建て替え開業の阪神梅田本店 定石を捨て「食」に振り切る

 阪急阪神百貨店は8日、建て替え工事を進めてきた阪急梅田本店2期棟をオープンする。6日に店内を関係者に公開した。全10層のうち4フロア(地下2階〜地上1階、8階)を食品売り場やレストランなどが占め、「食」の百貨店としての魅力を前面に打ち出す。

 大阪最大のターミナル駅である梅田駅に直結する同店。都心部の百貨店であれば店の“顔”となる1階をラグジュアリーブランドのフロアとすることがほとんどだが、この常識にはとらわれない。「(隣接する)阪急うめだ本店はモードファッションを集積した、いわば百貨店の王道。であれば、お客さまに本当に求められる阪神本店は日常の楽しさの追求だ。お客さまのニーズに立脚して、百貨店の常識にとらわれない館作りに取り組んだ」と山口俊比古社長。

 「食の阪神」を象徴するのが、1階フロア中央に330平方メートルの規模で展開するエンタテイメント型の食体験スペース「食祭テラス」だ。「阪神からあげファン感謝祭」や「お好み焼きだよ!広島VS大阪」などユニークなテーマの催事を盛り込み、「熱量の高いファンのスモールマーケットを狙う仕掛けを盛り込んだ」(OMO販売推進部ディビジョンマネージャーの鈴木健三氏)。

 食祭テラスをはさむように、嗜好性の高い食の売り場が散りばめられている。全国に存在する地元民だけが知るおやつを約700種類集積した「おやつテラス」や、2018年にオープンした1期棟で評判だったパンのセレクトショップを進化させた「パンテラス」、英国で110年以上愛されてきた紅茶ブランド「リントンズ」の世界初の常設店が登場する。

 バラエティーに富んだ品ぞろえだけでなく、人の力でも誘客する。今回の建て替え開業にあたり、インスタなどの発信に力を入れる110人の社内スタッフを「ナビゲーター」として抜てき。地下2階食品売り場を担当する「おやつナビゲーター」の腰前和宣さんは「子供の頃からおやつが大好き。これまでもSNSでお客さまと接点を持ち、食べる楽しみだけでなく、作る楽しみも分かち合うことを意識してきた。工場見学でおやつ作りの裏側を学んだり、洋菓子店とコラボ商品を開発したりということにもチャレンジしていきたい」と話す。

 そのほかの飲食フロアは、地下2階に女性ひとり客も狙った「バル横丁」とグルメゾーン、9階には8店舗の話題店が集積した「フードホール」と、食通も満足する名店がそろう「阪神大食堂」で構成。日本一のデパ地下をうたう地下1階は、さらにグレードアップした形で2022年春のグランドオープンをめざす。

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「マルジェラ」は楽しみを“夢想”し、「シャッツィ・チェン」は“今を楽しむ” 日本からもパリコレVol.7

 2022年春夏シーズンのパリ・ファッション・ウイークが開催中。現地スタッフのリアルショーやイベント取材に加え、日本のスタッフもデジタルショーを中心にレビューします。

退廃的な世界でも楽しみを見出す「メゾン マルジェラ」

 「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は、“ユートピアンユース(夢想家の若者たち)”をイメージしたコレクションを披露しました。映像には、水辺で子どものように遊ぶ船乗りや、地割れした路上ではしゃぐ若者たち、モヤがかかる森で音楽を楽しむ男女が登場。退廃的な世界でも希望を捨てず、楽しみを見出す若者のエネルギーを伝えます。スタジオの裏側までを見せてクラフト感を押し出すことで、重すぎないムードに仕上げたのも好印象です。

 ウエアは、ウールコートにデニムジャケットを貼り付けたり、トワレドレスの上にカラフルなチュールを重ねたりと、クラシックなアイテムに若者も着慣れたアイテムを合わせるミックススタイル。行き過ぎた文明化や自然への欲望を反映したのか、ニットや下着、ソックスには動物のアイコンを刺しゅうし、ヘリンボーンコートやチュールドレスには羽根飾りを縫い付けるなど、自然のモチーフをふんだんに取り入れました。鳥がついばんでほつれたようなドレスや、時の経過を表現するため酵素で退色させたテキスタイルなど、細部も作り込んでいます。シューズとバッグに多用したビビッドなイエローとブルーは、古き良きフィッシャーマンをイメージしたもの。太ももまで隠れたロングブーツは、たしかに漁師っぽいです。

 リアルではなくデジタルで、しかもダークな世界観の映像。クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノ(John Galliano)は、まだまだ社会を楽観視していないようですね。それでも彼のクリエイションには、「手に取りたい」と思わせる仕掛けと、メッセージを伝えるディレクションセンスが詰まっていました。

「今、この瞬間の輝き」をサーカスショーに見立てた「シャッツィ・チェン」

 1978年に台湾で誕生した「シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)」は、サーカスショーをイメージした映像をオンライン配信しました。ディレクターのワン・チェン(Wang Chen)が「私たちは、今、この瞬間も輝いている。バランスを必要とせず、喜んで冒険する」と語る通り、厳しい状況でも今を楽しむメッセージが詰まったコレクションでした。

 コレクションのベースは、ブロケードを使ったテーラードジャケットやドレープが際立つハイウエストパンツ、シルクのドレスなど、エレガントな素材とシルエットのアイテムたち。そこにフリルシャツやシルクハット、ピンヒール、コルセット、ダイヤチェックなど、西洋のサーカス衣装に着想したアイテムと柄を加えました。虎のグラフィックや火の玉のイラスト、曲芸師のパフォーマンスなど、東洋を連想するディテールや演出も差し込み、多様な地域と人種をミックスします。さらにラッパや星、丸、三角、四角のアイコンなど、子ども時代に楽しんだおもちゃや図形を手書き風のイラストに落とし込んで、“今の楽しさ”を強調しました。

 あくまで“夢想”と説明する「メゾン マルジェラ」とは対照的に、“今を楽しむ”と明言した「シャッツィ・チェン」。メッセージは異なるのに、映像のムードが似通っていたのが面白かったです。

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「ルイ・ヴィトン」2022年春夏ショーに高飛び込みの“編み物王子”や新ボンドガールら豪華ゲストが集合 

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は、2022年春夏コレクションをルーブル美術館で10月5日(現地時間)に発表した。同ブランドがリアルショーを行うのは2021年春夏シーズン以来。

 会場には、東京オリンピックの男子シンクロナイズドダイビング10m高飛び込みで金メダルを獲得した、“編み物王子”ことイギリス代表のトーマス・デーリー(Thomas Daley)が登場。イタリアのアート&デザインのスタジオ、フォルナセッティ(FORNASETTI)とのコラボTシャツにスタッズ付きのバイカージャケットを合わせたスタイルに、「ルイ・ヴィトン」のミニショルダーバッグ“プティット・マル”を身に付けた。同氏はオリンピック期間中の観戦席での編み物姿がSNSなどで話題になった。そのほか、アンバサダーを務める女優のアリシア・ヴィキャンデル(Alicia Vikander)や、映画「007」最新作に出演するアナ・デ・アルマス(Ana De Armas)、フィービー・ディネヴァー(Phoebe Dynevor)、チャンネル登録者数1000万人を抱えるユーチューバーのエマ・チェンバレン(Emma Chamberlain)らが会場を訪れた。

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愛にあふれた故アルベール・エルバスのメモリアルショー 川久保玲やデムナ、アルマーニら有名デザイナーが連帯

 4月に新型コロナウイルスによってこの世を去った、デザイナーの故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)氏の功績をたたえるメモリアルショー“ラブ・ブリングス・ラブ(Love Brings Love、愛は愛を呼ぶ)”が2022年春夏パリ・ファッション・ウイークを締めくくるイベントとして現地時間10月5日夜に開催された。ショーでは、45ブランドのデザイナーたちそれぞれが、エルバスへのオマージュを捧げるルックを披露。さらに、彼が19年に立ち上げた、あらゆる人に向けて夢のあるファッションを提案するブランド「AZファクトリー(AZ FACTORY)」のデザインチームも、そのビジョンを受け継ぐルックを制作した。

 エルバスは生前、第二次世界大戦後にフランスのファッション業界復興のため、多くのデザイナーたちがミニチュアドレスを制作・発表した展覧会「テアトル・ドゥ・ラ・モード(Theatre de la Mode)」から着想を得て、新たなプロダクトやストーリーの制作に取り組んでいたという。今回のショーは、そんな彼のために有名デザイナーたちが協力して実現。驚くのは、ファッション・ウイークを総括するかのような参加デザイナーの豪華さだ。

ミケーレや阿部千登勢も参加の超豪華メンツ

名を連ねるのは、ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)やジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)、ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)といった大御所から、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)や「グッチ(GUCCI)」のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)、「ヴァレンティノ」のピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)、「ディオール(DIOR)」のマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)、「エルメス(HERMES)」のナデージュ・ヴァンヘ・シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のダニエル・リー(Daniel Lee)、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)、リック・オウエンス(Rick Owens)まで。日本からは、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」の川久保玲、「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢、トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」の小泉智貴が参加した。

ショーは、エルバスが「AZファクトリー」のためにデザインしたブラックドレスからスタート。彼が「ランバン(LANVIN)」を手掛けていた時代を思い出させる、スポットライトで作る光のランウエイをモデルが歩く。そこからは、「AZファクトリー」のネーミングにちなみ、ブランドのアルファベット順に、デザイナーたちがエルバスに思いを馳せて制作したルックが登場。それぞれが、ピンクやドレープ、ラッフル、ハートやボウ(リボン)のモチーフからハッピーなムード、遊び心まで、彼のクリエイションを象徴する要素と自身のスタイルを融合している。例えば、「ヴァレンティノ」のピッチョーリは、フューシャピンクのファイユを使い、肩にボウをあしらったワンショルダーのイブニングドレスを制作。ラルフ・ローレンによるボウタイをつけて黒縁眼鏡をかけた“ポロベア”など、エルバスをキャラクター的に取り入れた作品には思わず笑みがこぼれる。

赤いハートが舞う愛に満ちたフィナーレ

その後披露したのは、エルバスが「AZファクトリー」で示した “アスレチック・クチュール”の方向性をデザインチームが表現した25ルック。それは、彼の夢が今後も受け継がれていくことを感じさせた。最後に現れたモデルのアンバー・バレッタ(Amber Valletta)が、エルバスをほうふつとさせるスタイルで彼のようにお辞儀すると、フィナーレでは正面の壁を覆う幕が外れ、44体のルックを着たモデルが整列して再び登場した。赤いハートの紙吹雪が舞い、たくさんの人から愛された偉大なデザイナーをたたえた。その空間にあふれるのは、まさに愛とリスペクト。心が温もりで満たされていくような素晴らしいショーで、パリコレのトリを飾った。

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ジンズの眼鏡型デバイス「ジンズ ミーム」 10⽉14⽇に1万9800円で発売へ

 ジンズは、2015年に発売した眼鏡型デバイス「ジンズ ミーム(JINS MEME)」の次世代機を発表した。10⽉6⽇から予約を受け付け、14⽇にジンズの⼀部店舗および公式EC、アマゾン(AMAZON)で発売する。価格は税込1万9800円。

 旧作は、ノーズパッド周りとテンプルエンドに2つのセンサーとバッテリーを搭載していたが、新作ではこれらを⼩型化してノーズパッド部分の“ジンズ ミーム コア”に集約した。⽥中仁ジンズ社長は、「軽量化できて掛け⼼地も向上。一般的な眼鏡と比べて遜色のないデザイン性も実現した」と自信を見せる。

 “ジンズ ミーム コア”には、独⾃開発した3点式眼電位センサー(特許取得済)と6軸モーションセンサーが搭載されており、3点式眼電位センサーは瞬きの回数や眼球の動きから脳の状態を分析し、6軸モーションセンサーは体の軸の変化を捕捉・測定する。集積されたデータはブルートゥース経由でスマホの専用アプリに送られ、姿勢の良し悪しを4段階で評価したり、心身を整えるストレッチやヨガ、瞑想などのオリジナルコンテンツ(動画)の視聴を提案したりする。「コンテンツは所要時間が20秒から3分なので、仕事の合間や朝の限られた時間にも取り組める」という。

 また「多くの人にトライしてほしい」との思いから、4万2120円だったものを1万9800円とした。眼鏡タイプは、度付きレンズ代を含む価格だ(サングラスは別)。専用アプリの利用料は初年度が無料。2年⽬以降はジンズ初のサブスクリプションサービスにより、年額5000円か月額500円を支払う。

 ⽥中社長は、「コロナ禍に伴うニューノーマルの中で、オンとオフの境界はいっそうあいまいになっている。つまりセルフケアが重要で、『ジンズ ミーム』がそれをアシストする」と話す。

 今後の展開については、ヴイチューナー(VTUNER)とジンズ ミーム コントローラーを挙げる。ヴイチューナーはカメラによるモーションキャプチャーを使⽤せず、「ジンズ ミーム」着⽤者の動きを反映してアバターを簡単に作れるサービスで、11⽉下旬にローンチ予定(特許出願中)。ジンズ ミーム コントローラーは、目や頭の動きでPCやスマホを操作するもので研究開発中だ。「実装できれば、障がい者の社会進出のハードルも下げられるはず」と意気込む。

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美容鍼灸院発の“塗るボトックス”クリーム刷新 ほうれい線にアプローチ

 美容鍼灸院のパイオニア「ギンザ ハリッチ(GINZA HARICCHI)は10月6日、“塗るボトックス”と呼ばれる成分を配合したクリームを刷新し、美容成分をふんだんに詰め込んだ“エル ショット プレミアムプラス”(30g、税込1万8000円)を同院と公式サイトで発売した。

 “エル ショット プレミアムプラス”は、即効性のあるリフトアップ効果があるウルトラフィルを従来の4倍の20%配合。さらに、天然の微細針で適度な刺激で肌を活性化するカイメンマツの天然の針や、シワの悩みを瞬時になかったことにするとして注目の成分であるリフトニンエクスプレス、“塗るボトックス”と言われシワやたるみをケアするシンエイク、アルジリンを主成分とする。

 ほうれい線をはじめシワに直接アプローチでき、リフトアップ効果とハリ、潤い、ボリューム感が向上。プレミアムラインとして展開する。

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TSI、4期ぶりの営業黒字 21年3〜8月期でゴルフウエア伸長

 TSIホールディングスの2021年3〜8月期連結業績は、本業のもうけを示す営業損益が11億円の黒字だった。前年同期の104億円の赤字から転換し、同期間としては4期ぶりの営業黒字になった。アパレル販売の回復ペースは遅れているものの、商品の仕入れを抑えて値引き販売を少なくしたことで、粗利益が111億円も回復した。「パーリーゲイツ」を主力としたゴルフウエアの販売も好調だった。

 売上高は前年同期比15.1%増の647億円。コロナ前の前々期比(19年3〜8月期比)では20.9%減だった。売上高の戻りは遅いが、一連のコスト構造改革によって収益性は改善された。商品仕入れを約15%抑えるとともに、昨年の店舗休業によって販売機会を失っていた商品を定価販売するなど、値引き販売を減らした。前期に実施した不採算事業や人員の整理によって販管費も99億円減らした。粗利益率の改善と、販管費率の抑制によって利益は計画を上回った。

 事業別で売上高への貢献度が高かったのがゴルフ事業およびストリート事業だった。密にならないレジャーとして注目されたゴルフ事業は、「パーリーゲイツ」「ニューバランスゴルフ」など5ブランドの売上高が前々期比で約2割増の110億円だった。「ハフ」「ステューシー」「アンディフィーテッド」のストリート事業も売上高が前々期比で約1割増の80億円になった。一方で同社の最大事業である「ナノ・ユニバース」の販売は苦戦している。

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「シャネル」2022年春夏ショー来場者スナップ BLACKPINKのJENNIEらがショーのエネルギーを語る

 「シャネル(CHANEL)」は10月5日、2022年春夏コレクションのショーをパリで開催した。いつも会場としている使っているグランパレ(Grand Palais)は現在工事中のため、代わりにエッフェル塔前に建てられた仮設施設グランパレ エフェメール(Grand Palais Ephemere)で少数のゲストを招いてリアルショーを行った。

 過去数シーズンはリモートで鑑賞したゲストも多かったが、今季は欧州以外からもセレブリティが訪れた。ピンクのレディライクなツイードスーツにパンクなヘアスタイルで登場したクリステン・スチュワート(Kristen Stewart)は、「すごく人間らしくて、偽りがなくて、愛おしい」カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が恋しいとしつつ、現クリエイティブ・ディレクターのヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)の仕事からも「元気がもらえる」とコメント。

 「彼女はシャイで控えめだけど、もし他の人生を歩んでいたら、マイクを片手にステージに立つロックスターなんじゃないかと思う。フランス的な女性らしさやノンシャランなエレガンスといったアイデンティティーを継承していくだけでなく、ダイナミックなストーリーを見せてくれた。この業界の人たちは少し自分を抑制しがちだと感じていたけれど、(ショーに出た)女の子たちは髪を振り払ったり、にこにこしたりして、すごく開放されていて心から感動した」とクリステン。特にショーのラストでジョージ・マイケル(George Michael)による「Freedom!'90」がBGMとして流れたときに「エネルギーを感じた」という。

 アンバサダーのBLACKPINKのJENNIE(ジェニー)は、バックステージでクリステンとセルフィーを撮っていた。「熱烈なファンみたいに振る舞ってしまったけど、彼女が大好きだからやっと会うことができてすごくうれしい」と語った。

 JENNIEは80年代のファッションショーにインスパイアされた今季の「シャネル」のショーについて、「今まで見た中で一番エネルギーを感じるショーだった。自分はパフォーマンスをする側だから、人混みに入ってそのエネルギーを感じることはこれまでなかったけど、今回はこちら側でモデルたちが歩くのを見ていて、ここ数年感じることができていなかったエネルギーを取り戻すことができた」とコメント。

 コロナ禍によりBLACKPINKはリアルのコンサートを行うことができなかったが、今年初めにはオンラインでコンサートを行った。「リハーサルはいつもとあまり変わらなかったけど、本番は違った。いつもだったら朝起きたときの気分がどんなものでも、ステージに立てば全部忘れちゃう。だってファンの気持ちが伝わってくるから。でもオンラインのコンサートは大変だった。カメラをただ見つめるしかできなかったから、自分がどう見えているかやどう振る舞っているかばかり気にしてしまって、全く別のものだった」と振り返る。「ユーチューブ(YouTube)で過去の私たちのコンサートの映像を見るの。あのエネルギーをまた感じたいし、コンサートが恋しいから」と、JENNIEはまたファンとコンサートができる日を心待ちにしていることを明かした。

 パリ・ファッション・ウイーク期間中には、同じくパリを訪れているBLACKPINKのメンバーのJISOO(ジス)と“ディナーデート”を楽しんだというが、最近は収録に励んでいるとし、新曲を「ちょうどいいタイミングで」リリースすることを約束した。

 会場には、リブート版「ゴシップガール(GOSSIP GIRL)」に出演中の女優ホイットニー・ピーク(Whitney Peak)や、ネットフリックス(NETFLIX)ドラマ「ザ・ソサエティ(THE SOCIETY)」に出演したクリスティン・フロセス(Kristine Froseth)の姿もあった。

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エミー賞のセレブがお手本 秋冬トレンドはレッドカーペットから学べ!

 アメリカのテレビ界で最高の栄誉とされる第73回エミー賞の授賞式が9月19日(現地時間)にロサンゼルスで開催され、大勢のセレブリティーが集まりました。レッドカーペットも復活。来場者が思い思いの装いを披露しました。フォーマルな印象が濃かった過去のレッドカーペットに比べ、リアルトレンドに寄った装いが多くなっているのも近年の傾向です。来場セレブの着こなしは、秋冬のスタイリングの見本帳のよう。今回は3つのキーワードを軸に、普段の着こなしに生かすアレンジ術を紹介します。

キーワード1:コージー ゆるいシルエットはエレガントに着こなす

 最初のキーワードは“コージー(Cozy)”。「居心地のよい、くつろいだ」の意味ですが、モードの世界ではゆったりしたシルエットの装いを指すようになってきました。でも、ぐだぐだに脱力するのではなく、エレガントに着こなすのがレッドカーペット流です。

 テレビドラマ「ザ・クラウン(The Crown)」でダイアナ元妃を演じたエマ・コリン(Emma Corrin)は、体のラインが出ない、ゆるっとしたドレスで来場。裾に向かってドレスの幅が広がり、ボディーを締め付けないストレスフリーの装いです。曲線美やめりはりを重視していたかつてのセレブドレスとは真逆ですが、ロンググローブを合わせることでレディーな雰囲気を演出しています。意外性のあるピースを盛り込むのも、レッドカーペットならではの“お約束”。髪全体を包み込み、あごにまでかかる帽子はモード界で注目を集める新顔アイテムです。全体をワントーンでまとめ、ストンとした落ち感を帯びたドレスののどかな印象を引き立てています。

 オーバーサイズは、もはや定番的なフォルムとして定着しつつあります。これまでのレッドカーペットはボディーラインを強調するジャストフィットのドレスが主役でしたが、近ごろはその常識も一変。ただし、だらしなく見せないアレンジが新ルールです。

 女優アニー・マーフィー(Annie Murphy)がまとったのは、ガウンライクなドレス。袖先が余り、裾も床を引きずるオーバーサイズ加減は、かつてのレッドカーペットではありえなかった着こなしです。あちこちがたるんだリラクシングなシルエットですが、正面に2カ所スリットが入っていて、ほのかにセンシュアル。バスローブ風でありつつ、フェミニンさも忘れないさじ加減が巧みです。ゆるさとフェミニンさを掛け合わせた新たなレッドカーペットのスタイリングといえるでしょう。

キーワード2:ジェンダーレス パンツスーツはドレッシーに着こなす

 “レッドカーペットはゴージャスなドレス”というお約束は、もう昔の話。今回のエミー賞では、パンツルックがあちこちで見られました。追い風になったのは“ジェンダーレス”の流れ。パンツスーツをドレッシーに着こなすセレブたちは、性別を軽やかに飛び越え、魅力的な装いを見せてくれました。

 女優のレスリー・グロスマン(Leslie Grossman)が選んだのは、ダブルブレストのダンディーなジャケットと、70年代のムードを帯びたフレアパンツのセットアップ。トレンドのセブンティーズをパンツスーツで取り入れ、凜々しさとヒッピー感を同居させました。ジャケットのフロントと袖のまばゆいビジューが、華やかさを添えています。

 お仕事ルックで見慣れたパンツスーツとの違いは、シルエットと素材感です。主張を控えるのがオフィスコーディネートでの基本ですが、レッドカーペットでは話が別。シルエットは細身かワイドの両極端にシフト。素材でつやめきやグリッターをまとうのが、セレブならではのチョイスです。

 俳優トム・ハンクス(Tom Hanks)のパートナーとしても有名な女優リタ・ウィルソン(Rita Wilson)は、スリムなシルエットの黒のタキシード風パンツルックで会場入り。全体にちりばめられたラメがあでやかでゴージャスな雰囲気を醸し出しています。コンパクトに仕立てたジャケットとパンツのコンビネーションは、クールでスマートな出で立ち。シルバーのネックレスやヌーディーなヒールでグラマラスなムードを薫らせて、リタ流のバランスに整えました。

キーワード3:ファンタジー シンプルなドレスはドラマチックに着こなす

 リアルトレンドな着こなしが増えつつも、レッドカーペットらしい特別感を印象づけるのは、やはり非日常のイメージを打ち出した装いでしょう。今回のエミー賞でも期待を裏切らないサプライズルックが披露されました。おしゃれが控えめになりがちな今、こうしたファンタジーな要素は着こなしの大事な味付けになりつつあります。

 大ヒットドラマ「9-1-1:LA救命最前線」で人気の女優アンジェラ・バセット(Angela Bassett)は、うねるピンクのラッフルがキャッチーなロングドレスで降臨。ラッフルやフリルなどのロマンチックなディテールは、2021-22年秋冬のトレンドとしても注目を集めています。ドレス自体はミニマルな仕立てでも、華やかなイメージを押し出す切り札的ディテールを取り入れるだけで、ファンタジーな印象が爆上がり。シンプルな服をドラマチックに着こなすお手本となる装いです。

 フェザー(羽根)に代表される、ファビュラスな素材やディテールを生かせば、シンプルな服にも特別感を添えられます。特に、付け外しの利くパーツは重宝な小道具。顔周りや裾など、目立ちやすいスポットにあしらうのが賢い使い方です。

 女優シンシア・エリボ(Cynthia Erivo)は、膝から下をクジャクのようなフェザーで埋め尽くしました。歩みを進めるたびにリズミカルに躍るフェザーが、真っ赤なカーペットにマッチしていました。見た瞬間、気持ちをときめかせてくれるセレブルックです。こちらもすっきりとしたシルエットのワンピースがベース。ふわふわのマラボーを肩掛けする着こなしでも、似た効果を引き出せそうです。

 “コージー”“ジェンダーレス”“ファンタジー”の3つのキーワードをレッドカーペットから拝借すれば、秋冬ルックに程よい格上イメージと、非日常感を注ぎ込めます。これらの要素を、“心地よく”“自分らしく”“ポジティブな現実逃避”と言い換えれば、今の時代に求められるおしゃれファクターとも見えてきます。レッドカーペットを参考に、この秋冬はいつもの着こなしに磨きをかけてみませんか。

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ワコールの3Dスキャナーが医療にも 有明病院と乳房再建手術の共同研究をスタート

 ワコールと公益財団法人がん研究会有明病院(以下、がん研有明病院)は、乳房再建手術に関する共同研究を行うことを発表した。乳がんの手術により乳房を切除した女性により元の状態に近い乳房再建の機会を与えるのが目的だ。ワコールの3D計測サービス“3D スマート アンド トライ” を用いることで、乳房再建手術で元の乳房に近い状態を再現し、術後の患者の満足度の向上を目指す。

 年間約180件の乳房再建手術を行っているがん研有明病院。矢野智之がん研有明病院形成外科部長は、「乳房再建に携わる医師として、どうしたら患者が望む乳房再建を行うことができるかと悩んできた。女性のバストに関してノウハウを持つワコールを組めるのはかねてからの念願だった」と述べた。下山廣ワコール執行役員イノベーション戦略室長は「有明病院から弊社の培った知見に基づいたデジタルサービスが乳房再建の発展に寄与できると話があったときに強い使命感を感じた」とコメント。

 現在、乳房再建手術を受ける女性は、全乳房切除術症例の約2割だ。今後「乳房を取り戻して、明るく前向きな人生を送りたい」と願う全ての人が満足のいく乳房再現手術を受けられるように共同研究を推進する。

満足度の高い乳房再建のために“サージカルブラジャー”を開発

 研究内容の柱は、“サージカル(手術用)ブラジャー開発”と“3Dボディーデータ×3Dプリント技術を使用した試み”の2つだ。“サージカルブラジャー”は、満足度の高い乳房再建とするため、手術中に“ブラジャー着用状態”の乳房をイメージできるように開発された。乳房再建手術には、腹部や太ももなど自らの組織の一部を移植する“自家組織再建”と、人口乳房(シリコン)を使う“インプラント再建”がある。自家組織再建の手術では、再建する側の乳房の大きさ及び形状を執刀医が確認・判断して行う。ただ術後に、「ブラジャーのサイズが合わない」「ブラジャーのワイヤーが胸に当たって痛い」などの悩みを持つ人もいる。それを解決するために活用するのが、ワコールの“3D スマート アンド トライ”による3D計測及びサイズオーダーブラジャー製造の技術だ。

 患者が手術前にワコールの店舗に行き3Dボディースキャナーで計測し、そのデータをもとにワコールが“サージカルブラジャー”を製作。がん研有明病院は、“サージカルブラジャー”を用いて乳房再建手術を行う。“サージカルブラジャー”を使用することにより、ブラジャー着用に適した乳房の大きさや形状を執刀チーム(医師、助手、ナース)が可視化して共有できるようになり、患者にとって満足度の高い乳房再建が可能になる。矢野部長は、「患者が受け身ではなく、積極的に治療に関わることで気持ちが明るくなることも期待できる」と言う。今までに、3つの手術で“サージカルブラジャー”が用いられ、患者からは「ワコールのビューティーアドバイザーにとても親切にしてもらい、気持ちよく計測と乳房再建のためのブラジャーの相談ができた」という声や、「再建後も下着の相談に行ける場所があるのは安心」と言った感想が寄せられている。今後は検証を重ね、がん研有明病院だけでなく、他病院への提供拡大も視野に入れている。

リコーの3Dプリンター技術を活用した“3Dプリントバスト”

 “3Dボディーデータ×3Dプリント技術を使用した試み”は、がん研有明病院の医療技術とワコールの3D計測サービス、リコーグループの3Dプリント技術の3つをかけ合わせ、その活用法や可能性を検討するというものだ。その一つとして開発されたのが、乳房を再現した“3Dプリントバスト”だ。この“3Dプリントバスト”は柔らかく、3Dボディーデータをもとに3Dブリンターによって作られている。このように患部や身体の部分が再現できることで、限られた時間内での診療や手術のシュミレーションに活用したり、医療現場におけるさまざまな課題への対応が期待されている。

 現在、ワコールは全国18店舗に21台の3Dボディースキャナーを設置している。「今後、3Dボディースキャナーを全国の病院に設置するのは難しいだろうが、ワコールの店舗では100台設置を目指している。それを医療にも活用してもらうことで、社会貢献につながレバ」と下山室長は述べた。

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「ミラノサローネ2021」リポート 「フリッツ・ハンセン」や「カール・ハンセン」の名作に新色が登場

*フリッツハンセン
名作椅子にカルラ・ソッツァーニ監修のカラーが登場

 デンマーク発「フリッツ・ハンセン(FRITS HANSEN)」の新作は、アーム&ルンド(AHM&LUND)によるデザインの貝殻の形の照明やピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)がデザインしたソファなどだ。目玉は、「ディエチ コルソコモ(10 CORSO COMO)」のカルラ・ソッツアーニ(Carla Sozzani)によるディレクションで、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)がデザインした“アント”チェアと“グランプリ”チェアの新たなカラーパレットが登場したことだ。彼女は、「地中海の自然の色調から選んだ。夕焼けの色や砂の色、水の色など合計16色をそろえた。暖かい色調にするために、どの色にも赤を少しだけ加えている。今の暮らしには感情に訴える色調が必要だ」と語った。

*カッシーナ
伊「ヴォーグ」と協業でウインドーディスプレー

 今回のサローネで、「カッシーナ(CASSINA)」は伊「ヴォーグ(VOGUE)」とコラボレーションしたウインドーディスプレーを発表した。主な作品は1969年にイタリア工業デザイン協会が主催する「コンパッソドーロ賞」を受賞したアフラ&トビラ・スカルパ(Arfa & Tobia Scarpa)によるソファ“ソリアーナ”の復刻版。まるで包まれるかのような座り心地のソファには有機的なスポンジ素材とペットボトルを100%リサイクルした素材を使用している。ソファと共にモデルや人物大の人形を並べたウインドーはインパクトたっぷりで通り過ぎる人々の目を引いた。スタイリングは伊「ヴォーグ」が選んだインテリア・スタイリストのラウラ・トケット(Laura Tocket)が手掛けた。

*モルテー二
コロナ禍で変わる生活に対応する提案が充実

 ミラノ郊外のロー・フィエラで開催された「スーパーサローネ」の会場で「モルテーニ(MOLTENI & CO.)は、ロン・ジラッド(Ron Gilad)による飛行機の機内を模した空間で新作を発表した。ジオ・ポンティ(Gio Ponti)の一人がけソファ“ラウンドD.154.5”のリモデルなどが登場。同じくポンティのコンソール“D.847.1”を、ミラノ市内の『サルバトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)』ブティックのウインドーに展示。『モルテーニ』は、コロナ禍によるリモートワークにより変わり始めた暮らし方に一早く対応し、EC販売を充実させた。また、キッチンは家族全員の憩いの場ということで、キッチンブランドの『ダーダ(DADA)』でも、キッチンで仕事ができるように工夫するなど、状況の変化に柔軟に対応する姿勢が受け入れられている。

*バクスター
デザインとアートの間に位置するインテリア

 『バクスター(BAXTER)』は自社で革素材を生産しており、常時20種類の革をそろえている。新作のクリストフ・デルコート(Christophe Delcourt)がデザインしたソファは、各パーツを自在に組み替えることができる。水色、オレンジ、緑、ラベンダーなどの柔らかな色彩が新鮮だ。フェデリコ・ペッリ(Federico Pelli)が手掛けたテーブルはガラス、真鍮、革と3種類の素材を混ぜて使用するなど『バクスター』ならではのデザイン。大理石のコーヒーテーブル、真ちゅうの細い棒で構成されたガラスのケース、大理石とガラスのイドテーブルなどバリエーション豊かなコレクションだ。パオロ・べステッティ(Paolo Bestetti)=バクスター最高経営責任者は、「われわれが協業するデザイナーはアートギャラリーでの活動がメーンの人も多く、『バクスター』の家具はデザインとアートの間に位置している。コモ湖の近くに革の加工工場がある。2023年には風光明媚なコモ湖に面した庭付きのホテルをオープン予定だ。われわれが考える家を体験してもらうのが目的だ」と語った。

*カール・ハンセン
ブランドのアイデンティティーに忠実な物づくりを貫く

 「カール・ハンセン(CARL HANSEN)」の新作は、ハンス・ウェグナー(Hans Wegner)の5つの名作椅子をインテリア・家具デザイナーであるイルス・クロフォード(Ilse Crawaford)が新色で彩ったシリーズやイーオス(EOOS)のジュラーソファなど、既存の家具のデザインをアレンジして広げる姿勢を保っている。“忘れない、捨てない、消費しない”という「カール・ハンセン」には、自らのアイデンテイティーに忠実であろうとする落ち着いた姿勢がうかがわれる。クヌッド・エリック・ハンセン(Knud Erik Hansen)=カール・ハンセン最高経営責任者は、「北欧は嵐も多く、光も少ないので、室内での暮らしは重要なテーマだ」とコメント。1953年創業の同ブランドの家具は木製で多くがカシの木、一部チーク材を用いている。1本伐採したら1本植える。伐採した木材は1年乾燥させるなど手間と経費のかかる素材なのだ。素材にこだわりながら、職人養成学校も開設するなど若手職人の育成にも熱心だ。

*フロス
“パンテレージ”の誕生50周年をウインドーで祝福

 「フロス(FLOS)」は、ショーウィンドーに新商品を展示するのではなく50個の照明“パレンテージ”を吊るしてこの商品の誕生50周年を祝った。“パレンテージ”をデザインしたアッキーレ・カスティリオーニ(Achile Castiglioni)とピオ・マンズ(Pio Manzu)それぞれの娘と息子によるトークショーも行われた。店内で発表された新作は、ジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)によるごくシンプルで機能的な“オプライト”もう一点は、フォルマファンタズマ(FORMAFANTASMA)の“ワイヤーライト”。長いネオンを柔らかなワイヤーが支えるという発想の照明は、スペクタクルな雰囲気の空間を作りそうだ。

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「ミラノサローネ2021」リポート 「フリッツ・ハンセン」や「カール・ハンセン」の名作に新色が登場

*フリッツハンセン
名作椅子にカルラ・ソッツァーニ監修のカラーが登場

 デンマーク発「フリッツ・ハンセン(FRITS HANSEN)」の新作は、アーム&ルンド(AHM&LUND)によるデザインの貝殻の形の照明やピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)がデザインしたソファなどだ。目玉は、「ディエチ コルソコモ(10 CORSO COMO)」のカルラ・ソッツアーニ(Carla Sozzani)によるディレクションで、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)がデザインした“アント”チェアと“グランプリ”チェアの新たなカラーパレットが登場したことだ。彼女は、「地中海の自然の色調から選んだ。夕焼けの色や砂の色、水の色など合計16色をそろえた。暖かい色調にするために、どの色にも赤を少しだけ加えている。今の暮らしには感情に訴える色調が必要だ」と語った。

*カッシーナ
伊「ヴォーグ」と協業でウインドーディスプレー

 今回のサローネで、「カッシーナ(CASSINA)」は伊「ヴォーグ(VOGUE)」とコラボレーションしたウインドーディスプレーを発表した。主な作品は1969年にイタリア工業デザイン協会が主催する「コンパッソドーロ賞」を受賞したアフラ&トビラ・スカルパ(Arfa & Tobia Scarpa)によるソファ“ソリアーナ”の復刻版。まるで包まれるかのような座り心地のソファには有機的なスポンジ素材とペットボトルを100%リサイクルした素材を使用している。ソファと共にモデルや人物大の人形を並べたウインドーはインパクトたっぷりで通り過ぎる人々の目を引いた。スタイリングは伊「ヴォーグ」が選んだインテリア・スタイリストのラウラ・トケット(Laura Tocket)が手掛けた。

*モルテー二
コロナ禍で変わる生活に対応する提案が充実

 ミラノ郊外のロー・フィエラで開催された「スーパーサローネ」の会場で「モルテーニ(MOLTENI & CO.)は、ロン・ジラッド(Ron Gilad)による飛行機の機内を模した空間で新作を発表した。ジオ・ポンティ(Gio Ponti)の一人がけソファ“ラウンドD.154.5”のリモデルなどが登場。同じくポンティのコンソール“D.847.1”を、ミラノ市内の『サルバトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)』ブティックのウインドーに展示。『モルテーニ』は、コロナ禍によるリモートワークにより変わり始めた暮らし方に一早く対応し、EC販売を充実させた。また、キッチンは家族全員の憩いの場ということで、キッチンブランドの『ダーダ(DADA)』でも、キッチンで仕事ができるように工夫するなど、状況の変化に柔軟に対応する姿勢が受け入れられている。

*バクスター
デザインとアートの間に位置するインテリア

 『バクスター(BAXTER)』は自社で革素材を生産しており、常時20種類の革をそろえている。新作のクリストフ・デルコート(Christophe Delcourt)がデザインしたソファは、各パーツを自在に組み替えることができる。水色、オレンジ、緑、ラベンダーなどの柔らかな色彩が新鮮だ。フェデリコ・ペッリ(Federico Pelli)が手掛けたテーブルはガラス、真鍮、革と3種類の素材を混ぜて使用するなど『バクスター』ならではのデザイン。大理石のコーヒーテーブル、真ちゅうの細い棒で構成されたガラスのケース、大理石とガラスのイドテーブルなどバリエーション豊かなコレクションだ。パオロ・べステッティ(Paolo Bestetti)=バクスター最高経営責任者は、「われわれが協業するデザイナーはアートギャラリーでの活動がメーンの人も多く、『バクスター』の家具はデザインとアートの間に位置している。コモ湖の近くに革の加工工場がある。2023年には風光明媚なコモ湖に面した庭付きのホテルをオープン予定だ。われわれが考える家を体験してもらうのが目的だ」と語った。

*カール・ハンセン
ブランドのアイデンティティーに忠実な物づくりを貫く

 「カール・ハンセン(CARL HANSEN)」の新作は、ハンス・ウェグナー(Hans Wegner)の5つの名作椅子をインテリア・家具デザイナーであるイルス・クロフォード(Ilse Crawaford)が新色で彩ったシリーズやイーオス(EOOS)のジュラーソファなど、既存の家具のデザインをアレンジして広げる姿勢を保っている。“忘れない、捨てない、消費しない”という「カール・ハンセン」には、自らのアイデンテイティーに忠実であろうとする落ち着いた姿勢がうかがわれる。クヌッド・エリック・ハンセン(Knud Erik Hansen)=カール・ハンセン最高経営責任者は、「北欧は嵐も多く、光も少ないので、室内での暮らしは重要なテーマだ」とコメント。1953年創業の同ブランドの家具は木製で多くがカシの木、一部チーク材を用いている。1本伐採したら1本植える。伐採した木材は1年乾燥させるなど手間と経費のかかる素材なのだ。素材にこだわりながら、職人養成学校も開設するなど若手職人の育成にも熱心だ。

*フロス
“パンテレージ”の誕生50周年をウインドーで祝福

 「フロス(FLOS)」は、ショーウィンドーに新商品を展示するのではなく50個の照明“パレンテージ”を吊るしてこの商品の誕生50周年を祝った。“パレンテージ”をデザインしたアッキーレ・カスティリオーニ(Achile Castiglioni)とピオ・マンズ(Pio Manzu)それぞれの娘と息子によるトークショーも行われた。店内で発表された新作は、ジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)によるごくシンプルで機能的な“オプライト”もう一点は、フォルマファンタズマ(FORMAFANTASMA)の“ワイヤーライト”。長いネオンを柔らかなワイヤーが支えるという発想の照明は、スペクタクルな雰囲気の空間を作りそうだ。

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「ニューバランス」の“M1300”からゴルフシューズ&ウエア登場

 TSIとニューバランスジャパンは、「ニューバランス(NEW BALANCE)」の人気スニーカー“M1300”のゴルフシューズやゴルフウエアを販売する。1985年にデビューした“M1300”は「ニューバランス」を代表するモデルで、現在も米国メイン州の自社工場で作られている。ゴルフシューズはアッパーデザインを継承しつつ、グリーンで求められる機能を加えた。ゴルフウエアは“M1300”のカラーリングやデザインから着想を得て開発した。

 ニューバランスジャパンによるゴルフシューズ“MG1300JP”は、グローバル・パートナーシップを結ぶシューズ工房「ミムラボ」(兵庫県加古川市)が開発・製造する。見た目はほぼそのままのデザインで、アッパーに防水仕様を施したり、ゴルフ専用に開発したソールには安定感を高めるスパイクピンを採用したりした。ミムラボは一流アスリートへのカスタムシューズ製造で知られる三村仁司氏が率いる工房で、今回もプロゴルファーらによるテストを繰り返して開発した。特にゴルフシューズに求められるフィット感を徹底的に追求した。税込価格は7万4800円。

 ゴルフシューズは全て日本製で約130足の限定販売。13日に抽選予約サイトを開設し、23日から一部店舗とサイトで発売する。

 TSIはゴルフウエア「ニューバランス ゴルフ(NEW BALANCE GOLF)」を2017年から展開している。“M 1300”から着想を得たウエア、アクセサリーを“インスパイヤード パック(INSPIRED PAC)”として販売する。“MG1300JP”とのコーディネイトを前提にした配色の中綿ジャケット(5万3900円)、防風プルオーバー(2万8600円)、ボトムス(2万5300円)のほか、ミリタリーテイストのキャディーバッグ(7万5900円)、カードバッグ(1万9800円)などを企画した。

 23日から「ニューバランス」の原宿直営店3階に特設コーナーが設けられるほか、全国の百貨店にある「ニューバランス ゴルフ」の店舗、TSIの直営店「ザ ハウス」銀座店などで販売する。

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元米「WWD」の名物記者が語る、故リチャード・バックリー氏と過ごした出版社での多忙な毎日

 9月19日に亡くなったファッションジャーナリストのリチャード・バックリー(Richard Buckley)氏は、米国版「WWD」とも深い関係を持ち、ファッションジャーナリストとして大きな影響力を持つ存在だった。

 同氏は1948年にニューヨーク州ビンガムトンで生まれた。アメリカ、フランス、ドイツで育ち、ミュンヘンのメリーランド大学卒業後、79年にニューヨーク・マガジン(New York Magazine)でジャーナリストとしてのキャリアを開始。82年から「WWD」の元親会社、フェアチャイルド(FAIRCHILD)のメンズウエアを広く扱うメディアにて、次世代のデザイナーを次々と発掘した。その後フェアチャイルドを離れ、「ヴォーグ(VOGUE)」などを擁する米コンデナスト(CONDENAST)の元で働く。パリやロンドンでの生活を経て、晩年はロサンゼルス、ニューヨーク、サンタフェで時間を過ごした。米国版「WWD」の元名物記者、ブリジット・フォーレイ(Bridget Foley)がともに働いた日々を回想しながら、思い出を振り返る。

 シャーロット(Charlotte)から連絡があった時、「ああ、リチャードが亡くなったんだ」とすぐに分かりました。シャーロットはリチャードと彼の夫、トム・フォード(Tom Ford)の親しい友人で、ブランドのマーケティングを管轄する人。メッセージには、「電話ください。とても大事なことだから」とだけありました。

 最後にリチャードに“会った”のは今年5月、画面上でのこと。その時もいつものように、まるで興味や関心を見せないように、ぶっきらぼうでした。「WWD」を去った後の人生や娘のライターへの興味について、彼らしいキツめのジョークを混ぜて話していた。低く囁くような声で話す様子に、彼が「WWD」にいたころにすでに発覚していた病気の影を感じながらも、楽しく話していました。

 リチャードは、本当にエレガントな人でした。洞察力に長け、落ち着きもあり、独特なユーモアの持ち主でシルバーのヘアーがよく似合っていた。彼とトムの出会いは有名なことに、「WWD」の親会社だったフェアチャイルドのオフィス屋上で行われた撮影だった。当時トムはデザイナーのキャシー・ハードウィック(Cathy Hardwick)のアシスタントで、リチャードは担当の編集者だった。

 私はその時現場にはいませんでしたが、私とリチャードの友情はそれよりも前に始まった。私たちは「シーン(SCENE)」という若者向けの雑誌の立ち上げの際に出会いました。そのころリチャードは、フェアチャイルドのパリ発信のメンズマガジン「DNR」誌のヨーロッパ管轄の編集長として業界で有名でした。リチャードが去った直後に編集長を引き継いだエド・ナルドザ(Ed Nardoza)によると、「リチャードは圧倒的な才能の持ち主だった。彼の特集や撮影は洗練されていて、唯一無二のものだった。DNRマガジンの品質を一気にあげた」と言います。

 リチャードはフェアチャイルドと強いつながりを持っていたし、同社は彼をニューヨークに呼び戻しました。彼は「シーン」の編集長になる予定でしたが、同誌は複数の理由でたたむことになりました。私も彼もこのプロジェクトが機能していなかったことは気づいてたんですが、どうしようもできず……。それから日常は一転して充実した忙しいものから、ストレスフルなものに変わりました。その中で私たちはお互いを励まし合いながら、特有の深い絆が生まれました。これまでのシンパシー(共感すること)が、エンパシー(他人と感情を共有すること)に変わったのかもしれません。同じ階で働いていた人はみんな私たちと同じように感情を共有しながら働いていました。

 ある時、ちょっとしたことで仕事を一日休んだ時がありました。翌日出社すると、リチャードは代わりにまだ経験の浅い若い編集者と仕事をしていました。その編集者が私の休みの理由を探り「ああ、精神的に疲れてしまったんですね」と言った時に、私は唐突すぎて思わず吹き出してしまいました。するとリチャードは眉を片方あげて、「今更私たちのどちらかがが、精神的に疲れて一杯一杯になっても誰も驚かないだろうよ」と言ったんです。

 常に仕事に詰まっていて、週末もオフィスにいることが多々ありました。ある時、私たちは撮影のために洋服を探すことになりました。土曜日だったので娘のグレイン(Grainne)を連れて行ったのですが、2歳の好奇心旺盛な娘は洋服や靴をめちゃくちゃにしてしまいました。リチャードの性格を考えると、娘に対してでなくとも、少なくとも私にはイライラするんじゃないかとヒヤヒヤ。ところが彼はオフィスの中で子どもが安全に遊べるスペースを探し始めたのです。編集者同士で写真を確認し合うために使われていたフォトプロジェクターに目をつけ、娘を遊ばせました。当時フォトプロジェクターは写真のカセットを挿入して、流れるように見られる仕組みでした。すでに翌日のためにカセットで埋まっていたプロジェクターで娘は何百ものカセットを出しては遊んですっかり夢中に。リチャードはその後一人残ってまたカセットを補充してくれたんです。

 バックリー・フォード家のことを思う時、このシーンをいつも思い出します。リチャードは息子のジャック(Jack)にとって素晴らしい父親だったに違いありません。彼は寛容でクリエイティブで、ありふれた日常を面白くて楽しいものにします。トムが言うには、ジャックが生まれた時からリチャードはバラやユリ、フリージアなど、花を嗅がせるようにしていたそうです。ジャックはフレグランスや香りへの興味が芽生えているとのこと。ほかにも、日常のなんてことない疑問や考えに楽しさを見つけるような教育をしていました。

 リチャードの鋭い審美眼は、彼の大きな強みでした。彼は注目されていなかった芸術品や、誰も知らない新鋭デザイナーのドレスなどに目をつけていました。「シーン」の担当から外れてマガジンも廃刊になった後、リチャードは「WWD」の中で業界のイベントやパーティを取り上げる「ザ・アイ(The EYE)」ページを担当することになりました。初めて担当した大きなイベントは、若かりしころのクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が衣装を手掛けたバレエシアターのガラでした。「ザ・アイ」の連載は「WWD」の一つの大きなコンテンツで、WWD創業者のジョン・フェアチャイルド(John Fairchild)も注目していました。

 彼の文化的洞察力や独特のユーモアは「ザ・アイ」連載にピッタリ合っていました。ニューヨークの社交界を切り開き、大御所らと付き合いながらカウンターカルチャーから生まれる新たな流れを掴み取っていきました。これまで培ってきたジャーナリズムのスキルを大切にしながら、エンタメの世界に飛び込んだのです。

 彼がトムとヨーロッパに戻り、「ヴォーグ オム インターナショナル(Vogue Hommes International)」の編集長に就任した後、ばったりショーで会いました。私のレビューを読んだと報告をしてくれましたが、キュロットとスカートを間違えていると指摘。「とても素晴らしいレビューだったけれど、完璧ではないね」と一言。5月に画面上で会った時、彼は相変わらずエレガントでありながらズバズバとモノを言うので、とても楽しかった。話をしていると2人きりでオフィスに篭っていた日々を思い出します。私たちは若くて、タフでした。タフすぎるくらいに。お互いを支え合って過ごしていました。その時から彼はすっかり私のハートを掴んでしまい、今も離してくれません。

 ご冥福をお祈りします。

 ブリジット・フォーレイ

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「ジャンバティスタ ヴァリ」2022年春夏パリ・コレクション

 「ジャンバティスタ ヴァリ(GIAMBATTISTA VALLI)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

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エイベックスがなぜか全国のご当地コスメを発掘中 「興行の地方営業の経験が生きている」

 その地方ならではの原料や技術を使用する「ご当地コスメ」は国内に数多く存在する。しかし知られているのは一部のブランドで、高い商品力にも関わらず、世に知られていない商品も多い。そうした地方のコスメを発掘して世に広めるのが、エイベックスが行う「J47」プロジェクトだ。

 エイベックスの美容事業は2010年に始まったエステサロンから。そこで蓄積したノウハウをより広く提供するため、2014年からエイベックスビューティメゾットとして商品を開発。耳にかける美顔器「イヤーアップ(EAR UP)」やスキンケアシリーズ「ソラオト(SOLAOTO)」、睡眠に着目した美容茶「カルナガーデン(CHALUNA GARDEN)」など幅広い商品を展開する。特にヒットした「ルミナスヘア(LMHR)」シリーズはSNSを中心に話題になり、アマゾンのプライムデーセールでは開始2時間で、「トリートメントオイル」「トリートメントミスト」の1か月分の在庫を完売した。

 「J47」は過去にエイベックスが運営したセレクトECが前身。「J47」担当の中山勝代氏は「サロンで扱う優れた商品をオンラインでも購入できるようにとECを立ち上げた。そこで取り扱う商品を探すうちに、世に知られていないが素晴らしい商品に出会い、エイベックスのECだけで販売するのはもったいないと感じる様になったのがJ47発足の経緯」と語る。

 全国から選りすぐったアイテムを「J47」のECサイトで扱うほか、大丸福岡天神店など百貨店や台湾のツタヤ ブックストアではポップアップを開催。また自社製品は国内外に販売しており、そのネットワークを活用した販路構築のサポートも希望に応じて行う。「規模を広げて売りたいところもあれば、生産数が少ないため拡大を希望しないブランドある。どう売っていくかはそれぞれ対応を変えている」と中山氏。

 2017年の立ち上げ当初は10未満だった取り扱いブランドは、30ブランドまで広がった。最初に惚れ込んだという沖縄の「ちゅらら」や、企画から製造、販売までを2人で行う「リングアベル(RING-A-BELL)」のカメリアオイルなどなかなか出会えない商品も多い。ブランド発掘は展示会での出会いや、地域アンテナショップで見かけたもの、取り扱いブランドの横の繋がりによる紹介などさまざまだ。

地域密着ならではの魅力から驚きの課題まで…知られざるご当地コスメの世界

 取り扱いブランドの基準は、その地域ならではの技術や特産品を用いる点だと中山氏は説明する。「地域密着の商品を発信することは、地域を知ってもらうことにもつながる。また地元の生産者が作る原料を使用する、雇用を生むという点も地域活性化につながる点だ」。例えば熊本の地の塩社が作る「よもぎせっけん」は、地域の婦人会によもぎ摘みを依頼しているという。

 「J47」ではすべての商品を試し、自信を持っておすすめできるものだけを取り扱う。高いクオリティにも関わらず知名度が上がらないわけを岡村涼氏は「プロモーション力が課題であるご当地コスメが多い」と指摘する。「“餅は餅屋”ではないが、エンタメ会社であるエイベックスがそういったブランドにスポットライトを当てることで、より広げていきたい」。

 例えば大分の「オンセンソウ(ONSENSOU)」は、別府で長年温泉微生物研究をする中で発見した新種の温泉藻と温泉酵母を活かした“温泉プロバイオティクス”製品で、その研究開発や商品クオリティにも「J47」がスポットライトを当てた。

 商品やブランドのプロモーションには課題も多いが、「新型コロナをきっかけに、改めて地元に目を向ける流れを感じる。以前は九州の商品を九州で売って、買ってもらえるのだろうかという不安があったが、むしろ地元愛を持って注目してもらえるのではないか」。

 こう岡村氏が話すのも、自身が地方出身者であることも関係するという。中山氏は京都府出身、岡村氏は山口県出身。「僕は元ダンサーで地方巡業などもしていたし、地方出身なので地元愛を感じる気持ちもわかる。地方の温度感がわかると、先方のやりとりも楽になる」と岡村氏。

 ご当地コスメは小規模企業や兼業で生産することも多い。そのため大手と異なる点も多く「連絡が2週間返ってこない、担当者が変わって話が伝わらなくないということはしょっちゅう。音信不通になったり、気がついたら生産停止していたというブランドも少なくない」と岡村氏。全国に広める上では大きな課題になりそうだが、そういった地方の事業者に対応できるのも、「過去にダンサーとして数多くの地方に営業に回ったこと」があり、そうした地方の空気感がわかるからこそ。そうした小さなブランドまで発掘しているのも「J47」の特徴だ。

 こうしたブランドをエイベックスがハブとなり、地域間、全国の販売先、さらに開花以外にもつなげている。現在は行政との連携や援助などは受けておらず、地道に活動の輪を広げるが、「将来的には行政や国の機関との連携などもできたらうれしい。そうしてブランドや地域間の相乗効果を生んでいければ」と岡村氏。「J47」という舞台の上でより多くのブランドを輝かせていく。

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「シャネル」2022年春夏パリ・コレクション

 「シャネル(CHANEL)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

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「シャネル」2022年春夏パリ・コレクション

 「シャネル(CHANEL)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

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「ベイプ」が「モンハン」とコラボ ラージャンのTシャツ2型

 「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R)以下、ベイプ)」はこのたび、「モンスターハンター(MONSTER HUNTER )」シリーズとのコラボコレクションを発売した。カプコンの公式オンラインストアで先行予約を受け付けている。

 シリーズ最新作「モンスターハンター ライズ」と「モンスターハンター」の2作とのコラボ。作品に登場するキャラクター、ラージャンをモチーフにしたTシャツ(税込8800円)を用意した。「ベイプ」のアイコンであるエイプヘッドとラージャンを合成したデザインと、「ベイプ」のカモフラージュ柄にラージャンを溶け込ませたデザインの2型を取り扱う。

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「シャッツィ・チェン」2022年春夏パリ・コレクション

 「シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

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「シャッツィ・チェン」2022年春夏パリ・コレクション

 「シャッツィ・チェン(SHIATZY CHEN)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

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「メイベリン ニューヨーク」が世界メンタルヘルスデーに向けたデザインコンテスト 入賞作品は製品に採用

 「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」は、10 月 10 日の世界メンタルヘルスデーに向けたキャンペーン“ブレイブ トゥギャザー”イラストデザインコンテストを開催中だ。キャンペーンでは“BRAVE TOGETHER”“#強くていいんだ”“You are not alone”“LOVE MYSELF”などの9つのテーマを表現するイラストを募集し、入賞作品を同ブランドの製品のデザインとして採用する。募集期間は10月24日23時59分まで。

 さらに同ブランドは、10~20代の生きづらさを抱える女性を支援するBONDプロジェクトと共に、人々がメンタルヘルスについて考えるきっかけとなるための「メイベリン ニューヨーク&BOND プロジェクト」を実施。メイクアップやメンタルヘルスに関する悩みや質問を匿名で募集し、BONDプロジェクトが返答する。

 同プロジェクトの一環として、ブランドの公式ツイッターアカウントで10月10日20時からトークセッションを配信する。ゲストにはBOND プロジェクトのほか、シルバーリボンジャパン、インスタグラムメディア「ブロッサム ザ プロジェクト(Blossom The Project)」の中川愛代表らを招き、コロナ禍におけるメンタルヘルスやメイクとの関係について語る。

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「メゾン マルジェラ」2022年春夏パリ・コレクション

 「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」が2022年春夏コレクションをパリで発表した。

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SNSで話題沸騰の人気コスメ「ミース」、経験も広告費もゼロ、なのに2年半で注文数は月1万超えの「ファン育成術」

 美肌研究家のソンミが2019年3月に立ち上げて以降、成長を続ける「ミース(MEETH)」。ソンミが自己資金300万円を元手に、1商品からスタートし、現在は12SKUまで拡大。阪急うめだ本店、 ジェイアール名古屋タカシマヤなど百貨店でのポップアップイベントではファンが殺到。10月6日からは伊勢丹新宿本店で2度目のポップアップを開催する。最初の2年間は広告費0円で成長してきたというが、SNSではたびたびアイテムが話題となる。「ミース」はどのようにバズ商品を生んでいるのか。

WWD:立ち上げ2年半でどのくらい規模は拡大した?

ソンミ:私1人で始めた会社は23人まで増え、消費数も拡大した。ユーザーも口コミを通じて増えており、月に1万件以上は注文を受けている。商品はポップアップ以外では全てオンラインで販売しており、昨秋オープンした表参道の旗艦店は体験の場としている。また今夏には韓国に研究所を作り、商品展開もスタートした。中国、韓国、台湾、シンガポールでも販売しており、アジアを代表するブランドに育てたいと考えている。

WWD:特に人気のある商品は?

ソンミ:“モアリッチエッセンシャルローション”は初期に出した商品で、「ミース」の名刺代わりの1本。無名の状態からスキンケアラインを揃えるのは難しいと考え、美容液なしでも満足できる化粧水として考案した。品質が良いことが最大の宣伝広告だと考えている。今はまつ毛美容液“ルルビューラッシュ”を販売しているが、これは初めてファンの要望から作ったものだ。「ミース」は私がほしいと思える商品を作るのが基本で、秋には美容と健康の観点から「アンドミール(&MEAL)」を立ち上げる。カロリーやPFCバランス、塩分、食物繊維などに配慮した食事で、最初は7日間のスープセットを販売予定だ。

WWD:なぜ美容ブランドとして食品を扱うのか

ソンミ:昨年「ミース60日間チャレンジ」というプロモーションを実施した。一般の方に60日間ブランド製品を使用してもらい、その変化を映像などで公開するもの。商品力に自信があるので実施したが、中には肌が荒れる人もいた。ヒアリングしたところ、スキンケアはできていても食生活が乱れていて、食事もアドバイスできるようにもっと学ぼうと栄養学の専門学校に通ったのがきっかけ。

WWD:学校に通ったのは、新規事業が決まっていたから?

ソンミ:いえ、食品を出そうと考えたのは学校に通ってから。学校にはドクターなど各分野のプロも通っていて、みんな「女性を輝かせるにはどうしたらいいか」という課題に真剣に向き合っている人たちだった。そこで、プロの人たちと協業して「アンドミール」を立ち上げることにした。サプリメントは補助的なもので、根本的な解決を目指したいので食事を作った。「アンドミール」のために、これまで貯めてきた資金を注ぎ込み自社工場も立ち上げた。

WWD:これも自己資金のみで?

ソンミ:出資などは受けていないので、大変だった。「アンドミール」は3つ星レストランのシェフと作ったレシピなので味も自信がある。OEMで試作品を作ったが、その再現が難しかった。これまで妥協をしないもの作りを続けてきた「ミース」が作るなら、ここまでやらなきゃだめだと工場を建てた。そのため大量生産はむずかしく、初期は数量を絞って販売する予定だ。

ギフティング・広告なし、無名状態から1万円超えフェイスパックはどう売れた?

WWD:今では広告投資も行うようになったが、どういう広告を出すのか

ソンミ:これまで広告を出さずに売ってきて、「代わりに私たちが拡散します」と口コミをしてくれるファンの方もいた。なので広告を出す際は前もってファンの方たちに「もっと大きくなるために、これからは広告もやります」と伝えるインスタライブを配信した。今も広告は必要な分だけ。最初に出したのはタクシーの車内広告。タクシー広告はインパクトが強く、客層が近い。掲出期間は短かったが、いまだに反響をもらう。またJウェーブ(J WAVE)の番組「アクロスザスカイ(ACROSS THE SKY)」に協賛する。この番組はグローバルな感性や感覚を磨くというテーマで、リスナーは客層が近く、内容も「ミース」が注力するSDGsにも近い。ブランドのユーザーの方にも届けたかった。

WWD:化粧品広告っぽくない場所に出している

ソンミ:広告だけでなく、これまで業界のセオリー通りにやってきたことは何もないと思う。流行ってるものや鉄板の手法はやらない。ギフティングも今まで一切してこなかった。「どうしても使いたい、欲しい」という気持ちで使ってもらい、自発的に口コミして欲しい。それに原価をかけすぎて広告費やギフティングにまわすお金がない、あげられないというのも理由(笑)。

WWD:そうすると、ソンミ代表の発信と自然発生的な口コミだけで売れている?

ソンミ:最初に販売した炭酸ガスパックの“モアリッチパック”は7日間で1万4960円と高額な商品。高額だが、自分のインスタグラムで毎日ライブ配信をして商品について発信し続けるうち、ユーザーの方が「おうちでできる美容医療のようだ」と口コミしてくださり、広まっていった。インスタライブは最初は十数人しか見ていなかったが一生懸命継続し、最近までほぼ毎日実施していた。内容は商品の話だけでなく、美容ハウツーから人生相談まで幅広い質問に答えている。最近ではインスタライブのコメント欄でファン同士の交流が発生し、私抜きでも会話が盛り上がってる(笑)。また私だけでなくスタッフのインスタグラム発信も力を入れている。

WWD:スタッフはインスタグラムでどういった発信を行う?

ソンミ:「ミース」のスタッフはほぼ全員が元々ブランド製品の愛用者で、ユーザー目線で発信できる強みがある。スタッフは個人のアカウントを持ち、発信は義務化している。月1度はスタッフと“インスタ個人面談”を行う。どんな投稿に反応があったか、どんな人の投稿が好きか、次はどう発信するか…私は何事も分析をするタイプで、スタッフにも考える癖をつけるよう指導する。

WWD:普段はどういったことを分析している?

ソンミ:毎月購入者のデータには全て目を通す。そしてこの人はどのくらいのスパンで購入しているのか、この期間なぜ買わなかったのかなどを考えている。企画出しでも1つの答えだけ持ってくるのではなく、私は50でも100でも考えてくる。自分で仕事を作れるようにすることが大事だとスタッフにも伝えている。

WWD:ファンをとても大事にしているブランドだが、ファンとはどういったことを行う?

ソンミ:「ミース」はみんなで育てるブランド。ブランド2周年の際にはオンラインで全国のファンと交流し、先日は「商品企画プレゼン会」をオンラインで行った。ファンが欲しい商品をプレゼンするというもので、中には資料を製作する方もいるなど熱意が高かった。そのうち1人の方とは月1でミーティングを行い、開発を進めている。

WWD:今後はどういう発信をしていく?

ソンミ:元々私自身がコンプレックスをなくすのではなく、美肌という長所を伸ばすことで人生を変えた。その成功体験がブランドになっており、「美肌は最高のジュエリー」というコピーを大事に、毎日伝えている。コピーに惹かれるといってくださる方も多い。またこれまで誰かを立てて宣伝することもしてこなかった。誰かが使っているから欲しい、という人もいれば、誰かのイメージがついているから嫌だという人もいる。今後は私のブランドという見え方からも脱却し、1ブランドとして発展していきたいと思っている。

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メルカリが利用者参加型の店舗を表参道にオープン アンバサダーにみちょぱ

 メルカリは、持続可能な消費活動を呼びかける「グリーンフライデー」に合わせ、フリマアプリの「メルカリ」ユーザーが出品したファッションアイテムなどを販売する実店舗「サステなストア」を11月25〜27日の期間限定で東京・表参道にオープンする。「グリーンフライデー」とは、大量消費を促す大型セールなどが行われる「ブラックフライデー」へのアンチテーゼとして生まれたもの。10月5日には記者会見が行われ、野辺一也メルカリ執行役員メルカリジャパン最高ブランド責任者兼最高マーケティング責任者と、プロジェクトアンバサダーを務めるモデルのみちょぱこと池田美優、スタイリストのSHOKOが登壇した。

 同店で取り扱う商品は、「メルカリ」上で公募する。ユーザーがハッシュタグ「#サステなストア」を付けて出品したアイテムの中から、プロジェクトアンバサダーが店頭で販売するアイテムをセレクトする。アンバサダーには、上記の2人に加えてスタイリストの大山しゅんとインフルエンサーのTakumaが就任した。そのほか、アンバサダー自身が着なくなった私物も販売予定だ。同店で購入した客には、イラストレーターの一乗ひかるのイラストをプリントした風呂敷をプレゼントする。売上金は全額「メルカリ寄付」に登録する自治体や慈善団体に寄付する。

 野辺執行役員は、「メルカリは循環型社会の実現に向けてさまざまな取り組みを行ってきた。昨年『グリーンフライデー』に合わせて開催した『新作ゼロのファッションショー』も、多くの反響があり、新たな価値観を提案できた。今年は限りある地球資源を地域や世代を超えて循環させ、環境課題の解決に寄与する“プラネットポジティブ”を目指す。『メルカリ』でものを売買する行為が、新たな価値を生み出し、環境負荷を減らすことにもつながるという気付きの場を提供したい」と話した。

 アンバサダーのみちょぱは、「何年後かにはこのような活動が当たり前になっていると思う。『グリーンフライデー』という言葉を先に知ることができてうれしい」とコメント。どのようなアイテムを出品予定か聞かれると、「私の服装や系統と似ている人は是非チェックしてほしい」と回答した。同じくアンバサダーのSHOKOは、「秋冬はデコラティブな洋服がトレンドなので、デザイン性のあるニットなどプロらしいアイテムを出品予定」だと言い、「スタイリストが参加することで、ファッションの楽しさを伝えていきたい」とコメントした。

■サステなストア
オープン日:11月25日
時間:12:00〜20:00
※事前予約優先/最終入場19:30
住所:東京都渋谷区神宮前3-3-13

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花王が美容部員のユニフォームを刷新 「センサイ」「エスト」など6ブランド

 花王のグローバルブランド「センサイ(SENSAI)」「エスト(EST)」「カネボウ(KANEBO)」、プレステージメイクブランドの「ルナソル(LUNASOL)」、国内を中心に展開するカウンセリングブランド「トワニー(TWANY)」「アルブラン(ALBLANC)」は、同社ブランドの個性を磨く取り組みの一環として美容部員が着用するユニフォームを刷新し、1日から順次導入している。

 同社では、4月にグループの美容カウンセリング会社である花王ビューティカウンセリングとカネボウビューティカウンセリングを統合し、新たに花王ビューティブランズカウンセリング(KBBC)を設立した。7月にはKBBC本社内に美容情報発信専用スタジオを開設し、顧客とブランドのコミュニケーション強化を図っている。そして今回、ブランドと顧客をつなぐ美容部員が着用するユニフォームを一新することにより、さらにブランドの個性を際立てていく。

 ユニフォームのデザインにはブランドごとの世界観やプレステージ性が表現されており、「センサイ」は“ザ センス アンド サイエンス オブ ジャパン”、「カネボウ」は“バース オブ ホープ”、「エスト」は“トゥギャザー グロウイング ビューティ”、「ルナソル」は“エゴイスティック シック”、「トワニー」は“インテリジェンス ビューティ”、「アルブラン」は“センシュアス ビューティ”をコンセプトとしている。それぞれスカートスタイルとパンツスタイルの2種をそろえる。

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中国コスメブランドが宮脇咲良を起用、仕掛け人が語る「日本人インフルエンサーが“中国発アジアの顔”になる時代」

 日本で展開する中国コスメ「フラワーノーズ(Flower Knows)」は、そのファンシーでユニークな世界観を武器に、日本の若者の心を捉えている。6月には元HKT48で、韓国ガールズグループIZ*ONE出身の宮脇咲良をアンバサダーに起用し、日中で話題になった。中国コスメに韓国で活躍した日本人アイドルを起用する、という斬新な試みを実現したのは、東京発の広告会社モールドブレイキング(MoldBreaking)だ。モールドブレイキングは東京と中国・上海にオフィスを構え、美容業界に特化したトータルマーケティングを請け負う。郭兮若(かく・けいじゃく)代表は「社員は東京に10人、上海に22人おり、独自資本で経営している。主にビューティブランドのグローバル化をゼロから支援しており、請け負ううちの6割が日系ブランドの中国展開。美容分野に特化しているのが、総合商社とは違う当社の強みだ」と話す。

 モールドブレイキングではチャネル開拓からデジタルマーケティング、クリエイティブまで一元サポートをしている。「クリエイティブとデジタルマーケティング、どちらもできる企業は少ない。クリエイティブは属人的な能力であり、当社の強みの一つ」と郭代表。これまでの実績には「ケイト(KATE)」の商品イメージ動画制作や、タレント朱一龍を起用した「リファ(REFA)」のテレビCM制作などがある。

 「フラワーノーズ」は宮脇咲良の起用から支援を開始。郭代表によると「初期からグローバル展開を狙ったブランドで、アジア全土に展開していく狙いがあった」という。同ブランドの創業者は日本カルチャーの影響を受けた人物で、日本展開には意欲的で、2016年設立のブランドながら、18年には日本展開をスタートしていたという。

 さらなるグローバル展開にあたり、ブランドの持つ「少女心」という世界観を表現でき、中国を含むアジアで影響力がある人物として宮脇の起用に至った。各国で知名度の高い宮脇だが、最も反響が高かったのは中国内だった。「日本と同じく中国でも韓流が流行った時期があり、韓国アイドルは今も人気。正式発表の前には次期アンバサダーのヒントとして“桜の国から”というメッセージを発信したところ、宮脇ファンを中心に盛り上がった」とその反響を伝える。

 中国コスメの顔を日本人が務めることは異例で、反日感情からの反発も懸念事項だが「ある程度のリスクは背負うつもりで起用したが、実際には反日的なコメントはわずかで、ほとんどがいい反応だった」という。日本でもアンバサダー就任の話題はメディアやSNSで取り上げられ、宮脇本人の拡散も手伝って、ブランドの知名度を高めている。

アンバサダーはなぜ必要? 日中のプロモーションの違い

 中国ではブランディングから商品販売に至るまで、芸能人を起用することが鍵となっている。美容業界でもアンバサダーは欠かせない存在で、大きいブランドであれば複数人のスターを起用し、人気の高いスターは複数社と契約する。ファンの購買力だけでなく、人物イメージも重要だ。例えば中国コスメの代表格「パーフェクトダイアリー(Perfect Diary)」はラグジュアリーブランドなどに起用される女優・周迅(ジョウ・シュン)を起用し、高級感を植え付け、ブランドイメージを高めた。

 郭代表は「中国ではスターの“商業価値ランキング”が複数から出ているが、ランキングは発表時より、少し前の数値が出る。ランキングで上位でも、既に旬の時期は終わっているかもしれない。そのため、起用にあたってはこれからの成長見込みをSNSの反響などから図ることも必要だ」と説明する。成長見込みは一定の指標がなく、市場に精通した人の目で見極める必要がある。

 アンバサダーの起用を含め、ブランドのローカライズは中国進出企業にとって課題だという。「日本からの進出企業にとって課題はいくつかあるが、日本のブランドイメージを守ることに注力し、ローカライズできていないことが多い。ブランドイメージを変える必要はないがSNSでの発信や露出方法、タイミング、クリエイティブなどはローカライズできるはず」と郭代表。

 発信、露出方法においては、オフラインの捉え方も日中で差があるポイントだ。「中国はEC化率が高く、消費財もオンラインで購入する。しかし主な購入先はモールなので、企業にとってはブランディングしにくいという課題がある。そこで中国ではオフラインをブランディングの場として重視する。日本はリアル店舗での購買が中心なのでオフラインの出店は販路開拓の意味合いが強いが、中国ではタッチポイントの一つ」と郭代表。

 前提条件が大きく異なる市場のため、日本に進出してくる中国コスメにもサポートが必要だ。「まだまだ本格的に予算を立てて日本に進出してくる中国企業は少ない。本当に日本で売れるのか半信半疑だし、日本に注力して中国でポジションを落としたくないという考えもある。それでも成功事例を見て興味を示す中国コスメは現れている」と郭代表。

 このような背景から、モールドブレイキングが立ち上げたのが、「ビー ザ ネクスト(Be. the NeXT)」だ。日中の美容市場に関する情報に特化したオリジナル動画コンテンツを世界に向けて配信するほか、KOL(Key Opinion Leader)らインフルエンサーを束ねるMCN(Multi-channel Network)機関との業務提携によるキャスティングなど、プラットフォームとしてブランドの海外進出を支援。またアフターコロナに向け、日中コスメのオフライン接点を提供する美容複合施設の開設を予定する。コロナ禍で日中の化粧品企業の海外進出が進んでいるが、まだまだ溝の深い日中市場には多くのサポートが必要だ。

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サステナビリティは、つながることが大事 「今週の特集お届け隊」2021年10月4日号

 毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年10月4日号からの抜粋に加筆をしています)

向:今回の特集はこれからサステナビリティにシフトしていきたい企業に向けて、具体的な方法論を提示したいと考えました。読者にとっても参考になるフェーズの企業が見つけやすいだろうと思いました。

木村:先行企業が実践していたのが、商品の環境負荷を原材料の段階から完成まで測ろうとすることでしたね。そこから、モノ作りの過程での課題と取り組めそうなことが見えてきていました。1社では解決できない問題ばかりでしたし、「実は私たちも困っていました」という声もあちこちから聞こえてきそう。皆でシェアしていくことが大事で、そのきっかけになれればいいなと思いました。

向:取材では何が印象的でした?

木村:ロンハーマン(RON HERMAN)の経営陣が企業を成長させるうえでの再定義をディスカッションしたというのが素晴らしいと思いました。経営陣が今までと同じく売り上げで成長を測っていたら、サステナビリティはなかなか進みません。まずは話し合うことが大事で、それは誰でもできることだなと思いました。

向:そうだね。極端な話、産業革命以降なかった概念を経営にズッポリ埋め込まなくてはならない。志のある人が経営者を動かしていくことも大事で、エネルギーが必要だね。

木村:デイトナ・インターナショナルが同業他社に話を聞きに行ったというのも、良いなと思いました。協力し合うことで、できることも増えます。横のつながりができ始めているので、そこにうまく乗った方がいいと思いました。ファーストリテイリングが業界のリーダーとしての立場を意識しているのも、心強いと思いました。

向:ファーストリテイリングはサステナビリティ担当が日本だけで約40人、全世界で約100人。そのくらいの人数がいないと最先端の情報収集や実践が難しいということ。そういう先進企業の力はどんどん借りたらいいと私も思います。つながりができると、楽しいよね。

木村:はい。単独では難しいことも、諦めないことが大事ですね。横のつながりを作るとか、手を挙げるといったことが重要なんだと思いました。今度はぜひ横つながり事例が出せたらと思います!

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顧客の世代交代で浦島太郎になっていませんか 小島健輔リポート

 ファッション業界の御意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。社会構造の変化や世代交代などによって消費者の価値観は動いているのに、成功した時代の感覚のままビジネスをしているファッション企業が少なくない。改めて世代とファッションの関係を詳しく考えてみよう。

 「レオン(LEON)」の新聞広告の一昔前のキャッチコピーに時間が止まっているかのような幻覚を覚えたが、古典的なテーラリングをうたう紳士服業界や欧米モードを信奉する婦人服業界も大差ない時代錯誤を演じているように見える。往時の価値観がその世代とともに遠く過ぎ去ったことに気が付かないのか、あえて目をつむっているのかはともかく、浦島太郎を演じて時代に取り残されつつあることには変わりない。

 各世代はそれぞれの時代体験から固有の価値観を形成しており、ライフスタイルや消費はもちろん、社会観や政治意識まで及ぶ。顧客が歳を重ねて上へ抜け、次の世代に入れ替われば価値観は引き継がれず、次の世代の価値観が消費行動を左右する。なのに引き継がれるかのように錯覚してしまうと、顧客とすれ違って浦島太郎を演じることになる。実際、過去の世代顧客の幻影を追って新たな世代に対応できず、業績を悪化させるアパレル事業者は珍しくない。

米国の世代区分と世代概念

 米国では第二次世界大戦後の社会と政治、消費をけん引してきたベビーブーマーからX世代、Y世代と移り、スマホ・ネイティブでSNSでつながり社会意識も高いZ世代が注目されているが、わが国では未だ「団塊世代」や「バブル世代」の幻影を抜け出せない事業者は少数派にしても、「団塊ジュニア世代」の幻影を引きずる事業者は決して珍しくない。どちらにしても、これからの消費を担う「キリギリス世代」や「落日世代」(私が命名)が見えていないのか、あえて見ぬフリをしているのだろう。

 世代マーケティングが盛んな米国とわが国の世代区分は社会・経済背景や政治状況が異なるため微妙に異なるが、時間差と性格差はあっても時流の大勢は近似している。まずは米国の各世代概念を確認しておこう。

(1)ベビーブーマー(前期1947〜50生、後期1951〜64生)

 日本の団塊世代とほぼ共通する第二次世界大戦後ベビーブーム世代だが、豊かさの実現には大きな時差があり、80年代までは日米の時間差マーケティングが成り立っていた(IT革命以降、再び時差が開いてデジタル分野では時間差マーケティングが成立している)。

 芝生の庭がある郊外の電化一戸建てに核家族で暮らし、派手な大型乗用車で通勤したりモールでショッピングする大衆消費文明を謳歌するアメリカンドリームは同時代に勃興したTVドラマに盛んに描かれ、わが国でも人気を呼んでアメリカンライフスタイルやアメカジが定着する契機となったが、そんなアメリカンドリームは白人社会だけのサニーサイドに限られていた。

 絵に描いたようなサバービア文明の陰で米国はベトナム戦争の泥沼にはまり、国内では女性や黒人への露骨な差別がまかり通っていた。前期ベビーブーマーは大衆消費文明を手放しで享受したが、後期ベビーブーマーは青春期に反戦運動や公民権運動に目覚め、ヒッピーカルチャーとジーンズを愛し、消費者運動にも参加するようになる。

 日本の団塊世代より年代に幅があって人口も大きく、2000年代まで消費のみならず政治も左右して来た最大世代だが、15年にはミレニアム世代(YとZの合計人口9000万人)に逆転され、社会の第一線からは引退しつつある。

(2)ジェネレーションX(1965〜79生)

 ベトナム戦争終結後に青春期を迎えた「しらけ世代」と言われ、社会に出ては就職難とリストラという荒波に揉まれ、「Meゼネレーション」と揶揄される個人主義に流れていった。PCネイティブだがインターネット以前のケーブルTV世代で、MTVとTVゲームで育った。

 日本で「しらけ世代」とされるのは団塊世代の後に生まれて学生運動も体験せず社会意識が希薄で三無(無気力・無関心・無責任)世代と揶揄された1950〜64生世代だが、インターネット以前のPCネイティブでTVゲーム世代とされるのは1971〜82生の「団塊ジュニア世代」で、米国とはズレている。

(3)ジェネレーションY(1980〜94生)

 ベビーブーマーの子供世代でリベラルな社会観と理想主義が通底し、物欲・金欲より理念やストーリーに価値を見出す「ミレニアム世代」(00年前後に青春期)。10代にIT革命を体験した最初のインターネットネイティブで、MTVじゃなくネット・ストリーミング派だが、青春期にはまだスマホがなくフィーチャーフォンだった。

 日本では「団塊ジュニア世代」にあたるが、出生期間が1971〜82とジェネレーションYより十年早く、PCネイティブでTVゲーム世代という点はジェネレーションXに相当する。

(4)ジェネレーションZ(1995〜2009生)

 生まれたときからデジタルネイティブで、10代以降はスマホとSNS、ZOOMでつながる人生を歩んでいる。物心つくとともに社会の格差と分断に直面し、旧習にこだわらず社会正義や環境保護を志向するポスト・アポカリプス(資本主義文明崩壊後)の革命世代。

 日本では1993以降生の「落日世代」に相当し、スマホとSNSでつながるデジタルネイティブ、格差と分断に直面して社会正義や環境保護の意識が高いという点は共通しているが、00年以降、日米の経済力格差は加速度的に開いており、没落する「貧しい日本」を体感して「買わない世代」と化している点は米国と異なる。

日本の世代概念とファッション体験

 日本の世代区分は米国との比較で触れたので重複を避けて解説するが、米国の世代が政治体験に色濃く影響されるのに対し、わが国の世代は経済体験の影響が濃く政治体験の影響は薄いという違いが指摘される。世代によるファッション感覚に大差がある事も、カジュアル化とスポーツウエアの浸透、経済格差によるビジネスウエアの階級分化に留まる米国とは大きく異なることも留意すべきだろう。世代区分には諸説があって異論もあると思うが、米国の世代区分と対比する形で整理してみた。

(1)団塊世代(1947〜49生)

 戦後ベビーブーマーで最大人口世代であり、日教組下の戦後民主教育の洗礼を受けて政治意識が高く学生運動も体験したが、社会に出てからは一転して高度経済成長下の大衆消費文明を謳歌し、年金保障・介護保障も手厚い恵まれた世代。青春期のファッション体験はIVY〜アメカジ派が大勢だが、次の「しらけ世代」に続くトレンドブティック派(今日のファストファッションに近く「EC」と言われたが、格段に高速サイクルで上質な日本製だった)も台頭し、DCブランドの黎明期につながる。

(2)しらけ世代(1950〜64生)

 「新人類世代」とも言われ、民主教育も学生運動も体験せず、団塊世代が押し広げて通過したスリップストリームの中で無理せず無気力・無関心・無責任に生きた「しらけ世代」と定義されることが多いが、「ファッション化社会」(73年頃)を開いたパワー世代でもある。50年代生はミニスカートブームやヒッピーファッションを盛り上げた「アンノン世代」であり、後半の60年代生は爆発的なDCブランドブームを引き起こし、バブル期にはインポートブランドも体験し、今日に至るまでブランド消費を支えてきた「ファッション化世代」と特筆される。

(3)バブル世代(1965〜70生)

 昭和末のバブル期に社会に出て狂乱のブランド消費を謳歌した世代で、欧米ブランドの影響が強くコンプレックスを引きずり、「アッシー」「メッシー」と言われた当時の男女差感覚も残るとされるが、バブル崩壊後はリストラにも直面し、後の「キリギリス世代」にも共通する喪失感を抱いている。ファッション体験も「インポートブランド」「ワンレン・ボディコン」とバブリーだった。

(4)団塊ジュニア世代(1971〜74生、ポスト世代も含め〜82生)

 団塊世代の子供世代で、TVゲームで育ちPCネイティブとなった最初の世代だが、ブロードバンド革命(2001年)でインターネットが普及するのは30代になってからで、インターネットネイティブは次の「キリギリス世代」から。

 青春期には校内暴力や受験戦争、社会に出ては就職氷河期を体験してパラサイトシングルと非正規雇用が増える一方、質実なニューファミリー文明を形成してデフレ消費を決定的にした。ファッション体験は「渋カジ」「フレンチカジュアル」「ファミリーカジュアル」といずれも低価格で、98年にはフリースブームで「ユニクロ」が台頭したが、「クラシコイタリヤ」と「裏原カジュアル」だけは値が張った。

(5)キリギリス世代(1983〜92生)

 バブル期に生まれ90年代末期のITバブルも体験したが、「失われた20年」とリーマンショックも体験した「斜陽世代」。最初のインターネットネイティブ世代だが青春期はまだガラケーの時代で、スマホが普及するのは大人になってから。

 ファッション体験は、女性は「ポスト団塊ジュニア世代」からの「コギャル」「アムラー」に加えて「モテ」「セレブジーンズ」など、男性は同「ギャル男」に加えて「サロン系」「お兄系」などだが、大人になるにつれ生計が逼迫してデフレも深まり「ユニクロ」「しまむら」「無印良品」が一大勢力となった。

(6)落日世代(1993〜2009生)

 02〜10年のゆとり教育を受けた「ゆとり世代」とも「さとり世代」言われるが、衰退と格差の「貧しい日本」ネイティブでもあり、物欲より社会正義や環境保護の意識が高い「買わない世代」でもある。思春期からSNSでつながるスマホネイティブであり、店舗よりECに馴染むOMO世代でもある。

 ファッション体験は、女性は「プチプラ・ファスト」「韓流(オルチャン)」「華流(SHEIN)」、男性(ユニセックス含む)は「サロンスクール」「ボーダー」「ゆるワーク」などだが、いずれも低価格で、「古着」が男女に共通する最大体験と言って良いだろう。

各世代の現在のファッション志向

 原体験はともかく現時点の世代別のファッション志向をつかめるのが、楽天グループが2016年から毎年、実施している楽天「ラクマ」ユーザーに対する「ファッションの参考にする国」を問うインターネットアンケートで、21年も7月の1日〜2日、5124人を対象に調査した。

 その結果によると、女性では50代を除く全世代で韓国が1位を占め、50代でも21.4%と1位のフランス(23.5%)との差は僅差だった。昨年は10代〜30代は韓国が1位でも40代以上はフランスが1位で60代以上では34.1%も占めていたが、今年は40代と60代以上でも韓国が1位となり、高年齢層でも韓国が伸びてフランスやイタリアを凌駕した。

 韓国は10代では77.3%と圧倒的で6年連続して首位を占め、20代でも56.7%とフランス(7.5%)やイギリス(6.7%)、スペイン(3.2%)、イタリア(2.6%)を大きく引き離している。フランスは50代(23.5%)、イタリアは60代以上(17.1%)で最も高く、若い世代になるほど、急激に低下していく。アメリカは10代から40代までは2位だが30代(17.7%)をピークに若年層でも高齢層でも下がり、50代では3位、60代以上では4位に落ちる。

 男性ではアメリカが全世代で40%以上の支持を得て1位を独占したが、女性と同様に30代(51.8%)がピークで20代(47.7%)、10代(40.2%)と低下し、20代では13.8%、10代では28.7%を占める韓国が続く。イタリアは高齢層ほど高く60代以上(26.0%)、50代(21.5%)、40代(16.3%)、30代(11.9%)では2位に位置するが、20代(6.9%)、10代(0.8%)では5位に落ちる。フランスは世代で大差がなく、10代(10.7%)、20代(11.5%)で3位に位置する一方、40代(10.0%)、60代以上(9.1%)でも3位を占めている。同様に支持世代の幅が広いのがイギリスで、50代(13.2%)でも20代(11.5%)でも3位に位置している。

 近年の韓国の急激な台頭を除けば前述した各世代のファッション体験を裏付ける傾向が見て取れるが、「SHEIN」など中国ファストファッションECサイトの急激な台頭を直視すれば、女性では「ファッションの参考にする国」の韓国、アメリカに続く3位に中国が登場するのも時間の問題だろう。品質や配送、返品手続きには改善の要が大きいが、ファッション感度は最早、日本や韓国のブランドと大差なく、圧倒的な価格メリットに手を出す若者も増えている。

ウエアリングの世代ギャップ

 トレンドソースやテイストがどこの国風かはともかく、現実の顧客支持に直結するのは着こなし・着崩しのウエアリングで、素材感やパターン、サイジングまで異なるから、すれ違ってしまえば何れ顧客が離れていく。1年や2年ならともかく、何年にも渡ってズレ続ければ多くの顧客が離れて売り上げも落ち、ブランドの将来を閉ざすことになりかねない。毎シーズン、顧客に接していれば変化はわずかで見過ごしてしまうが、一つの顧客世代が上に抜けて新たな顧客世代に入れ替わっていく10年というレンジで見れば、取り返しのつかないギャップが生じることがある。

 ウエアリングの世代間ギャップが目立つのは、インポートブランド(ユーロモード)を体験した「しらけ世代」後期以降と以前、ノームコアとローカル回帰でユーロモードの呪縛から離れた「キリギリス世代」末期以降と以前で、個人差が大きいものの前者は60歳前後、後者は30歳前後に分かれ目があるように見える。

 「しらけ世代」後期以降の女性は多少なりとも張り腰感のあるスタイリッシュなフィットを好むのに対し、それ以前の世代は落ち感のあるエレガントなフィットを好む傾向があり、とりわけ腰回りのフィットに好みの差が出る。それは有職女性と専業主婦の違いでもあり、世代に捉われない一面もある。「キリギリス世代」末期以降は着流し感覚のゆる抜けたシルエットを好みTPOの意識も希薄だが、それ以前の世代はきちんと感やTPOにこだわって着崩しに躊躇する。これも非正規と正規の就業環境の違いという見方もあるかもしれない。これが「落日世代」になると、オーバーサイズなボーイズアイテムとコンパクトなガールズアイテムのコントラストを効かせるリミックスが目立つ。

 世代だけでなくさまざまな要素が絡むから杓子定規に受け取るべきではないが、オーバー60とアラ50、アラ40とアンダー30を見比べてみると、なるほどという違いが感じられるのではないか。

 ブランドと共に歩んできた顧客世代も10年というレンジでは大きく入れ替わっていくが、顧客世代とともに歳をとるのか、その年代層に留まるのか、悩ましい選択だ。どちらが正しいと決めつけるものではないが、思わぬすれ違いだけは避けたいものだ。

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LVMHがパリ発ビューティブランド「ビュリー」を買収

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON 以下、LVMH)はパリ発のビューティブランド「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)以下、ビュリー」を買収した。取引額は非公表。

 LVMHは過去4年、自社の投資ファンド、LVMHラグジュアリー・ベンチャーズ(LVMH LUXURY VENTURES)を通して「ビュリー」に投資してきた。LVMHラグジュアリー・ベンチャーズの投資先のブランドを買収するのは初めて。

 「ビュリー」のヴィクトワール・ド・タイヤック(Victoire de Taillac)は引き続きプロダクトストラテジー、イメージ&コミュニケーションディレクターを務める一方で、夫で最高経営責任者(CEO)兼アーティスティック・ディレクターのラムダン・トゥアミ(Ramdane Touhami)はCEO職を退く。

 タイヤック=ディレクターは「『ビュリーは世界に28店舗、オーストラリアだけで10のカウンターを構え、好調にビジネスを拡大してきた。しかしコロナで大打撃を受け、今後の成長を支えるにも、パートナー必要だった。LVMHは最適なパートナーだ」と語る。

 1803年にパリで創業した「ビュリー」は、自然素材を使った化粧品による美容法をヨーロッパに広めた“総合美容薬局”をルーツに持つ。2014年にリローンチし、16年には台湾と韓国、17年には東京に店舗をオープン。現在日本は2番目に大きなマーケットで、年内にさらに3店舗をオープンする予定だ。ミラノやミュンヘンなどヨーロッパの店舗網も広げており、年内には23店舗追加する。

 同ブランドはオーストラリア産のエミューのオイルやモロッコ産ポピーのパウダー、水ベースのフレグランスなどユニークな製品を多く取り扱う。800SKUあるうち、売り上げの30〜40%は水ベースのフレグランスが占め、そのほか香りつきのボディーオイルやハンドクリーム、リップバームなどが人気だ。また昔からパラベンやフェノキシエタノール、シリコーンを配合しないことにこだわり、18世紀のレトロなパッケージや店舗デザインとして知られている。パーソナライズサービスも人気で、製品への刻印や包装サービスも充実している。

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大丸東京店の新しい売り場が「売らない」理由 ヒトとモノを際立たせる空間設計

 大丸松坂屋百貨店は5日、大丸東京店4階のD2Cブランドのショールーミングストア「明日見世(ASUMISE)」の6日のオープンに先立ち、売り場を報道関係者向けに公開した。

 売り場は白を基調に、木目調の陳列台やラックに商品が並ぶシンプルな空間。中央にはテーブルと椅子数脚のコミュニケーションスペースを設置するなど、百貨店の売り場としてはゆったりと余白を持たせた設計になっている。内装や什器はリサイクルできる素材やユーズドを用いた。

 開店時は“社会を良くするめぐりと出会う”をテーマに19ブランドが出品した。うち11ブランドがビューティカテゴリー。島根・出雲地域で採取された藻塩を原料に使用したネイルブランド「アンディズモ(ANDISMO)」や、モデル・女優の太田莉菜がプロデュースするスイセンジノリが分泌する天然保湿成分を使用した「コガネ バイ サクラン(KOGANE BY SAKURAN)」など。ファッションでは日本環境設計の「ブリング(BRING)」やデザイナー川島幸美のサステナブルブランド「リン(WRINN)」が出品した。テーマは3カ月スパンで変え、ブランドも入れ替える。
 
 リーシングはターゲットと同じミレニアル世代の社員が担当。「自分たちが使いたいもの、共感できるもの」(比留間由依・大丸松坂屋百貨店経営戦略本部DX推進部デジタル事業開発担当)という目線でセレクトした。

 売り場から余計な要素を排除することで「人の力」「モノのストーリー」を際立たせたことも特徴だ。商品見本には商品名、価格以外の情報はなく、常駐する「アンバサダー」が接客に当たる。アンバサダーはあらかじめブランド側からのヒアリングや勉強会を通じ、商品の情報や背景を深く理解している。「ブランドの一方通行の押し付けでは響かない。目利きであるわれわれだからこそ、伝えられるブランドのストーリーがある」。

 また、その場で購入できないショールーム機能に特化したのは、あくまで商品そのものに集中してもらうためだという。「売り場に足を踏み入れると『買わなきゃいけない』と負担に感じてしまう人若いお客さまも多い。この強迫観念を取り払いたかった」。

 ブランド側にとっては、消費者とのリアルなタッチポイントを得られることも大きなメリットだ。百貨店に商品を置いているということ自体、小さなブランドにとっては信用や信頼といった価値につながる。「商品を試用してみての感想や意見など、デジタルでは得られない生の声もフィードバックしていく」。一方、大丸松坂屋側には新客を呼び込む装置になる。QRコード経由での売上高の一部をブランド側から徴収するが、具体的な売上目標などは設定していない。比留間氏は「目先の目標ではなく、ブランドと長期的なビジョンを共有しながら共に成長していける場にしたい」と話す。

 売り場は同社の若手を中心に構成するDX推進部の主導で、昨年11月からスピーディーに開発を進めてきた。「これで完成ではなく、運営しながらさまざまな課題を洗い出していく。今後もお客さまや取引先の声を元に都度ブラッシュアップしながら、最適な形を探っていきたい」。

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ゼロからの中国進出、銀座の老舗「銀座ステファニー」のやり方

 中国の美容市場の拡大、訪日インバウンドの消滅などを背景に、多くの日本ブランドが中国進出を狙う。しかし現地に行くことが難しい中で市場に適した商品や売り出し方、販路などを知り、中国本土にブランドを拡散させることは簡単ではない。その中で、在日中国人の存在感は強まっている。

 コロナ禍以前も在日中国人はソーシャルバイヤーや在日KOL(Key Opinion Leader)として、中国本土に日本の商品や名所を紹介してきた。その発信により知名度を上げ、インバウンド消費にもつながったケースは少なくない。パンデミック以降は中国本土では海外商品の輸入消費が高まっており、日本から発信する在日中国人の存在は中国消費者、日本ブランド両者にとって貴重となっている。

 銀座ステファニー化粧品は7月、在日中国人女性5人を招いた商品体験会を実施した。参加者はアライドアーキテクツのサポートで招待したソーシャルバイヤーたちで、化粧品を中心に8〜13年と長いバイヤー経験を持つ。こうした商品体験会はコロナ以前からさまざまな中国進出ブランドで行われてきたが、今回は中国進出が決まる前の開催だ。

 同社は2012年に韓国の大手消費財メーカーのLG生活健康(LG HOUSEHOLD & HEALTHCARE)の傘下に入っており、コロナ以前は銀座の本社1階でLG生活健康の「后(THE HISTORY OF WHOO)」などを中心にインバウンド向け免税販売を行い、月に1億円程度を売り上げていた。新事業開発部門・島田雄一郎ゼネラルマネージャー(GM)代行は「会社としてはインバウンド減少で売り上げが落ちた。これまで日本商品を購入するインバウンドを見てきたので、中国本土には日本の商品を欲しい人が今でもいるのではないかと考え、銀座ステファニー化粧品としても中国市場へのチャレンジを検討した」と話す。スモールテストの形で、今年度は大きな予算をかけずに実施する考え。そのため、まずは感触を確かめるのが商品体験会の目的だ。

 商品体験会では3ラインの商品の説明を行なったが、重点を置くのはバイヤーからの意見だ。バイヤーの一人は「中国で求められる日本製品は2つの特性を持っているもの。1つはストーリーがある商品で、ブランドのストーリー性か商品のこだわりがあれば語ることができる。2つ目は機能性で、何かに対して明らかに改善ができるもの」と語る。

 実際、商品体験会でバイヤーから飛んだ率直な意見もこの2つに関するものが多かった。日本では人気の高い「エバメール ゲルクリーム」やシリーズ販売実績1000万個を超えるベストセラー「プラセンタ100」に対してデータを用いた効果の実証、多機能性など、中国基準では足りない部分を求める意見が出た。

 一方、プラセンタを使用したプラセンティスト(PLACENTIST)ラインは好感触で「手頃なのに高級感があり、中国人が好むアイテム」など、具体的な中国客の好みもバイヤーから伝えられた。商品体験会という名ではあったが、開催時間の半分以上はバイヤーが意見を出すか、質問をする時間となっていた。島田GM代行は体験会直後、「日本の消費者とは受け止め方が違うと感じた。バイヤーの反応からアイテムの絞り込みや口コミの展開、商品販売を行っていく」と語ったが、8月半ばにはウィーチャット(WeChat)のミニプログラムで日本製品を販売する東瀛美喜舗で販売を開始。品揃えは体験会で用意した商品で「今のところ反響のあるアイテムなど傾向が分かってきているが、改善点や課題はまだまだあるので、今後も継続して取り組んでいきたいと考えてている」という。

 また、9月からは「プラセンティストクリーム」のサンプリング施策を行い、在日中国人を通じて小紅書(RED)、ウィーチャット上で口コミ投稿を増やす。ウィーチャット上で販売をしていることに加え、バイヤー同士がウィーチャットで拡散しやすい素材を作るのがウィーチャット口コミ施策の目的だ。配布する「プラセンティストクリーム」は商品のテクスチャーや高級感のあるパッケージが体験会で人気だったこと、また内容成分の霊芝(レイシ)が高評価だったことで、予算を使った施策を行う対象となった。霊芝は近年、中国内で人気が高い成分のひとつで、SNS上でも投稿が多い。まずは月100万円以上を半年以上、安定して販売することをスモールテストの合格ラインとし、達成できれば来年度はさらに予算を取る計画だ。

 このように、中国消費者の意見を得て改善していく方法は進出以前にもある。市場と消費者理解を深め、仕掛けていくことが重要だ。

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スシロー、すげえ! 「京樽」買収半年で、次々と成果を出している

 回転寿司最大手のFOOD & LIFE COMPANY(旧スシローグローバルHD)が持ち帰り寿司大手の京樽を買収したのが4月。そこからおよそ半年で結果を出し続けている。もともと強みがあった持ち帰り寿司だけでなく、お荷物だった回転寿司業態でも大胆な改革を進めている。
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