「レブロン」からマスクに付きにくい軽いつけ心地の新クレヨンリップ登場 広告モデルにはローレン・グレイを起用

 「レブロン(REVLON)」は2022年1月17日、カラーステイシリーズから新リップ「レブロン カラーステイ マットライト クレヨン」(全6色、各税込1320円)を発売する。

 同製品は、滑らかな描き心地で自然なマット質感を実現するスリムなクレヨンリップ。マンゴー種子油やシリカを配合したライトインフュージョンコンプレックス処方により、唇に密着しながらマスクに付きにくいさらさらの軽い付け心地をかなえる。香りにはほんのりとしたバニラの香りを採用。

 カラーはシックな表情を演出するショコラブラウンや、落ち着いた華やかさのあるスモーキーローズなど、くすみ系カラーの全6色をラインアップする。

 また、同商品の広告モデルにはSNSで人気のシンガーソングライター、ローレン・グレイを起用。ローレンは2022年1月からブランドの新グローバル・ブランド・パートナーを務めている。

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荻原桃子がコスメブランドを立ち上げ 第一弾はCBDとヒト幹細胞配合の美容液

 マークスタイラーの「アンスリード(UN3D.)」デザイナーの荻原桃子はこのほど、自身がプロデュースする初のコスメブランド「ユーエヌディーオー(UNDO)」を立ち上げ、第1弾商品のエイジングケア美容液(40mL/8800円)を12月17日に発売した。ブランド公式サイトのほか、タレントやインフルエンサーのD2Cブランドを企画・販売するTWELVE(東京、高橋洋介社長)が運営するECモール「トウキョウ コスメティックス(TOKYO COSMETICS)」で取り扱う。

 美容液は、植物由来原料で肌の乾燥を防ぐボタニカルオイルと、エイジングケアに有効な美容成分を配合したセラムウオーターの2層式となる。オイル層は抗炎症作用や抗菌作用が期待できるCBD(カンジナビオール)のほかホホバ種子油、ダイズ油、アーモンド油をブレンド。セラムウオーター層はヒト脂肪細胞順化培養液エキス、ヒト線維芽細胞順化培養液を配合し、肌本来の再生力にアプローチしてシワやたるみ予防に効果を発揮する。

 荻原デザイナーはアパレル業界で販売、企画、バイヤーを経験し、同社に入社。2006年に22歳の若さで「ムルーア(MURUA)」を立ち上げ、9年間にわたりクリエイティブディレクターを務めた。16年、新ブランド「アンスリード」をスタートし、デザイナー兼クリエイティブディレクターに就いている。

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「ルイ・ヴィトン」や「オフ-ホワイト」がリセールサイトで高騰 ヴァージル死去の影響で

 ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が11月28日に死去したことを受け、同氏が創業した「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」や、メンズ・アーティスティック・ディレクターを務めた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などのアイテムがリセールサイトで高騰している。

 スニーカーのオンライン取引所「ストックX(STOCK X)」や「ゴート(GOAT)」、グローバルECモール「イーベイ(eBay)」などでは、2017年に「ナイキ(NIKE)」と「オフ-ホワイト」が発売したコラボスニーカーの“The Ten(ザ・テン)”シリーズの価格が急騰。その中の一足で、“エア ジョーダン 1(AIR JORDAN 1)”を大胆にアレンジしたシカゴカラーのものは、「ストックX」で11月28日には6126ドル(約60万円)だったが、同月30日には8861ドル(約100万円)に達した。これは190ドル(約1万3000円)の小売価格と比べると4460%高となる。同モデルは、「ゴート」でも7150〜1万ドル(約80万〜110万円)で推移している。

 ラグジュアリーブランドの古着やグッズを専門に扱うパリ発のリセールサイト「ヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)」には、ヴァージルが「ルイ・ヴィトン」2019-20年秋冬コレクションのショーへの招待状としてデザインした手袋が出品された。故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)氏にオマージュを捧げた同アイテムは12月1日、1127ドル(約12万7000円)で販売された。

 同コレクションで発表したルックの多くは、ジャクソン氏のドキュメンタリー「リービング・ネバーランド(Leaving Neverland)」を巡る世の情勢を受けて販売に至らなかったこともあり、今回高値での取引につながったと見られている。

 リセールサイトの「グレイルド(GRAILED)」には、ヴァージルが初めて「ルイ・ヴィトン」のデザインを手掛けた2019年春夏コレクションで発表した宇宙飛行士のセーターが1618ドル(約18万2000円)で出品された。商品の概要欄にヴァージル追悼のメッセージを記載する出品者もおり、ファン同士が悲しみを分かち合う場となっていることもあるという。

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「WWDJAPAN 2021下半期ベストコスメ」 フェムテック部門1位は「アルジタル」や「サマーズイブ」

 「WWDJAPAN 2021下半期ベストコスメ」を発表!「WWDJAPAN」は、 百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストア・ECで2021年下半期(5~10月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 百貨店・セミセルフショップ「フェムテック」部門の総合1位は、「アルジタル(ARGITAL)」の“デリケート ハイジーン ソープ”。2位は「アンティームオーガニック(INTIME ORGANIQUE)」の“アンティーム フェミニン ウォッシュ”、3位にも「アンティームオーガニック(INTIME ORGANIQUE)」が入り、“アンティーム ホワイトクリーム”だった。バイヤーは、「これまでデリケートゾーンの悩みを相談できず不安を抱えていたが、雑誌やSNSで取り上げられるようになり需要が顕在化した」との見解を示す。新製品の首位は「アイムラフロリア(I’M LA FLORIA)」“デリケートブライトニングセラム”だった。

 バラエティー・ドラッグストア・EC「フェムテック」部門の総合1位は、「サマーズイブ(SUMMER’S EVE)」の“フェミニンウォッシュ センシティブ”。2位は百貨店・セミセルフショップの総合でも2位をマークした「アンティームオーガニック(INTIME ORGANIQUE)」の“アンティーム フェミニンウォッシュ”、「ヴィーナスラボ(VENUS LAB)」の“フェミナチュール ジャムウクリアナノソープ”、「マプティ(MAPUTI)」の“オーガニックフレグランスホワイトクリーム”が同率だった。「アンティームオーガニック」についてバイヤーは「SNSや雑誌等など露出も広がり、デリケートゾーンケア製品が好調」という。新製品は「イロハ インティメート ケア(IROHA INTIMATE CARE)」が独占。1位の“インティメートウォッシュ フォームタイプ スウィートシトラスの香り”は、「ボディーソープではなく専用ソープを使う人が年々増加。自分と見つめあう時間ができたことで、変化が大きく出たカテゴリー」とコメント。(価格は全て税込)

1位
“デリケートブライトニングセラム”
「アイムラフロリア」

今年9月、これまでのコンセプト“Step to be lovinʼ(自分を愛するための一歩)”に「よりやさしいブランド」を加えて刷新。界面活性剤やシリコンなどの7つのフリーを実現した。グリチルリチン酸ジカリウムやプラセンタエキスのブライトニング成分が明るさを与えるほか、ツボクサエキスなどの処方がデリケートに傾いた肌にみずみずしさをプラスする。【医薬部外品】(30mL、7480円)

TEXT:AKIRA WATANABE

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「WWDJAPAN 2021下半期ベストコスメ」 シャンプー・コンディショナー部門1位は「ロクシタン」や「ハル」 

 「WWDJAPAN 2021下半期ベストコスメ」を発表!「WWDJAPAN」は、 百貨店・セミセルフショップ、バラエティー・ドラッグストア・ECで2021年下半期(5~10月)に売れた製品を調査。この期間に発売された新製品(NEW PRODUCT)のベスト3と、新製品だけでなく既存品を含めた総合(HERO PRODUCT)のベスト3を紹介する。

 百貨店・セミセルフショップ「シャンプー・コンディショナー」部門の総合1位は「ロクシタン(L’OCCITANE)」の“ファイブハーブスリペアリングシャンプー”。「リニューアルによって、洗いあがりが良くなった印象。シリコンフリーなのも支持されている」とバイヤーに評価された。2位は「ラカスタ(LA CASTA)」の“ラカスタヘアソープ35”、3位は「アヴェダ(AVEDA)」の“ニュートリプレニッシュリーブインコンディショナー”という結果だった。

 新製品1位は同じく「ロクシタン(L’OCCITANE)」の“ファイブハーブス リペアリングソリッドシャンプー”となった。「手頃な価格で良い」との声も。2位は「コスメデコルテ(DECORTE)」の“AQ リペア スムース シャンプー”と「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」の“C&Gシャンプー(シトラス&ゼラニウム)”がランクイン。

 バラエティー・ドラッグストア・EC「シャンプー・コンディショナー」部門の総合1位は「ハル(HARU)」の“クロカミ スカルプ”という結果に。2位は「アルジェラン(ARGELAN)」の“モイストグローシャンプー”、「ウルリス(ULULIS)」の“ウォーターコンク モイストシャンプー”、「エイトザタラソ ユー(8 THE THALASSO U)」の“CBD&リフレッシング クレンズ 美容液シャンプー”、「スカルプD」の“スカルプD 薬用スカルプシャンプー ストロングオイリー(超脂性肌用)と4製品がそろった。

 新製品1位は「エイトザタラソ ユー(8 THE THALASSO U)」“CBD&リフレッシング クレンズ 美容液シャンプー”となった。あるバイヤーは「サラサラ、艶髪がかなうシャンプー。香りのよさも人気」と話す。「セラティスバイミクシム(THERATIS BY MIXIM)」や「ヨル(YOLU)」などは、睡眠中にダメージと寝ぐせを防ぐ、寝ている間に髪と頭皮に潤いを与えるといった切り口が支持された。(価格は全て税込)

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テンガが超個性派パフォーマーのぼく脳とコラボ ポップアップストアを開催

 男性向けセックストイ「テンガ(TENGA)」のテンガ(TENGA)が、SNSを中心に活躍するパフォーマーのぼく脳と初めてコラボレーションし、ポップアップストア「LOVE BOKU TENGA」を新宿眼科画廊で12月25~26日に開催する。

 ポップアップストアでは、フロントに“袖を素早く上げ下げして摩擦であったかくなってください”のメッセージが添えられ、袖にはオリジナルバキュームカップをプリントしたロングスリーブTシャツ(税込4500円)とステッカー(同1000円)という、ここでしか手に入らないコラボアイテムを取り扱う。また、ぼく脳が制作した1点モノの「テンガ」作品約20点も展示・販売する。なお、12月26日14時からぼく脳本人による作品解説ツアーを実施し、コラボアイテムの購入者には“パフォーマンスお渡し会”を行うという。

 ぼく脳は、SNSの総フォロワーが約8万のパフォーマー。日常に転がるアイテムを使った独創的なアートセンスが人気で、その才能はファッション面にも発揮され、過去にはラッパーKOHHが手掛けるプロジェクト「ドッグス(Dogs)」ともコラボしている。

■LOVE BOKU TENGA
日程:12月25日(12:00~20:00)、26日(12:00~17:00)
場所:新宿眼科画廊
住所:東京都新宿区新宿 5-18-11
入場料:無料

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繊維商社のヤギがフェムテック製品の提案を強化 フェルマータと協力し「点ではなく面で伝える」

 繊維商社のヤギは、フェムテック商材に特化した新規プロジェクト「レイ(RE:I)」を立ち上げた。12月16〜17日にフェムテック商材を集めた展示会を業界関係者向けに開催し、オリジナルで開発した吸水ショーツや吸水ブラなどのインナー類のほか、ストレスの緩和や不安の軽減に有効と言われるCBD(カンナビジオール)成分を配合したバスソルトやデリケートゾーンのケア商品約20型を披露した。今後卸販売のほか、ODM型で提案し、顧客のオリジナル商品のデザイン・設計・生産も請け負う。なお、CBD関連商材は子会社で展開する。オリジナル商品に加えて、フェムテック商品の輸入代理店のフェルマータ(fermata)の商品も仕入れる。

 同社がフェムテック市場に参入したのは2021年7月。自社のライフスタイルブランド「エイトワール(EITORE)」でオリジナルの吸水ショーツ(税込4290円)を公式ECサイトなどで販売した。フェムテック関連部門の責任者の栗林孝典課長は「顧客であるアパレル企業に、吸水ショーツだけを点で取り扱ってもらうのは難しいと気付いた。今後は(商材のバリエーションを持たせ)面で提案していく。フェルマータと協力して、販売スタッフを対象にフェムテック商材ならではの売り方・接客の仕方をレクチャーする機会などを設ける予定だ」と話す。

 「レイ」で開発した吸水ショーツは、クロッチ部分の保水シートを土手型に重ねた構造が特徴で、フィット感があり、伝え漏れを防ぐ作りになっている。表地は「エイトワール」の吸水ショーツでも使用している滑らかなタッチで伸縮性のあるナイロンを採用した。そのほか、日常的に使用できる蓄熱素材入りの温活ショーツやキャミソール、CBDオイルを特殊加工で練り込んだルームウエアなども開発した。プロジェクト名には、「女性の身体的・心理的ストレスをゼロにしたい」という思いを込めた。

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205人のアスリートの声をもとに開発 吸水ショーツの「ナギ」からスポーツラインが誕生

 吸水ショーツを取り扱うフェムテックブランド「ナギ(NAGI)」は、スポーツライン「ナギ スポーツ(NAGI SPORTS)」を公式オンラインストアで12月20日に発売した。あらゆるスポーツシーンに合わせて使える2タイプの吸水ショーツを取りそろえる。

 「ナギ スポーツ」は、女性の体の悩みや製品選びのこだわりをヒアリングする中でスポーツシーンにおける生理について、多くの人が不満や不安を抱えていることから開発に着手。陸上、サッカー、バレエ、フィギュアスケート、馬術など合計35種目のスポーツで活躍する205人のアスリートの声を取り入れた。約1年半の月日をかけて、試作やヒアリングを重ね、実際のスポーツシーンでも使い心地を検証。運動するすべての女性に満足してもらえる吸水ショーツを目指した。

 “スターダードプラス”(全2色、税込6850円)は、通常の「ナギ」よりもウエストゴムをワイドにして食い込みを抑え、ずれにくく安定感のある仕様に仕上げた。吸水量は約70mLで、吸水部分を背面まで伸ばし、ストレッチや寝転がる動作をしても安心の履き心地だ。吸水速乾、UVカット機能に加え、耐久性に優れたCORDURA(R)ベア天竺生地 を採用。汗によるベタつきを抑え、激しい動きによる生地の擦れやよれも軽減する。

 “ショートパンツ”(全2色、税込8950円)は、ホールド感と動きやすさを両立させたショートパンツタイプ。体の動きに自然とフィットするスポーツに適した4WAYストレッチ素材を採用する。通常の「ナギ」よりも伸縮性とパワーがあり、思い切り自由に動けるのが特徴だ。吸水部分は、ショーツ本体と別にして浮かせたハンモック仕様で身生地の動きによる影響を軽減し、吸水部分がずれにくいように仕上げた。吸水量は約60mL。

 開発に携わったアスリートからは「生理中の不快さが全くなく、悩みの全てから解放させた感覚」や、「生理中は動きが制限されてしまいがちだが、『ナギ スポーツ』を履くと安心してプレーできた」といったコメントが寄せられている。

 「ナギ」は女性向けエンパワーメントメディア「ブラスト(BLAST)」を運営する石井リナが立ち上げたフェムテックブランド。吸水ショーツは、吸水機能、防水機能、防臭機能、制菌効果のある独自の積層構造が特徴で、洗濯することで繰り返し使うことができる。新たに「ナギ スポーツ」のスタンダードプラスとショートパンツが加わり、5タイプに。価格は税込5775〜8950円で、多様なカラーとサイズをそろえている。

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「3.1 フィリップ リム」CEOがサステナビリティにこだわる理由 「トレンドではなく、生き方そのもの」

 ニューヨーク発の「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」は、“長く着られるタイムレスなワードローブ”をポリシーに掲げる。他社と協業した素材開発にも積極的で、国際連合(UN)が支援する、「スワロフスキー(SWAROVSKI)」と、持続可能なファッションを推進するスロー・ファクトリー協会主宰のサステナビリティプロジェクト「ワン×ワン(One×One)」に参画するなど、サステナビリティに真摯に取り組んできた。10月には、「ボルボ・カーズ(Volvo Cars)」が電気自動車の内装用に開発した、レザー風の新素材“ノルディコ(Nordico)”を使った限定バッグを発売。あらゆる業種とタッグを組みながら、地球環境に配慮したブランド経営に挑んでいる。ウェン・ゾウ(Wen Zhou)=3.1 フィリップ リム最高経営責任者(CEO)に、ビジネスやサステナブルなモノづくりについて聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):「ボルボ・カーズ」とコラボレーションした経緯は?

ウェン・ゾウCEO(以下、ゾウCEO):私たちは、サステナビリティをブランドの根底にある価値観として捉え、ビジネスの方法や製品の生産工程など、あらゆる側面から取り組んできた。私とフィリップにとって生き方そのものといえる。今回のコラボレーションについては、「3.1 フィリップ リム」も「ボルボ・カーズ」も、互いにサステナビリティを重視し、植物由来やリサイクルの素材を積極的に使用するなど共通の価値観を持っていたので、自然な形で実現した。

WWD:デザインでこだわった点は?

ゾウCEO:「ボルボ・カーズ」から提案されたのは、サステナブルでありながら機能性にも優れ、魅力的なものを作ること。それは、両社が掲げる顧客像が共有して求める価値観だった。地球を汚さない、それでいて美しい商品こそが究極のラグジュアリーだ。“ノルディコ”は、ペットボトルなどのリサイクル素材や、スウェーデンやフィンランドの持続可能な森林から採取された素材、ワイン産業からリサイクルされたコルクから作られたテキスタイルなどで構成され、自動車産業の厳しい基準とテストをクリアした新素材を用いている。そんな革新的な素材をわれわれの“ウィークエンド・バッグ”に取り入れ、新たな方法でサステナビリティを発信できることにワクワクした。そして、素晴らしいデザインとは、カテゴリーを超えて響くものだということを証明できたと思う。

今必要なのは、立ち止まって互いを支え合うこと

WWD:9月に発表した2022年春夏コレクションでは、6割をサステナブルな素材に切り替えた。これは過去最高の割合?

ゾウCEO:過去最高だ。ここまで到達できたチームとサプライチェーンの功績を誇りに思う。現在もサプライチェーンと共に、新しい糸や原料を模索しながら素材の開発を進めており、サステナブルな取り組みを日々進化させている。大切なのは、見た目が美しいだけではなく、植物由来やリサイクル、再生可能といった素材を選ぶこと。サプライチェーンを含むエコシステム全体で取り組むことが重要だ。既存の価値観やシステムを問い続け、より良質なものを求め続ければ、全員が高いモチベーションで取り組める。

 次のステップは、消費者も同じ熱量を持てるかだ。消費者がお金を少し多く払ってでも、サステナブルなものの良さを分かってくれるかを、ファッションに関わる全ての人々が考える必要がある。

WWD:企業として、サステナビリティに本格的に取り組んだのはいつ?きっかけは?

ゾウCEO:サステナビリティに本腰を入れた時期は、10周年を迎えた2015年。建築家兼アーティストのマヤ・リン(Maya Lin)とコラボレーションした16年春夏コレクションで、600トンのコンポスト(堆肥)を使って、“STOP AND SMELL THE FLOWERS(立ち止まって花を香って)”というサステナブルなメッセージを込めた。従来多くのゴミを出すランウエイだが、ショー後はその堆肥をニューヨーク中の公園や花に返し、カーボンオフセットを実現したショーだった。

 現在、サステナビリティは業界の“バズワード”になっているので、使うのはあまり好きではないし、ビジネスストラテジーにも掲げていない。前述の通り、私たちにとってサステナビリティは生き方そのものであり、自然なものだから。私は仏教の教えのもと、必要以上に浪費しないことを昔から教えられて育ってきた。それはフィリップも同じ。だからこそ、われわれのビジネス経営は倫理的で無駄がなく、独立している。流行りの“サステナビリティ経営”という言葉を使ってトレンドに乗っかり、時流に合わせて経営スタイルを変えたくない。あくまでも自分たちらしい経営で、ビジネスをどう良いものにできるかを常に考えたい。そして、ビジネス的観点からすると、サステナビリティは考えるだけでは足りない。口約束だけではなく、マイルストーンや目標を立てて、責任感を持って取り組む必要がある。

WWD:近年のコレクション発表では、ランウエイではなく招待制の展示会形式をとっている。

ゾウCEO:改めてリセットする必要があると感じたため、ここ数シーズンは店舗で少人数制のプレゼンテーションを開催してきた。特に、現在はパンデミック下で誰もがコロナの影響を受けている。長いロックダウン期間を経て、大々的に派手なランウエイショーをするのは少し違うと感じた。それよりも、今一度自分たちのコミュニティを集めて、“つながり”を大切にしたかった。ランウエイショーは、やろうと思えばいつでもできる。今必要なのは、立ち止まって互いを支え合うことだと感じた。

WWD:インティメイトな空間での展示会では、どのような気付きがあった?

ゾウCEO:やはり近い距離感でつながれて、直接対話できることの大切さを実感した。支援してくれる関係者や友人らと濃い時間を過ごせるし、服もじっくり見ることができる。ランウエイより充実した時間になった。

 今シーズンも、ニューヨークのファッション・ウイークのスケジュールは相変わらず詰まっていた。いろいろなブランドが華やかなファッションショーを開催し、ニューヨークに活気が戻ったことは素晴らしいことだし、実際フィリップもほかのデザイナーを応援するためにファッションショーを訪れていた。われわれは違うアプローチを取ったが、業界を盛り上げて互いをサポートしたい思いは全員同じだ。

“Less(少ない)でBetter(より良い)”な選択を

WWD:以前のインタビューで、「SKU数を50%カットして、素材研究に注力している」と話していたが、新たな取り組みはある?

ゾウCEO: CO2削減目標や認証取得よりも、まずはSKU数を減らすことで主に2つの取り組みを優先している。1つ目は、デザインチームがクリエイティビティを最大限に発揮し、パンデミックの状況下でもモチベーションをキープできるようにしたこと。デザインは、相当な時間とエネルギーを要する。アイテム数を削ったことで、一つ一つのアイテムを作るプロセスを楽しめるようにし、丁寧なモノづくりを促した。またパンデミックで家庭環境やワークライフバランスまでもが激変する中、これまでと同等レベルの仕事量やアウトプットを従業員に求められなかった。

 2つ目は、新たな素材の発見・発掘にリソースを割くこと。アイテム数を減らしたため、サステナビリティ以外のプロジェクトにも時間を割くことができた。フィリップは、科学者やエンジニアとタッグを組んで、プラスチックに替わる素材を共同開発・試作するプロジェクト「ワン×ワン(One x One)」で、100%海藻から作られたカーボンニュートラルなドレスを開発するなど、新たな試みにも挑戦した。「ボルボ・カーズ」との協業もそうだ。

 今後もこういった取り組みをさらに注力していく。クリエイティビティを通して自分たちをインスパイアしながら、新たなサステナブル素材の開発を続けたい。また、ファッション業界内外の企業と意義のあるコラボレーションを続けて、新しいビジネスにも挑んでいきたい。

WWD:環境に配慮した素材を使うと、必然的に商品の価格は上がる。一方で、少しでも安く購入したい消費者も多くいる中、そのバランスをどう図っている?

ゾウCEO:この課題とは常に向き合っている。われわれは、商品価格を注意深く、意識してコントロールしてきた。過去16年間ずっと言い続けてきたことだが、コストだけを優先したモノづくりは実は有益ではない。ローカルから調達すれば世界中に材料を運送する必要がなくなる。必要最低限のサプライヤーと付き合う代わりに、深く密に関わる——こういったことを意識すれば、コストを抑え、消費者に価値ある商品を届けられる。

 私はよく食品業界で例えるのだが、オーガニック食品とそうでない食品がある。私が望むのは、消費者が数あるものの中から“Less(少ない)でBetter(より良い)”な選択をできるようになること。必要以上にものを購入しない代わりに、良質なものを選ぶ。例えば、安いブラウスを2着買う代わりに、長く着続けられる良質なブラウスを1枚買う。サステナブルな生地を用いた、生産者や労働者にきちんとした給料を払えるような、倫理的なブラウスを選んでほしい。いつか皆がそのようなスマートな選択ができるようになることを期待している。

WWD:最後に、「3.1 フィリップ リム」にとってサステナビリティとは?

ゾウCEO:大きな変化につながる小さな行動。毎日取り組める、そして誰もができる、日常的な行動の積み重ねだ。

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「3.1 フィリップ リム」CEOがサステナビリティにこだわる理由 「トレンドではなく、生き方そのもの」

 ニューヨーク発の「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」は、“長く着られるタイムレスなワードローブ”をポリシーに掲げる。他社と協業した素材開発にも積極的で、国際連合(UN)が支援する、「スワロフスキー(SWAROVSKI)」と、持続可能なファッションを推進するスロー・ファクトリー協会主宰のサステナビリティプロジェクト「ワン×ワン(One×One)」に参画するなど、サステナビリティに真摯に取り組んできた。10月には、「ボルボ・カーズ(Volvo Cars)」が電気自動車の内装用に開発した、レザー風の新素材“ノルディコ(Nordico)”を使った限定バッグを発売。あらゆる業種とタッグを組みながら、地球環境に配慮したブランド経営に挑んでいる。ウェン・ゾウ(Wen Zhou)=3.1 フィリップ リム最高経営責任者(CEO)に、ビジネスやサステナブルなモノづくりについて聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):「ボルボ・カーズ」とコラボレーションした経緯は?

ウェン・ゾウCEO(以下、ゾウCEO):私たちは、サステナビリティをブランドの根底にある価値観として捉え、ビジネスの方法や製品の生産工程など、あらゆる側面から取り組んできた。私とフィリップにとって生き方そのものといえる。今回のコラボレーションについては、「3.1 フィリップ リム」も「ボルボ・カーズ」も、互いにサステナビリティを重視し、植物由来やリサイクルの素材を積極的に使用するなど共通の価値観を持っていたので、自然な形で実現した。

WWD:デザインでこだわった点は?

ゾウCEO:「ボルボ・カーズ」から提案されたのは、サステナブルでありながら機能性にも優れ、魅力的なものを作ること。それは、両社が掲げる顧客像が共有して求める価値観だった。地球を汚さない、それでいて美しい商品こそが究極のラグジュアリーだ。“ノルディコ”は、ペットボトルなどのリサイクル素材や、スウェーデンやフィンランドの持続可能な森林から採取された素材、ワイン産業からリサイクルされたコルクから作られたテキスタイルなどで構成され、自動車産業の厳しい基準とテストをクリアした新素材を用いている。そんな革新的な素材をわれわれの“ウィークエンド・バッグ”に取り入れ、新たな方法でサステナビリティを発信できることにワクワクした。そして、素晴らしいデザインとは、カテゴリーを超えて響くものだということを証明できたと思う。

今必要なのは、立ち止まって互いを支え合うこと

WWD:9月に発表した2022年春夏コレクションでは、6割をサステナブルな素材に切り替えた。これは過去最高の割合?

ゾウCEO:過去最高だ。ここまで到達できたチームとサプライチェーンの功績を誇りに思う。現在もサプライチェーンと共に、新しい糸や原料を模索しながら素材の開発を進めており、サステナブルな取り組みを日々進化させている。大切なのは、見た目が美しいだけではなく、植物由来やリサイクル、再生可能といった素材を選ぶこと。サプライチェーンを含むエコシステム全体で取り組むことが重要だ。既存の価値観やシステムを問い続け、より良質なものを求め続ければ、全員が高いモチベーションで取り組める。

 次のステップは、消費者も同じ熱量を持てるかだ。消費者がお金を少し多く払ってでも、サステナブルなものの良さを分かってくれるかを、ファッションに関わる全ての人々が考える必要がある。

WWD:企業として、サステナビリティに本格的に取り組んだのはいつ?きっかけは?

ゾウCEO:サステナビリティに本腰を入れた時期は、10周年を迎えた2015年。建築家兼アーティストのマヤ・リン(Maya Lin)とコラボレーションした16年春夏コレクションで、600トンのコンポスト(堆肥)を使って、“STOP AND SMELL THE FLOWERS(立ち止まって花を香って)”というサステナブルなメッセージを込めた。従来多くのゴミを出すランウエイだが、ショー後はその堆肥をニューヨーク中の公園や花に返し、カーボンオフセットを実現したショーだった。

 現在、サステナビリティは業界の“バズワード”になっているので、使うのはあまり好きではないし、ビジネスストラテジーにも掲げていない。前述の通り、私たちにとってサステナビリティは生き方そのものであり、自然なものだから。私は仏教の教えのもと、必要以上に浪費しないことを昔から教えられて育ってきた。それはフィリップも同じ。だからこそ、われわれのビジネス経営は倫理的で無駄がなく、独立している。流行りの“サステナビリティ経営”という言葉を使ってトレンドに乗っかり、時流に合わせて経営スタイルを変えたくない。あくまでも自分たちらしい経営で、ビジネスをどう良いものにできるかを常に考えたい。そして、ビジネス的観点からすると、サステナビリティは考えるだけでは足りない。口約束だけではなく、マイルストーンや目標を立てて、責任感を持って取り組む必要がある。

WWD:近年のコレクション発表では、ランウエイではなく招待制の展示会形式をとっている。

ゾウCEO:改めてリセットする必要があると感じたため、ここ数シーズンは店舗で少人数制のプレゼンテーションを開催してきた。特に、現在はパンデミック下で誰もがコロナの影響を受けている。長いロックダウン期間を経て、大々的に派手なランウエイショーをするのは少し違うと感じた。それよりも、今一度自分たちのコミュニティを集めて、“つながり”を大切にしたかった。ランウエイショーは、やろうと思えばいつでもできる。今必要なのは、立ち止まって互いを支え合うことだと感じた。

WWD:インティメイトな空間での展示会では、どのような気付きがあった?

ゾウCEO:やはり近い距離感でつながれて、直接対話できることの大切さを実感した。支援してくれる関係者や友人らと濃い時間を過ごせるし、服もじっくり見ることができる。ランウエイより充実した時間になった。

 今シーズンも、ニューヨークのファッション・ウイークのスケジュールは相変わらず詰まっていた。いろいろなブランドが華やかなファッションショーを開催し、ニューヨークに活気が戻ったことは素晴らしいことだし、実際フィリップもほかのデザイナーを応援するためにファッションショーを訪れていた。われわれは違うアプローチを取ったが、業界を盛り上げて互いをサポートしたい思いは全員同じだ。

“Less(少ない)でBetter(より良い)”な選択を

WWD:以前のインタビューで、「SKU数を50%カットして、素材研究に注力している」と話していたが、新たな取り組みはある?

ゾウCEO: CO2削減目標や認証取得よりも、まずはSKU数を減らすことで主に2つの取り組みを優先している。1つ目は、デザインチームがクリエイティビティを最大限に発揮し、パンデミックの状況下でもモチベーションをキープできるようにしたこと。デザインは、相当な時間とエネルギーを要する。アイテム数を削ったことで、一つ一つのアイテムを作るプロセスを楽しめるようにし、丁寧なモノづくりを促した。またパンデミックで家庭環境やワークライフバランスまでもが激変する中、これまでと同等レベルの仕事量やアウトプットを従業員に求められなかった。

 2つ目は、新たな素材の発見・発掘にリソースを割くこと。アイテム数を減らしたため、サステナビリティ以外のプロジェクトにも時間を割くことができた。フィリップは、科学者やエンジニアとタッグを組んで、プラスチックに替わる素材を共同開発・試作するプロジェクト「ワン×ワン(One x One)」で、100%海藻から作られたカーボンニュートラルなドレスを開発するなど、新たな試みにも挑戦した。「ボルボ・カーズ」との協業もそうだ。

 今後もこういった取り組みをさらに注力していく。クリエイティビティを通して自分たちをインスパイアしながら、新たなサステナブル素材の開発を続けたい。また、ファッション業界内外の企業と意義のあるコラボレーションを続けて、新しいビジネスにも挑んでいきたい。

WWD:環境に配慮した素材を使うと、必然的に商品の価格は上がる。一方で、少しでも安く購入したい消費者も多くいる中、そのバランスをどう図っている?

ゾウCEO:この課題とは常に向き合っている。われわれは、商品価格を注意深く、意識してコントロールしてきた。過去16年間ずっと言い続けてきたことだが、コストだけを優先したモノづくりは実は有益ではない。ローカルから調達すれば世界中に材料を運送する必要がなくなる。必要最低限のサプライヤーと付き合う代わりに、深く密に関わる——こういったことを意識すれば、コストを抑え、消費者に価値ある商品を届けられる。

 私はよく食品業界で例えるのだが、オーガニック食品とそうでない食品がある。私が望むのは、消費者が数あるものの中から“Less(少ない)でBetter(より良い)”な選択をできるようになること。必要以上にものを購入しない代わりに、良質なものを選ぶ。例えば、安いブラウスを2着買う代わりに、長く着続けられる良質なブラウスを1枚買う。サステナブルな生地を用いた、生産者や労働者にきちんとした給料を払えるような、倫理的なブラウスを選んでほしい。いつか皆がそのようなスマートな選択ができるようになることを期待している。

WWD:最後に、「3.1 フィリップ リム」にとってサステナビリティとは?

ゾウCEO:大きな変化につながる小さな行動。毎日取り組める、そして誰もができる、日常的な行動の積み重ねだ。

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エストネーションが外部のパーソナルスタイリングサービス「スタイリスト」を導入

  サザビーリーグのエストネーション(ESTNATION)はこのほど、ファッションテックスタートアップのファッションパートナーが手掛けるパーソナルスタイリングサービス「スタイリスト(STYLISTE)」を導入した。

 「スタイリスト」は、アルゴリズムによるスタイル診断やスタイリストのマッチング機能といったITでの課題解決と、専属のプロスタイリストによるアドバイスが受けられるサービス。手持ち服の診断とコーディネート提案、断捨離や整理収納のアドバイスを行う“クローゼットアップデート”と、ショップでの買い足し服やコーディネート提案、着回しアドバイスを行う“ショッピングアテンダント”の2つのサービスを提供する。

 エストネーションでは「スタイリスト」を導入することで、より最適な服の提供やクローゼットの課題解決を目指す。同サービスから予約することで、エストネーション都内各店や自宅でプロのスタイリストによる対面サービスを利用できるほか、エストネーション専用のプロモーションコードを適用することで、購入額に応じたポイント還元などの優待を受けられるようになる。サービス料は税込3万4100円(2時間〜)で、有楽町店、六本木ヒルズ店、二子玉川店、エストネーション セントラルで利用可能だ。

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日本酒「サケハンドレッド」のキャンペーンに村上虹郎が出演

 日本酒事業を手掛けるクリア(Clear)は、日本酒ブランド「サケハンドレッド(SAKE HUNDRED)」のホリデーシーズンキャンペーン「トゥルース(Truth)」に俳優の村上虹郎を起用した。

 「サケハンドレッド」は“心を満たし、人生を彩る”ことを目的に掲げ、味覚だけでなく、心の充足や人と人との関係などによって生まれる体験価値の提供を目指して生まれた。ホリデーキャンペーンでは、長引くコロナ禍で直接伝えきれなかった思いを伝えあってほしいという願いを込めているという。

 キャンペーンのスペシャルサイトでは、村上虹郎が出演するコンセプトフィルムに加え、インタビューフィルム5本を公開した。また12月20日から銀座、渋谷、表参道、六本木で屋外広告・屋外ビジョンも掲出するほか、完売が続いていた商品“百光”の新年度醸造分の販売を開始する。

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業界のトップ経営者ら5人が語る「若手に期待すること」 ルミネ×WWDの次世代応援企画「MOVE ON」

 「WWDJAPAN」はルミネと共に、ファッション&ビューティ業界の次世代を応援するプロジェクト「MOVE ON」をこのたび開始した。「WWDJAPAN」が2017年に立ち上げ、業界の未来を担う人材を讃えてきた企画「NEXT LEADER」も、今年は「MOVE ON」の中で実施。受賞者は22年2月14日号で発表すると共に、3月2日に開催する「Next Generations Forum」にも登壇いただく予定だ。編集部の推薦や公募で募った候補者の中から受賞者を選出するのは、業界のトップ経営者らで構成するアドバイザーたち。今回は業界の中核を担う5人のアドバイザーに、「MOVE ON」や候補者に望むことを聞いた。

※アドバイザーは今後追加発表予定


WWD:「MOVE ON」にどんなことを期待しているか。

佐々木進ジュン社長(以下、佐々木):ビジネスの原動力はクリエイションです。新しい文化や考え方、価値観が生まれた時に、結果として経済はついてくるもの。ただ、現状は文化全般でリバイバルが多いし、何かと何かの掛け合わせであるリミックスが中心です。焼き直しではなく全く新しいものが出てくると、世の中もファッション業界も活性化していくと思います。「MOVE ON」が、そういった新しい価値観が出てくる場になればと期待しています。

近藤広幸マッシュホールディングス社長(以下、近藤):ファッション業界の次世代の話になると、音楽や映画の世界に比べてすごくマニアックだと感じます。業界内では知られていても、世の中は知らないというか。例えば音楽では、宇多田ヒカルさんが出てきたときに曲調にも歌詞にもゾクっとするものがあって、大人も子どもも魅了されました。ハンマーで頭を殴られるような、価値観をドーンと変えるような人がファッションでも出てきたら嬉しいですし、自分や自社も常にそうありたい。現状では、ファッションのクリエイションの部分は一部のマニアのもので、大量生産のブランドだけが大衆とつながっている印象です。消費者と直接つながって、クリエイションや情熱でみんなの心を刺激するような、メジャーな存在感の人に出てきてほしいですね。

山井梨沙スノーピーク社長(以下、山井):私はかつてファッションデザイナーを志し、アウトドア業界に転じました。ファッションは不確定さが面白くて、人の心を動かすモノが出てくる可能性は大いにあると思います。でも、そこにビジネスの商流がついてきていない。マスに向けた大量生産が小売りの支配的な商流としてあり、カルチャーを生み出す可能性のある新進ブランドの影響力はどんどん小さくなっています。D2Cも出てきてはいますが、ビジネスの手法の部分がもっと広がっていけば、業界としてよくなるんじゃないでしょうか。コロナによって従来のやり方にひずみが生じた今だからこそ、誰のために何をどう提供するのが最適かを考えて、新しいことができるはず。服をお客さまに提供すること自体が目的なのではなく、服はあくまで手段です。服によってどんな価値が伝えられるかをもっと掘り下げていくべき。これまで業界は、服自体を目的とする考え方に偏り過ぎていたのではないでしょうか。

齋藤峰明ルミネ顧問(以下、齋藤):ファッションはこれまで消費の最先端を担ってきました。それが行き着くところまで行って、このままでは続けられなくなっていますし、続けていってはいけない。このまま続けていけば地球環境は取り返しがつかないと多くの学者も指摘しています。消費社会を見直し、ファッションの役割や産業のあり方を転換していく必要があります。未来を担う世代の人たちには、われわれ世代がやってきたこと、やっていることを自由にどんどん批判してほしい。それを真摯に受け止めたいし、受け止める体制を業界として作ることが重要だと思っています。

佐々木:イノベーションとは非常識が常識になることですよね。ひょっとしたら、われわれアドバイザーの尺度で良い悪いを判断すること自体が予定調和を招くのかもしれません。「ZOZOTOWN」が始まったときも、服がECで売れるなんて誰も思っていませんでしたが、それを信念でやり通してここまで大きくなった。今までの尺度では測れないような、全然価値観の違うアイデアを持った人が自由に動ける環境を作っていくことが大事だと思っています。「NEXT LEADER」の選出でも、私たちの中で一番反対意見の多かった人が、ひょっとしたら一番可能性があるのかもしれない。そのくらいの発想の転換が必要です。

伊藤純子ルミネプロジェクト戦略部担当部長(以下、伊藤):ルミネの中で長らく業態開発などを担当してきましたが、1を2にするのではなく、0を1にするようなマインドを持った人と組みたいと常に思ってやってきました。商業施設は、1を2にも3にもしていくのが仕事です。だからこそ、0からアイデアを生み出せる人たちのことを本当に尊敬していますし、どうやっても敵わないと強く感じてきました。マーケットの進化やお客さまの気持ちに沿って、新しいものを生み出せる人はまだまだいると信じています。そういう人たちにとってチャンスとなる場がたくさんあってほしい。「MOVE ON」もその一つです。

「たとえダメだと言われてもやる
そうでないと新しいものは生まれない」

WWD:候補者に求める資質や、若い世代に伝えたいことは何か。

近藤:今は若い人にとって大チャンスの時代です。今回アドバイザーを引き受けたのは、今はサブカルチャーがカルチャーに変わる瞬間だから。かつてはクラシック音楽がカルチャーで、ビートルズがサブカルチャーでしたが、今となってはそれが入れ替わっています。同様に、従来はサブカルチャーだったサステナビリティの考え方が、先進国全てがコミットするメインカルチャーになっています。地球環境を無視したブランドはもう認められません。時代がガラっと変わる中では、大企業も駆け出しのブランドもみんな1年生。当社だって、オーガニックコスメなどの事業を始めてからほんの10年ちょっとですから。ココ・シャネルだってそうですよね。彼女は服装で女性を解放しましたが、当時は「女性は家にいるもの」という価値観から、外に出て働くようにカルチャーが変わる瞬間だった。あの時代はデザイナーにとって大チャンスだったわけです。社会的なルールが変わろうとしているとき、やはりファッションがそれをリードしないと絶対いけない。世の中が変わっていくことを後押しするデザインや、そんなデザインのルールを生み出すべきです。サステナビリティが審査基準の全てではないですが、そうした考えが0の人が「NEXT LEADER」にふさわしいとは思わない。大手も若手も関係なく、みんなライバルという時代ですから、候補者から自分にはないアイデアが出てきたら心底悔しいって僕も思いますよ。

山井:ファッションはカウンターカルチャーで時代を作ってきました。時代に反発してやったことが多数派になって、それが流行になっていく。でも、最近はカウンターですらないものが多いです。「このやり方に沿ってやればそこそこ稼げる」という感じのものが中心で、オリジナルが生まれてこない。たとえダメだと言われても振り切ってやるような人じゃないと、新しいものは生まれません。今の若い人は平均的にすごくよくできるんですが、突き抜けるものが見出しづらい。これはファッション業界に限った話ではないですし、教育や幼少期の環境といった部分に根っこがあるのかもしれませんが。

佐々木:“生き方のヒエラルキー”じゃないんだけど、業界の中で有名なトップの人に憧れて仕事を始めた人たちは、必然的にその人の生き方や価値観をなぞって、その枠の中で考えてしまう。だからその人たちからは新しい価値はなかなか出てこないと思うんです。全く新しい枠組みで物事を捉え、ライフスタイル提案からクリエイションまでできる人が必要だと考えます。

齋藤:ファッションは本来何をやってもいいはず。それなのに若者が自由にやらないということは、できる環境ではないんだということです。日本には優秀なクリエイターがたくさんいますが、世の中が多様性と口では言いながら仲間外れにならないようなモノを求めているから、クリエイターは自由にモノを作れない。ファッション業界は、そういう世の中のあり方から変えていかないといけないと思います。

「自分の“好き”を表現すべき
マーケティング先行では続かない」

WWD:自分自身がまだ「NEXT LEADER」世代だったころを振り返って、若い人にメッセージを。

山井:10年ほど前は、自分がファッション業界をよくしたいという思いを相当強く持っていましたね。時代を作ってやるんだと思っていました。

佐々木:仕事を通し世の中をよくしたいという目的はみんな一緒だと思います。その山(目的)に、自分は人とは違う登り方をしたいと思っていました。例えば、当時はインポートブランドの日本での紹介のされ方にすごく違和感を感じていて、それとは違うやり方を模索して、「アー・ペー・セー」との合弁会社を立ち上げたりしました。

近藤:当時は昼も夜もなく働いて、手痛い失敗を繰り返しながら「いつか見ていろ」と思ってやっていました。ファッションが大好きで、やりたいことや表現したいことがあるなら表現すべきです。そうした思いを抜きに、売れるかどうかのマーケティングで始めたようなものは続きませんから。

齋藤:勤め始めて5年間ほどは思うように仕事ができず、自分のクリエイティビティーが略奪されていくような感覚がありました。社会に出たばかりのころはみんな同じように感じるのではないでしょうか。でも、自分のやりたいことがビジネスとして表現できるようになると楽しくなってくる。そのためには勉強も大事です。何も分からない人には仕事を任せられません。

伊藤:元来好奇心旺盛だからというのもありますが、どんなことに対しても難しい、怖いと尻込みせずにやってきました。今考えると、それを支えてくれた大人がとても寛容でしたし、自分は今そういう存在になれているかとは常々考えます。若い皆さんにも、好奇心を大切に挑戦していってほしいですね。


【現在、公募も受け付け中】

「MOVE ON」では、「我こそは、業界の発展に貢献するネクストリーダーだ!」という自薦や、「業界の未来に、あの人は欠かせない」という他薦を募集しています。締め切りは2022年1月10日です。アツい想いやポートフォリオとともに、ぜひエントリーしてください。

問い合わせ先
ルミネ代表電話
03-5334-0550

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業界のトップ経営者ら5人が語る「若手に期待すること」 ルミネ×WWDの次世代応援企画「MOVE ON」

 「WWDJAPAN」はルミネと共に、ファッション&ビューティ業界の次世代を応援するプロジェクト「MOVE ON」をこのたび開始した。「WWDJAPAN」が2017年に立ち上げ、業界の未来を担う人材を讃えてきた企画「NEXT LEADER」も、今年は「MOVE ON」の中で実施。受賞者は22年2月14日号で発表すると共に、3月2日に開催する「Next Generations Forum」にも登壇いただく予定だ。編集部の推薦や公募で募った候補者の中から受賞者を選出するのは、業界のトップ経営者らで構成するアドバイザーたち。今回は業界の中核を担う5人のアドバイザーに、「MOVE ON」や候補者に望むことを聞いた。

※アドバイザーは今後追加発表予定


WWD:「MOVE ON」にどんなことを期待しているか。

佐々木進ジュン社長(以下、佐々木):ビジネスの原動力はクリエイションです。新しい文化や考え方、価値観が生まれた時に、結果として経済はついてくるもの。ただ、現状は文化全般でリバイバルが多いし、何かと何かの掛け合わせであるリミックスが中心です。焼き直しではなく全く新しいものが出てくると、世の中もファッション業界も活性化していくと思います。「MOVE ON」が、そういった新しい価値観が出てくる場になればと期待しています。

近藤広幸マッシュホールディングス社長(以下、近藤):ファッション業界の次世代の話になると、音楽や映画の世界に比べてすごくマニアックだと感じます。業界内では知られていても、世の中は知らないというか。例えば音楽では、宇多田ヒカルさんが出てきたときに曲調にも歌詞にもゾクっとするものがあって、大人も子どもも魅了されました。ハンマーで頭を殴られるような、価値観をドーンと変えるような人がファッションでも出てきたら嬉しいですし、自分や自社も常にそうありたい。現状では、ファッションのクリエイションの部分は一部のマニアのもので、大量生産のブランドだけが大衆とつながっている印象です。消費者と直接つながって、クリエイションや情熱でみんなの心を刺激するような、メジャーな存在感の人に出てきてほしいですね。

山井梨沙スノーピーク社長(以下、山井):私はかつてファッションデザイナーを志し、アウトドア業界に転じました。ファッションは不確定さが面白くて、人の心を動かすモノが出てくる可能性は大いにあると思います。でも、そこにビジネスの商流がついてきていない。マスに向けた大量生産が小売りの支配的な商流としてあり、カルチャーを生み出す可能性のある新進ブランドの影響力はどんどん小さくなっています。D2Cも出てきてはいますが、ビジネスの手法の部分がもっと広がっていけば、業界としてよくなるんじゃないでしょうか。コロナによって従来のやり方にひずみが生じた今だからこそ、誰のために何をどう提供するのが最適かを考えて、新しいことができるはず。服をお客さまに提供すること自体が目的なのではなく、服はあくまで手段です。服によってどんな価値が伝えられるかをもっと掘り下げていくべき。これまで業界は、服自体を目的とする考え方に偏り過ぎていたのではないでしょうか。

齋藤峰明ルミネ顧問(以下、齋藤):ファッションはこれまで消費の最先端を担ってきました。それが行き着くところまで行って、このままでは続けられなくなっていますし、続けていってはいけない。このまま続けていけば地球環境は取り返しがつかないと多くの学者も指摘しています。消費社会を見直し、ファッションの役割や産業のあり方を転換していく必要があります。未来を担う世代の人たちには、われわれ世代がやってきたこと、やっていることを自由にどんどん批判してほしい。それを真摯に受け止めたいし、受け止める体制を業界として作ることが重要だと思っています。

佐々木:イノベーションとは非常識が常識になることですよね。ひょっとしたら、われわれアドバイザーの尺度で良い悪いを判断すること自体が予定調和を招くのかもしれません。「ZOZOTOWN」が始まったときも、服がECで売れるなんて誰も思っていませんでしたが、それを信念でやり通してここまで大きくなった。今までの尺度では測れないような、全然価値観の違うアイデアを持った人が自由に動ける環境を作っていくことが大事だと思っています。「NEXT LEADER」の選出でも、私たちの中で一番反対意見の多かった人が、ひょっとしたら一番可能性があるのかもしれない。そのくらいの発想の転換が必要です。

伊藤純子ルミネプロジェクト戦略部担当部長(以下、伊藤):ルミネの中で長らく業態開発などを担当してきましたが、1を2にするのではなく、0を1にするようなマインドを持った人と組みたいと常に思ってやってきました。商業施設は、1を2にも3にもしていくのが仕事です。だからこそ、0からアイデアを生み出せる人たちのことを本当に尊敬していますし、どうやっても敵わないと強く感じてきました。マーケットの進化やお客さまの気持ちに沿って、新しいものを生み出せる人はまだまだいると信じています。そういう人たちにとってチャンスとなる場がたくさんあってほしい。「MOVE ON」もその一つです。

「たとえダメだと言われてもやる
そうでないと新しいものは生まれない」

WWD:候補者に求める資質や、若い世代に伝えたいことは何か。

近藤:今は若い人にとって大チャンスの時代です。今回アドバイザーを引き受けたのは、今はサブカルチャーがカルチャーに変わる瞬間だから。かつてはクラシック音楽がカルチャーで、ビートルズがサブカルチャーでしたが、今となってはそれが入れ替わっています。同様に、従来はサブカルチャーだったサステナビリティの考え方が、先進国全てがコミットするメインカルチャーになっています。地球環境を無視したブランドはもう認められません。時代がガラっと変わる中では、大企業も駆け出しのブランドもみんな1年生。当社だって、オーガニックコスメなどの事業を始めてからほんの10年ちょっとですから。ココ・シャネルだってそうですよね。彼女は服装で女性を解放しましたが、当時は「女性は家にいるもの」という価値観から、外に出て働くようにカルチャーが変わる瞬間だった。あの時代はデザイナーにとって大チャンスだったわけです。社会的なルールが変わろうとしているとき、やはりファッションがそれをリードしないと絶対いけない。世の中が変わっていくことを後押しするデザインや、そんなデザインのルールを生み出すべきです。サステナビリティが審査基準の全てではないですが、そうした考えが0の人が「NEXT LEADER」にふさわしいとは思わない。大手も若手も関係なく、みんなライバルという時代ですから、候補者から自分にはないアイデアが出てきたら心底悔しいって僕も思いますよ。

山井:ファッションはカウンターカルチャーで時代を作ってきました。時代に反発してやったことが多数派になって、それが流行になっていく。でも、最近はカウンターですらないものが多いです。「このやり方に沿ってやればそこそこ稼げる」という感じのものが中心で、オリジナルが生まれてこない。たとえダメだと言われても振り切ってやるような人じゃないと、新しいものは生まれません。今の若い人は平均的にすごくよくできるんですが、突き抜けるものが見出しづらい。これはファッション業界に限った話ではないですし、教育や幼少期の環境といった部分に根っこがあるのかもしれませんが。

佐々木:“生き方のヒエラルキー”じゃないんだけど、業界の中で有名なトップの人に憧れて仕事を始めた人たちは、必然的にその人の生き方や価値観をなぞって、その枠の中で考えてしまう。だからその人たちからは新しい価値はなかなか出てこないと思うんです。全く新しい枠組みで物事を捉え、ライフスタイル提案からクリエイションまでできる人が必要だと考えます。

齋藤:ファッションは本来何をやってもいいはず。それなのに若者が自由にやらないということは、できる環境ではないんだということです。日本には優秀なクリエイターがたくさんいますが、世の中が多様性と口では言いながら仲間外れにならないようなモノを求めているから、クリエイターは自由にモノを作れない。ファッション業界は、そういう世の中のあり方から変えていかないといけないと思います。

「自分の“好き”を表現すべき
マーケティング先行では続かない」

WWD:自分自身がまだ「NEXT LEADER」世代だったころを振り返って、若い人にメッセージを。

山井:10年ほど前は、自分がファッション業界をよくしたいという思いを相当強く持っていましたね。時代を作ってやるんだと思っていました。

佐々木:仕事を通し世の中をよくしたいという目的はみんな一緒だと思います。その山(目的)に、自分は人とは違う登り方をしたいと思っていました。例えば、当時はインポートブランドの日本での紹介のされ方にすごく違和感を感じていて、それとは違うやり方を模索して、「アー・ペー・セー」との合弁会社を立ち上げたりしました。

近藤:当時は昼も夜もなく働いて、手痛い失敗を繰り返しながら「いつか見ていろ」と思ってやっていました。ファッションが大好きで、やりたいことや表現したいことがあるなら表現すべきです。そうした思いを抜きに、売れるかどうかのマーケティングで始めたようなものは続きませんから。

齋藤:勤め始めて5年間ほどは思うように仕事ができず、自分のクリエイティビティーが略奪されていくような感覚がありました。社会に出たばかりのころはみんな同じように感じるのではないでしょうか。でも、自分のやりたいことがビジネスとして表現できるようになると楽しくなってくる。そのためには勉強も大事です。何も分からない人には仕事を任せられません。

伊藤:元来好奇心旺盛だからというのもありますが、どんなことに対しても難しい、怖いと尻込みせずにやってきました。今考えると、それを支えてくれた大人がとても寛容でしたし、自分は今そういう存在になれているかとは常々考えます。若い皆さんにも、好奇心を大切に挑戦していってほしいですね。


【現在、公募も受け付け中】

「MOVE ON」では、「我こそは、業界の発展に貢献するネクストリーダーだ!」という自薦や、「業界の未来に、あの人は欠かせない」という他薦を募集しています。締め切りは2022年1月10日です。アツい想いやポートフォリオとともに、ぜひエントリーしてください。

問い合わせ先
ルミネ代表電話
03-5334-0550

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ZOZO610(武藤貴宣)の喜び溢れるファッション人生^_^  特別編 憧れの武田邦彦先生に意見をいただきました(前編)

 「ファッション業界がもっと喜び溢れるようになるためにどうしたらいいのか」――ZOZO執行役員の武藤貴宣氏が、敬愛してやまない武田邦彦先生と対談。78歳の科学者ならではの視点で、ファッションおよびファッション業界の課題を指摘してもらった。今回は特別に無料公開でお届けする。(この連載のアーカイブはこちら

武藤:武田先生は、科学や環境問題、政治だけでなく、アートや美術に対してもすごく造詣が深く、さまざまなことをロジカルに科学的な根拠を持って説明されていて、本当に尊敬しています。ファッションやファッション業界についても、こうしたらいいんじゃないかというすごいヒントをいただけるのではないかと思い、今日はお時間をいただきました。

武田:自由に言わせてもらえば、ファッションというのはやはり名前が良くないんでしょうね。カッコつけているのか、英語を使いたいのか、フランスの影響なのか分からないけれど。「俺たちだけでやればいいよ」という態度に見えるんです。ファッション業界自体がそう見えますね。

武藤:いきなりガツンときました!? (笑)

武田:じいさんをモデルとして出してもいいのか。そこが一番、ファッションで問題だと思います。要するにファッションは特別な人のものなんです。日本人が1億2000万人いたら、1000万人ぐらい相手にすればいいやという感じでやっているように見えます。ZOZOさんはそういうのを覆したんでしょうけど。

武藤:僕たちはただ洋服が好きで、やっていたらこうなっていたというのが正直なところです。社員の多くはもともとZOZOTOWNのユーザーで、楽しそうだからと集まってきていて。ただ、今は商品取扱高で年間4100億円ぐらいの規模感でやっているので、当然ですが責任ある立場ですね。

武田:非常にいいモデルだったからこそ、これだけ受け入れられたわけだから。社会的責任がありますよね。

武藤:そうですね。

武田:今日はわざとこういう服を着てきたんです。汚い色。ブランド品ですよ。だけど映えない。なぜこういうふうにしたかというと、私の知るところでは今、アルバイトなどは除いての統計だけれど、20歳から50歳までの30年間の収入の平均というのが、だいたい年間590万円から600万円ぐらいなんです。一方、50歳から80歳の30年間の収入の平均もほぼ一緒で、せいぜい10万円程度違うぐらい。教育費負担を引いたら、可処分所得はお年寄りのほうがずっと高いんです。そして、20歳から50歳までが所有している資産額は平均1300万円。かたや50歳から80歳の資産は平均で4300万円なんです。

 加えて今年、50歳以下の女性と50歳以上の女性の人口が多分、一緒になるんです。男性は少し遅れるんですが。さらに一昨年、一昨々年、50歳を超えた人の平均余命が50年を超えまして。ということは平均100歳。50歳になった人はあと50年生きるということになっています。

 日本には昔から、「隠居」というのがあったんです。余生を基に現役を決めていて、昔は男性の平均寿命が70歳だったから55歳が定年だったわけです。つまり引退後の10年が余暇です。旅行だとかゲートボールだとかに費やして、残りの5年は死ぬ準備。あまり活動できなくなってから死ぬまでの間の年数は正確に測定されていて、統計上は6年なんですけれど、一応5年。それで15年。年金も老人施設や病院の数も旅行会社のプランも全部この余生15年に合っていたのですが、今はもう全然合わないんです。

武藤:なるほど。

武田:そこで最大の問題は、50歳以降をどう生きるかが決まってないということなんです。今までは、結婚して、家を持って、子どもができて、その中で服でも生活でも選んでいくわけです。基本的な概念は誰が作っていたかというと、小説家なんです。皆、小説を読んだりしながら結婚したらどうの、家を持ったらどうの、どこに住んだらどういう生活を送るかのイメージを頭の中に持っていました。そこには、人生の楽しさもある。悲しさもあって、失敗もあるし成功もある。ところが、50歳以上はそのイメージがないんです。

武藤:手本がないということですね。

武田:自分の人生をどう送るかのイメージがないんです。50歳すぎの女性に聞くと、誰もイメージを持っていない。真っ白です。

「ビジネスは必ず幸福とつながっている」

武藤:どうしたらいいのでしょう。

武田:まず必要なのは、小説家に小説を書いてもらうことです。今、50歳から100歳の人が資産4300万円と収入があっても使わないのは、自分が着たい服や住みたい住宅など、欲しいものが分からないんです。もっと言えば、老人には要らないんです。だから、買う意欲ももちろんない。80歳のじいさんに「畳を替えたらどうですか」って言っても、「何言ってんの」って。「俺、もう死ぬばかりだから、そんなの要らないよ」とくるわけです。それが非常に大きな問題です。

 人生そのものの提案、それは企業から見ればビジネスでしょうけれど、僕から見れば老人を幸福にすることなんです。老人が生きている意味がある、そういう社会の像をまず見せる。一刻も早くやるべきです。僕は45歳のときにそれに気が付いたんです。当時は大企業の出世頭で、このままいったら万々歳。ところが、45歳のときに「老婆の一時間」という随筆を書いたんです。

武藤:周りの人がその人を「老婆」扱いするから、その人が「老婆」になってしまう。若いときの1時間も老婆の1時間も価値は一緒だという内容ですよね。

武田:そう。それを書いたときに自分で気が付いて。「なんだ。僕には50歳以上の人生ってないじゃないか。役員になってごますって、定年ちょっと延ばしてもらってゴルフして、旅行に行って死ぬだけだ」って。これ、人生じゃないです。

武藤:ドキ!自分も大丈夫かな(笑)。

武田:それで、50歳でばっと会社を辞めて、60歳から90歳までの30年間を、20歳から50歳までの30年間と全く同じように生活しようと決めたんです。だから今78歳ですけれど、僕は心の中では38歳だと思っているわけです。いつ死ぬか分かりませんよ。死亡の確率は上がってきますから。でも一番の大きな障害は、周りの目なんです。例えば洋服だったら、僕は随分、派手な色の背広を持っています。テレビのときは着ますが、普段は無理ですね。

武藤:「虎ノ門ニュース」で着ていらっしゃった真っ白なスーツ、カッコよかったです。

武田:ところが、そういう格好して街中で友達とご飯を食べようとなんかしたら、あっという間に排斥されちゃう。急にやっては駄目なんです。徐々にやっていかなきゃいけない。ZOZOさんみたいなところや、ファッションをやっているところが徐々に。僕も派手な格好をするときがあります。けれど、それは短時間だけ。あとは、こういう野暮ったいやつを着ているしかない。

武藤:僕個人の意見ですが、70歳ぐらいの人がおしゃれを楽しんだり、カッコよくするというのは、若者からすると、「70歳で!」というレバレッジが利いて、逆にカッコいいですよ。

武田:僕ら78歳のソサエティーというのは、みんな死んでいる世界なんです。お金を持っていても、使う先がない。例えば、市役所に文句を言ってくるのは、50歳以上の男性が多いそうです。それで、四日市の市役所がそういう人たちに、何か話をしてくれと僕に頼んできた。会場に行ったら200人ぐらいの白髪の、60歳から80歳ぐらいのじいさんばっかり。僕はもちろんいろいろ言ったんだけど、「(四日市はすごく洪水が多いから)雨が降ったらわれわれは土のうを担いで川のほうに行こうじゃない。市民はみんな川のほうから引き揚げてくるけど、僕らは川に行こうじゃないか。土のうを積むんだ。足りなければ僕らが寝るんだ。それで、そこで死ぬんだ」って言ったら、みんなわーって笑って。市役所の人が言うには、来るときはみんな下を向いていたけど、帰りはみんな上を向いていたって。つまり、精神的な生きがいとか喜びが必要なんです。まず小説家が書いてくれないと、思いが至らないというか、イメージが湧かないんです。

 それで、悪口言ったらなんだけど、ZOZOTOWNを見たら、全部若者。こっちの資産は4300万円だよと。ビジネスは必ず幸福とつながっていますから。幸福にさえしてあげればみんな買うんです。でも、きっかけがない感じなんです。(次回は2022年1月10日12時にアップ予定です)

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「ザ・​ノース・フェイス パープルレーベル」2022年春夏コレクション

 「ザ・​ノース・フェイス パープルレーベル(THE NORTH FACE PURPLE LABEL)」が2022年春夏コレクションを発表した。

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「ディプティック」からローズをたたえる新作

 「ディプティック(DIPTYQUE)」は2022年1月6日、ローズにオマージュを捧げる“オー ローズ(Eau Rose)コレクション”のオードパルファン(75mL、税込2万3100円)とオードトワレ(100mL、同1万8700円)を発売する。また、限定コレクションとして4つのキャンドルを一部店舗で発売する。

 「ディプティック」と調香師のファブリス・ペルグラン(Fabrice Pellegrin)が手掛けたオードパルファンは、“オー ローズ コレクション”の2種類のローズに加え、アブソリュートとエッセンスを配合し、存在感ある鮮やかな香りに。“エシカル ローズ”と言われる、フィラッド ローズ(Firad Rose)を使用した。

 キャンドルは、みずみずしいローズの存在感あふれる“ローズ(ROSES)”、穏やかで優しいアイリスノートの“リチ(LITCHI)”、ほのかな酸味を感じる“カモミール(CAMOMILLE)”、アロマティックなハチミツのノートが特徴の“アルティショー(ARTICHAUT)”の4つをそろえる。

 さらに、使用後のキャンドルのガラスケースに“第2の人生”を与える「セカンドライフアクセサリーコレクション」として、“ミラーオーバル”(同1万1220円)も発売。ガラスケースの縁にクリップで留めて使用することが可能だ。

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「ディプティック」からローズをたたえる新作

 「ディプティック(DIPTYQUE)」は2022年1月6日、ローズにオマージュを捧げる“オー ローズ(Eau Rose)コレクション”のオードパルファン(75mL、税込2万3100円)とオードトワレ(100mL、同1万8700円)を発売する。また、限定コレクションとして4つのキャンドルを一部店舗で発売する。

 「ディプティック」と調香師のファブリス・ペルグラン(Fabrice Pellegrin)が手掛けたオードパルファンは、“オー ローズ コレクション”の2種類のローズに加え、アブソリュートとエッセンスを配合し、存在感ある鮮やかな香りに。“エシカル ローズ”と言われる、フィラッド ローズ(Firad Rose)を使用した。

 キャンドルは、みずみずしいローズの存在感あふれる“ローズ(ROSES)”、穏やかで優しいアイリスノートの“リチ(LITCHI)”、ほのかな酸味を感じる“カモミール(CAMOMILLE)”、アロマティックなハチミツのノートが特徴の“アルティショー(ARTICHAUT)”の4つをそろえる。

 さらに、使用後のキャンドルのガラスケースに“第2の人生”を与える「セカンドライフアクセサリーコレクション」として、“ミラーオーバル”(同1万1220円)も発売。ガラスケースの縁にクリップで留めて使用することが可能だ。

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オイシーズ、豚と米にこだわる「食堂ぶた」開発。金子半之助、つじ田に続け。

オイシーズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:清宮 としゆき)傘下の株式会社and RICE(アンドライス)(本社:東京都千代田区、代表取締役:平 剛)が、豚肉とご飯にこだわった「食堂ぶた」の1号店を12月18日(土)に東京・武蔵小山でオープンさせる。
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私が選んだ2021年ベスト記事:記者談話室vol.12

「WWDJAPAN」ポッドキャストの連載「記者談話室」は、ファッション業界のその時々のニュースや話題について、3人の専門記者が分かりやすく解説したり、時には脱線したりしながら、掘り下げていきます。

 第12回は「私が選んだ2021年ベスト記事」です。「WWDJAPAN」の21年のニュースを振り返り、3人の記者が特に印象に残った記事をそれぞれの視点で紹介します。取り上げた記事は、下記の「関連記事」から読むことができます。

【今回のキーワード】
インドの綿花農家の自殺問題/トレーサビリティ/中国の新疆綿問題/Z世代の大学生が買ったもの/30代の富裕層の平山美春さん/ヴァージルの死/追悼記事の重要性/緊急事態宣言下での営業めぐるせめぎ合い/小売店のいきどおり/金沢発D2C「ジェンヌ」/なぜ成功したか、ディテールを詳しく/10億円規模のD2Cブランド/頭が大きい人のための帽子ブランド/東日本大震災から10年、岩手の縫製工場の今/泥だらけのミシンからの復興/現場に行くこと

出演者:
林芳樹(はやし・よしき):1972年、千葉県生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て、98年に業界紙の日本繊維新聞社に入社。広告営業を経て編集記者になり、メンズウエア、スポーツウエア、SPAなどを取材する。2009年2月にINFASパブリケーションズに入社。「WWDジャパン」編集部に配属され、主にビジネスニュースを担当する

横山泰明(よこやま・やすあき):1978年生まれ。繊維・ファッション業界紙「日本繊維新聞」の記者を経て、2010年から「WWDジャパン」で記者。合繊メーカー、素材、商社、EC、ファッションビル、ショッピングセンターを担当。東京外国語大学ヒンディー語専攻出身

五十君花実(いそぎみ・はなみ):1983年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、2006年に繊研新聞社に記者として入社。大手アパレル、セレクトショップ、百貨店、デザイナーズブランド、海外コレクションなど一通りの分野を経験した後、2018年3月にINFASパブリケーションズに「WWDジャパン」記者として入社。同年5月からニュースデスク。現在の取材分野はグローバルSPA、ウィメンズアパレル、百貨店など

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