
メンズビューティ市場の拡大もあり、昨今はスキンケアへの関心が高い男性が増えている。そんな美容男子たちにとって、これからの季節は日焼け止めが必須アイテムのはずだ。しかし、種類がさまざまな日焼け止めを、どのような基準で選べばいいのだろうか。今回は、化学の視点から美容を語るインフルエンサーのかずのすけに、日焼け止めに関する素朴な疑問を聞いた。男性にもおすすめの日焼け止めとは。
どう選べばいい?
初めての日焼け止め
WWDJAPAN(以下、WWD):男性は“メンズ向け”と謳われている日焼け止めを使ったほうがいい?
かずのすけ:そんなことはない。メンズコスメは、何を買えばいいか分からない男性初心者向けに作っているものが大半。だから万人受けする当たり障りのない処方構成になっているケースが多い。また、男性が好みやすい使用感に調節されていると、清涼感を演出するためのアルコール成分が多く入っていることもあるため、肌に合わない人もいるはず。メンズコスメからトライするのはアリだが、そこから自分の肌質に合ったものを探してほしい。
WWD:化粧品やスキンケア用品のなかには価格に幅があってもクオリティに差が出にくいものもあるが、日焼け止めは?
かずのすけ:日焼け止めは基本、クオリティーと価格が比例する。低価格な日焼け止めは、紫外線が当たった力が減退する、“光劣化”しやすい紫外線防止成分を使っているものが多い。紫外線カット力を持続させるには、外出時に頻繁に塗り直す必要がある。一方、高価格な日焼け止めは、光劣化を抑えるためにコストをかけて成分を複雑に組み合わせているため、高い紫外線カット力を長時間キープできる。
体用であれば塗り直しがしやすく肌も強いため、多少刺激がある低価格なものでもいいと思う。でも顔用には、最低3000円前後の日焼け止めをおすすめしたい。
WWD:日焼け止めのパッケージでよく見かける“SPF”と“PA”の表示。この二つの違いは?
かずのすけ:まず、地上に届く紫外線にはUVBとUVAの二種類がある。UVBは、皮膚に触れたときにやけどのように炎症を起こす。シミやシワの原因になるだけでなく、皮膚がんの原因にもなる紫外線。UVAは、エネルギーが強くないものの、皮膚の奥まで届いて長期的にシワやたるみの原因になる紫外線だ。UVBの防御指数をSPF、UVAの防御指数をPAと呼ぶ。その数値が大きいほど紫外線カット力が高く、日本ではSPF50+、PA++++が最大数値。SPFに関しては、普段使いならSPF30、レジャーイベントではSPF50+を目指してほしい。
WWD:日焼け止めにはいろいろなタイプがあるが、それぞれの特徴は?
かずのすけ:僕が推奨しているのは、クリームタイプ。少し硬めのテクスチャーであれば塗り伸ばししにくく、少ない範囲にしか塗ることができない。そのため、紫外線カット力が高くなりやすい。また、紫外線散乱材や紫外線吸収剤をバランス良く組み合わせるには、紫外線散乱材の粉体成分をうまく分散させるために乳化する必要がある。その結果、クオリティの高い日焼け止めのほとんどが、クリームかミルクタイプになっているはずだ。
ジェルやローション、スプレーも人気だが、伸びがいい分、理想の塗布量よりも薄く塗ってしまいがちで、紫外線カット力が低くなる傾向にある。パウダーも塗布量が少なくなりがちなのでメインの日焼け止めとして使うにはやや無理がある。メインの日焼け止めの上から重ねるならいいだろう。
落とし方、塗り直しの頻度
気になる日焼け止めの使い方
WWD:日焼け止めは洗顔料やボディソープで十分に落とせる?
かずのすけ:落ちないものも多い。“石けんで落ちる”と謳っているものでも、実験が義務化されていないため、実際に落ちるかどうか分からない。そのため、自分が使っている日焼け止めがソープでちゃんと落ちているのか、一度検証してほしい。ウォータープルーフのものであれば、クレンジングをする必要がある。顔に落とし残しがあると、毛穴詰まりやニキビの原因にもなるため、気を付けた方がいいだろう。
WWD:朝塗ったら、塗り直しは不要?
かずのすけ:塗り直すべきペースは、日焼け止めによって変わる。低価格な日焼け止めは光劣化による紫外線カット力の減退が大きく、中には2時間で40%しか残らないというものもある。そのため、低価格な日焼け止めは外出時には約2時間おきのペースで塗り直したほうがいいだろう。光劣化の少ない高価な日焼け止めの中には、朝塗れば紫外線カット力が1日中持続するというものもある。違いが分からない場合は、値段で判断するのが一番だ。
WWD:日焼け止めを塗った肌が黒い服に触れると、白い痕が残ることがある。気を付けるべきことは?
かずのすけ:もし避けたいのであれば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなど、透明な吸収剤がベースのものを使うといい。だが、白くなる日焼け止めは酸化亜鉛のような粉体が配合されており、紫外線カット力が高い。また、粉体であれば洗濯で落ちるため、僕はあまり気にしない。体にたくさん塗りたい日には、白いTシャツを着るのも手だろう。
初心者もトライしやすい
おすすめ11選
かずのすけ:僕がおすすめする日焼け止めは敏感肌向け。肌負担が少なく、落としやすいものがメインだ。2000円前後には初心者でも扱いやすく、トライしやすいものをそろえた。5000円前後のものだと、さらに使用感がいいものが多い印象。1万円ぐらいになると、新しい技術を取り入れた面白い商品もある。
気軽にトライできる
〜2000円
1 / 4
無印「日焼け止めミルク」
価格とクオリティーのバランスが良い
〜5000円
1 / 6
注目集まる
1万円〜
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