「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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バイヤー向けにトピックスを拾います。
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「バレンシアガ(BALENCIAGA)」は7月7日、創業者クリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)が引退してから眠っていたオートクチュールを53年ぶりに復活させた。今回発表された2021-22年秋冬コレクションは、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターが初めて手掛けるクチュールであると共に、メゾンとして50回目のクチュール・コレクション。ジョルジュ・サンク通りの本社に再建したクチュールサロンを会場に、緊張感漂う無音の中でショーを行った。間違いなく今季一番のプレミアチケットになったショーに招かれたのは、わずか100人ほど。その中には、カニエ・ウエスト(Kanye West)やベラ・ハディッド(Bella Hadid)、ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)らの姿もあった。
招待状と共に届いたのは、「BALENCIAGA COUTURE」と金の文字で記された黒いボックス入りの“指抜き”モチーフのペンダント。クリストバルが実際に使用していた指抜きを、24Kゴールドメッキが施されたシルバーで忠実に再現したものだという。そこには、クチュリエの仕事とメゾンのヘリテージへの敬意が込められている。
初のクチュールを手掛けるにあたり、デムナがフォーカスしたのは、クリストバルが生み出したシルエットだ。「『バレンシアガ』は建築。シルエット以外に選択肢はない。そして、装飾よりもプロポーションやアティチュードで体を取り巻くものを作り上げるというのが私の服への取り組み方。今回はもちろん、現代的かつクチュール的な方法でね」と話す。就任当初から日常やストリートに美を見出す彼ならではの解釈で、そんなメゾンの遺産をプレタポルテに落とし込んできたが、今回のクチュール・コレクションではよりエレガントかつ洗練された形で表現した。
今回メンズ向けのクチュールも提案することを明かしていたデムナは、現代の男女に向けたテーラードスタイルからショーをスタート。幅広の角ばったショルダーラインと少しくびれたウエストが特徴のジャケットやコートに、ワイドパンツやロングスカートを合わせる。テーラリングは、クリストバルが着用していたものからインスピレーションを得ると共に、彼がオーダーしていたサビル・ロウのテーラー、ハンツマン(HUNTSMAN)との協業で制作。足元に目を向けると、男女問わずピンヒールのシューズを履いている。
その後もアワーグラスシルエットのジャケットやドレスをはじめ、逆三角形や四角形を描くような肩の広がったジャケットやニット、デムナがブームを巻き起こした襟を背中に落として胸元を開いたデザインなど、派手な装飾はあまり用いず、単色をベースに構築的なシルエットを追求。ルックにアクセントを加える三度笠のようなハットは、アーカイブから着想したもので、帽子デザイナーのフィリップ・トレーシー(Philip Treacy)が手掛けた。
終盤にかけて、シルエットはさらに誇張されていく。サテンやシルクで仕立てたマキシ丈のたっぷりとしたオペラコートは、スポーティーなデザインディテールを取り入れながら、エレガンス漂うイブニングルックに。メンズでは、無数の細かい切れ目を入れてパイルに似せたレザーで作ったバスローブ風のコートなどユーモアあるアイテムを提案する。
さらに、ストリートをラグジュアリーファッションの世界に持ち込んだデザイナーの一人であるデムナは、クチュールでもデニムジャケットやジーンズ、パーカー、トラックスーツ、パファージャケットなどカジュアル由来のアイテムをミックス。カシミヤやシルクなどの上質素材とアトリエのクラフツマンシップを生かして最高級のアイテムに仕上げることで、ストリート感を希釈し、現代のクチュールの在り方を模索しているようだ。
また、クチュール再開には、“トリプルS(Triple S)”などのスニーカーでブランドを知った世代に、100年以上の歴史を持つメゾンのヘリテージを伝えたいという思いもあったという。これまでファッション業界の常識や既成概念を次々と打ち破ってきたデザイナーによって、クチュールメゾンとしての「バレンシアガ」の新たな時代が幕を開けた。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
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オンワードホールディングスの2021年3〜5月期業績は、純損益が20億円の黒字だった。前年同期の24億円の赤字から回復した。一昨年から実施する構造改革によって不採算事業を整理したことが実を結んだ。
売上高は前年同期比5.3%増の460億円。国内は3度目の緊急事態宣言に伴う営業の制約によって、1カ月半以上の休業を余儀なくされた前年同期に比べても増収は小幅にとどまった。構造改革の一環で不採算店舗を畳んだことも影響した。ただ、リストラの成果は顕著で、粗利益率は3.5ポイント改善し、販管費率は3.3ポイント低下したため、営業利益は前年同期の18億円の赤字から当期は11億円の黒字に転換した。
海外事業で不採算が続いていたイタリア事業の構造改革にもメドをつけた。既報の通り伊事業会社のオンワードラグジュアリーグループ、ジルサンダー、フリーランドを売却し、それらの束ねる持株会社オンワードイタリアの解散を決めた。フリーランドの売却益29億円の特別利益を計上するとともに、ジルサンダーの関係会社株式売却損20億円とオンワードイタリアの関係会社整理損19億円をそれぞれ特別損失として計上した。
また国内でも名古屋と渋谷で所有していた不動産の売却益48億円を特別利益として計上している。
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「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が2021-22年秋冬オートクチュール・コレクションを発表した。
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メガネの田中チェーン(広島、デイミアン・ホール社長)の子会社フロー オプティクス(FLO OPTICS、シンガポール、渡辺紗理菜社長)は7月1日、メガネの田中チェーンとして海外初出店となる「メガネの田中 ウィーロックプレイス店」をオープンした。場所は、シンガポールで最大級のショッピングエリア、オーチャードロードの一角を占める駅直結のモール「ウィーロックプレイス」の地下1階で、店舗面積は約140平方メートル。
広報担当者は「オープン初日から、質の高い日本製眼鏡や日本式サービスが高く評価されている。シンガポールは世界有数の多民族国家ながら、“似合う”という観点から眼鏡選びをする習慣がない。ウィーロックプレイス店を通じて、メガネの田中チェーンならではの楽しい買い物体験とパーソナライズした接客を届けたい」と話す。
店舗デザインについても、「内外装ともに、日本のものをそのままシンガポールに移設した」と述べ、大型の鏡を13個の照明が囲む試着台“ハリウッドミラー”や、客一人ひとりの悩みやニーズに寄り添う“店長デスク”、客とゆっくり話しながら眼鏡選びを行うソファスペースなどを設ける。
また同店ではニューノーマルに即した試みとして、アイウエアコーディネートの専門家がリモートで眼鏡選びを手助けする“オンラインおまかせアイウェアスタイリングサービス”も行う。自宅でサービスを受けてから来店して滞在時間を短縮することや、店内の試着台そばに設置されたモニターを使って店頭で同サービスを受けることもできる。
メガネの田中チェーンは7月末までの予定で、ウィーロックプレイス店と広島本店をオンラインでつなぎ、互いの店内の様子を連日午後にライブ配信している。「海外に気軽に足を運べない今、シンガポールのお客さまには日本を身近に感じていただき、広島のお客さまには地元から海外に進出した1号店の披露を行っている」という。
メガネの田中チェーンは1913 年に広島で創業。全国に約100店舗を展開する。フロー オプティクスは、83年にシンガポールで創業した眼鏡小売チェーンで、シンガポール国内で10店舗を運営。2019年、メガネの田中チェーンに買収された。
シンガポールにはフォーナインズ(東京、飯村祐一社長)やオンデーズ(東京、田中修治社長)など、他の眼鏡企業も進出している。
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ユナイテッドアローズ(以下、UA)の“名物”社員の1人であった中尾浩規氏が同社を退社し、6月15日付けで新会社ユノマス(HUMANOS)を立ち上げた。栗野宏文ユナイテッドアローズ上級顧問をアドバイザーに迎えこれまでUAで扱ってきたインポート4ブランドのエージェント業務を中心に人材発掘やコンサルティングなど経験とネットワークを生かした事業を行う。業界で広く名前を知られる大御所2人は何を目指すのか。代々木にオープンしたまっさらな事務所で話を聞いた。
WWDJAPAN(以下、WWD):取り扱いブランドは?
中尾浩規ユノマス社長(以下、中尾):ヨーロッパのブランドが中心で、イタリアからは「ラファエッレ カ ルーゾ(RAFFALE CARUSO)」、コモのネックウェア「フラテッリ ルイージ(FRATELLI LUIGI)」、ニットブランド「サラ(SALA)」。フランスからは白シャツだけの「ブリエンヌ パリ ディス(BOURRIENNE PARIS Ⅹ)」。いずれもエージェント業務で、ディストリビューターではありません。
WWD: UAで扱ってきたブランドですね。
中尾:そうです。いずれのブランドもUAで扱いながらビームスなど他社にもつなげてきたので仕事内容に変わりはありません。UAとは今後も業務委託を続けます。外からかかわることでより濃く、太い仕事ができると思います。
栗野宏文ユマノス アドバイザー(以下、栗野):ユマノスはイスパニア語で“人”を表します。ユマノスが何の会社かと聞かれれば「問題解決会社」。中尾さんは工場や生地屋、僕はデザイナーやメディアなどとのつながりが深い。それらを生かしたモノづくり、ネットワーキング、エデュケーションなどを通じて日本と世界の人々の生活を豊かにすることがミッションです。たとえるなら僕らはバンドのベースとドラム。そこにいろいろなギターやボーカル、パーカッションに入ってもらってセッションを行う感覚です。
中尾:展示会には服を見るだけではなく不満をぶつけに来てほしい。不満はすなわち改善ポイントですから。
WWD:日本の、特にメンズのセレクトショップの市場はこれまで、イタリアを始めとする生産地のファクトリーブランドを買い付けるだけでなく、そこに日本市場のニーズを反映したアレンジを加えることでブランド、市場ともに成長させてきました。
中尾:そうですね。私で言えば、イショナルが英国の「グレンフェル(GRENFELL)」を買収したときに担当し、日本市場を意識した企画をピッティ・イマージネ・ウオモに出したら他の国からも好評で、そのころから海外メーカーに対する日本独自企画をセレクトショップに提案する取り引きを始めました。八木通商では「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」の再生事業に携わり、そのころからイタリアのファクトリーブランドとのモノづくりには深く関わっています。
栗野:日本の雑誌と小売りはレベルが高い。セレクトショップには毎日お客さんが来店し改善点を要求してくる。袖がもうちょっと長い方がいい、とかね。それを日々聞いて作り手にフィードバックしてゆく。そういった意味でセレクトショップという業態は服を売ることに関してベストとは言わないけれど、相当ベターな業態だと思います。
ただ、人とファッションの関わり方は激変期にあり、進化した日本のお客さんはアレンジだけでは満足しません。アウトドアやスポーツ回りの商材が売れているのは、命にかかわる商品であり機能が進化し続けないといけないから。お客さんはその進化に慣れてしまっている。お客さんはアレンジではなくいいメロディーを聞きたい、もしくはまったく新しい歌を聞きたいと思っている。セレクトショップが期待されていることはそこだと思う。その中にあって中尾さんはアレンジではない本質的な提案ができる人。歌で言えば作曲ができる人です。
WWD:中尾さんから見て日本のファッションカルチャーのおもしろさとは?
中尾:「気づき」があるところです。海外での会話はノーかイエスかだけど、ノーとイエスの間の「気づき」を楽しむのは日本独特だと思います。その「気づき」を普通に取り入れればまだまだ面白いモノづくりができる。暑い日に求める前に水を出してもらえると嬉しいのと同じですね。
WWD:「気づき」の力を磨くには?
中尾:現地・現物が基本。「着る」しかありません。モノが生まれる場所や店、現地に行って触って着る。不都合に気が付けば改善しようとする。トラックに乗れなければトラック運転手が務まらないと同じです。目的はシンプルに「お客さんのためになるモノづくり」です。例えば先日UAから発売した「デサント(DESCENTE)」と「ラム(HLAM)」の協業ラインがそう。あれはアレンジではない。根強いファンが多かった「ラム」のデザイナーのクリエイションとデザインの機能性をドッキングしたものを作ろうと提案し実現しました。お客さんは特殊なモノは求めていないんです。
WWD:これからやってみたいことは?
中尾: 日本でのモノづくりをやってみたい。日本の縫製工場、生地屋さんはヨーロッパのそれとだいぶ体制が違う。イタリアはナポリら出たとがない人たちの商品が世界に出て行ったように、もっと世界に出ていい。このままだと技術があるのになくなってしまう。実際、脱却しようとしている人たちが出てきている。
WWD:栗野さんの周囲には若手クリエイターが大勢いますね。栗野さんがつなぎたい、と思う若手はどんなクリエイターですか?
栗野:昨年から今年にかけてZOOMでつながれることから今だかつてないほど多くの審査員を引き受けましたからネタは相当たまっています(笑)。クリエイターに求めるのはユマノスの基本精神でもある利他心です。他責や「前例がない」という姿勢では前に進めない。最近のLVMHプライズの受賞者を見ても全員利他的です。誰かの幸せを望み、誰かの幸せの為に行動することが、結局は自らの幸福や利益につながる、という考え方です。利他心は健全なビジネスの根幹にあると思うから。
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「ルイ ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は7月5日、パリでフレグランスの新作発表会を行った。今回は“感情と自然の融合”をテーマに、5種類のウィメンズフレグランス“レ・エクストレ コレクション”を制作。「ルイ ヴィトン」インハウス・マスター・パフューマーのジャック・キャヴァリエ・ベルトリュード(Jacques Cavallier Belletrud)は発表会で、「コロナ禍は過去を振り返る貴重な機会となった。幼少期や旅先の記憶を辿り、淡い思い出とそこに付随する感情を香りで呼び起こすことに関心を寄せた」と語った。さらに、今回のボトルは建築界の巨匠フランク・ゲーリー(Frank Gehry)が手掛けた、彫刻作品のような特別仕様となっている。キャヴァリエはゲーリーとの対話と彼がデザインしたルイ・ヴィトン財団の建物からインスピレーションを得たと回想した。「流動的なルイ・ヴィトン財団のガラスは、太陽光が反射して刹那的な輝きを放つことをゲーリーが教えてくれた。私がこのガラスを眺めている時、周辺の花や木々が風に揺られて優しく香り、この瞬間をボトルに詰め込みたいと思った。”風"こそが最高のフレグランスであり、自然の香りが風と共に華やぐ一瞬と、個々の感情を呼び起こすフレグランスが完成した」と説明するキャヴァリエ。
今回発表された、10月に発売予定のウィメンズフレグランスは5種(各税込7万7000円予定)。“ダンシング・ブロッサム(Dancing Blossom)”はローズを中心に中国産のジャスミンやスイセンなどの香りを織り交ぜ、満開の花々が風に揺られてダンスしているイメージからその名が付けられた。“コスミック・クラウド(Cosmic Cloud)”は、爽やかな南アフリカ産のムスクに、カシスやウッドで自然な甘みをほのかに加え、美しい庭園に漂う柔らかい香りを凝縮させた。キャヴァリエが「最もエレガントな香り」と表現する“ラプソディ(Rhapsody)”は、ジャスミン、ベルガモット、ローズ、マテといったフルーティな香りが美しいハーモニーを奏でるイメージで調合したという。“シンフォニー(Symphony)”はフルーツを切った瞬間のフレッシュな香りをボトルに詰め込むため、ジンジャー、グレープフルーツ、ベルガモットで構成されている。発表会の参加者に最も好評だったのが“ステラー・タイムズ(Stellar Times)”。オレンジやベルガモットの官能的な香りに、マテを加えることで奥深さを一層させた。
新作フレグランスとともに、ゲーリーが同ブランドのクラシックなトランクを再解釈したボックスも発売となる。「誰もが過去に香った経験のある香りは、各々の記憶と感情を結びつけ、この瞬間に蘇らせる。ラグジュアリーが意味するのは“強い感情”であり、ブランドのDNAの一部となる新たな香水が生まれた」とキャヴァリエは締めくくった。
ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける
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渡辺淳弥が手掛ける「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN)」は2022年春夏コレクションのファッションショーを7月8日に行った。会場の東京・南青山の本社の一室には、イギリス人写真家のジェイミー・ホークスワース(Jamie Hawkesworth)によるブータンで撮影した写真がウッドの壁一面に飾られていた。
ファーストルックから10ルックまでは、グラフィックTシャツにサルエルのパンツの軽快なスタイル。頭はストローハット、足元はグルカサンダル、テキスタイルのショルダーバッグを合わせて、夏の旅を連想させるカジュアルな装いだ。今季はカメラを持つ若き写真家のジェイミーがブータンを旅する姿をイメージ。「ジェイミーから送られてきたブータン、カザフスタン、インドで撮影した写真の中で、ブータンが心に刺さった」と渡辺のプレスノートには記されていた。
色鮮やかなグラフィックは、グローバルで活躍するアーティストとの協業によるもの。日本の現代美術家の田名網敬一をはじめ、タイ人イラストレーターのファナパスト・タイチャメールコール(Phannapast Taychamaythakool)、ロンドン在住の中国人アーティストのジャッキー・ツァイ(Jacky Tsai)、中国・深センのルロン・ワン(Rlon Wang)、ネパールのアン・ツエリン・シェルパ(Ang Tsherin Sherpa)、カリフォルニアを拠点にする中国人写真家のシュエビン・ドゥ(Xuebing Du)、ベトナムの絵本作家デュオのクアン&リアン(Quang & Lien)、ポーランドのマルタ・オルガ・クララ(Marta Olga Klara)らのアートワークで、異国情緒な雰囲気を漂わせる。また東京・原宿のビンテージショップ「ベルベルジン(BerBerJin)」のビンテージウエアから転写した柄も採用。ペイズリーやマドラスチェック、民族柄をジャケットの袖、背面などにコラージュが際立つ。
他にもコラボレーションは豊作。ショー中盤に登場したアウターは「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」やイギリス発のアウトドアブランド「カリマー(KARRIMOR)」と、ミリタリージャケットは「アークエアー(ARK AIR)」、ブレザーは「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」との協業によるもの。サルエルデニムは「リーバイス(LEVI’S)」、ワークパンツは「ディッキーズ(DICKIES)」とのダブルネーム。スニーカーは「ニューバランス(NEW BALANCE)」のアイコニックモデル“574”をベースにした新作コラボ、バッグはイタリア・フィレンツェ発の「イルビゾンテ(IL BISONTE)」と、アイウエアはアメリカの「ランドルフ(RANDOLPH)」とそれぞれのカテゴリーで老舗ブランドとタッグを組んだ。
軽やかに国やカルチャー、テイストを超越した今季のウエアからは、再び自由に旅を楽しむ希望が感じられた。先の読めない事態は続いているが、この商品が店頭に並ぶ頃には、回復した新しい未来を期待したい。
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「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN)」が2022年春夏コレクションを発表した。
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「ラストフレーム(LASTFRAME)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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化粧品メーカーのビナ薬粧は、モデルやインスタグラマーとして活躍中のるうことの協働で、コスメブランド「ハオ(HAO)」をリリース。同ブランド公式サイトで販売を開始した。
るうこは、インスタグラムで15万人超のフォロワー数を持ち、さまざまな雑誌や広告、PVなどで活躍中。プロデュースに当たっては何度も試作を重ね、色みや質感だけでなく、容器や外箱にも彼女のこだわりが詰まっている。
第1弾製品は、チーク、アイシャドウ、リップとしてマルチに使えるクリームタイプのマルチカラー“ハオ クリームカラー”(全2色、各税込1760円)と、ハイライトやアイシャドウに使えるクリームタイプのフェイスカラー“ハオ クリームカラー F”(全1色、税込1760円)だ。
“ハオ クリームカラー”は肌にすっとなじみ、透明感のある発色でふんわりと色づくことが特徴。仕上がりはさらっとしてベタつかず、落ちにくいため長時間つけたての発色をキープする。チークやアイシャドウとして使えばほどよい艶感を演出し、リップとして使えばセミマットな仕上がりになる。
肌なじみのよいテラコッタ“赤陶(チータオ)”と、柔らかな印象のサーモンピンク“鮭魚粉(グエイユーフン)”の2色で、個性的な色名にも注目だ。
“ハオ クリームカラー F”は、輝きのあるテクスチャーで上品な艶をプラス。単色で使用しても他の色に重ねても、透明感と立体感を演出してくれる。カラーは、輝度が高く上質な輝きをもたらす“象牙(シャンヤ)”だ。
デリケートな目もとや頬、唇に使う製品であるため、スキンケアオイルにもよく使われる天然オイル(保湿成分のオリーブ果実油、ホホバ種子油)を配合している。
ブランド名の「ハオ」は中国語の“好”で、“good”や“very”などたくさんの意味を持つ言葉。挨拶や会話の途中など、日常会話で当たり前のように使用する言葉なので、「このコスメもそんな存在になってほしい」という思いを込めて名付けたという。
発売に際し、るうこは「“あなたのそばにある当たり前”をコンセプトに開発した。特別なモノではなく、毎日使うモノの1つとして、いつもそばに置いておいてほしい。毎日当たり前に使うモノ、定番の色だからこそ、迷うこともある。そんな女の子たちが毎日のルーティンのように『今日も使っちゃった!』と思うコスメになってくれるとうれしい」とコメントした。
「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢をゲストデザイナーに迎えた「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER 以下、ゴルチエ)」の2021-22年オートクチュール・コレクションが、1年の延期を経て、7月7日に発表された。会場は、同メゾンの本社。数々のアイコニックなデザインを生み出してきた「ゴルチエ」と、ハイブリッドスタイルで日本から世界へと羽ばたいた「サカイ」という2つの世界が共鳴するように溶け合い、美しく力強いコレクションが誕生した。
「今回手掛けるにあたって、ゴルチエさんのDNAや良さを残したいと思った。20代の頃から彼のコレクションが大好きで、意識したのは、そのハッピーな感じと既成概念を壊すという”自由さ”。ただ、昔の『ゴルチエ』と同じということではなく、あくまで『サカイ』らしく、そして2021年の今に合った洋服にしたかった」。そう阿部デザイナーが話すように、披露した31体はマリンボーダーやコルセット、コーンブラといったゴルチエのエッセンスとアトリエの力を生かしながら、異なる要素のハイブリッドや軽やかで透け感のある素材使い、手の込んだケーブルニット、立体的なシルエットなどで「サカイ」らしさを表現している。
例えば、ファーストルックのピンストライプのコルセットドレスには、同柄のオーガンジーで仕立てたオーバーサイズシャツを組み合わせ、そこにビスチェをプラス。トレンチコートはバッスルやテントのようなシルエットで再解釈し、テーラードのコートドレスにはフェティッシュなレースアップでボンバージャケットのパーツをドッキングする。また、フェイクファーと「JPG」のマークをあしらったアウターは、阿部デザイナーの記憶に強く残っていた1994-95年秋冬のショーショーでビョーク(BJORK)が着用したジャケットを参考にしたもの。デニムアイテムは「リーバイス(LEVIS)」の古着をアップサイクルし、マリンボーダーやタータンのドレスはテープ状にカットした切りっぱなしの生地を重ね合わせている。
ラスト2ルックは、ブルーのワークウエアをサテンと組み合わせて、ドレスライクにアレンジした。その足元を飾るのは、「ナイキ(NIKE)」とのトリプルコラボによる”LD ヴェイパー ワッフル(LD Vapor Waffle)”。ショー直後から「ゴルチエ」の公式サイトで開始した先行オーダーは即完売状態になり、9月末の発売時にも話題を集めることは間違いないだろう。
多くのルックに取り入れたセカンドスキントップスやレギンスのタトゥープリントは、「サカイ」でもコラボレーションしているタトゥーアーティストのドクター・ウー(Dr. Woo)が描いたもの。ヘアはグイド・パラウ(Guido Palau)、メイクはダイアン・ケンダル(Diane Kendall)、音楽はミシェル・ゴベール(Michel Gaubert)、シューズはピエール・アルディ(Piere Hardy)と、これまでの「サカイ」のコレクションでも一緒に取り組んできた顔ぶれが脇を固めている。
今回のコレクションはコロナ禍に4回渡仏して作り上げたもので、「渡航のたびに隔離しなければならず大変だったけれど、ZOOMでのやりとりでは決して作れなかった」と阿部デザイナー。初めてのクチュール制作については「私たちは常にたくさんじゃなくていいからスペシャルな服を届けたいと思っていて、『サカイ』の服も大量に生産して売るようなものではない。けれど、今回のオートクチュールは、その究極の形。本当に好きなように作らせてもらって、とても楽しかった」と、清々しい表情で話す。
一方、ゲストの一人としてショーを見守ったゴルチエは「質問があれば答えるよという感じで、あとは完全な自由を与えた。自分が関わり始めると、ついついコントロールしたくなってしまうからね(笑)」と説明。また、今回の人選については、「最初のゲストデザイナーとして『サカイ』の千登勢を選ぶのは、とても簡単だった。自分の後にコレクションを手掛ける一人目は女性にしたいと思っていたし、彼女のクリエイションには自分がこれまでやってきたことと共通する部分が多い。同じスピリットを持ちながらも、彼女らしい新たな方法でエネルギーをもたらしてくれた。とても喜ばしいことだ」と笑顔で語った。
なお、ゴルチエは20年1月にランウエイを引退。今回から、毎シーズン異なるゲストデザイナーを迎えてオートクチュール・コレクションを発表する。来シーズンの人選は、まだ明かされていない。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員
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「ウェルダー(WELLDER)」が2021-22年秋冬コレクションを発表した。
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LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON、以下LVMH)傘下のイタリアのラグジュアリーブランド「フェンディ(FENDI)」は、LVMHとイタリアの大手眼鏡企業マルコリン(MARCOLIN)の合弁会社であるティリオス(THELIOS)と、アイウエアカテゴリーでデザイン・開発・製造・流通における独占的パートナーシップを結んだと発表した。
セルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)=フェンディ会長兼最高経営責任者は、「LVMHグループに属する2社が力を合わせ、アイウエア分野においても『フェンディ』がトップブランドであることをアピールしたい」と話す。
両社の協業による商品は2021-22年秋冬コレクションで発表され、「フェンディ」の直営店や公式オンラインストア、またティリオスの持つ流通ネットワークで販売予定だという。
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1日8食、ジャンクフード漬けの超不健康児から超健康優良児へと大変身を遂げたフリーアナウンサーの名越涼。およそ15年かけて自らの体で人体実験を繰り返してきた結果、“超絶良かったもの”だけを余すことなくお伝えする。今回は入手困難で話題を集めた韓国発の炭酸パックについて。
おうち美容でますます注目されている炭酸パック。数ある商品の中で今回ご紹介するのは、韓国の製薬メーカーが開発した「カーボキシー(CARBOXY)」“カーボキシー炭酸パック”。海外ではすでに人気のこの炭酸パックが去年、ついに日本でも販売開始!一時期は売り切れで入手困難になるほど話題を集めたこの製品、その効果に感動した人の口コミがSNSでも溢れている。名越ももちろん、去年から愛用していて“ここぞ”という時の心強い助っ人として常備している。あれこれ試すけど、結果、ここに戻ってくる……そんなすごい高濃度炭酸パックについてお伝えしよう。
そもそも炭酸パックとは、医療現場で皮膚疾患の治療のために開発され、床ずれなどの肌の再生治療のために行われていた炭酸療法のことで、その治療を応用して、美容分野でも炭酸パックが広く使われるようになったそう。炭酸ガスを皮下組織に注入すると細胞が酸欠状態となり、大量の酸素を必要とする状態に。その結果、血中の酸素が細胞に運ばれるので、細胞組織の新陳代謝が活発になるのだという。また、炭酸には血管拡張作用があるという特徴が。抹消の血管が拡張して血液量が増えることで細胞に栄養がしっかりと行き届くというわけ。炭酸パックをすると肌艶が良くなったり毛穴がきゅっと引き締まったり、肌質そのものが改善されるように感じるのにはこうした作用があるからなのね(納得)。しかもうれしいことに、従来の炭酸パックの炭酸濃度(CO2)は多くておよそ1万ppmだそうだが、カーボキシーは5万ppmの炭酸濃度だという。つまり、5倍(!)。顔だけでなく、ボディーにも使え、セルライトやストレッチマークのケアまでできるという優れもの。炭酸濃度に加えキク花エキスやハナマス、アカマツなど13種類の美容成分も含まれているので、肌の基礎力UPに期待大。
普通、炭酸パックは2剤を混ぜて肌にのせるというのが一般的だが、「カーボキシー」は違う。面白いのは白いシートマスクに炭酸が練り込まれているというところ。首用マスクもついているので、気になる首のシワもしっかりケアしよう。
ジェルを出して、顔に塗布。ハッカのような爽快な香りが気持ちいい
まんべんなく塗り終えたところで、炭酸シートマスクをオン!おでこから順番に肌にしっかり密着するように貼り付けていくのがポイント。シートマスクが肌に触れた瞬間に「しゅわわわ〜」と結構激しく音を立てて炭酸が発生。ピリピリ、ぱちぱちと、最初はその刺激の強さに驚き「うおお!」と声が出そうになるけど、5分もたてば落ち着くので慌てずに。手で顔を優しく包みながらパチパチワールドを楽しもう。この強炭酸がくせになるのよね。
ここからは名越オリジナルの使い方。塗布するジェルを少し残しておいて、ほうれい線や目の下など気になるところにシートマスクの上からジェルをオン!上から優しく手で包み込み、2度目のパチパチでさらに肌を活性化。
20分後、ゆっくりシートマスクを外して、ジェルを水で流してお手入れ完了。
もちっと柔らか、くすみのとれた肌にるんるん。特に翌日の朝、むくみのないキリッと引き締まった自分を見てきっと感動するはず。これまでの炭酸パックに満足できなかった人、5倍濃度の「カーボキシー」、ぜひお試しあれ。
名越涼/フリーアナウンサー。香港出身。福井と愛知のテレビ局アナウンサーを経て独立。司会やライター、セミナー講師、企画・プロデュースなど幅広く活躍するパラレルワーカー。趣味・特技は手作り発酵食、食文化研究、ヨガ(歴15年)eスポーツと農業にも精通
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「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」が2021-22年秋冬オートクチュール・コレクションを発表した。
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「WWDJAPAN」7月12日号は、2020年12月期の売り上げに基づく「世界のビューティ企業TOP100」特集。ここでは、日系企業の花王やコーセーに加え、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JOHNSON & JOHNSON)やヘンケル(HENKEL)など日本でも馴染みのある企業がランクインした11〜25位企業の商況を紹介。今期は韓国で首位を走り続けてきたアモーレパシフィック グループ(AMOREPACIFIC GROUP)が初めて競合のLG ハウスホールド&ヘルスケア(LG HOUSEHOLD & HEALTHCARE)に抜かれ、Kビューティ市場の勢力図も変化した。
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20年3月、ロレアル(L’OREAL)に「ミュグレー(MUGLER)」「アザロ(AZZARO)」を売却した。大幅な売り上げ減はフレグランス事業から撤退したことによるが、同事業以外の売り上げは前年比10%減だった。
20年は中国事業に加えてコロナ禍におけるデジタル面の強化が功を奏した。美容部員が消費者に診断や製品アドバイスを無料で提供する個別相談サービス「クラランス アンド ミー(Clarins and me)」を各国のウェブサイトで導入。フランスではサブスクリプションサービス「クラランス アンリミテッド(Clarins Unlimited)」の提供を開始。消費者は2カ月ごとに好きな製品またはサプライズパッケージの受け取りを選択することが可能で、3つの価格帯が設定されている。11月にはバーチャルストアもオープンした。
21年1月には、創業者のジャック・クルタン・クラランス(Jacques Courtin-Clarins)の孫娘にあたるヴィルジニー・クルタン・クラランス(Virginie Courtin-Clarins)がデピュティCEO兼CSR担当のトップに就任した。
オンラインの成長および中国を中心としたアジア市場の回復により、20年の業績は比較的堅調に推移した。世界各地でソーシャルコマースに注力した結果、4〜12月はオンライン売り上げが前年同期比71.8%増加し、全体の38.1%を占めた。
「ロクシタン(L’OCCITANE)」は、ボディーケアやハンドケアなどの分野にフォーカスしたことで売り上げを伸ばした。19年に買収した「エレミス(ELEMIS)」はアジアを中心に市場を拡大し、デジタル戦略に基づいて事業を展開。7月には中国のセフォラ(SEPHORA)で独占販売を開始し、フランス、ドイツ、イタリア、香港、台湾、シンガポールではECサイトも開設した。一方米国法人のロクシタンU.S.(L’OCCITANE U.S.)は、21年1月に日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を申請した。
サステナビリティでは、遅くとも23年までに「Bコープ(B CORP)」認証の取得を目指す。21年1月には、アジア市場で豊富な経験を持つシャネル(CHANEL)元幹部のイブ・ブルアン(Yves Blouin)が、エグゼクティブ・ディレクター兼グループ・マネジング・ディレクターに就任した。
米国のウォルグリーンズ、英国のブーツは共に薬局として生活必需品を販売しているとされていたものの、コロナ禍で来店客数が減少し、ビューティ分野の収益が年間を通じて減少した。一方でオンラインの売上高は大きな伸びを示した。
ブーツでは、7月に従業員の7%に相当する4000人以上の削減計画を発表。21年初頭に発表された医薬品の卸売事業独立の動きに伴い、中核となるリテールの薬局事業にフォーカスできると見られている。
英国を代表するスキンケアブランドの「No7」は、ブランド初のレチノール入り美容液を発売し、一時10万人が入荷待ちをしていたほど高い人気を博した。ロックダウン期間中にはバーチャルカウンセリングも開始し、デジタルにも力を入れた。
人事では、スターバックス(STARBUCKS)やウォルマート(WALMART)で役員を歴任したロザリンド・ブリュワー(Rosalind Brewer)を3月に新CEOに任命。ブリュワーは同社最大の個人株主で、エグゼクティブチェアマンに就任したステファノ・ペッシーナ(Stefano Pessina)の後任だ。
昨年に続いてポートフォリオ全体で売上高が大幅に減少。スキンケアがけん引し好調だった「エリザベス アーデン(ELIZABETH ARDEN)」でも今期は2ケタ台の減少を記録。20年3月には2億3000万ドル(約243億円)超のコスト削減を見越してリストラ計画を発表した。またジェフリーズ ファイナンス(JEFFERIES FINANCE)が最大8億5000万ドル(約901億円)の資金を提供することでシニア債の借り換えを行うことも発表した。
新型コロナの影響で20年4月には従業員に一時帰休や時短勤務を要請。7月にはこれまでフレグランスを手掛けてきた高級ランジェリーブランド「ラペルラ(LA PERLA)」とのライセンス契約が終了。「ラペルラ」は自社内で化粧品会社を立ち上げ、メイクアップやボディーケアの展開を開始した。
20年末に投資会社のKKRとコティが合弁会社を設立し、コティのプロフェッショナル事業部を独立。KKRが株式の60%、コティが40%をそれぞれ保有している。これまでプロフェッショナルブランドはコティの下で安定した業績を上げていたが、ヘアサロン・ネイルサロン専売品が中心のため新型コロナの影響によるサロン休業が響き今年は売り上げが減少。プロフェッショナル用ヘアケアの売上高は19%、リテール用ヘア製品は6%減少した。
人事では、10月にはCEOにアニー・ヤング・スクリブナー(Annie Young-Scrivner)前ゴディバ(GODIVA)CEOが就任した。デレン・タスキラン(Deren Taskiran)はチーフ・トランスフォーメーション・オフィサーに、ビル・ベイリー(Bill Bailey)はコーポレートおよびビジネス開発のシニア・バイス・プレジデントに就任した。
ビジネスの大半が直販にもかかわらず、実店舗の休業が大きく響き売り上げを落とした。看板ブランドの「イヴ・ロシェ(YVES ROCHER)」の売上高は前年比15%減となった。一方で「アルボンヌ(ARBONNE)」は約23%増加し、グループ全体の売り上げの26%以上を占めるまでになった。
サステナビリティに引き続き注力し、「イブ・ロシェ」は濃縮シャワージェルとシャンプーに加え、バイオ由来マニキュアを発売した。10月からは自社工場で製造する全てのペットボトルをリサイクルPETで製造し、2700トンのプラスチックを節約した。「アルボンヌ」はレチノールに代わる植物由来の成分、バクチオールを配合した“エイジウェル”シリーズを発売。またリサイクル事業を手掛けるテラサイクル(TERRA CYCLE)と提携して、製品回収にも力を入れる。
生産拠点のローカル化も進め、製品の主要成分であるフローラルウオーターを自社生産に切り替えた。
日本市場は外出自粛や訪日外国人旅行客の減少により打撃を受けたが、「コスメデコルテ(DECORTE)」や「アルビオン(ALBION)」は化粧品専門店での売り上げが急速に回復し、そのほかの主要チャネルでも復調の兆しが見られた。自社のECチャネル「メゾン コーセー(MAISON KOSE)」の売り上げも一貫して好調だった。しかし、新型コロナの影響で日本国内の売上高は第3四半期まで減少傾向にあった。
中国ではeコマースの売り上げが引き続き増加しており、免税品が堅調に推移する中でデパートも回復。中でも好調だったのは「コスメデコルテ」。韓国、台湾、その他アジア諸国では、新型コロナの影響を受けつつも売上高は20%強の伸びを示した。欧米では「タルト(TARTE)」のeコマースが好調だったが、北米全体での売上高は12月までの9カ月間で19.4%減少した。
コーセーは26年の創業80周年に向けて「ビジョン2026」の戦略を掲げ、グローバルかつボーダーレスな次なる成長ステージに向けて活動している。
コロナの影響でハンドソープやスキンケアの売り上げが大幅に伸びた。近年プレミアムやクリニカルスキンケアブランドにも注力しており、ダーマコスメブランドの需要が伸びる中で「フィロルガ(FILORGA)」「エルタMD(ELTAMD)」「PCA スキン(PCA SKIN)」などがオンラインを中心に成長した。多くのパーソナルケアブランドが供給に支障を来たす一方で、サプライチェーンの混乱を最小限に止めた結果、「プロテックス(PROTEX)」「アイリッシュ スプリング(IRISH SPRING)」「ソフトソープ(SOFTSOAP)」などの売れ行きが好調となった。
スキンケアのノウハウをオーラルケア事業に生かし、美容とオーラルケアの両方を兼ね備えた製品も発売した。20年初めに買収したオーラルケアの「ハロー(HELLO)」でもリップバームとデオドラントを発売するなど、ビューティ分野に更なる機会を見出している。25年までに全てのパッケージを100%再利用、堆肥化可能なものにする計画も発表した。
2019年は新製品が少なく売り上げを落としたが、20年はコロナニーズに対応した製品を発売し前年の数字をクリア。ARを用いたバーチャルショールーム「スイート13(Suite13)」や、人工知能でユーザーの肌を分析し、50万枚以上の写真データを元に商品を提案する「スキンアナライザー(Skin Analyzer)」など、オンラインでの美容体験を可能にする新しいツールを開発しDXを推進した。
今後は中国市場に注力すべく、ウェンディ・ワン(Wendy Wang)をアジア太平洋地域のチーフ コマーシャル オフィサーに任命した。一方で近年の業績の悪化を受け、1971年に参入した豪州およびニュージーランド市場から撤退した。
実店舗の休業とトラベルリテールの制限が大打撃となる中で、国内外でライブコマースをはじめとするデジタルプラットホームの活用を強化した。その結果、韓国国内のオンライン売り上げを50%伸ばすことに成功した。
「ソルファス(SULWHASOO)」の“ジャウムセン”シリーズや「レネージュ(LANEIGE)」の“ネオ クッション ファンデーション”、「アイオペ(IOPE)」の“レチノール エキスパート”、「リョ(RYO、呂)」のヘアケアライン“ジャヤンユンモ”といった看板商品が好調だった。さらに韓国で高級スキンケアブランド「シエヌ(SIENU)」やスカルプケアの「ラボ-H(LABO-H)」など、プレミアム市場向けの新ブランドをデビューさせた。
海外では中国で「ソルファス」が好調で、米国ではセフォラ(SEPHORA)にも初出展した。欧州では「レネージュ」が好調だった。「エチュード ハウス(ETUDE HOUSE)」はアジアの主要マーケットで、「イニスフリー(INNISFREE)」は北米で直営店舗網を縮小し、グループ全体でマルチブランドストアへの出店を強化した。
20年5月には豪州の高級スキンケア企業、ラショナル グループ(RATIONALE GROUP)に投資し、12月には美容専門のMCN(Multi-Channel Network)企業、DMILに30億ウォン(約2億7000万円)を投資することも発表した。
2020年1月に就任したカルステン・ノーベル(Carsten Knobel)CEOのもと、新たなビジネス戦略を掲げ、今後サステナビリティやDXを加速させる。戦略の一環として10億ユーロ(約1210億円)以上を売り上げるブランドの約半分を年内に終了・売却する予定だ。その代わり、最新のトレンドやニーズに応えるブランドの買収を視野に入れており、20年はドイツの自然派パーソナルケアのD2Cブランド「ハロー ボティー(HELLO BODY)」「バナナ ビューティ(BANANA BEAUTY)」などを擁するインビンシブル ブランズ ホールディング(INVINCIBLE BRANDS HOLDING)の株式75%を取得した。
米国では理美容師と協業し性別やスタイルにとらわれないグルーミングブランド「ステートメント(STMNT)」を開発し、9月にウルタ(ULTA)に参入した。アマゾン(AMAZON)と開発したAI技術のデジタルヘアカラー試着ツール「チョイシファイ(Choicify)」も導入。「シュワルツコフ(SCHWARZKOPF)」では美容師が「サロンラボ(SalonLab)」のツールで髪をスキャンすることで、データに基づく提案が可能となった。「N.A.E.」「ネイチャー ボックス(NATURE BOX)」ではプラスチック不使用のパッケージを、主要ブランドのヘアカラーパッケージにはリサイクルのアルミチューブをそれぞれ採用した。また、社内のアイディア工場兼インキュベーターのフリッツ ビューティ ラボ(Fritz Beauty Lab)も立ち上げた。
リテール部門は北米のボディーケア、ヘアカラー需要が2ケタ増と大きく成長したが、地域全体ではヘアサロンの休業によってプロフェッショナル部門が低迷し、売上高は横バイとなった。中国、東欧の売上高は好調だったが、西欧とアジアは減収となった。ヘアケア、スタイリング製品、スキンケアは全て売り上げを落とした。
16年以降CEOの交代が続いており、2020年頭にジミー チュウ(JIMMY CHOO)からピエール・デニス(Pierre Denis)を起用し、その後すぐにピーター・ハルフ(Peter Harf)が、その1カ月後にスー・Y・ナビ(Sue Y. Nabi)をCEOに迎え入れた。ナビCEOのもと「ウエラ(WELLA)」「クレオール(CLAIROL)」「OPI」「GHD」などを含むプロフェッショナル事業部を米投資会社のKKRに売却。また20年はカイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)の「カイリー・コスメティクス(KYLIE COSMETICS)」の過半数株式を取得し、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)の「KKW ビューティ(KKW BEAUTY)」の株式も20%取得するなど、ビッグニュースが続いた。
新型コロナの影響やプロフェッショナル事業の売却により売り上げは大きく落としたが、年間を通じてeコマースに注力したことで第4四半期にはEC売り上げが40%増加した。コンシューマー部門は引き続き苦戦しており、第4四半期の売り上げは23%減となった。プレステージ事業部では「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」の契約が終了した一方で、「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」の新作フレグランス“パーフェクト”はトップセラーになった。
今後はカイリー・ジェンナーが手掛けるスキンケアライン「カイリー・スキン(KYLIE SKIN)」のアジア進出や「KKWビューティ」のスキンケアラインの開発を計画するほか、ナビCEO自身のスキンケアブランド「オルヴェーダ(ORVEDA)」の買収も検討している。
健康や身の安全に気を遣う人が増える中、サイエンスをベースにしたプロフェッショナルビューティブランドを中心に扱うジョンソン・エンド・ジョンソン(JOHNSON&JOHNSON)は、ビューティ事業の売り上げを前年比3.1%減にとどめた。
中でも米国の皮膚科医から支持されるスキン・ボディーケアブランド「アビーノ(AVEENO)」がこの恩恵を受け、売り上げをけん引した。また「ニュートロジーナ(NEUTROGENA)」の“ラピッド リンクル リペア”が米国でエイジングケア製品の売り上げ第2位に輝き(IRI調べ)、“ハイドロ ブースト”シリーズの保湿クリームやクレンジングもそれぞれのカテゴリーで第2位、UVケアやニキビケア製品も好調だった。ヘアケアブランドの「OGX」は米国での人気が高く、シャンプー・コンディショナー共に年間トップセラーにランクインした。日本では「ドクターシーラボ(DR.CI:LABO)」をリブランディングし、好調だった。
また、プラスチックの代替品や成分表示の透明性、UVケアの安全性に関する教育といった取り組み「ヘルシー ライブス ミッション」を20年9月に発表し、8億ドル(約848億円)を投じる。25年までには「ル プティ マルセイユ(LE PETIT MARSEILLAIS)」「ニュートロジーナ」「OGX」「アビーノ」などのパッケージを全て再利用、堆肥化、リサイクル可能なものに変更する計画も盛り込んでいる。
プレステージブランドの強化やデジタル化を進めたことでホームケア&デイリービューティ事業部が成長。その結果、競合のアモーレオアシフィック グループ(AMOREPACIFIC GROUP)を抜き、初めて韓国国内最大の化粧品企業の座を獲得した。トラベルリテールの閉鎖でビューティ部門の全体の売上高は13.7%減少したが、ラグジュアリーブランドはわずかに成長した。
前年比21%増を記録した中国市場がけん引し、ビューティ部門の海外売上高は12%増加した。オンラインの拡充やデジタルマーケティング、ライブコマースを強化したことで、パーソナルケアブランドによる収益も増加した。
新製品にはマイクロバイオームの技術を取り入れており、ヘアケアブランド「ドクター グルート(DR.GROOT)」は頭皮の常在菌のバランスに着目してパラ プロバイオティクス、プレバイオティクスをベースにした製品を発売した。ボディーケアブランド「ヴェールメント(VEILMENT)」も同様の技術を製品に活用した。5月には英グラクソ・スミスクライン(GLAXOSMITHKLEIN)からダーマコスメブランド「フィジオジェル(PHYSIOGEL)」のアジア・北米における事業権利を1億2500万ポンド(約171億円)で買収し、中国、日本、米国でのローンチを進めている。
SRI+(全国小売店パネル調査)によると、訪日外国人旅行者の激減や外出自粛、マスク着用などで日本の化粧品市場の売り上げは前年に比べ22%落ちたという。中でもメイクアップ市場は同25%減、リップメイクは同51%減、ベースメイクは同28%減だった。花王はメイクアップ製品の比重が市場平均よりも10%ほど高いため、特に影響を受けたという。同社の化粧品事業を見ると11のグローバルブランド(G11)の社内における売り上げシェアは10%、国内戦略ブランド(R8)は28%減少した。
一方でスキンケアの売上高は10%増加したほか、日本ではハンドソープの売り上げが3倍に膨らんだ。また、日本でのeコマースの売上高は同20%増、全体の売り上げに占める割合は19年の7%から10%に増加した。
中国の売上高は同20%増と全体をけん引し、中でも「フリープラス(FREEPLUS)」や「キュレル(CUREL)」を中心に敏感肌にアプローチしたダーマブランドが人気だった。オンライン販売を強化した結果、EC事業は1.5倍に成長し、売上高に占める割合は70%となった。
その他アジア地域での売上高は前年比20%減となった。米国では「モルトン ブラウン(MOLTON BROWN)」のeコマース販売シェアが前年度の21%から46%に上昇したが、ブランド全体の売上高は7%下落した。
DESIGN:JIRO FUKUDA
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、ビューティメディアの編集長が「日本らしさ」を考える。
【賢者が選んだ注目ニュース】
一度聞いたら忘れられない 日本未上陸の「アクセルアリガト」
「ダムダム」が日本のクリーンビューティブランドとして初めて米セフォラに出店
ビューティやファッションにおいて、グローバルから見た日本ブランドの価値は相対的に高い。しかし、まだまだ日本市場だけに向き合っているブランドが多いのも確かだ。予想される日本の人口減と年齢分布を考えたとき、これからはグローバル市場の開拓も視野に入れるべきなのは明らかだが、ストーリーや哲学を強く打ち出す新興ブランドが世界で台頭している中、日本ブランドは長所や「らしさ」をどう打ち出していくべきなのだろう?
大きなヒントとなる記事を6月、「WWDJAPAN.com」の記事で見つけた。まずは、「一度聞いたら忘れられない『アクセルアリガト』 日本未上陸の北欧発シューズが絶好調」(6/15)だ。
ブランド名の「アリガト」は日本語の「ありがとう」が由来だが、スウェーデン発の「アクセルアリガトAXEL ARIGATO)」は日本で製造もしていなければ創業者に日本人がいるわけでもない。ついでにいえば記事タイトルにもある通り、日本未上陸だ。ただ、このブランドは創業者らが愛するミニマリズムを体現しており、そのインスピレーションを日本の文化や建築、デザインに宿るミニマルな美学から受けているという。そして「ありがたし」の意味を深く理解し、彼らのブランド名にその音を採用し、韻を踏み海外では少し奇妙に聞こえるかもしれない「アクセルアリガト」というブランド名にした。実際、ブランド名の由来について会話がはずむこともあるそうだ。
ここから学べるのは、これからは「日本製」「日本ブランド」という、これまで積み上げてきた質のよさ、モノづくりへの自信といったレガシーだけに頼るのではなく、「日本らしさ」を因数分解し、どう解釈し、ブランドの背景やストーリーにどう息づかせるかを明確にしていくことではないだろうか。
また「『ダムダム(DAMDAM)』が日本のクリーンビューティブランドとして初めて米セフォラに出店」(6/25)の記事で興味深いのは、このブランドがシンガポール版「ハーパース バザー」のジゼル・ゴー(Giselle Go)元編集長とパートナーのフィリップ・テリアン(Philippe Terrien)氏という、ともにグローバルな視点でファッション業界に関わってきた2人の目線で立ち上げられている点だ。
「ダムダム」の名の由来はタガログ語であり、成分にはこんにゃくや米など日本で昔からスキンケア成分とされてきたものを使い、その一方でスリランカの団体が支援する現地の女性たちが制作した布バッグをローンチにあたって採用する。さまざまな要素を含みながら、日本から発信するクリーンビューティとしてのポジションを築いている。
「ダムダム」と同じクリーンビューティブランドとして、「日本らしさ」を最大限生かした米国のプレステージスキンケアが2009年にローンチした「タッチャ(TATCHA)」だ。日本の芸者の美容法に着想を得てシルクや米、緑茶、海藻など日本古来の自然成分と、いわゆる日本式と呼ばれるステップの多いケアを推奨し、セフォラでも販売している人気ブランドだ。ロゴマークは家紋を思わるデザイン、パッケージの細部にはお盆や手鏡といったモチーフが使われている。どこか西洋のフィルターを通したオリエンタリズムでもあり、日本企業による日本ブランドが決してとらないアプローチでもあったように思う。18年には5億ドル(約555億円)でユニリーバに買収された。
「タッチャ」のアプローチもまた、さまざまなことをわれわれに教えてくれた。日本のユニークネスをどうローカライズし、どうリデザインすれば伝わるのかという一つの事例でもある。「タッチャ」の場合は、「日本らしさ」を丸ごと、いわば意訳のようなかたちで発信したが、ローンチから十数年がたち、時代は今、「らしさ」を丸ごと翻訳や意訳することよりも、そのブランドがどんな哲学を持ち、そのプロダクトでどんな世界を目指しているかを問う。日本ブランドであることだけでは、その問いには答えにくい。
インターネットがもたらしたさまざまな可視化で、あらゆる領域の境界線が溶けている。その中では「日本らしさ」にもさまざまな解釈があっていい。日本のアパレルもビューティ業界も、もっと自由に想像力を働かせ、さまざまな国のさまざまな世代、さまざまなジェンダーやアイデンティティーをもつ人たちの声を聞き、ターゲットも自由に定義してみることから始めてはどうか。新解釈の、あるいは揺るぎない理念の中に見える「日本らしさ」は世界のどこかで熱狂的なファンをつくり出すはずだ。