都の休業要請から除外も 百貨店各社は営業再開へ慎重

 東京都は10日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、休業要請する商業施設などを公表した。百貨店はこの対象から除外されたが、主要各社とも営業再開へは動かなかった。百貨店側からは「目先の売り上げよりもお客さまや従業員の安全の確保が最優先」(三越伊勢丹広報)との声もあがり、慎重な姿勢を示している。

 三越伊勢丹と松屋は同日、首都圏などの店舗について、休業を当面の間継続すると発表した(食料品フロアを含む)。現在は臨時休業している大丸松坂屋百貨店、そごう・西武、東急百貨店も今後の対応を「未定」とした。高島屋、阪急阪神百貨店からは、締切時点では回答が得られなかった。

 都の発表によると、百貨店は病院や診療所、スーパーマーケットなどとともに「社会生活を維持する上で必要な施設」に含まれる。これらは、「感染を防ぐ対策をとるよう協力を要請」した上で通常通りの営業を可能としている。

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「リーボック」が1992年に開発した未発売モデル“ポンプ コート”を発売 

 「リーボック(REEBOK)」は、“インスタポンプ フューリー(INSTAPUMP FURY)”のオリジナルデザイナー、スティーブン・スミス(Steven Smith)が1992年にテニスシューズとして開発したが未発売だったモデル、“ポンプ コート(PUMP COURT)”を4月11日に発売する。同モデルは2019年の春に、“インスタポンプ フューリー”発売25周年記念の一環として開催したイベント「リーボック ナインティーズ ハウス(REEBOK 90S HOUSE)」において日本で初めて披露された。サイズは23.5〜29.5cmで、価格は2万2000円。「リーボック」公式オンラインストアやリーボックストア 渋谷(4月9日から5月6日まで休業中)などで取り扱う。

 同モデルは当時開発されたシューズをベースに、最新のフルレングスソールを用いて現代風にアップデートした。「リーボック」独自のテクノロジーである“ザ・ポンプ・テクノロジー”の空気が入る部分と、同モデルの特徴のストラップを一体化させたアッパーが特徴だ。カラーリングはライトグリーンやイエロー、パープルなどでポップに仕上げた。今回の発売を皮切りに、今後さまざまなデザインを販売していく予定だ。

 “ポンプ コート”を生んだ開発チーム「RAC(REEBOK ADVANCED CONCEPTS)」は、商品開発・化学・スポーツ科学・デザインの分野に精通したメンバーで80年代に結成された。これまで「RAC」は、ブランドを象徴するテクノロジー“ザ・ポンプ・テクノロジー”と、それを初めて搭載して89年にバスケットボールシューズとして登場した“ザ・ポンプ(THE PUMP)”を開発した。

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J.フロント20年2月期は営業利益1.5%減 百貨店事業が低迷

 J.フロント リテイリングの2020年2月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前期比4.5%増の4806億円、営業利益が同1.5%減の402億円だった。主力の百貨店事業が、消費増税、暖冬、新型コロナウイルスの影響で低迷。増収には19年11月にオープンした渋谷パルコの保留床の売却が寄与した。

 百貨店事業は売上収益が同4.2%減の2637億円、営業利益は同27.2%減の176億円だった。総額売上高(5640億円、消化仕入れ分を含む)のうち、4割を占める衣料品は同6.1%減の2565億円。富裕層・訪日客をターゲットに本館を建て替えオープン(19年9月)した大丸心斎橋店は、19年9月~20年2月の免税売上高が前年同期比9.9%増と、一定の成果が出た。

 パルコ事業は渋谷パルコ、錦糸町パルコのオープンにより、売上収益は同前期比24.7%増の1122億円。営業利益は、前年の店舗終了に伴う特別損失の反動もあり98.7%増(108億円)となった。

 テナント賃料で収益を得る不動産事業の強化も進めた。不動産事業の売上収益は同4.7%増の177億円、営業利益が同44.2%増の67億円。新たに「BINO東洞院」(19年4月、京都)「大丸 ホワイトアベニュー」(11月、心斎橋)「BINO御徒町」(12月)などの商業施設を改装・オープンしたほか、ギンザシックスの堅調も寄与した。

 足元では、新型コロナが「かつてないほどの打撃になっている」(山本良一J.フロント リテイリング社長)。J.フロントの21年2月期連結業績予想は、売上収益が前期比14.5%減の4110億円、営業利益が同70.2%減の120億円を見込む。ただし、これには今回の緊急事態宣言による休業の影響は含まれておらず、修正する公算が高い。新型コロナは、21年の上期(3~8月)にも大きな影響があるとみる。

 「(21年2月期予想は)全く満足いく水準ではない。今は投資を削減し、現預金の積み上げを図らねばならない」と山本社長。一方で、「この危機が終息に向かえば反転攻勢だ。振り返ったときに2020年は意義深いターニングポイントだったといえるよう、中長期の改革にも集中して取り組む」。

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「ルイ・ヴィトン」がマスク生産のため生産拠点を一部再開 週10万枚の供給を目指す

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はマスクを生産するため、フランス国内にある皮革製品の生産拠点など16カ所のうち12カ所の操業を一部再開した。同社は3月17日から同国内のアトリエなどを休業していたが、フランス政府が新型コロナウイルス対策としてマスクの増産を呼びかけていることに応えたものだ。

 マイケル・バーク(Michael Burke)=ルイ・ヴィトン会長兼最高経営責任者(CEO)は、「当社はフランス国内におよそ4500人の従業員を抱えているが、まずその10%近くである400人程度が職場に復帰した。『ルイ・ヴィトン』だけで週に10万枚以上の一般用マスクを生産できるようにする。その20~30%を社内で使用し、残りは高齢者用の施設に寄付する予定だ。当社に期待されている社会的な責任をしっかり果たしたい」と語った。

 当面はマスクの生産を優先するが、皮革製品の製造も徐々に再開するという。事態がやや落ち着きをみせている中国や台湾、韓国などアジア市場でラグジュアリー製品の需要が戻りつつあるためだ。

 バーク会長兼CEOは、「ニーズが回復するにつれて在庫切れとなるアイテムも出てきた。操業停止はすぐにできるが、生産には時間がかかるので様子を見ながら少しずつ再開する。いずれはマスク生産、コレクションの試作品作り、ハンドバッグの製造に従業員を3分の1ずつ割り振ることを考えているが、まずはマスク生産を優先し、十分な数量が供給できるようになったらハンドバッグなどを担当する従業員を復帰させたい」と述べた。

 同氏はまた、「フランスの生産拠点や店舗の従業員は自宅待機となっているが、給与は変わらず支払っているし、一人も解雇していないので、操業を再開すること自体は容易だ。問題はイタリアのサプライヤーがまだ休業中で、メタルパーツやバックルなどの重要な部品が調達できないことだ。店舗もいつ営業を再開できるか分からないので、それも問題だ」と説明した。

 一方で同氏は、新型コロナウイルス対策として外出が制限されていることによってオンラインでの売り上げが増加していることや、デジタルショールームが台頭していることが、今後はデザインにも影響してくるのではないかと予想しているという。「ECは世界中の顧客と直接コミュニケーションできる素晴らしい手段であり、売り上げも伸びている。将来的には、オンライン上で魅力的に見える商品であることも重要になってくるだろう」と話した。

 なお「ルイ・ヴィトン」の親会社であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)は、香水や化粧品の生産ラインを転用してハンドサニタイザー(殺菌効果のあるハンドジェル)を生産し、フランス国内の医療機関に無償提供しているほか、グローバルな流通網を活用して中国から数千万枚のマスクを調達している。ラグジュアリー分野では、ケリング(KERING)やその傘下ブランドである「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」なども同様の取り組みを行っている。

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西武池袋本店で2人目の感染者 同じメンズフロアで

 そごう・西武は10日、西武池袋本店勤務の従業員1人が新型コロナウイルスに感染していたことが分かったと発表した。同店は8日にも従業員1人の感染を発表している。2人とも5階のメンズフロアで働く取引先のスタッフだった。濃厚接触者については現在調査を行なっている。

 当該従業員の最終勤務日は3月29日で、勤務中はマスクを着用したり、アルコール消毒を行うなどの対策を取ってきた。

 同店は政府の緊急事態宣言を受けて8日から食品売り場をのぞいて休業している。今回の発覚を受けて、10日夕方から消毒清掃に取り掛かり、11日と12日には食品売り場も休業にする。

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スパイバーが相次ぐ増資、評価額が1000億円超えのユニコーンに

 人工タンパク質素材の開発で知られるスタートアップ企業のスパイバーは4月2日付で、繊維商社の豊島に第三者割当増資を行った。発行価格は1株4500円で11万1111株を発行、調達額は4億9999万円になる。この増資により、発行価格に株式総数をかけて算出するスパイバーの企業評価額は1000億円を突破する。同社は今年に入って豊島だけでなく、米国の穀物メジャー、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(Archer Daniels Midland以下、ADM)やロシアの著名投資家のミロスラヴァ・デュマ(Miroslava Duma)など国内外の有力な投資家や事業会社からの資金調達を加速している。関山和秀社長は「ズーム(ZOOM)」でのインタビューに答え、「2021年度の商業生産に備え、今は国内外の企業との結びつきを強化している。増資はそうした活動の延長線上にある」と語った。

 スパイバーは2007年9月に慶應義塾大学大学院に在学中の関山社長が菅原潤一取締役とともに創業。商業生産を前に、19年12月までで約300億円の資金を調達している。同社が研究開発している人工タンパク質素材「ブリュードプロテイン(BREWED PROTEIN)」は、石油を使わずに、現在の合成繊維やプラスチックと同等、あるいはそれ以上の性能を持つ成形材料を製造できるもの。地球上に豊富に存在するタンパク質を原料にしていることから、次世代の“脱石油素材”の大本命技術の一つと言われ、世界中で研究開発が進められている。同社はバイオインフォマティクス(生命情報科学)から遺伝子工学、合成生物学、分子生物学、発酵工学、有機化学、高分子化学、材料工学など幅広い分野にまたがる分野の研究者を、本社のある山形県鶴岡市に呼び集めており、この分野の世界的なトップ企業。昨年12月にはスポーツアウトドア大手のゴールドウインと共同開発し、世界で初めて人工タンパク質素材を使った高機能ウエア「ムーンパーカ(MOON PARKA)」の販売(50着限定)にこぎつけている。

 穀物メジャーのADMからは19年12月23日付で約43億円を調達し、タンパク質の原料調達で提携。すでに50億円を投じ、21年の稼働を目指し、タイに原料のタンパク質製造プラントの建設に着工しているが、米国にも原料プラントを製造する考え。

 ミロスラヴァ・デュマはファッションテックの著名なベンチャーキャピタル(VC)であるフューチャーテックラボ(FUTURE TECH LAB以下、FTL)の創業者兼CEOで、FTLはスパイバーのライバルであるボルトスレッズ(BOLT THREADS)や俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)も出資している人工ダイヤモンド製造企業ダイヤモンド・ファウンドリー(Diamond Foundry)などに出資している。スパイバーにはデュマ個人の出資で、1月31日付で1億899万円を出資した。

 同社には議決権の8.26%を出資する大株主の一つであるゴールドウインを筆頭に、島精機製作所やカジナイロン、官民合同の投資ファンドであるクールジャパン機構なども出資している。なお筆頭株主は17.37%を出資する合成樹脂材料大手のKISCOになる。

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オンワードHD、最終赤字521億円に

 アパレル大手のオンワードホールディングス(HD)は2020年2月期決算で、純損益が521億円の赤字(前期は49億円の黒字)になると発表した。不採算事業からの撤退や事業整理損などで3〜8月期で特別損失252億円を計上していたものの、本業のもうけを示す営業損益で30億円の赤字(同44億円の黒字)に、経常損益で38億円の赤字(同51億円の黒字)と赤字に転落。さらに減損損失で277億円、繰延税金資産の取り崩しで138億円を計上した。

 21年2月期については新型コロナの影響により、未公表としている。

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東京都の休業要請から美容室や理容室は除外 それでも営業か休業かで悩む美容室経営者

 東京都の小池百合子知事は4月10日、政府の緊急事態宣言を受けて、11日午前0時からの休業実施を要請する対象業種を発表したが、美容室や理容室はその対象には入らなかった。都が当初示した案では美容室や理容室も含まれており、どうなるのか混乱が広がっていた。都内の美容室では、すでに期限を決めずに当面の休業に入っているところも多く、今後の活動を決めるうえでも今回の会見には注目が集まっていた。

 今回の発表によって、経営者はいっそう判断が難しくなったと思われる。休業要請はなかったものの、福岡県での美容室クラスターなどが報道されたこともあり、すぐに営業再開に踏み切れないという美容室経営者も多いと思われる。しっかりと新型コロナウイルス対策をしていても、来店客は通常時よりも少なくなるうえに、感染リスクが全くないとは言いきれず、万が一感染者が出てしまった場合には、2週間の休業だけでなくその後の評判にも関わる。また働くスタッフの不安もある。美容室は小規模が多く、各店に判断をゆだねることで混乱はさらに広がりそうだ。

 休業要請の業種に美容室や理容室が入らなかったことで、都からの協力金の給付対象にも入らない。「営業するのも休業するのも、どちらも厳しい」といった状態だ。2019年度の厚生労働省の衛生行政報告によると、東京都の美容室数は2万3482店、理容室数は8019店――多くの美容室経営者は難しい判断を迫られている。

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【1月15日まで|国立西洋美術館】 クラーナハ展―500年後の誘惑 画家の芸術の全貌を、当時のドイツの思想や文化、社会や政治の状況などと併せて読み解き、さらには彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。 詳しくはこちら→

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Jフロントの新社長に好本氏 大丸松坂屋社長には澤田氏が昇格

 大丸松坂屋百貨店とパルコを傘下に持つJ.フロント リテイリングは10日、子会社の大丸松坂屋百貨店社長の好本達也氏(63)の社長昇格を内定した。5月28日開催予定の株主総会と取締役会を経て正式に決定する。大丸松坂屋百貨店社長の後任には同社の澤田太郎・取締役(60)が昇格する。jフロントの山本良一・現社長(69)は、代表権のない取締役会議長になる。

 好本次期社長は1956年4月13日生まれ。大学を卒業後、1979年4月に大丸(当時)入社。大丸東京店長、経営企画室長を経て、2013年4月から大丸松坂屋百貨店の社長、17年5月からは代表執行役常務を務めていた。大丸松坂屋次期社長の澤田氏は1983年4月に大丸に入社。大丸神戸店長、大丸心斎橋店長などを経て、2017年5月に取締役兼常務執行役員に就任していた。

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美容師やセラピストに向け、サロン独自で金銭的支援の動き 新型コロナの影響で営業自粛などのため

 緊急事態宣言を受けて、ヘアサロンやエステサロンは営業自粛や時短営業などの対策を迫られている。しかし、いつ、どのような形で、どのような額の補償がなされるのか不透明なままで、経営者やスタッフは不安な日々が続いている。そんな中、スタッフや契約美容師に独自の支援を検討する企業も現れだした。

 東京・大阪を中心にシェアサロンなどを展開するミラーボールは、新型コロナウイルスによる店舗閉鎖などが起きた場合、雇用する正社員だけでなく、契約するフリーランス・業務委託契約の美容師にも休業補償を行うことを決定した。

 正社員の美容師の場合、基本給に加えて歩合部分に関しても、昨年の半年間の平均の歩合賃金を補償する(2020年5月末まで)。業務委託契約の美容師の場合、店舗閉鎖が1カ月間に及んだ場合は20万円の報酬を補償、2週間の場合は約10万円、1週間の場合は約5万円を補償する(5月末までで、過去の売り上げ実績により多少の変動有り)。また、希望者には無利息の融資を行うという。

 美容師、ネイリスト、ヨガインストラクターなど多様なプロが集まる複合型シェアサロン「クノア(Qnoir)」を展開するクノアは、経営難に直面する美容関連業界のフリーランスや経営者向けに、同サロンの4~5月の月額会費を無料で提供するフリーレントプランを実施する。

 同サロンは、家賃に比べて固定費を削減させた月額会費と、利用した時間に応じたスペース利用料を支払ってもらうモデルで持続可能な働き方を提案してきたが、4~5月は新規申し込みを対象に月額会費を無料とすることを決めた。月額会費はプランにより異なるが1万~5万円で、対象月はそれが0円となり低コストでの営業が可能になる。

 ハンドリフレクソロジーのサロンプロデュースなどを行うおてやすみは、ハンドマッサージのフリーパス(120分の施術で1万円、有効期限6カ月)を発行し、発行枚数に応じてセラピストの仕事案件を保証するとともに、1人1日1万円を支給する。

 「フリーパスの発行枚数にもよるが、生活に困っているセラピストを優先に1日1万円を支給し、できる限り全員に行き渡るように努めている。また、新型コロナショックによるシフトカットで収入が減った方、職を失う方が増えている状況を受け、全くの未経験者であっても講習を受けた後に、セラピストとしてサポートを受けながら仕事ができるようにするシステムも整えている」と同社担当者は話す。

 新型コロナウイルスの影響による自粛がどこまで長引くのか不明で、国や地方自治体による補償も固まらない中、金銭面で不安を感じているスタッフをサポートする独自の動きは今後も広がっていきそうだ。

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「フジコ」が昨年3月に即完売した「朝可愛リップ」を発売 公式オンラインストア限定で

 かならぼが展開する「フジコ(FUJIKO)」は4月10日に、昨年3月に発売して即完売した「朝可愛リップ」を公式オンラインストアで限定発売した。価格は1200円。家にいることが増える中で“#おうちメイク応援”をうたうアイテムだ。

 「朝可愛リップ」は、夜に塗って寝ていると、朝起きたら唇がふっくらして桜色になるというもの。唇のケアを重視したオリーブ、アーモンド、アボカド、ボラージ、ローズヒップの5種の美容オイルを配合し、縦ジワや乾燥した唇を就寝中に保護する。また、たっぷり塗っても寝具に付着せずに唇に浸透しやすいテクスチャーで、リップの下地としても使用できる仕様としている。

 かならぼの大谷奈央・広報は、「昨年3月の限定販売時には、用意した2万個が約2カ月で品薄となった。限定品のため複数買いする人も多く見受けられた。また昨年9月にオンラインで限定復活した際には、約1カ月で2000個が完売した」という。人気の理由は、「“寝起き可愛い”や“スッピンで盛れる”という点が一番大きい。そのほか、“あざとく、可愛くなりたい”という女性の願望をかなえているところや、寝る前の3秒仕込みで、“血色感”と“色気”を表現して唇をふんわり可愛いピンク色に染めることができる点が挙げられる」と語る。

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海外ビューティ通信モスクワ編 新型コロナ拡大で外出禁止令のモスクワ 市民生活をリポート

 世界に目を向けると日本とは異なる美容トレンドが生まれている。そこで、連載「海外ビューティ通信」では、パリやニューヨーク、ソウル、シンガポールなど、7都市に住む美容通に最新ビューティ事情をリポートしてもらう。

 この原稿を執筆している4月6日時点、新型コロナウイルスの影響でモスクワでは数々の規制が導入されている。まず外国人はロシア全土で入国禁止となり、国際線フライトが運航を停止した。感染者や濃厚接触者は感染症病院に収容され、最近入国した人々は全員14日間の自主的隔離となり、買い出しやごみ捨てなど一切の外出が禁止されている。モスクワではスポーツや娯楽イベントが中止となり、ミュージアムやジム、劇場などは閉鎖し、それに続いて学校が休校になり高齢者は自主的隔離となった。3月28日〜4月30日まで全国一斉に食料品店や薬局、公共交通機関など一部を除き企業は営業禁止となり、3月30日からモスクワをはじめ多くの地域で外出禁止となった。最寄りの食料品店や薬局での買い物、自宅から100m以内の範囲でペットの散歩をすることは許可されている。デパートや大型の公園は閉鎖、飲食業はテイクアウトかデリバリー以外すべて休業。飲食業界やイベント業界などからは倒産を懸念する不安の声が上がっている。この記事はWWDビューティ2020年4月9日号からの抜粋です)

 新型コロナウイルス禍による世界同時株安と並行して、石油生産への依存度の高いロシアはOPEC(石油輸出国機構)との減産合意の不成立が重なり、通貨のルーブルが約20%も急落した。この先国境封鎖が続けばさらなる下落が想定される。ルーブル安はこの先輸入品の価格が値上がりすることを意味する。国内に流通する大手化粧品ブランドは外国メーカーのものばかりで、また、そもそも一般的なロシア人は経済的に余裕がないため何にお金をかけるかを厳選するため、以前から化粧品類は家計において節約対象になりがちだ。そのため2020年のロシア化粧品市場の売り上げは、全体的な縮小が予測される。国民が受ける経済的なダメージは長期にわたり深刻になるだろう。

 新型コロナウイルス対策に話を戻すと、ロシアでもメディアやSNSでは隔離中や外出禁止期間中、できるだけ快適に過ごすためのアイデアが投稿されている。インターネット配信のコンサートや映画鑑賞と並んで飲食のデリバリーもその一つだ。レストランも配達に対応するところが増えており、店内での飲食が禁止となった今ではデリバリーは飲食業界の力の入れどころでもある。

 折しも今はロシア正教会の伝統行事で3月2日から始まった大斎期の最中だ。復活祭までの40日間は肉や乳製品の摂取が禁じられていて、特に信心深い正教徒に限らず、健康的な食生活を心掛ける意識の高い人々はこの時期このルールを守った食事制限を実践する。飲食店側も多くが毎年新作の期間限定メニューを発表するが、栄養バランスを考慮しヘルシーなだけでなく、最近はエキゾチックな食材が使われていたり食材の組み合わせがユニークだったりと、ロシアの伝統的な家庭料理にはない味を楽しめる。特に増えているのがアジア料理と中東料理だ。アジア料理ではエビの代わりに豆腐を入れたトムヤムクン、アボカドとマンゴーの生春巻きなどスタンダードな味の料理から、日本そばと野菜をソースで炒めた焼うどん風そばという創作料理も。中東料理ではひよこ豆をペーストにしたフムスや乾燥挽き割り小麦のブルグルなどがよく見られる。日替わりの菜食メニューを毎日届けるサービスもある。長期の外出禁止はつらいけれど、気を落とさず乗り切りたい。


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佐藤仁美:通訳、翻訳家。2010年からモスクワ在住。ソチ五輪、FIFA W杯やアート・文化事業でのメディアコーディネーターをはじめ、ロシア関連番組制作に多数携わる。NHK「ちきゅうラジオ」などのメディアで現地情報を発信。 ロシア世界遺産踏破に挑戦中

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ジョルジオ・アルマーニからの公開書簡 「今回の危機は、業界の現状をリセットしてスローダウンする貴重な機会」

 米「WWD」は、新型コロナウイルスの影響でアパレルの縫製工場やサプライヤーが休業していることから、ファッション業界は従来の年間スケジュールを見直さざるを得ず、これをきっかけに今後はより“スローファッション”になっていくのではないかという記事を4月2日に掲載した。

 それに「心を動かされた」という、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)による公開書簡を紹介する。

 米「WWD」が掲載した素晴らしい記事に心を動かされ、この公開書簡を書くことにした。衣料が過剰に生産されている現状や、秋冬物が6月に店頭に並ぶなど実際の季節とはかけ離れたスケジュールで販売されていることなど、ファッション業界のばかげた慣例について勇気を持って書いてくれたことに拍手を送りたい。こうした指摘は必要なものであり、記事の内容や文中にあるデザイナーらの意見に心から賛同する。

 私も何年も前から、ショーが終わった後の記者会見などで同様の疑問を投げかけてきた。しかし耳を傾けてもらえず、堅苦しい倫理観の持ち主だと思われるだけだった。この未曾有の危機の中、ファッション業界も難局に直面しているが、これを乗り越えるには慎重に考えて賢くスローダウンするしかないだろう。それはわれわれの仕事が持っていた価値をよみがえらせ、商品を手にした顧客に本当の価値を理解してもらえるようにする道でもある。

 ファッション業界のスケジュールが現在のように目まぐるしくなったのは、ラグジュアリーブランドがファストファッションと同様の手法を取り入れたからだ。ラグジュアリーとは手間と時間がかかるものであり、大切に愛されるべきものだということを忘れて、ファストファッションのように途切れなく商品を供給することでより多くの売り上げを得ようとしてしまった。ラグジュアリーは速いペースでつくれるものではないし、またそうあってはならないものだ。「ジョルジオ アルマーニ」のジャケットやスーツをたった3週間ほど店に並べ、これはもう“季節外れ”だからとそれほど見た目の変わらない新製品と入れ替えるのは全く意味をなさないと思う。

 私はそういう仕事のやり方はしていないし、モラルに反すると思っている。私は常に時代を超えたタイムレスなエレガンスを大切にしてきたが、それは美的感覚の問題だけではなく、長く着られるように服をデザインして生産するということでもある。

 また「(雑誌などで見た)アイテムを今すぐ買いたい」という一部の消費者の欲望を満たすためだけに、真冬なのに店ではリネンのドレスしか売っておらず、逆に真夏にはアルパカのコートしか置いていないような現状もおかしいと思う。服を買うときに、それが着られる季節になるまで半年以上もクローゼットで眠らせておくことを想定して買う人間がどれほどいるだろうか?いたとしても、ごく少数だろう。百貨店が始めたこの方法はいつの間にか定着してしまったが、間違っていると思うし、変えなければならない。

 今回の危機は、業界の現状を一度リセットしてスローダウンするための貴重な機会でもある。現在イタリアは全土封鎖の措置が取られているが、それが解除された際には、春夏コレクションの商品が少なくとも9月初旬まで店頭に置かれるように手配した。それが自然な姿だと思うので、今後もずっとそうするつもりだ。

 また「オーセンティシティー(欺瞞がなく、信頼できる本物であること)」の価値も、これを機会に取り戻したい。ファッションをただコミュニケーションの手段として利用したり、軽い思いつきでプレ・コレクションを世界中で発表したり、やたらに大掛かりで派手なショーを開催したりするのはもう十分だ。意味のない金の無駄遣いであり、今の時代には不適切な上、もはや品のない行為に思える。特別なイベントだったはずのものを慣例だからと繰り返すのではなく、本当に特別な機会にのみ行うべきだ。

 現在は乱気流の中にいるような先が見えない状態だが、間違いを正して人間らしさを取り戻すためのユニークな機会でもある。そういう意味では、皆が連帯しているのを目にすることができてうれしく思う。

 小売業界にとって、今回の非常事態はストレステスト(過大な負荷をかけて健全性を審査するテスト)のようなものだ。難局に直面しているアメリカのアパレル小売りの皆さんに、心からのエールを送りたい。この危機に立ち向かうためには、連帯して協力し合わなければならない。そうすれば必ず乗り越えることができるだろう。それが今回の危機から得られる、最も重要なレッスンかもしれない。

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【4月9日まで|スヌーピーミュージアム】 第2回展覧会 史上最大のスヌーピー展「もういちど、はじめましてスヌーピー。」 誕生秘話から、約50年間大きな変遷を遂げていく様子を、原画約80点と映像で紹介 詳しくはこちら→

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スマホの次の時代は“音声”だ 声のブログ「ボイシー」が目指す未来

 「ボイシー(Voicy)」は、2016年9月にスタートした音声メディアだ。同メディアでは、独自の基準をクリアした“パーソナリティ”がさまざまなテーマのもと、ラジオのように音声でコンテンツを配信している。その情報の有益性や“ながら聞き”できる利便性などから人気を博し、着実にユーザー数が増加。さらには日本経済新聞と提携してコンテンツの共同制作を行ったり、TBSイノベーション・パートナーズや中京テレビ放送、朝日放送グループのABCドリームベンチャーズ、文化放送などから資金調達を行ったりと、既存の大手メディアを巻き込んだ拡大路線を図っている。音声コンテンツは今後、どこに向かっていき、その中で「ボイシー」はどのように成長していくつもりなのか。緒方憲太郎Voicy代表に話を聞いた。

WWD:Voicyを立ち上げる以前は何をしていた?

緒方憲太郎Voicy代表(以下、緒方):もともとは公認会計士として働いていました。個人的にビジネスが大好きで、好奇心旺盛だったということもあり、いろいろな会社の裏側を見たいと思ったんです。その後は一度休職して世界を回る中で、アメリカでNPO組織を作ったり、オーケストラをマネジメントしたりといろいろな経験をしてきました。日本へ帰国してからは、トーマツベンチャーサポートでベンチャー企業の相談役というポジションでいろいろなビジネスを見てきました。

WWD:自分で起業をしようと考えたきっかけは?

緒方:いろいろな企業に関わっていく中で、成長する企業もあれば低迷する企業もありましたが、世の中に新しい価値を生んでいく企業もあって。そういった企業を見て、僕自身も新しい価値を生むことができる素敵なサービスを作って、素敵な組織を作ることに挑戦したいと考えるようになりました。次の時代がどうなるのかを考え、道なき道をいってみたいな、と。

WWD:中でも音声コンテンツに着目したのはなぜ?

緒方:スマートフォンの次の時代は、音声ではないかと考えたからです。スマートフォンの登場で、人と情報の接点は大きく変わり、PCの時代からスマホへと時代が変わった。これと同じように、今後はスマホから音声へと変わっていくと考えています。IoT(モノのインターネット化)が進むことで、あらゆるモノがネットに接続されていきますが、常に手が届く範囲内にあるわけではない。手を使わないで検索したり、デバイスに指示をしたりする必要が出てくるはずで、その方法として音声には大きな可能性がある。僕としても、スマートフォンの次の時代を日本から挑戦できるのであれば、人生を賭けてやる意味があるのではないかと思っています。

WWD:スマートフォンの次の時代を作るために、Voicyはどのようにアプローチをしていくつもりか?

緒方:大きく分けると2つで、音声の機能性と人間性があります。機能性の面だと、これまでは検索するためにデバイスに触れなければならなかった環境とは異なり、音声は“ながら聞き”に代表されるように、生活を止めることなくネットに接続し、情報を得ることができるということ。人間性の面は個人が活躍する現代において、改めて重視されている魅力や人間らしさは、声で表現できるということです。この2つを事業の柱にすることで、音声を軸としたインフラから社会文化まで作ることができると考えています。

コンテンツ軸ではなく人軸でサービスを設計

WWD:ネットラジオのような形態の音声メディアという点では「ポッドキャスト(PODCAST)」などと似ているような印象を受けるが?

緒方:それはよく言われます(笑)。ただ、サービスの軸が違います。「ポッドキャスト」はコンテンツ軸で作っている一方で、僕らは人軸で作っている。配信を聞いて、パーソナリティを好きになったり、理解したりすることを「Voicy」では重視しています。さらにSNS的な要素を入れて、人と人がつながるようにしていることで、コミュニティーの形成を行えるようにもしています。こういったこともあってか、主催イベントはもちろん、ツイッターなどのSNSでも大きな反響や熱量が生まれています。

WWD:パーソナリティには基準があり、誰でもなれるわけではない。その理由は?

緒方:特定のジャンルにパーソナリティが偏り過ぎてしまったり、パーソナリティが多すぎて聞く人がバラけてしまったりすることを避けるためです。また、人が配信を聞くための環境を整えることも大切で。話を聞くときに、「この人の話が面白い」と言われれば聞けますが、単に流れてきた話をちゃんと聞くのは難しい。音声は動画などと違い、すぐに面白いかは分かりづらい。でも、聞けば聞くほどジワジワ好きになってくるという特徴もある。だから僕らが本当にオススメできる、 一緒にサービスを作っていける人たちにパーソナリティになっていただいています。

WWD:パーソナリティになる人の基準は?

緒方:非公開ですが、声の良さではなく、その人の発信内容を見ています。というのも、単に声がうまい人が発信するという世界観だと今までだと変わらないな、と思って。「ボイシー」は音声を届けるというよりも、人の魅力を音声で届けることを重視しているので、基準としては「その人と会いたいか」「その人が飲み会を開いたら何人が来そうか」といった感覚に近いです。なので現状は、比較的インフルエンス力のある人がパーソナリティになるケースが多いとは思います。

WWD:ローンチから3年以上が経っているが、当初と現在でリスナー層に変化はあるか?

緒方:年齢層は20〜30代を中心に、40代も増えてきています。ビジネス好きの男性がメインだった当初に比べ、現在は男女比は6:4です。中には子育てしながら「ボイシー」を聞くお母さんもいます。徐々に生活の一部にし始めるリスナーさんが増えてきている印象ですね。パーソナリティの方も今まではファンが聞く、といったことが多かったのですが「ボイシー」を通じてパーソナリティを知った、というユーザーの方も増えてきました。

WWD:リスナー層の変化に伴い、配信するコンテンツなども変えていくのか?

緒方:当初は音声は読書に近い世界と考え、比較的ビジネス要素の強いコンテンツであったり、勉強になる内容だったりが多かったんですが、今後はめちゃくちゃ面白い番組など、エンタメ性のあるコンテンツを増やしていきたいですね。

WWD:ファッション誌などの中には、音声に注目しているところもある。そういったメディアと共に取り組めることがあるとしたら、どういったことがある?

緒方:個人的には、ファッションって考え方や世界観、ストーリーの部分が重要で、意外と見た目の要素があまり大きくないのかもしれないな、と感じています。そういった意味ではデザイナーがどういう思いで作っているのかといったストーリーは写真とキャプションよりも、音声の方が人々に伝わりやすいのではないかと思います。

WWD:提携や資金調達などを通じて、既存の大手メディアを巻き込んでいるが、その目的は?

緒方:イメージとしては、既存のメディア企業と一緒にテレビ網の音声版を作っている感覚に近いです。テレビ番組を作って広告を取る人もいるし、テレビ通販をする人もいる。僕らも同様に、「ボイシー」でプラットフォームやツールを作り、既存企業はそれらを活用して新しいビジネスを行ってくれればと考えています。今は、そのための先行投資の段階。スマホの次の時代を一緒にやりたいと言ってくれる人たちと、どんどん新しい挑戦をしたいと思っています。

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増永眼鏡が高田賢三と追求した日本の伝統美と技術力

 1905年創業、福井県の老舗アイウエアメーカー、増永眼鏡がデザイナー高田賢三をディレクターに迎えたコレクション「マスナガ デザインド バイ ケンゾータカダ(MASUNAGA DESIGNED BY KENZO TAKADA)」は、スタートして6年目を迎えた。ラインアップは充実度を増している。

「『マスナガ』の
ディテールは完璧だ」

 2014年のデビュー作は、いきなりパリの国際眼鏡展「シルモ(SILMO)」で優秀なアイウエアに贈られる「シルモ・ドール賞」を受賞し、評価は世界で高まった。創業以来100年以上受け継がれる増永眼鏡の伝統の技術力と、高田のフィルターを通した日本の美意識が絶妙に融合することで確固たるスタイルが完成している。高田は「まず快適であること、そして身に着けるユーザーが誇りに思えることが重要。『マスナガ』のディテールは完璧だ」と、増永眼鏡とのこだわりのモノ作りに自信をのぞかせる。

 20年春夏コレクションの特徴は、シートメタルやアセテートの肉厚な生地使いと、繊細な彫金技術から生まれる存在感だ。時代に左右されないビンテージスタイルと、歴史に育まれた熟練の職人による手仕事から生まれた掛け心地のよさは、まさに「マスナガ」コレクションの最高峰だ。価格は6万5000円

福井伝統の技術が宿る
「マスナガ」3シリーズ

 増永眼鏡は、ほかにもバリエーション豊かなオリジナルブランドを手掛けている。メード・イン・ジャパンの品質とタイムレスなデザインが特徴だ。注目したい3シリーズの一つは、増永眼鏡の創業年を冠した主力ブランド「マスナガ シンス 1905(MASUNAGA SINCE 1905)」。デザインから金型作り、表面処理まで、完成までの200を超える工程を一貫して自社で管理し、ハンドメードの高いクオリティーを実現する。「光輝(KOKI)」シリーズは1970年の大阪万博で企画され、松下館のタイムカプセルに収納した“カスタム72”の後継モデルとして誕生。精神、姿勢、技という増永眼鏡のポリシーを体現する。「G.M.S.」シリーズは1933年、昭和天皇が福井を訪れた際に献上された3本のラウンドフレームがルーツだ。2005年の復刻以来、クラシック感とモダンが同居するラインアップの充実を図ってきた。東京・青山の旗艦店をはじめ国内に約250店舗の販売先を有し、世界の販売網も約30カ国に広がっている。


問い合わせ先
増永眼鏡
03-3403-1918

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フェミニンにサバイバル気分 “くるむ”装いでおしゃれに体をプロテクト

 新型コロナウイルス感染症拡大を受け、3月に予定されていた2020-21秋冬「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が中止されました。参加するはずだったブランドは急きょ無観客ショーやルック撮影に発表方法を切り替えましたが、そこで相次いで登場したのがサバイバル気分を帯びた、体を“くるむ”装いです。今を生き抜く意識をまとったルックは凛としてたくましい。でも、シルエットやディテールはしなやか。女性の多面性を引き出す効果も生んでいます。暗いムードの今こそ、新しい装いについて考えることで気分をリフレッシュしていきましょう。

 「ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)」はトレンチコートを2枚重ねたかのような新スタイルを披露。いわゆる“襟抜き”で肩を落として着て、内側のコートをのぞかせ、タフ感と官能美を交わらせました。「ドレスドアンドレスド」以外も、今回の記事中で紹介するさまざまなコーディネートは、強さとフェミニンが交差し、これまでのジェンダーミックスの先を行く着こなしのヒントを感じさせます。

◆ふんわりキルティングでミリタリー&安堵感

 「ハイク(HYKE)」がポンチョ風アウターに仕立てたのは、ミリタリー系コートの裏地(ライナー)に使うようなキルティングの素材。軍装風の色味に加え、ハイカラーで全身を隙間なく覆って、緊張感を演出。本来ならば内側に着込むライナーを、あえて上から重ねる着方にも“非常時”のムードが漂います。薄手のキルティングは、量感を出しつつも、軽やかに映るユーティリティーアイテムです。

 写真2枚目の「ザ・リラクス(THE RERACS)」はフード付きのキルティングコートで、全身を朗らかな雰囲気で包みました。やや武骨なイメージを帯びた、アウトドア風のキルティングですが、やわらかい立体シルエットを組み立てています。危機に備える人たち“プレッパー(Prepper)”のような気分を醸し出しながら、優しいムードにまとめ上げました。

◆レザーで強さを演出 着こなしに相乗効果

 合皮を含むレザーは、“強さ”を印象づけるキーマテリアル。「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」は、身頃にレザーを使った異素材ミックスのジャケットに、チェック柄のアシンメトリースカートを合わせました。ハーネス風のベルトがタフ感を上乗せします。ロングブーツはレザージャケットとの相乗効果を発揮。強さとレディー感を響き合わせています。

 写真2枚目の「ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)」は、つややかなレザーパンツの裾を、レザーブーツにイン。スレンダーなレッグラインを強調します。一方で、クラフト感を帯びたステッチ使いのジップアップブルゾンは、ラウンドシェイプのファニーなムード。クールなレザーパンツとのコーディネートで、相反するテイストを際立たせました。

◆“ロング×ロング”シルエットで凛としたムード

 マニッシュ感を濃くする動きが広がる一方、しなやかな強さを打ち出す試みも目立っています。「ミントデザインズ(MINTDESIGNS)」は白衣を連想させるような白シャツを軸に、クリーンで凜々しい装いを提案。ロングシャツにロングスカートという“ロング×ロング”のシルエットを組み立てました。首に巻いたスカーフを垂らして、さらに“落ち感”を強調しています。ウエスタン風のブーツで足元を引き締めました。

 細感と縦長イメージの相乗効果を狙うシルエットづくりを試したのは、写真2枚目の「マラミュート(MALAMUTE)」。ハイネックとロング丈のコンビネーションで、スリーク(しなやか)な着映えに導きました。テキスタイルプリンターで写し込んだ柄を全身に配して、全身のトーンを統一。芯の強い女性像を引き出しました。ほとんど肌を見せない装いは、プロテクション感も漂わせています。

◆マルチポケットでハンズフリー タフ感を印象づけ

 ミリタリーやワークウエアのムードをまとった装いも相次いで打ち出されました。目印はビッグポケット。「スリュー(SREU)」のアウターは、特大の張り出しポケットが目を引きます。パンツとのセットアップで、一段とタフ感を強めています。袖口をベルトで絞って、サファリ気分も添えました。正面に深くスリットが入ったパンツで、ブーツをチラ見せ。全身を覆いながらも、フェミニンを忘れないコーデです。

 写真2枚目「ノントーキョー(NON TOKYO)」の、ビッグポケットをフロントに4個も配置したスカートは、まるでミリタリーパンツのよう。ハンズフリーで過ごせそうなユーティリティー顔。でも、ケミカルなネオングリーンはハッピームード。ハードめデザインとポジティブ色をミックスしています。ロングスリーブのハイネックトップスに、ポインテッドトゥのスニーカーで縦長シャープに仕上げています。

 体をしっかり覆うシルエットで、他者に寄りかからない強さを提示。同時に、色やディテールではフェミニンな雰囲気を醸し出すという、新たなジェンダーミックスが盛り上がってきました。素材ではレザー、シルエットは“ロング×ロング”、ディテールでは“多ポケット”などが新スタイリングを印象づけてくれます。サバイバルを意識せざるを得ない時代のおしゃれにも向く装いといえるでしょう。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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新型コロナが直撃する伊アイウエア産業の危機 業界トップが明かす視界不良

 新型コロナウイルの感染拡大が深刻なイタリアのアイウエア産業が、危機的状況を迎えている。イタリア政府が打ち出した経済支援策に対して、ジョヴァンニ・ヴィタローニ(Giovanni Vitaloni)=イタリア眼鏡製品メーカー協会(ANFAO)会長兼「ミド」会長は、アイウエア業界への早急な融資保証を働きかけた。

 「政府の早急な金融支援がなければ、アイウエア企業は大きな影響を受け、経済や雇用に壊滅的な損害が出る」と警鐘を鳴らす。「われわれのこの要望に対して、現時点で何の進展もない。早急に手を打たなければ行き場を失う。簡単な話だ。われわれは、待ったなしで資金が必要だ」。イタリア政府は、4000億ユーロ(約46兆円)の経済支援策を打ち出しているが、いまだに実行されていないという。

 2018年に約50億ユーロ(約5800億円)を売り上げたイタリア国内のアイウエア産業は、新型コロナウイルスの影響で状況が一変している。2月にミラノで開催予定だった世界最大級の国際眼鏡展「ミド(MIDO)」の中止が大きな痛手となった。

 ヴィタローニ会長が、「ミド」中止決定の経緯、アイウエア企業の現状や損害、回復に向けた方策などについて米「WWD」に語った。

WWD:「ミド」はいったん7月に延期とし、結局今年の開催は断念した。その理由は?

ヴィタローニ:「ミド」はイタリアのアイウエア産業のエンジンのような存在であり、中止の決定は痛みを伴うものだった。新型コロナウイルスの拡大が収まらず、7月の開催さえ難しい状況になったが、それ以上延期すると、秋にパリで開催される国際眼鏡展「シルモ(SILMO)」と時期が重なる。それで、いち早く来年2月初旬の開催とした。実り多い営業活動ができるように業界全体が一致団結している。

WWD:ANFAO会長として、今直面している問題は?

ヴィタローニ:状況は日々変化しているが、大きな問題はアイウエアの需要がゼロということだ。本来なら2月開催の「ミド」で新作を発表し、世界中から集まるバイヤーの注文を受けて生産する今が、年間のビジネスで最も重要な時期なのだが。今や工場の稼働は4月もストップしている。

WWD:生産活動が止まっている?

ヴィタローニ:一部海外に向けた需要はあるものの、全ての市場が停滞している。例えば、イタリアのアイウエア産業にとって第二の輸出国であるフランスの眼鏡店はすでに20日間休業している。また、輸出額の約25%を占めるアメリカも同様の状況だ。オーダーがないまま、今後の5週間をどうしのぐのかが問題だ。3月は各社の蓄えで乗り切れたが、4月は経営や雇用を守れるのかどうかが見通せない。特に中小企業の財務状況は心配だ。

WWD:イタリア企業の競争力が低下する?

ヴィタローニ:われわれは、健全な会社運営と堅実なサプライチェーンによって、これまでもあらゆる困難を克服してきた。この20年間、生産量の90%を輸出しており、メード・イン・イタリーの高い国際競争力を維持している。世界的に景気が不安定だった19年でも輸出は4%成長し、20年も2月まで好調を維持した。

WWD:今後の経済的損害の見通しは?

ヴィタローニ:中小企業の今年の売り上げは、前年比40~50%減の影響を受けるだろう。各社は新商品を販売する用意はできているが、倉庫に眠ったままだ。秋の新作発表に向けた準備もできている。各社は、今春発売予定だった商品をどうするか、新作の準備をどう進めるかの判断を迫られている。需要がいつ戻るのかにかかっていると思うが、状況が回復したときのことを見越して対策を考えなくてはいけない。バカンスシーズンとなる7~8月が立て直しの時期になるかもしれない。

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「ニューバランス」が気鋭メンズブランド「カサブランカ」とコラボ オンライン限定販売

 「ニューバランス(NEW BALANCE)」は、シャラフ・タジェル(Charaf Tajer)が2018年に立ち上げたメンズブランド「カサブランカ(CASABLANCA)」とコラボレーションしたシューズ“カサブランカ × ニューバランス 327”を4月18日に発売する。価格は1万6000円で、サイズは23〜29cm。取り扱い店はユナイテッドアローズ&サンズ(UNITED ARROWS & SONS)とドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)、GR8の3店で、新型コロナウイルスの影響により各店のオンラインストア限定での販売となる。

 シューズは、ニューバランスの新作“327”がベース。同モデルは1970年代に発表したランニングシューズ“320”“355”“スーパーコンプ”の3型のディテールを融合し、大きく巻き上がったかかとのデザインが特徴だ。「カサブランカ」のタジェル=デザイナーはコラボモデルで70年代イタリアのレトロなムードを再現するため、アッパーにパンチングを施したレザーを採用し、シュータンは日に焼けたようなイエローがかった配色に仕上げている。カラーはヨーロッパの高級リゾートにあるテニスコートをイメージしたグリーンと、「カサブランカ」のブランドカラーであるオレンジの2色をそろえる。

 同モデルは、「カサブランカ」が1月のパリ・メンズ・コレクション期間内に開いた2020-21年秋冬のランウエイショーでも披露されていた。なお同ブランドは2020年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のファイナリストにも選出されている。

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鳥貴族、緊急事態宣言で休業延長。東京都は時短営業を認める模様。再開させる?

株式会社鳥貴族(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:大倉 忠司)が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、直営店全394店舗を4月4日(土)から4月12日(日)まで臨時休業としていたが、期間を5月6日まで延長すると発表した。TCC店(加盟店)全256店舗にも同様の臨時休業を要請する。
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