「UCF」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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バイヤー向けにトピックスを拾います。
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今年100年を迎える「グッチ(GUCCI)」は、東京・銀座に旗艦店としては2店舗目となる「グッチ 並木(GUCCI Namiki)」を4月29日に開く。銀座への出店は6店舗目で、並木通りは1964年にセレクトショップの先駆け、サンモトヤマが日本で「グッチ」を初めて扱った所縁の地。入口は2つあり、交詢社通りに面したメインエントランスは1階から入場でき、並木通りに面したエントンスは今秋開業するオステリア(レストラン)専用口となる予定だ。ファサード(正面デザイン)には、これまでもブランドとコラボレーションを行ってきた日本人アーティスト、ヒグチユウコによる擬人化された動物や不思議な生き物たちが描かれている。
「グッチ 並木」はイタリアと日本の要素を融合した内装で、お客さまをゆっくりとおもてなしする空間を目指した。壁面には竹を象ったオリエンタルなモチーフを、床にはヘリンボーン模様の西洋のパターンをミックス。またカーテンで部屋を仕切ることができる設計も特徴だ。1~2階はガラス張りの開放的な空間で、オープン時には生花が飾られる。ドリンクサービスも行い、イタリアらしいブラッドオレンジジュースと、日本の柚子を使ったジュースを提供する。商品はメンズとウィメンズのウエア、バッグ、ラゲージ、アクセサリー、シューズ、ジュエリー、シルク製品、ベルト、ウオッチ、アイウエア、フレグランスを扱う。オープンを記念して、同店限定のヒグチユウコとのバッグや革小物、スカーフ、ウオッチなどをそろえたコラボコレクションを販売する。
今秋には3、4階のフロアをオープン。3階には完全予約制のオーダーメイドサロン“グッチ アパートメント(GUCCI Apartment)”を開き、家具や室内装飾品の「グッチ デコール(GUCCI DECOR)」を紹介。4階にはミシュラン3つ星のシェフ、マッシモ・ボットゥーラ(Massimo Bottura)の名を冠した「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ(GUCCI OSTERIA DA MASSIMO BOTTURA)」を開く予定だ。
感染予防対策のもと行われたプレビューには、小雪や浅野忠信、市川染五郎、磯村勇人、MIYAVI、三吉彩花、冨永愛、玉城ティナ、桜田通、長谷川京子、滝沢眞規子、海老原友里、堀田茜、前田敦子、ZEN、蜷川実花、よしあき、ミチ、マドモアゼルユリア、弥生らが来場した。プレビューのために特設された3階のスペースでは、23日にmilet、24日に夏木マリがパフォーマンスを披露した。
■グッチ並木
オープン日:4月29日
営業時間:11:00-20:00
住所:東京都中央区銀座6-6-12
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「ヌメロ トウキョウ(Numero TOKYO)」の田中杏子編集長はこのほど、新プロジェクト「ラビトン(RABBITON)」を始動した。“注目するモノ・コトに“ビックリマーク‼︎”を付け、みんなの視線を集める”をコンセプトに、田中が注目するファッションブランドやカルチャー、アート、建築、社会活動などを発信していく。プロジェクトのロゴは、ビックリマークに口と舌を加えてウサギのように見えるデザインに仕上げた。
第1弾では、「カラー(KOLOR)」とのコラボレーションTシャツを発表。同ブランド定番の厚地のコットンTシャツをベースに、「ラビトン」のロゴマークを大胆に配した。「ラビトン」公式サイトではブラック×ホワイト、ホワイト×レッド、ホワイト×ブラックの3色が販売中だ。そのほかランド オブ トゥモロー 丸の内店や心斎橋パルコ店などで扱う。価格は税込2万3100円。
田中は、「『カラー』は『ヌメロ トウキョウ』の誌面やスタイリングの仕事でお世話になっているブランドで、個性的でありながら幅広い層の人が楽しめるデザインが大好き。特にT シャツやトレーナー、キャップのグラフィックにはいつも心惹かれている」とコメントした。
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「ヌメロ トウキョウ(Numero TOKYO)」の田中杏子編集長はこのほど、新プロジェクト「ラビトン(RABBITON)」を始動した。“注目するモノ・コトに“ビックリマーク‼︎”を付け、みんなの視線を集める”をコンセプトに、田中が注目するファッションブランドやカルチャー、アート、建築、社会活動などを発信していく。プロジェクトのロゴは、ビックリマークに口と舌を加えてウサギのように見えるデザインに仕上げた。
第1弾では、「カラー(KOLOR)」とのコラボレーションTシャツを発表。同ブランド定番の厚地のコットンTシャツをベースに、「ラビトン」のロゴマークを大胆に配した。「ラビトン」公式サイトではブラック×ホワイト、ホワイト×レッド、ホワイト×ブラックの3色が販売中だ。そのほかランド オブ トゥモロー 丸の内店や心斎橋パルコ店などで扱う。価格は税込2万3100円。
田中は、「『カラー』は『ヌメロ トウキョウ』の誌面やスタイリングの仕事でお世話になっているブランドで、個性的でありながら幅広い層の人が楽しめるデザインが大好き。特にT シャツやトレーナー、キャップのグラフィックにはいつも心惹かれている」とコメントした。
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ドン・キホーテは、新コスメブランド「コスパレード(COSPARADE)」を立ち上げ、全国のドン・キホーテ系列店舗(一部店舗を除く)で順次販売を開始する。ハトムギエキスを使用したスキンケア用品など“コスパ”“品質”にこだわった商品ラインアップを展開する。
「コスパレード」はコストパフォーマンスの高いコスメを、まるでパレードを楽しむようにワクワクしながら日々の生活に取り入れてほしいと誕生した。第1弾商品としてハトムギ種子エキスのほか、9種のオーガニック植物エキスを配合した“ハトムギスキンケアシリーズ”が登場する。洗顔フォーム(328円)、クレンジングオイル(878円)、クレンジングジェル(878円)、スキンミルク(658円)をそろえ、肌を潤いで満たしてくれる。
そのほか、7種の保湿成分を配合し、しっとり潤うクレンジングシート “ピュアクア ウォータークレンジングシート”(50枚入、328円)、マスク擦れや汗や皮脂によるメイク崩れを防ぎ、メイク直後のきれいな状態をキープする“メイクホールドミスト”(658円)も販売する。
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花王のスキンケアブランド「ソフィーナ iP(SOFINA IP)」と乾燥性敏感肌向けブランド「キュレル(CUREL)」は、全国の医療機関計100カ所を対象に、医療従事者1万人に製品を無償提供した。
同社は医療従事者に向けてこれまで2度の無償提供を行っており、前回は「めぐりズム」「バブ」「キュレル」「アトリックス」など花王グループの製品3~4品を提供。今回は、「ほっとした心安らぐ時間を過ごしてほしい」と、「ソフィーナ iP」から“ベースケアセラム<土台美容液>”のミニ缶、“クロロゲン酸タブレット”1袋、「キュレル」から“潤浸保湿 化粧水”“潤浸保湿 乳液”“ジェルローション”のミニセットを提供した。
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「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの2021年3月期決算は、商品取扱高(GMV)が前期比21.5%増の4294億円、売上高が同17.4%増の1474億円、営業利益が同58.3%増の441億円、経常利益が同60.6%増の443億円、純利益は同64.5%増の309億円だった。コロナ禍でデジタルシフトが加速。特に上期は広告費を抑制したにも関わらず、出店テナントのブランドが在庫を寄せたことで、取扱高が大きく伸び、売上高総利益率(対GMV)は1.3ポイント改善の34.3%に向上。利益面の増加を後押しした。
GMVの伸びをけん引しているのが新規会員の増加で、21年3月末のアクティブ会員数は1年前に比べて129万人も増加し、813万人にまで拡大した。ゲスト購入者も加えた年間購入者の合計は948万人になり、22年3月期での1000万人の大台突破が見えてきた。ただ、ユーザー数の拡大により、商品単価と出荷単価の下落も進んだ。21年1〜3月の商品単価は1年前に比べて4.1%ダウンの3748円、出荷単価は同3.7%ダウンの7991円だった。「新規ユーザーは初回購入で単価の低いアイテムを購入する傾向があるため」(柳澤孝旨副社長CFO)。
GMVで大きく伸びたのがペイペイモールで、年間の取扱高は281億円になった。澤田宏太郎社長兼CEOは「上期はそれほど振るわなかったものの、下期に入ってZホールディングス側が積極的なプロモーションを行ったことで、ものすごく伸びた。こちらの想像以上にリピーターが多く、定着率が高い。懸念していた『ゾゾタウン本店』とのカニバリズムも少なく、今期(22年3月期)も期待できる」という。
22年3月期の見通しはGMVが前期比12.7%増の4728億円、売上高が同10.3%増の1626億円、営業利益が同8.3%増の478億円、経常利益が7.7%増の478億円、純利益が同7.7%増の333億円になった。
また、今期からは出店テナントであるブランドの店頭支援を本格化する。今期中には、出店テナントのブランドの店頭販売員がライブコマースやチャット接客のできる新アプリ「FAANs(ファンズ)」のローンチも計画しているという。「ゾゾタウン以外の収益機会を増やしていきたい」(澤田社長)考え。
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「グッチ(GUCCI)」は、今年100周年を迎える。しかし、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターは、そんな歴史あるブランドを「何度も生まれ変わり、再生し続ける幼い子ども」と捉え、「いくつもの人生を経ても、これほどの人気を保ち続けていることは驚くべきことだ」と話す。4月15日にデジタルプラットフォームで映像作品を通して発表された最新コレクション“アリア(ARIA)”でも、伝統を受け継ぎながら変化や再生によって新たな可能性を探求する彼のアプローチは際立っていた。同コレクションは、数カ月以内に中国・上海でも披露される予定だ。
約1年前にコレクションのペースを変えることを発表して以来、「グッチ」はファッション・ウイークから離れ、独自のスケジュールでコレクションを発表している。その決断により、パンデミックの厳しい状況や映像の準備に追われた日々があっても、ミケーレは活気に満ちていて幸せだという。「コレクションに自然なリズムをもたらすことで自由を感じた。もちろん、このような独自のペースで歩むことはより大きな責任を伴う。だから、会社に神経を注ぎ、丁寧にブランドをポジショニングしたいと考えているんだ。(ファッション業界には)とても民主的な動きが見られ、デザイナーたちは他のブランドを妨げないような方法で自身の手掛けるブランドをポジショニングしている」。
そして、彼のポジティブなムードが反映された映像作品は、視聴者に強いインパクトを与えることを意図していたと明かす。「私は異なる“言語”を扱い、それらを混ぜ合わせり、そこから形作ったりするのが好き。ガス(2020年11月に発表されたコレクションの映像作品を監督したガス・ヴァン・サント)と取り組んだ後、ブランドの100周年を祝いたいと思った。『グッチ』は単なるファッションではなく、その本質であり、人生でもある。そして、高い人気を得ていることが大きな強みになっている。『グッチ』は、映画やその登場人物であり、歌やポップスター、そして世界でもあるんだ」と話す。
実際、フローリア・シジスモンディ(Floria Sigismondi)と共に監督した今回の映像のサウンドトラックには、リル・パンプ (Lil Pump)の「Gucci Gang」やリル・ヨッティ (Lil Yachty)をフィーチャリングしたバッド・ベイビー(Bhad Bhabie)の「Gucci Flip Flops」など、同ブランドに捧げられた数々の曲がミックスされている。現在、「グッチ」という言葉を使った曲は実に2万2000曲以上もあり、彼はその数に驚いたとしつつも「この名前には、そうなるにふさわしい力強さがある。『グッチ』は魔法の言葉のようなものだ」と語る。
また、1995年に起きたマウリツィオ・グッチ(Maurizio Gucci)の殺害事件について触れると、レディー・ガガ(Lady Gaga)がマウリツィオの殺害を命じた元妻のパトリツィア・レッジアーニ(Patrizia Reggiani)を演じる映画「ハウス・オブ・グッチ(House of Gucci)」(2021年公開予定)も話題に。すでに注目を集めている同作については、「グッチの高い人気を反映している」と評価する。
そんなミケーレの目に映る「グッチ」の“自然な再生”は、「ファッションは終わっていないし、ファッション・ウイークとは関係なく、終わることは決してないということを示している。ファッションは人生の表現であり、自分自身で管理できるものだ」とコメント。そして、「実験することへの情熱を再び見出した。この数カ月は困難で、今では友人に会うことさえも大きな価値を持つ。私たちは、多くのことを当たり前だと思っていたからね」と続ける。
映像の制作自体は「『グッチ』への愛と意志の力の表れ」であり、「そこには、モデルを現地に呼び、彼らやスタッフを検査し守るという大変な努力があった」という。しかし、彼にとって「グッチ」は「偉大な神であり、煙がのぼる火山。だから、決して賛辞のトーンを下げてはいけない。それは、武勇伝から悲劇まで何百万もの物語から成るファッションの神話のようなものだ」とし、努力するだけの価値があったと説明する。
また、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデムナ・ヴァサリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターにも敬意を表し、彼が確立したシルエットを“ハッキング(侵略)”して“グッチ化”。例えば、パワーショルダーのコートにGGマークをあしらったり、輝くスパンコールのスーツに両ブランドのロゴを並べたり。ウエアだけでなく、アイコンバッグに他方の象徴的な柄をのせたアイテムも登場した。この取り組みに関する噂がコレクション発表数日前に流れたことに関しては、「私たちはこのデザインで観客を驚かせたかったし、その反応を想像して2人で笑っていたので、ニュースが流れてしまい残念だった」とコメント。ブランドの外にある世界との対話という実験を続けていくことを目指すミケーレは、「クリエイティビティーは、対話や継続的な実験、自由を意味する。閉ざされた空間であるアトリエを飛び出し、認知度の高い2つのブランドの特徴的な要素やロゴを混ぜ合わせるのは、とてつもなく冒涜的な遊びをしているように感じた」と振り返る。“ハッキング”という言葉には、トム・フォードによる再生や、自身による新章の幕開けなど、新しいものを“上書き”することで再生し続け、100年生き続けたメゾンのアイデンティティへの敬意の念も込めた。
そして、デムナと組んだ理由については、「私は、実際に知っている人や自分の人生の一部である人と一緒に仕事をするのが好き。ファッションはインスピレーションではなく、連続するハプニングだ。デムナのことはよく知っていて、彼の才能を認めているし、私たちにはたくさんの共通点がある」とコメント。「(デムナによる『バレンシアガ』の)デビューショーは素晴らしく、感銘を受けた。とても気に入ったし、心に残るものがあるショーだったよ」と続ける。そういった「バレンシアガ」の要素を再解釈するのは楽しかったというが、その要素は「創業者のクリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)が生み出したデザインとも異なるもので、厳格で魅惑的な服を作る偉大なクチュリエであった彼はおそらくこのようなことを認めなかっただろう」と話す。
さらに、“アリア”コレクションでは全体を通して、“バンブー”バッグや“フローラ”パターン、ホースビットといった「グッチ」の歴史を物語るデザインも打ち出した。「戦後まもなく生み出された“バンブー”バッグの現代性と優れたスタイルは、まさにデザインにおける発明だ」と、ミケーレは称賛。長年にわたってビンテージの“バンブー”と収集してきたといい、「それはブランドを代表するアイテム。コレクションをスタイリングしているときに、いくつかはその場で装飾し直した」という。さらに歴史をさかのぼると、1800年代後半にまだ10代だった創業者グッチオ・グッチ(Guccio Gucci)は、ロンドンのサヴォイ・ホテル(Savoy Hotel)で働いていた。そこで見た豪華なトランクやスーツケースに感銘を受け、自身の名を冠した会社を立ち上げることを決意したという逸話もある。コレクションに“サヴォイ・クラブ(Savoy Club)”という言葉が登場するのは、そのためだ。数え切れないほど「グッチ」のデザインソースとなっている馬術の世界から着想を得たデザインも多い。「できることなら、グッチオ・グッチに会ってみたかった。彼は独創的なアイデアに溢れる人で、おそらく気付かぬうちに神話を生み出していたのだろう」。
その一方で、解剖学模型の心臓のようなスパンコールのクラッチなどミケーレらしい要素も目を引いたが、「これはミステリアスに鼓動を刻みながら輝く、ブランドのポップな心臓。最後のシーンで宙に放り投げられるのは、『グッチ』の未来がどんなものになるかは分からないということのメタファーだよ」と明かす。
映像作品の共同監督を務めたことについて尋ねると、彼は「いかにイメージを通して自分が心の中で思い描くものに命を吹き込むかという、ストーリーテリングが好き」と回答。作品では、登場人物たちはサヴォイ・クラブへと入っていくが、カメラのフラッシュやライトが眩しく光るランウエイを歩いて出口を抜けると、自然の中にたどり着く。そこに広がるのは、モデルが宙に浮かぶなどさまざまな意味で高揚感を感じさせる瞬間。「これは私たちが開きたい真のパーティーのための瞬間であり、“アリア”は酸素だ」という。そんなスローモーションで流れる幻想的な世界の中で、ミケーレは春の終わりの発表に先駆けて、新作ハイジュエリー・コレクションのデザインにも光を当てた。その背景を「金庫に閉じ込めておくのではなく、すべてを生き返らせなければいけない。私はジュエリーに熱い思いを抱いていて、ジュエリーは私たち家族の歴史でもある。ブランド同様に、決して息絶えることはない」と説明する。そして、「ものに対する大きな情熱を持っていることは幸運だよ。他にできる仕事は何もなかっただろうからね」と笑顔を見せた。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
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「ディオール(DIOR)」は4月28日、“ルージュ ディオール フォーエヴァー リキッド”を全国発売する。価格は税込4950円。
同製品はマスクが欠かせない時代のメイクに関する悩みやニーズに着目し、マスクに色移りしにくい “マスクプルーフ”をかなえるリキッドルージュだ。柔軟性と通気性に優れた極薄のフィルムを唇表面に形成することで、軽いつけ心地と長時間美しい仕上がりが持続するロングラスティングを実現した。花びらをかたどったアプリケーターは最適な量のリキッドを含み、リップラインも美しく塗布できる。カラーは素肌感のある仕上がりのナチュラルベージュや気品あふれるローズウッドなど、全11色をラインアップする。
kemioが新ルージュをまとい、その魅力とマスクプルーフを表現した。SNSを駆使しグローバルに活躍するkemioの表現を通じてニューノーマルな生活に対応する製品の魅力と新しい美しさを提案する。
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通称「オスカー(Oscars)」こと「第93回アカデミー賞(93rd Academy Awards以下、アカデミー賞)」の授賞式が4月25日夜(現地時間)、ロサンゼルスのドルビー・シアターとユニオン・ステーションで開催された。作品賞は家を持たずに車で暮らす労働者を描く「ノマドランド(Nomad Land)」が受賞。同作品を手掛けるクロエ・ジャオ(Chloe Zhao)監督が監督賞に輝き、女性として2人目の受賞となった。
新型コロナウイルスの影響で2カ月延期して開催となったものの、現地にはドレスアップした俳優陣らが駆けつけた。会場に華を添えたレッドカーペットルックをお届けする。
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レッドカーペットでの装いに定評のある俳優のゼンデイヤ(Zendaya)は、今回はプレゼンターとして参加。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の流れるようなビビッドイエローのドレスをチョイスした。首元に光る「ブルガリ(BVLGARI)」のジュエリーとおろしたヘアで気取らずにスタイルアップした。
レッドカーペットでの装いに定評のある俳優のゼンデイヤ(Zendaya)は、今回はプレゼンターとして参加。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の流れるようなビビッドイエローのドレスをチョイスした。首元に光る「ブルガリ(BVLGARI)」のジュエリーとおろしたヘアで気取らずにスタイルアップした。
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レジーナ・キング(Regina King)は、制作に160時間を要したというクラフトマンシップが光るドレスで登場した。ジュエリーはダイヤモンドブランド「フォーエバーマーク(FOREVERMARK)」から、指輪やブレスレット、イヤリングを着用した。
レジーナ・キング(Regina King)は、制作に160時間を要したというクラフトマンシップが光るドレスで登場した。ジュエリーはダイヤモンドブランド「フォーエバーマーク(FOREVERMARK)」から、指輪やブレスレット、イヤリングを着用した。
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主演女優賞にノミネートされたヴィオラ・デイヴィス(Viola Davis)は、胸元を切り抜いたデザインが特徴の「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」のドレスを選択。ロング丈の流れるようなスカートで、エレガントさに今時な雰囲気を添えた。
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コールマン・ドミンゴ(Colman Domingo)は、スパンコールで装飾された華やかなビビッドピンクのセットアップを着用。ゴールドのボタンを使った「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のスーツに、ジュエリーもゴールドで合わせてアクセントを加えた。
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一際注目を浴びたのは、「サンローラン(SAINT LAURENT)」のジャンプスーツを着用したラキース・スタンフィールド(Lakeith Stanfield)。2021年春夏コレクションからウィメンズのルックを参考に、70年代を彷彿とさせるスーツに白いブラウスで仕上げた。
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キャリー・マリガン(Carey Mulligan)は、ボリュームのあるゴールドの「ヴァレンティノ」のドレスで出席した。メタリックな素材を生かしたゴージャスなルックだ。2021年のオスカーでは明るい色があふれ、キャリーもそのトレンドを牽引した。
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「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」のクチュールライン「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」の真っ赤なドレスで登場したのは、米俳優で歌手のアマンダ・サイフリッド(Amanda Seyfried)。素材を生かした華やかな胸元に、赤いリップとまとめ髪でシックに仕上げた。ジュエリーは「フォーエバーマーク」のイヤリングと指輪、バングルを着用。
「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」のクチュールライン「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」の真っ赤なドレスで登場したのは、米俳優で歌手のアマンダ・サイフリッド(Amanda Seyfried)。素材を生かした華やかな胸元に、赤いリップとまとめ髪でシックに仕上げた。ジュエリーは「フォーエバーマーク」のイヤリングと指輪、バングルを着用。
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リズ・アーメッド(Riz Ahmed)は、「プラダ(PRADA)」の黒いスーツセットをチョイス。トップスもシンプルで、ミニマルなデザインが特徴のシューズでクールに締めた。
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ローラ・ダーン(Laura Dern)は、フェザー加工が施された「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」のドレスで登場した。ベルベットの黒いトップスで、バランスの取れたスタイリングに仕上げた。ジュエリーは、イタリア発ジュエラー「ポメラート(POMELLATO)」を着用。
ローラ・ダーン(Laura Dern)は、フェザー加工が施された「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」のドレスで登場した。ベルベットの黒いトップスで、バランスの取れたスタイリングに仕上げた。ジュエリーは、イタリア発ジュエラー「ポメラート(POMELLATO)」を着用。
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ジャオ監督は「エルメス(HERMES)」のニットのセットアップに、白いスニーカーというスタイルで登場。洗練された彼女らしさが生きたルックだ。
ジャオ監督は「エルメス(HERMES)」のニットのセットアップに、白いスニーカーというスタイルで登場。洗練された彼女らしさが生きたルックだ。
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ブルガリア出身のマリア・バカローヴァ(Maria Bakalova)は、カスタムメイドの「ルイ・ヴィトン」のドレスで登場。ロマンチックで優しい雰囲気を持つスタイリングに仕上げた。
ブルガリア出身のマリア・バカローヴァ(Maria Bakalova)は、カスタムメイドの「ルイ・ヴィトン」のドレスで登場。ロマンチックで優しい雰囲気を持つスタイリングに仕上げた。
ブルガリア出身のマリア・バカローヴァ(Maria Bakalova)は、カスタムメイドの「ルイ・ヴィトン」のドレスで登場。ロマンチックで優しい雰囲気を持つスタイリングに仕上げた。
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歌曲賞を受賞したH.E.R.(ハー)は、「デュンダス(DUNDAS)」のカスタムメイドのジャンプスーツを着用した。コバルトブルーのセットアップに、同色のフード付きのケープを纏って登場。シアーな素材を生かしたヘルシーなセクシーさを持つスタイリングに、アクセサリーとしてパープルのサングラスを合わせた。
歌曲賞を受賞したH.E.R.(ハー)は、「デュンダス(DUNDAS)」のカスタムメイドのジャンプスーツを着用した。コバルトブルーのセットアップに、同色のフード付きのケープを纏って登場。シアーな素材を生かしたヘルシーなセクシーさを持つスタイリングに、アクセサリーとしてパープルのサングラスを合わせた。
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「ヴォーグ(VOGUE)」などを発行する米コンデナスト(CONDENAST)によるビューティ雑誌「アルーア(ALLURE)」は、4月22日の「アースデー(EARTH DAY)」に際して、パッケージのサステナビリティをめぐる用語の使用について再考した。
多くのプラスチックの容器がリサイクル可能ではあるものの、実際9%ほどしかリサイクルされていないという報告をもとに、“リサイクルが可能なプラスチック”という言葉の使用をやめる。ほかにも“地球に優しい”“環境に優しい”“エコフレンドリー”“生分解性”といった表現も雑誌内での使用を禁止にする。生分解性は微生物の働きによって製品や素材が無機物まで分解されることを指すが、この働きに時間の制限を明記していないことやほとんどのゴミ処理に使われる埋立地には分解に要する十分な酸素が足りていないと指摘する。
“堆肥化が可能”という表現は、一般的なコンポスターで約90日間のうちに分解できるものとその過程で土壌の有毒性がゼロになる製品のみに適用する。環境に優しいことにしばしば用いられる“グリーン”という表現も、文字通り製品の色味を表す時のみに使用する。まずはパッケージにまつわる言葉から再考し、段階的に成分に関する用語も見直していくという。
ジェニー・バイリー(Jenni Bailly)「アルーア」エグゼクティブ・ビューティ・ディレクターは、「過去数年間にわれわれがみたサステナビリティについての調査の中で、多くの言葉や表現がそれほどの意味を持たず使われていると感じた。耳触りの良い“バスワード(流行語)”が多用されている。現実とは違って、よりドラマチックな印象を与えているのではないか。こうした言葉の使用について立場を明確にしなければいけない。より多くの消費者が理解を深め、用語について考え始めることを願っている。購買活動は今や投票と同じ働きを持つ」と語った。
2017年には同媒体は、「加齢はいたって自然なことにもかかわらず、良くない・抗うべきものだとする考えを助長している」という理由をもとに、“アンチエイジング”という用語の使用を廃止した。「当時の編集長とともに、加齢についての考えを変えるには、まず年をとるということについて話すときの言葉を変えるべきだと話し合った。今、サステナビリティも、考え方の視点を変えるべき地点にある。まずは言葉や表現を考え直したい」と述べた。
「アルーア」はストア・グループ(STOUR GROUP)とライセンス契約し、21年秋、実店舗をオープンする。ニューヨーク市マンハッタンのラファイエット・ストリートに約260平方メートルを有する2階建の店舗を構え、300ほどのビューティやヘアケア、スキンケア製品をそろえる予定だ。
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4月24日、デザイナーのアルベール・エルバス(Alber Elbaz)氏が死去した。59歳だった。同氏のベンチャー事業、AZファクトリー(AZ FACTORY)のパートナーであるコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)によれば、死因は新型コロナウイルスによるものだという。
エルバス氏はモロッコ生まれのイスラエル育ち。1980年代半ばにニューヨークに移住し、ブライダル会社を経て、ジェフリー・ビーン(GEOFFREY BEENE)に入社。シニアアシスタントとして7年間勤務した。96年に「ギ ラロッシュ(GUY LAROCHE)」に入り、その才能が注目を集め、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の後継者として「リヴ・ゴーシュ(RIVE GAUCHE)」を引き継いだ。2001年から「ランバン(LANVIN)」のアーティスティック・ディレクターを14年間務め、復活に導いたことで知られる同氏は、新ブランド「AZファクトリー」のデビューコレクションを21年1月に発表したばかりだった。
明るくユーモアのある人柄だったエルバス氏は友人も多く、その突然の死にファッション業界は悲しみに包まれている。同氏を悼む企業トップやデザイナーらの声を紹介する。
ヨハン・ルパート(Johann Rupert)=リシュモン会長
「アルベールの突然の死に、大きな衝撃と悲しみを感じている。その知性、繊細さ、温かく寛容な心、美的感覚、そして尽きることのないクリエイティビティーに常に感銘を受け、圧倒されていた。彼が夢を実現するべく取り組んだ最後のブランドで協業できたことを心から光栄に思う。当社とAZファクトリーを代表し、アルベールのご家族やご友人の皆様にお悔やみを申し上げる。私個人としても、同僚であり最愛の友人を失ってしまった」
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)会長兼最高経営責任者(CEO)
「エルバス氏の突然の死によって、ファッション業界は輝かしく感性豊かなデザイナーを失ってしまった。その新鮮かつエレガントなクリエイティビティーは、ファッションの世界に永続的な影響を与えた。彼はフランスの最も古くてアイコニックなブランドの一つ(である『ランバン』)に、新たな息吹をもたらしてよみがえらせた」
フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)=ケリング(KERING)会長兼CEO
「親愛なる友人、アルベールの訃報に際し、深い悲しみを覚えている。人間味豊かでユーモアに満ちていた彼は、誰からも愛されていた。クリエイティビティーの面においても、フェミニンかつモダンなスタイルは天才的だと多くの人々から敬愛されていた」
ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)
「エルバス氏が亡くなったと聞き、大きな悲しみを覚えている。彼はファッション業界に残る、数少ないプロフェッショナルの一人だった。クリエイティビティーにあふれ、女性を美しく見せる優れた腕を持っていた。以前どこかの空港で偶然会った際には足を止めて私の作品を褒めてくれたが、それが本心からの言葉だと伝わってきた」
マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)「ディオール(DIOR)」アーティスティック・ディレクター
「アルベールのファッションへの大きな功績の一つとして、グラマラスさを文化的かつフェミニンで、楽しく人間味のあるものとして再解釈したことが挙げられる。彼は、常にそれを着る人を念頭にデザインをした。また彼が『ランバン』を現代的によみがえらせたことは、私を含め、伝統あるメゾンでクリエティブ・ディレクターを務める全てのデザイナーの素晴らしい手本となっている。以前アルベールと食事をした時のことだが、彼は同席した私の母と意気投合し、3人で楽しいひとときを過ごした。翌日、アルベールから母に美しい花束が届き、母はそのお礼に手作りのジャムを贈った。私はアルベールのことを、そうした親しい友人、家族の一員として覚えておきたい」
ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)
「アルベールはとても優しく、寛容で謙虚な人だった。イベントや街で会うと、いつもそれは温かな挨拶をしてくれて、古い友人同士のように楽しく談笑した。彼はデザイナーとしても素晴らしく、女性が自分を美しいと感じられる、着心地のいい服をデザインした。近年、アルベールはファッションが大げさでうるさいものになってしまったのではと懸念し、“囁き”のようなデザインを好むと言っていた。彼の美しい“囁き”は、今後も長く愛されることだろう」
ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)「ヴァレンティノ(VALENTINO)」クリエイティブ・ディレクター
「ファッション界は最も大きな宝の一つを失い、私は誠実で特別な真の友人を失った。私がクリエィティブ・ディレクターとして歩み始めた頃、彼は誰よりも私を歓迎してくれた。彼の手による美しいデザインは、その活発で個性的な、生きる喜びに満ちた魂が込められている。アルベールがいなくなってとても寂しいが、その比類のない美しさを持つ作品を観賞することで、少しは慰められると思う。彼のビジョンや作品は、これからも私たちをインスパイアしてくれるだろう」
ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)
「アルベールの突然の訃報がとても悲しく、大きなショックを受けている。彼は天才的で、あらゆる意味で優れたクリエイターだったが、誰よりも優しくて、寛容で、遊び心に満ちた人だった。ファッション界で最も素晴らしい才能を持つデザイナーの一人だった彼の作品は永遠に残り続けるし、彼自身も人々の心の中で永遠に生き続けるだろう。本当に寂しいし、とてつもなく悲しいニュース」
リック・オウエンス(Rick Owens)
「本当に悲しい。アルベールの温かな人柄や比類のない才能が失われたことは、ファッション界に大きな穴を残すだろう。彼は近所に住んでいたので、我が家のテラスで私の母の手作りクッキーを食べながらよく談笑したものだ。彼と母が会う機会がなかったことが残念だ」
トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)
「アルベールとは1990年代からいい友人で、彼のユーモアに満ちた人柄と地に足のついた態度が大好きだった。『ランバン』をよみがえらせた手腕が素晴らしいことは言うまでもないが、その際に消費者の声に耳を傾け、いかに実現していったのかを説明する様子に感銘を受けた。彼がトレードマークの蝶ネクタイ姿で、それは熱心に語っていたことを鮮やかに覚えている。彼がいなくなってしまい、多くの友人やファンたちが寂しく思うことだろう。今日は本当に悲しい日だ」
ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)
「アルベールは才能にあふれていて、女性を美しく見せるにはどうすればいいのかを深く理解していた。いなくなる前に、彼は新たな世界に適合した夢のようなコレクションを見せてくれた。ありがとう、アルベール!」
クリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)
「アルベールは、自由で美しい魂の持ち主だった。既存の枠にとらわれない発想や行動をするだけでなく、全力で仕事に取り組んでいた。彼は卓越したクリエイティビティーとリアルな視点のあるファッションを敬愛していた。そうした意味で、彼は私やさまざまなデザイナーの手本であり続ける。アルベール、君は唯一無二の素晴らしいクチュリエとして、そして本当にいい人として、みんなの記憶に残るだろう」
ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)
「アルベールは輝ける光のような存在で、素晴らしい仲間であり、あふれんばかりの才能の持ち主だった。そのレガシーはファッションの歴史に刻まれるだろう。ご家族、ご友人の皆様に心からのお悔やみを申し上げる」
トム・フォード(Tom Ford)
「アルベールの訃報に、大きなショックと深い悲しみを覚えている。彼は人間的に素晴らしい人だった上に、才能あふれる偉大なデザイナーだった。本物の紳士だった。優しくて、面白くて、知的で、偽りのない温かさがある彼と会うのはいつでも嬉しい出来事だったし、誰もがそう感じていたと思う。彼がいなくなってしまい、本当に寂しい」
ダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane von Furstenberg)
「アルベールとは、彼がジェフリー・ビーンのアシスタントをしている頃に出会った。当時、私が結婚式に出席するためにロンドンに行く際、ペールグリーン色でギンガム柄のシルクのコートと、ホルタードレスを作ってくれた。それは予想外の組み合わせでいて、とても美しかった。その後、もっと親しくなってから、実は私のところに仕事の面接を受けに来たことがあると教えてくれたが、私はそのことを覚えていなかった。損をしたのは私のほうね。彼は才能のあるデザイナーで、ディテールにこだわりがあり、とても美しい服を作った。いなくなって、本当に寂しく思う」
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春本番を迎え、ランニングが気持ち良い時期が到来した。健康意識の高まりからランニングに興味を持つ人が増え、記録更新を目指す人から楽しさを優先する人まで、ランニングスタイルも多様化している。そんな中、「ニューバランス(NEW BALANCE)」の人気シリーズ“フューエルセル(FUELCELL)”から幅広いランナーに向けた新作“フューエルセル レベル ブイツー(FUELCELL REBEL V2)”が登場。弾むような反発性のミッドソールと、左右非対称に配置したシューレースホールによるフィット感、軽量性と耐久性に優れたアウトソールで、あらゆるランナーの足下をサポートする。ランニングを日常に取り入れ同シューズの魅力を知る、青山にあるセレクトショップ「レショップ(L'ECHOPPE)」コンセプターの金子恵治さんと、ミツロウや樹脂で記憶の断片を描くアーティストの中瀬萌さんに、走ることについて話を聞いた。
「レショップ」金子さんの
「服との距離が
ちょうど良くなる走り」
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ファッションへの造詣の深さを感じるアイテムセレクトと店構えのユニークさが話題を呼び、いまや東京を代表するセレクトショップの一つとして名を広げる「レショップ」。コンセプターの金子恵治さんは、バイイングからオリジナル商品の企画、SNS出演まで幅広く業務を担当。しかし、多忙な日々を送る中でも、ランニングは欠かさないという。そんな彼のランニングアイテムの選び方と、仕事との向き合い方を“ちょうど良くする”ランニングとは。
WWD:走り始めたきっかけは?
金子恵治「レショップ」コンセプター(以下、金子):もともと自転車にハマっていて、シクロクロス(オフロードを走る自転車競技)を6〜7年やってきました。そこから「もっと気軽に運動したい」との思いから自転車仲間と走るようになり、皇居を中心に週に2回ほど10キロ程度のランニングをしていました。「レショップ」をスタートした2015年から仕事が忙しくなりましたが、それでも週4で走るときもあります。
WWD:ランニングで何が得られる?
金子:一番はバランスです。実は会社員をしていたとき、社内で一番社販をするような“服バカ”だったんです。でも、あるとき社内の先輩に「洋服だけじゃダメだ」と言われてしまって(笑)。そこで、体を動かすことを趣味にして、洋服と運動に半分ずつ打ち込むようになりました。そのおかげで興味の幅も広がったし、生活のバランスも良くなったと思います。忙しいときほどランニングするように意識していて、海外出張でも走っています。買い付けのため1カ月ほど滞在するパリ出張では、朝にモンマルトルの坂を駆け上がり、街を一望するのが日課になっていました。
WWD:“フューエルセル レベル ブイツー”を履いた感想は?
金子:まずカラーリングが良いですね。ランニングシューズでは自分の好みにハマるカラーが少ないんですが、これは気に入りました。普段はクラシカルなアイテムや落ち着いた色に手を出しがちなのですが、このカラーは派手だけど自分のスタイルに取り入れられそうです。「レショップ」はUSアーミーの要素を落とし込んだオリジナルのランニングウエアを作っていて、それとも相性が良い。アッパーは涼しげな透け感があって、お気に入りのソックスのロゴも見せられるし、ショーツとも合わせやすいです。
WWD:機能面の印象は?
金子:フィット感に驚きました。足の幅と長さにピタッとフィットして、無駄な遊びがありません。でも締め付けは全くなく、快適です。ソールのクッションは柔らかめなので、コンクリートランや脚をいたわりたいときに重宝しそうです。
WWD:店からランニングカルチャーを伝えていきたい?
金子:そうですね。必ずしもガチである必要はなくて、「ランニングウエアがかっこいいから着てみたい」という動機でスタートしてもいいと思っています。結果的に運動につながりますし、ランニングアイテムを軸にして普段のファッションを楽しむのも面白い。自分自身、走ることで世界が広がって、それまで興味がなかったスマートウオッチやランニングウエアなど、魅力的に思えるアイテムが確実に増えました。これからもスポーティーなアイテムや健康に良いものを仕入れて、アイテムという“モノ”から、ランニングという“コト”の楽しさも発信していきたいです。
ランニングで「脳に余白を作る」
アーティストの中瀬さん
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中瀬萌さんは、ミツロウと樹脂を使う、美術史の中で最も古いと言われる絵画技法“エンカウスティーク”を独自に解釈して作品制作を行うアーティスト。絵を描く時間を「ひたすら自分自身と向き合うこと」だと話す彼女の日課は、アトリエのある山中や自宅近くの河川敷でのランニングだ。彼女の考えるランニング哲学とは。
WWD:ランニングをする理由は?
中瀬萌(以下中瀬):走る理由は2つあって、1つは制作のためです。数年前、夜中まで作品を作ったり、アドレナリンが出て夜に寝付けなかったりすることがよくありました。そんな生活を送る中で「体が資本だ」と気づき、健康に気を使うようになりました。学生のころは長距離走が好きじゃなかったし、最初はランを継続するのが難しかったのですが、心と体をリンクさせることが制作のクオリティーに直結すると分かってから、自然と日課になりましたね。もう1つは、日常生活で自分の心臓がつかまれるくらい追い込むシーンってないなと思ったこと。その苦しさを越えたところに、自分のタフさがあるんじゃないかと考えて、日々ランニングしています。
WWD:走ることで何か変化した?
中瀬:充実感に満たされて、1日が長く感じるようになりました。それに、フィジカル面で自分を追い込むと、情報で埋もれそうな脳に余白ができて、新しいものを受け入れる余裕が生まれていると思います。周りの人に「ストイックだね」と言われますが、決してそうではなくて、体の良いコンディションを楽しんでいるだけなんです。
WWD:“フューエルセル レベル ブイツー”の履き心地は?
中瀬:走っている間、心地いい軽やかさを感じました。私は足の幅が広めでシューズ選びに困ることが多いのですが、これは初めて履いた瞬間からフィットする感覚があります。特に足の甲の自由度は抜群で、全く違和感を感じません。反発力もあって、スムーズに前に進んでくれます。
WWD:これから挑戦したいことは?
中瀬:4mくらいの大きな作品を作ること。体の可動域以上の大きさのものに向き合ってみたいんです。でも、作品を作るよりも先に、人間としてどう生きたいかにも思いを巡らせていきたいな。ちゃんと呼吸して生きているかどうかを重視して、これからも自分と向き合っていきます。
“フューエルセル レベル ブイツー”は、自然と前に出る推進力と、速さを追求する反発弾性を前作からさらに強化したモデルだ。高いフィット感をもたらす左右非対称なシューレースホールと、優れたソールのクッショニングは継続し、緩やかなファンランから激しいトレーニングまで、幅広いランニングに対応する。さまざまなタイプのランナーが描く、理想のランニングスタイルをかなえてくれる一足に違いない。
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スタイリストの白幡啓や山脇道子らのクリエイターが所属するマネジメント事務所LOVABLE(ラヴァブル)の秋山和香奈代表は、中高生のためのファッション育プロジェクト「フューチャー・ファッション・インスティテュート(FUTURE FASHION INSTITUTE、以下FFI)」の主宰も務める。「ファッション育」を通じて子どもたちの感性を磨き、未来の業界を担う人材やセンスを生かして働く子どもの育成を応援している。目指すのは、「好きなことを『好き』と言えて、好きなことを仕事にする世界の実現」だ。FFIの“0期生”は現在、中学生から高校生まで約30人。展示会への参加や業界人へのお仕事インタビューなどを体験したメンバーは、自ら記者となって、体験をシェアするコンテンツを制作。そのコンテンツに刺激を受けた子どもたちが興味を広げ、業界内の会いたい人に会い、今度は自分がその体験をコンテンツ化してシェアするというポジティブなループを通して、子どもたちが「未来の自分」を思い描き、夢に一歩近づくことを願っている。なぜ秋山代表は、若い頃からの「ファッション育」に注力するのか?
WWDJAPAN(以下、WWD):FFIを立ち上げようと思ったきっかけは?
秋山和香奈FUTURE FASHION INSTITUTE主宰(以下、秋山):私自身が子育てを通して「子どもって、考えなくちゃいけないことはたくさんあるのに、そのための時間はそんなに長くない」と実感したんです。「理数系の大学に行きたかったのに、文系しか勉強していない。だから文系の大学に進学する」なんて経験や友人を持つ方は少なくないと思います。例えば文系か理系かを最終選択するのが高校1年生の時だとしたら、その前には将来に向き合わなければいけません。でも、社会に触れたことのない中高生に「選択しなさい」と言っても、難しいですよね?部活があれば、なおさらです。その段階では、親の意識さえ高くないと思います。一方で子どもたちは、遊ぶことに関しては天才的です。遊ぶことに対しては常に前向きで、和気あいあいと楽しんでいます。そこで、楽しみながら「ファッション育」ができたら、子どもはもちろん、保護者の将来への意識もアップすると思ったんです。
WWD:なぜ「ファッション育」なのか?
秋山:私たちの調査では、中高生の92%が「おしゃれが好き」もしくは「おしゃれが大好き」と回答しています。好きなファッションを学ぶ「ファッション学」ではなく、ファッションから学ぶ「ファッション育」でセンスという万能スキルを磨き、好きを極めれば仕事になることを知ることができたら、「そのためには何をすれば良いのか?」「自分は、どうしたいのか?」が見つかり、生き生きと働く大人で溢れる2030年が訪れると思うんです。「ファッション育」を通して子どもと保護者の双方がファッションをアップデートできれば、業界にとっても有益ですよね?子どもも、保護者も、ファッション業界人と言えばデザイナーとモデル、それにスタイリストくらいしか知りません。MDや編集者という職業、商社や繊維・生地・副資材メーカーという存在には、気づいていません。多くの業種には知識や教養、場合によっては語学まで必要なことも分からないんです。「好き」をきっかけにセンスと感性を磨き、将来のために早い段階から努力する人材が増えれば、ファッションやビューティ業界は、もっと面白くなるでしょう。この業界で働かなくても、FFIで培った感性や知識があれば、もっとファッションやビューティを楽しんでくれるファンになってくれるハズです。
WWD:今は、何人くらいの子どもたちが参加している?
秋山:“0期生”は、30人くらいです。2019年の9月に子どもたちの募集を始めましたが、昨年はコロナの影響で思い通りに活動できませんでした。この春から、本格再開です。春には70人くらいにしたいですね。友達が友達を呼び、気づいたら知識が蓄積されて、好奇心が広がり、ファッション業界が彼らの選択肢になればと思っています。
WWD:これまでは、どんな活動を?
秋山:「マルニ(MARNI)」や「ディースクエアード(DSQUARED2)」のキッズ服も並ぶ「ディーゼル(DIESEL)」の展示会にお邪魔したり、「エコアルフ(ECOALF)」のお店に伺ってブランドの想いやサステナブルに関する活動を伺ったりしています。ラグジュアリーブランドのMDを務める友人を直撃し、お仕事について取材したこともあります。のちに親御さんに話を聞くと、「ずっと、その話ばかりしている」や「急に数学を勉強し始めた(笑)」なんて反応があるみたい。社会を見るきっかけになっているんでしょうね。振り返れば私も、大人が本気で働いている最初の姿を見たときは、鳥肌がたちました。撮影の現場なんて、最初は震えてしまうくらい(笑)。
WWD:子どもたちは、活動を自分で表現し、現場に一緒に行けなかった仲間にシェアしている。
秋山:FFIのウェブサイトに、体験者の記事を掲載した“子ども新聞”をアップしています。フォーマットは、自由。写真のコラージュや動画、文章などで構成し、来れなかった子どもたちに配信するんです。「誰かに伝えよう」と思って話を聞くのと、ただただ話を聞くのとでは、心構えが全然違います。インプットとアウトプットをミックスしたプロジェクトにしたいんです。
WWD:今後の目標は?
秋山:できればもう一歩手前からちゃんと企画した、学生イベントにしたいと思います。今の企業は、Z世代に踊らされていると思います。必死になって「追いつこう」としていますが、正直、それは難しい。子どもたちは「瞬間」を見ていて、次々乗り換えていきますから。だったら最初から、子どもたちの新しい感覚と、大人の審美眼を掛け合わせた何かを作ってしまう方が、面白いのではないか?と思っています。難しく聞こえるかもしれませんが、子どもたちとフランクに話し合えるようになれば、違う展開が見えてくると思うんです。展示会への参加だけでなく、プレ・インターンシップやワークショップ、メンバーとの商品開発まで、活動の幅を広げられたらと思います。
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イタリア発、世界最大級の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市(MILANO SALONE以下、ミラノサローネ)」のクラウディオ・ルーティ(Claudio Luti)会長が4月22日、辞任した。同会長は、家具ブランド「カルテル(KARTELL)」の社長で2017年3月にミラノサローネ会長に就任。新型コロナウイルス感染拡大により、昨年の「ミラノサローネ」中止後は今年9月開催に向けてさまざまな開催の条件構築を行ってきた。しかし、「ミラノサローネ」への参加を見送りたいという企業の意向が多く、質の高いイベントを開催するのが困難な状況になったのが辞任の理由のようだ。
ルーティ会長は、「このようなデリケートで複雑な時期に会長職を辞任するのは苦渋の決断だ。今まで、国際的レベルの見本市を開催することに尽力してきたが、現在、業界全体の連帯という私のビジョンを満たす条件がそろっていない。パンデミックがもたらす不確実性を明らかにできないという部分もあるが、私が懸念しているのは、共通の目的意識を持ちながら失敗に終わったときの損害の大きさだ。『ミラノサローネ』に対する敬意と愛情は変わらないし、今後も支援し続けていく」と述べている。
最近、今年9月の「ミラノサローネ」は開催の方向性にあるという発表があったばかりだが、いまだに感染拡大がおさまらず、ワクチン接種の目処も立たない状況における決断だろう。
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アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する連載。ECや小売業の枠を超え、社会に多大な影響を与えるようになったアマゾンは、アパレル市場においても圧倒的な存在になろうとしている。
アマゾン(AMAZON)による米国市場のアパレル・フットウエアの売上高が昨年およそ15%伸びて推定410億ドルとなり、リアルも含めた全アパレル市場の11~12%、EC(ネット通販)で34~35%を占めて、ウォルマートを抜いてトップになったと米ニュース専門局CNBCが3月17日に報じている。
日本円だと105円換算で4兆3000億円となり、「ユニクロ(UNIQLO)」のファーストリテイリングの2倍の規模になる。アマゾンは米国市場のみ、ファストリは全世界なので、アマゾンも全世界市場とするとその差はさらに大きくなることだろう。
アマゾンはカテゴリー別の売上高を公開していない。こういった数値はすべて推定値となり試算する企業によってまちまちだが、アマゾンがトップだという数値は昨年あたりからすでに出始めていておそらくほぼ間違いない。とうとうそこまで来たのかと感慨を持たざるを得ない。
昨年8月時点での調査企業による資料では、全アパレル市場のシェアはアマゾン11.1%、ウォルマート(WALMART)10.6%、ターゲット(TARGET)4.3%だった。ECだとアマゾン28.8%、ウォルマート1.5%、ターゲット1.0%となっている。この数字を元にすると、3社で全アパレル市場の26%、ECアパレル市場の31.3%を占めていることになる。
アパレルを中心に据える小売企業としては、百貨店のメイシーズ(MACY’S)、ノードストローム(NORDSTROM)、コールズ(KOHL'S)、オフプライスストアのTJマックス(TJ MAXX)、そして専門店のギャップ(GAP)、ブランドメーカーのナイキ(NIKE)といったところが大手だ。もともとウォルマートは全アパレル市場でトップであること、アマゾンはアパレルEC市場でトップであることの2点を考えると、米国のアパレル市場の特徴は、たくさんのカテゴリーを持ちアパレルを一つの部門として取り扱う総合業態の方が専門業態よりも強いという点にある。
専門業態であるファーストリテイリングがトップとなっている日本市場との大きな相違点だ。
注釈として抑えておきたいことは、市場シェアが俎上に上がるときは流通総額をベースにして試算されている点である。とくに数値を公開していないアマゾンの場合はトラフィック分析や調査による推計が主体となり、その商品が自社仕入れの直販なのかまたはサードパーティによるマーケットプレイスなのかは考慮しない。
ウォルマートもターゲットもマーケットプレイスを導入しているのだが、いまだアマゾンほど大きくないので、これだけの差が出てしまっているともいえる。マーケットプレイスは極めて重要な存在で両社ともに強化しているのだが、アマゾンのようにはなかなかいかないのが現状である。
消費市場のサイズは低価格帯になるほど大きく、価格帯が上がるに従って小さくなる三角形を描く。アマゾンもウォルマートも下方のマスを狙っているから売上高規模が大きくなるのだが、さらに売り上げを伸ばそうと上方向、すなわち高価格帯に向かおうとするのは小売業界にはよくある戦略である。
ただ、ほとんどのケースでうまくいかない。リアル店舗だと売り場スペースに限界があるので他の品ぞろえを絞ることになり、お客にとって逆に魅力のない品ぞろえとなってしまい売り上げが減ってしまう。客単価が上がるからという浅はかな目論見でやって失敗する事例はそこら中にあるし、これを読んでいる読者にも経験があるかもしれない。
成功している小売企業とはこの手の罠にはまらないものでウォルマートも例外ではなく、今でも低価格やプライスリーダーであることを強調し続けている。
一方、どうしてもやりたいのがアマゾンで、昨年9月に開始したのがラグジュアリーブランド専用サイトのラグジュアリーストアだ。「オスカー デ ラレンタ(OSCAR DE LA RENTA)」が契約したことで話題を呼び、その後9ブランドが参加しているのだが、知名度の高いブランドはいまだ登場していない。メディアの取材に対しては50社を超えるブランドと協議中でこれから増えていくと説明しているが、今のところ発表はない。
ブランドメーカーが躊躇する理由は2つある。1つめはアマゾンが持つブランドイメージと合わないこと。2つめはコピー商品の横行である。マーケットプレイスにはコピーを売るセラーが多く、見つけて取引停止にしても違うアカウントで売り始めるので、モグラたたき状態となっている。問題は深刻で政府と協力体制を敷いて対策を打っているのだが、ブランドメーカーが満足するレベルには至っていないのが現状だ。
相変わらず壁は大きいのだが、重要なことはこういった試行錯誤を続けることにあり、仮に失敗したとしても得るものは大きいだろう。アマゾンの成功は星の数ほどの失敗の積み重ねの上にできあがっている。こういった姿勢を見る限り、アマゾンにはまだまだ伸び代がありそうだと感じる。
10年ほど前までは衣料品はネットに向かないと言われていたものだが、そういった常識はもろくも崩れ去った。アマゾンがトップに立ったことは時代の変遷を象徴するようなニュースだ。
鈴木敏仁(すずき・としひと):東京都北区生まれ、早大法学部卒、西武百貨店を経て渡米、在米年数は30年以上。業界メディアへの執筆、流通企業やメーカーによる米国視察の企画、セミナー講演が主要業務。年間のべ店舗訪問数は600店舗超、製配販にわたる幅広い業界知識と現場の事実に基づいた分析による情報提供がモットー
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