オンワードと国際ファッション専門職大学がデジタル人材育成で強力タッグ ワンランク上の産学連携

 オンワードホールディングスは、国際ファッション専門職大学との産学連携により、加速するデジタル化に対応したプロフェッショナル人材の育成を目的とする「ONWARDみらい人財プロジェクト」を4月から開始した。

 同プロジェクトは、4 カ月間の「オンワードベンチャーアワード」と「オンワードビジネスインターンシップ」の2つのプログラムから構成される。

 「オンワードベンチャーアワード」は同社のデジタル戦略を担うグループ会社オンワードデジタルラボが抱える実際の課題に学生チームと一緒に取り組み、企画提案を行いながら課題を解決する実践型授業。学生約120人が6~7人ずつのチームを編成し、同社の担当者からフィードバックを受けながら企画・立案作業を進めていく。そして企画の内容を審査して、全19チームの中から7チームを選出し、プレゼンテーションにより優秀チームを表彰。優れた企画案を同社のグループ企業において実際に採用することも計画している。

 「オンワードビジネスインターンシップ」は、従来型の企業側主導のインターンシップとは異なり、大学側主導のアイデアで企業におけるプログラムを作成し、実行するというもの。配属先はグループ企業の「デジタルマーケティング」「EC ブランド開発・コミュニケーション開発」「D2C カスタマイズビジネス」の各部門を予定している。このプログラムを修了した学生は、所定の単位が取得可能だ。

 保元道宣オンワードホールディングス社長は、「今後のビジネスの成長には、デジタル化と若者の活躍が欠かせない。人材育成は急務だ。学生と一緒に事業やブランドを作っていくこのプロジェクトは、即戦力の育成や新しいファッション教育の構築が期待できる。これまでにない取り組みなので試行錯誤はあると思うが、そのプロセスが新しい価値につながる。1年目から即戦力が表れて、オンワードから1つ、2つのブランドを出すという意気込みだ」と期待を話した。

 永澤陽一国際ファッション専門職大学学部長教授は、「加速するデジタル化を背景に、ベテランも若手も関係なく、情報やアイデアはフラット化して公平に扱われている。経験者が持つスキルと若者のフレッシュなアイデアをどうやって山のように積み上げていくかがこのプロジェクトのポイントだ。本学らしく世界を巻き込める人材育成を目指したい」と話した。

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有機的なデザインで業界をリードし続けた「ティファニー」のエルサ・ペレッティを偲ぶ

 「ティファニー(TIFFANY & CO)」のアイコニックなジュエリーといえば、“オープンハート”や“ビーン”などを思い浮かべる人が多いだろう。それらをデザインしたのはエルサ・ペレッティ(Elsa Peretti)だ。彼女はイタリア・フィレンツェで1940年5月1日に生まれ。スペインでモデルとして活躍した後に米・ニューヨークに渡り74年にティファニー入社。50年以上にわたり、「ティファニー」の数々のアイコンをデザインしてきた人物だ。彼女は3月18日に、スペイン・バルセロナ郊外の村で80歳で死去した。彼女の有機的で官能的なフォームのジュエリーは業界に革新をもたらし、今でも永遠の定番として多くの人々に愛され続けている。また、彼女は、父への献身として「ナンド・アンド・エルサ・ペレッティ」という財団法人を創設し、環境や社会福祉、人権保護、芸術や文化の継承を援助する活動を行ってきた。彼女のクリエイションはもちろんのこと、人徳の高さを偲ぶ人は多い。

 モデルとしてキャリアをスタートしたペレッティは、70年代にニューヨークに移り、「ホルストン(Halston)」のデザイナーであるロイ・ホルストン(Roy Halston)のミューズ的存在で、ティファニーに入社したのは彼の紹介だという説がある。伝説のナイトクラブ「スタジオ54(STUDIO 54)」の常連であり、ファッション・アイコンでもあったペレッティ。ローマでインテリア・デザインを学んだ影響か、彼女のジュエリーデザインのアプローチは極めて彫刻的。代表作の数々は日常、身の回りに見られるものからインスピレーションを得たものが多い。彼女の代表作の“ボーン”カフは、右手、左手でフォームが異なり、サイズも幾つかある。ジュエリーでサイズがあるのはリングくらいと思っていた私だが、“ボーン”カフの話を聞いたときは驚いたものだ。ペレッティとの作品の出合いが、私の「ティファニー」の扉を大きく開いたといったといっても過言ではない。

“ジュエリー=装飾”ではなく人々の日常を彩るジュエリー

 彼女は、ブライダル用かクラシックなジュエリーに使用されるダイヤモンドを日常に着用するジュエリーとしてデザイン。それが“ダイヤモンド バイ ザ ヤード(以下、DBY)”だ。素肌に軽やかに輝きをまとうかのようにデザインされた“DBY”は、一粒のダイヤモンドから複数ダイヤモンドがセッティングされたものなど幾つかのバリエーションがあり、予算により選択ができるのも魅力だ。ペレッティのジュエリーの素材はシルバー、ゴールドなどさまざま。ラッカー仕上げのインテリア小物などもある。“ジュエリー=装飾”という概念からはなく、人々の日常を彩るジュエリー、そしてオブジェなどをデザインしたのがペレッティだ。70年代の彼女の写真を見てみると、彼女自身のスタイルと卓越したクリエイションの背景がうかがえる。彼女のファッションだけでなく彼女を取り巻く環境、例えばデスクなどのインテリア。私は当時の写真を見て、「こんな環境にいれば、すばらしいクリエイションができるはずだ」と納得したものだ。

イタリア生まれ、芸術肌の肝っ玉母さん

 彼女の魅力は、その卓越したクリエイションだけではない。彼女を追悼する声には、人間性のすばらしさ、そして寛大さに対する数多くのコメントがある。彼女は、家族や友人をはじめ、芸術、文化、コミュニティーに対してきめ細やかに気を配り、それらを守る活動をしてきた。私が想像するペレッティは、スノッブな元モデルではなく、イタリア生まれ、芸術肌の肝っ玉母さんだ。彼女は、持って生まれた究極のスタイルを持ちつつ、あらゆる人々が手に取ることのできるジュエリーをデザインしたと同時に、クリエイションを通して人生における喜びを表現し続けた。だからこそ、彼女のジュエリーは普遍的であり、多くの人々を惹きつける力強いパワーがみなぎっている。ペレッティは亡くなったが、彼女の作品は、今後も永遠に生き続ける。ここでは、米「WWD」から抜粋した業界関係人の追悼を紹介する。

ペレッティの作品は時代、地域、世代を超えて愛され続ける

 「ティファニー」を昨年、150億8000万ドル(約1兆6286億円)で買収したベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン会長兼最高経営責任者は、「ペレッティの死はとても悲しいことだ。彼女は驚くべき女性で、彼女のクリエイティビティー、ビジョン、大胆さ、そして優雅さを賞賛していた。彼女には、想像を超える才能と先見の明があり、彼女の作品は時代、地域、世代を超えて愛され続ける。自称“クラフツウーマン”と言っていた彼女は『ティファニー』の半世紀にも及ぶ成功に貢献した。彼女は寛大な人物で、環境問題や人権、教育、アートや文化などの援助を積極的に行った。われわれLVMHグループを代表し、ティファニーで彼女と働くことができた幸運な人々をはじめ、彼女の家族や友人にお悔やみを伝えたい」と述べた。

 インスタグラムでは、ぺレッティの長年の友人であった女優のイザベラ・ロッセリーニ(Isabella Rossellini)が、「最も寛大な友人で、ものすごい知性の持ち主だった。インスピレーションと才能に溢れた良きメンターよ、さようなら」とコメントしている。

 「ティファニー」で17年から昨年までチーフ・アーティスティック・ディレクターを務めたリード・クラッコフ(Reed Krakoff)は、「エルサはジュエリーだけでなく、女性の装いにも大きなインパクトを与えた。彼女は彫刻、アート、ジュエリーの間を行き来しながらアイコニックなデザインをしただけでなく、それを実現する技術開発をしたのは驚くべきことだ。“DBY”は、Tシャツとデニムに合わせるカジュアルなダイヤモンドとして登場し、ダイヤモンドの装い方を変えた」と語った。

 18年から「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の宝飾・時計部門のアーティスティック・ディレクターを勤め、それ以前に「ティファニー」でジュエリーのデザインチームを率いていたフランチェスカ・アムフィテアトロフ(Francesa Amfitheatrof)は、「セント・マーチン美術大にいたとき、どんなキャリアを積みたいかと聞かれて、『ティファニー』のエルサ・ペレッティになりたいって答えたわ」とコメントしている。

 親族によると、ペレッティは老衰で死去したということだ。彼女は68年にスペイン・バルセロナ郊外のサン・マルティ・ヴェル村に家を購入し、亡くなるまで周囲野村の修復に投資してきたという。類稀な才能を持ち、人生の喜びと有機的な美を表現し続けてきたペレッティの死を惜しむ声は絶えない。

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「ルイ・ヴィトン」、中国第2位のEC企業JDドットコムと提携

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、中国第2位のEC企業JDドットコム(JD.COM)と提携した。

 これはJDドットコムのアプリ内で“LV”と検索すると、中国のインターネットサービス企業大手のテンセント(騰訊、TENCENT)が運営する人気SNSウィーチャット(微信、WeChat)上にある「ルイ・ヴィトン」の公式ミニプログラムストアに誘導されるというもので、4月15日(現地時間)からスタートする。なお、JDドットコムとテンセントは2014年3月に戦略的パートナーシップ契約を締結している。

 ケビン・ジャン(Kevin Jiang)JDファッション&ライフスタイル国際事業プレジデントは、「中国におけるラグジュアリーECをいっそう充実させるにあたり、『ルイ・ヴィトン』と提携することができて大変うれしく思う。今回のビジネスモデルはこれまでにないもので、高級志向の消費者にシームレスな買い物体験を提供できる」と語った。

 「ルイ・ヴィトン」は基本的に直営店および自社ECでのみ商品を販売しているが、およそ4億7000万の年間アクティブユーザーを抱えるJDドットコムとの提携により、中国市場でのリーチを拡大できる。

 同ブランドの親会社であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、傘下の主要ブランドでオンラインショップを展開しているほか、傘下の百貨店ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)が小規模なECサイト「24セーブル(24 SEVRES)」を手掛けているものの、ECにはあまり積極的でないことで知られている。アマゾン(AMAZON)が20年9月に公開したラグジュアリーブランドを取り扱うアプリ「ラグジュアリーストア(Luxury Stores)」は、LVMHが擁するブランドにも出店を打診したが、すげなく断られたという。

 LVMHは4月13日に2021年1~3月期(第1四半期)決算を発表しており、売上高は前年同期比31.7%増の139億5900万ユーロ(約1兆8146億円)だった。売り上げ全体の41%が中国を含むアジア地域によるものとなっている。

 ラグジュアリーブランドが中国のECプラットフォームに出店する際は、中国最大手EC企業のアリババ(ALIBABA)が運営する中国大手EC「Tモール(天猫、TMALL)」や、その完全招待制のラグジュアリーECサイト「ラグジュアリー パビリオン(LUXURY PAVILION)」を利用するケースが目立つ。19年7月には「シャネル(CHANEL)」、20年1月には「カルティエ(CARTIER)」、21年1月には「エルメス(HERMES)」が出店している。

 また20年11月には、アリババ、ラグジュアリーEC大手ファーフェッチ(FARFETCH)、そして「カルティエ」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)がグローバルな戦略的パートナーシップ契約を締結。提携の一環として、ファーフェッチはアリババの「ラグジュアリー・パビリオン」、同アウトレット専用プラットフォーム「ラグジュアリー ソーホー(LUXURY SOHO)」、同越境ECサイト「Tモールグローバル(TMALL GLOBAL)」に、ラグジュアリー専門のショッピングチャネルを開設した。

 一方、JDドットコムが提携しているほかのブランドとしては、「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」「トッズ(TOD'S)」「エルメネジルド ゼニア(ERMENEGILDO ZEGNA)」などが挙げられる。

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伊藤忠が東京・青山の本社敷地内にSDGsの情報発信拠点

 伊藤忠商事は16日、東京・青山の東京本社敷地内の伊藤忠ガーデン(ITOCHU GARDEN、旧シーアイプラザ)内に、SDGs発信拠点となる「ITOCHU SDGs STUDIO」をオープンする。同スペースは物販や撮影・収録などのできるスペースで、SDGsに取り組む企業やNGO/NPOなどに無償で貸与する。16日からはアッシュ・ペー・フランスが運営し、エシカルに配慮したグッズを販売する「エシカルコンビニ」が期間限定で出店する。エバンジェリストに任命された冨永愛は「SDGsに関してはまだ、自分から行動しないと知りえない情報も多い。情報発信拠点が行動のきっかけになる」と語った。

 「SDGs STUDIO」は伊藤忠アートスクエアの跡地で、面積は約410平方メートル(撮影・録音スタジオを除く)で、内装設計はブルーボトルコーヒーの店舗などを手がける建築家の長坂常。撮影・録音スタジオは、伊藤忠が冠スポンサーを務めるJ−WAVEのラジオ番組もここで収録するが、それ以外の日時は無償で貸与する。石井敬太社長COOは、「生活者一人ひとりがSDGsを意識できる企画を積極的に行っていく」という。

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バロック21年2月期は黒字で着地 正価販売の徹底、在庫コントロール、中国の復調が貢献

 バロックジャパンリミテッドの2021年2月期連結業績は売上高が前期比23.2%減の505億円、営業利益が同71.5%減の13億円、純利益が同86.9%減の3億7500万円だった。
 
 国内事業は新型コロナ禍の販売苦戦により、売上高は前期比24.8%減の444億円、粗利益は同27.1%減の259億円。一方、「年間通じてプロパー販売の徹底や在庫コントロールの適正化、販管費の削減(同20.3%減)に全社を挙げて注力した」(村井博之社長)ことに加え、EC販売の伸長(同21.2%増)もあり、6億4000万円の営業黒字となった。

 海外では、市場の回復が進む中国事業が業績を下支えした。現地企業のベル・インターナショナルと合弁で運営する中国事業は、売上高が前期比9.7%減の63億円、利益合計(小売事業、卸売事業の利益にロイヤリティを加えたもの)が同30.6%減の4億3000万円だった。SNSやライブコマースを駆使した通販事業の伸長(同21.5%増)も大きく寄与し、11月の中国最大のECセール「ダブルイレブン」の売り上げは同91%増だった。米国事業もデニムの好調を受けて黒字で着地した。

 22年2月期の連結業績は、売上高が前期比18.1%増の597億円、営業利益が同76%増の23億円、純利益が同247%増の13億円を予想する。

 国内ではブランドの世界観を表現できる大型店の出店を進める。3月には「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」が横浜の「みなとみらい東急スクエア」に首都圏最大となる店舗を出したほか、4月には「スタイルミキサー(STYLEMIXER)も同じく最大規模の旗艦店を千葉の「ららぽーとTOKYO-BAY」に出店した。

 中国では今年1月に国内300店舗を達成した。「(中国において)『マウジー』をはじめとした当社ブランドの集客力は非常に期待されている。今後も立地を厳選しつつ出店を継続していく」。

 デジタルによる業務効率の改善も進める。「アズール バイ マウジー」では先行して、マーケティング支援のジェミニ(東京都中央区、山田政弘社長)が提供する業務デジタル化システムを導入。データを活用した商品企画精度の向上や、顧客関係管理に活用する。

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持っているだけで気分がアガる! 「YSL」クラッチバッグ風の10色アイシャドウ

 「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」は4月23日、10色アイシャドウパレット「クチュール カラー クラッチ」(全2種、税込各1万3200円)と、単色アイシャドウ“サテン クラッシュ”(全6色、税込各4620円)を発売する。公式サイトと表参道フラッグシップブティックでは4⽉16⽇から先⾏発売を行う。

 グローバル ビューティ ディレクターのトム・ペシュー(Tom Pecheux)が2つの街に触発され作り上げた「クチュール カラー クラッチ」は、ピンクを基調に淡いゴールドやシルバーなど気品ある街並みをイメージした「パリ」、ブルーやグリーン、レッド、オレンジなど鮮やかなカラーをラインアップした「マラケシュ」を用意した。

 共にサテン、シマ―、メタリック、グリッターマットの質感をそろえ、単色使いでアイメイクのアクセントにしたり、ブレンドしてオリジナルカラーを生み出したりと、使う人の感性や個性を最大限に発揮できるカラーラインアップに。パレットケースはリュクスなレザー調のファブリックをベースにゴールドのブランドロゴを配し、ゴージャスなクラッチバッグのようなデザインに仕上がっている。

 クリアベージュやブラウン、コッパー、レッドなど全6色をラインアップする単色アイシャドウは “攻めのヌードカラー”が特徴。光を多⾓的に乱反射するパールとカラーピグメントをブランド史上最⾼レベルで配合。オイルインパウダーのため肌への密着度も高く、サテンシルクのような艶と輝きが持続する。

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ユニクロに今田美桜がセレクトする「ミオクロ」が登場

 ユニクロは4月15日〜7月1日、同社による着こなし発見アプリ「StyleHint」発の企画として、女優の今田美桜さんがセレクトした「ユニクロ(UNIQLO)」商品やスタイリング実例を集めたキャンペーン、「ミオクロ」を実施する。アプリ上で今田さんの私服を交えた全30スタイリングを発信すると共に、ECにも特設ページをオープン。ユニクロ原宿店内の「StyleHint原宿」も同キャンペーン仕様になっている。

 「StyleHint」は2019年10月に公式スタート。当初、アプリ上でスタイリングや商品の検索ができたのは「ユニクロ」「ジーユー(GU)」だったが、21年からは同じファーストリテイリング傘下の「セオリー(THEORY)」「プラステ(PLST)」も参加している。今田さんは、アプリスタート時から公式キャストとしてスタイリングを投稿している。

 キャンペーンは3テーマで構成。4月15日〜5月13日の第1弾では、ワンピース10着とそれに合わせるカラーアイテムなどをセレクト。第2弾(5月14日〜6月10日)は、「ユニクロ」×「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」などのラボアイテムを中心に構成する。第3弾(6月11〜7月1日)はTシャツやショートパンツなど盛夏商品をアピールする。

 期間中、「StyleHint原宿」にある240台の全ディスプレーで、今田さんの着こなしやスペシャルムービーを発信する。店内にはSNS投稿用のフォトブースも設けている。また、15日は今田さんが1日店長として接客も実施した。キャンペーン立ち上げにあたり、「プレスルームに足を運んで、多くの春夏商品の中からテーマに合うスタイリングを何度も試着をしながら選んだ」と今田さん。「お客さまに『ユニクロ』でこんな着こなしもできるのか、というように楽しんでいただける企画を目指した。まさにヒントが詰まっていると思う」と、岡野まかみStyleHint編集長。

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「カカオの廃材」から生まれたサステナブルなチョコレートが登場

 ライフルは“地球料理 -アース・キュイジーヌ”プロジェクトの一環として、フーズカカオと協業し、“カカオの廃材”を使用したサステナブルで新しいチョコレート「エコレート」の予約発売を開始した。

 “地球料理 -アース・キュイジーヌ”は、地球上でまだ光を当てられていない素材にフォーカスし、その素材を食べることで地球のためになる、新たな食材を見つけるプロジェクト。

 チョコレートは、長年にわたり生産体制と環境への配慮が十分になされておらず、近年ではカカオの国際相場の低迷もあり、生産者であるカカオ農家の貧困問題は深刻。このままでは2050年までにチョコレートが食べられなくなる恐れがあるといわれている。

 そこで、人気若手シェフの江藤英樹氏と上妻正治氏の協力を得て、一般的にチョコレートの製造で用いられるカカオマスやココアバターを使用せず、通常廃棄されてしまうカカオ豆の殻・枝・葉を使用したサステナブルなチョコレートを開発した。

 ラインアップは、江藤シェフが開発した、カカオ豆の殻・枝・葉から生まれたひと⼝チョコレート“エコレート カレ”(税込2200円)と、上妻シェフが開発したカカオ廃材含有量33%の板チョコレート“エコレート タブレット”(税込1760円)の2種。

 ライフルは、主要サービスとして不動産・住宅情報サイトの運営を手掛ける一方、飲食事業の“ライフル テーブル”も展開。“地球料理 -アース・キュイジーヌ”は、同事業のサステナプロジェクトの一環の取り組みとなっている。

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「無印良品」生活圏に出店拡大 地方・郊外のスーパー隣接地など

 「無印良品」を展開する良品計画は、地方や郊外での出店を加速する。これまで大都市の商業施設や繁華街を主戦場にしてきたが、より消費者の生活圏に近い場所に店舗を増やす。スーパーマーケットの隣接地や店舗内を有力な出店先にする。

 14日にオンラインで行われた決算説明会(2020年9月〜21年2月期)で、24年8月期を最終年度とした中期経営計画の骨子を発表した。登壇した松崎暁社長は「日本と中国大陸、台湾、タイで出店戦略と店舗機能を刷新する」と話した。最終年度に日本で純増100店舗を出店できる体制を作る。国内店舗数は16年2月期末が414店舗、21年2月期末が443店舗だった。緩やかだった出店ペースが一気に上がることになる。

 出店先として地方都市やベッドタウンの生活圏を開拓する。スーパーマーケットやホームセンターのような近隣商圏に向けて営業する店舗の隣接地、あるいはスーパーマーケット内に出す。立地環境によって売り場面積や商品構成も柔軟に変えていく。

 「無印良品」は衣料品、日用品、雑貨、食品など7000品目以上の幅広い生活必需品を扱っているため、アパレル専門店やインテリア専門店などに比べて消費者の来店頻度が高い特徴を持つ。さらにこの数年は、購入頻度が高い食品を戦略的に強化してきた。消費者が週に何度も利用するスーパーマーケットとの買い回りが期待できる。

 すでに一部で検証を進めている。19年4月には石川県野々市市に初のロードサイド店舗を開いた。北陸を地盤にするスーパーのアルビスと組んで、スーパーの隣接地に約2000平方メートルの大型店を構える。20年7月には新潟県・直江津のGMS(総合スーパー)跡地に日本最大店舗をオープンした。同店は商品を詰め込んだバスで山間部での移動販売も行なっている。東京都板橋区の光が丘団地内には小型店を出店し、忙しい子育て世代や遠出のできないシニア世代の需要に応えている。

 同社は近年、地域に根ざした「個店経営」を掲げてきた。生活圏への出店拡大は、画一的なチェーンストアではなく、地域の課題に商品とサービスで貢献する新しいタイプの小売業モデルの模索といえる。

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「サマンサタバサ」から環境に配慮した新ライン アンバサダーに矢野未希子

 「サマンサタバサ(SAMANTHA THAVASA)」は4月14日、環境に配慮したファッションの新ライン“サマンサグリーン バイ サマンサタバサ(SAMANTHA GREEN BY SAMANTHA THAVASA 以下、サマンサグリーン)”を発表した。「自然体の心地よさ(Find Ethical Fashion for green)」をコンセプトに、オーガニックコットンなどの天然素材や、キュプラなどの再生素材をはじめ、廃棄される食品を染料に用いた素材などを使用したウエアや雑貨を打ち出す。

 ラインアップは草木染めのオーガニックコットンのTシャツ(税込6050円)やワンピース(1万5400円)のほか、再生素材を用いたシャツワンピース(1万8700円)、バッグはオーガニックコットンのトート(2万2000円)、抗菌作用があって土に還る素材を使用したiPhoneケース(7150円)など。商品には「リサイクル(Recycling)」「オーガニック(Organic)」「草木染め(Plant dyeing)」「地球に優しい(Eco Friendly)」の4種類のマークの中から、該当する内容を示す。

 デビューを記念して、ポップアップストアを名古屋、札幌、東京・有楽町で開く。5月1~16日に名古屋パルコと札幌パルコ、5月10~31日に有楽町マルイを予定。名古屋パルコと有楽町マルイの内装デザインは、堀田健一郎率いるヴィジュアル・マーチャンダイジング・スタジオ(VMS)が手掛ける。

 またブランドアンバサダーには、雑誌「ヴェリィ(VERY)」(光文社)のカバーモデルの矢野未希子を起用し、ビジュアルのスタイリングは辻直子が担当した。

■“サマンサグリーン”ポップアップストア 名古屋パルコ
会期:5月1〜16日
場所:名古屋パルコ 1階 ポップアップスペース
住所:愛知県名古屋市中区栄3-29-1

■“サマンサグリーン”ポップアップストア 札幌パルコ
会期:5月1〜16日
場所:札幌パルコ 1階 展示スペース
住所:北海道札幌市中央区南1条西3-3

■“サマンサグリーン”ポップアップストア 有楽町マルイ
会期:5/1(土)~5/16(日)
場所:有楽町マルイ 1階 ポップアップスペース
住所:東京都千代田区有楽町2-7-1

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kemioと考える、みんなに居心地のよいヘアサロン #PrideHairへの賛同サロンは1000店舗を超え拡大中

 P&Gのヘアケアブランド「パンテーン(PANTENE)」は、“あなたらしい髪の美しさを通じて、すべての人の前向きな一歩をサポートする”という理念のもと、“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”を公開した。同ブランドは昨年9月、就職活動で自分を偽らず自分らしさを表現できることを願うプロジェクト“#PrideHair”を始動すると、12月には個性に寄り添うヘアサロンを日本全国に広める“#PrideHair サロン”プロジェクトをスタート。ワークショップなどを踏まえて“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”を策定し、現在はセクシャルマイノリティーにも優しいヘアサロンを増やそうと、プロジェクトへの賛同サロンを募っており、その数はすでに1000店舗を突破した。

 今回は、kemioが、プロジェクトにいち早く賛同したヘアサロン「ミンクス(MINX)」を訪問。「苦手だった」とまで言うヘアサロンでの思い出を振り返りながら、賛同サロンにLGBTQ+フレンドリーになろうとした経緯や、具体的な心配りを聞いた。

きっかけは「SDGs」、
LGBTQ+フレンドリーは「延長線上」

 kemioが訪れたヘアサロン「ミンクス」の銀座店は、8年前にオープン。銀座で、60人のスタッフを抱える大きなサロンだ。店舗の指揮を執るのは、菅野久幸取締役エグゼクティブ・ディレクター。菅野ディレクターは“#PrideHairサロン”プロジェクトへの賛同のきっかけを、「サロンとしてSDGs(国連加盟国が2030年までに達成する持続可能な目標)、特に『ジェンダー平等を達成しよう』や『パートナーシップで目標を達成しよう』に取り組む中、LGBTQ+フレンドリーになることは、その延長線上にあると考えました」と振り返る。SDGsを意識するようになったのは、「激選区の銀座で戦うために視察したニューヨーク5番街のヘアサロンは、天然木のフローリングで、テーブルにはオーガニック栽培のリンゴが置いてありました。みんな、施述が終わると、一つもらって、歩きながら食べて帰るっていうんです。そんなナチュラルなライフスタイルを提案したいな」と思って以来。「パンテーン」が作成した“ヘアサロン向けLGBTQ+フレンドリーマニュアル”が提唱する、「美容室は、職場・家庭とは異なる『第三の居場所』」というメッセージにも共感した。

「気を使って、いろんな話をしてくれる」
から「遠ざかった」

 店舗を訪問する前は「ヘアサロンで不快な思いをしたことがない」と話していたkemioは、菅野ディレクターの話を聞いて少しずつ、昔の“居心地の悪さ”を思い出した。そして「kemioとして活動する前は、“10分間カット”に通っていたんです」と告白。「ご本人に悪気がないことはわかっているけれど、必要以上にいろんなコトを聞かれると、面接のように感じてしまって。カムアウトする前はとっさにウソをついてしまう時もあって、『次はなんて答えよう』とか『またウソをつかなくちゃならないのかな?』なんて考えるのもイヤでした。結果、“行きつけ”は作らず、最初はいろんな場所を転々として。でも、毎回、違うヘアサロンを探すのもイヤだったんです」と、セクシャルマイノリティーの当事者なら一度は感じる“居心地の悪さ”や“気まづさ”“本当なら楽しいハズの場所なのに、楽しめない無念”を吐露。そして日本と行き来するアメリカについて、「若い世代を中心にアメリカの消費者は、何かをサポートしていたり、社会に貢献したりの企業やブランドからモノやサービスを買うようになっています。日本も同じようになると思います」と続けた。

空間から接客まで総点検。
来店客からも「真剣」と好評

 SDGsや“#PrideHair サロン”プロジェクトを意識して以降、菅野ディレクターは、雰囲気づくりから接客までを総点検、さまざまを改善している。もともとジェンダー・ニュートラルを意識した内装だったが、1つのトイレは男女の区別なく、誰でも使えるように変更した。新型コロナの影響も手伝い、雑誌は、来店者が自由に選べるダブレット端末で楽しむ電子版に切り替え。接客では、「3回目までは、サロンからプライベートに踏み込まない」を心掛け、結婚や仕事、政治などの話は特に注意するようになった。

 日本では10人に1人はセクシャルマイノリティーと言われている。60人のスタッフが働く銀座店にも、複数のLGBTQ+がいるのだろう。そこでスタッフとのコミュニケーションも「随分変わった」と菅野ディレクター。人の心に土足で入り込み、「彼氏は?」や「彼女は?」と聞くことはなくなった。
 こうした対応は、来店客からも好評だ。特に銀座店の顧客には企業でダイバーシティーやSDGsの研修を受けている人も多く、「『ジェンダーに真剣に向き合っているんですね』と応援していただくことも多い」。

 今年は、銀座店でのSDGsやLGBTQ+フレンドリーの取り組みを「ミンクス」全店に拡大する。いち早く勉強してきた菅野ディレクターは全店を回り、勉強会を開催予定だ。

“#PrideHair”賛同サロンは、
早くも1000店舗超え

 「パンテーン」は、“#PrideHair”というハッシュタグのもと、実体験を伝えながら皆でより良い就活のあり方を考える活動をスタート。トランスジェンダーが就職活動の実体験を語る動画の再生回数は2000万回を超え、当事者のみならず、LGBTQ+をサポートしたいと願うアライの賛同も多かった。一方でジェンダーに対する誤解や思い込みは少なからず存在し、「知らなかった」「気づきを与えてくれてよかった」などの反響も届いたという。これを受け、同ブランドはヘアサロンが「誰もが、自分らしい髪になれる場所」になることを目指して年初にガイドラインを策定し、現在賛同サロンを募っている。反響は大きく、賛同サロンの店舗数は現在1000を大きく超えている。

 P&Gでは、役員や人事部門、面接官に対してLGBTQ+をはじめ、多様性への理解を深める研修を実施している。面接を行う社員の先入観を少しでも排除するため、14年からはエントリーシートの写真欄を削除、19年には性別欄に“その他”という選択肢を設定した。21年には生年月日情報も削除することで、年齢による先入観も排除する。

PHOTOS:KICHIRAKU YOHEI

問い合わせ先
パンテーン

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日本の中古高級ブランド品が“中国で爆売れ”のワケ 代官山「エディ」のやり方

 東京・代官山と大阪・南堀江に店を構える、高級ブランドのバッグやアパレルを販売するヴィンテージショップ「エディ(HEDY)」が、中国市場向けの販売を猛烈な勢いで拡大している。特にこの2年ほどで大きく伸びたのが、中国向けの自社運営の越境ECショップだ。対中国売り上げは前年同期比約4倍に成長。現在、越境ECショップの月商は1900万円を超え、日本国内ECの売り上げを上回った。

 急成長のきっかけは、中国版SNS「ウェイボー(微博)」上の口コミだ。ファイヤーワークスの布施杏奈「エディ」事業部長によると、口コミは自然発生的なものだったという。「全体売り上げの6割ほどがオンライン。もともと売り上げのメインは日本国内向けの自社ECで、越境ECはあったが本腰を入れていなかった。2019〜20年にかけて急に中国の売り上げが伸びたので調べたところ、小紅書(RED)などの中国SNSに『エディ』関連の多数の口コミがあった」という。中国の若者女性が集まるSNS、小紅書には当時既に1万件以上の投稿があった。

 中国のオンライン購買はTモール(TMALL、天猫)やタオバオ(TAOBAO)をはじめとした巨大ECモールが中心で、自社ECは集客面などで苦戦しやすい。ラグジュアリーブランドも、アリババが運営する高級品特化のECサイトである「ラグジュアリー ・パビリオン」や越境ECのTモールグローバル(TMALL GLOBAL、天猫国際)に出店している。そうしたこともあってブランド公式品を扱うモールに中古品は出品しにくく、消費者側も本物かどうか判断がつきにくい。「エディ」は口コミが有利に働いたことで、自社越境ECにユーザーが集まった。

 新型コロナ以前は店頭にも訪日中国人の客が多く来店し、代官山店のお客も7〜8割がインバウンド中国人客だった。「少なくない数の在日ソーシャルバイヤー(代購)にも来店いただいており、中にはその場でライブコマースを配信する方もいる。そういった方にはこちらからもバイヤーとして複数購入での値引きなどを持ちかけることもある」という。当初の受け身の姿勢から、今は中国へ積極的に売り込んでいる。

 公式ウィーチャットの開設後は自社でもライブコマースをスタート。2週に1度、中国人スタッフが出演して2時間程度の配信を行う。1配信で20点ほど紹介し、1点あたり10万円以上の高級ブランド品が半数は売れるという。

 昨年10月からは、中国市場のマーケティング支援を行うアライドアーキテクツと手を組み、公式ウィーチャット(WECHAT)を開設した。広告を出さず、開設から5か月で4万フォロワーを獲得。また小紅書、ウェイボー(WEIBO)も開設し、広く情報を発信している。「最も重視するのはブランディング。『エディ』は単なる中古品ではなく、質が高く洗練された印象のヴィンテージとして認識され、支持されている」と布施氏。コンテンツはアライドアーキテクツの提案を元に、自社の中国人スタッフが製作する。中国人同士だからこそ分かるツボを押さえたコンテンツが人気で、ウィーチャットは1記事の配信につき1000フォロワーほど増える。

 ファッション分野で支持されるKOLを起用したPR投稿も反響が大きく、「サーバーが落ちるほどアクセスがあった」という。またアライドアーキテクツが運営する在日中国人コミュニティ播日本(BO JAPAN)のメンバーによる口コミ投稿も実施した。

 自然発生した口コミはインバウンド客の来店によるものも多く、中には自ら足を運んだKOL(Key Opinion Leader)の投稿もあった。「そもそも代官山に出店したのは、インバウンド客を意識してのことだった」という。中国は日本以上に口コミが重視される国で、こうした口コミの多さが認知向上のみならず信頼にもつながった。

 口コミでは価格面や店舗の信頼性に加え、ヴィンテージの価値が強調されている。中国の消費者はレアなアイテムを好む傾向があり、すべて1点もののヴィンテージは希少性の高さから好まれている。「日本にはバブル期に増えた80年代のアイテムが多く、質のいい状態で残っている。そういったアイテムを求めて大量買いする人も多い」。

 また昨年、中国で大ヒットしたドラマ「三十而已(Nothing But Thirty)」では劇中に登場した「エルメス(HERMES)」のバッグが注目を浴びた。その熱は「エディ」にも飛び火し「ドラマに登場した“バーキン”は希少で新品を手に入れるのが難しいため、ヴィンテージを買い求める方が多く、ドラマ放送直後はよく売れた。流行れば高価でも食いつくのが中国客の特徴」だという。

手作業を駆使、販売の裏側

 中古品、高級品販売で求められるのが信頼だ。特に中国ではカスタマーサポートが重要で、「エディ」は自社の中国語スタッフを6人まで増やし、ユーザーから来るチャットに回答している。「中国客からは本物のブランド品か、傷はないか、他の写真も送って欲しいといった細かな質問が大量に送られてくる。土日で90件ほどはメッセージが溜まる」。ギャランティカードや正規の箱、シリアルナンバーなどが付かない商品に関しては、しっかりチャットで本物であることの説明を行うことで信頼を得ている。

 チャット対応のためメッセージのラリーも多く、手間はかかる。しかしチャット対応の強化後、返品率は4割から2割ほどに下がったという。それでも商品到着後に「本当に本物なのか」と疑って返品されるケースもあるというから、疑り深さはかなりのものだ。

 さらに地道な作業なのが在庫の連携だ。1点もののため店頭販売と国内、越境ECの在庫を常に連動させなければならず、「色々とシステムを考えてきたが、今まで手動で在庫を反映させてきた。店頭で売れたらその場でECの表示も動かす。越境ECは中国スタッフが操作するので、そのやりとりをスカイプでしている」という。

 手間を惜しんでも越境ECを動かし、発信し続けているのは今の売り上げのためだけではない。布施氏は「インバウンド復活後に向けて、認知をさらに広げたいと思っている。昨年10月にオープンした南堀江店もインバウンド客を意識しており、呼び込みたい」と展望を語った。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関=ILOの国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長は質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのに止めた。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関=ILOの国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長は質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのに止めた。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関の国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長はそれらの質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのにとどめた。

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「無印良品」、新疆綿問題についてコメント発表

 「無印良品」を運営する良品計画は14日、2020年9月〜21年2月期の決算発表に合わせて、「無印良品の綿とサプライチェーンについて」というタイトルの文書を自社サイト上で公開した。中国の新疆綿の使用と新疆地区でのウイグル人の人権問題について、この間さまざまな報道やSNS上での反応が広がっていることに対応したもの。同社が使用する新疆綿について「法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認していない」(文書より)という。

 同社の綿製品は全てオーガニックコットン製であり、オーガニックコットンであることを明記するために「綿と綿糸について(国際労働機関の国際労働条約などを遵守し)世界基準である認証を得ている」「無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っている」といった内容が文書には含まれる。良品計画の担当者のこれまでの新疆の農場訪問記録(2006年以降8回、延べ68人)も、文書と共に公表した。

 14日の決算会見では、記者からの質問が新疆綿問題に集中。松﨑曉社長はそれらの質問には答えず、杉山孝太執行役員企画室長が今回発表した文書の内容を説明するのにとどめた。

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渋谷109が目指す「若者と社会の架け橋カンパニー」への道

 ファッションビル「渋谷109」を運営するSHIBUYA109エンタテイメントは、商業施設デベロッパーから脱皮する。新ビジョンは、4月1日に着任した石川あゆみ社長が策定した。前任の木村知郎・前社長の「若者の夢を叶える」という企業理念を引継ぎつつ、「若者ソリューションカンパニー」を掲げ、商業施設運営だけにとらわれないマーケティングカンパニーへの進化に挑む。

 石川氏は1977年10月13日生まれ。名古屋大学経済学部を卒業後に新卒でNTTドコモに入社。その後KADOKAWAを経て、2008年11に東急電鉄(現東急)に入社した異色の経歴を持つ。SHIBUYA109エンタテイメントに出向する直前は東急グループのリテールを管掌するリテール事業部のリテールグループの課長を務めていた。ドコモ時代に当時スタートアップだったサイバーエージェントやDeNAなどのIT大手とのつながりを有しており、東急本体に在籍時にはサイバーエージェントとDeNA、GMOインターネット、ミクシィ、渋谷区教育委員会と共同でプログラミング教育プロジェクト「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」の立ち上げにも関わった。

 SHIBUYA109エンタテイメントは17年4月の設立以来、渋谷109を拠点にZ世代のインサイトをリサーチする「渋谷109ラボ」、飲食業態の「イマダキッチン(IMADA KITCHEN)」、韓流アイドルやユーチューバーのグッズを販売する超高効率の独自編集ショップの「ディスプ!」などの新プロジェクトを立ち上げてきた。今後はこうした新プロジェクトを積極的に外部の企業や商業施設に展開するとともに、渋谷109自体でも22年度までにサイバーエージェントやミクシィなどのIT大手とコラボレーションした新業態を立ち上げる考え。石川新社長は「ファッションはもちろん、エンタメの分野でもすでに数多くの実績がある。こうした新規プロジェクトを商業施設の運営と同等、あるいはそれ以上に力を入れて外部にも“ソリューション“として提供する。一方でゲームや音楽、eスポーツ、SNSなどのデジタルプラットフォームとの連携は弱かった。こうした分野との連携も深め、渋谷109をデジタルとリアルが融合した場に進化させたい」と意気込む。

 渋谷109はコロナ禍で2020年は後退したものの、2019年には“ギャルの聖地”だった過去のピークを超え、970万人の来客数を獲得していた。新生・渋谷109は2024年度に1000万人超えを目指す。「渋谷109は、ファッションからエンタメ、飲食、文化、ビジネスまでさまざまなカルチャーが混合した渋谷の代名詞にもなり得る稀有な空間であり、かつ今では珍しい“若者に特化した商業施設”でもある。決して大きな商業施設ではないものの、知名度やブランド価値のポテンシャルは非常に大きい」。

 若者とファッションを掲げる渋谷109らしい施策の一つとして、“ジェンダーギャップ”も積極的に取り上げる。「これまでの調査で、過去に例がないほど若者はLGBTQを筆頭にジェンダーへの関心が非常に高い。真剣に若者の声に向き合い、未来を考えるためにもジェンダー問題に関しても果敢に情報発信していく」考え。

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「ダイナック」は吸収されるのに、同じサントリー系の「プロント」が元気なのはなぜ?

 サントリー系の上場飲食企業ダイナックが親会社のTOBにより、完全子会社となる。2020年12月期に80億円の最終赤字を計上し、成長戦略を描けないなか、介入してきた形だ。だが、同じサントリー系飲食企業「プロント」などを展開するプロントコーポレーションは元気だ。なぜ?
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メード・イン・ジャパンでありながらインポートランジェリーの魅力を表現する「ランジェリーク」の有馬智子 ランジェリー業界の開拓者 vol.6

 新型コロナウイルスの感染拡大は、従来の商品やサービスの在り方に変化をもたらしている。対面のフィッティング接客や機能ありきの商品を重視してきた下着業界にも影響を及ぼしているのは言うまでもない。ライフスタイルが大きく変わり、既成概念に縛られない新たな価値観が下着にも求められる。この連載では、コロナ禍に先んじて新領域の商品やサービスを生み出し業績を伸ばす下着業界の開拓者を紹介する。

 第6回に登場するのは、「ランジェリーク(LINGERIQUE)」の有馬智子クリエイティブディレクターだ。2010年に誕生した同ブランドは日本のブランドでは珍しく、ノンワイヤーブラやカップに裏当てのないノンパテッドブラにより、繊細なレースの美しさを前面に打ち出したミニマルなデザインを提案している。ヨーロッパのブランドのような軽いつけ心地と、日本のブランドならではの丁寧なモノ作りを兼ね備えたブラジャーは日本の下着業界に新風を吹き込んだ。19年からはラウンジウエアも強化している。

――「ランジェリーク」とはどんなブランドか?

有馬智子クリエイティブディレクター(以下、有馬):女性にそっと寄り添う存在。「ランジェリーク」は整った環境で、さらに良い方向に育てるように活動しているブランドだ。“シンプル、エレガント、スマート”というコンセプトだが、その捉え方は人それぞれ。この環境の中で、どうやって美しいものを作っていくか常に考えている。その思いで作ったものが顧客に好意的に受け入れられ、新作を楽しみにしてもらっている。それに応えられるものを創造したい。

――環境が整っているとは?
有馬:最大の強みは親会社であるカドリールニシダの生産体制だ。「ランジェリーク」の下着は100%カドリールニシダの中国・青島工場で縫製している。1969年創業という長い歴史があり、自社工場は著名なヨーロッパブランドの縫製を請け負うほどの非常に優れた技術力を持っているため、他の工場では難しいと思われる繊細な素材を選べる。それはクリエイティブディレクターとして何よりも心強いことだ。ブランド立ち上げのときも05年から続いていた「クロエランジェリー(CHLOE LINGERIE)」のライセンス契約満了に伴い、その市場を「ランジェリーク」で受け継ぎ、育てることができたのはありがたかった。ブランド設立以来、売り上げは常に前年を超えて成長し続けている。

ノンパテッドブラが日本の市場で難しいという概念はない

――ブランド設立時から日本の市場では難しいとされるノンワイヤーブラやノンパテッドブラを展開していたその理由は?
有馬:そもそもそれらが“難しい”という概念はなかった。私自身がインポートの下着が好きで、日頃からノンワイヤーやノンパテッドを愛用していたこともあり、快適に過ごせることや、美しいものを身につけたいと思う素直な気持ちからデザインしている。下着の仕事に関わる前もヨーロッパのブランドが好きで、そう思うのかもしれない。自分が作っている商品にピュアに向き合いデザインしている。自分が感化されるヨーロッパのランジェリーを見ること時間を費やして私自身が納得でき、顧客に満足してもらえるものを作ることに注力している。いろいろなものがあっていいと思うが、売れているからと似たようなものを作っても意味がなく、モノが増えるだけ。余計なモノは作りたくない。

――それでいて独りよがりにならない理由はどこにあるのか?
有馬:日常生活におけるいろいろなことを想像して作っているからかもしれない。見た目が美しいのはもちろん、生活のなかで求められる機能は何か、快適なフィッティングはどうあるべきかを追求することに集中している。ワイヤー入り、ノンワイヤー、ノンパテッドのブラジャーを展開するようになったのも、戦略ではなく顧客が求める機能を反映させた結果だ。そのニーズと美しさのバランスをデザインしている。

――素材の美しさを生かし、余分な装飾がないデザインコンセプトはどのように生まれたか?
有馬:デザインコンセプトというより、自分が理想だと思う形、素敵だと感じるものが余分な装飾をしないものだった。「ランジェリーク」の素材は美しく上質なものを使用している。全体の約6割はインポートのレースだ。フランスのカレーやコードリー地方のメーカーが生産するリバーレースは、それ自体が芸術品のようですばらしい。その美しさを生かすことが重要だと思っている。

パリのランジェリー展がモチベーションに

――ブランド設立から10年が経過したが?
有馬:10年間ひたすら前進してきたという感じだ。世界中がコロナ禍にある今は、まるで、方位磁石が狂ったような状態で、どちらの方向に進めばいいのか見極めるときだと思う。16年7月から連続して出展しているパリのランジェリー展が開催されないことも大きい。改めてランジェリー展がモチベーションになっていることを実感している。

――日本とパリの展示会は何が違う?
有馬:世界中の約400ブランドが並ぶ中、オリジナリティーがないとバイヤーの目に留まらず、商品に触れてももらえない。可能性があると思えば率直にアプローチがあり、それがブランドの英気を養っている。評価されてビジネスを広げていくための課題があり、それを解決するためにまた邁進する。その繰り返しで少しずつ取引先を増やしていった。

――ラウンジウエアにも力を入れている理由は?
有馬:ランジェリーがベースだが、ラウンジウエアは、ブランドの世界観を伝えるためにとても有効なアイテムだと思っている。18年にオープンしたニュウマン新宿や松屋銀座本店などで広いスペースの売り場ができたことで、下着だけでなくラウンジウエアを展開できる環境が整った。ファッションブランドに勤めていたこともあり、「こういう部屋着があったらいいな」と思いスタートした。売り場を限定しているため、まだあまり知られていないが売り上げに貢献している。

――今後の目標は?
有馬:成熟しながら実らせる、それを繰り返していくこと。「ランジェリーク」に関わるあらゆる人々から顧客に至るまで全ての人が充実した日々を送れること、その循環が有機的な進化を生むと考える。人もレースも、その素材の魅力を最大限に生かし、しっかり根をはり、それぞれの長所を生かしながら成長していきたい。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身

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「CFCL」が余った糸をアップサイクルした限定商品発売

 高橋悠介が手掛ける「CFCL」はファーストコレクションでの生産時に余った糸を活用した数量限定アイテムを4月15日に公式サイトで発売する。

 アイテムは、壺のような丸みのある象徴的なシルエットが象徴的な“ポッタリー”シリーズの量産で余った3色の糸を用いた、マルチカラーのトップ(2万9700円、税込)とスカート(4万6200円、同)。コンピュータープログラミングによる無縫製ニット技術を採用し、オレンジ、カーキ、ライトグレーの糸が混ざり合った1点1点異なるカラーリングや柄が特徴だ。

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三陽商会、荒療治の繰り返しは結実するか 今期は「攻め」で黒字化目指す

 三陽商会は2022年2月期、6期ぶりとなる営業黒字を目指す。新型コロナウイルスの影響長期化を織り込みながら、前期比16%増となる売上高440億円、売上総利益率は1.6ポイント改善し、営業利益1億円を見込む。14日の決算会見に登壇した大江伸治社長は、16年の“バーバリーショック”に触れ、「黒字化を達成できれば、ようやく乗り越え、新しい一つの収益体制が構築できたと言える。不退転の覚悟で臨みたい」と話した。中期の成長戦略として2026年2月期に売上高520億円、営業利益率10%を掲げた。

 同社は20年6月に就任した大江社長の下、店舗撤退や販管費の削減による構造改革を進めてきた。21年2月期中に百貨店の160売り場、直営18店を撤退したほか、販売員を含む希望退職者の募集を実施し、募集を30人上回る180人の応募があった。

「痛みを伴う改革には一定のメドはついた」と大江社長。22年2月期はこれらの店舗集約と販管費構造の抜本改革により、黒字化の前提となるローコスト運営が可能になった。その他にも、粗利率のさらなる改善のための施策を打つ。21年2月期と比較して、在庫の仕入れ量は金額にして13億円少ない156億円分とし、期中発注枠を増やして市場変化に対応しやすいMDを組む。販管費は31億円削減して214億円とする。

 また、22年2月期を「守りから攻めへと転じる」シーズンと捉え、基幹ブランドの直営店やアウトレット店の出店を行う。「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」の旗艦店のほか「マッキントッシュ フィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」の新ライン“グレーラベル”専用の新業態を数店舗出す。低迷していたセレクトショップ業態「ラブレス(LOVELESS)」、婦人服の「キャスト(CAST)」は期中に事業継続の可否を判断する。

 自社EC「サンヨー・アイストア(SANYO ISTORE)」はプロパー販売の強化が最優先事項。「販売のおよそ8割を値引き商品が占める」という状態から脱却するため、3月中にEC内のプロパーカテゴリーとアウトレットカテゴリーを分離。「中期的にはブランドごとバラバラにあるECとも統合して、実店舗と連動した新しいECを構築していきたい」とする。

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「サンローラン」初のライフスタイルカテゴリーが表参道店で販売 レオパード柄のバスタオルやスケボーなど

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)=クリエイティブ・ディレクターがキュレーションした初のライフスタイルカテゴリー“ライフスタイル(LIFESTYLE)”の販売を世界の一部店舗で開始した。日本では表参道店で取り扱う。同ブランドを象徴するレオパード柄のバスタオル(税込14万8500円)やスケートボード(同7万1500円)のほか、限定品として「バング & オルフセン(BANG & OLUFSEN)」「バカラ(BACCARAT)」「ジャン・ルイ・コケ(J.L COQUET)」と協業したアイテムも登場する。

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ライトオンの上半期は売上高が12.8%減の272億円

 ジーンズ専門店大手のライトオンの上半期(2020年9月~21年2月期)は、売上高が前年同期比12.8%減の272億円だった。本業のもうけを示す営業利益は、同294.5%増の5億7200万円。「短サイクル型発注の運用定着により在庫を適正にコントロールでき、値下げロスの改善ができたことや、販管費が抑制できたことから」(藤原祐介社長)営業黒字を確保した。退店および不採算店舗の減損損失として4億3000万円、希望退職者の募集に関する費用8200万円を特別損失に計上したなどにより、純損益は3億9500万円の赤字(前年同期は4億8300万円の赤字)になった。3月に40~60歳の正社員を対象に希望退職者を募集し、40人程度の定員に対して47人の応募があった。

 ライトオンは今後の重点施策として、コロナ禍で注目を浴びたアウトドアカテゴリーのPBブランド「キャンプ セブン(CAMP7)」の強化や、デジタル化のいっそうの促進を掲げる。

 現在PBブランド比率は4割ほどで、これを「2、3年めどで5割ほどに上昇させる」という。ライトオンはこの半年でPBブランドの価格見直しを行っており、「アウターは3000円程度、それ以外の商品についても1000~2000円程度値下げした」。一方で、「“ブランドミックス”こそライトオンさらしさ」とも語り、「仕入れブランドとのパートナーシップも同時に強固なものとする」という。

 デジタル化については、「インスタグラム(INSTAGRAM)のライブ配信やユーチューブ(YOUTUBE)への動画投稿で、バイヤーや店舗スタッフによる商品紹介やコーディネート提案を行い、新たなファンの獲得に努めた。3月にはクロスユース率(EC、実店舗のどちらも利用する客の割合)を高めるため、ライトオン公式アプリの全面リニューアルも行い、利便性を高めた。将来的には1対1のオンライン接客も実現したい」と話す。

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中国発eコマース「ラブストック」が日本上陸 注目は12人の次世代タレントブランド

 中国のソーシャルeコマースプラットフォーム「ラブストック チャイナ(LOVESTOCK CHINA)」が日本に初上陸し、4月15日に「ラブストック ジャパン」の公式オンラインストアをスタートする。

 「ラブストック チャイナ」が扱う商品は、衣類、バッグ、シューズ、コスメ、家具、デジタル商品、食品など11ジャンルで約1万ブランド。2017年のサービス開始以来、3年間で約3000億円を売り上げたという。

 「ラブストック チャイナ」の創業者が、日本の投資家との共同出資により、ラブストックジャパンを昨年設立した。

 「ラブストック ジャパン」の商品ラインナップで注目したいのは、オリジナルのファッションブランド「ケーオーエル(KOL)」だ。ブランド名は、「キー・オピニオン・リーダー」(強い影響力を持つ人)を意味する。総合エンターテインメント企業プラチナムプロダクションと提携し、同社に所属する次世代のモデルやタレント12人をディレクターに起用して、1つのブランドを作り上げるユニークなブランディングだ。各ジャンルで活躍する彼女たちが、”自分らしく、自然体でファッションを楽しむ”をテーマに独自のスタイルをデザインした。生産は繊維商社の豊島が手掛け、同社が開発したオーガニックコットン「オーガビッツ(ORGABITS)」などを使用するほか、下げ札はFSC認証(森林認証制度)を受けた紙、タグネームはペットボトルをリサイクルした糸を用いるなどサステナビリティにも配慮していることも特徴だ。価格帯は、2000代~9000円。

 「ケーオーエル」のディレクターを担う12人のうち、モデル・タレントの茜子、女優・モデルの鈴木ゆうか、モデル・タレントの世良マリカの3人にデザインの思いを聞いた。

WWD:「ケーオーエル」のブランドサイトでは、各自がモデルとなって個性的なコーディネートを提案している。

鈴木ゆうか(以下、鈴木):ファッションブランドのディレクションは初めてです。自分が着たい服と、誰かに着てほしいと思う服の両方をデザインしました。やりたいことがあり過ぎて、頭の中がごちゃごちゃになりましたが、最後はきれいにまとまったと思います。

WWD:デザインのポイントは?

鈴木:“スタイルアップ&ハイウエスト”がテーマです。スタイルが良く、足が長く見えるようにデニムのスカートはハイウエスト。スカートの3段フリルは、可愛いポイントです。好きな韓流の要素も取り入れました。どれも流行に左右されないデザインです。

世良マリカ(以下、世良):私は、動きやすさと色使いにこだわりました。今日自宅から着てきたニットワンピースはストレッチ素材で、快適に過ごせています。スニーカーにも合わせられるし、ちょっとしたお出かけにも最適です。デザインはシンプルなので、目を引くカラーにこだわりました。ブルーやオレンジなどバリエーションが充実しているので、自分の好きな色を見つけて挑戦してほしいです。

茜子:海が大好きなので、「ザ・海!ヘルシー!」をテーマに、着心地の良いスタイルをイメージしました。私は小柄(153cm)なので合うサイズやデザインが見つからないという悩みがあったのですが、私と同じ思いをしている女性を意識しながら“脚長効果”や“細見え”にこだわったデザインがポイントです。股下のスナップボタンやインナーパッドなど、テクニカルな仕様が備わった機能的なボディスーツは、薄手のシャツやショートパンツと合わせて海に出掛けたいと思わせます。水着に合わせてもかわいいアイテムばかり。私以上に小柄な姉にも着てほしいです。

WWD:環境にやさしいもの作りも「ケーオーエル」の特徴だ。

世良:高校1年生の時、授業でSDGsのことを習って以来、サステナビリティに興味を持ちました。自分もマイバッグを持つようになったり、参加したミス・コンテストのスピーチでもSDGsに触れました。「ケーオーエル」の服作りにもサステナブルな素材使いを重視しています。可愛さだけでなく、着やすさにこだわったのも、できるだけ長く愛用してほしいからです。

鈴木:私がデザインしたアイテムの一部には、トレーサブルオーガニックコットンが使用されています。私自身も着なくなった服は捨てずに、回収サービスを利用することが多くなりました。自分ができるサステナビリティを実践しています。

WWD:売り上げ実績によってはディレクター交代もある厳しいルールだ。

茜子:みんなとはファッションショーで顔を合わせることはたまにありますが、ふだん一緒に仕事をする機会はないので新鮮です。ライバル意識は持っていません。

WWD:「ケーオーエル」で今後目指したいことは?

鈴木:幼いころから絵を描いたりして、ファッションデザインはやりたいことの1つだったので真剣に取り組みたいと思います。街を歩くのが楽しくなる可愛い服のデザインを目指します。

世良:自分の好きなものだけを詰め込むのではなく、着る人のことを考えないといけない。服作りは簡単でないと実感しています。たくさん売ることとサステナビリティの両立は難しいことですが、ファッションを通してどんな貢献ができるのか考えたいと思います。

茜子:肌の露出を気にせず、水着とコーディネートできる服は少ないと思っていたので、自分にとって新しい挑戦になりました。これまであまり知識がなかったサステナビリティについても、学ぶチャンスになると期待しています。

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再上陸したアメリカンラグシーの直営店が原宿キャットストリートにオープン

 アメリカンラグシー(AMERICAN RAG CIE)の直営店が4月17日、東京・神宮前キャットストリートにオープンする。4層構造の一軒家を改装した売り場面積は約131平方メートル。伊藤忠商事がマスターライセンシーで、サブライセンシーとして店舗運営とオリジナル品生産はカリテスが行い、2021〜22年度中に3〜5店舗の出店を計画する。ECはすでに開設している自社ECに加え、ZOZOやRAKUTEN FASHION への出店を予定する。
 
 アメリカンラグシーは、マーク・ワーツ(Mark Werts)創業者兼CEOが1984年に創業し、85年にラ・ブレラ通りにストアをオープンしたロサンゼルス発のライフスタイルストア。96年にサザビーリーグが80%出資して本国と合弁会社を設立し多店舗展開していたが、2008年をピークに売り上げが伸び悩み18年春夏シーズンをもって事業を終了していた。再上陸は19年9月。伊藤忠商事がワーツCEO率いる米インダストリーワーツ社とマスターライセンシーを、コロネットがサブライセンシー契約を締結し、同年10月からEC先行で事業を行っていた。しかし、サブライセンシーに関しては20年5月、OEM・ODM生産や店舗・ECの運営を手掛けるカリテスが締結していた。

 キャットストリート店は90年代に人気を博した「ビューティビースト(BEAUTY:BEAST)」がかつてアトリエを構えていた洋館で、その後、テナントがさまざま入れ替わり直近はIT企業が事務所として利用していた場所で、アメリカンラグシーの雰囲気にもマッチしている。
 
 内装は“リサイクル”“サステナブル”“エコフレンドリー”をコンセプトに空間やその場にあったというビリヤード台などを生かしたアットホームな雰囲気。バスルームや小部屋をそのままフィッティングルームに用いた。建材や什器には古材や衣類を粉砕したリサイクルボード「パネコ(PANECO)」など環境配慮型素材を採用。一階にはコーヒースタンドを併設し、フェアトレードのオーガニックコーヒーを250円で提供し、気軽に立ち寄れる雰囲気を演出した。今後は、店内でのライブイベントやポップアップスペースの貸し出しも行う。

 商品は仕入れ品が3割、オリジナル品が7割程度で、アメリカのビンテージ古着もそろえる。商品の平均価格は春夏シーズンが1万2000~1万3000円。仕入れ品とオリジナル品、古着のカジュアルなミックススタイルを提案する。

 ワーツCEOは東京に直営店を開く狙いを「アメリカンラグ シーは日本を愛している。日本のカルチャー、食、人々、ビューティはアメリカンラグ シーのDNAの一部だ。私たちは変わり続けてきた。21年はアメリカ・ロサンゼルスでポストコロナのファッションシーンをリードしていく。これを日本でも体現していくため、今回東京で出店した。アメリカ本国同様に、エンターテインメント、楽しさ、ソーシャルな交流、提案手法、カルチャー、商品構成を取り入れている。われわれはフェアであること、マーケットに適した商品・価格であること、素晴らしい接客を行うことを実直に体現していく」とコメントを発表した。

■アメリカンラグシー キャットストリート店
オープン日:4月17日
住所:東京都渋⾕区神宮前6-15-2営業時間:11:30~20:30(不定休日)
電話番号:050-3138-2222

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「ルイ・ヴィトン」親会社、21年1~3月期は30%増収 時価総額は39兆円を突破

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2021年1~3月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比31.7%増の139億5900万ユーロ(約1兆8146億円)だった。コロナ禍以前の19年同期と比べても、既存事業および現地通貨ベースで8%増だった。

 部門別の売上高では、「ルイ・ヴィトン」「ディオール(DIOR)」「フェンディ(FENDI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」などのブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同45.1%増の67億3800万ユーロ(約8759億円)、香水&コスメティクス部門は同12.1%増の15億5000万ユーロ(約2015億円)、ワイン&スピリッツ部門は同28.5%増の15億1000万ユーロ(約1963億円)といずれも好調だった。

 20年12月に総額158億ドル(約1兆7222億円)で買収したティファニー(TIFFANY & CO.)が今期から組み込まれているウオッチ&ジュエリー部門は、「ブルガリ(BVLGARI)」が好調だったこともあり、同137.7%増の18億8300万ユーロ(約2447億円)と2倍以上の伸びとなった。「ティファニー」の売り上げは、19年同期との比較で8~9%増となっている。 

 免税店のDFSや化粧品のセレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)を運営するセレクティブ・リテール部門は、観光客の不在が響き、同11.0%減の23億3700万ユーロ(約3038億円)だった。

 なお19年同期との比較では、既存事業および現地通貨ベースで、ファッション・レザーグッズ部門が37%増、香水&コスメティクス部門は4%減、ワイン&スピリッツ部門は17%増、ウオッチ&ジュエリー部門は1%増、セレクティブ・リテール部門は30%減となっている。

 全体として非常に好調だった決算内容を好感し、LVMHの時価総額は4月13日に初めて3000億ユーロ(約39兆円)を突破。17年と比べ、およそ3倍に膨らんでいる。

 ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)は、「『ティファニー』のブランド力はとてつもなく強く、極めて大きな可能性を持っている。そこに疑いの余地はない。しかしその可能性を最大限に引き出すには販売網、マーチャンダイジング、マーケティングなどにおいて適切な戦略が必要であり、それを実行するには何年もかかる。大変な仕事だが、腰を据えてじっくりと取り組んでいきたい」と語った。

 ラグジュアリー業界では、臆測の段階にあるものも含めて買収の話題に事欠かない。アナリストやメディア向けの決算説明会で、検討している買収案件はあるかと問われたギヨニーCFOは、「ほかにやるべきことがある。現在は『ティファニー』をグループ内に統合し、長期的に成長させていくことが最優先事項だ。全てのリソースをそこに注ぎたいので、次の買収を検討している場合ではない」とこれを否定した。

 LVMHは四半期ベースでの地域別の売上高を開示していないが、米国とアジア地域が力強く成長した一方で、欧州は再ロックダウンなどの影響により回復が遅れているという。21年1~3月期では、売り上げ全体の41%がアジア地域によるものであり、中でもコロナ禍の影響から一足早く回復している中国市場は非常に重要な存在だ。

 中国では最近、新疆ウイグル自治区で生産されたコットンの使用中止を発表した企業に対する批判が高まっており、そうしたブランドの一つである「H&M」に対しては不買運動が起きている。LVMH傘下のブランドが同じようにボイコットされるリスクを考えたことはあるかという質問に対し、ギヨニーCFOは、「どの国においても成功することに脅威を感じたことはない。中国問題に関して誰もが話題にしているが、個人的には(脅威ではなく)ビジネスチャンスだと捉えており、中国で展開している事業について満足している。中国が複雑な国であることは否定しないが、それはどの国や事業も同じだと思うので、何か悪いことが起きるかもしれないというような心配はしていない」と述べた。同社はこれまで、新疆綿やウイグル問題に関する声明などは発表していない。

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「バレンシアガ」が過激メタルバンドのラムシュタインとコラボ プレイリストや限定アイテム発表

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は、ドイツのロックバンドのラムシュタイン(RAMMSTEIN)が選曲したプレイリストをアップルミュージックで14日に公開した。同ブランドはアップルミュージックの公式キュレーターを務めており、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターがアーティストを選出。プレイリストのトラックは、ゲストがこれまでに影響を受けた楽曲をセレクトしている。

 プレイリストの公開を記念したコラボコレクションを発売。ラムシュタインの公式ロゴとメンバーをプリントしたTシャツ(税込、以下同6万9300〜8万6900円)やフーディー(10万8900〜12万4300円)のほか、レインコート(26万6200円)、キャップ(5万6100円)、ウエストポーチ(9万9000円)、バックパック(14万8500円)をそろえる。「バレンシアガ」青山店や一部直営店で扱う。

 キービジュアルには、ラムシュタインの熱烈な3人のファンを起用。彼らが所有するレアなグッズやCD、ポスター、タオルマフラーを並べて撮影した。

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【開催間近】ロンハーマン、マッシュ、ベイクルーズ、ヤーマンに聞くサステナやライブコマースへの挑戦 「トレンド&ビジネス セミナー NEXT VISION」

 「WWDJAPAN」は4月20日、「トレンド&ビジネス セミナー NEXT VISION 2021-22FW」を開催します。今回は【BUSINESS TREND】2部と【FASHION TREND】の三部構成となり、【BUSINESS TREND】では実績のある先行企業からゲストスピーカーをお招きし、これまで取り組んできた施策や課題、また成功事例について詳しく伺います。オンライン開催のみとなる今回のお申込みは、3部からご希望のコースを選んでご参加いただくことができます。

- 第一部 -
選ばれるブランドになる!どこから始める?
サステナビリティなモノづくり~“売れている”人気ショップの実践例~

 第一部では、根岸由香里ロンハーマン事業部事業部長兼ウィメンズディレクターと小木充マッシュビューティーラボ代表取締役副社長兼「コスメキッチン」ディレクターにご登壇いただきます。ファッションやビューティのモノづくりの背景として今や欠かせないキーワードである“サステナビリティ”。サステナビリティに通じる理念を掲げ、かつ“売れている”人気ショップの責任者であるお二人を迎え、サステナビリティなモノづくりの背景について考えます。“サステナビリティの理想は分かるけどいったいどこから始めたら良い?”と悩む企業の課題を解消します。

- 第二部 -
2021-22年秋冬シーズンの
ファッション&ビューティトレンドを解説

 未曾有の状況かでファッションに“心地よさ”を求めた2021年春夏シーズンに対し、21-22年秋冬の海外コレクションで広がったのは、“ファッションで心踊らせたい”“オシャレを楽しみたい”というポジティブなムード。有力デザイナーたちは具体的にどのようなことを考え、それをどういったアイテムやスタイリング、ヘアメイクに落とし込んだのか。日本の市場動向を踏まえながら解説します。ご来場の皆さまには2021-22年秋冬シーズンのトレンド情報をまとめた完全保存版「TREND BOOK」の電子版を進呈いたします。

- 第三部 -
挑戦しよう!ライブコマース‼
~先行企業の動画を徹底分析~︎

 第三部では、ベイクルーズの橋本敬介EC統括プランニングアンドオペレーション セクションマネージャーとヤーマンの川崎布美子ブランド戦略本部PRグループにご登壇いただきます。ファッション業界で最もECが進んだ企業の一つと言われるベイクルーズは、1回の配信の最高売上高として配信後1週間で約2400万円を計上するなど、ライブコマースでも実績を上げています。美容機器の製造・販売を行うヤーマンは、中国市場からライブコマースをスタートし、「Tモール」が実施する昨年11月のセールイベント「独身の日(W11)」では、全在庫を約25秒間で完売。電子美容機器部門の販売実績と売り上げシェアで5年連続1位を獲得し、昨年売上高は過去最高を更新しました。両社がこれまで取り組んできた動画施策や“手応えのあった”ライブコマース、成功・失敗事例などお聞きします。

■「WWDジャパン トレンド&ビジネス セミナー NEXT VISION 2021-22FW」

<プログラム内容>
第一部 11:00~12:20
BUSINESS TREND Part1 【Aコース】【Cコース】

選ばれるブランドになる! どこから始める?サステナビリティなモノづくり~“売れている”人気ショップの実践例~

ゲストスピーカー:
根岸由香里/ロンハーマン事業部事業部長兼ウィメンズディレクター
小木充/マッシュビューティーラボ取締役副社長兼「コスメキッチン」ディレクター
モデレーター:
向千鶴/執行役員 WWDJAPAN 編集統括

第二部 13:30~14:50
FASHION TREND 【各コース共通】

1~3月に発表された2021-22年秋冬のデジタル&リアルコレクションをリポート。そこから映し出されるトレンドを国内マーケットに即してお届けします。

スピーカー:
向千鶴/執行役員 WWDJAPAN 編集統括、村上要/WWDJAPAN 編集長、五十君花実/WWDJAPAN 副編集長、北坂映梨/WWDJAPAN 副編集長

第三部 15:00~16:20
BUSINESS TREND Part2 【Bコース】【Cコース】

挑戦しよう!ライブコマース‼~先行企業の動画を徹底分析~︎

ゲストスピーカー:
橋本敬介/ベイクルーズ EC統括 デジタルマーケティングディビジョン プランニングアンドオペレーションセクション セクションマネージャー
川崎布美子/ヤーマン ブランド戦略本部PRグループ
モデレーター:
村上要/WWDJAPAN 編集長

<日時・受講料>下記A~Cから受講コースをお選びください。

2021年4月20日(火)
【Aコース】第一部+第二部/11:00~14:50
定期購読者:8,800円/1名(税込)※定期購読者割引クーポンをご利用時
一般:13,200円/1名(税込)

【Bコース】第二部+第三部/13:30~16:20
定期購読者:8,800円/1名(税込)※定期購読者割引クーポンをご利用時
一般:13,200円/1名(税込)

【Cコース】第一部+第二部+第三部/11:00~16:20
定期購読者:16,500円/1名(税込)※定期購読者割引クーポンをご利用時
一般:22,000円/1名(税込)

※開催後、4/30まで視聴いただけるアーカイブURLをメールにてお送りいたします。
※内容は予告なく変更になる場合がございます。
※各部後半には、質疑応答の時間を設けます。

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美容室の新たな通い方を提供 ヘア業界の課題解決を目指す「メゾン」の鈴木代表【ネクストリーダー2021】

 「メゾン(MEZON)」は、美容室のシャンプー・ブローやヘアケアサービスを月額定額で提供するサブスクリプションサービスだ。2018年2月から展開し、加盟店は首都圏を中心に全国約1000店にまで拡大。カット・カラーを軸に運営する従来のサロンの在り方に対し、ユーザーはさまざまなメニューをより手軽に試せるようになり、美容室にとってもリピート率向上に貢献している。ユーザーと美容師どちらに対してもメリットをもたらし、新しい“美容室の通い方”を提案する画期的なシステムだ。そんな「メゾン」を率いる鈴木みずほジョシー(JOCY)代表が、「WWDJAPAN NEXT LEADERS 2021」に選出された。

WWD:美容室での勤務経験がない鈴木代表が、このサービスを思いついた経緯は?

鈴木みずほジョシー代表(以下、鈴木):前職ではプレゼンを行う機会が多かったが、正直苦手だった。ところがある時美容室でシャンプー・ブローを受けてから臨んだら、いい結果を出せた。その時に「私は美容室で自信ももらっている」と気が付き、美容室をもっと気軽に通える場所にしたいと考えた。

WWD:目新しいサービスだが、どのように加盟店を増やしたのか。

鈴木:このサービスは美容室の協力が重要なので、最初から「どうしたら協力してくれますか」と美容師を巻き込んだ。サービス導入の営業ではなく、金額も含めて要望を聞き、ビジネスモデルを一緒に構築した。

WWD:美容室と話す中で、どのような経営課題が見えた?

鈴木:集客は大きな課題。美容室のお客のリピート率は約15〜30%と低く、新客の獲得はクーポン券に頼ることが多い。そうするとお客も価格で美容院を選ぶようになり、次回以降も新客向けクーポンを使い、別の美容室に行く……という負のスパイラルが起こる。一方で「メゾン」のメインユーザー層である30〜40代は価格より質を重視する。初めての美容室でカット・カラーを受けるのは、失敗が不安だという意見が多かった。だから「メゾン」は手軽なメニューで美容室をお試しでき、信頼を得て再来してもらえるように設計した。カット・カラー以外の収益は美容室のメリットも大きい。女性は年平均4.2回美容室に行くが、美容室は直近10年で7万軒も増えて、25万軒に達した。膨大な美容室がカット・カラーだけでお客を奪い合うのは限界がある。

WWD:美容室が増え競争が激化しても、なぜ業界は変わらない?

鈴木:要因はさまざま。美容室はもっと柔軟に、新しい収益基盤を作るべきだと感じる。それは働き方にも当てはまる。美容室は女性経営者が少ないが、その要因の一つに出産・育児が挙げられる。出産と産休で3年ほど仕事から離れれば、技術もトレンドも大きく変化し、復帰が難しい。ヘッドスパやトリートメントであれば専門職として新しい働き方も模索できるのでは、と思う。

WWD:ローンチから3年、順調に拡大しているように見える。大変だったことは?

鈴木:1つは資金調達。投資家の多くが50代以上の男性でサービスへの理解を得るのが難しく、自分まで事業内容に自信を持てない時期があった。2つ目は新型コロナ禍。昨年4月の緊急事態宣言では、ユーザーに一時解約を促進し、調達したばかりの資金がみるみる減っていった。ジョシーとしては新規事業も計画したが、結局全て白紙に。新事業は私たちがすべきことなのか、私たちが提供したい価値に近づくことかと考え直した結果だ。経営者としては一番勇気がいる決断だったが、今はコロナ以前の8割までユーザーが戻っている。

WWD:これからの市場をどう見据える?

鈴木:今後10年でメガヒットするサービスはなかなか生まれないのではないか。人の価値観やライフスタイルは多様化し、顕在化した課題を解決するサービスもほとんどそろった。その中で生まれるのは、細分化された価値観に合った商品、少数に愛されるサービスだろう。私たちは新しいライフスタイルを作ることで、生き方の選択肢を増やしたい。

【推薦理由】
 日本の美容室の数は約25万軒あり、コンビニよりも多いとされる。近年はクーポンサイトの台頭などで価格競争が激しくなる中、美容室にとってリピート顧客の定着や収益率が高いサービスの提供は課題とされてきた。一方ユーザーからすると、トリートメントやヘッドスパなど、これまでカット以外の目的で美容室に通うことはハードルが高いとされてきた。そこで「メゾン」はカット・カラー以外のメニューを定額で通えるようにすることでユーザーはより多くの美容室を気楽に通えるようにした。コロナ禍でヘアサロンも打撃を受ける中で、美容室の新たな通い方を提案している。またユーザーにも、美容室にもメリットがある仕組みとして、業界にポジティブなチェンジをもたらしている。

臼井杏奈:産経新聞社を経て、2017年から「WWDJAPAN.com」「WWDビューティ」編集記者として海外市場やビューティテックの取材を担当。現在はフリーライターとして活動。 日本美粧協会「チャイナコスメティックラボ」研究員

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ライトオンが原宿旗艦店を8月に閉店

 ジーンズ専門店大手のライトオンは、旗艦店と位置付ける原宿店を8月に閉店する。同社の創業者・藤原政博氏の長男で、2020年3月から社長を務める藤原祐介氏は、「同店はライトオンの象徴的店舗であり、それがなくなることは内外に少なからぬ影響を与えることを理解しているが、悩んだ末に決定した。今後は、池袋店にインバウンドの受け皿や情報発信の場としての役割をバトンタッチしたい。同時に、この時代に都心に実店舗を持つ意味をあらためて考えたい」と話す。

 原宿旗艦店は17年3月にオープン。明治通りに面した売り場面積830平方メートルの大型店で、ナショナルブランドからインポートブランド、同社のプライベートブランドまで多くのジーンズカジュアル商品を扱ってきた。コロナ直前の売り上げに占めるインバウンド比率は6割ほどで、それが消滅していた。

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「無印良品」営業利益48%増 9〜2月期、新常態が追い風

 「無印良品」を運営する良品計画の2020年9月〜21年2月期連結業績は、売上高に相当する営業収益が前の年の同じ期間に比べて2.7%増の2283億円、営業利益が48.2%増の233億円だった。コロナ下における新常態で同社が得意とする生活必需品へのニーズが高まった。値引きの抑制によって粗利益率が1.1ポイント改善したことも利益の底上げにつながった。

 日本の既存店およびEC(ネット通販)の売上高は同7.9%増だった。10月、1月に分けて実施した値下げの効果もあって客数が17.0%増えた。分野別売上高では衣服・雑貨が3.9%減の466億円と伸び悩んだが、生活雑貨が6.1%増の698億円、食品が59.8%増の229億円と牽引した。巣ごもり消費の追い風を受けた食品は、引き続きレトルトカレーなどがヒットした。食品の売上高は2年前に比べて倍増しており、売上高構成で16%に上昇した。

 日本だけでなく、中国を中心とした東アジア事業も増収増益を達成し、ロックダウンが続いた欧米事業の赤字をカバーした。

 通期(21年8月期)は売上高4876億円(前年の同じ期間に比べて21.4%増)、営業利益492億円(同約3倍)の過去最高業績を見込む。

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韓国発メイクブランド「ヒンス」から初のベースメイク 薄膜仕上げのファンデーションとハイカバーなコンシーラー

 韓国発メイクアップブランド「ヒンス(HINCE)」は4月14日、ブランド初のベースメイクライン“セカンドスキン“シリーズを公式オンラインショップで発売する。4月26日からは楽天市場、Qoo10でも販売する。

 同シリーズは、リキッドファンデーションとコンシーラーの2製品を展開する。“セカンドスキンファンデーション(SPF30・PA++)”(全5色、各40mL、税込各4290円)は、素肌のように軽いテクスチャーで、重ね塗りしても崩れにくく自然なカバー力をかなえる。肌と親和性の高いアミノ酸成分配合で、高い密着力としっとりとした使用感が特徴だ。“セカンドスキンカバーコンシーラー”(全5色、各6.5g 税込各1980円)は、ナチュラル・ハイカバーフォーミュラで高いカバー力と自然な仕上がりを両立。崩れにくく長時間美しい仕上がりが続く。カラーはさまざまな肌トーンに合うように設計した5色をラインアップする。

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追記:4月27日に「WWDJAPAN」がオンラインで美容師向け「ヘア&メイク トレンドセミナー2021SS」を開催

【追記4月21日】美容師向け「ヘア&メイク トレンドセミナー2021SS」の視聴用ユーチューブを追記しました。4月27日18時になったら上記から視聴できます。また、ユーチューブ(https://youtu.be/ISa78Fwv-i8)に直接アクセスする方法もあります。

 「WWDJAPAN」は4月27日18~19時、オンラインで美容師向け“ヘア&メイク トレンドセミナー2021SS”を開催し、ユーチューブでライブ配信します。主に全国の美容師に向け、21年春夏シーズンのコレクション映像を見ながら、村上要「WWDJAPAN」編集長ら編集部員が、最旬のヘア&メイクトレンドを分かりやすく解説します。

 デジタルとリアルを融合した、これまでにない形での発表となった2021年春夏コレクション。未曽有の状況下でデザイナーたちは何を感じ、どんなテーマでコレクションを提案したのか解説します。

 トレンドキーワードは、ファッションでは“心地よさ”や“安らぎ”、“自然からの癒やしと活力”。ビューティではマスク着用の影響を受けたパワフルな眼差しや、閉塞感を打ち破るビタミンカラーが台頭。

 そうしたトレンドを美容師はどう咀嚼し、どうサロンワークに生かすべきか。美容師にとって多くの気付きのある内容になっています。

 2つ目のコンテンツは、人気ヘアサロン「コクーン(Cocoon)」のSAKURAディレクターをゲストスピーカーに迎えた、“サロンワークに今必要なこと”をテーマにしたトークセッション。ヘアデザインやヘアカラーのトレンド、“サロンにおけるSDGs”をはじめとする気になるトピックス、さらには注目のアイテムなどについて掘り下げます。

■美容師向け「ヘア&メイク トレンドセミナー2021SS」~サロンワークに今必要なこと~
日時:2021年4月27日(火)18~19時
◆18時~18時25分:美容師向け「ヘア&メイク トレンドセミナー2021SS」(約25分)
【登壇者】
村上要/「WWDJAPAN」編集長
北坂映梨/「WWDJAPAN」副編集長

◆18時25分~18時50分:トークセッション「サロンワークに今必要なこと」(約25分)
【登壇者】
SAKURA「コクーン」ディレクター
村上要/「WWDJAPAN」編集長
中村慶二郎/「WWDJAPAN」サロンビューティデスク

※参加費無料 どなたでもご視聴いただけます。
※視聴用アドレス : https://youtu.be/ISa78Fwv-i8

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即完売した「ケイト」の“小顔シルエットマスク”第2弾の発売決定、お披露目会に井上咲楽が登場

 カネボウ化粧品のメイクブランド「ケイト(KATE)」は4月24日、第2弾となる“小顔シルエットマスク”を数量限定で発売する。“中顔面(眉下〜鼻先部分)を短くみせる”ことに着目した新デザインを採用し、第1弾で展開した4色に新たに5色(EC限定)を加えた全9色をラインアップする。価格は2枚入りで税込各990円(編集部調べ)。

 昨年12月に発売した第1弾は、ツイッターでトレンド入りするなど「小顔マスク」として話題を集め、即日完売した店舗が続出した。第2弾では、「中顔面の余白を短くすると小顔印象に見える」という事実に着目し、中顔面を短くみせる小顔シャープドットラインをマスクの上部とフェイスラインに施した。第1弾と同じく、吸水速乾で洗って繰り返し使用できる。同ブランドは、「マスクもメイクの一部」をコンセプトに掲げており、“小顔リメイクアイシャドウ”の呼び名で知られる“パーツリサイズシャドウ”を使用したマスクに似合うアイメイクを公式サイトで提案する。

 第2弾のお披露目会では、白のワンピースを着用した井上咲楽がゲストで登壇した。トレードマークだった太眉を卒業して話題になっている井上は、「眉を整えてから、ヘアカラーに合わせて『ケイト』のアイブロウを使っている。初心者の私でも使いやすく、つけたままのきれいな状態をキープできる」と、同ブランドを愛用していることを話した。イベントでは井上がモデルとなり、小顔メイクのデモストレーションが行われた。「(眉を整えてから)強調されるパーツが減ったので、アイシャドウを塗ったりと自分の顔をパレットのように楽しむことができるようになった。下まぶたのメイクは知らないことが多かったので、これから中顔面を短くみせるメイクを勉強しようと思う」と意気込みを語った。イメージチェンジしてからは、美容雑誌やグラビアの仕事のオファーが増えたという。「100ある“ウイッシュリスト”の1つに化粧品ブランドとの仕事を掲げていたので、今回夢がかなってうれしい」と終始笑顔だった。

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「カルティエ」初の光発電する時計“タンク マスト” CEOに狙いを聞く

 「カルティエ(CARTIER)」は、デジタル開催された世界最大の時計見本市「ウオッチ&ワンダー ジュネーブ(WATCHES & WONDERS GENEVA)」(旧「S.I.H.H.」)で新作ウオッチを発表した。中でも目を引いたのは、オリジナルの光発電システム“ソーラービート”を搭載した“タンク マスト”だ。従来のモデルから見た目をまったく変えずに、新たなイノベーションを付与し、一方で価格は据え置いた。ストラップには廃棄リンゴ由来のノンレザーを使い、サステナビリティも意識した。シリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)=カルティエ インターナショナルプレジデント兼最高経営責任者に、新作に込めた思いについて聞いた。

WWD:“ソーラービート”搭載の“タンク マスト”によって「カルティエ」が表現・発信したいこととは?

シリル・ヴィニュロン=カルティエ インターナショナルプレジデント兼最高経営責任者(以下、ヴィニュロン):5年前、「『カルティエ』はスマートウオッチを発表するのか?」と聞かれたとき、私は「スマートウオッチはサイクルが早く、たびたび買い替えなくてはならない。つまりNOだ」と答えた。重要なのは、伝統あるメゾンが時間とどう向き合うか。その点、“ソーラービート”の寿命は16年。これが、われわれが出した答えだ。時計の動力とも向き合った。時計は、美的な妥協を一切せず、機構においてもいっそう長く愛されるべきと考える。

WWD:同じく新作で、ダイヤルとベルトを同色としたレッド、ブルー、グリーンの“タンク マスト”には、時計へのファッション的アプローチを感じた。

ヴィニュロン:ありがたい評価だが、これらはファッション的アプローチではなく、1970年代に「カルティエ」が発表した“マスト ドゥ カルティエ”へのオマージュとして誕生した。「カルティエ」は自身のレガシーも大切にする。

WWD:“サントス ドゥ カルティエ”“パシャ ドゥ カルティエ”に続き、今年は“タンク”も見直し、現代的に蘇らせた。近年の、代表的名作をモダナイズする動きは「カルティエ」が歩むべき道であり、結果も伴っている?

ヴィニュロン:メゾンは独自性を示さなくてはならない。独自性、そして美は、製品そのものよりも大事な要素と言える。自分たちがどんなメゾンであるかを大切にし、その姿勢を貫くことで「カルティエ」は顧客や時計愛好家から評価を得ている。われわれの方向性は正しかったと確信しており、継続していく。

WWD:「カルティエ」も参加した、「ウオッチ&ワンダー ジュネーブ」が2度目のデジタル開催を終えた。昨夏にはEC機能も付与され、デジタルにできることはもうこれ以上ないのでは?とも考える。同時に、1日も早くコロナが収束してフィジカルにイベントが開催されればと願う。デジタルの未来について「カルティエ」が考えることとは?

ヴィニュロン:今日では、全ての場面にデジタルが存在する。そして、デジタルは驚くべき早さで進化している。われわれはデジタルの現状を理解し、直近2、3年の動きを予測するが、詰まるところ未来のことは誰にも分からない。その点において、デジタルとは永遠に未完成なものなのだと思う。

WWD:「カルティエ」は時計における2021年について“メンズ強化の1年”と述べた。キング・オブ・ラグジュアリーである「カルティエ」の言葉に驚いたが、その真意とは?

ヴィニュロン:「カルティエ」のクリエーションは、自身の個性を外的に表現する欲求を持つ方に向けている。これはメゾン創設当時から続くもので、男性も魅了している。そして、この姿勢は今後も変わらない。

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パルグループHDが黒字確保 21年2月期、生活雑貨とECが健闘

 パルグループホールディングス(HD)の2021年2月期連結業績は、売上高が前期比17.9%減の1085億円、営業利益が同84.7%減の13億円だった。不採算店舗の増加に伴い減損損失が膨らんだものの、投資有価証券売却益を計上したため、純利益は2億7000万円と最終黒字を確保した。

 期末店舗数は純増6の932店舗。実店舗は大きく落ち込んだものの、EC(ネット通販)事業の売上高が下期に大きく伸長した。巣ごもり需要の高まりで「スリーコインズ(3COINS)」を中心とした生活雑貨が健闘した。昨年春の緊急事態宣言の解除後に、仕入れ抑制や在庫のコントロールを徹底した結果、上期で前年同期比4ポイント近く落ち込んだ粗利益率が下期には2ポイント強改善した。

 EC事業の売上高は同34.7%増の236億円だった。自社サイト「パルクローゼット」の売上高が同78.5%増の74億円となり、実店舗とほぼ同じオペレーションで展開していることが好業績につながった。EC化率は13.3ポイント増の31.4%になった。井上英隆会長は「この状態が続けば4割近くまでいくと思う」と予測する。

 セグメント別の売上高は、衣料事業は同22.2%減、雑貨事業は5.9%減。雑貨事業は下期には18%増と盛り返した。ブランド別では「スリーコインズ」のほか、アパレルでは「フーズフーギャラリー(WHO’S WHO GALLERY)」「チコ(WHO’S WHO CHICO)」「カスタネ(KASTANE)」「ミスティック(MYSTIC)」などカジュアル系が好調だった。「自宅で着るワンマイルウエアなどカジュアルなファッションと、生活雑貨がよく売れた。また、オンラインで購入する習慣が定着してきた」と井上会長は話す。

 22年2月期の連結業績は、売上高1340億円(前期比23.5%増)、営業利益74億円(同534.8%増)を見込む。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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アダストリア次期社長に木村氏が昇格

 アダストリアは14日、福田三千男代表取締役会長兼社長(74)が5月27日付で会長職専任となり、新社長に木村治副社長(51)が就くと発表した。代表権は引き続き福田氏一人が持つ。また、同日付で財務や人事の責任者である金銅雅之取締役(53)、国内外の営業統括である北村嘉輝取締役(45)の2人が常務取締役に昇格する。

 木村新社長は1969年9月2日生まれ、茨城県出身。90年にアダストリアの前身である福田屋洋服店に入社し、販売員、店長、エリアマネジャー、本部バイヤーなどを経験した。2001年に退社して福岡市でワークデザインを設立。同社は07年にドロップ(後にポイント=アダストリアHDと統合するトリニティアーツの前身)と経営統合し、11年にトリニティアーツの社長に就任。13年にアダストリア取締役となり、16年の常務就任を経て18年から副社長を勤めていた。

 トリニティアーツで、「ニコアンド(NIKO AND…)」「ベイフロー(BAYFLOW)」などライフスタイル業態を打ち出し、市場を開拓してきた立役者。13年にアダストリアに参画して以降は、営業部門や新規事業開発を担当。EC専業ブランドを扱うBUZZWIT、飲食事業のADASTRIA eat Creationsなどの子会社を立ち上げてきた。

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「ロエベ」の“パウラズイビザ”第5弾発売 伊勢丹新宿本店など全国5カ所でポップアップも

 「ロエベ(LOEWE)」は、カプセルコレクション“パウラズイビザ(PAULA’S IBIZA)”の第5弾を4月15日に発売する。これに先駆け、伊勢丹新宿本店2階では、4月14日から5月5日までポップアップを開催。同店を皮切りに、横浜、福岡、名古屋、大阪の全国5カ所を巡回する。

 “パウラズイビザ”は、1970年代にカルト的人気を博したスペイン・イビサ島のブティック「パウラズ イビザ」が着想源。今回は“現実逃避”をコンセプトに、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)=クリエイティブ・ディレクターのパーソナルな夏の思い出を込めながら、気ままなビーチの装いと都市部の夏のムードを融合させている。ビジュアルは、世界的写真家マリオ・ソレンティ(Mario Sorrenti)の娘、グレイ・ソレンティ(Gray Sorrenti)が撮り下ろした。

 今回は新たに程よくフォーマルなブレザーやドレス、スエットシャツ、トラウザーなど、抜けのあるウエアが登場。ほかにも、天然繊維を織って作った人気のバスケットバッグを中心に、ラフィア製のラッフルを採用したバルーンバッグやポシェット、キャンバス地のフィッシャーマンハットやサングラスなど、小物類も充実させている。イラカヤシ製のアナグラム バスケットは、女性職人の経済的自立を支援するNGO団体「Oficio y arte」の職人らがコロンビアで織ったもので、スペインの「ロエベ」のアトリエで細部を仕上げた。ポップアップ限定商品として、スクエア型のバスケットバッグ(税込8万1400円)も販売する。

 そのほか、伊勢丹新宿店ではストローアーティストのARKOと竹工芸家の松本破風の作品も展示・販売する。24、25日には、松本本人による作品紹介や、5月1日には華道家の渡井徹が生け花のデモンストレーションを行う。

■“パウラズイビザ”ポップアップストア
会期:4月14日〜5月5日
場所:伊勢丹新宿本店 本館2階 イセタン ザ・スペース
時間:10:00〜20:00
※竹工芸家・松本破風による作品紹介(4月24、25日12:00〜15:00, 16:00〜18:00)
※華道家・渡井徹による生花デモンストレーション(5月1日13:00〜13:30, 14:00〜14:30, 15:00〜15:30,16:00〜16:30)

会期:4月21日〜6月30日
場所:ニュウマン横浜 2階
時間:11:00〜20:00

場所:岩田屋本店 1階
会期:4月28日〜5月11日
時間:10:00〜20:00

会期:5月26日〜6月8日
場所:ジェイアール名古屋タカシマヤ 3階
時間:10:00〜20:00

会期:6月16日〜28日
場所:阪急うめだ本店 9階祝祭広場
時間:10:00〜20:00

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「ボッテガ・ヴェネタ」のベルリンでのショーがSNSで炎上 “特権階級主義”な行動に批判の声

 「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」が4月9日にドイツ・ベルリンで行ったファッションショーが、物議を醸している。厳しいロックダウンの最中にあるベルリンで、関係者やゲストが規制を遵守していなかったという疑惑からSNSを中心に炎上。同ブランドは1月に公式インスタグラムアカウントなどを閉鎖してSNSと距離を置いているが、今回のイベントに対する反発とは無縁ではなく、参加者やそのスナップを掲載したメディアのアカウントに多くの批判的なコメントが書き込まれている。

 事の発端は、4月9日に有名ナイトクラブのベルクハイン(BERGHAIN)で開催された、2021-22年秋冬コレクションにあたる「サロン02(SALON 02)」のシークレットショーだ。「ボッテガ・ヴェネタ」は昨シーズンからコレクションの発表形式を刷新し、少数のみのゲストを招待したショーを撮影して、数カ月後にその映像を公開している。今回も現地の感染拡大防止ルールを守り、現地のゲストを呼んで撮影を行うだけなら問題はなかっただろう。しかし、そこにはヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)やスケプタ(Skepta)といった海外から渡航したセレブリティーも含まれ、会場周辺で撮られたスナップがインターネット上に出回ると、その写真を投稿した「ヴォーグ オム(VOGUE HOMMES)」などのインスタグラムアカウントにイベントに対する批判が上がり始めた。さらに、関係者やゲストが宿泊していたホテル「ソーホーハウス(SOHO HOUSE)」でアフターパーティーが行われたという情報や、マスクなしでソーシャル・ディスタンスも取らずに盛り上がる模様を収めたストーリーの動画が拡散され、火に油を注ぐことに。この問題を非難するインスタグムアカウント「ボッテガ ヴェネトノー(Bottega VenetNO)」まで登場し、12日にはファッション界のさまざまな不正を糾弾するアカウント「ダイエット プラダ(Diet Prada)」も投稿を行った。

 現在、ベルリンは新型コロナウイルスの第3波に見舞われ、感染者が急増。昨年11月から規制の内容が何度も変わりながら、終わりの見えないロックダウンが続いている状況だ。市民が厳しい接触制限や渡航制限を強いられる中で規制を軽視したブランドや参加者に対しては、「街全体への大きな侮辱」や「恥を知れ」「特権階級的」「ベルリンに住む人々は21時以降(自分の世帯以外の)誰とも会うことができないのに、こんなパーティーが許されるのは二重規範だ」「モラルに欠けた行動」などの辛辣なコメントが寄せられた。また、アメリカやイギリス、イタリア、フランスを含むリスク地域(独ロベルト・コッホ研究所が指定する感染リスクの高い地域)からベルリンへの渡航者には、原則として入国後最低5日間の隔離義務(入国後5日目以降のコロナ検査で陰性が確定した場合のみ。それ以外の場合は10〜14日間)が生じる。そのため、対象国から渡航した関係者やゲストがこの義務を遵守していないのではないかという疑問の声も上がっている。

 現地在住者の感覚で言うと、長引くロックダウンでベルリン市民は我慢することに疲れ切っているし、必ずしも皆が規制をきちんと守っているわけではない。そして、SNSのコメントの中には、“ベルクハインでパーティーが行われた”と事実を誤認しているものもある。しかし、影響力のあるビッグブランドやセレブリティーがこういうことを行ってしまうと、炎上するのは目に見えている。なお、「ボッテガ・ヴェネタ」は米「WWD」の取材に対し、コメントを拒否。13日時点では、公式のコメントも発表されていない。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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“ファッションは時代を映す鏡” 2021-22年秋冬コレクションから読み解く、少し先の明るい未来

 “ファッションは時代を映す鏡”と表現されますが、パリをはじめとする各都市からオンラインで発表された2021-22年秋冬コレクションではそれを強く実感しました。私自身、パンデミックという初めての経験で抱いた感情や思想を、どう処理すべきか分からない生活が続いていました。モヤモヤを抱えていたのはブランドも同じで、衣服を通して私たちの心の声を代弁してくれたように思います。コレクションを見ていると、「今こんな気分じゃない?私もだよ」とか「今不安だけど、こんな楽しい時間が少し先の未来で待っているからね」と対話しているような感覚になりました。世相の影響を受けるファッションが、どのように現代を映しているのか、今季の象徴的なルックとともに紹介します。

1960年代スタイルが豊作
ミニスカートが意味する新しい時代の幕開け

 今季は60年代をほうふつとさせるスタイルが多く見られました。その代表格であるミニスカートを「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」「バルマン(BALMAIN)」が打ち出しています。ミニスカートは60年代に「マリークヮント(MARY QUANT)」と「クレージュ(COURREGES)」が火付け役となりました。イギリスでは「マリークヮント」がストリートの若い女性たちが履いていた短いスカートに目をつけて提案。その後フランス版「エル(ELLE)」やアメリカ版「セブンティーン(SEVENTEEN)」などの若い読者をターゲットにした小規模な婦人服の製造者たちも、ミニスカートを販売し広めたとされています。パリで「クレージュ」が初めてミニスカートを発表すると、大人の女性を顧客とするオートクチュール界では非難されるも、若年層を対象としたプレタポルテでは受け入れられ、多くのデザイナーが続々と取り入れていきました。当初、世間では脚を露出することは“ミニスカートは女性のエレガントな美しさを損ねるもの”と諭されても、若者がリードする時代に逆らえず、最終的には受け入れられたのです。ミニスカートの流行は服飾史において、従来の女性の服装についての既成概念を打ち破るものであり、上流階級から大衆へ、大人から若者へ、消費者大きくが移行したことを鮮明に示す出来事の一つでした。

 ミニスカートが60年代と現代とで異なるのは、ストリートファッションとしてではなく、性の価値観が大きく変化している側面を表している部分にあると感じます。性に対する女性の考え方もここ数年で変化が見られ、今季はほとんどのブランドがプレスリリースで“フェミニズム”という単語を出していませんでした。現在は、女性は女性であることをより楽しみ、世の中と力を合わせて社会で地位を確立していくという空気感があります。「エルメス」はギリシャ神話に登場する女性だけの騎士アマゾン族になぞらえ、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」ではショー映像のフィナーレにモデルが勝利の女神の彫刻「サモトラケのニケ」を見上げ、「ミュウミュウ(MIU MIU)」はランジェリーとダウンジャケットを着たルックが雪山を勇敢に進んでいく映像で“集合的な力”というメッセージを盛り込みました。新しい時代に向けて、女性が女性であることの意義を説いているように感じました。

構築的なシルエットと直線的な模様の
デジタル映えと快適性

 また今季は構築的なシルエットや、直線的な幾何学模様も多く登場しました。「ニナ リッチ(NINA RICCI)」はシャープなシルエット、「ロエベ(LOEWE)」は丸みのある立体的な袖とギザギザの裾、グラフィックは直線と曲線を合わせて抽象的に表現。「バルマン」はボーダー、「エルメス(HERMES)」「ディオール」「シャネル」も直線的な模様が印象的でした。

 構築的なシルエットと幾何学模様という2つの要素は、デジタルで映えるという特徴があります。二次元のスクリーン上で見た時にアウトラインや柄の線がハッキリとしていた服の方が目立ちやすいためです。これはパンデミックの影響により、多くの人がデジタルの世界に時間を費やしていたことが影響しているのかもしれません。消費者はリアルだけでなくデジタルでの見栄えの良し悪しも重要になり、ECサイトのスクリーン上で映える服といった点を、ブランドはマーケティングの観点から考慮すべきなのでしょう。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」と、新ディレクターのデビューショーを披露した「クレージュ」は今季、無地の背景にすることで、服の輪郭と線の柄をしっかりと強調した演出になっていました。

 建築的なシルエットは西洋の服飾史では古くから存在しますが、これもまた「クレージュ」が60年代に新しい解釈で独自性を出しました。造形を優先してウエストを細くしたシルエットに、切替えやパネル、配色などのテクニックで快適性をもたらしたのです。65年に「イヴ サン ローラン(YVES SAINT LAURENT)」が打ち出した“モンドリアン”ルックは、直線と三原色を全面に配置し、芸術品の構図を取り入れながら、建築のようなAラインのシルエットを合わせた、新しい概念を生み出したミニドレスです。そして今季、多くのブランドが取り上げたキーワードは“コンフォート”であり、「クレージュ」のAラインドレスはストレッチジャージー素材が用いられ、「ニナ リッチ」はウエットスーツのようなネオプレン素材を採用するなど、機能的な素材と構築的なシルエットを合わせて、快適性を現代的に表現しています。

70年代の事象から解く
ファッションが示す明るい未来

 他にも「シャネル」が62年に創業したプライベートクラブのカステル(Castel)で撮影を行ったり、「クロエ(CHLOE)」が60年代に創業者のギャビー・アギョン(Gaby Aghion)がコレクション発表時にゲストを招いた老舗ブラッセリーのリップ(Lipp)をロケ地にしたりと、60年代のキーワードを発見しました。ただレトロ回帰やノスタルジーといった過去への感傷的な切望ではありません。ファッションはパンデミックの終息を予期して明るい未来に焦点を合わせ、その参照として、60年代からヒントを得たのでしょう。歴史は繰り返すと言いますが、もし60年代と現在の状況が似ているとしたら、私たちにどんな未来が待っているのでしょうか?

70年代はファッションが一気に多様化した時代です。高田賢三や三宅一生がパリコレに進出して成功を収め、ニューヨークも既製服産業が成長したことでパリに迫る勢いをつけました。イタリアではジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)やジャンニ・ヴェルサーチ(Giovanni Maria Versace)らが名を馳せたことで、ミラノにも世界中から人が集まるようになったのです。70年代の2度のオイルショックの影響で、経済成長率は緩やかに低下しますが、服飾を含む製造業は急速に発展。欧米ではそれ以前から活発であった女性解放運動が最盛期を迎え、離婚法と中絶法の改正、国連が国際女性デーを正式に制定するなど女性の社会的地位向上が進みました。60〜70年代の歴史を振り返って現代と重ねたら、いまは従来の価値観を揺るがす困難な状況ではあるけれど、私たちは確かに前進していると感じます。

 私が暮らすフランスは2020年3月中旬に最初のロックダウンが始まり、規制の緩和と強化を繰り返して現在(21年3月末時点)は3回目のロックダウン下にあります。私は今自分が置かれている状況や時代の輪郭をはっきりと捉えられていませんが、時間の経過によって、少し明瞭になっていくのだと思います。過去は現在に痕跡を残しますが、それは見方によって幾様にも姿を変え、今と未来を切り開くカギになることがあります。今はただ時流に身を委ね、ファッションが示す明るい未来に期待しましょう。今季のコレクションが店頭に並ぶ頃には、今が過去となり、各々の中でこの困難な経験に対する何かしらの答えや新たな側面が見え、私たちは前進しているはずです。

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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人気美容師が“21年春夏ヘアカラートレンド”を語る 肌がきれいに見える“春映えピンク”が今の気分

 プロフェッショナルヘアメーカーで、トップクラスのヘアカラーシェアを誇るナプラと、「WWDJAPAN」Digitalがコラボレートし、“2021年春夏ヘアカラートレンド”をテーマにトークセッションを実施した。参加したのは、ヘアカラーで高い支持を得ている人気美容師、「シキ(siki)」の伊藤竜代表、「ベル ギンザ(Belle Ginza)」の加藤千明店長、「アピッシュ オモテサンドウ(apish omotesando)」のmayuトップデザイナーの3人。村上要「WWDJAPAN」編集長がMCを務め、サロンワークで提案しているヘアカラーや顧客のニーズ、カラーリングのポイントなどについてトークした。

 3人ともトレンドセッターサロンで働いているが、それぞれ顧客の傾向は異なる。伊藤代表の顧客は20代の女性が大半で、この時期は高校を卒業し、大学に入るまでの期間にブリーチをしたいというお客がかなり多い。2~3回ブリーチするくらいの明るさが求められているという。加藤店長は銀座店勤務ということもあり、30~40代が客層のボリュームゾーン。比較的落ち着いたカラーのオーダーが多いが、その中でも「おしゃれを楽しみたい」「人と違った個性を出したい」と考える人が多いという。mayuトップデザイナーは看護師やCAの顧客が目立つ一方で、SNSで韓国の俳優が好むようなヘアカラーを提案しているので、それに刺激されて来店する人も少なくないという。

 トークの中で語られる客層によるヘアカラーニーズの違いや、客層に関係なく共通する全体的なトレンド傾向は要注目だ。

3人の人気美容師が語った
“2021年春夏
ヘアカラートレンド”とは?

“肌映え”“くすまない”といえば
「ナシードカラー」の春の新3色

 “2021年春夏ヘアカラートレンド”をテーマにしたトークの中で、3人の美容師が共通してトレンドとして挙げたのが、“くすまずに肌がきれいに見えるカラー”だ。ナプラのヘアカラー剤「ナシード(NASEED)」が今年1月に発売した春の新3色は、そのトレンドを体現したカラーになっている。黄みを抑えて透け感とシルバー感を表現できる“モノグレージュ”、他のピンクと比べて彩度が高く、中・低明度でもきれいに発色する“オリエンタルピンク”、にごりにくく透明感が出せる“スカイブルー”の3色だ。

 今回のトークの中で伊藤代表は、「僕は“モノグレージュ”がすごく好きで愛用している。グレー過ぎずベージュ過ぎず、日本人の髪に合っていて、透明感やクリア感を演出できる。発色や肌なじみもいいので、これ1本あればいいという印象」と話す。加藤店長も「艶が出て肌の色がきれいに見える“オリエンタルピンク”は多用している。発色がいい一方で、透明感のある“ほんのりピンク”にも調整できるので、ピンク初挑戦の人でも楽しめる」とコメント。mayuトップデザイナーは“スカイブルー”推しだ。「“スカイブルー”1本でオレンジみを消せるのでよく使っている。色の抜け方もきれいなので、お客さまからもすごく好評。“スカイブルー”と“モノグレージュ”を使った仕上がりを“アイスグレージュ”というネーミングでインスタグラムに投稿していたら、最近では『アイスグレージュで』とオーダーしてもらえるようになった」。

ファッションカラー全107色の
豊富なラインアップを誇る
「ナシードカラー」

 「ナシード」は、2種類の植物種子オイル(マカダミアナッツオイル、グレープシードオイル)に加え、6種類のオーガニックハーブエキスなどの保湿成分を配合したヘアカラー。艶やかで滑らかな仕上がり、ファッションカラー全107色の豊富なラインアップが特徴だ。

 春の新3色“モノグレージュ”“スカイブルー”“オリエンタルピンク”は、それぞれ6、8、10、12Lvをそろえる(“オリエンタルピンク”のみ6、8、10Lv)。

“2021年春夏
ヘアカラートレンド”に関する
トークセッションの様子を公開


PHOTOS:YOHEI KICHIRAKU

問い合わせ先
ナプラ
0120-189-720

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三陽商会5期連続の最終赤字 21年2月期で損失49億円

 三陽商会の2021年2月期連結業績は売上高が379億円(20年2月期は688億円)、営業損益が89億円の赤字(同28億円の赤字)、純損益が49億円の赤字(同26億円の赤字)だった。20年2月期は決算期変更により14カ月決算のため、カッコ内は参考値。16年の“バーバリー・ショック”から5期連続の最終赤字となった。

 新型コロナウイルスの影響による主力の百貨店ブランドの不振が響いた。特に緊急事態宣言が発出され、店舗休業に追い込まれた上期(3〜8月)は売上高が激減。余波の影響を受けた下期(9〜2月)も、在庫消化を目的としたセールの長期化が、利益率を悪化させた。固定資産売却益などによる特別利益84億円を得たものの、休業による損失、店舗撤退などの構造改革費用、加えて希望退職者募集に伴う特別退職金の支給もあり、特別損失49億円を計上。20年10月に発表した通期予想(純損失35億円)よりも、最終赤字は大きくなった。

 22年2月期連結業績は、売上高が前期比15.9%増の440億円、営業利益1億円、純損益トントンを予想する。

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「ケイト・スペード」がギフトキャンペーン 佐田真由美や近藤千尋とジャングルポケット太田博久夫婦らが出演

 「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」は4月14日、ギフトキャンペーン“i picked this for you”をローンチした。“perfectly imperfect life (完璧ではないけれども特別なライフスタイル)”を送る女性の日常を彩りながら喜びをもたらすギフトを提案するもので、動画3本を公開する。

 動画は女性に贈るギフトにまつわる3つのストーリーを描く。現役大学生のせたこが演じるのは、新生活のスタートを切った自分自身へギフトを贈る女性。母の日に、夫と子どもから日ごろの感謝の気持ちを込めたサプライズギフトを贈られる女性のストーリーには近藤千尋とジャングルポケット太田博久夫婦が出演する。さらにしばらく会えていない母の日常に寄り添い、母の幸せな毎日を願うギフトを贈る女性は佐田真由美と実母が演じる。

 またキャンペーンバッグもラインアップする。1993年の創業時にブランド初のハンドバッグとしてデビューした “サム”がサステナブルな素材で登場し、約40%のリサイクルナイロン、約50%のリサイクルポリエステルのいずれかを表地に、裏地には 70%のリサイクル糸を使用。春夏のデザインはストライプやドット、デイジーがらなどブランドを代表するプレイフルな柄だ。また、カジュアルトラディッショナルなシルエットながらカジュアル使いに適した“ノット”バッグや、オンオフ問わず片手にさっと持って外出でき、日常使いに最適な“エブリディサッチェル”も複数のデザインやサイズで登場する。

 キャンペーンに合わせ、4月28日〜5月9日は、全国の「ケイト・スペード」ストアでフラワーイベントを開催する。建築家兼アーティストの三谷基が考案した「折花」に、ブランドアイコンのスペードフラワーを落とし込んで特別にデザインしたペーパーフラワーをプレゼントする。

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ハッピー、カラフルを封印した「パーリーゲイツ」 ベージュににじむ未来への覚悟

 ある時は常夏のジャングルを表現したかと思えば、スカイクレイパーに圧倒されるNYの街 —— 。ポップでエネルギッシュに、日本のゴルフシーンをけん引してきたのが「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」だ。そんな世界観がゴルフ愛好家たちに唯一無二の高揚感を与えてきた。
 
 ところが2021年春に打ち出したのは、ベージュを基調としたコレクションである“エッセンシャル(ESSENTIAL)”。必要不可欠をメインテーマとし、大きなロゴや大胆な柄もないシンプル&ベーシックで、これまでのイメージとかけ離れている。加えて、今回は2分半の短編動画も制作・公開した。ところが、ここにはゴルフのシーンもなければ、商品も紹介しない。「これから」と題した動画は、世代や職種の異なる5人が出演し、その生きざまに迫るものだ。
 
 これまでの「パーリーゲイツ」とは全く違う、マジメで“らしくなさ”全開のコレクションとショートムービー。これらを通じてある「想い」を発信したのは、これまで通り、酒井昭征「パーリーゲイツ」ディレクター兼チーフデザイナーだ。普遍的なコレクションと動画に込めたものとは?「WWDJAPAN」編集長の村上要が聞いた。

一歩前へと踏み出す糧へ
短編動画ににじませた意思

「パーリーゲイツ」が2021年春夏に制作した短編ムービー「これから」

酒井昭征「パーリーゲイツ/ピージージー」ディレクター兼チーフデザイナー(以下、酒井):ショートムービーをご覧になって、どう思われましたか?率直な感想が気になります。
 
村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):いやー、エライです(爆笑)!言葉を選ばず言えば、“たかが”一つのゴルフブランドが、こんな手の込んだ、社会的なメッセージを詰め込んだ動画を作るなんて、本当に「エライ」と感じました。商品がほとんど出てこないんですもん(笑)。
 
酒井:作っている時はただただ必死だったんですが、見返してみると、「これって『パーリーゲイツ』なのかな?」って自分でも思うほどです(笑)。花火が上がってたり、古典芸能の横笛演奏など、ゴルフブランドの動画には見えませんよね。
 
村上:ですね(笑)。そもそも、なぜこの動画を作ったんでしょう?
 
酒井:最初の緊急事態宣言(2020年4〜5月)のころ、周りが心配するくらい気分が沈んでしまったんです。同時に、「このコロナ禍にブランドとして存在している以上、今までと同じようにしていてはいけない」「この時代に自分が一つのブランドに関わっている中で、この社会に何か出来ることは無いのか?」と悩み、その答えとしてこの「想い」を映像で表現しようと。展示会費を削り、動画の制作費に充てました。
  
村上:「パーリーゲイツ」なりの「想い」とはなんでしょう?
  
酒井:強制的に大きく変化した世の中になった今、その最中で感じたつらい気持ちを今記憶して、前に進む糧となるものを発信することです。それを見た人が、少しでもこのメッセージを発信しているブランドに興味を持ってもらえたらと。「パーリーゲイツ」も単に個性的なゴルフの服のデザインだけではなく、そういうブランドの“懐”みたいな部分を、映像を通じて感じて、知ってほしかった。これからの時代、この世の中に必要な存在でいられないとブランドは生き残れないと思うんです。

「今の時代に必要なものを」
行き着いたベージュという選択

村上:でも「パーリーゲイツ」にはすでに、「『パーリーゲイツ』らしいものが好き」というコアなファンが多いイメージです。
  
酒井:シーズンカタログはめちゃくちゃ凝って作っているし、コレクション自体も春夏、秋冬だけでなく月ごとにテーマを設けているんです。本当に大変なんですが、顧客さまもそれを知っていて、新作を求めて毎月のように来店してくださいます。「このスタッフから買いたい!」「次の(ゴルフの)ラウンドでは絶対これが着たい!」と人や商品をめがけて買いに来てくださる方も多い。ブランド主催のコンペなどでお客さま同士のコミュニティーもどんどん広がっていて、いつの間にか独自の強い世界ができていましたね。
 
村上:これからは、不特定多数のお客さんにそれなりに好かれるより、特定のファンに激しく愛してもらえるかが大事な時代がやってくる。“愛される”ことはますます重要になりますね。ただ21年春夏のベージュ基調のコレクション“エッセンシャル”には、ファンも驚いたのでは?

パーリーゲイツ」の2021年春
“エッセンシャル”

酒井:自然の中でプレイするゴルフは、ビビッドなカラーや原色のウエアの方が映えます。アースカラーは周りの自然に馴染みすぎてしまうから、セオリーではありません。でも、今の時代は「溶け込む」ことも選択肢の一つにしてもいいのかもしれない。それに、このコロナ禍においてゴルフのためだけに服を買うのはただの贅沢なのかも知れないと感じ、日常でも着られるようにお客さまが自由に選択して自由に着こなしが出来るような、汎用性が高いデザインにしました。そして、柄物のイメージが強いパーリーゲイツが無地のベージュを打ち出すこと自体がインパクトを与えるのかなと。最初は社内でも「大丈夫?」なんて言われましたが、説得を続けると納得してくれるようになりました。結果、大きな反響をいただき、店頭への入荷までに完売する商品も数多くありました。今の時代に、今を考えながらブランドビジネスをやることこそが、本来のあるべき姿なのだと考えさせられました。

パワフルなデザインに
“思い”が重なる服へ

村上:“エッセンシャル”は「パーリーゲイツ」が変わるきっかけになったんでしょうか?
 
酒井:今後も代名詞であるハッピーでカラフルで機能的な「パーリーゲイツ」を提案し続けていきます。しかし、仕事への向き合い方、特にデザインへの考え方は確実に変わりました。シーズン毎に展開する柄や色の背景をこれまで以上により考えるようになりましたね。「こういう柄の服を、なぜ今この時代に出すのか」という意味を、パーリーゲイツに関わるスタッフへもしっかりと伝えていく。その想いは、お客さまにもきっと伝わります。ブランドのキャッチーな部分だけでなく、“想い”を知った上で服を見てもらえるようになったら、もっともっと素晴らしいブランドになっていけると思うんです。
 
村上:なるほど。嫌う人もいるかもしれないけれど、臆せず、想いを伝えることは、これからのブランドビジネスで欠かせない覚悟だと思います。一番恐れるべきは、無関心・無反応。
「嫌い」はそれよりずっとマシです(笑)。
 
酒井:「パーリーゲイツ」は(年間売上高が)100億円以上あるブランドです。本当に多くの方々に「好き」と思ってもらえないと、この規模は保てません。定番と言われる商品にもしっかりとデザインに力を入れ、ベーシックな中にちょっとした新鮮味を与える要素を入れてみながら、前後のシーズンと被らないように細かく調整をし、半歩先のデザインをしています。定番商品と、シーズンテーマを明確に打ち出す強いデザインの商品とのバランスの取り方が本当に難しいと感じます。何よりその時・その時代にお客さまがどう思っているのか、自分自身がどんな気持ちになっているのかをしっかりと表現できるのか。さらに他業種とのコラボレーションや共同制作、SDGsへの考え方やブランドとしての取り組み方など……。毎日毎日やってくるたくさんの出来事に悩み、考え続けているので、つぶれてしまいそうになる時もあります。それでも、パーリーゲイツは32年の歴史がありながら常に驚きと楽しさを発する、本当に素晴らしいブランド。これからも、そうあり続けたいと考えています。
 
村上:カッコつけず、迷いながら試行錯誤している様子さえ、消費者に伝えていいと思うんです。そういうブランドにこそ共感が生まれ、支持される時代がやってくると思います。

問い合わせ先
パーリーゲイツ
03-6748-0392

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「クレパス柄カラーワックス」から“ももいろ”が登場 手軽に1日派手髪をかなえる

 コスメの製造・販売などを手掛けるエマジニーは、「クレパス柄カラーワックス」の新色として、春に映える“NO.20 ももいろ(桃)”(36g、税込3025円)を発売した。

 普通のヘアワックスのように使って整髪するだけで、髪に鮮やかな色をつけられるカラーワックス。まるで「クレパス」のような発色のよさが特徴で、ひと塗りで鮮やかに彩ることができる。

 日本製で無香料なので安心して使うことができ、お湯で簡単に洗い流せるため、翌日の学校や仕事を気にせずに今日1日をめいっぱい楽しむことができる。

 「クレパス」とは、1921年に創業した老舗画材メーカー、サクラクレパスの商標。大正時代から、幼い子どもの図画工作の描画アイテムとして多くの人に親しまれてきた。黄色いパッケージを見て、幼稚園や小学校のころの記憶が蘇る人も多いはずで、自由に色を選ぶ楽しみを思い出させてくれる、大人女子のためのカラーワックスシリーズになっている。

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吉野家HD、役員報酬3ヶ月減額。赤字75億円。

株式会社吉野家ホールディングス(本社:東京都中央区、代表取締役社長:河村 泰貴) が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による厳しい経営環境と業績を踏まえ、代表取締役と常勤取締役の役員報酬を減額する。
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「レイバン」と木村拓哉の憧れのコラボが実現 「思い入れのあるアビエーター」を限定販売

 眼鏡ブランド「レイバン(RAY-BAN)」は、歌手で俳優の木村拓哉とのコラボレーションによるサングラス「レイバン×タクヤ キムラ(RAY-BAN X TAKUYA KIMURA)」をレイバンストア渋谷と「レイバン」公式オンラインストアのみで、4月24日に限定200個を発売する。「レイバン」と日本人アーティストとのコラボレーションは初めて。

 デザインは、以前から木村が愛用しているという「レイバン」のアイコニックなモデル“アビエーター”。木村は、「僕にとって『レイバン』との出会いは、10代の頃に見た映画『トップガン』のトム・クルーズ(Tom Cruise)が掛けていたティアドロップ型のアビエーターで、その姿に憧れて以来ずっと愛用しています。初のコラボレーションには思い入れのあるアビエーターを指名して、日本製のチタンフレームとレンズのカラーを選びました。紫外線に反応するライトカラーの調光レンズなので室内でも屋外でもいろんな場面で、スタイルを表現するファッションアイテムとして使ってもらいたいです」とコメントした。

 商品は日本の職人が手掛ける日本限定モデルで、フレームにはシリアルナンバーが入り、木村の手書きイニシャルがテンプルエンドに刻印されている。「RAY-BAN X TAKUYA KIMURA」のロゴが入ったスペシャルボックスに、オリジナルケース、クリーニングキット、シリアルナンバー入り限定証明カードがセットになった特別仕様だ。価格は7万1500円。

 木村の長年の友人でもあるというフォトグラファーの操上和美が担当したキャンペーン動画が、「レイバン」の公式ユーチューブチャンネルで公開される。

 「レイバン」は、世界最大の眼鏡企業であるイタリアのルックスオティカグループが手掛けている。

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「まん防」下の大阪、目立つ「20時以降営業」。緊急事態宣言時より多い印象

 東京などに先んじて、4月5日からまん延防止等重点措置(以下、まん防)が適用された大阪。大阪府の新規感染者は13日に過去最多の1099人。吉村洋文知事は不要不急の外出自粛への協力を求めているが、飲食店への時短営業を強いるだけで効果はあるのだろうか。梅田と天満の飲食店街の様子と、飲食店オーナーの本音をお届けしたい。
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コロナ禍で1日10万個のクッションファンデを販売する「ビオール」から新作登場

 グレイプラスは4月13日、クッションファンデーションが主力の「ビオール オーガニクス(BIOR ORGANICS)」から、“エアレスクッション オーガニック アクア 美容液ファンデーション”(SPF50+・PA++++、全2色、税込各5940円)を伊勢丹新宿店ビューティーアポセカリーとビープル バイ コスメキッチンで先行発売した。

 同社が2020年に発売した天然由来100%のクッションファンデは、コロナ禍でファンデーションが売れないといわれる中、「マスクに付きにくい」「汗に強いのに石けんで落ちる」などの口コミが広がり、7月にテレビショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」で販売したところ1日で10万個を売り上げた。

 そこで、マスク生活での利便性を向上すべく、“べたつきを抑えつつ保湿はしっかり”をテーマに、主要成分の水を全て、エコサートコスモス認証を取得した国産オーガニックダマスローズ水に変更。エイジングケア成分として、産官学で開発した先進成分プラントリンを配合し、保湿しながらハリや艶のある肌へと導く。さらに、メイク崩れなどを防ぐ皮脂吸着のミネラルパウダーや、国産のパールパウダーとシルクパウダーをぜいたくに配合し、マスクに付着しにくく艶のある肌を演出する。

 そのほか、顔全体からデコルテまで使えるローラ型の美容液“バイオサイエンス サスティナブル ローラーセラム”(40mL、同1万1000円)と泡クレンジングソープの“サスティナブル ホイップクリーム クレンジングソープ”(200mL、同4950円)をラインアップする。

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「ナイキ」の定番ランシュー“ペガサス”が新たなラスト&メッシュ構造で進化

 「ナイキ(NIKE)」は、定番のランニングシューズ“ペガサス”シリーズの38代目となる“エア ズーム ペガサス 38(AIR ZOOM PEGASUS 38)”を4月22日にメンバー限定で先行発売する。4月29日から公式アプリやオンラインストア、一部店舗で扱う。同シリーズは“あらゆるランナーのためのシューズ”として1983年に誕生し、幅広いランナーに支持されてきた。

 アッパーには、前作より柔らかく通気性に優れた新構造のメッシュ素材を採用。ラストはつまさきにゆとりを持たせた新型で、安定感を高めた。中足部には独立した4つのシューレースパーツを付け、靴ひもの締め方によって好みのフィット感に調整できる。ミッドソールは前作同様、高い反発性とクッション性を持つ“リアクトフォーム”を用いた。

 通常バージョンのほか、ファスナー開閉で簡単に着脱できる“フライイーズ(FLYEASE)”バージョンも用意する。価格はいずれも1万4300円(税込)。

 発売に先駆けて実施したメディア説明会には、東京オリンピック男子マラソン代表の中村匠吾選手が登壇。「7年近く“ペガサス”シリーズを履いてきた」という中村選手は、新作について「ひもを締めた時のフィット感と足を入れた時の安定感が上がったように思う。反発力とクッション性も向上し、スムーズに前に進む。軽量で反発力もあるので、スピードを上げた練習にも対応できる」とコメントした。

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J.フロントが新中計 不動産事業へ投資シフト、非商業の開発も

 J.フロント リテイリングは13日、2024年2月期を最終年度とする新中期経営計画を発表した。新型コロナウイルスの影響で本業の百貨店事業が不振に苦しむ中、不動産事業に成長投資をシフト。非商業用途の施設開発・運営にも乗り出し、新たな成長のドライバーとする。同期末において営業利益403億円、ROE(自己資本利益率)は7%を目指す。

 不動産開発においても事業子会社の大丸松坂屋百貨店、パルコのリソースを最大限に生かす。「商業コンテンツのプロデュース能力」「取引先やクリエイターをパートナーとした開発」「百貨店外商客を含む強い顧客基盤」などを強みとした大型複合施設の開発に取り組む。既存施設の再開発では、百貨店とパルコの規模を適正化する一方、ここでも非商業用途を高めて不動産関連収益の割合を増やす。

 戦略の中心となるのは、百貨店とパルコが隣接する大阪・心斎橋エリアや名古屋・栄エリアなどの都市部だ。大丸心斎橋店と一体となる形で20年11月オープンした心斎橋パルコは、両店の顧客層の幅が拡大し、1〜2階のラグジュアリーや6階カルチャーフロアが好調に推移するなどすでにシナジーが生まれている。栄地区では大丸松坂屋百貨店が取得した駅前一等地の再開発構想が進む。
 
 20年11月にはパルコを完全子会社化し、大丸松坂屋百貨店の不動産事業をパルコに移管・一元化して、商業用不動産の開発に向けて体制を整えた。「今後は(不動産開発において)商業用途以外のジャンルにも領域を伸ばして取り組んでいく」と好本達也社長。地域一帯の魅力創出によりシナジーを生み出す「アーバンドミナント戦略」を加速する考えだ。「われわれが最も得意とする都心エリアをベースに、周辺にある不動産をどう活用するかを考えていきたい」。

 既存のリアルの売り場では、強化カテゴリーを中心にメリハリのついた面積配分やコンテンツ強化が課題となる。百貨店では「自主編集売り場の面積半減」「ライフスタイル型コンテンツの拡充」「体験型コンテンツの導入」を推進。パルコでは女性のためのウェルネスサービスやコミュニティ型ワーキングスペースの設置などを進める。

 同時に、オンラインチャネルを活用する「OMO戦略」にも注力する。3月にスタートした衣料品のサブスク「アナザーアドレス」はレンタルを間口として店舗への集客をもたらすウェブ完結型のサービスで、4月13日現在までで会員登録人数が約3700人と計画以上で推移する。年度内にはビューティーアドバイザーのオンライン接客機能などを備えたコスメECの開設も予定する。「われわれのデジタル戦略は、単にECの売り上げを増やすことを目指すものではない。大事なのはデジタル上で販売員とお客さまのコミュニケーションが生まれること。あくまで(百貨店の強みである)『ヒト』が中心のサービスになる」.

 コスト構造改革では効率的な運営による人員削減、販促費の削減により、100億円以上の固定費削減を目指す。

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「オールバーズ」の2号店が東京・丸の内にオープン 持続可能な製品とビジョンを発信

 サンフランシスコ発のサステナブルブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」は6月3日、国内2店舗目となるオールバーズ 丸の内を東京・丸の内にオープンする。

 丸の内の仲通りに面した約220平方メートルの同店では、シューズからアンダーウエア、昨年始動したアパレルラインまでの全商品を取り扱う。またオープンを記念した限定アイテムも発売予定。店内の電力は再生エネルギーを使用するなど、環境への取り組みもさらに強化していく。

 同ブランドは自然由来の素材を使用したミニマルなデザインが日本の顧客から共感を呼び、国内1号店の原宿店は2020年の世界中の「オールバーズ」店舗で最も高い販売実績を記録した。

 ジョーイ・ズウィリンジャー(Joey Zwillinger)共同創業者は「20年に小売業が直面した難題に備えることは誰もできなかったと思うが、そのような中で原宿店が大きな成功を収められたのは大きな幸運だった。日本の消費者の皆さまがわれわれの製品のシンプルなデザインとサステイナビリティを重視したモノ作りに熱心に共感してくれているのを実感し、日本に2号店をオープンするのは理にかなっていると感じた。東京の丸の内から日本全国の皆さまに持続可能な製品とビジョンを発信していくのがとても楽しみだ」とコメントした。

■オールバーズ 丸の内
オープン日:6月3日
時間:11:00〜19:00 不定休
住所:東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1階 105区

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「シャネル」の2021年サマーコレクションのテーマは“夏の陽の光” 人気アイシャドウパレットやリップスティックの新色が登場

 「シャネル(CHANEL)」は5月21日に、2021年サマーコレクション“レ ベージュ サマー ライト コレクション”を発売する。

 同コレクションは“サマー ライト ―夏の陽の光―”をテーマに、アイシャドウパレット、リップスティック、ネイルをランアップする。マルチに使用できる5色をセットしたアイシャドウパレット“レ ベージュ パレット ルガール”は、ローズカラーの“テンダー”と、カーキとベージュブラウン系のカラーにゴールドをプラスした“インテンス”の新2種(税込各8250円)を展開する。シアーな発色と艶やかな仕上がりが特徴のリップスティック“ルージュ ココ フラッシュ”は新2色(税込各4730円)、“ヴェルニ ロング トゥニュ”からはパール感のあるベージュやコッパーブラウンなど、新4色(うち限定2色、税込各3520円)が登場する。

 さらに、軽やかなジェルテクスチャーのファンデーション“レ ベージュ トゥシュ ドゥ タン ベル ミン CE(SPF 25・PA++)”(全3色、税込各8250円)の特別限定コンパクトを公式オンラインショップで発売する。コンパクトの表面にはヨットのロープ模様で象られたダブルCのロゴを施したデザインが特徴だ。

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J.フロント最終赤字286億円 21年2月期で百貨店35%減収

 J.フロント リテイリングの2021年2月期連結業績(国際会計基準)は、純損益が286億円の赤字(前期は371億円の黒字)だった。コロナによる大幅減収に加えて、昨年春の緊急事態宣言に伴う休業に伴う固定費の振替、津田沼パルコや所沢パルコの閉店決定に関する費用などがかさんだため、営業損益が242億円の赤字(同402億円の黒字)だった。

 一般的な小売業の売上高に相当する総額売上高は、同32.4%減の7662億円に落ち込んだ。主力の百貨店事業(大丸・松坂屋)の総額売上高は34.7%減だった。百貨店は下期に回復基調を見せたが、コロナの第3波の影響で年末以降も足踏みが続いた。百貨店の免税売上高が同96.1%減の23億円とほぼ消失したことも痛手になった。昨年11月に開業した心斎橋パルコは想定を上回る売り上げ推移を見せた。

 22年2月期は総額売上高が前期比30.6%増の1兆50億円、営業利益が110億円、純利益が40億円を見込む。総額売上高はコロナが本格化する前の20年2月期との比較で9割に満たない回復と予想する。

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「グッチ」が「バレンシアガ」とコラボか 15日発表の最新コレクションで

 「グッチ(GUCCI)」が15日に発表する最新コレクションについて、業界ではアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターが「バレンシアガ(BALENCIAGA)」とコラボレーションをするのではないかと噂が立っている。デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターが手掛ける「バレンシアガ」と「グッチ」は共にケリング(KERING)傘下だ。「グッチ」広報は噂へのコメントを拒否し、「バレンシアガ」広報からは返答が得られなかった。

 「グッチ」は2021年1月に米「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「ドラえもん」とのコラボコレクションを発表し、3月26日からEXOのKAI(カイ)とコラボレーションしたカプセルコレクションの販売している。数々の話題のコラボレーションを打ち出す同ブランドは、ファッションECの検索プラットフォーム、リスト(LYST)によるデータでは21年1〜3月の検索ランキングでトップだったという。「バレンシアガ」は20年12月、2021年秋コレクション(2021-22年秋冬に相当)をオンラインゲーム形式で発表したことで話題を集め、2位となった。

 「グッチ」最新コレクションは、オペラやクラシックなどで歌われる旋律的な独唱曲を指す“アリア(Aria)”と題した短編動画を通して発表する。創業100周年を迎える同ブランドの21年初めてのコレクション発表だ。

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ユニクロの子ども向けサッカープログラム キャプテンに内田篤人が就任

 ユニクロと日本サッカー協会(JFA)は、JFAが主催し、ユニクロが特別協賛する6歳以下の未就学児に向けたプログラム「JFA ユニクロサッカーキッズ」のキャプテンに、元サッカー日本代表選手の内田篤人氏が就任したと発表した。同プログラムにはこれまで約28万人が参加。2021年度は、6月27日の新潟開催を皮切りに全国15の都道府県で実施予定といい、スポーツを通じた子どもたちの教育、地域社会への貢献を進める。

 同プログラムは、少人数制のサッカーを通し、子どもたちがスポーツを楽しみながら、自立心やチームワークを身に付けることを目指したもの。03年からユニクロの特別協賛のもと行っている。

 内田氏は「僕自身、子どものころからサッカーを通じて、思いやりや目標に向かって共に進むことの大切さを学んだ。全国の子どもたちにチームプレーの楽しさを伝えていきたい」とコメント。「長年、ユニクロが協賛を続けてきたこの事業を通し、内田さんと共に地域コミュニティとのつながりをより一層深め、多くの子どもたちがスポーツを楽しめる場を提供していく」と、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長。

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「トミー ヒルフィガー」から“循環型”ジーンズ 商品に廃棄以外の未来

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、より丈夫でリサイクルが可能な“循環型”ジーンズを限られた店舗とECで発売した。商品は、サステナブルなジーンズ開発をリードするエレン・マッカーサー財団ジーンズ・リデザイン(Ellen MacArthur Foundation Jeans Redesign)プロジェクトへの参加により実現した。

 ジーンズ5型とデニムジャケット2型で、耐久性や素材にこだわり、リサイクル可能であることや、商品の生産から廃棄までを開示するトレーサビリティー(追跡可能性)を考慮して作られた。100%オーガニックの生地の使用に加えて、ボタンは取り外しが可能で、一般的に金属が使われるリベット(留め具)は補強ステッチで代用。金属ファスナーやレザーパッチも取り除いてよりリサイクル・再利用しやすく設計した。各アイテムのポケットには洗濯や手入れに関する説明を明記し、アイテムの修理や寄付、リサイクル方法へのアドバイスも加えた。

 マーティン・ハーグマン(Martijn Hagman)=トミー ヒルフィガー グローバル・PVHヨーロッパ最高経営責任者は、「われわれには大手ファッションブランドの一つとして、循環型経済への移行を推進する責任がある。循環型ファッションを実現するには、バリューチェーン(価値連鎖)の再考が必要だ。今回生まれたアイテムのそれぞれは、デザインと製造の両チームによる高い専門知識と技術があってのもの。完全な循環型ファッションに向けた一歩だ」と語った。

 フランソワ・ソシェ(Francois Souchet)=エレン・マッカーサー財団 循環型繊維イニシアチブ リードは、「『トミー ヒルフィガー』はデニム業界のリーダー的存在で、当初から『ジーンズ・リデザイン』プロジェクトに賛同していた。今回実際にプロジェクトに沿って商品開発を手掛け、業界全体にファッションの向かうべき方向を提示した。好きな洋服をただ廃棄しないで済む循環型ファッションの実現に向けて動き出したことにワクワクする」と述べた。

 「トミー ヒルフィガー」はほかにも、デザイナーの80%以上に循環型デザインについて教育しており、消費者から使用済みの商品を受け取って新品同様に整え再販する循環型ビジネスモデル「トミー フォー ライフ(Tommy For Life)」も立ち上げている。大手企業の中でいち早く100%リサイクルコットンを取り入れ、使用する水とエネルギーを削減。環境負担が少ないとされるジーンズをこれまでに200万枚以上生産している。

 2020年8月には「メイク イット ポッシブル(Make It Possible)」プログラムを立ち上げ、30年に向けた循環性と包括性に関する24の目標を設定した。“何も捨てず、何でも受け入れる(Wastes Nothing and Welcomes All)”ことをミッションに、環境と社会の両方の観点からサステナビリティに取り組んでいる。

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「トミー ヒルフィガー」から“循環型”ジーンズ 商品に廃棄以外の未来

 「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」は、より丈夫でリサイクルが可能な“循環型”ジーンズを限られた店舗とECで発売した。商品は、サステナブルなジーンズ開発をリードするエレン・マッカーサー財団ジーンズ・リデザイン(Ellen MacArthur Foundation Jeans Redesign)プロジェクトへの参加により実現した。

 ジーンズ5型とデニムジャケット2型で、耐久性や素材にこだわり、リサイクル可能であることや、商品の生産から廃棄までを開示するトレーサビリティー(追跡可能性)を考慮して作られた。100%オーガニックの生地の使用に加えて、ボタンは取り外しが可能で、一般的に金属が使われるリベット(留め具)は補強ステッチで代用。金属ファスナーやレザーパッチも取り除いてよりリサイクル・再利用しやすく設計した。各アイテムのポケットには洗濯や手入れに関する説明を明記し、アイテムの修理や寄付、リサイクル方法へのアドバイスも加えた。

 マーティン・ハーグマン(Martijn Hagman)=トミー ヒルフィガー グローバル・PVHヨーロッパ最高経営責任者は、「われわれには大手ファッションブランドの一つとして、循環型経済への移行を推進する責任がある。循環型ファッションを実現するには、バリューチェーン(価値連鎖)の再考が必要だ。今回生まれたアイテムのそれぞれは、デザインと製造の両チームによる高い専門知識と技術があってのもの。完全な循環型ファッションに向けた一歩だ」と語った。

 フランソワ・ソシェ(Francois Souchet)=エレン・マッカーサー財団 循環型繊維イニシアチブ リードは、「『トミー ヒルフィガー』はデニム業界のリーダー的存在で、当初から『ジーンズ・リデザイン』プロジェクトに賛同していた。今回実際にプロジェクトに沿って商品開発を手掛け、業界全体にファッションの向かうべき方向を提示した。好きな洋服をただ廃棄しないで済む循環型ファッションの実現に向けて動き出したことにワクワクする」と述べた。

 「トミー ヒルフィガー」はほかにも、デザイナーの80%以上に循環型デザインについて教育しており、消費者から使用済みの商品を受け取って新品同様に整え再販する循環型ビジネスモデル「トミー フォー ライフ(Tommy For Life)」も立ち上げている。大手企業の中でいち早く100%リサイクルコットンを取り入れ、使用する水とエネルギーを削減。環境負担が少ないとされるジーンズをこれまでに200万枚以上生産している。

 2020年8月には「メイク イット ポッシブル(Make It Possible)」プログラムを立ち上げ、30年に向けた循環性と包括性に関する24の目標を設定した。“何も捨てず、何でも受け入れる(Wastes Nothing and Welcomes All)”ことをミッションに、環境と社会の両方の観点からサステナビリティに取り組んでいる。

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TSIの中期経営計画 「パーリーゲイツ」「ハフ」など高収益事業に投資集中

 TSIホールディングスは、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「TSI INNOVATION PROGRAM 2024」を発表した。新型コロナの影響長期化を受け、高収益事業への重点投資とデジタルを軸とした経営改革に舵を切り、再生を急ぐ。同期末までに営業利益率10%を目指す。

 22年2月期からは高収益事業に投資を集中する。対象となるのはコロナ禍でも業績の堅調な「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」「ハフ(HUF)」などのスポーツ、アスレチック、ストリートウエアブランドが中心。「(好調事業は)シンプルにいい立地にいい商品、いい接客があれば売れる」(下地毅TSIホールディングス社長)との考えから、店舗立地や商品量、人員配置などを見直す。これらのブランドの都心の一等地にある店舗では、先駆けてデジタル化も進める。EC上で店舗試着やスタイリストの接客予約ができる仕組みや、アプリを使って顧客を識別するチェックインスタンドなどを導入する。
 
 一方、低収益事業に関しては店舗撤退やブランドの廃止も視野に、ECシフトを進める。春にリニューアルした「ミックスドットトーキョー(MIX.TOKYO)」は3月、販売スタッフコーディネートをテーマとしたECサイトとしてリニューアルした。販売員のオンライン上での評価制度の整備にも着手している。

 不振が続く基幹の百貨店ブランド、セレクトショップブランドは、商品企画の面から抜本的にテコ入れする。「ナノ・ユニバース(NANO・UNIVERSE)」ではクリエイティブディレクター制を導入し、独自の商品デザインや世界観を強める。

 データ活用においても、グループ全体でさらに連携を強める。TSIホールディングスは今年3月からグループの段階的な再編を進めており、22年3月期末までに事業子会社制を解消、持株会社TSIが各ブランド事業を運営する体制となる。「コロナ禍で経営の高速化の必要を痛感している。これまで事業会社ごとにバラバラだったデータを一元管理し、経営をダイナミックで迅速なものにしていく」。生産面でも、一元管理したデータをSCM(サプライチェーンマネジメント)に活用する。3Dによるサンプル製作なども駆使して機敏な生産・物流体制を構築し、適時・適量・適価の商品投入で収益最大化を図る。

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逆風の中で未来への希望を説き続ける、名門紡績の若き5代目 長谷享治【ネクストリーダー2021】

 1887年創業の長谷虎紡績は、日本の毛織物の産地である尾州の名門企業の一つだ。規模は決して大きくないものの、スパイバーの人工タンパク質素材や、同社が世界で唯一生産し宇宙ロケット「H2ロケット」に採用されている超耐熱性素材のフェノール繊維など、数々の革新的な素材を糸に紡いできた。素材が革新的であればあるほど、最初に糸に変えるのはとても難しい。同社は表にこそ出ないものの、そうしたハイテク素材が世に出る重要な一歩を支えてきたスペシャリストなのだ。2019年12月に5代目として就任した長谷享治(たかはる)社長は「日本の繊維には輝かしい未来がある」と咆哮(ほうこう)する、日本の繊維産地企業の“若き虎”だ。

WWDジャパン(以下、WWD):「日本の繊維には世界を変えられる力がある。未来のある輝かしい産業だ」が持論だ。

長谷享治(以下、長谷):だってそうでしょ?繊維以外に、お風呂に入る時などのごく一部の時間を除き24時間365日、人間が触れているものってありますか?つまり、それだけ人間に身近でありふれたものであるからこそ、繊維を変えれば本当の意味で世界を変えられる。当社はフェノール繊維やスパイバーの「ブリュードプロテイン」など、さまざまな繊維を手掛けているが、それでもごく一部に過ぎない。われわれが知らないだけで素晴らしい素材はまだまだある。それだけ可能性を秘めているのに、繊維産業に関わっている人たちこそがその可能性に気付いていない。

WWD:しかし日本の繊維産業はこの数十年、縮小を続けてきた。希望を捨てないのは大事だが、あまりにも楽観的に過ぎるのでは?

長谷:実家はすぐ工場の隣りにあって、物心ついたときから繊維業が身近にあった。特にここ羽鳥市は、紡績から織り・編み、染色加工、縫製までさまざまな工程に関わる中小企業が集積する“産地”。産業の縮小はそのまま、僕らのすぐ身近にあった企業の廃業や倒産に直結していて、閉塞感はずっと感じてきた。同業者や取引先と会っても、メディアでも「繊維はダメだダメだ」とそればかり。僕もほんのつい最近まで、そう思っていた。それを変えたのがゴールドウインの渡辺(貴生)社長とスパイバーの関山(和秀)社長という2人との出会いだった。

WWD:お二人との出会いをもっと詳しく。

長谷:2014年3月ごろに当社の桂川(誠也・取締役)がすごいスタートアップがあるといううわさを聞いて、翌月には私も含め、山形県鶴岡市のスパイバーさんの本社に行って「これはすごい、とんでもない素材だ」と。

WWD:当時のスパイバーはまだ、立ち上がったばかりのスタートアップ企業で、極端なことを言えば、海の物とも山の物とも判断がつかないようなステージだったと思うが。

長谷:関山社長を筆頭に、スパイバーの経営陣は僕よりも年下で、そんな若者たちがとんでもない革新的な繊維を通じて本気で世界を変えようとしている。その姿勢は衝撃的だった。さらに、当社とは長いお付き合いのあった、恩人とも呼べるゴールドウインの渡辺社長もそうした思いに共感して加わっていた。そこで僕も思ったんです。「繊維は世界を本当に変えられるんだ」と。

WWD:15年9月には、ゴールドウインと同じタイミングでスパイバーの第三者割当増資を引き受け、20年にはベンチャーのエム・テックスと共同でナノファイバー製品を開発するスピタージュを立ち上げた。

長谷:当社の紡績工場は小規模ながら、多種多彩な機械をそろえており、ずっと「どんな素材でも紡績してみせる」という自負があった。ただ、それではまだ受け身。ゴールドウインの渡辺社長とスパイバー関山社長に触発され、こちらの方から画期的な素材を主体的に掘り起こして世の中に出していこう、という考え方だ。

WWD:長谷虎紡績の業績は?

長谷:フェノール繊維や「ブリュード・プロテイン」などの最先端素材などを扱う紡績事業、衣料向けの糸や製品を製造する繊維製品事業、法人向けのタイルカーペットの3つが主要事業で、従業員数はグループ全体で195人。19年10月期の売上高は74億円(単体)、営業利益が2億円。ただ、コロナで20年10月期は苦しかった。赤字です。

WWD:原点は?

長谷:新卒で入って配属された大阪支店で上司になった、当時の支店長の教えだ。当時ですでに70歳になっていたその支店長はだれよりも早く6時半には出社し、トイレなどオフィスの清掃を行っていた。決して新しい建物ではなかったが、常にトイレはピカピカだった。ビジネスにしろ、人の生き方にしろ、入り口と出口が大事なんだ、ということを叩き込まれた。今になって思えば、社員の、そして会社自体が荒んでくればトイレに現れるというのは、ある種の真理だと感じている。

【推薦理由】
日本の繊維産業はピークをとっくに過ぎており、この30年縮小を続けてきた。繊維産地には紡績から織り・編み、染色・加工まで各工程の中小企業が集積しており、産地企業は外側にいるわれわれの想像を超えた閉塞感の中にいる。それらを裏側に秘めつつ、なお発する希望の言葉は強く深い輝きを持つ。

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花王が楽天の新設ページでテストマーケティング “へそごま除去パック”と“足用せっけん”を販売

 花王は、楽天グループが運営するインターネットショッピングモール「楽天市場」に新設されたページ「新商品コレクション」に店舗「ファンテック Lab&Biz」を出店した。第1弾商品として“へそごま除去パック”と“足用せっけん”の2製品を4月12日から4カ月間限定で発売する。同商品はオフラインの接点として、5月9日まで最新ガジェットの体験型ストア「ベータ(b8ta)」有楽町店にも出品。販売中に寄せられたお客の声や購買行動を収集・検討し、本発売を目指す。

 今回の新商品は、2018年に発足したオープンイノベーション・プラットフォーム組織「ファンテック Lab&Biz」が企画・開発。社内でアイデアや技術を公募し、個の深い悩みに焦点を当てた “N=1(1人の顧客)起点のサービス開発”として、“スポット ジェリー(SPOT JELLY)へそごまパック”と“アルギニスタ(ARGINISTA)足ラボせっけん”を商品化した。

 4月12日に新設された「新商品コレクション」は、「一般新商品」「楽天市場 限定商品」「楽天 先行販売商品」に加え、テストマーケティング段階の商品を紹介する「クリエイターズ商品」に分かれており、花王の2商品は「クリエイターズ商品」として限定販売。花王コンシューマープロダクツ事業統括部門 DX戦略推進センター ECビジネス推進部の生井秀一部長は、「『ファンテック Lab&Biz』では、従来の枠に囚われずにこれまで目を向けられなかった個の悩みに着目した商品を開発。しかし少数派の悩みに向けたものは商品やサービス化が難しい。そこで同社初の、小売店を介さずに『新商品コレクション』内に出店してテスト販売をスタートした。またベータ有楽町店でもリアル体験でき、オンラインとオフラインの接点の場を持たせている。楽天とベータでの購入者データや購買行動などを商品作りに反映させ、本発売を目指す。そして今後も他企業とともに商品作りを行う機会を設けていきたい」と述べた。

 楽天グループ コマースカンパニー アカウントイノベーションオフィスの森部隼シニアマネージャーは、「『新商品コレクション』を、メーカーには新商品を仕掛けるなら楽天市場という認知を高めていく。そしてユーザーにはここでしか買えない商品や新商品がそろっている場所として楽天市場の魅力向上につなげていく。4月12日から『クリエイターズ商品』に花王の2商品、『一般新商品』に約80アイテムを紹介しているが、今後も掲載商品を拡充し、『楽天市場 限定商品』『楽天 先行販売商品』は6月ごろに掲載する予定」と語った。

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TSI最終黒字38億円 21年2月期、不動産売却が寄与

 TSIホールディングスの2021年2月期連結業績は、純利益が前期比77.0%増の38億円だった。コロナの打撃で本業のもうけを示す営業損益は118億円の赤字(前期は7000万円の黒字)に沈んだ。構造改革費用として店舗閉鎖や希望退職募集などに伴う特別損失86億円を計上したが、港区と新宿区で保有するビルの不動産売却益など特別利益248億円で埋め合わせたため、最終損益は黒字を確保した。

 売上高は同21.2%減の1340億円。昨年春の緊急事態宣言による店舗休業とその後のアパレル消費の低迷が響いた。「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」「アドア(ADORE)」「ナチュラルビューティベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)」といった都心立地で通勤などの場面で選ばれるブランドが大幅な減収になった。一方で、「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」「アンディフィーテッド(UNDEFEATED)」「アンドワンダー(AND WANDER)」といったスポーツ系やストリート系のブランドは前期実績を上回った。国内EC(ネット通販)売上高は同12.0%増の406億円になった。

 22年2月期の業績は売上高1524億円(前期比13.7%増)、営業利益11億円、純利益16億円(同57.0%減)を予想する。売上高はコロナが本格化する前の20年2月期との比較で10.4%減になる。上期(3〜8月)はコロナの影響によって5億円の営業赤字、下期は一定の回復を見込んで16億円の営業黒字を見込む。

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有名ブランドに楽曲提供するサウンドデザイナーが謝罪 人種差別的なお面で騒ぐ動画を投稿して炎上

 「シャネル(CHANEL)」や「フェンディ(FENDI)」「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」などに楽曲を提供しているフランス人DJでサウンドデザイナーのミシェル・ゴベール(Michel Gaubert)が、人種差別的なお面をSNSに投稿したことで謝罪する事態に発展した。

 問題となったお面は目の部分が東洋人を想起させる切れ長な形にくりぬかれていた。これをプライベートな夕食会の席で参加者8人が顔に当てて「ウーハンガールズ、ワフー(Wuhan girls, wahoo、Wuhanは中国武漢市のこと)」と叫ぶ動画を投稿した。

 この動画を受けてスージー・ロウ(Susanna Lau)や“ブライアンボーイ”の名で知られるブライアン・グレイ・ヤンバオ(Bryan Grey Yambao)、「ダイエット プラダ(Diet Prada)」など業界のインフルエンサーらがすぐさま反発。ロウは、「どこから始めればいいやら・・・斜めにカットされた目の、明らかに差別的な紙製のマスクはアジア版ブラックフェイスだ」などとインスタグラムに投稿した。ブライアンボーイも、「食事会の参加者が誰もこの行為が適切ではないということ、そしてこれをソーシャルメディアに投稿することが賢いことではないことに気づかなかったことに驚いた」とコメントしている。

 ゴベールは動画を投稿した翌日にインスタグラムに謝罪のコメントを掲載し、問題となった動画を削除した。「私の思いやりのない愚かな投稿で傷つけた方に改めてお詫びを申し上げます。とりわけこのような時期にこのような品格に書ける行為をしてしまったことを申し訳なく思います。アジア人に対するヘイトは許容されるものではなく、他のヘイトと同様に私は非難します」「われわれは皆、毎日何かを学んでいますがそれは十分ではないと実感しました。私は全員が調和して生きるべきであり、あらゆる形の人種差別と一丸となって戦うべきだと確信したため、私は自分自身に責任を持ち、より良い人間になることを約束します」とコメントした。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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子会社立ち上げは本気の証 アダストリアが環境負荷の“見える化”から進めるサステナビリティ

 アダストリアグループは、3月31日にEC専業ブランド「オー・ゼロ・ユー(O0U)」の販売を開始した。同ブランドはファッションにおける循環型ビジネスを目指し、さまざまな切り口で既存の商習慣とは異なるサステナブルなあり方を模索。それらの取り組みを機動的に進めるために、アダストリア本体ではなく子会社アドアーリンクを昨年11月に立ち上げ、「オー・ゼロ・ユー」を運営する。

 同ブランドが環境や社会に与える負荷を測定するアパレル業界共通のツール「ヒグ・インデックス(HIGG INDEX)」を導入し、各商品の環境負荷を分かりやすいマークで表示しているのもそうした取り組みの中の一つ。負荷を計測して“見える化”することは、負荷低減に向けた第一歩だ。ただし、消費者はもちろんアパレル業界人でも、「ヒグ・インデックス」と言われてピンとくる人はまだまだ少ない。ここでは、同インデックス導入の意図や「オー・ゼロ・ユー」が描くサステナビリティ実現の道筋を、アダストリアのサステナビリティ責任者である福田泰己取締役と、タッグを組んでいるコンサルティング企業ローランド・ベルガーの福田稔パートナーに聞いた。

※「ヒグ・インデックス」とは=アパレルの世界的な業界団体であるサステナブル・アパレル連合(SAC)が2012年に開発した環境・社会負荷の測定ツール。SACには36カ国250超の企業やNPOなどが加盟しており、「ヒグ・インデックス」は約1万8000社が活用している。各企業が独自の指標や数値でサステナブルをうたうのではなく、共通ツールを用いることで「何がどれだけサステナブルか」の客観比較を可能にし、負荷低減を目指せるのが同インデックスのポイント。「オー・ゼロ・ユー」では同インデックス内の素材についての環境負荷測定ツール、「ヒグ・マテリアルズ・サステナビリティ・インデックス(HIGG MSI)」を現時点で活用している。

「いかに分かりやすく伝えるかが重要」

WWD:「オー・ゼロ・ユー」で「ヒグ・インデックス」のスコアを公開することにした意図は。

福田泰己アダストリア取締役(以下、福田泰):コロナ禍もあるし、日本政府は2050年にカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)を実現すると宣言した。世界中で脱炭素への注目がいっそう高まる中で、アパレルは二酸化炭素(CO2)排出量の大きな産業と言われている。環境負荷低減に取り組むためには何らかの指標が必要であり、それでグローバルで共通の指標となっている「ヒグ・インデックス」に注目した。ただし、日本の消費者には馴染みが薄く、分かりにくい部分もある。それをいかに分かりやすく表現するか、お客さま1人1人が自分ごとできるようにするかという点で、ローランドベルガーとタッグを組んだ。

福田稔ローランド・ベルガーパートナー(以下、福田稔):ローランド・ベルガーでは以前から、「ヒグ・インデックス」を日本に広められないかと独自で研究していた。「オー・ゼロ・ユー」には戦略策定から関わっており、各商品で行っている使用素材の環境負荷のスコア算出はSACが提供しているロジック(計算式)にしっかり則って行っている。商品1点1点の素材について、どんな原料をどれだけの量使っているか、混紡率はどれくらいか、加工や製法はどんなものかといった細かな要素を掛け合わせてスコアを算出していく。入力項目が非常に多岐にわたるため、情報を全て集めて管理するのはものすごく煩雑だ。その入力の仕組み化をローランドベルガーが担った。算出ロジックはSACが打ち出しているものから変えていないが、スコアの見せ方だけは日本の消費者が受け入れやすいように変えている。温暖化、水不足、資源枯渇、水質汚染に対し、どれだけ配慮できているかを数字そのままではなく、3段階のスマイルマークで示すようにした点などがそれだ。分かりやすく伝えるためのデザインについては、クリエイティブエージェンシーのKESHIKIに担当してもらった。

WWD:日本の消費者には、欧米の消費者ほどサステナビリティの考え方がまだ浸透していないともよく言われるが。

福田稔:われわれも当初は、世界水準のサステナビリティの取り組みを日本の消費者に打ち出しても、付いてきてもらえないのではないかと思っていた。しかし、昨年春に消費者インタビューを実施したら、コロナ禍の影響もあって消費者の意識が加速度的に変わっていくのを実感した。このままいけば、3〜5年後には世の中は大きく変わる。それで、やはり世界水準のサステナビリティに取り組むべきと考えて、「ヒグ・インデックス」の実装に取り組んだ。

福田泰:私がその消費者インタビューで印象的だったのは、サステナビリティの意識が高まっている一方で、「価格の許容性はゼロ」だった点。つまり、1円でも価格が高いなら環境負荷の低い商品を選ばないという結果だった。ただ、これをポジティブに考えれば、同じ価格で提案すれば環境負荷の低い商品を選んでもらえるということになる。アダストリア本体ではECが成長してはいるものの、まだまだ実店舗の売り上げが商売全体の8割を占める。だから、(コスト構造を変えるべく)子会社のアドアーリンクとして切り離し、EC専業で新ブランドを立ち上げた。それによって価格を抑えることができれば、環境負荷の低い商品を手に取っていただけるはず、という考えだ。

今後は取り組み先の工場も公開

WWD:環境負荷についての3段階のマークは、具体的にどのように商品を3分類して付けているのか。

福田稔:各アイテムにおいて、一般的な素材や製法で作るならCO2排出量はこれくらい、水使用はこれくらいといったように値を出して、それを基準としている。基準をもとに環境負荷の小ささが上位3分の1、中位3分の1、下位3分の1というに分けた、相対的な分類だ。基準となる値は、“生産管理ひと筋30年”というような生産畑に精通した社員が、今そのアイテムを作る場合の最も一般的な素材や製法を指定し、算出している。

福田泰:企業が環境負荷低減のために動くことはもちろん必要だが、お客さま自身にも取り組もうと思っていただかないと負荷は減らせない。企業と生活者がそれぞれ本気で取り組むことが大切だ。お客さまにとって分かりやすくするために今回は3段階のマークを採用したが、今後例えば「ヒグ・インデックス」のスコアを商品ごとにそのまま公表していく形が日本でも広がり、お客さまにもそれで伝わるようになるのなら、われわれもその手法に合わせていく考えだ。今回採用した手法に固執するつもりはない。

WWD:「ヒグ・インデックス」実装に取り組んでみて、困難だった点はあるか。

福田泰:現時点では素材から商品ができるまでの環境負荷を“見える化”したが、海外の工場から日本に届くまで、日本での物流過程での負荷についてはまだ手付かずだ。ただし、素材から商品ができるまでの過程でのCO2排出量が、サプライチェーン全体での排出量の9割を占めるというデータもある。そういう意味で、まずは一手として価値があったと思っている。今期(22年2月期)を終えた段階でサステナビリティレポートを作成し、環境負荷改善のために達成したこと、まだできていないことを公表し、取り組み先工場も公開していきたい。今後は期末ごとに同様のレポートを発表していく考えだ。

福田稔:「オー・ゼロ・ユー」は、毎シーズン40型ほどを企画する。一般的なブランドよりも型数が絞られているからこそ、スコア算出のためのデータ入力が可能となっている面はある。これで型数が増えれば、それだけデータ収集・管理は大変になる。「ヒグ・インデックス」の実装を「オー・ゼロ・ユー」だけでなく、アダストリアグループ全体に広めたり、業界内で横展開したりするとなると、データの管理や入力は課題になっていくだろう。

WWD:アダストリアグループの他ブランドにも「ヒグ・インデックス」や、その他の環境負荷低減に向けた取り組みを導入する考えはあるのか。

福田泰:可能性はある。先ほども説明したが、アダストリア本体で循環型ファッションに取り組もうとすると、規模が大きいため横串を通すことが難しい。それでアドアーリンクを立ち上げた。「オー・ゼロ・ユー」が環境負荷低減を目指していく中で、お客さまの共感を得られる取り組みもあれば、労力やコストとお客さまの反応が見合わないものも出てくるだろう。もちろん、お客さまの反応が鈍いからといって「オー・ゼロ・ユー」では改善をやめることはないが、アダストリア全体には好反応が得られた部分を還元していくのがいいだろう。もちろん、「ヒグ・インデックス」導入のためにわれわれの仕組みが使いたいという企業があれば、手法は開示していく。自社がどうするかというより、業界全体としてどう改善していくか、そのために他社とどう協力するかという考え方が今の世の中の主流だ。アドアーリンク、ローランドベルガー、そして参加したい他社とで、コンソーシアムのような形を組んでいくのがいいのではないか。

環境負荷の低減とファッションのワクワクの両立を追求

WWD:商品を企画する上で、デザインと価格のバランスという従来の制約に、サステナビリティという新たな制約が加わった。それはデザインの発想や企画プロセスにどのような変化をもたらしているか。

福田稔:素材の段階で環境負荷のスコアがある程度分かるので、再生素材などの負荷の低い素材からデザインを考えていくことになる。デザイナーにとっては企画をする上で1つ制約が増えることになり、(使いたい素材と環境意識の)バランスを取ることは難しいだろう。何を優先するのかは、生産、MD、デザイナーといった各担当者が日々議論しながら進めている。

福田泰:最終的に判断するのはお客さまだ。お客さまは素材が環境にいいから商品を買うわけではない。ときめきや肌触りのよさで商品を選んだら、結果的に環境によかったという形にしないとだめだ。アドアーリンクは社員数も12人なので、生産、MD、デザイナーらのデスクも隣り合っており、日々コミュニケーションして企画を進めている。(使いたい素材や環境負荷の低さなどの中で)何を優先するかは、意見がぶつかりあっていい。最終的にお客さまにどういう価値を届けたいのかをすり合わせ、そこに向かってブランドをディレクションしていくことが大切だ。ブランドお披露目の展示会では、来場者からプラスとマイナスの両方の反応があった。マイナスは、「真面目すぎる」といった声。柄の提案もなかったし、アダストリアが強みとしている“Play fashion!”の部分、つまりファッションのもたらすワクワク感がやや薄かった。それをどこまで反映させていくかもこれからだ。

WWD:売上高追求による作り過ぎがアパレルの大量廃棄につながってきた。環境負荷低減を目指すブランドとして、売上高はもう評価指標にはならないのか。

福田泰:ブランドは大きくなることで少しずつ世の中に影響を与えていくと信じている。そういう意味で売り上げを作ることは大切だ。「赤字でもいい」というのでは事業として続かず、それこそサステナブルではない。きちんと利益を出していくことが求められている。目標とする利益率などはアダストリア本体のブランドとは異なるが、アダストリア内でもブランドごとに異なっている。ただ、「オー・ゼロ・ユー」はEC専業のため、原価率は50%を超える。特に、例えば、120双糸を使ったブロードシャツは一般的には1万4000〜5000円はするものだ。それをわれわれは8900円(税込)で販売している。

福田稔:「オー・ゼロ・ユー」は全商品が環境負荷の3段階マークで上位3分の1となることを目指している。そんな「オー・ゼロ・ユー」の売り上げが伸びていくのなら、環境負荷の低い服が世の中に広がることになる。負荷の低い服を世の中に広げることを指標にしていきたい。

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ドトール、大豆ミート第2弾。バルサミコクリーム仕立てベーグルサンド。

株式会社ドトールコーヒー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 正則)が、全国のエクセルシオール カフェで4月22日(木)から、植物由来*¹の食材を使用したベーグルサンド 「大豆ミート ~バルサミコクリーム仕立て~」(店内 570円税込、テイクアウト560円税込)を発売する。
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上場企業を狙う「金なしベンチャー」。グルメサイトRettyがはまった落とし穴

 実名型のグルメサイト「Retty」を運営する株式会社Retty(本社:東京都港区、代表取締役:武田 和也)が貸付を行った株式会社ジンユウ(本社:東京都港区、代表取締役兼CEO:早野 允)が破産手続きを開始し、取り立て不能の恐れがあると発表した。Rettyは、2020年10月に上場したばかり。思わぬ落とし穴にはまった形だ。
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上場企業を狙う「金なしベンチャー」。グルメサイトRettyがはまった落とし穴

 実名型のグルメサイト「Retty」を運営する株式会社Retty(本社:東京都港区、代表取締役:武田 和也)が貸付を行った株式会社ジンユウ(本社:東京都港区、代表取締役兼CEO:早野 允)が破産手続きを開始し、取り立て不能の恐れがあると発表した。Rettyは、2020年10月に上場したばかり。思わぬ落とし穴にはまった形だ。
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しまむらの復活は本物か 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。コロナ禍でアパレル市場が低迷する中、しまむらのV字回復に注目が集まっている。このたび発表された2021年2月期の財務諸表を細かく分析して、復活の背景と今後の課題を整理してみた。

 しまむらが4月5日に発表した2021年2月期連結決算はコロナ禍のエッセンシャルシフトや順調な天候推移を追い風に、商品調達の短サイクル化やPB(プライベートブランド)とTB(タイアップブランド)の再構築なども寄与して売り上げが上向き、粗利益率も販管費率も改善して4期ぶりに営業増益に転じて純利益は倍増した。この勢いはコロナが収束しても続く「実力」なのだろうか。

業績を押し上げたのは内因か外因か

 21年2月期の売り上げは第1四半期(3〜5月)こそ緊急事態宣言に直撃されて前年同期の8掛けに落ち込んだが、第2四半期(6〜8月)は全国民に一律10万円が支給された「特別定額給付金」が寄与して12.6%増と急浮上し、第3四半期(9〜11月)もコロナの季節的収束と順調な天候推移に恵まれて15.6%増と好調が続いた。第4四半期(12〜2月)こそ再度の緊急事態宣言や勤労収入の減少(賞与や残業手当の減少、非正規就業者の失業やシフト減など)で8.2%増と減速したが、通期では5426億円と前期から4%近く増加した。

 粗利益率も第1四半期こそ30.6%と前年同期から1.6ポイント低下したが、第2四半期は35.5%と同1.1ポイント改善し、第3四半期は35.3%と天候不順と消費増税で不調だった前年から2.6ポイントも上積み、売り上げの伸びが鈍った第4四半期も33.4%と消費増税と暖冬に直撃された前年から2.5ポイント上積んだ。その一方、販管費率は第1四半期こそ32.0%と前年同期から3.8ポイントも上昇したが、第2四半期は24.0%と前年から3.9ポイントも抑制され、第3四半期も25.3%と前年から3.8ポイント抑制されたが、第4四半期は28.6%と前年より0.8ポイントかさんだ。

 結果の営業利益は第1四半期こそ売上対比12%もの赤字に転落したが、第2四半期は11.7%の黒字に浮上。第3四半期も10.1%の黒字と収益性を維持したが、第4四半期は5.0%(前年は3.2%)と大きく減速した。そんな四半期ごとの流れを見る限り、商品内容やサプライ体制の革新という内因ではなく、前年と比較しての消費環境の好転という外因が大きかったと推察される。

長期的には下げ止まりでしかない

 4期ぶりの好転とはいえ、長期的に見れば成長の鈍化は否めず、営業利益率も7.0%と4%台に落ち込んだ過去2期からは回復したものの、9%台だった11年2月期〜13年2月期には及ばない。

 商品政策や天候による好不調で上下はあるものの、粗利益率はPB(自社開発ブランド)やTB(サプライヤーとのタイアップブランド)の拡大で上昇基調が続いており、21年2月期は33.9%と06年2月期の30.7%からは3.2ポイント上昇しているが、販管費率の上昇の方が速く、06年2月期の22.7%から20年2月期の28.3%まで5.6ポイントも上昇して収益を圧迫していた。02年2月期には粗利益率27.6%、販管費率21.5%だったことを思えば、随分と非効率になってしまったものだ。

 在庫回転は07年2月期の12.43回転がピークで、以降は減速基調が続いて20年2月期は6.89回転と7回を割り込み、業績が浮揚した21年2月期も7.01回転と根本的な在庫フローは変わっていない。年間坪効率も06年2月期の95.6万円からじりじりと低下が続いており、20年2月期は76.4万円まで落ち込んだ。21年2月期は79.8万円とやや戻したとはいえ、19年2月期の81.1万円にも届かないから、品ぞろえや店舗の魅力が目に見えて高まったとは言い難い。直近の売り場を見ても商品も陳列も代わり映えしないから、売り場の印象と結果数字は一致している。

 主力業態の「ファッションセンターしまむら」(全社売り上げの76.8%を占める)の21年2月期部門別売り上げを見ても、伸びたのはインテリア(18.6%増)、ベビー・子供服(10.3%増)、寝装具(9.2%増)、洋品小物(6.6%増)、肌着(3.1%増)であって、肝心の婦人服は2.2%減と前年を割り、シューズは13.5%減と落ち込んだ。商品の魅力が回復しているなら婦人服が一番に伸びるはずではないのか。

 西松屋チェーン同様、エッセンシャルシフトに押し上げられた子供服業態「バースデイ」こそ16.0%増と好調だったが、トレンド志向の強い「アベイル」は1.1%減と前年を割っている。事業構造や運営体系が改革されたのなら全業態が上向くはずで、やはり内因より外因による浮揚が大きかったと見るべきだろう。

陳腐化・非効率化したマーチャンダイジング

 「ファッションセンターしまむら」業態の21年2月期は浮揚したとはいえ売り上げは4120億9500万円と2.6%しか伸びず、客数は1.6%減少しているから人気が復活したわけではない。年間坪効率も91.2万円と前期の88.7万円からは回復したが、18年2月期の100.7万円には遠い。

 前年より値引き率が2.3ポイント抑制され8.4%に収まったと開示しているから、33.1%の結果粗利益率から単純計算すれば値入れ率は41.5%(調達原価率58.5%)だったと受け取れる。値引き率を5%弱に抑えていた02年頃に比べれば直近は10%を超え、当時は68%ほどだった調達原価率も10ポイント近く切り下げられたから、お買い得感は相応に薄れたのではないか。

 店頭の品ぞろえも、ティーンズはともかくヤング・OLとミセスのメリハリがなくなり、似たような商品が重複して色調もベタになり、その分、テイストとアイテムのバラエティーを損なって魅力のない店になってしまった。かつての稼ぎ頭からお荷物部門に転落したイトーヨーカ堂の衣料部門同様、POSを過信して売れ筋に絞り込んで類似品を広げると、こんな売り場になってしまう。消費環境の好転で売り上げこそ回復したが、客数は3期連続して減少している。品ぞろえの魅力が高まったのなら客数が一番に上向くはずで、「ファッションセンターしまむら」の退化には歯止めが掛かっていない。

 「アベイル」はもっと厳しく売り上げも1.1%減の494億8000万円と浮揚せず、客数も6.3%減と前期の2.6%減より悪化している。年間坪効率も52.3万円と主力3業態では最も低く、これでは在庫を消化できず滞貨してしまう。値引き率は前期から3.4ポイント抑制されたとは言え17.0%(前期は20.4%!)と販売消化が滞っており、商売になっていない。

 38.0%の結果粗利益率から単純計算すれば値入れ率は55.0%(調達原価率45.0%)になるから、魅力的なブランドがそろうはずもない。かつてのテイスト・ブランド別編成を崩して「ファッションセンターしまむら」同様に似たようなテイストとアイテムが重複するメリハリとバラエティーの欠けた売り場になっており、エッセンシャルシフトでオシャレ離れが進む現況では立て直しは容易ではないだろう。

 唯一「バースデイ」だけは売り上げが626億5400万円と16.0%増で、客数も5.4%伸びており、値引き率も前期から2.6ポイント抑制されて5.6%と販売消化も順調だが、年間販売効率は前期から15%伸びても74.5万円と「ファッションセンターしまむら」の8掛け強に留まる。売り場を見る限り「ファッションセンターしまむら」や「アベイル」よりバラエティーとメリハリがあり育児関連のアイテムも多少はそろっているから、まだまだ伸ばせるはずだ。

ブレイクスルーなき成長はない

 業績が回復したとはいえ再成長に転ずるほどの勢いはなく、21年2月期末店舗数も2199店と前期末から15店減少している。「中期経営計画2023」も今期から3年間に100店舗を新規出店して売り上げを5950億円と9.7%伸ばし、営業利益を493億円と29.6%伸ばす構想で、ブレイクスルーな勢いはもとより想定していない。

 EC(ネット通販)にしても、客注アプリ活用のお取り寄せ「しまコレ」に始まり、「ゾゾタウン」での1年足らずという短期間のトライアルを経て20年10月にようやく公式オンラインサイトを立ち上げたばかりで、21年2月期の売り上げは「しまコレ」を合わせて17億円(EC比率0.3%)に過ぎない。インフルエンサー企画のEC専用商品をSNS発信し、全国2200店舗で業態を超えた店受け取り実現して2024年2月期でEC比率2%(120億円)を計画するが、国内ユニクロが20年8月期で1076億円(EC比率13.3%)を売り、多くのアパレルチェーンがコロナ禍でECを急拡大してEC比率2ケタが当たり前になり、中には過半を超えるチェーンもある中では遅きに失する感がある。

 21年2月期でEC商品の「店受け取り」が9割を占めると言っても店舗在庫を引き当てるわけではなく、EC専用倉庫から店舗物流のルート便を使って店舗に配送するだけで、店舗在庫の消化回転を高め機会ロスを減す効果も顧客の受け取りを早める効果もなく、C&C(クリック&コレクト)は初歩的な段階にある。ライトオンさえECから店舗在庫を引き当てて取り置き、店舗でお試しして決済するC&Cで顧客の利便に応えているのに、ひと時代もふた時代も出遅れた感を否めない。

 しまむら自身が決算短信の「次期の見通し」で明記しているように、「政府による財政支援の段階的縮小、非正規社員の厳しい雇用情勢、旅行業や飲食業を中心に引き続き厳しい状況が継続」する中、しまむら顧客の生計はさらに窮していく。テクニカルな改善の積み上げだけでは、顧客層の消費減退で売り上げが伸び悩み、効率低下とコスト上昇で収益が細るのは目に見えている。従前の事業構造のまま改善するだけでなく、事業構造を一変させるブレイクスルーが必要ではないか。

同じ事業構造ではコスト上昇に飲み込まれる

 販管費率は02年2月期の21.5%から20年2月期は28.3%まで上昇したが、その中身を検証しておきたい。02年2月期の人件費率は9.8%だったが、20年2月期も21年2月期も13.4%と3.6ポイント肥大している。店舗コストを反映する賃借料率も10年2月期は4.9%に収まっていたが、年々上昇して20年2月期は6.5%と1.6ポイント、売り上げが上向いた21年2月期も6.1%と1.2ポイント肥大している。

 主婦のパート中心に運営するしまむらはマニュアル化で店舗作業を標準化・省力化してきたが、アドレス管理と棚割指示を徹底しても什器システムと陳列方式自体はほとんど進化しておらず、定番比率が低く季節商品が多頻度に入れ替わり、TC(トランスファーセンター)※1.に在庫を残さず店舗に撒き切るから店間移動のピッキングも多く、作業量を圧縮できないでいる。

 RFIDタグも未導入だからマテハン作業の圧縮も在庫管理やレジ精算の効率化も進まない。RFIDタグが導入済みならスマホのレーダー探索アプリでピッキングも手間取らず、店間移動や客注、EC受注に店舗在庫を引き当てる多数のピッキングもこなせるが、未導入では汗だくの人海戦術になってしまう。

 しまむらでは最新の店舗でもセルフレジさえ入っておらず、1点ごとにビニール袋から取り出してハンガーに掛け、タグに記載されたコードを見て指定什器に陳列する、という20年前と大差ない品出し陳列作業が黙々と続けられている(開店直後に行って作業プロセスを実見した)。ユニクロやジーユーが早々とRFIDタグを全面導入して在庫管理やマテハンの効率化、セルフレジ化を進めて着々と運営人時量を圧縮しているのに比べれば、一時代どころでなく出遅れた感がある。中期計画ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を挙げているが、ならばRFIDタグの全面導入が先決ではないのか。

 店舗の大型化も全く進んでおらず近年は1000平方メートル強で停滞しており、大型化による運営効率の改善も期待できない。店舗が大型化しないまま販売効率がじりじりと下がっていけば、売上対比の人件費負担も賃借料負担も年々かさんでいく。決算業績の推移を見れば、その隘路は明らかだ。ユニクロが年々、着々と店舗規模を大型化し運営効率を改善しているのとは好対照に見える。

※1.TC(トランスファーセンター)…入荷商品を棚入れすることなく自動ソーターで高速仕分けして出荷する方式の物流センター

米コールズにみるブレイクスルー

 「米国のしまむら」と比喩したくなるほど立地も客層も似ているのが米国の大衆デパートチェーンのコールズ(KOHL’S)で、郊外の賃貸アパート地区につながる生活幹線道路では必ずと言ってよいほど目につく。中低所得女性勤労者とその家族を対象としているのも似ているが、店舗規模は標準店で8175平方メートルと1000平方メートル強の「ファッションセンターしまむら」と比べれば8倍大きい。21年1月期末で49州に1162店舗を展開し、159億5500万ドルを売り上げている。

 立地はロードサイドのストリップセンター※2.が82%、フリースタンディング(独立店舗)が13%、モール内が5%の構成になる。出店形態は所有店舗が35%、定期借地店舗(建物は自前)が21%、賃借店舗が44%という布陣で、コロナ前の20年1月期で売上対比賃借料率は1.57%、減価償却費を加えて6.16%という負担率は一昔前のしまむらに近い。コロナ禍の米国ではパーキングアクセスに手間取り人混みも避けられないモールが疎まれ、ダイレクトパーキングが可能なストリップセンターやフリースタンディングが好まれている。

 ウィメンズを中心にメンズ、ティーンズ、キッズの衣料と服飾雑貨、化粧品、ホームグッズの構成で、拡大している化粧品では今秋から「セフォラ」の導入が始まる。衣料品では「ナイキ」や「アディダス」「アンダーアーマー」「ニューバランス」「バンズ」「スケッチャーズ」、「リーバイス」「チャップス」などのNB(ナショナルブランド)に加え、独自開発のPBやブランドメーカーとタイアップしたEXB(エクスクルーシブブランド)で構成される。「ファッションセンターしまむら」に比べれば店舗が広くデパートメント構成になっており、大衆デパート風に小綺麗なVMDが組まれている。「しまむら」と大きく違うのは大衆的なNBがそろっていることとジュエリーや化粧品の売場が大きいことで、近年はカフェを併設する店舗も増え、昔に比べれば華やぎも加わってきた。

 中低所得層を顧客とするコールズは、しまむら同様に近年は伸び悩んでおり、ECを拡大して自社在庫だけでなくサプライヤー在庫も自社サイトに掲載してドロップシッピング※3.で売り上げを稼ぎ、近隣顧客の注文に店舗在庫を引き当てて最速で店渡し・店出荷し(EC売り上げの43%)、EC売り上げは59億ドルと総売り上げの40%に達している。加えて19年からアマゾンの返品も受け付けて全店に広げ、アマゾンのデバイスも販売して来店客を増やしている。

 コールズも業績は好調とはいえないが、ECを拡大してサプライヤーまで取り込み、C&Cを実践して店舗をOMO(オンラインとオフラインの融合)の拠点とし、アマゾンとも提携して新規客の取り込みを図っている。全社売上の40%に達する59億ドルものEC売り上げは間違いなくブレイクスルーで、しまむらはもっとコールズに学ぶ必要がある。ならば、しまむらが大手ECプラットフォーマーと戦略提携して、店舗受け取りと返品の拠点となっても驚きはしない。それで受け取る手数料は知れているだろうが、これまで「ファッションセンターしまむら」に来なかった客層が大挙して訪れる効果は想像以上のものになるだろう。

※2.ストリップセンター…店舗棟が並列あるいはコの字状に駐車場を囲んで各店舗にダイレクトパーキングできるロードサイドの自由営業型商業施設
※3.ドロップシッピング…サイトを運営する会社は在庫を抱えず、受注した商品はサプライヤーが直接、顧客に発送するECの仕組み

巨額の余剰資金が革新を妨げている

 しまむらは独立店舗が大半だから商業施設デベロッパーに売上金を預託する必要がなく、売上債権回転日数は20年2月期で4.18日、21年2月期も4.47日と日銭が回っている。棚資産回転日数は20年で53.51日、21年で51.67日と昔に比べれば遅くなったが、買掛債務回転日数は20年で19.33日、21年も24.53日と支払いが速く、20年は38.36日で548億5800万円、21年は31.61日で468億7300万円の運転資金負担が発生している。それは純資産対比で20年15.0%、21年12.2%に過ぎず、無借金経営どころか20年2月期末で1520億円、21年2月期末で1930億円の余剰資金が遊んでいる(NCD 譲渡性定期預金)。

 「遊んでいる」というのは適切でなく「運用されている」のだが、企業が手持ちの巨額余剰資金を事業に投ぜず低金利の譲渡性定期預金に寝かせているのは決して健全な状態ではない。ファーストリテイリングだって純資産9961億円に対して5900億円の有利子負債を借り入れ、事業の拡大に投資している(20年8月期)。それが成長を志向して事業構造を変えていく健全な経営であり、巨額の余剰資金を寝かせたままでは経営判断が保守的になり、未来への扉を開けなくなる。

 21年2月期のしまむらは4期ぶりに浮上したが、はっきりいえば大した改革もせず、時代の追い風に乗ってテクニカル得点しただけなのではないか。事業構造を変えていかないと収益性は確実に劣化し、いずれ不採算に陥ってしまう。それはレナウンや三陽商会など大手アパレル、三越伊勢丹など大手百貨店で実証されたことではないのか。あまりに余剰資金があると危機感が欠け、何もかもが不徹底で後手に回って時代に置いていかれ、果てはゆでガエルのごとき結末に至る。

 しまむらが最も急ぐべきは余剰資金の前向きな投資であり、開発力あるサプライヤーの買収で商品力を高め、ECプラットフォーマーの買収や資本提携で一気呵成なEC拡大を図るべきだ。それに踏み切れないのなら、自社株式の買い入れで減資するべきではないか。身を引き締め危機感ある経営に転ずるにはそれが必要だと思う。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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しまむらの復活は本物か 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。コロナ禍でアパレル市場が低迷する中、しまむらのV字回復に注目が集まっている。このたび発表された2021年2月期の財務諸表を細かく分析して、復活の背景と今後の課題を整理してみた。

 しまむらが4月5日に発表した2021年2月期連結決算はコロナ禍のエッセンシャルシフトや順調な天候推移を追い風に、商品調達の短サイクル化やPB(プライベートブランド)とTB(タイアップブランド)の再構築なども寄与して売り上げが上向き、粗利益率も販管費率も改善して4期ぶりに営業増益に転じて純利益は倍増した。この勢いはコロナが収束しても続く「実力」なのだろうか。

業績を押し上げたのは内因か外因か

 21年2月期の売り上げは第1四半期(3〜5月)こそ緊急事態宣言に直撃されて前年同期の8掛けに落ち込んだが、第2四半期(6〜8月)は全国民に一律10万円が支給された「特別定額給付金」が寄与して12.6%増と急浮上し、第3四半期(9〜11月)もコロナの季節的収束と順調な天候推移に恵まれて15.6%増と好調が続いた。第4四半期(12〜2月)こそ再度の緊急事態宣言や勤労収入の減少(賞与や残業手当の減少、非正規就業者の失業やシフト減など)で8.2%増と減速したが、通期では5426億円と前期から4%近く増加した。

 粗利益率も第1四半期こそ30.6%と前年同期から1.6ポイント低下したが、第2四半期は35.5%と同1.1ポイント改善し、第3四半期は35.3%と天候不順と消費増税で不調だった前年から2.6ポイントも上積み、売り上げの伸びが鈍った第4四半期も33.4%と消費増税と暖冬に直撃された前年から2.5ポイント上積んだ。その一方、販管費率は第1四半期こそ32.0%と前年同期から3.8ポイントも上昇したが、第2四半期は24.0%と前年から3.9ポイントも抑制され、第3四半期も25.3%と前年から3.8ポイント抑制されたが、第4四半期は28.6%と前年より0.8ポイントかさんだ。

 結果の営業利益は第1四半期こそ売上対比12%もの赤字に転落したが、第2四半期は11.7%の黒字に浮上。第3四半期も10.1%の黒字と収益性を維持したが、第4四半期は5.0%(前年は3.2%)と大きく減速した。そんな四半期ごとの流れを見る限り、商品内容やサプライ体制の革新という内因ではなく、前年と比較しての消費環境の好転という外因が大きかったと推察される。

長期的には下げ止まりでしかない

 4期ぶりの好転とはいえ、長期的に見れば成長の鈍化は否めず、営業利益率も7.0%と4%台に落ち込んだ過去2期からは回復したものの、9%台だった11年2月期〜13年2月期には及ばない。

 商品政策や天候による好不調で上下はあるものの、粗利益率はPB(自社開発ブランド)やTB(サプライヤーとのタイアップブランド)の拡大で上昇基調が続いており、21年2月期は33.9%と06年2月期の30.7%からは3.2ポイント上昇しているが、販管費率の上昇の方が速く、06年2月期の22.7%から20年2月期の28.3%まで5.6ポイントも上昇して収益を圧迫していた。02年2月期には粗利益率27.6%、販管費率21.5%だったことを思えば、随分と非効率になってしまったものだ。

 在庫回転は07年2月期の12.43回転がピークで、以降は減速基調が続いて20年2月期は6.89回転と7回を割り込み、業績が浮揚した21年2月期も7.01回転と根本的な在庫フローは変わっていない。年間坪効率も06年2月期の95.6万円からじりじりと低下が続いており、20年2月期は76.4万円まで落ち込んだ。21年2月期は79.8万円とやや戻したとはいえ、19年2月期の81.1万円にも届かないから、品ぞろえや店舗の魅力が目に見えて高まったとは言い難い。直近の売り場を見ても商品も陳列も代わり映えしないから、売り場の印象と結果数字は一致している。

 主力業態の「ファッションセンターしまむら」(全社売り上げの76.8%を占める)の21年2月期部門別売り上げを見ても、伸びたのはインテリア(18.6%増)、ベビー・子供服(10.3%増)、寝装具(9.2%増)、洋品小物(6.6%増)、肌着(3.1%増)であって、肝心の婦人服は2.2%減と前年を割り、シューズは13.5%減と落ち込んだ。商品の魅力が回復しているなら婦人服が一番に伸びるはずではないのか。

 西松屋チェーン同様、エッセンシャルシフトに押し上げられた子供服業態「バースデイ」こそ16.0%増と好調だったが、トレンド志向の強い「アベイル」は1.1%減と前年を割っている。事業構造や運営体系が改革されたのなら全業態が上向くはずで、やはり内因より外因による浮揚が大きかったと見るべきだろう。

陳腐化・非効率化したマーチャンダイジング

 「ファッションセンターしまむら」業態の21年2月期は浮揚したとはいえ売り上げは4120億9500万円と2.6%しか伸びず、客数は1.6%減少しているから人気が復活したわけではない。年間坪効率も91.2万円と前期の88.7万円からは回復したが、18年2月期の100.7万円には遠い。

 前年より値引き率が2.3ポイント抑制され8.4%に収まったと開示しているから、33.1%の結果粗利益率から単純計算すれば値入れ率は41.5%(調達原価率58.5%)だったと受け取れる。値引き率を5%弱に抑えていた02年頃に比べれば直近は10%を超え、当時は68%ほどだった調達原価率も10ポイント近く切り下げられたから、お買い得感は相応に薄れたのではないか。

 店頭の品ぞろえも、ティーンズはともかくヤング・OLとミセスのメリハリがなくなり、似たような商品が重複して色調もベタになり、その分、テイストとアイテムのバラエティーを損なって魅力のない店になってしまった。かつての稼ぎ頭からお荷物部門に転落したイトーヨーカ堂の衣料部門同様、POSを過信して売れ筋に絞り込んで類似品を広げると、こんな売り場になってしまう。消費環境の好転で売り上げこそ回復したが、客数は3期連続して減少している。品ぞろえの魅力が高まったのなら客数が一番に上向くはずで、「ファッションセンターしまむら」の退化には歯止めが掛かっていない。

 「アベイル」はもっと厳しく売り上げも1.1%減の494億8000万円と浮揚せず、客数も6.3%減と前期の2.6%減より悪化している。年間坪効率も52.3万円と主力3業態では最も低く、これでは在庫を消化できず滞貨してしまう。値引き率は前期から3.4ポイント抑制されたとは言え17.0%(前期は20.4%!)と販売消化が滞っており、商売になっていない。

 38.0%の結果粗利益率から単純計算すれば値入れ率は55.0%(調達原価率45.0%)になるから、魅力的なブランドがそろうはずもない。かつてのテイスト・ブランド別編成を崩して「ファッションセンターしまむら」同様に似たようなテイストとアイテムが重複するメリハリとバラエティーの欠けた売り場になっており、エッセンシャルシフトでオシャレ離れが進む現況では立て直しは容易ではないだろう。

 唯一「バースデイ」だけは売り上げが626億5400万円と16.0%増で、客数も5.4%伸びており、値引き率も前期から2.6ポイント抑制されて5.6%と販売消化も順調だが、年間販売効率は前期から15%伸びても74.5万円と「ファッションセンターしまむら」の8掛け強に留まる。売り場を見る限り「ファッションセンターしまむら」や「アベイル」よりバラエティーとメリハリがあり育児関連のアイテムも多少はそろっているから、まだまだ伸ばせるはずだ。

ブレイクスルーなき成長はない

 業績が回復したとはいえ再成長に転ずるほどの勢いはなく、21年2月期末店舗数も2199店と前期末から15店減少している。「中期経営計画2023」も今期から3年間に100店舗を新規出店して売り上げを5950億円と9.7%伸ばし、営業利益を493億円と29.6%伸ばす構想で、ブレイクスルーな勢いはもとより想定していない。

 EC(ネット通販)にしても、客注アプリ活用のお取り寄せ「しまコレ」に始まり、「ゾゾタウン」での1年足らずという短期間のトライアルを経て20年10月にようやく公式オンラインサイトを立ち上げたばかりで、21年2月期の売り上げは「しまコレ」を合わせて17億円(EC比率0.3%)に過ぎない。インフルエンサー企画のEC専用商品をSNS発信し、全国2200店舗で業態を超えた店受け取り実現して2024年2月期でEC比率2%(120億円)を計画するが、国内ユニクロが20年8月期で1076億円(EC比率13.3%)を売り、多くのアパレルチェーンがコロナ禍でECを急拡大してEC比率2ケタが当たり前になり、中には過半を超えるチェーンもある中では遅きに失する感がある。

 21年2月期でEC商品の「店受け取り」が9割を占めると言っても店舗在庫を引き当てるわけではなく、EC専用倉庫から店舗物流のルート便を使って店舗に配送するだけで、店舗在庫の消化回転を高め機会ロスを減す効果も顧客の受け取りを早める効果もなく、C&C(クリック&コレクト)は初歩的な段階にある。ライトオンさえECから店舗在庫を引き当てて取り置き、店舗でお試しして決済するC&Cで顧客の利便に応えているのに、ひと時代もふた時代も出遅れた感を否めない。

 しまむら自身が決算短信の「次期の見通し」で明記しているように、「政府による財政支援の段階的縮小、非正規社員の厳しい雇用情勢、旅行業や飲食業を中心に引き続き厳しい状況が継続」する中、しまむら顧客の生計はさらに窮していく。テクニカルな改善の積み上げだけでは、顧客層の消費減退で売り上げが伸び悩み、効率低下とコスト上昇で収益が細るのは目に見えている。従前の事業構造のまま改善するだけでなく、事業構造を一変させるブレイクスルーが必要ではないか。

同じ事業構造ではコスト上昇に飲み込まれる

 販管費率は02年2月期の21.5%から20年2月期は28.3%まで上昇したが、その中身を検証しておきたい。02年2月期の人件費率は9.8%だったが、20年2月期も21年2月期も13.4%と3.6ポイント肥大している。店舗コストを反映する賃借料率も10年2月期は4.9%に収まっていたが、年々上昇して20年2月期は6.5%と1.6ポイント、売り上げが上向いた21年2月期も6.1%と1.2ポイント肥大している。

 主婦のパート中心に運営するしまむらはマニュアル化で店舗作業を標準化・省力化してきたが、アドレス管理と棚割指示を徹底しても什器システムと陳列方式自体はほとんど進化しておらず、定番比率が低く季節商品が多頻度に入れ替わり、TC(トランスファーセンター)※1.に在庫を残さず店舗に撒き切るから店間移動のピッキングも多く、作業量を圧縮できないでいる。

 RFIDタグも未導入だからマテハン作業の圧縮も在庫管理やレジ精算の効率化も進まない。RFIDタグが導入済みならスマホのレーダー探索アプリでピッキングも手間取らず、店間移動や客注、EC受注に店舗在庫を引き当てる多数のピッキングもこなせるが、未導入では汗だくの人海戦術になってしまう。

 しまむらでは最新の店舗でもセルフレジさえ入っておらず、1点ごとにビニール袋から取り出してハンガーに掛け、タグに記載されたコードを見て指定什器に陳列する、という20年前と大差ない品出し陳列作業が黙々と続けられている(開店直後に行って作業プロセスを実見した)。ユニクロやジーユーが早々とRFIDタグを全面導入して在庫管理やマテハンの効率化、セルフレジ化を進めて着々と運営人時量を圧縮しているのに比べれば、一時代どころでなく出遅れた感がある。中期計画ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を挙げているが、ならばRFIDタグの全面導入が先決ではないのか。

 店舗の大型化も全く進んでおらず近年は1000平方メートル強で停滞しており、大型化による運営効率の改善も期待できない。店舗が大型化しないまま販売効率がじりじりと下がっていけば、売上対比の人件費負担も賃借料負担も年々かさんでいく。決算業績の推移を見れば、その隘路は明らかだ。ユニクロが年々、着々と店舗規模を大型化し運営効率を改善しているのとは好対照に見える。

※1.TC(トランスファーセンター)…入荷商品を棚入れすることなく自動ソーターで高速仕分けして出荷する方式の物流センター

米コールズにみるブレイクスルー

 「米国のしまむら」と比喩したくなるほど立地も客層も似ているのが米国の大衆デパートチェーンのコールズ(KOHL’S)で、郊外の賃貸アパート地区につながる生活幹線道路では必ずと言ってよいほど目につく。中低所得女性勤労者とその家族を対象としているのも似ているが、店舗規模は標準店で8175平方メートルと1000平方メートル強の「ファッションセンターしまむら」と比べれば8倍大きい。21年1月期末で49州に1162店舗を展開し、159億5500万ドルを売り上げている。

 立地はロードサイドのストリップセンター※2.が82%、フリースタンディング(独立店舗)が13%、モール内が5%の構成になる。出店形態は所有店舗が35%、定期借地店舗(建物は自前)が21%、賃借店舗が44%という布陣で、コロナ前の20年1月期で売上対比賃借料率は1.57%、減価償却費を加えて6.16%という負担率は一昔前のしまむらに近い。コロナ禍の米国ではパーキングアクセスに手間取り人混みも避けられないモールが疎まれ、ダイレクトパーキングが可能なストリップセンターやフリースタンディングが好まれている。

 ウィメンズを中心にメンズ、ティーンズ、キッズの衣料と服飾雑貨、化粧品、ホームグッズの構成で、拡大している化粧品では今秋から「セフォラ」の導入が始まる。衣料品では「ナイキ」や「アディダス」「アンダーアーマー」「ニューバランス」「バンズ」「スケッチャーズ」、「リーバイス」「チャップス」などのNB(ナショナルブランド)に加え、独自開発のPBやブランドメーカーとタイアップしたEXB(エクスクルーシブブランド)で構成される。「ファッションセンターしまむら」に比べれば店舗が広くデパートメント構成になっており、大衆デパート風に小綺麗なVMDが組まれている。「しまむら」と大きく違うのは大衆的なNBがそろっていることとジュエリーや化粧品の売場が大きいことで、近年はカフェを併設する店舗も増え、昔に比べれば華やぎも加わってきた。

 中低所得層を顧客とするコールズは、しまむら同様に近年は伸び悩んでおり、ECを拡大して自社在庫だけでなくサプライヤー在庫も自社サイトに掲載してドロップシッピング※3.で売り上げを稼ぎ、近隣顧客の注文に店舗在庫を引き当てて最速で店渡し・店出荷し(EC売り上げの43%)、EC売り上げは59億ドルと総売り上げの40%に達している。加えて19年からアマゾンの返品も受け付けて全店に広げ、アマゾンのデバイスも販売して来店客を増やしている。

 コールズも業績は好調とはいえないが、ECを拡大してサプライヤーまで取り込み、C&Cを実践して店舗をOMO(オンラインとオフラインの融合)の拠点とし、アマゾンとも提携して新規客の取り込みを図っている。全社売上の40%に達する59億ドルものEC売り上げは間違いなくブレイクスルーで、しまむらはもっとコールズに学ぶ必要がある。ならば、しまむらが大手ECプラットフォーマーと戦略提携して、店舗受け取りと返品の拠点となっても驚きはしない。それで受け取る手数料は知れているだろうが、これまで「ファッションセンターしまむら」に来なかった客層が大挙して訪れる効果は想像以上のものになるだろう。

※2.ストリップセンター…店舗棟が並列あるいはコの字状に駐車場を囲んで各店舗にダイレクトパーキングできるロードサイドの自由営業型商業施設
※3.ドロップシッピング…サイトを運営する会社は在庫を抱えず、受注した商品はサプライヤーが直接、顧客に発送するECの仕組み

巨額の余剰資金が革新を妨げている

 しまむらは独立店舗が大半だから商業施設デベロッパーに売上金を預託する必要がなく、売上債権回転日数は20年2月期で4.18日、21年2月期も4.47日と日銭が回っている。棚資産回転日数は20年で53.51日、21年で51.67日と昔に比べれば遅くなったが、買掛債務回転日数は20年で19.33日、21年も24.53日と支払いが速く、20年は38.36日で548億5800万円、21年は31.61日で468億7300万円の運転資金負担が発生している。それは純資産対比で20年15.0%、21年12.2%に過ぎず、無借金経営どころか20年2月期末で1520億円、21年2月期末で1930億円の余剰資金が遊んでいる(NCD 譲渡性定期預金)。

 「遊んでいる」というのは適切でなく「運用されている」のだが、企業が手持ちの巨額余剰資金を事業に投ぜず低金利の譲渡性定期預金に寝かせているのは決して健全な状態ではない。ファーストリテイリングだって純資産9961億円に対して5900億円の有利子負債を借り入れ、事業の拡大に投資している(20年8月期)。それが成長を志向して事業構造を変えていく健全な経営であり、巨額の余剰資金を寝かせたままでは経営判断が保守的になり、未来への扉を開けなくなる。

 21年2月期のしまむらは4期ぶりに浮上したが、はっきりいえば大した改革もせず、時代の追い風に乗ってテクニカル得点しただけなのではないか。事業構造を変えていかないと収益性は確実に劣化し、いずれ不採算に陥ってしまう。それはレナウンや三陽商会など大手アパレル、三越伊勢丹など大手百貨店で実証されたことではないのか。あまりに余剰資金があると危機感が欠け、何もかもが不徹底で後手に回って時代に置いていかれ、果てはゆでガエルのごとき結末に至る。

 しまむらが最も急ぐべきは余剰資金の前向きな投資であり、開発力あるサプライヤーの買収で商品力を高め、ECプラットフォーマーの買収や資本提携で一気呵成なEC拡大を図るべきだ。それに踏み切れないのなら、自社株式の買い入れで減資するべきではないか。身を引き締め危機感ある経営に転ずるにはそれが必要だと思う。

小島健輔(こじま・けんすけ):慶應義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、小島ファッションマーケティングを設立。マーケティング&マーチャンダイジングからサプライチェーン&ロジスティクスまで店舗とネットを一体にC&Cやウェブルーミングストアを提唱。著書に店舗販売とECの明日を検証した「店は生き残れるか」(商業界)、12月11日に出版した「アパレルの終焉と再生」(朝日新書)

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「フェンディ」がキム・ジョーンズによる限定コレクションを発売

 「フェンディ(FENDI)」は、キム・ジョーンズ(Kim Jones)が手掛けたカプセル・コレクションを4月15日から2週間限定で販売する。世界9店舗限定で、国内では銀座店のみで取り扱う。公式オンラインストアでの取り扱いもない。

 アイテムはアイコンバッグ“バゲット(Baguette)”や“ピーカブー(Peekaboo)”の限定デザインに加え、サテンドレスやコットンシャツなどのウエア、バロックパールを使用したジュエリーなどを用意する。

 ジョーンズがウィメンズ・アーティスティック・ディレクターとしてデビューした2021年春夏オートクチュール・コレクションのテーマを継続し、ジェンダーレスで流動的なシルエットが特徴。

 現代のフェミニズムやジェンダー学に多大な影響を与えたヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)の小説「オーランドー(Orlando)」からインスピレーションを受けているという。ジェンダー的テーマに加え、ウルフが参加していた芸術サークルが保有するイギリス・サセックス州の家をモチーフにしたパターンも使用した。

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パリコレで活躍した、今注目の日系モデル4人

 2月末~3月上旬まで開催された2021-22年秋冬シーズンのミラノとパリのファッション・ウイークでは、日系モデルの活躍が見られました。海外渡航が難しい中、ヨーロッパ拠点のアジア系モデルに活躍のチャンスが多く与えられたようです。ここでは今季、さまざまなブランドに起用され躍進したモデル4人を紹介します。

「ルイ・ヴィトン」など12ブランドに出演
日系モデル勢をけん引する美佳

 日系モデル勢をけん引しているのは日本とフランスのハーフ、美佳さんです。ミラノで「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」「フェンディ(FENDI)」「デルコア(DEL CORE)」「エトロ(ETRO)」「トッズ(TOD’S)」「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」で連日見かけた後、パリでは「クレージュ(COURREGES)」「ロンシャン(LONGCHAMP)」「コペルニ(COPERNI)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ランバン(LANVIN)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「アミ アレクサンドル マテュッシ(AMI ALEXANDRE MATTIUSSI)」に起用されていました。この他、パリコレ会期中に出版したアメリカ版「i-D」マガジンの最新号の表紙や、アメリカ版「ヴォーグ(VOGUE)」のエディトリアルに登場していて勢いを感じます。

「ドリス ヴァン ノッテン」など11ブランドが起用
2シーズン目の樋口可弥子

 先シーズンに海外コレクションデビューを果たした樋口可弥子さんに注目している人は多いはず。2シーズン目となった今季も、見かけない日がない大活躍ぶりでした。ミラノの「フェンディ」「ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)」「デルコア」「ブルマリン(BLUMARINE)」「スポーツマックス(SPORTMAX)」「サルヴァトーレ フェラガモ」「フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY DI LORENZO SERAFINI)」、パリの「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTiSTA VALLI)」「バルマン(BALMAIN)」「アミ アレクサンドル マテュッシ」と計11ブランドに出演しました。

 今季は多くのブランドがランウエイショーだけではない、さまざまな手法を凝らした映像を発表しましたが、樋口さんが最も印象に残っているのは47人のダンサーとモデルがパフォーマンスを行った「ドリス ヴァン ノッテン」だといいます。樋口さんは、東京からベルギーに入国後、2週間の自主隔離を経て撮影に参加したそう。「普段とは違う体の動きで服を表現しました。短い撮影時間でしたが、高い集中力を維持しながら世界観に入り込んだことで、泣きそうなくらい感情的になっている自分自身に驚きました。自分は服を通して表現をするのが大好きなんだなと実感した瞬間でもありました」と語ってくれました。

 また、前シーズンとは異なる学びを得たようです。「1シーズン目とは違って、大体の仕事の流れが把握できていた分、不安に感じることが多かったです。先シーズンは全てが新鮮で気づいたら終わっていたのですが、今季はずっと不安でした。でも、ファッション・ウイーク中盤にさしかかる頃には、大きいブランドの仕事と仕事をするという実績にこだわるのではなく、素晴らしいプロフェッショナルの方々と関われる喜びや新たな発見を大切にしようと切り替えられたのが学びでした」。これから樋口さんはパリを拠点に活動していくので、慣れない海外生活や新たな挑戦によって、さらに成長していく姿が見られるのではないかと期待しています!

「エルメス」や「ヴァレンティノ」に登場
台湾と日本のハーフモデルの中野悠楽

 そして今季、新たに2人の日系モデルも活躍しました。1人目は、台湾と日本のハーフで2001年長野県生まれの中野悠楽さん。海外のコレクションデビューは、2020-21年秋冬の「GCDS」です。今季は1月に開催されたメンズ・ファッション・ウイークから3月のウィメンズまで、ミラノとパリで何度も中野さんを見かけてずっと注目していました。メンズの「フェンディ」「エトロ」「エルメス(HERMES)」、メンズとウィメンズを合同で見せた「ヌメロ ヴェントゥーノ」「スンネイ(SUNNEI)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「ランバン」にも起用されていました。

 モデルを始めたきっかけは、ニューヨークでモデル活動をしていた幼なじみに勧められたことだそうです。多くのショーに出演できた理由を聞くと、「東京で行われた『ルイ・ヴィトン』2020年春夏コレクションのショーに出演した直後にヨーロッパで活動を始めたため、タイミングが良かったのかも」と分析します。現在はスーツケースだけを持って各国を点々としながら、ヨーロッパに拠点を置いています。ジェットセッターなライフスタイルで世界を飛び回り続け、コウヘイさんのようなモデルを目指しているとのこと。

「フェンディ」「ディオール」が抜擢
行動力ある次世代モデルのハナカ

 もう一人は、2000年生まれ新潟県出身で、日本、イギリス、アメリカのミックスのハナカさんです。海外のコレクションデビューを飾ったのは、2020年春夏シーズンの「ニナ リッチ(NINA RICCI)」。今季はミラノとパリに挑戦して、「フェンディ」「デルコア」「ヴァレンティノ」「ディオール(DIOR)」などビッグメゾンに起用されました。

 モデルになったきっかけは、高校3年生で進路に悩んでいたとき、大好きなファッションに携わる仕事に就きたいと思い自らモデル事務所ドンナに履歴書を送り採用されたこと。そんな彼女の行動力は今季の活躍にも繋がっているように思えます。ヨーロッパ各国の水際対策が厳しい状況下でのファッション・ウィークとあって、今季はモデルだけでなく多くの業界人が現地入りしませんでした。しかし、東京拠点のハナカさんは早々にイタリアへと入国し、2週間の隔離を経て初めてとなるミラノ・ファッション・ウィーク、2回目のパリコレに挑みました。

 そんな彼女が最も印象に残っているのは、「フェンディ」のショーだそう。「隔離後、キャスティングディレクターに会いに行き、最終決定が出るまで計5回『フェンディ』のショールームへ出向きました。本番の日は、いつもインスタで見ているヘアスタイリスト、メイクアップアーティスト、スタイリスト、モデルたちと同じ現場にいて『私、今すごいところにいる!』と感激のあまり泣きそうになりました。キム・ジョーンズ(Kim Jones)さんと日本語でお話ししたのも貴重な思い出として残っています」。自ら行動し、自らの手で夢を掴み、憧れの人たちと一緒に仕事をしたハナカさんにとって素晴らしい結果を残すシーズンとなりました。目標は「世界中で活躍しているクリエーターの方々に名指しで『ハナカと仕事がしたい』と思ってもらうこと」だと語り、今後も彼女の行動力でさまざま経験を重ねて、国内外で活躍する姿を見られそうです。

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就任初年度に黒字化を達成 婦人靴の卑弥呼社長が語る、歴史あるブランドの刷新術【ネクストリーダー2021】

 婦人靴のSPA「オリエンタルトラフィック(ORIENTAL TRAFFIC)」をファッションビル中心に出店するダブルエーが、百貨店向け婦人靴メーカーの卑弥呼を傘下に収めたのは2020年5月のこと。そのタイミングで卑弥呼社長に就任したのが新井康代氏だ。ダブルエー最古参メンバーの1人としてその成長を支えてきた新井社長は、卑弥呼社員の声にしっかり耳を傾けつつ、ダブルエーのノウハウを注入。初年度(21年1月期)で黒字化を達成し、その実績から「WWD NEXT LEADERS 2021」に選ばれた。

WWDジャパン(以下、WWD):卑弥呼の2021年1月期の売上高は20億2700万円、純利益は7200万円。就任初年度で黒字化を達成した原動力は何か。

新井康代社長(以下、新井):売れる商品を企画し、在庫の奥行きを持って仕掛けたことで売れ筋を作ることができた。そこに一番手応えを感じている。スニーカーの定着や外出自粛の中でパンプスは全般的に厳しいが、ローファーなどのトレンド商品や、バレエシューズなどソフトな履き心地の商品を増やしたことも実績につながった。とは言え、ベーシックなブラックパンプスの売り上げも悪くはない。仕事用途などでブラックパンプスを探している方には「『卑弥呼』がいい」と思っていただけている。靴はサイズがあるので、ECの在庫を厚くしてオムニチャネル強化を図ったことも奏功した。これは親会社のオリエンタルトラフィックの手法を活用したものだ。20年8月~21年1月のEC売上高は、前年同期比62%増となった。

WWD:新井社長はダブルエーの最古参メンバーの一人だ。

新井:靴デザインを学ぶ専門学校生だったころ、「オリエンタルトラフィック」1号店にアルバイトとして入社し、4~5人だった社員が500人規模に育つのを見てきた。販売、物流、生産などの部門を経験・勉強した上で商品企画全体を担当するようになり、ブランディングを固めていくことができた。その時期に売り上げも大きく伸びたという手応えがある。どんなデザインの商品が、いつ、どれだけ必要なのかが分かるようになったのは、商品企画だけでなくさまざまな部門を担当したからこそ。数字を扱うことがすごく好きだったわけではないが、「どうしてこの商品が売れるのか」「もっと売るにはどうしたらいいか」といったことを分析するのは昔から大好きだ。

大事なのは「一人一人が何を考えているか知ること」

WWD:ダブルエーの肖俊偉社長からは、どういった点を見込まれて卑弥呼社長に抜擢されたと思うか。

新井:ダブルエーでずっと働いてきたことで、会社の“イズム”を理解している点だと思う。ダブルエーは現場で実績を重ねて上がっていくリーダーが多い。店頭アルバイト出身の私もその一人だ。現場を知っているからこそ、店はチームワークによって成り立つということを知っている。自分一人の力で売れるわけではない。ただし、販売員のころから、売り上げに対する思いは人一倍強かったと思う。昨日よりも売りたい、前進したいという思いでやってきた。

WWD:自身はどんなタイプのリーダーか。

新井:あまり前に出たいとは思わないし、社長という自覚も薄い。その方が社員との距離感が縮まっていいと思っている。なるべく社員とはフラットに接したい。調整能力はある方だと思うので、自分は調整型のリーダー。ダブルエーの取締役も兼任しているので毎日卑弥呼とダブルエーの両方に出社しているが、心掛けているのはフロアを歩き回って自分から社員に話しかけること。1人1人がどんなことを考えているのか普段から知っておくことが大切だと思う。その中で業務上の問題点はつかんでいるので、トップダウンで何かを決めることはあっても、無理を通すようなことにはならない。何かやってみてダメな場合も固執はせず、「それならこっち」と切り替えるタイプだ。オフィスのメンバーだけでなく、売り場に行って販売員とも話すし、店頭のマネジャーとも毎日電話などで話している。

WWD:具体的に、社員とはどのようなやり取りをしているのか。

新井:卑弥呼は1973年の操業。歴史があるので、デザインにしろカタログの作り方にしろ、積み上げてきた成功体験や習慣がたくさんある。ただ、それが今の時代に合ってないと感じる場合も多い。「これは今お客さまが求めていることなのか」「業務として当たり前に行われているが、本当に必要なことなのか」と疑問に思うことについては、私自身が卑弥呼を理解するためにも遠慮せずに毎日のように社員に聞いている。もちろん、そこで明確な答えが返ってくるならそれで問題ない。外部から来た私だからこそ気付ける部分もあると思うし、方向性を示すのが私の役目だ。

キャリアアップを恐れず「やってみたらできる」

WWD:ファッション業界はまだまだ女性トップが少ない。

新井:私自身、ここまで上の立場になるとは思ってもいなかったし、自分は社長の器ではないと思っていた。でも、やってみると楽しいことがあって、自分が成長している実感もある。(役職の打診を受けて)もし挑戦するか迷っているなら、やってみたら自分が思っているよりもできるという人は多いと思う。これまでも経験上、女性は(役職などを提示すると)「私なんて無理です」と断るケースが非常に多かったが、実際やってみたらできたというケースがほとんどだ。

WWD:私生活では母親でもある。

新井:ダブルエー社員の中で育休取得者第2号だったと記憶している。ありがたいことに保育園もすんなり決まり、出産後あまり間を置かずに職場に復帰した。働くことを優先したわけだが、これは夫や両親など家族の協力があってこそ。なぜ私が働くのか、働きたいのかを家族にしっかり伝えた。私生活においても、大切なのはやはりみんなの意見を調整していくことだと思う。

WWD:会社と自身の10年後の理想像は。

新井:女性が活躍する時代なので、足元から女性を後押しする会社でありたい。私自身は自信の持てる経営者になれるように、日々実績を積んでいきたい。

WWD:ファッションやビューティの世界で働こうと思っている若い世代に、自身の経験からメッセージを。

新井:私が学生時代に下北沢で「オリエンタルトラフィック」1号店に出合ったときは、「この価格でこういった商品を出す業態は他にない」「絶対伸びる」と感じた。それでアルバイトを始めて今がある。自分がいいと思う業態やブランド、会社で、世の中にまだその価値が伝わっていないと感じるものがあれば、規模を問わず飛び込んでみるのがいいと思う。

【推薦理由】
ダブルエーの成長を支えてきた人なのに、「これをやった」「あれもやった」と実績をひけらかすことがない。「チームワークの成果であって、自分1人の力ではない」という考えだ。ただし、単に控えめというのではなく、心の中に非常に熱いものを持っている。「販売員時代から昨日よりも売りたい、日々前進したいと思ってやってきた」という言葉にそれが表れている。コミュニケーションを大切にし、対話の中で問題点を見付けていくしなやかで柔軟なリーダーだ。硬く尖っている人よりも、こういう人の方が実は強いんじゃないかと思う。

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ギンザ シックスに国内初の「アクア ディ パルマ」旗艦店、「ゲラン」新コンセプトがオープン

 ギンザ シックス(GINZA SIX)は2017年にオープン以来初の大型リニューアルを行い、地下1階のビューティフロアも新テナントが続々とオープンしている。中でもフレグランスブランド「アクア ディ パルマ(ACQUA DI PARMA)」は国内初の旗艦店を、「ゲラン(GUERLAIN)」は世界2店舗目となる新コンセプトストアを4月12日にオープンした。

 イタリア発ラグジュアリーライフスタイルブランド「アクア ディ パルマ」の旗艦店はミラノ、ローマ、パリ、マイアミ、ドバイ、上海、南京、杭州、広州、重慶に次ぐ旗艦店で、日本最大級の品ぞろえを特徴とする。店内はヴェネツィアンマーブル調の漆喰やヴェネツィアンガラスなどイタリアを代表する素材を用い、明るく親しみやすい空間にこだわった。また目玉はデジタル技術を駆使した“フレグランスファインダー”だ。香りや趣向に関する一連の質問を通して、自分にぴったりなフレグランスをデジタルで導く。そのほか“ブラック キューブキャンドル”(1kgサイズ)や人気の香り“マグノリア ノービレ”のヘアミストコフレ、“イタリアンモーメント”シリーズのキャンドル(全7種)など、同店限定品も多数用意すし、フレグランスのボックスの刻印サービスも提供する。

 「ゲラン」の「ラ ブティック ゲラン GINZA SIX」はブランドが掲げる「ビーコンセプト(Bee Concept)」をテーマにした店舗で、世界で大阪の阪急うめだ本店に次ぐ2店舗目だ。これまで黒を貴重にした店舗が多かったのに対し、新コンセプトの店舗はゴールドを多用した明るいデザインだ。また天然素材や環境に配慮した素材をを用い、ブランドの「美、クリエイティビティ、サステナビリティ」へのコミットメントを表現している。同店はメイクアップ、スキンケア、フレグランスのフルラインアップに加え、日本では2店舗となるキャビンも併設し(1号店は帝国ホテル店)、個室でフェイシャルトリートメントを体験できる。またフレグランスは150種類以上扱い、ボトルのカスタマイズサービスを提供する。ボトル本体の色だけでなくリボンの色までカスタマイズでき、ラベルへの刻印も可能だ。桜と富士山をあしらったラベルも同店限定で用意する。さらにフレグランススペシャリストも常駐し、マンツーマンのカウンセリングを通じて一人一人にぴったりの香りを提案する。

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「グッチ」の親会社、イタリアに新たな物流拠点 年間最大8000万個を出荷

 「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などを擁するケリング(KERING)は、伊ピエモンテ州トレカーテに新たな物流拠点を設立した。

 トレカーテはミラノから車で1時間程度、ミラノ・マルペンサ国際空港からも20kmほどの距離にある。2019年4月に着工した同施設はおよそ16万2000平方メートルの広さで、ラグビー場にして20面ほど。第1期分はすでに竣工しており、20年3月から稼働している。第2期分は21年4〜6月(第2四半期)に稼働する予定。現在は約250人の従業員が働いており、22年末にはこれを1000人程度まで拡大する。運営は長年の物流パートナーであるXPOロジスティクス(XPO LOGISTICS)が行う。

 ケリングのジャン・フランソワ・パルー(Jean-Francois Palus)=副最高経営責任者は、「ラグジュアリー業界においてもECの売り上げは伸び続けており、より迅速な配送サービスが求められている。現在および将来的な業務要件を見据えて、アジア、アメリカ、欧州における当社の物流網を一から見直して再構築し、完全なオムニチャネル化に向けて改革を進めている」と語った。同氏はこの施設の建設費用などは明らかにしなかったものの、「イタリアへの投資額としてはこれまでで最大」だと述べた。

 同社の物流拠点の基幹となるこの施設は20の倉庫を備えており、取り扱い可能な出荷量は年間最大8000万個、保管量は最大2000万個。世界中の店舗や倉庫からの注文に応じて80カ国以上に出荷でき、ECの注文は3時間以内に処理される。これによってリードタイムを50%短縮できるほか、アイテムごとの配送コストは25%削減されるという。

 最新鋭の設備があるこの施設は環境にも配慮されており、欧州で最大級の屋上太陽光発電システムを導入する。建物完成時には合計12.7MWp(メガワット・ピーク)の太陽光パネルが設置され、二酸化炭素排出量を年間7500トン削減できるという。同施設はイタリアで初めて生産エネルギーが消費エネルギーを上回る複合工業施設であり、余剰電力は配電網を通じて同国内にあるケリングのオフィスや傘下ブランドの店舗に供給される。

 また同施設は、建物や都市に関する環境性能評価システムLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)のプラチナ認証を取得する予定であり、それに加えて建物利用者の健康面に配慮した室内環境評価システムWELL(WELL Building Standard)のゴールド認証を目指している。

 ケリングは米国における物流拠点をニュージャージー州に移設したほか、中東の拠点をドバイに建設した。アジア地域の拠点は現在計画中だが、シンガポールが有力な候補地として挙げられているという。

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高島屋21年2月期は339億円の最終赤字 再生への3カ年計画は「衣料品に重点投資」

 高島屋の2021年2月期連結業績は、売上高に相当する営業収益が前年同期比25.9%減の6808億円、営業損益が134億円の赤字(前期は255億円の黒字)、純損益が339億円の赤字(同160億円の黒字)だった。

 主力の百貨店事業の営業収益は前期比27.3%減の5704億円、営業損益は213億円の赤字(前年同期は69億円の黒字)だった。新型コロナウイルスの影響で、国内では20年4〜5月にかけて「緊急事態宣言」により店舗が休業し、以後も販売は低調に推移。渡航制限による免税売上高のダメージ(前期比91.3%減)も響いた。海外事業でもASEAN諸国や中国の店舗が打撃を受けた。上海高島屋は1〜3月に営業時間を短縮。ホーチミン高島屋は3〜4月、サイアム高島屋は3〜5月、シンガポール高島屋は4〜6月に臨時休業した。店舗休業関連損失を特別損失103億円として計上したため、最終赤字が拡大した。

 これを受けて24年2月期を最終年度とする3ヵ年計画を発表した。同期末に営業収益8500億円、営業利益は300億円を目指す。3年間での投資金額は計1400億円。中核事業である国内百貨店の持続的成長のため、特に大型店の再生に注力する。中でも客離れが進む衣料品カテゴリーの再構築は重要テーマだ。同社の衣料品・雑貨のカテゴリーは、約1割の取引先企業の売り上げで、全体のボリュームの6割を占める構造になっている。「今後はこれら大手アパレルとの取り引きを中心に見直しを進め、商品開発や販促などでもより密接に協業していく」。

 また、「スタイル&エディット(STYLE &EDIT)」などの自主編集フロアを中心に、デジタルを活用した体験型の販売手法やエイジレス、ボーダーレスといった新たな価値観の提案、新規デザイナーの開拓などで魅力の創出を目指す。並行して、人件費を中心としたコスト構造改革を進め、24年2月期末までに216億円の販管費削減を目指す。

 22年2月期連結業績は、営業収益8120億円、営業利益130億円、純利益100億円を予想する。営業収益はコロナ禍以前の水準には満たないものの、コスト削減効果(78億円分)で黒字転換を目指す。

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「ナチュラグラッセ」と「センスオブプレイス」がコラボ 環境に配慮したTシャツやスカートなど

 ネイチャーズウェイが展開するナチュラルメイクアップブランド「ナチュラグラッセ(NATURAGLACE)」は4月23日、アーバンリサーチが手掛ける「センスオブプレイスバイアーバンリサーチ(SENSE OF PLACE BY URBAN RESEARCH、以下センスオブプレイス)」とコラボレーションしたアイテムを発売する。環境に配慮した素材を採用したポンチョ、ベスト、スカート、Tシャツの4型をそろえ、価格帯は税込3190~6490円。センスオブプレイス全店とアーバンリサーチのオンラインストアで取り扱う。

 今回のコラボは両社とも環境に配慮した取り組みを行っており、その一環として環境負荷の低減に貢献すべく実現した。コラボアイテムは、環境配慮の観点からオーガニックコットンやリサイクルポリエステル、エコレザーを採用。「ナチュラグラッセ」の2021年春夏のテーマ“エモーショナル サンセット”からインスパイアされた、ナチュラルでくすみ感のある色合いのデザインをそろえる。

 オーガニックコットンを使用した“ナチュラグラッセポンチョトップ”(全3色、税込各4290円)は、マルチに使える“ナチュラグラッセ タッチオンカラーズ”からインスピレーションを得たラベンダーとアイボリー、パッケージカラーのグレージュを用意。

 リサイクルポリエステルを使用した“ナチュラグラッセスカシアミベスト”(全3色、税込各4290円)とエコレザーを使用した“ナチュラグラッセエコレザースカート”(全3色、税込各6490円)は、“ナチュラグラッセ アイパレット”で展開するナチュラルベージュ、サンセットマゼンタ、サンセットゴールドをイメージしたカラーをそれぞれそろえる。

 オーガニックコットンを使用した“ナチュラグラッセプリント T”(全2色、税込各3190円)は、“エモーショナル サンセット”をイメージしたプリントを施した。

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高級時計「オーデマ ピゲ」がアメコミのマーベルと提携 第一弾の“ブラックパンサー”を販売

 “3大時計ブランド”と称されるスイスの高級時計「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」はこのほど、マーベル・エンターテインメント(Marvel Entertainment)との長期的な提携を発表した。第一弾として、“ロイヤル オークコンセプト ブラックパンサー フライング トゥールビヨン”を250本限定で販売している。日本での展開は4月11日からで、価格は約1900万円(為替によって変動)。

 両社の提携は、フランソワ・アンリ・ベナミアス(Francois Henry Bennahmias)=オーデマ ピゲ最高経営責任者(CEO)と、「アイアンマン」などに“ウォーマシン”役で出演するハリウッド俳優のドン・チードル(Don Cheadle)の友情が発端だった。ベナミアスCEOは、「マーベルとの提携を思い付いたのはもう15年も前のことだが、2017年に長年の友人であるドンに話したところ、『それなら、すぐに実現しよう!』とその場でマーベルに電話をかけてくれた」と振り返る。

 “ロイヤル オークコンセプト ブラックパンサー フライング トゥールビヨン”は、作品中に登場する架空の超金属“ヴィブラニウム”に着想を得たチタンとセラミックの組み合わせからなり、ひと際目を引くホワイトゴールド製の立体的なブラックパンサーは手作業で掘り込み、ハンドペイント。4人のエングレービング技師と4人のペイント技師により、30時間をかけて仕上げられたものだという。その後ろに見えるチタン製の文字盤に表現された幾何学模様は、ブラックパンサーが着用する“ヴィブラニウム”製のボディーアーマーをイメージしたもので、インナーベゼルやラバーストラップに用いたパープルはその“ヴィブラニウム”が生み出すパワーを表現する。

 両社のタッグにより今後は、キャプテン・アメリカやアイアンマン、ハルクなどをモチーフにしたモデルの発表も期待される。

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「ジンズ」最大施設が創業地・群馬県前橋にオープン 初のベーカリーカフェもお目見え

 眼鏡企業ジンズ(JINS)は、創業地である群⾺県前橋市に新施設「ジンズ パーク(JINS PARK)」を4⽉29 ⽇にオープンする。

 敷地面積は「ジンズ」の施設最大となる1720平方メートで、施設名の通り、公園のように“みんなの場所”という思いを込めた。設計は、建築家の永⼭祐⼦。誰もが⾃由に使⽤できる屋外広場や、 エントランス中央の⼤階段や屋上テラスなど広々とした空間を複数設けることで地域との交流、共⽣を図る。

 さらに大きな特徴は、眼鏡ブランド「ジンズ」の販売はもちろん、飲⾷事業として新たに展開するベーカリーカフェ「エブリパン」を併設したことだ。“みんなが愛する味を、いつも出来⽴て、作り⽴てでお届けしたい”という思いをブランド名に込めた。メニューは 群⾺県産の⼩⻨や地元の新鮮な素材にこだわった総菜パンを中⼼に、定番の焼きたてパン「いつものパン」や、オーダーが⼊ってから調理を開始する「とくべつパン」など約60種類ある。価格は湯種食パン900円、パンドミ280円、かつパン960円、つなレモンサラダ630円など。なお、飲食事業の今後の展開は未定。

 田中仁ジンズCEOは2014年に個人で財団を設立し、地元の若い人材育成や老舗の白井屋旅館の再生プロジェクトに携わるなど、地域の活性化事業に積極的に取り組んでいる。「良い眼鏡とは、未来の景色を変えるものでないといけない。社内でも、社員1人1人が社会や地域のために何ができるかを考えている。今後は、サステナブルアクションを成長の力としたい」と話し、社内にサステナブル委員会を設置した。「ジンズ」の立ち上げ20周年で、故郷に錦を飾った。

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「ザ・コンランショップ」が伊勢丹新宿本店に返り咲いた理由 両社に聞くその背景

 インテリアのセレクトショップ「ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP以下、コンランショップ)」が3月31日、伊勢丹新宿本店5階にオープンした。オープン直後の週末に足を運んでみたが、売り場は多くの人々で賑わいレジに列ができるほどだった。家具を選ぶ夫婦から子ども連れ、デザインに興味がありそうな若いカップルや、テーブルリネンを選ぶ女性までさまざま。私の友人も、「軽量でPC入れる仕事用バッグに便利」と「コンランショップ」オリジナルのトートを購入した。「コンランショップ」は2016年にも同フロアに出店していたが、1年経たずに閉店。再出店に至った経緯について、両社の担当者に話を聞いた

 インテリア担当の私は、伊勢丹新宿本店に行くと必ず5階のリビングフロアに行くのだが、その下のファッションフロアでのショッピングがお目当ての人が多いだろう。ところが、新型コロナウイルス感染拡大による“おうち時間”の増加により、以前は5階まで上がってこなかった新客が増えているようだ。

“生活に彩り”需要をオン・オフで取り込む

 伊勢丹新宿本店の5階リビングフロアを担当する三越伊勢丹 新宿ライフデザイン営業部の原宏史氏は、「“おうち時間”用の買い足し需要が見られたが、約1年の自粛が続いているため、今でも継続的にその需要は見られる」と話す。「コンランショップ」再出店に関しては、「『生活に新しい彩りを取り入れたい』『もっと便利に買い物がしたい』という声を反映したのが新『コンランショップ』だ」と言う。
 新「コンランショップ」は5階リビングフロアの中心にあり、花器やフォトフレーム、クッションなど雑貨が中心だった以前の店舗の約5倍の広さ。新店舗では、代表的な名作家具から、テーブルウエア、雑貨、オリジナルグッズまで約100ブランドから1000点以上もの商品をそろえる。しかも、三越伊勢丹のECや三越伊勢丹リモートショッピングアプリ(以下、リモートアプリ)を利用してのショッピングも可能だ。三越伊勢丹が持つこれらECやリモートアプリによるシームレスなサービスに関してもシナジーが期待できると両社の意向により出店が決定した。ECでは、品ぞろえを店舗以上に充実させ、店舗のないエリアの日本全国の消費者一人一人のニーズに合うショッピング体験を提供する。

新型コロナによる“おうち時間”増加で変わる消費

 ザ・コンランショップ ジャパンの塩原道マーケティング兼VMDマネージャーは、「コロナ禍で激変する新しい価値観に寄り添った暮らしのスタイルを提案する場として出店した。時代に沿った『コンランショップ』らしいモダンでインスピレーションに溢れたスタイリングを通して、優れたデザインに囲まれた豊かな暮らしや快適なリモートワークなどを提案したい」とコメントしている。暮らしが変われば、消費も変わる。冬が長く自宅で過ごす時間が長い北欧の人々が、快適な家作りに重きを置くように、新型コロナ感染拡大により世界中の人々が自宅の暮らしを見直すことにより、新たな需要が生まれ、それがインテリア業界好調につながっている。また、今まで以上に消費者の利便性が重要視される時代で、オン・オフのシームレスなショッピング体験の提供が鍵となるだろう。

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ビューティーエクスペリエンスがb-exへ6年で2度目の社名変更 佐藤可士和と語るCIの進化

 ヘアサロン専売品などを取り扱うヘアケアメーカーのビューティーエクスペリエンスは3月29日、社名をb-ex(ビーエックス)に変更した。同社は2015年、社名をモルトベーネからビューティーエクスペリエンスに改称。今回は、以降社内外に定着したビューティーエクスペリエンスの略称を社名に変更することで、CI(コーポレート・アイデンティティ)をアップデート。b-exのスピード感を物語るブランディング・プロジェクトとなった。福井敏浩・社長と共に15年以来同社のブランディングを手掛けるのは、佐藤可士和クリエイティブディレクターだ。

 前回は、「新しい美の体験をデザインする」をスローガンにビューティーエクスペリエンスへの改称に至っている。佐藤クリエイティブディレクターは、「さまざまなブランディングを手がけてきたが、普通は社名があって、ミッションやビジョン、スローガンがあって、それらを体現した製品が存在する。しかしビューティーエクスペリエンスは、コンセプトがそのまま社名。スピード感を持ってコミュニケーションできる新しいやり方だった」と振り返る。福井社長も「ミッションがそのまま社名なので、一貫性のあるビジョンを効率的に伝えやすくなった」という。

 ではなぜ、好評だったビューティーエクスペリエンスという社名を、さらにb-exに変えたのだろう?福井社長は、「『社名が長い』や『言いづらい』とのお声があった。一方社内ではb-exが浸透していたので、略称を社名にすれば、コミュニケーションのスピードがさらに上がるのでは?」と考えたという。それに対して佐藤クリエイティブディレクターは、「今回の改称は、時代に合わせて、社名をアイコン化したイメージ。b-exは社内やステークホルダーに浸透しているので、記号的にしてコミュニケーションの速度を高めるのは新しい戦略。社名変更によりCIをアップデートするのは初めてで、ワクワクした」という。

 今後は、引き続きデジタルに注力しながら、B to BとB to B to Cのビジネスに加えてB to Cのビジネスに挑む予定だ。佐藤クリエイティブディレクターは、「今回の件も含め、進化のスピードが本当に早い。6年前、最初にうかがった時とは全く別の会社になっているくらい。b-exには、常に倍速のようなスピード感で進化して欲しい」とエールを送る。福井社長は、「社会的課題に取り組みたい。SDGs、特に環境問題を解決するプロジェクトをご一緒できたら」と佐藤クリエイティブディレクターへラブコールを送った。


問い合わせ先
b-ex
03-6757-7767

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