メイクアップを初プロデュースしたBLACKPINKのLISAを独占インタビュー 「M・A・C」とのコラボについて語る

 「M・A・C」は12月3日、世界的ガールズグループ、BLACKPINKのLISAとコラボレーションしたメイクアップコレクション“M・A・C x L”を発売する(一部店舗では先行販売中)。LISAは同ブランドのグローバルブランドアンバサダーを務め、これまでキャンペーンには登場してきたものの、メイクアップを手掛けるのは初めて。現在インスタグラムで6000万人以上のフォロワーを持ち、BLACKPINKのメンバーとしての音楽活動はもちろん、ファッション・ビューティのトレンドセッターでもあるLISAのカリスマ性と個性を表現したコレクションが誕生した。そんなLISAに、初めてプロデュースしたメイクアップコレクションに込めた思いやこだわりについて聞いた。

WWD:“M・A・C x L”のコンセプトは?

LISA:自分自身でコレクションを選び抜き、本当に好きなものを基に全てのアイテムをデザインしました。全てのシェード、製品、ネーミング、そしてパッケージデザインも、私にとって非常に特別なものを表しています。例えばアイシャドウパレットは、柔らかく官能的なデイリールックから、夜の外出のためのグラマラスなルックまで対応する多用途なシェードをマット、シマー、グリッターの組み合わせで実現したいと思いました。リップも私が個人的に好きな色とトーンを組み合わせて、全ての人に向けたシェードにしました。

WWD:今回のコレクションで伝えたいメッセージは?

LISA:あらゆる人に自分がプロデュースしたメイクアップをつけてもらい、私が詰めたこだわりや世界観を感じて欲しいです。音楽を作るのと同じ情熱、喜び、創造性を注ぎ込み、このコレクションをファンのために作りました。私自身の私生活やプライベートに関するこだわりをたくさん込めたので、それが伝わるとうれしいです。

WWD:制作に関する裏話は?

LISA:ただ色を選んだだけでなく、今回ロゴやパッケージ、製品名まで全てプロデュースしました。ちなみにアイシャドウは愛してやまない飼い猫の名前「レオ」「ルイス」「リリー」や、お気に入りのアイスクリームからインスピレーションを受け、「ミルクティーアイスクリーム」「キャンディラッパー」といったシェードネームをつけました。

WWD:グラマラスなパッケージも目を引く。

LISA:モダンでグラマラスな雰囲気を出すために、パープルにグリッターを加えました。そして、パッケージに施した私のサインには、お気に入りの色の1つイエローしか考えられませんでした!これは通常のイエローではなく、ネオンライトのクールでヒップホップな、都会的なムードを与えるために作った特別なイエローなんです。

WWD:プライベートではどんなメイクアップが好き?

LISA:ステージに立つときは濃いメイクアップをつけることが多いので、オフの日はナチュラルなルックが好きですね。ベースメイクアップを軽く塗ってから、洋服に合わせてリップを選びます。

WWD:今までのミュージックビデオの中で最も気に入っているメイクアップは?

LISA:曲のコンセプトに合わせてメイクアップは随時変わるので、全て気に入っています。1つ選ぶとしたら、初のソロアルバム「ラリサ(LALISA)」のときに作ったメイクアップですかね。全ての曲やプロジェクトにおいて、自分から積極的にメイクアップのアイデアを出すようにしています。たくさんのメイクアップルックを試しながら、最終的にぴったりなルックを選んでいるので、どれもこだわりや思い出深いんです。

WWD:世界的なファッション・ビューティのアイコンであるLISAはどこからインスピレーションを得る?

LISA:日々いろんなものからインスパイアされています。映画だったり、出会う人だったり、出来事だったり、本当に毎日いろんなものに刺激を得ていますね。メイクアップはアーティストと相談しながら自分に合うものを作っています。

WWD:「M・A・C」のアイテムでおすすめは?

LISA:たくさんあるので選びきれないですが、個人的に気に入っているのはリキッドリップ“パウダー キス リキッド リップカラー”。「M・A・C」で初めて使ったアイテムもリップスティックでしたが、“パウダーキス”はステージやミュージックビデオで頼りにしているアイテムです。本当に色持ちが長く、心地よく付けることができます。また、色のバリエーションが豊富でその日の気分や洋服に合わせて自由に変えられるのもいいですね。

WWD:これからの目標は?

LISA:これまで与えられたたくさんの素晴らしい機会に感謝していますし、これからの機会もとても楽しみにしています。まずはより多くの人に“M・A・C x L”コレクションを手に取って楽しんでいただきたいです!

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VERDYとシェフ庄司夏子が作った特別なクリスマスギフト

 グラフィックアーティストのVERDY(ヴェルディ)と、住所・電話番号非公開で完全紹介制のフレンチレストラン「エテ」のオーナーシェフ庄司夏子は、今年1月に続くコラボコレクションの第2弾を発売する。テーマは“Santa Claus for Your Beloved One (サンタクロースは大切な人のために)”で、かじられたハート型の箱に入れたチョコレート、そのケースが収まるようにデザインした装飾用のクリスマスソックス、缶バッジ2個、PVCバックのセットで価格は税込2万2000円。予約を専用サイトで11月27日に開始する。

 VERDYは、「僕のメインプロジェクトである『ガールズ ドント クライ(GIRLS DON'T CRY)』のコンセプトは“いつも笑顔でいてほしい”。そんな気持ちに寄り添ったクリスマスギフトを夏子さんと作った。大切な人への贈り物にしてほしい」と話す。

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盛っていないのに美人度が上がる “大人の韓国女優メイク”のノウハウを収録した書籍が登場

 主婦の友社は、韓国ドラマのヒロインのような“盛っていないのに美人度が上がるメイク”のノウハウを収録した“読むだけで韓ドラヒロインに近づける 大人の韓国女優メイク”(税込1496円)を発売した。

 派手な顔立ちではないのに、なぜか惹きつけられる韓ドラヒロインの顔。韓国メイクのテクニックを研究してきたヘアメイクアップアーティストの石川ユウキが、清楚なのに華やかな韓国女優風メイク&ヘアを、日本人が取り入れやすいテクニックとして解説。“頬から下を首にする”など独自の骨格矯正メイクで、すっぴんから別人級に変身する彼女たちの美しさを再現している。

 “ファンデーションの量は最小限で丸く塗る”“おでこにも影を作っておでこを丸くする”“地眉を無視して眉下ラインを描く”“淡い色を何層にも重ねて平面的な目を印象的に”“明るい眉マスカラで地眉の色を消す”など、これまでのメイク法の常識を覆す独自のハウツーが満載だ。

 著者の石川ヘアメイクアップアーティストは、ヘアサロン勤務を経てヘアメイクアップアーティストとして独立し、現在はスリーピースに所属。韓国メイクを日本人女性向けに落とし込んだ“ハニルメイク”の考案者として話題に。韓国文化や韓国コスメに精通し、タレント、俳優、アーティストなどからの指名も多く、メンズヘアメイクの分野でも活躍中。

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「オールバーズ」がスエットとウールアクセサリーのコレクションを発売

 サンフランシスコ発のサステナブルブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」が新たにスエットとウールアクセサリーのコレクションを発売した。

 スエットコレクション“リラックス & レクリエーション”は、石油由来の合成繊維からつくられることが多いスエットを、天然繊維をベースに製作した。主な素材は、農薬や肥料を極力抑えて栽培されたペルー産のオーガニックピマコットン。そこに通気性の高いテンセルと、吸湿性に長け、耐久性に優れたヘンプを加え、肌触りの良さと機能性の高さを両立させた。アイテムはウィメンズ、メンズともにフーディー(税込1万5000円)、スエットシャツ(同1万2500円)、スエットパンツ(同1万2500円)。

 ウールアクセサリーは、スリッパなど全6種類をラインアップ。シューズ製造時のメリノウールを再利用したスリッパ“ウール ドゥウェラー”は、ソールにサトウキビ由来の“スウィートフォーム(SweetFoam)”素材と天然ゴムを使用。全4色で8750円(税込)。帽子(全3種類、同4500円〜5500円)、マフラー(同8000円)、靴下(同2800円)の一部には、再生型農業の手法で作られたメリノウールを初めて採用した。

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「リランドチュール」がオトナ化に手応え ハンサム要素で30代以上も着やすく

 アルページュの20代向けウィメンズブランド「リランドチュール(RIRANDTURE)」が、商品テイストの大人化に一定の手応えを得ている。2020−21年秋冬から、ミニ丈のワンピースやフリル付きブラウスなど従来のカジュアルな要素を抑え、トラッドテイストを取り入れたスタイルに徐々に移行してきた。これにより、30〜40代にも支持層が広がっている。

 22年春夏は、この傾向をより鮮明にする。展示会のメインの打ち出しの一つが、紺のダブルブレストのブレザー(1万9800円)を使ったハンサムなスタイル。ボトムスには腰ベルト付きのスラックスパンツ(1万8700円)を合わせ、リブニットをタックインする。ロゴTシャツ(9350円)やミニ丈のショーツなど、従来のカジュアル色の強い商品も用意しているが、トレンチコートやシャツ、レザーブーツなどと合わせることで、大人の女性も取り入れやすい提案に落とし込む。カラーリングではパステル調のイエローやピンク、首元には大ぶりなネックレスをあしらうことで、ブランドらしい遊び心も加えている。

 ブランドスタートは2015年。当時は20代だった顧客の年齢も上がっていることから、戦略の見直しを進めている。「ブランドのカジュアルなキャラクターを生かしながら、大人にも着ていただくためにはどうしたらいいかを話し合っている。今もシーズンのたびに試行錯誤しているような段階だが、徐々に成果は出てきた。お客さまに一番喜んでいただける落としどころを探っていきたい」(浅野仁美プレス)。

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時計「スウォッチ」が「ピーナッツ」と初コラボ パーソナライズも可能

 「スウォッチ(SWATCH)」はこのほど、アメリカ人漫画家チャールズ・M・シュルツ(Charles.M.Schulz)の代表作「ピーナッツ(PEANUTS)」と初コラボレーションした時計を発売した。スヌーピー(SNOOPY)やチャーリー・ブラウン(Charlie Brown)など、おなじみのキャラクターを主役にした6種類がそろう。価格は1万450円と1万3200円。

 スヌーピーが文字盤からストラップにはみ出しながらダンスしていたり、スヌーピーの犬小屋の横に「スウォッチ」の“母国”であるスイスの国旗がはためいたり、ウィットに富んだ表現が随所に盛り込まれる。ケースには、トウゴマという多年草由来のバイオ素材を採用する。

 11月18日からはカスタムメードサービス“スウォッチ バイ ユー(SWATCH X YOU)”にも「ピーナッツ」とのコラボデザイン3種類が加わり、スウォッチストア原宿、渋谷パルコのポップアップストア(2022年2月28日まで)、公式オンラインストアでオーダーできる。価格は1万5400円。

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ZOZOと楽天、東京・大阪に実店舗 リアル空間でもしのぎ削る

 「ゾゾタウン」と「楽天ファッション」という2大ファッション通販サイトが同時期に、大阪と東京でそれぞれリアル店舗をオープンした。「楽天ファッション」は11日から、渋谷スクランブルスクエア5階に「楽天ファッション」に出店する30ブランドのアイテムを集積したショールーム型の期間限定店をオープン。一方「ゾゾタウン」を運営するZOZOも17日から、阪急うめだ本店9階に同社のD2Cブランドのアイテムを集積した期間限定店をオープンした。両社はともに今秋から、リアル店舗を支援する大型プロジェクトも始動させており、ネット通販の両雄がリアル店舗を舞台に、新たな攻防をスタートしている。

 「楽天は本気です。このために、2年がかりでシステムを作り上げた」――「楽天ファッション」は今秋、リアル店舗支援のプラットフォーム「楽天ファッション オムニチャネル プラットフォームRakuten Fashion Omnichanel Platform以下、RFOP)」のサービス提供をスタートした。「楽天ファッション」を率いる松村亮・楽天グループ執行役員コマースカンパニーヴァイスプレジデントは、今秋から提供を開始する「RFOP」について、「ユーザーとなるアパレル企業にとってみれば、実際に在庫一つ一つの運用に関わること。データを動かすだけの話じゃないのは十分すぎるほど理解している。地味で泥臭い作業の積み重ねになる。しかし、だからこそ楽天がやる意義がある」と語る。

 「楽天ファッション」という売り場にとどまらず、在庫の一元管理を目的に、場合によっては顧客への配送までを含めた物流全般にかかるシステム提供は、楽天グループが総力を挙げて「リアル店舗を支援する」という意思と覚悟の現れと言える。楽天は「RFOP」の立ち上げにあたっては、EC支援の有力企業であるAMSとダイアモンドヘッド、さらにはアパレル物流の大手フローメーカーズとも提携した。フローメーカーズは、もともと店舗向けのアパレル物流を手がけてきたが、この数年はEC向けの倉庫物流も強化する中で独自開発のWMS(Warehouse Management System、倉庫管理システム)を外部提供するなど、アパレル物流まわりのキーになる企業だ。一部のアパレル関係者にはよく知られた存在だったが、従来は楽天のようなECモール運営企業には無縁の存在。「RFOP」を作り上げるため、フローメーカーズのような黒子のキー企業に行き着き、そして巻き込んだところに、楽天の本気度が伺える。

 一方のZOZOは10月28日、リアル店舗支援のプラットフォーム「ゾゾモ(ZOZOMO)」を発表した。「ゾゾタウン」の出店テナント企業の各店舗の店頭在庫を表示し、ZOZOユーザーへ取り置きサービスを提供する。同サービスはリアル店舗への送客を促すもので、基本的には有料サービスではあるものの、当面は参加企業に「無料」で提供する。ZOZOにとってリアル店舗への送客は、そのまま機会損失に直結するが、それ以上に「リアル店舗へ向かうトラフィックを取り込む」(澤田宏太郎ZOZO社長CEO)という狙いがある。

 「たとえ売り上げを犠牲にしても、トラフィックを」と考える背景には、ZOZOの重要な戦略転換がある。「ファッションを売るならZOZOから、”ファッションのコトならZOZO”を目指す。『ゾゾタウン』には、これだけは他社のECモールにはないという特徴がある。それが『見ていて楽しい』というもの。だったらアクセルを踏んでもっと楽しくしてしまえ、ということ」「UU(ユニークユーザー)数を、この1〜2年で数十%は増やしたい。UUを上げると、コンバージョン(購買率)が下がるという相関関係があり、バランスを取ってきましたが、それをある程度は無視してもUUを取りに行く」とZOZOの澤田社長は語る。ZOZOは、リアルにしろ、ネット通販にしろ、ショッピングの起点となるユーザーの”購買意欲”から、トラフィックを取り込む。ユーザーの購買行動に関して日々緻密な分析を積み上げてきたZOZOは、「ゾゾモ」を通じ、これまでなかなか取り込めなかったリアル店舗導線のトラフィックを新たな金脈に位置づける。

 2019年9月のZOZO創業者、前澤友作氏の退任を号砲かの如く、ほぼ同時期に東コレの冠スポンサーへの就任を発表した楽天は、以降ファッション分野への強化にひた走ってきた。両社はラグジュアリーブランドを集積したサイトの開設や、主力サイトである「ゾゾタウン」「楽天ファッション」の大型リニューアルなど、競い合うかのように同様のプロジェクトを行ってきた。今回も、ほぼ同時期にリアル店舗支援や期間限定店のオープンと、リアルに向けた大型プロジェクトを本格始動した両社だが、物流を含めたサプライチェーン改革に取り組む楽天と、新たなトラフィックデータの取り込みに力を入れるZOZOと、奇しくも方向性は対照的だ。リアル空間を舞台にした両雄の対峙、第二ステージの行方に注目だ。

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ユナイテッドアローズによるフルオーダーリノベーション物件に新プラン登場

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)はこのほど、リノベーション事業などを手掛けるグローバルベイス(GLOBAL BASE)と協業し、オーダーメードのリノベーション新プラン“リ アパートメント ユナイテッドアローズ プランシー(RE : Apartment UNITED ARROWS LTD. PLAN C)”の提供を開始した。

 新プランでは、おうち時間を楽しむファミリーやカップルに向けて“シンプル”“上質”をキーワードに、温かみのある空間の提案を目指す。冬が長く寒い夜が続く北欧の暮らしを参考に、リビングダイニングを中心とした間取りを考案。ミッドセンチュリーをベースにインテリアをそろえ、グレイッシュなニュアンスカラーでモダンさと温かみを表現した。

 東京・千駄ヶ谷では、新プランのモデルルームを公開中。完全予約制で、グローバルベイスの特設サイトから予約を受け付けている。

 両社は2017年に協業を開始した。物件探しから契約、設計、施工までをワンストップで行うグローバルベイスの「MyRENO マイリノ」を通じて、中古マンションのフルオーダー・リノベーションサービス「リ アパートメント ユナイテッドアローズ」を提供している。

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百貨店に「水族館」 松坂屋静岡店が全面改装

 大丸松坂屋百貨店の松坂屋静岡店は2022年春、全面改装に着手する。ライフスタイルやモノ・コト体験に重点をおいた新業態の誘致を進め、目玉として本館の上層階に水族館をオープンする。

 松坂屋静岡店は1932年に“東海随一の実用百貨店”を掲げて静岡市に開店。71年に全面建て替えを実施し、96〜97年には北館を増築して以降2館体制で運営している。今回改装するのは本館地下1階〜7階、北館1〜4階。売り場全体の約55%に当たる約1万4060平方メートルが対象になる。リニューアルは24年春までに段階的に実施する。

 改装のコンセプトは“地域共生型百価店”。本館7階の水族館は静岡市の再開発事業と連動して誘致を実現させた。JR静岡駅北口側の市街には静岡伊勢丹や新静岡セノバなど競合となる商業施設も点在するものの、松坂屋静岡店は駅と国道1号を挟んで立地する恵まれたロケーションにある。「施設そのものが外出の目的地となる、駅前の核施設を目指していきたい」(同社)とする。

 大丸松坂屋百貨店は全体戦略として、自主編集の売り場や婦人服ボリュームゾーンを圧縮する一方、ビューティやウエルネス関連の商品・サービスや体験型コンテンツの導入を推進している。静岡店本館の低層フロアも、「アクティブなライフスタイルを楽しむ」(2階)「外見も内面も自分磨きを楽しむ」(3階)といった形で、商品カテゴリーではなくライフスタイルや価値観に基づいてフロアを再構成する。

 静岡県は県民1人当たりの所得が全国第4位(県調べ)と高い水準にあり、静岡市は人口約70万人の中心都市。北館の特選ブランドや時計・宝飾はラインアップを拡充、美術画廊も刷新するなどラグジュアリーコンテンツの強化により、地元富裕層の囲い込みを図る。

 地方百貨店は淘汰が加速する中、存在価値の再定義が進められている。三越伊勢丹ホールディングスの松山三越はホテルやフィットネス施設を誘致して9月にリニューアルオープンした。エリア特性や生活者ニーズを反映し、単なる買い物の場を超えて館を再設計することがカギになりそうだ。

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「H&M」がサステナブルな新作コレクション発売 循環型ファッションを追求

 「H&M」はサステナビリティに焦点を当てたシリーズ“イノベーション・ストーリーズ(Innovation Stories)”の第4弾として、循環型ファッションを追求した“サーキュラー・デザイン・ストーリー・コレクション(Circular Design Story Collection)”を12月9日に新宿店と公式オンラインサイトで発売する。なお、心斎橋店ではウィメンズコレクションのみを販売する。

 「サステナビリティと喜び」をテーマに、ドレスアップが楽しめるウィメンズ52型とメンズ28型をラインアップした。ウィメンズコレクションからは、回収した古着のブレザーを使用した日本限定デザインのアイテムを新宿店限定で販売する。

 全てのアイテムには同社の最先端の循環型デザインのアプローチを採用した。採用した技術や認証素材は既存、新規併せて約8種類と徹底している。たとえばリサイクルポリエステル100%のドレスや人工ファーコート、セットアップなどはリサイクルの簡易化を考慮し、単一素材にこだわった。廃棄ペットボトル100%を原料としたリサイクルポリエステル糸「リプレーブ アワー オーシャン(REPREVE Our Ocean)」と古着や使用済み繊維を再利用した「サイコーラ(CYCORA)」も今回初登場となる注目素材だ。さらに、ビーズやスパンコールなどの装飾品は、リサイクル時に解体しやすくするために2018年の「グローバル・チェンジ・アワード(Global Change Award)」を受賞したリゾーテックスの分解可能な縫い糸「スマートステッチ」を採用した。各アイテムに付随するQRコードを読み取ると、公式オンライン上で各製品の循環型デザインの詳細について知ることができる。商品軸以外の取り組みとしては、ベルリンとアムステルダム、ストックホルムの一部の店舗では一部のアイテムを対象にレンタルサービスを導入する。

 同コレクションのキャンペーンは、フォトグラファーのラファエル・パバロッティ(Rafael Pavarotti)が手がけた。「Just before the party starts(パーティが始まる前に)」と題し、出かける準備をしている時のワクワク感やファッションを愛する人々の楽観性や個性を表現した。

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arc(アンティローザ)がブランドディレクター候補を募集 新ブランドの立ち上げやマーケティングをけん引

 「アントマリーズ(AUNT MARIE'S)」や「キャスパージョン(CASPER JOHN)」などを運営するアパレル企業のarc(アンティローザ)が、商品開発やPRを担うブランドディレクター候補を募集する。ブランドディレクターとして商品企画はもちろん、新規ブランドのブランディング、営業戦略の立案、運営・検証、SNSマーケティングを中心とした広告戦略立案などを担当。商品の仕入れや経費を中心とした損益管理まで携わる。

 arcはEC事業に大きくシフトし、全社で2期連続、売上高前年比200%、EC化率は95%を達成。2020年から毎年10以上の新ブランドを立ち上げつつ、D2C事業やファッションテックに注力して次世代のファッションへの事業開発を進める。事業拡大とともに個人のスキルアップや報酬へのフィードバックにつなげる組織の実現を目指している。

募集職種
新規ブランドディレクター候補

雇用形態
正社員

応募条件
アパレル業界経験不問
高卒以上
SNS含むマーケットリサーチが得意な方

勤務地
東京都品川区五反田

給与・待遇
月給250,000円~600,000円
※前職、能力を考慮の上、決定

勤務時間
10:00〜19:00(休憩1時間)

休日休暇
原則、暦通り

応募期限
2022年2月18日

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資生堂がR&Dを強化 セカンドスキンなど製品化間近の研究事案も発表

 資生堂は、事業の中核部門である研究開発(R&D)の強みと独自性を可視化しイノベーション創出をさらに加速させる。“ダイナミック ハーモニー”を理念に掲げ、5つの研究アプローチを柱に世界中の研究員が能力を最大限に発揮しR&D部門の強化を目指す。

 同社の研究開発は1916年に設立した「試験室」からスタート。西洋の科学と東洋の叡智を融合し、唯一無二の価値を生み出してきた。この独自のR&Dの考え方を再定義し、明文化することでベクトルを一本化。多様化する社会環境や消費者ニーズに対応した製品やサービスの源を生み出していく。

 5つの研究アプローチは、1.肌の内外から美しさを引き出す「インサイド/アウトサイド」2.確かな効果を日本品質で届ける「ファンクショナリティー/ジャパンクオリティ」3.お客の感性を科学で追求する「サイエンス/クリエイティビィティー」4.プレミアム感と環境共生を両立する「プレミアム/サステナビリティ」5.広くお客を知り、一人一人に最適な美を提供する「インディビジュアル/ユニバーサル」。これら長年強みとしてきた研究領域を深化させ、市場の変化に合わせ研究アプローチを増やす。

 近い将来、製品化につながるR&Dとして、紫外線が肌に好影響を与える変換技術や、皮膚の動きを再現した電子皮膚「4Dデジタルスキン」を活用したたるみ研究、ほうれい線にアプローチするセカンドスキン技術も発表した。

 また、“ダイナミックハーモニー”の一環として外部との融合とも積極的に行う。脳科学者の中野信子氏と慶應義塾大学先端生命科学研究所所長の富田勝教授とアドバイザー契約を締結。富田教授とは、来年1月に富田研究室を設けR&Dの数名の研究員と共に未来型イノベーションを創出する。

 1月からチーフブランドイノベーションオフィサーに就いた岡部義昭 資生堂常務は「マーケティング出身の自分がR&Dをリードし、研究員たちの役に立つことを考えた際、世の中の忙しない変化を理解していることが武器になると考えた。市場ニーズを体感したいと考える研究員も多いため、それを実現する体制作りも構築する。海外のR&D部門との連携も強め、横浜のグローバルイノベーションセンターに情報が集約できる体制作りも推進する。スキンケアカテゴリーを盤石化することが一番大事な核。そこから食品などのインナービューティカテゴリーにチャレンジする」とコメントした。

 同社は2015年にR&D戦略を加速し、以降売上高の3%程度を研究開発費として投入している。

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「デシグアル」の最新コレクションをARで体感できるアート空間が渋谷に出現

 スペイン・バルセロナ発のファッションブランド「デシグアル(DESIGUAL)」はこのほど、スペイン人ファッションデザイナー、マリア・エスコテ(Maria Escote)が手掛けたカプセルコレクション“Sexy Planet”を発売した。人種や文化、性別といった異なるアイデンティティーを持つ人々や動植物が共存する架空の惑星をコンセプトに、アニマル柄や花柄、和テイストなどを大胆にミックス。偏見や先入観に囚われない多様性のあり方を表現した。

 同コレクションの発売を記念して、11月28日まで、東京・渋谷でコレクションの世界観を表現したアートインスタレーションを開催中だ。現代アーティストの澁谷忠臣が、コレクションから着想したイラストやキャラクターなどを会場となった渋谷ソシアルビルの外観や館内に描いている。さらに、AR(拡張現実)技術も採用。ARスマートフォンアプリ「ARTIVIVE(アーティヷァイヴ)」をダウンロードして、スマホをかざせば、そのイラストやキャラクターが動き出す。建物全体でエスコテの世界観を体験できる仕掛けだ。ARデザインは、「ARTIVIVE」のオフィシャルブランドアンバサダー、KAREZMADが担当した。

来場者にはさまざまな特典を用意

 来場者には、期間内に「デシグアル」のLINE公式アカウントを友達登録すると20%割引クーポンをプレゼントするほか、澁谷忠臣が今回のデシグアルとエスコテのコラボレーションコレクションのキャラクターをアレンジしたステッカーを配布する。ステッカーは全5種で、なくなり次第終了。また、会場のAR動画を撮影してインスタグラムに「#DesigualxMariaEscote」のハッシュタグを付けて投稿すると、10万円分の「デシグアル」の商品が抽選で3人に当たるキャンペーンも実施中だ。
  
 なお、エスコテが手掛けたカプセルコレクションは、デシグアルストア原宿と東京 銀座中央通り店、名古屋栄店、心斎橋店、キャナルシティ博多店、公式オンラインショップ、「ゾゾタウン」で販売中だ。

インスタレーションを
手掛けた2人

TEXT : YUKI KOIKE
問い合わせ先
デシグアル 東京 銀座中央通り
03-6264-5431

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「ビューティ&ユース」がガンバ大阪とコラボ スタジアム外の日常にもなじむTシャツなど

 「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS 以下、BY)」は、Jリーグ・J1に所属するガンバ大阪とのコラボレーションアイテムを発売する。11月18日12時から予約を受け付け、2022年2月1日から順次発送する。

 コラボ第1弾は、スタジアム外の日常にもなじむファッションアイテムとして、オーバーサイズシルエットのTシャツ(3色、税込5500円)、裏起毛仕様のスエットパーカ(3色、同9900円)、インナーポケット付きの2WAYトートバッグ(1色、同5500円)、肉厚な生地を使ったソックス(2色、同1980円)をそろえた。アパレルはユニセックスでS〜XLサイズ、ソックスはMとLサイズを用意する。

 ガンバ大阪は、今年10月のクラブ設立30周年を機に、新たなクラブコンセプトを発表。“日本を代表するスポーツエクスペリエンスブランド”を掲げ、ガンバ大阪の頭文字“G”をかたどった新クラブロゴも発表した。コラボ商品では、新ロゴやブランドカラー、クラブコンセプトのテーマ“BE THE HEAT, BE THE HEART”などをデザインに取り入れた。

 2022年2月1日以降は、ガンバ大阪オフィシャルオンラインショップのほか、ホームスタジアムのパナソニックスタジアム吹田、オフィシャルショップ「ブルスパジオ(Blu SPAZIO)」での販売を予定する。

 BYは、パナソニックスタジアム吹田の近隣に「BY ららぽーとEXPOCITY店」を構えており、ガンバ大阪の「大阪を中心に地域・社会貢献を図り、スポーツを通じてコミュニティやエンターテイメントを広く提供したい」というクラブコンセプトに共感したことから、協業に至ったという。

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レディー・ガガが「アルマーニ」のドレスで映画「ハウス・オブ・グッチ」の試写会に登場!?

 ニューヨークで11月17日に行われた映画「ハウス・オブ・グッチ(HOUSE OF GUCCI)」の試写会に、主演を務めたレディー・ガガ(Lady Gaga)が「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」のドレスで登場した。「グッチ」のイベントで「アルマーニ」を着用とは、さすがはガガだ。

 リドリー・スコット(Ridley Scott)監督による同映画は、日本では2022年1月14日に公開される。

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「オルビス」が初の移動型体験店舗をスタート まずは千葉エリアから

 「オルビス(ORBIS)」は11月17日、ブランド初の移動型体験店舗サービス「オルビス ワゴン(ORBIS WAGON)」を、三越五井店など千葉県の一部エリアで営業開始した。エリアは今後順次拡大する予定だ。

 「オルビス ワゴン」では、スタッフによるスキンケアのカウンセリングやメイクレッスンなどを無料で体験することが可能。スキンケアでは専用機器で手の甲のキメを測定する“キメを整えるスキンケア体験”(約10分)と“スキンケアお悩み相談”(約10〜15分)、メイクレッスンでは眉の描き方のポイントを提案する“印象アップ!美眉レッスン”(約10分)とワンポイントで工夫できるメイクを提案する“似合うが見つかるアイメイクレッスン”(約10分)といったサービスを提供する。また、「ORBIS アプリ」の登録についてのサポートなども実施する。

 オルビスではコロナ禍によって消費のオンライン化が進行し、行動範囲が狭くなっていることから、オフライン体験の移動型店舗を出店するに至ったという。

■移動型体験店舗「オルビス ワゴン」
期間:2021年11月17日〜2022年1月末予定
※12月以降の出店場所は後日決定

場所:三越五井店 駐車場(千葉県市原市五井中央西1丁目33-11)
日時:11月17日、18日、20日、21日、22日 11:00〜17:00

場所:三越東金店 駐車場(千葉県東金市南上宿8-1)
日時:11月24日、25日、27日、28日、29日 11:30〜17:00

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「卓上レモンサワーが60分500円なら、蛇口焼酎は時間無制限無料だ」飯田橋の『ばりとんっ』が蛇口焼酎でリニューアルオープン

 0秒レモンサワーの「ときわ亭」が火付け役となった卓上レモンサワーのブームは全国に広がりを見せている。その一方でその影に隠れながらもエンタメ要素を十分に秘めているのが"蛇口焼酎"である。蛇口から出る焼酎が時間無制限でなんと"タダ"で飲めちゃう、呑兵衛には夢のようなお店が東京・飯田橋に誕生した。
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「卓上レモンサワーが60分500円なら、蛇口焼酎は時間無制限無料だ」飯田橋の『ばりとんっ』が蛇口焼酎でリニューアルオープン

 0秒レモンサワーの「ときわ亭」が火付け役となった卓上レモンサワーのブームは全国に広がりを見せている。その一方でその影に隠れながらもエンタメ要素を十分に秘めているのが"蛇口焼酎"である。蛇口から出る焼酎が時間無制限でなんと"タダ"で飲めちゃう、呑兵衛には夢のようなお店が東京・飯田橋に誕生した。
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「ロエベ」「ディオール」を絶賛も「ジバンシィ」には辛辣 海外メディアのパリコレ賛否両論

 この1年半のコレクション発表は、パンデミックの影響によってデジタルが中心となった。多くのブランドがデジタルの発信力を信じて、ショーに一般視聴者を包括的に取り込むことに躍起になっていた。しかし、結果的にブランドからは「デジタル式の発表ではバズらない」という声の方が多かった印象だ。各国ジャーナリストのデジタル発表のリポートを読んでも、熱量が明らかに下がっている。しかし2022年春夏シーズンのパリ・ファッション・ウイークは多くのブランドがリアルなショーを復活させ、デジタルとリアルの両方でアプローチを試みた。各ブランドはデジタルを活用し、ショー会場と一般視聴者との壁をどのように破壊するか、というのが隠れたテーマの一つになっているようだった。

 加えて、多くのデザイナーが今季を「新しい時代」と表し、「パンデミック前の生活に戻るのではなく、ニューノーマルを迎える」と強調していた。ニューノーマルとは?ソーシャルディスタンスを守り、マスクを着用し続け、挨拶のハグがなくなること?ーーその答えは「ノー」である。デザイナーが願う“ニューノーマル”とは、個々の精神性や社会の道徳といった意味合いが強いようだ。スピリチュアル(占星術や開運術など)や政治への関心の高まりは、目視できない“思想”が個人の人生で重要性が増していることを示しており、“ニューノーマル”の一つである。こういった社会変化を汲み取り、各デザイナーは自身のフィルターを通して“ニューノーマル”時代の装いを打ち出した。そして現地取材を行ったジャーナリストは熱量高く、各ブランドの歴史と社会潮流を踏まえてコレクションを読み解いた。ここでは、各紙に掲載された欧米のジャーナリストの講評を紹介する。

BALENCIAGA
エンタメ性は評価も服への言及は少なめ

 “ショーと画面の向こうの一般視聴者の壁を破壊する”という点では、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は成功したブランドの一つである。パリ・シャトレ座のスクリーンで上映されたのは、ルックをまとったモデルだけでなく、来場したゲストがフォトコールに応える様子だった。最初はどれがルックで、どれがゲストなのか分からないほどリアルだ。その後に上映したアニメ「ザ・シンプソンズ」とのコラボレーション映像「Simpsons I Balenciaga」は、“観客が主人公”をテーマにした。つまり、リアルのパフォーマンスではゲストやカメラマン、観衆全てを演出の一部として取り込むことでインクルージョンを表現したのだ。多くのジャーナリストは現場の盛り上がりを「素晴らしいパフォーマンスだった」と評価した。批評家のサラ・モーア(Sarah Mower)は「ヴォーグ ランウェイ(Vogue Runway)」で、「『バレンシアガ』は非常に多くのデジタルフォロワーを持ち、ブランド全体がエンターテインメントに移行している」と記した。ほかにも、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)を「才あるエンタテイナー」と表するジャーナリストもいた。だが、コレクションよりもエンターテインメント性が際立ったため、肝心のルックについて詳しく触れた記事は少なかった。

 なおフリードマンは「今季の『バレンシアガ』に匹敵するのは『アンリアレイジ(ANREALAGE)』」とも述べている。「森永邦彦デザイナーは映画製作者の細田守と協力して、想像と現実の魅惑的な対話を通して、アニメと多彩なドレスを組み合わせたサイケデリックなコレクションを制作した」と評価した。

VALENTINO
「メゾンは正しい方向に向かっている」

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、カフェという日常シーンを融合させてラグジュアリーをデイリーに見せる試みだ。会場内をパリのカフェのようにし、周辺の通りも貸し切って近隣のカフェのテラス席からも一般の人々がショーを鑑賞した。今季の注目ポイントは、5つのアーカイブを忠実に蘇らせたことだろう。クチュールというメゾンの価値を日常に持ち込むという新たな指針であり、「メゾンの遺産が生き生きとコンテンポラリーに見える」と称賛するジャーナリストもいた。「ル・フィガロ(Le Figaro)」のヴァレリー・ゲドン(Valerie Guedon)は、ストリートキャスティングで一般人もモデルに起用したことに触れ「着る人の個性により、現代性が生まれることを示した。(中略)昔からプローポーションも生地も変えていないのに、現在のために作られたルックのように見えた」と評した。「ファッション・ネットワーク(Fashion Network)」の批評家ゴドフリー・ディーニー(Godfrey Deeny)も「新しいエネルギーを持っていた」と述べ、「マーチャンダイジングの天才として知られる新CEO(最高責任者)のヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)が就任以来、初めてのショーだった。『ヴァレンティノ』の売り上げは数シーズンにわたって振るわなかったものの、外の世界への扉を開くというアイデアはとてもいい。新しいCEO、新しい社員、新しいランウエイのコンセプトとアーカイブのライン――メゾンは正しい方向に向かっているようだ」と綴った。サラ・モーアは、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)の手腕を特に評価した。「民主化させて、新世代の消費者を引きつけるブランド作りは、今日のほぼ全てのクリエイティブ・ディレクターの仕事と責任である。しかし、ビッグメゾンの製品や遺産を守り、滑稽に見せず、品位を落とさずに任務を果たすことができる人物はまれであり、ピッチョーリは全てを成し遂げている。今季のショーは彼が信じる未来が現実的だと感じさせ、社交的でリラックスしたお祝いの瞬間のようだった」。

DIOR
「“バー”ジャケットのループから解放された」

 マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による「ディオール(DIOR)」も、新たな方向へと舵を切った。今季は、メゾンの3代目デザイナーとして活躍したマルク・ボアン(Marc Bohan)が手掛けた1961年の“スリムルック”コレクションに焦点を当て、カラフルでミニマルに仕上げた。ショー会場はイタリア人アーティスト、アンナ・パパラッチ(Anna Paparatti)が64年に発表した作品「ナンセンスのゲーム(Il Gioco del Nonsense)」をベースに、ボードゲームのような円型ステージを設置。これまでにキウリが手掛けた、創設者のアーカイブを使った”バー”ジャケットとミドル丈レングスのスカートを軸にしたコレクションよりも、快活で若々しさがみなぎっていた。これまで、フェミニズムをテーマにし続けるキウリのメッセージ性は評価される一方、コレクション自体は賛否両論だった。しかし今季は、「時代のムードをくみ取っている」と高評価だったようだ。

 ヴァネッサ・フリードマンは、「キウリは“バー”ジャケットのループにはまっていたが、解放されたようだ」と述べた。「シアーなタキシードシャツ、グラフィックが描かれたビニール素材のミニスカート、オートクチュールのイブニングドレスの下には肌と同じ色のボディースーツを着用させることで、下着や胸を見せないようにした。これは、真のフェミニストの意思表示の一つのようであった。『ナンセンスのゲーム』と掲げられたスローガンは、ファッションに対しての見解をこっそり揶揄しており、メゾンが前進していることを表していた」。「ル・フィガロ」のエレーヌ・ギヨーム(Helene Guillaume)も同じく“前進”という言葉で評価した。「キウリは、私たちが前進するために、過去は養われた貯水池であることを再び思い出させてくれた」。サラ・モーアも「ビンテージ・リバイバル主義ではなく、現代性を宿している」と賞賛する。「スニーカーやフラットのクロスレースのサンダル、モダンなメリージェーンに至るまで、キウリは実用的なデザイナーであり、この瞬間のムードを読み取ることに目を向けている。60年代のユースクエイク(若者たちの行動が巻き起こした社会の地殻変動)について聞いたことがない若い女性にとって、ここには関連することがたくさんあるのだ」と締めくくった。

 60年代と現在の社会背景を重ね合わせて読み解くジャーナリストは多く、なかでもスージー・メンケス(Suzy Menkes)は自身のインスタグラムに書いた講評で、避妊薬について触れた。「2022年の夏、脚を露出することに驚きはないが、1960年代にスカート丈の上昇は、アティチュードの変化とピル(避妊薬)の登場の両方を伴って女性の自由を象徴していた。歴史上初めて、女性は選択する権利を持ったのだ。(中略)出産に関する問題が起こっている現在のアメリカでは、このショーは表面的には明るい一方、いくつかの深い意味合いも感じた」と記した。避妊薬は60年にアメリカで初めて認可された。アメリカのドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は人工妊娠中絶禁止を政治公約の一つに掲げて当選を果たし、アメリカでは避妊・中絶に関する問題が再浮上。ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領になった現在も、中絶を禁止する州法の施行と反対派の間で衝突が起こっている。欧州では、ポーランドで同様の問題が発生しており、昨年に中絶厳格化の法が制定された。

 男性であるゴドフリー・ディーニーは、スポーティーなルックに着目し、キウリに取材を行ったようだ。「非常にグラフィックなショーは、大胆で鋭いスポーツの感覚を持ち合わせていた。キウリは『スポーツは女性の解放に重要な役割を果たしてきた。女性は好きなスポーツを行うためや、オリンピックなど国際大会に出場するために戦わなければならなかったことを覚えておく必要がある。そして、それは今でも続いている。女性がスポーツをすることを許されていない国はまだたくさんある』とため息をついた」。ショーに登場したランニングシューズやバミューダパンツ、ボウリングバッグなどは“ディオール バイブ(DIOR VIBE)”という新ラインとして、2022年春にスタートする。

 今季の「ディオール」には、女性の権利や命に関する問題など、さまざまな議題が込められているようだ。掘り下げていくと重いテーマが潜んでいるものの、表面的には“深刻なマインドから自分を解放したい”という、アフターコロナ時代の入り口にいる私たちの気持ちを後押しする極めてポジティブな内容である。筆者は、“ファッションをゲームのように楽しむ”という提案には賛同するし、勝敗の結果ではなく、こんな時代にファッションで自分自身を解放する“過程”を楽しみたいと思った。

LOEWE
“ボディシェイプの衝撃”、再び

 レッドカーペットもカフェもゲームボードもない、無機質な空間で行われた「ロエベ(LOEWE)」のショーが、結果的には今シーズンで最も印象に残っている。おそらく、リアルのショーとデジタルの映像から感じ取れる感覚に、最も差が生まれるショーだったからだ。なぜなら、彫刻的で不自然なプロポーションや、ランウエイの入り口から出てきて奇妙なシルエットが浮かび上がる瞬間、正面の緊張感と後ろ姿の遊び心といった、三次元での表現が際立っていた。ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は今季、ルネサンス期の画家ヤコポ・ダ・ポントルモ(Jacopo da Pontormo)の作品から着想を得て、美術様式“マニエリスム”をファッションで表現した。それは、世界が再始動するこの瞬間の複雑さと混乱の表現でもあったようだ。アンダーソンは「神経症的な精神を持ったポントルモの絵に触発されて、コレクションをヒステリックに見せたかった。なぜなら、今この瞬間が奇妙だから」と語っていた。

 複数のデニムジャケットのドッギングや、ドレスの穴から足を出す変形デザインは過去にもあったものの、全体として実験的で斬新なスタイルだ。スージー・メンケスは「『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)』が25年前にファッションの歴史を作って以来見られなかった、“ボディシェイプの衝撃”を生み出した」と表現。「パワフルなショーは、ファッションの感覚と緊張感を強調しているように見えた。並外れたショーとして見られるだろう」と7枚の写真のキャプションに記した。サラ・モーアもアンダーソンをたたえた。「バースデーケーキのロウソクやマニキュアのボトル、せっけんの形をしたヒールのシューズ。硬いテディベア生地のラベンダーのバッグ。“意味”をなすものは何もなかったが、それがこのコレクションの大胆さと魅力だ。私たちは非現実的な時代を生きている。アンダーソンはそれを理解し、反映させている。このようなファッションの実験は、最近では非常に珍しいこと」。ゴドフリー・ディーニーは、今季の主要4都市の中で「AZファクトリー(AZ FACTORY)」をのぞいて「最も魅力的で、ほかよりもはるかに優れていた」と絶賛。エレーヌ・ギヨームは、スペイン生まれのブランドである「ロエベ」の芸術的感性に言及した。「最後の1秒までゲストを魅了し続けた。スペインの超現実主義、サルバドール・ダリ(Salvador Dali)、ルイス・ブニュエル(Luis Bunuel)、なかにはクリストバル・バレンシアガ(Christbal Balenciaga)の要素もつかんでいた。(中略)胸の形のシリコンを取り付けたドレスは、イヴ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent)が1969年に彫刻家クロード・ラランヌ(Claude Lalanne)と共同制作した作品にも匹敵する出来栄えだ」と絶賛した。一方で、ヴァネッサ・フリードマンはやや冷めた反応で「活気に溢れ、不快だった。“神経質、サイケデリック、ヒステリック”とアンダーソンはショーノートに書いた。あぁ、そうだろう。Welcome to now」という感想だけ記した。

 知的で不気味で奇妙なコレクションは、消費者にとっては好みが分かれるだろうし、コマーシャルピースにどのように落とし込まれるのか現時点で明確ではない。ただ、「ロエベ」が新しいステージへ駒を進めことと、アンダーソンは派手な会場装飾に頼らず、ルックのみで見る者に訴えかけることができる、優れたデザイナーであることは確かだった。

GIVENCHY
マシューの手腕に賛否

 「ロエベ」でアンダーソンが高い評価を得られるのは、メゾンの歴史が皮革職人によるレザーグッズで始まった点にもある。オートクチュールで始まった「ジバンシィ(GIVENCHY)」や、上記に挙げたブランドでは、批評家による判断基準は少し異なる。それは主にサラ・モーアが述べた通り、遺残を守り、滑稽に見せず、品位を落としていないかを見ているようだ。最近では親会社のコングロマリットが遺産を守ることを重視していないように見えるケースもあるが、本来は創業者の精神や美意識を受け継いでいることが重要なはず。そのためにクリエイティブ・ディレクターは、メゾンの歴史と創業者のデザインを深く理解していなければならない。今季の「ジバンシィ」は、その点でジャーナリストから批評を受けた。

 ヴァネッサ・フリードマンは「昨今のファッション業界はサイクルが速く、“ビンテージ”は昨シーズンを含み、10年前の作品を遺産の一部としてみなされる」と明記したうえで、「これによりメゾンの王冠を相続したデザイナーに、遺産を継承しないといけないという重圧を軽減することができた。しかしそれはまた、何らかの断絶を生み出した」と、自身の見解を続ける。「鮮やかな色と絵のシンボルで知られるアメリカ人アーティストのジョシュ・スミス(Josh Smith)とのコラボレーションはクールだった。しかし、かつてオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)のエレガンスに根ざしたオートクチュールブランドの『ジバンシィ』と、スミスに何の関係があるのかと尋ねられたとき、マシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)は驚いた様子でこう答えた。『この協業は私にとって本当に個人的なことです』。今の彼には十分な理由なのだろう。問題は、ウィリアムズが就任してから1年経った今でも、彼の『ジバンシィ』が何であるかがほとんど不明であるということ。(中略)多くの材料をミックスしたコレクションは興味深いが、思慮が足りず無分別で、全てを融合させるには不十分だ」。エレーヌ・ギヨームも同じようなことを述べている。「現代はSNSで個性を主張し、その中のみで生きている人もいる時代で、ファッションは目立つための道具にすぎないのが現実である。その意味で、ヘプバーンが着用したブラックドレスは、今日のデザイナーの評価を上げたり下げたりするポップスターや、インフルエンサーにとってほとんど魅力がない。(中略)ウィリアムズの演劇的でインスタ映えするスタイルは、創設者の紳士なアティチュードと、後に引き継いだクリエイティブ・ディレクターらの何にも関連性が見られない」と批評。しかし、アトリエで制作された職人技を感じるディテールや仕立てについては評価した。スージー・メンケスは、その他のブランドに比べて圧倒的に少ない1枚だけの投稿でコメントした。「ウィリアムズによる『ジバンシィ』初のリアルショーで私が最初に行ったのは、優雅な紳士だった創設者のことを頭から一切取り除くことだった。来シーズンにオートクチュールを発表予定のデザイナーは、歴史が予期していたものとは異なる道を歩んでいる。(中略)だから私は歴史を無視して、服そのものを見ることにした。すると、それらは非常に素晴らしかった」と評価した。「ヴォーグ・ランウエイ」でもアンダース・クリスチャン・マドセン(Anders Christian Madsen)が肯定的な見解だ。「ウィリアムズが描いた死神を含むスミスの作品では、2人の間の創造的な対話が最も雄弁に表現され、複雑なニットウエアと革のトップスと結合し、透明な生地のフィルターを重ねて一種の幻想を生み出していた。ルックは“ただの”ストリートウエアだったが、テクスチャーに対するウィリアムズの情熱を表していた。ストリートウエアのデザイナーがクチュリエになりつつある昨今、ウィリアムズはこのような実験のためにアトリエを上手く利用するだろう」。

 ユベール・ド・ジバンシィは、クリストバル・バレンシアガに憧れてデザイナーを目指し、その後も師の教えを聞き続けて成長したのはよく知られていること。現在もその構図は引き継がれており、ストリートウエアのデザイナーがクチュリエになり、「バレンシアガ」の後を追って「ジバンシィ」がクチュールを再開させる。LVMHとケリング(Kering)のパワーゲームも含めて、来年1月に発表が噂されている『ジバンシィ』のクチュールには、いろいろ意味で注目が集まりそうだ。

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「バカラ」12年目となる年号刻印入りタンブラーの新作“クリスタ”発売 “変化の年”の記憶や思い出を結晶に

 フランスの「バカラ(BACCARAT)」は、お祝いや記念といった人生の節目や転機に、大切な贈りものとして選ばれてきたクリスタルブランドだ。特別な記憶や喜びの瞬間までも刻みつけてくれるような卓越した職人技は、250年以上にわたりラグジュアリーな輝きを生み出してきた。

 「バカラ」のシリーズの中でも2010年から続く年号入りタンブラーは、毎年発売される特別なグラス。1年の節目や新たな年への希望を込めて、自分自身へのギフトとして手にするコレクターも多い。

 新年に向けて発売された新作“クリスタ タンブラー 2022“は、水晶の石柱のようにまっすぐ力強く施されたカットが特徴。グラスそのものが光を宿しているかのような輝きをデザインし、「永遠に記憶したい時間や思いを結晶化する」というイマジネーションを込めた。熟練の職人技による計算されたカットと澄んだ輝きは、「バカラ」ならでは。高さ8.5cmという上品なサイズ感で、手の中に心地よく収まりながらも、本物の魅力を放つ。タンブラー底には、年号2022を刻印した。

 “クリスタ タンブラー”のメッセージは「過去、現在、未来、バカラ。」。日常と呼んでいるものの尊さや、人とのつながりの大切さに気付いた“変化の年”を振り返り、来たる新年への希望と展望をポジティブに表現した。

 「バカラ」は1764年、フランス・ロレーヌ地方のバカラ村で創設して以来、一貫した品質と卓越した職人技で、美しく深い透明感を持つ無二のクリスタルを世に送り出している。フランスの伝統的な生活様式を芸術の域にまで高めたその功績は、広く知られる事実だ。さらに「時代の美」を表現してきたクリエイションの品質は、“M.O.F.(フランス最優秀職人)”の称号を得た職人を多く輩出していることからもうかがえる。これらの背景に裏打ちされた、実用性を兼ね備えながらも、エレガントな輝きを放つグラスは、日常を一瞬にして贅沢で豊かなものへと押しあげてくれるだろう。

 “クリスタ タンブラー 2022”の価格は、1客7150円。現在、「バカラ」のクリスタル製品がトータルでそろうバカラショップ 丸の内をはじめ、百貨店、公式オンラインストアなどで販売中だ。

問い合わせ先
バカラショップ 丸の内
03-5223-8868

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