伊勢丹新宿本店、営業再開初日の売上高は前年比2ケタ増

 東京都や大阪府の休業要請緩和を受け、主要百貨店各社(三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武、阪急阪神百貨店)は6月1日、両地域における店舗の平日の全館営業を再開した。三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店の再開初日の売り上げは、昨年の同曜日(6月2日)との比較で2ケタ増となった。「緊急事態宣言の継続もあり開店前の並び列は平時より短かったものの、ようやく再開できた宝飾売り場などがけん引した」(同社広報)。

 同日には各社が2021年5月度売上速報を発表した。19年同月と比較して、3〜7割の減収だった。昨年は「緊急事態宣言」により月を通して全国的な店舗休業となったため、比較対象としていない。

 各社の19年5月と比較した業績は、三越伊勢丹が約5割減、高島屋が42.9%減、大丸松坂屋百貨店が54%減、そごう・西武が約3割減、阪急阪神百貨店が70%減だった。大阪は東京よりも厳しい休業要請が敷かれたことで、関西を主な商圏とする2社(大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店)の減収幅が大きくなった。阪急うめだ本店は19年比で83%の減収だった。

 東京では5月中旬から各社が“生活必需品”の範囲の見直しとともに衣料品フロアなどを再開したが、目立った集客効果にはつながらなかった。高島屋は5月12日に衣料品などの売り場を他社に先立ち再開したが、「(衣料品は19年比で)6割減ほどの水準で推移している厳しい状況。すぐに客足を回復させることは難しく、中長期的な目線で売り場の魅力創出を図っていく」(高島屋広報)。同社は2日から各店の売り場で、循環型素材を使用した商品を販売・回収する取り組みをスタートする。

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阪急うめだ本店、38日ぶり営業再開でにぎわい 自粛生活のごほうび消費も

 商業施設の休業要請が緩和された大阪府では1日、百貨店とショッピングセンター(SC)が平日の営業を再開した。20時までの短縮営業に加え、土日は生活必需品以外は休業を継続する。緊急事態宣言が発令された都道府県の中で、大阪府は最も縛りが厳しく、百貨店とSCは衣料品など大部分の売り場を4月25日から休業していた。38日ぶりにファッションフロアににぎわいが戻ってきた。

 阪急うめだ本店では、10時の開店時に100人以上の客が地下1階と1階のエントランス前に並んだ。同店で「シャネル」と「ディオール」の香水を買うのが好きという大阪市内に住む31歳の主婦は「化粧品売り場は先週も営業していたので購入したが、また買いに来た。徐々に再開したほうが密にならないので安心できる。洋服はほとんどヘップファイブ(梅田にあるファッションビル)で購入しているので、あとで買い物に行きたい。休業すると分かってから(洋服を)買い貯めていたし、ネット通販でも買っていたので不自由には感じなかったが、店で買えるのはやはり楽しい」と笑う。

 阪急うめだ本店では、自社ECサイトに掲載されていない店頭の商品をLINEや電話などで事前に注文し、決済できるサービス「リモオーダー」を2020年秋に開始した。それでも店頭で実物を見てから購入したいという声は多い。この日の午前中も「シャネル」「ルイ・ヴィトン」「グッチ」などラグジュアリーブランドのショップを訪れる客が多く、感染防止のため入場制限がされていた。

 「シャネル」のバッグとアクセサリーがお目当てという大阪市在住の20代女性は、オンラインストアで購入することはあまりないという。「『シャネル』は路面店も休業していたので再開が待ち遠しかった。休業中は阪急の売り場の方にLINEで商品写真を送ってもらったり、入荷状況を聞いたりしていた。週2、3回は仕事帰りに阪急に寄っていたので、休業中にお金を使うことがなかった。しっかり感染対策をしているので土日も営業してもいいと思う」と話した。

 某ファッションブランドの販売員は「ストレスを発散したいというお客さまが朝から来られ、財布の紐がゆるくなっているかもしれない。外出自粛をがんばった自分へのごほうびだとおっしゃっている方もいた」と話す。このブランドは客数増を狙い、夏物の新作の価格を大幅に見直した。「同じパンツを2本購入してくださった方もいる。今日から営業再開でき、お客さまとお話できることがすごくうれしい」と笑顔を見せた。

 阪急うめだ本店は、平日は10時から20時まで全館で営業する。だが、稼ぎ時の土日は引き続き営業エリアを絞る。地下1・2階の食品、1階の「ロクシタン」とバッグ・アクセサリーを除く婦人服飾雑貨、2・3階の化粧品、婦人肌着、9・12・13階のレストランカフェなどに限定され、衣料品など売り場の半分以上は20日までの土日を休業にする。

 再び感染拡大も恐れもあるため、「楽観視はしていない。緊急事態宣言は延長されているので今は安全安心対策に留意して粛々と営業していく」(広報)という。

 梅田では、阪急メンズ大阪、阪神梅田本店、大丸梅田店、ルクア大阪、グランフロント大阪が一部の店舗を除き、時間を短縮して平日営業を再開した。一方、土日についてはほぼ全館休業を発表しているが、大丸梅田店のみ「いまのところ未定」としており、減少傾向にある感染者数の今後の推移が注目される。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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セレクトリサイクルショップのパスザバトン表参道店が11年の歴史に幕 閉店セールを開催

 セレクトリサイクルショップのパスザバトン(PASS THE BATON以下、PTB)表参道店が6月30日に閉店する。PTBは“ニューリサイクル”をコンセプトに。出品者からの思い出の品を大切に使ってくれる人に購入してもらう(バトンタッチする)ショップとしてスタート。出品者の顔写真とプロフィール、品物にまつわるストーリーを添えたり、葉書などを通して出品者と購入者の思いをつなぐ活動を行なってきた。表参道店は2010年に2号店として東京・表参道ヒルズに登場。和洋問わず、ビンテージファッションやアクセサリー、骨董品、テーブルウエア、PTBのオリジナル商品などを販売してきた。

 閉店の背景について、箕浦俊太スマイルズPTB事業部長は、「新型コロナウイルスの影響もあるが、それよりも、世の中が出店した11年前とあまり変わっていないという問題意識の方が大きい。人々の生活にリサイクルという営みは根付きつつあるが、いまだにモノが過剰に増え続けている」とコメント。PTBでは、企業が抱えるB品やデッドストックなど販売していたが、店舗のスペースの関係上、メーカーからのアプローチに応えることができなかったこともあるようだ。一方で、メーカー側から、端切れがなくなりオリジナル商品を作れなくなったということもあったという。「“もったいない”を起点に困りごとの解消を掲げているのに、自分たちの都合でメーカーに向き合えなかったり、売るモノがなくなるいう矛盾があった」と箕浦事業部長。表参道店の閉店は、世の中の問題に向き合うために、自分たちが変わろうという思いからの決断のようだ。同事業部長は、「PTB丸の内店と京都店の運営は継続するが、“日本の倉庫を空っぽにしよう”というスローガンを掲げて始めた企業のデッドストックやB品を販売する『PBT マーケット』の活動を通して、行き場を失った商品とその背景に光を当て、新しいビジネスにしていきたい」と語った。

 PTB表参道店では6月30日まで、閉店セールを開催中だ。ファッションアイテムや器、アンティークのオブジェ、そして什器を特別価格で販売。6月1日からはPTBオンラインショップでも一部商品を同時販売する。

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ジュンがスタッフの私物をフリマで販売 渋谷パルコで

 ジュンはスタッフの私物を販売するフリーマーケットを6月4~27日に渋谷パルコで開催する。

 スタッフが着ていた服やアクセサリー、思い出のあるCDやレコード、海外旅行のお土産、刺激を受けた本やアート作品など多種多様なアイテムを集めた。

 同社はスタッフがそれぞれ働くフィールド以外の幅広い分野のカルチャーに興味を持つことを推奨している。このイベントを通し、スタッフのそれぞれのカルチャーを垣間見ることができるアイテムをバトンのように次の人に繋げたいという。

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ジュンがスタッフの私物をフリマで販売 渋谷パルコで

 ジュンはスタッフの私物を販売するフリーマーケットを6月4~27日に渋谷パルコで開催する。

 スタッフが着ていた服やアクセサリー、思い出のあるCDやレコード、海外旅行のお土産、刺激を受けた本やアート作品など多種多様なアイテムを集めた。

 同社はスタッフがそれぞれ働くフィールド以外の幅広い分野のカルチャーに興味を持つことを推奨している。このイベントを通し、スタッフのそれぞれのカルチャーを垣間見ることができるアイテムをバトンのように次の人に繋げたいという。

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資生堂が代表する美容液“アルティミューン”をリニューアル 3代目は未来の肌の美しさを守る

 資生堂は7月1日、世界88の国と地域で展開するブランド「シセイドウ(SHISEIDO)」を象徴する美容液“アルティミューン パワライジング コンセントレート N”をリニューアルし、“アルティミューン パワライジング コンセントレート Ⅲ”として発売する。百貨店を中心とした約380店舗と同社の総合美容サイト「ワタシプラス(watashi+)」で展開。海外でも順次発売する。

 “アルティミューンは”2014年にブランドの象徴アイテムとして誕生した。18年にリニューアルし、「肌本来の美しさを引き出す」独自価値が人種や年齢、肌質、性別を問わず支持され、世界で6.8秒に1本のスピードで売れているほか、200を超えるビューティーアワードを受賞する。

 今回、「理想の肌」に関するグローバル調査を実施したところ「肌がきれいだと感じる瞬間がもっと長続きしてほしい」との回答が多かった。さらに、コロナ禍が続く中で美容ニーズが変化し、素肌に対する意識が世界全体で高まっていることが分かった。そこで“ザ ライフブラッド”(一人一人の美しさが解放され、絶え間なく更新され続けることを目指す資生堂が提案するビューティコンセプト)の考えをもとにリニューアル発売する。血流を促進する効果が期待できる独自のイミューンジェネレーション RED テクノロジーを搭載し、今だけでなく未来の美しさまで守り抜く。肌の明るさ・ハリ・滑らかさが備わった、生命感ある艶やかな肌へ導く。

 好評のコクがありながらみずみずしく素早く肌になじむ使用感、グリーンフローラルの香りは踏襲する。

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益若つばさプロデュース「ドーリーウインク」から猫やオコジョの目元になれる“サロン級”つけまつげ登場

 コージー本舗が展開するモデルの益若つばさプロデュースのアイメイクブランド「ドーリーウインク(DOLLY WINK)」から新つけまつげ「ドーリーウインク サロン アイラッシュ(DOLLY WINK SALON EYE LASH)」が6月24日に登場する。つけまつげを付けた仕上がりイメージを猫やうさぎ、犬、オコジョなど動物に例えた全12種のアイテムをそろえる。ロフトやプラザなどバラエティーショップで販売する。

 「サロン アイラッシュ」は、既存のつけまつげ「イージーラッシュ(EASY LASH)」の姉妹品。「イージーラッシュ」が掲げる“10秒まつエク”と同様、カット不要のサイズや目元に自然になじむ仕様はそのままに、付けていることを忘れるくらいの超軽量で優しい付け心地の“まつげエクステサロン級”の仕上がりを目指した。また、なりたい“かわいい”イメージに合わせ、すっぴん風・抜け感のあるこなれ美人顔・中央を強調する丸みのある目・質感が映える華やかデザインの4カテゴリー12種のデザインをラインアップ。パッケージには12種の動物が描かれ、好みの仕上がりイメージを選ぶことができる。

 「コロナ禍でのおうち美容ブームにより、『サロンに行きづらい』『マスクメイクで目元を強調したい』というニーズで、つけまつげの需要が高まっている。また、外出が減ったため常にまつげエクステをする必要がなく、デートなど『ここぞ!』というときにだけつけまつげを使用したい人も増加。『サロン アイラッシュ』はサロン級の仕上がりのため、初心者はもちろん、これまでエクステを使っていた人にこそ使用してほしい」と担当者はアピール。

 2009年に誕生した「ドーリーウインク」は、“かわいい、をすべての人に”をコンセプトに、アイライナーやマスカラなどのアイメイク製品を展開。19年にはブランド誕生10周年を記念してリブランディングを実施し、第1弾商品として部分用つけまつげ「イージーラッシュ」を発売した。

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百貨店の高額サブスクの実力はいかほど? 大丸松坂屋の「アナザーアドレス」を体験してみた

 

 東京都や大阪府など、9都道府県の緊急事態宣言が再延長されました。4月末以降、休業ないしはフロアを絞って営業してきた多くの百貨店やファッションビルなどは平日の通常営業再開へと向かっていますが、とはいえ引き続き平時とは異なるムードもあり、思いっきり買い物が楽しめないことに息が詰まる思いをしている人は多いと思います。こんな環境だからというわけではないですが、大丸松坂屋百貨店が3月に立ち上げたウィメンズファッションのサブスクリプションサービス「アナザーアドレス(ANOTHERADDRESS)」を体験してみました。「『メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)』や『マルニ(MARNI)』が借りられる!」と話題になったサービスです。

 「アナザーアドレス」は1カ月に3着まで借りることができ、料金は月額1万1880円。配送料やクリーニング代は料金に含まれており、気に入った商品はそのまま買い取りも可能です。ちなみに、競合である「エアークローゼット(AIRCLOSET)」の類似プランは6800円(送料別)、「メチャカリ」は5800円(返却手数料別)。「アナザーアドレス」はそれらの約2倍の料金設定ですが、前述の「メゾン マルジェラ」「マルニ」だけでなく、「3.1フィリップ リム(3.1PHILIPP LIM)」など、ファッション好きにはよく知られた海外デザイナーズブランドを多数ラインアップしていている点が競合との差別化ポイントです。

 利用する際は、まず公式サイトで会員情報を登録します。LINEアカウントとの連携も可能で、登録は非常に簡単。LINEと連携すると、以降は新着商品やおすすめアイテムの紹介、返却案内などが全てLINEで届きます。通常のメールだと埋もれてしまいがちなので、LINEでつながるという形は私は非常に使いやすいと感じました。何か疑問点が発生した場合も、LINEでメッセージを送れば半日ほどでカスタマーサービス担当者から返信がもらえました。

“自分のほしい服が自分で分かっている人”向け?

 会員登録が済んだらいよいよ借りる服を借りるステップへ。競合サービスは好みのテイストを伝えると、それに合わせたスタイリングを自動で送ってきてくれますが、「アナザーアドレス」は自分でサイト上の写真や説明を見ながら借りる商品を選びます。ブランド別やアイテム別、サイズ別で検索ができ、目当てのブランドがある人や、“自分のほしい服が自分で分かっている人”にはすごくいいサービスだと思います。ただ、「“自分のほしい服が自分で分かっている人”って、実はそんなにいないのでは?」とも思うんですよね。正直、私も年齢を重ねる中で最近はよく分からなくなってきています。

 そんな人に向いているのがシーン別検索です。「デイリーワーク」「ウイークエンド」「ワークイベント(おそらくプレゼンなどを想定)」「アットホーム」「バケーション」「パーティー」「フォーマル(明るい色柄のパーティーに対して、モノトーン中心でよりコンサバな感じ)」「エッセンシャル」という8シーン別でアイテムを提案しています。今はニーズが減っていますが、結婚式用のゲストドレスや、外せないビジネスプレゼンの服など、借りる目的がはっきりしている人はシーン別検索が便利だと思います。

 私は仕事柄、仕事着と週末着が非常にあいまいなので(コロナによる働き方の変化で、世の中の多くの人も同様になっているとは思いますが)、「デイリーワーク」「ウイークエンド」を行ったり来たりしながら借りるアイテムを探しました。そして、「せっかく借りるからには人気ブランドがいい!」という貧乏根性も発揮。その結果、選んだのは「マルニ」のワンピース、「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」のブラウス、プリーツスカート(=セットアップ)の3点でした。

写真のみでスタイリングを考えるのにやや苦戦

 正直なところ、ワンピースとセットアップを選んだのは、スタイリングを考えなくていいからです。トップスとボトムス、アウターなどの組み合わせをイチから考えるのは、販売員さんと話しながら何度も試着ができる店頭ではとても楽しい行為ですよね(買い物好きや服好きにとっては)。しかし、写真だけでそれを行おうとすると、かなりのファッション練度が求められると私は感じました。サイト上にはスタイリングサンプルの写真がいくつか載っているのですが、それらのアイテムを一括で借りられるような仕組みには現状なっていないんですよね。ただし、借りようと狙っているブランドのサイズ感やクセなどをもともと熟知しているファッション猛者にとっては、お茶の子さいさいかもしれません。

 そのように、自分でアイテムを選び、自分でスタイリングを組む、という点はややハードルが高いと感じましたが、今後会員データがどんどん溜まっていけば、「このアイテムはこちらのアイテムとよく一緒に借りられています」といった自動レコメンドも可能になるのかもしれないし、販売員やスタイリストによるレコメンド機能が搭載されることもあるかもしれません(あくまで私の勝手な想像です)。そうなれば、ファッション大好き層だけでなく、「忙しくて服を選ぶ時間が惜しい」「ファッションはそこまで詳しくないけど、立場上ちゃんとした服を着なければならない」といった女性にとっても、より使い勝手がよいサービスになるのではないでしょうか。

 さて、いよいよ指定した商品が届きました。段ボールの中には薄紙も敷かれていて、梱包はとてもきれい。段ボールやハンガーは返送時も使用するので、取っておく必要があります。まず1着目、「マルニ」のワンピースです。ピンク地に大柄プリントという、普段自分では絶対買わないタイプの服をここぞとばかりに選んでみました。このように冒険ができるのがサブスクの醍醐味ですね。こちら、Sサイズが借りられていたので、「オーバーサイズの流れもまだまだあるし、Mサイズでいっか」と判断してみましたが、やっぱり私にはちょっと大きかった。ただ、同僚からは「春らしくていいね」と好評でした。

 次は「エムエム6」のブラウスとプリーツスカートです。セットアップで着れば間違いがないし、それぞれをジーンズやセーターなどの手持ちの服ともスタイリングできたらラッキー、と思って借りてみましたが、その狙いは当たりました。特にプリーツスカートは非常に汎用性が高かったです。ここ数年、さまざまなブランドでプリーツスカートがシーズンを問わず売れていますが、改めて「やっぱりプリーツスカートは便利。そりゃあ売れるわ」と実感した次第です。あと、独特のサックスブルーもお気に入りポイントでした。「今後、店頭でも『MM6』のカラーアイテムはチェックしよう」と思ったので、サブスクにはそうした店頭への誘客効果も一定期待できるのかもしれません。

“銘品”アイテムのお試しの場としても期待

 あっという間に時はたち、返却期限の1週間前となりました。LINEに返却日を知らせるメッセージが届くので、そのまま買い取りたい場合はここで購入手続きに進みます。私は返却期限当日が「WWDJAPAN」のオンラインセミナーと重なり、セミナーで「エムエム6」のセットアップを着ようと考えていたので「返却日に着ていて間に合うのか?」と当初ヒヤヒヤしたのですが、そんな心配は全くの杞憂でした。終業後、自宅で3着をダンボールに詰め、自宅最寄りのコンビニに持っていて、QRコードを読み込ませた後に専用のボックスにダンボールを入れればそれで終了!「メルカリ(MERCARI)」や競合のサブスクサービスなどと同じ配送の仕組みで、宛名記入なども不要。この点は本当に楽で素晴らしい仕組みです!

 正直、ワンピースはサイズが大きかったこともあり1回しか着ませんでしたが、数カ月間サービスを継続利用していけば、サイズ間違いといった凡ミスも減ってより使いやすくなるはず
※サイズを間違えた際などは着用せずに返却することも可能。その場合、即次返却して別アイテムを借りることはできず、連絡したうえで1カ月間手元で保管し、他のアイテムと同時に返却する。次月以降、4点借りることが可能になる

 あと、個人的には「“銘品”と言われているが、実は手に取ったことがない」というような服がもっと充実していると、購入前に検討できていいなと感じました。「バーバリー(BURBERRY)」のトレンチコートや「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」のテーラードジャケットといったアイテムが、果たして自分には似合うのか家で試せたらいいなと思いませんか?実際、「ローレン ラルフ ローレン(LAUREN RALPH LAUREN)」の金ボタンのブレザーは私が借りるアイテムを探していたときには出払っていたので、「“銘品”的なものって、需要があるのかも」と思った次第です(ラルフ ローレン社は米国で既にサブスク事業を始めていますね)。後輩のファッション大好き男性記者も「僕はデザイナーズブランドを店頭にも見に行くけど、敷居が高くてなかなか何着も試着できないので、レンタルして家でじっくり他のアイテムとスタイリングできる点がいい」と話していました。同様に、「アナザーアドレス」を試着室代わりに使っているお客さんは多いのかもしれません。


4000人以上が登録、今登録すると年末からレンタル開始の見込み

【大丸松坂屋百貨店広報担当者より】

 3月のサービス立ち上げ時は会員枠を数百人に絞ってスタートしたが、結果的に4000人以上の会員登録があった。順次利用案内を送っているが、待っていただいている状態だ。待ち時間を短縮するため、取り扱いブランドや商品の拡充に努めている。現在の取り扱いは50ブランドで、サイトに掲載済みのアイテムは約3500着、倉庫にあるものも含むと計4000着。6月時点で会員登録すると、2021年12月〜22年1月に利用いただける見込みとなっている。利用しているお客さまからは、「服を手放すときに生じる、もったいないという心の葛藤から解放された」「1カ月着てみることで、好きな服と似合う服のギャップに気付けた」「値段を気にせずさまざまな服が着られるのが楽しい」といった声があがっている。
 

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ブレインスリープの100%再生利用可能素材枕で最高の睡眠を

 100%再生利用可能な素材を用いた枕“ブレインスリープピロー”で注目されるブレインスリープは、「最高の睡眠で、最幸の人生を」をミッションに掲げるイノベーション・カンパニーだ。睡眠にまつわるビッグデータ「睡眠偏差値」、睡眠の質を改善させる医療機関「Dクリニック東京 ウェルネス」、睡眠の情報サイト「スリーペディア(SleepediA)」、優れた睡眠に関する商品を販売するオンラインセレクトショップ「ズーランド(zzzLand)」の4つの柱で構成され、睡眠医学とIT技術を融合させたこれまでにない睡眠ビジネスを展開している。

 代表を務めるのは、『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者としても知られる西野精治教授だ。平均睡眠時間が世界一短く、多くの睡眠負債を抱える日本人の睡眠の質を高めることで、人々を健康に導く“睡眠革命”を目指している。そんな西野代表の知見により開発された枕が“ブレインスリープピロー”だ。超通気メッシュ構造による抜群の通気性で脳を冷やし、脳の温度(深部体温)が下がることで眠りを誘発。特殊な3層構造で、約1週間使用すると頭になじんでオーダーメイド級のフィット感を生む。防菌防ダニ素材で水洗いもできるうえ、古い枕を元の原料に戻し、新しい枕に作り替えるエコシステムが確立されている、サステナブルピローだ。「日本の枕選びにおいてはフィット感が重要視されてきたが、睡眠の質を上げるには、深部体温を下げることが一番重要なポイントだ。睡眠は体の休息だけでなく、脳の老廃物除去や記憶の整理などが行われることから、深部体温と同じ動きをする脳の温度、つまり頭の熱を放射させることで良質な睡眠に繋がる。そのため通気性に優れた素材にこだわり、さらに頭にフィットする枕を目指して開発した」と西野教授は語る。

 また、“ブレインスリープピロー”を対象に、古くなったピローをリサイクルして新しいピローをお得に購入することができる「ゼロ・ウェイスト・システム」を5月にスタート。古くなった枕を指定場所に送付すれば、特殊処理で素材の100%が再生される。再生された素材は新しい枕の製造に利用される、地球にやさしい循環型システムだ。

 通常はオンラインショップ「ズーランド」で販売されている、ブレインスリープオリジナルブランドの商品。実際に、触れて試して購入できるポップアップストアが「b8ta(ベータ)Yurakucho」で6月30日まで、「六本木 蔦屋書店2階モデルルームエリア」で8月1日まで開催している。“プレインスリープピロー”の他にマットレスやサプリメントなど良質な睡眠をサポートする数々のアイテムがラインナップしている。コロナ禍で生活環境やサイクルが変化し、睡眠リズムが乱れたと感じる人は必見だ。

問い合わせ先
ブレインスリープお客様相談窓口
0120-088-885

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コロナ明けのファッション・ウイークはどうなる? 夏から欧米でリアルショー再開

 欧米では断続的に半年以上続いた新型コロナウイルスによるロックダウンや規制が緩和され、夏以降のファッション・ウイークの計画が続々と発表されている。EU域内では出発直前に受けた検査の陰性証明やワクチン接種完了の証明書があれば、ほぼ入国後の隔離義務なしで渡航できるようになっており、域外からもワクチン接種済みの観光客受け入れを再開するための準備が進行。現在落ち着きつつある感染状況が再び悪化しないという確証はなく暫定的な計画ではあるが、観客を入れたリアルショー再開の明るい兆しが見える。

 2022年春夏コレクションのスタートを切るロンドン・ファッション・ウイークは、デジタルファーストのイベントとして、6月12〜14日に開催される。若手を中心に35組が参加するほか、リアルイベントやパーティーもいくつか行われる予定だ。続くミラノ・メンズ・ファッション・ウイークは、イタリア政府が6月15日から物理的なイベント開催を許可したものの、リアルショーを計画しているのは「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「エトロ(ETRO)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」の3ブランドのみ。グレン・マーティンス(Glenn Martens)新クリエイティブ・ディレクターのデビューとなる「ディーゼル(DIESEL)」をはじめ、「プラダ(PRADA)」や「フェンディ(FENDI)」など60ブランドは引き続きデジタルで発表する。一方、6月30日〜7月2日にフィレンツェで開かれるメンズウエアの国際見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」は、1年半ぶりにリアルでの実施を決定した。ただし、新型コロナの影響により出展社数は従来の1200から300へと大幅に規模を減少。例年1500人を超えるアジアからの来場者は見込めずEU内の業界人が中心になりそうだが、デジタルプラットフォームも活用して100回目の開催を祝う。

 また、フランスでも政府からの許可が下り、6月22〜27日のパリ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、パリメンズ)と7月5〜8日の21-22年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイーク(以下、クチュール)は、リアルのショーやプレゼンテーションが可能になった。各ブランドがどのような形式で発表を行うかはまだ明らかになっていないが、フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode)は「衛生状況の変化によるが、リアルイベントでは公的機関が定める対策やルールに従って、観客を迎えられるだろう」とコメント。リアルとデジタルのハイブリッド開催になるという。パリメンズの暫定スケジュールには、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」「エルメス(HERMES)」から「ジル・サンダー(JIL SANDER)」「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTTEN)」「ヴェトモン(VETEMENTS)」まで、計72ブランドがラインアップ。日本からは、「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「カラー(KOLOR)」「ファセッタズム(FACETASM)」「ダブレット(DOUBLET)」「ターク(TAAKK)」「サルバム(SULVAM)」など10ブランドが参加する。また期間中の25〜27日には、合同展「トラノイ(TRANOI)」もパレ・ド・トーキョーで開催される予定だ。

 クチュール開幕前日の7月4日夜には、「アライア(ALAIA)」が、長年ラフ・シモンズ(Raf Simons)の右腕を務めてきたことでも知られるピーター・ミュリエ(Pieter Mulier)新クリエイティブ・ディレクターによるクチュールとプレタポルテをお披露目。期間中には、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が53年ぶりにクチュールを復活させる。創業者クリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)が使用していた当時のクチュールサロンを再現し、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターが手掛ける初のクチュール・コレクションを有観客のショーでお披露目する予定だ。さらに、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PREVE)」もイタリア大使館でショーを行うことを発表。「シャネル(CHANEL)」も9カ月ぶりにゲストを招いたショーをガリエラ美術館で開催する計画を明らかにしている。発表形式は未定だが、阿部千登勢「サカイ(SACAI)」デザイナーがゲストデザイナーとして手掛ける「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」のクチュールも、今季のハイライトになる。

 ファッション・ウイーク外では、「ディオール」は6月17日にギリシャ・アテネで、「マックスマーラ(MAX MARA)」は6月29日にイタリア南部のイスキア島で、2022年クルーズ・コレクションのショーを計画。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、7月15日にイタリア・ベネチアで21-22年秋冬オートクチュールのショーを開催。会場には少数の観客のみを招き、デジタルでもライブ配信する予定だ。「サンローラン(SAINT LAURENT)」も、7月にベネチアでリアルショーを開くようだ。詳細は明かされていないが、タイミング的に22年メンズ・コレクションの可能性が高い。

秋以降は本格的にリアルイベント再開か

 秋の海外コレクションサーキットのトップバッターとなる9月8〜12日のニューヨーク・ファッション・ウイーク(以下、NYコレ)は、コロナからの復活を感じられるものになりそうだ。同イベントについて、アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA 以下、CFDA)は、衛生ガイドラインに準拠したリアルショーが再開されると共に、デジタルでの発表も継続されるだろうと推測。「トム フォード(TOM FORD)」や「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」など、すでにリアルショー開催の意向を示しているブランドも多い。また、独自のスケジュールで発表していた「マイケル コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」、パリコレに参加していた「トム ブラウン(THOM BROWNE)」と「アルチュザラ(ALTUZARRA)」がカムバックするほか、ジェレミー・スコットの手掛ける「モスキーノ(MOSCHINO)」もミラノから参戦。アメリカ人デザイナーたちが結集し、NYコレを盛り上げる。さらに直後の13日には、メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art、MET)の衣装研究所(Costume Institute)によるアメリカファッションを掘り下げる展覧会開幕を記念したガラパーティーも予定されている。

 その後のヨーロッパでのファッション・ウイークについてはまだ未定だが、観客の前で発表することへの思い入れが強いデザイナーは本当に多い。このままワクチン接種と制限緩和が順調に進めば、さまざまなブランドがリアルのショーやプレゼンテーションを再開させるだろう。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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“Tいち”も手刷りなら オトナの夏支度のすすめ2021

 オトナたるもの、“Tいち”(Tシャツ一丁)で往来を闊歩するべからず!――かつて所属したメンズファッション誌で再三そう伝え、自らも首元にスカーフやバンダナを巻くなり、インにシャツをレイヤードするなり、袖を通さなくともジャケットを携行するなり、“Tいち”で街に出ないことをモットーとしてきた。それが昨今のシンプリシティ回帰の流れや、30度に迫る陽気のせいもあり、反動的に“Tいち”したくなった。

 とはいえ、そこには勝手な気恥ずかしさもあり、“Tいち”でいい理由が欲しくなる。すがったのは東京・中目黒の「カリフォルニアストア」だ。アパレルメーカーや雑貨店、セレクトショップで販売や営業、企画などを経験した秋山孝広さんが2008年にオープンした。「『ラウドカラー(LOUD COLOR)』というオリジナルブランドを展開していたんですが、5年ほど前から手刷りのTシャツをメインにするようになりました」と秋山さん。今では売り上げの約8割を占めるという。

 この手刷り=スペシャル感こそが、僕の“Tいち”の拠り所だ。客はまずTシャツ、スエット、パーカーからボディーとサイズを選ぶ。「土産物にある、あのチープな感じを出したくて」、全てアメリカブランド「ギルダン(GILDAN)」製だ。ボディーの持ち込みは受け付けていない。プリントはシルクスクリーンを使ってカウンターで行う。作業時間は7~8分。「シルクスクリーンは独学。手刷りならではの、色むらやかすれもアジと思って楽しんでほしいですね」。

 柄で特徴的なのは、どこかに“おっぱい”のモチーフを忍ばせていること。なぜ“おっぱい”なのか?「以前は、カリフォルニアで買い付けたアイテムを並べていたんです。だから店名もカリフォルニアストア。アメリカのアンティーク雑貨のモチーフって、異常に“おっぱい”が多いんです(笑)。僕は個人的にはお尻派なんですが、お尻だと妙にリアルというか笑えなくなってしまって……。その点、“おっぱい”はポップ!」。約200の柄はすべて秋山さんの手によるもので、「お客さんがいない時間に店のカウンターでノートパソコンを開いて、イラストレーターを使って作業しています。70年代のアメコミ系をコラージュするのが好きですね」。1柄にかける時間について聞くと、「10~15分くらいです。逆に、う~ん……と悩んだものはあきらめます。それって、きっと世の中に必要とされていないものだから」と笑う。「コロナ禍でもデザインすることはやめない!」とも言い、週いちペースで新柄を発表している。つまり、柄数は増え続けている。完成したデータを午前中のうちに京都のシルクスクリーン専業メーカーに送ると、当日中に仕上げて出荷してくれるという。

 今回は「マイティ〇ウス」をコラージュした柄を、半袖Tシャツ(3960円)に手刷りしてもらった。ちなみに、こちらは耳に“おっぱい”が隠れている。既製品の肌の色は薄めだが、少しビビッドなオレンジに変更してもらった。こんなアレンジができるのも面白い。1100円で1柄ずつプリントを増やすこともでき、「前身頃に3柄、後身頃に4柄入れたツワモノもいた」そう。

 果たして完成した世界に一枚のTシャツ。ここまで書いてきたストーリーをいちいち説明すれば、おじさんが“Tいち”でうろうろしても後ろ指を指されないのではないか……と考えている。

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オンラインデリ大手のグロブリッジ、宅配ピザを東京でスタート。全国1千拠点へ拡大。

オンラインデリバリー大手の株式会社グロブリッジ(本社:東京都港区赤坂、代表取締役:大塚 誠)が、株式会社 森山ナポリ(本社:石川県金沢市、代表取締役社長:河村 征治)と提携して作ったピザブランド「ピッツァオッティモ」のデリバリーを全国で順次スタートさせる。
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「やっぱり出てきたよ。韓国酒場の均一業態」。既に3店舗を展開している「298円均一韓国酒場 マショマショ」

 ポストコロナ業態として注目を集めているのが、韓国酒場である。韓国の屋台、夜市をイメージした店内で、韓国アイドルの映像が観ながら、映えメニューを楽しむのがイマドキ女子のスタイルである。第4次韓流ブームの到来で、韓国酒場の新規出店が目立っている。そして、他店と差別化を図る手っ取り早い方法が"均一価格"である。
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餃子で50年、昔ながらの生ギョーザで中食参入。ラーメン「一刻魁堂」JBイレブン。

ラーメン「一刻魁堂(いっこくさきがけどう)」などを展開する株式会社JBイレブン(本社:名古屋市緑区、代表取締役:新美 司)が、中食新業態として「桶狭間フーズ(株)生ギョーザ直売所」1号店を5月28日、名古屋市名東区の商業施設、藤が丘エフにオープンさせた。
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壁に当たったアパレルチェーンの経営構図 今こそ断捨離を決断せよ 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。コロナ後も難しい舵取りが求められるファッション業界。その根本の要因はどこにあるのか。原点に帰って体系的に考えてみれば、今すべきことが見えてくる。

 アパレル製品を企画・販売する企業は、製造業寄りから小売業寄りまでさまざまで、「製造小売業」たるSPAなどアパレルチェーンも同様だ。商品やマーチャンダイジング、販路ミックスや店舗運営、サプライチェーンや物流プロセス、決算報告を仔細に見れば違いは分かるが、その根底を定めている経営構図をつかめば企業行動の本音が見えてくる。コロナ危機は肥満して壁に当たった経営構図の断捨離を強いているのではないか。

「在庫運用」と「店舗運営」が営業実務の二軸

 アパレルチェーンの営業実務は付加価値を創造する「マーチャンダイジング」を起点として、「在庫運用」が粗利益の歩留まりを左右し、「店舗運営」が営業経費を左右し、結果として「営業損益」が決まる。

 「在庫運用」は粗利益という結果だけでなく商品が販売されて換金される速度も左右するが、「在庫回転」がイコール「資金回転」になるわけではない。在庫回転速度たる「棚資産回転日数」に売上金の回収速度たる「売上債権回転日数」が加わり、そこから仕入れ代金決済の「買掛債務回転日数」を差し引いた「運転資金回転日数」が実際の資金回転速度になり、期間の売上を掛けた金額が運転資金の目安となる。

 その要となるのが「商品財務戦略」で、スキルの巧拙で「在庫運用」のフリーハンドも大きく左右される。財務戦略をベースに「資金繰り」と「在庫繰り」のバランスを図るマネジメントスキルと捉えるべきだろう。

 「店舗運営」の経費は個別店舗の出店条件と運営経費の積み上げで決まるから、売上予測の精度、家賃条件と最低保証売り上げ、店舗の規模・形状とレイアウト、運営効率とレイバーコントロール精度が問われる。出店の積み上げがキャッシュフローと投資回収の大枠を決め、少なからぬ資金が寝て減価償却や将来の減損リスクも生じるから、「出店財務戦略」は企業の将来を大きく左右する。

 「マーケットアナライザー」など小売業向けの商圏分析システムに自社独自の結果指数を積み上げて売上予測の精度を高めて物件を精査選別し、月度売り上げを平準化して端境月の最低保証割れを回避することが必須で、希望的観測で無理な出店を決めてはならない。アパレル小売りにはどうしても人気の波があり、好調サイクルの強気の出店が不調サイクルで足を引っ張ることが多い。不調サイクルの売上水準で出店採算を図る原則を崩してはなるまい。

 営業経費の二軸は賃借料と人件費だが、どちらも出店段階の契約条件、店舗の位置・規模・形状、レイアウトで大枠が決まってしまう。運営コストが高くなる小型変形店舗を避けて運営効率が高い大型整形店舗を確保し、保守効率と作業効率の高いレイアウトに注力するべきだ。

商品財務の要

 「売上債権回転日数」は販路構成に左右される。路面の独立店舗なら日々の売り上げが即、現金収入になるが、キャッシュレス決済比率が高いとその分、回収が遅れるし、月2回締め支払いの商業施設テナント店では平均22.5日、消化仕入れの百貨店インショップでは平均45日遅れ、卸し取引ではさらに遅れる場合が多い。キャッシュレス決済がほとんどを占めるEC(ネット通販)では、モールサイト店は週締め支払いのアマゾンこそ速いが他は商業施設や百貨店と大差なく、自社サイトでも決済代行会社を使う限り商業施設や百貨店と大差ない(別途手数料を支払えば速められる)。

 「棚資産回転日数」はBS(バランスシート、貸借対照表)に計上された商品在庫の回転(売上原価÷在庫原価)を現すもので、小売業的な「製品仕入れ」ではアパレル企業が発注していても、アパレル企業の倉庫や店舗に納品されない限りBSには計上されないから、見かけの在庫回転が速くなる。VMIなどサプライチェーン同盟では生産地在庫のみならず国内倉庫在庫もサプライヤー側が負担しているケースがあり、決算書からは実体がつかみにくいが、大手SPAでは店頭在庫25〜30%、国内倉庫在庫40〜45%、生産地在庫30〜35%というバランスが推察される。

 国内ユニクロは2017年8月期まで店舗在庫だけをBSに計上していたが、国内倉庫在庫も計上した18年8月期は坪当り在庫が2.45倍に跳ね上がったから、店舗在庫と国内倉庫在庫の比率は4対6だったと推察できる。良品計画単体は店舗と倉庫(本部)の在庫比率を開示しているが、年々店舗比率が低下して20年8月期には27.4%まで落ちている。両社とも、これ以外に生産地在庫が存在するが、良品計画はソーシング子会社が抱える国内向け在庫が連結決算で加わって1.4倍ほどになる。国内ユニクロの生産地在庫は商社が管理しており、ファーストリテイリングのBSには出てこない。

 メーカー的な「工賃払い調達」ではそんなサプライヤー負担はなく、製品在庫、仕掛り在庫、原材料がBSに計上されるが、生産工程に踏み込むほど仕掛り在庫と原材料の負担が高まる。グローバルSPAで最も「工賃払い調達」に踏み込んでいるのはインディテックス(INDITEX)で、自社工場のCADCAMで裁断した生地パーツと付属を揃えて周辺フランチャイズ工場(スペイン、ポルトガル)にミルクランで部材供給・製品回収して自社工場でプレス仕上げしているが、仕掛り在庫と原材料の在庫金額に占める比率は6.2%(20年1月期)に止まるから、製品比率で10%強程度と推察される。

 「買掛債務回転日数」は支払いサイトに近いと思われるが、ブランド商品の展示会発注が多いセレクトチェーンが最も短く、「製品仕入れ」のSPAは商社金融で延ばせるし、直貿なら銀行ユーザンス※1.が使える。「工賃払い調達」では工賃は現金払いでも素材代金は支払いサイトが長く、工場に仕様書発注した「製品仕入れ」は銀行ユーザンスでサイトを延ばせる。

結果としての「運転資金回転日数」をどうコントロールするかが問われるが、「棚資産回転日数」の長期化がそのまま「運転資金回転日数」の長期化につながる企業もあれば、「棚資産回転日数」が長期化しても「買掛債務回転日数」を延ばして「運転資金回転日数」はほとんど動かないという企業もある。前者の場合は在庫回転が悪化すれば資金繰りが逼迫するが、後者の場合はそうはならない。ワールドやインディテックスが後者の好例で、コロナ禍決算でも運転資金を要さず、逆に回転差資金を確保していたほどだ。その差は調達手法ミックスやサプライチェーン同盟の強かさ、調達ファイナンスのスキルによると思われる。

※1.ユーザンス…信用状決済による貿易金融の支払い猶予期間

在庫運用の要

 在庫運用には(A)BS計上済み在庫の配分・補給・再編集・店間移動・売価変更というディストリビューション、(B)BS計上以前のサプライヤーとのVMI※2.によるオンデマンド補給・生産という二面があり、どちらか片方だけでは限界がある。
セレクト仕入れやロット発注では(A)ディストリビューションしかできず、シーズン中の消化にこだわれば値引きロスが肥大して粗利益が損耗してしまうが、(B)オンデマンド補給・生産が上手く作動すれば過剰在庫も機会ロスも避けられ値引きロスも抑制できる。定番性商品の長期的サプライチェーン同盟ではサプライヤーが抱える生産地在庫の翌シーズンへの持ち越しも可能で、コロナ禍では少なからぬ在庫が持ち越されたようだ。

 オンデマンドなVMIにはサプライヤーの資本力と物流体制、企画・生産・物流を一貫するDX(デジタルトランスフォーメーション)※3.が不可欠で、AI(人工知能)精度やCAD/CAM※4.装備が高まる今後は一段と効果が発揮されるに違いない。ならば、(A)ディストリビューションだけに頼る在庫運用のアパレル企業は相対的に競争力を失うと見るべきだ。

 そうは言っても(A)ディストリビューション在庫運用はアパレル企業の粗利益確保スキルの中枢であり、VMDと物流の組み方が店舗のマテハン※5.人時量も売り上げも大きく左右する。かつては倉庫から多店舗への配分と補給の精度を追求すれば済んだが、今日では物流の形状と店着タイミング、店舗在庫と店舗向け倉庫在庫、EC向け倉庫在庫の配分(物理的配分とは限らない)とデータ連携、ローカル単位のC&C(クリック&コレクト)とテザリング※6.など、在庫連携とOMO体制が問われて高度化しており、もはやDXを欠いては運用は困難だ。

 ディストリビューション在庫運用については20年2月26日に本誌に掲載した「在庫問題を解決する決定打 DBからデジタルVMI」に詳説したので是非とも読み返してもらいたいが、VMDと物流を連携させないと店舗のマテハン人時量も物流費も膨れ上がって損益を圧迫する。商業施設のアパレルチェーンを見るにつけ、VMDが編集陳列とディスプレイに終わって、店舗マテハンと物流が連携していない非効率な運用が大半だ。

 いったいアパレルチェーンで、元番地のアドレス管理をして搬入商品の陳列位置をタグなどで指示している会社がいかほどあるのだろうか。初期投入と補給投入の曜日と時間を定め、元番地の棚入れとフェイシング管理をルーチンにしている会社がいかほどあるのだろうか。消化を促進する再編集陳列のテクは山ほどあるから元気なうちに伝承しておきたいが、それ以前にアパレルチェーンとしてのVMD(=マテハン)運営体系を確立するのが先決と思われる。

※2.VMI(Vendor Managed Inventory)…あらかじめ定めた陳列棚割と販売計画に基づいてベンダーに在庫管理と補給・補充生産を委任する取引形態
※3.DX(Digital Transformation)…デジタル技術でプロセスやサプライチェーンを繋ぐ業務革新
※4.CAD/CAM…コンピュータ・グラフィック支援の設計と製造
※5.マテハン(Material Handling)…荷役・物流作業
※6.C&C(Click&Collect)とテザリング…ECで注文したり取り寄せて店舗で受け取ったり試したり、近隣の店舗在庫を引き当てて店舗で渡したり店舗から宅配出荷し、顧客利便と在庫効率を高め物流費を抑制するOMO(ネットと店舗の融合)戦略がC&C。その仕組みに乗せてエリア内店舗間で在庫を融通・補給するのがテザリング

店舗運営の要

 「店舗運営」の経費は賃料と並んで人件費が大きく、営業時間を保守する最低人員配置をベースに搬入・陳列・棚整理・再編集・ピッキング・在庫管理などのマテハン人時量が加わり、低単価店ではレジ精算、高単価店では接客や顧客管理・営業の人時量もかさむ。

 ざっくりとした経験値だが、アパレルチェーンの店舗運営人時量は、低単価店ではマテハンが4割強、レジ精算が2割弱、保守・待機が2割強、接客と客注在庫探しが2割弱、高単価店ではマテハンとディスプレイが3割弱、レジ精算と顧客管理・営業が2割弱、保守・待機が2割強、接客と客注在庫探しが3割強ぐらいではないか。このうち保守・待機の人時量はレイバーコントロール(勤務シフト)の精度向上や営業時間の短縮、マテハン人時量は入荷・移動の集約とVMD運営体系の整備、レジ精算はICタグ読み取りなどの自動化で大きく圧縮できる。

 これら必要人時量を曜日・時間帯ごとに計算してレイバーコントロールを組み、最小人時量で運営することに注力するが、営業時間が無駄に長いと売り上げにつながらない保守人時量がかさみ、商品の入荷や移動が分散するとマテハン作業が煩雑になり、陳列作業も重複して売り上げにつながらない人時量が肥大してしまう。入荷や移動のタイミングが集約され、什器レイアウトや元番地陳列と出前編集陳列のVMD体系が確立され、ICタグが導入されていればマテハン人時量が抑制され、時間帯毎の必要人時量も容易に読める。

 曜日・時間帯別の必要人時量に社員やパート&バイトのシフトを組み込むとき、要となるのが社員・準社員の「変形労働時間制」で、労使協定で定めて週間や月間、年間の総労働時間の枠内で日ごと、週ごと、月ごとの勤務時間を一定枠で短縮したり伸ばしたりして機動的に勤務する。会社側の都合だけで導入しても上手くいかないことがあり、ワーク&ライフバランスを改善するスタンスから時間をかけてコンセンサスを形成した上で導入するのが賢明だ。

 社員・準社員の「変形労働時間制」をベースにパート&バイトのシフトを組む体制ができても、店舗が小さいと最低保守人数を当て込むだけで精一杯で、閑散時と繁忙時のメリハリを付けることができない。繁忙時には最低でも閑散時の倍、理想は4倍の人員を配置するべきで、販売効率やレイアウトにもよるが、倍のメリハリを付けるには250平方メートル、4倍のメリハリを付けるには1000平方メートル近いフラットな店舗規模が必要になる。小型店舗では最低保守人数が繁忙時対応人数になってしまうから、勤務シフトで生産性を高める余地がない。

 平均店舗面積が1000平方メートル近い国内ユニクロの1人当たり年間売り上げが3000万円を超えるのに対し、多くのカジュアルチェーンは250平方メートルにも届かず2000万円前後にとどまっている。店舗運営の人件費負担率は店舗規模に逆スライドするのが現実で、業態の大型化・複合化はアパレルチェーンに取って不可避の課題と思われる。

断捨離による「お値打ち」と経営構図の再構築

 アパレルチェーンの経営構図は経営のスキルだけで成り立つわけではない。「商品」と「マーチャンダイジング」に時代のニーズに応えるインパクトと普遍性があり、生み出す付加価値が「在庫運用」の歩留まりと「店舗運営」の経費に見合って「お値打ち」を継続的に実現できないとマーケットに生き残れない。「商品」と「マーチャンダイジング」に「価格」を超える魅力がなくては、どのような経営スキルを駆使しても継続的成長は困難だし、存続も難しいだろう。

 「商品」と「マーチャンダイジング」に最適な調達手法を確立し、サステナブルなサプライチェーンを築けば描いた経営構図が成立し、出店財務と商品財務を崩さずフィロソフィーを貫徹すれば、成長軌道を外れず市場の飽和点まで走り続けられる。逆に言えば、今、壁に当たっている多くのアパレルチェーンはそのいずれかを崩して成長軌道から外れたのであり、崩れた要件を修復すれば壁を抜けられる可能性がある。

 消化歩留まりが低く売価変更ロス率が15%あるいは20%を超え、営業経費が小売売り上げの45%を超えて肥大し、調達原価率を切り下げかろうじて収益を確保しているアパレルメーカーやアパレルチェーンの商品が「お値打ち」であるはずもなく、経営が「効率的」でもあるはずもない。顧客が離れ肥満のロジックが破綻するまで肥満し続けるのか、徹底して断捨離し「お値打ち」と経営構図を再構築するのか、コロナ危機が決断を迫っているのではないか。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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