「世界平和は服でできるんじゃないか」 「マトフ」デザイナーと哲学者が語る服の可能性

 7月に刊行された堀畑裕之「マトフ(MATOHU)」デザイナーによるエッセイ集「言葉の服 おしゃれと気づきの哲学」の刊行記念イベント「日本の眼(美意識)を生活にどう活かすか?」が代官山蔦屋書店で開催された。

 イベントには堀畑デザイナーと、民藝研究などを専門とする哲学者の鞍田崇・明治大学理工学部准教授が登壇。同志社大学大学院哲学専攻修士課程を修了した堀畑デザイナーは、哲学的な視点をどう結びつけて服作りに取り組んでいるのか。また、民藝を専門とする研究者から「マトフ」の服作りはどのように見えているのかを知りたくイベントに参加した。

日本独自の美意識とは何か?

 トーク前半では、「マトフ」が2010年秋冬から18年秋冬までの17のコレクションでテーマとしてきた“日本の眼”シリーズから4シーズンを取り上げて解説。各テーマのモチーフやアイテムを堀畑デザイナーが紹介しつつ、鞍田准教授がそれぞれの言葉の語源やそれにまつわるエピソードを挿入しながら、そこから得られる美意識を暮らしに生かす方法が語られた。

 この“日本の眼”という言葉は民藝運動の主導者である柳宗悦による同名評論文から取ったという。「近代化で失われた美意識とは何か?という柳の問題意識を継承しつつ、文化が均質化したグローバル社会における日本独自の美意識とは何か?という問いを加えてコレクションを発表してきた」という言葉から、“日本の美意識が通底する新しい服の創造”をコンセプトに掲げる「マトフ」の独自性を感じた。

 「風土に根差した美意識を客観的に見るだけではなく、“自分ごと”として新しい見方を身につけるということをしたい。日本人は日本の美意識に対してほとんど外国人みたいなものです。ほぼ完全に西洋化の中にあるので、それを今から変えることはできないですけれども、せめて美意識を変えていくことはできるんじゃないかなと思っています」(堀畑)。

「マトフ」2020年春夏コレクションのテーマは“藍の源流”。19年春夏から風土に根差したものづくりに着目した“手のひらの旅”というシリーズを始めている。今シーズンでは日本古来の天然染料である藍に注目していた

「作ることは汚すことです」

 ここで印象的だったのは、“ふきよせ”のモチーフの一例として紹介した人間国宝である染織家の志村ふくみ氏に関する話題。鞍田准教授は過去に志村氏と共に登壇したイベントを回想する。

 「ふくみさんは『作ることは汚すことです。もともと自然にあるものはそのままの姿で美しいはずなのに、人が手を加えるということは汚すことなんだと自分は常々思っている』と言ったんです。天然素材で草木染めをされている方が自分の仕事を否定的な言質で語られるとは思ってもいなかった。謙虚に自然に向かっている姿勢があることを思い知らされてグサリときました」(鞍田)。

 たとえ天然素材を使っているとしても、ものを作るということは環境になんらかの影響をもたらす――本題から逸れた余談の場面ではあったのだが、昨今話題となるサステイナビリティーの考えにも通ずる含蓄ある話に思えた。

服から始まる世界平和

 「“日本の眼”とは遠くの完璧な美からではなく、身近な自然や生き方の中に美しさの水源を見つけることです。それは日本人にしか分からないというわけではなく、日常性を土台にしているからこそ国境や人種を超えて分かり合える可能性があるのではないかと考えています」(堀畑)。

 鞍田准教授は「マトフ」の姿勢を「日本独自の地域性や個別性というフィルターを通して普遍的なものを追求している」と評価し、民藝に通じる価値観を見出したようだ。

 着物を着たときの洋服とは違う身体感覚に驚き、その経験をきっかけに日本のアイディンティティーへの探求心が芽生えて「マトフ」を設立することになったと話す堀畑デザイナー。京都で着物を着て楽しむ外国人旅行客を例に、地域の風土から生まれる衣服を着ることで、身体的に他の文化や思想を分かりあうことができるのではと主張する。

 さらに発展してこう話す――「世界平和は服でできるんじゃないか」。

 「服を着るという体を通したコミュニケーションから、すこしの『いいな』がちょっとずつでも広がれば、その人個人の中だけでも違う意識が出てくるんじゃないかなと思いますね。壊れかかっている世界の調和みたいなものに、本当にすこしかもしれないけれども、なにか貢献できることがあるんじゃないか――そういう気持ちで服を作っています」。堀畑デザイナーが自身の服作りへの壮大な思いを語り、トークイベントは終了した。

 一度立ち止まって、慣れ親しんだ身の回りの世界を丁寧に見渡すこと。大きな主語に依ることも、ありものの美辞麗句を借りることもせず、自分なりの言葉を紡いでみること。そのような姿勢があれば、堀畑デザイナーが言うように世界平和は実現できるのかもしれない。

 終始平易な言葉を使っていた2人の議論は、衣服という日常にありふれたものから世界を語るところまで発展した。哲学は単にアカデミックな場にのみ存在しているわけではなく、日常生活の中から始めることができるものだと感じられたイベントだった。

 「哲学とは、ある天才の思想でも学説でもなく、悟りや人生論でもない。私たちが日々のささいなことに驚き、問いに気づくことだ。そして、それを自分なりの言葉にしてみることであり、そのプロセスを無償で愛することなのだ」(「言葉の服」P.171)。

秋吉成紀(あきよしなるき):1994年生まれ。2018年1月から「WWDジャパン」でアルバイト中。

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夏の疲れを解放する、バスタイムの活用術4選プラス、快適睡眠術1選

 今年の夏も暑かったですね。終わりが見えたのも束の間、10月に入っても30度を超える日もあって、とにかく長かったです。厳しい暑さに冷房、高い湿度……。過酷な夏は体力を蝕み、外的環境によるストレスで自律神経の機能をも狂わせる場合すらあります。“夏バテ”という言葉がありますが、夏の疲れが出やすくなるのは、夏だけに限らず、季節の変わり目でも多く出ます。

 そこで、頼りにしたいのが入浴です。入浴によって得られる温熱、水圧、浮力の作用は夏の疲れや冷えだけでなく、ストレスの解消も導いてくれます。バスタイムを利用したリフレッシュ法は、手軽に取り入れやすいところでしょう。

 都市生活研究所内にある風呂文化研究会によると、気持ちを鎮めながら緊張を緩和させる、バスによるリラクセーションのポイントは5つあり、温湯・湯量・時間・室温・姿勢と言います。要は体に負担を与えずに芯から温まるぬるめの湯で、体に無理のない、みぞおちほどの浅い湯量に、できるだけ手足を伸ばした姿勢をとりながら20~30分かけてゆっくり浸かること。これがベストなリラクセーション方法のようです。そんなバスタイムでのリラックスをさらにランクアップさせるのが、入浴剤などのアイテム。多忙な中でもベストなコンディションに手軽に整えられるバスタイムを彩る、最新アイテムをご紹介します。

一日の疲れを取り払い、
リフレッシュさせてくれる
「クナイプ」のバスソルト

 19世紀末にドイツのセバスチャン・クナイプ神父が植物や水などの自然の生命力に着目して誕生した、ハーバルブランド 「クナイプ(KNEIPP)」。以来、植物(ハーブ)の力を最大限に活かした商品づくりを貫いている老舗ブランドです。最新作のバスソルトにも2億5000万年前の古代海水と独自の伝統的な製法で精製した天然岩塩をベースに、ローズマリーとタイムから抽出した天然植物成分を配合していて、爽やかな香りで包み込んでくれます。バスソルトをバスタブに入れると、瞬時にグリーンへと変化し、そのカラー変化にもバスタイムの気分が上がります。

爽快な香りで
心身をリフレッシュ! 
「ヴェレダ」のボディーウォッシュ

 しっとりとした洗い上がりが乾燥の進む季節に嬉しい、「ヴェレダ(WELEDA)」のクリーミーボディーウォッシュシリーズ。その肌を優しく洗い上げる処方はそのままに、冬季限定の香りが限定で登場します。植物由来の低刺激洗浄成分をベースに、ピュアなオーガニックゴマ油を約11%配合していて、100%天然由来成分だけで構成するモイストリッチ処方を採用し、肌の潤いを逃さずしっかり洗浄してくれます。香りは、静謐なヨーロッパの森に漂う清らかなモミに、軽やかなラベンダーをブレンドしていて癒し気分が満載。バスタイムに広がるフレッシュな香りは、清新な気を吹き込んでくれるかのようです。

「メルヴィータ」から
睡眠中にボディーケアする、
新発想のシリーズが登場

 日本は、睡眠時間が世界で少ない国の一つと言われています。「メルヴィータ(MELVITA)」の新発想シリーズは、眠り始めの90分に深く眠ることに着目。“寝ている間に痩せやすい体をつくる”をコンセプトにしたボディーケア シリーズで、3アイテムが11月と来年1月に発売されます。穏やかな眠りへと働くオーガニックのラベンダーオイルに、筋肉の炎症を緩和させるアルニカオイル、アーユルベーダでは浄化作用に期待するセサミオイルの3種を共通成分として配合しており、最初に発売する「リラクセサンス バスオイル」は、さらに体を温めることで代謝アップを狙い、心身の緊張を解放するという。38~40度のぬる目の湯を張ったバスタブに10~20分ほど体を沈めるのが効果的。人生の3分の1をも占めると言われる睡眠は、休息するためのものだけでなく美を育む時間でもあり、その前の入浴の質はその睡眠の質を高めてくれそうです。

バスタイムを長く
楽しむための切り札
「ディアマユコ」のバスピロー

 「もちもちでふわふわ」、これが私の第一印象。心地よさを追求した「ディアマユコ(DEAR MAYUKO)」の人気アイテム、バスピローに新柄3種が登場します。ストローのような細かいパルプ素材のソフティルを、ストレッチ素材で包み込んだバスピローは程よい弾力を持ち、水切れの良さや抗菌効果も配慮されています。使い方は簡単で、バスタブの縁に置き、頭や首周りに当てるだけ。湯を吸ったバスピローは、程よい暖かさと重さになることで、快適なバスタイムが過ごせます。使用後は、水気を十分絞り、風通しの良いところに干すだけでOK!この手軽さも魅力です。

バスタイムだけじゃない、就寝時は
「ザ パブリック オーガニック」
ファブリックミストをひと吹き

 夜の入浴後、ほとんどの人が次に行うことと言えば就寝だと思います。入浴で高めた質が、睡眠にも大きく影響しそうですよね。そこでさらに睡眠の質を高めてくれるアイテムが登場しました。カラーズが手掛ける「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」の新シリーズ、寝具用ファブリックミストです。同シリーズは、専門医の白濱龍太郎による睡眠の分析、専門家の塩田清二が香気成分の選定と効果測定をそれぞれ行い、カラーズの植物療法士が精油ブレンドを担当した“本気”のミストです。心に作用することに考慮した全5種には、鎮静作用のあるAOP認証を取得したトゥルーラベンダーと、睡眠誘発作用を示す屋久島産スギ精油を配合しています。中でも、「スーパーディープナイト ホリスティック精油ピローミスト レストフルスリープ」は、疲れの出やすい季節の変わり目はもちろん、眠っても疲れがとれないという時にも頼りにしたいアイテムで、ベルガモットとユーカリの2種の精油をブレンドした、爽快さのある香りで疲れた心身をレリーフしてくれます。

渡部玲:女性誌編集部と美容専門の編集プロダクションに勤めた後、独立。2004年よりフリーランスの編集者・ライターとして雑誌やウェブなどの媒体を中心に活動。目下、朝晩のシートマスクを美容習慣にして肌状態の改善を目指している

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@Bot_Gravy Yung Gravy Bot

This is a shout out to my bed, and she juuging a lick Step on a b*tch named Necky Pull up with my nerf like a class 5 whiplash, ay b*tch, smash Gravy all over my dash, ay Young Johnny Cash (WOAH) Gotta catch 'em all like Ash (GRAVY TRAIN) I see you Uh, Yung Gravy on the juice, on

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藤原ヒロシのラジオ番組が3時間の特別番組をオンエア 昨年に続く第2弾

 藤原ヒロシがナビゲーターを務めるJ-WAVE(81.3FM)のラジオ番組「ジュン ザ カルチャー(JUN THE CULTURE)」は10月14日、3時間(18:00〜20:55)の特別番組“J-WAVE SPECIAL JUN THE CULTURE DELUXE EDITION”をオンエアする。昨年に続く第2弾で、ここでしか聴けない藤原のライブ音源などを放送する。タイトルの「デラックス エディション」とは、CDアルバムの未発表テイクや別バージョンを収録した“Deluxe Edition”から引用した。

 「ジュン ザ カルチャー」は、毎週土曜日14時10分からオンエアしており、藤原が独自の視点で選んだアート、デザイン、カルチャーの話題を取り上げるほか、ジャンルレスな音楽を提供している番組だ。

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東コレ開幕直前 「アキコアオキ」「マラミュート」など“前倒し”ブランドを一挙振り返り

 2020年春夏の東京のファッション・ウイーク、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」がいよいよ始まります。ですが、実は今シーズンは、東京のいくつかのデザイナーズブランドがショーや展示会のスケジュールを前倒しし、ニューヨークコレクションが始まる前の8月下旬や9月上旬に新作を発表していました。これまでも早めのスケジュールで発表するブランドはありましたが、今季はいっそう増えていた印象です。それらのブランドのショーや展示会を、2人の女性記者による対談形式で振り返ります。

五十君:今シーズンの東京は、発表を前倒しするブランドがこれまで以上に増えましたね。みんな「今発表しておかないと、生地の作り込みや生産が間に合わない(注:春夏物は、一般的に秋冬物よりも生産のタイムスパンが短くなりがち)ので、前倒しした」と言っていました。ニューヨークやロンドン、ミラノ、パリといった海外のショーで出てきたものを見て、そこからトレンド分析して作って東京の展示会で見せる、みたいな手法は本当に過去のものになっていますね。トレンドを追うことよりも、ブランドらしさをシーズン毎にどうアップデートするかの方が重要です。

大杉:そうですね。今までメンズ・コレクション時期にウィメンズのプレ・コレクションを出していたブランドも減りました。最近は年4回のメインとプレコレの体制(プレ・スプリング、春夏、プレ・フォール、秋冬)よりも、年2回のメインに集中して商品数を拡大するブランドが多い傾向ですよね。長い期間セールスもできて一石二鳥だと思います。さて、前倒しでショーをしたブランド群の中のトップバッターは「アキコアオキ(AKIKO AOKI)」でした。小規模のショーを撮影スタジオで開催したのですが、手作りの歪んだ鏡を無数に配置して、別次元に入り込んだような空気感が出せていて素敵でした。ウエアはブランドのアイデンティティーである制服をもとに、 東洋の文化を合わせてドレスに昇華するという内容でしたが、コレクションピースとして強いドレスがありながらも、実際に一般の女性たちが日常着として着用できるワンピースやトレンチコートもあって間口が広がったように思います。メイクアップブランドの「RMK」協力のメイクも透明感があって麗しかったです。また、小高真理さんによる「マラミュート(MALAMUTE)」は雨降る京都造形芸術大学の外苑前キャンパス内でショーを行いました。映画や小説から着想を得ていることが多いですが、今回はデザイナーの日常の感覚が反映されていて、いつもと違ったアプローチが新鮮でした。それも “そわそわする” 環境問題に対して、「出来ることからやろう」と考え、カットロスを減らすことができる無縫製のニットも数型提案していて、東京のデザイナーズブランドからはあまり聞かない “サステイナビリティー”への考えが出ていたところもよかったと思います。またグリーンやナチュラルカラーを使った“ネイチャー フィーリング”を感じさせるカラーパレットもグローバルトレンドともマッチしていたと感じます。

五十君:私も「アキコアオキ」を展示会で見ましたが、強いピースもありつつ、ニットやカットソートップで着やすそうな、言い換えると売りやすそうなアイテムもしっかりそろえていたのが好印象でした。前シーズンからセールスエージェントが付いたことも影響しているのか、MD面もどんどん前進していますね。「エズミ(EZUMI)」のショーも見ました。JALの新制服を手掛けるということもあり、久々のショーで話題性もあったけど、どう思いました?バイヤーさんがほしいと感じるだろうなと思うアイテムが多かった半面、ちょっと何かに似過ぎているような感じも受けましたが。

大杉:そうですね。あのダイナミックなハイブリッドは、どうしても既視感が否めません。海外を見据えているのであれば、もっと「エズミ」らしさを全面に出してもすてきなショーになるんじゃないかな、と私も思いました。会場も広くて、著名な女優やインフルエンサー、編集長が多く集まっていて、注目度の高さを感じたので期待している人は多いと思います。

五十君:大杉さんはもうロンドンコレクションに旅立っていたから見ていませんが、「サポートサーフェス(SUPPORT SURFACE)」も9月にショーをしていました。今シーズンも研壁(宣男)さんらしいカッティングで、安心して見られるショーでした。注目ポイントは足元が全部スニーカーだったこと。今はコラボでスニーカーを出すブランドが多いけど、ここのブランドは紳士靴の工場で、1つ1つ職人がソールから作っているそうです。そういう“いぶし銀”な感じはこのブランドならでは。さて。展示会で見たブランドはどうでした?

大杉:竹内美彩さんによる「フォトコピュー(PHOTOCOPIEU)」は、2シーズン目とは思えない完成度の高さですね。ゆるやかに誇張した肩シルエットなど強さが程よくて、シルクやオーガニックコットンなど天然素材を使用しているところも現在女性たちに寄り添っています。今季はロックT風のプリントも登場していましたが遊び心もあって、ほかのアイテムとのギャップにひかれました。「コトナ(KOTONA)」は、シーズンを重ねるごとに洗練されていっています。レイヤード風のパイル地スリーブのジャケットなど、新たなテーラードの挑戦は新鮮でした。「ミスターイット(MISTER IT.)」はシャツを中心にストイックに作ったコレクションでした。毎シーズン、しっかりと1着1着にストーリーが込められていて面白いのですが、若干マニアックな方向に加速しているようにも感じました。

五十君:私は「ニアーニッポン(NEAR.NIPPON)」「サカヨリ(SAKAYORI)」「ロキト(LOKTHO)」も印象的でした。今シーズンの海外コレクションではサステイナビリティーに対する向き合い方が一大潮流になっていますが、「ニアーニッポン」では「ずっと取っておきたいと思うスペシャルな服を作ることがエコ」という話になって。このブランドは、大人の女性が職場に着ていくことができて、でも色合いや素材がほかとはちょっと違う、というデザインが本当に上手。あと、「来年は7月下旬からの東京五輪でホテル代が高騰するから、地方のバイヤーさんのためにも展示会はそれまでに終わらせる」とも話していました。こういう風に考えているブランド、他にもあるかもしれませんね。「サカヨリ」は、オパール加工やトーションレースで見せる凝った服作りがパワフルでした。日常着ラインの“ジードット(G.)”ができたことで、「サカヨリ」ではより強いものを出せているのかも。渋谷パルコにオープンする初の直営店も楽しみです。オリジナル素材の作り込みを好んできた「ロキト」は、インポート素材も取り入れるようになったことでエレガントな表情も強まり、ブランドの幅が広がりました。

大杉:ショーや展示会ではなく、ポップアップイベントでも面白い発見がありました。「ミヤオ(MIYAO)」の宮尾史郎デザイナーはニューヨークに住んでいたときに出会ったというイラストレーターの山本周司さんとのコラボレーションショップを東京と大阪で開いたんですが、それが楽しくて。エジプトの神話にも出てくるスカラベ(フンコロガシ)のかわいいイラストのアップリケをたくさん付けたチュールドレスなどを展示していました。スカラベは丸いフンを運ぶから、地球を運ぶ、みたいなイメージも感じます。そこに世界平和みたいなメッセージもあったんじゃないかな。イラストを使ったTシャツやバッグ、ステッカーから、コラボレーションのアート作品まで販売していて、“すぐ欲しい!”がかなういい企画でした。

五十君:本格的な東コレは10月14日からですね。今回からスポンサー変わって話題ですが、大杉さん的に注目ポイントは?

大杉:初めての「楽天 ファッション ウィーク東京」で、楽天のお手並み拝見と言いたいところなのですが、確かアマゾンがスポンサーに就いた最初の東コレは、まだ何ができるのか模索している状態だったので、今回の楽天もまだ100%の変化は起こせないのではないかと思います。XジャパンのYOSHIKIさんが久しぶりに着物ブランド「ヨシキモノ(YOSHIKIMONO)」のショーを行いますが、YOSHIKIは楽天モバイルのイメージキャラクターなので、きっと楽天と何かスペシャルなことをやるのではないか!と期待しています。また、世界から注目が集まる「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」や、ニューヨークを拠点にする赤坂公三郎さんの「コウザブロウ(KOZABURO)」、川西遼平さんのメンズブランド「ランドロード ニューヨーク(LANDLORD NEW YORK)」の合同ショーも目玉になると思っています。ユナイテッドアローズによる日本とアフリカの次世代デザイナーを支援するプログラムでは、今年のLVMHプライズで優勝した南アフリカ出身の「テーベ マググ(THEBE MAGUGU)」も来日ショーを行うので話題になりそうですね。そして、運営側の日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)も新たに就任した30代の今城薫ディレクターによる新体制。前シーズン、今城ディレクターが「アフリカを巻き込みたい」と話していたんですが、それをすぐに実現していて驚きました。

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【4月9日まで|スヌーピーミュージアム】 第2回展覧会 史上最大のスヌーピー展「もういちど、はじめましてスヌーピー。」 誕生秘話から、約50年間大きな変遷を遂げていく様子を、原画約80点と映像で紹介 詳しくはこちら→

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【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響まで。 詳細はこちら→

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アートディレクターのステレオテニスが“古き良き眼鏡店”をプロデュース

 アートディレクターでグラフィックアーティストのステレオテニス(STEREO TENNIS)が、ビンテージ眼鏡店「グッド オールド オプティシャンズ(GOOD OLD OPTICIAN’S)」をeコマース中心にスタートした。ステレオテニスの出身地である宮崎県都城市で同級生が2代目社長を務める老舗の都城中めがね店との共同運営。同店の倉庫から大量に見つかった1970年以降のデッドストックやビンテージアイウエアをセレクトして販売している。

 ステレオテニスは、「サーティワンアイスクリーム」「ULTRA JAPAN」のグッズデザイン、「ギャップ(GAP)」「東京ガールズコレクション2018」のメインビジュアルの制作など数多くのアートディレクションを手掛けている。ビンテージ眼鏡店を始めたことについてステレオテニスは、「私はアイウエアが好きで約50本所有している。倉庫に眠っていたビンテージアイウエアは希少で価値が高いものが多く、状態が良い商品を販売しようと思いハマってしまった。SNSの反響が大きく、全国から問い合わせがある」と話す。取り扱いブランドは「レイバン(RAY-BAN)」「カザール(CAZAL)」「ローデンストック(RODENSTOCK)」のほか、ファッションブランドも多く含まれる。実際に手に取ってみたいという要望が多く、先ごろ東京でポップアップショップも開いたが、10月15日にも実施する。

■「GOOD.OLD.OPTICIAN’S」東京展示会
日程:10月15日
時間:13:00~21:30
場所:TANGRAM-Hair Salon-
住所:東京都渋谷区上原1-1-23 auxビル2階(山手通り沿い)

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写真家・桑島智輝はなぜ安達祐実を撮り続けるのか 「自分を知りたいから撮影する」と語るその真意とは

 ポートレートを中心に広告や写真集、雑誌の分野で活躍する写真家の桑島智輝。新境地ともなる写真集「我我(がが)」を今年の9月14日青幻舎から出版した。桑島は妻である俳優の安達祐実を毎日撮り続けており、「我我」にはそこからセレクトされた写真が文章と共に掲載されている。「夫婦間では、写真を撮ることが一つのコミュニケーションになっている」と語る桑島に、「我我」に込めた思いを聞いた。

WWD:はじめに写真集「我我」を出そうと思ったきっかけを教えてください?

桑島智輝(以下、桑島):前回の写真集「私生活」(集英社)を2013年に出版したんですが、それ以降も安達さんを撮影し続けていて、どこかのタイミングで写真集を出そうとずっと思っていました。具体的な話になったのは2年ほど前からです。今回のアートディレクターを務めてくれた町口景(まちぐち・ひかり)さんに撮った写真を見せて相談をするようになり、そこからですね。

WWD:このタイミングで出版に至ったのは?

桑島:出版日の9月14日は、安達さんの誕生日なんです。今回の写真集は日付が重要で、日付が入っている写真も多いです。基本的に写真は時系列で並んでいて、15年11月13日の結婚記念日のトンネルの写真から始まり、終わりは19年8月15日の終戦記念日です。

WWD:どのくらいの期間、安達さんを撮り続けているんですか?

桑島:8年ほど撮り続けています。最初は前回の写真集を出すための企画だったんですが、撮り終わって写真集ができるまでの過程もずっと撮っていて、そのうちに安達さんと付き合うようになって、結婚して。そうすると自然と毎日撮影していますね。安達さんを撮ることが楽しいです。

WWD:例えばケンカをした日も撮影するんですか?

桑島:そんな日もあります。でもこれは安達さんの度量の広さだと思うんですが、写真を撮ることに対しては怒らない。夫婦のルールとして、何をしていても撮影してOKということになっています。だからすごく怒っている写真もあります。正直、相手が怒っているときに撮影するのって恐いし、勇気がいること。でもそこで撮ることが重要で、「そこで撮らないんだったら、やめちまえよ」って安達さんは思うはず。だからある意味、そういったときは僕と安達さんとの闘いでもあります。

WWD:お互いに認め合っているということなんでしょうね。

桑島:写真が介在しないと成り立たないという変わった夫婦関係なんです。撮るのが愛かというとそれだけではないけど、興味があるという意思表示にはなるので、写真を撮ることがコミュニケーションの一つになっています。撮った写真は定期的に見せていて、それは夫婦の記録であり、自分たちがどういう風に生きてきたかの確認作業でもあります。

“安達さんはからっぽ”だから撮り続けていられる

WWD:桑島さんはいろいろな女優を撮影していますが、その中で安達さんの魅力は?

桑島:安達さんは中身がからっぽなんです。それは俳優の特性なのかなと思っていて、自分を“依り代”にして、役が降りてくる。そういうのをすごく感じるんです。安達さんがそこにいるけど、いない感じがして。からっぽだからこそ、撮っても撮っても撮り切れない。そして結果、空っぽの人を撮り続けるとことで、自分自身が見えてくるんです。だから何で安達さんを撮り続けるのかっていうと、楽しいからだし、夫婦の記録としても撮っているのももちろんあるけど、結局は自分を知りたいから撮影するのだと思います。写真を撮ることで、被写体を介して自分自身が現れてくるんです。

WWD:具体的にはどういった写真にそれを感じていますか?

桑島:大きな構成でいうと、「我我」は出産前と出産後になっています。出産前の写真は何だか硬くて、“私写真とはこういう風に撮らないといけない”というのが強く出過ぎていて、打算的な写真が多い。例えば、“安達祐実がこういうことをしたらおもしろいな”っていう狙いが見えすぎる。出産を機に、もしかしたら自分に男としての自信がでてきたのか、そういうことを考えなくなって、いいなと思ったら撮影するようになりました。写真の雰囲気もリラックスした感じになりました。

WWD:写真集のあとがきには写真家の平間至さんの文章も掲載されていますね。

桑島:この平間さんの文章はすごく核になっています。被写体が強烈だと、撮影者はその被写体を超えられない。なぜなら写真が全てその人の写真になってしまうからです。それは僕の課題でした。ともすれば、今回の写真集も安達祐実の私生活を撮影した写真集になってしまいがちですが、結果としてそうはなっていなくて、それはなぜかというのを書いてくれたんです。今までの、よくわからないけど撮り続けるという行為に対して、全肯定をしてくれている。このあとがきを読んで、布団の中で号泣しました。

夫婦って一番近い他人同士 だからこその喜びもある

WWD:タイトルの「我我」にはどういった意味が込められている?

桑島:現在「クイックジャパン」(太田出版)で“はじまりの一枚”という写真と文の連載をしていて、そこでは自分たちのことを「我々」と表記することが多くて、「我々」っていいなと思っていたんです。でも「我々」と書くよりは、ちゃんと一対一が伝わる「我我」の方がいいなとデザイナーの町口さんに相談したんです、そこで読み方は「われわれ」よりも「がが」の方がいいってことになって。それで「我我(がが)」になりました。

WWD:装丁にもこだわっている。

桑島:カバーに使っている紙は、シワがあってあまり写真を印刷することがないらしいです。僕も最初見たときには、少し怖く見えたんです。それでデザイナーの町口さんに言ったら、「これは昼に安達さんが『この野郎』と怒ってくしゃくしゃにした写真を、夜に桑島君がリビングで伸ばした感じをイメージしている」という説明を受けて、それがすごく納得できたんです。それでこの紙でいくこと決めました。

WWD:表紙の1枚はすぐ決まった?

桑島:最初はモノクロ写真も考えていたんですが、カラーの方がポップだし、なるべく多くの人に見てもらいたいと思ったのでこの写真にしました。判型も手に取りやすいように、このサイズにしています。

WWD:ここまで見せるんだという写真もありますね。

桑島:本当に彼女自身が無防備で、何もしないからそういう感じが出せているんだと思います。

WWD:写真集では、写真と共に、桑島さんと安達さんのコメントも添えられている。

桑島:相手が何を書いているか分からないようにして、お互いに自分が思ったことを書いているので、たまに真逆のことを書いたりしています(笑)。

WWD:どんな人にこの写真を見てもらいたいですか?

桑島:夫婦って大変なんです。一番近い他人だし、正直、他人のことって分からない。でもその中で夫婦なりのルールを決めたり、夫婦なりの喜びがあったりする。写真家と俳優というと特別な感じはするけど、ベースは同じ。これを見て、どこの夫婦も一緒なんだなと思ってもらえるといいですね。

WWD:今後も撮影は続ける?

桑島:続けていきますし、今後も定期的に写真集は出版していきたいと思っています。

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「ポール&ジョー」のアドベントカレンダーは人気の猫リップなど24品そろう豪華コフレ

 「ポール & ジョー ボーテ(PAUL & JOE BEAUTE)」は、11、12月にクリスマスコレクションを発売する。毎年人気のアドベントカレンダー型メイクアップコフレ「メイクアップ コレクション 2019」(1万3000円)は、メイクアイテムをはじめスキンケアやボディーケアなど24品のアイテムを盛り込んだ豪華なコフレだ。

 11月1日発売の「メイクアップ コレクション 2019 」は、デザイナーのソフィー・メシャリーの愛猫である“ジプシー”と“ヌネット”を描いたキュートなボックス。クリスマスまでに一つ一つの扉を開けて、何が登場するかを楽しむ仕様だ。どの扉にどんな製品が入っているのかはシークレットだが、ファンデーションプライマーや猫リップなど人気のアイテムに加え、ネイルオイルやクレンジング、ハンドクリーム、ボディーオイル、限定コンパクトケースなど多彩なアイテムをそろえる。

 また同日に2種の「ハンド クリーム Ⅱ・Ⅲ」(各1600円)と、“ジプシー”と“ヌネット”が描かれた「ラッピング ボックス」(Sサイズ 300円、Mサイズ 400円)を発売。12月1日には、グリーンフローラルが香るヘア&ボディー用の「フレグランス ミスト」(2500円)、ブランド初の「ハンドミラー」(2000円)が登場する。「ラッピング ボックス」以外は、いずれも限定品となる。

2019年クリスマスコフレをもっと見る

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バンダイがアプリと連動する小学生向けスマートシューズを発売

 バンダイはスマートフォンアプリと連動する小学生向けスマートシューズ“アンリミティブ(UNLIMITIV)”の新モデル2型を11月1日に全国の靴売り場で発売する。

 同シリーズは、子どもたちに楽しみながらスポーツを継続してもらうことを目的に、専用のセンサーユニットをシューズにセットしてスマホアプリと連動させることでトレーニング結果をデータ化したりポイントをためてアプリ内のゲームに使用して遊ぶことができる。

 今回登場する新モデル“アンリミティブ S-ライン”は通気性・クッション性に優れたインソールやアッパーのフィット感などファーストモデルよりも性能をアップした。カラーはイエロー、ブラック、レッド、ネイビー、ライトブルー、ブラック×ピンクの6色をそろえ、各3990円。同じく“アンリミティブ C-ライン”はデイリーユースに合うカジュアルなデザインで、ブラックとグリーンのほかにピンクやラベンダーをそろえた。価格は各3490円。

 同モデルから、これまでセット販売のみだったセンサーユニットを別売りする。新たに買い直した靴にもセンサーユニットを入れ替えてそのまま継続して利用できる。価格は990円。

 さらにアプリもリニューアルした。従来の「フィールドモード」と「アルティメットモード」の2種類のトレーニングに加えて「ニゲキルモード」が登場する。

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