記事の作成は外注したほうが良い3つの理由と注意点

テクノポートの廣常です。

この記事では「自社サイトの記事を増やしたいが、ライティングのノウハウや社内のリソースが足りない」「記事作成を外注しようか迷っている」といった方に向けて、記事作成の外注をおすすめする3つの理由と注意点をお伝えします。

MarkeZineによる「マーケティングの課題とデジタル活用に関するアンケート調査」によると、2021年に最も予算が増えた施策はコンテンツマーケティング(情報メディア、ブログなどによる情報発信)であるという結果が出ています。

実際に、自社サイトでのブログ・コラム記事の導入、オウンドメディアの運営を始める製造業の方も徐々に増加してきています。このように個々の会社が情報発信する機会が増えている中で、記事の質というのも検索時の上位表示や自社のイメージアップなど、あらゆる点に影響する重要なポイントとなってきています。

とはいっても、本業が忙しく記事を作成する時間がない、記事を作成するノウハウがないなどとお困りの方も多くいらっしゃるかと思います。そこでおすすめするのが「記事作成を外注する」という手段です。

記事作成は外注したほうが良い3つの理由

なぜ記事作成を外注したほうがいいのか、3つの理由を解説します。

1.質の高い記事を継続して確保できる

自社の業界や技術について熟知していても、読者に伝わる文章としてうまく記事に落とし込むとなると、また異なるスキルが必要です。プロのライターに依頼することで、読みやすさや伝わりやすさにも配慮された質の高い記事が継続して得られるメリットがあります。

継続的に自社サイトを更新していくことで、会社としても活動的な印象を与えられるだけでなく、自社のファンとなったユーザーに繰り返し見にきてもらえるといった効果も期待できます。

また、近頃は製造業の現場経験のあるライターも増えてきています。そういった方に依頼すれば、ある程度専門的な内容の記事もスムーズに作成が可能となります。

2. SEO対策・マーケティング戦略を考慮した記事が得られる

「記事」とひとまとめに言っても、作成する目的によって構成や内容が変わります。例えば下記のような例が挙げられます。

  • 集客目的     :検索時に上位表示されるようSEO対策を重視
  • 問い合わせ獲得目的:自社の魅せ方や技術の訴求を重視

外注先によっては、記事作成の目的に合わせてこのようなSEO対策や市場分析、マーケティング戦略を提案してくれるところもあります。こういったところに依頼することで、サイトとしての質の向上につながるだけではなく、自社で内製するだけでは思い浮かばなかった視点、切り口での記事ができるかもしれません。

また、製造業の場合、業種によっても様々な記事タイプが考えられます。

  • 加工技術の基礎知識やノウハウを伝える記事 (主にサプライヤー)
  • 製品に関する知識や導入時に必要な情報、使用される業界の動向などを伝える記事(主にメーカー)
  • 自社技術を公開し新規の引き合い、用途開発を目的とする記事

闇雲に記事を作成するのではなく、自社の業種や目的にしっかりと沿った記事作成ができるとより効果的です。

3.(自社の)業務に専念できる

コンテンツの重要性はわかっていても、作成に割ける時間や人員が不足している会社は多いかと思います。外注してしまうことで社内工数を削減し、メインの業務への時間を確保できることも大きなメリットとなります。

外注時の注意点

ただ外注すればいいというわけではありません。どんな点に注意すべきかをお伝えします。

外注先に丸投げはNG

外注として費用が発生しているだけでなく、自社として記事を発信する以上、外注先に丸投げをすることはNGです。自社での事前準備とチェック体制を構築する必要があります。

記事を作成する目的、戦略の検討

自社にとってメリットのない記事が作成されてしまうのを避けるためにも、記事作成の目的や全体的な戦略の検討が必要です。
これらを事前に練った上でライターとすり合わせをしておかなければ、執筆後に方向性の相違が生じた場合、自社にとっても修正の手間がかかるだけではなく、ライターにも負担をかけてしまいます。

ライターの質の見極め

特にクラウドソーシングなどで個人に依頼する場合、ライターの質も様々であるため、実績の確認やテストライティングの依頼などから質を見極めることも重要です。執筆された文章を結局自社で大きく手直しするようでは、外注している意味がなくなってしまいます。

記事のチェック体制を構築

構成段階or初稿〜公開前のチェックも必要となります。誤字脱字だけではなく、自社の意図と合っているかどうか、自社技術の訴求内容に間違いはないかなど、様々な点を確認する必要があります。公開まで円滑に進めるためにも、こういったチェックができる体制を整えておくことが重要です。

記事=ただ増やせば良い というものではない

単に記事数自体を増やせば、サイトの上位表示や問い合わせにつながるわけではありません。前述のように、集客を狙うのであればSEO対策を重視した内容、問い合わせの獲得を狙うのであれば自社技術や強みを分かりやすく訴求する内容、というように、それぞれの目的に合わせた記事を作り上げていく必要があります。

質の高い記事を一度作成すれば、情報の鮮度を気にする必要はあるものの、財産として蓄積されていきます。記事数や中身のボリュームばかりに目を向けるのではなく、目的に沿った記事作成を1つ1つ積み上げていくことが重要です。

テーマによっては深い打ち合わせを

外注のライターはもちろん自社の人間ではないため、技術について広く浅く紹介する記事は書けたとしても、自社の技術を掘り下げた記事を書くことは難しいでしょう。

その場合は取材を受けるような形式で、ライターとの事前打ち合わせが必要となります。時間はかかりますが、一般的な内容だけでなくより技術的な内容に踏み込んだ記事を作成することは、他社との差別化にもつながります。

中長期的な目線をもつことが重要

記事公開後、集客効果が出る・自社のファンができる・問い合わせにつながるなど成果が出てくるには、一定の期間と記事数が必要です。公開直後に効果が出るわけではないことを念頭に置き、中長期的な目線を持つことが重要となります。

まとめ

記事作成を外注するメリット3点と注意点をご紹介しました。外注するといっても自社内で準備や検討すべき要素も多く、また効果もすぐには感じられないという点から、中長期的で地道な取り組みが問われます。

弊社では製造業に特化した記事作成、コンテンツマーケティングの支援を行っております。「どういった記事を作成すれば良いか」といった企画立案の部分から、構成作成、執筆、その後の効果測定から改善提案まで一貫して対応いたします。お気軽にご相談ください。

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トラブルを未然に防ぎたい! 記事外注あるある3選

テクノポートの菊地です。コンテンツマーケティングに取り組む企業が増える中で、ライターさんに記事を外注したものの思ったように進まない、うまくいかないという話をよく耳にします。この記事では、よくある3つの失敗と、予防策をご紹介します。

記事を外注してうまくいかないときのあるある3選

ライターと会社の板挟み

まず一つ目は、ライターの意見と社内の要望が異なってしまい、窓口となる担当者が板挟みになって疲弊してしまうケースです。特に記事作成後の修正時に発生します。特につらいと聞くのは、会社の意向とライターのポリシーがぶつかって、記事が校了しないまたはライターに修正してもらえないパターンです。

例えば、取材やヒアリングをして執筆する記事の場合、話し手が取材慣れしていないことでフランクに話しすぎてしまった部分をそのまま記事化し、ライターからは「お話しされてたことですよね」と言われ、会社からは「どうしてお金を払って書いてもらっているのに要望を聞いてもらえないのか」と言われる場合などがあります。

【対策】

  • 自社のチェック体制・フローを事前にライターに伝えておく
  • 取材の場合などは、取材が終わったタイミングで記事化NGな言動などをメモなどで良いのでライターに渡しておく
  • ライターのSNSなどを確認して日頃の言動や性格を下調べしてから依頼する

思ったような記事ができない

2つ目はなんだか思っていたものと違う…というぼんやりした失敗です。このケースは、大きく2つに分かれます。

1つは、具体的なイメージを共有できていないケースです。記事を受け取った担当者が思う場合は、担当者の方が忙しく、具体的なイメージを持てないまま「ライターにお任せすれば大丈夫だろう」と軽い気持ちで丸投げしている時によく起こります。上司から言われるときは、「コンテンツとかよくわからないから任せる!なんかあったら言ってくれ!」と丸投げされてしまっていたり、相談をしても「よくわからないからいい感じにやって」と放任されていたりする時です。

2つ目は、修正のフローで社内の色々な人が思い思いに修正指示を出した結果、記事そのものが明後日の方向にいくケースです。ライターと担当者の間で合意が取れていても、確認をしたりや決裁権をもつ社内の人物が企画の意図を理解せず細部にこだわる時に起こりがちです。極端な例ですが、高校生の関心を掴むためのコンテンツを作っていたはずが、専門誌に掲載する難しい話になるなどです。

【対策】

  • 他社や他業界のものでよいのでイメージ(文体や雰囲気など)に近いコンテンツのアウトプットを2〜3点ピックアップし、ライター・社内ともに共有しましょう。
    日頃からいいなと思うコンテンツをメモしておく、またWebメディアなどを見るようにするのもおすすめです。
  • 「なんでもいい」「お任せする」は禁止
    企業が予算を確保して行うのになんでもよいということはありえないので、「これがいい」または「こういうのは嫌だ・違う」からでもよいので一つずつ書き出して整理してみましょう。複数のコンテンツからどっちが良いかと考える方法もあります。
  • 社内でイエスマンにならない
    主旨に沿わない意見まで拾い上げない。必要な修正かどうかの線引きをしましょう。そのために、企画の趣旨や読者を明確にして、企画の段階で決裁や根回しをしておくのも安牌です。企画書を添えて説明をしてから修正を依頼できるとベストです。

送られてきた原稿のクオリティが低い

ライターから送られてきた原稿がそのまま掲載できるクオリティではなかったということもしばしば耳にします。事前にその人が書いた記事を確認すれば防ぐことができると思いがちですが、掲載済みの記事は編集や校正の作業がされているため生の原稿そのままであることは稀です。また、自分が書いた文章のセルフチェックには限界があるので第三者がチェックするほうが確実かもしれません。プロのライター同士でも「正しい日本語」の認識が異なることも少なくありません。原稿の校正作業や、複数のライターに依頼する場合の記事ごとの文体の統一は手間と時間がかかります。

【対策】

  • 生の原稿をみせてもらう
    事前にその人が書いた記事を確認すれば防げそうだと思いがちですが、掲載済みの記事は編集や校正の作業がされているため生の原稿そのままであることは稀です。
  • ブログやSNSの文章を見る
    個人で運営しているブログやSNSであれば、第三者の手が加わっていることは少ないので素の文章をみることができます。
  • クラウドソーシングでそのライターの仕事の評価を確認する
    あまり厳しい評価をしていることは見かけませんが、リピートの依頼があるかどうかなどで判断ができます。
  • 校正や編集者を用意する

まとめ

1回目で誰もが100%満足する、そのまま入稿できるような記事が叶うことはほとんどないと思います。要望や求めているポイントをすり合わせながら、一緒に記事を作っていく意識も必要です。事前に依頼したい内容や企画、フローが整理できていると回避できることはたくさんあるのでこちらの記事も参考にして、まずは自分たちの企画や体制を整理してみてください。

また、クラウドソーシングのプラットフォームやSNSは、ライターについての情報収集にも活用できます。ライターとして活躍ていきたい方もいれば、副業として月○円稼ぎたいという目的の一つでライターをしている方、自分の名前を出して有名になりたい方、裏方でいたい方などさまざまです。

コンテンツの依頼でうまくいかなかったことがある方は、次の依頼をする際に余裕があればライターに「こういうことがあって、大変だったんですよね」という話をしてみたり、相手に「困った案件のエピソード」を聞いてみるのもおすすめです。お互いにされたら嫌なことがわかります。

記事を外注する際の参考になれば幸いです。

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ライターを探す?会社に頼む? 記事制作を依頼するなら

テクノポートの菊地です。SEOコンテンツや社員インタビュー、顧客事例などを作りたいときに「社内では作れない」「あるいは質の良い記事が欲しいので外注したい」ということがあるかと思います。依頼前に考えておきたい「依頼内容」についてはこちらで紹介しています。どんな流れで記事制作をするかわからない、漠然としている方は先に依頼内容を整理するのがおすすめです。

今回は技術ライティングサービスを提供するなかで、伺ったあるいは感じた困りごとを、所感も交えながら記事制作の依頼先の選び方、注意点などをご紹介します。

会社に頼むか 個人に頼むか

依頼内容を整理すると、発注するときに必要な条件、つまり外注先に求めたいポイントが見えてくるでしょう。また、連絡のつく時間帯や稼働時間帯、打ち合わせの可否なども検討材料になります。例えば、平日の夜間帯と土日しか対応ができない相手に依頼する場合は、執務時間外に対応をするか、メールやチャット1往復するのに1日かかることを考慮する必要が出てきます。企業によっては、業務委託をする場合の条件(設立して何年以上や法人でないとダメ、手続きに必要な時間など)があるケースも少なくありません。事前に社内で確認しておくと安心です。

簡単に条件別に表にまとめたので、参考にしつつ読み進めてください。

費用 記事本数 品質 納期 執筆以外の業務
制作会社 記事費用+α 10本超も可 安定している
個人 記事費用のみ 個人差あり 個人差あり

出版社や編集プロダクション、制作会社に依頼する


「なにもわからない!」「手一杯でこれ以上業務が増やせない!」「丸投げしたい!」

こんな方には、出版社や編集プロダクションなどにまず依頼するのがおすすめです。マーケティングの企画立案や、SEOキーワードの選定、記事内容の提案なども対応できる企業が大半です。また、チームで対応することが多いため毎月10本、20本とボリュームがある場合も断られてしまうことは少ないでしょう。費用面では、初期費用や月額費用がかかることが多く、定額+記事本数に応じた費用で予算を抑える必要があります。会社ごとに得意な分野があるので、記事に求める効果や専門性などにあった会社を選ぶのがポイントです。

私が記事制作のご相談を受ける際には、依頼内容に加えて困っていることやそれまでに記事作成をしている場合は過去の失敗談、トラブルなども伺うようにしています。これはお客様の社内体制や施策に対しての理解度などを知る手がかりになり、スケジュール組みなどの参考にもなるからです。

いくつかの会社に相談をして、費用面でも提案の内容でも合う会社を見つけて発注するのが安心だといえます。

こんな場合におすすめ

  • よくわからないけど記事を作らなければいけなくなってしまった
  • 毎月複数本の記事を中長期的に継続して作りたい
  • できるだけ社内の工数を減らしたい
  • 企画・戦略の立案から相談したい
  • 編集や校正・校閲が必要
  • 記事内容の専門性が高い

個人に依頼する

個人のライターに依頼する場合は、クラウドソーシングのプラットフォームで探すかSNSや検索エンジンで探す、あるいは紹介してもらうなどの方法があります。かなり泥臭い方法にはなりますが、Webメディアで「こういう記事を書いてほしい」という記事を探して、執筆者の名前があればその人のSNSなどから直接依頼する方法もあります。

クラウドソーシングで探す

圧倒的に価格が抑えられるのが特徴です。予算に合わせて簡単に探すことができます。記事の本数が多い場合や専門性が高いテーマの場合は、依頼したい内容によって複数人探す必要がありますが、1本だけ単発で、または必要なタイミングで都度依頼できます。

SNSやインターネットで探す・募集する

執筆実績や文章などが確認しやすいのが特徴です。大手メディアで執筆しているようなライターの方は、編集プロダクション経由でないと受けていない場合や、多忙でスケジュールが合わないケースも少なくありません。

同じ価格でも成果物の品質がバラバラなので、初めて取り組むような場合は誰に頼んだら良いかの判断が難しい可能性があります。また、編集者が社内にいる場合や別途手配する場合を除いて「納品された記事の修正や確認などで思っていた以上に手間がかかった」という体験談も少なくありません。執筆実績や掲載実績などを確認する際に、納品先での修正や編集があったかなどを聞いてみる、または納品時点での原稿を見せてもらうのも一つの手段です。

こんな場合におすすめ

  • 社内にコンテンツ制作の経験者やノウハウがあり担当者のリソースに余裕がある
  • とにかく単価を抑えたい
  • 単発で依頼したい
  • 特定の人に頼みたい

まとめ

制作会社も個人のライターさんも様々なので、一概に会社に頼めば安心とも、クラウドソーシングはリスキーとも言えないのが正直なところです。名の知れた企業でも納期がルーズだったという話を聞くこともありますし、弊社で以前からお願いしている信頼できるクラウドソーシングのライターさんもいらっしゃいます。条件面で合う・合わないもあれば、文章の好き嫌いや相性などもあるので、求めている成果物のイメージが共有できるかというのも成否のポイントになるでしょう。

特に初めのうちは丁寧な打ち合わせ、擦り合わせを厭わないことが良質な記事へ繋がるのではないでしょうか。

明日から実践できる!読まれる記事タイトルの付け方

記事のタイトルの付け方はとても難しいです。タイトルの付け方一つでクリック数やSEOに影響してしまいます。そのため、記事をたくさんの人に読んでもらうにはタイトルの付け方が重要なのです。この記事では読まれる記事タイトル付け方のコツやその具体例を紹介します。

記事タイトルの付け方が重要な理由

記事のタイトルはクリック数やSEOへと影響する大切な要素です。なぜ、タイトルが重要なのかその理由を解説していきます。

クリック数が変わる

クリック数を決める重要なポイントは記事のタイトルです。読み手にとって魅力的な記事タイトルならばすすんでクリックしてくれます。なぜなら読み手への最初のアピールポイントだからです。そのため、他社の記事との差別化をするためにも、読み手が惹かれるタイトルが求められます。つまり、タイトルは記事を読むか否かの最初の判断基準になっているのです。

SEOに影響する

記事タイトルの付け方でGoogleやYahooなどの検索サイトの検索順位も変化します。これらの検索エンジンはタイトルから「どんなテーマの記事であるか」を判断しているからです。そのため、読み手が検索してくれる「キーワード」をタイトルにしっかりと記載すれば検索エンジンで表示される可能性が高まります。

誰でも簡単!記事タイトルの付け方のコツ

「記事のタイトルを考えるのは難しい」と思っている方もいらっしゃるのではありませんか。実はコツさえ掴めば誰でも簡単に記事タイトルを作れます。それらのコツを4点お伝えします。

読み手目線にする

簡単なポイントは「悩みの解決法をタイトル」にすることです。記事やコンテンツを探している人は必ず「何か」悩んでいます。そのため悩みを解決する方法・手段を想像させることが重要です。つまり、知りたい内容が記事のタイトルに書いてあれば自ずとクリックへとつながります。

意味を1つにする

大原則として、1つの記事は1メッセージ(1コンテンツ1メッセージ)を伝えます。そのため、タイトルはシンプルな表現が大切なのです。もし、記事のタイトルで複数のメッセーaが記載されていると、記事を読み前に読み手は悩んでしまいます。読み手を混乱させないためにも、伝える内容をタイトルにするのが求められます。

数字を入れる

数字は見た目に目立ちます。そのため、伝えたい内容をイメージしてもらいやすいです。一方で目立つからといって闇雲に数字を使えばいいわけではありません。具体的な数字や数字の価値が直ぐに理解できる表現を意識するといい。また、想像できる範囲でないと信ぴょう性が無くなる場合もある

文字数を28文字以内にする

タイトルが長すぎると検索時に途中でタイトルが省略されたり、サイト名が隠れる場合があります。そのため、28文字以内にまとめると概ね表示されます。また、なぜ「28文字」かというと、パソコンでもスマートフォンでもタイトルが途切れずに表示されるからです。ある調査事例ではスマホは32文字、パソコンは全角28文字程度までは、タイトルは全て表示されます。ただし、単語レベルまで短くするのはいけません。

参考URL:https://tk-create.com/seo/title-word-count/

読まれる記事タイトルの具体例

では、読まれる記事タイトルの具体例を紹介していきます。

読み手目線にする

  • NG例)「○○製品を使った実績一覧」
  • OK例)「作業工数を1/5に!○○製品を使った実例紹介」

NG例では「○○製品を使った実績一覧」と、どのような実績があるかの一目見て判断が難しくなります。そのため、OK例のように作業工数1/5と作業工数に悩んでいる人に向けた言葉を加えると読みて目線のタイトルになります。どんな人にも効果があるタイトルではありませんが、ターゲットに対しては明確なメッセージ性のあるタイトルです。

意味を1つにする

  • NG例)「○○材料の性質や金額、その使い方を紹介」
  • OK例)「○○材料の機械的性質を紹介」「○○材料の特徴一覧!」

NG例ではある材料における複数の特徴をタイトルに含んでおり、読み手が欲しい情報以外も含まれる可能性があります。例えば、性質に特化して記事を書くのもいいでしょう。またまとめた内容を記載したい場合は、特徴一覧や性質まとめなどととし、全体的な紹介記事にするのもおすすめです。

数字を入れる

  • NG例)「作業工数が減る○○装置」「以前より高性能な▲▲装置」
  • OK例)「作業工数5時間が1時間まで減らせる○○装置」「前機種よりも3倍の速さで加工できる▲▲」

NG例では工数が減るや高性能な装置と記載されています。比較対象が不明確であるため、抽象的なイメージを与える恐れがあります。そのため、OK例のように5時間が1時間になるや前機種よりも3倍の速さなど、具体的な数字を使用して読み手の想像力を沸かす言葉を選ぶといいです。

文字数を28文字以内にする

  • NG例)【作業工数を削減できる!】前機種よりも作業工数を1/5に減らせる○○装置の特徴とは!(39文字)
  • OK例)作業工数を1/5に削減できる!○○装置の特徴を紹介!(23文字)

NG例のようにタイトルが30文字を超えると、検索時に見切れてしまいます。また、伝えたい内容を表現しきれないかもしれません。そのため、読み手が一目見て分かるくらいの長さにしてみましょう。さらに、タイトルもコンパクトに収まると内容がわかりやすく伝わります。

まとめ

明日から実践できる「読まれる記事タイトルの付け方」について解説しました。ポイントは読み手が記事の中身をイメージできるタイトルにすることです。数字を入れたり、悩みの解決法を書いたりと誰でも簡単にできるため、ぜひあなたの記事にも取り入れてください。

記事作成を外注したい、依頼前に考えたい8つのこと

テクノポートの菊地です。Webを活用した営業・販促販促活動は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の影響もあり、ますます需要が高まっています。弊社でも「メールマガジンを配信したいから文章を書いてほしい」「オウンドメディアの記事作成を外注したい」「社員インタビューを作成したい」など、記事作成のご相談が増えてきています。

文章を書くこととコンテンツ作りは同じだと思うかもしれませんが、実は異なります。

記事作成の外注先を探す前に、まず必要な工程をできる限り細かく考えてみましょう。文章を書く=執筆以外にも考えるべきことはたくさんあります。

依頼前に整理したい8つのこと

なにかを依頼するとき、「業務を具体的にすること」がスムーズに進める秘訣です。夕飯を作ることが調理だけでないように、「記事を書いてほしい」と考えた場合でも、必要なのは「執筆」だけではありません。お客様の体制などによっても異なりますが、弊社では下記のフローをベースに発注内容を整理しています。

①目的・戦略

その記事を作成する目的はなんでしょうか?そもそもどうして記事が必要なのでしょうか?ブランディングやマーケティング、認知向上など曖昧な目的ではなく、ターゲットや主旨をできるだけ明確にしましょう。目的が曖昧だと、企画や記事の方向性を決めることができません。最悪の場合、記事を作成した後に「なんだか違う気がする……」とやり直しが発生することもあります。

マーケティング施策の一つとして、オウンドメディアやメールマガジンの運用などをすることもあると思いますが、カスタマージャーニーマップなどを活用するのもおすすめです。

②企画

企画は大きく、施策全体の企画と記事単位の企画の2つに分かれます。また、企画のためにSEO調査やリサーチなどが必要になる場合もあります。記事単位の企画は、特に具体的に立案すると、外注時の擦り合わせがスムーズになります。例えば「製造業のマーケティングに興味のある人」をターゲットとした場合、初心者から上級者まで含むことができ、さらに製造業に勤めるマーケティング担当の人、兼任の人など、様々な人が考えられます。

この人たち全員の知識と関心に合わせた1本の記事を作るのは、なかなか難しいのではないでしょうか。「マーケティング会社に入社したばかりの人」や「製造業に勤めていて、マーケティングを兼任している営業担当者」のようにターゲットを絞っていくと、ユーザの悩みに沿った記事を企画しやすくなります。

あえて簡単にまとめると、「誰に」「何のために」「何を」伝えたいかです。また、記事の文字数、見出し、リードの有無なども大体でも良いので決めておきましょう。見積もりの金額を明確にするためです。

③構成

構成は記事の概要や方向性、タイトル、見出し、本文概要がわかるものです。依頼者と外注先の意思の擦り合わせをしたり、社内で方向性を決める場合に作成したりすると便利です。手間はかかりますが、記事が出来上がってからのやり直しや大幅な変更のリスクを防いでくれます。自分でブログを書く場合などは別ですが、依頼する・される場合で予算が確保できるのであれば、作成をおすすめしています。

④画像

記事内の写真やイラスト・図はどうしますか?何枚くらい必要ですか?インタビューなどで写真撮影が必要な場合は、誰が撮るのかも考えておきましょう。フリー素材や社内にある画像を使う場合も、画像の選定や取得の作業が必要です。外注する場合は、画像の縦横比率やデータの大きさなども明確にしておくと納品がスムーズになります。フリーの画像サイズが大きくて、納品後にすべてサイズを編集しなければいけないということも避けられます。

⑤執筆

どんな文章のイメージをしていますか?文章と一口に言っても様々です。トンマナ(トーン&マナー)やレギュレーションは決まっているでしょうか?なにも決まっていない状態から記事を作るのは大変なので、こんな雰囲気の記事です、と共有するのがおすすめです。ただ「です・ます調」か「だ・である調」か、だけで依頼することもできますが、見本の記事を見つけておくと、複数のライターさんに外注する場合にも文章の雰囲気のブレが防げます。Webメディアからピックアップしておくと共有する際に便利です。

またタイトルの作成も依頼する場合は、掲載先の表示文字数を確認しておきましょう。PCとスマートフォンで表示できる文字数が違うこともあるので、ユーザに見せるべきキーワードが必ず表示されるようにするためです。
「わかりやすく簡単に解説!・・・」とタイトルが見切れてしまうともったいないですよね。

⑥校正・校閲

文章のチェックは誰が行いますか?クラウドソーシングなどでライターに執筆を依頼をした後に多い悩みが、「誤字脱字などのチェックが面倒くさい」「そのまま掲載できない」というものです。出版社や新聞社などの場合は、書く人と校正する人がそれぞれいます。新聞社では、書く人=記者はスピード重視で、「てにをは」は校正者が修正するので、そこまで注意しないこともあるようです。

ツールなどを使ってもセルフチェックには限界があるので、執筆者以外の確認は原則必要だと考えた方が良いでしょう。また、専門性の求められる記事の場合は、そもそも間違っていないかの確認(校閲作業)も必要になります。

⑦予算

記事作成を考えるときには1本いくら、と予算を考えるケースが大半です。しかし、企画や編集などが必要な場合は、初期費用や企画費やサービス利用料などが別途かかることがあります。依頼したい業務が多いほど、当然費用がかかります。また、取材や打ち合わせを対面で行う場合は、交通費も発生することが多いので考慮しましょう。

⑧スケジュール

仮でも良いので、記事の公開までのスケジュールを作成して伝えましょう。記事作成に至るまで、打ち合わせや調査、取材などの日程もおさえる必要があります。「○日に取材をして記事を書いてください」だけでは、納期がわかりません。また、社内での確認に時間がかかってしまうと、スケジュール通りにいかなくなることも考えられます。

まとめ

「記事作成」と考えたときにおさえておくポイントは意外と多く、自社で行うこととライターに依頼することの線引きは曖昧です。

だからこそ、依頼したい内容を整理しておくと発注後がスムーズになります。「ここまでやってくれるだろう」と一方的に期待し確認せずに依頼をすると、中断になったり追加で費用が発生したりということも少なくありません。弊社では、技術系企業のコンテンツマーケティングを戦略の企画・立案から記事作成、作図・校正までワンストップで支援しています。

技術コンテンツを作るための「型」を紹介 パート2

こんにちは、テクノポートの永井です。前回は技術コンテンツを作る上で役に立つ下記についてご紹介しました。前回の内容はこちら

  • ストーリーライン
  • MFTフレームワーク
  • 技術コンテンツの「型」(図鑑型、課題解決型、論文型)

技術軸によるコンテンツマーケティングなどを行う際に、前回の型だけでは不十分です。そこで、今回は前回紹介した型とは別の歴史型、比較型、上位互換型をご紹介します。

技術コンテンツの「型」とは

技術コンテンツの型は、技術を相手に伝えやすくするためのコンテンツを作る構成テンプレートです。

技術を軸としたコンテツマーケティングをする際に、技術的なコンテンツを量産しなければなりません。しかし、コンテンツを作るときは、内容、ターゲット、構成を決めるなど、簡単そうで実は時間がかかります。そこでコンテンツの構成をテンプレート化することで、技術コンテツを量産しやすくするために生まれたのが「型」です。

技術コンテンツの型、歴史型、比較型、上位互換型の紹介

前回紹介した図鑑型、課題解決型、論文型はこちら

歴史型

歴史型は過去の技術から最新技術まで、技術の歴史的背景とともに技術を伝える方法です。最近は技術も複雑化してきているため、ゼロから新技術を生み出すわけではなく、ベースとなる技術を改良して新技術を作ることが多くなっています。

歴史型は「◯◯とは」などの知識系コンテンツのSEO対策をしやすかったり、最後まで読んでもらいやすいといったメリットがあります。

歴史型の構成

  1. 概要
  2. 技術の歴史について
    技術的課題と解決した理由を必ず入れる
  3. 自社が課題を解決したのであれば詳細を説明
  4. 自社技術を使って何ができるかを説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ

参考:https://www.sansuisha.com/page29148/

比較型

比較型は技術の特長を伝えるときに使います。ターゲットが技術を選べるように類似技術とさまざまな比較を行います。
ターゲットが想定していなかった情報と合わせることで、技術の詳細に興味を持ってもらえる効果があります。

比較型の構成

  1. 概要
  2. 技術の紹介(何をするための技術なのか)
  3. 類似技術との比較
    (グラフなどを使って徹底的に)
  4. 自社の技術の優位性の説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ(サンプル品や評価試験の申込みなど)

参考
https://takagitokusyu.com/character
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2020/20201209-003/

上位互換型

上位互換型はこれまでの型とは違い、少し攻撃的な型です。自社の旧製品と新製品との比較や競合と比較することで、どちらかを選択させるときに使います。例えば、競合のサイトで◯◯可能という情報があった場合、自社のサイトではそれ以上のデータを掲載。業界でNo.1という情報があれば、ブランディングしやすいというメリットもあります。

上位互換型の構成

  1. 概要
  2. ターゲットが興味を持ち、かつ競合に勝っているデータを掲載
  3. できる理由 (エビデンスなど)
  4. 背中をひと押し
  5. お問い合わせ

参考:http://www.technomart-k.co.jp/mold/

コンテンツを制作する上で工夫すること

ストーリーラインからコンテツに落とし込むと、文章量はどうしても多くなってしまいます。 そのため、読み続けてもらうための工夫が必要にです。

工夫のポイント

  1. 知的好奇心をくすぐる情報を入れる。
    文章を読み続けてもらうために、他のサイトにはない独自の情報を紹介しましょう。
  2. 図や表、イラストを使う。
    文章量が多いと読み飛ばされてしまうので、図、表、イラストなど、視覚的な要素をしましょう。
  3. 太字やマーカーを入れ、ななめ読みでも内容が伝わるようにする。
    一言一句読んでもらえることは稀ですので、斜め読みでも理解したもらえるように工夫しましょう。
  4. 見出しを分けて、読みたいところから読めるようにする。
    項目ごとに見出しをつけて、読みやすくしましょう。見出しを見ただけで内容が把握できるのが望ましいです。

まとめ

技術コンテンツの「型」を使うことで、技術コンテンツを量産できるようになります。これからコンテンツマーケティングをする企業が増えてくるなか、型を使って一歩リードしていきましょう。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っています。技術の伝え方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

技術コンテンツを作るための「型」を紹介 パート2

こんにちは、テクノポートの永井です。前回は技術コンテンツを作る上で役に立つ下記についてご紹介しました。前回の内容はこちら

  • ストーリーライン
  • MFTフレームワーク
  • 技術コンテンツの「型」(図鑑型、課題解決型、論文型)

技術軸によるコンテンツマーケティングなどを行う際に、前回の型だけでは不十分です。そこで、今回は前回紹介した型とは別の歴史型、比較型、上位互換型をご紹介します。

技術コンテンツの「型」とは

技術コンテンツの型は、技術を相手に伝えやすくするためのコンテンツを作る構成テンプレートです。

技術を軸としたコンテツマーケティングをする際に、技術的なコンテンツを量産しなければなりません。しかし、コンテンツを作るときは、内容、ターゲット、構成を決めるなど、簡単そうで実は時間がかかります。そこでコンテンツの構成をテンプレート化することで、技術コンテツを量産しやすくするために生まれたのが「型」です。

技術コンテンツの型、歴史型、比較型、上位互換型の紹介

前回紹介した図鑑型、課題解決型、論文型はこちら

歴史型

歴史型は過去の技術から最新技術まで、技術の歴史的背景とともに技術を伝える方法です。最近は技術も複雑化してきているため、ゼロから新技術を生み出すわけではなく、ベースとなる技術を改良して新技術を作ることが多くなっています。

歴史型は「◯◯とは」などの知識系コンテンツのSEO対策をしやすかったり、最後まで読んでもらいやすいといったメリットがあります。

歴史型の構成

  1. 概要
  2. 技術の歴史について
    技術的課題と解決した理由を必ず入れる
  3. 自社が課題を解決したのであれば詳細を説明
  4. 自社技術を使って何ができるかを説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ

参考:https://www.sansuisha.com/page29148/

比較型

比較型は技術の特長を伝えるときに使います。ターゲットが技術を選べるように類似技術とさまざまな比較を行います。
ターゲットが想定していなかった情報と合わせることで、技術の詳細に興味を持ってもらえる効果があります。

比較型の構成

  1. 概要
  2. 技術の紹介(何をするための技術なのか)
  3. 類似技術との比較
    (グラフなどを使って徹底的に)
  4. 自社の技術の優位性の説明
  5. まとめ
  6. お問い合わせ(サンプル品や評価試験の申込みなど)

参考
https://takagitokusyu.com/character
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2020/20201209-003/

上位互換型

上位互換型はこれまでの型とは違い、少し攻撃的な型です。自社の旧製品と新製品との比較や競合と比較することで、どちらかを選択させるときに使います。例えば、競合のサイトで◯◯可能という情報があった場合、自社のサイトではそれ以上のデータを掲載。業界でNo.1という情報があれば、ブランディングしやすいというメリットもあります。

上位互換型の構成

  1. 概要
  2. ターゲットが興味を持ち、かつ競合に勝っているデータを掲載
  3. できる理由 (エビデンスなど)
  4. 背中をひと押し
  5. お問い合わせ

参考:http://www.technomart-k.co.jp/mold/

コンテンツを制作する上で工夫すること

ストーリーラインからコンテツに落とし込むと、文章量はどうしても多くなってしまいます。 そのため、読み続けてもらうための工夫が必要にです。

工夫のポイント

  1. 知的好奇心をくすぐる情報を入れる。
    文章を読み続けてもらうために、他のサイトにはない独自の情報を紹介しましょう。
  2. 図や表、イラストを使う。
    文章量が多いと読み飛ばされてしまうので、図、表、イラストなど、視覚的な要素をしましょう。
  3. 太字やマーカーを入れ、ななめ読みでも内容が伝わるようにする。
    一言一句読んでもらえることは稀ですので、斜め読みでも理解したもらえるように工夫しましょう。
  4. 見出しを分けて、読みたいところから読めるようにする。
    項目ごとに見出しをつけて、読みやすくしましょう。見出しを見ただけで内容が把握できるのが望ましいです。

まとめ

技術コンテンツの「型」を使うことで、技術コンテンツを量産できるようになります。これからコンテンツマーケティングをする企業が増えてくるなか、型を使って一歩リードしていきましょう。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っています。技術の伝え方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

翻訳ツールを使って英語メールを書く方法

翻訳ツールを使って英語メールを書く方法

 

製造業勤務、機械系エンジニアライターの野口です。

 

近年海外企業との取引が増え、英語でのやり取りも増えています。英語を使い慣れていないと、コミュニケーションもひと苦労です。英語でのやり取りの負担を軽減する手段の一つに翻訳ツールがあります。翻訳ソフトの技術は年々向上し、日本語をしっかり英語に翻訳してくれます。この記事では、翻訳ツールの具体例や英語メール作成のステップ、使う際の注意点をお伝えします。

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使いやすい翻訳ツール3選

技術の進歩により、英語(外国語)の翻訳ツールは数多く出てきました。その中から特に使いやすい翻訳ツール3選をご紹介し、特徴を簡単に解説します。

翻訳ツール Google翻訳 DeepL COTOHA
概要 Googleが提供している無料の翻訳サービス DeepL社が提供する機械翻訳サービス 有料の英語翻訳ソフト
特徴 ・2016年後半にAI翻訳システムが採用され、飛躍的に翻訳精度が向上 ・ディープラーニング技術による高い翻訳精度

・無料プランでも5,000字までなら翻訳可能

・ニューラル機械翻訳技術による高い翻訳精度を実現

・専門用語も辞書登録が可能

使い方 ・音声入力

・テキスト入力

・テキスト入力 ・テキスト入力
無料・有料 無料 ・無料プランと有料プランがある

・3タイプ
(月額750円、2,500円、5,000円(税込))

有料

10ライセンスからのサービス提供(10ライセンス  月額88,000円(税込))

セキュリティ 機密が気になる場合は、他の有料ソフトの使用がおすすめ ・機密が気になる場合は、有料プランがおすすめ ・翻訳ファイルや登録辞書もすべて暗号化

 

参考サイト

https://www.ntt.com/business/services/application/ai/cotoha-translator.html

https://www.deepl.com/pro?cta=homepage-free-trial

 

翻訳ツールを使って英語メールを書く3ステップ

では実際に、翻訳ツールを使った英文メールの書き方を解説します。

Step1:日本語で文章をまとめる

日本語で文章をまとめるコツは、主語・述語・目的語を丁寧に記述することです。これらが抜けてしまうと、不自然な英語になる場合があります。また、ビジネスの観点では丁寧さも必要です。そのため、日本語の文章を書くときから丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

 

ビジネスシーンで使用される文章で考えてみましょう。取引先に「今週、打ち合わせのお時間はありませんか」と打ち合わせの連絡をするとします。

 

この文章をGoogle翻訳を利用した例を示します。

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意味は伝わります。しかしビジネスの文章としては丁寧さにかける恐れがあります。そこで、日本語での表現をより丁寧にして再度翻訳をかけてみます。

 

「今週、打ち合わせのお時間をいただけると幸いです。」

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結果、”I would appreciate it if ~”と丁寧な表現で翻訳されます。翻訳の際には、日本語の表現を丁寧に仕上げると英語の表現もより丁寧になります。

 

Step2:翻訳ツールで英語にする

日本語の文章を書き上げた後は、翻訳作業です。Google翻訳であれば文章を枠内にコピーアンドペーストすれば、自動で日本語を英語に翻訳してくれます。

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Step3:英語を日本語に再翻訳

最終ステップは英文の最終確認です。英語をもう一度日本語にして再翻訳します。ここで日本語に違和感がないかを見定めましょう。

英語→日本語の再翻訳

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日本語をチェックして意味が異なっていないかを確認してください。また、英語→日本語の変換が怪しい場合は、主語・述語・目的語に注意して日本語の文章を見直しましょう。

 

翻訳ツール3つの注意点

とても便利な翻訳ツールですが、使用の際にはいくつかの注意点があります。特に以下の3点には注意するようにしましょう。

1.日本語独特の表現

翻訳精度がかなり向上しているとは言え、完璧な翻訳は困難です。特に日本人の慣例的な言葉である「よろしくお願いいたします」「お世話になっております」などの英訳は難しいでしょう。

 

これらの言葉は、英語の場合お決まりのフレーズはありません。メールでは「Hi」などの簡単な挨拶をしてからすぐに本題に入るためです。

 

一方で「お世話になっております」を記載したい場合は、具体的な事柄を混ぜると自然な文になります。「先日の商談でお世話になりました」「息子が大変お世話になっております」など、「○○についてお世話になりました」と具体的な内容を書くといいでしょう。

 

また、「Regards、名前」すると限りなく「よろしくお願いいたします」と近い意味で使用されます。

 

参考サイト

https://eikaiwa.dmm.com/uknow/questions/167/

https://eikaiwa.dmm.com/blog/expressions/business/business-mail/

 

2.専門用語の誤訳

専門用語は意図通りに翻訳されない場合もあります。そのため、確認の意味でもWeblioやアルクで単語レベルで検索しましょう。すると、単語レベルでの翻訳や例文が見つかります。これを基に、専門用語の翻訳を確かめてみてください。

 

単語の日本語訳

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英文の例

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また、よく使用する用語の場合、メモや有料ソフトを用いた辞書登録をしておくと今後の使用の際に役立つでしょう。

 

アルク:https://eow.alc.co.jp/

weblio:https://ejje.weblio.jp/

3.セキュリティ

無料ソフトを使用する際は、あらかじめ規約を読みましょう。特に、翻訳したデータ(文章)がクラウドやサーバーに一時保存されるかどうかという点は目を通しておく必要があります。なぜなら、無料ソフトの場合、翻訳した文章を無作為に検証データとして用いる場合があるからです。機密性の高い文章を翻訳する際は注意してください。

 

Google翻訳の規約

https://policies.google.com/terms?hl=ja#toc-permission

 

DeepLの規約

https://www.deepl.com/ja/pro-license/

 

まとめ

 

英語の翻訳ツールは年々精度を増しています。しかし、細かいニュアンスを正しく伝えるのは現在の技術でも難しいです。意図した意味を伝えるためにも、重要な文章になればなるほどセルフチェックは欠かせません。英語のメールを書くのに苦労している方は、今回ご紹介した翻訳ツールを一度お試しください。自動翻訳の力を借りながら、クライアントに伝わる英語を書いていきましょう。

 

技術コンテンツを作るための「型」を紹介

こんにちは、テクノポートの永井です。Webを使って技術マーケティングをするためには、ターゲットに自社の技術を理解してもらわなければなりません。しかし、コンテンツだけで技術を理解してもらうことは容易ではありません。

今回は技術コンテンツを作る上で役に立つ

  • ストーリーライン
  • MFTフレームワーク
  • 技術コンテンツの「型」(図鑑型、課題解決型、論文型)

をご紹介します。

技術を理解してもらうためのストーリーライン

技術コンテンツを作る目的は「ターゲットにコンテンツをすべて読んでもらい、自社の技術を理解してもらうこと」です。

そのためには

  1. 途中で飽きられてはいけない
  2. 難しすぎてはいけない
  3. 「自分に関係ない」と思われてはいけない

といった条件をクリアしなければなりません。

そこで役立つのが「ストーリーライン」です。ストーリーラインとは、話の流れのことです。うまく作れば、知識がなくこちらの技術に興味が薄い人にも、こちらの技術に興味を持ってもらえるようにマインドチェンジできるようになります。

気をつけるポイントは3つ

第一に、誰もが納得するところから話を始めることです。疑問点が生じた時点で読まれなくなる確率が上がるため、できるだけ疑問点が出ないところから始めてください。

第二に、コンテンツの中で知識レベルを揃えることです。読者の中には専門家もいれば、分野外の方もいます。話の内容がわからなくなった時点でそれ以上読まれなくなるため、詳しい説明をするときも、まず技術の概要や背景から始めるなど工夫するようにしましょう。

最後に、相手が問い合わせしたくなるような工夫をすることです。これによって問い合わせに繋がりやすくなります。

技術コンテンツを作る場合は、ストーリーラインも意識してみてください。

ターゲットのニーズの場合分けにはMFTフレームワーク

MFTとは、Market(市場)・Function(機能)・Technology(技術)の頭文字を取ったものです。新しい市場に参入するときなど、自社に足りない技術の洗い出しを行う際にMFTフレームワークを使います。

このフレームワークの便利なところは、技術と市場の結びつきだけではなく、その間に機能が入っていることです。MFTフレームワークを使うことで、技術を使う機能と、機能が必要な市場との関係性を簡単にまとめることができます。

実はMFTの各段階において、技術者が求める情報は異なります。そのため、技術コンテンツを作るときは、ターゲットの求めている技術がどういうものなのかを検討するためにMFTフレームワークを使います。

MFTフレームワークの詳細はこちらを参照ください。

技術コンテンツの作り方

文章を作るための基本的な流れを紹介します。

  1. 何を伝えたいのか決める(技術、スペックの違いなど)
  2. 誰に読んでもらいたいか決める(ターゲット|MFTフレームワーク)
  3. ターゲットの興味と技術を紐付ける(ストーリーライン)
  4. 1〜3を整理した上で構成を決める(型)
  5. 文章を書く
  6. 校正する

次に紹介する型を使うと構成を作りやすくなります。

構成に使える3つの型

1.図鑑型

図鑑型は、図鑑のように類似技術を並べた上で、自社技術のPRを行う手法です。

類似技術名でSEO対策ができるため、自社の技術を知らない企業にも有効です。ターゲットは幅広い技術を求めている研究開発、設計がメインになります。

図鑑型の構成

  1. 概要
  2. 類似技術と自社技術の詳細説明
  3. 自社技術の優位点の説明
  4. 自社技術を使って何ができるかを説明(用途、展望など)
  5. まとめ
  6. お問い合わせ

参考:開発と実用化が進むxR 仮想世界で活躍するインターフェース技術を紹介

2.課題解決型

課題解決型は、ピンポイントの課題に対して、自社技術を提案するときに使います。

SEO対策は既知の技術名や課題名など、課題に関するもので行います。ターゲットは幅広く研究開発、設計、生技など、課題を抱えている技術者全般になります。この型の特徴はHOTリードや相談者を獲得しやすいことです。

ターゲットは明確な課題を抱えており、使えそうであればすぐに使いたいと考えているため、問い合わせに繋がりやすくなります。

課題解決型の構成

  1. 概要
  2. 課題の想起
  3. 既存技術で課題を解決できない理由
  4. 自社の技術の説明
  5. 使うことでどんなメリットがあるか
  6. 課題解決例
  7. まとめ
  8. お問い合わせ

参考:−30℃から50℃へ1分以内に急速加熱 NISSHA 透明フィルムヒーター

3.論文型

論文型は、既存技術の技術力を伝えたいときに有効です。

SEO対策は既知の技術名やその特長になり、専門家に見つけてもらうことが前提となります。そのため、ターゲットは研究開発、設計などがメインになります。この型を使うことで、自社の技術力の高さや技術の使い方などを伝えやすくなります。

論文型の構成

  1. 概要
  2. 一般的な技術と改善点(グラフなどを使って説明)
  3. その技術で何ができるようになったかの説明
  4. できるようになった理由 (エビデンスなど)
  5. 何が可能になるのか (用途例、展望など)
  6. まとめ
  7. お問い合わせ

参考:手袋入力も可能!進化する静電容量式タッチパネル

MFTフレームワークと型

MFTフレームワークはターゲットのニーズを整理するときに使い、型はニーズに合わせて、伝えたい内容を整理するときに使います。MFTフレームワークの各段階の技術者のニーズとしては、一般的に下記のような傾向があると言われています。

市場(Market)視点で技術探索する技術者:持っていない技術を自社で開発せず、開発済みの技術をそのまま取り入れようとするケースが多い

機能(Function)視点で技術探索する技術者:製品開発の途中で発生した技術課題の解決に向けて情報収集しているケースが多い

技術(Technology)視点で技術探索する技術者:該当技術に詳しい技術者が探すケースが多い

MFTフレームの各段階において、すべての型を使うことができますので、ターゲットのニーズを見極めた上でどの型を使うか判断してださい。

まとめ

ストーリーラインからコンテンツに落とし込むと、文章量はどうしても多くなってしまいます。 そのため、読み続けてもらうためには下記のような工夫も必要になります。

  1. 知的好奇心をくすぐる情報を入れる
  2. 図や表、イラストを使う
  3. 太字やマーカーを入れ、斜め読みでも内容が伝わるようにする
  4. 見出しを分けて、読みたいところから読めるようにする など
  5. タイトルとディスクリプションの文言

ストーリーラインやMFTフレームワーク、技術コンテンツの型を使うことで、しっかりとしたコンテンツが作りやすくなります。コンテンツの作り方で迷ったときは、ぜひ今回の記事の内容を試してみてください。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っています。技術の伝え方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

【特許・商標登録】手遅れとなるDIY出願にご注意!

中小企業専門の弁理士の亀山です。お客様からのご相談の内容・タイミングによっては、「もはや手の打ちようがない」「もう少し早く来てくれれば、手の打ちようがあったのに」となってしまう場合があります。

それは、お客様がご自身で出願を済ませた後、新商品を販売し・・・しばらくたった後に、「やっぱり専門家にお願いしよう」と方向転換した場合です。

そして、その出願が特許や意匠の場合、手遅れになる可能性が高いです。

手遅れになるケース

新規性が問われない商標登録の場合、DIY出願と再出願の間に、第三者の出願が割り込まれなけばそれほど問題になりません。しかし、特許、意匠のように新規性が問われるものは、再出願の際に、既に新規性が確保できません。よって、気づいたときには、出し直しの出願ができず「手遅れ」となります。

具体的には、以下のどちらかに該当すると出し直しの出願はできません。

  • 出願公開(出願から1.5年)後
  • 自社が公開してから1年経過後

こうなると、別の発明(改良発明)で出願するしかありません。

まだ間に合うケース

過去の例として、DIY出願(出願公開済み)に、十分に開示されていない発明があったので、「開示漏れの発明のかけら」をきっかけに再出願を検討したこともあります。

「なんでもいいから特許を取りたい!」であれば、話は別ですが、「ビジネスに活用できる特許を取りたい!」となると、ちょっと厳しいです。

こうなると、「ビジネスモデルからを見つめ直して、改めて権利化する部分を考えましょう」のほうがよいかもしれません。

DIY出願した後、「あ、やっぱり心配になってきたゾ・・・」と思われた場合は、お早目にご相談ください。

相談期限の目安としては、以下の3つがギリギリになるでしょう。

  • DIY出願から10か月程度まで(国内優先が利用できる余地あり)
  • 自社による公開行為(宣伝、販売)から10か月程度(新規性喪失の例外が利用できる余地あり)
  • DIY出願から1年3か月くらい後まで(出願公開前)

もちろん、上記を過ぎたしまった場合でも、「開示漏れ」による検討もゼロではないので、ソコは諦めないで欲しいです。

特許・商標登録のDIY。趣味なら良いですが、ビジネスであれば、やり直しのリスクはもちろんのこと、やり直しがきかないリスクの大きさを知ってもらいたいです。

なぜならば、ビジネスは、趣味と違って、競合が存在し、そことの競争の要素があるためです。・・・ということで、DIY出願しちゃったけど、ちょっと気になるな~という場合は、お早目に専門家にご相談ください。

技術を伝えるときに気をつけるべき3つのポイント

こんにちは、テクノポートの永井です。今回は技術者をマーケティングチームに参加させるメリットを紹介します。

マーケティングは、営業の仕事の一部というイメージを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。顧客に最も近いという意味では営業がマーケティングを担当するのは正しいのですが、顧客の理解度という点では、一概に正しいとは言えません。特に、自社の技術をマーケティングで広めていく「技術者マーケティング」においては、技術者をマーケティングチームに入れたほうが成果はでやすくなります。

今回は技術者をマーケティングチームに入れたほうがいい理由について、事例とともに紹介します。

マーケティングにはターゲットの気持ちを理解することが求められる

マーケティングの基本はターゲットの気持ちを知ることです。

BtoBの場合、ターゲットは欲しいモノではなく、必要なモノを購入する傾向にあります。技術者もほとんど同じです。ただし、技術者の場合はモノではなく、技術を求めていることが多い傾向にあります。

そのため、マーケティングを成功させるためには、ターゲットが何を求めているかを理解し、それに合わせた情報を発信しなければなりません。技術者をターゲットとする場合、技術者の気持ちを理解しなければならないのですが、技術者という特殊な職種について理解することはそう簡単ではありません。

相手の気持ちを理解する最も簡単な方法は相手に聞くことです。もちろん、ターゲットに直接聞けるわけではありませんので、ターゲットと立場が近い社内の技術者の力を借りることでこの問題は解決します。言い換えれば、技術者の気持ちを最も理解しているのは技術者なので、技術者をマーケティングチームに入れたほうが良いコンテンツが作れそうということになります。

技術を伝えるためには技術的な情報が必要

技術者は課題を解決できる技術を求めていますが、どの技術を使えばいいのか決められないケースもよくあります。

課題を解決できる技術が一種類ということは稀で、ほとんどの場合複数存在します。例えば、摩擦係数を低くしたい場合は、メッキや窒化、材料の変更、研摩などさまざまな手法が考えられます。その中から自社に最適な技術を選定し、さらに複数の企業の中から1社を選ばなければなりません。

技術を使ってもらう側は、多くの競合の中から選んでもらうために、自社の技術の伝え方を工夫しなければなりません。

工夫といっても、ただ単に自社の技術的説明だけに力を入れればいいわけではありません。技術を使う側は新しい技術を導入することに積極的な反面、警戒している部分も多くあります。例えば、下記のようなことです。

  • その技術を使って本当に課題が解決できるのか?
  • その技術を使って新たな課題がでてこないか?

そのため、技術を伝える際には下記のような相手を納得させる情報も伝えなければなりません。

  • この技術を使って課題が解決できる説得力のあるデータ
  • この技術をどのレベルで制御できているのかというデータ

このような技術的に深い情報は営業では把握しきれません。社内の技術者に協力してもらう必要があります。

技術者をマーケティングチームに入れる具体的なメリット

技術者をマーケティングチームに入れると、これまで抽象的にしか説明してなかった技術情報に対して技術的根拠が追加されます。そうすることで、自社の技術への理解度が高まり、より具体的な話をしてみたいと思ってもらえるでしょう。

このように技術者がマーケティングに携わることで「自社の技術の表現方法」が変わり、問い合わせの増加につながります。

NISSHA株式会社の事例(できる理由のイメージを伝える)

NISSHA株式会社は産業資材・ディバイス・メディカルテクノロジーの3事業を行っている企業で、さまざまな技術を持っています。今回は、曲げられるタッチパネルの技術の伝え方を紹介します。

NISSHA株式会社の技術を使うと左上の画像のよう曲げられるディスプレイを持ったスマートフォンを製造できます。ここでのポイントは、曲げられる理由をきちんと説明していることです。従来のタッチセンサーが左、新技術が右の画像になります。新技術ではディスプレイの表面が針状の粒子でできているため、曲げてもディスプレイが折れることはありません。このイラストを見た技術者は下記のような疑問を持つかもしれません。

  • どれくらいまで曲げられるのか?
  • 耐久性は?
  • 曲げたときに針は出てこないのか?

その疑問を解決するためには、直接連絡するしかなく、興味ある技術者からの問い合わせが増えると想定できます。

例えば、この絵がなければ競合他社と技術的な区別ができないため、技術者の好奇心をくすぐることはできなかったでしょう。数値は一切入っていませんが、イラストだけで技術のコアを伝えている良い例になります。

株式会社関プレスの事例(新技術の伝え方)

次に株式会社関プレスの事例です。株式会社関プレスは下の画像のような割裂(わりさき)という技術を開発しました。割裂は読んで字の如く、素材を割りながら裂くことによって、複雑な形状を作る工法です。

この技術を見た技術者は「本当にこの技術は使えるのか?」という疑問が浮かぶはずです。他にも、下記のような疑問を持つかもしれません。

  • 裂いたところのから割れが進行するのではないか?
  • 強度的に大丈夫か?

株式会社関プレスは、この疑問に対して先手を打っていることにポイントがあります。裂いた点の拡大画像を掲載し、割裂が使えるかどうの判断を技術者に託しています。実際画像を見るときれいなRになっており、裂が進行することはなさそうです。また、集中応力などの懸念もありますが、この画像である程度解消されます。

割裂終了部の画像は技術者が想定してる問題を解決するためのものですが、株式会社 関プレスはそれだけではありませんでした。下の画像のような「硬度変化」のデータも同時に掲載しています。塑性変形で割っているため、硬度が変化することはよく検討すれば想像できますが、パッと見で想定できる技術者は少ないと思います。

このように想定していかなった問題を提示してもらえると「この技術について深く知っている」という印象を与えられます。技術を使う側として、相手が技術に対してどれだけ知識があるかが気になりますが、このようなデータがあれば、安心して依頼できます。さらに、株式会社 関プレスは応用例も掲載。初めの画像のような板を裂いているものだけでは、どういったところに使えるかの想像範囲が狭まってしまいます。

下の画像のように別の使い方を提案してもらうことで、想像の幅が広がり「だったらあれもできるかな?」とさまざまアイデアが出てくるでしょう。株式会社 関プレスが実践した下記のような流れで、新技術を説明しするとターゲットに伝わりやすいかもしれません。

  1. できること
  2. 懸念点を解決するデータの提示
  3. 想定外が難しい現象の提示
  4. 使い方の応用

昭和電器株式会社の事例

最後に昭和電器株式会社の事例です。昭和電器株式会社は射出成形技術を使って、金属材料から樹脂材料に変更する提案をしています。金属から樹脂に変更するときには強度や劣化などが初めに思い浮かびますが、技術的に難し点は、パーティング段差とバリを0.02以下にすることだそうです。

通常は成形後にバリを除去する工程があるのですが、昭和電器株式会社は後処理なしでパーティング段差とバリを0.02以下にすることが可能です。それを文字だけではなく、右下の画像のようにデータを出すことで表現しているのがポイントです。

材料を金属から樹脂に変更する最大のメリットは、コストを安くすることです。樹脂に変えたことで、後工程が発生するとコスト削減の意味がありません。そのため、技術者は加工工程をできるだけ少なくする技術を探しています。

昭和電器株式会社は技術者の意図を読みとった上で、測定結果を出しています。簡単な方法で大きな効果を得られるいいコンテンツの事例と言えるでしょう。

技術者にも苦手なところはある

これまで技術者をマーケティングチームに入れる大切さを紹介してきました。技術者には積極的にコンテツづくりに参加してもらいたいのですが、技術者に偏りすぎてもいけません。技術者は技術情報を伝えることは得意ですが、それ以外は苦手なこともあります。例えば、説明が論文口調で読みづらかったり、説明が詳細になりすぎて全体感が読めないようなものになるケースです。

そのため、技術者から得られる技術情報を噛み砕いて、伝え方を編集する作業は必要です。それを担えるのが営業になるため、良質なコンテンツを作るためには営業と技術者との連携が大切です。

まとめ

技術者をマーケティングチームに入れることで、技術コンテンツのレベルは格段にあがります。ぜひ技術者にもマーケティングに参加してもらってください。ただ、最後にお伝えしたように、技術者にも苦手な分野はあります。そのため、ミクロ(技術)とマクロ(営業)のバランスが大切です。

弊社はWebマーケティングと技術ライティング事業を行っています。Webマーケティングではターゲット選定から戦略立てなどのマクロな部分を。技術ライティングでは技術者からいただく情報をベースにコンテツの作成といったミクロな部分をサポートしています。

技術の広め方にお困りでしたら、ぜひテクノポートにご相談ください。他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

ホワイトペーパーをうまく掲載している製造業5選

製造業勤務、機械系エンジニアライターの藤田です。ホワイトペーパーは、技術情報を顧客に伝えることでマーケティングに活用できます。IT企業で多く使われていますが、BtoB製造業がホワイトペーパーを使うケースも増えてきました。今回は、ホワイトペーパーをうまく掲載している製造業を紹介します。

BtoB製造業がホワイトペーパーを活用すべき理由

ホワイトペーパーはWebサイトへの集客やリード情報の獲得に有効です。多くの場合、製造業のお客様は解決したい課題があってWebで解決方法を調べます。ホワイトペーパーは課題と解決方法を示してくれているので、お客様にとっては大変役に立つアイテムです。ホワイトペーパーはメールアドレスや名前、会社名などを入力しないとダウンロードや閲覧できないようになっています。そこからリード情報を獲得でき、メール訴求などのマーケティングにも活用できます。

参考にしたいホワイトペーパー5選

ホワイトペーパーをうまく掲載している製造業を5社紹介します。

1. 株式会社村田製作所

株式会社村田製作所は、コンデンサや圧電製品など、電子部品のメーカーです。自社ホームページに技術記事コーナーがあり、無料でさまざまな技術記事が読めます。ホワイトペーパーはダウンロードが必要です。例えば、ホワイトペーパーの「スマートシティ」は、概要部分は無料で読むことができて、続きはダウンロードする形になっています。概要で興味をひきつつ、ダウンロード時のリード情報獲得に繋がっています。

「スマートシティ」の構成は概要、世の中の動向、課題、解決方法、解決に貢献できる村田製作所の製品紹介となっています。課題解決型の分かりやすいホワイトペーパーといえるでしょう。

2. ローム株式会社

ローム株式会社は、半導体のメーカーです。各製品のページに技術情報があり、たくさんのホワイトペーパーをダウンロードできます。英語の記事もあり、海外のお客様もターゲットにしています。提供しているホワイトペーパーの一つである「SiCパワーデバイスと駆動ICを一括検証できる業界最先端のWebシミュレーションツール」は、タイトルだけで何ができるのかイメージできます。お客様は、ホワイトペーパーをダウンロードする前は中身を見ることができません。そのため、解決内容をイメージできるタイトルを設定するのはとても重要です。

本文の構成は概要、動向、課題、解決法と、製造業に適した内容になっていて、最後に自社製品の紹介をしています。

3. 株式会社キーエンス

株式会社キーエンスは、FA機器の総合メーカーです。コンテンツマーケティングに力をいれており、オウンドメディアの規模はとても大きく、ホワイトペーパーも豊富に提供されています。課題解決型の構成だけではなく、導入事例集やお客様の声などのホワイトペーパーもあります。

各製品カテゴリごとにいくつもホワイトペーパーがあり、多くのページビュー数が期待できそうです。資料は、図、表、グラフが多めで視覚的に分かりやすく作られています。

4. プロトラブズ合同会社

プロトラブズ合同会社は、射出成型や切削加工をする製造業です。オンデマンド対応を売りにしており、小ロットからの受注や短納期納品にも対応できます。自社ホームページにホワイトペーパーのページがあり、強みとしている技術を紹介しています。プロトラブズ合同会社のお客様は、小ロットの製品を調達したいと考えているメーカーの設計者や資材担当者です。ホワイトペーパーのタイトルもターゲットを意識しています。

例えば、「図解 樹脂部品設計 Vol 1」というタイトルは、設計者に役立つ内容が載っていることがタイトルから分かります。

5. オムロン株式会社

オムロン株式会社は、FA機器や電子機器、ヘルスケア製品などの総合メーカーです。ホワイトペーパーダウンロードコーナーでは、電子部品の基礎知識などをまとめた資料を掲載しています。「スイッチ」のホワイトペーパーは電子基板設計者をターゲットにしており、電子機器の基礎的な知識を分かりやすく載せています。

また、「センサ」のホワイトペーパーは、実際の活用事例を図とともに解説しています。ターゲットが自社のセンサを使ってどのようなソリューションを得られるかをイメージしやすい構成となっています。

まとめ

製造業のホワイトペーパーは、課題解決、最後に自社製品紹介という構成が多いです。ダウンロード形式なので、リード情報を獲得できるようになっています。また、ダウンロードをしてもらうためにタイトルや概要にも工夫を凝らし、ターゲットが誰で、どのような課題解決できるかを明確にしています。

テクノポートでは、ホワイトペーパーを含むデジタルマーケティングを支援しています。今後、デジタルマーケティングを始めたい方は、ぜひご相談ください。

デジタルマーケティングに関する記事はこちらにまとまっていますのでご参照ください。

技術を伝えるときに気をつけるべき3つのポイント

こんにちは、テクノポートの永井です。ものづくり企業の中には、優れた技術を持っていながも、伝え方にお悩みの方もいるのではないでしょうか。技術は課題を解決するためにあり、探している側は自社の課題をその技術で解決できるかどうかを知りたいと考えているでしょう。

そのために、伝える側は自社の技術でどのような課題が解決できるのか、なぜ解決できるのか、ということをわかりやすく説明しなければなりません。最近では、技術は複雑化し、説明することが容易ではなくなってきました。今回は技術を伝えるときに気をつけるべきポイントを3つに絞ってお伝えします。

技術が伝わりにくい理由

技術を知るには予備知識が必要

そもそも技術を理解するためには予備知識が必要です。例えば、「PTFEめっきできます。」とだけ伝えても、相手がPTFEめっきのことについて知らなければ、全く伝わりません。

下記のように、予備知識があって初めて理解できます。

  • PTFEはいわゆるテフロンで、摩擦係数を低く出来る
  • めっきを施すのが難しいため、どのレベルで出来るかは注意が必要
  • PFOAなど有害物質が含まれている可能性もあるため、確認が必要

技術を説明するときには、同分野の技術者、異分野の技術者など伝える相手の予備知識を予想して、説明方法を変えなければなりません。

技術が多く、予備知識が浅くなっている

技術は何かしらの課題を解決するために使われますが、その課題を解決できる技術は1種類ではありません。さらに、複数社が同一技術を持っています。

技術の選択肢が多い中で、技術を探している側はすべての技術を知ることは難しくなり、1つの技術についての予備知識が浅くなっています。そのため、伝える側もこれまで以上の工夫が求められるようになりました。

興味を引けていない

技術は課題を解決するために用い、技術者は課題を解決できる技術を探しています。つまり、技術を探している人は目的が決まっている場合がほとんどです。

課題を解決できる技術であれば、難しい説明も聞いてくれるかもしれません。しかし、課題が解決できるかどうか判断ができないときは意欲的には聞いてくれないでしょう。技術を説明するときには技術の詳細説明だけではなく「何ができるのか?」についても伝える必要があります。

技術を伝えるときに気をつけるべき3つのポイント

1.ターゲットを決める

まず決めることは技術を伝える相手(ターゲット)です。ターゲットを決める目的は下記のとおりです。

  • 相手の予備知識を想定でき、説明の基準を合わせやすくなる
  • 相手の課題がわかるため、説明のポイントを絞れる

例えば、ターゲットを新製品の開発担当者、既存製品の改善担当者、量産不具の改善担当者などにした場合は下図のような想定できます。

2.ターゲットが何を求めているのか想像する

次にターゲットがどのような課題を抱えているのかを想像します。ターゲットは課題を解決できる技術を求めているため、課題がわかれば、ターゲットが何を求めているのか想像しやすくなります。

例えば、焼付きや耐久性などの既存製品の不具合で困っているのか、製品の評価方法に困っているのか、もしくは新製品に向けた新技術を探しているか、生産コストを下げられるような技術を求めているのかなどです。

ターゲットが決まり、ターゲットが抱えている課題を想定できれば、後は伝えるための工夫を行います。

3.ターゲットが求める内容に合わせて自社技術の見せ方を工夫する

最後に、技術の見せ方を工夫します。ターゲットと抱えている課題によって、説明の出発点は異なると思いますが、まずは画像や動画を使って、技術を使って何が出来るのかを伝えるところか始めるのがよいでしょう。

相手の興味を掴み、その後に詳細説明に入ることで、多少難しい説明にもついてきてくれます。

また、技術を説明するときは「疑問がでないようにする」ことも大切です。わかりにくい言葉や矛盾があると、それ以降の説明が頭に入ってきません。相手の予備知識を想定して、それよりも少し低めを想定して説明すると伝わりやすくなります。

ターゲットがばらつく場合は、理系の大学生に説明するように資料を作るとよいでしょう。図や動画を使うことも効果的ですので、ぜひ試してみてください。

株式会社イワタツール様の例

自社工具の耐久性を動画で紹介

高木特殊工業株式会社様の例

自社のPTFEメッキの摩擦係数をニッケルめっきと比較して掲載

引用:高木特殊工業株式会社

まとめ

技術を伝えるときは、下記の手順を追えば相手に伝わりやすくなります。

  1. ターゲットを決める
  2. ターゲットが何を求めているのか想像する
  3. それに合わせて自社技術の見せ方を工夫する

見せ方の工夫は図、表、グラフ、動画などさまざまな手段がありますが、説明のしやすい方法を選択しましょう。

テクノポートは技術をマーケティングするために、「技術の見せ方」などのサポートや技術ライティングも行っていますので、技術の伝え方にお困りあでしたらぜひテクノポートにご相談ください。

他にも、技術をマーケティングするための手法をまとめていますので、こちらもご参照ください。

技術翻訳するときに気をつけなくてはいけない複数の意味を持つ単語

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。今回は翻訳時にも気を付けなくてはいけない、複数の意味を持つ英単語についてです。

日本語では、“はし(橋)”と“はし(箸)”、“せいかく(性格)”と“せいかく(正確)”、“きかい(機械)”と“きかい(機会)“などが同音異義語としてあげられます。英語ではHomonymと言います。英語の文字はアルファベット表記しかないので、日本語と違い、漢字やカタカナ、ひらがなのように別の文字を使って同音異義語を表すことができません。そのため区別が難しいと思うこともあるかもしれません。以下何個か同音異義語の例とそれを使った文章例を挙げていきたいと思います。(例には多義語も含まれます。)

Address

すぐ思いつくのは “住所”という意味だと思いますが 、“… に取り組む”や、“…に対応する”として、使うこともよくあります。

(例1)当社の目標は、独自の技術を使用して気候変動の問題に取り組むことです。

Our company’s goal is to address the issue of climate change using our unique technology.

(例2)お客様は、来月から本番環境での使用を開始したいとのことで、当社の新しいソフトウェアに関する懸念事項に緊急に対応してほしいとのことでした。

The customer requires us to urgently address their concerns about our new software because they want to begin to use it in their production environment next month.

Current

“今の、現在”のという意味で使う人が多いと思いますが、理系の人では、“電流”という意味でも使っている人も多いかもしれません。

(例)電気部品を扱うときは、危険なレベルの電流にさらされないように、必ず絶縁用保護具を使用してください。

Be sure to use personal insulating protective equipment when working with electrical components so as to not expose yourself to dangerous levels of electric current.

Express

急行電車のことをExpress Trainと言ったりするので“速い”という意味で覚えている人も多いかもしれませんね。他には“表現する”という意味もあります。また生物の授業で遺伝子の勉強をした人はto express gene X(X遺伝子の”発現”)と習った人もいるかもしれませんね。

(例)自分の気持ちを内側に閉じ込めておくのではなく、自分の気持ちを表現するのが一番です。

It’s always best to express your feelings rather than keep them bottled up inside.

Break

“壊す”という意味でよく使われますが、“休憩”という意味でも使われます。

(例)仕事をするときは、定期的に休憩を取ることを忘れないようにしましょう。そうすれば、ストレスを軽減できるので、常にベストコンディションで仕事をすることができます。

When working, remember to periodically take a break. This way, you can reduce stress so you can always be working at peak condition.

いかがでしたでしょうか? 今後英語の技術翻訳や英語の文章を読むときの役に立てれば幸いです。

技術翻訳するときにまぎらわしい日本語

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。今回は技術翻訳するときに、悩むことがある、まぎらわしい日本語について解説したいと思います。特に今回は、公的な文章によくでてくる言い回しをみていきたいと思います。

まずは、日常的に使われる簡単な文章から見てみましょう。

1)A、B又はC

(例)水道管に欠陥、損傷または腐食がみられる場合はX会社にすぐ連絡してください。

この場合 A=欠陥、B=損傷、C=腐食となります。“欠陥または損傷または腐食”と同じ意味なので、英訳すると

If the water pipes show defects, damage or corrosion, contact X company immediately.

この文章はA、B、Cが単語であるためわかりやすいですが、これらが文章である場合、文章全体が長くなり、わかりずらくなるときがあります。例えばA=欠陥により水漏れが起きている、B=損傷により周囲にカビが生えている、などです。

2)A、B及びC

古い水道管を検査したところ欠陥、損傷及び腐食がみられた。

“欠陥も損傷も腐食も“という意味です。英訳すると

The old water pipes were inspected and found to be defective, damaged and corroded.

次からは、少しややこしくなってきます。日常的に使われる文章では、思いつかないので公的文章を引用したいと思います。以下の訳はあくまでも個人的なもので、公の文章として記載されているわけではありません。

3)A、B及びC、並びにD = (A、B及びC)並びにD

法第五十七条の二第二項の国土交通省令で定める技術上の情報は、点検(法第四十七条の二及び第四十八条の規定によるものを除く。)の箇所、時期及び実施の方法並びに当該点検の結果必要となる整備の実施の方法とする。

*出典(自動車点検基準(昭和二十六年運輸省令第七十号))一部抜粋

ここでのA、B、C、Dは以下のようになります。

A=点検(法第四十七条の二及び第四十八条の規定によるものを除く。)の箇所

B=(点検の)時期

C=(点検の)実施の方法

D=当該点検の結果必要となる整備の実施の方法

“A、B及びC、並びにD“は、”(A、B及びC)並びにD“ と同じと考えられるので

英訳すると以下のようになります。

Technical information specified by Ordinances of the *MLIT set forth in Article 57-2, paragraph (2) of the Act shall be the points of inspection (excluding those under the provisions of Article 47-2 and Article 48 of the Act), the times and methods of inspection as well as how to perform the maintenance required as a result of the inspection.

*MLIT= Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

4)A又はB、かつ、C及びD

灯火装置及び方向指示器:    点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないこと。

*出典(自動車点検基準(昭和二十六年運輸省令第七十号))一部抜粋

A=点灯(具合)

B=点滅具合

C=汚れ

D=損傷

1)又は、2)及び についてすでに上記の通り説明してあるので、後は、“かつ”を真ん中に入れて英訳すると以下のようになります。

Lighting equipment and direction indicators:    No defective lighting or flashing, and free of stains and damage.

あくまでも仮訳なので、別のきちんとした訳があるかもしれませんが、まぎらわしい文章が出てきた場合の参考になれば幸いです。

自社がどのような技術を持っているのか整理する方法

こんにちは、テクノポートの永井です。普段何気なく使っている技術ですが、あらためて整理するとなると意外と難しいものです。今回は、技術の洗い出し方法やMTFフレームワークなど、技術の整理方法についてまとめました。

技術とは何か?

技術を整理する前に、そもそも「技術」とは何でしょうか。広辞苑には、

  • 物事を巧みに行うわざ
  • 科学を実地に応用して自然の事物を改変・加工し、人間生活に役立てるわ

とあります。

製造業の場合、後者の意味で使われることがほとんどですが、「技術がある」という場合の「技術」には「他社と比較して」という意味も含まれています。そのため、ここでは「技術は何かを作ることに必要なもの、特に他者よりも秀でているもの」として話を進めます。

技術にはレベルがある

技術にはレベルがあります。例えば、ものを削る技術の場合、0.1mmの精度で削れるよりも、0.01mmの精度で削れる技術のほうが技術が高いと言われます。技術をPRする場合、このレベルがとても重要です。

そのため、技術を整理するときは、自社がどんな技術を持っているのかに加えて、自社の技術がどのレベルにあるのかも押さえる必要があります。

人によって求める技術のレイヤーは異なる

探す人の立場によって、技術のレイヤーは異なります。例えば、自動車の燃費向上を検討している人の場合、

  • 全体を見ている技術者:自動車の燃費を向上させる技術を探している
  • エンジンを見ている技術者:燃焼効率を向上させる技術を探している
  • 燃焼を見ている技術者:空燃比を理論空燃比にする技術

など、技術者の立場によって探している技術の具体性は変わってきます。そのため、技術を整理するときは、自社の技術がどのようなところで、どのように使われているかも押さえておく必要があります。

技術の整理方法、3つのステップ

技術を整理する際には、以下の3つのステップを経ていきます。

  1. 自社の技術の洗い出しを行う
  2. その技術が他社と比べてどのレベルにあるのかを調査
  3. MFTフレームワークを使って技術の応用方法をまとめる

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1.技術の洗い出し

まずは社内の技術の洗い出しから始めます。「技術は何かを作ることに必要なもの」になるため、自社で加工できるものの一覧を作ります。例えば以下のような項目など、社内で加工できるものはすべて確認します。

  • 加工できる素材
  • 精度
  • 大きさ
  • 質量

プレス加工を例にすると、

鉄 t=0.1~3mm 500×500 交差0.01mm 幾何交差◯ 0.1 ロット数

など、できるだけ細かくまとめるようにしましょう。加工技術の多くは「精度」を問われます。そのため、交差や幾何公差についても可能な範囲で記載しておくことをおすすめします。

2.他社との技術比較

自社技術の洗い出しが終わったら、次は技術レベルの確認をします。他社と比べる方法は、展示会やインターネット検索、交流会、お客様に聞くなどさまざまです。インターネット検索を使えば、手軽に技術を見ることはできます。しかし、掲載情報に具体性がなかったり、技術が高いと言われている企業ほどWebに力を入れていなかったりするため、比較は難しくなるでしょう。

一方、展示会は実際に会場に行く手間はかかりますが、実際にものを見られることはもちろん、加工者と直接話せたり、一度で複数の企業を比較できたりと、効率よく技術を知ることができます。

どちらも一長一短ですので、まずはインターネットで調査して、不足情報があれば展示会に行ってみるのはいかがでしょうか。他社より秀でた技術が見つかれば、それがPRできる技術になります。

3.MTFフレームで技術の応用まとめ

最後にMTFフレームワークを使って、自社の技術が何に利用されているのかをまとめる方法をご紹介します。

MFTフレームワークについては過去の記事でも紹介していますので、そちらも参考にしてみてください。
MFTフレームワーク活用によるWebサイト企画で他社と差をつける

MFTとは、Market(市場)・Function(機能)・Technology(技術)の頭文字を取ったものです。新しい市場に参入するときなど、自社に足りない技術の洗い出しを行う際にMFTフレームワークを使います。

このフレームワークの便利なところは、技術と市場の結びつきだけではなく、その間に機能が入っていることです。MFTフレームワークを使うことで、技術を使う機能と、機能が必要な市場との関係性を簡単にまとめることができます。

上図のMFTフレームワークは市場からスタートしていますが、技術からスタートすることで、自社の技術が必要な機能とその市場の関係性を見つけることができます。これまでに調査してきた自社技術のレイヤーがMFTフレームに合わない場合は、下図のように項目を追加するなど工夫してみてください。

技術の応用先がわかることで、誰に何を伝えればよいのかが明確になるでしょう。

まとめ

このように技術を整理することで、技術をPRしたときに「誰に・何を」伝えればよいのかで迷うことはなくなります。自社の技術が整理できると、技術をマーケティングしやすくなるので、ぜひ挑戦してみてください。

他にも、Webサイト制作時における企画手法をまとめた記事もございますので、こちらもご参照ください。

テクノポートでは、技術や製品の情報を広く発信したいとお考えの企業のWebマーケティングを行っています。技術の伝え方についてお困りの際は、ぜひ弊社にご相談ください。

クラウドファンディングを行う際に気を付けてほしいこと

中小企業専門の弁理士の亀山です。開業して約300社の中小企業様・個人事業主様のご相談を受けてまいりました。今回は、クラウドファンディングを行う際、気を付けて欲しい点についてお話したいと思います。

とある特許相談にて

お客様:今回の便利グッズ「財布」は、特許が取れるでしょうか?

かめやま:便利グッズ「財布」のポイントは、こことここですね。まずは、この2点について、先行技術調査とクリアランス調査を済ませておきましょう。

お客様:ああ、そういえば、前回の発明品のときもやりましたね。今回も調査をお願いします。

かめやま:かしこまりました。調査の結果が出るまでしばらくお待ちください。

かめやま:ところで、前回の発明品「万能キッチンハサミ」の販売計画はどうなっていますか?特許出願を済ませて半年くらい経つと思うのですが・・・

お客様:あれですね! まずは、クラウドファンディングをやろうと思っています!

かめやま:なるほど。今回のアイデアは消費者向け商品。クラウドファンディングは、マーケティングリサーチの側面もあるので良い方法ですね。ところで、いつ頃申し込むのですか?

お客様:もう申し込みは完了しています!!1か月後には掲載される予定ですので、現在、ページのデザイン制作をしているところなんですよ~

かめやま:あらら・・・

お客様:え?? 何かまずかったですか?前回の発明は、調査を済ませているので、他人の特許権は問題なかったはずですよね?

かめやま:それはそうなのですが・・・クラウドファンディングをする際には、特許権以外にもチェックポイントがあるんです。

特許権以外にチェックすべき点(1) 商品名

お客様:特許権以外に何をチェックする必要があるのですか?

かめやま:まずは、クラウドファンディングの規約を見せてください。ほら、ここに「第三者の商標権、著作権、特許権などの知的財産権等を侵害する行為をおこなってならないこと」と書いてありますよね?

お客様:本当だ。特許権の他に、商標権や著作権もあるのですね。

かめやま:まずは、商標権ですね。現在の原稿をみると、この商品名は○○ですね。この商品名○○は、もう確定ですか?

お客様:はい。クラウドファンディングの運営にも届けています。

かめやま:おぉぅ・・・万が一、届け出た商品名を変更するとどうなります?

お客様:うぅ。変更届を出さないとマズいですね。最悪、一から原稿を作り直しになるので。掲載が1か月遅れてしまいます。

かめやま:確かに1か月の遅れは痛いです。しかし、この商品名の使用が、他人の商標権を侵害していたら、この商品名を使用できなくなるので、それこそ問題です。まずは、この商品名を使用してよいかの調査をしましょう。万が一、侵害している場合は、名称変更、そして、掲載が1か月遅れることを覚悟してください。

お客様:それでは困ります!ここまで準備していたのが水の泡になってしまいます!

かめやま:しかし、仮に、権利者がこちらのサイトを見つけたらどうしますか?商標権侵害による差し止め請求によって、この商品名が使用停止となってしまいますから、どのみち、やり直しになると思います。今、商標調査を先送りして、日に日に大きくなる「やり直しの爆弾」を抱えて進むくらいなら、やり直しの範囲を「本日まで」としておいたほうが良いのではないでしょうか?

お客様:それもそうですね。あれ?ということは、クラウドファンディングを申し込む前に、商品名の相談も先生に済ませておいた方が良かったのですか?

かめやま:それがベストでした。私も、前回の発明品「万能キッチンハサミ」の先行技術調査のご依頼のときに、販売計画のところまで確認しておけばよかったですね。

お客様:いえいえ。あのときは、まだクラウドファンディングのアイデアもなかったときなので・・・まずは、商品名の調査を進めて下さい。

特許権以外にチェックすべき点(2) イラストや写真等

お客様:商標権のチェックはOKとして、著作権はどうすればよいのですか?

かめやま:現在の原稿をみると、ここのイラストや写真は、貴社のオリジナルですか?それとも誰かに制作依頼をしたものですか?

お客様:このイラストはA社のフリー素材です。こっちの写真はB社のフリー素材です。

かめやま:A社の利用規約をみると、クラウドファンディングにおける使用はOKそうですね。B社の方は、・・・くわしく書いていないですね。ちょっと怖いので、B社に問い合わせするか、A社の素材に差し替えた方が良いかもしれません。

お客様:この写真は、結構、気に入っているんですよね。こだわって選び抜いたものですし・・・

かめやま:お気持ちはわかります。しかし、著作権侵害となった場合には、商標権同様、結局やり直しになることを覚悟しないとなりません。後々のリスクを負ってまでその写真を使いたいですか?

お客様:わかりました。B社に問い合わせして、許可をもらいます。もしも、NGの場合には、A社のものに差し替えます。

クラウドファンディングを行う際に気を付けてほしいこと

その商品名は合法的に使用できますか?

商品名は、ほぼ間違いなく商標権の対象となります。そして、あなたが使用しようとしている商品名も、見知らぬ他人が商標権を持っている場合もあります。商標権侵害の場合には、権利者側のブランドイメージの棄損につながるため、ライセンスを許可する場合は少ないです。したがって、名称変更をせざるを得ない場合がほとんどです。そして、このような名称変更によるリスクを減らすためには、クラウドファンディングを申し込む前に、専門家に相談した方が良いでしょう。

その著作物は合法的に使用できますか?

イラストや写真も、ほぼ間違いなく著作権の対象となります。あなたが使用しようとしているイラストや写真にも、第三者の著作権の効力が及ぶ場合があります。著作権侵害の場合、差し替えとなる場合も多いですが、権利者の意向によっては、相当のライセンス料の支払い等の条件を前提に使用を許可してくれる場合もあります。このような著作権侵害のリスクを小さくするためには、デザイン制作会社へ依頼した場合には、業務委託契約書の中で著作権の処理が必要になりますし、フリー素材を使用する場合には、フリー素材の利用規約をよく読み、用途に合ったものを選ぶようにしましょう。

出品する商品の技術的アイデアやプロダクトデザインは合法的に使用できますか?

出品する商品の技術的アイデアやプロダクトデザインは、特許権や意匠権の対象となります。そして、特許権侵害や意匠権侵害の場合には、著作権侵害同様、クラウドファンディングの出品の中止、または、相当のライセンス料の支払い等の条件に出品を許可してくれる場合もあります。上述の「万能キッチンハサミ」のケースのように、事前にクリアランス調査を済ませていた場合はよいですが、クリアランス調査が未実施の場合には、他社の特許権侵害のリスクを把握する意味でも事前に進めた方が良いです。また、万が一、特許権侵害のリスクが高い場合には、特許権侵害のリスクが低くなるよう「どのような設計変更が望ましいか」を専門家と検討したほうがよいでしょう。

クラウドファンディングの規約を守っていますか?

どのクラウドファンディングでも利用規約があります。そして、その規約の中に、第三者の知的財産権を侵害しない旨を規定しています。かりに、あなたの商品や商品名等が他社の侵害品であることが判明すると、規約違反により、ページの削除などの対応を迫られる場合もあります。もちろん、クラウドファンディングの利用規約には、知的財産権以外についても触れられています。このため、クラウドファンディングを行う際には、後から規約違反といわれないように、申し込み時に利用規約をしっかりと理解しておきましょう。利用規約を読み込むのが大変な場合には、お近くの専門家に問い合わせして下さい。

専門家にはいつ相談すればよいのですか?

他社の商標権や著作権等の存在によって、商品名変更、設計変更やイラストの差し替えが発生するかもしれません。また、他社の特許権等によって商品の設計変更が必要になるかもしれません。名称変更や設計変更等によるやり直しを防ぐためには、クラウドファンディングに申し込む前に、お近くの専門家にご相談ください。万が一、申し込んでしまった場合には、できるだけ早く、お近くの専門家にご相談ください。

まとめ

クラウドファンディングを行う際に気を付けてほしいこと

  1. 商品名は合法的に使用できますか?(商標権侵害のチェック)
  2. ページに利用されるイラストや写真は合法的に使用できますか?(著作権侵害のチェック)
  3. その技術的アイデアやプロダクトデザインは合法的に使用できますか?(特許権侵害や意匠権侵害のチェック)
  4. クラウドファンディングの利用規約のチェック(利用規約違反とならないため)
  5. ご相談タイミングは、クラウドファンディングの申し込み前が望ましい(やり直し量を最小限に抑えるため)

機械翻訳を使って技術翻訳をしてみた パート2

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。前回の記事(機械翻訳を使って技術翻訳をしてみた パート1)では企業ホームページ内にある技術的文章をグーグル翻訳し、精度を検証しました。今回は企業のウエブサイトには欠かせない会社紹介の文章にグーグル翻訳を使った場合どのような訳がでるのか検証してみたいと思います。

今回も岸本工業様にご協力をいただきホームページの一部を翻訳させていただきました。原文、グーグル翻訳、修正案の順に記載します。

※岸本工業様のホームページは2020年11月にリニューアルされ、現在のホームページには下記の内容はありません。ご了承下さい。

品質理念

まず品質理念についてグーグル翻訳してみます。

原文

・品質理念

  1. 当社の品質活動の起点は、顧客第一主義とします。
  2. 当社は、顧客の要求事項を確実に履行いたします。
  3. 当社は、顧客の要求事項を確実に履行するための、調査と研鑽を行います。
  4. 当社は、品質マネジメントシステムを順次構築し、維持・改善を継続します。

Google 翻訳

・Quality philosophy

  1. The starting point of our quality activities is customer-first.
  2. We will ensure that our customers’ requirements are met.
  3. We carry out research and study to ensure that our customers’ requirements are fulfilled.
  4. We will build a quality management system one after another and continue to maintain and improve it.

修正案

・Our philosophy on quality

  1. Our quality management activities are based on a “customer-first” philosophy.
  2. We ensure that our customers’ requirements are met.
  3. In order to ensure that our customers’ requirements are met, we carry out research and study.
  4. We administer a quality management system that can be maintained and improved over time.

ポイント

(1)タイトルには“品質理念”と書いてあり、日本語文章には“当社”とは書いていませんが、英語にしたときには“Our”と入っていたほうがよいと思います。

(2)最初の文章ですがQuality activitiesという言い回しよりはQuality assurance activities, quality control activities など間に言葉を入れて使うほうが多いと思います。今回は仮訳としてquality management activitiesとしました(後の文章に品質マネジメントシステムと書いてあるので)が、場合より使い分けるとよいと思います。また“顧客第一主義”は理念なので“customer-first” だけではなく“customer-first” philosophy としました。

(3)2番目の文章ですがグーグル翻訳をそのまま使って問題ないと思います。一か所訂正するとしたら、これから履行(未来)ではなく、すでに履行されていると思うの“will”は、抜きました。4番目の文章もwillがグーグル翻訳に入っていますが、これもすでに構築されていると思いますので“will”は、抜きました(willを入れると今までやってこなかったような感じにもとれるので)。

環境理念

次に環境理念についてグーグル翻訳していきます。

原文

・環境理念

  1. 当社の生産・販売活動に関わる環境関連法規・規制・条例を遵守します。
  2. 当社の生産・販売活動中に必要なエネルギーの省力化を図ります。
  3. 「地球資源のロスなき消費」のスローガンのもと、発生する紙及び廃棄物の削減を図ります。
  4. 購入部材の必要調達量を配慮し、死蔵品の発生を抑制します。
  5. 上記項目は、経営責任者により一元管理されるとともに、全社員に周知させます。

Google 翻訳

・Environmental philosophy

  1. We will comply with environment-related laws, regulations and regulations related to our production and sales activities.
  2. We will work to save energy required during our production and sales activities.
  3. Under the slogan “Consumption without loss of global resources,” we will strive to reduce the amount of paper and waste generated.
  4. We will reduce the occurrence of dead goods by considering the required procurement amount of purchased materials.
  5. The above items will be centrally managed by the management and will be made known to all employees.

修正案

・Our philosophy on the environment

  1. We comply with environmental laws, regulations and ordinances related to our production and sales activities.
  2. We strive to reduce the energy required for our production and sales activities.
  3. Under the theme of “Sustainable resource consumption”, we strive to reduce the amount of paper and waste generated.
  4. We minimize the occurrence of dead stock by carefully considering the required amount of materials to be procured.
  5. The above items are centrally managed by the management team and are made known to all employees.

ポイント

(1)タイトルの“環境理念”ですが、こちらも“品質理念”のときと同じように、“Our”と入っていたほうがよいと思います。

(2)“地球資源のロスなき消費” の訳として“Sustainable resource consumption”としました。“Sustainable” や“Sustainability”と言う言葉は企業の環境問題に対する取り組みによく使われる単語です。

(3)“購入部材の必要調達量”の訳はグーグルでは“procurement amount of purchased materials”となっていますが“procurement“という言葉は調達(購買含む)という意味なので“purchased ” という言葉は修正案では抜きました。

いかがでしたでしょうか? 今回は会社紹介によく使われる文章をグーグル翻訳してみました。多少なりとも企業ホームページの英訳のヒントになれば幸いです。

機械翻訳を使って技術翻訳をしてみた パート2

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。前回の記事(機械翻訳を使って技術翻訳をしてみた パート1)では企業ホームページ内にある技術的文章をグーグル翻訳し、精度を検証しました。今回は企業のウエブサイトには欠かせない会社紹介の文章にグーグル翻訳を使った場合どのような訳がでるのか検証してみたいと思います。

今回も岸本工業様にご協力をいただきホームページの一部を翻訳させていただきました。原文、グーグル翻訳、修正案の順に記載します。

※岸本工業様のホームページは2020年11月にリニューアルされ、現在のホームページには下記の内容はありません。ご了承下さい。

品質理念

まず品質理念についてグーグル翻訳してみます。

原文

・品質理念

  1. 当社の品質活動の起点は、顧客第一主義とします。
  2. 当社は、顧客の要求事項を確実に履行いたします。
  3. 当社は、顧客の要求事項を確実に履行するための、調査と研鑽を行います。
  4. 当社は、品質マネジメントシステムを順次構築し、維持・改善を継続します。

Google 翻訳

・Quality philosophy

  1. The starting point of our quality activities is customer-first.
  2. We will ensure that our customers’ requirements are met.
  3. We carry out research and study to ensure that our customers’ requirements are fulfilled.
  4. We will build a quality management system one after another and continue to maintain and improve it.

修正案

・Our philosophy on quality

  1. Our quality management activities are based on a “customer-first” philosophy.
  2. We ensure that our customers’ requirements are met.
  3. In order to ensure that our customers’ requirements are met, we carry out research and study.
  4. We administer a quality management system that can be maintained and improved over time.

ポイント

(1)タイトルには“品質理念”と書いてあり、日本語文章には“当社”とは書いていませんが、英語にしたときには“Our”と入っていたほうがよいと思います。

(2)最初の文章ですがQuality activitiesという言い回しよりはQuality assurance activities, quality control activities など間に言葉を入れて使うほうが多いと思います。今回は仮訳としてquality management activitiesとしました(後の文章に品質マネジメントシステムと書いてあるので)が、場合より使い分けるとよいと思います。また“顧客第一主義”は理念なので“customer-first” だけではなく“customer-first” philosophy としました。

(3)2番目の文章ですがグーグル翻訳をそのまま使って問題ないと思います。一か所訂正するとしたら、これから履行(未来)ではなく、すでに履行されていると思うの“will”は、抜きました。4番目の文章もwillがグーグル翻訳に入っていますが、これもすでに構築されていると思いますので“will”は、抜きました(willを入れると今までやってこなかったような感じにもとれるので)。

環境理念

次に環境理念についてグーグル翻訳していきます。

原文

・環境理念

  1. 当社の生産・販売活動に関わる環境関連法規・規制・条例を遵守します。
  2. 当社の生産・販売活動中に必要なエネルギーの省力化を図ります。
  3. 「地球資源のロスなき消費」のスローガンのもと、発生する紙及び廃棄物の削減を図ります。
  4. 購入部材の必要調達量を配慮し、死蔵品の発生を抑制します。
  5. 上記項目は、経営責任者により一元管理されるとともに、全社員に周知させます。

Google 翻訳

・Environmental philosophy

  1. We will comply with environment-related laws, regulations and regulations related to our production and sales activities.
  2. We will work to save energy required during our production and sales activities.
  3. Under the slogan “Consumption without loss of global resources,” we will strive to reduce the amount of paper and waste generated.
  4. We will reduce the occurrence of dead goods by considering the required procurement amount of purchased materials.
  5. The above items will be centrally managed by the management and will be made known to all employees.

修正案

・Our philosophy on the environment

  1. We comply with environmental laws, regulations and ordinances related to our production and sales activities.
  2. We strive to reduce the energy required for our production and sales activities.
  3. Under the theme of “Sustainable resource consumption”, we strive to reduce the amount of paper and waste generated.
  4. We minimize the occurrence of dead stock by carefully considering the required amount of materials to be procured.
  5. The above items are centrally managed by the management team and are made known to all employees.

ポイント

(1)タイトルの“環境理念”ですが、こちらも“品質理念”のときと同じように、“Our”と入っていたほうがよいと思います。

(2)“地球資源のロスなき消費” の訳として“Sustainable resource consumption”としました。“Sustainable” や“Sustainability”と言う言葉は企業の環境問題に対する取り組みによく使われる単語です。

(3)“購入部材の必要調達量”の訳はグーグルでは“procurement amount of purchased materials”となっていますが“procurement“という言葉は調達(購買含む)という意味なので“purchased ” という言葉は修正案では抜きました。

いかがでしたでしょうか? 今回は会社紹介によく使われる文章をグーグル翻訳してみました。多少なりとも企業ホームページの英訳のヒントになれば幸いです。

技術ライティングの手法まとめ(BtoB製造業・メーカー向け)

テクノポートの徳山です。製造業をはじめとした技術系企業でもデジタルマーケティングに取り組む企業が増えてきました。ここ数年で弊社へも多くのご相談をいただくようになりましたが、その相談の多くがコンテンツ制作に関するものです。

BtoB製造業の場合、ターゲットが技術者となる場合が多く、コンテンツにも専門性が求められます。そのため、一般的なコンテンツ制作を請け負う外注業者を使うことが容易ではなく、自社内でコンテンツを制作せざるを得なくなっている企業が少なくありません。しかし、製造業という業種柄、社内でコンテンツ制作を担う技術者の多くが理系出身で、ライティングを苦手としている方がほとんどで、内製化するのにも苦労してしまいます。

弊社では技術系企業出身のライターによるコンテンツ制作事業「技術ライティング事業」を運営しており、上述した技術系企業が抱える課題解決のお手伝いをしています。ただ、専門性が高すぎる分野になると、やはり企業内で内製化することが望ましい状態であると感じることがあります。

モノカクでは、そんな悩みを抱えていらっしゃる技術系企業のために、技術ライティングに関する手法を情報発信しています。当記事に、技術ライティングに関わる記事をまとめましたので、ご活用いただければ幸いです。

ライティングの基礎知識

製造業向け「伝わる文章の書き方講座」

社長挨拶の代筆から、技術紹介、助成金の申請書など、さまざまな文章のライティング時に使える、製造業に特化した「伝わる文章の書き方」を全4回にわたってご紹介します。




誰でも!読みやすい文章になる6ヶ条

現役の技術ライターが、ライターとして働いていく中で気づいた、ちょっと上手に見える文章を書くコツをお伝えします。

自社技術を伝えるライティング

技術系ライターが行う書き分け

ターゲットとなる層がその製品を実際に使う技術者なのか、技術はそれほど詳しくはないが購入を決める決定権者層なのか、または全くの一般の人かなどによって文章の書き方は変わってきます。現役の技術ライターが行っている「書き分け」の技術についてご紹介します。

伝わる「自社の強み」「自社技術のすごさ」

製造業を中心に企業のWebサイト制作や、採用ページ制作に携わる技術ライターが、「自社の強み」や「自社技術のすごさ」を伝える方法を3STEPでご紹介します。

顧客に届く「自社技術の凄さ」

製造業を中心に企業のWebサイト制作や、採用ページ制作に携わる技術ライターが、顧客に「自社技術の凄さ」を伝えるための、より効果的なアピール方法をお伝えします。

技術をわかりやすく相手に伝える方法について

より多くの人に自社の技術を認知させて、特徴を理解してもらい、そして必要と感じてもらうためには伝えるための「技術の伝え方」についてまとめました。

情報を良質なコンテンツに変える3つのテクニック

「読んでもらいたい人にとって、有益な情報が分かりやすく説明されている」良質なコンテンツの制作テクニックについてご紹介します。

Webライティング編

製造業WebサイトのSEOライティングの進め方

Webサイトを使って新規顧客獲得を行うために、検索エンジンからのアクセス流入を増やしたいとお考えの方へ、SEOライティングの手法についてご紹介します。

紙媒体とは違うWeb記事の完読率を上げる3つのテクニック

完読率の低いと言われるWeb記事の完読率を上げる3つのテクニックをご紹介します。

ケーススタディ編

求職者に響く「自社の良さ」のアピール方法

大手の求人サイトや、各企業の採用ページの制作のため製造業を中心に様々な企業で取材を行っている技術ライターが、その経験を元に、求職者に響く「自社の良さ」のアピール方法をご紹介。

技術を蓄積するマニュアル作成1.マニュアル作成のための時間確保

どうすれば使われ続けるマニュアルや作業手順書を効率的に作れるのかをご紹介します。

技術を蓄積するマニュアル作成2.使われ続けるマニュアル作り

技術を蓄積するマニュアル作成3.テンプレートを使用してマニュアルを作成するメリットとデメリット

技術翻訳時に気を付けなくてはいけないカタカナ文字

カタカナ文字はそのまま英語として使っていいのかどうか迷う時のために、翻訳の際にも注意が必要なカタカナ文字についてご紹介します。

法律・マナー編

知っておいて損はない!文章に関する法律とマナー

WebサイトやSNSなどに文章を掲載するときに注意すべき、文章のルールについて解説します。

どうする?無断転載をされたり、してしまったとき

Webサイトにおけるトラブルの一つである、著作権にまつわる問題について解説します。

テレビ画面や新聞誌面の投稿はNG!SNSでよく見るキケンな行為

近年では知名度アップやつながりを作るためにSNSを活用する企業も増えてきました。しかし楽しく手軽なSNSでも、守らなければならないルールがあります。

機械翻訳を使って技術翻訳をしてみた パート1

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。

機械翻訳は近年各段に進歩し、翻訳家を目指されている方の中には機械翻訳に仕事を奪われるのではと冷や冷やしている方もいるのでは、ないでしょうか? 今回は技術的内容の文章にグーグル翻訳を使った場合どのような訳がでるのか検証してみたいと思います。岸本工業様にご協力をいただきホームページの一部を翻訳させていただきました。原文、グーグル翻訳、修正案の順に記載します。

原文

フルフラット加工

軽小短薄化により、金属にかわる素材としてプラスチックへの素材転換が進む中で、プラスチックは金属と比べ精度が安定しないことが加工現場の悩みの種となっていました。当社ではそのような声を受け、より高精度のプラスチック加工を追求した結果、プラスチックの板厚を±30ミクロン以内の寸法精度で安定的に加工する技術「フルフラット加工」を確立しました。

<特徴>

  1. 標準で±0.03㎜以内の板厚精度を実現
  2. 350㎜×1200㎜の高範囲での加工が可能
  3. 研磨レベルの表面粗さを実現

Google 翻訳

Full flat processing

With the progress of material conversion to plastic as a material that replaces metal due to lightness, smallness, shortness and thinness, the precision of plastic is not stable compared to metal.

In response to such a voice, we pursued higher precision plastic processing, and as a result, we have established “Full Flat Processing”, a technology that stably processes plastic plate thickness with dimensional accuracy within ±30 microns.

<Features>

  1. Achieves thickness accuracy within ±0.03 mm as standard
  2. Capable of processing in a high range of 350 mm x 1200 mm
  3. Achieves polishing level surface roughness

修正案

Full flat processing

In the progression of using plastic as a material that replaces metal due to being light and compact, there are worries by processors that plastic cannot be processed to the same precision as metal.

In response to those concerns, we pursued higher precision plastic processing, and as a result, we have established “Full Flat Processing”, a technology that can stably process plastic with a dimensional precision of ±30 microns.

<Features>

  1. Able to achieve precision of thickness within ±0.03 mm
  2. Capable of processing large areas of 350 mm x 1200 mm
  3. Polished level of surface finish

何点かポイントをピックアップしてみてみましょう

”軽小短薄”と言葉ですが、英語にそのまま該当する言葉はありません。google翻訳では軽=lightness, 小= smallness, 短=shortness, 薄=thinness となっていますが、そのまま英語にしてしまうと”プラスチックは金属より、軽くて、小さくて、短くて、薄い” となり、文章として長くなり、かつ、わかりにくくなってしまいます。私なら、light and compact(軽くて、コンパクト)と訳します。

”素材変換”という言葉ですが、google翻訳ではmaterial conversionとなっていますが、金属をプラスチックに変換するという意味にもとれるので、不自然です。私ならusing plastic as a material that replaces metalと訳します。

”当社ではそのような声を受け”のgoogle翻訳は” In response to such a voice”ですが、a voiceだと一人になってしまいますし、意味はわかりますが、不自然な言い回しです。そのため” In response to those concerns”と変更しました。

Google 翻訳で”1.標準で±0.03㎜以内の板厚精度を実現”の “標準”という言葉がas standardとなっていますが、もしマーケティング的に載せているのであれば standardという言葉はあえていれなくてもよいかもしれません。standardという言葉は例えば、宅配を頼んだ時 “Standard shipping time is 3 days.”というように使いますが、標準3日なのでもしかしたら、4日かかるかもしれないという印象を受けます。もし、このウェブサイトが “±0.03mm以内の板厚精度を実現”というのを強調したいのであれば、standardという言葉は、はずしてもいいかもしれません。(0.04mmの可能性もあると受け取られたくないので)

 

いかがでしたでしょうか?あくまで修正案なので、これより良い訳があるかもしれません。しかし、まだ機械翻訳に翻訳の仕事を完全に取られるまでには、まだ多少時間はあるように思います。

技術翻訳時に気を付けなくてはいけないカタカナ文字

フリーランスで技術翻訳、論文チェックを行っている堀江です。海外の顧客と取引をする際に自分の話している英語が通じているか、もしくはメールの内容が伝わっているか不安になることも多いと思います。カタカナ文字はそのまま英語として使っていいのかどうか迷うことも多いと思います。今回は翻訳の際にも注意が必要なカタカナ文字についてご紹介します。

現在、日常生活及びビジネスシーンにおいて様々なカタカナ文字が使われていますが、英語由来でないもの(パン、アンケート、アルバイトなど)、また日本独自の意味を持つ言葉(アイス、ジュース、マンションなど)、造語(NA、オートバイ、パソコンなど)など、そのまま英訳してはいけないものもたくさんあります。

最近は特にビジネスシーンでカタカナ言葉が使われることも多く、例えば

明日のミーティングのアジェンダを全員でディスカッションして決めましょう。その際コンセンサスをとりましょう。

なんて言われたりしたこともあるのではないでしょうか?今回は特にビジネスシーンや技術翻訳の際にそのまま使ってよいのか迷うカタカナ文字について検証したいと思います。

英語と日本語で全く使い方が異なるもの

(例)リフォーム、ピックアップ

リフォームという言葉はよく、日本では“家のリフォームをする”、“リフォームの費用、“リフォームのお見積り”などという意味で使われますが英語ではもっと固い表現として使われます。

(例)

“The official opposition party submitted a bill to introduce drug policy reform. They say that the money spent on attempting to enforce drug criminalization has not resulted in lower illegal drug production or consumption.”

(訳:野党は薬物政策改革法案を提出しました。彼らは、麻薬を取締るために費やされたお金は、違法な麻薬の生産や消費の減少にはつながらなかったと主張しています。)

“Our company policy regarding sick days was reformed due to Covid-19.”

(訳:コロナウイルスにより、当社の病欠に関する規則が変更されました。)

ピックアップは “ピックアップ製品” や “ニュースでピックアップされた話題”などという意味で使われますが、英語を母国語とする人に“pick up product”と言っても拾ってきた製品なのかなと思われてしまいます。

Pick upを使った英文の例としては、以下のようになります。

“I have to leave early today so I can pick up my wife from the airport.”

(訳:今日は妻を空港に迎えに行きたいので早退します。)

“Order online, Pick up in store”

(訳:ネットで注文し、お店で受け取れます。)

英語と日本語で使い方が同じもの

(例)ラインアップ、シェア、コストパフォーマンス

ラインアップは“製品ラインアップ” 、“車種ラインアップ”などとして使われています。どちらもそのまま英語にでき、“product line-up”, “Vehicle line-up”と言うことができます。またよくウエブサイトなどでは “check out our line-up”と書いてあったりします。シェアはよくビジネスではマーケットシェア(Market Share)として使われます。意味は同じです。コストパフォーマンス(cost performance)も英語と意味は同じです。英語ではビジネスシーンで使われることが多く日常生活ではあまり使用しません。

(例)

“Company A’s parts are more expensive than Company B’s parts, but they offer better cost performance in the long run for our use case, so we always buy from Company A.”

(訳:A社の部品はB社の部品よりも高価ですが、我々の使用条件下では長期的には優れたコストパフォーマンスを発揮するため、いつもA社から購入しています。)

英語と日本語で使い方は同じだが別の意味もあるもの

(例)スペック

スペック(Spec)はスペシフィケーション(specification)の略です。スペックという単語もそのまま使用できることが多く、“パソコンのスペック”はそのまま “PC specs” と使うことができます。(パソコンもカタカナ言葉で英語ではPCになるので注意が必要です) また“製品スペック”もそのまま”Product specs”として使うことができます。(注:英語ではスペックは普通複数形で使用されることが多いので最後に“s”を付けています。)

日本語ではハイスペックな人というように人にも使うことができますが、英語では人に使用することができませんので注意が必要です。

いかがでしたでしょうか? この記事を参考にカタカナ言葉をうまく技術翻訳やビジネスに活かせるよう役立てていただければ幸いです。

「ものづくりビジネスセミナー 製造業のためのライティング 」開催レポート

テクノポートの廣常です。2020年9月3日に、大阪産業創造館にて弊社「技術ライティング事業」による「ものづくりビジネスセミナー 製造業のためのライティング 自社の製品・技術を文章でわかりやすく伝えよう」が開催されました。

昨今では新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、Webでの情報収集がさらに活発化しています。膨大な情報が溢れているWeb上において自社の製品・技術を効果的にアピールするために、今こそ問われているのが文章を書く(ライティング)能力です。

そこで、製造業に特化したライティングのコツをお伝えする場として当セミナーが開催されました。ライティングを課題とされている企業など多くの方が参加され、ありがたいことに会場は満席となりました。今回はその様子をレポートとしてお送りします。

技術ライティング事業とは

弊社テクノポートでは、2020年4月より新サービス「技術ライティング事業」を展開しています。技術ライティング事業とは、製造業の現場経験や工業に関する知見を持つライターによる、技術系企業のためのコンテンツ制作サービスです。過去のモノカクの記事でも紹介されていますので、こちらもご参照ください。

発注者向けの専門的な内容から、学生向けの採用コンテンツまで、用途とターゲットに応じて正しくわかりやすく書きあげられるのが、技術系ライターの強みです。テクノポートがもつ、製造業専門のデジタルマーケティングのノウハウと掛け合わせることで、マーケティング戦略からコンテンツ制作まで一気通貫での支援が可能となりました。

講師紹介

石川玲子


工学部機械工学科を卒業後、自動車業界や家電業界で機構設計系のエンジニアとして勤務。第二子出産を機にフリーライターとして独立し、工業系に特化したライターとして活動中。

執筆実績:リコー(展示会出展記事)、協和電装(採用ページ)、ミスミグループ、他
書籍執筆実績:図解 ヤバすぎるほど面白い物理の話(宝島社)

セミナーの様子

14時から約2時間にわたり、石川さんによる技術ライティングセミナーが行われました。セミナーの内容は大きく「書く前に意識すべきこと」「書くための準備」「実際に書く際のポイント」と段階的な構造になっており、合間には新製品のPR文章を作成するなどの実践的なワークも行われました。

書く前に意識すべきこと

まず、文章を書く上で最も大切なことは「他者目線」に立つこと、つまり他者(世間一般)に理解してもらえるような文章を書くという意識をもつことが重要だと石川さんは述べます。

以下に、「他者目線」に立って修正した文章の例を挙げます。

ここから分かるように、「専門用語や仲間内しか通じない言葉、省略された語を避けること」「伝えたいこと(製品の強み・どんな価値が提供できるか 等)を整理し、具体的に記載すること」が他者に理解してもらう上で重要となってきます。

書くための準備

上記のことを意識した上で、文章を書く準備に入ります。

まずはじめに、

  • 誰にどんな目的で読んでもらうのか(企業か個人か、発注先の探索か求人応募なのか 等)
  • 書く内容(製品紹介、サービス紹介、研究開発史 等)

を決めます。そうすることで、「文章の型」と「文章中に盛り込むべき情報」が自ずと決まる、と石川さんは述べます。セミナーでは型と情報の組み合わせがいくつか紹介されましたが、以下にその一例を挙げます。

例) 書く内容が「製品紹介」の場合

このように情報を型に沿って並べていくことで、誰でも分かりやすい文章を書くことができます。
また、伝わりやすい文構成として「3分割」という考え方も紹介されました。興味のある方はこちらをご覧ください。

実際に書く際のポイント

準備段階を経て、ようやく書く作業へと入っていきます。

文章を整える基礎として、以下の6つのポイントが挙げられました。

1.短く言い切る(一文を長くせず「。」で区切る)
2.語尾をそろえる(「だ、である」または「です、ます」)
3.主語は文章のはじめに出す
4.修飾語と被修飾語はくっつける
5.同じ単語を連用しない
6.箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

これらの項目を全て同時に意識しながら文章を書こうとすると難しいかもしれません。文章を書き始める際、2〜5までの項目は一度置いておき、書き終えて読み返す時に確認されることをおすすめします。

また、公開前に今一度確認すべき項目として文章のマナーや法律に関しても触れられていました。学んだその瞬間から活用できる実践的なテクニックが多く、参加者の方も頷きながら積極的にメモを取られている様子が見受けられました。

セミナー終盤、石川さんはライティング能力を鍛える手段として「他人の文章を批判的に見て、文章の粗さや分かりにくい部分を探す。そしてなぜそう感じたのか、自身で言語化すると良い」と述べられました。 当セミナーで挙げられていたポイントを一つの指標として、他人の文章の良い点・改善点を探してみたり、試しに短い文章を書いてみたりすることから始められてはいかがでしょうか。

Q&A

セミナー中には参加者の方からの具体的な質問も多く寄せられました。以下にいくつかの質問と石川さんの回答を掲載いたします。

文章量について

Q. ブログ記事などを書く際、文字数のボリュームはどれくらいが良いか。

A.1000文字〜3000文字の間に収めるのがベスト。

  • 1000文字程度:読者にさらっと読んでほしい場合
  • 3000文字程度:読者に深く読んでほしい場合 (電車での一駅分、とイメージ)

これ以上はなかなか読まれず、重たい印象を与えてしまう。また、1000文字が厳しい場合は最低限500文字は超えないと軽い印象となる。

Q. 記事の文章量が多くなり過ぎてしまう場合どうすればいいか。

A.文章量が多くなる要因と対策方法として以下を薦める。

要因1:書きたい内容に関して熱が入りすぎてしまい、余計な文章・表現が多い。
対策:一通り記事を書いたのち、一晩置いてから推敲する。これが難しい場合はせめて一度別の作業をした後に取り組むなど頭を冷やしてから行う。 重複している表現がないかどうか等の見直しを。

要因2:1つの記事にテーマを複数盛り込んでいる。
対策:1記事1テーマが基本。別記事に分けるなどの対策を。

Q. 逆に文章が思いつかない場合は?

A.文章は自分の中に素材が集まっていないと書けない。業界や製品知識、自分の考えなど情報量不足を疑い、そこを増やしてみることから始めてはどうか。

キャッチコピーについて

Q. キャッチコピーはどのように考えたら良いか。

A.以下の方法を紹介する。

  • 文章の見出しとしてつける場合
    先に本文を書き、その後に全体の内容を鑑みて、「文章の要約」となる見出しを考える。
  • 製品につける場合
    単語(その製品の特徴を表す言葉、売りにしていきたい部分等)を思いつく限り単語カードに書き、机に全て並べる。そこからピンとくる組み合わせを探す。あまりにも曖昧な表現は製品の魅力が通じなくなるため、実態が伝わるような具体的な表現を。

ライティングについてさらに興味を持たれた方は、石川さんの記事もお読みいただけたらと思います。

以上、2020年9月3日に開催した「ものづくりビジネスセミナー 製造業のためのライティング 自社の製品・技術を文章でわかりやすく伝えよう」のご紹介でした。技術ライティング事業では、今後も継続してセミナーを開催する予定です。当事業やセミナー開催については、Webページ並びにご登録(ライター希望の方はこちら)いただければメールにて、随時お知らせ致します。
ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。

「ものづくり企業のメディア露出を叶えるには?製造業系Webメディアとの付き合い方」セミナーレポート

テクノポートの菊地です。先日、弊社技術ライティング事業主催「元MONOist編集者が語る!製造業Webメディアとの付き合い方」オンラインセミナーが開催されました。

当日の受講者は技術ライティングサロンの会員(ライター)が多かったのですが、企業の広報担当者にとっても為になる内容でしたので、「企業のメディア露出・取材を叶えるポイント」に絞ってセミナーレポートをお送りします。

元MONOist編集者が語る!製造業Webメディアとの付き合い方

講師紹介

Facet 小林由美様

【経歴】

町工場でのトレースや設計補助、メーカーでの設計製造現場での実務を経験した後、アイティメディア株式会社に入社。「MONOist」の立上げから参画し、月間100万PV以上の業界最大手サイトに成長させるべく尽力した。MONOistの編集記者として約12年間、技術解説記事の企画や執筆の他、広告企画および制作、イベント企画など、幅広く携わる。2019年には3D設計コンサル企業の株式会社プロノハーツにジョインし、広報・マーケティング担当として従事する傍らで、製造業に特化したライティング事業を展開する。2020年独立。

【主な執筆歴】

  • アイティメディア「MONOist」「TechFactory」「キーマンズネット」
  • 日経BP「日経ものづくり」「日経クロステック」
  • メイテック「fabcross」
  • 金森産業「PlaBase」「Chematels」※編集部運営支援

セミナー内容

  • 製造業系Webメディア紹介(特徴別に解説)
  • Webメディアのビジネスの課題
  • 編集の現場が置かれている状況(一般メディアとオウンドメディア)
  • 記事を企画し、公開されるまでのおおよその流れ

【取材をしてもらいたい企業向け】

  • メディアに取材をしてもらうためには?
  • こういうことはしてはいけない

【ライター向け】

  • 外部寄稿者に求められるスキルや資質
  • メディアとのコンタクト(営業)のしかた

製造業系Webメディアとは

工業系、製造業系の記事を取り扱っている大手(月間300万PV〜1000万PV程度の規模)Webメディアを運営元別にご紹介します。

新聞・出版社系メディア

日経クロステック(日経BP)

特徴:有料会員限定の記事が多い。ニュースが多く、旬な企業や最新の技術などを取り上げることが多い

ニュースイッチ(日刊工業新聞)

特徴:20〜40代がターゲット。工業系の業界ニュースを幅広く扱っている。読みやすさを意識して短めの記事が多い

広告系メディア

マイナビニュース(マイナビ)

特徴:ニュース系の記事が中心で時々解説記事。IT、半導体、エレクトロニクス系の記事が多い。

Web専業メディア

MONOist(ITmedia)

特徴:長編の読み物が多い。技術解析や取材記事も充実している。工程と業界でジャンルを作って記事分類している。

EE Times Japan(ITmedia)、EDN Japan(IT media)

特徴:技術的難易度が高め

この他にも、出版系企業以外が運営しているWebメディア(オウンドメディア)などが数多く存在します。各メディアのPV数や読者層はメディアガイド(媒体資料)に掲載されているので、気になるメディアについては「媒体名 メディアガイド」で検索をして調べてみましょう。

企業のメディア露出・取材を叶えるには

企業の広報担当なら誰しもが知りたいメディア露出や取材の獲得について、編集の現場にいた小林さんから、様々な方法が紹介されました。

記者・編集者が求めている情報作り

メディアの記者や編集者は、読者のために記事を作っています。なので、読者が興味を持ちそう、必要だと思ってもらえそうな製品やサービスなどの情報を求めています。製造業系WebメディアはBtoCではなくBtoBを中心としたメディアであるため、派手であることや有名であること、大規模であることなどは取り立てて求められないのだそうです。例えば、

  • 読者の関心を強く引きそうな自社の取り組み(開発体制、人材育成、今であればリモートワークやDXに関する取り組みなど)
  • トークイベントやワークショップのようなイベントの開催

またニュース性の高いメディアであれば、新しいことや未公開であることも取材されやすくなるポイントになります。

プレスリリースでの発表

過去のモノカクの記事でもプレスリリースについて紹介していますが、小林さんもプレスリリースによる情報配信をお勧めしています。また、プレスリリースの作成というとPR会社などに依頼をするイメージもあるようですが、自分たちで用意してもまったく問題ないと小林さんは話していました。有名企業のプレス向けページに掲載されているプレスリリースを参考にしてぜひ書いてみてください。

送り先は、過去の名刺などで記者個人の連絡先などがわかれば一番良いのですが、特定の担当者などがわからない場合はサイトに掲載されている「お問い合わせ」や「プレスリリース送付先」などのフォームまたはメールアドレスでも十分だそうです。特に大手メディアや編集部が機能しているメディアほど公開している窓口からの情報は必ずチェックをしているとのことでした。

発表会の開催

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、発表会はオンラインでの開催がおすすめされました。オンラインの場合は、会場費用もかからず拘束時間も30分程度などで済むため、企業側の負担も少ないため中小規模の製造業でも実施しやすく、拘束時間の短さや移動の必要がないことから記者の参加もしやすいと言われています。発表会を開き、記者を呼ぶことができれば、プレスリリースの配信だけの場合よりも記事化や掲載の可能性が格段と高くなります。

招待方法は2つ。

  1. 自社でSNSを行っている場合は、まず発表会の案内を投稿する。
  2. PR手帳記載の連絡先に連絡するか、各メディアの「情報提供」のメールやフォームからご案内を出す。

展示会での取材

小林さんは、「展示会に出展した時は、記事にしてもらえる&編集記者と知り合いになれるチャンス!取材してもらいやすい環境を積極的に作ろう」と話していました。取材しやすい環境づくりについて、展示会前の事前準備と当日の体制に分けて紹介します。記者、メディア関係者かどうかは「報道」の腕章で判断することができます。

事前準備

自社出展情報をSNS告知、メディアに対しても連絡をします。また展示品は記事に写真が掲載されてもよいものをなるべく用意し、ちょっと目立つ展示物やパネル置いてアイキャッチにします。

当日

突然訪れた記者に対して、しっかり質疑応答できる営業や広報の担当者、代表などを必ずブースに待機させましょう。離席する際も連絡がすぐ取れるようにして、チャンスが来たときにしっかりと対応をします。また、ブースの一歩前に出て取材しやすい空気を作ることも大切です。

せっかくの機会も、準備不足やコミュニケーションの悪さで逃してしまうケースも少なくないようです。広報担当者だけでなく、経営陣や営業担当者などとも取り組むと効果が得られやすいのではないでしょうか。

継続的なコンタクト

最後に心構えとして、記事化に至らなくても継続的なコンタクトの継続が広報活動の成果に繋がるので、腐らずにコツコツとメディアへの情報発信とコンタクトを繰り返すことが肝心です、と小林さん。1回の取材で記事にならなくても、名刺を入手することができれば継続的にコンタクトをとることが可能になります。

一部分ではありますが、今回は「元MONOist編集者が語る!製造業Webメディアとの付き合い方オンラインセミナー」について企業広報の視点からご紹介をしました。技術ライティング事業では今後も、企業のコンテンツ制作に役立つ知識・技術や、製造業の経験のある方のライターとしてのスキルアップ支援に関する内容を中心にオンラインセミナーを多数開催する予定です。当事業やセミナー開催については、Webページ並びにご登録いただければメールマガジンにて、随時お知らせ致します。

ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。

製造業WebサイトのSEOライティングの進め方

テクノポートの徳山です。Webサイトを使って新規顧客獲得を行うために、検索エンジンからのアクセス流入を増やしたいとお考えの方へ、必ず知っておいていただきたいSEOライティングという手法があります。今回は製造業のWebサイトでSEOライティングを行う際の具体的な進め方についてご紹介します。

SEOライティングとは

SEOライティングとは、検索エンジンで上位表示を狙うためのライティング手法のことを言います。具体的には、事前に検索需要などを調査することで、読み手が求めている情報が何かを事前に調べたり、検索エンジンが読み込みやすく、評価を得られやすいWebページの造りを心がける、といったことを行っていくものです。

製造業と他業種で手法における大差はないのですが、製造業のWebサイトの場合、ターゲットが技術者など、専門性の高いユーザとなることが多いため、専門用語を駆使した専門性の高い記事作りが必要となるので、ライティングの難易度は比較的高くなります。

SEOライティングの進め方

SEOライティングの概要が分かったところで、具体的な進め方についてご説明します。

1、読み手を想定する

まずは、自社のWebサイトにどのような読み手がアクセスしてきてほしいかを考えます。
読み手を具体的に想定した上で、読み手がどのような検索キーワードを使う可能性があるかを考えます。

2、キーワード需要調査を行いSEOキーワードを選定する

キーワードプランナーなど検索需要を調べることのできるツールを使い、検索需要の高いキーワードを選定していきます。同じ意味の言葉でも呼び方によって検索需要が異なることがあるので、調査してなるべく検索需要が多いキーワードを選びましょう(ここで選定したキーワードをSEOキーワードと呼びます)。

例えば「樹脂成形」と「プラスチック成形」だと、後者のほうが検索需要が倍程度あります。同様のキーワードが他にも多くありますので、ご自身が普段使っている言葉だけにとらわれず、いくつかの言い回しを調べてみましょう。

ちなみに、Googleは微妙な表記揺れでは検索結果に変化はありません。例えば、三次元測定機と3次元測定機(算用数字と漢数字の違い)、三次元測定機と三次元測定器(使用する漢字の違い)など、これらのキーワードで検索しても検索結果はほとんど変わりません。よって、微妙な言葉の違いであれば気にする必要はありません。

3、執筆する記事のタイプを決める

次に、執筆する記事タイプを決めるために競合サイト調査を行います。競合サイト調査では、SEOキーワードで検索した際に表示される上位10サイトがどのようなWebページかを調べていきます。

検索上位表示されている競合サイトが、下記のどの記事タイプに当てはまるのかを調べてみましょう。記事タイプによって、記事の内容を変えたり、キーワード自体を見直したりする必要もあります。

記事タイプ①:製品紹介

メーカーのWebサイト内に掲載されているような、製品ラインナップページなど、製品紹介ページ
当タイプが上位表示されやすい検索キーワード例:X線検査装置

記事タイプ②:技術紹介

加工業者のWebサイト内に掲載されているような、技術PRを行うための技術紹介ページ
当タイプが上位表示されやすい検索キーワード例:チタン 微細加工

記事タイプ③:知識系コンテンツ

メーカー、加工業者問わず、「〇〇(専門用語)とは」といったコンテンツを含んだ解説ページ
当タイプが上位表示されやすい検索ワード例:自由鍛造

記事タイプ④:ネットショップ

Amazonやモノタロウなど、総合型ネットショップのWebページ
当タイプが上位表示されやすい検索ワード例:カシメ機

どの記事タイプが上位表示されやすいかを見極めた上で記事を作成していきましょう。ただし、記事タイプ④のWebページが上位を占めているキーワードは、非常にSEO難易度が高いので、SEOキーワードに選定することはあまりおすすめできません。記事タイプ①~③のどれかの検索結果になるように、SEOキーワードのフレーズの組み合わせ等を変更する必要があります。

4、執筆する記事に盛り込むネタを決める

SEOキーワードと関連性の高いキーワードを調査し、記事の構成づくりに反映させていきます。関連性の高いキーワードをなるべく記事内に多く取り入れることで、情報の網羅性が高まり、検索上位表示される可能性が高くなります。

関連性の高いキーワードを調査するためのお役立ちツールとして、共起語検索ツールラッコキーワードなどがありますので、ご活用ください。

5、ライティングを行う

4で収集したネタをもとに、どのような記事構成にするかを考えていきます。事前に構成を決め、各段落ごとにどのような情報を盛り込むかを決めた方が圧倒的にライティングの質とスピードがアップするのでおすすめです。参考までに弊社で使用している構成シートはこちらです。

ライティング構成シート

執筆する文字数に関してはキーワードのSEO難易度によって変わるので、面倒ですが参考として検索上位10サイトの掲載文字数を調べ、その平均文字数を超えられるよう、頑張りましょう。

6、Webページの制作を行う

最後にWebページを制作します。記事の内容が良いものであっても下記が行われていないと評価が低くなってしまいますので、注意しましょう。

  • METAタグ(title、description)にキーワードを含める
  • Hタグ(見出し)にキーワードを含める
  • 画像(ALT)にキーワードを含める

SEOライティングの成功事例

上述した内容でSEOライティングの具体的な進め方が分かったと思いますので、次に成功事例を見てみましょう。成功事例として取り上げるのは、コンテンツマーケティングで最も成功しているBtoB製造業と言われているキーエンスです。

ココが知りたい!形状測定

引用:キーエンスが運営するオウンドメディアの一つ「ココが知りたい!形状測定」

キーエンスは、「ココが知りたい!形状測定」や「静電気ドクター」など、数多くのオウンドメディアを運営しています。前者のサイトでは「形状測定」「平面度測定」「三次元測定」など、様々なキーワードで検索1位を獲得しています(2020年8月時点、当社調べ)。

今回は、キーエンスが運営するオウンドメディアに掲載されているWebページをSEOライティングの視点から分析してみます。例として、「平面度」(月間検索ボリューム2,900件:2020年7月実績 ※キーワードプランナー調べ)というキーワードで検索TOP表示している下記の記事を分析します。

平面度とは

引用:キーエンスが運営するオウンドメディアの一つ「ココが知りたい!形状測定」

一つ一つの記事のテキスト量はそれほど多くない

掲載されている記事の多くがテキスト量としてはそれほど多くありませんでした。上記ページに関しても、文字数は1,500文字に達しておらす、比較的少ないです(メインカラムに掲載されているテキスト量で計測)。

これは検索上位10サイトの平均値よりも少ない数字で、技術系キーワードは文字数よりも専門性の高さが重要なのかもしれません。

情報の網羅性が非常に高い

文字数は少ないのですが、調べてみると情報の網羅性は非常に高いことが分かります。少ないテキスト量の中で読み手が求めている情報をしっかり提供できていると言えます。情報の網羅性とは、SEOキーワード(平面度)と関連性の高いキーワードがどれだけ盛り込まれているか、ということです。

弊社がSEO対策を行う際に使用している「パスカル」という分析ツールを使った結果が下記です。こちらのツールを日常的に利用している弊社ですが、このような高得点が出ることはなかなかありません。

SEOコンテンツ分析結果↑コンテンツのスコアが満点に近い95.3点となっていますが、このテキスト量だとなかなか出ない評価です。

SEO情報の網羅性分析↑情報の網羅性に関しても最高評価の星5つとなっています。

サイト全体のインデックス数がとにかく多い

下記の通り、キーエンスのWebサイトは26,600ものインデックス数があり、3位以下のWebサイトを圧倒しています。

インデックス数順位

キーエンスはオウンドメディアを「keyence.co.jp」ドメイン傘下ですべて運営しているので、インデックス数がとにかく多いのが特徴です。このサイトボリュームが各WebページのSEO評価を押し上げていることは間違いありません。

※インデックス数とは、Google等の検索エンジンのクローラーがサイトにアクセスし、検索結果に表示する為に検索データベースに登録されたドメイン内のURL数を指します。

※1位が2つ表示されているのは「強調スニペット」としてWebページが表示されているためです。強調スニペットとは、下図のようにユーザーのキーワード検索に対して端的に回答している部分が、Google検索結果画面の最上部に強調して表示される仕組みのことです。

強調スニペットとは

以上、SEOライティングの進め方と、成功事例の分析をご紹介させていただきました。SEOライティングに関する知見は深まったでしょうか?考えることが多くハードルが高いかも知れませんが、できるところから始めていただければと思います。当記事が貴社のWebサイトの反響アップに役立てば幸いです。

製造業のエンジニアがライターを副業にする3つのメリット

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などの他、技術ライティングについて取り上げていきます。

今回は「製造業のエンジニアがライターを副業にする3つのメリット」です。

製造業のエンジニアはライターを副業にするといい

在宅勤務が推奨され、製造業においても対応が求められています。実際、加工を行う現場では、機械を動かさなければ製造はできないので、在宅勤務はほぼ不可能と言わざるを得ない状況です。しかし、設計などのデジタル化が進んだ部署では、在宅、リモートワークは徐々に進みつつあります。

それに伴い、技術部門の副業解禁もニュースを賑わせています。日本の企業は、明確には禁止としていませんでしたが、長年副業を認めていませんでした。近年、働き方の多様化や、様々な事情により、それが大きく変わりました。製造業においても、事務系の仕事から、最近では技術系の仕事を行う人まで、副業として別の仕事を持つことが珍しいことではなくなりました。

製造業系のエンジニアにオススメできる副業として、ライター業があります。ライターとして自分の持てる知識や、技術、経験を文書化するということには、様々なメリットがあります。

製造業のエンジニアがライターを副業にする3つのメリット

製造業のエンジニアがライターを副業とする3つのメリットを挙げます。

副業として収入が得られる

当たり前ですが、副業としてのライターなので、個人ブログで情報発信するのとは異なり、原稿料が発生して収入が得られます。自らの知識や技術、経験は、製品として世に出す以外にも、文書として目に見えるものにすることで価値が生まれます。ブログでは価値を利益に換えることは難しいですが、ライターとして依頼を受けて書くものには対価が発生します。もちろん、依頼されて書く文書なので、掲載されるメディアの求める内容や、その文章を利用する会社の希望に合った文書でなければいけません。クオリティも相応のものを求められます。そもそも、ライティングを依頼してくれる顧客を探す必要があります。簡単に即収入になるというわけにはいきません。

しかし、ライター業は場所を選びません。外に出ての取材を行うようなライターは別ですが、書くこと自体は在宅でもできます。ライティングを行う時間もある程度融通が利きます。最近はインタビュー取材でもリモートで行うものが増えました。

昨今の状況もあり、製造業もデジタルマーケティングの活用が急速に進んでいます。そのため、製造業からのライティングの依頼は増加傾向にあります。増加はしていますが、対応できる製造業の知見のあるライターはあまり多くありません。また、製造業の経験者でライターという人はまだ非常に少なく、その知識、技術、経験を文書化する技術は大変貴重です。非常に有望な市場といえます。

自分の技術に対する理解が深まる、知識の幅が広がる

人に勉強を教えたら、自分の頭の中にある内容がより明確になり理解が深まった。誰かに勉強を教えたことがある人は、こんなことを経験したことがないでしょうか? 読んで理解しやすい文書を書くことは、自分の頭の中で綺麗に整理できていなければできません。理解していると思っていたが、いざ書き始めると何が言いたいのかわからない文章になる。それは、整理が出来ていない状態で外に出しているので、繋がり、流れがなくバラバラになっているからです。それを文字としてもう一度頭にとりこみ、繋げていくことで整理されていきます。書くことを重ねることで、感覚的に身についていたものが整理され、自分の技術に対する理解が深まっていきます。

また、自分の技術範囲以外の分野のことを書いていけば、色々調べながら書くことになるので、その技術に対しての知識が増えます。全く部門外でも、製造業のエンジニアであれば、物理、化学、力学などの基本的な知識は持っているものです。ベースがあるので、新しい技術的知識に関しても比較的早く理解できます。

文書化の技術を身に着けることで顧客からの信頼が高まる

自分の知識や技術を文書化することは通常の業務でも行う機会はあります。仕様書や説明書を書く。製品説明用の資料を作成する。論文や学会発表資料を作成するというのもあるかもしれません。エンジニアでも文書を書く機会はそれなりにあります。

それらの業務で書く文書は、顧客や社外に向けてのものがかなりあります。それが読みづらく、難解で理解できないような文書だったら、あなたはその会社と取引したいと思うでしょうか?エンジニアは図面だけ書いていればいいなんてことはありません。文書作成も重要な業務です。そのスキルアップの為にも、文書を書く技術を持ち、ライターを副業としていくことは多くのメリットがあります。

技術系ライティングサービスをはじめました

モノカクを運営するテクノポート株式会社では、デジタルマーケティングを推進する技術系企業に特化した「技術系ライティングサービス」を開始しました。デジタルマーケティングの成果はコンテンツのクオリティによって大きく変わります。

テクノポートでは製造業を中心とした技術系企業専門のコンテンツ制作により、技術の可能性を無限に広げます。

どうする?無断転載をされたり、してしまったとき

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回はWebサイトにおけるトラブルの一つである、著作権にまつわる問題について解説します。

他社サイトの文章や写真をコピペして使うのは著作権法違反

企業がWebサイトを持つのが当たり前の時代になり、さらに近年ではオウンドメディアを構築する企業も増え、企業のWebサイトに記載される文章や写真の量も増えています。各社、よりよいコンテンツを増やし、サイトを訪れる人を増やす努力をしています。

そのような中で気になるのは、他社や他人の文章や写真を無断で使用してしまう、いわゆる「パクリ」の問題です。パクリやコピペの問題は、以前にキュレーションサイトなどの状況が指摘されました。

しかし実際には企業のサイトも無縁ではありません。個人ブログに掲載していた写真が大手旅行会社のサイトに無断利用されていたケースもあります。また、あるテーマで検索すると、複数の会社のサイトに全く同じ文章が掲載されているのを発見することもあります。

これらは全て著作権法違反です。他人の権利を侵害している状態ですから、訴訟に発展するケースもあります。実際に過去にいくつかの会社が著作権をめぐって訴えられています。また、仮に訴えられなかったとしても、知らないうちにネット上で悪い話題になっていわゆる炎上の元になったり、企業の信頼性を傷つけてしまうかもしれません。ですから、Webサイトに掲載する文章を作成する際には、作成者にも著作権などルールを学んでもらったり、あらかじめそのような知識を持っているプロに依頼しましょう。

自社のサイトの文章が無断転載されていたら、早急に手を打つ

無断転載は「してしまう」場合だけに注意しているのでは、不十分です。自社サイトの文章や写真が無断転載されている、いわゆる「パクられた」場合にも、注意を払いましょう。自社が文章などを作成した場合には、違反をしているのは相手側です。しかし第三者から見た場合、どちらがコピペを行ったのか判断がつきません。つまり本来は被害を受けている側なのに、信頼性に傷がついてしまう可能性があるのです。また過去には、自社で作成し、自社サイトに掲載していた写真が無料素材配布サイトなどに無断転載され、非常に多くの無断転載が行われたケースもあります。こうなってしまうと、もはや手がつけられません。そのため、万が一自社サイトの内容を無断転載しているものを発見した際は、早急に手を打ちましょう。

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSでは、違反している投稿から公式へ通報するフォームがあります。通報を通じて相手側に投降を削除してもらうことが可能です。

SNSではなく、他社のサイトなどで無断転載を発見してしまった場合には、相手側に連絡し、取り下げてもらうなどの対応が必要です。状況に応じて法務部や弁護士などに間に入ってもらうといいでしょう。

無断転載をされる前に手を打てればいいのですが、Web上に公開する場合、やはり完全に保護するのは困難です。神経質になりすぎる必要はありませんが、ときには自社サイト上の文章の一部をそのまま検索にかけてみたりするといいかもしれません。

もしも無断転載をしてしまったら、すぐに取り下げて謝罪する

無断転載に至る理由はさまざまです。社内での認識が甘かったり、作成を依頼した外部組織の認識が甘かったりする場合もあります。また画像配布サイトなどから入手した画像が、実は別の場所からの無断転載だったというケースもあります。しかし、どのような場合でも自社が無断転載をしてしまっていることに気づいたら、まずは掲載しているものを取り下げましょう。著作者や権利者から連絡を受けている場合には、誠実に対応してください。たとえ故意でなかったとしても、著作権を侵害しているのは事実ですので、素早く、正しい対応を行うのが最善の策になります。

仕事柄、さまざまな企業のサイトを見に行きますが、残念ながら無断転載を発見してしまうケースもそれなりの頻度であります。トラブルに発展する前に、正しい知識をもって自社のサイトを管理するようにしましょう。

技術系ライターのためのオンラインサロンを開設しました

テクノポートの徳山です。2020年の4月から技術系企業のためのコンテンツ制作サービス「技術ライティング事業」を開始し、様々な企業からお引き合いをいただいております。当事業では次なる展開として、更なるサービスのレベルアップを図るため、技術系ライターの育成・交流を目的としたオンラインサロン「技術ライティングサロン」を開設いたしました。今回は、当サロン開設の背景や目的についてご紹介させていただきます。

※「オンラインサロン」についてよく知らないという方は下記の記事をご参照下さい。

「技術ライティングサロン」とは

技術ライティングサロンは、技術系ライターの育成と交流を目的としたオンラインサロンです。技術系ライターとは、製造業での従事経験を持ち、ライターとしても数多くの執筆実績を持っているライターのことを言い、技術ライティング事業では、弊社が認定した技術系ライターがコンテンツ執筆を担当しております。

当サロンは、技術ライティングスキルを磨く場を提供することで、技術系ライターとして活躍できる人材を育成し、増やしていくことを目的に活動を行っていきます。下記はオンラインサロンの全体的なイメージです。

技術ライターのためのオンラインサロン

技術ライティングサロンを開設した背景

技術ライティング事業を立ち上げた背景とも重なりますが、昨今デジタルマーケティングに取り組む技術系企業(特にBtoB製造業)が急増し、それに伴い、技術コンテンツの制作需要が一気に高まっています。技術コンテンツとは具体的に、Webサイト用コンテンツ(技術解説記事や技術者インタビュー記事)、メールマガジンの原稿、Webダウンロード用のホワイトペーパーなどがあります。

それに対し、技術系ライターが不足していて、このままでは需要を賄いきれなくなると考えており、次世代の技術系ライターを発掘し育成する必要に迫られています。ライティング業務は簡単に始められることもあり、ライター人口は急増していますが、技術を理解する理系的能力と、クオリティの高い文章を書き上げる文系的能力を兼ね揃える人材は稀です。

また、技術系企業の場合、専門分野が多岐にわたるため、その分野で従事したことのある経験が最重要視されます。そのため、様々な分野に対応できるようにしていきたいと考え、当サロンを立ち上げることを決意いたしました。

会員種別

会員種別として、既にプロライターとして活躍されている方向けの「プロライター会員」と、これから技術系ライターを目指す「スタートアップライター会員」があります。ご自身の目的に合わせてご参加いただくことができますが、プロライター会員への加入は審査制となっておりますので、ご了承ください。審査基準はこちらをご覧下さい。

各会員の参加メリットは下記のとおりです。

プロライター会員のメリット

コミュニティを通じ、プロライター会員同士のネットワークを築くことで、仕事の幅を広がります。他ライターから紹介された仕事を請負ったり、編集や取材など、新たなスキルを身に付けることで仕事の領域を広げることができます。

また、弊社が運営する技術ライティング事業を通じて仕事の獲得が期待できます。

スタートアップライター会員のメリット

当サロン主催の有料セミナーや、コミュニティ限定の勉強会に参加することができ、ライターとして独り立ちするために必要な様々な能力を身に付けることができます。また、コミュニティ内でプロライター会員から様々な知見を得ることができます。

さらには、弊社Webマーケティング事業のコンテンツ制作を定期的に受注することができので、実践を通じて技術ライティングスキルの向上が期待できます。

提供するサービス

当サロンでは、会員に向けた様々なサービスを提供していきます。

セミナー(勉強会)

毎月定期的にセミナー(勉強会)を開催します。セミナー(勉強会)には、一般向けの有料セミナー(会員は無料で参加できます)と、会員にならないと参加できないコミュニティ限定の勉強会があります。

企業から請負った仕事(執筆実績)は、多くの場合守秘義務により口外できないケースがほとんどなので、具体的な案件の話を聞けるチャンスがありません。コミュニティ限定の勉強会では具体的な案件の話が聞けるのが大きなメリットだと考えています。

コミュニティ

コミュニティはFacebookの非公開グループにより運営され、当サロンの会員にならないと参加することができません。

コミュニティでは、定期的にプロライターからノウハウや情報の提供が行われる他、困りごとや相談事が発生した際に相互でアドバイスし合うことができます。

仕事の受注

弊社の技術ライティング事業での受注案件をプロライター会員へ、Webマーケティング事業での受注案件はスタートアップライター会員へ発注する形になりますので、サロンへ加入していただければ、定期的に仕事の受注することができます。スタートアップライター向けの仕事は、執筆後にプロライターから校正チェックを受けることもでき、諸先輩方からフィードバックの機会を得ることができます。

技術系ライターが希少であることはクライアント自身がご存知であることが多いので、クラウドソーシングなどで受注する仕事よりも、高単価の仕事を受注できる可能性が高いことが大きな魅力です。

当サロンは年度内に100名規模のコミュニティを目指して運営していきます。まだライティング経験がない、という方もお気軽にご参加下さい(ただし、技術系企業に従事した経験は必須です)。

興味のある方はお気軽にサービス紹介ページよりお問い合わせいただけますよう、よろしくお願いいたします。技術ライティングサロン紹介ページはこちら

今こそネットを使ってアピールを行うとき

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などの他、技術ライティングについて取り上げていきます。

今回は「今こそネットを使ってアピールを行うとき」です。

製造業はネットを使ったアピールが必要

「どんなに良いものでも、アピールしなければ選ばれることはなく、存在すら気づかれない」と、以前「製造業における文書化によるアピールの大切さ」という記事内で書きました。「良いものならいつかは売れる」ということはなく、良い点を知ってもらわなければ、いつまでたっても売れることはありません。自身の持つ技術、製品、サービスなどについて、相手に届くように自らアピールする必要があります。

展示会に出展する、業界紙に広告を出す、営業の方が見込みのありそうなところを回って説明するといった、自社のアピール方法は従来からあります。ただし、これには人手、時間、手間などがかかり、中小の企業が継続的にやるのは大変です。また、コロナ禍の現在、展示会は開催されず、対面での営業も難しくなっています。新たな顧客を探して難局を乗り越えていかなければならない状況でありながら、自社でのアピールが苦手という企業が多い製造業においては、非常に厳しい状況といえます。

今こそネットを使ってのアピールを積極的に行うべきです。この記事を読んでいる読者の方は、もちろんネットは何らかの形で使われているはずです。もしあなたが、どこに売っているかよくわからないようなものを買いたいと思った時、最初にすることは何でしょうか?近くにいる詳しそうな人に聞くというのもあるかもしれませんが、今どき多くの人はネットで検索をして探します。

自社の素晴らしい製品も、高度な技術も、文字や画像や動画などの検索できるコンテンツにして紹介していなければ、知られる機会が限られます。いつでも、世界中のどこからでも見つけてもらえる可能性のあるネットでのアピール、デジタルマーケティングはこれからの製造業にとっては非常に重要になります。特に、人手や費用を多くかけられない中小の製造業にとって、強い味方となります。

どのような文書にすればよいか

ネットでのアピールのために必要なのは「技術や製品の文書化」です。技術や製品をアピールするためには、それを説明、紹介するためのコンテンツに使われる文書が必要となります。ネットに限らず、パンフレットでも、展示会で配布されるチラシでも、もちろん技術や製品の文書化は必要になります。ただ、同じ文書化でも、ネットの場合と、展示会などで使われる文書では、書く内容が変わってきます。

例えば、パンフレットやチラシなどでは、入れられる文字に限りがあり、写真や図などを入れる幅にも制限があります。そのため、製品概要や性能数値などの情報、製品をイメージするキャッチコピー的な短い文、写真、図表などが主になります。

ネットの場合、基本的に文字は制限なく入れられます。図や動画も各種入れられます。そのため、製品概要や性能数値も細かく記載できます。開発までのストーリーや、実際に利用した人の感想なども入れて、読者に対し、魅力的な情報を多く届けることが可能です。ただし、ネットの場合、あまり長い文章では、読むのを途中で止めてしまい、逆に何も伝わらなくなることもあります。その情報にあった適度な長さや内容で書くことや、文章の構成、ページデザインなども重要になってきます。

また、文書は読ませたい相手によって内容の深さが異なってきます。製造業における技術や製品の文書化においては、読ませたい相手が本職のエンジニア、決定権者層、学生の他、子供向けまで幅広くあります。その技術を正しく理解したうえで、相手に合わせて変えていくことが必要です。

メーカーから共同開発・受託開発を受注するためのWebマーケティング

こんにちは、テクノポートの永井です。

メーカーは新製品や新技術を開発する際に、共同開発や受託開発という形で外部企業の協力を得ることがあります。共同開発は開発期間の短縮や開発のリスクを抑えることができるため、導入するケースは増えてきています。一方、共同開発をすることは自社技術の流出や開発内容の漏洩問題などのリスクを抱えるため、外部企業の選定は非常に慎重に行われます。

今回はメーカーが共同開発・受託開発を検討している際に、外部企業に求める条件と、それを踏まえたWebマーケティングの方法をお伝えします。

共同開発のときにメーカーが外部企業に期待すること

自社にない技術の取り入れ

共同開発する最大のメリットは、自社にない技術を取り入れて、製品のレベルを上げられることです。

最近の製品は複雑化しているため、一つの製品を作るためには様々な技術が必要となります。そのため、1社ですべての技術を網羅することは現実的ではありません。そこで、製品を作るためのコア技術は自社で保有し、その他に必要となる技術については外部企業に委託するケースが多くなってきました。また、特殊な加工技術については、設備の導入コストや技術者の育成期間などを考慮し、外部委託を前提に開発を進めることもあります。自動車のエンジンの制御を例に挙げると、エンジンはメーカーで用意し、燃料噴射のタイミングや空燃比の調整などは、デンソーやボッシュなどのエンジン制御を専門としている企業のシステムを採用しています。

その他にも、ヤマハ発動機はトヨタ車にエンジン自体を供給していたり、ソニーのイメージセンサーを多くの企業が導入したり、スマホのアンドロイドOSを様々な企業が導入していることなども共同開発に当たります。外部企業の協力を得ることで、メーカーはレベルの高い技術を低リスクで使用でき、外部企業も自社のリソースを専門技術開発に集中できるため、共同開発はお互いメリットがあります。

開発リスクの分散

技術開発は、設備投資や人件費など多額の資金と時間が必要な上、最悪の場合、開発がうまくいかないリスクを抱えています。そのため、外部企業と協力することで、開発リスクを分散させる狙いがあります。

自動車や航空機、船舶など、1製品の開発コストが大きくなればなるほど、その傾向にあります。例えば、飛行機のA380場合、日本のメーカーだけでも21社が開発に参加しています。この規模の開発をエアバス1社で賄うことは難しいため、複数の企業の協力を得ることが一般的になっています。

※出典:日本航空機開発協会「平成27年度版 民間航空機関連データ集」

開発プロセスの学習と外部企業への期待

開発プロセスや新技術の知見を共有することで、相互学習となり、企業の開発力が向上します。また、新規参入したい分野については、すでに参入している企業の指導を得ることで開発がスムーズに進められるなど、共同開発のメリットは多岐に渡ります。第二次世界大戦後、多くの日本企業は欧米企業から技術のライセンスを導入したり、共同開発を行ったりすることで技術力を磨き、今では世界中の企業にライセンスを提供できるほど技術力は向上しました。外部企業へはその他にも「この企業と開発したら何かやってくれそう」という漠然とした期待もあります。

トヨタとスバル、トヨタとBMWの共同開発で例えると、86/BRZの開発はトヨタ流のスタイルで、スープラ/Z4の開発はBMW流の開発で行ったと言われています。トヨタの開発はやり直しを嫌うスタイルのため、デザインが決まってからでないと部品の詳細は決めないのですが、BMWの開発スタイルは開発初期の段階で部品の詳細も決めていくそうです。BMWの方法はデザイン変更による手戻りが発生するため、一見無駄に思えますが、試作車と量産車の性能差異が少なく、量産開発期間の短縮に繋がります。逆にトヨタ流では試作車では可能であった性能が、量産の工場で作ることができずに量産開発期間が想定よりも延びるというケースが良くあるそうです。

どちらが良い方法なのかは開発の条件次第だと思いますが、自社の開発方法がベストではない可能性を学習できたことは、企業にとってプラスとなります。また、スバルなら、BMWなら、一緒に開発をやってくれるという期待があったからこそ成り立った開発だと思います。

参考:https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226265/032600242/

外部企業を選ぶ条件

開発能力があるか

外部企業を選ぶときに、最も重要なことは開発能力があることです。開発能力は簡単にいうと仮説→検証→フィードバックができる人材と環境がどれだけ揃っているかになります。開発は思った以上にスムーズに進まず、必ずと言っていいほど想定外のことが起こります。そのときに、

  • 想定外のことが起こった際に原因を追求する体制があるか(仮説)
  • 原因を改善する策を立てられるか(検討)
  • 改善策を実現できるか(設計、製造)
  • 改善が妥当であったことを振り返る検証力があるか(評価)

などが求められます。技術を任せるのであれば、検討、設計、製造、評価を外部企業の中で一貫してできること、また、共同で開発する場合はコミュニケーションの柔軟性も求められます。

製造技術があるか

メーカーは新しいものを製造するために「自社にない技術」を求めて、協力できる外部企業を探しています。そのため、製造技術を保有していることは絶対条件になります。(製品と直接結びつきにくい研究段階は別の話です)

製造技術は単に作る技術というだけではなく、

  • メーカーが作れないものを作れる技術(必須)
  • 量産技術(量産する場合は)
  • 低コストでの製造技術(製品の最終コストが販売に影響を与えるため)
  • 品質管理(不具合品を世に出さないため)
  • トレーサビリティ(不具合発生時に速やかに原因を調査するため)
  • 複数の製造拠点(天災などでもサプライチェーンが分断されないように)

という内容も求められます。

実績があるか

実績はその企業を信頼する証になります。特に、共同開発は委託側にも情報漏洩などのデメリットがあるため、中小企業を選定する際はコンプライアンスなども含めて、実績を確認したいと思っています。

具体的には

  • 自社と同等レベルの企業、もしくはそれ以上の企業と取引があるか
  • ティア1レベルと取引があるか
  • ISOなどの認証を取得しているか
  • 今回依頼する内容と同等の実績があるか

になります。とはいえ、どの企業と共同開発をしているかは公にできないことも多いため、実際は直接会って、企業見学などの後に契約に至ります。ただ、実績を公に出せるのであれば、メーカーとしては事前に知りたい情報です。また、実績とは少し異なりますが、途中で外部企業の倒産などが起こると製品供給に支障がでるため、財務状況の確認や将来性などを検討する場合もあります。

共同開発・受託開発を受けるためにWebに掲載する情報

得意分野の開発力、開発体制を示す

メーカーは外部企業に開発能力を期待しているため、開発における得意分野をわかりやすくまとめることが大切です。また、何でもできるではなく「この技術をコアとして、幅広い応用が可能」など他社に負けないコア技術は何で、それを使ってどのようなことができるかを相手に想像してもらえるような工夫をしましょう。

住友理工を例に上げると、コア技術に「高分子材料技術」を置き、それが派生する分野や製品について画像を使ってわかりやすく表現しています。また、「私たちの研究開発」というページの中で、これまでの開発事例を技術的な目線で紹介し、検討、設計、製造、評価が社内で一貫してできることを説明しています。

引用元:住友理工ホームページ

また、中小企業の例として、吸音などの開発を行っている愛知県のセキソーをご紹介します。同社は自社のコア技術(音質改善技術)、解析技術、評価技術をカテゴリーに分けて、わかりやすく紹介しています。

株式会社セキソー:http://www.sekiso.co.jp/technology/

製造技術(精度技術、量産、試作、低コスト、品質管理、トレーサビリティー)を示す

製造技術では、具体的に何をどのレベルで、どれくらい作れるかを掲載することが大切です。

富士フイルムを例に上げると「ミクロンからサブミクロンクラスの微細パターンを形成」、「MLAやマイクロ流路など3D形状の製作」、「量産に用いる複製型(Ni電鋳型)を製作」、「300µm厚の複製型を用いて様々な射出成形品」、「クリーンルーム内で高品質低コストな量産品」など、製造技術以外にもクリーンルームなどの製造体制についても書かれています。

さらに、「提供サービス」の項目ではより具体的な内容の掲載や言葉だけではなく画像を用いるなど技術をわかりやすく伝えるための工夫があります。

引用元:富士フイルム

可能な範囲で取引先の社名や実績を示す

これまでの実績は企業の信頼の証になります。可能な範囲で、取引先の社名や製品実績を掲載しましょう。社名が出せない場合は、イニシャルや大手メーカー、ティア1などと掲載するだけでも効果はありますし、製品が出せるのであれば製品の実績を紹介しましょう。

例えば、旭化成は自動車から医療まで様々な製品の共同開発を行った実績を「イノベーション事例」として、ホームページに掲載しています。具体的な社名が出ている場合もありますし、社名が掲載されていない場合もありますが、メーカーの信頼を得るには十分といえる情報量を掲載しています。また、分野を幅広く掲載することで、共同開発したときの期待感を高める効果もあります。

引用元:旭化成ホームページ

共同開発を積極的に行っていることを示す

基本的なことですが、共同開発や受託開発を積極的に行っていることを伝えましょう。開発内容の掲載だけでは、自社開発した技術のPRなのか、共同開発のための開発能力のPRなのか分かりづらくなってしまいます。

例えば、株式会社由紀精密(https://www.yukiseimitsu.co.jp/business/rd/)は「◯◯向け開発」、「メーカーと密に連携し」など、分野別に開発内容を分けた共同開発について過去の事例を幅広く掲載しています。
さらに、「開発事例」ページでは

  • 共同開発
  • 受託設計
  • 自社開発

とカテゴリーを明確に分けることで、「株式会社由紀精密は共同開発、受託設計をする企業です」とPRできています。

まとめ

共同開発や受託開発は依頼するメーカーにも、受託する外部企業側にもメリットがあります。メーカーは少ないリスクで新しい技術を得られ、外部企業は自社のコア技術をあらゆる企業の製品開発に役立てることができます。しかし、自社のコア技術やノウハウの流出、特許権など、契約を結ぶときにはそれなりの注意が必要です。特に、中小企業の場合、大手に技術を真似される場合も少なくありません。

それでも、自社の技術を多くの企業に使ってもらえる共同開発・受託開発をするメリットは大きいので、そのきっかけとしてWebを活用してみてください。

テクノポートは技術系企業のWebマーケティングに力を入れています。Webを使って技術の可能性を広げたいというご相談は、ぜひテクノポートにお願いいたします。

テレビ画面や新聞誌面の投稿はNG!SNSでよく見るキケンな行為

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。近年では知名度アップやつながりを作るためにSNSを活用する企業も増えてきました。しかし楽しく手軽なSNSでも、守らなければならないルールがあります。

テレビ画面を写真に撮ってアップしない

自社がテレビに取り上げられたり、自社製品がドラマなどの小物として使用された場合、ついついそれを宣伝したくなりますね。実際にテレビで取り上げられた事実は、宣伝として高い効果を持ちます。しかし、テレビ画面を写真に撮ったり、キャプチャしたものをSNSにアップしてはいけません。テレビに流れる映像は著作物ですので、著作権法違反に該当します。

例外的に、引用という形でテレビなどの映像を使用する方法はあります。例えばテレビの1シーンについて、それを題材として持論を展開したり、製品を紹介する際などです。あくまでも自分の発信が主であり、テレビの画像はテーマに対する資料として扱われる場合には、引用の範囲であると認められる場合もあります。しかし特にTwitterなど、SNSでは論じる言葉の長さにも限界があります。ですから、引用という形にするのが難しい可能性もあります。テレビで紹介されるのは誇らしいことで、SNSなどに上げたくなる気持ちは分かるのですが、画面の写真や動画は基本的にはSNSにアップしないようにしましょう。一方、社員食堂の様子を映した写真に、偶然テレビが映り込む程度であれば、あまり問題はありません。

新聞や雑誌の誌面もSNSにアップしてはいけない

とくにFacebookではよく見るのですが、新聞や雑誌の誌面の写真もSNSに上げてはいけません。私的利用といって、自分自身の記念などとして写真に撮っておく分には構わないのですが、SNSなどに投稿するのは私的利用の範囲を超えてしまいます。そのため、基本的には許可されていません。しかし新聞の場合、テレビとは異なり、利用申請が可能です。自社のウェブサイトやブログなどに、メディア掲載実績として載せたい場合などは、掲載された新聞社に問い合わせ、利用申請を行うといいでしょう。

SNS上で流行るネタにも注意

とくにTwitterでは、マンガの1シーンの吹き出しに別の言葉を入れて面白さを競うような、いわゆるネタ遊びが流行ることがあります。他にも海外映画の歌唱シーンに合わせて、全く違う字幕をあてるネタや、アニメなどのワンシーンを切り取り、それにコメントを加える形で笑いを取りにいくネタも少なくありません。しかし残念なことに、その多くは著作権の侵害に当たるものです。いくつかのケースにおいては、流行状況を楽しんだ作者が特別に許可を出しているものもあります。しかし、丁寧なリサーチをしないと、それが本当に許可されたものか否かは分かりません。

人気のアカウントになるためには、日々の投稿だけでなく、その時々の話題にすかさず乗るスピード感や、ユーモアを感じる投稿、他のユーザーとの気楽なやりとりが欠かせません。近年ではTwitterの企業アカウントでも、そのような特徴を備え、多くのフォロワーを獲得しているケースも多く見られます。

しかし人気のネタだからといって、著作権を侵害した投稿を行えば、企業としてのモラルを疑われ、信頼を落としてしまいます。乗っていいネタと乗るべきではないネタを見極める選球眼を持ちましょう。

「モノカク」を運営するテクノポートでは、2020年4月28日にオンラインで行ったセミナーを皮切りに、オンライン、オフラインを問わない「技術ライティングセミナー」も展開しております。社内メンバーでWebサイトの運営を考えている、製造業向けに情報発信スキルアップの講座を開催したいなどございましたら、お気軽にお問合せください。

伝えたいことを理解し、知りたいことを考えて書く重要性

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などの他、技術ライティングについて取り上げていきます。

今回は伝えたいことを理解し、知りたいことを考えて書く重要性についてです。

伝えたいことを理解する

何かについて文章を書こうと思ったとき、忘れられやすい2つの点があります。それが、伝えたいとしていることをよく理解すること。そして、伝えたい相手が知りたいことをよく考えて書くことです。自分の日々を記録する日記のようなものであれば、この点はあまり考えず好きに書けば済みます。しかし、何かを伝えるためであって、それを伝えたい誰かが明確にいるのであれば、この2つは非常に重要になります。

まず、伝えたいことを理解するという点。例えば、自社のホームページに載せる製品紹介の文章を書くとします。その製品は新発売のもので、以前よりも様々な性能がアップしています。そうなると、どの性能が、どのぐらいアップしたのか伝えたいと考えるかもしれません。また、性能アップにより、今まで使えなかった別の分野にも使えるようになったことが、伝えたいことになっているかもしれません。

伝えたい点が何であるのか明確にして、その点をしっかり、明確にわかるように文章内に盛り込みます。伝えたいことが明確になっていないと、その製品の全体的な説明だけに終わり、何がよくなったかわからない文章になってしまいます。遠足の感想文で、何が楽しかったのか書くべきところを、電車に乗ってどこにいって何をした、おしまい。そんな文章になってしまう感じです。伝えたいことを、箇条書きでもいいので書き出すなど、明確にしておくことが必要です。

特に、技術系ライティングサービスといった、クライアントがいるライティングではこの点が重要になります。クライアントとのヒアリングや、提供された資料から、クライアントがどの点を特に伝えたいのか理解しなければなりません。クライアントから更に深く伝えたい点を引き出すことも必要です。

伝えたい相手が知りたいことを考えて書く

伝えたいことを理解したら、次は伝えたい相手が何を知りたいのか考えます。こちらが一方的に伝えたいことを書き並べても、伝えたい相手が知りたいことでなければ最初の数行で読み飛ばされます。伝えたい相手はどのような人で、そういう人は何を知りたがっているかを考え、必要な情報を過不足ない量で、伝えたいことを元に書いていきます。

例えば、伝えたい相手が機械のエンジニアであれば、「輝くステンレス筐体が・・」とか「高速に移動する力強いアームが・・」と言われても、だからどうしたという話になります。それよりも、「ステンレス製の筐体により耐塩性、耐酸性が高まり・・」とか「従来のXXより、20%剛性を上げたアームにより、移動速度がおよそ10%向上し・・」のように、エンジニアの知りたい情報が、具体的に数値も使って書かれている。このように、伝えたい相手に合わせて、伝えたいことを表現して書くことが何よりも重要です。製造業向けの技術ライティングでは、クライアントがいて、売りたい相手が明確に決まっている場合がほとんどなので、この点は特に強くなります。

広く一般に向け、誰でもわかる文章を書くのは非常に難しい作業です。人それぞれ考えることも、感じ方も違い、経験や知識の量も違います。それらすべてに当てはまる文章を書くのは至難の業です。伝えたい相手を明確にすることで、その人が何を知りたいのか考えやすくなり、文章は書きやすくなります。文章を書くことは、設計やプログラミングのような、論理的な作業に似ています。伝えたいことを理解し、伝えたい相手が知りたい内容に合わせ、論理的な流れを考えて組み立てていけば、相手に届きやすい文章になります。

開発者からの引き合いを増やすための技術情報の書き方

こんにちはテクノポートの永井です。今回は開発者からの引き合いを増やすための技術情報の書き方を紹介します。

Webマーケティングを成功させるためには、ターゲットが検索するキーワードを予想し、求めている情報を適切に提供しなければなりません。そのためには「ターゲットの気持ちを知る」ということが何よりも大切になってきます。

ターゲットの気持ちを知るための効果的な方法は、実際にターゲットの立場になってみることです。しかし、多くの製造業がメインターゲットとしてるメーカーの開発や設計、生産技術、購買の立場になってみることは現実的ではありません。

そこで、私の経験やインタビューを基にターゲットの気持ちや求めている情報、そしてその書き方を紹介していきます。※私、永井はボッシュでディーゼルエンジンの燃料ポンプの設計開発をしていた技術者です。(あくまで私の経験やインタビューを基にしているので、全てが正しいわけではございません。)

第1回では開発者に焦点を絞ってお話します。

製品開発の大まかな流れは基礎研究→先行開発→量産設計となり、各フェーズによって仕事内容が変わってきます。特に、「基礎研究、先行開発」と「量産設計」の仕事内容は大きくかわるため、今回は「基礎研究、先行開発」を担当する開発者の説明をし、量産設計については次回説明をしたいと思います。

基礎研究と先行開発の仕事内容

まずは基礎研究と先行開発の仕事内容について説明します。

基礎研究は新製品に使えるコア技術の研究になります。例えば、「自動車の燃費を向上させるエンジンシリンダーの形状研究」や「モーターの効率を上げるための磁石素材の配合研究」など新製品開発時に必要となる基礎的な技術の研究です。基礎研究のとき、製品の量産性は二の次となり純粋に技術を追求を行います。成果は製品ではなく、論文や学会での発表、特許などに結びつきます。成果や進捗によって変わりますが、一つの技術に対する研究期間は数年〜数十年単位です。

先行開発は量産を見越した完全新製品の開発のことを言います。基礎研究で見つけたコア技術を取り入れたり、他社の新技術を取り入れたりしながら、売れる製品を開発します。例えば、自動車のフルモデルチェンジや次世代ICチップなど、これまで世の中に出てきていない新製品を作りです。メーカーの場合、先行開発では量産性や生産性も重視され、量産ができなかったり、採算が取れないと判断された製品は開発中止となるケースもあります。成果は新製品として現れるため、技術者に人気の仕事です。製品にもよりますが、開発期間は20〜30ヶ月程度と言われています。

基礎研究も先行開発もコスト削減より、新技術の確立や新製品への落とし込みが大切になるため、開発者は比較的予算を使いやすい立場です。必要であれば、他社の技術でも新規取引先のとの取引開始にも前向きです。

大手メーカーの研究開発費について

先程、「開発者は予算を使いやすい立場」と説明しましたが、実際にどれくらいの予算が開発に使わえているのかも紹介します。下の表は2019年度の企業単位の研究開発費です。(日刊工業新聞社調べ)


※日刊工業新聞2019年7月23日:https://newswitch.jp/p/18555

1位のトヨタ自動車は1兆1000億円、2位のホンダは8,600億円、3位の日産自動車は5,500億円、4位のデンソーは5,200億円と1〜4位まで自動車関係のメーカーが占めており、開発の対象は自動運転、電気化、AI、ロボットなどです。
(詳細は日経新聞をご確認ください:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49814390T10C19A9MM8000/

表から、自動車、家電系は売上の7%程度を、創薬関係は15%以上を研究開発費に当てていることがわかります。開発費が多いということはそれだけ積極的に技術を求めているということにもなるため、中小製造業でも技術があれば大手メーカーとも繋がることは十分可能です。

開発者の置かれる立場

開発者は次の主力製品に必要となる「技術」や「製品」を開発することが仕事です。開発期限は数年程度と長いため、余裕を持って仕事をしていますが、定期的に成果を出すことも求められています。(成果が一向に上がらなければ、プロジェクトは中止になります。)

成果のほとんどは実験結果から得られます。任意のパラメータを変化させて実験を繰り返し、データの傾向を確認しながら、実際に使えるかどうかを地道に検討します。そのため、開発者は常に仮説→実験→検証のことを考え、最適な解を見つけよう努力しています。

成果を上げるためには、他社の技術を導入することにも積極的で、展示会やWebなどで情報収集も行っています。他社の技術が使えそうと思えば、企業の規模にこだわらず積極的に問い合わせを行い詳細を確認しています。また、取引のときには開発予算内での決定権をもっているため、開発者がOKといえば取引に繋がります。

開発者が求める技術情報

開発者は大きく

  1. 自社の技術的課題をクリアできる技術
  2. 実験を補助する技術

の情報を社外に求めています。例えば、自社の技術的課題をクリアできる技術の場合

  • 燃費を良くするための摩擦係数を改善する技術
  • 材料を軽量化する技術
  • タッチパネルの感知精度を向上させる技術

といったものです。開発者は闇雲に技術を求めているわけではなく、明確な意図をもって技術情報を探しています。ただ、開発者はあらゆる可能性を検討しているため、一見関係のなさそうな技術にも興味をもって情報を集めています。

2つ目の実験を補助する技術情報については、実験のデータを正確に取得できる製品や、実験に必要な装置、試作品を作る際の精度の高い加工技術などです。例えば、高速度カメラ、高精度センサーなどのデータを取得する測定機、材料の硬さなどを測定する測定機、異素材を接合させるための装置、特殊な材料を高精度で加工できる技術です。

開発者にとって最も重要なことの一つは仮説通りの実験条件を準備することです。正確なデータを取るためならば、実験設備への投資も躊躇なく行います。

Webでわかりやすく伝えるためにできること

では、本題の技術情報の書き方の話です。ポイントとしては、わかりやすく、そして開発者の想像力をくすぐるような書き方が良いと思います。

お客様の技術的課題をクリアできる技術情報を掲載する場合

  1. 技術を他の分野の技術者でも理解できるようにまとめる。
    (グラフ、動画、表、イラスト、画像など、具体的な数値があると良い)
  2. 技術を使って何ができるのかを提案する。
    (開発者が想像しやすいようにする)
  3. 他の技術と比較したときのメリットを掲載する
    (同じ技術で他社との比較や、技術は違うが効果が似ている技術との比較など)

例えば、めっき技術の場合、

悪い例:摩擦係数を0.1にできるため、高回転領域に有効

この例では、なぜ高回転領域に有効化の説明がない

良い例:PTEFというテフロンに似た成分のめっきを施すことで、摩擦系数を0.1にすることが可能です。この技術は潤滑油が効かない高回転領域、焼付対策、動力伝達の効率化など、あらゆる場面に使用可能です。また無電解めっきのため、塗装や蒸着と比べても剥離しづらく、窒素置換ではできない複雑形状へのめっきが可能です。

という説明をつけると、どの分野の技術者でも理解することができます。

実験を補助する製品情報を記載する場合

  1. 何ができるかをわかりやすく紹介する。
    (目的や技術を明確にする)
  2. 実際のサンプルを掲載する。
    (開発者が想像しやすいようにする)

例えば、物質の表面強さを測る試験機の場合

悪い例:表面強さや劣化を試験評価ができます。

この例の場合、測定方法がわからないため、実験の評価に使えるか検討できない。

良い例:材料表面を精密に粒子投射摩耗(エロージョン)する技術とエロージョン痕の断面形状を精密に計測する技術の組み合わせで表面強さを測定します。材料の表面をミクロン単位で削りながら、その深さの時点時点の強さ計測を可能にし、表面から内部までの連続した強さ分布を取得するという新しい測定方法です。

という説明を追加すると、興味を持ってもらいやすくなります。

テクノポートの制作事例

弊社で技術情報の発信をお手伝いさせていただいている企業を紹介します。

NISSHA株式会社|製品開発

製品特設サイト:https://connect.nissha.com/
お客様の声:https://marketing.techport.co.jp/case/nissha/

NISSHA様はコーポレートサイトとは別に「技術を伝えるための特設サイト」を作ることで伝えたい内容を開発者にダイレクトに伝えています。特設サイトの中では、イラストやデータを使ってわかりやすく技術説明をしたり、技術の使用例などを多数掲載したりしています。

また、技術に特化したコンテンツマーケティングをすることで、幅広い技術者に見てもらうための工夫をしています。

高木特殊工業株式会社|めっき技術

ホームページ:https://takagitokusyu.com

高木特殊工業様はテフロンめっきや高品質カニゼンめっきなど、レベルの高いめっきを行っています。サイト内では、「めっき後の物性値」として様々な試験をした結果を掲載しています。

株式会社パルメソ| 表面強さの評価試験

評価試験の特設サイト:https://palmeso.co.jp/mse
お客様の声:https://marketing.techport.co.jp/case/palmeso/

パルメソ様は新技術「MSE試験技術」の認知度向上のための特設サイトを制作しました。サイト内ではできるだけわかりやすく試験方法や評価内容を理解してもらえるように工夫しています。

まとめ

開発者は常に新しい技術情報を求めています。他の分野の技術でも使えそうであれば積極的に取りれる方が多いので、自社の技術を説明するときは他の分野の技術者でも理解できるようにまとめることが大切です。また、他社と比較して特異な技術を持っていない企業でも、技術の説明ができれば引き合いに繋がる可能性はあがります。テクノポートは技術に特化したマーケティングを得意としています。技術をもっと広めたいとお考えでしたらぜひ弊社にご相談ください。

スキルアップ?人脈作り? オンラインサロンとは

テクノポートの菊地です。外出自粛の影響もあり、企業・個人共にオンラインでの活動により注目がされるようになってきています。今回は、ますます増加している「オンラインサロン (オンラインコミュニティ)」についてご紹介します。

オンラインサロンとは

インターネット上での会員制コミュニティの呼称です。多くは会員にならないと閲覧ができないクローズド(非公開)の形をとっています。2000年頃から、「情報」を商品として扱うことが盛んになってきたことが起こりと言われており、「オンラインサロン」という言葉が初めて使われたのは2011年です。「オンラインサロン」に限らず、「オンラインコミュニティ」など他の呼び方をしていることもあります。

サービスの種類

主催者からの情報

主催者が発信する情報やノウハウは、オンラインサロンならではのサービスです。ノウハウや知識が代表的ですが、芸能人主催のファン向けサロンであれば本人が発信した情報というだけでも十分な価値になります。

会員間の交流

参加者同士での情報共有や意見交換、家庭や仕事以外でのコミュニティを得ることができます。場合によっては、そこから企画やビジネスなどに繋がることもあるようです。

イベントなど

親睦を深めるための飲み会のようなものから、学びを得るための勉強会やセミナー、主催者の人脈を活かした交流会、プロジェクトの企画〜運営など様々なイベントが行われています。

メリット

共通点のある仲間との交流ができる

サロンのコンセプトに共感したり、何か目的を持って入会したりする人が大半なので、参加者には共通点があります。オンライン上でのやりとりだけでも、価値観の近い仲間との切磋琢磨や交流がしやすい環境といえます。

質の高い情報やノウハウを得ることができる

非公開のグループのため、公にはしていない・できない「ここだけの話」を聞くことができたり、仕事などのノウハウや情報共有がされたりすることもあります。前者は主催者が著名人やカリスマ性の高い人の場合に特に多い傾向です。

幅広い人脈を作ることができる

著名な運営者と接点を持つことができたり、オンラインの特性を活かして場所を問わず様々な人と繋がったりすることができます。中には、海外から参加している人もいるほどです。

デメリット

トラブルが顕在化しにくい

クローズドな場であるため、トラブルがあっても外部から見つかりにくかったり、参加者同士の同調圧力などにより言い出せなくなったりするケースもあるようです。

入ってみないと実態がわからない

お試し入会を設けているサロンもありますが、入会してみないと雰囲気やどんな形で活動しているのかがわかりません。入ってみたら、思っていたものと違っていたというケースも起こり得ます。

有名なオンラインサロン

上述したとおり、参加しないとわからないので詳細にはお伝えできませんが、2つ有名なオンラインサロンを紹介します。(概要は公式サイトより引用)

HIU(堀江貴文イノベーション大学)(月額10,000円)

http://salon.horiemon.com/

概要:堀江貴文による会員制コミュニケーションサロンです。メインのFacebookグループに加え、約30個の分科会グループで構成され、その中でメンバーは自身のやりたい事をカタチにしていきます。ビジネスも遊びも、とにかく全力で望むやる気のある人たちが集い、交流し、新しい価値を生み出していく場です。

西野亮廣エンタメ研究所(月額1,000円)

https://salon.jp/nishino

概要:西野亮廣エンタメ研究所は、西野が考えるエンタメの未来や、現在とりかかっているプロジェクトを、ただただ野次馬的に見届けたり、場合によってはクリエイターとして強引に参加させられたりする会員制のコミュニケーションサロンです。

オンラインサロンの探し方

オンラインサロンはプラットフォームに登録しているものが多いので、そこで検索をすると様々なサロンを見つけることができます。

(DMMオンラインサロンより引用)

DMMオンラインサロン

https://lounge.dmm.com/

国内最大手のオンラインサロンのプラットフォームです。著名人のオンラインサロンも多く、初めての方が検索するのには使いやすいのではないかと思います。DMM独自の機能を使うサロンと、Facebookグループを使うサロンがあるので入会前に確認をおすすめします。

Campfire Community

https://community.camp-fire.jp/

クラウドファンディングで有名なCAMPFIREが運営するオンラインサロンのプラットフォームです。ここでは「コミュニティ」という呼称が使われています。CAMPFIREらしく、プロジェクトを継続的に支援するという側面を押し出しているので「会費」ではなく、支援のリターンとしてコミュニティへの参加権が与えられるという表現がされています。

参加費用

費用となるものの例としては下記のようなものが挙げられます。

  • 入会費
  • 月会費
  • イベントや企画ごとの会費

具体例をあげると、

  • 入会費、月会費は無料でイベントは有料
  • 入会費なし、月会費あり、イベントは無料

などです。

目的

オンラインサロンに参加する時に、自分が求めていることや目的をできるだけ明確にすることがおすすめです。同じテーマのサロンでも、知見を広めるために情報を享受したいのか、運営者や参加者と熱量高くブレストしたいのかでも参加の姿勢が異なります。ニックネームで緩く参加できるものもあれば、本名での登録が必須のサロンもあるので、概要や口コミなどをよく確認すると良いでしょう。

代表的な目的の要素は下記の3つです。どれかに該当するというよりは、大なり小なり各要素を含んでいることが大半なので割合の違いで考えてもらえたらと思います。

スキルアップしたい

ビジネス系や美容系、クリエイター系などが多いです。技術を高めたい、ノウハウを知りたい、アウトプットを高めたいなど。

横や斜めの繋がりを持ちたい

人脈作りを目的としたものや、何か好きなもの等を共通点とした仲間づくりなど。

新しいことを始めたい

ゼロから始めたい人にノウハウを持った人が教えるタイプと、何かプロジェクトやビジネスを達成するためのタイプが代表的です。熱量は高めな印象があります。

入会方法

オンラインサロンへの入会方法は、使用しているプラットフォームや入会審査の有無によって異なります。Webサイトに申し込みフォームがあり、そこからコミュニティに招待される場合や、使用しているプラットフォーム(DMMオンラインサロンやFacebookなど)内で申請するものが多いようです。

「オンラインサロン 」と調べると、驚くほど多くのサロンが見つかります。日常の生活範囲では出会うことのない人や、得ることが難しい知識・経験が得られることもあるので、気軽に始めることの出来る、無料のものやお試し期間のあるものなどから参加してみてはいかがでしょうか?

知っておいて損はない!文章に関する法律とマナー

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回は、ホームページやSNSなどに文章を掲載するときに注意すべき、文章のルールについて解説していきます。

他の人の文を勝手に使用しない!文章にも守るべき法律がある

外に向かって出す文章を作る際、守らなければならない法律があります。例えば次のようなものです。

  • 著作権法
  • 薬事法
  • 景品表示法
  • 特定商取引法
  • 雇用機会均等法

著作権法

著作権法は、ホームページなどを作成する際に最も大切な法律です。著作権法とは、文章や写真、イラストなどの「作った人の権利」を守る法律です。文章などの創作物には、作った人の権利があるため、他者が制作者の了承を得ずに勝手に使用してはいけません。ですから、例えば他社のホームぺージに用いられていた文章を「コピペ」で用いたり、書籍の文章をそのまま掲載すると、著作権の侵害にあたります。とはいえ、文献やJISの一部など、正確性を保つために原文を用いたいケースもあります。その場合には「引用」と明記し、引用元を併せて記載しましょう。

意図的ではなくても、著作権を侵害してしまうケースもあります。特に文章に添える写真やイラストなど、無料の画像素材をインターネット上で探す際に、リスクが高くなります。例えば「歯車 イラスト フリー」などのキーワードで検索しても、見つかった画像が本当にフリー素材である保証はないからです。本来ならば有償で配布されているものが、無償サイトに転載されているケースがあるためです。少々手間ですが、有償サイトから購入するか、独自に作成するのが安全です。

薬事法

薬事法は、心や体に対する表現を行う際に注意が必要です。医薬品として認可されていないものを「効果がある」と表記するのは禁止されています。例えば機械の騒音を減少させた場合「作業者のストレスが軽減した」とは表記できますが、それにより「血圧が下がった」と書いてはいけません。

景品表示法

景品表示法では、通常価格のものを「今だけの特価」とするような、不正に購買心理に働きかける記載が禁止されます。またSNSなどで通常の投稿を装って広告を投稿させるような「ステルスマーケティング」も景品表示法の違反に該当します。

特定商取引法

特定商取引法では、特に通販を行う場合に守らなければならない事項が決められています。

雇用機会均等法

求人広告でも注意が必要です。「35歳以下の男性」のように、年齢や性別を限定するのは、雇用機会均等法の違反になります。

文章を書く際に最も重要なのは著作権法ですが、文章の目的や内容によっては他の法律も適用されます。必要に応じて法律の概要をチェックしてから文章を作成しましょう。

古い言葉は、現在の価値観で見直せ!文章のマナー

外に向けて出す文章では、法律には反していなくてもマナーが求められます。マナー違反になりやすいのは次のようなケースです。

  • 差別的なニュアンスを含む
  • 他社、他業種を貶める
  • 威圧的、脅迫的な表現
  • 男女問題や宗教、人種などのデリケートな表現

差別的なニュアンスを含む

例えば「めくら作業」という言葉があります。見えない場所に設けられたネジを手探りで締めるような作業を指す言葉でした。しかし「めくら」は「目の見えない人」を意味しており差別的なニュアンスが含まれる言葉として、現在は公には使用されない言葉です。他にも「ばか穴」など、製造業の現場で古くから使われていた言葉には、現在の価値観にはそぐわない言葉も少なくありません。文章を書く際には、仲間内だけに通じる言葉は避けますが、このような言葉にも注意をしましょう。

他社、他業種を貶める

また自社製品の良さを表現する際などに、比較対象として他社製品を貶めるのもマナー違反です。具体的な社名を挙げ「〇社の製品は当社の製品に比べて耐久性が低い」などと書くケースです。事実に反すれば名誉棄損になります。真実だったとしても、相手の会社やその関係者が見たら、良い気分にはなりません。性能の比較を掲載する際などは、試験の方法や結果を明確にし、他社の社名や製品名などは「A社」などのように伏せるようにしましょう。

威圧的、脅迫的な表現

他にも「当社の製品を使わないと、こんな悪いことが起こりますよ」というように、脅すようなニュアンスも近年では嫌がられる傾向が強くなっています。

マナーに関わる部分は法律と異なり、発信側と受け手側の認識の違いによって思わぬ問題になる可能性があります。外に出す文章は、必ずしもターゲットのみが受け取るものではありません。世の中の動きなどに注意を払い、リスクがありそうな表現は避けるようにしましょう。

知ることはリスク回避になる

著作権を侵していれば訴訟に繋がる可能性があります。自社のサイトに他社のサイトや書籍と同じ文章が掲載されていた場合、それを発見してしまったユーザーからの信用は大きく下がるでしょう。また、薬事法などに反した文章を掲載した場合、行政指導などのペナルティが課せられる可能性もあります。法律に違反していなくともSNS投稿などをきっかけに批判が殺到し、炎上につながるケースもあります。このように、ルールやマナーに反した文章には、非常に大きなリスクが潜んでいるのです。

法律や世の中の常識は時間とともに変化していきます。「以前はこれで大丈夫だった」と安心せず、最新の情報を仕入れる習慣をつけておくといいでしょう。文章に関するルールやマナーを知っておくと、広告代理店やライターと打ち合わせをする際にもスムーズにやりとりができるようになります。自社の情報を外に発信したいと考えているならば、知っておいて損はないでしょう。

「モノカク」を運営するテクノポートでは、2020年4月28日にオンラインで行ったセミナーを皮切りに、オンライン、オフラインを問わない「技術ライティングセミナー」も展開していく予定です。社内メンバーでWebサイトの運営を考えている、製造業向けに情報発信スキルアップの講座を開催したいなどございましたら、お気軽にお問合せください。

エンジニアも持つべき書く技術

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回はエンジニアも持つべき書く技術についてです。

エンジニアにも必要な書く技術

エンジニアは、設計図を書いたり、試作品のテストをしたりするなど、いわゆるエンジニアという言葉から想像される業務以外にも様々な業務があります。その中には、仕様書の作成、製品テストのレポート作成、お客様からの技術的な質問への回答といった、文章を書かなければならないものも多くあります。しかし、こういった業務を苦手とするエンジニアは多くいます。

もともと、国語の授業が嫌い。「この部分で筆者はどのように感じたでしょうか?」って、なんだその問題、そんなもの知るか!とか。数字は嘘をつかない、ちゃんと手をかけてやれば、機械は人を選ばず間違いない返事を返してくれるものだとか言い出す。子供の頃は、算数や理科が大好き。機械を見たら分解したくなる。家にある調味料を全て混ぜ合わせて電子レンジに入れて大変なことになった。隙あらば、近くにあるものを組み合わせて工作していた。エンジニアには、そんな感じの人が多いはずです。私もそうでした。

ところが、リモートワークが推奨され、働き方改革が進む昨今。エンジニアにも文章によるコミュニケーション能力が求められる機会が増えてきました。また、中小製造業では、1社依存や下請け体質脱却のため、新規顧客開拓を模索している企業は多くあります。新規顧客開拓には、以前「製造業における文書化によるアピールの大切さ」という記事でも書いた通り、ネットを使った宣伝は欠かせず、技術や製品の文書化が必要です。技術や製品の文書化は、それを知る者でなければ難しいので、エンジニアにも書く技術が求められることになります。

エンジニアが持つべき重要なスキルの1つとして、書く技術の需要が高まることが今後予想されます。

技術系ライティング講座もあります

エンジニアの書く文章については「わかる人にしかわからないような文章を書く」とよく言われます。確かに、広く一般の人に伝えるような文章を書く場合には、誰にでも理解してもらえるような文章を書く必要があります。しかし、技術系ライティングでは、「わかる人に一番届く文章」「わかる人に最も納得してもらえる文章」を書く必要があります。

製品を探しているエンジニア向けならば、その必要性はより高くなります。専門性の高い文章にしなければなりません。これが就職希望の学生向けならば同じ製品の説明でも書く内容は変わります。この件については、以前「技術系ライターが行う書き分け」という記事でも触れました。読んでもらいたい人に合わせて文章を書き分けることが必要です。

製造業向けのライティングを専門に受ける窓口「技術系ライティングサービス」の事業では、製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターが、製造業における様々なコンテンツのライティングを行います。また、「書く技術」を身に着けるための、エンジニアや製造業の広報に向けたライティング講座の開催も予定しています。開催については順次発表します。是非ご利用ください。

テクノポートの技術系ライティングサービス

「製造業・エンジニアのための技術ライティングセミナー」開催レポート

テクノポートの菊地です。2020年4月28日に、「技術ライティング事業」のライター陣による「製造業・エンジニアのための技術ライティングセミナー」を開催しました。

技術ライティングを導入したいという企業の方から、技術ライターとして活躍していきたいという個人の方まで、本当にたくさんのご参加を賜りました。日程が合わず…という方もいらしたので、今回は簡単にはなりますが、セミナーレポートをお送りします。

技術ライティング事業紹介

技術ライティング事業とは、製造業の現場経験や工業に関しての知見を持つライターによる技術系企業のためのコンテンツ制作サービスです。過去のモノカクの記事でも紹介されていますので、こちらもご参照ください。

発注者向けの専門的な内容から、学生向けの採用コンテンツまで、用途とターゲットに応じて正しくわかりやすく書きあげられるのが、技術系ライターの強みです。テクノポートがもつ製造業におけるデジタルマーケティングのノウハウと掛け合わせることで、マーケティング戦略からコンテンツ制作まで一気通貫での支援が可能となりました。

講師紹介

馬場吉成

機械設計技術者と特許技術者を合計で16年経験。東京都在住。ライター歴約10年。製造業向け記事、テクノロジー全般を執筆。工業、製造業、最新のテクノロジーについて、元エンジニアで製造の現場を直接知るライターとして、正しい知識と情報で、専門の方から一般の人まで分かりやすく執筆することが得意。

メディア執筆実績:fabcross for エンジニア、リコー 3Dプリンタージャーナル、デイリーポータルZ、他

石川玲子

工学部機械工学科を卒業後、自動車業界や家電業界で機構設計系のエンジニアとして勤務。第二子出産を機にフリーライターとして独立し、工業系に特化したライターとして活動中。

執筆実績:リコー(展示会出展記事)、協和電装(採用ページ)、ミスミグループ、他

書籍執筆実績:図解 ヤバすぎるほど面白い物理の話(宝島社)

第1部 技術ライティングとは

第1部は馬場さんによる「技術ライティング」の説明と必要性についてです。「技術ライティングで製造業を盛り上げます」という熱い想いのもと、国内の(特に中小規模の)製造業が、いかに自社のアピールができていないか、どうしてアピールをする必要があるのか、製造業のアピールの難しさなどについて馬場さんの経験も踏まえて説明がありました。

技術ライティングは、感動を生むような文章ではなく、技術者や就職活動中の学生といったそのコンテンツの読み手のレベルに合わせて専門的な文章を書く技術です。そのためには、基本的な工業的な知識や技術への理解が不可欠です。世に数多くいるライターでは対応ができないからこそ、「技術系ライター」の需要は高まっています。

セミナーに参加できなかった方は、こちらで馬場さんの熱い想いを語っていますので、ご一読頂けたらと思います。

第2部 製造業エンジニアのためのライティング講座

続いて第2部。石川さんによる具体的なライティングのノウハウについてです。講座の内容は大きく分けると、文章を書く上で必要な「目線」「準備」「ルール」の3点です。

文章を書く上で必要な「目線」

文章は「目の前にいない」「知らない人」に「理解してもらう」ためのものだと、石川さんは話し始めます。つまり、「察してもらうことが前提」であったり、「仲間内だけに通じる言い回し」であったり、「意味がない言葉」は文章として通用しないということです。

《例》

  • 情報を省略して表記する
    「港区のショールーム」→「東京都港区〇〇にあるショールーム」
  • 仲間内だけに通じる言い回し
    「リャンテ」→「両面テープ」
  • 意味がない言葉
    「地域と未来に貢献する」→「利益のうち〇%を地元で青少年の育成を行う団体に寄付する」

書き手である自分がわかることは当たり前ですが、「他者目線」をもって書くことが必要です。

文章を書く上で必要な「準備」

「文章を書くのは料理に似ている」と準備の話が始まります。

《文章を書く》ー《料理をする》

  • 対象を確認する:家族4人に
  • 何を書くか決める:カレーを作る
  • 材料をそろえる:カレーの食材を揃える
  • 作業を行う(文章を書く):調理する
  • 提供する(公開するためにチェックを行う):異物の混入がないかを確認し、皿に盛る

特に技術ライティングの場合は、「誰」がターゲットになるのかを抑えることが重要です。同じテーマ(材料)であってもターゲットによって事業や技術に対しての理解度が大きく異なり、理解してもらうための書き方が変わってくるからです。また、何を書くかを明確にして絞ることも準備に欠かせません。あれもこれもと一つの記事に詰め込むんでしまうと、話題が広がりすぎてしまい、伝えたいことが曖昧になってしまいます。

そして、書く内容を決めたら、必要な材料(情報)を揃えます。この準備ができて、やっと「書く」というステップへ進むことができます。

文章を書く上で必要な「ルール」

3分割

文章を書くときの構成やつくりには、様々なものがありますが今回は「3分割」という考え方が紹介されました。

《例》

文章を書くことが苦手な人に多いのが「解釈」だけを取り上げてしまうケースなのだそうです。

これでは、そもそも何の話なのか、だからどうなのか、など話の前後が見えず伝えたいことがわかりません。書き手の意見である「解釈」が突然現れている為です。では、この解釈に至った「事実」と、解釈を受けての「行動(判断)」はなんだったのでしょうか。

3点が揃うことで伝えたいことが、理路整然となり、わかりやすく書き表すことができるようになります。

文章を整える基礎

  1. 短く言い切る(一文を長くせず「。」で区切る)
  2. 語尾をそろえる(「だ、である」または「です、ます」)
  3. 主語は文章のはじめに出す
  4. 修飾語と被修飾語はくっつける
  5. 同じ単語を連用しない
  6. 箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

小学校の時に習ったような覚えがある6つのポイント。この6つを満たすだけでもかなり読みやすく、読み違いの少ない文章になるのではないでしょうか。

各種法令・モラル

公に出す文章なので、各種法令に抵触しないことや社会性をもつことも欠かせません。

《例》

  • 薬事法(NG例:医薬品ではないのに「血圧が下がる」)
  • 景品表示法(NG例:通常価格なのに「特価」)
  • 特定商取引法(NG例:ステルスマーケティング)
  • 著作権法(NG例:コピペ、写真流用、他社ロゴの使用)
  • 雇用機会均等法(NG例:18歳~25歳の男性募集)

法に触れていなくても、差別的な表現やモラル・社会性に欠ける表現は、炎上リスクや企業イメージの低下に繋がります。読み手の主観による部分もありますが、世の中の価値観は急速に変化し、多様化しているので細心の注意を払うとともにアンテナを高く張っていく必要があります。

もっと詳しく知りたいという方は、石川さんの記事をお読みいただけたらと思います。

簡単にはなりますが、2020年4月28日に開催した「製造業・エンジニアのための技術ライティングセミナー」についてご紹介をしました。ありがたいことにご好評を頂けたので、今後も内容を変えつつ、継続してセミナーを開催する予定です。当事業やセミナー開催については、Webページ並びにご登録(ライター希望の方はこちら)いただければメールマガジンにて、随時お知らせ致します。

ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせください。

誰でも!読みやすい文章になる6ヶ条

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回は、理系で特に文章の勉強もしたことがなかった私が、ライターとして働いていく中で気づいた、ちょっと上手に見える文章を書くコツをお伝えします。

文章を整える6ヶ条

読みやすく整った文章を書くのに必要なのは、次の6つです。

  1. 短く言い切る
  2. 語尾をそろえる
  3. 主語は文章のはじめに出す
  4. 修飾語と被修飾語はくっつける
  5. 同じ単語を連用しない
  6. 箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

文章には読みやすい文章と読みにくい文章があります。書いてある意味は分かる、日本語として間違っているわけでもない、それなのに読みやすい文章と読みにくい文章に分かれるポイントは、この6つが守られているかどうかです。ここでは、NG事例も混ぜながら、このポイントを順に解説していきます。

短く言い切る

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことですから、気心の知れた相手と言葉で話すような、察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「。」を打ち、適当な長さで文を切ったほうが、読みやすい文章になります。子供のときに習ったように「、」を一拍「。」を二拍として、書いた文を音読してみましょう。適度に息継ぎができるくらいが、ほどよい長さの文章の目安です。

語尾をそろえる

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことだ。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しない。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「~です。~ます。」で終わる文章を丁寧型といいます。一方で「~だ。~である。」で終わる文章は言い切り型といいます。一つの文章の中ではどちらかに統一しましょう。

主語は文章のはじめに出す

NG例

鋼の組織を変化させ強度を得るために行われる熱処理は、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

修正例

熱処理は、鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

文章は前から後ろに読んでいきます。そのため、話題の主体になる主語が最初にあった方が「何についての話か」を理解した上で読み進められるのです。この例は熱処理についての話ですから「熱処理」を文頭に出します。

修飾語と被修飾語はくっつける

NG例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、大きく歯車の寿命に影響を及ぼす。

修正例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

修飾語とは「かざる言葉」被修飾語とは「かざられる言葉」です。この文では「大きく(おおきな)」が修飾語で「影響を及ぼす」が被修飾語になります。修飾語と被修飾語の関係が分かりやすいように、2つの言葉は近くにおきます。

同じ単語を連用しない

NG例

三分割で文章を書く方法は、小学校で文章を書くときから、企業の広告用の文章を書くときまで、幅広く使えます。

修正例

三分割で文章を書く方法は、小学校の作文から、企業の広告用の文章まで、幅広く使えます。

解説

同じ単語が並ぶのは、間違いではありませんが、読みにくさにつながります。意味が分かりにくくならない範囲で省略したり、別の単語に置き換える工夫をします。例えば「文章を書く『こと』は」のように、あまり意味のない「こと」を無意識に使ってしまうケースが多いので、注意するといいでしょう。

箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

NG例

電池の耐久時間をテストした結果は、製品Aでは3時間、製品Bでは2.5時間、製品Cでは3.5時間でした。

修正例

電池の耐久時間テスト結果(単位:時間)

解説

工業、製造業の世界では、数値の比較も多くなります。また構造や仕組みなど、図のが分かりやすい場合も少なくありません。文章に頼ろうとしすぎず、図や表、箇条書きなどを活用し、シンプルに表現するといいでしょう。

3つ目~5つ目に挙げた内容は、NG例であっても、日本語として間違った表現ではありません。しかし、このような細かい部分に気を付けると、より読みやすく整った文章になります。

「モノカク」を運営するテクノポートでは、2020年4月28日にオンラインで行ったセミナーを皮切りに、オンライン、オフラインを問わない「技術ライティングセミナー」も展開しております。社内メンバーでWebサイトの運営を考えている、製造業向けに情報発信スキルアップの講座を開催したいなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

誰でも!読みやすい文章になる6ヶ条

元エンジニア。工業系エンジニアライターの石川です。製造業に強いライターとして、さまざまなメーカーのコンテンツ作りに関わっています。今回は、理系で特に文章の勉強もしたことがなかった私が、ライターとして働いていく中で気づいた、ちょっと上手に見える文章を書くコツをお伝えします。

文章を整える6ヶ条

読みやすく整った文章を書くのに必要なのは、次の6つです。

  1. 短く言い切る
  2. 語尾をそろえる
  3. 主語は文章のはじめに出す
  4. 修飾語と被修飾語はくっつける
  5. 同じ単語を連用しない
  6. 箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

文章には読みやすい文章と読みにくい文章があります。書いてある意味は分かる、日本語として間違っているわけでもない、それなのに読みやすい文章と読みにくい文章に分かれるポイントは、この6つが守られているかどうかです。ここでは、NG事例も混ぜながら、このポイントを順に解説していきます。

短く言い切る

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことですから、気心の知れた相手と言葉で話すような、察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「。」を打ち、適当な長さで文を切ったほうが、読みやすい文章になります。子供のときに習ったように「、」を一拍「。」を二拍として、書いた文を音読してみましょう。適度に息継ぎができるくらいが、ほどよい長さの文章の目安です。

語尾をそろえる

NG例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことだ。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しない。

修正例

文章を書く目的は、離れた場所にいる、知らない人に理解してもらうことです。そのため、気心の知れた相手と言葉で話すのとは違います。察するコミュニケーションや、共通認識の存在を前提とした表現は通用しません。

解説

「~です。~ます。」で終わる文章を丁寧型といいます。一方で「~だ。~である。」で終わる文章は言い切り型といいます。一つの文章の中ではどちらかに統一しましょう。

主語は文章のはじめに出す

NG例

鋼の組織を変化させ強度を得るために行われる熱処理は、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

修正例

熱処理は、鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

文章は前から後ろに読んでいきます。そのため、話題の主体になる主語が最初にあった方が「何についての話か」を理解した上で読み進められるのです。この例は熱処理についての話ですから「熱処理」を文頭に出します。

修飾語と被修飾語はくっつける

NG例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、大きく歯車の寿命に影響を及ぼす。

修正例

熱処理は鋼の組織を変化させて強度を得るために行われ、歯車の寿命に大きな影響を及ぼす。

解説

修飾語とは「かざる言葉」被修飾語とは「かざられる言葉」です。この文では「大きく(おおきな)」が修飾語で「影響を及ぼす」が被修飾語になります。修飾語と被修飾語の関係が分かりやすいように、2つの言葉は近くにおきます。

同じ単語を連用しない

NG例

三分割で文章を書く方法は、小学校で文章を書くときから、企業の広告用の文章を書くときまで、幅広く使えます。

修正例

三分割で文章を書く方法は、小学校の作文から、企業の広告用の文章まで、幅広く使えます。

解説

同じ単語が並ぶのは、間違いではありませんが、読みにくさにつながります。意味が分かりにくくならない範囲で省略したり、別の単語に置き換える工夫をします。例えば「文章を書く『こと』は」のように、あまり意味のない「こと」を無意識に使ってしまうケースが多いので、注意するといいでしょう。

箇条書きや表も活用し、シンプルに表現する

NG例

電池の耐久時間をテストした結果は、製品Aでは3時間、製品Bでは2.5時間、製品Cでは3.5時間でした。

修正例

電池の耐久時間テスト結果(単位:時間)

解説

工業、製造業の世界では、数値の比較も多くなります。また構造や仕組みなど、図のが分かりやすい場合も少なくありません。文章に頼ろうとしすぎず、図や表、箇条書きなどを活用し、シンプルに表現するといいでしょう。

3つ目~5つ目に挙げた内容は、NG例であっても、日本語として間違った表現ではありません。しかし、このような細かい部分に気を付けると、より読みやすく整った文章になります。

「モノカク」を運営するテクノポートでは、2020年4月28日にオンラインで行ったセミナーを皮切りに、オンライン、オフラインを問わない「技術ライティングセミナー」も展開しております。社内メンバーでWebサイトの運営を考えている、製造業向けに情報発信スキルアップの講座を開催したいなどありましたら、お気軽にお問い合わせください。

技術系ライティングサービスの価格感

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は技術系ライティングサービスの価格感についてです。

技術系ライティングサービスをリリース

製造業向けのライティングを専門に受ける窓口「技術系ライティングサービス」が正式にリリースされました。

テクノポートの技術系ライティングサービス

例えば、自社のホームページに載せる製品紹介や技術紹介用の文書。展示会で配布するチラシ、掲示するパネルに載せる文書。リクルートパンフレット向けの文書。メルマガ用コンテンツの執筆。専門誌への寄稿する記事の執筆。こういった、製造業における様々なライティング事案を自社内でやるには、人も時間も足りません。外部に頼んだとしても、技術的なことや、現場の事情をよく理解しているライターでなければ、ライティングは困難です。

このサービスでは、製造業の現場経験者や工業の知識を持つライターが、製造業向けのコンテンツを作成します。専門としていた分野外であっても、基礎的な工業の知識を持っているので、素早く内容を理解し、ライティングまで行うことができます。現場を経験している者ならば、製品を選ぶエンジニアが、どのような情報が欲しいのか、注目するポイントはどこであるのかがわかるので、その点を中心にライティングが行えます。

製造業は素晴らしい技術や良い製品を持っていても、それをアピールすることが苦手です。アピールするためには、相手に伝わりやすく技術や製品を文書化する必要があります。技術系ライティングサービスでは、このような貴社のライティングの困り事を解決していきます。

技術系ライティングサービスの価格感

実際に技術系ライティングサービスを利用するにあたって、一番気になるところは「どのぐらいの料金で書いてもらえるのか」という点だと思います。工数や材料によって価格が変わるように、ライティングサービスも作業量や内容の深さで変わってきます。そのため、案件ごとに見積もる形になりますが、おおよその目安的なものは出せるので、以下に幾つか例を挙げておきます。

〇広告、パンフレット、メルマガコンテンツなどの短いライトな案件

月に数回送るメルマガや展示会向けのチラシなど、文字数にして700~1,000字程度の短いコンテンツの作成の場合の料金例です。

例えば、展示会の際に配布するチラシへ掲載する製品の解説文を1,000字程度にまとめるとします。取材、撮影はなく、資料の提供と共に、特にアピールしたい点を幾つか挙げていただく。それを元に文書の作成のみを行い、レイアウトなどは自社で行う場合。この条件ならば1件20,000円でお引き受けできます。

同様に、企画案を元に、700~1,000字程度のメルマガコンテンツを作成する場合も20,000円でお引き受けできます。企画案を提出するところからの場合は、別途企画料が追加されます。取材がある場合も同様に追加料金が発生します。

〇自社技術や製品紹介などのWeb向けのコンテンツ、リクルート向けコンテンツなど通常のボリュームの案件

自社技術や製品紹介などのWeb向けのコンテンツ、オウンドメディアコンテンツ、リクルート向けコンテンツ、専門誌への寄稿など。文字ボリュームにして2,000字から3,000字前後の通常コンテンツの場合の料金例です。

取材が無く、資料を受け取り3,000字程度のコンテンツにまとめる。このような執筆のみの案件ならば40,000円でお引き受けできます。現場担当者にヒアリングをして3,000字程度のコンテンツにまとめる場合ならば、ヒアリング取材の追加料金として20,000円がかかり、合計60,000円となります。これにライターがコンパクトカメラ程度の機材を使い、Web向けの簡単な写真を撮影して記事に使用する場合は、撮影費20,000円が追加されて80,000円からお引き受けできます。

専門誌へ寄稿する原稿のように専門性、技術的に高度なものの場合は、原稿料があがります。3,000字程度のボリュームのものならば50,000円からお引き受けできます。

〇長いコンテンツの作成、多くの資料を必要とする案件

4,000字を越えてくるような特に長い記事の作成の場合は、60,000円からお引き受けできます。また、コンテンツ作成のために調査が必要な場合は、別途調査費がかかります。調査費は調査にかかる時間や量により変わりますが、追加料金として10,000円からで対応します。

技術系ライティングサービスの料金は各案件ごとに見積もりますので、お気軽にお問い合わせください。

技術系ライティングサービスをリリースしました

テクノポートの徳山です。弊社コーポレートサイトには既に告知させていただきましたが、2020年4月7日(火)に新サービス「技術系ライティングサービス」をリリースさせていただきました。今回は当サービスを始めることになった背景やサービスの具体的な内容について、ご紹介させていただきます。

技術系ライティングサービスを立ち上げた背景

当サービスは、製造業をはじめとした技術系企業のお客様に対し、技術系ライターがお客様に代わり様々なコンテンツを制作するサービスです。「技術系ライター」とは、技術系企業の現場で就業経験を持つプロのライターのことを指す造語です。今回のサービスを広める上で、この言葉も同時に広げていきたいと考えています。

技術系企業専門のWebマーケティングを本業としている弊社では、今までもコンテンツ制作の依頼を受けることは多々ありましたが、この度新たなサービスとして本格的に活動を行っていくことにしました。その背景について少しご説明します。

技術系企業のデジタルマーケティング推進を後押しする

昨今、様々な企業がデジタルマーケティングを推進しています。製造業をはじめとした技術系企業でもその活動に注力し始める企業が増加しています。デジタルマーケティングでは、リードを顧客化するために様々なコンテンツを提供し、育成する必要があります。そのため、デジタルマーケティングの成果を左右するのはコンテンツの良し悪しであると言っても過言ではありません。

しかし、技術系企業の多くが魅力的かつ大量のコンテンツを自社内で創り出すことができず悩んでいます。なぜなら、技術系企業で働く多くの社員は理系出身の方ばかりだからです。技術系コンテンツを創り出す最も難しいポイントは、技術を理解するための理系的能力と、読み手にとって分かりやすい文章を執筆するための文系的能力の両方が必要になることです。両方の能力を習得するためには、技術系企業での就業経験が必須となります。当サービスに所属するライターは、プロのライターとして一線で活躍しており、かつ技術系企業就業経験者の方だけに登録していただいています。

技術系ライターとして活躍できる土壌を創る

当サービスの立ち上げにあたり、発起人の一人となったのが当メディア「モノカク」の外部ライターとしても活動している馬場吉成さんです。彼は、今までに技術系メディアや技術系企業のコンテンツ制作を数多く行ってきた、技術系ライターの第一人者です。

馬場さんとお話する中で、今後技術系ライティングの需要がますます高まることを確信すると同時に、その需要に応えるためには技術系ライターを増やし、皆さんが活躍できる土壌を準備しておく必要性を感じました。クラウドソーシングなどが普及し気軽にライターとして活動することができるようになった影響もあり、ライティング業務の価格はどんどん下降しており、ライティングの仕事だけで生活ができる人はごく僅かです。しかし、技術系ライティングのような付加価値の高い仕事は一定以上の報酬が確保されるべきです。

そこで今回の取組みでは、技術系ライターに対して付加価値の高い仕事を与えるための受注窓口になると共に、プロのライターとして活躍できる技術系ライターを育てていくためのプラットフォーム的存在を目指していきたいと考えています。

具体的なサービス内容

一言で「コンテンツ制作」といってもその内容は多岐に渡ります。当サービスで提供するサービスメニューをいくつかご紹介させていただきます。

デジタルマーケティングコンテンツの制作

上述したとおり、デジタルマーケティングを推進するに当たり、コンテンツの良し悪しが明暗を分けると言っても過言ではありません。技術用語の分かる専門性の高いライターが貴社のコンテンツ制作を支援します。

デジタルマーケティングコンテンツには、Webページの記事、メルマガの原稿、顧客導入事例の記事作成、ホワイトペーパーの制作などがあります。

リクルートコンテンツの制作

技術系企業が採用活動を行う際に、学生や未経験者といった知識が乏しいターゲットに対し、自社技術の魅力を伝えるのはとても困難です。技術系ライターにお任せいただければ、ターゲットの知識レベルに応じた最適なリクルートコンテンツを制作することが可能です。

リクルートコンテンツには、リクルートサイトやパンフレットの制作、先輩社員インタビューの取材代行・記事制作などがあります。

技術翻訳

技術系企業が海外進出を行う上で、Webサイトや会社パンフレットなどの販促物に記載する外国語には高い精度を求めたいものです。しかし、多様な専門領域が存在するため、ジャストフィットする翻訳者を見つけることは非常に困難です。
自社技術・業界の専門用語を理解できる翻訳者による技術翻訳を行うことで、貴社の海外進出をサポートいたします。

技術系Webメディア向け記事執筆

専門業界向けの専門誌やWebメディアなど、対象とする分野が専門的であればあるほど、専門知識を持つライターを確保するのは難しいのではないでしょうか。
品質の高いコンテンツを制作できる技術ライターの確保に苦労しているメディアの方へ、記事執筆の取材や記事執筆の代行やライターのご紹介を行います。

ご紹介したサービスメニューの他にも、高品質なコンテンツをお求めの企業様の様々なご要望にお応えします。その他、技術ライティングでお困りのことがあればお気軽にご連絡ください。

当サービスの詳細を知りたい方は、「技術系ライティングサービス」特設サイトをご覧ください。サービス提案書に関しては、下記からもダウンロードいただけますので、ご興味のある方はぜひよろしくお願いいたします。

技術系ライターが行う書き分け

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は技術系ライターが行う書き分けについてです。

技術系ライターだからできること

前回の記事で技術系ライターが受けるライティング案件の例を幾つか挙げました。

前回の記事はこちら:「製造業における文書化によるアピールの大切さ

この記事の中で「ターゲットとなる層がその製品を実際に使う技術者なのか、技術はそれほど詳しくはないが購入を決める決定権者層なのか、または全くの一般の人かなどにより、書く技術の深さや表現を変えて書く」と説明しました。製造業における技術や製品の文書化において、技術系ライターの必要性はこの部分にあります。

技術を説明するには、その技術を理解している必要があります。工業の基本的な知識、製造業における経験がなければ、その技術を理解するのに多くの時間が必要になります。技術系ライターは、もともとその技術や製品を利用していたり、知っていたりする場合が多く、速やかに理解できます。また、専門外であっても、基本的な工業的な知識を持っているので、理解に時間がかかりません。問題なく説明がおこなえます。

技術をかみ砕いて伝える

技術や製品を伝えたい相手は様々です。技術者なのか、技術はそれほど詳しくない決定権者なのか。技術的なことがわからない文系の学生かもしれません。また、子供向けのコンテンツという場合もあります。技術系ライターは、技術を理解した上で、それぞれの人に合わせて説明する深さを変えて書き分けることができます。

例えば、金属加工をおこなっている会社があったとします。技術者にアピールするために書くのならば、加工できる素材やサイズ。対応できる表面処理や加工方法の他、加工実績や価格感、納期など。具体的に技術者が欲しいと思う情報を書きます。専門用語もそのまま使い、必要な情報を過不足なく入れていきます。

これが、技術がわからない就職活動中の文系の学生だと大きく変わります。企業情報を研究しているはずなので、金属を加工して何らかの部品や装置を作っている会社ということは理解しています。しかし、どのように加工しているのか。どのぐらい精密な加工ができて、それがどれほど凄いことなのかを理解しているかとなると難しくなります。専門用語を書いても全く伝わらないので、簡単に説明する必要があります。

例えば、「プレス金型」といえば、技術者ならそれで何をするのか、どのように使われて、どうやって作られているか、説明しなくても理解できます。これが学生向きならば「つくりたい形に金属を曲げたり、打ち抜いたりする道具」のように別の言葉で書き換えます。さらに子供向きならば「金属は強い力をかけると曲がって元にもどらなくなる」という、金属の特性あたりから説明することになります。金属加工を理解した上で、金属加工について対象にあわせて深さを変えて書き分ける。製造業向けのコンテンツにおいて、これが速やかにできるのが技術系ライターと通常のライターの違う点です。

製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターは、自社の技術や製品をアピールするために大いに役立ちます。近く、製造業向けのライティングを専門に受ける窓口ができる予定です。

書くことによって製造業を盛り上げていきますので、詳細が決まりましたら、またご連絡させて頂きます。

製造業に特化した技術系ライターが依頼される仕事

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は文書化による技術系ライターが受けるライティング案件についてです。

工業製造業系ライターとは

前回の記事で「どんなに良いものでも、アピールしなければ選ばれることはなく、存在すら気づかれない。」ということで、製造業では技術や製品の文書化が必要であることを書きました。

製造業における文書化によるアピールの大切さ

私はかつて光ファイバーや半導体関係の装置の設計、機械系の特許に関わる仕事をやっていました。その時の知識と経験を活かし、工業製造業系ライターを名乗ってライター活動をしています。

技術や製品の文書化が必要とわかっていても、やはり実際に書くとなると簡単にはいきません。時間もかかるし、それを行う人もいない。小さな会社になればその傾向は強まります。そんな訳で、私のところには大小様々な製造業の会社からライティングの依頼が入ります。その内容も多岐に渡ります。幾つか紹介していきます。

書くことで製造業を盛り上げる

自社の特徴、自社製品、技術の紹介、解説

この依頼は一番多いかもしれません。自社の強みや歴史、持っている技術、他社との違いなどを特設ページで紹介したい。製品の開発経緯や技術的に困難だった点、他との優位性を紹介する、またはそれをエンジニアが語るような記事を作りたい。客先導入事例をインタビュー形式で紹介したい。製品の特長や性能を紹介するホワイトペーパーを作りたい。展示会で配布するパンフレット、掲示するパネル用の文章。そんな感じのコンテンツのライティングです。

ターゲットとなる層がその製品を実際に使う技術者なのか、技術はそれほど詳しくはないが購入を決める決定権者層なのか、または全くの一般の人かなどにより、書く技術の深さや表現を変えて書くことになります。技術全体を理解して書くことはもちろん、それをより簡潔にわかりやすく書くことも求められます。

就職活動の学生に向けた自社紹介

最近結構多いのがこの依頼。学生に向けた自社の製品や技術、取り組みなどを紹介するコンテンツです。ネットだけでなく、会社説明会の際に配布するパンフレット用というのもあります。理系の学生ならば専門的な用語も大丈夫なのですが、技術系の業務以外の採用では文系の学生に自社を説明する必要があります。BtoBの会社だと、就職活動をするまで名前すら知らなかったなんてこともあり、多くの場合、業務内容を広く、文系の学生でもわかるように書くことが求められます。

専門誌への寄稿文

各業界には専門誌があります。その編集部から、自社の製品、技術の特長を紹介する記事の執筆依頼が入ることがあります。担当技術者は忙しいし、記事を書いたこともないのでできない。広報もニュースリリースならいいが、雑誌に載る記事となると難しい。では外注でとなるのですが、通常のライターだと技術的なところが全く分からないし、理解するのにも時間がかかる。技術系の記事を書いているライターに依頼がきます。

オウンドメディアに掲載する記事の執筆

自社の業界動向の紹介や、基礎的な技術解説などの記事の執筆依頼です。エンジニア向けの専門的なものから、学生や子供向けまで内容は様々です。最近はやや減少傾向にあります。

その他

この他、社長挨拶の代筆、助成金の申請書用に使う自社製品の説明文執筆なんて依頼もあります。製造業に関わる様々なライティング案件の依頼がきます。もちろん、工業やテクノロジー系のメディアに掲載される、ライター名が記載される記事も定期的に書いています。しかし、上記のような、企業から発信されるライター名の出ない記事の数が圧倒的に多いです。

製造業は書くことに困っています。そんなライティングの困りごとを、製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターが、まとめて引き受ける窓口を近いうちに作れればと考えています。書くことによって製造業を盛り上げていきます。

製造業に特化した技術系ライターが依頼される仕事

元メカエンジニアの工業製造業系ライターの馬場です。製造業に関連する気になるニュース、製品、技術などを取り上げていきます。今回は文書化による技術系ライターが受けるライティング案件についてです。

工業製造業系ライターとは

前回の記事で「どんなに良いものでも、アピールしなければ選ばれることはなく、存在すら気づかれない。」ということで、製造業では技術や製品の文書化が必要であることを書きました。

製造業における文書化によるアピールの大切さ

私はかつて光ファイバーや半導体関係の装置の設計、機械系の特許に関わる仕事をやっていました。その時の知識と経験を活かし、工業製造業系ライターを名乗ってライター活動をしています。

技術や製品の文書化が必要とわかっていても、やはり実際に書くとなると簡単にはいきません。時間もかかるし、それを行う人もいない。小さな会社になればその傾向は強まります。そんな訳で、私のところには大小様々な製造業の会社からライティングの依頼が入ります。その内容も多岐に渡ります。幾つか紹介していきます。

書くことで製造業を盛り上げる

自社の特徴、自社製品、技術の紹介、解説

この依頼は一番多いかもしれません。自社の強みや歴史、持っている技術、他社との違いなどを特設ページで紹介したい。製品の開発経緯や技術的に困難だった点、他との優位性を紹介する、またはそれをエンジニアが語るような記事を作りたい。客先導入事例をインタビュー形式で紹介したい。製品の特長や性能を紹介するホワイトペーパーを作りたい。展示会で配布するパンフレット、掲示するパネル用の文章。そんな感じのコンテンツのライティングです。

ターゲットとなる層がその製品を実際に使う技術者なのか、技術はそれほど詳しくはないが購入を決める決定権者層なのか、または全くの一般の人かなどにより、書く技術の深さや表現を変えて書くことになります。技術全体を理解して書くことはもちろん、それをより簡潔にわかりやすく書くことも求められます。

就職活動の学生に向けた自社紹介

最近結構多いのがこの依頼。学生に向けた自社の製品や技術、取り組みなどを紹介するコンテンツです。ネットだけでなく、会社説明会の際に配布するパンフレット用というのもあります。理系の学生ならば専門的な用語も大丈夫なのですが、技術系の業務以外の採用では文系の学生に自社を説明する必要があります。BtoBの会社だと、就職活動をするまで名前すら知らなかったなんてこともあり、多くの場合、業務内容を広く、文系の学生でもわかるように書くことが求められます。

専門誌への寄稿文

各業界には専門誌があります。その編集部から、自社の製品、技術の特長を紹介する記事の執筆依頼が入ることがあります。担当技術者は忙しいし、記事を書いたこともないのでできない。広報もニュースリリースならいいが、雑誌に載る記事となると難しい。では外注でとなるのですが、通常のライターだと技術的なところが全く分からないし、理解するのにも時間がかかる。技術系の記事を書いているライターに依頼がきます。

オウンドメディアに掲載する記事の執筆

自社の業界動向の紹介や、基礎的な技術解説などの記事の執筆依頼です。エンジニア向けの専門的なものから、学生や子供向けまで内容は様々です。最近はやや減少傾向にあります。

その他

この他、社長挨拶の代筆、助成金の申請書用に使う自社製品の説明文執筆なんて依頼もあります。製造業に関わる様々なライティング案件の依頼がきます。もちろん、工業やテクノロジー系のメディアに掲載される、ライター名が記載される記事も定期的に書いています。しかし、上記のような、企業から発信されるライター名の出ない記事の数が圧倒的に多いです。

製造業は書くことに困っています。そんなライティングの困りごとを、製造業の現場経験を持つライターや、工業的知識を十分に持つライターが、まとめて引き受ける窓口を近いうちに作れればと考えています。書くことによって製造業を盛り上げていきます。