「ポール・スミス」、ドイツの全直営店を1月末で閉店 卸は継続

「ポール・スミス(PAUL SMITH)」は、ドイツの全ての直営店を1月末でクローズする。対象となるのは、ドイツの第1号店で2014年にオープンしたハンブルグ店のほか、ベルリン店とミュンヘン店で、卸は今後も継続する。なお、閉店は主に同市場の不景気による需要減のほか、インフレやコストの上昇によるものだという。

同ブランドの広報担当者は、「ドイツで運営する店舗のリース契約は、現在とは購買傾向が全く異なるコロナ禍前に締結している。現地スタッフの貢献や努力を思うと、閉店の決断は苦渋に満ちたものだった。また、ドイツにおける当ブランドの卸売の販売網を誇らしく思っており、今後も大切な取引先と共に尽力していきたい」とコメントした。

ポール・スミスの23年6月期決算は、売上高は前期比3.8%増の1億5260万ポンド(約286億円)と微増だったものの、営業損失は前年の751万ポンド(約14億円)から1162万ポンド(約21億円)に、純損失は同じく809万ポンド(約15億円)から1563万ポンド(約29億円)へと拡大している。

欧州最大の経済大国であるドイツだが、金利上昇や外需の落ち込み、エネルギー価格の上昇などにより低迷が続いている。ドイツ連邦統計局(Federal Statistical Office of Germany)によれば、23年の国内総生産(GDP)は暫定値で0.3%縮小した。

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「ポール・スミス」、ドイツの全直営店を1月末で閉店 卸は継続

「ポール・スミス(PAUL SMITH)」は、ドイツの全ての直営店を1月末でクローズする。対象となるのは、ドイツの第1号店で2014年にオープンしたハンブルグ店のほか、ベルリン店とミュンヘン店で、卸は今後も継続する。なお、閉店は主に同市場の不景気による需要減のほか、インフレやコストの上昇によるものだという。

同ブランドの広報担当者は、「ドイツで運営する店舗のリース契約は、現在とは購買傾向が全く異なるコロナ禍前に締結している。現地スタッフの貢献や努力を思うと、閉店の決断は苦渋に満ちたものだった。また、ドイツにおける当ブランドの卸売の販売網を誇らしく思っており、今後も大切な取引先と共に尽力していきたい」とコメントした。

ポール・スミスの23年6月期決算は、売上高は前期比3.8%増の1億5260万ポンド(約286億円)と微増だったものの、営業損失は前年の751万ポンド(約14億円)から1162万ポンド(約21億円)に、純損失は同じく809万ポンド(約15億円)から1563万ポンド(約29億円)へと拡大している。

欧州最大の経済大国であるドイツだが、金利上昇や外需の落ち込み、エネルギー価格の上昇などにより低迷が続いている。ドイツ連邦統計局(Federal Statistical Office of Germany)によれば、23年の国内総生産(GDP)は暫定値で0.3%縮小した。

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ロレアルがスイスの長寿バイオ企業に投資 ウェルビーイングの次なる鍵として注目

ロレアルグループ(L’OREAL GROUP、以下ロレアル)はこのほど、コーポレート・ベンチャーキャピタルファンドのBOLD(Business Opportunities for L'Oreal Development)を通じてスイスの長寿を目指すバイオテクノロジー企業のタイムライン(TIMELINE)の少数株式を取得した。取引額などの詳細は明らかにされていない。

バイオテクノロジー企業のタイムラインとは

タイムラインは、食品や健康などの領域で長寿のためのソリューション開発に取り組む。同社は2007年にスイス連邦工科大学チューリヒのスピンオフ企業としてクリス・リンシュ(Chris Rinsch)社長兼共同創業者兼とパトリック・アビッシャー(Patrick Aebischer)会長兼共同創業者が設立した。

ロレアルは今回の資本参加について、「タイムラインは、細胞の原動力といわれるミトコンドリアを若返らせ再活性する独自の分子“マイトピュア”を開発した独自技術を持つ。この画期的な技術は、科学者による10年以上の研究や臨床試験によって生まれた。資金調達により、タイムラインはこの技術をさらに発展・拡大し、ロレアルとは将来的に良い協力関係を築くだろう」と声明を発表した。

ビューティ業界の次なる鍵は「長寿」

昨今、ビューティ業界では「健康」「ウェルビーイング」が注目されている。科学の進歩により「長寿」が次のキーワードとなり、市場を大きく変えつつある。

ロレアルのバーバラ・ラヴェルノ(Barbara Lavernos)副最高経営責任者(リサーチ&イノベーション・テクノロジー担当)は、「長寿とは健康的に長生きすること。われわれは長寿と美容の関係を明らかにするため、10年以上研究に取り組んできた。肌や頭皮、髪の老化を予測して修正し、さらには若返らせるという点で美容を進化させる。タイムラインへの投資により、長寿や肌の健康、美容に貢献できるだろう」とコメントした。

ロレアルは買収や資本注入のペースを上げている。1月9日には、独自の節水ソリューションを開発するスイスの環境スタートアップ企業ギョザ(GJOSA)の買収を発表した。昨年は中国のバイオテック企業シャインハイ・イノベーション(SHINEHIGH INNOVATION)と、美容製品のサステナブルな代替原料を開発するバイオテクノロジー企業のジェノ(GENO)が創設したベンチャー企業に出資した。

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「グッチ」の親会社ケリング、NY5番街のビルを約1400億円で購入 トランプ・タワーの向かい側

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)は、ニューヨーク5番街のビルを9億6300万ドル(約1425億円)で購入した。同ビルは5番街と東56丁目が交差する角地(715-717 フィフス・アベニュー)にあり、売り場面積はおよそ1万680㎡。現在は「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」と「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」が入居しているが、いずれも近隣に移転する予定となっている。なお、ケリング傘下のブランドで5番街に店舗があるのは、今回購入したビルの向かい側に立つトランプ・タワーに出店している「グッチ」のみのため、将来的には同ビルにいずれかのブランドがオープンすることが予想される。

ケリングは最近、ほかにもパリのモンターニュ通りおよびカスティリオーネ通りにある不動産を購入。また、傘下である「ブシュロン(BOUCHERON)」のパリ旗艦店がある歴史的な邸宅と、東京・表参道の物件を所有している。

世界に冠たる高級ショッピングエリアの1つであるニューヨーク5番街の最近の動きとしては、2023年4月に「ティファニー(TIFFANY & CO.)」本店(ザ・ランドマーク店)がリニューアルオープンしたほか、「ショパール(CHOPARD)」「スワロフスキー(SWAROVSKI)」「シチズン(CITIZEN)」が出店。「シャネル(CHANEL)」のウオッチとファインジュエリーの専門店も近日中にオープンする予定で、「ロレックス(ROLEX)」は本社と店舗を兼ねた自社ビルを建設中だ。また、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は5番街旗艦店を改装するにあたり、以前「ナイキタウン(NIKETOWN)」があった場所に一時的に移転する。

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「サロモン」や「アークテリクス」の親会社、IPOで最大2660億円の調達を目指す

4日に米国証券取引委員会(SEC)に新規上場(IPO)を申請していた、フィンランドを拠点とするスポーツ・アウトドア用品のアメアスポーツ(AMER SPORTS)は22日、1株あたり16〜18ドル(約2368〜2664円)で1億株の発行・売り出しを実施し、最大18億ドル(約2664億円)規模の調達を行うことを明らかにした。ニューヨーク証券取引所に上場し、ティッカーシンボルは“AS”。

同社は「サロモン(SALOMON)」「アークテリクス(ARC'TERYX)」「ウィルソン(WILSON)」「ピークパフォーマンス(PEAK PERFORMANCE)」など11ブランドを傘下に持つ。同社がSECに提出した目論見書によれば、2023年1〜9月期の売上高は前年同期比29.9%増の31億ドル(約4588億円)で、同12月期の暫定的な売上高は35億5000万ドル(約5254億円)、純損失は2億5270万ドル(約3739億円)。ロイター(REUTERS)によれば、アメアスポーツはIPO後、企業価値の評価額が最大87億ドル(約1兆2876億円)となることを目指すという。

ファッション・小売業界ではこのほかにも、「ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)」や「シーイン(SHEIN)」、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)による補正下着ブランド「スキムス(SKIMS)」などが24年にIPOを行うと見られている。

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グラフィティアーティストが「ゲス」とメイシーズを著作権侵害で提訴 「ゲス」はバンクシーとも過去にトラブル

「ゲス(GUESS)」が作品を無断で使用してTシャツを制作したとして、2人の著名なグラフィティアーティストが「ゲス」とTシャツを販売した百貨店のメイシーズ(MACY‘S)を著作権侵害で提訴した。提訴したのは、2012年に亡くなったグラフィティアーティストのネクスト(Nekst/本名:ショーン・グリフィン、Sean Grifiin)の弟パトリック・グリフィン(Patrick Griffin)と、デンマーク人アーティストのベイツ(Bates/本名:ロビン・ロン、Robin Ronn)の2人。

グリフィンとベイツの代理人によると、「ゲス」と1年にわたって話し合いをしたが、解決には至らなかったという。訴状の中で、Tシャツに使用されたアーティストの“タグ”は、サインや名前などを反映したアート作品であり、「アート作品と作者を示す出所識別情報」だと主張する。「ゲス」からはコメントを得られず、メイシーズからは係争中の案件にはコメントしないと回答があった。

「ゲス」は、本件訴訟の前にもアーティストのバンクシー(Banksy)とトラブルになっている。「ゲス」は“Guess x Brandalised With Graffiti by Banksy”と名付けたカプセルコレクションを発表し、バンクシーの作品を使用したと宣伝するプレスリリースを打ち出した。これに対してバンクシーは「ゲス」が作品を無断で使用したと非難し、ソーシャルメディア上で消費者に商品を万引きするよう呼びかけた。

「ゲス」は、自称ライセンス業を営むブランダライズド(BRANDALISED)社とバンクシーの作品を使用する契約を結んだと主張したが、バンクシーはブランダライズド社とは関係がなく、商品に使用するために画像を販売していないと反論した。

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「シャネル」VS米ビンテージショップの商標権侵害訴訟が6年目に突入 陪審員の前で証人尋問が行われる

「シャネル」が2018年にハイブランドのビンテージ商品を販売するワット ゴーズ アラウンド カムズ アラウンド(WHAT GOES AROUND COMES AROUND 以下、WGACA)に対して提起した裁判の証人尋問が進行中だ。「シャネル」は、WGACAが「シャネル」の模倣品を販売しただけでなく、あたかも「シャネル」との間に提携関係があり、「シャネル」が真贋鑑定した中古品をWCACAが扱っているような誤解を消費者に与えたとして、2018年に提訴した。両者は約6年にわたって主張を繰り広げ、今年1月9日から陪審員の前で証人尋問を実施している。さまざまな関係者が証言台に立ち、証人尋問が全て完了するまでに1か月程度かかる見込みだ。

尋問では、WGACAが商品の真贋をどのように定義し、どのように販売しているかが一つの争点になっている。「シャネル」の代理人によると、WGACAは「シャネル」が使用していないシリアルナンバーが付されたバッグを販売したため、2015年に停止命令書を送付した。その中で「シャネル」は、商品を追跡するために使用している認証シールがイタリアの工場から盗まれた旨を記載したにもかかわらず、問題のバッグは「誤表記」だったとされ、販売されたという。さらにWGACAは、自社のECサイト上でシリアルナンバーの掲載を中止したという。

「シャネル」は、WGACAは「シャネル」の商標を侵害した51以上のハンドバッグと、「シャネル」のビューティカウンターの備品として制作されたロゴ入りのティッシュボックスカバーを含む779の製品を販売したと主張する。「シャネル」の弁護士によると、WGACAは16~22年の間に9000万ドル(約130億円)相当の「シャネル」の中古品を販売したという。また、反対尋問を受けたジョイス・グリーン(Joyce Green)=シャネル フランス マネージング・ディレクターは、両者の間に提携関係があると誤解したという話は聞いたことがないと述べつつ、「シャネル」の格が下がることを望んでいない熱心な顧客から、WGACAについて「なぜこのようなことが起きるのか」と疑問を呈されたと述べた。

WGACAの代理人は、この裁判は「シャネル」というブランドやその商標の問題ではなく、責任をもって中古品を販売する会社から商品を購入するという選択肢を消費者に与えることの方が重要だと問題提起した。また、消費者が両者の間に提携関係があると誤解するという論点については、90年代から2000年代にかけての「シャネル」のスタイルの一部は今でも高い需要があるものの、「シャネル」では販売していないため、WGACAが取り扱うことでブランド力の強化に貢献していると主張した。

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LVMHでまたも人事シャッフル アルノー会長の“腹心”2人が新たな役職に

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は18日、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)の相談役として、シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ会長兼CEOを任命した。後任には、マイケル・バーク(Michael Burke)LVMH会長顧問を任命。いずれも2月1日付で就任する。

トレダノ新相談役は、理工学系の難関校エコール・サントラル・パリ(Ecole Centrale Paris)を卒業後、マーケティング・コンサルタントとしてキャリアをスタート。1984年にランセル(LANCEL)のマネージング・ディレクターとなったことを機に、レザーグッズ事業の面白さに開眼したという。94年には、レザーグッズ部門のディレクターとしてクリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)に入社。98年に同社の会長兼CEOに就任した後、アルノー一族の持株会社クリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)のバイス・プレジデントや、マネージング・ディレクター兼取締役にも就任。2018年2月に現職に着任し、「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」「ケンゾー(KENZO)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「パトゥ(PATOU)」などのブランドを統括。23年4月には、新たな役職に就くことが発表されていた。なお、今回の人事に伴い、トレダノ新相談役はLVMHの執行委員会を離れる。

バーク新LVMHファッショングループ会長兼CEOは、フランスの名門ビジネススクールとして知られるEDHEC経営大学院(EDHEC Business School)を卒業。アルノー一族の持株会社グループ アルノー(GROUPE ARNAULT)に入社後、1980年代半ばから2010年代にかけて「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ブルガリ(BVLGARI)」とLVMHが擁するブランドの要職を歴任。13年から23年1月までルイ・ヴィトンの会長兼CEOを務め、同年2月から現職。21年には、ティファニー(TIFFANY & CO.)の取締役会の非業務執行会長にも就任している。なお、バーク新LVMHファッショングループ会長兼CEOは今後より幅広い業務を手掛けることが期待されており、「フェンディ」もLVMHファッショングループに含まれる予定だという。また、12月に退任した「ジバンシィ」のマシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)前クリエイティブ・ディレクターの後任を探すことも、優先順位の高い業務の1つと見られている。

LVMHではここ数年、人事シャッフルが続いている。22年には、当時クリスチャン ディオールSEのトップだったトレダノCEOが退任したことを受け、アントワン・アルノー(Antoine Arnault)LVMH ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージが後任としてCEO兼副会長に就任。23年2月には、バーク=ルイ・ヴィトン会長兼CEO(当時)の退任に伴い、後任にピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)=クリスチャン ディオール クチュール会長兼CEO(当時)が就任。その後任には、デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)=ルイ・ヴィトン エグゼクティブ・バイス・プレジデント(当時)が就任した。また、24年1月1日には、LVMHウオッチ部門のCEOにフレデリック・アルノー(Frederic Arnault)=タグ・ホイヤー(TAG HEUER)CEO(当時)が就任している。なお、デルフィーヌはアルノーLVMH会長兼CEOの長女、アントワンは長男、フレデリックは三男。

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リシュモン、傘下YNAPの株式100%売却も視野に 23年10〜12月期決算は日本やアジアが堅調

「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)の2023年10〜12月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比3.5%増の55億9300万ユーロ(約8836億円)だった。

地域別に見ると、欧州は同3.9%減の12億2600万ユーロ(約1937億円)だったものの、日本を除くアジア太平洋地域は同7.7%増の20億4900万ユーロ(約3237億円)、日本は同7.7%増の5億1400万ユーロ(約812億円)、南北アメリカは同2.6%増の13億5500万ユーロ(約2140億円)と堅調だった。これは中国、日本、北米でジュエリーの需要が旺盛だったためだという。

リシュモンは、傘下のラグジュアリーEC大手ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を、高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)に売却する予定だった。しかし、取引が成立する前にファーフェッチが経営破綻の瀬戸際にあることが明らかになり、23年12月に韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)が買収。これを受け、リシュモンは取引を中止した。

ブルクハルト・グランド(Burkhart Grund)=リシュモン最高財務責任者は、今回の決算発表の際、同社が「YNAPの新たな支配株主を探して」おり、株式を100%売却することも検討していることを明らかにした。また、すでに複数の一方的な買収案が寄せられていることから、12カ月以内に売却する「妥当なチャンス」があるとした。なお、現在は非継続事業として記載されているYNAPの第3四半期の売り上げは、同14%減(現地通貨ベースでは同11%減)だった。

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リシュモン、傘下YNAPの株式100%売却も視野に 23年10〜12月期決算は日本やアジアが堅調

「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)の2023年10〜12月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比3.5%増の55億9300万ユーロ(約8836億円)だった。

地域別に見ると、欧州は同3.9%減の12億2600万ユーロ(約1937億円)だったものの、日本を除くアジア太平洋地域は同7.7%増の20億4900万ユーロ(約3237億円)、日本は同7.7%増の5億1400万ユーロ(約812億円)、南北アメリカは同2.6%増の13億5500万ユーロ(約2140億円)と堅調だった。これは中国、日本、北米でジュエリーの需要が旺盛だったためだという。

リシュモンは、傘下のラグジュアリーEC大手ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を、高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)に売却する予定だった。しかし、取引が成立する前にファーフェッチが経営破綻の瀬戸際にあることが明らかになり、23年12月に韓国の大手EC企業クーパン(COUPANG)が買収。これを受け、リシュモンは取引を中止した。

ブルクハルト・グランド(Burkhart Grund)=リシュモン最高財務責任者は、今回の決算発表の際、同社が「YNAPの新たな支配株主を探して」おり、株式を100%売却することも検討していることを明らかにした。また、すでに複数の一方的な買収案が寄せられていることから、12カ月以内に売却する「妥当なチャンス」があるとした。なお、現在は非継続事業として記載されているYNAPの第3四半期の売り上げは、同14%減(現地通貨ベースでは同11%減)だった。

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「アディダス」VS「トム ブラウン」のストライプ商標権侵害訴訟 メールの隠蔽について審理が行われる

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」がアパレルなどに採用した4本線のストライプ柄やブランドのトレードマークでもあるトリコロールカラーのグログランリボンが「アディダス(ADIDAS)」の商標権を侵害しているなどとして、「アディダス」と「トム ブラウン」が争っていた裁判の再審請求について検討するための審理が開かれた。

「アディダス」は、「トム ブラウン」がアパレルなどに採用した4本線のストライプ柄やブランドのトレードマークでもあるトリコロールカラーのグログランリボンが「アディダス」の商標権を侵害しているなどとして、約800万ドル(約11億6000万円)の損害賠償を求めて「トム ブラウン」を提訴していたが、2023年1月、8人の裁判員は「トム ブラウン」の商標権侵害を否定した。

その後、「アディダス」は、「トム ブラウン」が一審のディスカバリー(証拠開示手続き)期間中に5通のメールを「悪意をもって」開示せず、裁判の結果を左右する重要なメールを隠したと主張し、再審を請求した。問題のメールは、従業員がデザイナーのトム・ブラウンに対して、「アディダス」の商品と混同を生じさせる可能性があるため、特定のストライプを使用しないよう注意喚起を行う内容だったという。「トム ブラウン」は、これらのメールは本件訴訟で問題となっている商品とは関連がなく、再審の必要はないと反論している。

再審を認めるかを判断するため、23年12月に開かれた審理では、3人の証人がデザイナー本人とのやり取りを含むメールのタグ付けと処理について尋問を受けた。尋問の大半が、問題となっているメールに「要確認・検討」のタグが付けられるべきだったのに付いていなかったことについての質問だった。ジェド・ラッコフ(Jed Rakoff)裁判長によると、これらの行為が故意か過失かによって、再審請求を認めるかどうかの判断が分かれるという。

「トム・ブラウン」側の代理人は、意図的にメールを隠した事実はないと主張している。また、代理人は、メールを精査する際に「アディダス」と「トム ブラウン」の親会社であるエルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)に言及するものには「要確認・検討」タグを付けるという基準が設けられていたと主張した。一審の評決が下された23年11月に、経費削減のためタグを付けなかったメールはすべてデータベースから削除したという。これを受けてラッコフ裁判長は、削除したメールの復元にかかる推定費用を割り出すよう命じた。

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「ルブタン」が盗品サンプルを販売した元従業員を提訴 裁判所は「ルブタン」の主張を認める

「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN 以下、ルブタン)」は、元従業員が盗んだサンプル品の靴やレザーグッズを販売したとして、損害賠償などを求めて提訴した。ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所は、「ルブタン」側の主張を認め、元従業員が「ルブタン」の商標を使用することを禁止する仮差し止め命令を下した。

訴状によると、元従業員は在職中、フランスから数千ドル相当のサンプル品を盗むまたは、盗品を入手し、ソーシャルメディアを通じて販売したという。「ルブタン」は、これがブランドの商標権を侵害し、不正競争や雇用契約違反に当たると主張した。元従業員からのコメントは得られなかった。

元従業員は、「ルブタン」のフランスの店舗で勤務した後、2022年12月にニューヨークのマディソン・アベニュー店に異動し、アシスタント・ブティック・マネジャーとして勤務した。サンプル品を盗み、販売するなどの不正行為の疑惑は、元従業員がフランスの店舗に在籍していたころに始まり、ニューヨークに異動後も解雇されるまで続いたとされている。

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「ルブタン」が盗品サンプルを販売した元従業員を提訴 裁判所は「ルブタン」の主張を認める

「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN 以下、ルブタン)」は、元従業員が盗んだサンプル品の靴やレザーグッズを販売したとして、損害賠償などを求めて提訴した。ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所は、「ルブタン」側の主張を認め、元従業員が「ルブタン」の商標を使用することを禁止する仮差し止め命令を下した。

訴状によると、元従業員は在職中、フランスから数千ドル相当のサンプル品を盗むまたは、盗品を入手し、ソーシャルメディアを通じて販売したという。「ルブタン」は、これがブランドの商標権を侵害し、不正競争や雇用契約違反に当たると主張した。元従業員からのコメントは得られなかった。

元従業員は、「ルブタン」のフランスの店舗で勤務した後、2022年12月にニューヨークのマディソン・アベニュー店に異動し、アシスタント・ブティック・マネジャーとして勤務した。サンプル品を盗み、販売するなどの不正行為の疑惑は、元従業員がフランスの店舗に在籍していたころに始まり、ニューヨークに異動後も解雇されるまで続いたとされている。

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「ステラ マッカートニー」、22年度は23%増収 23年度は原料高騰で利益圧迫

ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)が英国の会社登記所であるカンパニーズ・ハウス(COMPANIES HOUSE)に提出した文書によれば、同社の2022年12月期(英国内およびライセンス事業)の売上高は前期比23.2%増の4006万ポンド(約72億円)だった。営業損失は前年の3031万ポンド(約54億円)から876万ポンド(約15億円)に、純損失は同じく3273万ポンド(約58億円)から1006万ポンド(約18億円)に縮小した。

同社は、「業績を損益分岐点まで戻す軌道に乗ることができた」とコメント。業務の効率化によるコスト削減や、ECの内製化による顧客サービスの向上が奏効したという。なお、同社は09年からキッズラインを発表しているが、22年春夏シーズンからはイタリアの子ども服メーカー、シモネッタ(SIMONETTA)とライセンス契約を締結。これによるロイヤリティーも業績の改善に貢献している。また、22年8月には、19年7月にパートナーシップ契約を締結したLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)と共に、99%ナチュラルでクルエルティフリー(動物実験を行わない)のスキンケアライン「ステラ バイ ステラ マッカートニー(STELLA BY STELLA McCARTNEY)」を立ち上げた。

23年度の業績について、同社は、「原材料費や人件費の高騰によって利益がかなり圧迫されたが、販売価格を見直し、適切と思われる商品については値上げをすることで、その影響を軽減することができた。こうした施策は、取引先や従業員に公正でありつつ、無駄を削減し効率性をいっそう高めるなど、働き方をさらに見直すいい機会にもなったと考えている」と文書内で述べている。

創業デザイナーのステラ・マッカートニーは23年2月、英国に多大なる貢献をしたとして、大英帝国勲章コマンダー(CBE、第3等)を受章。なお、同氏は22年にもCBEを、13年には大英帝国勲章オフィサー(OBE、第4等)を受章している。

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インドのビューティ市場が急成長 小売業の出店や高級ブランドの市場参入活発に

プレステージブランドの参入が続くインドのビューティ市場が活況を呈している。調査会社のユーロモニター・インターナショナル(EUROMONITOR INTERNATIONAL)は、インドのビューティおよびパーソナルケア市場の2023年の売上高を171億6000万ドル(約2兆4367億円)と推定。24年は186億5000万ドル(約2兆6483億円)に達すると予想しており、年平均8.8%の成長率を見込む。

資生堂「ナーズ」が新規参入

 
インドのビューティ市場への新規参入が加速しており、昨年は資生堂が展開する「ナーズ(NARS)」が初上陸した。ニューデリーとムンバイの2都市で、百貨店のショッパーズ・ストップ(SHOPPERS STOP)と化粧品小売のセフォラ(SEPHORA)に計10店舗を出店し、両百貨店のオンラインストアでも販売をスタートしさ。昨年12月にブランド初の単独ブティックをニューデリーにある大型ショッピングモールのセレクト・シティウォーク(SELECT CTYWALK)にオープンした。資生堂のニコール・タン(Nicole Tan)=アジア太平洋地域CEOは、「インドの小売り構造が戦略の変更を後押しした」と述べ、このようなオムニチャネル戦略を採用したローンチはブランドの歴史で初だという。「定性的な方法を取ることによって、多くの消費者とのタッチポイントを多角的に持つことが狙いだ」と説明した。
 
資生堂は14年にインドで中低価格帯のスキンケア・メイクアップブランド「ジーエー(ZA)」の販売を開始したが、約1年半で販売を終了している。「当時の手法だったマスマーケティング(不特定多数をターゲットとしたマーケティング手法)ではインドの消費者との接点が持てなかった。しかしこの10年で状況は大きく変化した。デジタル革命と旅行需要の増加、女性の社会進出の影響がインドの消費者にグローバルな美容意識をもたらした」とタンCEOは指摘する。また、40色以上をそろえる「ナーズ」のファンデーションのカラーバリエーションは「インドの消費者の共感を得るだろう」と期待感を示した。

インド小売り大手はビューティ領域を強化

 
今回「ナーズ」はショッパーズ・ストップの子会社であるグローバルエスエスビューティーブランズ(GLOBAL SS BEAUTY BRANDS)と戦略的パートナーシップを締結。同社は昨年、ロレアル(L'OREAL)が展開する「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」「ミュグレー(MUGLER)」「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」「アザロ(AZZARO)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「アトリエ・コロン(ATELIER COLOGNE)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」のフレグランスを含むプレステージブランドを手掛けるなど、近年ビューティカテゴリーに注力している。昨年初めには「キリアン(KILIAN)」4店舗を出店し、昨年1月から同社と提携する「クラランス(CLARINS)」は今後数カ月以内に10店舗の出店を予定。今年前半には「グッチ ビューティ(GUCCI EBAUTY)」「プラダ ビューティ」「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「ヴァレンティノ ビューティ」のカラーコスメの発売も控えるなど、小売業者側も自社でブランドを所有する動きが増えており、これは時代の変化を示している。
 
「ビューティは次なる革命を起こすだろう」と話すのは、ショッパーズ・ストップのビジュ・カシム(Biju Kassim)=ビューティ部門CEOだ。同社のグループ売上高の16.5%はビューティ事業が占めており、今後さらに大きく伸長すると期待を寄せている。

ビューティECの実店舗出店も加速

 
プレステージブランド参入の勢いが加速する一方で、ビューティ小売りも存在感を増している。インド国内最大の小売りチェーンであるリライアンス・リテール(RELIANCE RETAIL)が運営するオンラインビューティサイトのティラ(TIRA)と、タタ・グループ(TATA GROUP)によるオンラインストア、タタ・クリック・パレット(TATA CLIQ PALETTE)はそれぞれ初の実店舗を昨年オープンし、オフラインビジネスを強化している。
 
また、「ブルガリ(BVLGARI)」「ゲラン(GUERLAIN)」「エルメス(HERMES)」などのブランドを展開する老舗美容品販売会社ビューティ・コンセプト・プライベート(BEAUTY CONCEPTS PRIVATE)は、ニッチなフレグランスを集積する「メゾン・デ・パルファム(MAISON DES PARFUMS)」の5店舗目を出店し、美容ECサイトのビューティ・センチメンツ(BEAUTY SCENTIMENTS)の小型実店舗をビューティ商品が手に入りづらい第2、第3都市10カ所にオープンした。
 
EC大手もこの勢いに続き、アマゾン・インディア(AMAZON INDIA)は「グローバル・ビューティ・ストア」を立ち上げ、ビューティカテゴリーを拡大。米国の小売最大手ウォルマート(WALMART)傘下のファッションECミントラ(MYNTRA)もビューティカテゴリーを強化し、現在「M・A・C」「クリニーク(CLINIQUE)」「ベネフィット・コスメティクス(BENEFIT COSMETICS)」「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX PROFESSIONAL MAKEUP)」など1500の国内外ブランド、約9万SKUを取り扱うなど急成長中だ。

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インドのビューティ市場が急成長 小売業の出店や高級ブランドの市場参入活発に

プレステージブランドの参入が続くインドのビューティ市場が活況を呈している。調査会社のユーロモニター・インターナショナル(EUROMONITOR INTERNATIONAL)は、インドのビューティおよびパーソナルケア市場の2023年の売上高を171億6000万ドル(約2兆4367億円)と推定。24年は186億5000万ドル(約2兆6483億円)に達すると予想しており、年平均8.8%の成長率を見込む。

資生堂「ナーズ」が新規参入

 
インドのビューティ市場への新規参入が加速しており、昨年は資生堂が展開する「ナーズ(NARS)」が初上陸した。ニューデリーとムンバイの2都市で、百貨店のショッパーズ・ストップ(SHOPPERS STOP)と化粧品小売のセフォラ(SEPHORA)に計10店舗を出店し、両百貨店のオンラインストアでも販売をスタートしさ。昨年12月にブランド初の単独ブティックをニューデリーにある大型ショッピングモールのセレクト・シティウォーク(SELECT CTYWALK)にオープンした。資生堂のニコール・タン(Nicole Tan)=アジア太平洋地域CEOは、「インドの小売り構造が戦略の変更を後押しした」と述べ、このようなオムニチャネル戦略を採用したローンチはブランドの歴史で初だという。「定性的な方法を取ることによって、多くの消費者とのタッチポイントを多角的に持つことが狙いだ」と説明した。
 
資生堂は14年にインドで中低価格帯のスキンケア・メイクアップブランド「ジーエー(ZA)」の販売を開始したが、約1年半で販売を終了している。「当時の手法だったマスマーケティング(不特定多数をターゲットとしたマーケティング手法)ではインドの消費者との接点が持てなかった。しかしこの10年で状況は大きく変化した。デジタル革命と旅行需要の増加、女性の社会進出の影響がインドの消費者にグローバルな美容意識をもたらした」とタンCEOは指摘する。また、40色以上をそろえる「ナーズ」のファンデーションのカラーバリエーションは「インドの消費者の共感を得るだろう」と期待感を示した。

インド小売り大手はビューティ領域を強化

 
今回「ナーズ」はショッパーズ・ストップの子会社であるグローバルエスエスビューティーブランズ(GLOBAL SS BEAUTY BRANDS)と戦略的パートナーシップを締結。同社は昨年、ロレアル(L'OREAL)が展開する「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」「ミュグレー(MUGLER)」「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」「アザロ(AZZARO)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「アトリエ・コロン(ATELIER COLOGNE)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」のフレグランスを含むプレステージブランドを手掛けるなど、近年ビューティカテゴリーに注力している。昨年初めには「キリアン(KILIAN)」4店舗を出店し、昨年1月から同社と提携する「クラランス(CLARINS)」は今後数カ月以内に10店舗の出店を予定。今年前半には「グッチ ビューティ(GUCCI EBAUTY)」「プラダ ビューティ」「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」「ヴァレンティノ ビューティ」のカラーコスメの発売も控えるなど、小売業者側も自社でブランドを所有する動きが増えており、これは時代の変化を示している。
 
「ビューティは次なる革命を起こすだろう」と話すのは、ショッパーズ・ストップのビジュ・カシム(Biju Kassim)=ビューティ部門CEOだ。同社のグループ売上高の16.5%はビューティ事業が占めており、今後さらに大きく伸長すると期待を寄せている。

ビューティECの実店舗出店も加速

 
プレステージブランド参入の勢いが加速する一方で、ビューティ小売りも存在感を増している。インド国内最大の小売りチェーンであるリライアンス・リテール(RELIANCE RETAIL)が運営するオンラインビューティサイトのティラ(TIRA)と、タタ・グループ(TATA GROUP)によるオンラインストア、タタ・クリック・パレット(TATA CLIQ PALETTE)はそれぞれ初の実店舗を昨年オープンし、オフラインビジネスを強化している。
 
また、「ブルガリ(BVLGARI)」「ゲラン(GUERLAIN)」「エルメス(HERMES)」などのブランドを展開する老舗美容品販売会社ビューティ・コンセプト・プライベート(BEAUTY CONCEPTS PRIVATE)は、ニッチなフレグランスを集積する「メゾン・デ・パルファム(MAISON DES PARFUMS)」の5店舗目を出店し、美容ECサイトのビューティ・センチメンツ(BEAUTY SCENTIMENTS)の小型実店舗をビューティ商品が手に入りづらい第2、第3都市10カ所にオープンした。
 
EC大手もこの勢いに続き、アマゾン・インディア(AMAZON INDIA)は「グローバル・ビューティ・ストア」を立ち上げ、ビューティカテゴリーを拡大。米国の小売最大手ウォルマート(WALMART)傘下のファッションECミントラ(MYNTRA)もビューティカテゴリーを強化し、現在「M・A・C」「クリニーク(CLINIQUE)」「ベネフィット・コスメティクス(BENEFIT COSMETICS)」「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX PROFESSIONAL MAKEUP)」など1500の国内外ブランド、約9万SKUを取り扱うなど急成長中だ。

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ニューヨーク市で模倣品21万点を押収、米国史上最大規模

ニューヨーク市警察らはこのほど、バッグやアパレル、靴など、約21万9000点に上る模倣品を押収したと発表した。正規のメーカーが販売した場合の小売価格の合計は約10億3000万ドル(約1462億円)と推定され、今回の押収は米国史上最大の規模だという。

当局によると、マンハッタンの倉庫を流通センターとして使用していたという。米国特許商標庁によると、「模倣品は金額的に世界最大の犯罪行為であり、模倣品や海賊版の国内外での販売総額は2018年の時点で年間推定1兆7000億~4兆5000億ドル(約241兆〜639兆円)となっており、この数字は麻薬や人身売買よりも多い」という。

ファッションローに詳しい米国のメーガン・バニガン(Megan Bannigan)弁護士は、ファッション業界における模倣品の急増について、模倣品に対する需要の増加を一因として挙げる。偽物を、(商品の)入手しやすさを促進するための手段や、より広範な社会問題にコメントする手段とみなし、積極的に模倣品を探す消費者もおり、現在は非公開となっているオンライン・コミュニティの“RepLadies”では、ハイブランドのレプリカについて議論し、意図的に模倣品を取引する数十万人の会員がいるという。

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ロレックスが140億円の罰金 10年にわたり正規代理店に対してオンライン販売を禁止

フランスの競争委員会は、ロレックス(ROLEX)が正規代理店によるオンライン販売を10年以上にわたって禁止していたとして、同社に対して9160万ユーロ(約143億円)の罰金を科したほか、すべての正規販売店に委員会の決定を通知し、フランスの新聞「ル・フィガロ(LE FIGARO)」のオンライン版と印刷版、および季刊誌の「モーントル・マガジン(Montres Magazine)」のウェブサイトに決定の概要を掲載するよう命令した。ロレックスからのコメントは得られなかった。

競争委員会は、ロレックスの行為について「時計を含む高級品のオンライン販売は過去15年間で急成長しているにもかかわらず、それを禁止したことは消費者とディストリビューターに不利益をもたらしており、販売チャネルを閉鎖することに等しく、深刻な事態だ」と述べている。

ロレックスは、オンライン販売を禁止することで自社のイメージを保護し、模倣品を阻止することができたと主張したが、競争委員会は、ロレックスの対応は合理性に欠けると判断した。また、競合他社も同じリスクに直面していると指摘し、他社は模倣品やネットワーク外で販売される問題と闘いながらオンライン販売を可能にする「(特に技術的な)解決策を導入している」と述べた。

2022年の報告書によると、スイスの時計産業は約1600万個の時計を生産しており、ロレックスのシェアは120万個となる。その一方で、推定で3000万~4000万個の模倣品が闇市場に流通しており、特に「ロレックス」、「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」、「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」、「オメガ(OMEGA)」の人気モデルが多いという。

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新田真剣佑がハリウッドで躍進  実写版映画への出演やアワード受賞など“現在地”を語る

12月16日、新田真剣佑はアメリカ・ロサンゼルスで開催された「アンフォゲッタブル ガラ(the Unforgettable Gala)」に出席した。「アンフォゲッタブル ガラ」はアジア・太平洋諸島系アメリカ人のセレブリティーやインフルエンサーなど、アートやエンターテインメント、カルチャーに貢献した人々を称えるガライベント。8月にネットフリックス(NETFLIX)が配信を開始した人気マンガの実写版シリーズ「ワンピース(ONE PIECE)」で、主人公のルフィ率いる“麦わらの一味”の剣士、ロロノア・ゾロを演じた新田はグローバルグラウンドブレーカー賞を受賞した。「まだ受賞が信じられない。コミック・ブック・コンベンション(コミコン)に参加するためさまざまな国を周り、多忙でした。ようやくゆっくり寝て、休むことができるから嬉しいです。日本の俳優が世界を舞台にすることは大きな出来事で、中でも今回の受賞は日系アメリカ人や日本人のコミュニティにとって非常に意味がある。日本にいる若い俳優はあまり挑戦してきませんでしたが、ついにハリウッドを目標にすることができると思うんです」。

“演じること”に対する興味は
時間をかけて徐々に大きくなった

新田の父は多くの日本映画に加え、「激突!殺人拳」や「キル・ビル(Kill Bill)」、「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」にも出演した日本のアクション俳優、サニー 千葉(千葉真一)。“演じること”に対する興味は「時間をかけて徐々に大きくなってきたもの」と新田は語る。「『よし!俳優になろう』と決めたターニングポイントがあったわけではなく、時間をかけて徐々に興味を抱いてきたのだと思います。父の作品や、たくさんの優れた日本の俳優たちを観ているうちに、自分も同じ道を歩み始めました」。

ハリウッド作品への参加は
日本の映画業界に慣れている
自分自身への挑戦

米国生まれの新田は、2014年から日本の芸能界で仕事をしているが、21年からは海外での活動を優先するため、米国に拠点を置いている。ハリウッドが制作した23年公開の実写版映画「聖闘士星矢 The Beginning」に出演したほか、前述の「ワンピース」は現在シーズン2の制作も進んでいる。また、現在フールー(HULU)で配信中の実写とアニメのハイブリッドドラマ「ワンダーニッチ-空飛ぶ竜の島-」にも出演している新田だが、英語を話す役やハリウッド作品への参加を望んでいるという。「これは日本の映画業界に慣れている自分自身への挑戦でもあります。日本のプロジェクトと違った形で進むであろう、ハリウッド作品が制作後の公開に至る過程にも興味がありました。」

「ワンピース」は全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)によるストライキの最中だった今秋に公開され、米国内でのプロモーションツアーは縮小されたが、それでも今までで一番忙しい日々を送っているという。「ここ数カ月間、たくさんのコミコンで多くのファンと交流し、とても特別な時間を過ごすことができました。『ワンピース』が世界でここまで認知されている人気作品だとは知らなかったので驚きでしたね。ファンの皆さんの愛を感じたから、次のシーズンも全力でゾロを演じようと思います。」

次の現場がどこであろうと、
きっといいものになるはず

新田は映画以外では、「フェンディ(FENDI)」や「カルティエ(CARTIER)」、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」によるイベントへの出席や、自身のジュエリーブランド「インクリム(INCRM)」の設立など、ファッションにも強い関心を持つ。「アンフォゲッタブル ガラ」では、アヴォ・イェルマギャン(Avo Yermagyan)がスタイリングを手掛けた「ボス(BOSS)」の白スーツルックを披露。また、SAGアワードの祝賀ディナーでは「ジバンシィ(GIVENCHY)」を着用した。「ファッションには興味があって好きですし、よく買い物にも行きます。ゆるくて着心地のいい、“コージー”な感じが僕のスタイルですね」。

「アンフォゲッタブル ガラ」の後、新田は次のコミコンへの出席のためメキシコとペルーへ向かい、東京の家で今年の終わりを迎える。「次の現場に行くまで、数週間は休めそうです。まだ詳細はわかっていませんが、それがどこであろうと、きっといいものになるはずです」。

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「ジャックムス」の社長兼CEOが1年半で退任 後任は未定

ジャックムス(JACQUEMUS)は12月21日、バスティアン・ダグザン(Bastien Daguzan)社長兼CEOの退任を発表した。同氏は、2022年5月に最高経営責任者(CEO)に就任。一部の報道によれば、23年12月6日付で社長にも就任したという。いずれにしても、入社からおよそ1年半で同社を離れることとなった。後任は未定。

ダグザン前社長兼CEOは、1984年フランス生まれ。2009年から13年までクリス ヴァン アッシュ(KRIS VAN ASSCHE)でデベロップメント・ディレクターを務めた後、13年にルメール(LEMAIRE)のCEOに就任。17年3月にプーチ(PUIG)が擁するパコ ラバンヌのジェネラル・ディレクターに就任してからは、同ブランドのリブランディングを指揮し、2年間で売り上げを3倍に伸ばしている。その当時からジャックムスのコンサルティングを引き受けていたこともあり、22年5月にCEOとして同社に加わった。それまでは、創業者のサイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)=クリエティブ・ディレクターがCEO職も兼任していた。

ジャックムス=クリエティブ・ディレクターは、「バスティアンは、そのリーダーシップで当社の事業を率いてくれた。今後の彼のさらなる活躍を願っている」と語った。

ダグザン前社長兼CEOは、「サイモンが私を信頼してくれたことや、チームと共に経験した素晴らしい旅に感謝している。サイモンには、いつも多大なインスピレーションを受けていた。この冒険に参加できたことを誇らしく思う」と述べた。

「ジャックムス」は、ジャックムス=クリエティブ・ディレクターが09年にアトリエを構えたところからスタート。10年秋冬シーズンに初コレクションを披露して注目を集め、13年春夏からはパリ・ファッション・ウイークの公式スケジュールでコレクションを発表している。上場していないため決算を開示していないが、21年の売上高は1億ユーロ(約155億円)を超えたという。22年10月の時点で、ダグザン前社長兼CEOは25年までに5億ユーロ(約775億円)の売り上げを目指すとしていた。

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エスティ ローダーが中国の高級香水ブランド「メルト シーズン」の少数部主に

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)はこのほど、新興企業を対象とした傘下のファンド、ニュー インキュベーション ベンチャーズ(NEW INCUBATION VENTURES以下、NIV)を通じて、中国・上海を拠点とする高級フレグランスブランド「メルト シーズン(MELT SEASON)」の少数株式を取得した。条件や金額などの詳細は明らかにされていない。

「メルト シーズン」は、アイウエアブランド「ジェントル モンスター(GENTLE MONSTER)」に携わり、音楽業界で要職に就いていたリィシィ・ニィー(Lishi Ni)が2020年に設立。中国発のフレグランスブランド「トゥ サマー(TO SUMMER)」や「ドキュメンツ(DOCUMENTS)」と同様、中国の美学をモダンに取り入れていることで知られる。香水の価格はクラシックラインが980人民元(約1万9000円)、ハイエンドラインが1280人民元(約2万5000円)。アロマキャンドルやディフューザー、ボディーウォッシュやボディーローション、ハンドクリームなどのボディーケア商品も取り扱う。

同ブランドは、20年のワン・キャピタル(ONE CAPITAL)が主導するシードラウンドに続いて、22年初めにブリーズ・キャピタル(BREEZE CAPITAL)が主導する1000万人民元(約2億円)以上のエンジェルラウンドで資金調達を行った。昨年8月には、「上海の長い夜(Life and Death in Shanghai)」の著者である鄭念(Nien Cheng、ニェン・チェン )の邸宅だった上海の歴史的建造物に店舗をオープンした。その後、北京の複合商業施設、三里屯太古里(TAIKOO LI SANLITUN、タイクーリ・サンリトン)や、上海のショッピングモールの静安ケリーセンター(JING AN KERRY CENTRE)や前灘太古里(TAIKOO LI QIANTAN)、深圳の萬象城(THE MIXC、ワンシャンチャン)など人気のショッピングスポットに6店舗をオープンした。

「メルト シーズン」のニィー創設者は、変化する中国の消費者ニーズについて「高価格帯のニッチなフレグランスの購入に慣れており、ブランドに対して商品の品質やビジュアルやメッセージ性などより多くのことを期待している」と語った。

ELCは声明で「『メルト シーズン』は中国の美学と価値観を現代的に再解釈し取り入れている。独自の息吹を感じさせ、当社の企業文化ともマッチする」と述べた。今回の出資はNIVにとって2番目の中国関連投資となる。9月には、中国のクリーンビューティブランド「コードミント(CODE MINT)」への出資を発表した。中国はここ数年、ELCのビジネス戦略の中核を担っている。

調査会社カンター(KANTAR)によると、中国のフレグランス市場は年平均成長率20%以上で拡大し、26年には売上高が371億3000万ドル(約5兆3838億円)に達すると予測されている。

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エスティ ローダーが中国の高級香水ブランド「メルト シーズン」の少数部主に

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)はこのほど、新興企業を対象とした傘下のファンド、ニュー インキュベーション ベンチャーズ(NEW INCUBATION VENTURES以下、NIV)を通じて、中国・上海を拠点とする高級フレグランスブランド「メルト シーズン(MELT SEASON)」の少数株式を取得した。条件や金額などの詳細は明らかにされていない。

「メルト シーズン」は、アイウエアブランド「ジェントル モンスター(GENTLE MONSTER)」に携わり、音楽業界で要職に就いていたリィシィ・ニィー(Lishi Ni)が2020年に設立。中国発のフレグランスブランド「トゥ サマー(TO SUMMER)」や「ドキュメンツ(DOCUMENTS)」と同様、中国の美学をモダンに取り入れていることで知られる。香水の価格はクラシックラインが980人民元(約1万9000円)、ハイエンドラインが1280人民元(約2万5000円)。アロマキャンドルやディフューザー、ボディーウォッシュやボディーローション、ハンドクリームなどのボディーケア商品も取り扱う。

同ブランドは、20年のワン・キャピタル(ONE CAPITAL)が主導するシードラウンドに続いて、22年初めにブリーズ・キャピタル(BREEZE CAPITAL)が主導する1000万人民元(約2億円)以上のエンジェルラウンドで資金調達を行った。昨年8月には、「上海の長い夜(Life and Death in Shanghai)」の著者である鄭念(Nien Cheng、ニェン・チェン )の邸宅だった上海の歴史的建造物に店舗をオープンした。その後、北京の複合商業施設、三里屯太古里(TAIKOO LI SANLITUN、タイクーリ・サンリトン)や、上海のショッピングモールの静安ケリーセンター(JING AN KERRY CENTRE)や前灘太古里(TAIKOO LI QIANTAN)、深圳の萬象城(THE MIXC、ワンシャンチャン)など人気のショッピングスポットに6店舗をオープンした。

「メルト シーズン」のニィー創設者は、変化する中国の消費者ニーズについて「高価格帯のニッチなフレグランスの購入に慣れており、ブランドに対して商品の品質やビジュアルやメッセージ性などより多くのことを期待している」と語った。

ELCは声明で「『メルト シーズン』は中国の美学と価値観を現代的に再解釈し取り入れている。独自の息吹を感じさせ、当社の企業文化ともマッチする」と述べた。今回の出資はNIVにとって2番目の中国関連投資となる。9月には、中国のクリーンビューティブランド「コードミント(CODE MINT)」への出資を発表した。中国はここ数年、ELCのビジネス戦略の中核を担っている。

調査会社カンター(KANTAR)によると、中国のフレグランス市場は年平均成長率20%以上で拡大し、26年には売上高が371億3000万ドル(約5兆3838億円)に達すると予測されている。

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リシュモン、破たん回避のファーフェッチへの傘下企業の株式売却中止 ルパート会長の夢は軌道修正

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は、傘下に抱えるラグジュアリーEC大手ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式47.5%をファーフェッチ(FARFETCH)に売却することを中止した。この取引には当初、ファーフェッチの企業向けECプラットフォームであるファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)をリシュモンとYNAPが導入する契約なども含まれていたが、これも見直す。リシュモンは、破たんの危機に瀕していたファーフェッチとの取引について先月、「当社はファーフェッチに対する金銭的義務はなく、融資や投資も考えていない。状況を注意深く見守っている。現時点で、当社の傘下ブランドやYNAPはファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションを導入しておらず、それぞれのプラットフォーム上で運営している」との声明を発表して、当初は23年度中に完了する見込みで10月には欧州委員会(European Commission)からの承認も得ていた取引について、様子を見ることを宣言。ファーフェッチが韓国発のEC企業クーパン(COUPANG)に救済を求めて5億ドル(約715億円)の資金援助を受けることを踏まえ、様子見としていた取引を正式に中止することを表明した。

リシュモンのヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長は長らく、アマゾン(AMAZON)や中国最大手EC企業のアリババ(ALIBABA)の台頭を踏まえ、YNAPの過半数株式を保有する支配株主をなくすこと“中立的なラグジュアリーECプラットフォーム”の実現を夢見ていたが、計画は大幅な修正を余儀なくされる。クーパンからのファーフェッチへの資本注入の報を受け、リシュモンは18日(ヨーロッパ時間)「“中立的なラグジュアリーECプラットフォーム”の実現に向けて、当初とは違う選択肢を考えることになるだろう」とのコメントを発表。一方で、「将来、ブランドはカッティングエッジなテクノロジーの恩恵を受けるだろう」とも話しており、ルパート会長は夢を諦めていないようだ。

債権の返上で注入資本も引き上げ

当面、YNAPは独自のテクノロジーでビジネスを継続。リシュモンもYANP事業を育て続け、然るべき時にまたルパート会長の夢を実現する姿勢を示している。

リシュモンは20年、ファーフェッチが発行した優先債権を取得する形で3億ユーロ(約468億円)を投資したが、「債権は返上する」という。現在、この債権は2億1800万ユーロ(約340億円)相当の価値を有している。

ファーフェッチは同名のマーケットプレイスを運営しているほか、ファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションという企業向けのECプラットフォーム開発事業を展開しており、必要なソフトウエアやサービスを一式そろえて英百貨店ハロッズ(HARRODS)など20社以上のラグジュアリー企業に提供している。リシュモンとファーフェッチによれば、新たな構想では、これをリシュモンの傘下ブランドやYNAPが使用したり、リシュモンの傘下ブランドがファーフェッチのマーケットプレイスに出店したりすることに加えて、ファーフェッチがYNAPに直接投資して少数株主となることなども検討されていた。

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ファーフェッチ、経営破綻まで秒読みか 事業売却が成立しなければ管財人の管理下に

高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)が、経営破綻の瀬戸際にあることが明らかになった。現時点で少なくとも2社の買い手候補がいるものの、近日中に取引が成立しない場合に備え、ファーフェッチは本拠地の英国ですでに管財人の選定を進めているという。なお、買い手候補の一人は大手ファッションECサイト「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」の共同設立者である起業家兼投資家のカルメン・バスケッツ(Carmen Busquets)で、もう1社は個人投資家ではなく企業と見られている。

バスケッツ「ネッタポルテ」共同設立者は、ファーフェッチやモーダ・オペランディ(MODA OPERANDI)のほか、ファッションECの検索プラットフォーム、リスト(LYST)など、ラグジュアリーファッション分野におけるEC関連企業の可能性に早くから着目し投資してきた実績を持つ。今回は、ファーフェッチ救済のため5億〜10億ドル(約725億〜1450億円)を調達する予定であることや、同社を5年で成長軌道に戻す再建計画などを提示したという。同氏は、「私はファッションとテクノロジーを融合したマーケットプレイスの可能性を信じており、ファーフェッチは現在でも業界のリーディングカンパニーだと確信している。同社は複数の企業取引を抱えているため、ただでさえ経済環境が複雑化する中でさらに難しい舵取りを強いられているが、その戦略的な資産価値の高さは損なわれておらず、戦略的な提携や統合の機会はまだ数多くあるだろう」と語った。

ファーフェッチの最近の動向

ファーフェッチの最近の動向は、さまざまな波紋を呼んでいた。11月28日には、同社の非公開化を創業者のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)会長兼最高経営責任者(CEO)が検討していると英テレグラフ(The Telegraph)紙が報道。同日、ファーフェッチは29日に予定していた2023年7~9月期(第3四半期)決算の発表を取りやめ、これまでの業績見込み(ガイダンス)も撤回するとの声明を発表した。

ファーフェッチは8月、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が擁するラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を取得することに合意。この取引には、ファーフェッチの企業向けECプラットフォームであるファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)をリシュモンとYNAPが導入する契約なども含まれている。取引は23年度中に完了する見込みで、10月には欧州委員会(European Commission)からの承認も得たが、リシュモンは取引の完了には「当社とファーフェッチの間で協議しているその他の要件に関する合意」が必要であり、詳細は追って発表するとしていた。

また、ファーフェッチは、中国のラグジュアリーEC市場における戦略的パートナーシップのため、20年に中国最大手EC企業のアリババ・グループ(ALIBABA GROUP以下、アリババ)およびリシュモンと提携している。こうしたことを背景に、テレグラフ紙は「ファーフェッチは、非公開化に関してアリババやリシュモンなどから一時的な支援を受けると見られている」と報じた。

一方、リシュモンは11月29日、「当社はファーフェッチに対する金銭的な義務はなく、融資や投資も考えていない。8月に発表したファーフェッチとの取引を含め、状況を注意深く見守っている。現時点で、当社の傘下ブランドやYNAPはファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションを導入しておらず、それぞれのプラットフォーム上で運営している。必要があれば、またアナウンスする」と声明を発表した。このことから、「リシュモンはファーフェッチと距離を置いた」との見方が市場に広がっている。

12月5日には、情報筋の話として、ファーフェッチが傘下の英セレクトショップ、ブラウンズ(BROWNS)の売却を検討していると複数の海外メディアが報じた。また、同日に世界最大手の格付け機関S&Pグローバル・レーティング(S&P GLOBAL RATINGS)がファーフェッチの発行体格付けを“Bマイナス”から“CCCプラス”に引き下げたことに続き、12日には格付け会社ムーディーズ(MOODY'S)も同じく“B3”から“Caa2”に格下げした。

6日には、アリババのジョン・マイケル・エヴァンズ(John Michael Evans)=ディレクター兼社長が、ファーフェッチの取締役を辞任したと海外メディアが報じた。これはファーフェッチが規制当局に提出した書類から明らかになったもので、イギリスのファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション(The Business of Fashion)」によれば、同氏はファーフェッチが非公開化を検討していると報じられた2日後の11月30日付で同社の取締役を辞任したという。同氏は、前述の通り、20年にファーフェッチがリシュモンおよびアリババと提携した際にファーフェッチの取締役に就任している。

今回の買収取引が成立しなかった場合は?

買い手候補との取引が成立せず、ファーフェッチが管財人の管理下となった場合、主に機関投資家である債権者への支払いのため、さまざまな資産が売却される見込みだ。その中には、前述のブラウンズのほか、故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などを擁するニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP)、スニーカーのリセールサイト「スタジアム・グッズ(STADIUM GOODS)」、米百貨店ニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)における2億ドル(約290億円)相当のファーフェッチの持ち分や、ファーフェッチの企業向けECプラットフォームであるファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)の知的財産などが含まれる。また、情報筋によれば、管財人の管理下となった場合にはYNAPの取引もなくなる可能性が高いものの、今回の買収が成立した場合は、新たなオーナーとリシュモンが再交渉して取引が継続することもあり得るという。

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「クロエ」の新CEOは「ダンヒル」から 現CEOは任期満了で12月末に退任

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が擁する「クロエ(CHLOE)」は、新たな社長兼最高経営責任者(CEO)として、同じくリシュモンの傘下である「ダンヒル(DUNHILL)」のローラン・マルカイズ(Laurent Malecaze)CEOを任命した。これはリカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)=クロエ社長兼CEOの契約満了に伴うもので、同氏が契約更新を希望しなかったため、後任を迎えることになったという。退任は12月31日付となる。

ベッリーニ社長兼CEOは、プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE CO.)で美容部門の役員を10年間務めた後、ディーゼル(DIESEL)のCEOに就任。2017年春から19年11月までメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)のCEOを務め、同年12月より現職。23年9月に最後のコレクションを発表したガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)前クリエイティブ・ディレクターと共に、「クロエ」を現在のサステナビリティに本腰を入れたミッション・ドリブンなブランドとして発展させた。こうした取り組みが評価され、「クロエ」は21年にラグジュアリーメゾンとして初のBコープ認証を取得している。また、今年10月には、ハーストの後任としてシェミナ・カマリ(Chemena Kamali)新クリエイティブ・ディレクターを迎え入れた。なお、リシュモンによれば、ベッリーニ社長兼CEOの退任は友好的なものであり、業務の引き継ぎもスムーズに行われているという。

マルカイズ新社長兼CEOは、米大手コンサルティング会社、ベイン・アンド・カンパニー(BAIN & CO.)でキャリアをスタート。米国のセレクトショップ、ザ・ウェブスター(THE WEBSTER)の最高執行責任者やCEOを務めた後、リシュモンに入社した。20年10月、故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)とリシュモンのジョイントベンチャーによる新ブランド「AZファクトリー(AZ FACTORY)」の初代CEOに就任。22年1月、現職としてダンヒルに加わった。なお、今回の人事に伴って空席となるダンヒルのCEOには、同社のアンドリュー・ホルムズ(Andrew Holmes)執行および財務最高責任者が暫定的に就き、正式な後任を探すと見られている。

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「持続可能なファッション」がCOP28の公式議題に ステラやLVMH幹部らが参加

アラブ首長国連邦のドバイで国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が開催した。「サステナブルファッションの開拓」をテーマにしたトークセッションでは、さまざまなアパレル業界関係者が集い二酸化炭素排出量の削減方法などについて議論した。

ラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)が運営する「ユークス」の創業者で、英国のチャールズ国王(King Charles III)が皇太子時代に立ち上げた「ファッションタスクフォース」の議長を務めるフェデリコ・マルケッティ(Federico Marchetti)は、迅速な行動が急務であると強調した。またCOP28でファッションの持続可能性が公式の議題に上がったことの重要性に言及し、「私たちの産業は世界の二酸化炭素排出量の4〜8%を占めている。これはマーケティングのチャンスではなく、生物が生き残るか否かの問題だ」と話した。

「ステラ マッカートニー」は最新素材を展示

「ファッションタスクフォース」には、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「バーバリー(BURBERRY)」「クロエ(CHLOE)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」など15社が加盟する。マルケッティ議長は、「われわれはシンクタンクではなく、“アクションタンク”であり、実行者の集まりだ」といい、この2年で特に環境再生型農業とトレーサビリティーの取り組みを前進させることができたと成果を語った。

「ステラ マッカートニー」は、テキスタイルの技術革新の事例として、植物由来の代替えレザーなどブランドが活用する最新素材を集めた展示を行った。デザイナーのステラ・マッカートニーは、商品軸での改善だけではネット・ゼロを達成することは難しく、「私たちのようなビジネスがインセンティブを得られるような仕組み作りをしてほしい」と訴えた。

リカルド・ステファネッリ(Riccardo Stefanelli)=ブルネロ クチネリ最高経営責任者は、1年半前から原材料調達地のインドのヒマラヤ地方で取り組む、農業支援の成果などについて言及した。同プロジェクトは、地元のカシミアやコットン、シルクの生産を支え、生物多様性の回復にもアプローチしている。

LVMHは新たに2つの協定に合意

また、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は中東のデベロッパーとのパートナーシップによる二酸化炭素排出の削減目標の設定と、ブラジルにおける生物多様性保全の支援の2つの協定に署名した。

1つ目の協定は既存のショッピングセンターの環境目標に基づくもので、今回新たにシャルーブ・グループ(CHALHOUB GROUP)、エマール・モール(EMMAR MALLS)、マジドアルフッタイムグループ(MAJID AL FUTTAIM GROUP)、アルダー・プロパティーズ(ALDAR PROPERTIES)の主要デベロッパー4社が参加した。地域の小売企業と連携し、水使用量やエネルギー効率、廃棄物管理、空調とクリーンエネルギーの使用、エコデザインと建築慣行における新たな持続可能性目標へのコミットメントを強化する。

議論に参加したLVMHのイメージ&環境部門責任者であるアントワン・アルノー(Antoine Arnault)は、「私たちの店舗は、卓越したモノづくりを見せる場である。環境面でさらなる改善を重ねることは、他社の模範になると同時に商品や空間をさらに魅力的に見せることにつながる。また私たちが努力することで、家主や地主の環境負荷低減にも貢献できる」とコメントした。

2つ目の合意では、ブラジルのNGO団体ファウンデーション・フォー・アマゾン・サステナビリティ(Foundation for Amazon Sustainability)とのパートナーシップの下、森林保全の取り組みに100万ユーロ(約1億5699万円)を投資する。ユネスコ(UNESCO)と長期的に取り組む生物多様性の保護を目的とした「人間と生物圏(MAB)」計画の一環で、将来的に500万ヘクタールの野生生物の生息地を保護するという目標を掲げている。

LVMHは2020年からCOPに参加する。アルノー=イメージ&環境部門責任者は、「生物多様性の保全と気候危機に対してリーダー企業として模範を示し、私たちの進歩を検証してくことが重要だ」と話し、社として業界を超えたパートナーシップを重視していると語った。

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「持続可能なファッション」がCOP28の公式議題に ステラやLVMH幹部らが参加

アラブ首長国連邦のドバイで国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が開催した。「サステナブルファッションの開拓」をテーマにしたトークセッションでは、さまざまなアパレル業界関係者が集い二酸化炭素排出量の削減方法などについて議論した。

ラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)が運営する「ユークス」の創業者で、英国のチャールズ国王(King Charles III)が皇太子時代に立ち上げた「ファッションタスクフォース」の議長を務めるフェデリコ・マルケッティ(Federico Marchetti)は、迅速な行動が急務であると強調した。またCOP28でファッションの持続可能性が公式の議題に上がったことの重要性に言及し、「私たちの産業は世界の二酸化炭素排出量の4〜8%を占めている。これはマーケティングのチャンスではなく、生物が生き残るか否かの問題だ」と話した。

「ステラ マッカートニー」は最新素材を展示

「ファッションタスクフォース」には、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」「バーバリー(BURBERRY)」「クロエ(CHLOE)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」など15社が加盟する。マルケッティ議長は、「われわれはシンクタンクではなく、“アクションタンク”であり、実行者の集まりだ」といい、この2年で特に環境再生型農業とトレーサビリティーの取り組みを前進させることができたと成果を語った。

「ステラ マッカートニー」は、テキスタイルの技術革新の事例として、植物由来の代替えレザーなどブランドが活用する最新素材を集めた展示を行った。デザイナーのステラ・マッカートニーは、商品軸での改善だけではネット・ゼロを達成することは難しく、「私たちのようなビジネスがインセンティブを得られるような仕組み作りをしてほしい」と訴えた。

リカルド・ステファネッリ(Riccardo Stefanelli)=ブルネロ クチネリ最高経営責任者は、1年半前から原材料調達地のインドのヒマラヤ地方で取り組む、農業支援の成果などについて言及した。同プロジェクトは、地元のカシミアやコットン、シルクの生産を支え、生物多様性の回復にもアプローチしている。

LVMHは新たに2つの協定に合意

また、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は中東のデベロッパーとのパートナーシップによる二酸化炭素排出の削減目標の設定と、ブラジルにおける生物多様性保全の支援の2つの協定に署名した。

1つ目の協定は既存のショッピングセンターの環境目標に基づくもので、今回新たにシャルーブ・グループ(CHALHOUB GROUP)、エマール・モール(EMMAR MALLS)、マジドアルフッタイムグループ(MAJID AL FUTTAIM GROUP)、アルダー・プロパティーズ(ALDAR PROPERTIES)の主要デベロッパー4社が参加した。地域の小売企業と連携し、水使用量やエネルギー効率、廃棄物管理、空調とクリーンエネルギーの使用、エコデザインと建築慣行における新たな持続可能性目標へのコミットメントを強化する。

議論に参加したLVMHのイメージ&環境部門責任者であるアントワン・アルノー(Antoine Arnault)は、「私たちの店舗は、卓越したモノづくりを見せる場である。環境面でさらなる改善を重ねることは、他社の模範になると同時に商品や空間をさらに魅力的に見せることにつながる。また私たちが努力することで、家主や地主の環境負荷低減にも貢献できる」とコメントした。

2つ目の合意では、ブラジルのNGO団体ファウンデーション・フォー・アマゾン・サステナビリティ(Foundation for Amazon Sustainability)とのパートナーシップの下、森林保全の取り組みに100万ユーロ(約1億5699万円)を投資する。ユネスコ(UNESCO)と長期的に取り組む生物多様性の保護を目的とした「人間と生物圏(MAB)」計画の一環で、将来的に500万ヘクタールの野生生物の生息地を保護するという目標を掲げている。

LVMHは2020年からCOPに参加する。アルノー=イメージ&環境部門責任者は、「生物多様性の保全と気候危機に対してリーダー企業として模範を示し、私たちの進歩を検証してくことが重要だ」と話し、社として業界を超えたパートナーシップを重視していると語った。

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ファーフェッチが迷走!? リシュモンも困惑する非公開化やブラウンズ売却を検討との報道

高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)の最近の動向が、さまざまな波紋を呼んでいる。事の発端は、11月28日、ファーフェッチの非公開化を創業者のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)会長兼最高経営責任者(CEO)が米投資銀行JPモルガン(J.P. MORGAN)と共に検討していると、英テレグラフ(The Telegraph)紙が報じたことだ。その同日、ファーフェッチが29日に予定していた2023年7~9月期(第3四半期)決算の発表を取りやめ、これまで発表した業績見込み(ガイダンス)も撤回する旨の声明を出したことから市場に臆測が広まり、同社の株価は前日比22.8%高の2.1ドル(約306円)を付けた。本件に関して、ファーフェッチおよびJPモルガンからのコメントは得られていない。

ファーフェッチは8月、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が擁するラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を取得することに合意。この取引には、ファーフェッチの企業向けECプラットフォームであるファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)をリシュモンとYNAPが導入する契約なども含まれている。取引は23年度中に完了する見込みで、10月には欧州委員会(European Commission)からの承認も得たが、リシュモンは取引の完了には「当社とファーフェッチの間で協議しているその他の要件に関する合意」が必要であり、詳細は追って発表するとしていた。

また、ファーフェッチは、中国のラグジュアリーEC市場における戦略的パートナーシップのため、20年に中国最大手EC企業のアリババ・グループ(ALIBABA GROUP以下、アリババ)およびリシュモンと提携している。こうしたことを背景に、テレグラフ紙は「ファーフェッチは、非公開化に関してアリババやリシュモンなどから一時的な支援を受けると見られている」と報じた。

リシュモンは“寝耳に水”だった!? 
アナリストらの反応は

一方、リシュモンは11月29日、「当社はファーフェッチに対する金銭的な義務はなく、融資や投資も考えていない。8月に発表したファーフェッチとの取引を含め、状況を注意深く見守っている。現時点で、当社の傘下ブランドやYNAPはファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションを導入しておらず、それぞれのプラットフォーム上で運営している。必要があれば、またアナウンスする」と声明を発表した。

これを受け、上昇していたファーフェッチの株価は大きく下落。前日比53.8%安の97セント(約141円)となったが、その後はやや回復し、12月7日の終値では1.17ドル(170円)となっている。

投資銀行のアナリストらは、リシュモンの声明を評価。欧州の投資銀行ODDO BHFは、「リシュモンの声明は驚きだった。同社はファーフェッチから明確に距離を置こうとしており、YNAPに関する取引にも暗雲が立ち込め始めている。リシュモンとしては、YNAPを再び傘下にするのは当然避けたい事態だと思われるが、迷走気味のファーフェッチ事情に巻き込まれるよりはましだと判断する可能性も否めない」とコメントした。

カナダの投資銀行RBCキャピタルマーケッツ(RBC CAPITAL MARKETS)は、「ファーフェッチが非公開化し、かつYNAPの取引が予定通り進んだ場合、リシュモンとしてはYNAPは手放せるものの、傘下ブランドのECプラットフォームを非公開企業に委ねることになってしまう。これは運営上、多大なリスクが伴うことだ。一方で、YNAPの取引を破談にした場合、YNAPを売却するという当初の目的は達成できないが、ECプラットフォームは引き続き自社でコントロールできる。(ファーフェッチの非公開化という)想定外の展開となる可能性もある以上、リシュモンは最悪の事態を避けるため、後者の道を選ぶのではないか」と指摘した。

米投資銀行バーンスタイン(BERNSTEIN)は、「リシュモンの声明を歓迎する」とコメント。「ファーフェッチの混迷ぶりを見るに、距離を置くことを明らかにしたリシュモンの判断は賢明だ。これにより、リシュモンはラグジュアリー分野における超一流レベルに近づいたといえるだろう」。

S&Pはファーフェッチを格下げ 
アリババからの取締役も辞任

12月5日には、情報筋の話として、ファーフェッチが傘下の英セレクトショップ、ブラウンズ(BROWNS)の売却を検討していると複数の海外メディアが報じた。また、世界最大手の格付け機関S&Pグローバル・レーティング(S&P GLOBAL RATINGS)は、ファーフェッチの発行体格付けを“Bマイナス”から“CCCプラス”に引き下げている。

6日には、アリババのジョン・マイケル・エヴァンズ(John Michael Evans)=ディレクター兼社長が、ファーフェッチの取締役を辞任したと海外メディアが報じた。これはファーフェッチが規制当局に提出した書類から明らかになったもので、イギリスのファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション」によれば、同氏はファーフェッチが非公開化を検討していると報じられた2日後の11月30日付で同社の取締役を辞任したという。同氏は、前述の通り、20年にファーフェッチがリシュモンおよびアリババと提携した際にファーフェッチの取締役に就任している。

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ファーフェッチが迷走!? リシュモンも困惑する非公開化やブラウンズ売却を検討との報道

高級ECのファーフェッチ(FARFETCH)の最近の動向が、さまざまな波紋を呼んでいる。事の発端は、11月28日、ファーフェッチの非公開化を創業者のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)会長兼最高経営責任者(CEO)が米投資銀行JPモルガン(J.P. MORGAN)と共に検討していると、英テレグラフ(The Telegraph)紙が報じたことだ。その同日、ファーフェッチが29日に予定していた2023年7~9月期(第3四半期)決算の発表を取りやめ、これまで発表した業績見込み(ガイダンス)も撤回する旨の声明を出したことから市場に臆測が広まり、同社の株価は前日比22.8%高の2.1ドル(約306円)を付けた。本件に関して、ファーフェッチおよびJPモルガンからのコメントは得られていない。

ファーフェッチは8月、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)が擁するラグジュアリーEC大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)の株式の47.5%を取得することに合意。この取引には、ファーフェッチの企業向けECプラットフォームであるファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューション(Farfetch Platform Solutions)をリシュモンとYNAPが導入する契約なども含まれている。取引は23年度中に完了する見込みで、10月には欧州委員会(European Commission)からの承認も得たが、リシュモンは取引の完了には「当社とファーフェッチの間で協議しているその他の要件に関する合意」が必要であり、詳細は追って発表するとしていた。

また、ファーフェッチは、中国のラグジュアリーEC市場における戦略的パートナーシップのため、20年に中国最大手EC企業のアリババ・グループ(ALIBABA GROUP以下、アリババ)およびリシュモンと提携している。こうしたことを背景に、テレグラフ紙は「ファーフェッチは、非公開化に関してアリババやリシュモンなどから一時的な支援を受けると見られている」と報じた。

リシュモンは“寝耳に水”だった!? 
アナリストらの反応は

一方、リシュモンは11月29日、「当社はファーフェッチに対する金銭的な義務はなく、融資や投資も考えていない。8月に発表したファーフェッチとの取引を含め、状況を注意深く見守っている。現時点で、当社の傘下ブランドやYNAPはファーフェッチ・プラットフォーム・ソリューションを導入しておらず、それぞれのプラットフォーム上で運営している。必要があれば、またアナウンスする」と声明を発表した。

これを受け、上昇していたファーフェッチの株価は大きく下落。前日比53.8%安の97セント(約141円)となったが、その後はやや回復し、12月7日の終値では1.17ドル(170円)となっている。

投資銀行のアナリストらは、リシュモンの声明を評価。欧州の投資銀行ODDO BHFは、「リシュモンの声明は驚きだった。同社はファーフェッチから明確に距離を置こうとしており、YNAPに関する取引にも暗雲が立ち込め始めている。リシュモンとしては、YNAPを再び傘下にするのは当然避けたい事態だと思われるが、迷走気味のファーフェッチ事情に巻き込まれるよりはましだと判断する可能性も否めない」とコメントした。

カナダの投資銀行RBCキャピタルマーケッツ(RBC CAPITAL MARKETS)は、「ファーフェッチが非公開化し、かつYNAPの取引が予定通り進んだ場合、リシュモンとしてはYNAPは手放せるものの、傘下ブランドのECプラットフォームを非公開企業に委ねることになってしまう。これは運営上、多大なリスクが伴うことだ。一方で、YNAPの取引を破談にした場合、YNAPを売却するという当初の目的は達成できないが、ECプラットフォームは引き続き自社でコントロールできる。(ファーフェッチの非公開化という)想定外の展開となる可能性もある以上、リシュモンは最悪の事態を避けるため、後者の道を選ぶのではないか」と指摘した。

米投資銀行バーンスタイン(BERNSTEIN)は、「リシュモンの声明を歓迎する」とコメント。「ファーフェッチの混迷ぶりを見るに、距離を置くことを明らかにしたリシュモンの判断は賢明だ。これにより、リシュモンはラグジュアリー分野における超一流レベルに近づいたといえるだろう」。

S&Pはファーフェッチを格下げ 
アリババからの取締役も辞任

12月5日には、情報筋の話として、ファーフェッチが傘下の英セレクトショップ、ブラウンズ(BROWNS)の売却を検討していると複数の海外メディアが報じた。また、世界最大手の格付け機関S&Pグローバル・レーティング(S&P GLOBAL RATINGS)は、ファーフェッチの発行体格付けを“Bマイナス”から“CCCプラス”に引き下げている。

6日には、アリババのジョン・マイケル・エヴァンズ(John Michael Evans)=ディレクター兼社長が、ファーフェッチの取締役を辞任したと海外メディアが報じた。これはファーフェッチが規制当局に提出した書類から明らかになったもので、イギリスのファッションメディア「ビジネス・オブ・ファッション」によれば、同氏はファーフェッチが非公開化を検討していると報じられた2日後の11月30日付で同社の取締役を辞任したという。同氏は、前述の通り、20年にファーフェッチがリシュモンおよびアリババと提携した際にファーフェッチの取締役に就任している。

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「グッチ」が米百貨店のロード&テイラーなど3社を提訴 模倣品を販売したと主張

「グッチ(GUCCI)」の米国法人であるグッチ アメリカ インク(GUCCI AMERICA INC.)は、百貨店のロード&テイラー(LORD & TAYLOR)、オフプライスストアのセンチュリー21(CENTURY 21)、ウォルマート(WALMART)傘下の会員制スーパーのサムズクラブ(SAM‘S CLUB)がそれぞれ「グッチ」の模倣品を販売していたとして提訴した。

「グッチ」は、ロード&テイラーに対して差し止め命令や対象商品の破棄、金銭的な賠償などを請求しており、センチュリー21およびサムズクラブに対しても類似の主張を行っている。

「グッチ」は、ロード&テイラーのウェブサイト経由で“GG マーモント マトラッセ カメラ バッグ”を1555ドル(約23万円)で、さらに“GG マーモント ショルダー バッグ”を2400ドル(約35円)で購入し、「商品を確認したところ、正規品ではないことを確認した」と主張する。「2023年6月、『グッチ』はロード&テイラーのウェブサイトで模倣品が販売されていることを伝えた。ロード&テイラーの代理人から模倣品を販売していることを把握している旨の回答があったが、その後の連絡が途絶えた」と主張する。ロード&テイラーの代理人からはコメントを得られなかった。

サムズクラブに対する訴訟において「グッチ」は、「サムズクラブのウェブサイトに掲載されていた『グッチ』のマークをあしらい、“グッチ GG マーモント マトラッセ ミニ バッグ”と称したハンドバッグ2点を各1100ドル(約16万円)で購入した」と主張。サムズクラブの担当者は「われわれはサプライヤーに対して、顧客や会員の期待に沿う正規品を提供することを当然期待している。『グッチ』から懸念を伝えられた時点で、直ちに該当商品をウェブサイトから引き上げ、『グッチ』とサプライヤーを繋いだ。訴状に対する反論は、裁判の中で行っていく」とコメントを発表した。

センチュリー21からはコメントを得られなかった。

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「シャネル」がパンタンの化粧品開発研究所を初公開 ココ・シャネルの哲学を体現する“統合美”戦略とは?

「シャネル(CHANEL)」はこのほど、仏パリ郊外のパンタンに構える化粧品開発研究所の一部を初公開し、フレグランス・ビューティ部門における “インテグレイティブ・ビューティ(統合美)”戦略の舞台裏を明らかにした。

「シャネル・ビューティ」発祥の地をはじめ
世界5カ所に研究拠点を構える

基礎研究から商品開発の中枢を担う同研究所は、最近解説した中国・上海の拠点に加え、米ニュージャージー州ピスカタウェイ、韓国・ソウル、日本・船橋の5カ所に拠点を持つ。これらのローカル市場を常にモニタリングすることで、イノベーションの可能性を見いだすことができるという。こうした世界中のネットワークの中心地となっているのがパンタンだ。同地はセーヌ川と鉄道が近く、19世紀にはフランスの石けん、化粧品、スキンケア産業が集中していた。ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)創業者は1924年、パンタンにフレグランスや化粧品の製造販売を担う会社ソシエテ・デ・パルファン・シャネルを創設し、メゾンを代表するフレグランス“ No. 5”やメイクアップラインを発表。27年にはスキンケアラインが誕生した「シャネル・ビューティ」発祥の地でもある。

シャネル・フレグランス・アンド・ビューティ部門のブランディーヌ・ヴェラン(Blandine Velin)=インターナショナル・ヘッド・オブ・インフルエンス・アンド・ブランドエンゲージメントは、原料調達から試験、処方、パッケージングに至るまで脈々と息づくメゾンの“インテグレイティブ・ビューティ”の哲学とアプローチについて「メゾンの創造の根幹であり、ガブリエル・シャネルが直感的に思い描いたホリスティックなビジョンの延長線上にあるもの。ミニマリズムが象徴するように、女性の欲望を真に満たすには余分なものを削ぎ落とす必要があるというブランドの哲学でもある。『シャネル』のインテグレイティブ・ビューティの哲学は、自社研究所だけでなく外部機関や才能ある専門家らとの連携によって導かれている」と説明する。

研究所には約300人の科学者が在籍する。ナタリー・ヴォルペ(Nathalie Volpe)=インターナショナル・イノベーション研究開発副社長は「彼らは美の多様性を実現するため科学とイノベーションを駆使して安全性、性能、卓越した効果を兼ね備えた商品を開発するという使命に日々取り組んでいる」と語る。

オープンイノベーションを推進し
スタートアップ企業と連携

近年、同社はオープンリサーチとオープンイノベーションを融合し、最先端の分野で研究を行うスタートアップ企業や大学、原材料サプライヤーとの協業にも積極的だ。皮膚や脂肪組織の高度な3Dエンジニアリングを手掛けるラボスキン・クリエーションズ(LABSKIN CREATIONS)と協業し、3Dバイオプリントによる人工皮膚の開発に成功した。また、皮膚の内部構造を高解像度で見ることができるイメージング装置を提供するダマエ・メディカル(DAMAE MEDICAL)や、菌根菌(菌根を作って植物と共生する菌類)に着目し効果的な生物学的ソリューションを開発するバイオ企業マイコフィト(MYCOPHYTO)などとも協業している。ネットワークを拡大しながら、製薬や食品、テクノロジー、生物医学の分野に加えて、最先端の塗料や自動車、光学、印刷、セラミックといった産業からもインスピレーションを得ているという。

植物研究においては、原料供給の拠点となる自社農園、オープンスカイラボラトリーの存在が欠かせない。同ラボラトリーは、コスタリカ、仏南西部のゴジャック、仏南アルプス、マダガスカル、ブータンと世界の異なる気候地帯の5カ所に展開する。マダガスカルのラボラトリーでは、「シャネル」のエイジングケアライン“サブリマージュ レクストレ”に主成分であるヴァニラ プラニフォリアを採取している。同ラボラトリーでは植物の栽培だけでなく、社会的・環境的イノベーションの実験的取り組みも行う。基本理念には、生産者と共にフェアトレードのサプライチェーンを構築し、生物の多様性や土壌を保護すること、「シャネル」が使用する植物に関連する無形文化遺産を保護することなどが含まれている。

最先端の老化研究が導く
真の統合美のビジョン

「シャネル」は1991年から大規模な肌の研究に取り組んでいる。世界9カ国から6万枚以上の顔写真を集め、独自の方法論で評価を行い、その結果やアンケートから400万件のデータを収集した。93年には商品の手触りや見た目に対する反応に焦点を当てた官能評価研究所を統合。感情と幸福に焦点を当てた同研究所では、人の頭部に神経センサーを取り付けてスキンケア商品を試し、脳波の動きで興奮、驚き、緊張、退屈、疲れ、悲しみ、失望などの感情的な反応を読み取る研究を行っている。マリー=エロイーズ・バルデル(Marie-Heloise Bardel)=神経科学部門責任者は「『シャネル』はあらゆる美の形は気分の良さから始まると信じている」と言い、高いレベルの喜びと感動を与える商品開発を目指し、日々研究に余念がない。

2014年にはゲノム研究を開始し老化に関する遺伝子要因を特定するなど、老化研究にも力を入れている。老化は医療分野と同様、化粧品メーカーにとっても注目度の高いトピックスだ。パンタンの研究所内では、生物学と臨床、ベネフィット(便益)とパフォーマンス、神経科学の3つのハブに分かれている。アルメル・スロー(Armelle Souraud)=国際科学コミュニケーション・ディレクターは、「われわれの老化研究は前例がない視点を持ち合わせたもので、活力に満ちた健康的な肌を手にするための非常に有望な研究だ」と説明する。長期間にわたって得られた肌研究のデータやこうした最先端の老化研究の成果が、 “サブリマージュ レクストレ”を中心としたブランドのエイジングケア商品に反映されているという。

「シャネル」はまた、人の筋肉や臓器、脳を取り囲む結合組織である筋膜など、体と心の関連性にも注目している。筋膜療法士のエレーヌ・ブルヒ=ボワ(Helene Bourhis-Bois)と共に独自のトリートメント技術「ラ・ファシア・ドゥ・シャネル」も開発した。同メソッドはホリスティックなアプローチで顔の筋膜をゆっくりと大きくストレッチすることで、深いレベルまで心と体を解きほぐしながら輝くような引き締まった肌へへと導く。ヴァレリー・ミッシェル・ビノット(Valerie Michel Binotto)=化粧品・研究所・スパ開発研修ディレクターは、「10年前、私たちはガブリエル・シャネルの美に対する総合的なビジョンを体現できる革新的なマッサージ技術を探していた。『ラ・ファシア』の技術は肌の美しさとウェルビーイングの実現を兼ね備えたものだ。これは心と体への真のアプローチであり、美に対する真の統合的なビジョンだ」と語った。

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「ステラ マッカートニー」と「ヴーヴ・クリコ」が協業 “グレープレザー”のバッグを発表

「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下の「ヴーヴ・クリコ(VEUVE CLICQUOT)」とのパートナーシップの下、シャンパンの製造工程で発生するブドウの茎を原料とする“グレープレザー”を用いたアイテムを、2024年春夏コレクションで発表した。

今回の協業では、アイコニックなバッグ「フレイム(Frayme)」に「ステラ マッカートニー」と「ヴーヴ・クリコ」のロゴをあしらったタグ付きのバッグ3型と、ボトルホルダーを用意した。LVMHによると、同素材は1年半以内の開発期間で誕生。レザーとワイン製造の両分野の温室効果ガス削減に貢献するという。使用した茎は、創業者の息子の妻であり、事業を発展させたマダム・クリコが200年前に購入したシャンパーニュ地方のブドウ畑から調達したもので、完全なトレーサビリティーが確保できているという。また、「ヴーヴ・クリコ」が提供した廃棄コルクを、ウエッジソールの部分にリサイクルした2つの「エリス(ELYSE)」サンダルも発表した。

「デザインの可能性をさらに押し広げてくれる」とステラ

ジャン=マルク・ギャロ(Jean-Marc Gallot)=ヴーヴ・クリコ最高経営責任者(CEO)は、「再生農業における私たちの専門知識と、多くの人たちとの強い連携の結果だ。最高のシャンパンを作るだけでなく、私たちのブドウがファッションの明るい未来に貢献できることをうれしく思う」とコメントした。

デザイナーのステラ・マッカートニーは、LVMHのサステナビリティに関する特別アドバイザーを務める。今回の取り組みはステラから ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOに、「業界の垣根を超えたコラボレーションに挑戦したい」と掛け合ったことで実現したという。

ステラは、「この“グレープレザー”は、本物のレザーと区別がつかない品質だ。加えて、量産もできる。この100年間に5〜10種類の決まった素材を使い続けているファッション業界に挑戦し続けてきた私のデザインの可能性をさらに押し広げてくれるものだ」とコメントした。

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「シーイン」が米国でIPO申請、2024年に上場か アナリストらの評価は?

グローバルSPAブランド「シーイン(SHEIN)」が、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に非公開でIPO(新規上場)の申請をしたと複数の海外メディアが報じた。情報筋によれば、2024年に上場する可能性があり、米投資銀行のゴールドマン サックス(GOLDMAN SACHS)、JPモルガン(J.P. MORGAN)、モルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)が主幹事に起用されたという。「シーイン」および3行からのコメントは得られなかった。

「シーイン」は5月に新たな資金調達を行なっており、企業価値はおよそ660億ドル(約9兆8340億円)と推定されている。米コンサルティング会社カーニー(KEARNEY)のブライアン・エーリグ(Brian Ehrig)=コンサルタントは、「『シーイン』の企業価値はOpenAIなどのテック企業と並ぶ。ファッション業界で、これほどエキサイティングなIPOは久しくなかった」とコメント。また、このまま成長すれば、「シーイン」の売り上げは25年までに「H&M」と「ザラ(ZARA)」の合計を超えるのではないかと予想した。

小売業界を専門とする米コンサルティング会社ジェーン・ハリ&アソシエイツ(JANE HALI & ASSOCIATES)のジェシカ・ラミレズ(Jessica Ramirez)=シニア・リサーチ・アナリストは、「『シーイン』の新商品を投入するペースの速さには目を見張るものがあるが、“一回着用して捨てる”という、『H&M』や『ザラ』が離れようと努めている以前の消費方式を復活させてしまった」と述べた。

「シーイン」は、豊富な商品ラインアップを圧倒的な低価格で販売し若年層を中心に人気を集める一方で、著作権侵害などによる訴訟トラブルをいくつも抱え、サプライチェーンにおける劣悪な労働環境への懸念が絶えない。こうした点から米国での上場を危ぶむ声もあるが、上場に伴う規制準拠や投資家からの圧力によって「シーイン」が変化する可能性もあるだろう。

同社は8月、米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)の傘下ブランド「フォーエバー21(FOREVER 21)」を米国で運営するスパーク・グループ(SPARC GROUP以下、スパーク)の株式のおよそ3分の1を取得。その際、スパークも「シーイン」の少数株主となっている。10月にはABGと提携し、「フォーエバー21」のライフスタイルおよびファッションカテゴリーにおいて長期的なパートナーシップ契約を締結した。また、同じく10月に、英ファストファッションブランド「ミスガイデッド(MISSGUIDED)」を、英小売フレーザーズ・グループ(FRASERS GROUP)から買収している。

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「ルブタン」とメタ社が模倣品対策タッグ メキシコの業者を相手取り訴訟

フェイスブック(FACEBOOK)やインスタグラム(INSTAGRAM)を傘下に持つメタ(META)とクリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN以下、ルブタン)は、メキシコで模倣品製造を行っているとされる人物(被告)に対して事業継続の永久停止や在庫の破棄、損害賠償などを求めて共同で訴訟を提起した。

カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出された訴状によると、メタとルブタンは、被告がフェイスブックとインスタグラムのアカウントを使用して「ルブタン」の模倣品の販売を促進したことが、メタ社およびインスタグラムの利用規約に違反し、「ルブタン」の知的財産権を侵害したと主張する。また、この人物が少なくとも2020年6月から23年5月までの間にメタ社の規約に違反し、「ルブタン」のアイテムを模倣した靴やハンドバッグ、アクセサリーを含む違法は模倣品を密売するオンラインビジネスを営んでいたことや、10年から23年の間に、少なくとも44のフェイスブックアカウントを、15年から22年の間に少なくとも32のインスタグラムアカウントを作成・維持していたと述べている。

ルブタンの代理人は23年5月、被告と思われるアカウントから偽物の靴を購入したという。WhatsAppを通じて被告と連絡をとり、支払いを行ったところ、「クリスチャン ルブタン」と記載された白い布袋に入った靴が箱に入って届いたが、その靴は模倣品と判断された。

メタ社は過去には21年に「グッチ」と同様の訴訟を提起している。メタ社によると、22年下半期、同社は18万件以上の模倣品報告に対してフェイスブックとインスタグラムで170万件以上のコンテンツを削除してきたという。

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カール・ラガーフェルドが手掛けた「シャネル」のオートクチュール252点がオークションに

パリの競売会社モーリス・オークション(MAURICE AUCTION)は11月20日、レバノン出身の実業家ムウナ・アユーブ(Mouna Ayoub)が保有する「シャネル(CHANEL)」のオートクチュールアイテム252点のオークションを開催した。いずれもカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が1990年代~2014年にデザインしたものだ。

オークションでは全品に買い手が付き、落札額の合計はおよそ150万ユーロ(約2億4450万円)。中でも、創業者のガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)が大切にしていたコロマンデル屏風に似た刺しゅうを施したイブニングコートは31万2000ユーロ(約5000万円)で落札され、予想落札価格の15万~20万ユーロ(約2400万~3260万円)を大幅に上回る結果となった。

コレクションを手放す理由は「2つある」とアユーブは説明。「一つはもう私には似合わないからだ。二点目はカールを知らず、彼のオートクチュール作品を所有するチャンスがなかった若い世代に、私と同じように所有し、着用し、愛してもらいたいからだ」。多くのアイテムは袖を通していない新品だという。

アユーブは1990年にカールがデザインした「シャネル」のオートクチュールを「ヴォーグ(VOUGE)」で目にして以来、オートクチュールのアイテムをオーダーし続けていると話す。今回250点以上を手放してもまだ約2500点のアイテムを所有しており、「シャネル」のほかに「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「フェンディ(FENDI)」「ディオール(DIOR)」などのものがあるという。

アユーブはオークションの売却益の一部を、女性の権利と自由の獲得を支援し、女性に対する暴力と闘う団体であるフォンダシオン・デ・ファム(Fondation des Femmes)に寄付する予定だという。

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マシュー・ウィリアムズ、「1017 アリックス 9SM」の過半数株式を香港の起業家に売却

「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」は11月17日、香港の起業家エイドリアン・チェン(Adrian Cheng)に過半数株式を売却した。金額など取引の詳細は明らかにされていない。

同ブランドは、米シカゴ出身のマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)が2015年に設立。当時は自身の娘の名を冠した「アリックス」というブランド名だったが、18年に現在の名称に変更。シグネチャーである“ローラーコースターバックル”で知られ、「モンクレール(MONCLER)」「ナイキ(NIKE)」「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」などのブランドと協業している。今回の取引による資金はアクセサリー、フットウエア、ジュエリー分野の拡大に充てるほか、初店舗のオープンも視野に入れているという。なお、ウィリアムズは、イタリアのディストリビューター兼セレクトショップのスラムジャム(SLAM JAM)を1989年に創業したルカ・ベニーニ(Luca Benini)と50対50のパートナーシップで「アリックス」を立ち上げており、ベニーニは今後も少数株主として残る。また、ウィリアムズは2020年から「ジバンシィ(GIVENCHY)」のクリエイティブ・ディレクターを務めている。

チェンは富豪一族の3代目で、不動産開発などを手掛ける香港のコングロマリット、ニューワールド・デベロップメント(NEW WORLD DEVELOPMENT、新世界発展公司)の最高経営責任者を務めるほか、自身でもヘッジファンドのCキャピタル(C CAPITAL)や投資プラットフォームのK11グループ(K11 GROUP)を設立。モーダ・オペランディ(MODA OPERANDI)、シーイン(SHEIN)、ケースティファイ(CASETIFY)など60以上のブランドや企業に投資している。

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マシュー・ウィリアムズ、「1017 アリックス 9SM」の過半数株式を香港の起業家に売却

「1017 アリックス 9SM(1017 ALYX 9SM)」は11月17日、香港の起業家エイドリアン・チェン(Adrian Cheng)に過半数株式を売却した。金額など取引の詳細は明らかにされていない。

同ブランドは、米シカゴ出身のマシュー・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)が2015年に設立。当時は自身の娘の名を冠した「アリックス」というブランド名だったが、18年に現在の名称に変更。シグネチャーである“ローラーコースターバックル”で知られ、「モンクレール(MONCLER)」「ナイキ(NIKE)」「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」などのブランドと協業している。今回の取引による資金はアクセサリー、フットウエア、ジュエリー分野の拡大に充てるほか、初店舗のオープンも視野に入れているという。なお、ウィリアムズは、イタリアのディストリビューター兼セレクトショップのスラムジャム(SLAM JAM)を1989年に創業したルカ・ベニーニ(Luca Benini)と50対50のパートナーシップで「アリックス」を立ち上げており、ベニーニは今後も少数株主として残る。また、ウィリアムズは2020年から「ジバンシィ(GIVENCHY)」のクリエイティブ・ディレクターを務めている。

チェンは富豪一族の3代目で、不動産開発などを手掛ける香港のコングロマリット、ニューワールド・デベロップメント(NEW WORLD DEVELOPMENT、新世界発展公司)の最高経営責任者を務めるほか、自身でもヘッジファンドのCキャピタル(C CAPITAL)や投資プラットフォームのK11グループ(K11 GROUP)を設立。モーダ・オペランディ(MODA OPERANDI)、シーイン(SHEIN)、ケースティファイ(CASETIFY)など60以上のブランドや企業に投資している。

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「ベルルッティ」のアントワン・アルノーCEOが退任し非業務執行会長に 後任は「ショーメ」のCEO

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁する「ベルルッティ(BERLUTI)」のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)最高経営責任者(CEO)が退任することが明らかになった。後任は同じくLVMHが擁する「ショーメ(CHAUMET)」のジャンマルク・マンスヴェルト(Jean Marc Mansvelt)CEOで、米「WWD」によれば、2024年1月1日付で就任するという。なお、マンスヴェルトCEOの後任には、やはりLVMHの傘下である「フレッド(FRED)」のチャールズ・レオン(Charles Leung)CEOが同日付で就任する。レオンCEOの後任は未定。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの長男であるアントワンは、非業務執行会長としてベルルッティに残るほか、グループ内で新たな要職に就くものと見られている。なお、同氏はほかにもロロ・ピアーナ(LORO PIANA)の会長や、LVMHのヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージに加えて、一族の持株会社であるクリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)のCEO兼副会長を務めるなど多くの役職を担っている。

「ベルルッティ」は1895年にパリで創業し、1993年にLVMHの傘下となった。売り上げの80%はフットウエアによるものだったが、2005年にはレザーグッズ分野に進出。11年にアントワンが現職に就任し、12年には初代のアーティスティック・ディレクターとなったアレッサンドロ・サルトリ(Alessandro Sartori)による初のランウエイショーを行なった。16年からはハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)が、18年から21年4月まではクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)がアーティスティック・ディレクターを務めたが、その後は同職を置かず、デザインスタジオがコレクションを制作している。なお、「ベルルッティ」は、24年にパリで開催される夏季オリンピック・パラリンピックの開会式に参加するフランスチームの公式ウエアをデザインすることを11月17日に発表した。

マンスヴェルトCEOは、1988年にロレアル(L'OREAL)でキャリアをスタート。2004年にレザーグッズおよびアクセサリー部門のディレクターとしてルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に加わった。その後、ロロ・ピアーナを経て、15年より現職。

レオンCEOは、カルティエ(CARTIER)のマーケティングやリテール部門で経験を積んだ後、06年にショーメに加わり、インターナショナル・セールス・アンド・ディストリビューション部門を率いていた。18年11月に現職に就任。

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「ベルルッティ」のアントワン・アルノーCEOが退任し非業務執行会長に 後任は「ショーメ」のCEO

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁する「ベルルッティ(BERLUTI)」のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)最高経営責任者(CEO)が退任することが明らかになった。後任は同じくLVMHが擁する「ショーメ(CHAUMET)」のジャンマルク・マンスヴェルト(Jean Marc Mansvelt)CEOで、米「WWD」によれば、2024年1月1日付で就任するという。なお、マンスヴェルトCEOの後任には、やはりLVMHの傘下である「フレッド(FRED)」のチャールズ・レオン(Charles Leung)CEOが同日付で就任する。レオンCEOの後任は未定。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの長男であるアントワンは、非業務執行会長としてベルルッティに残るほか、グループ内で新たな要職に就くものと見られている。なお、同氏はほかにもロロ・ピアーナ(LORO PIANA)の会長や、LVMHのヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージに加えて、一族の持株会社であるクリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)のCEO兼副会長を務めるなど多くの役職を担っている。

「ベルルッティ」は1895年にパリで創業し、1993年にLVMHの傘下となった。売り上げの80%はフットウエアによるものだったが、2005年にはレザーグッズ分野に進出。11年にアントワンが現職に就任し、12年には初代のアーティスティック・ディレクターとなったアレッサンドロ・サルトリ(Alessandro Sartori)による初のランウエイショーを行なった。16年からはハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)が、18年から21年4月まではクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)がアーティスティック・ディレクターを務めたが、その後は同職を置かず、デザインスタジオがコレクションを制作している。なお、「ベルルッティ」は、24年にパリで開催される夏季オリンピック・パラリンピックの開会式に参加するフランスチームの公式ウエアをデザインすることを11月17日に発表した。

マンスヴェルトCEOは、1988年にロレアル(L'OREAL)でキャリアをスタート。2004年にレザーグッズおよびアクセサリー部門のディレクターとしてルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に加わった。その後、ロロ・ピアーナを経て、15年より現職。

レオンCEOは、カルティエ(CARTIER)のマーケティングやリテール部門で経験を積んだ後、06年にショーメに加わり、インターナショナル・セールス・アンド・ディストリビューション部門を率いていた。18年11月に現職に就任。

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「カナダグース」、CEOら経営陣が期間限定で販売員に 店舗での“気づき”を経営に役立てる狙い

「カナダグース(CANADA GOOSE)」は、最高経営責任者(CEO)を含む経営陣が店舗で販売業務などを体験するプログラムを実施する。顧客や販売員と直接交流し、店舗での日常業務をより深く理解して経営に役立てることが狙いだという。

対象はカナダ、米国、欧州、アジア地域にある店舗で、期間は11月24日のブラックフライデーから1〜3週間の予定だ。参加するのは同社のCEOや社長をはじめ、最高財務責任者、最高マーケティング&エクスペリエンス責任者、最高人事責任者、最高デジタル責任者、事業戦略部門シニア・バイス・プレジデント、各地域の社長らの15人。接客や商品説明、会計、在庫管理や品出しなど多岐にわたる店舗業務を体験し、そこで得た気づきや学びを共有することで、顧客の買い物体験に関する施策“カナディアン・ウォームス(Canadian Warmth)”、マーチャンダイジング、店舗オペレーション、人材開発および表彰の4分野の改善を目指す。

キャリー・ベイカー(Carrie Baker)社長は、「『カナダグース』はそのブランドストーリーや買い物体験はもちろん、職場という意味でも非凡な存在だ。今回のプロジェクトはその好例であり、今後も店舗運営をさらに改善して成長していきたい」と語った。

同ブランドは、暖冬予報や北米および中国事業の不調などにより業績が減速。2023年7〜9月期(第2四半期)決算の売上高は前年同期比1.4%増(現地通貨ベースでは3%減)の2億8110万カナダドル(約300億円)とほぼ横ばいだったものの、販管費や物流などのコストがかさみ、営業利益は同89.3%減の230万カナダドル(約2億4600万円)、純利益は同18.0%減の410万カナダドル(約4億3800万円)と苦戦している。

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VFC傘下の「ヴァンズ」と「ティンバーランド」のトップが退任 後任はいずれも未定

「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION)で、人事刷新が続いている。

10月30日には、主力である「ヴァンズ」のケヴィン・ベイリー(Kevin Bailey)=グローバル・ブランド・プレジデントが退任を発表。今後はVFCのエグゼクティブ・リーダーシップ・チームの一員として、「ヴァンズ」の立て直しや各ブランドの北米事業の強化、全社的な経費削減などを主軸とした事業改革プロジェクト“リインベント(Reinvent)”を率いる。後任は未定で、当面はブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)VFC社長兼最高経営責任者(CEO)が「ヴァンズ」のトップの役割も担うという。

11月8日には、「ティンバーランド」のスージー・マルダー(Susie Mulder)=グローバル・ブランド・プレジデントが退任することが明らかに。同氏は2021年4月に現職として入社した。後任は未定で、当面はニナ・フラッド(Nina Flood)=ティンバーランドEMEA(欧州・中東・アフリカ)事業バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャーが暫定的に同ブランドを率いる。

VFCは伸び悩みが続いており、23年7~9月期(第2四半期)決算の売上高は前年同期比1.5%減の30億3420万ドル(約4520億円)だった。営業損益は前年同期の9081万ドル(約135億円)の赤字から3億6292万ドル(約540億円)の黒字となったものの、純損失は1億1843万ドル(約176億円)から4億5069万ドル(約671億円)に拡大している。

ブランド別に見ると、「ヴァンズ」は同21.4%減の7億4880万ドル(約1115億円)と引き続き苦戦し、「ティンバーランド」も同6.8%減の4億8860万ドル(約728億円)と減収だった。一方、好調な「ザ・ノース・フェイス」は同18.7%増の11億2880万ドル(約1681億円)と大幅に業績を伸ばし、「ヴァンズ」の売り上げを超える結果となった。

10月20日には、“物言う株主”として知られる米投資会社エンゲージド・キャピタル(ENGAGED CAPITAL)がVFCの株式を取得し、傘下ブランドの戦略的見直しなどを要求したと海外メディアが報じた。同社はVFCが20年11月に21億ドル(約3129億円)で買収した「シュプリーム」について「リスクマネジメントが崩壊したとしか思えない案件」と評し、「ヴァンズ」と「ザ・ノース・フェイス」以外の傘下ブランドの見直しに加えて、3億ドル(約447億円)以上の経費削減、「ヴァンズ」と「ザ・ノース・フェイス」に対するテコ入れ策として1億ドル(約149億円)程度の投資、経営陣の刷新などを提言したという。一連の報道を受けて、VFCは、「エンゲージド・キャピタルが当社の株主となったことや、その発言について認識している。ダレル社長兼CEOをはじめとする取締役会と経営陣は、全ての株主の利益のため、VFCのポジションを強化し、力強く持続的に成長する収益性の高い企業へと復活させるべく、直ちに断固たるアクションを取っていく」と声明を発表している。

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「ロンハーマン」が米LAのショップ閉店 サザビーリーグは米国本土からの撤退は否定

「ロンハーマン(RON HERMAN)」は12月23日、ロサンゼルス・メルローズ通り8100番地のショップを閉店する。「ロンハーマン」はすでに、ブレントウッドとマリブにある近隣の店舗もクローズしている。2019年に「ロンハーマン」事業を取得したサザビーリーグは、「ロンハーマンは、アメリカ事業の戦略的見直しを決め、ロサンゼルスの現行店舗を閉店し、カリフォルニアでのダイナミックなオン&オフライン戦略を再考する」旨を発表。アメリカ本土の事業から撤退する意向はないという。

ロンは20代のころ、ファッション業界でキャリアをスタート。叔父で1961年に自身の名前を冠したショップをオープンしたフレッド・シーガル(Fred Segal)に影響を受け、その後はメルローズ通りの「フレッド シーガル」を継承。ジーンズからTシャツ、デザイナーズブランドのシューズやバッグを網羅したショップへと進化させ、ショップ・イン・ショップのアイデアにも挑戦した。その後フレッド・シーガルは、ロンに事業全体を任せ、ロンは、社長に就任。サンタモニカに2号店をオープンするなど「フレッド シーガル」のビジネス拡大に貢献したが、76年に「ロンハーマン」をオープンして別の道を歩むことになった。

アイコニックなショップの閉店については、関係者から惜しむ声が上がっている。1984年にショップスタッフとしてキャリアをスタートし、ウィメンズ部門の副社長としてヘッドバイヤーも務めたジョン・エシャヤ(John Eshaya)は、「ロンハーマンは、カリフォルニアの才能溢れるデザイナーの発掘を担ってきた。そして、ファッション業界にロサンゼルスのスタイルを知らしめたんだ」と振り返る。LA発のシャツブランド「フランク&アイリーン(FRANK&EILEEN)」を創業したオードリー・マクローリン(Audrey McLoghlin)は、「ロンハーマンは、私のキャリア、そして『フランク&アイリーン』の成功に欠かせない存在だ。創業者のロンには先見の名があり、ショップは50年近くロサンゼルスにとってアイコニックな存在だ。ロスと日本、そしてファッション業界にとって、偉大な存在になるだろう」と語る。

メルローズ通りのショップは、閉店までセールを開催している。

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「ベルルッティ」、2024年パリ五輪フランスチームの開会式用の公式ウエアをデザイン

「ベルルッティ(BERLUTI)」は、2024年にパリで開催される夏季オリンピック・パラリンピック(以下、パリ五輪)の開会式に参加するフランスチームの公式ウエアをデザインすることを発表した。オリンピックの開会式は7月26日、パラリンピックは8月28日の予定。

アントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ベルルッティ最高経営責任者(CEO)は、「(21年に開催された)東京五輪の開会式はおよそ30億人が視聴したが、このような規模で当ブランドの職人たちの仕事を宣伝できる機会はほかにまずないだろう。これまでも素晴らしいアーティストやリーダーらに衣装を提供する栄誉に恵まれてきたとはいえ、フランスチームの公式ウエアを手掛けるのは新たなチャレンジだが、大変光栄で誇らしく思う」と語った。

同ブランドのデザインスタジオは、パリ五輪組織委員会のチームと連携し、数カ月前からデザインに着手しているという。同氏は「まだ詳細について発表する段階にない」としながらも、「『ベルルッティ』は、エレガンスを象徴するフランスのメゾンだ。上質で洗練されたシューズに加えて、ウエアやオーダーメードのコレクションでも高く評価されている。アスリートをはじめとする代表団が、開会式という一生の思い出となるイベントに参加するにあたり、真の意味でフランスの代表だと誇らしく感じるような衣装を提供するべく尽力する」と意気込みを述べた。

同ブランドを擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は7月、パリ五輪のプレミアムパートナーとしてスポンサー契約を締結した。契約料は非公開だが、情報筋によれば、1億5000万ユーロ(約241億円)程度ではないかという。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの長男であるアルノー=ベルルッティCEOは、ほかにもロロ・ピアーナ(LORO PIANA)の会長や、LVMHのヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージに加えて、一族の持株会社であるクリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)のCEO兼副会長を務めるなど多くの役職を持っている。そうした中でも、「『ベルルッティ』には愛着がある」ため、「LVMHがパリ五輪のプレミアムパートナーとなったときから、何らかの形で同ブランドが携わり、そのサヴォアフェール(受け継がれる職人技術)を広く紹介できないかと考えていた」と話した。なお、ほかの傘下ブランドでは、「ショーメ(CHAUMET)」がメダルのデザインを手掛けるほか、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「セフォラ(SEPHORA)」をはじめ、ワイン&スピリッツ部門のブランドなどが参加する予定だ。

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「ベルルッティ」、2024年パリ五輪フランスチームの開会式用の公式ウエアをデザイン

「ベルルッティ(BERLUTI)」は、2024年にパリで開催される夏季オリンピック・パラリンピック(以下、パリ五輪)の開会式に参加するフランスチームの公式ウエアをデザインすることを発表した。オリンピックの開会式は7月26日、パラリンピックは8月28日の予定。

アントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ベルルッティ最高経営責任者(CEO)は、「(21年に開催された)東京五輪の開会式はおよそ30億人が視聴したが、このような規模で当ブランドの職人たちの仕事を宣伝できる機会はほかにまずないだろう。これまでも素晴らしいアーティストやリーダーらに衣装を提供する栄誉に恵まれてきたとはいえ、フランスチームの公式ウエアを手掛けるのは新たなチャレンジだが、大変光栄で誇らしく思う」と語った。

同ブランドのデザインスタジオは、パリ五輪組織委員会のチームと連携し、数カ月前からデザインに着手しているという。同氏は「まだ詳細について発表する段階にない」としながらも、「『ベルルッティ』は、エレガンスを象徴するフランスのメゾンだ。上質で洗練されたシューズに加えて、ウエアやオーダーメードのコレクションでも高く評価されている。アスリートをはじめとする代表団が、開会式という一生の思い出となるイベントに参加するにあたり、真の意味でフランスの代表だと誇らしく感じるような衣装を提供するべく尽力する」と意気込みを述べた。

同ブランドを擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は7月、パリ五輪のプレミアムパートナーとしてスポンサー契約を締結した。契約料は非公開だが、情報筋によれば、1億5000万ユーロ(約241億円)程度ではないかという。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOの長男であるアルノー=ベルルッティCEOは、ほかにもロロ・ピアーナ(LORO PIANA)の会長や、LVMHのヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージに加えて、一族の持株会社であるクリスチャン ディオールSE(CHRISTIAN DIOR SE)のCEO兼副会長を務めるなど多くの役職を持っている。そうした中でも、「『ベルルッティ』には愛着がある」ため、「LVMHがパリ五輪のプレミアムパートナーとなったときから、何らかの形で同ブランドが携わり、そのサヴォアフェール(受け継がれる職人技術)を広く紹介できないかと考えていた」と話した。なお、ほかの傘下ブランドでは、「ショーメ(CHAUMET)」がメダルのデザインを手掛けるほか、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「セフォラ(SEPHORA)」をはじめ、ワイン&スピリッツ部門のブランドなどが参加する予定だ。

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カーリー・クロス、英誌「i-D」を買収 取引額は非公開

モデルで実業家のカーリー・クロス(Karlie Kloss)は、新会社ベッドフォード・メディア(BEDFORD MEDIA)を設立し、同社を通じて英国のファッション・カルチャー誌「i-D」を買収することを発表した。取引額は非公開。取引の成立後、クロスは「i-D」の最高経営責任者に就任。2019年からグローバル編集長を務めるアラステア・マッキム(Alastair McKimm)は、チーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)兼グローバル編集長に就任する。

「i-D」は、英「ヴォーグ(VOGUE)」のアート・ディレクターを務めていたテリー・ジョーンズ(Terry Jones)が1980年に創刊。パンク全盛期のロンドンのストリートファッションやカルチャーを取り扱い、カルト的な人気を博した。2012年にヴァイス・メディア・グループ(VICE MEDIA GROUP)の傘下となったが、同社は経営不振のため、今年5月に日本の民事再生法に相当する米国連邦破産法第11章を申請。6月には、投資会社から成る債権団によって3億5000万ドル(約528億円)で買収された。

クロスはトップモデルとして活躍すると同時に、実業家の顔も持つ。15年には、性別による経済格差の是正に取り組むべく、13〜18歳の女性(ノンバイナリーやジェンダークィアを含む)に無料でコーディングを教えるサマーキャンプを運営する非営利団体コード・ウィズ・クロッシー(KODE WITH KLOSSY)を設立。また、テック系のスタートアップなどに投資しているほか、20年には投資家のコンソーシアムを率いて米国のファッション誌「Wマガジン(W MAGAZINE)」を買収している。

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「アディダス」VS「トム ブラウン」のストライプ商標権侵害訴訟、「アディダス」が再審請求

「トム ブラウン(THOM BROWNE)」がアパレルなどに採用した4本線のストライプ柄やブランドのトレードマークでもあるトリコロールカラーのグログランリボンが「アディダス(ADIDAS)」の商標権を侵害しているなどとして、「アディダス」が「トム ブラウン」を提訴している件について、「アディダス」は「トム ブラウン」が重要な証拠を隠していたと主張し、再審請求した。

「アディダス」は、「トム ブラウン」が一審のディスカバリー(証拠開示手続き)期間中に4通のメールを「悪意をもって」開示しなかったと主張する。これらのメールは2016~19年の間に送られたもので、両社が英国で争っていた別の商標紛争で表面化した。従業員がデザイナーのトム・ブラウンに対して、「アディダス」の商品と混同を生じさせる可能性があるため、特定のストライプを使用しないよう注意喚起を行う内容だという。「トム ブラウン」は、これらのメールのうち3通はスペインのサッカーチームFCバルセロナのためにデザインしたアイテムに関連するメールで、残りの1通はアジアの小売店に関するものであり、4通全てが本件訴訟で問題となっている商品とは関連がなく、再審の必要はないと反論した。

「トム ブラウン」の反論に対して、「アディダス」は、これらのメールは本件訴訟と「関連性が高く」、米国の消費者の混乱を招く可能性があり、もしこれらのメールが一審で陪審員に提出されていれば、「裁判の結果が変わっていた可能性が高い」と主張した。「トム ブラウン」は米WWDの取材に対して、「反論でも述べた通り、問題となっているメールは意図的に隠したものではなく、アディダスの主張はいずれも陪審員の評決を無視するほどのものではない」とコメントした。

双方の主張を踏まえ、裁判所が再審を行うかを検討する。結論を出すまでのタイムラインは開示されていない。

「アディダス」は、「トム ブラウン」がアパレルなどに採用した4本線のストライプ柄やブランドのトレードマークでもあるトリコロールカラーのグログランリボンが「アディダス」の商標権を侵害しているなどとして、約800万ドル(約11億6800万円)の損害賠償を求めて「トム ブラウン」を提訴していたが、今年1月、8人の裁判員は「トム ブラウン」の商標権侵害を否定していた。

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PVHコープ、傘下の3ブランドを売却 今後は「カルバン・クライン」と「トミー ヒルフィガー」に注力

「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」などを擁するPVHコープ(PVH CORP以下、PVH)は、傘下のアンダーウエアブランド「ワーナーズ(WARNER'S)」「オルガ(OLGA)」「トゥルー&コー(TRUE & CO.)」を、アパレルの開発やOEM(相手先ブランドの生産)を行うベーシック・リソーシズ(BASIC RESOURCES)に売却する。取引額は1億6000万ドル(約241億円)。ベーシック・リソーシズはこれをキャッシュで支払うほか、3ブランドの一定期間の売上高に応じて最大1000万ドル(約15億円)を追加で支払う。取引は今月中に完了する見込み。

ステファン・ラーソン(Stefan Larsson)PVH最高経営責任者(CEO)は、「今回の取引は、主力の『カルバン・クライン』と『トミー ヒルフィガー』を世界で最も好まれるライフスタイルブランドに育て上げることを軸とした中期的な事業戦略“PVH+ プラン(PVH+ Plan)”の一環であり、次の段階に進むための重要なステップだ。『ワーナーズ』『オルガ』『トゥルー&コー』をこれまで育ててくれたチームに心から感謝する。当社の長年のパートナーであるベーシック・リソーシズであれば、この3ブランドをさらに発展させてくれると確信している」と語った。なお、今回の売却益は自社株買いに充てる予定だという。

PVHは、2021年7月に「ヴァン ヒューゼン(VAN HEUSEN)」「アイゾッド(IZOD)」「ジェフリー ビーン(GEOFFREY BEENE)」「アロー(ARROW)」の知的財産権やその他の資産をブランドマネジメント会社オーセンティック・ブランズ・グループ(​AUTHENTIC BRANDS GROUP)に2億2000万ドル(約332億円)で売却し、ヘリテージブランド事業を終了した。今後は、売上高の約90%を占める「カルバン・クライン」と「トミー ヒルフィガー」に完全に注力する。なお、同社は11月8日、「トミー ヒルフィガー」の新たなグローバル・ブランド・プレジデントとして、「コス(COS)」のマネージング・ディレクターを務めているリー・リッツ・ゴールドマン(Lea Rytz Goldman)を任命。同氏はラーソンCEOの直属となり、24年春までに着任する。

ベーシック・リソーシズは1993年の設立で、アパレルの製造、販売、マーケティングを手掛けている。取引先は「カルバン・クライン」「トミー ヒルフィガー」「ヴァン ヒューゼン」などPVHが擁するブランドのほか、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「コール ハーン(COLE HAAN)」「リーボック(REEBOK)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」など。

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中国「独身の日」セール、2023年のGMVは2%増と伸び悩み 景気回復の遅れが響く

中国の「独身の日(シングルデー)」に合わせ、EC企業各社は今年も11月11日まで大規模なセールを行なった。企業によって日程に多少の違いはあるものの、おおよそ2週間以上にわたって開催され、中国の最大手EC企業アリババ(ALIBABA)や同2位のJDドットコム(JD.COM)は「商品取扱高(GMV)や注文数は前年を上回った」と発表。両社とも2022年から「独身の日」に関する詳細な実績の公表を取りやめているが、中国の調査会社、星図数据(SYNTUN)によれば、主要EC企業によるGMVは前年比2.0%増の1兆1386億人民元(約23兆9106億円)にとどまった。また、10〜11日の売り上げは前年同期比9.7%減の2776億人民元(約6兆6624億円)だったという。

同社の調査によれば、アリババが運営するEC「Tモール(T MALL)」が売り上げ全体のおよそ60.0%を占め、JDドットコムは27.8%、同3位のEC企業ピンデュオデュオ(拼多多、PINDUODUO)は7.3%、その他のプラットフォームは4.7%だった。

中国経済の回復の遅れを背景に、全般的に節約志向が高まっていることを踏まえ、各社とも例年よりさらに“お得感”を強調する戦略を取っている。アリババは、300人民元(約6300円)分の商品を購入するごとに50人民元(約1050円)の値引きを行なったほか、「Tモール」上で「プラダ(PRADA)」や「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のシューズが時間限定で30~50%オフになるフラッシュセールなどを実施。また、競合のJDドットコムやピンデュオデュオ、中国版ティックトックのドウイン(Douyin、抖音)のECとリアルタイムで価格を比較して最安値で商品を提供する、AIを駆使した価格分析機能を試験的に導入した。「Tモール」によれば、同機能によって約400ブランドがGMVで1億人民元(約21億円)を突破し、約3万8000ブランドが昨年のおよそ2倍のGMVとなったという。JDドットコムは、自社による初のライブ配信プログラムなどで安値をアピールした。

米大手コンサルティング会社ベイン&カンパニー(BAIN & COMPANY)が中国の消費者3000人以上を対象に調査し、11月初旬に発表したリポートによれば、回答者の77%が「『独身の日』セールに昨年と同額もしくはより少ない金額を使う」とし、71%は「2023年中は買い物での支出を昨年と同額程度もしくはより少なく抑える」と答えている。

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「ブシュロン」がハイジュエリーの専門アトリエを買収 「需要増に応えるため」とCEO

パリの老舗ジュエラー「ブシュロン(BOUCHERON)」は11月6日、パリを拠点とするハイジュエリー専門のアトリエを買収した。金額など取引の詳細は非公開。

ハイジュエラーやその工房が立ち並ぶヴァンドーム広場にある同アトリエは、ジュエリーメーカーのエタブリスマン・E・ブロンドー(ETABLISSEMENTS E. BLONDEAU)、ベルター(BELTER)、シャンソン & シー(CHANAON & CIE)、FGデブロプマン(FG DEVELOPPEMENT)の4社を擁しており、CADデザイナーや、宝石の加工、セット、研磨などを行う約60人の職人が在籍。今後は、「ブシュロン」のアトリエの職人らと共にハイジュエリーの製作に携わる。

エレーヌ・プリ・デュケン(Helene Poulit Duquesne)=ブシュロン最高経営責任者は、「今回の取引は、歴史ある当ブランドの生産力を向上させることが目的だ。最高のクラフツマンシップを維持しつつ、需要増に応えることが可能になる」と語った。なお、同ブランドがジュエリーのアトリエを買収するのは今回が初めて。

「ブシュロン」の親会社であるケリング(KERING)の2023年7〜9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比13.1%減の44億6400万ユーロ(約7142億円)と不調だった。これは主力の「グッチ(GUCCI)」をはじめ、「サンローラン(SAINT LAURENT)」や「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などが軒並み減収だったことによるが、その他のブランド部門に属する「ブシュロン」については「ハイジュエリーやメインコレクションが好評で、業績も好調だった」としている。

近年、ラグジュアリーブランドでは、高度に訓練された職人を確保し、技術やノウハウを次世代に継承するため、職人を育成する専門学校の設立やアトリエ買収などの動きが加速している。LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は22年11月、ジュエリーの大規模生産を得意とするヴィラ・ペデモンテ・アトリエ(VILLA PEDEMONTE ATELIER)や、金細工を専門とするヴェンドラファ・ロンバルディ(VENDORAFA LOMBARDI)などを擁するイタリアのジュエリーメーカー、ペデモンテ・グループ(PEDEMONTE GROUP)を買収。23年4月には、傘下ブランドである「ティファニー(TIFFANY & CO.)」の生産力を高めることを主な目的として、フランスのジュエリーメーカー、プラチナ・インベスト・グループ(PLATINUM INVEST GROUP)の過半数株式を取得した。 また、LVMHが擁する「ディオール(DIOR)」も、フランスのジュエリーメーカー2社を買収している。

一方、ジュエリーやウオッチなどのハードラグジュアリーを得意とするコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)の傘下である「カルティエ(CARTIER)」と「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」は、現在のところハイジュエリーのアトリエを買収する予定はないものの、新たな自社アトリエを設立したり、職人のトレーニングプログラムを強化したりしているという。

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「ブシュロン」がハイジュエリーの専門アトリエを買収 「需要増に応えるため」とCEO

パリの老舗ジュエラー「ブシュロン(BOUCHERON)」は11月6日、パリを拠点とするハイジュエリー専門のアトリエを買収した。金額など取引の詳細は非公開。

ハイジュエラーやその工房が立ち並ぶヴァンドーム広場にある同アトリエは、ジュエリーメーカーのエタブリスマン・E・ブロンドー(ETABLISSEMENTS E. BLONDEAU)、ベルター(BELTER)、シャンソン & シー(CHANAON & CIE)、FGデブロプマン(FG DEVELOPPEMENT)の4社を擁しており、CADデザイナーや、宝石の加工、セット、研磨などを行う約60人の職人が在籍。今後は、「ブシュロン」のアトリエの職人らと共にハイジュエリーの製作に携わる。

エレーヌ・プリ・デュケン(Helene Poulit Duquesne)=ブシュロン最高経営責任者は、「今回の取引は、歴史ある当ブランドの生産力を向上させることが目的だ。最高のクラフツマンシップを維持しつつ、需要増に応えることが可能になる」と語った。なお、同ブランドがジュエリーのアトリエを買収するのは今回が初めて。

「ブシュロン」の親会社であるケリング(KERING)の2023年7〜9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比13.1%減の44億6400万ユーロ(約7142億円)と不調だった。これは主力の「グッチ(GUCCI)」をはじめ、「サンローラン(SAINT LAURENT)」や「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などが軒並み減収だったことによるが、その他のブランド部門に属する「ブシュロン」については「ハイジュエリーやメインコレクションが好評で、業績も好調だった」としている。

近年、ラグジュアリーブランドでは、高度に訓練された職人を確保し、技術やノウハウを次世代に継承するため、職人を育成する専門学校の設立やアトリエ買収などの動きが加速している。LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は22年11月、ジュエリーの大規模生産を得意とするヴィラ・ペデモンテ・アトリエ(VILLA PEDEMONTE ATELIER)や、金細工を専門とするヴェンドラファ・ロンバルディ(VENDORAFA LOMBARDI)などを擁するイタリアのジュエリーメーカー、ペデモンテ・グループ(PEDEMONTE GROUP)を買収。23年4月には、傘下ブランドである「ティファニー(TIFFANY & CO.)」の生産力を高めることを主な目的として、フランスのジュエリーメーカー、プラチナ・インベスト・グループ(PLATINUM INVEST GROUP)の過半数株式を取得した。 また、LVMHが擁する「ディオール(DIOR)」も、フランスのジュエリーメーカー2社を買収している。

一方、ジュエリーやウオッチなどのハードラグジュアリーを得意とするコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)の傘下である「カルティエ(CARTIER)」と「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」は、現在のところハイジュエリーのアトリエを買収する予定はないものの、新たな自社アトリエを設立したり、職人のトレーニングプログラムを強化したりしているという。

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アマゾンとプラダ グループなど、模倣品販売業者の取り締まりについて中国当局に協力

中国の裁判所は、アマゾン(AMAZON)のマーケットプレイスで模倣品を販売した業者に懲役3年、罰金2万5000ドル(約372万円)、さらに模倣品販売で得た売上全額の没収を言い渡した。本件はアマゾンが2021年に開始した調査の一環で、プラダ グループ(PRADA GROUP)を筆頭にブランド名は非公表だが複数のラグジュアリーブランドがアマゾンに協力している。模倣品の販売総額は公表されていない。

刑事判決は、捜索によって偽造行為の証拠が発見された場合に下るのが一般的だ。しかし今回は、アマゾンおよびプラダ グループを含むラグジュアリーブランドから提供された情報を重視した。

アマゾンが昨年4月に発表したブランド保護報告書によると、同社の模倣品対策により、アマゾンのマーケットプレイスやその他の店舗に出回る600万点の模倣品が排除され、約80万件の不正アカウントがプラットフォーム上に出店するのを阻止したという。

アマゾンは20年に模倣品犯罪対策部門(Counterfeit Crimes Unit、CCU)を発足。裁判所や法執行機関を通じて模倣品業者の責任を追及する体制を作った。22年には、米国、英国、EU、中国において1300件以上の容疑者を告訴または捜査依頼を実施している。

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アマゾンとプラダ グループなど、模倣品販売業者の取り締まりについて中国当局に協力

中国の裁判所は、アマゾン(AMAZON)のマーケットプレイスで模倣品を販売した業者に懲役3年、罰金2万5000ドル(約372万円)、さらに模倣品販売で得た売上全額の没収を言い渡した。本件はアマゾンが2021年に開始した調査の一環で、プラダ グループ(PRADA GROUP)を筆頭にブランド名は非公表だが複数のラグジュアリーブランドがアマゾンに協力している。模倣品の販売総額は公表されていない。

刑事判決は、捜索によって偽造行為の証拠が発見された場合に下るのが一般的だ。しかし今回は、アマゾンおよびプラダ グループを含むラグジュアリーブランドから提供された情報を重視した。

アマゾンが昨年4月に発表したブランド保護報告書によると、同社の模倣品対策により、アマゾンのマーケットプレイスやその他の店舗に出回る600万点の模倣品が排除され、約80万件の不正アカウントがプラットフォーム上に出店するのを阻止したという。

アマゾンは20年に模倣品犯罪対策部門(Counterfeit Crimes Unit、CCU)を発足。裁判所や法執行機関を通じて模倣品業者の責任を追及する体制を作った。22年には、米国、英国、EU、中国において1300件以上の容疑者を告訴または捜査依頼を実施している。

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アマゾンとプラダ グループなど、模倣品販売業者の取り締まりについて中国当局に協力

中国の裁判所は、アマゾン(AMAZON)のマーケットプレイスで模倣品を販売した業者に懲役3年、罰金2万5000ドル(約372万円)、さらに模倣品販売で得た売上全額の没収を言い渡した。本件はアマゾンが2021年に開始した調査の一環で、プラダ グループ(PRADA GROUP)を筆頭にブランド名は非公表だが複数のラグジュアリーブランドがアマゾンに協力している。模倣品の販売総額は公表されていない。

刑事判決は、捜索によって偽造行為の証拠が発見された場合に下るのが一般的だ。しかし今回は、アマゾンおよびプラダ グループを含むラグジュアリーブランドから提供された情報を重視した。

アマゾンが昨年4月に発表したブランド保護報告書によると、同社の模倣品対策により、アマゾンのマーケットプレイスやその他の店舗に出回る600万点の模倣品が排除され、約80万件の不正アカウントがプラットフォーム上に出店するのを阻止したという。

アマゾンは20年に模倣品犯罪対策部門(Counterfeit Crimes Unit、CCU)を発足。裁判所や法執行機関を通じて模倣品業者の責任を追及する体制を作った。22年には、米国、英国、EU、中国において1300件以上の容疑者を告訴または捜査依頼を実施している。

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「フィービー ファイロ」がついにベールを脱ぐ 公式サイトで発売開始

デザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)による新ブランド「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」が遂にベールを脱いだ。10月27日の金曜日にロンドンのショールームで1対1のアポイント制でメディアを招いてデビューコレクションを披露。服はラックにかけ、ジュエリーや靴、バッグ、アイウエアはテーブルに並べてお披露目した。フィービー自身の姿はそこにはなかった。

上質な素材使いと完璧なシルエット、ボリュームや質感で加える華やかさ、女性らしいシルエットが特徴で、色は黒、白、オリーブ、オックスブラッドと呼ばれる赤に限られている。ほどんと飾り気のない、 ときに“修道服”のようなラインアップを見て “クワイエット・ラグジュアリー”という言葉思い浮かぶ人が多いかもしれないが、よくよく見れば一点一点、細部までよく考えられたドラマチックな服であることがわかる。

「セリーヌ」時代にフィービーが好んだアイテムをアップデート

メンズライクなダブルブレストのパンツスーツやハイネックの肉厚サテンのブラウス、オーバーサイズのボンバージャケット、ベルスリーブのドレスなど、「セリーヌ(CELINE)」時代にフィービーが好んだ素材やアイテムを多用しつつ、そこに入れるさまざまなひねりが2023年の空気を注いでいる。5ポケットのテーラードパンツは、膝を包み込むようにボンデージ風の装飾をあしらい、ジッパーで大胆なスリットを入れる。キーアイテムの一つであるボンバージャケットはウエストを砂時計のように極端にくびれさせている。4ウエイストレッチのレギンスや大胆なグラフィックを散りばめたスキーセーターといったスポーツの要素が躍動感を、糸のような刺しゅうをびっしりと施したコートや輝く装飾を散りばめたボディスーツが華やかさを添える。

購入はウエブサイトからのみ。春には第2弾が登場

アクセサリーは、電子レンジが入るほどの大きなレザーのトートバッグやオーバーサイズのサングラス、アール・デコ風のイヤリングなど。23金のネックレスは「Mum」の文字が連なるように刻印されており、3人の子供の母としてフィービーの誇りも感じさせる。

フィービーはこのデビューコレクションを“エディット”と呼んでおり、シーズンレスで継続的なコレクションの一部と位置付けている。150のアイテムは3回に分けてデリバリーし、ウエブサイトからのみ購入できる。第2弾は2024年春に登場する。

サステナビリティに関するメッセージも発表

今後も従来のファッションカレンダーではなく自身のスケジュールで発表をする予定だ。これは過剰生産を避けることが一つの目的でサステナビリティについて次のようなメッセージを発表している。「全体的な環境への影響に取り組むという決意の一環として、私たちは過剰消費、廃棄物、ファッションのサプライチェーンといった物質的な問題に焦点を当てています。私たちの目標は、永続性を反映した製品を作ることです。『フィービー ファイロ』のビジネスモデルは、生産と需要の間に責任あるバランスを生み出すように設計されています。つまり、需要の見込みより少なく生産するということです」。

インスタグラム・アカウントは現在投稿がないが、28万7000人のフォロワーを誇り、その多くが最新情報を受け取るために公式サイトphoebephilo.comに登録しているようだ。ウエブサイトで公開しているキャンペーンイメージには、ギリシャのアテネでストリートキャスティングした人物や、フィービーのお気に入りであるカナダ人モデルのダリア・ウェーボウィ(Daria Werbowy)を起用した。

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「フィービー ファイロ」がついにベールを脱ぐ 公式サイトで発売開始

デザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)による新ブランド「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」が遂にベールを脱いだ。10月27日の金曜日にロンドンのショールームで1対1のアポイント制でメディアを招いてデビューコレクションを披露。服はラックにかけ、ジュエリーや靴、バッグ、アイウエアはテーブルに並べてお披露目した。フィービー自身の姿はそこにはなかった。

上質な素材使いと完璧なシルエット、ボリュームや質感で加える華やかさ、女性らしいシルエットが特徴で、色は黒、白、オリーブ、オックスブラッドと呼ばれる赤に限られている。ほどんと飾り気のない、 ときに“修道服”のようなラインアップを見て “クワイエット・ラグジュアリー”という言葉思い浮かぶ人が多いかもしれないが、よくよく見れば一点一点、細部までよく考えられたドラマチックな服であることがわかる。

「セリーヌ」時代にフィービーが好んだアイテムをアップデート

メンズライクなダブルブレストのパンツスーツやハイネックの肉厚サテンのブラウス、オーバーサイズのボンバージャケット、ベルスリーブのドレスなど、「セリーヌ(CELINE)」時代にフィービーが好んだ素材やアイテムを多用しつつ、そこに入れるさまざまなひねりが2023年の空気を注いでいる。5ポケットのテーラードパンツは、膝を包み込むようにボンデージ風の装飾をあしらい、ジッパーで大胆なスリットを入れる。キーアイテムの一つであるボンバージャケットはウエストを砂時計のように極端にくびれさせている。4ウエイストレッチのレギンスや大胆なグラフィックを散りばめたスキーセーターといったスポーツの要素が躍動感を、糸のような刺しゅうをびっしりと施したコートや輝く装飾を散りばめたボディスーツが華やかさを添える。

購入はウエブサイトからのみ。春には第2弾が登場

アクセサリーは、電子レンジが入るほどの大きなレザーのトートバッグやオーバーサイズのサングラス、アール・デコ風のイヤリングなど。23金のネックレスは「Mum」の文字が連なるように刻印されており、3人の子供の母としてフィービーの誇りも感じさせる。

フィービーはこのデビューコレクションを“エディット”と呼んでおり、シーズンレスで継続的なコレクションの一部と位置付けている。150のアイテムは3回に分けてデリバリーし、ウエブサイトからのみ購入できる。第2弾は2024年春に登場する。

サステナビリティに関するメッセージも発表

今後も従来のファッションカレンダーではなく自身のスケジュールで発表をする予定だ。これは過剰生産を避けることが一つの目的でサステナビリティについて次のようなメッセージを発表している。「全体的な環境への影響に取り組むという決意の一環として、私たちは過剰消費、廃棄物、ファッションのサプライチェーンといった物質的な問題に焦点を当てています。私たちの目標は、永続性を反映した製品を作ることです。『フィービー ファイロ』のビジネスモデルは、生産と需要の間に責任あるバランスを生み出すように設計されています。つまり、需要の見込みより少なく生産するということです」。

インスタグラム・アカウントは現在投稿がないが、28万7000人のフォロワーを誇り、その多くが最新情報を受け取るために公式サイトphoebephilo.comに登録しているようだ。ウエブサイトで公開しているキャンペーンイメージには、ギリシャのアテネでストリートキャスティングした人物や、フィービーのお気に入りであるカナダ人モデルのダリア・ウェーボウィ(Daria Werbowy)を起用した。

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「フィービー ファイロ」がついにベールを脱ぐ 公式サイトで発売開始

デザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)による新ブランド「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」が遂にベールを脱いだ。10月27日の金曜日にロンドンのショールームで1対1のアポイント制でメディアを招いてデビューコレクションを披露。服はラックにかけ、ジュエリーや靴、バッグ、アイウエアはテーブルに並べてお披露目した。フィービー自身の姿はそこにはなかった。

上質な素材使いと完璧なシルエット、ボリュームや質感で加える華やかさ、女性らしいシルエットが特徴で、色は黒、白、オリーブ、オックスブラッドと呼ばれる赤に限られている。ほどんと飾り気のない、 ときに“修道服”のようなラインアップを見て “クワイエット・ラグジュアリー”という言葉思い浮かぶ人が多いかもしれないが、よくよく見れば一点一点、細部までよく考えられたドラマチックな服であることがわかる。

「セリーヌ」時代にフィービーが好んだアイテムをアップデート

メンズライクなダブルブレストのパンツスーツやハイネックの肉厚サテンのブラウス、オーバーサイズのボンバージャケット、ベルスリーブのドレスなど、「セリーヌ(CELINE)」時代にフィービーが好んだ素材やアイテムを多用しつつ、そこに入れるさまざまなひねりが2023年の空気を注いでいる。5ポケットのテーラードパンツは、膝を包み込むようにボンデージ風の装飾をあしらい、ジッパーで大胆なスリットを入れる。キーアイテムの一つであるボンバージャケットはウエストを砂時計のように極端にくびれさせている。4ウエイストレッチのレギンスや大胆なグラフィックを散りばめたスキーセーターといったスポーツの要素が躍動感を、糸のような刺しゅうをびっしりと施したコートや輝く装飾を散りばめたボディスーツが華やかさを添える。

購入はウエブサイトからのみ。春には第2弾が登場

アクセサリーは、電子レンジが入るほどの大きなレザーのトートバッグやオーバーサイズのサングラス、アール・デコ風のイヤリングなど。23金のネックレスは「Mum」の文字が連なるように刻印されており、3人の子供の母としてフィービーの誇りも感じさせる。

フィービーはこのデビューコレクションを“エディット”と呼んでおり、シーズンレスで継続的なコレクションの一部と位置付けている。150のアイテムは3回に分けてデリバリーし、ウエブサイトからのみ購入できる。第2弾は2024年春に登場する。

サステナビリティに関するメッセージも発表

今後も従来のファッションカレンダーではなく自身のスケジュールで発表をする予定だ。これは過剰生産を避けることが一つの目的でサステナビリティについて次のようなメッセージを発表している。「全体的な環境への影響に取り組むという決意の一環として、私たちは過剰消費、廃棄物、ファッションのサプライチェーンといった物質的な問題に焦点を当てています。私たちの目標は、永続性を反映した製品を作ることです。『フィービー ファイロ』のビジネスモデルは、生産と需要の間に責任あるバランスを生み出すように設計されています。つまり、需要の見込みより少なく生産するということです」。

インスタグラム・アカウントは現在投稿がないが、28万7000人のフォロワーを誇り、その多くが最新情報を受け取るために公式サイトphoebephilo.comに登録しているようだ。ウエブサイトで公開しているキャンペーンイメージには、ギリシャのアテネでストリートキャスティングした人物や、フィービーのお気に入りであるカナダ人モデルのダリア・ウェーボウィ(Daria Werbowy)を起用した。

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「フィービー ファイロ」がついにベールを脱ぐ 公式サイトで発売開始

デザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)による新ブランド「フィービー ファイロ(PHOEBE PHILO)」が遂にベールを脱いだ。10月27日の金曜日にロンドンのショールームで1対1のアポイント制でメディアを招いてデビューコレクションを披露。服はラックにかけ、ジュエリーや靴、バッグ、アイウエアはテーブルに並べてお披露目した。フィービー自身の姿はそこにはなかった。

上質な素材使いと完璧なシルエット、ボリュームや質感で加える華やかさ、女性らしいシルエットが特徴で、色は黒、白、オリーブ、オックスブラッドと呼ばれる赤に限られている。ほどんと飾り気のない、 ときに“修道服”のようなラインアップを見て “クワイエット・ラグジュアリー”という言葉思い浮かぶ人が多いかもしれないが、よくよく見れば一点一点、細部までよく考えられたドラマチックな服であることがわかる。

「セリーヌ」時代にフィービーが好んだアイテムをアップデート

メンズライクなダブルブレストのパンツスーツやハイネックの肉厚サテンのブラウス、オーバーサイズのボンバージャケット、ベルスリーブのドレスなど、「セリーヌ(CELINE)」時代にフィービーが好んだ素材やアイテムを多用しつつ、そこに入れるさまざまなひねりが2023年の空気を注いでいる。5ポケットのテーラードパンツは、膝を包み込むようにボンデージ風の装飾をあしらい、ジッパーで大胆なスリットを入れる。キーアイテムの一つであるボンバージャケットはウエストを砂時計のように極端にくびれさせている。4ウエイストレッチのレギンスや大胆なグラフィックを散りばめたスキーセーターといったスポーツの要素が躍動感を、糸のような刺しゅうをびっしりと施したコートや輝く装飾を散りばめたボディスーツが華やかさを添える。

購入はウエブサイトからのみ。春には第2弾が登場

アクセサリーは、電子レンジが入るほどの大きなレザーのトートバッグやオーバーサイズのサングラス、アール・デコ風のイヤリングなど。23金のネックレスは「Mum」の文字が連なるように刻印されており、3人の子供の母としてフィービーの誇りも感じさせる。

フィービーはこのデビューコレクションを“エディット”と呼んでおり、シーズンレスで継続的なコレクションの一部と位置付けている。150のアイテムは3回に分けてデリバリーし、ウエブサイトからのみ購入できる。第2弾は2024年春に登場する。

サステナビリティに関するメッセージも発表

今後も従来のファッションカレンダーではなく自身のスケジュールで発表をする予定だ。これは過剰生産を避けることが一つの目的でサステナビリティについて次のようなメッセージを発表している。「全体的な環境への影響に取り組むという決意の一環として、私たちは過剰消費、廃棄物、ファッションのサプライチェーンといった物質的な問題に焦点を当てています。私たちの目標は、永続性を反映した製品を作ることです。『フィービー ファイロ』のビジネスモデルは、生産と需要の間に責任あるバランスを生み出すように設計されています。つまり、需要の見込みより少なく生産するということです」。

インスタグラム・アカウントは現在投稿がないが、28万7000人のフォロワーを誇り、その多くが最新情報を受け取るために公式サイトphoebephilo.comに登録しているようだ。ウエブサイトで公開しているキャンペーンイメージには、ギリシャのアテネでストリートキャスティングした人物や、フィービーのお気に入りであるカナダ人モデルのダリア・ウェーボウィ(Daria Werbowy)を起用した。

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「シーイン」、英ファストファッション「ミスガイデッド」を買収 金額は非公開

グローバルSPAの「シーイン(SHEIN)」は10月30日、英ファストファッションブランド「ミスガイデッド(MISSGUIDED)」を、英小売フレーザーズ・グループ(FRASERS GROUP)から買収した。取引額は明らかになっていない。

「シーイン」は、「ミスガイデッド」の知的財産について、「シーイン」と「ミスガイデッド」の創業者が共同で設立したジョイントベンチャーとライセンス契約を締結。今後、「ミスガイデッド」の運営は同ジョイントベンチャーが行う。商品やコレクションの生産は「シーイン」が手掛け、販売は「ミスガイデッド」のECのほか、独立したブランドとして「シーイン」のオンラインストアでも取り扱う。

「ミスガイデッド」は、英国・マンチェスターで2009年に設立。ウィメンズ向けのファストファッションブランドとして急成長したものの、サプライチェーンの問題などで業績不振に陥り、22年5月に管財人の管理下に置かれた。同年6月、英百貨店ハウス・オブ・フレーザー(HOUSE OF FRASER)などを擁するフレーザーズ・グループが2000万ポンド(約36億円)で買収。当時、「シーイン」のほか、英ファストファッションブランド「ブーフー(BOOHOO)」や、英スポーツ用品小売のJDスポーツ(JD SPORTS)なども買い手候補に挙がっていた。

「シーイン」は、「フォーエバー21(FOREVER 21)」のアパレルデザインや生産などについて、同ブランドの親会社である米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)と長期的なパートナーシップ契約を10月27日に締結したばかり。また、それに先立ち、8月には米国で「フォーエバー21」の運営を行なっているスパーク・グループ(SPARC GROUP以下、スパーク)の株式のおよそ3分の1を取得。その際、スパークも「シーイン」の少数株主となっている。スパークは、ABGと米不動産投資信託会社のサイモン・プロパティー・グループ(SIMON PROPERTY GROUP)が設立した合弁会社。

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米ブランド管理会社ABG、「シーイン」と提携 傘下「フォーエバー21」の生産や共同ブランドの立ち上げなど

米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)は、傘下ブランド「フォーエバー21(FOREVER 21)」のライフスタイルおよびファッションカテゴリーにおいて、グローバルSPAブランド「シーイン(SHEIN)」と長期的なパートナーシップ契約を締結した。これにより、「シーイン」は「フォーエバー21」のスポーツウエア、アクティブウエア、スイムウエアを含むアパレルとアクセサリーのデザイン、製造、流通を手掛けることになる。また、共同ブランド「フォーエバー21 ✕ シーイン」を立ち上げ、米国と一部の欧州およびオーストラリアの「シーイン」オンラインストアで販売する。

「フォーエバー21」は、2019年9月に日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を申請し、競売にかけられた。20年2月、ABGと米不動産投資信託会社のサイモン・プロパティー・グループ(SIMON PROPERTY GROUP以下、サイモン)および同ブルックフィールド・プロパティー・パートナーズ(BROOKFIELD PROPERTY PARTNERS)の3社連合が8110万ドル(約120億円)で入札。その後、連邦破産裁判所の承認を得て3社連合への売却が決定した。なお、米国における「フォーエバー21」の運営は、ABGとサイモンが設立した合弁会社スパーク・グループ(SPARC GROUP以下、スパーク)が行なっているが、「シーイン」は23年8月にスパークの株式のおよそ3分の1を取得。その際、スパークも「シーイン」の少数株主となっている。

ジェイミー・ソルター(Jamie Salter)ABG会長兼最高経営責任者(CEO)によれば、今回の提携は主にオンライン事業に関するものだが、実店舗での取り扱いを含めてさまざまな展開を考えているという。その一環として、すでにカリフォリニア州のショッピングモール、オンタリオミルズ(Ontario Mills)にある「フォーエバー21」の店内で「シーイン」のポップアップをを行い、大成功を収めたとコメント。「今後、さらにこうしたポップアップを増やしていく。また、『シーイン』の商品を(『フォーエバー21』の)店頭でも返品できるようにするなど、さまざまなアイデアを計画中だ」。同氏はまた、ABGが擁するほかのブランドと「シーイン」の提携も検討していると述べた。

ABGは、「フォーエバー21」に加えて、「リーボック(REEBOK)」「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「テッドベーカー(TED BAKER)」や、スポーツ月刊誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」など、さまざまなカテゴリーで多数のブランドを保有している。4月には「クイックシルバー(QUIKSILVER)」「ビラボン(BILLABONG)」「ロキシー(ROXY)」「DCシューズ(DC SHOES)」などを擁する米サーフウエア会社ボードライダーズ(BOARDRIDERS)を、6月にはラバーブーツで知られる英ブランド「ハンター(HUNTER)」の知的財産権を買収した。

常に傘下ブランドを増やすことを考えているというソルター会長兼CEOは、今後について、「当社の事業の25%はエンターテインメント関連だが、これを50%に引き上げたいので、特にキッズ向けのエンターテインメント企業の買収を検討している。アパレルでは、『チャンピオン(CHAMPION)』に関心がある。また、仮にVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)が傘下ブランドを手放すのであれば、それらの買収にも大いに関心がある」と述べた。VFCは「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁しているが、業績が芳しくないことから、“物言う株主”から傘下ブランドの見直しを迫られたと報じられている。

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ゲスの創業者の1人が引退 創業者のマルシアーノ4兄弟とは

ゲス(GUESS)の創業者の1人、モーリス・マルシアーノ(Maurice Marciano、74歳)が取締役を退任した。ゲスは、1981年にマルシアーノ4兄弟が創業。モーリスの引退で兄弟のうち現役なのはチーフ・クリエイティブ・ディレクターのポール・マルシアーノ(Paul Marciano、71歳)のみとなる。

今回退任したモーリスは、1993年から2007年まで同社の最高経営責任者(CEO)を務めてきた人物。20年に自転車事故で重傷を負い、話すこともままならなくなった。厳しいリハビリと治療のため、当時は取締役会の非常勤会長を退いたが、取締役会に残った。

創業当時から会社を率いていたジョルジュ・マルシアーノ(Georges Marciano、76歳)は、1990年代前半に退社した。その際に株式の40%を2億2000万ドル(約327億円)で売却した。ジョルジュはそれを商業用不動産の投資や美術品や車、宝石の収集に使用し、かつては5億ドル(約745億円)ともいわれる資産を築いた。さらに、2007年にうずらの卵ほどの大きさの84カラットのダイヤモンドを投資目的で1600万ドル(約23億8400万円)で購入したことでも知られている。

しかし、その直後、ジョルジュが数人の従業員を窃盗で訴えたことから事態は悪化。訴えられた従業員らは反訴し、09年には従業員らに対して数億ドルの損害賠償を支払うよう命じる判決が出て敗訴し、強制破産に追い込まれた。

アルマンド・マルシアーノ(Armand Marciano、78歳)は、02年に株式の15%を売却。ロサンゼルスの服飾界の第一人者アレン・シュワルツ(Allen Schwartz)と手を組み、ワーナコ・グループ(WARNACO GROUP)から「ABS・バイ・アレン・シュワルツ(ABS by Allen Schwartz)を買い戻した。アルマンドは約10年前にABSを去った。

現在もゲスに在籍しているポールは、4兄弟の中でも物議を醸す人物だ。かつては同社のエグゼクティブ・チェアマン兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー(COO)を務めていたポールは、過去に何度もセクシャルハラスメントで告発されており、18年には女優のケイト・アプトン(Kate Upton)も自身のSNSで糾弾。当時、セクハラを受けたと訴えた5人の人物に対してゲスは計50万ドル(約7450万円)の和解金を支払っている。こうした騒動の責任を取る形でポールはエグゼクティブ・チェアマンとCOO職を辞任する予定だったが、19年にはCOO職に留任することが明らかとなり、話題となった。数年前に広告キャンペーンの制作時に起用したモデル数人からセクハラで告発された件について、ゲスはポールのモデルに対するハラスメントを見て見ぬふりをしたことについて提訴されていたが、これを解決するために3000万ドル(約44億7000万円)の和解に合意している。

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ゲスの創業者の1人が引退 創業者のマルシアーノ4兄弟とは

ゲス(GUESS)の創業者の1人、モーリス・マルシアーノ(Maurice Marciano、74歳)が取締役を退任した。ゲスは、1981年にマルシアーノ4兄弟が創業。モーリスの引退で兄弟のうち現役なのはチーフ・クリエイティブ・ディレクターのポール・マルシアーノ(Paul Marciano、71歳)のみとなる。

今回退任したモーリスは、1993年から2007年まで同社の最高経営責任者(CEO)を務めてきた人物。20年に自転車事故で重傷を負い、話すこともままならなくなった。厳しいリハビリと治療のため、当時は取締役会の非常勤会長を退いたが、取締役会に残った。

創業当時から会社を率いていたジョルジュ・マルシアーノ(Georges Marciano、76歳)は、1990年代前半に退社した。その際に株式の40%を2億2000万ドル(約327億円)で売却した。ジョルジュはそれを商業用不動産の投資や美術品や車、宝石の収集に使用し、かつては5億ドル(約745億円)ともいわれる資産を築いた。さらに、2007年にうずらの卵ほどの大きさの84カラットのダイヤモンドを投資目的で1600万ドル(約23億8400万円)で購入したことでも知られている。

しかし、その直後、ジョルジュが数人の従業員を窃盗で訴えたことから事態は悪化。訴えられた従業員らは反訴し、09年には従業員らに対して数億ドルの損害賠償を支払うよう命じる判決が出て敗訴し、強制破産に追い込まれた。

アルマンド・マルシアーノ(Armand Marciano、78歳)は、02年に株式の15%を売却。ロサンゼルスの服飾界の第一人者アレン・シュワルツ(Allen Schwartz)と手を組み、ワーナコ・グループ(WARNACO GROUP)から「ABS・バイ・アレン・シュワルツ(ABS by Allen Schwartz)を買い戻した。アルマンドは約10年前にABSを去った。

現在もゲスに在籍しているポールは、4兄弟の中でも物議を醸す人物だ。かつては同社のエグゼクティブ・チェアマン兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー(COO)を務めていたポールは、過去に何度もセクシャルハラスメントで告発されており、18年には女優のケイト・アプトン(Kate Upton)も自身のSNSで糾弾。当時、セクハラを受けたと訴えた5人の人物に対してゲスは計50万ドル(約7450万円)の和解金を支払っている。こうした騒動の責任を取る形でポールはエグゼクティブ・チェアマンとCOO職を辞任する予定だったが、19年にはCOO職に留任することが明らかとなり、話題となった。数年前に広告キャンペーンの制作時に起用したモデル数人からセクハラで告発された件について、ゲスはポールのモデルに対するハラスメントを見て見ぬふりをしたことについて提訴されていたが、これを解決するために3000万ドル(約44億7000万円)の和解に合意している。

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「ビュリー」が新たなCEOを任命 「ゲラン」や「ランコム」でキャリアを積んだベテラン

「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY以下、ビュリー)」は、ナタリー・エルバズ(Nathalie Elbaz)を新たな最高経営責任者(CEO)に任命した。10月15日付で就任し、同ブランドの親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のステファニー・メドーニ(Stephanie Medoni)香水&コスメティクス部門エグゼクティブ・プレジデントの直属となっている。

前任のアンヌ・ヴェロニク・ブリュエル(Anne-Veronique Bruel)は、2021年10月にLVMHが同ブランドを買収した際、やはりLVMHが擁するビューティブランド、フレッシュ(FRESH)から加わりCEOに就任した。同氏の新たな役職は今後発表する予定。

エルバズ新CEOはパリのESCP経営大学院の修士号を持ち、アメリカの大手会計事務所アーサー・アンダーセン(ARTHUR ANDERSEN)で会計監査人としてキャリアをスタートした。その後、ロレアル(L’OREAL)のスキンケアグループ・マネージャーや、同社が擁する「ランコム(LANCOME)」のマーケティング・マネージャーなどを務めた。

LVMHには、05年に「ゲラン(GUERLAIN)」のフランス事業のトレード・マーケティング・マネージャーとして加わった。12年に発売し、フランス市場で大ヒットを収めた香水“ラ プティット ローブ ノワール(La Petite Robe Noire)”の立ち上げに尽力。15年には、同事業のゼネラル・マネージャーに昇進し、ブランドイメージの向上に大きく貢献した。特に直営店のオペレーションなどを改善し、販路の拡大を進めた。

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「シュプリーム」買収が重しに? 親会社のVFC、“物言う株主”から傘下ブランドの見直しを迫られる

米投資会社エンゲージド・キャピタル(ENGAGED CAPITAL)は、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)の株式を取得し、傘下ブランドの戦略的見直しなどを要求したと複数の海外メディアが報じた。

エンゲージド・キャピタルは“物言う株主”として知られており、これまでにニューヨーク発のハンバーガーレストラン「シェイクシャック(SHAKE SHACK)」や、オーガニック食品メーカーのヘイン・セレスティアル・グループ(HAIN CELESTIAL GROUP)などのアクティビスト株主としてさまざまな提言をしている。今回は、VFCに対し、「ヴァンズ」と「ザ・ノース・フェイス」以外の傘下ブランドの見直しに加えて、3億ドル(約447億円)以上の経費削減、「ヴァンズ」と「ザ・ノース・フェイス」に対するテコ入れ策として1億ドル(約149億円)程度の投資、経営陣の刷新などを要求。これらが報じられると、VFCの株価は10月17日、前日終値比14.0%高の18.45ドル(約2749円)を付けた。なお、エンゲージド・キャピタルは、提言を段階的に実行していけば、VFCの株価は3年以内に40ドル(約5960円)台半ばまで上昇するとしている。

一連の報道を受けて、VFCは、「エンゲージド・キャピタルが当社の株主となったことや、その発言について認識している。株主の意見を尊重しつつ、今後も投資コミュニティーとのオープンな対話を続けていきたい。当社は世界的に知られているアイコニックなブランドと、多数の優秀な社員を抱えている。7月に就任したブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)社長兼最高経営責任者(CEO)をはじめとする取締役会と経営陣は、全ての株主の利益のため、VFCのポジションを強化し、力強く持続的に成長する収益性の高い企業へと復活させるべく、直ちに断固たるアクションを取っていく」と声明を発表した。

VFCの2023年4~6月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比7.7%減の20億8633万ドル(約3108億円)、営業損益は前年同期の6336万ドル(約94億円)の黒字から899万ドル(約13億円)の赤字に、純損失は5596万ドル(約83億円)から5742万ドル(約85億円)へと赤字が拡大している。

ブランド別に見ると、「ザ・ノース・フェイス」は同11.8%増の5億3820万ドル(約801億円)と好調だったものの、主力の「ヴァンズ」は南北アメリカでの卸の不調が響いて同22.1%減の7億3750万ドル(約1098億円)と苦戦している。また、20年11月に21億ドル(約3129億円)で買収した「シュプリーム」はその他のブランド部門に属しており、単体での売上高は発表していないが、コロナ禍の影響によるサプライチェーンの混乱などのため売り上げが鈍化。22年度に、VFCは「シュプリーム」の日本市場におけるビジネスなどに関して、「金利の上昇や為替レートなど営業外要因のため」に7億3500万ドル(約1095億円)相当の減損費用を計上した。

なお、エンゲージド・キャピタルは今回、ほかの投資家に向けたプレゼンテーションで、「VFCによる『シュプリーム』の買収は、リスクマネジメントが崩壊したとしか思えない案件だ。ハイファッションのブランドを高いマルチプル(財務指標や企業価値などに基づいて算出した評価倍率)で取得し、その債務のために財務上の柔軟性を低下させてしまった」と説明している。

VFCにおよそ25年在籍し、約5年にわたってトップとして同社を率いたスティーブ・レンドル(Steve Rendle)前会長兼社長兼CEOは、22年12月に退任。その理由は明らかにされていないが、最大のブランドである「ヴァンズ」の低迷がその背景にあることは想像に難くない。事業全体も伸び悩んでおり、配当金のカットや、「キプリング(KIPLING)」「イーストパック(EASTPAK)」「ジャンスポーツ(JANSPORT)」を擁するバックパック事業の売却を検討していると2月に報じられている。

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「プラダ」が宇宙服を開発! NASAの月面探査プロジェクトで民間の宇宙関連企業と提携

「プラダ(PRADA)」は10月4日、世界初の商用宇宙ステーション開発に取り組む米アクシオム・スペース(AXIOM SPACE)と提携し、米航空宇宙局(NASA)が中心となって進めている有人での月面探査プロジェクト、アルテミス計画(Artemis Program)に用いる宇宙服を手掛けることを発表した。

アルテミス計画はいくつかのミッションで構成されており、それぞれのミッションのために宇宙船が開発されている。「プラダ」は、2025年の打ち上げを予定する「アルテミス3号」の乗組員のための宇宙服であるアクシオム船外活動ユニット(AxEMU)を、アクシオム・スペースと共に製作する。デザイン面ばかりでなく、「プラダ」のエンジニアを含めたチームにより、宇宙や月面環境がもたらす特有の問題から人体を守るための素材や機能も開発するという。なお、「アルテミス3号」は、1972年12月のアポロ17号以来となる有人月面着陸の実現のほか、初の女性による月面着陸も目指している。

プラダ グループ(PRADA GROUP)のロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)=マーケティング・ディレクター兼CSR部門ヘッドは、「アクシオム・スペースと共に、この歴史的なミッションに参加できることを光栄に思う。当社は常に先進的な精神で物事に取り組んでおり、今回はそれが宇宙という新たな地平への冒険心や挑戦心へと広がった。90年代に(世界的なヨットレースの)アメリカズ・カップに挑んだルナ・ロッサ プロジェクト(LUNA ROSSA PROJECT、現在のチーム名はルナ・ロッサ プラダ ピレリ)に始まり、数十年にわたって実験を続けてきた最先端のテクノロジーや機能的なデザインにおけるノウハウを、今度は宇宙服のデザインに応用する。これは、文明を発展させる人間の創造性とイノベーションを真に称える試みだといえるだろう」と語った。

アクシオム・スペースのマイケル・サフレディーニ(Michael Suffredini)最高経営責任者は、「『プラダ』と共にアクシオム船外活動ユニットの開発に取り組むことができ、とてもうれしく思う。原材料、製造技術、革新的なデザインコンセプトに関する同ブランドのテクニカルな専門知識は、月面に降り立つ宇宙飛行士の快適性だけでなく、人的要因への配慮という従来の宇宙服にはなかった視点を意識した宇宙服の製作に必須である先進的な技術をもたらしてくれるものと確信している」と述べた。

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米取引委がアマゾンを提訴 競争の阻害や価格の吊り上げで

米連邦取引委員会(Federal Trade Commission以下、FTC)は26日、アマゾン(AMAZON)が競争を阻害する不公正な独占的慣行を行い、価格を釣り上げていると主張し、反トラスト法に違反しているとして提訴した。17の州も訴訟に参加した。

FTCは、アマゾンが他のサイトにおいてより安価に商品を販売する小売業者に対して懲罰的措置を取り、有料配送ネットワークに加入するよう圧力をかけていると主張する。リナ・カーン(Lina Khan)FTC委員長は、アマゾンが「独占的状況を利用し、買い物客や販売者が質の悪いサービスに対して多く支払わざるを得ないようにしている」という。これに対してアマゾンは、「FTCが異議を唱える慣行は、小売業界全体の競争とイノベーションの促進に寄与している。また、アマゾンの顧客に対してより多くの選択肢、低価格、配送スピードの向上を実現し、アマゾンの中で販売を行う企業にとってもチャンスが広がっている」と反論する。

アマゾンのマーケットプレイスは、アメリカにおいて最大のオンラインショッピングサイトで、EC取引全体の40%以上を占めている。

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米取引委がアマゾンを提訴 競争の阻害や価格の吊り上げで

米連邦取引委員会(Federal Trade Commission以下、FTC)は26日、アマゾン(AMAZON)が競争を阻害する不公正な独占的慣行を行い、価格を釣り上げていると主張し、反トラスト法に違反しているとして提訴した。17の州も訴訟に参加した。

FTCは、アマゾンが他のサイトにおいてより安価に商品を販売する小売業者に対して懲罰的措置を取り、有料配送ネットワークに加入するよう圧力をかけていると主張する。リナ・カーン(Lina Khan)FTC委員長は、アマゾンが「独占的状況を利用し、買い物客や販売者が質の悪いサービスに対して多く支払わざるを得ないようにしている」という。これに対してアマゾンは、「FTCが異議を唱える慣行は、小売業界全体の競争とイノベーションの促進に寄与している。また、アマゾンの顧客に対してより多くの選択肢、低価格、配送スピードの向上を実現し、アマゾンの中で販売を行う企業にとってもチャンスが広がっている」と反論する。

アマゾンのマーケットプレイスは、アメリカにおいて最大のオンラインショッピングサイトで、EC取引全体の40%以上を占めている。

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コスメ界の重鎮レナード・A・ローダー、エスティ ローダー取締役を退任へ 「現代のビューティ業界を創った」

今年90歳になったレナード・A・ローダー(Leonard A. Lauder)が、現在の任期が満了する11月でエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)の取締役を退任する。名誉会長の肩書きは引き続き保持する。また、チーフ・ティーチャー・オフィサー(最高指導責任者) としての役割も継続し、従業員エンゲージメントやブランド・シンポジウムを中心とする重要なイニシアティブに携わる。

同社は、レナード・A・ローダー名誉会長の両親であるエスティ・ローダーとジョセフ・ローダー(Joseph Lauder)によって1946年に設立。ローダー一族は、同社の普通株式の35%、発行済株式の議決権の約84%を所有する。レナード・ローダー名誉会長は依然として同社の大株主であり、2人の取締役を指名する権利を持つ。レナード・ローダー名誉会長の息子であるウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)はそのうちの1席を占め、取締役会のエグゼクティブ・チェアマンを務めている。末子であり、シリコンバレーを拠点とするベンチャーキャピタル企業、ローダー・パートナーズ(LAUDER PARTNERS)のマネージングディレクターであるゲイリー・M・ローダー(Gary M. Lauder)が、11月の取締役員選挙に立候補し2つ目の席に座ることになる。ゲイリー・ローダーがエスティ ローダー カンパニーズで公式のポジションを担うのは今回が初めてだが、同社によるとこれまでも定期的に招待オブザーバーとして取締役会に出席してきたという。

ウィリアム・ローダー=エグゼクティブ・チェアマンは声明で、「私の父は単一ブランドだった『エスティ ローダー』を、多くのブランドを擁する世界的な大企業へと成長させることを構想し、その推進を支えてきた。長年にわたり父から学び共に仕事ができたのは大変光栄なこと。今後も父から学び続けることを楽しみにしている。また、この業界や会社、従業員、そして顧客に対する父の強い情熱は、これからも変わることはないだろう」と述べた。

ファブリツィオ・フリーダCEO退任の憶測を否定

同社は中国の景気後退とトラベルリテールにおける課題により大打撃を受けており激動の中にある。同社が8月に発表した2023年6月度通期決算は、売上高が前年同期比10.4%減の159億1000万ドル(約2兆3387億円)、純利益は同58%減の10億600万ドル(約1478億円)だった。同社の苦戦は、ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)が退任を余儀なくされるのではないかとの憶測を呼んだが、5月にウィリアム・ローダー=エグゼクティブ・チェアマンと取締役会が従業員に送った社内メモで一族がフリーダCEOを支持することを改めて表明し、退任説を否定していた。

レナード・ローダー名誉会長は再び社内メモで現在の経営陣に対する強い支持を表明した。「私たちの大切な会社が優れたリーダーシップの手に委ねられていると心から信じているからこそ退任を決意できた。これからも引き続きウィリアムとファブリツィオ、経営幹部たちの優れた手腕による事業の成功を信じてやまない。ゲイリーの取締役への指名は、私たち一族の長期的なスチュワードシップ(財産管理を任された者が長期的な価値創造促進のために果たすべき責任)と、会社の成功へのビジョン、価値観、そして人材に対する支持を反映している」と述べた。

単一ブランドから世界的コングロマリットへ

レナード・ローダー名誉会長は1958年に入社。同社を世界最大のプレステージビューティ企業に育て上げた。72年に社長に、82年にCEOに就任し、95年に26ドル(約3800円)の初値で株式公開を果たした。事業のグローバル化と、「クリニーク(CLINIQUE)」「オリジンズ(ORIGINS)」「M・A・C」を含むインキュベーションと買収の両方でブランドポートフォリオ拡大を指揮した。現在、同社は24のブランドを所有し、150カ国で事業を展開する。最近では、28億ドル(約4116億円)を投じて「トム フォード(TOM FORD)」のビューティとファッション両事業を買収し、その後エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP)と、アイウェアのマルコリン(MARCOLIN)とライセンス契約を結んだ。

レナード・ローダー名誉会長は2021年の米「WWD」の取材で、自らがビューティ業界に与えた最大の影響を尋ねられると、マルチブランドのラグジュアリーコングロマリット創設を挙げた。「現代のビューティ業界を創ったのは自分だと心から思っている。言いにくいことだが、私がエスティ ローダーに入社した当時、『エリザベス・アーデン(ELIZABETH ARDEN)』も『ヘレナ・ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)』も『レブロン(REVLON)』も、どれもが単一ブランドとして同じように事業を展開していた。多くの企業やブランドを買収したが、その一つ一つが化粧品業界で新たな分野を切り開いてきた。現在の主流になっているM&Aの動きは、『M・A・C』の買収に端を発しているように思う。あのたった一つの買収が私たちの会社を、業界を変えた」と述べた。

退任後も業界の未来に向けて指導的役割を継続

09年、レナード・ローダー名誉会長は取締役会長の座をウィリアム・ローダーに譲ったが、現在も会社の戦略的ディレクションに深く関与しており、ビューティ業界の未来について考えることに喜びを感じている。「未来に何が起こるかは誰にも分からない。大切なのは日々アップデートすることだ。本を読み、旅をし、世界で何が起こっているかを見なければいけない。常に最新の情報を入手し、何を見るべきか、見ないべきかを知る必要がある」と話す。

米「WWD」が入手した社内メモでは、レナード・ローダー名誉会長は指導的役割を続けることに対する喜びについて改めて述べている。「私は常にわが社の成功は従業員、つまりあなた方のものだと信じてきた。私はエスティ ローダーが世界最高の企業になることを望んでいる。最大でもなく、最も裕福でもなく、最高の会社だ」。退任後もオフィスや店舗、会社のイベントに顔を出すとしながら、「未来に向けて創造し続け、挑戦し続け、互いを支え合い続けることが大切だ。皆さんの活躍を楽しみにしている」と激励のメッセージをつづった。

プレジディング・ディレクターのシャーリーン・バーシェフスキー(Charlene Barshefsky)は、「取締役会を代表し、レナードが役員としてまた取締役会のメンバーとして多大な貢献をしてくれたことに深い賞賛と感謝の意を表する。その先見の明と独創的な思考には、業界でも比類がない。彼の革新的な洞察力は、私たち全員のインスピレーションとなり続けるだろう」とコメントした。

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コスメ界の重鎮レナード・A・ローダー、エスティ ローダー取締役を退任へ 「現代のビューティ業界を創った」

今年90歳になったレナード・A・ローダー(Leonard A. Lauder)が、現在の任期が満了する11月でエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)の取締役を退任する。名誉会長の肩書きは引き続き保持する。また、チーフ・ティーチャー・オフィサー(最高指導責任者) としての役割も継続し、従業員エンゲージメントやブランド・シンポジウムを中心とする重要なイニシアティブに携わる。

同社は、レナード・A・ローダー名誉会長の両親であるエスティ・ローダーとジョセフ・ローダー(Joseph Lauder)によって1946年に設立。ローダー一族は、同社の普通株式の35%、発行済株式の議決権の約84%を所有する。レナード・ローダー名誉会長は依然として同社の大株主であり、2人の取締役を指名する権利を持つ。レナード・ローダー名誉会長の息子であるウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)はそのうちの1席を占め、取締役会のエグゼクティブ・チェアマンを務めている。末子であり、シリコンバレーを拠点とするベンチャーキャピタル企業、ローダー・パートナーズ(LAUDER PARTNERS)のマネージングディレクターであるゲイリー・M・ローダー(Gary M. Lauder)が、11月の取締役員選挙に立候補し2つ目の席に座ることになる。ゲイリー・ローダーがエスティ ローダー カンパニーズで公式のポジションを担うのは今回が初めてだが、同社によるとこれまでも定期的に招待オブザーバーとして取締役会に出席してきたという。

ウィリアム・ローダー=エグゼクティブ・チェアマンは声明で、「私の父は単一ブランドだった『エスティ ローダー』を、多くのブランドを擁する世界的な大企業へと成長させることを構想し、その推進を支えてきた。長年にわたり父から学び共に仕事ができたのは大変光栄なこと。今後も父から学び続けることを楽しみにしている。また、この業界や会社、従業員、そして顧客に対する父の強い情熱は、これからも変わることはないだろう」と述べた。

ファブリツィオ・フリーダCEO退任の憶測を否定

同社は中国の景気後退とトラベルリテールにおける課題により大打撃を受けており激動の中にある。同社が8月に発表した2023年6月度通期決算は、売上高が前年同期比10.4%減の159億1000万ドル(約2兆3387億円)、純利益は同58%減の10億600万ドル(約1478億円)だった。同社の苦戦は、ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)最高経営責任者(CEO)が退任を余儀なくされるのではないかとの憶測を呼んだが、5月にウィリアム・ローダー=エグゼクティブ・チェアマンと取締役会が従業員に送った社内メモで一族がフリーダCEOを支持することを改めて表明し、退任説を否定していた。

レナード・ローダー名誉会長は再び社内メモで現在の経営陣に対する強い支持を表明した。「私たちの大切な会社が優れたリーダーシップの手に委ねられていると心から信じているからこそ退任を決意できた。これからも引き続きウィリアムとファブリツィオ、経営幹部たちの優れた手腕による事業の成功を信じてやまない。ゲイリーの取締役への指名は、私たち一族の長期的なスチュワードシップ(財産管理を任された者が長期的な価値創造促進のために果たすべき責任)と、会社の成功へのビジョン、価値観、そして人材に対する支持を反映している」と述べた。

単一ブランドから世界的コングロマリットへ

レナード・ローダー名誉会長は1958年に入社。同社を世界最大のプレステージビューティ企業に育て上げた。72年に社長に、82年にCEOに就任し、95年に26ドル(約3800円)の初値で株式公開を果たした。事業のグローバル化と、「クリニーク(CLINIQUE)」「オリジンズ(ORIGINS)」「M・A・C」を含むインキュベーションと買収の両方でブランドポートフォリオ拡大を指揮した。現在、同社は24のブランドを所有し、150カ国で事業を展開する。最近では、28億ドル(約4116億円)を投じて「トム フォード(TOM FORD)」のビューティとファッション両事業を買収し、その後エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP)と、アイウェアのマルコリン(MARCOLIN)とライセンス契約を結んだ。

レナード・ローダー名誉会長は2021年の米「WWD」の取材で、自らがビューティ業界に与えた最大の影響を尋ねられると、マルチブランドのラグジュアリーコングロマリット創設を挙げた。「現代のビューティ業界を創ったのは自分だと心から思っている。言いにくいことだが、私がエスティ ローダーに入社した当時、『エリザベス・アーデン(ELIZABETH ARDEN)』も『ヘレナ・ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)』も『レブロン(REVLON)』も、どれもが単一ブランドとして同じように事業を展開していた。多くの企業やブランドを買収したが、その一つ一つが化粧品業界で新たな分野を切り開いてきた。現在の主流になっているM&Aの動きは、『M・A・C』の買収に端を発しているように思う。あのたった一つの買収が私たちの会社を、業界を変えた」と述べた。

退任後も業界の未来に向けて指導的役割を継続

09年、レナード・ローダー名誉会長は取締役会長の座をウィリアム・ローダーに譲ったが、現在も会社の戦略的ディレクションに深く関与しており、ビューティ業界の未来について考えることに喜びを感じている。「未来に何が起こるかは誰にも分からない。大切なのは日々アップデートすることだ。本を読み、旅をし、世界で何が起こっているかを見なければいけない。常に最新の情報を入手し、何を見るべきか、見ないべきかを知る必要がある」と話す。

米「WWD」が入手した社内メモでは、レナード・ローダー名誉会長は指導的役割を続けることに対する喜びについて改めて述べている。「私は常にわが社の成功は従業員、つまりあなた方のものだと信じてきた。私はエスティ ローダーが世界最高の企業になることを望んでいる。最大でもなく、最も裕福でもなく、最高の会社だ」。退任後もオフィスや店舗、会社のイベントに顔を出すとしながら、「未来に向けて創造し続け、挑戦し続け、互いを支え合い続けることが大切だ。皆さんの活躍を楽しみにしている」と激励のメッセージをつづった。

プレジディング・ディレクターのシャーリーン・バーシェフスキー(Charlene Barshefsky)は、「取締役会を代表し、レナードが役員としてまた取締役会のメンバーとして多大な貢献をしてくれたことに深い賞賛と感謝の意を表する。その先見の明と独創的な思考には、業界でも比類がない。彼の革新的な洞察力は、私たち全員のインスピレーションとなり続けるだろう」とコメントした。

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退職の際は58億円を手に! 買収された「ヴェルサーチェ」や「マイケル・コース」親会社のCEO

「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」の親会社カプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)は8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」などを擁するタペストリー(TAPESTRY)による買収に合意しているが、これに伴ってカプリのジョン・アイドル(John Idol)会長兼最高経営責任者(CEO)が退任して同社を離れた場合、現金と株式報酬の合計でおよそ3940万ドル(約58億円)が支払われることが明らかとなった。

この金額はカプリが米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した文書に基づいており、内訳は現金が1510万ドル(約22億円)、株式報酬が2430万ドル(約35億円)相当となっている。これはアイドル会長兼CEOが現在の報酬条件で退職した場合の試算だという。なお、同氏の2022年の報酬は、基本報酬が135万ドル(約1億9980万円)、業績に連動した成果報酬が430万ドル(約6億3640万円)、株式報酬が850万ドル(約12億円)相当の合計1420万ドル(約21億円)だった。

タペストリーは、カプリを約85億ドル(約1兆2580億円)で買収。取引が完了した暁には、年商120億ドル(約1兆7760億円)の巨大企業が誕生する。両社は統合がスムーズに進むよう共同で統合マネジメントオフィスを設立し、従業員と顧客体験を守る、ブランド運営に支障をきたさないようにする、優先順位を明確にして重要度が高いものから着手する、優れたアイデアは発案者によらず採用する、バリュー創出を第一に考えるという5つの基本方針を掲げ、統合に伴う社員の不安の払拭に努めているという。

一方、タペストリーに対する市場の不安は払拭されていないようだ。8月9日に40.80ドル(約6038円)だった同社の株価は、買収を発表した10日には34.30ドル(約5076円)と15.9%下落。9月25日の終値では、28.50ドル(約4218円)とさらに下落している。なお、買収されたカプリの株価は、8月9日には34.61ドル(約5122円)だったが、10日には53.90ドル(約7977円)と急騰。9月25日の時点でも52.36ドル(約7749円)と高値を保っている。

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「安価で精巧な模倣品探しの流行」に警鐘 真贋鑑定ビジネスのエントルピーが模倣品リポートを発表

AIを用いた真贋鑑定サービスを提供するエントルピー(ENTRUPY)は、模倣品の現状に関するリポートを発表した。同リポートでは、模倣品問題の現状や増加傾向、世界経済への影響について詳述している。

消費財やソフトウェア、エンターテインメントのデジタル海賊版を含む全カテゴリーにおいて、約2兆8000億ドル(約●円)の模倣品が毎年没収されているという。また、エントルピーが2022年に実施した真贋鑑定において、正規品と判断できなかったアイテムが多かったブランドはトップが「ゴヤール(GOYARD)」で、次いで「サンローラン(SAINT LAURENT)」「プラダ(PRADA)」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」だった。また、22年に正規品と判断できないアイテムが発見された割合が高かったのは質屋(13%)とオフラインのリセール業者(10.1%)で、オンラインのリセール業者(7.7%)、C2C(個人間で取引する)マーケットプレイス(4.5%)、卸売業者(1.6%)と続く。

エントルピーによると、「高級品のリセールの継続的な拡大に伴い、世界中で取引プラットフォームや取引モデルが生まれている。その結果、メキシコのような以前は模倣品が出回ることの少なかった市場でも模倣品が確認されている」という。

エントルピーのリポートによると、高級品の価格の高騰と、ECやSNSの台頭などによってそうしたアイテムを目にする機会が増えていることから、模倣品に惹かれる消費者グループが模倣品のトレンドを作っているという。Z世代の消費者は、高いインフレと周囲に誇示するための消費に対する需要が減少した結果、特にスーパーコピーと呼ばれる精巧な模倣品に注目しており、「いかに質の高いコピー商品を安価で見つけられるかを誇示することが流行になっている」と警鐘を鳴らす。

米アパレル&フットウエア協会(American Apparel & Footwear Association)が実施したテストによると、テストしたアパレルの模倣品のうち36.2%が「危険なレベルの有害物質」を含んでおり、ある商品からは暴露限界値の600倍を超えるカドミウムが検出されたという。また、靴の模倣品は低品質の素材を使用して作られているため、ケガの危険性を高めている。

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「安価で精巧な模倣品探しの流行」に警鐘 真贋鑑定ビジネスのエントルピーが模倣品リポートを発表

AIを用いた真贋鑑定サービスを提供するエントルピー(ENTRUPY)は、模倣品の現状に関するリポートを発表した。同リポートでは、模倣品問題の現状や増加傾向、世界経済への影響について詳述している。

消費財やソフトウェア、エンターテインメントのデジタル海賊版を含む全カテゴリーにおいて、約2兆8000億ドル(約●円)の模倣品が毎年没収されているという。また、エントルピーが2022年に実施した真贋鑑定において、正規品と判断できなかったアイテムが多かったブランドはトップが「ゴヤール(GOYARD)」で、次いで「サンローラン(SAINT LAURENT)」「プラダ(PRADA)」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」だった。また、22年に正規品と判断できないアイテムが発見された割合が高かったのは質屋(13%)とオフラインのリセール業者(10.1%)で、オンラインのリセール業者(7.7%)、C2C(個人間で取引する)マーケットプレイス(4.5%)、卸売業者(1.6%)と続く。

エントルピーによると、「高級品のリセールの継続的な拡大に伴い、世界中で取引プラットフォームや取引モデルが生まれている。その結果、メキシコのような以前は模倣品が出回ることの少なかった市場でも模倣品が確認されている」という。

エントルピーのリポートによると、高級品の価格の高騰と、ECやSNSの台頭などによってそうしたアイテムを目にする機会が増えていることから、模倣品に惹かれる消費者グループが模倣品のトレンドを作っているという。Z世代の消費者は、高いインフレと周囲に誇示するための消費に対する需要が減少した結果、特にスーパーコピーと呼ばれる精巧な模倣品に注目しており、「いかに質の高いコピー商品を安価で見つけられるかを誇示することが流行になっている」と警鐘を鳴らす。

米アパレル&フットウエア協会(American Apparel & Footwear Association)が実施したテストによると、テストしたアパレルの模倣品のうち36.2%が「危険なレベルの有害物質」を含んでおり、ある商品からは暴露限界値の600倍を超えるカドミウムが検出されたという。また、靴の模倣品は低品質の素材を使用して作られているため、ケガの危険性を高めている。

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「安価で精巧な模倣品探しの流行」に警鐘 真贋鑑定ビジネスのエントルピーが模倣品リポートを発表

AIを用いた真贋鑑定サービスを提供するエントルピー(ENTRUPY)は、模倣品の現状に関するリポートを発表した。同リポートでは、模倣品問題の現状や増加傾向、世界経済への影響について詳述している。

消費財やソフトウェア、エンターテインメントのデジタル海賊版を含む全カテゴリーにおいて、約2兆8000億ドル(約●円)の模倣品が毎年没収されているという。また、エントルピーが2022年に実施した真贋鑑定において、正規品と判断できなかったアイテムが多かったブランドはトップが「ゴヤール(GOYARD)」で、次いで「サンローラン(SAINT LAURENT)」「プラダ(PRADA)」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」だった。また、22年に正規品と判断できないアイテムが発見された割合が高かったのは質屋(13%)とオフラインのリセール業者(10.1%)で、オンラインのリセール業者(7.7%)、C2C(個人間で取引する)マーケットプレイス(4.5%)、卸売業者(1.6%)と続く。

エントルピーによると、「高級品のリセールの継続的な拡大に伴い、世界中で取引プラットフォームや取引モデルが生まれている。その結果、メキシコのような以前は模倣品が出回ることの少なかった市場でも模倣品が確認されている」という。

エントルピーのリポートによると、高級品の価格の高騰と、ECやSNSの台頭などによってそうしたアイテムを目にする機会が増えていることから、模倣品に惹かれる消費者グループが模倣品のトレンドを作っているという。Z世代の消費者は、高いインフレと周囲に誇示するための消費に対する需要が減少した結果、特にスーパーコピーと呼ばれる精巧な模倣品に注目しており、「いかに質の高いコピー商品を安価で見つけられるかを誇示することが流行になっている」と警鐘を鳴らす。

米アパレル&フットウエア協会(American Apparel & Footwear Association)が実施したテストによると、テストしたアパレルの模倣品のうち36.2%が「危険なレベルの有害物質」を含んでおり、ある商品からは暴露限界値の600倍を超えるカドミウムが検出されたという。また、靴の模倣品は低品質の素材を使用して作られているため、ケガの危険性を高めている。

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「ナイキ」がカスタムスニーカーショップと和解 無断カスタマイズは商標権侵害

「ナイキ」のスニーカーを無許可でカスタマイズして販売していた「ドリップ・クリエーションズ(DRIP CREATIONZ)」および運営会社のカスタム・バイ・イレーヌ・インク(CUSTOMS BY ILENE INC.)に対して「ナイキ」が2021年に商標権侵害で提訴していた件について、裁判所は6日、和解判決と永久差し止め命令を下した。

和解契約書および「ナイキ」が発表した声明によると、「ドリップ・クリエーションズ」は「ナイキ」の“エア フォース1”などをカスタマイズし、別のスニーカーに「ナイキ」のロゴを使用するなどして商標権を侵害した事実を認め、「ナイキ」に対して金銭を支払うことに合意したという。また、「ドリップ・クリエーションズ」は今後、「ナイキ」のスニーカーを“無許可でカスタマイズ”し、販売することを禁じられた。

「ナイキ」は、「われわれは、ブランド最大のファンである職人たちの表現を制限するつもりはなく、むしろデザイナーやアーティスト、クリエイターらと新製品を開発するためにコラボレーションしている。しかし、当社の代表的な商標を無許可で使用し、カスタマイズした商品を活用してビジネスを行い、当社の知的財産の価値を毀損する行為は許されない」とコメントしている。

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キャサリン妃の2023年1〜7月の着こなしを振り返り 着用ブランドを総まとめ

英国王室ファミリーの装いは、常に世界中の注目を浴びている。中でも、2022年にエリザベス女王(Queen Elizabeth II)が死去したことを受けて継承した“ウェールズ公妃”としての責務を果たすため、勢力的に公務に参加しているキャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)の着こなしへの関心は非常に高く、多くのメディアが詳細に取り上げている。

故エリザベス女王やキャサリン皇太子妃の着こなしに関する著書を執筆してきたジャーナリストのベサン・ホルト(Bethan Holt)いわく、「かつては、ウィリアム皇太子(William, Prince of Wales)と夫婦ともに社交的で親しみやすいカジュアルな印象だったが、今年に入ってからは真剣に公務に取り組む姿勢を反映したようなルックが目立つようになった」という。実際、キャサリン皇太子妃はジャケットやスーツをこれまでよりも多く着用するようになっており、ウィリアム皇太子と仲睦まじく色などでリンクコーデすることもある。

昨年40歳を迎えてからは、英国ブランドを着用する機会を増やしていて、スカートは長めの丈を選ぶようになった。愛用ブランドである「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」や「エミリア ウィックステッド(EMILIA WICKSTEAD)」「セルフ-ポートレート(SELF-PORTRAIT)」に加えて、この7カ月で多く着用したブランドは「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」や「マルベリー(MULBERRY)」「ローラン ムレ(ROLAND MOURET)」「キャサリン・ウォーカー(CATHERINE WALKER)」など。また、手ごろなリアルクローズブランドの「リース(REISS)」や「LK ベネット(LK BENNETT)」も着用するなど、幅広いラインアップだ。

インフルエンサーの影響を分析するマーケティング企業のウィアリズマ(WeArisma)によると、5月に行われたチャールズ国王(King Charles III)の戴冠式でのキャサリン皇太子妃の姿は最も影響力のある瞬間の一つだったとし、米タイム誌(Time Magazine)のインスタグラムに投稿された「アレキサンダー・マックイーン」のドレスは、34万9700ドル(約5105万円)のエンゲージメントバリューをもたらしたとされている。ますます高まるキャサリン皇太子妃によるファッションシーンへの影響力。2023年1〜7月の話題を集めたルックを月ごとに振り返るとともに、着用ブランドはもちろん、アクセサリーや色使いといったポイントをまとめた。

1月はバッグもシューズもワントーンカラーで全身コーデ

12日:王立リバプール大学病院(Royal Liverpool University Hospital)とバーケンヘッドの「オープン・ドア・チャリティ(Open Door Charity)」訪問時には、同行したウィリアム皇太子とネイビーとダークグリーンで仲良くカラーコーディネート。英「ホランド・クーパー(HOLLAND COOPER)」のタータンチェックのコートに、英「セフィン・スタジオ(CEFINN STUDIO)」のリブ編みニットドレス、「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO)」のパンプス、「マルベリー」のハンドバッグを合わせた。

30日:第76回英国アカデミー賞(BAFTA)のイベントでは、「アレキサンダー・マックイーン」のパワースーツに合わせ、「ジャンヴィト ロッシ」のパンプスと「ミュウミュウ(MIU MIU)」のクラッチバッグと赤一色で登場し、存在感を示した。

31日:キャサリン皇太子妃による「シェイピング・アス(Shaping Us)」キャンペーンの立ち上げでは、「アレキサンダー・マックイーン」のロングコートと「マニュ・アトリエ(MANU ATELIER)」のバッグでダークグリーンをポイントに、「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」のドレスと「ジャンヴィト ロッシ」のブーツを合わせて。

2月は黒をアクセントにしたシックでスマートな装いに

9日:“コーンウォール公爵夫人(Duchess of Cornwall)”として初の公の場に登場した記念すべき日。英「ホッブスロンドン(HOBBS LONDON)」のコートと「キルタネ・スコットランド(KILTANE SCOTLAND)」のタートルネックのセーター、英「エデライン・リー(EDELINE LEE)」のスカート、「ジャンヴィト ロッシ」のブーツを着用し、クラシックでスマートな印象に仕上げた。

19日:第76回英国アカデミー賞の授賞式では、ワンショルダーに仕立て直された「アレキサンダー・マックイーン」の白いドレスを着用。黒い手袋に、「アクアズーラ(AQUAZZURA)」のパンプス、「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」のクラッチバッグをコーディネート。

28日:ファストファッションブランドの「ザラ(ZARA)」もお気に入りのキャサリン皇太子妃。この日はカスタムメードの「アレキサンダー・マックイーン」のコートに、「ザラ」の千鳥格子のスカート、「マルベリー」のクロスボディーバッグ、「ジャンヴィト ロッシ」のブーツで、ハイ&ローなスタイルを披露。

祝日が多い3月は、カラーをポイントにしたトータルコーデ

1日:ウェールズの記念日であるセント・デイビッドデーは、「アレキサンダー・マックイーン」のロング&リーンの赤いコートを主役に。英国王室御用達の「ジュリエット・ボタリル(JULIETTE BOTTERILL)」の帽子と「マルベリー」のバッグ、「ジャンヴィト ロッシ」のブーツは全て黒でまとめた。

16日:イギリス連邦の祝日、英連邦記念日のこの日は、「アーデム(ERDEM)」による白い花モチーフを散りばめたネイビーのスカートスーツをセレクト。「ジャンヴィト ロッシ」のパンプスと「エミー・ロンドン(EMMY LONDON)」のクラッチバッグも同じネイビーで合わせて。

17日:アイルランドにキリスト教を広めたとされる聖パトリックの命日で、カトリックの祭礼日であるセント・パトリック・デー。緑豊かで“エメラルド島”とも呼ばれるアイルランドにちなみ、この日は緑色を着用する人も多い。キャサリン皇太子妃も、鮮やかな青緑の「キャサリン・ウォーカー」のドレスコートでお祝い。

4月はアウトドアスタイルもドレッシーな装いもおまかせ

9日:ウィンザー城(Windsor Castle)の聖ジョージ礼拝堂で行われたイースターの礼拝に参加。昨年の英連邦記念日に初めて着用した、鮮やかなブルーとシャープなショルダーラインが印象的な「キャサリン・ウォーカー」によるオーダーメードのコートをふたたび身にまとった。

20日:バーミンガムを訪れた際は、「カレン・ミレン(KAREN MILLEN)」のドレスを選択。足元はお気に入りの「ジャンヴィト ロッシ」のパンプス。

27日:ウェールズではアウトドアスタイルを披露。「ホランド・クーパー」のセーターと「ジースター ロゥ(G-STAR RAW)」のパンツに、「コングール(KONGUR)」と「キーラ(KEELA)」の2種類のジャケットを着回した。

戴冠式の5月。華を添えたのは「マックイーン」のドレス

4日:チャールズ国王の戴冠式を2日後に控えたこの日は、キャサリン皇太子妃流のエレガントな紅白スタイル。青い裏地がちらりと見える「エポニーヌ・ロンドン(EPONINE LONDON)」の赤いコートに合わせた「スザンナ・フリッピー(SUZANNAH FLIPPY)の白いドレス。「マルベリー」のバッグと「ジミー チュウ」のヒールパンプスも白。

6日:戴冠式当日。歴史に残るこの日に、“ウェールズ公妃”の新たな称号を授けられたキャサリン皇太子妃は、正装の赤と青のローブが映えるような、白い「アレキサンダー・マックイーン」のドレスで登場。ティアラではなく「ジェス・コレット(JESS COLLETT)」と「アレキサンダー・マックイーン」のコラボレーションによるヘッドピースをつけ、故ダイアナ・フランセス(Diana Frances)元皇太子妃が所有していた白蝶真珠とダイヤモンドのイヤリングを合わせた。

9日:バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)のガーデンパーティーでは、くすみブルーのシフォンが上品な「エリー・サーブ(ELIE SAAB)」のボウタイブラウスとスカートのセットアップを着用。19年の競馬の祭典「ロイヤルアスコット(Royal Ascot)」でも披露したスタイル。「フィリップ・トレーシー(PHILIP TREACY)」の帽子と「エリー・サーブ」のクラッチバッグ、「ジャンヴィト ロッシ」のヒールパンプスをマッチング。

6月は上品で洗練された正装スタイル

17日:英国君主の誕生日を祝うセレモニー“トゥルーピング・ザ・カラー・セレモニー(Trooping the Colour Ceremonies)”のために、エメラルドグリーンの「アンドリュー・ゲン(ANDREW GN)」のコートドレスを特注。故ダイアナ元皇太子妃をほうふつさせると話題を集めた。帽子は「フィリップ・トレーシー」。

19日:イングランドの最高勲章であるガーター勲章の授与式が行われるガーターデー(Garter Day)には、「アレッサンドラ・リッチ(ALESSANDRA RICH)」によるビスポークのホワイトドレスをセレクト。黒と白のポルカドット柄に合わせて、同色のパンプスと「フィリップ・トレーシー」のサンダルでまとめた。耳元には、故ダイアナ元皇太子妃のパールのイヤリングをつけて。

20日:前日に続いて白を基調にしたモノトーンコーデを披露。この日は、改修工事を経たナショナル・ポートレート・ギャラリー(National Portrait Gallery)の再オープンを祝うプレオープンデーで、黒とシルバーのラインがエレガントなツイードジャケットに、「セルフ-ポートレート」のプリーツスカートを着用し登場。靴は「アクアズーラ」のリボン付きパンプス、バッグは「シャネル(CHANEL)」のキルティングクラッチ。

スポーツの7月は爽やかな色のサマースタイル

4日:テニスの四大大会の1つ、ウィンブルドン選手権(2023 Wimbledon Championships)に初めて姿を見せたキャサリン皇太子妃。主役に選んだのは、ミントグリーンが印象的な仏「バルマン(BALMAIN)」のダブルブレストのジャケット。その鮮やかな色を引き立てるように、「ジャンヴィト ロッシ」のパンプスや「マルベリー」のバッグ、プリーツのスカートを全て白でまとめた。

6日:ウィリアム皇太子が出場したロイヤル・チャリティ・ポロ・カップ(Royal Charity Polo Cup)の試合を観戦。会場でキャサリン皇太子妃の存在感をひと際高めたのは、花のモチーフ柄をあしらった英「ビューラ・ロンドン(BEULAH LONDON)」のスカイブルーのドレス。英「カミラ・エルフィック(CAMILLA ELPHICK)」のスリングバックパンプスはヌーディーカラーを選び、ドレスをさらに引き立てた格好だ。

15日:ウィンブルドン選手権の女子シングルス決勝戦に出席。フェミニンかつ爽やかなパステルグリーンが印象的な「セルフ-ポートレート」のドレス姿に、来場者はクギ付け。足元には「ジャンヴィト ロッシ」のスエードパンプス、手元には「エミー・ロンドン」のチェーンクラッチ、耳元には「カサンドラ・ゴード(CASSANDRA GOAD)」のパールのイヤリング。試合観戦中のオーバーサイズフレームの「ヴィクトリア ベッカム」のサングラス姿も話題を集めた。

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「ジャンバティスタ ヴァリ」のCEOが退任 後任は未定

「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」は、シャーロット・ワーナー(Charlotte Werner)最高経営責任者(CEO)が退任することを発表した。後任は未定。

ワーナーCEOは、フランスのエセック・ビジネススクール(ESSEC Business School)を卒業後、2008年に大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKINSEY & CO.)に入社。ラグジュアリーグッズやファッション、消費財に関するマーケティングや事業戦略の策定に携わった。15年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に加わり、ウィメンズのレザーグッズ・コレクション・マネージャーなどを務めた。20年7月に現職に就任した。

04年創業のメゾン ヴァリ(MAISON VALLI)が運営する「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」は、デザイナーのジャンバティスタ・ヴァリによるオートクチュールおよびプレタポルテを展開。17年に、ケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼CEOの一族の投資会社であるアルテミス(ARTEMIS)が少数株式を取得し、21年には過半数株式を取得して傘下に収めている。

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「ジャンバティスタ ヴァリ」のCEOが退任 後任は未定

「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」は、シャーロット・ワーナー(Charlotte Werner)最高経営責任者(CEO)が退任することを発表した。後任は未定。

ワーナーCEOは、フランスのエセック・ビジネススクール(ESSEC Business School)を卒業後、2008年に大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKINSEY & CO.)に入社。ラグジュアリーグッズやファッション、消費財に関するマーケティングや事業戦略の策定に携わった。15年にルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)に加わり、ウィメンズのレザーグッズ・コレクション・マネージャーなどを務めた。20年7月に現職に就任した。

04年創業のメゾン ヴァリ(MAISON VALLI)が運営する「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」は、デザイナーのジャンバティスタ・ヴァリによるオートクチュールおよびプレタポルテを展開。17年に、ケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼CEOの一族の投資会社であるアルテミス(ARTEMIS)が少数株式を取得し、21年には過半数株式を取得して傘下に収めている。

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リシュモン、フレグランス部門新設 トップにフィルメニッヒ元CEO

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)はこのほど、フレグランス事業の新部門「ラボラトワール・ドゥ・オート・パルファムリー・エ・ボーテ(Laboratoire de Haute Parfumerie et Beauté)」を設立したと発表した。最高経営責任者(CEO)にスイスの香料メーカー、フィルメニッヒ(FIRMENICH、現DSMフィルメニッヒ)の元CEOであるボエ・ブリンクグレーヴ(Boet Brinkgreve)氏を任命した。ブリンクグレーヴCEOはリシュモンの上級執行委員会にも加わり、ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長の直属となる。

リシュモン傘下のブランドでは、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」「ダンヒル(DUNHILL)」「アライア(ALAIA)」「モンブラン(MONTBLANC)」がフレグランスを展開する。「カルティエ」は社内の調香師が開発を手掛けるが、その他のブランドはコティ(COTY)やインターパルファム(INTERPARFUMS)と製造・販売に関するライセンス契約を結んでいる。「モンブラン」はインターパルファム最大のブランドだ。

リシュモンは9月6日に開催された年次株主総会で新部門について「非常に競争が激しく、規模が極めて重要となるこの分野で、6つのメゾンがクリティカルマス(商品の普及率が跳ね上がる分岐点)に到達するのを支援する」と説明。「洗練されたクリエーションと有望なライセンス開発のため、傘下のメゾン全体のリソースを活用する」と付け加えた。情報筋によれば、同部門の設立はリシュモンのブランドを自社に取り込む試みではなく、各ブランドのビジネスを構築し、より持続可能なものにするための “戦略的指導 ”を行うためのものだという。この発表を受けて同日、同社の株価は前日比5.2%安の117スイスフラン(約1万9248円)で取引を終えた。また、「モンブラン」と「ヴァン クリーフ&アーペル」のフレグランスライセンスを保有するインターパルファムの株価も終値が同9.4%安の54.10ユーロ(約8493円)となった。

ブリンクグレーヴ新CEOは、2007年にフィルメニッヒに入社。上級管理職を歴任し、20年から最高経営責任者(CEO)、原材料・グループ調達部門プレジデントを務めた。それ以前には、米化学メーカーのデュポン社(DU PONT)で新規事業開発に携わり、複数のスタートアップを立ち上げた起業家としての顔も持つ。
 
ルパート会長は新CEOについて、「フレグランス業界に関する深い知識と新規事業立ち上げにおける成功、グローバルなチーム構築の実績、持続可能な原料調達へのコミットメントを持つ。当グループにとって特筆すべき存在になると確信している」と期待を寄せた。

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リシュモン、フレグランス部門新設 トップにフィルメニッヒ元CEO

コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)はこのほど、フレグランス事業の新部門「ラボラトワール・ドゥ・オート・パルファムリー・エ・ボーテ(Laboratoire de Haute Parfumerie et Beauté)」を設立したと発表した。最高経営責任者(CEO)にスイスの香料メーカー、フィルメニッヒ(FIRMENICH、現DSMフィルメニッヒ)の元CEOであるボエ・ブリンクグレーヴ(Boet Brinkgreve)氏を任命した。ブリンクグレーヴCEOはリシュモンの上級執行委員会にも加わり、ヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長の直属となる。

リシュモン傘下のブランドでは、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「クロエ(CHLOE)」「ダンヒル(DUNHILL)」「アライア(ALAIA)」「モンブラン(MONTBLANC)」がフレグランスを展開する。「カルティエ」は社内の調香師が開発を手掛けるが、その他のブランドはコティ(COTY)やインターパルファム(INTERPARFUMS)と製造・販売に関するライセンス契約を結んでいる。「モンブラン」はインターパルファム最大のブランドだ。

リシュモンは9月6日に開催された年次株主総会で新部門について「非常に競争が激しく、規模が極めて重要となるこの分野で、6つのメゾンがクリティカルマス(商品の普及率が跳ね上がる分岐点)に到達するのを支援する」と説明。「洗練されたクリエーションと有望なライセンス開発のため、傘下のメゾン全体のリソースを活用する」と付け加えた。情報筋によれば、同部門の設立はリシュモンのブランドを自社に取り込む試みではなく、各ブランドのビジネスを構築し、より持続可能なものにするための “戦略的指導 ”を行うためのものだという。この発表を受けて同日、同社の株価は前日比5.2%安の117スイスフラン(約1万9248円)で取引を終えた。また、「モンブラン」と「ヴァン クリーフ&アーペル」のフレグランスライセンスを保有するインターパルファムの株価も終値が同9.4%安の54.10ユーロ(約8493円)となった。

ブリンクグレーヴ新CEOは、2007年にフィルメニッヒに入社。上級管理職を歴任し、20年から最高経営責任者(CEO)、原材料・グループ調達部門プレジデントを務めた。それ以前には、米化学メーカーのデュポン社(DU PONT)で新規事業開発に携わり、複数のスタートアップを立ち上げた起業家としての顔も持つ。
 
ルパート会長は新CEOについて、「フレグランス業界に関する深い知識と新規事業立ち上げにおける成功、グローバルなチーム構築の実績、持続可能な原料調達へのコミットメントを持つ。当グループにとって特筆すべき存在になると確信している」と期待を寄せた。

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「ビルケンシュトック」がIPO申請 評価額は1兆円以上の可能性も

ドイツのシューズブランド「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」は9月12日、米国証券取引委員会(SEC)にIPO(新規上場)の申請を行なった。7月ごろからIPOを検討しているとの臆測が広まっていた。現時点では公開株式数や価格などの詳細は未決定だが、業界関係者によれば、評価額は80億ドル(約1兆1680億円)強になる可能性もあるという。

今回、申請とともに提出された財務諸表によって初めて同社の業績が明らかになった。それによれば、2022年9月通期決算の売上高は12億ユーロ(約1884億円)、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は4億3460万ユーロ(約682億円)、純利益は1億8700万ユーロ(約293億円)だった。同社の主力市場は南北アメリカと欧州で、前者は22年度の売上高の54%を、後者は36%を占めている。D2Cも好調で、18年から22年にかけて42%の成長率となった。

「ビルケンシュトック」は、1774年にヨハン・アダム・ビルケンシュトック(Johann Adam Birkenstock)が教会の公文書に「臣民の靴職人」と登録されたことを起源とする、250年近い歴史を持つシューズブランド。1896年には柔軟性のあるインソールを発売し、その後も医療用サンダルなど足の健康を守る機能性や履きやすさを重視した商品を主力としている。一方で、ここ数年は「リック・オウエンス(RICK OWENS)」や「ヴァレンティノ(VALENTINO)」とコラボレーションをしたり、パリ・ファッション・ウイークでコレクションイベントを開催したり、キャンペーンのモデルに“シューズ界の王様”と呼ばれるマノロ・ブラニク(Manolo Blahnik)を起用したりとファッション性を強めている。2021年2月には、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)と、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者の一族の投資会社フィナンシエール アガシュ(FINANCIERE AGACHE)に過半数株式を売却した。当時、「ビルケンシュトック」の評価額は明らかにされなかったが、40億ユーロ(約6280億円)程度だったといわれている。

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「ビルケンシュトック」がIPO申請 評価額は1兆円以上の可能性も

ドイツのシューズブランド「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」は9月12日、米国証券取引委員会(SEC)にIPO(新規上場)の申請を行なった。7月ごろからIPOを検討しているとの臆測が広まっていた。現時点では公開株式数や価格などの詳細は未決定だが、業界関係者によれば、評価額は80億ドル(約1兆1680億円)強になる可能性もあるという。

今回、申請とともに提出された財務諸表によって初めて同社の業績が明らかになった。それによれば、2022年9月通期決算の売上高は12億ユーロ(約1884億円)、調整後EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は4億3460万ユーロ(約682億円)、純利益は1億8700万ユーロ(約293億円)だった。同社の主力市場は南北アメリカと欧州で、前者は22年度の売上高の54%を、後者は36%を占めている。D2Cも好調で、18年から22年にかけて42%の成長率となった。

「ビルケンシュトック」は、1774年にヨハン・アダム・ビルケンシュトック(Johann Adam Birkenstock)が教会の公文書に「臣民の靴職人」と登録されたことを起源とする、250年近い歴史を持つシューズブランド。1896年には柔軟性のあるインソールを発売し、その後も医療用サンダルなど足の健康を守る機能性や履きやすさを重視した商品を主力としている。一方で、ここ数年は「リック・オウエンス(RICK OWENS)」や「ヴァレンティノ(VALENTINO)」とコラボレーションをしたり、パリ・ファッション・ウイークでコレクションイベントを開催したり、キャンペーンのモデルに“シューズ界の王様”と呼ばれるマノロ・ブラニク(Manolo Blahnik)を起用したりとファッション性を強めている。2021年2月には、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)系の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)と、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者の一族の投資会社フィナンシエール アガシュ(FINANCIERE AGACHE)に過半数株式を売却した。当時、「ビルケンシュトック」の評価額は明らかにされなかったが、40億ユーロ(約6280億円)程度だったといわれている。

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米リセール市場は子ども服が急成長 注目の循環型ECサイト、スウォンドルとは?

アメリカの子ども服のリセールが急成長している。今年7月にメルカリUS(MERCARI US)が発表した2023年度リユースリポートによると、22年に最も成長したカテゴリーは前年比19.2%増の子ども服で、取引額はおよそ19億ドル(約2774億円)。2位のメンズウエアの14.5%増に大きく差をつける結果となった。リセールで人気の子ども服ブランドは、プチプラ子ども服の「カーターズ(CARTER’S)」やシューズの「クロックス(CROCS)」、オーガニックコットンなどを使ったプリント柄が特徴の「ケイト クイン(KATE QUINN)」、ターゲット(TARGET)の「キャット&ジャック(CAT & JACK)」、EC専門のスリープウエア「リトルスリーピーズ(LITTLE SLEEPIES)」。中古品の売買が盛んな米リユース市場は、22年と比較して31年には86.7%増の3250億ドル(約47兆4500億円)に達すると見込まれており、中でも子ども服は同期間に146%の成長率が期待されるという。

こうした中、注目を集めているのが循環型マーケットプレイス、スウォンドル・ソサエティ(SWOONDLE SOCIETY以下、スウォンドル)だ。スウォンドルはサイズアウトや型落ちした子どもの衣料品を一般ユーザーやアパレルブランドから下取りし、交換または販売するフルサービスのプラットフォームを提供している。一般ユーザーは会員登録後に、再利用可能な配送バッグを受け取り、不要になった古着または新品の持ち物をバッグに入れて返送。その後スウォンドルが査定し、5段階のレベルに評価する。ユーザーはサイト上に掲載されたアイテムを購入できるほか、査定品と同じレベルの新品または中古のアイテムと交換することができる。2児の母である創業者のジェン・ズクリー(Jen Zuklie)最高経営責任者(CEO)は、親同士が不要になった子ども服を気軽に交換できる場をつくりたいという思いから起業。また、交換することで廃棄される衣料品を減らすことも目的としている。

スウォンドルは自社サイトに加え、米国の小売最大手ウォルマート(WALMART)やファッション専門のフリマアプリ、ポッシュマーク(POSHMARK)と中古品を売買するリコマースのネットワーク提携を結んでおり、子ども服ブランドの「ピッコリーナ(PICCOLINA)」や「マイトリー(MIGHTLY)」「クラシック・プレップ・チルドレンウエア(CLASSIC PREP CHILDRENSWEAR)」「ロケッツ・オブ・オウサム(ROCKETS OF AWESOME)」なども展開している。さらに、シーイン(SHEIN)のリセールパートナーでもあるトリート社(TREET)との戦略的提携により、子ども服の「ライリーアンドクルー(RYLEE + CRU)」とママバッグの「ジュジュビー(JUJUBE)」の販売と下取りのプログラムをサポートしている。また、ショッピファイ(SHOPIFY)対応のブランドは、独自のリセール&下取りのプログラムの立ち上げも支援する。

スウォンドルはさらなる拡大を図り、7月に子ども服のリセール・マーケットプレイスのショップトゥモローズ(SHOPTOMORROWS)を買収した。ショップトゥモローズの既存の顧客ベースを獲得し、取り扱い数を拡充する狙いだ。ショップトゥモローズのヘイリー・ライバーマン(Haley Lieberman)創業者は、「子ども服は、従来の小売やリセールの委託モデルではコストがかかるため、持続することが難しい。そうした背景から、当社は下取りをベースとしている。スウォンドルと共に、さらなる成長を図る」と語る。またスウォンドルのズクリーCEOは、「両社のビジネスモデルとミッションを組み合わせることによって生まれる相乗効果が互いを引き寄せた。ヘイリーの専門知識と広範なネットワークは、子ども服市場の持続可能性と循環性を向上させるという私たちのミッションにとって大きな財産となるだろう」と期待する。

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「アディダス」VS「トム ブラウン」のストライプ商標権侵害訴訟、第二ラウンドに突入

一審判決では「トム ブラウン(THOM BROWNE)」に軍配が上がった「アディダス」とのストライプ商標権侵害訴訟だが、「アディダス(ADIDAS)」が、ジェド・ラコフ(Jed Rakoff)判事が「(商品の)販売時点で(消費者が両ブランドの商品を)混同する可能性」に関して陪審員に不正確な説明を行ったと主張し、再審請求を行ったため、法定バトルは第二ラウンドに突入している。

「アディダス」はそのほかにも、判事が「アディダス」側が用意した専門家のうち、1名の証言を排除する決定を下したが、「トム ブラウン」の専門家にはアパレルへのストライプの使用に関する証言を認めたことを「不可解な決定」だと主張する。これに対して「トム ブラウン」側は8月、判事の説明はミスリーディングなものではなく、「トム ブラウン」が用意した専門家の証言は「『アディダス』を害するものではなかった」と反論し、再審請求を却下するよう求めている。

両者の代理人からはコメントをえられなかった。

今後、双方が追加の準備書面を提出し、口頭弁論を行うことになるが、一般的には結論が出るまでかなりの時間を要するという。法曹関係者によると、本件のような事案では控訴は珍しいことではないが、控訴審では陪審評決を覆すことを嫌うという。

「アディダス」は、「トム ブラウン」がアパレルなどに採用した4本線のストライプ柄やブランドのトレードマークでもあるトリコロールカラーのグログランリボンが「アディダス」の商標権を侵害しているなどとして、約800万ドル(約11億6800万円)の損害賠償求めて「トム ブラウン」を提訴していたが、今年1月、8人の裁判員は「トム ブラウン」の商標権侵害を否定していた。

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ジョゼフのカンポスCEOが語るブランドの変革と展望、そして自身を支えた3人のメンター

コロナ禍によるロックダウンの影響や急激な金利上昇などで苦戦するイギリスのファッション市場だが、オンワードホールディングス傘下の「ジョゼフ(JOSEPH)」は2022年に、15年以来初となる営業利益を計上した。その立役者であるバーバラ・カンポス(Barbara Campos)最高経営責任者(CEO)に注目が集まっている。

フランス出身のカンポスCEOはハーバード・ビジネス・スクール(Harvard Business School)で学んだ後、「ダイアン フォン ファステンバーグ(DIANE VON FURSTENBERG)」や「フルラ(FURLA)」「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」などでセールスやマーケティング部門の要職を担ってきた。18年にジョゼフに入り、不採算が続いていたブランドの再構築を図った。20年には、デザインチームに所属していたアンナ・ルンドバック(Anna Lundback)と夫で「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」でグローバル・クリエイティブ・ディレクターを務めていたフレデリック・デューア(Frederik Dyhr)の2人を共同クリエイティブ・ディレクターに任命。「ジョゼフ」の創設者である故ジョゼフ・エテッドギー(Joseph Ettedgui)氏が掲げた実用的でラグジュアリーな服という当初のミッションを果たすべく、再始動した。

22年度の売上高は前年比30%増の4710万ポンド(約86億円)、営業損益は前年のおよそ900万ポンド(約16億円)の損失から36万6000ポンド(約6697万円)の黒字に転換し、純損失も大幅に縮小した。カンポスCEOは今後5年で、「ジョゼフ」の24店舗と「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」や「マッチズファッション ドットコム(MATCHESFASHION.COM)」「マイテレサ(MYTHERESA)」、ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)といった400以上の卸先を通じて、ビジネス規模を倍にしたい考えだ。10月には、ロンドンのリーゼント・ストリート124番地に新世代に向けた店舗をオープンする予定だという。今後の事業再生や展望、これまでのキャリアなどについて聞いた。

ブランドはジョゼフ氏の精神にならって「変化」が必要だった

米「WWD」(以下、WWD):「ジョゼフ」に入社した理由は?またどのように事業再生に取り組んだか。

バーバラ・カンポスCEO(以下、カンポスCEO):入社の理由は「ジョゼフ」の高い評価と自分自身にとって思い入れのあるブランドだったから。入社当初は、何かする必要があると分かっていたが、まだ明確な戦略はなかった。収益性もブランドのポジショニングも低迷する中で、入社後の100日はビジネスの様子を観察し、全従業員と話した。そして、ジョゼフが残した遺産を活用する必要があるという結論に達した。つまり、商品は女性のワードローブに役立つという使命を果たす必要があり、ビジネスは利益を上げ、自立する必要があった。誰か、または何かが正しくないと思えば、変更を加えた。サプライヤーの多くを変え、職人技と品質に対してさらに注意を払い、工程の全てを見直した。

WWD:エデッドギー創業者の妻で、メイフェアにある英国王室御用達の老舗レザーブランド「コノリー(CONNOLLY)」を運営するイザベル・エデッドギー(Isabel Ettedgui)に会ったとか。

カンポスCEO:そう、ジョゼフのことをもっと知りたかったから。イザベルによると彼は変化を楽しむ人で、美容師としてキャリアをスタートし、髪を切ることでその人を変身させたり、人の自宅に招かれた際には承諾を得つつリビングルームの家具や空間をアレンジしたりしていたとか。変化。それこそが私が着手するべきことだった。

WWD:20年には、共同クリエイティブ・ディレクターを起用する型破りな決定をした。その背景は?

カンポスCEO:実際には、アンナが夫のフレデリックを共同デザイナーとして迎えたいと提案したことだったが、面白いと思った。アンナはウィメンズのクリエイティブ力と専門知識を兼ね備え、フレデリックはメンズの専門知識に加え、ビジネスについても詳しく、彼らの右脳と左脳が共生しているようだった。黒と白、ロンドンクールとパリシック、そしてリラックスしたシルエット。2人はブランドの二面性を象徴しつつ、全てを一つにした。

WWD:コロナ禍でもブランド変革を順調に進めた。どのようにしてロックダウンを乗り切った?

カンポスCEO:私たちは迅速に行動し、計画そしてビジネスモデルを見直す必要があった。ビジネス全体をストップし、倉庫を閉鎖したことで、少なくとも2カ月半は出荷できなかった。でもチームとしての働きぶりにはとても満足しているし、いい成果が出せたと思っている。みんな冷静でいられたし、条件反射的な決定を下すこともなかった。疲労困憊だったけれど興味深い時間だった。

ただし、事業のいくつかのカテゴリーでの見直しや進行中のプランの前倒しを強いられ、優先順位を決めなければならず、家主やサプライヤー、卸先と交渉する必要があった。私たちは信用のある企業であり続けたかったし、互いにサポートし合える人々に敬意を払いたかった。そうした意味では、多くの機会があった。

WWD:今はどのような層にアプローチしているか。それは年々変化しているか。

カンポスCEO:私たちのターゲットは特定の女性や年齢層ではなく、何を着ればいいのかとアイデアを求めている全ての女性に向けて、すごくいい気分でない日でも素敵に見せてくれる服をデザインしている。服は心地よさや自信を与えてくれる親友のような、エフォートレスで気を遣う必要がないものであってほしい。そうしたカテゴリーの中で、常にベストなブランドでありたいと考えている。

今後、欧米でのビジネス拡大のチャンスを想定

WWD:10月オープンのロンドン・リーゼントストリート店について。

カンポスCEO:この冬に迎えるブランド40周年に向け、リーゼントストリート店は、今後の店舗拡大の要になる。リーゼントストリートはロンドンでも象徴的な通りで海外観光客なども多く、イギリス国外に向けて「ジョゼフ」を知ってもらえる絶好のチャンスになる。今後数年で全店舗を新しいコンセプトに刷新していく計画だ。

デザインの面でいうと、これまでより温かみがあり、よりオーガニックで、よりナチュラルな素材を使いたいと思っていた。またコンセプトの重要な要素として、店内にはコレクションに似たさまざまなテクスチャーも展開する予定だ。

「ジョゼフ」はイギリス国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカでの成長に大きなチャンスを見越している。今後も着実に成長していくことを目指す。

WWD:ロンドン・ファッション・ウイークでのランウエイショー復活は考えているか。

カンポスCEO:現段階では予定していない。2シーズン前からD2Cマーケティングを始め、ビジュアルやウェブサイト、デジタルマーケティングに多く投資してきた。何人かのインフルエンサーと協業もしているが、いい成果につながりそうだ。ブランドのアンバサダー的な存在として、素晴らしい役割を果たしてくれるだろう。

キャリアにおいてのメンターは3人

WWD:これまでヨーロッパやアメリカの大手ファッション企業でキャリアを積んできているが、その経験をどのように仕事に活かしてきたか。

カンポスCEO:これまでに複数の企業でさまざまなスキルを習得してきたが、特に「ダイアン フォン ファステンバーグ」と「フルラ」「ヒューゴ ボス」では、多くのことを学んだ。ニューヨークの「ダイアン フォン ファステンバーグ」では、リスクテイクについて。彼らは“不可能なことはない”というアメリカンドリームな考えから、常に決断を下していた。試してもうまくいかなければ、別のことを試す。そして成功するまで続ける。その機敏性と回復力をジョゼフで活かしている。

「フルラ」では、イタリア人の問題に対してクリエイティブに解決する方法がとても参考になった。彼らは臨機応変に策を見出す力にとても優れていた。ドイツの「ヒューゴ ボス」では、着実に実行することや製品への敬意、文化の重要性について教わった。全てにブランドらしさが息づいていた。

WWD:あなたにとってのメンターは?

カンポスCEO:3人いる。1人は「ヒューゴ ボス」での最初の上司で、今は退職している人物。彼はビジネスの才覚に加えて、アイテムの技術的な部分も熟知していて、例えばジャケットやズボン、コートの作り方など全てを教えてくれた。また、ウールやコットンの編み方についてもよく知っていて、おかげで私は今でも生地を見れば、ウールとシルクの混紡の割合を言うこともできる。

2人目は、「フルラ」時代の上司だったサラ・フェレロ(Sara Ferrero)元ジョゼフCEO。彼女と「フルラ」を創業したフルラネット(Furlanetto)家は、若かった私に大きなチャンスを与えてくれ、信じてくれた。私のキャリアにおいて大きな後押しになった。サラはとても要求の厳しい人だったが、協力的で、細部にまで気を配ることを教えてくれた。

3人目は、デザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグ。彼女は素晴らしい女性で、成功を遂げ、チャーミングでエネルギーに満ち溢れている。さらに正直で率直で、でもすごく協力的。女性であることを誇りに思い、他の女性の功績を誇りに思っている。そしてユーモアのセンスもある。

WWD:採用の際、面接で最初にする質問は?

カンポスCEO:最も興味があるのは、なぜその仕事をしたいのかということ。そもそもなぜ応募したのか?その答えによって、その人がどれほどの意欲と情熱を持っているのかを知ることができる。

WWD:仕事以外の時間には何をしている?

カンポスCEO:屋外で過ごすのが好きで、ボートに乗ったり、ウエイクボードやサーフィンをしたり、泳いだりしている。また昔から動物好きでもあって、若いころは馬術の競技をしていたし、今は飼い犬のドーベルマンをワーキングトライアル(警察犬のように訓練して成果を競う大会)に出場させるために訓練している。そうしたこともあって、動物行動学に興味を持ち、ケンブリッジ・インスティテュート・オブ・ドッグ・トレーニング(Cambridge Institute of Dog Training)でインストラクター兼行動学者になるための勉強をしている。

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「グッチ」親会社ケリングの会長兼CEO、米タレントエージェンシーの過半数株式を取得

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者(CEO)は、一族の投資会社であるアルテミス(ARTEMIS)を通じ、米タレントエージェンシーのクリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー(CREATIVE ARTISTS AGENCY以下、CAA)の過半数株式を取得した。取引額は非公開。

CAAは、1975年にカリフォルニア州ロサンゼルスで設立された。トム・ハンクス(Tom Hanks)、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、ゼンデイヤ(Zendaya)、ビヨンセ(Beyonce)、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)ら多数の俳優やアーティストに加えて、デザイナーやモデル、スポーツ選手の代理人を務めているほか、ブランドマネジメント事業なども行なっている。共同会長を務めるブライアン・ロード(Bryan Lourd)、ケビン・フベイン(Kevin Huvane)、リチャード・ロベット(Richard Lovett)は取引の成立後も続投し、ロード共同会長はCEOも兼任する。

アルテミスは、92年にピノー=ケリング会長兼CEOの父であるフランソワ・ピノーが設立。ケリングの株式の40.9%を保有しているほか、競売会社のクリスティーズ(CHRISTIE'S)、クルーズ会社のポナン(PONANT)、ワインシャトーのシャトー・ラトゥール(CHATEAU LATOUR)などに加えて、ファッション領域では「クレージュ(COURREGES)」「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」などのブランドを擁しており、複数のテック企業にも投資している。なお、今回の取引では、13年にわたってCAAの株主だった投資会社TPGキャピタル(TPG CAPITAL)の保有分を取得。情報筋によれば、取引の目的はCAA所属の俳優らにケリングの傘下ブランドの商品を身に着けてもらったり、アンバサダー就任を容易にしたりするためではなく、あくまでも戦略的な投資の一環だという。

ケリングはカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)の主要スポンサーの1社であり、「グッチ」はロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)による「アート+フィルム ガラ(ART+FILM GALA)」のスポンサーを長年務めるなど、映画業界との縁が深い。また、「サンローラン」は2023年4月に映画制作の子会社サンローラン プロダクション(SAINT LAURENT PRODUCTIONS)を設立し、映画市場に本格的に参入している。

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「グッチ」親会社ケリングの会長兼CEO、米タレントエージェンシーの過半数株式を取得

「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)のフランソワ・アンリ・ピノー(Francois-Henri Pinault)会長兼最高経営責任者(CEO)は、一族の投資会社であるアルテミス(ARTEMIS)を通じ、米タレントエージェンシーのクリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー(CREATIVE ARTISTS AGENCY以下、CAA)の過半数株式を取得した。取引額は非公開。

CAAは、1975年にカリフォルニア州ロサンゼルスで設立された。トム・ハンクス(Tom Hanks)、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、ゼンデイヤ(Zendaya)、ビヨンセ(Beyonce)、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)ら多数の俳優やアーティストに加えて、デザイナーやモデル、スポーツ選手の代理人を務めているほか、ブランドマネジメント事業なども行なっている。共同会長を務めるブライアン・ロード(Bryan Lourd)、ケビン・フベイン(Kevin Huvane)、リチャード・ロベット(Richard Lovett)は取引の成立後も続投し、ロード共同会長はCEOも兼任する。

アルテミスは、92年にピノー=ケリング会長兼CEOの父であるフランソワ・ピノーが設立。ケリングの株式の40.9%を保有しているほか、競売会社のクリスティーズ(CHRISTIE'S)、クルーズ会社のポナン(PONANT)、ワインシャトーのシャトー・ラトゥール(CHATEAU LATOUR)などに加えて、ファッション領域では「クレージュ(COURREGES)」「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」などのブランドを擁しており、複数のテック企業にも投資している。なお、今回の取引では、13年にわたってCAAの株主だった投資会社TPGキャピタル(TPG CAPITAL)の保有分を取得。情報筋によれば、取引の目的はCAA所属の俳優らにケリングの傘下ブランドの商品を身に着けてもらったり、アンバサダー就任を容易にしたりするためではなく、あくまでも戦略的な投資の一環だという。

ケリングはカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)の主要スポンサーの1社であり、「グッチ」はロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)による「アート+フィルム ガラ(ART+FILM GALA)」のスポンサーを長年務めるなど、映画業界との縁が深い。また、「サンローラン」は2023年4月に映画制作の子会社サンローラン プロダクション(SAINT LAURENT PRODUCTIONS)を設立し、映画市場に本格的に参入している。

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LVMH傘下の眼鏡メーカーが“007”も着用の仏ブランドを買収

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下のアイウエアメーカーであるティリオス(THELIOS)は、ロンドンの投資会社ネオ インベストメント パートナーズ(NEO INVESTMENT PARTNERS)からフランスのアイウエアブランド「ヴュアルネ(VUARNET)」を買収した。取引額は非公表。2018年にイタリアで設立されたティリオスは現在、多くのLVMH傘下のブランドとライセンス契約を結び、アイウエアの製造・流通を手掛けているが、ブランドの買収は今回が初めてになる。

アレッサンドロ・ザナルド(Alessandro Zanardo)最高経営責任者(CEO)は「『ヴュアルネ』を買収するチャンスは、私たちにとってふさわしいタイミングで訪れた。アイウエア業界での地位を築く6年間の重要なステップを経て、ブランドを傘下に収めて運営を始める準備が整ったと感じている」とコメント。そして、「私たちはとても堅実だ。デザイン、開発、品質における専門知識や技術を確立するとともにグローバルな商業ネットワークを構築し、世界各地で支社を設立し、市場で最高の小売業者との関係を強化してきた」と続ける。買収により、研究開発能力や専門知識、世界的なネットワークなど同社の幅広いリソースを生かし、ブランドの成長とグローバル展開を推進する。

「ヴュアルネ」は、1957年に眼鏡技師のロジェ・プイユ(Roger Pouilloux)とオリンピック金メダリストのスキー選手であるジャン・ヴュアルネ(Jean Vuarnet)が創業。ミネラルレンズ製造の先駆者としても知られ、パリ近郊のモーにある製造拠点はフランス政府から「無形文化財企業(Entreprise du Patrimoine Vivant)」の認定を受けている。2000年代初めから休眠状態にあったが、15年にネオ インベストメント・パートナーズが買収し復活させた。スポーツギアが起点のブランドではあるが、「テクニカルなブランドではなく、自然やサステナビリティとも結びついた、よりライフスタイル的なアウトドアブランドとして捉えている」とザナルドCEOは述べる。またスタイルという点では、象徴的なモデルを映画「太陽が知っている」(1969)のアラン・ドロン(Alain Delon)や「007 スペクター」(2015)のダニエル・クレイグ(Daniel Craig)ら有名俳優が作中で着用し、人気を集めてきた。

ティリオスは以前から「確かな特徴のある」ブランドを傘下に収めることに目を向けており、「ヴュアルネ」の歴史や、大切にし続けてきた確固たる価値観、オリンピック精神、そしてスタイルへのラグジュアリーなアプローチは求める条件に合致する。買収によって、同社は「ファッションではなくアイウエアからスタートした」ブランドでポートフォリオを拡大できる。しかし、保有するブランドの育成に重点を移すかという問いに対しては「他のブランドがこのような特徴を持ち、強力なノウハウとデザイン性を備えた比類なきブランドである場合に限る」と説明。ライセンスよりも傘下ブランドでポートフォリオを拡げることは意図していないとし、「ヴュアルネ」は同社のポートフォリオ戦略に調和して他のブランドを補完するものだという。今後は、同ブランドの純粋な魅力を保ち、流通を絞ることで、ポジショニングをさらに高めていく計画だ。

なお、ティリオスはLVMHとイタリアの大手アイウエアメーカーであるマルコリン(MARCOLIN)の合弁会社として設立されたが、21年12月にLVMHがマルコリンの所有する全株式を取得して完全子会社化。アイウエア業界におけるプレゼンスを強化しており、現在は「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ロエベ(LOEWE)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「ケンゾー(KENZO)」「ベルルッティ(BERLUTI)」などのアイウエアを製造している。

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「アンダーアーマー」、ジョン・バルベイトスをチーフ・デザイン・オフィサーに任命

「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」は、デザイナーのジョン・バルベイトス(John Varvatos)をチーフ・デザイン・オフィサー(CDO)に任命した。9月11日付で就任し、デザインスタジオを統括するほか、アパレル、フットウエア、アクセサリーなど全カテゴリーのデザインを監修する。同氏が携わった商品は、2024年の夏から秋にかけて順次発売する予定。なお、同氏はコレクションの機能的な部分にはあまり関与せず、それはこれまで通りテクニカルチームが担当するという。

バルベイトス新CDOは、米ミシガン州デトロイト生まれ。1984年に「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」に加わった後、90年にメンズウエア・デザイン・ヘッドとして「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」に入社。同ブランドのシグネチャーの1つとなった、ボクサーパンツとブリーフの中間であるメンズ用のアンダーウエア、ボクサーブリーフを発表した。95年にメンズウエア・デザイン・ヘッドとして「ポロ ラルフ ローレン」に戻り、「ラルフ ローレン ブラック レーベル(RALPH LAUREN BLACK LABEL)」や「ポロ ジーンズ カンパニー(POLO JEANS CO.)」などのデザインも手掛けた。2000年に自身の名を冠したブランド「ジョン バルベイトス」を設立。ロックなど音楽にインスピレーションを受けたモダンなテーラードスタイルやカジュアルウエアで人気を博したが、15年ごろから失速。20年には、業績不振にコロナ禍の影響が追い打ちとなって多額の負債を抱えたことから、日本の民事再生法に相当する米国連邦破産法第11章の適用を申請した。現在は、同ブランドの長年のパートナーである投資会社ライオン・キャピタル(LION CAPITAL)の関連会社がオーナーとなっている。21年には、新ブランド「オン ジス デー(ON THIS DAY)」を設立したものの、23年3月に終了した。なお、バルベイトス新CDOは今年の春からコンサルタントとして「アンダーアーマー」に加わっているが、これは22年12月に同ブランドのケビン・プランク(Kevin Plank)創業者と会食し、意気投合したことによるものだという。

アンダーアーマーは1996年の設立。「ナイキ(NIKE)」や「アディダス(ADIDAS)」に次ぐスポーツブランドとして急成長したものの、2016年ごろから成長が鈍化し、17年に赤字転落。20年1月には、設立以来、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めてきたプランク創業者がCEO職を退任し、エグゼクティブチェアマン兼ブランドチーフに就任。後任として、パトリック・フリスク(Patrik Frisk)社長兼最高執行責任者(当時)が社長兼CEOに昇格した。同氏は人員削減、卸先の整理、調達先の変更、スポーツウエアとフットウエアへの集中などを含む5カ年の再建計画を実施し、同社は21年12月通期に黒字転換。再建計画の終了に伴い、22年6月に退任した。23年2月には、後任として大手ホテルチェーン米マリオット・インターナショナル(MARRIOTT INTERNATIONAL)のステファニー・リナーツ(Stephanie Linnartz)社長(当時)が社長兼CEOに就任した。

なお、アンダーアーマーの23年4〜6月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比2.4%減の13億1700万ドル(約1922億円)、営業利益は同39.3%減の2093万ドル(約30億円)、純利益は同11.3%増の854万ドル(約12億円)だった。フットウエアは好調だったものの、卸とアパレルが不調で、特に本拠地である北米市場で苦戦した。

リナーツ社長兼CEOは、「30年におよぶ経験と高い実績を持つジョンを『アンダーアーマー』ファミリーの一員として迎えることができ、とてもうれしく思う。プロダクトチームと密接に連携し、機能性とスタイルをうまくブレンドしながら、アパレル、フットウエア、アクセサリーをそのコンセプトから商品化までうまく導いてくれるだろう」と語った。

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ナチュラ&コー、「ザボディショップ」売却か? 「イソップ」に続いて

ブラジルの化粧品会社ナチュラ&コー(NATURA & CO)はこのほど、イギリス発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」の売却を検討していると発表した。4月、ザボディショップインターナショナル(THE BODY SHOP INTERNATIONAL)の最高経営責任者(CEO)を5年半務めたデイビッド・ボイントン(David Boynton)が突然退任。暫定の後任として、取締役会のメンバーで「コーチ(COACH)」の社長も務めたイアン・ビックリー(Ian Bickly)が就任し、黒字化に向けて事業計画の練り直しを図っていた。

ボイントン前CEOは、ナチュラ&コーが仏化粧品大手ロレアル(L’OREAL)から「ザボディショップ」を買収した2017年から指揮を執ってきた。同ブランドを1976年に創業したアニータ・ロディック(Anita Roddick)が推進した、自然な原料による商品開発や非動物実験、女性のエンパワーメントなど、業界のゲームチェンジャーとしてのDNAに原点回帰する重要なビジネス転換を率いた。

ナチュラ&コーは16年に豪高級スキンケアブランド「イソップ(AESOP)」、17年に「ザボディショップ」を次々と買収。19年に、イギリスに本社を置くスキンケア直販大手「エイボン(AVON)」も傘下に収め世界有数のビューティ企業グループに拡大していた。しかし、22年度は4四半期連続で赤字を計上。4月には、「イソップ」をロレアルに売却する契約に合意したと発表した。取引額は25億ドル(約3650億円)以上に上るとみられ、8月30日(現地時間)に取引が完了したことを発表した。「イソップ」の売却は、債務負担を下げることを目的とした黒字化計画の一環で、「ザボディショップ」を売却すれば、この動きが加速することになる。

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ナチュラ&コー、「ザボディショップ」売却か? 「イソップ」に続いて

ブラジルの化粧品会社ナチュラ&コー(NATURA & CO)はこのほど、イギリス発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」の売却を検討していると発表した。4月、ザボディショップインターナショナル(THE BODY SHOP INTERNATIONAL)の最高経営責任者(CEO)を5年半務めたデイビッド・ボイントン(David Boynton)が突然退任。暫定の後任として、取締役会のメンバーで「コーチ(COACH)」の社長も務めたイアン・ビックリー(Ian Bickly)が就任し、黒字化に向けて事業計画の練り直しを図っていた。

ボイントン前CEOは、ナチュラ&コーが仏化粧品大手ロレアル(L’OREAL)から「ザボディショップ」を買収した2017年から指揮を執ってきた。同ブランドを1976年に創業したアニータ・ロディック(Anita Roddick)が推進した、自然な原料による商品開発や非動物実験、女性のエンパワーメントなど、業界のゲームチェンジャーとしてのDNAに原点回帰する重要なビジネス転換を率いた。

ナチュラ&コーは16年に豪高級スキンケアブランド「イソップ(AESOP)」、17年に「ザボディショップ」を次々と買収。19年に、イギリスに本社を置くスキンケア直販大手「エイボン(AVON)」も傘下に収め世界有数のビューティ企業グループに拡大していた。しかし、22年度は4四半期連続で赤字を計上。4月には、「イソップ」をロレアルに売却する契約に合意したと発表した。取引額は25億ドル(約3650億円)以上に上るとみられ、8月30日(現地時間)に取引が完了したことを発表した。「イソップ」の売却は、債務負担を下げることを目的とした黒字化計画の一環で、「ザボディショップ」を売却すれば、この動きが加速することになる。

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名物アナリストが今後のラグジュアリー市場を分析 「富裕層とエントリー層を取り込めるメガブランドの見通しは引き続き明るい」

資産運用大手アライアンス・バーンスタイン(ALLIANCE BERNSTEIN)はこのほど、ラグジュアリーブランドや業界に精通したルカ・ソルカ(Luca Solca)=アナリストによるリポート「未来の高級品消費者(Luxury Goods Consumer of the Future)」を発表した。市場の動向について、彼は「新型コロナウイルスのパンデミックが明けた幸福感の中で、消費者は高級商材に溺れた後、“冷静さ”を取り戻す可能性が高い。そして、ラグジュアリーの成長はゆるやかになり、このセクターは周期的なパターンに戻るだろう」と分析。ただし、「富裕層とエントリー層という異なる顧客セグメントを取り込めるポジショニングにあるメガブランドの見通しは引き続き明るい」と続ける。

同リポートによれば、ほとんどのラグジュアリーブランドでは、上位5%の顧客が売り上げの40%以上を占め、下位50%の顧客は売り上げの約15%を生み出しているという。そして、「所得と富の格差が拡大し、社会ピラミッドの頂点に立つ人々の消費力が高まっている。現代のラグジュアリー業界はこの10年間、無限にエスカレートしているような限定アイテムやVIP向け施設とイベントなど、以前よりさらに賢く多様な方法で、トップ層の消費者と再びつながりを深めている」という見解を示す。

一方、ラグジュアリーのメガブランドは、ビューティアイテムやシューズ、ベルト、Tシャツ、コスチュームジュエリー、サングラスなど、ウエアやバッグよりも低価格帯のカテゴリーでの商品展開を拡大し、より多くの顧客との接点を持つようにもなっている。例えば、「プラダ(PRADA)」は、8月にスキンケアとメイクアップ製品をローンチしたばかりだ。ソルカ=アナリストの見解では、高級品への欲求は普遍的なものになりつつあり、「私たちは、個人の権利と自己主張の時代を生きている。“理想の自分”になる手助けをしてくれるラグジュアリーブランドは、今の時代の気分や思考に完璧にフィットしている」と述べる。

さらに、大手ラグジュアリーブランドは、「排他性を維持しているように見せる」ためにカテゴリーの住み分けを行うことで、拡大する中流階級にもブランドを浸透させているようだ。これは、エントリー層の顧客向けのカフェやVIP顧客をもてなすプライベートサロンなど、店舗の設備にまで及ぶ。その象徴的な例が、「ディオール(DIOR)」のパリ・モンテーニュ通り30番地にある本店だ。リポートによると、同店は「あらゆるレベルの消費者が“(自分が所属する)階層”の範囲内で楽しめるように構成されており、一般客は12ユーロ(約1900円)で併設するミュージアム“ラ ギャラリー ディオール(LA GALERIE DIOR)”を訪れることができる一方、限られたトップ顧客はプライベートスイートを予約することができ、滞在中に数百万ユーロを使う」。

世界の主要市場の現状は?

リポートでは、パンデミック後の幸福感による2年半の再興を経て落ち着いたアメリカ市場をラグジュアリーセクター正常化の先駆けとして捉えており、その(一時的な)成長の流れを中国市場が引き継いだと見ている。そして、「日本など、コロナによる規制解除が遅かった国の人々は今でもYOLO(You Only Live Onceの略、“人生は一度きりだから思い切り楽しもう”という意味合いの言葉)モードだ。アメリカ人と比べると、ヨーロッパ人さえ、もっと楽観的だ」という。

またソルカ=アナリストは、「平時のラグジュアリー消費は、消費者がより豊かになったと感じているかに左右される。具体的には、経済成長が加速し、資産市場の価格が上昇し、金融緩和が行われたときに消費意欲が高まる」と説明。「ただ、これらの要因がどうであろうと、多かれ少なかれ、お金は使えるうちに使おうという意識は、パンデミックがもたらした結果の一つだ」と話す。

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「ルイ・ヴィトン」が腕時計“タンブール”の新作を9月に発売 ウオッチの高級路線化で現行モデルの約80%を廃番に

「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、アイコニックなウオッチ“タンブール(TAMBOUR)”をシックかつスポーティーに再解釈した新作を9月に発売する。また、ウオッチの高級路線化を進めるため、今回の新作発売を前に現行モデルの80%程度を順次廃番とする。

新作は、直径40mmで厚さ8.3mmの薄型ケースとメタルブレスレットを一体化したユニセックスモデルで、ステンレススティール製を2型、ゴールドを2型、ステンレススティールとゴールドを組み合わせたものを1型の計5型を用意した。価格は“タンブール オトマティック スティール(Tambour Automatic Stainless Steel)”のブルーとシルバーがそれぞれ261万8000円で、ほかのモデルについては近日中に発表する。

ジャン・アルノー(Jean Arnault)=ルイ・ヴィトン ウォッチ部門マーケティングおよびプロダクト・ディベロップメント・ディレクターは、「これまでのモデルは平均4000ユーロ(約63万円)程度だったが、今後は2万ユーロ(約316万円)以上となる。一気にこれだけ価格帯を上げるのは、『ルイ・ヴィトン』全体で見ると大したことではないかもしれないが、ウオッチ部門としては大胆な変革でありギャンブルだ」と語った。新作については、「年間の売り上げ目標は設定していない。少しずつ着実に成長させ、顧客やブランドの正当性にとって申し分のないものに育て上げていきたい」と意気込みを見せた。

100モデル以上ある現行ラインアップのうち継続が決定しているのは、“タンブール ホライゾン ライト・アップ(Tambour Horizon Light Up)”や、2021年に発売した“タンブール ストリート ダイバー(Tambour Street Diver)”のほか、複数のウィメンズモデルやハイエンドモデルなど、およそ20モデル程度。同氏によれば、廃番となるモデルの製造は18カ月前から中止していたという。

こうしたウオッチの高級化は長期的な戦略であり、今回のコレクションの結果にかかわらず、2030年まで継続する。なお、現在「ルイ・ヴィトン」のウオッチを買い求めるのは、腕時計をファッションアクセサリーとして購入する顧客と、熱心な腕時計コレクターに大別できるという。高価格化によって前者の顧客層を失う可能性もあるが、それは覚悟していると同氏は説明する。「私たちのゴールは、みんなに(『ルイ・ヴィトン』の)腕時計を着けてもらうことではない。価格を下げ、大量に売ることで事業を拡大することに興味はない。職人のノウハウを高め、それを注ぎ込んだ製品を作り、長年のコレクターや当ブランドの熱心な顧客に心から満足してもらえるハイエンドな作品を届けたいと考えている」。

「ルイ・ヴィトン」は02年に初のウオッチコレクションとして“タンブール”を発表して以来、ウオッチメイキングのアトリエ、「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン(La Fabrique du Temps Louis Vuitton)」に投資している。同氏は、「幸運なことに、私たちの部門はウオッチメイキングに情熱のある、大きなメゾンの一部だ。短期間で投資のリターンを得ることを考えずに、のびのびとした発想でハイエンドなウオッチを作ることができる」とコメントした。

なお、今回の新作モデルは「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」初の自社製自動巻き3針ムーブメント、キャリバーLFT023を搭載しているが、これはスイスを拠点とするムーブメントのスペシャリスト、ル・セルクル・デ・オルロジェ(LE CERCLE DES HORLOGERS)と共同で開発・設計した。「当社のみで開発した場合、堅牢性など全ての面で満足できるものを作るには4〜5年かかってしまう。完全に自社製だと言うためだけに、信頼性の低い製品を発表したくなかった」。

また、今後は頻繁に新製品を発表するのではなく、さらなる複雑機構の開発や、完全オーダーメードの時計作りを優先する。これは職人の人数による製造キャパシティーなどの問題もあるが、それだけではないという。同氏は、「最近は(大量に)消費することより、クラフツマンシップを尊ぶようになってきている。腕時計を10本購入する代わりに、たった1本の、しかしとてつもなく素晴らしい品を手に入れたいと考える人が増えており、そうした意味でも当ブランドの戦略は時代の動きとマッチしている」と分析した。

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米リセール業者「ファッションファイル」が真贋鑑定トレーニングを初公開

アメリカのリセール業者ファッションファイル(FASHIONPHILE)は、メディアや特別なゲストを招いて真贋鑑定トレーニングの体験講座を初開催した。

“ファッションファイル大学”と名付けたトレーニング講座は、真贋鑑定のスペシャリストを養成するためのプログラムだ。スペシャリストからマスター鑑定士まで6段階に分かれている。体験講座では、スペシャリストが参加者に鑑定手順を段階的に説明し、文字や日付コード、金具、刻印、裏地、構造、重量などのディテールを確認していった。

ファッションファイルで販売される全てのバッグは最低2名の鑑定士によって鑑定される。研修生は少なくとも2年間は上長について鑑定を行う。研修生は、ファッションファイルで最も人気のある「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の鑑定から始め、そこから「シャネル(CHANEL)」、最終的には「エルメス(HERMES)」へとステップアップする。

シニア鑑定マネージャーのローラ・チャベス(Laura Chavez)は体験講座の中で「私たちの誠実さが全てだ」と語った。仮にファッションファイルが真贋鑑定に失敗した場合、購入者にはギフトカードで補償し、バッグは回収。そのバッグは偽物を保管する場所に格納されるという。同氏によると、ファッションファイルは学習用途でバッグを解体することはあっても、それ以外で破壊することは一切ないという。

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米リセール業者「ファッションファイル」が真贋鑑定トレーニングを初公開

アメリカのリセール業者ファッションファイル(FASHIONPHILE)は、メディアや特別なゲストを招いて真贋鑑定トレーニングの体験講座を初開催した。

“ファッションファイル大学”と名付けたトレーニング講座は、真贋鑑定のスペシャリストを養成するためのプログラムだ。スペシャリストからマスター鑑定士まで6段階に分かれている。体験講座では、スペシャリストが参加者に鑑定手順を段階的に説明し、文字や日付コード、金具、刻印、裏地、構造、重量などのディテールを確認していった。

ファッションファイルで販売される全てのバッグは最低2名の鑑定士によって鑑定される。研修生は少なくとも2年間は上長について鑑定を行う。研修生は、ファッションファイルで最も人気のある「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の鑑定から始め、そこから「シャネル(CHANEL)」、最終的には「エルメス(HERMES)」へとステップアップする。

シニア鑑定マネージャーのローラ・チャベス(Laura Chavez)は体験講座の中で「私たちの誠実さが全てだ」と語った。仮にファッションファイルが真贋鑑定に失敗した場合、購入者にはギフトカードで補償し、バッグは回収。そのバッグは偽物を保管する場所に格納されるという。同氏によると、ファッションファイルは学習用途でバッグを解体することはあっても、それ以外で破壊することは一切ないという。

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「ロレックス」がスイスの時計小売店ブヘラを買収 

「ロレックス(ROLEX)」は8月24日、スイスの時計小売店ブヘラ(BUCHERER)を買収すると発表した。取引額などの詳細は非公開。

ブヘラは1888年にカール・フリードリヒ・ブヘラ(Carl-Friedrich Bucherer)が創業。これまで一族経営を続けており、1977年からは3代目のイェルク・ブヘラ(Jorg Bucherer)が率いてきたが、直系の子孫がいないことから事業売却に踏み切ったという。なお、売却後も社名に変更はなく、独立経営を続ける。

ブヘラは世界で100以上の店舗を運営しており、その53店で「ロレックス」を、48店で「ロレックス」の兄弟ブランド「チューダー(TUDOR)」を取り扱っている。ロレックスとは1924年にパートナーシップ契約を結び、以来100年近くにわたって関係を築いている。

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「コーチ」親会社、23年6月期は前年並み 北米の不調が響く

「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)の2023年6月通期決算は、売上高が前期比0.3%減(現地通貨ベースでは3%増)の66億6090万ドル(約9658億円)、営業利益は同0.2%減の11億7240万ドル(約1699億円)、純利益は同9.3%増の9億3600万ドル(約1357億円)だった。

地域別の売上高(現地通貨ベース)では、アジア太平洋地域(日本と中国を除く)は同36%増、日本は同15%増、中国は同5%増、欧州は同7%増で、グローバルでは同13%増だった。一方、景気が減退している北米は2%減だった。

ブランド別の売上高では、主力の「コーチ」が同0.79%増の49億6040万ドル(約7192億円)と微増だったものの、「ケイト・スペード ニューヨーク」は同1.8%減の14億1890万ドル(約2057億円)、「スチュアート・ワイツマン」は同11.3%減の2億8160万ドル(約408億円)と減収だった。いずれのブランドも北米市場への依存度が高く、売り上げに占める割合は「コーチ」が61%、「ケイト・スペード ニューヨーク」は81%、「スチュアート・ワイツマン」は64%となっており、米国の国内需要の低下が業績に響いた。

ジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)最高経営責任者は、「急激に変化する経済環境の中、現地通貨ベースでは増収となり、利益率を拡大できた。また、素晴らしい製品や独自のストーリーテリング、オムニチャネルでの魅力的な買い物体験の提供などによって顧客とのエンゲージメントを深め、戦略的な優先事項を推進できたことをうれしく思う」と語った。

なお、タペストリーは8月10日、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS)を約85億ドル(約1兆2325億円)で買収した。同氏は、「この買収により、顧客セグメント、国や地域、製品カテゴリーなどをさらに拡大する、強力かつグローバルなラグジュアリーファッショングループが誕生することとなる。6つのアイコニックなブランドを集結し、当社の現代的な顧客エンゲージメント・プラットフォームを活用することで、世界中の消費者、従業員、コミュニティー、株主にとって優れた価値を創出していく」とコメントした。

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「ティファニー」、今年の全米オープンテニスでもトロフィー制作 全米テニス協会とのパートナーシップを更新

「ティファニー(TIFFANY & CO.)」はこのほど、全米テニス協会(United States Tennis Association)との公式トロフィーのパートナーシップ契約を複数年にわたって更新した。これにより、同ブランドは過去37年間と同様に、今後も同大会の全てのトロフィーを制作する。

今年の全米オープンテニスは、8月28日から9月10日までニューヨークで開催される。「ティファニー」は、男女シングルス・チャンピオン用のトロフィーとして選手が記念に持ち帰ることができるレプリカも制作しているが、今大会で初めて、その場ですぐに選手の名前などを手彫りで入れる予定だという。

今年は、全米オープンテニスにおける男女の賞金格差がなくなって50年という記念すべき年だ。「ティファニー」は、平等の実現へのサポートを表現するため、特別賞として「ライフタイム・アチーブメント賞(Lifetime Achievement Award)」と「リーダーシップ賞(Leadership Award)」を設立。いずれも、女子準決勝を行う9月7日の夜に開催する第1回チャンピオン・オブ・イクオリティ・イベント(Champions of Equality Event)にて、活動をリードするパイオニア的な女性2人に贈る。

また、大会期間中には、全米オープンテニス史上で初めて「ティファニー」による没入型のブースを設置する。“ティファニーブルー”のテニスボールや優勝トロフィーのレプリカの展示などを通じて、同ブランドがテニス界で積み重ねてきた豊かな伝統や、全米テニス協会と共に歩んできた歴史などを紹介。また、革新的な体験ができる2つのAR(拡張現実)ミラーなどもあり、来場者がインタラクティブに楽しめる仕掛けも施されているという。

なお、「ティファニー」の親会社であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)は7月24日、2024年開催のパリ・オリンピック&パラリンピックのプレミアム・パートナーとなったことを発表。スポンサーシップの金額は明らかにしていないが、情報筋によれば、1億5000万ユーロ(約235億円)程度ではないかという。傘下ブランドの「ショーメ(CHAUMET)」がメダルをデザインするほか、「ルイ・ヴィトン」「ディオール(DIOR)」「ベルルッティ(BERLUTI)」に加えて、化粧品のセレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)や、ワイン&スピリッツ部門などもさまざまな形で参加する予定。

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新SNS「スレッズ」、米ビューティ業界の対応は? セフォラ、エスティが参入

インスタグラムやフェイスブックを運営するメタ(META)がこのほどローンチした新SNSアプリ「スレッズ(Threads)」に、米国のビューティブランドやインフルエンサーらが続々参入している。スレッズはツイッター同様、テキストをベースとするSNSプラットフォームで、500文字までのテキストや写真、5分未満の動画投稿に加え、リポストが可能。またインスタグラムと連携しており、インスタグラムのフォローリストと同期させることもできる。

米ビューティ業界ではコーセーが欧米で展開するメイクアップブランド「タルト(TARTE)」やスキンケアブランドの「ミルク メイクアップ(MILK MAKEUP)」、LVMH傘下の「ベネフィット コスメティクス(BENEFIT COSMETICS)、米小売店セフォラ(SEPHORA)、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)などがアカウントを開設。さらにメイクアップアーティストのボビイ・ブラウン(Bobbi Brown)やインフルエンサーのデジ・パーキンス(Desi Perkins)、モネ・マクマイケル(Monet McMichael)らもアカウントを立ち上げている。

ツイッターは、昨年10月に起業家のイーロン・マスク(Elon Musk)が買収し、従業員の大量解雇や突然の閲覧制限による混乱もあり、スレッズへの移行者が急増していると見られる。クリーンビューティブランド「タワー28(TOWER 28)」のエイミー・リュー(Amy Liu)CEOは、「人々はかつてのツイッターにあった平穏さを取り戻したいと考えているのだろう。スレッズの登場は明るいニュースで、ツイッターで起きている混乱をリセットしてくれるものだ」と話す。

アルタ ビューティは開設2日で19万以上のフォロワー獲得

米小売店のアルタ ビューティ(ULTA BEAUTY)は、開設2日目で19万人以上のフォロワーを獲得した。同社のクリスティン・ホワイト(Christine White)=ソーシャルメディア担当シニアディレクターは、「スレッズはすでに知っている人でいっぱいのパーティに参加するようなもの。個性を発揮できるツイッターは今でもわれわれにとって重要なプラットフォームだが、インスタグラムと容易に連携できるスレッズの登場により、元々のフォロワーたちとの新たなコミュニティー形成を探ることができている。今後ユーザーの動向を探るために重要なツールになるだろう」と話す。また、スキンケアブランド「サマー フライデー(SUMMER FRIDAYS)」のマリアンナ・ヒューイット(Marianna Hewitt)=共同創設者は、「アプリ間でシームレスに投稿を共有できるのは、われわれのソーシャルメディアチームにとっても非常に効率的だ」と説明する。

美容トレンド予測会社スペート(SPATE)の共同設立者であるヤーデン・ホルヴィッツ(Yarden Horwitz)もまた、スレッズが美容コミュニティー内で飛躍するとみている。「スレッズは10年以上にわたってクリエイターやブランドに愛されてきたインスタグラムを基盤としているため、美容関係者にとって移行はそれほど怖いものではない。テキストベースのプラットフォームのもう一つの利点は、クリエイティブの予算とリードタイムが大幅に少ないことだ」と指摘する。「美容は本質的に視覚的なものだが、テキストベースの会話は依然として必要とされている」と続けた。

「X」より安全な空間づくりができる?

テクスチャードヘアケアブランドの「アウアエックス(OURX)」のメーガン・モウピン(Meghan Maupin)最高経営責任者(CEO)は、「私たちのターゲット層の多くはツイッターを利用していない。特にクセやカールの強い髪を持つ消費者がスレッズのような新しいプラットフォームで、髪やその他の文化的なトピックについて議論できる安全な空間を作ることを心がけている」と話した。

TikTokのフォロワー数は30万人を超え、実験的なメイクで知られるビューティ・クリエイターのジョシュア・スペックス(Joshua Specks)は、X(旧ツイッター)よりスレッズの方が友好的な議論ができる可能性があるという意見に賛同した。「インスタグラムよりもツイッターの方が批判的なフォロワーが多い。インスタグラムにアップした動画が拡散されツイッターに上がるとヘイトを集めやすい傾向がある」と語った。さらに、「スレッズは、TikTokのリラックスしたコンテンツとインスタグラムの美的感覚を刺激するコンテンツを融合することで浸透させられる。スレッズの登場はピンタレストやインスタグラム、TikTokなどあらゆるアプリを1つにまとめる絶好の機会だ」と付け加えた。

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「コーチ」親会社が「ヴェルサーチェ」や「マイケル・コース」を擁するカプリを買収

「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)は8月10日、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)を買収した。取引額は約85億ドル(約1兆2155億円)。これにより、年商約120億ドル(約1兆7160億円)の巨大企業が誕生する。2社を合わせた昨年の調整後営業利益は約20億ドル(約2860億円)で、今後は75カ国で事業を展開することになる。

今回の買収は、アメリカ企業がフランスのLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)やケリング(KERING)のような、強力なブランドポートフォリオを有するコングロマリットに最も近づいた取引だといえるだろう。合併によってはるかに大きな存在感を持つようになるとともに、より合理的な運営で2億ドル(約286億円)規模の経費削減が可能になるという。また、ポートフォリオが広がることで、より強力なブランドがその他のブランドをカバーでき、企業としての安定性が増すことにもつながる。

タペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)最高経営責任者(CEO)は、「より幅広いブランドポートフォリオによって、競争優位性をさらに強化できる。『コーチ』『ケイト・スペード ニューヨーク』『スチュアート・ワイツマン』と『ヴェルサーチェ』『ジミー チュウ』『マイケル・コース』のコンビネーションは、新たに強力かつグローバルなラグジュアリー企業を生み、世界中の消費者や従業員、コミュニティー、株主のために価値を高める、またとない機会となるだろう」と述べた。

一方、カプリのジョン・アイドル(John Idol)会長兼CEOは、「今日の発表は、カプリにとって大きな節目になる。それは、『ヴェルサーチェ』『ジミー チュウ』『マイケル・コース』をパワフルで象徴的なラグジュアリー・ファッションブランドとして育て上げたチームの功績の証だ。私たちは、この合併が株主に直ちに価値をもたらすことを確信している。また、カプリがより大きく多角的な企業の一員になることが、世界中の献身的な従業員にも新たな機会をもたらすことだろう。タペストリーに加わることで、私たちのブランドのユニークなDNAを維持しながら、グローバル展開の拡大を加速させるためのより大きなリソースと強みを手にすることになる」と話した。

なお、今回の取引でタペストリーは1株当たり57ドル(約8100円)を支払うため、カプリの企業価値は85億ドル(約1兆2155億円)程度となる。これは調整後EBITDAの9倍の取引価格に相当する。

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「コーチ」親会社が「ヴェルサーチェ」や「マイケル・コース」を擁するカプリを買収

「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を傘下に持つタペストリー(TAPESTRY)は8月10日、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」を擁するカプリ・ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)を買収した。取引額は約85億ドル(約1兆2155億円)。これにより、年商約120億ドル(約1兆7160億円)の巨大企業が誕生する。2社を合わせた昨年の調整後営業利益は約20億ドル(約2860億円)で、今後は75カ国で事業を展開することになる。

今回の買収は、アメリカ企業がフランスのLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)やケリング(KERING)のような、強力なブランドポートフォリオを有するコングロマリットに最も近づいた取引だといえるだろう。合併によってはるかに大きな存在感を持つようになるとともに、より合理的な運営で2億ドル(約286億円)規模の経費削減が可能になるという。また、ポートフォリオが広がることで、より強力なブランドがその他のブランドをカバーでき、企業としての安定性が増すことにもつながる。

タペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)最高経営責任者(CEO)は、「より幅広いブランドポートフォリオによって、競争優位性をさらに強化できる。『コーチ』『ケイト・スペード ニューヨーク』『スチュアート・ワイツマン』と『ヴェルサーチェ』『ジミー チュウ』『マイケル・コース』のコンビネーションは、新たに強力かつグローバルなラグジュアリー企業を生み、世界中の消費者や従業員、コミュニティー、株主のために価値を高める、またとない機会となるだろう」と述べた。

一方、カプリのジョン・アイドル(John Idol)会長兼CEOは、「今日の発表は、カプリにとって大きな節目になる。それは、『ヴェルサーチェ』『ジミー チュウ』『マイケル・コース』をパワフルで象徴的なラグジュアリー・ファッションブランドとして育て上げたチームの功績の証だ。私たちは、この合併が株主に直ちに価値をもたらすことを確信している。また、カプリがより大きく多角的な企業の一員になることが、世界中の献身的な従業員にも新たな機会をもたらすことだろう。タペストリーに加わることで、私たちのブランドのユニークなDNAを維持しながら、グローバル展開の拡大を加速させるためのより大きなリソースと強みを手にすることになる」と話した。

なお、今回の取引でタペストリーは1株当たり57ドル(約8100円)を支払うため、カプリの企業価値は85億ドル(約1兆2155億円)程度となる。これは調整後EBITDAの9倍の取引価格に相当する。

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ケリング、主力「グッチ」の不調で23年上半期は減益 北米の景気減速も響く

ケリング(KERING)の2023年1~6月期決算は、売上高が2.1%増の101億3500万ユーロ(約1兆5709億円)、営業利益は同2.4%減の27億3900万ユーロ(約4245億円)、純利益は同9.7%減の18億4600万ユーロ(約2861億円)だった。

地域別の売上高は、観光客が増加した西欧が同5.1%増の27億3900万ユーロ(約4245億円)、中国が復調したアジア太平洋地域(日本を除く)は同11.1%増の37億1000万ユーロ(約5750億円)、インバウンド需要が回復しつつある日本は同18.4%増の6億8300万ユーロ(約1058億円)と好調だった。北米は景気減速による国内需要の低下や、アメリカ人観光客が対ドルでのユーロ安を背景に旅行先の欧州で買い物をする傾向にあることから、同16.2%減の22億6600万ユーロ(約3512億円)だった。

ブランド別の売上高は、主力の「グッチ(GUCCI)」が同0.9%減(現地通貨ベースでは同1%増)の51億2800万ユーロ(約7948億円)だった。不調が続く同ブランドは転換期にあり、22年11月に退任したアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)前クリエイティブ・ディレクターの後任として、23年1月28日に「ヴァレンティノ」出身のサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)を任命。また、ミケーレと二人三脚で「グッチ」を立て直したマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼CEOも、デ・サルノ新クリエイティブ・ディレクターのデビューショーを見届けた後、9月23日付で退任する。ケリングによれば、後任は9〜10月から探し始めるため、当面は同社のジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)=マネージング・ディレクターが暫定的に同職を務める。

ほかの主なブランドとして、「サンローラン(SAINT LAURENT)」は同5.8%増の15億7600万ユーロ(約2442億円)と堅調だったものの、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は同0.1%減の8億3300万ユーロ(約1291億円)だった。「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が属するその他のメゾン部門は、同5.1%減の18億5600万ユーロ(約2876億円)だった。

なお、ケリングは7月27日、ヴァレンティノ(VALENTINO)の株式の30%を、同ブランドを擁するカタールの投資会社メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP以下、メイフーラ)から17億ユーロ(約2635億円)で取得した。取り引きは23年末には完了する見込み。これは両社のより幅広い戦略的提携の一環で、契約にはケリングが28年までにヴァレンティノの株式の100%を取得するオプションが含まれているほか、メイフーラはケリングの株主となる可能性があるという。

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