「ナーズ」からジェルのような新感覚リップティントが登場

 「ナーズ(NARS)」は、新作の“エアーマットウルトラリップティント”を12月16日に発売する。価格は税込4070円で、カラーは同ブランドのアイコニックシェード“ドルチェ ヴィータ(DOLCE VITA)”に着想を得たソフトブラウン、ソフトローズ、モーヴヌード、バランスドレッド、ベリーレッド、ダスティローズの6色を用意する。

 リップティントは、軽やかなジェルのようなフォーミュラで、8時間のロングラスティング力と発色の良いマットな質感が特徴。ワイルドマンゴーバター(アフリカマンゴノキ核脂)を配合し、唇にうるおいを与えながら、柔らかくふっくらした質感に仕上げる。

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「スラムダンク」愛に溢れた業界人のバッシュコーデと忘れられない名シーン 音響監修と声優協力した俳優や「ファセッタズム」デザイナーら

 漫画「スラムダンク(SLAM DUNK)」の映画「THE FIRST SLAM DUNK」が12月3日に公開された。原作は「人生観を変えた漫画」と言われるほど人々に感動を与えており、発売から30年以上経った今でも多くのファンから親しまれている。そこで、「スラムダンク」愛に溢れたデザイナーや編集者、モデルらの業界人に、同作の魅力やバスケットボールシューズを取り入れたコーディネートを紹介してもらった。

落合宏理/「ファセッタズム」デザイナー

 落合宏理「ファセッタズム(FACETASM)」デザイナーも、自他共に認める「スラムダンク」好きの1人だ。「挫折するけど立ち上がる三井寿と、仲間思いの熱い堀田徳男がお気に入り。彼の発言や行動には感動させられます。数ある名場面の中でも、絶対王者の山王工業との試合で、開始直後に宮城と桜木が変顔でアイコンタクトをとりながら、桜木がきれいにアリウープを決めるシーンが印象に残っています。三井が体力の限界から、これまでで一番の高く美しい弧を描いて3ポイントシュートを決めたシーンも感動しましたね」。

 スニーカーでコーディネートする時は、「いつもボトムとのバランスに気をつけている」という落合デザイナー。この日は、自身のブランドの縮絨ウールのセットアップに、愛用している“ア マ マニエール×ナイキ エア ジョーダン 2 エアネス(A MA MANIÉRE × NIKE AIR JORDAN 2 AIRNESS)”を組み合わせて登場した。

阿部勇紀/「ハイプビースト ジャパン」編集長

 阿部勇紀「ハイプビースト・ジャパン(HYPEBEAST JAPAN)」編集長は、「スラムダンク」をきっかけにバスケットボールにハマり、NBAは毎回欠かさずチェックしているという。“バスケの神様”と評されるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)が着用した最初期のシグネチャーモデル“ナイキ エア ジョーダン1(NIKE AIR JORDAN1)"は、20年以上愛用している。そんな阿部編集長は、ジョーダンが1984年に初めて試合で履いたモデルと、同年に製作された「リーバイス(LEVI'S)」“501”を合わせたコーディネートで登場。足元は11月に発売されたばかりの、4度目の復刻を果たした“エア ジョーダン1 シカゴ(AIR JORDAN 1 CHICAGO)”だ。「現在のトレンドを押さえた秀逸なビンテージ加工と、1985年のデッドストックが数十年後に発見されたというコンセプトに引かれました。仕事柄、ハイプなスニーカーを履くことも多いので、他のアイテムはあまりはやりものにならないように気をつけています」。

 お気に入りキャラクターは、“あきらめの悪い男”三井寿。「男性ファンはみんなミッチーが好きなんじゃないでしょうか?彼にはたくさんの名シーンがあり、個人的には翔陽戦が好きです。『ここで働けなけりゃ...オレはただの大バカヤロウだ』というセリフにグッときますね」。

新岡潤/モデル・俳優

 モデル・俳優として活動する新岡潤さんは、小学校3年生のとき、バスケットボール部のコーチだった当時の担任に誘われてバスケットボールを始めたという。「スラムダンク」に出てくる山王工業高校のモデルとなった能代工業高等学校に進学し、インターハイと国民体育大会それぞれで優勝した。そして今回、全国での経験を活かし、映画『THE SLAM DUNK』にてプレー中の音響監修、また声優としても協力している。特に思い入れがあるのは、“ナイキ エア マックス ペニー1(NIKE AIR MAX PENNY 1)。「小学生の時、『スラムダンク』を見て山王工業の沢北栄治に憧れました。彼のモデルになっているペニー・ハーダウェイ(Penny Hardaway)が愛用していたシューズがどうしてもほしかったんですが、母親にねだってもダメで。当時はずっとバスケットボール雑誌を眺めていました」。2022年に復刻することを知り、即購入。この日はシューズの色に合わせて、洋服もブラックやネイビー、グレーなどのモノトーンカラーでまとめた。

 好きなキャラクターは、もちろん沢北だ。「能代工業に進学して、日本一になることを目標にバスケを始めたんです。彼が山王工業のエースであること、あの時代にしてアメリカ行きを決め、日本一で満足せず、さらに上を目指す姿勢がすごい!好きシーンは選びきれないけれど、強いていうなら、安西先生が山王工業戦で、『おい......見てるか谷沢......お前を超える逸材がここにいるのだ......!!それも...... 2人も同時にだ』と亡き教え子に問いかけながら頭を抱えるところ。NBAで活躍中の八村塁選手や渡邊雄太選手と重なって、彼らの試合を見るたびに、僕も頭を抱えています(笑)」。

鈴木里美/「オズ ヴィンテージ」オーナー兼バイヤー

 ファッション業界で厚い信頼を得ている「オズ ヴィンテージ(OZ VINTAGE)」の鈴木里美オーナーは、「『スラムダンク』を読み、中学校1年生のときにバスケットボール部に入部。初めて購入したのは“アシックス ファブレ ジャパンL(ASICS FABLE JAPAN L)”で、「スラムダンク」の三井寿が履いているものと同じモデルです」と話す。「ハイテクスニーカーに飽きてきた頃、クラシックなものがほしくなり、このモデルを発見。硬派な見た目と、自分にとってのユースカルチャーを感じさせるところ、また、デカ履きすることで、重たい冬の装いに安定感が出るところが気に入っています」。この日は、ハリのあるボリューミーな装いをスニーカーでカジュアルダウン。靴が生きるようにスカートの長さに気を付けるなど、細部にまで気を配っているのも鈴木オーナーならではだ。

 「桜木花道の明るい性格と腕っぷしが強いところに引かれますね。登場から最後まで、毎秒欠かさず進化しているのも魅力。好きなシーンは、山王戦の大事な場面で、宮城リョータがこぼしたルーズボールに花道が突っ込むところ。山王戦はストーリーやセリフなど、全てに目が離せませんが、コマ割りや構図、吹き出しの使い方などは特に好きで何度も見直しました」。

渡部かおり/編集者・ライター

 プラットフォーム「ザ シー(THE SHE)」のディレクターであり、広告やモード誌も手掛ける渡部かおりさん。365日ほぼ毎日スニーカーという、シューズを合わせた着こなしが定番の彼女は、“ファセッタズム ×ナイキ ジョーダン ミッド“ホワイト/ネイビー(FACETASM × NIKE JORDAN 1 MID "WHITE/NAVY")”をセレクト。「モデルのUTAさんのビジュアルがカッコよくて購入しました。持っているスニーカーの9割はインラインのもので、どちらかというとコラボものは避けていたんです。でも『ファセッタズム』の落合さんは、同世代で、触れてきたカルチャーも勝手ながら通ずるものがあり、色使いやディテールも『分かる!』と共感するばかりだったので、なんとしてでもほしかった。アメリカのバスケットボールチーム『シカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)』のオレンジをプルバックに使っているところが1番好きです」。

 「お気に入りは、“メガネ君”の愛称で親しまれている木暮公延。サブキャラだけれど、湘北高校の知性の象徴だから。知性があるからこその優しさと強さが魅力ですね。練習のシーンでいつもかわいいTシャツを着ていて、すべてのプリントをチェックしています」。メガネくんへのオマージュを込めて、「アリーズ(ARIES)」の生まれた地であり、自身の縁の地でもあるイギリスの国旗がプリントされたTシャツを着たという。「好きな台詞は選びきれないほどありますが、『“負けたことがある”というのがいつか大きな財産になる』『俺は三井、あきらめの悪い男』『まだあわてるような時間じゃない』の3つが印象的ですね」。

山口貴紀/エドストロームオフィス PR

 エドストロームオフィスの PRである山口貴紀さんのイチ押しは、5年ほど前から大切に履いているという1984年の“ナイキ ダブル チーム ハイ(NIKE DOUBLE TEAM HI)”。17年ほど前に平本ジョニー「フェノメノン(PHENOMENON)」デザイナーが雑誌のスナップで履いているところを見たこと、また当時、自分の中で1980’sブームだったことがきっかけで、とても探し回ったという。「当時はいくら探しても、モデル名さえ分からなかったんです。名前にはたどり着きましたが、全然売っていなくて。そうしたら、まさかのジョニーさんが譲ってくれた上に、「フェノメノン」のデザイナーであるオオスミさんからジョニーさんに受け継がれた貴重なスニーカーというサプライズ付きだったんです」。

 「魅力は、ボクシングシューズのようにしっかりとフィットすること。おそらくプレーする上で、足首をサポートし、怪我を極力防げるようにしたんでしょうね。実は靴の中にさらにもう1レイヤーのシューレースがあり、履くのに結構な時間がかかるので、あんまり利便性は高くないんですけど(笑)」。コーディネートのポイントは、「スタジャン、チームロゴ、バスケットシューズと愛を足して4で割った感じ」と回答。足元とトップスのロゴの色をリンクさせたり、ワイドパンツを靴のボリュームと合わせたりするなど、バランスの取り方も計算されている。そんな山口さんが好きなキャラクターは、スポーツ用品店の店長。「先見の明と計2足のバッシュを30円と100円で手放す神対応っぷりに感動しました。海南大附属との予選決勝リーグで、パスミスをして敗退したチームの責任を追って、桜木が坊主にし、チームに復帰するまでの一連の流れも好きです」。

ミシェル/「ベベ」エクスクルーシブ・ディレクター

 ビンテージショップ「ベベ(BÉBÉ)」を主宰し、20代から支持を集めるインフルエンサーのミシェル(Michelle )さん。鮮やかなピンク色のシャツで差したパンツスーツの着こなしに、“メゾン シャトー ルージュ×ナイキ エアジョーダン1 ミッド SE(MAISON CHATEAU ROUGE × NIKE AIR JORDAN 1 MID SE)”を選んだ。「3年ほど前にパリに滞在していたとき出合ったのがきっかけ。“ジョーダン”のミドルカットはもともと形が大好きで、これは淡い色合いに、タンの赤いステッチが効いているところに引かれました。まわりと被らないのも愛用ポイントです」。

 「好きなキャラクターは桜木花道です。怖いもの知らずの負けず嫌いなところなど、悔しいと思ったら惜しまず努力するところ。まぶしいくらい真っすぐな性格に心をつかまれましたね。彼のやっている『好きなことを楽しむ』って、実は続けることがとても難しい。それでも諦めずに続けている姿勢に感心します」。

奥冨直人/「ボーイ」ショップオーナー

 渋谷に店舗を構えるセレクトショップ「ボーイ(BOY)」オーナーで、DJとしても活動している奥冨直人さんが提案するのは、“コンバース オールスター ハイ(CONVERSE ALL STAR HI)”。「このモデルを初めてゲットしたのは小学校6年生の頃。当時、自分の中で一番バスケに熱中している時期だったのですが、それよりもたくさんのミュージシャンが履いていることに影響を受けて、これまでに各色、何足と買ってきました」。この靴はおよそ10代目で、2019年頃から愛用している。シンプルな見た目でコーディネートしやすく、すっきりとしているのにロックな雰囲気があるところが魅力だそう。刺しゅうや染めを得意とするブランド「ベビ(BEBI)」のスエットに、日本のギャルファッションをけん引してきた「ココルル(COCOLULU)」のデニムを合わせ、カルチャーも時代もミックスしたアメカジスタイルを披露。小物は「コロンビア(COLUMBIA)」のキャップと「マルニ(MARNI)」のバッグで色を統一している。

 「三井寿の、人として真っすぐで熱い性格や不器用なところも人間らしくて好き。彼には、物語が進めば進むほど魅力を感じます」と奥冨さん。「シーンで言うなら、ベタだけど、『安西先生...!!バスケがしたいです......』。葛藤、挫折、苦悩、その先に溢れたバスケと安西先生への思いが染み渡っていて、鳥肌が立ちます」。

32/「タロ」美容室オーナー、美容師

 小学生の頃、お兄さんの部屋で読んだことをきっかけに、「スラムダンク」にハマったという美容師の32(ミツ)さん。「いつ読んでもドキドキするし、時を経てもキャラクターのヘアスタイルが色褪せないことも魅力」と話す。愛用シューズは“ ナイキ エア ジョーダン1 レトロ ハイ OG ルーキー オブザ イヤー(NIKE AIR JORDAN 1 RETRO HIGH ROOKIE OF THE YEAR)”。「サッカー部出身でバスケについて詳しくないくせに『スラムダンク』が大好きだから、王道の形と配色を履くのが経験者に対して申し訳なくて(笑)。これはマイケル・ジョーダンが新人賞を受賞した時に着用していたジャケットからインスパイアされたもの。後ろめたさが少なくていいんです」。32さんは、“湘北カラー”と言われる赤と黒のシャツをジャケットの下に取り入れたコーデを披露した。

 お気に入りキャラクターは、“ゴリ”の愛称で親しまれる赤木剛憲。陵南戦の終盤に小暮が3ポイントシュートを決めた後、赤木と小暮がハイタッチをするシーンが印象に残っているそう。「3周まわって彼が好き。誰よりも情熱があって、バスケにも人にも真っすぐなところが特に引かれます。18歳で『たわけ』と訛りを使うところもチャーミング。話をリードする彼がいるからこそ、ほかのキャラクターが生かされている気がします。山王戦のタイムアウト時のベンチで、円陣を組むシーンがあります。『オレたちゃ別に仲良しじゃねえし、お前らには腹が立ってばかりだ。だが...(このチームは......最高だ......)』と赤木が言うセリフに、同作のすべてが詰まっていると思います」。

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「シャネル」がセネガルで2022-23年メティエダール・コレクションを発表 現地アーティストや農家と長期的な関係構築も

 「シャネル(CHANEL)」は12月6日、西アフリカにあるセネガルの首都ダカールで、2022-23年メティエダール・コレクションのショーを開催した。欧州のラグジュアリーブランドが、サハラ以南のアフリカでファッションショーを行ったのは初めて。

 メティエダール・コレクションは、刺しゅうのモンテックスやルサージュ、羽根細工のルマリエ、金細工のゴッサンス、プリーツのロニオンなど、傘下の専門アトリエの技術や芸術的な手仕事を称えるもので、故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏が20年前にスタート。ここ2年はパンデミックの影響もあってフランス国内で発表してきたが、それ以前は東京やニューヨーク、上海、ローマ、エジンバラなど世界のさまざまな都市で発表していた。

 今回、その伝統を再開するに当たってダカールを選んだのはなぜだろうか。ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)=ファッション・コレクション部門アーティスティック・ディレクターは、これまでアフリカを訪れたことはなかったが、アート分野の新たなハブとなりつつあるこの街によく遊びに行く友人たちの話を耳にするうちに魅了されたのだという。「メティエダール・コレクションなので、クリエイティブな交流ができるダカールはぴったりだと思った」と語る。

 その言葉通り、クリエイティビティーにあふれたコレクションだった。カラフルな衣装に身を包んだコンゴの“サプール”や1970年代のスピリットを受け継いだパンツスーツ、色鮮やかなビーズで飾られたベスト、幾何学模様のスカートのほか、ティアードスカート、フレアジーンズ、プラットフォームシューズなどがランウエイに登場。メゾンが大切にしてきたコードは、カメリアなどフラワーモチーフのパッチワーク、パールやスパンコール、ラインストーンを使用したまばゆい刺しゅう、そしてマルチカラーのツイードなどに脈々と息づいている。

 なお、今回のショーは3日間にわたって開かれたカルチャーイベントの一部で、ワークショップなども行われた複合的なもの。かつて司法宮だったという会場には、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)、ホイットニー・ピーク(Whitney Peak)、小松菜奈、モナコのカロリーヌ王女(Princess Caroline of Monaco)とその娘であるシャルロット・カシラギ(Charlotte Casiraghi)らを含め約850人のゲストが集合。マキシマリスト的なアプローチやレトロなムード、そして「シャネル」ならではのアリュールやサヴォアフェール(受け継がれる職人技術)が見事に融合した作品群に、盛大な拍手を送っていた。

長期的な関係構築も目的の一つ

 今回のコレクションには、現地のアーティストらが多数携わっている。ショーのオープニングでは、セネガルのシンガー、オブリー・ダマン(Obree Daman)や、同国のダンサー兼振付家ジャーメイン・アコニー(Germaine Acogny)が運営するダンススクールの生徒たちがパフォーマンスを披露。ルックブックの撮影はやはりセネガルの写真家マリック・ボディアン(Malick Bodian)が手掛け、フランスの映画監督ラジ・リ(Ladj Ly)がパリとダカールに設立した映画学校クルトラジュメ(Kourtrajme)の学生たちがコレクションにまつわるさまざまな映像を制作した。ヴィアール=アーティスティック・ディレクターは「また彼らと一緒に仕事をするのが楽しみ」と話し、長期的な関係を構築することも目的の一つだと述べた。

 こうした姿勢は、“文化の盗用(Cultural Appropriation)”と批判されることを避けるためだと思われがちだが、そうではないとアコニーは話す。「再び植民地化されるようなことは決して容認できないが、『シャネル』は敬意を持ってアプローチしてくれたし、何かを押し付けるために来たわけではないと感じた」と、ダンススクールの生徒たちに説明したという。

 また、2015年から「シャネル」のアンバサダーを務めるファレルは、「セネガルはフランスの植民地だったが、ポルトガルやオランダに占領されていたこともある。そうした歴史を深く理解するフランスのメゾンが現地を訪れ、うわべや口先だけの平等を唱えるのではなく、実際にそのカルチャーに敬意を払いながらともに仕事をする様子は本当に美しいものだと思う。人道に関する対話が起きている今、何をすべきかについて『シャネル』は一つの手本を示した」とコメントした。
 
 21年にブランドのアンバサダーとなったばかりのピークは、「シャネル」のショーに参加するのは2回目だという。「私はウガンダ生まれで、アフリカがホームだと思っているため、今回のコレクションにかかわることができて本当に誇らしく思っている。ただショーを開催するのではなく、セネガルのカルチャーの真価を認め、コミュニティーに還元できていることがうれしい」と述べた。

「コロナ後は新たなアプローチが必要」

 ブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=シャネル ファッション部門プレジデント兼シャネルSASプレジデントは、海外でショーを開くに当たり、コロナ後は新たなアプローチが必要だと語る。「たった20分のショーを開催するためだけに、遠い国まで行くことはできない。もうそういう時代ではない」。こうしたこともあり、「シャネル」は傘下のアトリエが集合している複合施設「le19M」の展示会を23年1月12日から3月31日までダカールで行う。同氏によれば、これは「誰でも入場できるが、特に学生や職人の見習いなどを対象にしている」もの。また、現地の複数の学校とパートナーシップ契約を締結する手続きをしているという。

 これらに加えて、「シャネル」はサステナビリティに関する取り組みの一環として、セネガルの農家からオーガニックコットンを調達する計画を立案。「セネガルは伝統的にコットンの生産地ではあるが、われわれの基準を満たすには品質を向上する必要がある。3~5年後には、質の高いコットンを公正な価格で調達できるようにしたい」と説明した。
 
 コレクションは全てパリで製作されたものの、キャストはセネガルなどアフリカ出身のモデルを19人起用した。一方で、西アフリカに「シャネル」の顧客は大勢いるが、店舗をオープンするのは時期尚早だと同氏は言う。「アフリカ各国の都市と、欧州や米国の都市おける平均的な生活水準にはまだ重大なギャップがある。また、われわれがダカールに来たのは商売をするためではなく、そのクリエイティブなエネルギーに加わり、互いに有益な結果を得るためだ」。

 パリのショーでは頭から爪先まで「シャネル」を身に着けた観客がほとんどだが、今回は「シャネル」のバッグやジャケットに、アフリカのデザイナーによるモダンなウエアや伝統的な衣装を組み合わせた装いも多く見られた。ファレルは、「10年以上にわたって『シャネル』のショーに参加しているが、ここにはこれまでで最も素晴らしいファッションセンスの持ち主たちが集まっている」と称えた。

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1位は、起業から5年で年商10億円 高級ブランドも信頼する元双子タレント広海の「仕事の流儀」| 週間アクセスランキング TOP10(12月1〜7日)

 週間アクセスランキング TOP10(12月1〜7日)

「WWDJAPAN」 ウイークリートップ10

 1週間でアクセス数の多かった「WWDJAPAN」の記事をランキング形式で毎週金曜日にお届け。
今回は、12月1(木)〜7日(水)に配信した記事のトップ10を紹介します。

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- 1位 -
起業から5年で年商10億円 高級ブランドも信頼する元双子タレント広海の「仕事の流儀」

 双子のオネエ系タレントとしてテレビや舞台に出る一方、イベントのMCとしても活動していたHIROMI・FUKAMI(広海・深海)。彼らは今、ファッション&ビューティ業界のプロフェッショナルとして活躍している。FUKAMIがスタイリストとして活動の幅を広げ、ブランドのクリエイティブディレクションなども手がける一方で、HIROMIは2018年にデジタルマーケティング企業の株式会社Hiを設立して代表取締役に就任。

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- 2位 -
ユニクロが13代目市川團十郎の襲名、市川新之助の初舞台を記念した祝幕を贈呈 Tシャツ4型を発売

12月05日公開 / 文・福永千裕

 ユニクロは、歌舞伎俳優の市川海老蔵改め13代目市川團十郎白猿の襲名と、その長男である8代目市川新之助の初舞台を記念して制作した祝幕を歌舞伎座に贈呈した。さらに、これを祝ったTシャツコレクションを発売した。デザインは4種類で、価格は1990円(税込、以下同)〜2490円。一部店舗とオリジナルTシャツが作れるUTme! オンラインサイトで取り扱っている。

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- 3位 -
デムナと「バレンシアガ」のCEOが謝罪 炎上したホリデーキャンペーンへの批判が止まず

12月05日公開 / 文・MILES SOCHA

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデムナ(Demna)=アーティスティック・ディレクターは12月2日、児童虐待に当たるとして批判を受けて取り下げたホリデーキャンペーンについて、自身の公式インスタグラムで謝罪した。また、セドリック・シャルビ(Cedric Charbit)社長兼最高経営責任者(CEO)もブランドの公式インスタグラムに再発防止策などを含む謝罪文を投稿した。

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- 4位 -
チャンネル登録者数141万のユーチューバー「かの/カノックスター」がファッションにも本気宣言!

12月06日公開 / 文・三澤 和也

 フード系ユーチューバーの「かの/カノックスター」をご存じだろうか?モッパン(大食い)動画が人気を博し、今やチャンネル登録者数は141万。TikTokのフォロワー数は、その上をいく200万だ。ソフトバンクのCMに出演したり、ザ・スーツカンパニー(青山商事)のイメージキャラクターを務めたり、写真集「アイアム カノックスター」(トランスワールドジャパン)を出版したりとその活動は“食”だけにとどまらない。そんな、かの/カノックスターの原動力はファッションだという。本人に聞いた。

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- 5位 -
「ハフ」と「ナイキ SB」からコラボ“ダンク ロー”が登場 カラーはランダムに決定

12月02日公開 / 文・WWD STAFF

 「ハフ(HUF)」は、ナイキ(NIKE)のスケートボードライン「ナイキ SB」とコラボレーションしたスニーカー“ダンク ロー(DUNK LOW)”を発表した。価格は税込1万2100円で、ホワイト&グレー&ネイビーとブラック&グレー&ホワイト2カラーを用意。12月4日まで「ハフ」の原宿店と大阪店、公式オンラインストアで抽選販売を受け付け中だが、中身が見えないブランドバッグに梱包されるためカラーは選択できない。

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- 6位 -
ファミリーマートからオリジナルアパレルの新作 150万枚を販売した“ボクサーパンツ”の新色や“アーガイルソックス”など

12月05日公開 / 文・三澤 和也

 ファミリーマートは12月6日、「ファセッタズム(FACETASM)」の落合宏理デザイナーと共同開発するオリジナルアパレルブランド「コンビニエンスウェア(CONVENIENCE WEAR)」の12月の新商品を発売する。

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- 7位 -
JO1が「YSL」のブランドアンバサダーを2023年も継続 グローバルでの活動も見据える

 「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT 以下、YSL)」は12月1日、2022年から“YSL BEAUTY ジャパン アンバサダー”を務めているJO1を23年も引き続き契約更新することを発表した。JO1は21年からオフィシャル ビューティ パートナー、22年からブランド初の男性アンバサダーとして活動していた。23年はさらなるパートナーシップの強化を⽬指し、グローバルでの活動も視野に⼊れる。

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- 8位 -
「ニューバランス」とボストンのセレクトショップ「ボデガ」がコラボ スニーカーを含む全6型を発売

12月06日公開 / 文・WWD STAFF

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、アメリカ・ボストンのセレクトショップ「ボデガ(BODEGA)」とコラボレーションしたカプセルコレクションを12月15日に発売する。スニーカーは「ニューバランス」の公式オンラインストアと東京・日本橋浜町のティーハウス ニューバランス(T-HOUSE New Balance)、ニューバランス 六本木 19:06で、アパレルは公式オンラインストアのみで取り扱う。

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- 9位 -
「ニューバランス」と「オーラリー」のコラボスニーカー“XC72”から日本限定カラーが登場

12月02日公開 / 文・WWD STAFF

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、「オーラリー(AURALEE)」とコラボレーションしたスニーカー“XC72”の日本限定カラーを12月9日に発売する。価格は税込1万9800円で、キャメルとホワイトの2色を用意。両ブランドの公式オンラインストアをはじめ、東京・日本橋浜町のティーハウス ニューバランス(T-HOUSE New Balance)とニューバランス 六本木 19:06、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)で取り扱う。

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- 10位 -
「ヴァンズ」や「シュプリーム」親会社のCEOが退任

12月06日公開 / 文・EVAN CLARK

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)は12月5日、スティーブ・レンドル(Steve Rendle)会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。後任は未定で、当面はベンノ・ドーレ(Benno Dorer)筆頭独立社外取締役が暫定社長兼CEOを、リチャード・カルッチ(Richard Carucci)取締役が暫定会長を務める。

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「ホーボー」と家具ブランド「トラック」が5度目のコラボ 焚き火を楽しむチェアなど3型を用意

 東京発のブランド「ホーボー(HOBO)」は、黄瀬徳彦と唐津裕美が手掛ける家具ブランド「トラック(TRUCK)」とコラボレーションしたプロダクトを発表した。12月から「ノンネイティブ(NONNATIVE)」の直営店でセレクトショップのヴェンダー(vendor)や、オンラインストア「カバーコード(COVERCHORD)」などで順次取り扱う。

 両者のコラボは、「トラック」の黄瀬氏が「ホーボー」のバッグを愛用していたことから実現し、今回で5度目。“焚き火をしながらスコッチを飲む”というコンセプトのもと開発され、コーヒー染めでブラウンとなったキャンバス生地の“TSPローチェア”を中心に、脚を折り畳むことができるローテーブルと、同じくコーヒー豆で染色したキャンバス生地のトートバッグの3型を用意した。価格は“TSPローチェア”が税込7万1500円、ローテーブルが同6万3800円、トートバッグが同3万5200円だ。

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「ホーボー」と家具ブランド「トラック」が5度目のコラボ 焚き火を楽しむチェアなど3型を用意

 東京発のブランド「ホーボー(HOBO)」は、黄瀬徳彦と唐津裕美が手掛ける家具ブランド「トラック(TRUCK)」とコラボレーションしたプロダクトを発表した。12月から「ノンネイティブ(NONNATIVE)」の直営店でセレクトショップのヴェンダー(vendor)や、オンラインストア「カバーコード(COVERCHORD)」などで順次取り扱う。

 両者のコラボは、「トラック」の黄瀬氏が「ホーボー」のバッグを愛用していたことから実現し、今回で5度目。“焚き火をしながらスコッチを飲む”というコンセプトのもと開発され、コーヒー染めでブラウンとなったキャンバス生地の“TSPローチェア”を中心に、脚を折り畳むことができるローテーブルと、同じくコーヒー豆で染色したキャンバス生地のトートバッグの3型を用意した。価格は“TSPローチェア”が税込7万1500円、ローテーブルが同6万3800円、トートバッグが同3万5200円だ。

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LVMH系ファンド投資のビューティブランド「アーレス」が誕生 原宿キャットストリートに1号店

 ヘアケアやスキンケアなど37ブランドを展開するCi FLAVORS(シーフレーバーズ)が、新ライフスタイル&ビューティブランド「アーレス(AHRES)」を立ち上げる。機能性を追求したスキンケア(価格帯・税込2970~8800円)、ヘアケア(同3960~4180円)、ハンドケア(同2420~2970円)、ボディーケア(同3300~3850円)、フレグランス(同1760~1万3200円)の5カテゴリー、51SKUをラインアップ。12月12日に、1号店となる旗艦店を東京・原宿のキャットストリートにオープンするとともにECを開設する。2023年3月9日には東京ミッドタウン八重洲の1階にオープン。今後、主要都市を中心に20店舗の出店拡大を目指し、海外展開も視野に入れる。

 ブランドコンセプトは“Function with Entertainment.”。“視点を変える”サービスを提供する。相田和彦アーレス社長は「世の中に数多ある製品の中で、新ブランドはクオリティーの高いアイテムでなければ意味がない。日本の文化に着目し、機能性を追求した製品とともに、エンターテインメント性のある体験を通じて感情にアプローチすることを開発指針にした」と説明する。メインターゲットは20代後半~30代前半の女性を想定するが、ジェンダーレスで幅広い層を取り込んでいくという。「メッセージ性の強いエリアで勝負しながら、プレステージ領域に挑む」と意気込む。店舗は体験の場として広げ、売り上げ構成比はECが大半を占めると推定する。

 製品は、2年の期間をかけて開発した。スキンケアは「土壌美容」をキーワードに、創業150年の熊澤酒造が8年以上熟成した酒粕(練り粕)を主力成分としたクレンジングバームからフェイスクリームまで8SKUをラインアップする。シグネチャー製品は、バーム状のメイク落とし“ローメルト クレンジングバーム クロ”(90g、同3850円/レフィル同3300円)と導入液“ブースト ポンパー X”(60mL、同7150円)。“ローメルト クレンジングバーム クロ”は、常在菌に着目した処方と紀州産の梅炭を採用し、毛穴汚れをオフしながら肌の潤いを守る。“ブースト ポンパー X”は、スクワランと海洋深層水を採用した二層式の導入液。肌の油水分をキープしながら次に使う化粧水の浸透をサポートする。

 ヘアケアは、シャンプーからヘアオイルまでの7SKUをそろえる。「毛髪は建築構造」と捉え、毛髪の3層にアプローチする処方でダメージヘアをしなやかに「朽ちにくい」毛髪へと導く。ボディーケアは、アミノ酸系洗浄成分を配合したボディーウォッシュと米ぬかオイルを採用したボディーマスクの4SKUを用意。ハンドケアは、2種のスクラブを配合したハンドウォッシュとコメ発酵液をベースにしたハンドマスク(ハンドクリーム)の5SKUを揃える。
 
 フレグランスは「サウンドパフューム」をテーマに、肌になじむように調香した、3つの香りをそろえるハンドディフェンサーと6つの香りをそろえるフレグランスの15SKUを用意。さらにビーガンキャンドルとリードディフューザーの12SKUをラインアップする。それぞれの香りをイメージしたオリジナルのサウンドを用意し、香りと音楽のシナジー効果で感性にアプローチする。また、シャンプーとコンディショナーのパッケージ裏面の成分表示と包装紙は若手クリエイターとコラボし、遊び心を加えている。今後、バスケアやホームケアなどカテゴリーの拡充を図る。

 Ci FLAVORSは、ハチミツ美容がコンセプトのブランド「アンドハニー(&HONEY)」を展開するヴィークレア、スキンケア発想のヘアケアブランド「エイトザタラソ(8 THE THALASSO)」を展開するステラシードなど7社を擁するコスメカンパニーを2011年に設立。国内のバラエティーストアやドラッストアを中心に、ヘアケア商品やスキンケアなど37ブランドを取り扱う。なお、中国をはじめ世界25カ国以上で展開する。同社が「アーレス」のような高価格のブランドを手掛けるのは初めて。

 同社は2021年、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LMVH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社、Lキャタルトン・アジア(L CATTERTON ASIA)が資本参加し、日本を代表するビューティーカンパニーを目指している。

■「アーレス」表参道店
オープン日:2022年12月12日
時間:11:00~20:00
住所:東京都渋谷区神宮前6-7-8 ネスト原宿Ⅵ1F

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「ア ベイシング エイプ®」×マーベルの最新作 スパイダーマンやヴェノムをフィーチャー

 「ア ベイシング エイプ®(A BATHING APE®)」は12月11日、米国の出版社マーベル(MARVEL)とコラボしたカプセルコレクションの最新作を発売する。「ア ベイシング エイプ®」の取り扱い店舗と公式オンラインストアで扱う。

 今回フィーチャーするのはスパイダーマン、ヴェノム、ドクター・ストレンジの3キャラクターだ。各キャラクターのカラーを反映したスニーカー“ベイプスタ”(2万9700円税込、以下同)を用意し、フィギュアのような“ブリスターケース”でパッケージングする。“MARVEL”の文字を刻印したシューチャームを付属するなど、ディテールにもこだわる。

 また、キャラクターのシルエットに“ベイプカモ”を当て込んだTシャツ(9900円)も販売する。

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「ザ・ノース・フェイス」が“ヌプシ”から、衣服内に空気を取り込む新テクノロジーを搭載したベストを発売

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は12月9日、アイコンの“ヌプシ(NUPTSE)”コレクションから、衣服内に空気を取り込む新テクノロジーを搭載した“エアー チャンバー ヌプシ ベスト(AIR CHAMBER NUPTSE VEST)”を発売した。価格は5万8300円(税込)。東京・渋谷のザ・ノース・フェイス ラボと、ザ・ノース・フェイス プラス グランフロント大阪の直営2店舗限定で扱う。

 同商品は羽毛や化繊など中わた材の代わりに空気を用いることで、軽さを追求した。アウターとしてはもちろん、自分で空気量を増減して保温性の強弱やかさ高を調整し、ミドラーとして着ることもできる。空気を抜いてスタッフサック(収納袋)にコンパクトに収納し、持ち運ぶことも可能だ。「ザ・ノース・フェイス」は、「原材料の削減など環境負荷軽減にも寄与する」と話す。

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ロンハーマン23年春夏ウィメンズ 大胆な色の重ねと透け素材やスパンコールで華やかに

 ロンハーマン(RON HERMAN、以下RH)の2023年春夏ウィメンズは、キウイグリーンやテラコッタなど気持ちが上がるトロピカルなカラーパレットの組み合わせと、ラメやスパンコールなどの華やかでデザインの力を感じさせるアイテムを打ち出す。篠崎茜バイヤーは、「今季はファッションのパワーをダイレクトに感じてほしい。パワーのある服を身にまとい、夢を実現させて欲しいというメッセージも込めた」と話す。買い付けでは、日本のモノづくりに焦点を当てた。

 篠崎バイヤーは「モードであると同時に背景にあるメッセージ性や力の抜けた雰囲気が、RHらしいデザインの力の解釈だ」と説明する。例えば、「RHヴィンテージ(RH VINTAGE)」のスパンコールのスカートは、海の水面に反射する太陽の光を表現している。身にまとうことで自然の力を感じてもらう。「RHカリフォルニア(RH CALIFORNIA)」のロングワンピースは、“LOVE&PEACE”という直接的なキーワードを抽象的なグラフィックに組み替えることで、着ている本人には感じられるメッセージを忍ばせている。

 透け感もキーワードに、「セシル バンセン(CECILIE BAHNSEN)」のドレスや「ラドロー(LUDLOW)」のチュールブラウスを買い付けたほか、手編みニットを得意とする日本の「ピリングス(PILLINGS)」を新規導入した。「エクストリーム カシミア(EXTREME CASHMERE)」は今季からコットンカシミヤを採用し表現の幅を広げた。なかでもメッシュのサマーニットはトレンドアイテムとしても打ち出す。

 定番のデニムアイテムでも、遊び心のあるデザインを重視した。新規で取り扱う「リヴィントーン(LIVINGTONE)」には、サスペンダー付きのハイウエストワイドパンツにライトグレーで別注した。サスペンダー部分はリボンのように結んだり、ホルターネックのように結んだりしてアレンジを楽しんでもらう。同じく新規導入したデニムブランド「クーキー ズー(KOOKYZOO)」は、「リー(LEE)」のメンズデザイナーとして経験を詰んだ鈴木裕輔デザイナーが手掛け、子ども服を大人サイズに拡大したようなユニークなデザインが特徴だ。これまでメンズのみを展開していたが、今季からロンハーマン限定でウィメンズアイテムを取り扱う。

 アイテム軸ではシャツやブラウスを強化する。「カナコ サカイ(KANAKO SAKAI)」には、キーカラーのキウイグリーンと、ブルーとミントのマーブルカラーを用いたシャツを別注した。そのほか、ブローチやストール、ベルトなどの小物のバリエーションも強化した。

 注目ブランドは、ロンハーマン限定で取り扱うイギリス発の「ヘーラー ヴィンテージ(HERE VINTAGE)」とフランス発の「メモリ(MEMORI)」。いずれもビンテージのキルトやパーツを活用したほぼ1点モノのウエアを制作する。地域の伝統技術や文化を大切にし、無駄のないスローファッションを提案するブランドだ。2月の立ち上がり時期には、ポップアップイベントを開催予定だ。

 篠崎バイヤーは、「今季は特に国内外のトップブランドで経験を積んだ人による日本発のブランドも多く、期待している」と話し、ドゥロワー(DRAWER)などで経験を積んだデザイナーの靭江千草(うつぼえ・ちぐさ)が手がける「バウト(BOWTE)」や「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」出身の山谷政、佐々木幹子、田島香織の3人が手掛ける「エムティーモデリスト(MTMODELIST)」、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)率いる「ジバンシィ(GIVENCHY)」「バーバリー(BURBERRY)」で経験を積んだ長谷川照洋とウィング・ライによる「ガーウィン(GURTWEIN)」なども新規導入した。

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Kビューティの黒船アモーレパシフィック クッションファンデを生み出した研究開発力の源泉

 アモーレパシフィック グループは1945年に創業し、年間売上高46億1000万ドル(約6402億円、2021年)を誇る韓国最大手のビューティ企業だ。「エチュード」「イニスフリー」。日本の消費者にも聞きなじみのあるこれらのビューティブランドは同社がグローバル展開している。また、近年は美容製品のグローバルなカテゴリーの一つとして定着した、クッションファンデーションを開発した草分け役でもある。9月には基幹ブランドの一つである「ラネージュ」の日本展開を開始。これを足掛かりに、さらなる市場開拓を進める。

つややかでしっとりした仕上がり
基幹ブランド「ラネージュ」日本上陸

 「ラネージュ」は世界30カ国以上で展開する。9月に日本でローンチした“ネオクッション”(全2種、税込各2970円)は、手軽に肌悩みをカバーするクッションファンデの特長そのままに、崩れやすいという欠点をカバーした。

 ミントのパッケージの“ネオクッション マット”は、同ブランドのクッションファンデ史上最も小さなパウダーを採用。しっかりした密着感で毛穴やシミをカバーするが、マスクにはつきにくく、自然なセミマット肌に仕上がる。ピンクのパッケージの“ネオクッション グロウ”はパウダー化した「リキッドダイヤモンド」が肌に輝きを与える。どの角度からでもつややかに演出し、しっとり感が一日中持続する。韓国国内では20年6月から販売し、アジア各国に展開を広げている。

女性のベースメイクをもっと簡単に
使命感が生んだイノベーション

 多くの美容ブランド・製品を展開する同社がその中でも特別な思い入れをもち、製品開発に情熱を注ぐのがクッションファンデだ。2008年に同社の「アイオペ」から発売した最初のクッションファンデである“エアクッション”は、「多忙な女性の時間を奪うベースメイクを短縮したい」「何度も化粧直しをする手間を減らしたい」という使命感から生まれた製品だ。
 
 それから15年。たゆまぬ研究開発により進化を続けるクッションファンデは、累計販売量1億個を突破する主力製品となった。「ヘラ」の“ブラッククッション”や「エチュード」の“ダブルラスティングクッション”など、数々のヒットアイテムを生んだ。同社のクッション部門の製品開発をリードするキム・ギョンナム氏は、「クッションファンデの成果は、単なるビジネスとしての成功ではなく、女性の化粧文化そのものに変化を与えたことだ」と語る。
 
 同社の売上高のうち、韓国以外のグローバル売上高は約34%を占める。そのうち9割以上を占めるアジア市場においてけん引役として期待をかけるのが日本市場だ。「日本の消費者は新しさと革新性を求める傾向が強い。ビューティー製品への理解度が高く、投資を惜しまない先進市場だ」とキム氏。「当社の技術力とノウハウを結集した美容製品を通じ、より広くKビューティーの文化を根付かせていきたい」と語る。

日本事業は2ケタ増収ペースで拡大へ
ニーズに合わせた製品開発を強化

 アモーレパシフィックの看板製品であるクッションファンデは、すでに日本人の美容意識・行動にも変化を及ぼしている。クッションファンデの開発秘話をクッション部門の開発責任者であるキム・ギョンナム氏、日本でのビジネスの今後を松井理奈アモーレパシフィックジャパン代表に聞いた。

WWD:クッションファンデ誕生のきっかけは。

キム・ギョンナム アモーレパシフィック R&Dセンター メイク2 チーム長(以下、キム):クッションファンデが生まれた経緯は意外なものだった。ヒントになったのは、偶然当社の研究員の目に入った「駐車確認スタンプ」。液体なのに流れることなく駐車券に均一に押されるスタンプから、研究員はひらめきを得た。クッションファンデは発売以降、メイクアップとスキンケア機能の強化を続けており、「ラネージュ」の“ネオクッション”は当社のクッションファンデでは「第5世代」にあたる。海外市場進出を進めるに合わせ、中国、ベトナム、タイなどアジア人の生活習慣と環境、ニーズに合わせた製品リリースも続けている。

WWD:日本の消費者の美容意識、ビューティ企業にはどのような印象があるか。

キム:日本は世界3位の巨大なビューティー市場だ。日本の顧客は、基本的に日本のブランドに対するロイヤリティー(忠誠度)が高い一方で、グローバルトレンドに非常に敏感な市場でもある。ものづくりにおける日本企業特有の職人気質は、勉強すべきことだと常に考えている。

WWD:日本市場のポテンシャルをどう捉えるか。

松井理奈アモーレパシフィック ジャパン代表(以下、松井):オンライン・オフラインの両軸で顧客との接点を拡大し、今後は2桁増収ペースを続けていく計画だ。すでに一定の認知度がある「エチュード」「イニスフリー」を軸足に、「ラネージュ」を筆頭にした当社ブランドを導入・成長させる。日本の流通業者とパートナーシップを構築し、日本の顧客の声に耳を傾けながら現地にフィットした商品をリリースしていく。

WWD:日本以外でのグローバル展開の進捗は。

松井:当社の2021年のグローバル営業利益は前年比190%増となった。特に、北米市場においての成長率が高い。「ラネージュ」「雪花秀」「イニスフリー」などが好調で、22年の上半期の北米における売上高は前年同期比約65%増。オンラインを中心に核心製品のアグレッシブなマーケティングとインフルエンサーとのコラボでブランドの認知度が高まった結果だ。7月の「アマゾン プライムデー」では「ラネージュ」が「ビューティー&パーソナルケア」カテゴリーで最も売れたブランドになった。現地のラグジュアリーナチュラルスキンケアブランド「タタハーパー」の買収(9月)を契機に、多様なカスタマーを受け入れられる足場を固めていきたい。

問い合わせ先
AMOREPACIFIC JAPAN
03-5561-6800

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「ルイ・ヴィトン」が12月12、13日の一粒万倍日に向けて日本限定カラーを含む新作財布を発売

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は12月12、13日の一粒万倍日に向けて、新作財布を発売した。

 メタリックな仕上げを施した長財布の“ジッピー・ウォレット”(幅19.5×高さ10.5×マチ2.5cm、16万3900円税込)からは、日本限定カラーのアイスブルーも販売する。素材はしなやかさが特徴の“マヒナ・レザー”で、そこにパーフォレーション(穴飾り)でモノグラム・パターンを表現する。紙幣はもちろん、コインやカードも収納できる実用的な内装も備える。

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森星や杉咲花などが受賞した第6回「ブルガリ アウローラ アワード 2022」 山下智久が歌声を披露

 ブルガリ ジャパンは7日、東京・有明アリーナで「ブルガリ アウローラ アワード 2022(BVLGARI AVRORA AWARDS 2022、以下アウローラ アワード)」のセレモニーを開催した。“創造力と知性そして才能に溢れ、多くの人々にインスピレーションを与える女性”を讃える同賞は今年6回目。授賞式には、VIPゲスト約400人と約5000人の観衆が来場した。授賞式前のゴールデンカーペットには、10組19人の受賞者と推薦者および、ブランドのアンバサダーであるKokiや山下智久、俳優であるのん、飯豊まりえ、タレントのアンミカなどが登場した。

 同授賞式のために来日したブルガリ・グループのジャン・クリストフ・ババン(Jean Christoph Babin)最高経営責任者は、「アウローラアワードは、夢を達成し、多くの人にインスピレーションを与える女性を讃える賞として日本で誕生した。パイオニア精神、男女平等、多様性と包括性を祝福するものだ。中国、韓国、ヨーロッパでも行うようになり、来年からアメリカでも開催予定だ。ゆくゆくは中東でも行いたい」とコメント。以前アウローラ アワードを受賞した東京都知事の小池百合子はビデオで「女性のパワーにより効率的な社会が生み出されるだろう」と述べた。

今年の受賞者推薦者は以下の通り:
米倉涼子(俳優)/ 操上和美(写真家)
キャシー松井(MPower Partners 共同創業者)/ 伊藤詩織(ジャーナリスト)
杉咲花(俳優)/ 奈良橋陽子(キャスティング・ディレクター、演出家)
宮永愛子(美術家)/ 宮島達男(現代美術家)、開心那(スケートボーダー)/ Awitch(ラッパー・歌手)
志村洋子(染織家、髄筆家)/ 小泉智貴(「TOMO KOIZUMI」デザイナー)
森星(モデル、「tefutefu,Inc.」クリエイティブディレクター)/ 片岡真実(森美術館館長)
三嶋りつ惠(アーティスト、ガラス作家)/ 妹島和世(建築家)
大森美香(脚本家、演出家)/ 広末涼子(俳優)
小谷真生子(経済キャスター、国際連合世界食糧計画 WFP 協会理事)/ 小山薫堂(放送作家、京都美術大学副学長)

 アウローラ アワードに毎年参加している受賞者の森星は、「今まで、多くの受賞者の言葉からインスピレーションを受けてきた。今回の受賞ではスタート地点に立ったばかり。ロールモデルとして多くの人をインスパイアしていきたい」と述べた。ブランドアンバサダーのKokiは、「『ブルガリ』のジュエリーは勇気と自信を与えてくれる」とコメント。授賞式では、同じくブランドアンバサダーを務める山下による圧巻のライブパフォーマンスが行われ、来場者はその歌声に聞き入った。

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使用感満足度99%*¹のヘアケア「ボタニスト」 愛され続ける秘密は妥協のない製造過程にあった

 アイエヌイーが展開するボタニカルライフスタイルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」は2月、10~60代の男女3万人に対し“日用品に関するアンケート”を実施。高価格帯のシャンプー*²において、リピート購入者数No.1*³となった。

 さらに2021年のリニューアルを経て、売り上げは14%増*⁴に伸長し好調ぶりを示している。加えて22年7月、使用感満足度99%*¹を達成し、累計販売実績は1.5億本*⁵に達した。

 「ボタニスト」は15年のブランド誕生以来、長きに渡りユーザーに愛され続けている。植物由来成分をふんだんに配合していることや、シンプルでスタイリッシュなパッケージデザインから、「優しい使い心地」「おしゃれ」といったイメージが先行しがちだが、それだけではロングセラーにはならない。

 実は発売当初から美容室専売品を手掛けるメーカーと共同開発しており、本当の意味でのサロンクオリティーを備えた“実力派”なのだ。ここでは製造現場からのレポートと、開発者へのインタビューを通して、これまであまり知られてこなかった「ボタニスト」の真価を明らかにする。

“自然とテクノロジーのバランス”に
こだわった「ボタニスト」

 15年の「ボタニスト」誕生当時、ヘアケア商品の主流は“自然派”または“テクノロジー”だった。そんな市場に「ナチュラルさもテクノロジーもどちらも兼ね備えた新たな選択肢を」という思いから、新たなライフスタイルを選択すべく誕生したのが「ボタニスト」だ。

 約30万種の植物の中から厳選した植物由来成分配合。21年のリニューアルでは、非常に細かい粒子の植物由来たんぱく質“ボタニカルマイクロプロテイン”を新配合し、髪の内部まで浸透しダメージを補修。キューティクルをコーティングする“カカドゥプラム*⁶”と“ブドウ種子*⁷”、輝く髪へと導く“シルバーライムエキス*⁸”の新配合により、滑らかで艶やかな髪へと導く。

 モイスト、スムース、ダメージケア、 スカルプクレンズ、バウンシーボリュームのラインナップ5種から、髪悩みに合わせて選ぶことができる。

検証に検証を重ねる、
妥協を許さない開発風景

 「ボタニスト」は、美容室専売品を手掛けるメーカーと共同開発しており、品質を高めるための取り組みには妥協を許さない。例えば洗浄力に関しては、500人以上の頭髪試験を実施。50種類以上の洗浄成分の機能性と信頼性を評価し、厳選のうえセレクトした。

 泡持ちに関しては、500人以上の頭髪試験を実施し、約5分以上の泡持ちにこだわり開発。髪質やダメージレベルに合う洗いやすい泡質を追求し、各ラインに適した5種類の泡を採用している。

 毛髪水分量に関しては、200種類以上の保湿成分を検討し、各ラインの最適な潤いバランスを発見。500人以上のモニター評価試験より、幅広い髪質に対応した柔軟性とまとまりのある仕上がりを確立させた。

「ボタニスト」を生み出した
2人に開発秘話を聞いた

WWDBEAUTY(以下、WWD):「ボタニスト」が誕生したきっかけは?
 
中西孝夫アイエヌイープロダクトマネジメント本部商品開発部部長(以下、中西):誕生のきっかけは「機能性オーガニックシャンプー」という発想から。2014年の開発時は、シャンプーに使われるシリコンに対して賛否両論があった。そこで、ノンシリコンと自然由来成分にこだわりながらも、使用感も追求したいと思い、その2つの両立からスタートした。コストとパフォーマンスを両立させながら開発検証を重ねるうちに出会ったのが、自然とテクノロジーの良さを兼ね備えた「ボタニカル」というキーワード。植物の機能を、テクノロジーの力で引き出した植物由来原料をバランスよく使うことで、より良い製品パフォーマンスにこだわることができた。そこから「ボタニスト」誕生へとつながった。
 
坪田美樹山田製薬開発部部長(以下、坪田):開発当時は「オーガニック」という言葉や認証制度などが広がり始めた頃。一方で、オーガニックをうたっているけれど、成分をよく見るとそうではないものも。ただ“植物由来”をうたうだけではなく、成分自体の品質の良さにもちゃんとこだわりたかった。
 
WWD:開発現場を見学させていただき、細かなチェックを徹底している様子が印象的だった。そこまで品質にこだわるのはなぜか?
 
中西:ご使用頂くお客さまの髪質やダメージ・ヘアスタイルはさまざまで、使用感や満足度の捉え方も異なる。そのためモニター評価についても、単純に全体の評価だけをするのではなく、評価項目を細分化し、しっかりと検証している。それらを徹底することで、幅広いお客さまに対応できる、より良い商品が完成する。
 
坪田:弊社が保有するさまざまな測定機器を駆使して効果を確認し、お客さまの声を形にするのが我々のこだわり。例えば髪が硬い方は、泡立っていても感覚的に泡立っていないと思うし、逆に髪が柔らかい方は、スポンジ効果が弱いので泡立ちにくい。このように、泡立ちひとつとっても髪質によって感じ方は異なる。モニターの声を細かく分析して、最適なバランスを見つけ出し、誰が使っても満足できる使用感を目指している。
 
WWD:2021年にリニューアルしたポイントは?
 
中西:「ボタニスト」を進化させるべく、全アイテムで指通りの良さにこだわった。モニタリングでは滑り性を向上させると「サラサラで軽く保湿力が足りない」や「まとまらない」といった評価が増えたため、成分を調整し“潤いながら滑らか”な使用感・質感になるよう、何度も試作とモニター評価を重ね細部まで調整した。
 
WWD:「ボタニスト」の「あまり知られていないけどここに注目してほしい」といったポイントは?
 
坪田:手触りや地肌への保湿力などはもちろんだが、実はヘアカラーの色持ちもとても良い。日本人でヘアカラーしている方は6~7割と言われており、もはやそれを無視して処方は組めない。植物由来成分にこだわりつつ、色がきれいに見えて艶が感じられる成分を選んで処方している。それもサロンクオリティーの発想からくるこだわりだ。
 
WWD:ヒット製品ゆえに類似品も多く登場したが、「ボタニストはここが違う」という点は?
 
中西:何よりも効果のある植物由来成分を数多く配合している。そして、スムース、モイスト、ダメージケア、スカルプクレンズ、バウンシーボリュームの5ライン、全て使用する成分バランスが異なり、それを使った時の使用感や香りから、ラインの特徴が伝わるような処方設計になっている。そのため、効果で選ぶのはもちろん、好きな香りや好きな使用感、その時のヘアスタイルに合わせて選ぶことができる。そんな選ぶ楽しみがあるのも「ボタニスト」だと思う。
 
WWD:今後、「ボタニスト」をどんなブランドに育てていきたいか?
 
中西:社会課題を解決できるよう、サステナビリティの観点での開発をさらに検討していきたい。もちろんパッケージもバイオマスを使用しているが、もっと環境配慮したものはないか。また、いただいた植物由来成分を自然界還元できるような取り組みも考えていきたい。21年より北海道美幌町で森づくりを始めており、植物と共に生きることに長く携わっていけるブランドになれたらと思う。

ブランドを代表する
アイテムを紹介

※1 : 楽天&habitで「ボタニスト」シャンプー・トリートメント購入者に対するウェブアンケート。男女20~60代(n=219)のうち、「非常に満足」「かなり満足」「やや満足」と回答した割合。2022年8月実施(自社調べ)
※2 : 1000円以上の価格帯を高価格帯シャンプーと定義
※3 : 1000円以上の高価格帯ヘアケア消費財6ブランドについてのウェブアンケートによる。男女10~60代(n=3万)のうち、「ボタニスト」を「2回以上購入して使用したことがある」と回答した方の数。2022年2月実施(自社調べ)
※4 : “ボタニスト ボタニカルシャンプー&トリートメント”について、20年1~12月と、21年1~12月の累計販売金額比較による(自社調べ)
※5 :「ボタニスト」全カテゴリーの累計販売個数(15年1月~22年11月16日現在)
※6 : テルミナリアフェルジナンジアナ果実エキス(毛髪補修成分)
※7 : ブドウ種子エキス(毛髪補修成分)
※8 : チリアトメントサつぼみエキス(保湿成分)
問い合わせ先
「ボタニスト」
0120-388-983

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使用感満足度99%*¹のヘアケア「ボタニスト」 愛され続ける秘密は妥協のない製造過程にあった

 アイエヌイーが展開するボタニカルライフスタイルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」は2月、10~60代の男女3万人に対し“日用品に関するアンケート”を実施。高価格帯のシャンプー*²において、リピート購入者数No.1*³となった。

 さらに2021年のリニューアルを経て、売り上げは14%増*⁴に伸長し好調ぶりを示している。加えて22年7月、使用感満足度99%*¹を達成し、累計販売実績は1.5億本*⁵に達した。

 「ボタニスト」は15年のブランド誕生以来、長きに渡りユーザーに愛され続けている。植物由来成分をふんだんに配合していることや、シンプルでスタイリッシュなパッケージデザインから、「優しい使い心地」「おしゃれ」といったイメージが先行しがちだが、それだけではロングセラーにはならない。

 実は発売当初から美容室専売品を手掛けるメーカーと共同開発しており、本当の意味でのサロンクオリティーを備えた“実力派”なのだ。ここでは製造現場からのレポートと、開発者へのインタビューを通して、これまであまり知られてこなかった「ボタニスト」の真価を明らかにする。

“自然とテクノロジーのバランス”に
こだわった「ボタニスト」

 15年の「ボタニスト」誕生当時、ヘアケア商品の主流は“自然派”または“テクノロジー”だった。そんな市場に「ナチュラルさもテクノロジーもどちらも兼ね備えた新たな選択肢を」という思いから、新たなライフスタイルを選択すべく誕生したのが「ボタニスト」だ。

 約30万種の植物の中から厳選した植物由来成分配合。21年のリニューアルでは、非常に細かい粒子の植物由来たんぱく質“ボタニカルマイクロプロテイン”を新配合し、髪の内部まで浸透しダメージを補修。キューティクルをコーティングする“カカドゥプラム*⁶”と“ブドウ種子*⁷”、輝く髪へと導く“シルバーライムエキス*⁸”の新配合により、滑らかで艶やかな髪へと導く。

 モイスト、スムース、ダメージケア、 スカルプクレンズ、バウンシーボリュームのラインナップ5種から、髪悩みに合わせて選ぶことができる。

検証に検証を重ねる、
妥協を許さない開発風景

 「ボタニスト」は、美容室専売品を手掛けるメーカーと共同開発しており、品質を高めるための取り組みには妥協を許さない。例えば洗浄力に関しては、500人以上の頭髪試験を実施。50種類以上の洗浄成分の機能性と信頼性を評価し、厳選のうえセレクトした。

 泡持ちに関しては、500人以上の頭髪試験を実施し、約5分以上の泡持ちにこだわり開発。髪質やダメージレベルに合う洗いやすい泡質を追求し、各ラインに適した5種類の泡を採用している。

 毛髪水分量に関しては、200種類以上の保湿成分を検討し、各ラインの最適な潤いバランスを発見。500人以上のモニター評価試験より、幅広い髪質に対応した柔軟性とまとまりのある仕上がりを確立させた。

「ボタニスト」を生み出した
2人に開発秘話を聞いた

WWDBEAUTY(以下、WWD):「ボタニスト」が誕生したきっかけは?
 
中西孝夫アイエヌイープロダクトマネジメント本部商品開発部部長(以下、中西):誕生のきっかけは「機能性オーガニックシャンプー」という発想から。2014年の開発時は、シャンプーに使われるシリコンに対して賛否両論があった。そこで、ノンシリコンと自然由来成分にこだわりながらも、使用感も追求したいと思い、その2つの両立からスタートした。コストとパフォーマンスを両立させながら開発検証を重ねるうちに出会ったのが、自然とテクノロジーの良さを兼ね備えた「ボタニカル」というキーワード。植物の機能を、テクノロジーの力で引き出した植物由来原料をバランスよく使うことで、より良い製品パフォーマンスにこだわることができた。そこから「ボタニスト」誕生へとつながった。
 
坪田美樹山田製薬開発部部長(以下、坪田):開発当時は「オーガニック」という言葉や認証制度などが広がり始めた頃。一方で、オーガニックをうたっているけれど、成分をよく見るとそうではないものも。ただ“植物由来”をうたうだけではなく、成分自体の品質の良さにもちゃんとこだわりたかった。
 
WWD:開発現場を見学させていただき、細かなチェックを徹底している様子が印象的だった。そこまで品質にこだわるのはなぜか?
 
中西:ご使用頂くお客さまの髪質やダメージ・ヘアスタイルはさまざまで、使用感や満足度の捉え方も異なる。そのためモニター評価についても、単純に全体の評価だけをするのではなく、評価項目を細分化し、しっかりと検証している。それらを徹底することで、幅広いお客さまに対応できる、より良い商品が完成する。
 
坪田:弊社が保有するさまざまな測定機器を駆使して効果を確認し、お客さまの声を形にするのが我々のこだわり。例えば髪が硬い方は、泡立っていても感覚的に泡立っていないと思うし、逆に髪が柔らかい方は、スポンジ効果が弱いので泡立ちにくい。このように、泡立ちひとつとっても髪質によって感じ方は異なる。モニターの声を細かく分析して、最適なバランスを見つけ出し、誰が使っても満足できる使用感を目指している。
 
WWD:2021年にリニューアルしたポイントは?
 
中西:「ボタニスト」を進化させるべく、全アイテムで指通りの良さにこだわった。モニタリングでは滑り性を向上させると「サラサラで軽く保湿力が足りない」や「まとまらない」といった評価が増えたため、成分を調整し“潤いながら滑らか”な使用感・質感になるよう、何度も試作とモニター評価を重ね細部まで調整した。
 
WWD:「ボタニスト」の「あまり知られていないけどここに注目してほしい」といったポイントは?
 
坪田:手触りや地肌への保湿力などはもちろんだが、実はヘアカラーの色持ちもとても良い。日本人でヘアカラーしている方は6~7割と言われており、もはやそれを無視して処方は組めない。植物由来成分にこだわりつつ、色がきれいに見えて艶が感じられる成分を選んで処方している。それもサロンクオリティーの発想からくるこだわりだ。
 
WWD:ヒット製品ゆえに類似品も多く登場したが、「ボタニストはここが違う」という点は?
 
中西:何よりも効果のある植物由来成分を数多く配合している。そして、スムース、モイスト、ダメージケア、スカルプクレンズ、バウンシーボリュームの5ライン、全て使用する成分バランスが異なり、それを使った時の使用感や香りから、ラインの特徴が伝わるような処方設計になっている。そのため、効果で選ぶのはもちろん、好きな香りや好きな使用感、その時のヘアスタイルに合わせて選ぶことができる。そんな選ぶ楽しみがあるのも「ボタニスト」だと思う。
 
WWD:今後、「ボタニスト」をどんなブランドに育てていきたいか?
 
中西:社会課題を解決できるよう、サステナビリティの観点での開発をさらに検討していきたい。もちろんパッケージもバイオマスを使用しているが、もっと環境配慮したものはないか。また、いただいた植物由来成分を自然界還元できるような取り組みも考えていきたい。21年より北海道美幌町で森づくりを始めており、植物と共に生きることに長く携わっていけるブランドになれたらと思う。

ブランドを代表する
アイテムを紹介

※1 : 楽天&habitで「ボタニスト」シャンプー・トリートメント購入者に対するウェブアンケート。男女20~60代(n=219)のうち、「非常に満足」「かなり満足」「やや満足」と回答した割合。2022年8月実施(自社調べ)
※2 : 1000円以上の価格帯を高価格帯シャンプーと定義
※3 : 1000円以上の高価格帯ヘアケア消費財6ブランドについてのウェブアンケートによる。男女10~60代(n=3万)のうち、「ボタニスト」を「2回以上購入して使用したことがある」と回答した方の数。2022年2月実施(自社調べ)
※4 : “ボタニスト ボタニカルシャンプー&トリートメント”について、20年1~12月と、21年1~12月の累計販売金額比較による(自社調べ)
※5 :「ボタニスト」全カテゴリーの累計販売個数(15年1月~22年11月16日現在)
※6 : テルミナリアフェルジナンジアナ果実エキス(毛髪補修成分)
※7 : ブドウ種子エキス(毛髪補修成分)
※8 : チリアトメントサつぼみエキス(保湿成分)
問い合わせ先
「ボタニスト」
0120-388-983

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ゲラン一族によるフランス発香水「ニコライ」 家族経営で昔ながらの製法でつくられる“着替える”香り

 フランス発香水「ニコライ(NICOLAI)」は、家族経営のフレグランスブランドだ。同ブランドの創業者兼マスターパフューマーであるパトリシア・ド・ニコライ(Patricia de Nicolai)は、ゲラン一族で香水に囲まれて育ったが、「ゲラン(GUERLAIN)」を継ぐことはなかった。その代わりに、自己表現として1989年に夫と「ニコライ」を創業。自由につくりたい香りを制作して世界中で販売している。

 日本では、ノーズショップが販売を担当。11月に来日したパトリシアの息子であるアクセル・ド・ニコライ(Axel de Nicolai)=ニコライ最高経営責任者に話を聞いた。

WWD:今回の来日の目的は?

アクセル・ド・ニコライ=ニコライCEO(以下、ニコライ):4年間ノーズショップとコラボレーションしているが、コロナで来日できなかった。今回が初来日だ。

 日本は、最も訪れたいと思っていた国。知れば知るほど豊かな文化があり、フランスに近いと感じる。

WWD:「ニコライ」のブランド哲学は?一番の強みは?

ニコライ:家族経営である点。母がゲラン一族だったため、調香師になり父母がブランドを始めた。彼らはアーティスティックで、好きなものをつくって提供するという点。私は香水の勉強を始め、マーケティングが主導の商材だと知った。この小売価格にするために、コストはこの程度といったような制限がある。だが、「ニコライ」はそれらの制限なく自由に香水がつくれる。それがいいビジネスになっている。多くのブランドは外注しているが、われわれは、素材に関してはグラースの最高の素材を直接仕入れている点も強みだ。

WWD:ゲラン一族であることが「ニコライ」にどのような影響を与えているか?

ニコライ:祖母は今でも「ゲラン」の香水を付けているし、一族から受け継いでいることもあり、それが影響しているのは間違いない。ただ、母親は一族として「ゲラン」を継がず、自分自身の表現として「ニコライ」を創業した。

WWD:調香師の母の元でどのように育ったか?印象に残っている香りの思い出は?

ニコライ:香水に囲まれて育つのが当たり前のことだった。母がアトリエで調香する姿を見ながら育った。それは日常的なことで、7〜8歳頃から香りに興味を持ち始めた。子どもの頃はバニラのおいしそうな匂いが好きだった。小さく切ってあるハーブの香りも気になった。いろいろな思い出がある。

WWD:素材の調達と生産はどこで行うか?生産は自社工場か?

ニコライ:素材はグラースを中心に調達するが、他の国から購入することもある。素材はナチュラルなものにこだわっている。生産は全て自社で。パリのアトリエで調香して、パリ南部の自社工場で生産している。昔ながらの製法で生産し、ボトル詰めまで全て手作業で行う。

WWD:現在何カ国で販売しているか?好調な市場は?

ニコライ:ほぼ世界中で販売している。パリには8店舗、ロンドンに2店舗直営店がある。他、各地のパートナーを通して販売している。自社ECもある。好調な市場はフランス・パリはもちろん、サウジアラビアや韓国なども好調だ。

WWD:日本での販売戦略は?

ニコライ:ノーズショップといういいパートナーがいる。彼らの選りすぐった香水のラインアップや販売方法はとてもいいと思う。日本人はデリケートな香りが分かると思うので、伸び代がある市場だと期待している。

WWD:香りという感覚的なものをどのように消費者に手に取ってもらうか?

ニコライ:難しいが、選択肢を多く提供することにより、好きな香りを見つけてもらいたい。まずは、好きな香りを見つけて、楽しみ方を覚えてほしい。例えば、今日はこの香り、この時間にはこの香りというようにその時の気分にあう香りを、好奇心を持って楽しんでもらいたい。日本人は繊細な感覚を持っているので、それが可能だと思う。

WWD:あなたにとって香りとは?

ニコライ:ファッションのように自分を表現するもの。季節やオケージョンに合わせて着替えるように、香水も着替えてもらえれば。

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世界で展開する「レスポートサック」の戦略とは? ソーホーに旗艦店オープンし、新ラインも好調

 「レスポ―トサック(LESPORTSAC)」は、ニューヨーク・ソーホー地区に新たなフラッグシップショップをオープンした。1974年の創業以来、軽量リップストップナイロンを用いた機能的かつスタイリッシュなバッグは、オンオフの境界線が曖昧になったコロナ禍で一層支持されている。日本においても直営店およびECの2022年売上高は、すでにコロナ禍前の2019年比を上回っており、好調だ。要因は、本国アメリカと共同開発した“レスポートサック アトリエ”コレクションの発売や、パートナーや家族とのシェア利用を促すキャンペーンのヒットなどにある。“ニューヨークらしさ”という軸はブラさず、時代を捉えて進化するグローバルブランドの“今”とこれからとは。

本社やスタジオ併設の
新拠点から発信強化

 ニューヨークでメルビン&サンドラ・シフター夫妻が創業した「レスポートサック」は、もともとセーリングに ヒントを得て誕生した。国際的でアクティブな彼らの精神と、“シンプルで自由”な水上スポーツの美学を融合させたリップストップナイロン製のバッグは、圧倒的な軽さとオリジナリティーあふれる色やプリントを強みに、当時のニューヨーカーの移動を快適にし、行動範囲を広げた。日本では、1990年代のアメカジブームをきっかけに、CAや女子大学生がこぞって愛用したことから人気に火が付き、2000年代にはデザイナーやアーティストとの積極的なコラボレーションで、世界各国での知名度を確固たるものにした。

 23年春夏ニューヨーク・ファッションウイーク期間中にオープンした「レスポートサック フラッグシップ & グローバルデザインスタジオ」は、こうした創業からのDNAを体現したブランドのコミュニティーとクリエイティブの新たな拠点だ。ファッションの聖地であるソーホー地区グリーンストリート32番地に位置する3階511m²の建物に、旗艦店とデザインスタジオ、コンテンツ制作スペース、本社オフィスを集約した。グローバルブランドの店舗設計を数多く手掛けるスタジオブッチによる内装コンセプトは、「軽快でエレガント」「モダンでタイムレス」。

 ホワイトとブルーを基調にした開放的で洗練された空間に、カラフルなバッグやポーチが映える。オープン時には、ジャン・ミシェル・バスキア(Jean Michel Basquiat)のアートワークを用いたエッジィなコラボコレクションなどを取りそろえ、同氏のグラフィックがウィンドーディスプレーを飾った。またプレミアラインの“アーク アン シエル”では、SNSで226万フォロワーを誇るシャーロット・ダレッシオ(Charlotte D'alessio)をビジュアルに起用し、アメリカにおけるZ世代へのアプローチを強化。世界中から人々が集まるニューヨークのフラッグシップから、この街で醸成されたブランドのアイデンティティーを国内外に強く発信していく。

日米共同開発の
“レスポートサック アトリエ”が大ヒット

 10月に米国と日本限定で発売された“レスポートサック アトリエ”は、ニューヨークのクリエイティブチームとレスポートサック ジャパンが共同で 企画・開発した新たなカプセルコレクションだ。過去に日本限定商品の販売はあったが、本国とローカルチームの共作はブランド史上初。実現の背景には、トーマス・ベッカー(Thomas Becker)最高執行責任者(COO)の「ファッションに対する情熱が非常に強い」日本市場への兼ねてからのリスペクトがあったという。

 同コレクションは、軽量性と機能性を軸に、キルティングやメタリックホイルなどの新素材やモダンなデザインで、よりファッション性を高めた。「形は機能に従う」をコンセプトに、「ブランドの新たな一面を見せる、未来へ向けたライン」と位置付けて、今後も継続的に発表していく。

 2022-23年秋冬のファーストシーズンは、実用性とフォーマルの融合を掲げた。日本国内では、リアルバンブーハンドルのトートバッグが幅広い世代に支持されて、発売2日で即完。パール付きのスモールヘルメットバッグは、ファッション性と機能性のバランスの良さからZ世代に最も人気だった。ECと店舗では、5日間で併せて5000万円以上を売り上げて、上質さと機能性を求める新規顧客の取り込みにも成功した。この大ヒットを受けて、各国からも販売オファーが殺到。次のシーズンからは他国での取り扱いも検討しているという。

パートナーや家族との
“シェア利用”提案で客層に広がり

 日本では、パートナーや家族との“シェア利用”を促すキャンペーンが奏功している。「レスポートサック」では創業当初からサステナビリティとして、長く使える商品を提案しているが、現在、日本では次なるステップとして、ジェンダー問わずに“シェアできる”バックパックやボストンバッグ、トートバッグをビジュアルと共に訴求。カップルや家族での来店が増え、強みである耐久性や軽量性、常時200種類以上をそろえる商品バリエーションの豊富さが、キャンプを中心としたアウトドア需要や、再開した学校行事需要に刺さった。

 中井康滋レスポートサックジャパン営業統括本部長は、「もともとシェア利用は多かったが、改めてキャンペーンで打ち出したところ反響があった。コロナ禍で在宅とオフィス出社をミックスした働き方が浸透したが、PCなどで荷物は重くなっている。単にカジュアル思考ではなく、ストレスフリーを求めるお客さまが増えており、通勤バッグとしてパートナーとのバックパックシェアや、親子でのボストンバッグシェアなどさまざまなケースが見られた」と語る。さらに「メンズブランドからの協業オファーが増えたことは想定外だった。反響があったことはうれしく思うし、2023年は新しい企画も増える」と続ける。

 日本国内の直営は現在、65店舗。今後の出店にも積極的だ。課題は「ブランドの世界観をダイレクトに感じて、実際に見て触れてもらえる空間づくり。デジタルが加速する中でも、リアル店舗も重視し、賛同いただける商業施設とはタッグを組んでいきたい。 機能性とデザイン性の両立など、付加価値のある商品やサービスの発展も使命。オンオフからジェンダー、シーンまで、全ての垣根を越えるブランドの“自由”な魅力を今一度マーケットに伝えていきたい」。

“ライトネス”のコンセプトを
製品から店舗まで拡大
旗艦店から世界を明るく、
軽やかに照らす

 ブランド戦略として、ソーホー店のオープンはかねてからの目標のひとつだった。同店舗では 小売店の域を超え、ブランドの文化とアイデンティティーを育み、表現やチームをまとめ、創造性の推進が進むだろう。アメリカ本社から小売店、マーケティングチーム、デザインスタジオまでを1つの施設に集約し、コンセプトやブランド自体を活性化させるため、必要だと考えたのはブランドに没入する環境だった。このアイデアは決して斬新なものではないが、創造性、関係性、ブランド文化などを育むことができると信じている。

 ブランドのDNAである“軽量さ=ライトネス”は、バッグが物理的に軽量であるだけでなく、“世界を明るく、軽やかに照らす”というコンセプトとしても重要だ。シンプルでタイムレス、かつ機能的な製品を手掛けるブランドアイデンティティーを店舗でも表現したかった。ロゴを活かしたデザインや天井の高さなど、空間全体が“ライトネス”を意識した作りになっている。ウインドー ディスプレーも洗練され、現代にあわせたクリアなメッセージを生活者、クリエイティブコミュニティー、そして業界全体に発信し、「レスポートサック」の世界にいざなうよう設計した。

 ブランドのアイデンティティーを至るところに表現することで、コンセプトがどのように現場で機能するのか、店舗でどのように心が動くか、などをスタッフが見て、感じて、体験し、創造性をもって前向きに働き、生活をするために重要な役割をもつ。コンセプトスタジオも備え、迅速なコンテンツ制作も可能になった。加えて、インフルエンサーやパートナー、各関係者を受け入れる場所としても発展するだろう。新たにオープンしたソーホー店は、改めて現場から全てのチームやクリエイティブが団結して行動することを後押ししてくれるはずだ。

TEXT : ANRI MURAKAMI
問い合わせ先
レスポートサックジャパン
0120-141-333

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「トム ブラウン」2023年プレ・フォール・コレクション

 「トム ブラウン(THOM BROWNE)」が2023年プレ・フォール・コレクションを発表した。

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BE:FIRST×「フィラ」のコラボがライトオンのオンライン限定で発売 スエットやバケットハットなど8型

 ライトオンは「フィラ(FILA)」とBE:FIRST(ビーファースト)のコラボアイテムを発売した。ラインアップはロングTシャツ(6490円税込、以下同)、スエット(9790円)、パーカー(1万450円)、キャップ(4950円)、バケットハット(5390円)など全8型。ライトオンの公式オンラインショップのみで取り扱っている。現在は先行予約販売中で、12月26日からは通常販売の予定だが、数量限定のため、完売した場合は通常販売を実施しないという。

 今回のコレクションでは「フィラ」とBE:FIRSTのそれぞれの頭文字をコラボレーションさせたオリジナルロゴを各アイテムに配した。トップス商品を購入した人には1点購入につきランダムでBE:FIRSTのステッカーをプレゼントする。ノベルティーは数量限定で、なくなり次第終了する。

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パタゴニアが“自然酒”拡充 新たに「仁井田本家」や伊「フランク・コーネリッセン」らと協働

 パタゴニア(PATAGONIA)の食品事業パタゴニア プロビジョンズ(PATAGONIA PROVISIONS)は12月8日、日本の酒蔵と協働して2種類の自然酒を発売した。昨年から協働する寺田本家(千葉県)とは「繁土(ハンド)」(720ml、2090円)を、今年は新たに仁井田本家(福島県)の「しぜんしゅ-やまもり」(720ml、2200円)が加わった。

 「繁土」は昨年の「五人娘」と同じ製法だが、酒母米を美山錦からコウノトリ育む農法(コウノトリの餌場になる水田を増やすことで人と自然が共生する豊かな環境を目指した自然農法)を兵庫県豊岡市で実践する坪口農事未来研究所の「コシヒカリ」に変更してアップデートした。「しぜんしゅ-やまもり」は仁井田本家の自社田で農薬、肥料不使用で育てられた昔ながらの品種「亀の尾」を使用。仁井田家が代々大切にしてきた山に18代目の蔵元仁井田穏彦(いだ・やすひこ)さんの祖父が植えたスギを用いた木桶で仕込まれている。

 仁井田本家は1711年創業の福島県郡山市の酒造で、「日本の田んぼを守る酒造になる」ことを使命に、1960年代から農薬、肥料不使用の米を使った酒作りに取り組む。2003年からは6ヘクタールある自社田で農薬、肥料不使用の米作りを開始。現在、仁井田本家と寺田本家が用いる米を栽培する坪口農事未来研究所は、日本でのリジェネラティブオーガニック(以下、RO:パタゴニアが推奨する環境再生型有機農法)認証取得を目指し、パタゴニアと協働している。

 パタゴニアはかねてから、現在主流となっている工業型農業が土壌劣化などのさまざまな問題を引き起こし、気候変動の主要な原因の一つになるとして警鐘を鳴らしていた。気候変動や増加する人口を支えるための食物供給、さらに地球の健全性を維持することができる最も効果的な方法として2017年に、複数のブランドとRO農法を共同で確立。ガイドラインがなくいわば“言ったもん勝ち状態”の環境再生型農業に対して、理念と方法論を構築し、認証化した。

 現在、水田でのRO農法は方法論が明確になっていない。そのため、ROアライアンスや協働先の団体、研究者などと探求しているところだという。「日本の農地面積の半分以上が水田。日本の気候風土に適したROの水田管理の在り方を探求することは意義がある。日本の食と農業の根源的な転換に貢献したい」と近藤勝宏パタゴニア プロビジョンズ ディレクター。パタゴニアは小規模農家や農業コミュニティーを支援し、環境面だけでなく社会的なサポートを行うことも目的としており、すでにRO農法で育てられたマンゴーや綿花を用いた商品を製造・販売している。今回の日本酒もこの取り組みの一環。

 ワインやハードサイダーのラインアップも拡充する。昨年販売したオーストリアのマインクラングが手掛ける「エスタライヒ」の白とロゼ(各3520円)は引き続き販売する。新たに、スウェーデンのハードサイダー醸造所フルクステレオのフルーツペットナット(ハードサイダー)「リッスン・トゥ・ユア・フルクト」(3520円)とイタリア・シチリア島のフランク・コーネリッセンの「フランク・コーネリッセン」の赤とロゼ(各4400円)をラインアップする。

 昨年の「五人娘」の動向を近藤ディレクターは「予想を超えたスピードで売れた。日本のマーケットには日本のモノが響くこと、そしてそれが求められていると感じた。よりローカルなプロダクトに力を入れていく」といい、「正しいモノ作りをしている方から原材料を買い取ることに貢献したい。また、モノ作りの背景を伝えることで、人々の意識を少しでも方向展開できるような、そういった変化を生み出したい」と語った。

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三井物産が原料調達から支援の先までを見える化する新ツール開発 ロンハーマンが導入

 三井物産はこのほど、サプライチェーンを可視化する新たなプラットホーム「ファーマーズ 360°リンク(farmers 360° link)」を始動した。ザンビアの小規模零細農家の支援を目的に、アプリを通じて綿花の生産者と消費者をつなげ現地の状況を見える化することで新たなエシカル消費体験を提供する。パートナー企業としてロンハーマンが2023年春夏シーズンの一部商品において初導入した。

 同社が出資するアフリカの農業商社ETGと連携して進める。ETGが持つ8万件の綿花農家とのネットワークを活かし、必要なデバイスを供給して綿花の買取り工程をデジタル化した。これにより、農家一軒一軒の生産契約や種子の農薬使用率、農法、収穫量、その後の加工経路などの情報をブロックチェーン上で管理でき、購入者の手元に最終製品が届くまでを追跡できる。

 商品金額の一部は、現地の生活者やコミュニティーの発展につながるインフラ設備などに活用する。購入者は、商品のタグについているQRから支援の内容を選択でき、その後ライン(LINE)またはメールを通じて、現地から支援項目の進捗レポートを受け取ることができる。

 同プロジェクトの指揮を執る池田竜一担当は、「現地に通うなかで農家に適切な資材や肥料を購入してもらうよりも、彼らが手をかけて生産したものがまず適正な価格で売られ、生活水準の底上げにつなげていくことの方が重要だと考えた。しかし、サプライチェーンの複雑なコスト構造の壁もある。そこで生産者から消費者に直接ストーリーを伝えるアプローチが有効だと考えた」と開発背景を語り、「地球に良いことをしなければならないという義務感ではなく、生産者とつながるプロセス自体を楽しめる仕組みづくりを通して、エシカル消費への参加者を増やしたい」と意気込む。ロンハーマンを皮切りに、国内外のさまざまなアパレル企業に参加を呼びかける。

 昨年約1000件の農家を対象にオペレーションのデジタル化およびデータの蓄積を開始し、今年は約3000件に対象農家を広げた。ETGが取り扱うザンビア綿は、すべてCmiA(コットンメイドインアフリカ)認証を取得しているが、池田担当によると多くの農家が綿花栽培に関する体系だったトレーニングを受けていないという。渡したデバイスを活用して、綿花を効率よく生産するための教育コンテンツなどの配信も始めた。今後は、綿花以外にもETGが取り扱うカカオやコーヒーなど他の作物にも応用させていく計画だ。

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「アディダス オリジナルス」の“スタンスミス”からラグジュアリーエディションが登場

 「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」は12月15日、アイコンスニーカーの“スタンスミス”をラグジュアリーにアップデートした“スタンスミス ラックス(STAN SMITH LUX)”を発売する。価格は1万6500円(税込)。

 シルエットやパンチングによる“スリーストライプス”(3本線)はそのままに、しっとりとソフトなライニングを備え、シュータンのロゴには高級感のあるマットメタリックを採用する。

 また一部の店舗では、購入者にホリデーシーズンをイメージしたギフトラッピングとメッセージカードをプレゼント(先着)する。

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