自社技術を提案する際に気を付けたいこと

中小企業専門の弁理士の亀山です。お陰様で開業して6年目になります。開業して約300社の中小企業様・個人事業主様のご相談を受けてまいりました。今回は、自社の技術を提案する際、気を付けて欲しい点についてお話したいと思います。

自社の技術を提案する際のリスク

自社の技術を提案する際、どのようなリスクが考えられるでしょうか?それは、相手企業が自社技術を理解してしまうことです。

自社技術が部品の構造であれば、部品の構造を相手企業に見せてしまうと、相手企業はその構造に関わる技術を理解してしまいます。また、自社技術が製造技術であれば、製造現場や製造装置を相手企業に見せてしまうと、相手企業はその構造に関わる技術を理解してしまいます。そして、部品の構造や製造装置や製造現場を相手企業に見せてしまうと、理解を通して、相手企業も自社と同じような技術を、あるいはそれに近しい技術を持つこととなってしまいます。

その結果、相手がその技術を利用して、自社と同じような商品やサービスが再現できてしまうと、自社の技術的優位性がなくなってしまう場合も多いです。したがって、自社の技術を提案する際のリスクとして、「相手企業が、理解した技術を利用して、自社と同じ商品やサービスを模倣(再現)する」というリスクがあります。技術で収益を立てているモノづくり企業にとっては無視できないリスクですね。

模倣防止リスク対策は非常に悩ましい

「相手企業が再現できる程度に自社の技術を理解してしまうこと」を回避するためにはどうすればよいでしょうか?そのためには、自社の技術を見せないことです。簡単ですね?しかし、これも問題があります。「自社の技術に興味のある相手企業」に対して、自社の技術を全部見せないまでも、全く見せないままでは、商談が進みません。商談は進めたい。しかし、商談を進めるために、技術を開示すると、自社の技術を模倣リスクが生まれてしまう。

商談を優先したいが、模倣リスクは回避したい。どうすればよいでしょうか?「えーい!面倒くさいから、とりあえず、商談を進めて、模倣リスクが危なくなったら、対策を講る?」としましょうか?いえいえ。技術を理解してしまった相手企業に対し「あの技術のことは、忘れてください!」な~んて言えません。

自社技術の開示には、「技術を一度開示してしまうと、開示前(知らない状態)に戻すことができない」という悩ましさが、常に付きまといます。

リスク対策

技術の模倣リスクに関してよく知られている対策としては、2つがあります。

対策1

解決策の1つ目は、「相手企業に自社技術を開示する前に特許出願を済ます」です。これにより、特許権の取得の際には、特許発明の模倣を防止することができますし、出願を済ましておけば、権利化後に模倣行為を取り締まることができるため、相手企業側から見れば「後で取り締まりの対象になるかもしれない」と、一定の牽制効果(保護効果)を得ることができます。

対策2

解決策の2つ目は、「相手企業に自社技術を開示する前に秘密保持契約を締結する」です。これにより、秘密保持契約の締結によって、「秘密情報(自社の技術)の漏洩禁止」及び「秘密情報(自社の技術)の目的外使用禁止」を課すことができます。

2つの対策のメリットとデメリット

(1)特許出願

模倣防止のためには、特許権取得が前提になりますが、特許権取得のためには、少なくとも、①新規性、②進歩性の2つのハードルが課されます。また、特許権取得にかかる期間は、通常は4~5年、最短でも半年はかかります(参考記事)が、出願による牽制効果(保護効果)も得られます。特許出願までの費用は、30~40万円(目安)、特許権取得までのトータル費用は、約60~100万円程度で収まる場合が多いです。手続面でいえば、同じ技術内容であっても、相手が変わる都度、出願をせずに済みます。

保護の終了条件に関してですが、特許権は、特許料納付により特許権の延命が可能なものの、延命は特許権の存続期間出願日から20年が限度です。この延命については、相手の同意も不要です。また、出願後に、自ら、自社技術を公開しても、保護を受けることができます(ここは、とても重要です)。

(2)秘密保持契約(NDA)

模倣防止のためには、秘密情報である必要があります。つまり、①新規性が必要です。契約に要する時間は、契約書の提示から署名まで、通常1~2か月で済む場合が多いです。契約書作成の費用は、約3~5万円のところが多いですし、相手との交渉が含まれる場合には、トータルで約5~15万円となるケースが多いです。

手続面でいえば、相手が変わる都度、同じ技術内容であっても、相手が変わるたびに、契約をする必要があります。

また、保護の終了条件に関してですが、契約は、更新を続けることで延命が永続的に可能ですが、更新には相手の同意が必要です。しかし、秘密保持契約締結後であっても、自ら、自社技術を公開・販売してしまう場合や、第三者が同じ技術を公開してしまう場合は、秘密情報ではなくなるため、契約上の保護を受けることができません(ここは、とても重要です)。

保護を受けられる技術の条件 保護が開始するとき 費用 保護が終わるとき
特許出願 ①新規性

②進歩性

の2つが必要。

権利取得まで4~5年。最短でも半年。

※権利化前でも、出願後は、牽制効果あり

出願まで30~40万円

権利取得まで60~100万円

(目安)

出願から20年が限度。※相手の同意:不要

出願後に、自ら、自社技術を公開(販売)しても保護される。

第三者が、同様の技術を公開(販売)しても保護される。

秘密保持契約 ①新規性が必要。

※②進歩性は不要

契約書の署名まで。約1~2か月。 3~15万円

(目安)

契約の更新について相手の同意が得られれば永続的に可能。※相手の同意:必要

契約後に、自ら、自社技術を公開(販売)してしまうと、保護が終了する(契約上の秘密情報ではなくなるため)。

第三者が、同様の技術を公開(販売)した場合も保護が終了する(契約上の秘密情報ではなくなるため)。

2つの対策をどう使い分けたらいいの?

特許出願のメリットは、「①出願後、自ら自社技術を公開(販売)しても保護が継続される」点、「②出願後、第三者が同一の技術を公開(販売)しても保護が継続される」点にありますが、デメリットとして、開示技術には、進歩性が必要なこと、費用が掛かること等があります。

秘密保持契約のメリットは手続きが簡単なところにありますが、デメリットは、「①契約後、自ら自社技術を公開(販売)してしまうと保護が終わる点」、「②契約後、第三者が同一の技術を公開(販売)した場合に保護が終わる点」にあります。

つまり、特許出願は、保護を受けるための条件が難しいですが、保護の安定性が高いといえますし、秘密保持契約は、保護を受けるための条件が簡単ですが、保護の安定性が低いといえます。

特許出願と秘密保持契約。これら2つの対策をどう使い分けたらよいの?という点は、守りたい技術の内容や技術の使い方によっても変わってくるため、なかなか一言では言えない部分があります。実務上、不特定多数の公開・販売をしない間は秘密保持契約とし、不特定の公開・販売をせざるを得なくなる場合には、前もって特許出願とするケースが多いですし、「商談の序盤はで、秘密保持契約を結んで、特定企業のみに技術開示を行い、収益が見込めるようになった場合には、公開(販売)までに特許出願を行う」というハイブリットケースも多いです。

※特許の新規性と秘密保持契約の関係:「秘密保持契約を結ばない状態での情報開示」は新規性が否定されますが、「秘密保持契約下による情報開示」は新規性が確保されます。

まとめ

  1. 自社の技術を提案する際のリスクは、「自社技術の模倣リスク」である。
  2. 自社技術を一旦開示してしまうと、元に戻すことができない。
  3. 模倣リスクの回避策としては、特許出願、秘密保持契約の2つがある。
  4. 特許出願は「不特定の公開・販売をせいざる得なくなる場合」に行う場合が多い。
  5. 秘密保持契約は「不特定多数の公開・販売をしない場合」に行う場合が多い。

このように、自社技術を一度開示してしまったあとでは取り返しがつきません。自社技術を提案する際には、事前に、お近くの専門家にご相談ください。

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こんにちは。企業の「技術」と「想い」を伝えるブランディングC-OILING代表の大後 裕子(だいご ひろこ)です。

大手神話がなくなる「第四次産業革命」とは?

大手神話がなくなる理由として第四次産業革命が本格的に始まったことが挙げられます。

第4次産業革命で顧客に求められるのは「目的実現によりスムーズにたどり着き、次のステップに進み続けられる体験」です。そこには顧客にとって会社の規模に関係なく、中小企業そして零細企業と言われるものづくり企業も、今まで市場を席巻していた大手企業と肩を並べることが可能な時代になりました。

ここで少し産業革命について振り返っておきたいと思います。

まず第一次産業革命。ヨーロッパとアメリカで18世紀から19世紀に渡って、蒸気機関の発展とともに栄えた鉄と繊維工業の時代を指します。この時代に今まで職人がひとつずつ手作りしていた一点物の時代から安定した大量生産の時代に突入します。そして次に起きる第二次産業革命では、第一次世界大戦直前の1914年までの間に起きた電気エネルギーの発展します。既存の産業の成長に加え、電話や電球、蓄音機などの電気エネルギーを使用する現在の通信に欠かせないインフラの基盤が完成しました。

そして第三次産業革命では1980年代から現在も続く、コンピュータの普及によるデジタル技術への進歩を指します。今までは不可能であった個人向けのパーソナルコンピュータやインターネットの普及によって、自己実現の拡大を体感してきました。さらにノートパソコン、スマートフォンなどの携帯可能な情報機器の一般化に伴って、私たち人間の知的作業は大幅に効率化しました。

これは一説によると現在私たちが1日にインターネットを通して得ている知識量は、江戸時代の人の一生分の知識量であるとも言われています。

そし、今私たちが真っ只中にいる第四次産業革命ではどのような変化が起きているのかというと、顧客の行動データを活用することによって実現するカスタマージャーニーの最大化です。

「What」から「WhyとHow」の時代へ

それでは第四次産業革命の中で、顧客は何を求めているのでしょうか。

今までは、いかに現時点で抱えている問題を解決するかという、「What」に企業価値があるとされてきました。例えばイメージアップのために行う大手企業のネームバリューを生かしたコラボレーションによる広告戦略や、資本を基盤とした大量で安価な製品の生産などです。

大手企業でこれからの中小企業が顧客が小規模だからこそ可能な顧客に与えられるカスタマージャーニーの価値の違いを考察します。

大手企業から得られる体感

  • 顧客リスト
  • 資本を基にした商品企画、展開
  • ネームバリューによる安心感

第四次産業革命の中小企業から得られる体感

  • 特殊な分野における専門性
  • 特殊な分野におけるスピード感のある開発
  • 柔軟性と親身な対応

両者を比べると、一長一短という印象を感じるかもしれません。

しかしこれからは、「WhyとHow」の時代に移行します。顧客にとっての現時点での問題だけではなく、その先の進みたい未来の問題を叶え続けられるかがポイントです。つまり顧客に寄り添った商品やサービスから生まれる「体験」が提供できるかが第四次産業革命を生き残るかどうかの分かれ道になってくるのです。

専門性に優れた「ニッチトップ」としてブランディング

それでは実際に顧客にとってカスタマージャーニーを体験できる企業として認知されるために、どのような活動を行えばいいのかというと、「ニッチトップ」としてのブランディングを行うことです。

例えば一種類の部品を購入したい顧客に対して、ネームバリューによる安心感より、その分野における絶大的な専門性「ニッチトップ」の企業から購入できることは顧客にとって現状の問題、そしてその後の発展を見込んだ心地よいカスタマージャーニーの波に乗ることができるのです。

例えば一つの部品をとっても、顧客からのフィードバックを収集して細やかで柔軟性のある改善や、より専門性の高いオーダーメイド開発によって可能になる問題の促進は、今までの大手企業にはなかった高い価値として顧客に選ばれるべき理由となります。

そのため第四次産業革命では、いかに自社の専門性を見極め、認知される企業ブランディングを行うかが、長く愛され無理なく生き残る、これからの企業のあり方なのです。

企業の技術と想いを伝えるブランディング
C-OILING 大後 裕子 (シーオイリング だいごひろこ)
【ご相談はこちらから】

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まず第一次産業革命。ヨーロッパとアメリカで18世紀から19世紀に渡って、蒸気機関の発展とともに栄えた鉄と繊維工業の時代を指します。この時代に今まで職人がひとつずつ手作りしていた一点物の時代から安定した大量生産の時代に突入します。そして次に起きる第二次産業革命では、第一次世界大戦直前の1914年までの間に起きた電気エネルギーの発展します。既存の産業の成長に加え、電話や電球、蓄音機などの電気エネルギーを使用する現在の通信に欠かせないインフラの基盤が完成しました。

そして第三次産業革命では1980年代から現在も続く、コンピュータの普及によるデジタル技術への進歩を指します。今までは不可能であった個人向けのパーソナルコンピュータやインターネットの普及によって、自己実現の拡大を体感してきました。さらにノートパソコン、スマートフォンなどの携帯可能な情報機器の一般化に伴って、私たち人間の知的作業は大幅に効率化しました。

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そし、今私たちが真っ只中にいる第四次産業革命ではどのような変化が起きているのかというと、顧客の行動データを活用することによって実現するカスタマージャーニーの最大化です。

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今までは、いかに現時点で抱えている問題を解決するかという、「What」に企業価値があるとされてきました。例えばイメージアップのために行う大手企業のネームバリューを生かしたコラボレーションによる広告戦略や、資本を基盤とした大量で安価な製品の生産などです。

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しかしこれからは、「WhyとHow」の時代に移行します。顧客にとっての現時点での問題だけではなく、その先の進みたい未来の問題を叶え続けられるかがポイントです。つまり顧客に寄り添った商品やサービスから生まれる「体験」が提供できるかが第四次産業革命を生き残るかどうかの分かれ道になってくるのです。

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それでは実際に顧客にとってカスタマージャーニーを体験できる企業として認知されるために、どのような活動を行えばいいのかというと、「ニッチトップ」としてのブランディングを行うことです。

例えば一種類の部品を購入したい顧客に対して、ネームバリューによる安心感より、その分野における絶大的な専門性「ニッチトップ」の企業から購入できることは顧客にとって現状の問題、そしてその後の発展を見込んだ心地よいカスタマージャーニーの波に乗ることができるのです。

例えば一つの部品をとっても、顧客からのフィードバックを収集して細やかで柔軟性のある改善や、より専門性の高いオーダーメイド開発によって可能になる問題の促進は、今までの大手企業にはなかった高い価値として顧客に選ばれるべき理由となります。

そのため第四次産業革命では、いかに自社の専門性を見極め、認知される企業ブランディングを行うかが、長く愛され無理なく生き残る、これからの企業のあり方なのです。

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