「ジル サンダー」 × 「アークテリクス」のコラボアイテムが公開 美しい機能とデザインの融合

 「ジル サンダー(JIL SANDER)」は、「ジル サンダー+」とカナダ発のアウトドアブランド「アークテリクス(ARC'TERYX)」がコラボレーションしたカプセルコレクションを11月20日に発売する。「ジル サンダー」の表参道店と公式EC、「アークテリクス」の神戸ブランドストアで販売する。両ブランドは2020年12月に共同でのプロジェクト開始を発表していた。

 コレクションはユニセックスのコート(税込28万1600円)とビブ付きパンツ(同19万3600円)、メンズのジャケット(同23万8700円)とオーバーオール(同31万6800円)、ウィメンズのジャケット(同21万1200円)の5型をそろえる。アイテムはスキーやスノーボード、マウンテンスポーツに焦点を当てており、本格的なアウトドアの機能を備えている。「ジル サンダー」クリエイティブ・ディレクターのルーシー・メイヤー(Lucie Meier)とルーク・メイヤー(Luke Meier)夫妻がシルエットを考案し、「アークテリクス」チームが専門性の高い機能や構造を融合させた。防水透湿性素材「ゴアテックス(GORE-TEX)」を使った3レイヤー構造や、人間工学に基づくパターンデザインのマイクロシームテープ、デザインアクセントにもなるしなやかな耐候性レザーなどを用いている。カラーリングはミニマルなブラックとホワイトのほか、氷河を想起させるブルーグレーも加えた。

 メイヤー夫妻は協業のきっかけについて「私たちは山でウィンタースポーツを楽しみながら育ちましたが、高い性能と美しいデザインのバランスがとれたウエアを見つけることができませんでした。私たちが尊敬する、アークテリクス社の研究に対する厳格さと熱心さに惹かれました」とコメントした。

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コーセーの旗艦店「メゾンコーセー」がヘラルボニーとコラボ 障がいのある作家のアート作品をギフトボックスに

 コーセーのフラッグシップストア「メゾン コーセー(MAISON KOSE) 」はヘラルボニー(HERALBONY)とコラボレートし、障がいのある作家のアート作品をデザインしたオリジナルのギフトボックスとメッセージカードを提供している(なくなり次第終了)。銀座店と表参道店で展開し、12月25日まで作品の原画も展示している。

 2018年設立のヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに国内外の障がいのあるアート作家とライセンス契約を結び、作品をさまざまなモノ・コト・場所に落とし込んで展開している。一方、「メゾン コーセー」はメイクや美容を通じた体験からお客の個性を重視し“私らしい美の発見”をかなえる場であることから、互いの思いに共感し、今回のコラボレートが実現した。期間中は、マスクやエコバッグなどヘラルボニーのグッズが購入できるほか、銀座店のセルフネイルプリンターではコラボデザインも試すことができる。

 ギフトボックスとメッセージカードには作家の高田祐氏、藤森理巌氏、小川真広氏、Juri氏の作品を採用。ヘラルボニーの松田崇弥社長は、「ギフトボックスを送りあうシーンは晴れやかな気持ちなので、驚きがあるデザインや興味がそそられるアート作品をデザインに採用した。ボックスを通じて、作家の作品そのものにも興味を持つきっかけになればうれしい。当社ではアパレルブランド『ヘラルボニー』を展開しているが、ビューティ業界とのコラボは初。今後もコスメのデザインなどにも携わっていきたい」と語った。

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モデルの美佳がショー出演数で世界1位に パリコレで躍進した注目モデル4人

 2022年春夏シーズンのファッション・ウイークはリアルのショーが復活し、モデルたちが各国から再び集いました。今季はショー出演をかけた競争率が激しさを増す中、最も多くのブランドに起用されたのが、日本人の母とフランス人の父を持つ美佳さんです。パリとミラノ、ニューヨークの主要3都市で合計30ブランドのランウエイを歩き、モデル全体の中で出演数ナンバーワンに輝きました!ファッション・ウイーク中は美佳さんを見かけない日はなく、街中でも「モンクレール(MONCLER)」や「ロエベ(LOEWE)」の広告で目にしました。

表現の幅を広げる20歳

 ランウエイデビューを果たしてから5シーズン、躍進が続く美佳さんが印象残っている今季のショーは「プラダ(PRADA)」と「トム フォード(TOM FORD)」だそうです。「両ブランドともに着る人を美しく、セクシーに感じさせてくれるルックだと思いました。特に『トム フォード』のグリーンのクリスタル付きヒールが好きでした。『プラダ』は、モデルになって初めてランウエイを歩いたブランドなので思い入れが強いんです。『デル コア(DEL CORE)』の霧がかった会場演出と、シルク素材のエレガントなルックもとても好みでした」。今季のムードは“日常の復活”や“再会”を祝福する明るいもので、美佳さんもバックステージでそのような印象を受けたといいます。「“Back to Work!”という雰囲気が強く、ひさしぶりにファッション・ウィークのいそがしさとドキドキ感、いい緊張感を直に感じることができました。才能ある人々と仕事をご一緒したり、仲間と遊んだりできるようになってうれしかったです」。逆に、ニューノーマルが浸透しつつある欧米間の移動は、不便なところもあったそう。「国によっては渡航が難しく、ビザの取得や空港での検査などでストレスは少しありました。でもいい調子で仕事をすることができましたね」。美佳さんは今年で20歳を迎えました。今季は女性性を謳歌するコレクションが多かったこともあってか、ショーによっては大人の色気を感じさせ、モデルとしての表現の幅が広がっているのかなと思いました。まだ大きな目標は定めていないそうですが、日系モデルを代表する一人として、これからの活躍にも期待です!

モデル以外にも才能を発揮

 今季が3シーズン目となった日本人モデルの樋口可弥子さんもミラノとパリの2都市で11ブランドのショーに起用される活躍ぶり。ランウエイ以外でも「V マガジン(V MAGAZINE)」や、アメリカ版とイギリス版「ヴォーグ(VOGUE)」のエディトリアル、そして日本版「ヴォーグ」12月号では初の単独カバーを飾っています。樋口さんは「クロエ(CHLOE)」のショーが最も印象に残っているとのこと。「モデルの個性を際立たせるルックで、キャスティングも素晴らしかったです」。リアルなショーが復活し、各国のモデルが渡航を再開したことで変化も多くあったそう。「コロナ禍にデビューしたモデルの明暗がはっきり分かれるシーズンでした。過去2シーズンは引っ張りだこだったモデルが今季は全く起用されず、モデル業の厳しさを実感しました。通常の細身モデルの枠に分類される私は、痩せなければというプレッシャーを常に抱えているので、精神面のバランスを崩さないようにこれからも頑張ります」。今年からパリに拠点を移した彼女は、モデル業のほかにも高校時代の同級生と組んだバンド「お風呂でピーナッツ」でボーカルも務め、日本とパリの遠隔で音楽制作にも携わっています。22歳で海外生活スタートという私の個人的な経験とも似ていて、モデルでもほかの職業でも、未知なる可能性を多く秘めた若い彼女を今後も応援します。

 「モデルズ.com(Models.com)」によると、今季デビューを果たした新人モデルは20人。デジタルが中心となった過去2シーズンでは6人ほどで、人数は増えたものの、東アジア拠点のモデルが著しく減少していてキャスティングに影響を与えていると記していました。20人の中に日本人、もしくは日系モデルはいませんでしたが、ショーで見て気になっていたのはグレータ・へーファー(Greta Hofer)とクアナ・ポッツ(Quannah Potts)です。

ベリーショートと強い目が魅力

 グレータは、2021年春夏シーズンの「プラダ」のデジタルショーで初のランウエイデビューを果たしました。当時はエクスクルーシブのため他ブランドのショーには出演せず、今季が本格デビュー。新人モデルの中ではトップとなる15ブランドに出演しました。彼女はオーストリア・ウィーン出身の21歳で、昔のナタリー・ポートマン(Natalie Portman)を彷彿とさせるベリーショートとキリッとした目元が印象的です。ランウエイではミニマルなスタイルから1960年代風のヒッピーまで、各ブランドのムードに合わせて七変化していました。「AZファクトリー(AZ FACTORY)」のトリビュートショーでは、「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」のガーリーなドレスに、アンニュイな彼女の雰囲気が見事にマッチしていたのが記憶に残っています。

部族の伝統を継ぐ異色の新人

 クアナは新人ながら「シャネル(CHANEL)」のキャンペーンに起用されました。ショー会場には5人のモデル、リリー=ローズ・デップ(Lily Rose Depp)、BLACKPINKのジェニー(Jennie)に並んで、クアナの写真が展示されていました。ショーでのエキゾチックな雰囲気の彼女が気になり調べてみると、アラスカとサウスダコタに現存する先住民族の血を引くアメリカ国籍とのこと。あごや目の横のラインはメイクではなくタトゥーで、アメリカ版「ヴォーグ」の取材に対し「部族の伝統で、人生の門出を記念して母親に入れてもらうもの。祖先と個人的なトラウマを克服することを表している」と答えています。2020年の「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」による投票の重要性を訴えるキャンペーン映像に登場したことがきっかけで、モデル事務所からスカウトされたそう。すでに各国の「ヴォーグ」のエディトリアルに登場し、今年の「メットガラ(MET GALA)」にも姿を見せました。アラスカの北極圏国立野生生物保護区の生態系の保護のために、気候変動活動家としても活動しています。身長170センチとモデルとしては高くなく、骨格や顔つきはアジアっぽくもあり、南米っぽくもある国籍不明な感じが魅力的です。個性を尊重し、インクルージョンを推進する今のファッションのムードにもぴったり。超マイノリティである先住民族の中から、世界的なモデルを発掘した「カルバン・クライン」のキャスティング力もすごいなと感心していましました。

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随時更新:11〜1月新作コスメカレンダー

【随時更新】2021年11〜12月、2022年1月に発売する新作コスメを発売日順にお届けする。

【11月1日発売】キュルプット(CURUPUT)


「ボタニスト(BOTANIST)」などを手掛けるI-neは、アーティストのきゃりーぱみゅぱみゅがプロデュースするヘアケアブランド「キュルプット(CURUPUT)」を11月1日に立ち上げる。第1弾として、ダメージの原因に着目した“ディープダメージケアセット(シャンプー&トリートメント、ヘアマスクサシェ2回分)”(税込2970円)を全国のドラッグストア、バラエティーショップ、オンラインストアで数量限定販売する。すでにある髪のダメージを集中補修しながら、日本古来のスーパーベリーと言われるムラサキシキブエキス果実エキスを配合した先行トリプルケア処方で、カラーやパーマによるダメージを防ぐ。

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【11月1日発売】マーベセラー


皮膚科医と共同開発した化粧品を手掛けるマーベセラーは11月1日、ビタミンC発見から92年の歴史の中で初の低刺激で安定性をクリアした未来型ビタミンCを配合した高機能ブライトニングシリーズ(全4種、税込2200〜2万7500円)を皮膚科や化粧品専門店、公式サイトなどで販売する。

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【11月1日発売】メリクサー(MELIXIR)


韓国高麗人蔘社は11月1日、韓国発のビーガンスキンケアブランド「メリクサー(MELIXIR)」の国内販売を開始する。ビープルバイコスメキッチンや公式サイトで販売するほか、ルミネエスト新宿でポップアップを行う。日本で初めての取り扱いとなる“ヴィーガンリップバター”(全8色、各税込1430円)は、乾燥を防ぐアガベエキスと保水力に優れたシアオイルを配合した高保湿リップバーム。自然な発色が特徴で、性別や年齢、シーンを問わず使いやすい。

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【11月2日発売】グッチ(GUCCI)


 「グッチ(GUCCI)」はこのほど、今年9月に日本に上陸したメイクアップライン「グッチ ビューティ」の第2弾を発売した。初のクッションファンデーションをはじめ、リップスティックの新色、リップバームの新色、アイブロウペンシル、ネイルカラー コレクションを公式オンラインショップなどで11月2日から順次販売中だ。

 初のクッションファンデーション“クッション ドゥ ボーテ”(全5色、各税込9130円)は、瞬時にエレガントな艶肌に整えることができるアイテム。肌表面の光の反射を高めるオイルとミネラルパウダー配合で、自然で美しい艶感をもたらす。5色展開で、パステルピンクのコンパクト型ケースに収めた。

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【11月3日発売】ティファニー(TIFFANY&CO.)


「ティファニー(TIFFANY&CO.)」は、新作フレグランス“ティファニー ローズ ゴールド オードパルファム”を11月3日に発売する。フレグランスは30mL(税込9680円)、50mL(同1万3860円)、75mL(同1万7380円)の3サイズで、ボディーローション(200mL、同7920円)とハンドクリーム(75mL、同4950円)も用意する。

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【11月3日発売】セルヴォーク(CELVOKE)


 「セルヴォーク(CELVOKE)」は11月3日、設立5周年を記念した“フィフス アニバーサリー キット”(税込1万4850円)を数量限定で発売する。唇の水分量で色が変化するティントタイプのリップや、ブランド初となるネイルポリッシュ、デビュー時から人気でリピート率が高い“コンセントレートオイル”のミニボトルをセット。ボックスはFSC認証紙を採用し、1枚1枚表情が異なるラベルをあしらっている。10月27日から予約を受け付ける。

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【11月4日発売】バウム(BAUM)


「樹木との共生」をテーマに掲げるブランド「バウム(BAUM)」から11月4日、ブランド初のオードトワレ“バウム オードトワレ フォレスト ドーン”(税込1万4300円 ※編集部調べ)数量限定で登場する。オードトワレは「バウム」ストア9店舗とオンラインサイトで購入可能。

初のオードトワレ“バウム オードトワレ フォレスト ドーン”は、苔むした古木が力強く根を張る、“豊かな森が目覚める瞬間”をイメージ。トップノートはジンジャー、オリバナム、ピメント、ミドルノートはナツメグ、ローズ、スズラン、ベースノートはシダーウッド、アンバー、ムスクといった、深い森を想起させる柔らかくふくよかな香りだ。木製パーツにはブランド初のウォールナット材を使用する。

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【11月4日発売】サウザンドカラーズ(THOUSAND COLOURS)


東京発のオーガニック・ナチュラルコスメメーカーのカラーズは11月4日、同社初の社名を冠した新ブランド「サウザンドカラーズ(THOUSAND COLOURS)」を立ち上げる。デビュー時はオードパルファン13種(各25mL・各税込9350円、各100mL・各税込1万7600円)とディフューザー8種(各150mL・各税込1万8150円、うち4種はオードパルファンと同じ香り、各150mL・各税込1万3750円)をラインアップ。デビューに先駆け、10月27日に伊勢丹新宿本店で開催するフレグランスの祭典「イセタン サロン ド パルファン」と三越伊勢丹の化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、公式オンラインストアで先行発売する。

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【11月5日発売】エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)


「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」は11月5日、新作フレグランスシリーズ“ラグジュアリー フラグランス コレクション”(全8種、各40mL、各税込1万1550円/各100mL、各税込2万3100円)を発売する。ブランドにとって初となるラグジュアリー価格のフレグランスだ。取扱店舗を厳選し、日本では伊勢丹新宿本店、三越伊勢丹グループの化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、阪急うめだ本店、HANKYU BEAUTY ONLINE、「エスティ ローダー」公式オンラインショップ限定で取り扱う。 

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【11月10日発売】ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)


「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」は今秋日本に上陸し、11月10日に第1弾となるフレグランス“ヴァレンティノ ヴォーチェ ヴィヴァ オードパルファン”(10mL、税込4400円/30mL、同1万120円/50mL、同1万4850円/100mL、同2万1450円、「ヴァレンティノ」ブティック限定)を発売する。「ヴァレンティノ」ブティックに加え、アットコスメECおよびアットコスメトーキョーで取り扱う。

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【11月11日発売】レシピオ(RECIPEO)


マツモトキヨシホールディングスとココカラファインの統合新会社マツキヨココカラ&カンパニーは11月11日、経営統合後初となる新プライベートブランド「レシピオ(RECIPEO)」を立ち上げる。コーセーと共同開発した敏感肌向けスキンケアシリーズで、クレンジングジェル、泡洗顔料、化粧水2種、乳液、クリームの全6品をラインアップする。価格帯は税込1650~2200円。全国のマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループの店舗(一部店舗を除く)と自社オンラインストアで順次販売する。

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【12月1日発売】スイサイ(SUISAI)


カネボウ化粧品の洗顔ブランド「スイサイ(SUISAI)」は12月1日、酵素洗顔パウダー“ビューティクリア パウダーウォッシュN”から抹茶ティーラテの香りを数量限定で発売する。和スイーツのような香りで、32個入りで税込1980円(編集部調べ)。

なお、6月に数量限定で登場した皮脂にアプローチする黒の酵素洗顔パウダー“ビューティクリア ブラック パウダーウォッシュ”は、累計販売個数が13万9000個を突破。8月に数量限定で再販しつつも、ファンからの要望を受け、11月1日から15個入りと32個入りを定番化する。

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【12月3日発売】ランコム(LANCOME)


「ランコム(LANCOME)」は12月3日、ネットフリックスシリーズ「エミリー、パリへ行く」とコラボしたコレクションを発売する。EC限定のアイシャドウパレットと、人気製品のセットが登場する。

 アイシャドウパレット“メタリック & マット アイシャドウ パレット”(税込1万2100円)は、ドラマの名シーンを表現した12色をそろえる。ヌードやピンク、スモーキーカラーなど使いやすいカラーばかりで、デイルックからナイトルックまで多様なメイクアップを可能にする。パッケージは、ドラマの中で主人公のエミリーがかばんにつけているエッフェル塔のチャームをモチーフにした。

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【12月10日発売】Nオーガニック(N ORGANIC)


自然派ライフスタイルブランド「Nオーガニック(N ORGANIC)」は12月10日、ライフスタイルシリーズ“Nオーガニック ホーム(N ORGANIC HOME)”を発売する。11月1日から公式サイトと直営店で先行販売を始めた。

「Nオーガニック」は“暮らしを豊かに”をコンセプトに掲げる。新シリーズは「お客さまの肌や髪の美しさだけでなく、心や暮らしも豊かにしたいという思いをブランド誕生以来持ち続けてきた」(PR担当者)ことからスタートする。第1弾として“バスミルク”を発売。「肌に触れる優しいライフスタイルアイテムが良いと考えたとき、お風呂時間にケアできる製品にたどり着いた」ことや消費者の要望があったことから開発した。

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【1月7日発売】スック(SUQQU)


 「スック(SUQQU)」は2022年1月7日、スプリングカラーコレクションを発売する。一人一人の肌の個性に着目した新処方のチークや、アイシャドウ、リップなどの春の新色が登場する。
 今回発売するチーク“メルティング パウダーブラッシュ”(全8色、各税込6050円)は、新技術のメルティングパウダー処方を採用し、これまでは難しかったオイルの高配合や、新たな原料構成による新フォーミュラのチークを実現した。パウダーでありながらしっとりとした滑らかさが特徴の“新湿感”で、自然に肌になじみ、艶と透明感のある仕上がりをかなえる。

「スック(SUQQU)」春コスメの詳細をチェック

【1月22日発売】ケイト(KATE)


カネボウ化粧品の「ケイト(KATE)」は、高発色で落ちにくい口紅“リップモンスター”のミニサイズ“ミニリップモンスター”を2022年1月22日に数量限定で発売する。オレンジレッド、パールブラウン、フラッシュピンク、パープルピンクの限定4色をラインアップ。価格は税込880円(編集部調べ)。
 
“ミニリップモンスター”のパッケージは、モンスターのイラストを特別にデザイン。各色ユニークなネーミングで、オレンジレッドは“真夜中の収穫祭”、パールブラウンは“ホーンテッドミラールーム”、フラッシュピンクは“舞踏会の主役”、パープルピンクは“マジカルミッドナイトショー”として展開する。

「ケイト(KATE)」新製品の詳細をチェック

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イタリア発高級家具「バクスター」と“雪見”をテーマにした美術工芸作家の共演

 イタリア発高級家具「バクスター( BAXTER)」は、東京・青山の旗艦店のバクスター東京で、日本人が古来から好んできた“雪見”をテーマにした美術工芸家作品の展示している。これは、東京・白金の日本各地の作家による器などをそろえるライフスタイルショップ「雨晴(AMAHARE)」によるアートブロジェクト「雨跡(AMART)」の第一弾。北海道のニセコを拠点にフォトグラファーやクリエイティブディレクターとして活躍するショウヤ・グリッグ(Shouya Grigg)と富山県・八尾にアトリエを構える木工作家下尾デザイン(SHIMOO DESIGN)などの作家の作品を展示している。

 グリッグは英ヨークシャー生まれで1994年に来日後に、札幌でデザイン企業を設立。クリエイティブディレクターなど多岐にわたり活躍。ニセコでレストラン「雪花(SEKKA)」や複合施設の「J-雪花(J-SEKKA)」などを運営しながらアーティストとして活動している。

 バクスター東京では、ニセコの冬景色を捉えたデジタルアートが展示されている。

 下尾和彦・さおり夫妻による下尾デザインは、“合理的で美しい道具”をコンセプトにした木製家具や小物を製作している。今回の展示では、ダイニングテーブルや都会のマンションの一室でも取り入れることのできる茶室用家具などを発表。

 イタリア高級家具「バクスター」のアーティスティックな家具と日本の美意識が融合した展示は11月28日まで。展示品は全て購入可能だ。

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ジュエラー「ブシュロン」から心躍るホリデーキャンペーン ローラやアレクサ・チャン、ルハンが登場

 フランス・パリ発ジュエラー「ブシュロン(BOUCHERON)」は11月8日、“トゥゲザー・アズ・ワン(TOGETHER AS ONE)”をテーマにしたホリデーキャンペーンをスタートする。大切な人と過ごすホリデーを表現するグローバルキャンペーンでは、世界各国から俳優やモデル、インフルエンサーなど7人を起用。「ブシュロン」は1858年の創業以来、自由な精神に基づく革新的なジュエリーを提供してきた。そんなブランドのスピリットを象徴する自身のスタイルを持つキャストばかりだ。

 日本からは、昨年に引き続き、ファッションだけでなく、サステナブルなライフスタイルをプロデュースするなど各分野で活躍するローラ(Rola)が登場。イギリスからは、モデルや作家、ファッションアイコンとして注目を浴びるアレクサ・チャン(Alexa Chung)、中国で俳優や歌手として絶大な人気を誇るルハン(Lu Han)、レバノン出身のモデル兼デジタルインフルエンサーのヌール・アリダ(Nor Arida)、ネットフリックスのドラマ「スイートホーム」で人気上昇中の韓国人女優コ・ユンジョン(Young-Jung Go)が「ブシュロン」のジュエリーを着用したホリデーの装いを披露する。ブランドアンバサダーである、台湾とオーストラリアにルーツを持つ女優であるハンナ・クィンリバン(Hannah Quinlivan)と中国人女優チョウ・ドンユィ (Dongyu Zhou)もキャンペーンに華を添えている。

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ワークマン、既存店の伸びは鈍化 4〜9月期は営業利益14%増

 ワークマンの2021年4〜9月期業績は、チェーン全店売上高が前年同期比8.0%の737億円だった。アウトドアウエアなどを販売する「ワークマンプラス」「#ワークマン女子」の新規出店を引き続き積極的に行ったため、期末店舗数は純増39の924店舗になった。ただ、「ワークマンプラス」の出店を開始した18年以降は既存店売上高の2ケタ増が続いていたかが、当期は同1.7%増に鈍化している。

 営業利益は同13.8%増の126億円、純利益は同8.5%増の79億円だった。円安や中国・東南アジアでの人件費、原材料費、物流費の高騰といった逆風があったものの、コスト管理と増収によって増益を確保した。

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世界最大級のデニム大手イスコが香港の研究機関と締結、混紡生地を大規模リサイクル

 世界最大級のデニム生地メーカー、イスコ(ISKO)が香港の研究機関エイチケーリタ(HKRITA)とのパートナーシップを締結し、エイチケーリタの「グリーンマシーン」とライセンス契約を結んだことを発表した。

 エイチケーリタの「グリーンマシーン」は、従来は難しかったコットンとポリエステルの混紡生地の分解を、効率性の高い水加熱処理法によって行うというもの。水と熱、そして生分解可能なグリーンケミカル(無公害薬品)のみを使用して綿をセルロースパウダーに分解することで、ポリエステル繊維を分離させることができる。3つの原料のみを繰り返して使用するクローズドループで二次汚染を引き起こすこともない。このテクノロジーでのリサイクル素材の生成はポリエステル繊維にダメージを与えないため本来の品質を維持することができ、また有害物質を含まないセルロースパウダーもさまざまな用途に使用可能。「グリーンマシーン」は現在パイロット段階だが、今後関連技術の開発も共同で実施予定だ。

 イスコはまた、リサイクル素材を最低50%以上混合した「イスコ・アールトゥー・フィフティプラス(ISKO R-TWO™ 50+)」テクノロジーも発表。通常の紡糸過程で損失となる約10%の「落ち綿」と呼ばれる綿を再利用し、そこにリサイクルポリエステルをブレンドして生地を織り上げる。同テクノロジーでは二酸化炭素の排出量を最大45%、水の使用量を最大65%削減することができる。

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「アディダス」がショーン・ウェザースプーンとアトモスとのトリプルコラボシューズ

 「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」は、デザイナーやコレクター、ビンテージ愛好家として知られるショーン・ウェザースプーン(Sean Wotherspoon)と、アトモス(ATMOS)とのコラボレーションシューズ(税込2万2000円)を11月10日に発売する。

 トリプルコラボのシューズは“スーパーターフ アドベンチャー(SUPERTURF ADVENTURE)”をベースに、アトモスが別注したカラーで登場。リサイクル素材を使い、ポップなカラーリングと着脱可能なポーチが特徴だ。シューズは、アディダス「CONFIRMEDアプリ」で11月10日17時30分まで抽選販売の応募を受け付けており、アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア 原宿および新宿、アディダス オリジナルスショップ ⼼斎橋でも取り扱う。

 また、ショーン・ウェザースプーンとコラボしたアパレルも11月10日から順次販売する。アウトドアテイストのアノラック(同2万900円)や、カーゴパンツ(同1万2100円)、ベスト(同1万4300円)、リバーシブルTシャツ(同5489円)などをラインアップする。アパレルはアトモスやアディダスの一部直営店で取り扱う。

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就任から半年、ユナイテッドアローズの松崎社長が語る「危機と挑戦」

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS、以下、UA)の松崎善則社長が10月5日、2022年4〜9月期決算説明会に登壇し、コロナ禍での経営動向や今後の重点施策について語った。4月に社長に就任してから半年。セレクトショップの雄と言われた同社が抱く危機感と、相次いで新たな取り組みを立ち上げる狙い―レーベルの立ち上げ:D2Cの「シテン(CITEN)」、インフルエンサーを起用した「マルゥ ユナイテッドアローズ(MARW UNITED ARROWS)」、ヨガを軸としたウィメンズの「トゥー ユナイテッドアローズ(TO UNITED ARROWS)」、商標権を承継したサーフショップ「カリフォルニアジェネラルストア(CALIFORNIA GENERAL STORE)」プライベートサービスデスクの設置―などを自らの言葉で説明。ECのリプレイスメントなど基幹システム構想と並行して、2025年度内に向けたPLM(製品ライフサイクルマネジメント)システムと在庫分析システムの導入によるサプライチェーンのデジタル化も控えている。業績や店舗閉鎖などネガティブな部分がある中で、社員のモチベーションを高め、接客を中心とした品質を高めることで、「お客様の期待に応えること」の重要性にも言及した。質疑応答と含めて、会見の発言をレポートする。

松崎善則社長(以下、松崎):私からは、このハーフターム(中間期で)、今後大事にしていきたい考え方をみなさまに共有させていただきたいと思います。私が4月より社長就任いたしまして、半年強が経過しましたが、今期も引き続いて厳しい状況が続いている部分が多々あって大変ご心配をおかけしていることと存じます。

 改めて、前期からの業績動向を大枠ダイジェストすると、計4回の、延べ11カ月以上に及ぶ緊急事態ということで、ネガティブインパクトが非常に大きかったというところです。

 この資料の通り、コロナが始まった昨年の第1四半期(4〜6月)は、緊急事態によって2カ月間店舗がほぼすべてクローズしたことで売り上げが非常に苦戦しました。第2四半期(7〜9月)は一時的に需要は回復したのですが、第1クオーターの在庫消化を優先したことで利益面が非常に苦しかった。第3四半期(10〜12月)は回復基調がいよいよ見られるかと思われたが、再度秋口から感染が広がって、第4四半期(1〜3月)についても再度緊急事態宣言ということで、いつ(コロナ禍が)開けるかどうかわからない状況下で、在庫の持ち方も施策も含めて、社内全体、右往左往という形で昨期は終えました。

 今期から、ようやく一新してやっていこうと新体制の中で取り組みを進めていますが、4月下旬から再度宣言が発令され、7月以降も第五波ということで、この上半期は想定した回復シナリオには残念ながらもう一歩届かない状況になっております。緊急事態がようやく明け、気温が低下した先月中旬以降から回復が顕著に見られています。足元、11月に入っても回復が想定以上に見られているということで、お客様の動向にも期待が高まっており、準備を進めている状況です。

今期方針は「選択と集中」「新たな挑戦」「経営理念の再浸透」

 今年度のグループ経営方針として、「持続的成長と、未来に向けた大改革~新時代のお客様大満足」を掲げています。文字通りでございますが、この厳しい経営環境におきまして、従来のやり方ではお客さまのご期待、ご支持をいただくのは難しいということで、「大改革なくして持続的成長は果たせない」という危機感を持っての方針です。この方針の下、営業利益生産性計画(一人当たり営業利益計画)の必達、連結粗利益率(50.7%)の必達に向けた施策と、サステナビリティやDXの取り組みを進めている最中でございます。

 大改革というタイトルを進めていくうえで、重要なポイントを3点考えています。一発逆転を狙いたいところなのですが、大改革には不断に継続していくことが非常に重要と考えておりまして、文字づらですとあまり目新しいものではないのですが、一つ目は“選択と集中”です。“選択と集中”によってクオリティを上げるいう部分を挙げています。優先順位の高いものに専念することで強い利益率の体質を構築します。前期から約10%の店舗をクローズする(計画を打ち出し)、今、10%強になる見込みです。店舗やレーベルを閉めることは、少なからずご支持いただいているお客さまを想像すると、大変心苦しくて難しいものではありますが、この下半期も引き続き選択と集中を既存取り組みについては進めてまいることで、強い経営体質を実現していきたいと思います。このためには、何よりもクオリティが重要で、ヒト・モノ・ウツワのすべての領域において活動の質を高めていくことで、“選択と集中”が有意義なものになっていくと考えております。

 まずはこの緊急事態が明けた先月から、店頭にお戻りになるお客様が多数見られています。(過去に築いてきた接客力、おもてなしの心が薄れないように)リアル店舗の接客の質(を上げること)が既存店舗の回復の大きな柱だと考えています。実店舗の強みを取り戻していくことを主軸にこの後半戦は臨んでいきたいと思います。この実店舗の回復によって、今後進めていくOMO(店舗とECの融合)施策、ECのリプレイスなども控えておりますが、この成功につながっていくものと考えています。

 二つ目は、“新たな挑戦”が積極的になされている状態を目指しています。これは“選択と集中”と相関するように捉えられる部分もあるかと思いますが、規模の大小を問わず、“新たな挑戦”を積極的に行い、次の兆しをつくっていくことが、この不透明な不確実な時代においては重要だと考えています。過去の成功パターンに依存せず、スピード感を持ってトライ&エラーを繰り返すことが必要で、時代の動きが転換期に当たる今、大きな施策一つで大逆転を狙うということではなく、先ほどIR広報部長からいくつかの事例を説明させていただきましたが、こうしたものを繰り返していくことで、次の機会を作っていくことを続けてまいります。

 当社はセレクトショップとして先駆的であること、新しいことを提案し続けてくれるであろうことをお客さまから期待されているはずですので、それが当社の優位性を築いてきた原動力の一つでもあるので、“選択と集中”によって得られたものを、新たな価値創造(に向けた“挑戦”)につなげていくことをこの下半期もより強く意識していきたいと思っています。

不安定な時代にこそ、“経営理念の浸透”を重視

 三点目は“経営理念の再浸透”を掲げております。(経営理念:「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。」)。これは社員メンバーのエンゲージメントをより強め、高め、お客様への価値提供が薄れていかないために掲げていることです。当社が事業活動をしていくうえでの絶対的な拠り所が理念だと考えております。この理念によって、ユナイテッドアローズがユナイテッドアローズで居続けていけるわけであって、こういった不安定な中で、社員メンバーが自分たちの存在意義や志、なすべき方向性にゆらぎが出そうなときこそ、“経営理念の浸透”が重要になります。コロナ禍で一旦中断している、とくに出張を伴う店舗の巡回や理念セッションを下半期は再開して、全社員メンバーに私たちが目指すところ、社会に果たしたい価値は何かということを、一緒に考えて、全社一丸となって乗り越えて行きたいと考えています。このコロナ禍に伴って、店舗人員の見直しなどを一部行ってきましたが、私たちが築いてきた強みを喪失しないように、店舗メンバーの士気を維持向上する取り組みを進めてまいります。繰り返しですが、この上半期は想定した回復には及んでおりませんが、申し上げた3点(“選択と集中”“新たな挑戦”“経営理念の再浸透”)を通じて当社は変革を進めており、手ごたえを感じているところ多数感じているところです。


【メディアからの質疑応答】
――他社の新興系SPAやセレクトに比べるとやや回復が遅いように思う。コロナという状況は同じだが、どういったところがUAにとっては難しいのか教えてほしい。

松崎善則社長(以下、松崎):他社比較でちょっと回復が遅いのではないかというご指摘・ご質問ですが、精緻にまだ捉えきれていない部分もあるのですが、一つはお客さまの年齢層の違いがあるなと捉えています。コロナの緊急事態が開ける前から、20代、30代前半の若い方の外出はある中で、われわれが主としている30代、40代の方の動向、外出が非常におとなしかった。もう一つは、従来からですが、ビジネス衣料の回復は見られてきていますが、まだまだコロナ以前に比較するとビジネス衣料の完全な回復には及んでいないという状況です。対応はしていますが、そこがまだ実を結んでいない。そういった点が若干の弱含み担っている点と捉えております。

――10月から始めている富裕層向けサービスの件で。ファッションだけでなく富裕層向けに衣食住を含めて提供していくというが、従来から手がけてきた百貨店も富裕層向けサービスを強化している。UAとしては?

松崎:富裕層向けのプライベートサービスデスクですが、おっしゃるように、以前より百貨店で外商という形はあると思いますけれども、われわれ、今回このコロナにより捉えたのは、ECで年間100万円以上お買い上げになられるお客さまが200人近くいらっしゃる。多いか少ないかといえば、金額だと2億円ぐらいの売上げになり、まだまだ潜在的なものがあると考えています。年間100万円という切り方をしましたが、50万円ぐらいだとまた増えてくるのですが、ECでもかなり年間で購買をいただいているお客さまに対して、何のサポートもできていないねと。全社のDXというところにも絡んでくるのですが、まずはそういったお客さまの特性というか購買について、よりサポートを深めていこうということです。これが百貨店の外商と違う点でいうと、百貨店が抱えていらっしゃる団塊層ではなく、われわれは団塊ジュニア層の購買が顕著でして、新しい形の富裕層というお客さまについては、百貨店には行かれていないお客さまが多いということで、われわれに商機があるのではないだろうかと捉えています。

――サプライチェーンについてお尋ねいたします。東南アジアでコロナの感染拡大で商品に遅れなどが出ている企業が出ている。ユナイテッドアローズは該当されているか。二点目が、人権問題が取り上げられている中で、海外を含めたサプライチェーンの透明化や見直しの考え、今後取り組む予定のものは?

三井俊治IR広報部部長:当社の産業に限らず、ベトナムの感染拡大で工場が止まっていたり、中国で電力の問題で工場が止まっていたり、そういう問題が当社でも影響が出ています。秋冬商品の納期遅れが若干発生しています。ここについては常に状況が変わっているので、どういうキャッチアップができるか検討しながら対応を進めているところです。

松崎:人権問題等も含めて、海外生産の透明性をどう担保していくかということですが、昨今話題の綿の問題に端を発して、当社でも各取引先様、とくに大手商社様を中心に、そこからのさらに下の下請け様などに、基準を満たしているか否かという状況調査を行っています。そこで追える、追えない、トレーサビリティが取れるものと取れないものの種別を行い、取れないものについては代替素材、代替工場等を含めて振り替えていく動きをしていこうと、各ベンダー様と話しをさせていただいている最中です。透明性については、海外、国内問わず、人権問題があってはいけませんし、商品のトレーサビリティはすべて取っいきたいという方向性の下に進めているという状況です。

――“選択と集中”の部分で、上期では2020年3月期末に比べて店舗数が14%減少していて、下期も“選択と集中”を進めていくという話があったが、現時点で具体的にどういった計画があるのか。

松崎:先様、デベロッパーもあることなので詳細の詳細まではお伝えできないのですが、グループ全体を通して、コーエン社の店舗などについて下半期はより進めていこうと思っています。UA社の取り組みについても、非常に厳しいところがいくつか残っていますので、こういったところも見極めていきます。これはある程度、UA社についてはメドがついていますが、あと数店舗。主にはコーエン社について進めていく考えです。

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就任から半年、ユナイテッドアローズの松崎社長が語る「危機と挑戦」

 ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS、以下、UA)の松崎善則社長が10月5日、2022年4〜9月期決算説明会に登壇し、コロナ禍での経営動向や今後の重点施策について語った。4月に社長に就任してから半年。セレクトショップの雄と言われた同社が抱く危機感と、相次いで新たな取り組みを立ち上げる狙い―レーベルの立ち上げ:D2Cの「シテン(CITEN)」、インフルエンサーを起用した「マルゥ ユナイテッドアローズ(MARW UNITED ARROWS)」、ヨガを軸としたウィメンズの「トゥー ユナイテッドアローズ(TO UNITED ARROWS)」、商標権を承継したサーフショップ「カリフォルニアジェネラルストア(CALIFORNIA GENERAL STORE)」プライベートサービスデスクの設置―などを自らの言葉で説明。ECのリプレイスメントなど基幹システム構想と並行して、2025年度内に向けたPLM(製品ライフサイクルマネジメント)システムと在庫分析システムの導入によるサプライチェーンのデジタル化も控えている。業績や店舗閉鎖などネガティブな部分がある中で、社員のモチベーションを高め、接客を中心とした品質を高めることで、「お客様の期待に応えること」の重要性にも言及した。質疑応答と含めて、会見の発言をレポートする。

松崎善則社長(以下、松崎):私からは、このハーフターム(中間期で)、今後大事にしていきたい考え方をみなさまに共有させていただきたいと思います。私が4月より社長就任いたしまして、半年強が経過しましたが、今期も引き続いて厳しい状況が続いている部分が多々あって大変ご心配をおかけしていることと存じます。

 改めて、前期からの業績動向を大枠ダイジェストすると、計4回の、延べ11カ月以上に及ぶ緊急事態ということで、ネガティブインパクトが非常に大きかったというところです。

 この資料の通り、コロナが始まった昨年の第1四半期(4〜6月)は、緊急事態によって2カ月間店舗がほぼすべてクローズしたことで売り上げが非常に苦戦しました。第2四半期(7〜9月)は一時的に需要は回復したのですが、第1クオーターの在庫消化を優先したことで利益面が非常に苦しかった。第3四半期(10〜12月)は回復基調がいよいよ見られるかと思われたが、再度秋口から感染が広がって、第4四半期(1〜3月)についても再度緊急事態宣言ということで、いつ(コロナ禍が)開けるかどうかわからない状況下で、在庫の持ち方も施策も含めて、社内全体、右往左往という形で昨期は終えました。

 今期から、ようやく一新してやっていこうと新体制の中で取り組みを進めていますが、4月下旬から再度宣言が発令され、7月以降も第五波ということで、この上半期は想定した回復シナリオには残念ながらもう一歩届かない状況になっております。緊急事態がようやく明け、気温が低下した先月中旬以降から回復が顕著に見られています。足元、11月に入っても回復が想定以上に見られているということで、お客様の動向にも期待が高まっており、準備を進めている状況です。

今期方針は「選択と集中」「新たな挑戦」「経営理念の再浸透」

 今年度のグループ経営方針として、「持続的成長と、未来に向けた大改革~新時代のお客様大満足」を掲げています。文字通りでございますが、この厳しい経営環境におきまして、従来のやり方ではお客さまのご期待、ご支持をいただくのは難しいということで、「大改革なくして持続的成長は果たせない」という危機感を持っての方針です。この方針の下、営業利益生産性計画(一人当たり営業利益計画)の必達、連結粗利益率(50.7%)の必達に向けた施策と、サステナビリティやDXの取り組みを進めている最中でございます。

 大改革というタイトルを進めていくうえで、重要なポイントを3点考えています。一発逆転を狙いたいところなのですが、大改革には不断に継続していくことが非常に重要と考えておりまして、文字づらですとあまり目新しいものではないのですが、一つ目は“選択と集中”です。“選択と集中”によってクオリティを上げるいう部分を挙げています。優先順位の高いものに専念することで強い利益率の体質を構築します。前期から約10%の店舗をクローズする(計画を打ち出し)、今、10%強になる見込みです。店舗やレーベルを閉めることは、少なからずご支持いただいているお客さまを想像すると、大変心苦しくて難しいものではありますが、この下半期も引き続き選択と集中を既存取り組みについては進めてまいることで、強い経営体質を実現していきたいと思います。このためには、何よりもクオリティが重要で、ヒト・モノ・ウツワのすべての領域において活動の質を高めていくことで、“選択と集中”が有意義なものになっていくと考えております。

 まずはこの緊急事態が明けた先月から、店頭にお戻りになるお客様が多数見られています。(過去に築いてきた接客力、おもてなしの心が薄れないように)リアル店舗の接客の質(を上げること)が既存店舗の回復の大きな柱だと考えています。実店舗の強みを取り戻していくことを主軸にこの後半戦は臨んでいきたいと思います。この実店舗の回復によって、今後進めていくOMO(店舗とECの融合)施策、ECのリプレイスなども控えておりますが、この成功につながっていくものと考えています。

 二つ目は、“新たな挑戦”が積極的になされている状態を目指しています。これは“選択と集中”と相関するように捉えられる部分もあるかと思いますが、規模の大小を問わず、“新たな挑戦”を積極的に行い、次の兆しをつくっていくことが、この不透明な不確実な時代においては重要だと考えています。過去の成功パターンに依存せず、スピード感を持ってトライ&エラーを繰り返すことが必要で、時代の動きが転換期に当たる今、大きな施策一つで大逆転を狙うということではなく、先ほどIR広報部長からいくつかの事例を説明させていただきましたが、こうしたものを繰り返していくことで、次の機会を作っていくことを続けてまいります。

 当社はセレクトショップとして先駆的であること、新しいことを提案し続けてくれるであろうことをお客さまから期待されているはずですので、それが当社の優位性を築いてきた原動力の一つでもあるので、“選択と集中”によって得られたものを、新たな価値創造(に向けた“挑戦”)につなげていくことをこの下半期もより強く意識していきたいと思っています。

不安定な時代にこそ、“経営理念の浸透”を重視

 三点目は“経営理念の再浸透”を掲げております。(経営理念:「真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。」)。これは社員メンバーのエンゲージメントをより強め、高め、お客様への価値提供が薄れていかないために掲げていることです。当社が事業活動をしていくうえでの絶対的な拠り所が理念だと考えております。この理念によって、ユナイテッドアローズがユナイテッドアローズで居続けていけるわけであって、こういった不安定な中で、社員メンバーが自分たちの存在意義や志、なすべき方向性にゆらぎが出そうなときこそ、“経営理念の浸透”が重要になります。コロナ禍で一旦中断している、とくに出張を伴う店舗の巡回や理念セッションを下半期は再開して、全社員メンバーに私たちが目指すところ、社会に果たしたい価値は何かということを、一緒に考えて、全社一丸となって乗り越えて行きたいと考えています。このコロナ禍に伴って、店舗人員の見直しなどを一部行ってきましたが、私たちが築いてきた強みを喪失しないように、店舗メンバーの士気を維持向上する取り組みを進めてまいります。繰り返しですが、この上半期は想定した回復には及んでおりませんが、申し上げた3点(“選択と集中”“新たな挑戦”“経営理念の再浸透”)を通じて当社は変革を進めており、手ごたえを感じているところ多数感じているところです。


【メディアからの質疑応答】
――他社の新興系SPAやセレクトに比べるとやや回復が遅いように思う。コロナという状況は同じだが、どういったところがUAにとっては難しいのか教えてほしい。

松崎善則社長(以下、松崎):他社比較でちょっと回復が遅いのではないかというご指摘・ご質問ですが、精緻にまだ捉えきれていない部分もあるのですが、一つはお客さまの年齢層の違いがあるなと捉えています。コロナの緊急事態が開ける前から、20代、30代前半の若い方の外出はある中で、われわれが主としている30代、40代の方の動向、外出が非常におとなしかった。もう一つは、従来からですが、ビジネス衣料の回復は見られてきていますが、まだまだコロナ以前に比較するとビジネス衣料の完全な回復には及んでいないという状況です。対応はしていますが、そこがまだ実を結んでいない。そういった点が若干の弱含み担っている点と捉えております。

――10月から始めている富裕層向けサービスの件で。ファッションだけでなく富裕層向けに衣食住を含めて提供していくというが、従来から手がけてきた百貨店も富裕層向けサービスを強化している。UAとしては?

松崎:富裕層向けのプライベートサービスデスクですが、おっしゃるように、以前より百貨店で外商という形はあると思いますけれども、われわれ、今回このコロナにより捉えたのは、ECで年間100万円以上お買い上げになられるお客さまが200人近くいらっしゃる。多いか少ないかといえば、金額だと2億円ぐらいの売上げになり、まだまだ潜在的なものがあると考えています。年間100万円という切り方をしましたが、50万円ぐらいだとまた増えてくるのですが、ECでもかなり年間で購買をいただいているお客さまに対して、何のサポートもできていないねと。全社のDXというところにも絡んでくるのですが、まずはそういったお客さまの特性というか購買について、よりサポートを深めていこうということです。これが百貨店の外商と違う点でいうと、百貨店が抱えていらっしゃる団塊層ではなく、われわれは団塊ジュニア層の購買が顕著でして、新しい形の富裕層というお客さまについては、百貨店には行かれていないお客さまが多いということで、われわれに商機があるのではないだろうかと捉えています。

――サプライチェーンについてお尋ねいたします。東南アジアでコロナの感染拡大で商品に遅れなどが出ている企業が出ている。ユナイテッドアローズは該当されているか。二点目が、人権問題が取り上げられている中で、海外を含めたサプライチェーンの透明化や見直しの考え、今後取り組む予定のものは?

三井俊治IR広報部部長:当社の産業に限らず、ベトナムの感染拡大で工場が止まっていたり、中国で電力の問題で工場が止まっていたり、そういう問題が当社でも影響が出ています。秋冬商品の納期遅れが若干発生しています。ここについては常に状況が変わっているので、どういうキャッチアップができるか検討しながら対応を進めているところです。

松崎:人権問題等も含めて、海外生産の透明性をどう担保していくかということですが、昨今話題の綿の問題に端を発して、当社でも各取引先様、とくに大手商社様を中心に、そこからのさらに下の下請け様などに、基準を満たしているか否かという状況調査を行っています。そこで追える、追えない、トレーサビリティが取れるものと取れないものの種別を行い、取れないものについては代替素材、代替工場等を含めて振り替えていく動きをしていこうと、各ベンダー様と話しをさせていただいている最中です。透明性については、海外、国内問わず、人権問題があってはいけませんし、商品のトレーサビリティはすべて取っいきたいという方向性の下に進めているという状況です。

――“選択と集中”の部分で、上期では2020年3月期末に比べて店舗数が14%減少していて、下期も“選択と集中”を進めていくという話があったが、現時点で具体的にどういった計画があるのか。

松崎:先様、デベロッパーもあることなので詳細の詳細まではお伝えできないのですが、グループ全体を通して、コーエン社の店舗などについて下半期はより進めていこうと思っています。UA社の取り組みについても、非常に厳しいところがいくつか残っていますので、こういったところも見極めていきます。これはある程度、UA社についてはメドがついていますが、あと数店舗。主にはコーエン社について進めていく考えです。

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京都における古着店の出店ラッシュは、原宿エリア再浮上のヒントとなるか?

 東京・原宿エリアの空室化が問題となっている。コロナショックを受けてテナントが撤退、その後賃料が下げられるケースもあるが、もともとが破格ということもあり新規入居者が決定していない。一方で、京都のメインストリートの一つ、寺町通(寺町京極商店街)ではこの1年で古着店の出店ラッシュが続いている。この動きは、原宿再浮上のヒントになるのでは?そう仮説を立てて、現地を取材した。

 まず話を聞いたのは、「古着屋ジャム京都四条店」を2021年4月、“低価格(平均価格帯2100円)”や“エコ”を掲げる「ロエコ・バイ・ジャム京都店」を7月に寺町通にオープンしたJAM TRADING(大阪)の福嶋政憲社長だ。

「古着ビジネスは、メインストリートの家賃にも釣り合うものに成長した」

WWD:原宿の空き物件に古着店が続々出店するのでは?との見立てについて、思うところを聞きたい。同じような現象が京都でも(先行して)起きているのではないか?と見ている。

福嶋政憲JAM TRADING社長(以下、福嶋):京都、原宿のみならず、古着についてはどのエリアでも、“今がビジネスチャンス!”と積極的に出店する企業が多い。寺町通のような商店街の場合、老舗もある中での出店なので、これまで異質だった古着店が目立っているということもあると思う。

 古着ビジネスはお客さまを選ぶニッチなものだったが、古着ブームにより購買層が広がり、また彼らへのサステナブルな考え方の浸透もあり、メインストリートの家賃にも釣り合うものに成長した。コロナ禍で新品アパレル店の撤退が続き、大家さんは次のテナントも物販が良いと考えてもなかなか手が上がらず、空室状態が続くことで家賃も下がり、そんな状況の中で古着店も受け入れられ始めた。風当りの変化を感じている。

 とはいえ原宿エリアの家賃はまだまだ高く、すぐに古着店で埋まるとは考えられない。また原宿には、地方や海外からのお客さまも多いので、その点では地域差のあまりない(なくなった)古着店が勝負しづらい一面もある。

WWD:京都のユーザーに、古着はどう受け入れられている?また、そこに東京や大阪との違いはある?

福嶋:京都は学生の街なので、先輩からユニホームや日常着をもらい受ける文化が根付いている。流行りについては今や東京、大阪と変わらないが、比較的おとなしめの色や柄が好まれる傾向がある。

WWD:他県からの進出を嫌う傾向があるとも言われる京都だが、出店のしにくさはあった?

福嶋:なかった。加えて、寺町京極商店街の理事長を務めるセレクトショップ、ロフトマンの村井修平会長から「空きテナントが埋まって良かった。寺町は商売人の通りだから、頑張ってやってください」と言われたことは、とても心強かった。

WWD:古着店が増えることに対して、「街の景観が……」などと危惧する一定層がいると思う。何か対策は?

福嶋:行政や商店街のルールを順守するのはもちろん、極めて基本的はことだが、近隣の皆さんへのあいさつや地域の清掃などを積極的に行い、地域の一員として街づくりに寄与し、認められればと思う。

WWD:次なる出店候補地について聞きたい。

福嶋:京都にはすでに3店舗を構えているので、同エリアでのこれ以上のドミナントは考えていない。東京も原宿にエリア最大規模の古着店を出店したばかりだが、物件との出合い次第では下北沢に出店したい。また札幌、仙台、名古屋でもリサーチを続けている。

 続いて、地元企業を代表してヒューマンフォーラム(京都、岩崎仁志社長)の岩月臣人事業部長に質問をぶつけてみた。同社は、10月に祖業である「スピンズ」(全国に33店舗を展開)の原宿店を業態転換。3割ほどだった古着の扱いを100%にした。さらに、“ユーズドを拡張する進化型古着屋”をうたう「森」を20年12月、大阪・中崎町から京都・新京極(寺町と隣接する通り)に移転している。

「古着は、“シーズンという概念のない唯一のアパレル商材”である」

WWD:古着ブーム、また古着ビジネスの隆盛について、どう感じている?

岩月臣人ヒューマンフォーラム事業部長(以下、岩月):古着は“シーズンという概念のない唯一のアパレル商材”だ。在庫を抱えても、それが目減りすることはない。事業を継続していけるかは別として参入障壁も低く、古物商免許さえ持っていればすぐに始められる。実際、古着ビジネスをスタートする大学生などを目にするようになった。“サステナブルだから”という理由でユーザーが古着を選び、起業する側も同じ理由から古着ビジネスを選択している。

WWD:京都が“おひざもと”であるヒューマンフォーラムは、古着における進出組をどう見ている?

岩月:とてもありがたいと感じている。一点物の集積である古着には宝探し感覚があるが、それが街中に1店舗だけでは、“出掛けよう”というスイッチをONにするのが難しい。一方で、街中に古着店があふれていれば、ユーザーのモチベーションは上昇する。“点”として当社だけが良ければいいのではなく、“面”や“立体”として古着、そして街全体を盛り上げていけたらと思う。

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京都における古着店の出店ラッシュは、原宿エリア再浮上のヒントとなるか?

 東京・原宿エリアの空室化が問題となっている。コロナショックを受けてテナントが撤退、その後賃料が下げられるケースもあるが、もともとが破格ということもあり新規入居者が決定していない。一方で、京都のメインストリートの一つ、寺町通(寺町京極商店街)ではこの1年で古着店の出店ラッシュが続いている。この動きは、原宿再浮上のヒントになるのでは?そう仮説を立てて、現地を取材した。

 まず話を聞いたのは、「古着屋ジャム京都四条店」を2021年4月、“低価格(平均価格帯2100円)”や“エコ”を掲げる「ロエコ・バイ・ジャム京都店」を7月に寺町通にオープンしたJAM TRADING(大阪)の福嶋政憲社長だ。

「古着ビジネスは、メインストリートの家賃にも釣り合うものに成長した」

WWD:原宿の空き物件に古着店が続々出店するのでは?との見立てについて、思うところを聞きたい。同じような現象が京都でも(先行して)起きているのではないか?と見ている。

福嶋政憲JAM TRADING社長(以下、福嶋):京都、原宿のみならず、古着についてはどのエリアでも、“今がビジネスチャンス!”と積極的に出店する企業が多い。寺町通のような商店街の場合、老舗もある中での出店なので、これまで異質だった古着店が目立っているということもあると思う。

 古着ビジネスはお客さまを選ぶニッチなものだったが、古着ブームにより購買層が広がり、また彼らへのサステナブルな考え方の浸透もあり、メインストリートの家賃にも釣り合うものに成長した。コロナ禍で新品アパレル店の撤退が続き、大家さんは次のテナントも物販が良いと考えてもなかなか手が上がらず、空室状態が続くことで家賃も下がり、そんな状況の中で古着店も受け入れられ始めた。風当りの変化を感じている。

 とはいえ原宿エリアの家賃はまだまだ高く、すぐに古着店で埋まるとは考えられない。また原宿には、地方や海外からのお客さまも多いので、その点では地域差のあまりない(なくなった)古着店が勝負しづらい一面もある。

WWD:京都のユーザーに、古着はどう受け入れられている?また、そこに東京や大阪との違いはある?

福嶋:京都は学生の街なので、先輩からユニホームや日常着をもらい受ける文化が根付いている。流行りについては今や東京、大阪と変わらないが、比較的おとなしめの色や柄が好まれる傾向がある。

WWD:他県からの進出を嫌う傾向があるとも言われる京都だが、出店のしにくさはあった?

福嶋:なかった。加えて、寺町京極商店街の理事長を務めるセレクトショップ、ロフトマンの村井修平会長から「空きテナントが埋まって良かった。寺町は商売人の通りだから、頑張ってやってください」と言われたことは、とても心強かった。

WWD:古着店が増えることに対して、「街の景観が……」などと危惧する一定層がいると思う。何か対策は?

福嶋:行政や商店街のルールを順守するのはもちろん、極めて基本的はことだが、近隣の皆さんへのあいさつや地域の清掃などを積極的に行い、地域の一員として街づくりに寄与し、認められればと思う。

WWD:次なる出店候補地について聞きたい。

福嶋:京都にはすでに3店舗を構えているので、同エリアでのこれ以上のドミナントは考えていない。東京も原宿にエリア最大規模の古着店を出店したばかりだが、物件との出合い次第では下北沢に出店したい。また札幌、仙台、名古屋でもリサーチを続けている。

 続いて、地元企業を代表してヒューマンフォーラム(京都、岩崎仁志社長)の岩月臣人事業部長に質問をぶつけてみた。同社は、10月に祖業である「スピンズ」(全国に33店舗を展開)の原宿店を業態転換。3割ほどだった古着の扱いを100%にした。さらに、“ユーズドを拡張する進化型古着屋”をうたう「森」を20年12月、大阪・中崎町から京都・新京極(寺町と隣接する通り)に移転している。

「古着は、“シーズンという概念のない唯一のアパレル商材”である」

WWD:古着ブーム、また古着ビジネスの隆盛について、どう感じている?

岩月臣人ヒューマンフォーラム事業部長(以下、岩月):古着は“シーズンという概念のない唯一のアパレル商材”だ。在庫を抱えても、それが目減りすることはない。事業を継続していけるかは別として参入障壁も低く、古物商免許さえ持っていればすぐに始められる。実際、古着ビジネスをスタートする大学生などを目にするようになった。“サステナブルだから”という理由でユーザーが古着を選び、起業する側も同じ理由から古着ビジネスを選択している。

WWD:京都が“おひざもと”であるヒューマンフォーラムは、古着における進出組をどう見ている?

岩月:とてもありがたいと感じている。一点物の集積である古着には宝探し感覚があるが、それが街中に1店舗だけでは、“出掛けよう”というスイッチをONにするのが難しい。一方で、街中に古着店があふれていれば、ユーザーのモチベーションは上昇する。“点”として当社だけが良ければいいのではなく、“面”や“立体”として古着、そして街全体を盛り上げていけたらと思う。

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京都における古着店の出店ラッシュは、原宿エリア再浮上のヒントとなるか?

 東京・原宿エリアの空室化が問題となっている。コロナショックを受けてテナントが撤退、その後賃料が下げられるケースもあるが、もともとが破格ということもあり新規入居者が決定していない。一方で、京都のメインストリートの一つ、寺町通(寺町京極商店街)ではこの1年で古着店の出店ラッシュが続いている。この動きは、原宿再浮上のヒントになるのでは?そう仮説を立てて、現地を取材した。

 まず話を聞いたのは、「古着屋ジャム京都四条店」を2021年4月、“低価格(平均価格帯2100円)”や“エコ”を掲げる「ロエコ・バイ・ジャム京都店」を7月に寺町通にオープンしたJAM TRADING(大阪)の福嶋政憲社長だ。

「古着ビジネスは、メインストリートの家賃にも釣り合うものに成長した」

WWD:原宿の空き物件に古着店が続々出店するのでは?との見立てについて、思うところを聞きたい。同じような現象が京都でも(先行して)起きているのではないか?と見ている。

福嶋政憲JAM TRADING社長(以下、福嶋):京都、原宿のみならず、古着についてはどのエリアでも、“今がビジネスチャンス!”と積極的に出店する企業が多い。寺町通のような商店街の場合、老舗もある中での出店なので、これまで異質だった古着店が目立っているということもあると思う。

 古着ビジネスはお客さまを選ぶニッチなものだったが、古着ブームにより購買層が広がり、また彼らへのサステナブルな考え方の浸透もあり、メインストリートの家賃にも釣り合うものに成長した。コロナ禍で新品アパレル店の撤退が続き、大家さんは次のテナントも物販が良いと考えてもなかなか手が上がらず、空室状態が続くことで家賃も下がり、そんな状況の中で古着店も受け入れられ始めた。風当りの変化を感じている。

 とはいえ原宿エリアの家賃はまだまだ高く、すぐに古着店で埋まるとは考えられない。また原宿には、地方や海外からのお客さまも多いので、その点では地域差のあまりない(なくなった)古着店が勝負しづらい一面もある。

WWD:京都のユーザーに、古着はどう受け入れられている?また、そこに東京や大阪との違いはある?

福嶋:京都は学生の街なので、先輩からユニホームや日常着をもらい受ける文化が根付いている。流行りについては今や東京、大阪と変わらないが、比較的おとなしめの色や柄が好まれる傾向がある。

WWD:他県からの進出を嫌う傾向があるとも言われる京都だが、出店のしにくさはあった?

福嶋:なかった。加えて、寺町京極商店街の理事長を務めるセレクトショップ、ロフトマンの村井修平会長から「空きテナントが埋まって良かった。寺町は商売人の通りだから、頑張ってやってください」と言われたことは、とても心強かった。

WWD:古着店が増えることに対して、「街の景観が……」などと危惧する一定層がいると思う。何か対策は?

福嶋:行政や商店街のルールを順守するのはもちろん、極めて基本的はことだが、近隣の皆さんへのあいさつや地域の清掃などを積極的に行い、地域の一員として街づくりに寄与し、認められればと思う。

WWD:次なる出店候補地について聞きたい。

福嶋:京都にはすでに3店舗を構えているので、同エリアでのこれ以上のドミナントは考えていない。東京も原宿にエリア最大規模の古着店を出店したばかりだが、物件との出合い次第では下北沢に出店したい。また札幌、仙台、名古屋でもリサーチを続けている。

 続いて、地元企業を代表してヒューマンフォーラム(京都、岩崎仁志社長)の岩月臣人事業部長に質問をぶつけてみた。同社は、10月に祖業である「スピンズ」(全国に33店舗を展開)の原宿店を業態転換。3割ほどだった古着の扱いを100%にした。さらに、“ユーズドを拡張する進化型古着屋”をうたう「森」を20年12月、大阪・中崎町から京都・新京極(寺町と隣接する通り)に移転している。

「古着は、“シーズンという概念のない唯一のアパレル商材”である」

WWD:古着ブーム、また古着ビジネスの隆盛について、どう感じている?

岩月臣人ヒューマンフォーラム事業部長(以下、岩月):古着は“シーズンという概念のない唯一のアパレル商材”だ。在庫を抱えても、それが目減りすることはない。事業を継続していけるかは別として参入障壁も低く、古物商免許さえ持っていればすぐに始められる。実際、古着ビジネスをスタートする大学生などを目にするようになった。“サステナブルだから”という理由でユーザーが古着を選び、起業する側も同じ理由から古着ビジネスを選択している。

WWD:京都が“おひざもと”であるヒューマンフォーラムは、古着における進出組をどう見ている?

岩月:とてもありがたいと感じている。一点物の集積である古着には宝探し感覚があるが、それが街中に1店舗だけでは、“出掛けよう”というスイッチをONにするのが難しい。一方で、街中に古着店があふれていれば、ユーザーのモチベーションは上昇する。“点”として当社だけが良ければいいのではなく、“面”や“立体”として古着、そして街全体を盛り上げていけたらと思う。

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楽天が「本気のアパレルDX」 キーマンの松村亮執行役員に聞く「在庫一元管理とリアル店舗支援」

 楽天グループはこの秋から、アパレル事業者向けに、複数販路における様々なデータを一元管理するデジタルソリューション「楽天ファッション オムニチャネルプラットフォーム(Rakuten Fashion Omni-channel Platform以下、RFOP)」の提供をスタートする。楽天が培ったファッションECサイトや物流フルフィルメントサービス運営の知見に加え、フロー・メイカーズHDやAMS、ダイアモンドヘッドなどの有力な物流、EC支援企業のノウハウを活用し、1年がかりで独自のシステムを構築した同サービスは、在庫一元管理システムを軸に、リアルとECの融合を図る画期的なもの。日本発のインターネット・サービス企業が、本格的に日本のアパレル業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に動き出す。ファッション通販サイト「楽天ファッション(Rakuten Fashion)」を率いる松村亮・楽天執行役員コマースカンパニー ヴァイスプレジデントに直撃した。

WWDJAPAN(以下、WWD):楽天は2019年秋に東コレの冠スポンサー就任以降、ファッションにかなりの投資を行っているように見える。その真意は?

松村亮(以下、松村):ファッションに関して、楽天は本気だ。冠スポンサーとなった「楽天ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO以下、RFWT)」でも「バイアール(by R)」を筆頭に様々なイベントを実施してきたし、「楽天ファッション」のリニューアル、中島敏子・元「ギンザ」編集長をエグゼクティブ ファッション クリエイティブディレクターに迎えた有識者会議、ラグジュアリー&デザイナーズブランドの商品販売を行う「楽天ファッションラグジュアリー(Rakuten Fashion Luxury)」など、積極的な投資を行ってきた。こうした取り組みのベースにあるのは、ビジネスフィールドとしてファッションが非常に魅力的なマーケットであること。日本のアパレル市場は頭打ちと言われるが、市場規模としては9兆〜11兆円と大きい上に、デジタル/ECという側面で見ると成長を続けており、しかもまだその余地は大きい。ほとんどのブランドが自社で運営する公式通販サイト(自社EC)や「楽天ファッション」などのECモールに出店し、その全てが伸びているという状況だ。コロナ禍でリアル店舗の休業や時短営業などを余儀なくされる中で、ECが企業業績も下支えしていた。その一方で、この数年大手企業のトップを始め、才能ある日本のデザイナー、スタイリスト、編集者など、数多くの人たちに会って、実際に議論を交わし、実際にビジネスも行う中で課題も見えてきた。

重要なのは顧客がリアルとEC、
どちらでもストレスなく買えること

WWD:課題とは?

松村:大量生産・大量廃棄やサステナビリティへの対応の遅れなど、ファッション産業全体が抱える課題はすでに多くの識者などが指摘しているが、われわれからすると、それらの大きな原因の一つが、バリューチェーンの中で商品を顧客に対して最適に配置できていないこと。一つのブランドの商品を例にとっても、直営店舗、卸先のセレクトショップ、ブランドの公式ECサイト、多種多彩なファッションECモールなど、販路が多岐に渡っている。消費者は当然、一番買いやすい場所やタッチポイントで購入するが、そうしたニーズに対応するために在庫が散らばってしまう。

WWD:アパレル業界でも、在庫の一元化はかなり前から課題として挙がってきたが。

松村:在庫の一元化は、想像以上に複雑だと捉えている。ECがこの10年で急拡大してきたため、多くのアパレル企業はバックエンドのシステムとロジスティクスがツギハギのようになっている。急成長するECに対応しようとすれば、それ自体はやむを得ないことだ。すでに在庫の一元化などを実現し、かなりの成果を収めている企業も出ているが、それを実行しようとすればかなりの投資も必要になる。「RFOP」の狙いはそこにある。ファッション企業にとって最も重要な資産である在庫を極限まで有効に活用するために、リアル/ECの区分なくできる限り効率的に在庫を運用すること。楽天が、そうした部分を肩代わりするような形で投資し、非常に低コストかつ効率的なシステムを提供したい。

アパレル業界の課題に真正面から取り組む

WWD:アパレル企業からの反応は?

松村:「RFOP」に関しては、楽天ならではのECで培った知見やノウハウに加え、物流支援サービスを提供する大手フロー・メイカーズHDや、EC支援の有力企業であるAMS、ダイアモンドヘッドなどのノウハウを活用し、1年がかりで独自のシステムを構築した。今年1月に発表後、アパレル企業からの関心は高く、実際に問い合わせも多い。ただ、アパレル企業にしても、日々モノとデータを動かしている在庫や物流を現行のやり方やシステムから切り替えるわけだから、システム更新のタイミング、実際の切り替え作業などは、一朝一夕で行えるものではない。それに業務フローのすり合わせなども必要だから、実に泥臭い仕事になる。数年単位でじっくり取り組んでいく。だが、だからこそ取り組み意義は大きい。ここを乗り越えれば、データ連携や在庫連携の基盤が整備され、いよいよリアルとECが融合した新しいコマースの形が見えてくる。楽天経済圏のビッグデータを活用した商品開発や在庫の効率化など、データドリブンな産業モデルへの転換が加速するはずだ。

WWD:今後をどう見る?

松村:この数年、ファッション産業と様々な取り組みを行ってきて、当初は想定していなかった魅力も体感している。それはファッションが文化産業であるということ。RFWTや有識者会議などは、より深く産業を知るために行ってきたことではあるが、実際に取り組みを始めてから、ビジネス的なインパクトだけでなく、楽天グループ全体のブランド価値が上がったことを実感している。これは他の商品カテゴリーではあまりない。大量生産・大量廃棄などのネガティブな面がフォーカスされることもあるが、ITの力でそうした課題を解決することは産業全体の活性化だけでなく、本来ファッションが持つ文化的な価値を取り戻すことにもつながる。そのことも大きな意義だと考えている。

「楽天ファッション
オムニチャネルプラットフォーム(RFOP)」
とは?

 「RFOP」は、在庫の一元管理システムを軸に、フロントでの販売支援からバックエンドでの物流支援まで、オムニチャネル推進に必要なソリューションをパッケージ化して、網羅的かつ安価に提供するサービス。必要なサービスや機能だけを選択したり、組み合わせたりすることも可能で、ユーザーとなるアパレル企業のオムニチャネル施策や戦略、現状に対応する。

 「RFOP」の最大の特徴は、EC面では主要なファッションECサイトと連携可能で、バックエンドの在庫連携に関しても店舗用・EC用の双方をリアルタイムで連携し、一元管理できるようにもなる。リアル店舗に加え、自社EC&全ネット通販モールでの販売と、リアルタイム在庫連携による一元管理が組み合わさることで、一つの在庫を文字通り全チャネルで販売できるようになり、販売機会ロスを極限まで減らすことができる。

 「楽天ファッション」のスケールメリットを生かしたフルフィルメントサービスの活用により、B2B2C倉庫での在庫の一元管理や物流面でのコスト削減も見込める。また、店頭や会員カードなどで「楽天ポイントカード」と連携すれば、ECからリアル店舗への送客なども可能になるほか、効果的なプロモーション施策などを打てるようになる。

問い合わせ先
楽天ファッション オムニチャネル プラットフォーム運営事務局
rakuten-fashion-omni-inquiry@mail.rakuten.com

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「バカラ」から藤原ヒロシがデザインした限定ポケモンコレクションが登場

 フランス発クリスタルブランド「バカラ(BACCARAT)」は11月8日、任天堂のゲームソフト『ポケットモンスター』誕生25周年を記念したポケモンのコレクションを発売する。世界限定25点のピカチュウは藤原ヒロシがデザインを手がけた“ピカチュウ バイ フラグメント デザイン”だ。藤原は、世界の共通語になった“カワイイ”を象徴するピカチュウを再解釈して、「バカラ」独自の職人技を生かして多面体で表現。これらには「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」の稲妻形ロゴが刻印されている。価格は308万年でバカラショップ丸の内で販売する。

 この他にも「バカラ」から、ピカチュウとモンスターボールのオーナメントが登場。ピカチュウは5万5000円、モンスターボールは4万9500円。バカラショップ丸の内とバカラ公式オンラインショップで販売する。

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「バカラ」から藤原ヒロシがデザインした限定ポケモンコレクションが登場

 フランス発クリスタルブランド「バカラ(BACCARAT)」は11月8日、任天堂のゲームソフト『ポケットモンスター』誕生25周年を記念したポケモンのコレクションを発売する。世界限定25点のピカチュウは藤原ヒロシがデザインを手がけた“ピカチュウ バイ フラグメント デザイン”だ。藤原は、世界の共通語になった“カワイイ”を象徴するピカチュウを再解釈して、「バカラ」独自の職人技を生かして多面体で表現。これらには「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」の稲妻形ロゴが刻印されている。価格は308万年でバカラショップ丸の内で販売する。

 この他にも「バカラ」から、ピカチュウとモンスターボールのオーナメントが登場。ピカチュウは5万5000円、モンスターボールは4万9500円。バカラショップ丸の内とバカラ公式オンラインショップで販売する。

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ZOZO 610(武藤貴宣)の喜びあふれるファッション人生^_^ Vol.2学生時代にジュエリーブランドをやっていました

 座右の銘は「鳴かぬなら 笑わせてみせよう ホトトギス」。ZOZOTOWN立ち上げメンバーで、出店ブランドの営業部門を統括する武藤貴宣氏が、ファッションへの愛と明るい未来について、ゆるく語ります。

(前回から続く)
 大学は千葉にあって、今のZOZO本社からもほど近いところに住んでいました。そもそも大学 よりも、東京の洋服屋さんに行きたいという気持ちの方が大きくて上京したので、週末は渋谷の「メイードインワールド(MADE IN WORLD)」や「バックドロップ(BACKDROP)」とかによく行ってました。とはいえ、そんなにお金もなかったんで、父や父の古着好きの後輩から服をもらったりとか。当時は裏原全盛期でしたが、高いし、ちょっと一線を画したくて、アメカジとかアメリカのアウトドアブランドなんかを着ていました。

 アクセサリーももともと好きで、当時「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」がすごく流行ったんです。岐阜の地元から出てきた友達も、みんな洋服が好きで、その中にヒコ・みづのジュエリーカレッジに通ってて、彫金ができるやつがいて。「ちょっと自分たちでもブランドをやりたいね」って、欲しいシルバージュエリーを作って、僕が営業してお店に置いてもらったりしていたんです。大学生ってで、あわよくば「それだけで食っていけたらいいな」みたいなのがあるじゃないですか。就職もしたくないし。そういうのを4、5人でやっていました。

 太陽から噴出する炎を指す「サージプロミネンス」というブランド名で、ホームページまで作って、一応ネットでも売りましたね。全く売れなかったですけど(苦笑)。

 そうこうするうちに、「デビロック(DEVIROCK)」や「エクストララージ(XLARGE)」をネット販売する「イープローズ」というサイトを見つけて。「ネットでこんなふうに売ってるなんて、すごいな。ここに置いてもらいたい」と思って、問い合わせ窓口からコンタクトしたんです。その「イープローズ」を運営していたるのがスタートトゥデイ(現ZOZO)でした。取り扱いは断られましたが、これが前澤(友作)さんとの最初の出会いでした。

 就職した後も僕らはブランドを継続しました。僕は東光オーエーシステムに入社しました。実家にあった「繊研新聞」で広告をたまたま目にしたんです。アパレル業界に特化したパッケージソフトのB to B広告で、ファッションとネット系がつながりそうでいいなと思って決めました。

 働きながら、帰りにマガジンハウスに寄って「サージプロミネンス」の飛び込み営業をしたりしていました。当時「リラックス」の副編集長だった中島敏子さんに気に入ってもらえて、「ヒロシくんは面白がってくれるかもよ」って、藤原ヒロシさんのメールアドレスを教えてもらったり、雑誌「ホットドッグプレス」に載せてもらえたり。でも、就職して1年くらいで自然消滅しました。ブランド作るって本当に大変なんだって思いましたね。ネットで売るのも、相当大変だなと身に染みました。

 東光オーエーシステムは、アパレル専門の基幹システムのバックオフィスを作る会社で、「デビロック」やビーズインターナショナルも含めて千駄ヶ谷アパレルのほとんどを手掛けていました。ネット販売のサポートもしていたので、僕は取引先のデータが全部見られたんです。

 ある日、「そういえば、あの千葉のネットの会社って、どのぐらい売れているんだろう。ビーズインターナショナルのブランドとか扱っていたし」と思って見たら、めちゃくちゃ売れていたんです。「ネットだけなのに、なんでこんなに売れているんだ?」というくらい。

 自分たちでやると全然ネットで売れないのに、スタートトゥデイという会社のサイトでは他と比較にならないくらい売れていて。すごいなと思って、最初にアプローチして1年後ぐらいですかね、またメールしたんです。なんでこんなに売れているのか知りたくて。そしたら、「一回会いましょう」みたいな感じになったんです。それで、幕張のオフィスに行きました。そうしたら、ノートパソコン持った小柄な男性と無愛想な女性が出てきたんです。(続きは11月22日12時にアップします)

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ZOZO 610(武藤貴宣)の喜びあふれるファッション人生^_^ Vol.2学生時代にジュエリーブランドをやっていました

 座右の銘は「鳴かぬなら 笑わせてみせよう ホトトギス」。ZOZOTOWN立ち上げメンバーで、出店ブランドの営業部門を統括する武藤貴宣氏が、ファッションへの愛と明るい未来について、ゆるく語ります。

(前回から続く)
 大学は千葉にあって、今のZOZO本社からもほど近いところに住んでいました。そもそも大学 よりも、東京の洋服屋さんに行きたいという気持ちの方が大きくて上京したので、週末は渋谷の「メイードインワールド(MADE IN WORLD)」や「バックドロップ(BACKDROP)」とかによく行ってました。とはいえ、そんなにお金もなかったんで、父や父の古着好きの後輩から服をもらったりとか。当時は裏原全盛期でしたが、高いし、ちょっと一線を画したくて、アメカジとかアメリカのアウトドアブランドなんかを着ていました。

 アクセサリーももともと好きで、当時「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」がすごく流行ったんです。岐阜の地元から出てきた友達も、みんな洋服が好きで、その中にヒコ・みづのジュエリーカレッジに通ってて、彫金ができるやつがいて。「ちょっと自分たちでもブランドをやりたいね」って、欲しいシルバージュエリーを作って、僕が営業してお店に置いてもらったりしていたんです。大学生ってで、あわよくば「それだけで食っていけたらいいな」みたいなのがあるじゃないですか。就職もしたくないし。そういうのを4、5人でやっていました。

 太陽から噴出する炎を指す「サージプロミネンス」というブランド名で、ホームページまで作って、一応ネットでも売りましたね。全く売れなかったですけど(苦笑)。

 そうこうするうちに、「デビロック(DEVIROCK)」や「エクストララージ(XLARGE)」をネット販売する「イープローズ」というサイトを見つけて。「ネットでこんなふうに売ってるなんて、すごいな。ここに置いてもらいたい」と思って、問い合わせ窓口からコンタクトしたんです。その「イープローズ」を運営していたるのがスタートトゥデイ(現ZOZO)でした。取り扱いは断られましたが、これが前澤(友作)さんとの最初の出会いでした。

 就職した後も僕らはブランドを継続しました。僕は東光オーエーシステムに入社しました。実家にあった「繊研新聞」で広告をたまたま目にしたんです。アパレル業界に特化したパッケージソフトのB to B広告で、ファッションとネット系がつながりそうでいいなと思って決めました。

 働きながら、帰りにマガジンハウスに寄って「サージプロミネンス」の飛び込み営業をしたりしていました。当時「リラックス」の副編集長だった中島敏子さんに気に入ってもらえて、「ヒロシくんは面白がってくれるかもよ」って、藤原ヒロシさんのメールアドレスを教えてもらったり、雑誌「ホットドッグプレス」に載せてもらえたり。でも、就職して1年くらいで自然消滅しました。ブランド作るって本当に大変なんだって思いましたね。ネットで売るのも、相当大変だなと身に染みました。

 東光オーエーシステムは、アパレル専門の基幹システムのバックオフィスを作る会社で、「デビロック」やビーズインターナショナルも含めて千駄ヶ谷アパレルのほとんどを手掛けていました。ネット販売のサポートもしていたので、僕は取引先のデータが全部見られたんです。

 ある日、「そういえば、あの千葉のネットの会社って、どのぐらい売れているんだろう。ビーズインターナショナルのブランドとか扱っていたし」と思って見たら、めちゃくちゃ売れていたんです。「ネットだけなのに、なんでこんなに売れているんだ?」というくらい。

 自分たちでやると全然ネットで売れないのに、スタートトゥデイという会社のサイトでは他と比較にならないくらい売れていて。すごいなと思って、最初にアプローチして1年後ぐらいですかね、またメールしたんです。なんでこんなに売れているのか知りたくて。そしたら、「一回会いましょう」みたいな感じになったんです。それで、幕張のオフィスに行きました。そうしたら、ノートパソコン持った小柄な男性と無愛想な女性が出てきたんです。(続きは11月22日12時にアップします)

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マッシュHD21年8月期は18%の増収 絶好調の「ジェラピケ」「スナイデル」がけん引

 マッシュホールディングスの2021年8月期連結業績は、売上高が前期比18%増の899億円だった。主力のファッション事業が同24%増の680億円とけん引した。基幹ブランドの「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」「スナイデル(SNIDEL)」が、コロナ禍以前の19年8月期と比較しても2ケタ増と絶好調だった。

 ルームウエアの「ジェラート ピケ」は前期比35%増、19年8月期との比較では50%増と、巣ごもり需要を追い風に右肩上がりで業績を伸ばした。一方、華やかな外出着が主力の「スナイデル」も前期比41%増、19年8月期との比較でも15%増と強さを見せた。「上位2ブランドがますます強固な柱になった」と近藤広幸社長は話す。

 好調要因の一つが、コンスタントな話題作りで顧客の購買意欲を喚起し続けたこと。期中に発売したコラボ・EC限定商品の型数は前期の2倍以上にのぼった。「コロナ禍の昨年から試行錯誤してきたSNSの活用術で明確な勝ち筋が見えてきたことも大きい」と近藤広幸社長。

 「セルフォード(CELFORD)」も得意とするオケージョン(入学式や食事会などのイベント)が激減する中、デイリー需要の取り込みに注力したことで22%増で着地した。そのほかの主力ブランドは「エミ(EMMI)」が同47%増、「フレイ アイディー(FRAY ID)」が同3%増、「ミラ オーウェン(MILA OWEN)」が6%減。

 前期比横ばいの160億円となったビューティ事業に関しては悔しさをにじませる。「マスク生活で肌が荒れやすくなったという悩みや、アウトドアシーンで使えるものが欲しいというお客さまのニーズに対して、的を得た商品開発や発信ができてれば伸ばせる余地はまだまだあったはずだ」。

 エリア別の売上高は、国内が同17%増の809億円、海外が同23%増の90億円。出退店数は、国内の純増47(計468店)に対し、海外では不振の香港で退店を進めたため純増4(計143店)にとどまった。

 22年8月期通期の売上高は前期比10%増の990億円を予想。「外出着へのニーズが戻ってきて、売り上げにつながるはず。ビューティも再び成長軌道に乗せなければならない」と今同社長。期中には自社ブランド横断型の新たなECアプリのローンチを計画する。新アプリは、同社のブランドと一部外部のブランドを集めた既存のECモール「ウサギオンライン」と差別化すると同時に「最大のライバルになる」という。

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「セリーヌ」がアーカイブをホワイトで再解釈した新作 渋谷パルコのポップアップで限定&先行発売

 「セリーヌ(CELINE)」は、渋谷パルコ1階にポップアップストアを11月19日〜2022年1月10日にオープンする。パリの凱旋門のチェーンからインスパイアされた“トリオンフモチーフ”のレザーグッズを中心に、アクセサリーや小物などをそろえる。

 ポップアップでは、2021年サマー・コレクションの新色として登場した、ホワイトキャンバスにホワイトトリムを施した“トリオンフ キャンバス ホワイト(TRIOMPHE CANVAS WHITE)”をラインアップする。渋谷パルコ限定商品として“ティーン カバ ド フランス バッグ”(税込23万1000円)のほか、先行商品として“ティーン トリオンフ バッグ”(同36万3000円)、“タブゥ SLG”(同18万7000円)、“スモール ボストン バッグ”(同19万2500円)、“カードホルダー”(同4万1800円)を販売する。

 19年ウインター・コレクションで発表した“トリオンフ キャンバスシリーズ”は、1972年のモノグラムキャンバス素材をアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターのエディ・スリマン(Hedi Slimane)が再解釈したもの。トラベルバッグとして使用されていたコーティングキャンバス素材は、耐久性に優れ、軽量でしなやかな特徴を持つ。

■「セリーヌ」渋谷パルコ ポップアップストア
日程:11月19日〜2022年1月10日
場所:渋谷パルコ1階 POP UP SPACE「The window」
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1

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高島屋ベテラン社員が「靴磨き」に転身 ピカピカにした靴で伝えたいこと

 征矢需さんは高島屋の日本橋店と新宿店の紳士靴 売り場に週4日立ち、持ち込まれた客の靴を磨く。何年も放っていた靴でも、革がよみがえったように輝き出す。これが自分の靴か、信じられない。客は一様に驚く。すると2度、3度と訪れるようになる。その感動を周囲に話し、また新しい客が訪れる。革靴の奥深さを知り、新しい商品も買い求める

 征矢さんは販売員でも靴磨きの専門スタッフでもない。商品を管轄するMD本部に所属し、社内では「靴の征矢」して知られたベテラン社員だ。主に紳士雑貨の商品畑を歩き、全国の店舗の紳士靴の品ぞえを決めるセントラルバイヤーも務めた。英国、イタリア、日本など各国の靴メーカーを相手にタフな商談を手がける一方で、週に1度は売り場で接客して客の声を拾った。そのとき痛感したのは手入れ方法が知られていない現実だった。

 上質な革靴は適切にケアすれば何十年も長持ちする。征矢さんは、32年前の新卒1年目のときに購入した「スタンダード靴」(当時2万6000円で購入)の革靴を現在もきれいに履き続けている。初めて配属された高島屋柏店の売り場で客から「百貨店で靴を販売するなら、もっと良い靴を履くべきだ」と言われた。これをきっかけに、靴の歴史、製法、フィッティング、手入れ方法まで研究を始めた。バイヤーとして国内外の作り手との仕事を重ね、のめり込んでいった。持ち前の探究心で独自の靴磨き方まで確立した。バイヤー時代には独自企画としてメーカーと靴クリームを開発し、ヒットさせたこともある。

 長年革靴を売ってきた身として、革靴のケアが知られていない現状に忸怩たる思いだった。革靴との付き合い方をちょっと変えるだけで、毎日の暮らしは豊かになる。そんな些細な幸せを提供するのが百貨店の役割ではないか。「販売員は売ることに集中してケアまでなかなか対応できない。外部の靴磨きスタッフも込み入った対話までは難しい。靴磨きを入り口に、百貨店のおもてなし全体につなげるコンシェルジュが必要。それは自分にしかできない」。社内企業制度を利用し、専用カウンターを設けて昨年8月から自ら売り場に立った。

 コロナ下の在宅勤務の増加によってドレスシューズは逆境。そんな中でもメディアに紹介されたこともあって、利用者は徐々に増えていった。

 夫婦の来店客に磨いた革靴を渡す。夫は「これは俺の靴ではない」と戸惑う。夫人が「何いっているの。これはあなたの靴でしょ」というと、夫は「え、嘘だろ。こんなにきれいになるの。別物だろ」と驚く。そんな場面を繰り返し見てきた。紳士靴だけでなく婦人靴も磨く。手入れが大変だからといって高級ブランドを買うのを躊躇していた女性客に、「征矢さんに磨いてもらえれば安心だから『エルメス』の靴を買っちゃった」と言われたこともある。

 磨く間、顧客との会話は靴のケアだけにとどまらない。客の仕事のこと、百貨店のおすすめの売り場や催事、趣味のDIYで長話になることもある。「いきつけの喫茶店のマスターみたいな存在になりたい。おおげさにいえば靴磨きや百貨店のサービスを通じて、幸せを感じてほしいんです」

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高島屋ベテラン社員が「靴磨き」に転身 ピカピカにした靴で伝えたいこと

 征矢需さんは高島屋の日本橋店と新宿店の紳士靴 売り場に週4日立ち、持ち込まれた客の靴を磨く。何年も放っていた靴でも、革がよみがえったように輝き出す。これが自分の靴か、信じられない。客は一様に驚く。すると2度、3度と訪れるようになる。その感動を周囲に話し、また新しい客が訪れる。革靴の奥深さを知り、新しい商品も買い求める

 征矢さんは販売員でも靴磨きの専門スタッフでもない。商品を管轄するMD本部に所属し、社内では「靴の征矢」して知られたベテラン社員だ。主に紳士雑貨の商品畑を歩き、全国の店舗の紳士靴の品ぞえを決めるセントラルバイヤーも務めた。英国、イタリア、日本など各国の靴メーカーを相手にタフな商談を手がける一方で、週に1度は売り場で接客して客の声を拾った。そのとき痛感したのは手入れ方法が知られていない現実だった。

 上質な革靴は適切にケアすれば何十年も長持ちする。征矢さんは、32年前の新卒1年目のときに購入した「スタンダード靴」(当時2万6000円で購入)の革靴を現在もきれいに履き続けている。初めて配属された高島屋柏店の売り場で客から「百貨店で靴を販売するなら、もっと良い靴を履くべきだ」と言われた。これをきっかけに、靴の歴史、製法、フィッティング、手入れ方法まで研究を始めた。バイヤーとして国内外の作り手との仕事を重ね、のめり込んでいった。持ち前の探究心で独自の靴磨き方まで確立した。バイヤー時代には独自企画としてメーカーと靴クリームを開発し、ヒットさせたこともある。

 長年革靴を売ってきた身として、革靴のケアが知られていない現状に忸怩たる思いだった。革靴との付き合い方をちょっと変えるだけで、毎日の暮らしは豊かになる。そんな些細な幸せを提供するのが百貨店の役割ではないか。「販売員は売ることに集中してケアまでなかなか対応できない。外部の靴磨きスタッフも込み入った対話までは難しい。靴磨きを入り口に、百貨店のおもてなし全体につなげるコンシェルジュが必要。それは自分にしかできない」。社内企業制度を利用し、専用カウンターを設けて昨年8月から自ら売り場に立った。

 コロナ下の在宅勤務の増加によってドレスシューズは逆境。そんな中でもメディアに紹介されたこともあって、利用者は徐々に増えていった。

 夫婦の来店客に磨いた革靴を渡す。夫は「これは俺の靴ではない」と戸惑う。夫人が「何いっているの。これはあなたの靴でしょ」というと、夫は「え、嘘だろ。こんなにきれいになるの。別物だろ」と驚く。そんな場面を繰り返し見てきた。紳士靴だけでなく婦人靴も磨く。手入れが大変だからといって高級ブランドを買うのを躊躇していた女性客に、「征矢さんに磨いてもらえれば安心だから『エルメス』の靴を買っちゃった」と言われたこともある。

 磨く間、顧客との会話は靴のケアだけにとどまらない。客の仕事のこと、百貨店のおすすめの売り場や催事、趣味のDIYで長話になることもある。「いきつけの喫茶店のマスターみたいな存在になりたい。おおげさにいえば靴磨きや百貨店のサービスを通じて、幸せを感じてほしいんです」

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旧・川中商事のアンドモワが自己破産、350店展開したのに、あわれな末路。なぜそうなった?

 個室居酒屋で鳴らし、一時は350店を展開したアンドモワ(旧・川中商事)が自己破産を申請した。負債総額は80億円。東京商工リサーチによると、ここ数年で飲食業最大という。旧・川中商事は謎の多い会社だったが、調べると数年前から苦境にあったことがわかる。
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ニンニクたっぷり「キラワレ餃子」。嫌われてもいい「勇気」が人気の秘訣!

 尖らせるということは、大多数から敬遠される可能性がある反面、限られた愛好家からは熱烈に支持される可能性を秘めている。ニンニクたっぷり、敢えてマイナス要素を店名にした大阪・福島の「キラワレ餃子」がジワジワと人気だ。オープンから半年も経たずにコロナ禍で大打撃を受けても生き残り、支持されている。
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令和のカリスマ販売員を考える:記者談話室vol.6

 「WWDJAPAN」ポッドキャストの連載「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の専門記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

 第6回は「令和のカリスマ販売員を考える」。「WWDJAPAN」は、11月8号で恒例の「販売員特集」です。デジタル化が進むアパレル販売ですが、現場の販売員が大切であることは変わりありません。いま求められる販売員とはどんな人なのか。ざっくばらんに話し合いました。

【今回のキーワード】
社会現象だった平成のカリスマ販売員/渋谷109の「エゴイスト」/渡辺加奈、森本容子、中根麗子/販売員出身の「クラネ」松本恵奈、「アンスリード」萩原桃子、「アメリ」黒石奈央子/スタッフスタート/共感を得られる人/インスタにも生活感/地方店舗の販売員が天下を獲れる時代/販売員から占い師兼パーソナルスタイリスト/靴磨き/ユナイテッドアローズ販売員の商品知識はすごい/「マウジー」ルミネ立川店のなとりかさん/お目当ての販売員さんを予約/SNS/ライブコマースで光る説得力/コンビニで働きたい/ホテル、バスガイド、CA、看護師

出演者:
林芳樹(はやし・よしき):1972年、千葉県生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て、98年に業界紙の日本繊維新聞社に入社。広告営業を経て編集記者になり、メンズウエア、スポーツウエア、SPAなどを取材する。2009年2月にINFASパブリケーションズに入社。「WWDジャパン」編集部に配属され、主にビジネスニュースを担当する

横山泰明(よこやま・やすあき):1978年生まれ。繊維・ファッション業界紙「日本繊維新聞」の記者を経て、2010年から「WWDジャパン」で記者。合繊メーカー、素材、商社、EC、ファッションビル、ショッピングセンターを担当。東京外国語大学ヒンディー語専攻出身

五十君花実(いそぎみ・はなみ):1983年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、2006年に繊研新聞社に記者として入社。大手アパレル、セレクトショップ、百貨店、デザイナーズブランド、海外コレクションなど一通りの分野を経験した後、2018年3月にINFASパブリケーションズに「WWDジャパン」記者として入社。同年5月からニュースデスク。現在の取材分野はグローバルSPA、ウィメンズアパレル、百貨店など

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