3人の東コレ担当記者が選ぶ最終日の“私的BEST LOOK”

 楽天を初の冠スポンサーに迎えた2020年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」が10月19日に閉幕した。14日からの6日間で、非公式スケジュールを含めると50近いブランドがランウエイショーやイベントを行い、1000近いルックが披露された。しかし、よほどのことがない限り全てのルックをチェックするのは難しい。

 そこで「RFWT」を取材する3人の「WWDジャパン」記者が、各日の“私的BEST LOOK”をご紹介。東コレを4年連続で取材する30代男性記者K.O、海外コレクションの取材経験も豊富な女性記者M.O、東コレにはスナップカメラマンとして参加していた20代男性記者R.Oという、偶然にもファミリーネームが「O」縛りの3人が選ぶルックとは?5〜6日目に登場した「ダイエットブッチャースリムスキン(DIET BUTCHER SLIM SKIN)」「ミスター・ジェントルマン(MISTERGENTLEMAN)」「ミツル オカザキ(MITSURU OKAZAKI)」「ヨハン・クー ゴールド レーベル(JOHAN KU GOLD LABEL)」「アールエービーディー(RABD)」「ガッツダイナマイトキャバレーズ(GUT'S DYNAMITE CABARETS)」「ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)」の7ブランドから3ルックをピックアップしお届けする。


男性記者K.O
DIET BUTCHER SLIM SKIN / LOOK 1

 ブランド設立は2002年、ショー開催は12年ぶり。ベテランの「ダイエットブッチャースリムスキン」が東コレに初参加するだけでも驚きなのですが、ショーを見てさらにビックリ。少し前まではパンチの効いたブランド名の通り、ロックをベースにしたエッジィなスタイルだったのが、大人のリラックステーラードに一変していたのです。ダッドシューズが流行する前から提案していたアイコニックな大きいスニーカーも出てこなければ、パンツのバリエーションが豊かになっていたり、アクセ感覚のミニバッグに「かわいい」と小声が漏れたりと、快活なコレクションを見せてくれました。とはいえ、ただ大人しくなったわけではありません。グラフィックデザイナーの河村康輔とGUCCIMAZEという旬のアーティストと協業し、「彼らの作品を生かす服作りにこだわった」と深民尚デザイナー。照明で服がちょっと見づらかったのは残念でしたが、新生「ダイエットブッチャー」のアピールには成功したのではないでしょうか。パイセン、これからも東京を盛り上げてください!


女性記者M.O
GUT’S DYNAMITE CABARETS / LOOK 40

 今季の東コレのトリは7年ぶりにショーを披露した「ガッツダイナマイトキャバレーズ」でした。プロレス界のスーパースターの武藤敬司や神取忍、清宮海斗らが登場し、プロレスはあまり詳しくない私でもワクワクしました。レスラーたちが着たのは新ライン“GCGX”。幅広い年代に向けたユニセックスのストリートウエアです。でも彼らを差し置いて衝撃だったのは、御年70歳のモデルで歌手の秀香さん!ミニのフリルドレスを見事に着こなし、美脚を披露しました。踊りながらのウォーキングに、会場からは大歓声。最後にファッションショーのライブ感をしっかり味わうことができました。


男性記者R.O
MISTERGENTLEMAN / LOOK 47

 5日目のトリを飾った「ミスター・ジェントルマン」は、定番アイテムをはじめとした10ブランド以上とのコラボを詰め込んだボリューミーなコレクションを発表しました。中でも梶谷好孝が手掛けるアクセサリーブランド「ヨシコ クリエーション パリ(YOSHIKO CREATION PARIS)」とは、Tシャツの襟元やトレンチコートの背面などにビジューをあしらったアイテムをいくつも発表。「ミスター・ジェントルマン」ではあまり見ないポイントの効かせ方で、新鮮な仕上がりになっていました。ラストには「これぞ『ミスター・ジェントルマン』!」と言わんばかりの毒っ気のないパステルカラーのタイダイ柄ルック20体が次々登場。なんでも先日の台風19号の被害が残る中でのショーということで、「ファッションでしか表現することができないポジティブなパワーを伝えたかった」と予定していたフィナーレを変更してのものだったそうです。その心意気からラストルックをセレクトしました!

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「ドリス ヴァン ノッテン」から「グッチ」コスメ、目も癒したステーキまで 「WWDジャパン」編集部員らの2020年春夏コレクション期間のベストバイ!

 毎月お届けする「WWDジャパン」「WWDビューティ」擁するINFASパブリケーションズのベストバイ。第二回は、2020年春夏コレクションシーズンに、コレクション記者が現地で買った一品をお届けします。ショーの合間に見つけたものから、激務を癒した食べ物まで登場しました。

寒かったパリで駆け込んだ「ドリス ヴァン ノッテン」のパンツスーツ

 9月に取材でパリに到着したら予想以上に寒く、慌ててホテルから徒歩5分の「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」に駆け込みました。各百貨店も「ドリス」を扱っているけど、迷わず直営店に向かったのは3畳ほどある広いフィッティングでゆっくり試着をしたかったから。それにここの店員さんのフランクでプロフェショナルな接客が好きです。 探していたパンツスーツと出合えたので即決。 ざっくり着たかったのでワンサイズ上を選びました。(WWDジャパン編集長 向千鶴)

ブロードウェイ・ミュージカル「オクラホマ!」の“OK!”トート

 「人生で一番パトリオット(愛国的)なコレクション」というアメリカらしいポジティブ・マインドに溢れた2020年春夏を発表した「マイケル・コース(Michael Kors)」のインスピレーション源の1つとなったブロードウェイ・ミュージカルを満喫。6度目のリバイバルで脚本や歌詞はそのまま、なのに古臭くて排他的な愛国心が滲む原作にアンチを唱えた作品に感動し、後輩に「買い忘れたから、買ってきて!!」と依頼したデニムのトートバッグ(25ドル、2700円)です。ちなみに「OK」は、オクラホマ(OKLAHOMA)州を表現する2文字のイニシャル。ニューヨークは「NY」、カリフォルニアは「CA」、オクラホマは「OK」なのです。ミュージカルを知っていても知らなくても、誰かが「OK!」って書いてあるトートバッグを持っていたら、「そうか、『OK!』なのか。よく分かんないけど(笑)」って少しだけハッピーになれる気がしませんか(笑)?エコバッグとして使おうか、ジムグッズを入れようか迷っています。(WWDJAPAN.com編集長 村上要)

入稿後、行列に並んで食べたリブアイステーキ

 パリコレ期間中はショーやら原稿やらで時間がなく、正直なところ日本から持参したレトルトカレーなどを食べていたのですが、入稿が一段落したらそんなシャビーな毎日とはオサラバ!せっかく花の都パリに、しかもサンジェルマン デ プレ(サルトルとかも集った意識高い系エリア)に滞在しているんだからと、大好物のアントレコート(リブアイステーキのこと)を食べに行きました。この店「ル・ルレ・ドゥ・ラントルコート」、昼夜共にパリっ子が行列を作る人気店。席に着くと焼き具合のみ聞かれます。なぜならこの店、メニューはアントレコート1択だから!お肉&フレンチフライにかかった、ハーブたっぷりの特製ソースが超美味!ちなみに写真は半量で、これを食べ終わるとわんこ蕎麦的にもう半量がサーブされます。30〜40ユーロ(3600〜4800円)。(WWDジャパン編集部ニュースデスク 五十君花実)

「パット マクグラス ラボ」と「グッチ」のコスメ

 ロンドン&ミラノコレに行ってきたので、気になっていた化粧品をご褒美として購入しました。ロンドンでは大御所メイクアップアーティストのパット・マクグラス(Pat McGrath)のメイクアップブランド「パット マクグラス ラボ(PAT McGRATH LABS)」のリップスティック、ミラノでは「グッチ(GUCCI)」のリップスティックを3種類をゲット。両ブランドとも見た目が可愛くて、フォトジェニックなパッケージなので、持っているだけで気分が上がります。 「パット マクグラス ラボ」(右端)は、ラメ入りの”ブリッツトランス(BLITZTRANCE)”シリーズから”フレッシュ ファタール(Flesh Fatale)”という細かいラメがぎっしり詰まったローズピンクを選びました。塗り心地はドライですが、発色もよくしっかりとラメがのります。ケースの唇マークに引かれたのですが、キャップが少々緩く、ポーチの中で外れてしまい危ない思いを何度かしました(汗)。「グッチ」のリップスティックは来年日本での発売が予定されていますが、一足お先に入手してきました。ブルーのケースは“バーム ア レーブル(baume a levres)”というリップバームのシリーズで、購入した“ジョスリン クレア(Joslyn Clair)”は今季の「グッチ」のショーでも使用されていたそう。サラッとした塗り心地ですが、艶々とした潤いが出るので気に入っています。各約4500円。(WWDジャパン編集部 大杉真心)

NYでカラーアイライナーを爆買いして目元が多彩に

 デビュー以来、ずっと気になっていた「グロシエ(GLOSSIER)」の新ブランド「グロシエ プレイ(GLOSSIER PLAY)」をついにゲット!コレクション終了後にNYのチャイナタウン近くの旗艦店に行き、(当初は触ってみる程度の予定だったのですが)実際に製品をスワッチしてみると、まるで色鉛筆のようなカラーバリエーションについテンションが上がってしまい、7本を爆買い…….。ここ数シーズンのバックステージ取材で多く見たカラフルなアイライナー(15ドル、1620円)使いがカワイイなぁと思っていたので、イエローやグリーン、オレンジなど奇抜な色ばかりを買ってしまいました。単色で使っても、組み合わせてもカワイイので見た目は大満足なのですが、色によって鉛筆の芯の硬さが異なりすぐに折れてしまうものがあったり、何より削らなければならないことがネックかな、と正直思いました。そして「グロシエ」を買ったので満足したかと思いきや、後日セフォラ(SEPHORA)で「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のパープルとネイビーのアイライナー(25ドル、2700円)、「ウズ(UZU)」のイエローとオレンジのリキッドライナー(1500円)も衝動買い…….。今までカラーアイライナーは派手だと思っていたのですが、意外にさりげなく入れるとカワイイですし、何より毎日のメイクが楽しい!(若干会社で視線を感じることがありますが、全く気にしません(笑)。ビューティ記者は、自由にメイクを楽しんでいいと思うんです)帰国後も毎日、いろいろな色でメイクを実験中です。(WWDビューティ編集部 北坂映梨)

「カート ジェイガー」のツイードサンダル

 コレクション期間中、意気込みはあったものの忙しくて何も買えずに帰国してしまったので、事前に買って良かったものを紹介します。渡航の1カ月前、滑って派手に転び足の指の骨にヒビが入るというハプニングに見舞われました。病院に行くと全治1ヶ月とのことでしたが、3週間経っても治る気配がなく、このまま渡航しなければいけないかもとハラハラ。当初骨を固定するために包帯で指をぐるぐる巻きにしていたため靴をはけず、緊急でドンキで1000円で買ったサンダルをはいていたのですが、流石にこれでファッションショーに行くわけにはいかない。と、思っていたところに、英メディア「フー ワット ウエア(Who What Wear)」のエディターがこのサンダルをはいてロンドンコレに参加しているのをインスタで発見。ツイード素材でなんだかお高く見えるのにお値段150ポンド(2万850円)。早速ポチってパリのホテルで受け取りました。結局足は無事回復したのであまり出番はなかったのですが、パリでもっと重症な怪我をした人にお会いしました。スナップでお世話になったフォトグラファーの平野功二さんです。ロンドンで階段で転倒したそうで杖とギプス姿なのに、たくさんのショーのスナップを撮影して下さいました。本当にありがとうございます。そんなタフな平野さんが撮影したスナップは是非こちらからチェックを!(デジタルマーケティング部 丸山瑠璃)

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「ガッツダイナマイトキャバレーズ」2020年春夏東京コレクション

 「ガッツダイナマイトキャバレーズ(GUT’S DYNAMITE CABARETS)」が2020年春夏コレクションを東京で発表した。

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「アール エー ビー ディー」2020年春夏東京コレクション

 「アール エー ビー ディー(RABD)」が2020年春夏コレクションを東京で発表した。

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「オンワードはDXの目的を明確に」 ファッションフリークOL「WWDジャパン」最新号につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuがリアルな目線を生かし、「このニュースからはコレが見える」という切り口でさまざまな記事につぶやきます。

今日のニュース:P.4「オンワード、事業モデルを大転換」

読み解きポイント「DXの波に乗って人材の新陳代謝を」

ニュースのポイント

 オンワードホールディングスが国内外で展開する約3000店舗のうち2割に相当する600店舗前後を閉め、大規模な構造改革に乗り出す。改革策は「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」など不採算事業からの撤退、韓国法人の清算や中国市場におけるライセンス展開への切り替えなど。一方で成長戦略としては「デジタル」「カスタマイズ」「ライフスタイル」を3本軸に置き、経営資源を重点的に投じる。百貨店を中心に店舗を拡大・維持をすることで成長してきた従来の方法を改め、デジタルで消費者のニーズを掘り起こす企業への転換に挑む。

Azuはこう読む!

 ITの力によってビジネスプロセスを改革したり経営手法を刷新したりする「デジタルトランスフォーメーション=DX」は、もはや構造改革の必須ワードになっています。この記事の小見出しには「デジタルシフトを加速」とあります。オンワードのEC化率13%のうち8割は、自社ECモール「オンワードクローゼット」といいます。収益性や顧客データの活用という面に注目しているようです。

 確かに、百貨店ビジネスに依存していたオールドリテールなあり方からの大転換となると、ECに注力というのがわかりやすいシフトの形です。もちろんこれから先を考えるとECのテコ入れもマストですが、それだけで劇的な構造改革と言えるのか、というのが少し疑問でした。

 もう一つのキーワード「カスタマイズ」の中にもデジタルの概念が含まれると思うのですが、既存のビジネスモデルの一部をデジタルに置き換えただけの「デジタライゼーション」では、サービスが簡単・便利になっただけで終わってしまいます。デジタル化を掲げると、それ自体が目標になってしまいがちですが、大切なのは「何のために」デジタル化するのかということと、それを理解し柔軟に使いこなせる人材です。

 資本力があるところは、おそらくハード面のIT化は容易でしょうが、何より難しいのはITについていくための既存の人材への教育と、新規人材の確保。オンワードに限らず大手アパレルがこぞって「デジタルシフト」に舵を切ったことで、アパレルとIT両方に強い人材や両者をまたぐ教育の需要が今後急速に伸びていきます。考え方を変えると異業種からの転職や挑戦がしやすくなった、とも捉えられるので、この大改革の波に乗って業界全体の新陳代謝が起こることを期待しています。

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne

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キプチョゲが非公式ながら人類初のフルマラソン“2時間切り”を達成 「ナイキ」の“超”厚底シューズが足元を支える

 ケニアの男子フルマラソン選手エリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)が、非公式ながらフルマラソンで1時間59分40秒を記録し人類初の“2時間切り”を達成した。

 今回の記録は“2時間切り”を達成するための非公認レースで、オーストリア・ウィーンの起伏が少なく直線の多いコースが選ばれた。達成のためには1kmを約2分50秒のペースで走る必要があることから、村山紘太選手をはじめとした40人体制のペースメーカーがキプチョゲをサポート。さらに、先導車がペースの目安となるライトを地面に照射し続けるという好条件下でのレースだった。その結果、キプチョゲは10kmを28分20秒、20kmを56分47秒、30kmを1時間25分11秒、40kmを1時間53分36秒という脅威的なスピードで通過し、見事42.195kmを1時間59分40秒で走りきった。

 記録と同時に注目を集めたのが、足元のシューズだ。キプチョゲが履いていたのは、先日東京で行われたマラソン大会「マラソングランドチャンピオンシップ(Marathon Grand Championship)」で多くの選手が着用し話題となっていた「ナイキ(NIKE)」のランニングシューズ“ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%(ZOOMX VAPORFLY NEXT%)”の後継モデルと思われる一足。フライニット製のアッパーに、ヒールは昨今のランニングシューズのトレンドである厚底の一歩先を行く“超”厚底で、前足部には“エア マックス(AIR MAX)”を想起させる可視化された“エア”が確認できる。「ナイキ」の公式サイトには「“ネクスト%”のフューチャー エディション」とあることから、まだ正式なモデル名が付けられていないようで発売日や価格も不明だ。

 キプチョゲが持つ男子フルマラソン公式世界記録の2時間1分39秒をはじめ、歴代TOP5の記録はここ1年で4選手が生み出し、いずれの選手も「ナイキ」のシューズを着用。昨年日本記録を更新した大迫傑選手も、先日16年ぶりに女子フルマラソン公式世界記録を更新したブリジット・コスゲイ(Brigid Kosgei)も「ナイキ」を履いており、トップ選手の間では「ナイキ」がダントツのシェア率を誇っている。

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約40ブランドの香りの祭典「イセタン サロン ド パルファン」が20日開幕 今年の見どころは?

 10月20~23日に、伊勢丹新宿本店本館6階催物場で国内最大規模のフレグランスイベント「イセタン サロン ド パルファン」が開催されます。7回目となる今年は、会場を7階から6階に移して面積を拡大。昨年の6日間から4日間に期間を凝縮し、「23日に売り場面積を40%増に拡張してリモデルオープンする1階元売り場の先行発表会という位置づけ」(岡部麻衣・三越伊勢丹化粧品統括部 新宿化粧品営業部マーチャンダイザー)で行われるというもので、日本初上陸を含む初出展12ブランドをはじめ約40ブランドが一堂に会し、会場限定品や先行品も登場します。

 これまで6年続いた同イベントは、どちらかというと「フレグランスが好き」「ニッチフレグランスを探している」といったフレグランス上級者に向け、希少性や先進性のある品ぞろえに注力してコアなファンを増やしてきました。今年は「これから香水を試してみたい」といった香水初心者に訴えかける仕掛けも用意してさらに充実しているようです。

 初の試みとして、「ブランドミックスコンサルテーション」サービスがスタートします。完全予約制、所要時間約30分で、日本フレグランス協会のメンバーが香り選びをサポートしてくれます。ブランドの垣根を超えておすすめしてくれるという、どの香水を選んだらいいか分からない人には最適です。また、同協会の協力のもとに「イセタン フレグランス アワード」を初開催。売り上げと有識者の審査によりアワード対象を選定し、初日の20日に授賞式を開催するほか、会場で受賞商品を展示します。さらに、イベントを盛り上げるべく公式アンバサダーにアーティストでモデルの加治ひとみさんを起用しています。公認サポーターも用いてSNS投稿キャンペーンを実施し、若い人を巻き込みより幅広い年齢層が楽しめるイベントになりそうです。

 注目の日本初上陸ブランドは、“スローダウンフレグランス”を提唱する南仏発の「パルファム ドゥ ラ バスティード(PARFUM DE LA BASTIDE)」と、革新的なアルコールフリーフレグランスを発信する「エルメティカ(HERMETICA)」の2ブランド。初出展ブランドは「バイレード(BYREDO)」「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」「キリアン(KILIAN)」「フエギア 1833(FUEGUIA 1833)」「ココラックス(COCOLUX)」「イストワール ドゥ パルファン(HISTOIRES DE PARFUMS)」「クヴォン・デ・ミニム(LE COUVENT DES MINIMES)」「シロ(SHIRO)」「ソンボン(100BON)」「ナーズ(NARS)」の10ブランドで、ファッション感度の高い人の支持が厚いブランドから、人気化粧品ブランドのフレグランスまで、さまざまなタイプの人に合う香水がそろいます。

 毎年完売が出る会場限定品は、「ゲラン(GUERLAIN)」から人気の「アクアアレゴリア」シリーズの10mLサイズが登場。伊勢丹新宿本店限定品が「フレデリック マル」「キリアン」から発売されます。

 1階フレグランス売り場のリモデルで、常設にスライドするブランドもあるのでその予習として、またはイベントでしか出合えない商品を探しに、この機会にぜひ足を運んでみてください。

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「マメ」「オーラリー 」に次ぐパリコレ支援ブランドはイッセイ出身の「ターク」

 東京都と繊維ファッション産学協議会が主催するファッションコンペ「ファッション プライズ オブ トウキョウ(以下、FPT)」の第3回受賞者に森川拓野デザイナーの「ターク(TAAKK)」が選出された。同ブランドは2020年1月と6月のパリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中に単独でコレクションを発表するための資金援助に加え、「楽天 ファッション ウィーク東京(RFWT)」参加登録費が免除となり、20年3月開催の「RFWT」でイベントを開催する予定だ。

 「FPT」は、“東京を代表するインターナショナルブランド”になる可能性を持つブランドのサポートを目的に17年に設立された。国内外で知名度のあるファッションブランドを1年に1組選出され、初回は「マメ(MAME KUROGOUCHI)」、2回目は「オーラリー(AURALEE)」がパリに挑戦するための支援を得た。

 渋谷ヒカリエで行われた発表会には、審査員の根岸由香里ロンハーマン(RON HERMAN)ウィメンズクリエイティブ・ディレクター、長尾悦美・高島屋 MD本部レディスファッションディビジョンバイヤー、小木基史ファッション・キュレーターの3人が登壇。小木キュレーターは「1回目と2回目はウィメンズで世界に出られるデザイナーだったが、今回はメンズで戦えるデザイナーを選びたかった。海外のメンズ・コレクションはストリート色が強くなっているので、日本のモノ作りや高いプレゼンテーション能力で世界と戦えるデザイナーだと思って選んだ」と語った。長尾バイヤーは「資料で見た時よりも、ショールームに入った時に引きつけられるものがあった。モノを手に取る前からアイテムに引きつけられた」と話した。根岸クリエイティブ・ディレクターは「今までさまざまなショーを勝ち取ってきた実力派。次のショーが楽しみ」と期待する。

 森川デザイナーは「光栄な賞をいただいて本当にうれしい。目の前に大きい発表があるので、一つ一つしっかりと仕事をして、世界で活躍するブランドになっていきたい。チームや支えてくれている人たちの期待に応えたい」と喜びを語った。

 森川デザイナーは1982年、秋田県生まれ。文化服装学院卒業後にイッセイミヤケに入社し、ウィメンズやメンズの企画デザインなどで7年間を積んだ後、2012年に独立して「ターク」を立ち上げた。力のあるオリジナルのテキスタイルと型にはまらない表現力を武器に、13年に「Tokyo新人デザイナーファッション大賞」、16年に「東京ファッションアワード」を受賞し、知名度を徐々に広げてきた。コンペ受賞を機にイギリスのセルフリッジやミラノのコルソコモへの卸も決まり、海外のクリエイターとのつながりも増えた。それでも「自分の中ではスタート地点に立ったとはまだいえなかった」と森川デザイナー。「FPT」にエントリーしたのは「世界の市場で本格的に戦っていくきっかけがほしかったから」と語っていた。

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「東コレに伝えたい」デザイナーたちの本音 連載Vol.6 「自国のファッションウィークを盛り上げることはデザイナーの社会的役割」

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が運営する2020年春夏の「楽天 ファッション ウィーク東京(RFWT)」が10月14〜19日に開催される。冠スポンサーがアマゾン ファッションから楽天に変わって初めてのファッション・ウイークとなるため、関係者からの注目は高い。しかし結局は、人を呼べるブランドが参加しないとファッション・ウイークは盛り上がらない。そこで、海外で活躍する日本人デザイナーや「RFWT」に参加するブランド、新進気鋭の若手らに「どんな東コレだったら参加したい?」というテーマでアンケートを実施した。「RFWT」開催期間中から10月28日の「WWDジャパン」東京ファッション・ウイーク特集発売の週まで、回答の一部を連載形式で紹介する。今回は20年春夏「RFWT」の大トリを飾る「ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)」と「ターク(TAAKK)」が登場。

DRESSEDUNDRESSED

北澤武志デザイナー

 2012年3月に東京のファッション・ウイークに参加し、現在まで発表を継続して今回で16シーズン目になります。コレクションの内容は冠スポンサーによって左右されるものではありません。大切なのは、クリエイションのベストを尽くすこと。自国のファッション・ウイークを盛り上げることもデザイナーの社会的役割の一つであると考えています。

TAAKK

森川拓野デザイナー

 過去に東コレに参加し、PRやセールス面でいい効果がありました。しかし海外のメンズ・コレクションは1月に秋冬、6月に春夏シーズンの発表があり、納品時期も年々早まっています。東コレ開催中の3月(秋冬)と10月(春夏)は量産期間と重なるため、参加するのは現実的に難しいです。

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東コレ映像ダイジェストDAY5 「ミキオサカベ」がゲームセンターでショーを行った理由など

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が運営する2020年春夏「楽天 ファッション ウィーク東京(RFWT)」が10月19日まで開催されている。今季から、冠スポンサーがアマゾン ファッションから楽天になり、どのような変化が起きるのか注目される中、バイヤーやプレス、招待客しか入れない「RFWT」を映像で追いかける。毎日、見所をダイジェスト形式でお届け。

 10月18日は、「WWDジャパン」編集長の向(むこう)の前振りからスタート。久しぶりにショーを行った「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」では、ゲームセンターでショーを行った理由などを坂部三樹郎デザイナーに聞いた。そのほかにも、花柄のトイレットペーパーでできたドレスを披露した「ジェニー ファックス(JENNY FAX)」やリラックスした服を作りたかったという「ダイエットブッチャースリムスキン(DIET BUTCHER SLIM SKIN)」「ミスター・ジェントルマン(MISTERGENTLEMAN)」の様子をとらえた。

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カネボウ化粧品の「トワニー」が2020年春から若年層向けにリブランディング

 カネボウ化粧品のカウンセリングブランド「トワニー(TWANY)」が2020年春にリブランディングを行う。これまでの“生体のリズム”に基づく考えはそのままに、若年層も含めたターゲットの設定や製品体系、世界観を刷新する。

 同社の化粧品専門店専用ブランドとして1996年に誕生した「トワニー」は、一日・一月・一年・一生の“リズム”を核に製品展開を行い、現在は2200店舗で展開している。同社リージョナルブランドグループの佐々木純一マネジャー(トワニーマーケティング担当)は、「リブランディングで、核となるリズムはそのままに本格的なカウンセリングブランドとして刷新する」とコメント。

 新ブランドメッセージを「美しさのリズムと、響きあう。」に、ブランドのタグラインは「Harmonized YOU.」に設定。製品体系は、一日・一月・一年・一生のリズムに沿った明快な特徴製品と、W洗顔W保湿などを含むベーシックケアの2体系に整理する。さらに、ロゴや世界観は上質感のあるスタイリッシュなイメージに一新する。ターゲットは、現在のユーザーである“美容意識が高く人生を楽しみたい”大人かわいい層に加え、今後は論理的な納得感を重視すると共に女性的な感性を大切にする30~40代の美容ユーザーを取り込んでいく。一部店舗では10月中旬から新デザインに変更し、来年4月から什器も含めて新デザインに順次切り替える。

 同社リージョナルブランドグループの塩地秀行グループ長は、「現在の『トワニー』は290SKUそろえるが、まず来春に1品登場させ、25年までに既存製品を切り替えたり絞ったりしていく。デジタル施策なども行い、普段は専門店を利用していないが“生活圏でカウンセリングを受けて購入したい”という女性を取り込みながら25年は18年度比で1.5倍の売り上げを目指していく」と語った。

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東京ファッションアワードに「ザ・ダラス」田中文江の新ブランドや「ラフ・シモンズ」出身の「ユウキハシモト」が選出

 「東京ファッションアワード 2020(TOKYO FASHION AWARD 2020)」の第6回受賞者が10月19日、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」のメーン会場の渋谷ヒカリエで発表された。今年は「ミーンズワイル(MEANSWHILE)」「リコール(RE:QUAL≡)」「ユウキハシモト(YUKI HASHIMOTO)」「イン(IHNN)」「シュープ(SHOOP)」「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」が受賞。

 6ブランドは、イタリア・フィレンツェで行われるメンズ合同展示会ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)への出展や、2シーズン続けてパリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中に現地で合同展示会を開催する。

 同アワードは、審査員を百貨店やセレクトショップの現役バイヤーが務めていることが特徴。今回の審査員を務めた三越伊勢丹の関根千紘マーチャンダイザーは、「そのブランドでなくてはならない独自性や存在感が審査の基準となった。今回選出したのは、世界観に引き込まれるような、見ていると袖を通したくなるようなブランドが多かった。この受賞でブランドの発展につなげてほしい」とコメントした。

 受賞ブランドの「フミエ タナカ」は田中文江によるウィメンズブランド「ザ・ダラス(THE DALLAS)」が前身となる2020年春夏に立ち上がった新ブランド。20-21年秋冬からはメンズをスタートさせる。

今回の審査員は以下の8人

サラ・アンデルマン(Sarah Andelman)/「JUST AN IDEA」創設者

ニック・ウースター(Nick Wooster)/ウースター コンサルティング(WOOSTER CONSULTING)クリエイティブ・ディレクター

宮本智美/阪急阪神百貨店 モードファッション商品統括部 モード開発部 バイヤー・ディレクター

芝崎慶子/阪急阪神百貨店 婦人ファッション販売統括部 モードファッション販売部 D-LAB マネージャー・バイヤー

石田修平/三越伊勢丹 紳士MD統括部 新宿紳士営業部 メンズクリエーターズ マーチャンダイザー/バイヤー

関根千紘/三越伊勢丹 伊勢丹新宿店MD統括部 クロスMD営業部 マーチャンダイザー

中根大樹/TOKYO BASE 「ステュディオス(STUDIOUS)」ブランドディレクター兼メンズバイヤー

加来美海宇/TOKYO BASE「ステュディオス(STUDIOUS)」ウィメンズバイヤー

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破たんのバーニーズ救済が前進 ライセンスでサックスにバーニーズのインショップ案が急浮上

 破たんした米国の高級小売店「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」が、NY拠点のブランド管理企業オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP.以下、ABG)などと売買に関する入札について合意に達したと発表した。ABGはおよそ2億7140万ドル(約284億9000万円)を提示。10月24日にNY市内のバーニーズのオフィスで行われる入札は、この金額を水準に競われることになる。

 この金額に含まれるのは、バーニーズのほぼ全資産だ。ABGはバーニーズを手中に収めることができたら、同店舗のオンラインビジネスを残し、カナダの小売り大手ハドソンズ・ベイ(HUDSONS BAY)とライセンス契約を締結。ハドソンズ・ベイが手掛けるサックス・フィフス・アヴェニュー(SAKS FIFTH AVENUE)の店舗にバーニーズのインショップを構えたい考えだ。ハドソンズ・ベイは、ライセンスではあるもののバーニーズを手中に収めることに意欲的。両店とも取り扱いブランドは似ているが商品は大きく異なり、サックスが開拓しきれていないミレニアルズにとって魅力的な店舗づくりに一役買うのでは、との思惑があるようだ。

 ABGは、NYとロサンゼルスのバーニーズ店舗は存続させたい考えで、地主との交渉を開始する。ただニューヨークの店舗は規模を縮小する考えがあるようで、リアル店舗の運営母体はハドソンズ・ベイになる公算が高い。

 バーニーズの代表は、「ABGの提案、およびサックスとのパートナーシップを前向きに捉えている」とのコメントを発表した。

 さらにABGは、バーニーズ ニューヨークを海外展開することも視野に入れる。スニーカーやフレグランス専門の小型店構想も浮上している。

 もちろんバーニーズは現在、他社とも交渉中だ。だが入札までの残り時間はわずかでABG以外との交渉がまとまる可能性は低そうだ。

 破たん後の9月1日から10月5日までの約1カ月間で、バーニーズはおよそ860万ドル(約9億円)の純損失を計上。在庫資産は1億9000万ドル(約199億円)とみられている。

 ABGは「ナイン ウエスト(NINE WEST)」や「ヴィンス カムート(VINCE CAMUTO)」など、世界で5000近い店舗をブランドからの委託を受けて運営。関連会社は「エアロポステール(AEROPOSTALE)」や「ノーティカ(NAUTICA)」などを手掛けている。

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群馬・桐生の人気セレクト「エスティーカンパニー」が初の東京進出 新生・渋谷パルコでポップアップ

 群馬県桐生市を拠点にするエスティーカンパニー(ST COMPANY)は11月22日から、同日にグランドオープンする渋谷パルコにポップアップショップを出店する。期間は12月3日まで。同社は1978年桐生市に創業。セレクトショップの「ペニーレイン」を展開し、地元で高い人気を誇る。2018年に屋号を「ペニーレイン」から「エスティーカンパニー」に変更し、現在は桐生と高崎にショップを構える。東京への進出は今回が初めてとなる。

 渋谷パルコはリニューアルにあたり、“今の時代で一番面白いファッションを提案する環境、販売する方法、コミュニケーションが作られるところ”として同ショップを選び、今回の出店が決まった。

 ポップアップでは全6ブランドとコラボレーションした別注アイテムを発売する。「エイトン」と「グラフペーパー」とのトリプルコラボでは、フーディー(2万4000円)とコート(8万9000円)、バックサテンパンツ(3万6000円)の3型を展開。また「コズミック ワンダー(COSMIC WONDER)」や「ミスターイット(MISTER IT.)」、ロサンゼルスのマルチデザインプロジェクト「ビルディング ブロック(BUILDING BLOCK)」のほか同ポップアップで初披露となる「オル(AL)」から、赤をキーカラーにした限定商品を発売する。

■st company shibuya
日程:11月22日〜12月3日
時間:10:00〜21:00
場所:渋谷パルコ1階 ポップアップスペース
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1

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@tokyoart_event 展示会&アートイベントbot

【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響まで。 詳細はこちら→

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きっかけは「ベントウ」? 日本人女性が手掛けるNY発D2Cブランド急成長の理由

 ワーキングウーマン向けのアパレルD2Cブランド「エムエムラフルアー(M.M. LAFLEUR)」は、2013年にニューヨークで設立された。同ブランドを率いるのは金融業界出身のラフルアー宮澤沙羅・最高経営責任者(CEO)と、NYのデザイナーズブランドで経験を積んだ中村美也子チーフ クリエイティブ オフィサー(CCO)だ。日本素材を使用した機能性や幅広いサイズ展開、忙しい女性のためのライフスタイルに即したサービス提供などで、NYのキャリアウーマンたちの心をつかんでいる。10月には官民ファンドのクールジャパン機構から20億円の資金を調達したと発表した。「女性の尊重なくして会社は成り立たない」と語る2人に、ブランドの設立から今後までを聞いた。

WWD:ブランド立ち上げの経緯は?

ラフルアー宮澤沙羅CEO(以下、宮澤):私はもともと金融業界で働いていたのですが、ビジネスウーマン向けの服を探すのが難しく、あったとしても質があまり良くないという悩みがありました。母がかつて森英恵先生のところで働いていたこともあり、“いい服”がどのように作られているのかも教わっていました。その目線で見ると、当時のキャリア服はありえないと感じていて。だからブランドを始めようと決意しました。私にはアパレルの経験がなかったので、誰かリュクスの世界で働いている人と組みたいと考え、NYのヘッドハンターを通じて(中村)美也子と出会いました。

WWD:中村CCOは宮澤CEOに出会い、どのように感じた?

中村美也子CCO(以下、中村):率直に、この人がやりたいことって面白いなと思いました。あと、沙羅が考えていたプロジェクトは、ターゲットが非常に明確だったんですよね。私はNYのデザイナーズブランドで働いていたのですが「なぜ、こんなにも着ている人の顔が見えないんだろう?」と疑問に思っていました。その疑問を沙羅のプロジェクトが解消できるのではないかと。実際にプロジェクトが始まってすぐに沙羅の友人を紹介され、彼女たちがどういった服が欲しいかを“教育”されました。それまではオフィスで働く女性がどういう条件や気持ちで服を探しているのか全く知らなかったので、作り方や観点を変え、最初の商品を作りました。

WWD:具体的にはどのように変えた?

中村:その服が最終的に何のために存在するのかを考え、作る上で売ることも意識するようになりました。これまではファッション業界の最先端とは何かを重視していましたが、今はその考え方を理解した上で、どうマスマーケットに響かせるかを意識しています。最初のころは素材について、紆余曲折ありましたけど(笑)。

宮澤:とにかく洗濯できる生地を探してくれと最初に言ったんですが、美也子的にはありえないと思ったみたいですね。

中村:普通はウールかシルクでしょ?と思っていたので、ポリエステルで作る服なんて、とちょっと驚きました。でも、普通の女性は素材ではなく、着心地が良く、綺麗に見えて、洗濯可能、そしてシワにならないといったことを重視していた。そこを抑えつつ、ハイエンドなファッションのデザインを取り込んだんです。

新サービス「ベントウ」で業績好調に転じる

WWD:ブランドを立ち上げて以降、業績は順調だった?

宮澤:正直に言うと、13年の立ち上げ当初は全然売れませんでした。というのも、うちの服って全然安くないんですよ。同時期に立ち上がったD2Cブランドの「エバーレーン(EVERLANE)」や「ワービー・パーカー(WARBY PARKER)」は価格が非常にリーズナブルなのに対して、私たちの服はアメリカのOLに人気の「J. クルー(J.CREW)」や「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」などよりも高い。それに加え、着てもらえれば商品の良さは分かるけれど、デザインもシンプルなので、EC上では高い理由が伝わらない。最初の2年間はなかなか売れず、苦しい時期でしたね。

WWD:業績が好調に転じたきっかけは?

宮澤:大きな要因としては、14年の終わり頃に始めた「ベントウ ボックス(BENTO BOX)」というサービスですね。お客さまへのアンケートをもとに、当社のスタイリストが服をセレクトして送る仕組みです。先ほども言ったように、うちの商品の良さは着てもらえれば分かる。まずは着てもらうために、お客さまに服を箱に詰めて送ってみようと考えました。当時のお客さま約1000人にメールでヒアリングをしたところ、18%ほどが「送ってもいいよ」と言ってくれました。そこで送ってみたところ、売り上げが大きく伸びたので、ちゃんとサービスとして展開しようと。結果的に15年から業績が伸び始めました。近々、「ベントウ」の進化版として「オマカセ(OMAKASE)」というサービスをスタートする予定です。「出張に行くならこの5点」といった形で、商品を送る仕組みです。

WWD:そういったアイデアを考えるのは宮澤CEO?それとも中村CCO?

中村:まずは「こういうサービスが欲しい」「システム上のここがうまくいっていない」といった情報をいろいろなところから吸い上げ、最終的には沙羅が取りまとめています。

宮澤:美也子のすごいところは、「数字のことは分からない」と言いつつも、ちゃんとビジネスが分かっていること。彼女が好きなアイテムがあっても、「消化率が悪いから量産はできない」と伝えればすぐに納得してくれる。

中村:逆に消化率が悪くても、デザインやほかのアイテムとの組み合わせの観点から重要なんだということを沙羅は理解してくれる。いろいろな点で意気投合できることは非常にラッキーだったなと思っています。

プラスサイズ商品や実店舗での工夫とは?

WWD:商品のサイズバリエーションも豊富だ。

宮澤:全部で15サイズほどあります。アメリカ人女性の平均サイズが12なのですが、一般的なブランドのサイズは12までしかない。言ってしまえば、半分以上を除外するような形を取っているんです。私たちは女性の尊重を最も重視していて、その考えなくして会社は成立しなかった。より多くの女性のために豊富なサイズを用意することは当然の流れです。さらにプラスサイズの服と通常サイズの服でデザインのディテールを変えているのもポイントです。これは美也子のアイデアで実現しました。

中村:一般的なプラスサイズの服って、通常のモノと同じ形にすることが多いんですが、原型に縛られてしまったら最高なモノにはたどり着けないと思って。ネックが少し小さくしたり、袖をもう少し長くしたりといった工夫を取り入れています。

WWD:現在は実店舗も構えている。

宮澤:全米に8店舗あります。予約制ではないのですが、多くのお客さまが予約を取って来店されますね。いずれの店舗にも在庫は置かず、在中のスタイリストたちがお客さまに合う服を取り寄せて、1時間ほどいろいろと試してもらうようにしています。仕事で忙しい女性をターゲットにしているからこそ、貴重な1時間を無駄にしないよう、効率のいいショッピングを楽しんでもらいたいと考えています。

WWD:現在の売り上げ規模は?

宮澤:公表はしていませんが、昨年から4割増と、ECを中心に堅調に伸びています。購入者数は20万人ほどですね。

WWD:今後、人材的に強化したい分野は?

宮澤:少し変に聞こえるかもしれませんが、普通のアパレル業界にいる人をもっと採用したいと考えています。これまでは従来のアパレル業界を古いとみなし、テクノロジーに投資を行ってきましたが、今は店舗に注力したいです。そのため、アパレルの基礎が分かっている人を重視しています。あとはデジタル・マーケティング領域の人材も探しています。なかなか集めるのが難しいのですが、目まぐるしく法則が変わるマーケティング領域に対応できないと、生き残れないと考えています。

WWD:クールジャパン機構から20億円の資金調達を行った発表した。具体的にはどういったことに資金を使っていくつもりか?

中村:すでに日本の生地屋や加工屋、縫製工場などをクールジャパンに紹介してもらっています。日本素材を中心に使った、売れ筋である“コア”商品の拡充や、日本の素材、特性を生かした商品の開発を行っていくつもりです。

宮澤:クールジャパンにはアパレルの専門家もおり、非常に力になってくれています。また、日本に拠点がない中で、クールジャパンを通じて日本の生産拠点とのやり取りなどをできることは心強い。来年にはカナダやイギリス、オーストラリアへもECを通じて商品を販売していく予定で、日本への進出も検討しています。私たちの女性の地位を向上させたいという意思も理解してもらっているので、しっかりと成功させたいです。

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デザインとアートの祭典「デザイナート」が開幕 今年の見どころは?

 デザインとアートの祭典「デザイナート トーキョー 2019(DESIGNART TOKYO 2019、以下デザイナート2019)」が10月18日開幕した。「デザイナート2019」では東京各所でアートやデザイン関連のイベントや展示が行われる。今年で3回目を迎え、エリアを銀座や新宿まで拡大し、インテリア、ファッション、デザイン、テクノロジーなどジャンルの枠を超えたバラエティー豊かな展示に注目だ。ここでは、「デザイナート2019」の見どころを紹介する。

北青山にアジアの若い才能が集結

 今年のメーンイベントはワールド北青山ビルの「1%フォーアート」をテーマにした展示だ。「1%フォーアート」とは公共建築費の1%をアートの費用に充てる文化制度で、世界各国で取り組みが行われている。この展示は香港を拠点に活動するキュレーションチームのデザインピア(DESIGN PIER)が手掛けた。デザインピアはアジアのデザインにフォーカスし、日本をはじめ、中国やシンガポールやインドネシア、パキスタン、オーストラリアのデザイナーによる作品を紹介。椅子やテーブルなどのインテリアから、なでると「ミャー」と鳴くネコのオブジェまでさまざまだ。

 デザインピアの設立者のゾフィア・イロスヴァイ(Zsofia Ilosvai)は、「以前はアジアのデザインは保守的だったが、若いデザイナーは伝統をモダンに再解釈して表現している。ここに来ればアジアのデザインに何が起こっているか分かる」とコメントした。ここで展示されている作品は購入も可能だ。

グーグルが考える日常とテクノロジーの関係

 グーグル デザイン スタジオ(GOOGLE DESIGN STUDIO)は六本木の21_21デザインサイト(21_21 DESIGN SIGHT)ギャラリー3で「カンマ(COMMA)」というインスタレーションを開催。「カンマ」とは「間」のこと。トレンド予測のパイオニアであるリドヴィッチ・エデルコート(Lidewij Edelkoort)が東京、米ニューヨーク、スウェーデン・ストックホルム3都市からセレクトした家具や日常品、おもちゃを「グーグル」のスピーカーやイヤフォンなどの新製品と展示している。

 グーグルのハードウエアデザイン部門のアイビー・ロス(Ivy Ross)=バイスプレジデントは、「日常にあるテクノロジーは、せわしない日常でスローダウンする手段にもなる。その関連性を探った展示だ」と語った。エデルコートは、「テクノロジーによって全てが加速しているが、現実は昔も今も変わっていない。人は時間を求めているということだ。道具の使い方次第でゆったりした時間を過ごすことができる」とコメント。グーグル製品に使用されているリサイクルテキスタイルに着目し、オランダ人デザイナーが手掛けたアンティークの壁掛けも展示されている。

「ホンダ」が未来の自由運転をシュミレーション

 「ホンダ(HONDA)」は本田技術研究所でデザインエンジニアの山中俊治とと共に開発した未来の“自由運転”を体感できるシュミレーターを展示している。自動運転の時代が到来し、将来的には自由運転が可能になった時の自動車をデザイン。自由運転とは、自動運転でありながら、人が運転に介入できるというものだ。シュミレーターにはペダルがなく、ステアリングウィールより小ぶりの円形のハンドルで操作するようになっている。そのハンドルをたたいたり、押したり、引いたりすることで運転に介入できるが、よそ見をしたりコミュニケーションを取りたい時は自動運転になる。まるで人が散歩をするかのように車を用いて移動することができるというものだ。目の前には高速道路や海辺の道などのヴァーチャルなイメージが広がり、未来の自由運転を体感できるようになっている。

「ラリック」銀座店で出合うダミアン・ハースト

 「デザイナート2019」の新たなエリアに加わった銀座。「ラリック(LALIQUE)」銀座店では、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)とコラボレーションしたアートピースを展示している。“生命の循環”を象徴するさまざまなモチーフをクリスタルで表現した“エターナル”コレクションが勢ぞろいし、日本初公開作品も含まれている。ハーストが愛してやまない“科学”“宗教”“生命”“死”というテーマを「ラリック」が持つ高度なクラフツマンシップが表現。スカルや十字架といったおなじみのモチーフを用いた作品やナイフが貫いた牛の心臓にハトの羽が生えた「エターナル イマキュレート(ETERNAL IMACULATE)」などを見ることができる。

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小島健輔リポート 東コレへの提言 クリエイションは創る側と使う側が分かち合うもの

 ファッションビジネスのコンサルタントとして業界をリードする小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する不定期連載をスタート。今回は開催中の「楽天 ファッション ウィーク東京」、いわゆる東コレ(東京コレクション)について提言する。

 スポンサーがアマゾンから代わって初めての「楽天 ファッション ウィーク東京」(東コレ)が「ヨシキモノ(YOSHIKIMONO)」を皮切りに10月14日から始まったが、世界のコレクションシーンにおける存在感の低下は否めない。トーキョーのアイデンティティーを打ち立て、グローバルなポジションを確立するにはどうすればいいのだろうか。

ポスト「ファッションシステム」のクリエイション

 ファッションマーケットは長らく、ブランドとファッションジャーナリズムが連携して一般消費者との情報格差を仕掛けて高付加価値を実現する、古典的なファッションシステムが支配してきた。それがSNSによる情報民主化の奔流に「ノームコア」を宣言して屈服したのが2014年。以降は過剰なデザイン性は抑制されシンプルな服を「ウエアリング」(着こなし、着回し)で楽しむ傾向が強まっていった。

 ブレグジット(英国のEU離脱問題)やトランプ大統領就任など分断と対立の社会潮流がファッションにも波及してか、17年以降は世界各国でローカルなファッションやブランドが盛り返し、グローバルなモードトレンドが勢いを失ってグローバル展開のアパレルチェーンやブランドが次々と店を閉め撤退している。

 アパレルはもともとローカルなもので、エスニックマーケティングとローカルフィットが欠かせない。08年から8年間のグローバリゼーションの奔流下では、そんな現実を無視したグローバル展開が押し進められたが、マーケットが正気に返ったとき、逆流も激しかった。

 アパレルの世界的な過剰供給で需給のギャップが広がり、企画先行のプロダクトアウト型ブランドも大量生産の売り減らし型SPAも壁にぶつかった。一方で、IoTによるデジタル企画〜生産が刻々と広がってC2Mのビジネスモデルが次々と離陸し、服飾雑貨などでは3Dプリンタによる即時生産販売さえ現実味を帯びている。そんな中、クリエイションも創り手側が完成させたスタイリングの発信から使い手側の「ウエアリング」を誘発する再構成可能な提案に、半年以上もタイムラグがあるコレクション受注生産から実需に即応するC2M生産に転換する必要がある。

 成功しているかに見えるラグジュアリーブランドとて、グローバル統一の流通体制を確立しているのはごくわずかで、各国現地法人のコレクション発注による計画生産では期中の在庫融通もなく(ローカルフィットの壁もある)、在庫回転は最良でも2回転に届かない。2回転以上しているのはOEM(相手先ブランドの生産)調達による雑貨類だけではないか。非効率なビジネスのコストを法外な値付けで顧客に転嫁し、利益をむさぼっているのが現実だ。

 欧米型のコレクション受注生産体制を志向してトーキョーのスケジュールを前倒ししようという声もある。だが、それではかえってトーキョーのアイデンティティーは見えなくなる。デザインから生産まで一貫するデジタル化でリードタイムを極小化し、ストリートの熱気をタイムラグなく商品化してこそ、トーキョーはグローバルなポジションを得られるのではないか。

※C2M(Consumer to Manufacturer)…IoT仕掛けのデジタル生産でパーソナル対応と無在庫販売を実現するビジネスモデルで、短納期パーソナルオーダーや店頭3Dプリンタ出力販売などが挙げられる

トーキョーストリートの「ウエアリング」

 世界のモードトレンドは長年、アングロサクソン系とラテン系の欧米コレクションシーンがリードしてきたが、近年はモンゴロイド系のグレーターチャイナ圏(中華圏)ストリートにお株を奪われた感があるし、ネグロイド系やアラブ系がモードを主導する日が来るかもしれない。

 今やトーキョー〜ソウル〜台北とつながるグレーターチャイナ圏ストリートは欧米のコレクションシーンがとうてい及ばない熱気を帯び、欧米のデザイナーもアイデアソースを求めて毎シーズンのように訪れる。ハラジュクでも最先端はアジアの若者が闊歩するスニーカー通りであり、表参道はブランド礼賛のお金持ち観光客、キャットストリートの千駄ヶ谷側はユーズド志向のローカルな若者、キャットストリートの渋谷側や明治通りは外国人観光客や関東圏の一般客が訪れる。

 そんなトーキョーストリートの旬の「ウエアリング」をトーキョーのランウエイがキャッチしているかというと、多くは服の造形とスタイリング提案に終始するだけで「ウエアリング」を競ってはいない。欧米モードの文法に沿うか文法の破壊を試みるだけで、「ウエアリング」をクリエイションしているのはごく一部の人気ブランドに限られる。

 創り手が「スタイリング」をクリエイションするように、使い手にも「ウエアリング」のクリエイションがある。トーキョーデザイナーのクリエイションには、それを誘発する再構成可能な仕掛けが求められているのではないか。

欧米モードの限界とジャポニスム

 人体賛美のフェティシズムが通底する欧米モードは、「服」の完成度を追ってトワルを詰めていくからボディーコンシャスな造形に流れがちで、着崩したり気回したりする余地が限られる。キモノのように「布」を自在にまとう着る側のクリエイションを想定していないのだ。キモノの世界では創り手のクリエイションは「布」で終わり、「ウエアリング」のクリエイションは使い手に委ねられるが、モードの世界ではスタイリングまで創り手が完成させてしまう。

 オートクチュール系のプレタポルテなど、創り手が想定したプロポーションまで使い手に強いてしまう。欧米モードのコレクションシーンを見るたびに、ランウエイを闊歩するモデルたちが規定されたプロポーションとスタイリングを忠実に表現するアンドロイドに見えてしまう。そこには使い手側のクリエイションはみじんも見られない。

 そんな欧米モードの堅苦しさを逃れようと、使い手側のクリエイションが楽しめるキモノへの憧れは19世紀のアールヌーボー初期から見られ、浮世絵に触発された多くの画家がキモノを描き、服飾デザイナーも中世から続くローブの緩いデザインに取り入れた。70年代に日本人デザイナーがパレコレに進出して高い評価を得たのは異国趣味などではなく、アールヌーボー期以来のジャポニスム、とりわけキモノへの憧れが根底にあったからではないか。

「現代キモノ」が損なった使い手のクリエイション

 「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」や「サカイ(SACAI)」のクリエイションは、創る側のリメークと着る側のリメークの境がなく、時に分割や合体など“洗い張り”感覚の着崩し着回しまで着る側に委ねられる。そこに通底するのは「現代キモノ」によって着こなしが規格化される以前の、おそらく明治・大正・戦前昭和期のキモノ文化ではなかろうか。

 創り手のクリエイションがテキスタイルに終わるキモノの世界では「ウエアリング」のクリエイションは使い手に委ねられるから、江戸時代には歌舞伎役者や花魁、芸妓はもちろん、茶屋娘や町娘、大通や若旦那、遊び人や職人までさまざまに装いを工夫し、ストリートのウエアリング文化が花開いた。

 キモノは基本的にジェンダーレスだから、花魁と遊客、彼氏と彼女がキモノを交換して着るなど日常的なことだったし、庶民のキモノはほとんど古着かリメークだったから、新品と中古の境のないサステイナブル市場だった。それは明治・大正・戦前昭和期でも同様で、洋服が権力機構によって規定される一方、花柳界からカフェの女給まで、高等遊民から車夫までキモノは創造性に満ちていた。

 帯板や詰め物、何本もの紐で縛って無理やり整形する「現代キモノ」が着る側の創造余地を限定して、「ウエアリング」の楽しみどころか機能性も着こなしの幅も損なって、マーケットを7分の1に萎縮させた過ちを対岸の火事と見てはなるまい。洋服のクリエイションとて、創り手と使い手が分かち合ってこそ盛り上がるのではないか。

 東コレの再興をファッションシステムや欧米コレクションビジネスの枠組みに求めるのは間違っている。それらはとっくに役割を終えた“遺構”であり、トーキョーのクリエイションはグレーターチャイナ圏ストリートの若者たちの熱気が生み出す「ウエアリング」をデジタルなIoTサプライで“旬”のままグローバルに問うのが正解だと思う。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。近著は店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)

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「ミスター・ジェントルマン」2020年春夏東京コレクション

 「ミスター・ジェントルマン(MISTERGENTLEMAN)」が2020年春夏コレクションを東京で発表した。

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