カッコ良くてサステナ!デンマーク発のE-バイク「メイト. バイク」ってなんだ?

 世界一の自転車都市、デンマーク・コペンハーゲン発のE-バイク「メイト. バイク(MATE. BIKE)」が日本に上陸した。3月には東京・恵比寿に旗艦店をオープンし、アンバサダーを務める俳優の窪塚洋介が出演したプロモーションムービーも公開している。

 E-バイクとは、スポーツバイクに電動アシストユニットを搭載した電動自転車のこと。免許不要で公道を走られ、長距離や坂道の移動が楽チン。二酸化炭素を排出しないサステナブルな移動手段としても世界的に注目を浴びている。

 「メイト. バイク」はクリスチャン・アデル・ミシェル(Christian Adel Michael)とジュリー・クロンストラム・カートン(Julie Kronstrom Carton)の姉弟によって2016年に創業された。クラウドファンディングから始まったスタートアップ企業で、これまで行われたクラウドファンディングでは約7億円(16年)と約19億円(18年)を集め、ヨーロッパ史上最高額を記録。20年秋冬シーズンには「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」とのコラボモデルも発表した。ファッション、テクノロジー、サステナビリティを備えたE-バイクとして、すでに世界80カ国以上で乗られている。

 代表モデルの“メイト エックス(MATE X)”には、前後のフルサスペンション、内蔵バッテリー、配線技術など、これまで日本では導入されてこなかった電動自転車の技術が集結する。一番の特徴は4インチの太い耐パンクタイヤ。3ステップで簡単に折りたためるなど、“もっとこうなればいいのに”という開発者の問題意識を具現化した。都市部の階段や段差などでも走れるほか、持ち運べてアウトドアシーンでも活躍する。価格は33万円で全9カラー。恵比寿の旗艦店で試乗も可能だ。

 日本の「メイト. バイク」を運営するチームメイトの今城直也副社長は「電動のママチャリのすごさは性別や年齢にかかわらず誰でも乗れること。ただ、それにカッコよさを加えることがなかなかできなかった。『メイト. バイク』はそれが同時にできており、初めて見たときに“これだ”と思った。サステナビリティもエコなだけではダメ。オーガニック料理も美味しくなければ続かない。『メイト. バイク』はテクノロジーとカッコよさを備えている」と話す。また、福井雄大社長は「日本はどこに行ってもサービスが完ぺきで世界では珍しいほどストレスを感じないのに、満員電車と渋滞だけは共通のストレス。それが自転車を使うことで解消される。自転車を使うことが定着すれば、もっと暮らしやすくなる」と、国内における100%電気エネルギーを使うライフスタイルの啓蒙を行っていくという。

 今後は「メイト」に試乗できるライドスポットを増やす。カフェやレストラン、ホテルなどとも提携し、充電スポットも増やしていく予定だ。初年度1万台の販売を目指す。

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95歳を迎えたエリザベス女王のファッションの歴史 13枚の写真で振り返る

 イギリスのエリザベス女王(Queen Elizabeth II)は4月21日、95歳の誕生日を迎えた。2021年現在も公務をこなし、英国史上最長在位の君主として記録を更新中だ。女王を象徴するのは膨大なティアラのコレクションや、洗練されたロイヤルファッション。67年に渡る在位の中で披露した、公務を行うエリザベス女王の品格あふれるルックを13枚の写真と共に振り返る。

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「サムソナイト」がリサイクル素材のスーツケースを発売

 「サムソナイト(SAMSONITE)」はリサイクル素材を使用したサステナブルなスーツケース“マグナム エコ(Magnum ECO)”を6月8日に発売する。価格は税込4万700円で、日本では公式サイト限定で取り扱う。

 外装に再生ポリプロピレン(PP)、内装にペットボトル由来のリサイクル素材“リサイクレックス(Recyclex)”を使用した。グラファイトとミッドナイトブルー、メープルオレンジ、フォレストグリーン、アイスブルーの5色を用意する。

 再生素材を使用しながらもサムソナイトの強度試験を全てクリアしており、製品を長く使えるという面でもサステナビリティを主張する。同スーツケースは、オランダの大手化学会社ライオンデルバセル(LyondellBasell)とフランス環境関連企業スエズ(SUEZ)の、プラスチックリサイクルに特化した合弁会社クオリティ・サーキュラー・ポリマーズ(Quality Circular Polymers)による技術協力で実現した。

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サステナビリティ・ディレクター就任にあたり 潮目は完全に変わった。動き出そう

 「WWDJAPAN」は4月1日付で、紙とウェブの編集部をひとつに統合し、村上要が編集長に、私が編集統括兼サステナビリティ・ディレクターに就任した。パワーアップする私たちにご期待いただきたい。そしてこれを機に「WWDJAPAN」にとってのサステナビリティとは?について改めてお伝えしたい。(この記事はWWDジャパン2021年4月26日・5月3日合併号からの抜粋です)

 「WWDJAPAN」にとってのサステナビリティとは、「ファッションとビューティのビジネスが提供する“豊かさ”の根幹となるもの」だ。“付加価値”や“ガイドライン”ましてや“ルール”ではなく、ビジネスの根幹であり大前提と考える。「豊かさ」を他の言葉に置き換えると、美しさ、自由、個性、ウェルネス、楽しい暮らし、受け継ぐ伝統、夢を叶えるなど事業の数だけ見つかる。その全ての根底にこれからはサステナビリティの考えがあってほしいし、あるべきだと考える。

 正直言って私自身、数年前まで服の廃棄と環境負荷を結びつけてすらいなかった。1990年代にはセールに立ち“入れれば売れる”祭りに興奮し、2000年代にはトレンドを探して飛行機と車で動き回った。自分で選んだ過去を否定はしたくない。だが同時に5年ほど前、パリコレ会場を出た後にふと空しくなった日を思い出す。「なぜこんなに忙しくしているの?」と自問したが、答えはなかった。ビジネスになりすぎたファッションの中で、豊かさの意味を見失っていたと思う。

 この数年、一足先にサステナビリティを学び実践する同僚や取材先のおかげでたくさんの気づきを得ることができた。特にコロナ下で立ち止まることができたこの1年は業界外の人や声を上げる若い人たちから多くを学んだ。自分がいかに無知か、その無知がいかに自然や動物、人を傷つけ、これからを生きる人たちに負担を強いているかを改めて知った。気候変動は深刻化し、言い訳をする時間はないことも知ってしまった。

 業界は今少し自信を失っており、大胆な再設計が必要になっている。でもサステナビリティを前提とすることで、その魅力はもう一度肯定することができると今は心から思う。サステナビリティは科学や農業、政治、投資などとも深い関係がある。今まで聞いたことがない言葉にぶつかり戸惑うが、だからこそ視点を変えることができる。ライバル企業も情報をシェアしてくれる。例えば認証制度は一足先に冒険を始めた人たちが残した道標みたいなものだ。

 立候補して会社に作ってもらったサステナビリティ・ディレクターという新しい仕事は大きく2つ。ひとつは自分自身学び続けネットワークを広げ、それを発信することで業界に還元し共有の環と波をつくること。もうひとつは、コンテンツ制作の際に「それはファッション・ビューティの未来のためになるのか?」を問い続けることだ。「WWDJAPAN」にとってのサステナビリティの対象は地球と人。自然だけでなく働く人、関わる人の環境が持続可能でなければ意味がない。

 今春、潮目が大きく変わったと思う。3月に開催された「ファッションワールド」の展示会場で痛感した。サステナビリティ関連のゾーンは大盛況だった。盛り上がりのきっかけは恐らく、菅義偉首相が昨年、所信表明で「2050年までに脱炭素社会」を宣言したこと。これで企業が一気に動き出した。中にはブームに乗っているだけの会社もあるが、表層的な姿勢は透けて見えるものだ。にぎわっているブースでは担当者が自分の言葉で新しい価値観、革新的な技術などを夢中で語って熱気にあふれていた。

 サステナビリティの話はグリーンウォッシュか否か、となりがちだ。でもこれはテストじゃない。早い者勝ちでもない。先駆者だって答えを手探りだ。だから関わると決めた人は知らないことは学び、考え、自分なりの答えを出し白地図にフラッグを立てるしかない。特にトップのビジョンが問われる。きっかけは「投資が受けられなくなる」とか「若い人から支持を得られなくなる」といったネガティブ要素の排除かもしれない。それでもいいと思う。重要なのはその先に自分・自社の言葉で何を語るかだ。

 50歳の私がこのメッセージを一番届けたいのは自分と同世代、企業で意思決定権がある40代、50代だ。特に男性に伝えたい。男女で区別するのはナンセンスだけど、多くの統計結果が「サステナビリティに関心が高いのは若い世代と女性。低いのは40、50代の男性」と示している。両業界とも経営層は圧倒的に男性が多い。企業と社会を動かす影響力ある立場の人たちがサステナビリティにどう取り組むのかがこの業界の未来を左右する。だから大人の皆さん、とにかく立ち上がろうじゃないか。ファッションやビューティのビジネスが人に夢や生きる力を伝え続けられるのか、その逆か。私たちが地球を救うヒーローの一人になるのか、その逆か。時間はもう本当にわずかしかない。

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花柄は“甘さ控えめ”でマンネリ脱出 “ノンスイート”コーデの楽しみ方

 アンティーク調の花柄などの昔懐かしいテイストが盛り上がってきました。壁紙や押し花を思わせる花柄でノスタルジーを感じさせるアレンジが相次いで提案されています。甘いイメージがある花柄ですが、穏やかでのどかなムードを漂わせる“ノンスイート”が今の気分です。

 「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」のコレクションでは、シックな色合いの花柄が登場。着こなしのポイントは“ヴィンテージ感”です。今回は、甘さ控えめな花柄の着こなしを集めてみました。

くすみカラー×レトロワンピでリラックスムード

 ノスタルジーを感じる少し色あせたトーンの花柄は、装いに落ち着きをもたらします。「ティート トウキョウ(TIIT TOKYO)」は、クラシックなストローハットに花柄のシャツワンピースをスタイリング。シックな赤茶系の押し花のようなフラワーモチーフが、穏やかでくつろいだムードを呼び込みました。

 2枚目のロングワンピースは「ロキト(LOKITHO)」。チュールレースに配した、ブルーの花の刺繍がエレガント。首元が詰まったシルエットに短めのスリーブ、ローウエストからの切り替えがレトロ感を演出しています。クラシックな雰囲気をモダンにアップデートしたワンピースからは、タイムレスな魅力が感じられます。

壁紙風やダークカラーでマニッシュ&クールに

 壁紙風のフラワーモチーフを選べば、甘くならずに着こなせます。中でもシャツは、花柄特有のガーリーな印象を遠ざける効果大。「ミズイロインド(MIZUIRO IND)」の花柄シャツは、リバティプリント調の冷めたトーン。全体をウォーターカラーのワントーンでまとめて、涼しげに見せています。

 マニッシュなスタイリングに花柄を落とし込むのも、甘さをカットしやすいコーデです。2枚目の「コトナ(KOTONA)」は、シャツの襟と胸元にダークトーンの花柄を配しました。面積も控えめで、白地にパッチワークしたかのようなデザインなので、メンズライクな風情とも程よくマッチします。ボトムスもワークウエア風でジェンダーレスな着映えに。ダークフラワーは、さっぱりしがちな春夏コーデを味わい深く仕上げてくれます。

可憐な花柄パンツで控えめフェミニン

 ヘルシーなムードがトレンドの今季。軽快なパンツルックに花柄を配せば、程よいフェミニンをまとえます。「チョノ(CHONO)」は、花モチーフをランダムに配した細身パンツに裾がプリーツのトップスを合わせて、たおやかな印象に。モノトーン×パンツのクールなコンビネーションに、花柄がやさしいムードを添えています。

 2枚目の「ミカゲ シン(MIKAGE SHIN)」は、花柄で彩ったセットアップで春夏らしい生命力を感じさせるコーデに。全身花柄なのにクールに映るのは、コンパクトなシルエットのおかげ。上下どちらもクロップド丈でさりげない肌見せが叶い、アクティブかつヘルシーなイメージを演出できます。

 タイムレスなシルエットのワンピースやフェミニンさを抑えたマニッシュなシャツ、ヘルシーなイメージを引き出すクロップドパンツに、ヴィンテージ風の花柄を迎えれば、ノスタルジックで穏やかな印象に。まだ本気のハッピーにまでは至らないこの春夏は、控えめな“ノンスイート”なおしゃれを楽しんでみては。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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休館でも「リモート営業中」 三越伊勢丹の販売員が売り場で奮闘

 3度目の緊急事態宣言に伴う休業要請によって、都内の百貨店は食品や化粧品などを除いて大部分を臨時休業中だ。ゴールデンウイークのかきいれ時にシャッターを下ろすことを余儀なくされた百貨店のファッションフロアは、現在どうなっているのか。売上高日本一を誇る伊勢丹新宿本店の婦人服売り場を訪ねた。

 「大判のスカーフをこんな風に結ぶと、ぐっと華やかになります」

 4月30日午後、休業中の婦人服フロアの一角に、パソコン(PC)に向かって語りかける販売員の姿があった。三越伊勢丹が昨年11月に導入したリモートショッピングアプリでは、チャットや動画を通じたオンライン接客を体験できる。シニアカテゴリースペシャリストの肩書きを持つ販売員の金子智尋さんは、顧客のワードローブと同じブランド、同じ品番の白いブラウスを用意し、カメラ越しに柄や大きさが異なるスカーフ数点を襟元にあてる。

 その近くでは販売員3人がPCのキーボードを叩いていた。リモートショッピングアプリのチャット機能を通じて、「インスタで見た服がほしい」「コロナで帰省できないので実家の母にプレゼントを送りたい」「急に礼服が必要になった」といった問い合わせが次々に届く。販売員はそれぞれカテゴリーの担当者と連携を取りつつ、相談に返答し、ブランドを横断して広い売り場の中から最適な商品を選んで紹介する。

 リモートショッピングアプリの導入から約半年。巨大な店舗全体をECモールに見立てる同アプリによって、伊勢丹新宿本店で扱う約70万種類の商品が来店しなくても購入できるようになった。アプリの存在は顧客に少しずつ浸透しつつあったが、4月25日の臨時休業以降、チャットや動画での接客件数は前の週の約3倍に跳ね上がった。

 本館3階の婦人服フロアではファッションコンサルティングのスキルを持つ販売員10人が対応にあたる。同じく休業中の紳士服、子供服、靴、バッグ、ジュエリー、呉服、リビングなどの各売り場でも同様の態勢がとられる。客の姿こそないものの、売り場は稼働している状態なのだ。

 オンライン接客で相談する客の買い上げ率は50 %に達する。三越伊勢丹デジタルサービス運営部の升森一宏部長は「オンライン接客の内訳は9割がチャット、1割が動画。まだ少ないけれど動画を希望するお客さまはファッションへの関心が非常に強く、お買い上げの単価や決定率が高い傾向にあります」と説明する。

 政府と東京都は百貨店に対し、「生活必需品を除く」売り場の休業を要請した。何が生活必需品に該当するのか。百貨店各社は悩んだ結果、大半の店舗が食品と化粧品の売り場のみを営業し、アパレルを含めた大部分の売り場を閉めることで落ち着いた。伊勢丹新宿本店の一歩外に出れば、ラグジュアリーブランドやセレクトショップ、カジュアル専門店、電器店の大型店が時短ながらも営業を継続している。床面積と集客力を理由に百貨店やショッピングセンター(SC)だけが休業を強いられる状況だ。

 休業していても百貨店にはリモートショッピングアプリや電話などを通じて毎日たくさんの問い合わせが届く。デジタルサービス運営部でオンライン接客を担当する樋口雅希さんは「食品と化粧品以外は『生活必需品』からは外されてしまったけれど、百貨店は多くのお客さまにとって、生活に密着した必需品を扱っていることを痛感しました」と言う。昨年春の休業時は、同時にネット通販(EC)も休業したため、顧客とのコミュニケーションが途絶えてしまった。「当時は販売員も私たちも2カ月近く何もできなくなりました。でもオンライン接客の仕組みを整えたので、今回はお客さまをサポートできます。休業は残念だけど、昨年とは現場のモチベーションが違います」。

 販売員の金子さんは「朝の通勤の際に店舗休業を忘れている自分に気づく」そうだ。就業時間中はチャットや動画などのオンライン接客がひっきりなしに入るからだ。通常の売り場での販売以上に、1人に対する接客時間は長い。相手の顔が見えないチャットでの接客は、勝手は違うけれど少しずつ経験を重ねてコツもつかんできた。「たとえば素材について説明するときも、ECサイトの商品説明では伝えきれないニュアンスを自分の言葉でしっかり伝えることを心掛けています。ECサイトでも服は買えるのに、私たちスタッフを介して商品を知りたいというご要望がこれだけある。対面で培ってきた接客と基本は変わりません」。

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休館でも「リモート営業中」 三越伊勢丹の販売員が売り場で奮闘

 3度目の緊急事態宣言に伴う休業要請によって、都内の百貨店は食品や化粧品などを除いて大部分を臨時休業中だ。ゴールデンウイークのかきいれ時にシャッターを下ろすことを余儀なくされた百貨店のファッションフロアは、現在どうなっているのか。売上高日本一を誇る伊勢丹新宿本店の婦人服売り場を訪ねた。

 「大判のスカーフをこんな風に結ぶと、ぐっと華やかになります」

 4月30日午後、休業中の婦人服フロアの一角に、パソコン(PC)に向かって語りかける販売員の姿があった。三越伊勢丹が昨年11月に導入したリモートショッピングアプリでは、チャットや動画を通じたオンライン接客を体験できる。シニアカテゴリースペシャリストの肩書きを持つ販売員の金子智尋さんは、顧客のワードローブと同じブランド、同じ品番の白いブラウスを用意し、カメラ越しに柄や大きさが異なるスカーフ数点を襟元にあてる。

 その近くでは販売員3人がPCのキーボードを叩いていた。リモートショッピングアプリのチャット機能を通じて、「インスタで見た服がほしい」「コロナで帰省できないので実家の母にプレゼントを送りたい」「急に礼服が必要になった」といった問い合わせが次々に届く。販売員はそれぞれカテゴリーの担当者と連携を取りつつ、相談に返答し、ブランドを横断して広い売り場の中から最適な商品を選んで紹介する。

 リモートショッピングアプリの導入から約半年。巨大な店舗全体をECモールに見立てる同アプリによって、伊勢丹新宿本店で扱う約70万種類の商品が来店しなくても購入できるようになった。アプリの存在は顧客に少しずつ浸透しつつあったが、4月25日の臨時休業以降、チャットや動画での接客件数は前の週の約3倍に跳ね上がった。

 本館3階の婦人服フロアではファッションコンサルティングのスキルを持つ販売員10人が対応にあたる。同じく休業中の紳士服、子供服、靴、バッグ、ジュエリー、呉服、リビングなどの各売り場でも同様の態勢がとられる。客の姿こそないものの、売り場は稼働している状態なのだ。

 オンライン接客で相談する客の買い上げ率は50 %に達する。三越伊勢丹デジタルサービス運営部の升森一宏部長は「オンライン接客の内訳は9割がチャット、1割が動画。まだ少ないけれど動画を希望するお客さまはファッションへの関心が非常に強く、お買い上げの単価や決定率が高い傾向にあります」と説明する。

 政府と東京都は百貨店に対し、「生活必需品を除く」売り場の休業を要請した。何が生活必需品に該当するのか。百貨店各社は悩んだ結果、大半の店舗が食品と化粧品の売り場のみを営業し、アパレルを含めた大部分の売り場を閉めることで落ち着いた。伊勢丹新宿本店の一歩外に出れば、ラグジュアリーブランドやセレクトショップ、カジュアル専門店、電器店の大型店が時短ながらも営業を継続している。床面積と集客力を理由に百貨店やショッピングセンター(SC)だけが休業を強いられる状況だ。

 休業していても百貨店にはリモートショッピングアプリや電話などを通じて毎日たくさんの問い合わせが届く。デジタルサービス運営部でオンライン接客を担当する樋口雅希さんは「食品と化粧品以外は『生活必需品』からは外されてしまったけれど、百貨店は多くのお客さまにとって、生活に密着した必需品を扱っていることを痛感しました」と言う。昨年春の休業時は、同時にネット通販(EC)も休業したため、顧客とのコミュニケーションが途絶えてしまった。「当時は販売員も私たちも2カ月近く何もできなくなりました。でもオンライン接客の仕組みを整えたので、今回はお客さまをサポートできます。休業は残念だけど、昨年とは現場のモチベーションが違います」。

 販売員の金子さんは「朝の通勤の際に店舗休業を忘れている自分に気づく」そうだ。就業時間中はチャットや動画などのオンライン接客がひっきりなしに入るからだ。通常の売り場での販売以上に、1人に対する接客時間は長い。相手の顔が見えないチャットでの接客は、勝手は違うけれど少しずつ経験を重ねてコツもつかんできた。「たとえば素材について説明するときも、ECサイトの商品説明では伝えきれないニュアンスを自分の言葉でしっかり伝えることを心掛けています。ECサイトでも服は買えるのに、私たちスタッフを介して商品を知りたいというご要望がこれだけある。対面で培ってきた接客と基本は変わりません」。

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肌フローラ・美肌菌に着目したD2C新コスメブランド「KOKYU」誕生

 ウェルネス分野で女性のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に関連するビジネスを行うスタートアップ・KOKYUは、肌フローラと美肌菌に着目したスキンケア&ボディーケアの新ブランド「KOKYU(コキュウ)」を4月末に立ち上げた。第1弾商品として全身に使用できる美容オイルを楽天市場で販売する。

 2020年12月に設立したKOKYUは、独自メソッド「呼吸レッスン」「スカーレットプログラム」による健康的で持続可能な美を追求する女性専門パーソナルトレーニングジム及び女性専門マシーンピラティスジム、脳洗浄小顔エステができるエステサロン、フェイシャルサロン運営での全国展開を予定。D2C事業については、“KOKYUオイル”を皮切りに複数商品を展開する。

 “KOKYUオイル”は、2層式のエッセンスオイル。角層までの浸透性を高めるため、オイル分子の一部を超高圧処理装置にかけて深海1万メートル同様の圧力をかけ、より肌へのなじみやすさを追求した。バスタイム後のタオルオフする前に全身に使用し、潤いで満たして肌荒れを防ぐ。

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