人気ドラマ「SATC」のキャリー、女性ポッドキャスターの増加を後押し? 続編で新たな挑戦

 コロナ禍の影響により自宅で過ごす時間が増えたことから、“ながら聞き”ができる音声メディアの人気が高まっている。米市場調査会社エディソン・リサーチ(EDISON RESEARCH)のリポートによれば、「毎週ポッドキャストを聞く」と回答した人は、2020年では前年比22%増の6800万人、21年はさらに増加しておよそ8000万人に上るという。

 また、米ラジオ放送会社キュミュラス・メディア(CUMULUS MEDIA)と音声メディア調査会社シグナル・ヒル・インサイツ(SIGNAL HILL INSIGHTS)の調査によれば、20年に新たにポッドキャストを聴き始めたリスナーの60%が女性となっている。

 一方で、専門家らによれば、ポッドキャスター(ポッドキャスト番組のホスト)に占める女性の割合は21~28%だと推定されており、女性ポッドキャスターはまだ少ないようだ。人気ポッドキャスト「クライム・ジャンキー(Crime Junkie)」のアシュリー・フラワーズ(Ashley Flowers)、「スウェイ(Sway)」のカーラ・スウィッシャー(Kara Swisher)、「ア・スライト・チェンジ・イン・プランズ(A Slight Change in Plans)」のマヤ・シャンカー(Maya Shankar)らも、ポッドキャスト好きが高じて自分でも始めたが、女性の比率が低いのでもっと増えてほしいと口をそろえる。しかし、人気ドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY以下、SATC)」のメインキャラクターの一人、キャリー・ブラッドショー(Carrie Bradshaw)がそれを変えるかもしれない。

 サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)が演じるキャリーはコラムニストとして活躍しているが、「SATC」の続編「AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章」では、新たに登場するキャラクターのチェ・ディアス(Che Diaz)と共にポッドキャストに挑戦している。キャリーが頻繁に着用したレタードネックレスや「マノロ ブラニク(MANOLO BLAHNIK)」のシューズ、オープニングシーンに使われたチュールスカートなどが流行したことを踏まえると、女性のポッドキャスターもこれを機に増える可能性があるだろう。

 なお、メキシコ系アメリカ人の俳優サラ・ラミレス(Sara Ramirez)が演じるチェは、ノンバイナリー(性自認や性表現を女性か男性かの2択で分類しない人)でクィア(性的少数者)なキャラクターであり、続編はさまざまな面で時代に合わせてアップデートされているようだ。

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ビリー・アイリッシュのファッションを21ルックで振り返る 「一番大切なのは、自分がいいなって思えること」

 2019年にアルバム「When We Fall Asleep, Where Do We Go?」をリリースして一躍人気を獲得したビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)。その後に発表した楽曲「Everything I Wanted」「Therefore I Am」も続けて大ヒットを記録した。そんなこれからの時代をけん引するポップスターの1人となったビリーは、21年9月に開催されたファッションの祭典「メットガラ(MET GALA)」でプロテニス選手の大坂なおみ、俳優のティモシー・シャラメ(Timothee Chalamet)、詩人のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)と4人でホストを務めるなど、ファッションシーンでも注目を集めている。

 ビリーがデビューしたのは、16年。まだ15歳の時だった。以来、レッドカーペットの着こなしにも、ゆったりとしていて着心地の良さそうな洋服を選ぶなど、ブレないスタイルを貫いている。中でも多いのは、「バーバリー(BURBERRY)」「シャネル(CHANEL)」「プラダ(PRADA)」「グッチ(GUCCI)」など、一つのビッグブランドで全身をまとめたスタイル。根元をネオングリーンに染めた黒髪をベースに、デザイナーズアイテムを使い、グリーンへの愛を表現している。また、バケットハットやサングラス、手袋、アクセサリーなどをうまく取り入れたスタイルは、期待を裏切らない。

 これまででもっとも印象的なルックの一つは、20年の「グラミー賞(Grammy Awards)」授賞式での全身「グッチ」でまとめたスタイル。ライムグリーンのスパンコールが輝くタートルネックトップに、黒と緑のラインストーンがあしらわれたオーバーサイズのシャツジャケットとパンツを合わせた。指なしの手袋を合わせ、グリーンの長い爪をアピール。メッシュのフェイスマスクで仕上げた。

 一転して21年4月には、大きくイメージチェンジした姿をインスタグラムに投稿した。ビリーといえばネオングリーンというイメージを塗り替え、ブロンドにブリーチしたスタイルをお披露目。実際は1月の時点ですでに髪色を変えていたというが、公開まではウイッグをつけて過ごしていたという。その後5月にイギリス版「ヴォーグ(VOGUE)」の表紙を飾り、1950年代のピンナップガールであったベティ・ブロズマー(Betty Brosmer)にインスピレーションを得た、かつてのハリウッドを想起させるようなクラシックなルックで登場した。これまでのイメージとは大きく異なるスタイリングでインターネットを沸かせたビリーだが、「一番大切なのは、自分がいいなって思えること。整形したいなら、すればいい。自分が着たい!と思うドレスを誰かに否定されても、そんなのはどうでもいいこと。自分が似合ってるって思うなら、全部素敵なんだよ」というメッセージを発信した。

 ビリーはこれまでのキャリアの中でグラミー賞を7回、アメリカンミュージックアワードを2回、MTVミュージック・アワードを3回、ブリットアワードを2回受賞している。7月には2作目のアルバム、「Happier Than Ever」をリリースし、10月には自身のフレグランスも発表した。

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芸能人着用で売れたブランドランキング 2021年もマッシュが上位独占

 アイエント(東京、大森智人社長)が運営する、芸能人の着用衣装を紹介するコミュニティサイト「コレカウ」はこのほど、2021年に放送されたドラマなどの番組におけるタレント衣装の人気ブランドランキングを発表した。1位がマッシュスタイルラボの「リリー ブラウン(LILY BROWN)」、2位「スナイデル(SNIDEL)」3位「セルフォード(CELFORD)」で、昨年に引き続き同社のブランドが上位を独占した。番組で着用し、ヒットにつながった商品を紹介する。

 なおランキングは、同サイトを経由し、ブランド公式ECやECモールなどに送客した定数データをもとに算出。昨年は「スナイデル」「ファーファー(FURFUR)」「セルフォード」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」「リリー ブラウン」がトップ5だった。

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芸能人着用で売れたブランドランキング 2021年もマッシュが上位独占

 アイエント(東京、大森智人社長)が運営する、芸能人の着用衣装を紹介するコミュニティサイト「コレカウ」はこのほど、2021年に放送されたドラマなどの番組におけるタレント衣装の人気ブランドランキングを発表した。1位がマッシュスタイルラボの「リリー ブラウン(LILY BROWN)」、2位「スナイデル(SNIDEL)」3位「セルフォード(CELFORD)」で、昨年に引き続き同社のブランドが上位を独占した。番組で着用し、ヒットにつながった商品を紹介する。

 なおランキングは、同サイトを経由し、ブランド公式ECやECモールなどに送客した定数データをもとに算出。昨年は「スナイデル」「ファーファー(FURFUR)」「セルフォード」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」「リリー ブラウン」がトップ5だった。

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EXILE NAOTOの「スタジオ セブン」7周年 ブランドとのコラボや有名デザイナーとの出会いを語る

 EXILEや三代目J Soul Brothersのパフォーマーを務めるNAOTOのファッションブランド「スタジオ セブン(STUDIO SEVEN)」が2022年に7周年を迎える。ブランド設立以来、彼らしい表現力とユニークな視点でファッションにアプローチし続けてきた。特にここ数年では「ジーユー(GU)」をはじめ、「ニューバランス(NEW BALANCE)」など大手ブランドとのコラボレーションも記憶に新しい。ダンサー、俳優、デザイナーといったあらゆる顔を持つ彼は、これまでどんな思いで洋服作りに挑んできたのか。7周年を前に「スタジオ セブン」の歩みを振り返る。

WWD:改めて、「スタジオ セブン」の名前の由来は?

NAOTO:まず、「R.Y.U.S.E.I.」がレコード大賞を受賞したときに、パフォーマンス用の衣装を僕が手掛けたのが服作りのきっかけでした。作るに当たり、何かグラフィックやワードを入れたくて、浮かんだのがメンバー7人の“セブン”。加えて、音楽や振り付けといったクリエイティブが生まれる場所はまさにスタジオでした。その2つの言葉を組み合わせて名付けました。

WWD:15年11月にブランドを立ち上げてからこれまでをどう振り返る?

NAOTO:やはりLDHという大きな母体があり、環境を整えてもらったからこそ続けてこられた。本当にたくさんのことがあり、チームで試行錯誤しながらここまでやってきました。でも、いまだに次の可能性を探しているし、「スタジオ セブン」の向かうべき道をチーム一丸となって常に模索し続けています。中でも3年前に実店舗をオープンできたことが大きかった。より自分の世界観を可視化できるようになったんです。うれしかった反面、もっと本気にならないといけないなと意識が強まりました。

WWD:やりがいを感じた瞬間や大変だったことは?

NAOTO:ブランドを立ち上げるきっかけとなったNIGO®️さんとの出会いが今でも一番の思い出ですね。10代のころから僕にとってNIGO®️さんはストリートのレジェンドで、憧れの存在でした。NIGO®️さんと親交を深める中で、さまざまな出会いがあり、洋服作りの楽しさを覚えていったんです。あとは「ジーユー」とのコラボレーションでしょうか。より多くの人たちに「スタジオ セブン」を知ってもらうきっかけになりました。

WWD:これまでさまざまブランドとのコラボを手掛けてきたが、コラボする相手の決め手は?

NAOTO:自分が愛用していたものや、憧れの感覚は大事にしています。例えば、「メゾン ミハラヤスヒロ」とコラボレーションするきっかけとなったトレッキングブーツは今でも愛用しています。僕が高校生のときは1万円以上の靴を買うなんてあまりなかったんですが、「メゾン ミハラヤスヒロ」の4万円以上のブーツがどうしても欲しくて、当時震えながら買いました。ずっとお気に入りで「元を取ろう」と履きつぶしましたね(笑)。

WWD:今の東京のファッションシーンをどう見ている?

NAOTO:少し前までラグジュアリーストリートやストリートモードがトレンドのスタイルでした。それが、いったんみんなに行き渡って、また新しい芽が生まれる直前、変革期が始まる前というイメージです。次のトレンドを生み出す“ネクスト・ヴァージル”のような存在をみんなが求めているように思えます。

WWD:NAOTOさん自身のファッションはどう変化した?

NAOTO:僕のファッション変遷はぐちゃぐちゃです(笑)。高校時代はよく代官山へ買い物に行きました。ハリウッド ランチ マーケット(HOLLYWOOD RANCH MARKET)やハイ!スタンダード(HIGH! STANDARD)、オクラ(OKURA)あたりに通いましたね。私服の高校で、金髪・ピアスOKの少し変わった学校だったんです。大学みたいな自由な校風だったので、生徒もファッション好きが多く、自由にファッションを楽しんでいました。そのころからダンスをするときにどんな服を着るかは意識していましたし、ファッションは自分のパフォーマーとしての人生に欠かせないピースだったと思います。

WWD:パフォーマーとしての視点は服作りにどう影響している?

NAOTO:「スタジオ セブン」のアイテムは間違いなくパフォーマンスありきです。どういう服で踊りたいか、どういう服だったら自信を持ってステージに立てるのかを考えます。ファッションは、自分がかっこいい表現をするための欠かせないポイントですね。

衣食住の全てに興味がある。ハマっている食べ物はうなぎ

WWD:普段の生活の中で、カルチャーに対してどのようにアンテナを張っている?

NAOTO:今は洋服だけでなく、衣食住の全てに興味があります。最近はとにかく食べ歩きが楽しみ。インテリアや建築に関しては、家具に触れたり、出来上がるまでの背景を本で読んだり、写真を撮ったりと自分の目で見て体験することを大切にしています。

WWD:最近ハマっている食べ物は?

NAOTO:ピンポイントですけど……うなぎです。うなぎって実はめちゃくちゃ深い食材なんですよ。全国各地のうなぎ屋さんに行くと、本当にうなぎ愛に満ちたヘンタイなお店がたくさんあるんです(笑)。そういう方々からさまざまなエピソードを聞き回っています。まだまだ僕は“ウナギスト入門”くらいです。ちなみに僕は断然パリパリな関西派。でもこれは難しいところで、関西と関東のいいとこ取りをしているうなぎ屋さんもある。皮はパリパリなのに、中身はふわふわトロトロ。関西派と自負はしていますが、本当は一概に関西と関東では分けられない。とにかく奥が深いんです!

WWD:“ウナギスト入門”……なるほど。では自身のYouTubeチャンネル「オネストTV」ではキャンプをしている姿も見かけるが、キャンプも好き?

NAOTO:僕はシティーボーイっぽいイメージを持たれているかもしれないですけど、めちゃくちゃ外や自然が好き。今年になって、テント泊もデビューしました。「スタジオ セブン」の21年秋冬シーズンも“アウトドア”がテーマです。自分流のアウトドアスタイルを見つけることも楽しいし、「そんな格好でキャンプする?」という思われるくらい、自由にファッションを楽しみながらキャンプできたらいいですよね。

次のジェネレーションの人たちにチャンスや夢を与えたい

WWD:メンバー内でおしゃれだなと思う人は?

NAOTO:やっぱり洋服がよく似合うのは(関口)メンディー。彼はどんな服を着ても自分のものにしてしまうんです。「スタジオ セブン」の服もメンディーだったら新しい着こなしを見せてくれるかもしれない。最近メンバーとは、ファッションよりもうまいお店の話が多いです(笑)。とにかくたくさん食べ歩きをするので、メンバーの中で食に関しては僕が圧倒的に詳しいはず。ほかのメンバーから「こんなお店ない?」とよく尋ねられます。EXILEのSHOKICHIもグルメ好きで詳しい。2人でよくどこに行ったとか、あのお店が良かったとか、情報交換しています。

WWD:7周年を迎える「スタジオ セブン」、そして自分自身はどのように進化していく?

NAOTO:LDHは若い子たちに夢とチャンスを与える場所で、みんながそれぞれLDHの思いをバトンとしてつなげてきた会社です。「スタジオ セブン」でも今後は次のジェネレーションの人たちにチャンスや夢を与えられるような活動をしたい。実は今までブランドとしてほかのメンバーと一緒に何かをやるのはあえて避けてきました。良い意味でも悪い意味でも僕のイメージが強いブランドなので、ちゃんと認知されるまでは一人でしっかり基盤を作りたかったから。それから7年間続けてきたので、今ならメンバーとの取り組みにチャレンジしてもいいのかなと思います。例えば、今僕が着ているトラックスーツは、普段から親交のあるGENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於と一緒に作りました。7周年で初めてほかのメンバーとのコラボレーションアイテムが実現できたんです。もし将来的に僕が踊れなくなったとしても、自分の経験や体験で得た知識、実績をみんなに伝えることを大切にしていきたいです。

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「フェンディ」が渋谷スクランブル交差点をジャック コムドットやまとや川口ゆりなが祝福

 「フェンディ(FENDI)」はこのほど、2021年ホリデーシーズンを祝して東京・渋谷のスクランブル交差点のビジョンをジャックした。

 「フェンディ」は11月にニューヨークのタイムズスクエアで45個の巨大スクリーンをジャックした。翌月には上海プラザ66のリニューアルを記念し、上海・外灘エリアのビルでもアイコニックな“ローマンイエロー”のビジョンを映し出した。3都市目となる東京では、12月24、25日に8つの大型デジタルサイネージをジャックし、オーディション番組「Girls Planet 999:少女祭典」で注目を集めた川口ゆりなや、ユーチューバーのコムドット やまと、なこなこカップル、ティックトッカーの那須ほほみ、モデルの花音らが祝福に駆けつけた。

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世界最大級の香料メーカーに聞く“エモーショナルな香り”の需要

 近年、香りが心や感情に与える影響の研究が進み、商品に落とし込む企業も増えている。「気分を高める」「リラックスする」といった特定の機能性を香りに結びつけることによって、心や感情へのアプローチを図り、「機能性フレグランス」「ソリューションフレグランス」など呼び方はさまざまだ。以前から研究は進んでいたが、特に新型コロナウイルスが蔓延してから化粧品各社により“心へのアプローチ”が加速し、香りを用いる傾向が強まっている。2021年5月にそんな香りとエモーション(感情)の関係性を研究し、商品化をサポートするプロジェクト「EmotiOn」を立ち上げた世界最大級の香料メーカー、フィルメニッヒ(FIRMENICH)に“エモーショナルな香り”のニーズや今後の可能性について聞いた。

WWD:「EmotiOn」とは。

レベンツァ・トー(Levenza Toh)=フィルメニッヒ 東南アジア・日本・韓国 バイス・プレジデント(以下、トー):ウエルネスアプローチが重要視される今の時代、“エモーショナルな香り”を作るためのツールやソリューションをそろえたプログラムだ。世界中の消費者調査や脳科学研究、弊社の調香師のノウハウを掛け合わせている。われわれは「ポジティブ・パリューマリー(Positive Perfumery)」を掲げており、香りを通して顧客のウエルビーイングの向上を目指している。フレグランス研究の先駆者として、人は香りと感情を結びつけることを発見し、香りは脳に直接さまざまな働きかけをしていることに着目した。

具体的にさまざまなソリューションやツールを展開しており、「EmotiClaim™」は特定の国の人々に刺さるように香りを設計、「Emoti360™」は原料や色料を感情と結びつけてフレグランスのエモーショナルな訴求を実現する。「EmotiCode™」は感情と香りを結びつける独自のコード(方式)で、「EmotiBoost™」はポジティブなムードに導くとされるアコードのコレクション、「EmotiWaves™」はfMRIを用いて香りを嗅いだときの脳波を測定する技術だ。

これらのツールを用いることにより、エモーショナルな効果が期待できる香りを作ることが可能だ。5月のローンチ以来、クライアントからは多くの反響があった。ホリスティックなアプローチで、心に訴求できる新たな香りとして好評を得ている。

WWD:機能性フレグランスの需要は高まっていると感じるか。

トー:現代の消費者は製品の中身に一層気をつけており、製品の効果効能にもシビアだ。オグリビー(OGLIVY)が20年に行った調査によると、消費者の80%はウエルネスを向上したいものの、現在使用しているブランドのたった46%しか信頼していないという。このデータから読み取れるのは、消費者に機能性をもっと分かりやすく伝える必要があること。香りの世界でもそうだ。

 香水はもちろん、日用品においても、今後香りはウエルビーイングを発信する強力なツールになる。コロナになってから香りを遠隔でも伝えるストーリーテリングがより重要になっている。そういう意味でも、分かりやすく伝えられる機能的な香りは必要されている。香りから期待できる機能性やメリットを求めるニーズは高まる一方だろう。

 香りと心身の関係性を誰よりも理解しているのは調香師だろう。われわれは独自で持つ研究力と調香師の力、AIといった最新技術を融合し、今の消費者が求める機能性フレグランスを提供していく。

WWD:「EmotiOn」プログラムではどんな香りが人気なのか。

トー:世界11カ国で実施した調査によると、63%の人がロックダウン中に感じた不安やストレスを和らげるために香りを用いたという。今の消費者は香りから安全性や清潔さ、心の落ち着きを求めている。これらを表現するために「Sereni-Clean™」という香りを開発した。この香りは今後も伸びると感じている。

WWD:コロナはどのように機能性フレグランス市場を動かしたか。

トー:コロナ前から香りのエモーショナルな機能性に着目してきたが、この1年でそのニーズや傾向は加速した。心身ともに影響をもたらしたパンデミックにより、香りの新たな可能性に光が当たったといえる。日本では女性の32%の香りへの興味関心が高まり、33%は清潔感を感じる香りを求めていることが分かった。コロナによってよりヘルシーなライフスタイルを求める人も増え、ウエルネス商材やマルチ機能な商品、自然由来の成分を生かした商品の需要が高まっている。

 香りでいうと、安らぎやストレス解消をかなえ、気分が向上するような健康的な香りのニーズが高まっている。消費者の39%が商品を選ぶ際、こういった健康に訴えかける効果効能を重視するという。外出制限が緩和されつつ今は、「いい気分」「魅惑的」な香りのニーズが戻っているが、安全性や衛生面に気を遣う傾向は依然として高い。少子高齢化が進む日本では、ウエルビーイングだけでなく、衛生や消臭といったニーズも高い。

WWD:機能性フレグランスの未来はどう見ているのか。

トー:商品の機能性は今まで以上に重要になっている。同時に中身も同様に大切だ。ウエルネスを求める消費者は、自身にとってだけでなく、環境のウエルネスにも気を使うだろう。今後の機能性フレグランスは、消費者の心にアプローチするだけでなく、よりサステナブルで地球のウエルビーイングもかなえるものが支持されそうだ。

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