ユナイテッドアローズ「駅ナカ撤退」の背景 出店から10年で幕

 ユナイテッドアローズ(UA)は、駅ナカ業態「ザ ステーションストア ユナイテッドアローズ」の全店舗の営業をきょう30日で終了する。2011年11月に表参道駅に1号店を開いた同業態は、約10年で姿を消すことなる。駅ナカの立地はコロナによる鉄道利用者の減少によって客数の減少に直面する。逆風は同社だけにとどまらない。

 「ザ ステーションストア」は1月10日に天神地下街店(福岡)、23日に大手町店(東京)とアトレ川崎店(神奈川)が閉店し、都内に残るエチカ表参道店、エチカフィット銀座店、エチカフィット東京店、エキュート品川店も30日で閉まる。

 同社は昨年11月、中期経営計画(最終年度23年3月期)の一環として、不採算店舗を見極めて連結店舗数の1割程度を退店すると発表していた。駅ナカ業態もその一環として撤退を決めた。21年には「ユナイテッドアローズ」業態の銀座店と青山店(ウィメンズストア)も閉めている。

10年前の駅ナカ出店ラッシュ

 今から10年ほど前、ファッション企業による駅ナカへの出店ラッシュがあった。

 鉄道会社による駅ナカ商業施設の開発が増えたことが背景にある。05年にJR東日本が大宮駅と品川駅の構内に設けた商業施設「エキュート」が大成功を収め、その後ターミナル駅での開業や増床が相次いだ。ルミネやアトレなどの駅ビルとは異なり、改札内を含めた駅構内を商業施設に改装する動きだ。東京メトロも商業施設「エチカ」を05年11月に表参道駅、09年3月に池袋駅に開業した。

 当初のテナントは飲食一辺倒だったが、面積拡張に伴い、ファッション企業も出店するようになる。ベーシックな商品を扱う「ユニクロ」「無印良品」だけでなく、ワールド、ポイント(現アダストリア)、パル、クロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)、ジュンといった企業が10坪前後の小型店でそれに続いた。中でも高単価な商品を扱う大手セレクトショップが表参道駅構内に1号店(11年11月)を出した「ザ ステーションストア」は、駅ナカブームで最も注目を集めた店舗だった。

 当時のUAの重松理社長(現名誉会長)は「未知のお客さまとの接点を広げるために、あらゆる立地に出していく」と話していた。駅ナカだけでなく、10年7月に成田国際空港と羽田空港に「ジ エアポートストア ユナイテッドアローズ」、11年12月には東名高速道路の海老名サービスエリア(神奈川)に「ザ ハイウェイストア ユナイテッドアローズ」も出店した。駅ナカ、空港、高速道路のサービスエリアといった“トラフィックチャネル”で、路面店やファッションビルとは異なる消費者との接点を広げる試みだった。それぞれの立地に合わせたオリジナル商品や独自のMDを採用した。駅ナカでは移動する人たちの目にとまるようなキャッチーさなど、滞在型のファッションビルとは異なる店づくりを行った。

 もともとUAは90年代後半に他のセレクトショップに先駆けて駅ビルに出店したり、ネットで服が売れるのか疑問視されていた時代にゾゾタウンに出店したりするなど、新規チャネル(販路)の開拓に積極的な会社だった。駅ナカ業態では「コンビニをUAらしく、かっこよく作るか」に知恵を絞った。女性客を想定し、雑貨やアクセサリーをメインにしながら、アパレルもそろえて試着室も完備し、UAのエッセンスを凝縮したような店舗を作った。

小売業は人の移動で成り立つ

 駅ナカ立地の強みは圧倒的なトラフィック(通行量)だ。かつて東京メトロの池袋駅の改札前に店舗を構えていたファッション企業の担当者は「1日に店舗の前を4万人以上が通り、2千数百人が10数坪の小さな店に入店する。こんな立地は他にない」と話していた。家賃は高いものの、MDが的中すれば高効率で売れる店舗になる。

 だが、新型コロナウィルスの感染拡大によって状況が変わった。UAが3店舗を構えていた東京メトロの1日当たりの輸送人員は、コロナ前の19年4〜9月が783万人だったのに対し、21年4〜9月は504万人に減った。強みだったオフィスで働く女性に向けたMDも、リモートワークの普及で苦戦を強いられる。

 小売業は人の移動で成り立つ。通勤、通学、出張、旅行、冠婚葬祭。人が移動するから、需要が発生する。コロナで移動が制限され、自宅周辺が生活の中心になる新常態は、スーパーマーケットを除くほとんどのリアル店舗にとって逆風になる。駅ナカに立地し、オフィスで働く女性を主な対象とする「ザ ステーションストア」のダメージは大きかった。

 ワールドはファッション雑貨「イッツデモ」で都心ターミナルの駅ナカへの出店を積極的に行なっていたが、最近は郊外のベッドタウンの駅ナカや駅前など生活圏に出店立地をシフトしている。

人目にふれる広告効果はSNSに移行

 鉄道系の商業デベロッパーの関係者は、UAに限らず衣料品や服飾雑貨は厳しいと見る。「たとえ物販で儲からなくても、広告効果と割り切って出店していたテナントの見直しが増えるだろう。ファッション市場全体が苦戦する中、駅ナカの高い家賃が重荷になっている」

 UAの21年4〜9月期連結業績は、売上高が前年同期比5.3%減の504億円、営業損益が26億円の赤字(前年同期は68億円の赤字)だった。アパレル市場の回復が遅れる中で、不採算店や低収益店の整理に手を付けざるを得なくなった。

 「未知のお客さまとの接点」として、駅を利用する大勢の人々にブランドを知ってもらい、品ぞろえが充実した既存店に足を運んでもらう――。10年ほど前はそんな広告効果も駅ナカ業態の役割の一つだった。だが、現在はSNSなどデジタルマーケティングがそれを代替するようになっている。

 UAは高速道路のサービスエリアに2店舗あった「ザ ハイウェイストア」を15年2月に閉鎖。さらにコロナ禍による空港利用者の激減を受けて、「ジ エアポートストア」の成田空港店を21年1月に、羽田空港店を同2月にそれぞれ退店した。コロナの終息が見えず、人の移動の制限が続く中、トラフィックチャネルは厳しい状況に置かれている。

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「振り切った方がオモロイやん」 日本文化を蘇らせる「ヨシオクボ」22-23年秋冬リアルショー

 「ヨシオクボ(YOSHIO KUBO)」は、2022-23年秋冬コレクションを東京・中目黒の本社で発表した。パリ・メンズ・ファッション・ウイークでは、ショー映像を組み込んだデジタルコレクションを公開した。

 今シーズンは「エンターテインメントに振り切った」と語る久保嘉男デザイナー。「周りから『もっと思い切った方がいい』って言われてたし、自分でもその方がオモロイやろなと思ってました。だから、動きのあるフォルムを取り入れたり、ウィメンズのルックを3日で10体作ったり、『おっ!』と思わせる要素を盛り込んでます」。音楽は昨シーズンに続き、DJのLicaxxxが担当。風と太鼓、子どもの遊び声など、古き良き正月を思わせる音とテクノが融合したBGMでショーが開幕した。

凧、メンコ、花札
スポーツ&アウトドアに日本文化を融合

 同ブランドは“忍び”や“僧兵”など、日本を掘り下げたクリエイションを数シーズン続けており、今シーズのテーマは“いかのぼり”だ。いかのぼりとは、現代でいう“凧揚げ”である。「僕も昔はよくやっていたけど、今はほとんどの人が興味を示さんし、日用品がなんでもそろう百均にさえ売ってない。消えつつある日本の文化やスポーツに目を当てたかったんです」。凧揚げと呼ばれ始めたのは、江戸時代のころ。いかのぼりが大流行して事故が多発し、幕府が禁止令を出したところ、市民が「これは“たこ”だ」と反論したことに由来するという。

 ウエアは、スポーツとアウトドアテイストを軸に、凧やメンコ、花札などの日本文化に着想したデザインを組み込んだ。花札の絵柄をペイズリー風にアレンジしたニットやスカート、凧紐のように動きに合わせてなびくテープをつけたジャケット、メンコの絵柄をイメージした背中の竜のグラフィックなど、ぱっと見で伝わるモチーフを連打した。一方で、西洋で盛んに行われる、色鮮やかで左右対称なデザインが特徴の“スポーツカイト”を生地の切り替えで表現したフリースジャケットや、花札のモチーフとして使われる藤とホトトギスを繰り返した総柄、袖と身頃を複数枚重ねてよろいのような立体感を出したマルチポケットのアウトドアジャケットなど、着想源を読み解く面白さのあるウエアもあった。ベージュやカーキ、ネイビーの定番色に、白と赤の縁起のいいカラーパレットを加え、テーマをストレートに反映した。

 色・柄以上に印象に残ったのが、ボーンで構築したダイナミックなフォルムだ。インナーの裾にボーンを通して円を作ったり、それを両脇に挟んで前後に飛び出たせたりして、リアルクローズにはない形を提案する。「ちっちゃいころ、ワンタッチで大きくなる帽子をオカンが見せてくれて、楽しかったことを思い出したんです。凧の骨組みもインスピレーションになってます」。ワイヤーは手の平サイズに小さく折りたためて、取り外しも可能だ。

ジェンダーに対する心境の変化
これまでは「固定観念でガチガチだった」

 2006年にウィメンズ「ミュラーオブヨシオクボ(MULLER OF YOSHIOKUBO)」を始動し、メンズとウィメンズを分けてきたが、ここ数シーズンでジェンダーの境界線は薄まっている。今シーズンは全30ルックのうち12ルックに女性モデルを起用し、男女どちらも着られるように、着丈やボタンの数、シルエットを調整したという3型のロングシャツなどを用意した。背景には、海外を中心に「ヨシオ クボ」を着る女性客が増えたことと、久保デザイナー自身の心境の変化がある。「以前は“男性向け”“女性向け”っていう仕切りが、着る人のアイデンティティーを確立すると考えてました。でも、メンズ服を女性が着てもええし、スタイルの幅も広がる。若い人に『常識にとらわれるな』と言ってたのに、固定観念でガチガチになっていたのは自分やった」。

 久保デザイナーは「オモロさを追求した」と説明したが、ショーを見て、ただシンプルに「かっこいい」と思った。音楽も含めて、日本文化を現代に蘇らせるコレクションが純粋に心に響いたし、ベテランと呼ばれる今でも自分の考えを見直し、新たな表現に挑み続ける久保デザイナーの姿勢もかっこよかった。次はどんなコレクションを見せてくれるのか、今から楽しみだ。

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重厚な「コム デ ギャルソン・オム プリュス」が手に入れた“脱力感” 22-23年秋冬コレクションを東京で発表

 「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS以下、オム プリュス)」は、2022-23年秋冬コレクションを東京・南青山の本社で発表した。今シーズンもパリ・メンズ・ファッション・ウイークには参加せず、約50人を招待してミニショーを行った。

 シーズンテーマは、遊牧民を意味する“nomad(ノマド)”。ノマドが朝起きて、手元にあった洋服を深く考えずコーディネートしたような、脱力感のあるテーラードスタイルだ。ジャケットとコートに合わせるのは、首元が大きくドレープしたトップスや光沢あるワンピース、ブランケットをまとったようなトップス、温かみのあるフェルトのインナー、ワイドショーツなど。コーデュロイを使ったストライプや、目の荒いツイードの上にステッチで描いたチェック、ヒョウと花のモチーフを融合したような総柄など、パターンも豊富で、赤やオレンジ、ピンク、イエロー、水色とカラーパレットも快活だ。一方で、乱暴なカットアウトなどのディテールも多く、脱力感と脱構築のアイデンティティが共存する。前立てのふぞろいなカッティングやあえて作ったシワ、裾からはみ出した長い裏地、腰回りを強調する生地の切り替え、身頃に施した水滴のように鈍くきらめく装飾などは、「オム プリュス」そのものだ。

 複数のコラボシューズも披露した。レザーのダブルストラップサンダルとオックスフォードシューズは、イギリス人シューズデザイナー、ジョン・ムーア(John Moore)のデザインを受け継ぎ、「ジョージコックス(GEORGE COX)」が手掛けているモデルだ。今回はコラボ仕様として、厚底にアレンジした。定番になりつつある「ナイキ(NIKE)」とのコラボでは、“エア マックス 97(AIR MAX 97)”をベースに採用。バフ加工で起毛させた二層構造のディストレスレザーを使い、ワントーンながら奥行きのあるルックスに仕上げた。

 ショー後、川久保玲デザイナーは「何にも属さず、自由に生きるノマドが羨ましい」と語った。たしかに、物理的な制約はまだまだ多い。それでも、コロナを機にパリコレを離脱し、国内でリアルショーを行う川久保デザイナーには、既存のファッションシステムに固執しない軽やかな精神性を感じる。クリエイションの最前線に立ちながら、ノマドのようなマインドを持ち合わせることこそ、同ブランドの強みではないだろうか。

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OEMってどんな仕事? 「ギャルソン」も手掛けるニット製造の老舗で働く27歳の奮闘記

 製造業には、他社から依頼を受けて商品を代理で製造するOEM(Original Equipment Manufacturing)というビジネスがある。食品から機械、金属まであらゆる業界にOEMがあり、アパレルも例外ではない。コレクションブランドから量販メーカーまで、多くのブランドがOEMを活用する。

 東京・秋葉原と浅草橋の中間にひっそりとビルを構えるハイセンヰは、アパレルの中でもニットに特化した老舗OEM企業だ。「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「ビズビム(VISBIM)」など、国内の名だたるデザイナーズブランドを手掛けている。50年以上前に、靴下工場に糸を売る“糸商”として創業し、ニットのOEM企業と合併して今の業態となった。約10人の従業員が在籍し、20〜30年働くベテランもいる。

 同社で営業アシスタントとして働くのが、入社3年目27歳の福地藍さん。営業担当が受注したデザイン案を仕様書に落とし込み、工場にサンプル生産を依頼するほか、サンプルの納品や量産のスケジュール管理などを行っている。

 「入社当初はわけがわからず、とにかく営業に付いて回って食らいつきました」と振り返る福地さん。例えば仕様書は、「そもそもサイズや資材、細かな仕様をどう伝えればいいのか分からない。しかも、データでいい工場もあれば、紙じゃないといけないところもある」。先輩が書いた仕様書や同じブランドの過去のものを大量に読み、必死に真似した。「自分で書けるようになったのは、ここ数シーズンです」。ブランドの依頼形式もさまざまだ。「ディテールまで明確にしたデザイン案をくれるブランドもあれば、『こんな感じで』とニュアンスだけで依頼されることもあります。デザイナーの意図を汲み取り、具現化するため、糸や素材、色、編み、加工のあらゆる知識が必要。毎日が勉強です」。

ブランドを辞め、OEMに
「物作りの醍醐味は変わらない」

 福地さんは、文化服装学院でファッションを学んだ。最初は布帛(織物)をメーンとする服装科だったが、「どうしてもニットがやりたい」と2年生の春にニットデザイン科に転科した。「布帛は生地のベースがあって、布を買って作ることが多いけど、ニットはどういう糸にするか、どういう編みにするか、どういう加工にするかなど無数の選択肢がある。それが面白いんです。それと、自分の手ですぐに作れることも魅力です」。

 卒業後は、メンズブランドを手掛けるアパレル企業に入社。デザイナーとして、商品企画から展示会の運営、量産管理までを行った。「ブランドで働くのもすごく楽しかった。でも、取引先の工場やセレクトショップが大きく変わることがなく、『もっと広い視野でアパレルを見たい』と、ハイセンヰに転職しました」。OEMには、デザイナーという肩書きはない。それでも、物作りの喜びは変わらない。「ファーストサンプルを見て、バイヤーやプレスの人に『かわいい』といってもらえると本当にうれしい。お手伝いした商品が店頭に置いてあったり、雑誌に載っていたりすると、『次も頑張ろう』と励みになります」。

「起毛が足りない」
予想外だらけの生産現場

 12月から1月は、複数ブランドの納期が重なる繁忙期。工場はキャパシティの限界まで稼働するため、資材一つでも納品が遅れれば生産スケジュール全体が後ろにずれ込む。現場の緊張感も高く、「こんな仕様書じゃ分からない」「資材の納期はどうなってるんだ」と注意を受けることもしばしばだ。「納期前はいつもヒリヒリします。でも、その緊張感があってこその物作りだし、それだけみんな本気でやっている。プレッシャーも感じますが、腕の見せ所でもあります」。量産した商品が無事に納品されても、ブランドのイメージと異なる場合もある。「起毛加工が足りなかったり、フリンジのねじれが甘かったり。工場にお願いする時間がないときは、自分たちでブラッシングしたり、ねじねじしたりしています。フィジカルなものづくりだから、予想外のことがたくさん起こるんです」。

 OEMで働く中で、業界の課題も実感した。ブランドに納品するサンプルは、「平均はサード、うまく行けばセカンド」で完成する。しかし、納品しても展示会に出ず量産化に至らないことや、オーダーがつかないこともある。「フォースサンプルまで作ってボツになることもあります。工場は量産化も見据えてやってくれているので、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。業界を盛り上げるには、こういったシステムの課題を解決することも必要だと感じています」。

ニットの“生き字引”とともに
海外でも活躍する人材へ

 「今後は、日本生産で海外ブランドと取引したい」と夢を膨らませる福地さん。「まずは、もっと知識を増やして多様なブランドに対応し、仕事を円滑に進められるサポートをする人材になりたい。タッグを組んでいる営業はもちろん、DCブランドの全盛期を支えたニットの“生き字引”みたいな先輩もいるので、彼らからたくさん吸収していきます」。

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サステナブルな消費を根付かせたい! 20歳大学生起業家の挑戦

 三井不動産が運営する東京・渋谷の複合施設「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」の1階イベントスペース「アンドベース(&BASE)」で、環境配慮型のアパレルや雑貨など取り扱う16ブランドを集めたポップアップストア「ネオ(NEO)〜消費が変わる、未来が変わる〜」が1月16日まで開催されている。

 ポップアップストアは、環境配慮型商品のSNSメディア・ECの「エシカルな暮らし」を運営するベンチャー企業Gab(東京)が主催。代表を務める山内萌斗さんは20歳の大学生だ。

 2019年の冬。地元の静岡・浜松の国立大学2年生だった山内代表は一念発起して上京し、起業した。大学は現在も休学中という。「周りには、サステナビリティに強い関心を持ち、身の回りでやれることから取り組んでいる若者はたくさんいる。でも僕は、エシカルな意識を社会に根付かせ、消費のあり方そのものを変えるプレイヤーを目指していきたい」と語る山内代表。若くして起業に至った経緯と今後を聞いた。

WWD:ポップアップストアの反響は?

山内萌斗代表(以下、山内):商品を実際に手に取ったお客さまからは、「これがリサイクル素材(を使った商品)なんだ」「予想以上(の品質)で驚いた」といった声が聞かれますね。エシカルファッションブランドの「カーサ フライン(CASA FLINE)」はサステナブルな素材だけでなく都会的なカラーパレット、立体的なパターンにもこだわっていて、通な洋服好きにも袖を通してほしい商品ばかりです。「ラヴィスト トーキョー(LOVST TOKYO)」のリンゴ原料のヴィーガンレザー雑貨は、アニマルレザーにはない風合いがユニーク。自然派化粧品ブランド「ボタニカノン(BOTANICANON)」は、廃校舎をリノベした工場で製品を作っています。品質だけでなく、その背景にあるストーリーも面白いブランドばかりです。

WWD:Gabとはどんな会社?

山内:学生メンバーが中心となって立ち上げ、現在社員は7人。まだまだ小さな会社です。今回のポップアップは、三井不動産がブランドやECを運営する小規模事業者を対象に、消費者とのリアルなタッチポイント構築を支援するプロジェクト「ニューポイント」の一環で出店の機会をいただきました。スペースの貸し出しは無料で、商品の仕入れコストも(三井不動産に)一部を肩代わりしていただいています。

 当社の主な事業は「エシカルな暮らし」のインスタメディアとEC運営ですが、そのほかにも街のゴミ拾いがゲーム感覚でできるイベントの運営や、ポイ捨てごみを“活用”した広告ビジネスを展開しています。僕たちは路上ゴミが多い場所をデジタルマップ上に可視化するシステムを開発しました。これによりゴミ箱の設置場所を最適化するとともに、「ゴミが多い場所=人通りが多い場所」であることを利用し、広告を設置してマネタイズしています。

WWD:起業のきっかけは?

山内:学校に馴染めなかった中高時代にさかのぼります。初めは、僕みたいな生徒がいなくなるような学び場を作りたい、と学校の先生を志していました。しかし大学の情報学部でデジタル関連の学びを深めるうち、いち教育者として携わるより、教育を根本から変えるような仕組みを作ることができる経営者になりたいと思い始めました。そして大学1年生の時、東京大学の「起業家育成プロジェクト」を通じてシリコンバレーへ留学したことが大きな転機になりました。

WWD:シリコンバレーではどんな刺激を受けた?

山内:米国の若くして起業を志す人たちは、「このサービスが本当に世の中にとってマストハブ(必要不可欠)なのか?」ということを考え抜いています。僕はその点でいえば、自分の独りよがりな経験に縛られ、教育という狭い枠組みでしか考えていなかった。世界を見渡せば、環境問題や貧困など、必要とされている事業領域は広大です。2週間という短い期間でしたが、起業家になるには、もっと視野を広げる必要があることを思い知らされました。

WWD:そこからは「思い立ったらすぐやろう」と。

山内:はい。大学ではやれることも限られますし、帰国して半年後(19年10月)には休学して上京し、12月に起業しました。幸いにもエンジェル投資家や企業数社の支援を受け、ゴミ箱を活用した広告事業(前述)をテストしていたのですが、19年末に新型コロナで街のトラフィックが激減。ビジネスそのものが成り立たなくなりました。

 早くも会社の存続が危ぶまれましたが、このような状況で、人々の消費意識がサステナブルな方向へ大きくシフトしていることも感じていました。そこで社運をかけたプロジェクトだったのが「エシカルな暮らし」です。20年2月にインスタアカウントを、7月にはECを立ち上げて仕入れ販売(一部は代理販売)を始めました。現在、インスタアカウントのフォロワーは2万4000人、ECの取り扱いブランドは32まで増え、なんとか7人(の社員)が食べていけるくらいにはなっています。

WWD:ブランドの選定基準は?

山内:まず「デザイン性が優れていること」。次に「感動体験があること」。最後に、「誰を助けているかが明確であること」です。たとえ環境に徹底して配慮したアイテムでも、ダサかったら手に取ってもらえません。また、エシカルな商品を語る際には、一般消費者には馴染みのないサプライチェーンや生産者、難解な横文字のリサイクル技術などを説明しがち。そういう敷居が高いイメージも変えていきたくて、使った時の「軽い」「温かい」みたいな直感的な部分を大事にしています。

WWD:今後について。

山内:世の中には、地球のために素晴らしい取り組みをしているブランドはたくさんあります。僕たちのビジネスはまだまだ偉そうなことを言える規模ではありませんが、そういうブランドを掘り起こし、消費者との橋渡し役にもなることで、サステナブルな消費を地道に根付かせていきたいです。

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元ブランキー浅井健一の息子がモデルデビュー 父譲りの舞台度胸やルーツを語る

 元ブランキー・ジェット・シティ(BLANKEY JET CITY)の浅井健一と元モデルの小野寺マリを親に持つ浅井小次郎が、大手モデル事務所イマージュ(IMAGE)からデビューを果たした。芸能一家に生まれ、自身も絵画やDJ、ドラム、スケートボードなど、多彩な趣味を持つ現役の大学1年生だ。モデルデビュー後、本格的なインタビュー・撮影は今回が初めて。父譲りの鋭い視線と透明感のある肌、スレンダーなスタイルを持つ彼に、モデルを志したきっかけや高校時代の思い出、2022年の展望を聞いた。

WWD:モデル活動を始めたきっかけは?

浅井小次郎(以下、浅井):2021年に出場した大学のミスターコンテストがきっかけです。被写体になることが楽しくて、モデルという仕事に興味が湧きました。

WWD:俳優やミュージシャンも人に注目される職業だが?

浅井:僕の武器の一つは線が細いこと。俳優やミュージシャンはこれが強みになるかわかりませんが、モデルとしては生かせると考えています。

WWD:ミスターコンは自薦?他薦?

浅井:広告研究会に「出てみない?」と誘われたのがきっかけです。いざ出場してみたら、歓声がすごくて、注目されるのも楽しかった。結果はグランプリでも準グランプリでもなかったのですが、1年生の出場が僕だけだったこともあり、同学年のみんなが支持してくれました。

WWD:イマージュへの所属はどのような経緯で?

浅井:母が元々モデルをやっており、知り合いのフォトグラファーさんからの紹介で所属が決まりました。今後は大学に通いながら、モデル業も行っていきます。

好きなブランドは「カーハート」「ポール・スミス」

WWD:自身の定番ファッションは?

浅井:友人と遊びに行くときは、ストリート系の服をゆるっと着ることが多いです。「カーハート(CARHARTT)」が好きで、着るのは白と黒のアイテムのみ。仕事やイベントなど、きれいめのファッションの日には「ポール・スミス(PAUL SMITH)」を選ぶことが多いです。

WWD:好きなファッションデザイナーは?

浅井:好きなデザイナーもポール・スミスさん。人柄も作る服もかわいらしさはあるけれど、ベースが上品なところがカッコいいと思います。

WWD:自分の長所と短所をあげるなら?

浅井:長所は、興味があることを納得するまで突き詰めて、途中で絶対にやめないこと。あとは趣味の多さです。短所は、熱中すると周りが見えなくなってしまうことかな。

WWD:具体的にはどんな趣味がある?

浅井:絵やDJ、スケートボード、ドラムなど。絵を描くのは父の影響で、暇さえあれば、サイケデリックな気持ち悪い絵を描いています(笑)。DJは高校1年生から続けています。初めてイベントに行った日からDJに憧れて、父親からの誕生日プレゼントにDJセットを買ってもらったほど。スケートボードは近くの公園で練習したり、通学に使ったり。制服を着てボードに乗っていると、周りの人に注目されるので、高校時代はそれも含めて好きでした(笑)。

WWD:高校生時代の青春エピソードは?

浅井:僕は体育祭にかなり力を入れている学校に通っていました。中・高の6学年を合わせた縦割りの7チームに分かれて、各組の団長を高校3年生から選ぶシステムでした。僕も周囲の推薦で“パープル組”の団長を務めました。

 体育祭はただ順位を競うのではなく、独自のストーリー設定がありました。僕たちの年は、 “作文に将来の夢を書けない子ども”に扮する校長先生に向けて、スーパースターや熱血教師、侍など、さまざまな人物に扮した団長たちが、自分の仕事の楽しさを伝えるという設定でした。僕のテーマは“ロックミュージシャン”。壇上でパフォーマンスをしたときは、全校生徒の声援がとにかくすごくて、気持ちよかった。いい思い出になりました。

ステージ度胸は父親譲り

WWD:その舞台度胸は、父親譲り?

浅井:父がフジロックなどに出演するときは、幼い頃からステージ脇でそれをずっと見てきました。僕も人前に立つのが好きだし、緊張も全くしない。ステージ度胸は、父譲りですね。

WWD:父親と似ているところと、違うところは?

浅井:周囲からは「顔が似ている」と言われますが、自分では母親似だと思っています。父はクールで物静かで、怒ると怖い。僕は真逆で、どちらかというと明るい性格です。

WWD:モデルをやると報告したときの両親の反応は?

浅井:父は「頑張れ。応援しているよ」とあっさりしながらもやさしい反応でした。母はとても協力的で、助けられています。

WWD:父親の曲で、好きな一曲をあげるなら?

浅井:「SWEET DAYS」です。メロディーと歌詞はもちろん、MVもかっこよくて好き。父はプライベートで自分の曲をかけたがらないので、幼い頃は「あの曲かけて!」と車の中でよくリクエストしていました。

WWD:自身も楽器を演奏するが、父親からアドバイスをもらうこともある?

浅井:あります。父と妹がギターを弾き、僕がドラムを叩いてセッションするときは、「走りすぎ」と突っ込まれたりします(笑)。家族旅行にもギターを持っていくのが定番。先日、家族でキャンプに行ったときも、焚火を囲んでみんなで音楽を楽しみました。

WWD:DJにも力を入れていると聞いた。好きなアーティストは?

浅井:今一番好きなのは、DJでラッパーのトキオ(Tok01)くん。世代が近いし、絵も上手なので刺激をもらっています。有名どころだとレックス(LEX)くんかな。日本のヒップホップが好きで、自分でDJをするときは箱に合わせて曲のテイストを変えます。

親の教えは「正しいと思ったことは、絶対に曲げるな」

WWD:小次郎さんにとって、父親はどんな存在?

浅井:父に対して「うわ、スターだな!」と感じることはありません。もちろん尊敬はしていますが、完璧な人間ではありません。たまに人生のアドバイスもくれて、「自分が正しいと思ったことは、相手と意見が違っても絶対に曲げるなよ」と言われたことも。でも意見を曲げなさすぎて、父親とケンカすることもあります(笑)。

WWD:父親と比べられることを正直どう思う?

浅井:嫌ではありません。今は父の知名度を借りられることが、力のひとつになっています。将来は“浅井健一の息子”ではなく、“浅井小次郎”として認識されるようになれたらうれしいです。

WWD:2022年はどんな年にしたい?

浅井:11月から活動を始めたばかりなので、モデルとして活躍できる年にしたいです。DJの活動も広げていきたい。

WWD:将来はどんな人物になりたい?

浅井:自分らしさを大切に、ありのままを見せられる人。変に取り繕ってしまうと緊張するし、自分を出せなくなってしまう。モデルに限らず、やれることすべてに挑戦していきたいです。

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10人の日本人アーティストが手掛けたアルバム・アートワーク

 こんにちは。東京とロンドンを拠点に活動するエディターやライター、スタイリスト、フォトグラファー、グラフィックデザイナーが所属するクリエイティブコレクティブ“インターネット・ボーイフレンズ(Internet BoyFriends)”です。「WWDJAPAN」でのコラム第2回目は “日本人アーティストが手掛けたアルバム・アートワーク”です。

 アートワークは、ミュージシャンの音楽性の視覚的なアピールのためにデザインすると同時に、アーティストのファンであれば憧憬の作品を手軽に得ることができるものでもあります。誰もが一度は見たことのある名作から、意外と知られていない大作、そしてUSヒップホップシーンで引く手あまたの19歳が手掛けた最新作まで、ファッションと遠いようで近いアートとミュージックシーンの関係を日本人アーティストという視点で掘りたいと思います。

村上隆

 1人目は、現代芸術家で“スーパーフラット”の発案者である村上隆。“スーパーフラット”とは、日本美術の伝統的な絵画から漫画までに共通して用いられる、平面的で二次元的な絵画空間および、美術と大衆芸術の曖昧な境界線などを示す芸術運動・概念だ。彼は同名の展示「SUPER FLAT」を2000年に渋谷パルコで、01年にアメリカ・ロサンゼルスで開催したことで話題となり、02年にはフォークデュオ ゆずの4thアルバム「ユズモア」のアートワークを手掛けることになった。これ以降、村上氏とゆずは蜜月関係を続けており、6th「1~ONE~」や初のベストアルバム「HOME」、11th「LAND」なども担当している。

 だが村上といえばやはりカニエ・ウェスト(Kanye West)ことイェ(Ye)との関係性だろう。イェは大の現代芸術&日本のアニメ好きで、「SUPER FLAT」で村上の存在を知り(故ヴァージル ・アブローの影響とも言われている)、3rd「Graduation」および、シングルカットした5曲のアートワークで協業した。同アルバムは全米・全英1位を獲得し、アメリカ国内だけで500万枚以上を売り上げる大ヒットとなったため、村上の名がミュージックシーンにも知れ渡るきっかけになった。18年にはイェとラッパーのキッド・カディ(Kid Cudi)によるコラボアルバム「Kids See Ghosts」のアートワークで再びコラボレーション。村上らしいポップな色味の日本画を披露した。またイェはファッションアイコンでもあることから、彼との協業以降は村上とファッションブランドのコラボは急増。ストリートからモードまで、ファッションにおけるシンボルの一つとなった。

 村上はほかにも、レゲトン歌手のJ.バルヴィン(J Balvin)の7thアルバム「Colores」や、AKB48の「涙サプライズ!」、“プレイステーション”用ゲームソフト「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」のサウンドトラック「Ghost In The Shell - Megatech Body」など、幅広いジャンルでアートワークを手掛けている。さらに、ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)の「you should see me in a crown」のミュージックビデオを製作するなど、多岐にわたって活動を続けている。

奈良美智

 日本の現代美術の第2世代を代表する奈良美智は、作品の製作時には必ずBGMをかけるほどの音楽好き。ミュージシャンにアートワークを数多く提供しているアーティストの一人だろう。ドイツ・デュッセルドルフで学生時代を過ごしていたころ、インディーロックバンドのバーディー・ナム・ナムズ(The Birdy Num Nums)が1991年にリリースした3rdアルバム「Mannaka Over The World」のアートワークを制作した。さらに1998年には少年ナイフの1stアルバム「HAPPY HOUR」のアートワークを担当した際は、日本盤とアメリカ盤の2種類を制作する力の入れようだった。

 パンクやロック好きの奈良は、バンドのアートワークを手掛けたり、使用されたりすることが多い。世界的ロックバンドのR.E.M.による楽曲「I’ll Take the Rain」や、日本のパンク・ロックバンドのザ・スター・クラブ(THE STAR CLUB)の17thアルバム「PYROMANIAC」とベストアルバム「KITTY MISSILES」、ハワード・ハミルトン(Howard Hamilton)のソロプロジェクトであるビジー・シグナルズ(The Busy Signals)の2ndアルバム「Pretend Hits」、シンガーソングライターのマシュー・スウィート(Matthew Sweet)の日本企画アルバム「キミがスキ・ライフ」、ジャズドラマーのジム・ブラック(Jim Black)の2ndアルバム「Splay」や5thアルバム「Houseplant」、日本のロックバンドのブラッドサースティ・ブッチャーズ(bloodthirsty butchers)の9thアルバム「banging the drum」と10thアルバム「ギタリストを殺さないで」、日本のガールズバンド ヌードルス(noodles)のアルバム「I'm not chic」、オルタナティヴ・ロックバンド ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)のEP「Sleepless Night」など、作品は枚挙にいとまがない。その多くを彼らしい柔らかな色とタッチで描いており、アート作品としてコレクションするのもいいだろう。

田名網敬一

 独特な色彩のサイケデリックな作風で、半世紀以上も活動するグラフィックデザイナーでありイラストレーターの田名網敬一は、古くからミュージシャンと協業していた稀有な人物だ。1967年にサイケデリック文化を象徴するロックバンドのジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane)がリリースした3rdアルバム「After Bathing at Baxter’s」(日本盤)、1967年にポップバンドのモンキーズ(The Monkees)がリリースした4th「Pisces,Aquarius, Capricorn & Jones Ltd」(日本盤)、1968年にロックバンドのザ・モップスがリリースした1st「サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン」を担当している。最も有名な作品は、ロックバンドのスーパーカー(SUPERCAR)が2004年にリリースした5th『ANSWER』だろう。

 田名網はさらに1997年にロシアのエレクトロミュージックの先駆者ソーラー・X(Solar X)がリリースしたアルバム「Xrated」の2018年の再発盤を、19年にGENERATIONS from EXILE TRIBEがリリースした5th「SHONEN CHRONICLE」を、21年に八代亜紀がリリースしたベストアルバム『八代亜紀ベストヒット』を彩っている。また同氏はここ数年「ユニクロ(UNIQLO)」「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ステューシー(STUSSY)」とのコラボなどアートの領域を越えて活動している。

横尾忠則

現代美術の巨匠である横尾忠則は、細野晴臣が1978年にリリースした5thアルバム「COCHIN MOON」のアートワークを制作した。アジアの異国情緒が漂う同作は、両氏が1カ月近くを共にしたインドの旅に着想しているそうで、収録曲からもインドを感じさせるシンセサウンドが盛り込まれている。またイエロー・マジック・オーケストラ(Yellow Magic Orchestra)は当初、横尾を加えた4人組の構想があったという逸話があり、細野のアーティスト写真を横尾が描いたこともある。ほかにもジャズトランペット奏者のマイルス・デイヴィス(Miles Davis)の1975年の大阪公演を収録した「Agharta」、ラテンバンドのサンタナ(Santana)の1973年の大阪公演を収録した「Lotus」(22面という超巨大作品)、桃井かおりが1982年にリリースした9th「おもしろ遊戯」、日本のヘヴィメタルバンドのラウドネス(LOUDNESS)が1992年にリリースした10th「LOUDNESS」、立花ハジメが2002年にリリースした「The End」なども手掛けた。

長岡秀星

故・長岡秀星が制作したのは、TikTokの影響で人気が再燃しているファンクミュージック・バンドのアース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)の8thアルバム「All 'N All」や9th「I Am」だ。同氏は1970年に渡米してから約35年間、ハリウッドを拠点にアートワークや映画広告などの分野で活躍した。ほかにも、カーペンターズ(Carpenters)が1973年にリリースした5th「Now & Then」や、ディープ・パープル(Deep Purple)が1978年にリリースしたコンピレーション「When We Rock, We Rock, and When We Roll, We Roll」など、多くの大物を顧客として抱えていた。

草間彌生

現代芸術家の草間彌生も、実はCDのアートワークを手掛けた経験がある。その作品は、ダンスミュージック界のレジェンドであるテイ・トウワ(TOWA TEI)が2013年にリリースした7thアルバム「LUCKY」だ。草間がアートワークのために作品を描き下ろすのはこれが初めてで、同氏のアイコニックな水玉模様を引用した鮮やかな作品に仕上がっている。CDを購入しないとアートワークの全貌を見ることができない仕掛けになっていた。

空山基

「ディオール(DIOR)」2019年プレ・フォール・メンズ・コレクションで披露した巨大な「セクシーロボット」を手掛けた空山基といえば、エアロスミス(Aerosmith)が2001年にリリースした13thアルバム「Just Push Play」のアートワークだろう。同作をはじめ、空山の作品は「セクシーロボット」がモチーフになることが多い。ヘヴィーメタルバンドのオートグラフ(AUTOGRAPH)が1985年にリリースした2nd「THAT'S THE STUFF」をはじめ、作曲家の冨田勲が2014年にリリースしたBlu-rayディスク「イーハトーヴ交響曲」、声優の上坂すみれが15年にリリースした6thシングル「Inner Urge」、大沢伸一とRHYMEによるRHYME SOが19年にリリースしたデビューシングル「Just Used Music Again」、ラッパーのタイガ(Tyga)が18年にリリースした6th「Kyoto」、R&Bシンガーのニキ(NIKI)が19年にリリースしたシングル「Indigo」、ニューヨークを拠点とする気鋭音楽レーベルの88ライジング(88RISING)が19年にリリースしたコンピレーション「HEAD IN THE CLOUDS II」などに登場している。「セクシーロボット」は特にストリートファッションとの親和性が高く、88ライジングはたびたびコラボコレクションをリリースしている。

VERDY

「ガールズ ドント クライ(GIRLS DON'T CRY)」でおなじみのグラフィックアーティスト VERDYも数々のアートワークを手掛けている。同氏はこの記事で紹介してきたアーティストの中ではヒップホップ系に強く、ラッパーのメイドインTYO(MadeinTYO)が2018年にリリースしたデビューアルバム「Sincerely, Tokyo」、ヴィンス・ステイプルズ(Vince Staples)が18年にリリースした3rd「FM!」、韓国のアイドルグループ2PMの元メンバーでラッパーのパク・ジェボム(Jay Park)が19年にリリースした5th「The Road Less Traveled」、ジェイピー・ザ・ウェイビー(JP THE WAVY)が20年にリリースしたデビュー作「LIFE IS WAVY」などを担当。どれもVERDYらしいポップな仕上がりで、その特性からグッズにも採用されて商品化することも多い。

GUCCIMAZE

鋭くスピード感を帯びた立体的なタイポグラフィや、どこかダークさが漂う色彩のグラフィックを得意とするのがグッチメイズ(GUCCIMAZE)だ。彼はラッパーのニッキー・ミナージュ(Nicki Minaj)が2018年にリリースした4thアルバム「Queen」のタイポグラフィを担当した。当時まだ無名だったグッチメイズにSNS経由で制作依頼が届き、フリーランスデビューを飾る仕事としてアメリカンドリームをつかみ取ったのだ。ほかにも音楽プロデューサーのフライング・ロータス(Flying Lotus)が19年にリリースした6th「Flamagra」にタイトルロゴを提供したり、ヒップホップクルーのイエンタウン(YENTOWN)のメンバーでラッパーのPETZが19年にリリースした1st「COSMOS」のディレクションを行ったりしている。

K2

 最後は新進気鋭のアーティストのK2だ。彼はiPadで描くSF風デジタルアートが特徴で、ツイッターに投稿していたファンアートをきっかけにUSラッパーから引っ張りだこの19歳だ。ここ1~2年だけでも数多くの作品を手掛けており、トリッピー・レッド(Trippie Redd)が2021年にリリースした3rdアルバム「Neon shark vs Pegasus」、イアン・ディオール(Iann Dior)が21年にリリースしたシングル「Still Here」、エヌジーワイエル(NGeeYL)とリル・ウージー・ヴァート(Lil Uzi Vert)が21年にリリースしたシングル「Off-White」、ヤング・サグ(Young Thug)が21年にリリースした2ndアルバム「PUNK」を担当している。日本のラッパーでは、空音が20年にリリースした3rd「Treasure Box」や、LEXが21年にリリースした4th「LOGIC」、百足(むかで)が21年にリリースした3rd「Episode Ⅲ」を制作している。

 これまで紹介した10人のほかにも、倉石一樹によるイアン・ブラウン(Ian Brown)の「MY WAY」、大竹伸朗によるEGO-WRAPPIN'の「On The Rocks!」、井上嗣也によるサカナクションの「多分、風。」、オートモアイ(AUTO MOAI)によるキキ ヴィヴィ リリー(kiki vivi lily)の「Tasty」など、アーティスト×ミュージシャンの協業は書ききれないほどあるので、お気に入りのアートワークを探ってみてはどうだろうか。

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銀座出店に続き神戸本店を拡張移転 ヘアサロン「スクリーン」がコロナ禍でも挑戦を続ける原動力とは

 兵庫県・神戸で2014年に創業したヘアサロン「スクリーン(SCREEN)」は、昨年6月の東京・銀座出店に続き、今年秋に神戸にある本店を拡張移転した。神谷翼代表取締役とKAORI代表、福井優生マネージャーの3人で立ち上げてから7年。来春には新しいメンバーを迎え、33人の体制になる。コロナ禍で先が読みにくく、出店や採用を躊躇するヘアサロンが多い中でも果敢に挑戦する「スクリーン」は、今最も勢いのあるヘアサロンの一つだ。厳しい状況でも挑戦し続ける原動力を神谷代表取締役と、KAORI代表に聞いた。

WWD:コロナ禍にも関わらず、2年連続の出店と拡張移転となりました。どのぐらい前から本店の移転を考えていましたか。

神谷翼代表取締役(以下、神谷):正直にいうと4年ほど前から考えていました。移転前の本店は1階と2階の2フロアの店舗でしたが、スタッフが増えかなり手狭になっていました。けれども7年半前に3人でオープンしたお店には思い入れがありましたし、心の底から気に入った物件が見つからない限り変えたくないという強い思いがありました。そんなときにこの物件が見つかりました。

WWD:拡張移転先は神戸を代表する街並み、旧居留地ですね。

神谷代表:この物件に出合ったのは銀座店をちょうどオープンした去年の4月ごろ。店舗が面する大丸神戸店の裏側の通りは、僕が神戸を訪れてこの場所で0からお店を始めたいと思った場所です。いつかはこの通り沿いに出店したいという思いがありました。けれども銀座店のオープンや新型コロナウイルスが流行し始めた直後だったので、物件は気に入ったもののすぐには決断できませんでした。

心が離れやすい今だからこそ
みんなで一緒に働ける場所を作りたい

WWD:それでも今回の拡張移転を決断したのはなぜ。

神谷代表:まずは銀座店の形を作って、相乗効果で神戸を盛り上げて結果が出たら決断しようと思っていました。コロナ禍でスタートした銀座店は、僕たちの予想以上にたくさんのお客さまに支持していただき、早い段階で形ができました。スタッフを数人銀座店に移動させたので穴はできたものの、銀座のメンバーが頑張っている分、神戸のメンバーも触発されたようで、神戸本店の売り上げは落ちるどころか好調でした。美容業はお客さまから本当に必要とされる仕事だと実感できました。

 それでもコロナ禍がいつ終息するか分からない中、決断には勇気がいりましたね。最後の最後まで僕たちの始まりの場所をなくしてもいいのかも悩みました。けれども、本店のキャパシティーでは僕やKAORIのお客さまで席が埋まってしまうこともあり、「スクリーン」で頑張ってくれているスタッフたちのこれからのチャンスを広げるためにも未来を見据えて決断しました。

KAORI代表(以下、KAORI):最初のお店を残して、もう1店舗出店するという方法も考えました。けれども、こんな時代だからこそ、本店を移転してリセットしてでもみんなが集まってチームで仕事をした方が強いのかなと結論が出ました。人と人との距離が開いて、気持ちが離れやすい今、バラバラで働くよりも一箇所に集まった方がパワーが集まるはずです。心をもう一度通わせ合うためのリスタートの場所という意味を持たせた時に、本店を移転するということに納得ができました。

神谷代表:新店舗の出店や移転はスタッフへのサプライズという意味も大きいです。一番身近な彼ら・彼女らが、どこに出店したら一番驚くのか、どんなお店に作り上げたら喜んでくれるのか。常に考えています。本店の拡張移転は、ギリギリまで悩んで物件を契約した3日後に発表しました。スタッフの中には「本店をなくしてまで……」と思った子もいるかもしれません。それでもたくさんの選択によって今があるんです。何かを大きく変えるときには失うものもあるけれど、失うことでまた大きなチャンスが生まれるはずです。僕らが美容師としての本質を変えなければ、失うものはないんだと思います。

不安定な状況でも
これまでの積み重ねがあるから決断できる

WWD:昨年の新卒入社のスタッフを含めて、「スクリーン」全スタッフがリアルで集まったのは新店舗のお披露目の時が初めてだったとか。

KAORI:神戸と銀座の店舗を、スタッフを行き来させたいという思いはあります。体調管理をして、PCR検査をしながら、探り探りです。会えない時間が長い今だからこそ、私たちは美容師という仕事をしているからこそ、人との繋がりや思いを大切にし続けることは欠かせません。それをスタッフも意識してくれていて、今回みんなが集合できたことで一緒に働くことの価値を高めていけたらいいですよね。
 
神谷:3人でスタートした「スクリーン」のスタッフがどんどん増えていることに喜びがあります。集合写真を撮るときに、一人一人は小さくなってしまうけれども、幅が増えていることがすごく嬉しくてチームの活力になっています。コロナ禍で安心安全を重視して、コンパクトにやらなければいけないことも重々分かっていますが、今回拡張移転を決断したように、自分たちが一番大切にすべきものを、最も形にしやすい手段を今は取るべきだと考えています。

WWD:本店移転は「スクリーン」にとって大きな意味合いがありますね。

神谷:コロナ禍でも銀座店をオープンして、今回の拡張移転ができたのは、本当にお客さまのおかげです。「強く展開するね」「思い切りがある」と言われることもありますが、僕らはものすごく悩んでいます。それでも一時的な思いつきではなく、毎日1つ1つの積み重ねをすることで今が成り立っているんです。不安定なコロナ禍でも、毎日お客さまが来てくださることに勇気をもらっています。そして、僕たちについてきてくれるスタッフにも背中を押してもらっています。僕らだけではこれからの「スクリーン」は作れない。「スクリーン」の第2章が始まります。

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手仕事を大事にする若きデザイナー 東京・下高井戸発「レットルース」

 1994年生まれの安田光作デザイナーが手掛ける「レットルース(LET LOOSE)」は、ロゴやグラフィックを載せたTシャツやポロシャツ、フーディーから、クッションやキャンドルなどのグッズまでを扱うファッションブランドだ。販路は公式ECと年に数回の受注会のみだが、3月には伊勢丹新宿本店メンズ館でポップアップを実施するなど、知名度を着実に上げている。

 同ブランド最大の特徴は、手仕事へのこだわりだ。ファッションブランドの大半は商品の量産を工場に依頼するが、安田デザイナーは生地・資材の購入から裁断、縫製まで、量産も一人で行っている。1シーズンの生産量は400着前後で、「朝起きて、裁断して、縫っての繰り返しです」。

 そんな安田デザイナーに、自宅兼アトリエのある下高井戸で話を聞いた。誰もが手軽に物が作れる時代に、手間と時間をかける裏には、どのような思いがあるのか。

はじまりは、一枚のCD

WWD:服が好きになったきっかけは?

安田光作デザイナー(以下、安田):小学生のころ、10歳上の姉にRHYMESTER(ライムスター)のCDを渡されて、ヒップホップに傾倒しました。周りにヒップホップ好きがいなくて、自分でミックスした音源を1枚500円とかで売ってたくらいです。父もジャズが大好きで、音楽にどっぷり浸かりました。その流れでファッションにも興味を持って、いろんな服に袖を通しました。おばあちゃんが呉服店を営んでいたから、さまざま生地が身近にありました。

WWD:高校卒業後、服飾学校に入った?

安田:最初は4年制の大学に入りました。父がフリーランスのライターだったこともあり、母親から「あなたは定職に就きなさい」と口すっぱく言われていて。でも、すごく退屈でした。そんな中、原宿に買い物に行ったとき、友達から「光作、服好きだし、作ってほしいな」と言われて。妙に納得して、数日後には退学届を出して、文化(文化服装学院)への入学手続きをしました。

WWD:文化での生活はどうだった?

安田:3年制に入学し、2年目からデザイン科に入りました。でも、「デザインってその人の感性だから、勉強するものなんだろうか」と感じ、3年目にアパレル技術科に転科しました。パターンを引いたり、縫製したり、“手に職”って感じで、デザインを学ぶよりずっと面白かったです。

誰かが自分の洋服に
価値を見出してくれる。
それがすごくうれしかった

WWD:「レットルース」立ち上げはいつ?

安田:文化の1年のときに始めました。Tシャツにシルクスクリーンで刷って、ECの「BASE」で販売していました。1枚5000円くらいだったかな?量は作っていなかったけれど、誰かが自分の洋服に価値を見出してくれて、お金を払ってくれるのはすごくうれしかった。今もそれが根底にあります。

WWD:他ブランドでの経験は?

安田:文化を卒業して「ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)」で働きました。布帛やニット、カットソー、グッズと部門が分かれていて、僕はカットソーの企画担当。ブランド運営を学ぶ大事な機会になった一方で、「自分のものづくりがしたい」という気持ちが強くなり、1年で独立しました。

WWD:安田デザイナーの目指すものづくりとは?

安田:手仕事を大事にしたものづくりです。例えば陶芸家だったら、どんなものを作るか考えて、粘土を成型して、焼いて、自分で完成させる。料理家も、自分で材料を買って、下ごしらえして、調理して、提供する。外部に任せる方がもちろん効率はいいし、ビジネスとしては正解かもしれない。でも、ものづくりが好きだから、全ての工程に自分の手を加えたいんです。

WWD:ブランド規模が大きくなると、自分で量産するのは難しいのでは?

安田:正直、すでにギリギリです(笑)。でも、そもそもブランドを大きくしたいとか、バズりたいとは思ってないから、できるだけ今のスタンスは貫きたい。仮に大きくなっても、ロゴTのシルクスクリーンだけは絶対に自分で刷り続けたいです。

WWD:クッションやキャンドルなどのグッズも手掛けている。

安田:こういう雰囲気のブランドでグッズまで作るところってあんまりないので、意図的にアイテムの幅を広げています。ほかと同じことをやっても仕方ないですからね。実はクッションってTシャツよりも手間が掛かって、工場に頼むと発注数のミニマムも増える。でも僕は自分で縫うから、ミニマムとか関係なく提案できる。クリエイションに自由が効くのは、「レットルース」の強みかもしれません。

WWD:伊勢丹のポップアップも大きな反響だった。出店の経緯は?

安田:伊勢丹の担当者から「ポップアップやらない?」と声をかけられました。これまで受注会は、自分が好きなエリアでしかやったことがなかったので、思い切って挑戦しました。11月には、日本橋のヒューマンネイチャーというワイン屋で受注型のポップアップをやりました。地方から来てくれる人もいて、すごくうれしかったです。ポップアップで交流できるのはとても楽しいし、励みになりますね。

小さい規模でもいい
周りの人に「いいもの作ってるね」と言われたい

WWD:卸売りは考えている?

安田:悩んでます。卸をやるなら、むしろ自分でお店をやりたいかな、とか。自分がコントロールできる範囲で、地に足つけて発信したいんです。それと、ネットがあればどこでも買える時代だからこそ、特別感を大事にしたくて。直営のECと受注会でしか買えず、そもそも数に限りがあることがブランドの価値につながっているから、当分はこのやり方を続けると思います。

WWD:今後の展望は?

安田:世田線沿いにアトリエ兼事務所を構えたいです。自宅が手狭になってきたから、もう少しゆったりした空間が欲しい。知り合いはもちろん、予約制でお客さんも入れるスタイルで、来年にでも実現したいですね。あとは、実直にアイテムを作るだけです。小さい規模でもいいから、周りの人に「いいもの作ってるね」と言われ続けたいです。

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「ユニクロ」×「JWアンダーソン」21-22年秋冬 「ピーターラビット」のAR絵本の販促がかわいい!

 「ユニクロ(UNIQLO)」は12月3日に、英国発のファッションブランド「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」とのコラボコレクション「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン(UNIQLO AND JW ANDERSON)」の2021-22年秋冬物を発売します。毎シーズン恒例となっている同コラボですが、今季の注目は、世界中で愛されている英国発の絵本「ピーターラビットのおはなし」の世界観を取り入れている点。キャラクターの柄をプリントしたアイテムを販売するのはもちろんですが、販促面でも絵本をうまく生かして面白い仕掛けを行っているのでご紹介します。

 面白い仕掛けとは “デジタルコレクションブック”のこと。スマートフォンで同コレクションブックにアクセスすると、スマホのカメラ越しの画像の中にAR(拡張現実)で「ピーターラビット」の飛び出す絵本が立ち上がります。「ARなんて今時珍しくもなんともない」と思われる方も多いかもしれません。その通りです。しかし、珍しいかどうかといった話ではなく、とにかくとてもかわいいのです!

 「そもそも『ピーターラビット』自体がかわいいのだから、それを使っていれば魅力あるコンテンツになって当然」とも言われてしまいそうですが、「ピーターラビット」自体の魅力に加えて、飛び出す絵本というフォーマットとARとの相性の良さをうまく生かした仕掛けだなと思います。飛び出す絵本の中には、ウサギたちに混じってコラボコレクションを着用したモデルの画像も組み込まれており、それをクリックすると同コラボの特設サイトに飛ぶ仕組み。そこで公開されているコレクションムービーも、絵本の世界(イギリスの田舎の農園)を思わせるものです。

 商品そのものだけでなく、ブランドとしてコミュニケーションや世界観全体が魅力的でないと商品は売れないというのはもはやファッションを売る際の常識ですが(そしてそれら全てを統括するのがいわゆるクリエイティブ・ディレクター職ですが)、改めてその常識に思いを馳せた次第です。コラボ乱立の時代、「ユニクロ」内だけでも今秋冬は「+J」「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTENEERING)」「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」など話題のコラボが目白押し。その中で、毎シーズン恒例の「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン」は相対的にインパクトがやや小さくなっているように感じていたのですが、だからこそこういう仕掛けって大切ですね。

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発売直前、ユニクロ「+J」21-22年秋冬 ジル・サンダー氏と柳井正会長に6つの質問

 ユニクロは11月12日の「+J」2021-22年秋冬コレクションの発売に合わせて、「+J」を手掛けるデザイナーのジル・サンダー(Jil Sander)氏と、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長への一問一答を公開した。「+J」は09年にスタートし、休止期間を経て9年ぶり20-21年年秋冬に復活。21-22年秋冬をもって再度休止することが決まっている。

Q1. 09年〜11年の「+J」の“第1章”と、20年からの“第2章”との間で、自身や「+J」、ユニクロの変化した点、変わらない点は何か。

ジル・サンダー(以下、サンダー):09年の時点で、ユニクロは「+J」を成功させるための最高の品質、素材に対する研究、優れた職人技術に基づく生産ノウハウや物流の仕組みを持っていた。その後ユニクロは世界中に店舗を持つ真のグローバル企業へと大きく成長し、大量生産と高い品質は両立できると証明した。20年に「+J」を再開すると同時にコレクションもより磨かれ、世界中の多くのお客さまにリーチできたのはとても嬉しいこと。「+J」がミッションとしてきた、モダンでグローバルなユニフォームと新たな価値、スマートかつ控えめで丁寧に作られた現代的なシルエットをお客さまに提供できたことは、私にとって大きな喜びだ。

 ユニクロのチームは年々、よりプロフェッショナルになっている。彼らはコラボ当初から非常に気配りがあり、新しい手法を生み出すことにとても協力的だった。私は日本の文化や日本人の仕事に対する向き合い方、品質へのこだわり、高い要求に応えようとする姿勢、革新しようとする意欲、必要に応じてゼロからの出発もいとわないあり方に、強い親近感を抱いている。

柳井正ファーストリテイリング会長兼社長(以下、柳井):サンダーさんの指摘の通り、変化した点はユニクロのビジネス規模だ。09年当時にユニクロが出店していた国・地域は8つだったが、20年には25にまで広がった。また、ユニクロの品質やサービスに対するお客さまからの信頼も、よい方向へと変わっているのではないかと自負している。

 一方で不変なことは、サンダーさんの服作りへの情熱、クオリティーへの探求心、そして時代を捉える鋭い感覚だ。ユニクロも、お客さまの声に応えるためにあらゆる努力を行う姿勢は創業以来不変のものだ。それがクオリティーやサービスの追求につながっている。 サンダーさんと長きにわたるコラボレーションが実現できたのも、お互いの基本的な理念に一致点が多かったからではないかと考えている。

Q2. 復活以降の3シーズン(20-21年秋冬、21年春夏、21-22年秋冬)で、最も心に残っている商品は何か。

サンダー:何年にもわたって私たちがデザインしてきた、すばらしいコートのコレクションが特に好きだ。時代を超越したモダンさや主張のある品質、そしてユニクロの力によって実現した手に取りやすい価格帯が気に入っている。

柳井:ダウンをモダンにアップデートしていただいたことが印象に残っている。また、サンダーさんならではのニットのバリエーションとディテールに感動し、個人的に何枚も購入した。この先も長年愛用していくことになるだろう。

「ユニクロのチームは年々プロフェッショナルになっている」(サンダー氏)

Q3. お互いについてどう思っているか。

サンダー:柳井さんには間違いなく先見の明がある。常に進化を続け、より高い目標に取り組み、同時代の人々のニーズや要望を研究して常に予測をしてきた最高の企業家だ。「+J」という大胆なコンセプトを実現するためのパートナーとして彼と出会えたことは、私にとって大きな幸運だった。私が見る限り、柳井さんは起業した当初と変わらず誠実で良心的な人だと思う。彼の頭の中には、早くからサクセスストーリーがあって、自分の信じる道を決して疑わなかったのだろうと思う。

柳井:ユニクロの理念の一つに「Simple Made Better」という言葉がある。サンダーさんはまさにそうした考え方の先駆者だが、シンプルで美しい服というものは、細部への飽くなきこだわりがないと成立しない。私たちはサンダーさんと取り組むことで、そのことを確信した。サンダーさんはたぐいまれな美意識と情熱を持った天才であると同時に、タイムレスかつ究極のスタイルを長年創り続けることがきる唯一無二の人だと思う。

Q4. コロナのパンデミックでは何を思い、何を感じたか。

サンダー:自然の大切さをより感じた。田舎ではコロナ禍中も自由に動けるし、庭の美しさは私たちを楽観的な気持ちにしてくれる。植物の世話をしたり、森や草原を長く散歩したりするのはよいことだと感じている。コロナによって私たちは東京に行くことできず、コレクションは全てデジタルベースで作られたが、結果的にオンラインでの仕事は大きな問題にはならず、うまく進んだ。ユニクロとわれわれが継続的にコラボレーションを重ねてきて、お互いのチームが親密だったからこそできたのだと思う。私たちはお互いをよく知っており、信頼し合っている。「+J」に取り組むことで私は集中力を維持することができ、コロナ禍がもたらした精神的・社会的な変化について考えることができた。この期間を通して、私たちは恵まれた文明と、困難な挑戦から抜け出すために蓄積したノウハウに、より謙虚に感謝するようになった。

柳井:コロナの蔓延により、世界が深くつながっていることを改めて認識した。 世界中のほとんどの企業は、この危機をチャンスと捉えることができるか問われたのではないか。(コロナ禍を通し)うわべだけのものは通用せず、本質的なものがさらに求められるようになった。

「いつかまた一緒に世界をワクワクさせたい」(柳井会長)

Q5. 09年以降の12年間の関係において、お互いに得たもの、未来に生かしたいものは何か。

サンダー:私にとって「+J」プロジェクトとは、ハイファッションでの経験を生かした品質と、洗練されたデザインを備えた魅力的でモダンなユニフォームを、目の肥えた現代的なお客さまに提供することだった。 そして、服を通して、世界中の人々が自己肯定感を持ち、共通の目標に取り組めるようサポートしていくことを目的としていた。非常に要求の多いコレクションを、ユニクロがすばやいスピードで世界規模で生産することができたのは、私にとって非常にうれしい驚きだった。

柳井:サンダーさんのビジョンとハイファッションでのノウハウを、ユニクロの品質へのこだわりと生産力をもって民主化したものが「+J」だと考えている。サンダーさんの本質を世界のあらゆるお客さまにお届けできたことは、ユニクロにとって大きな自信となった。サンダーさんの服作りに対する真摯な姿勢を今後も忘れることなく、私たちのさらなる成長の糧にしたいと考えている。

Q6. 最後に、お互いにエールとなる一言を。

サンダー:これからも柳井さんのアイデアにはずっと注目していくと思う。そして、柳井さんがグローバルなビジョンをさらに発展させてくれると確信している。柳井さんが私や私のチームを信頼してくれたこと、そうした信頼を通して生まれたすばらしいコラボレーションに感謝すると共に、柳井さんの今後の活躍を祈っている。今、私たちは一つの章を閉じるが、未来がどういったものになるのか楽しみにしている。

柳井:サンダーさんのあふれんばかりの情熱やクリエイティビティーが、今後どこに向かっていくのか非常に興味がある。サンダーさんのクリエイションはタイムレスだが、さらに新しいものを創造していかれることを期待せずにはいられない。そして、いつかまた一緒に世界をワクワクさせたいと思っている。

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「ミキオサカベ」が手に入れた“背中のミニマリズム” やわらかな光に包まれた2022年春夏リアルショー

 坂部三樹郎による「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」が2022年春夏コレクションを発表した。会場は、東京・新大久保にあるウェスレアン・ホーリネス教団の淀橋教会。場内にはスモークが充満し、光がやわらかく差し込む神々しい空間に、バイヤーやジャーナリストなどの関係者と、坂部デザイナーが開講するファッションスクール「ミー(me)」の生徒が多数集まった。道路標識のモチーフをのせたボディスーツで開幕し、複数のモデルが交差点のように入り混じる演出で、約50のスタイルを披露した。

 テーマは“ミニマリズム”。ここ数シーズン、坂部デザイナーが手掛けるエアソールのシューズ「グラウンズ(GROUNDS)」をスタイルの軸に据え、装飾やシェイプをアレンジするコレクションに集中してきた坂部デザイナーだが、「そのやり方に飽きてしまって。ルック数体ではなく、コレクションの全体像をガラッと変えるために、このテーマにした」という。

 コレクションの主役は、ジャケットやシャツの前開きをなくし、前後両面を“背中”にしたトップスだ。「背中には、最も自然でミニマルなデザインが宿っている」と考え、襟ぐりやセンターベント、ヨーク、ボックスプリーツなど「背中のミニマリズム」を押し出した。装飾とディテールが少ない分、肩のシェイプを誇張し、構築的なボックスシルエットを採用。これらを、インナーとボトムス、ネックレスという最小限のスタイリングで、色や柄、素材を変えながら約50のルックに落とし込む。いつもよりルックを増やしたのは、“背中のミニマリズム”という違和感のある衣装を「日常的に見せたかったから」。全てのモデルが「グラウンズ」を着用したが、“シューズを見せる”という意識から解放され、スタイルの力みがとれたように思う。

 新たなデザインアプローチを見出した坂部デザイナーは、いつもよりランウエイを楽しんでいるように見えた。作り手のワクワクは、受け手にも伝わる。「手に取りたい」と素直に思うコレクションだった。

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「アツシ ナカシマ」が東京駅でリアルショー 色とスタイル、“意識”と“無意識”が入り混じる2022年春夏

 中島篤が手掛ける「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」は、2022年春夏コレクションを東京で発表した。東京駅八重洲口のグランルーフを舞台に、30以上のルックを披露した。

 シーズンテーマは“SUBCONCIOUS(=潜在意識)”。冒頭は、“意識”と“無意識”を象徴するように、白と黒のコントラストが際立つスタイルを押し出した。彼自身の頭文字の“A”と“N”を幾何学的に配置したモノグラムを、ラッフルやプリーツのみのシンプルなワンピースやクレリックシャツ、プルオーバースエットとショーツのセットアップなどに落とし込んだ。レザーパンツやコットンのライダースジャケットなどでロックなテイストを盛り込んだほか、フラッグチェックとストライプを切り替えたトリックアートのような柄も加え、白と黒の世界を強調した。

 今シーズンは、同ブランドでは珍しくミリタリースタイルも披露した。ガンフラップやチンストラップなど、ミリタリーディテールをふんだんに取り入れたコートにはじまり、ステッチワークでナポレオンジャケットを表現したミニワンピや、カーキとグレーのカラーパレットだけを残したTシャツなど、徐々に要素を削いでミニマルに転換。その後、メタリックな素材やラメ加工、“CYBORG“の文字をあしらった直球なグラフィクなどで、近未来なワークスタイルに発展させた。

 終盤は、深い紫や緑、黄などが入り混じるサイケなカラーパレットと、カオスな脳内を表現したようなグラフィックで、テーマの“潜在意識”をストレートに伝えた。ラスト3ルックは、ドレープやフリルを無数に重ねたボリューミーなドレスを連打し、得意とするオートクチュールのスキルを見せつけた。

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「マルジェラ」は楽しみを“夢想”し、「シャッツィ・チェン」は“今を楽しむ” 日本からもパリコレVol.7

 2022年春夏シーズンのパリ・ファッション・ウイークが開催中。現地スタッフのリアルショーやイベント取材に加え、日本のスタッフもデジタルショーを中心にレビューします。

退廃的な世界でも楽しみを見出す「メゾン マルジェラ」

 「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は、“ユートピアンユース(夢想家の若者たち)”をイメージしたコレクションを披露しました。映像には、水辺で子どものように遊ぶ船乗りや、地割れした路上ではしゃぐ若者たち、モヤがかかる森で音楽を楽しむ男女が登場。退廃的な世界でも希望を捨てず、楽しみを見出す若者のエネルギーを伝えます。スタジオの裏側までを見せてクラフト感を押し出すことで、重すぎないムードに仕上げたのも好印象です。

 ウエアは、ウールコートにデニムジャケットを貼り付けたり、トワレドレスの上にカラフルなチュールを重ねたりと、クラシックなアイテムに若者も着慣れたアイテムを合わせるミックススタイル。行き過ぎた文明化や自然への欲望を反映したのか、ニットや下着、ソックスには動物のアイコンを刺しゅうし、ヘリンボーンコートやチュールドレスには羽根飾りを縫い付けるなど、自然のモチーフをふんだんに取り入れました。鳥がついばんでほつれたようなドレスや、時の経過を表現するため酵素で退色させたテキスタイルなど、細部も作り込んでいます。シューズとバッグに多用したビビッドなイエローとブルーは、古き良きフィッシャーマンをイメージしたもの。太ももまで隠れたロングブーツは、たしかに漁師っぽいです。

 リアルではなくデジタルで、しかもダークな世界観の映像。クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノ(John Galliano)は、まだまだ社会を楽観視していないようですね。それでも彼のクリエイションには、「手に取りたい」と思わせる仕掛けと、メッセージを伝えるディレクションセンスが詰まっていました。

「今、この瞬間の輝き」をサーカスショーに見立てた「シャッツィ・チェン」

 1978年に台湾で誕生した「シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)」は、サーカスショーをイメージした映像をオンライン配信しました。ディレクターのワン・チェン(Wang Chen)が「私たちは、今、この瞬間も輝いている。バランスを必要とせず、喜んで冒険する」と語る通り、厳しい状況でも今を楽しむメッセージが詰まったコレクションでした。

 コレクションのベースは、ブロケードを使ったテーラードジャケットやドレープが際立つハイウエストパンツ、シルクのドレスなど、エレガントな素材とシルエットのアイテムたち。そこにフリルシャツやシルクハット、ピンヒール、コルセット、ダイヤチェックなど、西洋のサーカス衣装に着想したアイテムと柄を加えました。虎のグラフィックや火の玉のイラスト、曲芸師のパフォーマンスなど、東洋を連想するディテールや演出も差し込み、多様な地域と人種をミックスします。さらにラッパや星、丸、三角、四角のアイコンなど、子ども時代に楽しんだおもちゃや図形を手書き風のイラストに落とし込んで、“今の楽しさ”を強調しました。

 あくまで“夢想”と説明する「メゾン マルジェラ」とは対照的に、“今を楽しむ”と明言した「シャッツィ・チェン」。メッセージは異なるのに、映像のムードが似通っていたのが面白かったです。

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“人と服の関係性”を掘り下げた「ユマ ワン」と「ゴシェール」 日本からもパリコレvol.3

 2022年春夏のファッションウイークは、いよいよパリへ。リアルとデジタルが入れ混じるコレクションがスタートしました。欧州駐在スタッフによるパリ現地からの生のリポートとともに、日本の編集部からもデジタルでパリコレに参加し、レビューをお届けします。

「ユマ ワン」の“ソウルメイト”
のように安心できる服

 「ユマ ワン(UMA WANG)」は2009年に中国で誕生し、11年にミラノ、17年からパリでコレクションを発表しているウィメンズブランド。布帛素材を使ったドレープやザラついたテクスチャー、中東やアジア、中世ヨーロッパなどに着想した独自のグラフィックが特徴です。

 今シーズンのテーマは“プラトニック ラブ”。デザイナーのユマ・ワンは、「洋服はあなたを強くし、どんな状況でも快適に過ごせるようにサポートする“忠実な仲間”」と語り、「着る人のソウルメイトになるような」コレクションを目指しました。ウエアは、ルネサンス期の油絵に使われるようなフォレストグリーンやダスティピンク、ブラウンなどのアースカラーをベースに、大小異なるダイヤモンドチェックや壁画のようなグラフィック、荒く斑点の目立つテキスタイルに落とし込んでいきます。腰や肩周りがゆったりしたシルエットで、毎日着られそうなエフォートレスなアイテムが多めですが、大きくドレープした前身頃や目深なハットで上品さもキープ。プルオーバーのワンピースなのに襟はピークドラペルのようになっていたり、ロングシャツのネックは後ろ襟をくり抜いた実験的な作りだったりと、よく見ると遊び心もあります。安心感もありながら、毎日来ても飽きのこないクリエイション。たしかに、こんな洋服がクローゼットにあったら心強いですね。

「ゴシェール」の
“流動的で、鎧のような”
テーラード

 ドイツ人デザイナーのマリー=クリスティーヌ・スタッツ(Marie-Christine Statz)が手掛ける「ゴシェール(GAUCHERE)」も、人と服の関係性を掘り下げたコレクションでした。クリエイションの出発点は、パリ・ガリエラ美術館(Palais Galliera)のディレクターであるミレン・アルザリュース(Miren Arzalluz)との会話。洋服を「流動的で、いんぺいされ、解放される鎧」と語る彼女のナレーションをBGMにして、同美術館の敷地や廊下、屋上で撮影した映像を披露しました。

 ナレーションの通り、コレクションは軽やかになびくテーラードスタイルの連続。カッティングとドレープを駆使して生地を体に密着させたり、逆にゆとりをもたせたりと、カッチリしすぎないムードです。インナーは極細のチューブトップを合わせたり、背中をざっくりとくりぬいたりと、マスキュリンなムードの中で女性らしさも強調。ブラックやネイビーで重くなりそうなところに、宮殿のようなくすんだイエローやビビッドなグリーンも挟んで、ナチュラさとキャッチーさも加えました。「ユマ ワン」と同じく哲学的なクリエイションでしたが、ナレーションとウエアが合致し、よりメッセージが伝わってくるコレクションでした。ビビッドグリーンは本格的に流行りそうな予感です。

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長野の淡い春を映し出す「マメ クロゴウチ」22年春夏 デビューコレクションのドレスも復刻

 黒河内真衣子が手がける「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」は、霧の中をモデルが行き交う幻想的な映像で2022年春夏物を発表した。舞台となったのは、黒河内の出身地である長野県の県立美術館。同美術館はこの6〜8月に、ブランド設立10周年を記念する展覧会を開いた場所でもある。黒河内が展覧会準備のために過ごしたという春の長野で目にした、草花が芽吹いて散っていく光景や空の色合いを、繊細で緻密なテキスタイルや染めの技術などと表現した。

 美術館屋外に備えられた、アーティスト中谷芙二子による「霧の彫刻」。人工的に噴出された霧が、その時々の風向きや気温で刻一刻と流れを変えていく作品だ。その中から、ライラックやピンクといった色合いのドレスやセットアップ姿のモデルたちが現れては消えていく。今季のテーマは「Land」。「土地の歴史、個人の記憶の深部(中略)に耳を傾け、静かに霧の中に浮かび上がる淡い春の景色」を映している。

繊細なグラデーション染めや蚊帳のような麻

 全国の産地の職人と組んで作り出す凝ったテキスタイルが同ブランドの強みの一つ。今季特に目をひくのは、光沢のあるフィルム糸がフリンジ状に揺れる、透け感のある素材。一度見ただけでは気づかないほどの淡いグラデーション染めを施しており、黒河内の求める繊細な色のトーン変化を求めて、何度も染めを検証したのだという。

 あえてタテ糸を飛ばして作った重厚な花柄の三重織は、散って水面を流れていく花びらをイメージしたもの。麻のガーゼタッチの素材は、黒河内が幼少期に祖父母の家で使用しているのを見た、蚊帳から着想した。実際に蚊帳を生産していたという機屋と組み、思い通りの透け感などを追求した。

アイコンの曲線のカットを取り入れて

 スタート時からのブランドファンにとっては懐かしく、また近年ブランドを知ったファンにとっては新鮮なのが、ブランドデビューの11年春夏のコレクションで企画していたドレスのアップデート版だ。特徴的な袖口やウエスト部分の曲線のカッティングはそのままに、デビュー時のミニ丈からフレアシルエットのミディー丈に変えて提案、よりエレガントな雰囲気になった。曲線のディテールはブランドのアイコン的存在として、ジャケットやニットドレスなどにも取り入れた。

 映像を手掛けたのは、21年春夏、21-22年秋冬に引き続き奥山由之。映像は9月28日のパリ・ファッション・ウイークの公式スケジュール内で発表された。

 今夏は「ユニクロ(UNIQLO)」とのコラボレーションでインナーウエアやニットウエアを企画し、国内だけでなくシンガポールやタイでもヒットを記録。ブランド設立10周年を越えて、新たな10年への道を順調に走り出している。

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パラリンピック開会式を沸かせたデコトラ演出 衣装担当デザイナー小西翔に迫る

 2021年9月4日、東京パラリンピックが閉会した。新型コロナウイルス感染拡大による開催延期や厳しい感染対策など、さまざまな関門をくぐり抜けての実施となった。そんな中、パラリンピックの開会式・閉会式は高い評価を受け、SNSでは「デコトラがすごい」「強そう・かっこいい」「ラスボスが出てきた」などのコメントが飛び交った。デコトラ演出でパフォーマーが着用していた、LED付きの衣装も大きな存在感を放った。

 この衣装を手がけたのは、ファッションデザイナー小西翔。パーフォーマー約50人の衣装を、全てゼロからデザインした。小西デザイナーは1991年高知県生まれ。東京モード学園を首席で卒業し、パリやニューヨークの大学院でもファッションを学んだ人物だ。現在はニューヨークと東京を行き来し、世界で活躍するアーティストのコスチュームを多数手掛けている。

 取材当日の小西デザイナーは、全身ブラックの装いで長い髪を結んでいた。クールな人かと思ったが、満面の笑みで「パラリンピックの衣装に関われたことはデザイナーとして冥利に尽きます。こんなに嬉しいことはない」と話した。彼の愛嬌の良さと熱い信念を感じた。

「障がいというネガティブな要素を
吹き飛ばすビジュアルに挑戦したい」

 小西デザイナーが手掛けたのは、デコトラの演出でパフォーマーが着用した、LEDを全身に纏った衣装。蛍光色を基調としたカラフルな色合いと、甲冑のようなド派手な装飾が特徴だ。「彼・彼女たちにしか似合わない衣装にしたかった」との思いから、参加者一人一人の個性を考え、ゼロから衣装を作っていった。筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で車椅子にのった武藤将胤(むとう・まさたね)氏は、パワフルなキャラクターを反映してメンバーを率いる“ボス”のような強いクリエイションにした。義足モデルのGIMICO氏は、あえて義足をそのまま見せ、それ以外をサイボーグのように仕上げた。それぞれの装飾は鉄板のように重い質感に見えるが、実は特殊なレザーで薄く柔らかい素材。強さを誇張するため、あえてビスで留めている。ギタリスト布袋寅泰は、「踊るようにギターを演奏する」という話と、演出テーマ“WE HAVE WING”の羽に着想して、燕尾服をベースにフレアシルエットのジャケットをデザインした。

不安だらけの衣装製作
原動力は
「アスリートと変わらない演者の熱量」

 コロナ禍でのパラリピック開催については「もちろん不安もありました」と振り返る小西デザイナー。「オファーをいただいたときはニューヨークにいて、日本に戻れるかどうかもわからなかった。それに、これまで身体に障がいを持っている人のために洋服を作ったことがなかったから、この状況下で本当に完成させられるか心配でした」。

 2021年に入り、送られてきた資料に目を通すと演者の病名や身体の状態、注意事項等が明記されていた。しかし、文書だけでは演者の本当の個性がわからないため、「僕はそれぞれの演者さんと直接お話がしたいと提案しました」。演者と対面し、話を聞いていくうちに「どの人もパフォーマーとして芯があり、アスリートと同等の熱量がある」ことを痛感した。「僕も夢を追いかける人のサポーターでいたい」という気持ちが生まれ、「いつのまにか不安はなくなっていました」。武藤氏とは音楽活動の話で盛り上がり、「衣装はできるだけ光らせてください!なんでもやりますから」と答えてくれたという。その後も主要パフォーマーと対面し、それぞれの個性や内面に触れるにつれ、「義足モデルだからといって義足を目立たせたいわけじゃない。車椅子だから車椅子を光らすのも違う。それぞれの伝えたい意志やバックグラウンドが融合し、“個性”が“魅力”へと変貌する。そこに焦点を当ててデザインすることに決めました」。

パラリンピックの衣装は
「服作りの哲学が繋がる機会」

 小西デザイナーに声が掛かったきっかけは、衣装ディレクター伊藤佐智子氏の目に彼の過去作が止まったことだった。とあるプロジェクトで刑務所にいる少年と一緒に制作した作品と、パリ時代に考案した、LEDを駆使した“光るクリエイション”を採用した衣装だった。「多様な価値観と、オートクチュール、テクノロジー、サステナビリティの技術ーーこれまで培ってきたファッションの哲学が全て繋がる機会だと思いました」。

 小西デザイナーはパリ美術学校でオートクチュール&テクノロジー学科を専攻し、3Dプリンターとサステナビリティとの関係を論文で発表。その後パーソンズ美術大学に移り、多様な体、人種、性別、肌の色が異なる人々が集まるニューヨークで、“カテゴリーを取っ払った”美しさ”を考えるようになったという。「ニューヨークで”美しさとは何か”を多角的に議論する時間が刺激的だった。例えば美しい=色白と答えてしまうと、差別につながりますよね。男女や人種、障害の有無などカテゴライズを取っ払ったときの美しさとは何か。デザイナーとしてできることはーーこれを考えて、アイデアを練っていたタイミングでパラリンピックの衣装オファーが来ました」。

「マイノリティという枠を取っ払い、
徹底的に個人と向き合う」

 小西デザイナーがファッションデザイナーとして意識しているのは、「男性らしさや、女性らしさを見直されてきている中で、無意識にカテゴリー分けしないこと」だ。これは身体に障がいを持っている人でも変わらない。「車椅子だから、義足だからと枠にはめたらダメ。個人と向き合う機会が必要なんです」。ある出演者からは「終わったけど脱ぎたくない」という言葉をもらった。

 身体に障がいを持っている方にとって着せやすい・着させやすいという利便性だけでなく、彼・彼女らとしっかり向き合いデザインで昇華させる小西デザイナー。その姿勢は、当事者がファッションの素晴らしさを感じ取るかけがえのない機会になっただろう。パラリンピック開会式以外にも、身体障がい者がデザイナーと向き合い、特別な一着を着られる機会が増えて欲しい。

 小西デザイナーは今年3月、ファッションの教育を取り入れたスタジオスペース「ショウ コニシ デザイン ラボ(SHO KONISHI DESIGN LAB)」を世田谷区に開設した。「開会式の現場を肌で感じた経験を自分よりも若い世代に伝えていきたいです」と、教育者としての夢を語る。

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東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、東コレ)」が8月30日〜9月4日に開催された。参加ブランドのうち、デジタルの「ベースマーク(BASE MARK)」「アヤーム(AYAME)」「エイ・クライプシス((A)CRYPSIS)」、リアルの「ホウガ(HOUGA)」「セイヴソン(SEIVSON)」の5ブランドのショーをディレクションしたのが、フリーランスとしてPRやマーケティング活動を行う山田慎だ。「セイヴソン」では、コロナ禍でヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)デザイナーが来日できないというトラブルもありながら、機転を効かせて遠隔でショーを実現させた。普段は「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「リコール(REQUAL≡)」「ソンシンバル(SONSHINBAL)」など、10ブランドのPRを担当。また個性豊かなファッションスタイルが特徴的で、インスタグラムのフォロワーは2.3万を抱える。今回の東コレでは、自身のフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を募集して、ファッション界の未来を担う若者たちに向けて経験の場を提供した。東京ブランドを支えるキーマンに、部屋中が植物に囲まれた自宅で話を聞いた。

サンプル到着2日後にデジタルショーの撮影

WWD:これまでのキャリアは?
山田慎(以下、山田):日本の理系の大学を経た後に、ニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T.)に入学しました。VMDやマーケティングを勉強して帰国後、電通グループの広告代理店ザ・ゴールの営業部とマーケティング部に2年半在籍し、イタリアの大手眼鏡企業デリーゴのハウスブランド「ポリス(POLICE)」などを担当していました。新店舗の内装や外装、打ち出し方を任され、広告代理店の幅を超えた経験ができましたね。それから自分の力を試すために独立し、現在はフリーランスとして活動しています。

WWD:5ブランドのショーを手掛けた経緯は?
山田:もともとは、普段からPRを担当している「ベースマーク」「ホウガ」「アヤーム」の3ブランドの予定だったんです。でも石田萌「ホウガ」デザイナーを介して、ECサイト「シーナウトウキョウ(SEENOWTOKYO)」の内⽥裕也代表から、「セイヴソン」「エイクライプシス」のショーのディレクションの依頼が届きました。

WWD:5ブランドのショーを同時進行させるのは大変だったのでは?
山田:何をどのタイミングで行えばいいのか分からなかったので、人員の確保だけは先に進めたんです。7月中に撮影場所や方向性の大枠をはじめ、照明や音響の手配は全ブランド終えていました。8月にサンプルが届き始めてからは、デジタルショーの撮影から取り掛かりました。デジタルで一番大変だったのは「ベースマーク」です。モデルのフィッティングはなく、「似合うだろう」という憶測のもと、サンプル到着2日後に撮影しました。いつものメンバーだからこそ実現できた、異例中の異例だと思います(笑)。今回の映像はランウエイ形式ではなく、初めてイメージムービーに挑戦しました。イメージなので、現場で見たものと出来上がりとの差が激しく、僕が納得いくものに仕上がるまで動画チームと修正を繰り返し続けました。リアルショーのディレクションに本格的に取り掛かったのは8月中旬以降です。

WWD:「セイヴソン」はデザイナーが来日できず、100%遠隔のリアルショーが成功できた要因は?
山田:本番の2カ月前から打ち合わせが始まり、全てLINEとZoom、Google Meetのみで打ち合わせをしました。遠隔でも成功できたのは、ブランド側がこちらの意見に対してきちんと耳を傾けてくれたからです。ショー自体はライティングの形を少し変えて、モデルの歩き方もシンプルにしたので、僕自身はそこまで大変ではありませんでした。

WWD:リアルショーで一番苦労したブランドは?
山田:「ホウガ」です。当初の構想よりも会場が狭くなり、洋服が見えにくいように感じたので、直前で図面を大きく変更しました。フィナーレ演出も変えたので、会場に設置した花のオブジェを組み立て直したり、ライトを調整し直したりして本番前ギリギリで完成しました。

WWD:実際に東コレを終えてみての感想は?
山田:最初はファッションショーのやり方すら分からなかったんですが、「アンリアレイジ」の演出を担当している金子繁孝さんが身近にいたので、自然と少しは吸収できていたのが成功できた要因かもしれません。ファッションショーには費用がかかるし、決して簡単なことではないけど本当に楽しかった。

下の世代にリアルな姿を見せる意味

WWD:ブランドが東コレで発表する意味は?
山田:デザイナーが自信を持つことです。「自分が手掛けた服がこんなにかっこよく映るんだ」「自分たちの領域外の表現に挑めるんだ」という気持ちは、デザイナーにとって一番大きい経験です。それに、ショーを行うことで自分のブランドを支えてくれる人、応援してくれる人がいることに改めて気付くことができます。僕も今は発表する側に立ち、東コレをもっと地域に根付くようにしていきたいと考えました。そこで、僕のインスタグラムフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を集めました。下の世代に、自分が失敗する姿や苦しむ姿、楽しむ姿をあえて見せることで、彼らの今後につながるきっかけを作れたと思っています。自分のやれる範囲のことはやれたんじゃないかな。

WWD:デジタルとリアルの両方をディレクションして感じたことは?
山田:デジタルショーのメリットは、低予算で東コレに参加しやすいところです。でも映像をただ発表するだけでは絶対にダメだし、見てもらうためにはプロモーション全体の座組みが必要です。リアルにしかない良さは、来場者の拍手や一言があるだけで、発表する側のモチベーションは全然違うこと。その瞬間は、ファッション界にいてよかったと感じることができました。

WWD:仕事に対するモチベーションは?
山田:買い物をすることです。買い物をすれば消費者の気持ちが分かるから、マーケティングに生きるんです。なぜそれがほしくなったのかはクリエイティブに、好きを伝えることはPRに生きてくる。仕事後の楽しみは、「エルメス(HERMES)」「カルティエ(CARTIER)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を買うことです。服が好きな気持ちやランウエイを見に行っていたことが、今の自分の仕事につながっているのが何よりも奇跡です。

WWD:山田さんのファッションのルーツは?
山田:虫です。僕は特に蝶が好きで、蝶の模様や自然界の色合いを参考にしています。ピンクと青の服を合わせているときは、南国の虫を思い浮かべてコーディネートしています。もともと海外のストリートスナップからファッションに興味を持ち始めたので、個性的な装いから日本ではすごく珍しがられる。基本は売れ残り商材が好きなので、焦って買いに行かなくても大体残っています(笑)。

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東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、東コレ)」が8月30日〜9月4日に開催された。参加ブランドのうち、デジタルの「ベースマーク(BASE MARK)」「アヤーム(AYAME)」「エイ・クライプシス((A)CRYPSIS)」、リアルの「ホウガ(HOUGA)」「セイヴソン(SEIVSON)」の5ブランドのショーをディレクションしたのが、フリーランスとしてPRやマーケティング活動を行う山田慎だ。「セイヴソン」では、コロナ禍でヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)デザイナーが来日できないというトラブルもありながら、機転を効かせて遠隔でショーを実現させた。普段は「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「リコール(REQUAL≡)」「ソンシンバル(SONSHINBAL)」など、10ブランドのPRを担当。また個性豊かなファッションスタイルが特徴的で、インスタグラムのフォロワーは2.3万を抱える。今回の東コレでは、自身のフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を募集して、ファッション界の未来を担う若者たちに向けて経験の場を提供した。東京ブランドを支えるキーマンに、部屋中が植物に囲まれた自宅で話を聞いた。

サンプル到着2日後にデジタルショーの撮影

WWD:これまでのキャリアは?
山田慎(以下、山田):日本の理系の大学を経た後に、ニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T.)に入学しました。VMDやマーケティングを勉強して帰国後、電通グループの広告代理店ザ・ゴールの営業部とマーケティング部に2年半在籍し、イタリアの大手眼鏡企業デリーゴのハウスブランド「ポリス(POLICE)」などを担当していました。新店舗の内装や外装、打ち出し方を任され、広告代理店の幅を超えた経験ができましたね。それから自分の力を試すために独立し、現在はフリーランスとして活動しています。

WWD:5ブランドのショーを手掛けた経緯は?
山田:もともとは、普段からPRを担当している「ベースマーク」「ホウガ」「アヤーム」の3ブランドの予定だったんです。でも石田萌「ホウガ」デザイナーを介して、ECサイト「シーナウトウキョウ(SEENOWTOKYO)」の内⽥裕也代表から、「セイヴソン」「エイクライプシス」のショーのディレクションの依頼が届きました。

WWD:5ブランドのショーを同時進行させるのは大変だったのでは?
山田:何をどのタイミングで行えばいいのか分からなかったので、人員の確保だけは先に進めたんです。7月中に撮影場所や方向性の大枠をはじめ、照明や音響の手配は全ブランド終えていました。8月にサンプルが届き始めてからは、デジタルショーの撮影から取り掛かりました。デジタルで一番大変だったのは「ベースマーク」です。モデルのフィッティングはなく、「似合うだろう」という憶測のもと、サンプル到着2日後に撮影しました。いつものメンバーだからこそ実現できた、異例中の異例だと思います(笑)。今回の映像はランウエイ形式ではなく、初めてイメージムービーに挑戦しました。イメージなので、現場で見たものと出来上がりとの差が激しく、僕が納得いくものに仕上がるまで動画チームと修正を繰り返し続けました。リアルショーのディレクションに本格的に取り掛かったのは8月中旬以降です。

WWD:「セイヴソン」はデザイナーが来日できず、100%遠隔のリアルショーが成功できた要因は?
山田:本番の2カ月前から打ち合わせが始まり、全てLINEとZoom、Google Meetのみで打ち合わせをしました。遠隔でも成功できたのは、ブランド側がこちらの意見に対してきちんと耳を傾けてくれたからです。ショー自体はライティングの形を少し変えて、モデルの歩き方もシンプルにしたので、僕自身はそこまで大変ではありませんでした。

WWD:リアルショーで一番苦労したブランドは?
山田:「ホウガ」です。当初の構想よりも会場が狭くなり、洋服が見えにくいように感じたので、直前で図面を大きく変更しました。フィナーレ演出も変えたので、会場に設置した花のオブジェを組み立て直したり、ライトを調整し直したりして本番前ギリギリで完成しました。

WWD:実際に東コレを終えてみての感想は?
山田:最初はファッションショーのやり方すら分からなかったんですが、「アンリアレイジ」の演出を担当している金子繁孝さんが身近にいたので、自然と少しは吸収できていたのが成功できた要因かもしれません。ファッションショーには費用がかかるし、決して簡単なことではないけど本当に楽しかった。

下の世代にリアルな姿を見せる意味

WWD:ブランドが東コレで発表する意味は?
山田:デザイナーが自信を持つことです。「自分が手掛けた服がこんなにかっこよく映るんだ」「自分たちの領域外の表現に挑めるんだ」という気持ちは、デザイナーにとって一番大きい経験です。それに、ショーを行うことで自分のブランドを支えてくれる人、応援してくれる人がいることに改めて気付くことができます。僕も今は発表する側に立ち、東コレをもっと地域に根付くようにしていきたいと考えました。そこで、僕のインスタグラムフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を集めました。下の世代に、自分が失敗する姿や苦しむ姿、楽しむ姿をあえて見せることで、彼らの今後につながるきっかけを作れたと思っています。自分のやれる範囲のことはやれたんじゃないかな。

WWD:デジタルとリアルの両方をディレクションして感じたことは?
山田:デジタルショーのメリットは、低予算で東コレに参加しやすいところです。でも映像をただ発表するだけでは絶対にダメだし、見てもらうためにはプロモーション全体の座組みが必要です。リアルにしかない良さは、来場者の拍手や一言があるだけで、発表する側のモチベーションは全然違うこと。その瞬間は、ファッション界にいてよかったと感じることができました。

WWD:仕事に対するモチベーションは?
山田:買い物をすることです。買い物をすれば消費者の気持ちが分かるから、マーケティングに生きるんです。なぜそれがほしくなったのかはクリエイティブに、好きを伝えることはPRに生きてくる。仕事後の楽しみは、「エルメス(HERMES)」「カルティエ(CARTIER)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を買うことです。服が好きな気持ちやランウエイを見に行っていたことが、今の自分の仕事につながっているのが何よりも奇跡です。

WWD:山田さんのファッションのルーツは?
山田:虫です。僕は特に蝶が好きで、蝶の模様や自然界の色合いを参考にしています。ピンクと青の服を合わせているときは、南国の虫を思い浮かべてコーディネートしています。もともと海外のストリートスナップからファッションに興味を持ち始めたので、個性的な装いから日本ではすごく珍しがられる。基本は売れ残り商材が好きなので、焦って買いに行かなくても大体残っています(笑)。

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東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、東コレ)」が8月30日〜9月4日に開催された。参加ブランドのうち、デジタルの「ベースマーク(BASE MARK)」「アヤーム(AYAME)」「エイ・クライプシス((A)CRYPSIS)」、リアルの「ホウガ(HOUGA)」「セイヴソン(SEIVSON)」の5ブランドのショーをディレクションしたのが、フリーランスとしてPRやマーケティング活動を行う山田慎だ。「セイヴソン」では、コロナ禍でヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)デザイナーが来日できないというトラブルもありながら、機転を効かせて遠隔でショーを実現させた。普段は「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「リコール(REQUAL≡)」「ソンシンバル(SONSHINBAL)」など、10ブランドのPRを担当。また個性豊かなファッションスタイルが特徴的で、インスタグラムのフォロワーは2.3万を抱える。今回の東コレでは、自身のフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を募集して、ファッション界の未来を担う若者たちに向けて経験の場を提供した。東京ブランドを支えるキーマンに、部屋中が植物に囲まれた自宅で話を聞いた。

サンプル到着2日後にデジタルショーの撮影

WWD:これまでのキャリアは?
山田慎(以下、山田):日本の理系の大学を経た後に、ニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T.)に入学しました。VMDやマーケティングを勉強して帰国後、電通グループの広告代理店ザ・ゴールの営業部とマーケティング部に2年半在籍し、イタリアの大手眼鏡企業デリーゴのハウスブランド「ポリス(POLICE)」などを担当していました。新店舗の内装や外装、打ち出し方を任され、広告代理店の幅を超えた経験ができましたね。それから自分の力を試すために独立し、現在はフリーランスとして活動しています。

WWD:5ブランドのショーを手掛けた経緯は?
山田:もともとは、普段からPRを担当している「ベースマーク」「ホウガ」「アヤーム」の3ブランドの予定だったんです。でも石田萌「ホウガ」デザイナーを介して、ECサイト「シーナウトウキョウ(SEENOWTOKYO)」の内⽥裕也代表から、「セイヴソン」「エイクライプシス」のショーのディレクションの依頼が届きました。

WWD:5ブランドのショーを同時進行させるのは大変だったのでは?
山田:何をどのタイミングで行えばいいのか分からなかったので、人員の確保だけは先に進めたんです。7月中に撮影場所や方向性の大枠をはじめ、照明や音響の手配は全ブランド終えていました。8月にサンプルが届き始めてからは、デジタルショーの撮影から取り掛かりました。デジタルで一番大変だったのは「ベースマーク」です。モデルのフィッティングはなく、「似合うだろう」という憶測のもと、サンプル到着2日後に撮影しました。いつものメンバーだからこそ実現できた、異例中の異例だと思います(笑)。今回の映像はランウエイ形式ではなく、初めてイメージムービーに挑戦しました。イメージなので、現場で見たものと出来上がりとの差が激しく、僕が納得いくものに仕上がるまで動画チームと修正を繰り返し続けました。リアルショーのディレクションに本格的に取り掛かったのは8月中旬以降です。

WWD:「セイヴソン」はデザイナーが来日できず、100%遠隔のリアルショーが成功できた要因は?
山田:本番の2カ月前から打ち合わせが始まり、全てLINEとZoom、Google Meetのみで打ち合わせをしました。遠隔でも成功できたのは、ブランド側がこちらの意見に対してきちんと耳を傾けてくれたからです。ショー自体はライティングの形を少し変えて、モデルの歩き方もシンプルにしたので、僕自身はそこまで大変ではありませんでした。

WWD:リアルショーで一番苦労したブランドは?
山田:「ホウガ」です。当初の構想よりも会場が狭くなり、洋服が見えにくいように感じたので、直前で図面を大きく変更しました。フィナーレ演出も変えたので、会場に設置した花のオブジェを組み立て直したり、ライトを調整し直したりして本番前ギリギリで完成しました。

WWD:実際に東コレを終えてみての感想は?
山田:最初はファッションショーのやり方すら分からなかったんですが、「アンリアレイジ」の演出を担当している金子繁孝さんが身近にいたので、自然と少しは吸収できていたのが成功できた要因かもしれません。ファッションショーには費用がかかるし、決して簡単なことではないけど本当に楽しかった。

下の世代にリアルな姿を見せる意味

WWD:ブランドが東コレで発表する意味は?
山田:デザイナーが自信を持つことです。「自分が手掛けた服がこんなにかっこよく映るんだ」「自分たちの領域外の表現に挑めるんだ」という気持ちは、デザイナーにとって一番大きい経験です。それに、ショーを行うことで自分のブランドを支えてくれる人、応援してくれる人がいることに改めて気付くことができます。僕も今は発表する側に立ち、東コレをもっと地域に根付くようにしていきたいと考えました。そこで、僕のインスタグラムフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を集めました。下の世代に、自分が失敗する姿や苦しむ姿、楽しむ姿をあえて見せることで、彼らの今後につながるきっかけを作れたと思っています。自分のやれる範囲のことはやれたんじゃないかな。

WWD:デジタルとリアルの両方をディレクションして感じたことは?
山田:デジタルショーのメリットは、低予算で東コレに参加しやすいところです。でも映像をただ発表するだけでは絶対にダメだし、見てもらうためにはプロモーション全体の座組みが必要です。リアルにしかない良さは、来場者の拍手や一言があるだけで、発表する側のモチベーションは全然違うこと。その瞬間は、ファッション界にいてよかったと感じることができました。

WWD:仕事に対するモチベーションは?
山田:買い物をすることです。買い物をすれば消費者の気持ちが分かるから、マーケティングに生きるんです。なぜそれがほしくなったのかはクリエイティブに、好きを伝えることはPRに生きてくる。仕事後の楽しみは、「エルメス(HERMES)」「カルティエ(CARTIER)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を買うことです。服が好きな気持ちやランウエイを見に行っていたことが、今の自分の仕事につながっているのが何よりも奇跡です。

WWD:山田さんのファッションのルーツは?
山田:虫です。僕は特に蝶が好きで、蝶の模様や自然界の色合いを参考にしています。ピンクと青の服を合わせているときは、南国の虫を思い浮かべてコーディネートしています。もともと海外のストリートスナップからファッションに興味を持ち始めたので、個性的な装いから日本ではすごく珍しがられる。基本は売れ残り商材が好きなので、焦って買いに行かなくても大体残っています(笑)。

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ミラノの異才「マリアーノ」 26歳デザイナーが世界に届ける“ハッピーなプレタポルテ”

 イタリアを拠点とする「マリアーノ(MAGLIANO)」は、サルトリア仕込みのテーラリング技術を武器にしたシェイプの面白さと、ポルノ漫画など奇抜なモチーフ使いでジワジワと知名度を上げているメンズブランドだ。2018年に「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」で新人デザイナー賞「Who’s on next !」受賞し、19年にミラノ・コレクションでランウエイデビューを果たした。現在、海外で20、日本で15のアカウントに卸している。

 デザイナーのルカ・マリアーノ(Luca Magliano)は1995年生まれの26歳。「まだまだ小さなブランドだよ」と話す彼に、デザイナーを目指した原体験から毎シーズンのコレクションの作り方、ブランド初期から登場する謎のおじさんモデルなどについて聞いた。

WWD:服作りを始めたきっかけは?

ルカ・マリアーノ(以下、ルカ):小さなころから服が好きだった。僕の地元ボローニャには大きなマーケットがあって、そこで服を買ったり売ったりしながら、 “服を着てハッピーになる感覚”を覚えたんだ。これがデザイナーを目指した原体験だね。高校卒業後、ジャーナリストで建築家のバルバラ・ネロッツィ(Barbara Nerozzi)に師事して、服や建築などデザイン全般を学んだ。

WWD:ファッションに専念していたわけではなかった。

ルカ:そう。建築からグラフィック、プロダクトまでいろんなデザインを勉強した。知らないことだらけで、毎日衝撃を受けていたよ。そんな時、師匠から「ルカはファッションがいいんじゃない?」と勧められて、ファッションデザイナーに専念することに決めたんだ。その後、運良くアレッサンドロ デラクア(Alessandro dell'Acqua)のもとで経験を積めて、16年に「マリアーノ」を立ち上げた。

WWD:デラクアのもとで学んだテーラリングは「マリアーノ」の軸になっている。

ルカ:そうだね。「マリアーノ」はストリートブランドではなく、フォーマルな日常着。だからサルトリアの技術やイタリアの工場でしか表現できない素材・ディテールを積極的に使ってるんだ。

WWD:その一方で、生地をツイストさせたり、ポルノのグラフィックを用いたりと、斬新なデザインも目を引く。これらの根底にはどんな思いがある?

ルカ:フォーマルでありながら、“ハッピーな時間に着てもらうプレタポルテ”を目指している。着るだけで気分が上がるのはファッションの一番の面白さだからね。最近は頭の中でヒーローを作って、それにインスパイアされながらコレクションを広げている。例えばスーパーセクシーなキャラクターだったり、ボローニャで有名なゲイのキャラクターだったり。ポルノの絵をジャケットに貼り付けたのも、ここから派生したアイデアだね。あとは「こういうコミュニティがいるんだよ」と政治的なメッセージも忍ばせている。洋服はメッセージを伝えるツールでもあるから。

WWD:2022年春夏コレクションではアップサイクルを大々的に取り入れた。その理由は?

ルカ:ブランドを始めたときから、デッドストック素材を使ったり、古着をリユースしたりしてアップサイクルを取り入れてきた。予算の都合だけじゃなく、エコロジカルな服をどう提案していくのかは毎シーズン考えているテーマなんだ。今回はミリタリーウエアを再利用するなど、エコロジカルなアイテムを拡大した。ロックダウン以降、服作りの環境が変わって、よりサステナブルについて考えるようになったんだと思う。今、この時代にファッションをやる以上、環境に対する責任は持たないといけないからね。

WWD:現在の顧客層は?

ルカ:マーケットにもよるけど、幅広い年齢層に男女問わず着てもらっている。若者向けなイメージがあるかもしれないけど、実はおじいさん、おばあさんにも人気なんだ。クラシックな作りがベースだから、手に取りやすいんだと思う。

WWD:一番大きなマーケットは?日本のマーケットは何番目に大きい?

ルカ:日本が一番大きい。セールス戦略もしっかり練っているし、毎シーズンフィードバックももらっている。2番目はフランスで、ここ数シーズンは中国もすごく伸びている。まだまだ大きなブランドじゃないけど、着実に成長している。どんなものが市場で必要か、そして自分たちにとってベストなどんな手段は何か。地味だけど、これを意識し続けることが大事なんだと思う。

WWD:チームメンバーはどんな人がいる?

ルカ:スタイリストのエリーザと、MDやプロモーション、ディベロプメントを担当するヌンツィオ、そして僕の3人。この3人で密にコミュニケーションを取り、SNSコンテンツやコレクションの方向性を決定している。そして外部のクリエイターと協力しながら、40〜50型のコレクションを制作しているんだ。少数だからこそ、自分たちのやりたいことを純度高く表現できている。

WWD:毎シーズン登場するおじさんモデルは誰?

ルカ:トニーのこと?よく見てるね!彼は仲の良い友達で、ファーストシーズンのショーから起用しているんだ。クールでチャーミングでセンシュアリーだから、ブランドの象徴なんだ。

WWD:26歳でいろんなことに興味があると思う。休日は何をしている?

ルカ:今は仕事ばかりだね(笑)。ファッションデザインが好きなというのはもちろん、それ以上に、今が頑張りときだと思ってるから。本当にフリーなときは、ビーチで1日中本を読んでるかな。

WWD:今後ブランドの展望を教えてください。

ルカ:ブランドをもっと成長させたい。あと、ショーもやりたい。さらに先のことを言えば、ビスポークにチャレンジしたいと思っている。プレタポルテはあくまで量産できる服。個人の好みをそのまま反映できるビスポークで、よりスペシャルな服が作ってみたい。あとは自分の店を持って、ブランドのはハッピーな世界観を伝えながら、それに共感する人が集まる場所を作りたい。でもまずは、目の前の仕事に打ち込んでいくよ。

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ミラノの異才「マリアーノ」 26歳デザイナーが世界に届ける“ハッピーなプレタポルテ”

 イタリアを拠点とする「マリアーノ(MAGLIANO)」は、サルトリア仕込みのテーラリング技術を武器にしたシェイプの面白さと、ポルノ漫画など奇抜なモチーフ使いでジワジワと知名度を上げているメンズブランドだ。2018年に「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」で新人デザイナー賞「Who’s on next !」受賞し、19年にミラノ・コレクションでランウエイデビューを果たした。現在、海外で20、日本で15のアカウントに卸している。

 デザイナーのルカ・マリアーノ(Luca Magliano)は1995年生まれの26歳。「まだまだ小さなブランドだよ」と話す彼に、デザイナーを目指した原体験から毎シーズンのコレクションの作り方、ブランド初期から登場する謎のおじさんモデルなどについて聞いた。

WWD:服作りを始めたきっかけは?

ルカ・マリアーノ(以下、ルカ):小さなころから服が好きだった。僕の地元ボローニャには大きなマーケットがあって、そこで服を買ったり売ったりしながら、 “服を着てハッピーになる感覚”を覚えたんだ。これがデザイナーを目指した原体験だね。高校卒業後、ジャーナリストで建築家のバルバラ・ネロッツィ(Barbara Nerozzi)に師事して、服や建築などデザイン全般を学んだ。

WWD:ファッションに専念していたわけではなかった。

ルカ:そう。建築からグラフィック、プロダクトまでいろんなデザインを勉強した。知らないことだらけで、毎日衝撃を受けていたよ。そんな時、師匠から「ルカはファッションがいいんじゃない?」と勧められて、ファッションデザイナーに専念することに決めたんだ。その後、運良くアレッサンドロ デラクア(Alessandro dell'Acqua)のもとで経験を積めて、16年に「マリアーノ」を立ち上げた。

WWD:デラクアのもとで学んだテーラリングは「マリアーノ」の軸になっている。

ルカ:そうだね。「マリアーノ」はストリートブランドではなく、フォーマルな日常着。だからサルトリアの技術やイタリアの工場でしか表現できない素材・ディテールを積極的に使ってるんだ。

WWD:その一方で、生地をツイストさせたり、ポルノのグラフィックを用いたりと、斬新なデザインも目を引く。これらの根底にはどんな思いがある?

ルカ:フォーマルでありながら、“ハッピーな時間に着てもらうプレタポルテ”を目指している。着るだけで気分が上がるのはファッションの一番の面白さだからね。最近は頭の中でヒーローを作って、それにインスパイアされながらコレクションを広げている。例えばスーパーセクシーなキャラクターだったり、ボローニャで有名なゲイのキャラクターだったり。ポルノの絵をジャケットに貼り付けたのも、ここから派生したアイデアだね。あとは「こういうコミュニティがいるんだよ」と政治的なメッセージも忍ばせている。洋服はメッセージを伝えるツールでもあるから。

WWD:2022年春夏コレクションではアップサイクルを大々的に取り入れた。その理由は?

ルカ:ブランドを始めたときから、デッドストック素材を使ったり、古着をリユースしたりしてアップサイクルを取り入れてきた。予算の都合だけじゃなく、エコロジカルな服をどう提案していくのかは毎シーズン考えているテーマなんだ。今回はミリタリーウエアを再利用するなど、エコロジカルなアイテムを拡大した。ロックダウン以降、服作りの環境が変わって、よりサステナブルについて考えるようになったんだと思う。今、この時代にファッションをやる以上、環境に対する責任は持たないといけないからね。

WWD:現在の顧客層は?

ルカ:マーケットにもよるけど、幅広い年齢層に男女問わず着てもらっている。若者向けなイメージがあるかもしれないけど、実はおじいさん、おばあさんにも人気なんだ。クラシックな作りがベースだから、手に取りやすいんだと思う。

WWD:一番大きなマーケットは?日本のマーケットは何番目に大きい?

ルカ:日本が一番大きい。セールス戦略もしっかり練っているし、毎シーズンフィードバックももらっている。2番目はフランスで、ここ数シーズンは中国もすごく伸びている。まだまだ大きなブランドじゃないけど、着実に成長している。どんなものが市場で必要か、そして自分たちにとってベストなどんな手段は何か。地味だけど、これを意識し続けることが大事なんだと思う。

WWD:チームメンバーはどんな人がいる?

ルカ:スタイリストのエリーザと、MDやプロモーション、ディベロプメントを担当するヌンツィオ、そして僕の3人。この3人で密にコミュニケーションを取り、SNSコンテンツやコレクションの方向性を決定している。そして外部のクリエイターと協力しながら、40〜50型のコレクションを制作しているんだ。少数だからこそ、自分たちのやりたいことを純度高く表現できている。

WWD:毎シーズン登場するおじさんモデルは誰?

ルカ:トニーのこと?よく見てるね!彼は仲の良い友達で、ファーストシーズンのショーから起用しているんだ。クールでチャーミングでセンシュアリーだから、ブランドの象徴なんだ。

WWD:26歳でいろんなことに興味があると思う。休日は何をしている?

ルカ:今は仕事ばかりだね(笑)。ファッションデザインが好きなというのはもちろん、それ以上に、今が頑張りときだと思ってるから。本当にフリーなときは、ビーチで1日中本を読んでるかな。

WWD:今後ブランドの展望を教えてください。

ルカ:ブランドをもっと成長させたい。あと、ショーもやりたい。さらに先のことを言えば、ビスポークにチャレンジしたいと思っている。プレタポルテはあくまで量産できる服。個人の好みをそのまま反映できるビスポークで、よりスペシャルな服が作ってみたい。あとは自分の店を持って、ブランドのはハッピーな世界観を伝えながら、それに共感する人が集まる場所を作りたい。でもまずは、目の前の仕事に打ち込んでいくよ。

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「エトロ」が“色の爆発”で社会の再始動を祝福 日本からもミラノコレ Vol.2

 ニューヨーク&ロンドンに続き、ミラノ・コレクションがスタート。現地取材に加え、日本の「WWDJAPAN」編集部員もデジタルショーをレビューし、ファッションウイークの“お祭り感”を楽しみます。初日の編集長ムラカミに続き、2日目は編集部・美濃島がお届け!

空想の夏休みへ誘う
ノスタルジックな「マックスマーラ」

 「マックスマーラ(MAX MARA)」は、作家フランソワーズ・サガン(Francoise Sagan)が1954年に発表した小説「悲しみよ こんにちは」に着想したコレクション。学校を2回退学するなど“ちょいワル”だったサガンが、大学入試試験に落ちた夏のバカンス中に家で書き上げた“空想の夏休み”の物語で、作品の世界観と、彼女が好んで着ていたワークウエアのスタイルを拡大解釈しました。

 フィッシュマンズスモックやワークジャケット、カーペンターパンツなどクラシカルなワークウエアを、パリっとしたギャバジンやキャンバス、ポプリンに落とし込み、タンプトップやベアトップ、クレープソールのサンダルなどに合わせれば、現代版“ちょいワル少女”スタイルの完成。羽根を刺しゅうしたファンタジーなドレスも差し込み、程よいガーリーさを加えます。デニムジャケットとスカートのセットアップでラストルックを飾ったジジ・ハディッド(Gigi Hadid)もとにかく可愛かったです。

 程よく肩の力が抜けた、ワークすぎず、ストリートすぎず、リゾートすぎないスタイルは、コロナ禍の人々に共感されそう。ノスタルジックなムードと、夕日が差し込む大学というロケーション、幼少期に使ったことがありそうなデッキチェアなどの演出が相まって、気づけば“空想の夏休み”に浸っていました。

「エトロ」は“色の爆発”で
再始動する社会を祝福

 ワクチン接種などで明るい兆しが見えつつある社会状況を反映し、「自然、ポジティブな考え、そして愛を、“色の爆発”で祝福したい」と語るのは、「エトロ(ETRO)」のヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)です。その言葉の通り、今シーズンも色・柄のてんこ盛りでした。

 大胆な花柄や写実的な花柄に、ブランドシグネチャーのペイズリー柄を融合したド派手なグラフィックを連発し、フレアシルエットのデニムやニットワンピ、ロングシャツ、レギンスなど、ボヘミアンテイストなアイテムに落とし込んで行きます。無地のセットアップなどのミニマルなスタイルには、大ぶりのゴールドアクセサリーや刺しゅうしたプラットフォームシューズを合わせます。スパンコールをちりばめたジャケットやパンツ、全面キラキラに装飾したタンクトップやチューブトップが歩くたびにきらめき、人間のエネルギーを強く感じました。

 ウエアのムードと異なり、会場はだだっ広いスタジオにライトのみの無機質な空間。コレクションを仕上げるため、ヴェロニカが“自分を抑制”していた気持ちを表現したそう。メンズは会場から屋外に飛び出るデジタルショーだったし、来年はきっと晴れ切ったビーチで感情を爆発させてくれるでしょう。

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「エトロ」が“色の爆発”で社会の再始動を祝福 日本からもミラノコレ Vol.2

 ニューヨーク&ロンドンに続き、ミラノ・コレクションがスタート。現地取材に加え、日本の「WWDJAPAN」編集部員もデジタルショーをレビューし、ファッションウイークの“お祭り感”を楽しみます。初日の編集長ムラカミに続き、2日目は編集部・美濃島がお届け!

空想の夏休みへ誘う
ノスタルジックな「マックスマーラ」

 「マックスマーラ(MAX MARA)」は、作家フランソワーズ・サガン(Francoise Sagan)が1954年に発表した小説「悲しみよ こんにちは」に着想したコレクション。学校を2回退学するなど“ちょいワル”だったサガンが、大学入試試験に落ちた夏のバカンス中に家で書き上げた“空想の夏休み”の物語で、作品の世界観と、彼女が好んで着ていたワークウエアのスタイルを拡大解釈しました。

 フィッシュマンズスモックやワークジャケット、カーペンターパンツなどクラシカルなワークウエアを、パリっとしたギャバジンやキャンバス、ポプリンに落とし込み、タンプトップやベアトップ、クレープソールのサンダルなどに合わせれば、現代版“ちょいワル少女”スタイルの完成。羽根を刺しゅうしたファンタジーなドレスも差し込み、程よいガーリーさを加えます。デニムジャケットとスカートのセットアップでラストルックを飾ったジジ・ハディッド(Gigi Hadid)もとにかく可愛かったです。

 程よく肩の力が抜けた、ワークすぎず、ストリートすぎず、リゾートすぎないスタイルは、コロナ禍の人々に共感されそう。ノスタルジックなムードと、夕日が差し込む大学というロケーション、幼少期に使ったことがありそうなデッキチェアなどの演出が相まって、気づけば“空想の夏休み”に浸っていました。

「エトロ」は“色の爆発”で
再始動する社会を祝福

 ワクチン接種などで明るい兆しが見えつつある社会状況を反映し、「自然、ポジティブな考え、そして愛を、“色の爆発”で祝福したい」と語るのは、「エトロ(ETRO)」のヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)です。その言葉の通り、今シーズンも色・柄のてんこ盛りでした。

 大胆な花柄や写実的な花柄に、ブランドシグネチャーのペイズリー柄を融合したド派手なグラフィックを連発し、フレアシルエットのデニムやニットワンピ、ロングシャツ、レギンスなど、ボヘミアンテイストなアイテムに落とし込んで行きます。無地のセットアップなどのミニマルなスタイルには、大ぶりのゴールドアクセサリーや刺しゅうしたプラットフォームシューズを合わせます。スパンコールをちりばめたジャケットやパンツ、全面キラキラに装飾したタンクトップやチューブトップが歩くたびにきらめき、人間のエネルギーを強く感じました。

 ウエアのムードと異なり、会場はだだっ広いスタジオにライトのみの無機質な空間。コレクションを仕上げるため、ヴェロニカが“自分を抑制”していた気持ちを表現したそう。メンズは会場から屋外に飛び出るデジタルショーだったし、来年はきっと晴れ切ったビーチで感情を爆発させてくれるでしょう。

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「エンダースキーマ」デザイナーに聞く「トッズ」コラボの裏側 ピタゴラ装置を使った映像撮影にドキドキ

 イタリア発の「トッズ(TOD’S)」は、柏崎亮が手掛ける東京発のフットウエアブランド「エンダースキーマ(HENDER SCHEME)」とコラボレーションしたカプセルコレクションを9月28日に発売する。22日にはミラノ・ファッション・ウイークでイベントを開催し、商品と動画を公開した。

 同カプセルコレクションはコロナ禍を経て、丸2年かけて制作したという。“TOD’S”のTとDを入れ替えた“DOT’S”と題し、ブランドを象徴するモカシンシューズ“ゴンミーニ”のペブル(ゴムの突起)を「エンダースキーマ」流に再解釈。ペブルを巨大化させた“マキシペブル”をソールに配置したシューズなどが目を引く。他にも「トッズ」の“オーボエ バッグ”から着想したショルダーバッグや、「トッズ」から贈られたワインからヒントを得て開発したバッグなど、両者のコミュニケーションからもアイデアが生まれた。トレンチコートやトラックスーツ、デニムなどユニセックスで着用できるウエア9型をはじめ、アクセサリー5型、バッグ4型、シューズ10型(メンズ5型、ウィメンズ5型)で構成している。

 「エンダースキーマ」はこれまで「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」や「ドクターマーチン(DR. MARTENS)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」などの著名ブランドと協業してきた。柏崎デザイナーに今回の「トッズ」との取り組みの感想や、遠隔でのモノ作り、“ピタゴラ装置”を使ってワンテイクで撮影した動画について聞いた。

——「トッズ」の第一印象は?

柏崎亮デザイナー(以下、柏崎):“ゴンミーニ”の印象が強かったです。履いたことはなかったのですが、実際に協業が決まってから足入れしてみると、履き心地を通して長く愛されるプロダクトであることが理解できました。

——コロナ禍の遠隔でのモノづくりは大変だったに違いない。協業をして印象的だったことは?

柏崎:物理的な距離や言葉の壁に加えて、コロナ禍での渡航制限もありましたが、アトリエでプロトタイプを制作することで解決することができました。プロトタイプは言葉やデッサンよりも情報量が多く、コミュニケーションにとても有効。また、両ブランドともにインハウスでプロトタイプを制作できる環境を持っていたことが強みになっていると感じました。

——イタリアと日本、職人技で違いを感じることは?

柏崎:多少の違いはあれど、プロダクトに対する愛情はそれぞれ深い。そこがクラフトマンシップに重きを置く両ブランドの共通項なのだと思いました。

アイコニックな“ゴンミーニ”を
「エンダースキーマ」流にリプロダクト

——「エンダースキーマ」の代表的なヌメ革使いは控えめだが、素材選びで気をつけたことは?

柏崎:意識的に控えたつもりはありません。ヌメ革はブランドを象徴する大切なマテリアルの一つですが、「トッズ」は僕たちのデザインやアイデア、クラフトマンシップに期待していました。素材を自由にセレクトした結果、このようなバランスになりました。

——シューズはペブルを大きくした“マキシペブル”が印象的だった。ドットに着目した理由は?

柏崎:初めから、アイコニックな“ゴンミーニ”を僕たちなりの解釈でリプロダクトしようと考えていました。でも、プロダクトを単品で作り込むとカプセルコレクションとしての統一感が出せないと考えて、“TOD’S”のTとDを入れ替えて、“DOT’S”とすることで、全体を包み込むことにしました。そうしてドッツ=ペブル、円環、ピリオド、ループなどの文脈をつないでいくことで、コレクション全体とプロダクトを構成していきました。

——シューズだけでなくウエアを制作した感想は?

柏崎:「トッズ」のプロフェッショナルたちと制作することで新しい領域に挑戦できたことはとても楽しく有意義でした。プロダクトもとても良いものに仕上がったと思います。

ピタゴラ装置を使った動画
ワンテイク撮影にハラハラドキドキ

——ピタゴラ装置を使った動画がユニークだった。制作する上でこだわった点は?

柏崎:コレクションに取り組み始めるタイミングで、動画でのプレゼンテーションになることが分かっていたので、プロダクト制作と同時進行でアイディアを固めていきました。ムービーの中に「TOD'S」「DOT'S」の解釈がたくさん散らばっています。プロダクトの特徴を活かした装置の作成や、音楽と連動したテンポの心地よさなど、かなり細かいところまで踏み込んで制作しました。

——動画のラストで、また始まりに戻る演出はコレクションと関連している?

柏崎:“点の連続が線になり、それが行き来することで円になる”というコレクションの副題的を、ドットの円を引用して表現しました。

——撮影はワンテイクのため、2日間かけたと聞いた。

柏崎:とにかくハラハラドキドキでした。装置自体の精度やモデルとの連動など、ライブ感が痺れましたね(笑)。60テイク以上かけました。OKが出ないまま1日目を終えて、最終日にOKテイクが撮れて、その後のスチール撮影を終了した高揚感は普段味わえないものでした。携わってくれたスタッフの方々にはとても感謝しています。大勢の人と、瞬間的な作品を共に作り出すことは普段あまりしないので、楽しかったですね。

——この協業を通じて、「エンダースキーマ」のどのような点を世界にアピールしたい?
柏崎:新しいクラフトの概念の種になるような何かを感じてもらえたらうれしいです。

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「フミエ タナカ」は60年代にタイムスリップ!? コミカルな映像作品をロンドンコレで発表

 田中文江によるブランド「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」は、ロンドン・ファッション・ウイーク(LFW)に参加し、2022年春夏コレクションを映像形式で発表した。LFW参加2度目となる今回も「東京ファッションアワード 2020(TOKYO FASHION AWARD 2020)」受賞による特典で、「フミエ タナカ」以外の受賞5ブランドもLFWの公式サイトで映像を公開した。

“自分が輝くことで、
周りの人たちも明るくしたい”

 今季のテーマは“BUT PRISM(それでも輝く)”。動画では1960年代のサロンショーをイメージし、ボリューミーなつけまつげが印象的なモデルたちが番号プレートを持って登場。ただウオーキングをするだけではなく、モデルたちがカメラを覗き込んだり、電話で話をする姿を映したりと、ウィットの効いた演出もポイントだ。田中デザイナーは「コロナ禍を過ごし、ファッションの役割を考えていた。“自分が輝くことで、周りの人たちも明るくする”というポジティブなメッセージを込めたかった」と話す。

 服も60年代のファッションを「フミエ タナカ」らしく現在風にアレンジ。田中デザイナーによる手描きのプリントや、ビンテージのパッチワーク柄などのオリジナルテキスタイルを用いている。カットジャカードで表現したファーのような素材は、羽根のように膨らんだトップスとスカートのセットアップに。1着1着に主役級の華やかさがありながらも、現代のリアルクローズとして提案している。

40人のエキストラが着用するのは
過去コレクションとデザイナー私物

 実は、映像にエキストラとして映り込むショーの観客もプロのモデルたちだ。衣装は過去のコレクションや、田中デザイナーの私物を組み合わせたもの。中には、2020-21年秋冬のみに登場したメンズのレアなコレクションも見られる。これまでのシーズン同様に、田中本人がスタイリストとしてコーディネートを組んでいる。「昔のような映像なのに、最新のコレクションが見られて、ブランドのファンの方には『あの服持っている!』というように混乱が生まれそうな仕掛け」と田中デザイナーは笑う。ブランドの世界観を作る細部までのこだわりと、手作り感の暖かさのバランスがいい。BGMは21年春夏に引き続き、音楽家の黒瀧節也がオリジナルで制作した。

 動画内で公開したのは今季を象徴するキールックの10体。後日開催する展示会ではフルコレクションを披露する予定だ。

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エディ注目の気鋭ミュージシャン 「セリーヌ オム」2022年春夏のBGMを手掛けたイジー・カミナとは

 「セリーヌ オム(CELINE HOMME)」が2022年春夏コレクションをデジタルで発表し、音楽はアメリカ・ロサンゼルス出身の26歳、イジー・カミナ(Izzy Camina)が担当しました。同ブランドをアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターとして率いるエディ・スリマン(Hedi Slimane)にとって、音楽は“エディ=音楽”という方程式ができるほど切っても切り離せない関係性ですよね。そこで、最新コレクションを解き明かすためにイジー・カミナにインタビューを実施しました。さらに、エディが過去にピックアップしてきたミュージシャン3組と、エディとの仕事の後の活躍ぶりを、私的好みを交えて振り返ります。インスタグラムのフォロワーがまだ4000にも満たないカミナも、これからブレイク必至かもしれませんよ。

エディが愛したミュージシャン超私的3選

THE DRUMS

 日本にも何度か来日をしているニューヨーク・ブルックリンのバンドがザ・ドラムス(THE DRUMS)です。彼らは、エディが「ディオール オム(DIOR HOMME)」を去った後に出版した写真集“Rock Diarie”(2009)にモデルとして出演しました。08年に結成したザ・ドラムスは、09年にアルバム「Let's Go Surfing」でデビュー。ニューヨークの街中から生まれたとは思えない「Oh,Mama I Wanna Go Surfing」というキャッチーなフレーズと、サーフポップの軽やかなメロディー、そしてスマートでスタイリッシュな彼らのルックスが絶妙にマッチして、これまでのインディポップシーンとは一線を画すバンドに成長していきました。デビュー間もない無名な彼らのアー写を、エディが自ら撮影するほど溺愛したのも納得!

DIIV

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」の2013-14年秋冬コレクションのキャンペーンでモデルを務めたのがニューヨークのバンド、ダイブ(DIIV)のザカリー・コール・スミス(Zachary Cole Smith)です。14-15年秋冬にはランウエイショーにもモデルとして登場しました。ダイブのノイジーなギターと浮遊感のあるヴォーカルは、あえてカセットテープで聴きたくなり、どことなくティーン時代のようなエモーションを感じる人は少なくないはず。メンバーの中でもスミスの存在感は圧倒的で、ミュージシャン・モデルのスカイ・フェレイラ(Sky Ferreira)と交際していたことも当時は話題でした。バンドはデビューしてから何かと紆余曲折ありますが、どんどん深みを増していく彼らの姿に私はこれからも目が離せません。

CURTIS HARDING

 デトロイトのシンガー、カーティス・ハーディング(Curtis Harding)は、エディが2013年にカリフォルニアのフェス「ビーチ ゴス(Beach Goth)」でミュージシャンを撮影した際にたまたま撮影されたことがきっかけで、15年の「サンローラン」のプロジェクト“SAINT LAURENT MUSIC PROJECT”に起用されました。ハーディングは往年のソウルシンガーを彷彿とさせるメロディーとパワーで、そこにインディーロックのガレージ感が融合した独自の音楽性が魅力です。彼が14年のデビュー時にエディと制作したムービーやアルバムのジャケットは、両者らしさがふんだんに詰め込まれた何度見ても色あせないビジュアル!その後は「グッチ(GUCCI)」とも協業するなど大活躍で、デビュー前から見出したエディの先見の明には脱帽です。

「セリーヌ オム」の音楽を手掛けた26歳にインタビュー

——まずはプロフィールを教えてください

イジー・カミナ(以下、カミナ):ハイ!私はシンガーで、自分の曲をパソコンで制作しているわ。生まれたのはロサンゼルスだけど、ニューヨークの近く、ニュージャージーで育ったの。複雑な子ども時代を送ったから大変だったけれど、いいこともあったわ。音楽を始めたのは高校生のころで、アプリでビートを作り始めたのがきっかけ。

——音楽との出合いはいつ?

カミナ:記憶にある限り、本当に小さな子どもの時からよ。私が覚えている一番昔の思い出は、ロサンゼルスにある父親のアパレル会社のワークショップでのものかな。「モスキートヘッド(MOSQUITOHEAD)」というブランド名で、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)やジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)とかいろんなバンドのプリントTシャツを出していたの。だから、小さなころから素晴らしいロックアイコンのイメージにたくさん触れてきたというわけ。それが私と音楽が出合った初めての経験ね。

——作品を作るインスピレーション源や、影響を受けてきたアーティストは?

カミナ:世の中の状況と、自分の経験。さまざまなことからインスピレーションを受けるから、私の音楽もいろんなジャンルにまたがっているんだと思う。影響を受けたアーティストはたくさんいるわ。スージー・スー(Siouxsie Sioux)、エム・アイ・エー(M.I.A.)、コーン(Korn)、システム・オブ・ア・ダウン(System of a Down)、そして両親が聴いていたもっと昔のバンドとか。中学生のころはエム・エフ・ドゥーム(MF DOOM)やウータン・クラン(Wu Tang Clan)を、大学生になってからはゲサフェルスタイン(Gesaffelstein)なんかのエレクトロ系のアーティストも聴いていたな。今となってはあまり聴いていないアーティストもいるけれど、ジャンルを問わず聴いてきた積み重ねが今の音楽性につながっているのは間違いないわ。

——コロナの前と後で環境の変化は?

カミナ:幸運なことに、ほとんど変わってないの。もともと、自分のベッドルームで作業をしたり、録音したりしていたから。

——音楽を始めてから今までで、印象に残っているエピソードは?

カミナ:初めて高級なマイクで歌った時だと思う。自分の声を即座に嫌いにならなかったのは、あれが初めてだったから。

ショーの曲は「頭にこびりつくみたい」

——「セリーヌ オム」のコレクションに参加して、どんな気持ち?

カミナ:ショーには、深いインスピレーションを受けたわ。私の曲に対する反応は……どうやら、みんなの頭にこびりつくみたい!それがいいことなのかどうか、分からないけど。

——エディと会った印象は?

カミナ:初めて正式に会ったのは、ショーの撮影をしているとき。ロケ地まで飛んで行ったの。想像通りのクールで知的な人だったわ。

——エディは音楽との関係性が深いが、あなたから見てエディはどんな音楽センスがあると思う?

カミナ:過去のショーや、エディが撮影した有名なミュージシャンのポートレートなどを見れば、そこに答えがあるんじゃないかな。

——「セリーヌ オム」2022年春夏コレクションの印象は?

カミナ:今回のコレクションは、めちゃくちゃかっこよくてグラマラスだったし、タフだけど美しかった。私はもともと、自分の音楽でそういう感じを表現しようとしていると思っているから、自分の芯の部分ともマッチしていると感じたわ。

——自身のファッションのこだわりは?

カミナ:私の場合、髪の毛がクレイジーなほどボサボサしていて、どうしても注目を集めちゃうから、服は調和が取れたシンプルな感じが理想。色や柄、素材じゃなく、フィットやシルエットにこだわっているわ。サステナブルだから、ビンテージを買うのも好き。

——ファッションと音楽の関係性についてはどう考える?

カミナ:私にとって、アートは言葉を通じて表現できないことを、理解したり伝えたりするのを助けてくれるものなの。ファッションや音楽には、何かを伝えるための言葉や表現とは“別の言語”という側面もあるから。

——日本はどんなイメージ?

カミナ:実は、高校を卒業した後、東京の墨田区に数カ月ほど住んでいたことがあるの。日本というと、自然の美しさを思い出すと同時に、ホストファミリーとその飼い猫のパールと過ごした、温かくてハッピーな思い出がよみがえってくるわ。自転車であちこち訪ねて、美味しいものを食べて、地元のロックバーに行って、日本のカルチャーを学んだこととかね。また東京に行って、マユミとユリコに会いたいし、もっと地方や、北海道にも行ってみたいな。

——今はパソコンやスマートフォン上に情報があふれていて、若い世代はそのような環境で音楽を制作している。あなたはミュージシャンとして、その状況とどう向き合って活動していきたい?

カミナ:今の、この常に刺激や情報であふれている状態は嫌いだな。ありがたく思ってはいるけれど、あまりに急激に、手に負えないぐらい過剰になってしまった。個人的には、それに反抗するためにスマホの電源を切って、自然の中で長い時間を過ごすのが好き。マイペースでゆっくり動いていたら成功できないっていうのなら、私はそれで構わないわ。

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【動画】三越伊勢丹バイヤーの仕事に密着  「服を選ぶ基準は感性と科学」 

 「ファッション業界人辞典」は、ファッション業界で働く人にフォーカスし、その仕事に密着リポートします。業界のさまざまな職業を紹介しながら、「実際、どんな仕事をしているの?」「どうしたらその職に就けるのか?」などの疑問を解決。これからの若者たちの指針になるような情報や、業界人が気になるあの人の素顔や過去を、日々の仕事姿や過去の映像・写真を通して発信します。

 第4弾は、伊勢丹新宿本店本館3階の婦人服の自主編集売り場「リ・スタイル(RESTYLE)」の神谷将太バイヤーに密着しました。ファッション業界の花形ポジションであるバイヤー、商品の買い付けやプロモーション企画、時には店頭にも立つという多様な仕事内容に迫りました。また、バイヤーという枠にとらわれずに、計20トンにも及ぶ廃棄寸前の「リーバイス(LEVI’S)」のジーンズ“501”を海外の業者から買い取り、リメイクして販売するプロジェクトについても聞きました。

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卓球人気の影の立役者 「ヴィクタス」がデザインの力で切り拓いたもの

 東京オリンピック・パラリンピック2020東京大会で目を見張ったのは卓球代表チームの活躍だ。水谷隼・伊藤美誠選手の男女混合ダブルス金メダルを皮切りに、女子シングルスで伊藤選手が銅、男子団体が銅、女子団体で銀。日本中がメダルラッシュに湧いた。

 熱戦のかたわら、卓球経験者の記者はユニホームにも注目した。特に男女混合ダブルス決勝の両選手、男子団体チームが着用していたものは、洗練されたグラフィックデザインが印象的で、胸元に「VICTUS(ヴィクタス)」という見慣れないロゴが刻まれていた。記者の学生時代にはなかったブランドだ。

 「ヴィクタス」とは、いったいどんな卓球ブランドなのかーー。運営するヴィクタス(東京、松下浩二社長)のマーケティング部門のトップを務める板橋靖和執行役員に詳しく聞くことにした。

おしゃれなカフェと卓球台
「卓球のイメージを変える」

 取材当日に板橋氏と待ち合わせしたのは、渋谷のニトリ公園通り店の隣にあるおしゃれなカフェだった。間接照明が照らす空間の中央には卓球台が設置されており、客は自由にプレイできる。地下にはVIPルームもあり、コロナ禍以前はお酒を片手にプレーを楽しむこともできた。ここはヘアケアやスポーツ事業などを展開する、ヴィクタスの親会社スヴェンソンホールディングス(東京、児玉義則社長)が運営する卓球カフェ&バー「T4 TOKYO」だ。

 「世間の卓球へのイメージを変えたい」。そう語る板橋氏は、「ヴィクタス」の立ち上げ(2011年)当初からブランドディレクション業務全般を担ってきた。株式会社ヴィクタスの前身は1959年創業の老舗卓球メーカー・ヤマト卓球。業績が振るわなかった同社を、化粧品メーカーのスヴェンソンHDが買収。元プロ卓球選手の松下氏を社長に招へいし、社名とともに既存ブランドを「ヴィクタス」に変更して大規模なリブランディングに着手した。「松下氏は五輪球技種目で4大会連続(1992年バルセロナ大会〜2004年アテネ大会)出場した唯一の男子選手。同時に卓球初のプロ選手として生きる道を選択し、その大変さも知っている。『ヴィクタス』を卓球のプロスポーツとしての可能性を広げるブランドにしようと考えていた」。

 他業界からヴィクタスに加わった板橋氏は当初、「社内にはたくさんの卓球経験者がいたが、そのことを隠す人が多いことを不思議に思った」という。「なんで?と聞くと、『恥ずかしいから』という答えが返ってきた。僕は卓球をしたことなかったからその感覚が分からなかった」。卓球=暗いスポーツというイメージが根強いことを思い知り、松下氏との「卓球の既成概念を壊す」チャレンジが始まった。

 卓球市場に明るくなかった板橋氏は、地道なマーケットリサーチを繰り返した。「他社はラケットやラバー(ラケット表面に貼るゴムの部分)の性能に力を注ぐ一方、ユニフォームのデザイン性はお世辞にもかっこいいとは言えないものが多かった。ここにチャンスがあると考えた」。ユニホームのデザインディレクターには元大手アウトドアブランドのデザイナー経験者を起用して、ファッション業界のトレンドの要素なども取り入れた。「ユニホームでは、普段のファッションでは取り入れられないようなデザインにもチャレンジしたいという声も実は多い」。青と黒のような力強いコントラストのデザインを主役にして、ビビッドカラーも取り入れた。卓球ユニフォームのボトムスは無地のパンツがそれまでの主流だったが、2017年にグラフィックプリントのセットアップスタイルを発表。すると他のメーカーも追従し、新たなスタンダードを作った。

卓球は“観るスポーツ”へ
競技を超えて可能性を追求

 卓球の国内競技人口はコロナ禍以前の19年まで右肩上がりで伸び続け(日本卓球協会調べ)、ヴィクタスの業績も右肩上がりで推移した。特にユニホームは中高生に絶大な人気で、21年男子インターハイ富山大会での「ヴィクタス」の着用率は7割以上(同社調べ)にのぼった。今後はパステルカラーなども取り入れ、女性客の取り込みも狙う。

 「卓球は野球やサッカーのような“観る”スポーツへと認識が変わってきている。『ヴィクタス』のデザイン性もますます生きてくる」。18年にはプロ卓球リーグ「Tリーグ」が発足。開幕試合は両国国技館を2日間貸し切りで行った。試合は複数同時進行ではなく、広々とした会場に卓球台が1台だけ置かれ、スポットライトが当たる中でトップ選手がプレー。今では、石川佳純選手ら有名プレイヤーが出場する試合には、会場からの出待ち客も出るほどだ。

 「東京五輪で卓球に興味を持つ人はさらに増えた。競技そのものの面白さだけでなく、ユニホームや道具のデザインでも間口を広げていきたい」。今年10月から国際卓球連盟の定めるルールが変更され、これまで赤と黒のみしか許されなかったラバー(ラケットに貼るゴム)の色の制約事項が撤廃される。「ヴィクタス」はこれを受け、他ブランドに先駆けて水色のラバーをラインアップすることを決めた。

 板橋氏は「ヴィクタス」の今後について「卓球場を超えて競技の可能性を開拓したい」と語る。「たとえば、イケてるビーチに卓球台が置いてあってもいい。おしゃれなファッションショップのど真ん中に、ユニホームが並んでいても面白いんじゃないか」。実際に、大手セレクトショップに営業をかけている最中だという。

 既成概念にとらわれない挑戦を続けるのは、「卓球の競技としての魅力高めることが、結果的にブランドの可能性を広げる」と考えるから。「いつか『卓球をやってます』が恥ずかしい告白ではなく、キラーワードになるような世の中を、僕らが作っていきたい」。

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あなたの投票で決定! 東コレ頂上決戦“T-1グランプリ”-決勝-

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が5日に閉幕しました。「WWDJAPAN DIGITAL」は、読者投票で日記No.1ブランドを決める“T-1グランプリ”を開催!編集部が選んだ全20の候補から、あなたが思うベストブランドに投票してください!ノミネートブランドの確認と、投票フォームには以下からアクセス!


ノミネートブランド

“T-1グランプリ”の投票はこちらから!

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「カラー」の京急線貸し切りショー、台湾発「セイブソン」の遠隔ランウエイ 驚き連続の“T-1グランプリ”予選最終日

 8月30日に始まった2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が本日開幕しました。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。最終日のノミネートブランドはこの3つだ!


世界7都市のファッションウイークを取材
リポーター大杉
「カラー(KOLOR)」

見どころ:今季リアルショーのトリを飾った「カラー」に圧倒されました。招待状に書かれた集合場所は京急線品川駅の改札口だったので、駅構内でショーをするのかと思いきや、ランウエイは車内!貸切電車は蒲田駅に進み、到着した駅のプラットホームからモデルが乗り込む形でショーがスタートしました。電車や駅という日常の景色が舞台となって、非日常化するところが心地よい。服は6月にパリメンズで発表したもので、大胆なミックス感、ベーシックカラーとビビットカラーの掛け合わせに“らしさ”が強く出ています。海外コレクションも歩く一流モデルたちがまとって、颯爽と駆け抜ける姿がとてもかっこよかったです。ショー後には、ダイアの関係で40分ほど車内で待機することになったのですが、ゲストにはいなり寿司やポテチ、水出し緑茶、アイスキャンディーが提供されました。リアルならではの特別感とおもてなしを楽しませていただきました。約160人の学生も招待し、彼らには貴重な体験になったはずです。個人的に降車前の「『カラー』2022年春夏コレクションにご乗車ありがとうございました」という駅員さんのアナウンスに感激でした(笑)。緊急事態宣言下の開催となった東コレでしたが、この1週間は一球入魂のクリエイションに向き合うことができてとても楽しかったです。感染対策を万全にしながらも、スケールの大きいショーで締めくくってくれた「カラー」に拍手。


若手随一の“ファッションバカ”
東コレ取材2シーズン目の大澤
「セイヴソン(SEIVSON)」

見どころ:東京コレクション初参加で台湾人デザイナーのヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)が2017年に立ち上げたウィメンズブランド。コロナ禍でデザイナーの来日が叶わなかったため、本番は遠隔で指示を出しながらショーを実現させたそう。リアルショーを実現することも簡単ではなくなった今、生で見られる喜びを改めて感じるとともに、見る側の責任も増しているなと気が引き締まりました。コレクションは近未来の世界で潜入捜査する“名もなき秘密捜査官”をテーマに、コロナ禍で必需品となったマスクの代わりになる目出し帽を数体のモデルが着用。そのほかプリーツワンピースとトレンチコートを合わせたボリュームのあるアウターや、至るところをカットアウトしたインナーなどが斬新で面白かったです。フィナーレでは、台湾にコロナワクチンを無償提供した日本に対する感謝と東コレに参加できた喜びを「THANK YOU JAPAN WE ARE FROM TAIWAN」のメッセージにしてTシャツに乗せました。僕のお気に入りはシャープなシルエットから裾にかけてボリュームが出る、膝上から切り替えしたレギンスパンツ。来年の夏はこれでスナップされたい!


デジタル東コレ取材3シーズン目の美濃島
「ナオキトミヅカ(NAOKI TOMIZUKA)」

見どころ:「リロト」立ち上げメンバーでもある富塚尚樹デザイナーが2020年にスタート。東コレ参加は2回目です。今季は、得意とするフリルとギャザーのドレスをオールグリーンで制作しました。グリーンバックを使った合成技術“クロマキー”に着目し、「着る人の思い出を風景として落とし込む」ためのドレスだそう。斬新なアイデアはもちろん、襟に見立てたフリルや、テープのように縦方向にあしらったフリル、メリハリを生む腰のカットアウトなど、ドレス自体がかわいいから説明抜きでも惹かれます。映像では、実際に服の一部に街の風景を合成!「洋服でもこんなにきれいに映るのか」と感心しちゃいました。

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「カラー」の京急線貸し切りショー、台湾発「セイブソン」の遠隔ランウエイ 驚き連続の“T-1グランプリ”予選最終日

 8月30日に始まった2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が本日開幕しました。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。最終日のノミネートブランドはこの3つだ!


世界7都市のファッションウイークを取材
リポーター大杉
「カラー(KOLOR)」

見どころ:今季リアルショーのトリを飾った「カラー」に圧倒されました。招待状に書かれた集合場所は京急線品川駅の改札口だったので、駅構内でショーをするのかと思いきや、ランウエイは車内!貸切電車は蒲田駅に進み、到着した駅のプラットホームからモデルが乗り込む形でショーがスタートしました。電車や駅という日常の景色が舞台となって、非日常化するところが心地よい。服は6月にパリメンズで発表したもので、大胆なミックス感、ベーシックカラーとビビットカラーの掛け合わせに“らしさ”が強く出ています。海外コレクションも歩く一流モデルたちがまとって、颯爽と駆け抜ける姿がとてもかっこよかったです。ショー後には、ダイアの関係で40分ほど車内で待機することになったのですが、ゲストにはいなり寿司やポテチ、水出し緑茶、アイスキャンディーが提供されました。リアルならではの特別感とおもてなしを楽しませていただきました。約160人の学生も招待し、彼らには貴重な体験になったはずです。個人的に降車前の「『カラー』2022年春夏コレクションにご乗車ありがとうございました」という駅員さんのアナウンスに感激でした(笑)。緊急事態宣言下の開催となった東コレでしたが、この1週間は一球入魂のクリエイションに向き合うことができてとても楽しかったです。感染対策を万全にしながらも、スケールの大きいショーで締めくくってくれた「カラー」に拍手。


若手随一の“ファッションバカ”
東コレ取材2シーズン目の大澤
「セイヴソン(SEIVSON)」

見どころ:東京コレクション初参加で台湾人デザイナーのヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)が2017年に立ち上げたウィメンズブランド。コロナ禍でデザイナーの来日が叶わなかったため、本番は遠隔で指示を出しながらショーを実現させたそう。リアルショーを実現することも簡単ではなくなった今、生で見られる喜びを改めて感じるとともに、見る側の責任も増しているなと気が引き締まりました。コレクションは近未来の世界で潜入捜査する“名もなき秘密捜査官”をテーマに、コロナ禍で必需品となったマスクの代わりになる目出し帽を数体のモデルが着用。そのほかプリーツワンピースとトレンチコートを合わせたボリュームのあるアウターや、至るところをカットアウトしたインナーなどが斬新で面白かったです。フィナーレでは、台湾にコロナワクチンを無償提供した日本に対する感謝と東コレに参加できた喜びを「THANK YOU JAPAN WE ARE FROM TAIWAN」のメッセージにしてTシャツに乗せました。僕のお気に入りはシャープなシルエットから裾にかけてボリュームが出る、膝上から切り替えしたレギンスパンツ。来年の夏はこれでスナップされたい!


デジタル東コレ取材3シーズン目の美濃島
「ナオキトミヅカ(NAOKI TOMIZUKA)」

見どころ:「リロト」立ち上げメンバーでもある富塚尚樹デザイナーが2020年にスタート。東コレ参加は2回目です。今季は、得意とするフリルとギャザーのドレスをオールグリーンで制作しました。グリーンバックを使った合成技術“クロマキー”に着目し、「着る人の思い出を風景として落とし込む」ためのドレスだそう。斬新なアイデアはもちろん、襟に見立てたフリルや、テープのように縦方向にあしらったフリル、メリハリを生む腰のカットアウトなど、ドレス自体がかわいいから説明抜きでも惹かれます。映像では、実際に服の一部に街の風景を合成!「洋服でもこんなにきれいに映るのか」と感心しちゃいました。

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デジタルで時空を超えた「ジュンアシダ」、地力の高さを見せつける「ハイク」 読者投票で決める東コレナンバーワン“T-1グランプリ”5日目

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が8月30日に開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


デジタル東コレ取材3シーズン目の美濃島
「ジュンアシダ(JUN ASHIDA)」

見どころ:今シーズンのテーマは“Another Dimension-時空を超えて”。100台以上の4Kカメラを使って洋服をスキャンし、バーチャルショーに挑戦しました。驚くほど精巧なジャングル柄のテキスタイルのセットアップや、スパンコールのようなキラキラ素材を全面に散りばめたワンピースなど、クチュールの技術を駆使したゴージャスなリゾートスタイルが目白押しです。さらに故・芦田淳デザイナーが手掛けたアーカイブをアレンジしたカクテルドレスやイブニングドレスも登場。新しい表現に挑戦しつつ、ブランドの普遍性も両立するクリエイションに脱帽です。


若手随一の“ファッションバカ”
東コレ取材2シーズン目の大澤
「フェイス エージェー(FACE A-J)」

見どころ:「フェイス エージェー」は、日本とアフリカのクリエイティブ産業をつなぐプロジェクト。今回はアフリカのニットブランド「マコサ アフリカ(MAXHOSA AFRICA)」と「東京ニット(TOKYO KNIT)」のコラボレーションを発表しました。女性の勇敢さや強さから着想したコレクションは、コサ族の伝統的なビーズワークの繊細な柄や、派手好きな僕も驚くパワフルなカラーリング。日本人の感覚ではなかなか作れないデザインにひかれました。特にコサ族の人物の肖像画をプリントしたカーディガンやプリーツスカートは元気が出そうで、一度着てみたい!


世界7都市のファッションウイークを取材
リポーター大杉
「ハイク(HYKE)」

見どころ:「ハイク」は今季も抜群に素敵だったのですが、同時にブランドとしての底力も感じました。今季の東コレは1月半ほど時期が前倒しになり、参加を断念するウィメンズブランドも多かったのですが、「ハイク」がちゃんと今回の東コレにも間に合わせてきたのに驚きました。同ブランドのように、素材開発にもこっていて規模の大きいブランドが、発表時期を1月半もずらすことは容易ではないはずなので、まずそこに敬意を表します。撮影はレールを使った本格的なドリー撮影!高さやアングルも変わってルックが見られるのが面白い。特に目立ったプロップを用意するわけではなく、シンプルな演出ではありますが、毎回ちゃんと既視感が出ないように撮影技法をガラッと変えるところも素晴らしい。服は袖コンシャスと、ポップなピーコックカラーも新鮮でした。「ポーター(PORTER)」とのコラボレーションも披露。ブランドらしいミリタリーのヘルメットバッグは、斜めがけにできるタイプやトートタイプなど、洗練されていて実用的。即完必至になりそうですね。また継続している「チャコリ(CHACOLI)」とは巾着バッグが新登場し、これまたかわいかったです。

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「リュウノスケオカザキ」の衝撃 東コレで着るアートの“大型”新人がデビュー

 「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)」が2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」に参加し、9月1日にデビューショーを行った。東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻を修了したばかりの無名のデザイナーだが、今回のショーは文化庁の支援を受けての発表。リアルクローズとは一線を画す、“着られるアート”を見せて強い存在感を示した。

 デザイナーの岡崎龍之祐は、1995年に広島に生まれた25歳。クリエイターの支援と育成のための奨学金制度「クマ財団」の4期生。今季は藝大在学時代から最新作までの23作を「000」コレクションと題して披露した。暗闇の中を囲うようにライトを配置したシンプルな会場に、人種や性別もバラバラのモデルたちが、有機的な形をした、巨大でカラフルなドレスをまとって次々に登場した。

衣服に込められた平和と祈り

 岡崎のルーツは、生まれ育った広島にある。平和教育を受けてきたことから、幼少期から平和についての考えや、祈りの行為に向き合い、その精神性に関心を持ってきたという。初期の作品である、広島に贈られる折り鶴の再生紙を織り上げてできたドレスが象徴している。

 今季のショーで目立ったのは、左右対称で立体的な縄文土器をイメージした“JOMONJOMON”シリーズだ。自然の脅威を感じながら、自然の恩恵を願うという土器に込められた人々の思いからインスパイアされた。素材は、伸縮性のあるリブ素材の軽量ニット。ボーンを入れており、歩くたびに弾むように揺れ動く。花びらをまとうようなドレスなどは、自然崇拝から着想した“Nature’s Contours”シリーズ。植物や昆虫、動物などをカラフルな色使いで感じさせる。自由でプレイフルなクリエイションの裏にある、“祈り”を中心にしたスピリチュアルなテーマは、先の見えない混沌とした現在の状況下に響くものがあった。

デザインの可能性に挑戦する
未来を担うデザイナー

 昨今はサステナブルであることが重要視され、“いかに環境にいい物作りができるのか”“売れるものだけを作る”ということに関心が集まっている。それは未来を考えると大事なことだが、個性とクリエイションが伴わなければそれこそが持続可能ではない。「リュウノスケオカザキ」の服は着て、消費することが目的ではない。1着数十万円とする1点モノのアートであり、コレクションピースだ。ファッション産業が進化を続けるためには、人々に感動を与えられるデザインの可能性にチャレンジするデザイナーの存在が必要だ。岡崎龍之祐がその担い手であることが、このショーで証明されただろう。

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僧兵に着想した「ヨシオクボ」の独自性、20分の超大作に挑戦した「コンダクター」 読者投票で決める東コレナンバーワン“T-1グランプリ”4日目

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が8月30日に開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


東コレ取材歴5年
副編集長・大塚
「ヨシオ クボ(YOSHIO KUBO)」

見どころ:東京のファッション・ウイークへの参加は5年ぶり。海外での発表経験を経て、リアルとデジタルという垣根を超えて、あらゆる表現方法にどん欲に挑んでいる姿がかっこいいなと思っています。今シーズンは僧兵を意味する“ウォーリアー・モンク”をコンセプトに掲げ、日本のミリタリーを独自に解釈しました。相手を威かくするためのオーバーサイズや、竹で迷彩を作った“バンブーカモフラージュ”柄、かつて僧兵たちが興じていた将棋の駒をモチーフに使うなど、和を深く掘り下げたスタイルが連続。実はショー前の展示会で服自体は見ていたのですが、やはり人が着て歩くと別物です。ブランドが得意とするパターンワークを、結んだりひねったりするスタイリングでアピールし、どういう構造なのかと改めて気になり身を乗り出してしまいました。そしてリアルならではの驚きは、自分のスマホでは見ない日はないTikTok発のスターモデル、大平修蔵さんを生で見られたこと。実在していたんだ!と服とは全然関係ないところでも感動しました。


本日も家にこもりっきり
東コレ取材3シーズン目の美濃島
「コンダクター(EL CONDUCTORH)」

見どころ:デジタル発表が浸透して数シーズン。2〜3分で洋服を見せる映像も多い中、20分の超大作が届きました。「せっかくデジタルでやるんなら、ストーリーのある短編映画に挑戦したい」という長嶺信太郎デザイナーの強い意思で実現したもので、俳優の唐田えりか、吉村界人らが出演し、監督は小林達夫という本気っぷり。ジンの編集者が憧れのバンドを取材し、大事なものに気づかされるストーリーがめちゃくちゃ面白いし、音楽やストリートとのつながりが強いブランドの世界観ともマッチしています。ウエアは、スカルと十字架を散りばめた透け感のあるボウシャツや炎のようなペイントを施したセットアップスタイルなど、センシュアルなひねりを加えたロックテイスト。映画だから同じウエアが何回出てきても違和感はないし、ぶっちゃけショーより記憶に残りました。世界観を作り込み、洋服を効果的に見せられるのは、デジタル最大の強みですね。


若手随一の“ファッションバカ”
東コレ取材2シーズン目の大澤
「ユーシーエフ(UCF)」

見どころ:コレクションは、上田安子服飾専門学校のトップクリエイター学科の3年生、総勢13人が手掛けました。開幕4日目までに、計10ブランド以上のプロデザイナーのコレクションを見てきた僕は、正直甘く見ていました。今季は兵庫県の播州織や群馬県の桐生ジャカード、愛知県の有松鳴海絞り形状加工などをしたオリジナル素材に、大胆なカッティングやドレープ、アシンメトリー加工を施したり、数パターンの着こなしが楽しめる変形型シルエットにしたり。ブラックとホワイトのカラーが、より素材の良さとシルエットを際立たせます。学生たちのレベルの高さに唖然としました。すみませんでした。ほとんどの学生は今後、パリ・コレクションを目指し活動していくそう。日本の未来に乾杯です。

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アルカの辻愛沙子に聞く小売りや消費の未来 西武渋谷店に“スタンスを問う”D2C売り場がオープン

 西武渋谷店は9月2日、パーキング館1階に“メディア型OMOストア”をうたう「チューズベース シブヤ(CHOOSEBASE SHIBUYA、以下チューズベース)」をオープンした。半年ごとに変わるテーマに沿ってD2Cブランドを集積する売り場で、オープン時は「タイムリミット」をテーマに、環境に配慮したファッションやビューティ、食品など54ブランドをそろえる。D2Cの集積売り場は近年増えているが、「意味に出合い、意志を買う」売り場を目指すという「チューズベース」は、そのどれとも毛色が異なり、「社会に対して自分はこうありたい」といった打ち出しがはっきりしている点が特徴的。それもそのはず、売り場のコンセプト策定やクリエイティブ面を担ったのは、“社会派クリエイティブ”を掲げ、報道番組のコメンテーターとしても活躍する辻愛沙子アルカCEOだ。辻CEOに、売り場に込めた思いやこれからの消費のあり方を聞いた。

WWD:そごう・西武の担当者からSNSのダイレクトメールで熱烈なラブコールを受けて、今回の取り組みが始まったと聞いた。

辻愛沙子アルカCEO(以下、辻):最初は小売りの未来について一緒に考えてほしいとお話をいただきました。小売りの未来、つまり消費の未来を考えると、もちろんDX(デジタルトランスフォーメーション)などの機能面の進化は重要ですし、「チューズベース」でもそれは要の1つです。ただ、それとは別の話で、この1、2年で社会が急激に変わったと感じます。企業がESG経営やSDGsを強く打ち出すようになっていますが、そういった流れは企業だけのものではなくて、むしろ生活者からのボトムアップによって社会が変わってきている。

 そうした変化の中で、ブランドも「社会に対して何を届けるのか」ということを考えるようになっている。同時に、私自身を含め、生活者も“便利”“安い”“近い”といったこと以外の価値を消費に求めるように変わりつつあります。環境によいものとそうでないものが同じ価格で並んでいるなら、環境によいものを選びたい。なんなら、ちょっと高くてもそっちを買いたいという人が増えています。それなのに、小売りの世界は従来のままで、利便性や(テイストによる区分のような)トンマナによるカテゴライズが中心。例えば百貨店も、まず性別でフロアが決まって、そこからテイストで細分化されていきますよね。そういうカテゴライズではなくて、思想やスタンスでキュレーションされた売り場があったらいいなと思いました。バイブス近い人たちが集まっている、みたいな売り場です(笑)。

WWD:バイブスが近い人が集まる場所というのは、具体的に言うとどんなイメージか。

辻:北海道物産展とかは、北海道好きな人が集うものなので近いと思います。あとはニューヨークに住んでいたとき、日本食が食べたくなると日本のお店が集まっているエリアに行きました。そこに行けば見慣れた「チキンラーメン」があってほっとできて、しかも日本から来ている人が多い。みんな知らない人たちなんだけど、なんだか安心する。そんな感覚があります。国内でも、飲食店だと同じアイデンティティーやバイブスを持った人が集まっている場所ってありますが、商業施設にはいろんな人が来るし、それが多様性でもある。それは良いこと。ただ、私とは“ガワ”(見た目やファッション)が全く違って、マーケティング分類では絶対同じペルソナにならないような人が、実はバイブスは近いっていうことがあると思うんですよね。そういう人たちが集うお店って、個人でやっているセレクトショップとかではありますが、ある程度の規模の商業施設では私は見たことがないです。

“パーパスドリブン”な売り場があったら面白い

WWD:売り場が目指すあり方を、「意味に出合い、意志を買う」場所と表現しているのが印象的だ。

辻:目指したのは、未来の社会にはどんなものが必要かというパーパス(PURPOSE)を軸にして、ブランドや生活者、メディア、KOL(インフルエンサー)などが集う場所です。そこには、お客さま、そごう・西武、ブランドというようにさまざまな主語があるんですが、みんな見ている方向は同じで、同じパーパスを共有しているという連帯がある。そんな“パーパスドリブン”なお店が出きたら面白い。商品として、機能性やデザインが優れていることは前提です。その上で、大量生産・大量消費の社会の中でなぜこの商品を作るのかというスタンスを明確にし、お客さまはただ買うのではなく、これを買うことで社会に対してどんな意味があるのかを考える。そんなふうに、意味や意志を選び取っていく場所にしたいと思っています。

 ただし、説教臭い場所にはしたくない。売り場で商品からテーマに入るからこそ、「これがかわいい」とか「おしゃれ」とかが先に来て、堅苦しくならない。そこにこそ、百貨店やブランドができることがたくさんあると思います。学校とかで教える直接的な学びだけでなく、商業施設やブランドがいろんな切り口から社会に向き合うきっかけを作る。気づきの入り口のような場所になればと思います。

WWD:立ち上げ時のテーマは「タイムリミット」。「サステナビリティ」や「SDGs」といった最近よく聞く言葉ではなく、どこかフワッとした「タイムリミット」という言葉を選んだ意図は。

辻:繰り返しになりますが、テーマ設定はあくまでクエスチョニング(問いかけ)であって、それを選ぶか選ばないかはお客さまやブランドのスタンス次第です。「チューズベース」という名前の通り、「これが正解です」というアンサーベース(答えありき)の場所にはしたくない。ただ、「タイムリミット」という言葉を選ぶ際には分かりやすさとの葛藤はすごくありました。今回に限らず、「もっと説明的で分かりやすい言葉を使ってほしい」と(クライアントから)言われるケースはよくあります。でも、例えば「サステナビリティ」って言葉を出されちゃうと、もうそれが答えみたいで「はいはい大事ですね、以上、完!」みたいになってしまうんですよね。だから、「タイムリミット」という言葉で違和感を作りたかった。タイムリミットには誰にでもそれぞれの解釈があるからこそ、何を選ぶかにつながっていきます。

 誰だって、できれば環境に良いことをしたいと思っています。その方がいいことはみんな分かっている。それなのになぜできないのかということがすごく大事で、耳触りのいい、聞いたことがある言葉では伝わりきらないんです。そういう言葉で伝わるものなら、地球環境の問題は既に解決しているはずですから。そこに対して、こちらが答えを出してしまうと、みんな思考停止してしまう。と言うか、一人の人間や一つの企業が答えを出せるという発想自体が、傲慢だと思います。

カリスマ1人に背負わせるのは
“平成の価値観”

WWD:売り場から問いかける、という考え方は新鮮だ。ただ、日本人は社会課題などに対し、自分で考えて発信することに慣れていないともよく言われるし、SNS上ではそれをよしとしない空気もある。

辻:特に政治や宗教、社会のことについて、考えることを是としない空気感がこれまではなんとなくあった気がします。でも、議論することは当たり前だし、意見が違ったらそこで考えるっていうことがすごく大事。そのきっかけを作れたらと思っているので、私はメディアに出るときもSNSも、「チューズベース」のような仕事のアウトプットでも、問いかけることを大事にしています。私も分かんないからこそ、「みんなで考えようよ」って。「チューズベース」でブランド同士の連帯を意識しているのもそういう考えからです。

 主語が一つじゃないことが、今の時代はすごく大事。誰かをアイコンや象徴にして、そこに背負わせないということ。「そごう・西武が全部作ります」じゃなくて、集まるブランドそれぞれが語って、お客さまがそのストーリーを解釈して、どう選択していくか。最近、友人が“PURPOSEHOOD”(目的意識による連帯)という言葉を使っていていいなと思いました。誰か1人をアイコンにすると、その人が折れたときに全体がガタンと(ダメに)なる。1人をアイコンにするのは平成の価値観。象徴を作らず、主語を“WE”(私たち)にしていくことがこれからはすごく大切だと思います。

WWD:そういう考え方は、売り場にはどう反映したのか。

辻:ブランドそれぞれにちゃんと光が当たるような売り場になっています。分かりやすくはあるんだけど、分かりやすさだけを極めないというのが、(お客さまやブランドに)解釈を委ねるということ。だから、店の真ん中だけにスポットライトをバーンと当てる、みたいな売り場にはしていません。スクランブル交差点じゃないですが、店内は十字の形で回遊できるようにしました。出口も入り口も正解もなく、入った人がそれぞれ感じた正解を持ち帰って、家やほかの場所で思い返して、ちょっとずつ自分の中で咀しゃくしていったほしい。それで次に歯ブラシが切れた、化粧水が切れたというときの選択肢として、戻ってきていただければと思います。

 MD面の実務はそごう・西武の方が担当されましたが、テーマからブレたり、悪い意味で間口を広げたりしてしまうことはよくないと何度かお伝えしていました。ビジネスとして、どこまでテーマに対してストイックにいくかは難しい。でも、「タイムリミット」と掲げた下でお客さまが「あれ?」と思うような商品やブランドが並んでいたら、「ウソじゃん」となってしまう。それは「チューズベース」だけでなく、そのブランドにとってもよくない。最悪、炎上してしまいます。この1年でウオッシング(それっぽく装うこと)もすごく批判されるようになっているので、そういう議論はチーム内で喧々諤々と繰り返しました。

WWD:かなりゆとりのある商品陳列など、効率重視の百貨店とは大分違う店の作り方だと感じる。百貨店の中でこうした売り場を作るのは、大変だったのでは。

辻:一番しんどい部分は、チーム内のそごう・西武の社員の方に担っていただきました。私はベンチャー企業出身なので想像しかできませんが、大きな会社で新しいことをするのはすごく大変なんだと思う。ただ、会社の成り立ちというか、1980年代のセゾン文化を考えてみても、(西武は)渋谷の街を作ってきた企業だと思うんです。今ではもうグループが違う企業や業態も含め、渋谷には西武と兄弟みたいな商業施設がたくさんある。そうした下地があって、いろんな出自の人が集まっている会社だからこそ、ダイバーシティーが社内にあるのかなと勝手に感じていました。

 渋谷という街で「チューズベース」をやることの意義もすごく感じています。私は渋谷区生まれ、渋谷区育ちのレペゼン渋谷(笑)。この街にはカウンターカルチャーのDNAがありますが、それでも、大量生産・大量消費の流れの中で街がどこも似てきて、渋谷にも高層ビルが次々と建っている。それも便利ではあるんですが、この街とあの街、あっちのビルとこっちのビル、何が違うんだろうと思ったりもする。街は行政が作るものではないし、「この街はこうであれ」というように上から与えられるものでもない。「俺らがこの街を作っていくんだ」みたいなマインドが大事だと思うし、そういう意識が渋谷の街にはもともとある。それは「チューズベース」のあり方にも通じるものです。

スタンスを明確に、生活者を信じて

WWD:百貨店やアパレルといった業種は構造不況と言われ、コロナもあってなかなか展望を描きづらい。それでも、辻さんの話を聞いていると、やれることや可能性はまだまだたくさんあるように感じられる。レガシー的な企業や業界が未来を切り開くために、アドバイスを。

辻:何事も言うはやすしで、よそ者である私が簡単に言えるようなことはないです。業界で長らく仕事をされている方が、いろんなことを一番分かっている。それは前提として、それでも私から何かを伝えるなら大事だと思うことは2つ。1つ目はスタンスを明確にすることです。企業やブランドって個人とは大きさが違うだけで、根底は個人と同じだと思う。私は自身のスタンスを明確にし続ける人生を図らずも歩んできて、「怖くないいの?」と聞かれることもあります。(炎上などで)誰かを失うかもしれないと思うから、スタンスを明確にする前は怖い。でも、ブランドだったら明確にした先で本当のロイヤルカスタマーに出会えるかもしれない。利害関係の一致ではなく、向いている先が同じ者同士だから連帯していくという流れが今は本当に強まっているし、その流れに乗ると、いい化学反応が起こってもっといいアウトプットができるようになります。

 マス一強の時代ではないからこそ、スタンスの表明はすごく大事です。もちろん、企業としてスタンスを明確にしないことも1つの選択肢ではある。ただ、「スタンスを明確にしないというスタンスを、あなたは今取っているんですよ」ということには自覚的になるべきだとは思います。

 2つ目は、生活者を信じること。生活者はブランドや企業が思っている以上にいろんなことを考えていると思う。例えば環境によいブランドを選ばない人も、本当は買いたいのに、今はお金がないというだけかもしれない。買えない場合でも、ブランドのスタンスには共感してSNSでシェアしてくれるかもしれない。ブランドや企業が正解を提示しようとしたり、「分かりやすくしなきゃ」と考えたりするのは、生活者を信じていないから。それっておこがましいことです。言葉が雑になりますが、生活者も世論もバカじゃないと私は強く思っていて、信じているからこそ問いかけている。企業やブランドも同じように、スタンスを明確にして、生活者を信じることは大事だと思います。

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長濱ねるが東コレのSDGsサポーターに ベストコレクションは「ミカゲ シン」

 「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」は、2022年春夏シーズンに新設したSDGsサポーターにタレントの長濱ねるを起用した。長濱はNHK・SDGsキャンペーン「未来へ17アクション」への参加や、ファッション誌「with」の連載でSDGsについて勉強するなど、自身も持続可能な取り組みに関心があることからサポーター就任に至った。

 長濱は、「自分自身がファッションに精通して仕事をしてきたわけではないので、ファッション界に携われていることが純粋にうれしい。同世代で『もっとファッションのことを知りたい』という人たちの入り口が広くなるように役立ちたい」とコメントした。

 長濱はコレクション3日目までにリアルショー4本、オンラインショー3本を視聴した。「ショーを見て、自分が『着たい』『かわいい』と思う洋服が実はSDGsに配慮していて、ファッション業界でも当たり前になりつつあるのかなと感じました」。一番印象に残ったブランドは「ミカゲ シン(MIKAGE SHIN)」だという。「ショーの照明や音楽、生地の美しさが直に伝わってきて感動した」。さらに「ショーを通して、それぞれの作り手の思いがひしひしと伝わってきた。オンライン配信が主流の今だからこそ、リアルで見られることのぜいたくさ、喜びを感じた」と続けた。また実際にSDGsサポーターとしてショーを見て、新たな気付きがあったという。「今、持っている洋服を長く着たり、洋服を購入する際に『長く着られるかどうか』の選択を慎重にしたり。環境に配慮した服を買うのも一つの手ですが、持っている服を大事に着続けることは誰にでも始められること」と、日常の意識の変化に対する重要性を述べた。

 ショー会場で注目される衣装は撮影時、「ナオキトミヅカ(NAOKITOMIZUKA)」のシャツワンピースを着用した。ブラックを基調に、取り外し可能なメッシュ地の襟や、無数に伸びたひもの数々、赤のタータンチェックを差し色に仕上げている。

 長濱は、長崎県長崎市生まれの23歳。15年に女性アイドルグループの欅坂46のメンバーとしてデビュー。19年に同グループを卒業した。現在はテレビ・ラジオのMCやエッセイの執筆など、活動は多岐にわたる。

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釣り具で終わらない「ディーベック」と儚くも強い「ベッドフォード」 読者投票で東コレナンバーワンを決定“T-1グランプリ”予選3日目

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が8月30日に開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


小雨の中、自転車でショー取材
はっ水ウエアが欲しい編集長ムラカミ
「ディーベック(D-VEC)」

見どころ:長らく「はっ水や防水・防風のアーバンウエア以外に、もう1つアイデンティティが欲しいなぁ」と思っていたけれど、「ニッポン」の要素が加わり独自性が備わってきました。真っ白なシャツドレスなどにブロッキングしたマリンブルーの生地には、大海原の穏やかな波模様を描いた青海波(せいがいは)モチーフ。何より「ニッポン」の漁師や釣り人のスタイル、水産合羽や“釣ジャン”をタウンウエアに昇華‼︎ウエイトベルト風のボディバッグなど、アクセサリーも工夫していて、フィッシングの「ダイワ(DAIWA)」から生まれたアパレルブランドらしさ、が出てきました!


本日も自宅でデジタル取材
東コレ取材3シーズン目の美濃島
「ノブユキマツイ(NOBUYUKI MATSUI)」」

見どころ:テーラリングに定評のある同ブランド。ここ数シーズンはリラックスしたテーラードがトレンドの中、硬さのあるジャケットとコートが連続する攻めの姿勢です。でもインナーにレースを忍ばせたり、淡いストライプのショーツを合わせたりと、絶妙な足し引きで柔らかさを加えます。特にこのロングコートのレイヤードスタイルは、今日の真似したいルックナンバーワン。無造作ヘアも抜け感があっていいです。ちなみにウィメンズモデルも登場しますが、あくまでメンズとしての提案だそう。


7都市のファッションウイークを取材
リポーター大杉
「ベッドフォード(BED J.W. FORD)」

見どころ:久しぶりに東コレに戻ってきた「ベッドフォード」が、雨上がりの夕暮れの八芳園でロマンチックなショーを見せてくれました。席に着くと、コレクションのテキスタイルで作られた造花が配られて、キュン。ショーでは、透け感のあるグラデーションのコートや、ラメ糸の入ったジャカードのジャケットなどがライトに照らされて輝き、とても美しかったです。女性モデルが着こなすシャツのルックも上品でハンサム。葉っぱや花などの自然のモチーフも、秋に近付く自然を見渡せるロケーションにぴったりでした。naomi tokyo parisの生演奏にもうっとり…。ブランドの印象に強くある儚さを体感でき、リアルで発表する利点が最大限に生かされていたショーでした。

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副反応も忘れさせる「ヒロココシノ」やデジタルでも笑える「ネグレクト」 読者投票で東コレナンバーワンを決定“T-1グランプリ”予選2日目

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


東コレ取材十数年
副反応でデジタル参戦の編集長ムラカミ
「ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)」

見どころ:日曜のワクチン接種でコレクション初日は完全グロッキー、2日目もデジタル参戦のムラカミは、ヒロコ先生推しです!テーマは「マインドセット・レボリューション」。「自分で定めた自分の限界、無難で定番の安心感 そんなパターンから抜け出して、新しい風に乗ってみる」。そんな言葉を84歳のヒロコ先生から聞いた瞬間、「副反応どころじゃな〜い!」と元気になりました(笑)。言葉通り、風に乗れそうなボリュームシルエット。そしてメンズモデルも登場のジェンダーレスなアートシャツ‼︎鮮やかなカラーパレットにも、心が洗われました!


東コレ取材3シーズン目
デジタル取材専任の美濃島
「ネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATIENTS)」

見どころ:編集長ムラカミと同じく僕もデジタル参加です。1日中PCとにらめっこして「そろそろ疲れたな」と思っていたら、ゴリゴリの音楽に乗って「ネグレクトアダルトペイシェンツ」のショーが開幕。トラックスーツやロゴフーディーなど「アンチ アダルト」を掲げる同ブランドらしいアイテムが続く中、有名音楽家の肖像画をキッス風メイクでオマージュしたアイテムがチラホラ。顔の下には “初版(ショパン)”“米藤 勉(ベートーヴェン)”“猛津 アルト(モーツァルト)”と日本人風の名前が書かれていて「芸が細かい」と爆笑しました。現場の熱量を伝えづらいデジタルで、視聴者を笑わせるってすごい。BiSHによる恒例の“麺食い”演出もバッチリ決まっていました。気になる方は動画をチェック!


若手随一の“ファッションバカ”
東コレ取材2シーズン目の大澤
「ペイデフェ(PAYS DES FEES)」

見どころ:アヴァンギャルドでガーリーなクリエイションが特徴の「ペイデフェ」は、ブランド独特の世界観に心が洗われました。朝藤りむデザイナーは「ファッション業界では、強い服や表現を求められがちだが、レースやプリーツの存在を改めて表明したかった」と話すように、プリーツを多用したコレクションが多数。なかでもカッティングされたミニスカートに両面プリントのプリーツスカートのドッキングが素晴らしかった。そのほか小説家の稲垣足穂の物語をアニメーション化した絵本を服に付けたスペシャルピースが圧巻。

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副反応も忘れさせる「ヒロココシノ」やデジタルでも笑える「ネグレクト」 読者投票で東コレナンバーワンを決定“T-1グランプリ”予選2日目

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


東コレ取材十数年
副反応でデジタル参戦の編集長ムラカミ
「ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)」

見どころ:日曜のワクチン接種でコレクション初日は完全グロッキー、2日目もデジタル参戦のムラカミは、ヒロコ先生推しです!テーマは「マインドセット・レボリューション」。「自分で定めた自分の限界、無難で定番の安心感 そんなパターンから抜け出して、新しい風に乗ってみる」。そんな言葉を84歳のヒロコ先生から聞いた瞬間、「副反応どころじゃな〜い!」と元気になりました(笑)。言葉通り、風に乗れそうなボリュームシルエット。そしてメンズモデルも登場のジェンダーレスなアートシャツ‼︎鮮やかなカラーパレットにも、心が洗われました!


東コレ取材3シーズン目
デジタル取材専任の美濃島
「ネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATIENTS)」

見どころ:編集長ムラカミと同じく僕もデジタル参加です。1日中PCとにらめっこして「そろそろ疲れたな」と思っていたら、ゴリゴリの音楽に乗って「ネグレクトアダルトペイシェンツ」のショーが開幕。トラックスーツやロゴフーディーなど「アンチ アダルト」を掲げる同ブランドらしいアイテムが続く中、有名音楽家の肖像画をキッス風メイクでオマージュしたアイテムがチラホラ。顔の下には “初版(ショパン)”“米藤 勉(ベートーヴェン)”“猛津 アルト(モーツァルト)”と日本人風の名前が書かれていて「芸が細かい」と爆笑しました。現場の熱量を伝えづらいデジタルで、視聴者を笑わせるってすごい。BiSHによる恒例の“麺食い”演出もバッチリ決まっていました。気になる方は動画をチェック!


若手随一の“ファッションバカ”
東コレ取材2シーズン目の大澤
「ペイデフェ(PAYS DES FEES)」

見どころ:アヴァンギャルドでガーリーなクリエイションが特徴の「ペイデフェ」は、ブランド独特の世界観に心が洗われました。朝藤りむデザイナーは「ファッション業界では、強い服や表現を求められがちだが、レースやプリーツの存在を改めて表明したかった」と話すように、プリーツを多用したコレクションが多数。なかでもカッティングされたミニスカートに両面プリントのプリーツスカートのドッキングが素晴らしかった。そのほか小説家の稲垣足穂の物語をアニメーション化した絵本を服に付けたスペシャルピースが圧巻。

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読者投票で東コレナンバーワンを決定“T-1グランプリ” 初日の一押しは「ミカゲ シン」「レインメーカー」「スリュー」

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


東コレ取材3シーズン目
デジタル取材専任の美濃島
「ミカゲ シン(MIKAGE SHIN)」

見どころ:昨シーズンはスカート男子のルックが超かっこよくて、今季もファーストルックから大ぶりのイヤリングにプリーツスカート&スラックスという振り切りっぷり。「エレガンスに男女の境はない!」という姿勢をひしひしと感じます。デザイナーが手描きした田園のグラフィックでスーツ地のシャツを切り替えたり、大理石のグラフィックをドレープのきれいなワンピースにあしらったりと、“都会と田園”というテーマの表現手法もおもしろかった。音楽と照明の緊張感ある演出も洋服を際立たせてましたし、リアルショーで見たかったな(泣)。


東コレ取材歴6年
副編集長大塚
「レインメーカー(RAINMAKER)」

見どころ:正直、ダークホースでした。リアルのショーが復活している中で、映像でここまで印象に残るとは。しかも、国立京都国際会館のきれいなロケーションやカメラワークといった水谷太郎さんの演出もさることながら、服がめちゃくちゃ強い。「レインメーカー」って、数年前まで和の伝統を継承する“ザ・男服”な印象でしたが、最近は硬さが取れてとってもしなやかで軽快。でも根底にある深みや骨太感は残っているという、まさに“進化”という言葉がぴったりのクリエイションを見せてくれました。玄人っぽい色使いは好みが分かれそうですが、アーティストと協業したテキスタイルや強めのディテールはキャッチーなので、スタイリングが楽しそうです。


7都市のファッションウイークを取材
ライター大杉
「スリュー(SREU)」

見どころ:古着やデッドストックアイテムのリメイクを中心とした一点モノのブランド。植木沙織デザイナーが1着ずつ素材を選んでおり、愛情を感じるモノ作りが魅力です。私のお気に入りのルックは、ロングヘアが美しいメンズモデルのKEITAが着用していた、パールを施したジャケットとショートパンツのセットアップ。「ミキモト(MIKIMOTO)」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCON)」のコラボが火付け役となり、メンズに向けたパールネックレスがブームになりつつありましたが、装飾でも素敵ですね。甘すぎず、程よくぬけ感もあり、洗練された印象。またデザインスタジオ「アントレース(UNTRACE)」とのコラボレーションも発表し、今後も楽しみです。

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読者投票で東コレナンバーワンを決定“T-1グランプリ” 初日の一押しは「ミカゲ シン」「レインメーカー」「スリュー」

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


東コレ取材3シーズン目
デジタル取材専任の美濃島
「ミカゲ シン(MIKAGE SHIN)」

見どころ:昨シーズンはスカート男子のルックが超かっこよくて、今季もファーストルックから大ぶりのイヤリングにプリーツスカート&スラックスという振り切りっぷり。「エレガンスに男女の境はない!」という姿勢をひしひしと感じます。デザイナーが手描きした田園のグラフィックでスーツ地のシャツを切り替えたり、大理石のグラフィックをドレープのきれいなワンピースにあしらったりと、“都会と田園”というテーマの表現手法もおもしろかった。音楽と照明の緊張感ある演出も洋服を際立たせてましたし、リアルショーで見たかったな(泣)。


東コレ取材歴6年
副編集長大塚
「レインメーカー(RAINMAKER)」

見どころ:正直、ダークホースでした。リアルのショーが復活している中で、映像でここまで印象に残るとは。しかも、国立京都国際会館のきれいなロケーションやカメラワークといった水谷太郎さんの演出もさることながら、服がめちゃくちゃ強い。「レインメーカー」って、数年前まで和の伝統を継承する“ザ・男服”な印象でしたが、最近は硬さが取れてとってもしなやかで軽快。でも根底にある深みや骨太感は残っているという、まさに“進化”という言葉がぴったりのクリエイションを見せてくれました。玄人っぽい色使いは好みが分かれそうですが、アーティストと協業したテキスタイルや強めのディテールはキャッチーなので、スタイリングが楽しそうです。


7都市のファッションウイークを取材
ライター大杉
「スリュー(SREU)」

見どころ:古着やデッドストックアイテムのリメイクを中心とした一点モノのブランド。植木沙織デザイナーが1着ずつ素材を選んでおり、愛情を感じるモノ作りが魅力です。私のお気に入りのルックは、ロングヘアが美しいメンズモデルのKEITAが着用していた、パールを施したジャケットとショートパンツのセットアップ。「ミキモト(MIKIMOTO)」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCON)」のコラボが火付け役となり、メンズに向けたパールネックレスがブームになりつつありましたが、装飾でも素敵ですね。甘すぎず、程よくぬけ感もあり、洗練された印象。またデザインスタジオ「アントレース(UNTRACE)」とのコラボレーションも発表し、今後も楽しみです。

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読者投票で東コレナンバーワンを決定“T-1グランプリ” 初日の一押しは「ミカゲ シン」「レインメーカー」「スリュー」

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が開幕しました。国内外から48ブランドが参加し、4割がリアルショーを行います。「WWDJAPAN DIGITAL」は昨シーズンに続き、ユーザー投票で読者人気1位を決定する“T-1グランプリ“を開催!投票に先駆けて、記者3人がその日に発表したブランドからグランプリ候補を毎日選出します。今日のノミネートブランドはこの3つだ!


東コレ取材3シーズン目
デジタル取材専任の美濃島
「ミカゲ シン(MIKAGE SHIN)」

見どころ:昨シーズンはスカート男子のルックが超かっこよくて、今季もファーストルックから大ぶりのイヤリングにプリーツスカート&スラックスという振り切りっぷり。「エレガンスに男女の境はない!」という姿勢をひしひしと感じます。デザイナーが手描きした田園のグラフィックでスーツ地のシャツを切り替えたり、大理石のグラフィックをドレープのきれいなワンピースにあしらったりと、“都会と田園”というテーマの表現手法もおもしろかった。音楽と照明の緊張感ある演出も洋服を際立たせてましたし、リアルショーで見たかったな(泣)。


東コレ取材歴6年
副編集長大塚
「レインメーカー(RAINMAKER)」

見どころ:正直、ダークホースでした。リアルのショーが復活している中で、映像でここまで印象に残るとは。しかも、国立京都国際会館のきれいなロケーションやカメラワークといった水谷太郎さんの演出もさることながら、服がめちゃくちゃ強い。「レインメーカー」って、数年前まで和の伝統を継承する“ザ・男服”な印象でしたが、最近は硬さが取れてとってもしなやかで軽快。でも根底にある深みや骨太感は残っているという、まさに“進化”という言葉がぴったりのクリエイションを見せてくれました。玄人っぽい色使いは好みが分かれそうですが、アーティストと協業したテキスタイルや強めのディテールはキャッチーなので、スタイリングが楽しそうです。


7都市のファッションウイークを取材
ライター大杉
「スリュー(SREU)」

見どころ:古着やデッドストックアイテムのリメイクを中心とした一点モノのブランド。植木沙織デザイナーが1着ずつ素材を選んでおり、愛情を感じるモノ作りが魅力です。私のお気に入りのルックは、ロングヘアが美しいメンズモデルのKEITAが着用していた、パールを施したジャケットとショートパンツのセットアップ。「ミキモト(MIKIMOTO)」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCON)」のコラボが火付け役となり、メンズに向けたパールネックレスがブームになりつつありましたが、装飾でも素敵ですね。甘すぎず、程よくぬけ感もあり、洗練された印象。またデザインスタジオ「アントレース(UNTRACE)」とのコラボレーションも発表し、今後も楽しみです。

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ファッションデザイナーはスピリチュアルがお好き ゲン担ぎから“シャーマン”起用まで

 コロナ禍で不安な状況が続いていますが、こういう世の中だと占いやスピリチュアルが流行る、という話があります。ウェブメディアではまさに、占いコンテンツが花盛り。編集者の友人いわく、「占いコンテンツのPVはエグい(猛烈にいい)」。他の記事とはレベル違いによく読まれるらしく、それゆえ人気記事のランキングからあえて外している媒体もあるそうです。誕生石や星座、ラッキーチャームにちなんだお守りジュエリーも引き続き人気ですし、「お財布は“一粒万倍日”に買う・使い始める」という話が市民権を得るようになったのも、ここ最近のスピリチュアルブームの一環と言えるかもしれません。

 そんなことをなんとはなしに考えていたら、先日「WWD」の米国版に大変興味深い記事を見つけました。記事タイトルは「デザイナーはなぜスピリチュアル好きなのか」。もうタイトルからして絶対面白い予感しかしません!しかもこの記事、8月13日の金曜日を狙ってアップされていたんですよ(笑)。13日の金曜日は、キリスト教圏では昔から不吉とされている日ですね。

 その記事によれば、「ファッション業界では、占い師、タロットカード、お守り、さらにはシャーマンまでもが(←!)長きにわたって重用されている」と。であるからして、「ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)が5を、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が7をラッキーナンバーにしていたことなんて、デザイナーたちのスピリチュアル好きエピソードのほんの一部に過ぎない」らしいです。「現在『バーバリー(BURBERRY)』を率いるリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)のラッキーナンバーは17なので、彼のインスタのアカウントにも17と入っているし(@riccardotisci17)、Tシャツのプリントなどにもよく17が使われている」とも。

ムッシュディオールも大の占い好き

 他にも、同記事にはスピリチュアル好きデザイナーの話がてんこ盛りです。例えば、「かつて『ディオール(DIOR)』のデザイナーを務めたジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferre)は17を忌み嫌っていたので、コレクションルックには毎回17番がなく、16bis(=16番その2)となっていた」とか、「ダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane von Furstenberg)はファッションショーのとき、靴の中に家に代々伝わるラッキーコインを必ず入れていた」とか。こういうのは、スピリチュアルというより験(ゲン)担ぎと言った方がいいかもしれないですね。

 フェレ以外でもイタリア人には17を避ける人が多いと書いてあるのですが(日本人が4=死を避けるのと同じですね)、「イタリア人でもティッシはタロットカードの17番目である“星”を気に入っているから17を好んでいる」とも。あ、ここで注意点ですが、元記事はこれら全エピソードについて本当かどうか裏を取っているわけではないと思うので、あくまで「そんなウワサがある」というレベルで楽しんでくださいね(笑)。

 まだまだエピソードは続きます。「クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)はまだソルボンヌ大の学生だった1970年代に、パリのファッション業界人の間で人気だった占い師を訪ねた。そこで『アルノーという名の人物が、あなたの人生で非常に重要な役割を果たす』と予言され、走り書きのメモを渡された」と。数年後ラクロワは、それが彼を「ジャン・パトゥ(JEAN PATOU)」から引き抜き、87年に彼自身のクチュールハウスを立ち上げさせたラグジュアリー界の巨人、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)のことだったと気付く。そして占い師から受け取ったメモを見返してみると、なんとそこには彼が使用するようになっていたロゴが描かれていた……!!と話は続きます。いいですねいいですね、徐々にスピリチュアル濃度が増してますね(笑)。

 お次は「ディオール」の現アーティスティックディレクター、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)について。彼女がタロットカードや占いを好んでいることは、コレクションを見ていても感じますよね。21年春夏のクチュールコレクションはタロットカードの世界観を壮麗な刺しゅうで表現していましたし、お守り風リングなどのジュエリーも多数企画しています。「もともと、ムッシュディオール(Christian Dior)自身も非常に占いやスピリチュアルが好きで、マダムドラエ(Madame Delahaye)という占い師を信頼していた」と記事にはあります。

 マリア・グラツィアは以前の「WWD」米国版のインタビューに「私は占いやタロットの世界に魅了されている。タロットや星座のモチーフは、どの国の顧客も理解できる、視覚的で普遍的な言葉のようなもの。そうした謎めいたモチーフをイブニングガウンに刺しゅうすることは、夢のような美しさを形あるものに変えるということであり、それはクチュールが最も得意とするもの」と語っています。

屋外ショー増加でシャーマン起用がトレンド?

 さて、最初の方で「ファッション業界はシャーマンまで重用している」という話がありました。驚かれた人も多いでしょう。私もその一人です。単なる占い師だったら、fortune tellerとかforecaster、divinerとか他にもいろいろ単語があるので、ここでシャーマン(shaman)というミステリアス度マシマシな単語を使っているのにはそれ相応の意図があるんだと思うんです。というわけでオックスフォード英英辞典でshamanを調べてみたところ「特に北アジアや北米の一部の人々の間で、善悪の精霊の世界に通じて影響力を持つと見なされている人のこと。通常は儀式の際にトランス状態になり、占いやヒーリングを行う」とありました。いやー、イメージはしていましたがやっぱり単なる占い師という単語よりも意味が強いですね。

 シャーマン登場でスピリチュアル濃度もマックスですが、実は私、シャーマンについての話は以前も聞いたことがあるんです。あれは2019年の秋、弊紙の現編集統括、向千鶴とパリ出張でコレクション取材をしていたときのこと。そのシーズンは雨が多く、向が「屋外ショーが雨にならないように、シャーマンを起用しているメゾンがある」と話していました。そのときは冗談だと思っていたんですが、これのことだったのか!と。

 記事には、「『ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)』が、インスタグラム上でザ・ウェザー・サン(The Weather Son)という名前で活動しているブラジルのシャーマン、オスマール・サントス・スクリトリ(Osmar Santos Scritori)氏をいくつかのショーで起用したと複数のメディアが報じている」とあります。それだけしか書いてないので、起用されたシャーマンが実際どのような働きをしたのか(晴れるように祈祷するのか、どんなアイテムを使うのか、実際晴れたのかなど)は分かりません。非常に気になりますね!

 「コロナ禍で屋外ショーが増えている今は、雨が降らないようにシャーマンを起用するブランドが増えている」とも記事にはあります。なんとなんと、シャーマン起用はトレンドになっているというわけです。「情報筋によれば、『アライア(ALAIA)』は7月4日に行われたピーター・ミュリエ(Pieter Mulier)の屋外デビューショーでシャーマンを起用した」と。その甲斐あってか、待ち時間の最初の方は少し雨がぱらついたものの、ショーは成功した(=晴れた)と。

 以上のような内容が「WWD」米国版の記事からの抜粋ですが、皆さん楽しんでいただけたでしょうか。「ファッション業界は非常に浮き沈みの激しいビジネス。それゆえ業界人には占い好き、スピリチュアル好きが多い」とも記事にはあり、非常に納得した次第です。繰り返しになりますが、この記事はあくまでも「そんなウワサがある」くらいの感じで楽しんでくださいね!

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タレントIMALU と「アイム ラフロリア」の原由記CEOらがフェムテックを語る 

 5月からstand.fmで配信中の「ハダカベヤ」では、タレントのIMALUとランジェリーブランド「アルバージェランジェリー」創立者のMEGUMI、広告代理店勤務のNATSUKOが身体や性の悩みを語り合い、リスナーの共感を集めている。そんな「ハダカベヤ」と渋谷に続き7月22日から池袋パルコでのポップアップを開催中のデリケートゾーンブランド「アイム ラフロリア」がコラボした。「ハダカベヤ」の3人と、「アイム ラフロリア」を手掛けホルモンバランスプランナーの資格を有する原由記メリアCEOは、デリケートゾーンケアについて語るライブ配信にも挑戦。それぞれの立場からフェムテックを啓もうする4人に話を聞いた。

WWD:「ハダカベヤ」は5月に配信をスタートした。リスナーからの反響は?

IMALU:規模は小さいながらも濃い反響をいただいています。共感してもらえたり、「勉強になりました」という声をいただいたり。女性リスナーばかりかなと思っていましたが、男性からの反応も想像以上にあって嬉しいです。

WWD:公に話す機会の少ない身体や性の悩みについてもオープンに語り合っている。トピックはどう決めている?

IMALU:ほとんど3人で決めています。最近起こった出来事やふとした会話から生まれることが多いですね。リスナーさんやフォロワーさんからリクエストをいただくこともあります。

MEGUMI「アルバージェランジェリー」創立者(以下、MEGUMI):気になったニュースなどがあればメンバーに共有して、「ハダカベヤ」で議題にするかを話し合うことも。ニュースをトピックスにする時は、より身近に感じてもらえる言い回しを3人で考えています。

WWD:「アイム ラフロリア」とのコラボが決まった経緯は。

MEGUMI:2016年に「アルバージェ ランジェリー」を立ち上げて間もない頃、松尾(亜美)さん(現在メリアで広報などを担当)にお問い合わせをいただきお会いしたのをきっかけにご縁が続いていました。松尾さんが「アイム ラフロリア」を手がけるメリアに転職され、何か一緒に取り組めないかとお話をいただきました。「アイム ラフロリア」の理念やコンセプトには共感する部分も多く、渋谷パルコのポップアップでのスペシャルセットの販売や「ハダカベヤ」とのコラボ配信が実現しました。

WWD:「アイム ラフロリア」の使い心地は?

IMALU:ローズの香りは好きなんですけど、強すぎるのは嫌。「アイム ラフロリア」はほんのり香って、テクスチャーも心地よいです。デリケートゾーンのケアアイテムはなんとなく持っていましたが、毎日使ってはいませんでした。改めてちゃんと「アイム ラフロリア」でケアしてみて、乾燥からくるかゆみだったということがわかりました。デリケートゾーンケアって、ちゃんとやれば結果が出るんですよね。

MEGUMI:これまでにもデリケートゾーンケアを使ってきましたが、「アイム ラフロリア」のローズの香りはメンタル面も上がりますよね。使い続けるためには香りは重要なポイント。IMALUちゃんがいったように、気品のある香りなので自分がひとつ上のレイヤーの女性になれるような自信をみなぎらせてくれます。下着ブランドとしてムレやかゆみといったお悩みをお客さまから伺うこともあります。素材や仕様などでできる限り解決したいとも思いますが、デリケートゾーンケアをお勧めすることもあります。「アイム ラフロリア」はよいサポーターになっています。

NATSUKO:フレッシュクリアシートは今まで本当に欲しいものだったので出合えてよかったと心から感じています。暑い季節や外出が続いてムレてしまう時や、「いざ!」と気合を入れたい時にはぴったりです。由記さん(原メリアCEO)も自分を高めるときに使うとおすすめと言っていましたが、コンパクトだし外出先でもリフレッシュできてとっても感動しました。これまではしっかりとデリケートゾーンケアをすることがなかったので、はじめはウォッシュと美容液を2日に1回程度使用していました。使っているうちに体の変化を感じたので今では日常使いになっています。

原由記メリアCEO(以下、原):個包装のデリケートゾーン用のシートって実はあまりないんですよね。デリケートゾーンにはもちろん全身にも使っていただけます。またローズの香りにも注目してもらえて嬉しいです。トップ、ミドル、ラストと香水のように香りを設計しているところがこだわりです。

MEGUMI:「アルバージェ ランジェリー」では試着の際に、「アイム ラフロリア」のシートをお客さまにお渡ししています。個包装なので使ってもらいやすいですし、試着室がローズの香りで満たされて気分が上がりますよね。

WWD:フェムテック・ケアを取り入れたい、でもなかなか踏み出せないという人も多い。

IMALU:女性ならではの悩みは、今後もなくならないと思います。ただ、フェムテックやケアを取り入れることで生活がガラッと変わる可能性はあるのではないでしょうか。私もまだまだ知らないことばかり。みなさんと一緒にいろいろなことを学んでいきたいです。

MAGUMI:フェムテックという言葉だけ聞くと、なんだか小難しく聞こえがちですが、私たち女性にとってはエッセンシャルなものだと思います。ライフステージによって生じるさまざまな体の悩みや心配事を解決してくれる救世主のような存在。まずは毎月必要になる生理用品や「アイム ラフロリア」のようにデイリー使いできるケアから始めてみるのがおすすめです。今までの生活がぐっと快適に変わるかもしれません。

NATUKO:私も「何を、誰に、どんな風に、聞けばいいのかわからない」と感じていました。そんな中で「これならできるかも」「楽しそうかも」と気になったモノを試してみると学びになるし、変化を感じることができればどんどんトライできるかもしれません。私もまだまだ「わからない」「怖い」と試していないことだらけですが、少しずつ学んで進んでいければいいなと思います。

原:新しいことってすごく不安ですよね。私も当初は「本当に使っても大丈夫なのかな」とフェムケアアイテムに抵抗がありました。最近はこだわりの成分が詰まった製品や海外のプロダクト、何十種類もの吸水ショーツなど、素晴らしいフェムケア・フェムテック商品がどんどん出てきています。まずは無理をせず、気になるアイテムを使ってみることをおすすめします。いざ使ってみたら「なんでもっと早く使わなかったんだろう」と思えるかもしれません。

意見や情報を交換して
自分自身で選択できるように

WWD:発信する側として心がけていることは。

IMALU:「ハダカベヤ」はみんなの意見交換の場として心がけています。いろいろな情報をここで得ても、最終的に何を選択するかは自分次第という考えでやっています。人の意見を尊重し、知らないことは知らないと言える平和なディスカッションを目指しています。いつもお酒を飲みながら配信しているので、緊張感なく楽しく会話ができたらいいなと思っています。

NATSUKO:とにかく素直な言葉で、「みんなの意見を共有しましょう!」と心がけています。メンバーが3人いれば3人の意見があって、リスナーの意見を聞くことができて、みなさんの選択肢が少しでも豊かになればと思っています。

原:メリアでも情報を発信することが多いので、正しい情報かどうか、お客さまやユーザーが求めている情報かどうかを常に考えています。また年齢や悩みによってそれぞれ求める情報が大きく異なるので、伝えるのは誰なのかを常に意識しています。

WWD:今後の展望は?

IMALU:私たちはフェムテックに関して、プロの知識があるわけではありませんが、「ハダカベヤ」の一つの軸として、みんなが気を使わずに話せる場を提供したいという思いがあります。「正しいか、正しくないか」ではなく、「こういうものがある、こういうやり方がある」ということを共有し合える場が理想です。今回のようにデリケートゾーンに関して詳しい方とご一緒して、プロの目線で身体の疑問や悩みに答えてもらえることは非常にありがたいです。

MEGUMI:私たちは一般人なので、IMALUちゃんを本当にリスペクトしています。タレントとして身体や性のことを公に語ることにはリスクもあると思います。でも、そうしてくれたから、私たちも自然体で発信できる。その環境に感謝しています。聞いてくれる方も徐々に増えてきて、いろんな方に知ってもらえることでその広がりが女性だけのものではない広がりを見せているのがすごく嬉しいです。カジュアルな場であることはもちろん、ジェンダーの垣根をゼロにして、フェムテックを男性も当たり前のように知っている世界にしていくことが課題だと思いっています。

原:初めて3人とお会いした時、本当にカジュアルにフェムテックやデリケートゾーンケアについて話していると感じました。「アイム ラフロリア」やデリケートゾーンケアは、カテゴリーとしてはすごくクローズドな分野だとも思います。それをメーカーとは違う視点で3人が発信してくれたり、みんなが話しやすく質問しやすい環境を作ってくれたりしていることは頼もしいですよね。

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タレントIMALU と「アイム ラフロリア」の原由記CEOらがフェムテックを語る 

 5月からstand.fmで配信中の「ハダカベヤ」では、タレントのIMALUとランジェリーブランド「アルバージェランジェリー」創立者のMEGUMI、広告代理店勤務のNATSUKOが身体や性の悩みを語り合い、リスナーの共感を集めている。そんな「ハダカベヤ」と渋谷に続き7月22日から池袋パルコでのポップアップを開催中のデリケートゾーンブランド「アイム ラフロリア」がコラボした。「ハダカベヤ」の3人と、「アイム ラフロリア」を手掛けホルモンバランスプランナーの資格を有する原由記メリアCEOは、デリケートゾーンケアについて語るライブ配信にも挑戦。それぞれの立場からフェムテックを啓もうする4人に話を聞いた。

WWD:「ハダカベヤ」は5月に配信をスタートした。リスナーからの反響は?

IMALU:規模は小さいながらも濃い反響をいただいています。共感してもらえたり、「勉強になりました」という声をいただいたり。女性リスナーばかりかなと思っていましたが、男性からの反応も想像以上にあって嬉しいです。

WWD:公に話す機会の少ない身体や性の悩みについてもオープンに語り合っている。トピックはどう決めている?

IMALU:ほとんど3人で決めています。最近起こった出来事やふとした会話から生まれることが多いですね。リスナーさんやフォロワーさんからリクエストをいただくこともあります。

MEGUMI「アルバージェランジェリー」創立者(以下、MEGUMI):気になったニュースなどがあればメンバーに共有して、「ハダカベヤ」で議題にするかを話し合うことも。ニュースをトピックスにする時は、より身近に感じてもらえる言い回しを3人で考えています。

WWD:「アイム ラフロリア」とのコラボが決まった経緯は。

MEGUMI:2016年に「アルバージェ ランジェリー」を立ち上げて間もない頃、松尾(亜美)さん(現在メリアで広報などを担当)にお問い合わせをいただきお会いしたのをきっかけにご縁が続いていました。松尾さんが「アイム ラフロリア」を手がけるメリアに転職され、何か一緒に取り組めないかとお話をいただきました。「アイム ラフロリア」の理念やコンセプトには共感する部分も多く、渋谷パルコのポップアップでのスペシャルセットの販売や「ハダカベヤ」とのコラボ配信が実現しました。

WWD:「アイム ラフロリア」の使い心地は?

IMALU:ローズの香りは好きなんですけど、強すぎるのは嫌。「アイム ラフロリア」はほんのり香って、テクスチャーも心地よいです。デリケートゾーンのケアアイテムはなんとなく持っていましたが、毎日使ってはいませんでした。改めてちゃんと「アイム ラフロリア」でケアしてみて、乾燥からくるかゆみだったということがわかりました。デリケートゾーンケアって、ちゃんとやれば結果が出るんですよね。

MEGUMI:これまでにもデリケートゾーンケアを使ってきましたが、「アイム ラフロリア」のローズの香りはメンタル面も上がりますよね。使い続けるためには香りは重要なポイント。IMALUちゃんがいったように、気品のある香りなので自分がひとつ上のレイヤーの女性になれるような自信をみなぎらせてくれます。下着ブランドとしてムレやかゆみといったお悩みをお客さまから伺うこともあります。素材や仕様などでできる限り解決したいとも思いますが、デリケートゾーンケアをお勧めすることもあります。「アイム ラフロリア」はよいサポーターになっています。

NATSUKO:フレッシュクリアシートは今まで本当に欲しいものだったので出合えてよかったと心から感じています。暑い季節や外出が続いてムレてしまう時や、「いざ!」と気合を入れたい時にはぴったりです。由記さん(原メリアCEO)も自分を高めるときに使うとおすすめと言っていましたが、コンパクトだし外出先でもリフレッシュできてとっても感動しました。これまではしっかりとデリケートゾーンケアをすることがなかったので、はじめはウォッシュと美容液を2日に1回程度使用していました。使っているうちに体の変化を感じたので今では日常使いになっています。

原由記メリアCEO(以下、原):個包装のデリケートゾーン用のシートって実はあまりないんですよね。デリケートゾーンにはもちろん全身にも使っていただけます。またローズの香りにも注目してもらえて嬉しいです。トップ、ミドル、ラストと香水のように香りを設計しているところがこだわりです。

MEGUMI:「アルバージェ ランジェリー」では試着の際に、「アイム ラフロリア」のシートをお客さまにお渡ししています。個包装なので使ってもらいやすいですし、試着室がローズの香りで満たされて気分が上がりますよね。

WWD:フェムテック・ケアを取り入れたい、でもなかなか踏み出せないという人も多い。

IMALU:女性ならではの悩みは、今後もなくならないと思います。ただ、フェムテックやケアを取り入れることで生活がガラッと変わる可能性はあるのではないでしょうか。私もまだまだ知らないことばかり。みなさんと一緒にいろいろなことを学んでいきたいです。

MAGUMI:フェムテックという言葉だけ聞くと、なんだか小難しく聞こえがちですが、私たち女性にとってはエッセンシャルなものだと思います。ライフステージによって生じるさまざまな体の悩みや心配事を解決してくれる救世主のような存在。まずは毎月必要になる生理用品や「アイム ラフロリア」のようにデイリー使いできるケアから始めてみるのがおすすめです。今までの生活がぐっと快適に変わるかもしれません。

NATUKO:私も「何を、誰に、どんな風に、聞けばいいのかわからない」と感じていました。そんな中で「これならできるかも」「楽しそうかも」と気になったモノを試してみると学びになるし、変化を感じることができればどんどんトライできるかもしれません。私もまだまだ「わからない」「怖い」と試していないことだらけですが、少しずつ学んで進んでいければいいなと思います。

原:新しいことってすごく不安ですよね。私も当初は「本当に使っても大丈夫なのかな」とフェムケアアイテムに抵抗がありました。最近はこだわりの成分が詰まった製品や海外のプロダクト、何十種類もの吸水ショーツなど、素晴らしいフェムケア・フェムテック商品がどんどん出てきています。まずは無理をせず、気になるアイテムを使ってみることをおすすめします。いざ使ってみたら「なんでもっと早く使わなかったんだろう」と思えるかもしれません。

意見や情報を交換して
自分自身で選択できるように

WWD:発信する側として心がけていることは。

IMALU:「ハダカベヤ」はみんなの意見交換の場として心がけています。いろいろな情報をここで得ても、最終的に何を選択するかは自分次第という考えでやっています。人の意見を尊重し、知らないことは知らないと言える平和なディスカッションを目指しています。いつもお酒を飲みながら配信しているので、緊張感なく楽しく会話ができたらいいなと思っています。

NATSUKO:とにかく素直な言葉で、「みんなの意見を共有しましょう!」と心がけています。メンバーが3人いれば3人の意見があって、リスナーの意見を聞くことができて、みなさんの選択肢が少しでも豊かになればと思っています。

原:メリアでも情報を発信することが多いので、正しい情報かどうか、お客さまやユーザーが求めている情報かどうかを常に考えています。また年齢や悩みによってそれぞれ求める情報が大きく異なるので、伝えるのは誰なのかを常に意識しています。

WWD:今後の展望は?

IMALU:私たちはフェムテックに関して、プロの知識があるわけではありませんが、「ハダカベヤ」の一つの軸として、みんなが気を使わずに話せる場を提供したいという思いがあります。「正しいか、正しくないか」ではなく、「こういうものがある、こういうやり方がある」ということを共有し合える場が理想です。今回のようにデリケートゾーンに関して詳しい方とご一緒して、プロの目線で身体の疑問や悩みに答えてもらえることは非常にありがたいです。

MEGUMI:私たちは一般人なので、IMALUちゃんを本当にリスペクトしています。タレントとして身体や性のことを公に語ることにはリスクもあると思います。でも、そうしてくれたから、私たちも自然体で発信できる。その環境に感謝しています。聞いてくれる方も徐々に増えてきて、いろんな方に知ってもらえることでその広がりが女性だけのものではない広がりを見せているのがすごく嬉しいです。カジュアルな場であることはもちろん、ジェンダーの垣根をゼロにして、フェムテックを男性も当たり前のように知っている世界にしていくことが課題だと思いっています。

原:初めて3人とお会いした時、本当にカジュアルにフェムテックやデリケートゾーンケアについて話していると感じました。「アイム ラフロリア」やデリケートゾーンケアは、カテゴリーとしてはすごくクローズドな分野だとも思います。それをメーカーとは違う視点で3人が発信してくれたり、みんなが話しやすく質問しやすい環境を作ってくれたりしていることは頼もしいですよね。

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「N. ポリッシュオイル」にSC(セージ&クローブ)の香りが誕生! コスメアワード40件受賞のベストセラー製品に新展開

 プロフェッショナルヘアメーカー・ナプラのヘアケアブランド「N.(エヌドット)」のヘアオイル“ポリッシュオイル”に7月1日、新たな香りの 新製品として“ポリッシュオイル SC セージ&クローブの香り”(150mL、税込3740円/30mL、税込1320円※サロン専売品)が誕生した。

 “ポリッシュオイル”はヘアサロン専売品として2017年に発売。当初から話題となり、約4
年間でコスメアワードを40件(21年7月現在)受賞しているベストセラーアイテムだ。特に20年の“@cosme ベストコスメアワード”では殿堂入り、20年の“WWDビューティ ヘアサロン版ベストコスメアワード”では、ヘアオイル部門とスタイリング剤部門で1位となり、3年連続2部門制覇という快挙を達成した。
 
 新製品の“セージ&クローブの香り”は、爽やかなセージの香りに、ほろ甘い芳香を持つクローブをアクセントに添えた、清々しいウッディ調の香り。つけた瞬間、髪と肌に心地よい香りが立ちのぼる。成分としては、優れた保湿力を持つシアバターに加え、新たに潤い成分の植物フラーレンを配合。髪はもちろん、肌やネイルにもマルチに使え、艶感とウエットな質感を表現できる。ベタつかずに軽い、という特徴はそのままに、新たな香りの登場でさらなる旋風を巻き起こす。

ウッディ調で清々しい
セージ&クローブの香り

“ N. ポリッシュオイル”は
4年で40件のコスメアワードを受賞

PHOTO:HIROKI WATANABE
問い合わせ先
ナプラ
0120-1897-20

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「RMK」新クリエイティブディレクターにYUKIが就任 グローバル視点で相乗効果を生み出す

 メイクアップブランド「RMK」は、新クリエイティブディレクターにニューヨークを拠点に世界で活躍する日本人メイクアップアーティストのYUKI(ユウキ)を起用した。 2021年秋コレクションからプロダクト開発、キャンペーンのディレクションなどに携わり、ブランドの方向性を決める重要な役割を担っていく。「洗練さとストリートの“生っぽさ”の融合で、本物を提供する新生『RMK』を作り上げる」と意気込むYUKIに話を聞いた。

オファーは
人生に一度しかないチャンス

WWD:クリエイティブディレクターのオファーを受けたときの心境は。

YUKI「RMK」クリエイティブディレクター(以下、YUKI):予期しなかったことで、スリリングとエキサイティングを感じた。これまでのキャリアの幅広い経験値を評価していただいたと思う。アーティストとしてのフレキシビリティさとのバランス感も伝わったのだろう。実は、「RMK」は初めてファンデーションを購入したブランドでもあり縁を感じた。人生に一度しかないチャンスであり、「RMK」を通して伝えたいメッセージがたくさんあるため引き受けた。今後もNYでフリーランスの仕事をしながら「RMK」に携わるため、アーティストとしてのクリエイティビティとビジネスとのバランスをとっていきたい。

WWD:新生「RMK」に必要なものとは何か。

YUKI:「RMK」には“クリーンで上品なかわいらしさ”というイメージを持っていたが、ブランドに携わりそれをより強く感じるようになった。クリーンさや上品さは、年齢や性別に関係なくポジティブなものでありブランドの特徴として引き継いでいく。かわいらしさもブランディングとして重要なため、控えめにした“スパイスとしての甘さ”として残していく。甘さのパーセンテージを下げることでほかとのコントラストがつき、かわいらしさがぐっと前面に出てくる。そこに自分のスタイルやテイストをどう反映していくかが重要だ。流行に左右されず、周りの意見を受け入れつつも自分は自分という“温かい余裕”を持つ人。そんな、余裕がありリラックスしている“心地良い人”は性別問わず美しく、そんな人物像も意識しながら、クリーンや上品さにストリートカルチャーの“強さ”や“生っぽさ”を加えることで、新しい「RMK」が生まれるのではないか。

 新生「RMK」に重要なキーワードは、2つある。 1つは“リアル”。完璧なものよりも、ちょっとよごれている、ちょっと強いものが好きなのですが、それを「RMK」のカラークリエイションに落とし込んだ時に、完璧に作られた人形のようなファンタジーな美しさを提示するのではなく、デジタル時代にあえてコントラストをつけた生っぽいクリエーションを通じて、新しい世代のアジア人の美しさを世界に発信していきたい。もう1つは“オーセンティック”。ファッション的な流行りにのるクリエーションをするのではなく、突きつめて本物を提供する、そんなブランドであり続けなければならないと思っている。

WWD:“世界で最も影響力のあるメイクアップアーティスト”と呼ばれるパット・マクグラス氏のチームで学んだこととは。

YUKI:ヘアだけでなくメイクの経験値をプラスしたいと思いNYに渡ったが、ラッキーなことに仕事を始めるとすぐにパットのチームに入れることができ、そこからNYでのキャリアがスタートした。

 5年間パットの元で働いたが、彼女は人の能力を見極めるのが得意。「完璧な人は一人もいない」と言い、個々の適材適所を生かしながらみんなで一つのものを作り上げていく。今のチーム「RMK」にも影響を受けており、自分はチームの一員にすぎないと思っている。私が言ったことをメンバーが再現するような関係性では良い製品が生まれない。自分の意見をもとにチームがインスピレーションを受けて新しい意見が出て、その意見をもとにまたインスパイアされる……といったコラボレーションができれば必ず良いもの作りができると思う。

「世界は本当に広い」と実感

WWD:「RMK」の目指しているものとは。

YUKI:メイクアップは変身するものではなく、自分を輝かせるもの。例えばリップを塗って、「ちょっとそれ派手じゃない」と周りに言われても、「自分はこれが好き」という気持ちの高まりを大切にしてほしい。「そっちの方がクールだよね」と後押しするようなブランドになりたい。

 そして日本のマーケットだけでなく、グローバルにも発信していきたい。世界に目を向けたすてきな色や商品、クオリティー、使ってみたいと思える世界観、そんな大きい価値観でブランドが成長できたらうれしい。そのためにはまずは基盤作りから行わなければいけない。商品のポートフォリオ作り、リニューアル、チームとのコミュニケーション、意思疎通など。そして「世界は本当に広い」と私が実感しているからこそ、思考を世界に向けてほしいと思っている。グローバルな視点がチームにも伝われば相乗効果が生まれ、さらに新しさを感じる「RMK」に進化できるのではないか。

シックでコンテンポラリーな
21年秋コレクション

 8月6日数量限定発売の2021年秋コレクション「ROSEWOOD DAYDREAM」から「RMK」に携わっているYUKIクリエイティブディレクター。今回のコレクションはもちろん、今後の「RMK」として大事にしていくことは、「質の良いトレンドや技術を提案し、その人の本質に迫るクリエーションのアプローチを行なっていくオーセンティック、リラックス感や心地よさのあるレイドバッグ、生っぽさを取り入れることでいまのデジタル時代とのコントラストを作っていくリアル、ビューティブランドとして欠けてはいけない洗練さや上品さのソフィスティケーティッド、そしてこれまでの『RMK』の甘さのパーセンテージを下げて、スパイスとして入れるヒント・オブ・スウィートネス。これらは今後も大切にしながらもの作りを行う」と話す。

 秋コレクションはサウスウエストの乾いた風景から着想し、秋の1日の空をイメージした、異なる質感と色が織りなす4色のアイシャドウ、鮮明なラインでもスマッジでも自由自在に使えるアイペンシル、知的さやエモーショナルなムードと抜け感を与えるリップスティックなど7アイテム全24品をそろえる。「見た目の印象だけでなく、肌にのせたときのパフォーマンス力を意識して、全ての色は肌なじみにこだわった。一人一人の肌がきれいに見えるように、暖色系でもくすみカラーに仕上げるなど使いやすいカラーをラインアップしている」とコメントした。

2021年秋コレクション「ROSEWOOD DAYDREAM」イメージムービー
PHOTOS:TAKAO OHTA
問い合わせ先
RMK Division
0120-988-271

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「消費者も“共同生産者”として一緒に価値を作っていく」 MIYAVI、日比保史が語る100年後の地球

 「WWDJAPAN」は6月26日に、イベント「WWDJAPAN Circle MIYAVIと一緒に考えよう、100年後の地球 Supported by GUCCI」を東京・新宿のキースタジオ(KEY STUDIO)で開催した。「WWDJAPAN Circle」とは、社会的な課題や関心を読者やユーザーとともに考え、ムーブメントを起こしていく趣旨のもと誕生した企画。環境問題をはじめ、正解のないテーマを黒か白で結論づけるのではなく、前進するためのアイデアを皆で出し合うことを目指す。

 記念すべき第1回は「グッチ(GUCCI)」をサポーターに迎え、アーティストのMIYAVIと、国際環境NGOのキーマン日比保史コンサベーション・インターナショナル・ジャパン(CONSERVATION INTERNATIONAL JAPAN=以下、CIJ)代表理事兼CIバイスプレジデント(以下、CIJ代表理事)とともに、「100年後の地球」をテーマにトークを繰り広げた。トーク後はMIYAVIによるスペシャルライブも行われ、来場者を盛り上げた。

カーボンニュートラルから
サーキュラーエコノミーまで、
環境問題をアツく談論

難民支援での経験や
未来への希望を込めた5曲を熱唱

 トーク後は、MIYAVIによるスペシャルライブが行われ、「What's My Name?」「Tears On Fire」「Long Nights」「Holy Nights」「Day1(Reborn)」の5曲が披露された。MCでMIYAVIは、「世界各国を巡り、地球が抱えている問題を目の当たりにするたびに無力さを感じてきた。でも、ただ嘆くだけでなく、自分が思うメッセージを声を上げて叫び、行動していきたい」と思いを語った。また、自身の難民支援活動にも触れ、「難民の方たちの生き方からインスパイアされ、力をもらっている。明日が来ると信じられるから、また頑張ろう、この長い夜も乗り越えようと思うことができる。環境問題も同じで、今は大変だが、これを乗り越えれば明るい未来が待っていると次の世代に示すことが大事だと思う」と、経験を交えながら話した。そして、「どんな状況でも自分たちができることをする。そして、いつからでも始めることができると信じている。皆さんが今日のイベントを通じて何かに気付き、始まりの日になってくれればうれしい」と締めくくった。

“グッチ オフ ザ グリッド”コレクションを
見にグッチ新宿へ

 MIYAVIは、イベント終了後に「グッチ新宿」で開催していた“グッチ オフ ザ グリッド”の期間限定ショップ“グッチ ピン”を訪問。環境に配慮してデザインされた、「グッチ」初のサステナブル コレクションのウエアやバッグ、シューズなどを見て回った。

※期間限定コーナーはすでに終了
第1回「WWDJAPAN Circle」の
イベントの様子を公開

PHOTOS : TSUKASA NAKAGAWA
問い合わせ先
グッチ ジャパン クライアントサービス 
0120-99-2177

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“心の支えになるようなファッションを” 「トゥ エ モン トレゾア」がジーンズに特化した思い

 東京発のウィメンズブランド「トゥ エ モン トレゾア(TU ES MON TRESOR 以下、トレゾア)」は2020年、ブランド設立10周年を経て、ジーンズに特化したブランドへとリブランディングした。これまでも「トレゾア」はパールやビジューを装飾したジーンズがアイコンで、国内外で支持されてきたが、今回のリブランディングでは、着心地のよさと体が美しく見えるシルエットを追求したデザインに一新。エメラルドやアメジストなどの宝石の名前を付けた13型をそろえている。定番として長くはき続けられるようシーズンの概念をなくし、セールも行わない方針。“女性のためのセーフプレイスを作りたい“というデザイナーの佐原愛美の思いのもと、子どもや女性の人身売買をなくすために活動するNPO法人「かものはしプロジェクト」との取り組みを開始し、売り上げの一部を寄付する。

 昨年9月には、英セレクトEC「マッチズ ファッション(MATCHES FASHION)」でリブランディング後の商品をエクスクルーシブで発売し、日本では今夏、ビオトープを皮切りにエストネーション、APストゥディオ、伊勢丹新宿本店リ・スタイルで取り扱う。7月16日~8月2日まではエストネーション六本木ヒルズ店にポップアップストアをオープン。佐原デザイナーにリブランディングを行った経緯や、デニム作りのこだわり、ファッションから考える社会的問題について語ってもらった。

WWDJAPAN(以下、WWD):リブランディングを行った理由は?

佐原愛美「トゥ エ モン トレゾア」デザイナー(以下、佐原):デビューした10年前はマイペースにジーンズを中心にした定番商品を販売していましたが、2016年に海外ショールームのトゥモロー※と契約したのをきっかけに年4回のコレクションを発表するレディ・トゥ・ウエア(プレタ・ポルテ)に切り替えました。シーズンごとにその時代のメッセージを発信できることに意義を感じていましたが、大量生産、大量消費のモノ作りには矛盾もある。シーズンの考え方やセールを無くしたいとリブランディングを決めました。

※トゥモローはミラノを拠点にする有名なファッションのセールスエージェンシー。ロンドンや香港などにもオフィスを構える

WWD:アイテムをジーンズに絞った理由は?

佐原:これまでアイコンだった「トレゾア」のジーンズは、無骨で荒っぽい1940年代のビンテージジーンズの形をもとに、パールやビジューなどデコラティブな刺しゅうをすることで、“男性的なアイテムを女性の視点で作り替えて“いたもの。でも、この10年で“男性が力強く、女性がかわいらしい“というイメージは薄れてきました。これまで培ってきた経験を生かして、女性の体やライフスタイルに寄り添うデザインを提案できれば、刺しゅうがなくてもフェミニンなジーンズが作れるのではと考えました。

宝石のように長く大事に
受け継がれるように

WWD:新たなジーンズのこだわりは?

佐原:もともとジーンズは炭鉱夫のために作られたもの。機能的な美しさがありますが、仕様は男性的なシルエットで作られています。「トレゾア」ではウエストがしまっていて、ヒップが膨らんでいる女性の自然な体の形に沿うような形を目指し、異なる女性たちの体型に寄り添えるように13型を作りました。それぞれのジーンズには宝石の名前を付けています。宝石が長く大事に受け継がれるものであることと、ブランド名がフランス語で“あなたは私の宝物“という意味であることにちなんでいて。ストレートのボーイフレンドデニム“ジ・エメラルド ジーン“をはじめ、フレアデニムの“ジ・アメジスト ジーン“、スキニーフィットの“ザ・ルビー ジーン“などがあります。今年新たに追加したリラックスフィットの“ザ・ラピスラズリ ジーン“などの4型にはオーガニックコットンを採用しました。ボタンホールと内側のステッチは、色を宝石の色に合わせているほか、ボタンとリベットも新しくオリジナルで作り変えました。

WWD:セールを行わないなど、販売方針も変化がある。

佐原:定番ものをセールなしで販売してもらうためには、お店と関係性を築いて、理解をしてもらうのが大事になります。まずはチーム作りからスタートしました。セールスはショールームではなく、グローバルで個人で優秀な方にお願いできることになり、しっかりと販売方針を話し合いました。セールをしないといっても美しくて、素敵な商品ではないと話にならないので、品質もデザインに時間や労力をかけて、何年経っても着ていたいと思えるモノづくりを意識しました。今後もたくさんのお店に扱ってもらうというアプローチではなく、限られたお店と密に連携して販売していきたいと思っています。

心の支えになってくれるような
“女性を安心させてくれる服”

WWD:“女性のためのセーフプレイスを作りたい“というコンセプトを掲げているが、その思いとは?

佐原:私も多かれ少なかれ、若いころから“女性だから“という理由で辛い経験をしたことがあります。その時にファッションの世界に浸ることで癒されたり、励まされたりと、ファッションが安心できる場所(セーフプレイス)になっていました。女性の市場が大きいファッション業界には、心の支えになってくれて、女性を安心させてくれる服がある。私はそのような服を作りたいと思っています。また、今回取り組みを開始したNPO団体「かものはしプロジェクト」は商業的性的搾取による人身売買を無くすために活動している本当の“セーフプレイス“を生み出すプロジェクト。人身売買や性犯罪は暗い話ですが、ブランドを継続していく中で、そういったことを少しでも多くの人に知ってもらうきっかけ作りをしたい。私は学生の頃からボランティアに参加して、個人的に数々のチャリティ団体と取り組んできましたが、一般の方たちが信頼できる団体を探すことは容易ではないと感じていました。この「かものはしプロジェクト」は私個人もサポートを続け、「トレゾア」のお客さまも安心して支援できる団体。02年にカンボジアでスタートし、現在は問題の根が深いインドでの子どもたちの人身売買問題に着手し、日本国内での活動もはじめています。ブランドをリブランディングしたことで、より社会的な問題とファッションを結びつけることができるようになったと思います。(※トレゾアはこれまでも社会問題を裏テーマにしたコレクションを発表してきた)

WWD:環境問題に関する考えは?

佐原:モノを作る責任を持ち、できることからやっていきたいと思っています。3割のデニムは、オーガニック繊維の認証であるGOTS認証のオーガニックコットンを使っています。実際に現地に行って確かめていないので、信頼できるのか断言することは難しいですが、コットンには農薬のこと、強制労働の人権問題などさまざまな課題がある中で関心が高まることで、少しずつコットン生産地の環境を変えていけるはずだと思います。

■Tu es mon Tresor POP UP STORE AT ESTNATION
会期:7月16日~8月2日
場所:エストネーション 六本木ヒルズ店
住所:東京都港区六本木6-10-2

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オリラジ藤森が“チャラ過ぎず、チル過ぎない”ゴルフウエアブランド始動

 インフルエンサーブランドを運営するGIVINは、オリエンタルラジオの藤森慎吾がディレクションするゴルフウエアブランド「アイリッシュマン(IRISHMAN)」を2021年秋冬シーズンに始動させる。“襟付きでジャストサイズ”が定番のゴルフウエアに、ビッグシルエットやクルーネックなどストリートウエアの要素をミックスし、日常使いできるアイテムを提案。ファーストコレクションは半袖ポロシャツ(税込1万2760円)やジャカードニット(同1万5620円)、クルーネックニット(1万4960円)、ニットパーカ(1万5950円)、キャップ(同6160円)など全18型で、7月28日から公式オンラインサイトで販売する。

 ブランド名は、藤森の「一番好きなゴルフ選手」であるローリー・マキロイ(Rory McIlroy)選手の故郷、アイルランドに着想したもの。「カッコ良すぎちゃダメ」と語るネーミング哲学から「人生で一番ハマっている」というゴルフの魅力、そしてウエアのこだわりまでを聞いた。

―ブランドターゲットは?

藤森:“ゴルフを真剣にやっていて、日常使いできるウエアが欲しい人”です。ゴルフを今から始める人にも着て欲しいから、買いやすい価格に設定しているつもりです。高かったらごめんなさい(笑)。

―ブランド名に込めた思いは?

藤森:単純にロゴの具合が良かったので即決しました。「I」が2つあってカッコ良くないですか?アイリッシュだけで「アイルランド人」という意味なんですけど、少し物足りなくて「マン」を付けました。アイアンマンっぽくて気に入ってます。

―そんな気軽に決めて大丈夫なのか?

藤森:コンビ名もそうですけど、最初からカッコ良い名前をつけちゃうと名前負けしちゃうんですよ。最初は「何それ?」って思われても、売れたら「カッコ良いじゃん」って認識される。「オリエンタルラジオ」も変な名前ですが、今は違和感ありませんからね。ちなみにパーフェクトヒューマンに被せたわけではないです。

セオリーじゃなくていい
今の精神状態に合ったウエア

―ウエアのこだわりは?

藤森:特にこだわったのは腕周りです。ゴルフウエアって腕がタイトなものが多くて、ジャストサイズで着たら誰でもピタっとしちゃう。分かりやすくいうと、デシャンポー(注釈:アメリカのプロゴルファー、ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau)選手)みたいな。だから、少しドレープが出るくらいゆとりある設計にしてます。身幅もピタッとさせるのがセオリーだけど、プレーしてるとだんだん上がって来ちゃうので、裾がストンと落ちるサイズ感にしました。

―ゴルフウエアとしては珍しいパーカも用意している。

藤森:パーカはすごく気に入ってます。「その格好でゴルフやんなよ!」と怒られることもあるけど、最近は増えてきているし、単純におしゃれ(笑)。薄くて軽い素材を使っていて、かなり動きやすいので、ぜひパーカを着てゴルフしてほしいですね。

―全体的にシンプルで大人なコレクションだ。

藤森:「藤森のブランドなのにこんなシンプルかよ」って思われるかもしれませんね。でもこれが今の藤森の精神状態なんです。レインボーカラーとか着られる状態じゃない。最近は朝5時半ごろに目覚めて「超朝型じゃん。年取ったな、こえ〜」って思いながらゴルフに出かけてます。チャラ過ぎず、チル過ぎない服がいいーー同い年くらいの人には分かってもらえるはずです。

―相方・中田敦彦もアパレルブランド「幸福洗脳」を手掛けている。何かアドバイスはもらった?

藤森:全くもらってません。あのブランドはなんか怪しげなロゴが入ってますし、全然別物です。でも、彼の行動力には影響を受けてます。昨年事務所を独立し、自由に活動できる環境になったのも大きいかな。(俳優やユーチューブなども)本当に楽しいから、どんどん挑戦したくなる。おかげで常に口内炎と戦ってますけど(笑)。

―ゴルフの魅力とは?

藤森:「自然が気持ちいい」「仲間と集まれる」って言う人が多いですよね。僕は「いいショットが打てると自分が気持ちいいから」です。今月はゴルフの仕事で地方に3回行っていて、ギャラなしでもOKなくらい楽しんでいます。

―今後の展望は?

藤森:最初は男性ものだけですが、最終的には女性を喜ばせたいんです。女の人に「かわいい」「おしゃれ」って思われないと認知度は広がりませんからね。そのために今、周りにゴルフ女子を集めたり、みんなにゴルフを始めてもらったりしています。まあ、女の子と回りたいだけなんですけど(笑)。

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コレ!コレ!たっぷり新価値観リコメンド~① 「独立してみたい景色を目指して」 Vol.7

 ご無沙汰しておりました~。

 コロナ禍によるこの商況に思うところありまして、ちょっと記事作りを控えているところがあったんですけども、多くの方々とお仕事をしながら随分とhappyになったこともあり、再開しようかなーということで。

 生活環境の変化から、私自身もやっぱりそれまでとは違う分野に魅力を感じたり、目に触れて反応する種類が増えたりしたわけですよー。だからね、なんか最近楽しいんだと思うのよね!

 だってさ、とりあえず外に出かけないといられないタイプの人間だったわけですけど、気付いたらね、部屋の壁やグリーン、家具なんかのDIYが新しい趣味になっちゃったりしてるんですよね(笑)。人って適応能力ありますね~。もうこの多くの趣味に没頭してる生活から、社会には戻れないんじゃないかってさ(笑)。

 そう想うとね、このコロナ禍でも悪いことばかりじゃないんだよ。

 生活環境の変化から価値観も変わって、普段はそこまで思い入れが無かった身近なものにフォーカスするようになってね、そこに自分の趣向をちょっと入れたくなったのよね!

 それならせっかくだから!っていうことでね、その新しく価値を見出したくなったモノをちゃんとお仕事に!ってなワケですね~(笑)。「コロナ禍の新しい生活様式に身近なちょっとイイモノ」を、私の勝手な主観たっぷりでご紹介です。

アウトドアにもぴったり。タブレット歯磨き「C520(シーゴーニーゼロ)」

 生活様式の変化からの新習慣!ってわけで、今まではお洋服というお仕事柄、カラダの外側ばかりを気にしてきた私ですけど、アルコール消毒やらマスクやら対策ばかりを気にしていると、カラダの内側もキレイキレイしている女性に尊敬の念すら湧いてきまして(笑)。去年の緊急事態宣言下で唯一、歯医者にだけはちゃんと最後まで通ったワケです。そうなると日頃使っている歯磨き粉が気になりましてね。そして、これを持ち歩くようになりましたの。これがね、なかなかのアイテムなんですよ。

 歯磨き粉って言ってもね、昔懐かしラムネ的なタブレットです。しかもこれ、世界初のシコニン配合だそう(シコニンだからC520……)。天然由来成分のシコニンを分散化し、虫歯炎や口内炎、口腔内の傷、歯肉の引き締めなんかにアプローチするんですって。ホタテ貝由来のアパタイトも配合で黄ばみや口臭、炭も配合されているからホワイトニング効果も期待できますって!!
それでさ、大事なのがこのタブレットタイプって事なわけですよ。

 ペーストじゃないからさ、フリスク感覚でポケットに入れて持ち運べるわけなのよ。

 ペーストじゃないからさ、1粒を口に含んで、よく噛み砕くわけなのよ。

 ペーストじゃないからさ、そのまま水で口をすすいでOKなのよ!良くない!?

 もちろんブラッシングすれば尚良しなんでしょうけど。私の大きな趣味ひとつ、アウトドアの時なんて重宝しますよ、コレ。パッケージの見た目もオシャレブラックでツラ良しです。

梅雨も夏も快適な「究極のVネックTシャツ」とは?

 はい、次いきま~す!

 はい、まだ梅雨きてま~す!!

 年間でイチバン嫌いな季節でございます。

 ただでさえコロナ禍で外に出にくいってのに、湿度ムンムン汗ジンワリなんてほんといやよね。部屋着やインナーTシャツなんて、汗で汚れてもいいヤツ選んじゃうよね~。コロナで縛られた生活してんのにさ、限られた行動範囲で楽しみも少なからず奪われてんのにさ、せめて清々しい心地にさせてよね!!って気分もモンモンとしてますよ。

 そんな中で出合いましたのよ、コレ。苦しんでいる日々に、今までにない心地よさを実感できる真っ白Tシャツ。その名も「究極のⅤネックTシャツ」です。

 うん、ネーミングがだいぶ強めですよね。全く問題ございません。ご安心ください(笑)。Made in Tokyo を掲げて、世界のコレクションブランドの数々から信頼された縫製会社をご存じですか?商品企画に携わる方なら、江戸ヴァンスという名前をきっと聞いたことあるでしょ!?某メゾン達のショーピースから数多くのブランドの製品縫製まで、高付加価値なモノづくり技術を強みに生産しているファクトリーなんです。

 この技術の会社が、原料の選定から紡績機、織機までをこだわり抜いて開発した一級品の生地が完成したと……、さっそく飛んで行って触れてみたら、コレがすごいんですよ(製品詳細は語りつくせませんが、後述でちょっと頑張ってみます)。

 これを究極のTシャツにしましょう!ということで、雑誌「サファリ(Safari)」のオンラインストア「サファリラウンジ」とのコラボプロジェクトとして、数量限定で製品化されたのがコレなんです!!

 エジプト綿の中でも最高級原綿と言われる超長綿(ギザ87)を使用。これ、一般的にはそもそも入手困難で触れる機会もめったにない代物!まずこれを50番単糸にしてコンパクトヤーン機で毛羽の少ない美しい糸にします。ちょっと専門的すぎて難しくなってきました?

 さてこの後どうするか、創業100年の技術力という高名、小野莫大小工業さんの出番です。経験と卓越した技術、織機にしか作ることのできない生地にするわけです。高級感溢れる光沢としなやかさ、ハリ感、透けにくく程よい厚み。さらにはね、世界に誇る「小野式フライス編機」を使っているという!!ヤバいです。興奮ですよ!

 ここまで来たら、江戸ヴァンスさんで縫製っす!通常はシャツなんかの布帛にしかできない「折り伏せ縫い」をカットソーに。高いテクニックある職人と独自技術を持つ会社が成せる業であります。うん、これまたやっばいね。

 で、ⅤネックTシャツにして、更にシルクプロテイン加工で滑り感やなめらかさを加えて、和紙で美しく包んで、刻印入りの木箱に収めて、完成ですっ!

 とここまで、ザックリすぎてごめんなさい!!伝えたい情報量が過多であります(笑)。

 ほんとね、数少ないとはいえ、袖を通してみてほしいと切に願う一級品なんです。今まで感じたことのない感覚になりますよ。汗ばんでもサラッと清々しいのは当然なんですけど、肌触りなめらかでスルスルっとした感触もあって、ペラペラなモノとはまるで違う爽やかさと気持ちよさなんです!!わたし、すでに2枚をヘビロテしてますけど、洗濯したあとにシワもほとんど発生しないしイイのよ~。

 ご興味湧いちゃった?もっと知りたくなっちゃったでしょ!という方へ、ぜひ製作過程を収めたムービーをご覧あれ!!

 次回もまだまだ新価値観リコメンド投下しま~す!

井上智和:1981年東京生まれ、東京育ち。アイデア バイ ソスウ、サファリラウンジのアドバイザー/バイヤー。中央大学商学部を卒業後、三陽商会に入社し、店頭研修後に「バーバリー・ブラックレーベル」で販売トレーナー及びVMDを担当。3年目の終わりに「ラブレス」に異動しバイヤーに。国内外ブランドの開拓・買い付けをしながらセレクトショップの運営を学び、直近はバイヤーの他にプレス・販促・販売の長を兼務しながらリテール事業を経験。15年在籍の後に退社し、現在は「1H basix(ワンエイチ ベイシックス)」の名を冠して独立。ファッション・ライフスタイル領域のセレクトにて、アドバイジングやディレクション、買い付けを行なう傍ら、大人の本気遊びを体現し記事執筆を行う

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「ジュンヤ マン」が若き写真家の作品から再び自由に旅を楽しむ希望を表現

 渡辺淳弥が手掛ける「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN)」は2022年春夏コレクションのファッションショーを7月8日に行った。会場の東京・南青山の本社の一室には、イギリス人写真家のジェイミー・ホークスワース(Jamie Hawkesworth)によるブータンで撮影した写真がウッドの壁一面に飾られていた。

田名網敬一のアートワークや
「ベルベルジン」の古着から柄を転写

 ファーストルックから10ルックまでは、グラフィックTシャツにサルエルのパンツの軽快なスタイル。頭はストローハット、足元はグルカサンダル、テキスタイルのショルダーバッグを合わせて、夏の旅を連想させるカジュアルな装いだ。今季はカメラを持つ若き写真家のジェイミーがブータンを旅する姿をイメージ。「ジェイミーから送られてきたブータン、カザフスタン、インドで撮影した写真の中で、ブータンが心に刺さった」と渡辺のプレスノートには記されていた。

 色鮮やかなグラフィックは、グローバルで活躍するアーティストとの協業によるもの。日本の現代美術家の田名網敬一をはじめ、タイ人イラストレーターのファナパスト・タイチャメールコール(Phannapast Taychamaythakool)、ロンドン在住の中国人アーティストのジャッキー・ツァイ(Jacky Tsai)、中国・深センのルロン・ワン(Rlon Wang)、ネパールのアン・ツエリン・シェルパ(Ang Tsherin Sherpa)、カリフォルニアを拠点にする中国人写真家のシュエビン・ドゥ(Xuebing Du)、ベトナムの絵本作家デュオのクアン&リアン(Quang & Lien)、ポーランドのマルタ・オルガ・クララ(Marta Olga Klara)らのアートワークで、異国情緒な雰囲気を漂わせる。また東京・原宿のビンテージショップ「ベルベルジン(BerBerJin)」のビンテージウエアから転写した柄も採用。ペイズリーやマドラスチェック、民族柄をジャケットの袖、背面などにコラージュが際立つ。

「ザ・ノース・フェイス」や「ブルックス ブラザーズ」
「イルビゾンテ」などの老舗ブランドとタッグ

 他にもコラボレーションは豊作。ショー中盤に登場したアウターは「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」やイギリス発のアウトドアブランド「カリマー(KARRIMOR)」と、ミリタリージャケットは「アークエアー(ARK AIR)」、ブレザーは「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」との協業によるもの。サルエルデニムは「リーバイス(LEVI’S)」、ワークパンツは「ディッキーズ(DICKIES)」とのダブルネーム。スニーカーは「ニューバランス(NEW BALANCE)」のアイコニックモデル“574”をベースにした新作コラボ、バッグはイタリア・フィレンツェ発の「イルビゾンテ(IL BISONTE)」と、アイウエアはアメリカの「ランドルフ(RANDOLPH)」とそれぞれのカテゴリーで老舗ブランドとタッグを組んだ。
 
 軽やかに国やカルチャー、テイストを超越した今季のウエアからは、再び自由に旅を楽しむ希望が感じられた。先の読めない事態は続いているが、この商品が店頭に並ぶ頃には、回復した新しい未来を期待したい。

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「ブルガリ」新作ハイジュエリー“マニフィカ” 最高峰の宝石と職人技の融合による究極のラグジュアリー(後編)

 イタリア・ローマ発ジュエラー「ブルガリ(BVLGARI)」が6月初旬、「ブルガリ ホテル ミラノ(BVLGARI HOTEL MILANO)」で発表した新作ハイエンドコレクション“マニフィカ(MAGNIFICA)”はイタリア語で“荘厳”という名の通り、究極のラグジュアリーを追求したコレクションだ。約120点のハイジュエリーのうち半数以上は1億円超えというマスターピースで、希少性の高い宝石とそれをジュエリーに昇華するクラフツマンシップの融合から誕生した。「ブルガリ」は1884年にローマで創業以来、たゆまず美を追求し大胆な独創性をジュエリーで表現し続けてきた。同ブランドが持つ宝石への情熱とルチア・シルヴェストリ(Lucia Silvestri)=ブルガリ グループ ジュエリー部門クリエイティブ・ディレクターの自由なイマジネーションから生まれるデザイン、それを体現する高度なクラフツマンシップが組み合わさってこそ、最高峰のジュエリーが生まれる。ここでは、そのクリエイションの背景を探る。

希少性の高い宝石が
主役のマスターピース

 新作“マニフィカ”コレクションでは、極めて希少性の高い貴重な石を用いたハイジュエリーが多数そろう。これほど豊富に最高峰の宝石を調達できるのは、名門ジュエラーだからできることだ。“インペリアル スピネル”ネックレスに使用されているスピネルはタジキスタン産の約131カラット。世界で4番目に大きく、1〜3番目に大きいスピネルはイギリスとロシアの王族が所有しているという。市場に出回るスピネルの、まさに頂点というわけだ。センターに約62カラットものエメラルドを使用したネックレスや約35カラットのコーンフラワー色のサファイアをあしらったネックレスなど、想像を超えるハイジュエリーばかりだ。

9通りの着用が
可能なハイジュエリー

 「ブルガリ」の究極のクリエイティビティーとクラフツマンシップの出合いから生まれたのが“ルビー メタモルフォーゼス”ネックレスだ。最近はマルチ使いが楽しめるデザインのハイジュエリーが増えているが、9通りもの楽しみ方ができるのは珍しい。完成までに2500時間を費やしたこのネックレスは、ダイヤモンドのチョーカー、ルビーとダイヤモンドを組み合わせたしなやかなタッセル、チェーンなど取り外し可能な複数のパーツで構成されている。各パーツは目に見えない位置で繊細につながれ、簡単に着け方を変えることができる。「ブルガリ」の限界のないイマジネーションを高度なクラフツマンシップが体現したマスターピースだ。

宝石の魅力を最大限に引き出す
デザインとクラフツマンシップ

 完成まで2000時間を費やした“ダイヤモンド パッション”ネックレスは、総計約64カラットのダイヤモンドをカスケード状の花びらのようなパーツにちりばめた華麗な作品。ダイヤモンドを最大限に輝かせる大胆かつ動きのあるデザイン、それを可能にする立体的で緻密な構造とクラフツマンシップが融合したハイジュエリーだ。ボリュームがありながらも、ダイヤモンドのカットにバリエーションを持たせて立体的にセッティングし、軽やかで優雅な印象に仕上げている。

宝石の個性を読み取り
ジュエリーに昇華

自然の恵みである宝石の美しさへの情熱は「ブルガリ」のDNA

 地球で数十億年にもわたり育まれた宝石の美しさに対する「ブルガリ」の情熱は相当なものだ。それは、本拠地である歴史と芸術が出逢う永遠の都、ローマと同様、ブランドのDNAに刻み込まれている。長年ジュエラーとして培ってきた経験から「ブルガリ」が採用するのは、世界中で採掘される宝石の1%未満という最高の石ばかり。その石の個性を読み取り、たたえ、類まれなジュエリーに昇華させている。

問い合わせ先
ブルガリ ジャパン 
03-6362-0100

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「シャネル」「ディオール」が強さを二分 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を読み解く 

 「WWDJAPAN」は、「WWDJAPAN」の6月28日号と「WWDJAPAN.com」で「2021年上半期ベストコスメ」の全21部門の結果を発表した。全国の百貨店とセミセルフショップ、バラエティーストア、ドラッグストアのバイヤーに21年1〜4月に“売れた”アイテムをヒアリングし、この間発売された新製品の各部門ベスト3と、新製品と既存品を合わせた全製品(総合)の各部門ベスト3が出そろった。

 安心感のある定番商品や、人気ブランドの新製品が上位にランクインし、昨年からのコロナ禍による影響がランキングにも見てとれた。その中で百貨店・セミセルフショップのランキングには変化の兆しが。以前はより堅実なブランド、アイテムへの人気が集中していたが、ここへきて華やかなブランドへの支持も高まっており、“楽しみたい”という消費者のニーズが現れたランキングだった。バラエティー・ドラッグストアのランキングでは韓国ブランドなどが前回(「WWDビューティ」2020年ベストコスメ)に引き続きランクインしたが、今回は国産ブランドへのニーズも強まっている印象だ。

百貨店・セミセルフショップ:
アイメイクやリップは“華やか”ブランド+堅実なアイテム

 消費者の“楽しみたい”という思いは、カラーアイテムで顕著だった。人気のブランドが新カラーを出したことで、アイシャドウ新製品1、2位の「スック(SUQQU)」「シャネル(CHANEL)」が、総合でも1、2位を獲得。バイヤーコメントでも「リニューアル前から人気のアイシャドウで、SNSでの色比較など話題性の高かった」という声が上がり、SNSでは発売前から注目されていたようだ。3位には「ディオール(DIOR)」や「ルナソル(LUNASOL)」が入り、カラーで定評のあるブランドが上位を占めた。華やかなブランドを選ぶ一方で、実際の“中身”のカラー選びは、“堅実”だ。ブラウンやテラコッタのような落ち着いたカラー展開で、グラデーションが作れるアイテムが人気に。持っていて気分が上がるブランドを選ぶ一方で、使いやすさは必須のようだ。

 日常化したマスク着用で低迷していたリップは、以前は「新しさ」と言えばカラー提案が一般的だったが、マスク下での唇の荒れに着目したケア製品の発売が続いき、そこに人気が集中した。新製品で1位、総合で2位の「ディオール」“ルージュ ディオール バーム”はバイヤーから「マスク着用により『透明のバームをデパコスで欲しい』とのニーズが拡大」との評価が上がり、今の時代を反映した結果だ。そのほか、新製品2位の「クラランス」、3位の「ジルスチュアート」、総合1位の「ディオール」、総合3位の「シャネル」もリップケアアイテムで全製品がケアに着目した製品だった。

百貨店・セミセルフショップ:
ブランドでは「シャネル」「ディオール」が圧倒的な強さ

 今回のベストコスメの大きな特徴は、「シャネル」と「ディオール」が百貨店・セミセルフショップランキングで圧倒的な強さを見せたことだ。もちろんこれまでのベストコスメでも両ブランドは数多く受賞していたが、今回はどのカテゴリーでもランクインしていた。「シャネル」は化粧水、ボディーケアの1位を含め9部門で3位内に入った。「ディオール」は、リップや乳液・クレンジングの1位をはじめ、8部門でランクインした。制限を余儀なくされたコロナ禍が続く中で、そろそろ「楽しみたい」というニーズは、より華やかさや憧れを抱くブランドを選択。気分やモチベーションを上げるアイテムとしても選ばれているようだ。

バラエティー・ドラッグストア:
20年ベスコスでランクイン商品の人気が継続

 バラエティー・ドラッグストアのランキングでは、20年のベストコスメのランクインアイテムが継続して人気を獲得し、不動の地位を築いているブランド、商品が多くなっている。もともと人気のあった「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE POSAY)」の“UVイデア XLプロテクショントーンアップ”だが、昨年発売した新アイテム“UVイデア XLプロテクショントーンアップ ローズ”は、今回の総合1位に。右肩上がりで売り上げが伸びている状況だ。リップでは「リカフロッシュ(RICAFROSH)」“ジューシーリブティント”が、前回のポイントメイク3位から、今回1位になった。フレグランスの総合では前回1位の「フィアンセ(FIANCEE)」“ボディミスト ピュアシャンプーの香り”が、前回も総合で1位を獲得しており不動の人気だ。

バラエティー・ドラッグストア:
強まる国産ブランド人気

 店頭では韓国や中国ブランドのスペースが増えているバラエティー・ドラッグストアだが、ランキングでは国産ブランドへのニーズも拡大する。アイメイク部門では、新製品・総合ともに「セクセル」が1位を獲得。ベースメイクでは「マキアージュ(MAQUILLAGE)」や「エテュセ(ETTUSAIS)」、「エトヴォス(ETVOS)」「アンドビー(&BE)」が上がり、総合1位の「ラ ロッシュ ポゼ」以外は日本ブランドで占めた。リップでも「リカフロッシュ」のほか、「セザンヌ」や「フジコ」、「オペラ」など国産勢が上位となった。

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「キディル」は「普通の服は二度と作らない」 強い服を求めてたどり着いた“純粋な狂気”

 末安弘明デザイナーが手掛ける「キディル(KIDILL)」が、2022年春夏コレクションをパリ・メンズ・ファッション・ウイークで発表した。今季のテーマは“Innocence(純粋性)”。東京・赤坂の草月会館内にある、イサム・ノグチが手掛けた石庭「天国」を舞台に、いつも以上に強く、狂気に満ちたパンクスタイルを披露した。末安デザイナーは「コロナが直撃した去年の春夏は、(型数減らすなど)弱気になっていた。つまんなくて、ただの服になっちゃっていた。それを二度と繰り返したくなくて、とにかく強いものを作りたかった」と今シーズンに込めた思いを語った。

アーティストとのコラボで
“純粋性”を増幅

 欲求のままに制作活動を続ける複数のアーティストとコラボし、コレクションの“純粋性”を追い求めた。英国人アーティストのトレヴァー・ブラウン(Trevor Brown)は、口紅をいびつに塗った少女や首を落としたラブドールや、きのこの笠を被り裸で祈りを捧げる子供など、グロテスクなモチーフをポップに描くタッチを得意としている。彼の作品をオーバーサイズのスエットに大きくプリントしたり、総柄のスーツにしたりして、「キディル」のパンキッシュなスタイルにおどろおどろしさを添える。ロープアーティスト、ハジメ・キノコとの協業では、素肌やTシャツの上から緑やピンクの縄で緊縛したダイレクトなボンテージスタイルを提案。一見不自由に見えるが、「縛る者と縛られる者との信頼の形」とも解釈でき、テーマの“純粋性”を象徴している。その上からスプレーを吹きかけたり、無数のファスナーを付けたり、強いダメージ加工を施したりして、末安デザイナー自身の創作意欲もぶつけた。純粋さを表現するには要素が多いように感じたが、「これが作りたい」「この服を見てほしい」という“純粋”な感情は、ひしひしと伝わってきた。

 インスタレーションの途中には、世界的ノイズミュージックバンド非常階段のボーカルJUNKOが登場。「叫び」という本能的な行動を通して、“難しく考えず、思いのままに表現しよう”というメッセージを届けた。

 コロナを経験したからこそ、フィジカルでの発表に強くこだわる。「生の方がよくないっすか?映像だけ作って配信するよりも、リアルでやったほうが楽しいし、その方が意義があると信じてます。来年1月はパリでやれると思う。そこでも、テンションあがるものを作るだけです」。

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グレン・マーティンスによる新生「ディーゼル」 4つの章で見せたブランドの新境地

 「ディーゼル(DIESEL)」が2022年春夏ミラノ・コレクションをショートフィルムで発表した。昨年10月にクリエイティブ・ディレクターに就任したグレン・マーティンス(Glenn Martens)のデビューコレクションだ。若々しく、楽しみにあふれるムードを継続しながら、実験的な手法で「ディーゼル」を新たなフェーズへと導く。

デニムの新境地を見せる
4つの章

 映画監督のフランク・ルボン(Frank Lebon)と共同制作したショートフィルムは、赤髪の女性モデルが主人公。“ハウスパーティ”“ロード”“エレベーター”“エイリアン”の4章で構成した、夢と現実を行き交うようなストーリーだ。

もっともクリーンな
デニムコレクション

 「ディーゼル」はブランドのコアアイテムとしてデニムを発信し続けている。今シーズンから資源利用を最小限に抑えてデニムを生産するプロジェクト“ディーゼル ライブラリー(DIESEL LIBRARY)”を始動。オーガニック繊維やリサイクル繊維、メッキ不使用のレザーパッチや非亜鉛処理のメタルボタンなどの低負荷素材と、水や化学薬品の使用を削減した新技術による加工を採用し、環境に配慮したデニム作りを行う。ストレートをベースとした普遍的なカッティングと、ブラックやグレー、ミディアムブルー、アシッドウォッシュブルーといったベーシックな色をメインに、パンツからジャケット、トップス、スカートまで、シーズンを問わず長く使えるアイテムを用意。プロジェクト全体のうち50%は定番品として継続していく。

僕らはラグジュアリーじゃない
より汎用的で楽しいブランドへ

WWD:どんなコレクションを目指した?

グレン・マーティンス(以下、グレン):「ディーゼル」というブランドをたたえるコレクションだ。「ディーゼル」のデニムは誰もが知っていて、みんなが着ているアイテム。いわば世界的な言語だ。そのヘリテージを自分なりに解釈し、4つ章に分けて発信した。いずれもアクティブで、ファンで、ジョイフルで、セクシー。そして今まで以上に着やすく、汎用性のあるコレクションになっている。

WWD:ユニークな映像にした意図は?

グレン:「ディーゼル」は、ラグジュアリー・ブランドとは違うし業界のメインストリームとも一線を画している。インディペンデントでオルタナティブな存在だ。だからこそ他のブランドにはできない、変わった映像を作りたかった。最終章に「エイリアン」と名付けたのも、そんな思いを込めている。

WWD:「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」と「ディーゼル」のデザインアプローチは異なる?

グレン:「Y/プロジェクト」はテーラードを主軸とした極めて実験的なブランド。一方「ディーゼル」は、デニムというキーアイテムを起点とするリアルで誰でも楽しめるストリート。今回は、異なるアイテムを縫い合わせた生地にコーティング加工を施したり、アーカイブ生地をアップサイクルしたりと、実験的な加工を中心に汎用性のあるスタイルの価値向上を目指した。それらはケーキに置かれたチェリーのように、コレクション全体に輝きを与える。

WWD:企業としての「ディーゼル」の魅力は?

グレン:ブランド創始者であるレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTBグループ会長の個性的なキャラクターかな。それが会社にも色濃く反映されていて、他にない企業になっている。あとは、活発で効率の良い社内コミュニケーション。物事がとてもスピーディに、そしてラディカルに進むんだ。僕は就任直後からサステナビリティの問題に着手して、6カ月で“ディーゼル ライブラリー”の開発に成功した。とても大きな企業だが、意思決定とアクションが早いのは何よりの強みだ。

WWD:大企業だからこそ、ビジネスが社会へもたらす影響も大きい。

グレン:大きな利益を生み出す会社のトップに立つのだから、企業活動が環境に及ぼす影響は絶対に考えなくてはいけない。「ディーゼル」のような世界的なブランドのトップは、単に服を作るだけではなく、責任を負うことが不可欠だ。

WWD:過去に「ディーゼル レッドタグ」で同ブランドと協業したが、当時と今で求められるクリエイションの違いは?

グレン:「ディーゼル レッドタグ」は、デザイナーそれぞれの視点から「ディーゼル」を捉え、シグネチャーと融合させてより個性的なコレクションを作ることがミッションだった。今は自分のブランドとの融合ではなく、実験から設計、生産まで、「ディーゼル」の一員として建設的なデザインを行う必要がある。

WWD:「ディーゼル」は若い世代の取り込みに成功しているブランドの一つ。あなたは今の若い世代をどのように分析し、どう洋服で表現している?

グレン:若い世代は、人生で何が起こっているのか、常にそれを知りたがっている。これはどの時代でも変わらない。そんな彼らに向けて自分ができるのは、とにかく楽しみながら洋服を作ること。コレクション映像の制作期間は、若いモデルと一緒に仕事ができて本当にワクワクしたし、彼らが「自分たちのお金でも買うくらい価値があるよ」とコレクションを評価してくれたこともうれしかった。これからも、僕自身が服作りを楽しみながら、そのマインドを届けていきたい。

問い合わせ先
ディーゼルジャパン
0120-55-1978

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「ラルフ ローレン」が銀座に期間限定コンセプト店 ブランド初の情報発信ステーションも

 ラルフ ローレンは7月2日、東京・銀座の中央通りに期間限定のコンセプトストア「ラルフ ローレン 銀座」をオープンする。同店は2階建てで、店舗面積は約300平方メートル。ブランド初の情報発信ステーション「RLニュース ステーション」や日本最大級でテラス付のラルフズ コーヒー、デジタルコンテンツの「ポロベア イン ザ ハウス」や「CYOスナップ」など盛りだくさんでゲストを迎える。

ポロシャツのコンセプトブースと
壁一面のブランドヒストリー

 1階には最新コレクションはもちろん、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」の代表的アイテムであるポロシャツのコンセプトブースを構える。また、世界に一つだけのオリジナルアイテムをカスタマイズできるオンデマンドサービス「CYOカスタムショップ」も常設し、ラルフ ローレン 銀座限定のプリントも用意する。

 2階へ続く階段には、ラルフ・ローレン本人の格言や、1967年の創業時から現在までを収めた貴重な写真とアートワークを展示し、50年以上にわたるブランドヒストリーを振り返る。

 また2階には、毎月さまざまな映像コンテンツをオンライン配信するブランド初の情報発信ステーション「RLニュース ステーション」を構える。「ラルフ ローレン」にゆかりのあるアスリートやアーティスト、セレブリティーをゲストに迎え、日本独自のスペシャルムービーを順次公開する予定だ。

ガーデンテラスで楽しむ
日本最大級のラルフズ コーヒー

 ラルフ ローレン 銀座は、開放的なガーデンテラスを備えた日本最大級のラルフズ コーヒーも併設。限定メニューなどを提供する。例えば、ラヴァフロースムージーはハワイアンカクテルのラヴァフローから着想を得たもので、パイナップルにストロベリー、ココナッツ、ライムのフレーバーを加えたトロピカルなノンアルコールスムージーだ。8月中旬には、「ラルフ ローレン」のアイコンであるポロベアを模したアイシングクッキー、ポロベアクッキーも同店で先行発売する。

オープンを記念して特別な
デジタルコンテンツもローンチ

 遊び心あふれるデジタル施策も多数。ラルフ ローレン 銀座でのみ楽しめるARコンテンツ「ポロベア イン ザ ハウス」は、店内のあちこちにポロベアが現れる仕様で、一緒に写真を撮ったり、ラルフズ コーヒーでお茶したりできる。世界に一つだけの写真をカスタマイズできる「CYOスナップ」は、自分で撮った写真にブランドのアイコニックなパッチを飾ることができ、ストアに来店せずともオンラインで楽しめる。こちらはラルフ ローレン 銀座の公式LINEアカウントを“友だちに追加”することで利用できる。

アーティスト高岡周策による
“ポロシャツmeets銀座”な動画

 ラルフ ローレン 銀座でもイチ押しのアイテムであるポロシャツと、歌舞伎座などに代表される伝統ある街、銀座。2つの要素をコラージュした動画を、アーティストの高岡周策が製作した。

INFORMATION
■ラルフ ローレン 銀座

オープン日:7月2日
時間:11:00〜19:00
定休日:不定休
住所:東京都中央区銀座2-6-3

問い合わせ先
ラルフ ローレン
0120-3274-20

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オンワードのEC専業「アンクレイヴ」 好調支える若手企画チームの躍動

 オンワード樫山の20代後半〜30代向けEC専業ウィメンズブランド「アンクレイヴ(UNCRAVE)」が順調にファンを広げている。2020年春夏のスタートから1年余りでインスタグラムの公式アカウントのフォロワーは3万を超え、初年度(21年2月期)はコロナ禍以前に組んだブランドの売り上げ予算も達成した。価格と品質のバランスに加え、若手企画チームによる等身大目線の商品企画が、女性のリアルなニーズを捉えている。

 ブランド名は“無駄なものを求めない”の意で、過度な装飾性を排したミニマルなセットアップ提案を主軸として打ち出す。「自社の百貨店ブランドと同等の生産背景」(国府美咲MD)による品質と、実店舗を持たないなどコスト抑えて実現する、リーズナブルな価格のバランスが武器だ。秋冬物のトップス、パンツ、スカートなどは1万〜2万円台が中心で、ウールコートでも4万円を切る。

 プロモーション面では、広告戦略に頼らず、SNSを中心に口コミでじわじわと広める方針を取ってきた。国府MDは「新作やスタイリングの投稿をするたびに、熱心なリアクションが多数ある。純粋に服のよさが伝わり、エンゲージメントの高いファンを増やすことができる」と手応えを話す。

 ストロングポイントは、お値打ち感だけではない。大事にしているのは、「ターゲット(20代後半〜30代の女性)と同じ目線に立つこと」。20-21年秋冬では、厚手のウールメルトン素材を使用したコート類がヒットした。メルトン素材特有のごわごわした着心地を排除し、撥水・撥油性も備えるなど、顧客の声を元に機能面を重視した。ダッフルコート(税込3万9600円)は6000件以上、ピーコート(同3万7400円)は1700件以上の再入荷待ちが出た。21-22年秋冬も継続販売する。

 「厚手のコートが市場で売れないと言われる中でも、他にないものが作れれば、お客さまに必ず響く」と自信を深める。国府MDは29歳ながら、ディレクターを除けば企画チームの最年長として中心的な役割を担う。「若いチームだからこそフランクに、のびのびと仕事ができている。今までのアパレルブランドのように、シーズンテーマはこれ、トレンドはこれ、と頭でっかちに考えず、私たちが本当に欲しいと思う服を突き詰めていきたい」。

 21-22年秋冬は、従来の黒、ブルーグレーなどのシックなカラーリングに、ピンクやイエローなどのニュアンスカラーを取り入れる。一部のブルゾンなどはユニセックスで着用できるようにするなど、新しい試みで新客の獲得を目指す。

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SNSで上半期注目の美容トレンドをリアル調査 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」の結果とともに紹介

 「WWDJAPAN」6月28日号と「WWDJAPAN.com」は、「上半期ベストコスメ」全21部門の結果を発表した。全国の百貨店とセミセルフショップ、バラエティーストア、ドラッグストアのバイヤーに21年1〜4月に“売れた”アイテムをヒアリング。各部門1〜4月の間に発売されたニュープロダクト(新製品)と、これまでに発売された既存品を含めた全製品からヒーロープロダクト(総合)のベスト3を選出した。結果からは、昨年来のコロナ禍が、支持されるスキンケア&メイクアップにも大きく影響していることがわかった。

 リアルな消費動向を探るため、「WWDJAPAN」は公式インスタグラムとツイッター(ともに@wwd_jp)で上半期の美容トレンドについてユーザー調査を行った。その結果とともに「WWDJAPAN 上半期ベストコスメ」を振り返る。

注目のメイクトレンドは
“落ちないリップ”と“ノーファンデメイク”

 上半期に注目したメイクトレンドを聞いたところ、44%が「落ちないリップ」、34%が「ノーファンデメイク」と回答した。ともにマスク着用の常態化が支持の大きな理由だ。バラエティー・ドラッグストアでは、色持ちの良いティントタイプの「セザンヌ」や「フジコ」「オペラ」「リカフロッシュ」のリップがランキングの上位を占めた。
 ベースメイクも「マスクに色がつかないか」「崩れにくいか」が購入の決め手になっている。百貨店・セミセルフ ベースメイクの新製品1位には、「マスクにつかないストレスフリーな使い心地が人気」とバイヤーがコメントする「RMK」のカラーファンデーションが輝いた。
 そもそもファンデーションを塗らないという人も増え、下地やコンシーラー、パウダーで肌を仕上げるノーファンデメイクが支持を集めた。百貨店・セミセルフショップのベースメイク総合1位は「クレ・ド・ポー ボーテ」のくすみを補正してワントーン明るい肌に仕上げる化粧下地「ヴォワール コレクチュールn」が獲得。ベージュではないファンデーションや、下地やパウダー、日焼け止めが人気を集めている。

ベースメイクは艶肌支持が圧倒的

 ここ数年艶肌ブームはずっと続いているが、コロナ禍でも変わらず人気だ。在宅勤務によるリモート会議中にPCの画面に写った自分の顔のくすみや暗さに気づく人も多い。艶肌はトーンアップして生き生きとした印象に見せてくれるのがポイントだ。スキンケア成分配合でツヤのある仕上がりをかなえる「シャネル」の“サブリマージュ レサンス ドゥ タン”や、肌を保湿しながら透明感をアップする「ディオール」の“ディオールスキン フォーエヴァー クッション パウダー”がランクインした。

アイメイクはナチュラル派が大半

 マスクをすることで、顔の印象を作る際の目元の重要度が増している。昨年からカラーアイライナーやカラーマスカラを打ち出すブランドも多く、リップメイクが楽しめない中で目元のカラーメイクを楽しむ人が増えた。一方で今回行ったユーザー調査では64%がナチュラル派。百貨店・セミセルフショップでは4色アイシャドウパレットがアイメイクの上位を占めたが、ドラッグ・バラエティでは「ウズ」の「まつ毛美容液」や「水橋保寿堂製薬」の「エマーキット」がランクイン。まつ毛美容液がアイメイク部門でランクインするという、例年とは大きく異なる特徴が現れた。

毛穴ケアが注目度NO.1
マスク荒れケアと美白への関心も高い

 スキンケアに関しては毛穴ケアが34%、マスク荒れケアが26%、美白ケアが25%、敏感肌ケアが15%という結果だった。皮脂量が増える春から夏にかけては、毛穴ケアへの注目が高まるのは例年の傾向だ。クレンジング・洗顔では「シュウ ウエムラ」や「ファンケル」「デュオ」といった毛穴やくすみ対策もできる美容効果の高いアイテムが人気だった。また、「スック」の“ポア クレンジング セラム”や「タカミ」の“スキンピール”といったプラスαのポイントケアも支持された。

 加えてマスク着用による摩擦やムレ、乾燥から、肌荒れに悩む人が増加。マスク荒れケアへの意識が高まっている。乾燥による肌に潤いを補給してバリア機能をサポートする「VT」の”シカデイリースージングマスク”や、「dプログラム」の“アレルバリア ミストN”が人気だった。百貨店・セミセルフショップの乳液・クリームで新製品1位に輝いた「ディオール」の“カプチュール トータル セル ENGY リッチ クリーム”には「マスク着用により保湿力の高いクリームの需要が高まった」とバイヤーからのコメントが寄せられた。

韓国コスメの人気は続く

 これまで韓国コスメへの支持が圧倒的だったが、今回の調査では約3割が中国コスメを支持。昨年はドラッグストアやバラエティーショップで中国コスメの取り扱いが増え、最近では宮脇咲良が「フラワーノーズ」のアジアブランド大使に就任するなどニュースもある。中国コスメはさらに躍進するだろう。

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「ブルガリ」がミラノでハイジュエリーイベントを開催 新作コレクション“マニフィカ”を発表(前編)

 イタリア・ローマ発ジュエラー「ブルガリ(BVLGARI)」は6月4日、「ブルガリ ホテル ミラノ(BVLGARI HOTEL MILANO)」で新作ハイエンドコレクション“マニフィカ(MAGNIFICA)”の発表イベントを開催した。昨年はデジタル形式で発表。今年は、経済再開へと向かいつつあるミラノを選んだ。イベントの前夜には、スカラ座でプライベートコンサートと晩餐会が行われ、翌日、花々で埋め尽くしたホテルの庭で新作ハイジュエリーとハイエンドウオッチを発表した。“マニフィカ”コレクションは世界各国で披露される予定。最初の目的地は日本で、6月末に発表する。

ローマへの壮麗な
美への賛辞

 「ブルガリ」は1884年にローマで創業。“マニフィカ”とは、イタリア語で“荘厳”という意味で、約120点のハイジュエリーのうち半数以上は1億円超えだ。コロナ禍でブランドの真髄に立ち帰り、永遠のインスピレーション源であるローマへの賛辞、最高級の宝石、創業以来磨かれてきたクラフツマンシップを融合させた究極のハイジュエリーコレクション。使用した宝石は、世界で4番目に大きい約131カラットのスピネルや約62カラットのエメラルド、5石計約473カラットのパライバトルマリンなど、目を見張る物ばかりで、「ブルガリ」の石のバイイング力は驚くほど。これら宝石の魅力を最大限に引き出すのは、ジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクターであるルチア・シルヴェストリ(Lucia Silvestri)の役割。ローマのバロック建築様式や芸術を着想源に、大胆かつ緻密なデザインで見る者を魅了するジュエリーに仕上げている。

日常への第一歩、
ミラノをたたえるイベント

 ミラノで開催された“マニフィカ”の発表イベントは、長いロックダウン明けを祝うかのような華やかさだ。ジャン・クリストフ・ババン(Jean Christophe Babin)=ブルガリ グループ最高経営責任者は、「今回のイベントは、イタリアのクラフツマンシップをたたえるものだ。ミラノはビジネスの中心地という印象が強いが、デザインの中心地でもある。新型コロナに打ち勝ったミラノへの敬意を示すと共に、このイベントが、ミラノが日常に戻る第一歩になれば」とコメントしている。

ミラノのアイコニックな観光名所で
初のジュエリーショー
ガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世でのショー

 「ブルガリ」は、ラグジュアリーブティックやレストランが軒を連ねるガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世で、“マニフィカ”コレクションのランウエイショーを行った。ショーに先駆け、世界的なテノール歌手であるアンドレア・ボッチェッリ(Andrea Bocelli)と指揮者兼ピアニストでのベアトリーチェ・ヴェネツィ(Beatrice Venezi)が演奏を披露。アーチ形のガラス天井とモザイクの床が美しくエレガントなアーケードに荘厳なジュエリーを着用したモデルが登場し、幻想的な夢の世界に誘うショーが繰り広げられた。

リリー・オルドリッジや
キアラ・フェラーニが来場

 “マニフィカ”の発表イベントには、「ブルガリ」のアンバサダーであるリリー・オルドリッジ(Lily Aldridge)をはじめ、同じくアンバサダーを務めるキアラ・フェラーニ(Chiara Ferragni)やエステル・エスポシト(Ester Exposito)などのセレブリティーや顧客、プレス関係者が来場した。ゲストは、花々で彩られた「ブルガリ ホテル」の緑豊かな庭園で“マニフィカ”コレクションを見た後に、屋外でミシュラン3つ星スターシェフであるニコ・ロミート(Niko Romito)の特別メニューを楽しんだ。

問い合わせ先
ブルガリ ジャパン 
03-6362-0100

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「ブルガリ」がミラノでハイジュエリーイベントを開催 新作コレクション“マニフィカ”を発表(前編)

 イタリア・ローマ発ジュエラー「ブルガリ(BVLGARI)」は6月4日、「ブルガリ ホテル ミラノ(BVLGARI HOTEL MILANO)」で新作ハイエンドコレクション“マニフィカ(MAGNIFICA)”の発表イベントを開催した。昨年はデジタル形式で発表。今年は、経済再開へと向かいつつあるミラノを選んだ。イベントの前夜には、スカラ座でプライベートコンサートと晩餐会が行われ、翌日、花々で埋め尽くしたホテルの庭で新作ハイジュエリーとハイエンドウオッチを発表した。“マニフィカ”コレクションは世界各国で披露される予定。最初の目的地は日本で、6月末に発表する。

ローマへの壮麗な
美への賛辞

 「ブルガリ」は1884年にローマで創業。“マニフィカ”とは、イタリア語で“荘厳”という意味で、約120点のハイジュエリーのうち半数以上は1億円超えだ。コロナ禍でブランドの真髄に立ち帰り、永遠のインスピレーション源であるローマへの賛辞、最高級の宝石、創業以来磨かれてきたクラフツマンシップを融合させた究極のハイジュエリーコレクション。使用した宝石は、世界で4番目に大きい約131カラットのスピネルや約62カラットのエメラルド、5石計約473カラットのパライバトルマリンなど、目を見張る物ばかりで、「ブルガリ」の石のバイイング力は驚くほど。これら宝石の魅力を最大限に引き出すのは、ジュエリー部門のクリエイティブ・ディレクターであるルチア・シルヴェストリ(Lucia Silvestri)の役割。ローマのバロック建築様式や芸術を着想源に、大胆かつ緻密なデザインで見る者を魅了するジュエリーに仕上げている。

日常への第一歩、
ミラノをたたえるイベント

 ミラノで開催された“マニフィカ”の発表イベントは、長いロックダウン明けを祝うかのような華やかさだ。ジャン・クリストフ・ババン(Jean Christophe Babin)=ブルガリ グループ最高経営責任者は、「今回のイベントは、イタリアのクラフツマンシップをたたえるものだ。ミラノはビジネスの中心地という印象が強いが、デザインの中心地でもある。新型コロナに打ち勝ったミラノへの敬意を示すと共に、このイベントが、ミラノが日常に戻る第一歩になれば」とコメントしている。

ミラノのアイコニックな観光名所で
初のジュエリーショー
ガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世でのショー

 「ブルガリ」は、ラグジュアリーブティックやレストランが軒を連ねるガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世で、“マニフィカ”コレクションのランウエイショーを行った。ショーに先駆け、世界的なテノール歌手であるアンドレア・ボッチェッリ(Andrea Bocelli)と指揮者兼ピアニストでのベアトリーチェ・ヴェネツィ(Beatrice Venezi)が演奏を披露。アーチ形のガラス天井とモザイクの床が美しくエレガントなアーケードに荘厳なジュエリーを着用したモデルが登場し、幻想的な夢の世界に誘うショーが繰り広げられた。

リリー・オルドリッジや
キアラ・フェラーニが来場

 “マニフィカ”の発表イベントには、「ブルガリ」のアンバサダーであるリリー・オルドリッジ(Lily Aldridge)をはじめ、同じくアンバサダーを務めるキアラ・フェラーニ(Chiara Ferragni)やエステル・エスポシト(Ester Exposito)などのセレブリティーや顧客、プレス関係者が来場した。ゲストは、花々で彩られた「ブルガリ ホテル」の緑豊かな庭園で“マニフィカ”コレクションを見た後に、屋外でミシュラン3つ星スターシェフであるニコ・ロミート(Niko Romito)の特別メニューを楽しんだ。

問い合わせ先
ブルガリ ジャパン 
03-6362-0100

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山田優が「イノアカラー」でツヤ&透明感あるベージュアッシュに変身

  ロレアル プロフェッショナルの「イノアカラー」は、スタイリストによる施術でプレミアムなヘアカラー体験を叶える。長年通うヘアサロンでベージュアッシュのヘアカラーに挑んだ山田優が、「イノアカラー」の魅力やスタイリストに寄せる信頼を語った。

ツヤのあるヘアカラーと
モノトーンファッションの共演

  今回の撮影は、山田が長年通い続けるヘアサロンSUNVALLEYのみち子がヘアカラーを担当。みち子は、用いた「イノアカラー」について「艶やかな質感を手に入れながら、日本人がヘアカラーをすると出やすい赤みや黄みをコントロールしてくれるのが魅力」と話す。ロレアル独自の先進テクノロジー、オイルデリバリーシステムがプレミアムなベージュアッシュを叶えた。ツヤのあるヘアカラー&スタイルを活かすべく、ファッションはモノトーンに。上の写真は、ヘアサロン同様、お客様とスタイリストのリラックスした関係性を表現している。

山田はサロンに
「絶対の信頼感と安心感」

WWDJAPAN(以下、WWD):お二人は出会って以来、毎月のように、家族ぐるみで付き合うくらいだと聞いた。

山田優(以下、山田):私が16歳の時からのお付き合いで、絶大な信頼を寄せ、絶対的な安心感を抱いています(笑)。無茶なお願いも叶えてくれる存在で、「こんなカンジに」を全部形にしてくれるんです。

渋谷謙太郎SUNVALLEY代表(以下、渋谷):「こんなカンジに」と頼まれると、自分の引き出しが次々と開き始めるんです。昔からなんでも似合うけれど、「カワイイ」より「カッコいい」の方が似合うよね。ヘアカラーなら、ハイライトは細かく入れるより大胆に入れたり、アッシュカラーも濃い目にしたり。昔は水色とか鮮やかなブルーにしたこともあったけれど、良く似合ってた。

山田:ヘアカラー、大好きだから(笑)。飽き性なところもあるし、人とカブるのが嫌い。気分もアガるので、私にとっては、なくてはならない存在です。とは言え仕事もあるので、カラーをするか・しないか、どんな色にするか?は、いつも悩みどころ。信頼しているので、いろんな画像を一緒に見ながら、「コレはどう?」って相談しながら色を決めるんです。ずっと一緒だったから、カラーリングもリラックスしながら受けています。

「こんなカンジに」が
「イノアカラー」は表現しやすい

WWD:今回挑戦したベージュアッシュカラーは、どんな風に話し合って決めた?

渋谷:リクエストを聞きながら、みち子がカラーを選びました。透明感のあるベージュは、彩度が高いので明るいカンジ。落ち着いているけれど、物足りなくはならない。ちょっと遊びたい気持ちも叶えてくれるカラーです。

WWD:この色は、「イノアカラー」だから実現した?

渋谷:表現しやすいのは、間違い無いですね。「イノアカラー」は、ツヤも出る。ヘアカラーを続けているとどうしても髪に負担がかかるけれど、「イノアカラー」はハイトーンを続けている髪でも負担が少ない印象です。

山田:ツヤは、私も感じました。昔からブリーチしたりヘアカラーをしたりすると、スタイリングするまで髪に元気がない感じでした。でも今回は、最初からツヤのあるスタイルに仕上がった印象です。

WWD:頼れるスタイリストと「イノアカラー」だと、ヘアカラーはもっと楽しくなる?

山田:この色だったら、仕事にも支障を来さずに楽しめそう。

渋谷:お客様からネタをもらい、そこからスタイリストが考えられる関係性があると、新しいヘアカラーやヘアスタイルは、もっと楽しくなると思います。

山田:私の周りにいる人は、みんなSUNVALLEYに通っているんです(笑)。そのくらい腕も、人柄も良い人が揃っている心地よいヘアサロン。本当にありがたい存在です。

渋谷:こちらこそ、山田さんみたいなお客様こそ、本当にありがたい存在です(笑)。

SNSでも影響力を持つ
iNOA GANG & ANGELって?

  オイルだからこそ実現するサロンでしかできないプレミアムなカラー体験を叶えるべく、「変わりたい」と願うお客様とコミュニケーションして、「イノアカラー」で「なりたい自分」を実現するのが、全国のトップサロンで活躍するiNOA GANG & ANGELだ。

問い合わせ先
ロレアル プロフェッショナル
03-6911-8321

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山田優が「イノアカラー」でツヤ&透明感あるベージュアッシュに変身

  ロレアル プロフェッショナルの「イノアカラー」は、スタイリストによる施術でプレミアムなヘアカラー体験を叶える。長年通うヘアサロンでベージュアッシュのヘアカラーに挑んだ山田優が、「イノアカラー」の魅力やスタイリストに寄せる信頼を語った。

ツヤのあるヘアカラーと
モノトーンファッションの共演

  今回の撮影は、山田が長年通い続けるヘアサロンSUNVALLEYのみち子がヘアカラーを担当。みち子は、用いた「イノアカラー」について「艶やかな質感を手に入れながら、日本人がヘアカラーをすると出やすい赤みや黄みをコントロールしてくれるのが魅力」と話す。ロレアル独自の先進テクノロジー、オイルデリバリーシステムがプレミアムなベージュアッシュを叶えた。ツヤのあるヘアカラー&スタイルを活かすべく、ファッションはモノトーンに。上の写真は、ヘアサロン同様、お客様とスタイリストのリラックスした関係性を表現している。

山田はサロンに
「絶対の信頼感と安心感」

WWDJAPAN(以下、WWD):お二人は出会って以来、毎月のように、家族ぐるみで付き合うくらいだと聞いた。

山田優(以下、山田):私が16歳の時からのお付き合いで、絶大な信頼を寄せ、絶対的な安心感を抱いています(笑)。無茶なお願いも叶えてくれる存在で、「こんなカンジに」を全部形にしてくれるんです。

渋谷謙太郎SUNVALLEY代表(以下、渋谷):「こんなカンジに」と頼まれると、自分の引き出しが次々と開き始めるんです。昔からなんでも似合うけれど、「カワイイ」より「カッコいい」の方が似合うよね。ヘアカラーなら、ハイライトは細かく入れるより大胆に入れたり、アッシュカラーも濃い目にしたり。昔は水色とか鮮やかなブルーにしたこともあったけれど、良く似合ってた。

山田:ヘアカラー、大好きだから(笑)。飽き性なところもあるし、人とカブるのが嫌い。気分もアガるので、私にとっては、なくてはならない存在です。とは言え仕事もあるので、カラーをするか・しないか、どんな色にするか?は、いつも悩みどころ。信頼しているので、いろんな画像を一緒に見ながら、「コレはどう?」って相談しながら色を決めるんです。ずっと一緒だったから、カラーリングもリラックスしながら受けています。

「こんなカンジに」が
「イノアカラー」は表現しやすい

WWD:今回挑戦したベージュアッシュカラーは、どんな風に話し合って決めた?

渋谷:リクエストを聞きながら、みち子がカラーを選びました。透明感のあるベージュは、彩度が高いので明るいカンジ。落ち着いているけれど、物足りなくはならない。ちょっと遊びたい気持ちも叶えてくれるカラーです。

WWD:この色は、「イノアカラー」だから実現した?

渋谷:表現しやすいのは、間違い無いですね。「イノアカラー」は、ツヤも出る。ヘアカラーを続けているとどうしても髪に負担がかかるけれど、「イノアカラー」はハイトーンを続けている髪でも負担が少ない印象です。

山田:ツヤは、私も感じました。昔からブリーチしたりヘアカラーをしたりすると、スタイリングするまで髪に元気がない感じでした。でも今回は、最初からツヤのあるスタイルに仕上がった印象です。

WWD:頼れるスタイリストと「イノアカラー」だと、ヘアカラーはもっと楽しくなる?

山田:この色だったら、仕事にも支障を来さずに楽しめそう。

渋谷:お客様からネタをもらい、そこからスタイリストが考えられる関係性があると、新しいヘアカラーやヘアスタイルは、もっと楽しくなると思います。

山田:私の周りにいる人は、みんなSUNVALLEYに通っているんです(笑)。そのくらい腕も、人柄も良い人が揃っている心地よいヘアサロン。本当にありがたい存在です。

渋谷:こちらこそ、山田さんみたいなお客様こそ、本当にありがたい存在です(笑)。

SNSでも影響力を持つ
iNOA GANG & ANGELって?

  オイルだからこそ実現するサロンでしかできないプレミアムなカラー体験を叶えるべく、「変わりたい」と願うお客様とコミュニケーションして、「イノアカラー」で「なりたい自分」を実現するのが、全国のトップサロンで活躍するiNOA GANG & ANGELだ。

問い合わせ先
ロレアル プロフェッショナル
03-6911-8321

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野菜と果物で美しい髪へ 新ブランド「ヘアキッチン」 確かな使用感とクリーンビューティを両立

 資生堂プロフェッショナルの新ヘアケアブランド「ヘアキッチン(HAIR KITCHEN)」が7月にデビューする。髪のパサつきや艶の低下、頭皮のニオイなど、さまざまな悩みの根源となる“酸化”に着目し、野菜や果物が持つ、自然環境を生き抜くパワフルな力を用いたオリジナル処方が特長だ。シャンプーは乾燥や脂性などの頭皮悩みに合わせて、トリートメントはまとまりやボリュームといった髪悩みに合わせて複数のラインアップを用意。ユーザーはシャンプー、トリートメント、フィニッシングミストなどのステップごとに最適なアイテムを選び、よりパーソナルな組み合わせで楽しめる。

 成分だけではなく、髪や頭皮、地球環境に負荷の少ない設計など、随所に透明性や倫理的観点の要素を取り入れた。サステナビリティにまつわる情報やアイテム選びのポイントなどを伝えるデジタルプラットホームも用意し、社会問題への意識が高い次世代のニーズに応える。

実力があって、しかもサステナブル
モデルにもおすすめしたくなる
ブランド

 今やサステナブルやエシカルに興味のある人は多いけれども、その要素だけで選べないのがヘアケア。“自分が好きで使っているブランドが、気付いたらサステナだった”くらいの方が続けられるし、今の空気感に合っていると思う。「ヘアキッチン」のシャンプー&トリートメントは、悩みや仕上がり別にそれぞれ3つの種類があるが、その違いがはっきり出ることに驚いた。アウトバスも優秀で、“テクスチャライジング リッチオイル”は、髪はしっとりしながら表面はツルツル、しかも軽いという今夏のトレンドの髪質を簡単に作れる。また、私は最近(明るかった髪を)黒髪にしたが、黒髪は本当に艶が大事。“フィニッシングミスト”は自然な艶感を与えてくれるので助かっている。まさに「使っていて楽しく、しかもサステナ」というブランドで、モデルさんからおすすめのヘアケアを聞かれたときに提案しやすい。

「ヘアキッチン」5つの特長

目的・用途に合わせた
豊富なラインアップ

問い合わせ先
資生堂プロフェッショナル ヘア技術センター
0120-785-466/企画・制作:WWDJAPAN

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細胞ケアが新たなエイジングケアの潮流に 注目の成分・ウロリチンで細胞再活性化

  生物の種類によって個数や機能の差はあるが、私たちは細胞からできている。人間の場合、受精卵が分裂を繰り返して目や皮膚、肝臓などを形作りながら、なんと37兆個まで細胞が増加。細胞はいわば“人間の基本”なのだ。そんな体の源である細胞をケアする“細胞活性化”が今、新たな潮流として注目を浴びている。細胞の機能を高めることで体も肌も元気になるというが、その“細胞活性化”に欠かせないのが、ベリーなどに含まれる成分・ウロリチンだと世界的最新研究で解明。市場の期待も高まる中、大学発ベンチャーとして設立されたオートファジーGO(AutoPhagyGO)では、創薬や食品などの実用化を目指して企業との共同開発も進めているなど、細胞再活性化は最先端のエイジングケアとして関心を集めている。

“人間の基本”とも言われる
細胞の働きとは

  細胞はエネルギーやホルモンを作ったりウイルスと戦ったりとさまざまな役割を果たしているが、実は新陳代謝を行い、細胞そのものも日々生まれ変わっている。しかし、中には細胞内の組織が古くなって壊れたり、傷ついても回復力がうまく働かなかったりなど細胞の機能が低下してしまうことも。これらは、細胞内の新陳代謝が速やかに行われないことと、紫外線やストレス、汚染物質、食生活の乱れ、不規則な生活などが要因で発生した活性酸素が細胞のDNAを傷つけていることが原因だ。また、加齢とともに「細胞内の新陳代謝」「傷を修復する力」が下がってしまうために、細胞の機能低下も起こってしまう。だからこそ、体の根本から健康になるためには、機能が低下した細胞を再活性化して元気な細胞に戻す必要がある。

機能低下した細胞に必要な
「細胞再活性化」

細胞を活性化させる
注目の“ウロリチン”

  機能低下した細胞を回復させる働きを持つオートファジーとサーチュイン遺伝子。この2つの相乗効果を発揮する食品素材として、ブドウや赤ワインに多く含まれるレスベラトロールのほか、細胞再活性化素材として近年注目されているのがウロリチンだ。ウロリチンはポリフェノールの一種で、オートファジーの重要な働きである、壊れたミトコンドリアの除去を促進する作用が確認された食品素材。ウロリチンはザクロやベリー、ナッツ由来のポリフェノールを腸内細菌の働きで代謝されてできる成分であるが、産生能力には個人差があるため、これらの食品を摂取するだけでなくウロリチンそのものを摂取することが好ましい。

吉森保大阪大学栄誉教授も
実用化に期待の成分

  年齢と共にオートファジーの働きが弱くなるため、細胞の機能が低下します。つまり、細胞の機能を回復させていつまでも若々しく健康で長生きするためには、オートファジーの力を高めていくことが大切。一方、サーチュインも健康長寿に重要です。オートファジーとサーチュインの両方に働きかけ、細胞を再活性化させる素材の研究が進み実用化されていくことで、細胞から全身が元気になり、心も体も元気に過ごす毎日につながるのではないかと期待しています。また、細胞再活性化を促す“ウロリチン”や“レスベラトロール”といった食品成分を摂り入れることで健康長寿に寄与するのはもちろん、肌への効果も期待できます。そのほか、高脂肪食を控えたりカロリーを制限するといった食事法の変更や、ジョギングなどの運動を継続することも細胞再活性化につながります。

問い合わせ先
一般社団法人ウェルネス総合研究所
info@wellness-lab.org

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有名美容師のパーソナルトレーニングを担当 b-exの浅田昌也が打ち出す筋肉美容家とは

 ヘアサロン専売品をはじめ、一般向けヘアケア製品などを取り扱うb-exは今年3月に副業を解禁した。実践者はまだ少数というが、先陣を切って副業に取り組む浅田昌也さんは営業として勤務するかたわら、筋肉美容家として自身の身体を美しく鍛え、大会にも出場する。美容室・美容師向けのパーソナルトレーナーとして活動する背景を浅田さんに聞いた。

WWD:筋トレに目覚めたきっかけは?

浅田昌也b-exプロフェッショナル営業部第一支店 支店長兼広域営業(ビジネスデベロップメント)(以下、浅田):ジムにはずっと通っていましたが、きっかけはヘアサロン「エアー(air)」執行役員の金丸佳右さんとの出会い。もともと“筋肉美容師”として有名な方ですが、実際にお会いしたらめちゃくちゃかっこ良くって。19年の春ごろ、鍛えた身体の美しさを競い合う「ベスト・ボディジャパン」という大会に金丸さんが出場するということで見学にいきました。その時にすごく感銘を受けて、翌日から自分も3カ月後の大会に出場するために本格的に身体を鍛え始めました。

WWD:身体を鍛え始めてからの変化は?

浅田:大会に出場するために3カ月で18キロ減量しました。別人になったと思いますよ(笑)。そうして「ベスト・ボディジャパン」に挑んだのですが結果は予選落ちで、撃沈。リベンジのために出場した20年の「モデルジャパン」では予選を通過して日本大会に行くことができました。筋トレを始める前はSNSをそれほどまめに更新していませんでしたが、減量の様子をインスタグラムやティックトックで公開してみたら反響が大きく、テレビのバラエティ番組にも出演しました。

WWD:それからパーソナルトレーナーとして活動を始めたのはなぜ?

浅田:僕が大会前に食事と筋トレで10キロ以上減量しているのを見て、「ガーランド(Garland)」の榊原(章哲)さんが「コロナ禍で10キロ以上体重が増えてしまったので、ダイエットをサポートしてくれないか」と声をかけてくれました。昨年の秋頃です。「せっかくなら本格的にやろう」と榊原さんにサービス名もいただき、ロゴも作ってくれたんです。2カ月間毎日30分ほど、ビデオチャットを使って、トレーニングをしたところ、榊原さんは6kgの減量に成功しました。そのあとは「アン アミ(Unami)」代表の森内(雅樹)さんや、「ロンド(Lond)」グループ代表の吉田牧人さんからお声がけをいただき、徐々にパーソナルトレーナーとしての活動が増えていきました。コロナ太りには美容師さんも例外なく悩んでいるようで、自粛ムードが次第にあけて人前に出ることが増えた秋頃に始めたこともあり需要が高かったと思います。

WWD:メーカー営業とパーソナルトレーナー、二足のわらじのメリットは。

浅田:榊原さんに言われて始めましたが、一人勝ちできるなと思いました。“筋肉美容師”は結構いますが、メーカーやディーラーなどヘアサロン業界でほかにそういう人がいませんでした。パーソナルトレーニングを担当することでビジネスとは違う領域で美容師さんと関係性が作れます。ヘアサロン業界以外の方のパーソナルトレーニングをすることもありますが、この業界でやることに価値があると考えています。トレーニングをしていると自然と仕事の悩みを相談されることもあって、ヘアサロン業界にいるからこそ共感できたり、アドバイスしたりすることもできます。まずは友達のような親しい関係が築ければ、ビジネスでも良い関係になれるはずです。メーカーの営業は「商品を売りにきた」と警戒されることがありますが、まずは筋トレをきっかけに友達のように親しい関係が築ければビジネスでも良い関係になれるはずです。

WWD:営業マン×筋肉美容家としての目標は?

浅田:b-exに入社してから15年、北海道や大阪、東京で営業として一番売り上げを立ててきたと自負しています。正直にいうと、数字を追い求めることはもうやり切った感がありました。何か新しく打ち込めることを見つけたいという思いや、金丸さんとの出会いがあって、筋トレを始めました。その時はどのようにビジネスにつなげていくかは、全く見えていませんでした。それが美容師さんと筋トレを通じて関係性を作ることができるようになり、b-exの仕事にも生きています。さらにパーソナルトレーナーという副業にもなりました。結果が求められるので趣味レベルで筋トレをやるのとは全然違いますが、好きなことでビジネスができたら最高じゃないですか。そうじゃないと継続できません。

WWD:浅田さんが周りに与える影響も大きそうだ。

浅田:“自分×何か”の“何か”を2つ、3つ持っていないと、これからの時代はきついと部下にも話しています。営業に出て、プレゼンするのは当たり前。けれども「この人といえば○○○だよね」という何かがあれば入り口も作りやすいし、重宝されます。例えばブラックコーヒーしか飲まないとか、些細なことでもいいんです。それをいかに発信して継続するかが大事。最低でも1〜2年は続けることですね。やり続けてみないとどのようにブランディングすれば良いのかもわかりません。僕の場合はそれが筋トレでした。筋トレは自分との戦いで嘘をつきません。筋肉美容家として活動していますが、美容師さんが「きれいになって、かっこ良くなって売り上げが上がる」というようなロジックが作れたら無敵になれると考えています。そんな営業マンがいたら、「b-ex と取引したい!」とも思いますよね。人のためでもありますが、筋トレをすることは自分のためでもあり、会社の売り上げにもつながるはずです。

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キノコ由来のレザーから「洋服の青山」の余剰在庫まで活用 「ダブレット」の反骨心×最新のサステナビリティ

 「ダブレット(DOUBLET)」は27日、都内郊外にある農園で2022年春夏のファッションショーを行った。今季もパリ・メンズ ・コレクションの公式スケジュールでのオンライン発表に合わせた配信で、日本のメディア関係者やバイヤーを現地に招待。都会を忘れる緑豊かな農園のエントランスでは、子羊がお出迎え。一方で、その自然とは相反するカラフルなライトとロック音楽の爆音で、ショーは幕を開けた。

 ファーストルックは、缶バッジやスタッズを総刺しゅうしただまし絵のライダースジャケットとニットワンピース。モデルはブロンドのカーリーヘアで、伝説の英バンド、セックス・ピストルズ(SEX PISTOLS)のシド・ヴィシャス(Sid Vicious)の恋人として知られていたナンシー・スパンゲン(Nancy Spungen)のような風貌だ。次々登場するモデルたちは、パンクロッカーやヤンキー、不良のようなコワイ雰囲気。しかし、彼らがまとうド派手な服は最新のサステナビリティの技術を駆使したアイテムだった。

コワイ人たちが着る
環境に優しい服

 今注目のキノコの菌から作った“人工マッシュルームレザー“は、インドネシア企業のマイレア(MYLEA)との協業し、ライダースジャケットに仕立てた。その背中には毒キノコの“テングダケ“をプリントし、シュールな笑を誘う。廃棄されたバナナの茎からできた糸は、バナナ柄のセーターに。これは有名なロックバンドのアルバムジャケットや果物ブランドのロゴなど、「ダブレット」らしいパロディーだ。その他にも、コーヒー染めしたミルクプロテインの糸や、玉ねぎの外皮を使った染色技術、食べ物や植物の廃棄物から抽出された液を使った染色など、数々の食べ物を使った新しい技術を採用。農園というロケーションとコレクションがリンクする。

 また「洋服の青山」で知られる青山商事と協業したアップサイクルにも挑戦。コロナ禍で出たスーツの余剰在庫を買い取り、解体し、オーバーサイズのジャケットやセットアップへと生まれ変わらせた。他にも「スイコック(SUICOKE)」とのシューズ、「ブラン(817 BLANC LNT)」とのアイウエア、「エドロバートジャドソン(EDROBERTJUDSON)」のバッグなどのコラボレーションも披露している。

“不良が猫を助ける“ような服作り

 これまでも進めてきたサステナビリティへの取り組みを、よりグレードアップさせたが、井野将之デザイナーは制作する上で矛盾を感じていたという。「環境にいい素材で、“いいことでしょう?“という服作りに違和感があった。だから、環境に悪くない素材をボロボロに加工して、“環境にいい、悪い関係なく、洋服だ“というものを作りたかった」と明かした。「学校で不良が猫を助けたら、いいこととして評価されるが、学級委員が万引きしたら反感を食らう。不良が猫を助けるほうが生きやすいし、僕はそういう風でありたいと思った(笑)」と説明する。“環境に優しい“エコのイメージと、反骨心たっぷりのクリエイションのコントラストが痛快だ。

 今季のテーマは「My Way(僕らのやり方)」。「エルメス(HERMES)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「アディダス(ADIDAS)」も取り入れる“人工マッシュルームレザー”の最新技術をいち早く採用し、「ダブレット」流に咀嚼。また、見て“楽しく“、着る人の気分が高揚し、コミュニケーションを生む服を目指してきたブランドの真髄を極めている。

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ウェブとアパレル、2人のプロが異色タッグ、クロス・コミュニケーションがD2Cブランド専用の統合サービスを開発

 大手の金融や証券会社、小売企業などのウェブシステムやアプリ開発などを手掛けるクロス・コミュニケーションはこのほど、D2Cブランドの運営に特化した新サービス「スペースシップス(SPACESHIPS)」をスタートした。CRMや決済など多くの機能を盛り込みながら低コストで運用できるECシステムからベテランのプランナーを配した集客、膨大な画像情報を解析するディープラーニングを搭載したリサーチ機能、使い勝手のいい企画・デザイン機能まで、D2Cブランドの運営に必要かつハイスペックな機能を搭載する一方で、サービス使用料はかなり廉価に抑えた。同社は「スペースシップス」のローンチに当たり、アパレルのOEM(相手先ブランド生産)事業に長く携わり、自らD2Cブランドも運営していたファッションビジネスのベテランで、前サードオフィス社長の西村隆氏を執行役員として招聘。二人の強力タッグで、アパレル産業に本格参入する。

D2C専用システム
「スペースシップス」、誕生の背景

WWDJAPAN:「スペースシップス」誕生の背景は?

富永晴次クロス・コミュニケーション社長(以下、富永):4年前くらいに、アパレルEC支援事業を本格スタートしようとリサーチしていた過程で、当時サードオフィス社長だった西村さんに出会ったのがきっかけです。

西村隆クロス・コミュニケーション執行役員 デザインラボ所長(以下、西村):サードオフィスではOEM事業を手掛けていたこともあり、産業構造や利益構造なども含めて、富永さんとディスカッションを重ねました。

富永:印象的だったのは、アパレルが在庫残の存在を前提にしたビジネスモデルだったことや、取引先の課題を仕組みで解決していくという本質的な部分に加え、それぞれの立場でクライアントを支える支援事業を展開し、商品力(企画力)や機動力で勝負し続けてきたことも重なっていました。業界は違っても、実はいろいろな部分でかなり似ているなと感じました。そんなこともあってか、色々お話しする中で共感する部分が多々あり、本格的にタッグを組んで事業化に向けて動き出したのです。

西村:まず、アパレルビジネスの課題である変数の多さを潰すため、AI(人工知能)を利用したMD(マーチャンダイジング)の可能性について2人で考えました。AIを利用したMDに必要なのは、未来の需要予測。既に世の中に出ている画像データを分析しても、あくまで過去のデータにしか過ぎず、未来の需要予測と言えるレベルにはならない。それなら、そのデータになる前の情報はストリートにあるのではないか?という仮説を立て、街に定点カメラを置いてみようとか、いろいろなアイデアを出し合いました。

富永:結果的に先行したのがECシステムの構築で、サードオフィスと共同で昨年8月にEC用のCMSである「コマースドア(COMMERCE DOOR)」をリリースしました。一方でCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)なども活用してスタートアップ企業と連携し、ウェブ上のファッションスナップをクローリングしてタグ付け、トレンドデータを蓄積しつつ、450万人のアンケートパネルを活用した調査と合わせてターゲティングを強化する技術に加え、CRMもアパレル分野に特化したサービスを開発しており、リサーチからデザイン、ECの販売システム、CRMまで、アパレルのD2Cブランドを運営するための複数のサービスを統合して誕生したのが「スペースシップス」です。

EC事業支援サービス
「スペースシップス」は
コスパと機能を追求

富永:「スペースシップス」で最も重視したのは、機能とコストパフォーマンス。できるだけ多くの機能を盛り込みつつ、使いやすく、かつ低価格で提供することを追求しました。特にECシステムの「コマースドア」の開発に際して工夫したのは、立ち上げ期からでも無理なく採用できること。その一方で、決済、運用、マーケティング、分析などのさまざまな機能を盛り込み、実際には年商数十億円まで無理なく利用できるように設計しました。

西村:サービスや機能については、大きな投資が難しいわれわれのような規模の会社が、自分たちでゼロからD2Cを立ち上げ、運用してきた経験を盛り込みました。必要な機能は事業のフェーズによって変わってきます。立ち上げのフェーズは人もお金もできる限り小さな投資で事業を立ち上げながら、ブランドとしてしっかり差別化をする。一定の購買データが蓄積されたフェーズでは、そのデータを活かした商品開発やデジタルマーケティングを行う必要があります。個人用のECカートシステムだと事業を拡大するフェーズでは機能が足りないが、大手企業が使うようなパッケージのシステムでは時間も費用もかかるので躊躇してしまう。限られた資金で事業を立ち上げ、運営してきた自分たちだからこそユーザーにとって本当に必要なことが分かるのです。

ターゲットは
ブランド立ち上げ期だが、
年商数十億円規模まで対応できる
サービスパフォーマンスを実現

富永:ポイントはブランドの立ち上げ期から使えるサービスであるということ。本当にゼロからECを始めるなら、手軽で安価なECシステムがいくらでもあるが、ある程度ビジネスが大きくなった時の需要に対応できる設計にはなっていない。われわれのサービスは集客から集客後の顧客情報を生かしたステップメールやLINE、SNSなどを活用した適切な販促の運用、使い勝手がよく多機能なECシステムまで、ブランドをインターネット上で運営するための全機能をカバーしているから。極端なことを言えば、この「スペースシップス」があれば、かなり少人数でECサイト、あるいはブランドを運営できます。

西村:「スペースシップス」は、ブランドを事業になるまで成長させたい個人が運営するブランドから、最小限の投資でD2Cブランドを立ち上げつつ、成長の可能性を確認した上で再投資をしたい大手企業まで、幅広いユーザーがターゲットになります。大量生産・大量販売からの脱却、リアルとネットの融合など、改めて言うまでもありませんが、アパレル産業は過渡期を迎えています。その一方で、多種多彩な価値観を提供できる、というのはファッションならでは、アパレルならではの魅力です。「スペースシップス」はそうしたファッションの魅力をビジネスに落とし込む、あるいはサポートする強力なツールになるはずです。

富永:僕らが目指しているのは、あくまでファッションビジネスの魅力を最大化するためのサービス。既存の仕組みを効率化することで、少しでも産業を盛り上げるお手伝いができればと考えています。

自社運営の2ブランドが
展示会&関係者向けの
オンラインセールを開催

 クロス・コミュニケーションが運営する「ショーガール(SHOWGIRL)」「プレイリスト(PLAY LIST)」の2ブランドは展示会を実施する。また、オンラインストアでのセールも行う。概要は以下の通り。

INFORMATION
■「ショーガール」「プレイリスト」展示会

日程:6月28日〜7月4日
時間:平日13:00〜19:00 休日11:00〜19:00
場所:クロス・コミュニケーション
住所:〒163-1424 東京都新宿区西新宿3丁目20−2 東京オペラシティタワー 24F

■オンラインストアセール

日程:6月17日〜7月18日
場所:各ブランドウェブサイト内
クーポンコード:SHOWGIRL/sglp30、PLAY LIST/pllp30
※セール・展示会の詳細ページも「スペースシップス」オフィシャルサイト内のバナーからアクセス可能

問い合わせ先
クロス・コミュニケーション
cc-contact@ml.cross-c.co.jp

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圧倒的世界観の「LV」や緊急参加の「バーバリー」などパリメンズ前半を先輩後輩がプレイバック 「イッセイ」「ヨウジ」ら日本勢も健闘

 2022年春夏メンズコレクションは、ロンドンとミラノが終了し、舞台はパリへ。海外からの現地リポートも随時更新中ですが、ここでは日本でリモート取材中の先輩&後輩コンビがダイジェスト対談をお届けします。今回は前半(6月23〜25日)に登場した9ブランドをプレイバック!日本勢の活躍も要チェックです。

【対談メンバー】
先輩・大塚:海外コレクション取材歴5年目。「WWDJAPAN」副編集長。昨年からランニングにハマって2ケタ減量に成功。サイズダウンによりファッション欲がさらに上昇。

後輩・美濃島:昨年から海外コレクション取材をスタート。「WWDJAPAN」記者としてデザイナーズやスポーツを取材するも、最近みるみる巨大化。サイズアウトする服が続出。

“本能のままに”を突き詰めた地獄

大塚:まずはパリメンズ公式参加2回目となる「キディル(KIDILL)」。いやー、過去最高にこじらせとったねえ(笑)。ショー前に末安弘明デザイナーから「地獄を見せます」と宣言されて、「いやいやそんな大げさな」と軽く受け止めていたら、思ったより地獄だった。会場が東京・赤坂の草月会館にあるホール“天国”だっただけに、さらに異質さが際立っていたわ。

美濃島:僕はバックステージから取材したのですが、リハからぶっ飛ばしてました(笑)。イギリス人のグラフィックアーティスト、トレヴァー・ブラウン(Trevor Brown)とのコラボレーション。口紅をいびつに塗りたくった少女や首が落ちたラブドールなど、おどろおどろしいモチーフをキャッチーに描いたグラフィックを、オーバーサイズのシャツやブルゾンなどに落とし込んでました。

大塚:プリントや加工を個々に見るとかわいくて楽しいんだけど、純真無垢に足し算されていくと、徐々に狂気じみて「おいおいおい」となっていくというね。何ごとにもピュアすぎてちょっと怖い人ってたまにいるじゃない?そんな感じ。世界でいろいろなコレクションをいろいろ見てきたけれど、地獄レベルはトップクラスでした。

美濃島:Tシャツや素肌をロープで縛ったスタイルは、ロープアーティストのハジメ・キノコによるもの。グラフィック表現の自由さと、緊縛による身体の不自由さが混在し、コレクションの狂気をさらに加速させます。

大塚:これまでも末安デザイナーは内面にある狂気や偏愛に向き合っていたのだけど、今思えば、それらをスタイルに落とし込んでいたのかなと。今シーズンはまず感情から湧き出るクリエイションを先行させて、最終的にスタイルに仕上げていた印象。だから過剰なディテールがいつも以上に際立って見えた。

美濃島:きわめつけは、ノイズバンド非常階段のボーカルJUNKOさんのパフォーマンス。ショーの途中から聞こえる「キィイアアア」という叫びからは、“本能のままに表現しよう”というメッセージを感じました。

生地の発明をスタイルへ “怒り”を込めたクリエイション

大塚:「ターク(TAAKK)」は映像公開前にリアルショーを見てきました。“地球”から着想を得たコレクションで、ブランドの転機になった20年春夏の“WEAR THE EARTH”を拡張させた印象です。

美濃島:おっしゃる通り、生地のグラデーションに合わせて儚い桜を刺しゅうしたり、色をベージュからカーキへ大胆に変化させたりと、過去に開発した「これだ!」という生地をスタイルに落とし込むひと工夫が光っていました。

大塚:そうそう。「キディル」とは逆で、スタイリングもイメージしながらデザインを組み立てていったのかなと思うほど洗練されていた。プリントを生かす生地の加工、または生地の加工をいっそう際立たせるプリントなど、スタイルとしての完成度が目を引いたよね。これまでは新開発した生地をぐいぐい前に出していくクリエイションで、それはそれで強さはあったのだけど、今回は組み立て方が秀逸だった。生地が上から下に徐々にグラデーションし、ジャケットがシャツやMA-1に変化する加工はさらに進化。ショートトレンチが外側に向けてMA-1の袖に変化していく発想は見ていて笑っちゃうほどすごかったわ。

美濃島:映像はランウエイをメインとするのかと思いきや、生地や商品にフォーカスし、森川拓野デザイナー自らクリエイションの着想源とデザイン哲学を語る内容。意外なアプローチでしたが、ブランドの武器を余すことなく発信していたし、解説も心地良くて気づいたら映像を見終えていました。

大塚:実は今シーズンは、森川デザイナーの怒りの感情が込められてたらしい。というのも、「ターク」の服は実物を見てすごさが分かる部分が大きいから、新作を海外の人に直接見てもらえないフラストレーションが溜まっていたんだって。だから映像では森川デザイナーが終始語り、物作りやショーの裏側を見せる演出だったんだと思う。今回の完成度が高かっただけに、次は同じ手を使えないかなという懸念もあるけど、今回はその感情がプラスに作用してました。

問題はコロナだけじゃない

大塚:「ファセッタズム(FACETASM)」は"a sight with a kiss”と題した映像で、長谷井宏紀監督が手掛けたもの。再開発が進む渋谷の街を舞台に、自由と監視社会について考えさせられる内容で引き込まれちゃった。

美濃島:カメラから逃げ回った男女が公園で落ち合うものの、その様子さえ撮られているディストピア感のあるオチが好みでした。監視社会のほかにも、大気汚染や大量廃棄、森林破壊、干ばつなど、行き過ぎた文明を警鐘するメッセージがにじんでいて、「問題はコロナだけじゃないよね」と落合宏理デザイナーに投げかけられた気がします。

大塚:ストリートウエアやテーラード、スポーツ、ドレスなどを縦横無尽に行き来するクリエイションは変わらず。ホワイトやパステルカラーのレイヤードが、爽快感と重厚感が共存していて面白かった。

美濃島:洋服の軸はストリートですが、オーガンジーやレース、腰から垂らしたリボンなど、軽やかさを添えるディテールも際立っていました。

パリ参戦!砂漠とレイブに映える強いクリエイション

大塚:「バーバリー(BURBERRY)」がなんとパリメンズで発表。自分で「『バーバリー』2022年春夏パリ・メンズ・コレクション」って原稿を書いてて不思議な感じがしたよ。舞台はマッドマックスのような砂漠。モデルが屋内へと歩みを進めると屋内はレイブ空間が広がり、そのコントラストが何だか強烈に刺さった。音楽によってマインドが異空間にエスケープする感覚をクリエイションで表現したみたいなんだけど、まさにそんな感じ。

美濃島:海や山などの野外映像は鉄板ですが、砂漠はありそうでなかった。砂の上をザッザと歩くモデルがレイブ空間に入ると同時に、テクノがガンガン流れ初める演出にテンションMAX。クラブに入る瞬間を追体験してるみたいでした。

大塚:ウエアは、トレンチコートやテーラリングというヘリテージを軸に、スリーブレスや変形カラーなどディテールでアレンジ。モチーフや色使いは最小限でミニマルなのだけど、モデルが袖を通すことによって2倍も3倍も強くなる。鍛えねば!という気持ちになりました。

美濃島:途中の肩車ルック三連発は正直戸惑いましたが、「筋肉ってすげえ」と安直&ポジティブに捉えることにします。ウシやシカっぽい模様、あばら骨を連想させるジャケットのテープ使いなども目立ちました。昨シーズン、チーフ・クリエイティブ・オフィサーのリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)は、屋外への欲求を込めたアニマルモチーフを多用していたので、そのムードが継続していたのでしょう。

意外性と哲学満載のリアルクローズ

大塚:「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」はリアルクローズ路線に勝機を見出したみたいだね。もともと奇抜なクリエイションではなかったけれど、ここ数シーズンはいろいろな部分が以前にも増してそぎ落とされてる。

美濃島:さらっとした服に見えますが、コーチジャケットは脇下のジップでシルエットを変えられたり、パーカーは袖に手を通さずに着られたりと、着方を変えられるギミックがあるんです。この意外性が「フミト ガンリュウ」の持ち味ですね。

大塚:カラーリングや快活さでクリーンに見えるのだけど、実は細部にまでデザイナーの哲学が浸透しているのもこのブランドの面白いところだね。服での主張は控えめな分、映像の強烈さが際立ってた。

美濃島:3Dスキャンしたようなメイクや荒いグラフィックなど、あえてチープに仕上げたバーチャル演出が独創的でした。ダッフルコートやトレンチコートなど、毎シーズンの目玉アイテムがありますが、今回は羽織風のフードコートに人気が集中する予感です。

モデルは半分素人 個性を強さに変える

大塚:「オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE)」は、“HUMAN ENSEMBLE”がテーマでした。

美濃島:いつもはハッピーな映像で気分を盛り上げてくれるのだけど、今シーズンはモデルのキャラクターが際立つ静かな演出でしたね。

大塚:多様性が浸透してきているからこそ、個人に焦点を当てようという意図なんだって。カメラマンの田島一成さんが監督を務めていて、モデルも半分は素人。教師やモデルのマネジャーら、登場する人物がみんな個性的なんだよ。服は、「オム プリッセ」らしさをよりストイックに伝えたいという思いから、人間の体やロボットの型を研究し、さまざまな人種の肌色を思わせるカラーや、体の動きをイメージしたディテールや柄を盛り込んでました。

美濃島:右から左へ光を移動させることで、プリーツの凹凸やざらついた素材感などを際立たせていました。人種はもちろん、体型もほんとに幅広くて、着る人を選ばない服だなと改めて実感。ハワイアンなBGMにも癒されました。

大塚:フロントはセットイン、バックはラグランスリーブになったジャケットや、縞を織りで表現するなど、映像だけではなかなか伝わりづらいディテールも見どころ。服にこれまでと大きな変化はないのだけど、背景を知れば知るほど、ファッションで世の中とつながる姿勢が分かって面白かった。

美濃島:シューズをはじめアクセサリーのラインアップも増えていて、このブランドだけでワードローブを完成できちゃいそう。前シーズンから取り組んでいる、再生ポリエステル100%のプロダクトも増えているんでしょうか?

大塚:徐々に型数を増やしていて、近いうちに全商品に使用することを目指してるらしい。再生ポリを使った服を実際に着てみたけれど、今までとほとんど同じ素材感でびっくりしたわ。

美濃島:技術もどんどん進歩しているんですね。僕らも置いてかれないように取材を続けなくては。

浜辺に際立つ実験的テーラード

大塚:「リック・オウエンス(RICK OWENS)」は映像の見せ方が一気に進化したね!これまで生っぽい演出にこだわっていて、それはそれで世界観と合ってはいたのだけど、やっぱりこうやってちゃんと作り込んでくれた方が服は映えるなと。砂浜というロケーションもあって、いつもよりもぐっとリアルで快活な印象を受けた。

美濃島:あそこはブランドのアトリエから車ですぐの場所にあるヴェネチアのビーチだそうですよ。ランウエイを真横や俯瞰など複数の画角から捉える構成は昨シーズンと変わりませんでしたが、ロケーションのおかげで全然違うムードでした。

大塚:途中でリック先生がスマホ片手に踊っている姿が映ったり、砂浜で超厚底ヒールのブーツだったり、肩をボンと張り出したモンスターショルダーのアイテムだったりという通常運転も挟みつつ、とっても丁寧にテーラリングと向き合ったコレクションだったね。

美濃島:ジャケットやコートは、袖や見頃を切り落としたり、オーガンジーやシフォンなどのシースルー素材を使ったりして、複雑な内部構造を主張していました。技術力があるからこそできるアプローチですね。PVCのようなスケスケ素材のトップスやファスナーを開けてブーツカットシルエットにしたパンツなど、1点1点がインパクト大なアイテムばかりなのに、スタイルとしてまとまって見えるのも本当にすごい。途中で見切れたリックは誰よりもノリノリでかわいかったです(笑)。

リモートでも没入不可避の圧倒的世界観

大塚:日常業務をこなしながら、プラスオンでデジタルコレクション取材をしてはや1年。どうしても何か作業をしながら“ながら見”してしまうこともあるのだけど、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」だけはマジでそれができない。だって映像の完成度がすごすぎて、PCは絶対に全画面モードにしたいし、1秒も見逃したくないから。

美濃島:(す、すみません。僕アーカイブでチェックしました)タイトルは、ザ・ウィンストンズ(The Winstons)の「Amen Brother」という楽曲のドラムソロから取ったもの。たった6秒のソロなのですが、数多の曲にサンプリングされ、ヒップホップやジャングルミュージックの礎となっているそうです。

大塚:へえ、詳しいね。今回は世代を超えて人から人へと継承されていく波動が互いに作用し合うというメッセージを込めているみたい。つまり、映像に登場するのは父と息子で、例え引き裂かれても、親子の絆はしっかり引き継がれてますよということなのか?いやーそんな展開だとしたら胸アツやで。序盤に再登場したシンガーソングライターのソール・ウィリアムズ(Saul Williams)が刀を手に登場し、和のムードを醸し出してきたときは正直ちょっと構えたんだけど、その後が音楽や演出、モデルなど何から何までずーっとかっこよかった。真っ白の空間で白い木が生い茂るシーンでは、レッドやブルーのパキッとしたカラーリングが映え……って、ちょっと待って。何だか「ナイキ(NIKE)」のシューズらしいものが見切れてますけど!!

美濃島:「ナイキ」とコラボした“エア フォース ワン(AIR FORCE 1)“ですね!モノグラムやダミエ柄が配された超スペシャルな1足で、SNSでもかなり話題になってます。争奪戦必至でしょう。ていうか、大塚さんが饒舌すぎて僕の出る幕がない!(笑)

大塚:ごめん!だっていろいろ情報が渋滞しているんだもん。フォーマルの再解釈は継続していて、イージーフィットのスーツにスニーカーを合わせるスタイルがめちゃくちゃかっこいい。スーツと共地のベルトは道着の帯を連想させるものだったり、剣道の防具をイメージしたピースやニットキャップだったり、鯉のぼりバッグ(!!)だったり、和の要素もふんだんに盛り込まれていたね。

美濃島:胴っぽいベストや小手っぽいグローブなど、防具の要素が満載。ジャケット自体にブルーやグリーンなどの鮮やかなカラーやタイダイなどのパターンを使うだけでなく、中にトラックジャケットやフーディーを着込んだり、上からベストを着ちゃったり、スカートやショーツを合わせちゃったり。テーラード離れが進む中、このジャンルでこんなにワクワクさせるクリエイションを見せてくれるなんて、やっぱりヴァージルはすごいです。

大塚:チェスのシーンでバチバチにキメていたお兄さんは誰だったんだろう?

美濃島:ラップしていたイケオジはヒップホップアーティストのジザ(GZA)、その隣の白いスーツのイケメンはナイジェリアの写真家ケイレブ・フェミ(Caleb Femi) でした。ほかにも著名人がたくさん出演しているみたいなので、それを探すのも面白いですね。

ブレないテーラードが春夏らしい軽やかさをまとう

大塚:「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」はやっぱりブレないねー。暗がりのフロアショーが淡々と15分以上続く、硬派な映像。スタイルに大きな変化はないのだけど、今シーズンはクラフトっぽい遊び心が随所に感じられた。花の絵画をコラージュしたり、目が描かれたパーツをウエアにペタペタくっつけたり、絵画から飛び出してきたようなモデルのラフなメイクだったり。

美濃島:新聞をそのまま使った柄や、クラシカルなグレンチェックを随所に散りばめるなど、キャッチーさもありましたね。生成色を多用し、パンツはアンクル丈かショーツで肌見せしてるから、軽やかでしたね。

大塚:最後に山本耀司デザイナーが出てくるのだけど、服という黒いキャンバスに無邪気に感性をぶつけてる姿が潔かった。

前半戦を終えて

美濃島:デジタルコレクションがメインとなり早3シーズン。無数の可能性がある映像表現からはさまざまな発見があって面白いですが、そろそろリアルのファッションサーキットも見たくなってきました。

大塚:映像の引き出しやクオリティーが上がっている一方で、リアルショーを再開するブランドもあり、両者を比較するとどうしてもショーの強さが際立ってしまうんだよね。「ルイ・ヴィトン」のように莫大な予算をかけられるならいいけれど、若手にはちょっと限界がある。だって、苦労して作っているはずのに、そんなに見られてないから。映像での発表は今シーズンで最後と決めている日本人デザイナーも少なくないみたいだし、ある意味で貴重なシーズンかもよ。後半も映像中心だけど、しっかり見届けましょう!

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“つながり”を通じて大きな渦に サステナビリティへの取り組みを加速した「ビー」

 2017年にスタートした「ビー(BE)」は、ミニマルな内外美容でアクティブワーカーを支援する、という理念のもと自然由来成分を用いたスキンケアとヘア&ボディーケア、インナーケアを展開してきた。この春、スキンケアとヘア&ボディーケアの全ての製品でエコサートコスモス認証を取得し、ボトルやパッケージも刷新。「オーガニックコスメブランドの中で、『ビー』がハブ(中核)のような存在になる。そのために、さまざまな企業や人の力を借りたいし、貸したい」—— 。そう意気込みを語る稲垣社長に話を聞いた。

WWD:改めて「ビー」というブランドとリニューアルのポイントは?

稲垣大輔社長(以下、稲垣):ライフスタイルの基盤(=base)になるようにという意味を込め、baseの頭と末尾をとってブランド名を「ビー」としている。さらに英語の“be”には、「存在」の意味と「〜になる」という“become”の意味がある。製品を使っていただける人に寄り添い、その人の「〜になる」という理想を応援したいという思いでブランドを立ち上げた。これまでもベストな製品を作ってきたという自負があるが、3年を迎えるにあたり「まだできることがあるはず」「特にサステナビリティへの取り組みに関しては大きく踏み込みたい」と考え、刷新に踏み切った。

WWD:「ビー」が考える“アクティブワーカー”とは?

稲垣:仕事もプライベートも全力で楽しんでいて、健康もないがしろにしない人をイメージしている。それは決して仕事をバリバリこなす人だけではなく、子育てや家事に一生懸命な人も、だ。以前手掛けていたイベント会社では経営者向けの講演会などを多く主催していたが、参加するのは仕事に高い目標を持って取り組み、かつプライベートも充実させている人。そんな多忙な方々に何ができるだろうか、という思いからブランドをスタートした。

WWD:そのアプローチが美容だった。

稲垣:母親が食事、サプリ、化粧品含め日用品にこだわる人だった。そんな母を間近で見たり、肌トラブルが起こりがちな思春期に母に薦められたアイテムを使ったりして、「生活や選ぶアイテムで肌は変わる」という感覚が自然と身についたように思う。その原体験とエンジン研究の経験というものづくりへの思いがクロスした。どうせ作るなら、忙しい人たちを“最短距離”で癒せるものをと考え、ミニマルステップのオーガニックのコスメブランドを立ち上げた。これまでのオーガニックコスメは、容器の使いにくさや効果を実感しにくい、といったマイナスイメージがあったかもしれない。だからこそ、機能性も自信を持って打ち出せるアイテムという意味で、「ビー」は、“アクティブな”オーガニックブランドと発信している。

WWD:大きなリニューアルポイントとして、エコサートコスモス認証マークの取得がある。

稲垣:3年前にできなかったことの一つに、より環境に配慮した成分の採用があった。スキンケアのフルラインと“シャンプー”、“トリートメント”、“ボディソープ”でのエコサートコスモス認証の取得がこれからの自社の基準となると確信した。特に“シャンプー”と“トリートメント”は、泡立ち、指通りなど、使い続けたくなるような使用感に引き上げるため、粘り強く改善を重ねた。

WWD:国産オーガニック原料の採用にもさらに力を入れている印象だ。

稲垣:スキンケアとヘア&ボディーケア製品には新たに岩手県産の有機米と島根県産の有機桑の実から製造したオリジナルの発酵原料を加えた。肌と髪への潤い感やハリをより感じていただける製品に仕上がったと自負している。さらに、容器には使用済みのペットボトルから再生されたメカニカルリサイクルPETを新たに取り入れた。外箱にはFSC認証を取得した再生紙を、インクにはベジタブルインキを使用するなど「つくる責任 つかう責任」といったSDGs目標に本腰を入れて取り組んだ。

“選べるオーガニック”がテーマの
旗艦店をオープン

WWD:昨年は東急プラザ銀座に「ビー オーガニック」をオープンした。

稲垣:“選べるオーガニック”をテーマに、日本オーガニックコスメ協会(JOCA)とコラボレーションした旗艦店だ。お客さまに選択肢を用意したい、という思いで「ビー」の全ラインアップに加えて、国内外のオーガニックなスキンケアやメイクアップ、日用品などをそろえている。店舗中央には、“スフィア”というインタラクティブなデジタル地球儀を置いた。過去、現在、未来の海水温や汚染状況、人口増加等の変化までシュミレーションできる。ソイキャンドルやサシェ作りなど、お客さまに好評だったワークショップも、コロナウイルスの感染拡大の様子を見て再開したい。この旗艦店は買い物だけでなく、触れて学んで楽しんでもらえる場所でありたいと考えている。

周囲を巻き込みながら
大きな渦に

WWD:春に行われたアースデー東京への参加は今年で2回目となった。

稲垣:昨年はオンラインでの開催だったため、リアルでは今年が初となった。会場には10〜20代も多く、活気に溢れていた。実際にブースには若い世代も多く立ち寄ってくれ、「ビー」の製品と取り組みに熱心に耳を傾けてくれたことが印象的だった。さらに、食品やアパレルなど異業種の方々と新たな繋がりができたことも大きい。当日は、JOCAやバイオテクノロジー企業であるユーグレナとの対談を配信したが、このように「ビー」単体ではなくて、さまざまな企業や人との出会いから新たな発信をしたいという思いがある。

WWD:新たにブランド名の下に「FOR THE EARTH」というタグラインがデザインされたが、それは勇気のいることだったのでは?

稲垣:(地球環境を配慮した取り組みを)「本当にやっているのか?」「口だけなのか?」という目で見られていると自覚している。だからこそ、このタグラインは私たちの覚悟でもある。リニューアルをしたばかりだが、今後ますますサステナブルな取り組みに真摯に向き合っていく。しかし、それは規模の大きなこと。「ビー」だけで立ち向かうのではなく、ステークホルダーや周囲を巻き込みながら大きな渦を作りたいと考えている。
 例えば、東京の木を使うことを理念に活動する「東京チェンソーズ」とのコラボレーションアイテムもその一つ。国内の木材販売の現状として、真っすぐで節の少ない幹部分のみが市場に並び、流通に出回るときには1本の木のうちの25%しか流通していないといわれている。「東京チェンソーズ」は、ロスを減らし少しでも有効活用すべく、根っこから葉先まで、木1本まるごと販売を行っている。今回はヒノキの香りと触り心地でリラックスできるマッサージボールを作らせていただいた。こうした活動の輪を広げていくことで自分たちの商品から発信し、そして発信したものから新たな商品化といった流れを作っていきたい。

個人の“得意”を生かす
柔軟な働き方

WWD:本社のスタッフの柔軟な働き方を採用する意図は?

稲垣:「ビー」で働く人がそれぞれの得意の分野で力を発揮できる“土壌”を作りたいと考えている。現在本社スタッフの15名は働く時間や場所を自由に選べ、いくつかの仕事を掛け持ちしている人もいる。小売店を展開したり、フリーランスで接客の講師を務めるスタッフもいる。仕事を掛け持ちしている本人にとっては「ビー」の仕事ももう一つの仕事も本業で、双方に学びや成長があるはず。
 また、本社内での役割分担はあるが、上か下かという序列は特に設けていない。会社規模が大きくなると難しい点も出てくるかもしれないが、現時点ではスタートアップならでは自由度があるからこそ、スピード感を持って動けていると感じている。

WWD:「ビー」の今後の展望は?

稲垣:率直に、「ビー」を一人でも多くの人に知っていただき製品に触れていただきたい。昨年同月比は約110%(4月時点)で堅調だ。今後も人や地域、企業といったステークホルダーの力や知恵を借りながら、私たちができることがあれば惜しみなく取り組んでいく。いずれは、「国産オーガニックといえば『ビー』だ」と感じていただけるようなブランドに成長したい。そして、サステナブルな取り組みに関して「ビー」がハブ(中核)的な存在になることが目標だ。

問い合わせ先
ビー カスタマーサポート
03-6869-3969

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「セルジュ・ルタンス」からふくよかで新鮮なプルメリア香る新作が登場

 「セルジュ・ルタンス(SERGE LUTENS)」は6月21日、“コレクションノワール”シリーズから新作のフレグランス“ラドントゥーズアンカジェ(La Dompteuse Encagge)”(50mL、税込1万4300円/100mL、税込2万2000円)を発売した。南国の花のプルメリアをメインに、アーモンドやイランイランを組み合わせた優しく幻想的な香りだ。

「檻の中の調教師」を描写

 マルチクリエイターのセルジュ・ルタンス(Serge Lutens)が新作のために描いたストーリーは、「檻の中の調教師」。個性やクリエイティビティー、自由が“檻”の中に閉じ込められ、社会の枠に調和させられることへの皮肉を表現した。自由がなく社会の規範を強いられることは窮屈であると同時に、気付かぬ間に“閉じ込められている”ことは、ときには愉快でもあることを香りで綴った。

南国のプルメリアを主役にした香り

 檻の中のストーリーを表現するためにルタンスが用いたのは、南国に咲く花、フランジパニ(プルメリア)だ。温暖な南国をほうふつとさせる白い花のプルメリアが放つ、新鮮でふくよかな香りを閉じ込め、光と闇とのバランスを操った。そんなフレッシュな花に添えたのは、濃厚な甘さを持つエキゾチックなイランイランと、温かみと優しい甘さを醸し出すアーモンドだ。明るいプルメリアと官能的なイランイラン、甘いアーモンドが奏でるのは、豊さと新鮮さ、闇のバランスを見つけた個性的な香りだ。

色の魔術師、セルジュ・ルタンスによる
宝石のような香り

 「セルジュ・ルタンス」の“コレクションノワール”シリーズは、モダンで強い存在感を放つ20種の香りをラインアップ。“色の魔術師”と呼ばれるルタンスならではのセンスで、20の異なるストーリーを表現する、まるで宝石のような鮮やかな色で染め上げたフレグランスだ。ルタンスが1992年、資生堂のために初めて作ったフレグランス“フェミニテデュボワ(木のフェミニティ)”や壮麗でスパイシーなバラの香りの“ラフィーユドゥベルラン(ベルリンの少女)”など、歴史に残る名香を多数そろえ、世界中のファンを引きつける。

“コレクションノワール”
人気8種を試せるセット

 そんな“コレクションノワール”から、人気の8種をお得に試せる“ディスカバリーセット”(8種×4mL、税込8800円)が登場。色鮮やかで個性豊かな香りを集め、まるで香りの宝石箱のような特別感のあるセットだ。“フィスドゥジョワ(喜びの申し子)”ラフィーユドゥベルラン(ベルリンの少女)”“アンブルスュルタン(アンバーの王)”“フルールドランジェ(オレンジの花)”“アンボワバニール(バニラの木)”“ニュイドゥセロファン(セロファンの夜)”“フェミニテデュボワ(木のフェミニティ)”“ロルフェリン(灰の乙女)”と、ブランドを代表する8つの香りをラインアップ。ギフトやブランドの世界観を手軽に、幅広く体験したい人にオススメだ。

問い合わせ先
セルジュ・ルタンス 銀座
03-5537-7813

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伝統と革新の「マムート」 “氷河と共に”の実現へ

 1862年にロープメーカーとしてスイスで誕生した「マムート(MAMMUT)」は、アパレルからフットウエア、クライミング用のハードウエアなど、アウトドアブランドの中でも幅広い商品をそろえ、約40の国と地域で扱われている。「マムート」は早くから環境に配慮したビジネスデザインを行っており、18年には“CLEAN PRODUCTION(クリーンプロダクション)”、“ANIMAL WELFARE(動物福祉)”、“REDUCED FOOTPRINT(フットプリントの削減)”、“ETHICAL PRODUCTION(エシカルな労働環境)”という4つの取り組みの頭文字をとったプロジェクト“WE CARE”を始動。そして今年から、脱炭素社会を目指す団体「プロテクト アワー ウィンター(Protect Our Winters以下、POW)」とパートナーシップ契約を締結。“Together for Glaciers(氷河と共に)”を掲げ、2050年までに“ネットゼロ”(温室効果ガスの排出量・吸収量・除去量の合計値がゼロ)の実現に挑む。

“WE CARE”プロジェクト
これまでの実績

 “WE CARE”では、すでに多くの実績がある。“クリーン プロダクション”では、資源の生産性や消費者の安全性などの観点から、生産ライン全体を整備する“bluesignシステム”を採用。25年までにアパレル、寝袋、ロープなどの分野で、同ガイドラインに沿ったプロダクトを90%以上まで引き上げる見込みだ。“アニマル ウェルフェア”では、古い寝具などから回収したリサイクルダウンと、生きている鳥や強制給餌された鳥の羽毛を禁止する“レスポンシブル ダウン スタンダード(RDS)”認証の羽毛を積極的に使用。羊毛も、環境管理された農場で適正に処理されたものだけが認定される“レスポンシブル ウール スタンダード
(RWS)”の認証素材を取り入れており、25年までにアパレルは同認証素材の使用率100%を目指す。“フットプリント”(地球温暖化への影響をCO2排出量に換算した指標)の削減では、ペットボトルを中心にリサイクルした素材を活用。有害な科学物質を使用せず、繊維の段階から染色する“ソリューションダイ”の割合も増やしている。

 「マムート」は、工場に従事する労働者の生活向上を目指す検査機関「フェア ウェア ファンデーション(FWF)」に初めて加盟したアウトドアブランドでもある。厳しい基準をクリアした認定工場とだけ取り引きし、労働管理システムの導入や定期的な監査・工場訪問などにより、エシカルな労働環境整備にも注力している。

CO2排出量ゼロは夢ではない

 CSRに対する消費者の感度は非常に高くなっています。地球温暖化への関心の高まりや、2013年に起きたバングラデシュの首都ダッカ近郊で起きた縫製工場の崩落などを発端に、ファッションビジネスの“ダークサイド”が浮かび上がったためです。企業は、自分たちの事業が環境にもたらす影響を客観視し、ビジネスを変えていかなければなりません。われわれの独自性は大きく2つ。1つは、創業から160年近い歴史で培った、商品のクオリティーと耐久性の高さです。長く使えて簡単に修理できる製品は、その時点でサステナブルです。2つ目は、長い歴史がありながら、チャレンジングな企業姿勢であること。われわれは、レーザー接合を採用し、縫い目をなくした“レーザーヒューズドダウンジャケット”を世界で初めて導入するなど、常に革新的な技術を採用してきました。今後は持続可能なイノベーションにもっと焦点を当てていきます。
 今年4月にはPOWとパートナーシップ契約を締結し、25年までのネット ゼロ(温室効果ガスの排出ゼロ)を掲げました。業界全体やPOWなどのパートナー企業との動きを活発化すれば、不可能ではありません。これらのシステムをバリューチェーン全体に広め、ミッションを達成します。

ロープに新たな命を吹き込む
“Close the Loop”って?

 “Close the Loop(クローズ ザ ループ)”は、ブランド起源であるロープに着目した取り組み。スイスのクライミングジムなど50以上の拠点に回収ボックスを設置し、5年前後使われたロープを回収。それらを分解・洗浄し、きれいなナイロン素材に生まれ変わらせ、新たなロープやアパレルなどになる。現在、アジアでの紡績パートナーなどを選定中で、決まり次第導入する。

問い合わせ先
マムート スポーツグループジャパン
03-5413-8597

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伝統と革新の「マムート」 “氷河と共に”の実現へ

 1862年にロープメーカーとしてスイスで誕生した「マムート(MAMMUT)」は、アパレルからフットウエア、クライミング用のハードウエアなど、アウトドアブランドの中でも幅広い商品をそろえ、約40の国と地域で扱われている。「マムート」は早くから環境に配慮したビジネスデザインを行っており、18年には“CLEAN PRODUCTION(クリーンプロダクション)”、“ANIMAL WELFARE(動物福祉)”、“REDUCED FOOTPRINT(フットプリントの削減)”、“ETHICAL PRODUCTION(エシカルな労働環境)”という4つの取り組みの頭文字をとったプロジェクト“WE CARE”を始動。そして今年から、脱炭素社会を目指す団体「プロテクト アワー ウィンター(Protect Our Winters以下、POW)」とパートナーシップ契約を締結。“Together for Glaciers(氷河と共に)”を掲げ、2050年までに“ネットゼロ”(温室効果ガスの排出量・吸収量・除去量の合計値がゼロ)の実現に挑む。

“WE CARE”プロジェクト
これまでの実績

 “WE CARE”では、すでに多くの実績がある。“クリーン プロダクション”では、資源の生産性や消費者の安全性などの観点から、生産ライン全体を整備する“bluesignシステム”を採用。25年までにアパレル、寝袋、ロープなどの分野で、同ガイドラインに沿ったプロダクトを90%以上まで引き上げる見込みだ。“アニマル ウェルフェア”では、古い寝具などから回収したリサイクルダウンと、生きている鳥や強制給餌された鳥の羽毛を禁止する“レスポンシブル ダウン スタンダード(RDS)”認証の羽毛を積極的に使用。羊毛も、環境管理された農場で適正に処理されたものだけが認定される“レスポンシブル ウール スタンダード
(RWS)”の認証素材を取り入れており、25年までにアパレルは同認証素材の使用率100%を目指す。“フットプリント”(地球温暖化への影響をCO2排出量に換算した指標)の削減では、ペットボトルを中心にリサイクルした素材を活用。有害な科学物質を使用せず、繊維の段階から染色する“ソリューションダイ”の割合も増やしている。

 「マムート」は、工場に従事する労働者の生活向上を目指す検査機関「フェア ウェア ファンデーション(FWF)」に初めて加盟したアウトドアブランドでもある。厳しい基準をクリアした認定工場とだけ取り引きし、労働管理システムの導入や定期的な監査・工場訪問などにより、エシカルな労働環境整備にも注力している。

CO2排出量ゼロは夢ではない

 CSRに対する消費者の感度は非常に高くなっています。地球温暖化への関心の高まりや、2013年に起きたバングラデシュの首都ダッカ近郊で起きた縫製工場の崩落などを発端に、ファッションビジネスの“ダークサイド”が浮かび上がったためです。企業は、自分たちの事業が環境にもたらす影響を客観視し、ビジネスを変えていかなければなりません。われわれの独自性は大きく2つ。1つは、創業から160年近い歴史で培った、商品のクオリティーと耐久性の高さです。長く使えて簡単に修理できる製品は、その時点でサステナブルです。2つ目は、長い歴史がありながら、チャレンジングな企業姿勢であること。われわれは、レーザー接合を採用し、縫い目をなくした“レーザーヒューズドダウンジャケット”を世界で初めて導入するなど、常に革新的な技術を採用してきました。今後は持続可能なイノベーションにもっと焦点を当てていきます。
 今年4月にはPOWとパートナーシップ契約を締結し、25年までのネット ゼロ(温室効果ガスの排出ゼロ)を掲げました。業界全体やPOWなどのパートナー企業との動きを活発化すれば、不可能ではありません。これらのシステムをバリューチェーン全体に広め、ミッションを達成します。

ロープに新たな命を吹き込む
“Close the Loop”って?

 “Close the Loop(クローズ ザ ループ)”は、ブランド起源であるロープに着目した取り組み。スイスのクライミングジムなど50以上の拠点に回収ボックスを設置し、5年前後使われたロープを回収。それらを分解・洗浄し、きれいなナイロン素材に生まれ変わらせ、新たなロープやアパレルなどになる。現在、アジアでの紡績パートナーなどを選定中で、決まり次第導入する。

問い合わせ先
マムート スポーツグループジャパン
03-5413-8597

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都内最大級の時計専門店「イシダ新宿」 リニューアルに込めた思いを社長に聞く

 ベスト販売が運営する都内最大級の時計専門店「ベスト新宿本店」が大規模リニューアル工事を終え、名称を「イシダ新宿」と変えて6月19日にオープンした。地上5階・地下1階(2022年4月開業予定)からなる売り場は、600平方メートルから800平方メートルに増床された。リニューアルに懸けた思いについて、20年12月に社長に就任した石田充孝氏に聞いた。

“チェンジ&チャレンジ”を掲げ、
“感動、笑い、夢”を届ける

WWD:店名まで改称したリスタートの意図は?

石田充孝ベスト販売社長(以下、石田):当社の祖業は時計、ジュエリーのディスカウントおよび中古販売であり、これを“ベスト”の名前で行い、一方で1996年にスタートした正規販売を“イシダ”とした。この両輪をどう最大化するかが課題であり、“ベスト”に懸けた父の思いと“イシダ”を興した兄の思いを胸に前進したい。イシダ新宿は中古と正規の融合店だが、メインは後者であり、そのため店名はイシダとした。ただし、両輪によるシナジー効果が重要であると考え、ロゴに“BEST”の文字も残した。

WWD:改称に伴い、“本店”の表記を外した。

石田:今後も“イシダ新宿を超える店をつくる”との意思表明だ。逆に、既存の表参道や船橋の店舗が本店になってもいいと思っている。全店を並列関係とした。ベスト販売は“チェンジ&チャレンジ”をスローガンに掲げており、私のモットーは“感動、笑い、夢”だ。これらをお客さまや従業員に届けたいと日々考えている。

WWD:リニューアルの目玉は?

石田:大きく3つある。まずは“3大時計ブランド”の一つである「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」の拡充だ。3階にコーナー展開し、売り場面積を2倍以上にした。お客さまに感動や夢を届けるため、ブランドのストーリーやコンセプトをきちんと伝えるための空間が必要だった。ここで「ヴァシュロン・コンスタンタン」の卓越した伝統と格式、一方で革新性を示し、語り尽くしたい。他のブランドについても今後、同様にアクションしていければと思う。

WWD:店舗づくりでほかにこだわった点は?

石田:“壁を設けない”のがイシダ新宿の最大の特徴だ。お客さまの目線に立ち、世界観の連続性を重視した。ご賛同いただけず取り扱いを休止せざるを得なかったブランドもあるが、志を優先した。

多様な客に対応すべく
導入したコンシェルジュ制度

WWD:ソフト面の話も聞きたい。

石田:時計が好きで、時計に精通したスタッフは当社の財産だ。イシダ新宿はブランド数も都内最大級で、中古品の取り扱いもある。価格の幅も広く、その分多様なお客さまが来店される。新宿は人種のるつぼであり、交通の要所でもある。買い物客もいれば、通勤・通学者もいる。外国人も多い。彼らに最高のサービスを提供するために、新たにコンシェルジュ制度を導入した。これが2つ目の目玉だ。コンシェルジュはフロアを縦断して接客する。お客さまのニーズを的確に把握し、迷わず買い物を楽しんでいただきたい。

WWD:コンシェルジュは何人?

石田:2人を起用した。イシダ新宿のリニューアルオープンのタイミングで、表参道店にも別に2人を配置した。ブランド、そして店のストーリーを伝えられる人材か、幅広い客層に対応できるかが選定基準だった。ただし、今後コンシェルジュ職は、基本的にスタッフ全員がローテーションで担当すべきだと考えている。偏りがちなブランド知識が一律にベースアップされ、それによってスタッフの時計愛も深まるはずだ。百貨店などとは異なる、イシダ流のコンシェルジュ術を模索してほしい。

「ビンテージは時計の
歴史そのもの」、
価値をきちんと伝えたい

WWD:地下1階の中古専門フロアも「ベスト ヴィンテージ」とした。

石田:これが3つ目の目玉だ。SDGs(持続可能な開発目標)の機運が高まり、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考えが浸透した。これに伴い、中古品に対する見方も近年大きく変わってきた。そこで“価値あるもの”であることを明確にするために改称した。6月19日に地上階と合わせてオープンすることもできたが、リニューアル工事のために路面に仮出店した店舗の反響が良く、期間を延長した。リニューアル前は少数派だった若年層や女性客も取り込めており、いっそう認知を高めて、2022年4月にあらためて地下でオープンしたい。

WWD:中古と正規でスタッフの配置換えも行ったと聞いた。

石田:スタッフがそれぞれを知ることで、お客さまに伝えるストーリーの厚みを増したい。ビンテージは時計の歴史そのものだ。一方で、正規は新たに歴史を刻むもの。ここでも両輪が大事。当社は中古が祖業で、この分野で圧倒的に先行できている。

他社とも協力して日本の時計を
活性化したい

WWD:イシダ新宿の売り上げ目標、さらには今後のビジョンについて聞きたい。

石田:いまだコロナの影は大きく、同時に早期収束への願いも込めて、2年目にコロナ以前の水準の1.5倍を目指したい。この窮地を乗り切るためには、“うちだけが良ければ”の考えではいけない。例えば新宿なら、伊勢丹や近隣の商店街などとも力を合わせて“時計の街”としてアピールしていかなければ、市場は活性化しないだろう。中国が伸び、相対的に日本のポジショニングが下がりつつある中で、新宿、ひいては日本が元気でなくては良い商品を入荷することはできない。

WWD:次なる店舗オープンの予定は?

石田:都内を中心に出店地探しは常に行っている。父の出身が京都なので関西という選択肢もあるだろう。しかし、まず着手すべきは表参道店の“チェンジ&チャレンジ”だ。“感動、笑い、夢”を届けるため、新米社長である私にはやるべきことがまだまだたくさんある。

問い合わせ先
ベスト販売
03-5360-6850

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ホテル空間のようなレディースドッククリニック 記者が検診を体験リポート

 コロナ禍で健康に関する意識が高まり、女性特有の健康課題に向き合う“フェムテック”市場も広がりを見せている。ただ、年に一度受けることを推奨されている一般的な日本の企業健診には、女性特有の病気や疾患を検査する健診メニューや設備が十分に備わっていないことが多い。その課題に向き合うべく、「クレアージュ東京 レディースドッククリニック(以下、クレアージュ)」が今年3月東京・有楽町に開院した。女性の罹患率・死亡率が高い乳がん、子宮がん、大腸がんに加えて子宮内膜症や子宮筋腫などを総合的にカバーする「YOU健診」のほか、年齢やライフプランに合わせた人間ドック健診プランをワンストップで受けることができる。

 「WWDJAPAN」編集部では20代と30代の異なる世代の記者が、それぞれの年齢に合わせたプランで「YOU健診」を無料体験。検診の事前準備やクリニックの設備、検診内容などをリポートする。

【取材者】
木村和花「WWDJAPAN」記者:20代女性記者。2020年に「WWDジャパン」編集部に配属以降、フェムテック分野を担当。ファムメディコによる女性特有の疾患を対象にした「YOU検診」の存在を知り、定期検診の重要性を認識する。今回は20代推奨メニューの子宮頸部細胞診、経膣超音波、便潜血、乳房超音波を受けた

大杉真心「WWDJAPAN」記者:30代女性記者。19年からフェムテックを取材し、女性特有の病気や疾患、養生法に関心を持つようになる。今回は30代推奨メニューの子宮頸部細胞診、経膣超音波、便潜血、乳房超音波、乳がん検査、オプションでアレルギー検査も追加

①事前準備から受付
“人目を気にせずオンライン回答”

木村:事前に検査内容などが書かれた書類と検便キットが送られてきました。検査日までに検便と、オンラインの問診票への回答が必要です。前日21時以降は食事が禁止で、朝は空腹で検査に向かいました。

大杉:私は期日までに書類が届かず、当日準備なしで病院に行ってしまいましたが、問診表はその場でQRコードを読み取って回答できました。これまで病院ではバインダーを渡されて書くことが多かったですが、「クレアージュ」では自分のスマホで操作できるので人目を気にせず簡単に済みました。呼び出すときも名前ではなく、番号で呼ぶ点も配慮が徹底されています。受付はとても綺麗でアロマの香りもしましたね。

②空間・設備や検査着をチェック
“ホテルのような空間とおしゃれな検査着”

木村:実は初めての婦人科検診で、行く前は結構緊張していましたが、受付のスタッフさんは当日の動きをすごく丁寧に説明してくれて、病院についてから緊張が和らぎました。病院というよりホテルのイメージの方が近いかもしれない。検査着は体のラインが出ないように配慮されていて、ストレスなく着ることができました。更衣室も木目調のロッカーで落ち着いた雰囲気でした。

大杉:スタイリストの百々千晴さんがディレクションした検査着は、ネイビーを基調にしたおしゃれなパジャマのようなデザイン。検査のためにブラジャーを外して着用しますが、透けやひびきも気になりませんでした。共布の巾着も、移動中に私物を持ち運ぶにはとても便利でしたね。

③いよいよ検診開始
“ホスピタリティーに安心感”

木村:私は子宮頚がんの細胞診とエコーと乳房超音波を受けました。子宮頚がんの細胞診とエコーは子宮のチェックですが、合わせて5分もかからず、すぐに終わりました。乳房超音波はジェルを塗布した状態で、超音波診断装置を胸に当てて検査します。これは大体10分弱。痛みはなく、最後に温かいおしぼりを渡してくれるところもホスピタリティーを感じました。

大杉:私は生理が被ってしまって子宮関連の検診と、初めての乳房エコーとマンモグラフィーを2日に分けて受けました。生理中でも検診可能なマンモグラフィーは機械の上に胸をのせ、縦横順番にぺったんこになるまで胸を挟んで、何秒か止まってX線撮影を行います。生理中ということもあり、電車のドアに胸を挟まれる感じで少し痛みを感じました。病院のスタッフさんが随時「気分悪くないですか」と声を掛けてくれたので安心でした。

④検診後のサプライズ
“ドリンクとスイーツのサービス”

木村:検査が終わった後は、中央のカウンターにいるスタッフにファイルを渡します。そこで最後にドリンクとオリジナルスイーツがもらえました。ドリンクは水と、浜中聡子総院長がセレクトしたというハーブティーの中から選べます。検査後にアフターケアをしてくれるのは新しいですよね。

大杉:検査後にドリンクを飲みながら一息できるスペースもあって、緑豊かな皇居周辺を一望できます。通常の病院のように雑誌や本は置いていませんが、みんなスマートフォンを見たりすると思うので今の時代、必要ないなと思いました。スタッフの制服がいわゆるナース服ではなく、エプロンドレスのような上品なデザインであることも、病院感が少ない要素かもしれません。

木村:病院にある長椅子ではなく、おしゃれなソファや一人掛けのチェアが置かれていて、プライベートも保たれていましたね。アロマが焚かれていて、観葉植物が飾られているのもおしゃれでした。検査のストレスはどうしてもありますが、スタッフの方々は全体的に説明がとても丁寧ですし、居心地の良い空間作りが徹底されていて、検査以外のことは何も気にしなくてよかったです。

⑤検診を終えて
“自分の体を知ることと、社会的なサポートの重要さに気が付く”

木村:結果は3週間後に郵送で手元に届きました。普段から健康には気を付けているつもりでも、やっぱり一度きちんと診てもらうことで安心感が違います。今回の健診は女性にとっては必須な内容です。これが通常の健康診断と同様に多く女性が当たり前に受けられるまで広まってほしい。そのためには企業や社会的なサポートがもっと必要だと思います。

大杉:検診日に生理日が重なり2回足を運ぶことになりましたが、有楽町駅直結の立地でアクセス面もよく、短時間で終わらせることができて助かりました。当日にアレルギーのような肌荒れが気になっており、窓口で相談してオプションでアレルギー検査も追加できました。採血だけで36項目のアレルギー原因が分かります。自分の体のことをよく知ることは大事ですね。またこのように検査について人と話せるのは私たちにとっても良い経験でしたね。検診料は安いとは言えませんが、これが福利厚生で受けられたらいいですよね。

■クレアージュ東京 レディースドッククリニック
時間:8:30~16:30
休診日:日・月曜日・祝日
住所:東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館17F
検査料:レディースドック ベーシックコース 税込8万300円、YOU健診(子宮・卵巣、大腸、乳房の検査)同2万5300円〜

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朝倉海のファッションブランド挑戦は「ただ強いだけじゃダメだから」 批判覚悟も全ては格闘技のために

 総合格闘家の朝倉海は、自身のファッションブランド「エンメール(ENMER)」のポップアップストアを東京・表参道ヒルズのアイデア バイ ソスウで21日まで開催中だ。同ブランドのポップアップは今回が初で、フーディー(税込2万4000円)やスエット(同2万1000円)、Tシャツ(同7000〜8500円)、テーパードのスラックス(同1万5000円)などをそろえるが、17日時点ですでに完売間近のアイテムもある。

 朝倉は高校3年から本格的に格闘技を始め、「THE OUTSIDER 55-60kg級王座」や「第3代RIZINバンタム級王座」などのタイトルを獲得してきた。ユーチューブでの情報発信など既存の格闘家と異なる活動でも支持を広げ、若年層から多大な人気を持つ。しかし今年3月のファッションブランド立ち上げ時には、「格闘技に集中しろ」といったアンチコメントも浴びせられた。「それでもブランドをやりたかった」と語る朝倉が、アパレルに挑戦する胸中を明かす。

WWD:なぜファッションブランドを立ち上げようと思った?

朝倉海(以下、朝倉):格闘技の他に何が好き?と聞かれたらファッションって答えるくらい洋服が好きで、たくさんの服に袖を通してきました。いろんな服に触れるうちに、ここがこうだったら欲しいのにとか、自分の好きなイメージが確立されてきたんです。だったら自分でやっちゃおうと、ブランドをスタートしました。

WWD:いつから構想していた?

朝倉:かなり前からやりたいと思っていました。ただ、ブランドを広げるにはもう少し知名度が欲しいなと。格闘技はもちろん、ユーチューブやテレビ出演などを通してある程度知ってもらえるようになり、「今だな」と思ってはじめました。

WWD:ちなみに好きなファッションブランドは?

朝倉:めちゃくちゃいろんな服を着るんですけど、最近は「リック・オウエンス(RICK OWENS)」と「ジル サンダー(JIL SANDER)」をよく着ています。

格闘技はお客さんありき
ブランドはその入り口の一つ

WWD:立ち上げ時は批判的な声も多く上がった。

朝倉:純粋に格闘家として応援してくれてる人から「格闘技に集中してくれ」という声が出るのは当然だと思います。好きだからこそ、厳しい意見を出してくれてるわけで。それは真摯に受け止めています。でも、格闘技ってただ強いだけじゃダメで、お客さんありきなんですよね。強くなって、良い試合をやっても、見てくれる人がいないと成立しない。まずは知ってもらわないといけないんです。僕がユーチューブやテレビに出ているのは、格闘技への間口を広めたいからで、ブランドもその一つ。「この服いいな。……あ、格闘家がやってるんだ」という発見から、格闘技に興味を持ってもらうのが理想です。

WWD:「グッズ感覚でやるな」「絶対上手くいかない」など、ビジネスへのネガティブな声もあった。

朝倉:今でもそう思われがちです。「本業の合間に楽して稼ぎたいだけだろ」って。でも、本気でファッションを勉強して、良い物を作りたいんです。大きな会社がバックにいるわけじゃなく、仲のいい人たちと手弁当でやっており、工場は自分たちで探して依頼するし、商品撮影も全て立ち会って、どのフォトグラファーを起用するかも考えている。ファッションブランドとしてしっかり成立させたいんです。自由な時間は少なくなっちゃいましたが、どの工程も楽しいので苦にならないし、妥協せず打ち込んでいます。

WWD:ポップアップの反響は?

朝倉:すごく大きいです。在庫をけっこう積んでいたんですけど、すでに無くなりそうなアイテムもありますね。今まで通販しかなくて、写真と映像だけじゃ伝わりづらい部分もあったので、実際に手に取って、着心地や肌ざわりの良さに驚いてくれるのがうれしいです。まあ、僕目当てで来てくれる人も多いのだとは思いますけど(笑)。

WWD:今後の展望は?

朝倉:もっと服好きな人に届けていきたいです。今は「朝倉海がやってるから買う」というファンの方が多いですが、純粋に商品を評価してもらえるように頑張りたい。ゆくゆくは卸売もできるまで成長させるのが目標です。

WWD:最後に、格闘家・朝倉海のファンに向けてもメッセージをお願いします。

朝倉:先週日曜に「RIZIN」バンダム級グランプリがスタートして、一回戦を突破しました。決勝の大晦日へと進んでいくので、それに向けて準備を重ねていきます。“格闘技ブームの熱を取り戻す”ことを一つの目標に掲げているので、今回東京ドームで1回戦が行えて、テレビ中継もあったのはすごくうれしかった。「ようやくここまで来たな」って。絶対に優勝して、さらに格闘技界を盛り上げたいです。

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“にこるんのブランド”じゃ終わらせない  藤田ニコルが「カルナムール」で届けるホンキ服

 藤田ニコルがディレクションするウィメンズアパレルブランド「カルナムール(CALNAMUR)」が2021年秋冬シーズンからスタートした。ブランドはニコロン(平藤真治社長)が保持し、マークスタイラー(秋山正則社長)が独占販売する。

 藤田がディレクターを務めるブランドとしては、「ニコロン(NICORON)」(18年〜21年)に続いて2つ目。ストリートカジュアルな「ニコロン」と比べて、ほどよくトレンド感を取り入れたフェミニンなテイストを打ち出す。ブランド名は自身の誕生日花である「カルミア」になぞらえた。

 カルミアには2つの花言葉がある。一つは“優美な女性”。23歳の藤田は「年齢を重ねるにつれて、「ニコロン」の展開するアイテムとギャップを感じるようになっていた。1枚でもさまになったり、着回しのしやすさだったり、大人の女性が本当に欲しいと思える服を作りたい」と話す。

 そして藤田が「私にぴったり」と言うもう一つの花言葉が、“野心家”だ。「“にこるん”を応援してくれるファンだけで満足せず、もっとたくさんの女性に愛されるブランドにしたい」と語る彼女。「カルナムール」のファーストコレクションを披露した展示会で、今後の展望を聞いた。

WWD:自身にとって2つ目のブランド。「ニコロン」との違いは?

藤田ニコル(以下、藤田):「ニコロン」はとにかく10代の自分が好きなものを作っていましたし、もちろん今もその思いに変わりはないです。ただ価格もデザインも、今の20代の人にとっての「リアル」に寄り添う服作りを心がけました。まずこだわったのは、一着でたくさん着回しができること。カタログの撮影でも、いろんな着回しができすぎて困っちゃったくらい(笑)。「カルナムール」の服を全部買ってもらえれば、しばらくは飽きずにずっと過ごしてもらえる!っていう自信があります。でも今はトレンドに合わせて新しい服をたくさん買うという時代でもないので、自分のクローゼットと照らし合わせていいものをチョイスしてほしいです。

 その他にも、羽織るだけでかわいかったりとか、チクチクしないストレスフリーな着心地だったりとか。肌見せする服だったら、下着がギリギリ見えないよう設計しているし、そういう細かい気配りも感じてほしいですね。

WWD:ヤングカジュアルの「ニコロン」と比べて、コンセプトやターゲットは変わった?

藤田:「カルナムール」では、これといったコンセプトは設けていないんです。ターゲットを年齢で決めるのも、なんだか今っぽくないと思うし。難しく考えずに、デザインにキュンとしたら買ってほしいな。私より年上の人が着てもいいと思うし、スウェット類などはユニセックスで作っているので、メンズも手に取ってほしいですね。

個性を決めなくたっていい
着たい服を着るのが“今っぽい”

WWD:着たい服を着ることが、“今っぽい”と。

藤田:ちょっと前までは、皆それぞれ他の人にはない個性を求めて、それを服だったり、メイクだったりで表現する、そんな雰囲気が世の中にあったように思います。それが「ニコロン」の服作りにも反映されていましたね。それで自分自身にプレッシャーをかけていた部分もあったし、今は少し年齢も重ねて、「無理して個性を求めなくてもいいんじゃないか」って思うようになりました。

 今日はセクシーな感じがいいけれど、明日はかっこいい感じで過ごしたいかもしれないですしね。「カルナムール」も秋はこんな感じですけれど、冬はガラッと変わるかもしれません。

WWD:「ニコロン」時代は渋谷109や新宿ルミネなどに店舗を構えていました。

藤田:「カルナムール」では店を持つことは考えていません。今はコロナでオンラインの方が安心して買えたりもするし、SNSやユーチューブを駆使して、実物を見なくても安心して買えるような魅力の伝え方を考えていきたいです。例えばインスタグラムは質問しやすい場所なので、みんなの気になる新商品をさっとアップする。ティックトックは手作り感があってもいいから、楽しげな感じで着回し紹介をする。ツイッターは確かな情報を発信する場所かな。最近はYoutubeでルックブックをスライドショーに見せるのが流行ってますし、自分のブランドでも着回し紹介はやってみようと。私は自分で撮影も、編集もするので、納得いく形で発信したいんです。

ファンはブランドの伝道師
“チームワーク”が大事

WWD:この展示会で流しているブランドムービーも、藤田さんが作ったそうですね。

藤田:そうなんです!今後は洋服そのものだけでなく、打ち合わせ風景とか、服作りのプロセスも動画で見せていきたいですね。これまでの芸能活動でも、ファンの子のつながりがあってこそここまでやって来れたので、余計にそう思うのが、「熱量が伝わるから共感してもらえる」ということ。「カルナムール」の服を手に取った子が、周りにも「これ可愛いよ」って伝えてくれたらうれしいです。

WWD:ファンがブランドの伝道師になってくれるんですね。

藤田:ブランド運営も、ファンの皆とのチームワークだと思っています。最終的には「芸能人の藤田ニコルがやっているブランド」じゃなくて、私の名前と関係なく売れるブランドにしたい。本当にファッションが好きな人が「カルナムール」を買った後に「これ、にこるんが作った服だったんだ。なんか悔しい」って思ってもらえたら、してやったり!って感じです(笑)。

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コスメアワード14個達成の“#お米のヘアケア” 美容賢者も認める国産ライスオイルの保湿力が人気の秘訣

 P&Gが昨年8月に発売したヘアケアライン“ヘアレシピ 和の実”は、登場から1年も経たずに14個のアワードを獲得した。「マキア」(集英社)や「ヴォーチェ」(講談社)などの美容誌から、「モア」(集英社)や「ウィズ」(講談社)などのファッション誌まで、幅広い支持を受ける理由は、配合されたピュアな国産ライスオイルにあった。

 “髪のスーパーフード”ともいえるライスオイルは、豊富な栄養素をバランスよく含み、日本人の髪ととても相性のよいオイルであることが分かっている。米1000粒から1滴しか採れない貴重な国産オイルで、食べられるほど純度が高いことも特徴だ。日本の過酷な四季を生き抜く米は、環境の変化による影響から髪を守る力を備えていて、髪にしっかりと潤いを与えて本来の美しさを引き出し、自然な輝きを放つ“すっぴんツヤ髪”へと導く。

 ラインアップは、手やボディーにも使えるマルチユースの洗い流さないトリートメント“ヘアレシピ 和の実 さらとろライスオイル”と、髪タイプと香りで選べる3種の“シャンプー&トリートメント”。SNSでも“#お米のヘアオイル”“#お米のシャンプー”などといったキーワードで話題になっている。

 美容家やモデルなどの“美容賢者”“髪のプロフェッショナル”もその実力を認めていて、チャンネル登録者数 23.6万人を誇るメイクアップアーティスト・ユーチューバーのかじえりも「国産ライスオイルが、しっとり潤う!」とコメントしている。

美容系人気ユーチューバーの
かじえりも
“ヘアレシピ 和の実”を評価

 “ヘアレシピ 和の実”はSNSでずっと気になっていました。“国産ライスオイルを使った日本人の髪に合うヘアケア”というコンセプトが分かりやすく、明確なので伝わりやすい。“お米1000粒から1滴しか採れない”ということで、「貴重なオイルで髪に良さそう」という印象がありました。

 私は猫っ毛なので、普段は軽めのテクスチャーで、ハリ・コシやふんわり感がでることを重視してヘアケア製品を選んでいます。そのうえでベタつきがなく、香りが良ければなおいい、といった感じですね。それで“ふわふわ シャンプー&トリートメント”を選んだのですが、シャンプーはノンシリコーンとは思えないほどすぐに泡立って、きしまないところに驚きました。癖のない良い香りも持続するし、翌朝起きても“さらふわ感”があるのでうれしい。もちろん、髪にハリ・コシもでます。

 “お米のヘアオイル”はベタつかず、髪に浸透しやすくて、少量でもしっとりと潤いを与えてくれるところが好き。紫外線ブロック効果もあるので、これからの季節は特に、朝つけるのもいいですね。お米の形のパッケージデザインはかわいくて持ちやすい。思わず使ってみたくなるデザインだと思いました。

100%ピュアな国産
ライスオイルで作られた
“ヘアレシピ 和の実
さらとろライスオイル”の特徴

仕上がりの好みで
3タイプから選べる
“ヘアレシピ 和の実 シャンプー&
トリートメント”の特徴

14アワード受賞を記念して
ギフトパックを発売

 発売早々、14アワードを受賞したことを記念し、“ヘアレシピ 和の実 シャンプー&トリートメント”とオリジナルエコバッグをセットにしたギフトパックを発売した。“しっとり”“つるん”“ふわふわ”の3種のシャンプー&トリートメントから選べて、お得に“ヘアレシピ 和の実”の魅力を体感できる。

問い合わせ先
P&G お客様相談室
0120-021327(月~金 9:15~17:00)

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アシックス「頂上作戦」再び 日米欧でランニング首位奪還なるか

 アシックスは、日本・米国・欧州でランニングシューズ市場のシェア1位奪還を目指す。市場ではナイキが“厚底シューズ”で主要レースの表彰台を独占し、市民ランナー向けでも販売足数を伸ばしており、形勢逆転は容易ではない。それでもアシックスにとってランニングは売上高の半分を占める屋台骨であり、後退は許されない。反撃に向けて研究開発、生産、マーケティングなどが一体となった社長直轄プロジェクトを発足。トップランナーに的を定めた「頂上作戦」を展開する。

箱根駅伝とオリンピックでの敗北

 「今年の箱根駅伝で残念ながら当社のシューズシェアは0%でした」

 6月2日に投資家らを対象にオンライン開催した事業説明会で廣田康人社長がそう説明した。アシックスは正月の箱根駅伝でシェア1位が長年の定位置だった。だが18年にナイキに逆転を許して以降、差は広がるばかり。今年は参加した選手210人のうち201人がナイキを履く独壇場になった。同社にとっては屈辱的な結果だった。

 五輪の華であるマラソンでも近年は精彩を欠く。女子マラソンが正式競技に加わった1984年のロサンゼルス大会以降、五輪でのアシックス着用選手はずっとメダルを獲得してきた。ロサンゼルス女子1人、88年ソウル男女3人、92年バルセロナ男女4人、96年アトランタ男女4人、2000年シドニー男女2人、04年アテネ男女2人、08年北京女子1人。だが12年のロンドン以降はナイキの台頭でメダルから遠ざかっている。

 数年前までは「厚底vs薄底」といった議論もあったが、圧倒的な実績によって結論は出てしまった。マラソンは厚底による高速化へのパラダイムシフトが起こり、この流れは不可逆だ。トップランナーに選ばれるか否かは、それに続くサブスリー(フルマラソン3時間以内)、サブフォー(同4時間以内)といった中上級のランナー、さらにはその下のマス市場のランナーのシェアに直結する。

 廣田社長もトップランナー向けでは負けを認めざるをえない。「非常に悔しい思いをしたが、学んだこともある」と語り、気づきとして以下の3つを挙げた。

 第一に「既成概念にとらわれるな」。靴の軽量化すなわち薄底と思い込み、発想が凝り固まっていた。

 第二に「速く走ることを徹底的に追求できているか」。アスリートの声にとことん向かい合わねば革新は生まれない。

 第三に「コミュニケーションの迅速化」。組織の縦割りによって意思決定に遅れを生じさせてはいけない。

 これらを踏まえて反転攻勢を誓った。

トップランナー向けで「打倒ナイキ」

 とはいえ、ランニングシューズ市場全体でみればアシックスは各国でシェア3位以内にはつけている。主要地域のシェアは日本が3位(13.9%)、米国も3位(13.1%)につけ、欧州では1位(29.3%)を走る(NPD調べ)。ナイキ躍進の象徴である厚底シューズは必ずしも万人向けではない。アシックスは走り方やレベルに合わせたきめ細かいシューズの開発に勝機を見出す。

 2日の事業説明会では、日米欧でのシェア1位奪還を宣言した。具体的には25年をめどに、日本ではトップランナー向けで30%、米国ではランニング専門店で25%、欧州では90ユーロ以上の高額品市場で34%のシェアを取る。トップランナーから若年層、女性まで幅広い層にアプローチする。自社の運動管理アプリ「ランキーパー」などを活用し、デジタルでのランナーとの結びつきも強める。廣田社長は「中長期的に目指す姿は『ランニングといえばアシックス』といわれるブランドになること」と述べた。

 3月には切り札となるトップランナー向けの戦略商品を発表した。厚底の高速シューズへの参入である。同社の独自性は走り方によって2モデルに分けたことだ。歩幅の長いストライド走法向けの“メタスピード スカイ(METASPEED SKY、3月発売)”と、足の回転数を上げるピッチ走法向けの“メタスピード エッジ(METASPEED EDGE、6月発売)”を打ち出した。

 開発にあたっては世界中のトップランナーとの面談をこれまで以上に重ねた。彼ら彼女らの走行データを取り寄せて分析しながら、ネガティブな情報も含めて是々非々で開発陣と意見を交わした。またケニアにアスリートキャップを設立し、東アフリカの有力ランナー30人のデータ解析にも着手した。それらの取り組みの中から生まれたのが、従来の厚底シューズのようにランナーが走り方を靴に合わせるのではなく、靴がランナーの走り方に合わせるというコンセプトだった。

 発売前に2モデルを提供したトップランナーからは3つのナショナルレコードを含めた好記録が続出した。それがきっかけになって欧米での契約オファーが増加した。日本では2月末のびわ湖毎日マラソンで川内優輝選手がメタスピード スカイを履き、自己ベストを8年ぶりに更新して話題になった。

 マス市場でも勢いを取り戻している。21年1〜3月期連結決算において、主力のパフォーマンスランニング部門は売上高が前年同期比43.5%増の544億円だった。同社の最大市場である欧州は同55.6%増。苦戦していた米国も復調しつつある。看板商品である“ゲル カヤノ(GEL-KAYANO)”や“ゲル ニンバス(GEL-NIMBUS)”がけん引した。コロナ下で業績は急回復している。

鬼塚喜八郎のベンチャー精神を引き継ぐ

 戦略商品のメタスピードは研究開発、選手サポート、法務・知財、生産、マーケティングなどの若手スタッフを集めた社長直轄チームによって作り上げられた。19年11月に発足したチームの名称は「C-Project」。Cは「頂上」の頭文字からとった。

 アシックス創業者である鬼塚喜八郎(1918-2007年)が、まだベンチャー企業のオニツカだった時代に推進した「頂上作戦」にならっている。トップ層のニーズを徹底的に調査し、そのニーズを汲み取って商品開発する。トップ層の支持が得られれば、イノベーター層が追随し、やがて裾野のマス層に広がる。今ではスポーツ用品に限らない常識的なマーケティング手法だが、鬼塚はそれを消費市場で確立させた先駆者だった。鬼塚はこの頂上作戦と、狙いを定めた競技に経営資源を一点集中させてトップシェアを取る「キリモミ(錐揉み)商法」でアシックスを世界的なブランドに育て上げた。それをけん引したのが、一般の人に最も身近なスポーツであるランニングだった。

 だが、頂上作戦を戦略的かつ大規模に発展させたのはナイキだった。1960年代に「オニツカタイガー」の米国代理店ブルーリボンスポーツとして創業したナイキは、80年代に入るとマイケル・ジョーダンをはじめとしたスーパースターと全面的に組み、スポーツ市場を席巻していったのは周知の通りだ。ナイキ創業者のフィル・ナイト氏が鬼塚の影響を強く受けていたことを考えると因縁深い。

 アシックスにとってランニングは基幹事業であると同時に聖域である。これ以上の後退が許されない同社は、「C-Project」によって再び挑戦者としてファイティングポーズをとる。鬼塚喜八郎の貪欲なベンチャー精神に立ち返ることで、ランニングシューズ市場で1強といわれるナイキを猛追する。

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都内ヘアサロンの進出にも負けない 鎌倉発ローカルサロン「ビアンカ/パドメ」のブランディング

都心からほど近い位置にありながら、歴史と文化の香りがする神奈川県の古都・鎌倉。そこでは近年、都内有名ヘアサロンの出店や、都内から移住した美容師の独立開業も目立つ。そんな中で地元発のヘアサロンとして奮闘しているのが「ビアンカ(bianca)」と、4月にオープンした姉妹店「パドメ(padme)」だ。地域密着型でありながら、中央のサロンに負けないブランド力を備える「ビアンカ/パドメ」の中井宏昭オーナーに、鎌倉という土地でのブランディングについて聞いた。

WWD:美容業界も注目する鎌倉のブランド化をどう見ている?

中井宏昭代表(以下、中井):鎌倉には元々豊かな暮らしをされている方が多く、映画のロケ地になったり海外の人気のレストランやカフェが出店したりで注目を集め、露出の多い町になってきました。12年前に「ビアンカ」が鎌倉でスタートしたのとほぼ同時期に、都内の某有名ヘアサロンが鎌倉に出店。その後も都内から続々とヘアサロンが進出し、神奈川の中でも美容レベルが高い町として一気に認知された印象があります。僕らは完全にローカル発のブランドとして、唯一抗っているサロンかもしれません。

WWD:ローカル発のサロンとしての戦略は?

中井:「ビアンカ」では最初からサロンというよりもブランドと捉え、何が人の心を揺さぶり残っていくのかを深く考えてきました。今でも外部の広告系アカデミーに参加し、業界外のクリエイティブやブランディング、マーケティングなどを掛け持ちで学んでいます。
 今の鎌倉は、東京からの移住者がとても多い。ということは東京から進出してきたサロンは有利と言えます。ただ、僕らは永続的にカルチャーにフィットした人材を採用し、育成・成長させることができれば大丈夫だと思っています。「ビアンカ/パドメ」の経営理念は“つくる人を創る”。常に時代に合ったクリエイターを生み出すことが未来につながります。人材を育てるのは難しいと言われますが、僕はそこに特化してやってきているので難しいとは思っていません。美容業界のキャスティングボードには、枠というか“穴”が必ずあります。デザイン力のある人、ファッションセンスの高い人、ケミカルに強い人など、何でもいいのですがスタッフの能力や個性を強くして、うまく美容業界のキャスティングボードの空いた穴にはめていくのが僕の仕事だとも考えています。

WWD:ヘアカラーのレベルが圧倒的だが、それもブランディングのひとつ?

中井:ブランディングというよりは、いい人材を採用するためにまずは労働環境を高めることが目的でした。ヘアカラーメニューをウリにハイレベルな技術で高単価、高生産性のサロンにする。そして休日や給与、保険なども一般企業並みの待遇というベースを築き、整備をしてきました。クリエイティブだけでなく、そういった面もあり「ビアンカ/パドメ」にはすごい人数の美容学生が見学や応募をしてくれます。この業界で長くやっていくためには、いい人材を採らないと沈んでいく。ローカルでいい人材を確保するのは相当難しいことですが、その危機感がすべての原動力になっています。

WWD:新ブランド「パドメ」を立ち上げた背景は?

中井:「パドメ」のブランドディレクターを務めるHITOMIは新卒で「ビアンカ」に入社し、今では彼女のつくるクリエイティブな作品が様々なコンテストで評価されたり、美容業界のイベントや撮影のオファーが相次いだり、全国規模で名前の知られる存在に成長しました。これからはHITOMIが次の世代を育てていく時代。そのステージとなるのが「パドメ」です。鎌倉エリアで最もかわいいヘアサロンを作ったと思っています。美容学生たちにも「ここで働きたい」と思ってもらい、同世代、同じファッション感を持つZ世代以降のゲストを呼び込んで、一緒に成長してほしいとですね。

WWD:これからの展望は?

中井:時代が変わり美容業のあり方も多様化していますが、お客さまに喜んでいただける美容師の本質やその答えはローカリズムの中にあるのではないかと思います。いろんな波が鎌倉に押し寄せる中、地元のお客さまに技術やセンスを提供するだけでなく、人間味のあるお付き合いをしながら長く認められ続けたい。そのような職人性と精神性をきちんと継承していきたい。その思いを実はサロン名にもこめています。「パドメ」は蓮の花という意味ですが、「スターウォーズ」のキャラクターのイメージでもあります。「スターウォーズ」は端的に言えば“フォースの継承”の物語。僕が主役のサロンだった時代から、HITOMIを中心に外に向けて戦いを挑んできた時代に続き、これから育てる次世代のスタッフに「ビアンカ/パドメ」のストーリーを繋いでいってほしいと願っています。

坂本尚子:島根県松江市出身。総合ライフスタイル誌や育児雑誌の編集を経験したのち、美容業界専門誌を発行する出版社に入社。美容師が作るリアルヘア、クリエイティブヘアの作品ページやインタビュー企画を担当するうちに、すっかり美容業界の虜に。2009年から美容業界に特化したフリーライターとして活動中

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現代生活に寄り添う 新生「クレイエステ」

 b-exは、1996年に誕生したヘアケアブランド「クレイエステ(CLAY ESTHE)」をリニューアルする。天然クレイを配合し、健康で美しい頭皮と髪に導く“クリーンビューティブランド”として提案する。リニューアルのディレクションを手掛けた松田未来と、同ブランドを扱う東京・青山のヘアサロン「ローブ アオヤマ(LOAVE AOYAMA)」のスタイリスト斎藤愛に、新生「クレイエステ」の魅力を聞く。

WWD:新しい「クレイエステ」の感想は?

斎藤:まず匂いが好みでした。“ゴールドクレイ”は、 露天風呂にいるようなスッキリとした印象。深呼吸したくなる落ち着いた香りで、飽きずに使えそう。

松田:大人なヒバの香りが良いですよね。使用中はしっかりと香るのに、使った後に残りすぎないバランスもポイントです。

斎藤:そうそう!“ピンククレイ”はサボンの甘さが際立つ香りでした。女性はこちらも好きそう。それぞれ良さが異なるから、好みに合わせて選べますね。

WWD:洗い心地はどうだった?

斎藤:少量でも泡立ってくれて、スタイリングオイルがすっと落ちました。最近はウエットなスタイリングが人気で、オイルがきちんと落ちるのかを気にする人も多いので、これは心強いです。そして仕上がりは、触って気持ちの良い質感。髪一本一本が際立って、内側からプリっとハリが出る感じ。

松田:クレイが入っているので、さっぱりした洗い心地でも汚れを除去してくれるんです。個人的にはしっとりした重めの仕上がりが好きなときもあったけど、今はある程度まとまりながら、サラサラしたのが気分。そこにもフィットしていると思います。

WWD:年齢の変化で髪への意識も変わった?

斎藤:頭皮を気にするようになりました。20代のころは頭皮のことなんて考えてなかったのに(笑)。

松田:私も同じです!昔は「いい色を入れたい」って気持ちが大きかったけど、今は頭皮が全て。頭皮環境が良くなると髪も変わるし、顔も見違えてきます。

斎藤:お客さまもブラシでケアするなど、頭皮を意識する人が増えています。あと体にやさしいアイテムが人気かな。

松田:生産する以上、環境や体への負担はできる限り小さくしたくて。パッチテストをクリアした処方だったり、廃棄される果皮を使ったりと、さまざまな面で“クリーンビューティ”を取り入れています。

斎藤:私も提案する側として勉強しているけど、これは誠実さが伝わってくるな。

松田:これからも“クリーンビューティ”は広まっていくし、自分の意思表明として、どんどん手に取ってもらいたいです。

 すっきりとした洗い上がりと指通りが人気の「クレイエステ」。リニューアルでは、天然素材や副産物を活用し、30歳前後から気になる頭皮ケア効果をアップした。ブラジル産の天然クレイは清浄作用とミネラル補給効果を持ち、健やかな頭皮へと導く。さらに糖蜜と酒粕 エキス、シューガースクワランが髪を保湿する。インテリアのような パッケージは、アートディレクターの平林奈緒美が担当した。

 プラスチックの削減やリユースなど、資源を無駄にしないサステナブルな商品開発も重視した。メインのボトルには、砂糖の生産過程で発生する残糖蜜由来の原料30%使ったバイオマスPET素材を使用。色数も抑えて、有機溶剤や木材の使用量を削減した。詰め替えパウチには再生樹脂配合率80%のリサイクル素材を用い、配布用パンフレッ トにも70%リサイクル素材の再生紙を採用した。さらには、自然に還る生分解性のある界面活性剤を最大限用いたほか、肌への刺激を配慮した処方、動物実験を依頼しない開発など、あらゆる面から“クリーン ビューティ”に取り組んでいる。

問い合わせ先
b-ex
03-6757-7767

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現代生活に寄り添う 新生「クレイエステ」

 b-exは、1996年に誕生したヘアケアブランド「クレイエステ(CLAY ESTHE)」をリニューアルする。天然クレイを配合し、健康で美しい頭皮と髪に導く“クリーンビューティブランド”として提案する。リニューアルのディレクションを手掛けた松田未来と、同ブランドを扱う東京・青山のヘアサロン「ローブ アオヤマ(LOAVE AOYAMA)」のスタイリスト斎藤愛に、新生「クレイエステ」の魅力を聞く。

WWD:新しい「クレイエステ」の感想は?

斎藤:まず匂いが好みでした。“ゴールドクレイ”は、 露天風呂にいるようなスッキリとした印象。深呼吸したくなる落ち着いた香りで、飽きずに使えそう。

松田:大人なヒバの香りが良いですよね。使用中はしっかりと香るのに、使った後に残りすぎないバランスもポイントです。

斎藤:そうそう!“ピンククレイ”はサボンの甘さが際立つ香りでした。女性はこちらも好きそう。それぞれ良さが異なるから、好みに合わせて選べますね。

WWD:洗い心地はどうだった?

斎藤:少量でも泡立ってくれて、スタイリングオイルがすっと落ちました。最近はウエットなスタイリングが人気で、オイルがきちんと落ちるのかを気にする人も多いので、これは心強いです。そして仕上がりは、触って気持ちの良い質感。髪一本一本が際立って、内側からプリっとハリが出る感じ。

松田:クレイが入っているので、さっぱりした洗い心地でも汚れを除去してくれるんです。個人的にはしっとりした重めの仕上がりが好きなときもあったけど、今はある程度まとまりながら、サラサラしたのが気分。そこにもフィットしていると思います。

WWD:年齢の変化で髪への意識も変わった?

斎藤:頭皮を気にするようになりました。20代のころは頭皮のことなんて考えてなかったのに(笑)。

松田:私も同じです!昔は「いい色を入れたい」って気持ちが大きかったけど、今は頭皮が全て。頭皮環境が良くなると髪も変わるし、顔も見違えてきます。

斎藤:お客さまもブラシでケアするなど、頭皮を意識する人が増えています。あと体にやさしいアイテムが人気かな。

松田:生産する以上、環境や体への負担はできる限り小さくしたくて。パッチテストをクリアした処方だったり、廃棄される果皮を使ったりと、さまざまな面で“クリーンビューティ”を取り入れています。

斎藤:私も提案する側として勉強しているけど、これは誠実さが伝わってくるな。

松田:これからも“クリーンビューティ”は広まっていくし、自分の意思表明として、どんどん手に取ってもらいたいです。

 すっきりとした洗い上がりと指通りが人気の「クレイエステ」。リニューアルでは、天然素材や副産物を活用し、30歳前後から気になる頭皮ケア効果をアップした。ブラジル産の天然クレイは清浄作用とミネラル補給効果を持ち、健やかな頭皮へと導く。さらに糖蜜と酒粕 エキス、シューガースクワランが髪を保湿する。インテリアのような パッケージは、アートディレクターの平林奈緒美が担当した。

 プラスチックの削減やリユースなど、資源を無駄にしないサステナブルな商品開発も重視した。メインのボトルには、砂糖の生産過程で発生する残糖蜜由来の原料30%使ったバイオマスPET素材を使用。色数も抑えて、有機溶剤や木材の使用量を削減した。詰め替えパウチには再生樹脂配合率80%のリサイクル素材を用い、配布用パンフレッ トにも70%リサイクル素材の再生紙を採用した。さらには、自然に還る生分解性のある界面活性剤を最大限用いたほか、肌への刺激を配慮した処方、動物実験を依頼しない開発など、あらゆる面から“クリーン ビューティ”に取り組んでいる。

問い合わせ先
b-ex
03-6757-7767

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MIYAVIと一緒に考えよう、100年後の地球 グッチがサポート【イベント参加者募集】

 「WWDJAPAN」は、6月26日にトークイベント“WWDJAPAN Circle”を開催する。 “WWDJAPAN Circle”とは、専門家やインフルエンサーとともに今関心がある出来事について考え、語り合う読者・ユーザー参加型の企画だ。取り上げるテーマは“広義のサステナビリティ”。環境やジェンダー、働き方といった社会的課題をデジタル空間で一つのテーブルについて本音で語り合う。目指すのは白か黒かの2者択一ではなく、知恵を持ち寄ることで“ポジティブなグレー”のムーブメントを起こす場の創出だ(イベントへの応募は記事後半のリンクボタンから)。

 第1回のテーマは「100年後の地球」。パネリストにアーティストのMIYAVIと、環境NGOのキーマンである日比保史コンサベーション・インターナショナル・ジャパン代表理事兼CIバイスプレジデントを迎え、トークイベントを開催する。サポーターは、サステナビリティに先進的に取り組む「グッチ」だ。同ブランドは、2017年にリアルファーの使用を廃止する“ファーフリー宣言”以降、ファッションショーで排出したCO2を植樹で相殺、サステナブルな素材のみを採用した“グッチ オフ ザ グリッド”を発表するなど、ファッション業界の環境負荷軽減に尽力してきた。ここでは「グッチ」のサステナビリティの取り組みや6月にローンチする新作を紹介する。

「グッチ」サステナビリティの歩み

“グッチ オフ ザ グリッド” 第3弾に
新色アッシュグレーが登場

 2020年にローンチした“グッチ オフ ザ グリッド” コレクションから、日本限定カラーのブルーに続く新色アッシュグレーが第3弾として登場。今回も環境に配慮したサステナブルなコレクションで、スポーティーなアウターからバッグ、キャップ、スニーカーまで幅広く取りそろえる。アイテムは全てユニセックスで、旅にも日常にも使える実用的なラインアップだ。他にもイエローやブラックなど、色も多岐にわたる。

 メインとなる素材は、これまで同様に漁網やカーペットなどの廃棄物を100%原料にしたリサイクルナイロン「エコニール」だ。「グッチ」を象徴するGGパターンを織り込んだ「エコニール」に、クロムフリー加工のアイボリーのトリムとレザータグを組み合わせたデザインが特徴だ。他にも、アウターのフード部分のコードとファスナーにペットボトルが原料のリサイクルポリエステルを採用したり、アイレットにリサイクルスチールを、スナップボタンにリサイクルブラスを用いたりするなど、細部まで環境に配慮している。

 なお、“グッチ オフ ザ グリッド” コレクションの新作発売に合わせて、6月29日まで阪急うめだ本店、6月30日までグッチ新宿のストア内で期間限定ショップ、“グッチ ピン(Gucci Pin)”も開催中だ。

サステナビリティイベント開催
MIYAVIらと100年後の地球を考えよう

 「WWDJAPAN」と「グッチ」は、アーティストのMIYAVIと環境NGOのキーマン、日比保史コンサベーション・インターナショナル・ジャパン代表理事兼CIバイスプレジデントをゲストに迎え、サステナビリティイベント“WWDJAPAN Circle”を6月26日に開催する。“グッチ オフ ザ グリッド” コレクションを題材に、作り手のビジョンや経営哲学にもアプローチしながら、循環型ファッションや100年後まで持続可能なデザインについて参加者と一緒に考える。

INFORMATION
【WWDJAPAN Circle】MIYAVIと一緒に考えよう、100年後の地球 Supported by GUCCI

日程:6月26日
登壇者:MIYAVI × 日比保史コンサベーション・インターナショナル・ジャパン代表理事兼CIバイスプレジデント 
ナビゲーター:向千鶴=執行役員「WWDJAPAN」編集統括兼サステナビリティ・ディレクター

イベントに関する問い合わせ先
INFASパブリケーションズ
event@infaspub.co.jp
グッチに関する問い合わせ先
グッチ ジャパン クライアントサービス
0120-99-2177

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SNSフォロワー50万超えの人気ゲーマーはつめがファッション界進出 「ゲーマーは陰キャのオタクだけじゃない」

 ファッション業界同様、ゲーム界にもSNSを中心に強い発信・影響力を持つインフルエンサーが複数いる。代表格は22歳のゲーマー、はつめだ。彼女はプロゲーマーとして活動後、現在はフリーランスの“ストリーマー”として活動しており、SNSの総フォロワーは50万を超える。“ストリーマー”とはユーチューブ(YouTube)やツイッチ(TWITCH)でゲームをライブ配信するプレイヤーで、スポンサー料とオンライン上の投げ銭が主な収入源だ。はつめは18〜24歳の大学生から特に人気で、3月には伊藤忠ファッションシステムが保有するアメリカ発のスポーツカジュアルブランド「ケイパ(KAEPA)」のブランドアンバサダーに就任。コラボレーションしたアイテムはクラウドファンディングで総額328万円を調達し(目標は50万円)、“ゲーム×ファッション”の成功事例を打ち立てた。ゲーム界を代表するキーマンの人物像を探るとともに、ファッション界についての印象も聞いた。

ゲーム専業で生活できるのは一握り

WWD:プロゲーマーになったきっかけは?
はつめ:格闘ゲーム「ストリートファイター(STREET FIGHTER)」のプロになりたいと思ったのが高校3年生の時でした。当時、秋葉原のeスポーツ施設「eスポーツ スクエア(e-sports SQUARE)」でアルバイト中にこのゲームの大会を見て、「こんなにカッコいいリーグがあるんだ」と感動し、挑戦することにしたんです。

WWD:プロゲーマーの定義は?
はつめ:プロライセンスの制度はありますが、決まった定義は特にありません。同制度は、必須ではなくて、景品表示法の上限額を超えた賞金をプレイヤーに渡せる仕組みです。私たちは、スポンサーが付いているゲーミングチームに所属したらプロゲーマーという認識です。

WWD:プロ時代の優勝経験は?
はつめ:ないんですよ。人気ゲームなので長くプレイしている30〜40代のベテラン選手が多く、20代の若手が優勝できるチャンスはなかなか巡ってきません。ベテラン選手と対戦した時は、「俺は、お前が産まれた時には波動拳を撃っていたからな(笑)」と煽られました。

WWD:プロゲーマーはどう生計を立てている?
はつめ:ゲーム専業で暮らせる人は少ないんじゃないかな。ただ最近はゲームのプレイ動画をユーチューブ(YOUTUBE)にアップする人が増え、広告収入やファンによるライブ配信中の投げ銭など、全体的な収入は少しだけ上がっていると思います。でも、FPS(主観視点のシューティングゲーム)の「ヴァロラント(VALORANT)」や「エーペックスレジェンズ(APEX LEGENDS)」などのプロゲーマーには月収2万、3万円のプレイヤーもいるので、実家暮らしだったり仕送りをもらっていたりの学生が多いんです。だから「在学中だけプロ」というケースも少なくありません。私もプロ1年目はアルバイトをしていましたが、2年目からプロゲーミングチーム「父ノ背中」に入り、イベント活動が増えて、収入も安定して生活できるようになりました。

WWD:プロ選手からストリーマーに転向したのはなぜ?
はつめ:1つのゲームだけではなく、自分がやりたいゲームを自由にプレイしたかったからです。

コラボアパレルの大反響に驚き

WWD:アパレルブランド「ケイパ(KAEPA)」とコラボした経緯は?
はつめ:「ケイパ」がインフルエンサーにフォーカスした新ラインを立ち上げるにあたり、同ブランドを扱う伊藤忠商事の友人の推薦で実現したのだと後から知りました。個人プレイヤーがアパレルとコラボしたのは、日本で初めてだと思います。

WWD:実際にアイテムを製作した感想は?
はつめ:正直、こんなに本格的に関わるなんて思っていなかったんです。サンプルのフィッティングと修正を何度も繰り返し、半年間を費やして作ったのでやりがいはありましたね。アイテムはゲーマーをターゲットに、“快適でラフな服装”をテーマに製作していて、2シーズン目の企画も進めています。

WWD:クラウドファンディングでは目標金額を大きく上回る結果だったが、予想していた?
はつめ:クラウドファンディングは受注数の調査のつもりでした。こんなに集まるとは思いもしませんでした。支援金額でコアなファンの数が露骨にわかるから結構ビビっていたんですけど、自信が付きましたね。

「ゲーム不遇の時代は終わった」

WWD:ファッションは元々好きだった?
はつめ:好きでした。普段は黒い洋服を中心に、韓国系やストリート系など、ジャンルは色々です。ゲーム業界に携わることを決心した頃から、「人前に出るんだから、服装にも気を使おう」と意識していました。

WWD:好きなアパレルブランドは?
はつめ:「プラダ(PRADA)」です。最近はローファーを購入して、少しずつですが買い足しています。「エフアールツー(#FR2)」と「ブラックアイパッチ(BLACKEYEPATCH)」の服も買いましたよ。

WWD:ファッション業界のイメージは?
はつめ:「ゲーマーは、陰キャのオタクだけじゃないんだよ」と伝えても、一番信じてもらえなさそうなのがファッション業界の人たち(笑)。少し前まではゲーム業界とは真逆で、交わることはないんだろうと感じていました。

WWD:近年、ゲーム業界に対する周りの反応は変わってきた?
はつめ:業界全体が明るくなってきたのは実感します。キャラクター姿で動画配信するVチューバーが流行してから、ゲームをプレイしない人が見てくれるようになりました。私はゲーム不遇の時代を生きてきたので、今の状況は楽しいしうれしいです。

WWD:今後の目標は?
はつめ:ゲーマーとしてだけではなく、人として成長していきたいです。洋服は大好きだし、今後もアパレル業界と積極的にコラボレーションしていきたいです!

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機能性表示食品初の紫外線対策 美容家も愛する「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」

 「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」は、機能性表示食品(届出番号:E546)で初めて(※サプリメントや清涼飲料水を除く)の紫外線対策商品。飲むことで紫外線から肌を守ることができ、毎日飲み続けやすく、日常生活に取り入れやすい飲むヨーグルトだ。「ヨーグルトで体の中から紫外線対策」という新たな価値と新常識について、「(昨年の発売以来)もう100本くらい飲んでいます(笑)」という美容家の深澤亜希に話を聞いた。

「『飲んで紫外線から
肌を守る』が衝撃」

 「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」を飲み始めたきっかけについて、深澤は「『飲むことで紫外線から肌を守る』というパッケージのキャッチフレーズが、とにかく衝撃でした」と話す。ビューティの世界では今、肌に与えるものだけでなく、体に取り入れるものも大事という考え方が普及。さらに踏み込んで「心がルンルンすると、肌もキレイに」という“ルンルン・ビューティ”を提唱する深澤にとって、「美味しい、楽しい、そして実感できる」という「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」は、「飲むと“ルン♪”とする」大事な存在だ。

 ヨーグルトなどの発酵食品は、積極的に取り入れている。キムチや納豆、チーズのほか、最近は「塩麹や醤油麹を自分で作り、調味料がわりに使う」ほどだ。発酵食品を積極的に取り入れる「腸活」のおかげで、最近は体から肌、そして心のキレイを感じている。素材本来の味が楽しめるほど、味覚を中心とする五感も研ぎ澄まされたと感じるようになった。深澤は「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」についても、「優しい甘さで、嫌味がない。容量もちょうど良い」。美味しいから続けられるし、ヨーグルトは普段の食生活に取り入れやすいから習慣化しやすい。なのに「紫外線と乾燥対策ができ、そして乳酸菌も取れると“1本3役”で、最近のスキンケアアイテムくらい頼れる多機能な飲むヨーグルト」。「もっともっと広がり、みんなに手軽でおいしく紫外線対策ができることを知ってほしい」そうだ。

日常生活に潜む紫外線からは
「体の内側から守る」

 「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」に加えて、紫外線対策で気をつけるべきことはなんだろう?深澤に話を聞くと、「やっぱり紫外線を浴び過ぎないのが一番」という。実は肌の不調の8割は紫外線が原因とも言われています。「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」による紫外線可視化の取り組みが示す通り、今の時期は何も紫外線対策をしないと、公園や屋外のカフェ、ドライブでも、短時間でおでこや鼻、腕に赤みが生じるなど、私たちは思っている以上に紫外線を浴びている。日傘や帽子でも完全には防ぎきれないほどだ。深澤は、「長袖や帽子は、身につけたところしか守れない。日焼け止めアイテムは、皮脂や汗で流れてしまう可能性がある。だからこそ『明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ』をプラスすることで、体の内側から守ってくれるので魅力的」という。

3つの成分で紫外線から肌を守る

 「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」は、SC-2乳酸菌とコラーゲンペプチド、スフィンゴミエリンという3つの配合成分によって、“紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能”と“肌の潤いを保ち、肌の乾燥を緩和する機能”の2つが確認されている。1本のうち、SC-2乳酸菌は約10億個以上(2種の乳酸菌を合わせて)、コラーゲンペプチドは1000mg、セラミドの一種のスフィンゴミエリンは10mgを配合。試験データでは、「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」を1日1本5週間摂取し続けると、紫外線による肌の赤みが出にくくなったことがわかった。

対象者:スキンタイプⅡ~Ⅲ(※1)の30~49歳の女性健常人67人。
試験方法:被験参加者を2群に分け、一方の群【被験食品(素肌のミカタ)群】はSC-2乳酸菌、コラーゲンペプチド、スフィンゴミエリンを含むヨーグルト、もう一方の群【対照食品群】は前述3成分を含まない酸性化乳を1日1回6週間摂取。摂取前と5週間後のMED(※2)の変化を2群間で比較。
結果:スキンタイプⅡ(※1)の参加者において、被験食品群は対照食品群と比べて摂取前後のMED(※2)の変化量が有意に高値。
※1:日焼けに対する反応の違いから分類する肌の性質のこと。
タイプⅡ:常に赤くなり、その後少し皮膚色が濃くなる。タイプⅢ:時々赤くなり、必ず皮膚色が濃くなる。
※2:MED(最小紅斑量)・・照射24時間後に紅斑を生じるのに必要な最小光線量。値が高いほど肌の赤みが出にくい。

志尊淳がリーダー
 「素肌組」は2期生を募集中

 「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」は、公式SNSコミュニティを「素肌組」と命名。リーダーを務めるのは、俳優の志尊淳だ。

 素肌組では、独自のオンラインコンテンツを発信、メンバーカードのプレゼントや素肌組レターを配信するほか、毎週郵送で「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」が届く5週間モニターなどのコンテンツを用意している。応募は、インスタグラムかツイッターで公式アカウントをフォローした後、指定のハッシュタグ投稿をするだけ。現在は、2期生を募集中だ(7月4日まで)。

【届出表示】本品には、SC-2乳酸菌、コラーゲンペプチド、スフィンゴミエリンが含まれるので、紫外線刺激から肌を保護するのを助ける機能があります。また、肌の潤いを保ち、肌の乾燥を緩和する機能があります。
本品は国の許可を受けたものではありません。本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
問い合わせ先
明治 お客様センター
0120-598-369

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ロクシタンがヴァーベナの香りで提案する「#見えないペアルック」

 会いたい人に自由に会えず、改めて人と人との繋がりの大切さを感じるという声が多く聞かれる。そんな今、「ロクシタン(L’OCCITANE)」は目に見えない「香り」を大切な人とシェアする「#見えないペアルック」を提案する。

 「ロクシタン」が行った調査によると、「コロナ禍でパートナーと会えず“寂しい”と感じる瞬間が増えた」という人が64.6%。さらに35%が「街中で過去の恋人や好きな人の香りがして、その人を思い出した」との回答があった。そこで「ロクシタン」は記憶とも結びつきやすい香りによる「#見えないペアルック」を実施する。

 そこで「ロクシタン」が「#見えないペアルック」におすすめするのは、魔女が恋の媚薬に使ったことから“恋を呼ぶハーブ”と言われるヴァーベナの香り。レモンに似たフレッシュな香りは、シェアフレグランスとしても人気だ。

人気のヴァーベナシリーズから
夏仕様の限定品が登場!

 「ロクシタン」の人気No.1フレグランス“ヴァーベナ オードトワレ”が今夏限定パッケージに衣替えして登場するほか、夏のボディーケアにぴったりの新アイテムを6月2日にリリースする。オーガニックヴァーベナを主役に、ローズやゼラニウムをかすかに感じるフレッシュな香りは、男女問わず愛されているロングセラー。新アイテムの中で注目は「ロクシタン」初の2in1のハンドクリームで、ジェルとクリームが2色で出てくるユニークなテクスチャーを、ぜひ試してほしい。さらに火照った体に爽やかさをもたらすひんやりボディージェル、濃密泡のシャワーホイップ、ジェル状フレグランスなど数々のアイテムが限定で登場する。

柑橘のポジティブパワーを
プラスしたシトラスヴァーベナ

 ヴァーベナにレモン、オレンジ、グレープフルーツなど人気のシトラスを加えた“シトラスヴァーベナ”は気持ちを明るく前向きにしてくれる香り。リフレッシュしたいときのスイッチフレグランスにもおすすめの「シトラスヴァーベナ オードトワレ」をはじめ、ひんやりとする成分を配合したボディーケア製品が4月に限定発売された。レモンジュレのようなボディースクラブ、夏の肌を保湿するボディークリーム、肌にも髪にも噴いてリフレッシュできるミストなど、シトラスのポジティブパワーを全身で感じられるアイテムをラインアップ。

よしみち姉弟や野崎萌香も
楽しんでいる
夏の香りシトラスヴァーベナ

 柑橘系の香りのヴァーベナは、夏を迎える季節はさらに人気が高まる。“恋を呼ぶハーブ”とのエピソードも、人との出会いや繋がりを大切にしたい今だからこそ、心に響く。

TEXT:YOSHIE KAWAHARA
問い合わせ先
ロクシタンジャポン カスタマーサービス
0570-66-6940

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壁に当たったアパレルチェーンの経営構図 今こそ断捨離を決断せよ 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。コロナ後も難しい舵取りが求められるファッション業界。その根本の要因はどこにあるのか。原点に帰って体系的に考えてみれば、今すべきことが見えてくる。

 アパレル製品を企画・販売する企業は、製造業寄りから小売業寄りまでさまざまで、「製造小売業」たるSPAなどアパレルチェーンも同様だ。商品やマーチャンダイジング、販路ミックスや店舗運営、サプライチェーンや物流プロセス、決算報告を仔細に見れば違いは分かるが、その根底を定めている経営構図をつかめば企業行動の本音が見えてくる。コロナ危機は肥満して壁に当たった経営構図の断捨離を強いているのではないか。

「在庫運用」と「店舗運営」が営業実務の二軸

 アパレルチェーンの営業実務は付加価値を創造する「マーチャンダイジング」を起点として、「在庫運用」が粗利益の歩留まりを左右し、「店舗運営」が営業経費を左右し、結果として「営業損益」が決まる。

 「在庫運用」は粗利益という結果だけでなく商品が販売されて換金される速度も左右するが、「在庫回転」がイコール「資金回転」になるわけではない。在庫回転速度たる「棚資産回転日数」に売上金の回収速度たる「売上債権回転日数」が加わり、そこから仕入れ代金決済の「買掛債務回転日数」を差し引いた「運転資金回転日数」が実際の資金回転速度になり、期間の売上を掛けた金額が運転資金の目安となる。

 その要となるのが「商品財務戦略」で、スキルの巧拙で「在庫運用」のフリーハンドも大きく左右される。財務戦略をベースに「資金繰り」と「在庫繰り」のバランスを図るマネジメントスキルと捉えるべきだろう。

 「店舗運営」の経費は個別店舗の出店条件と運営経費の積み上げで決まるから、売上予測の精度、家賃条件と最低保証売り上げ、店舗の規模・形状とレイアウト、運営効率とレイバーコントロール精度が問われる。出店の積み上げがキャッシュフローと投資回収の大枠を決め、少なからぬ資金が寝て減価償却や将来の減損リスクも生じるから、「出店財務戦略」は企業の将来を大きく左右する。

 「マーケットアナライザー」など小売業向けの商圏分析システムに自社独自の結果指数を積み上げて売上予測の精度を高めて物件を精査選別し、月度売り上げを平準化して端境月の最低保証割れを回避することが必須で、希望的観測で無理な出店を決めてはならない。アパレル小売りにはどうしても人気の波があり、好調サイクルの強気の出店が不調サイクルで足を引っ張ることが多い。不調サイクルの売上水準で出店採算を図る原則を崩してはなるまい。

 営業経費の二軸は賃借料と人件費だが、どちらも出店段階の契約条件、店舗の位置・規模・形状、レイアウトで大枠が決まってしまう。運営コストが高くなる小型変形店舗を避けて運営効率が高い大型整形店舗を確保し、保守効率と作業効率の高いレイアウトに注力するべきだ。

商品財務の要

 「売上債権回転日数」は販路構成に左右される。路面の独立店舗なら日々の売り上げが即、現金収入になるが、キャッシュレス決済比率が高いとその分、回収が遅れるし、月2回締め支払いの商業施設テナント店では平均22.5日、消化仕入れの百貨店インショップでは平均45日遅れ、卸し取引ではさらに遅れる場合が多い。キャッシュレス決済がほとんどを占めるEC(ネット通販)では、モールサイト店は週締め支払いのアマゾンこそ速いが他は商業施設や百貨店と大差なく、自社サイトでも決済代行会社を使う限り商業施設や百貨店と大差ない(別途手数料を支払えば速められる)。

 「棚資産回転日数」はBS(バランスシート、貸借対照表)に計上された商品在庫の回転(売上原価÷在庫原価)を現すもので、小売業的な「製品仕入れ」ではアパレル企業が発注していても、アパレル企業の倉庫や店舗に納品されない限りBSには計上されないから、見かけの在庫回転が速くなる。VMIなどサプライチェーン同盟では生産地在庫のみならず国内倉庫在庫もサプライヤー側が負担しているケースがあり、決算書からは実体がつかみにくいが、大手SPAでは店頭在庫25〜30%、国内倉庫在庫40〜45%、生産地在庫30〜35%というバランスが推察される。

 国内ユニクロは2017年8月期まで店舗在庫だけをBSに計上していたが、国内倉庫在庫も計上した18年8月期は坪当り在庫が2.45倍に跳ね上がったから、店舗在庫と国内倉庫在庫の比率は4対6だったと推察できる。良品計画単体は店舗と倉庫(本部)の在庫比率を開示しているが、年々店舗比率が低下して20年8月期には27.4%まで落ちている。両社とも、これ以外に生産地在庫が存在するが、良品計画はソーシング子会社が抱える国内向け在庫が連結決算で加わって1.4倍ほどになる。国内ユニクロの生産地在庫は商社が管理しており、ファーストリテイリングのBSには出てこない。

 メーカー的な「工賃払い調達」ではそんなサプライヤー負担はなく、製品在庫、仕掛り在庫、原材料がBSに計上されるが、生産工程に踏み込むほど仕掛り在庫と原材料の負担が高まる。グローバルSPAで最も「工賃払い調達」に踏み込んでいるのはインディテックス(INDITEX)で、自社工場のCADCAMで裁断した生地パーツと付属を揃えて周辺フランチャイズ工場(スペイン、ポルトガル)にミルクランで部材供給・製品回収して自社工場でプレス仕上げしているが、仕掛り在庫と原材料の在庫金額に占める比率は6.2%(20年1月期)に止まるから、製品比率で10%強程度と推察される。

 「買掛債務回転日数」は支払いサイトに近いと思われるが、ブランド商品の展示会発注が多いセレクトチェーンが最も短く、「製品仕入れ」のSPAは商社金融で延ばせるし、直貿なら銀行ユーザンス※1.が使える。「工賃払い調達」では工賃は現金払いでも素材代金は支払いサイトが長く、工場に仕様書発注した「製品仕入れ」は銀行ユーザンスでサイトを延ばせる。

結果としての「運転資金回転日数」をどうコントロールするかが問われるが、「棚資産回転日数」の長期化がそのまま「運転資金回転日数」の長期化につながる企業もあれば、「棚資産回転日数」が長期化しても「買掛債務回転日数」を延ばして「運転資金回転日数」はほとんど動かないという企業もある。前者の場合は在庫回転が悪化すれば資金繰りが逼迫するが、後者の場合はそうはならない。ワールドやインディテックスが後者の好例で、コロナ禍決算でも運転資金を要さず、逆に回転差資金を確保していたほどだ。その差は調達手法ミックスやサプライチェーン同盟の強かさ、調達ファイナンスのスキルによると思われる。

※1.ユーザンス…信用状決済による貿易金融の支払い猶予期間

在庫運用の要

 在庫運用には(A)BS計上済み在庫の配分・補給・再編集・店間移動・売価変更というディストリビューション、(B)BS計上以前のサプライヤーとのVMI※2.によるオンデマンド補給・生産という二面があり、どちらか片方だけでは限界がある。
セレクト仕入れやロット発注では(A)ディストリビューションしかできず、シーズン中の消化にこだわれば値引きロスが肥大して粗利益が損耗してしまうが、(B)オンデマンド補給・生産が上手く作動すれば過剰在庫も機会ロスも避けられ値引きロスも抑制できる。定番性商品の長期的サプライチェーン同盟ではサプライヤーが抱える生産地在庫の翌シーズンへの持ち越しも可能で、コロナ禍では少なからぬ在庫が持ち越されたようだ。

 オンデマンドなVMIにはサプライヤーの資本力と物流体制、企画・生産・物流を一貫するDX(デジタルトランスフォーメーション)※3.が不可欠で、AI(人工知能)精度やCAD/CAM※4.装備が高まる今後は一段と効果が発揮されるに違いない。ならば、(A)ディストリビューションだけに頼る在庫運用のアパレル企業は相対的に競争力を失うと見るべきだ。

 そうは言っても(A)ディストリビューション在庫運用はアパレル企業の粗利益確保スキルの中枢であり、VMDと物流の組み方が店舗のマテハン※5.人時量も売り上げも大きく左右する。かつては倉庫から多店舗への配分と補給の精度を追求すれば済んだが、今日では物流の形状と店着タイミング、店舗在庫と店舗向け倉庫在庫、EC向け倉庫在庫の配分(物理的配分とは限らない)とデータ連携、ローカル単位のC&C(クリック&コレクト)とテザリング※6.など、在庫連携とOMO体制が問われて高度化しており、もはやDXを欠いては運用は困難だ。

 ディストリビューション在庫運用については20年2月26日に本誌に掲載した「在庫問題を解決する決定打 DBからデジタルVMI」に詳説したので是非とも読み返してもらいたいが、VMDと物流を連携させないと店舗のマテハン人時量も物流費も膨れ上がって損益を圧迫する。商業施設のアパレルチェーンを見るにつけ、VMDが編集陳列とディスプレイに終わって、店舗マテハンと物流が連携していない非効率な運用が大半だ。

 いったいアパレルチェーンで、元番地のアドレス管理をして搬入商品の陳列位置をタグなどで指示している会社がいかほどあるのだろうか。初期投入と補給投入の曜日と時間を定め、元番地の棚入れとフェイシング管理をルーチンにしている会社がいかほどあるのだろうか。消化を促進する再編集陳列のテクは山ほどあるから元気なうちに伝承しておきたいが、それ以前にアパレルチェーンとしてのVMD(=マテハン)運営体系を確立するのが先決と思われる。

※2.VMI(Vendor Managed Inventory)…あらかじめ定めた陳列棚割と販売計画に基づいてベンダーに在庫管理と補給・補充生産を委任する取引形態
※3.DX(Digital Transformation)…デジタル技術でプロセスやサプライチェーンを繋ぐ業務革新
※4.CAD/CAM…コンピュータ・グラフィック支援の設計と製造
※5.マテハン(Material Handling)…荷役・物流作業
※6.C&C(Click&Collect)とテザリング…ECで注文したり取り寄せて店舗で受け取ったり試したり、近隣の店舗在庫を引き当てて店舗で渡したり店舗から宅配出荷し、顧客利便と在庫効率を高め物流費を抑制するOMO(ネットと店舗の融合)戦略がC&C。その仕組みに乗せてエリア内店舗間で在庫を融通・補給するのがテザリング

店舗運営の要

 「店舗運営」の経費は賃料と並んで人件費が大きく、営業時間を保守する最低人員配置をベースに搬入・陳列・棚整理・再編集・ピッキング・在庫管理などのマテハン人時量が加わり、低単価店ではレジ精算、高単価店では接客や顧客管理・営業の人時量もかさむ。

 ざっくりとした経験値だが、アパレルチェーンの店舗運営人時量は、低単価店ではマテハンが4割強、レジ精算が2割弱、保守・待機が2割強、接客と客注在庫探しが2割弱、高単価店ではマテハンとディスプレイが3割弱、レジ精算と顧客管理・営業が2割弱、保守・待機が2割強、接客と客注在庫探しが3割強ぐらいではないか。このうち保守・待機の人時量はレイバーコントロール(勤務シフト)の精度向上や営業時間の短縮、マテハン人時量は入荷・移動の集約とVMD運営体系の整備、レジ精算はICタグ読み取りなどの自動化で大きく圧縮できる。

 これら必要人時量を曜日・時間帯ごとに計算してレイバーコントロールを組み、最小人時量で運営することに注力するが、営業時間が無駄に長いと売り上げにつながらない保守人時量がかさみ、商品の入荷や移動が分散するとマテハン作業が煩雑になり、陳列作業も重複して売り上げにつながらない人時量が肥大してしまう。入荷や移動のタイミングが集約され、什器レイアウトや元番地陳列と出前編集陳列のVMD体系が確立され、ICタグが導入されていればマテハン人時量が抑制され、時間帯毎の必要人時量も容易に読める。

 曜日・時間帯別の必要人時量に社員やパート&バイトのシフトを組み込むとき、要となるのが社員・準社員の「変形労働時間制」で、労使協定で定めて週間や月間、年間の総労働時間の枠内で日ごと、週ごと、月ごとの勤務時間を一定枠で短縮したり伸ばしたりして機動的に勤務する。会社側の都合だけで導入しても上手くいかないことがあり、ワーク&ライフバランスを改善するスタンスから時間をかけてコンセンサスを形成した上で導入するのが賢明だ。

 社員・準社員の「変形労働時間制」をベースにパート&バイトのシフトを組む体制ができても、店舗が小さいと最低保守人数を当て込むだけで精一杯で、閑散時と繁忙時のメリハリを付けることができない。繁忙時には最低でも閑散時の倍、理想は4倍の人員を配置するべきで、販売効率やレイアウトにもよるが、倍のメリハリを付けるには250平方メートル、4倍のメリハリを付けるには1000平方メートル近いフラットな店舗規模が必要になる。小型店舗では最低保守人数が繁忙時対応人数になってしまうから、勤務シフトで生産性を高める余地がない。

 平均店舗面積が1000平方メートル近い国内ユニクロの1人当たり年間売り上げが3000万円を超えるのに対し、多くのカジュアルチェーンは250平方メートルにも届かず2000万円前後にとどまっている。店舗運営の人件費負担率は店舗規模に逆スライドするのが現実で、業態の大型化・複合化はアパレルチェーンに取って不可避の課題と思われる。

断捨離による「お値打ち」と経営構図の再構築

 アパレルチェーンの経営構図は経営のスキルだけで成り立つわけではない。「商品」と「マーチャンダイジング」に時代のニーズに応えるインパクトと普遍性があり、生み出す付加価値が「在庫運用」の歩留まりと「店舗運営」の経費に見合って「お値打ち」を継続的に実現できないとマーケットに生き残れない。「商品」と「マーチャンダイジング」に「価格」を超える魅力がなくては、どのような経営スキルを駆使しても継続的成長は困難だし、存続も難しいだろう。

 「商品」と「マーチャンダイジング」に最適な調達手法を確立し、サステナブルなサプライチェーンを築けば描いた経営構図が成立し、出店財務と商品財務を崩さずフィロソフィーを貫徹すれば、成長軌道を外れず市場の飽和点まで走り続けられる。逆に言えば、今、壁に当たっている多くのアパレルチェーンはそのいずれかを崩して成長軌道から外れたのであり、崩れた要件を修復すれば壁を抜けられる可能性がある。

 消化歩留まりが低く売価変更ロス率が15%あるいは20%を超え、営業経費が小売売り上げの45%を超えて肥大し、調達原価率を切り下げかろうじて収益を確保しているアパレルメーカーやアパレルチェーンの商品が「お値打ち」であるはずもなく、経営が「効率的」でもあるはずもない。顧客が離れ肥満のロジックが破綻するまで肥満し続けるのか、徹底して断捨離し「お値打ち」と経営構図を再構築するのか、コロナ危機が決断を迫っているのではないか。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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ECシステム「ebisumart」の運営企業が、「月10万円〜」のEC事業支援に込める熱い思い

 クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」を提供するインターファクトリーはこのほど、EC事業に関するさまざまな相談に対応する新サービス「ビジネスグローアップサポート」を本格的に開始した。これまで個別に対応していたEC事業運営に関するコンサルティングや広告運用サポート、要求定義支援などを体系化し、提供する。新サービスの狙いについて、同社の渡邉洋祐システムソリューション部カスタマーサクセスチームマネージャーに聞いた。

このほど本格的なサービス開始

 ビジネスグローアップサポートの基になっているのは、2018年からインターファクトリーがカスタマーサクセスチームで提供してきた各種サービスだ。渡邉マネージャーは「当社はECに関してシステム面でお客さまをサポートしてきたが、お客さまから『もっと売り上げを伸ばすにはどうしたらよいか』『そもそもECはどのように運用したらよいのか』といった相談を受ける機会が多かった」と語る。ECが企業規模や業種を問わず広がる中、「システム面以外の要望にも応えるべきだと考え、カスタマーサクセスチームの体制を強化した」(渡邉マネージャー)という。

 これまで提供してきたサービスは、EC運用のコンサルティングや広告運用支援、システムの要求定義段階でのサポートなど多岐にわたる。今回、ビジネスグローアップサポートという名称をつけたが、渡邉マネージャーは「実際には何でも屋に近いサービス。ECに関する相談なら、上流の戦略コンサルティングから、実際の業務フローの見直し、広告運用、メルマガの文面まで、必要に応じてあらゆることに対応する」と語る。渡邉マネージャーは過去にECのフルアウトソーシング事業者であるダイアモンドヘッドに在籍した経験がある他、チームの他のメンバーもECのビジネス面に関するノウハウを豊富に持っているという。

 ユニークな特徴の一つが、同サービスは「ebisumart」のユーザーでなくても利用できること。実際に、「『ebisumartの導入を検討しているから相談に乗ってほしい』とお声掛けいただき、ヒアリングした結果、他社のASPシステムの方がマッチすると判断したケースもある」(渡邉マネージャー)という。同社は「ebisumart」の利用を第一に考えているものの「事業規模によっては初期費用や固定費の負担が厳しく、オーバースペックになってしまうケースもあり得る。システムありきの提案だと、ECシステムのコスト負担のために運営費用を削減するなど、ECの健全な運営に支障をきたしかねず、それは弊社としても本望ではない」(同)。

成功に重要なのは
「熱意」と「本気度」

 ビジネスグローアップサポートの利用料金も月額10万円ほどから相談可能となっている。渡邉マネージャーは「ビジネスグローアップサポート単体で大きな利益を出そうとは思っていない」と説明する。同サービスの最大の目的は、顧客企業のビジネスの成長を支えること。「料金を低く設定しているのは、われわれが関わるための最初のハードルをできるだけ下げ、適切な形でお互いの信頼関係を構築したいから。これまで数十社のECコンサルティングを手掛けてきたが、成功の最も重要なポイントは地道な土台作り。このサービスの目的の一つは、ECの性質をご理解いただき、お客さまの熱意に火をつけること」。支援する企業の社内で本気度が高まれば、「その結果として成長もするし、ある一定の規模になれば、将来『ebisumart』のユーザーにもなっていただけるかもしれない。それだけ『ebisumart』は優れたプロダクトだし、実際に年商1億円以上のEC市場での『ebisumart』のシェアは高い」(渡邉マネージャー)。

 ターゲットになるのは主に、リアル店舗を運営していてECをスタート、あるいは強化したい企業やブランド。「現在の支援先もファッションからビューティを中心に、食品、テレビ通販、ゲームなど、業種も企業規模もバリエーションに富んでいる」。サービス利用について検討する企業に対して、渡邉マネージャーは「まずは自社のビジネスの状況についてヒアリングしている」と話す。例えば、ECの売り上げだけを伸ばしても事業全体がシュリンクしてしまっては意味がない。その事業の中でECがどのような役割を担い、どのように事業全体に貢献すべきなのか、事業の本質を理解した上で、しっかりと考えサポートしていくことを心掛けている。実際の成長に可能性を感じるときは「お客さまのECに対する理解と納得、そして本気度が感じられること。その形を作ることができれば、多くのケースにおいて我々のノウハウで売り上げを伸ばすことができると自負している。まずはお気軽にご相談いただければと思います」(渡邉マネージャー)。

問い合わせ先
インターファクトリー
https://www.ebisumart.com/solution/support.html

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「グッチ」が愛すべきアイコニックなバッグ“グッチ ビラブド”ラインを拡充

 今年、創設100周年を迎えた「グッチ(GUCCI)」は、数ある名品の中でも世代を超えて長く愛されてきたハンドバッグを “グッチ ビラブド(Gucci Beloved)”ラインと総称した。アイコンバッグの“ジャッキー 1961”をはじめ、“グッチ ホースビット 1955”、“GGマーモント”、“ディオニュソス”は、どれもブランドを象徴する存在で、長く愛せるクラシカルなデザインで毎日に寄り添いどんなワードローブにもマッチするのが魅力。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターが、今の時代にフィットしたコンテンポラリーなデザインに再解釈しながら未来に「グッチ」のストーリーを語り続けている。

 オフィスシーンでもカジュアルでも活躍するバイカラーなども続々リリースし、さらに鮮度を高めた。今夏には3色コンビネーションの新作も登場予定。アメリカの人気トークショー番組をなぞり、今をときめくセレブリティたちがバッグを携えて登場するウィットに富んだキャンペーンにも注目だ。

セレブリティが愛用バッグを紹介する
トークショーをオンエアー

 写真家や映画監督として活躍するハーモニー・コリン(Harmony Korine)と再タッグを組み、アメリカのトーク番組のような遊び心たっぷりのキャンペーンを公開した。ホストは、番組「ザ・レイト・レイト・ショー(The Late Late Show)」の司会として知られるジェームズ・コーデン(James Corden)。ゲストに迎えられたハリウッドスターたちが、お気に入りの“グッチ ビラブド”ラインを携えて登場する。

セレブリティたちが魅せる
“グッチ ビラブド”ライン

 ミュージシャンで俳優のハリー・スタイルズ(Harry Styles)をはじめ、女優のオークワフィナ(Awkwafina)やダコタ・ジョンソン(Dakota Johnson)、シエナ・ミラー(Sienna Miller)、ダイアン・キートン(Diane Keaton)、プロテニスプレーヤーのセリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)ら、豪華絢爛なゲストが次々と登場。ショータイムとバックステージの様子が描かれ、軽快なジョークとシュールな展開が笑いを誘う。表舞台と舞台裏でスターの傍らにそっと寄り添う “グッチ ビラブド”ラインのバッグに注目だ。

アーカイブを再解釈した
“ジャッキー 1961”と
“グッチ ホースビット 1955”

 “ジャッキー”バッグは1961年に誕生した、ピストン型クロージャーが特徴のホーボーバッグ。当時のジェットセッターたちが愛用したことで一躍有名になった、まさに「グッチ」の代表的なアイテムだ。それをモダンにアップデートしたのが“ジャッキー 1961”である。

 ブランドを象徴するホースビットのディテールが存在感を放つ“グッチ ホースビット 1955 ”は、2020年クルーズ コレクションでデビュー。ダブルリングとバーのシンボルが光る上品なスクエアフォルムは健在。そこにショルダースタイルやトップハンドル、トートバッグなど、現代のライフスタイルにフィットする実用性を加え、多彩なバリエーションでよみがえらせた。

アレッサンドロが生んだアイコン
“GGマーモント”と“ディオニュソス”

 “GGマーモント”は、アレッサンドロが新たに生み出したライン。創設者グッチオ・グッチ(Guccio Gucci)のイニシャルアーカイブに着想を得た、ダブルGモチーフが目を引くシェブロンパターンのキルティングレザーがアイコニック。

 動植物のモチーフを取り入れるのが得意なアレッサンドロが着目したのが、ギリシャ神話に登場する神、ディオニュソスだ。ダブルタイガーヘッドのクロージャーが最大の特徴。ハードなモチーフながらクラシックなGGパターンと絶妙に融合。特にカラーアクセントを効かせたダブルフラップのスタイルに注目したい。

TEXT : CHIKAKO ICHINOI
PRODUCED BY WWDJAPAN FOR GUCCI
問い合わせ先
グッチ ジャパン クライアントサービス
0120-99-2177

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カシオ“G-MS”が女優・大政絢を起用して、初のスマホリンク搭載モデルをアピール

 カシオ計算機の女性向け時計ブランド「BABY-G」の上位ライン“G-MS(ジーミズ)”が、女優・大政絢をイメージモデルに起用して、同ライン初のスマホリンク機能搭載シリーズ“MSG-B100”を打ち出す。今なぜスマホリンクなのか?新たな機能により女性のライフスタイルはどう豊かなものになるのか?キーマンに聞いた。

「面倒な操作が不要で、
直感的に使える」

 上間卓カシオ計算機 マーケティング統括部 時計マーケティング部 部長は大政の起用について、「“G-MS”がターゲット層とする20代後半~40代の女性にとって、上品さと意志の強さを兼ね備える大政さんは憧れの存在。“G-MS”のファッション性を伝えるのにもぴったりだった」と話す。また初のスマホリンク機能については、「現代を生きる忙しい女性のため、面倒な操作が不要で、専用アプリ“BABY-Gコネクテッド”との連携で直感的に使えることを目指した」と答えた。

時刻修正やタイム&
プレイス機能が便利

 上間部長が説明するように“MSG-B100”シリーズ最大の特徴は、ブルートゥースの通信機能によって専用アプリ“BABY-Gコネクテッド”と連携できることだ。ネット上のタイムサーバーから時刻情報を取得して修正、世界中で正確な時刻を表示することができる。ホームタイム・ワールドタイムの表示も簡単に入れ替えられる。また、任意の場所でボタンを押すと位置と時間を保存しスマホでいつでも確認できるタイム&プレイス機能や、スケジュールのリマインダー機能、時計のボタン操作一つでスマホの場所を音楽で知らせる携帯電話探索機能も便利だ。

「G-SHOCK」らしい耐衝撃性や
防水性も

 “MSG-B100”シリーズは「G-SHOCK」ブランドらしく、耐衝撃性や防水性にも優れる。タフソーラー(ソーラー充電システム)を搭載し電池交換の手間を軽減する点も、メカに弱い女性にはうれしい。また新たな外装構造の開発・採用により、手首のきゃしゃな女性でも着けやすい薄型デザインを実現している。

アクティブで洗練された女性を
サポートしたい

 “MSG-B100”シリーズは知的な印象のブラックと上品なピンクゴールド、新色のライトイエローゴールドの3色展開。上間部長は、「高級感のあるメタルデザインを採用しつつも、カジュアルなスタイルにもマッチする。オフィスでもプライベートでも、シーンを選ばずに着用いただける。スマホリンク機能も、アクティブで洗練された女性をサポートしてくれるはずだ。大政さんの力も借りながら、新たなユーザーに新たな“G-MS”の魅力を伝えていきたい」と述べた。

問い合わせ先
カシオ計算機 お客様相談室
03-5334-4869

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「サカイ」が渋谷スクランブル交差点をランウエイに!? 米グラフィティ界の巨匠とのコラボも

 阿部千登勢による「サカイ(SACAI)」は世界的に有名な東京の名所である渋谷スクランブル交差点を舞台にした、2021-22年秋冬のウィメンズ・コレクションを発表した。

 映像はヘリコプターから「サカイ」のショッパーが降ろされ、赤いコートをまとったモデルが深夜の渋谷スクランブル交差点に降り立つシーンからスタート。次々にモデルたちがヘリから降りて、横断歩道をランウエイにして闊歩する。実はこれはCGで、渋谷のスクランブル交差点の映像と別スタジオで撮影したウォーキング映像を合成したもの。動画で発表した2021年春夏メンズ&21年ウィメンズのプレ・スプリングに引き続き、大手電気通信会社のKDDIが特別協力した。
 

クチュールから着想した
縦に長いナローシルエット

 コロナ禍でこの1年間を東京で過ごした阿部デザイナーは、おうち時間などのリラックスしたスタイルから、少しずつ華やかな装いへと変化する環境を経て、“クチュールのようなエレガンス”をこのコレクションで表現したという。今季は得意とするハイブリッドのテクニックで、縦に長いナローシルエットを生み出した。特徴的なのはタイトなボディーに、ボリュームのあるショルダーを合わせたトップスや、タイトスカートとワイドパンツをドッキングさせたボトムスなど。ベルトを高い位置に合わせることで、縦長のシルエットを強調している。色はミリタリーの要素のあるネイビーやカーキ、ベージュ、ブラックなどのベーシックカラーに、赤、青、黄色でアクセントを効かせた。

 また“One Kind Word”のロゴを入れたTシャツは、米アーティストで、グラフィティ界の巨匠として知られるエリック・ヘイズ(Eric Haze)との初のコラボレーションによるもの。友情や愛、温かさなどの、ポジティブなメッセージを込めて、ヘイズが「サカイ」のために描き下ろした。映像やルックには登場しないが、コラボでは“One Kind Word”のロゴのほかに“Feel It”のロゴもあり、ユニセックスで着用可能なTシャツやパーカにあしらっている。

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「サカイ」が渋谷スクランブル交差点をランウエイに!? 米グラフィティ界の巨匠とのコラボも

 阿部千登勢による「サカイ(SACAI)」は世界的に有名な東京の名所である渋谷スクランブル交差点を舞台にした、2021-22年秋冬のウィメンズ・コレクションを発表した。

 映像はヘリコプターから「サカイ」のショッパーが降ろされ、赤いコートをまとったモデルが深夜の渋谷スクランブル交差点に降り立つシーンからスタート。次々にモデルたちがヘリから降りて、横断歩道をランウエイにして闊歩する。実はこれはCGで、渋谷のスクランブル交差点の映像と別スタジオで撮影したウォーキング映像を合成したもの。動画で発表した2021年春夏メンズ&21年ウィメンズのプレ・スプリングに引き続き、大手電気通信会社のKDDIが特別協力した。
 

クチュールから着想した
縦に長いナローシルエット

 コロナ禍でこの1年間を東京で過ごした阿部デザイナーは、おうち時間などのリラックスしたスタイルから、少しずつ華やかな装いへと変化する環境を経て、“クチュールのようなエレガンス”をこのコレクションで表現したという。今季は得意とするハイブリッドのテクニックで、縦に長いナローシルエットを生み出した。特徴的なのはタイトなボディーに、ボリュームのあるショルダーを合わせたトップスや、タイトスカートとワイドパンツをドッキングさせたボトムスなど。ベルトを高い位置に合わせることで、縦長のシルエットを強調している。色はミリタリーの要素のあるネイビーやカーキ、ベージュ、ブラックなどのベーシックカラーに、赤、青、黄色でアクセントを効かせた。

 また“One Kind Word”のロゴを入れたTシャツは、米アーティストで、グラフィティ界の巨匠として知られるエリック・ヘイズ(Eric Haze)との初のコラボレーションによるもの。友情や愛、温かさなどの、ポジティブなメッセージを込めて、ヘイズが「サカイ」のために描き下ろした。映像やルックには登場しないが、コラボでは“One Kind Word”のロゴのほかに“Feel It”のロゴもあり、ユニセックスで着用可能なTシャツやパーカにあしらっている。

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まるでワンダーランド 新生「スワロフスキー」新宿店で体感するクリスタルの魅力

 オーストリア発クリスタルブランド「スワロフスキー(SWAROVSKI)」の新コンセプトストアが5月29日、東京・新宿に登場する。ミラノやパリ、ニューヨークに続き改装オープンする同店舗のコンセプトは、“インスタント・ワンダー”。想像上のラボ(実験室)をテーマにした、エレガントで大胆な空間の同店舗では、クリスタル・ジュエリー、ウオッチ、オブジェなど、ライフスタイルを彩るさまざまなアイテムを販売する。好奇心を刺激する大胆で鮮やかな色使いで彩られた店舗はまるで、ワンダーランドのよう。店内には、3Dテクノロジーを駆使したバストなど遊び心溢れる工夫が盛りだくさんだ。

一歩足を踏み入れると、
そこは、別世界

まるでワンダーランドのような新コンセプト店でクリスタルの輝きに魅せられる

 日本初の新コンセプト店のオープンを記念して6月30日、スワロフスキー新宿でライブ配信イベントを開催する。豪華なゲストを迎え、ジュエリーのスタイリングやコレクション・ワンの紹介など、見逃せないトークイベントだ。まるでストアにいる感覚で楽しめるので、スワロフスキーの公式LINEアカウントで友だちになって詳細をチェックして。

身につける人を
変身させるジュエリー

 「スワロフスキー」は1895年に創業。創業者のダニエル・スワロフスキー(Daniel Swarovski)の“全ての女性にダイヤモンドを”という思いから誕生し、今ではクリスタルの代名詞といっても過言ではない。その「スワロフスキー」が新たなビジョンで進化を遂げ、身につける人の個性を引き出し変身させる新ジュエリーコレクション“コレクション ワン”を発売した。登場するモデルもさまざまで、あらゆるタイプの人々を輝かせる。

新クリエイティブ・ディレクター、
ジョバンナ・エンゲルバートが就任

 「スワロフスキー」は2020年、ブランド初のクリエイティブ・ディレクターにジョバンナ・エンゲルバート(Giovanna Engelbert)を任命した。エンゲルバートは、ファッションショーのフロントローでおなじみの人物。20年間クリエイティブ・ディレクターやエディター、ファッションコンサルタントとして活躍。今回、「スワロフスキー」のブランディングやデザインなどを一括して手掛ける。彼女による初のコレクション“コレクション ワン”は、彼女の大胆でファッションを自由に楽しむスピリットを表現した。エンゲルバートは、「何十年もの間、ファッションをはじめ、クリエイティブ業界に光を当ててきたブランドの未来をリードすることにワクワクしている」とコメントしている。

“コレクション ワン”で
日常の装いに輝きを

 エンゲルバートは“コレクション ワン”を手掛けるにあたり、「創業者のスワロフスキーによる図面やスケッチを見て“世界が見たことのないものを創造するという夢”からインスピレーションを得た」と言う。彼女は、性別や人種、年齢などの枠にとらわれない、あらゆる人々が自分らしさを大胆に表現できるジュエリーをデザイン。カットやカラーなどクリスタルが持つ可能性を引き出し、堂々とした美しさと遊び心に満ちたコレクションに仕上げた。

問い合わせ先
スワロフスキー・ジャパン コンシューマーサービス
0120-10-8700

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“ファッションから考える女性特有のケア” PRが開発した藍染シルクのフェムケア商品「キオリ」

 女性向けのインナーブランド「キオリ(KI'ORI)」は、シルク100%のサニタリーアイテムを通して“着るトリートメント”を提案している。布ナプキンやパンティライナーといったすべての商品は、化学薬品を一切使わず藍染した国産のピュアシルクを使用。開発したのは、ファッションPRとして活躍してきた畠山百合惠キオリ代表だ。群馬と神奈川の二拠点生活を送りながら、肌と環境にやさしい素材にとことんこだわったモノ作りに奔走している。

WWD:「キオリ」を立ち上げた経緯は?

畠山百合惠(以下、畠山):ロンドンで暮らしていた2007年頃、英国ブランド「リーム(REEM)」で、営業からPR、リメイクをメインにした商品作りまで、まさに“何でも屋”として働いていました。「自分でもモノ作りができるんだ」という手応えを感じました。2年後に帰国して、ウィメンズブランドのPRやセールス、ブランディングを中心にしたヴィータ ショールーム(VITA showroom)を立ち上げ、ディレクターとして働き始めました。しかし5年ほど前、「このままでいいのか」と立ち止まることがありました。“大量生産”“大量消費”“大量廃棄”という言葉をよく耳にし、自分の生き方に疑問を感じるようになりました。消費は落ちているのに、ブランドは依然として増え続けている。需要と供給が噛み合っていない「今、私だからできる社会貢献はないだろうか」と。悩んでいた矢先に、母が病気になり、私自身もホルモンバランスを崩し体の不調が続いて……。もっとサステナブルな生き方を送りたい。そんなとき、シルクに出合いました。

WWD:シルクの魅力をどのように知ったのか?

畠山:山形県の名産品の一つである鶴岡シルクの復興支援について、知人から相談を受けたことでした。私はPRの仕事において、天然素材やオーガニックコットンを使用している商品は、ただ「肌にいいから」だけでなく、なぜ良いのか、何が良いのか、取り巻く環境やストーリーをしっかり調べて、その上で魅力を伝えるように心掛けています。この相談を受けた際も、まずは現地に行かねばと思い、二つ返事で鶴岡市に向かいました。この出合いから、シルクの持つ治癒力に興味を持ちました。

WWD:シルクは肌にいいイメージはあるが、具体的なよさとは?

畠山:血行促進や抗酸化作用などがあるシルクは、まさに天然の高機能素材。敏感肌やアトピーといった皮膚疾患を持つ肌にも優しいことも大きな魅力です。当時ファッションの世界ではオシャレとしてのシルク素材の価値が優先されており、もっと体や肌の目線からの魅力を伝えたいと思ったんです。どうしようかと悩んでいた時、実家の群馬に住んでいる母に「あなたの地元もシルクの名産地じゃない」と言われて、ハッとしました。富岡製糸場の機械を扱っている工場が近所にあることがわかり、そんな縁から、肌のことを第一に考えたシルクのケアアイテムを自分で作ろうと決めました。

悩んでいる人が1人でもいたら
商品化したかった

WWD:なぜ生理用品など女性特有の悩みに特化したブランドにしたのか?

畠山:“身に着けるケアという”ファッションだけでない、衣類の新しいアプローチをしたいと思いました。私自身も生理痛やPMS(月経前症候群)に悩まされた経験があり、現代社会で女性が働く中でネックになっているところを考えたかった。「キオリ」はシルクのある日常を通して、心と体のバランスを整えることをコンセプトにしています。女性特有のケアがもっと身近に、オシャレに取り入れられるブランドを作りたいと考えました。

WWD:畠山さんが経験した悩みなどから商品が開発された。

畠山:パンティーライナーや布ナプキンもそうすが、例えば、バストケア用のブレスとパッドも私の悩みから生まれています。ある時期、乳頭に痛みがあり下着を着けるのも困難でした。「乳がんなのかも?」と怖くなり病気に行きましたが、幸いそうではなく。ブラジャーにシルクやコットンなどを挟んでいたら、シルクが一番治りが早かったんです。もし、私のように悩んでいる人が1人でもいたら商品化したいと思いました。

WWD:モノ作りはどのように行っている?

畠山:目指したのは、環境に配慮した“全部が循環する”モノ作りです。「キオリ」のアイテムは、発酵の力のみで作られる天然の藍染めで着色しています。廃水汚染がなく、染色後の搾りかすや液は肥料に再利用できます。上質な天然シルクや有機藍、縫製が難しいとされる素材を扱える高度な技術を持った職人……たどり着くまでには、かなり苦労しました。商品化するまでに3年近くかかりましたね。妥協したら私がやる意味がない。焦らなくていいから、少しずつ前に進もうと考えました。手の込んだ方法で作っているけれど、伝統工芸品やハンドメイド品として見られたくない思いもあります。食事に気を遣うような感覚で、身近な存在として受け入れてもらいたい。商品ラインアップにマスクがありますが、コロナ禍に合わせて作った訳ではなく、睡眠用に提案したものです。昨年5月の非常事態宣言期間中にオンラインストアを開いたため、シルクマスク300枚が30分以内に完売して驚きました。「マスクのみ扱いたい」というお問い合わせを多くいただきますが、「女性のインナーケアが中心のブランドです」とまずきちんと説明しています。

WWD:販路も女性のライフスタイルに即している。

畠山:オンライン販売に加えて、産婦人科やホテルなど8件の卸先があります。学芸大学と湘南にあるオーガニックグローサリーストアの「フードアンドカンパニー(FOOD&COMPANY)」でポップアップストアを開いたところ、思った以上に反響が大きく、全店舗に常設で置いていただけることになりました。身近な日用品店の手に取りやすいところに布ナプキンが売っていれば「使ってみよう」と思うきっかけが生まれますよね。コアな部分の商品だけれど、ニーズは確実にあるのだと実感しました。

何かを犠牲にせず
バランスよく生きる

WWD:立ち上げて1年だが、多くのリピーターやファンを獲得している。

畠山:ありがたいことにリピートしてくださる方や、インスタグラムで紹介してくださる方が増えています。以前、著名な方が購入のみならず応援のダイレクトメッセージを送ってくださり、とても励みになりました。頂いた意見は、良いものも悪いものも大事だと思っています。バストケア用のブレスとパッドは、ローンチ時には丸い形をしていましたが、お客さまのレビューで「もっとハリ感のあるものが欲しい」というリクエストがあり、ハリ感のある三角のものに改善できました。

WWD:PRの仕事はどのように続けている?

畠山:表参道に構えていたPR&セールスのショールームを16年末に閉じて、扱っていたブランドをエープレス(A Press)に移管しました。私はサポートという形で、ブランディングやディレクション、プレスリリースの制作などを遠隔で行っています。中でもコンプレックス・ビズのヘアジュエリーブランド「エラボレイト(ELABORATE)」はコンセプト作りから携わり、ディレクションに関わっています。

WWD:目標に掲げた“サステナブルな生き方”はできていますか?

畠山:何かを犠牲にせず、あきらめず、バランスよく生きるという意味で、できています。3年前に結婚して、今は神奈川県逗子市と群馬県安中市の二拠点生活をしています。月の20日間ほどは自宅兼事務所のある逗子で家族と過ごし、10日間ほどは1人暮らしの母をサポートしに安中へ行きます。週に1回ほど、都内へ出向くことも。移動は大変ですが、お気に入りのコーヒーを片手に新幹線に乗って、カフェにいるような気持ちで移動時間を過ごすようにしています。気持ちが整理されて、オンとオフのメリハリがつけられるようになりました。都内に住んでいた時は常に何かに追われていたので、このリセットがとても大事なことだと気付かされました。大切な人を大切にできる今のスタイルに幸せを感じていますね。サステナビリティーに対しても同じマインドです。やみくもに手を広げず、自分の目に見える範囲で貢献したいと思います。ファッションPRの仕事もやりがいを持って続けていますが、「キオリ」はまさに私のライフワークになっていますね。

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ヴァージルにとってデザインは「新たなストーリーを紡ぐこと」 シェーバーのブラウンのイベントに登場

 ドイツの小型電気器具メーカーの「ブラウン(BRAUN)」が創業100周年を記念したプレスカンファレンスを開き、アンバサダーとしてヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が登場した。過去に「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」とのコラボプロジェクト “OFF-WHITE c/o BRAUN”で、目覚まし時計“BC02”や、1965年の壁掛けオーディオを復刻した“ワンダンラージ(WANDANLARGE)”を発表。“機能的アート(Functional Art)”と“機能主義”をコンセプトに掲げて、両者はプロダクトを制作している。またヴァージルはこれまでスイスの家具「ヴィトラ(VITRA)」や「イケア(IKEA)」とのコラボレーションを行うなど、アパレル以外でも独創的なデザインを生み出してきた。あらゆるジャンルのクリエイティブを横断する同氏に、アイデアの根幹や制作のプロセスについて聞いた。

WWD:あなたがデザインする際のインスピレーションは?

ヴァージル・アブロー(以下、ヴァージル):人との対話です。今はインターネットでたくさんの人とつながれますし、さまざまな人との会話が入り口になっています。デザイナーになることを夢見るたくさんの若者からも刺激を受けています。彼らのようなデザインコミュニティーの中から、新時代のエッシャー(Escher)のような才能が登場するかもしれませんよ。

WWD:対話からどうデザインに発展させている?

ヴァージル:私のデザインプロセスは、世界全体を理解することから始まります。対話から生まれたいくつものアイデアが世界全体とどのように共鳴するのかを考えて、徐々にデザインへと発展させています。

WWD:形にする上で最も重要なことは?

ヴァージル:一番大切なのは、可能性を理解することです。生み出したデザインが人類にどのように貢献し、何を生み出すのか、その可能性について常に考えています。例えばブラウンの壁掛けオーディオを復刻した“ワンダンラージ”は、過去の名作を通して新世代の若者に歴史を伝えることができる。素晴らしいデザインとは、時間の経過とともにデザインそのものが持つ意味を更新することができるのです。

WWD:ブラウンの製品は、“機能的なアート”になり得る?

ヴァージル:もちろん。卓越したデザインはアートだけを指すものではなく、椅子や音楽機器などの機能美を追求した製品もアート作品になり得ます。ブラウンの製品にプロダクトデザイナーとして関わってきたディーター・ラムス(Dieter Rams)が生み出したデザインは、ほかのブランドにはない特別な何かを感じます。

WWD:あなたにとってデザインとは?

ヴァージル:私にとってデザインとは、人々に概念を提案することです。デザインは時間のように一定のペースで流れていくもの。継続的にデザインすることとは、新たなストーリーを紡いでいくことなのです。

WWD:日本のファンにメッセージをお願いします。

ヴァージル:日本は素晴らしいインスピレーション源です。ファッションが素晴らしいだけでなく、芸術と文化からも刺激を受けています。早く日本に行ける日が来ること願っています。

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三陽商会が描く復活の道筋 “百貨店品質”は若い世代に届くか

 三陽商会は今期(2022年2月期)、ブランド事業の再構築に本腰を入れる。前期は160店を閉鎖し、180人が希望退職する構造改革を実施したが、「痛みを伴う改革には一定のメドがついた」と大江伸治社長。今後は成長戦略のフェーズに移行し、「マッキントッシュ フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」「ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ(BLUE LABEL/BLACK LABEL CRESTBRIDGE)」「ポール・スチュアート(PAUL STUART)」「エポカ(EPOCA)」など戦略ブランドに集中投資。期中に各ブランドの具体的な戦略方針を盛り込んだ3カ年計画中期計画を発表する。

 大江伸治社長は「われわれの強みはあくまでアッパーミドル市場。ラグジュアリーブランドほどではない価格で、デザインと品質を両立した商品を提供していく。ここにはまだまだ開拓の余地がある」と語る。「コロナが終息すれば需要は一定程度元に戻るだろうし、リバウンド消費も見込めるだろう」。前期は百貨店向けブランドに偏重した事業構成があだとなり、コロナによる休業・客足減で大きな痛手を負った。5期連続の最終赤字となるも、構造改革によるコスト削減で「着実に黒字化を見込める体質に変わりつつある」。

 だが長い目で展望すると、20〜30代の消費者を取り込めなければ売り上げは確実に萎んでいく。2021年春夏には「マッキントッシュ フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」から派生した、20〜30代向けの新業態“グレーラベル(GRAY LABEL)”をスタート。新宿ルミネ2と二子玉川ライズに3月出店した。同社が主販路としてきた百貨店ではなく、「都市型の高感度な商業施設」(同社企画担当者)を中心に、3年以内に10店舗弱の出店を計画する。

若年層のトレンドデザインと
既存ブランドにはない発信手法

 オーセンティックなブリティッシュスタイルのメインラインと比較すると、ゆったりと体のラインを拾わない、若年層のトレンドを捉えたシルエットのものが多い。ユニセックス着用できるアウターを基軸に、ニュアンスカラーで上品なムードを漂わせる。価格(税込)はコートで3万9600円〜7万9200円、ジャケットやブルゾンが3万7400円〜4万8400円、トップスが8800円〜2万4200円、ボトムスが1万7600円〜2万6400円、ワンピースが2万4200円〜2万6400円と、メインラインよりもおしなべて1割ほど安い価格設定だ。

 ユニセックス提案のアウター類は、メンズ・ウィメンズでデザインは共通だが、それぞれ別のサイズ展開を用意し、パターンも微妙に変えている。「近年は市場にユニセックス提案のブランドが増えているが、やはり男女で似合うパターンは違う。当社らしい、きちんとしたモノ作りで差別化していきたい」。21-22年秋冬はウールリネンのツイードコート(7万9200円)が目玉アイテム。ビンテージのゴム引きコートから着想したクラシカルなデザインをモダンなシルエットに落とし込んだ。

 メインラインとは別ブランドのような雰囲気も漂う。それでも「マッキントッシュ フィロソフィー」の冠を被せたのは、顧客の高齢化が進むブランドの新たなファンを育てるため。すでに出店している2店舗では、購入客のうち20〜30代が6割。同ブランドの企画チームも同年代の若い社員を中心に構成しており、発信面でもインスタグラマーのkinokoを起用してユーチューブやインスタグラムで宣伝するなど、既存ブランドにはない手法を取り入れる。3月はブランド単体の売り上げ計画に対し3%上振れする好調だった。「メインラインとのシナジーを出すには、(“グレーラベル”の現在の客層は)やや若すぎる」(大江社長)ものの、新たな客層の開拓には一定の手応えを得ている。

 比較的若い層へ向けたブランドでは、19年秋にスタートした20代後半の働く女性がターゲットの「キャストコロン(CAST:)」がある。出店拡大による在庫過多に苦しみ、「事業存続ができるかどうかのまな板に上がっていた」が、前期に店舗数を29から13まで絞ることで「黒字化が見えてきた」。初シーズンは、自社制作の短編映画に商品を登場させる“シネマコマース”をコマーシャル手法として打ち出したが、目立った成果は得られなかったようで以降は制作されていない。だが同シーズンの商品展示会では、異素材使いで大胆に切り替えたコートなどを筆頭に、同社の企画力が光っていた。

 新型コロナにより百貨店の集客力は急速に衰えた。いい立地に店を構え、いいものを並べていれば売れる時代は終わった。百貨店ブランドで築き上げてきた同社の確かな商品力は、これからを戦う上でも大きな強みになるものの、その魅力を知らない若い客に、どう伝え届けていくかが問われることになる。

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87%が「副業したい」と回答 「WWDJAPAN」ユーザーへの“働き方”アンケート調査結果

「WWDJAPAN」5月17日号は「複業を解禁せよ!多様な働き方」特集。本業(正社員)を続けながら行うサイドジョブを“副業”と呼ぶのに対し、“複業”は自分の能力を生かしてマルチに働くことを指す。特集ではファッション&ビューティ業界でマルチに働く”複業人”を取材した。

 公式インスタグラムユーザーとメールマガジン読者を対象に働き方に関する意識調査を実施。2130人が回答したアンケートでは、87%が「副業したい」と答える一方、回答者の60%の勤務先では副業ができないという結果が分かった。

Q5 どんな副業がしたい?

自由回答(一部抜粋):買い物同行&スタイリング提案/コレクションリポートなどのライター業務や編集作業/動画編集・映像制作/ハンドメイドのアクセサリー作家/デザイン・企画の業務委託/縫製/事務職/EC運営・サポート/飲食業/接客業/フラワーアーティスト/イラストレーター/カラーアドバイザー/商品開発/生産・品質管理/梱包作業/バイヤー/せどり/語学講師/インストラクター/カウンセラー/SNS運営/モデル・芸能活動/インフルエンサー業/ユーチューバー・動画配信/マーケティング/コンサルティング/リリース制作などのPR業務/農業/民泊運営/介護・保育士/覆面調査員/占い師など

アンケート調査概要:2021年4月29、30日に「WWDJAPAN」公式インスタグラムのストーリーズ、4月28日~5月10日に「WWDJAPAN」のメールマガジン読者を対象に実施。 有効回答者数は2130人。回答者の内訳はファッション業界従事者が71%、 ビューティ業界従事者が20%、その他が9%

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プチバトーが掲げる3つの新ガイドライン「自由」「品質」「持続可能」

 プチバトー(PETIT BATEAU)は、新ガイドラインに「自由」「品質」「持続可能」を掲げて、ブランドDNAの発信を強化する。その一環として、4月末にブランドプラットフォームを開設し、“子どもと自然”をテーマにした大々的な広告キャンペーンを実施。「長く着られるのは、最高のサステナブル」を使命として、生産から販売までを一貫して担うトレーサビリティーを強みに、オーガニックコットンの使用率向上や、環境負荷の少ない生産システムの導入などを積極的に行っている。加速するサステナビリティ推進とデジタル化の指揮を執る、ギヨーム・ダルーゼ(GUILLAUME DARROUSEZ)最高経営責任者(CEO)に、プチバトーのミッションを聞いた。

「ミッションは、
子どもたちと自然をつなぐこと」

WWD:プチバトーのコアバリューは何か?

ギヨーム・ダルーゼ=プチバトー最高経営責任者(以下、ダルーゼCEO):創造性、責任感、楽観主義だ。1893年の創業以来、プチバトーは製品の品質を中核に据えてきた。フランス・トロワの自社工場では、ニット技術を基に、責任を持って長年愛用してもらえる服作りをしている。楽観主義とは、子どもたちの目線で 世界を見渡し「不可能なことは無い」と考えること。これは私たちの姿勢でもある。

WWD:新しいガイドラインに掲げた「自由」「品質」「持続可能」とは?

ダルーゼCEO:「自由」を最も表しているのが、 100年前に世界で初めてウールレギンスの足の部分をカットして、ショーツを製作したこと。このイノベーションが息づいている。「品質」に関しては、綿糸の選定や、厳しい品質管理テストが、競争力の源泉となってきた。「品質」は、今「持続可能」を指すようになった。全ての決定において、環境と地球の保護という概念を盛り込んでいく。

WWD:今回の広告キャンペーンでこだわった点は?

ダルーゼCEO:キャンペーンで伝えたいのは、循環型経済への取り組み。プチバトーの製品は耐久性があり、高品質なため、お下がりとして受け継がれ、リセールすることも可能だ。これを改めて大きな声で伝えたい。まずは5月に、中古品回収サービスを開始する。

WWD:プチバトーが大切にする、子どもへの思いとは?

ダルーゼCEO:新たなブランドミッションは、子どもたちと自然をつなぐこと。それは、子どもたちが自然と触れ合うことで、創造性や自信を育み、その結果、地球を守る意志を持つようになることを確信しているからだ。

WWD:ダルーゼCEO自身は、製品のどこが気に入っている?

ダルーゼCEO:子どもの頃に、プチバトーのTシャツを着ており、着心地の良さ、柔らかさ、耐久性の良さなど、思い出はたくさんある。私自身が一生プチバトーのファンだ!

WWD:デジタル化は得意なフィールドだが、どのような改革を予定している?
ダルーゼCEO:プチバトーは早い段階からEコマースに投資してきた。デジタルシフトの変革期において、優位性を感じている。2025年までに、売上高のEC比率を50%に高めたい。

WWD:中長期的な目標は?

ダルーゼCEO:第1は、ブランドプラットフォームの強化。第2は、日本と中国、そしてヨーロッパで、デジタルトランスフォーメーションを通じて利益を生み出すことだ。第3は、組織を簡素化して機動性と生産性を高めること。お客さまの声に耳を傾けながら、適切なサービスと体験を提供し続けたい。社会は困難な状況にあるが、プチバトーは楽観的だ。新しい消費者のニーズや 環境問題にも対応できると信じている。

プラットフォーム開設で
ブランドDNAを発信

 新たなプラットフォームには、ブランド、ミッション、CSRの取り組みに関する、3つのセクションを盛り込んだ。ブランドヒストリーやCSRに対する目標を、ホームページで 誰でも簡単に知ることができる。開設後もアップデートしながら、イヴ・ロシェ グループ全体のCSR活動についても紹介予定。企業背景から、ブランドを深く理解することができる。

2025年までに全製品を
環境配慮の素材に

 2025年までに、環境に配慮した製品率100%達成を目標に掲げる。これに先駆けて、20年春夏から新生児向けの全製品に、オーガニックコットンを使用している。さらに新生児向けの全製品とベビー・キッズ・大人用の下着とパジャマなどは、350以上の有害化学物質をクリアした、世界トップレベルの認証「エコテックス®スタンダード100」も取得している。

コットン染色に関わる
水の使用量41%削減

 フランス・トロワの自社工場では、2015年に浄水システムを導入し、コットン染色に関わる水の使用量41%削減した。さらにグループ全体で、フランスの企業として初めて、利益だけでなく公益を重んじる企業に与えられる“ミッション・カンパニー”の地位を獲 得。25年までに、さらに厳しい「Bコーポレーション」の認証取得を目指す。

TEXT : ANRI MURAKAMI

問い合わせ先
プチバトー・カスタマーセンター
0120-190-770

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元[Alexandros]の庄村聡泰が新ファッションプロジェクトで心機一転 絶望から救ってくれた「服とスナック」

 局所性ジストニアのため、人気ロックバンド[Alexandros]を3月21日で勇退したドラマー庄村聡泰が、ファッションスタイリストやバイヤーらと共に、ファッションプロジェクト「スナック NGL」をスタートさせた。同プロジェクトは、「さまざまな⼈、物、事を継(ツギ)ったり包(バオ)ったりする――」という意味深なコンセプトのもとアイテムを製作し、ディープスポットである“スナック”から現代のライフスタイルを提案する。「継」と「包」の言葉が意味する彼らのファッション的な解釈とは?そして、なぜスナックだったのか。バンド時代の収入はすべて服に注ぎ込んできたという根っからの服好きである庄村聡泰と、スタイリストの有本祐輔に話を聞いた。

飲みの場のノリとひらめきが一歩を踏み出す勇気に

——3月に[Alexandros]のラストライブを終えましたが、勇退を決めてから約1年を振り返ってみてどうだった?

庄村聡泰(以下、庄村):何十年も自分の軸だった“ドラムを叩くこと”ができなくなったとき、存在理由を失ったように思えて、絶望の淵に立たされた気分でした。そんなときに自分の周りを改めて見渡してみたら、大好きな洋服や共通の趣味を持つ友人がくっきりと浮かび上がってきたんです。これまで“ドラムを叩くこと”しか考えてこなかったけど、叩けなくなった人間が次にやるべきことは、また叩けるようになることではなくていいのだと思えたんです。これも新たな自分の個性として受け入れて、進んで行こうと決意しました。

——その友人や洋服の存在が「スナック NGL」を始めるきっかけに?

庄村:そうですね。勇退を発表したときに、「お前はバンド以外でも面白いこと考えられる」とたくさんの友人が連絡をくれました。なかでもアーリー(有本祐輔)は、「次はスタイリストをやってみたら?」と言ってくれて。

有本祐輔(以下、有本):僕と聡泰はもともと6〜7年くらいの付き合いなんです。彼はファッションセンスも抜群だし、話も面白くて説得力があるからぴったりだなと思いました。

庄村:ちょうどその時期に僕も友人からスタイリングを頼まれていたときでした。アーリーは、スタイリストとして、これからどうやって事業を展開していくのか興味があったので、「じゃあ、飲みに行くか!」と(笑)。スタイリングのことよりも、「こういうモノが好きなんだよね」と熱く語っていたら、アーリーが「じゃあ、それを一緒に作ろうよ!」と、提案してくれたんですよ。

有本:いつものパターンだよね(笑)。飲んでいくうちに、そもそもの話よりもお互いの趣味や好きなことの話がメインになっていました。またこのコロナ禍で大手セレクトショップで働いている友人たちが、これからの働き方について悩んでいた時期でもあったんです。会社というフィルターを通さなくても、自分たちで何かできるかもしれないねとよく話していました。それで、今回のメンバーであるMDの近藤良太とバイヤーの山口翼にも声をかけて、みんなでやるか!となりました。

庄村:要するに、それぞれの「いつか何かをやりたい」のタイミングがそろったんですよね。個々が頭で思い描いていたことを、同じ鍋にほうり込んだら美味しい料理が出来上がるだろうなと想像ができたんです。

有本:そんな飲みの場のノリとひらめきでプロジェクトチームが結成されました(笑)。

——プロジェクトの場所にスナックを選んだ理由は?

庄村:まず、アーリーがこのスナックの常連だったんです。

有本:よくお世話になっているお店で、ママと仲がいいんですよ。4月3日にオープンした限定ストアには約250組の応募が来たんです。当日は聡泰が店長として、当選した50組に接客を行いました。

庄村:プロジェクトの名前を考えているときに、アーリーがNGL(Not Gonna Lie=ぶっちゃけ)というスラングを提案してくれて、それにプラスして屋号を入れることになりました。僕たちが飲みながら本音で語り合ったからこそこのプロジェクトがスタートしたので、その状況とスナックという場所がぴったり重なったんですよね。スナックは、会話のセッションを楽しむ場所でもあるし、ママが中心となっていろいろな人が集う“ちょっとした社会”でもある。僕たちのプロジェクトのストーリー自体、とてもスナック的だよねと。

有本:スナックは、英語でお菓子という意味じゃないですか。そういったお土産的な感覚でアイテムをリリースできたらいいなとも思いました。

庄村:メンバーの役割は、僕が飲みの場で出た話をまとめてコンセプトを考え、具体的な商品開発が良太さんと翼さん、最終的なまとめ役がアーリーです。

生き方、飲み方、遊び方を次世代へ継いでいく

——このプロジェクトの大きなコンセプトとして掲げている“継(ツギ)る”と“包(バオ)る”について教えてください。

有本:“継ぎ”シリーズは、海外から仕入れた古着をベースにリメイクアイテムを作っています。きっと、世界中のワゴンセールで眠っていたであろう服を、僕たちのフィルターを通してパッチワークし、“ツギった”ナイロン素材30型、フリース素材30型を生産しました。

庄村:サステイナブルやSDGsを高尚に語る訳ではなくて、「この時代のこのアイテム、かっこよかったよね〜」と、自分たちの好きだったもの振り返って、それを次の世代にも見せていきたいし、残していきたかったんです。それを“リメイク”と表現するよりも、次世代に“継ぐ”ものとした方が僕ららしいかなと思いました。そしたら、このアイテムを作ってくれたベテラン世代の職人さんも「こんなテンションの上がる仕事はひさしぶりだ!」と、とても喜んで作ってくれたみたいです。この時点で僕らも彼らの技術や気持ちを“継いで”ますよね。世代に関係なく、こうした気持ちがつながっていけばうれしいです。こういう繰り返しが文化を築き上げていくと思うので。

有本:“包(バオ)る”は、古着のデニムを解体して、トイレットペーパーホルダーやスプレーケースなどを作り、生活雑貨を包んでみました。

庄村:“包(バオ)”は、スナックから派生した言葉です。スナックって、小さな空間でママを中心に仕事や世代関係なく老若男女がセッションできる場所なんです。自由な雰囲気に包まれて心がほぐされることで、いろいろな会話が生まれていく。僕らもポップアップショップに来たお客さんや、アイテムを手に取ってくれる人を、そんな風に包んでいきたいなという思いを込めています。

有本:今は難しいですが、ゆくゆくは「スナック NGL」の本当のスナックも営業したいですね。実際にその場に来てもらってお酒を飲みながら話して、お互いに新たなものを引き出せたら面白くなりそうですよね。そのほかにもTシャツやハット、キャンドル、アメリカのビンテージポスターを販売しています。

庄村:ずっとお酒のことばかりを話していますが(笑)。“酔う”という感覚は、単にアルコールを取り入れることだけではなくて、音楽を聴いて気分が上がる、映画を観て泣く、恋に身を焦がすなど、日常生活における好きなモノやコトに没頭している時間そのものだと思うんです。いわゆる“普通モード”ではないときに吐き出されるものをソースに、それを僕らが可視化して作っていきたいです。

——同プロジェクトで今後チャレンジしていきたいことは?

有本:瞬発的なものではなく本気で事業として考えているので、月に1回くらいのペースでアイテムを発売し、将来的には日本各地や海外で世界観が伝わるポップアップを開きたいです。

庄村:このご時世で世間的にはシリアスな雰囲気ですが、頭が柔らかくなるようなラフな提案をし、いろいろな人と内面的に“密”になれる場を作りたいですね。アパレルを通して、生き方、飲み方、遊び方を伝えていきたいです。

——これまでミュージシャンとして表舞台に立ってきたが、新たな表現のステージで心境の変化は?

庄村:ドレッドヘアから断髪をしたこのヘアスタイルがすべてを物語っているのではないでしょうか。視点を変えて物事を考えてみると、いろいろなものが見えてくるんです。これまで僕が表舞台で見てきた景色は、きっと違う場所でも生かせるはずです。ドレッドヘアを思いっきり楽しんだ後にスキンヘッドも楽しむ感覚で、これまでの自分がビビるくらいのかっこいいことをやりたいです。新たなスタートを友人と共に挑戦できることは、とても幸せですね。

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