コアな服好きから支持を得るユーチューバー“ロン毛”の魅力

 ゲーム実況や“やってみた系”に並び、ファッションがユーチューブのジャンルとして確かな地位を築いた。販売員やモデルなど多くのファッション関係者がチャンネルを開設しており、19年4月にスタートしたチャンネル「ロン毛と坊主とYouTube」もその一つだ。名前の通り“ロン毛”と“坊主”の2人が運営する同チャンネルは、アルチザンやデザイナーズというニッチな分野をメインとし、一年間で登録者数1万人と着実に支持を拡大する。視聴者を引きつけるのは、2人の豊富な知識量と圧倒的な個性だ。

 “ロン毛”こと下里航は18年まで米ニューヨークで生活し、フォトグラファーとして「リック オウエンス(RICK OWENS)」「アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)」といった名だたるブランドの広告ビジュアルを担当。またモデルとして「ユニクロ(UNIQLO)」「ディーゼル(DIESEL)」などのカタログやニューヨーク・ファッション・ウイークのショーに出演したほか、16年には友人とともにジュエリーブランドを立ち上げてディレクターとして携わるなど、多岐にわたって活動している。“坊主”はNYソーホーの「ワイスリー(Y-3)」直営店でセールスマネジャーを務めていた販売のプロだ。

 今回は“ロン毛”にインタビューを実施し、様々な分野で活動する中で新たな表現としてユーチューブを始めた理由や今後の展望などをたずねた。

WWD:ユーチューブを始めたきっかけは?

“ロン毛”こと下里航(以下、ロン毛):18年までニューヨークに住んでいて、ルームメイトと一緒に「ロン毛と坊主とニューヨーク」というブログをやっていました。でも2人とも日本に帰ることになり、ブログが成り立たなくなってしまうことから、思い切ってユーチューブをスタートしました。

WWD:なぜユーチューブに手を出した?

ロン毛:プラットフォームはなんでもよかったんですが、どうせなら自分たちにとっても新しく、面白い事に挑戦したかったんです。ユーチューブは音楽を聴くときくらいしか利用していなかったので、ユーチューバーと呼ばれる人がどんな動画をあげているのかさえ知りませんでした(笑)。自分たちでやろうと決めてから編集の仕方やエフェクトの入れ方を見よう見真似で実践し、独学で動画を作り始めました。最初はiPhoneのインカメレベルの画質だったし、編集も素人くさくて今見たらひどいものです(笑)。

WWD:動画ではアルチザンやモードブランドというニッチな情報を扱っているが、およそ1年で登録者数1万人に達した。

ロン毛:他のファッションジャンルと比べたらすごくスピシフィック(限定的)で母数は少ないんですけど、楽しみにしている人はいるんだなと実感しています。モードやアルチザンを着る人って「マスとかぶりたくない」という思いが強いから、ユーチューブで扱うことを快く思わない人が多いんじゃないかと最初はビビてってたんですが、実際には批判的なコメントはほとんど来ないし、肯定的な意見ばかり。NY時代からアルチザンばかり着ていましたし、その分野の知り合いも多いことから、僕たちの情報を信頼してくれているのかもしれません。

WWD:ブログやほかのSNSと比べて手応えは?

ロン毛:19年4月に始めて、20年に入って一気に伸びました。この勢いはほかのSNSにはないですね。インスグラムでは、どのくらいのペースで更新すればどのくらいフォロワーが増えるかを肌感覚として分かっていますが、ユーチューブは全然予想できません(笑)。週1くらいしか更新していないのに1日何百人もフォロワーが増えるのって、他のSNSではありえないですよ。

WWD:ユーチューブはなぜそれが可能なのか?

ロン毛:ストック型のSNSというのが主な理由だと思います。例えばツイッターは、一つのツイートがバズってもタイムラインでどんどん流されていって、投稿主自身は認知されづらい。一方ユーチューブは、面白い動画を見つけたらホーム画面までいってどんな動画をあげているかチェックするユーザーが多いから、クオリティーの高い動画を一定数ストックしていたらファンになってもらいやすいんです。

WWD:南青山のセレクトショップ「アテリエ ヒストリック インストゥルメンツ(Atelier Historic Instruments)」の石崎孝之オーナーとのセッション動画などもコアなファンの間で話題となった。

ロン毛:僕と友人が壁際に座って話しているだけじゃ面白くないと思って企画しました。石崎さん以外にも、「いいね、ユーチューブ面白そう」と賛同いただいた人には動画に登場してもらっています。動画で話す内容はいつものおしゃべりの延長で、特段身構えてはいませんが、そもそもメディアに出ることが少ない人たちなので視聴者さんは面白がってくれるんです。

WWD:ユーチューバーのほかモデルやフォトグラファーとしても活動している。

ロン毛:高校卒業後NYに留学し、学生のかたわらフォトグラファーとして活動し始めました。ストリートスナップを撮って自分のサイトやインスタグラムで発信するライフワークに近い形でやっていたのですが、ブランドのビジュアルや現地の雑誌のエディトリアルに参加させてもらうこともありました。アジア人で長髪というインパクトのあるルックスのおかげで(笑)、スナップでつながったファッション関係者から「モデルをやってよ」と声をかけてもらうことも多く、そこからモデルも始めました。NYではフリーモデルとして活動していましたが、今はモデル事務所に入っています。

WWD:ジュエリーブランド「ケイ シゲナガ(KEI SHIGENAGA)」を立ち上げた経緯は?

ロン毛:NYにいたころ、現地でジュエリー作りを学んでいたデザイナーの重永彗に出会い、2016年に彼と共同でブランドを始めました。僕自身はジュエリーにそれほど興味はなかったのですが、彼にシンプルなリングを作ってもらったとき、「生身の人間が加工して、こんな素敵なジュエリーを作れちゃうんだ」と感動し、彼が日本に帰る直前に「一緒にブランドをやろうよ」と声をかけました。

WWD:どんな役割を担っている?

ロン毛:ディレクターという肩書きですが、作品を作ること以外のすべてをやっています。お店とのやりとりからウェブサイト作成、ウェブ用のビジュアル撮影、展示会の管理まで本当になんでもやります。昨年からラグジュアリーECモール「エッセンス(SSENSE)」でも扱われはじめたほか、いくかの海外サイトから新たに声をかけてもらっていて、ビジネスは順調に拡大しています。

WWD:ブランド運営の面白さは?

ロン毛:自分が格好いいと思うものを発信できることですね。一方で、若いブランドが生き残ることの難しさも強く実感しています。資金を集めるのも大変だし、春夏と秋冬の短いサイクルでバンバン商品を作るのも難しいから在庫も積めない。似たようなことで悩むクリエイターはたくさんいるんですよね。そんな若いブランドの魅力を伝える場ができたらいいなと思ってスタートしたのが、合同展示会「ラウンジ サイ」です。これまで計3回ポップアップ形式でやってみましたが、県外から来ていただく人も多くて自分にとってもブランドにとってもすごく有意義な経験になっています。格好いいものを作る格好いい人たちがきちんと食べていける一助になることを目指し、今後も精力的に開催していきます。

WWD:今後の展望は?

ロン毛:ユーチューブを継続していき、より楽しんでもらえるコンテンツを作りたいですね。僕は友人とブログを始める前から個人ブログをやっていて、身の回りの情報を発信することが昔から好きでした。写真もモデルもブランドもユーチューブも、全部その延長で手を出した感じなので、若い人にも表現を限定せずいろんなことに挑戦してほしいです。僕の生き方が参考になるかはわかりませんけどね(笑)。

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「ニューヨーク・タイムズ」の表紙を手掛けるクリストフ・ニーマンが「ポール・スミス」とコラボ

 「ポール・スミス(PAUL SMITH)」は3月18日に、ベルリンを拠点に活動するアーティストのクリストフ・ニーマン(Christoph Niemann)とのコラボコレクションを発売する。

 雑誌「ザ・ニューヨーカー(The New Yorker)」や「ニューヨーク・タイムズ・マガジン(The New York Times Magazine)」のカバーイラストを手掛けるニーマンは日常のワンシーンをユニークな視点で描き、ウイットに富んだ親しみやすい作風が人気のアーティストだ。今回のコラボではニーマンの遊び心溢れるアートワークを、「ポール・スミス」のウエアやシューズ、アクセサリーに施した。メンズ・ウィメンズともにTシャツ(1万8000円)をはじめとしたアパレルアイテムから、スニーカー(5万円)や財布(2万3000円)、ビーチサンダル(8000円)などの小物までを幅広くそろえる。公式ECサイトおよびメンズショップ、ウィメンズショップで取り扱う。

 また発売を記念して、「ポール・スミス」六本木店や大阪店をはじめとする一部店舗で、ニーマンの作品を集めた展覧会を順次開催する。世界各地で撮影された風景写真にニーマンのイラストが描き添えられた作品を楽しむことができる。

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韓国人気ナンバーワンの整形口コミアプリ「カンナムオンニ 」が日本上陸 美容医療の“情報不均一問題”解決を目指す

 韓国でダウンロード数ナンバーワンの整形口コミアプリ「カンナムオンニ」が日本上陸を果たした。アプリの累積ダウンロード回数は180万回、月間のアクティブユーザー30万人を誇る同アプリは韓国内の1500以上のクリニックの情報を掲載し、15万件のレビューが寄せられている。他アプリとの大きな違いは、ユーザーが一方的にレビューを投稿するだけでなく、チャットでクリニックのカウンセリングを受けられること、医師ごとにレビューが見られること、医師とユーザーが自由に会話できる掲示板があることなど、クリニック側も参画していることだろう。自動翻訳機能も備え、日本人を含め、韓国語が理解できない外国人でも現地の韓国人のレビューを読むことができるのも特徴だ。

 そんな「カンナムオンニ」は国家公認医師資格を取得し、医療業界とITをつなげて誰もがより良い医療サービスを受けられるような社会の実現を目指してきたホン・スンイルとパク・キボムが2015年にローンチした。以来、ユーザーと提携クリニックの件数を伸ばし続け、これまでユーザーとクリニックのカウンセリングを60万件以上アシストしてきた。

 日本でも「メイリー」や「トリビュー」など整形アプリが台頭し、美容医療に興味を持つ若者が増えている。また、渡韓して施術を受ける日本人が増える中で、「カンナムオンニ」は昨年11月に日本語版をローンチすることによって日本人とクリニックを結びつける手助けをしている。そんな「カンナムオンニ」の創業者2人に、アプリ立ち上げの経緯や成功の要因などについて聞いた。

WWD:「カンナムオンニ」を立ち上げた理由は?

ホン・スンイル共同創設者(以下、ホン):12年ごろ、ちょうど延世大学で医者になるための勉強をしていたときに、(韓国の)医療業界はIT化が遅れていることが気になっていた。そこで一生ケアをし続けなければならない糖尿病患者が日々の体調管理をできたり、ほかの患者と情報共有できるアプリを開発した。だが収益化が難しく、そのサービスは終了せざるを得なかった。次に注目したのは、韓国でも市場が大きい美容医療。タブーなところもあり、正確な情報を入手するのが難しい。命に関わるような大きな手術もあるからこそ、信頼度の高い情報が必要とされていることを痛感し、アプリを立ち上げることにした。

パク・キボム共同創設者(以下、パク):最初は見積もりサービスとしてスタートさせた。自分の写真を3枚アップロードすると、医師がその写真を見て施術のアドバイスや見積もりをするというもの。そこから“プチ整形”を含む美容医療全般の基礎について学べるコミュニティー機能を追加し、総合メディアとして広げていった。私は2年くらい医師として実際に働いていたので、その経験を生かしてアプリに投稿される質問にも答えたりしていた。

WWD:ユーチューブチャンネルも開設している。

ホン:そこでパクさんが活躍している。

パク:チャンネルでは整形にまつわる質問に答えるAtoZを採用したり、美容医療に関する最新の論文を解説したり、フォロワーからいただく質問に答えたりしている。ありがたいことに今は韓国内で美容医療のユーチューブチャンネルにおいてフォロワー数ナンバーワンになっている。そのうち日本の皆さんに向けて日本語で動画を作れるように勉強もしています!

WWD:日本でも整形口コミアプリが台頭しているが、ほかのアプリとどこが違う?

ホン:情報が錯乱している中で、とにかく信頼度が高い情報を届けることが全てだと思っている。それを実現するためにも、多角的に情報を提供している。ユーザーはほかのユーザーのレビューが見られるのはもちろん、そこにプロフェッショナルである医者がコメントしたり、彼らと会話ができるようにしたりしている。また、韓国語を話せない日本人にとっては、渡韓して施術を受けた日本人のレビューを読むことしかできなかった。自動翻訳機能をつけることにより、現地の韓国人のレビューや医者との会話ができるようになった。さらに韓国では施術をするときに、クリニックよりも医師で選ぶことが多い。医師によって仕上がりや技術が全く異なるので、医師ごとにレビューや施術の内容が見られるようになっている。

パク:また、ユーザーの2割ほどが男性。男性だけのレビューを見られるタブも作っている。

WWD:どのような施術が人気?

ホン:二重と鼻は男女ともに人気。また輪郭整形をはじめ、骨を切るような大がかりの整形は仕上がりだけでなくダウンタイムなどの体験談を参考にしたいと思う人が多い。

パク:最近はプチ整形も人気で、19年の頭はレビュー・投稿・問い合わせの件数がメスを使う整形とプチ整形が9:1ほどだったのに対し、年末には7:3になった。中でもボトックスやフィラーが人気。

WWD:アプリの収益化はどのように図っているのか?

ホン:ユーザーを送客してお金をもらうのは違法なので、バナー広告を含む広告費が大きい。

WWD:今後、どのようにアプリを成長・膨らませていきたい?

ホン:KPIなどは設定していない。“情報不均一問題”と呼んでいるが、整形に関する情報は整備されておらず、どの情報が的確かが分かりづらい。整形自体が難しい話でもあるのに、さらに情報のクオリティーがさまざまな今の状況は混乱を招きかねない。特に日本人は今まで日本語対応の一部のクリニックしかアクセスできなかった。本当は素晴らしいクリニックが多数あるのに、言語の壁で互いが出合うことができていない。そんな狭い世界で情報を得るのも大変だし、もったいない。そういう意味でも誰もが簡単に、正確な情報を入手できるようなアプリに成長させていくことが一番の目標。

パク:課題はアプリ立ち上げ当時と変わらない。一般の人にとって専門的な医療の知識を身につけるのは難しい。深い内容の情報をなるべく分かりやすく、簡単にアクセスできるようにすることが私たちの使命だ。

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@tokyoart_event 展示会&アートイベントbot

【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。 詳しくはこちら→

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ジーンズの「エヴィス」が「“コロナショック”を打破すべく」ECで3割引きセール開始

 ジーンズブランド「エヴィス(EVISU)」を展開するエヴィスジャパンは、「“コロナショック”を打破すべく」(山根英彦エヴィスジャパン社長)3月14日正午から公式オンラインストアで3割引きセールを開始した。また同日から、直営する全国の18店舗でも同様のセールを実施している。期間は19日まで。ただし「状況によって延長も考える」という。

 山根社長は「われわれの商売はモノを作って売ってなんぼ。現状については理解できるが、商売が回らなければ餓死してしまう」と話す。売り上げの3〜4割を占めるというインバウンドについては「“コロナショック”で4割減った」と言い、「『エヴィス』は原則としてセールを行わないが、洋服屋にできることは何かと考えて決断した」と続けた。「エヴィス」は2011年の東日本大震災後にもチャリティーを目的としたセールを行っており、今回が9年ぶりの開催となる。

 「エヴィス」は1991年に大阪で創業。90年代のビンテージジンーズブームをけん引し、その後ヨーロッパでのライセンス戦略が成功。“欧米で初めてヒットした日本のジーンズブランド”となった。ジーンズのバックポケットにペンキで手描きされる“カモメマーク”がトレードマークで、その“カモメマーク”をあしらったデニム製のマスク(4000円)なども販売している。

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高島屋が免税店を一時休業 中韓の入国制限を受けて

 高島屋は、新宿で運営する空港型市中免税店「高島屋免税店 SHILLA&ANA」をきょう14日から31日まで一時休業する。新型コロナウイルスの感染抑止のため、9日に中国と韓国から入国を制限する措置が発動されたことを受けたもの。客数が大幅に減っている現状などを勘案して決断した。

 同店は高島屋60%、全日空商事20%、韓国サムスングループで免税店大手でもあるホテル新羅20%の出資比率で設立されたA&S高島屋デューティフリーが2017年4月に開いた。タカシマヤタイムズスクエアの11階で、売り場面積2800平方メートルの広さを誇る。バスツアーなどの観光コースに組み込まれていて、新型コロナウイルスの発生前はにぎわいをみせていた。

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@tokyoart_event 展示会&アートイベントbot

【4月9日まで|スヌーピーミュージアム】 第2回展覧会 史上最大のスヌーピー展「もういちど、はじめましてスヌーピー。」 誕生秘話から、約50年間大きな変遷を遂げていく様子を、原画約80点と映像で紹介 詳しくはこちら→

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【4月9日まで|スヌーピーミュージアム】 第2回展覧会 史上最大のスヌーピー展「もういちど、はじめましてスヌーピー。」 誕生秘話から、約50年間大きな変遷を遂げていく様子を、原画約80点と映像で紹介 詳しくはこちら→

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「ジェイ ダブリュー アンダーソン」が旗艦店をオープン ロンドンのソーホー地区に

 「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON以下、JWA)」が、ロンドンに初の旗艦店をオープンする。同ブランドのデザイナー、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が出店地に選んだのは、ゲイクラブやストリップクラブが建ち並ぶロンドンのソーホー地区だ。

 ソーホー地区に建つショップの外観にはネオンサインが輝いていて、周囲はラグジュアリーなタウンハウスが多く見られるメイフェアとは正反対の雰囲気だ。旗艦店の建つエリアには、ゲイのポルノショップやトレンドの先端を行くベーカリー、メディアの代理店などが建ち並ぶ。「このエリアにはすごいエネルギーを感じる。僕にとっては典型的なロンドンという感じ」と話すアンダーソンは、チャイナタウンやピカデリーサーカス、オックスフォードストリートにも歩いてすぐという好立地でもある、ブルーワーストリートとウォーダーストリートが交差する地点に以前から目を付けていたという。

 アンダーソンは12日夜に行われたオープニングパーティーで、「あらゆる人にとって身近で、自分自身もここだと思える場所に店をオープンできてよかった。ロンドンの中心地でありながら地域性も感じる。いろいろなものが混在するエリアは『JWA』にしっくりくる。『JWA』は“バリアを張るブランド”じゃない。僕はいろいろな人にこのブランドを知ってもらいたいんだ」と語った。

 英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相が新型コロナウイルスを「この時代における重大な公衆衛生危機だ」と評し、12日のロンドン株式市場ではFTSE100種総合株価指数が前日終値に比べ10.9%安と、1987年のブラックマンデーでの株価暴落以降最大の下落率を見せるなど、英国でも新型コロナウイルスの影響が各所に及んでいる。

 しかしロンドンの人びとは冷静沈着で、アンダーソンも例外ではない。「運命に取りつかれて悩んだりできない。みんなで一丸となって本気でやっていかないと。ただのファションというだけでなく、僕たち全員にとっていろいろなことを試みる時期になっていくと思う。こういうときに何よりも素晴らしいと思えるのは、みんなの頑張りが反映されること。初めて自分の店をオープンしたけど、ここまで来るのに費やした年月を本当に誇りに思うよ」。

 「このブランドは店を構えるのにちょうどいい規模だと思う。今はちょっとした中間目標地点に立っていて、変な言い方をすれば、瞬間的にはとてもダイナミックな渦の中にいるという感じ。僕が楽観的な気分でいるのは復活力を感じているからさ。このソーホーに何百年もある店を見てもわかるようにね。そして、それが英国というもの。立ち直る力があって、地域社会と仕事が共存している」とアンダーソンは語った。

 6aアーキテクト(6a Architects)がデザインした121平方メートルのスペースに3つの異なるインテリアデザインが施された旗艦店には、「コンバース(CONVERSE)」「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」とのコラボ品を含むメンズ・ウィメンズウエアからレザーグッズ、シューズ、ハンドバッグ、アクセサリーに及ぶまで多数のコレクションがそろえられている。アンダーソンは店舗のインテリアについて、「ノスタルジックな感じにはしたくなかったけど、ロンドンらしさは出したかった。モダニズムの要素を加えたくて、街角の小さな店で使用する素材と同じものを使ったんだ」とコメントした。

 新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して小売店やオフィスなどが臨時休業する中、JWAの旗艦店は3月13日に営業を開始した。

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バリア機能を高める効果も 希少なサボテン由来オイルに注目集まる

 今、化粧品ブランドからウチワサボテン種子オイル(オプンチアフィクスインジカ種子油)とムーンライトカクタスオイルといったサボテンから抽出されるボタニカル成分の使用が多くなっている。バリア機能効果を高めるなどとして人気が集まっている。

 ウチワサボテンは、強烈な紫外線と乾燥した気候の中で育つことで知られている。特に、ウチワサボテン種子オイルは年に1回しか収穫できないうえに、1Lを抽出するのに8tもの種を必要とする。ただ希少性が高いだけではない。アルガンオイルと比較すると、抗酸化作用のあるビタミンEは約1.6倍、乾燥にアプローチするリノール酸は約1.8倍、そして角質への浸透力は約11倍といわれていて美容効果も期待できる。ウチワサボテン種子オイルを使ったオススメのアイテムは2つだ。

ブースター、ボディーオイル、
頭皮クレンジングとマルチユース

 化粧品・健康食品の製造および輸出輸入を行うジェイイージャパンは、注目度が高まるウチワサボテン種子オイルをオリジナルコスメブランド「カシーポ(CASEEPO)」からウチワサボテン種子オイルを99.9%凝縮した「SPオイル」(5000円)のパッケージをリニューアルした。新パッケージにはモロッコ産の希少なオイルを使用していることが明記されている。同オイルは、マルチユースなのも魅力。シャンプー前の頭皮クレンジング、化粧水前のブースターとしてはもちろん、シワ対策オイル、肌のハリ対策オイル、ボディーオイル、ハンドケアオイルとマルチと多様に使える。成分はウチワサボテン種子オイルと、酸化防止剤のトコフェロールのみというのもポイントだ。

USDA、エコサートを
ダブル取得したレアオイルを配合

 アイライナーやアイブロウマスカラ、フラワーティーを除く全ての製品にモロッコ産ウチワサボテン種子オイルを使っているのが、マッシュビューティーラボが展開する2018年2月デビューの「トーン(TO/ONE)」。同ブランドのウチワサボテン種子オイルは、オーガニック認証のUSDA、エコサートをダブルで取得した非常に希少価値の高いオイルだ。「エンリッチ オイル」(4950円)は、ウチワサボテン種子オイルをベースに4種のオイルを組み合わせたさらさらのオイル。化粧水のような軽いテクスチャーで、しっとりした潤いある肌へと導いてくれる。

肌細胞を修復する効果も。
“ムーンライトカクタスオイル”

 また、「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」も、独自成分“ムーンライトカクタスオイル”を処方した美容液を発売した。同ブランドは、“過労肌”対策のエイジングケアライン「ピュアショット」を1月4日から販売。化粧水、夜用セラム、セラム3種類、クリームの全6品をラインアップしている。中でも注目したいのが、モロッコ原産ムーンライトカクタスのオイルを処方している2層式の夜用美容液「ピュアショット ナイトセラム」(1万500円)だ。同オイルは1年に1晩、わずか6時間だけ開花するタイミングで収穫され、コールド&スロー抽出プロセスで採取される。開花直前のムーンライトカクタスオイルは、本来はサボテンが媒介者を引き付けるために生成するもので、肌細胞を修復する効果や肌を保護する効果が期待できる。ライン使いすることで、紫外線、ストレス、電磁波といった都市生活で疲れた“過労肌”をみずみずしく生き生きとした肌へと導いてくれる。

 サボテン由来オイルは、“過労肌”にアプローチするものからマルチユースのものまでバリエーションも豊富。いそがしい日々でも生き生きと過ごしたい――そんな女性たちのニーズをかなえるスキンケア成分として定着していきそうだ。

小竹美沙:1984年生まれ。女性誌やウェブマガジンで、ナチュラル&オーガニック&サステナブルなコト、モノ、人びとについて取材&発信中。2009年から恵比寿のファッションスクールのオフィシャルライターとして広報資料のライティングにも携わる

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