村上要/編集長:やりとりしていたピープル&カルチャーのシニアマネジャーは、教員に憧れていたそう。職員室という特別な空間に違和感を覚えて記者を志した大学時代を思い出した (右)澤田まり子/記者:外資ビューティを中心に担当。「メイクアップフォーエバー」は米韓で知名度の高い有力ブランド。メイク崩れを防ぐ“ウルトラHDルースパウダー”は日本でもコアなファンを持つので注目 ILLUSTRATION : UCA
澤田:私は「メイクアップフォーエバー(MAKE UP FOR EVER)」のデジタル&コンシューマー エンゲージメント スペシャリストを取材しましたが、29歳にして裁量権を持って働いていて、すごいと思いました。日本ではまだ規模が小さなブランドだからというのもあるかもしれませんが、デジタルについて全部自分で決めて、いろんな部署と連携して、さまざまなプロモーション企画を実施して、3年で売上高3倍という実績も出していました。
もう一つのポイントは、シグネチャーであるチェックの再解釈だ。今回のショーでは、ベージュやキャメルと白、黒、赤で構成する定番の配色は皆無。その代わりに、ボトルグリーンと紫やバーガンディーと赤、ベージュと黄色、新たな”プローサム”エンブレムにも用いた鮮やかな青と白、黄色と紫といった大胆なカラーリングで、斜めに配した柄を大ぶりなスケールで描いている。そんなチェックアイテムのラインアップは、ボックスシルエットのメンズスーツやボンバージャケット、タートルネックのリブニットから、柔らかなドレス、キルト風のスカート、腿にファスナーポケットをあしらったリラックスシルエットのパンツ、タイツ、ブランケットマフラーまで。アーガイルを想起させるダイヤモンド柄や英国とつながりの深いバラ、公園の池でよく目にするカモのモチーフも同様のトーンで染め、全身に色と柄を取り入れた若々しいスタイルを数多く打ち出した。また、パンクムードのグラフィックTシャツには、水鳥のプリントと共に「THE WINDS OF CHANGE(変革の風)」や「CHANGE IS INEVITABLE(変化は避けられない)」という言葉があしらわれ、それはダニエルの決意表明とも取れる。エッジの効いたデザインやユニークなシルエットでモダンなイメージを作り上げた一方で着る人をかなり選ぶウエアが多かった前職の「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」時代に比べると、「バーバリー」ではアイテムごとに見ると着やすそうなデザインも多く、幅広い層に訴求できる可能性を感じる。
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、2023年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」のセミファイナリスト22組(26人)を発表した。そのうち、ジェンダーレスウエアでエントリーした日本人デザイナーの富永航と桑田悟史も選出されている。
富永は1988年熊本県生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、文化服装学院服飾研究科へ。2015年に、セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)のBAファッションプリント科を卒業。在学中に「ジョン・ガリアーノ(JOHN GALLIANO)」などでアシスタントを経験した。16年に「イエール国際フェスティバル」でグランプリを受賞。パリの現代美術館パレ・ド・トーキョーのレジデンスプログラム「パヴィヨン・ヌフリズOBC(Le Pavillon Neuflize OBC)」に参加した。18年には「フォーブス」による「アジアを代表する30歳未満の30人(The Forbes 30 Under 30 Asia 2020)」のアート部門に選出。19年に「ワタル トミナガ(WATARU TOMINAGA)」をスタート。21年春夏にニューヨーク・ファッション・ウイークに、21-22年秋冬にパリ・ファッション・ウイークにオンラインで出展した。これまでに「シャネル(CHANEL)」や「プチバトー(PETIT BATEAU)」「マリメッコ(MARIMEKKO)」とコラボしている。
桑田は京都府生まれ。パリやロンドン、ニューヨークなどに在住経験がある。「ジバンシィ(GIVENCHY)」「イードゥン(EDUN)」「ガレス ピュー(GARETH PUGH)」や、カニエ・ウェスト(Kanye West、現イェ)のオフィスなどでキャリアを積み、現在はミラノを拠点に活動している。ブランド名の「セッチュウ(SETCHU)」は「和洋折衷」の言葉に由来。日本と西洋のカルチャーやスタイルを融合したコンセプトを掲げ、新しくも親しみのあるユニセックス向けコレクションを手掛ける。22年には、「ヴォーグ イタリア(VOGUE ITALIA)」とアルタローマ(Altaroma)による新人デザイナーコンテスト「フー・イズ・オン・ネクスト?(Who is on Next?)」で最優秀賞を受賞した。
また、「プーマ」を象徴するトラックスーツ“T7”のデザインと素材をスカジャンなどに落とし込んだ75周年記念の日本限定コレクション“スカ コレクション メイド イン ジャパン(SKA COLLECTION MADE IN JAPAN)”を用意。現在、「プーマ」の直営店や公式オンラインストアで取り扱い中だ。価格は、スカジャンが税込2万7500円、トラックパンツが同2万900円、Tシャツが1万450円など。
「コーチ(COACH)」の2023-24年秋冬コレクションがニューヨーク・ファッション・ウィーク期間中にパーク・アヴェニュー・アーモリーで発表された。会場には「コーチ」のブランドアンバサダーに就任しているラッパーのリル・ナズ X(Lil Nas X)が来場し、赤いシアリングのコートに赤いシアリングバッグを合わせたポップなスタイルを披露した。日本からはモデルのKokiやタレントの渡辺直美が「コーチ」のコレクションを颯爽と着こなす姿も。会場にはプレッピーな清楚系のアイテムをモードに着こなす来場者や、レザーブランドらしく、レザーのコートやワンピースに身を包んだシックなスタイリングを楽しむ人々が多く見られた。
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、2011年にブルガリの過半数株式を総額60億ドル(約8040億円)以上で取得している。報道によると、LVMHの株式を16年7月6日から18日までにブルガリ氏が2万株、タラ社が8万2600株を購入。LVMHが増収など株価上昇が見込まれる内容の上半期決算を発表した翌日の7月27日に売却し、ブルガリ氏は29万2400ユーロ(約4181万円)、タラ社が140万ユーロ(約2億円)の利益を得たとして告発された。
西武池袋本店は、ポップアップ「Place where you meet cats ~猫と出会う場所2023~」を4階 イベントスペースNEWSで28日まで開催している。会期は前後半制で前半は20日まで、後半が21日から始まる。全期間で猫にまつわる雑貨やスイーツを販売するほか、前後半で異なる内容を用意する。前半ではイラストレーター マリーニ*モンティーニ(marini*monteany)による猫を描いた原画作品や雑貨を展示・販売する。後半では「きょうの猫村さん」のポーチ(3850円)をはじめ、猫をモチーフにしたアイテムの販売や瀬戸の招き猫にアーティストらが絵付けをした作品展示を行う。イベントの売り上げの一部は保護猫活動のために寄付する。
ラフォーレ原宿
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分祀イメージ
ラフォーレ原宿では、ポップアップ「にゃふぉーれ with 愛と狂気のマーケット」を28日まで開催する。ポップアップでは、猫をモチーフに作品を発表しているクリエイターやデザイナー、約30組が手掛けた作品や商品を集める。アイテムは猫のためのウエアやアート作品、アクセサリーなどをそろえる。そのほか、猫を祀る鹿児島県の神社、仙巌園の分祀も登場し、毎年2月22日に行われる、愛猫の長寿を祈る「愛猫長寿祈願祭」の代理祈願も受け付ける。
キットには、パラベンフリー・合成香料不使用・鉱物油不使用・有機色素不使用のパウダーが上質な肌を作り出す“アドバンスドエシリアルスムースオペレーター ルースパウダー”の“02 グローマット”に、アイカラー“アルカミストツイストフォーアイ”のオレンジブラウンカラー“X02 RUN AND RUN”と、リニューアルしたばかりのメイク落とし“バランシング クレンジング オイル N”のミニサイズがセットされている。今だけの特別なキットが、艶やかでスマートな“スリーク”なルックを演出する。
アッパーには、高品質なイタリア製レザーを採用。動きやすく通気性のいいメッシュ素材と組み合わせた。またミッドソールには、クッション性と反発性を兼ね備えた軽量の“プロフォーム(ProFoam)”を搭載した。シュータンやミッドソール、ストラップには、「PUMA x BALMAIN」のダブルネームロゴをデザインしている。フランスブランドらしい高級感やヘリテージを取り入れたというシューズの価格は13万2000円。プーマの原宿キャットストリート、プーマストア大阪、公式アプリで販売する。
フィナーレはモデルたちがペアとなり、手を繋ぎながら惑星を歩いてきた。商業的ではなく、クリエイションと世界観にフォーカスしたトム・ブラウンが描くファンタジーは、孤独ではない、心温まるエンディングだ。ショーの最後に現れたトム・ブラウンは手にハートのバレンタインギフトを持ち、小走りでパートナーのアンドリュー・ボルトン( Andrew Bolton)の元へ駆け寄っていった。通常よりも長いファッションショーは、壮大な物語で真摯な視点で物事を見ることの必要性を教えてくれた。