「ストフ(STOF)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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バイヤー向けにトピックスを拾います。
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第27回「全米映画俳優組合賞(Screen Actors Guild Awards、以下SAGアワード)」の授賞式が4日(現地時間)、デジタルで開催された。「SAGアワード」は通称「オスカー(Oscar)」こと「アカデミー賞(Academy Awards)」の前哨戦とも言われており、全米俳優組合に所属する俳優たちの投票によって受賞者が決定する。
開催時期を例年の1月最終日曜日から延期し、式の時間も短縮して開催した。参加者は現地でレッドカーペットに登場することはかなわなかったが、それぞれのドレスアップした姿をオンラインで公開して盛り上げた。SAGアワードの最高賞とされるキャスト賞にはネットフリックス(NETFLIX)の映画「シカゴ7裁判」が輝いた。映画部門の主演男優賞はチャドウィック・ボーズマン(Chadwick Boseman)、主演女優賞はヴィオラ・デイヴィス(Viola Davis)がそれぞれ受賞した。助演女優賞は、映画「ミナリ」から韓国出身の女優であるユン・ヨジュン(Youn Yuh-Jung)が受賞するという快挙を成し遂げた。
デジタル授賞式では、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のライムグリーンのドレスを着用したヴィオラ・デイヴィスから、足先まで覆う真っ赤なロングドレスを着こなしたグレン・クローズ(Glenn Close)らが明るい色をふんだんに使用したルックを披露。「ロエベ(LOEWE)」に身を包んだジョシュ・オコナー(Josh O’Connor)は70年代のレトロな雰囲気も表現した。
それぞれがルックを自ら公開する“バーチャル レッドカーペット”ということもあって、伝統的なドレスコードを覆す個性的なスタイルも数々登場した。2021年SAGアワードから9つのベストルックを紹介する。
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ケルヴィン・ハリソン・Jr(Kelvin Harrison Jr)は「グッチ(GUCCI)」のダブルボタンのスーツ姿を披露。襟はピークレーペルに、ボウタイでアレンジを加えた。縦ストライプが施された水色とスーツのセットアップに、シルクのブラウスが優しい心地よい印象を演出している。
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「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」の目を引く真っ赤なドレスに身を包んだグレン・クローズ(Glenn Close)は、自宅からの写真を公開した。流れるようなマキシ丈のドレスとショートヘアーが合わさって、時代を超えた美しさをまとっている。
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レスリー・オドム・ジュニア(Leslie Odom Jr)の「ベルルッティ(BERLUTI)」のスーツは、光沢を生かして独特のレインボーカラーに仕上がっている。ダブルボタンのスーツに合うタートルネックを着用し、伝統的なメンズウエアのドレスコードを超越したルックだ。
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ネットフリックスのドラマ「ザ・クラウン(The Crown)」で、ダイアナ・フランセス(Diana Frances)元英国皇太子妃を演じて、その忠実な再現度と演技に注目が集まったエマ・コリン(Emma Corrin)は、「プラダ(PRADA)」を選択。流動性と強さをハイブリットしたエレガントなドレスに、コンバットブーツとベルトを合わせて個性を出した。
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ヴィオラ・デイヴィスは、「ルイ・ヴィトン」のビビットなライムグリーンのドレス姿を披露した。ドレスの側面にはメタリックな輝く装飾が付いており、スリットを演出するジッパーも特徴的だ。遊び心あふれるミックステイストな装いで、現代的に仕上げた。
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ネットフリックスで配信中のコメディドラマ「シッツ・クリーク(Schitt’s Creek)」で主人公一家の母親役を演じたキャサリン・オハラ(Catherine O’Hara)は、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」のタキシード風スタイルを披露した。黒と白のスパンコールが輝かしいルックは役柄とも見事にマッチしている。
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「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER MCQUEEN)」のベージュカラーのドレスは、コルセット風のトップにゆるやかに広がるスカートが特徴だ。シンシア・エリボ(Cynthia Erivo)は大きく開いたネックラインを生かして、イヤリングで芯の強さを表現した。
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ジョシュ・オコナーはスリーピースの茶色のスーツに、赤いブートニエールを合わせて70年代の舞踏会のような印象を演出した。体にぴったりとあう仕立てと彼自身のクールな雰囲気で現代的に再解釈した。
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ボリュームのあるシルエットと、ビビットな色使いは21年SAGアワードで多く見られたが、ケイリー・クオコ(Kaley Cuoco)は「プラバル グルン(PRABAL GURUNG)」のピンクのストラップレスドレスで完璧に決めた。パフスリーブと胸元の大きな花で春の芽吹きを表現。真っ赤なリップとまとめ髪でシックに仕上げた。
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そごう・西武の西武渋谷店は9月、駐車場の「パーキング館」1階を改装し、D2Cブランドを集約したフロア「チューズベース シブヤ(CHOOSEBASE SHIBUYA)」を新たに設置する。店舗面積は約700平方メートル。同時にECサイトもオープンする。10代〜30代前半の「ミレニアル世代」や「Z世代」をターゲットに、彼らが興味を持つ社会課題に関わる商品などを、期間ごと入れ替わりで展開する。一方、出品者側には、資本や出店経験が乏しくても負担なく出店ができ、かつリアル店を出すメリットが享受できる仕組みを整えた。
「メディア型OMOストア」をうたい、デジタルを活用した便利な買い物体験や情報発信に注力する。EC在庫は店頭在庫とリアルタイムで連動(一部を除く)させることで、客のニーズに合わせてさまざまな購入・受け渡し手段を用意する。「チューズベース シブヤ」専用に構築したスマホ用のウェブカタログは、購入やお気に入り登録などの機能も備える。その場で決済して店頭から持ち帰るだけでなく、自宅での購入から店頭受け取り、配送にも対応する。
4月6日現在で約30社の出品が決まっている。カスタムオーダーウエアを展開するFABLIC TOKYOのウィメンズ専門の新業態「インセイン(INSEIN)」、カンカク(東京都港区、松本龍祐社長)の、一人一人に合わせてパーソナライズしたスムージーを提供する「テーラード スタンド(TAILORED STAND)」など、ファッションだけでなく雑貨、食などさまざまなカテゴリーのブランドを誘致する。
出店者は商品をシステム上へ登録し、「チューズベース シブヤ」へ送るだけでよく、陳列や販促、在庫管理、売り上げ管理などの店舗業務はそごう・西武がすべて代行する。さらに出品者はECサイトの訪問・購買データ、店舗のAIカメラによる客の行動分析、ウェブカタログのログなどを自由に閲覧可能で、それらを元に販促やマーケティングに生かすことができる。
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「アンスクリア クラブスポーツ&リッチヘルス(INSCRIRE CLUB SPORTS & RICH HEALTH)」が2021年春夏コレクションを発表した。
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これは“金属ストレス”に着目し、独自のテクノロジーを採用したシリーズ。金属ストレスとは、髪に潜む金属(銅)が、髪の内部や表面に与える影響のことだ。傷んだ髪ほど吸着しやすい銅イオンは、「髪が思った色に染まらない」といったカラーリングトラブルや、切れ毛などのダメージにつながるといわれている。
ラインアップはミスト、シャンプー、トリートメント、マスクの4アイテム。まずミストを使って髪の銅イオンを取り除き、それからカラーリング。後にシャンプー、トリートメント、マスクでケアすることで87%の切れ毛を防ぎ(ロレアル調べ)、潤いに満ちて色をキープしやすい髪の状態に整える。
日本では現在、年齢を問わず“ブリーチブーム”となっているが、ハイトーンほどカラーリングトラブルや切れ毛のリスクが高いといわれている。その原因の1つとして金属ストレスに着目した点がポイントで、9月の発売に向けて期待が高まりそうだ。
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「アンスクリア(INSCRIRE)」が2021年春夏コレクションを発表した。
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「マルニ(MARNI)」はポップアップストア「マルニフェスト(MARNIFESTO)」を渋谷パルコ1階に4月22日までオープンしている。同ストアではフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)=クリエイティブ・ディレクターによる2021年春夏コレクションのほか、日本限定商品を販売している。
内装は「ダイバーシティー」をキーワードにしたカラフルな空間。バッグのペイントなどと共通するスローガンを用いた幾何学柄の壁紙が彩る。開催に先駆けて、女優でモデルの堀田真由、太田莉菜、松井愛莉、八木莉可子、モトーラ世理奈、俳優の杉野遥亮、小関裕太らが来場。KANDYTOWNのHolly Qとしても活動する上杉柊平やDa-iCEの工藤大輝、向井太一、オカモトレイジ、カワグチジンらアーティストも会場を訪れ、ポップアップストアの世界観を楽しんだ。そのほか、AMIAYAやTaiki、Noah、中田みのり、古市憲寿、千原徹也、蜷川実花も来場した。
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「スエサダ(SUESADA)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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300店舗超の多様な美容サロンを国内外に展開するアルテ サロン ホールディングスは3月末、国際環境NGOバードライフ・インターナショナルの日本支部であるバードライフ・インターナショナル東京に213万5810円を寄付した。
寄付金は「アッシュ(ASH)」や「ニューヨーク・ニューヨーク(NYNY)」「チョキペタ(CHOKI PETA)」など同社グループが展開する222のヘアサロンで、2020年9〜21年2月の半年間にヘアカラー施術1件につき5円を充当した。
アルテ サロン ホールディングスは今年創業35周年を迎え、今後の未来を見据え企業や業界の経済的成長だけでなく、環境保護活動にも取り組み豊かな社会の実現に貢献することを目標に掲げた。美容室ではヘアカラーなど水質汚染の原因となりうる施術もあることから、美容室の立場からもできる環境保護について考え、バードライフ・インターナショナルを支援することに至ったという。すでに2回目の寄付は21年9月(3〜8月のヘアカラー施術1件につき5円を寄付)を予定している。
バードライフ・インターナショナルは1922年に発足した世界最古の国際環境NGO。100以上の国と地域に約280万人のサポートメンバーがいる。鳥類を指標にその生息環境の保護を目的にグローバルなパートナーシップによって、ローカルからグローバルまで一体となって自然保護活動に取り組み、自然と人の両方の利益となるような長期的な保全活動を行う。
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「リブ ノブヒコ(RIV NOBUHIKO)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、見た目は変えず、障害のある人のために着脱しやすい機能を加えた“トミー ヒルフィガー アダプティブ(TOMMY HILFIGER ADAPTIVE以下、アダプティブ)”の2021年春コレクションを発売した。アメリカと日本、オーストラリア、ヨーロッパの限られた小売店とECで扱っている。
新コレクションでは、正統派なスポーツスタイルとプレッピースタイルを融合し、チノパンやポロシャツ、ルームウエアセット、ジーンズなど定番のアイテムをそろえた。トップスやパンツの留め具にはマグネットやベルクロなどを取り入れ、座ったままの着脱や片手でのコントロールがしやすいよう設計した。スエットパンツのウエスト部分には、ひもを引くことでシルエットや締まり具合を調整できるドローコードを採用。アウターにはファスナーの開け閉めがしやすい機能を、パンツの裾にはマグネットでの開閉機能を付けるなど、体ごとに異なる悩みを考慮しつつ、ほかの「トミー ヒルフィガー」のアイテムと変わらないデザインに仕上げた。またアイテムは、開封や返却もしやすいパッケージで送られる。アメリカでは、音声サービス「アレクサ(Alexa)」を利用して購入も可能だ。
自身も自閉症の子どもの子育てをした経験のあるデザイナーのトミー・ヒルフィガーは、「“アダプティブ”では、いろいろな人が身近に感じられるようなアイテムを作っている。新しい洋服を着たり、出かける際に支度するという行為は、自己肯定心をあげたりワクワクする体験とつながっている。みんなにとって楽しいことであるべきだ。コレクションを通して障害のある人のファッションに変化をもたらして、個性を表現するための自立心と自信を届けたい」と語った。
“アダプティブ”ラインは、子ども向けアイテムを中心に2016年に開始。ブランドのスタイルと着心地を保ちながら、毎日の着替えを楽にするアパレルをそろえる。日本でも20年からしている。「トミー ヒルフィガー」は、2025年までに全てのカテゴリーに“アダプティブ”版をそろえることを目標に掲げている。
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「ジル サンダー+(JIL SANDER+)」が2021年春夏コレクションを発表した。
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ルルレモン・アスレティカ(LULULEMON ATHLETICA以下、ルルレモン)の2021年1月通期決算は、売上高が前期比10.6%増の44億187万ドル(約4842億円)、営業利益は同7.7%減の8億1998万ドル(約901億円)、純利益は同8.7%減の5億8891万ドル(約647億円)だった。
地域別の売上高では、北米が同8%増、海外が同31%増だった。ルルレモンが20年6月に5億ドル(約550億円)で買収したホームフィットネスのスタートアップ企業ミラー(MIRROR)は、1億7000万ドル(約187億円)の売り上げとなり、予想の1億5000万ドル(約165億円)をやや上回る結果となった。
四半期ベースでは、20年11月~21年1月(第4四半期)の売上高は前年同期比23.7%増の17億2955万ドル(約1902億円)、営業利益は同9.9%増の4億5790万ドル(約503億円)、純利益は同10.6%増の3億2983万ドル(約362億円)だった。地域別では、北米の売上高が同21%増、海外が同47%増だった。
カルバン・マクドナルド(Calvin McDonald)=ルルレモン最高経営責任者(CEO)は、「前例のない危機的な状況の中、引き続き業績を伸ばすことができ、非常に誇らしく思っている。日常的に運動をしてアクティブに過ごしたいという風潮は以前からあったが、パンデミックによってそれが高まったことが追い風となった。事態の収束後も、こうした傾向は続くだろう。当社はまだ成長の初期段階にあり、画期的なアイデアなどによって今後さらに多くの事業機会があると確信している」と語った。
コロナ禍の影響によりさまざまな外出規制措置が取られていたため、ECの売り上げが大幅に増加した企業も多いが、ルルレモンも例外ではない。20年の売上高を販売チャネル別に見ると、D2Cが前期比101%増とおよそ2倍の売り上げとなったのに対して、直営店は同34%減だった。四半期ベースで見ても、第4四半期はD2Cが前年同期比94%増となっており、売り上げ全体の52%を占めている。一方、直営店の売り上げは既存店ベースで同28%減だった。しかし、同社は新規出店を積極的に行っていく予定で、21年には40~50店をオープンする。そのうち15~20店は中国本土に出店するという。
マクドナルドCEOは、「主に店舗で買い物をするという顧客もおり、そうした顧客とのつながりを再び深めたいと考えている。中国市場はもちろん、全ての海外市場についてワクワクしている」と述べた。
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「ベッドサイドドラマ(BEDSIDEDRAMA)が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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ファナティック(東京・渋谷、野田大介代表)は、商品を手軽にインスタのストーリー風に紹介できるサービス「ザッピング」をスタートする。
ネット通販サイトのトップページに、手軽に多種多彩な情報の分岐を用意できる。「集客力を高めるため、ネット通販モールや通販サイトは、扱う商品やブランドがどんどん増えている。膨大な商品を整理し、かつユーザーに使いやすくするためにサイトの構造やレイアウトが均一化してしまう。欲しいものが決まっていれば自分で検索して使うのは便利だけど、なんとなく見たいもの、欲しいものを探すのは苦手だった。テレビのチャンネルや雑誌をパラパラとめくるような“ザッピング”のようにユーザーが多彩な分岐ができて、かつ運営者側にも負担の少ないツールを目指した」という。
「ザッピング」の使い方は、インスタグラムのストーリーに似ており、動画内にキャプションやリンク、SNSのアカウントを埋め込むことが出来、「ザッピング」で制作した動画をそのままインスタのストーリーに使うことも可能だ。
「ザッピング」の費用は初期費用が30万円、使用料が月5万円〜。使用料は視聴された時間に応じて段階的に上がっていく。「費用感を考えると使用料が対売上高で5%、つまり月商1000万円くらいのサイトがターゲット。扱う商品や情報の多いネット通販モールや大手企業のネット通販サイト、不動産情報サイトが導入、あるいは導入を検討中」という。アパレル関連ではすでにアダストリアの自社ECサイト「ドットエスティ」が導入している。
「インスタのストーリーはEC業務に精通した担当者から現場の販売員まで、誰もが手軽に使っているツール。誰もが気軽に使えて、使用料もできるだけ低く設定することで、導入のハードルを下げた」という。
ファナティックはネット通販やITツールの開発スタートアップで、雑誌「オーリー(OLLIE)」の編集やECサイト運営のコンサルタントなどを経て野田代表が2016年8月に創業した。現在主力サービスのLINEのチャットボット「ワズアップ(WAZZUP!)」は約50社が導入している。
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しまむらは、オンライン経由の売上高を2024年2月期に120億円に拡大する。同社は昨年10月に自社EC(ネット通販)サイトを開設したばかりだが、購入者がリアル店舗で受け取る事例が多く送客効果が大きかった。ただ、売上高5426億円(21年2月期)から見れば規模は小さい。全国2154店舗(同)の店舗網を生かしたクリック&コレクトの事業モデルを築けるかがEC成功のカギになる。
5日にオンラインで開催された21年2月期決算説明会で鈴木誠社長が明らかにした。自社ECサイトは、それまでの店舗への商品取り寄せアプリ「しまコレ」と統合するかたちで昨年10月にスタートした。初年度の売上高は17億円で、うち商品の店舗受け取りが約9割を占めた。消費者の自宅への個別配送が中心のECに比べて、送料などの運営コストを抑えているのが特徴だ。昨年8月に東松山(埼玉県)の物流センターを増築、今年1月にさいたま新都心に新築した本社ビル内に撮影スタジオを設けるなど、環境整備に取り組み始めた。
今期(22年2月期)はオンライン経由の売上高50億円を想定する。そのうち40億円が「ファッションセンターしまむら」、10億円が子供服の「バースデイ」などその他の業態になる。規模の拡大に向けて関西にもEC専門の物流センターを設ける。
同社は24年2月期を最終年度にした中期経営計画を発表した。国内事業において売上高5950億円(21年2月期は5366億円)、営業利益493億円(同381億円)を目指す。店舗数は100店舗の増加を予定する。EC化率は2%程度の予想だが、全業態の商品を取り扱い、店舗受け取りの機会を増やして、ついで買いを促す。
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アディダス(ADIDAS)の2020年12月通期決算は、売上高が前期比16.0%減の198億4400万ユーロ(約2兆5598億円)、営業利益が同71.7%減の7億5100万ユーロ(約968億円)、純利益が同77.5%減の4億4300万ユーロ(約571億円)だった。
地域別の売上高では、ヨーロッパが同12.3%減の53億2000万ユーロ(約6862億円)、北米が同10.3%減の47億6200万ユーロ(約6142億円)、アジア太平洋地域が同18.5%減の65億4600万ユーロ(約8444億円)だった。南米やロシアなども含め、全ての地域で減収となった。
ブランド別の売上高では、「アディダス」が同15.8%減の180億9500万ユーロ(約2兆3342億円)、「リーボック(REEBOK)」は同19.3%減の14億900万ユーロ(約1817億円)だった。アディダスは「リーボック」の売却を21年2月に発表しているが、買い手候補などはまだ明らかになっていない。
四半期ベースで見ると、20年10~12月期(第4四半期)の売上高は前年同期比4.9%減の55億4800万ユーロ(約7156億円)だった。7~9月期(第3四半期)が同6.9%減、4~6月期(第2四半期)が同35.0%減だったことを踏まえると、業績は順調に回復しているといえるだろう。現地通貨ベースでは、第4四半期は同1.0%増だった。
第4四半期における地域別の売り上げは、現地通貨ベースでヨーロッパが同6.2%減だったが、北米は同2.2%増、アジア太平洋地域は同1.4%増となっている。なお中国本土は同7.0%増となっており、ほかのアジア太平洋地域との差異が大きいことから、今後の決算報告書では別個に扱うという。
カスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)最高経営責任者は、「20年はこれまで経験したことのないような年だった。さまざまな苦難に直面したものの、アディダスをよりよい会社にするための努力を続けることができ、尽力してくれた全ての従業員に感謝している。第4四半期には成長軌道に戻っており、21年の業績は15~19%の成長率になると予想している」と語った。
販売チャネル別ではECが前期比53%増と非常に好調で、40億ユーロ(約5160億円)超の売り上げだった。同社ではこうした傾向が続くと見ており、オンラインでの売り上げは実店舗の3倍の速さで成長すると予想。25年にはECとD2Cが売り上げ全体の半分程度、つまり80億~90億ユーロ(約1兆320億~1兆1610億円)に達すると見込んでいる。
ハーム・オルマイヤー(Harm Ohlmeyer)最高財務責任者は、「本当に劇的な変化だ。卸からD2Cに比重を移したことで中間業者が減り、結果的に売り上げに対する利益率が上昇した。D2Cを強化するには物流やマーケティングにより多く投資する必要はあるが、売上高の増加が見込める上に、純利益が速いスピードで成長するという利点がある」と述べた。同氏はまた、ECを展開している小売店とは提携を継続する予定だとしながらも、より小規模な小売店とは提携を解消する可能性があることを示唆した。
アディダスは今回の決算とともに、21~25年の事業戦略「オウン・ザ・ゲーム(Own the Game)」の詳細を投資家やメディア向けの説明会で発表した。同戦略は2つに分かれており、前半はコロナ禍からの回復および21年について、後半は22~25年の成長戦略にフォーカスしている。
同社はこの事業戦略の一環として、スポーツ(サッカー、ランニング、トレーニング、アウトドア)とライフスタイルに注力することを策定。これに伴い、アスレジャーなどのライフスタイル用品と、アスリート向けの機能性用品を分けるため、新たなブランドポジショニングを設定した。「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」は高価格帯のプレミアム商品やセレブリティーとのコラボアイテムを、「アディダス スポーツウエア(ADIDAS SPORTSWEAR)」は主にアスレジャー用品を、「アディダス パフォーマンス(ADIDAS PERFORMANCE)」は機能性アイテムを取り扱う。
また今後の成長分野として、同社はウィメンズとサステナビリティを挙げている。21年3月には、世界の女性アスリートの声を反映したアクティブウエアのコレクションを発売した。サステナビリティに関しては、25年までに10のアイテムのうち9つがサステナブルであることを目指している。
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2017年11月に東京・原宿に1号店をオープンしたフリーランス美容師向けのシェアサロン「ゴウトゥデイシェアサロン(GO TODAY SHAiRE SALON)」(以下、「ゴウトゥデイ」)。“シェアサロン”とは、フリーランスの美容師が、施術スペースを借りてサロンワークを行う美容室のこと。借りるスペースは仕切られた個室となっていて、基本的には一人の美容師がマンツーマンで接客するので、“個人経営のサロンが集まった大きなサロン”ともいえる。同サロンの経営を担当する大庭邦彦代表と、フリーランス美容師として現場を管理する大池基生取締役兼代表美容師が今回、ファッション・ビューティ業界の次世代をけん引する「WWDJAPAN NEXT LEADERS 2021」に選ばれた。そんな2人が抱くビジョンとは。
WWDジャパン(以下、WWD):「ゴウトゥデイ」をオープンしたきっかけは。
大池基生取締役兼代表美容師(以下、大池):われわれ2人は、ともに美容室業界がバックボーンにある。私は都内の美容室で9年間、美容師として働いていた。しかし、きつい、給料少ない、休日少ないといういわゆる“3K”で、16年に独立してフリーランスになった。そして当時としてはまだ珍しかったが、知人の美容室の一席を借りてサロンワークを行う“面貸し”という形態で働き始めた。すると、“お客さまとしっかり向き合えている実感が持てた”“考えたことをすぐに行動に移せるようになった”“収入も自由な時間も増えた”といいことばかりで、「この働き方をもっと広めたい」と思っていたときに大庭と出会った。
大庭邦彦代表(以下、大庭):私は前職でヘアサロン検索サイトを運営していたが、そのときから「もったいないなぁ……」と思っていた。美容師にはやる気のある人や高いクリエーティビティーを持った人が多いのに、古い業界であるだけに、いろいろと締め付けがあって輝けていない。ところが大池のように、環境や働き方を少し変えるだけで伸び伸びと輝ける美容師がいると分かり、それならば一緒にプラットフォームを作ってしまおうと思った。その試みは美容師のニーズをとらえていたようで、現在は都市圏を中心に20店舗以上を展開し、350人強の美容師(アイリスト、ネイリストも含む)が登録している。近々にさらに3~4店舗のオープンも決まっており、24年までに60~70店舗の展開を目標にしている。
WWD:躍進の理由は。
大池:時代背景によるところが大きい。私がフリーランスで働いていた頃までは、集客は美容室が行っていた。そのためフリーランスには“美容室から外された美容師”“ついていけなかった美容師”というかなりマイナスのイメージがあった。ところがSNSが急速に発達し、今や美容師が個人で集客できる時代。美容室での働き方に縛られる必要はなく、自由な働き方を選択できるようになったため、シェアサロンの成長は“必然”だと思う。実際、当サロンに登録している美容師には、飲食店、ジュエリーデザイナー、ユーチューバーなどパラレルキャリアで働いているスタッフも少なくない。フリーランス美容師に対する評判も、“自由でいい”“今の時代にマッチしている”などと一気に逆転した。
大庭:当サロンに登録している美容師の中には、大池のように「この働き方をもっと知ってもらいたい」と思う人も多く、現在の運営スタッフの約半数が元美容師だ。登録者に関しても、美容師にとどまらず、アイリストやネイリストの利用も増えているため、東京・青山にアイとネイルの専門サロンを作った。現在は登録技術者の枠が埋まってしまったため、2店舗目の出店を計画している。今後も、あらゆるビューティシャンを対象にビジネス展開していきたい。
WWD:現在の課題は。
大池:まずは“場所を提供するだけのビジネスからの脱却”を目指している。そのための施策として、1月に会計などができるオリジナルアプリをローンチした。今後はさらに、予約や経営管理などの機能も充実させていき、“ハサミとアプリさえあればどこでもサロンワークができる状態”にまで持っていきたい。ハードを提供しているだけでは優位性を築けないので、ソフトも充実させ、総合的かつ包括的に技術者をエンパワーメントしていきたい。
大庭:女性美容師がもっと輝ける仕組みを作りたい。現在の美容室業界は、美容学校を卒業したときには女性の方が多いのに、年齢を重ねるにつれてどんどん女性美容師が辞めていく、という状況にある。30歳までに女性美容師の約9割が辞める、というデータもあるほどだ。もちろん“結婚や出産といった女性ならではの事情がある”“体力的にきつい仕事で続けにくい”といった、よく言われている理由もあるだろうが、私は“女性の方が冷静に物事を見れるから”だと考えている。思いや熱さで走る男性とは異なり、女性は冷静に“続けていく価値のある仕事かどうか”を分析できる。シェアサロンの仕組みを通して、その分析でも“美容師は年齢を重ねても続けていく価値のある魅力的な仕事”と思ってもらえるようにしていきたい。
WWD:10年後の目標は。
大庭:シェアサロンは、シェアオフィスやシェアハウスと比べると、まだまだ知名度が低い。もっと生活に寄り添い、まるで水を使うようにシェアサロンを利用してもらえるようにしていきたい。さまざまな技術者が集い、利用者が日常的に訪れる、本来の意味での“サロン”にすることが目標だ。
【推薦理由】
これまで美容師は独立する場合、サロンの開業もしくは他サロンの面貸しの2択しかなかった。「ゴウトゥデイ」の登場により、低価格で施術スペースを借りることができるようになり、独立や兼業をしやすくなった。働き方の自由が大きな課題とされてきた美容室業界において、2人は新たなワークスタイルを提供。美容師だけでなくネイリストやアイリスとにもスペースを貸し出し、異なる業界にも新たな働き方を提供している。予約や物販などのサポートを行うアプリも開発し、ヘアサロン業界のDXを率いる存在として期待が高まる。
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ニューバランス(NEW BALANCE)は、ニューヨーク発のブランド「エメ レオン ドレ(AIME LEON DORE)」創設者のテディ・サンティス(Teddy Santis)と長期間のパートナーシップ契約を結んだ。サンティスは“メイド・イン・USA”コレクションのクリエイティブ・ディレクターとして商品開発などに携わる。ニューバランスがクリエイティブ・ディレクターの役職を設けるのは創業から115年で初めて。同氏が手掛けたコレクションは、2022年から全世界で発売する。
両者は20年3月の協業を皮切りに、シューズやアパレルを共同制作してきた。サンティスは「私は、ニューバランスがこれまで“ハイプ”を作るよりも、誠実さや本質といった真のブランド価値を優先してビジネスを作り上げてきたことに引かれた。われわれの真の価値をキャンペーンを通して世界に伝え、時代の最先端を行く人々と共に、本物のストーリーを語っていきたい」とコメントした。
ニューバランスのクリス・デイビス(Chris Davis)=チーフ マーケティング オフィサーは「サンティスと一緒にニューバランスのクラフツマンシップを用いて、未来のヘリテージへの第1章を定義していきたい。彼のインスピレーションに富んだビジョンとコラボレーションすることで、アスレチックカンパニーとしての常識やルールを飛び越えられると共に、世界基準のプロダクトをさらに高いレベルで開発できる」と話した。
キャンペーンビジュアルにはサンティスに加え、パン屋や床屋、仕立て屋、肉屋、ペインターなど、ニューヨーク在住の職人たちが登場。“メイド・イン・USA”のクラフツマンシップと、ニューヨークという街の歴史や精神を「エメ レオン ドレ」で独自に表現してきたサンティスのセンスの融合を表現している。
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サステナビリティ先進企業のパタゴニアの担当者にその取り組みを聞く連載第7回。今回は、パタゴニアが熱心に取り組む農業がテーマです。気候変動や人口増加に伴う需要増大への対策として、 “リジェネラティブ・オーガニック農法”(土壌を修復・改善しながら自然環境の回復を目指す農法)に注目し、2017年には、他の米国ブランドとともにリジェネラティブ・オーガニック認証制度を作り、農地の切り替えを推進。なぜ、今農業が重要なのでしょうか。木村純平・環境・社会部門リジェネラティブ・オーガニック リサーチ担当に聞きます。
WWD:パタゴニアが農業に注目した理由を教えてください。
木村純平・環境・社会部門リジェネラティブ・オーガニック リサーチ担当(以下、木村):「新しいジャケットは5年か10年に一度しか買わない人も、一日3度の食事をする。われわれが本気で地球を守りたいのなら、それを始めるのは食べ物だ」――これは創業者のイヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)の言葉です。農業は、繊維や食物を生み出す、私たちに必要不可欠な産業です。しかしながら、工業型農業は土壌劣化などのさまざまな問題を引き起こしており、気候変動の主要な原因の一つになっています。
WWD:パタゴニアは農業を「問題」ではなく、「解決策」へと転換するために、健康な土壌を構築する環境再生型農業、リジェネラティブ・オーガニック農法への切り替えと普及を推進していますね。
木村:リジェネラティブ・オーガニックは、気候変動と闘うとともに、増加する人口を支えるための食物を供給し、さらに地球の健全性を維持することのできる最も効果的な方法の一つだからです。また、人口増加に伴う需要の増大に応えるためにも必要です。20年の世界人口は78億人に上り、50年には97億人に達するといわれています。私たちは今後、食の変化はもちろん農業の生産性を向上させる必要があります。
WWD:従来の工業型農業が抱える問題とは?
木村:工業型農業は地球環境を犠牲にしながら、生産力の向上を図ってきました。しかし、現在世界中で広く行われている工業型の農業は、化学肥料や農薬、遺伝子組み換え技術やプラスチック資材の利用、大型耕耘機やかんがい設備などの多投入型の工業的システム、単一栽培のような効率を求めた農地利用を採用しています。そのため、生産と輸送で膨大な量の化石燃料を使い、地下水汚染や河川の富栄養化、土壌汚染や健康被害といった問題を引き起こしています。
またグローバルな問題として、農地拡大を原因とする森林減少によって生物多様性に悪影響を及ぼし、安価な窒素肥料の合成と使用によって窒素循環を乱しています。これは、私たちが21世紀に優先的に取り組まなくてはならない重大な環境問題です。工業型の従来農業は、「私たちの繊維や食物を生産する」ことを理由に、地球環境を食いつぶしているのです。
WWD:工業型農業は、外部環境に高い負荷をかけるだけにとどまらず、土壌を劣化させています。
木村:土壌が劣化する根本的な原因は2つあります。1つ目は農地を頻繁に耕すことで土壌侵食を促進し、肥沃な土壌そのものを物理的に失ってしまうこと。2つ目は、土壌のさまざまな機能を担う土壌有機物が年々減少してしまうこと。そのため、これら2つの課題を克服しなければ、持続的な農地利用はできません。
WWD:持続可能性を考えると工業型の従来農業は、多数の課題や問題を抱えていますよね。
木村:ええ。しかし、幸いなことに私たちには選択肢があります。それは、それらの問題に個別に対応するのではなく、これまでの歴史と最新科学に基づいて、多くの問題を根本から解決できる農業システムへと切り替えていくことです。それが、パタゴニアがこれから国内でも取り組むリジェネラティブ・オーガニックです。
WWD:改めてリジェネラティブ・オーガニックについて教えてください。
木村:リジェネラティブ・オーガニックは、時間をかけて土壌の有機物を増やすことで気候変動への適応と緩和を同時に実現します。また、農業従事者や牧場に長期的な経営安定をもたらし、レジリエンスのある生態系と地域社会を築くことができます。結果的に世界中の何十億もの人々に食と衣類を提供するという役割を果たしながら、地球と人間の健康の維持に貢献できます。必要なものを生産し、それと同時に土壌を健全化することによって、温暖化の原因である炭素を土壌中に隔離できるのです。
WWD:パタゴニアはその農法を推進するために国際認証制度を作りましたね。いわゆる環境再生型農業(リジェネラティブ農法)とリジェネラティブ・オーガニックにはどのような違いがありますか?
木村:環境再生型農業は概念的なものであるために認証制度はなく、農薬や化学肥料、遺伝子組み換え技術などの利用も自由です。もちろん、これらを利用していない農業者もいます。そのため、リジェネラティブ(環境再生的)が意味するものが明確ではありません。不耕起栽培などの一部の管理方法を個別に採用しただけで「リジェネラティブ」という言葉を使うことにより、用語としての混乱を招いています。
WWD:なるほど。リジェネラティブ・オーガニック認証はどのような基準がありますか?
木村:認証に基づいた有機農業を基盤として、そこにリジェネラティブな管理方法を追加的に要件化することで厳格に定めています。これは①土壌の健康、②動物福祉、③社会的公平性の3つの柱から構成されています。必須条件は有機認証の取得で、「土を守ること」を重視した認証制度であるため、「なるべく耕さない省耕起栽培または不耕起栽培であること」「植物による土壌被覆が農地の25%以上を占めること」「生産者が作物の種類と作付けする場所を周期的に変える輪作を行い、3作物種以上の作物または多年生作物を利用していること」「リジェネラティブな(再生を促す)管理方法を3つ以上採用していること」など。この農法は全体論的な農業手法を促進することで、①気候変動緩和の方策となるように土壌有機物を増やし、植物と土壌により炭素隔離を行うこと、②動物福祉を向上させること、③農業者・牧場主・労働者に対して経済的な安定と公平性を提供することを目指しています。この認証制度は、リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス(Regenerative Organic Alliance)という団体によって管理・運営されます。
WWD:私たちが抱えるさまざまな問題の解決への鍵の一つになる農法ですね! 一方で導入が簡単ではないではとも思います。
木村:私たちはリジェネラティブ・オーガニックを普及する道が容易ではないことを理解しています。気候風土や伝統的な農業技術、地域社会やサプライチェーンなど、多くのことに深い注意を払う必要があります。しかし私たちは、食や衣類とさまざまな害悪を生み出している農業という産業を転換させなくてはいけない時期にいます。そうしなければ、気候危機はより一層深刻化し、従来型の農業により引き起こされる深刻な環境問題はなくならず、土壌劣化により生産量が低下し続けることが明らかだからです。
健全な土壌は地球を救いながら良質な食べ物と衣類を生み出し、そして私たちの生命の健康と健全な環境を育みます。つまり、健康な土壌を育むことは地球・農業者・食べる人、地球に住むすべての人々と動植物を育むことなのです。
答えてくれた人:木村純平/環境・社会部門リジェネラティブ・オーガニック リサーチ担当:群馬県出身。「生態学に根差した再生可能な農業」を専門に研究。「リジェネラティブ・オーガニックに非常に強い共感と自身の専門性との整合性を感じ」2020年3月入社。リジェネラティブ・オーガニックに対する共感者・賛同者・実践者を国内に増やし、農業とその生産物(繊維と食料)を環境再生可能なものへと移行するサポートを行う。好きなアクテビティーはジョギングと陸域の自然散策。自身は、環境負荷の少ない食生活への挑戦、家庭ごみの堆肥化とミミズコンポストを、自然の則した農法での畑の管理を行う
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