「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエイティブ・ディレクターが退任する。業界関係者の情報により明らかになった。新たなクリエイティブ組織の体制は、近日中に発表される予定だ。
ピッチョーリは98年、「フェンディ(FENDI)」で10年間共に働いてきたマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri、現「ディオール」ウィメンズ・アーティスティック・ディレクター)と共に「ヴァレンティノ」に入社。アクセサリービジネスの活性化に貢献し、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)が引退した07年に2人でアクセサリー部門のクリエイティブ・ディレクターに就任。翌年、2人はブランド全体を監修するクリエイティブ・ディレクターに昇進した。16年7月にキウリが「ディオール(DIOR)」に移籍した後は、ピッチョーリが1人でメゾンのクリエイションを率いてきた。
米「WWD」の取材に対し、同ブランドは声明を発表した。ヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)最高経営責任者(CEO)は「ピエールパオロのクリエイティブ・ディレクターとしての役割、そして彼のビジョン、コミットメント、創造性によってメゾン・ヴァレンティノが今日の地位を築いたことに感謝している」とコメント。ラシード・モハメド・ラシード(Rachid Mohamed Rachid)会長は「メゾン・ヴァレンティノの歴史に重要な一章を刻んでくれたピエールパオロに深く感謝している。過去25年にわたる彼の貢献は、忘れがたい足跡を残すことになるだろう」と述べた。
また、ピッチョーリー=クリエイティブ・ディレクターは、「全ての物語に始まりや終わりがあるわけではなく、影を作らないほど明るく輝く永遠の今を生きるものもある。私はこの会社に25年間在籍し、25年にわたり私そして私たちのものであるこの美しい物語を織りなしてきた人々と共に存在し過ごしてきた。私が出会い、共に働き、夢を分かち合って美を創造した人々、そして、全ての人の属し不変で形あるものを築き上げた人々のおかげで、全ては存在している。この愛と夢と美と人間らしさに満ちた財産を、私は今日も、そして永遠に大切にしていく」とコメント。「私たちが創り出した美とは、世界のあらゆる可能性、特に一人では想像もできなかったような可能性を与えてくれる人生、希望、機会、感謝、そして私の人々、私の心、そして愛。ヴァレンティノさんとジャンカルロ・ジャンメッティ(Giancarlo Giammetti)さんの信頼に感謝し、さまざまな点でこれを可能にしてくれた全ての人々に感謝している。私の旅路と夢を皆と分かち合えて光栄だった」と続けた。
後任に関して、「ヴァレンティノ」のオーナーであるカタールの投資会社メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP)は、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)前「グッチ(GUCCI)」クリエイティブ・ディレクターあるいはキウリを視野に入れているのではないかという憶測が流れている。ただ昨年7月、ケリング(KERING)はメイフーラ・グループとの広範な戦略的パートナーシップの一環として、「ヴァレンティノ」の株式30%を買収。このため、ケリング傘下の「グッチ」を突然去ったミケーレが「ヴァレンティノ」に加わるのは無理があるかもしれない。
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