「アンリアレイジ」とオンワード樫山がバッグ&アクセサリーブランド設立 樹脂に花を閉じ込めたパーツが特徴

 「アンリアレイジ(ANREALAGE)」とオンワード樫山は、樹脂の中に花を閉じ込めたパーツがアイコンのバッグ・アクセサリーの新ブランド「アンエバー(ANEVER)」をスタートさせる。なお「アンエバー」は「アンリアレイジ」の新バッグ・アクセサリーラインとしても位置付ける。

 “A REAL(日常)”“UN REAL(非日常)”“AGE(時代)”を由来とする「アンリアレイジ」のブランド名の構成と同様に、「アンエバー」のブランド名は対極の概念である“A NEVER(一瞬)”と“AN EVER(永遠)”をつないだ。“対極の概念をつなぐプロダクト開発”をコンセプトに、個性的な生き方が受け入れられる新しい時代のなかで、自然の流れを愛でながら自分自身で豊かな生活を開花させ続けられる女性に向けて、バッグとアクセサリーを展開する。

 商品は、アクリル樹脂の中にドライフラワーを閉じ込めたパーツをアイコンとするレザー・キャンバス地のバッグ、ネックレス・イヤリングなどをそろえる。“対極の概念をつなぐ”というブランドコンセプトを「種から芽が出て花が咲き、その花の最も美しい瞬間を樹脂に閉じ込めたパーツは、花の命の瞬間を永遠に変える」ことで表現する。

 ドライフラワーを散りばめ、樹脂で固めるという生産手法の特性から、世界に一点しかないという価値を提供できるという。バッグの価格帯はは6000~15万円、アクセサリーは2000~7000円。

 「アンエバー」のファースト・コレクションはパリ・ファッション・ウイーク期間中の9月29日に、オンラインで配信した「アンリアレイジ」2021年春夏コレクションで初披露。オープニング映像に登場した平手友梨奈も、「アンエバー」のトライアングルピアスを着用していた。

 ショー配信後から「アンエバー」の一部アイテムの予約販売を「アンリアレイジ」の公式ECサイトで開始した。21年3月上旬から、「アンリアレイジ」の旗艦店、渋谷パルコ店、公式ECサイトやオンワードグループの公式ECサイト「オンワード・クローゼット」などで一般販売する。

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「アンリアレイジ」とオンワード樫山がバッグ&アクセサリーブランド設立 樹脂に花を閉じ込めたパーツが特徴

 「アンリアレイジ(ANREALAGE)」とオンワード樫山は、樹脂の中に花を閉じ込めたパーツがアイコンのバッグ・アクセサリーの新ブランド「アンエバー(ANEVER)」をスタートさせる。なお「アンエバー」は「アンリアレイジ」の新バッグ・アクセサリーラインとしても位置付ける。

 “A REAL(日常)”“UN REAL(非日常)”“AGE(時代)”を由来とする「アンリアレイジ」のブランド名の構成と同様に、「アンエバー」のブランド名は対極の概念である“A NEVER(一瞬)”と“AN EVER(永遠)”をつないだ。“対極の概念をつなぐプロダクト開発”をコンセプトに、個性的な生き方が受け入れられる新しい時代のなかで、自然の流れを愛でながら自分自身で豊かな生活を開花させ続けられる女性に向けて、バッグとアクセサリーを展開する。

 商品は、アクリル樹脂の中にドライフラワーを閉じ込めたパーツをアイコンとするレザー・キャンバス地のバッグ、ネックレス・イヤリングなどをそろえる。“対極の概念をつなぐ”というブランドコンセプトを「種から芽が出て花が咲き、その花の最も美しい瞬間を樹脂に閉じ込めたパーツは、花の命の瞬間を永遠に変える」ことで表現する。

 ドライフラワーを散りばめ、樹脂で固めるという生産手法の特性から、世界に一点しかないという価値を提供できるという。バッグの価格帯はは6000~15万円、アクセサリーは2000~7000円。

 「アンエバー」のファースト・コレクションはパリ・ファッション・ウイーク期間中の9月29日に、オンラインで配信した「アンリアレイジ」2021年春夏コレクションで初披露。オープニング映像に登場した平手友梨奈も、「アンエバー」のトライアングルピアスを着用していた。

 ショー配信後から「アンエバー」の一部アイテムの予約販売を「アンリアレイジ」の公式ECサイトで開始した。21年3月上旬から、「アンリアレイジ」の旗艦店、渋谷パルコ店、公式ECサイトやオンワードグループの公式ECサイト「オンワード・クローゼット」などで一般販売する。

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「アンリアレイジ」とオンワード樫山がバッグ&アクセサリーブランド設立 樹脂に花を閉じ込めたパーツが特徴

 「アンリアレイジ(ANREALAGE)」とオンワード樫山は、樹脂の中に花を閉じ込めたパーツがアイコンのバッグ・アクセサリーの新ブランド「アンエバー(ANEVER)」をスタートさせる。なお「アンエバー」は「アンリアレイジ」の新バッグ・アクセサリーラインとしても位置付ける。

 “A REAL(日常)”“UN REAL(非日常)”“AGE(時代)”を由来とする「アンリアレイジ」のブランド名の構成と同様に、「アンエバー」のブランド名は対極の概念である“A NEVER(一瞬)”と“AN EVER(永遠)”をつないだ。“対極の概念をつなぐプロダクト開発”をコンセプトに、個性的な生き方が受け入れられる新しい時代のなかで、自然の流れを愛でながら自分自身で豊かな生活を開花させ続けられる女性に向けて、バッグとアクセサリーを展開する。

 商品は、アクリル樹脂の中にドライフラワーを閉じ込めたパーツをアイコンとするレザー・キャンバス地のバッグ、ネックレス・イヤリングなどをそろえる。“対極の概念をつなぐ”というブランドコンセプトを「種から芽が出て花が咲き、その花の最も美しい瞬間を樹脂に閉じ込めたパーツは、花の命の瞬間を永遠に変える」ことで表現する。

 ドライフラワーを散りばめ、樹脂で固めるという生産手法の特性から、世界に一点しかないという価値を提供できるという。バッグの価格帯はは6000~15万円、アクセサリーは2000~7000円。

 「アンエバー」のファースト・コレクションはパリ・ファッション・ウイーク期間中の9月29日に、オンラインで配信した「アンリアレイジ」2021年春夏コレクションで初披露。オープニング映像に登場した平手友梨奈も、「アンエバー」のトライアングルピアスを着用していた。

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ストリートフォトの先駆者が撮る「奇妙なミラノ」 パンデミックで変わったファッション・ウイークのリアル

 9月22〜28日に2021年春夏シーズンのミラノ・ファッション・ウィーク(以下、MFW)が開催された。リアルとデジタルの両軸で行われる初のMFWとなった今季、来場者は例年の3分の1かそれ以下だった。来場者はイタリア近隣諸国から訪れたものの、ファッション業界の関係者でさえ極めて少なかった。そのためか、各ブランドのショー会場には顧客らしき人物の割合が例年よりも多いように見られた。来場者は屋内外を問わずマスク着用が必須で、ストリートスタイルを撮影するフォトグラファーが被写体に向かってマスクを外してほしいとリクエストするシーンに何度も遭遇した。トレンドもなければ、奇抜なファッションもほとんどない。そんな異例ともいえるファッション・ウイークをストリートカメラマンたちはどう見たのだろうか。

 2010年から各都市のファッション・ウイークに赴き、ストリートフォトの先駆者として活躍してきたアダム・カッツ・シンディング(Adam Katz Sinding)は、今季のミラノを「奇妙だった」と振り返る。「この時期は天候に恵まれていたのに、今季は暗い雲が垂れ込めて灰色の光や雷雨にも見舞われたんだ。でもヨーロッパを拠点にする業界人をショー会場でわずかながら見かけたし、予想よりは盛況だったかな。ただ、再会を喜ぶ笑顔はマスクやスカーフに隠れて見られなかった。あいさつのハグや頬のキスは少ないし困難な状況だったけど、写真には満足しているよ」。シンディングはリアルな瞬間を切り取るドキュメンタリー写真を得意としているため、通りを歩く人の足を止めることも、マスクを外すよう依頼をすることもなかったという。「僕自身は、母が作ってくれた布製のマスクを着用していたんだ。悪天候であってもサングラスを外さず、小さなボトルの消毒ジェルを持ち歩いていたよ。あいさつは距離を取って言葉を交わすか、肘を合わせるだけさ」と、自身も対策をして現場に臨んだことを明かす。シンディングがミラノを訪れるのは2月のMFW以来となった。「約6カ月ぶりにミラノに戻ってきて、街が想像以上にもと通りになっていたからうれしいんだ。だって、カフェで落ち着いて席に座れることすら驚きなんだから」。

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「エイソス」が“循環型”コレクションを発表

 英EC「エイソス(ASOS)」は、リサイクルなどを通して洋服の廃棄削減や、地球環境を考慮した生産に向けた循環型ファッションの考えを取り入れた2020-21年秋冬コレクションを発表した。メンズ、ウィメンズ、ユニセックスからなる29種類で、オーバーサイズのカーディガンやTシャツ、デニムなどに加えて、90年代に着想を得たマイクロプリントや脱色加工が施されたアイテムをそろえた。鮮やかな色づかいやシンプルなデザインは、スクエアネックラインやボリュームをもたせたドレスで仕立てをアクセントに。またシルバーのジュエリーやバッグなどのアクセサリーも販売する。各製品の衣装タグにはQRコードを付与し、消費者はスキャンをすることで「エイソス」の取り組みや購入した方法を知ることができる。

 それぞれのアイテムは、循環型経済を推進する英エレン・マッカーサー財団(Ellen Macarthur Foundation)が定めた3原則である“廃棄と汚染を出さない設計”“自然のシステムを再生する”“製品と原材料を捨てずに使い続ける”の中から最低2つを満たして作られているという。ヴァネッサ・スペンス(Vanessa Spence)=デザイン部門長は、「私たちはこの数年間、『エイソス』のような組織でどのように循環型ファッションを取り入れられるか試行錯誤を繰り返してきた。サプライヤーとも話し合いを重ね、私たちが設定した循環型デザインのガイドラインを提案した。このコレクションでは循環型経済とファッションのどちらかのみを選ぶ必要はなく、デザインや価格に妥協することなくサステナブルな製品を作ることができる」と述べた。

 またコレクション制作に際して「エイソス」は、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション (London College of Fashion)が持つセンター・フォー・サステナブル・ファッション(Centre for Sustainable Fashion)でトレーニングプログラムを作り、同ブランドのデザイナー216人全員が受講した。同プログラムでは循環型デザインに関するガイドラインを設けて、廃棄ゼロデザインや廃棄物の最少化、リサイクル素材の使用、耐久性、多様性、単一素材、分解性、アップサイクルの8項目を掲げる。

 「エイソス」は具体的な取り組み方を示していないものの、エレン・マッカーサー財団は「廃棄物や汚染物を排出しない製品やサービス、製品を何十年にもわたって使用し続けるビジネスモデルのための簡単な方法は存在しない。循環型経済の3つの原則はそれらを達成するための手段を規定するものではなく、今後の取り組み方法や革新への扉を開くものだ」と述べた。

 「エイソス」は英国ブランドや出店ブランド、自社ブランドを合わせて8万5000点を超える商品をそろえるが、自社以外のブランドに対して循環型ファッションのガイドライン採用を強制することはないという。「エイソス」は「ファッション産業が向かうべき良き例を示したい。『エイソス』ブランドの『コリュージョン(COLLUSION)』『ハートアンドダガー(HEART & DAGGER)』『エディション(EDITION)』などは循環型デザインに取り組んでいく」とコメントした。

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パリコレ現地リポートVol.1 リアルでも開幕!「ディオール」の会場からは生中継

 皆さん、こんにちは。「WWDジャパン」ヨーロッパ通信員の藪野です。9月28日にパリ・ファッション・ウイークが開幕しましたね。新型コロナウイルスの影響によりデジタルとリアルを組み合わせて開催されている今回ですが、公式スケジュールの84ブランドのうち、リアルなショーで発表を行うのは18ブランド。その他、プレゼンテーションや展示会を開くブランドもあります。とは言っても、この状況下で日本から出張というのは難しいので、今回は私が現在暮らしているドイツ・ベルリンからパリにやって参りました(EU内での渡航はそんなに制限がないのです)。パリでは新型コロナの感染が再拡大しているので最大限自衛をしつつ、これから最終日の10月6日まで数回に分けて現地からのリポートをお届けしていきます。いつもミラノやパリは編集部チームと一緒に和気あいあいと取材しているので一人はちょっと寂しいのですが、少しでも“リアル”なパリコレを感じてもらえると幸いです!それでは、まずは1発目のリアルショーが開催された2日目のダイジェストをどうぞ。

9月29日(火)

11:30 初っ端から招待状届かず。執念で59階まで上って見た「コペルニ」

 今回のパリコレ1つ目のリアルなショーは、「クレージュ(COURREGES) 」の元クリエイティブ・ディレクターでもあるデザイナーデュオによる「コペルニ(COPERNI)」です。前々回はアップルストア、前回はインキュベーション施設とユニークな会場でコレクションを発表する彼らが今回選んだのはパリ南部にある高層ビル、トゥール・モンパルナス(Tour Montparnasse)の屋上。朝からテンション上がる〜と思っていたのですが、あれ??ホテルにインビテーションが届いていない……。最近はデジタルインビテーションも多いので、メールも確認したけれど来ていませんでした。しかし、“1発目のショーを見逃すわけにはいかない!”という執念で、とりあえず会場前まで行ってみることに。

 ビルの入り口でPRスタッフに説明したところ、やはり何かの手違いで席がないとのこと。いつもはそれでも交渉するのですが、今回はコロナ禍での開催なので衛生基準がかなり厳しく、スタンディングは基本なしで、席をちょっと詰めたりするのも難しいという話だったので、諦めムードに……。ただ、入り口にいたスタッフの一人が屋上にいる担当PRと連絡をとってくれて、スタートギリギリで来場していない人の席をゲットしてくれました。ありがとう、優しいお姉さん!!ということで、59階まで猛ダッシュ(実際には56階まではエレベーター)で上がったのですが、到着したころにはもうショーは中盤。ソーシャル・ディスタンシングを守りつつ、スタッフと一緒に立って拝見しました。

 コレクションは、今回もクリーン&モダンなデザイン。“衣服は身体の相棒である”という考えから、抗菌性やUVカット効果のあるオリジナルの新素材や伸縮性に優れた素材を使い、セカンドスキン(第二の皮膚)となるようなアイテムを提案しました。サイクリングパンツやトレンカ風レギンス、フロントジップなどで作るスポーティなムードが印象的です。ショーが終わって外を眺めると、あいにくのお天気でしたが、パリの街が一望できる絶好のロケーション。今度は晴れた時に来たいな〜と会場を後にしました。

12:30 「ビクトリア トマス」は新型コロナで服作りを一新

 お次は、夫婦デザイナーデュオによる「ビクトリア トマス(VICTORIA/TOMAS)」。ショーが始まると、モデルが2人ずつ並んで歩いてきます。勘がいい方はお気づきかもですが……そうです、今回から全てのウエアがリバーシブルになりました。片側はワークウエアや伝統的なメンズウエアから着想を得たデザイン、そしてもう片側は刺しゅうやギャザーでより装飾的なスタイルで仕上げられています。例えば、ストライプのスタンドカラーシャツは、裏返せば肩から背中にかけてたっぷりギャザーを入れたスカーフヘムのブラウスに。さらに今季から生産も100%フランス製に切り替えて生産時にかかる環境負荷の低減を目指すとともに、現在年4回発表しているコレクションも半分に減らします。

 その背景にあるのは、やはり新型コロナウイルスです。2人は外出自粛期間中に、ファッションへの向き合い方を考え直したそう。全部リバーシブルというのは手入れのことなどを考えると、正直どうだろう?と思いますが、生産やコレクション数に対する取り組みには賛成です。

14:30 「ディオール」には日本から着想を得た“バー”ジャケットが登場

 7月にイタリアで無観客ショーを行った「ディオール」ですが、今回は念願のゲストありでの開催です。ただ、いつもは1000人以上を収容する会場に今回は350人のみ。生の雰囲気を少しでも多くの方に味わってもらえるように、「WWDジャパン」のYouTube配信番組「着点(きてん)」でパリから生中継しましたので、まだの方はぜひアーカイブをご覧ください!

 会場は、先シーズンからチュイルリー公園になりました。巨大な白い箱のような会場に入ると、中はまるで大聖堂。真っ黒な空間の三面にステンドグラスが飾られているのですが、よく見るとアートに関する雑誌のコラージュになっています。こちらはアーティストのルチア・マルクッチ(Lucia Marcucci)の作品だそう。そしてショーは、12人の女性による合唱をバックにスタート。身近な人を亡くした悲しみや苦しみを表現した言葉や音が、教会さながら会場内に響き渡ります。

 コレクションで最も印象的だったのは、日本のためにデザインされたという1957年秋冬コレクションのシルエットを再解釈した、羽織のようなノーカラージャケット。レザーや共布のベルトを使うと、“バー”ジャケットのシルエットが仕上がります。そういえば、1年前にLVMH賞の取材でマリア・グラツィアを見かけた時に、彼女が着物をアウターのように羽織っていたことを思い出しました。

 そんなオリエンタルなムードはイカットや絞り染めのようなパターンにも見られる一方で、ビンテージの調度品やスカーフのような花柄やペイズリーも多出。プリントやニットをはじめ、刺しゅうやビーズで、ドレスやスカートを飾ります。また、新たな模様でアップデートされた人気バッグ“ブックトート”も数多く登場しました。いつもは強さを感じるマリア・グラツィアによるクリエイションですが、今シーズンは全体的に落ち着いたトーンやゆったりしたシルエットも手伝って、心地よさや優しさを感じるコレクションでした。他都市でも多く見られましたが、この不安渦巻く時代には“安らぎ”ムードが広がりそうです。

 フィナーレの後には、“WE ARE ALL FASHION VICTIMS”と書かれた布を広げて歩く抗議者の女性が乱入!関連記事でも上がっていますが、特に大きな騒ぎになることもなく、普通にランウエイを歩いて去ったので、あれ?今のはショーの一部⁇という感じで終わりました。

18:00 のどかな風景と音楽に癒された「コシェ」

 パリコレブランドの中でもいち早くリアルショーの開催を表明していた「コシェ(KOCHE)」の会場は、北東部のビュット=ショーモン公園。採石場の跡に作られた公園の中には湖があり、その真ん中にある高さ30mの島が象徴的です。湖の周りがランウエイだったのですが、カモも泳いでいて、のどかな風景に癒されました〜。ショーが始まると、バグパイプの音楽隊が「アメイジング・グレイス」や「ハレルヤ」を演奏。これまた癒しでした。

 コレクションの冒頭には、アウトドアブランド「エーグル(AIGLE)」とコラボしたカプセルコレクションを披露。来場者にも着ている人がいたので調べたところ、もう販売中のようです。ユニセックスのポンチョが可愛い!そして、モデルは全員ストリートキャスティングで選ばれたパリジャン&パリジェンヌで、個性が際立っています。写真を撮ろうと思ったら、生中継後に充電するのをすっかり忘れていて、まさかの電池切れ……(泣)。ショー終了後、急速充電器を車に取りに帰って、会場とバグパイプ隊のお兄さんだけギリギリ撮影できました。

20:00 大画面で見る「マリーン セル」のコレクション映像は迫力満点

 本日のラストにやって来たのは、街中にある映画館。今朝デジタルでコレクションを発表した「マリーン セル(MARINE SERRE)」の上映会でした。関係者とブランドのアイテムを着たオシャレな若者が集まっていて、中にはシグネチャーである三日月パターンのマスクをつけた来場者も発見しました!

 会場に入る際にはきちんと消毒を済ませ、お隣さんと一つ間隔を開けて着席。肝心の短編映画は、マリーンらしいミステリアスな世界観に引き込まれました。大画面で見ると一層映えますね!これからデジタルでの発表が増えるなら、家や会社にプロジェクターがあるともっと楽しめるかもしれません。

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アダストリアの20年3~8月期は44億円の営業赤字 「仕入れ抑制が効き、6~8月は黒字化」 

 アダストリアの2020年3~8月期連結業績は、売上高が前年同期比26.9%減の796億円、営業損益が44億円の赤字だった(前年同期は71億円の黒字)。コロナ禍による4~5月の店舗休業が響いて減収減益となったが、「夏物の仕入れを抑制し、迅速な在庫コントロールを行ったことで、第2四半期(6~8月)だけで見れば営業黒字となった」(金銅雅之取締役)と手応えを語る。通期(21年2月期)では売上高が前期比15%減の1890億円、営業損益で10億円の赤字(前期は128億円の黒字)を見込む。

 夏物の仕入れ抑制が効き、上期末の棚卸資産(在庫)は前年同期比11.2%減で着地した。粗利率は前年同期から3.1ポイント悪化して53.1%となったが、第1四半期(4~6月)と第2四半期で比べれば、在庫減による値引き販売の抑制で粗利率は4.3ポイント改善している。下期も仕入れは「従来の9割強に抑える」(北村嘉輝取締役)。

 ECは、実店舗の販売員の着こなしを紹介する「スタッフボード」コンテンツの強化などが効き、自社EC「ドットエスティ(.st)」会員数が半年間で60万人増えて1090万人となった。上期のEC売上高は同25.2%増の252億円。国内売り上げに占めるEC売り上げ比率は33.2%、自社EC「ドットエスティ(.st)」のみでは17.5%だ。

 下期は、10月8日に韓国発のセレクトショップ「エーランド(ALAND)」の日本1号店を渋谷に出店するほか、60代向けの新ブランド「ウタオ(UTAO)」をスタート。また、昨年12月に中国本土に初出店し、非常に好調という上海の「ニコ アンド(NIKO AND…)」では上海に2店目を出店するなど、攻めの姿勢が続く。コロナ禍を受けて、総合アパレルメーカーなどではブランドの休止や退店を決断するケースも聞かれるが、「ブランドや事業部の統廃合は考えておらず、むしろこれまでカバーしていなかったカテゴリーを増やすなどの積極策を描いている」(金銅取締役)。出退店については「新規ブランドなど出店余地が大きいものは積極的に出店するが、(基幹ブランドは)期初の想定よりも退店が増える見込み。ただ、現在家賃の減額交渉を商業施設側と進めており、それが実れば継続する」。

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「ルイ・ヴィトン」が気鋭の現代アーティスト6人とコラボした“カプシーヌ”コレクション発売

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は10月30日に、気鋭の現代アーティスト6人とコラボレーションしたハンドバッグ“カプシーヌ(CAPUCINES)”の新作コレクションを各モデル200個限定で発売する。

 コラボレーションアーティストは、ブラジル出身のベアトリス・ミリャーゼス(Beatriz Milhazes)、フランス出身のジャン・ミシェル・オトニエル(Jean Michel Othoniel)、アメリカ出身のジョシュ・スミス(Josh Smith)とヘンリー・テイラー(Henry Taylor)、中国出身のリウ・ウェイ(Liu Wei)とザオ・ザオ(赵赵)。

 ミリャーゼスはブラジルを代表する画家で、18種類のレザーを加工し、寄木細工の技法を用いた美しい仕上げの“カプシーヌ”にシリコンジェルを注入した金箔と浅浮き彫りのピースサインを施した。オトニエルは手織りのラフィアヤシをベースに、上部にはブラックサテンシルクの手刺しゅうによる縁飾りをあしらった。3つの大きな樹脂ビーズのチャームがアクセントになっている。ニューヨーク在住のスミスは、キャンバス素材をベースにシグネチャーのネームペインティングを施した。カリフォルニア出身のテイラーは、最先端技術のレーザープリントと伝統的な寄木細工の技術を組み合わせ、黒人アーティストでLAのアンダーグラウンドミュージアムの設立者であるノア・デイヴィス(Noah Davis)のポートレートを大胆に描いた。北京在住のウェイは、ベネチア・ビエンナーレ(Venice Biennale)で展示された自身の大規模インスタレーション「Microworld(微視世界)」をもとに、5種類の銀色のレザーを用いて作品を再現した。ザオは自身の彫刻作品に着想を得て、5種類のレザーをレーザーカットした353枚の小さなパッチを組み合わせたパッチワークパターンを施した。

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「アルバイト応募に800人殺到」 韓国セレクトショップ「エーランド」が10月8日渋谷に1号店

 アダストリアが日本でライセンス展開する韓国発のセレクトショップ「エーランド(ALAND)」は、第1号店となる路面店「エーランド トーキョー」を東京・渋谷に10月8日オープンする。

「エーランド」は2005年設立のファッションやコスメ、雑貨など700種類以上のブランドを取り扱うセレクトショップ。韓国国内では明洞、ホンデ、カロスキルなど直営9店舗を持ち、コロナの影響が出るまでは日本をはじめとする観光客にも人気のスポットだった。海外では米ニューヨーク、タイなどに店舗がある。

 9月30日、同社は「エーランド トーキョー」のオープンに関するメディア向けのオンライン発表会を実施した。登壇したのは、「エーランド」日本展開の仕掛け人である北村嘉輝アダストリア取締役営業統括本部長。「韓国に行くたびに『エーランド』の店舗を訪れていたが、その都度ガラリと変わる店内やラインアップが面白いショップという印象だった。同時に、どうして日本には店舗がないのだろうと思っていた」。そこで現地の知人を介して「エーランド」の創業者で女性社長のジョン・ギナム氏とコンタクト。「1300店舗以上を構える当社の店舗開発・運営のノウハウ」をアピールし、日本展開における協業に取り付けたという。今後、「エーランド」で買い付けるブランドは同社のEC「ドットエスティ(.ST)」でも販売する。将来的には国内で30店舗体制を目指す。

 「エーランド トーキョー」のロケーションは宇田川通り沿いの西武渋谷店B館隣で、元「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」渋谷店が入居していたビルの1〜2階。627平方メートルの店内は1階がコスメ・雑貨(SKU全体の3割)、2階がウィメンズ・メンズファッション(同7割)という構成で、内装は韓国の「エーランド」店舗も手がけたデザイナーに依頼し、韓国の路地裏をイメージした空間に仕上げた。スタート時の取り扱いブランドは「QT8 ガーメント」「カバーナット(COVERNAT)」「RSVP」など50〜60ブランド。アダストリアの既存ブランドの商品は置かず買い付けの韓国ブランドで構成し、「エーランド」のオリジナル商品の開発なども念頭に「将来的には100ブランドまで拡大する」。そのほか「店舗スタッフは自分が好きな服だけをお薦めする」「店内は客が自由に撮影できる」など、韓国の店舗でも採用されるユニークなルールを採用する。

 店舗オープンに際し、アルバイト募集には約800人の応募があったという。発表会の後半は、ファッション・ビジネスジャーナリストの松下久美がコーディネーターとなり、スタイリストの深海、韓国トレンドライターの高井香子とともに鼎談を実施。日本で韓国ブームが加熱する理由や、韓国のファッション、ビューティトレンドをテーマに議論した。「日本のブランドは皆が着られるアイテムを提案するから同質化しがちだが、韓国のブランドはオリジナリティーにこだわる。着る人を選ぶようなエッジィさがあるが、若い世代はそれをパズルのように組み合わせ、コーディネートを楽しんでいる」(深海)、「メイクアップ後の顔を撮影してSNSにアップするのが一般的だった時代に、韓国ではコスメの物撮りをするのがすごく早かった。『エーランド』では思わず手に取ってしまうような“映える”コスメがそろっている」(高田)などといった意見が出た。

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今回はモデル級にカワイイゲーマーが登場 ゲームカルチャー解体新書Vol.3

 約15年にわたり、ファッションに軸足を置きながら、セールスやPR、企画立案の立場で国内外のブランドビジネスに関わらせていただいています。ファッション業界に携わる私が、ファッション業界をはじめ、ゲーム業界で活躍している方々、ゲーム好きのゲストとの対談を交えながら、「ファッション × ゲーム」の可能性や新しい価値を提供することができたら。そんな想いで新連載をスタートさせていただきました。

戸簾俊広(以下、戸簾):ゲストを迎えての第2回は、モデルの津島衣里です。よろしくお願いします。

津島衣里(以下、つしえり):よろしくお願いします。青森県出身の津島衣里、通称つしえりです。高校卒業と同時に就職で上京し、3年間はOLとして受付と総務のお仕事を兼務しました。その後、芸能事務所に所属し、広告モデルやタレント、またエヴァンゲリオン新劇場版とコラボしたレーシングチーム「エヴァンゲリオンレーシング」で、真希波・マリ・イラストリアス役を一年間務めさせていただきました。そのほかインドをはじめ、クアラルンプール、バンコク、プラハなど、いろいろな国でモデルのお仕事をさせていただきました。その後は、芸能活動を2年ほどお休みし、今後のことを考えたり悩んだりしながら、バイトと引きこもりの生活を繰り返していました。そして、ずっと言いたくても言い出せなかった「音楽をやりたい」とようやく口に出せるようになり8月から音楽事務所に所属しています。今後は、音楽活動をメインに、ゲーム配信やタレント活動などなど、マルチな才能を生かし、幅広く活動していきます。ユーチューブでのゲーム配信は2か月ほど前から始め、プレイステーション4のデビューと同時に「エイペックス(APEX)」をスタートしました。

戸簾:ゲームを始めたきっかけは?

つしえり:父の影響です。小さい頃から父や従兄弟、友達とよくやっていました。上京してからはいつの間にかやらなくなってしまいましたが……。去年の秋頃からボードゲーム会に行くようになり、仲良くなった友達と「コール オブ デューティ モバイル(CALL OF DUTY MOBILE)」というゲームを始めて、一緒にゲームをする楽しさを思い出しました。

戸簾:ユーチューブでゲーム配信をしようと思った理由は?

つしえり:「ゲームが下手な所や、つしえりのキャラクターを前面に出して配信したら?」という周りの声からです。小さい頃からゲーム好きで、特に音ゲーは得意なのですが、FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)は本当に下手で、プレイステーション4の操作もひどく、そちらのセンスがないようでして……(笑)。「エイペックス」は、1キル(相手を倒す)までに1カ月半も掛かりました。それもまぐれの撲殺で(笑)。でも、初めて1キル出来たときは本当に嬉しすぎて泣いちゃいました。その時の動画を編集してティックトックに載せたら、思った以上の反応で、優しいコメントも多数いただきました。ユーチューブの登録者数も150人ほど増えました。

戸簾:面白いですね!配信はどんなスタイルで?

つしえり:「エイペックス」は敵がどこにいるか見えていないといけないゲームなので、髪を結んで、メガネがほとんどです。気合いを入れて挑む時の勝負服!みたいな感覚で、ゲームとファッションを絡めたいと思います。グロスは少し濃いめの赤など、さり気なくこだわっているんですよ。

戸簾:つしえりさんはゲーマーとして、ゲームとファッションの繋がりを深くするために必要なことは何だと思いますか?

つしえり:例えば「エイペックス」であれば、ゲームをイメージしたブランドの設立、ブランドとのコラボアイテム、特定のキャラクターを意識した洋服を作るなんて、どうですかねえ……?自分の好きなキャラクターの洋服を着るのは面白いと思います。私は「エイペックス」の“ローバ”というキャラクターがお気に入り。ゲームのキャラクターに愛着が湧く人は、たくさんいると思います。需要ありそうですね。

戸簾:例えば、アバターに実在のファッションブランドの洋服が着せられたら、欲しくなりますか?

つしえり:なります!

戸簾:ファッションとコスプレの境界線は?

つしえり:私のイメージではありますが、コスプレはアニメやマンガ、ゲームのキャラクターの衣装を忠実に再現し、そのキャラクターになりきったり、コミックマーケットに参加したりがコスプレです。普段のスタイルに要素だけを落とし込んだら、それはファッションかなあと思います。

戸簾:スキンやアバターへの課金は、途中でもしたくなるもの?

つしえり:ゲーム内課金をする友人は多いですね。やっぱり友達が買ったりしていると、いいな〜って思っちゃいます。私は我慢していますが、現実の世界でお気に入りのキャラクターのグッズや洋服があるとついつい買ってしまいますね……(笑)。

戸簾:ゲームは既に1つのメディアで、プレイヤーはインフルエンサー。ファッションやビューティ業界でマーケティングを行う皆さんは、絶対に注目すべきですね。逆にゲーマーの皆さんも、ユーチューブが飽和しつつある中、コラボによる差別化には可能性があるように感じました。

つしえり:ファッションやビューティとのつながりが深いプレイヤーは、まだいないですね。Vチューバー(バーチャルユーチューバー)はすごく増えていますが、ファッションやビューティにこだわりを持ち発信する人は、私の知る限り見たことありません。

戸簾:是非、自分なりのこだわりメイクでゲーム配信をしてみてください。

つしえり:やってみます!

戸簾:最後にゲームの世界の魅力を含めて、他の業界が学ぶべき長所はありますか?

つしえり:抱えているコミュニティーの規模が大きいという事。例えば、ゲームをする時は、やり方や進め方、上達する方法など、ユーチューブでいろいろな人の動画を見て学びます。私もやってみて分からないことは、ユーチューブで勉強します。比例してチャンネル登録をする人も多いので、コミュニティーが拡大するんです。

戸簾:昨今、コミュニティーの時代・デジタルの時代と言われますが、その双方を手にしたゲーム業界の凄さを感じました。この業界からスターインフルエンサーが生まれる日は、そんなに遠くないんですね。

戸簾俊広: ジェムプロジェクター代表:2009年に国内外のファッション・ライフスタイルブランドのブランディング、PR、セールス、コンサルティングを手掛けるブランディングカンパニーGEM PROJECTORを設立。現在は、地方創生プロジェクトや会員予約制のテンポラリーレストランの立ち上げに向け奮闘する一方、「受信者から発信者へ」をテーマにしたオンラインサロンを運営

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「コーシェ」2021年春夏パリ・コレクション

 「コーシェ(KOCHE)」が2021年春夏コレクションをパリで発表した。

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随時更新:2020年クリスマスコフレまとめ 今年はコラボが充実

 今年もクリスマスコフレの季節が到来。人気漫画のコラボから豪華なアドベントカレンダーまで、注目必須のホリデーコレクションを発売順に随時更新でお届けする。
※すべて数量限定発売

シュウ ウエムラ

・10月15日(公式オンラインストア限定発売)、11月1日、11月15日発売
・今年は人気漫画「ワンピース」とコラボ
・人気アイテムの限定デザインが多数登場
「シュウ ウエムラ(SHU UEMURA)」のホリデーコレクションをチェック

ジバンシイ

・10月16日(9月16日予約開始)、11月20日(10月20日予約開始)、12月4日発売(11月4日予約開始)
・“きらめくランウエイ”をエレガントに落とし込んだアイテム
・欲張りパレットも
「ジバンシイ(GIVENCHY)」のクリスマスコレクションをチェック

ランコム

・10月16日、11月6日、11月27日発売
・毎年人気の「ビューティーボックス」も登場
・サラ・シャキールとコラボしたアイテム
「ランコム(LANCOME)」のホリデーコレクションをチェック

クレ・ド・ポー ボーテ

・10月21日発売
・人気製品の限定パッケージも
・ミニリップのセットもそろえる
「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」のホリデーコレクションをチェック

イヴ・サンローラン

・10月23日、11月13日発売
(10月16日にECと表参道フラッグシップブティックで先行発売)
・“ドレスミーワイルド”がテーマ
・アドベントカレンダーも
「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」のホリデーコレクションをチェック

ロクシタン

・10月28日発売
・アールグレイが香る限定コレクション
・アドベントカレンダーも
「ロクシタン(L’OCCITANE)」のホリデーコレクションをチェック

アディクション

・10月30日発売
・グラマラスなアイテムが勢ぞろい
・定番アイテムの限定色も
「アディクション(ADDICTION)」のホリデーコレクションをチェック

ジルスチュアート

・10月30日、11月13日発売
・テーマは“ダズリングワンダーランド”
・星やダイヤのモチーフをあらった限定デザイン
「ジルスチュアート(JILLSTUART)」のホリデーコレクションをチェック

貝印

・10月30日発売
・タイのナチュラルスキンケアブランド「タン(THANN)」とコラボ
・両社の人気製品を詰め合わせた
貝印のホリデーコレクションをチェック

サボン

・10月30日発売(10月16日から予約開始)
・着想源はくるみ割り人形
・ホリデーシーズン限定“シュガー・プラム”の香り
「サボン(SABON)」のホリデーコレクションをチェック

コスメデコルテ

・11月1日発売(9月10日から予約開始)
・特別デザインを施した限定コレクション
・8色入りのアイカラーパレットに注目
「コスメデコルテ(DECORTE)」のホリデーコレクションをチェック

ポール & ジョー ボーテ

・11月1日発売(10月18日から予約開始)
・ドラえもん&ドラミちゃんとコラボ 
・“ドラえもんリップ”第2弾も
「ポール & ジョー ボーテ(PAUL & JOE BEAUTE)」のクリスマスコレクションをチェック

RMK

・11月1日発売(10月17日から予約開始)
・漫画家・桜沢エリカとのコラボポーチ付き
・赤をキーカラーにしたメイクアップキット
「RMK」のホリデーコレクションをチェック

SHISEIDO

・11月1日発売
・アーティストの舘鼻則孝(たてはな のりたか)氏とコラボレーション
・マットリップのミニサイズ3色セットも
「SHISEIDO」のホリデーコレクションをチェック

スック

・11月2日発売
・“綾羅錦繍(りょうらきんしゅう)”がテーマ
・8色セットのアイシャドウパレットに注目
「スック(SUQQU)」のホリデーコレクションをチェック

ルナソル

・11月6日、11月20日発売
・コレクションテーマは“マージング アディクト”
・人気アイシャドウパレットの限定色も
「ルナソル(LUNASOL)」のホリデーコレクションをチェック

シャネル

・11月6日発売
・ゴールドのチェーンと黒のレザーストラップが着想源
・限定デザインのフレグランスも
「シャネル(CHANEL)」のホリデーコレクションをチェック

THREE

・11月11日発売
・3アイテム11種をラインアップ
・“グラムロックのエモーション”がコンセプト
「THREE」のホリデーコレクションをチェック


2020年クリスマスコフレの最新情報はこちらから

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「ディオール」の2020年クリスマスコレクションは雪の結晶がきらめくファンタジーの世界をイメージ

 「ディオール(DIOR)」は10月30日に、クリスマスコレクション「ゴールデン ナイツ」を限定発売する。価格は3000~2万500円。

 同コレクションは雪の結晶が美しくきらめくファンタジーの世界をイメージした。雪の結晶を表面にデザインしたアイシャドウパレット「サンク クルール クチュール 〈ゴールデン ナイツ」(限定2色、各7800円)や「ディオリフィック ベルベット タッチ リップスティック」(限定4色、各4500円)、ネイルカラー「ヴェルニ ディオリフィック」(限定3色、各3200円)などが登場する。そのほか、アイライナーやチークなどクリスマスコレクション限定製品を多数ラインアップする。

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「ディオール」のショーで抗議者がランウエイをウオーク LVMH幹部も困惑

 29日にパリで行われた「ディオール(DIOR)」の2021年春夏コレクションのショーで、“私たちはみなファッション・ビクティム(We Are All Fashion Victims)”と書かれた黄色いバナーを持った抗議者がランウエイを歩いた。バナーのすみには、19年のロンドン・ファッション・ウイークで一連のデモを行った気候変動問題にアクションを訴える団体であるイクスティンクション・リベリオン(Extinction Rebellion)を含め、環境問題への抗議に使われる絶滅のシンボルが描かれていた。

 「ディオール」のマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターは普段からランウエイで社会的メッセージを発することも多く、抗議者の登場が計画的だったのかどうか、会場には困惑が広がった。「ディオール」の親会社であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH)のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージは「判別が難しいが、ショーの一部だったと思う」と述べたが、後に事実と異なるとの知らせを受けて撤回した。その後この件についてコメントをしていない。ピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)=クリスチャン・ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼CEOもまた、「全員にとって驚きだった。うまくやったので、何なのかよく分からなかった」と皮肉った。

 抗議者の近くに座っていたシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼CEOは、「何が起こっているか全く分からなかった。彼女が私のそばを通るのを見たが、ショーで歩いているようにも見えた。攻撃的ではなかったが彼女のメッセージは明確ではなく、ショーの一部であったかどうか誰も分からなかっただろう」と語った。「われわれが地球を壊しているとは思っていない。二酸化炭素の排出量の削減や原材料の調達管理などにより、環境への影響を減らすことに取り組んでいる。私たちをターゲットにするべきではない。もっと汚染に影響を持つ産業があると思う」。

 LVMHはサステナビリティへの取り組み強化の一環で、1月にエレーヌ・ヴァラド(Helene Valade)を環境開発ディレクターに任命している。新たな役職を通して21年に発表予定の、グループの今後10年間の環境問題に対する目標である「ライフ2030(Life2030)」を定める役割を担う。

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LVMHがティファニーを反訴 対立はより深刻に

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は9月28日、ティファニー(TIFFANY & CO.)買収において合意した条件が満たされていないことや、ティファニーが9月9日に提起した本訴における主張は事実無根だとして米デラウェア州衡平法裁判所に反訴した。これに対してティファニーは翌29日に「根拠のないミスリーディングな訴え」と批判する声明を発表。両社の溝は深まるばかりだ。

 LVMHの主張の概要とティファニーの反論は以下。

1 新型コロナウイルスを理由とした契約破棄はMAE条項に該当する:

 MAE条項は、買収対象企業の事業などに重大な悪影響を及ぼす事由が発生した場合において買い手が取引を中止できる権利を規定する。LVMHは、「合併契約にMAE条項を盛り込む場合、例示としてパンデミックを含めるのは一般的だ」と前置きし、にもかかわらず「今回の契約では、ティファニーの希望で“サイバーアタック”や“イエローベスト運動”、“香港のデモ”といった極めて具体的な事件のみを列挙した。しかし、新型コロナウイルスによるパンデミックはティファニーに壊滅的な悪影響を持続的に及ぼしているため、これがMAE条項に該当することは明らかだ」と主張する。

 これに対してティファニーは、損失を出したのは第1四半期だけで、それ以降は利益を出しており、2020年通期の売上高は前期よりも上回る想定だと主張。新型コロナウイルスを理由とした契約破棄はMAE条項に当たらないと反論する。

2 通常の過程に従って事業を運営することを定めた規定にティファニーが違反した:

 LVMHは、ティファニーが損失を出していた時期にこれまでで最も高額な配当金を分配していたことなどを挙げ、経営判断に誤りがあったと指摘し、通常取られるべき経営手法を取っていないと批判した。

 これに対してティファニーは、「LVMHは根拠となる証拠を一切提出していない」といい、配当については合併契約内に規定した“通常の過程に従って事業を運営する”内容から除外されていると主張する。また、1987年の株式公開以降、ティファニーはいかなる状況においても131期連続で配当を減額したり無配当にしたりしたことはなく、それは不況や金融危機、2001年の米同時多発テロのときでさえも例外ではなかったことを理由に挙げ「通常通り運営している」と主張する。「LVMHは自分たちの利益のためにティファニーが保有するキャッシュの量を減らしたくないだけだ」と訴える。

3 フランスの欧州・外務大臣からのティファニー買収完了日の延期要請:

LVMHは9月9日、フランスの欧州外務大臣からティファニー買収の完了日を2021年1月6日まで延期するよう要請されたことを理由に「現在の情勢では、ティファニー社の買収を完了できない」と断念する姿勢を明らかにした。今回の主張の中でも改めてこの点について触れている。

 これに対してティファニーは、「署名した大臣はLVMHからの要請で書簡を出したと認めている」と反論。また、ティファニーが書簡の写しを提出するよう再三にわたって要求しているが、いまだに同社にも裁判所にも提出されていないと主張する。

4 契約内で定めた義務の履行:

 LVMHは、各種規制をクリアするために契約締結の最終期限に間に合うよう各国に届け出を申請するなど最善の努力を尽くしており、義務を果たしていると主張する。
これに対してティファニーは、欧州委員会に提出する合併に関する届け出の準備に約10カ月もかかっており、申請はティファニーが訴訟を提起した後に行われたことを理由にLVMHの対応の遅さを批判する。

 LVMHがフランスの欧州・外務大臣からティファニー買収の完了日を21年1月6日まで延期するよう要請されたことを理由に買収を断念する姿勢を示したことを受けて、9月9日にティファニーが本訴を提起しており、米デラウェア州衡平法裁判所はトライアル(証拠開示で入手した情報を基に争点について事実を明らかにする審理手続きのこと)を2021年1月5日から4日間にわたって実施すると9月23日に決定したばかりだ。

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日鉄物産がスウェーデンのサステナブルブランドとライセンス契約 2021年春夏発売

 日鉄物産繊維事業本部は、スウェーデンのサステナブルファッションブランド「デディケイテッド(DEDICATED)」とライセンス契約を締結した。アパレルメーカーのサンマリノと協業し、2021年春に発売する。

 「デディケイテッド」は2006年の設立で、ブランド名は英語の“身を捧げた”“専門の”という意味。地球、地域の産業の持続可能性に身を捧げて注力するという思い込めており、当初からオーガニックコットンをはじめとする環境負荷の低い素材を使用するなど、地球環境や人権に配慮したエシカルなモノ作りを目指している。

 日鉄物産は「デディケイテッド」のブランドライセンスの管理と生産を行い、サンマリノは自社店舗および卸で販売する。サンマリノは実店舗3、オンライン2の計5店舗を運営しており、21年春に「デディケイテッド」のeコマースサイトもスタートさせる予定だ。

 商品価格は半袖のプリントTシャツが5000円から、長袖のプリントTシャツが7000円から、トートバックが3500円からなど。環境保護やサステナビリティを訴えるグラフィック、メッセージを用いたデザインが特徴だ。

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「ディオール」2021年春夏パリ・コレクション

 「ディオール(DIOR)」が2021年春夏コレクションをパリで発表した。

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「プラダ」がサステナビリティに本腰 青山店で“リナイロン”のインスタレーション開催

 「プラダ(PRADA)」は、再生ナイロン素材を使用した“プラダ リナイロン”コレクションの特別インスタレーションをプラダ 青山店地下1階メンズフロアで開催中だ(終了日未定)。

 プラダ グループは、「プラダ」の全てのバージンナイロンを2021年までに再生ナイロン繊維に切り替えることを目標に掲げる。“プラダ リナイロン”は、その取り組みの一環として19年にスタートしたもの。織物用糸を生産するアクアフィル社とのパートナーシップのもと、海で回収したプラスチック廃棄物や漁網、繊維廃棄物から開発した再生ナイロン素材「エコニール(ECONYL)」を全てのアイテムに使用する。1万tの「エコニール」の製造につき、7万バーレルの石油を節約することができ、二酸化炭素の排出量を5万7100t削減できるという。

 南青山のみゆき通り沿いの地下フロアにつながる入り口には同コレクションを象徴するロゴが設置されている。ロゴは「プラダ」の三角プレートをループする矢印で表現した。昨年の第1弾では定番バッグを再現したバッグ全6型を発表したが、今年は大幅にラインアップを拡充。同フロア全体にメンズとウィメンズのウエアやバッグ、シューズ、小物などが並ぶ。さらにドイツの「ブラック+ブルム(BLACK + BLUM)」とコラボしたランチボックスセットも予約販売しているほか、「エコニール」仕様のウオーターボトルカバーなどもそろう。壁には「ナショナル ジオグラフィック(National Geographic)」が「エコニール」の製造の様子などを撮影した特別ムービーが投影されている。

 同コレクションの売り上げの一部は、「プラダ」がユネスコと提携して実施する海洋サステナビリティに関する教育プログラムの資金に活用する。このプログラムは、20年2〜5月に世界10都市の中等・高等学校を対象にサステナビリティのテーマに特化した授業を行うというもの。ファッション分野における海洋汚染問題などへの若い世代の理解を深め、授業の最終回では学生たちが海洋保全に関する啓発キャンペーンの企画に取り組む。

 プラダ グループは20年春夏ウィメンズ・コレクション以降、同グループ傘下のブランドにおいて動物の毛皮の使用を廃止することを発表したほか、独自の再生ポリエステル素材を開発するなど、持続可能型への転換に向けて取り組みを進める。

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資生堂ジャパンの社長に直川紀夫常務チーフサプライネットワークオフィサーが就任

 資生堂と資生堂グループは10月1日付の人事を発表した。資生堂の直川紀夫常務チーフサプライネットワークオフィサーが資生堂ジャパン社長兼COO(最高執行責任者)に昇格する。魚谷雅彦社長兼CEO(最高経営責任者)は資生堂ジャパン会長兼CEOに就く。

 直川新社長は1989年に資生堂に入社。近年では財務本部長 最高財務責任者CFOやチーフサプライネットワークオフィサーなどの要職を歴任。1月からは魚谷会長兼CEOとともに資生堂ジャパンの取締役を兼務し、同社の改革に取り組んできた。幅広い経験と能力、組織を率いるリーダーとしての資質から、全社経営の基盤である日本事業の改革に適任であるとして今回の昇格となった。

 そのほか、資生堂の三浦昭宏執行役員SN戦略、SN基盤開発、ロジスティクス、生産が、執行役員チーフサプライネットワークオフィサー代行に就任する。

 また、資生堂アジアパシフィックはニコル・タン(Nicole Tan)氏がアジアパシフィック地域CEO、社長に就任する。タン新社長は06~20年に、エスティ ローダー アジアパシフィック トラベルリテール地域本社でリージョナルブランドマネジャー、中国ジェネラルマネジャーなどを務めた。

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アマゾンが新ラベルを導入 環境に優しい買い物を支援

 米アマゾン(AMAZON)は23日、環境に優しい買い物を支援する新プログラム「クライメイト・プレッジ・フレンドリー(Climate Pledge Friendly)」を導入した。自社で扱う商品を対象に、サステナビリティに関連する認証機関と連携してそれぞれの条件を満たすものに「クライメイト・プレッジ・フレンドリー」ラベルを添付する。導入に際して2万5000種類の商品が同ラベルを取得した。

 認証機関は、スイスに拠点を置く繊維業界のサステナビリティ認証機関であるブルーサインテクノロジー(Bluesign Technologies)や、環境に配慮した繊維素材の普及を進める国際NGOのテキスタイル・エクスチェンジ(Textile Exchange)、オーガニックテキスタイル世界基準(Global Organic Textile Standard、GOTS)などの18団体からなる。それらに加えて、デザインに焦点を当てたアマゾン独自の認証「コンパクト・バイ・デザイン(Compact by Design)」も採用。これは、軽量で梱包が少なくてすむデザインの商品に適用されるもので、出荷時の二酸化炭素排出量の削減を促進する狙いだ。

 テキスタイル・エクスチェンジのアシュリー・ギル(Ashley Gill)=スタンダード・ディレクターはプログラムについて、「アマゾンが認証機関を選ぶ際に設けた高い基準は、透明性の高い厳選した商品を認証するというわれわれの取り組みと一致している。アマゾンの新しいプログラムは、ブランドとメーカーがよりサステナブルな方法で調達と製造を行い、認定を受け、商品の選択肢を豊かにしていくことを奨励している」と述べた。

 一方、世界中に約1億5000万人のプライムメンバーを持つアマゾンのジェフ・ベゾス(Jess Bezos)創設者兼最高経営責任者は「『クライメイト・プレッジ・フレンドリー』は、利用者が環境に優しいサステナブルな製品を見つけるための分かりやすい方法だ。アマゾンで販売する企業にも、将来の世代のために地球環境保護につながるサステナブルな商品を生産するよう促している」とコメントした。

 同社は6月には「クライメイト・プレッジ・ファンド(Climate Pledge Fund)」と題した取り組みで、二酸化炭素の排出量削減に貢献する企業に計20億ドル(約2100億円)を助成した。さらに7月には、森林を保護するキャノピー・スタイル(CanopyStyle)が掲げる資源調達についての誓約書に署名し、消滅の危機にある森林から採取されたレーヨンおよびビスコースの削減と、最終的な廃止を目指している。

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「イケア」のミートボールが植物由来原料のプラントボールに! 見た目も味もそっくりに

 イケア・ジャパンは肉の代わりに植物由来の原料でミートボールを再現したプラントボールを10月1日に全国の店舗で発売する(冷凍プラントボール500g、699円)。

 原料には黄エンドウ豆由来タンパク質、オーツ麦、ジャガイモ、タマネギ、リンゴを使用し、味や食感、見た目もミートボールを再現した。原材料の生成から製造過程までなどで発生する温室効果ガスの排出量を換算したクライメートフットプリントは、ミートボールの4%。「イケア(IKEA)」は2030年までに、全商品のバリューチェーンにおける温室効果ガスの削減量が排出量を上回るクライメートポジティブを達成することを目標に掲げており、今回のプラントボールもこの取り組みの一つだ。

 「イケア」レストラン&カフェではプラントボール8個にマッシュポテトとベリージャム、クリームソース、グリーンピースを添えたメニュー(499円)を提供する。また発売を記念してフードライター・料理人のレイチェル・クー(Rachel Khoo)が日本人向けに開発した4つのレシピを、公式サイトとユーチューブチャンネルで随時公開する。

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容器循環型ショッピングプラットフォーム「ループ」が今冬パイロット版をスタート 本格始動は来年3月で化粧品などが参加

 ループ・ジャパンは循環型ショッピングプラットフォーム「ループ(LOOP)」のパイロットプロジェクトとして、再利用容器を使った弁当や惣菜の販売プロジェクト「ループ テイクアウト 弁当(Loop Takeout Bento)」を12月1日に開始する。期間は来年2月1日までの約10週間の予定で、三菱地所や森ビルが参加し東京・大手町エリアと六本木エリアで販売する。同プロジェクトは東京都の「プラスチックの持続可能な利用に向けた新たなビジネスモデル」に選定され、補助金を受けて実施される。

 プロジェクトでは、弁当の空き容器を回収・洗浄したのち再利用する。弁当は特定オフィスの社員限定で、一般消費者向けには小売店で総菜を販売する。価格は未定。一日の想定販売数は弁当が約35個で惣菜が約50個。容器を返却すると、次回購入時に使えるクーポンが配布される。

 同社は今回の試みについて、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)のモデルケースとなり、使い捨てプラスチック削減に貢献する可能性がある。『ループ』のパイロットプロジェクトと位置付け、システム運用を検証し改良につなげていく」としている。なお、今秋を予定していた食品や日用品の容器再利用事業「ループ」の本格運用は来年3月に延期。日本ではサーキュラーエコノミーでの日用品販売の実施例がほとんどないことから、確実な運用のために小規模での試験運用を行うことになった。

 来春の「ループ」本格運用には、小売店のパートナー企業としてイオンが、ブランドパートナー企業として資生堂、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン、ユニ・チャーム、大塚製薬、NS ファーファ・ジャパン、ネイチャーズウェイ、フィッツコーポレーション、味の素、キッコーマン、キリンビールなど16社が参加する。

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オールバーズが新たに100億円を調達、企業価値は1785億円に

 サンフランシスコ発のスタートアップ企業でサステナブルシューズブランド「オールバーズ」は、新たに1億ドル(約105億円)を調達し、企業価値は17億ドル(約1785億円)になった。米「ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)」が報じた。リードインベスターは機関投資家フランクリン・テンプルトン(FRANKLIN TEMPLETON)で、ラウンドはシリーズE。これまでの調達金額の合計は2億ドル(約310億円)になる。

 「オールバーズ」は、サッカーの元ニュージーランド代表ティム・ブラウン(Tim Brown)とバイオテクノロジーの専門家ジョーイ・ズウィリンジャー(Joey Zwillinger)が2016年にスタート。米国や欧州、アジアなどに直営店を構えている。今年1月には東京・原宿駅前の原宿神宮の森ビルに日本1号店をオープンしている。

 「オールバーズ」はカーボンニュートラルを掲げ、アッパー素材にウールのフェルトを使った“ウールランナー”が代表アイテム。5月には温暖化排出ガスの削減を掲げたプロジェクトでアディダスとのパートナーシップを発表。6月には環境配慮を掲げたアンダーウェアの販売をスタートしていた。

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「パナソニック ビューティ」の人気ヘアードライヤー“ナノケア”がパワーアップして新登場

 美容家電をリードするブランド「パナソニック ビューティ」の人気製品ヘアードライヤー“ナノケア”がパワーアップして新登場する。髪の内部までうるおう高浸透「ナノイー」搭載で、従来よりも高いヘアケア効果をかなえる。さまざまな機能をそなえた高機能ドライヤーが多数登場する中で、なぜ“ナノケア”が支持されているのか。「パナソニック ビューティ」と「WWD JAPAN.com」が行ったライブ配信で、髪のプロである美容師と共に解説した。

ヘアサロン「ノラジャーニー」の
阿形聡美がライブ配信で
正しいドライヤーの使い方をレクチャー 
スペシャルゲストにGENKINGが登場

 「パナソニック ビューティ」と「WWD JAPAN.com」は9月18日にライブ配信を行った。ヘアサロン「ノラジャーニー」の阿形聡美プロモーションディレクターをゲストに迎え、髪のプロである美容師の視点でヘアードライヤー“ナノケア”を解説。昨今のハイトーンカラーの流行にも着目し、ブリーチやカラーリングでダメージを受けた髪にとってドライヤー選びも重要であると解説し、正しい髪の乾かし方などもレクチャーした。さらに、スペシャルゲストにGENKINGを迎え、“ナノケア”の魅力が語られた。GENKINGは以前から「パナソニック ビューティ」のドライヤーの愛用者で、「今までも愛用していましたが、新しい“ナノケア”はさらに髪のまとまりがよくなり、艶が出ます。本当におすすめです」とコメントした。

新“ナノケア”は高浸透「ナノイー」と
新構造でヘアケア効果がアップ

 「パナソニック ビューティ」の“ナノケア”シリーズのドライヤーは、一般的なマイナスイオンの約1000倍以上の水分を含む「ナノイー」を発生させることで髪にうるおいを与え、まとまりのある髪へ導くが、昨年登場した高浸透「ナノイー」搭載モデルは、従来の「ナノイー」の18倍※1の水分発生量を実現し、髪へのうるおいが1.9倍※2になった。10月1日発売の最新モデル“ナノケア EH-NA0E”は、高浸透「ナノイー」とミネラル※3を含む風を髪に届きやすくした新構造で、カラーリングした髪のダメージの抑制やヘアカラーの退色防止にも効果的だ。さらに、「パナソニックビューティ」ならではの速乾ノズルで毛束をほぐし、スピーディーに髪を乾かすことができるためオーバードライによる髪のダメージも防ぐ。

スタイリッシュな
カラーバリエーションにも注目

 今回新たにネイビー(-A)、グレージュ(-H)、コーラルピンク(-P)の3色で登場する。最近では美容家電のデザイン性も重要視しているという声も多く、インテリアとしてなじむスタイリッシュなカラーリングが好評を得ている。

愛用者続々!
“ヘアードライヤー ナノケア”の魅力

※1 「ナノイー」と高浸透「ナノイー」との比較(パナソニック調べ)
※2 従来品2019年発売EH-NA9Bとの比較(パナソニック調べ)
※3 亜鉛電極から発生されるミネラルマイナスイオン

問い合わせ先
パナソニック

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オンデーズがシンガポール30店舗目をマリーナベイ・サンズにオープン 日本製フレームも販売

 アイウエア企業オンデーズ(OWNDAYS)は、5つ星ホテルやショッピングモールが一体となったシンガポールの総合リゾート施設マリーナベイ・サンズ(MARINA BAY SANDS)の地下2階に旗艦店をオープンする。2021年2月中旬のオープン予定で、シンガポールで30店舗目となる。店舗面積は120平方メートルで、天然素材を基調としたラグジュアリーな内装とする。同店限定商品のほか、福井県鯖江市の工房で製作されたフレームも販売する予定だ。

 オンデーズは台湾、インド、香港、タイ、オーストラリアなど世界12の国と地域で350店舗以上を出店しており、21年度中に400店舗展開を計画している。20年2月期の売上高は220億円。

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「エトロ」の新キャンペーン“ぺガサスクラブ”は“ぺガソバッグ”を打ち出し 森星やアンナ・デッロ・ルッソを起用

 ペイズリー柄のモチーフで知られるイタリアブランドの「エトロ(ETRO)」は2020-21年秋冬、フォトグラファーのマティアス・ヴリーンズ(Matthias Vriens)が撮影したキャンペーン“ペガサスクラブ”をスタートする。同キャンペーンでは、ブランドのアイコンである“ぺガソバッグ”のパテントレザーバージョンの新作を打ち出す。

 “ペガサスクラブ”キャンペーンには、スウェーデン出身のスーパーモデルであるエルザ・ホスク(Elsa Hosk)、イタリア人ファッションアイコンのアンナ・デッロ・ルッソ(Anna Dello Russo)、日本人モデルの森星、米国人モデルのアルトン・メイソン(Alton Mason)とハリマ・アデン(Halima Aden)、チュニジア人女優のヘンド・サブリ(Hend Sabry)、イタリア人シンガーのミス・ケータ(Myss Keta)、スペイン人ソーシャライトのナティ・アバスカル(Nati Abascal)の8人を起用。森星はタキシードスーツやコーティング素材のトレンチコートとのスタイリングで“ぺガソバッグ”を見せている。

 “ぺガソバッグ”は、「エトロ」を象徴するぺガソのモチーフを樹脂で象った大きなバックルがポイント。スモール(16万5000円)とミディアム(21万円)の2サイズがあり、ブラック、エレクトリックブルー、レッド、イエローの4色をそろえる。いずれも、パテントのつややかな質感が特徴だ。


問い合わせ先
エトロ ジャパン
03-3406-2655

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「ビープル バイ コスメキッチン」初の路面店が三軒茶屋にオープン デジタル接客を強化

 マッシュビューティーラボは10月5日、ビープル バイ コスメキッチン(Biople by CosmeKitchen以下、ビープル)初の路面店を三軒茶屋にオープンする。店舗は商店街の栄通り沿いに構え、“ローカル&コミュニティ”をコンセプトに、地域に根付いたナチュラル&オーガニックの情報発信を目指す。

 店舗面積は約50平方メートルのワンフロア。コスメやインナーケア、雑貨など1200種類をラインアップし、店舗限定のアイテムも販売する。

 同店では、デジタルを活用した接客も強化する。ビープル初のデジタルカタログを導入し、店頭にない在庫も店舗での決済を可能にする。また、店頭はスタジオとしても活用し、ライブ配信やオンライン接客を積極的に行う。さらに、ナチュラル&オーガニックライフの発信を目的とし、デジタルを活用した“学び”を提供するスクール事業の開設も予定している。

■ビープル バイ コスメキッチン 三軒茶屋店
オープン日:10月5日
時間:11:00〜20:00
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-33-15 1F

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レンチングがCO2排出量実質ゼロの繊維を供給開始

 オーストリアのセルロース繊維最大手レンチング・グループは(LENZING GROUP)は、同社の主力繊維ブランドである「テンセル(TENCEL)」から、CO2排出量を実質ゼロにした “テンセリヨセル”と“テンセルモダール”の供給を開始する。カーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)の世界基準を提供するNGO団体のカーボンニュートラル(The CarbonNeutral)の基準に準じた厳しいガイドラインに従って生産される。このガイドラインでは繊維の生産、製造、および流通に関連する排出ガスが計算されて、オフセット(相殺)されたことを裏付ける。またゼロカーボンのテンセル繊維は再生可能エネルギーを利用して製造され、供給元についても監視と関与をしていて透明性を確保する。

 レンチング・グループは、2030年までに特定の炭素排出量を50%削減し、50年には実質セロカーボンを実現すると2019年末に発表。同社はこの目標に向けてSBT(Science Based Targets)イニシアチブ(気候科学に基づく削減目標)と取り組む最初のセルロース繊維製造業者だ。同社は繊維産業界の賛同を促してそのかじ取りを行い、サプライチェーンの透明化、カーボンフットプリントの少ない原料の調達、そしてそれによる全体の炭素排出量の削減を標準化することを目指す。

 「テンセル」ブランドはこの目標のために“リデュース(削減)” “エンゲージ(関与)”“オフセット(相殺)”をキーワードに、製品のカーボンフットプリントの積極的な削減に向けて産業パートナーの賛同を促し、削減できない排出量についてはそのオフセットを進める。

 同社は、サプライチェーン全体で製造方法を効率化し、炭素排出量を継続的に削減していくことに加え、再生可能エネルギーの利用と新技術の採用。カーボンニュートラルと気候関連金融商品(カーボンファイナンス)に関する専門機関であるナチュラル・キャピタル・パートナーズ(Natural Capital Partners)とも協力して、カーボンニュートラル認証を得ることを目指している。ナチュラル・キャピタル・パートナーズは企業側に製品のCO2素排出量に対して第三者機関による評価を求めるなど、検証可能かつ恒久的な排出削減を実現する最も優れたカーボンファイナンスプロジェクトと言われている。

 フロリアン・ハウブランドナー(Florian Hofbrandner)グローバル・ビジネス・マネジメント・テキスタイル担当バイスプレジデントは「会社として、ブランドとして、環境負荷の削減に取り組んでいるが、完全に排出量をなくすことはできない。そのため、私たちは世界規模で行動することを考え、世界各地のCO2排出量削減を支援するという可能性にたどり着いた。オフセットすることで炭素排出量の埋め合わせをするという考えは、信頼性の高さが保証されたカーボンファイナンスプロジェクトを通して炭素排出量削減に貢献することを促進する。こうした気候危機の最中にある今、すべての企業はその影響の及ぶ範囲において、温暖化に対して行動を起こさなければならない」とコメントを発表した。

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大衆酒場にコンセント! タッチパネル注文で省力化した「DX酒場」は次世代酒場になるか?

 デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が近年、注目されている。ITの力を借りて業務を効率化し、新しいビジネスモデルを作り出すという意味だが、人間味やアナログ対応が特徴の大衆酒場業態で、DX化を図っている店が東京・池袋にある。
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まだ、あなたが知らないニューヨーク最新トレンド キム・ジョーンズ、「フェンディ」就任とその軌跡 Kim Jones Rises to the Top

 ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載も第13回。“You’d Better Be Handsome”では、トレンドに敏感なレイチェル(Rachel)も加わって、ニューヨークのトレンドや新常識について毎回トーク。今回のテーマは、こんな不景気なご時世においても出世街道を着々と進むキム・ジョーンズ(Kim Jones)、そして時代の風雲児たちのこれまでとこれからについて。

今回のランチはオフィスでデリバリー。以前は絶対に店内でしかいただけなかった高級寿司から、人気ラーメン店の冷製担々麺、「ジョーズ上海」の小籠包まで、パンデミックのおかげで(?)デリバリーしてもらえる便利な世の中に。本日はチャイナタウン近辺に3軒、フィラデルフィアにまで進出しているおしゃれ飲茶屋「ノムワ(NOM WAH)」からのデリバリーを仲良くシェア。

スティービー:先週はニューヨークファッション・ウイークだったけど、よっぽど気をつけてないと開催されていることに気づかないレベルだよね。

メイ:ほとんどがデジタル配信で、「ジェイソン・ウー(JASON WU)」は屋外でランウエイを、この夏にロスで復活した「イミテーション・オブ・クライス(IMITATION OF CHRIST)」も路上でショーを開催していたよ。

レイチェル:アメリカファッション協議会(CFDA)が立ち上げたサイト「ランウエイ360」で一気に見られるというのは便利ではあったけど。普段は見ないデザイナーをチェックしてみたり、なかなかインビテーションがもらえない「トム・フォード(TOM FORD)」の動くショーを見られたり。

スティービー:ただビデオのクオリティーにはかなりの差を感じたよね。見る側だけでなく、見せる側も世界のどこにいてもいいわけで。実際にニューヨークにいなそうなデザイナーもたくさんいた。

レイチェル:パリのプルミエールクラス(PREMIERE CLASSE)とかは、予定どおり今年10月2〜4日で開催されるみたい。しかもたくさんのブランドが参加するらしい。パリコレはスケジュールが発表されたけど、各ブランドがどのような形式をとるかの詳細は出ていない。「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などの老舗メゾンは名前が挙がっているけど、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARÇONS)」「サカイ(SACAI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「セリーヌ(CELINE)」はファッション・ウイークへの不参加を表明している。

メイ:というか、ニューヨークからそもそもパリへ行けないし。きっと来年2月のショーもデジタルだよね。メトロポリタンオペラ(METROPOLITAN OPERA HOUSE)が来年の秋まで全キャンセルを発表したくらいだから。

スティービー:ニューヨークは早々に「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」や「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」といった大御所がショーをキャンセルしていたからね。逆に若手デザイナーがこれを機に参加しているような印象。

メイ:アメリカだけ新型コロナの死者数2万人を超えて、しかもまだ増えていて、ファッションショーそのものの在り方にまで影響してきている。この間の業績を理由にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)がティファニー(TIFFANY & CO.)の撤回してきたのも、分からなくもない。ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)=LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)に専属の占い師がいたとしても、グローバル・パンデミックは予期できなかったということだね。

スティービー:2020年が劇的な年になるとは前々から言われ続けていたけど、占い師だけでなく、投資家も読めなかったわけ。ティファニー買収の話が伝えられたのは、去年の終わりのことだったから。今回の買収撤回の背景には、フランス政府が圧力をかけてきたということもあるらしいけど。確かにトランプ政権がワインや高級品の関税を上げてきているから、フランス政府としてはおもしろくない。もちろん消費者の僕たちにとってもつらいところ。

レイチェル:ヨーロッパからのワインやチーズにかかる関税が昨年の秋から25%アップしているし、ウールスーツ、ブランケット、ベッドリネン、航空機なんかも対象になっている。

スティービー:そういえば2010年ごろ、LVMHがエルメス(HERMES)を買収するとかしないとかの話があったのを思い出したよ。あのときも裁判沙汰になったけど、結局エルメスはLVMHの傘下に収まることなく今の成功を手にした。

メイ:ティファニーもアメリカを代表するブランドとして、独自の道を進んでほしいかな。政府が絡んでいる今、そんな単純な話ではないと思うけど。

キム・ジョーンズ、「フェンディ」でウィメンズを

スティービー:不景気なニュースばかりのなかでも、前に進んでいる人たちもいるわけで。LVMHと言えば、「ディオール(DIOR)」メンズのアーティスティック・ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)が、LVMH傘下の「フェンディ(FENDI)」のウィメンズのアーティスティック・ディレクターに就任することが決まった。

メイ:カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が死去してからは、フェンディ家のデザインチームが手掛けていた?

レイチェル:フェンディ家のシルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)が今後もメンズとアクセサリーのディレクションをしていき、キム・ジョーンズがウィメンズをやっていくという。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)xラフ シモンズ(Raf Simons)式かと思ったけど、領域がきちんと分けられている。カール・ラガーフェルドの跡を継ぐデザイナーって誰なんだろうとはずっと気になっていたけど、「シャネル」もカールの右腕だったヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が引き継いだわけで。

スティービー:キム・ジョーンズは今回のコロナの間にも「ディオール」と“エアジョーダン”のコラボレーションを発表して、定価2000ドル(約21万円)が一気に転売されて10倍の値段になっているという記録を出した。すごい。

メイ:キム・ジョーンズは前からコラボに強いという印象はあるけど。

スティービー:スポーツブランドの「アンブロ(UMBRO)」とのコラボとか覚えてる?

レイチェル:私は彼が、「ルイ・ヴィトン」のメンズ・アーティスティック・ディレクターから「ディオール」に移る一瞬の間に「GU」でもプロジェクトを発表していたのが印象的だった。

スティービー:大きな声では言っていないと思うけど、韓国のサムスン(SAMSUNG)が展開する「ビーンポール(BEAN POLE)」というファッションブランドでもクリエイティブ・ディレクターを数年務めていた。地道に着々と上って行ってる感じよね。

メイ:キム・ジョーンズだけど、18年に就任してすぐに、ハリー王子(Prince Henry, Duke of Sussex)とメーガン・マークル(Meghan Markle)のロイヤルウエディングに、デビッド・ベッカム(David Beckham)が新生「ディオール」のメンズを着用して出席したり、最初から話題も多かったよね。

レイチェル:BTSのワールドツアー、「LOVE YOURSELF」のコスチュームをデザインしたのも、「ディオール」メンズのキム・ジョーンズだったし。

スティービー:彼の強みはデザインだけではなく、グラフィックやフォトグラフィーの知識などを生かしてディレクションができること。そして横のつながりが強いこと。ロンドン、ニューヨーク、そしてパリのクリエイティブ・コミュニティーとうまくコラボレーションしてきている。

レイチェル:そういえばドラァグショーのバックステージで、マーク・ジェイコブスと一緒にいるキム・ジョーンズを見たことが何度かある。マークとは、「ルイ・ヴィトン」にいた時期が重なっているし、プライベートでも仲がいいんだなと。

スティービー:「ルイ・ヴィトン」時代には、歴史に残る「シュプリーム(SUPREME)」とのコラボレーションを実現しているから、そういう意味ではストリートに強いところ、ストリート要素をラグジュアリーに落とし込めるところがキム・ジョーンズのいちばんの強みだね。「フェンディ」が求めているのもそのストリート感かと。

メイ:日本のファッション業界ともわりと親密よね?

スティービー:「GU」以前に、06年に開催された新宿伊勢丹本店の120周年プロジェクトにも、「ヴィジョネア(VISIONAIRE)」や「コム デ ギャルソン」などと一緒に参加している。それに東京ベースのジュエリーデザイナー、「アンブッシュ(AMBUSH)」のYOONを「ディオール」メンズのアクセサリーデザイナーとして起用している。

メイ:自分が自分がというよりも、みんなで仲良く成功するという性格が、LVMHみたいなコーポレートでも受け入れられたのかもね。

レイチェル:そしてやっぱりファッション業界では、ウィメンズをデザインするようになると位が上がるというか。キム・ジョーンズはウィメンズをデザインしたこともあるけれど、クリエイティブ・ディレクターを務めるLVMHブランドではずっとメンズだった。今回「フェンディ」ではウィメンズをデザインするわけで。

スティービー:エディ・スリマン(Hedi Slimane)も、(当時の)「ディオール オム」で大成功を収め、次に「サンローラン」のウィメンズとメンズデザイナーになったわけだし。「セリーヌ」のクリエイティブ・ディレクターに就任した際には、当たり前のようにウィメンズをデザインしている。

ファッション業界の風雲児たち

メイ:そういえば数年前、まだカール・ラガーフェルドも健在だった頃、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)と仕事をする機会があって、関係者の一人はジェレミーが次の「シャネル」のデザイナーになるかもくらいのことを本気で言っていて、実はけっこう驚いた。

スティービー:マーク・ジェイコブスが「シャネル」の後継者になるとか、元「セリーヌ」のフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の名前も挙がっていたよね?だけど、カールの仕事を全部引き継ぐっていうこと自体が無理のある話で。

レイチェル:パリもミラノも、多くのメゾンがショーをキャンセルしたようだけど、そんななかプラダ(PRADA)はショーをしていたね。

メイ:今回ラフ・シモンズが加わって初めてのコレクションだしね。ラフも「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」での完敗がまだ記憶に新しいけど、「プラダ」をより素敵なブランドに若返らせるのに今後も貢献してほしい。

スティービー:さっきも名前が出ていたサムスンの「ビーンポール」だけど、実は元「バンド・オブ・アウトサイダーズ(BAND OF OUTSIDERS)」のスコット・スタンバーグ(Scott Sternberg)も、「ビーンポール」とコラボレーションしていたよね?10年以上前の話になるけど。

メイ:そうそう、私たちも当時のスコットのスタイリスト、ティナ・チャイ(Tina Chai)を連れてソウルにまで行ったから。パーティーには、東方神起まで来場して盛り上がっていたけど、スコットはまるでやる気がなかったという記憶。1秒でも早くロスに帰りたそうだった。

レイチェル:スコットはあのブランドを15年に全借金ごとベルギーの投資会社に買ってもらい、18年に「エンタイアワールド(ENTIRE WORLD)」という、ダイレクト・トゥー・コンシューマーブランド(D2C)を立ち上げている。

スティービー:「エンタイアワールド」とスコットは、8月6日号の「ニューヨーク・タイムズ・マガジン(New York Times Magazine)」で大きく取り上げられていたけど、今回のコロナ自粛中にすごく売れたらしいよ。

メイ:みんな家で過ごしていたわけだから、スエットパンツくらいしか買い換えるものがなかったし。

レイチェル:カラフルなソックスやトートバッグも売り切れていた。ちなみに売り切れたというスエットパンツとスエットシャツはそれぞれ88ドル(約9200円)。

メイ:私はその記事をポッドキャストで聞いたけど、スコットはファッション界のいろんなシステムにすごく振り回されたと言っていたよ。自分が提案するコレクションピースのほかに、特に店が特別コラボ商品を要求してきて、そのためにマージンの低いものをさらに作らなくてはいけなくなって、ということが多かったようで。

スティービー:それでD2Cブランドなんだね。百貨店やセレクトショップを通さずに、直接販売できるから。

メイ:けっこう昔のことだけど、「タクーン(THAKOON)」のショーに客として出席していたスコットに偶然会って声をかけたら、「ショーはすごくよかったけど、自分は絶対にショーはしないという決意ができたから見てよかった」とつぶいていた。それなのに、その後ショーをスタートしたときは、なんでなんだろうって思っていた。ポッドキャストを聞いて、それは米「ヴォーグ(VOGUE)」やアメリカファッション協議会からのプレッシャーだったんだなと今になって分かった。

スティービー:デザイナーたちは、キム・ジョーンズやエディ・スリマンのように大企業に守られて仕事をするか、またはスコットのように構築されたファッション業界から飛び出て動くか、選択していかないと生き残れなくなってきている。

メイ:ポッドキャストの最後にスコットが話していたのは、以前はファッションに投資したい人がたくさんいたけど、今はすぐに結果が出ないファッションに投資したい人を探すのが大変らしい。

レイチェル:ティックトック(TikTok)みたいなソーシャルメディアに投資した方が、リターンは確かに早そうだし。

スティービー:でもティックトックのレベルになると、自分から投資家を指名してくるわけで。マイクロソフトも断られたくらいだから。オラクル(ORACLE)とのことがどうなるのか。どちらにしても一つのジェネレーションの個人情報を握っていて、トレンドを操作しているのは間違いないから。

メイ:この秋は騒々しい大統領選挙も控えているし、西海岸の火事は収まらずここニューヨークにまで煙が届いてしまう勢いだし、学校はほぼ全リモートのまま。トランプ大統領は、11月までに買収が決まらなければ、ティックトックに米国からの撤退を命じると言っているけど、あれに頼りきっている子どもたちは立ち直れないかも?

スティービー:また何か新しいトレンドが始まるよ。きっとみんなワクチン開発くらいの勢いで、今頑張っているはず。ファッションに投資してもらえない理由が分かる気がする。

メイ/クリエイティブディレクター : ファッションやビューティの広告キャンペーンやブランドコンサルティングを手掛ける。トップクリエイティブエージェンシーで経験を積んだ後、独立。自分のエージェンシーを経営する。仕事で海外、特にアジアに頻繁に足を運ぶ。オフィスから徒歩3分、トライベッカのロフトに暮らす

スティービー/ファッションエディター : アメリカを代表する某ファッション誌の有名編集長のもとでキャリアをスタート。ファッションおよびビューティエディトリアルのディレクションを行うほか、広告キャンペーンにも積極的に参加。10年前にチェルシーを引き上げ、現在はブルックリンのフォートグリーン在住

レイチェル/プロデューサー : PR会社およびキャスティングエージェンシーでの経験が買われ、プロデューサーとしてメイの運営するクリエイティブ・エージェンシーで働くようになって早3年。アーティストがこぞってスタジオを構えるヒップなブルックリンのブシュウィックに暮らし、最新のイベントに繰り出し、ファッション、ビューティ、モデル、セレブゴシップなどさまざまなトレンドを収集するのが日課

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まだ、あなたが知らないニューヨーク最新トレンド キム・ジョーンズ、「フェンディ」就任とその軌跡 Kim Jones Rises to the Top

 ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載も第13回。“You’d Better Be Handsome”では、トレンドに敏感なレイチェル(Rachel)も加わって、ニューヨークのトレンドや新常識について毎回トーク。今回のテーマは、こんな不景気なご時世においても出世街道を着々と進むキム・ジョーンズ(Kim Jones)、そして時代の風雲児たちのこれまでとこれからについて。

今回のランチはオフィスでデリバリー。以前は絶対に店内でしかいただけなかった高級寿司から、人気ラーメン店の冷製担々麺、「ジョーズ上海」の小籠包まで、パンデミックのおかげで(?)デリバリーしてもらえる便利な世の中に。本日はチャイナタウン近辺に3軒、フィラデルフィアにまで進出しているおしゃれ飲茶屋「ノムワ(NOM WAH)」からのデリバリーを仲良くシェア。

スティービー:先週はニューヨークファッション・ウイークだったけど、よっぽど気をつけてないと開催されていることに気づかないレベルだよね。

メイ:ほとんどがデジタル配信で、「ジェイソン・ウー(JASON WU)」は屋外でランウエイを、この夏にロスで復活した「イミテーション・オブ・クライス(IMITATION OF CHRIST)」も路上でショーを開催していたよ。

レイチェル:アメリカファッション協議会(CFDA)が立ち上げたサイト「ランウエイ360」で一気に見られるというのは便利ではあったけど。普段は見ないデザイナーをチェックしてみたり、なかなかインビテーションがもらえない「トム・フォード(TOM FORD)」の動くショーを見られたり。

スティービー:ただビデオのクオリティーにはかなりの差を感じたよね。見る側だけでなく、見せる側も世界のどこにいてもいいわけで。実際にニューヨークにいなそうなデザイナーもたくさんいた。

レイチェル:パリのプルミエールクラス(PREMIERE CLASSE)とかは、予定どおり今年10月2〜4日で開催されるみたい。しかもたくさんのブランドが参加するらしい。パリコレはスケジュールが発表されたけど、各ブランドがどのような形式をとるかの詳細は出ていない。「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などの老舗メゾンは名前が挙がっているけど、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARÇONS)」「サカイ(SACAI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「セリーヌ(CELINE)」はファッション・ウイークへの不参加を表明している。

メイ:というか、ニューヨークからそもそもパリへ行けないし。きっと来年2月のショーもデジタルだよね。メトロポリタンオペラ(METROPOLITAN OPERA HOUSE)が来年の秋まで全キャンセルを発表したくらいだから。

スティービー:ニューヨークは早々に「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」や「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」といった大御所がショーをキャンセルしていたからね。逆に若手デザイナーがこれを機に参加しているような印象。

メイ:アメリカだけ新型コロナの死者数2万人を超えて、しかもまだ増えていて、ファッションショーそのものの在り方にまで影響してきている。この間の業績を理由にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)がティファニー(TIFFANY & CO.)の撤回してきたのも、分からなくもない。ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)=LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)に専属の占い師がいたとしても、グローバル・パンデミックは予期できなかったということだね。

スティービー:2020年が劇的な年になるとは前々から言われ続けていたけど、占い師だけでなく、投資家も読めなかったわけ。ティファニー買収の話が伝えられたのは、去年の終わりのことだったから。今回の買収撤回の背景には、フランス政府が圧力をかけてきたということもあるらしいけど。確かにトランプ政権がワインや高級品の関税を上げてきているから、フランス政府としてはおもしろくない。もちろん消費者の僕たちにとってもつらいところ。

レイチェル:ヨーロッパからのワインやチーズにかかる関税が昨年の秋から25%アップしているし、ウールスーツ、ブランケット、ベッドリネン、航空機なんかも対象になっている。

スティービー:そういえば2010年ごろ、LVMHがエルメス(HERMES)を買収するとかしないとかの話があったのを思い出したよ。あのときも裁判沙汰になったけど、結局エルメスはLVMHの傘下に収まることなく今の成功を手にした。

メイ:ティファニーもアメリカを代表するブランドとして、独自の道を進んでほしいかな。政府が絡んでいる今、そんな単純な話ではないと思うけど。

キム・ジョーンズ、「フェンディ」でウィメンズを

スティービー:不景気なニュースばかりのなかでも、前に進んでいる人たちもいるわけで。LVMHと言えば、「ディオール(DIOR)」メンズのアーティスティック・ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)が、LVMH傘下の「フェンディ(FENDI)」のウィメンズのアーティスティック・ディレクターに就任することが決まった。

メイ:カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が死去してからは、フェンディ家のデザインチームが手掛けていた?

レイチェル:フェンディ家のシルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)が今後もメンズとアクセサリーのディレクションをしていき、キム・ジョーンズがウィメンズをやっていくという。ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)xラフ シモンズ(Raf Simons)式かと思ったけど、領域がきちんと分けられている。カール・ラガーフェルドの跡を継ぐデザイナーって誰なんだろうとはずっと気になっていたけど、「シャネル」もカールの右腕だったヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が引き継いだわけで。

スティービー:キム・ジョーンズは今回のコロナの間にも「ディオール」と“エアジョーダン”のコラボレーションを発表して、定価2000ドル(約21万円)が一気に転売されて10倍の値段になっているという記録を出した。すごい。

メイ:キム・ジョーンズは前からコラボに強いという印象はあるけど。

スティービー:スポーツブランドの「アンブロ(UMBRO)」とのコラボとか覚えてる?

レイチェル:私は彼が、「ルイ・ヴィトン」のメンズ・アーティスティック・ディレクターから「ディオール」に移る一瞬の間に「GU」でもプロジェクトを発表していたのが印象的だった。

スティービー:大きな声では言っていないと思うけど、韓国のサムスン(SAMSUNG)が展開する「ビーンポール(BEAN POLE)」というファッションブランドでもクリエイティブ・ディレクターを数年務めていた。地道に着々と上って行ってる感じよね。

メイ:キム・ジョーンズだけど、18年に就任してすぐに、ハリー王子(Prince Henry, Duke of Sussex)とメーガン・マークル(Meghan Markle)のロイヤルウエディングに、デビッド・ベッカム(David Beckham)が新生「ディオール」のメンズを着用して出席したり、最初から話題も多かったよね。

レイチェル:BTSのワールドツアー、「LOVE YOURSELF」のコスチュームをデザインしたのも、「ディオール」メンズのキム・ジョーンズだったし。

スティービー:彼の強みはデザインだけではなく、グラフィックやフォトグラフィーの知識などを生かしてディレクションができること。そして横のつながりが強いこと。ロンドン、ニューヨーク、そしてパリのクリエイティブ・コミュニティーとうまくコラボレーションしてきている。

レイチェル:そういえばドラァグショーのバックステージで、マーク・ジェイコブスと一緒にいるキム・ジョーンズを見たことが何度かある。マークとは、「ルイ・ヴィトン」にいた時期が重なっているし、プライベートでも仲がいいんだなと。

スティービー:「ルイ・ヴィトン」時代には、歴史に残る「シュプリーム(SUPREME)」とのコラボレーションを実現しているから、そういう意味ではストリートに強いところ、ストリート要素をラグジュアリーに落とし込めるところがキム・ジョーンズのいちばんの強みだね。「フェンディ」が求めているのもそのストリート感かと。

メイ:日本のファッション業界ともわりと親密よね?

スティービー:「GU」以前に、06年に開催された新宿伊勢丹本店の120周年プロジェクトにも、「ヴィジョネア(VISIONAIRE)」や「コム デ ギャルソン」などと一緒に参加している。それに東京ベースのジュエリーデザイナー、「アンブッシュ(AMBUSH)」のYOONを「ディオール」メンズのアクセサリーデザイナーとして起用している。

メイ:自分が自分がというよりも、みんなで仲良く成功するという性格が、LVMHみたいなコーポレートでも受け入れられたのかもね。

レイチェル:そしてやっぱりファッション業界では、ウィメンズをデザインするようになると位が上がるというか。キム・ジョーンズはウィメンズをデザインしたこともあるけれど、クリエイティブ・ディレクターを務めるLVMHブランドではずっとメンズだった。今回「フェンディ」ではウィメンズをデザインするわけで。

スティービー:エディ・スリマン(Hedi Slimane)も、(当時の)「ディオール オム」で大成功を収め、次に「サンローラン」のウィメンズとメンズデザイナーになったわけだし。「セリーヌ」のクリエイティブ・ディレクターに就任した際には、当たり前のようにウィメンズをデザインしている。

ファッション業界の風雲児たち

メイ:そういえば数年前、まだカール・ラガーフェルドも健在だった頃、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)と仕事をする機会があって、関係者の一人はジェレミーが次の「シャネル」のデザイナーになるかもくらいのことを本気で言っていて、実はけっこう驚いた。

スティービー:マーク・ジェイコブスが「シャネル」の後継者になるとか、元「セリーヌ」のフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)の名前も挙がっていたよね?だけど、カールの仕事を全部引き継ぐっていうこと自体が無理のある話で。

レイチェル:パリもミラノも、多くのメゾンがショーをキャンセルしたようだけど、そんななかプラダ(PRADA)はショーをしていたね。

メイ:今回ラフ・シモンズが加わって初めてのコレクションだしね。ラフも「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」での完敗がまだ記憶に新しいけど、「プラダ」をより素敵なブランドに若返らせるのに今後も貢献してほしい。

スティービー:さっきも名前が出ていたサムスンの「ビーンポール」だけど、実は元「バンド・オブ・アウトサイダーズ(BAND OF OUTSIDERS)」のスコット・スタンバーグ(Scott Sternberg)も、「ビーンポール」とコラボレーションしていたよね?10年以上前の話になるけど。

メイ:そうそう、私たちも当時のスコットのスタイリスト、ティナ・チャイ(Tina Chai)を連れてソウルにまで行ったから。パーティーには、東方神起まで来場して盛り上がっていたけど、スコットはまるでやる気がなかったという記憶。1秒でも早くロスに帰りたそうだった。

レイチェル:スコットはあのブランドを15年に全借金ごとベルギーの投資会社に買ってもらい、18年に「エンタイアワールド(ENTIRE WORLD)」という、ダイレクト・トゥー・コンシューマーブランド(D2C)を立ち上げている。

スティービー:「エンタイアワールド」とスコットは、8月6日号の「ニューヨーク・タイムズ・マガジン(New York Times Magazine)」で大きく取り上げられていたけど、今回のコロナ自粛中にすごく売れたらしいよ。

メイ:みんな家で過ごしていたわけだから、スエットパンツくらいしか買い換えるものがなかったし。

レイチェル:カラフルなソックスやトートバッグも売り切れていた。ちなみに売り切れたというスエットパンツとスエットシャツはそれぞれ88ドル(約9200円)。

メイ:私はその記事をポッドキャストで聞いたけど、スコットはファッション界のいろんなシステムにすごく振り回されたと言っていたよ。自分が提案するコレクションピースのほかに、特に店が特別コラボ商品を要求してきて、そのためにマージンの低いものをさらに作らなくてはいけなくなって、ということが多かったようで。

スティービー:それでD2Cブランドなんだね。百貨店やセレクトショップを通さずに、直接販売できるから。

メイ:けっこう昔のことだけど、「タクーン(THAKOON)」のショーに客として出席していたスコットに偶然会って声をかけたら、「ショーはすごくよかったけど、自分は絶対にショーはしないという決意ができたから見てよかった」とつぶいていた。それなのに、その後ショーをスタートしたときは、なんでなんだろうって思っていた。ポッドキャストを聞いて、それは米「ヴォーグ(VOGUE)」やアメリカファッション協議会からのプレッシャーだったんだなと今になって分かった。

スティービー:デザイナーたちは、キム・ジョーンズやエディ・スリマンのように大企業に守られて仕事をするか、またはスコットのように構築されたファッション業界から飛び出て動くか、選択していかないと生き残れなくなってきている。

メイ:ポッドキャストの最後にスコットが話していたのは、以前はファッションに投資したい人がたくさんいたけど、今はすぐに結果が出ないファッションに投資したい人を探すのが大変らしい。

レイチェル:ティックトック(TikTok)みたいなソーシャルメディアに投資した方が、リターンは確かに早そうだし。

スティービー:でもティックトックのレベルになると、自分から投資家を指名してくるわけで。マイクロソフトも断られたくらいだから。オラクル(ORACLE)とのことがどうなるのか。どちらにしても一つのジェネレーションの個人情報を握っていて、トレンドを操作しているのは間違いないから。

メイ:この秋は騒々しい大統領選挙も控えているし、西海岸の火事は収まらずここニューヨークにまで煙が届いてしまう勢いだし、学校はほぼ全リモートのまま。トランプ大統領は、11月までに買収が決まらなければ、ティックトックに米国からの撤退を命じると言っているけど、あれに頼りきっている子どもたちは立ち直れないかも?

スティービー:また何か新しいトレンドが始まるよ。きっとみんなワクチン開発くらいの勢いで、今頑張っているはず。ファッションに投資してもらえない理由が分かる気がする。

メイ/クリエイティブディレクター : ファッションやビューティの広告キャンペーンやブランドコンサルティングを手掛ける。トップクリエイティブエージェンシーで経験を積んだ後、独立。自分のエージェンシーを経営する。仕事で海外、特にアジアに頻繁に足を運ぶ。オフィスから徒歩3分、トライベッカのロフトに暮らす

スティービー/ファッションエディター : アメリカを代表する某ファッション誌の有名編集長のもとでキャリアをスタート。ファッションおよびビューティエディトリアルのディレクションを行うほか、広告キャンペーンにも積極的に参加。10年前にチェルシーを引き上げ、現在はブルックリンのフォートグリーン在住

レイチェル/プロデューサー : PR会社およびキャスティングエージェンシーでの経験が買われ、プロデューサーとしてメイの運営するクリエイティブ・エージェンシーで働くようになって早3年。アーティストがこぞってスタジオを構えるヒップなブルックリンのブシュウィックに暮らし、最新のイベントに繰り出し、ファッション、ビューティ、モデル、セレブゴシップなどさまざまなトレンドを収集するのが日課

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デジコレでドタバタ対談 「マメ」でパリコレ開幕!予想外の豊作ぞろいに感動した初日

 ミラノ・ファッション・ウイーク終了し、2021年春夏のコレクションサーキットもいよいよ最終章、パリ・ファッション・ウイーク(以下、パリコレ)が開幕しました。パリからはベルリン在住のヨーロッパ通信員が現地取材の様子をお届けして行きますが、オンラインでも対談レビューという形で、引き続き“できるだけリアルタイムに近いペース”で取材を進めていきます。今回は、パリコレ1日目(9月28日、現地時間)をリポート!各都市のメンズコレクションを取材してきた「WWDジャパン」の大塚千践デスクとパリコレ取材3度目の丸山瑠璃ソーシャルエディターがリポートします。

パリコレ前に「JW アンダーソン」でほっこり

丸山:さて、いよいよパリコレがスタート!の前に、「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」がオフスケジュールで発表しました。前日には豪華なキットが編集部に到着。前回のメンズコレクション同様、“show in a box(箱の中のショー)”というアイデアで、箱の中から大きなバインダーが現れました。バインダーには、リリースのほか、さまざまな色の紙やルックや写真などが詰まっており、ルックを切り取ってみたり、展示したりと受け手が好きに「各々のインスタレーション」を作りコレクションと関わることができます。

大塚:メンズのときよりも動画に慣れたのか(笑)、ジョナサンのリラックスした語り口に癒されたわ。ボリュームの強弱を極端につけたシェイプに遊び心は感じるけれど、色使いも潔いし、基本的にはベーシックなウエアをベースにしている感じがする。メンズと同じく、長く愛される服作りに気持ちが移っているのかな。あとデザイナー自身の丁寧な解説を発信するのは、なんだかんだでバイヤーやジャーナリストに好評ですね。ジョナサンはメンズでき先陣を切っただけあって、ホスポタリティーが抜群でした。

丸山:「ジェイ ダブリュー アンダーソン」は今回、ティックトック(TikTok)でもライブ配信を実施していました。ティックトックで公開された動画は、ユーチューブなどで公開されたボックスの説明の動画の他にもアンダーソンによるコレクションの説明が差し込まれていました。ハリー・スタイルズ(Harry Styles)が着ていたカーディガンを作ってみようチャレンジでティックトックユーザーからの知名度を上げた「ジェイ ダブリュー アンダーソン」ですが、ティックトックのライブの性質上フォロワー以外のおすすめページにもランダムで表示されるので、わかりやすい説明を挿入したのは良い対応だったと思います。

国がサポートを強調

丸山:トップバッターの「マメ(MAME KUROGOUCHI)」を見ようとしてパリコレの公式サイトを開いたら、なんとその前にロズリーヌ・バシュロ(Roselyne Bachelot)仏文化大臣によるスピーチがありました。内容は、リアルイベントは衛生規定を守って行われることや、特に苦しい状況に置かれている新興ブランドへきちんとサポートを行うという宣言でした。フランスでは感染者数が増えていますが、この状況を省みて安全性を強調したのかもしれません。日本政府が東コレ開催前にこうしたスピーチを行うとはちょっと想像できないのですが、やはりフランスは国全体でファッションを盛り上げようという姿勢を感じました。その後、女優のシャロン・ストーン(Sharon Stone)が登場してパリコレ開幕を宣言しましたね!といいつつ、ちょっと自分はシャロン・ストーンがピンと来ずだったのですが(笑)、何か有名な映画に出演されてますか?

大塚:シャロン・ストーンといえば「氷の微笑」でしょ!って言っても昭和世代じゃないとわかんないか……。まだまだお若い姿を見られて、深夜だけど元気出ました。動画の画質はもうちょっと何とかならなかったのかと心の中でツッコミつつ、アンバサダーがパワフルでオシャレだとワクワクしてくるね。

丸山:自分のWi-Fi環境が悪いのかと思いましたが、やっぱり画質悪かったですよね(笑)。指を鳴らして開幕を宣言したのがキュートでした。

窓を通して記憶を辿る「マメ」

丸山:いよいよパリコレのオフィシャルスケジュールがスタート!トップバッターの「マメ」は写真家の奥山由之による映像を公開。窓から差し込む日差し、カーテン越しにうっすらと見えるドレスなどを曇りガラスを通して見ているような繊細で美しい映像なのですが、プロデューサーのSeihoによる音楽もあいまってちょっとゾクっとするような、冷たさもある仕上がりになっていました。

大塚:先ほどの「氷の微笑」ではないけれど、「マメ」も奥山由之による映像のもやっとした質感とムードに昭和の美を感じた。今は何でも鮮明に映し出される時代だからこそ、こういう奥ゆかしさを含んだ表現につい見入ってしまったよ。作家性が強いから、ルック写真とセットで見ないと全体像はつかめないけどね。世界を舞台に、堂々と和の創作で挑むスタンスがかっこよかった。世界の人がどう見たのか気になるね。

丸山:そうですね。パリコレの公式サイトもNYのように動画とルックがセットで見れるとうれしいんですが……。コレクションのテーマは“窓”で、すりガラスをイメージしたニットや格子柄のアイテムが登場しました。特に黒河内デザイナーはカーテンには住んでいる人の記憶や日差しの色が染み込み、その人らしさが出ると考えているそうで、レースカーテンのような刺しゅうを施したドレスや、日に焼けたカーテンのようなイエローがかったワンピースなどにその思考が反映されていました。リリースとは別に黒河内真衣子デザイナーからの手紙も入っていて、これがすごくよかった。黒河内さんがコレクションに至るまでの考えてきたことや見てきたものの回顧録のような内容なのですが、コレクションをスッと自然に理解することができましたし、一字一句に「マメ」らしさが反映されている美しい文章で、全文掲載したいくらいです(笑)。配信に先立ってアポイント制でメディアをアトリエに招いて黒河内さんがじっくりと製作背景を説明されたそうですよ!うらやましい!ちなみにそのリポートはこちらから読めます。

「ウェールズ ボナー」

丸山:「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」はデザイナーの父親の出身地でもあるジャマイカで撮影した映像を公開しました。映像では8人の若者が目的地にたどり着くまでの様子を表現したそうで、自然の中でスタートした映像は次第にカラフルなジャマイカの街に移ります。コレクションは、ジャマイカの名作映画「ロッカーズ(ROCKERS)」にインスパイアされたそうです。

大塚:「ウェールズ ボナー」の映像はかなりコンセプチュアルだけど、ルックで服を見ると一時期に比べて肩の力が抜けていい意味で“隙”ができたクリエイションを継続していた印象。私生活が順調なのも関係しているのかな。シャープなテーラードを主軸にしていたころはすごみがある一方、ストイックすぎてちょっととっつきづらかったんだよね。それが1月に発表した2020-21年秋冬にリラックスしたムードが強まって、今シーズンはスポーツウエア色が濃くなって快活さもプラスされていた。とはいえまだまだハードルが低い服ではないのだけど、昔ながらのデザイナー気質がある骨太な彼女の姿勢はいつか化けそうな気もするので、僕は応援したい!

「キムへキム」

丸山:「キムへキム(KIMHEKIM)」が公開した映像は、モデル同士がふざけあったりライトで遊んだりとルック撮影の現場の裏側のようでほっこり。コレクションテーマは“Dreams in the City”。眩い都市の中で自分自身を探す人に捧げたコレクションだそうです。ブランドはパリ拠点で生産はデザイナーのキミンテ・キムへキム(Kiminte Kimhekim)の出身の韓国で行っているのですが、キミンテはソウルでロックダウンを過ごし、自分を信じることや情熱を持つことの大切さを再確認したそう。そう考えるとテーマが“Dreams in the City”となったのも納得です。

大塚:さわやかなBGMとモデルたちの自然体な様子に対し、服はゴリッゴリにモードなのがちょっと笑っちゃった。フォーマルの脱構築的クリエイションは世に溢れているけれど、彼の強みって何なのでしょう?

丸山:2シーズン前にパリコレデビューした比較的若いブランドなのですが、大ぶりのパールでドレープを作ったデザインの“ヴィーナス(VENUS)”シリーズや、デザイナーの出身地である韓国の韓服にも使われるオーガンザを使ったアイテムなど、売れるアイコン商品をたくさん持っているのが強みだと思います。若手デザイナーっていろんなアイテムに挑戦しがちですが、彼はアイコン商品を育て、少しずつアップデートしていくのが上手。今回は自分自身を見つめ直す、という意味でパールではなく鏡を使ってたり、オーガンザも今回はシャープなテーラーリングに組み込んでいます。“ヴィーナス”シリーズはボッティチェッリ(Botticelli)の「ヴィーナスの誕生」に出てくる布のドレープを着想源にしているのですが、今回「ヴィーナスの誕生」が透け感のあるプリントで登場していました。かわいい。売れそうです。

大塚:なるほど。「マメ」や「ウェールズ ボナー」もそうだけど、自身のルーツや自国のカルチャーにまっすぐ向き合うことが、世界と戦う上では強い武器の一つになるのだね。

母国ジョージアの日常を映した「シチュエーショニスト」

丸山:パリコレ初参加の「シチュエーショニスト(SITUATIONIST)」は、デザイナーのイラクリ・ルザゼ(Irakli Rusadze)の母国、ジョージアの日常とともに最新コレクションを届けました。街ゆく人がストロングショルダーのスーツやペンシルスカートをまとったモデルたちを物珍しく見つめたり写真を撮ったりしているのが面白かった。ジョージアといえば「バレンシアガ」のデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の出身国でもありますが、名前は知っていていもこういう日常までみる機会はなかなかないですよね。先ほどの「ウェールズ ボナー」しかり、パリコレなのに世界の様々な地の様子を垣間見ることができるのは面白い体験です。

大塚:「シチュエーショニスト」は母国ジョージアではそれなりに知名度があって、かつブランド立ち上げからはもう10年以上のキャリアがあるのだけど、映像はたぶんほぼゲリラ撮影のインディーズ感バリバリ。デムナ直系な強い色柄の服はもちろん、撮影の舞台となったジョージアの街並みも普段はなかなか見ることがないけれど、かなり個性豊かだったわ。故郷の街の様子を伝えたかったのかな。通行人のおじさんがジロジロ見ていたり、モデルがおばあちゃんの手を引いて道路を歩いていたりして微笑ましかったけど、要素が盛り盛りで迷子になりました。

瞽女に着想源を得た「セシル バンセン」

丸山:「セシル バンセン」といえばコペンハーゲン・ファッション・ウイークを代表するブランドの一つですが、今回はコペンハーゲンではなくパリで発表。コレクションは、1970年代の瞽女(ごぜ)の白黒写真にインスパイアされたそうです。瞽女は三味線を弾きながら全国を転々としながら盲人芸能者ですが、映像は閉塞的な雲が空を覆う北欧の草原から始まり、晴れ間が見える海岸へと移ります。最後ビーチに現れた巨大な鏡(?)にモデルが吸い込まれてる展開は突然でびっくりしましたが(笑)、美しい映像でした。デンマークのユトランド半島で撮影されたそうです。

大塚:生っぽい「シチュエーショニスト」から一転して、クリアな映像と抜けのロケーションが気持ちよかったですね。最近はガーリーとテーラードのバランス感をものにしてきた印象で、映像も2つのスタイルを表現しているように見えたよ。曇天の草原ではモノトーンのシックな服、ラストの日が差した砂浜ではカラフルなガーリーで、壮大な世界観ととも成長していきそうなさらに力をつけていきそうな予感がした。

「S.R. STUDIO. LA. CA.」

丸山:スターリング・ルビー(Sterling Ruby)による「S.R. STUDIO. LA. CA.」が配信したのは、“VEIL FLAG”と題し、米50州を表す星がない星条旗をまとったモデルが跪いた状態からゆっくりと立ち上がるという映像でした。音声は教えを叩き込むように男性一人が言った言葉をもう一人の男性が繰り返すというものでしたが、最後の“President of Grand Dragon”はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のことを揶揄しているのでしょう。“Grand Dragon”はKKK幹部の呼び名。プレジデントはこの場合は総統ではなく大統領ととらえられます。さらに“marching against leaderless leadership(リーダーなきリーダーシップに行進する)”という文言は、ホワイトハウスに向かって行進したBLM運動を想起させますね。白人至上主義と往々にして指摘されている現大統領を批判し、11月の選挙で退陣させることを呼びかけているのだと捉えました。

大塚:こりゃもう完全にアートですね。意味深な冒頭で何が起こるんだろうと凝視していたら、星条旗広げて終了しちゃった(笑)。コレクションの全貌はまだわからないけど、さすがアーティスト発のブランドという感じ。背景にちゃんと意味をもたせつつ、表現は振り切ってるわ。昨年のピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)でデビューショーを見たんだけど、震えるほどかっこよかったのです。一点一点が服というより“作品”という感覚で、見た目以上の強さがあるというか。その分、価格も非常にかっこいいのだけど。代名詞のブリーチ加工が施されている星条旗は650ドルでした。正真正銘のただの布なんだけど、なんか欲しくなるほど引かれてきた。

丸山:650ドル(約6万8000円)はなかなかの値段ですが、動画のクレジットにも出てきたアメリカ自由人権協会(ACLU)に、売り上げの一部が寄付されます。ACLUは、6月にBLMのデモ隊がホワイトハウスを囲った後、トランプ大統領が教会を訪れることを理由にデモ隊を武力で解散させたとして、大統領などを相手取って訴訟を起こした団体。そこに寄付されることも加味すればちょっとお安く感じるかも(!?)です。

大塚:ちなみに彼はラフ・シモンズ(Raf Simons)とあらゆる形で協業しているもの有名だよね。ラフの「プラダ(PRADA)」デビューは、盟友のピーター・デ・ポッター(Peter de Potter)のグラフィックを採用していたけれど、今後はスターリング・ルビーも絡んできたりして。ああ、妄想が勝手に膨らんでいく!ちょっと、今日面白くない?知名度でいうとまだまだこれからなブランドばかりで、個々で見るとクオリティーや方向性はバラバラなのに、続けて見るとアイデンティティーを強く打ち出そうとする姿勢が共通してる。しかも自分たちのルーツを発展させて表現しているから、ファッションを通じて異文化が競演する様が映像を通してでもわかるぐらい面白い。

丸山:そうですね。これまでは外の世界に着想源を得ていたけど、ロックダウンで外に出れず、また考える時間も多くなったからか自分自身のルーツや考えを反映したブランドが多かったですね。パリコレ1日目は若手ブランドや、初めてパリコレの公式スケジュールに加わるブランドが多いので、インディーズ感満載の映像を予想していましたが、いい意味で期待を裏切ってきたブランドが多く面白かったです!

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