ドーバー ギンザ2019-20年秋冬の“衣替え” 「ダブレット」のお化けゲーセンから「ジル サンダー」の新ラインまで

 川久保玲がディレクションする東京・銀座のセレクトショップ、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA以下、DSMG)は7月13日、2019-20年秋冬が立ち上がった。ブランドの新作をいち早く手に入れようと、オープンの朝11時前から200人以上が列を成し、その行列は銀座・すずらん通りとみゆき通りが交わる角までに広がった。

 同店は10日に19年春夏のセールを終了後、11、12日の2日間店舗をクローズし、一部内装のリニューアルと、商品の入れ替えを行った。ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)がデザインする「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズのポップアップストアのオープンをはじめ、新スペースとして3階に「モンクレール(MONCLER)」とベルリン発のアイウエア「クボラム(KUBORAUM)」、6階に「バーバリー(BURBERRY)」を導入。「プラダ(PRADA)」「ダブレット(DOUBLET)」などが内装を一新した。また「グッチ(GUCCI)」や「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」の別注コレクションなど、DSMでしか手に入らない商品も多数そろえている。

 注目の新スペースと、ポップアップストアを抜粋して紹介する。

【1階】

 エントランスフロアの1階は、「ルイ・ヴィトン」メンズの1人1人異なるポーズを取ったカラフルなマネキン11体がお出迎え。グラフィティー・アーティストのフューチュラ(Futura)によるオレンジのオブジェも迫力大。ポップアップストアは2階のディスプレー、7階のローズベーカリーと連動している。

 エレファントスペースでは“The Gathering of Shadows(影の集まり)”をテーマにした「コム デ ギャルソン」19-20年秋冬コレクションのインスタレーションを行っている。

 ジュエリースペースでは、米サンフランシスコに拠点にするラボグロウンダイヤモンドメーカーのダイヤモンド・ファウンドリー(DIAMOND FOUNDRY 以下、DF)とDSMの協業によるデザイナーとのコラボレーションファインジュエリーが日本上陸している。「ハム(HUM)」はDF製の人工ダイアとプラチナ、ゴールドを用いて1点物のジュエリーを提案し、その異なるピースをぴったり収納できるシルバーのジュエリーケースが付属している。貞清デザイナーは「数百や数千も大量生産されるものではなく、1点1点をデザインしたいと考えた。ジュエリーケースは、あえてアトリエで出たシルバーの粉や破片などリファイン(溶解)して制作し、アップサイクルすることで、人工的に作られたDFのダイアとリンクさせている。このラボで作られたダイヤは、ジュエリーの新しい価値であり、エポックメイキングなものだと思う」と語る。(詳しくはこちらから

【2階】

 2階は4月にオープンした「ダブレット(DOUBLET)」のゲームセンターをイメージした常設スペースは、お化け屋敷風にリニューアル。ゲーム機からはホラー映画「リング」を彷彿とさせる髪の長い女性の人形が飛び出し、クレーンゲーム機の中には血のついた手や生首が入っている。フラッシュ撮影すると、割れて見える仕掛けのある鏡もディスプレーしている。

 アヴィ・ゴールド(Avi Gold)による「ベター(BETTER)」によるギフトショップも新たな羊のパネルを使った新たな店装に変わった。

 「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R))」スペースの隣には、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」と「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のメンズのコラボレーション商品のポップアップスペースが開いている。

 エスカレーター前のスペースに「ルイ・ヴィトン」メンズの19-20年秋冬コレクションに連動したディスプレーが出現。

【3階】

 3階に新オープンした「モンクレール」のスペースはブランドロゴのアーチと、アーカイブのエンブレムを使ったLED電飾が目印。そのアーチを潜ると、メンズのデザイナーズブランドが並ぶ。

 ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)の元で経験を積んだヨースト・ヤンセン(Joost Jansen)による「サバイバル オブ ザ ファッショニスト(SURVIVAL OF THE FASHIONIST)」は木製のパペットにコレクションを着せて展示販売している。

 新スペースを設けたベルリン発のアイウエアブランド「クボラム」も注目のブランドだ。ヘッドドレス付きのサングラスや、スタッズやピンを無数につけたデザインなど、パンクの要素を感じられるアイテムがそろう。1階のエレファントスペースを想起させるミニチュアの象をかたどったオブジェが無数にディスプレーされている。

 壁の色がゴールドからピンクに変わった「グッチ(GUCCI)」スペースでは、DSMだけでしか手に入らない限定コレクションを販売している。“DSM”のスパンコール刺しゅう入りのTシャツから、ジャケット、ドレス、バッグやスカーフなど約30型。限定商品は赤いタグが目印だ。

 「マッキントッシュ」は、話題の「ジル サンダー+」とのコラボレーションコートを先行発売しているほか、DSM限定コレクションの「マッキントッシュ エディット.(MACKINTOSH EDIT.)」もラインアップ。什器はユニオンジャックカラーでそろえている。

 「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」の誕生70周年を記念したスペシャルコラボレーションのスペースでは、第1弾の「チノ(CINOH)」デザイナーの茅野誉之によるコレクションを販売中。タイガーの足をかたどったインテリアも注目だ。

 トートバッグブランド「チャコリ(CHACOLI)」は、黒いレザー仕様のDSMG限定モデルを。

 「ザ ビートルズ コムデギャルソン(THE BEATLES COMME DES GARCONS)」からは新しいボーダートップスや黄色や青、緑の新色バッグが登場している。

【4階】

 4階のエレベーター脇では、今季デビューの「ジル サンダー」のメインコレクションを補う新ライン「ジル サンダー+」のポップアップスペースを開いている。

 「ミラ ミカティ(MIRA MIKATI)」と、村上隆率いるカイカイキキの所属アーティストのミスター(Mr.)とのコラボ商品も販売中。

 「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」のスペースも2019-20年秋冬の新作のディスプレーに刷新。

 「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」のスペースも2019-20年秋冬の新作商品が並ぶ。

【5階】

 5階のエスカレーター脇には、ニューヨーク拠点のドイツ人デザイナーメリッタ・バウマイスター(Melitta Baumeister)による「メリッタ バウマイスター」のインスタレーションを展示中。デザイナーのメリッタ本人を3Dスキャンした4体マネキンを使用している。

 フランス発の「マリーン セル(MARINE SERRE)」の新スペースも設けている。アイコニックな三日月のモチーフを象ったラックと鏡でディスプレー。

 アシュリー・オルセン(Ashley Olsen)とメアリー・ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)が手掛ける「ザ・ロウ(THE ROW)」は、メンズとウィメンズの商品を一緒に並べたスペースを構えた。

 「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」のスペースも2019-20年秋冬の新作のディスプレーに刷新された。

 「プラダ(PRADA)」は5階内でスペースを移設。新ディスプレーでメンズとウィメンズのコレクションを販売している。フランケンシュタインの怪物のモチーフをのせたアイテムがキャッチーだ。

 1階のエレファントスペースにディスプレーされた「コム デ ギャルソン」の新作アイテムをラインアップ。

 ベルギーの老舗バッグブランド「デルヴォー(DELVAUX)」はシュルレアリスム画家ルネ・マグリット(Rene Magritte)にオマージュを捧げたコレクション。バッグにも使用された雲の浮かぶ空のモチーフを床に施している。

 川久保玲が手掛ける「コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」のスペースも2019-20年秋冬の新作商品が並ぶ。

【6階】

 「バーバリー」の新スペースは、大きな岩を入れた水槽の周りにラックを配置。 トレンチコートをはじめとするウエアから“BT”の新モノグラムやアイコニックなチェック柄のバッグやシューズまで取りそろえる。

 「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」はジュエリーのほか、DSMG限定の白いライダースやパーカ、ビーニー帽などを販売している。

 「ナイキ ラボ(NIKE LAB)」のスペースでは、「マリーン セル」や「オフ-ホワイト c/oヴァージル アブロー」とのコラボレーションアイテムも扱っている。

 “DSM Tシャツスペース”では、「タンタン(TANGTANG)」「アウェイク(A.W.A.K.E)」など国内外のブランドのさまざまな黒Tシャツをラインアップする。

【7階】

 「ルイ・ヴィトン」メンズが「ローズベーカリー(ROSE BAKERY)」を28日までジャックしている。限定商品と限定のフードもあり、内装のオレンジとリンクさせたキャロットケーキとスコーンなどのオリジナルメニューを扱っている。オープンの13日には、事前にオンラインで抽選を行い、同スペースの入場制限をした。(詳しくはこちらから

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特撮オタク、ラッパー、漫才師……とさまざまな役に挑戦 注目の女優・小芝風花の魅力に迫る

 今年1~3月にNHKで放送されたドラマ「トクサツガガガ」で特撮オタクの仲村叶(かの)役がウェブを中心に話題となった女優の小芝風花。7月12日と13日にテレビ朝日系列で放送される「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」では主演を務めるほか、同じくテレビ朝日系で7月27日から毎週土曜日に放送されるドラマ「べしゃり暮らし」にも出演するなど、ますます活動を広げる。目標の一つとして挙げるのが「コスメ系のCMに出ること」という彼女の魅力に迫る。

WWD:小芝さんが芸能界に入ったきっかけは?

小芝風花(以下、小芝):私は小学校3年生から本格的にフィギュアスケートを習っていたのですが、中学2年生のときに浅田真央さんがCMに出ていたのを見て、「私もCMに出てみたいな」と発した言葉を姉が聞いて、オーデション雑誌を買ってきてくれたんです。そこに掲載されていた「ガールズオーディション2011」に応募してみたら思いがけずグランプリを獲得できて、それがきっかけです。

WWD:これまで多くの映画やドラマに出演しているが、印象に残っている作品は?

小芝:たくさんありますが、映画「魔女の宅急便」(キキ役)やNHK朝ドラの「あさが来た」(白岡千代役)、初の連続ドラマの主演をさせていただいた「トクサツガガガ」(仲村叶役)は、自分にとってはかなり影響の大きかった作品です。

WWD:「トクサツガガガ」はネットでもかなり話題になった。

小芝:そうなんですよ。うれしいことに業界内にも見てくださっている人が多くて、他の現場のスタッフさんからも「見たよ」って言ってもらえると、とてもうれしかったですね。

WWD:「トクサツガガガ」は特撮オタク役だったが、小芝さんのこれまでの清純派のイメージとは違って、新鮮だった。

小芝:そうですね。一度好きになるとかなりはまるタイプなので、スタッフさんからも「オタクの素質あるよ」って言われましたね(笑)。仕事を始めてから清純派とか優等生の役が多かったのですが、最近はありがたいことにいろいろな役をやらせていただけるようになって、私自身も楽しいです。

WWD:この夏、「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」ではラッパー役を、「べしゃり暮らし」では漫才師役と、さまざまな役に挑戦する。

小芝:どちらもとても難しい役です。「べしゃり暮らし」はボケもツッコミも担当しますが、間や言い方が大事で、何が正解か分からないこともありました。でも監督の劇団ひとりさんのアドバイスがすごく的確で、さすがだなって思いました。お笑いは好きでよく見ていて、漫才の演技も「大阪出身だからできるだろう」って言われるのですが、見るのとやるのとでは全然違うって言いたいです(笑)。

WWD:ラッパー役も難しそうだが。

小芝:ラップをした経験もないので、私も心配しています。ただ、そんなにうまくなくてもいいという設定なので、それが救いですね。基本的にこのドラマはコメディーなので、楽しく見ていただけると思います。

WWD:小芝さんの長所と短所は?

小芝:長所は一生懸命仕事をすること。短所は忘れやすいところですね。でも、同じ話を聞いても毎回新鮮なリアクションができるので、ある意味長所かもしれないですね(笑)。

WWD:美容に対してのこだわりは?

小芝:まだ勉強中で、スキンケアは何が自分に合っているのか分からなくて、ヘアメイクさんなどに聞いています。でも目標の一つがコスメ系の広告に出演することです。

WWD:ヘアはずっとロング?

小芝:顔が童顔なので、ロングの方が大人っぽく見られるかなと思って伸ばしています。役柄でできるのであれば、ショートや金髪などにも挑戦してみたいです。

WWD:今後の目標は?

小芝:女優としていろいろな役をやっていきたいですし、多くの人に演技が認められるようにがんばっていきたいです。

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「レショップ」が「コモリ」と“王道服”をヒントにした新ブランド 好みや体型で選べるサイズ展開の限界に挑む

 ベイクルーズの運営する「レショップ(L'ECHOPPE)」は5日、「コモリ(COMOLI)」の小森啓二郎デザイナーとタッグを組み、オリジナルブランド「LE(エルイー)」をスタートした。“LE”とはフランス語で、“定番”や“王道”を指す際に使われる“THE”の意味。メンズの“王道”アイテムの着丈や身幅などを数パターン組み合わせ、多数のフォームで展開するのがブランドの特徴だ。初回はシャツ(1万6000円)、Tシャツ(6000円)、イージーパンツ(1万5000円)を用意した。

 「レショップ」の金子恵治ディレクターは「既製服にはなかったフォームを既製服で実現するというのがテーマ。世界中の服を見渡しても“SML”のサイズ展開が中心で、同じバランスでしか着られない。もっとさまざまな体型の人に向けたフォームを用意できたら素敵だなと思った」と話す。アイテムは、“王道”と呼ばれる「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」のシャツ、「ヘインズ(HANES)」のTシャツ、「グラミチ(GRAMICCI)」のパンツからインスピレーションを得た。「『レショップ』は“白飯(定番)に合うお惣菜”のようなアイテムをそろえた店だが、今回の『LE』は白飯の部分。立ち上げから4年半が経ち、実は白飯の部分が無くみんな困っていることに気づいた」。

 シャツはレギュラーカラーとボタンダウンシャツの2型、Tシャツがネック(リブ)の高さ違いの2型。それぞれ、「スリム・スタンダード・ワイド」の3パターンの身幅と、「ショート・スタンダード・ロング」の3パターンの着丈を組み合わせた9サイズ展開で、全18パターン。パンツはローライズとハイライズの股上違いの2型4サイズ展開で、全8パターンをラインアップする。日本の既製服に用いるサイズ設定「A体」や「Y体」などを参考にしたという。「全くないフォームを作るのではなく、フィットさせるためのサイズスペックを王道のアイテムに落とし込んだ。サイズのトレンドはファッションには必然の要素だが、サイズを豊富に用意すれば時代の変化にも対応できる」。

 今回タッグを組んだ小森デザイナーは、ベイクルーズグループのエディフィス(EDIFICE)出身だ。「小森デザイナーとは16~17年前からの仲で、お互いの良し悪しをよく理解している。バランスの取れるデザイナーで、デザインの引き算が非常に上手い。王道のアイテムを見直し作る上で、引き算することが最も大事だと考えた」と金子ディレクター。

 今後はカラーや素材、アイテムのバリエーションも増やしていく考えで、ブレザーやチルデンニット、キャップなどの計画もある。「市場で王道と言われているけど、無いモノを作りたい。欧米人に向け、“スーパーロング”や“スーパーワイド”などのサイズ展開もできるので大きな可能性を感じている」と、海外展開も視野に入れる。東京・表参道の直営店とオンラインストアで販売し、グループ内のショップでポップアップなども検討する。

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トップメゾンが認めた日本人ハットクリエイター 快挙の理由は“やりたい事”より“やるべき事”の追求

 一つの道を究めた者にしか見えない世界がある。卓越した技術を磨き続ける職人の、研ぎ澄まされた感覚や特異な観点にはたびたび感銘を受ける。パリを拠点にハットクリエイターとして活動する日爪ノブキは、まさにそうした一人だ。彼はフランスのラグジュアリーブランドと言われて誰もが思い浮かべるトップメゾンのハットや、ヘッドピースを制作するメーカーに約8年勤め、自身のメンズ帽子ブランド「 ヒヅメ(HIZUME)」を今年スタートさせた。彼を職人と呼ぶのは筆者だけではない。フランス文化の継承者にふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される称号「フランス国家最優秀職人章(Meilleur Ouvrier de France以下、M.O.F.)」を受章した、フランスが認める正真正銘の職人というわけだ。「M.O.F.」は日本の重要無形文化財(通称、人間国宝)認定制度に相当するといわれており、3~4年ごとに行われる審査では、各部門の出場者が3年ほどの期間をかけて技術を競い合う。帽子職人部門での受章は日爪が日本人初となる。同氏は「最高のクリエイターは最高の職人であるべき、という信念を持っている。『M.O.F.』にエントリーしたのは、その信念が机上の空論ではないことを証明するため」と振り返る。最終的な夢が何かを問うと「ばかげていると思うかもしれないが、全人類に帽子をかぶせるという“人類帽子計画”の実現。それは、僕が作る帽子に限ってという意味ではなく、極論を言うと葉っぱだろうが何でもよくて、帽子をかぶる文化をもう一度取り戻すことが夢だ」。大それた野望に聞こえるが、いたって真剣である。彼のこれまでの軌跡と見据える世界を聞くと、それが不可能な夢ではないように思えた。

 ハットに人生を捧げる彼だが、当初の夢はファッションデザイナーだった。滋賀県で生まれ育ち、大阪の大学へ進学すると、大学4年時に上京して文化服装学院に入学した。「ウィメンズの洋服以外は、全て邪道だと思っていた」と語るように、ハットには見向きもせず、コンセプチュアルでユニークな作品を制作してはコンテストに応募し続けるという学生時代を過ごした。「装苑賞」への2度のノミネートや、その他多くのコンテストでの成果がきっかけでイタリアの雑誌にも掲載され、伊アンダーウエアメーカーから「自身のブランドをやらないか」とオファーが届いた。現地に渡って経験を積み、1年後にビザの関係で帰国が決まったものの、転機が訪れる。「帰国前日に、日本のプロデューサーから『ブロードウエイミージカルの日本公演のためにヘッドピース制作を担当してくれ』と依頼された。帰国後の明確な計画はなかったため、深く考えずにプロジェクトを引き受けた」。作品は本国アメリカではヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)が主演を務めて「トニー賞」を受賞したミュージカル「ボーイ・フロム・オズ(原題:THE BOY FROM OZ)」で、日本では坂本昌行主演で大ヒットとなった。ハットやヘッドピースの制作は初めてだったにもかかわらず、舞台に携わる一流のプロフェッショナル全員から作品を称賛されたという。周囲に才能を見いだされ、その後も舞台を中心にハットクリエイターとして活動を続けたが、本人はまだ洋服のデザイナーに未練があり、絶えないオファーとは裏腹に葛藤を抱えていた。

最大の転機は、恩師の涙

 そして、クリスタルメーカー「ホヤ クリスタル(HOYA CRYSTAL)」との出合いが人生を変えた。当時、同社のアートディレクターを務めていた恩師から「リブランディングに伴うコンセプチュアルストア開店のために、唯一無二の帽子を作ってほしい」という依頼を受けた。日爪は「デザインチェックのためにデザイン画を100枚以上提出するという過程を3度繰り返すも、全て却下された。最終の策として絵ではなく現物を作ってくるように言われ、3点の帽子を持参してプレゼンした。そうすると恩師はその作品に感動し、涙を流してくれた。この時、私は自身のクリエーションの世界観の原点を手に入れることができた」と、脳裏で鮮明に蘇るその瞬間を興奮気味に語る。さらに、「その経験以降、自分のことをハットクリエイターであると認められるようになった。人は人生において“やりたい事”と“やるべき事”には差異がある。それが偶然にも一致している者が、世に天才と呼ばれる。ほとんどの者は、それが一致しない事の方が多い、だから葛藤が生まれる。逆に考えると、“やるべき事”を追求していけば、後天的にでも人は天才になれるという持論が生まれた。僕にとって帽子作りが“やるべきこと”と気付けたのは、帽子制作のプロジェクトに携わる全ての人が幸せになってくれるという経験から。洋服を作っていた時は、どれだけ質の高い努力をして臨んでも理想には到達できなかった。帽子ではたとえ経験・時間・資金が不十分でも、皆が作品を認めてくれた」と続ける。

 “やるべきこと”を見つけた彼は、ハットクリエイターとしての道を堂々と歩み始めた。本場であるフランスで帽子作りの技術を磨くため、文化庁主催の新進芸術家海外研修制度で2009年に渡仏する。同制度は、日本の文化庁が芸術分野における新進芸術家に海外での実践的な研修に従事する機会を提供し、渡航費や滞在費を助成する制度だ。過去には狂言師の野村萬斎も同制度により渡英した。前の年まで8年間勤めていた帽子アトリエでは、トップメゾンのショーピースやパーソナルオーダーのハットを制作し続けた。日中はアトリエでの仕事をこなし、その後作品の制作や舞台・映画用の特注品の製作などに時間を割き、文字通り四六時中ハットに向き合う日々だったという。「人が見たことのないものを創るのが、真のクリエイションだ。それを実現するためには、クリエイターは現物を作れる職人であるべきだ。たとえPCの中でイメージを作ったとしても、最終的に人が求めるものは現物だから。『ホヤ クリスタル』でのプロジェクトで、現物の説得力を実感した。無意識のうちに時勢や環境の変化などを感じ取って変化する、人間の気まぐれな感覚ほど役に立つものはない」。無意識に感じ取ることができるのは、彼が熟練した職人であるという証しだろう。

壮大すぎる夢は
限界を超える糧になる

 夢に“人類帽子計画”を掲げるのには理由がある。「35歳前後で技術的に著しく伸び悩んだころ、圧倒的な夢を掲げるようになった。世界一のハットクリエイターになるのは目標で、“人類帽子計画”の実現は夢だ。全地球人70億人に帽子をかぶせるなんて少しファンタジーも含んでいるが、その夢に比べたら目標は小さなことに感じられて、道を外れずに限界を超えていく努力を続けられる」と笑顔交じりで真面目に語る。「多くの人に手に取ってもらい、帽子をかぶる楽しさを味わってほしい。ブランドとのコラボレーションなども積極的に取り組む予定。これからは、人生を彩ってくれた帽子に恩返しするような気持ちだ」。自分のエゴのためではなく“やるべき事”という使命感に突き動かされ、夢の実現に向けて「ヒヅメ」はスタートを切った。今後さまざまなところで見かけることになるだろう彼の帽子を通して、あなたもいつの間にか“人類帽子計画”の一員になる時が来るかもしれない。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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「ポール・スミス」がデヴィッド・ボウイのアルバム「Space Oddity」発売50周年でアナログ盤3000枚を限定発売

 「ポール・スミス(PAUL SMITH)」は、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のアルバム「Space Oddity」の発売50周年を記念して、マルチカラーの「ポール・スミス」限定アナログ盤を3000枚限定で発売する。20日から公式オンラインショップと、「ポールスミス」渋谷店、仙台店、三条店、福岡店で販売する。なお、50年前のアルバム発売日に合わせた7月11日に開始した公式オンラインショップでの先行予約販売は終了した。

 「ポール・スミス」限定アナログ盤のジャケットは、写真家のヴァーノン・デューハースト(Vernon Dewhurst)が撮ったデヴィッド・ボウイのポートレートを、フランスの抽象画家のヴィクトル・ヴァザルリ(Victor Vasarely)の作品にインスパイアされた青いドットのオプティカルアートを融合させた。裏ジャケットには、デヴィッド・ボウイのほかの作品でもコラボレートしているイラストレーター、ジョージ・アンダーウッド(George Underwood)のシュルレアリスム作品「Depth of the Circle」が描かれている。

 新たな12インチレコードには、同アルバムのオープニングトラック「Space Oddity」に着想を得て、鮮やかな青と黄色で宇宙を表現したアートを施した。このデザインは手作業によるもので、それぞれのアナログ盤は一点もののデザイン。

 発売に伴い、ロンドン・メイフェアに位置する「ポール・スミス」アルバマールストリートショップでは、7月11日から8月6日、デューハーストと俳優のレイ・スティーヴンソン(Ray Stevenson)によるリミテッドエディションプリントを展示する。

 デヴィッド・ボウイとポール・スミス(Paul Smith)は長年の友人関係にあり、2013年にはアルバム「The Next Day」の「ポール・スミス」限定版アナログ盤を製作したほか、ファイナルアルバムとなった「★(ブラックスター)」のリリース時には、発売を記念したリミテッドTシャツを販売した。

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「ポール・スミス」がデヴィッド・ボウイのアルバム「Space Oddity」発売50周年でアナログ盤3000枚を限定発売

 「ポール・スミス(PAUL SMITH)」は、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のアルバム「Space Oddity」の発売50周年を記念して、マルチカラーの「ポール・スミス」限定アナログ盤を3000枚限定で発売する。20日から公式オンラインショップと、「ポールスミス」渋谷店、仙台店、三条店、福岡店で販売する。なお、50年前のアルバム発売日に合わせた7月11日に開始した公式オンラインショップでの先行予約販売は終了した。

 「ポール・スミス」限定アナログ盤のジャケットは、写真家のヴァーノン・デューハースト(Vernon Dewhurst)が撮ったデヴィッド・ボウイのポートレートを、フランスの抽象画家のヴィクトル・ヴァザルリ(Victor Vasarely)の作品にインスパイアされた青いドットのオプティカルアートを融合させた。裏ジャケットには、デヴィッド・ボウイのほかの作品でもコラボレートしているイラストレーター、ジョージ・アンダーウッド(George Underwood)のシュルレアリスム作品「Depth of the Circle」が描かれている。

 新たな12インチレコードには、同アルバムのオープニングトラック「Space Oddity」に着想を得て、鮮やかな青と黄色で宇宙を表現したアートを施した。このデザインは手作業によるもので、それぞれのアナログ盤は一点もののデザイン。

 発売に伴い、ロンドン・メイフェアに位置する「ポール・スミス」アルバマールストリートショップでは、7月11日から8月6日、デューハーストと俳優のレイ・スティーヴンソン(Ray Stevenson)によるリミテッドエディションプリントを展示する。

 デヴィッド・ボウイとポール・スミス(Paul Smith)は長年の友人関係にあり、2013年にはアルバム「The Next Day」の「ポール・スミス」限定版アナログ盤を製作したほか、ファイナルアルバムとなった「★(ブラックスター)」のリリース時には、発売を記念したリミテッドTシャツを販売した。

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アダストリアの「ベイフロー」が水・化学薬品削減デニムを発売 ショッピングバッグも再生紙に

 アダストリアのライフスタイルブランド「ベイフロー(BAYFLOW)」は7月12日、地球環境に配慮した生産方法を採用したデニムを発売した。価格は6900円〜。また同日から全国の「ベイフロー」各店で、これまでポリエステル製だったショッピングバッグを再生紙利用のものに変更した。

 同ブランドが今回デニムの生産方式として採用したのは、空気中の酸素からオゾンを生成し、その酸化作用によって染料を分解・脱色する“オゾンブリーチ加工”で、デニムの加工に必要な水・化学薬品を大幅に削減することを可能にした。ほかにも“リサイクルウォーターシステム”を用いることで生地を洗う工程における水の消費を抑え、素材の一部にはペットボトルのリサイクル糸を使用した。

 ベイフローは“Respect nature, respect fashion.”をブランドフィロソフィーに掲げており、これまでもビーチクリーン活動に参加したり国際環境NGOとのコラボ商品を販売してきた。

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ロコンドが20年3月期で赤字脱出宣言 19年3〜5月の流通額は58%増

 靴とアパレルのネット通販のロコンドは、未公表だった2020年3月期の業績を発表した。商品取扱高(GMV)は前期比59.6%増の225億円、売上高は同49.0%増の100億円で、19年2月期に赤字だった営業損益(9億8000万円の赤字)と経常損益(8億6200万円の赤字)はトントンに、純利益は2億円(前年は4億6400万円の赤字)を見込む。田中裕輔ロコンド社長は「19年3〜5月は思っていた以上のスタートを切れており、中期経営計画での公約通り、20年2月期には黒字化を達成できそうだ」と語った。19年3〜5月期決算はGMVが前年同期比58%増の48億円、アクティブユーザー数は同47%増となっており、勢いは今期さらに加速しそうだ。

 3〜5月の売上高は同60%増の21億9000万円、営業損失は1億7000万円の赤字(前期は2億3100万円の赤字)、経常損失は1億8200万円の赤字(同2億3100万円)、純損失は1億8500万円の赤字(同1億2700万円の赤字)だった。「デヴィ夫人を起用したテレビCMにより会員数と流通額の増加は計画通りに増えている」としており、下期以降はCM予算を抑制する。

 9月2日の靴の日にはクラウド型の基幹システムの無料使用や、店頭とECをシームレスにつなぐ新サービスのローンチを予定しており、「靴革命」を命名し、シューズ業界の構造改革に打って出る予定だ。

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劣化したスニーカーを鉢代わりにして植物を飾る「シューツリー」のポップアップストアがオープン

 パルグループの「チャオパニック(CIAO PANIC)」は7月13〜22日、「ベースヤード トーキョー(BASE YARD TOKYO)」原宿店でクリエイターの杉本浩介が手掛ける劣化したスニーカーを鉢代わりにして植物を飾る「シューツリー(SHOETREE)」のポップアップストアをオープンする。

 杉本は劣化したスニーカーに焦点を当て、鉢代わりに植物を飾ることで命を吹き込むクリエイターだ。以前に、生花店に勤めていたノウハウを生かして“劣化の正当化”をコンセプトにアイテムを製作している。

 劣化の原因である加水分解は保存状態が悪いと3年、通常5年ほどで進行していくがそれを良いと捉えて楽しむアイテムをそろえる。価格は1万7000〜2万3000円でアイテムは24点を用意する。

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「アガット」が琥珀ジュエリーの売り上げ一部を産地・久慈に寄付

 ジュエリーブランドの「アガット(AGETE)」を運営するエーアンドエスは、久慈琥珀を用いた2019年オータムコレクションの売り上げの一部を、産地である岩手県久慈市へ東日本大震災による災害支援のために寄付する。

 「アガット」の秋の新作はルネサンスの世界観から着想を得ており、新しい始まりを感じさせるコレクションを提案する。高度な技術でリファインド(再生)された久慈琥珀に、ギリシャ・ローマの文化の復興を目指したルネサンスの精神を重なり合わせた。こっくりとした褐色の琥珀のほかにも、絵画のように色彩溢れるカラーストーンやクラシカルモダンな装飾を用いた。価格はネックレス、リングが2万5000円〜、ピアスは2万4000円〜、チャームは1万3000円〜。

 今回のチャリティーの実施期間は7月5日〜10月4日で、売り上げの一部を久慈市財政課を通じて寄付する。

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無名の新人モデル佐藤凜汰朗が語る パリコレデビューの波乱万丈

 ツテもコネも実績もない全く無名の新人モデルが、念願のパリコレデビューを果たした。モデルの佐藤凜汰朗は、6月に行われた2020年春夏パリ・メンズ・コレクションで「メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「ヘド メイナー(HED MEYNER)」のショーに登場した。しかし、そこまでの道のりは険しく、東京ファッション・ウイークの参加ブランドに応募したモデルオーディションは全滅、モデル事務所も決まらず、5月に青山学院大学を休学してパリに人生で初めて乗り込み、背水の陣で臨んだモデル挑戦だった。苦境の中で、パリコレモデルの座をどのようにつかんだのか。佐藤に悪戦苦闘ぶりを聞いた。

WWD:モデルを目指したきっかけは?

佐藤凜汰朗(以下、佐藤):父(佐藤健二郎・旭化成パフォーマンスプロダクツ事業本部企画管理部繊維マーケティング室チーフコーディネーター)の影響で、小さいころからファッションに興味がありました。何かを教えられたわけではないですが、服にこだわりがある父のスタイルを近くで見ているうちに自然と関心を抱くようになりました。高校のころから海外コレクションの話題をファッション誌で読むようになり、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」と「イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)」にあこがれました。大学1年生のとき、渋谷ロフトの前で、東京ファッション・ウイークに参加している「アクオド バイ チャヌ(ACUOD BY CHANU)」の李燦雨(チャヌ)デザイナーに声をかけられ、モデルをやってみたらと言われたのです。それから東京ファッション・ウイークのモデルを目指して、モデル事務所のオーディションを受けましたが全滅。それでもあきらめずに、日本モデルエージェンシー協会のサポートを得て数ブランドのオーディションを受けましたが、声を掛けてくれた「アクオド バイ チャヌ」を含め、全て不合格でした。やっとモデル事務所は決まったものの仕事に恵まれず、気持ちばかりが焦る日々が続きました。

WWD:東京でのモデル経験を経ずにパリコレ挑戦を決めた理由は?

佐藤:フランスに以前からあこがれがありました。ファッションはもちろん、とりわけ映画が好きで、ジャン・ユスターシュ(Jean Eustache)とレオス・カラックス(Leos Carax)の作品に感銘を受け、いつかフランスに行き芸術や文化に触れたいと思っていました。

WWD:大学を休学したのは、フランスでのモデル活動をするため?

佐藤:それもありますが、大学3年生になったとき、就職活動の時期を迎える中で自分は何をやりたいのか今後に不安がよぎり、自分を見つめ直し、将来を考えるために違う世界を見てみたいと思ったのが休学の理由です。父に打ち明けたのは、パリに出発するわずか1週間前でした。

WWD:フランスのモデル事務所は、どのように探した?

佐藤:インターネットでヨーロッパのモデル事務所を探して、主だった事務所にはすべてオーディションを申し込みました。しかしレスポンスがなく、唯一返信が届いたのがドイツのモデル事務所。6月初旬、20年春夏パリ・メンズ・コレクションの時期が近づいてきたので、まずパリに向かい、ドイツのモデル事務所のオーディションを受けようと思ったのですが、飛行機のトランジットで降りた中国でメールを見ると、「不合格です」という断わりの連絡が届きました。パリに着いたものの、コネもアテもない状況です。街を歩いていたモデルの後ろにくっついて、いくつかのブランドのオーディション会場に潜り込みました。世界から集まったモデルたちの中だと私の身長(184cm)は低い方で、みんな私よりスタイルがよく、個性豊かで圧倒されましたが、一方で“私は私。落ち込むことはない。自分らしさを出して勝負するしかない。ベストを尽くしてダメなら仕方がない”と強い気持ちになりました。最初のオーディション会場で、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries van Noten)に声を掛けられたことに勇気づけられ、“自分もできる”という自信につながりました。あらかじめリストアップしていたモデル事務所数カ所に飛び込み訪問を始めました。もともと所持金は航空チケット代も含めて30万円で、ダメならすぐ帰国しようと思っていましたが、その1軒目に向かったバナナモデルズ(BANANAS MODELS)が希望者が誰でもオーディションを受けられる“オープンコール”の日で、そこで思いがけず契約できました。複数のモデル事務所を回る覚悟だったので、1軒目で契約できたことは幸運でした。翌日からオーディションを受けまくって、6ブランドを訪問した日もあり、全部で30ブランドほど回りました。

WWD:ウオーキングなどモデルとしての訓練は?

佐藤;受けていません。ただ、これまでバレエ、水泳、サッカー、ボクシングなど、体を鍛えることとスポーツが得意だったことが役に立っています。

WWD:その結果、「メゾン キツネ」「リック・オウエンス」「ヘド メイナー」の3ブランドで採用が決まった。

佐藤:「ヘド メイナー」のファーストルックでデビューできたことは幸運でした。また、ショーのスタイリストの紹介で、パリのファッション誌「アンサンス・マガジン(ENCENS MAGAZINE)」の撮影にも起用され活動が広がりました。これまでメディアの情報でしか知らなかった華やかなファッションの舞台裏を体感できたのはいい経験でした。誰もが夢を必死で追いかけて、多くの人が苦労や情熱で乗り越えていることを知ることができました。

WWD:自分が合格できた理由は何だと思う?

佐藤:一つは、ロングのヘアスタイルかもしれません。最近のアジア人モデルは、坊主頭が多いので。

WWD:ちなみにギャラは?

佐藤:今回かかった渡航費などの費用約30万円を相殺できる程度。自分の所持金ですべてまかなうことができたので、両親にお金の迷惑をかけずにすみました。

WWD:今後の目標は?

佐藤:今回のパリ・メンズコレ後、ミラノのモデル事務所のオーディションを受けて契約できたので、来年1月の2020-21年秋冬シーズンはミラノ・メンズコレにも挑戦します。やれるだけモデルを続けたい。次の目標は、あこがれのブランドである「コム デ ギャルソン」と「イッセイ ミヤケ メン」のショーに出ること。来年は大学に復学します。将来は、映画監督を目指したいです。

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セイコーが創業地・銀座にスポーツウオッチ専門店をオープン

 セイコーウオッチは8月2日、スポーツウオッチブランド「セイコー プロスペックス(SEIKO PROSPEX)」の専門店「セイコー プロスペックスブティック」を同社創業の地、銀座にオープンする。銀座4丁目中央通りに位置し、売り場面積は約38平方メートルで、扱うアイテムは約60点。規模は大きくないが、7月6日に発売した最高級コレクション「ルクス ライン(LXライン)」の世界観を体現するほか、年間を通してブランドにまつわるさまざまな演出を行う情報発信型ブティックとして位置付ける。ファサードや壁、床に斜めのラインをとり入れた店舗デザインで、スポーツのスピード感とアクティブさを表現する。

 同社は今年2月、「グランドセイコー(GRAND SEIKO)」の専門店「グランドセイコーブティック銀座」を銀座7丁目にオープンしたばかり。昨年12月には体験型ショップ「セイコードリームスクエア」も4丁目に出店しており、ギンザ シックス(CINZA SIX)のセイコーブティック、和光本館を含めて銀座に5店舗を持つことになる。

 「ルクス ライン」は、ブランドの本質である“リアルスポーツ”のヘリテージを色濃く受け継ぎながら、高級機としての審美性も追求するコレクション。1968年、当時世界最高水準のハイビートムーブメントを搭載するプロフェッショナルダイバーズウオッチとして発売したモデルをデザインコードとしている。

■セイコー プロスペックスブティック 銀座
オープン日:8月2日
時間:11:30~19:00
定休日:無休
住所:東京都中央区銀座4-5-4

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セイコーが創業地・銀座にスポーツウオッチ専門店をオープン

 セイコーウオッチは8月2日、スポーツウオッチブランド「セイコー プロスペックス(SEIKO PROSPEX)」の専門店「セイコー プロスペックスブティック」を同社創業の地、銀座にオープンする。銀座4丁目中央通りに位置し、売り場面積は約38平方メートルで、扱うアイテムは約60点。規模は大きくないが、7月6日に発売した最高級コレクション「ルクス ライン(LXライン)」の世界観を体現するほか、年間を通してブランドにまつわるさまざまな演出を行う情報発信型ブティックとして位置付ける。ファサードや壁、床に斜めのラインをとり入れた店舗デザインで、スポーツのスピード感とアクティブさを表現する。

 同社は今年2月、「グランドセイコー(GRAND SEIKO)」の専門店「グランドセイコーブティック銀座」を銀座7丁目にオープンしたばかり。昨年12月には体験型ショップ「セイコードリームスクエア」も4丁目に出店しており、ギンザ シックス(CINZA SIX)のセイコーブティック、和光本館を含めて銀座に5店舗を持つことになる。

 「ルクス ライン」は、ブランドの本質である“リアルスポーツ”のヘリテージを色濃く受け継ぎながら、高級機としての審美性も追求するコレクション。1968年、当時世界最高水準のハイビートムーブメントを搭載するプロフェッショナルダイバーズウオッチとして発売したモデルをデザインコードとしている。

■セイコー プロスペックスブティック 銀座
オープン日:8月2日
時間:11:30~19:00
定休日:無休
住所:東京都中央区銀座4-5-4

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