BLACKPINKのROSEも「サンローラン」のフロントローにカムバック 2022年春夏ショー来場者スナップ

 「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、パリ・ファッション・ウイークの公式スケジュールに復帰し、2022年春夏コレクションを9月28日(現地時間)に発表した。同ブランドがリアルのショーを行うのは20-21年秋冬シーズン以来。

 会場には、グローバルアンバサダーを務めるBLACKPINKのROSEがミニドレスにロングブーツの装いで登場。3度目となる現地でのショーを楽しんだ。ほかにも、21年春夏シーズンの広告キャンペーンに登場したモデルのアイラ・ピーターソン(Aylah Peterson)や、女優のタリア・ライダー(Talia Ryder)、ベティ・カトルー(Betty Catroux)、リブート版「ゴシップガール(GOSSIP GIRL)」に出演している女優エミリー・アリン・リンド(Emily Alyn Lind)やアリーシャ・ボー(Alisha Boe)、アシュトン・サンダース(Ashton Sanders)、ベアトリス・ダル(Beatrice Dalle)ら、多くのセレブリティが会場に駆けつけ、ショーの開催を祝福した。

The post BLACKPINKのROSEも「サンローラン」のフロントローにカムバック 2022年春夏ショー来場者スナップ appeared first on WWDJAPAN.

「バルマン」2022年春夏パリ・コレクション

 「バルマン(BALMAIN)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「バルマン」2022年春夏パリ・コレクション appeared first on WWDJAPAN.

アダストリア3〜8月期は計画未達 ロードサイド独立立地への出店も検討

 アダストリアの2021年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比16.3%増の926億円、営業損益が6億円の黒字(前年同期は44億円の赤字)、純損益が4億円の黒字(同24億円の赤字)だった。6〜8月の緊急事態宣言や天候不順が大きく響き、期初の計画には届かなかった。

 3〜8月期の振り返りとして、「(SC内を中心に)全国に出店することで成長してきた結果、現在国内には約1300店がある。しかし、SCではない(ロードサイドなどの)独立立地などへの出店や、ECの拡大など多様性を持たなければならない。今まさにさまざまな検討を進めている」と、9月30日に行われたリモート決算会見で福田三千男代表取締役会長は話した。同業他社では、まさにロードサイドの独立立地を中心とするしまむらが同じ3〜8月期で過去最高業績を叩き出している。同じく好調な「無印良品」も、ロードサイドを含む食品スーパー横への出店を成長戦略として掲げている。

 コロナ対応の3カ年計画として、2年目である22年2月期は出店や移転増床、新規ブランド育成などに積極的に投資し、3年目に売上高も回復させる青写真を描いている。しかし、SC以外の出店立地や、SCでもどのデベロッパーと組むべきかなどの検証を重ねているため、出店ペースは計画を下回っている。3カ年計画も「大きく変わる」見込みだ。

 3〜8月期は計画未達だったが、特に苦しかった6〜8月期間でも営業赤字は免れた。「(ワクチンの効果もあり)米国の市況は5月以降、かなり上向いてきている。同様に日本も、下期(9月〜22年2月)は回復してくる」(木村治社長)という期待もある。それにより、22年2月期連結業績予想は据え置いた。

The post アダストリア3〜8月期は計画未達 ロードサイド独立立地への出店も検討 appeared first on WWDJAPAN.

パラリンピック開会式を沸かせたデコトラ演出 衣装担当デザイナー小西翔に迫る

 2021年9月4日、東京パラリンピックが閉会した。新型コロナウイルス感染拡大による開催延期や厳しい感染対策など、さまざまな関門をくぐり抜けての実施となった。そんな中、パラリンピックの開会式・閉会式は高い評価を受け、SNSでは「デコトラがすごい」「強そう・かっこいい」「ラスボスが出てきた」などのコメントが飛び交った。デコトラ演出でパフォーマーが着用していた、LED付きの衣装も大きな存在感を放った。

 この衣装を手がけたのは、ファッションデザイナー小西翔。パーフォーマー約50人の衣装を、全てゼロからデザインした。小西デザイナーは1991年高知県生まれ。東京モード学園を首席で卒業し、パリやニューヨークの大学院でもファッションを学んだ人物だ。現在はニューヨークと東京を行き来し、世界で活躍するアーティストのコスチュームを多数手掛けている。

 取材当日の小西デザイナーは、全身ブラックの装いで長い髪を結んでいた。クールな人かと思ったが、満面の笑みで「パラリンピックの衣装に関われたことはデザイナーとして冥利に尽きます。こんなに嬉しいことはない」と話した。彼の愛嬌の良さと熱い信念を感じた。

「障がいというネガティブな要素を
吹き飛ばすビジュアルに挑戦したい」

 小西デザイナーが手掛けたのは、デコトラの演出でパフォーマーが着用した、LEDを全身に纏った衣装。蛍光色を基調としたカラフルな色合いと、甲冑のようなド派手な装飾が特徴だ。「彼・彼女たちにしか似合わない衣装にしたかった」との思いから、参加者一人一人の個性を考え、ゼロから衣装を作っていった。筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で車椅子にのった武藤将胤(むとう・まさたね)氏は、パワフルなキャラクターを反映してメンバーを率いる“ボス”のような強いクリエイションにした。義足モデルのGIMICO氏は、あえて義足をそのまま見せ、それ以外をサイボーグのように仕上げた。それぞれの装飾は鉄板のように重い質感に見えるが、実は特殊なレザーで薄く柔らかい素材。強さを誇張するため、あえてビスで留めている。ギタリスト布袋寅泰は、「踊るようにギターを演奏する」という話と、演出テーマ“WE HAVE WING”の羽に着想して、燕尾服をベースにフレアシルエットのジャケットをデザインした。

不安だらけの衣装製作
原動力は
「アスリートと変わらない演者の熱量」

 コロナ禍でのパラリピック開催については「もちろん不安もありました」と振り返る小西デザイナー。「オファーをいただいたときはニューヨークにいて、日本に戻れるかどうかもわからなかった。それに、これまで身体に障がいを持っている人のために洋服を作ったことがなかったから、この状況下で本当に完成させられるか心配でした」。

 2021年に入り、送られてきた資料に目を通すと演者の病名や身体の状態、注意事項等が明記されていた。しかし、文書だけでは演者の本当の個性がわからないため、「僕はそれぞれの演者さんと直接お話がしたいと提案しました」。演者と対面し、話を聞いていくうちに「どの人もパフォーマーとして芯があり、アスリートと同等の熱量がある」ことを痛感した。「僕も夢を追いかける人のサポーターでいたい」という気持ちが生まれ、「いつのまにか不安はなくなっていました」。武藤氏とは音楽活動の話で盛り上がり、「衣装はできるだけ光らせてください!なんでもやりますから」と答えてくれたという。その後も主要パフォーマーと対面し、それぞれの個性や内面に触れるにつれ、「義足モデルだからといって義足を目立たせたいわけじゃない。車椅子だから車椅子を光らすのも違う。それぞれの伝えたい意志やバックグラウンドが融合し、“個性”が“魅力”へと変貌する。そこに焦点を当ててデザインすることに決めました」。

パラリンピックの衣装は
「服作りの哲学が繋がる機会」

 小西デザイナーに声が掛かったきっかけは、衣装ディレクター伊藤佐智子氏の目に彼の過去作が止まったことだった。とあるプロジェクトで刑務所にいる少年と一緒に制作した作品と、パリ時代に考案した、LEDを駆使した“光るクリエイション”を採用した衣装だった。「多様な価値観と、オートクチュール、テクノロジー、サステナビリティの技術ーーこれまで培ってきたファッションの哲学が全て繋がる機会だと思いました」。

 小西デザイナーはパリ美術学校でオートクチュール&テクノロジー学科を専攻し、3Dプリンターとサステナビリティとの関係を論文で発表。その後パーソンズ美術大学に移り、多様な体、人種、性別、肌の色が異なる人々が集まるニューヨークで、“カテゴリーを取っ払った”美しさ”を考えるようになったという。「ニューヨークで”美しさとは何か”を多角的に議論する時間が刺激的だった。例えば美しい=色白と答えてしまうと、差別につながりますよね。男女や人種、障害の有無などカテゴライズを取っ払ったときの美しさとは何か。デザイナーとしてできることはーーこれを考えて、アイデアを練っていたタイミングでパラリンピックの衣装オファーが来ました」。

「マイノリティという枠を取っ払い、
徹底的に個人と向き合う」

 小西デザイナーがファッションデザイナーとして意識しているのは、「男性らしさや、女性らしさを見直されてきている中で、無意識にカテゴリー分けしないこと」だ。これは身体に障がいを持っている人でも変わらない。「車椅子だから、義足だからと枠にはめたらダメ。個人と向き合う機会が必要なんです」。ある出演者からは「終わったけど脱ぎたくない」という言葉をもらった。

 身体に障がいを持っている方にとって着せやすい・着させやすいという利便性だけでなく、彼・彼女らとしっかり向き合いデザインで昇華させる小西デザイナー。その姿勢は、当事者がファッションの素晴らしさを感じ取るかけがえのない機会になっただろう。パラリンピック開会式以外にも、身体障がい者がデザイナーと向き合い、特別な一着を着られる機会が増えて欲しい。

 小西デザイナーは今年3月、ファッションの教育を取り入れたスタジオスペース「ショウ コニシ デザイン ラボ(SHO KONISHI DESIGN LAB)」を世田谷区に開設した。「開会式の現場を肌で感じた経験を自分よりも若い世代に伝えていきたいです」と、教育者としての夢を語る。

The post パラリンピック開会式を沸かせたデコトラ演出 衣装担当デザイナー小西翔に迫る appeared first on WWDJAPAN.

カラーズから新ブランド「サウザンドカラーズ」デビュー 「ザ パブリック オーガニック」「トバリ」の知見を生かす

 東京発のオーガニック・ナチュラルコスメメーカーのカラーズは11月4日、同社初の社名を冠した新ブランド「サウザンドカラーズ(THOUSAND COLOURS)」を立ち上げる。デビュー時はオードパルファン13種(各25mL・各税込9350円、各100mL・各税込1万7600円)とディフューザー8種(各150mL・税込1万8150円、うち4種はオードパルファンと同じ香り、各150mL・各税込1万3750円)をラインアップ。デビューに先駆け、10月27日に伊勢丹新宿本店で開催するフレグランスの祭典「イセタン サロン ド パルファン」と三越伊勢丹の化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、公式オンラインストアで先行発売する。

 同ブランドは、カラーズが手掛ける精油の機能に着目した「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」の知見を生かし、橋本宗樹カラーズ社長が社長を兼務するTOBARIのフレグランスブランド「トバリ(TOBALI)」のDNAを引き継ぐ形で誕生。カラーズによる新ブランドは「ザ パブリック オーガニック」の誕生以来、5年ぶり。なお、「トバリ(TOBALI)」は11月3日にブランドを終了し、公式オンラインストアでは在庫がなくなり次第、販売終了となる。「サウザンドカラーズ」は、「トバリ」を展開する伊勢丹新宿本店やエストネーション、リステア、トゥモローランドなど約40店舗との取り扱いを引き継ぎ、販売する。

 カラーズは昨年創業20周年を迎え、環境や社会問題に取り組むプロジェクト“カラーズ ネクスト 20”をスタートした。発表から1年経過し、これまで精油レシピの公開やカーボンオフセットへの参加、国産植物原料の優先使用、児童養護施設やひとり親世代への寄付など成果を上げている。これらは2040年を指標にしたプロジェクトだが、「サウザンドカラーズ」はアプローチ方法を変え、“1000年の視点”をイメージするという。

 橋本社長は、「我々は、1000年先も変わらない価値を見出すことが使命だと考える。これまで1000年の間、世界人口は約20倍に増加し、地球温暖化の危機にさらされながら、予測不可能なまでに現代文明の進化を遂げてきた。現代においては、インターネットやSNSの普及に伴い人々の寛容性が失われつつあり、今もなお、貧困や差別、パンデミックといった不安定な情勢の渦中にある」と分析。それらを打破するためには、「先人たちが希望を抱き、険しい道を切り開いてきたように、一人一人が希望を持つことが何よりも大切だ。私たちが生きる現実を1000年の視点で俯瞰したとき、困難を乗り越えながら誰もが平等で隣人を思いやる時代があったように、明るくポジティブで、色鮮やかな世界であってほしいからだ。そこで『サウザンドカラーズ』を通じて、『1000年先の未来へ。あなたはいくつ、希望を生み出せるか。』と問いかけながら、人々の心に“希望の種”を植えたい。未来に向けて原動力になるように、カラーズを象徴するブランドに育成する」と話す。

 それら希望を多角的に届けるべく「サウザンドカラーズ」は、視覚・聴覚・嗅覚のプリミティブ(根源的)な感性を応用。視覚ではビジュアルに「真実を映し出す」報道写真を採用し、聴覚では心に響くメッセージ発信、嗅覚においては、“希望”を生み出す香りで本能に直接訴えかける。

 オードパルファンとディフューザーは3つのシリーズで構成。精油と合成香料を掛け合わせた“メタモルフォーゼ(METAMORPHOSE)”と合成香料100%の“エクスペリエンス(EXPERIENCE)”、精油100%の“アクティベート(ACTIVATE)”シリーズはディフューザー4種のみを展開する。

 “メタモルフォーゼ”は、希望にあふれる偉人に変身する香りをイメージ。マイクロRNAの発現に着目し、蜜蜂分泌成分のエレメントMを配合。ブランドを代表する“M2021 ユー アー ホープ オードパルファン”は、同シリーズの中で精油の配合比率が最も高く、アイリスやバイオレット、ムスクなどを配合したフローラルな香りが特徴だ。“エクスペリエンス”は、記憶の扉を開き、時空を超えて希望あふれる場所を経験する香りをイメージ。記憶の回路の扉を開ける酵母発酵エキスのエレメントEを配合する。“アクティベート”は、嗅覚生理学に基づき調合された精油の力で、心身から希望あふれるコンディションに導く香りをイメージ。オリゴペプチド-41とビオチノイルトリペプチド-1の成分エレメントAを配合する。製品名はシリーズの頭文字とともに、それぞれの香りをイメージした年代で名付けている。

 また、環境に配慮した持続可能なもの作りとして、既存にあるものを再利用しながら新たな価値を提供する。ボトルは既存の金型を採用し、リサイクルガラスを30%以上使用。化粧箱も既存型で作り、リサイクル率の高いダンボール素材を採用した。緩衝材は新聞紙と同じ紙を使用し、プラスチックや資源ごみの削減を目指す。さらに、公式オンラインストア限定で、購入代金の5%を希望の活動に寄付や支援ができる独自のプログラムをスタート。支援先は、次世代の子どもたちに希望を届ける「みらいこども財団」、CO2を減らし緑を守る「ブルードットグリーン」、LGBTなど多様性を包摂する社会作りを目指す「ReBit」。

 今後は、小売店をはじめ、メディアや原料メーカーなど、同ブランドに賛同する全ての人と対等なパートナーシップを結び、順次カテゴリーを広げていくという。

The post カラーズから新ブランド「サウザンドカラーズ」デビュー 「ザ パブリック オーガニック」「トバリ」の知見を生かす appeared first on WWDJAPAN.

火攻め、水攻め、風攻め ワークマンが「過酷ファッションショー」

 ワークマンは30日夜、「水上“Night”過酷ファッションショー」を開催した。東京・芝の東京プリンスホテルの屋外プールに設けられた水上ランウェイを会場に、2021-22年秋冬の新商品を紹介した。同社による“過酷ファッションショー”は3回目だが、屋外開催は初めて。これまで以上に強い雨風や吹雪を吹かせたり、初めて火柱を上げさせたりするなど、過酷な状況にも対応する高機能・低価格のウエアをアピールした。

 ショーには特別ゲストとしてモデルの土屋アンナのほか、“ワークマン・アンバサダー”として商品開発に参画するファッションスタイリストと山田耕史さん、ライフスタイル・ユーチューバーのかずひさんらも出演した。プールの上に作られたランウェイでは、暴風雨を再現してウエアの撥水性や防風性を伝えた。また溶接工の作業着を応用し、キャンプでのたき火やバーベキューへの防火性を持たせたアウターの機能を強調するのに、花火を上着に向けたり、ランウェイに火柱を立てたりした。

 ワークマンは8月末時点で国内918店舗。長期計画として1500店体制を目指して、作業着主体の「ワークマン」、アウトドアウエア中心の「ワークマンプラス」、ウィメンズを拡充した「#ワークマン女子」の出店拡大を進める。今後の成長のカギを握るのはウィメンズで、今回のショーではアウトドア向けだけでなく普段使いできる撥水プリーツスカートなども紹介していた。また来年春からはテントやイス、テーブル、食器といったキャンプ用品も販売する。

The post 火攻め、水攻め、風攻め ワークマンが「過酷ファッションショー」 appeared first on WWDJAPAN.

「N.ハリウッド」×「チャンピオン」×「ソフ」 トリプルコラボのフーディー、スエットなど

 「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」は「チャンピオン(CHAMPION)」「ソフ(SOPH.)」とのトリプルコラボのカプセルコレクションを10月1日に発売する。「チャンピオン」の公式オンラインストア、東京・渋谷と大阪・心斎橋にあるフラッグシップストア“チャンピオン ブランドハウス”で取り扱う。

 今年設立20周年を迎えた「N.ハリウッド」デザイナーの尾花大輔が、記念の特別企画としてコラボレーションを発案した。古着屋からキャリアをスタートした尾花は、「チャンピオン」の希少なビンテージスエットシャツを所有しており、「チャンピオン」との親交も深いという。

 用意するアイテムはフーディー(税込2万2000円)、スエットシャツ(同1万9800円)、スエットパンツ(同1万9800円)とTシャツ(同1万5400円)の4型。1990年代の「チャンピオン」のアイテムからインスピレーションを受けたコレクションで、当時の縫製仕様を再現。肉厚な生地感にゆったりとしたシルエットが特徴だ。1980〜90年代に使用していた影文字の“CHAMPION”ロゴも刺しゅうし、ネームタグには3ブランドの名前を記載した。

The post 「N.ハリウッド」×「チャンピオン」×「ソフ」 トリプルコラボのフーディー、スエットなど appeared first on WWDJAPAN.

「N.ハリウッド」×「チャンピオン」×「ソフ」 トリプルコラボのフーディー、スエットなど

 「N.ハリウッド(N.HOOLYWOOD)」は「チャンピオン(CHAMPION)」「ソフ(SOPH.)」とのトリプルコラボのカプセルコレクションを10月1日に発売する。「チャンピオン」の公式オンラインストア、東京・渋谷と大阪・心斎橋にあるフラッグシップストア“チャンピオン ブランドハウス”で取り扱う。

 今年設立20周年を迎えた「N.ハリウッド」デザイナーの尾花大輔が、記念の特別企画としてコラボレーションを発案した。古着屋からキャリアをスタートした尾花は、「チャンピオン」の希少なビンテージスエットシャツを所有しており、「チャンピオン」との親交も深いという。

 用意するアイテムはフーディー(税込2万2000円)、スエットシャツ(同1万9800円)、スエットパンツ(同1万9800円)とTシャツ(同1万5400円)の4型。1990年代の「チャンピオン」のアイテムからインスピレーションを受けたコレクションで、当時の縫製仕様を再現。肉厚な生地感にゆったりとしたシルエットが特徴だ。1980〜90年代に使用していた影文字の“CHAMPION”ロゴも刺しゅうし、ネームタグには3ブランドの名前を記載した。

The post 「N.ハリウッド」×「チャンピオン」×「ソフ」 トリプルコラボのフーディー、スエットなど appeared first on WWDJAPAN.

海外メゾンを離れ、独自路線を行く若きデザイナー 「タイガタカハシ」の“時代を超える服作り”

 26歳の高橋大雅デザイナーが手掛ける「タイガタカハシ(TAIGA TAKAHASHI)」は、ビンテージウエアをベースに、付属やディテールをアレンジして現代生活に再提案する“時代を超越した服作り”が特徴のブランドだ。2021-22年秋冬は、乗馬を前提にしたバックプリーツと腕を前にふったシェイプを持つ1920年代アメリカのサックコートや、1940年代のイギリス郵便局員のコートとアメリカのワークジャケットを融合させたアイテムなどがそろう。ジャケットは4〜8万、コートは約12万円、パンツは4〜5万円で、今シーズンは立ち上がりから数週間で消化率70%を超えるアカウントもあるなど、順調な滑り出しとなった。ラグジュアリーECサイトのエッセンス(SSENCE)やスーパー エー マーケット(SUPER A MARKET)、渋谷の吾亦紅、神奈川・厚木のマスマティクス(mathematics)など8店舗で扱われ、22年春夏からは国内外合わせて22店舗に拡大する。今年12月には京都に初の直営店をオープン予定だ。

 デザイナーの高橋大雅は1995年生まれ。中学卒業後に渡英し、ロンドン国際芸術高校(International School of Creative Arts)とセント・マーチン美術大学(Central Saint Martins BA)でアートやウィメンズウエアを学んだ。メゾンブランドでアシスタントデザイナーも務め、トレンドの第一線で活動していた。そんな彼が、なぜ現在の服作りに行き着いたのか。海外生活からデザイン哲学の変化までを聞いた。

WWD:はじめに、ファッションを志したきっかけを教えてください。

高橋大雅デザイナー(以下、高橋):小さいころから物を作ることが好きで、芸術の世界に憧れがありました。美しいものに強烈に引かれる性格で、自分に合った表現方法を模索した結果、ファッションに落ち着きました。

WWD:15歳でイギリスへ渡ったのはなぜ?海外と日本では教育方針にどんな違いがある?

高橋:中学までを日本で過ごすうちに、同調圧力や周りに合わせないと生きていけない空気が嫌になったんです。そんな中、セントマーチンズが芸術の視点からファッションなど幅広い領域を学ぶサマーコースを実施しているのを見つけて、すぐにロンドンに行くことを決めました。2010年は、キャンパスがまだチャーリングクロス(現在はキングスクロスに移転)にあったころです。

WWD:言語の壁はなかった?

高橋:英語は話せませんでしたが、クリエイティブな作業では文化と言語の壁を超え、多様な国の人とつながることができました。その時、「今後の人生を海外で過ごそう」と決意してそのままロンドンの高校に入学し、大学はセントマーチンズに入りました。

WWD:卒業後、コレクションにも参加するメゾンで経験を積むが、それぞれのブランドでどんな業務を担当した?

高橋:セントマーチンズでは2年生と3年生の間、1年間ギャップイヤーを取ってインターンシップをする制度があります。もともとアントワープでも仕事をしてみたいと思っていて、ダメ元で履歴書とポートフォリオを送ってみたら、すぐに面接したいと言われ、アントワープに移住してインターンがスタートしました。主にウィメンズウエアのデザインで、ドレーピングや3Dデザインを担当し、スケッチだけじゃなく、手を動かして造形するクチュールとテーラリングを掛け合わせた視点で服づくり学びました。その後、“女性が作る女性のための服”に魅力を感じ、ロンドンのメゾンでもウィメンズウエアのデザインアシスタントを務めました。

WWD:トレンドを追求するメゾンから一転し、「タイガタカハシ」では過去の洋服を現代に再現させるコレクションを制作している。服へのアプローチが全く異なるが、心境にはどんな変化があった?

高橋:自分が何をしたいのか自問自答した結果、常に新しいものを提案するだけでなく、過去の遺物に真の美しさを見出すことも伝えたいことに気づきました。10代からいろんな国々のアンティークディーラーや古美術商を通じて70~100年以上前の服を収集するほど古着が好きで、その“コレクション”を通して、現在もしくは未来にも存在する衣服を研究したいと思ったんです。それに、ストレスのないコンフォートゾーンにいると、本当にしたいことに気づけないし、挑戦できない。誰かの真似ではなく、自分だけの道を進もうという決意でもありました。

WWD:“時代を超える服作り”の目的は?

高橋:人々の装いは社会情勢に大きく左右されます。でも、衣服がタイムカプセルのように時間に耐えて生き残ることで、失われつつある文化や伝統を閉じ込め、過去の記憶を追体験できると考えているんです。

WWD:衣服を消費し、早いサイクルでビジネスを行う既存のファッションへのアンチテーゼも込めている?

高橋:すでにこれほど素晴らしい服がたくさんあるのだから、新しく作る意味はよく考えています。アンチテーゼになりうるビジネス規模には到達していませんし、世の中の流れに逆らうことは賢明な判断ではないかもしれませんが、自分自身に対しては正直であり続けたいです。

WWD:2021-22年秋冬シーズンは順調な滑り出しとなった。手応えや率直な感想を教えてください。

高橋:自分はただ単に服を売りたいのではなく、自分の思想や美意識を共有したい。そこに共感してもらった人たちには感謝の気持ちばかりです。

WWD:冬には京都に直営店をオープンする。ECで何もかもが買える今、リアル店舗を構える理由は?

高橋:万物に神は宿るという日本の精神性を独自に解釈し、服だけでなく彫刻や建築なども含め、自分の総合芸術として提案するつもりです。人生の半分を海外で過ごし、「日本人とは何か」を客観的に考えるようになった結果でもあります。

WWD:今後、ブランドをどう成長させていきたい?

高橋:服だけを作り続けるわけではありません。今はロンドンのデザインスタジオOK-RMとのブランディングやアートディレクションプロジェクト、香川・牟礼(むれ)とイタリア・フィレンツェでの彫刻制作、失われつつある銀塩写真の研究などさまざまな取り組みを進めています。これらの表現を通して自分の美意識の幅を広げ、自分たちにしかできない現代美術に昇華した物作りを目指していきます。

The post 海外メゾンを離れ、独自路線を行く若きデザイナー 「タイガタカハシ」の“時代を超える服作り” appeared first on WWDJAPAN.

資生堂の“セカンドスキン”技術が商品化 メイクの上から目袋を補正

 資生堂のグローバルブランド「シセイドウ(SHISEIDO)」から10月1日、“第二の皮膚”が目袋をカバーする目もと用美容液「シセイドウ ビオパフォーマンス セカンドスキン」(税込3万5200円)が登場する。日本先行で販売し、全国の百貨店など約330店舗と公式ECサイト、同社の総合美容サイトのワタシプラスで展開する。29日にはオンライン発売記念イベントを開催し、女優の前田美波里とタレント・女優のYOUが出席した。

 新製品の「シセイドウ ビオパフォーマンス セカンドスキン」はメイクの上から使用でき、目袋に紙おしろいを使用して目元をおさえた後、2種の美容液を塗布することでセカンドスキンが完成する。開発には約3年を要し、2400人の多様な人種の肌でテストを繰り返してファンデーションとの相性や目袋の補正効果、はがれやすさなどの課題を一つ一つクリアした。たるんだ目袋に悩みを持つ40代以降をメインターゲットに、デジタル上でのタッチポイントやデジタル動画広告を展開するほか、店頭やオンラインでは美容部員によるカウンセリングも行う。さらに三越伊勢丹の化粧品オンラインストア「ミーコ(MEECO)」や阪急阪神百貨店の「阪急ビューティオンライン」ではライブコマースを実施する予定だ。

 同社の堀井清美エグゼクティブオフィサー 執行役員チーフビューティーストラテジーオフィサー 兼 資生堂ジャパン プレステージブランド事業本部長兼美容戦略本部長は、「2018年に米ベンチャー企業のオリボ ラボラトリーズ(OLIVO LABORATORIES)が持つ、人工皮膚を開発するセカンドスキン事業を買収してから製品化に動いた。資生堂の処方・技術を採用することで高機能・高品質さを実現。人々がより豊かな生活を送るために、今後もチャレンジを続けていく」とコメント。

 発売記念イベントに登壇した前田は「簡単に使える上、きれいにカバーできて驚きました。目袋がなくなるだけで 10 歳ほど若返ってみえます」と絶賛。YOUは「手軽にできることがうれしい。ハリが出て印象が変わるので男性にも使ってほしい」とアピールした。

The post 資生堂の“セカンドスキン”技術が商品化 メイクの上から目袋を補正 appeared first on WWDJAPAN.

東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、東コレ)」が8月30日〜9月4日に開催された。参加ブランドのうち、デジタルの「ベースマーク(BASE MARK)」「アヤーム(AYAME)」「エイ・クライプシス((A)CRYPSIS)」、リアルの「ホウガ(HOUGA)」「セイヴソン(SEIVSON)」の5ブランドのショーをディレクションしたのが、フリーランスとしてPRやマーケティング活動を行う山田慎だ。「セイヴソン」では、コロナ禍でヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)デザイナーが来日できないというトラブルもありながら、機転を効かせて遠隔でショーを実現させた。普段は「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「リコール(REQUAL≡)」「ソンシンバル(SONSHINBAL)」など、10ブランドのPRを担当。また個性豊かなファッションスタイルが特徴的で、インスタグラムのフォロワーは2.3万を抱える。今回の東コレでは、自身のフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を募集して、ファッション界の未来を担う若者たちに向けて経験の場を提供した。東京ブランドを支えるキーマンに、部屋中が植物に囲まれた自宅で話を聞いた。

サンプル到着2日後にデジタルショーの撮影

WWD:これまでのキャリアは?
山田慎(以下、山田):日本の理系の大学を経た後に、ニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T.)に入学しました。VMDやマーケティングを勉強して帰国後、電通グループの広告代理店ザ・ゴールの営業部とマーケティング部に2年半在籍し、イタリアの大手眼鏡企業デリーゴのハウスブランド「ポリス(POLICE)」などを担当していました。新店舗の内装や外装、打ち出し方を任され、広告代理店の幅を超えた経験ができましたね。それから自分の力を試すために独立し、現在はフリーランスとして活動しています。

WWD:5ブランドのショーを手掛けた経緯は?
山田:もともとは、普段からPRを担当している「ベースマーク」「ホウガ」「アヤーム」の3ブランドの予定だったんです。でも石田萌「ホウガ」デザイナーを介して、ECサイト「シーナウトウキョウ(SEENOWTOKYO)」の内⽥裕也代表から、「セイヴソン」「エイクライプシス」のショーのディレクションの依頼が届きました。

WWD:5ブランドのショーを同時進行させるのは大変だったのでは?
山田:何をどのタイミングで行えばいいのか分からなかったので、人員の確保だけは先に進めたんです。7月中に撮影場所や方向性の大枠をはじめ、照明や音響の手配は全ブランド終えていました。8月にサンプルが届き始めてからは、デジタルショーの撮影から取り掛かりました。デジタルで一番大変だったのは「ベースマーク」です。モデルのフィッティングはなく、「似合うだろう」という憶測のもと、サンプル到着2日後に撮影しました。いつものメンバーだからこそ実現できた、異例中の異例だと思います(笑)。今回の映像はランウエイ形式ではなく、初めてイメージムービーに挑戦しました。イメージなので、現場で見たものと出来上がりとの差が激しく、僕が納得いくものに仕上がるまで動画チームと修正を繰り返し続けました。リアルショーのディレクションに本格的に取り掛かったのは8月中旬以降です。

WWD:「セイヴソン」はデザイナーが来日できず、100%遠隔のリアルショーが成功できた要因は?
山田:本番の2カ月前から打ち合わせが始まり、全てLINEとZoom、Google Meetのみで打ち合わせをしました。遠隔でも成功できたのは、ブランド側がこちらの意見に対してきちんと耳を傾けてくれたからです。ショー自体はライティングの形を少し変えて、モデルの歩き方もシンプルにしたので、僕自身はそこまで大変ではありませんでした。

WWD:リアルショーで一番苦労したブランドは?
山田:「ホウガ」です。当初の構想よりも会場が狭くなり、洋服が見えにくいように感じたので、直前で図面を大きく変更しました。フィナーレ演出も変えたので、会場に設置した花のオブジェを組み立て直したり、ライトを調整し直したりして本番前ギリギリで完成しました。

WWD:実際に東コレを終えてみての感想は?
山田:最初はファッションショーのやり方すら分からなかったんですが、「アンリアレイジ」の演出を担当している金子繁孝さんが身近にいたので、自然と少しは吸収できていたのが成功できた要因かもしれません。ファッションショーには費用がかかるし、決して簡単なことではないけど本当に楽しかった。

下の世代にリアルな姿を見せる意味

WWD:ブランドが東コレで発表する意味は?
山田:デザイナーが自信を持つことです。「自分が手掛けた服がこんなにかっこよく映るんだ」「自分たちの領域外の表現に挑めるんだ」という気持ちは、デザイナーにとって一番大きい経験です。それに、ショーを行うことで自分のブランドを支えてくれる人、応援してくれる人がいることに改めて気付くことができます。僕も今は発表する側に立ち、東コレをもっと地域に根付くようにしていきたいと考えました。そこで、僕のインスタグラムフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を集めました。下の世代に、自分が失敗する姿や苦しむ姿、楽しむ姿をあえて見せることで、彼らの今後につながるきっかけを作れたと思っています。自分のやれる範囲のことはやれたんじゃないかな。

WWD:デジタルとリアルの両方をディレクションして感じたことは?
山田:デジタルショーのメリットは、低予算で東コレに参加しやすいところです。でも映像をただ発表するだけでは絶対にダメだし、見てもらうためにはプロモーション全体の座組みが必要です。リアルにしかない良さは、来場者の拍手や一言があるだけで、発表する側のモチベーションは全然違うこと。その瞬間は、ファッション界にいてよかったと感じることができました。

WWD:仕事に対するモチベーションは?
山田:買い物をすることです。買い物をすれば消費者の気持ちが分かるから、マーケティングに生きるんです。なぜそれがほしくなったのかはクリエイティブに、好きを伝えることはPRに生きてくる。仕事後の楽しみは、「エルメス(HERMES)」「カルティエ(CARTIER)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を買うことです。服が好きな気持ちやランウエイを見に行っていたことが、今の自分の仕事につながっているのが何よりも奇跡です。

WWD:山田さんのファッションのルーツは?
山田:虫です。僕は特に蝶が好きで、蝶の模様や自然界の色合いを参考にしています。ピンクと青の服を合わせているときは、南国の虫を思い浮かべてコーディネートしています。もともと海外のストリートスナップからファッションに興味を持ち始めたので、個性的な装いから日本ではすごく珍しがられる。基本は売れ残り商材が好きなので、焦って買いに行かなくても大体残っています(笑)。

The post 東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か appeared first on WWDJAPAN.

東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、東コレ)」が8月30日〜9月4日に開催された。参加ブランドのうち、デジタルの「ベースマーク(BASE MARK)」「アヤーム(AYAME)」「エイ・クライプシス((A)CRYPSIS)」、リアルの「ホウガ(HOUGA)」「セイヴソン(SEIVSON)」の5ブランドのショーをディレクションしたのが、フリーランスとしてPRやマーケティング活動を行う山田慎だ。「セイヴソン」では、コロナ禍でヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)デザイナーが来日できないというトラブルもありながら、機転を効かせて遠隔でショーを実現させた。普段は「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「リコール(REQUAL≡)」「ソンシンバル(SONSHINBAL)」など、10ブランドのPRを担当。また個性豊かなファッションスタイルが特徴的で、インスタグラムのフォロワーは2.3万を抱える。今回の東コレでは、自身のフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を募集して、ファッション界の未来を担う若者たちに向けて経験の場を提供した。東京ブランドを支えるキーマンに、部屋中が植物に囲まれた自宅で話を聞いた。

サンプル到着2日後にデジタルショーの撮影

WWD:これまでのキャリアは?
山田慎(以下、山田):日本の理系の大学を経た後に、ニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T.)に入学しました。VMDやマーケティングを勉強して帰国後、電通グループの広告代理店ザ・ゴールの営業部とマーケティング部に2年半在籍し、イタリアの大手眼鏡企業デリーゴのハウスブランド「ポリス(POLICE)」などを担当していました。新店舗の内装や外装、打ち出し方を任され、広告代理店の幅を超えた経験ができましたね。それから自分の力を試すために独立し、現在はフリーランスとして活動しています。

WWD:5ブランドのショーを手掛けた経緯は?
山田:もともとは、普段からPRを担当している「ベースマーク」「ホウガ」「アヤーム」の3ブランドの予定だったんです。でも石田萌「ホウガ」デザイナーを介して、ECサイト「シーナウトウキョウ(SEENOWTOKYO)」の内⽥裕也代表から、「セイヴソン」「エイクライプシス」のショーのディレクションの依頼が届きました。

WWD:5ブランドのショーを同時進行させるのは大変だったのでは?
山田:何をどのタイミングで行えばいいのか分からなかったので、人員の確保だけは先に進めたんです。7月中に撮影場所や方向性の大枠をはじめ、照明や音響の手配は全ブランド終えていました。8月にサンプルが届き始めてからは、デジタルショーの撮影から取り掛かりました。デジタルで一番大変だったのは「ベースマーク」です。モデルのフィッティングはなく、「似合うだろう」という憶測のもと、サンプル到着2日後に撮影しました。いつものメンバーだからこそ実現できた、異例中の異例だと思います(笑)。今回の映像はランウエイ形式ではなく、初めてイメージムービーに挑戦しました。イメージなので、現場で見たものと出来上がりとの差が激しく、僕が納得いくものに仕上がるまで動画チームと修正を繰り返し続けました。リアルショーのディレクションに本格的に取り掛かったのは8月中旬以降です。

WWD:「セイヴソン」はデザイナーが来日できず、100%遠隔のリアルショーが成功できた要因は?
山田:本番の2カ月前から打ち合わせが始まり、全てLINEとZoom、Google Meetのみで打ち合わせをしました。遠隔でも成功できたのは、ブランド側がこちらの意見に対してきちんと耳を傾けてくれたからです。ショー自体はライティングの形を少し変えて、モデルの歩き方もシンプルにしたので、僕自身はそこまで大変ではありませんでした。

WWD:リアルショーで一番苦労したブランドは?
山田:「ホウガ」です。当初の構想よりも会場が狭くなり、洋服が見えにくいように感じたので、直前で図面を大きく変更しました。フィナーレ演出も変えたので、会場に設置した花のオブジェを組み立て直したり、ライトを調整し直したりして本番前ギリギリで完成しました。

WWD:実際に東コレを終えてみての感想は?
山田:最初はファッションショーのやり方すら分からなかったんですが、「アンリアレイジ」の演出を担当している金子繁孝さんが身近にいたので、自然と少しは吸収できていたのが成功できた要因かもしれません。ファッションショーには費用がかかるし、決して簡単なことではないけど本当に楽しかった。

下の世代にリアルな姿を見せる意味

WWD:ブランドが東コレで発表する意味は?
山田:デザイナーが自信を持つことです。「自分が手掛けた服がこんなにかっこよく映るんだ」「自分たちの領域外の表現に挑めるんだ」という気持ちは、デザイナーにとって一番大きい経験です。それに、ショーを行うことで自分のブランドを支えてくれる人、応援してくれる人がいることに改めて気付くことができます。僕も今は発表する側に立ち、東コレをもっと地域に根付くようにしていきたいと考えました。そこで、僕のインスタグラムフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を集めました。下の世代に、自分が失敗する姿や苦しむ姿、楽しむ姿をあえて見せることで、彼らの今後につながるきっかけを作れたと思っています。自分のやれる範囲のことはやれたんじゃないかな。

WWD:デジタルとリアルの両方をディレクションして感じたことは?
山田:デジタルショーのメリットは、低予算で東コレに参加しやすいところです。でも映像をただ発表するだけでは絶対にダメだし、見てもらうためにはプロモーション全体の座組みが必要です。リアルにしかない良さは、来場者の拍手や一言があるだけで、発表する側のモチベーションは全然違うこと。その瞬間は、ファッション界にいてよかったと感じることができました。

WWD:仕事に対するモチベーションは?
山田:買い物をすることです。買い物をすれば消費者の気持ちが分かるから、マーケティングに生きるんです。なぜそれがほしくなったのかはクリエイティブに、好きを伝えることはPRに生きてくる。仕事後の楽しみは、「エルメス(HERMES)」「カルティエ(CARTIER)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を買うことです。服が好きな気持ちやランウエイを見に行っていたことが、今の自分の仕事につながっているのが何よりも奇跡です。

WWD:山田さんのファッションのルーツは?
山田:虫です。僕は特に蝶が好きで、蝶の模様や自然界の色合いを参考にしています。ピンクと青の服を合わせているときは、南国の虫を思い浮かべてコーディネートしています。もともと海外のストリートスナップからファッションに興味を持ち始めたので、個性的な装いから日本ではすごく珍しがられる。基本は売れ残り商材が好きなので、焦って買いに行かなくても大体残っています(笑)。

The post 東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か appeared first on WWDJAPAN.

東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か

 2022年春夏シーズンの「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、東コレ)」が8月30日〜9月4日に開催された。参加ブランドのうち、デジタルの「ベースマーク(BASE MARK)」「アヤーム(AYAME)」「エイ・クライプシス((A)CRYPSIS)」、リアルの「ホウガ(HOUGA)」「セイヴソン(SEIVSON)」の5ブランドのショーをディレクションしたのが、フリーランスとしてPRやマーケティング活動を行う山田慎だ。「セイヴソン」では、コロナ禍でヅゥチン・シン(Tzu Chin Shen)デザイナーが来日できないというトラブルもありながら、機転を効かせて遠隔でショーを実現させた。普段は「アンリアレイジ(ANREALAGE)」「リコール(REQUAL≡)」「ソンシンバル(SONSHINBAL)」など、10ブランドのPRを担当。また個性豊かなファッションスタイルが特徴的で、インスタグラムのフォロワーは2.3万を抱える。今回の東コレでは、自身のフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を募集して、ファッション界の未来を担う若者たちに向けて経験の場を提供した。東京ブランドを支えるキーマンに、部屋中が植物に囲まれた自宅で話を聞いた。

サンプル到着2日後にデジタルショーの撮影

WWD:これまでのキャリアは?
山田慎(以下、山田):日本の理系の大学を経た後に、ニューヨーク州立ファッション工科大学(F.I.T.)に入学しました。VMDやマーケティングを勉強して帰国後、電通グループの広告代理店ザ・ゴールの営業部とマーケティング部に2年半在籍し、イタリアの大手眼鏡企業デリーゴのハウスブランド「ポリス(POLICE)」などを担当していました。新店舗の内装や外装、打ち出し方を任され、広告代理店の幅を超えた経験ができましたね。それから自分の力を試すために独立し、現在はフリーランスとして活動しています。

WWD:5ブランドのショーを手掛けた経緯は?
山田:もともとは、普段からPRを担当している「ベースマーク」「ホウガ」「アヤーム」の3ブランドの予定だったんです。でも石田萌「ホウガ」デザイナーを介して、ECサイト「シーナウトウキョウ(SEENOWTOKYO)」の内⽥裕也代表から、「セイヴソン」「エイクライプシス」のショーのディレクションの依頼が届きました。

WWD:5ブランドのショーを同時進行させるのは大変だったのでは?
山田:何をどのタイミングで行えばいいのか分からなかったので、人員の確保だけは先に進めたんです。7月中に撮影場所や方向性の大枠をはじめ、照明や音響の手配は全ブランド終えていました。8月にサンプルが届き始めてからは、デジタルショーの撮影から取り掛かりました。デジタルで一番大変だったのは「ベースマーク」です。モデルのフィッティングはなく、「似合うだろう」という憶測のもと、サンプル到着2日後に撮影しました。いつものメンバーだからこそ実現できた、異例中の異例だと思います(笑)。今回の映像はランウエイ形式ではなく、初めてイメージムービーに挑戦しました。イメージなので、現場で見たものと出来上がりとの差が激しく、僕が納得いくものに仕上がるまで動画チームと修正を繰り返し続けました。リアルショーのディレクションに本格的に取り掛かったのは8月中旬以降です。

WWD:「セイヴソン」はデザイナーが来日できず、100%遠隔のリアルショーが成功できた要因は?
山田:本番の2カ月前から打ち合わせが始まり、全てLINEとZoom、Google Meetのみで打ち合わせをしました。遠隔でも成功できたのは、ブランド側がこちらの意見に対してきちんと耳を傾けてくれたからです。ショー自体はライティングの形を少し変えて、モデルの歩き方もシンプルにしたので、僕自身はそこまで大変ではありませんでした。

WWD:リアルショーで一番苦労したブランドは?
山田:「ホウガ」です。当初の構想よりも会場が狭くなり、洋服が見えにくいように感じたので、直前で図面を大きく変更しました。フィナーレ演出も変えたので、会場に設置した花のオブジェを組み立て直したり、ライトを調整し直したりして本番前ギリギリで完成しました。

WWD:実際に東コレを終えてみての感想は?
山田:最初はファッションショーのやり方すら分からなかったんですが、「アンリアレイジ」の演出を担当している金子繁孝さんが身近にいたので、自然と少しは吸収できていたのが成功できた要因かもしれません。ファッションショーには費用がかかるし、決して簡単なことではないけど本当に楽しかった。

下の世代にリアルな姿を見せる意味

WWD:ブランドが東コレで発表する意味は?
山田:デザイナーが自信を持つことです。「自分が手掛けた服がこんなにかっこよく映るんだ」「自分たちの領域外の表現に挑めるんだ」という気持ちは、デザイナーにとって一番大きい経験です。それに、ショーを行うことで自分のブランドを支えてくれる人、応援してくれる人がいることに改めて気付くことができます。僕も今は発表する側に立ち、東コレをもっと地域に根付くようにしていきたいと考えました。そこで、僕のインスタグラムフォロワーから18〜25歳のインターン生20人を集めました。下の世代に、自分が失敗する姿や苦しむ姿、楽しむ姿をあえて見せることで、彼らの今後につながるきっかけを作れたと思っています。自分のやれる範囲のことはやれたんじゃないかな。

WWD:デジタルとリアルの両方をディレクションして感じたことは?
山田:デジタルショーのメリットは、低予算で東コレに参加しやすいところです。でも映像をただ発表するだけでは絶対にダメだし、見てもらうためにはプロモーション全体の座組みが必要です。リアルにしかない良さは、来場者の拍手や一言があるだけで、発表する側のモチベーションは全然違うこと。その瞬間は、ファッション界にいてよかったと感じることができました。

WWD:仕事に対するモチベーションは?
山田:買い物をすることです。買い物をすれば消費者の気持ちが分かるから、マーケティングに生きるんです。なぜそれがほしくなったのかはクリエイティブに、好きを伝えることはPRに生きてくる。仕事後の楽しみは、「エルメス(HERMES)」「カルティエ(CARTIER)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を買うことです。服が好きな気持ちやランウエイを見に行っていたことが、今の自分の仕事につながっているのが何よりも奇跡です。

WWD:山田さんのファッションのルーツは?
山田:虫です。僕は特に蝶が好きで、蝶の模様や自然界の色合いを参考にしています。ピンクと青の服を合わせているときは、南国の虫を思い浮かべてコーディネートしています。もともと海外のストリートスナップからファッションに興味を持ち始めたので、個性的な装いから日本ではすごく珍しがられる。基本は売れ残り商材が好きなので、焦って買いに行かなくても大体残っています(笑)。

The post 東コレ参加5ブランドを支えたファッショニスタ 山田慎とは何者か appeared first on WWDJAPAN.

黒石奈央子の「アメリ」がNFTのバーチャルドレスを発表 ワンセックのプラットフォームで販売

 黒石奈央子が手がけるEC主軸のウィメンズブランド「アメリ(AMERI)」は、バーチャルドレスをNFTとして販売する。ブロックチェーンコンテンツの開発などを手がけるワンセック(1SEC、宮地洋州CEO)による、ブロックチェーン技術をベースにしたバーチャルECプラットフォーム「ワンブロックランド(1Block LAND)」上で10月下旬にオークション販売を行う予定だ。

 「『ワンブロックランド』上で、アバターがドレスを着てランウエイショーのように動く。ドレスのデザインもさまざまに移り変わっていく」(アメリ広報)ことから、“NFTデジタルオートクチュール”と呼称している。具体的な発売日などは追って発表予定。仮想通貨のイーサリアムやクレジットカードで購入可能という。

 NFTは、データの改ざんが難しいブロックチェーンの技術を用いて、デジタルアートなどを販売するもの。ファッション分野でも注目を集めており、ワンセックは8月に「ワンブロックランド」を発表し、第1弾としてスニーカーショップ「アトモス(ATMOS)」と組んだバーチャルスニーカーを販売。それに先駆けて、ワンセックは4月にバーチャルスニーカーを5イーサリアム(当時の相場で約124万円)で販売し、開始後早々に落札されていた。

The post 黒石奈央子の「アメリ」がNFTのバーチャルドレスを発表 ワンセックのプラットフォームで販売 appeared first on WWDJAPAN.

黒石奈央子の「アメリ」がNFTのバーチャルドレスを発表 ワンセックのプラットフォームで販売

 黒石奈央子が手がけるEC主軸のウィメンズブランド「アメリ(AMERI)」は、バーチャルドレスをNFTとして販売する。ブロックチェーンコンテンツの開発などを手がけるワンセック(1SEC、宮地洋州CEO)による、ブロックチェーン技術をベースにしたバーチャルECプラットフォーム「ワンブロックランド(1Block LAND)」上で10月下旬にオークション販売を行う予定だ。

 「『ワンブロックランド』上で、アバターがドレスを着てランウエイショーのように動く。ドレスのデザインもさまざまに移り変わっていく」(アメリ広報)ことから、“NFTデジタルオートクチュール”と呼称している。具体的な発売日などは追って発表予定。仮想通貨のイーサリアムやクレジットカードで購入可能という。

 NFTは、データの改ざんが難しいブロックチェーンの技術を用いて、デジタルアートなどを販売するもの。ファッション分野でも注目を集めており、ワンセックは8月に「ワンブロックランド」を発表し、第1弾としてスニーカーショップ「アトモス(ATMOS)」と組んだバーチャルスニーカーを販売。それに先駆けて、ワンセックは4月にバーチャルスニーカーを5イーサリアム(当時の相場で約124万円)で販売し、開始後早々に落札されていた。

The post 黒石奈央子の「アメリ」がNFTのバーチャルドレスを発表 ワンセックのプラットフォームで販売 appeared first on WWDJAPAN.

「ドリス ヴァン ノッテン」2022年春夏パリ・コレクション

 「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「ドリス ヴァン ノッテン」2022年春夏パリ・コレクション appeared first on WWDJAPAN.

「ドリス ヴァン ノッテン」2022年春夏パリ・コレクション

 「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

The post 「ドリス ヴァン ノッテン」2022年春夏パリ・コレクション appeared first on WWDJAPAN.

2022年春夏ミラノコレ現地リポート Vol.4 「グッチ」でビンテージ愛に触れ、「マルニ」に心が震えた4日目

 こんにちは!ヨーロッパ通信員の藪野がお届けしている、ミラノコレ現地リポートもこれで最終回。「グッチ(GUCCI)」や「モンクレール(MONCLER)」のイベントから、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「マルニ(MARNI)」のショーまで盛りだくさんのスケジュールです。若干寝不足気味ですが、張り切って行きましょ〜!

10:00 GUCCI VAULTプレビュー

 「グッチ」がオンラインコンセプトストア「ヴォールト(VAULT)」を記念したイベントを開くということで、朝一はそのプレビューへ。貴重なものの保管場所を意味する「ヴォールト」では、「グッチ」のビンテージアイテムを修復・カスタマイズして販売。それだけでなく、新たな価値観を持った若手デザイナーズブランドのアイテムも扱います。ポップなカラーで彩られた会場では、取り扱いアイテムの一部が蚤の市のようなセットで展示されていました。詳細は別の記事でアップしていますので、ぜひこちらをご覧ください!

10:40 JIMMY CHOO

 「グッチ」で若手デザイナーと話していたら、あっという間に時間がたってしまい、駆け足で「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」のプレゼンテーションにお邪魔しました。エントランスを抜けると、そこには鏡と水を使ったセット。そんな会場からも分かるように、今季のコレクションは輝きや透明感がカギになっています。キラキラ光るクリスタルやミラー加工のレザーのほか、中が見えるネットやPVCも多用。中にはホログラムのように輝くPVCも。色は白黒に加え、ピンクやイエロー、オレンジ、パープルなど、ここでもビビッドカラーがたくさん見られました。

11:00 ERMANNO SCERVINO

 「エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)」は、“遊びのあるコントラスト”に着目し、テーラリングとハイパーフェミニンや、スポーツとクチュールといった相反する要素を融合。ブランドを象徴するレースや華やかな装飾を生かしながらも、アノラックやアウトドアジャケット、膝下まで捲り上げたカーゴパンツなどを取り入れ、若々しく仕上げています。ブラトップに超ミニ丈のボトムス、そして、その上にガバッとスポーティーなアウターを羽織るのは、まさに今季のトレンドスタイル。仕立ての良さは折り紙付きですが、とは言え、コントラストの大きさに少しチグハグ感を覚えました。

12:00 MSGM

 「MSGM」は、会場自体が再開発された近代的なビル街にある公園でしたが、コレクションも“公園で陽気にピクニック”といったムード。今季の主役は柄。ネオンやアシッドカラーの大小さまざまなギンガムチェックをはじめ、道端に咲いていそうな素朴な花のパターン、イチゴやレモンなどのフルーツモチーフがウエアを彩ります。スタイルは、ポップなガーリーとレトロスポーティーのテイストミックス。再び動き出した世界にふさわしいポジティブなエネルギーを感じるコレクションを見せてくれました。ボクシーなジャケット、ブラトップ、バギーパンツなど、トレンドアイテムも満載です。

13:00 MONCLER

 前日に続き、またまたミラノの西から東への大移動!「MSGM」のショー後、最短で辿り着けるようにドライバーと事前に打ち合わせ、オンタイムに到着できました。会場には、巨大なスクリーンとステージ、そしてクレーンカメラがあり、生中継の公開収録といった感じ。会場ではアリシア・キーズ(Alicia Keys)がホストを務め、上海にいるヴィクトリア・ソング(Victoria Song)と中継をつなぎながら、各コラボコレクションの映像を次々に紹介していきます。個人的に気に入った作品は、「1 モンクレール JW アンダーソン(1 MONCLER JW ANDERSON)」。イタリア人映画監督ルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino)と共に制作したという映像は、エモーショナル。今回初参加の「ハイク(HYKE)」の映像には、俳優の福士蒼汰さんと杏さんが登場しました。

14:30 SALVATORE FERRAGAMO

 「夏の物語」と名付けられた今季は、日差しが眩しい南イタリアの夏といった雰囲気です。ポイントは、ブラウン系のグラデーションと白黒のコントラスト、オレンジやブルーといった彩度の高いアクセントカラーのミックス。ニットのセットアップやミニ丈のショートパンツ、たっぷりとしたマキシドレス、爽やかなシャツなど、メンズもウィメンズもリラックス感のあるスタイルが中心です。フィナーレに登場したのは、これまでメンズのみを手掛けていたギヨーム・メイアン(Guillaume Meilland)。ウィメンズを手掛けていたポール・アンドリュー(Paul Andrew)は5月に退任したので、今季はウィメンズも彼が担当したようです。

 そんな「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」は、過渡期を迎えているブランドの一つ。時期は未定ですが、リカルド・ティッシによる「ジバンシィ(GIVENCHY)」や「バーバリー(BURBERRY)」、フィービー・ファイロによる「セリーヌ(CELINE)」をデザイナーと共に盛り上げてきたマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)=バーバリー最高経営責任者(CEO)が、CEO兼ジェネラル・ディレクターに就任することが決まっています。入社したら、きっと改革に着手するはず。新たなクリエイティブ・ディレクターを連れてくるかもしれません。今後の動向が気になります。

16:15 GUCCI VAULT記者会見

 「グッチ」のイベント会場に戻ってきました。その目的は、アレッサンドロ・ミケーレ=クリエイティブ・ディレクターによる記者会見。約30人のジャーナリストやエディターのみが呼ばれ、親密な雰囲気の中で行われました。会見は終始イタリア語のため、イヤホンで英語の同時通訳を聞くのですが、やっぱり説明は本人の言葉で聞きたいもの。こういうとき、イタリア語ができたらいいな〜と感じます。

17:30 TOD’S 展示会

 「トッズ(TOD’S)」の展示会では、ショーに登場したシューズやバッグを中心にチェック。気になっていたプラットフォームのローファーは、思ったより軽量で、好印象。バッグは、アーカイブを蘇らせたというTの金具が特徴的な“T タイムレス”シリーズのバリエーションが広がっています。

19:00 GIORGIO ARMANI

 「ジョルジオ アルマーニ」は、アルマーニ / テアトロが完成するまでショーを開催していた本社の地下会場でショーを開催。テアトロに比べると、かなり小規模な会場には親密なムードが漂います。ランウエイに現れたモデルは、優しい笑顔を浮かべながら、ゆっくりとウォーキング。最近はモデルが無表情で歩くショーが多いので、懐かしさを感じるとともに、なんだか温かい気持ちになりました。

青い海と空の映像を背景にしたショーは、白と紺を基調としたマリンスタイルのテーラードルックでスタート。ロープを編んだベルトやバッグがアクセントになっています。全体的にリラックスした雰囲気を生み出すのは、柔らかな素材でバルーンのようなシルエットを描いたパンツやスカート。一方で、ジャケットは細身で長めのデザインが多く登場しています。終盤は、空と海の映像も青からマジックアワーを想起させるピンクや紫に。チュールを重ねたドレスにも、そんな絶妙な色合いが反映されていて、うっとり。

20:00 MARNI

 今季のミラノコレのショー取材を締めくくるのは、「マルニ」。以前からフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)は、デザイナーというよりもアーティストだと思っていましたが、まさにそれを確信する体験でした。会場は、真ん中の小さな舞台を中心に渦を描くようにスロープになった円形デザイン。そこにいる来場者もスタッフもほとんど全員が、ストライプが描かれたアップサイクル素材の服を着ています。これは、一人一人に事前にフィッティングを行い、準備したものだそう。色やアイテムは違えど、一体感を生んでいます。

 3部構成のショーにまず登場したのは、その場にいる皆と同じ服を着た合唱団。讃美歌のように神聖なコーラスが会場を包み込み、モデルは男女問わず、巨大なジャケットやニットからドレスまで、さまざまなストライプやボーダーを使った服をまといます。

 そして、ボーダーのジャケットに花柄のパンツを着た男性が登場し、エモーショナルに詩を朗読し始めると、第2部がスタート。その着こなしからも分かるように、デザインにデイジーの花が加わります。その方法は、ストライプの上に異なる色のストライプでデイジーモチーフを重ねたドレスから、インターシャで描くレトロな水着のようなニットアイテム、工作するようにピースを組み合わせて作るドレスまで。シューズやバッグは、クラシカルなデザインをニットのトロンプルイユで表現しています。

 第3部は女性歌手のソウルフルな歌声と弦楽器の音色で開幕。フランチェスコ流のイブニングスタイルを披露しました。そこからは一気にクライマックスへ。観客から大きな拍手が巻き起こる中、モデルが中央のステージに集まり、ハグしたり、語り合ったり、拍手したり。年齢、性別、人種、体型を問わずあらゆる人の存在をたたえ、再び集えることの喜びを分かち合う儀式のようなショーに、ただただ心が震えました。

9/26 9:30 PRADA 展示会

 パリに移動する前に、朝一で「プラダ」の展示会へ。デジタルで見たショーはミラノと上海での同時開催という見せ方に目が行きがちでしたが、実際に服を見たり、説明を聞いたりすると違いますね。コルセットのメタルバーや編み上げ、ブラカップ、トレーンなどの要素を取り入れ、削ぎ落としたスタイルで官能性やフェミニニティーを表現しているのは、さすがです。コレクションの詳細は、ライターの井上エリさんによる展示会リポートをご覧ください。

 今回はワンちゃんが見つからなかったので、「今日のワンコ」はお休みです。

 さて、それではパリに飛び立ちます。チャオ〜!

The post 2022年春夏ミラノコレ現地リポート Vol.4 「グッチ」でビンテージ愛に触れ、「マルニ」に心が震えた4日目 appeared first on WWDJAPAN.

「シュウ ウエムラ」が「メイクのできる美容師」コンテスト開催 グランプリは東京のネイティブな民族性を表現

 日本ロレアルのプロフェッショナル マーケットの「シュウ ウエムラ(shu uemura)」は9月26日、「メイクのできる美容師」を探す「シュウ ウエムラ フォトコンテスト 2021」の結果を発表した。グランプリには「TOKYO TRIBE」をテーマに、「もしも東京がアフリカみたいで、部族が独自の文化を築いていたら?」というシチュエーションのもと、ツインテールのモデルにカラフルなトライバルメイクを施した坂本朋広(VISAGE ba.s.k)が輝いた。坂本はオンラインで開かれた授賞式で「とても嬉しいし、驚いている」と話したが、「ライブ配信中に多くの審査員から『高評価だった作品』とピックアップしていただけ、自信を深めることができた」とコメントした。彼には、「シュウ ウエムラ」の技術の象徴である「記念の筆」のほか、「メイクのできる美容師」としての教育や活躍の機会が与えられる。

 同コンテストは、今回は事前に募集した写真を選考する形で行われた。メイクアップの主役である色の力と人の魅力を最大限に引き出す「カラーオーソリティ」と、「シュウ ウエムラ」のカラーでアジアンビューティとアジアの個性、その人らしさ、都会的なヘア&メイクアップを表現する「アジアの個性美」の2つを大テーマに設け、参加者は、理解力、創造力、構成力、再現力、提案力の5つを審査基準に争った。グランプリの坂本は、構成力でも部門別の優秀賞を受賞。そのほか梅木麻友美(AYOMOT)が理解力、齋藤由佳(KINOSHITA GAIEN EAST STREET)が創造力と再現力の2冠、白木杏奈(TALISE)が提案力の部門賞に輝いた。

 ライブ配信では、「WWDJAPAN」編集長で審査員を務めた村上要が司会進行をしながら、審査員がそれぞれの作品について講評した。そのほかの審査員は、uchiideシュウ ウエムラ クリエイティブディレクター、ミーシャ・ジャネット(Misha Janette)ファッションディレクター、前回チャンピオンの濱田留美(B-three by SHINJU INTERNATIONAL)。uchiideディレクターはグランプリ作品について、「イマジネーションあふれる面白い作品。インスピレーションから作品まで一貫性があり、わかりやすい」とのコメントを寄せた。

問い合わせ先
シュウ ウエムラ
お問合せ番号:03-6911-8401

The post 「シュウ ウエムラ」が「メイクのできる美容師」コンテスト開催 グランプリは東京のネイティブな民族性を表現 appeared first on WWDJAPAN.

「シュウ ウエムラ」が「メイクのできる美容師」コンテスト開催 グランプリは東京のネイティブな民族性を表現

 日本ロレアルのプロフェッショナル マーケットの「シュウ ウエムラ(shu uemura)」は9月26日、「メイクのできる美容師」を探す「シュウ ウエムラ フォトコンテスト 2021」の結果を発表した。グランプリには「TOKYO TRIBE」をテーマに、「もしも東京がアフリカみたいで、部族が独自の文化を築いていたら?」というシチュエーションのもと、ツインテールのモデルにカラフルなトライバルメイクを施した坂本朋広(VISAGE ba.s.k)が輝いた。坂本はオンラインで開かれた授賞式で「とても嬉しいし、驚いている」と話したが、「ライブ配信中に多くの審査員から『高評価だった作品』とピックアップしていただけ、自信を深めることができた」とコメントした。彼には、「シュウ ウエムラ」の技術の象徴である「記念の筆」のほか、「メイクのできる美容師」としての教育や活躍の機会が与えられる。

 同コンテストは、今回は事前に募集した写真を選考する形で行われた。メイクアップの主役である色の力と人の魅力を最大限に引き出す「カラーオーソリティ」と、「シュウ ウエムラ」のカラーでアジアンビューティとアジアの個性、その人らしさ、都会的なヘア&メイクアップを表現する「アジアの個性美」の2つを大テーマに設け、参加者は、理解力、創造力、構成力、再現力、提案力の5つを審査基準に争った。グランプリの坂本は、構成力でも部門別の優秀賞を受賞。そのほか梅木麻友美(AYOMOT)が理解力、齋藤由佳(KINOSHITA GAIEN EAST STREET)が創造力と再現力の2冠、白木杏奈(TALISE)が提案力の部門賞に輝いた。

 ライブ配信では、「WWDJAPAN」編集長で審査員を務めた村上要が司会進行をしながら、審査員がそれぞれの作品について講評した。そのほかの審査員は、uchiideシュウ ウエムラ クリエイティブディレクター、ミーシャ・ジャネット(Misha Janette)ファッションディレクター、前回チャンピオンの濱田留美(B-three by SHINJU INTERNATIONAL)。uchiideディレクターはグランプリ作品について、「イマジネーションあふれる面白い作品。インスピレーションから作品まで一貫性があり、わかりやすい」とのコメントを寄せた。

問い合わせ先
シュウ ウエムラ
お問合せ番号:03-6911-8401

The post 「シュウ ウエムラ」が「メイクのできる美容師」コンテスト開催 グランプリは東京のネイティブな民族性を表現 appeared first on WWDJAPAN.

Kokiが「ヴァレンティノ」2021-22年秋冬キャンペーンに登場

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、2021年春夏シーズンに引き続き、モデルのKokiを21-22年秋冬コレクションのキャンペーンビジュアルに起用した。

 同ブランドは、今シーズンもピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエイティブ・ディレクターがメゾンの価値を体現する国際的な人物を探し、起用した「DI.VA(ディーヴァ)」キャンペーンを行っている。“さまざまな声や視点が拡大された多様な価値(Different Values)” = “DI.VA”と解釈し、Kokiのほか、 中国人女優クアン・シャオトン(Guan Xiaotong)、韓国人女優ソン・イェジン(Son Ye-Jin)などの“ディーヴァ”らを通じて、多面的な個性や調和、インクルーシビティーを表現した。

The post Kokiが「ヴァレンティノ」2021-22年秋冬キャンペーンに登場 appeared first on WWDJAPAN.

Kokiが「ヴァレンティノ」2021-22年秋冬キャンペーンに登場

 「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は、2021年春夏シーズンに引き続き、モデルのKokiを21-22年秋冬コレクションのキャンペーンビジュアルに起用した。

 同ブランドは、今シーズンもピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエイティブ・ディレクターがメゾンの価値を体現する国際的な人物を探し、起用した「DI.VA(ディーヴァ)」キャンペーンを行っている。“さまざまな声や視点が拡大された多様な価値(Different Values)” = “DI.VA”と解釈し、Kokiのほか、 中国人女優クアン・シャオトン(Guan Xiaotong)、韓国人女優ソン・イェジン(Son Ye-Jin)などの“ディーヴァ”らを通じて、多面的な個性や調和、インクルーシビティーを表現した。

The post Kokiが「ヴァレンティノ」2021-22年秋冬キャンペーンに登場 appeared first on WWDJAPAN.

故アルベール・エルバスに捧ぐオマージュ 豪華デザイナー陣が手掛ける「AZファクトリー」がパリコレのトリを飾る

 4月に死去したデザイナーのアルベール・エルバス(Alber Elbaz)へのトリビュートとして、デザイナー44人が「AZファクトリー(AZ FACTORY)」のコレクションを手掛ける。

 各デザイナーは、エルバスの功績を着想源としたルックか、アイコニックなシルエットをアレンジしたルックを制作する権限が与えられ、パリ・ファッション・ウイーク最終日となる10月5日、“ラブ・ブリングス・ラブ(Love Brings Love)”と題したショーで披露し、パリコレのトリを飾る。このショーは、公式ウェブサイトやユーチューブ、インスタグラムアカウントを通じて同時配信を予定している。

 注目すべきは参加するデザイナー陣の顔ぶれだ。参加デザイナーの一部を紹介する。

・ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)
・ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)
・川久保玲「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」デザイナー
・ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)
・ドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)
・マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)「ディオール(DIOR)」アーティスティック・ディレクター
・キム・ジョーンズ(Kim Jones)「フェンディ(FENDI)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター
・リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)「バーバリー(BURBERRY)」チーフ・クリエイティブ・オフィサー
・ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター
・アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)「グッチ」クリエイティブ・ディレクター
・ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)
・ナデージュ・ヴァンヘ・シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)「エルメス(HERMES)」アーティスティック・ディレクター
・サラ・バートン(Sarah Burton)「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」クリエイティブ・ディレクター
・ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)「ヴァレンティノ」クリエイティブディレクター
・ラフ・シモンズ(Raf Simons)
・トム・ブラウン(Thom Browne)
・リック・オウエンス(Rick Owens)
・阿部千登勢「サカイ」デザイナー
・アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)「サンローラン(SAINT LAURENT)」クリエイティブ・ディレクター
・ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)「ロエベ(LOEWE)」クリエイティブ・ディレクター
・ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)
・ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)
・デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)「バレンシアガ(BALENCIAGA)」アーティスティック・ディレクター
・ダニエル・リー(Daniel Lee)「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」クリエイティブ・ディレクター
・オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)「バルマン(BALMAIN)」クリエイティブ・ディレクター
・ジャンバティスタ・バリ(Giambattista Valli)
・マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M. Williams)「ジバンシィ(GIVENCHY)」クリエイティブ・ディレクター
・ガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)「クロエ(CHLOE)」クリエイティブ・ディレクター
・シモーネ・ロシャ(Simone Rocha)
・小泉智貴「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」デザイナー
・ピーター・ミュリエ (Pieter Mulier)「アライア(ALAIA)」クリエイティブ・ディレクター
・テベ・マググ(Thebe Magugu)

The post 故アルベール・エルバスに捧ぐオマージュ 豪華デザイナー陣が手掛ける「AZファクトリー」がパリコレのトリを飾る appeared first on WWDJAPAN.

「リンシュウ」ウィメンズが力強いスタート 優しいモードで女性をエンパワーメント

  パリ・メンズ・コレクションに30年間参加し続ける「リンシュウ(RYNSHU)」はパリコレ期間中の9月28日、2022年春夏ウィメンズ・コレクションを発表した。コレクションは、東京ではリアルショーの形でお披露目。その映像をパリ・コレクションの期間中に世界に向けて配信し、ウィメンズの本格デビューを果たした。“戦う天使たち”に捧げるウィメンズを手掛けたのは、「リンシュウ」の山地正倫周(やまじ・りんしゅう。以下、正倫周)デザイナーと、パートナーのRieco YAMAJI(以下、Rieco)。東京でのファッションショーをレポートする。

不透明な時代の女性に
威風堂々の強さを

 東京ミッドタウンのビルボードライブ東京で開かれたファッションショーは、東京の夜景が広がる空間で行われた。コレクションは、未だ不透明な時代を強く生きる女性をエンパワーメントするかのよう。ボディコンシャスなシルエット、肌見せをいとわないミニ丈のボトムス、そしてブラックのフォーマルやイブニングにあしらった大ぶりのビジューやミラーのようなスパンコールーー。そんなモードな洋服に身を包んだモデルが自信満々にランウエイを闊歩する姿は、まさに威風堂々だ。正倫周が長年表現し続けた「1点モノのように特別な洋服で、自分らしく生きて欲しい」という思いと、Riecoの「女性は、時には男性と違うパワーが欲しい」という共感を誘う願いが融合し、「リンシュウ」のウィメンズ・コレクションは力強いスタートを切った。

優しいシフォンや真紅の
カラーパレットで
優しく寄り添う

 同時に、「リンシュウ」のウィメンズ・コレクションは、女性に優しく寄り添ってもくれる。ボディコンシャスなドレスは、身体中に走るファスナーで体型や気分次第のアレンジが可能。レオパード柄のブラウスは軽やかなシフォン素材。大きなボウ(リボン)や真紅のライナーなど、赤リップをまとった女性のような優しさも忘れない。ジャケットの多くは袖下にスリットを忍ばせ、可動域を拡大。柔らかな素材のサルエルパンツは心地よさを提供しつつ、“「リンシュウ」らしさ”をアピールする。Riecoは、「私自身が『リンシュウ』を毎日着るようになって、魅力を誰よりも強く感じている」と話す。迫力を宿すショルダーライン、最良の着心地を提供するサルエルパンツ、コンバットブーツ、そして、ブラックをメーンとするモードとクチュールレベルのクオリティーー。ウィメンズでも、「リンシュウ」の魅力はそのままだ。

「潔さと強さ、
しなやかさと美しさが
人の心に火をつける」

 クリエイションから携わった初のファッションショーについて、Riecoは、「パリメンズにデビューして30周年でスタートしたウィメンズは、圧倒的に潔く、パワフル。でもしなやかでもあり、美しく、心地よい。それが着る人の心に火をつけるようなコレクションです。日々戦う人のために、頭から爪先まで、全身にエネルギーを宿す服なんです」と語る。

 「リンシュウ」は過去30年、メンズをメーンに既成概念にとらわれないチャレンジを続けてきた。「私もいろんな可能性にチャレンジし、『リンシュウ』を知らない女性、新しい世代に発信していきたい。携わるようになって以来間近で拝見しているモノづくりをもっと知って欲しいし、『リンシュウ』を着た時の高揚感を味わって欲しい。アップデートを繰り返し、いち早く次のステージにたどり着きたいですね」。

「ランウエイは“産直野菜”の
ようで魅力的」

 Riecoはクラシックバレエの世界を経て、ビューティ業界を経てから「リンシュウ」に参画。「他の業界にいたからこそ、デザイナーが直に思いを伝えられる、その思いを直接体感できるランウエイは魅力的です。野菜で言えば、“産直”ですね(笑)。ずっと準備して、本番という一瞬に全精力を傾ける過程は、バレエにも通じます」と振り返る。ウィメンズという新たな一ページに挑み始めた「リンシュウ」は、さまざまな世界の魅力を取り入れながら進化を続ける。

問い合わせ先
RYNSHU
03-3402-5300

The post 「リンシュウ」ウィメンズが力強いスタート 優しいモードで女性をエンパワーメント appeared first on WWDJAPAN.

インスタ発ブランド「ビビィ」が好調 創業者が語る、“妥協しても100点満点以上”の服作り

 インスタグラムで12万以上のフォロワーを抱える小松友結子(@yuyukmt)のアパレルブランド「ビビィ(BIBIY.)」が今、SNS世代の女性を中心に注目を集めている。運営はブランドマネジメントなどを行うグルグルで、2019年7月にインスタグラムとEC専業でスタートした。アイテムはブラウスからスカート、バッグやアクセサリーなどトータルでそろえ、価格帯はドレス約7000円〜1万1000円、アウター1万2000円〜2万円と値ごろで、新商品を発売すれば即完売することも多い。20年に伊勢丹新宿本店とうめだ阪急本店でポップアップを開くと、それぞれ1週間前後の期間で1000万円を超える売り上げを記録した。「ファッションについて素人の私が作っているブランドだからこそ、共感を得ている」と語る彼女の言葉から、人気の秘訣を探る。

ルールは気にせず
ファッションを楽しむ
“フェミニンだけれど強い女性”

 ブランド名の「ビビィ」は小松による造語だ。「同じ文字が並ぶ響きがクセになる感じがした。顧客に『ビビィ』にやみつきになってほしいという思いとも重なった」。コンセプトは、“フェミニンだけれど強い女性”。服はフェミニンで甘い雰囲気でも、着る人は凜とした強さがあるという、ギャップのある女性像を目指す。日常に取り入れやすいフェミニンな要素を盛り込んだ、“ストリート・フェミニン”をベースにデザインしている。

 またもう一つ大事にしているメッセージが、“Girls just wanted to have fun(私たちはただ楽しみたいだけである)”だ。着る服を誰かに左右されるのではなく、その日の気分で選んだ服をそのままの気持ちで着れば、自分だけのコーディネートになるという考えだ。「好きなものを好きなように着てファッションを楽しんでほしい」というメッセージには多くのファンが共感し、この言葉が刻まれたトートバッグやTシャツなどは、ブランドのアイコンアイテムとなっている。

 現在フォロワー数7万を超える「ビビィ」公式インスタグラムも小松自身が運営している。モードな雰囲気と、フェミニンなスタイルがマッチした世界観が人気だ。ビジュアルの撮影方法にも“フェミニンだけれど強い女性”を表現するこだわりがある。フェミニンな服を甘いムードで撮影するのではなく、モデルの表情やポージング、写真の構図などでリアルな感情が伝わることを意識し、フォロワーの共感を集める。

2021-22年秋冬の注目は、
生地作りから挑戦した
キルティングアイテム

 ブランドスタート当初からシーズンテーマは設けず、小松自身がその時々の感性に正直に向き合い、デザインで表現し続けている。21-22年秋冬シーズンの注目は、キルティング素材にドットの刺しゅうを施したアイテムだ。生地作りからチャレンジしたアイテムで、ペプラム、スカート、ショルダーバッグの3型をそろえる。ペプラムは裾の長さを前後で微妙に変化させて大人っぽさを意識するなど、初めて複数の女性像をイメージしながらデザインしたといい、「幅広い年齢層に着てもらえると思う」と自信を見せた。

 ほかにも、生地の切り替えで丸みを出し、着やせ効果も意識したファーコートや、ネックラインをフリル風に仕立てたシャギーニット、女性らしいウエストラインを描くビンテージライクなフラワーカーディガン、高い伸縮性にこだわったボーダーニット、小松が甘い気分だったときに作ったフリルのコットンブラウス、リボンでサイズを調整できるエコバッグなど、豊富なバリエーションのアイテムがラインアップする。

“見ていて飽きない点が、
ファン獲得につながっている”

WWD:ブランドのターゲットは?

小松友結子(以下、小松):ブランドとしてターゲットは設けていないが、顧客は20代前半の女性が多い。もう少し上の世代を意識しようと考えたこともあるが、私たちが無理して背伸びしていては、「ビビィ」の良さは伝わらないと気づいた。私たちが提案しているアイテムは、年代を問わず多くの方がかわいいと思ってくれている。長期的な視点で、伝え方や発信する場を選びながら、1着ずつ丁寧に作っている気持ちを届けていけば、より多くの人を引き付けられるはず。

WWD:新商品が即完売することも多いが、ブランドの強みをどう分析する?

小松:見ていて飽きない点が、ファン獲得につながっているように感じる。“ストリート・フェミニン”をベースにしているが、基本はそのアイテムを好きなように着てほしいというスタンス。ビジュアルの撮影も自由で、柄オン柄のスタイリングや、シンプルな空間で服を映えさせるなど、アイテムの個性に合わせているからかわいいポイントが毎回違う。また私自身ファッションは好きだけれど、専門的に学んだわけではないので、昔のトレンドについて詳しくないのも大きい。過去の流行に引っ張られることなく、ただ素直に「こういうものがあったらいいな」という感覚でもの作りができている。もしかすると、流行を意識しなかった結果、それが巡り巡ってトレンドの先取りになるというチャンスもあるかもしれない。それに「ビビィ」を好むフォロワーは、私にとって同じ趣味や好みを持った友達のような感覚。そんな距離感の近い友達がブランドを立ち上げたから応援しようという気持ちや、ファッションの素人がもがきながら作ったものだからこそ、たくさんの人が共感できる部分があるのかもしれない。

WWD:デザインのインスピレーション源は?

小松:私の場合はテーマやコンセプトを決めて作るというよりは、「このアイテムは、こんなスタイリングで、こういう場所で着たい。持っている服とどう合わせるか」といったアイデアがクリアに浮かび、それを具現化している。

WWD:値ごろな価格帯にこだわる理由は?

小松:大量生産ではないので価格を抑えるのは正直難しいが、良質なアイテムを手に取りやすい価格で購入できる場を設けたいという思いがあった。この価格帯を実現するために、デザインにおける優先順位を決め、守りたい部分と妥協する部分を分けてどんどん削り落として作っている。最初は削り落とすことに葛藤もあったが、立ち上げから2年がたって、広い視点で自分のブランドを見られるようになった。妥協しても100点満点以上のものを作れている手応えがあるのは、この2年間での成長だと思う。

WWD:今後の展望は?

小松:海外アイテムもセレクトするプラットフォームになりたい。「ビビィ」を通じてファッションがさらに好きになった顧客の、次のステージがそこだと考えている。私自身も海外ブランドに興味はあるものの、海外サイトは全て英語表記で分かりづらかったり、送料で断念してしまったりすることが多かった。「ビビィ」は海外のアイテムとも相性がいいし、自社サイトでそれらを扱うことで、顧客のファッションの幅を広げる役割を担いたい。それがブランドの成長にもつながると信じている。

「ビビィ」ポップアップ
■阪急うめだ本店

日程:10月13日〜19日
時間:10:00〜20:00
場所:阪急うめだ本店3階
住所:大阪府大阪市北区角田町8-7

■伊勢丹新宿本店

日程:11月3日〜9日
時間:10:00〜20:00
場所:伊勢丹新宿店本館2階 TOKYOクローゼット内
住所:東京都新宿区新宿3丁目14-1

PHOTOS:TOMOHIRO KUSAMA(TENT)【STILL】

問い合わせ先
ビビィ
support@guruguru.info

The post インスタ発ブランド「ビビィ」が好調 創業者が語る、“妥協しても100点満点以上”の服作り appeared first on WWDJAPAN.

湘南のサーフショップを継承 常連客だったユナイテッドアローズ部長の思い

 ユナイテッドアローズ(以下UA)は、新生「カリフォルニアジェネラルストア(CALIFORNIA GENERAL STORE以下、CGS)」の全貌を公開した。同社の「サステナビリティやウエルネスにまつわる新たな発信拠点」と位置付け、商品軸だけではないライフスタイルにまつわるコト提案や職遊融合の新しい働き方を実践する。「『経営がUAに移って店が変わってしまった』とは言われないように、もともとのコミュニティーをしっかり保っていきたい」と、同店の責任者である清水学BY本部長は話す。

 9月24日に神奈川県藤沢市鵠沼海岸に移転オープンした新店は、駅からはやや距離があるもののビーチはすぐそばで、取材をした平日の昼間も店の周辺には真っ黒に日焼けしたサーファーたちの姿が見えた。店内は、藤沢の市街地にあった旧店舗で使用していた資材を活用したり、内装のカラーを再現したりすることで、旧店舗の雰囲気を再現した。世界中のサーファーやアーティストらがサインやイラストを施した象徴的なアートウォールも同店に移設した。売り場は旧店舗の約1/4の広さだが、店の前には「駐車場にしたら5台分は取れた」という広いウッドデッキを設置し、客がゆったりくつろげるスペースを確保した。

 販売商品は、旧店舗で取り扱っていた「CGS」のオリジナルウエットスーツブランド「アムステルダムウエットスーツ(AMSTERDAM WETSUITS)」のウエットスーツ(1万9000〜9万7500円)やロゴ雑貨などに、UAが企画した同店のオリジナルアパレル(4950〜3万7950円)やヨガウエア(7000〜1万5000円)、オーガニックコスメ雑貨(1760〜4620円)などを加えてラインアップを拡充した。ビンテージのサーフボードやヨガマットなども取り扱う。ビンテージのサーフボードは30〜200万円と高額なものも多いが、「今後は買いやすいボードもそろえ、地元のシェーバーの板もオーダーできるようにしていきたい」と清水本部長。

 レジカウンターでは、店舗スタッフがドリップしたコーヒーや地元のカフェから仕入れたクッキーやケーキなどを提供する。UAがセレクトした西海岸のクラフトビールも用意する。店内に配置したグリーンも「CGS」とゆかりのある業者から仕入れたもので、ローカル業者とのつながりを深めていく。

 「CGS」は1997年の創業以来、西海岸カルチャーの最先端の情報を発信し、人が集まるサーフショップとして多くのファンを生んできた。日本では2009年の「ロンハーマン(RONHERMAN)」上陸によって西海岸のサーフカルチャーをベースにしたライフスタイルショップが一般化したが、「CGS」はいわばその走りのような存在であり、ファッション業界内でもファンは多かった。サーフィン歴30年の清水本部長もそうしたファンの1人だ。清水本部長は20年以上同店に通っていたといい、「CGS」のオーナーの石田道朗氏が2018年に死去した後に、運営のサポートをしてほしいと声がかかった。そこから、UA社内や移転先の地域コミュニティーなどとの調整を進め、今年6月にUAが同店の商標権を取得、リニューアルに至ったのだという。清水本部長は「『CGS』はただのサーフショップではない。アーテイストやサーファーが世界中から集まり、文化を発信してきたレガシーきちんと継承したい。『CGS』のネットワークを軸に、物販だけでなくライフスタイルにまつわる“コト提案”にこだわっていく」と話す。

 店内は約半分がイベントスペースとなっており、アート展示や音楽ライブ、上映会、マルシェ、子ども向けのワークショップといった人が集まる施策を企画する。そのほか、店舗のオープン前の時間帯を活用して、同店のスタッフが講師を務めるサーフィン教室を毎朝開催し、第1、3土曜日には外部講師を招いたヨガ教室も開催する。既存の顧客層は30代後半〜40代の男性が8割だが、これらの施策を通して若い女性客の取り込みも狙う。

 面白いのは、同店のスタッフはこの店専任ではなく、UA、UAグリーンレーベル リラクシング、ビューティ&ユース、アウトレットの全国の店舗からの公募制にしたという点だ。旧店舗から移ってきたマネージャーと、“準レギュラー”的な週2〜3日勤務のメンバー数人は固定しているが、それ以外は応募してきた約30人が入れ替わりで店頭に立つ。「これほど応募があるとは思わなかった」と清水本部長も驚いており、通勤時間や費用などの点で断ることになったが、なんと「仙台や名古屋から応募したスタッフもいた」のだという。

 応募してきたのは、サーフィンやヨガ、サステナビリティに関心の高いスタッフが中心で、20代前半から40代まで幅広い。清水本部長は「元々この地域に移住するスタッフが増えていた。仕事前にサーフィンやヨガを日課にしているスタッフも多く、趣味と仕事を兼ね備えた職場を求めるスタッフのニーズも高い。UAとも違ったカジュアルでフレンドリーな接客で、地元の方々が毎朝コーヒー1杯を飲みに来店するようなお店に育ていく」と話す。

 「CGS」は、UAとしてこれまであまり発信できていなかったサステナビリティやSDGsに関する取り組みを行なっていく拠点という役割も担う。「ビーチの清掃活動などは当たり前として行なっていく」が、それ以外にも日本環境設計のBRINGと組んで衣料品の回収ボックスを常時設置したり、ショッパーを廃止したりといった消費者のサステナブルなアクションを促す施策を実践する。商品軸では、オーガニックコットンや再生ポリエステルなどの環境負荷の低い素材を積極的に採用するほか、モーリシャスの環境や人々の生活支援を目的とした「モーリシャス・ブルー・アクション(MAURITIUS BLUE ACTION)」とコラボしたチャリティーTシャツ(5500円)などを販売する。電力は地元企業の湘南電力を利用し地域貢献活動にもつなげる。

The post 湘南のサーフショップを継承 常連客だったユナイテッドアローズ部長の思い appeared first on WWDJAPAN.

美容業界未経験者がわずか数年で資生堂傘下のグローバルブランドを作るまで 「ドランク エレファント」創設者に聞く成功のレシピ

 資生堂が2019年に買収したスキンケアブランド「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」が10月1日、いよいよ日本に上陸する。三越伊勢丹のコスメEC「ミーコ(MEECO)」、イセタン ミラー ルミネ新宿店、ららぽーとTOKYO-BAY店に出店し、イセタン ミラー 東京ミッドタウン日比谷店、イセタン ミラーテラスモール湘南店では期間限定で取り扱う。また6日からは伊勢丹新宿本店でポップアップイベントを行う。

 「ドランク エレファント」は13年、当時専業主婦だったティファニー・マスターソン(Tiffany Masterson)がビューティ業界未経験で立ち上げたブランド。SNSを中心に熱狂的なファンを育てたD2C戦略とクリーンビューティコンセプトで急成長し、わずか数年でセフォラのトップセラーに上り詰めた。ポップなパッケージと環境・肌への安全性に配慮した処方で若年層を中心に人気を集めている。

 また買収した資生堂は「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」や「ベアミネラル(BAREMINERALS)」をはじめとするメイクアップブランドに加え、「ツバキ(TSUBAKI)」 などを擁するパーソナルケア事業を売却しており、今後プレステージスキンケアに一層注力する計画だ。そんな中で「ドランクエレファント」は事業をけん引するビジネスの1つの柱と捉え、日本での事業展開にも大きな期待をかける。

 そんな「ドランク エレファント」を手掛けるティファニー・マスターソン(Tiffany Masterson)創設者に、ブランド立ち上げの経緯や、日本進出にかけた思いなどについて聞いた。

WWD:「ドランク エレファント」を立ち上げた理由は。

ティファニー・マスターソン創業者(以下、ティファニー):ブランドを立ち上げる前は専業主婦として4人の子どもを育てていた。サイドビジネスとしてクレンジングバー(石けん)を作っていたのだが、これをきっかけに成分や原料、化粧品全般について学ぶようになった。私自身の肌が弱くてエッセンシャルオイルや香料にも敏感に反応してしまうのだが、安全・安心でありながら効果実感もある製品がなかなか見つからず、友人に勧められて自分でスキンケアラインを立ち上げることにした。

WWD:化粧品市場はすでにスキンケアブランドであふれているが、なぜここまで成長できたと考えるか。

ティファニー:「ドランク エレファント」を立ち上げる際、自分のこれまでの経験と知識を踏まえ6つの原料(エッセンシャルオイル、アルコール、シリコーン、紫外線吸収剤、香料・染料、界面活性剤)を絶対に配合しないと決めた。また肌にメリットのある、もしくは処方の安定・安全性に必要不可欠な原料のみを使用するシンプルな処方にこだわった。

重要なのは、単に処方にこだわるのだけでなく、なぜその処方にしたのかを発信すること。本当は不要な成分や肌に負担となる原料が含まれていることが多い化粧品だが、一般的な消費者はそんなことも知らない。だから消費者を“教育”する思いで、製品のことだけでなくスキンケアや化粧品全般について発信し続けた。このアプローチがこれまでの美容業界で新しかったのだと思う。透明性を重視した、消費者ファーストな戦略が支持され、口コミで人気が広がった。

WWD:買収のウワサが立っていた時、資生堂以外にも他の化粧品大手が買い手候補として多く挙がっていた。最終的に資生堂を選んだ理由は?

ティファニー:同じ価値観を持っているから。ポジティブな企業風土、“ピープルファースト”な考え方、イノベーション。これまでの「ドランクエレファント」のカルチャーを崩さずに、資生堂が誇る最新技術を活用してさらなるイノベーションを実現できるだろう。また、グローバル展開を目指す上で最適なパートナーだと感じた。

WWD:資生堂に買収された際、D2Cブランドとしての成功が高く評価されていた。欧米で奏功したD2Cアプローチは、日本でもどのように続けるのか?

ティファニー:SNSは消費者とつながる最も重要なツールの一つだと捉えている。「ドランク エレファント」のファンは、躊躇せずに意見を発信するし、互いにコミュニケーションを積極的に取り合っている。だから常に彼らの声に耳を傾け、なるべくスピーディーに製品開発などに生かしている。ブランドの成功の一因は、このコミュニティーに近い距離で接し、対話をしてきたことだと思う。9月にはLINEの公式アカウントを開設し、10月には伊勢丹新宿本店でポップアップイベントを開催予定で、そこで消費者と直接つながることも楽しみにしている。

消費者は決して“無知”じゃない
真面目すぎない啓もう活動が成功

WWD:「ドランク エレファント」は時に難しくもある、クリーンビューティやサステナビリティについて楽しく消費者に啓もうしており、それが多くの若年層の関心を引きつけている。

ティファニー:「ドランク エレファント」はあまりシリアスになりすぎず、常に“楽しむこと”を忘れないブランド。以前リテーラーの人に、消費者は“無知(知識がない)”だから、なるべくシンプルに消費者と対話する必要があると言われたことがある。でも私は決してそう思わないわ。今の消費者は学びたい意欲が高く、知識を手に入れることで自身の体に入れるものをコントロールできると分かっている。全く無知じゃないわ。私も一消費者として常に学んでいるし、なるべく楽しく気楽な方法で学べる場を作りたかった。だからユーモラスで“映える”コンテンツを用いて、原料や化粧品の使い方、ブランドのフィロソフィーなどについて楽しく発信している。

WWD:製品を重ね付けせず、手のひらで自由自在に混ぜて使う”スムージー”コンセプトもユニーク。それはどこから生まれた発想?

ティファニー:4人の子どもと仕事で常に忙しいから、丁寧に一つずつ重ね付けしている余裕がないの。ほぼ全ての製品が混ぜて使えるように、なるべく軽い質感にこだわった。毎朝飲んでいるスムージーにインスパイアされたの。

WWD:ここ数年でクリーンビューティは大きなブームとなったが、市場の未来は?

ティファニー:これからも次々とクリーンビューティブランドが誕生するだろう。ただ決まった定義がないために、クリーンの基準がブランドによって異なるのは懸念点だ。一方で消費者がどんどん賢くなっていく中で透明性はより重要になってくるだろうし、それはいい変化だと思う。

WWD:日本の化粧品市場は世界を見ても競争が激しい。そんな日本でどのように戦っていくのか。

ティファニー:全ての市場に共通することだが、まずはブランドのユニークな哲学をきちんと消費者に伝えることが成功の要だと思っている。欧米でも“教育”アプローチで多くの消費者が改めて自身の肌と向き合い、化粧品について学んだと感じている。日本の消費者にも同様に、“スキンケア改革”を起こしたい。

The post 美容業界未経験者がわずか数年で資生堂傘下のグローバルブランドを作るまで 「ドランク エレファント」創設者に聞く成功のレシピ appeared first on WWDJAPAN.

BLACKPINKのJISOOらがパリ現地で鑑賞 「ディオール」2022年春夏ショー来場者スナップ

 「ディオール(DIOR)」は2022年春夏コレクションをパリ・チュイルリー庭園で、9月28日(現地時間)に発表した。過去数シーズンはリモートで鑑賞したセレブリティーも多かったが、今季は同ブランドのアンバサダーを務めるBLACKPINKのJISOO(ジス)をはじめ、ゲストの多くが現地で鑑賞した。JISOOが「ディオール」のリアルショーをパリ現地で鑑賞するのは初めてだ。

 JISOOは「ディオール」22年プレ・スプリングコレクションのウールとシルクのプリントドレスに、“レディ ディオール”のマイクロバッグを合わせた。映画「テネット(TENET)」やネットフリックスドラマ「ザ・クラウン(The Crown)」に出演した女優、エリザベス・デビッキ(Elizabeth Debicki)は、22年プレ・スプリングコレクションのネイビーブルーのシルクドレスに“ボワ ドゥ ローズ”のイヤーカフ、“ローズ ディオール バガテル”のリング、“ジェム ディオール”などジュエリーをふんだんにスタイリングした。

 そのほか、女優のオリヴィア・パレルモ(Olivia Palermo)やレイチェル・ゼグラー(Rachel Zegler)、アーティストのロロ・ズーアイ(Lolo Zouai)、モデルのロミー・ストリド(Romee Strijd)、インフルエンサーのキアラ・フェラーニ(Chiara Ferragni)、ユーチューバーのライザ・コッシー(Liza Koshy)、ボクシングのラムラ・アリ(Ramla Ali)選手らが来場し、イタリア人アーティスト、アンナ・パパラッチ(Anna Paparatti)が担当した舞台装飾をはじめ22年春夏コレクションの世界観を楽しんだ。

The post BLACKPINKのJISOOらがパリ現地で鑑賞 「ディオール」2022年春夏ショー来場者スナップ appeared first on WWDJAPAN.

泣くな「かっぱ寿司」。俺たちは、あなた方の苦悩と努力を知っている。美味しくなっているのに

 回転寿司業界4位の「かっぱ寿司」がヤラかした。9月26日(日)の1日限定で、全皿半額セールを実施したところ、想定以上の来店客があり、何時間もの待ち客が出て、現場はパニック。ネットで炎上し、本社が「お詫び」をする事態となった。「泣きっ面に蜂」という状況だが、コロワイド傘下になって8年、苦難の道を歩いてきたことも事実だ。
Posted in 未分類

「ファッズの佐野社長、ブラジルでプロサッカー選手として活躍してたって知ってた?」『生串打ち 焼鳥 酒場ブラジル』日本初出店

 緊急事態宣言下でも酒類提供を貫き、その存在感を改めて見せつけた「新時代」。既に今年7月まで20店舗の新規出店をしており、勢いはとどまるところを知らない。コロナ禍でも全国各地で伝串フィーバーを起こしている新時代グループを率いるのが佐野直史氏(株式会社ファッズ代表取締役)である。9月16日(木)、名古屋・名駅3丁目に新時代グループの新業態「酒場ブラジル 名駅本店」をオープンした。注目は"めっちゃふわふわで旨い"『生串打ち』。この焼鳥、初体験の味であり、東京からでも食べに行く価値ありありの焼鳥である。
Posted in 未分類