「ヴァンレティノ(VALENTINO)」が7月5日に発表した2023-24年秋冬オートクチュール・コレクションは、特別なものだった。渋滞するパリから車で約2時間をかけて到着したのは、14世紀に礎が築かれたシャンティイ城。ベルサイユ宮殿の庭園デザインで知られるアンドレ・ル・ノートル(Andre Le Notre)が設計した噴水庭園を有するこのルネサンス様式の城は、歴史の中で改築や修復が繰り返され、今の姿になったのは19世紀のことだという。そのロケーションに呼応するように、コレクションは「アン シャトー(ある城)」と題された。
赤や緑、青、ピンク、マスタードから白、黒、グレー、ブラウンまで、ピッチョーリならではの色彩感覚が生きた色とりどりのルックをまとうモデルたちは、城の中のギャラリーに設けられたバックステージから現れる。そして、ルネサンス期に城主であったアンヌ・ド・モンモランシー(Anne de Montmorency)の騎馬像の前を通って、壮大な大階段を下り、噴水庭園の長いランウエイを歩いていく。夕日に照らされた城を背に、ドレスやコートを風にはためかせながら歩く姿は、実にドラマチックだ。フィナーレには、ピッチョーリが約100人のアトリエスタッフたちを引き連れて登場。笑顔で誇らしげにゲストの前を練り歩く彼らは、スタンディングオベーションで迎えられた。
“SUMMER AIR”では、フラワーアーティストのニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)によるインスタレーションを展示する。場所は、7月25〜30日まで1階の“Otemachi One Garden”、7月25日〜8月10日まで地下2階の“Otemachi One Avenue Entrance”。なお、期間中はニコライ・バーグマン氏のフラワーアレンジメント(フォーシーズンズホテル東京⼤⼿町前で展示)も楽しむことができる。