「ミューラル(MURRAL)」が2021年春夏コレクションを発表した。
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バイヤー向けにトピックスを拾います。
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「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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「ザンダー ゾウ(XANDER ZHOU)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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「WWDジャパン」2月22日号の付録として、定期購読者向けに発行した「2020年秋冬ビジネスリポート」(単体での販売も実施中)では、全国41店舗の百貨店に20年8~12月の好調ブランドについて聞いたアンケートをまとめている。宝飾部門では、好調ブランドの1位に「グラフ(GRAFF)」が輝いた。「グラフ」といえば、ダイヤモンドジュエラーの代表格で、富裕層にしか手が届かないブランドという印象が強かった。ところが、コロナで挙式や旅行ができず、その費用をエンゲージメントリングに充てる30~40代から高い支持を得た。また、富裕層からの希少性の高い高額品の需要もコロナ以前と比べると高まっている。SNS効果でブランドの認知度がアップし、エントリー価格の商品に関しては、入荷待ちのこともあるという。エントリー価格帯、ブライダル、富裕層と全方位で好調の「グラフ」。コロナ禍における売れ筋や消費同行についてグラフダイヤモンズジャパンの朝比奈恵美コミュニケーションズ マネジャー(CM)に聞いた。
朝比奈CMは、「ブライダル商材で好調だったのはエンゲージメントリングでは“プロミス”や“アイコン”といった商材で価格帯は100万円台が好調だった。コロナ前と比べると200万円以下の商材の伸びが顕著だった」と話す。マリッジでは“ローレンス グラフ シグにチャー ウエディングバンド”の人気が高かったようだ。ほかのジュエラーではマリッジリングだけの購入もあるだろうが、ダイヤモンドジュエラーの代表格である「グラフ」では、おそらくエンゲージメント購入時にマリッジも合わせて購入する顧客がいたのだろう。年齢層に関しては、「以前から30〜40歳前後が主流で、その中には若い経営者も多く、口コミでお客さまが増えて人気の高まりを肌で感じている」と朝比奈 CM。ソリテールリングとしてはブライダルに加えて40歳以上のカップルによる記念日需要が増加しているという。顧客へのアプローチはコロナ前と変わらず、電話や手紙による来店促進が中心だが、コロナ禍ではウェブサイトを見て来店する客数が増えたようだ。
朝比奈CMは、「高額品に関しては、3000万円以上が好調に推移している。特に5000万円以上の超高額品の動きは前年比2倍を売り上げており、富裕層のダイヤモンドジュエリーに対する購買意欲がアップしている」と話す。コロナ禍とは言え、株価は下がっておらず旅行などにも行けない富裕層にとっては、より資産価値の高い商材への関心が高まっているということだろう。コロナ禍における富裕層顧客へのアプローチに関しては、顧客に対して購入履歴や特性、好みなどの情報をもとに、希少性の高いダイヤモンドやジュエリーを担当の販売員が独自でセレクトして自宅に訪問するというパーソナルな提案を中心に行っているようだ。コロナ前後の富裕層の需要の変化については、「コロナでパーティーなどのイベントがないため、華やかでデコラティブなデザインより、希少性と価値の高い大粒のダイヤモンドやカラーダイヤモンドへの関心の高まりが見られる」と言う。
100万円前後のエントリー価格の“ミニ バタフライ シルエット”シリーズは、 リングを中心に好調で入荷待ちになることもあるそうだ。「既存顧客に加えてファッションに敏感な富裕層などが購入するケースが多く、エントリー価格の商材は今後増えていく可能性はあるだろう」と朝比奈CM。SNS発信により若年層にも「グラフ」の認知度がアップしている点に関しては、「SNSは重視しており、『インスタグラム』『LINE』 『フェイスブック』で商品やブランドストーリー、クラフツマンシップ、キャンペーンなどの情報を発信している」と言う。
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日東電化工業の敏感肌向けコスメブランド「オサジ(OSAJI)」は3月17日、2021年春夏メイクアップコレクションを発売する。ラインアップは全て既存製品の新色で、 “ニュアンス アイシャドウ”(新3色、各2000円)、“ニュアンス フェイスカラー”(新3色、各2500円)、“ニュアンス リップグロス”(新3色、各2500円)の9種が登場する。
今回のコレクションのテーマは“境界線”。光と影、昼と夜、男と女など、何かと何かを分断する境界線は実は曖昧で揺らぎのあるものとして、アイテムや色を自由に組み合わせた、先入観にとらわれないメイクを提案する。
“ニュアンス アイシャドウ”はカラフルなラメが輝くスパークルベージュ(カラー名:砂の城)、涼しげな透明感をもたらすメタリックグリーン(カラー名:街路樹)、知的でセンシュアルなピンキッシュブラウン(カラー名:裸足)を用意。目元や頬、リップなどマルチユース仕様の“ニュアンス フェイスカラー”は血色感を演出する3色を、クリアな発色の“ニュアンス リップグロス”は肌なじみのいいマゼンダピンク、コッパーブラウン、レッドベージュの3色をそろえた。
また同日、皮膚の常在菌に着目しプレバイオティクス(有用菌の栄養源)を補う “エンリッチバイオセラム”(30mL、4500円)と、時計遺伝子にフォーカスし肌の修復を助け潤う力を促す “ナイト レストア マスク”(50g、4200円)を発売する。
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ラグジュアリーブランドによる意外性のある“コラボ”商品が売れている。21年1月に発売された「グッチ(GUCCI)」×「ドラえもん」、「ロエベ(LOEWE)」×「となりのトトロ」の売れ行きは、有力百貨店の特選(ラグジュアリーブランド)バイヤーによれば、どれも非常に好調だったという。コロナ禍以降、特選売り上げは海外旅行や外食を制限されている国内富裕層の消費を取り込んでおり、落ち込みの激しい百貨店の他カテゴリー(婦人服や化粧品など)に比べて堅調だ。ただし、1月は緊急事態宣言の再発令で客足が鈍り、特選フロアもさすがの苦戦ムード。そんな中で救世主となったのがコラボ商品だ。
「若い世代のトレンドに敏感なお客さまにとてもよく売れた。『グッチ』のファンだけでなく、『ドラえもん』好きの方にもカードケースなどのエントリー商品が好評だった」と「グッチ」×「ドラえもん」について話すのは、伊勢丹新宿本店の高木隆人 婦人インターナショナルラグジュアリーマーチャンダイザー。同コラボの商品は阪急うめだ本店でも、「20代前半〜30代前半を中心に新客を取り込むことができ、記録的な売り上げとなった。カードケースなどのスモールレザーグッズやTシャツ、パーカはほぼ完売した」(花谷典男ラグジュアリー商品統括部ゼネラルマーチャンダイザー)という。
「グッチ」×「ドラえもん」については他百貨店からも、「想定していた以上の売れ行き」(高島屋の磯部直希 婦人服・特選・宝飾品部マーチャンダイザー)、「20~30代の新世代の外商顧客からの問い合わせも多かった」(そごう・西武の佐藤徹リーシング本部リーシング1部ラグジュアリー担当)といった声があがっている。発表された際は、そのあまりにも意外な組み合わせに驚きの声もあがっていたが、各百貨店で大成功となったようだ。
「ロエベ」×「となりのトトロ」に関しては、1月8日から1階で同コラボの催事を行った松屋銀座本店いわく、「催事初日が緊急事態宣言の開始日と重なったが、オープン前には20〜30代のお客さまの行列ができた(注:密をできる限り避けて販売)。“マックロクロスケ”のミニ財布やカードケースなどが特によく売れた」(大野裕次郎 営業2部婦人2課長)。伊勢丹新宿本店、西武池袋本店、高島屋などからも同様の声があがっている。
「ドラえもん」や「となりのトトロ」コラボに比べると組み合わせの意外性はやや薄れるが、1月6日に発売された「グッチ」×「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」のコラボも非常に好調だったようだ。同コラボは、国内では東京・渋谷のミヤシタパークのブランド直営店と、大丸心斎橋店のみで販売。大丸心斎橋店は、「具体的な金額は公表できないが非常に好調だった」(玉眞寛貴MD戦略第1統括部マネジャー 特選・海外プレタ担当)という。大丸松坂屋百貨店(10店累計)の1月の特選売り上げは同8%減。前年1月はコロナ禍が本格化する前に春節休暇で来日していた中国人客による売り上げもあったため、それに比べると苦しい着地となったが、「グッチ」×「ザ・ノース・フェイス」が押し上げる形で、国内客に限った特選売り上げは同15%増だったという。
ラグジュアリーブランドによるカテゴリーを越境するようなコラボは、17年の「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」×「シュプリーム(SUPREME)」の成功以降、さまざまなものが生まれている。こうしたコラボは発売後すぐにリセール市場で高値で取り引きされる点などが批判もされているが、百貨店やブランド側にとっては、単なる売り上げの“カンフル剤”以上の価値があるようだ。「今の時代の消費は、世の中全員の興味をひくような大きなサークル(興味対象)があるのではなく、小さなサークルがいくつもある状態。百貨店も大きなサークルを狙うのではなく、1人1人の小さなサークルにいかに訴えるかを考えなければならない。コラボはまさに、そういった小さなサークル同士をつなげ、価値を高めていく手法」と話すのは、松屋銀座本店の小川喜弘 松屋営業2部長。単に商品を店頭やECにそろえて売るのではなく、コラボのように「人やモノ、コトをつなげていくことが、これからの時代の百貨店には求められていると思う」と続ける。
「WWDジャパン」では、2月22日号で「2020年秋冬に売れたものは何だった?」と題した特集を掲載。連動して、全国41の百貨店に化粧品、特選、ジュエリー、時計、婦人服、紳士服、バッグ、シューズ、ファッションジュエリーの9カテゴリーの商況をアンケート調査した別冊の「20年秋冬ビジネスリポート」も発行した。「ビジネスリポート」は定期購読者向けの特典という位置づけだが、個別で販売もしている。
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「ユニクロ(UNIQLO)」を擁するファーストリテイリング(以下、ファストリ)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、コロナの感染拡大にさらされている世界の難民支援に向けた連携を強化する。その一環として、ファストリは2月以降順次、南米と中東の5カ国の難民などに“エアリズムマスク”約100万枚を寄贈する。
難民キャンプなどの密集した空間での感染リスクを低減することを目指す。第1弾として寄贈される5カ国はアルゼンチン、イラク、エジプト、チリ、ボリビアの予定で、UNHCRを通じて「特に脆弱な環境にある難民の家族を中心に配布される」(広報)という。「今後も服のビジネスを通じて、中長期的な難民問題の解決に貢献する取り組みを推進していく」とファストリの柳井正会長兼社長はコメントしている。
ファストリは2011年、アジアの企業として初めてUNHCRとグローバルパートナーシップを締結。それに先立って、全世界の店舗で回収した衣類を、難民に寄贈するなどしてきた。最新の合意に基づき、ファストリは23年8月までの3年間で、450万ドル(約4億7200億円)をUNHCRに提供するとともに、年間で最大700万着の衣料支援を行うことになっている。
ファストリはUNHCRとのグローバルパートナーシップ10周年を記念し、特別ショートフィルム「服の旅先 Closer Though Our Clothes」を制作。自社のサステナビリティサイトで公開している。
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「ダンヒル(DUNHILL)」が2021-22年秋冬メンズ・コレクションをロンドンで発表した。
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スウェーデン・ストックホルム発のラグジュアリーフレグランスブランド「バイレード(BYREDO)」は、ラッパーのトラヴィス・スコット(Travis Scott)とコレボレーションしたフレグランス“トラヴィス スペース レイジ”(100mL、3万900円)を数量限定で発売する。2月25日、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)のオンラインストアで限定10個の抽選受付を開始する。同製品は、昨年秋に海外で発売し、即完売した。
“トラヴィス スペース レイジ”は、トップノートにコズミックダスト(宇宙塵)、アンチマター・パーティクル(反物質粒子)、ミドルノートにスターライト(星の明り)、セント・オブ・スーパーノヴァ(超新星)、ベースノートには、アトモスフェリック・ヴェイパー(大気中の蒸気)、ダークネビュラ(暗黒星雲)と宇宙を想起させる香りを調香した。
パッケージは、グラデーションがかかったブルーのガラスに“トラヴィス スペース レイジ”の⽂字が浮かび上がる。
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「ジーユー(GU)」は、デザイナー三原康裕による「ミハラヤスヒロ(MIHARAYASUHIRO)」とのコラボレーションコレクションを3月5日に発売する。商品はメンズ33型で、三原が得意とするスニーカーや、三原らしいアレンジを加えた「ジーユー」のヒットアイテム“シェフパンツ”“シェフジャケット”などをラインアップ。国内は全店舗とECで販売し(一部商品は限定店舗で販売)、中国本土と台湾でも全店舗とECで展開、香港は全店舗で扱う。
同コラボレーションのテーマは“グッドインスピレーション”。バンダナ柄のマウンテンパーカ(5990円)やアシンメトリーなデザインのデニムジャケット(4990円)、ボウリングシャツ(2990円)、シェフパンツ(1990円)などをそろえており、全体的に“ユース”な(若々しい)ムード。「このコレクションをデザインした2020年の夏は世界が明るい状況ではなかったが、なぜか私は美術学生だった20代のころを思い出していた。自分の才能に夢や未来を託し、作品を創ることで不安を乗り切ろうと無我夢中だった当時の自分に感謝している」と三原はコメント。一部商品では、ペットボトルのリサイクル素材である「リプリーブ(REPREVE)」も使用した。
発売に先立ち、スペシャルサイトで全商品やイメージムービーを公開している。キャンペーンビジュアルやムービーのクリエイティブ・ディレクターを務めたのは、スタイリストの大田由香梨、音楽はサカナクションの江藤啓一が担当。三原の母校である多摩美術大学の図書館などで撮影したという。また、「GU STYLE STUDIO原宿」と「ジーユー」の渋谷店、心斎橋店では、2月26日から特設ブースを設置して商品を紹介する。
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オークションハウス「サザビーズ(SOTHEBY’S)」は3月3~9日、マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)作品のオークションを開催する。同オークションは2019年10月に開催された第1弾に続くもので、1989年〜2009年までのプレタポルテからアーティザナル、アクセサリーなど総数200点がそろう。
注目の一つは1994年春夏に郊外スーパーマーケットで発表された“レトロスペクティブ”コレクションで、“シガレット”ショルダーブレザーや救世軍のレザーコートから作られたチュニックなどが登場予定だ。また、92年春夏からは、ビンテージスカーフを組み合わせたエプロンスカート、96年春夏の“トロンプルイユ”コレクションからは、トップスとスカートにカーディガンを合わせた作品、97-98年秋冬で「ブレス(BLESS)」とコラボしたファーウィッグ、02春夏からは円形のカットアウトを施したレザージャケット、アーティザナル”コレクションからは、メンズジャケットから作ったベストやスカートなどが登場する。予想落札価格は1500(約19万円)〜6000ユーロ(約76万2000円)。
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ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)が、ベルギー発のウィメンズウエアブランド「メゾン ウレンス(MAISON ULLENS)」のクリエイティブ・コンサルタントに就任した。彼が手掛けるのは2021-22年秋冬コレクションからで、コレクションのデザインとイメージを統括していく。日本ではサン・フレールが同ブランドの独占輸入販売権を取得し、21年春夏コレクションから取り扱いを始める。
「メゾン ウレンス」は09年、起業家で慈善家のミリアム・ウレンス(Myriam Ullens)が“ウエアラブル・ラグジュアリー”を掲げるブランドとして設立した。「ディオール(DIOR)」や「シャネル(CHANEL)」のフロントローの常連でもあり、旅をすることが多かった彼女は、楽に着られる快適でエレガントな服を見つけられなかったことからブランド立ち上げを決意。当初はニットウエアを中心に展開していたが、高級感と上質なモノづくりを求める洗練された顧客のニーズに応え、フルラインアップのコレクションに拡大してきたという。同ブランドは、「10年の歴史におけるターニングポイントとなり、素晴らしい発展を遂げることになる」とコメントしている。
コロンビア生まれのアッカーマンは、エチオピアやチャド、アルジェリア、オランダを転々とする幼少期を過ごし、アントワープ王立芸術アカデミーで学んだ。いくつかのブランドで経験を積んだ後、01年に「ハイダー アッカーマン」を設立。シャープなシルエットや美しいドレープ使いに定評がある。現在はパリを拠点にウィメンズとメンズのコレクションを手掛けており、今後もシグネチャーブランドは継続する。また、16年から18年には「ベルルッティ(BERLUTI)」のクリエイティブ・ディレクターも務めていた。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
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ブランディングやPRサポートを手掛けるアイクリエイトは、応援購入サービス「マクアケ」での先行販売で目標金額の621%を達成した“防災ふろしき”(4300円)の一般販売を開始した。
日常でも非常時でも使えるフェーズフリーな多機能ふろしきで、エコバッグや防寒対策、超撥水加工のため傘やバケツとしてなど、さまざまなシーンで使うことができる。水をためた後にしぼるとシャワーの代わりにもなるほか、ふろしきの端にあるQRコードを読み込めば首相官邸の災害サイトにアクセスでき、有事の際に役立つ。
製造をしたのは、群馬県桐生市で128年の歴史を持つ老舗染色整理加工場の朝倉染布。撥水加工に使う薬剤は環境に良くないものが主流だが、同社は研究を重ねて撥水加工と環境配慮の両立を実現。独自に開発した環境適合型の撥水剤を使用することで、製造段階から環境に配慮している。
同ふろしきの製造プロジェクトは、阪神淡路大震災と東日本大震災で被災したスタッフが備えの重要さを感じ、東日本大震災から10年目を迎える今年、「この機会に改めて多くの人に防災を意識してほしい」という思いからスタートした。地震や豪雨などの予期せぬ天災がいつ起こるか予測不可能である中、おしゃれにデザインした“防災ふろしき”を持ち歩いてもらうことで、防災意識の啓発を目指す。
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エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES、以下ELC)はカナダ発の化粧品メーカー、デシエム(DECIEM)を買収する。ELCはすでに2017年に同社の株式29%を所有しているが、今回さらに10億ドル(約1050億円)を支払って株式76%を所有することになり、今後3年間で残りの株式を買い取る予定だ。企業価値評価額は22億ドル(約2310億円)となり、同社にとって(企業価値評価額ベースでは)過去最大の買収となる。ELCは2019年にもともと株式33.3%を所有していた韓国のコスメブランド「ドクタージャルト(DR. JART+)」を擁するハブ&ビー(HAVE & BE)の残りの株式を11億ドル(約1155億円)で買収し(企業価値評価額は17億ドル、約1785億円)、16年にロサンゼルス発のメイクアップブランド「トゥー フェイスド(TOO FACED)」を14億5000万ドル(約1522億円)で買収した。
デシエムは13年にブランドン・トゥルアックス(Brandon Truaxe)が創業。“アブノーマル(普通ではない)・ビューティ・カンパニー”と掲げ、ユニークなコンセプトのビューティブランドを複数手掛けてきた。中でも人気なのが「ジ オーディナリー(THE ORDINARY)」だ。従来のビューティブランドのように広告費やパッケージになるべくコストをかけず、中身と透明性にフォーカスした手頃な製品を特徴とする。また原料名をそのまま製品名に入れ、シンプルな原料構成にこだわり、成分に詳しい美容オタクの間で話題になった。人気製品は“ナイアシンアミド+ジンク1%”(5.90ドル、約620円)や真っ赤な液のピーリング美容液“AHA 30%+BHA 2%ピーリングソリューション”(7.20ドル、約750円)などで、SNSでも頻繁に口コミやレビューが投稿されている。
元々はオンラインのみのD2Cブランドだったが、その評判は美容インフルエンサーや美容オタクの間で一気に広まり、17年に初の路面店をカナダ・トロントに開店。その後アメリカやイギリス、韓国、オーストラリア、中国にも店舗を続々とオープンした。ウルタ(ULTA)やセフォラ(SEPHORA)のECにも出店し、20年の売り上げは前年の倍の4億6000万ドル(約円)を記録するなど、今もなお人気上昇中だ。21年はウルタやセフォラに出店し続け、ヨーロッパにもダグラス(DOUGLAS)やセフォラ経由で進出する。また現在サステナビリティ認証「Bコープ(B CORP)」取得に向けて取り組んでいるほか、カラーコスメのローンチも予定している。なお、創業者のブランドンは複数の騒動の後退職し、19年に他界している。
デシエムは「ジ オーディナリー」以外にもハンドやボディーケアにフォーカスした「ザ ケミストリー(THE CHEMISTRY)」、ヘアケアブランド「HIF」、皮膚科学に基いた「NIOD」など、全部で6ブランドを展開する。今後は「ジ オーディナリー」以外のブランドにも積極的に投資するという。ニコラ・キルナー最高経営責任者(CEO)は「広告を出さないなど、これまで当たり前とされてきたビューティ業界の習慣にとらわれずに、口コミでここまでブランドを成長させてきた。ELC傘下で流通網を広げつつ、今後も常にユニークなブランドのインキュベーターであり続けたい」と話す。ELCにとってステータスの一つである“10億ドルブランド”も目指すという。
ファブリツィオ・フリーダ=ELC社長兼CEOは「デジエムはこれまでにない新しい会社。高い効果実感がある製品を展開するオーセンティックなブランドをそろえ、消費者とのエンゲージメント率やも仕方も他社に比べて高くユニーク。デジタルファースト、コンシューマーファーストなアプローチが成功を導いた」と同社を評価する。
なお、キルナーCEO、プルヴィ・カカ(Prudvi Kaka)=チーフ・サイエンス・オフィサー、スティーブン・カプラン(Stephen Kaplan)最高執行経営責任者は引き続きそれぞれのポジションを保持する。
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「バーバリー(BURBERRY)」のファッションショーや広告モデルに日本人メンズモデルのノゾム(Nozomu)が抜擢された。ブランドのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)はノゾムを「エレガントな日本文化を表現するような存在で、未来的なルックスを持ち合わせている。物静かで知的で、非常にスタイリッシュであり、自分の健康と体をきちんと管理している。それはとても重要なことだと思う」と称える。
191cmの長身にスキンヘッド、ワイルドな顔立ちが特徴のノゾムは27歳。高校時代から始めたモデルのキャリアは11年目で、常に完璧な姿で仕事に取り組むために日々のトレーニングに励むほどプロ意識が高い。映画の出演経験もあるという彼はどんな人物なのか?「バーバリー」の2021-22年秋冬メンズ・コレクションの撮影を終えたノゾムの素顔に迫る。
WWD:モデルになったきっかけは?
ノゾム:高校1年生のときに渋谷の西武渋谷店の前でスカウトされて、東京のメンズブランド「ディスカバード(DISCOVERED)」のファッションショーに出たことがきっかけでした。そのオーディション会場で今所属する事務所(イマージュ)の社長に出会い、それからパリやニューヨーク、ミラノのファッション・ウイークに挑戦しました。
WWD:「バーバリー」との仕事の始まりは?
ノゾム:ファッションショーのオーディションを受けたのが始まりです。初めはショーモデルには起用されませんでしたが、20年プレ・スプリング(リゾート)のルックブック撮影に声を掛けてもらえました。翌シーズンの20年春夏にはショーに出演できることになり、とても緊張したのを覚えています。
WWD:「バーバリー」のモノ作りをどう見ている?
ノゾム:実は祖父が仕立屋で、僕も幼い頃からファッションの仕事に就きたいと思っていました。「バーバリー」のフィッティングにはコートやシューズなどアイテムごとに担当者がいて、数ミリ単位の細かな修正をして、ベストの状態で撮影本番当日を迎えます。その完璧な職人技に感銘を受けました。リカルドが就任してからは、自然をリスペクトするデザインやアニマルモチーフが増えていて、遊び心を感じます。21-22年秋冬コレクションでもウサギの耳がついたフードがあって、見ていて楽しい服がそろっていました。
WWD:リカルド・ティッシと仕事をした感想は?
ノゾム:リカルドは会うたびに「元気?」と日本語で声を掛けてくれ、とてもフレンドリーな方です。他ブランドのバックステージではピリピリした緊張感を感じることもありますが、「バーバリー」では、リカルドがムードメーカーとなって皆が楽しく仕事をすることができています。
WWD:モデルとして心がけていることは?
ノゾム:365日いつ仕事が入っても出られるように、プロフィールに記載のある体型を維持することです。急に「明日のフライトでロンドンに来て」と言われることもあるので、常にボディーラインを崩さず、健康管理をすることも大事です。普段からジムでウエイトトレーニングをして、高たんぱく質の食事を摂り、4時間ごとにプロテインを飲むようにしています。
WWD:トレードマークのスキンヘッドはいつから?
ノゾム:もともとマッシュヘアだったんですが、映画「デメキン」への出演が決まり、金髪のモヒカンにすることになったんです。撮影後に髪型をどうするか悩んで、結局剃ってからはもう戻れなくて(笑)。当時はアジア系メンズモデルはボウズが多かったんですが、僕はあえてスキンヘッドでいこうと思いました。その後「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」の広告に起用され、今こうして「バーバリー」で仕事ができているのも、スキンヘッドにしたことがきっかけだと思いますね。
WWD:趣味や興味のあることは?
ノゾム:趣味は魚釣りです。バイクも好きで、3台持っています。今はすぐに海外へいけるよう成田空港に近い千葉県内に住んでいます。休みがあればバイクいじりをしてから、魚釣りに行きます。釣った魚は晩ご飯にすることもあります。
WWD:モデルを志す人にアドバイスをするとしたら?
ノゾム:諦めないことです。オーディションに行っても仕事が得られずに、ショックを受けることは多々あります。海外に挑戦して、ファーストシーズンでブレイクできる人もいれば、できない人もいる。1回目がダメでも、2回目、3回目とチャンスがあるので、めげずに続けることが大事だと思いますね。
WWD:今後の目標は?
ノゾム:世界中のさまざまなブランドのショーにもっと出演したいです。モデルを始めたときに雑誌で見かけた「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」のショーに憧れてきたんですが、ラストショーとなった20年春夏オートクチュール・コレクションで歩くことができました。また「バーバリー」では表参道駅全体に僕が出ている広告が掲載され、モデルとしての何かを成し遂げた実感がありました。夢は叶いましたが、今後もブランドの大小を問わずにモデルの仕事を続けていきたいです。
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※この記事は2020年11月30日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
料理の世界では相撲のタニマチ同様、「将来に期待して、先行投資したるわ!!」という「粋」があるそうですね。将来性を金額化し、惚れ込んだ若手には大ベテラン並の対価を支払うことで応援する食通がいらっしゃるそう。百貨店での外商やVIP対応の経験者から聞いているので、間違いありません。
洋服やビューティの世界でも、こういうのっていっぱいありますよね。上の話を聞いてすぐに思い出したのは、自分の経験。今は無きロンドンの中堅ブランド「シブリング」に惚れ込んでいた頃の話です。序盤以降パワーダウンが否めなかったロンドンメンズの中で、「シブリング」は唯一気を吐く存在でした。ショーと洋服は常に楽しく、ロンドンでランウエイを見た後、パリで洋服をオーダーという流れが定着するのに時間はかかりませんでした。パリでの展示会が新人中心の合同展から単独展に変わったときは、頼もしく感じたのを覚えています。
で「将来に期待して、先行投資したるわ!!」という気分でオーダーしたのは、下のリンク1本目にあるLook6のコートです。地厚のニットで作ったダッフルコートに、導線を保護するビニールチューブを切って&縫ってを繰り返し描いた6角形モチーフがビビッドです。同じニットで作ったフードの裾には、ラフィアの飾り!!なんてワタシっぽいんでしょう(笑)!!ランウエイで見た瞬間、恋に落ちました。が、パリで実物を見ると、イロイロ問題があることに気づきます。まず、メチャクチャ重い(苦笑)。次にビニールチューブを使った刺しゅうは、案外粗い。そして最後に、メチャクチャ高い!!その金額は、白状しましょう、50万円でございました(下代ですよ、下代w)。
さすがのファッションバカも、この時は大いに悩みました。「こんなに重いコート、何回着るんだ?」「ビニールチューブ、割と取れそうだけど……」「50万あれば、トップブランドのコートも買えるよね……」などなど。逡巡しましたが、「将来に期待して、先行投資したるわ!!」と考え、思い切ってオーダー。このコートをオーダーしたのはムラカミだけだったという衝撃の事実や、デザイナーからの「カナメの寸法に合わせて、刺しゅうをやり直しているから」というメールに対する冷や汗、銀行で送金の理由を問われてのしどろもどろは、良き思い出(笑)。案の定10回くらいしか着ていないし(笑)、ビニールチューブの刺しゅうは3、4本紛失したけれど、捨てることはないでしょう。クローゼットを開けるたびに、私を笑顔にしてくれる一着です。
思い出話が長くなりましたが、こういうドネーションのような購買って、もっと増えると思うんです。「若手を応援しよう」「あのブランドは地球に良いことをしているみたいだから、買ってサポートしたい」「このブランドの洋服を着ることで、私も社会に意思表示したい」ーー。そんな“半分寄付”みたいな感覚の購買は、大義で共感してもらうビジネスが広がる中で重要になるはずです。実際、売り上げの一部を寄付なんて商品もありますが、それとはちょっと違うドネーション的感覚の購買がメジャーになりそうな時代。あなたのブランドには、ファンが「寄付」したくなる理由がありますか??
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新型コロナウイルスの感染拡大は、従来の商品やサービスの在り方に変化をもたらしている。対面のフィッティングを重視してきた下着業界にも影響を及ぼしているのは言うまでもない。ソーシャルディスタンスが重要視される中、接客やサービスにも変化が求められている。この連載では、コロナ禍に先んじて、既成概念に捉われない新領域の商品やサービスを生み出してきた下着業界の開拓者を紹介する。
第2回に登場するのは、トリンプ・インターナショナル・ジャパン(TRIUMPH INTERNATIONAL JAPAN)の河野智美スロギーブランドヘッドオブクリエイティブデザインだ。2013年に接着技術による無縫製のブラジャー“スロギー ゼロ フィール(SLOGGI ZERO FEEL以下、ゼロ フィール)”を開発し、コンフォートブラの先駆けに。18年には世界41カ国でも同商品の販売を開始し、日本を含む世界でのシリーズ累計販売枚数(トリンプによる13年3月~20年12月末、42カ国の累計販売枚数)は1500万枚を記録し、ヨーロッパでも日本発の革新的な下着として高く評価されている。
――「スロギー ゼロ フィール(以下、ゼロ フィール)」誕生の経緯は?
河野智美スロギーブランドヘッドオブクリエイティブデザイン(以下、河野):「スロギー」は1979年に快適なショーツブランドとしてトリンプ誕生の地であるドイツで誕生し、86年に日本に上陸した。08年に伸縮性に優れた生地を使い、接着技術による無縫製で作ったショーツを日本独自の企画として発売。これが“ゼロ フィール”シリーズのデビューでこの技術をブラジャーに応用するために研究を重ね、13年に接着面も伸びる特殊な製法によってハーフトップブラが完成した。ちょうどノンワイヤーブラの人気が高まりつつある時期で、まるで着けていないような快適さが支持され、国内ではシリーズ累計販売枚数850万枚を突破。同年の9〜10月には1000万枚達成も見込めるようになった。日本の公式オンラインショップ全体の20年7〜12月売り上げの前年同期比比は金額で289%増、枚数で同618%増を記録。コロナ禍でノンワイヤーのリラックスタイプのブラの購入が増えたことに加え、日本独自企画のマスクがヒットしたことが大きい。「スロギー」ブランドとしては他にも、ワンサイズであらゆる体型をカバーする“ゴー オールラウンド”や、新開発の特殊素材で驚く軽さと通気性を実現させた“オキシジン インフィニット”などの商品、スタイリッシュなデザインの“エス バイ スロギー”などを展開している。
――ヨーロッパを中心に世界42カ国で販売されているが、日本企画の“ゼロ フィール”の受け止められ方は?
河野:過去にはなく非常に革新的な商品として受けとめられている。ヨーロッパでは、18年春に販売を開始したが、すでにヨーロッパの「スロギー」ショップでは全体の売り上げの約3分の1を“ゼロ フィール”が占めている。ブランド誕生40年を超える「スロギー」の歴史の中で、これほど短期間で売り上げを伸ばした商品は初めてで評価が高い。
――ヨーロッパで受け入れられると予測できたか?
河野:日本で国内向けに開発した“スロギー ゼロフィール”を海外で販売すると聞いた時は、正直不安だった。日本人は肌もデリケートで肌触りや品質に対して高い基準を求める国民性だ。細部に至るまでこだわって開発したのはもちろん、日本では発売後もさらに良くしていく改善の文化があり、それを重ねて良い物を作っているという自負はあった。一方で、ヨーロッパではそこまでのディテールが求められないと思っていたし、ランジェリーに対してはセクシーさを求める文化があるため、快適性を追求した“ゼロ フィール”のような商品が受け入れられるか心配だった。しかし、実際には、無縫製でありながら、生地が薄くて伸びが良く、生地端がほつれずめくれ上がらないといった品質の高さが評価されて革新的な商品と認められた。先日のグローバルミーティングでは、ヨーロッパのスタッフから「“ゼロ フィール”を嫌いな人はいない」という発言もあった。本国の代表からは、「“ゼロフィール”は下着業界のスニーカーだ。行きたい所へどこまでも歩いていけるポジティブなエネルギーをもたらしてくれる。これをみんなで伝えていこう」と言われた。
――グローバルでの河野さんの役割は?
河野:ヨーロッパとアジアそれぞれのヘッド・オブ・クリエイティブデザインとともに、年5〜6回スイスの本社に集まり、デザインや素材、色、柄を決める会議を行う。売り上げ高はヨーロッパが大きく、本社もヨーロッパにあるため、どうしてもヨーロッパ寄りのデザイン色になりやすいが、日本の代表として、しっかりと日本の市場と需要を伝えるという役割を担っている。ヨーロッパでは私のことを“ゼロ フィール マザー”と呼んでくれてリスペクトしてくれ、意見を大切にしてくれる。”ゼロ フィール“の開発者ではなく、これから先どう育てて行きたいかという意見も求められる。ただ、昨年はコロナ禍で一度もそのメンバーと顔を合わせることなく全てリモートで会議などを行った。
――無縫製のコンフォートブラが多くある中における“ゼロ フィール”の優位性は?
河野:安価な商品もたくさん出ているが、それらを使った多くのお客さまに、「やっぱり違う」と戻ってもらっている。生地や接着技術のオリジナリティーは“ゼロ フィール”を超えるものはまだないと自負している。ナイロンもポリウレタンも細い糸を使ったハイゲージの丸編みで、編み立てた後の加工も一手間かけている。接着剤も生地に合わせてベストなものをブレンドするなど、一つ一つの小さな積み重ねが違いを生み、優しい肌触りと着心地となり選ばれるのだと思う。
――今後の課題とコンフォートブラに求められることとは?
河野:コンフォートブラの市場は今後ますます広がり、快適なだけでなく、バストがきれいに見える、服のように一枚で過ごせるなど、快適である以上の要素が求められるだろう。それを形にするのが今の一番の課題だ。また、サステナブルな素材を採用するなど、時代に合った物作りが不可欠だ。サスティナブルであることはとても重要で、今後さらにその方向に加速するのは間違いないが、風合いがかたくてはお客さまに納得してもらえない。サスティナブルな素材を使って、今の柔らかな風合いと同じレベルを迅速に作りあげるかがもう一つの課題だ。難しいことだが、素材のサプライヤーも含めて同じ方向を見据えてチャレンジしているので、遠くない未来に実現すると思っている。
川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身
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