「イッセイ ミヤケ」が“ロードゥ イッセイ”から2つのビーガンフレグランスを発売 果実感あふれるピオニーとマスキュリンなベチバー

 「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は4月19日、新作フレグランス“ロードゥ イッセイ ピオニー オードトワレ インテンス”(50mL、税込1万3200円/100mL、同1万8480円)と“ロードゥ イッセイ プールオム ベチバー オードトワレ インテンス”(50mL、税込1万230円/100mL、同1万4190円)を発売する。直営店や公式オンラインストア、取り扱い百貨店、資生堂の総合美容施設シセイドウ ザ ストア(SHISEIDO THE STORE)などで販売する。

 シリーズの原点である水(ロー)と植物の出合いをコンセプトに、自然を祝福する2つのビーガンフレグランスが登場した。 “ロードゥ イッセイ ピオニー オードトワレ インテンス”は、春の訪れを象徴するピオニーの香りをテーマにマリー・サラマーニュ(Marie Salamagne)調香師が手掛けた。伝統的な香料抽出法では取り出せないとされるピオニーの香りを、ローズと洋梨の天然由来成分のみを使用した香料をブレンドし再構築することで再現。シダーウッドの深みのあるベースにピオニーやホワイトラズベリーが重なる、アクアティックでナチュラルなフローラルアンバー調に仕上げた。

 男性向けフレグランス“ロードゥ イッセイ プールオム ベチバー オードトワレ インテンス”は、ウッディノートの中で最もエレガントなベチバーをキーノートに採用。ハイチの小規模農園で12カ月かけて栽培したハイチアンベチバーを調達した。ジンジャーとクラリセージがアクセントを添え、マスキュリンでアロマティックな香りにまとめた。

 ボトルは環境に配慮した改良を行い、原料の20%にリサイクルガラスを使用。キャップの素材にはプラスチックを一切使わず、持続可能な栽培環境で育つ100%天然木材を採用した。

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ティファニー財団が海洋や景観保護に1億ドル超の支援 20年以上の活動で

 ティファニー財団(Tiffany & Co. Foundation)はこのほど、全世界の海洋と景観の保護支援における助成金交付総額が1億ドル(約132億円)を上回ったことを発表した。同財団は、社会貢献活動に取り組むため2000年に設立。以来20年以上にわたり、海洋保護やサンゴ礁保護、景観保全をはじめ、地域社会と地球に有益な活動を行う団体を支援してきた。

 同財団は、海洋保護ではこれまでに30箇所以上の海洋保護区の創設と実現を支援し、五大洋にわたる1100万平方メートル以上を保護してきた。主な支援先は国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナル(Conservation International)や、ワイルドライフ・コンサベーション・ソサエティ(Wildlife Conservation Society)、オーシャンズ 5(Oceans 5)などで、今後も支援活動を継続し、30年までに全海洋の30%の保護を目指す。ほかにも、ハワイやカリブ海、オーストラリア、コーラル・トライアングルなどの海域を対象に、世界30カ国以上のサンゴ礁の保護・育成を支援する。

 景観保全においては、米国西部各地の廃坑の浄化を支援し、豊かな生態系があり文化的にも重要とされる約4万平方キロメートルの土地を保護。非政府組織リゾルブ(RESOLVE)も支援し、西アフリカ・シエラレオネにあるダイヤモンドの廃坑を存続可能な農業用土地に復興する取り組みに貢献している。

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ユニクロ、前橋の新店でリペアサービスを本格スタート 佐藤可士和が店舗をトータルディレクション

 ユニクロ(UNIQLO)は4月21日、群馬・前橋の前橋南インターチェンジ付近に「新しいロードサイド店舗」と位置付ける「ユニクロ 前橋南インター店」をオープンする。トータルクリエイティブディレクターを佐藤可士和が務め、店舗の建築デザインを監修。売り場面積約2475平方メートルの1フロアで、店舗の両脇に設置された7メートル四方のオブジェのような巨大ボックスロゴが目印であり、「環境に配慮したプロトタイプ店舗」として消費電力削減などさまざまな取り組みも行っていく。

 ボックスロゴは、花屋の「ユニクロ フラワー」のコーナーや、オリジナルブレンドのコーヒーが楽しめるカフェスペース「ユニクロ コーヒーボックス」などとして活用。カフェスペースは「ユニクロ 銀座店」「ユニクロ トウキョウ」に続き3店舗目。また、「ユニクロ世田谷千歳台店」で2022年9月から試験的にスタートしていたリペアスペース「リ・ユニクロ スタジオ(RE.UNIQLO STUDIO)」を本格導入する。グラフィックTシャツ「UT」のカスタマイズサービス「UTme!」の窓口と一体化し、ボタンの付け直しや穴のかがりなどに対応。ジーンズやシャツなどに刺し子などのリメークを施すサービスも受け付ける。

 ほか、子ども用の遊具を備えたキッズスペースをボックスロゴ内に設けると共に、店外の芝生部分にはベンチやパラソルを配置し、休憩や食事、団らんに活用できるようにする。

 環境面の取り組みとしては、店舗において最もエネルギー消費量の多い照明や空調の電力消費を抑えるため、大きな採光窓を設け、太陽光パネルを設置、着なくなった服を断熱材として活用するなどしている。継続的な取り組みによって他店舗も含め環境に配慮した運営を進める。

 「ユニクロ」は今春、東京・秋葉原の店舗を移転オープンする形で「ユニクロ ヨドバシAkiba店」を4月14日にオープンするほか、同28日には福岡・天神エリアの商業施設「ミーナ天神」に約2833平方メートルと九州最大の店舗「ユニクロ 天神店」を開業。大型の出店や移転リニューアルが続く。同じファーストリテイリンググループの「ジーユー(GU)」も、今春は増床4店を含み全国で20店をオープンすると発表している。

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円環する阿寒の森(後編)、アイヌ文化から考える現代に必要なこと ファッションデザイナー高谷健太と巡る“ときめき、ニッポン。”第11回

 山本寛斎事務所のクリエイティブ・ディレクター高谷健太とともに、日本全国の伝統文化や産地を巡る連載“ときめき、ニッポン。”。11回目は、同氏が携わった北海道発のレザーブランドのクリエイティブの裏側について。

 前回は、僕の故郷でもある北海道の森がエゾシカの被害によって枯死している現状と、頭数制限によって捕獲されたエゾシカの皮を用いた北海道発のレザーブランド「阿寒レザー(AKAN LEATHER)」について紹介し、僕が同ブランドのキービジュアルやレザージャケットのクリエイティブディレクションも担っていることに触れた。今回は、それらのクリエイションについてもう少し掘り下げてみたい。

 まず、僕が「阿寒レザー」のプロジェクトに携わった大きな理由は、“いただいた命を大切に使う”“着ることが森林の保護・保全につながる”というブランドフィロソフィーに深く共感したからだ。この考えを体現するために、商品企画で重視したことが2つある。1つは、普遍的であること。流行に左右されない普遍的なデザインはもちろん、軽さと柔らかさに富んだ着心地の良さと、歳月を重ねて革が育つことで、生涯にわたって着用できるものだ。そして、やがて親から子へと引き継がれる。そんなレザージャケットを目指した。

 もう1つは、一点物の価値を感じてもらうことだ。ジャケットをよく見ると、小さな傷や個体による表情の違いに気づくだろう。これは単に希少性を意味するものではなく、もともと野生に生きる動物であったことを示す“自然の刻印”なのだ。“いただいた命を大切に使う”というブランドの意志を体現するために、固有の特徴を生かそうと考えた。

キービジュアル作成の裏側

 キービジュアルには、阿寒在住のアイヌ文化アーティストのデボさん(以下:DEBO)と、自然と動物を愛するバーチャルヒューマンのimmaさんを起用した。ビジュアル制作で最初に思い巡ったのは、“北海道の太古から今、そしてこの先も続く円環する命”という言葉だった。縄文から現代まで、15000年以上のときをかけて脈々と続く日本のサステナビリティを表現したいという直感的なイメージを広げて、僕の先祖が本州から海を渡る遥か前から北海道で暮らしてきた先住民族アイヌのDEBOさんと、現在の最先端テクノロジーによるバーチャルヒューマンのimmaさんに、ぜひ参加してもらいたいと思って声を掛けた。

 DEBOさんは、以前より山本寛斎さんと「何か一緒にやりたい」という思いがあったそうだ。「こうした形で仕事ができてうれしかった」と話してくれた。immaさんは元々、日本古来の文化や自然に興味があり、2019年にはアイヌ文化の担い手と国内外のアーティストが交わる阿寒の「ウタサ祭り」に訪問したほか、地球環境保護の支援を示す4月22日の“アースデイ”に合わせて、海で集めたごみで出来ているドレスを着用するなど、社会に向けたアクションを積極的に行っていた。われわれのオファーも「ファッションも“命をいただく尊さ”に向き合う必要があると思っていた。今回のプロジェクトに参加できたのはとても意義がある」と喜んで協力してくれた。

 撮影に際してDEBOさんは、アイヌのさまざまな考えを教えてくれた。例えば、「エゾシカや鮭を敬わずに殺すと、それらの動物は泣きながら天に上っていく。そうすると、神様はエゾシカも鮭も地上に下ろさなくなり、飢饉が起きる」というものだ。「人間の力の及ばないものはすべてカムイ(神)と捉え、すべてのものに魂がある。人間は魂の宿る自然の中から、ありとあらゆる命をいただかないと生きていけない。だから、命に感謝できない人間が、そのほかの命を奪ってはいけないんです。“かわいそう”ではなく、いただいた命を無駄にしないという覚悟が必要なのだ」と。

 この教えにとても共感した僕は、キービジュアルにも“いただ着ます。”というキャッチコピーを付けた。食べることだけでなく、着ることにも“いただきます”の気持ちを持とうというメッセージを重ねたのである。

 immaさんは、「動物が大好きなので、これまでレザー製品には配慮して付き合ってきた」と話しており、彼女にとってレザージャケットを着ることは、大きな覚悟が必要だったはずだ。「あたしがエゾシカの革を着ることで、ファンの方々と色んな摩擦が起こるかもしれない。それでも、一人でも多くの人がこの問題を知って、地球や自然について考えるきっかけとなってほしい」と強く語ってくれた。

自ら考え、自分の体でモノを作る

 撮影時に驚いたことがあった。DEBOさんが控え室の床にゴザを敷いて、狩猟刀“マキリ”で木を削る様子を見せてくれたのだ。削ったツイスト状の樹皮はDEBOさんが髪飾りとして身に着けて、とても神秘的だった。

 この髪飾りは“イナウ”というアイヌに伝わる祭具で、カムイの世界と自分とをつなぎ、自分を守ってくれるものだという。DEBOさんは「とても繊細なので、その場で作って身に着けないと、運ぶ間に壊れてしまうんですよ。削るうちに自分の心も浄化されるので、アイヌとして神聖な気持ちで撮影に臨めるかなと思って作りました」と説明してくれた。「自然に触れて、自分の頭で考えて、体を使ってモノを作る。そうすると、自分の感覚や能力を信用していくことができるんです」。便利なものに頼るのではなく、自分の体や感覚を信じて生きることの大切さを肌で感じる経験だった。

 DEBOさんは最後にこう話してくれた。「今の現代人に必要なのは、生活を便利にしていくことよりも、不便な生活を快適に、かっこよく暮らしていくための知恵を持つことだと思う。この“かっこいい”というのがとても重要で、SDGsであるからこそ、美しくなければならないのです。アイヌの衣装も持ち物も、どれも美しい。デザインと機能美を兼ね備えた無駄のないものが、もっと見直されていくべきではないでしょうか」。

 「阿寒レザー」の商品とキービジュアル、これらの話から、皆さまはどんなことを感じただろうか。阿寒の森の現状はもちろん、現代の消費社会のあり方、これからのファッションはどうあるべきかを考えるきっかけになればうれしい。

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ヤギがディアミーとサステナイベント “好き”を通してファッションのより良い未来を目指す

 繊維商社のヤギ(YAGI)は、同社が協賛・協働するNPO法人ディアミー(DEAR ME)主催のイベント“BETTER FASHION, BETTER FUTURE”に出展し、同社が持続可能な社会の発展を目指して発足したエシカル・サステナビリティ活動プロジェクト「ヤギシカル(YAGIthical)」のポップアップストアを3月14〜18日の期間、大阪・梅田のNU茶屋町に開いた。最終日は、ヤギのメンバーと西側愛弓ディアミー代表兼「ココ(CO×CO)」代表取締役(以下、西側)によるトークイベントも実施。“「好き」を通して社会課題にアクションしよう”をテーマに、ファッション産業が抱える社会課題解決にどう取り組むかについてを考え、語り合った。

 60分間のトークイベントは3つのテーマで構成。1つ目のテーマ「ぶっちゃけZ世代・ミレニアル世代の本音トーク」では、社会課題への関心が高いとされるZ世代だが、興味を持ちつつも実際にアクションを起こせているのは9%という現状について語り合った。ヤギ・マテリアル部門営業の曽和亮太(以下、曽和)は、「手に取りやすいアイテムや自分が気付かないところで実は社会貢献できている、でもいいと思う。小さなアクションから始めていければ」と述べた。さらに、10年前に古着店で購入したセーターを着て登壇した曽和は、「長年愛用しているが、全然毛羽立たない。いい買い物ができた。これも1つのアクション」と続けた。西側も、「自分の“好き”が入り口となり、それが愛着に変わり、結果社会課題やエシカルに結びついているのがすてき」と賛同した。また、Z世代である西側は、「サステナビリティやSDGsをトレンドとして終わらせてはだめ。言葉に惑わされず、好きを通して自分がどう長く向き合っていけるか。自分は何が好きで、社会とどう関わるのが心地いいかをベースに考えられたらいいのでは」と思いを伝えた。

 2つ目のテーマは「『好き』を通してできるアクション」。「『好き』なものの“もと(素材や背景)”を知る」という話題では、ヤギの藤井豊アパレル部門営業課長は、同イベントにも出展していたエコバッグを活用した新たなパッキングプラットフォーム「ルーパック(LOOPACH)」について説明。「どうアクションをしたらいいか分からない人もいると思う。普段の何気ない買い物の中で、『ルーパック』の機能がついたエコバッグを使うことで公益ポイントが貯まり、そのポイントを自分が支援したい団体などに寄付すれば世の中に還元できる。『ルーパック』が社会との関わりを築く1つのきっかけになれば」と語った。

 さらに、登壇者自身のアクションについても紹介。ヤギ人事部の宮川沙良は、「ツバメタオル」の工場見学に行った際に、「少しのほつれや、近くで見ても気付かないぐらいの欠陥で規格外商品になるタオルが多数倉庫に眠っていることを知った」と振り返り、それらのタオルを有効活用すべく、ディアミーと協働し、アップサイクルタオル「ムスブ(MUSUBU)」を作ったと誕生の背景を明かした。

 3つ目のテーマ「共により良い未来につなげよう」では、企業やNPO法人、団体の枠を超え、規模の大小を問わず連携する大切さや意義について話し合った。ときに参加者に話題を投げかけながら、60分のトークイベントは終わりを迎えた。

 展示スペースでは、オーガニックコットンを介したインドの綿農家とその子どもたちの就学支援を行う「ピースバイピース コットンプロジェクト(PEACE BY PEACE COTTON PROJECT)」をはじめ、ヤギが繊維を通して行っている社会や環境に配慮した取り組みを紹介。「ルーパック」や「エイトワール(EITORE)」の吸水サニタリーショーツ、「ムスブ」のアップサイクルタオル、ミャンマーで有機栽培したコーヒー豆を使用した「ヤギシカルコーヒー(YAGITHICAL COFFEE)」なども販売した。他にも、ディアミーによるシルクスクリーン体験や裁断くずを使ったポストカード作り、Z世代のインフルエンサー3組(Arisa、Kaede、Nozomi)によるフリーマーケットなども実施した。

※SHIBUYA 109 lab.調べ

PHOTOS:CHIE FUKAMI
問い合わせ先
ヤギ
03-3667-4887

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ビーエックスが“アースアワー 2023”に協賛 ヘアサロンとともに消灯アクションを実施

 ロレッタなどのヘアケアブランドを多数展開するビーエックスは、公益財団法人世界自然保護基金ジャパンが主催する環境イベント“アースアワー 2023”に協賛した。“アースアワー”は、世界中の人々が同じ日・同じ時刻に消灯することで、地球温暖化防止と生物多様性保全の意志を示す世界最大級の消灯アクション。

 同社では、3月25日の20時30分~21時30分の60分間、各拠点およびサロンを巻き込んだ消灯アクションを実施した。今後もヘアサロンとともに、持続可能な社会の実現に向け取り組んでいく予定だ。

 イベントに参加した「フィルムス(FILMS)」の白井咲恵CSRチームリーダーは、「電気を消す行動一つで、地球や生きものを考えるきっかけになるのですごく簡単だし、積極的にできると毎年思っている。また、決まった時間があることでカウントダウンのような“時間を待つ”という楽しさが、スタッフの興味や活動意欲につながる気がしている。個人的には、こうしたアクションに参加することで、今をちゃんと生きていると感じるし、たくさんの生きものに対して優しい気持ちになることができる。また、電気が簡単に得られることが当たり前ではない、ということも同時に考えられる」とコメント。

 「ウタリ(utari)」の松本善人COOは、「当サロンでは、スタートアップサロンとしての取り組みの一つに、積極的なSDGs運営をCSへ転換する施策を日々考えており、この度“アースアワー 2023”に参加できたことを誇りに思う。美容業界は、美容師とメーカーがさまざまなことに挑戦し続け、従来不可能だと思っていたことを可能にしてきた業界。今、1人がやっても無駄だと思うなら人に伝え、発信していきましょう」とコメントしている。

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ゴールドウイン・葉山町・葉山マリーナ、「海と山の環境保全活動」で協定

 ゴールドウインと葉山町(神奈川県)、京急グループの葉山マリーナーは29日、連携と協力に関する包括協定を締結した。海や山林などの自然環境に親しみ、守り育てることの大切さの理解推進に向けて、3者の資源を有効活用することで、町民生活の質の向上および地域活性化を図る。

 連携項目には「1.海の生物等に親しむ事業の推進に関すること」「2.里山管理や山の動植物等に親しむ事業の推進に関すること」「3.町内の自然環境の保全活動事業の推進に関すること」「4.その他本協定の目的の達成のために必要と認められること」を掲げる。

 第1弾の具体的な取り組みとして、5月20日に「稚魚放流・クルージング体験」を葉山町内の小学校高学年を対象に実施する。町の資源である豊かな自然環境を、次世代を担う子どもたちに知ってもらうきっかけの場とする。漁業協同組合の協力で水産資源の大切さを学び、葉山マリーナーの協力で乗船や海から町を眺める体験を提供する。さらにゴールドウインの「ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)」と葉山マリーナが共同運用する海洋浮遊ごみ回収機“シービン(SEABIN)”を通じて、海の環境問題を学ぶ。

 今後は、海の生物に親しむ潮干狩り活動や、里山管理を目的としたタケノコ掘り活動、ゼロ・ウェイストを目標にした“はやまクリーンプログラム”といった、葉山町が推進してきた自然環境事業を軸に、継続的な連携を図る方針だ。

 29日に行われた会見でゴールドウインの渡辺貴生社長は、「当社はさまざまなスポーツアパレルブランドを通じて、スポーツの楽しさを広げる活動をしてきた。葉山町は、山と海が隣接する素晴らしい自然環境が整っており、『葉山マリーナ』とは1983年の『ヘリーハンセン』の日本導入時から40年の付き合いがある。この環境を素晴らしいものにしていけるよう共に取り組み、我々のノウハウや経験、製品を通じて、海や山での楽しみ方をサポートできたらうれしい」と話した。

 また「モノを作るアパレル産業は、環境に大きなインパクトを与えている。シービンを含め、ローインパクトになるような産業のあり方、新素材の開発・回収、新たな製品に生まれ変わらせる取り組みにも引き続き注力していく」と話した。

 ゴールドウインはアウトドア事業での知見を生かし、自治体との連携を深めている。葉山町以外にも、富士箱根伊豆国立公園の箱根町(神奈川県)、南アルプス国立公園のふもとの北杜市(山梨県)、知床国立公園のある斜里町(北海道)とそれぞれ協定を結び、エリアの環境に応じた取り組みを進めている。

 「葉山マリーナ」には、13年に「ヘリーハンセン」、22年4月に「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」が出店。昨年11月からシービンを設置し、共同運用している。

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「トミー ヒルフィガー」がショーン・メンデスとコラボ 地球環境を意識したニュー・クラシックのお披露目にロンドンは大騒ぎ

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、カナダ出身のシンガーソングライター、ショーン・メンデス(Shawn Mendes)とのコラボレーションによる2023年春「トミー x ショーン クラシックス リボーン」コレクションをロンドンにて発表した。

 発売日となった3月20日、ロンドンのショップにはショーンのファンが多く駆けつけ、雨天にも関わらず開店前から長蛇の列を成した。午後には、リージェント・ストリートにある店舗でショーンとデザイナーのトミー・ヒルフィガーを迎えたストアイベントを開催。夜には、コレクションの発売を記念したディナー会が開かれ、キャンペーンキャストに起用されたジョージア・メイ・ジャガー(Georgia May Jagger)やアオキ・リー・シモンズ(Aoki Lee Simmons)、パメラ・アンダーソン(Pamela Anderson)、ジョーダン・ダン(Jourdan Dunn)、ショーンの妹アリーヤ・メンデス(Aaliyah Mendes)などが駆けつけた。コレクションは、現在販売中だ。

 今回のコラボコレクションは、スター&ストライプのラガーシャツやツイルチノ、バーシティジャケットなど、28ピースのメンズウエアとウィメンズウエアからなる。近年、スキニーからボクシーへとシルエットの好みが移り変わったというショーン自身の趣向に沿いながら、誰しもが着用しやすいリラックスしたフィット感でまとめ上げた。中でもショーンのイチオシである、現在のトレンドを取り入れたクロップドトップスは、ファン層の多くを占めるティーン世代の心を鷲掴みにしそうだ。

 デザインのインスピレーション源となったのは、90年代以前の「トミー ヒルフィガー」のプレッピースタイル。「クラシックを志向したからといって、ただのプレッピーでは退屈だ」と話すトミーは、現代的なシェイプやこだわりの生地を用いた「ツイスト」と、熱狂的な若年ファンを抱えるスター、ショーン・メンデスのキャラクターを加えることで、今日にふさわしいクラシックを描き出した。

 2人が目指したのは、ただファッションと音楽を組み合わせるだけではない、深みと社会的意義のあるコレクションだ。その最たるものは、サステナビリティへの取り組み。工場などで裁断した端材は再加工。色のついたパウダーにする新技術で作った染料を使用し、リサイクル繊維から快適な新繊維を生み出す最先端技術を結集するなど、どの製品もが持続可能性の高い工程を経て作られている。

 娘が運営するブランド「フー・アンド・フー(FOO AND FOO)」が推進するサステナビリティに感銘を受けたことが、自身のブランドでの推進につながったと話すトミー。この社会は持続可能でなければならないとし、「大きな流通を持つ私たちだからこそ、リーダーになることができる」と、多額の資金を投入し、環境問題に取り組むようになった。デニムを洗い加工する際、インディゴ染料が海や川に流れてしまうことを防ぐため、6年前からはレーザーを用いた加工に切り替えた。親会社が拠点を置くアムステルダムには、より持続可能性を向上させる方法を研究するチームも設置しており、服のレンタルや、ビンテージとなった過去コレクションの回収・再販など、循環型の仕組みづくりにも励んでいる。

 トミーは「本当の意味でのハートとソウルを持った、素晴らしい24歳」と、環境負荷について真剣に考え、自ら学ぶショーンを称えた。3年ほど前に、ファストファッションがいかに環境に影響を及ぼしているかを知ったショーンは、自身のアーティスト・マーチャンタイズにも最大限のサステナビリティを求めるようになった。

 1998年に生まれ、両親がファンだった「トミー ヒルフィガー」の服を着て育ったショーンは、このブランドを通してファッションや服に対しての理解を深めてきたという。そんな彼は、「こうしてコラボできるのは大変光栄なこと。夢を見ているようだ」と話し、このコレクションでの環境問題への取り組みが、「トミー ヒルフィガー」のブランド規模だからこそ成せる世界的なインパクトを残せることに、より意義を見出している。製品そのものをサステナブルに作るだけではなく、その思想を周囲へと広げていくことも大切なこと。ショーンは、「よりサステナブルなものへと押し進めるダイヤルの回転のひとつひとつが、最終的に世界を変えることになると信じている」と語った。

 トミーは「本当の意味でのハートとソウルを持った、素晴らしい24歳」と、環境負荷について真剣に考え、自ら学ぶショーンを称えた。3年ほど前に、ファストファッションがいかに環境に影響を及ぼしているかを知ったショーンは、自身のアーティスト・マーチャンタイズにも最大限のサステナビリティを求めるようになった。

 1998年に生まれ、両親がファンだった「トミー ヒルフィガー」の服を着て育ったショーンは、同ブランドを通してファッションや服に対しての理解を深めてきたという。そんな彼は、「こうしてコラボできるのは大変光栄なこと。夢を見ているようだ」と話し、このコレクションでの環境問題への取り組みが、「トミー ヒルフィガー」のブランド規模だからこそ成せる世界的なインパクトを残せることに、より意義を見出している。製品そのものをサステナブルに作るだけではなく、その思想を周囲へと広げていくことも大切なこと。ショーンは、「よりサステナブルなものへと押し進めるダイヤルの回転のひとつひとつが、最終的に世界を変えることになると信じている」と語った。

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伊藤忠ファッションシステムがサステナビリティ経営の分析・リポートサービス開始 企業成長と社会課題解決を支援

 伊藤忠ファッションシステム(以下、IFS)は、サステナビリティ経営支援の新たなソリューション「ショートレビューサービス(簡易診断サービス)」の提供を開始した。同サービスでは、企業のサステナビリティ経営の推進度を分析し、現状と課題を踏まえて、今後取り組むべき優先タスクを順序立ててリポートしてくれる。

 診断は4ステップで、1.質問票に回答 2.個別ヒアリング 3.総合分析 4.分析レポート作成&報告。所要期間は、約1カ月だ。

 ショートレビューで示される課題に対して、それらに対応する社内体制や計画作りを促すほか、追加でIFSの研究員やコンサルタントによる個別サポートを受けることも可能。「企業の強みを生かした継続的な価値提供実現のサステナビリティ支援」を目的に、企業のリソースの一部となる戦略策定からサポートしてくれる。

 小安光司・経営戦略室室長兼サステナビリティコンサルタントは、IFSがサステナビリティ経営を支援する理由について「現在、地球は環境破壊が後戻りできなくなる“ティッピングポイント”がいつ来るか分からない非常に危険な状況だ。環境に対する各国の法規制・ルール整備も進んでいるなか、特に企業にとっては、対応の遅れが自社の存続の危機を招きかねないという時代の潮目にある。しかし、複雑に絡み合う環境問題への対応は難易度が高いため、多くの企業が適切な対策を講じることができずにいる。利益の極大化を追求しながら、環境対策を始めとした社会価値も創出するという難題に挑まなければならない」と語る。

 これらに対するIFSのソリューションの1つが、今回の「ショートレビューサービス」だ。「多くの企業は、環境に良いものを作っても売れないのではないか?という不安から積極的に動けず、需要待ちや生活者の行動変容待ちの傾向にある。私たちは総合コンサルティング会社であり、多彩な支援サービスを行っている。中でも、生活者のインサイトを基にした行動変動の予測と促進、国内および海外のネットワークを用いた事業支援が、特徴であり強みだ。

 そのため、一般的なコンサルティングファームと違って、戦略策定にとどまらず、必要に応じて商品やサービスを一緒に開発したり、販売のお手伝いをしたりすることも可能だ。例えば企業のサーキュラーエコノミー化などは、自社の経営資源の範囲を超えるため1社単独ではできず、実現に向けてエコシステムが必要となる。年間200の案件を遂行する私たちの顧客基盤や国内外のネットワーク、伊藤忠グループアセットをコーディネートする力がここに生きている」と話す。

 IFSはサステナビリティ経営の潮流をリスクマネジメントの深化やイノベーション創出の機会と捉え、新たなサービスの提供で、企業の成長と社会課題の双方が前進する経営変革を支援する。社会課題を解決しながら、企業が存続・成長していく機会となるのがサステナビリティ経営であり、その出発点となるのが「ショートレビューサービス」だ。

問い合わせ先
伊藤忠ファッションシステム 経営戦略室 サステナビリティ事業支援
sustainability_support@ifs.co.jp

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「ニューバランス」と「パークス プロジェクト」が初コラボ トレイルランニングシューズと4型のアパレルを用意

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、国立公園などの環境保護のために生まれたエコブランド「パークス プロジェクト(PARKS PROJECT)」とコラボレーションしたトレイルランニングシューズ“フレッシュ フォーム エックス ヒエロ v7 エクスプロアー アンド コネクト(FRESH FOAM X HIERRO v7 EXPLORE ANS CONNECT)”を3月30日に発売する。価格は税込1万9800円で、「ニューバランス」の公式オンラインストアと原宿店で取り扱う。

 「ニューバランス」と「パークス プロジェクト」がコラボするのは、今回が初めてだ。“都市部の緑地”に着想し、軽量かつ通気性に優れたアッパーはグリーンカラーにアップデートし、耐久性を高めるためにステッチダウンしたヘアリースエード製のトゥキャップとヒールにも同色を採用。アッパーサイドのアイコニックな“N”ロゴは、空から見た街並みをモチーフにしたグリッドのデザインとなっているほか、30%のリサイクルラバーと70%のバージンラバーを使用したアウトソールにはマーブル模様を施している。

 また、“フレッシュ フォーム エックス ヒエロ v7 エクスプロアー アンド コネクト”の発売にあわせ、防水透湿性と耐久性に優れた素材“パーテックス(PERTEX)”のデッドストックを用いたパッカブル仕様のウインドブレーカーと、バックル付きのウーブンパンツ、吸汗速乾繊維“クールマックス(COOLMAX)”製のウィメンズ用Tシャツ、メッシュポケット付きTシャツも用意。価格は、ウインドブレーカーが同1万5400円、ウーブンパンツが同9900円、ウィメンズ用Tシャツが同5500円、メッシュポケット付きTシャツが同6050円だ。

 「パークス プロジェクト」は、アメリカやカナダの国立公園などの環境保護を目的に2014年に設立。公園の愛好家を公園の保護者に変えるため、各国立公園をイメージしたデザインのオリジナルアイテムを販売し、その売上金を公園の保護や植林などの自然維持のために寄付。また、50以上の保護団体と提携し、彼らが取り組む環境保全や教育プロジェクトを支援している。

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ケリング、2035年までに温室効果ガスの排出総量40%削減を目指す

 ケリング(KERING)はこのほど、新たな温室効果ガス削減目標としてグループ全体で2035年までに21年比で40%削減を目指すと発表した。スコープ1〜3を対象とし、サプライチェーン全体に関わるサプライヤーと共に脱炭素化を目指す。

 同社は今年、25年までに排出量を17年比で40%削減する目標を達成した。これまでの原単位(製品1つを生産するためにかかるエネルギー量や温室効果ガス排出量)[IK1] の目標値では、売上金額などの活動量に対する排出効率を算出するため、企業の成長にともなって排出量も増加する仕組みだった。今回設けた総量での目標値は、企業の成長と排出量を切り離して削減を目指すことができる。

 フランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)=ケリング会長兼最高経営責任者は、「新たに全スコープで排出総量を削減する目標を掲げた。私たちのグローバルビジネスを真に脱炭素化するには、原単位ではなく総量を用いた目標値が必要だからだ。負荷の絶対値を低減させながら価値創造していくことが、本当にサステナブルな企業が次に挑戦するべき領域だと確信している」とコメントした。

 マリー・クレール・ダヴー(Marie-Claire Daveu)=ケリング チーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)兼渉外担当責任者によると、各ブランドに専門チームを配置し、それぞれのアプローチで定められた期間内に40%の削減を目指すという。例えば、特にファッションとファインジュエリーでは廃棄物の処理方法が異なり、それぞれの分野に沿った現実的な解決策を模索し、それを新たなビジネスモデルや価格設定につなげていく。

 「ラグジュアリー部門では、量より質を優先する。製品の品質を向上させることで最終的には価格も上がるが、そうすることで、企業の成長と温室効果ガス排出量削減を両立させる」と話す。達成に向けては、需要予測や原料開発のためのAIソリューションなどのさまざまなシステムの見直しと改良が必要だ。デザインチームは耐久性やリサイクルのしやすさを考慮した素材使いなど、循環性を実装していく。

 同社傘下の「グッチ(GUCCI)」は2月、循環型の商品製造を支援する新施設「サーキュラーハブ(Circular Hub)」を発表した。ダヴーCSOは、ここでの廃棄を出さない製造方法の考案が削減目標の大きな柱になるという。さらに、今後スケールする可能性のある素材の具体例として「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が採用したマッシュルームレザー「エッファ(EPHEA)」や「グッチ」のバイオベースの原料を用いた代替レザー「デメトラ(Demetra)」などをあげた。同社はビトロラボ(VitroLabs)と人工レザーの開発にも取り組んでいる。

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「ホソオ」の東京初ショールーム兼ストアが東京ミッドタウン八重洲にオープン

 細尾はこのほど、自社テキスタイルブランド「ホソオ(HOSOO)」の東京初のショールーム兼ストアを東京ミッドタウン八重洲にオープンした。

 京都の旗艦店とミラノのショールームに続いて三店舗目となる「ホソオ トウキョウ」は、東京ミッドタウン八重洲1階のエントランスに位置する。

 店舗デザインは京都店同様ホソオ アーキテクチャーが手がけた。天井高4メートルに及ぶ窓から自然光が降り注ぐ店内には、200種類以上のテキスタイルコレクションが陳列する。このテキスタイルセラーには6パターンの空間照明が用意されており、さまざまな環境でのテキスタイルの見え方がシミュレーションできる。店頭では、西陣織の伝統的な素材である箔を用いたアートピースや、セラーから好みの生地を選んでオーガーできるテキスタイルアート、オリジナルの家具の生地のオーダーも可能だ。

 オープンを記念し、限定のスリープウェアも発売。最上級の絹糸で織り上げたシルク100%の生地を2022年収穫のニホンムラサキで染め上げたセットアップを展開する(3サイズ、各17万6000円)。細尾は、奈良・平安時代から貴族階級を中心に実践されている自然染色や植物染めの研究を行う「古代染色研究所」を展開している。22年には、京都・丹波に古代染色植物の農園を、23年にはその横に古代染色工房を開設し、ニホンムラサキをはじめとする古代染色植物の栽培と染色を一貫して自社で行っている。

 なお、東京ミッドタウン八重洲正面入り口に飾られている高さ11メートル、幅7.5メートルアート作品は、細尾の西陣織とFRP(繊維強化プラスチック)、LEDビジョンを組み合わせたものだ。

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「ブリリアージュ」から5年ぶりに単色チーク発売 初の紙パッケージ採用

 嶋田ちあきヘア&メイクアップアーティストが手掛けるメイクアップブランド「ブリリアージュ(BRILLIAGE)」はこのほど、約5年ぶりとなる単色チーク“チークブラッシュ”(全2色、税込各4400円)を発売した。環境にも配慮しブランド初となる紙のパッケージを採用。パッケージカラーも従来の黒や白と異なりチークの色を反映した。公式サイトや百貨店などで販売する。

 “チークブラッシュ”は高純度のピュアホワイトマイカをパウダーベースに使用し、皮脂と混ざりあってもくすみにくく鮮やかな発色が持続するほか、肌温で溶けるメルティングポイントオイルを配合し、密着感を保ちメイク崩れやよれを防ぐなど機能性の高さがポイントだ。2色を扱い、ピンクプラムカラーは粒径の異なる4種をパールを配合、ラ フランスカラーには偏光パールなど7種のパールをブレンド配合し、奥行きを出し、多幸感あふれる血色を演出する。

 そのほか、石油系界面活性剤やパラベン、紫外線吸収剤、合成香料、エタノールは不使用で、肌への負担を軽減する。

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「ブリリアージュ」から5年ぶりに単色チーク発売 初の紙パッケージ採用

 嶋田ちあきヘア&メイクアップアーティストが手掛けるメイクアップブランド「ブリリアージュ(BRILLIAGE)」はこのほど、約5年ぶりとなる単色チーク“チークブラッシュ”(全2色、税込各4400円)を発売した。環境にも配慮しブランド初となる紙のパッケージを採用。パッケージカラーも従来の黒や白と異なりチークの色を反映した。公式サイトや百貨店などで販売する。

 “チークブラッシュ”は高純度のピュアホワイトマイカをパウダーベースに使用し、皮脂と混ざりあってもくすみにくく鮮やかな発色が持続するほか、肌温で溶けるメルティングポイントオイルを配合し、密着感を保ちメイク崩れやよれを防ぐなど機能性の高さがポイントだ。2色を扱い、ピンクプラムカラーは粒径の異なる4種をパールを配合、ラ フランスカラーには偏光パールなど7種のパールをブレンド配合し、奥行きを出し、多幸感あふれる血色を演出する。

 そのほか、石油系界面活性剤やパラベン、紫外線吸収剤、合成香料、エタノールは不使用で、肌への負担を軽減する。

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EU、使用済み繊維製品の輸出量が20年間で3倍 受け入れ国では多くの場合が廃棄に

 欧州環境機関(European Environment Agency)はこのほど、衣類やフットウエアを含む使用済み繊維製品の輸出量が、20年間で3倍に増加したことを報告した。2000年にはEU加盟国の27カ国で55万トンだった輸出量は、19年に170万トンに増加した。

 輸出量を一人当たりに換算すると、年間8.4ポンド(約3.8kg)の廃棄に相当する。EUでは一人当たり年間約15ポンド(約6.8kg)の繊維製品が消費されており、その半分以上が廃棄物として輸出されていることになる。

 主な輸出先はアジアとアフリカだ。一部は中古市場で再販されるが、多くの場合は埋立地に埋め立てられるなどの廃棄処理に回されているという。報告書は「寄付した古着がそうした地域で有効活用されているという一般的な認識は事実とは異なる」と強調する。

 輸入量が6位のガーナでは中古市場が栄えているものの、超低価格の「ウルトラ・ファストファッション」の台頭で「修繕不可能なものや、状態が良くないために再販ができないものが届いている」。その結果、埋立地や川、海などに廃棄された製品が大気や土壌、水質の汚染を引き起こしている。

 アジア最大の輸入国はパキスタンで、約半分は産業用のウエスなどにダウンサイクルされ、残りはアフリカやほかの発展途上国に再輸出されている。加えて、繊維製品はガスや石炭よりも安価なため、ほかの産業の燃料として燃やされることも多い。

 EUでは25年までに、衣類の分別回収を義務付ける予定だ。また発展途上国への使用済み繊維製品の輸出を規制する方針を示しており、「ヨーロッパは自国で排出されるゴミをどのように処理していくかという課題に直面している」と報告書は結論付けた。

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天然アナツバメの巣を採用したサステナブルコスメ「美巣」が初の直営店をギンザ シックスに開設

 エムスタイルジャパンは3月13日、天然アナツバメの巣を活用したサステナブルコスメ「美巣(BI-SU)」の初となる直営店をギンザ シックス(GINZA SIX)に期間限定でオープンした。ツバメの巣がある洞窟の曲線を生かした店舗デザインで、インナーケアやスキンケア、ヘアケアなど全商品を集積する。

 「美巣」は2011年に誕生。マレーシアのボルネオ島で採取した100%天然アナツバメの巣のみを使用した、健康食品や化粧品などを公式サイトを中心に販売する。その中で、百貨店でポップアップを展開し、ブランドの知名度を高めてきた。大丸東京店で行ったポップアップが好調だったことから、初の直営店の出店につながった。「美巣」ギンザシックス店は、「底知れぬ生命のパワーが眠る神秘のアナツバメの巣を世界へ。」 をテーマに、「地球の再生を目指すリジェネラティブなブランドであることをアピールする」(同社広報担当者)のが狙いだ。

 店舗面積は約25㎡。店舗デザインは「自然感」「無垢感」「紡ぐ」をキーワードとした。全体を白で統一し、壁面には巣を採取する洞窟をモチーフにしたスペースを設け、自然感を演出する。無垢感は100%天然アナツバメの巣を採用していることを表現するため、店舗カウンターには無垢材を使用。紡ぐは店舗や商品を通して1本の糸から作られるツバメの巣を顧客につなげていく。

 同社はマレーシアのボルネオ島のジャングルにある洞窟で、ヒナが巣立った後に二度と使われない役目を終えた巣を採取することにこだわる。稲富幹也エムスタイルジャパン社長は、自然環境に負荷をかけないサステナブルなモノ作りをモットーとし、自らがボルネオ島に出向き“ツバメの巣ハンター”としても活躍している。

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アイスダンス選手の小松原組、着物をアップサイクルしたユニホームを着用

 フィギュアスケートのアイスダンス選手、小松原組が現代和服ブランドの「ニーツ(niitu)」とコラボレーションし、着物をアップサイクルしたユニホームを着用することを発表した。美里のユニフォームには、祖母が着用しなくなった着物の生地を襟部分に使用。公私ともに美里のパートナーである小松原尊のユニホームには、同じ生地を襟部分の裏地にあしらった。
 
 小松原組の小松原美里は健康や環境、動物保護の観点から、約5年前にヴィーガンに移行。植物由来の革を使用したスケート靴や、ヴィーガンやクルエルティフリーのメイク道具、生分解性の素材やリサイクルポリエステル素材を使用した衣装を選ぶ中で、自身のユニホームに関しても地球環境に配慮したユニホームを着用したいと考えるようになったという。「ニーツ」のデザイナー、新津祥太と新津志朗兄弟は美里のその想いに共感し、オリジナルのデザインを手掛けた。

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「サステナブルコスメアワード2022」ゴールド賞に井浦新夫妻の「クルヒ」 高校生が作るリップバームが新部門で受賞

 環境省森里川海アンバサダーメンバーを中心に立ち上げたマザーアースは2月27日、“人にも地球にもやさしいコスメ”を表彰する「サステナブルコスメアワード(SUSTAINABLE COSMETIC AWARD)2022」の表彰式を合同展示会「ニューエナジートーキョー(NEW ENERGY TOKYO)」で行った。ゴールド賞には、俳優の井浦新夫妻が手掛けるヘアケアブランド「クルヒ(KURUHI)」の“ボタニカル石けんシャンプー”と“ボタニカルトリートメント”が選ばれた。ゴールド賞に2品選ばれるのは初。

 3回目となる今回は、メディアや環境に関する専門家に加え、環境活動を行う高校生まで15人が審査員を務めた。また、「審査員賞ニューフェイス部門」と、3回以上審査員賞以上を受賞したコスメに与えられる「殿堂入り」を新設した。

 ゴールド賞に選ばれた「クルヒ(KURUHI)」の2品は、審査員から「原料調達から廃棄まで、徹底して持続可能な社会に向けた取り組みが実施されている」と評価された。登壇した井浦氏は、「家内と2人で徹底的に(こだわって)作ったが、鹿児島・大隅町のボタニカルファクトリーと出会い、モノとして形が生まれた。この場を借りて感謝したい」とコメント。岸紅子審査員長は「これまでのシャンプー・コンディショーにはない香りを感じた。かわいらしい香りを天然成分で調合するという、いい意味で“型破り”な香りだった」と伝えると、井浦氏は「俳優として役に合わせた香りを作って演じていたので、これまでの経験を最大限に生かして調合した。今回の香りは、デザートのような森の中にいるような景色をイメージした。真面目なモノを作るのは当たり前、使って楽しいと感じられるような香りやバッケージを目指した」と述べた。

 シルバー賞は「ファーメンステーション(FERMENSTATION)」の“お米でできたハンドプレー”、ブロンズ賞は「琉白」の“月桃バランスローションS”、「ドゥーオーガニック(DO ORGANIC)」の“ドゥーオーガニック クレンジング ミルク”、「リコピュア(LYCOPURE)」の“セラム#1”の3品が受賞した。

 「審査員賞ニューフェイス部門」には、聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校の生徒が作った“ひまわリップ保湿リップバーム”が選ばれた。同商品は、取手市の遊休農地を使用して育てたひまわりを使い、クラウドファンディングを通じて商品化。3月初旬には、取手市ふるさと納税返礼品として販売を開始する予定だ。
 
 「殿堂入り」を果たしたのは、ビオスタイルが展開する「ネモハモ(NEMOHAMO)」の“ブライトニングローション(本体/詰替)”。牧田康平ビオスタイル ビューティ事業部部長は、「名誉ある賞は社員が地道に行ってきた結果。この賞を糧に、日々の仕事に真摯に取り組んでいきたい」とコメントした。
 
 小原壮太郎事務局長は、「スペシャリストな審査員も、(ニューエナジートーキョーの)来場者も、使っていただく人も全員仲間で、同士だ。チームで輪を広げて“未来世代”につなげる、楽しくワクワクするような社会に変えていけたら」と、最後にアントニ猪木の名フレーズ「1、2、3、ダー!」を叫び、会場を沸かした。なお、2023年度のアワードは、環境省の元事務次官、中井徳太郎氏が審査員として参加する予定。アワード自体は、SDGsが掲げたゴールの2030年で終了する。

 ファッションECサイト制作などを担うダイアモンドヘッド内のBlue Marble(ブルーマーブル)が手掛ける「ニューエナジートーキョー」は、アッシュ・ペー・フランスで合同展「ルームス」を手掛けていたチームが主宰。今回の開催は、昨年2月に開催したキックオフ展から3回目となる。次回は、9月7〜10日に新宿住友ビル三角広場で開催する。

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衣料品の回収と再資源化の現在地 古着からポリエステル樹脂を再生する企業の社長が語る

 いらなくなった衣料品の再資源化には課題が山積みだ。衣類を廃棄せずに活用する方法については世界中で議論され、技術開発が進んでいる。大前提として、着られなくなった衣類を回収して再利用・再資源化する前に、衣類の長寿命化が求められる。

 JEPLAN(旧日本環境設計)は「服から服をつくる」をコンセプトに、自社で開発したポリエステルのケミカルリサイクル技術で、古着からポリエステル樹脂を再生する。日本にポリエステルのケミカルリサイクルのプラントを持つ代表的な企業で、日本での衣料品の店頭回収を進めたパイオニア的存在でもある。2023年2月15日現在、199のブランドと取り組み、4536カ所の回収拠点(スポット開催を含む)がある。22年は1500トンを回収し、そのうち7.8%をポリエステル樹脂再生のために用いた。

 ポリエステル単一素材での製品開発は、日本国内での資源循環が可能で資源回収効率も高いため、経済合理性が高く、環境負荷低減にもつながると考えられる。一方、ポリエステル単一素材では狙った風合いや表現が叶わない場合も多いため、衣類の多くは混合素材で、再資源化への難易度は高い。服の再資源化の未来とは。高尾正樹JEPLAN社長に話を聞く。

WWD:回収した衣類をどう循環させているか。

高尾正樹社長(以下、高尾):店頭回収と企業のユニフォームの回収を行っている。回収した衣類を当社で分別し、まだ着られる状態で価値のあるものはリユース用として、提供先を確認の上で、当社が信頼する業者に業務委託している。それが全体の75.3%(22年実績)。リユースするかしないかはお客さまのご要望に応じて対応している。リユースできないものは、ポリエステル100%の衣類はケミカルリサイクルしており、それが全体の7.8%(同)。再生ウールが0.1%(同)、自動車内装材が0.1%(同)、コークス炉化学原料化法(プラスチックを石炭の代替品として利用する技術で新日本製鐵が開発)が16.1%(同)。いずれにも該当しない0.6%は産業廃棄物として廃棄している。

WWD:リユースの先はどうなっているのか?

高尾:リユース後の売れ残りに関しては現状把握の調査を進めており、商品にならないものをリサイクルする仕組み作りに取り組み始めた状況だ。リユース先から海外に流れてわからなくなったものが不法投棄されたり、燃やされたりしているという報道も承知している。先日、洋服が大量に不法投棄されているチリの砂漠を見てきた。多くは米国の古着で日本のものは見つけられなかった。

WWD:回収量の推移は?

高尾:コロナ前は600トン、21年1200トン、22年1500トンだ。ポリエステル樹脂の生産量の数字は出せないがわずかだ。技術が未熟で、量が増やせない。

WWD:生産量が上がらない理由は?

高尾:ポリエステル100%と表示があっても他の素材や、染料や顔料が入っている。この不純物の種類と量が圧倒的に多いが、物質の組成まではわからない。わからない中で取り除こうとするので、取り除けないものもあり、それが入ってくると全体がダメになる。結果、工場の生産性が上がらない。

WWD:JEPLANは「服から服」のケミカルリサイクルを推進しているが、衣類の多くは複合素材で、そのリサイクルの技術が確立されていないなど、課題は多い。

高尾:繊維から繊維のリサイクルはあきらめていない。正直全然儲からないし、ずっと大赤字(笑)。でも僕がやりたいからやりたいと言い続けている。消費者の関心が高まっているので(消費者を巻き込んだ仕組み作りの)心配はしていない。洋服はペットボトルのように安くなく、付加価値が付くもの。コスト構造として吸収されやすいのでビジネスとして成立しやすい。唯一の問題は技術がないことだ。(リサイクルしやすいからといって)モノマテリアルにはしないほうがいいし、それでは洋服の文化的側面が消えてしまう。複合素材であっても、さまざまに染色していてもリサイクルできる技術開発が必要だ。圧倒的な技術力を持つ化学会社が世界中にはいくつもある。そういった企業が本気で開発に取り組めばいいのに、とも思う。

WWD:赤字を黒字化するために必要なことは?

高尾:われわれもわからないため試行錯誤しているのが現状だ。

WWD:「服から服」「ペットボトルからペットボトル」という水平リサイクルにこだわっているが、その他のリサイクル方法を考えているか。

高尾:服は服、ペットボトルはペットボトルとして循環させるべきだと考えている。なぜならトータルのCO2排出量削減が最も大きいと考えるからだ。例えばペットボトルからフリースを作り、フリースが燃やされるのでは意味がない。燃やさないためにエネルギーをかけてでも回り続ける水平リサイクルがいいのではないか。

WWD:形が変わったとしても、エネルギー量を抑えるリサイクル方法がいいという考えもある。

高尾:その考え方は一部を切り取っているだけだと思う。目指すべきは、いかに燃やさないか、埋め立てないかだ。そのための仕組みを作ることが重要だ。ゴミ焼却場でのエネルギーの回収率は10%も満たないなど、燃やすときに発生するエネルギーがもっとも効率が悪い。

ペットボトルのケミカルリサイクルを商業化

WWD:ペットボトルのケミカルリサイクル技術も開発したとか。

高尾:約20年かけてケミカルリサイクル技術を開発し、ピカピカのペットボトルに戻すことができるようになった。世界でペットボトルのケミカルリサイクルを商業レベルで行っているのは当社だけだ。世界には技術確立している企業もいくつかあるが、商業レベルに達していない。われわれのプラントは21年5月から稼働し、大手飲料メーカーにPET樹脂を販売している。年間2万2000トン生産しているが、日本国内で年間60万トン生産されているのに対してはまだまだ少ない。

WWD:どこから回収しているか。

高尾:自治体と連携し、自治体で回収したペットボトルや、自動販売機横にあるリサイクルボックスから回収されたものを用いている。また、ペットボトルのメカニカル(マテリアル)リサイクルの過程で出るクズも活用している。メカニカルリサイクルは、必要なエネルギー量はケミカルリサイクルに比べて少ないが、3割がリサイクルできないという課題もある。われわれはその3割を活用しているが、通常は焼却していたりする。またメカニカルリサイクルの場合、再生されてもどんどん劣化するので、いずれリサイクルができない状態にもなることが課題だ。

WWD:理想はメカニカルリサイクルを何度か行った後、ケミカルリサイクルをするということか。

高尾:その通りだ。メカニカルとケミカル両方を活用した事例を示したいと考えている。メカニカルとケミカル、両方のリサイクルプラントを持っているのは日本だけだ。課題は、一見してもペットボトルがどの程度劣化しているかわからない点だ。

WWD:欧州進出についての進捗は。

高尾:フランスのリヨンにペットボトルのケミカルリサイクル工場を作る計画だが、まだ着工していない。

WWD:今後の目標は?

高尾:われわれが行いたいのはリサイクル業ではなく、製造業だ。石油ではなく不要なものを原料とした製造業としてモノ作りをする。洋服を原料としたポリエステル樹脂やペットボトルを原料としたPET樹脂の生産量を増やしていく。それを市場に売り、黒字化する。ペットボトルは見えてきたが、洋服は全然見えない。


衣料品の再資源化に向けた技術開発の現状とその先

 廃棄物の輸出が難しくなった今、自国で出たゴミは自国で処理するしか方法はない。環境省のレポートによると、服がゴミとして出された場合、再資源化されるのは5%程度でほとんどは焼却・埋め立て処分されているという。その量は年間48万トン。捨てる量・作る量を減らすことを前提に、企業、行政、生活者が協働し、衣料廃棄物の再資源化が求められる。

 ポリエステルと混合される素材は、コットンやポリウレタンが多い。混合素材の再資源化に向けて、環境負荷低減を前提とした分離技術の採用も望ましいだろう。ポリエステルとポリウレタンの分離回収や、ポリエステルとコットンの分離技術はいくつかのスタートアップが開発済みだ。いずれもスケールが必要な段階だが、こうした技術を活用していくことで、混合素材のより効率的な再資源化が可能になるはずだ。すでにナイロンのケミカルリサイクル技術は商業化されているし、コットンなどのセルロース繊維のケミカルリサイクル技術も商業化に向けてスケールしている段階。ハードルは高いが、上記したポリエステル以外の繊維リサイクルが可能なプラントを日本に構えることができれば、これまで廃棄されていた衣料品の再資源化が可能になる。

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ヤギからスタイリスト⾼⽊千智による新ブランド「オニット」がデビュー 繊維商社クオリティーの素材&価格も強み

 ヤギは、スタイリストの⾼⽊千智がディレクションするファッションブランド 「オニット(onit)」を新たにスタートし、2月22日にオンラインストアをオープンした。

 2023年春夏はプレローンチ期間としてECを軸に、卸先店舗や商業施設などでポップアップイベントを開催予定。23-24年秋冬の本格デビューに向けて、3月28~31日に卸先向けの展示会を行う。

 「オニット」のコンセプトは、「しなやかで芯のある女性へ、都会的で洗練されたリラックスウェアを」。高木が「オッジ」「ジゼル」などの女性誌やブランドのビジュアル、セレブリティーのスタイリングなど、幅広いフィールドで培ってきた服への審美眼と自身のライフスタイルを存分に反映させた。

 コレクションは、繊維商社であるヤギのハイクオリティーでコンフォータブルな生地に裏打ちされている。国内中心の生産背景を活用することで、高い品質と価格のバランスにもこだわり抜いた。

 中でも、ロング丈のワンピースには、希少なエジプト超長綿“ギザ”をベースにした自社オリジナルのブレンド綿“ギザンティ”を使用。綿の白さや繊維の強さ、上質な光沢感、柔らかい風合いが特徴だ。

 ロングスリーブTシャツには、程よい肉厚感でトップスとインナーどちらにも適した“ナイル天竺”を使用。アメリカ産の高級綿スーピマコットンの落ち綿を用いることで、洗うたびに増す自然なムラと風合いを楽しめる。

 さらに、ボーダーのフレンチスリーブTシャツには、トルコ・イズミール地方で栽培した良質なオーガニックコットンを使用。環境配慮型の素材を用いて、発色の良いカラー杢を表現した。

 「オニット」のローンチイベントとして2月4、5日には、23年春夏アイテムのオーダー会を開催。ディレクターから直接アドバイスをもらい、その場でフィッティングができるイベントは好評を博した。今後は、自社ECを軸にブランドのさらなる認知度拡大を目指す。

問い合わせ先
ヤギ 営業第三本部第三事業部 426課
03-3667-4516

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23年度「LVMHプライズ」セミファイナリストに富永航と桑田悟史 過去最多2400通以上の応募から22組を選出

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、2023年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」のセミファイナリスト22組(26人)を発表した。そのうち、ジェンダーレスウエアでエントリーした日本人デザイナーの富永航と桑田悟史も選出されている。

 10回目を迎える今回は、過去最多の2400通を超える応募が世界中から集まった。最終選考へと進むセミファイナリストたちは、カナダや中国、韓国、エチオピア、アメリカ、フランス、インド、イタリア、日本、ナイジェリア、イギリス、台湾、スウェーデン、ウクライナなどの出身で、ブラジルとジャマイカからは初めての選出となった。

 富永は1988年熊本県生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、文化服装学院服飾研究科へ。2015年に、セント・マーチン美術大学(Central Saint Martins)のBAファッションプリント科を卒業。在学中に「ジョン・ガリアーノ(JOHN GALLIANO)」などでアシスタントを経験した。16年に「イエール国際フェスティバル」でグランプリを受賞。パリの現代美術館パレ・ド・トーキョーのレジデンスプログラム「パヴィヨン・ヌフリズOBC(Le Pavillon Neuflize OBC)」に参加した。18年には「フォーブス」による「アジアを代表する30歳未満の30人(The Forbes 30 Under 30 Asia 2020)」のアート部門に選出。19年に「ワタル トミナガ(WATARU TOMINAGA)」をスタート。21年春夏にニューヨーク・ファッション・ウイークに、21-22年秋冬にパリ・ファッション・ウイークにオンラインで出展した。これまでに「シャネル(CHANEL)」や「プチバトー(PETIT BATEAU)」「マリメッコ(MARIMEKKO)」とコラボしている。

 桑田は京都府生まれ。パリやロンドン、ニューヨークなどに在住経験がある。「ジバンシィ(GIVENCHY)」「イードゥン(EDUN)」「ガレス ピュー(GARETH PUGH)」や、カニエ・ウェスト(Kanye West、現イェ)のオフィスなどでキャリアを積み、現在はミラノを拠点に活動している。ブランド名の「セッチュウ(SETCHU)」は「和洋折衷」の言葉に由来。日本と西洋のカルチャーやスタイルを融合したコンセプトを掲げ、新しくも親しみのあるユニセックス向けコレクションを手掛ける。22年には、「ヴォーグ イタリア(VOGUE ITALIA)」とアルタローマ(Altaroma)による新人デザイナーコンテスト「フー・イズ・オン・ネクスト?(Who is on Next?)」で最優秀賞を受賞した。

 今回の「LVMHプライズ」の注目点は、セミファイナリストのうち9組がジェンダーレス・コレクションを発表しているということ、また環境保護責任の観点から多くのデザイナーが積極的にリサイクル素材を使用し、地元での倫理的な生産方法を採用していることだという。「LVMHプライズ」の発起人であるデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼最高経営責任者は、「この10年間、『LVMHプライズ』は社会および業界の発展を映し出してきた。職人技やストリートウエア、アップサイクル、そしてジェンダーレスといったトレンドの台頭を目撃してきた。最初の数年間は、ほとんどの候補者がウィメンズウエアを発表していたことは事実だが、開催を重ねるごとにメンズやジェンダーレスのエントリーも増え、中には複数のコレクションを発表する候補者もいる。これは、ファッションが常に進化していること、またクリエイティビティーが活気づいていることを証明している。また、多くのデザイナーたちがリサイクル素材を使用し、生まれ育った土地の文化や職人技を尊重し、デザインやコミュニケーションに包括性や多様性の価値を取り入れている」と話す。

 セミファイナリストは、23-24年秋冬パリ・ファッション・ウイーク期間中の3月2、3日に行われるショールームイベントに参加。ファイナリスト8組を選ぶ審査員へプレゼンテーションを行う。

 23年度「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のセミファイナリストのブランド名とデザイナー名、国籍は以下の通り。

■メンズウエア
「アーロン エッシュ」(AERON ESH)/アーロン・エッシュ(イギリス)
「チャーリー コンスタンティノウ(CHARLIE CONSTANTINOU)」/チャーリー・コンスタンティノウ(イギリス)※ジェンダーレスも含む
「ジョアン マラスキン(JOAO MARASCHIN)」/ジョアン・マラスキン(ブラジル)※ウィメンズも含む
「カル リサーチ(KARU RESEARCH)」/カールティク・クマール(Kartik Kumra)(インド)
「マリアーノ(MAGLIANO)」/ルカ・マリアーノ(Luca Magliano)(イタリア)
「ネームセイク(NAMESAKE)」/マイケル(Michael)、リチャード(Richard)、スティーブ・シェー(Steve Hsieh)(台湾)※ジェンダーレスも含む

■ウィメンズウエア
「アン イザベラ」(ANNE ISABELLA)/アン・イザベラ(フランス)
「ベッター(BETTER)/ジュリー・ペリパス(Julie Pelipas)/ウクライナ
「ディオティマ(DIOTIMA)」/レイチェル・スコット(Rachel Scott)/ジャマイカ
「ジョアンナ パーヴ(JOHANNA PARV)」/ジョアンナ・パーヴ(エストニア)
「ルイ シェンタオ チェン(LOUIS SHENGTAO CHEN)」/ルイ・シェンタオ・チェン(中国)
「ポーリナ ルッソ(PAOLINA RUSSO)」/ポーリナ・ルッソ(カナダ)&「ルシール ギルマード(LUCILE GUILMARD)」/ルシール・ギルマード(フランス)
「クイラ(QUIRA)」/ヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)(イタリア)

■ジェンダーレスウエア
「ブローク(BLOKE)」/フェイス・オルワジミ(Faith Oluwajimi)(ナイジェリア)
「バーク アクヨル(BURC AKYOL)」/バーク・アクヨル(フランス) ※ウィメンズ&メンズ含む
「ジュンテ キム(JUNTAE KIM)」/キム・ジュンテ(韓国)
「クシコック(KUSIKOHC)」/チョ・ギソク(Giseok Cho)(韓国)
「ルアール(LUAR)」/ラウル・ロペス(Raul Lopez)(アメリカ) ※ウィメンズ&メンズ含む
「マークヌル(MARRKNULL)」/ウェイ・ワン(Wei Wang)&ティアン・シー(Tian Shi)(中国)
「セッチュウ」/桑田悟史(日本)
「スティナランド(STINARAND)」/スティナ・ランデスタッド(Stina Randestad)(スウェーデン)
「ワタル トミナガ」/富永航(日本)

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プラダとユネスコが野外教育プログラム「ラグーン幼稚園」を立ち上げ

 プラダ グループ(PRADA GROUP)とユネスコの政府間海洋学委員会はこのほど、1月24日の「教育の国際デー」を記念し、イタリア・ベネチアのトルチェッロ島で幼稚園児を対象にした野外教育体験プログラム「ラグーン幼稚園」を立ち上げた。第一期の授業は6月まで開催される。

 同プログラムは6つの幼稚園に通う40名の園児を対象に、野外授業を中心に行われる。今年はラグーン(潟)の生態系との間につながりを作ることを目的に、お絵かきやゲーム、ミニ科学実験を通じて、潟の生育環境について学びを深める。アーティストのソフィア・サッリア(Sofia Sarria)やエリザベッタ・ミトロビチ(Elisabetta Mitrovic)らがゲストとして授業に参加したほか、プラダ グループCSR部門ヘッドのロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)も出席した。

 「ラグーン幼稚園」は海と海洋資源の保全の教育推進を目的として2019年に開始した「シービヨンド(SEA BEYOND)」プロジェクトの一環として実施。9月からは新学期に合わせて新たなプログラムで開始予定だ。

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下町のモノ作りメーカーが未来に問いかけ 一般公開の合同展示会で裏方の技術力発信

 東京でOEMやODM、オリジナルブランドの製造や開発を続ける中小企業で構成する職人集団のTOKYO KNITは2月22、23日、東京の渋谷ヒカリエで毎年恒例の展示会を開催する。今回のテーマは、「語りはじめたファクトリー 未来に問いかけるものづくり」。OEMやODMでは“指示待ち”になることもあったTOKYO KNITの認証各社は、それぞれが地球のために、本当にやらなくてはならないことを考え、自発的に動き、未来に問いかけている。

 展示会の目玉は、認証各社が同じアイテム(フーディーもしくはロンT)で、それぞれの技術と品質を存分にアピールする「クオリティ コレクション」だ。ディレクターを務める芳村貫太PROJECT CHINO代表は、「認証企業各社はそれぞれが力をつけ、OEMからODM、さらにファクトリーだからこそのオリジナルブランド開発に注力している。その集大成として、それぞれのモノ作りの考え方を発表し、問いかけたい」と話す。各社は、現在の地球環境にも問いかけた。芳村ディレクターは、「丸和繊維工業は、顔が見えるオーガニックコットンと裁断クズが出ないパターンを採用し、バケツ1杯分の水だけでベンガラを使って染めている。川島メリヤスはリサイクル素材を混紡した糸から生地ロスのない成形編みでリンキング仕上げの素晴らしいニットを作った」という。マルチョウは紀南莫大小工場のオーガニックコットンと再生ポリエステルの素材を独自の縫製技術で製品に仕上げた。認証企業同士のタッグも進んでいる。芳村ディレクターは、「各社は、自分たちの未来につながるモノ作りに対して何ができるのか?繊維産業を大切にするにはどんな選択肢があるのか?を考え、自らの意志で素材を選び、自らの技術で製品化している。世に問うことで、自信につながったら」と話す。

 2021年に始動した、縫製工場で生じる裁断クズをリサイクルして蘇らせる「リサイクループ プロジェクト」では今回、「テンダーパーソン(TENDER PERSON)」とコラボレーションした。協業して完成した洋服については今回、360度撮影してAR(拡張現実)の世界でも発表するなど、表現方法でも新基軸に挑んでいる。デザイナーのヤシゲユウトとビアンカは、「『こういうのができたらいいな』とはぼんやり思っていたものの、想像以上にしっかりとした素材感で、『これならかっこいい服が作れる』という印象だった。生成りの色合いや肌触りなど、ビンテージのような雰囲気を生かしてプリント・染色した」と語る。「高い技術を持った工場が、それぞれの良い特徴を生かしている」と、下町のギルド(職人組織)のモノ作りにも感銘を受けたようだ。

 さらにJFW(日本ファッション・ウィーク推進機構)から推薦された「ユウキ ハシモト(YUKI HASHIMOTO)」とのタッグにも取り組んでいる。デザイナーの橋本祐樹は、「東京で何世代にもわたり受け継がれてきた生産技術に感銘を受けた。デジタル化が進むファッションの中で、デジタルでは引き継げないモノ作りへの情熱や知識を尊敬している。ジャージー素材は、初めてのオリジナル。自ら描いた原画の再現性に感動した」と振り返る。完成した商品は、「ユウキ ハシモト」の2023-24年秋冬コレクションに組み込まれる。

 TOKYO KNITは、東京・両国周辺で編み機を使った生地の開発から、編み地で作る洋服(カットソー)の縫製までを担う中小企業を中核とするモノ作り集団だ。加盟各社は、いずれも独自の高い技術で認証審査をクリア。その輪は現在、染色や加工メーカーにも広がっている。認証各社は定期的な交流を重ねたり、協働でプロジェクトに取り組んだりを繰り返し、技術力や提案力、発信力の強化を目指している。かつては「アンリアレイジ(ANREALAGE)」とタッグを組んで、イタリアで開かれる世界的なメンズの合同展示会ピッティ・イマージネ・ウオモに出展。コロナ禍の3年間は海外発信に課題を残したが、各社は着々と技術力を高めている。

 そんなTOKYO KNITが開催する展示会は、業界関係者はもちろん、消費者にも開放。消費者には裏方的な性格が強い認証企業各社のモノ作りに触れてもらい、一方の企業には消費者の実像を知ってもらうことで今後のモノ作りに生かしてもらうのが狙いだ。 今回は「語りはじめたファクトリー 未来に問いかけるものづくり」をテーマに設定した。「着る人が長く愛せる服であるためには、何を変えていかなければならないのか。ニット産業に関わる全ての人たちが幸せであるために、私たちは何をはじめなければならないのか」を考え、それぞれらしく形にした。サステナブルな未来を編もうとするTOKYO KNITの挑戦に触れてみたい。

TOKYO KNIT総合展 2023クロスオーバーエキシビション
会期:2023年2月22、23日
場所:渋谷ヒカリエ8階 COURT & CUBE 東京都渋谷区渋谷2-21-1
時間:22日は11:00〜19:00、23日は11:00〜18:00
(プレス及びVIP限定のプレビューを21日16:00〜19:00に開催)
入場:無料
事前申込:不要

問い合わせ先
東京ニットファッション工業組合
03-3633-5601

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「リンメル」から初のクリーンビューティコスメ“カインド&フリー”登場

 イギリス・ロンドン発のメイクブランド「リンメル(RIMMEL LONDON)」は4月21日、”美しさの多様性や個性を尊重し、ありのままの自分を愛する”というブランドのポリシーに基づいて開発された、初のクリーンビューティコスメライン“カインド&フリー(KIND&FREE)”を発売する。

 “カインド&フリー”は人・動物・地球に配慮したメイクアップラインで、肌への刺激を抑えた自然由来成分を配合。ミネラルオイルや香料など不必要な原材料を使用しないミニマムな処方配合を目指しているほか、動物実験を行わないクルエルティフリーな商品として、クルーエルティフリーインターナショナルとパートナーシップをとり、リーピングバニーの認証マークを取得。さらにパッケージには環境に配慮したリサイクル素材が含まれており、持続可能な取り組みを推進する

 ラインアップは、スキンケアのように潤い、ナチュラルな艶肌に仕上げるファンデーション“カインド&フリー モイストスキンティント”(全3色、税込各1760円)、重ねても厚塗りにならず、気になる肌ムラ・くすみ・くまをカバーしながら、滑らかで均一な肌に仕上げる“カインド&フリー コンシーラー” (全3色、税込各1320円)。メイク崩れ・テカリ防止するさらさら仕上げのエアリーパウダー“カインド&フリー プレストパウダー” (全3色、税込各1430円)のほか、限定でブランド初のビーガンネイル“カインド&フリー ネイルポリッシュ” (全5色、税込各990円)、爪を保護して健やかに保つ70%の自然由来成分(※自然由来指数ISO 16128準拠)を配合した“カインド&フリー トップコート” (税込990円)を扱う。 “クリーンビューティー”という新しい選択肢を提供できるよう、手に取りやすい価格帯と幅広いラインアップをそろえる。

 「リンメル」は、1934年に誕生し、現在80カ国以上で展開する。日本には2006年に上陸し、コーセーがコティ(COTY)とライセンス契約を締結。18年10月末まで日本市場での輸入・製造販売を行っていたが、同年11月からはコティが国内の販売を引き継ぎ、現在はコティジャパンが事業を展開。バラエティーショップを中心にドラッグストアなど全国2000店舗以上で取り扱う。

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ルイ・ヴィトンが豪ヨーク岬半島の生物多様性の保全・回復へ 自然保護団体と協働

 ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)はこのほど、自然保護団体「People For Wildlife」と生物多様性の保全・回復を目指す5年間のグローバルな環境パートナーシップを締結した。オーストラリア・クイーンズ州にあるヨーク岬半島(オーストラリア大陸北東部の突き出た半島)の40万ヘクタールのエリアで生物多様性の保全・回復を目指す。地域社会の協力のもと、科学的フィールド調査の支援、野生生物種のモニタリング、外来種の駆除方法の理解による生物多様性の再生を行う。また、自然由来素材の責任ある使用に基づく持続可能なビジネスモデルの共創を目指す。ヨーク岬半島は、熱帯林、森林、淡水生態系、海外線などの広大な地域に世界でも有数の豊な生物多様性を有する。

 この活動は、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の目標である2030年までに500万ヘクタール分の動植物の生息地の回復への貢献、同年までに地球上の陸域の30%を保護するという2022年12月の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の合意への貢献に寄与する。

 「People For Wildlife」はヨーク岬で環境保全研究に長く携わってきたダニエル・ナトゥシュ(Daniel Natusch)博士が20年に創設。社会的利益を考慮した保全活動を推進しつつ、生物多様性のある景観の保全・回復に取り組む。その手段として、業界をリードする企業や先住民社会とパートナーシップを結び、地域社会の生計を支える自然素材の持続可能なサプライチェーンを軸に経済を構築することを目指す。

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130周年「プチバトー」の23年春夏 環境に配慮した素材の採用率が約82%に

 今年創業130周年を迎える仏ベビー&キッズブランド「プチバトー(PETIT BATEAU)」が、アニバーサリーの第1弾となる2023年春夏コレクションを発表した。“ミストラル(MISTRAL)”というフランス南東部のカマルグ周辺の地中海に吹く寒冷で乾燥した北風を着想源に、空や風、海を思い浮かべるようなペールトーンのブルーやピンクを用いた爽やかな印象のアイテムがそろう。ベビーやキッズの気分も上がる花や雲、ボート、魚、鳥といったモチーフ柄などは、海や水を守りたいというブランドの強い思いを込めている。また、アニバーサリーロゴをのせたパジャマや肌着、セレモニー向けのデイウエア、日本限定商品なども段階的に販売する予定だ。

 1893年にフランス・トロワで誕生した「プチバトー」は、時代に合わせたベビーウエアの素材や着心地を探求し、世界を代表するベビー&キッズウエアブランドとなった。さらに最近では循環するもの作りやサービスを掲げており、特に環境に配慮した素材の開発を進め、シーズンごとに採用率を高めている。23年春夏に関しては、対前年比35ポイント増になり、中でも、春夏シーズンに多いオーガニックコットンは最大の同36ポイント増になった。この他にも、ペットボトルや廃棄した繊維を再利用したリサイクル素材や、水とエネルギーの消費を削減しし生産するデニム、ユーカリなどの木材を無害な溶剤で溶かして繊維にしたコットンリヨセルを積極的に用いている。2年後の25年春夏には、全ての商品にそうした素材の採用を掲げている。

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「ブルガリ」のバレンタイン限定チョコレートのアンバサダー三浦翔平に直撃 「大切な人に感謝を伝えてほしい」

 「ブルガリ イル・チョコラート(BVLGARI IL CHOCOLATO以下、ブルガリ)」は2月2日、バレンタイン限定“ョコレートサン・ヴァレンティーノ 2023”の発表会をブルガリ銀座タワーで行った。同イベントでは、スペシャルアンバサダーとして俳優の三浦翔平が登場。今年のバレンタイン限定チョコレートのテーマは、SDGs。人と人、人と自然の間が“アモーレ(愛)”で満たされるようにという願いが込められている。トークショーで三浦は、限定チョコレートのテイスティングをテイスティングしたり、“アモーレ“などについて語ったりした。発表会後に、三浦に限定チョコレートやバレンタインなどについて聞いた。

WWD:“サン・ヴァレンティーノ2023”のお気に入りのフレーバーは?

三浦翔平(以下、三浦):“グリーンレモン”ですね。爽やかな酸味とジャスミンの茶葉のマリアージュが素晴らしいです。

WWD:最近、“アモーレ”を感じた瞬間は?

三浦:2~3週間前にフランス・パリへ行っており、数日間自宅を留守にして帰宅したら、子どもが走って迎えに来てくれた時です。

WWD:バレンタインの過ごし方は?

三浦:今年は仕事だと思いますが、休みが合えば、どこか行きたいですね。

WWD:ここ、ブルガリ銀座タワーは「ブルガリ」のランドマーク的存在だが、訪れた印象は?

三浦:今回、初めて訪れました。10階のカフェは、すごくおしゃれですね。ランチなどで、また、訪れたいです。

WWD:“サン・ヴァレンティーノ2023”のアンバサダーに就任した感想は?

三浦:光栄です。今年のテーマはSDGsでもあるし、チョコレートの魅力とSDGsに関して発信できればと思います。そして、皆さんに、大切な人に“サン・ヴァレンティーノ2023”を通して感謝や、通常言えないことを伝えてほしいです。

SDGsはできることから取り組む

WWD:今回の「ブルガリ イル・チョコラート」との関わり合いで意識したSDGsとは?

三浦:環境問題はとても深刻だと思います。例えば、フードロスに関しては、買いすぎない、レストランで頼みすぎないとか、無駄を減らすこと。電気をこまめに切ったり、マイボトルを持ち歩いたりという小さいことでも、できることから取り組むのが大切だと思います。海洋資源の問題については関心が高いので、例えばゴミ拾いなど、僕なりに参加できる活動をしていきたいです。

WWD:「ブルガリ イル・チョコラート」が都内の工房でつくられるプロセスは役作りにも共通すると思うが、役作りに関しては?

三浦:役作りは作品によりケース・バイ・ケース。いろいろな事が起こるので、瞬発力や対応力が必要ですね。

WWD:バレンタインのお返しに「ブルガリ」のジュエリーやバッグ、食事などプレゼントするとしたら?

三浦:いただく方やモノとの関係性次第ですが、その人に合ったものを贈りたいです。

WWD:今後チャレンジしたいことは?

三浦:声のお仕事をしたいです。特に映画「名探偵コナン」に出演したいですね。毎年楽しみなので。子どもが成長する過程で見るだろうと思われるさまざまなアニメのキャラクターの声優にチャレンジしてみたいですね。

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「ステラ マッカートニー」が“環境再生型”コットンのシャツを発売 19年からトルコ企業と協働

 「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は今春、ブランド初の環境再生型農業で栽培されたコットンを用いたシャツを発売する。19年からパートナーシップを組むトルコの素材メーカー、ソクタス社(Soktas)が栽培したコットンを採用した。
 
 ステラマッカートニーは、ソクタス社とパートナーシップを組み、環境再生型農業への移行をサポート。5ヘクタールだった環境再生型農場は、22年には30ヘクタール以上に拡大した。ソクタス社は、土地の拡大を継続すると同時に地域の農家たちにもこの方法を伝え広めていくという。

 ソクタス社が22年以降に収穫したコットンは、regenagri認証を取得している。この認証は土地の健全性とそこに住む人々の豊かさを確保することを目的としたプログラムで、土壌の健全性から生物多様性、温室効果ガス排出量までを網羅する。また、炭素クレジット市場や環境関連の補助金を通じて、農場に追加資金のルートを提供する。

 また、今回用いたコットンは農地からの調達、繊維や生地の製造、製品化までのトレーサビリティを確立しており、作物が栽培された土地の座標値まで正確に把握しているという。ステラ マッカートニーは国連欧州経済委員会(UNECW)と協働し、ブロックチェーン技術を用いた環境再生型農業の試験的な開発を進めている。

 ステラ マッカートニーは、「現在のファッションにおいて環境再生型農業は必要不可欠」と確信し、業界で最も多く使用される繊維のひとつであるコットンから導入を開始した。「未来のファッションには、地球や生物多様性から奪うのではなく、多様な生態系と野生生物へ還元する方法を用いて素材を作り出すことが必要である」とし、「再生可能な天然素材の調達方法を採用することでラグジュアリーなクオリティ、肌触り、耐久性を維持すると同時に、環境負荷を最小限に抑え、低減する」と発表した。

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「次代を担う繊維産業企業100選」を経産省が発表 「町工場が世界で通用する姿を見せたい」

 経済産業省は1月31日、「次代を担う繊維産業企業100選」を発表した。同日に開催した繊維産地間の連携をうながす「ファッション・ビジネス・フォーラム2023」の一環で、167社・451取り組みの中から109社が選定された。対象は中小企業で、次の5部門で募集したもの。①サステナビリティ②デジタル化③技術力やデザイン力による付加価値の創出(古い織機で高度な技術の付加価値など)④新規性のある事業・サービスの展開(DtoC、産地企業による独自ブランド、異業種連携など)⑤海外展開。

 フォーラムでは、選定された企業を代表して岐阜県・浅野撚糸の浅野雅己社長と、和歌山県・丸和ニットの辻雄策社長が太田房江経済産業副大臣から表彰状を受け取った。また、審査委員長を務めた新宅純二郎東京大学大学院経済学研究科教授の進行で日本の繊維産業の現状や海外進出に向けての課題などを話し合った。

 浅野雅己浅野撚糸社長は「2016年に経済産業省から繊維課からなくなった時、日本政府は繊維を見捨てたんだ、と思った。だが、ここ数年(経済産業省生活製品課)が、繊維産業にスポットを当てていることを感じており、嬉しい。紡績の下請けの撚糸屋である町工場が世界で通用するのだ、という姿を見せたい」と関係者を鼓舞するメッセージを送った。同社は今春、福島県双葉町に撚糸工場とオフィス、ショップ、カフェの複合施設「フタバスーパーゼロミル」を開業予定で、その思いなども語った。

【「次代を担う繊維産業企業100選」受賞企業】
北海道:水野染工場
岩手県:岩手モリヤ/京屋染物店/三和ドレス
秋田県:秋田ファイブワン工業
山形県:佐藤繊維/東北整練/ナカノアパレル/松岡
福島県:齋榮織物
栃木県:ガチャマンラボ/丸昌産業
群馬県:伊田繊維
埼玉県:サイボー/野川染織工業
東京都:エニシング/精巧/丸和繊維工業/レオン・インターナショナル
神奈川県:三笠
山梨県:寺田ニット
長野県:フレックスジャパン
静岡県:古橋織布
岐阜県:浅野撚糸/カワボウテキスチャード/岐セン/東海サーモ/三星毛糸
愛知県:アルデックス/大鹿/シンコー/茶久染色/艶清興業/中伝毛織/藤井整絨
富山県:IAAZAJ ホールディングス/ケーシーアイ・ワープニット
石川県:カジナイロン/カジレーネ/山越/サンコロナ小田/シラエ織産/能任絹/前多/丸井織物
福井県:井上リボン工業/ウラセ/永平寺サイジング/カズマ/酒伊編織/サカセ・アドテック/SHINDO/大喜/トヨシマセンイ株式会社/ニットク/マルサンアイ/米澤物産
滋賀県:大塚産業マテリアル
京都府:大本染工/カラーループ/川島織物セルコン/大東寝具工業/とみや織物
大阪府:アイソトープ/アイトス/旭紡績/大津毛織/金野タオル/三恵メリヤス/藤井若宮整絨/増見哲/三山
兵庫県:植山織物/玉木新雌
奈良県:ヴァレイ/岡本/鈴木靴下/西垣靴下/ニット・ウィン
和歌山県:インテリックス/エイガールズ/カネマサ莫大小/丸和ニット/吉田染工
島根県:石見銀山生活文化研究所
岡山県:明石スクールユニフォームカンパニー/内田縫製/クロキ/ショーワ/セイショク/ニイヨンイチ/ベティスミス/明大
広島県:アクセ/Asahicho/坂本デニム/山陽染工
香川県:江本手袋/フクシン
愛媛県:IKEUCHI ORGANIC/工房織座/七福タオル/西染工/丸栄タオル/渡辺パイル織物
福岡県:オザキプリーツ/龍宮
長崎県:エミネントスラックス
沖縄県:Curelabo

【審査委員会】
井上真理/神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授
太田伸之/MD03代表取締役
新宅純二郎/東京大学大学院経済学研究科教授
林千晶/Q代表取締役社長
宮浦晋哉/糸編代表取締役
吉高まり/三菱 UFJリサーチ&コンサルティング フェロー、東京大学教養学部客員教授
オブザーバー:富吉賢一日本繊維産業連盟副会長

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「次代を担う繊維産業企業100選」を経産省が発表 「町工場が世界で通用する姿を見せたい」

 経済産業省は1月31日、「次代を担う繊維産業企業100選」を発表した。同日に開催した繊維産地間の連携をうながす「ファッション・ビジネス・フォーラム2023」の一環で、167社・451取り組みの中から109社が選定された。対象は中小企業で、次の5部門で募集したもの。①サステナビリティ②デジタル化③技術力やデザイン力による付加価値の創出(古い織機で高度な技術の付加価値など)④新規性のある事業・サービスの展開(DtoC、産地企業による独自ブランド、異業種連携など)⑤海外展開。

 フォーラムでは、選定された企業を代表して岐阜県・浅野撚糸の浅野雅己社長と、和歌山県・丸和ニットの辻雄策社長が太田房江経済産業副大臣から表彰状を受け取った。また、審査委員長を務めた新宅純二郎東京大学大学院経済学研究科教授の進行で日本の繊維産業の現状や海外進出に向けての課題などを話し合った。

 浅野雅己浅野撚糸社長は「2016年に経済産業省から繊維課からなくなった時、日本政府は繊維を見捨てたんだ、と思った。だが、ここ数年(経済産業省生活製品課)が、繊維産業にスポットを当てていることを感じており、嬉しい。紡績の下請けの撚糸屋である町工場が世界で通用するのだ、という姿を見せたい」と関係者を鼓舞するメッセージを送った。同社は今春、福島県双葉町に撚糸工場とオフィス、ショップ、カフェの複合施設「フタバスーパーゼロミル」を開業予定で、その思いなども語った。

【「次代を担う繊維産業企業100選」受賞企業】
北海道:水野染工場
岩手県:岩手モリヤ/京屋染物店/三和ドレス
秋田県:秋田ファイブワン工業
山形県:佐藤繊維/東北整練/ナカノアパレル/松岡
福島県:齋榮織物
栃木県:ガチャマンラボ/丸昌産業
群馬県:伊田繊維
埼玉県:サイボー/野川染織工業
東京都:エニシング/精巧/丸和繊維工業/レオン・インターナショナル
神奈川県:三笠
山梨県:寺田ニット
長野県:フレックスジャパン
静岡県:古橋織布
岐阜県:浅野撚糸/カワボウテキスチャード/岐セン/東海サーモ/三星毛糸
愛知県:アルデックス/大鹿/シンコー/茶久染色/艶清興業/中伝毛織/藤井整絨
富山県:IAAZAJ ホールディングス/ケーシーアイ・ワープニット
石川県:カジナイロン/カジレーネ/山越/サンコロナ小田/シラエ織産/能任絹/前多/丸井織物
福井県:井上リボン工業/ウラセ/永平寺サイジング/カズマ/酒伊編織/サカセ・アドテック/SHINDO/大喜/トヨシマセンイ株式会社/ニットク/マルサンアイ/米澤物産
滋賀県:大塚産業マテリアル
京都府:大本染工/カラーループ/川島織物セルコン/大東寝具工業/とみや織物
大阪府:アイソトープ/アイトス/旭紡績/大津毛織/金野タオル/三恵メリヤス/藤井若宮整絨/増見哲/三山
兵庫県:植山織物/玉木新雌
奈良県:ヴァレイ/岡本/鈴木靴下/西垣靴下/ニット・ウィン
和歌山県:インテリックス/エイガールズ/カネマサ莫大小/丸和ニット/吉田染工
島根県:石見銀山生活文化研究所
岡山県:明石スクールユニフォームカンパニー/内田縫製/クロキ/ショーワ/セイショク/ニイヨンイチ/ベティスミス/明大
広島県:アクセ/Asahicho/坂本デニム/山陽染工
香川県:江本手袋/フクシン
愛媛県:IKEUCHI ORGANIC/工房織座/七福タオル/西染工/丸栄タオル/渡辺パイル織物
福岡県:オザキプリーツ/龍宮
長崎県:エミネントスラックス
沖縄県:Curelabo

【審査委員会】
井上真理/神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授
太田伸之/MD03代表取締役
新宅純二郎/東京大学大学院経済学研究科教授
林千晶/Q代表取締役社長
宮浦晋哉/糸編代表取締役
吉高まり/三菱 UFJリサーチ&コンサルティング フェロー、東京大学教養学部客員教授
オブザーバー:富吉賢一日本繊維産業連盟副会長

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パタゴニアが100%植物由来ポリエステルのダウンジャケットを発売 東レと協働

 パタゴニア(PATAGONIA)はこのほど、100%植物由来のポリエステルを表地のシェルと裏地に使用したダウンジャケット“シュガーダウン・フーディ”を発売した。価格は4万5100円。このポリエステルは東レが米国のベンチャー企業ヴィレント(VIRENT)と協働して開発したもので、現在ラボレベルで生産されているが、量産化には至っていない。東レは2020年代の量産化に向けて現在、試作・開発を進めている。

 ポリエステルはエチレングリコールとテレフタル酸で構成されており、エチレングリコールはすでに植物由来の原料で東レが開発し、量産している。一方、植物由来のテレフタル酸の生成は非常にハードルが高く、量産に向けて研究開発されている状態。ヴィレントはウィスコンシン州マディソンに拠点を置き、植物由来のテレフタル酸製造に取り組んでいる。

 パタゴニアは、かねてから最重要事項として責任ある調達を挙げており、ヴィレントが製造するテレフタル酸の原材料にも入念な審査を行い、ルイジアナ州で作られる非遺伝子組み換えサトウキビを指定した。今回の植物由来のポリエステル素材は、ラボとフィールドの両方での厳しい基準に合格し、商品化に至ったという。

 パタゴニアは2025年までに環境に望ましい素材(オーガニックコットン、リジェネラティブ・オーガニック・コットン、リサイクル・ポリエステル、リサイクル・ナイロンを含む)を100%使用することを目標に掲げており、この植物由来ポリエステルはこの目標に沿うものとしている。他方で、原料生産のためにサトウキビのような農作物を栽培することはそれ相応のフットプリントが存在するとし、今後、ゴミから抽出されたものを含むバイオベースの化学繊維など他の方法を探索していくという。

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「アヴェダ」がBコープ認証取得 40年以上にわたる地球環境保全などが評価

 「アヴェダ(AVEDA)」は、このほど、環境や社会に対する透明性や説明責任などにおいて高い基準を満たした企業に与えられる「Bコーポレーション(以下、Bコープ)認証」を取得した。40年以上にわたる地球環境保全の取り組みや福利厚生などが評価を受けた。

 「ガバナンス「従業員」「コミュニティー」「環境」「カスタマー」の5つの領域で合計200のBコープアセスメント(査定)があり、80点以上で認証を取得できるが、「アヴェダ」は89.6点を獲得した。評価を受けたのは、「グリーンスコア」 と呼ばれる従業員に提供される包括的な福利厚生。全ての従業員を対象にボランティア休暇(非営利団体でボランティア活動をするために提供される有給休暇)や、社外保育に対する補助金制度などを設けている。また、従業員の健康や福祉を重要視する社風も評価を受けた。

 「アヴェダ」は何十年もの間、美容業界における環境責任の新たなベンチマークを打ち立ててきた。優先事項としては、安全な美容や、責任ある原料調達、責任あるパッケージ製造、クルエルティーフリーでビーガンな処方、地球環境に配慮した製造方法、アヴェダの原料調達先のコミュニティーを始め、世界中のコミュニティーにおいて必要としている人々にきれいな水を届け守る、を掲げ厳守する。

 メリッサ・チェルミニアク「アヴェダ」ミッション パートナーシップ&エンゲージメント ディレクターは「ブランドを創設した1978年以来、サステナビリティの先駆者であり続ける『アヴェダ』が非常に厳密なプロセスを通過してBコープ認証を取得できたことは、最高レベルの社会的および環境的パフォーマンスを着実に実行してきたことを肯定している」とコメントした。

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「アヴェダ」がBコープ認証取得 40年以上にわたる地球環境保全などが評価

 「アヴェダ(AVEDA)」は、このほど、環境や社会に対する透明性や説明責任などにおいて高い基準を満たした企業に与えられる「Bコーポレーション(以下、Bコープ)認証」を取得した。40年以上にわたる地球環境保全の取り組みや福利厚生などが評価を受けた。

 「ガバナンス「従業員」「コミュニティー」「環境」「カスタマー」の5つの領域で合計200のBコープアセスメント(査定)があり、80点以上で認証を取得できるが、「アヴェダ」は89.6点を獲得した。評価を受けたのは、「グリーンスコア」 と呼ばれる従業員に提供される包括的な福利厚生。全ての従業員を対象にボランティア休暇(非営利団体でボランティア活動をするために提供される有給休暇)や、社外保育に対する補助金制度などを設けている。また、従業員の健康や福祉を重要視する社風も評価を受けた。

 「アヴェダ」は何十年もの間、美容業界における環境責任の新たなベンチマークを打ち立ててきた。優先事項としては、安全な美容や、責任ある原料調達、責任あるパッケージ製造、クルエルティーフリーでビーガンな処方、地球環境に配慮した製造方法、アヴェダの原料調達先のコミュニティーを始め、世界中のコミュニティーにおいて必要としている人々にきれいな水を届け守る、を掲げ厳守する。

 メリッサ・チェルミニアク「アヴェダ」ミッション パートナーシップ&エンゲージメント ディレクターは「ブランドを創設した1978年以来、サステナビリティの先駆者であり続ける『アヴェダ』が非常に厳密なプロセスを通過してBコープ認証を取得できたことは、最高レベルの社会的および環境的パフォーマンスを着実に実行してきたことを肯定している」とコメントした。

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「ブルガリ」からの限定チョコレートは生産者と共につくり上げた“宝石”

 「ブルガリ イル・チョコラート(BVLGARI IL CIOCOLATO)」のバレンタイン限定チョコレート“サン・ヴァレンティーノ”は、地球環境に配慮し、生産者の生活向上などに配慮した食材を使用している。“チョコレートの宝石”を意味するチョコレート・ジェムスのフレーバーは5種類。フェアトレードやオーガニック、ビーガンなどのチョコレートがそろう。

 各フレーバーには、SDGsのテーマが付けられており、メートルショコラティエの齋藤香南子が実際に生産者を訪れるなど原料の背景にこだわり抜いてつくり上げたものばかりだ。

 “自然と共に生きる”がテーマの“バジル”は、農薬や科学肥料、堆肥を一切使わず育てられた石川県の農場のホーリーバジルを使用。ドライバジルをパウダーにして素材全部を使用している。“より豊かに、幸せに”という願いが込められた“アーモンドプラリネ”は、フェアトレードのガーナ産カカオとインド産の砂糖を使用。このチョコレートは、ラグジュアリー・ブランドとして世界初の「国際フェアトレード認証」を取得している。“未来へ向かって”がテーマの“ヘーゼルナッツプラリネ”は、ビーガンチョコレート。齋藤は、「異なる食文化を持つ人々と食体験を共有できれば」とコメント。ビーガンチョコレートというと「美味しくない」というイメージが強かったが、乳成分の代わりにアーモンドを使用することでコクのある仕上がりになっている。“全て大事”がテーマの“グリーンレモン”は、神奈川県・小田原のアートサイト「江之浦測候所」にある柑橘山の自然農法でつくられたグリーンレモンをフリーズドライにすることで、皮から果実、種まで全てを素材として使用。柑橘山は耕作放棄地を再生する取り組みで、生産者は苦労を重ねて柑橘類を生産しているという。

ショコラティエ自ら選んだカカオを使用したチョコレート

 「ブルガリ イル チョコラート」がスタートして15年目を記念するフレーバーが、“カカオ・バリネーゼ”だ。齋藤自らインドネシア・バリ島にあるカカオ農園を訪れ、カカオ豆をローストし、オリジナルの配合と製法でつくり上げた。彼女はバリ島が好きで何度も訪れていたという。齋藤は、「インドネシアはカカオの生産量は世界で3位と上位を占める。そのまま輸出されていたが、チョコレートの味を左右するカカオ豆の発酵技術が高まり、生産者の情熱に可能性を感じている」とコメント。カカオの個性を味わえる逸品だ。

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新ヘアカラーブランド「ソマルカラボ」から8色のカラージェリーが登場

 ホーユー プロフェッショナルカンパニーは2月16日、サロンカラーブランド「ソマルカラボ(SOMARCA LAB.)」から8色の“カラージェリー”とクリア剤の“ジェリーメディウム”を発売する。

 「ソマルカラボ」は、サロン専売品で人気のカラーシャンプー「ソマルカ(SOMARCA)」から、新たに誕生する業務用カラーリング剤を展開するブランドだ。Z世代を中心にハイトーンカラーを楽しむ若者が増加し、サロンカラーにもよりバリエーション豊かな色みが求められてきた流れを受けて誕生。常識にとらわれない組み合わせや使い方で、まるでラボで実験するかのように、自由なヘアカラーの提案をサポートする。

 特徴は、塩基性染料を使用したカラーリングに適したベース基材を採用し、クリアな液色で染色時の高い視認性を実現したこと。ジェリーの持つ浸透性の高さが色むらを抑え、均一感のある染まりをかなえる。ダメージ毛のキューティクル層に働きかける毛髪補修成分“Z-ボンディング成分”を配合。ブリーチベースのカラーデザインに対して高いケア効果を発揮する。

 さらに持続可能な社会の実現に向け、包材にバイオマス材を使用することで、バージンの石油由来樹脂の使用量を削減。製品調製時において、加温および冷却工程を必要とせず、電力や水の使用量にも配慮している。

 ラインアップは、アネモネパープル、キャンディーピンク、シアン、スウィートミルクティー、ブリリアントイエロー、マンダリンオレンジ、ミントグリーン、ロイヤルブルーの8色。“ジェリーメディウム”は、“カラージェリー”のポテンシャルを維持するクリア剤となっている。

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円環する阿寒の森(前編) ファッションデザイナー高谷健太と巡る“ときめき、ニッポン。”第10回

 山本寛斎事務所のクリエイティブ・ディレクター高谷健太とともに、日本全国の伝統文化や産地を巡る連載“ときめき、ニッポン。”。10回目は、北海道・阿寒の森について。

 10月初旬、出張で北海道東部の阿寒に赴いた。札幌出身の僕は、北海道特有のスカッとした空気を吸うと「帰ってきたー!」という気持ちになる。辺りの木々はすでに色づき、ひと足先に冬の気配が漂っていた。

 出張のハイライトは阿寒摩周(あかん・ましゅう)国立公園の散策だ。普段は立ち入りできないのだが、現地ツアーに参加して特別に入園を許可された。霧雨まじりの早朝の森は、樹木が発散する香り“フィットンチッド”が充満し、耳を澄ますとキツツキ科のクマゲラが木を突く音やカケスの鳴き声、風が木々を払う響き、地中から湧き出る水の音などを聞き分けることができる。八百万の神をはじめ、日本は自然界すべての物に魂が宿ると考えるアミニズムの思想を色濃く残しているが、この深い森の中で自然と共に暮らしてきたアイヌ民族には、まさにその真髄といえる教えが根付いているのだろう。

エゾジカによる環境被害
未来に森を残すための一手

 そんな美しい阿寒の森は、いくつか問題を抱えている。その一つが、エゾジカだ。この森は鳥獣保護区の指定を受けており、狩猟が禁止されているため、10月に周辺の森で狩猟が解禁されると、この区域に逃げ込んで来るのだという。エゾシカは木の皮を剥がして食い荒らすため木々が枯れてしまうほか、地面に生えた草木まで食べ尽くすので、森の保水機能も失われる。そこで、2005年から北海道から特別な許可を得て、年間1200頭までの狩猟が解禁になった。地元の猟師と協力しながら、囲い罠で捕獲したあと、食肉業者に引き渡され、牧場で飼育して需要に合わせて出荷されるという。

 この森を管理する新井田利光・前田一歩園財団・理事長は、「今では理解がだいぶ進みましたが、当初は反対の声も多かった」と振り返る。「自然に一切手をつけないのが理想だという意見もありますが、ある程度人の手を加えなければ森を健全に維持できないのも事実。200〜300年先にも森を残すためには、頭数制限は必要な手段だと考えています」。また阿寒に限らず、道内各地の森でもエゾシカによる被害が広がっているといい、「人間と森はこれからも付き合っていかなければならないし、より多くの人が自然との向き合い方を考えてもらえたらと願っています」。

エゾジカ問題に向き合う
ブランドビジネス

 捕獲したエゾジカをなんとか有効活用できないか。その課題意識から2019年に始動したのが「阿寒レザー(AKAN LEATHER)」だ。同ブランドを立ち上げた山内明光プロデューサーは、北海道を中心に地域活性化事業などを手掛けてきた人物だ。山内氏は「阿寒でのイベントをきっかけに、エゾシカの問題を知った」と振り返る。「5年前から阿寒に通い始め、森の中でエゾシカの食害を何度も目の当たりにし、夜になればたくさんのエゾシカが道路を歩いている状況を見てきました。そうするうちに、この問題に正面から向き合い、解決を模索していくことは、僕にとって必然だと思いました」。

 山内氏の声掛けで、私も昨年から「阿寒レザー」のキービジュアルのクリエイティブディレクションなどに携わっている。今まで産業廃棄物として処分されてきたエゾシカの革を用いたブランドの理念に共鳴し、より多くの人にこの問題を知ってもらいたいと思い参加した。

 山内氏が最初に立ち上げたのは、エゾシカの脂を使ったスキンケア、ヘアケアブランド「ユク コスメティクス(YUK COSMETICS)」だった。「中国では、鹿の角は漢方薬にも使われる貴重な原料ということを知り、コスメとしての可能性を感じました。“捕獲した動物のすべてを、余すことなく生活に活かす”というアイヌの知恵もヒントになりました」。その後、「阿寒レザー」へと製品の幅を広げていった。動物由来の商品に抵抗感を持つ人はまだまだ多いが、「エゾシカの問題解決という社会的な意義があるほか、商品の品質も評価されています。両ブランドを通して、価値観を少しずつ変えていきたい」と展望する。

【取材を終えて】

 日本各地に赴き、地域に根付いた伝統文化とそこに息づく精神性を掘り下げていくと、縄文から今日へと脈々と続く日本のアニミズムや、“円環する命”という考えが多いことに気づく。そのたびに私は「未来を豊かに暮らしていくためにどうすればいいのか」という問いに、すでに先人たちが答えを提示してくれているように感じている。

 阿寒にまつわる取材を通して強く思うのは、環境破壊をはじめとする社会問題の多くは、「“知らない”ということが無関心を生む」ということだ。未来を創造する上で大切なのは、幅広いことに関心を持ち、その中でさまざまな声を上げ、社会全体を変化させることだと思う。今がその過渡期だからこそ、私たちは思考を止めることなく、直面する問題に真摯に向き合う必要がある。

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飲食や小売業を展開するイノベーションデザインが国内17社目となるB コープ認証を取得

 飲食や小売、コンサルティング業を通じて社会課題の解決を目指すイノベーションデザイン(Innovation Design)がこのほど、Bコープ(B Corp/「Benefit Corporation」の略)認証を取得した。

 同社は、環境、調達、社会に配慮した食材のみを使用した「ハイショップカフェ(HAISHOP CAFE)」「キギ(KIGI)」などの飲食業や、環境負荷低減に配慮した雑貨を販売する「ハイショップ(HAISHOP)」などを展開。公益性の高い事業経営がより良い社会の構築につながる、という考えのもと2020年1月からサステナブル経営に舵を切り、事業を運営してきた。22年12月に総合評価82.6点を獲得し、国内企業としては17社目となるB コープ認証を取得。今後は事業を拡大し、サービス業におけるサステナビリティ・コンサルティングサービスの展開を予定している。

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ユナイテッドアローズが世界初の充電不要な活動量計“マザーブレスレット”とコラボ

 ユナイテッドアローズは、メディロム(東京、江口康二社長)が開発した充電不要の活動量計“マザーブレスレット(MOTHER BRACELET)”とコラボした商品を発売する。マットブラック、ベージュ、ユナイテッドアローズを象徴するオレンジの3色展開で、各4万9800円(税込)だ。

 1月20日に両者の公式オンラインストアで予約を開始し、2月22日にユナイテッドアローズ原宿本店や心斎橋店など15店舗で販売する。丸の内店では、2月22日〜3月5日の期間、ポップアップも行う。

 “マザーブレスレット”は、米国・シリコンバレーのスタートアップ企業マトリックスインダストリーズ(MATRIX INDUSTRIES)の特許技術「温度差発電」を搭載した世界初の充電不要な活動量計。歩数、睡眠、心拍数、消費カロリー、体表温などの健康に関するさまざまなデータを24時間365日計測できる。

 今回のコラボレーションは、両者の「ファッションを楽しみながら健康的な生活を送ってほしい」との思いから実現したという。日々の活動記録はエナジーポイントとして蓄積され、貯まったポイントはギフトに交換可能なほか、一般社団法人more trees(モア・トゥリー)に10ポイント=1円として寄付できる。寄付金は、同法人を通じて多様性のある森づくりプロジェクトに活用される。

 ユナイテッドアローズは1月下旬以降、公式ツイッターにおいて、コラボ商品が当たるキャンペーンも実施予定だ。

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自然派化粧品とヒップホップに共通点!? 精油の力を学んだ中高生の「ファッション育」Vol.5

 中高生のためのファッション育プロジェクト「フューチャー・ファッション・インスティテュート(FUTURE FASHION INSTITUTE、以下FFI)」は、「ファッション育」を通じて子どもたちの感性を磨き、未来の業界を担う人材やセンスを生かして働く子どもの育成を応援している。展示会への訪問や業界人へのお仕事インタビューなどを重ねるメンバーは、自らの体験をシェアして友人に刺激を提供。ポジティブなループを通して、子どもたちが「未来の自分」を思い描き、夢に一歩近づくことを願う。今回はオーガニック・ナチュラルコスメメーカーのカラーズを訪れた。FFIの大学生メンター、内藤里沙がリポートする。

 今回のプレインターンシップは、コスメが大好きな高校生メンバーのリクエストから実現した。「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」などのブランドを手掛ける東京発のオーガニック・ナチュラルコスメメーカーのカラーズを訪れ、創業の経緯や精油について学び、ルームスプレー作りを体験した。

 メンバーが訪れたのは、骨董通りに構えるカラーズの専門ラボ。エレベーターのドアが開くと同時に精油の香りがふわっと漂い、メンバーからは「いい匂い~!」と歓声が上がった。ラボに入ると、50種類以上もの精油がずらりと並ぶ圧巻の光景が目に飛び込んでくる。全員白衣を着用し、まずは橋本宗樹代表から創業の経緯を伺った。

 「好きなことを大切にし、追ってきた」という橋本代表のお話は、ヒップホップダンスに明け暮れた中高時代まで遡る。当時、男性に求められる資質として流行した「3高(高学歴・高収入・高身長)」に反発心を抱いていた橋本代表は、社会への不満を謳うヒップホップの反骨精神に共感した。大学時代はファッションショーや展示会の企画・開催といったイベントのアルバイトに没頭。アルバイトを通して「人から求められることが楽しい」と感じ、いずれ起業しようと心に決めたそうだ。

 そして卒業後、ほどなくしてカラーズを創業する。当初はアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)のファクトリーを骨董通りに再現したり、人気スポーツブランドのファッションショーをプロデュースしたり、イベント制作を中心に充実した日々を送っていた。その一方で「こだわること、モノを作ることが好き」な橋本代表は、「”花火”のようにパッと華やかに咲くけれど、すぐに消えてしまう」イベントの企画・制作に一抹の寂しさを覚え、モノとして残る何かを作りたいと思い始めた。

 そんな矢先、「マツモトキヨシ(MATSUMOTO KIYOSHI)」からプライベートブランドの開発依頼を受けたことが転機となった。「とにかく中身が最高に素晴らしい商品」を作り上げようと「こだわりまくった」末に、高品質中価格帯のシャンプー「LUNG TA(ルンタ)」を発売。こだわって作ったものが評価されたことにやりがいを感じ、今後は化粧品を作ろうと決意を固めたそうだ。

 化粧品ブランドの構想を練る中で、中高時代の反骨精神が蘇り「世の中に一石を投じてやろう」という気持ちが芽生えた。そんな中、「人生を賭けるにふさわしい目標」と出合う。1990年代からフェアトレードや動物実験の禁止に取り組む「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」の創業者アニータ・ロディック(Anita Roddick)が謳う理念「企業には世界を良くする力がある」だ。サステナビリティが重視される近年では馴染みのある理念だからか、やや不思議そうな顔をするメンバーに「かつて、企業はお金を稼ぐことが全てとされていたんだよ」と橋本代表は補足説明。事業を通して社会を良くするべく、化粧品業界の中でもオーガニック・ナチュラルコスメに取り組むことを決意した。「マイノリティであっても正しいと思うことについて、社会に強いメッセージを発信する姿勢」はヒップホップにもオーガニック・ナチュラルコスメにも通ずる反骨精神なのだ。オーガニックの定義は、「3年以上化学肥料や合成農薬を使っていない土地で栽培された植物を使ったコスメ」だ。オーガニックコスメの開発・普及に取り組むことで、①有機農場の拡大による環境保護、②精油の効果に伴う心と身体のケア、③オーガニック原料の国産化に伴う地方創生という3つの要素から社会に好循環を生み出せると考えた。こうして、橋本代表はオーガニック・ナチュラルコスメで世の中に一石を投じ、事業を通じて世界を良くすることを目指した。

 「オーガニックコスメの日常化」を目標に商品開発を始めるものの、4つの壁が立ちはだかった。①自然由来原料が故に品質が不安定なこと、②使える成分が限られるため使用感が悪いこと、③原料が高価なため商品が高くなること、④オーガニック・ナチュラルコスメがマニアックだったため、全国に店舗網を持つコンビニやドラッグストアに置いてもらいにくいことだ。「諦めの悪さ」と「こだわり屋」を生かしてこれらの壁を乗り越え、2012年の10月にシャンプーをはじめとするオーガニックコスメブランド「ARGELAN(アルジェラン)」をローンチした。

 ここまで漕ぎ着けることができたのは「志を持ち、諦めなかったから」と力強く語る橋本代表は、「今日のテーマである“好きなことを仕事にする”でも同じことが言えると思うから、中高生のみんなも諦めずにチャレンジし続けてほしい」とエールを送った。

エビデンスのあるオーガニックコスメを作りたい!
研究開発部長を化粧品業界へ導いたアイテムとは?

 続いて、岡野利彦・研究開発部長がキャリアや仕事内容を紹介した。「化粧品開発は天職」と語る岡野部長の運命を変えたアイテムは、「白いボールペン」だ。大学2年生のとき、白いボールペンは修正液にさまざまな改良を重ねた産物であると知ったことがきっかけだそう。「自分も科学を使って身近な人の生活を少しでも豊かにするモノづくりをしたい」と思い、大学院で有機化学を学んだのち、化粧品業界に足を踏み入れた。外資系の消費財メーカーでスキンケアの開発に15年以上携わり、4年前に転職。そんな岡野部長は「エビデンスコスメとオーガニックコスメを組み合わせた化粧品の開発に挑戦したい」と話す。そのために現在は、仕事の傍ら、社会人博士として精油が心身に与える効果の研究を行っている。精油の香りに関する科学的な解明は、世界中で進んでいる。例えば、集中力がアップすると言われているローズマリーの香りを嗅ぐと脳内の血液量が増加し、リラックス効果で有名なラベンダーの香りを嗅ぐと血液量が減少するという研究結果が発表されている。カラーズは精油をブレンドして化粧品に香りをつけ、心身のケアを狙っているそうだ。

 プレインターンシップの目玉は、「心と身体を整える 100%精油オリジナル ルームスプレーづくり」だ。まずは植物療法士の資格を持つ、中村珠梨PRからレクチャーを受けた。ルームスプレー作りに使用する3種類のベースとなる精油は「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」の香りと同じ、幸せ溢れる「スーパー・ポジティブ」、気持ち弾む「スーパー・バウンシー」、ストレスケアに適した「スーパー・シャイニー」だ。またベースの精油に加える7種類の精油は嗅ぎ比べ、効果やポイントを教えてもらった。例えば、グレープフルーツは人に幸福感を与える香りと言われており、フランキンセンスは呼吸をスローダウンさせるそう。7種類の精油は「元気になりたい時用」(グレープフルーツとイランイラン、ローズマリー、ユズ)と「リラックスしたい時用」(ベルガモットとフランキンセンス、ラベンダー)で分類されており、メンバーそれぞれが“なりたい気分”を考えて調合した。白衣を着てスポイトを握りしめたメンバーの顔は、真剣そのもの。岡野研究開発部長や橋本PRのアドバイスをもらいながら、思い思いのルームスプレーを作り上げた。

 1kg300万円のローズを使用した精油と、100円ショップの精油の嗅ぎ比べクイズもあった。メンバーの間では意見が割れ、「勘で答えるしかない」というぼやき声も聞こえてくるほど難しい。「ブルガリアでローズの買い付けに行くときは、運転手さんが拳銃を持っているんだよ」という橋本さんの言葉に、メンバーは目がまん丸。香りの成分は開花のタイミングで放出されるため、バラが開花する朝の5時に農園を訪れ、咲いた瞬間に花びらを摘むのだと教えてくれた。

 プレインターンシップの最後は、こだわりのナチュラルサンドイッチとみかんジュースをいただきながら、会話を楽しむ「コミュニケーションタイム」だ。頂いたみかんジュースは、国産原料にこだわった「アルジェラン(ALGERAN)」の精油調達先である伊藤農園のもの。伊藤農園は美味しいみかんジュースを作るべく、皮を潰さずに優しく果汁を搾るお椀型の機械を使用している。つまり、ジュースの製造時に生じるみかんの皮には精油が残っているため、それをカラーズが買い取り、オーガニック・ナチュラルコスメの国産化を実現しているのだ。

 橋本宗樹代表に「今日は何で参加してくれたの?」と聞かれたメンバーは、「自分が好きなコスメのことを知りたくて」と答えた。「えらいなあ、僕がみんなくらいの年頃のときは、何も考えてなかったなあ」と笑う橋本代表を見て緊張がほぐれたのか、「将来の夢はなんですか?ってよく聞かれるじゃないですか。でもまだ分からない。そんなに聞かないでって思っちゃう」とこぼす場面も。橋本代表が「分からないよねえ!」と肯定すると、メンバーは我が意を得たりと嬉しげに笑っていた。将来の夢は分からないながらも、別れ際に植物療法士の中村PRと連絡先を交換するメンバーの姿を見て、好きなことが夢になる日も遠くないのかもしれないと感じた。

参加した学生のリポートから
 今回は、コスメ企業のカラーズにオーガニック・ナチュラルコスメの魅力について、うかがいました。 オーガニック・ナチュラルコスメは、作るのが大変でコストもかかります。しかしカラーズは、「たくさんの人にオーガニック・ナチュラルコスメの魅力を知って欲しい」という思いから、手ごろな価格で提供することに力を入れています。そもそもオーガニックコスメには、肌だけでなく、環境にも優しいという良い点があるそうです。たくさんの魅力があるオーガニック・ナチュラルコスメという商品に目をつけ、沢山の人に商品を知って欲しいと利益を減らしてまで売っているのがすごいと思いました。ルームミスト作りは調合の体験が楽しく、こういう職業もいいなと思いました!(Kano/中学2年)

 カラーズは要らなくなったフルーツの皮などから搾り出る油脂などを使ってシャンプーなどを作り、SDGsに貢献しながら肌に優しい成分を使ってしっかりと効果の出る商品を作り出しています。そしてフルーツなどから出る油脂には、人の感情を動かす働きがあるそうです。いいと思う匂いは、人によっても、年齢次第でも変化するそう。今回は好きな匂いを混ぜて自分好みのルームミストを作らせてもらいました。理科が苦手な私でも、楽しくプレ・インターンシップを楽しめました。(Anne/中学3年)

 今回のプレインターンシップではフレグランスを作りました!最初に会社の説明を受け、フレグランスを作り、軽食を食べながら、とても楽しく学べました!何種類もの香りを混ぜても、フレグランスは臭くなりませんでした。これまではいろんな香りを混ぜると臭くなるという偏見を持っていたので、新たな発見でした。(秋山寿/中学3年)

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「無印良品」がカポック繊維の春夏ウエアを拡充

 「無印良品」は、カポックを使った衣料品のアイテム数を拡大する。1月10日から販売する2023年春夏物ではメンズ・ウィメンズ合わせて17アイテムに採用。カポックは東南アジアの熱帯地方に自生する木の実から採った繊維で、病害虫に強いので農薬をほとんど使わず、水や肥料も少なく済むため、環境負荷が少ないといわれている。近年はダウン(羽毛)の代わりにアウターの中綿としても注目されているが、「無印良品」の春夏物では混紡してジャケットやワンピースに使う。

 10日から販売するのは「木の実から作ったカポック混シャツジャケット」4990円、「同ジャケット」5990円、「同コート」6990円、「同オックス長袖シャツ」3990円、「同長袖ワンピース」4990円、「同スカート」4990円(全て税込)など。

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「無印良品」がカポック繊維の春夏ウエアを拡充

 「無印良品」は、カポックを使った衣料品のアイテム数を拡大する。1月10日から販売する2023年春夏物ではメンズ・ウィメンズ合わせて17アイテムに採用。カポックは東南アジアの熱帯地方に自生する木の実から採った繊維で、病害虫に強いので農薬をほとんど使わず、水や肥料も少なく済むため、環境負荷が少ないといわれている。近年はダウン(羽毛)の代わりにアウターの中綿としても注目されているが、「無印良品」の春夏物では混紡してジャケットやワンピースに使う。

 10日から販売するのは「木の実から作ったカポック混シャツジャケット」4990円、「同ジャケット」5990円、「同コート」6990円、「同オックス長袖シャツ」3990円、「同長袖ワンピース」4990円、「同スカート」4990円(全て税込)など。

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レイア姫も着用のフィンランド発ジュエリー「カレワラ」を選ぶ理由 自然・環境への配慮と利益の3分の1をチャリティーに寄付

 フィンランド発ジュエリー「カレワラ(KALEVALA)」が2022年秋、日本に上陸した。「カレワラ」とは、フィンランドの民族叙事詩のことで、初版発行から100周年の1935年に女性作家のエルサ・へポラウタが創業。自然を感じさせる有機的で他にはないデザインが魅力で、フィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)第46首相をはじめ、オノ・ヨーコなどが着用。1970年代の映画「スターウォーズ」では、レイア姫のネックレスに「カレワラ」が採用されている。日本では、公式ECで販売中だ。

 「カレワラ」の魅力は、デザイン性だけではない。創業時から貫かれるその徹底した企業姿勢にある。通常、ジュエリーブランドというと、マーケティングの一貫としてインフルエンサー起用、SNS発信などでブランドを知ってもらい、商品を手に取ってもらうという戦略が多い。「カレワラ」は、マーケティングとは相反するコミュニケーションを取っている。創業以来受け継がれるキーワードである“女性”“チャリティー”“サステナビリティ”に真摯に向き合い、企業活動を行っている。

創業時から続くチャリティー精神

 多くの企業が近年CSRの一貫でチャリティーに協力しているが、カレワラは、創業時に遡る。ジュエリーブランド創業の目的は、叙事詩「カレワラ」に登場する女性を讃える銅像をつくることだった。その銅像建設委員会の活動を引き継いだカレワラ女性協会が今でも「カレワラ」の所有者だ。1939年に戦争が勃発したため、銅像建設は一時中断。それまで集まっていた資金は、戦争被害にあった女性や子どものために使用された。それ以来、チャリティーはカレワラの企業活動の一部として継続している。毎年利益の3分の1をチャリティーおよび自社スタッフの福利厚生に充てている。

女性による女性のための企業活動

 カレワラは女性が立ち上げ企業。その創業時からの女性を支援する精神は代々受け継がれている。同社は創業以来、フィンランドを代表する企業として1980年代の一時期を除き女性が運営。2019年に最高経営責任者(CEO)に就任したキルシ・パーッカリは、8代目の女性トップだ。1960年代にデザインは男性の領域だったが、ファッションアーティストのパウラ・ハイヴァオヤをデザイン責任者に起用するなど女性の活躍できる場をつくった。

 カレワラは、チャリティー面でも女性をサポート。ケニアの村マコンゲニにカレワラトレーニングセンターを設立し、年間190人の弱い立場に置かれた16~25歳の女性に理髪、裁縫、情報処理のトレーニングを提供している。また、フィンランドの全国障害者協会であるルセッティと協業でデジタルプラットフォーム「障害のある少女」を立ち上げ、イベントなどを通して障害のある女性を支援するなど、活動の場を広げている。

リサイクル素材と自然の力で生まれるジュエリー

 カレワラの活動はクリーンエネルギーに支えられている。80人以上が働く工房では、LED照明を使用し、風力発電と屋上のソーラーパネルで自家発電した電気でまかなっている。また、ジュエリーの製作過程に出る排水を浄化して再生水を再び製造に使用し、水の使用量を削減するなど、徹底的に無駄を省き、環境に優しいエネルギーにこだわり、可能な限り循環させている。

 ジュエリーの素材についても、ゴールドは100%、シルバーは95%リサイクル由来のものを使用。シルバーもゴールド同様、100%リサイクル由来にすることを目標にしている。ジュエリーボックスや配送用放送には持続可能な森林資源であるFSC認証の段ボール素材を採用。

 あらゆる企業の課題である環境負荷の減少だ。カレワラの自社への設備投資は相当なものだと思う。このように、できるだけ使用するエネルギーは自社でまかない循環させるという姿勢がすばらしい。

 リサイクル素材にこだわり、循環エネルギーを使用してつくられたジュエリーは、とても美しい。

 ローンチイベントで来日したパーッカリCEOは、来場ゲスト一人一人に挨拶し、カレワラの企業ストーリーを説明。単なるジュエリーブランドの発表会とは違う、一歩踏み込んだ丁寧なプレゼンテーションは、新鮮かつ好感が持てた。環境や人に、実際貢献するジュエリーブランド「カレワラ」。私は、そのユニークな個性がある「カレワラ」のジュエリーをまといたいと思う。

 なぜなら、その美しさとオリジナリティー、そして、その企業姿勢が理由だ。

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「ベドウィン」とコラボも ロサンゼルス発のサステナブルスニーカー「クレイ」のこだわりのモノづくり

 ロサンゼルス発のシューズブランド「クレイ(CLAE)」は、快適な履き心地と洗練されたビジュアルで認知を拡大中だ。リサイクル素材やビーガンレザーを使用し、再生可能エネルギーのみで工場を操業するなど、サステナビリティへの配慮が前提となったものづくりを実施する。その取り組みが共感を呼び、フランスのジュエリーブランドが販売員のユニフォームとして「クレイ」のシューズ採用したケースも。日本では2022現在、百貨店やオンラインなどで約30店舗を展開する。「コロナ禍以前から業績の年間成長率は20〜30%を維持している」と語る「クレイ」を率いるジェローム・トゥイリエ(Jerome Thuillier)=ブランド・グローバル・ディレクターにブランドが伝えたいメッセージやものづくりのこだわりなどを聞いた。

ブランドのコアバリューの
更なる強化を進める

WWD:ブランドのDNAは?

ジェローム・トゥイリエ=ブランド・グローバル・ディレクター(以下、トゥイリエ):「クレイ」は2001年にロサンゼルスで生まれたブランド。履き心地が良く、清潔感があり、洗練された素材を使ったスニーカーが、クラシックシューズとスポーツスニーカーの中間的ポジションとして人気を集めた。特にスケーター界隈では、スケート後にそのまま出かけられる、“アフタースケート”のシューズとして注目を浴びた。色使いや形、ロゴの使い方などがシンプルな見た目で、スニーカーとしては挑戦的なデザインだったと思うが、そのミニマルなところが愛される一因だろう。良い“テイスト”を持ったお客さまに支持されてここまできた。

WWD:ブランド・グローバル・ディレクターとしてどこまでブランドを統括する?

トゥイリエ:スケート業界に何年もいたので、「クレイ」というブランド自体は、ユーザーとして初期のころから気になっていた。正式に現職に就いたのは15年だが、数年前からコンタクトは取っていた。ヨーロッパに拠点を設け、マーケティングを担当するオフィスを作るというアイデアを掲げてディレクターに。フランスとロサンゼルスをつなげながら、デザインなども見ている。「DCシューズ(DC SHOES)」や「ヴェジャ(VEJA)」で得た経験は市場の理解に役立ち、今日に生きているだろう。最高の“カクテル”を作るためのレシピを作っている気分だ。

生産エネルギーや使用素材にこだわり
環境問題に対する確かな理念

WWD:「クレイ」のサステナビリティへの取り組みはどのようなものがある?

トゥイリエ:立ち上げ当初はオーガニック・コットンなどの素材を取り入れつつ、常にビーガン素材を使ったスニーカーをそろえていた。15年に入社したとき、製品の素材調達から改善したいと考えた。まずはビーガン素材の取り入れを増やし、そのほかの合成樹脂(プラスチックやポリ塩化ビニール)で作られていたパーツは全て、プラスチックごみのリサイクル素材などに変更している。これまでリサイクル素材で作られていなかったシューズの設計を見直している。メイン商材のレザーシューズはレザー・ワーキング・グループ認証のレザーを使用。ベトナムに拠点を置くパートナーは再生可能エネルギーのみで運転しながらレザーを生産している。太陽光や風力発電で生まれたエネルギーを使用し、生産に使用する水は工場内で循環させる。時間をかけて改善してきたところだ。早い段階からさまざまな素材の仕様に乗り出していたので、多くの試行錯誤がある。われわれがまずは道をかき分け、多くの人がその道に続くよう整えるのが使命だと思っている。

WWD:スニーカーはどのくらいの割合でリサイクル素材を使用している?

トゥイリエ:スニーカー単位では、完成品の数値を示すのは難しい。インソールは100%リサイクル素材を使用しているが、他の部分は22年現在、50〜70%となっている。ほぼ全ての製品に異なる割合でリサイクル素材を用いている。動物性レザーの丈夫さも理解して使用しているが、ビーガンレザーを使ったスニーカーは10%程度だったものが22年現在は50%を超えている。

WWD:ビーガンレザーへの完璧な置き換えを目指す?

トゥイリエ:動物性レザーは耐久性に優れていることは間違いない。ただそこだけにフォーカスすると動物の福祉などが考慮されなくなってしまう。現段階では、バランスを見つけることが鍵だと思う「クレイ」は動物性レザーの代替となる植物由来の素材を積極的に取り入れており、レザーの質感や見た目の美しさには自信がある。

WWD:サステナビリティのゴールは?

トゥイリエ:5年前、私の目標は現在とは大きく異なっていた。今までやってきたことをすごく誇りに思っている。これからの目標は、100%リサイクル素材を使ったスニーカーを、生産コストを抑えて作ること。材料がリサイクルされていたとしても生産にエネルギーを使うので、完璧とは言えない。いつか、中古でシューズが出回る代わりに、スニーカーを庭に植えるとそこから植物が生えるようになるかもしれない。そんな未来を信じている。

「クレイ」のストーリーを
日本のフットウエアファンに

WWD:ブランドのメイン市場は?

トゥイリエ:フランスやイギリス、ドイツを中心とする西ヨーロッパ。“ロサンゼルスらしさ”がヨーロッパやアジアで良い反応を生んでいると実感する。ロサンゼルスといえばサーフィンや西海岸の雰囲気をイメージする人が多いと思うが、実際はかなり複雑な都市だ。海岸を外れると、周りはより広い自然に囲まれていて、砂漠もある。セレブリティーも多く暮らし、多くの産業が生まれている。とてもユニークなエリアだ。

WWD:日本ではリーガルコーポレーションが販売しているが、日本市場は今どのフェーズにあると思う?

トゥイリエ:まだまだ初期段階だ。シンプルなもの作りというのは、実際すごく難しいことで、最高の品質と快適さを追求しなければ成立しない。だから、時間をかけて、そのストーリーを伝えていきたいと思っている。だからこそ「ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ(BEDWIN & THE HEARTBREAKERS)」(以下、ベドウィン)とコラボレーションもした。

コラボを通して
多面的な魅力を創造

WWD:これまで「アニエスベー(AGNES B.)」などともコラボをしてきた。11月19日に発売した「ベドウィン」とのコラボレーションアイテムのこだわりは?

トゥイリエ:コラボレーションをしたアイテムは一生残るので、コラボ相手はブランドや調達方法、パッションなど、細かいところまで見て決定している。「ベドウィン」を立ち上げ、ディレクションする渡辺真史とはコラボについてだけでなく、スケートボードや旅行、ロサンゼルスについてなど、同じバックボーンを共有するから生まれるニッチな対話ができた。話すうちに、どのように「ベドウィン」のビジョンと、「クレイ」の環境問題への理念を融合できるかを考えていった。コラボスニーカーには「ベドウィン」のアパレル製作時の残布を使って、パッチワーク風にアレンジしている。

WWD:フランスではポップアップも開催している。日本での出店計画は?

トゥイリエ:フランスの百貨店ル・ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)でのポップアップは売れ行きも良く、好調だ。ブランドのストーリーや背景をじっくりお客さまとコミュニケーションできる良い機会となった。来店して初めてブランドについて知った人、ロサンゼルスから観光で来ていたフランスで「クレイ」に出合った人など、さまざまな来店客とつながれた。日本でももっとブランドについて伝えていきたい。

問い合わせ先
リーガルコーポレーション
047-304-7261

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アダストリアとヤマト運輸がパートナーシップ協定 温室効果ガス排出削減目指し

 アダストリアとヤマト運輸はロジスティクスパートナーシップ協定を19日に締結した。原材料の調達から商品の生産、オムニチャネルでの販売まで国内外に広がるアダストリアのサプライチェーンにおける物流のあり方、在庫の持ち方を見直すことで温室効果ガス(GHG)排出量の削減を図る。2023年中に一定の成果を上げることを目指す。

 今後は、アダストリアが持つファッション産業のサプライチェーンの知見とヤマト運輸の国内外に広がる物流インフラとロジスティクスのノウハウを活用し、他のファッション企業などとも協力しながら取り組むという。

 木村治アダストリア社長は、「ファッション業界をとりまく社会課題は、個社だけで解決できるものではなく、関係企業や地域社会、お客さまと共に継続的に取り組んでいくことが重要だ。今回のヤマト運輸とのロジスティクスパートナーシップ協定を契機に、まずは当社の事例をベースにしながら仲間を集めて取り組みの輪を広げてゆく。適時適量の在庫管理や共同配送の仕組みづくり、環境負荷の把握に必要なルールの整備など、業界全体でナレッジをシェアし合いながら共に成長できる土壌をつくりたい」と話している。一方、恵谷洋ヤマト運輸専務執行役員は「今回のアダストリアとの協定は、サステナブルファッションの実現に向けた重要な一歩と認識している。まずは同社のサプライチェーン改革に向けた取り組みを開始し、そこでの成果をファッション業界内に共有・拡大していく」とコメントしている。

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米連邦取引委員会、グリーンウォッシング防止のためのガイドライン見直しに着手

 米連邦取引委員会(Federal Trade Commission)は、企業が合法的な環境マーケティングを推進し、消費者が正しく判断できるよう補助するために制作された“グリーンガイド(Green Guides)”の改訂に着手することを決定した。1992年に初めて公開された同ガイドラインの改訂は2012年以来初となる。

 改訂するか否かの投票に先立ち、米アパレルフットウェア協会(American Apparel & Footwear Association 以下、AAFA)などのファッション業界団体やプラスチック包装に関する最大の利害関係者が参加する全米規模の団体である米化学工業協会(American Chemistry Council)がガイドラインの見直しを求めていた。

 チェルシー・マーサ(Chelsea Murtha)AAFAサステナビリティ・ディレクターは、「サステナビリティを取り巻く環境は12年から大きく変化している。消費者は環境に関する主張に対してより懐疑的になっている。グリーンウォッシングに関する確固たるガイドラインができれば消費者と企業の双方に利益をもたらすだろう」とコメントする。

 12月14日に開催された公開委員会において、連邦取引委員会は同ガイドラインを見直すことを満場一致で決議。今後、パブリックコメントを募集し、ガイドラインの改訂に着手する。

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「なんぼや」のバリュエンスが「ファッション協定」に加盟 日本企業2社目

 ブランド品の買い取り店「なんぼや」を運営するバリュエンスホールディングス(東京、嵜本晋輔社長)は、ファッション産業の環境負荷低減に向けた国際的枠組み「ファッション協定(THE FASHION PACT)」にこのほど加盟した。日本企業としてはアシックスに続いて2社目。これを機に循環型経済への取り組みを一層加速する。

 ファッション協定は、2019年4月にフランスのエマニュエル・マクロン大統領がケリングのフランソワ・アンリ・ピノー会長兼最高経営責任者に呼びかけて創設した。気候変動、生物多様性、海洋保護などの分野で具体的な目標達成を掲げる。ラグジュアリーブランド、小売業、アパレル、スポーツ、ライフスタイル関連の企業が対象で、ケリング(KERING)、シャネル(CHANEL)、エルメス(HERMES)、ナイキ(NIKE)、アディダス(ADIDAS)、H&Mへネス・アンド・マウリッツ(H&M)、ザラを擁するインディテックスなど現在70社以上が加盟する。

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乾燥対策に人気の「ロクシタン」シアバーム&ネイルオイルがリニューアル 99%自然由来のクリーン処方に

 「ロクシタン」は2023年1月6日、 "シア ザ・バーム"(150mL、税込4730円 / 50mL、同3080 円)と"シア ネイルオイル"(7.5mL、同2640 円)をリニューアル発売する。同ブランドのシアシリーズは22年1月にハンドクリームやボディークリームなど刷新しており、今回もそれに次ぐ取り組み。保湿力や香り、使い心地を向上させつつ、99%自然由来のクリーンビューティ処方へと生まれ変わる。

 同シリーズの柱となるシアバターは"保湿の王様"と呼ばれるほどの高い保湿力が特徴。「ロクシタン」はシアバターの原産国である西アフリカ・ブルキナファソからフェアトレードで調達すると同時に、現地女性たちの就労支援や環境保全活動を行ってきた。22年からのリニューアルでは"地球と人への優しさ"を加速させ、成分を見直し自然由来成分を増やしたり、プラスチック容器をアルミに変更したりするなどの取り組みを実施している。

 今回リニューアルする"シア ザ・バーム"はシアバターを25%配合した濃厚なテクスチャーが特徴。新たにナタネ由来成分を配合した。シアオイルを30%配合している"シア ネイルオイル"には肌をなめらかに導くアボカドオイルと肌の潤いと艶を守るアルガンオイルを配合している。

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「ザ・ノース・フェイス」が“ヌプシ”から、衣服内に空気を取り込む新テクノロジーを搭載したベストを発売

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」は12月9日、アイコンの“ヌプシ(NUPTSE)”コレクションから、衣服内に空気を取り込む新テクノロジーを搭載した“エアー チャンバー ヌプシ ベスト(AIR CHAMBER NUPTSE VEST)”を発売した。価格は5万8300円(税込)。東京・渋谷のザ・ノース・フェイス ラボと、ザ・ノース・フェイス プラス グランフロント大阪の直営2店舗限定で扱う。

 同商品は羽毛や化繊など中わた材の代わりに空気を用いることで、軽さを追求した。アウターとしてはもちろん、自分で空気量を増減して保温性の強弱やかさ高を調整し、ミドラーとして着ることもできる。空気を抜いてスタッフサック(収納袋)にコンパクトに収納し、持ち運ぶことも可能だ。「ザ・ノース・フェイス」は、「原材料の削減など環境負荷軽減にも寄与する」と話す。

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「ボタニスト」が“国際山岳デー”に合わせて動画を公開 多様性のある森作りのため小学校での森林環境教育も開始

 アイエヌイーが展開するボタニカルライフスタイルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」は、12月11日の国際山岳デーに合わせ、“BOTANISTの森”の活動や、森の循環についてまとめた動画を公開。さらに北海道美帆町立旭小学校での森林環境教育を開始した。

 “BOTANISTの森”作りとは、北海道美幌町の伐採跡地で、「ボタニスト」が行っている植林活動のこと。同ブランドのスタンダードラインのシャンプー・トリートメントに使用している白樺を含め、複数の樹種の植林を行うことで、多様性のある森に戻す活動に取り組んでいる。2022年は白樺2000本、ミズナラ4000本の植林を行い、“BOTAISTの森”は3万㎡にまで広がっている。

 今回の取り組みは、国際山岳デーをきっかけとして、未来の環境のことを考える機会を多くの方へ届けたいという思いを込めて、動画の公開とSNSキャンペーンを実施するもの。動画では“BOTANISTの森”での活動や、新たな取り組みである森林環境教育をフィーチャーしている。

 森林環境教育は、同ブランドと森林保全団体のmore trees、さらに美幌町役場との協働による取り組み。子どもたちに自然に触れる機会を提供し、意識を高め、ともに森の多様性を守っていくことを目的にしている。

 今回の活動では、ブランドチームが実際に美幌町の森を訪れ、一つ一つ集めた広葉樹の種を美幌町立旭小学校の1年生へ届けた。実際に森で集めたさまざまな種を手にした子どもたちと、その種の種類や特徴などを話し合うなどして、自然を見て、触って楽しむ機会を提供。今後、子どもたちはこの種を“BOTANISTの森”へ植林するための苗として育てていく。

 一連の取り組みを、有識者たちも評価。東京農業大学自然資源経営学科の小川繁幸准教授は「“BOTANISTの森”の活動は、森と人が共存していく価値観を育み、その先に森の持続的な利用と、森の循環的な形成につながるきっかけになるのではないかと思う」とコメント。北海道水産林務部森林環境局の寺田宏局長は「種から育てて最終的に森を作るという “BOTANISTの森”での活動は、発芽して、それが成長するのを実感として感じていくことができる。子どもたちが自然のプロセスを最初から見ることができるという意味で、大変意義のあることに思う」と期待を寄せた。

問い合わせ先
「ボタニスト」
0120-388-983

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「ボタニスト」が“国際山岳デー”に合わせて動画を公開 多様性のある森作りのため小学校での森林環境教育も開始

 アイエヌイーが展開するボタニカルライフスタイルブランド「ボタニスト(BOTANIST)」は、12月11日の国際山岳デーに合わせ、“BOTANISTの森”の活動や、森の循環についてまとめた動画を公開。さらに北海道美帆町立旭小学校での森林環境教育を開始した。

 “BOTANISTの森”作りとは、北海道美幌町の伐採跡地で、「ボタニスト」が行っている植林活動のこと。同ブランドのスタンダードラインのシャンプー・トリートメントに使用している白樺を含め、複数の樹種の植林を行うことで、多様性のある森に戻す活動に取り組んでいる。2022年は白樺2000本、ミズナラ4000本の植林を行い、“BOTAISTの森”は3万㎡にまで広がっている。

 今回の取り組みは、国際山岳デーをきっかけとして、未来の環境のことを考える機会を多くの方へ届けたいという思いを込めて、動画の公開とSNSキャンペーンを実施するもの。動画では“BOTANISTの森”での活動や、新たな取り組みである森林環境教育をフィーチャーしている。

 森林環境教育は、同ブランドと森林保全団体のmore trees、さらに美幌町役場との協働による取り組み。子どもたちに自然に触れる機会を提供し、意識を高め、ともに森の多様性を守っていくことを目的にしている。

 今回の活動では、ブランドチームが実際に美幌町の森を訪れ、一つ一つ集めた広葉樹の種を美幌町立旭小学校の1年生へ届けた。実際に森で集めたさまざまな種を手にした子どもたちと、その種の種類や特徴などを話し合うなどして、自然を見て、触って楽しむ機会を提供。今後、子どもたちはこの種を“BOTANISTの森”へ植林するための苗として育てていく。

 一連の取り組みを、有識者たちも評価。東京農業大学自然資源経営学科の小川繁幸准教授は「“BOTANISTの森”の活動は、森と人が共存していく価値観を育み、その先に森の持続的な利用と、森の循環的な形成につながるきっかけになるのではないかと思う」とコメント。北海道水産林務部森林環境局の寺田宏局長は「種から育てて最終的に森を作るという “BOTANISTの森”での活動は、発芽して、それが成長するのを実感として感じていくことができる。子どもたちが自然のプロセスを最初から見ることができるという意味で、大変意義のあることに思う」と期待を寄せた。

問い合わせ先
「ボタニスト」
0120-388-983

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「バーチャルマーケット」が9回目の開催 ビューティー業界からは「マリークヮント」が初参戦

 世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット 2022 Winter」が12月3日から18日に開催される。リアルとメタバースに並行して存在する都市“パラリアルワールド”として、今季は「パラリアル名古屋」「パラリアル札幌」「パラリアルパリ」が企業出展会場となる。5回目の出店となる「ビームス(BEAMS)」や大丸松坂屋に加え、今回はビューティー業界から「マリークヮント(MARY QUANT)」、そして環境省、地方自治体など、70を超える企業が出展予定だ。11月29日に行われた発表会では、「バーチャルマーケット」の実績や今後の展開について紹介した。

「ビームス」はドレスアップを楽しむためのバーチャル製品を販売

 ファッション業界からの出店でお馴染みの顔となりつつある「ビームス」の木村淳プロデューサーはこれまでを振り返り、「当初はECサイトの延長として始めたが、実際は全く違い、バーチャルだからこそできる感動体験がある。ブランドが誇る接客術をバーチャルでも展開し、バーチャルがきっかけでリアル店舗にも来店してもらえるようになった。『バーチャルマーケット』内では、語学やコミュニケーション能力が高いスタッフ50人をバーチャルスタッフとして採用し、日替わりで接客している。バーチャルがきっかけで、リアル店舗にも来ていただいているので、新たなタッチポイントにもなった。まずは『バーチャルマーケット』内のコミュニティーに信頼されることを大切にしている」と語る。今回は「パラリアル名古屋」にバーチャルショップを構え、ドレスアップを楽しむためのスーツやシックなコート、ワンピースなどの3D商品が充実。2階にはホームセンター「カインズ(CAINZ)」とのコラボレーションコンテンツ、3階には氷でできたルーフトップバーを設置する。さらに期間中、ビームス原宿3階に拠点を設けてスタッフがバーチャルショップでのリアルタイム接客にあたるが、日時限定で同スペースを開放し、バーチャルショップを体験できる機会も提供する。

「バーチャル大丸・松坂屋」は食以外の製品を拡充

 今回「パラレアルパリ」に「バーチャル大丸・松坂屋」を展開する大丸松坂屋百貨店は、食品に加え、新たにアートや寝具も販売する。「百貨店の楽しさを知ってもらうため、仮想空間の中でも発信するべく工夫してきた。これまでに一般のインフルエンサー15人を登用し、バーチャル接客を行うことで、新たなコミュニケーションの場として展開した。結果的にバーチャル内で新規顧客が増えてきたが、”食”だけでは限界があることを痛感し、今回はアートや『ブレインスリープ(BRAIN SLEEP)』の寝具を追加している。一番高額なアート商品は『バーチャル大丸・松坂屋』に展示されているオブジェの現品で、約55万円。エレベーター内にはクリエイターのバイオグラフィーを表現した空間が広がり、3階に上がると寝具のフロアへと導く。前回とは少し違う空間設計にもぜひ注目してほしい」と田中直毅大丸松坂屋百貨店本社営業本部担当。

初参加の「マリークヮント」は製品販売のほか、
アバター無料配布などを実施

 ビューティー業界から初の参加を果たす「マリークヮント」は、「パラレアルパリ」に「マリークヮント メタバース パリ店」を出展。コスメアイテムのリアル製品と3Dモデル製品を販売するほか、トレンドメイク3種をアバターで体験できるコンテンツの実施、ブランドのアイコンであるデイジーマークの瞳を持つオリジナルアバター”MARY QUANT VKETちゃん”の無料配布を行う。陶正治マリークヮント コスメチックス社長は「数あるメタバースプラットフォームの中で最も人が集まることから『バーチャルマーケット』での展開を決めた。正直今は全てが手探りの状態で、今回はあくまでも”様子見”という心構えでいる。バーチャル接客にも興味があるが、まずはメタバース上での常識を体験し、今後の施策へと繋げていきたい。バーチャル上での接客が可能になれば、年齢や性別などを問わずさまざまな人が働きやすくなる。また、コスメショップに入りにくいという男性でもバーチャルであれば挑戦しやすいかもしれない。一方でメタバース上ではまだ、コスメ販売の成功事例が少ないため、今後いろいろと模索していきたい」と意欲的だ。

省庁から初参加の環境省は
若いユーザーに向けモデルルームやふるさと納税を紹介

 省庁からは環境省が初参加し、「パラリアル札幌」内すすきのエリアに、脱炭素社会が実現された”未来の家庭のモデルルーム”を展示。脱炭素や環境対策に対し、ポジティブなイメージを発信するほか、ふるさと納税を利用したことがない人に向けてわかりやすくシミュレーションするコンテンツを実施する。

2023年夏「バーチャルマーケット」のリアル開催が決定

 イベントの締めくくりには、「バーチャルマーケット」を主催する舟越靖HIKKY代表取締役が「リアルとバーチャルを本当の意味で繋ぎ合わせ、周囲を巻き込みながら全力でチャレンジしていく」と宣言。さらに、ソリューションサービス「アンリンク(unlink)」の展開を報告した。「アンリンク」はソニーから発売されたモバイルモーションキャプチャー”モコピ(mocopi)”(オープン価格、23年1月下旬発売予定)と連携することで、リアルとバーチャルの境界線をより簡単に超えたコミュニケーションが可能だ。誰でもスマートフォンでモーションデータをメタバース上に送ることができ、これまでハードルとされていたコスト面や操作の複雑さを払拭し、規格の自由度を広げることができる。

 これを踏まえ、2023年夏にバーチャルと現実都市が交錯する「バーチャルマーケット」のリアル開催が決定したことを発表。第一弾となる秋葉原では、過去に実施済みの「バーチャル秋葉原」の世界をリアルでも拡張し、量販店のスタッフなどに「アンリンク」を実装してもらうことで、バーチャルとリアル両方の接客を行なう予定だ。

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H&M、インディテックス、ステラ、ケリングが共同声明 森林保全に配慮した素材調達目指す

 H&Mヘネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ以下、H&M)とインディテックス(INDITEX)、ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)、ケリング(KERING)はこのほど、エジプト・シャルムエルシェイクで開催された国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)で、50万トン以上の低炭素繊維を購入することを共同で発表した。

 カナダの環境保全NGO「キャノピー(CANOPY)」が指揮を執るこの取り組みでは、木材の代わりに廃棄衣料や農業残渣を原料に用いた次世代素材の開発に向け、集まった資金を元にインフラ設備などを進める。「キャノピー」の試算ではこれにより、従来の生産工程と比較して工場が稼働する地域の220万トンの温室効果ガス排出削減に貢献するという。

 同団体は、木材を原料とするセルロース繊維などが森林伐採につながっていることから、持続可能な原料調達を啓蒙してきた。パートナーブランドは、消滅の危機にある森林からの原料調達を避け、FSC認証取得済みの原料調達などに取り組む。

 H&Mグループのマデリン・エリクソン(Madelene Ericsson)環境サステナビリティ・ビジネス・エクスパートは、「革新的な低炭素素材は、環境負荷を減らし、森林を保全するために欠かせない選択肢だ。2030年までに全ての素材をリサイクル素材か、持続可能な方法で調達することを目指す私たちにとって、『キャノピー』との協業が大きな一歩になるだろう」とコメントした。

 同団体と長い間連携してきたケリングのユアン・レジェン(Yoann Regent)=サステナブル・ソーシング&ネイチャー・イニシアティブ責任者は、サステナブル素材をスケールアップするための支援を継続できることをうれしく思うとコメント。

 ステラ マッカートニーは、「14年から『キャノピー』と協業し、17年からは持続不可能な木材調達をやめ森林破壊ゼロに貢献できていることを誇りに思う。サプライチェーン上の新しいソリューションの発展を加速させるために、同団体と引き続き取り組んでいく」とコメントした。

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北欧美容研究家・佐藤ニーフェラ史枝のMYベストコスメ 自然素材を活かした厳選アイテムをセレクト

 今回で3回目となるMYベストコスメには、北欧美容研究家として活動する佐藤ニーフェラ史枝が登場。スウェーデンのロックバンド「マンドゥ・ディアオ(Mando Diao)」をきっかけに北欧カルチャーや美容文化にハマったという彼女は今年、スウェーデンで開催されるビューティーアワードで今年最も影響力を与えた北欧ビューティインフルエンサーとして、外国人初のノミネートを達成した。そんな彼女が今注目している北欧コスメや美容ギア、フードを紹介する。

北欧と日本の美容業界を比べて、面白いと感じる部分は?

 「一番強く感じるのは、北欧生まれの製品であることに強いこだわりと誇りを持っている企業やブランドが多いということ。例えば、製品パッケージに国旗のマークを入れていたり、国の文化やルーツを大切にしていたりしている印象が強いです。また、北欧ではメイクアップよりスキンケアに力を入れている人が多く、他国と比べるとメイクアップブランドは少ないかもしれません。日本でも買える『イドゥンミネラルズ(IDUN MINERALS)』は有名で、現地では薬局で手ごろに買えるブランドとして人気です」。

クリーンなだけではない、北欧ビューティーの面白さ

 「北欧美容というと、“クリーン”“サステナブル”“オーガニック”といった印象を持つ人が多いかもしれませんが、それだけではありません。先祖代々受け継ぎながら家族でオーガニックプロダクトを作っていたり、山の生き物たちからヒントを得て生まれていたりなど、製品ができるまでのストーリーもおもしろいのでぜひ注目してほしいです。また、北欧は共働き世帯がほとんどなので“時短美容”が主流。1本5役の化粧品や2分でホームエステなど、プロセスのシンプルさや実際の効果が重要視されています。私自身、いくらクリーンでも実際の使い心地が良くないと使い続けるのは難しいと感じているので、今回はとっておきの厳選アイテムを紹介したいと思います」。

フィンランド発の百貨店スキンケアといえばコレ!
白樺エキスで肌本来の力を目覚めさせて

 「フィンランド発のオーガニックラグジュアリースキンケアで、“ヘヌア”は人生の楽しみや幸福を表す言葉を意味します。このトナーは、ミストタイプでサッと肌が潤う&大人の肌にうれ嬉しい天然保湿成分や抗酸化エキスを配合し、肌が『おいしい!』と喜ぶものが配合されています。水の代わりに白樺エキスが配合され、抗酸化成分がたっぷり入った色味が特徴。香りは天然のダマスクローズで、自然派コスメ特有の独特な香りも気になりません。現地では白樺樹液を美容ドリンクとして愛飲している人も多く、私は“塗る美容ドリンク”の感覚で朝晩使っています。ミストなので手軽に使え、コットン使用による摩擦も防げるので敏感肌の方にもおすすめ。

 現地でもいくつもの賞を受賞しており、製品そのものだけでなく、紙パッケージもデザイン賞を受賞しています。見た目も使い心地も高品質なので、使うたびに豊かな気持ちにしてくれる貴重な化粧水。実際に使い続けて肌のきめが整のったり、乾燥しにくくなったり、肌そのもののパワーを高めてくれている気がします。北欧だけではなく中東の富裕層にも支持されていて、百貨店でも陳列されています。北欧美容業界のイノベーターとして目が離せないブランドです!」。

肌から森林浴を!
フィンランドの森から生まれたハンドクリーム

 「10月に日本に上陸したばかりのフィンランドのオーガニックブランド、『モイフォレスト』は、フィンランドの大学の研究により開発された“リコネクティングネイチャーTM(Reconnecting Nature)”を全ての製品に配合しています。“リコネクティングネイチャーTM”とは、フィンランドの森の土から抽出した微生物エキスで免疫力を高めてくれることが実証されています。ねずみ色の柔らかいテスクチャ―に一瞬驚くと思いますが、そのクリームの中には微生物エキスが入っていて、肌に馴染ませると透明に変わります。バニラのようなハーブの甘く爽やかな香りで、日中のリフレッシュと手指の保湿に最適です。べたつかないので、パソコンや携帯をいじる前にも気兼ねなく使えます。私自身、シリーズで愛用している最近のイチオシブランドです!同ブランドの“フォレストダスト クリーム”(50mL、税込5478円)はサウナに入る時に、パックとして使うのもおすすめですよ」。

デリケートゾーンのケアはこれ一択!
“艶々、しっとり、ふわふわ”を叶えてくれる

 「数々のデリケートゾーン用ケアオイルを試してきましたが、結局戻ってきてしまうのがこちらのブランド。100%植物由来で防腐剤、香料も入っていないので、安心して使えます。今注目されている美肌菌は北欧でもトレンドで、優しく菌バランスを整えながらデリケートゾーンを洗浄・保湿することが出来ます。善玉菌の餌となるスウェーデンのオーガニックオーツ麦オイル配合、デリケートゾーンの健やかな状態を作り出すポストバイオティクスも配合されています。無香料なのでデリケートゾーンケアに香料が配合されていないものを好む方にもオススメです。私は一度に3プッシュくらいを手に取り、シャワーの時にマッサージ。洗い流したあとの艶々、しっとり、ふわふわ!という健やかな感覚は、デリケートゾーンケアの真骨頂ではないでしょうか。エイジングケアを始めたい人にはぜひお試しいただきたいです」。

抗菌作用で注目のバンブー素材に
北欧ビューティ業界も注目

 「最近北欧でもエココンシャスな人を中心に流行り始めている竹素材。繰り返し使用できる竹のコットンが注目されています。北欧ブランドではありませんが、日本では『ザ・ボディショップ』などが手に入りやすくうれしいです。

 通常売られているコットンは、真っ白にするために何リットルもの水を使用しているそうで、さらに使うたびに捨ててしまうので、最近はこのように再利用できるものを使用しています。ポイントメイクアップリムーバーを含ませ、アイメイクやリップメイクを落とす際などに便利。使用後はランドリーバッグに入れれば洗濯機でも洗えます。竹繊維は抗菌作用があることでも支持されていて、最近ではコットンだけではなく化粧品のパッケージにも使われています」。

スマホ連動で使用方法をナビゲート
2分でフェイシャルケアが完結するLED美顔器

 「1一台5役のスパフェイシャル。1台で温熱、冷熱、LEDライト、振動を組み合わせたフェイシャルケアで、肌のターンオーバーを早めてくれます。たったの2分で終わるので、面倒くさがり屋の私でも唯一続けられる美顔器です!

 スマホアプリと連動し専用のマスクを使用することで、どのような手順で手を動かせばよいか瞬時にわかります。『フォレオ』専用のマスクは弾力があり、摩擦による肌負担が少なくおすすめ。もちろんご自身が愛用している化粧水や美容液、マスクでも使用できて、浸透効果を高めてくれます。乾燥が気になる肌をたっぷり保湿したい人に最適です」。

抗酸化値を示すORAC値が豊富に詰まった
サプリ代わりに食べたいチョコレート

 「コスメとは言えませんが、私が美容サプリの代わりに食べているチョコレートで、個人的に“サプリチョコ”と呼んでいるスウェーデンのチョコレートブランド『ノックス』。“食べないより食べた方がいいチョコレート”がコンセプトで、食品の抗酸化値を示すORAC値が一粒当たり1万2523。米国農務省が推奨する1日のORAC摂取量は3000~5000なので、1粒食べれば1日に必要な抗酸化値の2倍以上が摂取できるという理にかなったスイーツなんです。レモンの3倍のビタミンC含有量を誇るバオバブパウダー、必須脂肪酸のオメガ脂肪酸が補給できるチアシードのつぶつぶの食感が満腹感を与えてくれます。サプリではなく食べ物でしっかり栄養を摂りたい人にぴったり」。

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容器リサイクル後進国・アメリカ 重い腰を上げ始めたビューティ業界【鈴木敏仁USリポート】

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。プラスチックごみの削減が世界的に叫ばれる中、取り組みが遅れていたアメリカのビューティ企業が重い腰を上げ始めた。今回は大手ビューティ企業や小売業、スタートアップのリサイクルの取り組みをまとめてみた。

 環境団体グリーンピースの最新レポートによると、昨年の米国における家庭から出たプラスチックごみの総量は年間5100万トンで、そのうちリサイクルされているのは240万トンに過ぎないという。比率にするとわずか4.7%で、残りはすべて土壌廃棄か焼却されている。

 いったん商品となったものをリサイクル目的で集めて、物流し、施設で加工する、この一連の工程をリサイクルストリームと呼ぶのだが、これが完結していないケースは多い。例えばアメリカのプラスチックごみの多くが中国に送られるのだが、中国で土壌廃棄か焼却されているにもかかわらず、現地でどう処理されているのか関知せず中国へ送り出した時点でリサイクル完了とするのがほとんどと言われる。

 われわれ消費者は容器上に印字されているリサイクルマークに従って、消費後に容器を所定のリサイクルス場所に戻すのだが、そこから先は見えず、戻した時点で満足してしまっているのが現状と言えそうだ。

 ただリサイクルマークが表示されて、消費者が積極的に容器を戻すカテゴリーはまだ良いかもしれない。実はこのリサイクルが最も進んでいない分野がビューティなのである。理由は容器形状が多様かつ複雑で、複数の素材が混在するため、リサイクルにコストがかかり難しいからだそうだ。コスメに顕著で、口紅、マスカラ、コンパクトなど、思い浮かべていただければ素人でも理解できる話である。

 もちろんニーズはあり複数の企業が種まきをして取り組んできたのだが、ウォルマート(WALMART)やセフォラ(SEPHORA)といった大手企業がとうとう本腰を入れ始めて、撒かれた種が芽吹き始めたように感じている。

 この半年ぐらいの動きを以下整理してみよう。

ウォルマート:集荷用専用の大型コンテナを設置

 ウォルマートはP&Gやユニリーバ(UNILEVER)といった大手メーカーと共同で実験を開始している。対象となるのはヘアケア、スキンケア、コスメティックスで、25店舗に集荷用専用の大型コンテナを設置、ウォルマートで買ったものに限らず、また参加メーカーに限らず全ブランドを対象としている。

 回収した商品は専用施設で洗浄し、素材のタイプによって仕分けし、粉砕するなど原材料ベースになるまで加工して新たな商品製造に利用する。重要なのはリサイクルストリームを誰が担うのかなのだが、請け負うのは日本でも事業を開始しているテラサイクル社(TERRACYCLE)である。

セフォラ:リサイクル専門業者とタッグ

 セフォラは2019年に一部の店舗で空のビューティアイテムを3つ持ち込むとPB(プライベートブランド)商品を15%値下げする実験プログラムを導入していたのだが、今年の7月に専門業者パクトコレクティブ(PACT COLLECTIVE)と契約して35店舗で本格的なリサイクルを開始している。

 パクトコレクティブは店頭に専用ボックスを設置してリサイクルストリームを請け負う企業で、ビューティ専門店を中心にして北米に220店舗をカバーしている。物流観点でいえばリサイクルボックスを一定商圏内に一定の閾値(しきいち、上限値)を超えて設置することが不可欠で、セフォラの参加は効率向上に一役買うことだろう。

 ちなみに創業者は1990年代にMACコスメティックスでリサイクルプログラムに参加してニーズに気づき、中身の詰め替え可能なビューティを売る専門店の創業を経てパクトコレクティブを立ち上げている。

ザボディショップ:容器の中身詰め替えに本腰

 冒頭のプラスチックの事例のように実際のリサイクル率が低いという問題は簡単には解決できず、究極的にはリユース(容器の再使用)やリフィル(中身の詰め替え)しかないと言われている。

 専門店としてリフィルに取り組んでいる大手企業が英ザボディショップ(THE BODY SHOP)である。2019年にロンドンで実験を開始、徐々に拡大して4月にアメリカで年末までに全店舗の49%に導入すると発表している。

 アルミ製のリフィル可能ボトルを用意して既存の商品と一緒に売り、お客は中身がなくなったら自分で洗浄し、空のボトルを店頭に持ち込み込み、リフィル専用の什器を使って店員が詰め替えるという手順だ。

テラサイクル:日本でもお馴染みの「ループ」の会社

 再使用可能なパッケージを使い回すプログラムで知られているのが既述のテラサイクルで、名称は「ループ(LOOP)」、日本でも事業を開始しているのでご存知の方も少なくないことだろう。ウォルマートやクローガー(KROGER)など大手が参加しており知名度が徐々に上がりつつある。シャンプー、リンス、ハンドソープといったパーソナルケアの液体商品が主体となっている。

 お客は店頭またはネットで専用ボトルに入った商品を購入、売価には容器代が加算されて、使用後に店頭または宅配で返品すると容器代が返金される。テラサイクルは回収後に洗浄しメーカーに送り、メーカーが再充填するという仕組みとなっている。

ユニ:注目のD2Cスタートアップ企業

 ユニ(UNI)というD2Cのスタートアップも登場している。ポンプがついたディスペンサーと中身が入るボトルを分離、ボトルをディスペンサーにはめて利用する形式で、ディスペンサーは手元に置いてボトルのみ再使用するという仕組みである。カテゴリーはバスルームで利用するシャンプー、リンス、ボディウォッシュのみ。昨年初頭に400万ドルのシード資金を調達したばかりで将来性は未知だが、リユースを中心に据えたD2Cがどこまで受け入れられるのか注目だ。

若い消費者のエコ意識に背中押される

 アメリカは詰め替えの普及が遅かった国である。ハンドウォッシュやシャンプーといった液体商材で日本では詰め替えがかなり前から定着しており、なぜアメリカで広まらないか不思議に感じていた。日本は細かいゴミ分別という煩雑さがある一方アメリカは緩く、これが消費者をして廃棄意識の違いになっていたのかもしれない。

 ただ状況は変わりつつある。業界誌の取材に対してザボディショップの担当者は、Z世代やミレニアルズといった若年層が詰め替えモデルを後押ししていると発言している。アメリカでは若年層を中心にしてエコ意識が高まっており、アメリカでもようやく取り組みが拡大してきたといったところである。

 リサイクルの難しいコスメティックスで芽が出始めたのも若年層の存在がありそうだ。やらないと店舗が支持されなくなる時代が来ているのだ。

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土屋鞄のグループ会社、京都・祇園にジュエリーショップ開業

 皮革製品の土屋鞄製造所の親会社、ハリズリー(東京、土屋成範社長)は、京都・祇園にジュエリーブランド「ビズー(BIZOUX)」と「ブリリアンス・プラス(BRILLIANCE +)」の複合店を11月19日に開業した。祇園の中でも趣ある街並みが残る祇園新橋地区。重要伝統的建造物群保存地区に建つ町家造りの木造建築の外観はそのままに、店内に入ると「地層」をテーマに層を積み重ねたようなモダンなデザインの内装が印象的だ。

地元の京セラが作った人工宝石も

 1階は子会社ドリームフィールズが展開する天然カラーストーンブランド「ビズー」の店舗。自社バイヤーが世界約20カ国から買い付けた常時100種以上のカラーストーンを使った900種以上のジュエリーに加え、セミオーダー商品も取り扱う。価格は1万円台~30万円台、セミオーダーは10万~200万円台。

 注目は、京都で作られた人工宝石「ラボグロウン・カラーストーン」を使ったサステナブルなシリーズ。高度な科学技術を駆使して作られる人工宝石は、限りある資源を有効活用し、環境破壊や労働問題を解決できる。特に人工ダイヤは海外セレブの間で話題だ。「ビズー」では、アレキサンドライトやパパラチアサファイアの端材を回収して再生成する京セラの人工宝石を使ったジュエリーを販売する。

 セミオーダー専用ショーケースには、サンタマリアカラーアクアマリンやマラヤガーネットなど100種以上が並び、世界に一つだけのリングとネックレス、ペンダントトップが作れる。リングは約1800パターン、ネックレスは約1700パターンのカスタマイズが可能。他には高さ、サイズ、硬度が異なる32粒の宝石を職人技ですき間なく留めたマルチカラーリング「ブーケ」シリーズや、50種から選べるミニマルなデザインのセミオーダー「カラーカクテル」シリーズ、ジェンダーフリーの新ライン、入手困難な希少石などラインナップは多彩だ。

 ハリズリーの土屋社長は「ブライダルといえば、ダイヤモンドが主流だが、最近はカラーストーンの需要が増えている。『ビズー』では120種のカラーストーンを展開している強みを生かし、二人の思い出の色を選べるカラーブライダルも大々的に打ち出していきたい」と話す。

環境破壊が少ない海底ダイヤモンド

 2階は同じく子会社キューが展開するダイヤモンドジュエリーのブランド「ブリリアンス・プラス」のショールームを設けた。ECサイトからスタートした同ブランドは、国内外のサプライヤーの在庫データと連携することで、約3万個ものダイヤモンドをサイト上で一括検索できるのが特徴。サプライヤーから直接買い付けることで適正価格を実現している。ダイヤの種類と枠のデザインを組み合わせてオーダーする完全受注生産制で、主にブライダルジュエリーに対応する。京都店では160種以上のリングやネックレスを取り扱う。

 注目アイテムは、海底から採取する「海底ダイヤモンド」を使ったオリジナルデザインのリング。海底ダイヤモンドとは、地層ごと川に流されたダイヤモンドが、長い年月をかけて海底にたどりついたものだ。海底で採取するため、採掘による環境破壊が少なく、サステナブルな第三のダイヤモンドとして注目されている。同社は、南アフリカで海底ダイヤを採取、加工、販売する英オーシャン・ダイヤモンド社と契約し、成人の専門ダイバーを雇うなど労働環境にも配慮している。

 海底ダイヤモンドについて、同社の三木芳夫社長はこう話す。「多様な価値観が生まれているいま、よりエシカルなものを購入したいというお客さまはもっと増えると思う。私自身、土屋鞄製作所ではリユース事業も手がけていて循環型のブランド作りに興味がある。トレーサビリティがはっきりしない天然ダイヤの世界で、オーシャン・ダイヤモンド社はトレーサビリティがはっきりしていて、採掘にもかなり手間をかけている。その取り組みに共感した」。

 現在「ビズー」の実店舗は京都店を含めると11店舗、「ブリリアンス・プラス」の店舗は京都ショールームを含めて6店舗を展開。京都でひときわ風情のある祇園新橋地区を選んだのは、結婚するカップルの思い出づくりにふさわしい場所だから。「(土屋鞄製造所の)ランドセルのビジネスでは家族の思い出づくりをお手伝いすると言い続けてきた。その成功体験をジュエリービジネスにも生かしていきたい」(土屋社長)という。

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「ステラ マッカートニー」、ホリデーシーズン向けのカプセルコレクションを発売

 「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」は、米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)と提携し、ホリデーシーズン向けのカプセルコレクションを発売した。

 同コレクションは、パーティーにぴったりのカクテルドレスやイブニングドレスを10型、クリスタルがあしらわれた“ファラベラ(FALABELLA)”バッグを2型、メタリックなメッシュ素材のミュールサンダルをそろえた。ドレスは森林に優しいビスコース素材、バッグやサンダルはビーガン素材で作り、クリスタルも無鉛のものを使用。同コレクションはニーマン・マーカスの店舗とオンラインストアでの独占販売となっており、発売を記念したポップアップをサンフランシスコ店など3店舗で12月1日まで開催している。

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「ラッシュ」が英国ストリートブランド「レイジー・オーフ」とコラボ ブランド初のアパレル&小物も発売

 「ラッシュ(LUSH)」は11月24日、英国発のファッションブランド「レイジー・オーフ(LAZY OAF)」とコラボレーションしたアイテムを新宿店、神戸三宮店、公式オンラインストアで発売した。「ラッシュ」がアパレルブランドとコラボレーションを行うのは初めて。ラインアップにはブランド初となるアパレルアイテムや小物類も用意している。

 ロンドンに拠点を置く「レイジー・オーフ」は、女性の経営者による独立系のストリートウェアブランド。20年前から社員の働き方や環境配慮を意識した製品作りを行っている。

 コラボアイテムはバスボムやバブルバー、石けん、ボディースプレーのほか、パジャマや靴下、タオル、バッグ、ポーチなど全17種。アパレル類はオーガニックコットンを使用しているほか、洗濯用洗剤をモチーフにしたり、ハッピーフェイスやチェッカーボード柄を取り入れたりと、「レイジー・オーフ」のコンセプトやモチーフを取り入れている。

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環境配慮の婦人靴「オッフェン」が神戸・北野に路面店

 持続可能な靴作りを掲げる「オッフェン(Offen)」は、初の路面店を神戸・北野に11月19日オープンした。立地は明治から大正にかけて建てられた洋館が点在する北野町の北野坂沿い。「歩く楽しみ」を伝えるブランドとして、散策途中に立ち寄れる店として営業する。

 新店舗「オッフェン キタノ ハウス」は、建築家・安藤忠雄の設計による英国風レンガ造りの建物の一角に、ガラス張りで開放感のある売り場を設ける。ビンテージの家具を集めた独特の空間に、「オッフェン」の靴をインテリアの一部のように並べる。

 「オッフェン」は2021年2月にデビューした婦人靴ブランド。靴産地の神戸市長田区に本社を置くNormsが長年の靴作りの知見を生かして展開する。セレクトショップのバイヤーやデザイナーなどの実績のある日坂さとみ氏がプロデューサーとして指揮をとる。主力商品はペットボトルの再生糸をアッパーに用いたシューズ。洗練されたデザインと高い機能性を保ちつつ、インソールやアウトソール、梱包材に至るまで環境に配慮した素材を使う。西宮阪急に直営店を持つほか、全国の百貨店でポップアップショップを開いている。

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環境配慮の婦人靴「オッフェン」が神戸・北野に路面店

 持続可能な靴作りを掲げる「オッフェン(Offen)」は、初の路面店を神戸・北野に11月19日オープンした。立地は明治から大正にかけて建てられた洋館が点在する北野町の北野坂沿い。「歩く楽しみ」を伝えるブランドとして、散策途中に立ち寄れる店として営業する。

 新店舗「オッフェン キタノ ハウス」は、建築家・安藤忠雄の設計による英国風レンガ造りの建物の一角に、ガラス張りで開放感のある売り場を設ける。ビンテージの家具を集めた独特の空間に、「オッフェン」の靴をインテリアの一部のように並べる。

 「オッフェン」は2021年2月にデビューした婦人靴ブランド。靴産地の神戸市長田区に本社を置くNormsが長年の靴作りの知見を生かして展開する。セレクトショップのバイヤーやデザイナーなどの実績のある日坂さとみ氏がプロデューサーとして指揮をとる。主力商品はペットボトルの再生糸をアッパーに用いたシューズ。洗練されたデザインと高い機能性を保ちつつ、インソールやアウトソール、梱包材に至るまで環境に配慮した素材を使う。西宮阪急に直営店を持つほか、全国の百貨店でポップアップショップを開いている。

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「ルイ・ヴィトン」から冬のアウトドアシーンを意識したメンズの“LV スノー カプセル・コレクション”

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、“アルペン(アルプスの雪山)”をテーマにしたメンズの新作“LV スノー カプセル・コレクション”を発売した。

 「スキーウエアを都会的なワードローブと融合させたもの」(「ルイ・ヴィトン」)で、はっ水加工を施したダウンジャケットが61万500円(税込、以下同)、RWS認証(動物愛護精神が守られていることを保証するグローバル基準)を受けたメリノウールで仕立てたセーターが19万2500円、“モノグラム・キャンバス”を組み合わせたブーツが24万3100円など。

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「サステナブル」と「サステナビリティ」の違いとは? 本質的な理解を阻む曖昧な用法 【翻訳日記:今を読み解くキーワード 第4回】

 「WWDJAPAN」の翻訳担当による連載「翻訳日記:イマを読み解くキーワード」では、翻訳した米国版「WWD」のニュースを引用し、その言葉が日本語や英語でどのように使われているかなどを考察。注目のニュースから英語的な感覚を養い、物事を新たな角度から見るきっかけを提供する。連載を担当するのは、「WWDJAPAN」で翻訳を主に手掛ける先輩Kと後輩M。気づけば翻訳の道に入ってはや四半世紀の先輩Kと、入社3年目でミレニアルとZ世代の狭間を生きる日英バイリンガルの後輩Mが交換日記を交わすように話を深めていく。

 4回目は、国内セレクトショップなどのほか、サステナビリティにアンテナを張った記事コンテンツを多く手掛け、翻訳記事の執筆もする入社4年目の記者Aを招いて雑談。「サステナブル」「サステナビリティ」の文法的違いなどを起点に、サステナビリティにまつわるニュースの翻訳で気をつけていることなどの裏話を語る。

後輩M:自分自身もサステナビリティについてはまだまだ勉強中なので、ぜひ3人で同トピックの翻訳事情について考えていけたらと思います。私は「サステナブル」と「サステナビリティ」という言葉が混在している現状に違和感があります。曖昧な言葉の使用によってサステナビリティに対する理解が遠ざかってしまっている気がして……。

先輩K:「サステナブル(Sustainable)」は形容詞。直訳すると「持続可能な」という意味ですね。「サステナビリティ(Sustainability)」は名詞形なので、一般に「持続可能性」と訳します。日本では主に地球環境を保護する行動や取り組みに対して使いますが、本来はそれぞれ単に「持ちこたえられる」「持ちこたえる力」という広い意味を持つ言葉です。

後輩M:文法的には、「サステナブルに取り組む」は誤用で、正しくは「サステナビリティに取り組む」もしくは「サステナブルな取り組みをする」となりますよね。

先輩K:そうですね。日本語では「ラグジュアリー」も似たような感じで、本来は形容詞である「ラグジュアリアス」を使うべき場合でも名詞形の「ラグジュアリー」を使うという用法が定着してしまっていて、個人的には引っかかります……。

 話をサステナビリティに戻しますと、環境に関する話題も「サステナブル」の一言で片付けるのではなく、使っている素材や製造工程などを具体的に示し、「だからサステナブルなんだ、持続可能なんだ」と読者が分かるようにすることも大切ですね。

記者A:「WWDJAPAN」でも、「サステナブルと言わずにサステナビリティを語ること」を心がけています。「サステナブルな新製品」というと聞こえはいいですが、素材や働き方、売り方など、どういった要因で「サステナブルなのか」を明記しないといけないですよね。

後輩M:ビューティ雑誌の「アルーア(ALLURE)」は2021年4月以降、「地球に優しい」「エコフレンドリー」といった、定義が曖昧な言葉の使用をやめるという方針を固めています。同じメディアとして、刺激を受けました。

後輩M:サステナビリティは環境問題に加えて、持続可能な労働環境かどうかといったフィルターを通して、ジェンダーや人権の問題にも延長して考えることができます。確かに「サステナブルなパーカを発売」と聞いたり、見出しを書いたりしたときに、それがジェンダーに包括的なパーカーであると想像することは難しいし、英語圏でもそういう使い方はしません。ただ、自分で考えていけるような深い理解のためには環境の話に限定したものではないと認識は必須ですよね。

 南アフリカ出身でケープタウンを拠点とするデザイナー、シンディソ・クマロ(Sindiso Khumalo)は、「サステナビリティについて話すとき、私は貧困問題を解消するという側面から見るようにしている」と語っていて、実際2020年に発表したコレクションにはブルキナファソ(西アフリカの国)にあるブランドの工房で手織りしたダファニコットンを使用し、搾取的な性産業から逃れることを支援するケープタウンのNGOを通して女性を雇用して、手編みのポケットや刺しゅうを作品に施しています。クマロは「セックスワーカーにトレーニングを提供しながら共に仕事し、性産業に戻らないようにすることは私にとってサステナビリティの一部。オーガニックコットンをたくさん使用するだけでサステナブルなデザイナーになれるとは思わない。それ以上のことをしなければならないような気がする。素材に限ったことでなく、価値観や人に関連したものでなければならないと理解する必要がある」と言っていたことにすごく共感しました。

記者A:「WWDJAPAN」のウェブサイトにサステナビリティのタグを新設するときも、サステナビリティが何を含む言葉なのかについてたくさん議論しました。22年現在は個人のアイデンティティーや人権に関する問題などの一環として、LGBTQ+の話題もサステナビリティタグの中に含んでいます。

後輩M:環境に関する用語も、サステナビリティ、エコ、エコフレンドリー、エシカルなど多様なのでジャンル分けは難しいですよね。

記者A:「サステナビリティを担当しています」と言うと、「エシカル系ね」と言われることもあるんです。日本では今でいう“サステナブランド”はこれまではエシカルブランドと呼ばれていたように思います。エシカルとサステナビリティのニュアンスの違いも気になります。

先輩K:エシカルとサステナビリティの違いは、エシカルは環境や社会への配慮という意味の中でも、より倫理的かつ道義的な配慮が含まれていることです。似た文脈で使われることもありますが、サステナビリティが出てくる前からある言葉ですし、精神的な部分や語義的な意味で異なると思います。国や宗教、世代によってエシカルの概念も違うので一言では表しづらいですが、より人権問題を強く意識している感覚です。Aさんは他にも気をつけていることや、悩んでいることはありますか?

記者A:やっぱりサステナビリティに関する話題では、日本にない概念や新しい言葉が多いので言葉選びには苦労します。カタカナの方が伝わりやすいこともありますし、日本語に直すとしてもどう表すのが適切かとても悩みます。例えば、航空燃料を化石燃料ではなく、代替素材の燃料にするというニュースがありました。この代替素材の燃料は、サステナブル・アビエーション・フューアル(Sustainable aviation fuel)と呼ばれ、航空業界ではSAFという名称で浸透してます。しかし「WWDJAPAN」でこれをSAFと書いてもピンとくる人は少ないだろうし、カタカナで書いても伝わりづらい。結局、記事内では固有名詞は使わずに「化石燃料の代替を進める……」という風に言い換えました。

後輩M:概念が浸透してその言葉に慣れてきたらカタカナの方がわかりやすい時もありますし、読む人の知識量やバックグラウンドにも左右されますよね。

先輩K:私は概念が浸透する前のカタカナ語は使わないようにして、固定訳がないものでもなるべく漢字で説明して、カッコ書きをつけるようにしています。文章として見ると鬱陶しいんですが、文章の美しさよりは内容が伝わることを重視した方がいい。言葉の定義やイメージが曖昧になりがちなカタカナ語は、それが一般化するまでは日本人がイメージしやすい日本語に直して、正しい理解を促すことにしています。

記者A:本来のメッセージ性も併せて翻訳できれば良いのですが……。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最新の報告書を発表した際、同団体は地球温暖化に関する危機感を“Now or Never”という強い言葉で表していたんです。Z世代の環境アクティビストの子たちは、「日本のメディアは訳が柔らかすぎる。全然危機感が伝わらない」と言っていました。私自身が翻訳をする際は「迅速な対応が必要だ」とコメントしているという形で記事を書いていたのですが、“Now or Never”を訳すのに最適な言葉はなんだったのだろうとモヤモヤしています。

先輩K:記事を書く側としては、仮にピッタリの和訳があっても、ニュース記事らしい言い回しやコンテクストを考慮すると使えないこともあります。“Now or Never”だったら、Aさんのような訳や、「今取り組まないと間に合わない」という感じになるでしょうね。訳として間違っていなくても元のメッセージが持つ言葉の力強さやキャッチーさが失われてしまうのは悩ましいところです。

後輩M:サステナビリティというトピックスは、そもそも難しい数字やデータだけでなく、NPO団体や新素材の固有名詞もたくさん登場しますし、アクティビストの多い分野なので一個人の思いも多く取り扱いますよね。「サステナブルな〜」と使いたくなったら「それは何を持ってサステナブルなのだろう」と待ったをかけていくことが大事なのだと思います。

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ケリングのキーマンが語る循環 永遠の価値の創出・技術革新・土壌

 サステナビリティ先進企業として知られるケリング(Kering)。傘下ブランド「グッチ(GUCCI)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「アレキサンダー マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」などからは続々と、着実で、時にユニークなサステナビリティ施策が発表されている。その支援を行っているキーマンの一人、ジェラルディン・ヴァレジョ(Geraldine Vallejo)=サステナビリティ・プログラム・ディレクターにケリングが目指すサーキュラリティについてオンラインで話を聞いた。

WWD:ケリングが考えるサーキュラリティとは?

ジェラルディン・ヴァレジョ=サステナビリティ・プログラム・ディレクター(以下、ヴァレジョ):われわれのアプローチは、価値があり、長持ちする製品を作り、その価値をライフサイクルを通じて維持し続けること。それは、耐久性があり、修理ができ、再利用できるようにデザインされ、永遠に価値を保ち、第2、第3の人生でもずっと使用してもらえる製品を意味します。また、適正量を生産することは、循環のループを低速化することにもつながります。AIを用いて販売量を予測し、過剰在庫を回避しています。生産に関しては、再生型の資源を用い、生産工程で危険な化学物質を使わないことを重視しています。

 サーキュラリティは、私たちに革新をもたらす機会だと考えています。そもそもサーキュラリティは、私たちにとって新しい考え方で、新しいクリエイティビティでもあり、ノウハウでもあり、高品質なモノを作るということでもあります。

WWD:サーキュラリティ実現に向けた具体的な実践例は?

ヴァレジョ:ケリングのブランドにはリセールプログラムがあり、「アレキサンダー・マックイーン」や「バレンシアガ」は二次流通のプラットフォーマーであるヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)やリーフラント(REFLAUNT)をパートナーとして、同プログラムを展開しています。また、「グッチ」ではヴィンテージアイテムを丹念に修繕し、「グッチ」の実験的なオンラインスペース“ヴォールト(Vault)”内で再販しています。クリエティブ・ディレクターとグッチの専任アーキビストによって厳選されたヴィンテージアイテムのコレクションで、職人たちによって復元され新たな命が与えられたアイテムたちです。

 商品を(サーキュラリティの)ループ内にとどめ、サーキュラリティへのアプローチに顧客にも加わってもらおうというアイデアであり、同時に新しい顧客にも届く方法でもあります。

 大切なのは、われわれが環境に与えるネガティブな影響を減らし、天然資源を枯渇させることなく、会社にとっても顧客にとっても価値を生み出し続けることなのです。

WWD:「バレンシアガ」や「グッチ」ではデジタルファッションやメタバースなど非物質化へのアプローチも始めている。

ヴァレジョ:メタバースやデジタルは探求しているところです。デジタルユニバースの実際の影響やデジタルファッションの(負荷の)計測に関してもより多くの方法や研究を探っています。また、サンプル制作においては、素材が節約できる方法を確立しています。

WWD:「土壌を枯渇させたらサーキュラリティが実現しない」という考えから、環境再生型農業にも力を入れているとか。

ヴァレジョ:われわれラグジュアリーブランドは、コットン、シルク、ウール、レザー、カシミヤなど天然素材を多く使います。もし正しい方法で生産されれば自然にとっても土にとっても有益になり得ます。そのために、サプライチェーンの初期段階である農場や地域で適切に実践されていることを確実にしなければなりません。環境NGOであるコンサーベーションインターナショナル(Conservation International)とパートナーシップを組み、自然再生基金を立ち上げました。ファッションやラグジュアリーファッションの鍵となる材料のサプライチェーンで100万ヘクタールを再生するというものです。具体的には農家や牧場主を支援し、自然、人、動物と調和した農業へアプローチしています。有機物や生物多様性を回復できれば、その過程で炭素を土壌に閉じ込めることができます。また、土地や水域を回復し、動物福祉を改善させる地域密着型の農業を推進しています。農家自身もよりよい生活を送ることができるようにもサポートしています。この方法を確実にし、さらに規模を拡大していきたい。

WWD:ケリングはスタートアップ企業とのパートナーシップも重視している。

ヴァレジョ:彼らの力がなければサステナビリティは達成できないと考えています。このまま同じようにビジネスを続けると、目標は達成できません。スタートアップ企業には、他の産業の技術を応用してファッション産業に活用する力もあります。今、われわれが焦点を当てているのは、新素材、サーキュラリティとアップサイクリング、染色、プリンティング、フィニッシングなどの加工とトレーサビリティ(追跡可能性)です。

 もっとも将来有望なイノベーションのひとつが、代替素材です。例えば、ラボで育ち、レザーの特性に似ている材料を開発するビトロラボ(VitroLabs)に投資しましたし、マイセリウム(キノコの菌糸体)にも注目しています。

WWD:「バレンシアガ」が2022-23年秋冬に“エッファ(EPHEA)”という菌糸体ベースの材料を用いたコートを発表した。

ヴァレジョ:イタリアのSQIMというスタートアップと開発しました。量や厚みなど均質性を実現し、ここまでハイクオリティなものはファッション分野では初めてではないでしょうか。彼らは素材を、われわれはなめし技術を提供しました。イノベーションと受け継がれてきた技術を組み合わせ、そして「バレンシアガ」との幾度とないやりとりで実現しました。開発には1年以上かかり、素材のコアな部分にはプラスチックも合成物質も使っていません。それこそがわれわれや「バレンシアガ」にとって重要なポイントでした。ただ、一つだけ透明性という意味でお伝えすると、通常レザーには1mm以下の薄いコーティングがされていますが、そこには合成物質を使っています。

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ガレがボトルに描いたシャンパーニュ「ペリエ ジュエ」のアネモネが120周年 第8代目最高醸造責任者に聞くアートと自然、ワインの共生

 フランス発シャンパーニュメゾン「ペリエ ジュエ(PERRIER JOUET)」といえば、ボトルに描かれたジャパニーズ・アネモネがトレードマークだ。そのアネモネは、アール・ヌーヴォーを代表するガラス作家のエミール・ガレ(Emile Galle)によるものだ。それが描かれてから、今年は120周年を迎えた。周年を記念し「ペリエ ジュエ」“ベル エポック 2013 アニバーサリー エディション”が登場。7代目最高醸造責任者のエルヴェ・デシャン(Herve Dechamp)と8代目最高醸造責任者のセブリーヌ・フレルソン(Severine Frerson)の4本の手でつくられた貴重なものだ。ボトルのデザインは、オーストリア・ウィーンを拠点にするデザインデュオのミシャー‘トラクスラーが担当。ブドウ畑の70種類もの生き物が鮮やかに共生している姿が描かれている。イベントのために来日した8代目最高醸造責任者であるフレルソンに、「ペリエ ジュエ」のアイデンティティーやDNAについて聞いた。

WWD:来日の目的は?

セブリーヌ・フレルソン=ペリエ ジュエ8代目最高醸造責任者(以下、フレルソン):ガレがボトルに描いたアネモネの120周年を祝うイベントに参加するため。クライアントと会う目的もある。だが、イベントによる新しい出会いを大切にしたい。

WWD:「ペリエ ジュエ」が他のシャンパーニュメゾンと違う点は?

フレルソン:まず、アーティスティックであること。アートと自然、ワイン造りの共生に尽きる。「ペリエ ジュエ」はピエール・ジュエ(Pierre Jouet)により1811年に創業し、妻がアンバサダー的な存在だった。彼女は、芸術に情熱を注ぎ館に多くの人を招いていた。ピエールも息子のシャルルも植物学者で、温室でオレンジなどを栽培して植物の病気の研究をしていた。そこで、天候が良くなくても、ブドウの栽培に影響しない畑をつくれるように尽力した。また、世代から世代へ受け継がれるシャンパーニュで、1825年のキュベが最も古いものだ。われわれならではの、シャルドネのフローラルな香りが特徴だ。

WWD:ガレにボトルのデザインを依頼した経緯は?

フレルソン:創業者の息子の甥であるオクターブ・ガリスがガレに「ペリエ ジュエ」の印象で描いてほしいと依頼したのが発端だ。ガレは、「ペリエ ジュエ」のシャンパーニュのエレガントな繊細さ、フローラルな点をアネモネで表現した。

WWD :アネモネのボトルがシグニチャーになった理由は?

フレルソン:1902年にガレによりデザインされたボトルは、大戦を経て一時忘れられていたが、大戦後に復活した。

WWD:「ペリエ ジュエ」がアートとのコラボレーションに積極的な理由は?

フレルソン:アートを通してジャンパーニュを再解釈するのがわれわれのDNA。自然との共生をテーマにした活動を行なっている。

WWD:「ペリエ ジュエ」で行なっているサステナビリティの活動は?

フレルソン:ブドウ畑の生物多様性を大切にしており、ブドウ栽培の列の間にクローバーやシリアルなどを栽培している。それにより、ブドウに自然に栄養が行き渡るようにしている。麦などの穀物系もテロワールには植えている。ブドウの収穫後の9月には、さまざまな種を蒔いて、翌年の5月ごろに育ったものを土に倒し、栄養を与えるようにしている。また、バイオマスの観点から養蜂も行なっている。

WWD:シャンパーニュの楽しみ方は?

フレルソン:保管方法が大切。日光を避けて、温度差の少ないところで保管するのが重要だ。アペリティフでは8~10℃、食事は10~12℃が適する。グラスは「ベル エポック」のアロマが楽しめるようなものが理想だ。グラスは、洗剤を使わずに熱湯で洗い、布でよく拭くべき。そうすれば。シャンパーニュの泡立ちを倒しめる。シャンパーニュは、アペロでは、ホタテのカルパッチョやパルメザンチーズなどと合う。ワインとしてなら、寿司が最適。魚料理にも合うし、ロゼは和牛と合うはずだ。

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ユニクロがリセールサービス立ち上げへ 「サプライチェーンの全工程を管理・把握するシステム」も稼働

 ファーストリテイリングは11月16日、昨年12月に続いて2回目となる、サステナビリティ方針説明会を開いた。その中で、トレーサビリティー追求のためにサプライチェーンの全段階を管理・把握するためのシステムを導入したことや、リセールサービスの立ち上げを考えていると発表した。「(ユニクロがコンセプトとして掲げる)“LifeWear”=サステナビリティ。われわれは服を作って売ることはもちろん、作って売った後もコミットしていく」と、柳井康治取締役グループ上席執行役員は話す。

 トレーサビリティーについて、同社は公式ホームページ上で、全縫製工場、全素材工場、縫製工場が委託している先の一部工場を従来から公表している。今後は紡績工場にも公表の範囲を広げる。また、第三者機関の監査を受けると共に、グローバルで100人規模の社内プロジェクトチーム担当者が「サプライチェーンの最上流までさかのぼって透明性をチェックする」と昨年の会見で表明していた。

 サプライチェーンの透明性のさらなる担保のため、この1年の間に「1つ1つの商品につき、その計画時点からサプライチェーンのどの段階でどこの工場で作るかを管理するシステムを作成し、実際にその計画に沿って作られたかも管理できるプログラム」を導入した。それを生かし、「2023年中に一部商品で、ECサイト上で縫製した国を公表し、素材生産国の公表する準備も進める」と新田幸弘グループ執行役員。

 その上で、25年中に「ほぼ全ての商品で、お客さまが正しく選択できるための情報を開示する」ことを計画中だ。「われわれは全ての工程を把握できている。ただ、情報は膨大なので、お客さまが買い物・選択をする際に本当に必要な情報が何なのかを、(同社のカスタマーセンターやECレビューなどに集まる客の声である)ボイス・オブ・カスタマーなどを参照に判断していく」という。

 リセールサービスについては「具体的にいつ始めるかといったことは未定だが、社内で検討を始めた」と柳井取締役。「(一部店舗でスタートしている)長く着続けるためのリペアサービスや、リセールによって新品を買う機会はもしかしたら減るかもしれないが、服を買わなくなるわけではない。『どうせ買うならリペアやリセールができるユニクロで買おう』と思ってもらえれば、新たなビジネスチャンスを生む」と続ける。競合の「H&M」は19年にリセールのスタートアップ企業を買収してリセールに参入しており、「ザラ(ZARA)」は11月に、英国でリペアやリセールのプログラムを試験スタートしている。

 素材面では、「30年度までにリサイクル素材・CO2排出量の非常に少ない素材の使用割合を全商品の50%にまで高める」ことを目標としている中で、22年度は約5%であったことを発表。ユニクロの主要素材であり、最もリサイクル素材の使用が進んでいるポリエステルでは約16%だった。「計画通りの進捗」(柳井取締役)だった。 

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モンゴルカシミアの原価と生産工程を見える化、みん電がブロックチェーン技術で

 アップデーター(UPDATER、2021年にみんな電力から社名変更)はこのほど、カシミア製品の生産工程の全てのコストを1円単位で開示した「タドれるカシミア」を発表し、フーディ(2万3650円)やストール(1万6830円)の販売を開始した。「タドれるカシミア」は、同社の再エネ事業の電力取引証明で使用するブロックチェーン技術「エネクション2.0(ENECTION2.0)」(パブリックチェーン「ステラ(Stellar)」をベースにしている)を応用したもので、カシミア山羊の原毛採取からオンライン販売までの全ての工程における原価を開示するもの。支払い先と金額を改ざんできない状態を証明する。

 事業立ち上げのきっかけは、モンゴル出身の留学生で同社インターンのアマルバヤル・アリウンジャルガルさんの「カシミアが適正な価格で取引されていない」という問題意識だった。世界のカシミア採取量のうち約半分が生産されるモンゴルは、ここ数年で25%の物価高になり、原毛の販売だけではカシミア山羊の数を増やさない限り、生産者の収入向上にはつながらないという。「カシミア山羊は根こそぎ草を食べるため、数の増加はそのまま環境破壊(砂漠化)につながりかねない」ーー環境問題を学ぶアリウンジャルガルさんの視点から始まった。

 現在、遊牧民の4家族で実証実験を行っており、今回は製品のみを販売した。今後、糸売りも視野に入れる。「日本のマーケットに最もフィットするのは糸売りだ。トレーサビリティの重要性を広げるために、今後、いくつかの事業者と糸から協働していきたい」と福留聖樹・新規事業推進部サスティナビリティ領域プロデューサー。

 野澤貴子新事業推進部タドリ(TADORi)チームマネジャーは「適切な購入価格で原毛を仕入れ、モンゴル国内の製毛工場と紡績工場を経て、デザインから製品生産まで一気通貫し、“モンゴル国産”にこだわることでモンゴルのカシミア産業を活性化しようと考えた。遊牧民の3割がこの仕組みを取り入れれば世界は変わるはず。国を巻き込んで拡大していきたい」と意気込む。

 ブロックチェーン技術は、環境や人権に配慮したサプライチェーン構築の証明に有効的で、すでに欧米を中心に有力企業が導入している。福留プロデューサーは、「われわれの持つ技術の強みは(ブロックチェーンを用いた)証明コストと電力消費量を抑えられる点だ。既存システムをベースに構築することでコストも抑えることができる。今後、企業に求められる情報開示にも貢献できると確信しており、成功事例を作っていきたい」と語った。

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モンゴルカシミアの原価と生産工程を見える化、みん電がブロックチェーン技術で

 アップデーター(UPDATER、2021年にみんな電力から社名変更)はこのほど、カシミア製品の生産工程の全てのコストを1円単位で開示した「タドれるカシミア」を発表し、フーディ(2万3650円)やストール(1万6830円)の販売を開始した。「タドれるカシミア」は、同社の再エネ事業の電力取引証明で使用するブロックチェーン技術「エネクション2.0(ENECTION2.0)」(パブリックチェーン「ステラ(Stellar)」をベースにしている)を応用したもので、カシミア山羊の原毛採取からオンライン販売までの全ての工程における原価を開示するもの。支払い先と金額を改ざんできない状態を証明する。

 事業立ち上げのきっかけは、モンゴル出身の留学生で同社インターンのアマルバヤル・アリウンジャルガルさんの「カシミアが適正な価格で取引されていない」という問題意識だった。世界のカシミア採取量のうち約半分が生産されるモンゴルは、ここ数年で25%の物価高になり、原毛の販売だけではカシミア山羊の数を増やさない限り、生産者の収入向上にはつながらないという。「カシミア山羊は根こそぎ草を食べるため、数の増加はそのまま環境破壊(砂漠化)につながりかねない」ーー環境問題を学ぶアリウンジャルガルさんの視点から始まった。

 現在、遊牧民の4家族で実証実験を行っており、今回は製品のみを販売した。今後、糸売りも視野に入れる。「日本のマーケットに最もフィットするのは糸売りだ。トレーサビリティの重要性を広げるために、今後、いくつかの事業者と糸から協働していきたい」と福留聖樹・新規事業推進部サスティナビリティ領域プロデューサー。

 野澤貴子新事業推進部タドリ(TADORi)チームマネジャーは「適切な購入価格で原毛を仕入れ、モンゴル国内の製毛工場と紡績工場を経て、デザインから製品生産まで一気通貫し、“モンゴル国産”にこだわることでモンゴルのカシミア産業を活性化しようと考えた。遊牧民の3割がこの仕組みを取り入れれば世界は変わるはず。国を巻き込んで拡大していきたい」と意気込む。

 ブロックチェーン技術は、環境や人権に配慮したサプライチェーン構築の証明に有効的で、すでに欧米を中心に有力企業が導入している。福留プロデューサーは、「われわれの持つ技術の強みは(ブロックチェーンを用いた)証明コストと電力消費量を抑えられる点だ。既存システムをベースに構築することでコストも抑えることができる。今後、企業に求められる情報開示にも貢献できると確信しており、成功事例を作っていきたい」と語った。

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アパレル物流トップのセンコーが廃棄ゼロを目指すEC事業を始めるワケ

 センコーグループホールディングス(HD)傘下で、ファッション物流最大手のセンコーが、アパレルの在庫ロス削減と廃棄ゼロを支援する循環型のファッション・サステナブル・プラットフォーム「ゼロブランズ(ZEROBRANs)」を構築する。子会社ゼロブランズを8月に設立し、まずは11月15日に余剰在庫品を中心に新価格で再販する社内向けのクローズドECサイト「ZEROBRANDs」をオープンする。廃棄予定品は買い取ってリメイクしたり、再資源化するなどまとめて効率的にリサイクルさせる。中古品を扱う2次流通が増える中で、物流のノウハウを生かして、余剰在庫品や返品商品などを回収・再販する「1.5次流通」とも呼べる静脈物流を確立。来年には一般向け販売や古着回収も予定する。センコー執行役員ロジスティクス営業本部副本部長であり、ゼロブランズ社長を兼任する小林治彦氏に、新事業に賭ける思いやビジネス構想を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):センコーグループHDの概要と、ファッション物流業界トップという根拠を知りたい。

小林治彦ゼロブランズ社長(以下、小林):センコークループHDは東証プライムに上場する総合物流企業だ。年間売上高は6231億円 ( 2022年3月期 )で、中核企業のセンコーに加え、東京納品代行、M&Aによりグループ入りしたアクロストランスポート(元オンワード物流)や江坂運輸(元阪急百貨店系)など、国内外にグループ161社を有している。ファッション物流の年間売上高は495億円で、小売価格換算で約1兆円分の商品を取扱っている。国内アパレルの小売市場規模は7兆5000億円前後と推計されるが、物流費は概ね5%と言われているので、金額ベースで日本のファッション商材の13%ぐらいを扱っている計算になる。

WWD:ファッション系の主な取引先は?

小林:百貨店やショッピングモール、路面店、ECなどの販売網を持つ大手アパレルやセレクトショップ、ラグジュアリーブランド、インポートブランド、そしてスポーツブランドなどを物流面で支えさせていただいている。それらの企業の倉庫や商業施設、店舗に常時配送をしている状態で、帰りの便に載せる静脈物流を活用することや、データ連携をすることで、環境負荷を低減して効率的に循環型事業ができることになる。

WWD:センコーのファッション物流サービスの特徴とは?

小林:ファッションの生産物流から販売物流まで、一貫物流サービスを提供している点だ。「海外生産地からのフォワーディングサービス」「ファッションロジスティクスセンターの運営」「商品の集荷・全国店舗への配送」などを提供している。特に「ファッションロジスティクスセンターの運営」では、商品やハンガーの保管、繊維製品品質管理士(TES)や衣料管理士たちによる商品の検品、補修、洗濯タグの発行・取付、店舗納品のための流通加工、たとえば値札の発行・取付なども行っている。EC出荷の梱包・ささげ・コールセンター等のECフルフィルメントサービスや、「ゼロブランズ」にもつながるが、静脈物流として店舗やECの返品、社員セールや催事への出荷なども手がけている。またWMS(倉庫管理システム)についてパッケージソフトを使うところが多いが、我々はいろいろな経験を生かしてセンコーグループ独自のファッションクラウドWMSを構築して共通利用しているのも特徴だ。

WWD:「ゼロブランズ」では物流×サステナビリティによる新たな循環型事業を展開するというが、センコーではこれまでどのようなサステナブル物流に取り組んできたのか?

小林:3つ挙げるとしたら、1つ目はEVトラック(電子トラック)による配送で、2019年7月に「ルイ・ヴィトン」の都内配送を開始して以来、ラグジュアリーブランドを中心に取り組みが広がっている。2つ目はオンワードHDと三陽商会と共同して、洋服を包装しているビニール袋を回収してプラスチック容器にリサイクルするなど、資源循環を推進している。参画企業が増えつつある。3つ目は循環型経済の構築を支援する静脈物流サービスの提供だ。三菱商事によるレンタル商品・EC商品の返却・返品サービス「スマリ(SMARI)」の物流業務を昨年11月から開始。ローソンへの通常配送車両が「スマリボックス」から回収した返品・返却品を帰りに載せて運んで物流センターに集約し、各EC事業者に配送する。既存物流網を活用することで物流コストの抑制と、低・脱炭素につながるグリーン物流化を図っている。

WWD:新会社ゼロブランズに込めた思いとは?

小林:新会社ゼロブランズの社名の“ゼロ”は、廃棄ゼロの実現、ゼロからのスタート、また循環という意味を持つサーキュラーの輪を表しており、“ブランズ”には信頼ある、価値ある商品・企業という意味を込めた。すでにわれわれは生産地から日本の物流倉庫、さらに店舗網をカバーする輸送網を世界規模、全国規模で構築し、日本国内のファッション物流の約10~15%を担う1次流通の基幹ハブとなっている。これまで培ってきたプラットフォームやネットワーク、人材、財力、中立性、信用力を生かして、主旨に賛同いただいた企業との協働で、商品廃棄ゼロの循環型のファッション・サステナブル・プラットフォームを構築する。「シン物流」とも言える「1.5次流通」を実現し、日本のファッション産業全体のサステナビリティ推進を目指したい。物流会社なのに、なるべく動かさない、Don’t Moveの精神で、服の状態でトコトン売り切り、全量循環させていく。ECサイトに加え、サステナブル関連のニュースなどを集めたオウンドメディアから情報発信も行っていく。

WWD:新たにファッション・サステナブル・プラットフォームを創るというが、そのきっかけと狙いは?

小林:自社の倉庫で大切な商品をお預かりしたり運んだりしたりする中で、たびたび商品が廃棄されるシーンを見て、ずっともったいないという声が挙がっていた。サステナビリティのニーズの高まりはもちろんのこと、コロナ禍や原材料や物流費などのコスト上昇などで、在庫の適正化に取り組む企業も増えているが、セールやアウトレットを行っても残ってしまう商品はどうしても発生する。また、ECが台頭する中で返品が増え、滞留してしまって売り時を逃してしまうものもある。そんな中で、余剰在庫費や不良在庫、返品商品などを集めて新価格で販売するECを作って、極力モノを動かさずにデータをつないでユーザーに販売することができれば、CO2排出も削減でき、取引先の方々の課題解決にもつなげられると考えた。

 洋服として生まれてきた以上はそのまま販売するのが一番のサステナブルだと思っている。なるべくもとの形のまま販売したい。ただし、店頭で販売したり、店舗やECで販売して返品された際に、キズや汚れ、焼けなどが発生して、そのままでは売れない不良品はどうしても発生してしまうもの。それをわれわれが買い取って、回収して、すでに機能を有している品質チェックや修理、リメイク・リフォーメーションを施して、再び販売できる状況に生き返らせることができる。

 どうしても修復不可能なものは、リサイクル会社とネットワークを構築し、まとめてリサイクルしていく。個別ではかさみがちな費用の負担軽減や、量が足りなくてリサイクルできないという状況を解決して、循環型を推進し、CO2削減にも寄与させたい。

WWD:11月15日にスタートするECサイト「ZEROBRANDs」の詳細は?

小林:スタート時には、有名セレクトショップや大手アパレルなど5社・21ブランドに協力いただき、1000~1500アイテムを販売していく。平均の元値は2万円で、質の高さも特徴だ。まずはセンコーグループ161社のグループの社員に向けてクローズドサイトで販売する。これだけで約10万人いるので、廃棄ゼロに向けた購買力にも期待したいし、UI/UXなども検証し改善していきたい。クローズドサイトの中でも、社員だけが限定して買えるものと、パートやアルバイトで働いてくださってる方々まで購入できるものなど、閲覧、購入ができる範囲を各企業と各々設定したり、購入者には登録時に誓約書へのチェックを求め、ネームバリューやブランド価値を守っていく。どれを買っても廃棄から服を救うサステナブルな行動につながるし、今まで定価やセールでも手が出なかったブランドのアイテムを購入して身に着けることで、そのブランドや商品の良さに気付き、ファンになるきっかけにもしていきたい。来年9月には一般向け販売を開始する予定だ。その際にも、クローズドで販売したり、その取引先の社員や関係者に限定したファミリーセールサイト的な販売にするなど、公開範囲(購入可能対象者)を自由に設定できるオプションを設けていく。

WWD:取引先からの調達条件は?

小林:データ連携して委託販売していただくケースや、買い取らせていただくケース、そのままの形状で販売するケースやネームタグを外すケースなどいろいろ選んでいただける。テキスタイルやB品、不良品などについては無料で回収することも。今まで廃棄にかかっていた費用の削減と環境負荷の削減とを。とくに商談を通じてわかったのが、外資系ブランドからもニーズが高いということだ。ラグジュアリーブランドやライセンスブランドなどでは、本国のアプルーバルが必要になるので交渉に時間がかかるが、ブランドを毀損せず、しかも日本のローカル内で消化・解決することが求められる中で、今回の「ZEROBRANDs」のECサイトや循環型モデルなどに高い関心や期待を寄せていただいていると感じている。

WWD:リメイク・リフォーメーションや、リサイクルの部分の構想は?

小林:社内にいる繊維製品品質管理士(TES)の資格保有者や服飾系専門学校卒業生などでリメイク・リフォーメーションを行ったり、クリエイターの方々と協業することも構想中だ。ブランドと協力してテキスタイルなどを専門学校に寄付することも検討していく。リサイクル分野ではBPラボや「パネコ」を手がけるワークスタジオなど外部と連携していく。カシミヤやウールの再生素材化や、什器やボード化などから着手し、再資源化を図り、単純廃棄をゼロにしていく。環境やサステナブルに対して同じ思いや技術を持つ企業と手を組んでいきたい。

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LVMHがCOP27に参加 環境再生型農業や生物多様性の取り組みについて言及

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、エジプト・シャルムエルシェイクで開催中の国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)に出席し、生物多様性と土壌の回復にコミットすることを発表した。

 同社は2020年にイギリス国王のチャールズ3世(King Charles III)が設立した「サーキュラー・バイオエコノミー・アライアンス(Circular Bioeconomy Alliance)」に参画し、アフリカのチャド共和国で行われる環境再生型農業にまつわる研究活動を支援する。最新の研究では、綿花の栽培によって1960年以降90%の面積が失われたチャド湖の保全を目的に、リジェネラティブ・アグロフォレストリー(再生型の森林農業)に焦点が置かれている。地域コミュニティーと協力し、苗床の整備や植樹を行うほか、農家に機材や灌漑技術を提供する。

 また同社は、ケリング(KERING)やロレアル(L'OREAL)、シムライズ(SYMRISE)、ユニリーバ(UNILEVER)などが加盟する「ワン・プラネット・ビシネス・フォー・バイオダイバーシティー(One Planet Business for Biodiversity)」と、土壌の健康や影響分析を行うジェネシス(GENESIS)社とラウンドテーブルを共催し、自社のグローバル戦略やサプライチェーン上での技術の実装方法などを紹介した。

 LVMHのエレーヌ・ヴァラド(Helene Valade)環境開発ディレクターは、「これらの新たな取り組みは、生物多様性や水資源の保全につながるはずだ。主な目的は、偏った単一品種の作物栽培から、多毛作へと移行することだ。これにより、土壌を回復させ炭素の貯蓄量を増大させることができる」と話し、生物多様性と環境再生型農業は、原材料の調達強化につながると指摘した。

 COP27の主催国であるエジプトは、「実行のCOP」をビジョンに掲げ、具体的な行動を求め、過去の公約を実行するための解決策を見つけるよう参加者に呼びかけている。

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「ガニー」が2023年までにバージンレザーの使用を廃止 ボルトスレッズと共同で

 コペンハーゲン発の「ガニー(GANNI)」は、2023年までにバージンレザーの使用を廃止する。11月4日にポルトガル・リスボンで開催されたウェブサミット内で宣言した。キノコの菌糸体から作られたレザー代替素材「マイロ(MYLO)」を開発した米企業ボルトスレッズ(BOLT THREADS)とのパートナーシップの下、「マイロ」を使用した商品開発に力を入れる。

 「ガニー」は昨年、アパレルにおけるレザーの使用を撤廃。今年に入り、初めて「マイロ」を採用した限定のレザーグッズコレクションを発表した。創業者のニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)は、「当社の調べでは、レザーグッズは私たちの売上の9%しか占めていないにもかかわらず、二酸化炭素の主な排出源になっている。27年までに温室効果ガスの50%削減を目指す以上、この決断に迷いはない」と話した。

 ボルトスレッズは、「ガニー」のバックアップを受けて、他企業にも「マイロ」への優先的アクセス権を提供する「グリーナー・パスチャーズ・プレッジ(Greener Pastures Pledge)」への参加を呼びかける。

 ダン・ウィドマイヤー(Dan Widmaier)=ボルトスレッズ共同創業者兼最高経営責任者は、「この誓約は、高品質なアニマルフリーの選択肢で変化を起こそうとするブランドへのインセンティブである。ブランドがサプライチェーンを変更することは非常に難しい。環境への影響を最小限に抑えるために、あえてそこに挑戦するブランドの努力に報いたい」と話した。

 「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」や「ルルレモン(LULULEMON)」なども「マイロ」を使った商品を販売している。

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「プーマ」が豪発「パム」と協業 アマゾンの自然に着想した、同エリア保護のためのプロジェクト

 「プーマ(PUMA)」は11月5日、オーストラリア発のブランド「パム(P.A.M.)」とコラボしたコレクションを発売する。両者のタッグは初。

 同コレクションはダウンジャケット(3万7400円税込、以下同)やフリースジャケット(1万9800円)、カーゴパンツ(1万5950円)、スニーカー(1万7600円)、バケットハット(6600円)、バックパック(1万5400円)など20型以上からなり、生地の20%とダウンジャケットの中材100%にリサイクル素材を用いる。「パム」のミーシャ・ホレンバック(Misha Hollenbach)は、「アマゾンの自然からインスピレーションを得た大胆なグラフィックと、鮮やかなラベンダー、グリーンといったカラーリングが特徴だ」と話す。

 「プーマ」は、「今回のコラボレーションは、ストリートとアウトドアの境界線を融合し、自然や地域コミュニティーとの結び付きをいっそう強固なものにするプロジェクト『パム/プーマ バイオ/バース(PAM/PUMA BIO/VERSE)』の一環で、“最後の野生地”とされるアマゾンに生物多様性モニタリング技術を導入することを支援する」と説明する。また、「パム」のショーナ・トゥーヘイ(Shauna Toohey)は、「コレクションの着想源のように、地球上で脅威にさらされている野生地域を保護するためにプロジェクトを提案した」と述べる。

 「パム」は、2000年にメルボルンでホレンバックとトゥーヘイの2人が設立。15年に活動拠点をパリに移し、ファッションのみならずアートや音楽をミックスした複合的なアプローチを行う。

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「プーマ」が豪発「パム」と協業 アマゾンの自然に着想した、同エリア保護のためのプロジェクト

 「プーマ(PUMA)」は11月5日、オーストラリア発のブランド「パム(P.A.M.)」とコラボしたコレクションを発売する。両者のタッグは初。

 同コレクションはダウンジャケット(3万7400円税込、以下同)やフリースジャケット(1万9800円)、カーゴパンツ(1万5950円)、スニーカー(1万7600円)、バケットハット(6600円)、バックパック(1万5400円)など20型以上からなり、生地の20%とダウンジャケットの中材100%にリサイクル素材を用いる。「パム」のミーシャ・ホレンバック(Misha Hollenbach)は、「アマゾンの自然からインスピレーションを得た大胆なグラフィックと、鮮やかなラベンダー、グリーンといったカラーリングが特徴だ」と話す。

 「プーマ」は、「今回のコラボレーションは、ストリートとアウトドアの境界線を融合し、自然や地域コミュニティーとの結び付きをいっそう強固なものにするプロジェクト『パム/プーマ バイオ/バース(PAM/PUMA BIO/VERSE)』の一環で、“最後の野生地”とされるアマゾンに生物多様性モニタリング技術を導入することを支援する」と説明する。また、「パム」のショーナ・トゥーヘイ(Shauna Toohey)は、「コレクションの着想源のように、地球上で脅威にさらされている野生地域を保護するためにプロジェクトを提案した」と述べる。

 「パム」は、2000年にメルボルンでホレンバックとトゥーヘイの2人が設立。15年に活動拠点をパリに移し、ファッションのみならずアートや音楽をミックスした複合的なアプローチを行う。

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服の0円交換や洗濯レクチャー 環境副大臣の登壇も 新宿御苑で「GTFグリーンチャレンジデー」開催

 GTF グレータートウキョウフェスティバル実行委員会は11月5日と6日、新宿御苑で「GTFグリーンチャレンジデー2022 in 新宿御苑」を開催する。同イベントは「地球にやさしいライフスタイルをはじめよう!」をキーワードに、官公庁や企業、団体が共催するもの。約20のトークショーや生物多様性など環境の今を学ぶワークショップ、「環食」をテーマにしたフード、野菜や雑貨など扱う“循環型”マルシェ、フォトコンテストなど、家族で一日楽しめるたくさんのコンテンツが予定されている。

 ファッション関連のコンテンツも多く、5日(土)12:10~12:40には、「環境省×サステナブルブランド×GTFサステナブルファッション スペシャルトークショー」と題して、山田美樹環境副大臣、モデルの長谷川ミラ、H&Mへネス・アンド・マウリッツ・ジャパンの山浦誉史サステナビリティコーディネーターが登壇する。

 また、ウィファブリックとワンピースが主催し、「0円 服の交換会」を実施。着なくなった服を持ち寄り無料で交換する場を設ける。さらに、洗濯ブラザーズによる「正しい洗濯の仕方・洗剤の量り売り」や、桜三丁目による「リメイク/リペア」、「イトナミ(ITONAMI)」による不要デニムの回収など行われる予定だ。

■GTFグリーンチャレンジデー2022 in 新宿御苑
日時:2022年11月5日(土)、6日(日)両日とも10:00~16:00
会場:新宿御苑/風景式庭園及び整形式庭園(新宿区内藤町11)
参加費:大人500 円/65歳以上・学生(高校生以上)250円/中学生以下無料(新宿御苑入園料)
主催:GTF グレータートウキョウフェスティバル実行委員会
共催:環境省自然環境局、環境省環境再生・資源循環局、2030生物多様性枠組実現日本会議、新宿区、TOKYO FM、TBSホールディングス、TOKYO MX

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モンクレールが4年連続でサステナビリティランキングの首位に

 モンクレール(MONCLER)は、信用格付けプロバイダーのS&Pグローバル(S&P GLOBAL)が実施するダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(Dow Jones Sustainability Index以下、DJSI)のテキスタイル・アパレル・ラグジュアリーグッズ部門で、100点満点中90点の最高スコアを取得し、4年連続で「S&Pグローバル コーポレート サステナビリティ アセスメント(S&P Global Corporate Sustainability Assessment)」のトップに輝いた。同ランキングは、社会・環境・経済的観点から世界の主要企業の持続可能性を評価するもので、投資家の参考基準となっている。

 レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「私たちは日々環境や社会的影響への意識を高め、サステナビリティをビジネスモデルに組み込むことに着実に取り組んできた。しかしまだ課題は山積している。特に現在の経済的状況やエネルギー危機により、責任あるビジネスモデルを維持することが困難になっている」とコメントし、業界全体の連携を呼び掛けた。

 モンクレールは、2020年に発表したサステナビリティ戦略「ボーン トゥ プロテクト(Born to Protect)」の下、気候危機、循環型経済、公平な原料調達、多様性の強化、地域貢献を活動の軸に定める。2050年までにネットゼロエミッションを達成することを目標に、サプライチェーン全体でナイロン生地の端材のリサイクルを促進するほか、原材料のトレーサビリティの担保などに取り組む。ルッフィーニ会長兼CEOは中でも、2025年までにコレクションで使用する素材の50%を環境配慮型に切り替えを目指していることや、企業や生産拠点全体でカーボンニュートラルを実現することなどを重要な取り組みとして挙げた。

 現在までの達成項目は下記の通り。

・トレーサブルかつ認証取得済みのダウンのみを使用
・リサイクル素材を15%以上使用
・再生可能エネルギーの使用率は80%で、年内に90%に達する見込み
・環境負荷の低い梱包材のみを使用
・プラスチックの使い捨てを禁止
・アウターウエアの全サプライヤーを対象に倫理的・社会的な面での監査を実施
・女性の管理職の割合は52%
・過去4年間でユニセフと連携し8万人の子どもの生活を支援

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ファッションワールドは前回上回る集客 インポートが戻りサステナビリティのゾーンが活況

 合同展示会「第13回ファッションワールド 東京(FaW TOKYO) 秋」が10月18〜20日、東京ビッグサイト東展示棟で開かれた。3日間での来場者数は前回を約2000上回る19147人となった。引き続きサステナブルを切り口にしたゾーンが出展社・来場者ともに活況で、加えて今期は海外からの来日出展が戻ってきたこともありインポートゾーンが拡充した。620の出展社の中から初参加を中心にリポートする。

 海外からの出展は26カ国・300社で、半数以上が新規となった。中国は引き続き遠隔出展で、その他の国の多くは関係者が来日してブースで接客にあたった。出展スペースを広く割いたのが、OEM受注などを中心としたバングラディシュやインドと、アパレルや靴など製品展示を中心としたドイツ、韓国、モロッコだ。

 ペルーは駐日大使館商務部の取りまとめで初出展し、アルパカ製品を全面に押し出し7社が参加した。「カシミヤと比べてまだ知名度が低いアルパカの魅力を伝えたい。代理店を探している企業が多い」と商務部担当者。来日した担当者が自ら製品を着て接客に当たるブースには活気があった。

 集客が多かったのは、「サステナブル ファッション エキスポ」のゾーンだ。同展がサステナビリティを切り口にしたゾーンを設けるのは4回目で、回を追うごとに出展者が増え、今回は昨年の倍のスペースを割いた。当初は再生繊維などを訴求する素材メーカーや繊維専門商社の出展が中心だったが今回はそれに加えて、“循環”をキーワードに回収からリサイクルのプラットフォームや、デジタルを生かしたより無駄のない生産技術など提案の幅が広がっている。伊藤忠商事は「レニュー」名で初出展し、リサイクルポリエステル素材「レニュー」に加え、エコミットと業務提携した繊維製品の回収サービス「ウェア・トゥ・ファッション」を展示。ロフトなどと取り組む繊維製品の回収・循環プラットフォーム「ビオロジックループ」も初出展し、ブースは終日賑わっていた。

 素材や生地では生分解性がキーワードの一つとなっており、目を引いたのは日本毛織による海水中でのウールの生分解性実験の公表だ。同社によると、ポリエステル長繊維・ウール交撚糸を使ったTシャツとポリエステル100%のTシャツを生け簀の海水に150日間、浸漬させたところ、ウール部分がほぼ生分解されてポリエステル長繊維の部分がガーゼ状に残ったという。プロジェクトに参加した「リコール(REQUAL≡)」の土居哲也デザイナーなどがトークイベントも行なった。

 また従来はアパレルやレザーグッズなど他ゾーンに出展していた、企業・団体がサステナブルを切り口に同ゾーンへ出展するケースも増えている。皮革産業連合会は「ジャパンレザーショールーム」として大きなスペースを割き、レザー素材から靴や革小物などの製品まで16社が日本製レザーを総合的に展示。加えて皮革に関する知識を伝えるパネルを用意し、日本で使われている天然皮革が基本的に畜産の副産物であることや、進化しているなめしや染色方法などを紹介。長く使うための具体的な手入れ方法を実演するなど日本のレザーの品質に加えてサステナブルな側面を訴求した。

 タイのリサイクル・テキスタイルのリーディングカンパニーSCグランドは、インポートではなくサステナブルのゾーンに出展し代理店探しなどを行った。その理由をジラロット・ポジャナヴァラパン=マネージング・ディレクターは「SC は“‘Sustainable Cloth”を意味し、私たちは祖父の代から50年以上にわたって繊維廃棄物やリサイクル工場を運営しており、出展するならここだ」と話す。多くの企業がサステナブルを前提に提案を始めているなか、今後は同展がどのようなゾーニングで集客を図るのか、業界事情の縮図とも言える同展だけに今後の切り口が木になるところだ。

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ゴールドウインが電動バイクを販売 スウェーデン企業と契約

 ゴールドウインは、スウェーデンの電動バイクメーカーCAKE 0 emission AB(以下、CAKE)と日本国内における独占パートナー契約を締結した。2023年春に同社の電動バイクの予約受付を開始予定で、3年間で5000台の国内販売を目指す。CAKE創設者でCEOのステファン・イッターボーン(Stefan Ytterborn)は、「アジア進出において、ゴールドウインのようなハイクオリティかつモノづくりの造詣が深いパートナーと提携できることほどいいことはない。同社は長年にわたりよく知る会社であり、彼らの品質に対する責任、革新への情熱、顧客との関係構築力は業界をリードするもの。彼らと仕事ができることを光栄に思う」とコメントする。

 CAKEは、“エキサイティングなモビリティー体験と環境への責任の両立”を目指し、電力稼働ながらパワフルな走りを備えるバイクを提案するメーカーだ。2016年に設立し、現在ヨーロッパや北米を中心に20以上の国で販売している。ゴールウインは、社名を冠したウエアブランド「ゴールドウイン(GOLDWIN)」でモーターサイクルウエアを扱っているほか、2021年には中期経営計画で持続可能な社会に言及し、環境配慮素材の活用やリサイクル・アップサイクル事業、カーボンニュートラル施策を推進する真っ只中にあり、同社の企業活動に親和性を感じてパートナー契約に至った。

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資生堂がボトル製造と中味液充填を一度でかなえる新容器開発技術を開発 アルコアと吉野工業所とタッグで実現

 資生堂は、包装資材メーカーのAMCOR(アムコア)とプラスチック容器製造メーカーの吉野工業所とタッグを組み、「ボトル製造」と「中味液充填」をワンステップで実現する技術「リキフォーム(LIQUIFORM)」を世界で初めて化粧品に採用し、環境負荷軽減に貢献する化粧品の付け替え容器を開発した。

 一般的に化粧品容器は容器工場で空気を入れて成形し、それを充填工場に運搬して充填する。運搬コストや環境リスクが懸念されていたため、資生堂はリキフォームを化粧品容器に応用する。リキフォームは容器形成を化粧品の中味で行うことから、これまでのボトル製造と中味液充填を同時に行え、製造工程の削減をかなえる。リキフォームを活用した化粧品の付け替え容器は、容器単体のプラスチック使用量を約 70%削減が可能。原材料調達から生産や使用、廃棄のサプライチェーン全体で、同社の標準的な従来の付け替え容器(同容量)に対して約70%のCO2 排出量を削減する。また単一素材設計なので、リサイクル適性にも優れている。

 今後、同社はリキフォームを活用した容器の商品をプレステージブランドなどで展開する予定だ。

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パイナップルの葉を服に TSIと豊島が沖縄発スタートアップ企業と業務提携

 沖縄を拠点にパイナップルの葉やバナナの茎を衣料品などの素材に活用するフードリボン(宇田悦子社長)は、TSIホールディングスおよび豊島と業務提携を結んだ。利用されていない農作物を天然繊維製品にする企画・製造を大手アパレルと商社と組んで推進する。「出資も視野にいれた業務提携契約」(同社)で、年内にインドネシアでの繊維抽出を開始し、その後、フィリピンやタイなどアジア諸国での取り組みを広げる。

 フードリボンは2017年創業のスタートアップ企業で、本社を沖縄県国頭郡大宜味村(おおぎみそん)に置く。パイナップルの葉やバナナの茎は、食用になる果実の数倍の量が毎年廃棄されてきた。そこから繊維を作り出すこともできるが、手間暇がかかり、また品質の維持の難しいため、利用は進んでいなかった。同社は量産可能な繊維抽出装置の開発に成功。さらに装置を小型化することで、農園に装置が置けるようになり、現地の農家の新しい収入源にする仕組みも構築した。捨てられていた葉や茎を資源として活用したり、輸送にかかるCO2を削減したりできるため、環境保全の点から注目を集めている。

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TWICEのモモが“サボテン”ネイルでメキシコ大使館に登場 「オニツカタイガー」のアンバサダーに就任

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は10月27日、サボテン由来の新素材を使用した新作“メキシコ 66 カクトフル(MEXICO 66 CACTFUL)”を発表した。ブランドアンバサダーにはTWICEのモモ(MOMO)が就任。同日にメキシコ大使館で開かれたイベントに登場し、メルバ・プリーア駐日メキシコ大使とのトークセッションを行った。

 メキシコ大使館は敷地内にはたくさんのサボテンが植えられており、アットホームな雰囲気がある。パーティも開かれたこの日はメキシコ料理が振る舞われ、会場内には美味しい香りが漂っていた。その中、プリーア大使は鮮やかなドレスに左右異なる色の“メキシコ 66 カクトフル”を合わせて笑顔で登場。メキシコの文化やビジネスにおけるサボテンの重要性や「オニツカタイガー」とのつながりについてサービス精神たっぷりに語った。

 続くモモもサボテンをイメージした“グリーンカーペット” を歩いて登場。足下は5色ある “メキシコ 66 カクトフル”の中から白をチョイスし、サボテンネイルや、サボテンをイメージして毛先を遊ばせたヘアスタイルを披露した。

 「軽くて歩きやすいこの靴を履いて、TWICEのメンバーと旅行でメキシコに行ってみたい」と語ったモモは、メキシコでのコンサートの思い出を聞かれると「ファンが情熱的に迎えてくれたのが印象的」と回答。また、サボテンの花⾔葉「燃える⼼」から広げた「今燃えていること」との質問には「部屋のデコレーションです。サイズを確認せずにベッドを買ってしまい部屋がベットで埋まってしまった(笑)」というお茶目なエピソードを公開して場を和ませた。

 “メキシコ 66 カクトフル”は、「オニツカタイガー」がメキシコに拠点を置くデザート(DESSERTO)社と共同開発したサボテン由来の新素材を使用している。2021年10月に「オニツカタイガー」から最初のコンタクトをし、1年で開発から発売までこぎ着けた。パーティの冒頭で挨拶をした「オニツカタイガー」のそゆみコミュニケーション部グローバルヘッド・部長は「このプロダクトはメキシコ大使館はじめ多くのステークホルダーのおかげで実現した。今回開発した素晴らしい素材は『オニツカタイガー』だけではなくさまざま企業が使用できる予定」と説明。実際パーティには他ブランドのデザイナーや企業のサステナビリティ担当者など幅広い人が集まり、楽団マリアッチの生演奏や、テキーラやサボテン料理を楽しみつつ新製品に触れていた。

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「オニツカタイガー」がサボテン由来の新素材開発 “メキシコ 66 カクトフル”を2023年発売へ

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」は10月27日に、メキシコに拠点を置くデザート(DESSERTO)社と共同開発したサボテン由来の新素材を使用した新作“メキシコ 66 カクトフル(MEXICO 66 CACTFUL)”を発表した。2023年1月に日本を含む世界15カ国で1万足を発売予定。価格は税込1万6500円。同日メキシコ大使館で記者発表会を開き、庄田良二カンパニー長とメルバ・プリーア駐日メキシコ大使が登壇した。

 ベースとなったサボテン由来のバイオ素材“デザート”は、フタル酸エステルやPVCを使用せず、製造工程における水使用量も比較的少ないことから、環境配慮素材として注目を集める。今回はメキシコに数多く生息するウチワサボテンを原料に使用した。「オニツカタイガー」は1年間の共同開発期間を経て、素材の柔軟性や耐久性などを向上させた。デザート社によると、アニマルレザーの生産工程と比較して二酸化炭素排出量を84.8%削減できるという。製造時に残ったウチワサボテンは飲食業界で食用に活用される。

 カラーは染色しやすい特性を生かし、ホワイト、イエロー、ブルー、パープル、グリーンの5色を企画した。アニマルレザーよりも軽量で、通常の“メキシコ 66”が片足250gなのに対し、同モデルは228g。中敷やシューレースには、リサイクルポリエステルを使用した。

 “メキシコ 66”モデルは、1968年にメキシコで開催されたスポーツの祭典で日本選手団のために製作したトレーニングシューズで、ブランドを代表するアイテムの1つ。庄田カンパニー長は、「メキシコというルーツに親和性を感じサボテン素材に着目した。最初に見たときはシューズに適用させるのは難しいと感じたが、その後当社の知見を掛け合わせ試行錯誤を重ねた結果、同モデルが完成した。今後も主力商品として継続販売していく。素材は独占せず、他企業にも活用してもらう計画だ」と話す。

 プリーア駐日メキシコ大使は、「メキシコではサボテンは、観賞用だけでなく食用や化粧品など幅広く使用されている。メキシコの基幹産業の1つでもあり、『オニツカタイガー』のようなサステナビリティに意識の高い企業が、メキシコを象徴するサボテンを取り入れてくれたことに感謝する」と話した。

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韓国アイドルやセレブも愛用の「サイダー」が日本上陸 環境に配慮した手頃価格のアイテム

 2020年に設立した中国発ファッションブランド「サイダー(CIDER)」が、日本向けのウェブサイトを今夏開設し、本格上陸した。同ブランドは、韓国アイドルやセレブリティの着用効果でZ世代を中心に支持を集めており、アメリカや中国を中心に130カ国以上で販売している。価格帯は数千円から1万円台までと、手頃なプライスレンジも特徴だ。

 また同ブランドでは、環境への負荷を軽減する“スマートファッション”モデルを採用した服作りを行っている。“スマートファッション”モデルとは、顧客から直接回収したフィードバックやデータを反映し、リアルタイムで生産の調整が可能なシステム。同システムの導入により、顧客の欲しい物だけをより早く提供できるという。さらに“リサイクルド サイダー コレクション(Recycled Cider Collection)”ではグローバルリサイクルスタンダード(GRS)の認証を受けた素材を使用するほか、2022年末までにショップバッグを生分解性素材に移行することを宣言している。

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環境省が「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」発表 ファッションが3本柱のひとつに

 環境省は10月25日、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動(仮称)」を発表した。2050年カーボンニュートラルおよび2030年度削減目標の実現に向け、中でもライフスタイル分野での大幅なCO2削減を目指し、国と自治体、企業、団体、消費者の連携をうながす。そのため同日、官民連携協議会を立ち上げた。新たな市場創出とともに、来年開催されるG7広島サミットやG20などでの発信を視野に入れている。

 同日開かれた会見で西村明宏環境大臣は「30年度削減目標を達成するには家庭からの排出を66%削減する必要がある。しかし、脱炭素に向けて“何をしたらいいかわからない”国民は多く、大きなうねりをもって進んでいるとはいいがたい」と現状を分析。同運動では「衣食住にわたる新しいライフスタイルの全体像、絵姿を示し、団体、自治体、企業を連携し豊かな生活を後押しする」と語った。

 また省エネ家電の使用やテレワークといった行動変容例をイラストを使って取り上げ「脱炭素は我慢するものではない。これらが実現すれば家計からは毎月3万6000円が浮くと試算できるし、自由時間が増える。よりよい暮らしのために力強く後押しする」と強調した。

 ライフスタイルの中でも「ファッション」「住まい」「デジタルワーク」を3本柱としてフォーカス。「若者を含めた、全世代が働きやすい服装を選べるオフィス改革」を呼びかけ、「業界の皆さまと連携しサステナブル・ファッションを浸透させる」とした。ファッションについては、山田美樹環境副大臣が登壇し、モデル着用による“サステナブル・ファッション”を紹介。スーツを再構築した服やリサイクル素材の靴などを取り上げ「たとえば服を長く着ること、リペアリユースすることもサステナブル・ファッション」などと語った。

 官民連携協議会には25日時点で313の地方自治体や企業が参画しており、会見では花王や楽天などから50人以上が壇上やオンラインを通じてその意気込みを語った。リストにはアーバンリサーチ、川島織物セルコン、コンデナスト・ジャパン、そごう・西武、ZOZO、JSFAなどが名前を連ねている。今後、広く参加を受け付け、11月25日をメドに第1回の実務レベルの協議会を開催。以後月一ペースで開催する。必要に応じて、衣食住・移動や資源循環などの分野やグリーンライフポイントなどの政策に応じたサブグループを設ける。またポータルサイトを開設し、アイデアなどを広く受け付ける。

 「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」というネーミングは現在(仮)となっているものの、西村環境大臣と対談した小池都知事からは「副題を付けてはどうか」と揶揄され、山本一太群馬県知事からは「イケてない」とバッサリ指摘される一幕もあり、正式名称の決定が注目される。

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二階堂ふみがアウターブランド「カポックノット」とコラボ 「大切にしているメッセージを発信したい」

 東南アジアに自生するカポックの実から採れるわたを用いたアウターウエアを主軸に販売する「カポックノット(KAPOK KNOT)」はこのほど、女優の二階堂ふみとコラボしアウター3型を制作した。25日から公式ECサイトと東京・渋谷のミヤシタパーク店、11月1日まで阪急うめだ本店8階で開催中のポップアップ会場で数量限定で受注販売する。

 アイテムは二階堂の「ドレッシーな雰囲気でデザイン性の高いアウターが欲しい」というアイデアをベースに、トレンチコートとフレアスカートをミックスさせたドレスコートのほか、チャイナドレスをイメージしたキルティングコート、ユニセックスで着られるオーバーサイズの変形コートの3型を企画した。価格は各8万8000円(税込)。

 中綿に使用しいているカポック繊維は、「木になるダウン」と呼ばれ、軽量で高い吸湿発熱性が特徴。従来のダウンアウターに使用される羽毛の代替素材として注目を集めている。今回のコラボは、アニマルライツやサステナビリティに関心の高い二階堂が、同ブランドのアウターを着用していたことがきっかけで始まった。

 二階堂は「『カポックノット』を知った時は、軽くて暖かくてこんなに良いものが出たんだと驚いた。今回の取り組みは、洋服を作ることが目的というよりも洋服を通して自分が普段から大切にしているメッセージを発信したかった。ファッションは人の心を豊かにするもの。生産背景がクリーンで、何かの搾取の上に成り立っていない服を選択することで自分の心をより軽やかにしてくれると思う。動物製品を一切買わないことが正しいわけではなく、生産者の思いや環境面、人権面などさまざまな要素を考慮した上で、生活者が消費行動の一つ一つを考える作業が大切だと伝えたい」と話した。

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「エンポリオ アルマーニ」が伊勢丹メンズ館でポップアップ 北極圏をイメージしたサステナブルコレクション

 「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」は11月2〜8日、北極圏をイメージしたサステナブルコレクションのポップアップストアを伊勢丹新宿店メンズ館で開催する。

 サステナブルコレクションは、今回で5シーズン目。北極圏の自然が持つ美しさに焦点を当て、環境に配慮した素材を用いた。ダウンジャケットやボンバージャケット、プルオーバー、パーカー、スエットパンツ、トラウザーなどを用意し、生き生きとしたカラーパレットが特徴だ。また、サステナブル認証を受けたバイオベース素材とリサイクル素材を使用したウオッチとアイウエアもラインアップする。

 ポップアップでは、メンズを中心に一部でウィメンズも用意。伊勢丹先行発売のメンズアイテムを販売する。

■Emporio Armani Sustainable Collection POP UP
会期:11月2〜8日
場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ

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「ステート オブ エスケープ」がアーティストのニキ・リーダーと初コラボ 色鮮やかなアートワークを施したバッグ

 オーストラリア発バッグブランド「ステート オブ エスケープ(STATE OF ESCAPE)」は、アーティストのニキ・リーダー(Niki Lederer)と初めて協業したアイテムを10月29日に発売する。ロンハーマン(RON HERMAN)の千駄ヶ谷店と公式オンラインストアで取り扱う。

 コラボは、「ステート オブ エスケープ」デザイナーのブリジット・マガウアン(Brigitte MacGowan)が、リーダーの「色鮮やかなプラスチック製品を芸術的な彫刻に生まれ変わらせ、独創的な芸術性によって、世界の過剰消費と廃棄物に注意を促す」という考えに共感を得たことから実現した。コレクション名は“ネオクロマコレクション”で、“ネオ(新しい)”と“クロマ(色の鮮やかさの度合い)”の色彩理論にちなんで名付けたという。

 バッグは、同ブランドの定番モデル“エスケープ(Escape)”と“プティエスケープ(Petit Escape)”“サテライトフォリオ(Satelite Folio)”の3型をベースに、裏地にはリーダーによる色鮮やかなアートワーク「Runner, 2017」を2Dプリントしている。ボディーにはバイオベースのオイスターシェルブレンドラバーとリサイクルポリエステルを使用。価格は“エスケープ”が税込8万300円、“プティ エスケープ”が同6万9300円、“サテライトフォリオ”が同8万6900円で、カラーはブラックのみを用意する。

 発売に合わせて、同日に廃棄プラスチックを使った共同制作のワークショップをロンハーマン(RON HERMAN)の千駄ヶ谷店で行う。同イベントにはリーダーも来店する。

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話題のパッケージフリーの雑貨店も NYで見つけたサステナブルを実践するショップ4選 AMIAYAと学ぶサステナビリティvol6.

 私たちAMIAYAがリアルな目線でサステナビリティを学ぶ本連載。今回は、2年ぶりのニューヨークで見つけたSDGsに取り組むお店を紹介します。日本でもさまざまなエシカルブランドやサステナブルなお店が増えていますが、まだまだ限られているのが現状です。ニューヨークには、今までの常識を変えるような革新的なアイデアや強い信念を持つブランドやお店がたくさんありました。

遊び心溢れるコスメが豊富な「ザ・デトックス・マーケット」

 まず訪れたのは、マンハッタンにある「ザ・デトックス・マーケット(THE DETOX MARKET)」。人や動物、環境に配慮したコスメやビューティアイテムを取り扱うお店です。さまざまなカテゴリーの商品やブランドが豊富で、日本では見たことがない商品がたくさんありました。オーガニックコスメと聞くとシンプルでナチュラルなイメージですが、遊び心のあるパッケージや発色の良いビビットなカラー、バリエーションも多くて驚きました。パッケージには環境配慮マークのほか、“woman owned”というマークを初めて目にしました。“woman owned”は女性が経営するブランドであることを示すものだそうです。ジェンダーの平等や女性のエンパワーメント、SDGsの観点からも、そういったブランドのサポートが出来るのがとても良いなと感じました。

ゼロウエイストを実践する「パッケージフリー」

 次に訪れたのは、ブルックリンにある「パッケージフリー(PACKAGE FREE)」。その名の通り、商品の包装を減らすことがコンセプトで、ゼロウエイストを実践するお店です。店内には計り売りの洗剤や、天然素材のブラシ、布ナプキン、歯磨きタブレットなど、さまざまな雑貨が並んでいました。現代のゴミ問題はとても深刻です。日本人1人が1日当たり出すゴミの量は900g前後と言われています。なかでも、プラスチックゴミにおいては1人あたり(年間)32kg。世界では2番目に多いという結果です。どうすれば日々の生活の中で極力ゴミを出さずに生活出来るのでしょうか。全くゼロにするのはリアリティが無いようにも感じてしまうけど、1つでも2つでもパッケージフリーに変わると、大きなインパクトにつながっていくと思います。日本にもこういったお店がどんどん増えたらいいな。

環境配慮素材で長く履けるのがうれしい「オールバーズ」

 次はサンフランシスコ発祥のスニーカーブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」のソーホー店に行きました。地球環境への配慮をブランド理念に掲げ、商品には化学繊維を使わず、サトウキビなど植物由来の素材や再生ポリエステル、ウールやユーカリなどを使用しています。素材選択の徹底ぶりにも驚きますが、洗濯機で丸洗い出来る点も魅力。汚れやすいスニーカーがすぐ洗えて、きれいに長く使えるのはとってもうれしいですね。履き心地も快適です。

透明性を追求する「リフォメーション」

 最後に訪れたのは、私たちもよく着用しているLA発祥のサステナブルブランド「リフォメーション(REFORMATION)」。“BEING NAKED IS THE #1 MOST SUSTAINABLE OPTION. WE’RE #2(1番サステナブルな選択は裸でいること。2番目は「リフォーメーション」を着ること)”というキャッチフレーズを掲げて、サステナブルファッションを発信しています。スタイリッシュでレディーライクなアイテムや、エッジの効いたアイテムもたくさんあって私達もすごく好きなブランドです。驚くのは高い透明性です。生産工程や原材料の詳細、輸送や梱包などの流通の情報を細かく開示し、商品に対しどれくらい二酸化炭素排出や水使用量、廃棄物を削減できたかといったことまで詳細に明記しています。私たち消費者がファッションを楽しみながら、環境に配慮した選択ができるのはとってもうれしいですよね。

 今回訪れたお店では、SDGsを実践する強い信念にパワーをもらいました。私達もひとつひとつ出来ることを実践していきたいと思わせてくれた時間でした。日本にももっと持続可能なファッションやライフスタイルの選択肢が増えていくことを願っています。

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無添加石けんで海の環境改善 シャボン玉石けんが実証実験を報告

 無添加石けんで知られるシャボン玉石けんはこのほど、福岡県宗像市地島(じのしま:玄界灘と響灘の境界部に面する周囲9.3km、人口約140人の島)で実施した「未来の海を守る 島まるごと無添加石けん生活~ 生活排水の環境及び生物に対する影響に関する実証実験プロジェクト~」の結果を発表した。これは、宗像市、九州環境管理協会、山口大学大学院創生科学研究科と合同で生活排水が環境や生物へ及ぼす影響について、洗浄剤(洗濯用、台所用、シャンプーなど)として「石けん」を使う前後でどのような変化があるのかを調査するもの。地島の一般家庭約60世帯、地島小学校、漁村留学センター「なぎさの家」で、2021年9月から11月までの3カ月間、洗浄剤に石けんを使用し、実証実験前後の水質や生物の分析を行い、生活排水による環境影響を調査した。島民へのアンケート結果では約80%以上が何らかの無添加石けん商品を使用したという。

 その結果、石けんに切り替えたことで、下水処理場から海に放流されるは、処理後の水の汚れが少なくなり、下水処理場の曝気槽(水をきれいにする施設)にいる微生物は、微生物の種類・量が増えていることが分かったという。また、汚泥状況が良好な場合に現れる菌が確認され、曝気槽水をきれいにする施設)の環境に良い影響を与えたと考えられると発表した。

 無添加石けんに限らず、合成洗剤や化学物質の安全性など洗濯が与える海洋汚染の影響の調査は難しく、同プロジェクトのような地域単位での実証実験は業界内でも珍しいといえる。”真っ白に見せる”ための添加物や“香りや肌触りのよさ”をうたった柔軟剤など合成洗剤が衣類に残ったときの影響や排水後に環境に与える影響を明らかにすることは難しい。他方で石けんも水を多く使う点や、 硬水で利用した場合、ミネラルと結び付いて石鹸カスになり洗浄力が弱まるといった課題もある。

 環境負荷を軽減したいと考えるなら、着たから洗うから汚れたから洗うへと、洗濯そのものを見直すこと、現代人にはハードルが高いが洗濯機ではなく手洗いすること、洗濯機を用いる場合は、低環境負荷の洗剤を選び、洗濯バッグを活用することが推奨される。

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繊維から生まれた“土”、「トゥッティ」が広がるワケ

 服地卸の最大手スタイレム瀧定大阪が昨年スタートした「プラスグリーンプロジェクト」が今、大きな広がりを見せている。同プロジェクトは従来廃棄される衣類などのポリエステル繊維をリサイクルした培地「トゥッティ」を用いて、緑を増やし未来へとつなぐ取り組み。協業先はアパレルブランドや園芸会社、商業施設など多岐にわたり、プロジェクト発足から1年余りで60件以上の実績を残している。そこに共通するのは、サステナビリティを身近に感じるライフスタイルの提案だ。

様々な企業・ブランドとコラボ、
店頭での強いVPで集客にも寄与

 「プラスグリーンプロジェクト」の中心となる、ポリエステル繊維リサイクル培地「トゥッティ」は、普段着用している衣料品などを廃棄するのをやめよう、循環させて緑を増やそう…そんな思いから誕生した。オーケストラ全員で合奏することを「トゥッティ」ということに由来し、全ての人が演奏することで素晴らしい音楽が生まれる、そんな存在でありたいとの願いが込められている。ロゴにリピート記号が付いているのはリサイクルすることで、資源を循環させることを目指しているから。「おしゃれを楽しみながら緑を育てる」、この循環に参加することで、共に環境に優しい未来を生み出す。それは「プラスグリーンプロジェクト」の活動全般に通じている。象徴的な事例の一つが、6月に愛知県名古屋市のイオンモール大高にオープンした「ジーナシス」国内最大規模の店舗での取り組みだ。ユニバーサル園芸社と協業し、「トゥッティ」や「トゥッティ」を使用した観葉植物の販売とともに、同店では「トゥッティ」の原料となるポリエステル素材の衣料品回収キャンペーンも実施。その回収ボックスもポリエステル繊維をリサイクルしたフェルトの「トゥッティボード」で作った。店頭のディスプレイとしても使うことで、衣料品の回収、それをリサイクルした土、その土で栽培された植物、という循環を具体的に見せた。また、自分の生活の中の一部として、衣類から植物への循環を、来店客に感じてもらうとともに、サステナビリティの取り組みに興味を持たせ、店内へと足を進めさせる効果もあったという。

大型商業施設と組んだワークショップも

 サステナビリティを生活の一部として感じる取り組みは、商業施設でのイベントなどでも行われている。今春は阪急西宮ガーデンズで開催されたSDGs推進活動「ぎゅうっと未来 阪急西宮ガーデンズ」で、「不要になった洋服を捨てないアイデア」をテーマに、家族そろって参加できるワークショップを開催した。参加にあたっては、自宅の不要な洋服を持参してもらい、「トゥッティ」を使った植木鉢を製作。それを家に持ち帰り、廃棄される衣料品回収から緑を育てる循環を体験するという試みだ。プロジェクト発足時から一つの目標にしていた緑化事業もすでに実現しており、プロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」が若者文化発信拠点として運営する「カワサキ文化会館」の屋上約80m²に「トゥッティ」を敷き詰め、食育や地産地消の促進を目的とする屋上菜園「アンドワンファーム」を誕生させた。ここで栽培される野菜は、クラブハウスで提供する選手の食事の材料などに活用予定。将来的には、試合会場で回収した衣類も「トゥッティ」の一部になり、チームを中心とする環境の中で循環することを検討している。

ファッションを入り口に、
コスメなど多彩な“共創”も

 同プロジェクト発足時から取り組んでいるのが、淡路島パルシェが運営する「パルシェ 香りの館」内にオープンした「スタイレムアグリラボ」だ。ここは「トゥッティ」の生育実証の場、知見を広げる場であり、「トゥッティ」を開発したアースコンシャスや近畿大学と共に、最新設備のもと、約20種類の果樹・野菜を栽培している。すでにこのラボで栽培したハーブを原料とする、ローズゼラニウムやハッカのエッセンシャルオイルの製造・販売がスタート。8月に合同展示会「JUMBLE TOKYO」に出展したところ、大きな反響があり、新たなコラボ企画創出の機会となった。このラボのような「トゥッティ」を使った農園はほかの場所でも増え、井入農園では和ハーブ、山本農園ではストックの栽培が進んでいる。ほかにも、ノベルティーやオリジナル商品の開発、植栽ディスプレー、「トゥッティボード」を使ったバッグの製作など、ブランドの世界観とリンクさせながら、サステナブルを身近に感じられる数々の提案を行っている。「入口は繊維だが、出口は新規事業。業界の枠を意識せずさまざまな企業と協業していく」と同プロジェクトを担当するスタイレム瀧定大阪R & D部R & D室の坂本和也氏。今後は「衣料品を回収するアップサイクル事業、グリーンの販売やレンタル事業、緑化事業を含めた空間プロデュース、「スタイレムアグリラボ」の発展など、それぞれの分野での広がりを見据えている」と言う。2025年に開催される大阪・関西万博の参加型プログラム「TEAM EXPO 2025」にも参画し、さらなる共創を呼びかけている。

繊維から生まれた土
「トゥッティ」とは?

 「トゥッティ」は、従来なら廃棄されていたポリエステル繊維を主体に人工ゼオライトを特殊混合して作られた“繊維から生まれた土”。従来の培養土と同じように、花でも野菜でもハーブでも育てることができる。非常に軽量のため運搬や栽培作業が容易、虫が発生しにくく室内栽培に適している(無機肥料使用の場合)、経年劣化が生じにくいなど、扱いやすさも大きな特長だ。現在、自社ECのほか、竹中庭園緑化のショップや公式オンラインショップなどでも販売されている。

問い合わせ先
スタイレム瀧定大阪
06-4396-6534

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繊維から生まれた“土”、「トゥッティ」が広がるワケ

 服地卸の最大手スタイレム瀧定大阪が昨年スタートした「プラスグリーンプロジェクト」が今、大きな広がりを見せている。同プロジェクトは従来廃棄される衣類などのポリエステル繊維をリサイクルした培地「トゥッティ」を用いて、緑を増やし未来へとつなぐ取り組み。協業先はアパレルブランドや園芸会社、商業施設など多岐にわたり、プロジェクト発足から1年余りで60件以上の実績を残している。そこに共通するのは、サステナビリティを身近に感じるライフスタイルの提案だ。

様々な企業・ブランドとコラボ、
店頭での強いVPで集客にも寄与

 「プラスグリーンプロジェクト」の中心となる、ポリエステル繊維リサイクル培地「トゥッティ」は、普段着用している衣料品などを廃棄するのをやめよう、循環させて緑を増やそう…そんな思いから誕生した。オーケストラ全員で合奏することを「トゥッティ」ということに由来し、全ての人が演奏することで素晴らしい音楽が生まれる、そんな存在でありたいとの願いが込められている。ロゴにリピート記号が付いているのはリサイクルすることで、資源を循環させることを目指しているから。「おしゃれを楽しみながら緑を育てる」、この循環に参加することで、共に環境に優しい未来を生み出す。それは「プラスグリーンプロジェクト」の活動全般に通じている。象徴的な事例の一つが、6月に愛知県名古屋市のイオンモール大高にオープンした「ジーナシス」国内最大規模の店舗での取り組みだ。ユニバーサル園芸社と協業し、「トゥッティ」や「トゥッティ」を使用した観葉植物の販売とともに、同店では「トゥッティ」の原料となるポリエステル素材の衣料品回収キャンペーンも実施。その回収ボックスもポリエステル繊維をリサイクルしたフェルトの「トゥッティボード」で作った。店頭のディスプレイとしても使うことで、衣料品の回収、それをリサイクルした土、その土で栽培された植物、という循環を具体的に見せた。また、自分の生活の中の一部として、衣類から植物への循環を、来店客に感じてもらうとともに、サステナビリティの取り組みに興味を持たせ、店内へと足を進めさせる効果もあったという。

大型商業施設と組んだワークショップも

 サステナビリティを生活の一部として感じる取り組みは、商業施設でのイベントなどでも行われている。今春は阪急西宮ガーデンズで開催されたSDGs推進活動「ぎゅうっと未来 阪急西宮ガーデンズ」で、「不要になった洋服を捨てないアイデア」をテーマに、家族そろって参加できるワークショップを開催した。参加にあたっては、自宅の不要な洋服を持参してもらい、「トゥッティ」を使った植木鉢を製作。それを家に持ち帰り、廃棄される衣料品回収から緑を育てる循環を体験するという試みだ。プロジェクト発足時から一つの目標にしていた緑化事業もすでに実現しており、プロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」が若者文化発信拠点として運営する「カワサキ文化会館」の屋上約80m²に「トゥッティ」を敷き詰め、食育や地産地消の促進を目的とする屋上菜園「アンドワンファーム」を誕生させた。ここで栽培される野菜は、クラブハウスで提供する選手の食事の材料などに活用予定。将来的には、試合会場で回収した衣類も「トゥッティ」の一部になり、チームを中心とする環境の中で循環することを検討している。

ファッションを入り口に、
コスメなど多彩な“共創”も

 同プロジェクト発足時から取り組んでいるのが、淡路島パルシェが運営する「パルシェ 香りの館」内にオープンした「スタイレムアグリラボ」だ。ここは「トゥッティ」の生育実証の場、知見を広げる場であり、「トゥッティ」を開発したアースコンシャスや近畿大学と共に、最新設備のもと、約20種類の果樹・野菜を栽培している。すでにこのラボで栽培したハーブを原料とする、ローズゼラニウムやハッカのエッセンシャルオイルの製造・販売がスタート。8月に合同展示会「JUMBLE TOKYO」に出展したところ、大きな反響があり、新たなコラボ企画創出の機会となった。このラボのような「トゥッティ」を使った農園はほかの場所でも増え、井入農園では和ハーブ、山本農園ではストックの栽培が進んでいる。ほかにも、ノベルティーやオリジナル商品の開発、植栽ディスプレー、「トゥッティボード」を使ったバッグの製作など、ブランドの世界観とリンクさせながら、サステナブルを身近に感じられる数々の提案を行っている。「入口は繊維だが、出口は新規事業。業界の枠を意識せずさまざまな企業と協業していく」と同プロジェクトを担当するスタイレム瀧定大阪R & D部R & D室の坂本和也氏。今後は「衣料品を回収するアップサイクル事業、グリーンの販売やレンタル事業、緑化事業を含めた空間プロデュース、「スタイレムアグリラボ」の発展など、それぞれの分野での広がりを見据えている」と言う。2025年に開催される大阪・関西万博の参加型プログラム「TEAM EXPO 2025」にも参画し、さらなる共創を呼びかけている。

繊維から生まれた土
「トゥッティ」とは?

 「トゥッティ」は、従来なら廃棄されていたポリエステル繊維を主体に人工ゼオライトを特殊混合して作られた“繊維から生まれた土”。従来の培養土と同じように、花でも野菜でもハーブでも育てることができる。非常に軽量のため運搬や栽培作業が容易、虫が発生しにくく室内栽培に適している(無機肥料使用の場合)、経年劣化が生じにくいなど、扱いやすさも大きな特長だ。現在、自社ECのほか、竹中庭園緑化のショップや公式オンラインショップなどでも販売されている。

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「ザボディショップ」本国CEOが語る 「環境配慮型店舗拡大と商品ポートフォリオ再構築で2023年を飛躍の1年に」

 イギリス発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」は1976年の創業以来、社会と環境の変革を追求する事業を行い、チェンジメーカーとしてビューティ業界に革新をもたらしてきた。2017年9月にブラジル最大規模のビューティ企業、ナチュラ & コー(NATURA & CO.)の傘下に入り、原点回帰して再び存在感を強めている。17年12月からザボディショップインターナショナル(THE BODY SHOP INTERNATIONAL)を率いるデイビッド・ボイントン(David Boynton)CEOにブランドの目指す道を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):日本市場へは1990年に参入し、20年10月にイオンの子会社であるイオンフォレストから本国のザボディショップ・インターナショナル・リミテッドが株式を取得。10月からザボディショップジャパンが事業を引き継いだ。日本の業績、日本市場の変化はどのように捉えている?

デイビッド・ボイントン=ザボディショップインターナショナルCEO(以下、ボイントンCEO):今のところとても好調だ。ただ新型コロナの影響で市場が混乱し、チャネルにも変化があった。ボディショップジャパンにとってよかったのは、オムニチャネルがあること。これによって物理的な店舗のトラフィックが減ったもののeコマースの売り上げが増えた。もちろんコロナ禍前の計画に及んでいないが、進捗度は良いし、今後の展望に関してもハッピーな目で見ている。

WWD:創業時から手掛けるリフィルステーションや、サステナブルとエシカルにフォーカスした店舗であるアクティビストワークショップは世界中で展開する。その中でも日本の進捗は、世界と比べても進んでいるのか。

ボイントンCEO:現在、全世界でアクティビストワークショップは200店舗ある。日本は今年度末までに20店舗を実現させる。リフィルステーションは日本では18カ所ある。世界のほかの市場と比べても日本の進捗のペースは同等、あるいはほかの地域より少し早いペースで進んでいる。

東海道新幹線の再生アルミを店内什器などに活用

WWD:日本独自のアクティビストワークショップの取り組みとしては、東海道新幹線の再生アルミを店内什器やスキンケアツールに利用しているが、その話があったときにどう感じたのか。

ボイントンCEO:とても素晴らしいアイディアだ。グローバルブランドのため、世界のどこでも「ザボディショップ」と認識される一貫性は重要。その一方で、それぞれでその国らしさを打ち出すことも大切だ。東海道新幹線の再生アルミの利用は、ビューティ産業におけるサステナビリティをリードする立場にあることをとても表し、素晴らしいと思う。そしてリサイクル、リユースという考え方、店舗のデザインといった細かいところまでとても丁寧に行われているので、日本を象徴している。日本のチームが世界のどこのチームより最もクリエイティブだ。リサイクルの観点でも今後ますますアルミニウムは重要性が高まっていくので、このコンセプトは素晴らしい。

WWD:来年、日本市場に期待することとは?

ボイントンCEO:当社が推進するアクティビストワークショップが4店舗増え、日本の全店舗に対し28%のシェアになる。17年にナチュラ & コーの傘下になり、新商品が出続けているがビーガン的な商品や、パッケージもサステナビリティの高いものばかりになっている。8月に主軸のベーシックスキンケアライン“DOY”を刷新し、“エーデルワイス”ラインとして発売したが、今後もフェイシャルスキンケアにはもっと力を入れていく方針だ。もともとユニセックスな商品であるため、男性客が増えているが、さらに男性の使用率を高めたい。そのほか、アクティビズムキャンペーン「BE SEEN. BE HEARD」の取り組みをグローバルに行う中で、日本では若者の政治参画を促す団体NO YOUTH NO JAPANとコラボレーションを進めている。店舗の環境もどんどん良くなってアップグレードが進んでいること、商品のポートフォリオに大きな期待ができること、そして社会的な課題に対しての取り組みが進む。そういう意味で、23年はとてもよい年になると思っている。

コロナ禍で全世界の93%の店舗が休業

WWD: 20、21年と各社厳しい状態にあったが、ザボディショップインターナショナル全体の状況は。

ボイントンCEO:グルーブ全体も大変な時期だった。20年は全世界の店舗の93%が休業する経験をした。各社がその時期にeコマースへの転換・増加が顕著にみられたが、当グループもEC売り上げが3〜4倍に増えた。それからイギリスで20年以上前から展開するダイレクトセリングのビジネスモデルがある。「ザボディショップ アットホーム」という訪問販売的な直接販売の一つの形態で、これらを展開するイギリスとオーストラリアの一部では店舗休業による売り上げ減をかなり埋めてくれる役割を果たした。

WWD:22年はかつてないほど難しい年になりそう?

ボイントンCEO:多くの国でコロナ禍が収束できていない。さらにヨーロッパでは戦争が勃発し、インフレが激しくなり生活費が非常に高くなった。そうはいうものの、22年は4半期ごとに回復している。22年第4四半期は最もいい業績になる予定で、それを跳躍台に23年に入っていけるだろう。アクティビストワークショップのパフォーマンスは、従来型の店舗と比べても強い業績・パフォーマンスをすでに発揮しているし、新しい商品も従来のものより結果を出している。

ビューティ業界のゲームチェンジャー

WWD:創業時からゲームチェンジャーとしてビューティ業界に影響を与えてきた。

ボイントンCEO:創業者のアニータ・ロディック(Anita Roddick)自身が初期の店舗でリフィルをはじめていたし、フォーミュラも自然な原料を使って作っていた。当時のビューティ業界でこれは非常に珍しいこと。まさに業界を変えるゲームチェンジャーの取り組みだった。彼女は女性のエンパワーメント・社会進出・リーダーシップを取ることについてもリードしてきた。それに関してアニータが言ったのは「世界にはスーパーモデルの女性は7人しかいないけど、なんでほかの女性を称えないのか」と(※当時の美容業界は外見の美を追求していた。外見至上主義にアニータは違和感を覚えていた。今でこそ「ありのままの美」がうたわれるが、それを創業時から訴えていた)。業界の動物実験禁止にも貢献した。これはブランドの中核的なDNAだ。

 しかし07年にアニータが亡くなった後、「自分たちは他とは違う存在である」という方向性を失っていた時期が10年ほどあった。17年にナチュラ& コーが親会社になり新しい経営陣が入り、もう一度アニータの考えに立ち戻り、アニータのレガシィを生かすためにはどうすればいいのかを真剣に考えるようになった。再びゲームチェンジャーになるために、リサイクルの分野でリーダーになることを決心した。さらに処方も自然原料を使いながら有効性も高める。そして社会的な課題である物事にも取り組もうということで「BE SEEN. BE HEARD」も行う。アニータがゲームチェンジャーであるべきと考えたミッションに立ち戻ると決めた。

サステナブルで倫理的な企業の証明でBコープ認証取得

WWD:リサイクル分野や自然原料を用いた処方などは、Bコープ(B Corp/「Benefit Corporation」の略)認証の取得につながっている。

ボイントンCEO:私がザボディショップインターナショナルに入社した際、「サステナブルで倫理的。とても優れた企業だ」とスタッフから口をそろえて言われた。しかし、具体的に証明できないためBコープの認証を取得した。これは80以上の国と地域でビジネスを展開しているわれわれのような企業にとっては複雑で、容易ではなかった。Bコープ側から受けた監査はかつてないほど細かく厳しいものだったので取得でき誇りに感じている。

WWD:日本はBコープ認証が浸透していないが、イギリスでは購入する際の選択の一つにBコープ認証取得が入っているのか。

ボイントンCEO:その傾向が高まりつつある。全体的に社会問題への意識、環境問題への意識が高まっている。23年はBコープの更新が控えており、厳しいチャレンジだが再取得できると確信している。

WWD:23年はグローバルでもポジティブな状況になりそうだ。

ボイントンCEO:コロナ禍前のビジネスに戻す時期と捉えている。今年はコロナ禍や戦争下で対応するべきことを必死に務めてきた。それを全て見直しリセットする。世界中の消費者に「ザボディショップ」が創業時からの倫理的でサステナブルなビューティ業界のパイオニアであることのストーリーが語れるような年にする。それが全スタッフのモチベーションにもなっている。日本の消費者にも語りきれていない部分も多いが、優秀な日本のチームがいるので期待して欲しい。

PHOTOS:SHUHEI SHINE

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「サンローラン」からチェーンバッグ“ニキ”の新色 クロムフリーのサステナブルな革を使用

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、チェーンバッグ“ニキ(NIKI)”の新色を順次発売中だ。価格は27万7200円(税込、以下同)と29万1500円。

 素材はクロム(メタル)を使わないサステナブルなタンニングレザーで、不規則なシワの入り方とセミマットな質感が特徴。そこにキルティング加工を施す。

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「パタゴニア」がサーフウェアを無料で修理する“ウォーン ウエア”を実施、26日から

 パタゴニア日本支社は26日から、関西、東海、関東圏のサーフエリアを訪問するリペアプログラム“ウォーン ウエア(WORN WEAR)”サーフツアーを実施する。

 パタゴニア サーフ大阪/アウトレットを皮切りに、パタゴニアの修理スタッフがリペアトラック「つぎはぎ」で全6カ所を巡り、破損したウェットスーツ、ボードショーツやラッシュガード、サーフハットなどの海を楽しむためのウェアを修理する。パタゴニアのウェア以外もブランドを問わず無料で修理を受け付ける。そのほか、リペアパッチやボンドを使った穴や破れの補修などミシンを使わない簡易的な修理を自ら体験する機会も提供。リペアキットの販売も行う。受け付けは1人につき1アイテム。パタゴニアスタッフによる修理サービスは予約優先だが、当日枠も設ける。

 廃材を再利用して作られた「つぎはぎ」は、今回のツアーからバイオディーゼル車に仕様変更した。地域コミュニティから回収した使用済みの植物廃油を「つぎはぎ」付属のフィルターで濾過して燃料タンクに注入し、走行時の燃料として使用。そうすることでCO2排出の約98%をオフセットする。修理に使用するミシンや照明も全て「つぎはぎ」に搭載したソーラー発電パネルによる太陽光発電でまかない、梱包資材などはアップサイクルされた再利用可能なものを使用。サービス提供時に端切れや糸くずなども分別や計測を徹底し、可能な限りのゼロウェイストを目指す。

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海の環境を守る 、「ダイワ」の漁網アップサイクル

 グローブライドが手掛けるフィッシングブランドの「ダイワ(DAIWA)」は、漁網アップサイクルプロジェクト「ビーアースフレンドリー(Be Earth-Friendly)」を通じて、海洋環境の改善に取り組んでいる。2023年春夏「楽天ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」期間中には、プロジェクト第2弾として産学連携のファッションコンペを開催した。漁網をフックに漁業関係者・アパレル産業・顧客、それぞれの環境課題と向き合う“完全循環型のアップサイクル”とは。釣り場のクリーンナップ事業からマテリアルリサイクルへと広がる「ダイワ」のサステナビリティを紹介する。

漁網のアップサイクルで解決すること

 元々「ビーアースフレンドリー」は、09年にスタートした「ダイワ」の環境保全プロジェクトだ。釣り場のクリーンナップ活動「シンク クリーン(Think Clean)」を前身とし、希望者には環境配慮型のゴミ袋も無償で提供してきた。

 当初から「海洋環境の悪化」を大きな課題と捉えて、子どもたちを対象にした自社フィッシングクラブ「ダイワヤングフィッシングクラブ(D.Y.F.C)」のワークショップなどを開催。繊維の抜け落ちを抑えた“レスマイクロプラスチック フリース”などの環境対応商品の開発や、アパレルのリサイクル回収なども積極的に行ってきた。

 サステナビリティのさらなる強化を目的にスタートした、漁網アップサイクルプロジェクトでは、再生素材メーカーのリファインバースの協力で、漁網をマテリアルリサイクルした生地を開発。ストーリー性やデザイン性といった高付加価値のあるアパレルへと循環させる。廃棄される漁網は、塩や砂などの付着で解体や分別が難しく、現状は埋め立て処分が主流だ。日本の海洋を漂う漁網は、海外から流れ着くものもあり、それらが環境汚染にもつながっている。

 同プロジェクトでは、リファインバースのリソースと独自テクノロジーで、北海道・厚岸町で廃棄漁網の回収・分別を行い、愛知・一宮市でペレット化。そこにバージンナイロンなどを混ぜて紡績したアップサイクル生地から、アパレル製品を作り出す。さらに再生されたウエアは、使用後回収して再び製品化することが可能だ。「漁網を回収した地域まで分かる」というトレーサビリティーが明確な“完全循環型のアップサイクル”は、消費者にもそのイメージが伝わりやすく、共感しやすい。さらに規模が大きくなれば、二酸化炭素の多量排出や⽯油由来原料の枯渇など、さまざまな環境負荷にアプローチできる。

 「ダイワ」は今後24-25年秋冬シーズンにかけて、生分解性素材や無水染色生地の採用などを予定している。“Feel the earth”をコーポレートスローガンに、事業フィールドである「海を守る」サステナビリティを加速させる。

Project 1
海から漁師に“還る”アパレル

 表参道ヒルズで今年3月に開催されたプロジェクト第1弾では、北海道の廃棄漁網を漁業関係者が着るアパレルへとアップサイクルした。会場では、「ダイワ」が製作したレインジャケットやパンツ、サロペットのほか、ドレスやセットアップなども展示。漁網がリサイクルされる工程や、実物のペレットや糸なども展示し、漁網が形を変えて漁師の元へと“還る”循環のストーリーを紹介した。

Project 2
若い世代に提供する
“サステナブル×ファッション"の場

 プロジェクト第2弾では、文化学園と東京藝術大学との産学連携でファッションコンペを9月1日に渋谷ヒカリエで開催。東京藝術大学の学生が、廃棄漁網を再利用し会場の装飾を手掛けた。「海の世界から生まれ変わるアップサイクル」をテーマにしたコンペでは、文化学園の学生が全24体のファッションアイテムを製作。廃棄漁網のリサイクル素材を60%以上使用することを条件に、カジュアルからフォーマルまで多彩なルックがそろった。

イベント開催に込めた思い

 審査員は、サステナブルなコンセプトやデザイン性、完成度などの観点から上位5作品を選定。最優秀賞には、文化服装学院アパレル技術科の髙田綾さんによるウエディングドレス「アライメント(aligment)連携」が輝いた。「アップサイクル素材でウエディングドレスが作られるくらいサステナビリティが世界に浸透することを願った」という作品は、大胆なプリーツが特徴だ。審査員を務めた佐々木勉「ディーベック(D-VEC)」クリエイティブディレクターは、「アップサイクルをクチュールの域にまで高めた完成度の高い作品」と評価した。髙田さんの作品は商品化され、表参道ヒルズの「ディーベック」旗艦店で販売予定。5点の入賞作品は11月上旬まで「ダイワ」アパレルショールームで展示中だ。

 小林謙一グローブライド執行役員フィッシング営業本部アパレルマーケティング部長は、「第1回のイベントでは、若い方からサステナビリティへの貢献の仕方が分からないという声を聞いた。昨今は、環境汚染の深刻な問題も起きている。これら二つの課題解決にもなる“思いを持った”取り組みを学生たちと行いたいと思った」と開催の意図を語った。

EDIT&TEXT:ANRI MURAKAMI
問い合わせ先
ダイワ お客さまセンター
0120-506-204

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コペンハーゲン発の「ガニー」がBコープ認証取得

 コペンハーゲン発のファッションブランド「ガニー(GANNI)」はこのほど、Bコープ認証を取得した。

 2006年にアメリカの非営利団体Bラボ(B Lab)が制定したBコープ認証は、ガバナンス、社員、コミュニティ、地球環境、顧客の5つの主要分野におけるビジネスの様々な側面について、300以上の質問を含む厳格な審査を経て与えられるもの。継続的な問題解決により社会と地球環境に対する影響の改善が証明された場合のみ、認証が維持される。

 「ガニー」の総合スコアは90.6だったが、中でも高得点を獲得したのが地球環境に関する項目。コレクションの大部分に用いている、認証を取得したオーガニック素材や定環境負担素材、リサイクル素材の継続的な使用が評価された。

 一方で、カーボンオフセットの代替となるカーボンインセット方式のプロジェクトについては高得点が得られず、次回に課題を残す結果となった。カーボンインセットとは、自社のサプライチェーン内で二酸化炭素排出の削減に取り組むこと。同社は温室効果ガス削減を実現するための素材開発に取り組むプロジェクト「ファブリックス・オブ・ザ・フューチャー」を行なっているが、これが評価対象に含まれなかったようだ。

 今後は2025年までに150点取得することを目標に、カーボンインセットのスキーム展開、革新的な素材開発の拡大、循環型ビジネスモデルの構築に重点を置いて取り組んでいくという。

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無添加、動物愛護、環境保護 安いだけじゃない「イケア」のフードに対する本気度の高さ

 スウェーデン発「イケア(IKEA)」といえば、“ミートボール”や“シナモンロール”などのフードを思い浮かべる人も多いことだろう。なぜなら、「イケア」にはカフェテリアやスウェーデンの食材を集めたコーナーがあり、本場スウェーデンの味を手ごろな価格で味わえ、購入できるから。決してメジャーとはいえないスウェーデンのフードを身近な存在にしているのが「イケア」だ。

 近所でない限り、郊外店に行く場合は滞在時間も長くなりがちだ。買い物、ランチ、そして、帰り際にソフトクリームという消費者も多いと想像できる。ところが、都心に店舗ができて、フードがより身近になり、その楽しみ方の幅も広がった。原宿店にはコンビニやカフェ、渋谷店にはカフェやレストラン、新宿店にはカフェ&テイクアウトコーナーがある。お腹が空いたら「イケア」のレストランで食事、時間がなければカフェで軽食、会社帰りにテイクアウトという選択肢があるのは大きな魅力だ。もちろん各店舗で食品も販売。私の場合、自宅の冷凍庫に必ず入っているのが、「イケア」の“スモークサーモン”と“プラント(植物由来)ボール”だ。“スモークサーモン”は品質が高く、しかも、安い。“プラントボール”は、最初は興味本意で購入したが“ミートボール”と遜色ない味わいで、気軽におつまみとしても楽しめる。

創業者の肝入りフードビジネス

 「イケア」がなぜフードに力を入れているのか、その理由は創業者にあった。

 「お腹が空いている客とは商売はできない」というのが故イングバル・カンプラード(Ingvar Kamprad)創業者のモットーだった。さすが、ビジネスマンという印象を持つかもしれないが、私の印象は、どちらかというと、“誰もお腹を空かして買い物したくないはず”という創業者の消費者への気配りだ。彼は、そこから、消費者のニーズをビジネスに置き換えたのだと感じる。

 先日、東京・ウィズ原宿で開催されたイベントで、佐川季由イケア・ジャパン カントリー フード マネジャーは、フードの売上高の割合について、「世界では6%程度、日本は約10%と高い。特にプラントベースの商品に関してはフード全体の34%の売り上げを占めており、共感を得ている。都心の店舗では50%、仙台店は54%と世界一の売り上げ比率だ」と語った。2025年までにレストランのメニューの半分をプラントベースにする予定だという。

ミートvs プラントベース

 「イケア」では、肉を使用した商品もある。「放牧牛の牛肉、平飼い鶏の鶏肉を使用するなど、アニマルウェルフェアに気を使い、無添加である点にも徹底している」と同マネジャー。価格に関しては、プラントベースのものが肉を使用したものより手ごろであるべきというポリシーだ。二酸化炭素排出量については、「“プラントボール”は“ミートボール”と比べると96%削減できる」。私自身ベジタリアンやビーガンになる気はないが、畜産業がそれほど環境に負荷を与えていると知って驚いた。佐川マネジャーは、「欧米に比べ、日本のビーガン消費は低く、まだ2.2%。プラントベースの食品を購入すれば、その消費量が高くなる」と話す。ビーガンというと、“完全菜食主義者”のこと。その背後には、健康上の理由、畜産業の環境への悪影響を減らす理由、動物愛護という倫理的な理由がある。プラントベースの食品を消費することにより、環境負荷が減らせるビーガン消費につながるということを実感した。今後も私は、“プラントボール”を選び続けようと思う。

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「ミズノ」から環境配慮型のランニングシューズ 10万本の植林でCO2もオフセット

 「ミズノ(MIZUNO)」は、環境負荷を低減しながら、高機能を持つランニングシューズのシリーズ“ウエーブ ネオ コレクション(WAVE NEO COLLECTION)”を発売した。販売目標は世界で5万足、国内で3000足だ。リサイクルポリエステルや藻類を含む植物由来材料などを使用し、従来のシューズに比べて製作過程におけるCO2排出量を10〜20%削減する。アッパーは無染色のニット素材を使い、水資源の保全にも取り組む。

 発売したシューズは、“ウエーブネオ ウインド(WAVE NEO WIND以下、ウインド)”と“ウエーブネオ ウルトラ(WAVE NEO ULTRA以下、ウルトラ)”の2種類。価格はいずれも2万2000円(税込)だ。“ウインド”はランニング初心者から上級者までがターゲットで、ミッドソールにはめ込む波形のプレート“ミズノウエーブ”と、高反発ソール素材“ミズノエナジー”を組み合わせてクッション性と安定性を両立させた。アウトソールには軽量性とグリップ性に優れた“G3ソール”を採用し、推進力をもたらす“ウエーブプレート”には、ひまし油を原料とする植物由来の素材を用いている。

 “ウルトラ”は、やわらかな走り心地を求めるファンランナーに向けたシューズ。“ウインド”と同じくクッション素材“ミズノエナジー”を使い、スタンダードタイプの“ミズノ エナジー”のほか、軽量タイプの“ミズノ エナジー ライト”と最も反発性が高い“ミズノ エナジー コア”の3タイプを組み合わせて、かかとを39mmまで厚くして弾むような走り心地を目指した。“ランバードマーク”を小さくあしらったミニマルなデザインも特徴だ。

 同コレクションでは、店舗への配送や廃棄に至るまで、ライフサイクルにおけるCO2総排出量のオフセットを目標に、米国森林基金(National Forest Foundation)に依頼して森林再生活動も行う。すでにジョージア州近郊のチャタフーチに約10万本の松の木を植えており、今後90年にわたって大気中のCO2を吸収し続ける。これは今回販売する5万足分の CO2に相当する。

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「ベアミネラル」と「トリンプ」が夏休み中に小学生向けにSDGsオンラインセミナーを開催

 “天使のブラ”や「アモスタイル(AMOSTYLE)」で知られる下着メーカーのトリンプ・インーナショナル・ジャパン(以下、トリンプ)と、ミネラルファンデーションのパイオニアである「ベアミネラル(BAREMINERALS)」を輸入販売するベアエッセンシャルは、オンラインで夏休み中の8月に、小学3〜6年生を対象にしたSDGsを考える合同オンラインセミナーを開催した。

 セミナーのテーマは“コスメ、ランジェリーから考えるSDGs”。両社は、共に“女性達の幸せな生活をサポートする”というミッションを掲げており、グローバルでSDGsに取り組んでいるなどの共通点がある。また、社員同士のつながりもきっかけになり、合同でセミナー開催を決定した。「夏休み中に、将来を担う子ども達に向けて催すことに意義あると考え、対象を小学生に絞った」と坂田修子トリンプPRマネジャー。既に学校の授業でSDGsやサステナビリティについて学んでいる小学生に対して、「それらに取り組んでいる姿を見せることが、将来、ファーストブラ、ファーストコスメに選ばれるためには必要だ」という思いも込められている。また、単独で開催するより、コスメとランジェリーと異なるアイテムを扱う会社が合同で開催することにより、シナジー効果があるだろうと期待もあっての開催だった。

環境保全に対する取り組みやエシカル消費について解説

 セミナーに関しては両社がブランドSNSで告知・宣伝し、「ベアミネラル」のホームページで1カ月間参加者を募集。当日は3回に分けてオンラインで開催し、講師は武者涼子ベアミネラルPRマネジャーと坂田トリンプPRマネジャーが務めた。セミナーは2部構成で、前半は「ベアミネラル」。人気アイテムの“オリジナル ファンデーション”が5つのミネラル(鉱石)だけで作られていることや、肌や自然に有害な添加物を使用していないこと、紙製パッケージを使用し、プラスチックごみの削減に取り組んでいることなどが語られた。後半は「トリンプ」では、エシカル消費についてや同ブランドの一部の商品にオ―ガニックコットンや廃棄されるはずの素材を使用していることを紹介。また、日本では年間50トンものアパレル製品が廃棄されていることなどが話された。

小学生からは購入する際に「どんな会社か調べる」という声も

 参加した小学生は、両社の発表から考えた今日からできるサステナビリティアクションを発表。その中には、「ごみを正しく分別する」「エコバッグを持つ」「お姉ちゃんのおさがりを使う」などの回答のほか、「使い捨てのものは買わない」「必要以上にものを買わない」「買ったものを長く使う」など自らの消費に関する意見が多く出た。中には「(購入する際は)どんな会社か調べる」といった、大人がドキリとするような声も聞かれた。

 セミナーを終えて、武者ベアミネラルPRマネジャーは「参加してくれた小学生は、メモをとりながら受講してくれた。セミナー後に意見を聞くと、積極的に挙手して発言してくれたのが印象的だった。ディスカッションしたいという意見もあったので、次回は参加者のレベルを考えつつ検討したい」と語った。また、坂田トリンプPRマネジャーも「(子供達の意見を聞いて)SDGsやサステナビリティに取り組む重要性にあらためて気づき、背筋が伸びる思いがした」と話すなど、大きな学びがあったようだ。

サステナビリティの部活動で課題を解決

 トリンプの本社であるトリンプ・インターナショナルは、今年6月、GOTS(オーガニックテキスタイル世界基準)及びGRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)認証のもと製造された商品の展開を2023年の春夏コレクションから開始し、25年までに全商品の60~80%を、基準を満たした製造過程による商品にすると発表した。日本のトリンプでも、本社同様、GOTS及びGRS認証基準を満たす製造加工工程への切り替えを目指す。

 また、トリンプは21年8月から社内で「サステナビリティコミッティ」という、約20人の有志からなる部活動をスタート。就業時間以外に自主的に集まって話し合いを重ね、今後取り組むべきことをリストアップし、その中から幾つかは年内に実現して課題解決する運びだ。今回のセミナーの様子も社内スタッフと全国の販売スタッフが共有し、次のアクションへとつなげる大切な資料となる。

 ベアエッセンシャルとトリンプの取り組みは今後も継続する予定で、今後は大人を対象にしたセミナーなども予定している。

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「クラランス」から限定パッケージのハンドクリーム登場 森林再生プロジェクトを支援

 「クラランス(CLARINS)」は9月30日、ブランドを代表する人気製品“ハンド/ネイル トリートメント クリーム”の限定パッケージ(75mL、税込3080円)を発売する。同製品の売り上げは、タイ南部のマングローブの森林再生プロジェクトに寄付される。

 同製品はシアバターやセサミオイルを配合。皮脂腺の少ない手の肌を保護してかさつきを防ぐ。限定パッケージは再生プラスチックを用い、100%リサイクル可能なエコデザインを採用。キャップを軽量化し、プラスチック含有量を16%削減した。イラストはブランド創始者のジャック・クルタン・クラランス(Jacques Courtin-Clarins)の孫娘で、アーティストのクレール(Claire)が手がけた。

 「クラランス」は、植林による生物多様性の保全に取り組み、世界で10以上のプロジェクトを支援している。2012年以降、「Seeds of Beauty」プログラムを通じ52万4000を植樹した。

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「無印良品」がスキンケア化粧品の詰め替え用発売 年間約117トンのプラスチック削減

 「無印良品」を展開する良品計画は9月27日、スキンケア化粧品の詰め替え商品を発売すると発表した。敏感肌用シリーズとエイジングケアシリーズ、クリアケアシリーズなど15品について、28日からパウチタイプの詰め替え用を販売する。価格は税込490〜1540円。プラスチック削減を目的としたもので、既存品の容器についてもアルミキャップや中栓を廃止し、分別しやすく詰め替えやすいボトルに順次切り替える。“クリームクレンジング”“オールインワンジェル”などのチューブ容器も、厚いものから薄いプラスチックに変更する。

 「無印良品」のスキンケアシリーズは1997年に販売を開始し、シリーズ累計で年間に約2500万個を販売する。国内の化粧水の市場規模である約2000億円に対し、同ブランドは約6%のシェア(数量ベース)と推定されるという。スキンケア商品はリピーターが多くを占め、近年は大容量ボトルの売り上げが増加。詰め替え用を求める顧客の声もあることから詰め替え商品を開発した。

 既存の化粧水ボトルに対しパウチタイプはプラスチック使用量が約4分の1に抑えられ、購入者の約40%が詰め替え用を選択した場合、年間約91トンのプラスチックを削減。新しいチューブはプラスチック使用量が通常の約2分の1で、年間約26トンのプラスチックを削減できるという。詰め替え用容器への切り替えは、化粧水・乳液が年内に、クリーム・美容液類は翌年中に完全移行する予定。チューブ製品の省プラ化は2024年度内の切り替えを目指す。

 嶋崎朝子=良品計画取締役は、「詰め替え用商品は陳列時の見栄えの問題や単価が15%程度下がるなどデメリットもあるが、毎日使う消耗品への支出を抑えたい消費者のニーズは高く、信頼感を得る一つのきっかけになる。化粧品の詰め替え商品は、衛生面の管理の問題や消費者の心理的なハードルによりなかなか進んでいない。『無印良品』の化粧品で世の中に浸透させる使命感を持って取り組んでいる。今後は詰め替え用商品がスキンケアの中心になると考えており設備投資を含め注力している」とコメント。

 プラスチック削減の取り組みとして、スキンケアシリーズでのリサイクルPETなど再生素材の使用と、スキンケアシリーズで回収したプラスチック製品の再利用を目指す。また、現在広島アルパーク店のみで展開するヘアケア製品の量り売りを、23年中に50店舗に導入する予定。

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ジュンがダウン製品の回収とリサイクルダウンの商品企画を実施 昨年は580着以上を回収

 ジュンは、“羽毛循環サイクル社会”を目指す「グリーンダウンプロジェクト(Green Down Project以下、GDP)」に賛同し、10月1日から2023年3月31日の期間、全国のジュングループ155店舗で羽毛製品の回収とリサイクルした羽毛を使った商品企画に取り組む。回収期間中はポイントプレゼントキャンペーンを開催し、対象のダウン製品の回収に協力したジュン グローバル ID会員に1回につき500ポイントを付与する。

 回収対象商品は、GDP“VIRGIN DOWN”のタグがついた、羽毛率50%以上の衣類のみで、汚れや穴があっても対象となる。回収実施ブランドは「ロペ(ROPE)」「アダム エ ロペ(ADAM ET ROPE)」「サロン アダム エ ロペ(SALON ADAM ET ROPE)」「ロペ ピクニック(ROPE PICNIC)」「ビス(VIS)」「ジュンレッド(JUN RED)」「ナージー(NERGY)」「ジュンアンドロペ(JUN&ROPE)」などで、一部対象外の店舗もある。詳細は公式ホームページに記載している。

 ジュンとGDPの取り組みは今年で3年目。昨年は、580着を超えるダウン製品を回収した。

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三越伊勢丹 店頭販促などで“サステナブルな服”や“地球に優しい化粧品”などの表現見直し その意図とは

 今年の春頃から、三越伊勢丹に出店するブランドの関係者から「店頭ポップなどで“サステナブルな服”や“地球に優しい化粧品”などの表現を使用できず、言葉の使い方を見直している」という話を聞くようになった。同社にその理由を聞けば、エビデンスを示さないまま“サステナブル”“地球に優しい”といった言葉だけが先行すると、顧客に誤解を与える可能性があるから、だという。言わずもがな、同社の方針は業界に大きな影響を与える。田口裕基三越伊勢丹ホールディングス執行役常務CAO兼CRO兼CHROにその意図や背景、サステナビリティの方針を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):三越伊勢丹ではサステナビリティをどう定義しているか?

田口裕基三越伊勢丹ホールディングス執行役常務CAO兼CRO兼CHRO(以下、田口):商品を仕入れて販売するのが我々の商売の基本的な形態であり、その中で社会にちゃんと還元できるか、豊かで平和な社会が続くことに貢献できるかの企業責任が問われる。そして企業責任はボランティアではなく経済活動として成立すること。1万7000人の社員にしっかり給料を支払い、お客さまとお取組先さま、地域の方々、株主のすべてが豊かになることが大前提だ。

WWD:それはこれまでも行ってきたことでもある。

田口:来年は三越創業350周年で、百貨店事業そのものも100年超える。戦中、戦後も百貨店をやめず長い歴史がある。今言われるところのサステナビリティは企業の理念として当たり前のようにやってきたことではある。

WWD:同時にファッションビジネス全体がこれまで社会や地球に与えてきたネガティブなインパクトがあると思う。その視点では改善してゆく点はあるか。

田口:あると思う。弊社としては「人・地域をつなぐ」「持続可能な社会・時代をつなぐ」「従業員満足度の向上」の3つを重点にこれまでの商売を見返しており、時代の変化に応じて見直す必要があると考えている。

顧客は「商品の品質・安全の確保・正確な表示」を求めている

WWD:消費者にはサステナビリティの価値観は浸透していると思うか?

田口:2月に三越伊勢丹ウエブ・アプリ会員の方を対象に10回目となるサステナビリティに関するアンケートを実施し5900名から回答を得た。「さまざまな社会課題のうち、今後、三越伊勢丹グループが特に重点的に取り組むべき活動」の問いに対する回答の第1位は突出して、「商品の品質・安全の確保・正確な表示」だった。続くのが「食品廃棄物・食品ロスの削減」、「プラスチック、紙容器などのすべての包装材の削減」となり、お客さまがサステナブルに対して強く考えを持っていることがうかがえた。これは毎年高まる傾向にある。

WWD:以下は主にファッション業界関係者に向けて話してほしい。環境と社会の両面に関して、取引先とは現在のサステナビリティ方針をどう共有しているのか。

田口:三越伊勢丹には12項目の調達方針がある。それは取引先と私たちの約束とも言えるもので、2018年にはホームページに掲出し2021年に見直した。内容は、法令順守・公正取式、品質管理、生物多様性対応、環境負荷軽減と汚染防止などであり、実は8項目は今で言うところのサステナビリティに関連することである。取り引きを始める前には必ず共有し、年に一度は説明会を開催。常にここを順守しましょう、と約束しながら進めている。

WWD:方針を決めるにあたって2018年に「サステナビリティ調達に関する」アンケートを対取引先に実施し、51%の292社が回答したと聞く。

田口:環境や人権に関しても、まずまずは我々が現状を知ることが大切だから実施した。センシティブな内容であり、丁寧に進めた。お取組先に「間違ったことを書いたらペナルティーがある」などと受け取られてはいけない。進んでいる企業では、サプライチェーンマネジメントの観点から、お取組先に足を延ばし、事件事故がなくても普段から現地調査をしているところもあると聞いているが、弊社はまだそには達していない。方針を配り、アンケートを回収し、これからその次のステップへ進んでいく段階だ。

WWD:アンケート結果は「品質管理への対応が積極的に取り組まれている一方で、環境や人権のサプライチェーン全体のマネージメントは難易度高い」とある。

田口:後者の、環境・人権問題については業界全体での取り組みが必要。官公庁や業界団体への提案・働きかけを進めていくとともに人権デューデリジェンスについても検討を進めたい。

“サステナブル”を商品の形容詞としては使わない

WWD:消費者はサステナビリティという言葉の使われ方、同時にグリーンウォッシュという言葉に対しても敏感だ。店頭ポップや販促物での言葉の使いに取り決めはあるか。

田口:表示マニュアルを作り、バイヤー、お取組先と共有している。元からある、景品表示法ガイドライに乗っ取った適正な販売表現マニュアルの中に、サステナビリティの項目を加えたもの。最新は昨年末に改正した。

 内容は、「根拠が不明確なことは言わない」が基本。たとえば“サステナブルな〇〇”のように商品に対して、サステナブルを形容詞としては使わない。考え方の前提として、お客さまにわかりやすく伝える訴求表現を目指している。「サステナビリティ」や「サステナブル」は一般的に、持続可能な繁栄をめざすための取り組み全体を指す表現であるため、 個々の商品の特徴を説明する場合の使用には適さないと考える。優良誤認を招く可能性もあるため、商品やサービスなど訴求物には形容詞としてこれらの表現を使用しないことを原則としている。

WWD:同じ理由から「地球に優しい〇〇」といった商品説明も控えるとしている。これは独自のルール?

田口:環境省による「環境表示ガイドライン」の内容であり、当社独自ルールではない。たとえば、環境保全効果を示す表示を行う場合、対象が商品の一部なのか全体なのかその範囲を表示すること。また、「環境保全に配慮した素材の使用 」と表示する場合は「リサイクルポリエステル〇%使用」など、その使用割合を表示する。

WWD:確かにサステナビリティを語る際には具体的に、エビデンスをもって、が重要になっている。

田口:商品の成分が環境保全に何らかの効果を持っていることを表示する場合は、効果があることを示す専門機関等による公正な方法による調査・検査結果の証拠を用意する。また、リサイクル、リユース、アップサイクルなどの表現は、表示内容と事実に相違がないことを示す根拠資料を用意すること、などを原則としている。

WWD:なぜここまで定義・言葉の整理をしているのか。

田口:サステナビリティに関連する言葉との出会いを通じて、理解ある方を一人でも多く増やし、よりよい社会づくりに貢献したい。お客さまは、われわれに高い「信頼」をお持ちいただいており、さらに信頼されるよう、しっかりと裏付けがあることはもちろん、理解・共感を得られるよう、誰もがわかりやすい表現が大切だ。

WWD: 言葉が、商売にこれほど重きを置いたことは過去にないのでは。サステナビリティ推進担当だけではなく、仕入れに関わるすべての社員がそれをすると。

田口:心配だとこちらに相談が来る。なんでも聞いてくれ、と言っている。お取組先は大切なパートナー。そしてサステナビリティは1社で取り組むものではなく、地球全体で取り組んでこそ効果のある取り組みだから、ともに推進していく観点も含まれている。また、従業員も言葉の意味をきちんと把握しておく必要がある。

まだ“正”を模索している段階。輪の拡大を目指す

WWD:接客を仕事にする人にとって、今まで知らなかった、接客で使ってこなかったサステナビリティ関連の言葉がたくさんある。業界全体でブラッシュアップするときだ。

田口:私たちもパーフェクトではなく、極めて謙虚にありたい。物事、すべて、100%が“正”なのかと言えばそうじゃない。まだ当社も“正”を模索している段階。“正”と言えない部分も、まずはそれを認識して、その上で持続可能な社会の寄与するものなのか、を考えてゆきたい。

 例えば9月から始まる“think good”キャンペーンは、企画段階で担当者が「これは本当に“think good”なのか自主チェックをしてきた。4回目の開催となる同キャンペーンでは、昨年までの新宿、日本橋、銀座に立川、浦和も加えて5店舗で展開し、企画の数は数百にのぼる。そのひとつひとつを確認するから大変だし、バイヤーもお取組先も苦労していると思うがここは切磋琢磨し進めたい。お客さまにサステナビリティを考えていただく機会をご提供するだけでなく、そのために、お取組先と当社グループが互いに考え方を伝え合うことで、ともに改善を図り、理解を深める機会になっている。今後も継続していくことで、サステナビリティを推進する人の輪の拡大を目指す。


【WWDJAPAN Educations】

【第2期】サステナビリティ・ディレクター養成講座
2022年9月30日(金)開講

 昨年初めて開催し好評を得た「サステナビリティ・ディレクター養成講座」を今年も開講。サステナビリティはこれからの企業経営の支柱や根底となるものであり、実践が急がれる事業の課題である。この課題についてのビジョンを描くリーダーの育成を目的に、必要な思考力・牽引力を身につける全7回のワークショップとなる。前半は各回テーマに沿った第一線で活躍する講師を迎え、講義後にはディスカッションやワークショップを通して課題を明確化し、実践に向けたアクションプランに繋げていく。

 また、受講者だけが参加できるオンライン・コミュニティーでは、「WWDJAPAN」が取り上げるサステナビリティに関する最新ニュースや知っておくべき注目記事をチェックでき、更に講義内容をより深く理解するための情報を「WWDJAPAN」編集部が届ける、まさに“サステナ漬け”の3カ月となる。
講義のみが受講できるオンラインコースも同時に受け付けています。


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