コロナ禍で激変した環境に対応する製造業の最新営業手法

電子機器メーカーに勤務する傍ら、製造業・技術系ライターとして活動している森野です。

本記事では、近年急速に変化する製造業の営業手法についてメリット・デメリットを踏まえながら詳しく解説します。営業活動の方針で悩みを抱えている方や、オンラインを用いた新しい営業活動に興味のある方はぜひ参考にして頂ければと思います。

コロナ禍、アフターコロナでの営業手法について

コロナ禍において、製造業の営業活動にも大きな変化が生まれています。展示会の中止や顧客訪問できない状況が続く中、注目が集まっているのはオンラインを活用した新しい営業手法です。「非接触」をテーマにした営業活動はアフターコロナにおいても当面の間、主流になることが予想され、メーカーにとって今後の生き残りを左右する重要なファクターと言えます。

具体的に出てきた新たな営業手法

ここでは近年具体的に使用されている営業手法を4つ、それぞれメリット・デメリットを踏まえてご紹介します。

Webサイト営業

コロナ禍において訪問営業が困難であることから、Webサイト制作やリニューアルによる問い合わせ、受注の促進を試みるメーカーが増加しています。

Webサイト営業によるメリット・デメリットを下記にまとめました。

メリット

  • 継続的に安定したアクセス、問い合わせが獲得できる
  • 自社製品にある程度関心のあるターゲットを集めることができる

デメリット

  • 費用、労力がかかる
  • 制作しただけでは集客はできず、正しい運用ノウハウが必要
  • 成果が出るまでに時間がかかる

Webサイトから集客する上で、多くのメーカーが、デザインなど見た目をよくするための施策を先行してしまいがちです。しかし製造業のWebサイトの場合、閲覧者は発注先候補として条件に合った情報がそこにあるかどうかを見て、問い合わせの判断をします。そのため、まずは自社の存在を知ってもらい、その先で有益な情報を提示できるかどうかが鍵となります。その施策として不可欠なのが「SEO対策」です。

SEO対策に関する詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。

オンライン展示会

オンライン展示会とは実際の展示会場ではなくWeb上で開催する展示会のことです。コロナ禍で従来のような展示会の中止が相次ぐ中、急速にニーズが高まっています。

メリット

  • 対面の展示会に比べ出展費用が抑えられる
  • 時間、場所、天候などの縛りがない
  • 参加者の詳細なデータが収集できる

デメリット

  • 対面の展示会のように、呼び込みやチラシ配布によって参加者を自社ブースに引き入れる、いわゆる「プッシュ型」の営業ができない
  • サイト構築やシステム準備など、出展する製品以外の準備に時間と労力を要する

ウェビナー

ウェビナーとはWebとセミナーを組み合わせた造語でウェブセミナー、オンラインセミナーとも呼ばれています。チャットやアンケート機能を利用しながら参加者とコミュニケーションがとれる「リアルタイム配信」、参加者が任意のタイミングで何度でも視聴できる「録画配信」の2つの形式に分類されます。

メリット

  • オフラインのセミナ―に比べ開催費用が抑えられる
  • 新しい客層の開拓が期待できる
  • 受講者がどこにいても受講できるため参加のハードルが下がり、リアルのセミナーに比べ、集客が容易になる

デメリット

  • 通信環境によってトラブルが起こることがある
  • 参加者の熱量が分かりづらく、途中で離脱されてしまうこともある

SNSマーケティング

SNSマーケティングとはFacebookやTwitter、InstagramなどSNSを活用したマーケティング活動のことです。SNSの強みである拡散力によって、短期間で急激にアクセスや販売を促進できることが最大の特徴です。近年では大手企業も続々と導入を開始しています。

メリット

  • 情報の伝達、拡散が速い
  • 顧客との関係を築きやすい

デメリット

  • 悪い情報でも拡散してしまうため、炎上リスクがある
  • 成果が出るまでに時間がかかる

実例

ここからはテクノポートがサポートしたお客様の中で、新たな営業手法を導入し成果を挙げた事例をご紹介します。

有限会社ユニバーサル

有限会社ユニバーサルは研究開発機関などに必要とされる試作品の部品製造を主に行っているメーカーです。Webサイト営業の強化を目的としたリニューアルに取り組みました。

リニューアルにあたり「難削材加工」など、専門素材の性質や活用事例などを詳細に説明するページを制作し、ある程度固まっている完成イメージをもとに数社で比較検討する段階にいる顧客へのアプローチを試みました。

その結果、契約に繋がる問い合わせが急増、2ヶ月でリニューアル費の回収に成功しています。

デジタルファクトリー株式会社

デジタルファクトリー株式会社はハイエンド3Dプリンタや、関連製品の企画、販売を行うメーカーです。これまで取引がある大手企業だけでなく、中小企業や個人の顧客開拓を目的とした新たな営業活動として、Webサイトリニューアルを実施。

商品名で検索されたときに上位表示されるようにSEO対策をし、その機種のスペックや特徴、対応可能な材質の説明などを細かく掲載しました。結果として、商品名での検索順位は1位から3位の間を維持。また顧客リストは10倍以上に増大しました。

まとめ

コロナ禍において展示会の中止や顧客訪問できない状況が続く中、製造業も「非接触」をテーマにしたオンラインによる新しい営業手法に注目が集まっています。

本記事では具体例として4つの手法をご紹介しましたが、それぞれにメリット・デメリットがあるため、状況や目的に合わせて適切な選択が必要です。

テクノポートでは製造業向けのWebマーケティング実績が多数あります。今回ご紹介した営業手法はもちろん、Webマーケティングに関するお悩みはぜひお気軽にご相談下さい。

【ライタープロフィール】


森野 真
職業:製造業・技術系ライター
執筆テーマ:機械工学、設計開発、電子機器、その他製造業全般

【経歴】
国立高専の機械工学科を卒業後、工作機械メーカーに入社、機械設計業務を担当する。現在は電子機器メーカーの生産管理部門に勤務する傍ら、ライターとして製造業関連の記事を中心に執筆中。製造業での10年以上の実務経験がありますので、現場を知る人間ならではの執筆が可能です。

////////////////////
Twitter
https://twitter.com/m_morino1986

Website
https://makotomorino.com

※上記2点はもし記載・リンクを貼って頂けるようでしたらお願い致します。こういった対応はしていないようでしたらお手数ですが削除をお願い致します。
////////////////////

The post コロナ禍で激変した環境に対応する製造業の最新営業手法 first appeared on モノカク.

オンライン展示会のプロに聞く、製造業のための「オンラインセミナーで3倍受注する鉄則」

テクノポートの廣常です。2021年8月20日(金)に、弊社にて「新規顧客獲得したい製造業のためのオンラインセミナーで3倍受注する3つの鉄則」というオンラインセミナーを開催しました。

近年、自社の認知度向上や新規顧客獲得の場としてオンラインセミナーを活用する企業も増えてきています。しかし、いざ自社で開催するとなると「どのように進めていけばわからない」とお困りの製造業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

現に、こちらの調査結果では地方BtoB企業の83.6%がオンラインセミナーの開催に至っておらず、その理由として「自社事業との相性が悪いと感じる」(35.9%)、「知識や経験がない」(20.7%)、「運営のノウハウがない」(19.6%)といった点が挙げられています。

そこで今回、「展示会やオンライン展示会を活用した売上アップの技術を伝える専門家」としてご活躍中の 株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役社長 清永 健一 様をお招きし、製造業のためのオンラインセミナー開催ノウハウ・受注を獲得するコツを伺いました。

今回はそちらのセミナーの内容を一部抜粋してご紹介いたします。

講師紹介

株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役社長 清永 健一 様

株式会社展示会営業マーケティング代表取締役。中小企業診断士。
奈良生まれ、東京在住。展示会やオンライン展示会を活用した売上アップの技術を伝える専門家。中小企業への売上サポート実績は1,300社を超える。展示会活用やオンライン営業に関して、テレビ等出演のほか、行政、公益法人、金融機関などで講演多数。著書の『中小企業の「DX」営業マニュアル ~「オンライン展示会」をきっかけにしたスムーズな営業改革術』他7作は、いずれもAmazon部門1位。

セミナー概要

オンラインセミナーをやるべき理由とは?

「コロナ禍の今だからこそ、営業時には心の距離を『密』にしましょう!」と軽快なトークから講演が始まりました。冒頭、清永さんは企業がオンラインセミナーを開催すべき理由の一つを「新規顧客との接点を持ちやすいから」だと話します。

「いきなりお問い合わせをするのはハードルが高いが、セミナーであれば…」と気軽に参加できるため、多数の見込み客と接点を持つチャンスとなります。オンラインのため、見込み客側が視聴する際の環境やエリアなども問いません。リアルの展示会よりもはるかに幅広いお客様とつながることができる、絶好の機会となります。

売り込み・商材説明はNG。「教える」ことに徹する

では、実際にはどのようにオンラインセミナーを実施すべきなのでしょうか。鉄則の一つとして、セミナーでは「教える」ことに徹するべき、と清永さんは述べます。

セミナーの参加者は、何かを知りたい・学びたいがために来ていることがほとんどです。そのため、自社の売り込みはもちろんのこと、商材の機能説明もNG。

「自社の商材によって顧客のどういった課題が解決できるか?」を考えた上で、セミナー内では参加者の課題(自社の商材で解決できるもの)を明確化するお手伝いをする。そこまでがセミナーの担う役割であり、明確化に至るまでに必要な情報や参加者の現状、改善点を「教える」ことが重要となります。

「断られる理由」を洗い出し、セミナー内でフォロー

講演内ではオンラインセミナーを開催するにあたっての手順も解説いただきました。

個人的に、特に印象に残ったのは下記のお話でした。

セミナー後のフォロー面談(営業活動)内で想定される、見込み客の懸念点や自社の商材が断られてしまう理由を洗い出す。そこで挙がってきた内容をセミナー内でフォローすべき。

対面での営業活動においても、顧客が抱えている課題や自社の商材に対する懸念点などに対してやり取りを交わすことがあるかと思います。ただ、商談中にそれら全てに対応することは難しいのではないでしょうか。

一方オンラインセミナーは、伝えたい内容をこちらのシナリオ通りに話せる良い機会です。「断られる理由」から逆算して話す内容を決め、セミナーの段階で見込み客の疑問・想定し得る懸念などをできる限り払拭しておく。これが後の営業活動の円滑化につながるのだ、と清永さんは話します。

オンラインならではのマナーや作法に注意

オンラインセミナーでは、オンラインならではのマナー、作法にももちろん注意する必要があります。

セミナー講演中、スピーカーは小さい画面枠で表示されていることが多いかと思います。話を聞いている参加者の集中力が切れないよう、そういった小さい画面枠でも身振り手振りを大きくして話すことが大事です。オンラインセミナーの場合、主催者側から参加者の顔や反応が見えないことも多いため、特に意識して対策しなければ見落としてしまう箇所かもしれません。

また、参加者にとっても得られる情報は画面やスピーカーを通じた映像、音声のみとなってしまいます。限られた状況下でも良い印象を与えられるよう、カメラの位置や照明など、細かい点にも配慮する必要があります。

まとめ

以上、2021年8月20日(金)に開催したオンラインセミナー「新規顧客獲得したい製造業のためのオンラインセミナーで3倍受注する3つの鉄則」の内容を一部ご紹介しました。

  • オンラインセミナーは新規顧客との接点を増やすのに効果的
  • セミナー内では「教える」を徹底し、参加者の課題を明確化。売り込み・商材説明はNG
  • 「自社の商材が断られる理由、参加者の懸念点」をセミナー内で払拭すべき
  • オンラインならではのマナー、作法にも注意

こういったノウハウはセミナーのみに限らず、オンライン展示会やオンライン会議ツールを利用した商談など、あらゆる「オンライン」の場で活用できるかと思います。自社にてオンラインセミナーの開催を検討されている方、オンライン展示会での効果的な魅せ方を知りたい方はぜひ清永さんにご相談ください。

▶︎ 展示会営業ちゃんねる_清永健一公式
清永さんが運営されているYouTubeチャンネルです。リアル展示会のレポートやオンライン展示会・商談のコツに関する動画が盛りだくさんです。ぜひこちらもご覧ください。

The post オンライン展示会のプロに聞く、製造業のための「オンラインセミナーで3倍受注する鉄則」 first appeared on モノカク.