1920年代、「スワロフスキー」のクリスタルは、アメリカのジャズクラブの衣装からフランス・パリのクチュールメゾンが手掛けるドレスやジュエリーまでに使われるようになり、B to Bのビジネスで世界へと広がっていった。その品質の高さは、「シャネル(CHANEL)」や「ディオール(DIOR)」「スキャパレリ(SCHAPARELLI)」「ランバン(LANVIN)」など名だたるブランドが用いていたことからも分かる。そして、30年代からは映画や舞台の衣装制作を手掛けるアトリエからも重宝され、エンターテイメントの世界とも深いつながりを築いてきた。
今や世界に約2300の直営店と6600の販売拠点を構えている「スワロフスキー」だが、B to Cビジネスに乗り出したのは1970年代のことだった。最初はインスブルックで開催された冬季オリンピックの土産物として、シャンデリアに用いられるクリスタルを使ったネズミのフィギュリン(小さなオブジェ)を販売。その後ジュエリー製作もスタートし、80年代には初の直営店を開いた。
そして99年から約20年間は、「ダニエル スワロフスキー パリ」名義でラグジュアリーなジュエリーも提案。2008年には、ジュエリーやアクセサリー、ホームデコレーションの分野で究極のクリスタル表現を追求するコレクション「アトリエ スワロフスキー アトリエ」を始動し、19年までジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)や「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」のヴィクター・ホスティン(Viktor Horsting)とロルフ・スノラン(Rolf Snoeren)、クリストファー・ケイン(Christopher Kane)といった名だたるデザイナーとの協業によってエッジの効いたジュエリーを生み出してきた。
ベルリンのクロイツベルク地区に位置する「グロピウス・バウ(Gropius Bau)」で、オノ・ヨーコの展覧会「YOKO ONO : MUSIC OF THE MIND」が開催している。同展は、ロンドンのテート・モダンが主催し、デュッセルドルフのノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館とベルリンのグロピウス・バウがコラボレーションする形で実現した大規模な回顧展だ。
エントランスを抜け、吹き抜け天井から自然光が差し込む開放的なアトリウムに向かうと「PEACE is POWER」の巨大バナーが目に入る。これは、オノ・ヨーコが2017年から継続的に行っている平和を願うプロジェクトであり、世界各地で開催されている展覧会を通じて観客にメッセージを伝えている。
バナーの下には「Wish Tree for Berlin」と題した9本の木が設置されており、短冊のような白い紙に観客は自由に願いごとを書き、枝に結びつけることができる。96年より世界各地で設置されてきた「Wish Tree」は、幼い頃に訪れた日本の寺院からインスパイアされているという。ベルリンの「Wish Tree」は「破壊と再生」がテーマ。空襲により廃墟となったグロピウス・バウは、しばらくの間放置され、解体の危機にまで晒されていたが、見事に美術館として再建された現在の姿と放置されていた間に自然発生した落葉樹からイメージされている。
いくつもの部屋に分かれている2階の展示エリアでは、50年代から制作してきた200点以上もの作品が時系列に沿って紹介されている。直筆の文章で部屋中が埋め尽くされた66年制作の「The Blue Room Event」や64年に自費出版された「グレープフルーツ」の草稿を全公開するなど、オノ・ヨーコ作品を代表する言葉や文章が様々な展示方法で観ることができる。
また、01年に制作された「Helmets (Pieces of Sky)」は、第二次世界大戦中に使用されたドイツ軍のヘルメットを天井から逆さに吊るし、中に青色のパズルのピースが入れた作品。戦争の象徴である軍用ヘルメットを逆さにすることで単なる容器として扱い、中には平和の象徴である青い空をイメージしたブルーカラーのパズルのピースを入れることによって「暴力の器を希望で満たす」という強い比喩を生み出している。観客はパズルのピースを自由に取り出したり、持ち帰ることが可能。
60年代のアメリカは、黒人公民権運動、フェミニズム運動、ベトナム戦争への反発が高まった時代であり、オノ・ヨーコも活動家として注目を集めていた。中でもジョン・レノンとの共作「WAR IS OVER! IF YOU WANT IT」や「ベッド・イン」は、世界の誰もが知っているメッセージ性の強い代表作だろう。戦争によって1つの街の中で1つの国が東西に分断されるという数奇な運命をたどったベルリンで、大規模な展覧会を開催する意義があると実感させられる展示であり、オノ・ヨーコ本人も13年に以下のコメントを残している。
“I love Berlin and have already been here so many times. Berlin is part of my body!”(私はベルリンが大好きで、すでに何回も訪れています。ベルリンは私の身体の一部なのです)
現在、ベルリンではグロピウス・バウと並行して、オノ・ヨーコに関連する展示が2カ所で開催されている。近年、フェミニズムやセクシュアリティにフォーカスした展覧会に力を入れている美術館「ノイエ・ナショナルギャラリー(Neue Nationalgalerie)」では、「YOKO ONO : MUSIC OF THE MIND」と連動したサテライト展覧会として「YOKO ONO: DREAM TOGETHER」が開催されている。また、ミッテ地区に位置する「ノイエ・ベルリナー・クンストフェライン(n.b.k.)」では、屋外ビルボードにて「TOUCH」の文字が掲示されている。
日本発フレグランス「エディット(EDIT(H))」初の旗艦店が東京・神楽坂にオープンした。「エディット」は2018年に誕生。1905年創業の煉朱肉「日光印」6代目である葛和健太郎モリヤマ社長が、朱肉をルーツにした香水ブランドとしてスタートした。フランスのインテリア見本市「メゾン エ オブジェ(MAISON ET OBJET)」でデビューした当時は、日本発香水は少なかったが、ヨーロッパで認められ、現在10カ国で展開。日本国内では伊勢丹新宿本店や阪急メンズ東京など約20店舗で販売している。4月に初の旗艦店をバー併設で神楽坂に出店。葛和社長に、バー併設および神楽坂を選んだ理由を聞いた。
そのほか、イラストレーターのエド・ツワキ(Ed TSUWAKI)によるジェイコブス本人と12人のセレブリティーのポートレートを描いたスペシャルイラストや、「SUPER MARC JACOBS THE MOVIE」と題したレスリー・キー(Leslie Kee)監督による10分間のショートムービーも登場。シンディ・ローパー(Cyndi Lauper)の名曲「Girls just want to have fun」と小泉今日子の名曲「魔女」をDJの高木寛がリミックスしたスペシャルな音源も楽しめる。
◾️SUPER MARC JACOBS PHOTOGRAPHED BY LESLIE KEE PHOTO EXHIBITION
期間:2025年4月25日〜5月11日(火曜日を除く)
時間:11:00〜19:00
会場:Creative Space Akademeia 21 Harajuku
住所:東京都渋谷区神宮前5-27-7
映画「We Live in Time この時を生きて」が6月6日、TOHOシネマズ日比谷ほかで全国公開する。監督を務めたのは、アカデミー賞で作品賞を含む3部門にノミネートされた映画「ブルックリン」を手掛けたジョン・クローリー(John Crowley)。本作は、エッジの効いた実験的な作品を手掛けるスタジオA24が配給権を獲得したことでも話題を集めている。
2024年3月に麻布台ヒルズにオープンした「アマン」の世界初姉妹ブランドホテル「ジャヌ東京」では、ニューヨーク在住の現代美術家・松山智一氏とのスペシャルコラボレーションが実現。5月11日まで麻布台ヒルズ ギャラリーで開催する東京初の個展「松山智一展 FIRST LAST」の期間中、ジャヌ東京で松山智一氏の世界観を体感できるさまざまな仕掛けを用意する。
5階の「ジャヌラウンジ&ガーデンテラス」では展示「松山智一展 FIRST LAST」をイメージしたアーティスティックな「アフタヌーンティー with Art by Tomokazu Matsuyama」を提供。ペストリーシェフ野口ゆきえが色彩が叫ぶかのような作品にインスパイアされたスイーツ、吉田行孝がセイボリーを担当し、訪れる人々を魅了する。例えばニューヨークチーズケーキに作品を映したホワイトチョコレートを添え、いちご杏仁豆腐やデコポンタルトで色鮮やかに。セイボリーでは松山氏の出身地である岐阜県産の飛騨牛ローストビーフのオープンサンドや、作品内に登場する本を模したサーモンムースとベジタブルのミルフィーユなど、いずれも華やかで心が躍る。3段それぞれにボッティチェリの名画や千羽鶴をモチーフにした抽象画など、今回の展示のキーイメージを配している。東京タワーが目の前に広がる眺望を楽しみながら、唯一無二のティータイムを満喫できる。
オープンキッチンのライブ感を楽しめ、東京の夜景もアーティスティックな「ジャヌ
グリル」
1夜限りのアート&ディナー体験「ナイトミュージアム with 松山智一」はさらにスペシャルだ。ギャラリー閉館後、松山智一氏本人の楽しいトークとアソシエイト・キュレーターの丹原健翔氏による解説のギャラリーツアーで作品を鑑賞。日本ではなかなかできない体験の後は、ジャヌ東京4階の「ジャヌ グリル」のコースをワインとのペアリングで味わう。作品を描いたニューヨークチーズケーキや、この展覧会でのみ購入可能な「とらや」とのコラボによる羊羹など、デザートもこの日ならではのもの。東京で最も旬なアートシーンとダイニングを体験できるこのイベントは4月18日に開催され、30名限定の完全予約制。2万8000円(税・サービス料込)
「ユニクロ(UNIQLO)」のグラフィックTシャツブランド「UT」は4月25日、ウォルト・ディズニー・カンパニーとの共同プロジェクト”マジック・フォー・オール(MAGIC FOR ALL)“から、藍農家・藍染作家集団ブアイソウ(BUAISOU)監修のアパレルコレクション“ディズニー イン ブルー”を発売する。
花王の日焼け止めブランド「ビオレUV(BIORE UV)」は、K-POPボーイズグループのストレイキッズ(Stray Kids)を起用したグローバルキャンペーン“太陽こそが、あなたのスポットライト(SUNLIGHT IS YOUR SPOTLIGHT)”を展開している。本キャンペーンの第1弾として、特設サイトでStray Kidsが出演するアンセムフィルムや各種グラフィック、メイキングムービー、スペシャルインタビューを公開中だ。
>特設サイト
社内公募から生まれた新プロジェクト「Fashion for ALL your SENSES(ファッション・フォー・オール・ユア・センシズ)」の第1弾。約1年前からプロジェクトを始動させ、6月から今年1月まで計4回にわたって世代の異なる視覚障害者との意見交換や試着会を重ねた。インクルーシブデザインの支援を行うPLAYWORKS(東京、タキザワケイタ代表)と協業し、商品企画はアダストリアが担った。「アンリアレイジ」のデザイナー、森永邦彦氏も参画してオリジナルのTシャツとワンピースを企画した。
「トムウッド」直営店舗とトゥモローランド公式オンラインストアのほか、スーパー エー マーケット(SUPER A MARKET)青山、新宿、京都、エディション(EDITION)表参道ヒルズ店、新宿ルミネ店、名古屋ラシック店、グランフロント大阪店、 京都バル店、神戸バル店、「キャバン(CABAN)」丸の内店、麻布台ヒルズ店、ニュウマン横浜店、福岡店、ランド オブ トゥモロー(LAND OF TOMORROW)心斎橋パルコ店、トゥモローランド渋谷本店、札幌店、ザ ストア トゥモローランド(THE STORE TOMORROWLAND)阪急メンズ大阪店で取り扱う。