創業25年目で3店舗目の出店 美容室「ダブ」が銀座に進出した狙いとは?

 1995年に東京・代官山に1店舗目を出店し、99年に表参道に2店舗目を出店。その後拡張を続けながら、両エリアを代表する美容室となった「ダブ(DaB)」は創業25年目を迎え、今年10月に3店舗目となる「ダブ ギンザ(DaB GINZA)」をオープンした。なぜこのタイミングで銀座に進出したのか――八木岡聡「ダブ」代表にその真意を聞いた。

WWD:これまで表参道と代官山の2エリアでやってきて、どうしてこのタイミングで銀座に出店したのか?

八木岡聡代表(以下、八木岡):以前から3店舗目の出店は計画していて、銀座も候補の一つとして考えていた。ただいい物件になかなか出合えずに、出店にまで至っていなかった。今回、縁があって銀座4丁目の交差点近くに位置するこの店舗に出合えたのと、現在銀座店のディレクターを務める山口大仁からも銀座でやりたいという意見があり出店を決めた。物件を決めてから出店までは半年もかかっておらず、「ダブ」としてもスピード出店だった。

WWD:この10年ほどで多くの美容室が銀座に進出している。その中で「ダブ」ならではの強みとは?

八木岡:やはりデザイン力と技術の高さだと考えている。「ダブ」は今年で25年目となるが、その長い歴史の中で多くのお客さまに支持され、常にトップサロンであり続けることができた。その中で培ってきたデザイン力と技術力は他のサロンに負けないと考えている。

WWD:ヘアサロン業界では、長らくトレンドの発信は原宿、青山、渋谷とされてきたが、銀座もトレンド発信地となり得るか?

八木岡:銀座は流行よりも文化的な側面の方が大きく、ここからヘアのデザイン的なトレンドがたくさん生まれていくかというと、そこは懐疑的で、デザイン性の高いヘアよりもコンサバティブなヘアが好まれるのではないかと感じている。だからといって、「ダブ」は銀座に合わせてコンサバティブにするのではなく、表参道や代官山と変わらず“クール・クチュール”というテーマでデザイン性の高いヘアを打ち出していく。ある意味で挑戦でもある。大げさかもしれないが、「ヘアデザインを通して、銀座の街をオシャレに変えていきたい」と考えている。

WWD:銀座店のオープニングスタッフは何人か?

八木岡:約115平方メートルとコンパクトな店なので、オープニングは10人。そのうちスタイリストは4人で、キャリアのあるベテランスタイリスト2人と若手スタイリスト2人という構成だ。銀座といえば“大人”のイメージもあるが、最近は若い人も増えており、ベテランと若手が協調することで、幅広いお客さまに対応できるようにしている。銀座店は、これまで「ダブ」に通ってくださっていたお客さまはもとより、これまでアプローチしにくかった東東京や千葉といったエリアの新規客も獲得できればと考えている。

WWD:25年目で3店舗というと出店数が少ない印象もあるが?

八木岡:3店舗というと少なく聞こえるが、常に拡張やリニューアルを行ってきていて、表参道店は約495平方メートル、代官山店は約330平方メートルとそれぞれのエリアでは最大級の広さ。消費者のテイストが多様化する中で、多ブランド化を進める美容室もあるが、「ダブ」は店舗数を増やすのではなく、1店舗の濃度が高い状態でありたいと考えている。それが「ダブ」の強みとなっており、多店舗化することでそれが薄れるのはブランディングにも大きく影響してしまう。イメージとしては“大学病院”のような存在で、それぞれのエキスパートが集まったサロンでありたい。今後も多店舗化を進めるというよりは、まずは銀座店を拡大していくことに注力していくつもりだ。

長く活躍し続けるには、フレッシュであるべき

WWD:八木岡さんは長く美容師をやってきて、今の美容師に何が必要だと感じている?

八木岡:集客方法や自己プロデュース方法などは時代やツールの誕生とともに変わってきた。今の瞬間だけをとらえるなら、SNSでフォロワーを増やして新規客をたくさん呼ぶということが重要だ。ただ、“ヘアデザインを通して顧客を増やす”といった、美容師という職業の根本的な部分は変わっていない。今の時代だからこそ、その本質を忘れてはならない。長く美容師を続けるなら、“美容師としての魅力”も必要で、センスや技術、コミュニケーション力なども求められる。仕事は生ものと一緒で鮮度が落ちたらダメ。常にフレッシュであり続けなければ飽きられてしまい、お客さまも離れていってしまう。

WWD:美容師は30~40代が売り上げのピークといった意見もあるが、八木岡さんは月800万円近く売り上げがある。その秘訣は?

八木岡:美容師の場合、「お客さまと共に年を重ねていく」といった意見もあるが、それだけだと顧客の数は減っていってしまう。先ほども言ったように、自分自身が常にフレッシュであれば、それが刺激となって、新規のお客さまもの獲得にもつながる。私の場合も、「会うと元気がもらえる」と言ってもらうことが多く、そうやって人にパワーを与えられる人は支持もされる。現状維持でいいと思っていると、それ以上成長しなくなってしまう。現在、サロンワークは水~土曜日の週4日で1日35~40人を担当している。予約も常に3カ月先まで埋まっている。どこまで現役美容師として活躍できるか、スタッフたちに見せていきたい。

■DaB GINZA
時間:月~金曜日 11:00〜21:00 / 土曜日 10:00~20:00/日・祝日 10:00〜19:00
定休日:火曜日
住所:東京都中央区銀座5-7-6 大黒屋ビルジング5F

The post 創業25年目で3店舗目の出店 美容室「ダブ」が銀座に進出した狙いとは? appeared first on WWD JAPAN.com.

渋谷109が若者の「トレンド大賞」を発表 セットアップコーデ、よしあき&ミチ、髭男、あな番がランクイン

 SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関「シブヤイチマルキューラボ(SHIBUYA109 lab.)」は、2019年のトレンド調査の結果を発表した。2019年10月に渋谷109を訪れた15〜24歳の女性を対象にアンケートを実施し、全6部門の「トレンド大賞2019」を選定した。

 ファッション部門では第1位に「セットアップコーデ」、第2位に「パールピン」、第3位に「厚底シューズ・サンダル」がランクイン。「セットアップコーデ」は“とりあえず着ておけばオシャレに見られる”という点が人気の理由となった。コスメ・スキンケア部門では「スキンアクア トーンアップUVエッセンス」が首位を獲得。同商品は“ラベンダー日焼け止め”と呼ばれるなど、商品の魅力を端的に表現する異名を持つアイテムが多数ランクインした。

 ヒト部門第1位にはインフルエンサーとして活躍する姉弟「よしあき&ミチ」。2人はユーチューブチャンネルを開設し、姉のミチは AbemaTV「オオカミちゃんには騙されない」に出演、弟のよしあきは本を出版するなど活躍の場を広げている。第2位と第3位には「ヴァンゆんチャンネル」「なこなこちゃんねる」と男女2人組みのユーチューバーが続いた。恋愛リアリティーショーの流行や芸能人カップルのSNSアカウントが発端となり、カップルインフルエンサーがトレンドとなった。

 そのほかアーティスト部門では4人組みピアノPOPバンド「Official髭男dism」、ドラマ・番組部門では「あなたの番です」、カフェ・グルメ部門では「UFOチキン」がそれぞれ第1位となり、「タピオカ」は殿堂入りした。

 長田麻衣「シブヤイチマルキューラボ」所長は今年の結果について、「ヒトやコンテンツは昨年と同様に“親近感があること”と“応援したくなること”が若者の心を掴むポイントとなった。加えて今年はコスメ・スキンケアのように異名がついたり、『消えそうな色コーデ』『コンテンツの考察(例:あな番考察)』などSNS上で語られる共通言語を持つものが話題となった。また商品に関しては口コミを重視する傾向が強く、“自分が信頼している人が熱量を持って薦めているか”が重視されている」と話す。

The post 渋谷109が若者の「トレンド大賞」を発表 セットアップコーデ、よしあき&ミチ、髭男、あな番がランクイン appeared first on WWD JAPAN.com.

“ランシュー界のアップル”と呼ばれる「オン」にロジャー・フェデラーが加入

 “ランシュー界のアップル”と呼ばれる2010年スイス創業のランニングシューズメーカー「オン(ON)」は11月23日、創業の地を地元とする男子プロテニス選手ロジャー・フェデラー(Roger Federer)がシニアチームメンバーに加入したことを発表した。「オン」はフェデラーのトップアスリートとしての知見を活かし、フェデラーはシニアチームメンバーとしてアドバイザーのほか投資家として「オン」にかかわり、来年中に新商品を発売する予定だという。

 トライアスロンの元トップアスリートで「オン」共同創業者のオリヴィエ・ベルンハルド(Olivier Bernhard)は、フェデラー参画のきっかけに「長年『オン』を愛用していた」を挙げ、続けて「友好が深まるにつれ、テニスコート外でも優れたリーダーであり、新たなことに挑戦する起業家精神をもっていることを知った。デザインとイノベーションに情熱を注ぐ私たちと同じ価値観を共有しているフェデラーがチームメンバーとなることで、とてつもない化学反応が起こると確信している」とコメントした。

 「私はファンとして長年「オン」を愛用してきた。そして創業者たちと話し知れば知るほど、単にスイス出身ということ以外にも多くの共通点があると気づいた。チームメンバーに加わりアスリートとしての経験を生かすことで、この若いパフォーマンスブランドの成功にどれだけ貢献できるかを考えるととてもワクワクする」(フェデラー)。

 なおフェデラーは、昨年ユニクロ(UNIQLO)とグローバルブランドアンバサダー契約を2028年まで結んだことを発表したほか、ナイキ(NIKE)とはキャリア初期の2002年からスポンサー契約を結んでおり、今後の動向に注目が集まる。

The post “ランシュー界のアップル”と呼ばれる「オン」にロジャー・フェデラーが加入 appeared first on WWD JAPAN.com.

“ランシュー界のアップル”と呼ばれる「オン」にロジャー・フェデラーが加入

 “ランシュー界のアップル”と呼ばれる2010年スイス創業のランニングシューズメーカー「オン(ON)」は11月23日、創業の地を地元とする男子プロテニス選手ロジャー・フェデラー(Roger Federer)がシニアチームメンバーに加入したことを発表した。「オン」はフェデラーのトップアスリートとしての知見を活かし、フェデラーはシニアチームメンバーとしてアドバイザーのほか投資家として「オン」にかかわり、来年中に新商品を発売する予定だという。

 トライアスロンの元トップアスリートで「オン」共同創業者のオリヴィエ・ベルンハルド(Olivier Bernhard)は、フェデラー参画のきっかけに「長年『オン』を愛用していた」を挙げ、続けて「友好が深まるにつれ、テニスコート外でも優れたリーダーであり、新たなことに挑戦する起業家精神をもっていることを知った。デザインとイノベーションに情熱を注ぐ私たちと同じ価値観を共有しているフェデラーがチームメンバーとなることで、とてつもない化学反応が起こると確信している」とコメントした。

 「私はファンとして長年「オン」を愛用してきた。そして創業者たちと話し知れば知るほど、単にスイス出身ということ以外にも多くの共通点があると気づいた。チームメンバーに加わりアスリートとしての経験を生かすことで、この若いパフォーマンスブランドの成功にどれだけ貢献できるかを考えるととてもワクワクする」(フェデラー)。

 なおフェデラーは、昨年ユニクロ(UNIQLO)とグローバルブランドアンバサダー契約を2028年まで結んだことを発表したほか、ナイキ(NIKE)とはキャリア初期の2002年からスポンサー契約を結んでおり、今後の動向に注目が集まる。

The post “ランシュー界のアップル”と呼ばれる「オン」にロジャー・フェデラーが加入 appeared first on WWD JAPAN.com.

カニエ・ウェストが語る、大統領選出馬と長者番付と宗教観 「人間は神が創ったiPhoneだ」

 カニエ・ウェスト(Kanye West)は11月7日、米ビジネス誌「ファスト・カンパニー(Fast Company)」主催のイベント「ファスト・カンパニーズ・イノベーション・フェスティバル(Fast Company’s Innovation Festival)」にサプライズゲストとして登壇した。会場の最前列には、イベントが始まる直前に席に着いた妻のキム・カーダシアン(Kim Kardashian)の姿も見られた。

 アディダス(ADIDAS)と手掛ける「イージー(YEEZY)」のスティーブン・スミス(Steven Smith)=フットウエアデザイナーと共に登場したカニエは、2024年の米大統領選挙に立候補する意向であることをあらためて表明した。カニエは以前からドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を支持していることを力説し、15年には20年の、18年には24年の米大統領選に出馬すると発言するなど、政界への関心をたびたび示してきた。このイベントでは、ほかにもヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)との友情やアディダスとの協業について、雇用や人種差別問題についてなど幅広く語っている。その中からいくつか興味深い発言を紹介する。

・ 「イージー」と雇用について

「『イージー』はアパレル業界のアップル(APPLE)社だ。今まで、アパレル業界にアップルのような会社はなかった。『イージー』は人生を“イージー(容易)”にしてくれる。俺は米国の雇用を拡大したい。手始めに『イージー』の本社をワイオミング州に移す。生産も米国内で行い、雇用を生み出す」

 なお、カニエは9月にワイオミング州にある広さ1600ヘクタールの牧場を1400万ドル(約15億円)で購入している。また、「俺は『イージー』を100%所有している」という発言もあったが、これについてアディダスのコメントは得られなかった。

・ 子ども時代について

「母親は座り込みのデモをして、俺が6歳のときに逮捕された。父親はブラックパンサー党(1960~70年代に米国で黒人解放闘争を展開していた政治組織)の一員で、俺たちは教会で育った。16歳になって『ギャップ(GAP)』で販売員のアルバイトをしたが、万引きでクビになった。『アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)』は高くて買えなかったが、『ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)』なら買えた。TJマックス(TJ MAXX)などのオフプライスストアで売っていて安かったんだ」

・ 小売り環境の変化について

「『オールバーズ(ALLBIRDS)』の創業者らが買い物体験について語ったことに感銘を受けた。前回ニューヨークを訪れた際、妻と共にドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)に行ったし、ジュエラーの『ジェイコブ(JACOB & CO.)』にも行ったんだが、本当に素晴らしい体験だった。世の中はすっかりD2Cやオンラインショッピングに席巻されているが、実際の店舗に行き、誰かが美しく並べてくれた商品を見ると心が癒される。だから、ファッション業界にいる全員が重要なんだ。バイヤーも、買い物客も、そして販売員もね」

・ ヴァージル・アブローについて

「俺とヴァージルは、服に関する意見を述べる機会がほしいと思っていた。アメリカの黒人デザイナーは意見に耳を傾けてもらえない。黒人は消費者にしかなれないというわけだ。会社の取締役会に顔を出すようになって知ったが、偉いやつらは俺たちを“黒人層”という枠に押し込めてしまう。ヴァージルはアフリカにルーツを持っている。俺とヴァージルは肌の色に左右されずに行動する」

・ ほかのデザイナーについて

「『バレンシアガ(BALENCIAGA)』を率いるデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)と俺は、同じスピリットを持っている。だから、どっちが早くこのアイデアを具体化して世の中に出せるか、という感じなんだ」

・ 「フォーブス(FORBES)」誌が毎年発表している「世界長者番付」にランクインしなかったことについて

「発表後に『フォーブス』の連中と会ったときに8億9000万ドル(約961億円)の領収書を見せたが、それでも俺が億万長者だと認めなかった。自分を億万長者だと称するのは品がないとみんな言うが、構うものか。俺が実際にそうなんだと伝わるまで、1年ぐらい名前を“クリスチャン・ジーニアス(天才)・ビリオネア(億万長者)・カニエ・ウェスト”に変えてやろうかと思う」

 なお、「フォーブス」誌はこの発言を受けて、「当誌の調べでは、『世界長者番付』の準備をしていた19年初めの段階でカニエ・ウェストの資産は2億4000万ドル(約259億円)程度だったためランクインしていない。やや低めに見積もっているが、それはどの候補者に対しても同様だ。その後、8月号の巻頭特集のためにカニエにインタビューをしているが、そのような領収書は見ていないし、その領収書だけでは億万長者と認めることはできない」とする記事を掲載している。

・ 人種差別とアディダスについて

「黒人に対して言いたいのは、『黒人という枠に押し込められるな』ということだ。個人のパワーを自覚してほしい。(一般に多くの黒人が支持するとされる)民主党に投票するだけではパワーを行使したことにならない。それは言われたことをやっているだけだ。俺はアディダスが理不尽なことを言ってきた際に、弁護士に相談した。そして大人らしくトレンチコートを着て、『工場をアメリカに移す。これは決定事項だ』とアディダスに言ってやったんだ。これがパワーだ。ちなみに、その後は良好な関係が続いているよ」

・ 宗教について

「人間は神が創ったiPhoneだ。神が創った機械だ」

・ 将来について

「俺は何かを願ったりしない。行動あるのみ」

The post カニエ・ウェストが語る、大統領選出馬と長者番付と宗教観 「人間は神が創ったiPhoneだ」 appeared first on WWD JAPAN.com.

@itbuyer_fun 展示会IT・ハードバイヤーコミュニティ

CF-31の重さは中途半端じゃないけどね。でもその堅牢さはそこら辺のものと比較して圧倒的な存在感。

Posted in 未分類

@itbuyer_fun 展示会IT・ハードバイヤーコミュニティ

こういうのがどんどん登場してくると一般管理職は全部いらなくなるな。コスト管理以外にも営業管理や取引先管理や納品管理や歩留まり管理なんかもAI活用が出てくるだろうかね。

Posted in 未分類

トルコ屈指の紡績グループいわく 「自然災害大国の日本よ、もっとサステナビリティに関心を持て」

 トルコ西部の都市イズミルにある紡績グループのウチャク(UCAK)は取扱量の約7割をオーガニックコットンが占める、トルコ最大のサプライヤーだ。1975年にフセイン・ウチャク(Huseyin Ucak)が創業し、95年には紡績をスタートさせた。紡績工場は往々にして縫製やニッティングなど川下に進出するが、ウチャクは川上に向かった。棉(めん)農場を自社運営し、トレーサビリティーを突き詰めるためだ。これに目を付けた繊維商社の豊島は、2019年3月にオーガニックコットン糸の独占契約を締結。これによりウチャクは日本市場に本格的に乗り出す。パートナーシップの詳細については、「WWDジャパン」11月25日号にまとめた。ここではフセインの孫であるオヌール・ウチャク(Onur Ucak)=ウチャク マネージングディレクターに、日本のサステナビリティについて聞いた。

※繊維業界では、農作物として取引を行う状態を“棉”、棉を加工して工業製品となったものを“綿”と呼ぶ

WWD:“トレーサビリティー”はウチャクのアイデンティティーだと聞いた。

オヌール・ウチャク=ウチャク マネージングディレクター(以下、オヌール):2002年頃、世界中が温暖化など地球環境を問題視し始めた。しかしファッション業界は反応できておらず、それはサステナビリティ先進エリアであるヨーロッパも同じだった。加えて、その頃のオーガニックコットンのメインプレーヤーはインドであり、今もそれは変わらない。われわれが棉農場の運営を始めたのは12年のことだ。そこが起点と言える。

WWD:19年3月には日本の繊維商社、豊島とオーガニックコットン糸の独占契約を結んだ。

オヌール:豊島とは15年に綿、17年に糸の取引をそれぞれスタートさせた。担当者が、0泊3日の強行軍も含めて年に3~4度イズミルに来てくれた。彼らとの会話を通じて豊島の歴史を学び、オーガニックコットン普及プロジェクト「オーガビッツ(ORGABITS)」の存在も知った。豊島は日本でオーガニックレストランを経営し、ウチャクはトルコでオーガニックホテルを運営している。共通点も多く、サステナビリティについての考え方も一致していることから独占契約締結に至った。豊島は、ウチャク製のオーガニックコットン糸を“トレーサブル・オーガニックコットン糸”として売り出す。

WWD:豊島としても天然繊維の独占契約は初とのこと。中長期的なプランは?

オヌール:まずはウチャクのオーガニックコットン生産量を3年以内に1.5倍にする。そのうえで豊島との糸の取引量も3年で2倍、6年で4倍にしたい。

WWD:日本のモノ作りも遅まきながらサステナビリティを意識するようになった。何を期待する?

オヌール:日本は最も成熟した国の一つだ。同時に地震や津波、台風などの自然災害も多い。これらにも地球温暖化の影響があると思うが、それにもかかわらず日本にはオーガニックなものを選択する積極性は感じられない。本来であれば、日本人ほどその理解が深い国民はいないはずだ。もっと関心を持ってほしい。

WWD:確かに自然災害はわれわれにとって“当たり前のこと”になってしまっているのかもしれない。それではサステナビリティとデザインの融合はありえるか?

オヌール:各企業、各ブランドがいっそうサステナビリティのプロモーションを行うべきだ。企業としては利益を上げることも重要だが、あくまで環境ファーストであるべきで、サステナビリティは金もうけの手段ではない。10~20代の若い世代は50~60代に比べて環境負荷への責任を感じている。だから彼らに人気のファストファッションや大手SPAは、率先してサステナビリティに取り組んでほしい。

WWD:ウチャクが行うサステイナブルな取り組みについて教えてほしい。

オヌール:13年に第1工場にソーラーパネルを取り入れ、電力の10~15%をまかなっている。20年には第2工場にも導入する。言わずもがなだが、目標は100%の達成だ。豊島との独占契約はもちろん、ヨーロッパのビッグブランドからもオーガニックコットンの問い合わせは増えている。これに応えるために第3工場を建設予定だ。

The post トルコ屈指の紡績グループいわく 「自然災害大国の日本よ、もっとサステナビリティに関心を持て」 appeared first on WWD JAPAN.com.

サステナビリティって何? 専門家が答えます。連載Vol.12 循環型社会へのシフト、カギは「正しいを楽しく」 日本環境設計・岩元会長

 サステナビリティに取り組まない企業は存続できない――と言われる一方で具体的に何をどうしたらいいのか分からないという声も聞く。そこで「WWDジャパン」11月25日号では、特集「サステナビリティ推進か、ビジネスを失うか」を企画し、経営者やデザイナー、学者に話を聞きその解決策を探る。今回は、ケミカルリサイクル技術をコアとしながら、伊藤忠や三菱商事、豊島などの商社からも資金を集め、循環する仕組み作りに邁進する日本環境設計の岩元美智彦取締役会長に聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):アパレル産業が循環型社会にシフトするカギとは?

岩元美智彦取締役会長(以下、岩元):日本では年100万トンとも言われる大量の衣類ゴミが出ている。これはアパレル製品なんかよりずっと重い工業製品である冷蔵庫や洗濯機などの家電ゴミの合計した数量よりも多い。でも服なんて、ポリエステルなんかは技術的にはケミカルリサイクル(編集部注:廃棄物から原料段階まで溶かして再生すること。石油から作るものとほぼ同等のポリエステルが再生できる)技術がほぼ確立されているから、本当はもう石油を使う必要なんてないんですよ。だけど難しいのは、回収する仕組みづくり。

WWD:技術があっても、回収ができないと?

岩元:集める仕組みって難しいんですよ。売るのだって難しいけど、回収するのはそれ以上です。環境のために協力してくれる人ももちろんいます。でもそういった人たちって色んな所にばらばらと薄く広がっていて、回収を呼びかけても非常に効率が悪い。例えば「環境のためにみんな協力してよ」って言ってもまとまった量を集めるのがとても難しいんですよ。だからポイントは「正しいを楽しく」。例えば「デロリアン動かすのに要らない服を持ってきてください、持ってくると乗れて写真が撮れますよ」なんて呼びかけると、1時間とか2時間待ちになるくらい人が集まる。

WWD:1時間、2時間待ってもらうときに環境問題について説明すれば、問題への理解も深まりますね。

岩元:その通りです。参加すると、リサイクルへの意識が高くなるし、参加者は自分たちの持ってきた廃棄物の一部が原材料になって素敵な商品になったら、それを買いたくなるし、楽しい気持ちにもなる。そうなると好循環ですよね。

WWD:仕組みづくりが大事だと。

岩元:それもありますが、ハブになる存在が必要なんです。循環するための設計をまず作って、立ち上げて、回す。小さくてもいい。ケミカルリサイクルの技術もそうですが、一個一個はできるんだけども、結局回らない。糸から服、そして物流まで、アパレルのサプライチェーンって非常に長いので、どこか一つでも欠けるとうまく回らない。だから誰かがハブになって業界とかいろんな所を調整をして、条件を整えて、一回ぐるっと回す。でも一回ぐるっと回せば、次には速く大きく高く回る。うまく回りだすと経済、つまりお金にもなってくる。

WWD:日本環境設計には、出資者には伊藤忠商事と三菱商事、豊島などの本来はライバルであるはずの企業が並んでいる。

岩元:僕たちがハブになるためには、いろんな接点が必要になる。そのため商社の持つサプライチェーンは非常に重要です。商社が参加することで、取り組みの幅は確実に広がっています。

WWD:岩元会長から見て、サステナビリティの実現のカギになる技術は?

岩元:ケミカルリサイクル技術だと思います。作った製品を回収して、それを原材料にしてまた、製品にするのが、僕は本流だと思います。ペットボトルはペットメーカーが売って回収して、ペットボトルにしていかないとバランスが崩れるじゃないですか。アパレルに関して言えば、理想はポリエステルをベースに循環するのが一番理想に近い。ある意味でアパレル素材の中で完全循環のできる原材料はポリエステルが一番効率がいいし、実際にポリエステルのケミカルリサイクルはCO2の排出量も低い。ポリエステルは加工しやすく、いろんな機能を付加もできる。

WWD:循環型社会が実現すると、何が変わるのでしょう?

岩元:最終的には戦争やテロをなくすことができる。戦争の本質的な原因って、石油などの地下資源の争いですからね。僕らは廃棄物を地上資源と呼んでいる。廃棄物を資源として循環する仕組みを作れば、子どもたちが笑顔取り戻せるんですよ。

The post サステナビリティって何? 専門家が答えます。連載Vol.12 循環型社会へのシフト、カギは「正しいを楽しく」 日本環境設計・岩元会長 appeared first on WWD JAPAN.com.

福士リナや江原美希も登場 計良宏文がヘアスタイリストのための実用書を刊行

 計良宏文・資生堂トップヘアメイクアップアーティストは11月25日に、美容の専門出版社の女性モード社から「ケラリエイション(KERAREATION)」を刊行する。タイトルは“計良”と“ヘアクリエイション”を組み合わせた造語で、クリエイションの基礎から応用までを凝縮した一冊となっている。

 同書は、感覚やセンスだけで語られがちなクリエイションを“言葉”と“理論”と“方法論”で解き明かし、ヘアデザインに取り組むヘアスタイリストのスキルアップに役立つ実用書を目指したもの。

 計良トップヘアメイクアップアーティストが、資生堂の広告宣伝やパリコレクションなどのファッションショーなどを通じて培ってきたヘアメイクアップのプロセスや、デザインの考え方を公開。クリエイションの下地となるセット・アップ・ウイッグなどの各種テクニックに加え、サロンワークの延長線上にあるクリエイティブな作品の作り方まで分かりやすく解説する。また、5つのテーマに沿った20の新作を収録し、クリエイションの楽しさや奥深さを伝える。

 内容は6つのチャプターで構成し、古典造形の再解釈、バランスの正解と不正解、崩しテクニック、ウイッグのクリエイション、オリジナリティーの発現法など、トップクリエイターの発想の源を惜しみなく紹介する。また同書には、これまで数多くのバックステージを手掛けてきた人脈から、福士リナや江原美希などのランウエイモデルが登場していることも特徴だ。

 計良トップヘアメイクアップアーティストは、資生堂ビューティークリエイションセンター所属で、宣伝広告や雑誌のヘアメイクを数多く手掛け、パリ・コレクションをはじめとするファッションショーのヘアチーフを務めている。また計良は、日本を代表する美術家の一人である森村泰昌や、写真家兼華道家の勅使河原城一などとの協働を通じて既成概念を打破する革新的な作品に挑戦。2019年夏には埼玉県立近代美術館で展覧会を開催して話題になった。

The post 福士リナや江原美希も登場 計良宏文がヘアスタイリストのための実用書を刊行 appeared first on WWD JAPAN.com.

「ルナソル」から“水艶肌”に導くUV登場 新ファンデーションも

 カネボウ化粧品のメイクブランド「ルナソル(LUNASOL)」は、2020年春の新商品を発表した。2月14日に新作ファンデーション「グロウイングトリートメントリクイド」( 全3色、 3,200円)を、3月6日に日焼け止め美容液「グロウイングデイクリームUV 」(40g 、4,500円) を発売する。

 日焼け止め美容液は、独自開発のラメラ乳化技術によって作り出された美容液。紫外線を防御しつつ、高い保湿力で潤いを長時間キープし、乾燥ダメージから肌を守る。

 肌は紫外線の影響で乾燥し、乾燥した肌は紫外線のダメージをさらに受けやすくなるため、美肌にはUV防御と保湿効果の両立が重要と言われてきた。そこで、同社は肌の水分を保つバリア機能を高める「ラメラ構造」に着目。日焼け止め製剤にラメラ技術を導入することで、高いUV防御とスキンケア効果を両立したラメラUV製剤の開発に成功した。

 新作ファンデーションは、ヒアルロン酸やオリーブオイル、ホホバオイルなど全8種の保湿成分を配合。毛穴や色ムラ、くすみをカモフラージュするだけではなく、美容液のような潤いを与え、艶とハリのあるみずみずしい肌を作り出す。

The post 「ルナソル」から“水艶肌”に導くUV登場 新ファンデーションも appeared first on WWD JAPAN.com.

香港で胎動する“文化産業” 【高橋瑞木の香港アート&テキスタイル 連載vol.1 】

 水戸芸術館現代美術センターのキュレーター時代に「拡張するファッション」(2013)などの展覧会を手掛け、現在は香港のCHAT (Centre for Heritage, Arts and Textile)で共同ディレクターを務める高橋瑞木氏が、“アジアのアートハブ”香港発のアートやテキスタイルの新潮流をリポートする。第1回目は香港とテキスタイル、そしてアートについて。

 日本ではもっぱらデモのニュースばかりになってしまった香港だが、世界でもっとも権威のある現代アートフェア「アートバーゼル香港(Art Bsel HongKong)」が開催され、ガゴシアン(GAGOSIAN)やハウザー&ワース(HAUSER & WIRTH)といった国際的なギャラリーが軒を連ねるアートハブでもある。2018 年には香港島の中環(セントラル)にある、19世紀に建てられたコロニアル様式の警察本部をリノベーションした敷地内に、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)設計の現代アートセンター、大館コンテンポラリーがオープンし、村上隆の大型個展が開催されて話題になった。

 私が16年から関わっているCHATも、そんな香港で近年にわかに盛んになってきたカルチュラルインダストリー(文化産業)の産物だ。CHATは、南豊集団という香港の大手デベロッパーの前身である南豊テキスタイルが、九龍半島の荃湾(チュンワン)に所有していた3つの工場をリノベーションした建物、The Millsの中に開館した非営利のアートセンターだ。元テキスタイル工場という歴史に敬意を払いながらも、従来のテキスタイル美術館とは異なる、全く新しいコンセプトのアートセンターとして19年3月にオープンした。

 現在では国際的な金融都市のイメージが強い香港だが、ほんのすこし前までは世界中にMade in Hong Kongが溢れるくらい製造業が盛んだった。とりわけテキスタイルと衣料産業は、1950年代から80年代にかけて香港の経済発展に大いに貢献した重要な産業だった。第二次世界大戦後、中国本土で共産党と国民党が覇権を争い、共産党が中華人民共和国の成立を宣言(1949年)する頃、 当時イギリスの植民地であった香港に大陸から多くの人々が移住した。その中には、テキスタイル産業が盛んだった上海からの資産家や、 テキスタイル産業に従事していた職人たちも含まれていた。彼らが中心となって 香港でテキスタイル産業がおこされたのだった。香港のテキスタイル産業は、こうした中国からの移民たちの労働力をエンジンに発展してゆく。70年代に世界を席巻した若者たちのデニムブームが、香港のテキスタイル・衣料産業の興隆に拍車をかけた。例えば、80年代に製造された「リーバイス(LEVI’S)」や「ギャップ(GAP)」のジーンズのタグを見てみると、Made in Hong Kongと書かれているものがけっこう見つかる。

 ちなみに日本との関連でいえば、かつて香港には大丸や伊勢丹、松坂屋、三越、東急、西武といった日系のデパートが多く進出しており(今はそごうのみ残っているが、経営は香港の資本)、その丁寧なサービスと豪華なインテリアで香港人に大人気だった。こうした日系のデパートで販売されていたワコールの下着は、香港で生産されていた。ピーク時には香港の労働人口の3分の1が従事していたというテキスタイル・衣料産業だが、中国共産党が経済と産業の「改革開放」路線を打ち出して以降、労働者賃金と工場用地が安価な中国本土へと移転していく。香港の製造業は1990年代には斜陽を迎え、唯一稼働していた紡績工場も16年に閉じられた。

 CHATの常設展示室では、短い期間ながらも香港の経済・社会発展に大いに寄与した香港のテキスタイル産業について紹介している。展示デザインは、イギリスの権威ある現代美術アーティストの登竜門「ターナー賞(TURNER PRIZE)」を15年に受賞した建築・デザインのコレクティブ、アセンブル(Assemble)によるものだ。紡績産業が華やかなりし時代の写真や糸のラベル、機械、香港製のビンテージアイテムが並ぶ展示室の中央には、来館者が糸の手つむぎやラベルのデザインを楽しむことができるワークショップテーブルが設置されている。展示されているMade in Hong Kongのビンテージアイテムの中には、赤や青の原色に色鮮やかな花模様の「これぞ香港!」といった趣のプリントのテキスタイルもあれば、ブルース・リー愛用として知られる良質な綿を使った香港製のシャツなどがある。

 CHATの入り口のすぐ横にはオランダのデジタルクリエイティブ集団によるVRステーションが設けられている。「未来の紡績機」をテーマにデザインされたブースに座り、ゴーグルとヘッドフォンを着けると、70年前の香港にタイムスリップできる。海を渡って香港に到着したテキスタイル産業が、どのように発展し、CHATのフロアはかつてどのような工場だったのか、立体映像と音で体験できる仕掛けだ。

 企画展示室では、年に3本の展覧会が開催される。春は「アートバーゼル香港」の開催に合わせて、時代の先端をゆく現代美術アーティストたちによるグループ展、夏は世界的に著名な実力派現代美術アーティストによる個展が、そして冬はテキスタイルやファッションデザイン、イノベーションやテクノロジーに焦点を当てた展覧会が企画されている。

 現在CHATは、11月23日にオープンする「須藤玲子の仕事-NUNOのテキスタイルができるまで」展(20年2月23日まで)の準備の真っ最中だ。日本屈指のテキスタイルデザイナー集団であるNUNO、その集団をディレクターとして率いる須藤は、日本全国にちらばる中小規模の織りや染め、加工工場と共同で独創的かつ美しい布をデザインしてきた。今回は創造のインスピレーションから完成までをつまびらかにする最大級の展覧会となる。展覧会の実現にあたって、須藤がタッグを組んだのは、これまでもテキスタイルができる過程を詩的な映像で表現してきたライゾマティクス・アーキテクチャー代表の齋藤精一と、パリや日本で須藤と共にこいのぼりのインスタレーションデザインを手がけてきたアドリアン・ガルデールの2人。

 「折り紙織」「アマテ」「クリスクロス」といった、テキスタイル製造の新技術、異素材との組み合わせ、廃棄素材のリサイクルといった、須藤のクリエイションの工夫を示す代表的なテキスタイルデザインのオリジナルスケッチの展示から、ミニマルなかたちで表現されたテキスタイル製造・加工のマシンによる音と光、映像のパフォーマンス的なインスタレーション、NUNOのテキスタイルで飾られた空間デザインと、見どころが盛りだくさんだ。また、ガラスに囲まれたメインホールには、NUNOのテキスタイルで作られた100匹のこいのぼりが空中に浮かぶドラマチックなインスタレーションが展示される。

 今回の展覧会を企画するにあたって、須藤のテキスタイルの製作を請け負う工場をいくつか見学させてもらった。どの工場も素晴らしい技術を備えているが、経営者、技術者の高齢化と後継者不足に悩んでいる。美大のテキスタイル学科との連携などは考えられないのか?と尋ねてみたが、意外なことにテキスタイル学科の教授たちはこうした工場での手仕事にはあまり関心がないとのことだった。しかし、もの作りに関心のある若い人がテキスタイル作りのプロセスが版画やドローイング、ペインティングの製作に近いことを知れば、テキスタイル作りにも興味を持つのではないかと思う。

 香港市内では、デモやプロテストの殺伐としたニュースが連日続くが、NUNOの色とりどりの美しいテキスタイルの展示が、少しでも人々の心に安らぎや喜びをもたらしてくれたらと思う。良いデザインとは、日常に生き生きとした輝きを与えてくれるだけでなく、それを慈しむ感情を回復させてくれるものだと信じている。

高橋瑞木(たかはし・みずき)/CHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)共同ディレクター:ロンドン大学東洋アフリカ学学院MAを修了後、森美術館開設準備室、水戸芸術館現代美術センターで学芸員を務め、2016年4月CHAT開設のため香港に移住。17年3月末から現職。主な国内外の企画として「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間」(2009)「新次元:マンガ表現の現在」(2010)「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」(2011)「高嶺格のクールジャパン」(2012)、「拡張するファッション」(2013、以上は水戸芸術館)「Ariadne`s Thread」(2016)「(In)tangible Reminiscence」(2017、以上はCHAT)など

The post 香港で胎動する“文化産業” 【高橋瑞木の香港アート&テキスタイル 連載vol.1 】 appeared first on WWD JAPAN.com.