#敦子スメ「新月・満月」ノート 未来をより良いものに変えるタイミングのふたご座満月(11月30日)

 この連載では、新月・満月の流れを最大限に引き出すためのサポートをしてくれるコスメやインナーケアアイテムも紹介していきます。最終回の第24回は、11月30日の満月とおすすめコスメについてお伝えします。

今回の満月(11月30日)はふたご座

 今回の満月はふたご座で起こります。拡大、楽観、冒険心を表すいて座の太陽に、好奇心、コミュニケーション、知識を表すふたご座の月という組み合わせ。何か新しいことや“未知のもの”にトライしたくなるような星の配置です。2020年は根本から生活や価値観を変えられるような1年でした。この変化をどう捉えているか、人それぞれかもしれませんが、これを機に未来をより良いものに変えていける希望を持つのにいいタイミング、そんな星の配置です。

 新型コロナウイルス感染拡大という大きな波をきっかけにさまざまなことが変化し、世の中を見ていても新しい世界や暮らしがじわじわ始まっていて、もうその入り口に立っている感じが感覚的にもありますよね。そんなタイミングの今回の満月ですが、これからの新しい時代にマッチした面白いアイテムを今回は紹介します。

今回の満月コスメ

 「コアフィット(COREFIT)」の“ハイミラープロフェッショナル”はAIが搭載された次世代型のビューティミラー。ミラーといってもただの鏡ではありません。顔の筋膜の癒着をリリースする美容ギア、フェイスポインターとセットで使うものですが、顔のコリ・たるみや肌の状態の測定ができる機能に加え、Zoomやユーチューブなどが見られる機能を搭載。画面の半分でメイク動画を見ながら、もう半分をミラー機能にしてメイクの練習をしたり、Zoomを使ってポインターのインストラクションを受けたり、物とも人とも新しいコミュニケーションの取り方で美容に向き合える、そんなアイテムです。


 「フォレオ(FOREO)」 の“UFO”は、スマホアプリと連動して肌のトリートメントが行える新しいスキンケアツール。専用のマスクシートをセットしてスマホのアプリを起動。そのガイダンスに従ってスキンケアを行うと、本体が温冷作用と光の効果で肌を柔らかくし保湿成分を浸透。エイジングケアもできる優れもの。順序やトリートメントの長さはアプリが管理してくれるのでとても楽にスキンケアが楽しめます。

 新しい時代になって変化する私たちの人とのコミュニケーションやあり方、その波は美容アイテムにも現れています。鍵となるのはインターネットやデバイスなどのツールなのかもしれません。


福本敦子(ふくもと・あつこ)/フリーランスPR・美容コラムニスト:コスメキッチンに14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活動するかたわら、ビューティコラムニストとしてイベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と多くの反響を呼び、紹介した商品の欠品や完売も多数。2019年秋、初の書籍となる「今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ」を出版。発売前に増刷が決まるなど話題を呼んでいる。旅を愛し、占星術にも精通 instagram:@uoza_26

The post #敦子スメ「新月・満月」ノート 未来をより良いものに変えるタイミングのふたご座満月(11月30日) appeared first on WWDJAPAN.com.

#敦子スメ「新月・満月」ノート 未来をより良いものに変えるタイミングのふたご座満月(11月30日)

 この連載では、新月・満月の流れを最大限に引き出すためのサポートをしてくれるコスメやインナーケアアイテムも紹介していきます。最終回の第24回は、11月30日の満月とおすすめコスメについてお伝えします。

今回の満月(11月30日)はふたご座

 今回の満月はふたご座で起こります。拡大、楽観、冒険心を表すいて座の太陽に、好奇心、コミュニケーション、知識を表すふたご座の月という組み合わせ。何か新しいことや“未知のもの”にトライしたくなるような星の配置です。2020年は根本から生活や価値観を変えられるような1年でした。この変化をどう捉えているか、人それぞれかもしれませんが、これを機に未来をより良いものに変えていける希望を持つのにいいタイミング、そんな星の配置です。

 新型コロナウイルス感染拡大という大きな波をきっかけにさまざまなことが変化し、世の中を見ていても新しい世界や暮らしがじわじわ始まっていて、もうその入り口に立っている感じが感覚的にもありますよね。そんなタイミングの今回の満月ですが、これからの新しい時代にマッチした面白いアイテムを今回は紹介します。

今回の満月コスメ

 「コアフィット(COREFIT)」の“ハイミラープロフェッショナル”はAIが搭載された次世代型のビューティミラー。ミラーといってもただの鏡ではありません。顔の筋膜の癒着をリリースする美容ギア、フェイスポインターとセットで使うものですが、顔のコリ・たるみや肌の状態の測定ができる機能に加え、Zoomやユーチューブなどが見られる機能を搭載。画面の半分でメイク動画を見ながら、もう半分をミラー機能にしてメイクの練習をしたり、Zoomを使ってポインターのインストラクションを受けたり、物とも人とも新しいコミュニケーションの取り方で美容に向き合える、そんなアイテムです。


 「フォレオ(FOREO)」 の“UFO”は、スマホアプリと連動して肌のトリートメントが行える新しいスキンケアツール。専用のマスクシートをセットしてスマホのアプリを起動。そのガイダンスに従ってスキンケアを行うと、本体が温冷作用と光の効果で肌を柔らかくし保湿成分を浸透。エイジングケアもできる優れもの。順序やトリートメントの長さはアプリが管理してくれるのでとても楽にスキンケアが楽しめます。

 新しい時代になって変化する私たちの人とのコミュニケーションやあり方、その波は美容アイテムにも現れています。鍵となるのはインターネットやデバイスなどのツールなのかもしれません。


福本敦子(ふくもと・あつこ)/フリーランスPR・美容コラムニスト:コスメキッチンに14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活動するかたわら、ビューティコラムニストとしてイベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と多くの反響を呼び、紹介した商品の欠品や完売も多数。2019年秋、初の書籍となる「今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ」を出版。発売前に増刷が決まるなど話題を呼んでいる。旅を愛し、占星術にも精通 instagram:@uoza_26

The post #敦子スメ「新月・満月」ノート 未来をより良いものに変えるタイミングのふたご座満月(11月30日) appeared first on WWDJAPAN.com.

中国で若者を中心に人気集める「漢服」 漢民族の伝統衣装の魅力をアピール

 漢服をはじめとする中国の伝統を祝う漢服文化週間が10月31日〜11月3日、水郷の町として知られる西塘で開催された。漢服は漢民族が起源の民族衣装で、長い袖や紐づかいで歩くときの揺れる感覚が特徴。近年若い世代を中心に漢服を着ることが人気を集めており、イベントではカーニバルやファッションショー、弓を使ったパフォーマンスや市場も開かれ、多くの人で賑わった。中には孫に連れられ親子三世代で参加した家族や、犬や猫にも漢服を着せて一緒に参加した人もいた。

 西塘は上海の郊外に位置する、浙江省嘉興市嘉善県の小さな町。上海の4大水郷古鎮の1つで、石造りの家が並ぶ運河が特徴だ。参加者の多くは漢服を着用して西塘の持つ石橋など歴史的な外観に合わせてポーズを決めたり、動画の撮影をして漢服文化の魅力を伝えている。パフォーマンス動画を撮影していた人は、「子どもの頃から漢服を着るのは好きだった。私の両親もパフォーマーで多くの奇抜な衣装をステージで見ているから、漢服を着ることを応援してくれている」とコメントした。

 ここでは、髪型からメイクまで全身を鮮やかな色使いで包んだ参加者の漢服ファッションを見てみよう。

The post 中国で若者を中心に人気集める「漢服」 漢民族の伝統衣装の魅力をアピール appeared first on WWDJAPAN.com.

中国で若者を中心に人気集める「漢服」 漢民族の伝統衣装の魅力をアピール

 漢服をはじめとする中国の伝統を祝う漢服文化週間が10月31日〜11月3日、水郷の町として知られる西塘で開催された。漢服は漢民族が起源の民族衣装で、長い袖や紐づかいで歩くときの揺れる感覚が特徴。近年若い世代を中心に漢服を着ることが人気を集めており、イベントではカーニバルやファッションショー、弓を使ったパフォーマンスや市場も開かれ、多くの人で賑わった。中には孫に連れられ親子三世代で参加した家族や、犬や猫にも漢服を着せて一緒に参加した人もいた。

 西塘は上海の郊外に位置する、浙江省嘉興市嘉善県の小さな町。上海の4大水郷古鎮の1つで、石造りの家が並ぶ運河が特徴だ。参加者の多くは漢服を着用して西塘の持つ石橋など歴史的な外観に合わせてポーズを決めたり、動画の撮影をして漢服文化の魅力を伝えている。パフォーマンス動画を撮影していた人は、「子どもの頃から漢服を着るのは好きだった。私の両親もパフォーマーで多くの奇抜な衣装をステージで見ているから、漢服を着ることを応援してくれている」とコメントした。

 ここでは、髪型からメイクまで全身を鮮やかな色使いで包んだ参加者の漢服ファッションを見てみよう。

The post 中国で若者を中心に人気集める「漢服」 漢民族の伝統衣装の魅力をアピール appeared first on WWDJAPAN.com.

「ナナナナ」をヒットさせたデザイナーによる「ラストフレーム」 有力店が注目する“長く愛されるモノ作り”

 コロナ禍を受けて欧米の有力百貨店やスペシャリティストアには元気がなく、それらの店での販売に力を入れてきた日本のデザイナーズブランドにとっても、難しい状況が続いています。そんな中にあって「海外からの引き合いが高まっている」というのが、奥出貴ノ洋(おくで・たかのひろ)さんが手掛けるバッグやスカーフのブランド「ラストフレーム(LASTFRAME)」。奥出さんは、ミニサイズのバッグが大ヒットした「ナナナナ(NANA-NANA)」のデザインも手掛けており、名前は出せませんがそれ以外にも関わってきたブランドをヒットさせています。そんなふうに時代を読むのに長けた奥出さんですが、「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」と語ります。

 「ラストフレーム」は、2018年秋に奥出さんが個人で立ち上げたブランド。現在、国内ではGR8やリステア(RESTIR)、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)などで販売しており、21年プレ・スプリングや21年春夏からは、英のEC大手マッチズファッション ドットコム(MATCHESFASHION.COM)、中国・北京の百貨店SKP、英の百貨店ブラウンズ(BROWNS)などでの販売も決まりました。「(コロナ禍もあってバイヤーは保守的になっていると思ったが)だからこそ、比較的買いやすい価格で元気の出るようなカラフルな色合いの商品が支持されているんだと思う」と奥出さん。

 同ブランドがコンセプトとして掲げているのは、「年々職人が減少している日本の伝統技術を未来につなげる」こと。奥出さんがこれまで関わってきたブランドは、「ナナナナ」しかりカジュアルやストリートといったジャンルなので、このコンセプトはやや意外に感じます。「(これまで関わってきたブランドで海外のバイヤーなどと話す中で)『日本人なんだから、もっと日本のいいものを世界に発信すればいいのに』と言われる機会があった。そう言われても何をやればいいのか分からなかったが、偶然地元の石川県のシルクの機屋と知り合う機会があり、そこから日本の素材産地に足を運び、伝統技術について調べるようになった」そう。

 その結果生まれた第1弾商品がシルクスカーフです。石川県で作られる紋織りという技法のシルク織物にプリントを重ねていて、手触りや仕上がりは非常に繊細。でも、プリントではバンダナ風のペイズリーとチェッカーフラッグを組み合わせたりしていて、毒っ気を感じるところがポイント。価格は90センチ×90センチの商品が2万円前後です。奈良県のニッターとの出合いから生まれたというスーパーのビニル袋風ニットバッグ(2万2500円)もアイコン商品。日本に数台しかない特殊な編み機で編んだ生地を使っているといいます。

廃盤にはせず、年間を通して販売

 毎シーズン、少しずつ新商品を増やしていきますが、基本的にどの商品も廃盤にはせず、通年で提案し続けていくそう。そんな考えを象徴するように、21年春夏の展示会では“SSAW”という文字を無数にプリントしたスカーフも企画していました。通常は「2021SS」で2021年春夏シーズンを、「2021AW」で21年秋冬シーズンを表しますが、年を示す数字は組み合わせず、SSAWと4文字全て並べることで、いつのシーズンかを限定しないようにしているんだとか。そういった話をしていた時に奥出さんから出てきた言葉が、冒頭で紹介した「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」というものでした。半年ごとに新しいトレンドを打ち出して、買い替え(つまり廃棄)を促してきた今までのファッション業界のシステム自体が、もはやファッショナブルではなくなっているという皮肉を表していますね。

 サステナビリティって、近年急速にファッション業界内で意識されるようになりました。でも正直なところ、完全な循環型商品の開発などが自社内でできるのはグローバルSPAやスポーツブランド、ラグジュアリーブランドなどの大資本に限られます。そういった中で、中小のデザイナーズブランドがサステナビリティの問題とどう向き合うべきかの好例の一つが、「ラストフレーム」のように“シーズンを超えて、長く使えて愛される商品を作る”といったことかもしれません。

 さて、これまでいくつもヒットを生んできた奥出さんに、「なぜみんなが欲しがるモノが分かるのか」なんてことも聞いてみました。その答えは、「自分がゼロからデザインしている感覚ではなく、世の中で広がっているものとか、自分の中で気になるもの、好きなものがホワッとある。それらが重なって形になったときに『あ、これだな』と形になる。ヒットするアイテムの時は企画の段階からそれが分かる」というものでした。商品企画に携わる人なら多かれ少なかれみんな同じような思考をしていると思いますが、そう簡単にはいかないもの。それがサラリとできちゃうというのが嗅覚というものなんですね。奥出さんのようにストリートやカジュアルといったリアルなマーケットを主戦場にしてきた人が、技術を次代につなげる、長く愛されるサステナブルなモノ作りを志向しているということが、まさに今の時代だなと感じます。

The post 「ナナナナ」をヒットさせたデザイナーによる「ラストフレーム」 有力店が注目する“長く愛されるモノ作り” appeared first on WWDJAPAN.com.

「ナナナナ」をヒットさせたデザイナーによる「ラストフレーム」 有力店が注目する“長く愛されるモノ作り”

 コロナ禍を受けて欧米の有力百貨店やスペシャリティストアには元気がなく、それらの店での販売に力を入れてきた日本のデザイナーズブランドにとっても、難しい状況が続いています。そんな中にあって「海外からの引き合いが高まっている」というのが、奥出貴ノ洋(おくで・たかのひろ)さんが手掛けるバッグやスカーフのブランド「ラストフレーム(LASTFRAME)」。奥出さんは、ミニサイズのバッグが大ヒットした「ナナナナ(NANA-NANA)」のデザインも手掛けており、名前は出せませんがそれ以外にも関わってきたブランドをヒットさせています。そんなふうに時代を読むのに長けた奥出さんですが、「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」と語ります。

 「ラストフレーム」は、2018年秋に奥出さんが個人で立ち上げたブランド。現在、国内ではGR8やリステア(RESTIR)、バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)などで販売しており、21年プレ・スプリングや21年春夏からは、英のEC大手マッチズファッション ドットコム(MATCHESFASHION.COM)、中国・北京の百貨店SKP、英の百貨店ブラウンズ(BROWNS)などでの販売も決まりました。「(コロナ禍もあってバイヤーは保守的になっていると思ったが)だからこそ、比較的買いやすい価格で元気の出るようなカラフルな色合いの商品が支持されているんだと思う」と奥出さん。

 同ブランドがコンセプトとして掲げているのは、「年々職人が減少している日本の伝統技術を未来につなげる」こと。奥出さんがこれまで関わってきたブランドは、「ナナナナ」しかりカジュアルやストリートといったジャンルなので、このコンセプトはやや意外に感じます。「(これまで関わってきたブランドで海外のバイヤーなどと話す中で)『日本人なんだから、もっと日本のいいものを世界に発信すればいいのに』と言われる機会があった。そう言われても何をやればいいのか分からなかったが、偶然地元の石川県のシルクの機屋と知り合う機会があり、そこから日本の素材産地に足を運び、伝統技術について調べるようになった」そう。

 その結果生まれた第1弾商品がシルクスカーフです。石川県で作られる紋織りという技法のシルク織物にプリントを重ねていて、手触りや仕上がりは非常に繊細。でも、プリントではバンダナ風のペイズリーとチェッカーフラッグを組み合わせたりしていて、毒っ気を感じるところがポイント。価格は90センチ×90センチの商品が2万円前後です。奈良県のニッターとの出合いから生まれたというスーパーのビニル袋風ニットバッグ(2万2500円)もアイコン商品。日本に数台しかない特殊な編み機で編んだ生地を使っているといいます。

廃盤にはせず、年間を通して販売

 毎シーズン、少しずつ新商品を増やしていきますが、基本的にどの商品も廃盤にはせず、通年で提案し続けていくそう。そんな考えを象徴するように、21年春夏の展示会では“SSAW”という文字を無数にプリントしたスカーフも企画していました。通常は「2021SS」で2021年春夏シーズンを、「2021AW」で21年秋冬シーズンを表しますが、年を示す数字は組み合わせず、SSAWと4文字全て並べることで、いつのシーズンかを限定しないようにしているんだとか。そういった話をしていた時に奥出さんから出てきた言葉が、冒頭で紹介した「今はサステナブルじゃないということがファッションではない時代」というものでした。半年ごとに新しいトレンドを打ち出して、買い替え(つまり廃棄)を促してきた今までのファッション業界のシステム自体が、もはやファッショナブルではなくなっているという皮肉を表していますね。

 サステナビリティって、近年急速にファッション業界内で意識されるようになりました。でも正直なところ、完全な循環型商品の開発などが自社内でできるのはグローバルSPAやスポーツブランド、ラグジュアリーブランドなどの大資本に限られます。そういった中で、中小のデザイナーズブランドがサステナビリティの問題とどう向き合うべきかの好例の一つが、「ラストフレーム」のように“シーズンを超えて、長く使えて愛される商品を作る”といったことかもしれません。

 さて、これまでいくつもヒットを生んできた奥出さんに、「なぜみんなが欲しがるモノが分かるのか」なんてことも聞いてみました。その答えは、「自分がゼロからデザインしている感覚ではなく、世の中で広がっているものとか、自分の中で気になるもの、好きなものがホワッとある。それらが重なって形になったときに『あ、これだな』と形になる。ヒットするアイテムの時は企画の段階からそれが分かる」というものでした。商品企画に携わる人なら多かれ少なかれみんな同じような思考をしていると思いますが、そう簡単にはいかないもの。それがサラリとできちゃうというのが嗅覚というものなんですね。奥出さんのようにストリートやカジュアルといったリアルなマーケットを主戦場にしてきた人が、技術を次代につなげる、長く愛されるサステナブルなモノ作りを志向しているということが、まさに今の時代だなと感じます。

The post 「ナナナナ」をヒットさせたデザイナーによる「ラストフレーム」 有力店が注目する“長く愛されるモノ作り” appeared first on WWDJAPAN.com.

キャリア20年のデニム担当も思わず「いいね!」の沖縄発のサステナブルジーンズ

 ファッションビジネスの世界に生きていて、“サステナブル”という言葉を聞かない日はない。そして、日々なされる会話の代表格が「サステナビリティとクリエイティビティは共存するのか?」だ。作り手としては「NO」と言えず、ただし受け手としては「う~ん……」と頭を抱えてしまうこともしばしば。そんな中にあって、思わず「いいじゃない!」と身を乗り出したジーンズがある。それがサステナブルプロジェクト「キセキレーベル(KISEKI LABEL)」と日本を代表するジーンズブランド「エヴィス(EVISU)」が協業した一本だ。

 最大の魅力は素材感で、パイナップル繊維が濃紺のデニムの上で白く毛羽立っている。ツイードを想起させる見た目と風合いで、20年間デニムを取材してきた僕も「こんなの見たことない」だった。これについて山根英彦エヴィスジャパン社長は、「シルクのように繊維長のあるパイナップルの特徴を生かした。セカンドサンプル、サードサンプルではこれを推し進めて、ネップ感を表現してみても面白いだろう」と話す。

 「キセキレーベル」は、食品関連の研究・開発・販売を行うフードリボン(沖縄県、宇田悦子社長)が2020年7月にスタートさせたプロジェクトで、本来廃棄されるパイナップルの葉を再利用している。パイナップルの葉の60%は水分であり、残りの40%の内39%をバイオプラスチック化してストローやカトラリーに、さらに残った1%から繊維を抽出している。宇田社長は、「パイナップルの葉は水分が多く固いため燃やすこともできず、堆肥への転用も難しい“厄介者”だった。そのため畑に放置されていたが、『キセキレーベル』はそれを価値あるものに変える。すでにパイナップルの生産量日本一の沖縄県北部・東村に加工場を作り、機械を導入した。年始をめどに製造ラインを稼働させる。パイナップルの葉から抽出した繊維を大阪の紡績会社に持ち込み、オーガニックコットンと混ぜて糸にする」と話す。

 「キセキレーベル」は「エヴィス」のほか、2021年春夏シーズンに沖縄のアロハシャツブランド「パイカジ(PAIKAJI)」とも商品を製作する。

The post キャリア20年のデニム担当も思わず「いいね!」の沖縄発のサステナブルジーンズ appeared first on WWDJAPAN.com.

バロックの「マウジー」からサステナブル素材の新ライン オトナ女性の取り込み狙う

 バロックジャパンリミテッドの「マウジー(MOUSSY)」は、環境に配慮した素材を使った新ライン“エム アンダーバー(M_)”を2020-21年秋冬からスタートした。「マウジー」全店と同社のEC「シェルター ウェブストア(SHEL’TTER WEB STORE)」で販売している。

 体のラインを強調するスリムなシルエットや鮮やかなカラーリングが特徴の「マウジー」に対し、体のラインを拾わず落ち着いたデザインのベーシックアイテムをそろえる。既存のマウジーよりも価格はやや上に設定。2021年春夏の新作は、再生ポリエステルのセットアップ(トップス9500円、パンツ1万円)やオーガニックコットンのガウン(1万2000円)など。商品だけでなく、ブランドタグや下げ札にも再生原料や生分解性素材を使用している。

 ターゲットは30〜50代。20-21年秋冬のブランドビジュアルにはモデルのエリーローズと母の親子を起用した。9月にはバーニーズ ニューヨーク銀座店でポップアップストアを開催し、再生ポリエステルのアイテムを中心に売れ行きは比較的好調だったという。「新ラインでは既存の『マウジー』では接点のなかったお客さまへのアプローチにより、ブランドの可能性を広げていきたい」(担当者)としている。

The post バロックの「マウジー」からサステナブル素材の新ライン オトナ女性の取り込み狙う appeared first on WWDJAPAN.com.

固形シャンプーの「エティーク」から初のフェイスケアが登場 クレンジングと洗顔料をそろえる

 固形シャンプーを展開するニュージーランドのサステイナブル ビューティバーブランド「エティーク(ETHIQUE)」から、初のフェイスケアが登場した。クレンジングと3種の洗顔料バーをライアップする。日本では「トリロジー(TRILOGY)」などの輸入・販売を手掛けるピー・エス・インターナショナル(P.S. INTERNATIONAL)が展開し、11月27日からオンラインストア「エシカミー」で販売している。

 メイク落とし、洗顔料、保湿剤とマルチに使える“エティーク クレンジングバー スーパースター!”(65g、3400円)は、カカオバターやココナツオイルなどを配合し、肌を滑らかに整える。洗顔料バー“エティーク フェイスウオッシュ”からは、クリーミーな泡が特徴で保湿効果の高い“ブリスバー”(110g、3400円)、クレイを配合し毛穴ケアの効果がある“ディープグリーン” (100g、3400円)、スクラブの“クリーンナップ”(100g、3200円)の3種を展開する。

 同ブランドは、エティーク社のブリアン・ウエスト(Brianne West)CEOが、理学部の学生だったときに海洋汚染や地球温暖化に問題意識を持ったことから2012年に設立。プラスチック使用廃止をテーマに、化学物質を使わず天然原料による美容関連製品を開発した。“シャンプー バー”は350mLボトル約3本分、“コンディショニング バー”は同5本分に相当する回数の使用ができるという。これまで600万本以上ものプラスチックボトルを製造、廃棄されるのを防ぎ、25年までに5000万本の削減を目標にしている。

 日本での取り扱いは19年からスタート。新客と共にリピート客が増えているという。広報担当者は、「日本でもSDGsへの関心が高まり、意識の高い女性はエコでナチュラルなものを好むようになってきている。11月から上映している海洋プラスチック問題に焦点を当てたドキュメンタリー映画「プラスチックの海」に協賛し、公開に合わせて2カ所の映画館でシャンプーとコンディショニングバーのサンプリングを実施したところ、とても喜んでいただけた。『エティーク』は、環境に配慮しながら使用感も妥協していないため、リピートが非常に多い」と話す。

The post 固形シャンプーの「エティーク」から初のフェイスケアが登場 クレンジングと洗顔料をそろえる appeared first on WWDJAPAN.com.

“Toxic Positivity(有害なポジティブさ)”とは? 常に前向きじゃなくていい、ファッションも人に寄り添うものに

 “トキシック・ポジティビティ(Toxic Positivity)”という言葉を知っているだろうか。コロナ禍で先が見えない状況を反映して6月ごろから英語メディアを中心に見かけることが多くなった。日本語にすれば“有害なポジティブさ”で、米フロリダ州フォート・ローダーデール拠点のセラピストグループ、ザ・サイコロジー・グループ(THE PSYCHOLOGY GROUP)は「どんな状況下においても幸せで楽観的な状態でいることを過度かつ無益に一般化しすぎること。その結果純粋な感情を否定、矮小化、無効化すること」と定義している。

 同グループは同時に、怒りや悲しみなどネガティブな感情を抑圧し、言葉にしたり表情に出さないことで後に不安やうつ、身体的不調につながる可能性があることを警告している。例えば、落ち込んでいる時に無理やりポジティブに振る舞ったり、元気でないことに罪悪感を覚えてまた落ち込んだりと、元気な状態がデフォルトでなければならないと過度に断定してしまうと逆効果を生むというのである。

 また落ち込んでいる人に対して「元気出して!なんとかなるよ」「そのくらいで済んでよかった」「良いこともあるよ」などと励ますことも純粋な感情から目を逸らせるもので“トキシック・ポジティビティ”になり得るという。ザ・サイコロジー・グループはそのような言葉ではなく落ち込んでいる人を受け入れ、共感し、話を聞くことが大切だと説く。

 なぜ突然この言葉を紹介したかといえば、まず今年は常に元気でいること、そして常に大丈夫な状態であることがいかに難しいかを各々味わった年であるからだ。ファッション業界でいえば、国内の大手アパレル5社だけで3100店舗以上を閉店する見込みだ。そして閉店には人員解雇が伴う。そのような状況で、常に前向きで元気でいることははっきり言って無理だ。

 しかしながら、現実世界では“前向きであること・元気であること”が当然で推奨されるべきこととして扱われる。「頑張って」は元気がない人にとりあえずかける常套句であるし、自粛期間中には外に出られない分、新たなスキルを身につけたり、苦しい状況でも笑顔をたやさず頑張ることがもてはやされた。もちろんポジティブでいられるときにポジティブでいることは悪いことではない。ただ、ポジティブでいられないときの感情も認め、一般化する必要がある。ネガティブな日があるのは当然なこと。自分自身、また他の人に対しても無益にプレッシャーを与えていないか今一度確かめるべきだ。

ファッションができるアプローチとは

 ファッションといえば、人に元気を与えるものと認識されてきた。実際に新しい服やメイクに身を包むことで得られる高揚感は多くの人が経験したことがあるだろう。ただ、元気を与えるアプローチは独りよがりな“元気の押し売り”ではなく人の感情に寄り添い、安らぎや癒しをを与えるアプローチのほうが今は適切かもしれない。コロナ禍により予定より数カ月遅れてオープンしたミヤシタパーク近くのビルボード広告にソフ(SOPH.)が掲げた「まいったな2020」のコピーは多くの反響を呼んだが、これも共感を得たからだろう。

 「ファッションは時代を反映する」とはよく言われたものだが21年春夏シーズンは、華やかさや派手さで元気を与えるというものよりも、圧倒的に安らぎムードが席巻していた。ベージュや白など優しい色使い、ゆったりとしたシルエットや着心地の良い素材が多く登場し、「WWDジャパン」の21年春夏のトレンドブックの副題も“家でも外でも心地よさをまとう”になっている。時代の空気に敏感なデザイナーたちが提案したのは、ネガティブな日も人を優しく包み、無理なく寄り添うファッションだ。

 社会の規範に則れば人々にポジティブでいることを呼びかけるのは企業として当然のようなことのように思われる。もちろんブランドや企業によってはそうしたアプローチを求める顧客もいるかもしれない。しかし今は、いやこれからも、自分たちの顧客は何を求めているのか常に追求し、それに寄り添うアプローチをすべきだ。またファッション業界がもし自らに「常にポジティブなメッセージを発信しなければいけない、そのためには自らも常にポジティブでなければならない」という考えを課しているなら、その考えから自らを解放する必要がある。

The post “Toxic Positivity(有害なポジティブさ)”とは? 常に前向きじゃなくていい、ファッションも人に寄り添うものに appeared first on WWDJAPAN.com.