製造業の集客手法大全

こんにちは、テクノポートの渡部です。今回の記事では製造業の集客について、方法やうまくいくコツなど全体像について紹介します。

製造業の集客が重要な理由

こちらから仕掛けている営業スタイルは、以下のような理由があるのでなかなか難しく、相手から来てもらうような集客の仕組みを作ることが重要になってきます。

コロナ禍で飛び込みなどの営業が難しい

もともと、飛び込みなどの営業活動をしているところも少ないとは思います。昨今は、さらにコロナ禍の影響もあって来訪をお断りしている企業も多く、ますますこの手法は難しくなっています。

プッシュ型の営業は効率が悪い

製造業に限らずですが、こちらから仕掛けていく営業スタイルは効率が悪いです。

新規開拓にかける労力の余裕があまりない

製造業の営業担当者は開拓に特化した営業をすることは少ないといえます。製造や開発担当、社長が兼任している場合も多く、新規開拓に多くの労力をかけられない状況にあります。

主な集客先

向こうから来てもらうような仕組みづくりをするとして、それの終着点をどこにするのかには、Web上・リアルといくつかあります。

自社ホームページへの集客

まずは、自社ホームページです。ホームページへの閲覧者を増やすことによって、確度の高い問い合わせを獲得することができます。

出展する展示会や、自社で開催するイベントへの集客

営業活動の一環として定期的な展示会への出展や、ワークショップやオンラインセミナーなどを開催している企業も多いと思います。コロナ禍ではありますが、リアルの展示会も増えつつあります。現在、展示会に足を運ぶ人の購買意欲は高いことが多いので、うまく自社のブースへ集客ができれば、その場で商談まで進めることができます。また、単独主催のイベントへの参加者は確度がかなり高いリードとなるので、うまく集客できれば新規顧客獲得の大きな要素となります。

SNSアカウントへの集客

直接的にすぐに顧客になるリードではありませんが、Twitter、Instagram、Facebook、YouTubeなど、自社で運営しているSNSアカウントのフォロワーを増やすことで、長期的に潜在的なリードを獲得することができます。

自社ホームページへの集客

自社ホームページへ集客するための具体的な施策について解説します。

SEO対策による集客

ホームページへのアクセスを伸ばすためのSEOの施策については、こちらの記事に完全ガイドがあります。他にも様々な記事がモノカク内にありますので、探してみてください。

広告出稿による集客

SEOによる集客は即効性があるわけではなく、また、施策を行ったからといって必ずアクセスが集まると保証されているわけではありません。どうしてもアクセスを集める必要がある場合は、リスティング広告による集客も検討してみてください。

製造業のポータルサイトに登録することによる集客

飲食店のポータルサイトにぐるなびや食べログがあるように、製造業にも専門のポータルサイトがあります。これらに登録することで、検索からの直接集客だけでなく、これらのポータルサイト経由での集客が期待できます。基本的には無料で登録できますので、集客に困った場合はこちらに登録するのも一つの施策です。

出展する展示会や、自社で開催するイベントへの集客

定期的に開催されている展示会は、直接その場で対面して商談できるというメリットはありますが、出展にはそれなりの費用と、準備などの労力がかかります。自社のブースへうまく人を集客できなければ、出展にかかった人員もコストも無駄になってしまいます。出展するからにはしっかりと集客したいものです。

メールマーケティング、DMによる集客

自社の顧客リストやこれまでの名刺交換をしたリード情報などに、メールや招待状を送付して集客する方法です。メールマーケティングに関しては、こちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。

SNSなどでの告知による集客

展示会は期間中の「出展しています」という発信はもちろんのこと、展示会に出展する1週間ぐらい前から、出展しますと継続的に発信していく必要があります。また、1回投稿するだけでなく、同じ投稿でも、日を分けて数回投稿するほうがいいです。SNSの投稿はすぐに埋もれてしまうため、フォロワー全員がその日の投稿を見るとは限りません。

また、期間中は、1日に1回の投稿だけにとどまらず、SNS上のフォロワーやフォローしている他の企業のアカウントとお互いに投稿し合うなど、他のアカウントとの相乗効果も狙うとよいです。

中でも自社ホームページへ集客がおすすめ

集客先をいくつかあげましたが、中でも力を入れるのであれば、自社のホームページに力を入れることをおすすめします。理由は以下の通りです。

最終的な着地点は自社Webサイト

他にも集客先はいくつかありますが、どの集客先に誘導するにしても自社のホームページを経由することが多く、最終的には自社のホームページに行き着くことがほとんどです。

集客の効果が永続的に続く

一時的なイベントや展示会の集客に力を入れても、そのイベントが終われば、その施策の効果はなくなってしまいます。しかし、ホームページは常に存在するものなので、実施した施策の効果が永続的に続きます。

リーチできる可能性のあるユーザーが圧倒的に多い

展示会やイベントであればそこに来場できる可能性のある人、SNSであればそのSNSのアカウントを持っている人にターゲットは限られます。しかし、ホームページであればターゲットユーザーに制限はなく、リーチできる可能性のあるユーザーの数が圧倒的に多いです。また、英語のホームページを用意すれば、海外にも可能性は広がります。

探す人が増加傾向で社内での閲覧制限がない

基本的に製造業の集客のターゲットは、同じ製造業の購買担当者です。大手の会社の場合、社内のネットワークから、FacebookやTwitterなどのSNSのサイトにアクセスできない会社もまれにあります。また、わからないことがあったらまずは検索エンジンというぐらい、検索エンジンの利用頻度は増加傾向にあるので、そこに対してもっとも有効なのは自社のホームページです。

まとめ

いかがだったでしょうか。おすすめしている自社のホームページへの集客については、このモノカクの中にテクニックの記事が多数投稿されていますので、ぜひ自社に合ったテクニックを探してみてください。

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中小企業のための海外販路開拓の進め方

製造業のエンジニア兼、Webライターの大城です。

今回は動画のまとめ記事です。テーマは中小企業のための海外販路開拓の進め方について。

コロナ禍で海外展開がうまくいかず困っている方や、これから海外展開を検討している方に、製造業が海外販路開拓を進める方法について紹介します。

【講師】
深野裕之
一般社団法人「グローカルソリューションジャパン」代表理事・認定専門家
NPBトレーディング株式会社 代表取締役

これまでに47ヵ国に新規の販路開拓をしてきた経験と人脈を活かし、これから海外事業を始めたい企業、なかなか海外事業の成果が出ずに悩んでいる企業をサポートしている。

動画はこちらから

海外販路開拓の方法6選

海外販路開拓には次の方法があります。

1.展示会への出展

海外の展示会に出展してみることが王道のパターンです。しかし、コロナ禍の影響で一般の展示会が相次いで中止になり、オンラインで開催される機会が増えてきました。対面では、偶然に商品を見つけ、そこから話が広がる場合がありますが、オンライン展示会は事前に検索されて興味がある企業しか見てくれない分、自社の製品が認知されにくくなってきています。これからはオンライン展示会への出展を意識して、以下を実施しましょう。

  • 自社のマーケットに合致した展示会を選ぶ
  • 直接会うことのできない海外の取引先に直接問い合わせる
  • 商談の準備をする

2.越境ECを使う

越境ECとは、インターネットを活用して日本国内から海外へ向けて商品を販売するEC(電子商取引)のことです。例えば、健康食品を輸出する場合にはいろいろな許認可が必要になるのですが、越境ECではこれらをスキップできるので、海外に自社製品を販売するまでのプロセスが早く済みます。

3.公的機関の活用(オンライン商談会)

JETRO※では、「オンライン商談会」という会が行われており、オンラインで自社に合った商談相手をマッチングする機会を設けています。

※JETRO(日本貿易振興機構)とは、対日投資の促進や中小企業の海外展開の支援を行う独立行政法人です。

4.クラウドファンディング

クラウドファンディングで海外からの出資を募ることで、問い合わせを得る企業が増えています。

5.販路開拓の会社を活用

グローカルソリューションのような販路開拓の会社を活用することで効率的に販路開拓を進めることができます。

6.現地のネットワークの活用

既に販路を持っている会社や、現地で販路開拓会社とパートナーになっている会社から紹介してもらう方法です。

海外販路開拓の具体的な進め方

ここからは海外販路開拓の具体的な方法を紹介します。

まず、「周りの同業者が海外販路開拓をしているから」という理由で直感的に販路開拓を決めてしまうのはおすすめしません。事前に十分な情報収集が必要です。

海外の情報がない中で海外展開を進めていく場合は、国内の実績をもとに「仮説」を立てていくことが重要です。まず、「国内のお客様が自社の何を評価しているのか」を事前に理解し、海外で自社が優位性に立てる部分は何なのか、仮説を立てておきます。

次に、販売店から情報を収集します。販売店は、自社の強みが一番生きる販路を持っていそうな販売店を探します。販売店と商談がうまく話がまとまらなかったときは、「なぜ販売店が自社の商品を売っていこうとしなかったのか」をしっかりヒヤリングすることで、営業しながらリサーチしていくことができます。調査に資本をかける余裕のない中小企業には効率的な調査方法です。

販売店の他にも、自社と競合せず、同じお客様を共有できそうな日本メーカーから情報を得る方法もあります。その企業が取引しているお客様を紹介してもらうことで空振りが少なくなります。

また、思わぬところで、自社の製品が海外で使われる例もあります。
例えば、自社の製品が日本経由で購入されて、中国の工場に行き、現地のどこかの会社がメンテナンスで使用する、というケースです。そのメンテンナンスを行っている会社が分かれば、現地のお客様を紹介してもらうのも有効な手段です。

メーカー・サプライヤーの海外進出戦略

海外販路の進め方や注意するポイントは、メーカーとサプライヤーで異なります。

メーカーの場合、自社を評価してくれるお客様と同じような海外の企業を販売先として持っている販売点を探すことが大事です。

サプライヤーの場合、自社の商品を調達しそうな会社から情報収集をします。調達部に直接「どんなことに困っているのか」をヒヤリングします。

JETROでは、現地にどんな日系企業が進出していて、現地にどんなサプライヤーがいるのかを調べることができます。そこから自社のお客様になり得る会社や、自分たちの業界が飽和しているか、もしくは足りていないのかを調べます。

現地への供給方法としては日本から供給する場合と現地で供給する場合が考えられますが、輸送コストの面から現地での供給を考えたほうがいいでしょう。

現地での供給方法は次の選択肢があります。

  • 自社で工場を出す
  • 委託先を探す
  • 合弁会社を探す

お客様にメリットが出るような技術や加工製品があれば、日本からの供給でもうまく行く可能性がありますが、よりニッチなマーケットに入っていくことが重要です。

日本でできる海外進出情報の集め方

先にお伝えした通り、海外進出において事前の情報収集は欠かせないのですが、どのような情報収集の方法があるのでしょうか。

JETROの短信ニュース

日経新聞や日刊工業新聞にJETROの短信ニュースが掲載されることがありますが、現地の情報が要約されていて読みやすくなっています。

現地のビジネス情報メディア

今はWebの翻訳機能が優秀になっているので、現地の言語を知らなくても違和感なく読めます。できればニュースで言っていることが本当なのかどうか、現地の経営者に聞くことが望ましいのですが、ここまでやるにはある程度人脈を築くことが大事です。

「LinkedIn」の活用

LinkedInはビジネスをする目的でできており、世界で6億人以上のユーザーが使用しているSNSです。使われる頻度の多い英語で情報発信をすることが重要です。LinkedInで海外の経営者や取引先と繋がることができれば、その人が転職したとしてもすぐ連絡が取れます。

これから海外進出をお考えの製造業の方へ

まず、海外展開する前に「日本と海外ではニーズもライバルも全然違う」ことを受け入れる必要があります。
一方で、日本で評価されている技術や製品というのは海外でも十分通じる可能性があるという自信を持ちましょう。

大切なのは、自社の強みをしっかりと把握することです。
そしてニッチで尖ったところだけで勝負する、絶対勝てる自信があるところだけで勝負する、という考え方が大切です。
そのために、Webでの発信を強化して、自分たちが勝てるところはどこなのかを特定しましょう。

「何となく海外に出ていって、メイドインジャパンだから人気が出る」という時代は残念ながらだいぶ前に終わっています。

いかにピンポイントで自分たちが勝てるところで勝負するか、ということが大切です。

販路開拓会社の「グローカルソリューションジャパン」は【的確な戦略】と【販路開拓のアドバイザリ】をできる専門家が揃っています。

海外販路の開拓を自分たちでやるには難しいと感じている方は、お気軽にご相談ください。

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コロナ禍の展示会で中小企業が成果を出す方法

フリーランスWebライターの志水です。過去にものづくりエンジニアをしていた経験を活かし、技術系記事のライティングやインフォグラフィック制作をしています。

本記事は、動画のまとめ記事です。テーマは、コロナが落ち着いてきて復活しつつあるリアル展示会についてです。

コロナ前後でリアル展示会にどのような変化があったのか、コロナ禍におけるリアル展示会出店成功のポイントについて詳しく説明いたします。

【講師】清永健一(きよながけんいち)
展示会営業®コンサルタント。中小企業診断士。(株)展示会営業マーケティング 代表取締役。奈良生まれ、東京在住。

神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。展示会やオンライン展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などにそのノウハウを伝えている。

動画はこちらから

展示会という営業手法について

日本で展示会がどれくらい開催されているかご存知でしょうか。実は、大規模なもので年間800件ほど開催されています。つまり1日に2件ほど、大規模な展示会が開催されているということになります。ではなぜ、これほど多くの展示会が開催されているのでしょうか。中小企業にとっての展示会の重要性を解説していきます。

中小企業にとっての展示会

消費材を扱う企業の場合はWebを使った営業が可能であり、全国に拠点を持ち営業マンが何人もいる企業の場合はプッシュ型の営業が可能です。

しかし、産業材や中間材(部品)など、スペックインを前提とする商材を扱う中小企業の場合は、これら営業手法での顧客獲得は難しくなります。そこで非常に有効な営業手法が、展示会です。産業材や中間材(部品)を扱う中小企業にとって、展示会での営業は必要不可欠なのです。こういった理由から、多くの展示会が細分化されて開催されています。

展示会の良さ

細分化された展示会に来場する方は、具体的な課題をもった方が多いです。よって、中小企業にとっては効率が良く、効果も出やすい営業手法になります。

さらに、展示会という営業手法の特性上、

  • お金をかければ成果が出る
  • 人が多くいれば成果が出る

というものではないため、知恵と工夫によって中小企業でも大企業を凌駕できる可能性がある点も展示会の良さです。

コロナ前後の展示会の「変化」

ここからは、コロナ前後の展示会の変化に焦点を当てて解説していきます。

来場者減少でのプラスの効果

2020年3〜8月までは大規模な展示会がストップしていましたが、その後再開され、コロナ禍前と比較すると来場者は4割ほどになりました。

コロナ禍以前の展示会では、真剣味の薄い人も展示会に来場していました。つまり、“冷やかしのお客さんをどう捌くか”が裏テーマとしてあったのです。

しかし、来場者が4割に減少してからは、課題を抱えている方ばかりになりました。この変化により、“良いお客さんを少ない出展者で迎える”というおいしい状態になったのです。

ちなみに、2021年10月頃から来場者数は回復傾向で、現在はコロナ禍前と比較し、7割ほどに落ち着いています。

来場者の歩くスピード

もうひとつ、コロナ前後の展示会の変化として顕著なのが来場者の歩くスピードです。展示会への参加ハードルが上がった分、来場者は欲しい情報をしっかりキャッチして帰ろうという意識になっているため、歩くスピードがゆっくりになっています。

この変化に有効なのがブース前でセミナーを行うという手法です。顧客の課題解決が可能であるかをしっかり伝えることができるので、リード獲得に繋がりやすくなります。

展示会業界の今後の「展望」

リアル展示会、オンライン展示会といった選択肢が出てくる中で、今後の展示会業界はどのようになっていくのでしょうか。

リアルとオンラインのハイブリッド

今後の展示会はリアルとオンラインが合体した手法になっていくと考えられます。例えば、リアル展示会を3日間行い、その前後3ヶ月間はオンライン展示会を行うといった、リアルとオンラインそれぞれの特性を活かした手法を取り入れていく必要がでてくるでしょう。

リアル展示会の重要性

オンライン展示会は一定の信頼関係を前提として進めるべきものであり、企業と顧客のリアルな接点が必ず必要です。例えば、自社商品の動作性などをオンラインのみで全て見せることは難しいかと思います。さらに高額な商品をオンラインの場だけで契約するのも顧客にとってハードルが高いですよね。

よってリアルな接点の場は必要不可欠であり、そのため手法としてリアル展示会は非常に有効です。

展示会で成功するための「戦略」

ここからは、展示会出展を成功させるためのポイントを解説していきたいと思います。

スルーされるブースの特徴

何が展示されているのか一目でわからないブースはスルーされます。「ワンブース、ワンアイテム、ワンターゲット」という考え方が非常に重要です。さまざまな商品がある場合、きっかけとなる一つの商品を押し出すようにしましょう。

よくある失敗

よくある失敗のひとつに「なんでもやります!」というやり方があります。これでは、来場者側に自社がどう役立てるかを考えさせ、委ねる状態になっています。

展示会で必要なのは、「自社の技術を使ってこういうことをやりました!」「相手にこんな貢献をしました」といった顧客のベネフィットを伝える見せ方です。

​​展示会前にしておくべきこと

展示会をして終わりではありません。展示会前に次につながる作戦を立てるということが重要です。ホットな見込み客の中にも「今すぐ客」と「そのうち客」がいます。「そのうち客」にがんがん訪問して営業するのは効果的とは言えません。

「そのうち客」には、メールや動画を送るといったオンライン展示会的な施策を取ることで、相手のタイミングで買ってもらうのが得策です。

「今すぐ客」を逃さないフォローの仕組みと、「そのうち客」に忘れられないようにする長期フォローの仕組みを作っておくようにしましょう。

まとめ

展示会は、コロナ禍においても大変有効な営業手法です。リアルとオンラインをうまく使いながら受注までもっていく活動が非常に重要になってきています。

これから展示会を控えている出展者の方にとって、本記事が売上拡大につながる参考情報となれば幸いです。

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コロナ時代のオンライン展示会フォローを考察!失敗しないためにやるべきこととは?

マーコム・サポーターの椎名です。中小企業や個人事業主のマーケティング活動をサポートする傍ら、ライティング活動も行っています。今回は、コロナ禍をきっかけに様変わりする展示会について取り上げます。

コロナ禍の影響で、展示会出展が制限され、オンラインへの切り替え/併用の動きが進みつつあります。まだまだ戸惑う声は多いですが、この1年試行錯誤され、オンライン配信も徐々に慣れてきた方が多いようです。

オンライン開催により場所の制約が外れたことで、「従来よりも集客できている」という声もちらほら聞こえます。特に、遠方から気軽に参加者できるメリットは大きいです。「Afterコロナでもオンライン展示会を継続してほしい」という声は大きくなりつつあるようです。一方、「リストだけは増えたけど、どうフォローしていいのかわからない」と悩む企業も多いという話を聞きます。

そこで本記事では、改めて展示会のフォローの方法をふりかえり、課題と改善ポイントをまとめたいと思います。

展示会フォローの課題

ではなぜ、「リストが増えているのに」企業は悩んでいるのでしょうか?それには大きく2つの理由が考えられます。

ひとつは、オンライン展示会では、メールアドレスや企業名だけのデータばかりがたくさん集まってしまい、肝心のニーズが拾えないことです。リアルで出展する企業が減り、仮にブースを構えたとしてもパネル展示が多く、展示デモの機会が減っています。会場で実際に目で見る環境が失われたことで、製品サービスに対するリアルなニーズが獲得しにくくなっています。その結果、会話したこともない客のリストばかり集まってしまうのです。

もうひとつは、イベント後のフォロー体制が組織的に整備されていないことです。これは従来からの課題でしたが、顔の見えない相手が増えたことにより、問題がより大きくなったといえます。

展示会フォローでやるべきこと

ここでは、一般的な企業が実施している展示会フォローを紹介し、活用にあたって注意すべきポイントをお伝えします。

見積もり・問い合わせ対応

展示会では、ブースで興味をもった来場者からサンプルや見積書の依頼を受ける機会がたくさんあります。当然の話ですが、依頼されたサンプル・見積書の送付などは速やかに行うべきです。そして、これはどの企業でも行っていることですが、withコロナ時代ならではの注意点があります。

それは、対面コミュニケーションが制限されていることです。従来ならば、営業がサンプルを直接持参し、お客様からニーズをヒアリングし、関係構築を図ることができていました。しかし、今は直接訪問が難しくなっているため、顧客との接点がとりにくい状況です。

こういうとき、オンライン商談の活用を積極的に行いたいところです。ただ、サンプルを届けるという名目がたたないこともあり、展示会が終わって熱も冷めた状態でアポイントを取ってもうまくいかないかもしれません。

こういう場合は、できるだけ前もって組織的に準備しておくといいでしょう。そうすることで、例えば担当営業でなくても、対応者が依頼時にオンライン商談の予約を促すことも可能です。タイムリーなフォローにつながるでしょう。

お礼メールの送付

展示会終了後に、来場者へのお礼を実施している企業は多いです。対応の早い企業だと会期後翌日には送付されます。このメール送付の際、注意したいポイントが2つあります。それはタイミングとコンテンツです。

まず、タイミング。できるだけ早い方がよいのですが、問題はどうやって早くリスト化するかです。通常、外部業者に依頼すると時間がかかることが多いです。来場規模にもよりますが、会期中に社内で電子化する方法を考えておくことをおすすめします。今は、スマホで写真をとって管理できるツールも豊富にあります。無料でcsvにダウンロードし、ハウスリストにすぐ移植できるものもあるので便利です。

メールのコンテンツも重要です。情報を詰め込み過ぎず、シンプルに伝えるのがいいでしょう。単なる挨拶メールや売り込みだけの内容は避けた方がよいです。来場者の目的は情報収集なので、会場のナマの声を提供すると喜ばれます。とはいえスピード重視なので、制作に時間をかけられません。会期前に大枠の内容を決めておき、会場情報は部分的に使えばよいでしょう。

展示会特設サイト

出展内容の関連資料や動画をコンテンツにしてWEB上に特設サイトを設ける企業もここ最近増えています。カタログやリーフレットをダウンロードできるようにし、行動履歴をもとにフォローしている企業もあります。

このとき気を付けたいのは、来場者の流入経路です。流入経路は、オンラインとオフラインの2パターンあります。配布チラシなどの紙媒体は足跡が追いにくいため、QRコードやサイトのURL、検索キーワードを併記しておくといいでしょう。ただ、個人情報の獲得のために、過度に登録を促すと敬遠されるのでバランスには注意したいものです。

マイページなど会員サイトを活用して、顧客限定の情報を発信するのもよい方法です。マイページというと、コストがかかるイメージがありますが、現在はワードプレスのプラグインや、クラウドサービス活用で予算がなくても設置できます。コンテンツ制作リソースがなければ、顧客限定で見せている営業用の情報をデジタル化する手も有効です。

展示会フォローにおける注意点

従来のリアル会場での展示会の場合、来場者との接点は会話が中心でした。一方、オンライン展示会では、来場者のWEBサイト上の行動を閲覧履歴から追うことになります。

そのため、オンライン展示会を行う場合、従来以上に組織的行動とルール決めが重要になります。これは、リアルと併用する場合も同様。会場のリアルとネット上において、どういう行動をとる顧客を誰が・どうフォローするかを事前に決めておく必要があります。

そうすることで、担当営業でなくてもあらかじめ決めたルールをもとに、適確かつ迅速な営業フォローが可能になるのです。

一番重要なのは継続すること

展示会の目的は、「新規見込み客」を増やし、売上を拡大させることにあります。普段会えない見込み客にアプローチする場として、展示会はとても有効です。しかしながら、展示会の開催時期と顧客のニーズが発生する時期が一致するとは限りません。漠然とした興味はあったとしても、それが購買行動につながることはむしろ少ないといえるでしょう。

それにもかかわらず、一度話を聞いて、具体的なニーズが聞けないとその場で終わってしまう企業が多いようです。営業担当者からみると、いつ実需が期待できるのかわからない顧客をフォローするよりも、足元の需要が見えている顕在客に目が向いてしまうのは当然の話でしょう。しかしそこで接点が切れてしまうと、顧客のニーズが顕在化した際に気が付かず、せっかくの機会がムダになってしまいます。

だからこそ、一度つないだ接点を切らさずに、関係性を維持することが重要なのです。新製品の情報やお役立ち情報をデジタルの手段を使って発信し続けることで、ゆるく関係性を維持できます。できるだけ、顧客の関心テーマに沿ったパーソナライズコンテンツを発信しておくといいでしょう。そうすることで「顧客がその気になった」ときにタイムリーな提案ができるようになります。

まとめ

コロナ時代で展示会でもオンライン開催の動きが進んでいます。場所の制約が外れたことで利便性が増し、集客に寄与している一方、リアルなニーズの把握が難しい顔の見えない来場者が増えています。

こうした環境の変化を踏まえ、来場者へのフォローのやり方もデジタル接客をうまく活用することが求められます。フォローの手段としては、問い合わせ対応やお礼メール、フォロー用の特設サイトなどがあります。どれも基本的には従来のリアル展示会でも実施してきたことですが、従来に比べ、より組織的かつルール化されたフォロー施策が必要になっています。

展示会開催は手段であり、目的は営業活動の起点となる新しい接点の創出です。つながりを維持するための継続コミュニケーションがなにより重要になります。

テクノポートはこうしたデジタルコミュニケーション施策に関する様々なサポート活動を行っています。ぜひご相談ください。

東京インターナショナルギフトショー 町工場NOW! 出展レポート

こんにちは!ものづくりコミュニティ・MAKERS LINK 主宰の栗原です。

文章を書くということ。ひと月に一回、こうして、いろいろな人の目に触れ、心に何かしらの痕跡を残すかもしれない、文章を書くこと。考えてみれば、ずいぶん大層なことを続けさせていただいてます。さて、モノカクのスタッフさんの寛容さに甘えて、今月も駄文を晒すことにします。

今日は、10月14日。この原稿が世に出る一週間前です。今日からさらに一週間さかのぼってみます。10月7日。東京ビッグサイトでの展示会の自社ブースに立っていました。長く自粛の期間を経て、やっと、この日を迎えられたという高揚感に浸っている自分の姿があります。

第90回東京インターナショナルギフトショー

ファッション、生活用品、雑貨などの商材を集めた、おそらく国内最大の見本市です。しかし、この規模と伝統を誇る一大展示会も、開催自体危ぶまれた今のこの状況下。誰もが不安と期待の入り混じった心もちで迎えた初日です。

ギフトショーの中に設けられた「町工場NOW!」というひとつのコーナー。その半分を占めるのが弊社を含む5社が集った「MAKERS LINK」ブースです。周りのLIFE×DESIGNに出展のハイセンスで華やかなブースに比べ、小さなスペースにギュッと、なんとも雑多な感じは否めませんが、そのかわり、賑やかに人目を集めてはおりました。

デザイン性の高いLED照明を世界に向けて発信し、すでに高い評価を得ている、株式会社ワイ・エス・エムの八島さん。

新しく会社を立ち上げたばかり、新しい生活スタイルにマッチする製品を精力的にアピールする株式会社グローバルテクノロジーの松岡さん。

サンドブラスト技術を極め、独創的な製品、サービスを展開する株式会社ブラスト工房の佐藤さん。

デザイン力と町工場の技術のコラボで、ユニークかつ素敵な商品を提案するPit-A-Pat(ピットアパット)の大井さん。

うちは、50年培った切削加工技術を基に、初めて生み出した唯一の自社製品を前面に。COOL MILLINGSを代表し、栗原。

個性豊かな5人の社長とその仲間たち。ビジネスの場所でありながら、どこかお祭り気分も隠せないそんな雰囲気が、訪れるお客さんの笑顔も引き出していたようにも思います。せっかく、時間と費用かけて、たくさんの方々に自社製品を見ていただいたので、大事なのはここから。いかに、本流の仕事につなげていけるかどうか。それぞれの個性が試されるわけですね。頑張りましょう!

ギフトショーは、年2回、行われます。次回は2021年2月3~5日の3日間、東京ビッグサイトです。ものづくりコミュニティ・MAKERS LINKでは、この2月にも、町工場NOW!エリアに共同出展ブースを設けたいと思ってます。

2021年2月のギフトショー町工場NOW!

さあ、自社ブランド立ち上げ、自社製品開発、商品化を目指す、ものづくり町工場 の皆さん!2021年2月のギフトショー町工場NOW!出展を目標にしませんか?

今回、うちも初めて商材をひとつだけ持って、出てみましたが、予想をはるかに上回る手応え得られました。次回、ぜひ、ご一緒に!これから詳細を考えていきますので、MAKERS LINKのFacebookグループや、栗原のtwitterをチェックしてみてくださいね。ご興味ありましたら、メッセージでもけっこうです、ご一報くださいませ!

最期に、もう一つだけ、お知らせを

このブログにも何度か登場している、加工屋にしてロッカー、メガワークスの永井社長と二人でちょっとした企みを持っています。「製造業、ものづくり、町工場を繋いで盛り上げよう!」をテーマにしたラジオ番組を持つことになりました!埼玉は川口市のローカルFMですが、アプリを使ってどこでも聞いてもらえますし、YouTubeでの配信なんかも計画中です。

スタートは、11月6日。番組タイトルは、金曜日は金属の日にちなんで「メタリックFRIDAY!(仮)」毎月第一金曜日の19時から一時間。カルロス永井と町工場おやっさん栗原が、皆さんの耳元に出現いたします。どうぞ、お楽しみに!こちらも、FacebookやTwitterで、情報を流していくんで、要チェック、お願いします。

「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」開催レポート

テクノポートの徳山です。2020年9月29日(火)に、弊社主催のオンラインセミナー「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」が開催されました。

コロナ禍となり、多くの展示会がオンライン化する中で、出展者はその変化にどのように対応していけばいいのか?そんな問いに答えていただくために展示会出展支援のスペシャリストである、株式会社展示会営業マーケティングの清永代表を講師としてお招きし、セミナーを開催いたしました。今回はそのセミナーの内容を掻い摘んでご紹介いたします。

講師:清永健一氏の紹介

清永健一氏

展示会営業®コンサルタント。中小企業診断士。 株式会社展示会営業マーケティングの代表取締役。奈良生まれ、東京在住。 神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で 手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。 展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などに そのノウハウを伝えている。

自前オンライン展示会開催のススメ

セミナーで清永氏が強く勧めていたのが「自前オンライン展示会」の開催です。大手企業であればプライベート展示会は馴染みのある施策かも知れませんが、中小企業にとってはかなりハードルが高く感じてしまいます。特に「どのように来場者を確保すればよいのか」といったところで思考が停止してしまいがちです。

しかし、中小企業であれば大手企業ほどたくさんの来場者数を確保しなくても良いわけですし、オンラインでの開催であればコストもほとんど掛かりません。まずは失敗してもいいから行動してみましょう、と清永氏は言います。

自前オンライン展示会開催の手順

自前オンライン展示会開催の手順上記スライドは、自前オンライン展示会開催のための具体的な手順です。集客のために、2のプレスリリースを行う場合は、PR TIMESやアットプレスなどのプレスリリース配信サービスを利用することになるので、多少の費用はかかります。

過去に展示会出展した際に獲得した名刺など、一定数のリードを自社で保有している会社であれば、リードへオンライン展示会開催のお知らせを一斉告知するだけでそれなりに参加者が集まる場合があります。その場合は集客コストはゼロという形になります。

機能的ドメインで自社の魅力を伝える

次に清永氏が話していたのが、自社の魅力を物理的ドメインではなく機能的ドメインで伝える、ということです。合同オンライン展示会では、リアルの展示会とは違い、自社ブースへの呼び込みが行えないため、来場者が展示パネルの情報を見てアクセスしてくれるのを待つしかありません。

しかし、中小企業の場合、ネームバリューがないため、展示パネルに会社名を記載しても興味を持ってもらえる可能性が低いです。そこで、機能的ドメインを軸に自社の魅力を明文化し、展示パネルに記載することで興味を持ってもらえる可能性が高まる、ということです。

上記スライドは、物理的ドメインを機能的ドメインに転換した例です。個人的には「ネジ製造業」を「緩み撲滅業」と表現していたことに一笑いしてしまいました。ここでは多少ユニークな要素を入れるセンスの必要性も感じました。

1分紹介動画を作ってみる

オンライン展示会への出展機会が増えると、短い時間で自社の魅力を伝えなければならない場面が増えます。そのために「1分紹介動画」というものを作ってみることを清永氏は勧めています。

その際に、機能的ドメインによる自社の魅力を考える際に使用するコンセプトシートをもとに作ると効率的、ということでした。

出展コンセプトシートこちらが出展コンセプトシートです。赤字で記載されているのは清永氏の会社の例です。

1分紹介動画次に、自社の1分紹介動画を作ってみます。この際に、先ほど作成した出展コンセプトシートの順に従ってストーリーを考えると効率的とのことです。

さらに詳しく学びたい方は清永氏のYouTubeチャンネルへ!

オンライン展示会について、さらに詳しく学びたいという方は、清永氏のYouTubeチャンネルを是非ご覧ください。上述したようなオンライン展示会出展のノウハウをはじめとした動画が多数アップされています。

展示会営業ちゃんねる_清永健一公式

以上、2020年9月29日(火)に開催した「オンライン展示会で確実に成果を上げる3つの鉄則セミナー」のご紹介でした。

これを機に合同オンライン展示会だけでなく、自前オンライン展示会の開催も検討してみてはいかがでしょうか。展示会出展支援のご要望があれば、是非清永氏へご相談ください。

展示会出展効果をデジタルマーケティングにより最大化する方法

テクノポートの徳山です。最近、製造業のお客様から昔よりも展示会の出展効果が落ちている、という声をよく聞きます。確かにインターネットによる情報収集が主流になりつつある中で、展示会の来場者は伸び悩んでいると言われています。

しかし、そんな状況下においても安定した成果を挙げている企業が多く存在します。そのような企業が取り組んでいる手段の一つが、展示会の出展とデジタルマーケティングを掛け合わせた施策です。

今回は、展示会で成果を挙げている企業が、展示会出展効果をデジタルマーケティングにより最大化するためにどのような行動を行っているかについてご紹介します。

※デジタルマーケティングの概要については下記記事をご参照ください。

なぜデジタルマーケティングの活用が必要なのか

展示会で成果を挙げている企業の多くが、なぜデジタルマーケティングに取り組んでいるのでしょうか?

それは、展示会で獲得する名刺(リード)のうち、すぐに商談化できる「今すぐ客」は数%程度で、10〜20%ほどが中長期的に商談化できる「これから客」、その他の大部分は商談化につながらない「ひやかし客」だからです。

展示会で獲得するリードの構成

「今すぐ客」は展示会場で商談のアポが取れたり、見積りの依頼をされたりするので、展示会終了後に後追いする必要はありません。

重要なのは「今すぐ客」よりもボリュームが圧倒的に多い「これから客」をいかに商談に持ち込み顧客化することになり、これが出来るかどうかで展示会の出展効果は大きく変わってきます。

そして「これから客」を効率よく顧客化するために必要なのがデジタルマーケティングなのです。

技術系企業の購買フロー

上図は以前の記事でもご紹介した「技術系企業の一般的な購買プロセス」です。獲得したリードがこの購買プロセスのどのフェーズにいるかをイメージしてみましょう。「今すぐ客」は③④のフェーズにいるリードで、これから客は①②のフェーズにいるリードと言えます。

デジタルマーケティングでは、技術課題に関して認識したばかりで、これから解決手段の探索を行う様なリードに対し、様々な情報を提供することでフェーズが進展させ、商談化へ繋げていくことになります。展示会の効果測定期間が長くなりますが、せっかく多額のコストを費やして出展するのであれば1社でも多くの顧客を獲得しましょう。

展示会出展後のデジタルマーケティングの進め方

名刺をデジタル化する

どのリードが「これから客」なのか明確に定義はできませんし、将来「ひやかし客」が「これから客」に変化することがあるかも知れませんので、展示会の時点で商談化できた「今すぐ客」を除き、すべての名刺情報をリードとしてデジタル化していきましょう。

ただし、リード数によって料金が変わるマーケティングオートメーションのサービスをお使いの方は、見込みの低いリードを加えるのに抵抗があるかと思います。その際は「これから客」のみ厳選してデジタル化しましょう。見極めのために来場者向けヒアリングシートなどを準備しておくと良いでしょう。

名刺情報のデジタル化を自社で行う場合は、名刺スキャンアプリを使うことをおすすめします。個人的なお勧めは「Wantedly People」です。名刺をスマホで撮影するだけで、高精度のデジタル化ができます。名刺情報のデジタル化を外注する場合は、クラウドソーシングを活用することをおすすめします。弊社がよく使っているのは「クラウドワークス」です。

デジタル化の具体的な方法は、以前に書いた「リード獲得の具体的手法」内のオフラインでのリードジェネレーションの段落をご参照ください。

リードナーチャリングする

労力をかけてデジタル化し、いつでも一斉メール配信が可能になったリードに対し、来場お礼メールでお終いにしないようにしましょう。労力はかかりますが、定期的に情報提供することでリードナーチャリングすることが重要です。

リードナーチャリングを行う理由は下記の2点です。

  1. 定期的にコミュニケーションを取ることで自社を忘れないようにする
  2. 様々な情報を提供することで購買プロセスの次フェーズへ進める

名刺情報をマーケティングオートメーションに取り込む際に、「2020年1月展示会」といったタグ情報を付加しておき、類似内容の展示会出展時に展示会案内のメールを送ったり、興味分野ごとにカテゴライズしておき、送付するメルマガの内容を変えたりすると、効率的にリードナーチャリングすることができます。

リードナーチャリングの具体的なコンテンツを紹介

リードナーチャリングするコンテンツには、メールマガジン、技術資料(ホワイトペーパー)、導入事例、FAQなどがあります。詳細は「リードナーチャリングのためのコンテンツ制作」をご参照ください。

スコアリングしてアプローチする

スコアリングとは、メールの開封、メールに記載してあったURLのクリック、特定のWebページの閲覧などがあった際に、マーケティングオートメーション上でそのリードを点数付けすることです。「これから客」に対し、一斉メールでコンテンツを定期配信しながらスコアリングしていきます。スコアがある程度溜まったリードから順番に、メール、電話、セミナーの勧誘などの手法で営業アプローチしていくことで、営業効率を上げていきます。

アプローチする際に、リードのWeb閲覧履歴などから興味分野を把握し、アプローチ時の営業トークに役立てることができるので、アプローチ前に必ずリードの活動履歴をチェックしておきましょう。

 

以上、参考になりましたでしょうか。展示会の成果が落ちていると展示会主催者側の責任にしても何も始まりません。自社で出来る努力を最大限行っていきましょう。まずは過去に出展した際に収集した名刺情報を引っ張り出してきてデジタル化すること、来場お礼メールを送って終わりにしていたリードに対し定期的な情報発信を行ってみること、その辺りから始めてみてはいかがでしょうか。

ご紹介したデジタルマーケティングのプロセスを遂行することで、展示会の出展効果が何倍にもアップするかも知れません。

メカトロテックジャパン2019レポート【後編】

メカトロテックジャパン2019は10月23日(水)~10月26日(土)の4日間、ポートメッセ名古屋で行われました。元エンジニアの工業ライターが見たメカトロテックジャパンをご紹介します。後編となる今回は、人と共に働き、作業を助けてくれるロボットや作業環境のクリーン化、その他個人的に面白いと感じた展示についてレポートします。

人と一緒に働くロボット

センシング技術や制御技術の発達により、ロボットはより人間に近い場所で働くものへと進化しています。従来であれば、ロボットが動く場所は人が働く場所とは柵などで隔てられていましたが、メカトロテックジャパンでは、人のそばで、人と一緒に働くロボットが特集されていました。

FANUCの協働ロボット

FANUCの協働ロボットは、組み立て加工などに含まれていた重筋作業を肩代わりしてくれるロボットです。台車の上からワークを作業台へと移したり、作業が終わったワークの向きを変えて治具の上に置き直すような作業を行います。また、ハンドガイドを使用し、軽い力で重量物を移動させるような作業も可能です。いわゆる危険、キツイ作業から作業者を解放してくれるため、人材の定着にも期待ができます。本体が柔らかいカバーで覆われていることや、人とぶつかったときには安全に停止する機構などが組み込まれているため、安全柵は必要ありません。さらに内臓カメラによる画像解析により、ネジの本数の確認やベルトの装着確認のような、作業確認も可能。まさに人のそばで、人を助け、人と共に働くためのロボットになっています。

DENSOのCOBOTTA

FANUCの協働ロボットは比較的大きかったのに対し、DENSOのCOBOTTAは小さなロボットです。約4kgという小型軽量で、デスク上などに簡単に設置することが可能です。アームを手で直接動かすことでティーチングができるため、ボトルへのシール張りや、装飾のビーズを並べるといったような、従来は機械をセットするよりも人の手でやった方が早いと思われていた軽作業を行うことができるようになりました。

作業環境のクリーン化

近年では作業環境の改善なども注目されるようになりました。また人材難から、従来の製造業として強かった3Kのイメージを払拭するために、きれいな工場を目指す企業も増えています。

エバーケミカル工業の手荒れ防止切削油

切削油のような油は、皮膚の油分を溶かして奪っていくため、手荒れの原因になります。エバーケミカル工業の切削油は、従来の切削性は損なわず、手荒れを防止することに成功しました。たかが手荒れと考える人もいるかもしれませんが、手の皮膚の状態は作業者の生活の質そのものに大きく関わります。そのため作業者の定着などにも効果が期待できます。

ホーコス株式会社のミストイーターZ

フィルターレスで 工作機械から発生するオイルミストなどを吸引する装置です。有名な掃除機と同じ、サイクロンテクノロジーによってミストと空気を分離。

フィルター式と異なり、吸引力が下がっていかないのが特長です。オイルミストは、作業環境を悪化させる他、建屋の汚れの原因になったり、スリップ事故の原因にもなります。フィルター交換の要らないミストイーターならば、高い吸引効果を期待することが可能です。

ライターのイチオシ

個人的にとても興味を引かれたのは、インターナショナルダイヤモンド株式会社の超極細ダイヤモンドヤスリです。すき間や細密部の仕上げに使う細長いダイヤモンドヤスリを展示していたのですが、驚いたのはシャープペンシルにも取り付けられる種類があることです。

ピンバイスにも取り付けても使えるそうですが、シャープペンシルに取り付けるという発想がユニークで面白いと感じました。ペンケースからスッと取り出したら、少しかっこいいですね。

筋力的、肉体的に厳しい作業を減らしたり、工場の環境をよくすることは、求職者の裾野を広げ、労働者の定着につながります。労働人口の減少を見据え、新しい技術をどのように活かしていくかも、大切な戦略になっていくでしょう。

メカトロテックジャパン2019レポート【後編】

メカトロテックジャパン2019は10月23日(水)~10月26日(土)の4日間、ポートメッセ名古屋で行われました。元エンジニアの工業ライターが見たメカトロテックジャパンをご紹介します。後編となる今回は、人と共に働き、作業を助けてくれるロボットや作業環境のクリーン化、その他個人的に面白いと感じた展示についてレポートします。

人と一緒に働くロボット

センシング技術や制御技術の発達により、ロボットはより人間に近い場所で働くものへと進化しています。従来であれば、ロボットが動く場所は人が働く場所とは柵などで隔てられていましたが、メカトロテックジャパンでは、人のそばで、人と一緒に働くロボットが特集されていました。

FANUCの協働ロボット

FANUCの協働ロボットは、組み立て加工などに含まれていた重筋作業を肩代わりしてくれるロボットです。台車の上からワークを作業台へと移したり、作業が終わったワークの向きを変えて治具の上に置き直すような作業を行います。また、ハンドガイドを使用し、軽い力で重量物を移動させるような作業も可能です。いわゆる危険、キツイ作業から作業者を解放してくれるため、人材の定着にも期待ができます。本体が柔らかいカバーで覆われていることや、人とぶつかったときには安全に停止する機構などが組み込まれているため、安全柵は必要ありません。さらに内臓カメラによる画像解析により、ネジの本数の確認やベルトの装着確認のような、作業確認も可能。まさに人のそばで、人を助け、人と共に働くためのロボットになっています。

DENSOのCOBOTTA

FANUCの協働ロボットは比較的大きかったのに対し、DENSOのCOBOTTAは小さなロボットです。約4kgという小型軽量で、デスク上などに簡単に設置することが可能です。アームを手で直接動かすことでティーチングができるため、ボトルへのシール張りや、装飾のビーズを並べるといったような、従来は機械をセットするよりも人の手でやった方が早いと思われていた軽作業を行うことができるようになりました。

作業環境のクリーン化

近年では作業環境の改善なども注目されるようになりました。また人材難から、従来の製造業として強かった3Kのイメージを払拭するために、きれいな工場を目指す企業も増えています。

エバーケミカル工業の手荒れ防止切削油

切削油のような油は、皮膚の油分を溶かして奪っていくため、手荒れの原因になります。エバーケミカル工業の切削油は、従来の切削性は損なわず、手荒れを防止することに成功しました。たかが手荒れと考える人もいるかもしれませんが、手の皮膚の状態は作業者の生活の質そのものに大きく関わります。そのため作業者の定着などにも効果が期待できます。

ホーコス株式会社のミストイーターZ

フィルターレスで 工作機械から発生するオイルミストなどを吸引する装置です。有名な掃除機と同じ、サイクロンテクノロジーによってミストと空気を分離。

フィルター式と異なり、吸引力が下がっていかないのが特長です。オイルミストは、作業環境を悪化させる他、建屋の汚れの原因になったり、スリップ事故の原因にもなります。フィルター交換の要らないミストイーターならば、高い吸引効果を期待することが可能です。

ライターのイチオシ

個人的にとても興味を引かれたのは、インターナショナルダイヤモンド株式会社の超極細ダイヤモンドヤスリです。すき間や細密部の仕上げに使う細長いダイヤモンドヤスリを展示していたのですが、驚いたのはシャープペンシルにも取り付けられる種類があることです。

ピンバイスにも取り付けても使えるそうですが、シャープペンシルに取り付けるという発想がユニークで面白いと感じました。ペンケースからスッと取り出したら、少しかっこいいですね。

筋力的、肉体的に厳しい作業を減らしたり、工場の環境をよくすることは、求職者の裾野を広げ、労働者の定着につながります。労働人口の減少を見据え、新しい技術をどのように活かしていくかも、大切な戦略になっていくでしょう。

メカトロテックジャパン2019レポート【前編】

メカトロテックジャパン2019は10月23日(水)~10月26日(土)の4日間、ポートメッセ名古屋で行われました。元エンジニアの工業ライターが見たメカトロテックジャパンを前編・後編に分けてご紹介します。

メカトロテックジャパンとは

メカトロテックジャパンとは、2年に1度、秋の名古屋で行われる国内最大級規模の工作機械見本市です。第17回目を迎えた今回は国内外から477もの企業や団体が出展。およそ9万人が来場する、非常に大きな展示会となりました。展示内容も幅広く、中小企業向けのソリューションから、大きな工場向けの巨大な工作機械まで、数多くの出展がありました。前編では、中小企業からも関心の高い、作業の一般化や省力化についてのソリューション。後編では人と共に働くロボットや作業環境のクリーン化、目を引いた展示についてお送りします。

作業一般化へのソリューション

近年、これまで工場を担ってきた団塊の世代の定年退職や、人材の不足、従業員の定着の困難などに悩む企業は少なくありません。それにともない、従来は熟練工に任せていた作業を誰にでもできるように「一般化」しようという動きが浸透しています。メカトロテックジャパンでも、難しかった作業を簡単にするソリューションが数多く展示されていました。

日研工作所のツールプリセッタ

加工機にツールをプリセットする作業を自動化する装置です。刃先の測定はとても難しく、さらにその精度が加工の精度に反映されるため、熟練の技を必要とします。しかし日研工作所のツールプリセッタは、光学測定を行いますので、ツールを置いてボタンを押すだけで誰でも誤差のない測定が可能です。

さらにツールに取り付けたQRコードをハンディスキャナで読み込むことで、刃先データをサーバーに登録。加工機にセットする際には、QRコードを読み取るだけで、刃先データが自動で入力されます。これによりツールのプリセットが誰にでもできるようになる他、プリセットにかかる時間も短縮することが可能になりました。

GFマシニングソリューションズの超精密加工向けチャック

ワークを固定する治具のチャックです。独自の機構により0.6μmという超高精度のチャックを可能にしました。これにより、ワークのセットアップを誰でも同じ精度で行うことが可能になります。またセットアップにかかる時間も短くなるため、加工効率の向上にも貢献します。

SAIDA・UMSのVERSEC

従来のリアルな加工感覚と、未来的でバーチャルな加工感覚を融合する、新型旋盤です。基本的な形状は従来の普通旋盤と同じですがが、主軸の回転はインバーター制御による無段階制御になり、送り機構にはサーボドライブが採用されています。またネジ切り加工などはプログラム化もされており、半自動で加工を行うことができます。そのため、従来の旋盤のようなギアの調整などの必要がなくなり、より早く、より簡単に加工を行うことができるようになりました。

省力化へのソリューション

人材確保が困難になることにより、従来は人の手で行っていた作業を機械に肩代わりさせようという動きも強まっています。特にワークを加工機から取り出したり並べたりというような単純な作業は、できるだけ簡単な装置で代用しようという提案も増えています。

伊藤精密製作所のダコンアンシン

加工機から排出されてきたワークをパレットの中にストックする際、ダコンを避けるために人の手でワークを並べていたものを自動化する提案です。ダコンアンシンでは、機構を工夫することで、人の手のように「そっと」ワークを下ろすことを実現しました。

100V電源とエアーのみで動き、周囲の装置や求められる動きに合わせてオーダーメイドの装置を提案します。

一般化、省力化へのソリューションは、ここで取り上げたもののように、工場の既存のシステムに追加することで機能するものも数多く展示されていました。次回は人を助け、工場環境や労働環境を改善してくれる展示をご紹介します。

製造業の展示会で成果を出すポイント

ものづくり経革広場の井上です。営業活動の一環として出展する会社が多い展示会について、こうすれば反響をもっと上げられるのでは?というポイントをまとめました。

展示会準備編

戦略を立てる

まずは戦略がなければ動き方が決まりません。自社の製品、技術を理解した上で、何をPRしてどのような仕事を獲得したいのか?下記の4つを考え戦略を立てます。

  1. 何の展示会に出すか (展示会検索はこちら
  2. 自社の何をPRしたいか
  3. どのようなお客様に
  4. どのようなメリットを感じて頂きたいか

どの展示会に出展するかによって来場数、来場者の種類、競合の数、出展費用も違います。今回、自社のPRしたいものがどの分野をターゲットとしたいかを想定し、それに合った展示会選びが必要です。例えば製造業の代表的な展示会である機械要素技術展ではものづくり企業ばかりですので、その中でどう差別化を図るかがポイントになります。 逆に、あまり製造業の参加が少ない展示会では、競合を意識するよりもどのような業種・職種のお客様が来るのか?そのお客様に対し何を見て知ってもらいたいのか?展示する物や伝え方を考慮します。 また、異業種の展示会に参加する際には、仮想でターゲットとしたいお客様を作り、利用用途を想定することで訴求内容を考えることが重要です。

訴求方法を考える

戦略が決まったら、それをどのように訴求するかを考えます。どのような製品を展示したらよいか?どのようなフレーズで伝えるか?装飾方法などです。限られたスペースのためあれもこれも出すのではなく、コンセプトに沿った主役を決め少数精鋭で望むほうが伝わります。キャッチコピーについてはこちらをご参考ください

目標を設定する

展示会終了後に振り返りができるように目標を設定し集計しましょう。ターゲットを想定し、アプローチをかけた結果が良かったのか悪かったのか振り返ることが重要です。

数値目標:名刺獲得枚数、商談数、成約数、売上など

展示会は事前告知から始まっている

展示会へ参加する旨の事前告知の目的は2つあります。

  1. なかなか会えない既存のお客様に会う機会が持てる。
    (東京の展示会に地方の会社が出展する場合、都内の顧客に一度にたくさん会えるメリットもあります。)
  2. 新規顧客が事前に情報収集し展示会場に直接訪問して頂ける。

既存のお客様へ招待状を送る場合は、主催者が用意したものをそのまま送るだけでは捨てられやすいため、封筒を工夫したり、招待状だけでなく、どのような内容を展示するかを説明するチラシを同封するなどの方法があります。

新規のお客様へは、ターゲットとしたいお客様が決まっていれば直接メールなり、DM等でアプローチを行います。どのようなメリットが提供できるかを事前に認識してもらうことができれば、展示会中に会いにきてくれる可能性があります。展示会が始まりその場のみで勝負するのではなく、事前にアプローチしたほうが商談の確度の高いお客様見込みを作ることができます。御社に会いに来たと言ってもらえれば大成功です。

展示会期中

会期中は技術者を常駐させる

準備ができていれば、あとは行動だけです。来場するお客様へヒアリングを行い、情報収集します。展示会には営業だけでなく技術者も参加したほうが、より具体的な話まで進みます。来場者も営業ではなく、技術者と話したいというニーズがあり、また、技術者もユーザーと直接話す機会ができ刺激になります。呼び込みについてですが、キャンペーンガールを雇ったり、ノベルティを配ったりすることでたくさんの名刺を獲得する方法があります。名刺は多く獲得できますが、そこから見込み客を精査するのは大変なため、一長一短です。人がフロントに立つと製品が後ろに隠れてしまうことがあります。展示物をまず見てもらいたいため、一歩下がって見守るほうがお客様にじっくり製品を見てもらえるので、個人的にはそのほうが呼び込める気がしています。また、訪れた方にどのタイミングで声をかけるかですが、正解というのはなく個々のお客様によって異なります。常に集中して相手を観察し自分なりのタイミングで声をかけることが必要です。

会期中に頂く名刺ですが、各個人が獲得した名刺を整理するのは大変です。会期中にEightWantedly Peopleなど名刺管理システムを使い、データ化しておくと後々楽になります。

展示会終了後

出来るだけ訪問に繋げる動きを

展示会終了後、獲得した見込み客に対しどこまでアプローチをかけられるかが、顧客獲得の明暗を分けます。せっかく出来た接点を無駄にしないために、できる限り訪問につなげる動きが重要です。先方としては近々に頼むものは無いかも知れませんが、将来の見込みとして、面談まで繋がっていたかどうかで関係性は変わります。面談なんて効率悪いし、案件があれば連絡来ると考えるかも知れませんが、接点の回数を増やすことは関係性を築くためにも重要です。

また、あなたと取引したいという意思も伝わります。展示会中はあまり得意でない仕事もできますと言ってしまうケースはあり、来場者も本当にできるのか疑っている部分もあります。古い考えかも知れませんが取引をしたい意思は、こちらから出向くことでより伝わると思います。

最後に

これからの展示会の成果は社内のフォロー体制で変わる

社内を留守にすること数日間、戻れば通常業務が溜まっており、それを片付けることからスタートするのが展示会後のよくある話です。せっかくお客様と名刺交換しても、しばらくすれば先方の印象も薄れてしまい、その後のクロージングが出来ずに終わってしまうことも多々あります。その大事な時期に、通常業務の負荷も高まっていたら、新規に取り組む力は半減してしまいます。会社全体として情報共有・連携をとりながら展示会後の新規営業・通常業務を同時並行できる体制を作れるかどうかにかかってくると思います。具体的には社内の情報共有の仕組みづくりや、特定の人しか出来ない仕事を減らし、だれでもフォローできる業務体制の構築などです。展示方法はどこの会社も年々レベルアップしてきているため、そこでの差別化は難しくなってきています。今後、展示会でさらなる成果を上げるためには、そのような社内の業務効率化によるフォロー体制の強化がポイントになってくると思います。

ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

こちらも参考までに

町工場ぶっちゃけ対談 vol.9

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

季節は、もう、晩秋なんていう頃なんでしょうか?長い夜はしみじみと落ち着いて、愛読書のページをめくり…。なんて、優雅な生活とは程遠い栗原は、この秋、あちこちのイベント、展示会にと飛び回っております。(苦笑)

実は、今も、ビッグサイトの展示会(新価値創造展)のブースで、この原稿の仕上げをしてるところです(汗)

さてさて、そんなわけで今回は、同じように忙しい忙しいばかり言っている「同志」に声をかけて、特攻対談をしてきました!渋谷ヒカリエで開催されたアパレル業界の展示会「プラグイン」に新たな風を吹き込むべく企画された「Link to CREATIVE」をプロデュースしたデザイナー、高橋学氏!

今回も進行役をダイレクトメールサービス「たより」の後藤天美さんにお願いしました。いったいどんな話になったのかな?

(ここから、聞き手・執筆は後藤天美さん)

栗原さんとは、何やらムフフな間柄のマナブさん

ご無沙汰してます!お久しぶりです!(*^_^*)

ほぼ1年ぶり、、、の対談場所は、「茅場町」駅から徒歩3分。ノスタルジックな雰囲気なオフィスビルの、5階!(階段で(^_^;))オフィスのドアをくぐると、様々な企業とコラボした作品がお出迎え。マナブデザイン株式会社 代表取締役 高橋学氏。

我が栗原さんとは、何やらムフフな間柄のマナブさん。企業のプロダクトデザインを担当するサラリーマン時代を経て、独立。今やものづくりをする製造業の方たちにはなくてはならない存在で、企業もヒトもモノもつなげちゃう、プロデュースしちゃう、プロダクトデザイナーさんなのです。

ーまずはお決まりの質問から。栗原さんとの出会いはいつごろですか?

学:まだ勤め人だった頃、独立する前だと思います。6,7年前の機械要素展だったでしょうか??

栗:あー、機械要素技術展に栗原精機で単独出展したときだったかな。初めて出会ったのが。

学:会場をぐるぐるまわっていて、栗原精機の前を通り過ぎて、行きかけて、数歩そのまま下がって、立ち止まったんですよ(笑)。漫画のように。

栗:そうだったけ。その頃はまだデザイン事務所勤めだったけ?仕事の関係で来てたんだっけ。

学:そうですね、デザイン事務所に勤務してましたねぇ。デザイナー…っていっても、その頃はまだ、デザイナーがモノをつくる時代ではなかったので。ほんと、デザインワークが主流でしたけど。

栗:そうだったね、学くんが、栗原精機のブースに目をとめてくれたのは、ブースデザインだったって言われたっけ。あのとき、業者がつくる通り一遍のパッケージデザインじゃなくて、栗原精機のブランドカラーでオリジナルで作っちゃったんだよね。黒だったから、どうかな、とも思ったんだけど。

学:その暗さが目を引いたんです。黒い世界の中にミニ四駆やラジコンの金属部品が光ってて、他の出展社さんと印象が違ってました。

栗:デザイナーが目をとめるブースつくっちゃったんだ、俺(笑)。

ーその頃、メーカーズリンクってもうできてたんですか?

学:できてましたよー。僕ね、立ち上げのメンバーじゃないんですよ。一番最初にいなかったんです(笑)。僕が存在を知った頃には、もう4,50名集まってたような。

栗:最初いなかったんだっけー。そっか、別の川口つながりで再会して、川口の焼き鳥屋さんで深酒をして、それで二人の仲が深まったようだったような…。

学:ずいぶん深酒した記憶があります(笑)。先輩が町工場の方とモノづくりをされていて、どうしたらそんなことができるんだろう?と思っていた3か月後に、栗原さんとビッグサイトで再会しましたね。

ものづくりの世界に入ったきっかけ

ー学さんがものづくりの世界に入ったきっかけの出会いですか??

栗:町工場がデザイナーを起用する、ということがあまりない時代でね。デザイナーと知り合いたいなぁ、仲よくなりなたいなぁ、という、俺の欲求が引き合わせたのかも。

学:デザイナーホイホイに引っかかってしまいました(笑)。いつも仲良くしてくれるものつくりに関わる仲間のつながりは、元をただせば栗原さんとの出会いからはじまったんですね。

栗:話は戻るけど、メーカーズリンクの立ち上げにはいなかったんだね。意外だけど。

学:本格的に関わりはじめたのが、3年前のメーカーズリンクのブースデザインですよ。

栗:その頃は、メーカーズリンクが会社になるとは思わなかったよね。出展者を募ろうっていう事業は立ち上がっていたけど。

ー共同出展ですか??

栗:だいたいね、共同出展だとあんまりうまくいかないんだよなぁ。『展示会のパッケージ』って制約が多いからさ。

学:あのとき、みんなわちゃわちゃでしたよね。で、結果、お金がかかちゃって、大変なことになっちゃいましたもんね(笑)

栗:そうそう、展示会ブースのノウハウって大事…

学:以来、展示会ブースを任せてもらって。でも毎回、やりきれないこと、やりたかったことはたくさんあるんですよね。

大躍進の秘密

ー学さんのご活躍の話は、巷でたくさん聞くんですよ。大躍進の秘密って??

学:えー(笑)。去年くらいからすごく忙しくなりましたけど・・・

栗:うん、マナブデザイン、忙しいよねって、聞くようになった。短い期間でステップ踏んで、着実に成果だしてきたよね。

学:独立直後は住んでいたアパートの一室に、机がわりのミカン箱にとノートパソコンを置くことから始めましたからね(笑)

栗:で、今や茅場町のオフィスビル。

学:エレベーターはないですけど(笑)

栗:うん、それはいかんよね(笑)

学:いろんなプロダクトに関わってきて、自分の中にノウハウをつめてきたんですよね。失敗もたくさんありましたけど。

栗:まぁ、失敗も今となっては良い授業料だね。

学:『まずやってみよう!』という心構えは常に大事にしてます!

Link to CREATIVE

―渋谷のヒカリエで展示会やりましたよね?(※ファッション展示会『PLUG IN』の派生プロジェクト「Link to CREATIVE」)

栗:あれだけの出展社が集まったのも、マナブデザインのアクティブさがあったからだよね?

学:去年の年末に大阪で開催された250人もクリエイターを集めた大宴会に、主催の方から誘われて行ってきました。ものすごく楽しかったのに残念ながら今年(2018年)は開催しないと聞いて、それなら東京でやりたいな?って。たくさん人を集めて面白いことをやりたい、この想いが実を結んで生まれた展示会なんです。

―へーーー。

学:PLUG INは『つながる、つなげる、広がる』というコンセプトの展示会なんですけど、アパレルの業界にものづくりの人たちをつなげたらどんな化学反応が起きるだろ
う??なんていう発想から、企画をつくりました。

栗:普通に考えたら、ものづくりとアパレルなんて、つながらないけどね。

学:そうなんですよ。でも自分にはものづくりのプロが集まるメーカーズリンクというプラットフォームがそばにあったんですね。ものづくりとアパレル業界をどうつなげたら化学反応を起こせるかな、というトコロに頭を悩ませました。また身内のお祭りにはしたくない思いもありました。そこで思いついたのが『異業種コラボレーション』なんです。

栗:前からね、話としては少しずつでていたけど、この渋谷の展示会がきっかけで、いろんなモノが動いた感はあるよね。俺も知らないトコロで、あいつとあいつがつながってる、みないな(笑)

学:この半年間、振り返ろうと思っても時間が足りないくらい(笑)。これから何かを始めたいと思っている人を押し出そうと思ってたら、ネームバリューのある会社さんも名乗りをあげてくれて。いつかこの人と一緒にものづくりをしたい!と、思っている方たちとも一緒にできたことが大きいですよね。

栗:直感的に、おもしろいことが起きるって思ったよね。会社の中に抱えているものを出したいと思っている人たちとつながれたよね。

学:誰かがきっかけをつくらないと生まれない、新しいものづくりも誕生したと思います。マナブデザインがコネクターになってできたアイテムもたくさんあり、デザイナーの役割はデザインするだけではなく、コネクターの役割も担える実感を持てたことがうれしいです。

栗:メーカーズリンクは企業と企業の潤滑油の存在としてありたい。ずっとそういってきているけど、それも、まさしくそういうこと。ココから発注するモノが生まれてくるね。

学:頭の中にメーカーズリンクがいつも存在してるんです。だから今回の展示会もLink to CREATIVEにしたんですよ。

栗:うん、それはちょっとうれしかったよねー。はやり言葉じゃなく、LINKを使ってくれてることがね。

学:いろんな方の思いがや努力が重なってできあがったアイテムを販売やものづくりの展開につなげられればいいなと思います。ひとりではできないことを一緒に作り上げてくれた、たくさんの仲間の存在も財産だと思いました。今回出展・協賛・運営に携わっていただいたみなさんには、心から感謝しています。

栗:動き出す前の、あーじゃない、こーじゃない、を、なかなか乗り越えられないんだよね。今回は、そういうものを乗り越えてできたものでしょ。

学:商品をつくるためではなく、コラボして新しいものをつくりだす、この1点をぶれずに貫きました。

栗:作り手、ものづくり手側としては、本当に「カタチ」になるのかわからないと、動けないことも多いのよ。指示(図面化)されたものでないとつくれない世界。が、図面から抜け出してつくる世界へと動く機会にはなったと思う。

学:僕らが考えていたメリット以上の成果も上がっているんですね。今回関わってくれたすべての方に感謝してます。もう泣いちゃいたいくらい。

今後の野望

ー今後の展望というか、野望というか、聞かせてもらってもいいですか?

学:メーカーズリンクはものづくりのプラットフォーム。Link to CREATIVEも新しいプラットフォームになれるように、あらゆる業種全体と新しい連携をつくっていくことで、自分たちが知らなかったその先の世界を見つけにいけたらいいな、と。

栗:今回渋谷だったけど、大阪、北海道、九州、全国でやっていけたら面白いね。

学:そうなんですよ!そしてものづくりにこだわらず、販売も面白いかも。もう、メーカーズリンクにつながる企画が頭の中でもりだくさんで(笑)。

栗:ただの展示会、では、終わらせない。ここからだね。まぁ、7年前はこんなこと想像すらできなかったよね。小さいことでも、きちんと継続できてよかった。

学:あと、今回はじめて運営側に立ってみて、表からは見えない運営ならではの大変な世界を知ることができました。栗原さんのご苦労を垣間見た感じです。

栗:運営するとなると、底知れぬ苦労もあるからねーー。でも、今後がとても楽しみ。これだけのこと、まぁ、ふつう、なかなかやれないもんだよ。

学:自分の中では、まだまだなんですけど。

栗:マナブデザインは人と企業とものづくりとリンクをしていくことを目指しているわけだから。今、終わっちゃったら困るじゃない。これから、まだまだ、だよね。

学:がんばりますよーーー!

師弟関係のような、ライバルのような、旧知の仲のような、お二人の不思議で優しい関係性を感じた時間でした。メーカーズリンクが、業種業態、人を超えて、様々なカタチでつながるプラットフォームになるのも、もうすぐですね。私もまだ知らない未知の世界に繋げてもらおう!高橋さん、ありがとうございました。

それにしても、栗原さん、5階まで階段で上がるのって、キツかったですねー(笑)次回の、町工場社長栗原さんのものづくり対談、お楽しみに!次回があるのか??栗原社長の「ものづくり対談旅」次は、いずこへ。。

営業活動のコツはアフターフォロー、顧客数を3割アップさせた白根電機産業

ものづくり経革広場の井上です。今回は長年、積極的に営業活動に取り組んでいる白根電機産業に訪問し、どのような営業活動をしているのか、新規開拓のコツなど普段あまり聞けないことを取材してきました。同社はマーケティング大全という本に成功事例としても掲載されている会社です。新規営業の窓口の杉末さんと萩谷さんにお話を伺いました。

会社紹介 白根電機産業株式会社

白根電機産業は東京都品川区にて樹脂切削業を営む会社です。以前にHP制作事例で紹介させて頂いているのでこちらもご参照ください。

積極的に営業活動を始めたきっかけは?

杉末:リストラが世間で多かった十数年前になるのですが、仕事が無くなってからでは遅いと当時の代表が考え、「会社全体として営業活動に取り組もう」と号令をかけたのがきっかけです。号令だけだったので具体策は無く、手探りだったので、既存のお客様からの紹介、電話帳からのアポ電話、飛び込み営業などが主でした。

営業手法はそれから変わりましたか?

杉末:さすがに電話営業等に限界を感じ、2010年ごろから展示会に出るようになりました。最初は信用金庫さんの展示会に無料で出れるからということで出展しました。コンセプトもブレブレで、あるものを何でも展示していたので、自社でできない加工の相談が多かったです。まずは試しにという気持ちだったので失敗しても良かったんですが色々勉強になりました。それから機械要素展や産業交流展に出展しました。

ーその後の展示会でなにか工夫した点はありましたか?

杉末:展示サンプルを絞ったことと、全面に出すサンプルは何が良いか考えました。弊社の場合はアクリル製品が見栄えも良く、光っていたのでそれを全面に出したら結構お客さん来てくれましたね。その時の目線を観察していたんですが、まず製品を見て、そこから一歩下がって上の看板を見るんですね。「なるほどまずはサンプルを見て、それから会社を見るんだとな」と思いました。ちなみにその後の展示会で前面に出すものを塩ビに変えてみたんですが、まったくお客さん来なくなりました(笑い)展示の仕方って大事ですね。

ー展示方法でそんなに反応変わるんですね。その他に取り組んだことはありますか?

杉末:ちょうど展示会で永井さん(テクノポート名古屋営業所長)と出会って、その後にHPのリニューアルをお願いしたのも営業として取り組んだことの一つです。何をしている会社かしっかり明示することで新規の問い合わせが増えました。また、展示会に来る方は図面を持って具体的に頼みたい人と、情報収集している人がいるので、その時は決まらなくても、展示会が終わって何ヶ月後かにHPを見て問い合わせ入れてくるケースがあります。

ずばり!営業活動の成果は?

杉末:営業活動を始める前は継続でお仕事頂けるお客様が20~30社ほどだったのですが、プラスで10社ほど増えました。単発での受注を含めると数えきれないほどですけどね。また、ある一定の新規開拓数を超えると対応力が落ちてしまうため、既存のお客様と新規のお客様のどちらも大事にできるように、出展する展示会も年1件ほどに絞っています。さすがに電話営業や飛び込み営業をしなくてもよい営業スタイルが確立できました。

営業活動のコツって何かありますか?

杉末:展示会でのアフターフォローを徹底しています。あまり言いたくないですが、頂いた名刺にお礼メールを会期中に送ります。それも定形メールではなくその時に話した内容を個別に入れます。展示会が終わってからは電話で後追いを行い、面談します。

ーそこまでするから受注率が違うんですね。会期中にメールって大変ではないですか?

杉末:展示会場にいる自分では無理ですので、社内に連絡し、社長に送ってもらってます。

ー全社的な取り組みなんですね。

杉末:はい、現社長も商社出身ですので、営業手法にこだわっています。また、展示会には営業も製造現場の者も含めて参加するようにしています。なぜ現場の者も必要かというと、お客様は技術の人と話したがっているケースが多いんです。どうしても営業側の説明だと嘘臭く感じてしまうケースもあるので、技術側の者にその場で話してもらうことで信用の度合いが変わってきます。ちなみに製造側は作ってなんぼなので、忙しい時に現場を離れる必要があるのか?という製造側の意見もあるのですが、そこは社長に号令をかけてもらっているのでやりやすいですね。

ーもう一つ気になるのが、見積もりの問い合わせが入った際の対応方法について聞いて良いでしょうか?

杉末:対応可否はできる限りすぐします、電話かメールですね。外注も利用しますが、自分である程度の対応可否の判断はできるので当日には行います。見積もりは翌日までがほとんどです。2日後に返事すると遅いと言うメーカーさんもいらっしゃいます。

ー対応可否の連絡を入れてくれるのはありがたいですね。

杉末:はい、レスポンスが早いと他社検討せずにそのまま決まるケースもあります。逆に時間が経ってしまうと他社検討も入り受注する確率が低下します。

ーレスポンスは受注率にも影響するんですね。ありがとうございます。最後になにか営業のアドバイスあればぜひ!

杉末:そんなに大それたことは言えないですが、めんどくさいと思ったらその仕事はやったほうが良いと考えています。普段のルーチンの仕事は慣れているため楽ですが、新規は大変です。特に立ち上げ当初はお客さん側でも仕様が決まっていないこともあり、ヒアリングを慎重に行い要件を固めていく必要があります。他社では躊躇するような、そのめんどくさいの先に受注が待っていると思っています。どこにでもできそうな相談であれば、他に流れる可能性もありますからね。

ー大事にしたい考えですね。どうしても慣れた方を選んでしまいがちなので、私も胸に刻みたいと思います。

普段はあまり伺うことができない営業活動について詳しく教えて頂き本当にありがとうございました。

その他プチ情報

おすすめの展示会は産業交流展だそうです。機械要素は集客率は高いが最先端を求められることが多いためマッチするものが少ない。産業交流展は差し迫った案件が多いため決まりやすい。また、来客は少ないのでゆっくり話ができる。

今後の営業活動の参考にしていただけたら幸いです。

MAKERS LINK 機械要素技術展2018 出展レポート

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!

それにしても、連日の猛暑で、体力気力が失われています。初老の域に入った身としては、ほんとうにつらい…。いやいや、西日本豪雨の影響で、大変な思いをされている方々を思ったら、そんな泣き言、許されませんね。遅ればせながら、被害にあわれた皆様方には、心よりお見舞い申し上げます。

インスタグラムで拝見したのですが、同業の加工屋さんの浸水してしまった工場の写真。写っている機械の様子から、腰の高さほどまで水が押し寄せたことが分かります。添えられたコメントには、仕事ができなくなってしまうという不安が書かれていて、胸が締め付けられる思いがしました。

後日の投稿では、愛着の機械を一台一台、復旧作業され、祈るように電源を入れ、動き出す様子をアップされていました。激励のコメント以外、何も支援のできない自分ですが、スマホに映る画像に、なんだか目頭が熱くなってしまいました。

この1年くらいの間に、取引先でもなく、お会いしたこともない、でも、同じ仕事を生業とする人たちとたくさんつながりました。自分も自社の工場で撮った写真に「#(ハッシュタグ)金曜日は金属の日」などと付けて発信しています。ちょっと金曜日が楽しみで、被写体探して、工場の中をスマホ片手にうろうろしたりして。こんな形で、ものづくりの輪が広がるっていうのも、いいことだと思いませんか?

機械要素技術展、MAKERS LINK共同出展

さて、ここからは、6月20日から三日間にわたって開催された「機械要素技術展、MAKERS LINK共同出展」のレポートをお届けします。

何はともあれ、ブースに駆けつけてくれた皆さんの写真をご覧ください。たくさんの仲間に来てもらって、ほんとうに幸せでした!あまりにバタバタとしていたため、写真撮れなかったり、満足にお話もできていない方も多々いらっしゃって、この場をお借りして、ごめんなさいです。

展示会全体への来場者数は、主催者発表で88,679人とのこと。日本最大級の製造業界展示会といわれるだけのことはあります。熱気にあふれ、大いに盛り上がった三日間でした。

また、今回、いっしょに出展くれた仲間たちにも感謝します。

株式会社ティアンドエス ラボラトリ、株式会社栗原精機、第一ガスケット工業株式会社、株式会社イータクス、 テクノポート株式会社、マナブデザイン株式会社、株式会社日本クロス圧延、株式会社応用技術研究所、株式会社佐藤製作所、有限会社小林製作所、株式会社モリモト、切削加工グループCOOL MILLINGS(以上、11社+1グループ、敬称略)

写真の一番右端、ちょっとはにかんだ笑顔(?)の佐藤製作所の佐藤修哉さん。会社として初めての展示会出展ということで、思うところもたくさんあったようです。ご自身のブログに、そのあたり書かれていますので、ぜひ、ご覧ください。(株)佐藤製作所三代目日記

そしてもうひとつ…

会期中日の6月21日に開催された『第2回ものづくりNAKAMA大交流会』には、東京、大阪、京都、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、宮城、ケニア(?)から、なんと80名の参加者が集まりました!この交流会でもたくさんの方と名刺交換をさせていただきました。いやはや、それにしても、主催者として手腕を発揮された、NCネットワーク新潟の川田社長、もう尊敬します!

MAKERS LINKにとって、一年のうちでいちばんのビッグイベントですが、一出展企業としての株式会社栗原精機にとっても、新規案件を獲得する唯一の場となっています。おかげさまで、今年も、新しい仕事の問い合わせをたくさん頂戴しています。これもまた「つながり」ですね!

MAKERS LINKは今年も機械要素技術展に出てます!

こんにちは!会いに行ける町工場社長、栗原です!梅雨時は憂鬱な気分になりがちですけど、こんなときこそ、あえて、ちょっとお出かけなんていかがです?東京ビッグサイトまで行ったら、いいことあるかも(笑)

【MAKERS LINK的推薦図書】

今日はまず、おなじみ、enmono三木康司さんの最新刊「True Innovation」が届きましたので、紹介させていただきますね!副題は「禅的対話で社員の意識を変えた」です。まずページをめくると、プロローグには「イノベーションという言葉にウンザリの人へ」と、ここにも、ちょっと気になるタイトルがつけられています。

「イノベーション…。うちの会社にもイノベーション推進事業部が設置されたっけ。あれ、ちゃんと結果出してんのかな?そもそも、イノベーションってなんだよ?いまさら聞けないか。カタカナのビジネスワードって意識高くって、正直よくわからないし。」ん?で、トゥルー・イノベーションって?え?なになに?「禅的」対話で意識を変えるって?

なかなかビジネス書ではお目にかからないような単語に、若干の戸惑いを感じながらも、読み進めていくと、氏が企業したenmono社が掲げる「ワクワクするモノづくりで世界が元気になる」へと、自然に理解が進んでいく…。

三木さんとは、幾度となくお目にかかっていて、あ、そのときはいつも傍らに、技術担当取締役をされている宇都宮茂さんがいらっしゃいますけど…。お二人の風貌からなのか、醸し出される雰囲気が、こう、なんというか、どこか、ふわーっと穏やかに包み込まれる感じで…。ガツガツとしたビジネスとしてのものづくりの世界とは、一線を画した世界にいつの間にか引き込まれていきます。

実際、ものづくりをワクワクするって表現しちゃうところなんかは、自分も堅苦しいことが苦手なたちだってこともあって、この感じ、勝手ながら、すごーく共感しちゃうんですよね。

というわけで、ものづくりで元気になりたい人に、栗原から、おすすめの一冊です!

展示会出展情報

さて…。今日(6月20日)は、この本を片手に電車に揺られ、東京ビッグサイトの展示会場にやってきました。はい!そうなんです!本日より3日間(6/20~22)は、第22回機械要素技術展にMAKERS LINKとしてブースを構えて、出展なんです!

展示会の詳細情報はこちらで!http://www.mtech-tokyo.jp/

機械要素技術展は言わずと知れた、製造業の国内最大級の展示会で、会場はビッグサイト全館にわたります。そんな大きな展示会ですので、我々も埋没しないように、シャレたデザインのブースで個性を発揮していますよ!イメージ図、見てください!

MAKERS LINKとしての合同出展も今回で3回目となります。今年はさらに規模も大きく、ものづくりに関連する様々な技術やサービスも有する11社+1グループの仲間たちが参加し、皆様のお越しをお待ちしております。

ではここで、今回出展する仲間たちを紹介します!

埼玉県八潮市、レーザー彫刻、株式会社 ティアンドエス ラボラトリ http://www.t-lab.co.jp/
埼玉県川口市、金属切削、株式会社 栗原精機 http://www.kurihara-seiki.co.jp/
埼玉県草加市、樹脂切削、第一ガスケット工業株式会社 http://www.daiichi-gk.co.jp/
神奈川県横浜市、IoT導入・機械商社、株式会社 イータクス http://www.e-tacs.net/
東京都江東区、無料で協力工場探し、テクノポート株式会社 http://www.techport.co.jp/
東京都中央区、プロダクトデザイン、マナブデザイン株式会社 http://mnbd.co.jp/
千葉県茂原市、耐摩耗表面処理、株式会社 日本クロス圧延 http://www.atuen.com/
静岡県湖西市、工業デザイン・機械設計、株式会社 応用技術研究所 http://www.digitalcreation-s.com/
東京都目黒区、銀ロウ付け、株式会社 佐藤製作所 http://sato-ss.co.jp/
栃木県鹿沼市、切削加工・プレス加工、有限会社 小林製作所 http://www.ksx.jp/
茨城県境町、ばね製造、株式会社 モリモト http://bane-morimoto.jp/
埼玉県川口市、草加市、吉川市、さいたま市、切削加工グループ・COOL MILLINGS

今年もほんとに個性的で素敵なメンバーがそろいました。お越しの際には、ぜひ、すべての出展社をご覧ください。きっと新しい発見や出会いが待っています!もちろん、栗原にも会いに来てくださいね!

では、最後に、告知を一つ。

こちらももうおなじみですね、IRONCAFe(アイアンカフェ)さんの週替わりイベント。6/20からは、いよいよChuzo weekになります!詳しいことは、Facebookのイベントページから、ぜひ!