツの風合いを保ちつつ、裏糸に“ヒートテック”の機能糸を使うことで防寒性も実現した。ゆとりをもたせたシルエットも通常の“ヒートテック”とは異なる。ウィメンズ、メンズ各1型でそれぞれ6色を展開、マスタードやブラウンといった「ユニクロ ユー」らしい色がそろう。価格は1500円で、全国の「ユニクロ」店舗と自社ECで販売する。

 「ユニクロ」では今夏、表面がコットン100%で、裏糸に“エアリズム”の機能糸を使ったTシャツが室内着としても、外出着としてもヒットしていた。

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南アフリカ出身の新鋭デザイナーが語る 貧困問題・奴隷制の歴史から見るサステナビリティ

 南アフリカ出身でケープタウンを拠点とするデザイナー、シンディソ・クマロ(Sindiso Khumalo)は、自身の名を冠したブランドを通したサステナビリティへの取り組みについて語った。クマロは2月に2020年度「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のファイナリストにも選ばれており、10月にもサステナブルなブランドに贈られる「グリーン・カーペット・ファッション・アワーズ(GREEN CARPET FASHION AWARDS)」で最優秀デザイナー賞を獲得した。

 クマロは、オーガニックコットンや麻といった素材で作られたテキスタイルを使用し、少量しか生産しない。さらにその取り組みを社会的な影響やエンパワーメントに焦点を当てたものに拡大している。「私が思うに、このトピックは主に欧米で環境問題について語られる一方通行的なものとなっている。それも本当に大切なことだと思うけれど、サステナビリティについて話すとき、私は貧困問題を解消するという側面から見るようにしている。ムンバイでもケープタウンでも、世界の貧しい地域を見てみると米ミシガン州フリントの水道汚染のような環境問題が常にある。私にとって環境問題と貧困問題は密接に関連しているもの」と述べた。

 「サステナブルでいるためには多くの方法がある」と彼女は語る。ミラノ・ファッション・ウイーク期間中の9月24日には、アメリカの奴隷解放運動家のハリエット・タブマン(Harriet Tubman)にあてた21年初春夏コレクションを同氏のニックネームから「ミンティ」と題してオンライン披露した。同コレクションでは、タブマンもその功績を称えられている黒人奴隷をひそかに逃がした地下鉄道の指導者の制服に見られるシルエットを使用したり、奴隷の多くがコットンのプランテーションのために連れられてきたことから全体に綿花をプリントしたドレスも制作した。

 「奴隷制度があった頃これらのプランテーションは美しく見え、女性は綺麗な洋服を着ていた。一方で、その美しさのそばでどれほど非人道的で暗いことが起こっていたかは誰もが直接認めなかった。私も綿花がプリントされた美しいドレスを通して同じような緊張感を作りたかった。この綿花は6歳の子どもが摘んでいたもの。私の息子は6歳で、息子が毎日綿花を摘んで鞭で打たれているのを想像したとき、それを表現したいと思った」。

 「黒人女性に対する暴力はタブマンの時代からずっと続いている。このトピックについて話すこと自体も重要だが、人々を引きつける説得力のある方法で話すことも大切。私たちが象徴的な黒人女性の話をしていかないと、忘れ去られてしまう。このような女性についての話しを通して教育し、ファッションを黒人の歴史と文化について伝えていくツールとして使用することが大切だ」と述べた。

 また、同コレクションではブルキナファソ(西アフリカの国)にあるブランドの工房で手織りしたダファニコットンを使用し、搾取的な性産業から逃れるのを支援するケープタウンのNGOを通して女性を雇用して、手編みのポケットや刺しゅうを施した。クマロは「セックスワーカーにトレーニングを提供しながら共に仕事し、性産業に戻らないようにすることは私にとってサステナビリティの一部。オーガニックコットンをたくさん使用することで、サステナブルなデザイナーになれるとは思わない。それ以上のことをしなければならないような気がする。素材に限ったことでなく、価値観や人に関連したものでなければならないことを理解する必要がある」と語った。

 クマロがサステナビリティについて深く考えることになった背景には人種における多様性と包括性も大きく関連しており、「他の黒人がサステナビリティについて話しているのを見るまで、自分がこの話題に含まれていると感じなかった」と言う。「私にインスピレーションを与えてくれたのはオーロラ・ジェームズ(Aurora James)だった。彼女が自身をサステナブルデザイナーと呼び始めたとき、『ああ、私もサステナブルデザイナーになれるわ』と思った」とコメント。

 アフリカの伝統や文化をインスピレーションとし、現地の技術を活かしたバッグやシューズを生産するブランド「ブラザー ベリーズ(BROTHER VELLIES)」の創業者であるオーロラは6月に「15パーセントプレッジ(15 Percent Pledge)」を立ち上げ、米国人の約15%を黒人が占めるとされていることから主要リテーラーに対し棚の15%を黒人所有の企業に与える誓約を呼びかけた。自身のブランドも参加したクマロは、「オーロラの働きかけで多くの人々が目覚め、有色人種のデザイナーを見つけるよう動き出した。ジョージ・フロイド(George Floyd)氏の白人警官による暴行死事件以降、現状を変え始めているポジティブな動きがたくさんあると本当に実感している」と述べた。

 クマロはファッション業界にあるサステナビリティへの課題に多角的な視点を加える存在だ。「ビジネスを成長させ、それと共に多くの人と一緒に成長していきたい」と言う。

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米フレグランスファンデーションアワードが発表 初めてユニセックス部門を開設

 米フレグランス ファンデーション(FRAGRANCE FOUNDATION)は、2020年フレグランス ファンデーション アワードを発表した。今年はオンラインで発表し、自身の香水ブランドが受賞対象となったキム・カーダシアン(Kim Kardashian)やシェール(Cher)らも参加した。

 ウィメンズ・ラグジュアリー部門には「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の“リブレ オーデパルファム”、同プレステージ部門には「ランコム(LANCOME)」の“アイドル”、メンズ・ラグジュアリー部門には「ディオール(DIOR)」の“ソヴァージュ パルファン”、同プレステージ部門には「ジョン ヴァルヴェイトス」の“JV x NJ シルバー エディション”が受賞した。また、初めてユニバーサル(ユニセックス)部門を開設し、同部門のラグジュアリーには「バイレード(BYREDO)」の“サンデイズド、プレステージには「グッチ(GUCCI)」の“メモワール デュヌ オドゥール オードパルファム”が受賞した。そのほかポピュラー部門にはキム・カーダシアンの「KKW」が妹とコラボした“カイリー・ジェンナー バイ KKW フレグランス(ヌード)”、ホール・オブ・フェーム部門には「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」の“ムスク ラバジュール”が選ばれた。

全受賞作品一覧

【フレグランス・オブ・ザ・イヤー】
■ウィメンズ・ラグジュアリー
「イヴ・サンローラン」“リブレ オーデパルファム”

■ウィメンズ・プレステージ
「ランコム」“アイドル”

■メンズ・ラグジュアリー
「ディオール」“ソヴァージュ パルファン”

■メンズ・プレステージ
「ジョン ヴァルヴェイトス」“JV x NJ シルバー エディション”

■ユニバーサル・ラグジュアリー
「バイレード」“サンデイズド”

■ユニバーサル・プレステージ
「グッチ」“メモワール デュヌ オドゥール オードパルファム”

■ポピュラー(人気部門)
「KKW」“カイリー・ジェンナー バイ KKW フレグランス(ヌード)”

■ホール・オブ・フェーム(殿堂入り部門)
「フレデリック マル」の“ムスク ラバジュール”

■ブレークアウト・スター
「キャロリーナ ヘレラ」“グッドガール オードパルファム”

■バス&ボディーライン
「バイレード」“ローズ オブ ノー マンズ ランド”

■キャンドル&ホーム コレクション
「ディプティック」“34ホームコレクション”

■インディー
「トム ブラウン」“09.27.65 ベチバー アブソリュ”

■イノベーティブ
「コスタ ブラジル」“レジーナ ド ブル”

【パッケージ・オブ・ザ・イヤー】
■ウィメンズ
「コスモポリタン」“オー ドゥ ジュース ピュア シュガー”

■メンズ
「ドルチェ & ガッバーナ」“K”

■ユニバーサル
「グッチ」“ザ アルケミスト ガーデン(ジ・アイズ・オブ・ザ・タイガー)”

【メディアキャンペーン・オブ・ザ・イヤー】
■ウィメンズ
「グッチ」“ギルティ”

■メンズ
「パコ ラバンヌ」“1ミリオン”

【コンシューマー・チョイス・オブ・ザ・イヤ(一般投票部門)】
■ウィメンズ・プレステージ
「マーク ジェイコブス」“デイジー ラブ オー ソー スウィート”

■ウィメンズ・ポピュラー
「セント ビューティ」“シェール オー ドゥ クチュール ”

■メンズ
「ボス」“ボトルド インフィニット”

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「スウォッチ」が今度は機械式時計を植物由来の素材で製作

 スイスの時計ブランド「スウォッチ(SWATCH)」は、このほど植物由来の素材を用いた機械式自動巻き時計“システム51”を発売した。価格は1万7000円。同ブランドは9月に時計ブランドとして量産体制で初めて、従来プラスチックだったケースやベルトをトウゴマという多年草の種から抽出した2種類のバイオ素材に置き換えたクオーツ(電池式)時計(8000円)を発売していた。

 “システム51”は51個のパーツからなり、組み立ての全工程が自動化されている。機械式時計は、装着した人が腕を動かすたびに内部のローターが回転してゼンマイを巻き上げ、電池が不要。

 「スウォッチ」は、「オメガ(OMEGA)」や「ブレゲ(BREGUET)」など名だたる時計ブランドを抱える世界最大の時計企業スウォッチ グループ(SWATCH GROUP)傘下のブランド。グループ内で最もカジュアルだが、グループ名にもなる重要な存在であり、新たな素材や技術は「スウォッチ」に優先的に導入される。

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【居酒屋研究】「はなの舞」のチムニー、つぼ八・マルシェと連合ししたが、コロナで閉店ラッシュ。戦時に「ゆるい連合」は、通用しない

 居酒屋大手の一角、「はなの舞」「さかなや道場」などを展開するチムニーが苦しんでいる。2020年3月期は最終赤字を計上し、コロナをモロに食らった2021年3月期の第1四半期は、売上高が前期の8割減で、17億円の最終赤字に落ち込んだ。だが、つぼ八やマルシェと連合し、一時は居酒屋トップのモンテローザを追う野望を持っていた。
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【居酒屋研究】「はなの舞」のチムニー、つぼ八・マルシェと連合し、1000店越えを目指すもコロナで閉店ラッシュ。戦時に「ゆるい連合」は、通用しない

 居酒屋大手の一角、「はなの舞」「さかなや道場」などを展開するチムニーが苦しんでいる。2020年3月期は最終赤字を計上し、コロナをモロに食らった2021年3月期の第1四半期は、売上高が前期の8割減で、17億円の最終赤字に落ち込んだ。だが、つぼ八やマルシェと連合し、一時は居酒屋トップのモンテローザを追う野望を持っていた。
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香りの祭典「イセタン サロン ド パルファン」が初めて全国キャラバン

 三越伊勢丹が毎年伊勢丹新宿本店で開催しているフレグランスの祭典「イセタン サロン ド パルファン」が今年、初めて全国を巡回する。11月4日から伊勢丹新宿本店を皮切りに三越日本橋本店や丸井今井札幌本店、伊勢丹新潟店、岩田屋本店、ジェイアール京都伊勢丹など、全18カ所で行う。また、これまでは催事場で行ってきたが、今回は化粧品フロアで開催し、幅広い消費者にアプローチする。

 「イセタン サロン ド パルファン」は未熟な日本のフレグランス市場を盛り上げ、日本において“香りのある日常”を届けたい、という思いで2013年にスタート。毎年取り扱いブランドも増え、初年度と比べると昨年の売り上げは約4倍になるほど成長してきた。入月雅子・三越伊勢丹 化粧品グループ マーチャンダイジング部 計画担当 スタッフマネージャーは「一方でここ数年のインバウンド需要がもたらしたスキンケア市場の急伸によりフレグランス市場のシェアが伸びずにいた。そこでこれまでは香水への関心が高いお客さまに多く来場いただいていたが、今年はビューティ全般に興味があるお客さまにも訴求したく、戦略をシフト。新宿本店だけでなく、より多くの人が来場できるように全国で行い、さらに催事場ではなく化粧品フロア全体で開催する」と話す。

 今回のテーマは、“私を変える、香りとの出会い”。伊勢丹新宿本店では「ゲラン(GUERLAIN)」「メゾン フランシス クルジャン(MAISON FRANCIS KURKDJIAN)」「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」のポップアップを行う。また、「ゲラン」の過去の香りを復刻した“イニシアル(オーデパルファン、112mL、3万3600円)をはじめとする同店独占のアイテムのほか、「メゾン フランシス クルジャン」の女性におすすめの8つの香りをセットにした“フレグランス ワードローブ フォー ハー”(2万8700円)など、先行販売するものも多く扱う。1階のプロモーションスペース“ザ・ステージ”は発信の場とし、デバイスやタブレットを使ったコンサルテーション、限定品・先行販売品の展示、対面カウンセリングなどを行う。また、今のトレンドである「多面性」「多様性」を打ち出し、香りのレイヤリングでさまざまなシーンや好みに合わせて楽しめるような提案をする。さらに公式ECの「ミーコ」内に特設サイトを設け、ECとの連動を図る。
 
 なお、取り扱うブランドや製品、開催するイベントは各店舗によって異なる。

 

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「ユニクロ」と「無印良品」の明暗を分けたコロナ禍決算 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。大手専門店の2020年3〜8月期決算が出そろった。日本発のグローバルSPA(製造小売り)として存在感を強める「ユニクロ」のファーストリテイリングと、「無印良品」の良品計画の業績比較から分かったこととは?

 10月8日の良品計画(6カ月変則決算)に続いて15日にはファーストリテイリングも2020年8月決算を発表したが、コロナ禍の両社の業績は明暗を分けた。国内事業とアジア事業の早期回復にECの拡大も加わってダメージを最小限に抑えたファーストリテイリングと、欧米事業の悪化とコロナ前からの過剰在庫で深手を負った良品計画の格差が一段と広がった。

コロナ禍でも国内ユニクロとジーユーが健闘

 ファーストリテイリングの2020年8月期連結決算は、コロナ禍の下半期も売上収益が前期比(以下、同)21.8%減、営業利益も126億円の黒字に踏みとどまり、通期の売上収益は12.3%減の2兆88億4600万円と大台を堅持した。売上総利益率も48.6%と0.3ポイント減に抑え販管費を5.7%削減し、コロナ禍による店舗や商標権(「ヘルムート ラング」「Jブランド」)の減損230億7400万円を計上しても、通期の営業利益は1493億4700万円(42.0%減)を確保。当期利益は903億9800万円と前期から半減したが、純資産は9960億7900万円と125億4500万円増加し、有利子負債は757億2800万円も減少した。

 国内ユニクロ事業の売上収益は上期が暖冬で5.7%減、コロナ禍で店舗の休業が広がった3〜5月(第3四半期)こそ35.5%減と落ち込んだが、店舗営業が再開した6〜8月(第4四半期)は20.2%と大幅増収に転じ、通期で7.6%減の8068億8700万円と健闘。営業利益も1046億8600万円と2.2%増加した。

 国内ユニクロのECも下期は54.7%も伸び、通期でも29.3%増の1076億円と事業売り上げの13.3%に達したが、コロナ禍で大手アパレルのEC比率が3割、4割と跳ね上がる中では今ひとつ勢いを欠き、店在庫引き当てによるローカルC&C※1.の遅れが指摘される。ジーユー事業も売上収益が上期12.9%増・下期6.4%減、通期で3.1%増の2460億9100万円、営業利益も22.5%増の218億3500万円と健闘したが、足を引っ張ったのが海外ユニクロ事業とグローバルブランド事業だった。

※1.ローカルC&C(クリック&コレクト)…EC受注に顧客の近隣店舗の在庫を引き当て、店渡しやローカル直行宅配で最速かつ送料なしで届けるローカルOMO(店舗とECの融合)体制

足を引っ張った海外ユニクロとグローバルブランド

 海外ユニクロ事業は売上収益が17.7%減の8439億3700万円、営業利益が63.8%減の502億3400万円と、国内ユニクロ事業やジーユー事業に比べると落ち込みが大きかった。

 グレーターチャイナ地区はコロナ禍からの回復が早く売上収益が9.3%減の4560億円、営業利益が26.3%減の656億円と落ち込みが軽微だったが、その他アジア・オセアニア地区は売上収益が33.3%減の2045億円、営業利益は4割減と大きく落ち込んだ。コロナの勢いが衰えない北米・欧州の売上収益は1843億円と15.5%減少し、北米は大幅減収で赤字が大幅に拡大、欧州も減収で若干の赤字となった。反日にコロナ禍も加わった韓国は閉店が相次ぎ、落ち込みの激しい米国での店舗使用権の減損もかさみ、海外ユニクロ事業で158億円の減損損失を計上している。

 グローバルブランド事業は欧米のコロナ感染拡大でコントワー・デ・コトニエ事業、プリンセス タム・タム事業、Jブランド事業が赤字を継続、セオリー事業が赤字に転落、プラステ事業も減収・赤字になり、営業収益は26.9%減の1096億3300万円、営業利益は127億300万円の赤字に転落した。

 結果、連結売上収益に占める国内ユニクロのシェアは2.1ポイント上がって40.2%、ジーユー事業は1.9ポイント上がって12.3%、計52.5%と前期の48.5%から4.0ポイント上がって過半割れから逆転。グレーターチャイナ・ユニクロは0.8ポイント上がって22.7%、その他アジア・オセアニアは3.2ポイント下がって10.2%、北米・欧州は0.4ポイント下がって9.1%、グローバルブランドは1.0ポイント下がって5.5%となった。営業利益に占めるシェアも、前期は海外ユニクロ事業が50.8%と過半を占め、国内ユニクロ事業(37.5%)とジーユー事業(10.3%)の合計47.8%を凌駕していたが、今期は30.6%に落ち、単独でも63.8%に上昇した国内ユニクロ事業に逆転された。

 売上収益では海外ユニクロ事業が3期連続で国内ユニクロ事業を上回ったが、営業利益では19年8月期の一期天下に終わった。

在庫処分と欧米事業の損失で疲弊した良品計画

 良品計画の20年8月期連結決算(6カ月変則)は、営業収益が前年同期比(以下、同)17.1%減の1793億9200万円、売上高が17.2%減の1789億3300万円、営業利益が95.8%減の8億7200万円と大幅な減収・減益となった。

 コロナ禍で休業店舗が広がった3〜5月期は売り上げが30%も落ち込んで売上総利益率が46.6%と前期から3.5ポイント低下し、28億9900万円の営業赤字に転落。店舗営業が再開した6〜8月期は売り上げが3.3%減まで回復したが、値引き処分がかさんで売上総利益率は46.4%と前期比5.3ポイント低下し、営業赤字が37億7200万円に拡大した。

 MUJI USAなど海外事業に関わる減損損失91億3700万円、国内店舗の減損損失51億2800万円、固定資産除却損11億6900万円、リース解約損32億3600万円など計186億7700万円の特別損失を計上して当期純損失は186億1400万円に達し、純資産は前期末から255億円減少。在庫が積み上がって棚資産回転も悪化し、有利子負債は前期末の50億7300万円から768億500万円に急増した。

 国内事業の営業収益は前年同期比7.8%減の1224億2800万円と減少率は国内ユニクロの下期(10.0%減)より軽かったが、セグメント利益は70.1%減の39億7400万円と減少率は国内ユニクロの下期(4.8%減)をケタ違いに上回り、値引き処分による収益面のダメージが大きかった。国内直営店の売り上げも882億3400万円と13.7%減少したが、ウェブ(EC)売り上げが161億8900万円と37.9%増加して国内直営事業売り上げに占める比率も前期の7.0%から11.5%に上昇し、国内直営事業売り上げは1068億900万円と9.1%の減少に収まった。

 海外事業の営業収益は31.9%減の596億9100万円、セグメント利益は96.2%減の2億5700万円と大きく落ち込んだが、コロナ禍からの回復が早かった東アジア事業の落ち込みが軽かったのに対し、欧米事業と西南アジア・オセアニア事業のダメージは大きかった。

 東アジア事業は営業収益が27.5%減の453億9500万円、セグメント利益が31.0%減の59億9000万円と利益の落ち込みが小さかったのに対し、西南アジア・オセアニア事業は営業収益が41.2%減の49億8100万円、セグメント利益が3億9600万円の赤字と前期から赤字が9倍に肥大。欧米事業は営業収益が47.3%減の65億8500万円、セグメント利益が53億3700万円の赤字と前期から赤字が3倍近くにかさみ、売り上げ対比の赤字が81%にも達して事業の継続が難しくなった。

 MUJI USAについては20年3月31日段階で貸付金46億9400万円、その他債権11億1200万円の損失が予想されていたが、その他に撤退店舗の残存期間賃借料32億2000万円、リース解約損32億3600万円が今期決算に計上され、計122億6200万円の損失が生じた。連邦破産法11条申請によって翌連結会計年度以降に少なくとも26億1300万円の債務免除益が見込まれるとはいえ、100億円もの損失は海外展開リスクの大きさを露呈した。

格差が広がったファーストリテイリングと良品計画

 ファーストリテイリングはコロナ禍の20年8月期でも大きく売り上げを落とすことなく回復も欧米を除いて早く、在庫もほとんど積み上がらず値引きロスも抑制され、営業利益の落ち込みも4割強に収まった。対して良品計画はコロナ前からの不振在庫の積み上がりに売り上げ低下が加わって値引きロスがかさみ、営業利益が96%も落ち込んだ。

 ファーストリテイリングは20年8月期も在庫回転が2.50回と前期の2.68回から大きく減速せず、棚資産回転も20日弱の長期化に抑え、運転資金回転日数も7.5日しか伸びず、必要運転資金は4%軽減された。純資産対比運転資金比率も18年8月期の60.5%から19年8月期49.6%、20年8月期47.1%と改善が進み、コロナ禍でも借入金を11.4%、757億2800万円圧縮して、純資産対比負債比率も同様に75.5%から67.7%、59.2%と、どんどん改善されている。

 対して良品計画は在庫回転が前期(20年2月期)の2.28回から今期(20年8月期)は1.87回転と大きく減速し、棚資産回転も前期の174.0日から今期は202.4日と1カ月近く長期化して、運転資金回転日数も145.6日から186.6日へ41日も伸び、売り上げが前年同期から17.2%減少したのに必要運転資金は同20.6%も肥大した。純資産対比運転資金比率は前期の83.7%から今期は99.2%に悪化。有利子負債が717億3200万円も増えて前期の15倍に膨らみ、純資産対比負債比率は前期の2.4%から42.0%と劇的に悪化した。

 国内事業の効率指標を見ても、両者の格差は一段と広がった。国内ユニクロ直営店が平均982平方メートルの店舗を前期から1.87人減の29.11人で運営して前期から9.1%減の8億7875万円を売り上げ、1人当たり売り上げも3019万円と前期から3.2%減にとどめたのに対し、良品計画国内直営店は平均865平方メートルの店舗を前期から1.52人減の20.38人で運営して前期から14.5%減の4億8968万円(年換算。以下、同)を売り上げ、1人当たり売り上げは2402.4万円と前期から8.2%減少した。平均店舗面積はユニクロの88%なのに平均店舗売り上げはユニクロの55.7%と前期の59.3%から格差が開き、1人当たり売り上げもユニクロの79.6%と前期の89.3%から差が開いた。

 坪販売効率もユニクロが前期から11.3%減の298.7万円に踏みとどまったのに対し、良品計画は同20.0%減の186.2万円と62.3%の水準に甘んじ、前期の69.1%から格差が開いた。ユニクロの坪在庫が64.0万円と前期の64.5万円からほとんど変わらず、販売効率の11.3%低下で在庫回転が2.38回と前期から0.40回減速したのに対し、良品計画の坪在庫は57.1万円(国内本部在庫含む。以下、同)と前期の53.7万円から6.3%積み上がり、販売効率が20.0%低下して在庫回転は1.99回と前期の2.67回から0.68回転も減速した。

優劣を分ける4つの格差

 ユニクロと良品計画の格差はコロナ禍で一段と広がったが、それ以前からじりじりと開いていた。その要因は以下の4点だと思われるが、全ては仕組みの差に起因している。

(1)アイテムの絞り込みと調達ロットの格差

 良品計画(単体)のアイテム数は18年2月期で7600、19年2月期で7411、20年2月期で7829と膨大で、「ユニクロ」と比較すべき衣服・雑貨アイテムも同1671、1727、1854と絞り込みが進んでおらず、春夏期と秋冬期でアイテム数が3.33倍(19年2月期)〜6.63倍(20年2月期)と振れが大きく、MDが確立できていない。MDが流動すれば販売消化データの積み上げもできず、消化予測精度も低位にとどまらざるを得ない。

 衣服・雑貨アイテムの売り上げシェアは36.2%(18年2月期)、37.2%(19年2月期)、40.6%(20年2月期)と増加傾向にあり、直近通年の40.6%を基準とすれば年2シーズンとして平均106.4坪に927アイテムで、坪あたり8.7アイテムになる。細かい雑貨アイテムが多いので、衣料品は、坪あたり春夏は2アイテム、秋冬は4アイテムぐらいと推察する。「ユニクロ」のアイテム数は公表されていないが、坪あたり2アイテムの「ジーユー」の倍はフェイシング量があるから、雑貨を含めても坪あたり1アイテムで、全店展開アイテムはシーズン300品目程度と見る。

 良品計画(単体)の衣料・雑貨売り上げは直近通期の20年2月期で1334億6900万円と19年8月期の国内ユニクロの8729億5700万円の15.3%に過ぎず、アイテム数も倍以上違うから、「無印良品」の調達ロットは国内ユニクロの10分の1以下と推察される。ならば同品質品の調達コストは一回り高くなってしまうから、同じ価格なら素材を1ランク落とし、同じ素材ランクなら価格を1ライン高くせざるを得ない。そこに「わけあって、安い」という「無印良品」のアイロニーがあり、価格を下げるために素材や生産仕様・工程を切り詰めて商品力を落とす隘路にハマりがちだ。

(注)海外展開はフィットや仕様が異なるため必ずしも同一ロットで生産できないから、国内事業で比較した。

(2)アイテム単位の消化管理体制の格差

 ユニクロはロードサイド時代からアイテム単位の週サイクル消化進行管理体制を確立しており、計画進行が未達のアイテムは台帳陳列※2.から切り出して出前訴求※3.したり、チラシ掲載してキックオフ(期間限定値引き)を仕掛けたりして、計画通りの消化進行を図るが、良品計画は数値管理しても台帳陳列のままで出前訴求を欠き、チラシ掲載でキックオフを仕掛けるという商売の仕組みもない。MDが流動的で年々積み上げた精密なシナリオも欠き、消化進行管理はアルゴリズム以前の状態にあると思われる。

※2.台帳陳列…アイテム/SKUの配置を固定した「台帳フェイス」を組んで一定期間補充する陳列で、MDを面展開して販売期間も長い
※3.出前訴求…台帳陳列から特定のアイテムやカラーを切り出したり、他の陳列ユニットから切り出したアイテムとルックを組んでインパクトある出前ユニットを店内通路面に島構築し、販売訴求するVMD運用手法

(3)単品量販出前VMD運用スキルの格差

 ユニクロは定番アイテムの継続補給が基本でアイテムごとに台帳フェイスを設定しているが、販売消化状況に即して単品量販や定型ルックの出前ユニットを構築したり解体再編したり、期末は残在庫を大型店に集約して量販と売り切り消化を図るなど、在庫運用のスキルに長けている。台帳ユニットに比べて島に構築した出前ユニットは販売効率が倍以上高く、多数の出前ユニットを仕掛けられる大型店ほど販売効率が高くなる。

 良品計画は、小型店はコンビニ型の台帳ユニットばかり、大型店も台帳ユニットを大型化するばかりで、単品量販や定型ルックの出前を機動的に仕掛ける運用体制もスキルも欠いている。ゆえに店舗を大型化しても販売効率が上がらず、ユニクロとの効率格差が開いていく。

(4)生産地在庫の管理・運用体制の格差

 ユニクロは店頭の量販陳列に加えて後方ストックにパッキンを山と積み上げ、さらに国内数カ所の倉庫にパッキンで大量の在庫を積んで万全の補給体制を組んでいる。近年の決算公表値から、店舗に40%、倉庫に60%の比率だと分かっているが、アジアの生産地にも出荷待ちの製品在庫を大量に積んでいる。

 良品計画(単体)は在庫の配置比率を公表しているが、国内在庫の店舗配置比率は18年2月期の40.7%から年々低下し、20年2月期は33.0%、20年8月期は27.4%まで落ちた。良品計画もユニクロ同様な定番アイテムの継続補給型だから店舗在庫比率は40%前後が適正のはずで、それを大きく割り込んでいくのは過年の不振在庫が倉庫に積み上がっていると推察される。

 ユニクロも良品計画も調達コストを抑えるべく実売期のかなり前からアジアの工場で大ロット生産するから、アイテムによっては1年近く前から、多くは半年前後前から生産して製品在庫を現地倉庫に積み上げていく。シーズンの1カ月前ぐらいになってコンテナで国内倉庫に移送するが、その間の在庫管理と出荷・物流を誰が負担するかでサプライチェーンの効率は天と地ほども違う。

 生産地在庫はシーズン前では全在庫の6割にも達するが、実需期に入れば国内倉庫に移送されて減っていく。通年平均で見れば、生産地倉庫33、国内倉庫40、店舗27ぐらいではなかろうか。ユニクロの場合は生産地在庫をそれぞれのアイテムや地域に通じた商社が担っているが、良品計画の場合は100%出資のソーシング子会社が担っており、連結すれば在庫が1.4倍(20年2月期)ほどに膨れ上がる。その在庫と資金の負担が良品計画の経営効率に深い影を落としている。

ユニクロと無印の格差は仕組みが9割

 ユニクロは素材では東レ、ホールガーメントニットでは島精機、生産地在庫管理・物流では三菱商事など複数の商社と戦略同盟を結んで外部の知恵や技術、設備や資本力を有効に活用し、自社の負担を軽減して商品開発と店舗運営・販売に戦力を集中しているが、良品計画は自社グループ内で完結しており、その一方でアイテムによっては商品開発を外部に依存するなど、サプライチェーン戦略が徹底されていない。加えて、前述した4つの実務的格差が経営効率を圧迫している。

 かつて良品計画の社長・会長を務めた松井忠三氏は「無印良品は、仕組みが9割」と良品計画立て直しの体験を著作に表したが、その当時から無印良品を取り巻く経営環境は大きく変わった。今やもう一度、ゼロから仕組みを組み直すときが来たのではなかろうか。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。近著は店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)

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