BLACKPINKのLISAとファッション 「ANDAM賞」審査員に挑戦した理由からビンテージショッピングまで

 フランス国立モード芸術開発協会が主催する2021年「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award以下、ANDAM賞)」のグランプリにビアンカ・サンダース(Bianca Saunders)が選ばれた。ファイナリストには「ゲーエムベーハー(GMBH)」「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」「エリア(AREA)」「ロク(ROKH)」「ルドヴィック デ サン サーナン(LUDOVIC DE SAINT SERNIN)」「カサブランカ(CASABLANCA)」が残っていた。

 「ANDAM賞」はマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)、ジェレミー・スコット(Jeremy Scott)、クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)らを輩出した若手の登竜門。今年は特にBLACKPINKのLISAが審査員に加わったことで大きな注目を集めた。

 LISAのほか、中国の歌手クリス・リー(Chris Lee)やカービー・ジーン・レイモンド(Kerby Jean-Raymond)「パイヤー モス(PYER MOSS)」デザイナー、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)前「セリーヌ(CELINE)」クリエイティブ・ディレクターも審査員に招聘。審査員長を務めたセドリック・シャルビ(Cedric Charbit)=バレンシアガ社長兼最高経営責任者(CEO)はその理由について「審査員はさまざまな分野から構成されており、今日のクリエイティビティーを多面的に表す面々だ。これからを担う才能の発掘に、大きく役立つ」と明かしている。

 米「WWD」は、審査を終えたLISAに独占インタビューし、「ANDAM賞」の審査員を引き受けた理由や評価基準、パリとファッションへの情熱などについて聞いた。

WWD:「ANDAM賞」の審査員になることを同意したのはなぜ?

LISA:まず、今年の「ANDAM賞」に参加することができてとてもうれしく、光栄に思います。審査員の招待が届いたときはすごく驚きました。私はファッションの世界に入ったばかりだったので、最初は自分にとってかなり勇気のいるチャレンジになると思いました。でも同時に、エキサイティングな経験ができそうですし、この機会にたくさんのことが学べると思いオファーを受けました。

WWD:ファイナリストを決めるのは難しかった?候補者たちと彼らのビジョンのどこが一番の決め手となった?

LISA:本当に難しくて、選ぶのに何時間もかかりました!ポートフォリオを見るだけでは決断できなくて、最終的にアーティスト全員のSNSを見て決めました。アーティストそれぞれの作品のスタイルと特徴が全く違ったので、それぞれのブランドの特徴や世界観を理解することができました。自分の視野が広がる体験だったと思います。

WWD:評価は服とデザインによるものか、それとも価格やストーリー性を重視したか?

LISA:まず全体像をつかんで、それからデザインを細かく見ました。審査員一人一人にそれぞれの評価基準があったのだろうと思います。私はシンガー、そしてエンターテイナーとしての視点から評価しました。私はカジュアルな場では楽に着ることができて、さらにステージのパフォーマンスに適した服が大好きです。なのでステージにすぐ立てるような、自分のニーズを満たしてくれるブランドを選びました。

WWD:ポップカルチャーにおいて、若手ファッションデザイナーの役割は何だと思う?

LISA:ファッションとカルチャーは時間とともに常に変化しています。若手デザイナーの役割は、その世代のファッションとカルチャーをたくさん経験して理解し、今の時代に融合させることだと思います。今の時代はすでに有名で才能あるデザイナーがたくさんいますが、将来のファッション業界を担う若いデザイナーを評価し、サポートすべきだと思います。

WWD:LISAさんにとって、パリでの一番思い出深い出来事とその理由を教えて。

LISA:アイ・ラブ・パリ!初めて訪れたときからパリに心奪われました。そして訪れるたびにもっと好きになっています。「セリーヌ」のイベントでパリに来た時、ワークショップを訪れて職人の仕事ぶりを見る機会に恵まれました。細かくデリケートなタッチで職人が刺しゅうするのを見ました。それに、幸いなことにエディ(・スリマン、Hedi Slimane)と一緒に写真を撮ることができました。とても有意義な時間でした。

WWD:ファッションセンスは以前からあったもの?それとも時間をかけて学んだもの?

LISA:子どものころから服を着て遊ぶのが大好きでした。2019年にパリ・ファッション・ウイークに参加したことでファッションに対する興味が大きくなったと思います。ファッションはとても魅力的で楽しいものです。

WWD:BLACKPINKのスタイルを言葉で表現すると?そしてそのスタイルにどう対応している?

LISA:BLACKPINKのスタイルは私のスタイルとすごく似ています。というより、私そのものです。だから「BLACKPINKらしく見せるにはどうしたらいい?」と思ったり心配したりしたことは一度もありません。私たちBLACKPINKはスタイリストととても仲が良くて、コンセプトとスタイルについてたくさん話します。いろんなスタイルを試して何が私たちに合うのか、多くのアイデアを共有しているんです。

WWD:ファッションにおいて好きな時代、デザイナー、ブランド、スタイルアイコン、映画、写真は?その理由も教えて。

LISA:映画「ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)」で主役が訪れる時代のファッションが大好きです。インターネットでビンテージのアクセサリーと服をよく探しています。

WWD:「セリーヌ」のような世界的ブランドとの関係やスタイリストとの仕事を通じて学んだことは?

LISA:私は歴史のあるグローバルブランドを尊敬しています。何よりも、エディが「セリーヌ」を受け継いで、大胆な変化をもたらしたことに一番感銘を受けました。「セリーヌ」のスタイルを若返らせ、新鮮かつファッション初心者でも挑戦しやすくメゾンをアップデートしたと思います。

WWD:普段の生活とパフォーマンスするときの服はどう違う?

LISA:普段は着やすい服と靴を着ていて、靴は大体テニスシューズを選びます。ステージでは曲と合った服が好きです。特に派手で大胆な服が好き。

WWD:スニーカーやバッグ、ファッションで何か集めているものはある?

LISA:限定品か、レアアイテムです。

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歌手からフェムテック起業家に 信近エリが開発した吸水ショーツ&吸水ブラの「リネ」

 シンガーソングライターとして活動してきた信近エリがフェムテックブランド「リネ(RINE)」を立ち上げた。新たな生理用品として注目されるナプキンやタンポンなしで着用可能な吸水ショーツに加え、授乳期の女性が母乳パッドを使用せずに着用できる吸水ブラレット(ノンワイヤーのブラジャー)を開発。着心地にこだわっているほか、環境に配慮した素材使い、ビジュアルは“シェアしたくなる“イメージを追求している。歌手として活動する傍ら、飲食店のマーケティングを経験するなど、異色バックグラウンドを持つ信近に、ブランドを始めたきっかけや、商品作りや資金調達での道のりを尋ねた。

WWDJAPAN(以下、WWD):これまでどのような活動をしてきたのか?

信近エリ・ネイト代表取締役(以下、信近):19歳でソニーミュージックからデビューし、エイベックスなどにレーベルは変わりながらも、シンガーソングライターとして活動を続けてきました。2017年にはスイーツ店の企画から携わり、SNSを活用したマーケティングや海外へのフランチャイズ展開も担当し、ビジネス目線のクリエイティブに興味を持ちました。

WWD:フェムテックとの出合いは?

信近:生理日が管理できるアプリの「ルナルナ」などを使ってきいましたが、“フェムテック“として意識して触れたのは吸水ショーツが最初でした。1年半前に存在を知り、オンラインで購入。最初はナプキンを付けなくていいことだけでとても快適で満足していたのですが、多くのブランドを試す中でもっと「普段の日と変わらないはき心地の吸水ショーツがあったらいいな」と思うようになりました。

試作品は46型!
はき心地や品質を“変態的に追求”

WWD:商品作りのこだわりは?

信近:これまで試してきた吸水ショーツは、はき心地や品質に改善の余地があると思うことがあり、これは“誰かが変態的に追求する必要がある“と約1年前に自分で作ってみることを決めました。はき心地の面では、ショーツのそけい部は圧迫してむくみ、赤みや黒ずみが気になるところなので、デリケートな部分を避けながら、お腹が冷えないような深めのカッティングをミリ単位で調整しています。また給水量の高さも「リネ」の強みです。本当は3月末に商品をリリースしたかったのですが、その直前で優秀な吸水素材が発表されて、そちらを採用するために発売を2カ月延期して6月になりました。そのおかげで、フルタイプは約110mLの経血を受け止めることができます。試作品は計46型も作っていて、妥協せず、満足いくショーツができました。さらに下着が上下でチグハグしないよう、吸水機能のないブラレットも一緒に提案しています。

WWD:授乳期の乳漏れに対応するブラレットも開発している。きっかけは?

信近:吸水量を上げるために、さまざまなナプキンを購入して構造を調べていました。そのリサーチ時に母乳パッドの存在を知り、使用する友人に話を聞くと、ズレたり、ムレたりと使い心地の悪さを感じでいること分かったんです。ネットで検索してみても吸水ブラジャーは出てこず、ニッチだけれど、必要としている人がいるのであれば作りたいと思いました。授乳中の友人ベースに試着してもらい、頂いた意見をもとに改善しています。出産祝いとなると、赤ちゃんに向けた商品が多いので、このブラレットを新しい出産祝いとしても広げていけたらと思っています。8月に発売予定です。

WWD:環境に配慮した素材も採用している。

信近:まずはオーガニックコットンを考えましたが、通気性、速乾吸収、機能性を考えると難しい素材。リサーチしていると、機能性にも環境面も優れたテンセルに出合いました。テンセルは木材を原料とし、吸水速乾性、抗菌防臭機能、伸縮性にも優れているといい、生分解性で土に還る素材です。ただテンセルではなく、防水素材は化学繊維を使用していて、細かいことを考えれば完全にサステナブルではありません。しかし、生理ナプキンの使用量を減らすことはできると思います。私たちは吸水ショーツを普及するべきだと考えました。

“吸水ショーツといえば”という
ブランドに成長させたい

WWD:ブランド名の由来は?

信近:生まれ変わりを意味する輪廻(りんね)からとっていますが、海外だと発音が難しいので“リネ“にしました。

WWD:5000万円の資金調達を行ったが、意識したことは?

信近:工場が決まり、ある程度商品を制作できる目処がついてから事業計画を作ってピッチに進みました。投資家には男性の方が多いので、生理やナプキンの説明から徹底して資料に織り込みました。

WWD:フェムテック市場の成長をどう見ている?

信近:認知度の高まりを感じていますが、実際に使用している人はそう多くない。吸水ショーツは「漏れそう」「洗うのがめんどくさそう」と踏み出せない人もいる。一つの選択肢として、もっと女性にとって身近なものになるように、使い方を発信していくことが必要だと思います。

WWD:「リネ」の今後の目標や計画は?

信近:“吸水ショーツといえば”というようなブランドに成長させていきたい。一緒に面白いお取り組みができたら、ポップアップやコラボレーションも考えたいですし、卸ももしご縁があれば検討したいです。また起業を経験し、いつか女性のビジネスコミュニティを作りたいと思うようになりました。資金がないからと、やりたいことを諦めてしまうのはもったいない。世の中のニーズに合わせて、事業計画を立てて協力を得られれば新しいビジネスを立ち上げることができるはず。一生懸命なだけじゃダメで、数字と成功できるイメージをきちんと提示することも大事。もっと多くの方にビジネスを身近に考えて欲しいですね。

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TSI傘下「ラリン」の社長交代 水野尚紀経営企画部ディレクターが昇格

 イスラエル発の自然派コスメブランド「ラリン(LALINE)」を展開するTSIホールディングス傘下のラリン ジャパンは、7月1日付けで水野尚紀経営企画部ディレクターが社長に就任したと発表した。山本直樹前社長は、ラリン ジャパンを含むライフスタイル系事業会社3社を統括するTSIホールディングス第5事業部長に就任した。

 水野新社長は2002年に上智大学を卒業後、ラルフローレン、ロクシタンジャポンを経て、17年にラリン ジャパンに入社。経営企画部ディレクターを務め、社長に昇格した。
 
 「ラリン」は1999年に死海のミネラルで有名なイスラエルで、手作りのハンドソープやアロマオイル、ルームフレグランスを扱うショップとして誕生。ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界に約200店舗以上を展開する。ラリン ジャパンは2011年2月、アジア第1号店を表参道にオープン。16年5月に、TSIホールディングス傘下となった。現在、全国に約30店舗、ハワイに2店舗を展開する。

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京都が眼鏡で激アツ!?  「G.B.ガファス」はローカルとしてローカル向けに商売

 京都が眼鏡で一躍、活性化していることは前回伝えた通りだ。第2弾は京都で27年、眼鏡ビジネスを続け、京都・東京・大阪・神戸で「G.B.ガファス」や「デコラ」を6店舗運営するグラッシーズの竹中太一社長に話を聞く。

WWD:2020年6月に、東京・渋谷と代官山に店舗を構えるグローブスペックス(東京、岡田哲哉社長)がエースホテルの上陸で話題となった商業施設、新風館にオープンし、21年5月には全国に28店舗を運営するアイヴァン(東京、山本典之社長)が新業態の「ジ・アイヴァン」を祇園に出店した。受け止めについて聞きたい。

竹中太一グラッシーズ社長(以下、竹中):京都はコロナ前、世界中のツーリストの行きたい都市であり、大きくクローズアップされた。実際、外国人旅行者も多かった。それゆえ、そこにビジネスチャンスを感じ、出店する流れは分かる。一方でわれわれのように、ローカルがローカル向けに行う眼鏡ビジネスもある。現在、G.B.ガファス京都のある中京区は僕の出生地であり、河原町や三条に比べたら人出は少ないが、そこには僕なりの物語がある。京都の人は豆腐ならあそこ、草履ならあそこ、とどこで何を買うかを代々受け継いでいる。この街では「100年くらいは老舗じゃない」がリアルで、当社も27年かけてようやく認知されてきた。「京都人は裏表がある」とも言われるが、隣同士が数百年単位で暮らしているからいさかいを起こしたくない。だから本音を押し殺す。それが指摘の理由だろう。人の出入りが激しい東京や大阪と違い、“変えるをしない”が信条になっている。コミュニティーの歴史が古く、ある意味で完結しているから、外から入ってきたものに厳しい一面もある。「京都(と名古屋)で商売が成功したら、どこでも成功する」なんて言葉もあるくらいだ。

WWD:コロナショックによるインバウンド消滅の影響は?

竹中:大阪の2店舗にはコロナ前、訪日外国人客の姿も見られたが、京都店の売り上げにおけるインバウンド比率は多かった時でも3%ほどで、影響はほぼない。

WWD:とはいえ、未曽有の状況下で何か対策は?

竹中:ここでも、慌てて“変えるをしない”だ。イタリア・ミラノで開催される世界最大の国際眼鏡展「ミド(MIDO)」や、フランス・パリの国際眼鏡展「シルモ(SILMO)」で、実際に新作を見て買い付けることはできなくなったが、定番アイテムを仕入れ・販売している。

WWD:“京都”というキーワードは、眼鏡ビジネスにおいてアドバンテージとなっている?京都と眼鏡の親和性について聞きたい。

竹中:商売を始めた27年前、当社は半分ほどをオリジナルアイテムで構成していた(現在は2割ほど)。そのため、足しげく眼鏡作りの本場でもある鯖江(福井県)に通った。京都-鯖江間は車で2時間半ほど、かつては“鯖街道”と呼ばれ、日本海で採れた鯖など海の幸を都に届けるルートだった。鯖江に出入りする中で、「イエローズプラス(YELLOWS PLUS)」の山岸稔明君や「エイチフュージョン(H-FUSION)」の山岸誉君、「ステディ(STEADY)の金子昌嗣君など、鯖江出身の若手デザイナーを発掘・応援することもできた。

WWD:東京・大阪・神戸にも出店するが、京都の間で品ぞろえや戦略に違いはある?

竹中:当社には「デコラ」という別業態があり、2業態間でカラーの違いを出している。G.B.ガファスは“トレンド”重視型で中心価格帯は4万~5万円、客層は30~40代。一方、デコラのキーワードは“ラグジュアリー”で中心価格帯7万~8万円、客層は50~60代だ。

WWD:G.B.ガファスの売れ筋アイテムを教えてほしい。

竹中:アセテートタイプならウエリントン、メタルタイプならラウンドの細型が人気だ。そこに旬のブランドや、アセテートをセルロイドに替えるなどの素材提案でG.B.ガファスらしさを出している。また、別注色も強化しており人気だ。

WWD:20年3月にはECをスタートした。

竹中:おかげさまで手応えを感じている。リモート販売の場合、「受け取り後は必ず近くの眼鏡店へ」と伝えている。全国津々浦々、どこの眼鏡店でも調整はほぼ無料なので。

WWD:眼鏡ビジネスにおいて最も大事なことは?

竹中:ぶれないこと。ここでも“変えるをしない”だ。京都で長く商売を続ける店にはそれぞれのスタイルがあり、他店をまねる必要がない。 

WWD:次の27年をどう迎える?

竹中:現スタッフの中から後継者が出て、ビジネスを承継してくれたらと思う。そして、27年後も店を続けていてほしい。そのためには、ゆるやかながらも確実な成長が必要だ。

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ママになった人気モデルわたなべ麻衣 “赤ちゃんや猫にも優しい”オーガニックホームケアブランドをディレクション

 システム提供やD2C支援事業を行うスーパースタジオは、人気モデルのわたなべ麻衣がブランドディレクターを務めるD2Cブランド「グルーミン(GROOMIN)」を立ち上げた。

 同ブランドは、2020年10月に第一子を出産し、それまでのライフスタイルが一変したわたなべ麻衣の「ともに生活する赤ちゃんや猫にとってより安心で豊かな暮らしを送りたい」という気持ちからスタートした。自宅での暮らしを優しくサポートする、サステナブルなオーガニックホームケアブランドで、「ママたちの苦労や不安な気持ちに寄り添い、少しでも自宅で安心できる環境を提供したい」という彼女の思いを形にした製品をそろえる。

 ラインアップは3アイテム。天然由来の洗浄成分をベースに、オーガニック認証除菌成分などを配合した、フローリングや壁、家具など多用途に安心して使用できる“マルチクリーナー”。植物由来の石けん成分と大豆由来の洗浄成分を採用し、シンクやコンロ周り、調理家電外側などの幅広い用途に使える“キッチンクリーナー”。洗うたびに手肌が潤う、オイルクレンジング発想の“ハンドウォッシュ”。以上の3点セットで税込9680円で販売する。

 地球環境への影響も配慮し、ボトルや詰め替え用フィルムなど全てにサステナブル性を持たせた。赤ちゃんや猫が気にしがちな“匂い”についても、わたなべ氏自身が試作段階で実際に商品を使用したり、専門機関との協議を重ねたりして、負担のかからない匂いを検証するなど、“0歳児のママ”だからこその等身大の体験を生かした商品の開発にこだわった。

 わたなべ氏はインスタグラムフォロワー数57万人超で、同世代の女性を中心に人気を集めるモデル兼タレント。美容誌やファッション誌のほか、情報番組「ZIP!」(日本テレビ)でリポーターを務めるなど、テレビや広告などでも幅広く活躍。19年6月、タレントのJOYと結婚、翌年10月に第一子を出産した。

 「グルーミン」について、わたなべ氏は「以前は日用品などの買い物は“コスパ重視”だったが、出産してからは家族の安心で豊かな暮らしに結び付くようなものを選びたい気持ちが芽生えた。初めての子育てや猫との共同生活をするうえで分からないことや、不安なことなどたくさん感じている中で、私自身が自宅にあったらいいなと思えるオーガニックホームケアブランドをディレクションさせてもらった。少しでも掃除を楽しくできるように、おしゃれでかわいいデザインにもチャレンジしてみたので、夫婦仲の良さにもつながってくれればうれしい」と話す。

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TSI営業利益22億円に回復 3〜5月期、「パーリーゲイツ」がけん引

 TSIホールディングスの2021年3〜5月期業績は、営業利益が22億円だった。前年同期の64億円の赤字から黒字転換した。4月25日に発令された緊急事態宣言で店舗営業が制約されたが、前期に実施した事業撤退や人員削減といった構造改革、仕入れの抑制や販管費の削減などが成果を上げた。3〜5月期の営業利益としては直近5年で最高益となる。

 売上高は同57.8%増の342億円だった。昨年春の緊急事態宣言に比べて営業する店舗が多かった反動で跳ね上がった。前々年同期比では20.2%の減収になる。都心立地で通勤着に対応してきた「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」「ナチュラルビューティベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)」などの回復が遅いのに対し、ゴルフウエアやストリートブランドの好調ぶりが目立つ。ゴルフの「パーリーゲイツ(PEARLY GATES)」は39億円(19年3〜5月期は32億円)、ストリートの「ハフ(HUF)」は15億円(同11億円)に成長した。

 EC(ネット通販)も引き続き伸びている。EC売上高は前年同期比10.4%増、前々年同期比28.4%増の103億円、EC化率は35.3%になった。販売員のスナップを目玉コンテンツにした国内自社ECの売上高は、前年同期比14.3%増の44億円になった。

 消費回復が鈍い中、仕入れ額を前年同期に比べて8掛けに抑えた。また前年同期に休業で販売機会を失った商品のプロパー(正価)による消化も促進した。一連の構造改革や固定費の削減によって、販管費率は前々年同期に比べて3.6ポイント低下し、利益を底上げした。有価証券売却益などの特別利益の計上したため、純損益は24億円の黒字(前年同期は104億円の赤字)に転換した。

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雑誌「グリッター」が復刊 錦戸亮、渡辺直美のW表紙

 2004年に創刊し、20年2月号をもって休刊していた女性誌「グリッター(GLITTER)」が、7月5日にライフスタイル誌として復刊する。編集長は、コンデナスト・ジャパン(CONDE NAST JAPAN)の「ヴォーグ ガール(VOGUE GIRL)」編集部出身の長谷川ナオが務める。発行元は、テレビ東京出身の塩原幸雄が代表を務めるG-ビジョン パートナーズ(G-Vision Partners)。税込780円。

 新生「グリッター」では、「グリッターな人生を!」をコンセプトに、毎号テーマを掲げていく。復刊号は、「エイジレス」と「人生は“自分でデザイン”!」の2大特集。創刊時からのテーマでもある“インターナショナルなエッセンス”は継続しつつ、“エイジレス”な美しさを取り上げるとともに、コロナ禍を機に大きく変わった価値観とライフスタイルに注目し、“自身の生き方をどうデザインしていくか”を掘り下げる。表紙には、復刊号のテーマである“生き方を自分でデザイン”しながら活動している錦戸亮と渡辺直美がW表紙で登場している。

 今後は、雑誌を“創造できる、繋がる場所”の起点にしながら、新たな時代のコミュニティーメディアとしてさまざまな取り組みに挑戦していくという。

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「自己主張しないのがいいのかも」シニア層を攻略している『とんでん』が凄い

 和食レストランチェーンで比較的地味な存在であるが、シニア層から絶大なる支持を得ているのが、和食レストラン とんでん(本社:北海道恵庭市、代表取締役社長:長尾治人)である。北海道と1都4県で96店舗、売上高は176億円(2020年3月期)であり、売上規模は焼肉チェーンの安楽亭を上回っている。
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「クラランス」4〜6月の商況 刷新した主力製品や限定品がヒット

 「クラランス(CLARINS)」は、どのカテゴリーもまんべんなく売り上げを伸ばし、4~6月の商況は前年同期比28%増と好調に推移した。3度目の緊急事態宣言下であったが、一部百貨店の化粧品売り場の営業継続や外出自粛ムードの緩和に伴い、客足も徐々に戻りつつあるという。

 マスク着用による肌荒れなどからスキンケアへの興味関心が高まる中、季節特有のニーズや悩みに配慮した製品を投入し、新客の獲得と各カテゴリーのさらなる底上げに成功した。肌の露出が増え始めた4月は、2017年の発売以降スリミングパワーに注目が集る“ボディ フィット”の通常サイズ(200g)の2倍もの容量のスペシャルサイズ(400g、税込1万3200円)を限定で発売したところ顧客からも好評で、単月の売り上げに大きく寄与した。また、紫外線が一気に強くなり始めたタイミングに合わせ、前月にリニューアル発売した日焼け止め“UVプラス 5P モイスチャライジング マルチ デイスクリーン”に美白ケア製品をセットした限定キットやスターターキットを用意したことも奏功した。

 5月に発売したサマーメイクアップコレクションは、マスク着用時にも活躍する仕上げ用ミスト“フィックス メイクアップ”が限定の香りとキャッチーなパッケージで登場し、インフルエンサーによるSNS投稿が話題を集めた。また、アイシャドウパレット“オンブル4”の限定色は「リップカテゴリーが苦戦している中、アイメイクに注目が集まっており、同製品はECで即日完売した」(ユン・ジヒョン/クラランスマーケティングディレクター)と、盛り上がりを見せた。

 さらに6月は、売れ筋の目元美容液をリニューアルした“グラン アイ セラム V”を発売。まぶたが重くなりやすいアジア人女性に向けて研究開発を行った同製品は、「マスクの着用で目元がクローズアップされ、目元のむくみが気になっている」新客やリピーターの取り込みに成功し、初速は好調だ。

 現在、店頭の売り上げは全体の7割を占めており、「化粧品は手に取って質感を試したいという声が多く、客足が戻ってきている」。一方でECは、今年は店頭の営業再開などでやや落ち着きつつあるが、19年の同期間と比較すると約80%増と成長した。「コロナ禍で消費者の生活行動は大きく変わったが、化粧品の買い方も変化している。化粧品を無駄にしたくないという声が多く、いまはSNSの口コミやユーチューバーなど、自身が信頼している人の意見を参考に、“自分ごと化”してから購入するお客さまが増えている」と分析する。

 秋商戦では、ブランドの顔ともいえる美容液“ダブル セーラム EX”の打ち出しを強化する。「肌に付けた瞬間の浸透力をアピール」できるようにリアルに体験できる場や百貨店でのプロモーションを検討し、知名度の向上を狙う。さらに、7月には人気リップオイルの“コンフォート リップオイル シマー”から限定3色を発売。9月には、スキンケアの大型新製品を控えており、ヒットへの期待を寄せる。

人気美容師2人のサステナビリティの捉え方とは【今週のビューティ展望】

 ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、人気美容師2人が注目するニュースをピックアップ。


ビューティ業界が一つの価値観を発信

■賢者が選んだ注目ニュース
ごみ・廃棄問題に対し13の化粧品会社が目標に掲げること
「スナイデル ビューティ」から初のアイブロウアイテム登場

 13の化粧品会社の取り組みに関する記事では、原料やパッケージなど取り組みはさまざまだが、競合各社がSDGsの達成という共通の目標に向かっていることに注目した。業界全体が新型コロナウイルスという大打撃を受ける中で、戦うのではなく同じベクトルに業界を向けるという意味で良い流れだと感じた。お客さまに向けてもビューティ業界として一つの価値観を発信できる良い機会なのではないだろうか。

 ヘア業界でもカラー剤やシャンプーについて考えることが増えた。僕自身、最近原料の調達やパッケージにおいて環境負荷が少ないb-exの「クレイエステ」を試した。特に日本では毎日シャンプーをする文化だからこそ、ブランドの理念に共感しやすかった。衣食住とは違うけれども、ビューティは生活とは切り離せないもので、SDGsの取り組みとして原料や容器で表現されることはますますキャッチーになっていくだろう。

 次に「スナイデル ビューティ」の広告ビジュアルに注目した。メンズビューティ、さらにはジェンダーレスを語るブランドは増えているが、広告ビジュアルに自然と男性が登場するのはビューティの発信における革命であり、価値観の変化を感じた。特に日本では男性・女性という性別への意識が強いと思うが、サロンワーク中に男性からアイブロウや脱毛について聞かれることも増えた。美容室がもはや髪を切るだけの場所ではなくなってきている一方で、メイクは本来とても入りやすいカテゴリーだが、サロンで展開するコスメブランドは少ない。また男性美容師の多くが撮影などでメイクをしないことも多い。美容師がハブとなってサロンが発信できる情報や価値観は流行りのヘアデザインだけではなく、もっとパーソナルな部分にもなるべきだろう。


“攻めた”香りとパッケージデザインに注目

■賢者が選んだ注目ニュース
【海外ビューティ通信】韓国で注目の新フレグランス
マリエが本音で語る連載。なぜオーガニックコットンを選ぶ?

韓国コスメは効能やパッケージデザイン的に“攻めた”ブランドが多いので、“韓国で注目の新フレグランス”のニュースが気になった。

 私が自分で使うコスメを選ぶ際、一番の判断基準は“効果効能”。しかしフレグランスやハンドクリームなど、香りがキーとなるアイテムを選ぶときは、パッケージデザインの優先度を高くして探している。“攻めた香りとデザイン”が両立しているブランドはあまりなく、海外製品も含めて常にアンテナを張っているが、久々に“刺さった”のが記事内の「タンバリンズ」の新作。個性的な香りで以前から知っているブランドだが、新作はデザインもすてきで、使ってみたいと思っている。

 韓国はコスメショップの内装デザインもエッジィで、「シアン」をオープンする前に、内装デザインの参考にするため、韓国に行ってコスメやアパレルのショップを巡ったほど。今後も韓国コスメには、“効果”と“デザイン”の両面から注目していきたい。

 マリエさんの連載のオーガニックコットンの記事は、知らなかったことが載っていて勉強になった。オーガニックコットンに関しては、「ナチュラルで肌触りが良さそう」といった“買い手側”のメリットは認知していたが、選ぶことで水質汚染や児童労働問題の改善に貢献できることは知らなかった。

 サステナブルに関心はあるけれど、アクションを起こし、ライフスタイルを変えるまでには至らない、という人は多いはず。そういう人も、“行動を変えることで社会貢献につながる仕組み・裏側”が分かれば、意識が変わってくると思う。しかし今は、例えば“サステナ”で検索すると、あやしげなものも含めて有象無象の情報が出てくる。その意味で、こうした知名度と影響力がある人や媒体が、情報を発信していくことは大事だと感じた。