今季のタイトルは、「Louis Dreamhouse(ルイの夢のような家)」。会場のエントランスを入ると、スカイブルーで彩られた空間が広がり、中央には煙突から煙が上る家の赤い屋根が飛び出している。その左右には、オーケストラが座る長い食卓のあるダイニングと、巨大なベッドが置かれた寝室。そして、角には階段と大きな扉も。ヴァージルと親交のあったミュージシャンのタイラー・ザ・クリエーター(Tyler, The Creator)が制作した楽曲の生演奏と共にショーがスタートすると、モデルのウォーキングと共にダンサーがしなやかな体でアクロバティックに舞い、壮大なシアターパフォーマンスのような世界観に一気に引き込まれる。
終盤には、凧のような骨組みとレースで作られた翼を背負う真っ白な天使のようなルックが舞い降りた。そしてフィナーレに四方から再び登場したモデルは皆、空を見上げながらゆっくりと歩き回る。その姿は、どこかから見守っているであろうヴァージルを探すかのようにも見える。タイラーの楽曲「SEE YOU AGAIN」が流れる中で迎えたクライマックスには、デザインチームが招待状にも使われた夕焼けのようなグラデーションのTシャツを着て登場。モデルとショーの成功を称え合い、ハグする姿には心を打たれた。深い悲しみの中、ヴァージルの意志を受け継いでショーをやり遂げたチームに、そして彼が見せてくれた大きな夢に、会場からスタンディングオベーションが贈られた。
同時に興味深かったのは、「リメイク」という言葉は、“アンチ・リユース・ユーザー”も好意的に捉えるようだ。古着は違っても、「リメイク」には価値があると評価する声は多い。実際、私のブランド「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS)」も古着をリメイクしているが、購入者は「新しいアイテム」として喜んでくださっている印象だ。作っている我々にも「古着を売っている」という感覚はない。ちなみに、商品にはもう独特の匂いも存在しない。
高額で売り買いされるリメイクブランドは、私が若い頃夢中になった「ワット・ゴーズ・アラウンド・カムズ・アラウンド(WHAT GOES AROUND COMES AROUND)」や「レディメイド(READYMADE)」、ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)の甥であるグレッグ・ローレン(Greg Lauren)が2011年にスタートした「グレッグ ローレン」など、国内外で評価が高い。いずれも古着ブランドではなく、もはやアートピースとして、一点モノとして愛されている。
ロンドンを拠点にするファッション系スタートアップのヒート(HEAT)はこのほど、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の投資ファンドであるLVMHラグジュアリー・ベンチャーズ(LVMH LUXURY VENTURES)とベンチャーキャピタルのアントラー(ANTLER)などから、シードラウンドで500万ドル(約5億7000万円)の資金調達を行った。そのほかステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)OTB取締役やエルメス(HERMES)の創業者一族らもエンジェル投資家として出資している。
SNSの総フォロワー数が100万を超えるバーチャルモデルはimmaは21日から、NFTのマーケットプレイス「Opensea」を通じて、NFT作品「KANJO by imma」を配布する。全10作品で、24時間ごとにimmaの感情や表現が変わるようになっており、それぞれの作品にNFTとなっている。作品はimmaのNFT関連の公式ツイッターアカウント(@imma_NFT)の#giveawayを通じて抽選で無料配布する。