伊藤忠・岡藤会長「思い切って新しいことに挑戦するチャンス」

 「思い切って新しいことに挑戦するチャンスと捉えるべき。アパレルも従来と同じなら低迷する一方だが、新しいことに取り込むところは成果を出している」――。9日、伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOは、2度目の緊急事態宣言の影響が懸念される繊維ファッション業界についてそう語った。コロナが収束しても「元には戻らないだろう」と見ており、変化への対応が重要との見方を強調した。

 東京・青山の東京本社ビルのプロジェクションマッピングの現場を訪れ、記者の質問に答えた。岡藤会長CEOは原宿の「デサント」の旗艦店で自ら買い求めたという“水沢ダウン”を着ていた。同製品は岩手県奥州市のデサントの自社工場で作られる人気商品だ。「(コロナ下で)メード・イン・ジャパンが再評価されている。ファッションに限らず、あらゆる分野でそうなっている」とも話した。

 伊藤忠のプロジェクションマッピングは、コロナの終息と世界中の幸福への願いを込め、9日から11日の18〜20時に、青山通り沿いの本社ビルの壁面に21カ国の言語でメッセージを発信する。ユーチューブでのライブ配信も行う。

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レザーパンツは“脱・ロック”が今季流 しなやかに着こなす新コーデ術

 冬に人気のレザーパンツ(合皮含む)は、革ならではのクールなつやめきが持ち味ですが、今季の新しいスタイリングは“脱・ロック”。強さや凜々しさを保ちながらも、しなやかに着こなす、ハードすぎないさじ加減がポイントです。

 ニットを合わせたり、写真のようにセットアップでまとったりと、コーディネートの選択肢はいっそう幅広くなってきました。上手なアレンジのコツは、異素材ミックスやワイドパンツ、ブラウン系のチョイスなど。今回は、ハードに見えない“脱・ロック”な着こなしを、ファッショニスタをお手本にチェックしてみました。

ふんわりニットでウエストのくびれを強調

 黒のレザーパンツにソフトな印象を添えるには、質感の違うニットの風合いが役に立ちます。

 クールなレザーパンツと合わせたのは、カラフルなモチーフを散らしたグラニーニット。裾をインしてウエスト周りをすっきり見せています。色も風合いも異なる上下のコンビネーションで、めりはりを強調。素材の“ずれ感”がこなれた着映えに導きました。

 2枚目の写真は“黒×白”の上下コントラストが鮮やかなコーデ。アイキャッチーな羽織り物を重ねると、レザーパンツのタフ感がやわらぎます。スレンダーなレザーパンツに、袖コンシャスのブルゾンを合わせて、ボリュームの好バランスを引き出しました。クロップド丈のブルゾンが脚長効果も発揮。こちらもニットトップスをインして、くびれ感を強めています。

ワイドパンツでリラックスした雰囲気に

 デイリーウエアとして定着してきたワイドパンツも、レザーを選べば鮮度がアップ。レザーならではのタフさが加わり、2021年流“意思の強い女”感を印象づけられそう。さらに、リラックスしたシルエットが意外な印象を導いてくれます。

 たっぷりと幅のある黒のレザーワイドパンツは堂々の迫力。そこにあえてデコルテが広く開いたセンシュアルなトップスを合わせることで、上下でムードをずらしています。肩周りと手首に添えたゴールドアクセサリーもフェミニンに寄せてくれます。

 2枚目の写真で着ているのは、裾がすぼまったジョッパーズ風のレザーパンツ。ゆったりしたシルエットがかえって細感を引き出すユニークなフォルムです。オーバーサイズのジャケットを羽織って、量感で遊ぶ演出。トレンドのスクエアトーがクールな足元を印象づけています。

ブラウン系の穏やかなトーンできれいめ

 黒のイメージが強いレザーパンツですが、近頃はカラーバリエーションが多彩に。おすすめはブラウン系。黒ほどクールすぎず、穏やかなトーンなので、手持ちのウエアとも合わせやすい色味です。

 バイカー風のレザーパンツも、ブラウン系を選べばやわらかい着映えに。膝でいったん絞ったシルエットは、レッグラインを長く美しく見せてくれます。マニッシュなパンツにふさわしく、端正なテーラードジャケットとも好相性。凛としたスタイリッシュなコーデに整えました。

 柄入りのレザーパンツは、冬の装いに動きを添えるキーアイテム。2枚目の写真は、主張が強めの難しいパイソン柄のレザーパンツをチェック柄コートと組み合わせることですっきりまとめました。クラシックなたたずまいが、パイソンのインパクトをトーンダウン。同じチェック柄のトップスとのコンビネーションで、全体を英国テイストにまとめ上げています。

 冬コーデはかさばって見えがちですが、レザーアイテムを投入するだけで、装い全体をすっきりと見せてくれます。ニットや布アウターで合わせれば、トレンドの異素材ミックスコーデが簡単に仕上がるのもうれしいところ。手持ちのアイテムを多彩にアレンジできるので、いつもの着こなしにマンネリ感を覚えたときは、レザーパンツを“ムードチェンジャー”として加えるといいかもしれません。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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「めんどくさい」は「本気」の証拠 エディターズレター(2020年10月1日配信分)

※この記事は2020年10月1日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「めんどくさい」は「本気」の証拠

 こんな私でも、組織における自分の役割については、結構真剣に考えています。私が意識的に演じている役割は、ヒール。悪役です。意外に思う方もいらっしゃるでしょうか(笑)?

 「ヒールを演じている(つもり)」理由は、いくつかあります。一番大きな理由は、みんな優しいから(笑)。いろんなことが「頑張ったね!!」で片付けられるので、「頑張る」は絶対的正義となり、次の機会もその正義を貫いて前回のように「頑張る」。すると、特にこんな変革の時代は「頑張っているのに、変わらない」もしくは「頑張っているから、変わらない」状況に陥りやすいような気がして、なんだかマズい気がする。「誰かが、苦言を呈するべきなのでは?」と思ったのです。

 加えて天の邪鬼な性格なので、「頑張ったね!!」という価値観が世界観になることにも抵抗がありました。「多様じゃない」と思ったのです。振り返れば新聞記者と言う前職は、「頑張り」だけでは評価されない職場でした。他社に先んじて記事が出せることが全てです。そこで「1人くらい、『頑張ったね!!』じゃない人がいても良いでしょう?」と言う思考になります。こうして「ヒール化」は加速していきました。

 後輩からは「話しかけづらい」と言われ、上司からは「鬼軍曹って呼ばれてるよ~」とほくそ笑まれる時もありました。自分ではだいぶ丸くなったと思い込んでいますが同僚にとっては、今も「めんどくさいな~」という存在だと思います。会社のみなさん、「ごめんなさい(と、直接言わず、いきなりメルマガでブッ込んじゃうのも良くないことは、わかっているんですよw)」。

 「お前が言うな!!」って言われそうですが、そんな私だって同僚に対して「めんどくさいな~」と思う時はあります(笑)。人間なので、「今!?」って思う時もあります。でも、自分自身が「めんどくさい」から、「めんどくさい」人には向き合いたいと思っています。だって自分を含む「めんどくさい」人って、高い目標を持っていたり、理想と現実の違いが受け入れがたいくらい潔癖だったり、「『誰も手をあげない』なら私が」と思い込むくらい“おせっかい”で勇敢だったりなど、「大局的に言えばプラス」だと思っている(信じたい)のです。その思いが、正しいのか、正しくないのかは分かりません。ただ間違いないのは、「めんどくさい」人は「本気」です。「めんどくさくない」人が「本気」じゃない、とは言いません。でも「めんどくさい」人が「本気」なのは、間違いない。そう思っています。

 だから「ヒールでもいいじゃん」と思いつつ、一方で「言いたいことが気兼ねなく言える環境を生み出せたら、ヒールにならなくても良いのかな?」と、思考は常にグルグル回転しています。「どうしたモンかしらね~?」と思っていますが、最近は「ま、それが人間らしいってコトね」と悟りの境地でもあります。私は悟りましたが、私と言う存在が周囲、そして彼らの心をザワつかせているなら、「ごめんなさい」とも思います。本当に、そう思っています。

 だから皆さん、ぜひ「めんどくさい」人と一緒に仕事をしてください。その多様性は今、成果として現れると信じています。

SOCIAL & INFLUENTIAL:社会情勢によって変化するファッション&ビューティ業界を見つめます。インクルージョン(包摂性)&ダイバーシティー(多様性)な時代のファッション&ビューティから、社会に届けたい業界人のオピニオンまで。ジャーナリズムを重んじる「WWD JAPAN.com」ならではのメルマガです。

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