「シャネル」のショーは、2022-23年秋冬オートクチュールと豪華ハイジュエリーの共演 パリ現地取材リポートVOL.4

 「シャネル(CHANEL)」の2022-23年秋冬オートクチュールショーの舞台は、パリ郊外のブローニュの森にあるエトリエ馬術センター。メゾンのアンバサダーとスポークスパーソンを務めるシャルロット・カシラギ(Charlotte Casiraghi)が馬にまたがってランウエイに登場した1月のショーとのつながりを感じるロケーションだ。会場に着くと、屋外には先シーズンのセットを思い出させる現代アーティストのグザヴィエ・ヴェイヤン(Xavier Veilhan)による巨大なオブジェ。会場内は階段を設けた立体的なつくりで、彼が今季のために手掛けた銀色に光る球体のオブジェやグラフィカルなパターンで飾られている。また、前回生演奏を披露したミュージシャンのセバスチャン・テリエ(Sebastien Tellier)も、コレクションのティーザーや一部のショー音楽を担当。ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)は「前回のショーの流れを汲みつつも、実験的な余白を残しながらイメージをふくらませていった」と話し、今回も親交のあるアーティストと共にショーを作り上げた。

 ショーは、「シャネル」のアンバサダーでもあるミュージシャンのファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が制作したサウンドトラックと共にドラムを叩く映像からスタートした。ファーストルックは、鮮やかな緑が目を引くスクエアショルダーのボクシージャケットとミッドカーフ丈スカートのセットアップ。どちらもフラップポケットとジュエリーライクなボタンがあしらわれている。足元は、ブラックのカウボーイブーツ。ツイードで仕立てた中折れ帽やつばの広いエレガントなハットを被ったモデルもいる。

 今季の軸となるのは、角張った肩やストレートラインなどを生かしたスーツやコート、ロングドレス。そんな直線的なシルエットに対し、ファンシーツイードやレースといった素材と、幾何学模様のスパンコール刺しゅうやペイント、フェザーなどアトリエの技術が光る装飾で、豊かな質感を際立たせる。終盤に向かって披露されたドレス群は、白や黒にメタリックな輝きを加えたデザインが中心。シフォンやチュールといった透け感のある素材とフレアやマーメイドシルエットを使い、軽やかなイメージを描いた。

 ヴィルジニーが参考にしたのは、ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)が1930年代に思い描いていたスーツやロングドレスのデザインだというが、同年代の要素はルックの仕上げにも見られる。ガブリエルは1932年、初のハイジュエリー・コレクション“ダイヤモンド ジュエリー(BIJOUX DE DIAMANTS)”をデザインした。それから90年を迎える今年、「シャネル」は当時用いられたコメット彗星など天体のモチーフを再解釈した新作“コレクション 1932(COLLECTION 1932)”を発表。ちょうどクチュール期間中にグラン・パレ・エフェメールでお披露目された煌びやかなネックレスの数々が、胸元に華やかさを添えた。

 30年以上にわたって「シャネル」で働いているヴィルジニーは、創業者ガブリエルとカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が築いたスタイルやアトリエの仕事を大切にしつつ、現代を生きる女性が着用することを念頭に置いた提案を続けている。「軽やかかつフェミニンで、着ることを念頭にデザインされた服であること。それ以外のことは考えられない」という彼女の言葉からも、その信念がうかがえる。


 2022-23年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークが7月4日から7日までに開催された。今季からは、ついに公式スケジュールに名を連ねる全てのブランドがリアル発表を再開。世界中からVIP顧客やセレブリティーもパリに戻り、華やかなムードに包まれた4日間のファッションの祭典から、注目ブランドのショーリポートをお届け!

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「シャネル」「ディオール」が香水・化粧品を値上げ 原料高騰の影響で

 「シャネル(CHANEL)」と「ディオール(DIOR)」が原料価格の高騰を受けて香水と化粧品の値上げを行う。「シャネル」は最大7150円、「ディオール」は最大1万1000円値上げする(全て税込価格)。

 「シャネル」は7月20日から、香水と化粧品の一部製品の価格を引き上げる。価格改定の対象となるフレグランス“シャネル N°5”(15mL)は2万6400円から3万1350円、“チャンス オードゥ トワレット”(50mL)は1万1220円から1万3750円、“ル リフト ローション”は9350円から1万450円、“卵型ハンドクリーム”の愛称で知られる“ラ クレーム マン”は6380円から7150円、4色アイシャドウパレット“レ キャトル オンブル”は7590円から8360円、“ルージュ ココ”は4730円から5500円、ネイル“ヴェルニ ロング トゥニュ”は3520円から3960円へと変更となり、このほかも価格改定する。なお、価格改定に伴い公式ECでは、7月19日18時〜20日10時まで一時販売を停止する予定。

 「ディオール」は7月27日から値上げする。価格改定の対象となるフレグランス“ジャドール ロー”(40mL)は2万350円から2万1120円、“ミス ディオール オードゥ パルファン”(30mL)は9350円から9680円、“ミス ディオール ヘアミスト”は4950円から5170円、“カプチュール トータル セル ENGY スーパー セラム”(30mL)1万4300円から1万4850円、ファンデーション“ディオールスキン フォーエヴァー フルイド グロウ”は6820円から7040円、4色アイシャドウパレット“サンク クルール クチュール”は8360円から8470円、“ルージュ ディオール”は4950円から5170円、“ディオール アディクト リップ マキシマイザー”は4070円から4180円、ネイル“ディオール ヴェルニ”は3300円から3520円へと変更となり、このほかも価格改定する。なお、7月26日まで価格改定の対象となる製品の購入は、1回の注文につき上限3個までとする。

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H&M、ロシア市場から撤退へ 「現状下で事業継続は不可能」と判断

 H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ以下、H&M)は7月18日、ロシア市場から撤退することを発表した。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、同社は3月2日からロシアでの販売を一時中止としていた。

 ヘレナ・ヘルマーソン(Helena Helmersson)最高経営責任者は、「慎重に検討した結果、現在の状況下でロシア事業を継続することは不可能だと判断した。ロシアの従業員には大変申し訳なく思うし、これまでの貢献をとてもありがたく思う。また、長年にわたってご愛顧いただいた顧客に心から感謝している」とコメントした。同社によれば、今回の措置によって影響を受ける従業員には「可能な限り最善の方法で」支援するという。

 H&Mは2009年にロシア市場に進出した。店舗数は約170店、従業員はおよそ6000人。同国での売り上げは20億スウェーデンクローナ(約260億円)程度で、6番目に大きい市場となっている。なお、撤退にあたり、在庫処分のため期間限定で店舗の営業を再開する。

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H&M、ロシア市場から撤退へ 「現状下で事業継続は不可能」と判断

 H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ以下、H&M)は7月18日、ロシア市場から撤退することを発表した。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、同社は3月2日からロシアでの販売を一時中止としていた。

 ヘレナ・ヘルマーソン(Helena Helmersson)最高経営責任者は、「慎重に検討した結果、現在の状況下でロシア事業を継続することは不可能だと判断した。ロシアの従業員には大変申し訳なく思うし、これまでの貢献をとてもありがたく思う。また、長年にわたってご愛顧いただいた顧客に心から感謝している」とコメントした。同社によれば、今回の措置によって影響を受ける従業員には「可能な限り最善の方法で」支援するという。

 H&Mは2009年にロシア市場に進出した。店舗数は約170店、従業員はおよそ6000人。同国での売り上げは20億スウェーデンクローナ(約260億円)程度で、6番目に大きい市場となっている。なお、撤退にあたり、在庫処分のため期間限定で店舗の営業を再開する。

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「クロエ」がトートバッグ“ウッディ”からミニサイズを発売

 「クロエ(CHLOE)」は、トートバッグ“ウッディ(WOODY)”のミニサイズを発売した。サイズはH14×W20×D4cmで、価格は9万2400円(税込)。

 デザイン面ではリネンキャンバスボディーにブランドロゴ入りのリボンとカラフルなレザーの飾りひもでアクセントを加え、機能面では手持ち・肩掛け・クロスボディーと3ウエイで使い分けられる。

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「ニューバランス」と「ボデガ」からコラボ“574レガシー”が誕生

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、アメリカ・ボストンのセレクトショップ「ボデガ(BODEGA)」とコラボレーションしたスニーカーを7月22日に発売する。価格は税込1万9800円で、イエローとブルーの2色を用意。「ニューバランス」の公式オンラインストアと東京・日本橋浜町のコンセプトショップ「ティーハウス ニューバランス(T-HOUSE NEW BALANCE)」および「ニューバランス 六本木 19:06」で取り扱う。

 「ボデガ」の設立15周年を記念した今作は、「ニューバランス」の定番スニーカー“574”を現代的にアップデートした“574レガシー(574 LEGACY)”をベースモデルに採用。アッパーの素材にはプレミアムスエードとメッシュを使用し、内側にあるサイドの“N”ロゴとシュータン、ライナー部分にパンチング加工を施すことで「ボデガ」らしさを演出した。また、シュータンにコラボを象徴するスペシャルグラフィックを配しているほか、アッパーの随所にリフレクティブ素材を取り入れ、カラーの異なる3種類のシューレースを付属する。

 キャンペーンビジュアルのモデルには、ラッパーのラリー・ジューン(Larry June)を起用した。

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Nigoによる新生「ケンゾー」を祝してパーティーを開催 NY新現代美術館の屋上にて

 「ケンゾー(KENZO)」は16日、Nigoアーティスティック・ディレクターが手掛ける新生「ケンゾー」の門出を祝したパーティーを開催した。会場であるニューヨークの新現代美術館(New Museum)の屋上には、Nigoと親交の深いアーティストのプシャ・T(Pusha T)やフューチュラ(Futura)、エヴァン・モック(Evan Mock)らが駆けつけた。

 Nigoは「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」の創業者で、2021年9月20日付で「ケンゾー」のアーティスティック・ディレクターに就任。パリ・メンズ・ファッション・ウイーク中の1月23日に、同ブランドで初めて手掛ける2022-23年秋冬コレクションを発表した。コロナ禍の影響で正式な就任パーティーを開いていなかったため、今回は改めて就任とデビューを祝う機会となった。パーティーの様子を紹介する。

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「アレキサンダー ワン」がリーズナブルな価格のボディウエア9型を発売 4320円から

 「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」は、アンダーウエアとルームウエアを組み合わせたボディウエアコレクションを発売した。アイテムはウィメンズ7型とメンズ2型。タンクトップやブリーフ、ブラなどをそれぞれブラック、ヘザーグレー、ホワイトの3色展開でそろえる。価格は税込4320〜8640円。公式オンラインストアで取り扱っている。

 今回発売したのは、どんなシーンでも着回しが可能なボディウエアをそろえた、ブランド初のリーズナブルな価格のコレクション。ボディウエアにはコットン100%のリブ編み素材を採用し、ローウエストとクラシックフィットの2スタイルを用意することで、快適さとデザイン性を両立した。

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「ルイ・ヴィトン」六本木ヒルズ店が“世界一周旅行”をテーマにしたイベントを開催 家具コレクションやトランク中心に展示

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は六本木ヒルズ店で“サヴォアフェール イベント“を開催している。同イベントのテーマは、“世界一周旅行”。会期中は通常営業は行わず、店舗全体を使用して世界各地の都市やリゾート地を想起させる展示を行う。家具やオブジェで構成される“オブジェ・ノマド コレクション(以下、オブジェ・ノマド)”や、さまざまなハードトランク、テーブルゲームなど、通常は一部店舗でしか取り扱いのない特別なアイテムが勢ぞろいする。

 1階は、世界各地の自然やリゾート地をイメージさせるカラフルな空間が広がる。“ブラジルの秘境”はジャングルをほうふつとさせ、ブラジル出身のデザインデュオであるカンパナ・ブラザーズ(THE CAMPANA BROTHERS)やスペイン人デザイナーのパトリシアウルキオラ(Patricia Urquiola)などの家具を展示している。“地中海の島”では、透き通った海と浜辺が登場。リゾート地での休暇やに合うハードトランクや家具が紹介されている。ミラーボールが収納された“パーティー・トランク”などユーモラスな作品も。“オランダの花畑”と題した空間には、スイスのデザインデュオであるアトリエ・オイ(ATELIER OI)による“オリガミ・フラワー”が咲き誇り、オランダのチューリップ畑のようだ。

 2階は、フランス・パリ、デンマーク・コペンハーゲン、米ニューヨーク、3都市の邸宅をイメージの空間。パリの邸宅はリビング、ダイニング、ワードローブの3つのエリアで構成されており、イスラエル人デザイナーデュオのロー・エッジズ(RAW EDGES)やオランダのデザインスタジオである“マルセル・ワンダース スタジオ(Marcel Wanders STUDIOS)の作品が展示されている。

 コペンハーゲンは、木の温もりを感じさせる空間に、アメリカ人デザイナーのアンドリュー・カドレス(Andrew Kudless)によるシェルフやアトリエ・オイによる家具を紹介。手吹きムラーノグラスを使用した照明がアクセントになっている。

 レンガ造りのタウンハウスのようなニューヨークの部屋には、ビリヤードテーブルや、“DJトランク”、“ギタートランク”をはじめ、スニーカー用トランクやスケートボードなどが展示されている。

 展示品は購入およびオーダーが可能だ。

■「ルイ・ヴィトン」 サヴォワフェール イベント
会場:ルイ・ヴィトン六本木ヒルズ店
住所:東京都港区六本木6-12-3 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り
会期:7月28日まで。8月は、12日、20日開催。(7月29日、8月11日はクローズ)
営業時間:12:00~21:00
予約不要

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「ルイ・ヴィトン」六本木ヒルズ店が“世界一周旅行”をテーマにしたイベントを開催 家具コレクションやトランク中心に展示

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は六本木ヒルズ店で“サヴォアフェール イベント“を開催している。同イベントのテーマは、“世界一周旅行”。会期中は通常営業は行わず、店舗全体を使用して世界各地の都市やリゾート地を想起させる展示を行う。家具やオブジェで構成される“オブジェ・ノマド コレクション(以下、オブジェ・ノマド)”や、さまざまなハードトランク、テーブルゲームなど、通常は一部店舗でしか取り扱いのない特別なアイテムが勢ぞろいする。

 1階は、世界各地の自然やリゾート地をイメージさせるカラフルな空間が広がる。“ブラジルの秘境”はジャングルをほうふつとさせ、ブラジル出身のデザインデュオであるカンパナ・ブラザーズ(THE CAMPANA BROTHERS)やスペイン人デザイナーのパトリシアウルキオラ(Patricia Urquiola)などの家具を展示している。“地中海の島”では、透き通った海と浜辺が登場。リゾート地での休暇やに合うハードトランクや家具が紹介されている。ミラーボールが収納された“パーティー・トランク”などユーモラスな作品も。“オランダの花畑”と題した空間には、スイスのデザインデュオであるアトリエ・オイ(ATELIER OI)による“オリガミ・フラワー”が咲き誇り、オランダのチューリップ畑のようだ。

 2階は、フランス・パリ、デンマーク・コペンハーゲン、米ニューヨーク、3都市の邸宅をイメージの空間。パリの邸宅はリビング、ダイニング、ワードローブの3つのエリアで構成されており、イスラエル人デザイナーデュオのロー・エッジズ(RAW EDGES)やオランダのデザインスタジオである“マルセル・ワンダース スタジオ(Marcel Wanders STUDIOS)の作品が展示されている。

 コペンハーゲンは、木の温もりを感じさせる空間に、アメリカ人デザイナーのアンドリュー・カドレス(Andrew Kudless)によるシェルフやアトリエ・オイによる家具を紹介。手吹きムラーノグラスを使用した照明がアクセントになっている。

 レンガ造りのタウンハウスのようなニューヨークの部屋には、ビリヤードテーブルや、“DJトランク”、“ギタートランク”をはじめ、スニーカー用トランクやスケートボードなどが展示されている。

 展示品は購入およびオーダーが可能だ。

■「ルイ・ヴィトン」 サヴォワフェール イベント
会場:ルイ・ヴィトン六本木ヒルズ店
住所:東京都港区六本木6-12-3 六本木ヒルズ 六本木けやき坂通り
会期:7月28日まで。8月は、12日、20日開催。(7月29日、8月11日はクローズ)
営業時間:12:00~21:00
予約不要

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キム・ジョーンズが特別にデザインした「ディオール」製トランクス着用のプロボクサーが23戦無敗

 「ディオール(DIOR)」は、米国人プロボクサーのライアン・ガルシア(Ryan Garcia)のためにトランクスを作成した。キム・ジョーンズ(Kim Jones)メンズ・アーティスティック・ディレクターが特別にデザインしたもので、「ディオール」が男性ボクサーの衣装を手掛けたのは初めて。

 “ディオール オブリーク”(モノグラムロゴ)を全面に施した白のシルクサテン地に、パイソンをエンボス加工した青のレザーをサイドラインとして入れたもので、“DIOR”と“KING RYAN”の文字を刺しゅうであしらった。

 ガルシアは「ディオール」製トランクスを着用し、7月17日にロサンゼルスで行われたスーパーライト級マッチで勝利を収め、23戦無敗。KO記録も19に伸ばした。ライト級では現在WBC2位、WBA6位、IBF10位にランクされる。

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「デサント」とイタリア高級車「マセラティ」がコラボ ウィンドジャケットやポロシャツなど

 「デサント(DESCENTE)」は、イタリアの高級車メーカー「マセラティ(MASERATI)」と協業したカプセルコレクションを発売した。「デサント」直営店と公式オンラインストアで取扱中だ。

 アイテムは、スーパースポーツカー“MC20”のアクティブなイメージを表現したグラフィックパターンと、両ブランドのロゴをあしらったデザインが特徴。ウィンドジャケット(税込2万2000円)やポロシャツ(同1万6500円)、オーバーサイズのTシャツ(同8800円)、ウーブンショーツ(同1万1000円)など全8型を用意する。いずれも「デサント」の知見を生かしたストレッチや吸汗速乾性のある素材と、動きやすいパターン設計を用いている。

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「ロンシャン」が端切れを活用した新ライン カラーブロッキングが体現するサステナビリティ

 「ロンシャン(LONGCHAMP)」は7月19日、これまでの“ル プリアージュ(Le Pliage)”コレクションの製作時に余ったキャンバスの端切れとレザーのハンドル/フラップを活用した新ライン“ル プリアージュ リプレイ(Le Pliage Re-Play)”を発売する。日本でも長らく人気の“ル プリアージュ”から、新たにカラフルな3モデルをそろえ、「サステナブルをプレイフルに、クリエイティブに発信したい」との願いを込めた。ジャン・キャスグラン(Jean Cassegrain)最高経営責任者(CEO)に、新ラインが体現するブランドバリューや、2021年に策定したサステナビリティ施策の達成度などについて聞いた。

キャスグランCEOが語るブランド理念
歴史や品質への誇りが生むサステナビリティ

WWDJAPAN(以下、WWD):端切れを活用した“ル プリアージュ リプレイ”の開発のきっかけは?

ジャン・キャスグランCEO(以下、キャスグランCEO):誕生から30年ほど経つ“ル プリアージュ”は、その歴史の中でバリエーション豊かなカラーを取り入れてきた。もともと、“ル プリアージュ”コレクションは長く使っていただけることを心掛け、素材を無駄にしないことも意識してきた。それでもときには余ってしまうので、今回それをクリエイティブに生かせないかと考えた。メゾンとして初めて、異なるシーズンからの端切れのみを使った“ル プリアージュ リプレイ”が誕生した。

WWD:日本でも人気の高い“ル プリアージュ”の端切れを再利用することに抵抗はなかったか?

キャスグランCEO:「ロンシャン」は1970年代初頭に、初めてナイロンを使ってバッグを手掛けたメゾンの一つだった。父、フィリップ・キャスグラン(Philippe Cassegrain)は軽量で丈夫なナイロン素材に目をつけ、レザーとナイロンのコンビネーションバッグ“ル プリアージュ”をデザインし、93年に発売した。企業やブランドとしてサステナビリティに取り組むとき、まず考えるべきことは長く使える製品を作ることなのではないだろうか。“リプレイ”ラインの制作は「ロンシャン」だからこそできること。アイコニックなコレクションの歴史とアイテムの耐久性、メゾンの品質には自信があり、誇りに思う。

メゾン初、端切れのみを使った
“ル プリアージュ リプレイ”

WWD:“リプレイ”ラインはメゾンのバリューをどう表現している?

キャスグランCEO:バリューの中枢は、オーセンティシティーとエナジー。カラフルでポジティブな“リプレイ”は、特にエナジーが溢れている。サステナビリティについても、いつもシリアスで真面目にだけ発信しなくても良いはずだと信じている。プライフルなカラーブロッキングが並ぶダイナミックなデザインの“ル プリアージュ リプレイ”は、サステナビリティに前向きに取り組んでいきたいというメゾンのメッセージを体現するラインだ。

WWD:カラフルなデザインが特徴的だ。

キャスグランCEO:最初に“ル プリアージュ”を発表したとき、当初からバリエーション豊かなカラーを用意した。当時は黒いバッグが主流で、カラフルな選択肢は珍しかったという。コレクションのアイデンティティーである多様なカラーを使う姿勢は“リプレイ”にも受け継がれており、カラーブロッキングというデザインがそれを象徴している。素材を再利用するというサステナビリティへの貢献に加えて、その過程を楽しむような、プレイフルなビジュアルがまさにメゾンらしさを反映しているのではないだろうか。

WWD:“ル プリアージュ リプレイ”の特色は。

キャスグランCEO:“ル プリアージュ”は年代を超えて愛されており、誰もが手に取るバッグだ。ウィメンズでもメンズでも通用するデザインで、飛行機に乗ればビジネスクラスに座る人からエコノミーまで、幅広い層が使用する。あらゆる文化や社会にオープンで、ユニバーサルなデザインバッグに成長した。“リプレイ”もまた、エネルギッシュな性質を持っている。メゾンのバッグはトラベル用として知名度もあるし、1960年代にはいち早く空港にショップをオープンしている。バッグの持ち運びやすさや軽さはずっとコアに据えているもので、馬が駆け抜ける様子を描いているブランドロゴのようにエナジェティックさも兼ね備えている。“リプレイ”もあらゆる人に寄り添い、旅行や移動時に活躍するアイテムに育つだろう。

プレイフルなカラーブロッキングが
並ぶダイナミックなデザイン

WWD:2023年までに使用する全ナイロンを100%リサイクルナイロンに切り替えるとしているが、達成度は?

キャスグランCEO:目標は達成できる見込みだ。“ル プリアージュ”コレクションをリサイクルナイロンに切り替えることはもちろん、そのほか旅行バッグや裏地も変更していく。従来のナイロン製品と全く同じ品質のものを作りたかったので、リサイクル素材を提供するサプライチェーンが少ないことに苦労したが、耐久性も品質もこれまでのナイロンと同様の素材を吟味し、リサイクル素材で置き換えた。使用しているリサイクルナイロンは、使わなくなった漁網やカーペットなどを原料にしている。

WWD:レザーも同様に、23年までにレザーワーキンググループ(以下、LWG)の認証レザーに切り替えるとしているが、達成度は?

キャスグランCEO:LWGは独立した認証機関で、使用物質や労働環境まで、会社の設備や製造工程を審査するもの。21年時点で、99%の製品はLWG認証を獲得し、その半分余りはゴールド認証の取得を達成している。フランスやイタリア、オランダ、ポルトガル、ウルグアイなどに位置し長らく交流しているタンナー(製革業者)ともうまく連携して、押し進めている。

あらゆる人に寄り添う、
タイムレスでユニバーサルなバッグへ

WWD:新たなCSR指針のひとつに「製造と輸送時に発生するCO2排出量を削減」も掲げていた。実際削減できたことは?

キャスグランCEO:リサイクルナイロンを使用することで、まずは20%削減できた。従来の素材は石油由来だったので、切り替えるだけで削減につながる。力を入れているのはリペアサービス。過去の素材は全て管理しているので、最も古いコレクションも対応や代替案が提案可能だ。フランス国内では年間6万点以上を状態に応じて無償・有償でリペアしている。製品の輸送時に発生するCO2排出量は、航空から海上に切り替えることで最小限に抑えようと努めている。ファッションはオンタイムでトレンドを素早く提供することが鍵となることも多いが、われわれにはシーズンを問わないタイムレスなアイテムも多い。計画的な生産によってさらに可能になっていくだろう。

WWD:今後検討していく新しいCSR指針はあるか?

キャスグランCEO:製品の包装についてアップデートを進めている。FSC(Forest Stewardship Council)森林認証紙の使用をベースに、これまで樹脂などを使って紙の表面に加えていた加工を廃止して、持ち手部分もテキスタイルから紙に切り替えてリサイクルしやすくする。外箱に使用していたマグネットの留め具も取り除く予定だ。

問い合わせ先
ロンシャン・ジャパン
0120-150-116

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「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」2022-23年秋冬オートクチュール・コレクション

 「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」が2022-23年秋冬オートクチュール・コレクションを発表した。

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「ディーゼル」が“全てをさらけ出した”バッグの新キャンペーンビジュアルを公開

 「ディーゼル(DIESEL)」は、バッグ“ワンダー(1DR)”のキャンペーンビジュアルを公開した。

 “太陽、海、肌”をテーマにしたもので、“ワンダー”が夏に必要な唯一のアクセサリーであることを訴求する。グレン・マーティンス(Glenn Martins)のクリエイティブ・ディレクションのもと、ポール・コイカー(Paul Kooiker)が撮影を、クリス・シモンズ(Chris Simmonds)がアート・ディレクションを担当した。「ディーゼル」は、「率直にセクシーで自信に満ち、時として不遜。イージーで楽しい、そしてジェンダーレスで汎用性のあるものとして“ワンダー”を表現した」と話す。

 “ワンダー”は、大きな“D”ロゴプレートが最大の特徴。素材はマットレザーとミラーレザーを、サイズはXS(ミニ)を用意する。価格は2万9700〜6万500円だ。

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「グッチ」がメインスポンサーの「浅間国際フォトフェスティバル」が開催 志尊淳を森山大道が撮り下ろした作品も展示

 「グッチ(GUCCI)」がメインスポンサーを務める写真展「浅間国際フォトフェスティバル 2022 PHOTO MIYOTA」が、長野・御代田町の複合施設モップ(MMoP)で9月4日まで開催している。入場は無料で、敷地奥のヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)と石内都の作品を展示するスペースのみ有料(500円税込、以下同)だ。同展は2018年に立ち上がり、新型コロナウイルスの影響で20年と21年は規模を縮小しての実施を経て、御代田町では2年ぶり、3回目の開催となる。今後はさらに規模を拡大していきたいという。

 場内には、今回のテーマである“Mirrors&Windows(鏡と窓)”を表現した20人の写真家の作品を展示する。また展示スペース内に新たにオープンする御代田写真美術館には、アート写真専門誌「IMA」がキュレーションした7人の日本人写真家が、「グッチ」をまとった男性を同展のために撮り下ろした作品を展示する。それぞれが“新しい時代のジェントルマン”をテーマに、写真家の森山大道は「グッチ」グローバルブランドアンバサダーの俳優・志尊淳を、木村和平は俳優の井浦新を、小林健太は建築家の石上純也を、沢渡朔は作家の吉田修一を、野村佐紀子はミュージシャン・俳優の金子ノブアキを、細倉真弓は森岡書店の森岡督行代表を、水谷吉法は左官職人の久住有生を撮影している。自然光が差す入り口近くには、木もれ日を浴びる井浦のポートレートを飾るなど、作品に合わせた展示方法で鑑賞者を展示空間に没入させる空間演出だ。

 御代田写真美術館で発表した7組の作品は、写真集「NEW GENTLEMAN」として「IMA オンライン」で8月10日に発売する。価格は3万3000円で、300冊限定。8月23〜28日には、森岡書店の銀座店で同写真集を販売する。またグッチ六本木 メンズショップでは、森山が志尊を撮り下ろした作品に焦点を当てた写真展を7月28日から9月4日まで開催する。

 「浅間国際フォトフェスティバル 2022 PHOTO MIYOTA」ではほかにも写真を使ったさまざまな表現を見ることができる。ウクライナ出身のイェレナ・ヤムチェック(Yelena Yemchunk)が母国オデッサで14〜19年に撮影した若者のポートレートは、「若者が早く家に戻れますように」という願いを込めて小屋の中に作品を展示した。第46回「木村伊兵衛写真賞」を受賞した吉田志穂は、浅間山周辺をモチーフに撮影した巨大な写真の向こうから、本物の浅間山が透けて見える大胆な表現だ。「グッチ」は同展のメインスポンサーを務めて現代アーティストをたたえると共に、ブランドのコアバリューであるクリエイティビティとイマジネーションを表現している。

■浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO MIYOTA
会期:〜9月4日
場所:モップ
住所:長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1
時間:10:00〜17:00(最終入場16:30)
入場料:一部有料(敷地奥のヴィヴィアン・サッセンと石内都の展示スペースのみ500円)

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「アディダス オリジナルス」×リアム・ギャラガーのコラボ第2弾 スニーカー“LG II スペツィアル”を発売

 「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」は7月22日、英国のミュージシャン、リアム・ギャラガー(Liam Gallagher)とコラボしたスニーカー“LG II スペツィアル(LG II SPEZIAL)”を発売する。価格は1万7000円(税込)。両者がタッグを組むのは、2019年以来2度目。

 “LG II スペツィアル”は、スカッシュなどインドアスポーツ用シューズのアーカイブにインスピレーションを得たもので、ホワイト×グレーの同系色グラデーションが特徴だ。さらに、シュータンにはブルーで“Endorsed by Liam Gallagher”のグラフィックをあしらう。

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富士フイルム「アスタリフト」から高機能美容液シリーズ誕生 独自のリポソーム技術を応用したマルチ美容液

 

 富士フイルムが展開するエイジングケアブランド「アスタリフト(ASTALIFT)」から、独自のリポソーム技術を化粧品分野に応用した高機能美容液シリーズ「アスタリフト ザ セラム)(ASTALIFT THE SERUM)」が誕生する。新シリーズ第1弾として、8月26日には薬用多機能美容液“アスタリフト ザ セラム マルチチューン”【医薬部外品】(税込各7700円)と、薬用シワ改善美容液“アスタリフト ザ セラム リンクルリペア (朝用・夜用)”【医薬部外品】(税込各4290円)を発売する。

 2007年にローンチした「アスタリフト」は、今年でブランド誕生15周年を迎えた。美容意識の高まりにより、近年はスキンケア製品にさらなる高機能性が求められていることから、高機能美容液シリーズ「アスタリフト ザ セラム」が誕生。同社が長年培ってきた写真分野の独自技術を発展させ、化粧品向けに応用した独自製法の“浸透型リポソーム”を開発したことで成分の肌への浸透性を高めることが期待できる。

 ハリや美白ケア、シワ改善などあらゆる肌悩みをケアできる薬用多機能美容液“アスタリフト ザ セラム マルチチューン”は、浸透型リポソームに含有した美容成分のカフェインとビタミンC誘導体、さらにシワ改善や美白有効成分のナイアシンアミドを配合。加齢による肌悩みを1本で解決できるマルチな美容液だ。

 朝用と夜用を用意した“アスタリフト ザ セラム リンクルリペア”は、浸透型リポソームに含有したビタミンB6とビタミンC誘導体に加え、シワ改善や美白有効成分のナイアシンアミドを配合。表情の変化による皮膚の伸縮によって生じたシワの“変形ダメージ”の定着を防いでくれる。朝用美容液はみずみずしいテクスチャーなうえSPF20・PA++とUVケアもできる。

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「コスメデコルテ」の“リポソーム”からナイトクリームが登場 シグネチャーシリーズとして強化

 コーセーは9月16日、ハイプレステージブランド「コスメデコルテ(DECORTE)」の“リポソーム”シリーズから睡眠時間に着目した“リポソーム アドバンスト リペアクリーム”(50g、税込1万1000円)を発売する。同ブランドを代表する美容液“リポソーム アドバンスト リペアセラム”で採用している「多重層バイオリポソーム」にフォーカスし、クリーム剤型のためにアレンジした「ナイト多重層バイオリポソーム」を新たに開発。これまで不可能とされていたエモリエントオイルとの配合に成功し、肌をこすれから守るシールド効果を実現した。濃密な潤いでハリや艶、弾力をもたらし、「3時間多く眠ったような肌」へと導く。

 同ブランドは、1992年に業界初の多重層リポソーム構造を採用した化粧品として美容液“モイスチュア リポソーム”を発売し、昨年初めてリニューアルした。新美容液“リポソーム アドバンスト リペアセラム”は、国内の累計販売個数が75万個を突破(22年6月末時点)し、プレステージ市場において美容液の売り上げシェア1位(Beaute Research調べ/百貨店プレステージ市場2021年10月〜22年3月売り上げ金額ベース)と、根強い人気を誇る。

 一方で、新型コロナで一時縮小していた国内のクリーム市場は徐々に回復し、高価格帯を中心に成長すると予想。また、日本と中国のスキンケア市場においてクリームカテゴリーは、美容液に次いで2番目に市場が大きく、米国でも使用率や所持率が高いアイテムであるという。そこで、“リポソーム アドバンスト リペアクリーム”を発売することで、ブランドの象徴となるシグネチャーシリーズとしてのポジションを確固たるものとし、世界での存在感をさらに高めていく。

 なお、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、タイ、マレーシア、イギリス、イタリア、フランス、スペイン、アメリカ、カナダ、オーストラリアの14の国・地域では9月1日に先行販売する。

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伝説の編集者とユナイテッドアローズ創業者の二人が書籍「日本現代服飾文化史」に込めた思い【UA重松理×石川次郎対談 VOL.1】

 ビームスとユナイテッドアローズ(UA)、日本を代表する2つのセレクトショップの誕生に関わったのが、UA名誉会長で、公益財団法人日本服飾文化振興財団の理事長を務める重松理氏だ。「服飾文化を次世代や後世に正しく現代史として伝承したい」と、財団を通じて「日本現代服飾文化史 ジャパンファッションクロニクル インサイトガイド 1945~2021」(発行・講談社エディトリアル)を3月に発行。エディトリアルディレクションを手がけたのは、平凡出版・マガジンハウスで編集長を歴任し、その時代時代の風俗とカルチャーを雑誌を通じて世に発信してきた石川次郎氏だ。

 サブタイトルは、「若者と流行」「ファッションはいつも街から生まれる」。重松氏自身が体験したリストをもとに、財団のスタッフとともに、時代背景、社会の潮流、生活文化の流れ、その時代のインフルエンサーの変遷など75年の歴史を年表化。年代ごとにトピックスを挙げて、ファッション文化の伝承や定着、進化や、生活者の変化やムーブメントなどを、象徴的なビジュアルや著名人のエッセー、専門家の解説とともに記録している。重松氏と石川氏に、書籍の意図やファッションの醍醐味、後進に伝えたい想いなどを、全5回にわたってお届けする。

――日本のファッションの変遷をカルチャーとして切り取り、教科書としても使えそうなレベルで集大成された良書ですね。もんぺの時代から始まり、シャネル、アイビー、ミニスカート、ジーンズ、DCブーム、裏原宿、エアジョーダン、女子大生ブーム、コギャル、ユニクロ、モテ系&大人かわいい、ゾゾタウン、コメ兵、さらにはバーチャルヒューマンのimmaといったインフルエンサーまで、テンポ良く紹介しています。豊富かつ貴重な写真やイラスト、図録などにも圧倒されます。この本を企画した意図は?

重松理(以下、重松):ファッションはフロー(流れていくもの)で、消え去っていくものです。次々に新しいものが出てきては、淘汰されていく。でも「これは永遠に良いものだ」というものはストックとして残していきたい。それをオーセンティクスという形で、ビームスの途中から始めて、UAでも手がけてきました。財団を設立するときから時代背景や社会の潮流、生活文化の中でのファッションや、当時は表面的には見えずらかった事柄、その時代のインフルエンサーの変遷などを、特定のアパレルメーカーやブランドの視点ではなく、中立的で公共性のある資料的なものを、いずれ財団の仕事として残さなければいけないと思っていました。そこで、戦後75年になる2020年のタイミングで、ファッションの服飾現代史を出し、その足跡を次世代に伝えようと考えました。

――石川次郎さんに編纂を依頼した理由は?

重松:自分は物心がついてからファッションに興味を持ち、仕事として携わってからもいろいろな遍歴があるのですが、その半分ぐらいは平凡出版、今のマガジンハウスとともに歩み、育ててもらったみたいなもの。「平凡パンチ」では、小林康彦さんのイラストで紹介されたパリのサンジェルマンルックも、カーナビ―ストリートのロンドンポップなども見ていましたし、夢中に入り込んで、ビームスの立ち上げに至りました。アメリカで(1968年に)創刊した(西海岸の若者カルチャーやアウトドア文化、道具や情報を紹介する)「ホール・アース・カタログ」や、「スキーライフ」(読売新聞社)、その流れを汲んで、「メード・イン・USAカタログ」が発行され、ビームスの創業と同じ1976年に「ポパイ」も創刊しました。その多くに次郎さんがかかわられていたので、こういうものを作るときには造詣の深い次郎さんにお願いしたいと心に決めていました。それに、われわれはモノを売ってきたけれど、本を作るノウハウも写真や材料もない。そこで、財団の評議員で、次郎さんとも親しくされているビームスの遠藤恵司副社長を通じて依頼させてもらいました。

石川次郎(以下、石川):重松さんとは当時、直接的な付き合いはなかったけれど、すごくつながっていたんだなぁ、ずっと見てきてくれたんだなぁと嬉しくなりましたね。「平凡パンチ」や「スキーライフ」「メード・イン・USAカタログ」は、全部僕が手がけた仕事です。とくに小林さんのイラストレポは、僕が編集者になってすぐに会社に提案して実現しました。平凡出版に入ったのが1967年2月1日で、その年の9月には小林さんと2人でNYにいましたから。いい時代でしたね。その「平凡パンチ」では海外のニュースの担当になったのはいいけれど、上司から言われたニュースの取り方が、新聞社の外信や通信社から買えといった話ばっかりで、その通りでは面白くもなんともなくて。64年から誰でも外国に行ける時代になったし、「自分たちでニュースを探して誌面を作りましょう」「自分たちで外国取材をやりましょう」と上司の木滑さん(後にマガジンハウス社長を務めた、木滑良久氏。現・取締役最高顧問)に提案しました。マガジンハウス時代もその延長線上で、海外取材をするのが僕の仕事だと思っていました。

――次郎さんにとって、ファッションはどのような位置づけだったのですか?

石川:若者の風俗を伝えるにはどうしてもファッションが絡んでくる。そのとき、その場所で、どういう格好でいたのかということは、とっても重要な要素なのでね。それを伝えるには、それを表現できる、服がわかる人と一緒に現地に行くのが一番いい。しかもある意味、写真家よりも手っ取り早いだろうと。それに小林さんがずっと付き合ってくれました。考えてみればいい時代で、かなり生の情報が入ってきました。あの時期にやらなければ何をやるか、という感じでしたね。最初に67年にニューヨーク、68年にパリに行き、それから毎年1~2回外国に行きました。あのころは世界中でいろいろなことが起こっていました。自分たちの考え方や想いをデモや音楽やコンサートなどで伝えようとするなど、若者の行動が世界中のあちこちで起こり始めた。その連中がみんな面白いファッションをしていたんです。ニュースを伝えると同時にファッションが伝わった。僕はファッションの専門家でもなんでもないけれど、すごくいいチャンスに恵まれたし、それがとても貴重な情報だったのかも。重松さんも当時、そういう情報に飢えていたんじゃないですか?

重松:はい、なかなか情報が手に入らない時代でしたからね。同じイラストレーションでも、(週刊「平凡パンチ」の表紙のイラストを創刊号から担当した)大橋歩さんや、(長く「メンズクラブ」やVANのイラストを担当していた)穂積和夫さんのアイビーファッションなどの絵は、素敵だけれど自分の画風や作風があって、写真の機能ではないんです。一方で、小林康彦さんは写真がそのまま絵になっていたので、とてもファッションのお手本になったんです。

石川:一種のドキュメンタリーですよね。小林さんがすごくうまいのは、100%見た通りでもなくて。基本的には現物そのままなんだけど、いくつかの要素を組み合わせたり工夫したりして、ちょっと面白くしている部分がある。でも、けして嘘ではない。やりすぎてはいない。この本のp.49、p.52、p.66~69、p76などは当時の絵をあえて使っています。p.66は67年に初めてニューヨークに一緒に行ったときのものですね。

重松:われわれはこれを「平凡パンチ」の誌面のうえで見て、これをなぞってきました。こういう格好をしなくちゃ、海外に行くならここに行かなければ、という情報機能を当時のファッションページは果たしていたんです。

(vol.2に続く)


「日本現代服飾文化史 ジャパンファッションクロニクル インサイトガイド 1945~2021」

【Contents】
1. 1945-1950年 貧しい時代でもお洒落がしたかった
2. 1950-1959年 ファッションが動き出した
3. 1960-1969年 ファッションに自由がやって来た
4. 1970-1979年 経済成長が支えたファッション
5. 1980-1989年 おしゃれのエネルギーが頂点に!
6. 1990-2000年 流行はストリートから生まれてくる
7. 2000-2009年 誰もがセレブ気分になれた時代
8. 2010-2021年 ファッションの多様化は続く

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「スタイリング/」×「ディッキーズ」 シルエットにこだわったブルゾンとワイドパンツ

 マッシュスタイルラボの「スタイリング/(STYLING/)」は、ワークカジュアルブランドの「ディッキーズ(DICKIES)」とのコラボレーションアイテムを全国直営店と公式オンラインストアで7月20日に発売する。

 「ディッキーズ」のハイフォルム・ツイル素材をベースにしたコラボレーションでは、セットアップで楽しめる“パフスリーブ ブルゾン”(税込3万4100円)と“ハカマ ワイドパンツ”(同2万7500円)を用意する。カラーはそれぞれブラック、ベージュ、グリーンの3色。

 “パフスリーブ ブルゾン”は、「スタイリング/」が得意とするバルーンスリーブで腕まわりをカバーしつつ、動きのあるツイストでボリュームコンシャスなデザインを目指した。深いノーカラーの首元で、デコルテラインや顔まわりをスッキリした印象にする。裾は長めのリブで、メリハリのあるシルエットに仕上げた。

 “ハカマ ワイドパンツ”は「スタイリング/」で人気の“ハカマパンツ”をベースに、フロントプリーツをあしらった。バックポケットはヒップアップ効果が期待できる配置で、ウエストタブは3段階の調整が可能。コーディネートに合わせてスタイルを変えることができる。

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「ドクターマーチン」CEOに聞く、サステナビリティの重要性とブランド経営

  「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」が好調だ。2021年12月期のグローバル売上高は前期比18%増の9億830万ポンド(約1507億円)と大きく伸ばしている。日本でも、若者を中心に多くのユーザーに愛されるシューズブランドとして定着している。

 同ブランドを率いるケニー・ウィルソン(Kenny Wilson)CEOは、「リーバイス(LEVI'S)」や「キャス キッドソン(CATH KIDSTON)」などで要職を経験してきた人物だ。約3年ぶりに来日した同氏に、「今、最も重要だ」と語るサステナビリティの取り組みや、ブランド経営の極意を聞いた。

WWD:来日は何度目でしょうか?今回の目的は?

ウィルソン:100回目くらいかな(笑)。それくらいたくさん来ている。でも今回は3年近く期間が空いたから、すごく楽しみにしていた。来日の目的は、店舗見学やマーケット調査がメイン。日本チームともリアルでコミュニケーションがとれてうれしいよ。

WWD:日本のストリートを歩いた感想は?

ウィルソン:町のにぎわいがかなり回復しているね。アジアはEUに比べて回復が遅いが、活気が着実に戻っている。日本も同様だ。それと「ドクターマーチン」を履く人をたくさん見かけて、市場に浸透していると実感できたよ。日本はアジアで最も大きな市場で、アジア全体の売上高の3割を占める。パンデミック後も毎年成長を続けており、グローバルでも重要な市場だ。この先はインバウンドが戻ってくるし、ストリートカルチャーでもリーダー的な存在。日本でブランドが受け入れられているのは、数字以上に大きな意味がある。

WWD:日本では特に若年層の獲得に成功している印象だ。

ウィルソン:日本チームが素晴らしい仕事をしていて、若い消費者を多く獲得できている。昨年オープンしたブランドコンセプトストア「ドクターマーチン ショールーム ティーワイオー(Dr. Mrartens SHOWROOM TYO)」はそれに貢献しており、Z世代のコミュニティー形成にも手応えがある。同店はメイド・イン・イングランドやコラボモデル、“アイコンズ”(代表的なモデル)など、ブランドの顔であるヒーロー商品をそろえ、世界観に浸ることができる。その拠点を東京の中心地に構えているのは大きなアドバンデージだ。

WWD:グローバルでも大きく伸びている(前述)が、好調な理由は?

ウィルソン:ブランドの本質的な強さのおかげだ。「ドクターマーチン」は世界中で受け入れられ、若者にも支持されている。特に好調なチャネルはD2Cで、自社ECと直営店は3割増と急成長している。

WWD:なぜそれほど伸びたのか?

ケニー:理由はさまざまあるが、ウェブサイト開発は就任以来継続的に投資している。ブランドに興味を持った人は、最初にサイトをチェックするからね。そこでいい経験ができると、実店舗に来てくれる。店舗のスタッフはアンバサダーのような役割を担っていて、彼らがブランドの世界観を発信する。この両軸があってD2Cが伸びているんだ。

WWD:ユーザーの消費行動に変化はある?

ウィルソン:大きな変化は、サステナビリティへの意識の高まりだ。特にヨーロッパでは顕著で、サステナビリティに向き合っていないブランドは見向きもされない。ありがたいことに、われわれはすでに持続可能なブランドだと認識されている。それはすごくシンプルで、長く使えるから。僕のワードローブにも25年間使っている「ドクターマーチン」があるように、長期的に愛用する人が多い。それがサステナブルなイメージに直結している。

WWD:新しく仕掛けるサステナビリティの戦略は?

ウィルソン:プロダクト開発では大きく2つある。1つは、バイオベース(植物由来)のマテリアルで作られたシューズだ。現在は、アッパーをバイオベースにしたシューズを制作中で、来年から特定の市場で販売テストを行う予定だ。日本も対象に入れているから、楽しみにしてほしい。このほか、2040年までにアッパーからソール、シューレースまで、すべてのパーツをバイオベースにしたシューズを作る目標も掲げている。

 もう一つは、既存モデルをサステナブルな素材・制作過程に代替する。例えば「レザーワーキンググループ(LEATHER WORKING GROUP)」認証のレザーのみを使用すること。この認証はブランドとタンナー、薬剤メーカーが参加し、工場内の安全性や原料のトレーサビリティーなどを徹底するもので、どの牧場のどの牛から来たレザーなのかも把握できる。今後はさらにステップアップして、牧場で使う農地の活用も再生可能なものにしたいと考えている。

WWD:プロダクト以外では?

ウィルソン:リペアによる2次流通の拡大を目指す。われわれのシューズは耐久性が高く、回収・リペアして再び販売するシステムが成り立つ。ちょうど3カ月前にイギリスで実験的にスタートさせ、“1460”などのアイコンモデルを中心に不要になったシューズを回収・修理し、定価の85%で販売している。始めたばかりで数字のインパクトは小さいものの、購入者の99%が高い満足度を示しており、手応えを感じている。日本ではデニムをはじめ古着市場がホットだし、グローバルでも導入できるようにしたい。

“マーケティングはローカルで”が信条
「私はビジターでしかないから」

WWD:「リーバイス」や「キャスキッドソン」などで要職を歴任してきた。どんなことを学んだ?

ウィルソン:それぞれのブランドで本当に多くを学んできたが、私の考えに最も影響を与えたのは「リーバイス」で過ごした19年だ。そこではまず、ブランドビルディングの大切さを学んだ。「ドクターマーチン」には“1460”があるように、「リーバイス」には“501”がある。これらのアイコンを大事にしながら、新しい仕掛けを考えている。次に、ブランドを世界でマネジメントしていくこと。市場をどれだけ広げても、ブランドは同じ立ち位置で、同じイメージを発信しないといけない。一方で、市場には固有の性質がある。だから、“ブランディングはグローバルで、マーケティングはローカルで”が私の信条だ。例えグローバルなキャンペーンであっても実稼働はローカルに任せているし、ローカル独自のキャンペーンにはほとんど口を出さない。私はビジターでしかないからね。最後は、社員の育成だ。本社も店舗も関係なく、一人一人の動きがブランドのイメージに直結する。スタッフは誰よりもブランドを愛していなければいけない。

WWD:ファッションブランドとのコラボも積極的だ。

ウィルソン:光栄なことに、たくさんのブランドがわれわれとのコラボを求めている。これが、ブランドの信頼やイメージアップにつながっているのは間違いない。日本では、コラボもしているヨウジさん(山本耀司)が既存モデルも着用してくれていて、私のオフィスには「ヨウジヤマモト」のチーム全員が“1460”を着用している記念写真も飾っているよ。

WWD:コラボで意識していることは?

ウィルソン:ストリートでそれを見たとき、一目で「ドクターマーチン」だとわかること。「ドクターマーチン」らしさを維持した上で、デザイナーならではのツイストを加えてもらう。それを実現できるスキルとクリエイティビティーを持っている相手でないと、コラボは成功とは言えない。

WWD:4月にクリエイティブ・ディレクターに就任したダレン・マッコイ(Darren Mckoy)にはどんなことをリクエストした?

ウィルソン:“Dマック”は、ヘリテージとモダニティのバランスがとれた才能ある人物だ。7年間働いていてブランドを理解しているし、サブカルチャーにも詳しい。ブランドらしさを保ちながら、ルールを破れる人だと考えて起用した。これからも楽しい商品を提案し続けてくれるはずだ。

WWD:日本のファンにメッセージを。

ウィルソン:これからもブランドとエモーショナルな形でつながっていてほしい。われわれもみなさんに楽しんでもらえるようにたくさん仕掛けていくよ。ありがとう。

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「ドクターマーチン」CEOに聞く、サステナビリティの重要性とブランド経営

  「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」が好調だ。2021年12月期のグローバル売上高は前期比18%増の9億830万ポンド(約1507億円)と大きく伸ばしている。日本でも、若者を中心に多くのユーザーに愛されるシューズブランドとして定着している。

 同ブランドを率いるケニー・ウィルソン(Kenny Wilson)CEOは、「リーバイス(LEVI'S)」や「キャス キッドソン(CATH KIDSTON)」などで要職を経験してきた人物だ。約3年ぶりに来日した同氏に、「今、最も重要だ」と語るサステナビリティの取り組みや、ブランド経営の極意を聞いた。

WWD:来日は何度目でしょうか?今回の目的は?

ウィルソン:100回目くらいかな(笑)。それくらいたくさん来ている。でも今回は3年近く期間が空いたから、すごく楽しみにしていた。来日の目的は、店舗見学やマーケット調査がメイン。日本チームともリアルでコミュニケーションがとれてうれしいよ。

WWD:日本のストリートを歩いた感想は?

ウィルソン:町のにぎわいがかなり回復しているね。アジアはEUに比べて回復が遅いが、活気が着実に戻っている。日本も同様だ。それと「ドクターマーチン」を履く人をたくさん見かけて、市場に浸透していると実感できたよ。日本はアジアで最も大きな市場で、アジア全体の売上高の3割を占める。パンデミック後も毎年成長を続けており、グローバルでも重要な市場だ。この先はインバウンドが戻ってくるし、ストリートカルチャーでもリーダー的な存在。日本でブランドが受け入れられているのは、数字以上に大きな意味がある。

WWD:日本では特に若年層の獲得に成功している印象だ。

ウィルソン:日本チームが素晴らしい仕事をしていて、若い消費者を多く獲得できている。昨年オープンしたブランドコンセプトストア「ドクターマーチン ショールーム ティーワイオー(Dr. Mrartens SHOWROOM TYO)」はそれに貢献しており、Z世代のコミュニティー形成にも手応えがある。同店はメイド・イン・イングランドやコラボモデル、“アイコンズ”(代表的なモデル)など、ブランドの顔であるヒーロー商品をそろえ、世界観に浸ることができる。その拠点を東京の中心地に構えているのは大きなアドバンデージだ。

WWD:グローバルでも大きく伸びている(前述)が、好調な理由は?

ウィルソン:ブランドの本質的な強さのおかげだ。「ドクターマーチン」は世界中で受け入れられ、若者にも支持されている。特に好調なチャネルはD2Cで、自社ECと直営店は3割増と急成長している。

WWD:なぜそれほど伸びたのか?

ケニー:理由はさまざまあるが、ウェブサイト開発は就任以来継続的に投資している。ブランドに興味を持った人は、最初にサイトをチェックするからね。そこでいい経験ができると、実店舗に来てくれる。店舗のスタッフはアンバサダーのような役割を担っていて、彼らがブランドの世界観を発信する。この両軸があってD2Cが伸びているんだ。

WWD:ユーザーの消費行動に変化はある?

ウィルソン:大きな変化は、サステナビリティへの意識の高まりだ。特にヨーロッパでは顕著で、サステナビリティに向き合っていないブランドは見向きもされない。ありがたいことに、われわれはすでに持続可能なブランドだと認識されている。それはすごくシンプルで、長く使えるから。僕のワードローブにも25年間使っている「ドクターマーチン」があるように、長期的に愛用する人が多い。それがサステナブルなイメージに直結している。

WWD:新しく仕掛けるサステナビリティの戦略は?

ウィルソン:プロダクト開発では大きく2つある。1つは、バイオベース(植物由来)のマテリアルで作られたシューズだ。現在は、アッパーをバイオベースにしたシューズを制作中で、来年から特定の市場で販売テストを行う予定だ。日本も対象に入れているから、楽しみにしてほしい。このほか、2040年までにアッパーからソール、シューレースまで、すべてのパーツをバイオベースにしたシューズを作る目標も掲げている。

 もう一つは、既存モデルをサステナブルな素材・制作過程に代替する。例えば「レザーワーキンググループ(LEATHER WORKING GROUP)」認証のレザーのみを使用すること。この認証はブランドとタンナー、薬剤メーカーが参加し、工場内の安全性や原料のトレーサビリティーなどを徹底するもので、どの牧場のどの牛から来たレザーなのかも把握できる。今後はさらにステップアップして、牧場で使う農地の活用も再生可能なものにしたいと考えている。

WWD:プロダクト以外では?

ウィルソン:リペアによる2次流通の拡大を目指す。われわれのシューズは耐久性が高く、回収・リペアして再び販売するシステムが成り立つ。ちょうど3カ月前にイギリスで実験的にスタートさせ、“1460”などのアイコンモデルを中心に不要になったシューズを回収・修理し、定価の85%で販売している。始めたばかりで数字のインパクトは小さいものの、購入者の99%が高い満足度を示しており、手応えを感じている。日本ではデニムをはじめ古着市場がホットだし、グローバルでも導入できるようにしたい。

“マーケティングはローカルで”が信条
「私はビジターでしかないから」

WWD:「リーバイス」や「キャスキッドソン」などで要職を歴任してきた。どんなことを学んだ?

ウィルソン:それぞれのブランドで本当に多くを学んできたが、私の考えに最も影響を与えたのは「リーバイス」で過ごした19年だ。そこではまず、ブランドビルディングの大切さを学んだ。「ドクターマーチン」には“1460”があるように、「リーバイス」には“501”がある。これらのアイコンを大事にしながら、新しい仕掛けを考えている。次に、ブランドを世界でマネジメントしていくこと。市場をどれだけ広げても、ブランドは同じ立ち位置で、同じイメージを発信しないといけない。一方で、市場には固有の性質がある。だから、“ブランディングはグローバルで、マーケティングはローカルで”が私の信条だ。例えグローバルなキャンペーンであっても実稼働はローカルに任せているし、ローカル独自のキャンペーンにはほとんど口を出さない。私はビジターでしかないからね。最後は、社員の育成だ。本社も店舗も関係なく、一人一人の動きがブランドのイメージに直結する。スタッフは誰よりもブランドを愛していなければいけない。

WWD:ファッションブランドとのコラボも積極的だ。

ウィルソン:光栄なことに、たくさんのブランドがわれわれとのコラボを求めている。これが、ブランドの信頼やイメージアップにつながっているのは間違いない。日本では、コラボもしているヨウジさん(山本耀司)が既存モデルも着用してくれていて、私のオフィスには「ヨウジヤマモト」のチーム全員が“1460”を着用している記念写真も飾っているよ。

WWD:コラボで意識していることは?

ウィルソン:ストリートでそれを見たとき、一目で「ドクターマーチン」だとわかること。「ドクターマーチン」らしさを維持した上で、デザイナーならではのツイストを加えてもらう。それを実現できるスキルとクリエイティビティーを持っている相手でないと、コラボは成功とは言えない。

WWD:4月にクリエイティブ・ディレクターに就任したダレン・マッコイ(Darren Mckoy)にはどんなことをリクエストした?

ウィルソン:“Dマック”は、ヘリテージとモダニティのバランスがとれた才能ある人物だ。7年間働いていてブランドを理解しているし、サブカルチャーにも詳しい。ブランドらしさを保ちながら、ルールを破れる人だと考えて起用した。これからも楽しい商品を提案し続けてくれるはずだ。

WWD:日本のファンにメッセージを。

ウィルソン:これからもブランドとエモーショナルな形でつながっていてほしい。われわれもみなさんに楽しんでもらえるようにたくさん仕掛けていくよ。ありがとう。

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アシックスが“ゲルライトスリー”の新作発売 スニーカーファンのSNS投票でデザイン決定

 アシックス(ASICS)はこのほど、スポーツスタイルカテゴリーで、スニーカーファンの投票によって選ばれたデザインを具現化した“ゲルライトスリーオージーコネクト(GEL-LYTE Ⅲ OG CONNECT)”を発表した。アシックスの無料会員サービス「ワンアシックス(OneASICS)」会員向けに、オンラインストアで7月22日に先行発売し、7月29日からは原宿フラッグシップや大阪心斎橋などの店舗で販売する。サイズは23.0〜30.0、31.0を用意し、価格は税込1万5400円。

 “ゲルライトスリー”は、アシックス社員の三ツ井滋之が1990年に手掛けたモデルで、ベロ部を縦に大きく分割し、甲の部分を包み込むようにフィットさせる独自構造“スプリットタン”を採用したのが特徴だ。今回発表したモデルは、デザインチームが消費者趣向からシーズナルカラーを主体としたデザイン6案を制作し、SNSで投票を受け付けて決定したもの。柔らかい風合いのヌバックアッパーに、バニラとスモークグレーの落ち着いた同系色でまとめた。

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今一番売れている女性誌「ハルメク」のシンクタンク部門に聞く 注目の50〜60代市場のつかみ方

 雑誌不況の中で快進撃を続け、現在、女性誌として日本最大部数(2022年6月時点で約44万部)を誇るのが、「50代からの女性誌」を掲げる定期購読誌の「ハルメク」だ。1996年創刊の「いきいき」がその前身で、2016年に「ハルメク」に刷新。同誌を発行するハルメクは、出版事業だけでなくシニア向けの通販や小売りにも取り組んでおり、シニア専門のリサーチやマーケティングを手掛けるシンクタンク「生きかた上手研究所」もグループ内にある。日本女性の過半数が50代以上となり、ファッションやビューティ業界でも50〜60代向けのブランドやサービスの開発が急増しているが、「生きかた上手研究所」の梅津順江所長に、50〜60代市場攻略のヒントを聞いた。

WWD:まずはハルメクの組織について。ハルメクと聞くと雑誌をイメージする人が多いが、実際はシニア世代向けにさまざまな事業を手掛けている。

梅津順江ハルメク「生きかた上手研究所」所長(以下、梅津):雑誌の「ハルメク」が多くの方にとっての入り口になっているが、毎月発行しているカタログ通販誌には約70万人のお客さまがおり、われわれは「シニア女性の生活を丸ごと応援する」といった考え方を持っている。紙の媒体だけでなく、ウェブサイトの「ハルメクWEB」事業も順調に成長しているし、文化事業として旅行やイベント、講座なども行っている。ファッション商品やコスメ、生活用品を集めた小売りの「ハルメク おみせ」は全国の百貨店などに現在7店を出店している。他にも、靴の事業やヘルスケア事業、“終活”関連の事業などもあり、われわれのビジネスはなかなか一言では言い表しづらい。同じような業容を手掛ける企業が見当たらないため、競合企業を聞かれると困ってしまうぐらいだ。

 シニアは日々変化し、進化している。その一例として、コロナ禍以降はデジタルに対する意識も高まっている。だからこそ、われわれも「昨日あったことが今日更新されているか」といった視点を会社として非常に大切にしている。「シニアとはこういうもの」と思い込まないことが非常に重要だ。「昔と比べて今のシニアは〜」といった言い方をする人もいるが、“昔”がいつを指すのかは人によって違うし、1年前どころか、半年前と比較したってシニアの意識や価値観は変わっている。

WWD:シニアの専門商社のようなハルメクの中で、「生きかた上手研究所」はどのような役割を担っているのか。

梅津:「生きかた上手研究所」が立ち上がったのは14年の4月。聖路加国際病院の名誉院長であった、故日野原重明先生の著書「生きかた上手」が研究所名の由来になっている。われわれはハルメクのシンクタンク部門として、社内の編集部門や通販用の商品開発部門などにリサーチ結果やマーケティングデータを共有しているほか、最近はBtoB事業として、外部企業へのシニアマーケットについてのコンサルティングを行ったり、レポートを販売したりもしている。

 われわれの研究所の大きな強みとなっているのが、現在約3800人が登録しているモニター組織の「ハルトモ」だ。15年5月にスタートした組織で、アンケートやインタビューに協力してもらっている。自身の感覚や考えを言葉にするのがうまい人が多く、誌面のライターを務めてくれている人もいる。社内で新規のサービスや事業をスタートする際、「ハルトモ」はなくてはならない存在だ。「ハルメク」誌面でチャレンジ企画を立ち上げるときには、必ず事前に「ハルトモ」の意見を聞いている。

WWD:研究所と外部企業との取り組みにでは、具体的に過去にどのような実績があるのか。

梅津:例えば、「眼鏡市場」とは(シニアグラスの)“アイグレース”を共同開発し、21年11月に発売した。それ以前から「眼鏡市場」は60代女性向けの眼鏡を企画していたが、「なんだかターゲットにはまらない」と感じていたようだ。それで、1年間かけて「ハルトモ」メンバーによるモニター会を3回実施し、ニーズを探った。1年間というのは開発スパンとしてはかなり長期な方で、もっと短期で進むプロジェクトも多い。

 “アイグレース”の開発に関して言えば、とにかくこの世代の女性は欲張りで、そのうえストライクゾーンは狭い。顔の造形や趣味嗜好が1人1人違うのはもちろんだが、かけたときにおしゃれに見えないといけないし、同時に視力は落ちているので機能面の要求も増えている。さらには、「品よく見せたいけど同時に個性もほしい」「安心したいけど冒険も必要」といった無理難題も出てくる。「私はまつ毛のエクステをしているから、まつエクに干渉しない眼鏡でないといけない」といった意見がモニターから出たときは私も驚いたし、ほかに「眉毛の形が若いころより下がっているので、それに合うものがほしい」という声もあった。こうした多様な意見を受けて、“アイグレース”では商品を1つに絞ることなく複数型企画し、さらに店頭で微調整することでカスタマイズできるようにしている。

「シニアは自分をシニアとは思っていない」

WWD:50〜60代市場には近年注目が集まっており、参入する企業も多い。その中で「50〜60代市場のことならハルメクに聞け」というように認知を得ているのは、やはり「ハルトモ」の存在が大きいのか。

梅津:「ハルトモ」組織に加えて、「ハルメク」編集部には読者からのアンケートハガキも毎月2000〜3000枚ほど届いている。編集部主導ではあるが、われわれ研究所もそれらのハガキにも目を通している。今この瞬間に、対象となる層が何を考えているのかをつかもうとする意識は会社全体に強く根付いていると思う。それは、(定期購読や通販という形で)流通を通さずにダイレクトマーケティングを行ってきた企業だからという面が大きい。

 私自身は化粧品会社やリサーチ会社をへて、16年3月にハルメクに入社した。それから6年がたったが、「生きかた上手研究所」がリサーチ結果を社内外に発信してきたことで、世の中全体として50〜60代への理解が進んだという自負がある。私は現場が好きなこともあって、今もオンライン、オフライン合わせて年間800〜1000人ほどに話を聞いている。

WWD:ファッションやビューティ関連企業がこれからシニアマーケットに参入する際、どのような点に気を付けるべきか。

梅津:この世代は自分のことをシニアだなんて少しも思っていない。言葉の選び方として、「『ハルメク』世代の何%が支持しています」といった表現をすると、ファッションや美に関する領域では逆に敬遠されてしまう。自分たちのことを決めつけてほしくないと彼女たちは思っていて、自身がいいと感じたものを買うだけ。だから、「シニア向け」「50〜60代向け」といった表現はファッションなどでは避けた方がいい。一方で“困りごと系”、例えばデジタル関連や健康についての企画や商品は、あえて「50歳からの〜」といった表現を使った方が刺さりやすいといった違いもある。ファッション分野で言えば、服をとにかく沢山持っているのがこの世代の特徴でもある。そこをくすぐる表現として、「今あるアイテムを生かす」「1点足すと着回しの幅が広がる」といったアプローチには好反応が得られるケースが多い。


 「WWDJAPAN」編集部は7月22、29日に、“主役世代(50〜60代)”と“Z世代”にフォーカスを当てた、世代別マーケティングのオンラインセミナーを開催します。22日には、梅津順江ハルメク「生きかた上手研究所」所長も登壇。梅津所長による50〜60代市場のより詳しい分析や、同市場攻略のためのヒントをお聞きになりたい方は、こちらから是非お申し込みください。

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