パリコレ最大の事件は最終日に起こった 「セリーヌ オム」「ダブレット」に狂乱の2023年春夏メンズコレ取材24時Vol.9

 2023年春夏コレクションサーキットの皮切りとして、各都市のメンズ・ファッション・ウイークが開催しています。日本から渡航する関係者は多くないものの、「WWDJAPAN」は今季も現地取材を敢行し、現場から臨場感たっぷりの情報をお届けします。担当するのは、大塚千践「WWDJAPAN」副編集長とパリ在住のライター井上エリの2人。パリメンズもいよいよ最終日を迎え、セレブが集う「ケンゾー(KENZO)」「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」、日本からは「ダブレット(DOUBLET)」が登場です。

11:00 「ケンゾー」

 ロンドンからスタートしたメンズ・コレクションも今日がいよいよ最終日。まずはNigoアーティスティック・ディレクターによる2シーズン目の「ケンゾー」からスタートです。ペナント型の招待状と同じく、会場内の天井からはたくさんのペナントが垂れ下がります。まるでこれからカレッジスポーツのイベントが行われるかのような、にぎやかなムードです。

 そんなランウエイに登場したのは、春夏らしいマリンの要素を盛り込んだ、フレッシュなスタイル。Nigoさんらしい東京っぽさはベースにありながら、マリンの要素は1980年代のパリのクチュールからだったり、ワークウエアは30〜40年代のアメリカの鉄道労働者や軍隊の修理工だったり、スーツの仕立ては英国着想だったりと、さまざまなスタイルを融合させています。創業者へのオマージュを込めたクリエイションも継続。高田賢三氏が愛したボケの花はヒョウ柄にアレンジし、同氏が好きだった象は“ケンゾウ(Ken Zo)”としてさまざまなアイテムに刺しゅうします。ほかにも、80〜90年代のアーカイブから採用した生地、シェイプ、ディテールなどが盛りだくさん。それを次世代に向けた新しい「ケンゾー」のスタイルとしてまとめるNigoさんの編集力はかなりのもの。元々の引き出しの多さはもちろん、アーカイブの研究を重ねてきたのが伝わってきます。さらにそれをウンチクっぽくなく、軽やかに見せるエンターティナーっぷりもさすが。アフターパーティーも豪華で、綿アメからハンバーガー、タコのフライ、アイスクリームとまるで縁日のよう。まだ午前中だというのに、シャンパンに危うく手が伸びそうになりました。飲んでませんからね。

14:00 「ダブレット」

 さあ、やって参りました。2020年1月以来、爆笑王「ダブレット」が2年半ぶりのパリ降臨です。ショーを重ねるたびにスケールがどんどんアップし、その分周囲の期待値も高まり、もはや自分で自分の首を絞めにかかっているような状況でどんなショーを見せてくれるのか。会場内に入ると、海水浴やバーベキュー、旅行、半裸で筋トレなどを行うエキストラたちの姿がありました。「ある意味、始まってるんで」とスタッフが教えてくれます。ある意味って何だ。ちなみに僕は、本当はこの日のために「ダレブット」の22年春夏のアイテムを持って来ていたのですが、この日は気温が20度前後と涼しかったので、つい「ジル サンダー(JIL SANDER)」の素敵なニットを着て来てしまいました。するとこの後、とんでもない返り討ちに遭うことになります。

 ショーがスタートすると、エキストラたちの動きが止まってマネキン状態になりました。そんな中を、ベーシックなアイテムに過剰気味なギミックを加えたウエアをまとうモデルが次々に登場します。ジーンズのダメージをステッチや刺しゅう、転写で表現したり、デニムジャケットの袖はひざに届きそうなほど長かったり。バルマカーンコートは身頃の途中から細かいフリンジへと変化し、クロシェ編みのセットアップの色使いは、遠目で見ると局部にモザイクがかかっているようなカラーリングです。胴体が異常に長い首なし風のウエアが、今回の目玉でしょうか。演出なのか、クリエイションなのか、服そのものの仕掛けはいつもよりやや抑え目に感じました。それとも分かりにくいのか。

 しかし、ここからが問題でした。途中に紙吹雪が降ってきたかと思うと、量がどんどん多くなり、さらに全然止みません。いつしか辺り一面は真っ白になっていきます。隣のベテランジャーナリストは、髪に紙を積もらせながら、涼しい顔でメモを続けています。すげえ。この演出の意図は、「4年前にシンガポールでフェイクスノーを降らせた際、初めて見る雪にはしゃぐ子供たちの笑顔が忘れられなかった。だから真夏のパリにも雪を」というもの。フィナーレで、モデルがマネキン状態のエキストラをタッチすると動き出す演出もロマンチックです。僕も雪が降り出して最初こそテンションが上がったものの、途中からある事実に気づきました。「今日、ニット着て来てしもた」と。紙吹雪が細かすぎて、ニットの編み目という編み目の隙間に入り込み、この日は終日紙まみれで取材を続けることになりました。「ダブレット」め。

15:00 「ナマチェコ」

 「ダブレット」の会場からすぐ近くの「ナマチェコ(NAMACHEKO)」会場に徒歩で向かうと、髪に紙を積もらせた人がたくさんいました。もはや道端に落ちている紙吹雪をたどれば、「ナマチェコ 」の会場に着くのではないかと。しかも「ナマチェコ」は運悪く、会場となった美術学校に青いカーペットを敷く空間演出で、その上にも白い紙吹雪がパラパラ落ちています。それを(何だこれ?)という表情のスタッフが掃除機で一生懸命吸い続けています。「ダブレット」め。

 さて、「ナマチェコ」の今季のテーマは“タブラ・ラサ(Tabula Rasa)”。ラテン語で白紙状態を意味し、生まれながらの人間の心には白紙のように生得観念はないという考えの言葉です。細長いライン、ねじれたドレープ、切り離したスリーブ、シグネチャーのニットと、これまでに築き上げたブランドの特徴となるデザインを詰め込み、ボディコンシャスなラインと、リラックスしたボリュームのコントラストで絶妙なバランスを取りました。社会のムードや文化に目を向けてクリエイションに取り組むディラン・ルー(Dilan Lurr)は、パンデミックを経たひさびさのショーで、白紙からの再出発という意気込みをコレクションで表現しました。コンセプチュアルであっても一つひとつのアイテムは実用的で快適に見えます。「ナマチェコ」らしさとは何かを追求しながら、服作りに深みが増していて、好印象でした。ただ、“白紙”と“紙吹雪”がまさかリンクするとは思っていなかったでしょうに。

16:00 「キコ コスタディノフ」

 「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」のショー会場は、超名門校のアンリ4世高等学校です。ここは紀元後506年に修道院として創設され、18世紀にフランスで初めての公立学校となった場所。歴史を感じる建物、特に木彫りの重厚なドアにロマンを感じて感激しちゃいました。そして図書館内で開いたショーで見せたのは、オスマン帝国の歴史と、ブルガリアの画家ズラテュ・ボヤジエフ(Zlatyu Georgiev)の作品を着想源にしたコレクション。ワークウエアとテーラリングを融合させた「キコ コスタディノフ」の美意識は、よりミニマルなデザインと簡潔なシルエットで表現され、「ナマチェコ」同様に、“ブランドらしさ”の本質を提示するような意志を感じます。洋服を裏返しにしたインサイドアウトのアイデアや、肩と腕を凧のように包むデザインで遊び心を見せながらも、日常着として着やすい内容でした。

17:00 「ビームス」

 ショーの合間に、ビームス(BEAMS)の展示会に行きました。主に「ビームス プラス(BEAMS +)」の展示がメインで、「ビームスボーイ(BEAMS BOY)」「フェルメリストビームス(VERMEERIST BEAMS)」「ビームス ジャパン(BEAMS JAPAN)」など自社ブランドで構成する合同展で、海外市場開拓を狙います。2020年1月にパリで「ビームス プラス」を初出展したものの、パンデミックによって2年半ぶりの出展となりました。展示する商品数の充実ぶりから、気合の入れようを感じます。アポイントは5日間で80以上あり、手応えを感じているようです。日本発のレーベルとして、今後のアクションに期待したいです。

18:00 「トム ブラウン」

 「トム ブラウン(THOM BROWNE)」は5つ星ホテル、クリヨン(Crillon)を会場に選びました。ショーは、クチュールコレクションを見に来たゲストが遅れて着席するという演出でスタート。マリサ・ベレンソン(Marisa Berenson)やサーシャ・ピヴォヴァロヴァ(Sasha Pivovarova)といった女優やスーパーモデルが、私たち一般ゲストの中に混ざってショーを観覧します。

 コレクションもクチュールにインスパイアされて、南フランスで特注したマルチカラーのプーフツイードなど、手作業によるぜいたくな生地で作ったスーツが軸となります。パンツとスカートのウエストは腰より下にずれて、ブリーフが露わに!というか、見えてませんか。クラシックな生地と仕立てとは対照的なギリギリの露出と、パンク風のヘアスタイル。男性性と女性性の境界線の曖昧さを、色鮮やかなツイードで飾り立てることで表現していたようです。詳しくは、フォトグラファーの土屋航さんによる衝撃的なバックステージ写真をご覧ください。ルックによっては目のやり場に困りつつも、ショーは存分に楽しみました。

21:30 「セリーヌ オム」

 いよいよ、パリメンズのラストを飾る「セリーヌ オム」のショーが始まります。ショーの2、3日前から「会場にはBTSのテテことVと、BLACKPINKのLISA(リサ)が来るらしい」といろいろな人が噂をしています。世界的スターを見られるかもしれない楽しみがある反面、恐ろしさもありました。だって、メディアとして来ている以上はパパラッチに行かないとだめですから。日本からもメンションが飛んできます。当日、会場となった美術館のパレ・ド・トーキョー(Plais de Tokyo)には、予想をはるかに越える人数のファンが集まっていました。ゲストの誰に聞いても、ここまでの状態は見たことがないと圧倒されています。だって、一般のスタッフが通路を通るだけで歓声が上がるんですよ。信じられません。本当にこんな状態で自分のiPhoneにおさめられるのか、ますます不安になります。

 意を決して場内に入るも、テテも、LISAも、俳優パク・ボゴム(Park Bogum)の姿もありません。エディ・レッドメイン(Eddie Redmayne)やトーマス・ブロディ・サングスター(Thomas Brodie-Sangster)、僕が大好きなミュージシャンのケヴィン・パーカー(Kevin Parker)らは着席しているのに。まさか、ただの噂だったのかもとちょっと安心しかけたところに、外から地鳴りのような大歓声が湧き上がります。3人が来てしまいました。慌てて席を立ちiPhoneを構えるも、そこから先は必死すぎてあまり覚えていません。写真も動画も、何とか撮影できていたようです。

 肝心のショーは、とても素晴らしかったんです。タイトルを”DYSFUNCTIONAL BAUHAUS”と題し、近年のエディ・スリマン(Hedi Slimane)=アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターのクリエイションを集めたベスト版のような内容でした。最近のクチュール的アプローチに加え、「サンローラン(SAINT LAURENT)」時代を思わせるアメリカ西海岸のスケーターだったり、「ディオール オム(DIOR HOMME)」時代のような艶っぽいテキスタイルの使い方だったり、ボクシーなスーツや、ワイドなジーンズから装飾がジャラジャラ付いたバイカージャケットまで、ビンテージアイテムに着想を得た豊富なアイテムを今の「セリーヌ」っぽくスタイリングしてしまうバランス感で、新旧のファンをうならせます。ショー後は興奮冷めやらぬ状態で、エディ好きのランウエイフォトグラファーと「いいもの見たね」とがっちり握手していました。

 決して広くないパレ・ド・トーキョーを会場に選んだのも、理由がありました。エディは20年前の02年1月に、「ディオール オム」02-03年秋冬シーズンのショーをパレ・ド・トーキョーで開きました。それから20周年を迎えた今回、世界のアーティストたちのプラットホームであり続けた施設に敬意を込めると共に、今この瞬間のクリエイションも記憶しておきたいと考えたため、思い出の場所をランウエイに選んだのです。各時代の要素を感じたのは、そのためかもしれませんね。フィナーレに登場したエディは、少しほほえんでいました。ああ、本当は彼のクリエイションに没入したかったのに、別のミッションによってそうもいきません。翌日以降も、各メディアを飾るのはセレブばかり。コレクション、めちゃかっこよかったのに!と少し複雑な気持ちになります。ただ、時代を鋭く読む解くエディですから、こういう特殊なポップカルチャーをもクリエイションと共に記憶に刻む、という計算なのかもしれません。会場を出ると、割れんばかりの「LISA!LISA!」コールと共に、もみくちゃになりました。そして、ショーを見たというだけで外にいたファンから記念撮影を求められました。確かに圧倒はされたけど、ファン一人一人の幸せそうな顔はいいなと思いふけりながら、パリメンズ最後の夜が過ぎていきました。

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黒のトラ柄、純白のモフ毛、ピンクの血色。キジ白のブルベ美にあやかる【ニャンダフルなコスメたち】

 狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.27。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは「キジ白の美」。黒強めのトラ柄に白いモフ毛、ベビーピンクのかれんな血色を宿したわが猫息子ラッテはブルベの神。パーソナルカラー診断にまつわる微妙な想い出を振り返りつつ、キジ白の凛とした美しさをにあやかるコスメ&アイテムをお届けします。

捉われたくないけど、バチッとハマッたときのビューティ効果は絶大

 先日、ヘアサロンでカラーをしたときのこと。最近お気に入りの塩っぽい西海岸カラーをオーダーしたのだが、今回はやや青み強めのシルバーっぽいニュアンスに。こういうカラーは私には縁がないと思っていたが、妙にしっくりきて驚いた。肌がパッと明るく見える。すると担当のスタイリストさんが「サカイさんはブルベだから似合いますね」とひと言。

 「え? ブルベ……? 私はイエベでは……」 
 「この色似合う人がイエベってありえないですよ。多分ブルベ冬ですね」

 とのこと。そ、そうなの!?

 さかのぼること15年ほど前、都内某所でパーソナルカラー診断をしてもらったことがあった。プロのメイクアップアーティストが似合うカラー傾向を分析し、その色を使ったメイクで魅力をアップさせ撮影まで行ってくれるというものだったのだが、そこでは確かに「イエベ秋」と言われたのを覚えている。ワクワクして臨んだものの、完成した写真に写っていたのは、10年後にタイムスリップしたのかと思うぐらい老け感マシマシの私……。わざわざおばさんメイクをされて、おばショットを撮られ、お金を支払うという意味の分からない体験をさせられた私は、「ブルベイエベってなんなん」と疑念が拭えず、以降ブルベイエベを無視して生きてきた。

 パーソナルカラー診断は昔からあるが、ここ数年、若年層が積極的に取り入れていると聞く。自分の診断結果に納得がいっていない私としては、「そんなものに捉われないで好きな色を自由に使え!」といいたいところだが、あまりに流行っているので、「プロがイエベというのなら……」と茶系やオレンジ系、枯れ葉っぽい色など、イエベ秋に似合うと言われる色に挑んでみたこともあったが、やっぱりことごとく似合わなかった。服やメイクで取り入れると、とたんに肌がくすんでぼんやりしたり、もっさりしたりして見える。だから、深いブルーやグリーンなどの涼しげな色が好きでそっちの方を取り入れてきたのだが、これらはブルベ冬に似合う色なのだそうだ。青みの髪色も肌がきれいに見えるし、ブルベイエベは確かに、正しく取り入れれば魅力を引き出せるものなんだなあと、この歳になって実感できた(遅い)。

キジ白は黒のトラ柄、純白のモフ毛、ピンクの血色を宿したブルベの神

 人間の肌のように猫の毛柄もいろいろなので、ブルベイエベに分けられなくもない。私と同じブルベ冬の猫はいないか……と探してみたら、いた。しかもいちばん近くに。わが家の長男猫・キジ白のラッテである。

 トラ猫の中でもキジ白は、猫の祖先であるリビアヤマネコのDNAを色濃く受け継ぐ野生種・キジトラに白が混じった毛柄。キジトラは茶系なので本来ならばイエベで、どちらかというとサバ白(サバトラ柄に白が混じった毛柄)の方がブルベなのだと思うが、わが家のラッテは顔や背中、しっぽは黒強めのサバトラ柄なのに、肘の部分だけキジトラ柄というトリッキーな毛柄をしているので、キジ白なのだろうが、パッと見はほぼサバ白でブルベである(なんのこっちゃ)。

 ブルベ冬は、メリハリのあるはっきりとしたモノトーン、特に暗い鮮やかな色が似合うという。黒が濃いクールなトラ柄と、それを最高潮に引き立てる純白のふわふわとした白毛、ベビーピンクの耳・鼻・唇をもつわが猫息子ラッテは、まさにブルベ冬の美の象徴と言えよう。

凛々しさの中にかわいさも ブルベ冬の猫神にあやかるビューティアイテム3

 というわけで今回は、キジ白(サバ白?)のブルベ美にあやかるアイテムをピックアップ。ポイントは、キリッと凛々しいクレオパトララインと、ベビーピンクの血色、そしてヘーゼルの瞳!

 まずは、クールな黒地のトラ柄とのコントラストが可愛い、ベビーピンクに染まった耳、鼻、唇をメイクで再現。「トーン(TO/ONE)」の“ペタル リップ アンド チーク”は、顔のどこにでも自由に使えるマルチカラー。溢れ出すような色と艶で、温度感のある自然な血色を演出できる便利なアイテムだ。頬や唇だけじゃなく、鼻先や耳たぶにもチョンとのせてキジ白(サバ白)の小悪魔ムードを楽しもう。


 目元は、猫の祖先リビアヤマネコの御印、クレオパトララインを。「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ(DOLCE & GABBANA BEAUTY)」“フェリンアイズ アイライナー スティロ”でキュッとキャットラインを描いて、凛とミステリアスな眼差しを手に入れよう。まぶたの動きにフィットするから、細い線から太い線まで安定した描き心地を実現。“おっきい猫”レオパード柄もかわいい!


 キジ白の瞳はブルーやグリーン、ヘーゼル、オレンジとさまざま。メラニン色素が少ないほどブルー、多いほどオレンジになるという。大人の普段使いにブルーは厳しいので、ヘーゼル辺りで試してみよう。ロート製薬の“エマーブル トゥルーヘーゼルマーブル”は、瞳にじゅわっとなじむ左右非対称のデザイン&ぼかしフチで、ナチュラルに瞳をカラーチェンジ。潤いたっぷりの快適なつけ心地と、色素が直接目に触れない3層構造により、瞳の健康を守りながらメロウな眼差しをかなえる。

 ちなみに、わが家の次男・白猫のキツネはブルベ夏、三男・茶トラの寅多ティティはイエベ秋になるのだろうか? このあたりも研究し、また近いうちに。

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黒のトラ柄、純白のモフ毛、ピンクの血色。キジ白のブルベ美にあやかる【ニャンダフルなコスメたち】

 狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.27。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは「キジ白の美」。黒強めのトラ柄に白いモフ毛、ベビーピンクのかれんな血色を宿したわが猫息子ラッテはブルベの神。パーソナルカラー診断にまつわる微妙な想い出を振り返りつつ、キジ白の凛とした美しさをにあやかるコスメ&アイテムをお届けします。

捉われたくないけど、バチッとハマッたときのビューティ効果は絶大

 先日、ヘアサロンでカラーをしたときのこと。最近お気に入りの塩っぽい西海岸カラーをオーダーしたのだが、今回はやや青み強めのシルバーっぽいニュアンスに。こういうカラーは私には縁がないと思っていたが、妙にしっくりきて驚いた。肌がパッと明るく見える。すると担当のスタイリストさんが「サカイさんはブルベだから似合いますね」とひと言。

 「え? ブルベ……? 私はイエベでは……」 
 「この色似合う人がイエベってありえないですよ。多分ブルベ冬ですね」

 とのこと。そ、そうなの!?

 さかのぼること15年ほど前、都内某所でパーソナルカラー診断をしてもらったことがあった。プロのメイクアップアーティストが似合うカラー傾向を分析し、その色を使ったメイクで魅力をアップさせ撮影まで行ってくれるというものだったのだが、そこでは確かに「イエベ秋」と言われたのを覚えている。ワクワクして臨んだものの、完成した写真に写っていたのは、10年後にタイムスリップしたのかと思うぐらい老け感マシマシの私……。わざわざおばさんメイクをされて、おばショットを撮られ、お金を支払うという意味の分からない体験をさせられた私は、「ブルベイエベってなんなん」と疑念が拭えず、以降ブルベイエベを無視して生きてきた。

 パーソナルカラー診断は昔からあるが、ここ数年、若年層が積極的に取り入れていると聞く。自分の診断結果に納得がいっていない私としては、「そんなものに捉われないで好きな色を自由に使え!」といいたいところだが、あまりに流行っているので、「プロがイエベというのなら……」と茶系やオレンジ系、枯れ葉っぽい色など、イエベ秋に似合うと言われる色に挑んでみたこともあったが、やっぱりことごとく似合わなかった。服やメイクで取り入れると、とたんに肌がくすんでぼんやりしたり、もっさりしたりして見える。だから、深いブルーやグリーンなどの涼しげな色が好きでそっちの方を取り入れてきたのだが、これらはブルベ冬に似合う色なのだそうだ。青みの髪色も肌がきれいに見えるし、ブルベイエベは確かに、正しく取り入れれば魅力を引き出せるものなんだなあと、この歳になって実感できた(遅い)。

キジ白は黒のトラ柄、純白のモフ毛、ピンクの血色を宿したブルベの神

 人間の肌のように猫の毛柄もいろいろなので、ブルベイエベに分けられなくもない。私と同じブルベ冬の猫はいないか……と探してみたら、いた。しかもいちばん近くに。わが家の長男猫・キジ白のラッテである。

 トラ猫の中でもキジ白は、猫の祖先であるリビアヤマネコのDNAを色濃く受け継ぐ野生種・キジトラに白が混じった毛柄。キジトラは茶系なので本来ならばイエベで、どちらかというとサバ白(サバトラ柄に白が混じった毛柄)の方がブルベなのだと思うが、わが家のラッテは顔や背中、しっぽは黒強めのサバトラ柄なのに、肘の部分だけキジトラ柄というトリッキーな毛柄をしているので、キジ白なのだろうが、パッと見はほぼサバ白でブルベである(なんのこっちゃ)。

 ブルベ冬は、メリハリのあるはっきりとしたモノトーン、特に暗い鮮やかな色が似合うという。黒が濃いクールなトラ柄と、それを最高潮に引き立てる純白のふわふわとした白毛、ベビーピンクの耳・鼻・唇をもつわが猫息子ラッテは、まさにブルベ冬の美の象徴と言えよう。

凛々しさの中にかわいさも ブルベ冬の猫神にあやかるビューティアイテム3

 というわけで今回は、キジ白(サバ白?)のブルベ美にあやかるアイテムをピックアップ。ポイントは、キリッと凛々しいクレオパトララインと、ベビーピンクの血色、そしてヘーゼルの瞳!

 まずは、クールな黒地のトラ柄とのコントラストが可愛い、ベビーピンクに染まった耳、鼻、唇をメイクで再現。「トーン(TO/ONE)」の“ペタル リップ アンド チーク”は、顔のどこにでも自由に使えるマルチカラー。溢れ出すような色と艶で、温度感のある自然な血色を演出できる便利なアイテムだ。頬や唇だけじゃなく、鼻先や耳たぶにもチョンとのせてキジ白(サバ白)の小悪魔ムードを楽しもう。


 目元は、猫の祖先リビアヤマネコの御印、クレオパトララインを。「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ(DOLCE & GABBANA BEAUTY)」“フェリンアイズ アイライナー スティロ”でキュッとキャットラインを描いて、凛とミステリアスな眼差しを手に入れよう。まぶたの動きにフィットするから、細い線から太い線まで安定した描き心地を実現。“おっきい猫”レオパード柄もかわいい!


 キジ白の瞳はブルーやグリーン、ヘーゼル、オレンジとさまざま。メラニン色素が少ないほどブルー、多いほどオレンジになるという。大人の普段使いにブルーは厳しいので、ヘーゼル辺りで試してみよう。ロート製薬の“エマーブル トゥルーヘーゼルマーブル”は、瞳にじゅわっとなじむ左右非対称のデザイン&ぼかしフチで、ナチュラルに瞳をカラーチェンジ。潤いたっぷりの快適なつけ心地と、色素が直接目に触れない3層構造により、瞳の健康を守りながらメロウな眼差しをかなえる。

 ちなみに、わが家の次男・白猫のキツネはブルベ夏、三男・茶トラの寅多ティティはイエベ秋になるのだろうか? このあたりも研究し、また近いうちに。

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西洋人の視点で見た“KIMONO” メトロポリタン美術館で着物のファッション展開催

 ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art 以下、MET)は2023年2月20日まで、企画展「着物スタイル:ザ ジョン・C・ウェバー コレクション(KIMONO STYLE:THE JOHN C. WEBER COLLECTION)」を開催している。日本美術の著名なコレクターであるジョン・C・ウェバー(John C. Weber)氏から「銘仙」など40点の近代着物が寄贈されることを記念した同展では、男性用や子ども用を含む60点を超える着物をはじめ、日本のデザイナーが手掛けた服、西洋のクチュール、テキスタイル、日本画、版画、装飾美術品などを展示。着物と西洋のファッションとの芸術的な交流に焦点を当て、江戸時代後期から明治時代にかけて、着物が日本女性のライフスタイルに合わせて変化していく様子をたどっている。

 一般的によく知られている日本の織りや染め、刺しゅうの技法は、江戸時代に芸術的な頂点に達した。しかし、当時のファッションは社会統制により自由に選択できるものではなく、衣服に金や高価な技術を使うことは徳川幕府によって規制されていた。さらに、着物は着用者の身分を象徴するものでもあった。同企画展を担当したMETのモニカ・ビンチク(Monika Bincsik)=ダイアン&アーサー・アビー日本工芸アソシエイト・キュレーターは、「日本の着物は、ファッション」だとし、「私たちは、着物が美しく作られているために、アートと考えることがある。しかし、日本には17世紀までさかのぼるファッションシステムがあった。欧米ではあまり知られていないけれど、彼らはトレンドの柄や色を取り入れていた。着物は5〜10年すると流行遅れになってしまったため、特権階級の武士や裕福な商人の妻であれば、新作を必要としていた」と説明する。

 明治時代に入ると、洋服が日本に紹介されると同時に、近代化と社会の変化などによって、より多くの女性が絹の着物を手にすることができるようになった。そして、1920年代には、手頃な絹製の既製着物「銘仙」の需要が高まり、欧米の百貨店をモデルにした三越呉服店などで販売された。そのデザインは、西洋美術や文化の影響を強く受けているのが特徴だ。例えば、夏用着物を彩る緑と白の渦巻き模様は、当時の前衛的な芸術運動であったアール・デコを反映。さらに、30年代の大きな市松模様の銘仙はピエト・モンドリアン(Piet Mondrian)の絵画から着想を得たもので、「日本人がいかに早く、こうした芸術的なアイデアを取り入れたかを示している」という。

西洋のデザイナーズファッションへの影響

 ビンチク=キュレーターによると、「三宅一生や山本耀司ら着物に影響を受けた国際的な日本人デザイナーもいるが、西洋のファッションに着物が影響を与えたのは、16世紀にポルトガル人が来日して着物をヨーロッパに持ち帰ったことまでさかのぼり、着物から着想を得たモーニングドレスが作られるようになった」という。同展では、クリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)やマドレーヌ・ヴィオネ(Madeleine Vionnet)、ポール・ポワレ(Paul Poiret)、森英恵から、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」の川久保玲、「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のジョン・ガリアーノ(John Galliano)、トム・ブラウン(Thom Browne)までの作品を通して、着物が新しいモチーフやシルエットのインスピレーションを与えるきっかけとなった例を見ることができる。例えば、ポワレが1919年に制作した“パリ”コートは、着物のようにカッティングを最小限に抑えた4.5メートルのシルクベルベット1枚で作られたもの。「当時流行していた砂時計型のシルエットに対抗して、ポワレは女性をコルセットから解放した。着物は、20世紀初頭のフランスで発展した新しいアヴァンギャルド・クチュールにおいて、とても重要な役割を担っていた」と彼女は話す。

 会場に展示されている着物は、18世紀後半から20世紀初頭までのものだが、「西洋の美意識やスタイルに触発された現代のデザイナーたちのおかげで、着物の永続的な影響は今日のファッションにも見られる」とビンチク=キュレーター。若手の着物デザイナーはデニムやストリートウエアの要素を取り入れる一方で、洋服のデザイナーは着物のシルエットやアイデアに大きな影響を受け続けているという。展覧会を締め括る2つの作品は、それを象徴するものだ。ガリアーノが「メゾン マルジェラ」の2015-16年秋冬オートクチュール・コレクションで披露したラベンダー色のコートドレスは、着物から着想を得たデザインの袖があしらわれ、帯にインスパイアされた背中の青いリボンで仕上げられたデザインが特徴的。また、川久保が「コム デ ギャルソン」の18年春夏コレクションで発表した少女漫画風デザインのアンサンブルには、着物のシルエットやラインの影響が垣間見える。

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「ジルスチュアート ビューティ」から星座×守護星カラーの“お守り”リップ新作 「てんびん座×金星」と「さそり座×冥王星」が登場

 「ジルスチュアート ビューティ(JILL STUART BEAUTY)」は、3月から1年をかけて星座と守護星を掛け合わせた幸運カラーのリップオイル“ステラーチャーム リップオイル”(税込各3520円)を毎月発売している。9月2日は「てんびん座×金星」の“09アミカブル ビーナス”、10月7日は「さそり座×冥王星」の“10ゼラス プルート”が限定で登場する。また、9月2日には人気の美容液化粧下地からミニサイズが限定で登場する。

 守護星をイメージした“お守り”リップオイルの“ステラーチャーム リップオイル”は、それぞれの星座×守護星をイメージしたカラーと、守護星がモチーフのチャームがついたデザインが自身にはもちろん友人や家族への贈り物にもぴったり。各リップには「星からのメッセージ」もついており、“09アミカブル ビーナス”は「愛される」、“10ゼラス プルート”は「やる気がみなぎる」というメッセージが込められている。

 リップは保湿効果のあるトリートメントリッチオイルと12種の保湿成分を含み、唇を潤いで満たして美しい発色と艶が続く。“09アミカブル ビーナス”はピンクパールが入ったパステルピンク、“10ゼラス プルート”はダークレッドのカラーとなっている。どちらもクリスタルフローラルブーケの香り。

 そのほか、9月2日にはスキンケア効果と化粧下地効果を1本でかなえるメイクアップベースのミニサイズ“イルミネイティング セラムプライマー ミニ”(全4色、税込各1980円)が登場する。パール剤やダイヤモンドパウダーを厳選配合し、明るく艶のある肌に導く。また、自然に毛穴をカバーするため凹凸のない美しい仕上がりがかなう。

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