【早稲田繊維研究会】Vol.5“変わりゆくなかで変わらないもの” 幹部4人が振り返るファッションショー

早稲田大学発のファッションサークル・早稲田大学繊維研究会は12月7日、科学技術館でファッションショー「それでも離さずにいて」を開催した。これまで4回にわたり、ショーまでの道のりを連載形式で寄稿してもらったが、連載の最後は幹部メンバー4人がショーを終えた振り返りを座談会形式で行った。話を聞かせてくれたのは、代表・長野桃子さん(東京家政大学4年生)、副代表・杉田美侑さん(早稲田大学3年生)、副代表・グイ蘭丸さん(同2年生)、会計・西脇詩緒里さん(同2年生)の4人だ。

WWD:今回のショーに向けた活動はいつ頃から始めた?

長野桃子(以下、長野):コンセプトを練り始めたのは2025年1月頃。並行して“服造”“演出”“広報”など各部門の担当を決め、服造チームが実際に服作りを始めたのは8月頃です(8月にはルックブック撮影があり、それを終えてから)。また会場の選定を行うため、5、6箇所ほど下見に行きました。

WWD:服作り及びショーの制作には多くの予算が必要だ。

杉田美侑(以下、杉田):会費として、所属学生からは半年で1万5000円を募ります。それに加え、学校の補助金や企業から協賛金をいただいています。これらのお金から服作りの材料費や会場費を捻出する仕組みです。

西脇詩緒里(以下、西脇):ちょうどショーが終わり、今事後処理に追われていて。各所にお金を振り込むたびにヒヤヒヤしています(笑)。

WWD:それぞれの役割で大変だったことは?

長野:服造においては、「早稲田大学繊維研究会(以下、“繊維”)のコンセプトの中で作るルック」を意識しなけらばならないこと。代表としても「“繊維”のあるべき姿」を守り続けなければいけないという思いがあり、プレッシャーは大きかったです。

長野:妥協せずに話し合うということを意識していたからこそ、ぶつかり合うことも多くて。でも、ぶつかり合ったからこそ一人一人が深く考えるきっかけにもなったと思います。特に私と杉田は結構空気をピリつかせてしまったので、2年生たちはちょっと気まずかったかもしれません(笑)。

杉田:「“繊維”らしさ」は広報活動においてもとても重要な視点でした。部員の思いや活動の様子を伝えたい一方、外に出ていく団体のイメージを壊さないためにはどうすれば良いのか。これまでの“繊維”は、団体活動の裏側をあまり外に出していなかったこともあり、「私の独断で決めてしまっても良いのか」と自問自答し続けました。

これまでに行ってきた「WWDJAPAN」の寄稿でも、「“団体の思い”としてこの記事を出して良いのか」という自身への問いがずっとありました。個人のクリエイターが好きなものを作って発表しているわけではなく、いち組織として表現物を提示するのが“繊維”だと思っています。写真を1枚選ぶだけでも、「1人にフォーカスしすぎている写真は掲載すべきではないのでは」など、細部まで念入りに確認しました。

グイ蘭丸(以下、グイ):服造においては、コンセプトも納得がいくものを生み出すことができて、ルック制作はとても楽しかったです。その一方で、今振り返れば服作りに専念しすぎて副代表としてやるべき仕事がかなり疎かになってしまって反省しています。10月に行った1年生ショーも含め、思い通りに物事が進まないことがたくさんあったなと思います。服作りにおいても、当初目指していたのは「モデルに手渡して、迷わずに着られる服」。ショーではフィッターもいましたが、フィッターなしでも着られるようなわかりやすい服を作りたいと思っていました。でも実際はちょっとリアルクローズから離れてしまったように感じています。

西脇:私はショー当日のタイムスケジュールを作成したのですが、実際に作ってみるとかなり細かくて。それでもみなさんのご協力のもと、分刻みのスケジュールを守ることができました。小さいときから、「形作るものを裏方として支えたい」という思いがあったのですが、今回のショーではその思いを実現できたと思います。紙のパターンや資料から始まったものが、大きな会場でのショーになっていくことを体験できて、本当に感動しました。

WWD:早稲田大学繊維研究会はこれまで、森永邦彦「アンリアレイジ(ANREALAGE)」デザイナーや神田恵介「ケイスケカンダ(KEISUKE KANDA)」デザイナーを輩出している。そんな団体を運営する上でプレッシャーはあったか?

杉田:プレッシャーはずっと感じていました。ショーの少し前に見た夢の中で、卒業生たちがショーを見に来てくれたのですが「こんなのは“繊維”じゃない」と言われて…夢で本当によかったです(笑)。

長野:私自身、2年前に初めて先輩たちのショーを見たときに“繊維”が好きになって。そこにあった、“既に完成された繊維”を私たちが次の世代につないでいくために、ブランディング的な部分でもかなり悩み、試行錯誤しました。ショーを終えた後、見にきてくれた先輩方が「悔しくなるほどとても良かった」と言ってくださり、ほっとしました。

WWD:ファッションショーを通じて得られたこと、自身が成長したと思う点は?

西脇:私は裏方としての意識が一層強まったと思います。表に立つみなさんを支える苦労、縁の下の力持ちの存在の大切さを感じられました。みんなから「あの人がいなかったら成り立たなかったね」と思ってもらえるような人になりたいという自分の気持ちを再認識できた1年でした。

グイ:“繊維”に入って、「みんなで1つのショーを作っている」という経験を得られました。これまで自分がやってきたことの多くは“自分が中心の世界”にあったのですが、ショー作りにおいては服を造る自分以外にも服を着せる人、着る人、演出でもっと魅力的に見せる人など、各分野における“他者”がいて、チームで動くことの大変さと楽しさを知ることができました。

そして今回のショーではこれまでよりもっと先輩たちの近くで運営を見ることができました。今年のショーそのものも、先輩たちも、先輩たちのルックも全て大好きで、この団体にいることができて本当によかったです。僕は「こうしよう」と思ったことにあまり妥協できない性格なので、これからは先輩方の気持ちを受け継ぎながら、“繊維”の一員として頑張ろうと決めたことを最後まで貫いていきたいです。

西脇:ショーを終えて、私とグイ、同期もう1人で打ち上げをしたのですが、みんなが思い思いに“繊維”に対する愛を語り合うすごい会になってしまって(笑)。グイは感極まって泣いてしまうほどで、本当にみんなが好きな団体なんです。

早稲田祭から今回のショーに向けて3カ月走り抜ける中で、先輩たちに教えてもらったこと、フォローしてもらったことがたくさんあります。それを今度は私たちが次の世代に還元していけるように、頑張ろうと思います。

杉田:私もグイと似たようなことを感じていたかもしれません。同級生とのコミュニケーションの取り方の難しさ、意見が衝突したときにどのように落とし所をつけるか、など、難しいことがたくさんありました。就活をしている中で、よく企業に協調生を問われると思うのですが、これまでの私はどこか、協調性を同調圧力とすら感じていた部分があって。でも“繊維”の活動を通して、協調性は相手とていねいに向き合って、言語化し、コミュニケーションをとることだという視点を持てました。

いつも私の言葉を真摯に受け止め、ときには正面からぶつかってくれる長野のやさしさにもたくさん助けられたと思います。団体の外でも、支援してくださった企業の皆さんや、他にもいろいろな人の支えがあってこそできている活動なんだなと感じました。

長野:ショー当日は「厄年なんじゃないか」と思うくらい、朝から色々なハプニングが起きて(笑)。でも今回見にきてくれた人から、「泣きそうになった」「感動した」と言ってもらえました。これまでにもショーに携わってきましたが、そんなふうに言ってもらえたのは初めてだったので、最後までやり抜いて本当によかったです。活動の軸となるコンセプトを、1年かけて掘り下げながらショーへ集約していくのが“繊維”。コンセプトをもとに、ブレずに考え続けることが大切なんだと、改めて気づくことができました。

長野:モデルが全員歩き終えた後、代表として私もランウエイに立ったのですが、舞台裏で私を送り出してくれた後輩が「桃子さんを送り出してしまったら、本当に引退してしまうんだと寂しくなってしまった」と後から教えてくれたんです。それを聞いて、本当に胸が熱くなりました。私自身、先輩たちが大好きだったから続けてこられた部分もあったので、自分がそんなふうに思ってもらえるようになったんだと思うと感慨深いです。

WWD:次の世代に残したい思いとは?

杉田:毎年、代表が示す方向性によって活動の中身は変わっていくと思います。作りたいものや運営方針は世代ごとに決めながらも、その中でも変わらない”繊維”らしさをつないで行ってもらえたらうれしいです。「作りたい」って思った理想があるなら、色々な壁があってもゴールに到達するまでがんばってほしいです。

長野:他のファッションサークルも数多くある中で、“繊維”が持つファッション批評やコンセプトをいちばん大事にしてくれたらいいなと思います。早稲田大学繊維研究会は好きなことをやったり、個人のクリエイションを見せることができる団体でもありますが、団体として見せることの素晴らしさもぜひ味わってほしいです。

早稲田大学繊維研究会によるこれまでの連載タイトルは「変わりゆくなかで変わらないもの」を掲げてきた。これはショータイトル「それでも離さずにいて」(SNSやファストファッションの成長により時代が変わる中で持ち続けたい大切なもの、在るべき姿を表現した)を裏付けるコンセプトでもあったが、彼らが先輩たちから受け継いできた「団体らしさ」を表現するようにも感じさせる。代表の長野さん、副代表の杉田さんはこのショーをもって引退となるが、次の世代が団体として「変わりゆく中で変わらないもの」をどのような形で表現するのか、今後が楽しみだ。

PHOTOS:早稲田大学繊維研究会

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USシンガー・ソングライター、サッカー・マミーが6年ぶりの来日で語る 「この10年での変化」と「変わらないこと」

10代の頃から地元アメリカ・ナシュビルで音楽制作を始め、現在はニューヨークを拠点に活動する28歳のシンガー・ソングライターのサッカー・マミー(Soccer Mommy)ことソフィー・アリソン(Sophia Allison)。これまでに4枚のアルバムを発表していて、繊細な心の揺らぎを綴った等身大の歌詞と、1990年代のオルタナティブ・ロックに影響を受けたラフなサウンドがインディー・ロック・リスナーのあいだで大きな共感を集めてきた。作品を重ねるごとに音楽性の幅を少しずつ広げてきた彼女だが、2024年リリースされた最新アルバムの「Evergreen」は、いわく「もっとシンプルに、ソングライティングそのものの美しさをきちんと伝えたい」という意図が色濃く反映された一枚。

ダニエル・ロパティン(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)がプロデュースを手がけたエレクトロニックなアレンジが際立つ前作「Sometimes, Forever」(22年)に対し、原点回帰を思わせるアコースティック・ギター中心のクリーンでリッチなサウンドが特徴的で、喪失と癒しの受容、痛みを正面から見つめる内省的な眼差しとビデオゲームに着想を得たユーモアが織りなす感情の綾が深い印象を残す作品だった。

アリソンが初めての音源を自主制作で発表したのは2015年。その後、デビュー・アルバム「Clean」(18年)によって一躍頭角を現した彼女にとって、この10年は自身のキャリアの成長と重なると同時に、スネイル・メイルやササミ(SASAMI)、そしてフィービー・ブリジャーズといった同時代の”女性アーティストたち”が存在感を大きく高めていった時代でもあった。サッカー・マミーが先日リリースした、親友であり盟友でもあるササミの楽曲をカバーした「Just Be Friends (Soccer Mommy Version)」は、そうした彼女たちの友情や連帯を称えた作品として特別な感慨をもたらすものだったようだ。

この10年で何が変わり、何が変わらなかったのか。彼女自身が変化したこと、そして今もなお大切に守り続けているものとは何なのか。さらに、先人たちから受け継ぐ「ソングライター」としての在り方と、チャペル・ローンらに代表される若い世代への”リスペクト”について——25年12月に実に6年ぶりとなる来日公演を行った彼女に話を聞いた。

ゲームやアニメからの影響

——昨日は大阪でのライブの前に、ポケモンセンターに立ち寄ったそうですね。インスタグラムで写真を見ました。

ソフィー・アリソン(以下、アリソン):本当に最高でした。とにかく楽しくて(笑)。もともとポケモンが大好きなので、ポケモンセンターに行けたのは本当にクールな体験だったし、すごくうれしかった。その前にジャカルタに行ったときはかなりタイトなスケジュールだったんですけど、今回はようやく少しだけ時間が取れて。おいしいものを食べたり、街を歩いたりしながらゆっくり過ごすことができました。

——ゲームやアニメのキャラクターが曲づくりのインスピレーションになることもありますか。

アリソン:実は、新しいアルバムの中に、「Abigail」というビデオ・ゲームの「Stardew Valley」のキャラクターをモチーフにした曲があって。私は昔からゲームが大好きで、特にポケモンは子どもの頃からずっと遊んできました。自分にとっては、すごくノスタルジックな存在ですね。

——ちなみに、ポケモンで好きなキャラクターは?

アリソン:一番好きなのは、やっぱり「ゼニガメ」かな。ピカチュウももちろん大好きだけど、昔からゲームでは「みずタイプの御三家」を選ぶことが多くて。「(ポケットモンスター)ファイアレッド/リーフグリーン」が人生で初めてプレイしたポケモンだったんですけど、そのときの最初の相棒が「ゼニガメ」だったんです。なので特別な思い入れがあります。

——曲のモチーフになった「アビゲイル」はどんなキャラクターなんですか。

アリソン:彼女はゲーム内で結婚できるキャラクターの一人で、紫色の髪をしていて、鉱山でモンスターと戦ったりするんです。ちょっとゴスっぽい雰囲気があって、とにかくクール。どこか魔法使いみたいな、神秘的で“ウィッチー(魔女)”なムードもあって。特にパンデミックの時期は、かなりやり込んでいました(笑)。

——アリソンさんにとって、アニメやゲームは現実からの逃避としてのファンタジーなのか、それとも、キャラクターに自分自身を重ねている感覚もありますか。

アリソン:ある意味では、その両方だと思います。現実から少し離れて、ファンタジーの世界に身を置く——いわば“逃避”のような側面も確かにあります。でも同時に、そこには強い情熱を注ぎ込んでいる感覚もある。アニメも同じで、単なる気晴らしではなく、個人的に深く没入できる対象なんだと思います。

アルバム「Evergreen」について

——最新アルバムの「Evergreen」がリリースされて1年ほど経ちますが、今改めて、自分自身の中ではどんな実感がありますか。

アリソン:今回の作品は、私にとって本当にパーソナルなものです。とにかくソングライティングそのものに集中して、できるだけストレートで、シンプルな作品をつくろうという意図があった。自分の人生の中で起きていたさまざまな出来事を整理して、受け止める助けにもなったし、完成したときには大きな達成感があって。「自分自身としっかりとつながれる」作品がつくれた、という実感があります。

——「自分自身としっかりとつながれる」?

アリソン:このアルバムは、「変化」や「喪失」、そして「成長して大人になっていくこと」をテーマにしていて。だからこそ、自分にとって大きな意味を持つ作品になったと思う。

ただ、リリースされたときの感覚は、正直なところ想像していたものとは少し違っていて。あまりにも大切に抱えてきた作品だったので、どこか「完璧なまま、誰にも触れられずにいてほしい」と思っていた部分もあったんだと思います。だから最初は、世に出すこと自体が少し大変でした。「肩の荷が下りた」というよりも、むしろこの作品の存在が、自分の人生の中でよりはっきりと、身近に感じられるようになった感覚があって。そこから学んだことはとても多いし、自分自身も確実に成長できたと思います。そうした経験全てが今の私を形づくっていて、今は自然と、新しいアイデアや次のステップに視線を向けられるようになっています。

——一方、エレクトロニックなプロダクションが際立った前作「Sometimes, Forever」とは変わり、「Evergreen」はアコギ中心のクリーンでリッチなサウンドで、とこか原点回帰も思わせるアプローチが印象的でした。

アリソン:今回の方向性は、実は書き溜めていた楽曲そのものから導かれたものでした。前作では、かなり自由で、クレイジーで、刺激的なことをたくさんやったので、今回はもっとシンプルに、ソングライティングそのものの美しさをきちんと伝えたいと思ったんです。限界に挑戦するとか、境界を押し広げるというよりも、楽曲を丁寧に響かせることを大切にしたかった。そういう意味で、これまでとは違う形の“新しさ”やワクワクすることに挑戦したかったんです。

——「Lost」や「Some Sunny Day」といった曲に象徴的なように、今作では、喪失や不在に直面した時の内省的な視線と、そこから回復や癒しへと向かう高揚感との対比がドラマチックに描かれているように感じました。制作を通じた経験は、今の自分にどんな形で活かされていると感じていますか。

アリソン:アルバムをつくるたびに、必ず何かしら学びがあります。私にとって「書く」という行為は、自分の思考や感情を書き留めて、それを見つめ直すプロセスなんです。今回いちばん大きかったのは、”この先も一生付き合っていく感情がある”ということを受け入れられたこと。だからと言って、それに常に打ちのめされる必要はないし、困難の中にも同じくらいの美しさが存在する。そう気づけたのは、私にとってとても大きな学びでした。

——前作の「Sometimes, Forever」では、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのダニエル・ロパティンをプロデューサーに迎えたことも大きな話題になりました。ファンにとっても大きなサプライズでしたが、改めて、どのような経緯で実現したコラボレーションだったのでしょうか。

アリソン:彼については以前から大ファンだったんです。レーベルのスタッフからプロデューサー候補として名前が挙がったときは「まさか!?」と思ったんですけど、もし一緒に仕事ができるならぜひお願いしたい、と伝えて。そうしたら彼も興味を持ってくれて、そこからはとんとん拍子で話が進んだんです。実際に一緒に制作してみると、本当に刺激的でした。何が起こるのかまったく予想できなかったけれど、きっと面白いことになるという確信はあって。結果的に、期待していた以上の素晴らしい経験になりました。

——その成果はアルバムの内容が物語っている通りですが、とはいえ、制作のプロセス自体はかなりチャレンジングだったのではないでしょうか。

アリソン:間違いなく新しい挑戦でした。ソングライティングで自分が大切にしている軸には忠実でいながら、これまでにない方向にも踏み出せた。以前よりも実験的な試みができたし、制作の現場は楽しくて、少しカオスでもあったけど(笑)。でも、そのすべてを含めて心から満足しているし、とても新鮮な作品になったと思います。

——ちなみに、いわゆる“エレクトロニック・ミュージック”は普段からよく聴かれていたのでしょうか。

アリソン:はい、エレクトロニック・ミュージックはよく聴いています。エイフェックス・ツインはずっと大好きだし、ウィリアム・バシンスキーもよく聴きます。アンビエント系は特に好きで、スターズ・オブ・ザ・リッドのようなアーティストもよく聴いています。

——ダニエル・ロパティンもゲーム好きとして知られていますが、彼と波長が合った、意気投合したのはどんなポイントだったのでしょうか。

アリソン:彼とは、全体的にとても相性がよかったと思います。とにかくアイデアが豊富で、刺激的な人で。それと同時に、ロック・ミュージックや、私がつくっているようなタイプの音楽に対しても同じくらい強い興味と情熱を持っている。そのおかげですぐに自然と打ち解けることができました。

ただ、実際に会うまでは、正直どんな人なのかまったく想像がつかなかった。会う前は、もっとストイックでシリアスな人なのかな、と勝手に想像していたんです。「どんな感じなんだろう……」って、少し身構えていた部分もあって。でも実際は、すごく「Goofy(おちゃめ)」で、どこかかわいらしい一面のある人でした(笑)。

「“自分らしさ”を一番大切にしている」

——サッカー・マミーのアルバムは、「Evergreen」を含めてこれまでの4作すべてでご自身のポートレートがアートワークに使われています。ただ、「Sometimes, Forever」だけはピントがぼやけていて、アリソンさんの表情も分からず、他のアルバムとテイストが違いますよね。

アリソン:自分自身にピントが合っていない感じが、すごく好きなんです。自分の顔がはっきり写った写真を前面に出すというのが、どこか自分らしくない気がしていて。活動を続けるうちに、あえて鮮明にしない、少し曖昧な状態でいるほうが心地いいなと感じるようになりました。年を重ねるにつれて、その感覚はより強くなっていった気がします。

だから今回のアルバム・アートワークには、かなりこだわりました。いかにも「撮影しました」という感じではなくて、もっと自然体で、日常の一瞬を切り取ったような、「candid(率直、正直)」な雰囲気にしたかったんです。

——アートワークにポートレートを使い続けていること自体にも、何か理由はあるのでしょうか。

アリソン:もちろん、レーベルとしては宣伝のためにポートレートを使ってほしい、という意向があるのも理解しています。それはどこでも同じだと思うし、実際、これまではずっと自分の姿が写ったアートワークを使ってきました。アーティスト本人の顔があったほうが、誰の作品なのかが一目で分かるし、ファンとの距離も縮まりやすい。そういう意味では、ある種の“慣例”でもある。ただ、今回の「Evergreen」に関しては、あくまで“自分らしさ”を一番大切にしたかった、というだけなんです。

——“自分らしさ”という点で言うと、普段身につけているもの、ファッションについてはどんなこだわりがありますか。

アリソン:ファッションで言えば、90年代のスタイルが大好きです。少しグランジっぽいニュアンスがあるものに惹かれます。普段はかなりシンプルで、気づくと全身黒、ということも多いんですけど、バギーなジーンズや、ゆったりしたデニムは間違いなく好きです。秋に着る、着心地のいいセーターも最高だし、生地が薄くなって、少し着古した感じのビンテージTシャツもクールで大好き。靴は基本的にブーツで、特にコンバット・ブーツは昔からの定番です。

——90年代のテイストに惹かれる理由は?

アリソン:魅力はもう全部と言っていいくらいなんですけど(笑)、90年代の映画やテレビを観て育ったので、その時代の空気感が自然と自分の中に残っているんだと思います。全体的に落ち着いていて、気取らず、少しトーンを抑えた色合いというか。あの時代特有の心地よさや、ナチュラルな感じがすごく好きなんです。オーバーサイズで、少しだぼっとしたシルエットも、まさに自分の好みで。

特に「バフィー 〜恋する十字架〜」は大好きなドラマで、ファッションからもかなり影響を受けています。他に「チャームド〜魔女3姉妹〜」や、映画の「ザ・クラフト」みたいな、少しウィッチーで神秘的な世界観にも惹かれます。いかにもなグランジではなく、どこか品のある、“絶妙なグランジ感”というか。バンドで言えば、ホールやザ・サンデイズみたいな雰囲気が私にとっての理想なんです。

——改めてですけど、「サッカー・マミー」という名前の由来はなんだったんですか。

アリソン:あれは活動を始めたばかりの頃に使っていたTwitter(現X)のユーザー名がきっかけで。特に深い理由があったわけではなくて、ただ、ちょっとふざけた感じの名前にしようと思って思いついた言葉が「サッカー・マミー」だったので、そのまま使いました。だから、完全にジョークみたいなものですね(笑)。Bandcampに音源をアップし始めた頃、それをTwitterでもシェアしていて、その流れで名前だけがそのまま残った、という感じです。

影響を受けたアーティストは?

——アリソンさんは10代で活動を始めて以来、これまで4枚のアルバムを発表されて、キャリアとしてはとても順調に歩んできた印象があります。一方で、年齢や経験を重ねて、ライフステージが移り変わる中で、音楽との向き合い方や、ソングライター/アーティストとしての意識に変化を感じるところはありますか。

アリソン:ソングライターとしては、今もずっと学び続けているし、変化し続けていると思います。曲づくりのプロセスそのものは大きく変わっていないけど、作品は常に、その時々の自分の人生や、「自分は何者なのか?」という感覚を映し出す鏡のようなものなんです。だから、私自身に起きた個人的な変化は、そのまま「何を書くか」、「どう書くか」に影響していると思います。

それと、音楽を仕事として続けるようになったことも、私自身を大きく変えました。かなり若い頃に始めたので、ある意味、人生のいくつかの側面では、とても早い段階で大人にならざるを得なかった部分もあると思う。楽しいことばかりではなく、苦しい時期や葛藤もたくさんあったけど、そのすべてから本当に多くを学んだし、かけがえのない経験も得ることができました。結果的に、それらすべてが今の自分を形づくっているんだと思うし、同時に、おかげで「いろいろな意味で自分は変わったな」という実感もあります。

——例えば、音楽を始めた頃に「こんな風になりたいな」みたいな、ロールモデルとして意識していたアーティストはいましたか。

アリソン:影響を受けてきた人は本当にたくさんいます。曲を書き始めたのがとても幼い頃だったので、最初はアヴリル・ラヴィーンやヒラリー・ダフのような、当時よく聴いていたポップ・ミュージックからの影響が大きかったと思う。そこから年齢を重ねるにつれて聴く音楽の幅も広がっていって、その時々に夢中になった音楽を吸収するようになりました。高校生の頃には、スリーター・キニーやホール、ザ・クランベリーズといったバンドに強く惹かれるようになっていて、それらは間違いなく、今の自分の音楽につながっています。リズ・フェアのソングライティングも昔から大好きで、今も変わらず尊敬しているし、ジョニ・ミッチェルやブルース・スプリングスティーンを含めて、本当に多くのミュージシャン、特に「ソングライター」たちからインスピレーションを受けてきました。

——いくつの頃から曲を書き始めたんですか。

アリソン:5歳か6歳くらいだったと思います。特に、いわゆる「confessional(告白的)」と呼ばれるタイプのソングライティングには、昔から強く惹かれていて。そういう曲を聴くと、その人のことを深く理解できたような気持ちになったり、まるで自分に直接語りかけてくれているような、強い結びつきを感じることがある。私自身も、いろいろなソングライターの作品を聴く中で、彼らの言葉に深く共感して、そこで語られている特定の出来事や感情を、まるで自分自身の体験のように受け止めたことが何度もありました。言葉や感情の核心に触れた瞬間に、音楽を通して、その人との距離が一気に縮まる――そんな感覚が、確かにあると思います。

スネイル・メイルとSASAMI、2人の友人

——アリソンさんの親しい友人でもあるリンジー・ジョーダン(スネイル・メイル)に以前インタビューした際、「サッド・ガール」――つまり“悲しみを歌う女性シンガー・ソングライター”というラベリングについて話題になりました。リンジーはその呼び方に違和感を示していて、サッカー・マミーも同じような文脈で語られることが少なくないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

アリソン:正直に言うと、そう呼ばれること自体は、そこまで気にしていません。特別に腹が立つこともないです。ただ、大事なのは「どういう文脈で使われるか?」だと思います。例えば、「こういう音楽が好きで、自分も同じように“サッドな気分”になるから共感できる」といった具合に、ジョーク交じりで、親しみを込めて使われる分には構わないというか。

でも、その言葉が、音楽や表現を矮小化するために使われるとしたら、話は別。特に、悲しみや感情的な痛みを歌っている女性アーティストに対して、彼女たちが多くの困難と向き合いながら必死に生み出している表現を、単に「悲観的で、泣き言を言っているだけ」と片付けてしまうような使われ方には、やっぱりフラストレーションを感じます。

——ファンの側が、そういう「悲しい曲」を求めている、期待している、という側面もあるのかなと思います。

アリソン:その感覚は、とてもよく分かります。ファンのみんなが、次の「悲しい知らせ」を待っているんじゃないか、と思ってしまうことはあるし、自分自身も、内面の葛藤や“闇”の部分と向き合うことに慣れすぎて、それを書くことが当たり前になっていると、たとえ気分が良い時でも「明るい曲を書いても、みんなが本当に聴きたいのはこれじゃないのかもしれない」と、不安になることがあります。

でも実際には、ファンはもっと柔軟で、多面的な自分を受け入れてくれるんだ、ということにも気づきました。むしろ、いろいろな感情や側面が混ざり合っていること自体を、ちゃんと楽しんでくれている。そう思えるようになったのは、大きな変化だったと思います。

——ちなみにリンジーは、「悲しい歌は、書こうと思えばいくらでも書ける。だから退屈だ」と話していましたね。

アリソン:結局、一つのテーマについて何度も書き続けていたら、いずれ自分自身が飽きてしまう。だからこそ、さまざまなテーマに取り組むことはとても大切で、健全なことだと思います。それに、特に若い女性が直面している困難は、決して悲しみや鬱屈とした感情だけじゃない。この世界には、疑問を持つべきことや、考え直したり、言葉にしていく価値のあるテーマがまだまだたくさんある。その広がりを大切にしたいと思っています。

——例えば「Still Clean」や「Scorpio Rising」といった昔の曲で歌われている痛みや喪失感は、今もリアルに感じられるものですか。当時の感情とはどのような距離感がありますか。

アリソン:曲によって、今も当時と同じ感情を抱くこともあれば、まったく違うものとして感じることもある。例えば「Scorpio Rising」はその典型的な例で、今この曲を演奏すると、曲が生まれた頃の感情が、今の自分からはとても遠く、どこか異質なものに思えるんです。あの曲を書いていた当時は、「何かが失われていく」という感覚のなかにいて、愛し、大切に思っている人との関係が消えてしまうのではないか、という不安や失望、悲しみに支配されていました。でも、そこからおよそ10年が経った今も、私はまだその人と一緒にいる。だから、当時のように胸を締めつけられる(tug on my heartstrings)感覚は、正直なところ、もうないのかもしれない。

書いていた頃は、本当に感情の振れ幅が大きい曲だったけど、今ではもっと穏やかな距離感で向き合えています。それでも、この曲自体は今でも大好きだし、描かれている情景やイメージには強いノスタルジーがあって、若かった頃の特定の場所や感覚へと連れ戻してくれる。ファンにとっても特別な曲だと思うし、だからこそ今も歌いたい。ただ、かつてのような差し迫ったドラマ性は、もうそこにはない、というだけなんです。

——ところで最近、ササミの曲をカバーしたシングル(「Just Be Friends (Soccer Mommy Version)」)のリリースに合わせて、ササミとリンジーと一緒に撮った写真をインスタグラムにポストされてましたね。

アリソン:あの写真は、たしか2019年のピッチフォーク・フェスティバルで撮ったものだったと思う。パンデミック以前ですね。私たちはみんな長い付き合いで、ササミは私のツアーでオープニング・アクトを務めてくれたこともあるし、リンジーとは、お互いが本格的にツアーを始める前からの知り合いで。2人のことは本当に大好きなので、あの写真を見ると今でもすごく嬉しくなります。ササミが時々その写真を送ってくれるんですが、そのたびに当時の空気や記憶がよみがえってくるんです。

実は、それまでササミと一緒に音楽をつくったことはなかったんです。でも彼女がアルバムを出したとき、収録曲の“再構築バージョン”を制作する企画があって、それで声をかけてくれました。一緒に作業するのは本当に楽しかったし、出来上がった曲もとても素晴らしいものになったと思っています。

——アリソンさんがデビュー・アルバムの「Clean」を発表した2010年代の終わり頃というのは、ササミやスネイル・メイルも含む“女性ミュージシャン”の台頭が大きな注目を集めた一方、#MeTooの流れもあり、音楽業界における女性の立場や扱われ方が強く問われたタイミングでもありました。当時と今を比べて、時代の空気や状況の変化を感じる部分はありますか。

アリソン:まったく変わっていないとは言わないけど、劇的に変わったとも思っていなくて。例えば、チャペル・ローンのような今のアーティストを見ていても、彼女たちが直面している問題の多くは、私たちがこれまで抱えてきたものと大きく変わらないと感じます。この業界は構造的に、「自分自身」を商品として切り売りする感覚がつきまといやすい場所で、それが時にとても危うい状況を生む。メンタルヘルスに深刻な影響を与えることもあるし、そこは今も慎重に向き合わなければならない部分だと思っています。

一方で、ポジティブな変化があるのも確かで。私の地元のナッシュビルでも、女性やノンバイナリーのメンバーが参加するバンドを、以前よりずっと多く見かけるようになりました。それは本当に素晴らしい変化です。ただ、それでもなお、解決すべき課題や、これから切り拓いていく余地は、まだたくさん残っているとも感じています。

——チャペル・ローンといえば、今年のグラミー賞の受賞スピーチで、音楽業界に対してアーティストの労働環境の改善を強く訴えたことが大きな反響を呼びました。

アリソン:彼女のすごいところは、もちろん音楽そのものもそうなんですけど、それ以上に、業界の中で「何を求めるのか」という姿勢をはっきり示してきた点だと思います。彼女が求めてきた“リスペクト”のあり方を軸に、業界全体の空気が変わった瞬間が何度もありました。

自分自身やキャリアを賭けて声を上げて、その結果として実際に変化が起きていく。そのプロセスを目の当たりにするのは、本当に素晴らしいことだと思う。もちろん、ああした変化を起こせるのは、大きな成功と強い支持基盤を持つ人だからこそでもある。でも、だからこそ、その「力」を使って周囲を引き上げていく姿勢には、大きな意味があると感じています。

2025年によく聴いたアルバムは?

——ありがとうございます。では最後は、カジュアルな質問です。アリソンさんの2025年のベスト・アルバム、あるいは今年よく聴いた音楽を教えてください。

アリソン:ちょうど今日、Apple Musicの「リプレイ」を見たんですけど、今年一番聴いたアーティストはザ・レディオ・デプト(The Radio Dept.)でした。これはかなり正確だと思います(笑)。特に今年は「Pet Grief」(2006年)をよく聴いていて、本当に夢中になっていました。

——ちなみに、新しい曲づくりはもう始まっているんですか。

アリソン:新しい曲はずっと書いています。すでにかなりの曲数が揃っていて、今はアルバムとしてまとめるための最終段階、という感じです。できれば来年中にはレコーディングに入れたらいいなと思っていて、その可能性は高いと思っています。なので、そこまで長く待たせることにはならないはずです。

——どんなアルバムになりそうか、現時点で話せることはありますか。

アリソン:正直、まだ何も言えないんですけど……(笑)。ただ、新しい音楽はそう遠くないうちに届けられると思います。

PHOTOS:MICHI NAKANO

アルバム「Evergreen」

◾️Soccer Mommy (サッカー・マミー) 「Evergreen」
レーベル : Loma Vista Recordings
発売中
https://lnk.soccermommyband.com/EG

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USシンガー・ソングライター、サッカー・マミーが6年ぶりの来日で語る 「この10年での変化」と「変わらないこと」

10代の頃から地元アメリカ・ナシュビルで音楽制作を始め、現在はニューヨークを拠点に活動する28歳のシンガー・ソングライターのサッカー・マミー(Soccer Mommy)ことソフィー・アリソン(Sophia Allison)。これまでに4枚のアルバムを発表していて、繊細な心の揺らぎを綴った等身大の歌詞と、1990年代のオルタナティブ・ロックに影響を受けたラフなサウンドがインディー・ロック・リスナーのあいだで大きな共感を集めてきた。作品を重ねるごとに音楽性の幅を少しずつ広げてきた彼女だが、2024年リリースされた最新アルバムの「Evergreen」は、いわく「もっとシンプルに、ソングライティングそのものの美しさをきちんと伝えたい」という意図が色濃く反映された一枚。

ダニエル・ロパティン(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)がプロデュースを手がけたエレクトロニックなアレンジが際立つ前作「Sometimes, Forever」(22年)に対し、原点回帰を思わせるアコースティック・ギター中心のクリーンでリッチなサウンドが特徴的で、喪失と癒しの受容、痛みを正面から見つめる内省的な眼差しとビデオゲームに着想を得たユーモアが織りなす感情の綾が深い印象を残す作品だった。

アリソンが初めての音源を自主制作で発表したのは2015年。その後、デビュー・アルバム「Clean」(18年)によって一躍頭角を現した彼女にとって、この10年は自身のキャリアの成長と重なると同時に、スネイル・メイルやササミ(SASAMI)、そしてフィービー・ブリジャーズといった同時代の”女性アーティストたち”が存在感を大きく高めていった時代でもあった。サッカー・マミーが先日リリースした、親友であり盟友でもあるササミの楽曲をカバーした「Just Be Friends (Soccer Mommy Version)」は、そうした彼女たちの友情や連帯を称えた作品として特別な感慨をもたらすものだったようだ。

この10年で何が変わり、何が変わらなかったのか。彼女自身が変化したこと、そして今もなお大切に守り続けているものとは何なのか。さらに、先人たちから受け継ぐ「ソングライター」としての在り方と、チャペル・ローンらに代表される若い世代への”リスペクト”について——25年12月に実に6年ぶりとなる来日公演を行った彼女に話を聞いた。

ゲームやアニメからの影響

——昨日は大阪でのライブの前に、ポケモンセンターに立ち寄ったそうですね。インスタグラムで写真を見ました。

ソフィー・アリソン(以下、アリソン):本当に最高でした。とにかく楽しくて(笑)。もともとポケモンが大好きなので、ポケモンセンターに行けたのは本当にクールな体験だったし、すごくうれしかった。その前にジャカルタに行ったときはかなりタイトなスケジュールだったんですけど、今回はようやく少しだけ時間が取れて。おいしいものを食べたり、街を歩いたりしながらゆっくり過ごすことができました。

——ゲームやアニメのキャラクターが曲づくりのインスピレーションになることもありますか。

アリソン:実は、新しいアルバムの中に、「Abigail」というビデオ・ゲームの「Stardew Valley」のキャラクターをモチーフにした曲があって。私は昔からゲームが大好きで、特にポケモンは子どもの頃からずっと遊んできました。自分にとっては、すごくノスタルジックな存在ですね。

——ちなみに、ポケモンで好きなキャラクターは?

アリソン:一番好きなのは、やっぱり「ゼニガメ」かな。ピカチュウももちろん大好きだけど、昔からゲームでは「みずタイプの御三家」を選ぶことが多くて。「(ポケットモンスター)ファイアレッド/リーフグリーン」が人生で初めてプレイしたポケモンだったんですけど、そのときの最初の相棒が「ゼニガメ」だったんです。なので特別な思い入れがあります。

——曲のモチーフになった「アビゲイル」はどんなキャラクターなんですか。

アリソン:彼女はゲーム内で結婚できるキャラクターの一人で、紫色の髪をしていて、鉱山でモンスターと戦ったりするんです。ちょっとゴスっぽい雰囲気があって、とにかくクール。どこか魔法使いみたいな、神秘的で“ウィッチー(魔女)”なムードもあって。特にパンデミックの時期は、かなりやり込んでいました(笑)。

——アリソンさんにとって、アニメやゲームは現実からの逃避としてのファンタジーなのか、それとも、キャラクターに自分自身を重ねている感覚もありますか。

アリソン:ある意味では、その両方だと思います。現実から少し離れて、ファンタジーの世界に身を置く——いわば“逃避”のような側面も確かにあります。でも同時に、そこには強い情熱を注ぎ込んでいる感覚もある。アニメも同じで、単なる気晴らしではなく、個人的に深く没入できる対象なんだと思います。

アルバム「Evergreen」について

——最新アルバムの「Evergreen」がリリースされて1年ほど経ちますが、今改めて、自分自身の中ではどんな実感がありますか。

アリソン:今回の作品は、私にとって本当にパーソナルなものです。とにかくソングライティングそのものに集中して、できるだけストレートで、シンプルな作品をつくろうという意図があった。自分の人生の中で起きていたさまざまな出来事を整理して、受け止める助けにもなったし、完成したときには大きな達成感があって。「自分自身としっかりとつながれる」作品がつくれた、という実感があります。

——「自分自身としっかりとつながれる」?

アリソン:このアルバムは、「変化」や「喪失」、そして「成長して大人になっていくこと」をテーマにしていて。だからこそ、自分にとって大きな意味を持つ作品になったと思う。

ただ、リリースされたときの感覚は、正直なところ想像していたものとは少し違っていて。あまりにも大切に抱えてきた作品だったので、どこか「完璧なまま、誰にも触れられずにいてほしい」と思っていた部分もあったんだと思います。だから最初は、世に出すこと自体が少し大変でした。「肩の荷が下りた」というよりも、むしろこの作品の存在が、自分の人生の中でよりはっきりと、身近に感じられるようになった感覚があって。そこから学んだことはとても多いし、自分自身も確実に成長できたと思います。そうした経験全てが今の私を形づくっていて、今は自然と、新しいアイデアや次のステップに視線を向けられるようになっています。

——一方、エレクトロニックなプロダクションが際立った前作「Sometimes, Forever」とは変わり、「Evergreen」はアコギ中心のクリーンでリッチなサウンドで、とこか原点回帰も思わせるアプローチが印象的でした。

アリソン:今回の方向性は、実は書き溜めていた楽曲そのものから導かれたものでした。前作では、かなり自由で、クレイジーで、刺激的なことをたくさんやったので、今回はもっとシンプルに、ソングライティングそのものの美しさをきちんと伝えたいと思ったんです。限界に挑戦するとか、境界を押し広げるというよりも、楽曲を丁寧に響かせることを大切にしたかった。そういう意味で、これまでとは違う形の“新しさ”やワクワクすることに挑戦したかったんです。

——「Lost」や「Some Sunny Day」といった曲に象徴的なように、今作では、喪失や不在に直面した時の内省的な視線と、そこから回復や癒しへと向かう高揚感との対比がドラマチックに描かれているように感じました。制作を通じた経験は、今の自分にどんな形で活かされていると感じていますか。

アリソン:アルバムをつくるたびに、必ず何かしら学びがあります。私にとって「書く」という行為は、自分の思考や感情を書き留めて、それを見つめ直すプロセスなんです。今回いちばん大きかったのは、”この先も一生付き合っていく感情がある”ということを受け入れられたこと。だからと言って、それに常に打ちのめされる必要はないし、困難の中にも同じくらいの美しさが存在する。そう気づけたのは、私にとってとても大きな学びでした。

——前作の「Sometimes, Forever」では、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのダニエル・ロパティンをプロデューサーに迎えたことも大きな話題になりました。ファンにとっても大きなサプライズでしたが、改めて、どのような経緯で実現したコラボレーションだったのでしょうか。

アリソン:彼については以前から大ファンだったんです。レーベルのスタッフからプロデューサー候補として名前が挙がったときは「まさか!?」と思ったんですけど、もし一緒に仕事ができるならぜひお願いしたい、と伝えて。そうしたら彼も興味を持ってくれて、そこからはとんとん拍子で話が進んだんです。実際に一緒に制作してみると、本当に刺激的でした。何が起こるのかまったく予想できなかったけれど、きっと面白いことになるという確信はあって。結果的に、期待していた以上の素晴らしい経験になりました。

——その成果はアルバムの内容が物語っている通りですが、とはいえ、制作のプロセス自体はかなりチャレンジングだったのではないでしょうか。

アリソン:間違いなく新しい挑戦でした。ソングライティングで自分が大切にしている軸には忠実でいながら、これまでにない方向にも踏み出せた。以前よりも実験的な試みができたし、制作の現場は楽しくて、少しカオスでもあったけど(笑)。でも、そのすべてを含めて心から満足しているし、とても新鮮な作品になったと思います。

——ちなみに、いわゆる“エレクトロニック・ミュージック”は普段からよく聴かれていたのでしょうか。

アリソン:はい、エレクトロニック・ミュージックはよく聴いています。エイフェックス・ツインはずっと大好きだし、ウィリアム・バシンスキーもよく聴きます。アンビエント系は特に好きで、スターズ・オブ・ザ・リッドのようなアーティストもよく聴いています。

——ダニエル・ロパティンもゲーム好きとして知られていますが、彼と波長が合った、意気投合したのはどんなポイントだったのでしょうか。

アリソン:彼とは、全体的にとても相性がよかったと思います。とにかくアイデアが豊富で、刺激的な人で。それと同時に、ロック・ミュージックや、私がつくっているようなタイプの音楽に対しても同じくらい強い興味と情熱を持っている。そのおかげですぐに自然と打ち解けることができました。

ただ、実際に会うまでは、正直どんな人なのかまったく想像がつかなかった。会う前は、もっとストイックでシリアスな人なのかな、と勝手に想像していたんです。「どんな感じなんだろう……」って、少し身構えていた部分もあって。でも実際は、すごく「Goofy(おちゃめ)」で、どこかかわいらしい一面のある人でした(笑)。

「“自分らしさ”を一番大切にしている」

——サッカー・マミーのアルバムは、「Evergreen」を含めてこれまでの4作すべてでご自身のポートレートがアートワークに使われています。ただ、「Sometimes, Forever」だけはピントがぼやけていて、アリソンさんの表情も分からず、他のアルバムとテイストが違いますよね。

アリソン:自分自身にピントが合っていない感じが、すごく好きなんです。自分の顔がはっきり写った写真を前面に出すというのが、どこか自分らしくない気がしていて。活動を続けるうちに、あえて鮮明にしない、少し曖昧な状態でいるほうが心地いいなと感じるようになりました。年を重ねるにつれて、その感覚はより強くなっていった気がします。

だから今回のアルバム・アートワークには、かなりこだわりました。いかにも「撮影しました」という感じではなくて、もっと自然体で、日常の一瞬を切り取ったような、「candid(率直、正直)」な雰囲気にしたかったんです。

——アートワークにポートレートを使い続けていること自体にも、何か理由はあるのでしょうか。

アリソン:もちろん、レーベルとしては宣伝のためにポートレートを使ってほしい、という意向があるのも理解しています。それはどこでも同じだと思うし、実際、これまではずっと自分の姿が写ったアートワークを使ってきました。アーティスト本人の顔があったほうが、誰の作品なのかが一目で分かるし、ファンとの距離も縮まりやすい。そういう意味では、ある種の“慣例”でもある。ただ、今回の「Evergreen」に関しては、あくまで“自分らしさ”を一番大切にしたかった、というだけなんです。

——“自分らしさ”という点で言うと、普段身につけているもの、ファッションについてはどんなこだわりがありますか。

アリソン:ファッションで言えば、90年代のスタイルが大好きです。少しグランジっぽいニュアンスがあるものに惹かれます。普段はかなりシンプルで、気づくと全身黒、ということも多いんですけど、バギーなジーンズや、ゆったりしたデニムは間違いなく好きです。秋に着る、着心地のいいセーターも最高だし、生地が薄くなって、少し着古した感じのビンテージTシャツもクールで大好き。靴は基本的にブーツで、特にコンバット・ブーツは昔からの定番です。

——90年代のテイストに惹かれる理由は?

アリソン:魅力はもう全部と言っていいくらいなんですけど(笑)、90年代の映画やテレビを観て育ったので、その時代の空気感が自然と自分の中に残っているんだと思います。全体的に落ち着いていて、気取らず、少しトーンを抑えた色合いというか。あの時代特有の心地よさや、ナチュラルな感じがすごく好きなんです。オーバーサイズで、少しだぼっとしたシルエットも、まさに自分の好みで。

特に「バフィー 〜恋する十字架〜」は大好きなドラマで、ファッションからもかなり影響を受けています。他に「チャームド〜魔女3姉妹〜」や、映画の「ザ・クラフト」みたいな、少しウィッチーで神秘的な世界観にも惹かれます。いかにもなグランジではなく、どこか品のある、“絶妙なグランジ感”というか。バンドで言えば、ホールやザ・サンデイズみたいな雰囲気が私にとっての理想なんです。

——改めてですけど、「サッカー・マミー」という名前の由来はなんだったんですか。

アリソン:あれは活動を始めたばかりの頃に使っていたTwitter(現X)のユーザー名がきっかけで。特に深い理由があったわけではなくて、ただ、ちょっとふざけた感じの名前にしようと思って思いついた言葉が「サッカー・マミー」だったので、そのまま使いました。だから、完全にジョークみたいなものですね(笑)。Bandcampに音源をアップし始めた頃、それをTwitterでもシェアしていて、その流れで名前だけがそのまま残った、という感じです。

影響を受けたアーティストは?

——アリソンさんは10代で活動を始めて以来、これまで4枚のアルバムを発表されて、キャリアとしてはとても順調に歩んできた印象があります。一方で、年齢や経験を重ねて、ライフステージが移り変わる中で、音楽との向き合い方や、ソングライター/アーティストとしての意識に変化を感じるところはありますか。

アリソン:ソングライターとしては、今もずっと学び続けているし、変化し続けていると思います。曲づくりのプロセスそのものは大きく変わっていないけど、作品は常に、その時々の自分の人生や、「自分は何者なのか?」という感覚を映し出す鏡のようなものなんです。だから、私自身に起きた個人的な変化は、そのまま「何を書くか」、「どう書くか」に影響していると思います。

それと、音楽を仕事として続けるようになったことも、私自身を大きく変えました。かなり若い頃に始めたので、ある意味、人生のいくつかの側面では、とても早い段階で大人にならざるを得なかった部分もあると思う。楽しいことばかりではなく、苦しい時期や葛藤もたくさんあったけど、そのすべてから本当に多くを学んだし、かけがえのない経験も得ることができました。結果的に、それらすべてが今の自分を形づくっているんだと思うし、同時に、おかげで「いろいろな意味で自分は変わったな」という実感もあります。

——例えば、音楽を始めた頃に「こんな風になりたいな」みたいな、ロールモデルとして意識していたアーティストはいましたか。

アリソン:影響を受けてきた人は本当にたくさんいます。曲を書き始めたのがとても幼い頃だったので、最初はアヴリル・ラヴィーンやヒラリー・ダフのような、当時よく聴いていたポップ・ミュージックからの影響が大きかったと思う。そこから年齢を重ねるにつれて聴く音楽の幅も広がっていって、その時々に夢中になった音楽を吸収するようになりました。高校生の頃には、スリーター・キニーやホール、ザ・クランベリーズといったバンドに強く惹かれるようになっていて、それらは間違いなく、今の自分の音楽につながっています。リズ・フェアのソングライティングも昔から大好きで、今も変わらず尊敬しているし、ジョニ・ミッチェルやブルース・スプリングスティーンを含めて、本当に多くのミュージシャン、特に「ソングライター」たちからインスピレーションを受けてきました。

——いくつの頃から曲を書き始めたんですか。

アリソン:5歳か6歳くらいだったと思います。特に、いわゆる「confessional(告白的)」と呼ばれるタイプのソングライティングには、昔から強く惹かれていて。そういう曲を聴くと、その人のことを深く理解できたような気持ちになったり、まるで自分に直接語りかけてくれているような、強い結びつきを感じることがある。私自身も、いろいろなソングライターの作品を聴く中で、彼らの言葉に深く共感して、そこで語られている特定の出来事や感情を、まるで自分自身の体験のように受け止めたことが何度もありました。言葉や感情の核心に触れた瞬間に、音楽を通して、その人との距離が一気に縮まる――そんな感覚が、確かにあると思います。

スネイル・メイルとSASAMI、2人の友人

——アリソンさんの親しい友人でもあるリンジー・ジョーダン(スネイル・メイル)に以前インタビューした際、「サッド・ガール」――つまり“悲しみを歌う女性シンガー・ソングライター”というラベリングについて話題になりました。リンジーはその呼び方に違和感を示していて、サッカー・マミーも同じような文脈で語られることが少なくないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

アリソン:正直に言うと、そう呼ばれること自体は、そこまで気にしていません。特別に腹が立つこともないです。ただ、大事なのは「どういう文脈で使われるか?」だと思います。例えば、「こういう音楽が好きで、自分も同じように“サッドな気分”になるから共感できる」といった具合に、ジョーク交じりで、親しみを込めて使われる分には構わないというか。

でも、その言葉が、音楽や表現を矮小化するために使われるとしたら、話は別。特に、悲しみや感情的な痛みを歌っている女性アーティストに対して、彼女たちが多くの困難と向き合いながら必死に生み出している表現を、単に「悲観的で、泣き言を言っているだけ」と片付けてしまうような使われ方には、やっぱりフラストレーションを感じます。

——ファンの側が、そういう「悲しい曲」を求めている、期待している、という側面もあるのかなと思います。

アリソン:その感覚は、とてもよく分かります。ファンのみんなが、次の「悲しい知らせ」を待っているんじゃないか、と思ってしまうことはあるし、自分自身も、内面の葛藤や“闇”の部分と向き合うことに慣れすぎて、それを書くことが当たり前になっていると、たとえ気分が良い時でも「明るい曲を書いても、みんなが本当に聴きたいのはこれじゃないのかもしれない」と、不安になることがあります。

でも実際には、ファンはもっと柔軟で、多面的な自分を受け入れてくれるんだ、ということにも気づきました。むしろ、いろいろな感情や側面が混ざり合っていること自体を、ちゃんと楽しんでくれている。そう思えるようになったのは、大きな変化だったと思います。

——ちなみにリンジーは、「悲しい歌は、書こうと思えばいくらでも書ける。だから退屈だ」と話していましたね。

アリソン:結局、一つのテーマについて何度も書き続けていたら、いずれ自分自身が飽きてしまう。だからこそ、さまざまなテーマに取り組むことはとても大切で、健全なことだと思います。それに、特に若い女性が直面している困難は、決して悲しみや鬱屈とした感情だけじゃない。この世界には、疑問を持つべきことや、考え直したり、言葉にしていく価値のあるテーマがまだまだたくさんある。その広がりを大切にしたいと思っています。

——例えば「Still Clean」や「Scorpio Rising」といった昔の曲で歌われている痛みや喪失感は、今もリアルに感じられるものですか。当時の感情とはどのような距離感がありますか。

アリソン:曲によって、今も当時と同じ感情を抱くこともあれば、まったく違うものとして感じることもある。例えば「Scorpio Rising」はその典型的な例で、今この曲を演奏すると、曲が生まれた頃の感情が、今の自分からはとても遠く、どこか異質なものに思えるんです。あの曲を書いていた当時は、「何かが失われていく」という感覚のなかにいて、愛し、大切に思っている人との関係が消えてしまうのではないか、という不安や失望、悲しみに支配されていました。でも、そこからおよそ10年が経った今も、私はまだその人と一緒にいる。だから、当時のように胸を締めつけられる(tug on my heartstrings)感覚は、正直なところ、もうないのかもしれない。

書いていた頃は、本当に感情の振れ幅が大きい曲だったけど、今ではもっと穏やかな距離感で向き合えています。それでも、この曲自体は今でも大好きだし、描かれている情景やイメージには強いノスタルジーがあって、若かった頃の特定の場所や感覚へと連れ戻してくれる。ファンにとっても特別な曲だと思うし、だからこそ今も歌いたい。ただ、かつてのような差し迫ったドラマ性は、もうそこにはない、というだけなんです。

——ところで最近、ササミの曲をカバーしたシングル(「Just Be Friends (Soccer Mommy Version)」)のリリースに合わせて、ササミとリンジーと一緒に撮った写真をインスタグラムにポストされてましたね。

アリソン:あの写真は、たしか2019年のピッチフォーク・フェスティバルで撮ったものだったと思う。パンデミック以前ですね。私たちはみんな長い付き合いで、ササミは私のツアーでオープニング・アクトを務めてくれたこともあるし、リンジーとは、お互いが本格的にツアーを始める前からの知り合いで。2人のことは本当に大好きなので、あの写真を見ると今でもすごく嬉しくなります。ササミが時々その写真を送ってくれるんですが、そのたびに当時の空気や記憶がよみがえってくるんです。

実は、それまでササミと一緒に音楽をつくったことはなかったんです。でも彼女がアルバムを出したとき、収録曲の“再構築バージョン”を制作する企画があって、それで声をかけてくれました。一緒に作業するのは本当に楽しかったし、出来上がった曲もとても素晴らしいものになったと思っています。

——アリソンさんがデビュー・アルバムの「Clean」を発表した2010年代の終わり頃というのは、ササミやスネイル・メイルも含む“女性ミュージシャン”の台頭が大きな注目を集めた一方、#MeTooの流れもあり、音楽業界における女性の立場や扱われ方が強く問われたタイミングでもありました。当時と今を比べて、時代の空気や状況の変化を感じる部分はありますか。

アリソン:まったく変わっていないとは言わないけど、劇的に変わったとも思っていなくて。例えば、チャペル・ローンのような今のアーティストを見ていても、彼女たちが直面している問題の多くは、私たちがこれまで抱えてきたものと大きく変わらないと感じます。この業界は構造的に、「自分自身」を商品として切り売りする感覚がつきまといやすい場所で、それが時にとても危うい状況を生む。メンタルヘルスに深刻な影響を与えることもあるし、そこは今も慎重に向き合わなければならない部分だと思っています。

一方で、ポジティブな変化があるのも確かで。私の地元のナッシュビルでも、女性やノンバイナリーのメンバーが参加するバンドを、以前よりずっと多く見かけるようになりました。それは本当に素晴らしい変化です。ただ、それでもなお、解決すべき課題や、これから切り拓いていく余地は、まだたくさん残っているとも感じています。

——チャペル・ローンといえば、今年のグラミー賞の受賞スピーチで、音楽業界に対してアーティストの労働環境の改善を強く訴えたことが大きな反響を呼びました。

アリソン:彼女のすごいところは、もちろん音楽そのものもそうなんですけど、それ以上に、業界の中で「何を求めるのか」という姿勢をはっきり示してきた点だと思います。彼女が求めてきた“リスペクト”のあり方を軸に、業界全体の空気が変わった瞬間が何度もありました。

自分自身やキャリアを賭けて声を上げて、その結果として実際に変化が起きていく。そのプロセスを目の当たりにするのは、本当に素晴らしいことだと思う。もちろん、ああした変化を起こせるのは、大きな成功と強い支持基盤を持つ人だからこそでもある。でも、だからこそ、その「力」を使って周囲を引き上げていく姿勢には、大きな意味があると感じています。

2025年によく聴いたアルバムは?

——ありがとうございます。では最後は、カジュアルな質問です。アリソンさんの2025年のベスト・アルバム、あるいは今年よく聴いた音楽を教えてください。

アリソン:ちょうど今日、Apple Musicの「リプレイ」を見たんですけど、今年一番聴いたアーティストはザ・レディオ・デプト(The Radio Dept.)でした。これはかなり正確だと思います(笑)。特に今年は「Pet Grief」(2006年)をよく聴いていて、本当に夢中になっていました。

——ちなみに、新しい曲づくりはもう始まっているんですか。

アリソン:新しい曲はずっと書いています。すでにかなりの曲数が揃っていて、今はアルバムとしてまとめるための最終段階、という感じです。できれば来年中にはレコーディングに入れたらいいなと思っていて、その可能性は高いと思っています。なので、そこまで長く待たせることにはならないはずです。

——どんなアルバムになりそうか、現時点で話せることはありますか。

アリソン:正直、まだ何も言えないんですけど……(笑)。ただ、新しい音楽はそう遠くないうちに届けられると思います。

PHOTOS:MICHI NAKANO

アルバム「Evergreen」

◾️Soccer Mommy (サッカー・マミー) 「Evergreen」
レーベル : Loma Vista Recordings
発売中
https://lnk.soccermommyband.com/EG

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「ケイト」や「オペラ」の人気リップ新色や「メイベリン ニューヨーク 」のふわ眉マスカラなど! 今週発売のビューティアイテム12選【1/19〜1/25】

ビューティアイテムの発売情報を「WWDJAPAN」的視点でピックアップ!今回は1月19〜25日に発売するアイテムを紹介します。春のリップカラーが続々と登場する今週。ドラッグ&バラエティーストアには「ケイト(KATE)」の“リップモンスター”や「オペラ(OPERA)」のティントリップが、百貨店コスメは「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」のバレンタインコレクションや「スック(SUQQU)」の春コレクション、「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」のマットリップが並びます。“黒眉ミュート”をコンセプトに開発した「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」の眉マスカラも注目です。

【1月19日発売】
メイベリン ニューヨーク
(MAYBELLINE NEW YORK)

“ふわ眉”を作るアイブロウマスカラ

「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」から、眉マスカラ“メイベリン SP フラッフ ブロウ ムース”(全5種、各1672円)が登場する。ナチュラルさと抜け感が重視される近年のメイクトレンドを受け、“ほわっふわ眉”と“黒眉ミュート”をコンセプトに開発した。カラーは全5色をそろえる。

■商品詳細

“メイベリン SP フラッフ ブロウ ムース”(全5種、各1672円)

【1月21日発売】
グッチ ビューティ
(GUCCI BEAUTY)

愛を祝福する限定フレグランス2種

バレンタインデーやホワイトデーに向けて「グッチ ビューティ(GUCCI BEAUTY)」は用意したのは2つの限定フレグランス。グッチ ギルティ”のフレグランスコレクションを象徴する香りを再解釈し、人々や場所、愛を呼び起こす独自のディテールとのつながりをより深めるためにデザインしている。

■商品詳細

“グッチ ギルティ ラブ エディション プールオム”( 50mL、1万5400円/90mL、2万1670円)
“グッチ ギルティ ラブ エディション オードパルファム”(50mL、1万3200円/90mL、1万8260円)

【1月21日発売】
グッチ ビューティ
(GUCCI BEAUTY)

“潤い&艶”とカバー力を両立するスキンティントとマットパウダー

「グッチ ビューティ(GUCCI BEAUTY)」の新ベースメイクアップアイテムは、ヘルシーな艶感とふんわりときめ細かな美しさをかなえる“グッチ グロウ スキン ティント”と“グッチ マット パウダー”。組み合わせて使うことでフレッシュでナチュラルな仕上がりを長時間キープする。

■商品詳細

“グッチ グロウ スキン ティント”(全7色、各8470円)
“グッチ マット パウダー”(全4色、各9570円)

【1月21日発売】
スナイデル ビューティ
(SNIDEL BEAUTY)

今年もバレンタイン限定アイテムが登場

今年の「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」バレンタインコレクションは、“パティスリー プリヴェ”をコンセプトに、とっておきのお菓子の箱を開く瞬間のようなときめきと甘さを表現した。ラインアップは、4色のアイシャドウとチークカラーを詰め込んだ“フェイス スタイリスト n”と、“ルージュ クチュール キット”、“リップ グレイズ キット”、“ブラシセット”をそろえる。

■商品詳細

“フェイス スタイリスト n”(限定、6600円)
“ルージュ クチュール キット”(限定2種、各4400円)
“リップ グレイズ キット”(限定2種、各3520円)
“ブラシセット”(限定、6600円)

【1月21日発売】
クレ・ド・ポー ボーテ
(CLE DE PEAU BEAUTE)

“愛の絆”を表現した限定パッケージが登場/h3>

「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」は、ジゼル・バロソ=バダン(Giselle BALOSSO-BARDIN)とコラボレーションした限定パッケージのコレクション“ルミナナイジング ラブ コレクション”全2品を数量限定で用意する。

■商品詳細

“クレ・ド・ポー ボーテ ケース”(3520円)
“クレ・ド・ポー ボーテ ルージュアレーブル”(7150円)

【1月21日発売】
アンドビー
(&BE)

ヘルシーな血色感を演出する“クリームチーク”にチェリーピンクの限定色

ヘアメイクアップアーティストの河北裕介がプロデュースする「アンドビー(&BE)」の人気チークに、パーソナルカラーを問わずに使用できる肌なじみの良い血色ピンク“チェリーピンク”が数量限定で登場。ほのかに白みを帯びた淡いピンクカラーと繊細なシルバーパールのきらめきが肌の透明感を引き立てる。

■商品詳細

“クリームチーク”(限定、1650円)

【1月22日発売】
オペラ
(OPERA)

“グロウリップティント”から“チョコブラウン”の限定色

“水光艶”をかなえる「オペラ(OPERA)」のリップティント“グロウリップティント”限定色は、イチゴを閉じ込めたチョコレートに着想。ピンクカラーのラメがきらめく赤みニュアンスのダークブラウンカラーに仕上げた。から、ダークカラーの限定色“410 カカオフレイズ”を用意する。

■商品詳細

“グロウリップティント”(1980円)

【1月23日発売】
デュオ
(DUO)

洗い流す“バーム美容液”

プレミアアンチエイジングの「デュオ(DUO)」から、ピーリング美容液でありながらクレンジングの機能を持ちあわせたバーム美容液“デュオ クレンズセラム ピール&ブースト”が登場する。独自処方により2段階で角質をケアし、ピールケアとブーストケアの2つの柱を持たせた。

■商品詳細

“デュオ クレンズセラム ピール&ブースト”(90g、4620円/21g、1650円)

【1月23日発売】
スック
(SUQQU)

“桜梅桃李”の花々で彩る新作の湿感リキッドチークなど

「スック(SUQQU)」は、春の新作カラーコレクション“桜梅桃李(おうばいとうり)”をそろえる。古来より伝わる“桜梅桃李”に着想した同コレクションは、桜、梅、桃、すもも、それぞれの花が持つ個性を色で表現。リキッドチークやアイシャドウ、リップ、ネイルポリッシュなど、多彩なアイテムがそろう。

■商品詳細

“コンプレクション フェイス カラー”(全6色、7.7g、4950円)
“モノ ルック アイズ e”(全4色、1.5g、4290円)
“モノ ルック アイズ ”( 限定3色、1.5g、4290円)
“シグニチャー カラー アイズ 151 花盛 -HANAZAKARI”(限定、6.2g、7700円)
“ブラーリング カラー ハイライター 101 夢見艶 -YUMEMITSUYA”(限定、6.4g、6600円)
“ベルベット フィット リップスティック”(全2色、2.1g、5830円)
“モイスチャー グレイズ リップスティック”(限定2色、3.7g、5830円)
“ネイル カラー ポリッシュ”(限定3色、7.5mL、2750円)

【1月23日発売】
アルマーニ ビューティ
(ARMANI BEAUTY)

マグネットのように密着するマットリップ

「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」は “リップマイストロ”シリーズから、マグネットのように唇に密着し薄膜のブラーマットリップに導く新リップ“リップ マイストロ マグネット”をラインアップする。塗った直後の鮮やかなシャイン仕上げから、上品なふんわりとしたブラーマットに変化するリキッドリップで、唇にぴたりと密着し、色移りしづらい発色をキープする。

■商品詳細

“リップ マイストロ マグネット”(全10色、各6710円)

【1月24日発売】
ロージーローザ
(ROSYROSA)

“マルチファンデパフ”ブラウンカラーの限定色

「ロージーローザ(ROSYROSA)」から、ブランド内人気のメイクパフ2個セット“マルチファンデパフ 2P”からブラウンカラーの限定色が登場する。限定色は、温かみのあるブラウンカラーに仕上げた。滑らかな肌触りと厚みが特徴の通常タイプ、液体状ファンデーションの染み込みを防ぐ薄型タイプの2種をラインアップ。

■商品詳細

“マルチファンデパフ 2P”
通常タイプ(638円)
薄型タイプ(550円)

【1月24日発売】
ケイト
(KATE)

甘い果実イメージの新色 色化けリップは限定色

カネボウ化粧品のグローバルメイクアップブランド「ケイト(KATE)」は、ブランドを代表する“リップモンスター”の新3色(各1540円※編集部調べ、以下同)と、口紅の上から重ねることで色や質感を変化させる“リップモンスターカラートナー”の限定色2色をラインアップする。

■商品詳細

“リップモンスター”(新3色、各1540円※編集部調べ、以下同)
“リップモンスターカラートナー”(限定色2色、各1650円)

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「ラルフ ローレン」24年ぶりミラノメンズ凱旋 プレイフルなリミックスで深まる世界

「ラルフ ローレン コレクション(RALPH LAUREN COLLECTION)」は現地時間1月16日、イタリア・ミラノで2026-27年秋冬メンズコレクションを発表し、ミラノ・メンズ・ファッション・ウイークの口火を切った。メンズコレクションとしては04年以来となるイタリアでのショーだ。スタイリングの妙、遊び心あふれるテイストのリミックスによって、カジュアルな「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」から「ラルフ ローレン パープル レーベル(RALPH LAUREN PURPLE LABEL)」のイブニングまでをシームレスに接続。一つの壮大な“ラルフ ローレン”の世界として成立させてみせた。

ショーの幕開けは「ポロ ラルフ ローレン」。スポーツ、カレッジ、ハンティングといったアメリカの生活様式を、巧みなレイヤードで現代的に再構築した。際立ったのは、アメリカ西部の荒野を思わせるラギット感と、90年代ストリートのミクスチャーだ。ペンキ加工が施されたバギーシルエットのデニムや、フリンジが揺れるスエードジャケット、ウエスタン柄セーターに、「ポロ スポーツ(POLO SPORTS)」の鮮やかなカラーリングのラガーシャツやボアベスト、ダウンジャケット。長い時を経て使い込まれたようなエイジング感と、スポーティーな要素が混ざり合う。

そこから英国的なカントリースタイルやトラッドな要素を取り込み、世界観は徐々に深みを増していく。ツイードのセットアップにあえて使い込んだレザーブルゾンを羽織るスタイリング。あるいは、高貴な真紅のミリタリージャケットにダメージ加工のデニムを合わせるグランジ的アプローチや、タータンチェックのジャケットにパッチワークデニムとカウボーイハットを合わせる折衷主義。「ポロ」らしい自由な遊び心がありながら、重厚なレイヤードやアイテム使いが、後に続くラグジュアリーな世界観へと緩やかに接続していくグラデーションを感じさせた。

そして、ゴールドのパイピングが入ったベルベットのタキシードジャケットや、ドラマチックなケープスタイルが登場すると、ランウェイは「パープル レーベル」の章へ。キャメル、スエード、そしてグレーといったワントーンで統一されたルックの数々は、色数を絞ることで、カシミアの光沢やスエードの起毛感といった素材そのものの豊かさを鮮やかに浮かび上がらせる。

ただのイブニングでは終わらない。ウイングカラーシャツ+ボウタイには、タキシードではなくスタジャン、カウチンニット、ナイロン素材のオールインワン、ファーコートといったカジュアルアウターを合わせたり、泥臭く経年変化したアルパインブーツを合わせたりして、“正装”を心赴くままに着崩す。フォーマルとスポーツ、ミリタリーを衝突させ、「ラルフ ローレン」らしいアメリカン・ラグジュアリーを表現した。

そして、「ポロ」と「パープル レーベル」の両コレクションを跨いで展開されたのが、ネイティブ・アメリカンであるチリカウア・アパッチ族との継続的なパートナーシップの下で作られたクラフトだ。ターコイズをあしらったハンドメイドのベルトバックルやシルバージュエリー。これらはブランドの「オーセンティック メイカーズ」プログラムの一環として、伝統工芸を継承する職人を招き、伝統技法によってデザイン・製造されたもの。ブランドと部族の芸術性を、オーセンティシティー(本物)という絆で繋ぎ合わせ、深みを加えた。

ラルフ・ローレン氏は今回のコレクション制作について、「男性たちの多様な生き方、個性、パーソナルスタイルに着想を得ました。パープル レーベルの気取らないエレガンスからポロの新たなプレッピースピリットまで、これらは私が歩んできた世界、そして信じる世界観を映し出しています」と語る。スポーツ、カントリー、ワーク、グランジ、イブニング。一人の男性が歩むライフスタイルを多彩なスタイリングでリミックスし、普遍的で刺激的なスタイルへと昇華させた。米国の人々と共に歩み、彩ってきた「ラルフ ローレン」だからこそ成し得たショーだった。

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「ラルフ ローレン」24年ぶりミラノメンズ凱旋 プレイフルなリミックスで深まる世界

「ラルフ ローレン コレクション(RALPH LAUREN COLLECTION)」は現地時間1月16日、イタリア・ミラノで2026-27年秋冬メンズコレクションを発表し、ミラノ・メンズ・ファッション・ウイークの口火を切った。メンズコレクションとしては04年以来となるイタリアでのショーだ。スタイリングの妙、遊び心あふれるテイストのリミックスによって、カジュアルな「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」から「ラルフ ローレン パープル レーベル(RALPH LAUREN PURPLE LABEL)」のイブニングまでをシームレスに接続。一つの壮大な“ラルフ ローレン”の世界として成立させてみせた。

ショーの幕開けは「ポロ ラルフ ローレン」。スポーツ、カレッジ、ハンティングといったアメリカの生活様式を、巧みなレイヤードで現代的に再構築した。際立ったのは、アメリカ西部の荒野を思わせるラギット感と、90年代ストリートのミクスチャーだ。ペンキ加工が施されたバギーシルエットのデニムや、フリンジが揺れるスエードジャケット、ウエスタン柄セーターに、「ポロ スポーツ(POLO SPORTS)」の鮮やかなカラーリングのラガーシャツやボアベスト、ダウンジャケット。長い時を経て使い込まれたようなエイジング感と、スポーティーな要素が混ざり合う。

そこから英国的なカントリースタイルやトラッドな要素を取り込み、世界観は徐々に深みを増していく。ツイードのセットアップにあえて使い込んだレザーブルゾンを羽織るスタイリング。あるいは、高貴な真紅のミリタリージャケットにダメージ加工のデニムを合わせるグランジ的アプローチや、タータンチェックのジャケットにパッチワークデニムとカウボーイハットを合わせる折衷主義。「ポロ」らしい自由な遊び心がありながら、重厚なレイヤードやアイテム使いが、後に続くラグジュアリーな世界観へと緩やかに接続していくグラデーションを感じさせた。

そして、ゴールドのパイピングが入ったベルベットのタキシードジャケットや、ドラマチックなケープスタイルが登場すると、ランウェイは「パープル レーベル」の章へ。キャメル、スエード、そしてグレーといったワントーンで統一されたルックの数々は、色数を絞ることで、カシミアの光沢やスエードの起毛感といった素材そのものの豊かさを鮮やかに浮かび上がらせる。

ただのイブニングでは終わらない。ウイングカラーシャツ+ボウタイには、タキシードではなくスタジャン、カウチンニット、ナイロン素材のオールインワン、ファーコートといったカジュアルアウターを合わせたり、泥臭く経年変化したアルパインブーツを合わせたりして、“正装”を心赴くままに着崩す。フォーマルとスポーツ、ミリタリーを衝突させ、「ラルフ ローレン」らしいアメリカン・ラグジュアリーを表現した。

そして、「ポロ」と「パープル レーベル」の両コレクションを跨いで展開されたのが、ネイティブ・アメリカンであるチリカウア・アパッチ族との継続的なパートナーシップの下で作られたクラフトだ。ターコイズをあしらったハンドメイドのベルトバックルやシルバージュエリー。これらはブランドの「オーセンティック メイカーズ」プログラムの一環として、伝統工芸を継承する職人を招き、伝統技法によってデザイン・製造されたもの。ブランドと部族の芸術性を、オーセンティシティー(本物)という絆で繋ぎ合わせ、深みを加えた。

ラルフ・ローレン氏は今回のコレクション制作について、「男性たちの多様な生き方、個性、パーソナルスタイルに着想を得ました。パープル レーベルの気取らないエレガンスからポロの新たなプレッピースピリットまで、これらは私が歩んできた世界、そして信じる世界観を映し出しています」と語る。スポーツ、カントリー、ワーク、グランジ、イブニング。一人の男性が歩むライフスタイルを多彩なスタイリングでリミックスし、普遍的で刺激的なスタイルへと昇華させた。米国の人々と共に歩み、彩ってきた「ラルフ ローレン」だからこそ成し得たショーだった。

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「バーバリー ビューティ」が初のビルダブルリキッドリップを発売 軽やかマット質感とソフトフォーカスを実現

「バーバリー ビューティ(BURBERRY BEAUTY)」は2月4日、“バーバリー ブリット マット リップ ヴェール”(全6色、各3mL、各5720円)発売する。ブランド初の重ね付けを想定したビルダブルのリキッドマットリップで、カラー、ケア、プロテクションを兼ね備えたフォーミュラを採用した。「バーバリー(BURBERRY)」のアイコニックなブリットコレクションのモダンなスピリットから着想を得て、クラシックなマットリップをよりソフトで洗練された印象に再解釈。エアリーな付け心地とセミマットな質感が特徴で、重ね塗りしても厚みを感じさせず唇にふわりと溶け込み、繊細なニュアンスとマットな質感を同時にかなえる。

ぼかしたようなソフトフォーカス仕上げで洗練された印象に

フォーミュラには保湿成分としてコラーゲンペプチドやローザダマスケナ、ヒアルロン酸などを配合。唇をなめらかに整えてふっくらとしたハリのある印象へ導くとともに、うるおいを与え、快適な付け心地を長時間キープする。デザインは「バーバリー」を象徴するシグネチャーのベージュをキャップとボディーに採用し、シェードに合わせたマットツイストベースを配した。たんぽぽの綿毛のような柔らかいソフトクッションアプリケーターが唇の輪郭にフィットし、ムラなくぼかしたようなソフトフォーカス仕上げで、ラフに塗っても洗練された印象を演出する。

カラーは全6色を用意

カラーバリエーションは、英国のヘリテージからインスパイアされた全6色を展開。イングリッシュローズのような淡いピンクの“601 ブリティッシュローズ”から、ヌードブラウンの“652 イングリッシュオーク”、ブラウンレッドの“656 レッドブリック”など、温かみがあり親しみやすい「バーバリー」らしいカラーをそろえた。

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コージ本舗が「モモレイ」コスメシリーズの販路を拡大 バラエティーストアで1月19日から販売

コージー本舗は1月19日、2025年11月にドン・キホーテ限定で発売した韓国発キャラクターのモモレイ(MOMOREI)の初コスメシリーズ“モモレイ コスメティックス”の販路を拡大する。1月19日から全国のバラエティーショップ等でも取り扱う。

さらに手に入りやすくなったアイテム

モモレイは、ベストフレンドのリコとピンコを中心に展開するキャラクターだ。ふたりは韓国のメッセージアプリのカカオトークの絵文字として登場し、KPOPアイドルたちが、モモレイグッズを身に付けたことで各国に話題が広まった。

製品は、リップカラー(全3色、各1925円)やリップバーム(全2種、各1595円)、アイシャドウ(全2色、各2035円)、リップ&ハイライト(1815円)などをそろえる。さらに、つけまつげ(全2種、各825円)も用意する。

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伊勢半が“前髪死守”の専用マスカラを復活販売 無香料と香り付きの2タイプ

伊勢半は、コスメブランド「ヘビーローテーション(HEAVY ROTATION)」から、前髪特化型マスカラ“キスミー ヘビーローテーション 前髪キープロックマスカラ”(全2種、各1320円※編集部調べ)を2月9日に数量限定で発売する。2025年4月に数量限定で発売し好評だった製品の再販で、今回は新たに香り付きタイプも加えた。

ブランド独自のスタイルロック処方を採用

ブランド独自のスタイルロック処方を取り入れた同製品は、髪をロックし1日中キープする前髪特化型のヘアマスカラだ。液は白残りしない透明タイプで、べたつかず自然な仕上がりをかなえるほか、雨の日や汗をかく日のうねり対策として湿気に強いサラサラパウダーを配合した。小回りが利くブラシは細かい毛も調整しやすいコンパクトブラシを採用。また、美容液成分として毛髪保護成分のパンテノールを配合し、髪をやさしくケアしながら艶とハリを与える。

今回発売するのはシンプルに仕上げたい人向けの無香料タイプと、フローラルブーケの香り付きタイプの2種類。香り付きタイプは、スズラン、ジャスミン、ローズを主体とした、花束のような優雅な香りに仕上げている。

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伊勢半が“前髪死守”の専用マスカラを復活販売 無香料と香り付きの2タイプ

伊勢半は、コスメブランド「ヘビーローテーション(HEAVY ROTATION)」から、前髪特化型マスカラ“キスミー ヘビーローテーション 前髪キープロックマスカラ”(全2種、各1320円※編集部調べ)を2月9日に数量限定で発売する。2025年4月に数量限定で発売し好評だった製品の再販で、今回は新たに香り付きタイプも加えた。

ブランド独自のスタイルロック処方を採用

ブランド独自のスタイルロック処方を取り入れた同製品は、髪をロックし1日中キープする前髪特化型のヘアマスカラだ。液は白残りしない透明タイプで、べたつかず自然な仕上がりをかなえるほか、雨の日や汗をかく日のうねり対策として湿気に強いサラサラパウダーを配合した。小回りが利くブラシは細かい毛も調整しやすいコンパクトブラシを採用。また、美容液成分として毛髪保護成分のパンテノールを配合し、髪をやさしくケアしながら艶とハリを与える。

今回発売するのはシンプルに仕上げたい人向けの無香料タイプと、フローラルブーケの香り付きタイプの2種類。香り付きタイプは、スズラン、ジャスミン、ローズを主体とした、花束のような優雅な香りに仕上げている。

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伊勢半が“前髪死守”の専用マスカラを復活販売 無香料と香り付きの2タイプ

伊勢半は、コスメブランド「ヘビーローテーション(HEAVY ROTATION)」から、前髪特化型マスカラ“キスミー ヘビーローテーション 前髪キープロックマスカラ”(全2種、各1320円※編集部調べ)を2月9日に数量限定で発売する。2025年4月に数量限定で発売し好評だった製品の再販で、今回は新たに香り付きタイプも加えた。

ブランド独自のスタイルロック処方を採用

ブランド独自のスタイルロック処方を取り入れた同製品は、髪をロックし1日中キープする前髪特化型のヘアマスカラだ。液は白残りしない透明タイプで、べたつかず自然な仕上がりをかなえるほか、雨の日や汗をかく日のうねり対策として湿気に強いサラサラパウダーを配合した。小回りが利くブラシは細かい毛も調整しやすいコンパクトブラシを採用。また、美容液成分として毛髪保護成分のパンテノールを配合し、髪をやさしくケアしながら艶とハリを与える。

今回発売するのはシンプルに仕上げたい人向けの無香料タイプと、フローラルブーケの香り付きタイプの2種類。香り付きタイプは、スズラン、ジャスミン、ローズを主体とした、花束のような優雅な香りに仕上げている。

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伊勢半が“前髪死守”の専用マスカラを復活販売 無香料と香り付きの2タイプ

伊勢半は、コスメブランド「ヘビーローテーション(HEAVY ROTATION)」から、前髪特化型マスカラ“キスミー ヘビーローテーション 前髪キープロックマスカラ”(全2種、各1320円※編集部調べ)を2月9日に数量限定で発売する。2025年4月に数量限定で発売し好評だった製品の再販で、今回は新たに香り付きタイプも加えた。

ブランド独自のスタイルロック処方を採用

ブランド独自のスタイルロック処方を取り入れた同製品は、髪をロックし1日中キープする前髪特化型のヘアマスカラだ。液は白残りしない透明タイプで、べたつかず自然な仕上がりをかなえるほか、雨の日や汗をかく日のうねり対策として湿気に強いサラサラパウダーを配合した。小回りが利くブラシは細かい毛も調整しやすいコンパクトブラシを採用。また、美容液成分として毛髪保護成分のパンテノールを配合し、髪をやさしくケアしながら艶とハリを与える。

今回発売するのはシンプルに仕上げたい人向けの無香料タイプと、フローラルブーケの香り付きタイプの2種類。香り付きタイプは、スズラン、ジャスミン、ローズを主体とした、花束のような優雅な香りに仕上げている。

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紀ノ国屋が“モフモフのしっぽ”付きスイーツポーチ&ミニトートを発売 3種のキュートな猫デザイン

紀ノ国屋は2月22日の猫の日を前に、“紀ノ国屋 ねこのスイーツコレクション 2026”を発売する。店舗では1月20日から、公式オンラインストアでは19日20時から販売を開始する。アイテムは猫をモチーフにしたお菓子入りのしっぽ付きポーチ“紀ノ国屋 ねこのスイーツポーチ”(全3種、各1652円)とミニバッグにお菓子を詰め合わせた“紀ノ国屋 ねこミニスイーツバッグ”(全3種、各842円)で、黒猫、トラネコ、ハチワレの3種類のデザインを展開。中には自家製生地のオリジナルのねこの顔型クッキーやいちご味の肉球クッキーを詰めた。

黒猫、トラネコ、ハチワレの3種類のデザインを展開

カラーごとに異なる猫のポーズが楽しめる“紀ノ国屋 ねこのスイーツポーチ”は、ローズピンク、ピスタチオグリーン、ライラックの3色をラインアップ。ポーチのサイズはタテ約8cm×ヨコ約16cm×マチ約5cmで、裏面には紀ノ国屋のロゴと猫のシルエットをデザインした。小物を整理するのに便利なサイズとなっている。モフモフのしっぽ付きジッパーがアクセントとなっている。ポーチの中には、バウムクーヘン1個、3種の猫の顔クッキー各1枚、肉球クッキー2枚を詰め合わせた。“紀ノ国屋 ねこミニスイーツバッグ”は猫のチャームがついた手のひらサイズのバッグで、サイズはタテ約7cm×ヨコ約13cm×マチ約5.5cm。 バッグの中には、バウムクーヘン1個と猫の顔型クッキー2枚が入る。

ほか、オリジナルボックスにクッキーを詰めたアソートとして、ココア、ごま、プレーンの顔型クッキーを各2枚ずつ詰めた"紀ノ国屋 ねこクッキーアソート(6枚)”(572円)と、猫の顔型クッキー3種各3枚と、いちご味の肉球クッキー5枚を詰め合わせた“紀ノ国屋 ねこクッキーアソート(14枚)”(1058円)も用意している。

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【2026年バレンタイン】「ディプティック」が若手アーティストとコラボ ブルーの化粧土で描く愛のシンボル

「ディプティック(DIPTYQUE)」は2026年のバレンタインデーに向け、若手イラストレーター兼陶芸家のコンスタンタン・リアン(Constantin Riant)とコラボレーションした限定アイテムを1月27日に発売する。ラインナップはキャンドル“ローズ”(190g、1万780円/600g、3万1350円)とポーセリン製トレイ“トレイ オーバル - ブルーハート”(1万5620円)で、伝統的なポーセリンから着想を得てメゾンの代表的な製品を再解釈。ブルーの化粧土を用いた技法でモダンな世界を表現した。

“愛”をちりばめた特別なデザイン

濃いブルーとレッドで彩る限定デザインのキャンドルは、190gサイズはガラス製、600gサイズはセラミック製の容器で仕上げた。ツバメやハートの形をした白い花々のほか、「Amour(愛)」「Flamme(炎)」のダンシングレターをデザイン。レッドのリボンモチーフには愛のメッセージ「Le coeur est une rose que l’amour fait éclore(心とは、愛が訪れたとき花咲かせるバラ)」を添えた。オーバルトレイはコレクションを象徴するモチーフとカラーで、職人たちが手作業で製作している。

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【2026年バレンタイン】「ディプティック」が若手アーティストとコラボ ブルーの化粧土で描く愛のシンボル

「ディプティック(DIPTYQUE)」は2026年のバレンタインデーに向け、若手イラストレーター兼陶芸家のコンスタンタン・リアン(Constantin Riant)とコラボレーションした限定アイテムを1月27日に発売する。ラインナップはキャンドル“ローズ”(190g、1万780円/600g、3万1350円)とポーセリン製トレイ“トレイ オーバル - ブルーハート”(1万5620円)で、伝統的なポーセリンから着想を得てメゾンの代表的な製品を再解釈。ブルーの化粧土を用いた技法でモダンな世界を表現した。

“愛”をちりばめた特別なデザイン

濃いブルーとレッドで彩る限定デザインのキャンドルは、190gサイズはガラス製、600gサイズはセラミック製の容器で仕上げた。ツバメやハートの形をした白い花々のほか、「Amour(愛)」「Flamme(炎)」のダンシングレターをデザイン。レッドのリボンモチーフには愛のメッセージ「Le coeur est une rose que l’amour fait éclore(心とは、愛が訪れたとき花咲かせるバラ)」を添えた。オーバルトレイはコレクションを象徴するモチーフとカラーで、職人たちが手作業で製作している。

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「ラルフ ローレン」2026-27年秋冬メンズ・コレクション

「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」が2026-27年秋冬メンズ・コレクションを発表した。

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