捨てられた傘をおしゃれなバッグに 大丸梅田店が回収・販売

 大丸梅田店は、顧客から引き取った廃棄傘をアップサイクルする取り組み「モトカサプロジェクト」を開始した。製作したオリジナルバッグを6月23~29日、同店1階の婦人洋品売り場で販売する。

 同店では傘の買い替え時に顧客から引き取る傘が年間約300本ある。婦人洋品担当の高山朋子さんは「買い替えで不用になった傘や、修理するのに時間がかかるために処分したいというお客様からの申し出に応え、不用傘を引き取ってきた」と言う。ただ、不用傘は産業廃棄物として処分されるため、廃棄コストもばかにならない。

 「傘を捨てたら終わりでいいのか、(傘の骨が折れていても)生地部分がきれいな傘もあってもったいない。他に何かできることはないのか」。疑問を抱いた高山さんは、産休から職場復帰してすぐに社内の提案制度「チャレンジカード」に応募した。梅田店独自の企画提案の場「ハツメッセ」で廃棄傘の企画が採用され、2020年9月にプロジェクトがスタートした。

 廃棄傘を回収して商品化すると同時に、ゴミとなる廃棄傘を減らすのが目標だ。当初は飛沫感染防止シートや自転車、ランドセルなどの雨カバー、ディスプレイやオブジェなどリユースやリサイクル、リメイクの観点で検討した。だが衛生面の問題を解決できる協力先がなかなか見つからず、ようやく出会えたのが、ビニール傘から生まれたブランド「プラスティシティ」を製造販売するモンドデザイン(東京、堀池 洋平社長)だった。置き忘れや廃棄されたビニール傘を独自のアップサイクルなモノ作りで新たなバッグに生まれ変わらせる。

 工程はすべて手作業で、廃棄傘を解体、洗浄後、ビニールと傘の生地、芯地とペットボトルのリサイクル生地の4枚を重ねて圧着。国内の技術力のある職人が裁断、縫製し、トートバッグとサコシュを製作した。傘の生地の形状をそのまま生かしたデザインが特徴で、トートバッグの両端のホックを留めればコンパクトなフォルムになる。価格はトートバッグ1万6940円(税込)、サコッシュ9680円(同)。

 29日まで営業するポップアップストアでは、ビニール傘だけを使ったプラスティシティのオリジナルトートバッグ(1万5400円)とクラッチバッグ(9900円)、マルチショルダーケース(7370円)も販売する。購入者には傘生地から作ったエコバッグやマスクケース、折りたたみ傘ケース、ティッシュケースをノベルティとして無料で提供する。政策は障害者を支援するNPO法人トゥギャザーが運営する店舗「パティスリーとっと」に依頼した。お気に入りの傘からエコバッグが作れるオーダーも受け付ける。

 今年3月から店内で同プロジェクトの告知と傘の回収を呼びかけたところ、初日から問い合わせがあり、1人で10本の傘を持ってきた人もいるという。

 すでに洋服のリサイクルは広まっているが、傘の引き取りはこれまでなかった。高山さんは「地球に良いことをしたい人に対して行動に移すキッカケ作りができればと思う。ビニール傘廃棄問題の解決にもつながるので、今後も活動を続けていきたい」と意欲的だ。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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ブルックリンでプライド・マーチ開催 トランスジェンダーの若者の権利啓発・保護を訴えて

 アメリカ・ニューヨーク州のブルックリンで6月13日、トランスジェンダーの若者の権利啓発・保護を訴える「ブルックリン・リバレーション・マーチ2021(Brooklyn Liberation March 2021)」が開催された。参加者は白い洋服とマスクを着用して行進し、日々暴力や差別にさらされるトランスコミュニティーや、その中でも見落とされやすい若者・ブラック(黒人)のトランスジェンダーの人々に向けたメッセージを発信した。今年はコミュニティーへの継続的な暴力への抗議に加えて、反トランス的趣旨を含むアメリカの新しい法案を受けて全ての子どもや若者が安全に暮らせる社会を掲げ、1500人を超える人が集まった。

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息苦しさ&臭い問題解消に!いま注目すべき「マスク用アロマ」

先日「香り」をテーマにした企画を担当する機会があり、少々驚いたことがある。ルームフレグランスや新作のハンドケアなど、見た目もおしゃれな香りのアイテムが並ぶ中で、最も読まれた記事は何かというと……? 意外にも「マスクに使うアロマ」だった。「えっ、地味なのにコレ!?」と驚く一方で、「やはりそうか」とふに落ちた面もある。なぜなら、マスクの着用は、本来目に見えない呼吸を「見える化」したから。そしてここに、切実な「香りのニーズ」が発生したように思う。

目に見えない呼吸を
「見える化」したマスク

普通に生活している限り、呼吸を意識することはほとんどないはずだ。しかしマスクの着用により、嫌でも意識せざるを得ない場面が増えている。理由の一つは「息苦しさ」、そしてもう一つは「マスク内の不快な臭い」によって、である。

この不快な臭いの原因となる口臭には、口内環境やホルモンバランス、そしてストレスによる唾液の減少が関与している。そのため、これまでは若年層よりも、一定の年齢を経た大人の方が、意識することが多かったのではないか。さらに口臭は、そもそも他者を不快にする存在であって、自身では気付かないケースもある。

ところがマスク着用によって、事情は一変する。なにせ不快なのは自分自身なわけで、とたんに「自分ごと」の問題になるからだ。年齢や性別に関係なく、会社に出勤したり学校に通ったりしている人は昼食を取るだろうし、飲み物も口にするはず。生活のスタイル上「1日中マスク内は爽快な空気」という方は、ほとんどいないのではないかと思う。

「息苦しさ」という、
生理的に無視できない問題

加えて、これから夏にかけてはマスク着用による「息苦しさ」も増していく。近年の猛暑は何もしなくても息苦しさを感じるほどだが、鼻と口がすっぽり覆われている状態だと、普通に会話をすることすら、ストレスに感じてしまう。これも年齢性別を問わず直面する自分ごとの問題であり、特に呼吸は生命活動の要でもあるから「楽になるなら、少しでも楽になりたい」と思うのは当然のことだ。

「年齢・性別に関係なく」「四六時中向き合う」「自分ごとの問題」、これこそがマスク用アロマが注目される理由だと思う。今回ちょっと調べてみたら、抗菌および消臭を目的とした「マスク用スプレー」で、ウェブのまとめページが存在するほど、製品が豊富であって驚いた。この初夏にマンダムや資生堂など大手メーカーから新製品が登場するにあたり、現在進行形のニーズの高さがうかがえる。

「精油」を用いたマスク用アロマが注目される理由

前述のマスク用スプレーは、新型コロナウイルス流行の初期段階では、抗菌効果に軸足を置いたものが目立った。もちろん現在も抗菌・消臭成分を配合しているものがほとんどである。そんな中で、個人的な感覚ではあるけれど「使い続けたい」と思ったものは、天然の抗菌・清涼効果を持つ「精油」を用いたマスク用スプレーおよび、「香りの効果」をプラスしたマスク用アロマだった。

これはやはり、マスクが「鼻と口の周囲を覆うもの」という側面が大きいと思う。抗菌効果も大切だけれど、口の近くに使用するだけに、天然精油の方が消費者としては安心だ。そして、人工香料ではなく、自然の息吹を感じる精油の香りには、理屈抜きの心地良さを感じるからだ。ただでさえストレスフルなマスク着用生活の中で、豊かな自然の中で深呼吸するような、リフレッシュ感をもたらしてくれる。感覚的な話ではあるけれど、嗅覚は脳とダイレクトにつながっている以上、重要なポイントであると思う。
というわけで、今回は実際使ってみた中で、マスク着用の息苦しさと不快感を解消する、精油を用いたマスク用アロマをセレクトしてみた。

ペタッと貼るだけ。
ユニークなマスク用アロマ

「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」の“マスク用アロマシール”は、ほかにはない斬新な発想のアイテムだ。マスクにペタッと貼るだけで、ユーカリ、ペパーミント、シトラスの精油が、マスク内の空気を一新してくれる。手軽で使いやすく、赤いサークルのシールがマスクのワンポイントになるのも魅力の一つ。ハーブが奏でる香りは呼吸を楽にすると同時に、リフレッシュ感をもたらす効果も。最長約6時間と、香りの持続性に優れているのも特徴だ。

コロナ禍で売り上げが伸張、ミントのリフレッシュアイテム

2009年に登場した素数の「ノーズミント(NOSEMINT)」は、世界各国で累計販売数5億本を突破したロングセラー。本来はミントの香りを嗅いで、仕事中の眠気を覚ましたり、花粉の季節に鼻を通したりするための製品だが、コロナ禍以降に注目度が急上昇したという。マスクに数滴つけることで、ペパーミント、ユーカリ、ラベンダーの香りがマスク内の空気を爽快に保つこと、さらに天然油の抗菌効果が支持され、シリーズ累計販売数がなんと前年比333%に伸張。手頃な価格帯で、購入しやすい点も人気の理由だ。

天然精油の力で、手指を消毒しつつマスク内を爽快に

「ボーテ デュ サエ(BEAUTE DE SAE)」の“ナチュラル パフュームド リフレッシュスプレーボタニカル”は、天然由来のエタノールを配合した手指用の消毒スプレー。マスクに一吹きすることで、気になる臭いを軽減するマスクスプレーとしても使用できる。古くから抗菌・清涼作用が知られるゼラニウム、オレンジ、ペパーミントの精油を配合し、穏やかな香調で顔周りにつけても心地良い香りを楽しめるはず。香りの持続性は短いけれど、持ち歩きに便利なサイズなので、生活のさまざまなシーンで取り入れやすい。

食事後にシュッ! オーガニックの
マウススプレー

たかくら新産業の「メイド オブ オーガニクス(MADE OF ORGANICS)」が8月15日に発売するのは、有機 JAS 認証を得た“ブレスリフレッシュスプレー”。オーガニックのキシリトールやマヌカハニーエキスなど、天然の殺菌・消臭成分を配合し、口臭の原因にアプローチ。オーガニック配合率96.8%であること、そしてレモン&ミントの爽やかなフレーバーで、口の中に使用するアイテムとして安心感がある。ランチの後や、マスク着用が長時間にわたる場合、シュッと一吹きして、口内および気分をリフレッシュしたい。

そもそも香りは(特に日本人の場合)化粧品カテゴリーの中で、必需品ではなく嗜好性が高いアイテムだと思う。コロナ禍で「おうち時間」が増えたことにより、香りへの注目度が高まったとは聞くけれど、これまで香水やルームフレグランスを全く使わなかった人にとって、香りは(あればQOLを上げるかもしれないけれど)「ないならないで、暮らしていける」存在であるはずだ。一方でマスク内の不快な臭いや息苦しさは、誰もが日々直面し、解消できるものなら解消したい優先順位の高い問題である。

ここに精油や香りの機能性がカチッとはまったことに、マスク用アロマの秀逸さがある。「目の前の問題を解消する」「手軽に使える」「比較的手に取りやすい価格」そして最終的に「香りの力でQOLを上げる」という意味で、本当によくできているなあと、改めて感心してしまう(個人的にも、一度使ったらあまりに快適で、手放せなくなってしまった)。

いつか遠くない日に「マスクを外す日」は必ずやってくる。一方で、日本人はコロナ禍の経験上、風邪や季節性インフルエンザが流行する季節になると、自発的にマスクを着用する人も多いのではないかと考えている。そういう意味で、一過性の流行ではなく、今後もマスク用アロマはシーズナルな需要があるのではないか。さらにもう一歩進んで、マスク用アロマのような「精油や香りが実際に役に立つ」新たな香りのアイテムが登場したらいいのに、と妄想してみたりする。肩こりを軽減したり、イライラを解消したりするロールオンの香りアイテムとか、気分をリフレッシュするアロマミストなど、フレグランスの枠にとらわれないアロマアイテムは、今の時代にきっと多くの人に支持されるはずだから。

undefined宇野ナミコ:美容ライター。1972年静岡生まれ。日本大学芸術学部卒業後、女性誌の美容班アシスタントを経て独立。雑誌、広告、ウェブなどで美容の記事を執筆。スキンケアを中心に、メイクアップ、ヘアケア、フレグランス、美容医療まで担当分野は幅広く、美容のトレンドを発信する一方で丹念な取材をもとにしたインタビュー記事も手掛ける

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しまむらがアウトドアショップ「ロゴス」とコラボ 共同開発ブランドを6月23日に発売

 キャンプをはじめとしたアウトドアレジャーの大ブームを背景に、しまむらもアウトドア風のカジュアルアイテムを発売する。6月23日から、アウトドアショップの「ロゴス(LOGOS)」としまむらとで共同開発した新ブランド「ロゴスデイズ(LOGOS DAYS)」を、全国の「ファッションセンターしまむら」で販売。ウィメンズのウエア、バッグ、シューズのほか、メンズやキッズのウエア、寝具類、インテリア用品などがそろう。

 ウィメンズは「ロゴスデイズ」のロゴ入りTシャツ(979円=税込)やジャンパースカート(2420円)などのほか、ハット(1419円)、リュック(1969円)、スポーツサンダル(1969円)などを企画。本格的なレジャーシーン向けというよりは、日常着としてアウトドア気分を楽しめるラインアップだ。メンズ、キッズはTシャツなど。そのほか、チマヨ調の柄のタオルケット(1969円)、敷き布団(2970円)、マルチカバー(1969円)など、寝具やインテリア用品も充実。ルームウエアもそろう。

 郊外立地で生活密着型の商売を強みとするしまむらは、アパレル関連の中でもコロナの勝ち組企業の一つ。2021年2月期は売上高が前期比4.0%増の5426億円、営業利益が同65.4%増の380億円だった。その後、3〜5月の既存店売り上げも前年同期比33.9%で推移。6月(5月21日〜6月20日)は、前年のリベンジ消費によるハードルの高さなどで前年同月比7.5%減と10カ月ぶりに前年実績を割り込んだが、コロナ禍前の一昨年同月比では17.6%増の着地となっている。

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【動画】「アディダス」×「オールバーズ」両社日本法人キーマンが初のコラボシューズを解説 「WWDJAPAN」読者からの質問にも回答

 フットウエア業界のサステナビリティを推進する「アディダス(ADIDAS)」と「オールバーズ(ALLBIRDS)」はこのほど、コラボレーションアイテム第1弾“フューチャークラフト.フットプリント(FUTURECRAFT.FOOTPRINT)”を公開した。同アイテムは両社の技術を掛け合わせ、デザインから素材、梱包材に至る全ての工程における温室効果ガス排出量を抑えて開発したもの。そして、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を示す「カーボンフットプリント」は、2.94kgCO2eを実現した。

 アイテム公開に際して、トーマス・サイラー(Thomas Sailer)=アディダス ジャパン副社長と、竹鼻圭一オールバーズ日本法人代表にインタビュー。同アイテムの魅力について解説してもらった。加えて事前に「WWDJAPAN.com」読者から募集した質問や日本でサステナブルなイノベーションを加速させるために準備している施策などについても聞いた。

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パリの老舗百貨店サマリテーヌが16年ぶりに再開 ヨーロッパ大陸最大のビューティフロアなど

 仏パリの老舗百貨店サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)は6月23日、16年に及ぶ長期リノベーションを経て営業再開した。オープン前日に催された落成式には、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領やベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)会長兼CEOが出席した。

 約4万5000平方メートルあるプランタン(PRINTEMPS)や本館だけで約7万平方メートルあるギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)といった、パリ市内にある有名百貨店と比較すると、サマリテーヌの売場面積は約2万平方メートルと小さい。これについてアルノー会長兼CEOは、「大きい館はスペースを埋めるのが大変だ。小さい方が厳選できるから優位だ」と説明する。同館では約600ブランド扱い、そのうち50ブランドは同館限定出店となる。

 約3400平方メートルある地下1階は、ヨーロッパ大陸最大のビューティフロアだ。世界中から選りすぐった200のブランドを展開し、サステナブルを売りにしたビューティブランドも約50ブランドが出店するほか、スパやヘアトリートメント、メイクアップレッスンといったサービスも充実している。

 サマリテーヌは1870年創業。LVMHが2001年にサマリテーヌの過半数株式を取得し、10年には完全子会社化している。同社は7億5000万ユーロ(約975億円)をサマリテーヌに投資しているという。今回の改装は日本の建築事務所SANAAが担当。LVMHが運営する免税店のDFSや、同じく傘下の高級ホテルであるシュバル ブラン(CHEVAL BLANC)も併設。シュバル ブランはセーヌ川を見下ろせるように設計され、9月7日にオープン予定だ。

 サマリテーヌは建築的な観点からも、美術的な観点からも象徴的な建物になるとアルノー会長兼CEO。また、再開に伴いパリに3000人分の雇用を創出する点も、今般の状況に鑑みると非常にインパクトのあることだと説明する。サマリテーヌの経営陣によると、パリに観光客が戻ってくるのに2年はかかるとしつつも、3~4年以内に来館人数500万人を目指すという。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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「ダイソン」からコードレスヘアアイロンが登場 毛束に合わせて形状が変わる独自のプレートを採用

 「ダイソン(DYSON)」はコードレスヘアアイロン“ダイソン コラール(DYSON CORRALE)”を直営店やオンラインストア、提携ヘアサロンなどで6月23日に発売する。価格は税込5万3900円(編集部調べ)。うねりやくせ毛をなめらかにまとめて、艶のあるストレートヘアをかなえる。丸みを帯びた本体によってカールやウェーブを作りやすく、1台でさまざまなスタイルに対応できる。「ダイソン」のヘアケアカテゴリーにおいてヘアドライヤー“スーバーソニックイオニック”、スタイリングツール“ダイソン エアラップ スタイラー”に次ぐ3機種目となる。グローバルでは昨年発売し、ビューティアワードを受賞するなど話題を集めている。

 一般的な硬いプレートのヘアアイロンは毛束の最も薄い部分にのみ熱とテンションがかり、均一に熱が加えられず同じ箇所に何度もヘアアイロンを当てることになる。これによって過度な熱が加わり、髪のコシや艶を失う原因となる。

 そこで“ダイソン コラール”は、独自開発のフレックスコッパープレートを採用。プレートが毛束の形状に合わせて変化することで髪を優しく包み込み、かかるテンションを均一にする。毛束が広がったり、散らばることがなく挟み込むことができ、1度で低温でスタイリングすることが可能に。プレートのふちをトルマリン加工することでマイナスイオンを発生させ、静電気をおさえるのも特徴だ。

 温度は165度、185度、210度の3段階で、髪質や長さ、目的のヘアスタイルに合わせて設定ができる。インテリジェント・ヒートコントロールテクノロジーを搭載し、加熱システムを制御して正確な温度に調整。過度な熱によるダメージから髪を守る。またリチウムイオンバッテリーによってコードレスで最長30分のスタイリングが可能。充電は約40分で90%、70分でフル充電ができる。

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ビームスと中古衣料大手のセカンドストリートが初コラボイベントを6月23日から開催

 ビームスは、 中古衣料大手で同名のショップを全国に700店舗以上展開するセカンドストリート(愛知県、今泉有道社長)と初めて協業して、東京・原宿のインターナショナルギャラリー ビームスで物販イベントを行う。会期は6月23日から7月25日まで。

 同イベントは、 ビームスのメンズドレス部門であるビームスFなどを担当する、古着に詳しい20代後半から30代前半の7人のスタッフがキュレーターとなり、セカンドストリートの衣料や服飾雑貨から、ビームスの客に薦めたい約500点をセレクトして販売するもの。会期中はキュレーター7人も接客にあたり、購入した中古品の丈直しやサイズ調整を、同フロアで2021年4月から営業する修理専門店、ビームス工房で割引価格で受け付ける。

 新設したインスタグラムのアカウント(@2ndstreet_x_beams)ですでにライブ配信を行っており、6月30日にはセカンドストリートのオウンドメディア「ノウブランド マガジン(KNOWBRAND MAGAZINE)」で、キュレーターによるセレクトアイテムの解説や、それらを使ったスタイリングを紹介する予定だ。

 ビームスの諸岡真人・事業責任者は、「“より広くファッションの楽しさを伝えたい”という思いから発案した。古着店に足しげく通い、自身のコーディネートにも取り入れるスタッフが選んだ500アイテムからは、新たな発見を得られるはず。『これがこの値段で買えるの!?』という宝探し感を楽しんでもらいたい」と話し、セカンドストリートの井澤拓也・企画責任者も「セカンドストリート未体験者に、『こんなに良いものがあるんだ』を知っていただく良い機会としたい。ビームスの高い接客スキルと提案力で当社の商品はいっそう輝くだろうし、リユースを身近に感じてもらえたらと思う」と続けた。

■2ND STREET × BEAMS
日程:6月23日~7月25日
時間:11:00~20:00
定休日:不定休
場所:インターナショナルギャラリー ビームス 2階イベントスペース
住所:東京都渋谷区神宮前3-25-15

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売れたアイテムを発表! フレグランス1位は新製品・総合ともに「ジョー マローン ロンドン」 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」百貨店・セミセルフショップ

 「WWDJAPAN 2021上半期ベストコスメ」を発表! 「WWDJAPAN」は、百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストアで2021年上半期(1~4月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 百貨店・セミセルフショップの「フレグランス」部門1位は、新製品、総合ともに「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」が獲得した。新製品1位の「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」は、“サクラ チェリー ブロッサム コロン”。バイヤーから「日本限定の香りで毎年人気」「毎年購入しているお客もいるほど」との声。2位は「ディオール(DIOR)」の“ミス ディオール ローズ&ローズ ローラー パール”と、「アナ スイ(ANNA SUI)」の“スカイ オーデトワレ”が同率でランクインした。

 総合1位の「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」は、ロングセラーの“イングリッシュ ペアー & フリージア コロン”が安定の首位。「コンバイニングでも相性がよく、さまざまな組み合わせで楽しめることが好評」とバイヤー。2位は同率で「シャネル(CHANEL)」の“チャンス オー タンドゥル オードゥ パルファム”と、「ディオール(DIOR)」の“ミス ディオール ヘアミスト”が上がった。(価格は全て税込)

新製品

1位 “サクラ チェリー ブロッサム コロン”

「ジョー マローン ロンドン」

 満開に咲き誇る美しい春の光景に着想を得た人気の香りが、昨年に続いて今年も限定で登場し、圧倒的な存在感を発揮した。桜の儚さに見る、洗練された美しさに日本の芸術性をプラス。英国ブランドらしい意外性を感じさせる、繊細で軽やかで可憐な香りを創造した。ローズやミモザの花に、フレッシュなベルガモットやマンダリンがリズミカルに奏でながら桜の花を開かせる。ムスクやウッディーを力強く響かせるパウダリーな香りを優しいピンクのボトルに封じた。限定品。(30mL、9240円 100mL、1万8480円)

2位 “スカイ オーデトワレ”

「アナ スイ」

 優雅で自立した女性のための香りは、空気のように軽やか。洋梨やピンクペッパーなどの躍動感を感じさせる中にスパイスを効かせたトップに、スズランやローズなどのみずみずしい花々のエッセンスが入り混じる。ポップコーンのエアリーさを与えたフルーティ・フローラル・グルマンに投影するのは、凛とした表情を覗かせるエレガント女性像。自由と想像を象徴する熱気球をクラシカルなデザインのボトルで表現した。(30mL、6380円)

3位 “ミス ディオール ローズ&ローズ ローラー パール”

「ディオール」

 一面に広がるローズの花びらに包まれるような感覚を覚える、“ミス ディオール ローズ&ローズ”。“100枚の花びら”を意味する名を持つグラース産のセンティフォリア ローズの花びらにベルガモットがみずみずしく弾け飛び、ゼラニウムのエッセンスが鮮やかに彩るスパークリング フローラルの香り。ガラスパールをセットしたボトルにも“ミス ディオール”の遺伝子、モダンで自由なスピリットを感じさせる。時間や場所を選ばない香りが人気を集める。(20mL、4400円)


総合

1位 “イングリッシュ ペアー & フリージア コロン”

「ジョー マローン ロンドン」

 「ジョー マローン ロンドン」で不動の人気を誇る“イングリッシュ ぺアー & フリージア コロン”が、総合でも1位に。英国の果樹園で収穫したばかりの熟れた洋梨。その官能的なまでにみずみずしい香り立ち、白いフリージアのブーケがそっと優しく包む。アンバーとパチョリの芳しくもパワーに満ちた香りに、エッジの効いたウッドが温かさを付した。その独創的でエレガントな香りがブランドフィロソフィーを具現化する。(30mL、8800円 50mL、1万2320円 100mL、1万7600円)

2位 “チャンス オー タンドゥル オードゥ パルファム”

「シャネル」

 2010年に3代目の専属調香師、ジャック・ポルジュによって誕生した香りを、19年に4代目専属調香師のオリヴィエ・ポルジュが再解釈して生まれた、オードゥパルファム。輝きと自信に満ちた女性像をフローラル フルーティーに投影した。芳醇で温かみのあるローズにエキゾチックなジャスミンが軽やかに奏でる主題に、グレープフルーツとマルメロが華やかさを残す。大胆さを秘めながら繊細に描き出す、フェミニティー。(35mL、1万230円 50mL、1万3200円 100mL、1万9250円)

3位 “ミス ディオール ヘアミスト”

「ディオール」

 「ディオール」の専属パフューマー クリエイター、フランソワ・ドゥマシーにより15年に誕生。ブルーミング ブーケにインスピレーションを得た、フローラル ノートのヘアミスト。乾燥や紫外線などによる外的ストレスやダメージから髪を守り、美しく整え、軽やかな香りのベールで包む。エアリーでフレッシュ、それでいてエレガントな印象を落とす。優雅に香る、髪のドレスアップはセンシュアルな所作から始まる。(30mL、4950円)

PHOTO : HIROKI WATANABE
TEXT : AKIRA WATANABE

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ベイクルーズが「ヌビアン」運営のヴェイパースと資本業務提携

 ベイクルーズグループは21日、セレクトショップのヌビアン(NUBIAN)を運営するヴェイパース(東京、吉野誠社長)と資本業務提携を締結したことを発表した。取得した株式数や株式保有比率、出資額はすべて非公表。

 ベイクルーズがヴェイパースの経営をサポートし、リソースを集約することで新たな価値創造を目指していく。具体的には、両者の協業による新ブランド立ち上げや若手クリエイターを支援するプラットフォーム・ビジネスの開発、吉野誠ヴェイパース代表取締役によるベイクルーズブランドのプロデュース、アジア市場へのプローチなどに取り組む。

 杉村茂ベイクルーズCEOは「規模や売り上げにとらわれず、独自性や市場価値の高いアウトプットを創出することができると考えている」とコメント。

 吉野ヴェイパース社長は「経験も資本もなく3坪でスタートしたヌビアンだが、15年目を迎え、ベイクルーズのような日本有数のアパレル企業と資本業務提携を結ぶことができ楽しみだ。若いクリエイターが活躍できるようなプラットフォーム作りやベイクルーズのリソースを活用し、食住美の分野への進出、人の流れを作るような街作りまで新しい価値の創造やビジネスの在り方を提示していきたい」と話した。

 「ヌビアン」は2006年に上野でオープンし、現在は上野、原宿、渋谷に3店舗を構える。ラグジュアリーブランドから気鋭のストリートブランドまでを幅広くセレクトする。

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「バレンシアガ」がNASAとコラボ 宇宙服シルエットのパーカなど

 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」はこのほど、2021年フォールコレクションからアメリカ航空宇宙局(NASA)とコラボレーションをバレンシアガ 青山など一部直営店で発売した。

 コレクションはウエアからバッグ、アクセサリーまでをそろえ、NASAのロゴデザインを取り入れたデザインが特徴だ。“the meatball”と呼ばれるイラスト入りのロゴと、2020年に復活した簡略化された書体ロゴの“the worm”をコレクションで使用した。

 ウエアはオーバーサイズのボンバーやシャツ、フーディ、ジョギングパンツを用意し、複数のロゴやグラフィック、アメリカ合衆国のフラッグパッチを施した。肘に赤いバンドを施したオープンカラーのパーカは、宇宙服のようなシルエットに仕上げた。バックパックとベルトバッグ、スリングバッグのほか、キャップ、ソックス、スカーフ、フォンホルダーといったアクセサリーをラインナップした。

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「ウカ」と「リミ フゥ」がコラボ 人気ネイルカラー初の黒シリーズが登場

 トータルビューティサロンの「ウカ(UKA)」は7月9日、ファッションブランド「リミ フゥ(LIMI FEU)」とコラボしたネイルカラー“ブラックスタディ(Black Study)”(全3色、税込各2750円)とポーチをセットにしたコレクション(税込1万6500円)を数量限定で発売する。7月2日から「ウカ」直営店と公式オンラインストアで先行予約を開始する。フルラインアップは「ウカ」の直営店と公式オンラインストアで取り扱い、「リミ フゥ」の全国ストアと公式オンラインストアではコレクションキットのみを取り扱う。

 人気のネイルカラーシリーズ初となる黒に着目した“ブラックスタディ”は、「リミ フゥ」から“黒”をリクエストされ、黒をベースにした3色を追求した。メタリックな輝きをゴールドとシルバーの微細なラメで実現したブラックパール、スモーキーなマットブラック、レザーのような質感のブルーブラックをラインアップ。それぞれ、“Strato”“Tabaco”“Riders”とネーミングし、色に込めたイメージを表現。同ネイルは「リミ フゥ」の2021-22年秋冬コレクションで起用した。

 コレクションキットは、両ブランドのロゴをデザインしたPV素材のがま口ポーチ、同シリーズ3色のネイルポリッシュ、爪磨きのネイルスラッシャーとネイルファイル、「リミ フゥ」のアーカイブテキスタイルから4種類をセレクトしたネイルスラッシャーとネイルファイルを収納できるケースをランダムにセットし販売する。

 もともと「ウカ」創業者の向原一義氏は生前に、山本耀司デザイナーと親交があり、かつ、彼らの娘である「ウカ」の渡邉季穂代表と「リミ フゥ」の山本里美デザイナーも、父親同士のように互いにリスペクトし合う関係だという。そこで今回、世代を超えたコラボが実現した。

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「ディーゼル」2022年春夏ミラノ・コレクション

 「ディーゼル(DIESEL)」が2022年春夏コレクションをミラノで発表した。

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ユナイテッドアローズが同社初のECブランドを披露 「課題である若年層開拓が目標」

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS、以下UA)は、9月から自社ECをメインに販売するメンズ、ウィメンズの新ブランド「シテン(CITEN)」の商品を、同社の2021-22年秋冬展示会で披露した。ECを主販路とするブランドは同社として初めて。「カルチャーや生活まわりのモノやコトなど、ファッション以外にも興味がある感度の高い男女」(神永和洋GLR本部新規事業準備室室長)をターゲットとし、同社として課題となっている20〜30代前半客の取り込みを狙う。

 年齢軸では同社で手薄な若年層を狙うと同時に、価格軸でも同社で手薄となっている比較的買いやすいゾーンを狙う。グループの「コーエン(COEN)」を除いて同社の中では裾値の業態である「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING以下、GLR)」の価格に対し、7割前後の価格設定とした。

 新ブランド立ち上げに向け、新規事業準備室を発足したのは20年4月。「今の消費者のライフスタイルに沿うためには何がベストかを考えた結果、EC主体で立ち上げることになった。そうした考え方はコロナ禍でさらに加速した」と神永室長。コンセプトは“FUTURE ESSENTIALS”。秋川由梨子ブランドディレクターは「今の時期に誕生する新しいブランドに必要なものをゼロから考えた結果、変化するライフスタイルに合わせたセンスの良い日常着だと考えた」と話す。

 商品構成はウィメンズ65%、メンズ35%で、メンズアイテムの10%をユニセックスで展開する。メンズはヴィンテージアイテムを現代的に解釈したジャケット(税込1万5990円)やパンツ(同6990円)などをそろえ、ウィメンズはワンピース(同8990円)やスエットトップ(同6990円)などのほか、シューズ3型も販売する。秋川ディレクターは「着るだけで気分が上がるものや、愛着を持って着られる高揚感のあるものを手に取りやすい価格帯で提案するのがUAの強みだ」という。

 メンズとウィメンズのデニムアドバイザーは「ベルベルジン(BERBERJIN)」の藤原裕ディレクターが務める。ユニセックスで展開するデニムジャケット(同1万9900円)は、古着を通っていない世代に向けて着やすさを重視した。デニムアイテムはオーガニックコットンを使用した。そのほかデビューシーズンでは、リサイクルポリエステル90%とニュージーランドウール10%の素材を用いたアイテムをウィメンズで4型、メンズで1型製作した。秋川ディレクターは「全てをサステナブルに変えていくのは難しいが、まずはできるところから取り入れていきたい」と話す。

 手に取りやすい価格の日常着というカテゴリーには、「ユニクロ(UNIQLO)」や「無印良品」など強力な競合も多い。「その中でユナイテッドアローズがブランドを立ち上げる意味を考えた。着るだけで気分が上がるアイテムや、愛着を持って着られる高揚感のある商品を手に取りやすい価格帯で提案するのがわれわれの強みだと思う」と秋川ディレクター。そうした考えから、トレンチコートなどの定番アイテムであっても丈やシルエットなどを検討し、全てオリジナルでパターンを引いたという。

 自社ECのほか、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」「楽天ファッション(Rakuten Fashion)」でも順次販売する。9月には東京・幡ヶ谷のカフェ「パドラーズコーヒー(PADDLERS COFFEE)」でローンチイベントを開催予定。10月以降は「GLR」一部店舗でのポップアップも予定する。

 売り上げ目標は非公開だが、「主力業態まで成長させていきたい」と神永室長は力を込める。今後、単独で実店舗を出店するかどうかについては未定という。

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都内最大級の時計専門店「イシダ新宿」 リニューアルに込めた思いを社長に聞く

 ベスト販売が運営する都内最大級の時計専門店「ベスト新宿本店」が大規模リニューアル工事を終え、名称を「イシダ新宿」と変えて6月19日にオープンした。地上5階・地下1階(2022年4月開業予定)からなる売り場は、600平方メートルから800平方メートルに増床された。リニューアルに懸けた思いについて、20年12月に社長に就任した石田充孝氏に聞いた。

“チェンジ&チャレンジ”を掲げ、
“感動、笑い、夢”を届ける

WWD:店名まで改称したリスタートの意図は?

石田充孝ベスト販売社長(以下、石田):当社の祖業は時計、ジュエリーのディスカウントおよび中古販売であり、これを“ベスト”の名前で行い、一方で1996年にスタートした正規販売を“イシダ”とした。この両輪をどう最大化するかが課題であり、“ベスト”に懸けた父の思いと“イシダ”を興した兄の思いを胸に前進したい。イシダ新宿は中古と正規の融合店だが、メインは後者であり、そのため店名はイシダとした。ただし、両輪によるシナジー効果が重要であると考え、ロゴに“BEST”の文字も残した。

WWD:改称に伴い、“本店”の表記を外した。

石田:今後も“イシダ新宿を超える店をつくる”との意思表明だ。逆に、既存の表参道や船橋の店舗が本店になってもいいと思っている。全店を並列関係とした。ベスト販売は“チェンジ&チャレンジ”をスローガンに掲げており、私のモットーは“感動、笑い、夢”だ。これらをお客さまや従業員に届けたいと日々考えている。

WWD:リニューアルの目玉は?

石田:大きく3つある。まずは“3大時計ブランド”の一つである「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」の拡充だ。3階にコーナー展開し、売り場面積を2倍以上にした。お客さまに感動や夢を届けるため、ブランドのストーリーやコンセプトをきちんと伝えるための空間が必要だった。ここで「ヴァシュロン・コンスタンタン」の卓越した伝統と格式、一方で革新性を示し、語り尽くしたい。他のブランドについても今後、同様にアクションしていければと思う。

WWD:店舗づくりでほかにこだわった点は?

石田:“壁を設けない”のがイシダ新宿の最大の特徴だ。お客さまの目線に立ち、世界観の連続性を重視した。ご賛同いただけず取り扱いを休止せざるを得なかったブランドもあるが、志を優先した。

多様な客に対応すべく
導入したコンシェルジュ制度

WWD:ソフト面の話も聞きたい。

石田:時計が好きで、時計に精通したスタッフは当社の財産だ。イシダ新宿はブランド数も都内最大級で、中古品の取り扱いもある。価格の幅も広く、その分多様なお客さまが来店される。新宿は人種のるつぼであり、交通の要所でもある。買い物客もいれば、通勤・通学者もいる。外国人も多い。彼らに最高のサービスを提供するために、新たにコンシェルジュ制度を導入した。これが2つ目の目玉だ。コンシェルジュはフロアを縦断して接客する。お客さまのニーズを的確に把握し、迷わず買い物を楽しんでいただきたい。

WWD:コンシェルジュは何人?

石田:2人を起用した。イシダ新宿のリニューアルオープンのタイミングで、表参道店にも別に2人を配置した。ブランド、そして店のストーリーを伝えられる人材か、幅広い客層に対応できるかが選定基準だった。ただし、今後コンシェルジュ職は、基本的にスタッフ全員がローテーションで担当すべきだと考えている。偏りがちなブランド知識が一律にベースアップされ、それによってスタッフの時計愛も深まるはずだ。百貨店などとは異なる、イシダ流のコンシェルジュ術を模索してほしい。

「ビンテージは時計の
歴史そのもの」、
価値をきちんと伝えたい

WWD:地下1階の中古専門フロアも「ベスト ヴィンテージ」とした。

石田:これが3つ目の目玉だ。SDGs(持続可能な開発目標)の機運が高まり、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考えが浸透した。これに伴い、中古品に対する見方も近年大きく変わってきた。そこで“価値あるもの”であることを明確にするために改称した。6月19日に地上階と合わせてオープンすることもできたが、リニューアル工事のために路面に仮出店した店舗の反響が良く、期間を延長した。リニューアル前は少数派だった若年層や女性客も取り込めており、いっそう認知を高めて、2022年4月にあらためて地下でオープンしたい。

WWD:中古と正規でスタッフの配置換えも行ったと聞いた。

石田:スタッフがそれぞれを知ることで、お客さまに伝えるストーリーの厚みを増したい。ビンテージは時計の歴史そのものだ。一方で、正規は新たに歴史を刻むもの。ここでも両輪が大事。当社は中古が祖業で、この分野で圧倒的に先行できている。

他社とも協力して日本の時計を
活性化したい

WWD:イシダ新宿の売り上げ目標、さらには今後のビジョンについて聞きたい。

石田:いまだコロナの影は大きく、同時に早期収束への願いも込めて、2年目にコロナ以前の水準の1.5倍を目指したい。この窮地を乗り切るためには、“うちだけが良ければ”の考えではいけない。例えば新宿なら、伊勢丹や近隣の商店街などとも力を合わせて“時計の街”としてアピールしていかなければ、市場は活性化しないだろう。中国が伸び、相対的に日本のポジショニングが下がりつつある中で、新宿、ひいては日本が元気でなくては良い商品を入荷することはできない。

WWD:次なる店舗オープンの予定は?

石田:都内を中心に出店地探しは常に行っている。父の出身が京都なので関西という選択肢もあるだろう。しかし、まず着手すべきは表参道店の“チェンジ&チャレンジ”だ。“感動、笑い、夢”を届けるため、新米社長である私にはやるべきことがまだまだたくさんある。

問い合わせ先
ベスト販売
03-5360-6850

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「トモ コイズミ」小泉智貴デザイナーが大阪モード学園で講義

 ファッションデザイナー、小泉智貴氏による特別講義が大阪モード学園で6 月18日に開かれた。ファッションデザイン学科とファッション技術学科の約180人が参加。いま注目のデザイナーの一人とあって、その生い立ちやニューヨークコレクションにデビューするまでの道のり、ブランディングの話に熱心に聴き入り、メモを取る姿が目立った。

 小泉氏が最も尊敬するデザイナーであるジョン・ガリアーノとの逸話は特に熱っぽく語られた。7月に公開される米「ヴォーグ」誌の企画で初めてガリアーノと取り組んだ。「互いのルックを交換し、リメイクしたのですが、夢が叶った瞬間でした。パリに行く機会があれば、ぜひ会おうと。レディガガが着用したことで話題を集めた2016年からチェックしてくれていて『ファンだよ』と言ってくれたことに感動しました」。

 学生からの質問にも回答した。インスピレーション源や創作姿勢については「エッセイや小説などのフレーズからひらめくことが多い。言葉のフィルターを通して自分の好きなものを組み合わせて作っていきます。好きなものもやりたいこともそう変わらないので、精度をあげながら突き詰めることでテクニックも進化する。そのほうが信頼できるデザイナーになっていけると思います」。

 「トモ コイズミ」のデザインは、色彩豊かで元気の出る色使いと大胆なシルエットが特徴だ。最初のコレクションを製作するとき、東京の日暮里繊維街で見つけたいろんな色のオーガンジーから、カラフルなフリルのアイデアが生まれた。「制限があるなかで最大限の美しさを引き出すためにデザインや色、配分を考えた結果でした。なんでもできる環境にあるいまのほうが意外と難しい。ただ、自分が見て美しいと思うものや調和がとれている色合いとかは常に大切にしています」。

 昨今のアパレル業界については「SDGsなどものづくりや消費に対する意識が少しずつ変わり、いろんなやり方が受け入れられるようになってきました。企業に力がないせいで面白い服が少ないので、若手デザイナーにとっては活躍できるチャンスなのでは。目立ってやろうと野心を持ったほうが結局、人の欲求を掻き立てるような存在になれます。媚びるのではない、人の欲するものを研究して作るのがいいと思います」と話した。

 「トモ コイズミ」は今年6月でブランドデビューから10周年を迎える。記念のポップアップイベントが22日まで阪急うめだ本店で開催されていた。売り場の装飾には、小泉氏によるレクチャーで学生が製作したフリルも使われていた。「トモ コイズミ」のカラフルなドレスが飾られた同店コンコースのウインドー展示は7月19日まで。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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ホテル空間のようなレディースドッククリニック 記者が検診を体験リポート

 コロナ禍で健康に関する意識が高まり、女性特有の健康課題に向き合う“フェムテック”市場も広がりを見せている。ただ、年に一度受けることを推奨されている一般的な日本の企業健診には、女性特有の病気や疾患を検査する健診メニューや設備が十分に備わっていないことが多い。その課題に向き合うべく、「クレアージュ東京 レディースドッククリニック(以下、クレアージュ)」が今年3月東京・有楽町に開院した。女性の罹患率・死亡率が高い乳がん、子宮がん、大腸がんに加えて子宮内膜症や子宮筋腫などを総合的にカバーする「YOU健診」のほか、年齢やライフプランに合わせた人間ドック健診プランをワンストップで受けることができる。

 「WWDJAPAN」編集部では20代と30代の異なる世代の記者が、それぞれの年齢に合わせたプランで「YOU健診」を無料体験。検診の事前準備やクリニックの設備、検診内容などをリポートする。

【取材者】
木村和花「WWDJAPAN」記者:20代女性記者。2020年に「WWDジャパン」編集部に配属以降、フェムテック分野を担当。ファムメディコによる女性特有の疾患を対象にした「YOU検診」の存在を知り、定期検診の重要性を認識する。今回は20代推奨メニューの子宮頸部細胞診、経膣超音波、便潜血、乳房超音波を受けた

大杉真心「WWDJAPAN」記者:30代女性記者。19年からフェムテックを取材し、女性特有の病気や疾患、養生法に関心を持つようになる。今回は30代推奨メニューの子宮頸部細胞診、経膣超音波、便潜血、乳房超音波、乳がん検査、オプションでアレルギー検査も追加

①事前準備から受付
“人目を気にせずオンライン回答”

木村:事前に検査内容などが書かれた書類と検便キットが送られてきました。検査日までに検便と、オンラインの問診票への回答が必要です。前日21時以降は食事が禁止で、朝は空腹で検査に向かいました。

大杉:私は期日までに書類が届かず、当日準備なしで病院に行ってしまいましたが、問診表はその場でQRコードを読み取って回答できました。これまで病院ではバインダーを渡されて書くことが多かったですが、「クレアージュ」では自分のスマホで操作できるので人目を気にせず簡単に済みました。呼び出すときも名前ではなく、番号で呼ぶ点も配慮が徹底されています。受付はとても綺麗でアロマの香りもしましたね。

②空間・設備や検査着をチェック
“ホテルのような空間とおしゃれな検査着”

木村:実は初めての婦人科検診で、行く前は結構緊張していましたが、受付のスタッフさんは当日の動きをすごく丁寧に説明してくれて、病院についてから緊張が和らぎました。病院というよりホテルのイメージの方が近いかもしれない。検査着は体のラインが出ないように配慮されていて、ストレスなく着ることができました。更衣室も木目調のロッカーで落ち着いた雰囲気でした。

大杉:スタイリストの百々千晴さんがディレクションした検査着は、ネイビーを基調にしたおしゃれなパジャマのようなデザイン。検査のためにブラジャーを外して着用しますが、透けやひびきも気になりませんでした。共布の巾着も、移動中に私物を持ち運ぶにはとても便利でしたね。

③いよいよ検診開始
“ホスピタリティーに安心感”

木村:私は子宮頚がんの細胞診とエコーと乳房超音波を受けました。子宮頚がんの細胞診とエコーは子宮のチェックですが、合わせて5分もかからず、すぐに終わりました。乳房超音波はジェルを塗布した状態で、超音波診断装置を胸に当てて検査します。これは大体10分弱。痛みはなく、最後に温かいおしぼりを渡してくれるところもホスピタリティーを感じました。

大杉:私は生理が被ってしまって子宮関連の検診と、初めての乳房エコーとマンモグラフィーを2日に分けて受けました。生理中でも検診可能なマンモグラフィーは機械の上に胸をのせ、縦横順番にぺったんこになるまで胸を挟んで、何秒か止まってX線撮影を行います。生理中ということもあり、電車のドアに胸を挟まれる感じで少し痛みを感じました。病院のスタッフさんが随時「気分悪くないですか」と声を掛けてくれたので安心でした。

④検診後のサプライズ
“ドリンクとスイーツのサービス”

木村:検査が終わった後は、中央のカウンターにいるスタッフにファイルを渡します。そこで最後にドリンクとオリジナルスイーツがもらえました。ドリンクは水と、浜中聡子総院長がセレクトしたというハーブティーの中から選べます。検査後にアフターケアをしてくれるのは新しいですよね。

大杉:検査後にドリンクを飲みながら一息できるスペースもあって、緑豊かな皇居周辺を一望できます。通常の病院のように雑誌や本は置いていませんが、みんなスマートフォンを見たりすると思うので今の時代、必要ないなと思いました。スタッフの制服がいわゆるナース服ではなく、エプロンドレスのような上品なデザインであることも、病院感が少ない要素かもしれません。

木村:病院にある長椅子ではなく、おしゃれなソファや一人掛けのチェアが置かれていて、プライベートも保たれていましたね。アロマが焚かれていて、観葉植物が飾られているのもおしゃれでした。検査のストレスはどうしてもありますが、スタッフの方々は全体的に説明がとても丁寧ですし、居心地の良い空間作りが徹底されていて、検査以外のことは何も気にしなくてよかったです。

⑤検診を終えて
“自分の体を知ることと、社会的なサポートの重要さに気が付く”

木村:結果は3週間後に郵送で手元に届きました。普段から健康には気を付けているつもりでも、やっぱり一度きちんと診てもらうことで安心感が違います。今回の健診は女性にとっては必須な内容です。これが通常の健康診断と同様に多く女性が当たり前に受けられるまで広まってほしい。そのためには企業や社会的なサポートがもっと必要だと思います。

大杉:検診日に生理日が重なり2回足を運ぶことになりましたが、有楽町駅直結の立地でアクセス面もよく、短時間で終わらせることができて助かりました。当日にアレルギーのような肌荒れが気になっており、窓口で相談してオプションでアレルギー検査も追加できました。採血だけで36項目のアレルギー原因が分かります。自分の体のことをよく知ることは大事ですね。またこのように検査について人と話せるのは私たちにとっても良い経験でしたね。検診料は安いとは言えませんが、これが福利厚生で受けられたらいいですよね。

■クレアージュ東京 レディースドッククリニック
時間:8:30~16:30
休診日:日・月曜日・祝日
住所:東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館17F
検査料:レディースドック ベーシックコース 税込8万300円、YOU健診(子宮・卵巣、大腸、乳房の検査)同2万5300円〜

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水も電力も農業に結びつく! 「今週の特集お届け隊」2021年6月21日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年6月21日号からの抜粋です)

向:今年のサステナビリティのテーマは、「サプライチェーンを見直す」。それを考えた時に浮上したのが“水と電力”だったよね。

廣田:はい。CO2排出に関する話はメジャーになってきましたが、アパレル産業では綿花栽培や染色など水のリスクもすごく高いし、改めて着目すべきなのではないかと思いました。

向:何が一番印象的だった?

廣田:市民エネルギーちばのソーラーシェアリングですね。地域活性化につながりつつ、農家は有機栽培にチャレンジしながら、電力供給で副収入も得られるようにもなります。私が取材した畑はパネルの組み方がオシャレ!以前から知っていた方法でしたが、目の当たりにすると改めていい循環を生み出せるアイデアだと感動しました。電力の再生可能エネルギー化率の低さや、工業型農業からの移行という問題への解決策にもなります!

向:再エネ界隈はエキサイティングな人たちが多かったけど、その人たちの視線の向かう先が概ね農業だったよね。改めてファッションは農業であること、その農業が今大きな危機にあり、今後ビジネスに直結してくることを痛感したし、「まずは畑や牧場に行きなさい」という夫馬賢治さんの言葉にすごく納得したな。コットンやウールがどのように作られているかを知ることが私たちにできる最初の一歩だね。私も畑に行きたい!牧場に行きたい!!

廣田:私も行きたいです!現場を見て問題意識を持った企業や人が、今サステナビリティを牽引しています。それと同時にバージンマテリアルの使用を減らしたモノ作りを考えていかないといけないですね。

向:廣田さんも2年後くらいには地球に優しいオシャレな電力を売る人になっていそう(笑)。これからはブランドの営業担当や百貨店のバイヤーもエネルギーについて語れないといけないね。外資系のブランドは本国が主導してアクションを起こしていることもあって話題にもなるし、出店する商業施設やビルを選ぶ判断基準にもなってくる。必要な知識も変わってくるとすごく思った。私たちもどんどん新しいことを学ばないとね。

廣田:はい!学び伝えていきましょう!

【「辻愛沙子と語り合う新しい教養」その他記事】
■話題本「超入門カーボンニュートラル」の著者に聞く  “畑の現状を見たらわかる。このままではアパレルは服が作れなくなる”
■水を大量に使う“美容室”で今できるエコとは “シャワーヘッド”と“軟水”の可能性を徹底検証

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オフプライスストアは単なる安売りにあらず 巨大流通になった背景 鈴木敏仁USリポート

 アメリカ在住30年の鈴木敏仁氏が、現地のファッション&ビューティの最新ニュースを詳しく解説する。日本でも注目を集めるオフプライスストア。米国では巨大流通として君臨しているが、そのビジネスモデルを理解している人は案外少ない。最大手TJマックスを例に説明しよう。

 オフプライスストアのTJマックス(TJ MAXX)の業績が急回復した。昨年はパンデミックで不要不急の業態とみなされて相当数の店舗が営業休止となり、加えてEコマース(ネット通販)をやらない戦略であるため販売チャネルがなくなってしまったのだが、今年度の第1四半期決算(2〜4月)は非常に強い数字を記録し、社会が混乱しているときに強いディスカウント型というセオリーをまざまざと見せつける結果となっている。

 2020年度(21年1月期)の売上高は321億3696万ドルで前期比23.0%減、最終利益は9047万ドルで同97.2%減、既存店売上高は同4%減だった。利益が激減したもののかろうじて黒字だったのは、州によって規制に強弱があって営業を継続した店舗があったことと、フロリダ州のように昨年中に規制を解除して営業を再開できる店舗があったからである。

 ちなみに一昨年度(19年度)の年商は417億ドルで、現在の為替で換算すると4兆5870億円である。日本ならばオフプライスというアパレルでは異端ともいえるような業態だが、ここまで大きなビジネスなのだということは知っておいてほしいところだ。ディスカウントは強いし市場も大きいのである。

 さて、では今期はどうかというと、第1四半期の売上高は前年同期比128.8%増、最終利益は前年同時期の赤字に対して黒字復帰となっている。期初が2月初頭なので、昨年は丸々パンデミックでやられてしまい、今年は経済が徐々に回復に向かっているところでこの数字というわけだ。

 アメリカは共和党州を軸として年初頭から社会を開き始めており、これが売上回復の一つの要因なのだが、もちろんこの企業そのものの強さもかなり貢献しているだろう。昨年赤字に陥ったときにはネット通販をやっていないことに対して批判もあったのだが、やる気は全くないと否定した。そのまま従来の戦略を貫徹してのこの結果なので、お見事としか言いようがない。

 ちなみにそのときには、これから過剰在庫市場が膨れるのでわれわれの出番であり、その前に自分たちの在庫を処理しなければならないという趣旨のことを言っていた。だが、業績を見る限り自らが過剰在庫で悩むという状況には陥っていないようだ。

小売業の必然であるクローズアウト

 オフプライスというアイディアは百貨店のマーシャルフィールド(MARSHALL FIELD)が1879年頃に始めたもので、これを本格的に独立ビジネスとしたのは1909年に開業したファイリーンズ・ベースメント(FILENES BASEMENT)だと言われている。百貨店の地下でコモディティ商品の過剰在庫を集荷して安く売るビジネスモデルで、これが衣料中心へとシフトして進化していったのがオフプライス業態である。

 衣料に限定せず雑貨などあらゆるカテゴリーを含めてこの過剰在庫をアメリカでは「クローズアウト」と総称する。需要と供給をピタリと一致させ生産し販売することは不可能で、過剰在庫がなくなることはない。そのため生産した商品を現金化せず廃棄する戦略が主流とならない限り、クローズアウトを扱うビジネスもなくなることはない。

 クローズアウトしか扱わない専業の業態もあるし、宝探し的な目的でクローズアウトを品ぞろえの一つとして扱う企業もいるし、またクローズアウトを探してきて小売企業に売り込むブローカーという存在もある。クローズアウト市場は多様だ。

 ちなみにオフプライスとアウトレットの違いが分からないという人が少なくないので説明しておこう。アウトレットとはもともとは工場がB級品(または傷物、不良品)の現金化を目的として隣接して営業する直売所のことを言い、オフプライスとは発祥が異なるし厳密には取り扱う商品の性格が異なっている。このアウトレットをひとまとめにするショッピングセンターが登場して人気を博したことで言葉が一般化し、アウトレットという言葉がよく使われるようになって、オフプライスでは言葉のインパクトがないからアウトレットという名称を使う企業が増え、線引きがあいまいとなって今に至る。

「いま買わないと、後で泣きを見る」

 TJマックスはディスカウント型なので対象顧客層は低所得層だとどうしても考えがちだが、実はそうではない。キャロル・メイロウィッツ(Carol Meyrowitz)前CEOがこんなことをコメントしていたことがある。「トレジャーハント的な面白さを楽しむのは所得層に無関係だ」。

 顧客の平均世帯年収は7万ドル強なので百貨店のメイシーズ(MACYS)と大差ないという分析もある。

 同社のマーチャンダイジングの基本は「Buy now or cry later mentality」と言われている。「今買わないと後で泣きを見る」という意味だ。

 この企業には季節ごとの仕入れという概念はなくて、年間を通して調達活動が行われる。バイヤーが国内のみならず世界中を飛び回って、発注キャンセルやメーカー過剰在庫といったクローズアウトを探し、その場で交渉して取り引きを成立させるのである。これを「Opportunistic Buying」と同社は呼んでいる。日本語ならば「機会探索仕入れ」とでも訳せば良いかもしれない。

 現場バイヤーはその場で判断することが求められるので教育期間が長い、通常の企業の部長クラスが持つ裁量を現場が持っている、カテゴリーの専門性が必要なので各バイヤーの受け持つ分野は狭い(アクセサリーではなくハンドバッグといった意味)、来年売れると判断したら仕入れて翌年までキャリーオーバーすることが許される、売価を決めてから仕入れ額の交渉をスタートする、売価が先なので売りたいときは荒利ゼロでも仕入れることを辞さない、出張が多くて責任が重いこともあって疲れてやめるバイヤーが多い――といったように独特な調達手法や逸話が多い企業である。

 こうやって仕入れられた商品がトレジャーハントとなり、今買わないと後で泣きを見るメンタリティにつながることになるわけだ。ただし店舗への供給を意識的にコントロールしてトレジャーハント感を高めて需要を作っている。単に仕入れて売って宝探し環境が作れているわけでもない。

 またオフプライスだけではなくて再発注可能なプロパー商品も実はけっこう多いらしい。売上高が300億ドルを超える企業がすべてオフプライスで成立するわけではないのである。比率は社外秘なのだがかなり大きいとみられている。しかもオフプライスの供給が少ない定番カテゴリーではPB(プライベートブランド)を作っており、比率は10%を超えている。もはや純粋なオフプライス業態とはいえまい。

 TJマックスの販売力が強いので、同社が仕入れるであろうことを前提に製造するブランドメーカーも少なくないという。つまり最初から多めに作り、百貨店にまず卸し、そのあとにTJマックスに売る、というよう手法である。オフプライスとプロパー(正価)の境界線ももはやないのである。

 ラルフローレン(RALPH LAUREN)の最大取引先はTJマックスだという話は業界ではよく知られた事実なのだが、両社ともにいっさい口外しないこともよく知られている。ブランドメーカーを守るためにTJマックスはポリシーとして口を閉ざすのだ。店頭においても、プロモーションはブランド単位ではやらない。広告もブランド単位では出さない。陳列もブランド訴求はあまりしない。ブランドを前面に出さないから、ブランドメーカーは安心してTJマックスと取り引きできる。

 このことは同社がネット通販をやらない理由の一つとなっている。ネット上では簡単に価格比較ができてしまうのでブランドメーカーが困るのだ。

 またバックルームに在庫を持たず可能な限り陳列する手法を取っているため、バックルームが小さく、インストアピックアップや宅配といったフルフィルメントのスペースが作れないこともネット通販をやらない理由だと説明している。

 そもそも店舗が繁盛している。つまり店舗にお客が来る小売企業にとってネット通販は不要なのである。業務プロセス改善のためのデジタル化は今の時代いかなる小売企業も必須だが、しかし必ずしもネット通販が必須というわけではないということだ。

本質はチープではなくバリュー

 メイロウィッツ前CEOがこんなことを言っていた。「チープではなくバリューにフォーカスを当てる」。

 アメリカの小売業界では低価格商品のことをバリューと表現する。日本語で価値というと高価格を意味することが多いので少しずれがあって理解が難しいのだが、このコメントは本質を突いていて秀逸だ。品質の低いチープなものを安く売るのではなくて、品質の良いものを安くする、日本語の“お値打ち価格”を意味しているのだ。

 アメリカでディスカウント業態が大きな位置を占めている理由がこれである。ディスカウントと聞くと日本人はどうしても安売り屋をイメージしてしまう。一方アメリカのディスカウントは良いものを安く売ることを意味している。だから大きな業態として存在し続けている。

 オフプライスと聞くとどうしてもチープな印象を持たれがちだと思うが、ただの安売りビジネスモデルで300億ドルという規模の企業になるわけがない。オフプライス業態とはそういう存在なのである。

鈴木敏仁(すずき・としひと):東京都北区生まれ、早大法学部卒、西武百貨店を経て渡米、在米年数は30年以上。業界メディアへの執筆、流通企業やメーカーによる米国視察の企画、セミナー講演が主要業務。年間のべ店舗訪問数は600店舗超、製配販にわたる幅広い業界知識と現場の事実に基づいた分析による情報提供がモットー

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「シャネル」“No5”が100周年 工場をイメージした限定品が登場

 「シャネル(CHANEL)」は6月29日、ブランドを代表するフレグランス“No5”の誕生100周年を記念した限定コレクションを発売する。ファクトリー(工場)をイメージしたパッケージに身を包んださまざまなアイテムが登場する。

 日々の暮らしで身近に使うアイテムからインスピレーションを得たアイテムには、絵の具のようなチューブのボディークリームやペンキ缶に入った個包装のシャワージェル、お茶缶に入った入浴剤、プラスチックポーチに入ったボディーローション、ボディーオイルなどが登場する。公式ECのほか、一部の百貨店や直営店で取り扱う。6月29日〜7月11日にはパーク ハイアット京都でポップアップイベントを行う。

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「シャネル」“No5”が100周年 工場をイメージした限定品が登場

 「シャネル(CHANEL)」は6月29日、ブランドを代表するフレグランス“No5”の誕生100周年を記念した限定コレクションを発売する。ファクトリー(工場)をイメージしたパッケージに身を包んださまざまなアイテムが登場する。

 日々の暮らしで身近に使うアイテムからインスピレーションを得たアイテムには、絵の具のようなチューブのボディークリームやペンキ缶に入った個包装のシャワージェル、お茶缶に入った入浴剤、プラスチックポーチに入ったボディーローション、ボディーオイルなどが登場する。公式ECのほか、一部の百貨店や直営店で取り扱う。6月29日〜7月11日にはパーク ハイアット京都でポップアップイベントを行う。

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毛沢東や習近平を持ち出す「悪ノリ」がインスタ受けし、女子が集まる。味はその次

 ブームが続く屋台酒場。京都・祇園四条の台湾夜市のような人気屋台酒場「夜市的 点心酒場 好(ハオ)」は2020年11月に約2倍の広さで移転オープン。コロナ禍にも負けず、連日行列と以前以上の人気となっている。人気の理由は、どうやらインスタグラムにUPしたくなる仕掛けにあるらしい。
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