「サルヴァトーレ フェラガモ」と「フォーナインズ」がメンズフレームを初コラボ 2021年1月に発売

 イタリアのファッションブランド「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」(以下、フェラガモ)は、アメリカ・ニューヨークのアイウエアメーカーのマーション アイウェア(MARCHON EYEWEAR)と日本のアイウエアブランド「フォーナインズ(999.9)」とのコラボレーションを発表した。

 メンズのフレームを2021年1月に、「フォーナインズ」ブティックと国内の一部の「フェラガモ」のアイウエアの取り扱い店舗で発売する。「フェラガモ」のアイウエアのコラボレーションは初めて。マーション アイウェアは、「フェラガモ」とアイウエアのライセンス契約を締結している。

 同コレクションは9種類あり、「フォーナインズ」が日本で生産する。デザインは、「フェラガモ」のアイコンである“ガンチーニ(GANCINI)”から着想を得た独自のヒンジ構造などが特徴だ。価格は4万5000~5万5000円。

 ミカエラ・ル・ディヴェレック・レミ(Micaela Le Divelec Lemmi)サルヴァトーレ フェラガモ S.p.A最高経営責任者(CEO)は、「『フォーナインズ』は海外でも知られたブランドであり、その名は品質、革新性、卓越性の代名詞でもある。それは『フェラガモ』が常にビジネスの基盤としている3つの原則でもある」とコメントした。

 飯村祐一フォーナインズ社長は「『フォーナインズ』は機能的で高品質なモノ作りにより最高純度の品質を追求している。これらが相乗効果を生み、機能、品質、デザイン全てがより高い次元へと昇華され、グローバルなフィールドで眼鏡の新たなる可能性を示すと確信している。今回のコラボレーションは、『フォーナインズ』にとって新たなステージへと上るまたとない機会であり、より高みへと至る足掛かりになる」と期待感を示した。「フォーナインズ」は1995年の創業で、東京・銀座や渋谷、シンガポールなどに直営店を構える。

 同商品は今後、海外でも販売される予定だ。

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異業種含めコラボ連発で勢いを増す「ベイプ」 “意外性こそがアイデンティティー”

 90年代の裏原カルチャーを牽引してきたブランドの1つ「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R)以下、ベイプ)」にとってコラボレーションはブランドカルチャーに根付くものだが、昨今はストリートの枠を超え飲食や自動車業界など多岐にわたり、そのスピード感にも驚かされる。改めて今、業界の内外で存在感を増している同ブランドの狙いを山野辺一徳クリエイティブ・ディレクターに聞いた。

WWD:最近とくにコラボアイテム発売のニュースが続いているが、その背景は?

山野辺ディレクター:転換期は2018年にブランド設立25周年を記念して行った「BAPE XXV」プロジェクトだった。表参道ヒルズで開催したアニバーサリーイベントでは国内外の40以上のブランドやアーティストとのコラボが実現した。その中で「スワロフスキー(SWAROVSKI)」や「フォーミュラ1(F1)」などの異業種とコラボしたことで、われわれだけでは実現できないアイデアが形になり、コラボの新たな可能性を感じた。

WWD:ストリートブランドのイメージが崩れる心配はなかったのか?

山野辺ディレクター:ストリートブランドとして始まったが、もうその枠には括られたくない。28年間変わらず大事にしているのは多様性や意外性をそなえた発信力のあるブランドであり続けることだ。

WWD:コラボ先にとって「ベイプ」の魅力は何?

山野辺ディレクター:圧倒的な認知度は武器だ。「ベイプ」の名前は知らなくても、サルのアイコンやカモフラージュは多くの人が認知している。知り合いの子どもが「ベイプ」ばかり着ていたことで興味を持ち、声をかけてくれたというコラボ相手もある。28年経った今、いろんな人のライフスタイルに「ベイプ」が入り込んでいるのを実感している。

WWD:「NARUTO-ナルト- 疾風伝」や「ドラゴンボール」など、日本のアニメとコラボする狙いは?

山野辺ディレクター:アニメを題材にしたコラボはとくに海外で人気で、供給が追い付かないくらいだ。ヒップホップアーティストの中にも「ドラゴンボール」ファンがいるなど、音楽文化とのつながりも深い。“ベティ・ブープ(BETTY BOOP)”や “ガーフィールド(GARFIELD)”、サンリオキャラクターなどは日本では意外に思われるかもしれないが、グローバルでは根強い人気。広くアンテナを張る「ベイプ」のフィルターを通すからこそ実現できたコラボだ。

WWD:客層はどのように変化してきた?

山野辺ディレクター:最近はとくに海外出店に注力し、アジア、欧米など海外ファンが増えた。国内では1990年代の原宿カルチャー世代から、今の若い子たちまで広くリーチできている。過去のアーカイブをアップデートして発表するアプローチが功を奏し、昔からの「ベイプ」ファンには懐かしく、若い層には新鮮に受け止めてもらっているようだ。

WWD:今後はどんなコラボを企画している?

山野辺ディレクター:これまで以上にコラボする業種の幅を広げたい。とくにインテリアなどのライフスタイルを強めたい。また現在ロンドンやニューヨークに新店舗を準備中だ。オープン記念のコラボアイテムに加えて、今後は出店先の文化を反映したコラボなども企画する。

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「ジル サンダー」のデザイナー夫婦が語るデジタルとリアルそれぞれの良さ

 「ジル サンダー(JIL SANDER)」は9月中旬に開かれた2021年春夏ミラノ・ファッション・ウイークには参加せず、10月8日に映像を通してウィメンズ・コレクションを発表した。映像は、暗闇にスポットライトで作られたランウエイを歩くモデルの姿をさまざまなアングルから捉えたもの。スローモーションやディテールのアップも取り入れ、同ブランドに欠かせない素材の質感やシルエットの美しさの表現を試みた。ルーシー・メイヤー(Luci Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)=クリエイティブ・ディレクターは、なぜこの手法を選んだのか?ミラノにいる2人に今シーズンのクリエイションの背景やこれからのファッション業界に対する考えを聞いた。 

WWDジャパン(以下、WWD):リアルなショーではなく、モデルが歩く姿を多角的に捉えた映像という方法を選んだ理由は?

ルーシー・メイヤー(以下、ルーシー):今はゲストを招いたリアルなショーを開くのにふさわしいときではないと考えていたので、服の動きやショーの雰囲気を体験できるような映像を作ることにしました。暗闇の中に光が差す演出やチェリストのケルシー・ルー(Kelsey Lu)による音楽を交えて、親密なムードを生み出したかったんです。

ルーク・メイヤー(以下、ルーク):ショーで最も重要なのは、各アイテムの持つエモーションを感じてもらうこと。ただ、今はたとえリアルなショーを開いたとしても皆が会場に来られるわけではありません。コレクションを直に見てもらえなくてもエモーションを伝えられるような映像を作るプロセスは興味深く、楽しいものでした。

WWD:ルック写真も一般的なランウエイ写真とは異なり、動きや雰囲気を重視したものでした。これもエモーションを伝えるということを意図したものですか?

ルーク:実際のショーではないのにランウエイ写真のように撮るのは違うと感じたので、映像の世界観とマッチするものが良いと思いました。

ルーシー:そうですね。映像と写真が呼応するものになっています。

WWD:新型コロナウイルスのパンデミック収束後にはショーを再開させたい?

ルーク:私たちはショーが大好きですし、その制作過程をとても楽しんでいます。これからのショー開催には大きな責任が伴いますが、ふさわしいときが来たら、また開きたいと考えています。それと同時に、実際にショーに来られない人も体験できるような映像などのメディアにも取り組んでいくことも大切だと考えています。もちろん全ての人を会場に招待したいけれど、物理的にそれはできないですから。

WWD:より多くの人に届けられるというのはデジタルの優位性の一つです。それ以外にデジタルとリアルそれぞれの良さをどのように考えていますか?

ルーク:デジタルは、自分の好きなタイミングで発表できるという点や、世界中の人々に渡航を強いる必要がないという点でも興味深いですね。そしてより多くのことをコントロールできるので、完璧に作り上げることができます。その一方で、リアルなショーのような “魔法がかった瞬間”は生まれません。ショーではスタイリングやキャスティングから照明、音楽まで全てがうまくいくように最善を尽くしますが、いつだって予想外の変更が生じます。それが現実世界での体験に“魔法”をかけるのです。これはデジタルではどうしても再現できないことであり、リアルショーならではの魅力。なので、将来的には両方を合わせることがベストだと考えています。

WWD:常に素材への強いこだわりを感じますが、21年春夏コレクションでこだわった点は?

ルーシー:今シーズンはデイウエアを意識して、いつもよりも柔らかく軽やかな素材を使いました。そしてデザイン自体も構築的ではなく、より体に寄り添いつつも締め付けないもの。例えば、オーガンジーのテーラーリングのようなアイテムです。そして、レイヤードによって異なる色の強さを表現しています。バッグもいつもは立体的なものが多いですが、今シーズンはソフトで体やシルエットの一部になるような触り心地の良いものを提案しています。

WWD:今は皆、ファッションにも“優しさ”や“心地よさ”を求めています。今季の提案はそういったことを考慮したからでしょうか?

ルーク:私たちは無意識のうちに自分たちのいる環境からの影響を受けているので、そういった部分もあるかもしれません。このような深刻な状況下で、より柔らかく軽やかで心地よいものに囲まれたいというのは自然ですよね。それがパンデミックから直接的な影響だったかは分からないけれど、潜在的な反応とは言えるでしょう。今の時代にふさわしいものが何かを感じ取るのも、私たちの仕事ですから。

WWD:ロックダウンは、クリエイションにどのような影響をもたらしましたか?

ルーク:全ての必要なものにアクセスできる恵まれた環境だったのでロックダウン自体は問題ありませんでしたが、自分たちの仕事やどのように地球に貢献できるかなどを考え、ファッション業界が大きく変わらないといけないという思いは強まりました。私たちのアイデアは、長く着られるようにクオリティーを極め、シーズンごとに新しいものを買わなくていいように使い捨てられないアイテムを作るということ。これは就任当初から取り組んでいることですが、その方向性が間違っていないということを確信しました。

WWD:長く着られるものを提案するというのは、持続可能なファッションの一つの形だと思います。他にブランドとして、取り組んでいることは?

ルーク:私たちが用いている全ての素材は、サステナビリティの基準を達成したサプライヤーから仕入れていて、選択肢があるときはよりサステナブルなものを選ぶようにしています。原料の栽培や素材の再利用から染色まで基準にはさまざまな項目があり、100%を達成するのは難しいですが、できる限り高めていくために挑戦を続けているところです。これは、もはや選択肢ではなく、皆が取り組むべきこと。私たちのアプローチが業界の変化に貢献できればうれしいですね。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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伊藤忠が「インコテックス」など伊スローウエア4ブランドの独占販売権取得

 伊藤忠商事はこのほど、メンズのパンツブランド「インコテックス(INCOTEX)」などを手がけるイタリアのアパレル企業スローウエア(SLOWEAR)の独占輸入販売権を取得した。これまで直営店を運営してきたスローウエアジャパンに加え、子会社の輸入商社コロネットを通じ、インポートアイテムの販売を強化する。

 スローウエアはイタリア・ヴェネツィアを本拠としており、「インコテックス」のほか、アウターウェアブランドの「モンテドーロ(MONTEDORO)」、ニットの「ザノーネ(ZANONE)」。シャツの「グランシャツ(GLANSHIRT)」などを展開しており、卸を軸に、現在はミラノやロンドン、パリ、東京などに世界の主要都市に小売店舗を32店舗出店している。日本では東京・丸の内、大丸神戸店、博多の岩田屋本店の3店舗。

 2021-22年秋冬からは、コロネットを通じ、百貨店や専門店、セレクトショップへの卸を強化。それぞれのブランドに加え、スローウエアブランドの世界観を打ち出す。3年後に小売ベースで30億円の売上高を目指す。

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セカオワFukaseに聞く、Tシャツに作品プリントのアマゾン新サービスに参画した理由

 アマゾン(AMAZON)の日本法人であるアマゾンジャパンは10月21日、アメリカやイギリス、ドイツで先行スタートしたオンデマンドのプリントサービス「マーチ バイ アマゾン(以下、マーチ)」を日本でも開始した。「マーチ」は、ブランドや作品のクリエイターがオリジナルの作品をアップロードし、Amazonがプリントして消費者に届けるオンデマンド・サービス。クリエイターにとっては先行費用や投資、在庫管理が不要ながら、サービスを先行展開している欧米にも作品提供が可能だ。アマゾンは、半袖・長袖のTシャツとトレーナー、パーカなどに作品をプリント。注文に応じてクリエイターにロイヤリティーを支払う。日本では、SEKAI NO OWARIで音楽活動を行うほか、架空の5人組バンドを通して世の中を風刺的に描くアニメーション「バッド ムード(BAD MOOD)」のデザイナーでありクリエイターを務めるFukasaら6人が作品提供を開始した(当面、アーティストの登録は招待制)。アマゾンジャパンはFukasaを起用した理由について、「鋭い感性と才能で幅広い活動をしている。特にファッションは独自のスタイルが評価されており、新しいトレンドを作る存在」とコメント。Fukasaによる「バッド ムード」は同月、アマゾンプライムでのアニメ放映も始まった。Fukasaに「マーチ」や「バッド ムード」について話を聞いた。

WWD:今回「マーチ」のサービスを利用して、「バッド ムード」のアパレル展開をスタートした理由は?

Fukasa:「バッド ムード」のアニメ放映がアマゾンプライムで始まることが大きかった。「バッド ムード」は僕の落書きからスタートした、アニメ主軸のプロジェクト。ファッションに広げるときも、キャラをプリントするだけの“二番煎じ”にはしたくなかった。自分でストーリーも考えるアニメを起点に、いろんなキャラクターをファッションで表現したい。その上で「アット トウキョウ(AT TOKYO)」などのプログラムで尖ったブランドと協業してきたアマゾンが魅力的だった。

WWD:そもそも「バッド ムード」にこれだけ注力する理由は?

Fukusa:各回18分間のストーリーの大枠を考えるのは、正直に言えば簡単じゃない(笑)。ただ、自分のメッセージや言葉は独特。外部の脚本家に委ねると、個性が失われてしまう。自分が生み出したものだから、逃れられないし、頑張ればいいって思っている。毎回のストーリーは、結構切り込んでいる。「バッド ムード」で社会の一部を切り取っている感覚だ。さまざまな社会問題は勉強しているが、意志・意見があるストーリーだから、批判はある程度覚悟している。

WWD:「マーチ」のサービスで、どんな洋服を世界に届けたい?SEKAI NO OWARIのツアーグッズとは何が違う?

Fukasa:バンドのグッズのようなものは、望んでいない。バンドや僕は知らなくても、アマゾンプライムで放映が始まった「バッド ムード」のキャラクターが可愛いと思って、洋服を買ってくれたら嬉しい。その逆もあると思う。目指すのは、「グッズ」ではなく「ファッション」。だから改めてキャラデザインは描きなおし、ロゴの配置なども再検討した、ファッションから離れすぎず、「バッド ムード」で伝えたいストーリーを補うような存在になれば。

WWD:普段のファッションは?衣装に着替える時などには洋服の「力」を感じる?

Fukasa:私服は、割とこんな風にカジュアル。一方のステージ衣装は、ピチッとしたものが多い。ステージ衣装に着替えると、集中力が高まるのがわかる。

WWD:今後、「バッド ムード」で挑戦したいことは?

Fukasa:本当はオフラインのイベントを開きたかった。引き続き、エンタメ性の高いイベントを考えたい。「コンプレックスコン(ComplexCon)」に行った時、エンタメ性の高い複合イベントのあり方に感動した。音楽はもちろん講義形式のエデュケーションも含め、俗っぽくないのに入りやすい。「バッド ムード」で、そんなイベントを開いてみたい。

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ギャップ社、23年までの経営戦略を発表 北米350店を閉店

 

 「ギャップ(GAP)」「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」「オールドネイビー(OLD NAVY)」「アスレタ(ATHLETA)」などを擁するギャップ社は22日、2023年までの経営戦略である「パワープラン2023(POWER PLAN 2023)」を投資家向け説明会で発表した。商品のラインアップ改善や顧客ロイヤリティーの向上、ブランドの認知度アップ、EC、オムニチャネル機能、店舗に焦点を当てる。

 ソニア・シンガル(Sonia Syngal)最高経営責任者(CEO)がオンラインで登壇し、「私たちは北米で最も大きなリテーラーだ。厳しい経済状況の中でも子どもたちは成長し続けている。私たちは不況に負けない品ぞろえがあり、アメリカのワードローブのカジュアル化を先導してきた」と冒頭で述べた。1億7000万人の顧客を抱える同社の20年1月期の売上高は前期比1.1%減の163億ドル(約1兆6950億円)だった。カトリーナ・オコンネル(Katrina O’Connell)最高財務責任者(CFO)は最終目標を「年間3〜5%の売上成長を促進し、10%以上の営業利益率を目指す。また、売上高の約10%の営業キャッシュフローを創出し、設備投資と株主への還元を通じてキャッシュを効率的に展開していく」と語った。

 「ギャップ」は北米の店舗数を今後3年間で35%削減し、店舗の80%をショッピングモール外にする。またヨーロッパの事業方針を再考してグローバルEC拡大を目指し、事業の撤退や部分的なフランチャイズモデルへの移行の可能性を探る。オコンネルCFOは、「『ギャップ』のECと、イギリス、フランス、アイルランド、イタリアにおける120の店舗を21年7月までに外部との提携に移行することを検討している」と語った。

 「バナナ・リパブリック」も店舗数を削減する方針で、同ブランドと「ギャップ」の北米店舗合わせて350店を閉店する計画になる。オコンネルCFOは、「23年までに『ギャップ』と『バナナ・リパブリック』の収益の約80%は、モール外の店舗とオンラインが占めるようにする」と言う。撤退に際して約2億1000万ドル(約200億円)の費用を計上予定だが、年間最大4500万ドル(約46億円)の賃料削減を見込む。

 一方「オールドネイビー」は、アクティブウエアやデニム、パジャマなどのカテゴリーに専念することでECを倍増させながら、今後3年間で売上高を80億ドル(約8320億円)から100億ドル(約1兆400億円)に増やす計画だ。また、20万人以下の地域を中心に年間30〜40店の出店を計画する。すでに同エリアを占めている大型小売店に変わるものを提供する狙いだ。同ブランドのナンシー・グリーン(Nancy Green)=プレジデント兼CEOは、「店舗は大切だ。私たちの戦略において重要な基盤であり続けており、店舗なしにオムニチャネルの顧客を獲得することはできない」と述べた。

 ギャップ社で最も急成長をしているブランド「アスレタ」は、約100の出店と卸売業者とのパートナー戦略で、ブランドの認知度を高める狙いだ。目標は23年までに売上高を10億ドル(約1040億円)から20億ドル(約2080億円)に増やすことだ。

 22日の説明会中にギャップの株価は上昇し、終値は前日比13.64%増の21.15ドル(約2100円)となった。またカニエ・ウェスト(Kanye West)の「イージー(YEEZY)」との数年に及ぶパートナーシップにも期待が集まっている。

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「エミリーウィーク」からオーガニックコットン吸水ショーツ登場

 ベイクルーズグループが展開する女性のバイオリズムに寄り添うライフスタイルブランド「エミリーウィーク(EMILY WEEK)」はこのほど、吸水機能と防水機能を備えた吸水ショーツを公式オンラインストアと全国の店舗で発売した。

 肌触りの良さにこだわり、全体に柔らかいオーガニックコットン生地を使用した。マチ部分には、吸水と防水の両方の機能を兼ね備えた1枚の生地を内蔵した3層構造で、厚みを抑えたシルエットを実現。吸水量はナプキン1枚分程度で、経血量の少ない時やおりものの多い時など、肌が敏感になり不快感を感じやすい時期を快適に過ごすアイテムとして提案する。使用後はつけ置き洗いで汚れを落とし、洗濯ネットに入れて洗濯することで繰り返し使用が可能だ。

 カラーはブラックとオールドブラウンをそろえ、同色同素材の定番ブラとナイトブラの上下セットでのとコーディネートもできる。価格は4900円。

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LVMHのティファニー買収、欧州委員会がゴーサイン

 欧州委員会は10月26日、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)によるティファニー(TIFFANY & CO.)の買収を承認した。ティファニーが証券取引委員会に提出した資料で明らかとなった。

 その一方で、両社は法廷闘争の真っただ中だ。2019年11月にLVMHはティファニーを1株あたり135ドル(約1万4000円)、162億ドル(約1兆6800億円)超相当で買収すると発表したが、20年6月に新型コロナウイルスや米国内の情勢悪化を理由に買収を再考していると報道された。その後、9月に入ってLVMHが仏の欧州・外務大臣からティファニーの買収を21年1月6日まで延期するよう要請されたことを理由に、当初の買収完了期限だった20年11月24日までに完了できないとして買収断念を発表した。

 これを受けてティファニーは即時にLVMHに契約の履行を求めて米デラウェア州衡平法裁判所に提訴した。さらにLVMHもティファニーが合意条件を満たしていないことなどを理由にティファニーを相手取り反訴し、両社の対立はより深刻になっている。

 ティファニーがLVMHに対して提起した本訴について、裁判所はトライアル(証拠開示で入手した情報を基に争点について事実を明らかにする審理手続きのこと)を21年1月5日から4日間にわたって実施すると決定した。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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ボビイ・ブラウンが新メイクアップブランドで再出発 D2Cのクリーンビューティ

 メイクアップアーティストのボビイ・ブラウン(Bobbi Brown)は10月26日、新メイクアップブランド「ジョーンズ ロード(JONES ROAD)」を発売した。自身の名を冠したメイクアップブランド「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」を1995年にエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)に売却後、2016年にブランドを離れている彼女は以降、栄養士の資格を取得してウエルネスブランド「エボリューション_18(EVOLUTION_18)」を立ち上げたり、自身のサイト「justbobbi.com」をスタートしたり、さらには夫とニュージャージー州にあるホテル「ザ ジョージ ホテル(The George Hotel)」をデザインしたりするなど、さまざまな分野で活動してきた。4年ぶりとなるメイクアップブランドのローンチは、業界筋によるとエスティ ローダーとの競業避止義務契約が10月26日付で終了したために、このタイミングで行われたのだという。

 「ジョーンズ ロード」はあらゆる年齢や肌タイプ、肌色に対応し、クリーンなフォーミュラを特徴とする。また、スキンケア成分も多く配合し、つけ心地にもこだわった。全て公式ECサイトのみで販売するD2Cブランドだ。1991年に立ち上げた「ボビイ ブラウン」のフィロソフィーでもある、ナチュラルで素肌を生かしたメイクの考えはそのままだ。ただ新ブランドでは、さらに使う製品数を絞ったという。まずは色付きのマルチバーム“ミラクルバーム”(38ドル、約3900円)やマスカラ(26ドル、約2700円)、ふっくら仕上がるリップグロス(26ドル、約2700円)、リップグロスとペンシルアイライナーのセット(68ドル、約7000円)、アイシャドウの6SKUをそろえる。来年1月には、スティックファンデーションも発売予定だ。

 ボビイはエスティ ローダー カンパニーズを退社後、より自分らしさを取り戻せたという。「これまではスタイリストやPR担当、ドライバーが専属でいた。独立してからは自分の足でスタジオにジーンズとスニーカー姿で行き、メイクアップもセルフでやるようになった。シンプルでナチュラルな自分でいること、自然体でいることが最も自分らしいと感じた」と話す。そのような考えは、最近の若い女性のメイクアップのあり方にも通ずるものがあるという。「最近の子たちはコンプレックスを隠すのではなく、コンプレックスを個性として生かすようなメイクをしている」と話し、「ジョーンズ ロード」はまるでメイクアップをしていないかのような自然体でナチュラルなメイクをかなえると説明する。

 ブランド名は、ナビゲーションアプリ「ウェイズ(WAZE)」で見つけた通りの名前だそう。「昔ながらの、みんなから信頼され由緒あるブランドの名前のように聞こえたの。それが気に入って、ブランド名に選んだ」と話す。また、「ボビイ ブラウン」のように10億ドル(約1040億円)規模のブランドに育てる計画はないという。売り上げ目標は明かさなかったものの、業界筋は初年度の売り上げは2000万ドル(約20億円)に上ると予測する。

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新ライフタイルブランド「ネストウエル」がスタート 全てのアイテムにリサイクルポリエステル使用

 衣料品販売などを手掛けるカリテスはこのほど、ルームウエアを軸としたライフスタイルブランド「ネストウェル(NESTWELL)」をスタートした。ブランド名は、“nest(居心地のいい巣)”と“well(より良く)”を掛け合わせた造語で、着る人の人生が豊かになるライフスタイルアイテムを提案していく。

 ウィメンズコレクションは、柔らかな肌だわりのクルーネックショートスリーブドレス(1万2100円)やフーディー(1万2100円)、セミワイドパンツ(9900円)などをそろえる。メンズアイテムは同素材のコンフォートカーディガン(1万3200円)、リラックスパンツ(9900円)などをそろえる。

 “豊かな人生とは地球と共存すること”というメッセージを込め、環境負荷の少ない素材選びにこだわった。全ての製品にリサイクルペットボトルから作られた糸を使用しているほか、商品タグには再生紙を利用した。自然界の色から着想を得たナチュラルなカラーリングも特徴。さらに、一つのアイテムを長く大切に着てほしいという思いを込めて、ソックス以外の商品には旅行時のパッキングや洗濯時に使用できるネット型ケースを付けた。

 ECを軸に販売し、今後はセレクトショップなどでも取り扱う予定だ。

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渋谷のバーチャルハロウィン アクセス集中できゃりーぱみゅぱみゅライブを28日20時に延期

 渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」は、リアルなハロウィンイベントに代わる存在として企画していた「バーチャル渋谷 au5G ハロウィーンフェス」のスケジュール変更を発表した。当初は10月26日20時にオープニングイベントとしてきゃりーぱみゅぱみゅのライブを予定していたが、アクセス集中により視聴できない状況が続いた。これを受けて延期を決定、改めて28日20時にオープニングイベントとしてきゃりーぱみゅぱみゅのライブを行う。

 ハロウィン仕様になった「バーチャル渋谷」の常設コンテンツへは、通常通りアクセスが可能。「ハロウィーンフェス」の一環として29日21時に予定されていたBiSHのライブ、30日18時30分に予定されていた和牛のライブ、31日20時に予定されていたNULBARICHのライブなど、オープニングイベント以外のコンテンツは全て延期せず行う。今後変更などが生じた際は、公式ホームページと公式SNSで情報更新する。

 同イベントは、KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会を中心としたバーチャルハロウィーン実行委員会が主催している。毎年、ハロウィン時期の渋谷は仮装をしてイベントを楽しむ人でごった返すが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大への懸念から渋谷区が来外自粛を呼びかけ、その代替としてバーチャルイベントが予定されていた。

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「ゾフ」と熊谷隆志がコラボレーションで追求する新しいアイウエアデザインとは?

 インターメスティックが手掛ける「ゾフ(Zoff)」と、スタイリストやフォトグラファーとして活動する熊谷隆志との協業によるプロジェクトが続いている。昨年、コラボレーションモデル「ゾフ×タカシ クマガイ(Zoff×Takashi Kumagai)」の発表に続いて、今年は熊谷がディレクターを務めるストリートウエアブランド「ウィンダンシ ー(WIND AND SEA)」とのサングラスを発売し、「ゾフ×タカシ クマガイ」の第二弾も販売中だ。「ゾフ」が熊谷とのコラボレーションで追求するアイウエアデザインとは?熊谷とインターメスティックの高島郷クリエイティブデザイン室プロデューサーに話を聞いた。

熊谷隆志はサングラス
300本以上を所有するコレクター

WWD:「ゾフ×タカシ クマガイ」スタートの経緯は?

高島郷インターメスティック クリエイティブデザイン室プロデューサー(以下、高島):「ゾフ」はTシャツのように気軽に着替えるアイウエアを低価格で提供することを目指して、2001年に東京・下北沢に1号をオープンしました。それ以来、アイウエアをファッションアイテムとして定着させて幅広い客層を獲得してきましたが、20~30代の男性の売り上げ構成比率が十分ではないことが分かりました。そこで、若者に絶大な支持がある熊谷氏にコラボレーションをお願いして、ファッション性が高い商品強化を図ることにしました。

WWD:アイウエアデザインを引き受けた理由は?

熊谷隆志(以下、熊谷):私の先輩を介して、「ゾフ」をご紹介いただきました。これまでアイウエアをデザインした経験はありますが、これほどの規模は初めてです。私はサーフィンに加えて最近ゴルフを始めたこともあって日常的にサングラスを愛用しており、300本以上を所有しているコレクターでもあります。スタイリストの仕事を始めたときからアイウエアにも興味を持っていたので、ぜひデザインしてみたいと思いました。

WWD:「ゾフ」にどんな印象を持っている?

熊谷:私が最初に「ゾフ」を掛けたのは、2年前に発表されたアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)がインスピレーション源の“アイム アンディ・ウォーホル(I’M ANDY WARHOL)”でした。そのとき感じたのは、この安い価格で、こんなに高いクオリティーのアイウエアができるのかという驚きでした。この価格なら、若者にも手が届く。そこが「ゾフ」の一番の魅力だと思います。

デザインのベースは
アメリカンクラシック

WWD:「ゾフ×タカシ クマガイ」のコンセプトは?

熊谷:基本的には、私が掛けたいと思う商品をデザインしています。テーマは“アメリカンクラシック”です。第二弾はブラックやブラウンなどの定番カラーだけではなく、ウッド調の仕様を加え、レンズはグリーンを基調に落ち着いたカラーで構成しました。インディーズ映画に影響を受けることがありますが、好きな建築家の一人であるル・コルビュジエ(Le Corbusier)が掛けていたラウンドタイプも加えました。

WWD:若者の客層は狙い通り増えている?

高島:想定以上の反応を得ています。熊谷氏のフレームのデザイン、色選びから、キービジュアルの製作までブランドの世界観を明確に表現できていることが大きいと思います。

WWD:今後、このコラボレーションをどう発展させたい?

熊谷:私が作りたい商品が、低価格で実現できています。アイウエアはトータルコーディネートの中で重要なアイテムです。今後は、さらにデザインの背景やクラフツマンシップを見せていきたいと思います。

高島:熊谷氏と今後の計画を話し合っていますが、サングラスに加えて、今後オプティカルフレームも拡大したいと思います。「ゾフ」は創業20周年を迎える2021年に向け、“アイ パフォーマンス(Eye Performance)”をコンセプトとしたリブランディングを始動しました。さらにファッション性が高い商品を作ることもミッションの1つです。熊谷氏と協力した真剣なモノ作りで、ライフスタイルを豊かにできる商品開発を続けたいと思います。

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ゾフ・カスタマーサポート
0120-013-883

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「ヴィクター&ロルフ ヴィジョン」が提案する モダン&ビンテージの新解釈

 オランダのファッションブランド「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)」のアイウエア「ヴィクター&ロルフ ヴィジョン(VIKTOR & ROLF VISION)」が2020年秋冬の新作を発表した。同ブランドは、福井県に本社を置くアイウエア企業の村井が2004年にスタートしたもので、同社のライセンスビジネスの柱だ。

高いデザイン性と
メード・イン・ジャパンの
クオリティーを融合

 デザインの特徴は、同ブランド独自の視点で解釈したクラシックとモダンの融合。そして、日本の高い技術力を駆使したオートクチュールブランドにふさわしいクオリティーを兼ね備えていることだ。

 2020年秋冬コレクションは、「ヴィクター&ロルフ ヴィジョン」らしい“モダン・ビンテージ”とは何かを改めて追求した。注目したいのは、異素材間のコントラストを鮮明にしたアセテートとメタルのコンビネーション、そしてビンテージ感のある落ち着いたカラーリングだ。

 ”70-0242・0243”モデルは、ビンテージテイストのシェイプのフロントに特殊なリムをナイロール式に取り付けたメタルとのコンビネーションフレームで、洗練されたデザインと快適な掛け心地を両立させた。また、一体成型のシートメタルのフロントに、上下に分かれたアセテートのパーツを組み合わせた”70-0244”モデルは、クラフツマンシップから生まれた造形美を感じる。そして、”70-0245”モデルは、靴ひもの先につけるおおいを意味する“アグレット”をイメージしたカラフルなモダン(耳あて)が、全体のバランスに変化を加えるアクセントだ。流行に左右されないシーズンレス、ジェンダーレスなデザインと、軽く快適な掛け心地を生み出す確かなモノ作りで幅広いファンを獲得している。価格は2万9000円。

新しい挑戦を始めた
デュオに注目

 「ヴィクター&ロルフ」のデザイナー、ヴィクター・ホスティン(Viktor Hosting)とロルフ・スノラン(Rolf Snoeren)の二人は共に1969年生まれで、オランダのアーネム・アカデミー・オブ・ファイン・アーツを卒業。93年の南フランス・イェールで行われた「ヨーロッパ新人デザイナーコンテスト」での受賞をきっかけに注目を集め、98年、オートクチュール・コレクションに招待メンバーとして参加したのに続き、2000-01年秋冬パリ・コレクションにデビュー、03-04年秋冬にメンズコレクションを発表した。「H&M」「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」「サムソナイト(SAMSONITE)」などとの多彩なコラボレーションは話題を集め、その後ブランドの高級化を目指してオートクチュールに専念したが、20年秋冬にメンズライン「ミスター・ミスター(MISTER MISTER)」をスタートした。

 新しい挑戦を始めた「ヴィクター&ロルフ」が独自の美意識を落とし込んだ「ヴィクター&ロルフ ヴィジョン」にも、さらに注目が集まりそうだ。

問い合わせ先
村井
0120-953-429

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高田賢三が「マスナガ」に表現した日本の伝統工芸へのオマージュ

 デザイナー高田賢三がディレクターを務める増永眼鏡の「マスナガ デザインド バイ ケンゾータカダ(MASUNAGA DESIGNED BY KENZO TAKADA)」はスタートして今年で7年目を迎え、同社を象徴するコレクションとして確立している。高田は増永眼鏡のチームとのミーティングを繰り返しながら、アイウエアデザインに意欲的に取り組んできたが今月死去。生前に完成した今秋の新作は、彼がオマージュを捧げた日本の伝統工芸の要素を今まで以上に色濃く落とし込んでいる。

日本的デザインと
高い技術力を海外も評価

 発表した2型のうち花の名前から付けた“ボタン(BOTAN)”モデルは、べっ甲のかんざしから着想を得たオーバーサイズのラウンド型サングラス。フロントに高田家の家紋である桔梗の模様を切り抜いたメタルパーツを付け、テンプルのデザインは19世紀に流行した手持ち眼鏡“ローネット”の装飾性をモチーフとしたアラベスク模様を施した。高田らしい和と洋の融合だ。

 もう1つの“セドナ(SEDNA)”モデルは、厚さ3mmのチタンのシートメタルに、風防のためにデザインした厚さ10mmのプラスチックのパーツをインナーリムに組み込んだ立体的なフォームだ。ブリッジの上部にアラベスク模様の別パーツを付け、装飾性だけでなく強度にもこだわっている。テンプルとテンプルエンドのメタルパーツにも繊細な彫金を施して重厚感を出した。

 日本の眼鏡産業の祖として100年以上の歴史を持つ福井県の増永眼鏡の強みは、熟練の眼鏡職人による高い技術力だ。伝統の手仕事から生まれた機能性と、東洋と西洋を融合した高田ならではの美意識が絶妙にマッチした商品力は海外でも評価が高い。「マスナガ デザインド バイ ケンゾータカダ」は、2014年のデビュー作がシルモの“シルモ・ドール”賞を受賞して一気に注目を集めた。生前の高田が今回のモデルで表現したジャポニスムは注目を集めそうだ。

歴史の重みを感じる
「マスナガ」のオリジナルブランド

 増永眼鏡のオリジナルブランドはどれも歴史の重みを感じるストーリー性を持つ。その強みは伝統の技術力に裏打ちされた快適な掛け心地と、流行に左右されないタイムレスなデザイン性だ。2020年秋の最新作もクオリティーを高めたバリエーションが充実している。増永眼鏡の創業年を冠した「マスナガ シンス 1905 (MASUNAGA since 1905)」の最新作のポイントは、高い技術力から生まれた造形美。“ベイブリッジ”モデルは、0.6mmのベータチタンをベースに構築した立体的なブリッジとリムの二重構造がアクセントだ。

 「G.M.S.」シリーズのルーツは、1933年、昭和天皇が福井県を訪問した記念に献上された増永眼鏡の3本のラウンドフレーム。最新作は細いチタンとアセテート生地を組み合わせて、シンプルな上品さをデザインした。

 「光輝」シリーズは、1970年に開催された大阪万博の松下館の企画で使用された“カスタム72”の後継モデルとして誕生。フルアセテートの新型は、“コントラスト”をテーマにマスキュリンとフェミニン、クラシックとエレガンスを表現した。

 増永眼鏡は早期からグローバル化に着手し、ミラノのミド(MIDO)、パリのシルモ(SILMO)、ニューヨークのビジョンエキスポ(VISION EXPO)など海外の主要眼鏡展に出展するなどして販売網は30カ国に広がった。海外の売り上げが国内を上回っており、メード・イン・ジャパンの強みを世界で発揮している。

問い合わせ先
増永眼鏡
03-3403-1918

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「トニーセイム」がブランド設立10周年でベルギーの「テオ」とコラボレーション

 今年創業10周年を迎えた「トニーセイム(TONYSAME)」のアニバーサリーコンテンツは、「デザイナーズ・インビテーション・プロジェクト」の第二弾であるベルギーのアイウエアブランド「テオ(THEO)」とのコラボレーションだ。

“われわれは美しいデザインの
アイウェアを生み出す
パッションを共有している

 アジアとヨーロッパのアイウエアブランド同士の異例コラボレーションから生まれた特徴は、アート感覚溢れる「テオ」らしいフォームや大胆なカラーリングと、「トニーセイム」の高い技術力が融合していることだ。

 「昨年の第一弾が完売したことは、大きな自信となった。ある意味で『テオ』は『トニーセイム』の対極にあるブランドだ。デザインに全霊をささげる『テオ』のアート感覚と『トニーセイム』が得意なテクノロジーが融合して新しい価値観を生み出している」と細井礼トニーセイムジャパン社長。「『テオ』らしく考え抜かれたコンセプトで『トニーセイム』を表現してくれた。厚いチタンを切削したフロントのリムの立体的な構造や智元に組み込んだ独自のパーツ使いなど『トニーセイム』ならではの難度が高い技術力とミックスした面白いアプローチができた」と評した。テンプルには、“トニーセイム・ラブス・テオ”の文字が刻まれている。

 「テオ」は、デザイナーのパトリック・フート(Patrick Hoet)と、眼鏡店を営んでいたウィム・ソーメルス(Wim Somers)の二人が1987年にベルギーのアントワープで設立した。ブランド名の「THEO(テオ)」はフート(Hoet)の文字を入れ替えたもの。「テオ」の創業者の息子で、同プロジェクトを主導したトーン(TOON)は「このコラボレーションで最も興味深い点は、双方が限界に挑戦していることだ。お互いの強みを生かして、『テオ』のアイデンティティーであるメタル素材をフロント部分に使い、『トニーセイム』を象徴するチタンのヒンジとアセテートのテンプルを組み合わせた。『テオ』と『トニーセイム』は、美しいデザインのアイウエアを生み出すパッションを共有している」とコメントした。デザインは2型で、価格は各4万円。

「トニーセイム」の
メインコレクションも充実

 「トニーセイム」のメインコレクションも充実度を増している。「10年の積み重ねの中で構築した独特の“ジャパニーズ・ベーシック”のファンを獲得できた。それをさらに進化させた結果が、最新作のクオリティーにつながっている。強い存在感のあるデザインながら、どんな服にも合わせやすい。『トニーセイム』をエモーショナルに買い求めてほしい」と話した。

 香港本社と協力しながら次代を見据えたブランディングを主導する細井社長がテーマとしているのは“コネクト(つながる)”すること。「さまざまなモノ、コト、ヒトとつながることによってブランドを進化、成長させていくことを心掛けている。今回のコラボレーションもその一環だ」と説明する。

問い合わせ先
トニーセイムジャパン
03-6914-0008

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「ジンズ」が大人の女性向けカラーコンタクトレンズを発売 メイク感覚で楽しむ瞳のおしゃれ

 「ジンズ(JINS)」は、オリジナルコンタクトレンズ「ジンズ ワンデー(JINS 1DAY)」から、大人の女性向けカラーコンタクトレンズ「ジンズ ワンデー カラー(JINS 1DAY COLOR)」を10月22日に「ジンズ」オンラインショップと一部の「ジンズ」店舗で発売した。

へアメイクアップアーティストの
林由香里が監修

 特徴は、“カラコン=メイク”と定義し、へアメイクアップアーティストの林由香里の監修で商品開発を行ったこと。その日の気分に合わせて、メイク感覚で選べる色のバリエーションをそろえた。

 林由香里は「どれもすごくナチュラルで普段のメイクの邪魔をしません。目の存在感を主張するのではなく、メイクになじんでほかを引き立たせてくれます」とコメントしている。

 種類は、“ベースメイクアップ”と“ポイントメイクアップ”の2シリーズ。“ベースメイクアップ”は化粧の“ベースメイク”から着想を得ており、ありのままの瞳の美しさを引き立てるナチュラルカラー。“ポイントメイクアップ”は色を際立たせたアクセントカラーで、目の印象の変化を楽しむというものだ。それぞれグレー、ブラック、ブラウン、ベージュの4色展開で計8色ある。着色部分をレンズではさみ込むことで色素が直接目に触れることなく着用できる“サンドイッチ構造”を取り入れて品質を担保している。価格は1箱2枚入りが300円、1箱10枚入りが1500円。

年齢や生き方を表現する
「メイクアイテムに

 ジンズは「ジンズ ワンデー カラー」の発売にあたり、都市部在住の美容に興味がある25~39歳の大人女性150人に意識調査を実施した。それによると、全体の約9割が「目元の印象を変えてみたい」と思っていることが判明。また、過去にカラコンを卒業した大人女性の約8割、カラコン未経験の大人女性約5割が「カラコンを使用したい」と考えているものの、使用しない理由として「品質・衛生面に不安がある」(29.3%)、「若者のためのものだと思っているから」(20.0%)と回答するなど、カラコンに興味はあるものの、品質やデザインに懸念があることが分かった。「ジンズ ワンデー カラー」はこれらの悩みを解決し、自身の年齢や生き方にふさわしいアイテムとして着用できる安心・安全のカラーコンタクトレンズを目指した。新型コロナ禍でテレワークやオンライン化が定着する中、画面越しの顔の印象を変えるメイクアイテムの1つとなりそうだ。

 なお、「ジンズ」オンラインショップ限定の無料サンプリング(予定数量に達し次第終了)やインスタグラムでのバーチャル試着体験などのキャンペーンを行っているほか、美容系インフルエンサー10人が各自のインスタグラムアカウントでカラコンを使ったメイク術をライブ配信するチャレンジ企画を10月31日まで実施中だ。

問い合わせ先
ジンズ
0120-588-418

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スキンケアでも注目される肌の常在菌「マイクロバイオーム」ってなぜ重要なの? 「ランコム」研究員が指南

 「ランコム(LANCOME)」は、全世界でベストセラーの看板製品“ジェニフィック”シリーズでも着目する肌の常在菌「マイクロバイオーム」研究に関するシンポジウムを開催した。近年、スキンケアでマイクロバイオームに注目した製品は増えており、その重要性は明らかだ。先駆者である「ランコム」の研究者らが、その効果とほかとの違いについて語った。

ーーそもそもなぜ、このタイミングでシンポジウムを開催したのか?

アニー・ブラック(Dr. Annie Black)=「ランコム」インターナショナル・サイエンティフィック・ディレクター(以下、ブラック):ここ数カ月で、私たちの生活や人との交流の仕方に大きな変化がありました。マスクの着用で肌に変化を感じている人も多いはずです。長期間使用すると、肌に刺激を与える可能性があり、さらに皮膚を閉塞します。マスクの下の皮膚は高温多湿な環境にさらされ、皮膚バリアの弱体化、乾燥、発疹、さらにはニキビにつながる可能性があります。そんな今だからこそ、肌のバリア機能を高めることが大切だと感じており、その役割の一つをはたすのがマイクロバイオームなのです。

ーー肌のバリア機能とは?
ブラック:私たちの体の最外層である皮膚は、外部刺激や乾燥から守ります。簡単に言えば、肌に良いものを入れたり、悪いものを入れないようにしたり機能します。このバリア機能には、健康なマイクロバイオームが不可欠なのです。

ーーマイクロバイオームとは?

ガブリエル・アーマッド・コードル(Dr. Gabriel Ahmad Khodr)=ロレアル アドバンスド リサーチ インターナショナル・マイクロバイオロジー・サイエンティスト(以下、コードル):人の体に存在する微生物のことを指します。皮膚の表面に存在するマイクロバイオームは私たちの皮膚の防御に大きな役割を果たし、体と環境の間の交換を調節します。マイクロバイオームを形成するさまざまな微生物間のバランスは、私たちの肌の健康と美しさに欠かせません。 しかし、このバランスは日常のさまざまな刺激や生活習慣により頻繁に脅かされます。

ーー日常にあるさまざまな刺激とは?

コードル:紫外線や大気汚染、加齢、喫煙、投薬、栄養不足、さらには心的ストレスなどが含まれます。基本的に肌は、私たちのライフスタイルを反映しています。また、洗顔やクレンジングも(良い菌を)攻撃する可能性もあるのです。これらの要因によりマイクロバイオーム内のバランスが崩れると、乾燥や感染症、湿疹、ニキビなどさまざまな皮膚障害を引き起こす可能性があります。つまり、マイクロバイオームのバランスを維持することは皮膚の健康のために非常に重要なのです。

ーーこのバランスを取り戻すには?

コードル:起こってしまった刺激のケアには、やはりスキンケアでいたわることが大切でしょう。ただし、上から塗布する化粧品だけでなく、生活習慣を見直したり、食事に気をつけたり、内側からのアプローチも同様に大切です。内臓のマイクロバイオームを健康に保つことは、肌のマイクロバイオームにも作用されるとも言われています。

ーー最近はマイクロバイオームに着目したスキンケアも多く見かけるが、“ジェニフィック”はほかと何が違うのか?

コードル:“ジェニフィック”の処方には、マイクロバイオームの“エサ”となるプレバイオティクスと、美容効果をもたらすプロバイオティクス由来成分を特許取得済みの方法でバランスよく配合しています。

ブラック:なお、全てのプレバイオティクス・プロバイオティクスが皮膚のマイクロバイオームに有益であるわけではありません。
「ランコム」は、何百もの組み合わせを研究して、皮膚のマイクロバイオームに作用するものはごくわずかであることを発見しました。私たちが厳選した7種のプレバイオティクス・プロバイオティクスは、肌を保護、制御、回復する能力をサポートするのに優れた組み合わせです。また、「マイクロバイオティックスが入っている」とうたう他社製品もありますが、本当はプロバイオティクスをそのまま入れようとすると、冷蔵保存する必要があるんです。われわれはバイオテクノロジーを生かし、常温保存できるようにマイクロバイオティクスを処理し、処方に配合することに成功しました。

 以前から内臓のマイクロバイオームについての研究は盛んに行われてきましたが、皮膚のマイクロバイオームを16年前から行ってきたわれわれはパイオニアと言えるでしょう。ただ、まだまだ明かされていないことも多く、日々進化している分野でもあります。だからこそ今回シンポジウムを開催しましたが、今後も多くの研究が生まれると思いますし、スキンケア分野において最もホットなトピックスの一つでもあると思います。

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焼肉ライクも植物肉の扱いスタート。コメダ、ドトール、きちりと普及中。

焼肉のファストフード「焼肉ライク」が11月1日(日)から植物肉を店舗限定で販売する。それに先立ち、10月23日(金)から渋谷宇田川町店先行で単品「NEXTカルビ 50g 290円(税抜)」「NEXTハラミ 50g 310円(税抜)」を販売。また、また10月31日(土)までの期間限定で焼肉セット注文客に試食用を無償で提供する。
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「家系」御三家「六角家」破産でも「町田商店」は東証1部上場。「日高屋」並みの店舗網を持つ「隠れ大手」

 ラーメン店の倒産が増加する中で、家系と呼ばれるラーメン店が人気だ。ただし、「家系」御三家と言われる「六角家」が破産する一方、「町田商店」を展開するギフト(本社:東京都町田市、田川翔代表取締役)は、直営100店舗を達成し、東証一部に上場した。ギフトは何が違うのか?
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ゼットン、カクヤスなどから3億5千万円増資。DD応じず持株比率下げる。

株式会社ゼットン(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木 伸典)が、コロナ対策運転資金として約3億5千万円の第三者割当増資を行うと発表した。引き受けるのは、酒類卸カクヤスのグループ会社で中小企業に投資する株式会社SKYグループインベストメント(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:針谷 祐司)を始めとする2法人と8個人。
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AIが分析したビジュアルで消費者の心をつかめ LV親会社も利用するソフトウエア会社が提言

 人々が思うように外出できない状況が続く中、集客や売り上げ維持に悩むブランドや小売店も多いだろう。顧客を引き付ける手段としてソーシャルメディアが有効だと分かっていても、うまく活用できていないケースも少なくないと専門家は言う。

 画像解析AI(人工知能)を核としたビジュアル・マーケティング・ソフトウエアを開発するダッシュ・ハドソン(DASH HUDSON)のミシェル・ベルシック(Michelle Belcic)=ブランドストラテジー担当バイス・プレジデントは、「コロナ禍の影響が大きい地域ほど、フェイスブック(FACEBOOK)、インスタグラム(Instagram)、ワッツアップ(WhatsApp)などの利用者数が増えており、ツイッター(Twitter)は前年同期と比べて23%増加した。また米国の成人が一日にソーシャルメディアに費やす時間は平均で82分も増加している。自由に出かけられず、リアルでのイベントもあまり行えない状況下で、ソーシャルメディアは消費者との数少ない接点だ。そうしたプラットフォーム上で顧客の心をつかむような魅力的なビジュアルを展開できるかどうかが成功へのカギとなる」と語った。

 ダッシュ・ハドソンは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」などを擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)や、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)、そして米百貨店ノードストローム(NORDSTROM)などにソフトウエアを提供している。

 ベルシック(Michelle Belcic)=バイス・プレジデントによれば、実店舗での売り上げがコロナ禍以前のレベルに戻るには5年程度かかると予想される一方で、2020年におけるECの売り上げは前年比18%増が見込まれている。「新型コロナウイルスの影響で小売り環境は急激に変化した。ECの強化に乗り出す企業が多く、ナイキ(NIKE)は21年末には売り上げの30%がECとなる見込みだが、いずれはこれを50%にまで引き上げたいとしている。また『ザラ(ZARA)』などを擁するインディテックス(INDITEX)は21年までに1000~1200の店舗を閉じ、今後3年間でECの強化に10億ドル(約1050億円)を費やすと発表している」と述べた。

 ソーシャルメディアには毎日膨大な量のコンテンツが投稿されているが、消費者の目に留まるにはどうすればいいのだろうか。ベルシック=バイス・プレジデントは、「人間の脳に伝達される情報の90%は視覚によるもので、画像や動画はテキストの6万倍の速さで処理されるといわれている。つまりソーシャルメディア戦略ではビジュアルが非常に重要となるが、どのようなコンテンツが消費者に“刺さる”かを考えるには、固定客などコミュニティーの意見に耳を傾けることが大切だ。現在業績を伸ばしている企業の多くは、コミュニティーとの対話から得たデータに基づいてビジュアルを作成している」と説明する。

 その好例が、ロンドンを拠点にラグジュアリーECサイトを手掛けるマッチズファッション(MATCHESFASHION)だという。「同社はコミュニティーの意見を取り入れたコンテンツを作成し、それをウェブサイトやメール広告などで使用している。顧客はブランド側が自分を理解し、大切にしてくれていると感じるので、売上増へとつながる」。

 同氏はまた、より大規模にデータを収集する方法としてAIの活用が有効だとしている。「当社のビジョン(Vision)というソフトウエアは、マシンラーニングとコンピュータービジョン技術を組み合わせたもので、膨大な量の“ビジュアルキュー(視覚的な手がかり)”を分析してビジュアルの特性や、ソーシャルメディア上でのパフォーマンス予測を行う。こうして解析されたブランド独自のアルゴリズムに基づいて、クリエイティブ戦略を効率的に策定できるようになる」と話す。

 オーストラリアのアパレルチェーン、コットンオン(COTTON ON)もビジョンを導入している企業の一つだ。同社でソーシャルコマース(SNS上での商品販売)用の画像を選択する際、ビジョンのデータを活用して選んだものは、そうでないものと比べてクリックスルー率(広告をクリックして広告主のコンテンツに移動した率)や商品購入のコンバージョン率が一貫して高いという。

 これらに加えて、さまざまなソーシャルメディアの特性を理解することも重要だ。ベルシック=バイス・プレジデントは、「何かを買おうと思っている消費者が多く集まるSNSとして、ピンタレスト(Pinterest)が挙げられる。同ユーザーの84%は購入を計画する段階でピンタレストを見ており、98%のユーザーはピンタレストを見ているうちに購買意欲が刺激されて商品を購入したと答えている。こうしたデータを踏まえて、『アンソロポロジー(ANTHROPOLOGIE)』が手掛けるブライダルブランドの『ビーホールディン(BHLDN)』は、ピンタレスト上で画像や動画をまとめておけるボード機能を使い、取り扱っているウェディングドレスや小物類のビジュアルコレクションを作成した。そこでオフショルダードレスの人気が非常に高いことや、好まれるビジュアルイメージの傾向などが分かったので、そうした情報を提携ブランドと共有して売り上げを伸ばしている」と述べた。

 ベルシック=バイス・プレジデントは、「ウェブ広告では、クリエイティブの質が売り上げを直接左右する。もうすぐホリデー商戦の時期だが、AIのサポートなしに挑もうとしているのであれば、大きな機会損失となる可能性がある」と締めくくった。

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日比谷オクロジに出店した鰻の名店「うな富士」が大繁盛。経営は名古屋の「かぶらやグループ」。東京撤退のリベンジ図る

 名古屋を代表する鰻の名店、3時間待ちの人気を誇る「うな富士」が、東京に初進出した。出店したのは、有楽町駅と新橋駅の間の高架下を、JR東日本都市開発が再開発した新商業施設「日比谷オクロジ」内。客単価5000円超ながら行列ができる。名店を誘致したのは、実質的に一時東京から撤退した名古屋の雄、かぶらやグループだ。
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