【2023年版】百貨店やSCの初売りセール&福袋情報 三越伊勢丹やルミネ、パルコなど 独自イベントも続々登場

新年は、初売りや福袋などショッピングにまつわるイベントが満載。注目していたアイテムがお得に手に入るかもしれないこの機会を活用してみてはいかがでしょう。この記事では、首都圏の主要な百貨店やショッピングセンター(SC)のセールや福袋、新年限定イベントの情報を紹介します。

※12月29日時点での情報です。最新の営業状況などは各施設のHPをご確認下さい。

1月1日(日)

【そごう・西武】

店舗:西武池袋本店、西武渋谷店、西武所沢S.C.、そごう大宮店、西武東戸塚S.C.、そごう横浜店、そごう千葉店
開店日時:1月1日(日)10:00〜

 そごう・西武グループは元日から9日まで各店舗で「西武冬市」、「そごう冬市」を開催する。ファッションアイテムやインテリア雑貨などが最大50%オフで手に入る。また、3日までは各店舗で「福袋大市」も開催。コスメやウィメンズ、メンズファッションアイテムなどブランドの福袋を用意する。西武池袋本店では、「福袋でサイカイ(再開・再会)」をテーマに高津軽海峡産の級天然本マグロを届ける福袋(5万4000円税込以下同、3個限定)や西武ライオンズの松井新監督からノックを受けられる福袋(2023円、親子5組限定)などをラインアップする。また、「西武冬市」「そごう冬市」「福袋大市」はショッピングサイトe.デパートでも開催する。

【六本木ヒルズ】

開店日時:1月1日(日)11:00〜

 六本木ヒルズでは元日から15日まで、冬のセールを開催する。「ビームス(BEAMS)」や「アディダスオリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」「ユナイテッド アローズ(UNITED ARROWS)」など約50店舗のアイテムが、最大70%オフで手に入る。また3日までは、ファッションアイテムやビューティ雑貨の福袋や各レストランの新年限定メニューのほか、ゴルフやリラクゼーションを体験できる企画などを用意する。

【ラフォーレ原宿】

開店日時:1月1日(日)11:00〜

 ラフォーレ原宿では元日から9日まで、グローバルボーイズスループ、トレジャー(TREASURE)とコラボレーションしたキャンペーンを実施する。期間中は2店舗でコラボスイーツやドリンクを提供するほか、グループカラーであるブルーをそろえた福袋などを用意する。

【アクアシティお台場】

開店日時:1月1日(日)11:00〜

 アクアシティお台場では、1月31日までバーゲンを開催中。「アディダスオリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」や「ギャップ(GAP)」、「プーマ(PUMA)」、「トミーヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」などのブランドが最大50%オフになる。

1月2日

【三越伊勢丹】

店舗:伊勢丹新宿本店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店、三越日本橋本店、三越銀座店
開店日時:1月2日(月)10:00〜

 三越伊勢丹は2日から、オンラインストアでは店舗に先駆けて元日から、冬のクリアランスセールを開催する。伊勢丹新宿本店では2〜4日の期間、本館6階の催事場で「伊勢丹サウナ館」を開催し、サウナ施設やファッションブランド、クリエイターなどとのコラボアイテムを販売する。

【高島屋】

店舗:日本橋高島屋S.C、玉川高島屋S・C、立川高島屋 S.C、高島屋大宮店、柏高島屋ステーションモール、高島屋流山おおたかの森S・C
開店日時:1月2日10:00〜
※高島屋横浜店と高島屋高崎店は9:00〜、新宿タカシマヤ タイムズスクエアのみ9:30〜

 高島屋では2日から10日まで、「タカシマヤ ウィンタークリアランス」を実施する。ウィメンズやメンズのファッションアイテムやインテリアなどが特別価格で手に入る。オンラインストアでは2月15日までセールを開催する。また、各ブランドの福袋は店頭とオンラインストアで取り扱う。

【パルコ】

店舗:渋谷パルコ、錦糸町パルコ、パルコヤ上野、浦和パルコ、調布パルコ、ひばりヶ丘パルコ、津田沼パルコ
開店日時:1月2日(月)10:00〜

 パルコは5周年を迎えた「ファイナルファンタジー」とのコラボレーションキャンペーンを全国18店舗で開催する。その第1弾として2日から15日の期間、グランバザールを実施し、オリジナルビジュアルの展開やプレゼントキャンペーンを展開する。また、開催を記念して期間中税込1万円以上を買い上げた全国5000人には、先着でコラボデザイン「ほぼ日手帳」スペシャルセットを先着でプレゼントする。

【ルミネ】

店舗:ルミネ北千住、ルミネ立川、ルミネ大宮、ルミネ川越、ルミネ横浜、ルミネ藤沢、大船ルミネウイング、ニュウマン横浜
開店日時:1月2日(月)10:00〜

店舗:ルミネ有楽町店、ルミネ町田、ルミネ荻窪、
開店日時:1月2日(月)10:30〜

店舗:ルミネ新宿、ルミネエスト新宿、ルミネ池袋、ニュウマン新宿
開店日時:1月2日(月)11:00〜

 ルミネ、ニュウマンでは2日から9日までバーゲンを開催する。公式オンラインストアでは店舗に先駆けて元日からセールを開始する。また、各店舗でブランド福袋を用意する。詳細は公式サイトに記載している。

【表参道ヒルズ】

開店日時:1月2日(月)11:00〜

 表参道ヒルズでは、元日から15日までセールを開催する。対象ブランドは、「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」や「マルニ(MARNI)」「ワイズ(Y’S)」「パトゥ(PATOU)」「アグ(UGG)」など。また、約20ブランドの福袋を数量限定で用意する。そのほか9日までの期間、アーティストのヤナギダマサミによる作品展を開催する。

【SHIBUYA109】

開店日時:1月2日(月)10:00〜

 SHIBUYA109は、2日から15日の期間でガールズグループ、ル セラフィム(LE SSERAFIM)とコラボレーションしたウィンターセールを実施する。セール期間中は、ウィメンズのファッションアイテムなどが最大70%オフで手に入る。各ブランドの福袋情報は、公式サイトにまとめている。期間中はル セラフィムのキャンペーンビジュアルが屋内外をジャックし、各ブランドとの限定コラボアイテムを販売する。また、29日までの期間はポップアップを開催し、オリジナルグッズを販売する。

【ギンザ シックス】

開店日時:1月2日(月)10:30〜

 ギンザ シックスでは、2日から15日まで「ギンザ シックス セール」を開催する。レディス・メンズのファッションアイテムやジュエリー、ライフスタイル雑貨を限定価格で提供する。また、同日より一部ブランドの福袋を販売する。2日には地下3階の観世能楽堂にて、無料で入場できる「ギンザ シックス 新春能」を開催する。

【レイヤード ミヤシタパーク】

開店日時:1月2日(月)11:00〜

 レイヤード ミヤシタパークでは、2日から16日までセールや福袋、ノベルティなどを用意する「レイヤード ミヤシタパークパーティ」を開催する。期間中は「ザ ノース フェイス(THE NORTH FACE)」や「コンバース(CONVERSE)」などのブランドが最大70%オフで手に入る。一部ブランドは福袋もラインアップする。そのほか、「ウカ(UKA)」では来店客に特別なカイロ“ウカイロ”を、天狼院カフェでは5000円以上を購入した人にオリジナルトートバッグをプレゼントする。

【東武百貨店】

店舗:東武百貨店池袋本店、東武百貨店船橋店
開店日時:1月2日(月)9:30〜

 東武百貨店では、2日から25日までジュエリーやファッション、スポーツブランドなどが参加する「東武ウィンターセール」を開催する。一部ブランドでは現在、他店に先駆けてセールを開催中で、ブランドごとの詳細は公式サイトに記載している。また、セール商品はトブポアプリ、東武カードでのポイントが3倍になる。

【大丸松坂屋百貨店】

店舗:大丸東京店
開店時間:1月2日9:30〜

店舗:松坂屋上野店
開店時間:1月2日(月)10:00〜

 大丸松坂屋百貨店では、2日からクリアランスセールを開催する。ウィメンズやメンズのファッションアイテムやアクセサリー、雑貨などが特別価格で手に入る。一部ブランドは他店に先駆けて、現在セールを実施中。また、各ブランドの福袋のほか、店舗限定の福袋も用意する。大丸東京店では、エステやグルメを体験できる福袋を、松坂屋上野店では、毎年好評の“紳士雑貨選べる3点福袋”(3300円税込、以下同)などを用意する。

【東急プラザ】

店舗:東急プラザ銀座、東急プラザ表参道原宿、東急プラザ蒲田、東急プラザ戸塚
開店日時:1月2日(月)10:00〜
※東急プラザ渋谷のみ11:00〜

 東急プラザでは2日からセールを開催する。セール期間や参加ブランドは店舗によって異なる。東急プラザ銀座では、「ハンター(HUNTER)」や「L.L.ビーン(L.L.BEAN)」「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」「ウィムガゼット(WHIM GAZETTE)」などのアイテムが最大80%オフになる。

【松屋銀座】

開店日時:1月2日(月)10:00〜

 松屋銀座では、2日からクリアランスセールを開催する。ジュエリーやウィメンズ、メンズのファッションアイテムやスポーツ用品を特別価格で提供する。また、限定の福袋も用意する。オーダースーツ仕立て券と化粧品などをセットにした「銀座の男 美意識向上福袋」(5万5000円、5点限定)やお惣菜が当たる「デリガチャ ~年の初めの運試し~」(1080円、50点限定)など、バラエティに富んだ企画をラインアップしている。

【マルイ】

店舗:国分寺マルイ、マルイシティ横浜
開店日時:1月2日(月)10:00〜

店舗:マルイファミリー海老名、大宮マルイ
開店日時:1月3日(月)10:30〜

そのほかの店舗は1月4日(水)〜

 マルイは一部店舗で2日からセールを開催し、各ブランドの福袋を販売する。参加ブランドは公式サイトに記載している。今年丸井グループは、22店舗中17店舗で1〜3日を休館日とし、自社ECサイトの「マルイウェブチャンネル」の集客を強化する意向を示している。

【東京ミッドタウン】

開店日時:1月2日(月)11:00〜

 六本木の東京ミッドタウンでは2日から15日まで冬のセールを開催している。「ニューバランス(NEW BALANCE)」や「アグ(UGG)」などファッションブランドやインテリアブランドなどの商品が最大60%オフで手に入る。また、2日には先着800人に振る舞い酒を実施。2〜3日の2日間は書道家が「東京ミッドタウン・オリジナル年賀状」に希望の文字を書くサービスや白河だるまの絵付け体験などのコンテンツを用意する。

まとめ

 2023年も新年早々、各百貨店やショッピングセンター(SC)から、バラエティに富んだ企画が目白押し。お買い物で新年を楽しくスタートさせてみてはいかがでしょうか。
 

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アラフォーには懐かしの「ビューティビースト」が国内外で若年層も巻き込んで人気再燃

 東京のデザイナーズブランド「ビューティビースト(BEAUTY:BEAST)」は、1990年代に東京やパリでコレクションを発表して、熱狂的なファンを獲得。ところがデザイナーの山下隆生は2000年にブランドを休止すると、その後はさまざまなファッション企業でメンズやウィメンズ、子ども服、スポーツウエアなどのディレクションを担当。20年の「ビューティビースト」再始動まで、表舞台から遠ざかっていた。

 最初のブレイクから30年、現在は人気が再燃するどころか海外のファンも多く、「#beautybeast」でインスタグラムを検索すると世界各地からの投稿が見つかるほか、メルカリなどの2次流通では高値で取引されている。新作の売り上げも順調だ。カムバックの理由は、なんだったのか?90年代と現在でモノ作りにかける思いは違うのか?山下デザイナーに聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):そもそも2019年の再始動のきっかけは?

山下隆生「ビューティビースト」デザイナー(以下、山下):3年前、「Your Fashion Archive」というウェブメディアのオリバー・レオーネ(Oliver Leone)からインタビューのオファーがあった。オリバーはファッションが大好きで「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」などの90年代に造詣が深く、彼自身が当時の日本のファッションに興味を持っていた。アメリカには、彼のような若い世代が多いという。そこで「これだけアメリカの若者が日本の90年代ファッションを好きなのに、なぜ、あなたは洋服作りを再開しないのか?」と聞かれた。それが、インタビューの最後の質問だった。その時は「タイミングが合えば」と答えたが、確かにインスタグラムでは90年代の「ビューティービースト」(注:再始動前は「ビューティービースト」)が、当時の「アンダーカバー(UNDERCOVER)」や「リック オウエンス(RICK OWENS)」のように話題になっていた。僕は20年間、ネス湖に潜って頭を上げていなかったが、日本の90年代のファッションを求めている世界の熱量に動かされた。

WWD:なぜ、アメリカでは日本の90年代が盛り上がっているのか?

山下:彼らの手元に、僕の洋服がどう届いていたのか?流通の全容は今もわからない。ロサンゼルスのセレクトショップがアーカイブを集めてコーナー展開してからという話もある。90年代はインターネットが整う直前で、僕の手元の資料は全て紙。若い世代にとっては、謎に包まれている印象があるのかもしれない。僕にとっての70年代のような感覚を、今の若い世代は90年代に抱いているのかもしれない。(日本のブランド古着や「ビューティビースト」との新作コラボなどを販売する米ECの)「エンプティー ルーム(EMPTY R__M)には20代のファンが多いそうだ。

 考えてみれば、今の世の中には90年代のメンタリティがあるのかもしれない。湾岸戦争(1990年〜)とウクライナの侵攻が重なる人もいるだろう。コロナの影響で国内ブランドへの注目が集まったのも、90年代に似ている。振り返れば90年代の前半には「シュプリーム(SUPREME)」や「ステューシー(STUSSY)」がブレイクしたが、半ばくらいからは「ビューティービースト」のほか、「20471120」や「ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)」などのインディペンデントなブランドが売れるようになった。最近までは「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などが強かったけれど、世界的な物価高や円安でインポートが買いづらくなって、日本のブランドが注目されるようになった現代と重なる。

 ただ日本でも今、90年代は盛り上がっていると思う。「エモい」は、90年代ならオタクだけが楽しんでいた、斬新ながらどこかノスタルジックなものに使われる言葉だと思う。「ビューティービースト」の洋服をインスタグラムでアップする若い世代は、90年代のファッション誌を買い漁っている。90年代の映像を欲している若者も多いから、当時の空気感を伝えられるイベントが開けたら、と思っている。

WWD:そこで「ビューティビースト」を再始動した。

山下:たくさん商品を作って、アパレル・マーケティングをするつもりはない。ただネス湖に潜っていたときでも、追いかけ続けてくれた40代の熱心なファンは多い。彼らが洋服を着てくれるなら、と思っている。若い世代も着られるけれど、40代はどこかにノスタルジーも感じてしまう。そんなブランドを目指している。「新しいものを」と思って作り続けた90年代のアーカイブを全部ひっくり返して、「どこか懐かしく、でも今着られるものは何か?」を考えている。今の40代は、当時よりお金を持っている。でも「当時より派手じゃなく」、一方で「持っていないものが欲しい」という。そのバランスを探りたい。明らかに変わったのは、ドクロのように今の社会では「死」を意味するような悲観的なモチーフ使いはやめている。昔より色は多いのかもしれない。社会の”どんより”した雰囲気を払拭したい。僕は、自分に思いを言語化する能力がないから、メッセージやメンタリティをぶつけて洋服を作っている。そこに今は、思いを言語化できるパートナーが現れ、SNSという伝えるツールも整った。40年くらいずっと探していた言語化できる人と環境を手にした。

WWD:と同時に、若い世代も興味を持っている。

山下:今の世代はコーディネイトが上手なのに、提案するスタイルを丸ごと買ってくれたりする。そんな時は、発信できるようになった言語というより、そんな言語を連ねた文章に共感してくれたのかな?と思っている。僕がラッキーだったのは、SNSで拡散しやすいヒストリーがあったこと。SNSでの反響は、昔の口コミに似ている。外出自粛の影響でスマホをいじる時間が増えたことで、皆細かく、深く掘り下げるようになっている。

 昔「トム ブラウン(THOM BROWNE)」のコレクションを見た時、大きなショックを受けたことがある。彼の定番には、デザインが存在しない。「普通がかっこいい」「それが新しい」なんて、自分の発想にはなかった。ブランドを休止した2000年ごろ、世の中に広がり始めていたのは「ユニクロ(UNIQLO)」。営業担当と次の方向性について話をしていたとき、こだわりの寿司屋より、回転寿司の方が好かれる時代が到来したように感じた。ネット時代が到来して、洋服の代わりにハードウエアに数十万円を費やす時代にもなった。だからコレクションピースを作ることをやめ、テクノロジーの勉強をして「タイガリオナ(TAIGALIONA)」(編集部注:山下が2020-21年秋冬にスタート。日本古来のワークウエアをベースに、テクニカル素材とモード由来のシルエットの融合を試みている)をスタートした。ただドナルド・トランプ(Donald Trump)が大統領に就任してからは、あれだけハッキリした物言いに反発する若者も現れるだろうと感じていた。ファッションはメンタリティーのPRツールでもある。世間とは違うメッセージを発信したい人に届けば嬉しい。

WWD:海外の人に売れている理由は?

山下:海外の人は今、そのヒストリーにリスペクトの思いを込めてくれる。この思いは、フィジカルな店舗に絞った方が共有しやすいのではないか?もちろん、最終的には直営のウェブショップが必要だと思うが、販路については良きパートナーと、深く掘り下げるような関係性を築いていきたい。僕にとって、洋服は単語。その単語を「今の時代、こんなふうに組み合わせると、今までにない文章になるでしょう?」と提案しているつもりで、それは今も昔も変わらない。だからメンタリティを表現する修飾語まで、きちんと取り扱ってくれるパートナーとタッグを組みたい。

WWD:新作には、当時の復刻も多い。

山下:トラックスーツは当時の色を復刻しながら新色を発売し、ラビットのバックパックは270個限定で作ったりした。もちろん商習慣と合わせないといけないが、消費者のニーズはシーズンレスになっている。「今、ここで着たいパーカー」が提供できたら、それでいい。コンサートで求められるのは、新曲だけじゃない。大事なのは、オールタイムベスト(デビュー時から最新まで発表した全時代の全楽曲から選曲され、キャリアが総括されたベストアルバムを指す)だ。

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新たなフロンティアを求めて KING -MASAと考えるサウジアラビアのファッション市場

 2019年に個人観光ビザの発給が解禁されるまで、“世界一訪れることが難しい国”といわれていたサウジアラビア。イスラム教やアラブ王国、石油、サッカーなど想像に難くないが、今なおベールに包まれているのがファッションだ。数年前に服装の規制は撤廃されているものの、全身を白や黒で覆う民族衣装のイメージはまだ強い。そんな謎多き国でこのほど行われたスニーカーイベント「スニークミー(SNEAK ME)」に、スニーカーコレクターであり「オールウェイズ アウト オブ ストック(ALWAYS OUT OF STOCK、以下A .O .O.S)」のディレクター、キングマサ(KING -MASA)が参加した。KING-MASAが見たサウジアラビアの現状を聞きながら、中東のファッションの未来を考察する。

――「スニークミー」へはなぜ参加することに?

KING -MASA:友人のティー(ロンドンのクリエイティブ集団「ビジョナリズム(VISIONARISM)」を主宰)がこのイベントのディレクションに関わっていて、彼から連絡が来たんです。「数年前まで渡航がオープンになっていなかったけど(2011〜19年まで観光ビザの発給が停止されていた)、今は逆に国がファッションを盛り上げようとしている。国のバックアップで旅費や宿泊費、輸送費などの経費、ビザの手配などをサポートしてくれるから『A.O.O.S』として出展してくれないか?」というものでした。ただ、会期が2週間と長かったので出展は厳しいと伝えたら、数日間、インフルエンサー枠としてだけでもいいから来て欲しいと。だから僕は今回インフルエンサーとして参加したんです。

――なるほど。サウジアラビアってどんな雰囲気なんですか?

KING -MASA:街はラスベガスかと思うぐらい煌びやかで、めちゃくちゃイケてる。でもファッションを見ても「シュプリーム(SUPREME)」や「ナイキ(NIKE)」のようなブランドを着ている人はいなくて、買う場所もほとんどなかったですね。実際、「ストックX(STOCK X)」のようなリセールサイトでもサウジアラビアへの配送はしていないみたいです。

――買う手段がないんですね。イベント自体はどんなところで開催されたのですか?

KING -MASA:会場は屋外で、砂漠のど真ん中でした。昼間は暑過ぎて無理だから、夕方の16時から深夜0時までやるナイトマーケットみたいな感じです。そんな遅い時間にわざわざ人が来るのかなと思っていたら、20時ぐらいまではほとんど人がいないんですけど、逆に21時とか22時とかになったら人がバンバン来て。そういえば、フライトも夜の便で着いたんですけど、そのときも空港に人がたくさんいたし、夜型なんです。

――出展ブースは海外のスニーカーショップですか?

KING -MASA:イベントのメインは、海外のリセールショップでした。リテールは「アシックス(ASICS)」や「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」が出ていて、残りはワークショップ。50店以上出ていて、どこも巨大なブースを構えていましたね。イメージとしては、「スニーカーコン」と「コンプレックスコン(COMPLEXCON)」の間みたいな感じです。ちなみに、アジア人で参加していたのは僕だけでした。

――リセールプライスで売られているんですよね?やっぱり高いんですか?

KING -MASA:値付けはまあまあ高かったですけど、それでも売れるんだと思います。“イージー(YEEZY)”や「ディオール(DIOR)」דジョーダン”みたいな分かりやすいものが売れていた印象です。白い民族衣装を着ている人も多いんですけど、足元はスニーカーを履いているんですよね。民族衣装は強制ではないらしく、友人はファッションが好きだから特別なとき以外は着ないと言っていました。興味深かったのは、会場の中央のブースに中東で有名なインフルエンサー2人のスニーカーが数足展示してあったんですけど、中にはフェイクもあって、それも一眼で分かるようなもの。でも、正規店がないからそもそも比べようがないんですよ。海外旅行に行ったときとかにリセールで買うしか手に入れる手段がないので。

――確かに情報がないから、コアなビンテージなんかより、分かりやすいものがいいのかも。

KING -MASA:そうですね。実際、多少は古いスニーカー(数年前に出たもの)もあったんですけど、あんまり反応は良さそうではなかったです。それと、古いスニーカーを持ってきたら急激な温度変化で、突然“エア”(クッショニング性能を持つ踵のソールユニット)の部分が割れたという人もいました。本当に暑いので、そういう環境的な課題はあります。

――四季があるような国でもないからこれからファッションやスニーカーが発達していけば、そこでしか生まれないイノベーションが開発されるかもしれませんよね。

KING -MASA:それはあるかもしれないですね。思ったよりもネガティブなイメージもないし、何より安全。出展ブースのスニーカーを2週間もどうするの?と聞いたら、一応ロッカーはあるけど、そのまま置いて帰っても大丈夫、と。もし盗難にあっても、そこら中にカメラが付いているから犯人はすぐに捕まるとか。サウジアラビアやドバイは今世界で1番安全な国だと言っていました。

――確かに、アメリカやヨーロッパだとそうはいかないですもんね。

KING -MASA:ファッションやスニーカーは欧米の主要都市では飽和状態ですけど、サウジアラビアも含めて中東はまだまだ進化していくだろうし、自分のブランドにも可能性を感じています。興味深いし、かなり面白かったですね。実際、「ハイプビースト(HYPEBEAST)」がミドルイースト(中東)版を運営していたり、ラスベガスにあるリセールショップ「アーバンネセシティーズ(URBAN NECESSITIES)」がサウジアラビアに近々店をオープンしたり、これからどんどん盛り上がっていくと思います。

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【2022年の海外ニュース振り返り】「グッチ」や「バーバリー」から「フェラガモ」まで、デザイナー去就まとめ編

 2022年は、なんと言っても「グッチ(GUCCI)」をスターブランドに返り咲かせたアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の退任が大きな衝撃を与えた。後任の決定まではデザインチームでコレクション制作を続けるといい、候補には社内のデザイナーの名前が挙がっている。そんな「グッチ」は、23年1月にはミラノ・メンズ・ファッション・ウイークでショーを開催予定。15年のミケーレ就任時のように、その際に後任が発表されるかもしれない。

 またデザイナー交代ではないが、11月の同じ週にインスタグラムで突如発表された「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」のブランド終了も大きな話題になった。「私は精神的にいつまでも若々しくありたい。最初はとても面白かったのに、いつの間にか商業主義に染まってしまい、とがった部分がなくなるようなブランドにはしたくない」と以前語っていたラフの今後は明らかになっていない。当面は、より多くの時間とアイデアを注げるようになるであろう「プラダ(PRADA)」での彼のクリエイションに期待したい。

 就任で最も注目を集めたのは、ダニエル・リー(Daniel Lee)だろう。21年11月に「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を電撃退社した彼は今年10月、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)の後任として、「バーバリー(BURBERRY)」のチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)に着任。23年2月20日、ロンドン・ファッション・ウイークでのショーで初のコレクションを披露する。

 他にも、特にミラノコレブランドでは新陳代謝が活発化。「バリー(BALLY)」(1月)、「フェラガモ(FERRAGAMO)」(3月)、「ミッソーニ(MISSONI)」(3月)、「エトロ(ETRO)」(6月)に新クリエイティブ・ディレクターが就き、9月に一気にデビューショーを開いた。パリコレブランドでは、若手気鋭デザイナーの抜てきが目立つ。「ニナ リッチ(NINA RICCI)」はハリス・リード(Harris Reed)を、「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」はルドヴィック・デ・サン・サーナン(Ludovic De Saint Sernin)をクリエイションのトップに起用。それぞれの新たな一章は、23年2月末から3月初旬に開かれる23-24年秋冬のパリコレで明らかになる。

 21年11月末にこの世を去ったヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が立ち上げ、手掛けてきた「オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH」には5月、アート&イメージディレクターとして、雑誌「デイズド(DAZED)」の編集長も務めるスタイリストのイブラヒム・カマラ(Ibrahim Kamara)が就任。亡き創業者が思いを受け継ぎ、ブランドのコレクションやイメージ、コンテンツ制作を統括している。一方、ヴァージルが務めていた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ・アーティスティック・ディレクターの座は空いたまま。ただし、マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼最高経営責任者は後任探しを「急ぐつもりはない」とし、ヴァージルのように「時間をかけて成長していく人物を起用したい」という。

 2022年の主なデザイナー去就は以下の通り。

アン ドゥムルメステール
就任:ルドヴィック・デ・サン・サーナン

エトロ
退任:ヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)、キーン・エトロ(Kean Etro)、ヤコポ・エトロ(Jacopo Etro)
就任:マルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)

オフ-ホワイトc/o ヴァージル アブロー
就任:イブラヒム・カマラ

グッチ
退任:アレッサンドロ・ミケーレ

コルネリアーニ(CORNELIANI)
就任:ポール・サリッジ(Paul Surridge)

シュプリーム(SUPREME)
トレマイン・エモリー(Tremaine Emory)

セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)
就任:エヴァンジェリー・スミルニォタキ(Evengelie Smyrniotaki)

ドクターマーチン(DR. MARTENS)
就任:ダレン・マッコイ(Darren Mckoy)

ニナ リッチ
退任:ルシェミー・ボッター(Rushemy Botter)、リジー・ヘレブラー(Lisi Herrebrugh)
就任:ハリス・リード

バーバリー
退任:リカルド・ティッシ
就任:ダニエル・リー

バリー
就任:ルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)

フェラガモ
就任:マクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)

ボス(BOSS)&ヒューゴ(HUGO)
退任:インゴ・ウィルツ(Ingo Wilts)
就任:マルコ・ファルチョーニ(Marco Falcioni)

ミッソーニ
退任:アルベルト・カリーリ(Arberto Caliri)
就任:フィリッポ・グラツィオーリ(Filippo Grazioli)

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レイア姫も着用のフィンランド発ジュエリー「カレワラ」を選ぶ理由 自然・環境への配慮と利益の3分の1をチャリティーに寄付

 フィンランド発ジュエリー「カレワラ(KALEVALA)」が2022年秋、日本に上陸した。「カレワラ」とは、フィンランドの民族叙事詩のことで、初版発行から100周年の1935年に女性作家のエルサ・へポラウタが創業。自然を感じさせる有機的で他にはないデザインが魅力で、フィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)第46首相をはじめ、オノ・ヨーコなどが着用。1970年代の映画「スターウォーズ」では、レイア姫のネックレスに「カレワラ」が採用されている。日本では、公式ECで販売中だ。

 「カレワラ」の魅力は、デザイン性だけではない。創業時から貫かれるその徹底した企業姿勢にある。通常、ジュエリーブランドというと、マーケティングの一貫としてインフルエンサー起用、SNS発信などでブランドを知ってもらい、商品を手に取ってもらうという戦略が多い。「カレワラ」は、マーケティングとは相反するコミュニケーションを取っている。創業以来受け継がれるキーワードである“女性”“チャリティー”“サステナビリティ”に真摯に向き合い、企業活動を行っている。

創業時から続くチャリティー精神

 多くの企業が近年CSRの一貫でチャリティーに協力しているが、カレワラは、創業時に遡る。ジュエリーブランド創業の目的は、叙事詩「カレワラ」に登場する女性を讃える銅像をつくることだった。その銅像建設委員会の活動を引き継いだカレワラ女性協会が今でも「カレワラ」の所有者だ。1939年に戦争が勃発したため、銅像建設は一時中断。それまで集まっていた資金は、戦争被害にあった女性や子どものために使用された。それ以来、チャリティーはカレワラの企業活動の一部として継続している。毎年利益の3分の1をチャリティーおよび自社スタッフの福利厚生に充てている。

女性による女性のための企業活動

 カレワラは女性が立ち上げ企業。その創業時からの女性を支援する精神は代々受け継がれている。同社は創業以来、フィンランドを代表する企業として1980年代の一時期を除き女性が運営。2019年に最高経営責任者(CEO)に就任したキルシ・パーッカリは、8代目の女性トップだ。1960年代にデザインは男性の領域だったが、ファッションアーティストのパウラ・ハイヴァオヤをデザイン責任者に起用するなど女性の活躍できる場をつくった。

 カレワラは、チャリティー面でも女性をサポート。ケニアの村マコンゲニにカレワラトレーニングセンターを設立し、年間190人の弱い立場に置かれた16~25歳の女性に理髪、裁縫、情報処理のトレーニングを提供している。また、フィンランドの全国障害者協会であるルセッティと協業でデジタルプラットフォーム「障害のある少女」を立ち上げ、イベントなどを通して障害のある女性を支援するなど、活動の場を広げている。

リサイクル素材と自然の力で生まれるジュエリー

 カレワラの活動はクリーンエネルギーに支えられている。80人以上が働く工房では、LED照明を使用し、風力発電と屋上のソーラーパネルで自家発電した電気でまかなっている。また、ジュエリーの製作過程に出る排水を浄化して再生水を再び製造に使用し、水の使用量を削減するなど、徹底的に無駄を省き、環境に優しいエネルギーにこだわり、可能な限り循環させている。

 ジュエリーの素材についても、ゴールドは100%、シルバーは95%リサイクル由来のものを使用。シルバーもゴールド同様、100%リサイクル由来にすることを目標にしている。ジュエリーボックスや配送用放送には持続可能な森林資源であるFSC認証の段ボール素材を採用。

 あらゆる企業の課題である環境負荷の減少だ。カレワラの自社への設備投資は相当なものだと思う。このように、できるだけ使用するエネルギーは自社でまかない循環させるという姿勢がすばらしい。

 リサイクル素材にこだわり、循環エネルギーを使用してつくられたジュエリーは、とても美しい。

 ローンチイベントで来日したパーッカリCEOは、来場ゲスト一人一人に挨拶し、カレワラの企業ストーリーを説明。単なるジュエリーブランドの発表会とは違う、一歩踏み込んだ丁寧なプレゼンテーションは、新鮮かつ好感が持てた。環境や人に、実際貢献するジュエリーブランド「カレワラ」。私は、そのユニークな個性がある「カレワラ」のジュエリーをまといたいと思う。

 なぜなら、その美しさとオリジナリティー、そして、その企業姿勢が理由だ。

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「ハフ」がBMXブランド「カルト」とコラボ 20インチバイクなどを用意

 サンフランシスコ発のスケートボードブランド「ハフ(HUF)」は、BMXブランド「カルト(CULT)」とコラボレーションしたコレクションを12月30日に発売する。「ハフ」の公式オンラインストア限定で取り扱う。

 今回のコラボは、「ハフ」のブランド設立20周年を記念して実現し、20インチバイクとグローブ、Tシャツの3型を用意。どれもキース・ハフナゲル(Keith Hufnagel)「ハフ」創設者が第二の故郷と呼ぶサンフランシスコへ敬意を表し、同地のベースボールチームに着想したブラック&オレンジのカラーをベースに、両者のコラボロゴなどを落とし込んでいる。価格は20インチバイクが税込13万2000円、グローブが同8800円、Tシャツが同6930円だ。

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「ジーユー」の予約制接客サービスの実力はいかほど? プチプラでも接客はプレミアム

「ジーユー(GU)」は、2022年秋に出店したマロニエゲート銀座店、大阪・天王寺ミオ店、ルミネ横浜店で、接客に力を入れています。ご存知の通り、「ジーユー」や兄弟ブランドの「ユニクロ(UNIQLO)」は、客自身が商品を探すセルフ買い物方式。販売員から客に積極的に声を掛け、商品を薦めるような接客は基本的に行っていません。その「ジーユー」が、ECがすっかり定着したアフターコロナの時代の中で実店舗の価値を再考するといった文脈のもと、接客強化に舵を切っているわけです。これは実際に体験してみないと!というわけで、マロニエゲート銀座店で、実際に予約制の接客サービスを受けてきました。このサービス、もちろん無料ですよ。

 取材当日、私の接客を担当してくれたのは伊藤結衣さん。彼女は「ジーユー」独自の認定試験に合格した“おしゃリスタ”であり、販売員教育の一環として他の“おしゃリスタ”たちの講師も務めてきたという敏腕販売員です。以前は仙台の店舗で働いていましたが、接客強化を掲げるマロニエゲート銀座店のオープンにあたり、抜擢されて東京にやってきました。マロニエゲート銀座店には、伊藤さんをはじめ“おしゃリスタ”が重点配置されています。10月の開業時は、販売員総勢150人のうち60人が“おしゃリスタ”だという発表でした。

 接客はまず、肌の色が黄ベースか青ベースかを元に、似合う色を判断するパーソナルカラー診断からスタート。“イエベ”“ブルベ”という言葉もすっかり定着したパーソナルカラー診断ですが、私も以前、百貨店のファッションフロアで診断を受けたことがあり、そこでは“ブルベ夏”という結果でした。その際は鏡の前に座り、さまざまな色の布を肩に当てて肌映りを見てもらいましたが、「ジーユー」では専用のリーフレットや店内に掲出されたシートを見ながら、チャート状の質問に答えていく仕組み。今回も私の結果は“ブルベ夏”でした。

 鏡の前で布を当てて診断する百貨店のコンサルティングに比べると、ちょっと簡易に感じるかもしれません。でも、伊藤さんはチャート上にはない「日焼け後の肌はどうなりますか?」「腕の血管は透けて青く見えますか?」といった質問も差し挟みつつ(どちらも肌の薄さがどうかを見るものです)、論理的に傾向を見ていってくれるので、私はこれはこれで非常に納得感がありました。気軽に診断を聞ける感じにも好感。

買い物迷子の30〜40代女性の味方

 その次は骨格診断です。体形を“ストレート”“ウェーブ”“ナチュラル”の3つに分類することで、似合う生地やシルエット、アイテムを判断していくものですが、こちらも婦人服販売では今や定番となっています。ここでも私は、以前別のところで受けた診断通り“骨格ストレート”でした。これもチャートを見ながら質問に答えていくと自分がどれなのかが分かる仕組み。ただ正直、人の体形ってキッチリ3分類できるものでもありません。いろんな要素が混ざり合っていて判断に迷うときがありますが、それも伊藤さんが「どちらかというと、こちらの傾向が多めです」とリードしていってくれます。

 さて、“ブルベ夏”“骨格ストレート”と分かったところで、いよいよフロアを伊藤さんと周りながら服を選んでいきます。ここで伊藤さんがどんな服を探しているかと聞いてくれたので、普段あまり自分では選ばないきれいめエレガントスタイルと、普段の自分に近いカジュアルスタイルの2コーディネートを提案してほしいとお願いしました。「子どもの行事用にフォーマルな服を探している」「婚活服が必要」など、要望を伝えればそれに沿って選んでくださるそう。「自分が何がほしいのかがそもそも分からない」という買い物迷子も、伊藤さんが「普段はどんな服装が多いですか?」「アウター、靴は必要ですか?」などとそれとなく聞き出してくれるので安心です。

 コーディネートが決まったら試着タイム。しかし、服は実際に着てみるとなんか違うなということがよく発生するものですよね。伊藤さんはそれも見越して、私が着替えている間に、両方のコーディネートに対してボトムスやアウターの代替案となる商品をそろえてくれていました。追加でバッグやストールといった雑貨も提案してくれましたよ。カラー診断、骨格診断、商品選び、試着、購入という一連の流れで必要となる時間は、30分強〜1時間弱といった感じでしょうか。リピーターで既にカラー診断結果などが分かっている場合は、商品選びからスタートするのでさらにスムーズだと思います。

 さて、個人的な感想としては、やはり普段着ないエレガントスタイルの方が新鮮でした。マーメイドスカートは、自分一人で買い物していたらまず買わないアイテムですから。「接客したお客さまからも、『人に選んでもらうから、いつもは着ない服を着ることができる』というお声を多くいただきます」と伊藤さん。伊藤さん自身は、マロニエゲート銀座店オープン以来、10〜60代までの幅広いお客さまにこうした予約制接客を行ってきたそうですが、店全体として一番予約数が多いのは、やはり30〜40代の女性客とのこと。私もまさに同世代なのでよく分かりますが、これくらいの年代って、若いころに似合っていた服が似合わなくなり、買い物迷子になりがちなんですよね。もちろん、女性客だけでなく男性客がこのサービスを受けることも可能です。男性販売員の“おしゃリスタ”もいますよ。

5〜6点購入してもトータル1万円!

 この接客サービスの最大のポイントは、これだけしっかりコンサルティングしてもらっても、商品は全て「ジーユー」価格だという点だと私は思います。こうした接客はセレクトショップや百貨店ではそんなに珍しいものではないですが、その場合全身そろえると10万円を超えることもざらです。接客を受けた以上、何か買わなければ申し訳ないという心理も働きます。しかしここは「ジーユー」!ニットは2000円前後、ブルゾンは3000円前後で手に入ります。実際、この接客サービスでの客の平均購入点数は5〜6点、客単価は1万円弱とのこと。10点買って帰ったお客さまもいるそうです。

 こうした緻密な接客は、従来はより高額な商品を扱う店の専売特許でした。「ジーユー」は国内外に約450店あり、その全てがマロニエゲート銀座店と同様のレベルで接客を強化するということはまずないでしょうが、低価格の「ジーユー」がこんなにもしっかりとした接客を打ち出していることに対し、戦々恐々としているブランドやショップは少なくないのでは。伊藤さんやマロニエゲート銀座店の“おしゃリスタ”たちは、「10月の開業前にとにかく接客ロールプレーイングを何度も重ねて、お客さまへの対応力を磨いてきた」そう。これまでセルフ買い物方式だった「ジーユー」が、突然接客を強化することになったんですから、皆さん非常に努力されているんだと思います。

 最後に、伊藤さんにちょっと意地悪な質問をしてみました。「せっかく接客力を磨いているんだから、どうせならさらに高額な商品を売ってみたい、自分の売る力を試してみたいとは思わないの?」と。それに対しては、「(ジーユーの親会社である)ファーストリテイリングは世界一を目指している会社。私一人では世界一にはなれないけれど、この組織の中で接客強化の仕組みを動かしていけば世界一に近づけるはず。私は“おしゃリスタ”の組織部門でこの会社を世界一にしたいんです」という答えでした。なんてすばらしい回答。伊藤さん、これからも頑張ってくださいね!

 この接客サービスを受けてみたいという場合は、マロニエゲート銀座店、天王寺ミオ店、ルミネ横浜店それぞれの予約専用グーグルフォームから日時を予約します。グーグルフォームは、「ジーユー 接客 予約」などで検索をかけるとすぐに辿りつけますよ。店頭がそれほど混んでいない場合は予約なしでその場で申し込むこともできるそうですが、セールなどの繁忙期は確認が必要です。

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「シゲタ パリ」がホテル「ゼンティス大阪」とコラボ チコ・シゲタによるトリートメント体験も

 大阪・堂島浜に位置する「ゼンティス大阪(Zentis Osaka)」は、2023年1月30日~7月31日、にクリーンビューティーブランド「シゲタ パリ(SHIGETA PARIS)」 とコラボレートし、2泊3日宿泊プラとトリートメント付き宿泊プランを販売する。

 2泊3日宿泊プラン“ZentisOsaka×SHIGETAPARIS ~wellnessstay~”(1人4万8846円〜)は“セルフケア”をテーマにしたウェルネス宿泊体験として「シゲタ パリ」による「SHIGETA 集中リセット」プログラムをベースに構成し、体の軽やかさや肌の変化を実感してもらうことが目的だ。動画で学ぶ呼吸法で体を整え、フローラルウォーターを飲み、「シゲタ パリ」の製品でセルフマッサージを行う。一日の始まりには、スープをメインにした身体にやさしい朝食が提供される。

 トリートメント付き宿泊プラン“Zentis Osaka × SHIGETA PARIS ~wellness & treatment stay~”(1人9万8237円〜)は2月 22日、23日の2日間限定で実施する。数々のセレブリティーから支持される「シゲタ パリ」代表のチコ・シゲタ(CHICO SHIGETA)によるトリートメントを体験できる貴重な機会だ。

 本コラボレーションについて、チコ・シゲタは「セルフケアを行うことは、自分の身体に自分の意識を向けることでもあり、体がリセットすることで本来の心身を取り戻し、ポジティブでリフレッシュした自分に出会うことができます。 それは自然に外見にも現れて、肌、髪の艶、シルエットなどの美しさをもたらします。今回のホテル滞在プラン後も、 ご自宅で続けていただけたら、きっと皆さまもウェルネスな生活をもっと続けたくなる気持ちが高まるはずです」とコメント。

 どちらのプランもチェックイン前日までに予約が必要となる。

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【2022年の海外ニュース振り返り】ファッションおよび小売企業CEOの就任&退任編

 2022年はコロナ禍こそ少し落ち着きを見せたものの、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や中国での厳しい外出規制によるサプライチェーンの混乱、原料や燃料費の高騰、インフレの加速など、ファッション業界にとって厳しい経営環境が続いた。逆風の中、難しい舵取りを強いられた企業トップも多かったことだろう。ここでは、海外ラグジュアリーブランドやアパレルブランド、小売りなどを率いる最高経営責任者(CEO)や社長らの就任・退任のニュースの中から、編集部が厳選してピックアップ。月ごとにまとめて、今年を振り返る。

3月

「マイケル・コース」CEO、就任から7カ月で退任 後任は親会社の会長兼CEO

 「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」を擁するカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)は、ジョシュア・シュルマン(Joshua Schulman)=マイケル・コース最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した。

 カプリは2021年8月、シュルマン=マイケル・コースCEOを同職に任命すると同時に、22年9月には同氏がカプリのCEOに就任することを発表。これに伴い、ジョン・アイドル(John Idol)=カプリ会長兼CEOは会長職に専念する予定だったが、引き続きCEO職を兼任する。空席となるマイケル・コースのCEO職については、後任を探さず、アイドル会長兼CEOが兼任する。同氏はシュルマン=マイケル・コースCEOの前にも同職を兼任していた。

「マイケル・コース」CEO、就任から7カ月で退任 後任は親会社の会長兼CEO

アレキサンダー・マックイーンが新CEOを任命 2022年5月に就任

 ケリング(KERING)は、傘下のブランド、アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)の最高経営責任者(CEO)にジャンフィリッポ・テスタ(Gianfilippo Testa)を任命した。現職のエマニュエル・ギンヅベルジュ(Emmanuel Gintzburger)CEOの退任に伴い、5月から後任を務める。なお、ギンヅベルジュCEOは「ヴェルサーチェ(VERSACE)」を運営するジャンニ・ヴェルサーチェ(GIANNI VERSACE)のCEOに就任する。

アレキサンダー・マックイーンが新CEOを任命 2022年5月に就任

4月

JDドットコム、CEOが退任 後任は社長が昇格

 中国第2位のEC企業JDドットコム(JD.COM)は4月7日、劉強東=創業者兼最高経営責任者(CEO)がCEO職を退任したと発表した。後任には徐雷社長が同日付で就任した。

 劉創業者は議決権の約77%を保有しており、引き続き取締役会の会長を務める。今後は長期的な戦略策定や若手の育成、地方事業の活性化に専念するという。徐新CEOは47歳。2009年にJDドットコムに入社し、チーフ・マーケティング・オフィサーやリテール事業のCEOなどを務め、21年9月に社長に就任した。その頃から、日々の経営は同氏が担っていたと見られている。

JDドットコム、CEOが退任 後任は社長が昇格

フルラのCEO、就任から1年余りで退任

 フルラ(FURLA)は4月21日、マウロ・サバティーニ(Mauro Sabatini)最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。同氏は2021年1月に同職に就任したばかりで、1年余りでの退任となる。後任は未定で、当面はデイビス・バセット(Devis Bassetto)最高執行責任者が同社を率いる。

 なお、同社は9月22日に新たなCEOにジョルジオ・プレスカ(Giorgio Presca)を任命。プレスカ新CEOはファッション業界で30年以上の経験を持ち、「ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)」「シチズンズ・オブ・ヒューマニティ(CITIZENS OF HUMANITY)」「ジェオックス(GEOX)」などのCEOを歴任。直近では「クラークス(CLARKS)」のCEOを務めていた。

フルラのCEO、就任から1年余りで退任 後任は未定

5月

「エディー・バウアー」、CEOが退任

 「エディー・バウアー(EDDIE BAUER)」は、ダミアン・ファン(Damien Huang)最高経営責任者(CEO)が13日付で退任すると発表した。後任は未定。

 ファンCEOは「パタゴニア(PATAGONIA)」でデザイン&マーチャンダイジング部門のバイス・プレジデントや、「ノースフェイス(NORTHFACE)」でプロダクト・ディレクターなどを務めた。2012年に「エディー・バウアー」に入社。パフォーマンスウエアやアウターに注力し、アウトドア体験の普及に努め、ブランドをけん引した。

 なお、「エディー・バウアー」を擁する米ブランドマネジメント企業のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP)とスパーク・グループ(SPARC GROUP)は9月、同ブランドの新たなCEOとしてVFコーポレーション(VF CORPORATION)カナダ事業のジェネラル・マネジャーを務めていたティム・バントル(Tim Bantle)を任命した。

「エディー・バウアー」、CEOが退任へ 後任は未定

アンダーアーマーの社長兼CEOが退任へ 後任は未定、COOが暫定的に昇格

 アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)は、パトリック・フリスク(Patrik Frisk)社長兼最高経営責任者(CEO)が6月1日付で退任することを発表した。同氏は9月1日までアドバイザーとして同社に残る。後任は未定で、当面はコリン・ブラウン(Colin Browne)最高執行責任者(COO)が暫定的に社長兼CEOを務める。

 フリスク前社長兼CEOは、2017年7月に社長兼COOとしてアンダーアーマーに入社。創業者であるケビン・プランク(Kevin Plank)前社長兼CEOがエグゼクティブチェアマン兼ブランドチーフに就任したことに伴い、20年1月に現職に昇格した。

アンダーアーマーの社長兼CEOが退任へ 後任は未定、COOが暫定的に昇格

「ジャックムス」のCEOに、「パコ ラバンヌ」の前トップが就任 ビューティに進出か

 ジャックムス(JACQUEMUS)の最高経営責任者(CEO)に、パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)のバスティアン・ダグザン(Bastien Daguzan)前ジェネラル・ディレクターが5月20日付で就任した。これまでは創業者のサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)=クリエティブ・ディレクターがCEO職も兼任していた。

 ダグザン新CEOは、1984年フランス生まれ。2009年から13年までクリス ヴァン アッシュ(KRIS VAN ASSCHE)でデベロップメント・ディレクターを務めた後、13年にルメール(LEMAIRE)のCEOに就任。17年3月にプーチ(PUIG)が擁するパコ ラバンヌのジェネラル・ディレクターに就任してからは、同ブランドのリブランディングを指揮し、2年間で売り上げを3倍に伸ばした。また、アパレルとフレグランスの連携を促す“ワン・ラバンヌ(ONE RABANNE)”戦略を実施し、19年にはフレグランス“パコレクション(PACOLLECTION)”をローンチした。

「ジャックムス」のCEOに、「パコ ラバンヌ」の前トップが就任 ビューティに進出か

6月

スワロフスキーがCEOを任命 創業家外のトップは127年の歴史で初

 オーストリアを拠点とするクリスタルメーカーのスワロフスキー(SWAROVSKI)は、最高経営責任者にアレクシス・ナサード(Alexis Nasard)を任命した。7月4日付で就任の予定。同社は127年の歴史を持つが、創業家外からトップが選ばれるのは今回が初となる。

 同社は1895年にダニエル・スワロフスキー(Daniel Swarovski)が創業。これまで一族経営が続き、2020年4月から21年10月末まで同社を率いていたロバート・ブッフバウアー(Robert Buchbauer)前CEOも一族の出身だ。しかし同社はここ数年、新たな成長戦略に沿った事業再編に取り組んでおり、オーナーと会社の経営を切り分けることもその中に含まれているという。なお、ブッフバウアー前CEOは退任後も取締役会の一員として同社に残っている。

スワロフスキーがCEOを任命 創業家外のトップは127年の歴史で初

リブランディング進める「エミリオ・プッチ」に新CEO就任 「ラフ・シモンズ」や「アクネ ストゥディオズ」出身者

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下のエミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)に、サール・デブラウエレ(Saar Debrouwere)新最高経営責任者(CEO)が就任する。同ブランドは4月に、カミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)新アーティスティック・ディレクターによる初のコレクションを発表。「“リゾートマインド”なカプセル・コレクションを毎月ドロップする体制」に移行しており、デブラウエレ新CEOは7月から経営に携わる。

リブランディング進める「エミリオ・プッチ」に新CEO就任 「ラフ・シモンズ」や「アクネ ストゥディオズ」出身者

7月

米ギャップの社長兼CEOが退任 就任から2年余りで

 「ギャップ(GAP)」「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」「オールドネイビー(OLD NAVY)」「アスレタ(ATHLETA)」などを擁する米ギャップは7月11日、ソニア・シンガル(Sonia Syngal)社長兼最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。後任を選定する間は、暫定的にボブ・マーティン(Bob Martin)会長がCEOを務める。

 シンガル前社長兼CEOは2004年にギャップに入社した。ヨーロッパ事業のマネジング・ディレクターや、国際部門および国際アウトレット部門のシニア・バイス・プレジデントなどの要職を歴任し、16年に「オールドネイビー」の社長兼CEOに就任。以降、3年間で同ブランドの北米とメキシコにおける店舗数を1200店以上にまで拡大し、売り上げを70億ドル(約9520億円)から80億ドル(約1兆880億円)へと成長させた。20年3月にギャップの社長兼CEOに就任。主力ブランドである「ギャップ」の業績不振が長年続く中、同年10月には23年までの全社的な経営戦略である「パワープラン2023(POWER PLAN 2023)」を発表し、不採算店の整理や非主力事業の終了などの改革を進めたものの、コロナ禍の影響もあり、業績が期待通りに改善しなかった。

米ギャップの社長兼CEOが退任 就任から2年余りで

8月

アディダスのCEOが退任へ 後任は未定

 アディダス(ADIDAS)は8月22日、カスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)最高経営責任者(CEO)が退任することを発表した。後任は未定。引き継ぎをスムーズに行うため、同氏は後任が決定するまで現職に留まり、退任は2023年前半になる見込みだという。

 同氏は16年1月、現職に就任。08から16年まではヘンケル(HENKEL)のCEOを務めていた。それ以前は、オラクル(ORACLE)やヒューレット・パッカード(HEWLETT PACKARD)で要職を歴任している。アディダスは20年8月、ローステッドCEOの任期を26年7月まで延長しているが、予定より早い退任となった。

アディダスのCEOが退任へ 後任は未定

10月

ラグジュアリーEC大手YNAPのCEOが退任へ 後任は暫定的に内部昇格

 ラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)は、ジョフロワ・レフェーヴル(Geoffroy Lefebvre)最高経営責任者(CEO)が退任することを発表した。後任は、YNAPが運営するEC「ネッタポルテ」「ミスターポーター(MR. PORTER)」「アウトネット(THE OUTNET)」のアリソン・ローニス(Alison Loehnis)社長が暫定的に務める。10月31日付で就任する。

 また、YNAPは10月10日付で日本のジェネラル・マネージャーにフィリップ・ラリュー(Philippe Larrieu)が就任したことを発表した。同氏はシャネル(CHANEL)やロレアル(L'OREAL)などで要職を歴任した後、クラランス(CLARINS)にて日本の代表取締役社長を務めた。YNAPでは、傘下のEC「ネッタポルテ」「ミスターポーター(MR. PORTER)」「アウトネット(THE OUTNET)」「ユークス」の日本における事業運営を統括する。

ラグジュアリーEC大手YNAPのCEOが退任へ 後任は暫定的に内部昇格

11月

アディダス、新たなCEOとしてプーマのCEOを任命

 アディダス(ADIDAS)は11月8日、カスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)最高経営責任者(CEO)の後任として、プーマ(PUMA)のビョルン・グルデン(Bjorn Gulden)CEOを任命した。2023年1月1日付で就任する。ローステッドCEOが退任を発表した8月の時点では後任が未定だったため、同氏は23年前半まで現職にとどまる見込みだったが、グルデン新CEOの任命に伴い11月11日付でアディダスを離れる。グルデン新CEOの就任までは、ハーム・オルマイヤー(Harm Ohlmeyer)最高財務責任者が暫定的に同社を率いるという。

アディダス、新たなCEOとしてプーマのCEOを任命

リーバイス、次期CEOとなる新たな社長を任命 チップ・バーグCEOは1年半以内に退任へ

 リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)は11月8日、社長として米小売大手コールズ(KOHL'S)のミシェル・ガス(Michelle Gass)最高経営責任者(CEO)を任命した。2023年1月2日に就任し、1年半以内にチップ・バーグ(Chip Bergh)CEOの後任に就く予定だという。なお、バーグCEOは、「リーバイスでの仕事を心から愛しているが、私は先日65歳になったし、もう11年にわたってCEOを務めている」と述べ、トップ交代の時期であることを示した。

リーバイス、次期CEOとなる新たな社長を任命 チップ・バーグCEOは1年半以内に退任へ

12月

「ヴァンズ」や「シュプリーム」親会社のCEOが退任

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)は12月5日、スティーブ・レンドル(Steve Rendle)会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。後任は未定で、当面はベンノ・ドーレ(Benno Dorer)筆頭独立社外取締役が暫定社長兼CEOを、リチャード・カルッチ(Richard Carucci)取締役が暫定会長を務める。

「ヴァンズ」や「シュプリーム」親会社のCEOが退任

プラダ、次期CEOを任命へ いずれ息子を後継者とする第一歩として

 プラダ グループ(PRADA GROUP)は、2023年1月26日に開催される取締役会で、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のアンドレア・グエラ(Andrea Guerra)前戦略開発シニア・アドバイザーを次期最高経営責任者(CEO)として推薦することを発表した。

 これに伴い、パトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)共同CEOは会長に、パオロ・ザンノーニ(Paolo Zannoni )会長はエグゼクティブ・デピュティー・チェアマンおよびプラダ ホールディング(PRADA HOLDING)の会長に推薦される予定。なお、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)共同CEOも同職から退任するが、取締役会に留まり、引き続き「プラダ」の共同クリエイティブ・ディレクターと「ミュウミュウ(MIU MIU)」のクリエイティブ・ディレクターを務める。

プラダ、次期CEOを任命へ いずれ息子を後継者とする第一歩として

「ルイ・ヴィトン」の親会社、一族支配を強化 ベルナール・アルノー会長の長男が持株会社のCEOに

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)の一族による持株会社クリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)は、シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)CEOの退任に伴い、アントワン・アルノー(Antoine Arnault)LVMH ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージを新たなCEO兼副会長に任命した。なお、トレダノ前CEOは、引き続きLVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)の会長兼CEOを務める。

 クリスチャン ディオールSEは、アルノ―会長兼CEO一族の主要な持株会社、フィナンシエール・アガシュ(FINANCIERE AGACHE)の傘下。フィナンシエール・アガシュはクリスチャン ディオールSEの株式資本の97.5%を保有しており、そのクリスチャン ディオールSEは、2021年12月末の時点でLVMHの株式資本41%と議決権の56%を保有している。

「ルイ・ヴィトン」の親会社、一族支配を強化 ベルナール・アルノー会長の長男が持株会社のCEOに

アンダーアーマー、新CEOに米ホテル大手マリオットの社長を任命

 アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)は、新たな社長兼最高経営責任者(CEO)として、大手ホテルチェーン米マリオット・インターナショナル(MARRIOTT INTERNATIONAL以下、マリオット)のステファニー・リナーツ(Stephanie Linnartz)社長を任命した。同氏は、6月1日に退任したパトリック・フリスク(Patrik Frisk)前社長兼CEOの後任となる。マリオットを2023年2月24日に離れ、同月27日にアンダーアーマーに加わる予定。なお、今回の人事に伴い、コリン・ブラウン(Colin Browne)暫定社長兼CEOは以前の最高執行責任者職に戻る。

アンダーアーマー、新CEOに米ホテル大手マリオットの社長を任命

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