「M・A・C」は12月3日、世界的ガールズグループ、BLACKPINKのLISAとコラボレーションしたメイクアップコレクション“M・A・C x L”を発売する(一部店舗では先行販売中)。LISAは同ブランドのグローバルブランドアンバサダーを務め、これまでキャンペーンには登場してきたものの、メイクアップを手掛けるのは初めて。現在インスタグラムで6000万人以上のフォロワーを持ち、BLACKPINKのメンバーとしての音楽活動はもちろん、ファッション・ビューティのトレンドセッターでもあるLISAのカリスマ性と個性を表現したコレクションが誕生した。そんなLISAに、初めてプロデュースしたメイクアップコレクションに込めた思いやこだわりについて聞いた。
さまざまなシーンに合う12色を収めた“アイシャドウ × 12 M·A·C × L アイシャドウパレット”(税込9900円)さまざまなシーンに合う12色を収めた“アイシャドウ × 12 M·A·C × L アイシャドウパレット”(税込9900円)
グラフィックアーティストのVERDY(ヴェルディ)と、住所・電話番号非公開で完全紹介制のフレンチレストラン「エテ」のオーナーシェフ庄司夏子は、今年1月に続くコラボコレクションの第2弾を発売する。テーマは“Santa Claus for Your Beloved One (サンタクロースは大切な人のために)”で、かじられたハート型の箱に入れたチョコレート、そのケースが収まるようにデザインした装飾用のクリスマスソックス、缶バッジ2個、PVCバックのセットで価格は税込2万2000円。予約を専用サイトで11月27日に開始する。
「H&M」はサステナビリティに焦点を当てたシリーズ“イノベーション・ストーリーズ(Innovation Stories)”の第4弾として、循環型ファッションを追求した“サーキュラー・デザイン・ストーリー・コレクション(Circular Design Story Collection)”を12月9日に新宿店と公式オンラインサイトで発売する。なお、心斎橋店ではウィメンズコレクションのみを販売する。
同コレクションのキャンペーンは、フォトグラファーのラファエル・パバロッティ(Rafael Pavarotti)が手がけた。「Just before the party starts(パーティが始まる前に)」と題し、出かける準備をしている時のワクワク感やファッションを愛する人々の楽観性や個性を表現した。
ガンバ大阪は、今年10月のクラブ設立30周年を機に、新たなクラブコンセプトを発表。“日本を代表するスポーツエクスペリエンスブランド”を掲げ、ガンバ大阪の頭文字“G”をかたどった新クラブロゴも発表した。コラボ商品では、新ロゴやブランドカラー、クラブコンセプトのテーマ“BE THE HEAT, BE THE HEART”などをデザインに取り入れた。
マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による「ディオール(DIOR)」も、新たな方向へと舵を切った。今季は、メゾンの3代目デザイナーとして活躍したマルク・ボアン(Marc Bohan)が手掛けた1961年の“スリムルック”コレクションに焦点を当て、カラフルでミニマルに仕上げた。ショー会場はイタリア人アーティスト、アンナ・パパラッチ(Anna Paparatti)が64年に発表した作品「ナンセンスのゲーム(Il Gioco del Nonsense)」をベースに、ボードゲームのような円型ステージを設置。これまでにキウリが手掛けた、創設者のアーカイブを使った”バー”ジャケットとミドル丈レングスのスカートを軸にしたコレクションよりも、快活で若々しさがみなぎっていた。これまで、フェミニズムをテーマにし続けるキウリのメッセージ性は評価される一方、コレクション自体は賛否両論だった。しかし今季は、「時代のムードをくみ取っている」と高評価だったようだ。
レッドカーペットもカフェもゲームボードもない、無機質な空間で行われた「ロエベ(LOEWE)」のショーが、結果的には今シーズンで最も印象に残っている。おそらく、リアルのショーとデジタルの映像から感じ取れる感覚に、最も差が生まれるショーだったからだ。なぜなら、彫刻的で不自然なプロポーションや、ランウエイの入り口から出てきて奇妙なシルエットが浮かび上がる瞬間、正面の緊張感と後ろ姿の遊び心といった、三次元での表現が際立っていた。ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は今季、ルネサンス期の画家ヤコポ・ダ・ポントルモ(Jacopo da Pontormo)の作品から着想を得て、美術様式“マニエリスム”をファッションで表現した。それは、世界が再始動するこの瞬間の複雑さと混乱の表現でもあったようだ。アンダーソンは「神経症的な精神を持ったポントルモの絵に触発されて、コレクションをヒステリックに見せたかった。なぜなら、今この瞬間が奇妙だから」と語っていた。
複数のデニムジャケットのドッギングや、ドレスの穴から足を出す変形デザインは過去にもあったものの、全体として実験的で斬新なスタイルだ。スージー・メンケスは「『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)』が25年前にファッションの歴史を作って以来見られなかった、“ボディシェイプの衝撃”を生み出した」と表現。「パワフルなショーは、ファッションの感覚と緊張感を強調しているように見えた。並外れたショーとして見られるだろう」と7枚の写真のキャプションに記した。サラ・モーアもアンダーソンをたたえた。「バースデーケーキのロウソクやマニキュアのボトル、せっけんの形をしたヒールのシューズ。硬いテディベア生地のラベンダーのバッグ。“意味”をなすものは何もなかったが、それがこのコレクションの大胆さと魅力だ。私たちは非現実的な時代を生きている。アンダーソンはそれを理解し、反映させている。このようなファッションの実験は、最近では非常に珍しいこと」。ゴドフリー・ディーニーは、今季の主要4都市の中で「AZファクトリー(AZ FACTORY)」をのぞいて「最も魅力的で、ほかよりもはるかに優れていた」と絶賛。エレーヌ・ギヨームは、スペイン生まれのブランドである「ロエベ」の芸術的感性に言及した。「最後の1秒までゲストを魅了し続けた。スペインの超現実主義、サルバドール・ダリ(Salvador Dali)、ルイス・ブニュエル(Luis Bunuel)、なかにはクリストバル・バレンシアガ(Christbal Balenciaga)の要素もつかんでいた。(中略)胸の形のシリコンを取り付けたドレスは、イヴ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent)が1969年に彫刻家クロード・ラランヌ(Claude Lalanne)と共同制作した作品にも匹敵する出来栄えだ」と絶賛した。一方で、ヴァネッサ・フリードマンはやや冷めた反応で「活気に溢れ、不快だった。“神経質、サイケデリック、ヒステリック”とアンダーソンはショーノートに書いた。あぁ、そうだろう。Welcome to now」という感想だけ記した。