北欧巨匠の素顔に触れる「ポール・ケアホルム展 in 京都」 禅とミニマリズムの融合は必見

デンマーク発インテリア「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」は、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)のセブンチェアやスワンチェアを始めとする多くの北欧名作家具を手掛けている。その中でも、極限まで無駄を削ぎ落とした美しいデザインで存在感を放っているのが、ポール・ケアホルム(Poul Kjaerholm)の家具だ。座面が低く、スチールとレザーだけで構成されたラウンジチェアやサイコロのような小さなテーブルを見たことがあるという人もあるだろう。ヤコブセンほど有名ではないが、そのストイックともいえる完璧な造形美には圧倒されるものがある。今年夏には、パナソニック汐留美術館で展覧会が開催された。そして、「フリッツ・ハンセン」主催で12月21日、「ポール・ケアホルム展 in 京都」が開幕。開幕前日には内覧会が開催され、ケアホルムの子息であるトーマス・ケアホルム(Thomas Kjaerholm)が来日して家族との思い出を語った。

和の空間と見事に調和するケアホルムの家具

会場の両足院は、祇園花見古路を抜けた建仁寺内にあり、毘沙門天堂には舞妓が芸事上達や恋愛成就のお参りにくる場所だという。「フリッツ・ハンセン」は、今まで語られてこなかったケアホルムの家具と和の空間の親和性にフォーカス。祇園と隣接しながらもひっそりと佇む両足院を展示の場に選んだ。方丈の間には、ケアホルムの家具の真髄ともいえる構造を、パーツを分解して作品ごとに展示。極限まで計算し尽くされたフレームなどを見ることができる。広縁には代表的なチェア4点が置かれ、自由に座れるようになっている。大書院は、ダイニングスペースに書斎、ラウンジスペースで構成。

スチールを使用した家具が果たして床の間がある和室に合うのか……と思う人もいるだろうが、不思議と見事に調和している。ホッコリした和モダンではなく、凛とした緊張感のある美しさ。緊張感があると言ってもネガティブな意味ではない、背筋が伸びるような清々しさが感じられる空間だ。茶室には、“PK71”ネストテーブルがさりげなく置かれているが、全く違和感なし。庭を見ながら、デンマーク風の浅煎りコーヒーをいただくお茶室体験は興味深いものだった。

親日家の妻の影響が息づくデザイン

トークショーでは、ケアホルムの息子のトーマスが登場。彼は、「父の家具をこのような環境で見られるのは素晴らしい。来日前に写真でも見たが、実物を見て興奮している」と語った。庭が見渡せる展示は、母親ハンナの家の配置を想起させるようだ。家具と家具の間に余白を持たせて、低い家具で空間に抜け感を作るのがポイントだという。ケアホルムの作品は主張する家具ではないので、家具自体を見るというよりは庭を見ながら楽しめる。

日本との関連性については、「父は来日したことがないが、母は5〜6回来日したことがある」。ケアホルムの妻のハンナは建築家で、彼同様デンマーク王立アカデミーで教鞭を取っており、生徒を連れて研修目的で来日していたようだ。「母方の祖父母が親日家で、デンマーク訛りの日本語を話していた。祖父は、庭好きで日本庭園を作ったりしていたのを覚えている」。共働きでありながらも、「ロイヤル コペンハーゲン(ROYAL COPENHAGEN)」の食器にカトラリー、牛乳はジャグに入れてとテーブルセッティングは完璧だったそうだ。

ケアホルムは、妻や義祖父から影響を受けて親日家だったのかもしれない。ケアホルム作品の一番の魅力は彫刻的で浮遊感のあるデザインだと思っていた。低い座面に直線を多用したデザイン、シンプル極まりない造形と日本建築に合う要素は多い。しかし、ここまで和の空間に馴染む理由は、生活を共にした親日家の妻の影響だと実感するイベントだった。

この展覧会に合わせ、書籍「POUL KJAERHOLM 共鳴する日本の美意識」が登場。写真家の矢吹健巳による撮り下ろしの写真を始め、トーマスと娘のクリスティーヌ・ケアホルムの前書きが収録され、ケアホルム作品が日本の美意識との共鳴を掘り下げた一冊になっている。編集はブックディレクションを行うBACHの幅允孝、ブックデザインは須山悠里、監修・執筆はKIGENZEN手掛けた。価格は、4950円。

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北欧巨匠の素顔に触れる「ポール・ケアホルム展 in 京都」 禅とミニマリズムの融合は必見

デンマーク発インテリア「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」は、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)のセブンチェアやスワンチェアを始めとする多くの北欧名作家具を手掛けている。その中でも、極限まで無駄を削ぎ落とした美しいデザインで存在感を放っているのが、ポール・ケアホルム(Poul Kjaerholm)の家具だ。座面が低く、スチールとレザーだけで構成されたラウンジチェアやサイコロのような小さなテーブルを見たことがあるという人もあるだろう。ヤコブセンほど有名ではないが、そのストイックともいえる完璧な造形美には圧倒されるものがある。今年夏には、パナソニック汐留美術館で展覧会が開催された。そして、「フリッツ・ハンセン」主催で12月21日、「ポール・ケアホルム展 in 京都」が開幕。開幕前日には内覧会が開催され、ケアホルムの子息であるトーマス・ケアホルム(Thomas Kjaerholm)が来日して家族との思い出を語った。

和の空間と見事に調和するケアホルムの家具

会場の両足院は、祇園花見古路を抜けた建仁寺内にあり、毘沙門天堂には舞妓が芸事上達や恋愛成就のお参りにくる場所だという。「フリッツ・ハンセン」は、今まで語られてこなかったケアホルムの家具と和の空間の親和性にフォーカス。祇園と隣接しながらもひっそりと佇む両足院を展示の場に選んだ。方丈の間には、ケアホルムの家具の真髄ともいえる構造を、パーツを分解して作品ごとに展示。極限まで計算し尽くされたフレームなどを見ることができる。広縁には代表的なチェア4点が置かれ、自由に座れるようになっている。大書院は、ダイニングスペースに書斎、ラウンジスペースで構成。

スチールを使用した家具が果たして床の間がある和室に合うのか……と思う人もいるだろうが、不思議と見事に調和している。ホッコリした和モダンではなく、凛とした緊張感のある美しさ。緊張感があると言ってもネガティブな意味ではない、背筋が伸びるような清々しさが感じられる空間だ。茶室には、“PK71”ネストテーブルがさりげなく置かれているが、全く違和感なし。庭を見ながら、デンマーク風の浅煎りコーヒーをいただくお茶室体験は興味深いものだった。

親日家の妻の影響が息づくデザイン

トークショーでは、ケアホルムの息子のトーマスが登場。彼は、「父の家具をこのような環境で見られるのは素晴らしい。来日前に写真でも見たが、実物を見て興奮している」と語った。庭が見渡せる展示は、母親ハンナの家の配置を想起させるようだ。家具と家具の間に余白を持たせて、低い家具で空間に抜け感を作るのがポイントだという。ケアホルムの作品は主張する家具ではないので、家具自体を見るというよりは庭を見ながら楽しめる。

日本との関連性については、「父は来日したことがないが、母は5〜6回来日したことがある」。ケアホルムの妻のハンナは建築家で、彼同様デンマーク王立アカデミーで教鞭を取っており、生徒を連れて研修目的で来日していたようだ。「母方の祖父母が親日家で、デンマーク訛りの日本語を話していた。祖父は、庭好きで日本庭園を作ったりしていたのを覚えている」。共働きでありながらも、「ロイヤル コペンハーゲン(ROYAL COPENHAGEN)」の食器にカトラリー、牛乳はジャグに入れてとテーブルセッティングは完璧だったそうだ。

ケアホルムは、妻や義祖父から影響を受けて親日家だったのかもしれない。ケアホルム作品の一番の魅力は彫刻的で浮遊感のあるデザインだと思っていた。低い座面に直線を多用したデザイン、シンプル極まりない造形と日本建築に合う要素は多い。しかし、ここまで和の空間に馴染む理由は、生活を共にした親日家の妻の影響だと実感するイベントだった。

この展覧会に合わせ、書籍「POUL KJAERHOLM 共鳴する日本の美意識」が登場。写真家の矢吹健巳による撮り下ろしの写真を始め、トーマスと娘のクリスティーヌ・ケアホルムの前書きが収録され、ケアホルム作品が日本の美意識との共鳴を掘り下げた一冊になっている。編集はブックディレクションを行うBACHの幅允孝、ブックデザインは須山悠里、監修・執筆はKIGENZEN手掛けた。価格は、4950円。

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拡大する片頭痛・頭痛ケア市場 アイマスクからフード、サプリメントまで活況

 

 
米国では片頭痛や頭痛に悩む人の増加に伴い、症状をケアするさまざま商材が登場している。米国片頭痛財団(AMF)の調査によると、世界では約10億人が片頭痛に悩まされており、そのうちの90%が「キャリア、教育、社会生活に悪影響が感じている」と回答しているという。これまで一般的に片頭痛や頭痛には、市販の鎮痛剤エキセドリンや医薬品のスマトリプタン、リザトリプタンなどの処方薬が用いられてきたが、近年は薬に頼らずに症状を予防、緩和したいという需要が増加。ウエルネスブランド各社はそれに応える商材を打ち出している。
 
オハイオ州にある非営利医療機関クリーブランド クリニックによれば、片頭痛は頭痛以外にも、吐き気、筋力低下、耳鳴り、視力低下、首の凝りなどさまざまな症状を引き起こし、ホルモンの変化、強い光、大音量、チョコレートやグルテン、乳製品の摂取、マグネシウム不足などが要因になっている可能性があるという。
 
片頭痛を専門とする統合医療医で鍼灸師のシナ・スミス(Sina Smith)博士は片頭痛について、「ズキズキと脈打つような痛みを伴う頭痛で、通常は頭の片側に起こる」と説明する。また英市場調査会社ミンテルのリンジー・キャメロン(Lindsay Cameron)=ウエルネスアナリストは、「頭痛は人々が経験する痛みの中で3番目に多いもの。この12カ月で少なくとも1回は頭痛もしくは片頭痛を発症したという成人は、73%にものぼる」と話す。近年米国では4世帯に1世帯が片頭痛に悩まされている。
 

マグネシウムは頭痛治療に効果的

 
美容トレンド予測会社スペートの調査によると、TikTokではハッシュタグ「#Migraines(片頭痛)」の視聴回数が毎週約2100万回を記録し、増加傾向にあるという。中でも片頭痛に関する検索では、マッサージ器具、マグネシウムサプリメント、自然療法が最も多かった。特にマグネシウムは、睡眠導入ドリンクとしてTikTokで話題になった“スリーピー・ガール・モクテル”にも配合されているように片頭痛治療薬市場の重要な成分と注目されており、スミス博士も「医療現場でも最も実用的で強力なものの一つ」と認めている。服用するなら吸収しやすい粉末タイプがおすすめとのこと。
 
「ムーン ジュース(MOON JUICE)」の“マグネシオム”(44ドル、約6800円)など市場に出回る粉末タイプは、良質な睡眠をサポートするために複数のタイプのマグネシウムを配合している。専門家によれば、「ウーマ オイルズ(UMA OILS)」の“ピュア カーム ウェルネス エッセンス マグネシウム オイル スプレー”(60ドル、9300円)などのスプレータイプは、緊張している部分に塗布すると効果的だという。同じくスプレータイプの「オーシア(OSEA)」の“ベガス ナーブ オイル”(48ドル、約7500円)は、ストレスを軽減するとされるエッセンシャルオイルを配合している。
 

アイマスク、眼鏡などガジェットも台頭

 
また、現代には欠かせないPCやスマホのブルーライトを含む光も片頭痛の引き金となるケースが多く、それに対処するアイマスク、マッサージ器、アイウエアの市場も拡大している。スペートの調査によると、アイマッサージ器はTikTokで最も急速に成長しているトレンドの一つだ。「セラボディ(THERABODY)」の“スマートゴーグル”(199ドル、約3万1000円)は、目とこめかみの周囲の加温、マッサージ、遮光圧縮といった機能を実装している。「セラボディ」のティム・ロバーツ(Tim Roberts)=科学およびイノベーション部門副社長は、「頭痛や片頭痛の解決策を探す声をよく耳にしている。当社のスマートゴーグルとスリープマスクは、頭痛緩和が重要なコンセプト。この優れた商品は症状に対応し、個人でカスタマイズすることも可能だ」と自信をのぞかせる。
 
片頭痛を予防・緩和するために額の神経に電気刺激療法を施す“ヘダターム2”(130ドル、約2万円)や“セファリー コネクティッド”(424ドル、約6万6000円)などの、より重点的なケアをかなえるデバイスも成長が見込まれている一方で、温熱療法で患部を温めたり冷却したり、軽度の圧力で緊張を和らげるアイマスク「オーストリッチピロー(OSTRICHPILLOW)」の“ホット&コールド アイ マスク”(39ドル、約6100円)といったアナログな商材も人気を集めている。同様に、頭全体を覆う「ハングオーバー AF(HUNGOVR AF)」の“クーリング ハングオーバー&ヘディック キャップ”(40ドル、約6200円)は二日酔いにも効くが、片頭痛持ちにとっても有効なアイテムだとソーシャルメディアでも話題だ。
 
ミンテルのキャメロン=アナリストは、トリガーフリー(頭痛を引き起こす成分を一切含まない)食品を提供する「アミア(AMIA)」や、片頭痛を引き起こさないレンズを使用したアイウエアブランド「アブラックス(AVULUX)」のように、片頭痛を予防する商材も「今後市場を盛り上げるだろう」と予測する。「アブラックス」は、有害とされる赤、青、琥珀色の光を遮断し、鎮静効果があることが証明されている緑の光を取り入れるレンズを使用。アンドレア・ポスターナック(Andrea Posternack)=営業部門副社長は、自身も片頭痛に悩まされている一人だったが、この眼鏡を1日中着用することで、隔日だった片頭痛の頻度が月に4~6回に減少したという。
 
このように人々が非医療のソリューションを求め続ける中で、専門家は今後数年でさらに新しい治療法が市場に登場すると予測している。ロバーツ=科学およびイノベーション部門副社長は、「科学者は今後知識を深めることで、解決策をよりカスタマイズし、洗練させていくだろう」と述べ、今後注目すべき分野として光治療と低磁場ソリューションを挙げた。
 
ここでは頭痛と片頭痛に対処する注目の8商品を紹介する。
 

頭痛ケア注目の8商品 

 

 

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拡大する片頭痛・頭痛ケア市場 アイマスクからフード、サプリメントまで活況

 

 
米国では片頭痛や頭痛に悩む人の増加に伴い、症状をケアするさまざま商材が登場している。米国片頭痛財団(AMF)の調査によると、世界では約10億人が片頭痛に悩まされており、そのうちの90%が「キャリア、教育、社会生活に悪影響が感じている」と回答しているという。これまで一般的に片頭痛や頭痛には、市販の鎮痛剤エキセドリンや医薬品のスマトリプタン、リザトリプタンなどの処方薬が用いられてきたが、近年は薬に頼らずに症状を予防、緩和したいという需要が増加。ウエルネスブランド各社はそれに応える商材を打ち出している。
 
オハイオ州にある非営利医療機関クリーブランド クリニックによれば、片頭痛は頭痛以外にも、吐き気、筋力低下、耳鳴り、視力低下、首の凝りなどさまざまな症状を引き起こし、ホルモンの変化、強い光、大音量、チョコレートやグルテン、乳製品の摂取、マグネシウム不足などが要因になっている可能性があるという。
 
片頭痛を専門とする統合医療医で鍼灸師のシナ・スミス(Sina Smith)博士は片頭痛について、「ズキズキと脈打つような痛みを伴う頭痛で、通常は頭の片側に起こる」と説明する。また英市場調査会社ミンテルのリンジー・キャメロン(Lindsay Cameron)=ウエルネスアナリストは、「頭痛は人々が経験する痛みの中で3番目に多いもの。この12カ月で少なくとも1回は頭痛もしくは片頭痛を発症したという成人は、73%にものぼる」と話す。近年米国では4世帯に1世帯が片頭痛に悩まされている。
 

マグネシウムは頭痛治療に効果的

 
美容トレンド予測会社スペートの調査によると、TikTokではハッシュタグ「#Migraines(片頭痛)」の視聴回数が毎週約2100万回を記録し、増加傾向にあるという。中でも片頭痛に関する検索では、マッサージ器具、マグネシウムサプリメント、自然療法が最も多かった。特にマグネシウムは、睡眠導入ドリンクとしてTikTokで話題になった“スリーピー・ガール・モクテル”にも配合されているように片頭痛治療薬市場の重要な成分と注目されており、スミス博士も「医療現場でも最も実用的で強力なものの一つ」と認めている。服用するなら吸収しやすい粉末タイプがおすすめとのこと。
 
「ムーン ジュース(MOON JUICE)」の“マグネシオム”(44ドル、約6800円)など市場に出回る粉末タイプは、良質な睡眠をサポートするために複数のタイプのマグネシウムを配合している。専門家によれば、「ウーマ オイルズ(UMA OILS)」の“ピュア カーム ウェルネス エッセンス マグネシウム オイル スプレー”(60ドル、9300円)などのスプレータイプは、緊張している部分に塗布すると効果的だという。同じくスプレータイプの「オーシア(OSEA)」の“ベガス ナーブ オイル”(48ドル、約7500円)は、ストレスを軽減するとされるエッセンシャルオイルを配合している。
 

アイマスク、眼鏡などガジェットも台頭

 
また、現代には欠かせないPCやスマホのブルーライトを含む光も片頭痛の引き金となるケースが多く、それに対処するアイマスク、マッサージ器、アイウエアの市場も拡大している。スペートの調査によると、アイマッサージ器はTikTokで最も急速に成長しているトレンドの一つだ。「セラボディ(THERABODY)」の“スマートゴーグル”(199ドル、約3万1000円)は、目とこめかみの周囲の加温、マッサージ、遮光圧縮といった機能を実装している。「セラボディ」のティム・ロバーツ(Tim Roberts)=科学およびイノベーション部門副社長は、「頭痛や片頭痛の解決策を探す声をよく耳にしている。当社のスマートゴーグルとスリープマスクは、頭痛緩和が重要なコンセプト。この優れた商品は症状に対応し、個人でカスタマイズすることも可能だ」と自信をのぞかせる。
 
片頭痛を予防・緩和するために額の神経に電気刺激療法を施す“ヘダターム2”(130ドル、約2万円)や“セファリー コネクティッド”(424ドル、約6万6000円)などの、より重点的なケアをかなえるデバイスも成長が見込まれている一方で、温熱療法で患部を温めたり冷却したり、軽度の圧力で緊張を和らげるアイマスク「オーストリッチピロー(OSTRICHPILLOW)」の“ホット&コールド アイ マスク”(39ドル、約6100円)といったアナログな商材も人気を集めている。同様に、頭全体を覆う「ハングオーバー AF(HUNGOVR AF)」の“クーリング ハングオーバー&ヘディック キャップ”(40ドル、約6200円)は二日酔いにも効くが、片頭痛持ちにとっても有効なアイテムだとソーシャルメディアでも話題だ。
 
ミンテルのキャメロン=アナリストは、トリガーフリー(頭痛を引き起こす成分を一切含まない)食品を提供する「アミア(AMIA)」や、片頭痛を引き起こさないレンズを使用したアイウエアブランド「アブラックス(AVULUX)」のように、片頭痛を予防する商材も「今後市場を盛り上げるだろう」と予測する。「アブラックス」は、有害とされる赤、青、琥珀色の光を遮断し、鎮静効果があることが証明されている緑の光を取り入れるレンズを使用。アンドレア・ポスターナック(Andrea Posternack)=営業部門副社長は、自身も片頭痛に悩まされている一人だったが、この眼鏡を1日中着用することで、隔日だった片頭痛の頻度が月に4~6回に減少したという。
 
このように人々が非医療のソリューションを求め続ける中で、専門家は今後数年でさらに新しい治療法が市場に登場すると予測している。ロバーツ=科学およびイノベーション部門副社長は、「科学者は今後知識を深めることで、解決策をよりカスタマイズし、洗練させていくだろう」と述べ、今後注目すべき分野として光治療と低磁場ソリューションを挙げた。
 
ここでは頭痛と片頭痛に対処する注目の8商品を紹介する。
 

頭痛ケア注目の8商品 

 

 

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「ミッソーニ」共同創業者のロジータ・ミッソーニが死去 夫と共にジグザグニットで知られる世界的ブランドを確立

ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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ロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)「ミッソーニ(MISSONI)」共同創業者兼名誉会長が1月1日(イタリア現地時間)、死去した。93歳だった。

ロジータは1931年、イタリア・ヴァレーゼ県ゴラセッカのドレッシングガウンやショールの生産を専門とする企業の家系に生まれた。53年、夫のオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni、2013年に死去)と共に、小さな工房でニットウエアのビジネスをスタート。 今日の“「ミッソーニ」スタイル”の基礎を築いた。イタリアにおけるプレタポルテの先駆者でもあった2人は、1966年にミラノのジェローラモ劇場で初のファッションショーを開催し、画期的なコレクションを発表。翌年には、フィレンツェのピッティ宮殿でのショーで、物議を醸す“ヌード・ルック”を披露した。そして68年、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)米「ヴォーグ」編集長(当時)に評価され、アメリカ市場への扉を開いた。その後の数年間で、ジグザグ模様、花柄とストライプの組み合わせ、波模様、スペースダイ、幾何学的なパッチワークといった革新的なスタイルを発表。イタリア国内外の顧客を魅了していった。

オッタヴィオとロジータは97年、自分たちの子どもであるヴィットリオ(Vittorio)、ルカ(Luca)、アンジェラ(Angela)にファッション部門を継承。それ以降、ロジータはホームラインのアーティスティック・ディレクションに専念し、ホームコレクションを通じてコンテンポラリーなライフスタイルを再定義してきた。

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桃谷順天館の「レグラージュ」が入浴剤を発売 美容家・深澤亜季の“ルンルンビューティーメソッド”から開発

桃谷順天館グループのスキンケアブランド「レグラージュ(REGLAGE)」はこのほど、初のボディーケアアイテムとなる “ルンルン・タブレット”(45個、3960円)と“ルンルン・トリップバスオイル”(3種、各40mL、各1320円)を発売した。公式ECサイト「コスメティックミュージアム(COSMETIC MUSEUM)」で取り扱う。

「レグラージュ」は、24年4月に桃谷順天館グループが立ち上げたスキンケアブランド。ECサイトに独自のアルゴリズムによる肌診断機能を搭載し、個々人の肌に適した処方を提案する。第1弾は全87種のスキンケアアイテムをECサイトで同時に発売した。

第2弾となる今回は、美容家の深澤亜季さんとコラボし、バスタブレットとバスオイルを発売した。商品は、深澤さんが提唱する「ルンルンビューティメソッド」を基に開発した。「ルンルンビューティメソッド」とは、自身の好きものを知ることで、“ルンルン”という気持ちになり、それが美しさにつながるという美容法。深澤さんはこのメソッドを「100人いれば100通りの美があっていい」という考えで提唱しているが、研究していくと共通項も見えてくるという。そのうちの一つが体を温めることであることから、入浴剤の発売に至った。「入浴しながら世界旅行を楽しむ」をテーマに、3つの国をイメージして調香。重炭酸タブレットと好みのバスオイルで、五感から気分が高まる入浴時間をサポートする。

“ルンルン・バスタブレット”は、微細な泡が24時間続く重炭酸のタブレット。タブレットが溶けた後のお湯には重炭酸イオンが含まれ、塩素が除去された柔らかなお湯に変化する。

“ルンルン・トリップパスオイル”は、アルガンオイル、モリンガオイル、ホホバオイルを配合し、肌に潤いをもたらす入浴剤だ。自身の体、肌、心のコンディションを観察しながら、その日の気分に合わせて選ぶことができる3つの香りをそろえた。オイルを入れると滑らかな肌当たりの良いお湯に変化し、お風呂から上がった肌を包み込む。

香りは3種をラインアップ。“シチリアオレンジ”は、オレンジ畑をイメージした香りだ。フレッシュでジューシーなオレンジに、ジャスミンやムスクなどスパイシーな香りをブレンドした。柔らかさの中にシチリアの太陽のような鮮やかさを織り混ぜることで華やかな気分に導く。保湿成分として、オリーブオイルとフラーレンを配合した。

“イングリッシュローズガーデン”は、イギリスのローズガーデンをイメージした香り。豊かで深みのある高貴さを感じさせるローズをベースにしながら、清らかさと瑞々しさも感じる香りだ。イギリスのローズガーデンでバラの香りをたっぷり含んだ朝露に包まれているかのような心地よいひとときを味わえる。ローズヒップオイルを配合した。

“フィンランドフォレスト”は、フィンランドの森をイメージした香り。優雅なサンダルウッドを主とし、オリス、ローズ、ネロリーを加えて、北欧の生命力溢れる清々しい森林の中で芳香浴を楽しんでいるかのような体験ができる。チアシードオイルを配合した。

「ルンルンビューティメソッド」誕生の経緯

深澤さんが美容の世界に入ったきっかけは、「女性が輝いて見える、すてきになるということがマインドと関係あるのでは」という興味から。しかし、マインドは言葉で語るスキルが必要と考え、当初はスキンケアなどで肌をきれいにする活動からスタートした。契機はコロナ禍。自身も40代になり、自宅でシワやたるみについて考えていた時、「外見の美容だけに向き合っていたら気を病んでいきそう」と感じたという。

「スキンケア以外で自分を劇的にきれいな方向に導いてくれたことは、美容家として取材を毎日受けてきたこと。今度は自分が質問をする側としてメソッドを作ることができたら、美容の中でも有意義で新しい取り組みになるのでは」という思いから、「ルンルンビューティー」を立ち上げた。

立ち上げに伴って自身のオンラインサロンで、参加者にさまざまな質問を投げかけ、3カ月後にプロの写真家が撮影をするという企画を実施した。「自分について考えたことがない人がとても多かった。この化粧水をなぜ使っているのか、自身の肌がどういう状態か、分かっていないことが浮き彫りになった。3カ月後には自分の好きなことや合うものが理解できており、参加者の変化が目に見えて分かった」という。

化粧水の祖・桃谷順天館グループ

桃谷順天館グループは、本社機能のある桃谷順天館を主とし、ドラッグストアや量販店で明色ブランドを展開する明色化粧品、化粧品、医薬部外品、健康食品の企画提案型OEM・ODMを実施するコスメティックジャパンなどを展開する。商品開発はデータによる効果効能を重視しており、試験にパスしたもののみを商品化。ほぼ全ての商品を岡山にある自社工場で製造している。

桃谷順天館は今年で創業140年目を迎えた。創業のきっかけとなった“美顔水”は、140年前から現在も変わらない処方で販売している。化粧品業界の資料を編集、出版している富士経済によると、日本の化粧水の歴史は同社が1885年に発売した“美顔水”からスタートしたという。

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桃谷順天館の「レグラージュ」が入浴剤を発売 美容家・深澤亜季の“ルンルンビューティーメソッド”から開発

桃谷順天館グループのスキンケアブランド「レグラージュ(REGLAGE)」はこのほど、初のボディーケアアイテムとなる “ルンルン・タブレット”(45個、3960円)と“ルンルン・トリップバスオイル”(3種、各40mL、各1320円)を発売した。公式ECサイト「コスメティックミュージアム(COSMETIC MUSEUM)」で取り扱う。

「レグラージュ」は、24年4月に桃谷順天館グループが立ち上げたスキンケアブランド。ECサイトに独自のアルゴリズムによる肌診断機能を搭載し、個々人の肌に適した処方を提案する。第1弾は全87種のスキンケアアイテムをECサイトで同時に発売した。

第2弾となる今回は、美容家の深澤亜季さんとコラボし、バスタブレットとバスオイルを発売した。商品は、深澤さんが提唱する「ルンルンビューティメソッド」を基に開発した。「ルンルンビューティメソッド」とは、自身の好きものを知ることで、“ルンルン”という気持ちになり、それが美しさにつながるという美容法。深澤さんはこのメソッドを「100人いれば100通りの美があっていい」という考えで提唱しているが、研究していくと共通項も見えてくるという。そのうちの一つが体を温めることであることから、入浴剤の発売に至った。「入浴しながら世界旅行を楽しむ」をテーマに、3つの国をイメージして調香。重炭酸タブレットと好みのバスオイルで、五感から気分が高まる入浴時間をサポートする。

“ルンルン・バスタブレット”は、微細な泡が24時間続く重炭酸のタブレット。タブレットが溶けた後のお湯には重炭酸イオンが含まれ、塩素が除去された柔らかなお湯に変化する。

“ルンルン・トリップパスオイル”は、アルガンオイル、モリンガオイル、ホホバオイルを配合し、肌に潤いをもたらす入浴剤だ。自身の体、肌、心のコンディションを観察しながら、その日の気分に合わせて選ぶことができる3つの香りをそろえた。オイルを入れると滑らかな肌当たりの良いお湯に変化し、お風呂から上がった肌を包み込む。

香りは3種をラインアップ。“シチリアオレンジ”は、オレンジ畑をイメージした香りだ。フレッシュでジューシーなオレンジに、ジャスミンやムスクなどスパイシーな香りをブレンドした。柔らかさの中にシチリアの太陽のような鮮やかさを織り混ぜることで華やかな気分に導く。保湿成分として、オリーブオイルとフラーレンを配合した。

“イングリッシュローズガーデン”は、イギリスのローズガーデンをイメージした香り。豊かで深みのある高貴さを感じさせるローズをベースにしながら、清らかさと瑞々しさも感じる香りだ。イギリスのローズガーデンでバラの香りをたっぷり含んだ朝露に包まれているかのような心地よいひとときを味わえる。ローズヒップオイルを配合した。

“フィンランドフォレスト”は、フィンランドの森をイメージした香り。優雅なサンダルウッドを主とし、オリス、ローズ、ネロリーを加えて、北欧の生命力溢れる清々しい森林の中で芳香浴を楽しんでいるかのような体験ができる。チアシードオイルを配合した。

「ルンルンビューティメソッド」誕生の経緯

深澤さんが美容の世界に入ったきっかけは、「女性が輝いて見える、すてきになるということがマインドと関係あるのでは」という興味から。しかし、マインドは言葉で語るスキルが必要と考え、当初はスキンケアなどで肌をきれいにする活動からスタートした。契機はコロナ禍。自身も40代になり、自宅でシワやたるみについて考えていた時、「外見の美容だけに向き合っていたら気を病んでいきそう」と感じたという。

「スキンケア以外で自分を劇的にきれいな方向に導いてくれたことは、美容家として取材を毎日受けてきたこと。今度は自分が質問をする側としてメソッドを作ることができたら、美容の中でも有意義で新しい取り組みになるのでは」という思いから、「ルンルンビューティー」を立ち上げた。

立ち上げに伴って自身のオンラインサロンで、参加者にさまざまな質問を投げかけ、3カ月後にプロの写真家が撮影をするという企画を実施した。「自分について考えたことがない人がとても多かった。この化粧水をなぜ使っているのか、自身の肌がどういう状態か、分かっていないことが浮き彫りになった。3カ月後には自分の好きなことや合うものが理解できており、参加者の変化が目に見えて分かった」という。

化粧水の祖・桃谷順天館グループ

桃谷順天館グループは、本社機能のある桃谷順天館を主とし、ドラッグストアや量販店で明色ブランドを展開する明色化粧品、化粧品、医薬部外品、健康食品の企画提案型OEM・ODMを実施するコスメティックジャパンなどを展開する。商品開発はデータによる効果効能を重視しており、試験にパスしたもののみを商品化。ほぼ全ての商品を岡山にある自社工場で製造している。

桃谷順天館は今年で創業140年目を迎えた。創業のきっかけとなった“美顔水”は、140年前から現在も変わらない処方で販売している。化粧品業界の資料を編集、出版している富士経済によると、日本の化粧水の歴史は同社が1885年に発売した“美顔水”からスタートしたという。

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桃谷順天館の「レグラージュ」が入浴剤を発売 美容家・深澤亜季の“ルンルンビューティーメソッド”から開発

桃谷順天館グループのスキンケアブランド「レグラージュ(REGLAGE)」はこのほど、初のボディーケアアイテムとなる “ルンルン・タブレット”(45個、3960円)と“ルンルン・トリップバスオイル”(3種、各40mL、各1320円)を発売した。公式ECサイト「コスメティックミュージアム(COSMETIC MUSEUM)」で取り扱う。

「レグラージュ」は、24年4月に桃谷順天館グループが立ち上げたスキンケアブランド。ECサイトに独自のアルゴリズムによる肌診断機能を搭載し、個々人の肌に適した処方を提案する。第1弾は全87種のスキンケアアイテムをECサイトで同時に発売した。

第2弾となる今回は、美容家の深澤亜季さんとコラボし、バスタブレットとバスオイルを発売した。商品は、深澤さんが提唱する「ルンルンビューティメソッド」を基に開発した。「ルンルンビューティメソッド」とは、自身の好きものを知ることで、“ルンルン”という気持ちになり、それが美しさにつながるという美容法。深澤さんはこのメソッドを「100人いれば100通りの美があっていい」という考えで提唱しているが、研究していくと共通項も見えてくるという。そのうちの一つが体を温めることであることから、入浴剤の発売に至った。「入浴しながら世界旅行を楽しむ」をテーマに、3つの国をイメージして調香。重炭酸タブレットと好みのバスオイルで、五感から気分が高まる入浴時間をサポートする。

“ルンルン・バスタブレット”は、微細な泡が24時間続く重炭酸のタブレット。タブレットが溶けた後のお湯には重炭酸イオンが含まれ、塩素が除去された柔らかなお湯に変化する。

“ルンルン・トリップパスオイル”は、アルガンオイル、モリンガオイル、ホホバオイルを配合し、肌に潤いをもたらす入浴剤だ。自身の体、肌、心のコンディションを観察しながら、その日の気分に合わせて選ぶことができる3つの香りをそろえた。オイルを入れると滑らかな肌当たりの良いお湯に変化し、お風呂から上がった肌を包み込む。

香りは3種をラインアップ。“シチリアオレンジ”は、オレンジ畑をイメージした香りだ。フレッシュでジューシーなオレンジに、ジャスミンやムスクなどスパイシーな香りをブレンドした。柔らかさの中にシチリアの太陽のような鮮やかさを織り混ぜることで華やかな気分に導く。保湿成分として、オリーブオイルとフラーレンを配合した。

“イングリッシュローズガーデン”は、イギリスのローズガーデンをイメージした香り。豊かで深みのある高貴さを感じさせるローズをベースにしながら、清らかさと瑞々しさも感じる香りだ。イギリスのローズガーデンでバラの香りをたっぷり含んだ朝露に包まれているかのような心地よいひとときを味わえる。ローズヒップオイルを配合した。

“フィンランドフォレスト”は、フィンランドの森をイメージした香り。優雅なサンダルウッドを主とし、オリス、ローズ、ネロリーを加えて、北欧の生命力溢れる清々しい森林の中で芳香浴を楽しんでいるかのような体験ができる。チアシードオイルを配合した。

「ルンルンビューティメソッド」誕生の経緯

深澤さんが美容の世界に入ったきっかけは、「女性が輝いて見える、すてきになるということがマインドと関係あるのでは」という興味から。しかし、マインドは言葉で語るスキルが必要と考え、当初はスキンケアなどで肌をきれいにする活動からスタートした。契機はコロナ禍。自身も40代になり、自宅でシワやたるみについて考えていた時、「外見の美容だけに向き合っていたら気を病んでいきそう」と感じたという。

「スキンケア以外で自分を劇的にきれいな方向に導いてくれたことは、美容家として取材を毎日受けてきたこと。今度は自分が質問をする側としてメソッドを作ることができたら、美容の中でも有意義で新しい取り組みになるのでは」という思いから、「ルンルンビューティー」を立ち上げた。

立ち上げに伴って自身のオンラインサロンで、参加者にさまざまな質問を投げかけ、3カ月後にプロの写真家が撮影をするという企画を実施した。「自分について考えたことがない人がとても多かった。この化粧水をなぜ使っているのか、自身の肌がどういう状態か、分かっていないことが浮き彫りになった。3カ月後には自分の好きなことや合うものが理解できており、参加者の変化が目に見えて分かった」という。

化粧水の祖・桃谷順天館グループ

桃谷順天館グループは、本社機能のある桃谷順天館を主とし、ドラッグストアや量販店で明色ブランドを展開する明色化粧品、化粧品、医薬部外品、健康食品の企画提案型OEM・ODMを実施するコスメティックジャパンなどを展開する。商品開発はデータによる効果効能を重視しており、試験にパスしたもののみを商品化。ほぼ全ての商品を岡山にある自社工場で製造している。

桃谷順天館は今年で創業140年目を迎えた。創業のきっかけとなった“美顔水”は、140年前から現在も変わらない処方で販売している。化粧品業界の資料を編集、出版している富士経済によると、日本の化粧水の歴史は同社が1885年に発売した“美顔水”からスタートしたという。

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元・銀ホスのアパレルプレスが語る仕事論 「今も“結果が全て”の世界だと思ってる」

「私、ホステスだったんです」。

世間では“水商売”呼ばわりされることもあり、人前では隠したくなるような経歴かもしれない。なのにそれを堂々と言ってのけるのは、バーンデストローズジャパンリミテッドの「スウィングル(SWINGLE)」でプレスを務める室薫さん(28)だ。

20代前半に六本木でキャバクラ、銀座でホステス業を経験したのち、アパレルプレスに転身。銀ホス時代には、企業社長など錚々たる上顧客と接する中で「人に信頼されること」「結果を出すこと」の大切さを学んだ。それは、アパレル業界で働く今も生きているという。

WWD:まず、経歴について教えてほしい。

室:美容の専門学校を卒業後にエステティシャンとして、その後は外資系ブランドの美容部員として働きました。バーンデストローズへの入社は2020年5月。小田急百貨店に店舗(現在はクローズ)がオープンするタイミングで、オープニングメンバーとして採用募集に応募しました。販売をしていたのは1年と少し。21年8月にプレスに異動になりました。

WWD:夜の仕事をしていたのは?

室:エステティシャン時代にお給料が少なかったので、職場にはヒミツにして六本木のキャバクラで働いていたんです。美容部員になってからも密かに続けていました。もう時効だと思って言いますが。あ、今は誓ってやっていないですよ(笑)。

大のお酒好きで、キャバクラでは遊び感覚で働いていたので、つい飲みすぎてしまっていました。次の日は二日酔いや、寝ないで出勤することもザラ。そのうち結果が出るにつれて、キャバクラの方がだんだん楽しくなってきてしまって。それと美容部員をやっているうちに、働いているブランドのことは好きだけど、メイク自体はそんなに好きじゃないかも?と気がつきました。何を今更って感じだったでしょうね。

入ったばかりの頃は、お客さまからわざわざお礼のメールをいただくほどの優良スタッフだったんですよ。辞めることを決めたときには、いただくのはクレームばかりになっていましたが。飽き性ということもあって、だんだんモチベーションが下がってしまって、キャバクラ一本で行こうと決めたんです。

WWD:ホステスになったきっかけは?

室:キャバクラのお客さまが、銀座でもよく遊んでらっしゃった方で。その方が「ホステスに向いているんじゃない?」と斡旋してくださったんです。それに、お客さまからの紹介の方が待遇もよかった。いいきっかけをいただけたと感じて、3つほどお店を回って決めました。

WWD:どんな店だった?

室:銀座のクラブ街では、いわゆる“老舗”の高級店でした。地下1階にあって、完全紹介制。実はクラブってワインやシャンパンボトルを派手に頼まなければ、時間制のキャバクラとかよりも全然リーズナブルなんですけどね。ただワインやシャンパンボトルは少なくとも1本10万円しますし、平均客単価は20〜30万円くらい。派手な遊び方をする、いわゆる“成金”のような方はいない、落ち着いた店でした。

若さとノリではついていけない世界

WWD:室さんのウリはなんだった?

室:若さとノリ(笑)。当時の私は22歳。銀座という立地もあって周りはだいぶお姉さんだったので、「同伴いつでも行けます!」「アフターも行けます!」ととにかくアピールしていました。クラブは土日休みだったんですが、オフの日もよくお客さまのご飯にお付き合いしていましたね。回らないお寿司屋さんで、100万円くらい使う方もいました。何かの部品の会社を経営されている方だったと思います。

WWD:辞めたきっかけは?

室:さっきと真逆なことを言うんですけど、ノリと若さだけで生きていけるほど、甘い世界ではなかったからですね。私の成績は、よかったときでも真ん中くらい。夜のお仕事でも、私のように夕方まで寝ているって人は、「結果を出している人ほど」いませんでした。大体みんな朝早く起きて、お客さまにラインであいさつをして、優雅にペットの散歩をしている。そういう中身の部分って、見抜かれるものだと思うんですよ。お店に来られる方は経営者も多いので、お客さまと同じ目線でできるよう、勉強も欠かさない。キラキラしているけれど、陰ですごく努力している人が多かったです。

それから、細やかな配慮も大事でした。銀座のクラブは接待での来店も多くて、そういう方々は大事な「仕事の場」として利用されている。だから私たちも楽しんでいただくだけでなく、場をうまく回す潤滑油にもならなきゃいけない。私のように、飲みすぎてお客さまのテーブルで粗相して、スタッフからブチギレられるなんてもってのほかでした。

WWD:今の室さんからは、ちょっと想像がつきませんね。

室:あはは(笑)。努力や気遣いのできるホステスさんたちが認められ、他の方へ紹介され、数珠繋ぎのようにお客さまが増えていく。そうやってのし上がっていく世界です。私にはプライベートで遊んでいただけるお客さまが一定数ついても、接待では使われなかったのは、多分「そういうこと」だったんだと思います。それでだんだん自信を失って、気分も落ちていって、ある日同伴の食事でご飯の味がしなくなったんです。きっと、限界だったんですね。その時はちょうどコロナが流行り始めて営業が制限され、銀座の夜の街にも光が灯らなくなっていた時期。先が見えない中で、夜の仕事から足を洗う決意をしました。

WWD:なぜアパレルに?

室:専門学校時代に有楽町マルイでアパレルのアルバイトをしていて、本当に楽しかったんです。服を売りたいという思いがまた芽生えていました。アルバイト時代の有楽町マルイの同じ階に「スウィングル」があったのを思い出して。次に働くならお姉さん向けブランドだと思っていましたし、ちょうど小田急新宿店の新店スタッフの採用をしていたので、思い切って応募しました。

ただやっぱり面接の時に突っ込まれたのが、夜の仕事をやっていた「空白期間」。これはもう隠しても仕方ないと思って、水商売をしていたことを正直に明かしました。ダメかと思いましたが、受かってびっくり。後から聞いた話では、上層部が「私を採用するか」という話になった時、「嘘をつかない素直さがいい」ということになったようです(笑)。

「絶対に社内ナンバーワンブランドにしたい」

WWD:銀ホスの経験は生きた?

室:やたらと“結果”にこだわるところでしょうか。小田急新宿店はそんなに客足が多い店ではなかったですが、それでもなんとか数字につなげようと、もがいていました。銀座のホステスは売り上げが全てで、性格とか人柄は関係ない世界。月末に成績表が張り出されて、結果次第では「がんばったね」と褒められるし、表の下の方にいる人は、まるで人権がないみたいな扱い。結果を出さないと、お店にいられなくなるし、うかうかしていると、私よりも新しい子がどんどん入ってくる。

それは、私がホステス業に参ってしまった原因でもあるんですが、ただアパレルでもそれと似た面があると思っていて。「弱肉強食」の世界にいることは、常に自覚しています。プレスに移ってからも、このポジションを目指している子は多いと思うから、安泰とは思っていない。だからやっぱり、“結果”には固執してしまうんです。

WWD :プレスは、数字としての成果が見えづらいポジションにも思える。

室:プレスの仕事の一つがビジュアルの撮影ですが、そのクオリティーにこだわると、ECの売り上げが急に伸びることもあります。話題性のあるコラボ企画を仕掛けるのも、私ができること。展示会に来てくださった芸能人やモデルの方に「今度コラボしませんか」と声をかけてみたり、いきなりDMしてみたりします。周りはびっくりしていますけどね。アパレルも自分の存在価値がないと埋もれちゃう世界。だから、「誰もやったことがないこと」をするよう心掛けています。

WWD:目標は?

室:「スウィングル」はスタート当初はエビちゃん(蛯原友里)がプロデュースしていて、赤文字雑誌の全盛期までバーンデストローズの基幹ブランドでした。ただ、残念ながら今は当時ほどの勢いはなくなってしまいました。大好きなブランドなのに、このポジションにいるのはすごく悔しい。「絶対に私が社内で売り上げ1位にしてやる」って心の中で思いながら、毎日仕事をしています。

沖圭祐「スウィングル」事業部長の話

2020年に新規出店した小田急新宿店は、正直いって“成功”と言える店ではなかった。ただ客足がなかなか伸びない中でも、一際背筋を伸ばしてがんばっていたのが、入社したばかりの室さんだった。半年後にはブランド一番店の有楽町マルイ店に抜擢した。

店長にもなったら、売り上げに意識が向いて当然とは思う。ただそうではないのに、やけに売り上げにうるさい子がいた。それも室さんだった。「私こんなに売りました」「昨日は10万円、20万円買ってくれる人がいたんです」。そんなふうに、毎日のようにしつこいくらいに報告してくる。それも結果にこだわる彼女の一面をよく表していた。

前任のプレスが辞めたタイミングで、「骨のあるやつがいる」と社長に直談判し、室さんに白羽の矢を立てた。大物の芸能人にコラボ話を持ちかけたり、いきなりDMしたりと、皆が物怖じするようなことも彼女はやってのけてしまう。だが現に、そうやって実現してきた企画もブランドの目玉になって、ECの数字は伸び続けている。結果へのこだわりだけでなく、「常に新しいチャレンジを起こす」ことをプレスの立場でやり続けているのが、彼女のすごいところだ。

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元・銀ホスのアパレルプレスが語る仕事論 「今も“結果が全て”の世界だと思ってる」

「私、ホステスだったんです」。

世間では“水商売”呼ばわりされることもあり、人前では隠したくなるような経歴かもしれない。なのにそれを堂々と言ってのけるのは、バーンデストローズジャパンリミテッドの「スウィングル(SWINGLE)」でプレスを務める室薫さん(28)だ。

20代前半に六本木でキャバクラ、銀座でホステス業を経験したのち、アパレルプレスに転身。銀ホス時代には、企業社長など錚々たる上顧客と接する中で「人に信頼されること」「結果を出すこと」の大切さを学んだ。それは、アパレル業界で働く今も生きているという。

WWD:まず、経歴について教えてほしい。

室:美容の専門学校を卒業後にエステティシャンとして、その後は外資系ブランドの美容部員として働きました。バーンデストローズへの入社は2020年5月。小田急百貨店に店舗(現在はクローズ)がオープンするタイミングで、オープニングメンバーとして採用募集に応募しました。販売をしていたのは1年と少し。21年8月にプレスに異動になりました。

WWD:夜の仕事をしていたのは?

室:エステティシャン時代にお給料が少なかったので、職場にはヒミツにして六本木のキャバクラで働いていたんです。美容部員になってからも密かに続けていました。もう時効だと思って言いますが。あ、今は誓ってやっていないですよ(笑)。

大のお酒好きで、キャバクラでは遊び感覚で働いていたので、つい飲みすぎてしまっていました。次の日は二日酔いや、寝ないで出勤することもザラ。そのうち結果が出るにつれて、キャバクラの方がだんだん楽しくなってきてしまって。それと美容部員をやっているうちに、働いているブランドのことは好きだけど、メイク自体はそんなに好きじゃないかも?と気がつきました。何を今更って感じだったでしょうね。

入ったばかりの頃は、お客さまからわざわざお礼のメールをいただくほどの優良スタッフだったんですよ。辞めることを決めたときには、いただくのはクレームばかりになっていましたが。飽き性ということもあって、だんだんモチベーションが下がってしまって、キャバクラ一本で行こうと決めたんです。

WWD:ホステスになったきっかけは?

室:キャバクラのお客さまが、銀座でもよく遊んでらっしゃった方で。その方が「ホステスに向いているんじゃない?」と斡旋してくださったんです。それに、お客さまからの紹介の方が待遇もよかった。いいきっかけをいただけたと感じて、3つほどお店を回って決めました。

WWD:どんな店だった?

室:銀座のクラブ街では、いわゆる“老舗”の高級店でした。地下1階にあって、完全紹介制。実はクラブってワインやシャンパンボトルを派手に頼まなければ、時間制のキャバクラとかよりも全然リーズナブルなんですけどね。ただワインやシャンパンボトルは少なくとも1本10万円しますし、平均客単価は20〜30万円くらい。派手な遊び方をする、いわゆる“成金”のような方はいない、落ち着いた店でした。

若さとノリではついていけない世界

WWD:室さんのウリはなんだった?

室:若さとノリ(笑)。当時の私は22歳。銀座という立地もあって周りはだいぶお姉さんだったので、「同伴いつでも行けます!」「アフターも行けます!」ととにかくアピールしていました。クラブは土日休みだったんですが、オフの日もよくお客さまのご飯にお付き合いしていましたね。回らないお寿司屋さんで、100万円くらい使う方もいました。何かの部品の会社を経営されている方だったと思います。

WWD:辞めたきっかけは?

室:さっきと真逆なことを言うんですけど、ノリと若さだけで生きていけるほど、甘い世界ではなかったからですね。私の成績は、よかったときでも真ん中くらい。夜のお仕事でも、私のように夕方まで寝ているって人は、「結果を出している人ほど」いませんでした。大体みんな朝早く起きて、お客さまにラインであいさつをして、優雅にペットの散歩をしている。そういう中身の部分って、見抜かれるものだと思うんですよ。お店に来られる方は経営者も多いので、お客さまと同じ目線でできるよう、勉強も欠かさない。キラキラしているけれど、陰ですごく努力している人が多かったです。

それから、細やかな配慮も大事でした。銀座のクラブは接待での来店も多くて、そういう方々は大事な「仕事の場」として利用されている。だから私たちも楽しんでいただくだけでなく、場をうまく回す潤滑油にもならなきゃいけない。私のように、飲みすぎてお客さまのテーブルで粗相して、スタッフからブチギレられるなんてもってのほかでした。

WWD:今の室さんからは、ちょっと想像がつきませんね。

室:あはは(笑)。努力や気遣いのできるホステスさんたちが認められ、他の方へ紹介され、数珠繋ぎのようにお客さまが増えていく。そうやってのし上がっていく世界です。私にはプライベートで遊んでいただけるお客さまが一定数ついても、接待では使われなかったのは、多分「そういうこと」だったんだと思います。それでだんだん自信を失って、気分も落ちていって、ある日同伴の食事でご飯の味がしなくなったんです。きっと、限界だったんですね。その時はちょうどコロナが流行り始めて営業が制限され、銀座の夜の街にも光が灯らなくなっていた時期。先が見えない中で、夜の仕事から足を洗う決意をしました。

WWD:なぜアパレルに?

室:専門学校時代に有楽町マルイでアパレルのアルバイトをしていて、本当に楽しかったんです。服を売りたいという思いがまた芽生えていました。アルバイト時代の有楽町マルイの同じ階に「スウィングル」があったのを思い出して。次に働くならお姉さん向けブランドだと思っていましたし、ちょうど小田急新宿店の新店スタッフの採用をしていたので、思い切って応募しました。

ただやっぱり面接の時に突っ込まれたのが、夜の仕事をやっていた「空白期間」。これはもう隠しても仕方ないと思って、水商売をしていたことを正直に明かしました。ダメかと思いましたが、受かってびっくり。後から聞いた話では、上層部が「私を採用するか」という話になった時、「嘘をつかない素直さがいい」ということになったようです(笑)。

「絶対に社内ナンバーワンブランドにしたい」

WWD:銀ホスの経験は生きた?

室:やたらと“結果”にこだわるところでしょうか。小田急新宿店はそんなに客足が多い店ではなかったですが、それでもなんとか数字につなげようと、もがいていました。銀座のホステスは売り上げが全てで、性格とか人柄は関係ない世界。月末に成績表が張り出されて、結果次第では「がんばったね」と褒められるし、表の下の方にいる人は、まるで人権がないみたいな扱い。結果を出さないと、お店にいられなくなるし、うかうかしていると、私よりも新しい子がどんどん入ってくる。

それは、私がホステス業に参ってしまった原因でもあるんですが、ただアパレルでもそれと似た面があると思っていて。「弱肉強食」の世界にいることは、常に自覚しています。プレスに移ってからも、このポジションを目指している子は多いと思うから、安泰とは思っていない。だからやっぱり、“結果”には固執してしまうんです。

WWD :プレスは、数字としての成果が見えづらいポジションにも思える。

室:プレスの仕事の一つがビジュアルの撮影ですが、そのクオリティーにこだわると、ECの売り上げが急に伸びることもあります。話題性のあるコラボ企画を仕掛けるのも、私ができること。展示会に来てくださった芸能人やモデルの方に「今度コラボしませんか」と声をかけてみたり、いきなりDMしてみたりします。周りはびっくりしていますけどね。アパレルも自分の存在価値がないと埋もれちゃう世界。だから、「誰もやったことがないこと」をするよう心掛けています。

WWD:目標は?

室:「スウィングル」はスタート当初はエビちゃん(蛯原友里)がプロデュースしていて、赤文字雑誌の全盛期までバーンデストローズの基幹ブランドでした。ただ、残念ながら今は当時ほどの勢いはなくなってしまいました。大好きなブランドなのに、このポジションにいるのはすごく悔しい。「絶対に私が社内で売り上げ1位にしてやる」って心の中で思いながら、毎日仕事をしています。

沖圭祐「スウィングル」事業部長の話

2020年に新規出店した小田急新宿店は、正直いって“成功”と言える店ではなかった。ただ客足がなかなか伸びない中でも、一際背筋を伸ばしてがんばっていたのが、入社したばかりの室さんだった。半年後にはブランド一番店の有楽町マルイ店に抜擢した。

店長にもなったら、売り上げに意識が向いて当然とは思う。ただそうではないのに、やけに売り上げにうるさい子がいた。それも室さんだった。「私こんなに売りました」「昨日は10万円、20万円買ってくれる人がいたんです」。そんなふうに、毎日のようにしつこいくらいに報告してくる。それも結果にこだわる彼女の一面をよく表していた。

前任のプレスが辞めたタイミングで、「骨のあるやつがいる」と社長に直談判し、室さんに白羽の矢を立てた。大物の芸能人にコラボ話を持ちかけたり、いきなりDMしたりと、皆が物怖じするようなことも彼女はやってのけてしまう。だが現に、そうやって実現してきた企画もブランドの目玉になって、ECの数字は伸び続けている。結果へのこだわりだけでなく、「常に新しいチャレンジを起こす」ことをプレスの立場でやり続けているのが、彼女のすごいところだ。

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「ストーンアイランド」から2025年最初のカプセルコレクションが発売 赤いステッチがはしる8型

「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」は1月3日、新年の到来を祝って、2025年の干支「巳」をモチーフにしたカプセルコレクション“イヤー オブ ザ スネーク '025(Year of the Snake '025)”を発売する。同コレクションは、「ストーンアイランド」東京青山店、渋谷パルコ店、三越銀座店、阪急メンズ大阪ポップアップ店、心斎橋パルコ店、および、公式オンラインストアで扱う。

ステッチとキルティングでしなやかさを表現

同コレクションは、赤いステッチと波打つ形状の特殊なキルティングが特徴。カラーパレットは、ブラックとシルバーを用いた。アイテムは、モジュラージャケット(20万5700円)やジョガーパンツ(8万3600円)、フード付きのスエット(7万2600円)のほか、バックパック(8万8000円)やキャップ(3万5200円)などの小物も含めた計8型をリリースする。

また、フードと袖が取り外し可能で、ベストとしても着用することができるモジュラージャケットとジョガーパンツは、ナイロンメタル製で、同ブランドが得意とするガーメントダイによる染色を行った。

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