またコレクション制作に際して「エイソス」は、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション (London College of Fashion)が持つセンター・フォー・サステナブル・ファッション(Centre for Sustainable Fashion)でトレーニングプログラムを作り、同ブランドのデザイナー216人全員が受講した。同プログラムでは循環型デザインに関するガイドラインを設けて、廃棄ゼロデザインや廃棄物の最少化、リサイクル素材の使用、耐久性、多様性、単一素材、分解性、アップサイクルの8項目を掲げる。
29日にパリで行われた「ディオール(DIOR)」の2021年春夏コレクションのショーで、“私たちはみなファッション・ビクティム(We Are All Fashion Victims)”と書かれた黄色いバナーを持った抗議者がランウエイを歩いた。バナーのすみには、19年のロンドン・ファッション・ウイークで一連のデモを行った気候変動問題にアクションを訴える団体であるイクスティンクション・リベリオン(Extinction Rebellion)を含め、環境問題への抗議に使われる絶滅のシンボルが描かれていた。
「ディオール」のマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターは普段からランウエイで社会的メッセージを発することも多く、抗議者の登場が計画的だったのかどうか、会場には困惑が広がった。「ディオール」の親会社であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH)のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)=ヘッド・オブ・コミュニケーション&イメージは「判別が難しいが、ショーの一部だったと思う」と述べたが、後に事実と異なるとの知らせを受けて撤回した。その後この件についてコメントをしていない。ピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)=クリスチャン・ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)会長兼CEOもまた、「全員にとって驚きだった。うまくやったので、何なのかよく分からなかった」と皮肉った。
LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は9月28日、ティファニー(TIFFANY & CO.)買収において合意した条件が満たされていないことや、ティファニーが9月9日に提起した本訴における主張は事実無根だとして米デラウェア州衡平法裁判所に反訴した。これに対してティファニーは翌29日に「根拠のないミスリーディングな訴え」と批判する声明を発表。両社の溝は深まるばかりだ。
サンフランシスコ発のスタートアップ企業でサステナブルシューズブランド「オールバーズ」は、新たに1億ドル(約105億円)を調達し、企業価値は17億ドル(約1785億円)になった。米「ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)」が報じた。リードインベスターは機関投資家フランクリン・テンプルトン(FRANKLIN TEMPLETON)で、ラウンドはシリーズE。これまでの調達金額の合計は2億ドル(約310億円)になる。
アイウエア企業オンデーズ(OWNDAYS)は、5つ星ホテルやショッピングモールが一体となったシンガポールの総合リゾート施設マリーナベイ・サンズ(MARINA BAY SANDS)の地下2階に旗艦店をオープンする。2021年2月中旬のオープン予定で、シンガポールで30店舗目となる。店舗面積は120平方メートルで、天然素材を基調としたラグジュアリーな内装とする。同店限定商品のほか、福井県鯖江市の工房で製作されたフレームも販売する予定だ。
レンチング・グループは、2030年までに特定の炭素排出量を50%削減し、50年には実質セロカーボンを実現すると2019年末に発表。同社はこの目標に向けてSBT(Science Based Targets)イニシアチブ(気候科学に基づく削減目標)と取り組む最初のセルロース繊維製造業者だ。同社は繊維産業界の賛同を促してそのかじ取りを行い、サプライチェーンの透明化、カーボンフットプリントの少ない原料の調達、そしてそれによる全体の炭素排出量の削減を標準化することを目指す。
同社は、サプライチェーン全体で製造方法を効率化し、炭素排出量を継続的に削減していくことに加え、再生可能エネルギーの利用と新技術の採用。カーボンニュートラルと気候関連金融商品(カーボンファイナンス)に関する専門機関であるナチュラル・キャピタル・パートナーズ(Natural Capital Partners)とも協力して、カーボンニュートラル認証を得ることを目指している。ナチュラル・キャピタル・パートナーズは企業側に製品のCO2素排出量に対して第三者機関による評価を求めるなど、検証可能かつ恒久的な排出削減を実現する最も優れたカーボンファイナンスプロジェクトと言われている。
ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載も第13回。“You’d Better Be Handsome”では、トレンドに敏感なレイチェル(Rachel)も加わって、ニューヨークのトレンドや新常識について毎回トーク。今回のテーマは、こんな不景気なご時世においても出世街道を着々と進むキム・ジョーンズ(Kim Jones)、そして時代の風雲児たちのこれまでとこれからについて。
メイ:キム・ジョーンズだけど、18年に就任してすぐに、ハリー王子(Prince Henry, Duke of Sussex)とメーガン・マークル(Meghan Markle)のロイヤルウエディングに、デビッド・ベッカム(David Beckham)が新生「ディオール」のメンズを着用して出席したり、最初から話題も多かったよね。
ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載も第13回。“You’d Better Be Handsome”では、トレンドに敏感なレイチェル(Rachel)も加わって、ニューヨークのトレンドや新常識について毎回トーク。今回のテーマは、こんな不景気なご時世においても出世街道を着々と進むキム・ジョーンズ(Kim Jones)、そして時代の風雲児たちのこれまでとこれからについて。
メイ:キム・ジョーンズだけど、18年に就任してすぐに、ハリー王子(Prince Henry, Duke of Sussex)とメーガン・マークル(Meghan Markle)のロイヤルウエディングに、デビッド・ベッカム(David Beckham)が新生「ディオール」のメンズを着用して出席したり、最初から話題も多かったよね。
丸山:さて、いよいよパリコレがスタート!の前に、「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」がオフスケジュールで発表しました。前日には豪華なキットが編集部に到着。前回のメンズコレクション同様、“show in a box(箱の中のショー)”というアイデアで、箱の中から大きなバインダーが現れました。バインダーには、リリースのほか、さまざまな色の紙やルックや写真などが詰まっており、ルックを切り取ってみたり、展示したりと受け手が好きに「各々のインスタレーション」を作りコレクションと関わることができます。
丸山:「キムへキム(KIMHEKIM)」が公開した映像は、モデル同士がふざけあったりライトで遊んだりとルック撮影の現場の裏側のようでほっこり。コレクションテーマは“Dreams in the City”。眩い都市の中で自分自身を探す人に捧げたコレクションだそうです。ブランドはパリ拠点で生産はデザイナーのキミンテ・キムへキム(Kiminte Kimhekim)の出身の韓国で行っているのですが、キミンテはソウルでロックダウンを過ごし、自分を信じることや情熱を持つことの大切さを再確認したそう。そう考えるとテーマが“Dreams in the City”となったのも納得です。
丸山:スターリング・ルビー(Sterling Ruby)による「S.R. STUDIO. LA. CA.」が配信したのは、“VEIL FLAG”と題し、米50州を表す星がない星条旗をまとったモデルが跪いた状態からゆっくりと立ち上がるという映像でした。音声は教えを叩き込むように男性一人が言った言葉をもう一人の男性が繰り返すというものでしたが、最後の“President of Grand Dragon”はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のことを揶揄しているのでしょう。“Grand Dragon”はKKK幹部の呼び名。プレジデントはこの場合は総統ではなく大統領ととらえられます。さらに“marching against leaderless leadership(リーダーなきリーダーシップに行進する)”という文言は、ホワイトハウスに向かって行進したBLM運動を想起させますね。白人至上主義と往々にして指摘されている現大統領を批判し、11月の選挙で退陣させることを呼びかけているのだと捉えました。
大塚:ちなみに彼はラフ・シモンズ(Raf Simons)とあらゆる形で協業しているもの有名だよね。ラフの「プラダ(PRADA)」デビューは、盟友のピーター・デ・ポッター(Peter de Potter)のグラフィックを採用していたけれど、今後はスターリング・ルビーも絡んできたりして。ああ、妄想が勝手に膨らんでいく!ちょっと、今日面白くない?知名度でいうとまだまだこれからなブランドばかりで、個々で見るとクオリティーや方向性はバラバラなのに、続けて見るとアイデンティティーを強く打ち出そうとする姿勢が共通してる。しかも自分たちのルーツを発展させて表現しているから、ファッションを通じて異文化が競演する様が映像を通してでもわかるぐらい面白い。