カリフォルニア州レッドウッドシティーに本拠を置くフリマアプリのポッシュマーク(POSHMARK)は17日、ニューヨークのナスダック・グローバル・セレクト・マーケット(NASDAQ Global Select Market)に新規上場を申請した。米国株式市場におけるクラスA普通株式でフォームS1を申請し、ティッカーシンボルは「POSH」で登録した。市場に出す株式の数や価格帯は明らかにされていない。一部では一億ドル(約103億円)相当の株の売却を検討しているとの推測も上がっている。
20年6月にスワロフスキーの新クリエイティブ・ディレクターに就任したジョバンナ・バッタリア・エンゲルバート(Giovanna Battaglia Engelbert)は、「私の役割は自然な進化をもたらすこと。豊かな文化的背景を持つスワロフスキーのクリエイティブ面を率いていけることを、とてもうれしく思っている」と述べた。なおスワロフスキーが全社的なクリエイティブ・ディレクター職を設けたのは、これが初めてのことだ。
運営会社のグローブライドは、「ダイワ(DAIWA)」の名称で知られる釣り用品メーカーだ。09年に創業50周年を迎えて企業理念を刷新しコーポレートドメインを「A Life time Sports company」と定義した。さらにファッション好きな消費者への認知拡大も目指し、「ダイワ」のクリエイティブディレクターに佐藤可士和を起用するなど新たな試みに着手。そして17年、ファッションに特化したブランドとして「ディーベック」を立ち上げた。
ポーラ・オルビスホールディングスは、グループのトラベルリテール事業を行うため、香港に連結子会社POLA ORBIS Travel Retail Limitedを2021年1月4日に設立することを発表した。資本金は1500万香港ドル(約2億円)。代表(Director and CEO)に、横手喜一ポーラ・オルビスホールディングス取締役 グループ海外展開担当 海外事業管理室長が就く。
加えて新しい試みとして、B to Bのみならず、一般に向けたB to Cのビジネスにも取り組む。渋谷にある佐藤繊維のショールームに来れば、一般の人でも1mからレースを購入することができるようにする(カスタム、オーダーは別)。「個人のデザイナーやアーティスト、舞台衣装の衣裳担当や人形作家などのクリエイターでも購入しやすいように1m以上からは50cm単位で買えるようにする。個人の趣味でモノ作りをしている人でも購入できる。現在約4000種類のストックがあり、廃盤となっている希少なレースも含まれている。在庫は大阪にあるので、翌日以降配送し、工房、家、アトリエで好きなものを作れる。デザイナーたちはこのような特殊なレースがあることを知らないのではないか。インテリアのファブリックでも需要があるかもしれない。誰でもネットでも購入できる環境を考えている。それによりモノ作りのハードルを下げることになればいいと思う」。
佐藤正樹・佐藤繊維社長兼クマムレース代表取締役
旧カツミ産業はこれまで完全にB to Bのビジネスだった。「従来の下請けビジネスでは賃金が低く、後継者が減っていく。自分たちが前に出てきて直接顧客とビジネスをする時代だ。メーカーだからこそできる独自のビジネスを進めていくべきで、ビジネスの在り方が変わりつつある。すでにこれまで佐藤繊維で2社の紡績会社を引き受けているが、現場の職人は一度倒産を経験すると、どんな環境でも乗り越える強い意志を持っている。オーダーでオリジナルのレースを作ることも可能で、クリエイションの幅を広げることもできる。さまざまな分野の人たちに活用してほしいし、今後コラボレーションも積極的に取り組んでいきたい。今後、クマムレースの売り上げの3~5割がB to Cの売り上げになるように持っていきたい」と佐藤社長。
佐藤繊維は、糸づくりの紡績、オリジナルブランドやOEM、ODMにおけるニットプロダクトの開発、寒河江市では、地元の食材メインとするレストランやセレクトショップ「ギア」の運営を行い、素材から小売りまで一気通貫でビジネスを行っている稀有な企業だ。オリジナルブランド「コーン(KONE)」では、中間業者を通さないことでコストを抑え、受注した分のみ生産し商品を直接消費者に届ける“Factory to Closet”によって、余剰在庫をつくらない売り方にもチャレンジしている。川上から川下まで、グローバルにビジネスを行っている同社だからこそ、一度失ったら取り戻せない日本の職人や技術、機械の重要性を訴える。それらを生かして新たなビジネスにチャレンジする同社の取り組みに注目したい。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員